<射撃ニュース12月>

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(またクマ出没か、市街地で目撃情報:石川)
13日午前11時10分ごろ、「クマのような動物を金沢市大手町の国道交差点付近で目撃した」と、付近に住む50代男性が金沢東署浅野川大橋交番に通報した。金沢東、中署は石川県猟友会金沢支部、市と合同で周辺や近くの金沢城公園などを捜索したが、爪痕や足跡などの痕跡は見つからなかった。目撃情報によると、クマのような動物を見掛けたのは午前5時ごろで、体長1メートルほど。大手町の小池病院駐車場から路上に現れ、金沢城公園の大手堀方向に歩いていったという。県金沢城・兼六園管理事務所は、金沢城公園の大手門に職員2人を配置し、園内を監視した。やぶが多い本丸園地と新丸広場の一部園路での立ち入り規制は継続する。金沢市教委は周辺の16小中、特別支援学校にクマ目撃情報を連絡。現場に近い材木町小では、集団下校の措置を取った。市中心部では、9日未明に幸町の県道で、10日未明に丸の内の尾崎神社でクマの目撃情報があった。尾崎神社のクマは、金沢城公園に逃げ込んだとみられ、県警や県猟友会金沢支部などが捜索したが、見つかっていない。
(神社でクマ目撃:石川)
10日午前2時10分ごろ、金沢市丸の内の尾崎神社境内に体長1メートルほどのクマがいるのを同神社の永井隆宮司(64)が見つけ、110番通報した。石川県猟友会金沢支部が境内でクマの爪痕と足跡などを確認した。県などによると、金沢市街の中心部でクマが確認されたのは過去に例がない。クマは金沢城公園方向に逃げたとみられることから、県は同公園を閉鎖した。猟友会などが未明から捜索に当たったが、見つかっていない。金沢中署などによると、侵入者を感知する境内のセンサーに反応があったため、永井宮司が巡回し、境内入口の鳥居付近から奥の稲荷社の方向に走るクマを目撃。クマは高さ約1メートルの柵を乗り越えて金沢城公園方向に逃げた。足跡や爪痕は本殿裏側、同公園との境界にある高さ約2メートルの塀で見つかった。猟友会の約20人が同公園周辺を探したところ、新丸広場北側の園路に、木の実が混じった直径2センチのクマのふん数個が見つかった。金沢城公園周辺や本多の森、尾山神社周辺などでは金沢中署や県警機動隊、県、市職員ら約50人が捜索や警戒に当たった。周辺11小中学校の登校時間帯には教職員や見守りボランティアが通学路の安全確認を行った。尾崎神社は金沢城公園の北側と隣接している。同公園は安全が確認されるまで閉園される。兼六園は通常通り開園した。猟友会や県警機動隊などは引き続き同園周辺で捜索を続ける。
(中学校にクマ:北海道)
9日朝、苫小牧市内の中学校のグラウンドで子グマとみられるクマ2頭が目撃され学校が対応に追われました。 クマが目撃されたのは苫小牧市の啓明中学校です。現場付近では朝早くからパトロールが行われ警戒が続いています。これまでクマの痕跡などは見つかっていません。
(イノシシの罠に小6男児がかかる:岐阜)
岐阜市御望の御望山で、遊んでいた小学6年の男子児童(12)がイノシシなどを捕獲するわなに誤ってかかり、足に軽いけがをしていたことが10日わかった。岐阜北署などによると、9日午後4時過ぎ、児童が同級生7人と遊んでいて右足がわなに挟まり、抜けなくなったという。わなは金属製ワイヤロープで、先端の輪にイノシシなどが足を入れると締まる。わなを仕掛ける場合、設置者と場所を知らせる表示が法律で義務づけられているが、現場に表示はなく、同署が設置者などを調べている。
(イノシシ飛び出し衝突:京都)
5日午後6時10分ごろ、嵐山町花見台で乗用車がイノシシにぶつかる事故があった。運転者と同乗者にけがはなかったが、車の前部が破損し、イノシシは死んだ。小川署によると、40歳代の男性が乗用車を運転していたところ、急に左から飛び出してきたイノシシに衝突した。
(相次いでクマ目撃:石川)
小松市内で相次いでクマが目撃されました。12日午前7時40分ごろ小松市布橋町の路上で、出勤途中の会社員が、体長1メートルほどのクマを目撃しました。付近には小学校があり、小松市役所や警察がパトロールを強化しました。けが人など、被害の情報はありません。また11日午後10時20分ごろ、小松市中ノ峠町でも、帰宅途中の会社員がクマを目撃しています。なお金沢市の中心部で目撃されたクマは、捜索が打ち切られ、現在、足跡の追跡調査が行われています。しかし今のところ痕跡は見つかっていないということです。
(住宅街にサル、区職員ら見失う:愛知)
七日午後一時十五分ごろ、名古屋市天白区梅が丘の住宅街にサルが現れたのを、近くに住む主婦田中以枝子さん(70)が見つけ、一一〇番した。サルは付近を一時間半ほど徘徊(はいかい)し、南の方へ去った。田中さんの夫、慶一郎さん(72)によると、サルは体長六〇センチほどで、若そうに見えたという。性別は不明でニホンザルとみられる。田中さん宅の隣家の一階屋根に座ったり、庭の金網をつたって移動したりしていた。天白区役所職員や天白署員ら約十人が追跡したが、見失ったという。慶一郎さんは「飼いザルのように、おとなしかった。まさか、こんな住宅街にサルが現れるとは思わなかった」と驚いていた。現場は牧野ケ池緑地(名東区)から南に約五百メートル。
(シカの生息数、10年以内に半減)
環境省は12日、農作物や山林を荒らす被害が問題となっているシカの生息数を、10年以内に半減させる方針を明らかにした。2011年度の全国の推計生息数は325万頭だったが、23年度までに160万頭に減らす。11年度のシカによる農作物被害は83億円で、05年度の39億円に比べて2倍以上になっていた。環境省は来年度以降、都道府県ごとに捕獲目標数を示して対策を促す方針で、生息数調査のため本年度の補正予算案に5億円を盛り込んだ。また狩猟者確保のため、集団で大規模捕獲する業者の認定制度を創設する。
(シカとイノシシ、10年で半減めざす)
農水省と環境省は12日、鹿とイノシシの生息頭数を現在の413万頭から10年後に約210万頭に半減させる捕獲目標を初めて示した。目標達成に向け、農水省は情報通信技術(ICT)などを活用した捕獲技術の高度化や射撃場の整備を促す。環境省は都道府県別の鹿の捕獲目標の試算・提示や鳥獣保護法の見直しによる新制度の導入や規制緩和など取り組みを強める。目標は、自民党の鳥獣捕獲緊急対策議員連盟(大島理森会長)の総会で示した。環境省が捕獲数などを基に、2011年度は鹿が325万頭、イノシシが88万頭生息していると推計。10年後には鹿を約160万頭、イノシシは約50万頭に減らす方針だ。目標は対策の進捗(しんちょく)状況に応じて見直す。政府が決定した「農林水産業・地域の活力創造プラン」に位置付けて推進する。目標の達成のため、農水省は鳥獣被害防止特措法に基づく「鳥獣被害対策実施隊」を現在の674から1000に増やし、捕獲従事者の育成・確保に取り組むとした。さらに処理加工施設の整備推進も掲げた。環境省は、鳥獣保護法の改正でわな猟と網猟の免許取得年齢を現行の20歳から18歳に引き下げることや、夜間の銃による捕獲を可能にする規制緩和を検討している。これを受けて自民党の議連では「猿による被害も大変深刻な問題だ。目標を設定しなければ対策も生まれない。猿の頭数目標も立ててほしい」(長峯誠氏)、「登録料が高過ぎると若い狩猟者が増えない」(小島敏文氏)といった意見が出た。大島会長は議論を踏まえ、関係省庁に猿と狩猟免許の手続き簡素化などについて来年の3月をめどに対策を講じるよう指示した。
(シカとイノシシ、基準超セシウム:栃木)
県は十一日、有害鳥獣駆除のため那須塩原、塩谷両市町で捕獲した野生のシカと、鹿沼、日光両市で捕獲した野生のイノシシから、一般食品の放射性物質の基準値(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)を超える放射性セシウムを検出したと発表した。県自然環境課によると、今月十日に各市町の二十一検体を調べ、シカは最大一五〇ベクレル、イノシシは最大二四〇ベクレルだった。県内の野生鳥獣は二〇一一年十二月に国から出荷制限の指示を受けており、解除されていない。
(福島第一原発敷地内にイノシシの群れ:福島)
福島第一原発周辺の汚染地にイノシシの群れが跋扈し、野生化した家ブタと雑交配を進めている。エサを求めて人里にイノシシが下りて来、非難住民の民家を荒らす事件が既に17件報告されている。NHK報道をイタル・タスが伝えた。現在地元当局は猟師を雇い、イノシシの駆除を開始している。周辺の除染作業に影響が出ることを怖れての処置だ。高い汚染度のため避難を余儀なくされた11自治体のうち5つでイノシシとその合いの子が発見されている。日本環境省の調べでは、この動物たちは森林のイノシシよりも繁殖力が旺盛で、頭数は著しく増大している。
(電車がシカと衝突、応急処置し運転再開:鳥取)
4日午後8時40分頃、鳥取市百谷のJR山陰線で走行中の鳥取発浜坂行き快速列車(1両)が線路内に入ってきたシカと衝突。衝撃で車体下部にある配管が損傷して空気が漏れ、ブレーキがかかった状態で立ち往生した。損傷部を木栓でふさぐ応急処置をして、列車は2時間30分後に運転を再開した。乗員、乗客計27人にけがはなかったが、JR西日本米子支社によると、同列車を含む4本が部分運休、特急「はまかぜ」など3本が最大で1時間37分遅れ、100人に影響した。
(国立公園にイノシシ出没:長崎)
長崎県佐世保市でイノシシが出没。茂みから出てきた一頭のイノシシ。よほどお腹がすいているのでしょうか、観光客がいても全く気にするそぶりなく、歩き回っています。そして、人間がいた場所には何か落ちていると思ったのでしょうか、ベンチの周りを入念にチェック。しかし、何も発見できないまま、再び茂みへと入って行きました。長崎県内では昨年度だけで3万5000頭ものイノシシが捕獲され、農作物などの被害額は3億円以上に上っています。イノシシは今が発情期、普段より攻撃的になっているということで、佐世保市は近づいたり刺激しないよう呼びかけています。
(野生のニホンザル、知多半島縦断:愛知)
