<射撃ニュース12月>

12/30
(クマ出没、男性襲われけが:福井)
26日午後9時20分ごろ、大野市金山の男性会社員(27)が自宅敷地内で、車を降りた直後にクマに襲われ、両腕を3カ所かまれるけがを負った。大野市農林整備課によると、クマは体長1メートルぐらいの大きさで、周辺の柿の木に痕跡があった。冬眠時期にクマが出没するのは珍しいという。市は周辺住民に注意を呼びかけるとともに、27日午前中に地元猟友会などを出して、現場周辺を捜索。雪上に山奥に逃げた足跡があったため、周辺住民への危険性はないとして、捜索を終了した。
(川でカモ73羽の死骸、農薬含ませた餌の可能性:熊本)
熊本県は26日、八代市大福寺町周辺の流藻川で、11月24日から今月24日にかけて計73羽のヒドリガモの死骸が見つかったと発表した。抽出検査した3羽の胃の内容物から農薬成分が検出され、いずれも農薬が死因とみている。何者かが故意に農薬を含ませた餌を与えた可能性もあり、県は鳥獣保護法違反の疑いもあるとしている。発表によると、死骸が見つかったのは河口付近。周辺住民から県や八代署に7回にわたって情報が寄せられ、多い時には20羽が見つかった。回収した死骸のうち3羽の胃の内容物を調べたところ、大豆や米などの害虫駆除に使われる農薬「フェンチオン」の成分を検出。さらに、この時期には実っていない稲の実も見つかったことから、農薬を含ませた実を意図的に与えた可能性もあるという。
(イノシシ親子出没で大捕物:千葉)
市原市姉崎地区でイノシシの親子3頭が出没し、市職員や市原署員らによる捕獲隊が27日、うち2頭を捕獲した。1頭は逃走中。同地区でイノシシ目撃例はなく、市や住民も驚きを隠せない。26日午後に同地区住民から市などへ通報があり、駆け付けた市職員らが、母親とみられるメス1頭と子ども2頭を姉崎神社周辺で確認した=写真(海上晃宮司提供)。翌27日午前10時ごろから県や市、市原署、猟友会からの20人以上が網での捕獲を開始。約3時間かけてようやく子ども2頭を捕獲した。捕獲まで、防犯メールや防災無線などで市民に注意を呼び掛けた。
(イノシシが前田家墓所荒らす:石川)
金沢市野田山の国史跡「加賀藩主前田家墓所」で、イノシシが居着き、墳墓周辺を掘り返す被害が出ていることが、29日までの石川県自然史資料館の調査で分かった。養分に富んだ土壌で餌が多いことから、墓所周辺に複数頭がすんでいるとみられ、墓参者や観光客に驚いて襲い掛かる危険性がある。市は定期的に巡回しているが、広大な敷地で侵入を防ぐのは難しく、手の打ちようがない状態だ。県自然史資料館は、11代藩主治脩(はるなが)の墳墓周辺にカメラを設置し、キツネなど野生動物の定点観測を行っている。11月6日夕に初めてイノシシの姿が確認され、映像には成獣より一回り小さい若い個体が、落ち葉をかき分けて地面を掘り返す姿が映っていた。確認された穴は数カ所だった。カメラには、ほかに2頭が向き合ってたたずむ様子も記録されていた。墓所敷地では、数年前からイノシシの足跡が見つかっていた。一帯は、イノシシが餌のミミズを簡単に見つけられるため、「餌場」として定着しているとみられる。今のところ藩主の墳墓本体に損傷はなく、見つかった穴も浅いが、繁殖力が強いイノシシの数が爆発的に増えれば、史跡への被害が深刻化するとの懸念がある。資料館によると、イノシシはもともと警戒心が強く、人を避ける習性があるものの、奥山から生息範囲を広げて以前ほど人間を怖がらなくなっている。墓所は野田山墓地と隣接しており、墓参者らが突然出くわした場合、「パニック状態になったイノシシが突進してくることもあり得る」と注意を促す。金沢市は月1回、敷地内を回って異変がないかパトロールしている。しかし、墓所は奥山とつながっているため、イノシシを防げないのが現状だ。文化財保護課は「墳墓への被害は確認されていないが、警戒したい」としている。カメラの映像では、これまでもカモシカや、クマの親子なども確認されている。資料館の水野昭憲館長は「このままイノシシが定着して山裾まで活動範囲を広げると、農作物への被害も出てくるのではないか」と悩ましげに話した。
(モンキードッグ、合同訓練:長野)
農作物に被害を与えるサルを追い払う犬「モンキードッグ」の合同訓練が15日、大町市役所駐車場などであった。同市では現在23匹が活動中。小雪が舞う中、11匹が訓練に参加した。服従訓練などの後、移動した平地区で30匹ほどの群れと遭遇し、犬たちは猛然とサルたちを追い散らしたという。
(JR東海の押し出し装置、効果上々)
JR東海が、線路内に立ち入ったシカを外に押し出す衝撃緩和装置を特急車両の前部に取り付け、効果を上げている。シカは狩猟者の減少などで増加中で、昨年度の衝突は同社管内の紀勢線などで635件に及んだ。衝突すると車両の破損や列車の遅れにつながる。導入から約1年半。装置がない場合より、衝突による30分以上の遅れは減り、遅延時間も平均で約3分間短くなった。スポンジゴム製で、シカにも優しい対策のようだ。
(人襲うカラスと頭脳戦:北海道)
札幌市円山動物園で、カラスによる来園者への襲撃が毎日のように起きている。買い物袋を持つ人を狙って、複数のカラスが襲う「連係プレー」も。わなによる駆除が失敗続きの動物園は、年明けから大型の箱わなを仕掛けて問題カラスを一網打尽にするという。一方で、「動物を育む施設での殺生」という後ろめたさから、わなを置く場所は今までと同様に秘密だ。「関係のないカラスが捕まってしまう」という疑問の声も出ている。襲うのは、一組のつがいを中心とする特定のハシブトガラス4、5羽。正門近くのコンビニエンスストアから出てきた人らに狙いを定め、1羽が頭に乗っかり、驚いて落とした買い物袋を別のカラスが奪う。狙われるのは主に小さな子どもや女性、高齢者ら。襲撃は毎日のようにあり、「頭から出血した子どもが園内の救護室に運ばれたことも。襲撃は年間千件に上るのではないか」(円山動物園の経営管理課)。動物園は一昨年から1年半ほど箱形わなを仕掛けたが、1羽も捕まえられなかった。新しいわなは金属製の骨組みにネットを張り、これまでのわなより格段に大きい縦横5メートル、高さ2メートル。中に入ったカラスにつられて次々とカラスが入ることを狙う。設置場所は「子どもの教育上良くない」として、来園者から見えない所に置く。東京都内では、わなによるカラス駆除が行われ、「多摩動物公園内にも仕掛けられている」(委託されている管理団体の担当者)という。人に向かってくるカラスは餌を与えられた経験のあるカラスだ。「人間は食べ物を持っている」と学習させてしまうことに問題がある。駆除しても同様のカラスが現れる。そもそも円山で問題になっているカラスのうち、つがいの2羽の学習能力は相当高いとみられ、わなにはかからないだろう。捕まるのは関係のないカラスではないか。(札幌市内のカラスの生態を研究しているNPO法人「札幌カラス研究会」中村真樹子代表理事(48)の話)
(シカ肉食べて森林守ろう:京都)
福知山市の長田野工業団地にあるエスペック福知山工場(桶谷馨工場長)は、三和町で捕れたシカ肉を使ったカレーを社員食堂の昼食メニューに取り入れた。環境試験機器メーカーとして地球温暖化防止につなげる観点から、野生のシカを食べることで二酸化炭素を吸収する森林を守ろうという初の試み。社員からは「臭みはなく、歯応えがあっておいしい」と好評。シカは、植林した木の新芽を食べたり皮をはいだりし、農作物も食い荒らすなど被害が深刻になっている。エスペック社は地球温暖化防止、防災など多くの役割を持つ森を守る取り組みを続けていることから、府内のNPO法人などが実施する「社員食堂で地産地消=温暖化防止キャンペーン」としてシカ肉をメニューに加える事にした。25日には4種類のメニューのうち一つを「シカ肉カレー」にした。シカ肉約2キロをひき肉に加工して調理し、40食分を用意。「牛肉や豚肉とはまた違った味。予想以上においしく、またメニューに出れば、注文したい」などと好評だった。今後も2カ月に1回の割合でシカ肉を使った料理を出す予定。同社のみどりの学校推進グループを担当する土田真奈見さんは「シカ肉は、豚、牛肉に比べて鉄分が豊富で、高タンパク、低カロリー。他の企業や市内の小学校などにもシカ肉の料理を普及させ、野生のシカの常食が個体数の適正化につながることを伝えていきたい」と話していた。
(ファストフード業界が「シカ肉食材」に注目)
シカによる農林産物の被害に悩まされる三重県。国内最大のカレーチェーン、カレーハウスCoCo壱番屋とコラボし、被害軽減のために捕獲した鹿肉を使ったカレーを県内全30店舗で提供中。「牛や豚に比べてまだ一般的ではないシカですが、より多くの人に食べてもらうために、カレーに鹿肉を使えないかと思ったんです」(三重県フードイノベーション課)CoCo壱番屋は、これまで地域限定のメニュー開発に積極的に取り組んできたこともあり、県からのオファーを快諾。現在販売中の「CoCoだけシカ食べられないカレー」は、豚肉をベースに県産鹿肉のミンチと鈴鹿産のキノコ、はなびらたけを加えたハムカツをイメージさせるトッピングが載るひと皿。「カレーと一緒に食べておいしくなるように何度も試行錯誤を繰り返しました」そう。カレーが目の前に運ばれて、まず驚いたのはトッピングのデカさ。130gもあり、男性でも十分に満足できるボリュームだ。まずはトッピングの上にカレーをかけてひと口。おおっ、この深みのあるコクは鹿肉ならでは。はなびらたけのコリコリとした食感も心地よいアクセントになっている。お世辞抜きでマジ旨! しかし残念なことに「CoCoだけシカ食べられないカレー」は12月31日までの期間限定。まだ食べていない人は急げ(三重県まで)!

TOPへ

12/27
(マンションで実弾3百発盗難:茨城)
茨城県警土浦署は26日、かすみがうら市稲吉東のマンションの一室から、散弾銃の実弾約300発が盗まれたと発表した。同署で窃盗事件として調べている。発表によると、同日午後8時頃、この部屋の自営業男性(36)が警備会社から異常を知らせる通報を受けて帰宅すると、実弾や高級腕時計2個(計150万円相当)を保管していた居間の金庫(縦横奥行き約30センチ)がなくなっていたという。当時、部屋は施錠されていたが、廊下側の窓ガラスが割られていた。実弾は男性が射撃用として、県公安委員会の許可を受けていた。
(塀の中の“とらわれ”イノシシ、救出に法の壁:兵庫)
神戸市中央区の宇治川で、野生のイノシシ1頭が、高さ約6メートルのコンクリート塀に囲まれた場所から抜け出せずにいる。市条例で餌付けが禁止されている区域だが、食べ物がない状態を見かねた住民らが餌を与え、すみ始めて1年近くになる。保護や捕獲を要請する相談もあるが、鳥獣保護法では、人や財産に危害を与える場合などに限られており、市は「かわいそうなだけでは動けない」。土地を管理する兵庫県も「実質的な被害がないと…」と法の壁に救出できない状態になっている。同市中央区の宇治川のえん堤内(長さ64メートル、幅27メートル)。近くの70代の女性によると、昨年冬ごろ、住民がうり坊のイノシシを発見した。誤って入りこみ、戻れなくなったとみられる。餌付け禁止区域だが、食べ物はなく、住民がパンや果物を与え、今では1メートルほどの大きさに成長した。愛らしさが人気を呼び、いつしか近隣住民から「イノちゃん」「ぶーちゃん」などと呼ばれるようになった。「1頭でかわいそう。山に返してあげたい」と、市に相談する住民もいたが、立ちはだかるのが鳥獣保護法の壁。人や財産に危害を加えるほか、病気やけがをしている場合などは、捕獲や保護の対象となるが、このイノシシはどちらも該当しない。土地を管理する県は「河川の壁を壊すなどの被害がなければ動けない」と回答。イノシシなどが危害を加える場合、県から捕獲を任されている市の担当者は「県からの要請を受けていない以上、“救出”は困難」と頭を悩ませている。
(84頭、避難区域で捕獲:福島)
環境省は25日、原発事故の避難指示区域でイノシシとイノブタ計84頭を捕獲した、と発表した。人が生活しなくなった後、イノシシなどが住宅や田畑を荒らしているケースが多く、同省が11月以降、わなを設置していた。捕獲した頭数を発表するのは初めて。同省によると、イノシシなどが捕獲されたのは浪江、双葉、大熊、富岡の4町。各町に6基ずつわなを置いたところ、浪江町で16頭、双葉町で12頭、大熊町で11頭、富岡町で45頭が捕獲された。17頭のイノブタを含む84頭は、すでに安楽死処分されたという。また、浪江、富岡両町内で捕獲した2頭のイノシシに全地球測位システム(GPS)付きの首輪を約2週間装着し、生息動態を把握しようと試みた。その結果、2頭とも、捕まったわなから約2キロの範囲内で行動していた。同省は1月に捕獲を再開し、来年度以降も継続する予定という。
(シカやイノシシの食害深刻、保護から捕獲へ)