野生のニホンザルとみられるサルが、知多半島各地で相次いで目撃されている。十二、十三日には半島南端の南知多町に出没した。野生のサルの捕獲は鳥獣保護法で原則禁止され、人に危害を加えたり、農作物などを荒らしたりしない限り手を出せない。県によると、これまで被害などは確認されていないが、県や市町は住民らに注意を呼び掛けながら、元いた山に戻るのを願っている。同一とみられるサルは体長五〇センチほど。サルの生息域ではない知多半島では九日に大府市と東浦町、十一日に常滑市、十二日に美浜町、南知多町でそれぞれ目撃された。十三日は、朝方に南知多町師崎の寺近くの空き地で、木になっている柿をもぎ取っているところが目撃されたのをはじめ、国道やコンビニ、民家二階のベランダなどにいるのを住民らが見つけ、町に次々と情報が寄せられた。一連の目撃情報は今月四日、春日井市であり、五~九日には名古屋市内の各地でも相次いでいるため、同じサルが南下しているとみられる。日本モンキーセンターの加藤章園長は「野生のニホンザルは一日二十~三十キロ移動することもある。目撃されているサルは同じ可能性も、別の可能性もある」と話す。本来は群れで暮らすといい、「九~十一月の発情期に群れを離れて雌を探す雄はいるが、今回はそうしたことではないだろう。里に餌を求めて来る場合も単独では来ない。いざこざがあって、群れから離れた可能性はある」と分析する。南知多町産業振興課の担当者は「脅かさない、餌を与えないなどを徹底してほしい」と住民らに呼び掛けている。
(サル、常滑を縦断?:愛知)
常滑市内で十一日朝から夕方にかけて、サルの目撃情報が市役所や常滑署に相次いだ。一匹とみられ、市内を北から南へ縦断する形で目撃された。日本モンキーセンター(犬山市)の担当者は「気性が荒く、人に危害を与える恐れもある。近づかず、目を合わさないように」と注意を呼び掛けている。目撃した住民らによると、体長五〇センチほどで黒っぽい毛並み。午前八時半ごろ、市北部の久米で発見された後、南下。中部国際空港対岸部のりんくう町や常滑西小学校近くなどでも見つかった。夕方には、久米から十キロ南の小鈴谷小校舎をよじ登る姿が確認された。市によると、午後五時までに被害の情報はない。りんくう町の「NTPマリーナりんくう」では、フェンス上に乗ったり、座って海を眺めたりした後、歩き去ったという。従業員の新美孝さん(45)は「シバイヌなどよりも大きかった。怖くて近づけなかった」と振り返った。塩田町の女性会社員(30)は「カーテンから外をのぞいたら、のそのそと歩いていたので驚いた。近くに学校があるので子どもたちが心配」と話した。サルは七日に名古屋市天白区、九日には大府市や東浦町で目撃されていて、同一の可能性がある。
(オオカミの尿、エゾシカ食害対策に効果なし:北海道)
稚内市は、増加するエゾシカ対策として、天敵オオカミの尿を使い、市街地への立ち入りを防ぐ実証実験をした結果、「有効性が認められなかった」と発表した。国内で約110年前にオオカミが絶滅したため、シカが敵と認識しなかったとみられる。実証実験は、10月8日~11月30日まで、シカが多く目撃されるノシャップ岬西側の富士見地区周辺約2キロで行った。米国のオオカミの尿を布にしみ込ませた市販の「忌避剤」を高さ1メートルのくいに取り付け、60カ所に設置した。実験は、シカによる食害などが深刻化したため、初めて実施。野生生物が尿などで縄張りを主張する「マーキング」の習性を利用し、シカを市街地に近寄らせないようにする狙いだった。実証実験前に、夜間にライトを照らし、シカの個体数を確認したところ、午後6~8時までに30頭ほど確認できた。忌避剤設置後、週2回、同様の調査を行ったが、平均26頭を確認。市農政課は「もっと効くと期待していた」と残念がる。同課は「今後、調査結果を、仕掛けわななどに生かしていきたい」としている。
(クマ体内に体温測定器:秋田)
ツキノワグマの生態を共同で解明しようと、岩手大と秋田市大森山動物園は12日、同園でクマの体内深くに体温測定機器を埋め込む手術を行った。外気温の影響を受けない深部体温のデータを長期間蓄積し、未知の部分が多い生態に迫る。測定機器は基板と送受信装置、バッテリーをシリコン樹脂でくるんだ円筒形(直径約3センチ、長さ約20センチ)。手術で雄のツキノワグマ稔(みのり)=13歳=の腹膜に縫いつけられた。稔は体長158センチ、体重118キロ。今後、最大2年半の間、1時間に1回ずつ深部体温を計測し、データを集める。岩手大大学院の松原和衛准教授は「長期間、深部体温を計測するのは世界で初めて。集めたデータが動物科学の発展に役立てば」と話した。執刀した同園の小松守園長は「生態解明へのアプローチを続けることが大切だ」と語った。
(狩猟事故、各地で多発)
狩猟シーズンを迎える中、銃の誤射やわなで捕獲したイノシシに襲われるといった狩猟事故が今年、全国的に多発している。11月以降、大日本猟友会が把握するだけで、銃による重傷事故が6件発生している。野生鳥獣による農林業被害の深刻化で、捕獲に対する期待や重要性は増しており、国を挙げた徹底した再発防止対策が求められている。同会によると、例年11、12月に起きる重傷事故は2、3件だが、今年は死亡事故を含め既に3倍。「毎週のようにどこかで発生しており、かつてない深刻な状況」(同会)だ。事故原因については「鳥獣被害の増加に伴い、狩猟者に、捕獲しなければならないというプレッシャーが高まり、焦りが生じているのではないか」と推測する。環境省は「都道府県から事故の数字を上げてもらうが、猟友会がまとめる数字と食い違うケースもある」(野生生物課)として、正確な統計を把握できていない。対策については「昨今の重傷事故はひどいと受け止めている。事故防止は都道府県が対応する整理になっているが、注意喚起は今後も継続したい」と話すにとどまる。岐阜大学野生動物管理学研究センターの鈴木正嗣教授は「有害鳥獣捕獲や個体数調整など公共性のある捕獲を、狩猟者に依存していることに問題がある」と指摘。「事故を踏まえ、国が本腰を上げて狩猟体制や鳥獣被害防止策を見直すべきだ」と強調する。現場からも「狩猟者個人だけの問題とされれば、銃の規制強化が進み、狩猟者不足は加速する」(岩手県の狩猟者)、「事故が多発すれば全国的に捕獲が進まず、農業被害がさらに増える」(長崎県の農家)など、再発防止対策と狩猟体制の整備を両輪で進めるよう求める声が上がっている。全国各地で多発する狩猟事故。背景には、狩猟者の過ちにとどまらず、狩猟者の高齢化や山の荒廃などさまざまな問題がある。狩猟者や鳥獣害に悩む農家は「このまま重大事故が増え続ければ、狩猟者は激減してしまう」と危機感を募らせる。11月、有害鳥獣の狩猟中、鹿と間違えて人を誤射し、死亡事故が発生した静岡県長泉町。ベテランの狩猟者だった猟友会の男性(73)が、山菜採りに来ていた男性(66)がかぶっていた白い帽子を鹿の尻に見間違え、散弾銃を発砲してしまった。事故現場は2メートルの段差があり、加害者からは男性の頭より下は見えない位置にあった。事態を重く見た同町の猟友会は、年内の狩猟自粛を決定した。このため周辺の畑には鹿の足跡がいくつも残り、農業被害が多発するようになった。事故が発生した雑木林を見詰め、駿東猟友会長泉支部長で米や野菜などを作る農家の土屋正之さん(68)は「絶対に起こしてはならない事故。猟友会支部長として責任を痛感している」と、憔悴(しょうすい)し切った表情を浮かべた。農家からは早く捕獲を再開してほしいとの要望は多いが「被害者家族のことを考えて自粛している。事故を受けて家族から狩猟をやめるように言われるメンバーも多く、今後のことは何も言えない」とうつむく。土屋さんは事故発生時、現場にいなかったが、首長から有害鳥獣の捕獲を任され、町の狩猟者をまとめる立場にある。それだけに事故が発生してから、地元の自治体や警察と何度も事故の検証や再発防止策を話し合ってきた。今後は周辺の環境確認など狩猟の基本を徹底する他、林道に連絡員を配置して有害鳥獣を捕獲していることを一般の人に伝えるなど、再発防止に取り組む考えだ。ただ、事故の防止は猟友会だけで解決できる問題ではない。土屋さんによると、最近の山林の大半は杉などの人工林が多く、間伐など山の手入れが行き届かないため見通しがきかず、動物にとっては格好の隠れみのとなる。加えて、以前であれば多くの狩猟者は、キジや野ウサギなどの趣味的な狩猟が一般的で、イノシシや鹿など重量級の動物は、技術の高い特定の狩猟者が捕獲する“すみ分け”が働いていた。だが、近年では農業への鳥獣被害が多発していることを受け、猟友会に有害捕獲を期待する声は強く、趣味で狩猟するハンターを含め、多くの狩猟者がイノシシや鹿を捕獲しているのが実態だ。土屋さんは「国策として事故の再発防止や狩猟者の高齢化問題を考えてもらわなければ、事故は減らず、狩猟者不足はさらに深刻化し、農業被害は増え続ける」と警告する。栃木県佐野市でも、11月末に人をイノシシと間違えて誤射する事故が発生した。管轄する県猟友会安蘇支部は「趣味で狩猟を楽しんでいたハンターが、最近では行政の依頼がなくても、地域の農業被害を減らそうと考えて狩猟に出向く場合が大半。個人の問題も当然大きいが、昔とは狩猟の在り方が変わってきているのは確かだ」とみる。自治体担当者も苦慮する。11月に趣味で狩猟中に、仲間のハンターに銃弾が当たる事故が発生した滋賀県米原市では「適切に研修を受けて対応すれば本来は事故は発生しない」(林務課)とした上で「猟友会に有害鳥獣の捕獲を委託している経緯から、行政としても事故防止の対策は必要。抜本的な解決策となると、銃を使わない以外に方法はなく難しい」(同)と頭を抱える。
(地域超え25人が大物猟:長野)
飯伊連合猟友会西部ブロックの「共猟会」が八日、根羽村であり、シカとイノシシを狙う大物猟が繰り広げられた。地域を超えた会員の親睦を深める行事。狩猟は通常、自治体ごとの支部単位で行われるが、この日は根羽、平谷、阿智村の猟友会から計二十五人が集まった。会員たちは午前九時、根羽村のネバーランドに集合。同村猟友会の石原邦雄会長と、飯田地区銃砲所持者防犯協会連合会の倉田員志会長のあいさつに続き、軽トラックを連ねて猟に出発した。大物猟は猟犬を連れた勢子(せこ)が獲物を追い、獣道の「タツマ」に配置された射手が撃つ。険しい山を登ってタツマに入った会員たちは、猟銃を手に待機。トランシーバーで連絡を取り合いながら、木や岩の陰に身をひそめた。午前中の猟は空振りに終わったが、午後の猟の終盤になって、猟犬が二頭のシカを発見。タツマの会員が一頭を仕留めた。多人数の大物猟は、事故防止が最大の課題。石原会長らは、獲物をしっかり見てから発砲する「矢先の確認」を徹底するよう求めた。初めて共猟会に参加した男性(55)は「いつもの仲間との猟とは違う緊張感があり、あらためて安全対策を考えるきっかけになった」と話していた。
(狩猟者、10年で半減:秋田)