野生動物を保護する役割を担ってきた鳥獣保護法が転換期を迎えている。シカやイノシシによる食害が問題となり生態系への影響も出てきたなか、環境省は来年にも目指す法改正で、捕獲数の増加をねらう「積極的な管理」へ、大きくかじを切る見通し。ただ、方法について関係者の合意はできておらず、本格的な議論はこれからだ。前夜からの雪がうっすら積もった前橋市の赤城山。今月上旬、葉を落とした木の下で2人の射手が猟銃を手に息を潜めていた。「勢子(せこ)」と呼ばれる追い込み役が尾根の向こうで鳴らすラッパの音が近づいてくる。「サッササッ」という枯れ葉を踏みつける音が聞こえたかと思うと、追われたシカの親子が射手の方へ走ってくる姿が見えた。バーン。ふっと脚の動きがゆるんだ瞬間、銃声が山あいに響き渡った。「終了します。脱砲してください」。自然環境研究センターの青木豊上席研究員(51)がてきぱきとした様子で、無線で仲間の職員ら3人に伝えた。プロの捕獲者たちによる「巻き狩り」だ。同センターは、群馬県の委託でシカの捕獲を2010年度から続けている。地元猟友会と協力し、わなの捕獲も併せて毎年100頭の捕獲目標を確実に達成してきた。青木さんは「メンバーは、互いの射撃技術や脚力を知っていて、状況に応じて判断できる。少ない人数でも、チームワークで捕ります」と胸を張った。この日は、捕獲技術を学ぼうと、シカの捕獲事業に今年9月に参入したばかりの警備会社「シムックス」(群馬県太田市)の社員たちが見学した。高津頼貴次長(35)は「綿密な計画の上、シカが出てきても冷静に役割分担していた。事業とする上で重要な安全対策もしっかりしている」と感心した。環境省は8月、1989~2011年度に捕獲された数などから、現在生息しているシカやイノシシの数を初めて推定した。11年度の北海道を除く全国のシカの数は、約261万頭(北海道は道推定で約64万頭)。この20年間で9倍近くに増えた可能性がある。いまの捕獲ペースだと、25年度には500万頭に達するとみられている。一方、10年度のシカの捕獲数は全国で約36万頭。以前は趣味などで行われる狩猟が主だったが、10年度は狩猟が約17万頭、税金を使って行われる有害駆除や個体数調整で約20万頭と、狩猟の方が少なくなった。イノシシも同様の傾向だった。
(ハンター30年ぶり増:栃木)
ニホンジカなどによる深刻な食害が進む日光市で、県猟友会日光支部のメンバー数が今年度、30年ぶりに増えたことが、同支部への取材で分かった。一挙に9人も増えたのは、市が昨年度、報償費の支払い・引き上げに踏み切ったの続き、今年度からは狩猟免許の取得・更新時の手数料の補助などにも乗り出したことが功を奏したとみられる。
(電線にカラスよけ登場:北海道)
大樹町内西本通行政区(清信一士区長)などの地域住民がカラスのふんによる景観悪化に悩まされている問題で、北電は19~21の3日間、国道236号沿いの電線(東西それぞれ138メートル)にカラスよけを設置した。プラスチック樹脂製のとげ状のもので、カラスが止まろうとすると電線を軸に回転する仕組み。「清潔な街並みを取り戻したい」と要望していた地域や行政からは、安堵(あんど)と感謝の声が上がっている。同社のふん害防止対策の一環。東西の電線に約280個ずつ計約560個を設置した。同社帯広支店大樹営業所によると、道内では海岸沿いや都市部の一部の電線に設置することが多く、今回のような規模のものを町村市街地に整備するのは珍しいという。新たに設置したカラスよけは電線に挟み込むタイプで、1個の幅が50センチ。とげ状の突起物がびっしりと付いていて、カラスが羽を休めにくくなっている。止まれなければ、ふんを落とされる心配もなくなる。町や地域住民によると、カラスは10年前から姿を見せるようになった。ここ2、3年は特にひどく、年々増えているという。夕方になると一部の電線はカラスでびっしりと埋まることが多く、電線に止まったカラスの“落とし物”で国道236号沿いの歩道は白く汚れ、景観が悪化。住民は頭を抱えていた。国道が小学生の通学路にもなっていることから、「子供がふんに触った手を口に入れ、病気にならないか」との懸念も広がっていた。事態を重く見た清信区長は昨年9月、町に要望書を提出。「一行政区単独で処理できるものではない。早期に対応してほしい」と訴え、町も北電と対策を協議していた。北電の対応に伏見悦夫町長は「被害の緩和につながる」と胸をなで下ろし、清信区長は「地域の声に耳を傾けていただき、とてもありがたい」と感謝している。同営業所は「今後も(よりよい環境を維持するため地域や行政と)継続的に協議を進めていく」としている。
(ロープに唐辛子の臭い、シカ退散:栃木)
野生動物による農業被害を防ごうと、栃木県立栃木農業高校(栃木市)の環境科学部が、動物の苦手な唐辛子やハーブといった刺激臭を染みこませたロープの普及を続け、3年間で約8500個を供給する人気ぶりだ。協力する企業が販売し、環境に優しくて電気柵などより安価であるのがうけ、県内外の農家から注目されている。同部は改良も進める。部には20人ほどの生徒が所属し、渡良瀬遊水地のヨシと、学校周辺の山でとれる「野州やしゅう麻」を研究しつつ、伝統的なヨシズや麻ひもを編んでは地域に配っている。6年ほど前、地域の田畑で野菜などがイノシシやシカに食い荒らされているのを知り、麻ひもを利用した動物よけロープの開発に乗り出した。麻ひもはビニール繊維に比べて水分を吸収しやすく、水を含むと丈夫になって動物に切られにくいことが分かった。そして、唐辛子やハーブ、ドクダミなどの刺激臭のある植物の抽出液を染みこませるアイデアに行き着いた。試作品を地元の農地に張り巡らせると、絶えなかった動物の足跡がなくなるほどの効果があった。農業資材を販売するベンチャー企業「エンドウ産商」(東京都港区)の協力を得て、特許を取得し、2010年11月、現在の型の商品化に成功した。同社が1個100メートルの束を売り出すと全国から注文が殺到し、これまでに8500個を売り上げた。生徒たちは、県内や近県であれば直接出向いて設置するサービスも実施している。刺激臭が持続するのは3か月間ほどで、生徒たちは液体を再び染みこませる作業にもあたる。現在も、持続期間を伸ばすための研究、ほかの動物よけ商品の開発に取り組んでいる。ロープを使っている鹿沼市下永野、農家小太刀清さん(77)は「以前はイノシシやサル、シカが集団で来ていたが、臭いを覚えたのか、寄りつかなくなった。電気柵よりも安価で設置方法も簡単なので、重宝している」と話す。環境科学部長の松島茜さん(3年)は「自分たちのアイデアが農家の助けになるなんてうれしい」と喜んでいる。県農村振興課によると、12年度の県内の野生鳥獣による農作物被害は前年度比5・8%増の3億800万円と、2年連続で増加。福島第一原発事故による放射性物質の汚染を懸念してハンターが狩猟を控えていることや、エサのドングリ類が不作で農作物を荒らしたことが原因とみられる。
(マタギの孫娘、五輪再び:秋田)
ソチ五輪のバイアスロン女子代表に、秋田県北秋田市出身の鈴木芙由子選手(24)(自衛隊)が選ばれ、20日、札幌市のホテルで記者会見した。代表選出は2010年のバンクーバー五輪に続いて2大会連続。マタギだった祖父の血を引き、射撃が得意という鈴木選手。「前回から成長した姿を見せ、個人種目で10位以内を目指す」と目標を掲げた。鈴木選手は2007年に米内沢高校(現・秋田北鷹高校)を卒業し、陸上自衛隊冬季戦技教育隊(札幌市)に入隊。それを機にクロスカントリーからバイアスロンに転向した。競技歴約3年で出場したバンクーバー五輪では、7・5キロスプリントで44位、15キロスプリントで53位、10キロ追い抜きで60人中54位の成績を収めた。7年半前に亡くなった祖父の市蔵さん(享年85歳)は、70歳過ぎまで冬山でウサギなどを追い続けたマタギ。前回大会で「マタギの孫娘」として注目された鈴木選手は、会見で自身の持ち味を「射撃の命中率」と説明した。バイアスロンは射撃の結果一つで順位が変動するため、「(自分に)チャンスが大きい競技の特性を信じ、自分の可能性を最大限に発揮して結果につなげたい」と意気込んだ。前回は、国を背負う重圧から萎縮し、「緊張しているのかどうかさえ分からない状態」で競技に臨んだという。だが、2度目の出場となる今回は、自身の精神面での成長を感じている。「自分に何が足りず、何を練習すればいいのか考えられるようになった。五輪への不安や緊張はなく、良い状態」と笑顔を浮かべた。今季出場した3度のワールドカップでは、コースが上りから下りへ切り替わる際に外国人選手に差をつけられ、「細かいテクニックが足りない」と痛感。「ソチのコースは細かいターンや上り下りがある。射撃に加えて滑りのテクニックを磨けるよう、詰めの練習をしたい」と冷静に自身の課題を分析している。鈴木選手は、前回大会で多くの郷里の人々が応援してくれたことを挙げ、「五輪は恩返しの大会。目標の10位を達成し、応援してくれる人たちに結果で応えたい」と力強く語った。
(ジビエ料理を味わう:長野)
鹿やイノシシなどのジビエ料理を味わうイベントが23日伊那市の飲食店で行われました。熊肉の甘味噌和え、鹿肉のメンチカツ、イノシシのモツ煮、そして熊肉とイノシシ肉のすき焼きが並びました。23日は、伊那市中央の竜門で山の恵みに感謝する会が開かれ、今年は去年の倍となる100人余りがジビエ料理を味わいました。このイベントを開いたのは竜門の社長小阪洋治さんです。小阪さんは猟友会員で毎年捕獲したこの会で肉を提供しています。参加費は3000円で飲み放題食べ放題ということで訪れた人はめったに味わうことのできないジビエ料理に舌づつみを打っていました。

TOPへ

12/24
(住宅街にイノシシ出没:熊本)
22日、熊本市の中心部や住宅街にイノシシが現れ、猟友会が捕獲しました。22日午前、熊本市西区の住宅街や中心部の電車通りなど7か所で、「イノシシを目撃した」という通報が警察にありました。午後になって、イノシシが住宅街にある熊本市西区上熊本の中学校のグラウンドに逃げ込んだところを、地元猟友会などが猟犬で追い込み、捕獲しました。警察と猟友会によりますと、体重は60キロ程度あるということです。中学校のグラウンドには部活中の生徒などがいましたが、けがをした人はいませんでした。熊本市の住宅街での捕物劇に、住民たちは、「まさかこんな所で」と驚いた様子でした。
(シカ駆除倍増、報奨金倍額が奏功:高知)
特産のユズにシカの食害が広がっている高知県安芸郡北川村で、今年のシカの駆除(猟期外の4月1日~10月31日)数が昨年の倍以上に増加した。村が今年6月から、駆除の報奨金に国事業を上乗せし、1頭当たり倍額の1万6千円にアップしたところ急増。計878頭に上り、村は「報奨金上乗せの効果が顕著に出ている」とし、来年も継続する方向だ。
(学生4人が狩猟免許取得:北海道)
今年度の狩猟免許試験で、帯広畜産大学の男女の学生4人が合格した。十勝管内ではエゾシカの農業被害が年々増大する一方、狩猟者の高齢化が課題になっており、十勝総合振興局は「学生のまとまった免許取得は珍しい」と歓迎している。野生動物管理の研究者や教員を目指す学生たちは「将来は猟の経験や知識を発信していきたい」と張り切っている。畜産学部畜産科学課程4年の田賀千尋さん(25)と加藤由華さん(22)、大学院畜産学研究科修士課程1年の尾針由真さん(23)と大熊勲さん(23)。試験は8日に同局で行われ、田賀さんと加藤さん、大熊さんは第1種銃猟免許に、大熊さんと、既に銃猟免許を持つ尾針さんは、わな猟免許にも合格した。19日に同局で免状を受け取った。最初に免許を取った尾針さんは野生動物研究室でシカの寄生虫を研究しており、「シカの生態をもっと知りたい」と昨年7月に銃猟免許に合格。十勝でもエゾシカが増える現状に「捕る人が減っているのは、若い人が狩猟のことを知らないことが大きいのでは」と考え、友人や後輩に免許取得を呼び掛けてきた。野生動物のゼミ仲間の大熊さんは、自治体と共同で農林被害対策として動物の移動経路を研究している。「今は多すぎるエゾシカだが、捕獲と保護のバランスが必要。狩猟経験を通じてリアルな視点から考えたい」と免許に挑戦した。同じゼミの加藤さんも「人間と動物の共生を考える上で、(狩猟の)知識を得ることは大事」と受験を決めた。小学校教諭を目指し、来春から故郷の愛知の教育大に進むが、「いつか十勝で猟に行ってみたい」と考えている。加藤さんに誘われた田賀さんは福井出身で、「もともと野生動物との距離は近かった」という。将来は理科の教員志望で、「免許が取れたので狩猟に行きたい。経験を子供たちに話せたら」と目標を持つ。同局環境生活課によると、管内の猟友会員864人(2012年)のうち20代は3.7%(32人)と少ない。同会員の半数以上は60歳以上で、狩猟者の数は減少傾向にある。実際に銃猟をするには銃の所持許可が必要。購入や維持に費用が掛かるため、若者にはハードルが高いが、同課は「エゾシカが問題になっている十勝でも若い人は関心が薄く、実情を知らないのが現状。まずは関心を持ってくれたことがうれしく、広がりに期待したい。感じたことを、いろいろな人に伝えてほしい」と期待している。
(シカ群れごと捕獲、囲いわな設置:北海道)
町などでつくる町鳥獣被害防止対策協議会(会長・長屋栄一町長)は20日、町内元町の道道沿いにシカ用の囲いわなを設置した。エサで誘い込んだシカを群れごと生け捕りし、市街地への出没による植栽被害などの防止につなげる。町内では2年ほど前から積雪期になると、多くのシカがエサを求めて市街地に出没するようになり、庭木の食害やシカとの接触による交通事故などの被害も出ている。市街地で銃を使いシカを駆除することは銃刀法などで禁じられているため、同協議会は囲いわなの設置を決めた。昨年12月から4カ月間、設置予定地にエサをまいて、シカを慣れさせ、多いときには100頭のシカが集まっていたという。わなはホテル渓谷から北東に150メートルほどの町有地に、国の補助を受けて348万円かけて設置。外壁は金属網で外周約60メートル、高さ2・5メートル。わな内にビートの搾りかすや規格外のカボチャをまき、集まったシカを、約100メートル離れた場所からワイヤを操作して扉を落下させて閉じこめる仕組み。雪が解ける4月ごろまで実施する予定で、100頭の捕獲を目指す。捕獲したシカは肉を加工する知床エゾシカファーム(斜里町)に無償で引き取ってもらう。長屋町長は「住民からのシカ対策の要望も多く、水際で防いでいきたい」と話す。オホーツク総合振興局によると、管内での囲いわなは環境省が斜里町に設置しているが、市街地での設置は初めて。ただ、市街地以外では来年1月に遠軽町が丸瀬布の町有林に、紋別市鳥獣被害防止対策協議会も本年度中に民有林にそれぞれ囲いわなを設置する予定。