マタギの伝統がある県内で、猟をするための狩猟者登録数、猟銃の所持者数がいずれも、10年前と比べ、ほぼ半減している。狩猟者の高齢化に加え、銃刀法が改正され、厳格化したことなどが背景にあるが、関係者は有害鳥獣の駆除などの点から、ハンター減少に危機感を募らせている。県では、従来3回だった狩猟免許試験を今年度から、4回に増やし、ハンター減少に歯止めをかけようとしている。県自然保護課によると、全ての猟具の狩猟者登録数は1675人、県警生活環境課がまとめた散弾銃やライフル銃などの所持者数は、競技用所持を含め、1795人(いずれも今年10月末時点)。それぞれ10年前の3156人、3478人からほぼ半減している。秋田県猟友会(秋田市)の金多喜夫事務局長は「体の衰えや視力の低下を感じ、自分から銃を置く人も多い」と指摘する。さらに、新たに狩猟を始める若者がほとんどいない点も挙げ、ハンター減少の現状を分析する。加えて、2008年に銃刀法が改正されたこともハンター減少に拍車をかけているという。07年に発生した長崎県佐世保市の銃乱射事件を受けて、(猟銃所持許可)更新時の技能講習の義務づけ、精神保健指定医の診断書の提出など、法改正で規制が厳しくなった。県警の藤原芳博生活環境課長も事故抑制の観点から、「猟銃の盗難は凶悪事件に直結する」と猟銃の適正管理を県猟友会の会報で訴えている。大日本猟友会(東京都)の佐々木洋平会長は「制度面の煩雑さから新たに(猟銃所持許可の)受験を控えるだけでなく、規制の厳しさが(猟の)続けにくさを生んでいる」とし、国会などに要件の緩和を要望した。ハンター減少と因果関係は明確ではないが、豪雪地帯の県内には生息しないとされてきたニホンジカやイノシシが近年、目撃されるなど、自然界で変化が生じている。県自然保護課によると、ニホンジカが09年6月、仙北市角館町で確認されたのを手始めに、今月までに計29件の情報が寄せられている。昨年は湯沢市でイノシシも捕獲。これらによる農作物への被害は現状、確認されていないという。県猟友会副会長で狩猟歴約45年のベテラン、羽後町の藤原信三さん(70)はこの数年、頻繁に出没するツキノワグマや、北上するニホンジカ、イノシシの被害拡大を危険視している。東北森林管理局の佐藤宏一・自然遺産保全調整官は「(ニホンジカが)大量発生すると森林生態系に大きな被害をもたらすため、監視態勢の強化に努めていく」と世界自然遺産・白神山地保護の観点からも警戒を強めている。県は今年度から、狩猟免許試験を年4回に増やすとともに、受験日も休日に設定し、ハンター減少対策に取り組んでおり、3回の試験ですでに、前年と同じ55人が受験した。マタギ文化に詳しい田口洋美・東北芸術工科大教授(環境学)は「全国的に狩猟に対する社会的嫌悪感がある。小さい頃から古里に残る意識を根付かせ、命の守り方をきちんと指導し、21世紀型のマタギ作りを意識しなくてはならない」と話している。
(銃猟登録者が過去最少1478人:広島)
散弾銃やライフル銃による狩猟「第一種銃猟」で広島県に登録した狩猟者が2012年度に1478人となり、データが残る過去50年で最少になったことが11日、分かった。
(来年度からシカ駆除に補助金:岡山)
井原市は来年度から、シカを駆除した猟友会員に補助金を支給することを決めた。同市によると、シカ駆除への補助金の支給は井笠地域で初めてという。
(県がイノシシ、シカ対策:大分)
イノシシやシカなどの野生鳥獣から農作物を守る対策を強化しようと、県は本年度から3年間をかけ、竹田市久住町青柳地区の田んぼなど(約45ヘクタール)に侵入防止柵を作る。地元住民や県、市の関係者ら約20人は、柵の設置場所を選定する作業に取り組んだ。青柳地区はくじゅう連山の麓にあるなだらかな地形。整備をした優良な農地が多いことなどから柵を設置する対象地になった。工事は、高さ1.8メートルの金網フェンスを16キロにわたって設置する。事業費は8千万円。初年度は全体の3分の1が対象。来年1月から着工する。この日は、県職員と地元住民が対象となった田んぼの周囲を歩きながら、柵をどこに作ると良いかなどを話し合った。青柳営農組合の渡辺次郎組合長は「それまでなかったイノシシ被害が5年ほど前から出て来ている。稲が倒されるなど被害は深刻。柵ができることを期待している」と語った。県豊肥振興局農林基盤部によると、本年度は同地区のほか、竹田市片ケ瀬地区でも防止柵を作る。同農林基盤部の河野哲也課長補佐は「他の地域で柵の設置を検討しているところは、青柳地区の取り組みを参考にしてほしい」と話している。
(茶臼山高原でシカ100頭超:愛知)
豊根村の茶臼山高原で、百頭を超すニホンジカの大群が今年五月に撮影されていたことが分かった。村内でこれだけ大きな群れが確認されたのは初めてという。六日の村議会本会議一般質問で、石田文彦議員(無所属)が写真を示し、獣害の拡大防止に向け抜本的な対策を求めた。写真は五月六日早朝、県営茶臼山高原牧場で豊橋市住吉町の佐藤泰三さん(72)が撮影した。「目の前にゾロゾロ現れ、あわててカメラを向けた」と話す。佐藤さんは二十年ほど前から高原に通い、風景などを撮影している。「五、六頭の群れには何度も出合ったが、こんな大群は初めて。驚きました」。しかし「村では日常的な光景かも」と思い、そのままにしていた。先ごろ、たまたま訪れた「茶臼山 高原の美術館」で、館長を務める石田議員に話し、事の重大さが判明。石田議員に写真を提供した。村内では、シカによる農作物や森林の被害が年々深刻化。高原でも昨年、観光の目玉として力を注ぐシバザクラが踏み荒らされ、大きなダメージを受けた。今年は十月末までに四百十五頭が捕獲されている。石田議員は「この大群が麓の集落に下りてきたら、大変なことになる」と述べ、早急な対応を要求した。村経済土木課の田原長一郎課長は「土地所有者の県と協議し、対策を講じる」と答弁した。田原課長によると、私有地での有害鳥獣駆除は、地権者から申請があれば捕獲指示書を発行できる。しかし、牧場は県有地のため、県が捕獲に同意し、村に依頼してこなければ実行に移せない。放置すれば、六十ヘクタールの広大な牧場が繁殖地化する恐れもあるだけに、田原課長は「県に実情を訴え、捕獲の同意を求めていく」と話した。
(イノシシや猿、生息域拡大:石川)
珠洲市のNPO法人「能登半島おらっちゃの里山里海」が、市内の畑に設置した監視カメラにイノシシの姿が撮影された。また、市内の写真愛好者の男性が猿の姿を撮影したほか、鹿の目撃情報も出ている。数年前までは、能登半島の先端に位置する珠洲では生息していなかった動物が、広がりを見せているのではとの声も。特に、イノシシの被害は年々増加傾向にあり、早急な対策が求められている。監視カメラは、NPOの獣害担当の松田正芳さん(38)が今月四日に設置した。十日午後に回収したところ、十日午前零時すぎに一頭、同二十六分ごろに二頭が写っていた。松田さんは、足跡の情報を基に、市内各地にカメラ計六台を設置し、イノシシなどの分布状況を調査しているが「(動物を)撮影するのは、なかなか難しい」という。一方、猿の写真は八日午前十一時半ごろ、男性がドライブ中に見つけ、シャッターを切った。コハクチョウなどを撮影するため、常にカメラを持っているという男性は「餌場を探しているような雰囲気でした」と当時の様子を説明する。松田さんは「猿がいるとの情報はあった。雌を探して移動している迷い猿ではないか」と分析する。イノシシの被害は四、五年前から報告され、市によると、今年は八月に農作物など九件の被害があった。市の赤石大輔自然共生研究員(35)は「オオカミのような捕食者がいないため、今後、猿や鹿も増えるかもしれない。中でもイノシシは繁殖力が強く早めの対策が必要。状況を把握して市民と情報を共有し、田んぼや畑に近寄らせないなど対策を講じていきたい」と話している。
(クマわな設置を要請:兵庫)
ツキノワグマの痕跡が相次いで見つかっている丹波市氷上町鴨内で、12月9日までに新たに3カ所のカキがクマによって食べられているのが見つかり、計5カ所になった。川と県道で隔てた集落の南北にまたがっており、最初の痕跡が見つかってから20日近くたっても出没が続いていると見られることから、同自治会は9日、丹波市にクマの捕獲を要請するとともに、住民に残ったかきをもぐよう放送で呼び掛けた。同集落で最初にクマのふんが見つかった(11月20日)場所で9日朝、樹高5メートルほどのカキの木が折られ、カキが食べられた。8日の日中は無事で、8日夜から9日明け方にかけて被害に遭ったとみられる。カキを求めて木の先端まで登ったと見られ、根元から3メートルほどの高さにある直径5センチ弱の枝を折っており、食べ残したカキが散乱していた。中には、クマの爪跡が残るカキもあった。近くを調べたところ、同自治会公民館裏手のカキも食べられていた。7日には、公民館から川を隔てた集落の北側、クマに社が破壊された神社近くでもカキの被害報告があった。前日に落ち葉を清掃しており、6日夜から7日朝に現れた模様。神社の東にある寺のカキの木にもよじ登った爪跡が見つかった。大木滝夫自治会長は、「長くとどまっているようだ。不安に感じている。何とかならないものか」と苦慮している。クマの捕獲には、県の許可が必要で、丹波市は丹波農林振興事務所と協議している。丹波市には10日までに、新たに青垣町中佐治でもクマの足跡らしきものが見つかったと報告が寄せられた。
(札幌の滝野公園、予定通り開園:北海道)
ヒグマの出没で10月末から閉園している国営滝野すずらん丘陵公園(札幌市南区)の対策を協議する、専門家らによる検討会議が11日に札幌開建で開かれた。開発局は、11月下旬から2度実施した園内の調査で、安全性が確保できたとし、予定通り22日の冬季開園日から営業を再開することを報告した。開発局は11月28~29日、12月5~6日に調査を実施。約30人が園内を巡回しながら、花火の音や大声を出して反応を確かめた。足跡や冬眠用の穴なども見つからなかった。会議では、専門家から「調査の結果、園内で活動しているクマはいないだろう」という意見が上がり、営業再開できる環境が整ったとの結論になった。開発局は、再開後も1日2回の園内巡回を行う。冬季開園は来年3月31日まで(年末年始も開園)。冬季は入園無料。
(JR東海、シカ対策装置の導入拡大)
JR東海は11日、在来線で多発するシカと列車の衝突対策について、列車先頭部に設置する衝撃緩和装置を試行投入した紀勢線に加え、2014年度以降、高山、太多、参宮などの各路線にも順次拡大すると発表した。
(震災2年9ヶ月、いのしし館再開めど立たず:宮城)