(「缶詰」にされる奈良シカ:奈良)
奈良県天川村の大峰山系・弥山(みせん)(標高1895メートル)周辺に生息する野生のニホンジカが今年急増した影響で、山麓の集落が深刻な農林業被害に見舞われている。国の天然記念物に指定されている奈良公園(奈良市)のシカとは対照的に、山林のシカは山岳資源を食い荒らす「厄介者」とみなされている。県や村では捕獲奨励金制度を導入。大型捕獲網で一網打尽にしたり、捕獲したシカを食肉用の缶詰にするなど試行錯誤を重ねるが、目標とする駆除頭数には到底追いついていない。駆除頭数が伸び悩んでいる背景には、ハンターの高齢化や人手不足などが見え隠れしている。「夜間に十数頭のシカをまとまって見かけることも珍しくない」。奈良県南部に位置する天川村の男性職員は、ため息混じりに村の現状を語る。奈良教育大の松井淳教授(植物生態学)の調査によると、弥山周辺に生息するシカの推定密度は、平成24年は環境省が指導する適正密度(1キロ四方あたり5頭程度)の2倍程度の11頭にとどまっていたが、今年に入ってから急増。8月には過去最多の81頭を記録し、適正密度の16倍を超えた。村では近年、サルやイノシシの被害に加え、エサ不足で山麓に下りてきたシカの増加が大きな問題になっている。稲の苗やトウモロコシ、大豆など農作物に食害が出ているほか、車との衝突事故も多発しているという。このため地元の猟友会などでは23年から、広場にエサを仕掛けて野生動物をおびきよせ、頭上から網を落として一網打尽にする大型捕獲網「ドロップネット」を導入している。シカが集まった瞬間にスイッチを押して網を落とす仕組み。一度に10頭のシカを捕獲した実績もあるが、学習したシカが警戒して近づかなくなるケースもあり、頻繁には利用できない弱点もあるという。村ではシカを駆除するだけでなく、特産品化に向けても試行錯誤。捕獲した後は缶詰用に食肉加工し、「鹿肉」のブランドで売り出すなど、地産地消にもつなげようと躍起だ。捕らえたシカ肉を加工する猟師の男性(56)は「シカ肉は低脂肪で鉄分が多く、健康食品としてもPRしたい」と話す。異常繁殖したシカの被害は農作物だけにとどまらない。弥山周辺では、シカが山林の針葉樹シラビソの樹皮を剥(は)いで食べ続けた結果、約20年前から立ち枯れの異変が始まっている。県などによると、幼い木が大きく育つ前に、増えすぎたシカがシラビソの皮を食べてしまうため、木の世代交代を妨げ、森林崩壊に拍車をかけている。皮を剥がれた木は枯死し、日当たりが良くなった地面は乾燥が進行。木の根が張らなくなった地面に雨水がしみこみ、崩壊が起こりやすくなるという悪循環に陥っている。県の調査によると、県内全域では約4万7千頭のシカが生息しているとされ、年間5千頭前後が駆除されている。しかし年間目標の8千頭には到底及んでいない。天川村の場合、駆除頭数は23年が369頭、24年が238頭だったが、25年は9月末時点でわずか37頭に過ぎない。被害拡大を受け、県は22年度からシカの捕獲奨励金制度を導入。駆除目的の狩猟者登録をしたハンターに対し、雌のシカ1頭に対し、季節に応じて5千~8千円を支給している。天川村の場合、さらに上乗せし、計1万~1万3千円を捕獲奨励金として手渡している。ただし、雄の場合は県からの補助はなく、村からの奨励金5千円のみとなっている。その一方で、県内の狩猟者は1215人(24年度登録数)と、ピーク時(昭和45年)の3分の1以下にまで減少。約7割が60歳以上と高齢化が進んでいる。このため県では、狩猟免許の新規申請手数料や講習会への助成、鳥獣被害防止活動のリーダーやアドバイザーの育成講座を開設するなど、支援に努めている。しかし、一挙に解決できる妙案はないのが実状だ。県森林整備課の担当者は「有害鳥獣が減らない背景には、猟師の高齢化、人手不足といった構造的な問題が横たわる。行政として捕獲奨励金を出すだけではなく、優秀なハンターを過疎化地域にコーディネートするなどの工夫を進めていきたい」としている。
(シカ肉使ってすき焼きとハンバーガー:北海道)
家庭でエゾシカ肉をおいしく食べようと、苫小牧市女性センターで19日、むかわ町の女性ハンターを講師にした料理教室が開かれた。道内で急激に増え、深刻な農林業被害や自然環境への影響をもたらしているエゾシカ。生息数を減らす対策で、食肉としての有効利用が叫ばれている中、教室に参加した若い主婦らはシカ肉の特徴や料理のこつを実習形式で学んだ。教室は、若い母親向けの料理グループ「ビャンネートル」(磯尾明子代表)が主催。子育て中の女性10人が参加し、むかわ町の本川哲代(あきよ)さん(40)が講師を務めた。調理師免許や食生活アドバイザー資格を持つ本川さんは、2年前からハンターとして活動し、農林業被害をもたらすエゾシカの駆除に当たっている他、野生動物との関わり方、食に対する考え方などについて伝える活動にも携わっている。この日のテーマは「女性ハンターに学ぶオトナの食育~森と鹿のお話」。本川さんが自身で取ったエゾシカの肉を使い、すき焼きとチーズハンバーガーの作り方を教えた。ハンバーガー用のひき肉作りでは、参加者が本川さんの手ほどきを受けて、もも肉の塊を包丁で小さく切り、機械でミンチ状に加工。匂いを嗅いだり、加工の前と後で変わる肉の色を確認したりと、シカ肉に興味津々の表情で調理を進めた。本川さんは、調理の合間に「スーパーの食肉と異なり、シカは野生動物。狩猟の季節や性別、そのシカが好んで食べていたものによって味が変わる」「食肉にするためには解体後、数日の熟成が必要」などと説明。参加者はメモを取ったり、カメラで撮影したりとシカ肉について熱心に学び、「家庭の料理で使ってみたい」などと関心を示していた。教室を開いた磯尾さんは「食事は他の生物の命をいただく行為。今後もハンターであり、料理人である本川さんからたくさんのことを学びたい」と話していた。道によると、農林業被害額は年々増え、2011年には64億円を超えた。苫小牧地方の森林でも、樹木の食害が目立つようになってきた。このため道は、生息数の適正管理や被害防止に向けたエゾシカ対策条例作りを進めている他、駆除したシカを資源と捉えて食肉利用する活動に力を入れている。

TOPへ

12/20
(再発防止策など検討、県猟友会が合同会議:群馬)
今月11日に嬬恋村で猟銃の誤射事故が発生したことを受け、県猟友会は19日、前橋市大手町のぐんま男女共同参画センターで、狩猟事故防止合同会議を開催した。各地区猟友会の代表者ら47人が出席し、今後の再発防止策などを議論した。会議ではまず、吾妻猟友会の大矢力会長が嬬恋村での事故を説明。大矢会長によると、誤射したのは狩猟歴45年のベテラン男性で、狩猟を終えた帰りにガソリンスタンドに立ち寄った際、誤って引き金を引き、弾が発射されたという。けが人はなかった。参加者からは再発防止策として、狩猟のリーダーを集めた研修会を継続的に行うことや、日頃の射撃練習などの必要性が指摘された。狩猟事故防止対策委員の霜田和志委員長は「全国どこで事故が起きても人ごとではなく、自分が事故につながる行為をしていないか真摯(しんし)な気持ちで臨んでほしい」と呼びかけた。
(イノシシによる人身被害相次ぐ:兵庫)
神戸市東灘区でイノシシによる人身被害が相次いでいる。4~11月に市内で起きた17件のうち14件を占め、12月にさらに4件の被害があった。9月以降に12件と集中しているのが特徴で、今月16日夜には、同区住吉台の路上で80代の女性が体当たりされて転倒し、頭に軽傷を負った。登山道だけでなく、市街地で被害に遭う場合もあり、市が注意を呼び掛けている。東灘区役所によると、区内のイノシシによる人身事故は、10年度が73件と突出していたが、11年度は8件、12年度は12件と減っていた。13年度も8月までは6件だったが、9月に入り増加し始めた。登山中に弁当を入れたリュックサックを狙われたほか、市街地でも買い物袋を目がけて襲ってきたケースがある。市計画課によると、イノシシは本来、臆病で人には近寄ってこないが、餌付けされるて人に慣れると、食べ物を求めて襲うようになるという。今回、人に危害を及ぼしているのは、餌付けされた、特定のイノシシの可能性もあるという。同課は「遭遇した際は、急に動くとイノシシが驚いて襲ってくることがあるため、ゆっくりとその場を離れることが大切」としている。
(シカ、イノシシ、10年後は半数に)
自民党の鳥獣捕獲緊急対策議員連盟(大島理森会長)は12日に総会を開き、今後の鳥獣害対策について検討した。環境省と農水省はその中で初めてシカ、イノシシの生息頭数を10年後までに半減を目指すという目標を示した。2011年時点でシカは全国に325万頭、イノシシは88万頭が生息していると推計されている。夜間狩猟やICT(情報通信技術)を活用した狩猟技術の高度化、鳥獣被害対策実施隊の設置促進などにより、2023年にはシカは160万頭、イノシシは50万頭まで減らしていきたい考えだ。

TOPへ

12/19
(イノシシが衝突、2人けが:京都)
17日朝、京都市西京区で、イノシシが人や自転車、車にぶつかる事故が計3件あった。西京署によると、午前8時45分ごろ、同区大枝沓掛町の国道9号で、自転車の女子大学生(22)がイノシシに衝突され、手をすりむいた。5分後、西約200メートルの歩道で、歩いて通勤中だったアルバイト店員の女性(24)が衝突されて転倒。頭やひざに2週間のけがを負った。さらに午前9時10分ごろ、北西に約1・5キロ離れた同区大枝北沓掛町の市道で、帰宅途中の女性(46)が運転する乗用車にイノシシが衝突。そのまま逃走したという。いずれも同じイノシシとみられ、足跡の大きさなどから、体長1メートル以上、体重40~60キロとみられるという。
(小学校にイノシシ、猟銃使えず5時間追跡し駆除:茨城)
15日夕、水戸市金町の市立五軒小学校近くの住民から、「小学校のグラウンドにイノシシがいる」と茨城県警水戸署に通報があった。同署は県猟友会員らと捜索し、午後9時頃、同市五軒町の駐車場に追い込んで駆除した。県猟友会によると、イノシシは体長約1・5メートル、体重約60キロの雌。市街地のため猟銃を使えず、約5時間にわたり追いかける騒ぎとなった。けが人はなかった。水戸市内では、約10キロ離れた同市木葉下町の水戸市森林公園周辺に野生のイノシシが多く生息している。11月上旬には、同市金町から約3キロ離れた同市渡里町で、サツマイモ畑がイノシシに荒らされたとの情報が水戸市農業技術センターに寄せられており、同センターでは、森林公園から那珂川に流れ込む田野川に沿って移動して渡里町に出没したイノシシが、さらに那珂川沿いの人目に付かない茂みを市街地まで移動してきた可能性もあるとみている。県猟友会水戸支部の田中明男事務局長(70)は「山林や農地の荒廃が進み、イノシシの数が増えているのではないか。こんな市街地にイノシシが出たのは初めて」と驚いていた。
(駅のホームにイノシシ3頭、1頭は保育園で捕獲:長野)
17日午前10時5分頃、長野市のJR三才駅下りホームでイノシシ3頭が現れたとJR東日本長野支社から110番があった。長野県警長野中央署員らが駆けつけ、午前11時頃に駅から約250メートル北東の聖徳保育園で体長約80センチの雄のイノシシ1頭を網で捕獲した。けが人はなかった。発表によると、3頭はいずれも成獣とみられ体長70~80センチ。ほかの2頭は発見されていない。三才駅員の恩田喜作さん(64)によると、午前10時頃、駅の待合室にいた年配の男性がイノシシを目撃。近くにいた恩田さんがJR東日本長野支社に電話連絡し、イノシシがいた方に目をやると、聖徳保育園の方向に向かって行ったという。保育園によると、同署から午前10時10分頃、駅でイノシシが目撃されたと電話が入った。数分後、園の脇の線路上に現れた3頭は30分間ほど線路や園周辺の畑を歩いた後、1頭が園のグラウンドに侵入。同署員らが追い詰めて捕獲した。園には約120人の園児がいた。若槻範雄園長は「イノシシが出た時間に子どもたちが外におらず、良かった」と話していた。
(シカ衝突、ずっと赤信号)
18日朝、JR西日本の各線でトラブルが相次ぎ、ダイヤが乱れた。午前7時50分頃、大阪市浪速区の環状線芦原橋駅付近を走行中の関空・紀州路直通快速電車(8両、乗客約1000人)で、運転士がドアの閉鎖を示すランプが消えたのに気づき緊急停車。車両のドアに乗客の傘が挟まっており、取り除いて6分後に運転を再開した。計29本が最大で11分遅れ、約2万人に影響した。兵庫県赤穂市の赤穂線では午前6時20分頃、西相生―坂越間で西明石発播州赤穂行き普通電車(4両、乗客約50人)の先頭車両がシカ2頭と衝突。乗客にけがはなかったが、現場に約10分停止し、上下12本が最大31分遅れ、約4000人に影響した。奈良県王寺町の関西線王寺駅でも午前6時55分頃、出発信号機が赤から変わらなくなった。約10分後に復旧したものの、上下5本が運休するなど約8000人に影響した。
(市街地でイノシシ目撃情報:兵庫)