イノシシの捕獲頭数が県内最多の丸森町には、肉を買い取り、加工販売する県内初の施設「いのしし館」があった。しかし、東京電力福島第一原発の事故の影響で、消費者の足が遠のき、食肉も手に入らなくなったため、2011年7月、閉館に追い込まれた。11日で震災から2年9か月。経営者は「いつか再開したい」と話すが、見通しが立たない現状に苦渋の表情を浮かべた。町役場から、長い煙突のある山小屋風の建物が見える。現在は電機工事会社の事務所だが、かつてはハムやソーセージを求める観光客でにぎわった「いのしし館」だった。農協に約25年勤めた一條巧さん(62)が農家ら6人と「駆除したイノシシを有効活用したい」と2010年2月にオープンした。「開館した時は、お客さんが殺到して肉が足りなくなったんですよ」と、一條さんは話す。仙台市内のジビエ(野生鳥獣)料理店とも契約を結び、ネット販売の計画を練っていた時に震災による原発事故が起きた。東京電力から賠償金をもらったが、「地域の役に立ちたくて始めた事業だったのに」と悔しさをにじませる。肉を1キロ当たり600~700円ほどで買い取り、狩猟者からも「励みになる」と好評だった。同町では12年度の捕獲数は計577頭に上り、県の約4割を占める。だが原発事故後、規制値(1キロ・グラムあたり100ベクレル)を超える放射性セシウムが肉から検出され、国は12年6月から出荷を禁じた。今年12月3日の県の発表によると、町内で捕獲されたイノシシ肉から事故後初めて50ベクレルという数値が出たが、他地域で規制値以上の結果が検出されており、解禁のめどはたたない。建物の外にある大型冷凍庫の設置跡が唯一いのしし館の名残をとどめる。「猟師から『またやってくれたらな』って声を掛けられる。イノシシ捕獲数は増え続けている。いつか再開させないと」。その跡を見ながら一條さんが自分に言い聞かせるように話した。丸森町には、いのしし館以外にもイノシシ肉を活用した料理を出す飲食店が数軒ある。その一つが、砂沢(いさざわ)守さん(70)の営む「金八寿司」だ。入り口にある「猪料理」と赤と白の字で書かれた大きな看板が目を引く。砂沢さんにイノシシの産地を尋ねた。「カナダ産。本当は地元のものを使いたいんだけど」「山のすし店ならではのものを」と、田畑を荒らすやっかいもののイノシシに目を付けた。阿武隈急行が開通した1986年から提供を始め、イノシシ丼、イノシシのなれずしなどの独自のメニューが人気を博し、漫画「美味しんぼ」にも取り上げられた。休日には首都圏から団体客がバスで訪れ、「田畑を何回も荒らしました。そして華麗に料理されてしまいました」とパッケージに書かれたレトルトのイノシシカレーは地元の土産物店に並んだ。だが原発事故で状況は一変。売り上げは8割も落ち、夜の営業をやめた。それでも店を畳むつもりはない。砂沢さんは身を乗り出して言った。「丸森町に生まれ育って、この町に足を運んでもらいたい一心でイノシシ料理を作ってきた。こんなところでやめられない」
(ジビエに登録制度:三重)
鈴木英敬知事は、県産のシカ肉やシシ肉を使った商品への信頼性を高めるため「みえジビエ登録制度」を制定することを13日の定例記者会見で明らかにした。解体処理から販売加工、提供までを対象とした登録制度は全国初という。20日から登録申請を受け付ける。県内の野生鳥獣による昨年度の農林水産被害は約7億円で、前年度に比べて約1億2000万円減ったものの依然として深刻な状況にある。一方で、捕獲した野生獣は昨年度約3万頭と増加しており、販路拡大に取り組もうと、安全でおいしいシカ肉やシシ肉を供給できる登録制度の検討を進めてきた。対象となるのは解体処理施設、加工品製造施設、飲食店、販売店。解体処理方法などを規定した「『みえジビエ』品質・衛生管理マニュアル」を順守し、取り扱うシカやイノシシはすべて県産とするなど、県が定めた基準に適合する施設・店を書類審査と現地調査を行った上で登録する。有効期間は毎年5月末までで1年ごとの更新制。登録証と表示看板も発行する。鈴木知事は「『みえジビエ』が一つのブランドとして、より多く消費されるようになり、県の新たな食の魅力につながることを期待している」と述べた。
(シカの角やイノシシの牙、ネット販売好評:長野)
飯田市南信濃で野生獣を扱う肉店が、インターネットを通じて販売しているニホンジカの角やイノシシの牙への関心が高まっている。2010年にネット販売を始めて以降、販売数は約3倍に。来年はイノシシの牙で作ったアクセサリーも売り出す予定で、社長の鈴木理(まさし)さん(52)は「ネット販売で角や牙の新たな需要を知ることができた。命を頂いた動物を余すことなく生かしたい」と話している。同店は1957(昭和32)年創業の「肉のスズキヤ」。飯田下伊那地方の猟師から鹿やイノシシ、熊などを仕入れ、肉を販売している。鹿の角などの販売を始めたのは70年ごろ。当時は日本刀などを置く「刀掛け」や、剥製に使われるケースが多かった。口コミで販路が広がり、アクセサリーを扱う業者などにも販売するようになったという。野生獣への関心が高まったこともあり、余すことなく活用するためにネット販売を始めた。すると、コートのボタンやバックの留め具などの原料として兵庫県の業者から注文を受けた。大阪府の業者からはシャンデリアの材料として、鹿の頭骨や角を求められた。ナイフの柄やアクセサリーの材料としても注文が寄せられるようになったという。需要の高まりを受け、同店は一般の人にも野生獣に親しんでもらおうと、社員の知人の歯科技工士に協力してもらい、イノシシの上顎の牙でアクセサリーを作ることにした。来年1月ごろから、店頭やホームページで販売する予定だ。価格は1個3千円程度を見込んでいる。
(イノシシ肉のへしこ商品化:福井)
魚類をぬか漬けする福井伝統の「へしこ」の技術を活用し、イノシシの肉を加工・調理して販売するテークアウト専門店「ナチュラルフーズ 森の星」が十二日、福井市中央一丁目にオープンする。イノシシ肉のへしこを使ったユニークな手まりずしも並び、新名物への定着を目指す。出店するのは、焼き肉店や名産品販売店を経営する「スターフーズ」(坂井市)。中本貴久社長(64)が「食材として捕獲された野生の鳥獣、ジビエの魅力を発信したい」と長年構想を温めてきた。県立大の宇多川隆特任教授(66)が取り組んでいる「へしこ」技術の研究を知り、具体化した。八カ月かけて、じっくり発酵させたイノシシ肉は、程よい塩加減で生ハムのような食感。それを炭火で焼き、すし飯をくるんで手まりずしに仕上げた。十日に開かれたお披露目会でも好評で、焼きサバずし、若狭牛そぼろの押しずしと組み合わせ、「山海の寿司(すし)」として売り出す。シカ肉のそぼろと錦糸卵、ホウレンソウの三色弁当や、シカ肉を使ったハンバーガーも用意。イノシシやシカは嶺南で捕獲されたもので、野菜類もなるべく県産を使う。店舗は二階建ての延べ八十平方メートルで、商店街「ガレリアモトマチ」内にある。イートインコーナーもあり、営業時間は午前十時~午後七時。「山海の寿司」は一パック五百五十円で販売する。中本社長は「欧州では高級食材のイノシシやシカだが、日本では焼かれたり、土に埋められたりして、もったいない」と、資源の有効活用をアピール。味にも自信を示し、「福井の新しい名物に育てたい」と意気込む。

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(箱わなにクマ掛かる:兵庫)
農作物を荒らすイノシシやシカを捕まえようと、篠山市小野奥谷の山林に仕掛けていた箱わなに、ツキノワグマが誤って捕獲された。箱わなを設置していた大阪の猟友会メンバーが11月30日午後1時ごろ、見回りの途中に発見。翌12月1日の午前中、県森林動物研究センター(丹波市青垣町沢野)の職員らが麻酔で眠らせ、身体測定や血液、体毛などのサンプル採取をし、発信機の取り付けなどを済ませた後、同集落の奥山に運んで放った。全長約1・2メートル、体重約38キロ、推定年齢4歳で成獣間近のオス。箱わなを設置していた場所から一番近い民家までの距離は約300メートルだった。県内でのクマの誤捕獲事例は、但馬地域では多数あるが、丹波地域では初めてという。同センターの職員らが、全長や体高、体重などを計測したほか、体毛、血液、皮膚組織、上あごの歯などをサンプルとして採取した。また、体内に個体識別用のマイクロチップを埋め込み、首には動画撮影ができるカメラ付き発信機を装着。放獣後の行動を監視するという。箱わなの大きさは、幅約3メートル、奥行き、高さともに約1・5メートルで、3年前から大阪の猟友会が同所に設置し、シカなどを捕まえていた。同猟友会のメンバーたちは、「長年、猟をしてきたがクマを見たのは初めて」と珍しがり、見物に来ていた地元住民の81歳男性も、「クマなんて、幼いころに近所の肉屋に持ち込まれていたのを1度見ただけ。胸の白い三日月模様がきれいやったと、今でも印象に残っている。この山に今もおるんやなあ」などと驚いていた。同センター職員は、「冬眠する12月下旬まで、クマは活発に動き回っているので、入山の際には注意を」と呼び掛けている。ツキノワグマは、兵庫県版レッドデータブックでBランク(絶滅の危険が増大している種)に指定されている。しかし、人里に出没した際の追い払いや、農作物への被害防御策を講じたにも関わらず、出没や被害が続く場合は、有害捕獲として殺処分される。丹波市では2002、05年に人家周辺をうろつくクマを人身被害の危険性が高いとして殺処分している。
(クマが稲荷社壊す:兵庫)
クマの出没が続いている丹波市氷上町鴨内、芹田神社境内の稲荷神社の社が壊されているのが1日、見つかった。爪跡、足跡などが残っており、氏子たちは、ハチミツをなめようと、クマが社内のニホンミツバチの巣をねらったものと見ている。神社は同集落の北側、民家から離れた場所にある。午前5時に当番役の2人がお参りしたところ、普段は閉まっている社の格子状の扉が外れ、中が荒らされ、クマが社の中からハチの巣を取り出す際に壊したと見られる社の木製部品が散乱していた。社が3センチほど動いた跡があり、クマが体重をかけた際に動いたと見られる。社の中には、白色をした巣の残骸とこぼれたミツが残っており、行き場を失ったミツバチが飛び交っていた。宮総代の芦田繁和さん(67)によると、10年以上前から巣をしており、薬剤を散布するなど何度も駆除に努めてきたが、取りきれず、巣が残ったままになっていたという。「まさかという思い。神さんをこういう状態で放ってはおけない。修理する方向で考えたい」と話している。11月24日に宮当番が掃除に訪れた際は無事で、それ以降に被害に遭ったと見られる。五台山ふもとの同集落では11月20日にクマのフンが見つかり、21、22の両日にはカキの木が折られ、山際のカキが食べられていた。カキが食べられた現場は鴨内川と県道を隔てた集落の南側。同集落近くの香良では先月18日にクマが目撃されるなど、以前から出没報告があるが、鴨内では報告がなく、住民は戸惑っている。同集落では、11月の山林日役を中止、12月1日の子どもの夜警も中止。夜のウォーキングを控えたり、クマに出られては物騒と、家の近くに植わっているカキをもぐ人も出ている。県森林動物研究センター(青垣町沢野)の稲葉一明森林動物専門員によると、篠山市や但馬、播磨で同様の被害事例があったという。クマの出没頻度が高い地域では、早めにミツバチの巣を除去するよう助言しているという。また、甘いものは高カロリーで、効率的に冬眠前の栄養が取れるとして、ハチミツもカキも好物という。「山際のカキを食べ尽くすと、集落の中や、庭先まで来ることもある。集落に引きつけることになりかねないので、不要なカキはもいだ方がいい」と話している。
(山間部でクマ目撃情報:愛知)
岡崎市北東部の外山町と保久町で十月下旬から十一月中旬にかけ、熊の目撃情報が二件、市に寄せられた。周辺地域では住民らが警戒を続け、市も「家の外に生ごみなどを置かない」「畑に農作物を放置しない」などの対策を呼び掛けている。市環境部自然共生課によると、最初は十月三十一日朝、二件目は十一月十一日夜の目撃だった。いずれも県道近くで、双方の距離は約百メートルほどと近い。通報後に担当職員や岡崎署、猟友会員らが実施した捜索では、熊の姿は確認されず、好物の柿や木の実が食べられた形跡も見つからなかったが、この地域は六月に熊の爪痕が確認された豊田市蘭町との境に位置し、安心できない状況だ。目撃された場所の周辺にはカモシカやイノシシの足跡もあり、見間違える可能性も残るものの、岡崎猟友会の阿部田高盛さん(78)=岡崎市毛呂町=によると「熊は一晩で何十キロも移動するため、いないとは言い切れない」のが実情だ。市は、周辺地区の各世帯に設置された行政無線で目撃情報を流し、警察を通じて地元の下山、形埜小学校にも通達された。両校とも集団登校の通学団に熊を遠ざけるための鈴を配ったり、しばらく保護者が送り迎えしたりして警戒した。阿部田さんによると、今年は山中に熊の餌となる木の実は多いが、最近は人間の食べ物の味を覚えた熊やイノシシなどが人里に下りてくる場合がある。
(鳥獣対策に4人専従:鳥取)
イノシシやシカなど野生動物による食害を防ごうと、日野、日南、江府の3町などが日野郡鳥獣被害対策協議会を設立した。県内の市町村では初めて専従職員による「実施隊」(4人)を組織し、来春から活動。現場の調査に基づいて効果的な対策を指導し、講習会も開いて農家などの対応力を高めていくという。県内の鳥獣被害は2004年の2億7000万円をピークに減少したが、08年からイノシシとシカによる被害が徐々に増え、10年には1億9500万円に上った。12年度は7100万円に減ったものの、県は「山の食べ物が不足すると田畑への被害は再び増える」と見ている。対策には継続的な指導や対応が必要だが、市町村の農林関係の部署では担当者が他の業務を兼任していたり、異動でノウハウが伝達されていないケースがあるという。県農林水産部が2010年度に行ったアンケートによると、防止策の講習会に参加したことがある集落は10%と少ない。鳥取市と八頭町はすでに実施隊を組織しているが、鳥取市は狩猟免許を持つメンバーに随時依頼する方式で、八頭町は隊員が1人だけ。そこで3町は、森林組合や猟友会などと同協議会を組織し、各町の負担を抑えつつ、4人を臨時職員として雇用することにした。取りまとめ役は県外からの「地域おこし協力隊」で人材を募り、実働部隊は狩猟免許を持つ猟友会員2人、同免許取得を目指す若手1人で構成。拠点は日野町根雨の県日野振興センターに置く。被害が発生すると現場を調査して対策を指導し、日頃から講習会などで予防策を伝えていく。駆除は従来通り、地域の猟友会の会員が担う。県によると、イノシシの被害が最も深刻で、収穫期前の米を食べたり、ミミズを狙って土を掘り返したりする。また、杉やヒノキの苗木や樹皮を食べるシカは、県東部や広島県から鳥取県西部に生息域を広げているとみられ、対策が急務になっているという。日野振興センターは「実施隊を置くことで、鳥獣被害に速やかに対応できる。町では手が回らない講習会などを充実させていきたい」としている。
(害獣駆除実施、来年度から本格化:大分)
陸上自衛隊日出生台演習場内でシカやイノシシ駆除のわなを試験設置した県西部振興局は4日、囲いわなでシカ1頭を捕獲したとして九重町松木で現地検討会を開いた。玖珠町の箱わなではイノシシ4頭を捕獲済み。わなの有効性などを検証し、来年度の本格実施策を練る。演習場(約4900ヘクタール)周辺で農作物や牧草などの獣害が激増する由布、九重、玖珠の3市町と陸自湯布院駐屯地が9月、生息拠点の場内にわなを設置する覚書に調印。11月上旬までに、玖珠側に箱わな3基、九重側に箱わな2基と囲いわな2基を設置した。囲いわな(周囲長35メートル、高さ3メートルの漁網製)で3日捕まったシカは体長80センチ、生後1年のメス。クズの葉、鉱塩などの餌につられて網に入り、逃げるのは無理な仕掛けだ。九重町役場や自衛隊担当者を前に、振興局の高宮立身・森林管理班総括は「囲いわな内で閉じ込めるポケットの有効性、電撃器や銃使用の可否、見回り負担軽減の自動通報システム導入などを検証したい。場内のシカは推定1000頭以上」と話す。
(育て!若手ハンター:長野)
シカやイノシシによる農林業被害が深刻化する中、県下伊那地方事務所に事務局を置く飯伊野生鳥獣被害対策チームは十四日、下條村村民センターで初めての「初心者ハンター技術向上研修会」を開く。有害鳥獣駆除を担う猟友会員が高齢化していることから、若手ハンターを育成する試み。関係者は「狩猟技術を高めることで、捕獲の促進にもつなげたい」と話している。研修会は、地元の飯伊連合猟友会と飯伊農業振興協議会が共催。猟友会のベテラン会員が、獣類を捕獲する「くくりわな」や「箱わな」の設置方法を中心に手ほどきするほか、シカ肉などを使ったジビエ料理の試食会がある。また、各地区の猟友会支部長らが出席。「狩猟に関するお悩み相談」と題し、実際に狩猟を手がける上での注意点や、他の猟友会員との連携などについて助言をする。研修会は無料で、狩猟免許を持っていない人でも自由に参加できる。県下伊那地方事務所林務課によると、飯田下伊那地方で二〇一二年度に確認された野生鳥獣による農林業被害額は約三億九千三百万円。このうち、シカが約一億六千四百万円、イノシシが約二千九百五十万円を占める。シカの被害では、ヒノキなど植林の食害が目立つという。県は飯伊連合猟友会の協力で有害鳥獣駆除を進めているが、同猟友会の会員七百六十五人(十一月十四日現在)のうち、67%が六十歳以上。猟銃の所持許可が厳格化されたのに伴い、銃を手放す会員が後を絶たない。また、狩猟免許を取得した初心者の中には、猟のやり方を教えてくれる人が見つからないまま、行き詰まって免許の更新をしない人も多い。せっかく猟友会に入っても、他の会員とコミュニケーションがとれなくては、技術向上も困難。初心者ハンターの育成は、会員の高齢化対策とともに大きな課題になっている。研修会は、初心者とベテランの交流を深めることで、新規猟友会員の定着を図る狙いがある。飯伊野生鳥獣被害対策チームは「有害鳥獣捕獲に興味がある人は、ぜひ参加してほしい」と呼び掛けている。
(「鳥追い払い機」カラス被害減:青森)
カラスなどによる食害を防ごうと弘前市内のリンゴ園で行われていた超音波の鳥追い払い機器の実験結果がまとまった。実験した同市松木平のリンゴ園では、昨年は約1200箱分の収穫があったが、このうちカラスがつつくなどした食害が約50箱分に達した。今年は約1200箱分の収穫に対し、被害は1箱分だった。鳥追い払い機器を設置した園地の園主は、「カラスなどは園地の上空を旋回するが、下りてこなかった。昨年に比べ、大幅に被害が減った」としている。同市りんご課は「鳥追い払い機器は一定の効果があったと推定される。ただ、今年は市内全体で鳥の食害報告が少なく、どの程度効果があったかは断定できない」としている。
(新素材使いサル撃退:青森)
振動を電気に変える「振動発電素材」を、捕獲したサルの首輪に装着し、畑に近づくと警告音が鳴るようにして農作物被害の軽減を図る実証試験の様子が5日、青森県西目屋村のリンゴ園地で公開された。実験でサルの代わりを務めた犬は、園地に近づくといきなり鳴り出す警報音におびえ、引き返す動きを見せた。「サル撃退システム」は、弘前大「北日本新エネルギー研究所」の古屋泰文教授らが昨年開発した素材を活用したもの。素材は、人体や動物の揺れによって素材内部に生じる地場や電場の変化を、コイルなどを使って電気に変換する。古屋教授らが開発した新合金は世界最高級の発電効率を誇るといい、西目屋村が昨年5月に「サル対策に応用できないか」と話を持ち込み研究が始まった。弘前市の企業「東北データーサービス」も参加している。システムでは、園地の周囲に立てた赤外線センサー付きのポールでサルの侵入を感知すると、別のメインポールからサルの首輪内の装置に信号を発信。首輪内部の振動発電装置と小型電池を電源に、首輪から警報音と微弱電流が発生する。メインポールのカメラで捉えたサルの画像を遠隔地のパソコンに送ることも可能だ。5日の試験では、サル代わりの犬の首輪に箱(縦8センチ、横6センチ、高さ1センチ)を取り付けた。内部には、犬の振動で発電する円筒型の素子(直径12ミリ)6個が組み込まれ、電力12ミリワットを補給可能。犬が赤外線エリアに入ると、「キーン」という低い金属音が鳴り、犬は驚いて逃げ惑った。ただ、テストを何回も重ねると驚く様子が少なくなった。同村ではこの数年間、リンゴやソバ、コメなどの食害が年間54万〜516万円に達する。農林建設課の工藤吉倫主事は「侵入をリアルタイムで検知できるのが強み。首輪はサル以外の害獣にも応用できるのではないか。実用化には装置の低価格と小型化、耐用性などが課題になる」と指摘した。西目屋村でのサル撃退試験会場から北へ数キロ離れた同村大秋の山合いで5日朝、生後1歳と見られるオスの赤ちゃんザル(体長約40センチ)が針金製の箱わなにかかった。試験終了後に村職員らが駆けつけ、生態調査のためのGPS(全地球測位システム)付き首輪を装着しようとしたが、首回りが細すぎて断念した。同村は十数年来、ロケット花火やパトロール強化などでサルの食害と戦っており、捕獲現場周辺にも、桃を食い荒らされて放棄された畑が広がる。村職員は「同情するなら農家が先」と公言してはいるが、母ザルとおぼしきサルが近くにいることに気付き、「忍びない」と首輪も付けずに解放した。
(漫画家と猟師、二足のわらじ:岡山)