17日午前8時ごろ、兵庫県加古川市加古川町稲屋で「イノシシを見た」という110番が2件あった。加古川署によると、出没したとされるイノシシは体長約1メートルで、目撃された場所は山陽電鉄尾上の松駅から北西約1キロの住宅街。北へ向かって逃げたという。通報を受け、加古川署員と地元猟友会の会員が駆け付け、付近を約1時間パトロールしたが、発見できなかった。同日夕、近くの鳩里小学校では、安全確保のため、児童らは職員に付き添われて下校した。市農林水産課によると、少なくとも過去5年間、市内の市街地で目撃情報は確認していないという。近くの男性(70)は「イノシシがこのあたりに出たなんていうことは今まで一度もなかった」と驚いていた。
(クマ騒動、事実上の「安全宣言」:石川)
金沢市中心部でクマが目撃されたため、金沢城公園内で立ち入り禁止だった新丸広場など一部範囲が18日、一般開放される。管理する県が17日に決めた。公園と兼六園で中止されていた午前6時からの早朝入園も再開する。管理事務所は「一応の安全が確認されたと判断した」としており、事実上の「安全宣言」となる。クマは10日未明、公園隣の尾崎神社で発見され、公園内でもふんが見つかった。その後、金沢市などが捜索したが見つからず、16日午後、警戒態勢を解除した。17日午前、事務所の職員が園内全域を巡視し、クマが見つからなかったことから全面再開を決めた。
(イノシシ対策、効果があったと報告:富山)
イノシシによる農作物への被害が県内で最も多い氷見市で18日、被害を防ぐための研修会が開かれ、山あいの赤毛や久目地区の農家らおよそ80人が参加しました。県のまとめでは去年、氷見市のイノシシによる農作物への被害額は998万円に上りました。このため今年度は新たに、県や市、それに地元住民らが協力して、集落を定期的にパトロールした他、刈り取ったイネの切り株から新たに芽生える穂が餌とならないよう11月中旬まで電気柵を設置するなどし、効果があったことが報告されました。今年度、氷見市でのイノシシによる被害額は200万~300万円ほど減る見込みだということです。
(シカ被害で部会設置:岩手)
早池峰地域保全対策事業推進協議会は18日、早池峰山周辺地域におけるシカの被害対策として「早池峰地域ニホンジカ自然植生被害対策部会(仮称)」の設置を決めた。早池峰地域でニホンジカの侵入が確認され、森林や高山植物への被害防止として関係機関の情報共有と共通認識の場として部会を設置する。構成は同協議会の委員や学識経験者を予定。14年2月下旬の同協議会で正式決定して今後の活動方針や委員を決め、来年度から活動する。
(増えすぎ「奈良のシカ」食害深刻:奈良)
奈良県は、奈良公園一帯に生息する国の天然記念物「奈良のシカ」の保護や管理の計画を考える検討委員会を設置して17日、奈良市内で初会合を開いた。頭数が増え、過密化した影響で深刻になっている農作物被害の対策などを、5年をめどにまとめるとしている。検討委は、大学教授ら8人で構成。委員長には村上興正・京都精華大非常勤講師(保全生態学)が就いた。この日は委員から「奈良公園は広い。被害の調査と対策は幾つかの区域に分けて行うべきだ」「食害の緊急対策として、大規模な柵を設置してはどうか」といった意見が出た。村上委員長は「課題の対策に一つずつ取り組み、頭数管理が必要かどうか考えていきたい」と述べた。奈良のシカは春日大社の神鹿しんろくとされ、戦後、食糧不足による密猟などでいったん約80頭に減少したが、1957年に国の天然記念物の指定を受けて手厚く保護されるようになり、現在は約1100頭が生息している。一方、餌不足から周辺の農地や、近くの世界遺産・春日山原始林の若木や芽などが食い荒らされる被害も多発しており、昨年度は農地28ヘクタールで被害が出ている。
(世界農業遺産をシカ被害から守る取り組み:大分)
世界農業遺産に認定された国東半島で問題となっている野生のシカによる食害を防ぐためきょう、県や地元の住民がクヌギ林に防除ネットを設置しました。国東半島では今野生のシカの数が増え、世界農業遺産認定の中心となった貴重なクヌギ林で新しい芽を食べてしまう被害が広がっています。世界農業遺産を守るため国東市武蔵町ではきょう、県の職員や地元の住民がクヌギ林の周辺およそ600メートルに渡って防除ネットを設置しました。取り付けたおよそ半分はシカの視線の高さに合わせて内側のクヌギ林を見えなくする“遮光ネット”です。今回の取り組みは実証実験を兼ねていて、県は、被害防止の効果をみた上で、クヌギ林の所有者などにネットの設置を呼びかけることにしています。
(公園入れるな、イノシシ柵:群馬)
「ぐんまこどもの国」の名称で親しまれている「県立金山総合公園」がある太田市の金山丘陵で、イノシシの生息数が急増しているとして、県は同公園のほぼ全周を、金属製防護柵で囲う緊急措置を取ることを決めた。利用者の安全を図るためで、総延長は約2キロ~3キロになる見込み。年明けに着工する予定。県都市計画課によると、同公園の敷地面積は、周囲の森林を含め約19ヘクタール。屋外の遊具やプラネタリウムなどがある児童会館などがあり、団体で訪れる子どもを中心に、年間約60万人の来園がある。県の都市公園の中では前橋市の敷島公園に並ぶ多さという。入り口を除いて周囲は森林に囲まれ、近年は、水辺にホタルが復活し、夜間の観賞会も開かれている。こうした中、昨年から、イノシシが夜間に湿地を掘り返した跡が、繰り返し見られるようになった。このため同課は、周囲の景観向上も兼ねて広範囲に森林の下草刈りを実施したり、イノシシを遠ざける効果があるとされる嫌忌剤を設置したり、出没対策をとった。しかし、出没地点は今年7月は5か所だったのが9月には14か所に急増。場所も当初の斜面と接する周辺部から、内部に侵入する傾向が見え、さらに時間帯も当初は夜間だったのが、9月には日中でも姿を現すようになった。このため、11月に県と太田市の緊急合同会議が開催され、席上、「金山丘陵でイノシシが爆発的に増える時期に来ていると思われる」などの現状が報告された。同課では、こうした状況を踏まえ、「人身事故が起きないうちに防護柵を設置する」(松岡利一次長)ことを決めた。防護柵は、高さ1・5メートル。管理上の観点と利用者の違和感を考慮し、斜面中腹に設置する。費用は緊急時用に確保してある予算を充てる。
(捕獲した鹿やイノシシの肉処理施設開設へ:長野)