山深く分け入り、イノシシやシカなどを追う猟師をしながら、その奮闘ぶりを漫画に描いている津山市在住の男性がいる。県北出身の岡本健太郎さん。猟師となって4年余り、現代社会と縁遠い猟の魅力を伝える漫画は人気を呼び、11月15日に狩猟が解禁となった今季も、命や自然と向き合う生活を続ける。岡本さんは2003年、漫画家としてデビュー。東京で数作品を連載後、09年に帰郷して銃猟免許とわな猟免許を取得した。幼い頃、猟師をしていた近所の老男性から魚の釣り方やわなの作り方など、自然とともに生きる面白さを学び、「野山に入って獲物を追う姿に憧れていた」という。同時に、「ずっと猟師を描いた漫画を読んでみたいと思っていたが、そうした作品はない。ならば、新作は自らの猟師体験を描こうと思いついた」と振り返る。漫画「山賊ダイアリー リアル猟師奮闘記」は11年、雑誌「イブニング」(講談社)で連載スタート。今年は書店員らが選ぶ「マンガ大賞2013」にノミネートされ、単行本は現在、4巻まで発売されている。作品は、古里の岡山で狩猟免許を取得した主人公「岡本健太郎」が、ハトやウサギに始まり、シカやイノシシなど大物から、カラスやスッポンなどの変わり種までを空気銃やわななどを駆使してとらえる――といった自らの体験をエッセー風に描いている。当初は地域の猟友会に所属する先輩猟師らに教えを請い、わなの仕掛け方などを少しずつマスター。最初の獲物はキジバトだった。喜びにひたると同時に、「殺生を漫画の題材にしていいのか」という戸惑いもあったという。しかし、「どれほど文明が進んでも野山を駆け、自然の中で生きようとする本能が人間にはある」という実感が湧くようになった。漫画でも「人間の狩猟本能を刺激するようなドキドキ感を大切にしている」といい、厳しい自然を生き抜く動物との「知恵比べ」という狩猟の魅力を猟師自身が描いているところが、漫画のヒットにつながっているのではとみる。一方で、命ある獲物に敬意を払うことを忘れない。池の真ん中に撃ち落としたカモを、いてつく寒さにもかかわらず拾いに入るシーンを描き、「獲物を殺したからには回収する義務があるとぼくは思います」と主人公に語らせる。獲物は自身で解体し、料理をして食べる。作中では猟に関する法律にも触れる。「自身を律し、山のマナーを守る猟師でなければならない」と考えるからだ。「猟師生活は始まったばかり。これからも出合うだろう猟の魅力を描いていきたい」と話す。今季の狩猟期間は2月15日までだが、県はイノシシとニホンジカについて、3月15日まで延長した。イノシシなどによる農作物被害が毎年約4億~5億円発生しているためだ。被害が減らない背景には、猟師の減少がある。県内の狩猟登録者は、1989年度には6086人だったが、昨年度は4111人まで減少。同年度の狩猟免許保有者の7割強が、60歳以上だ。県と県猟友会は来年1月13日、「おかやま狩猟フォーラム」を開き、現役猟師による講演や狩猟道具の展示、狩猟制度の相談を通して狩猟の魅力を発信し、猟師のなり手を増やしたい意向だ。猟で捕らえた獣の肉を、食用にする動きも広がっている。シカなど狩猟肉はフランス語で「ジビエ」と呼ばれ、昨年には「日本ジビエ振興協議会」も設立された。県内でも、美作市などが整備した獣肉専用の処理施設が3か所あり、今月中には新たに吉備中央町に整備される予定。備前県民局は「備前ジビエ」を特産品にと、主に冬期にジビエ料理が食べられる店舗や、家庭で調理可能なレシピ集をホームページで公開中だ。県農村振興課は「岡山の豊かな自然の恵みで育った狩猟肉は低カロリーかつ低脂肪、動物性たんぱく質も豊富」とPRしている。
(イノシシ肉を新ブランドに:千葉)
捕獲したイノシシの肉を有効活用するため、千葉県市原市と大多喜町はイノシシ肉の販売促進に関する協定を結んだ。フランクフルトやメンチカツなどに加工して販路を開拓し、中房総の新たなブランド品として育てていきたい考えだ。山間部が多い両市町ではイノシシによる農作物などへの被害が多く、地元猟友会が駆除を行っている。昨年度は市原市で約500頭を捕獲したが、市内にイノシシを解体・処理する施設がないため、大部分を埋め立てや焼却で処分していた。一方、年間約1千頭を捕獲する大多喜町には解体施設があり、処理能力にも余力があるため、同市で捕獲したイノシシも受け入れることになった。3日に同町で開かれた調印式では、県内の食肉加工会社などの協力を得て、イノシシ肉を活用したフランクフルトやメンチカツの試食会も行われた。来年1月中旬ごろに館山道上りの市原サービスエリア(SA、市原市)で販売を開始するほか、両市町の道の駅などでもイノシシ肉を使った加工品を販売する。
(カモねぎまつり:新潟)
冬の訪れを告げる野ガモの狩猟解禁(11月15日)に合わせ、新潟市西蒲区の潟東体育館周辺で1日、「かもん!2013潟東カモねぎまつり」と題した年末恒例の食の催しが開かれた。「潟東地域コミュニティ協議会」が中心の実行委員会が主催した。
(シカ肉の有効活用を:北海道)
西興部村と滝上町、下川町でつくるオホーツク山の幸活用推進協議会(会長=高畑秀美西興部村長)が主催した「山の幸エゾシカ活用研修会」がこのほど滝上町ホテル渓谷で行われ、3町の関係者ら65人が参加しシカ肉の利用などについて学んだ。高畑会長が「シカ肉を特産品とし観光振興につなげよう」とあいさつ。引き続き研修会、試食会が行われた。研修会の講師は「オホーツク塩やきそば」の開発者のひとり、道立オホーツク地域食品加工センター(北見市)の抜山嘉友研究員。シカ肉が店頭に並びコロッケや佃煮などの具材にもなって商品化され、シカ肉の有効活用に向けた取り組みが進められている状況を説明した。試食会ではホテル渓谷のシェフによるエゾシカ肉を使ったハンバーグやトマト煮、ソーセージ入りパスタ、ヒレ肉ローストのほか、滝上町加工センターで作ったソーセージやジャーキーなどが並べられた。抜山さん手づくりのシカ肉醤油とふりかけにも人気があった。西興部から参加した上木麻衣さん(22)は「ソーセージがおいしいですね、ハンバーグに和風のソースが合うことを知りました。シカ肉はまだまだ活用できます」と話していた。
(シカ肉をハム加工:徳島)
県内の山間部でシカによる食害が深刻さを増す中、三好高校(三好市池田町)で4日、シカ肉の加工技術を学ぶ講習会が開かれた。県西部県民局や三好市、東みよし町の害獣対策担当者約20人が出席。同校の前田良明実習助手(40)と食農科学科の2年生4人が、ロース肉で作るロースハムと、もも肉を使うプレスハムの生産工程の一部を実演して見せた。完成品を試食した県西部県民局農業支援担当の武内徹郎さん(49)は「臭みもなく一般の消費者も喜んで食べてもらえそう。肉の利用増加につなげたい」と話した。講習会は、シカ肉の利用策を検討する際の参考にしてもらおうと同校が初めて企画した。
(シカ角でクリスマスツリー:栃木)
クリスマスシーズンを前に、シカの角を利用したクリスマスツリーが佐野市葛生化石館(同市葛生東)玄関ロビーに登場、話題となっている。同館職員とボランティアらが角などの廃材を活用し、2カ月がかりで仕上げた力作。28日まで飾られる。同館は毎年、市販のツリーを飾ってきたが、今年9月、同館ボランティアとの話し合いで「化石館らしい展示を考えよう」と計画が持ち上がった。周辺ではニホンムカシジカの化石が数多く出土し、同館も所蔵展示している。またニホンジカも山間部で出没するようになっている。クリスマスといえばトナカイだが、「同じシカの仲間で地元になじみ深い」と制作が決まった。市茂呂山公園(同市茂呂山町)では、飼育しているニホンジカの雄の角を毎年秋、危害防止のため切断している。同館が角を保管する同市社会福祉協議会に打診すると、快く角32本を譲り受けることができた。ツリーのデザインは、同館ボランティアで同市の画家、福島恒久さん(35)が担当。廃テーブルなどを活用し、ツリーに飾るリースや縫いぐるみ、紙細工などは職員、ボランティアら約10人が手作りした。角の固定や飾り付けに手間がかかったという。完成したツリーは台座を含め高さ215センチ。上下2段の台の上にシカの角がらせん状に並び、頂点にクリスマスリースが飾られている。同館職員の山根紘栄さん(32)は「百点の出来。思った以上に全体のバランスがいい」と満面に笑み。学芸員の奥村よほ子さん(34)は「親子連れがカメラを向けるなど喜んでもらっているようです。化石館に興味を持ってもらうことにつながれば」と話している。
(イノシシ肉試食会:長崎)
畑を踏み荒らすなど農作物への被害を防ぐため、捕獲数が増加傾向にあるイノシシ。ほとんどが埋め捨てられている現状を変えようと、長崎市がイノシシ肉の料理・加工品の試食会を初めて開き、市内の飲食店関係者約20人が調理法などを学んだ。試食会では、ホテルの調理師が赤ワイン煮、洋風鍋、香草パン粉焼きを、それぞれ加熱の時間などを説明しながら実演。同市内で作られたハムなど加工品の試食も。「意外と軟らかい」など、料理はおおむね好評だった。参加した林田英保さん(44)は「独特の風味もあり、普及に時間がかかりそうだが、挑戦としては面白い」と興味を示した。長崎市農業振興課によると、昨年度のイノシシによる作物被害は約5200万円(県全体で3億2700万円)で、県内トップクラス。畑への侵入を防ぐ柵の設置などの一方、補助金を出して約1100頭を捕獲した。ただ、ほとんどが“厄介者”のまま、埋設処分されている。捕獲などコストの影響で価格が意外と高いことや、そもそもイノシシ肉へのなじみがないことなどから、有効活用は進んでいない。市は今後も、イベントなどを通じて、イノシシ肉をPRしていく方針。農業振興課の田淵義則係長は「ただ捨てるよりも、肉の消費を増やすことで捕獲への意欲も増す。取り組みを通じ、被害防止を図りたい」と話した。県農山村対策室によると、イノシシによる農作物被害はかつては県北部が中心だったが、今では県全域に拡大している。昨年度に捕獲されたイノシシは3万1128頭(補助金対象分)。このうち食肉処理施設に持ち込まれたのは2・5%、自家消費も15・3%にとどまるという。

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12/4
(眞子さまが駐日大使らを接待、カモ猟を紹介:埼玉)
秋篠宮家の長女眞子さま(22)は4日、母の紀子さまとともに宮内庁埼玉鴨場(埼玉県越谷市)で、駐日外国大使夫妻らに伝統のカモ猟を紹介する恒例の行事に接待役として参加された。眞子さまらはスイスやウガンダなど約10カ国の大使らと英語で懇談。おとりのアヒルを使って水路におびき寄せた野生のカモを、手持ちの網で捕まえる独特の猟を大使らと一緒に体験、捕らえたカモは後で空に放った。眞子さまは国際基督教大4年で、卒業論文の執筆など学業に努める一方で、7月に初の地方単独公務をこなすなど成年皇族としても積極的に活動している。
(津波で銃失い許可失効、食害ピンチ:岩手)
東日本大震災の津波でライフル銃を失った高齢の猟師が引退するケースが相次ぎ、畑などを荒らすシカやイノシシの増加が懸念されている。銃刀法の規定が壁になり、大型獣を仕留めるライフル銃の再所持には最低でも10年かかるためだ。震災前に数十年積み重ねた経験が生かされず、猟師たちは「せめて5年に短縮を」と訴える。震災後に友人が譲ってくれたシカの角を見上げ、岩手県陸前高田市で農機具店を営む北俣富男さん(73)はこぼした。「10年も待たなくて済むなら、もう一度ライフルを握りたい」。木造2階建て自宅兼店舗ごとライフル銃1丁を津波で流され、40年続けた猟をやめた。農家からシカの駆除を頼まれ、猟期には週2回山に入っていたベテランだ。「食害が増えているのに」と申し訳なさそうに語る。銃刀法では、猟銃の所持許可は1丁ごとに与えられ、銃を失う「亡失」の場合は失効する。再所持には、どんなベテランでも初心者と机を並べて講習を受け、実技試験をクリアしなければならない。しかも、まず認められるのはカモなど小動物に向いた散弾銃のみ。その経験を10年積まなければ、ライフル銃は手にできない。狩猟歴40年の戸羽茂夫・高田猟友会長(70)=同市=も、震災で自宅にあった散弾銃2丁とライフル銃1丁を失った。引退も考えたが、会員に慰留されて撤回。講習と試験をへて2011年秋に散弾銃を所持できた。だが、弾の威力も射程もライフル銃に劣る。かつてはシカを月に約10頭仕留めていたのに、今は半分にも届かないという。「経験がある被災者には、ライフル銃の再所持をすぐ認めてもらえないか。せめて5年に短縮してほしい」と話す。大型獣による食害は震災後増えており、岩手県自然保護課は「これ以上ハンターが減っては被害防止に手が付けられなくなる」と危機感を募らせる。大日本猟友会などによると、岩手・宮城・福島の被災3県の会員は、2010年3月の7276人から震災後の12年3月には5942人と2割近く減少。岩手県猟友会は「もともと60〜70代が多く、年齢を考えて震災で失った銃を再び手にすることをあきらめた人は多い」と指摘する。全国の会員も高齢化やレジャーの多様化などで、1978年度の42万4820人をピークに減り続け、2012年度には4分の1の10万7861人になった。一方、シカやイノシシなど大型獣の農作物被害は、全国で05年度の約118億円から震災後の11年度には184億円に増加。被災3県でも2億6212万円から3億6541万円に4割弱増えた。
(樹木2000本にネット設置、シカ食害防止:徳島)
ニホンジカの食害が深刻な三好市東祖谷の三嶺(標高1893メートル)中腹で、NPO法人・三嶺の自然を守る会などが樹木に防護ネットを巻き付ける活動を続け、処置した樹木数が2千本に達した。豊かな森を守ろうと、徳島森林管理署などの協力を得て始めてから約3年。山全体からすればまだ一部だが、一定の効果は表れていて、関係者は活動継続に意欲を燃やしている。三嶺では2007年ごろから、登山口付近から山頂にかけてのほぼ全域で食害が目立ち始めた。被害が深刻化し始めた10年7月、守る会は、徳島森林管理署の許可を得て活動を始めた。以来、これまでに11日間活動。守る会会員に加え、他の環境保護団体の関係者や県、徳島森林管理署の職員ら延べ310人が参加し、2084本の樹木にネットを巻き付けた。ネットを取り付けているのは登山道の一部で、「ダケモミの丘」と呼ばれる尾根周辺の標高1400~1600メートルの国有林。シカが好んで食べる「ウラジロモミ」と「リョウブ」の群生地で、特に被害が目立つ。シカが樹皮にかみつけないよう、樹木の根元から高さ1・5メートルのネットを幹回りに巻き付けている。ネットは徳島森林管理署が提供。10年ほどで土に返る材質で、自然環境にも配慮している。ネットを巻いた一帯では被害の拡大が防がれているほか、樹皮が復元した樹木も。暮石洋代表(64)=徳島市末広4、自営業=は「無数にある木の中では2千本と言ってもほんのわずか。今後も活動を継続することが大切で、少しでも樹木の保護に役立てたい」と話している。

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12/3
(シカ肉から基準下回るセシウム:山梨)
県は2日、県内で捕獲した野生獣肉9検体に含まれる放射性物質を検査した結果、都留市と大月市のニホンジカの肉計2検体から1キロあたり23~30ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。いずれも国の基準値(1キロあたり100ベクレル)は下回った。
(クマ目撃、初のゼロ:石川)
県内での今年のツキノワグマ目撃件数は、7月以降、過去最多ペースだった上半期から一転し、大きく減少していたことが、県への取材で分かった。秋の件数減が目立ち、特に11月は統計を取り始めた2005年以降、初めてゼロだった。県は、秋に奥山でクマの餌となる木の実が予想に反して豊作となり、里山に下りてこなかったのが要因とみているが、「頭数が減っているわけではない」と引き続き注意を促している。県のまとめでは、今年11月末までの目撃件数は142件で前年比16件増、過去5年間では2010年の353件に次ぐ多さだった。中でも若い雄が親離れする春の出没が例年より目立ち、5月は23件増の38件、6月は29件増の46件に急伸した。4月には能美市で70代女性がクマに襲われて頭に大けがを負い、5月には金沢市森本中にクマが侵入。過去最多ペースで目撃情報が寄せられたことや、ブナ、ミズナラの花の付き具合などから予測した「餌不足」を受け、県は9月、出没注意情報を発令して警戒を呼び掛けた。ただ、例年なら目撃件数が増える秋は、予想に反して少なくなり、9月は前年比7件減の8件、10月は13件減の11件、前年4件の11月は0件だった。秋の目撃件数が少なかった理由として、県は、「不作」予想の奥山のブナや、「並作」予想だったミズナラの実がいずれも豊作となり、「クマが奥山にとどまって人目に触れなかったのではないか」と分析している。今春の異常出没を受け、七尾市は初めてクマ捕獲用おりを設け、小松市は全町会に防災行政無線と電子メールで目撃情報を連絡する態勢を敷くなど、各市町は対策強化を図った。金沢市は山沿いの住宅密集地で草刈りを徹底してクマが隠れる茂みを減らした。県自然環境課では、各市町の取り組みを歓迎し、「今後は餌の作況予想の精度を高めていきたい」としている。
(電気柵で猿侵入防げ:奈良)
猿の群れが頻繁に出没し、農業被害の拡大が懸念されている奈良市の東部で、市が本年度に設けた補助事業による電気柵設置のモデル事業が先月、スタートした。同市阪原町自治会(太田和秀会長)では農家14軒が共同で総面積約1万平方メートルの畑地の周囲500メートルにわたって鉄製の柵を張り巡らし、猿の侵入を防止。効果が期待されている。
(越冬で「鴨池」にカモ続々飛来:福井)
福井県坂井市三国町加戸の通称「鴨池」に、越冬のため続々とカモが飛来している。青空が広がった2日、カモたちは陽光を浴びながら水面や水際でのんびり羽を休めていた。「みくに鴨池を守る会」の阪本周一会長(78)=同町宿2丁目=の観測によると、今季の初飛来は9月末。飛来数は10月に入って徐々に増え始め、マガモやヒドリガモ、コガモなど約10種類1200羽が訪れている。鴨池では、水面をゆらゆら漂ったり、羽繕いをしたり、羽をばたつかせて水浴びする姿などが見られる。阪本会長によると、カモは夜行性で、日中は鴨池で休息し、夜間は川や田んぼなどで餌を探すという。飛来のピークは1月中旬で、2千羽を超える。3月ごろまで越冬し、シベリアなど北方へ帰る。
(感謝祭セールの新しい伝統は「銃」:アメリカ)
アメリカでは、11月の第4木曜日に感謝祭を祝う。その翌日のブラック・フライデーには、全米でバーゲンが開催され、買い物客たちは、お目当ての薄型テレビやビデオゲーム、アグのブーツや最新のおもちゃなどをめぐってバトルを繰り広げる。ところが、別の種類のバーゲン品を狙う客たちもいる。銃器だ。感謝祭の後に銃を購入するのが、アメリカの新しい習慣になりつつある模様なのだ。銃器購入の際には犯罪歴等の確認が必要だが、米連邦捜査局(FBI)の報告によると、ブラック・フライデーの買い物の際に提出される犯罪歴の確認件数が、過去2年にわたって史上最多を記録しているという。2012年のブラック・フライデーには15万4873件という確認申請がなだれ込み、同年の1日平均数のおよそ3倍に達した。その影響で、即時犯歴照会システムのコールセンターの中には、一時的にサービスを停止せざるを得ない所もあったほどだ。FBIは、銃器購入者数自体の統計調査は行っていない。複数の銃器を同時購入する客もいるので、ブラック・フライデー当日の銃器販売総数は、犯罪歴確認数よりも多いことも考えられる。FBIの発表では、今年10月31日までの犯罪歴確認件数は1723万8102件となっている。昨年、銃器に対する需要が高まったのは、オバマ大統領の再選により、銃規制が強化されるのではないかとの懸念が広がったことも原因とされている。また、今年に入っても引き続き銃に対する需要が落ちない要因としては、コネティカット州ニュータウンで2012年12月に起こったサンディフック小学校銃乱射事件がある。児童20名、大人6名が犠牲となったこの事件の後は、銃が規制される可能性がさらに高まったからだ。アウトドア用品のチェーン店バス・プロ・ショップスは、Bushmaster M4カービンなどの半自動小銃を、拳銃およびショットガンとセットにして売り出した。スポーツ用品チェーンのディックス・スポーティング・グッズは、感謝祭当日から土曜日まで、すべての銃器を割引価格で販売すると大々的に宣伝した。アウトドア関連用品を販売するカベラスにいたっては、ブラック・フライデー・イベントとして銃器の無料プレゼントを行った。金曜日の来店者先着600名に無料の福袋が用意され、ブローニング社製X-Bolt Medallionライフルなどがもらえたのだ。ウォルマートは全米最大の銃器販売業者でもあるが、ブラック・フライデーには「店長のスペシャルセール」と銘打ち、銃器取扱店舗で一部のロング・ライフルおよびショットガンを20%の割引価格で販売した。もっとも、シカゴ大学の米世論調査センター「National Opinion Research Center」(NORC)の調査によると、銃を所有するアメリカの世帯数は過去40年で減少しているという。ただし、その減少が銃器売り上げに反映されているわけではない。銃規制を支持する団体「Moms Demand Action for Gun Sense in America」の創設者シャノン・ワッツ氏はこう説明する。「銃の所有者数が減っている反面で、1人当たりの所有数は増えているというのが現状です。銃器メーカーは(所有者に対して)もっと買うよう宣伝しなければならないのです」

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12/2
(狩猟中に猟銃を誤射、男性がけが:大分)
1日昼すぎ臼杵市野津町の山中で猟をしていた男性が銃を誤って打ち、豊後大野市の71歳の男性が足にけがをしました。1日午後1時ごろ臼杵市野津町秋山の山中でグループで猟をしていた宮崎県木城町の男性が、飛び出してきたシカを猟銃で撃った際80メートルほど山の上の方にいた仲間の男性を誤って撃ちました。撃たれたのは豊後大野市三重町に住む71歳の男性で右の太ももに弾があたり、病院で手当てを受けています。男性は命に別状はないということです。警察によりますと、グループのメンバーは大分県と宮崎県の狩猟愛好者8人で、イノシシ猟のため1日午前8時から山に入っていたということです。警察は誤って撃った男性から当時の状況を聞き事故の原因を調べています。
(ため池に散弾銃の弾383個:兵庫)
1日午前10時5分ごろ、兵庫県西脇市出会町のため池で、水を抜き掃除をしようとしていた男性区長(64)が池の底から散弾銃の弾を発見し、110番した。県警西脇署によると、弾は池底の11カ所で見つかり、同署員が計383個を回収した。男性は「約20年ぶりにため池の掃除をすることになった」と話しているという。同署は何者かが弾を池に捨てたとみて、火薬取締法違反容疑で調べている。
(イノシシまぎれ込む:栃木)
26日午後0時20分ごろ、那須塩原市青木の那須疏水に「クマがいる」とダンプで通りかかった男性が那須塩原署に通報した。間もなく駆け付けた同署員が、クマではなく体長約1・2メートルのイノシシが幹線水路(幅2・2メートル)の中にいるのを発見、同3時ごろ、地元の猟友会会員が捕獲した。同署や黒磯猟友会によると、捕獲されたイノシシは3歳ぐらいの雄で、体重約60キロ。現場付近は牧場や民家が点在している。近くの畑にイノシシが土を掘り返した跡があり、餌を探している途中で水路に落ちたらしい。10月31日には同市内中心部の黒磯駅前でイノシシが捕獲されるなど、市街地や市街地周辺でたびたびイノシシが目撃されている。黒磯猟友会駆除隊の人見伊久雄隊長(59)は「こんなことは今までない。間違いなくイノシシは増えている」と話した。
(イノシシ3頭目撃:栃木)
30日午後5時25分ごろ、那須塩原市鳥野目の市道で、イノシシ3頭が目撃された。那須塩原署によると、イノシシの体長はいずれも約1メートル。乗用車を運転中の女性が道路を横切るイノシシを目撃、うち1頭と衝突し、同署に通報した。残り2頭は走り去ったという。
(狩猟の魅力まるわかりフォーラム:長崎)
環境省は、平成25年12月21日(土)に狩猟の魅力まるわかりフォーラム(長崎県)を大村市体育文化センター において開催する。このフォーラムは、イノシシやニホンジカ等の鳥獣による生態系及び農林水産業への被害が深刻化する一方、鳥獣保護管理の主たる担い手である狩猟者の減少や高齢化が進んでいることから、将来の鳥獣保護管理の担い手を確保することを目的に開催するもの。今回も若手ハンターによるトークセッションやジビエ料理の試食、ハンティングの模擬体験ができるワークショップブースの出展など、狩猟が持つ魅力や社会的な役割を実感できる内容となっている。なお、このイベントは自由に参加することが可能。
(人気沸騰も深刻なハンター不足、日本の「ジビエ」事情:東京)
フランスで親しまれる「ジビエ」は、捕獲したシカなど野生鳥獣やその肉を指す。高たんぱく、低脂肪というヘルシーさが日本でも注目され、人気上昇中だ。その背景には全国で深刻化するシカの食害がある。農林水産省によると、野生鳥獣による農作物被害額は2011年度で約226億円で、うちシカによるものが約83億円と最も多い。東京も例外ではない。都の最高峰、雲取山(2017メートル)をいただく奥多摩町は、ワサビを食べられる被害に悩み、年間を通じて有害駆除に取り組む。担い手は平均年齢60歳を超す地元猟友会だ。町は捕獲したシカを「おいしく」活用しようと都内で唯一のシカ肉専門処理場を造り、“奥多摩ブランド”としての確立を目指す。農水省も販路拡大に努め、若手ハンターの増員を探っている。ハンターの高齢化は進み、「我々が絶滅危惧種だ」と冗談めかして言う猟師もいる。豊かな自然を守り、後世に残していくため、自然との対話は続く。
(国体PRフェスタ、子供らスポーツ体験:福井)
2018年に開催される福井国体に向けて、スポーツに親しむイベント「福井しあわせ元気国体スポーツフェスタ2013」が30日、越前市瓜生町のサンドーム福井で始まった。会場では約20種類のスポーツを体験できるブースが設けられ、多くの子供たちが挑戦した。1日まで。「福井しあわせ元気」国体・障害者スポーツ大会準備委員会が主催。約10メートル離れた的にビームライフルを命中させるライフル射撃や、バウンドテニスなどの体験コーナーがあり、選手らが子供たちに教えた。ライフル射撃に挑戦した越前町樫津の小学1年、小橋蒼一郎君(7)は「ライフルの持ち方が難しかったけど楽しかった。またやってみたい」と話していた。
(ビームライフルで快感スナイパー体験:神奈川)
漫画界の大御所・さいとう・たかを氏の人気漫画「ゴルゴ13」が今年、連載開始から45周年を迎えた。超A級スナイパーの主人公デューク東郷のように、一度はライフルを構えてみたい-。そんな憧れを抱く老若男女にお薦めなのが、神奈川県立伊勢原射撃場(伊勢原市上粕屋)で体験できる「ビームライフル」だ。ビームライフルとは、空気銃の弾と同じ直径4・5ミリで光線を発射する射撃競技用光線銃。実弾を使わず、殺傷能力もないのでライフルや散弾銃、空気銃などと違って県公安委員会の許可は必要ない。伊勢原の市街地から少し離れた山の入り口にたどり着くと、周辺にこだまする発射音が聞こえる。射撃場内は銃の種類ごとに射場が分かれている。2階の射場に並ぶ標的と射撃位置との距離は10メートル。それほど遠くはないが、直径約4・5センチ圏内に光線が当たらなければ点数は入らない。最高点の10点を出すには、標的の中心から直径0・5ミリ圏内に当てねばならず、かなりハードルが高い。職員の男性に構え方などの手ほどきを受け、スーツ姿でデューク東郷を気取って“ライフル銃”を構える。とは言っても、最初は慣れるため椅子に座り、銃身を机の上に固定しながら照準を合わせた。右手の人さし指で引き金を引くと反動はないが、音が出て手前のディスプレーに点数が表示される。銃身が固定されているので照準は合わせやすく、10点を出すのは容易だ。しかし、いざ立ち上がって構えると、なかなか照準が定まらない。ビームライフルは重さが約3・5キロあり、ちょっとした手の震えでも標的から照準が外れてしまうのだ。「立ちながら撃つのは体力と集中力が必要。引き金を引きながら照準を合わせるのがコツです」と射撃場の職員。日頃の運動不足を呪いながら何度も挑戦した揚げ句、9点(標的の中心から直径5・5ミリ圏内)が出たときには思わず拳を握りしめた。県射撃協会の葛谷(くずたに)寛一理事によると、今年の国体では60発すべてで10点をマークした高校生もいたという。数百メートル先のターゲットをたやすく撃ち抜くデューク東郷には遠く及ばないというシビアな現実を突きつけられ、何となく寂しい思いで帰路についた。料金は一般500円、学生300円で時間制限はない。問い合わせは(電)0463・92・7880。大会などで体験できない場合もあり、事前確認が必要。射撃場内には食堂や射撃グッズを購入できる売店もある。
(シカ料理教室、ヘルシーな食材:兵庫)
「森の恵みシカ肉料理教室」が4日に姫路市、6日には神戸市で開かれる。県内では、農林業被害防止などのため年間3万頭以上のシカが捕獲されているという。しかし、調理方法が知られていないため、食肉利用は普及していない。一方でシカ肉は高たんぱく、低脂肪、鉄分豊富なヘルシー食材という。紹介される料理は「シカ肉とキノコのトマト仕立て」「シカ肉ハムのラップロール2種」。会場は姫路、神戸それぞれの大阪ガスクッキングスクールで、午前10時半から。定員は20人と32人。
(シカ肉ロースト「おいしい」:福井)
シカやイノシシなどの害獣の肉の有効活用を進めようと、県嶺南振興局は30日、狩猟した野生動物の肉「ジビエ」を使った料理の試食コーナーをJA若狭(小浜市遠敷)のイベント会場に設け、シカ肉ロースト200人分が市民らに振る舞われた。1日まで。県によると、葉や樹皮などを食べ、農林業に被害をもたらすシカは、嶺南地域で1990年代から増え、嶺北地域にも拡大。昨年度は嶺南を中心に約6000頭が駆除されたが、肉の活用が課題となっている。提供された料理は嶺南で捕獲されたシカを若狭町の料理研究家や職員らが調理。ロースト肉に小浜市産のイチジクと、おおい町産の梅で作ったソースを添えた。市民らは、ようじでつまんで味を確かめ、アンケートに答えていた。また、害獣の生態や森林被害の実態、「シカ肉は高たんぱく、低脂肪、低カロリー」などと記したパネルも展示された。「臭みがない」という声が多く、若狭町三宅の主婦深沢稲子さん(49)は「肉が軟らかく、思ったよりおいしい」と満足そう。兵庫県加古川市の会社員金谷康子さん(45)は「野菜を挟んだら合うはず。売っていたら買いたい」と気に入った様子だった。
(シカ肉料理、妊婦に好評:北海道)
エゾシカ肉の有効活用が課題とされる中、町内のカフェ「ループ」(東13北1)が毎週提供するシカ肉料理が妊婦ら女性に人気だ。同店代表の栄養士佐藤あゆ美さん(53)=釧路市阿寒町在住=は「不足しがちな鉄分を少しでも補給してほしい」と話す。佐藤さんは昨年3月まで2年間、釧路短大食物栄養専攻で学び、シカ肉料理を推奨する岡本匡代准教授の講義で、低カロリーでヘルシーなシカ肉の栄養価やおいしさを知った。昨年3月に開店以来、阿寒グリーンファーム(釧路市阿寒町)のシカ肉を取り寄せ、週1回「鉄分の日」を設定した。鉄分の1日の推奨量は成人男性7ミリグラムに対し、成人女性は10・5ミリグラム。1食で女性の1日分の50~100%を摂取できる献立を提供してきた。さらに妊娠中期~末期の女性は21ミリグラムの鉄分が必要とされる。鉄分の日は「まるで妊婦サロン状態」になることも。28日はシカ肉のそぼろとゴボウのまぜご飯など、6ミリグラムの鉄分が摂取できるランチ(800円)が提供された。佐藤さんは「サプリメントでなく食事で鉄分を取ってほしい。シカ肉料理のレシピもどんどん教えます」。営業は木、金、土曜の午前11時半~午後4時。今年は12月7日で終了し、来春再開する。次回の鉄分の日(7日)はエゾシカ肉のワイン煮込みを提供する。
(ジビエもおいしさ満点:鳥取)
「いいにくの日」の11月29日、鳥取市賀露町西3の地場産プラザ「わったいな」で「1129感謝祭」が開かれた。鹿やイノシシといったジビエ(狩猟による鳥獣肉)や県内産の牛肉などを使った料理を提供。約800人が訪れ、舌鼓を打った。12月1日まで。有害鳥獣として捕獲されるイノシシや鹿の肉の普及を目指す「いなばのジビエ推進協議会」などが主催。国道29号の沿道で肉料理を提供する店舗が参加する「29ロードプロジェクト実行委員会」も協力した。イベントには、同市や若桜、八頭両町から13店舗が日替わりで出店。29日は鹿を使ったカレーや鳥取和牛の串焼き、鹿肉のチーズカツ丼など6種類が100〜500円で販売された。同市湖山町北5から家族で訪れた山根美鈴さん(41)はチーズカツ丼を購入。「食べやすく調理されていておいしかった。臭いも気にならなかった」と話していた。30日と12月1日にはイノシシ肉のハンバーガーなども販売する予定。同協議会の長尾裕昭会長は「ジビエは普段食べる機会が少ない。実際に食べてもらっておいしさを知ってもらいたい」と話した。

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