富士見町猟友会有志10人でつくる「信州富士見高原ファーム」が、捕った鹿やイノシシの肉処理施設を町内に開設する。農林水産省から6次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画の事業者に認定された。16日、町役場で認定証を受け取った。同省によると、関東農政局が管轄する1都9県で野生動物処理に関する事業認定は初めてという。施設は90平方メートル余の木造平屋で、旧入笠会館の敷地内に建てる。事業費は約3千万円。猟期が始まる来年10月までに建てたいという。猟や駆除で捕った鹿やイノシシのうち、新鮮なものを選んで解体し、生肉を真空パックする。町内のスーパーや道の駅、東京にある町のアンテナショップなどで販売する計画だ。町猟友会はこれまで、獲物の一部は食べるが、多くは埋めて処理してきた。活用の道を探り、今年、有志が出資して団体をつくった。町猟友会長で団体代表の戸井口裕(ゆたか)さん(64)は「動物を埋めるだけではかわいそう。できるだけ活用したい。加工や販路など、今後さらに展開していく」と話している。町によると、昨年町内で駆除した鹿は721頭、イノシシは14頭。年々増えているという。猟では、鹿を300頭ほど捕っている。農水省によると、県内では71件を事業認定し、全国で3番目に多いという。認定された事業者は施設建設や新商品開発のために助言や補助金を受けられる。
(食害対策で捕獲のシカ肉、おいしく食べよう:徳島)
食害対策で捕獲したシカを食材として活用しようと、徳島県は18日、シカ肉料理の試食研修会を徳島市の県立障害者交流プラザで開いた。シカやイノシシなどのジビエ料理を提供している那賀町の四季美谷温泉の中田雅之料理長(53)らが「シカ肉の特徴を知って調理すれば独特の臭みや硬さはなくなる。栄養豊富で優れた食材」と説明。参加した14人が手ほどきを受けながら「竜田揚げ」「すじ肉サラダ」など4品を手際よく作り、おいしそうに食べていた。美馬市脇町の交流体験宿泊施設・MIMURA代表の祖父江利江さん(65)は「柔らかくて味もよく、とても食べやすい。施設でも提供できるよう検討したい」と話した。
(シカ肉ジャーキー好評:北海道)
陸別町は、本年度販売を始めた「りくべつ鹿(しか)ジャーキー」の年度内の製造数が6千個になると、17日開会した定例町議会で明らかにした。販売が予想以上に好調なため、当初計画の千個から大幅に増える。ジャーキーは町農畜産物加工研修センターが約1年かけ開発し今年4月に発売。シカの農業被害が続く中、町内で捕獲されたシカの利用拡大も目指した。数多い既製のシカ肉製品との差別化を打ち出すため、高品質化を追求している。町内女性からなる「陸別ブランド会議」を結成。土産や贈答品に喜ばれるようにと味やデザインや色を考え、若草色など4色の紙製パッケージとした。町内道の駅などで30グラム入り500円で販売している。
(白山麓の恵みを都内で:石川)
白山市白峰の宿泊施設「望岳苑(ぼうがくえん)」を運営するセオリー(東京)はこのほど、白山麓産のイノシシ肉を都内などで展開する料理店の食材として採用した。11月には全8店で「白山フェア」と銘打ち、イノシシ肉や堅(かた)豆腐を使った「白山鍋」とイノシシ肩肉のベーコンを提供。手軽に味わえるジビエとして、豊かな白山市の山の恵みをアピールした。セオリーが仕入れたイノシシ肉は30キロ。白山麓で捕れた獣肉を加工する白山ふもと会(白山市東二口)から購入し、生肉のまま銀座や新橋などの店に送ったほか、望岳苑でベーコンとして加工した。白山鍋は1人前2千円前後、ベーコンは千円前後と手頃な価格に設定した。鍋はイノシシ肉、堅豆腐、ナメコなど白山麓の食材を主役とし、若い女性から「イノシシ独特の癖がなくておいしい」と好評だった。ベーコンはビールのつまみとして頼む人も多く、11月内で入荷分がほとんどなくなるほど人気を集めた。好評を受け、セオリーはイノシシ肉が加工でき次第、鍋やベーコンの提供を続ける。クマ肉も捕れ次第、提供を検討する。望岳苑支配人を務める原達志セオリー金沢支社長は「白山麓の食材のおいしさを東京の来店者にも伝えられたのではないか。白山麓への誘客に役立てばうれしい」と話した。

TOPへ

12/17
(猟仲間が散弾銃誤射:愛媛)
14日正午頃、愛媛県愛南町増田の雑木林で、ウサギ狩りをしていた近くの農業男性(74)が撃った散弾銃の弾が、一緒に猟をしていた近くの無職男性(78)の右側頭部に当たった。無職男性は同県宇和島市内の病院に搬送されたが、命に別条はないという。県警愛南署の発表によると、2人は同日午前10時頃から、他の男性2人と狩猟をしていた。農業男性は午後0時45分頃、1人で同署を訪れ、「獲物だと思って散弾銃を撃ったら人が倒れていた」と届け出た。同署は業務上過失傷害などの疑いで農業男性から事情を聞いている。
(シカ食害、警備会社に駆除委託:群馬)
日本各地の山などでニホンジカが激増し、食害による環境破壊の危機が広がっている。これまで個体数抑制の役割を果たしていたハンターが減り、県内では民間の警備会社に駆除を委託する新しい取り組みが始まっている。赤城山(前橋市)のスキー場。近くの赤城大沼周辺はニッコウキスゲなどの食害が深刻で、ゲレンデの黄色い芝には至る所に黒いシカのふんが転がる。腰のあたりまであるササをかき分けて茂みに入ると、銀色の弁当箱のような形をした「くくりわな」が、枯れ葉や土に隠されていた。「シカが踏むとワイヤが巻き付き、連動する送信機からパソコンや携帯に情報が送られます」。県の委託を受けた「シムックス」(太田市)施設警備部の高津頼貴次長は説明する。建物の警備で使うシステムを応用し、自動通報装置を開発した。電源はソーラーパネルでまかなう。仕掛けたわなは三十個。この日わなにかかったシカはいなかったが、「一つずつ確認すると一日かかるが、この装置なら瞬時にどのわなにかかったか分かる。コスト削減になります」。近年のニホンジカの増加ぶりはすさまじい。環境省の推計によると、一九八九年度に三十万頭だった国内(北海道を除く)のニホンジカは、十二年後に約九倍の二百六十万頭になった。行動範囲も広くなり、これまでいなかった場所にも生息。国立公園・尾瀬のミズバショウや日本アルプスの希少な高山植物の食害も報告されている。激増の原因は諸説あるが、高齢化でハンターが減ったことや山間地の過疎化のほか、温暖化で積雪量が減り子ジカが冬を越すのが容易になったことを指摘する専門家は多い。捕獲率がこのまま変わらない場合、二〇二五年度には五百万頭に増えると予想され、ハンター育成は喫緊の課題。環境省も、鳥獣捕獲を集団で行う事業者の認定制度や規制緩和の検討を始めた。県自然環境課の担当者は「食害が進むとはげ山になり、土壌が流出して災害にもつながる。これまでの猟友会に加えた新たな捕獲の担い手として警備会社の可能性に期待したい」と話している。
(ぼや、参拝者が目撃した意外な「犯人」:京都)
15日午後3時40分頃、京都市伏見区の伏見稲荷大社近くの売店から「煙が出ている」と119番があった。 同市消防局の消防隊が、同大社北側にある稲荷山の雑木林で、木の幹にたまった枯れ葉から煙が上がっているのを発見、すぐに消し止めた。京都府警伏見署によると、直前に、カラスが火のついたろうそく2本をくわえて飛んでいるのを参拝者が目撃。煙が出たのが高さ約7メートルの場所だったことから、同署はこのろうそくの火が原因とみている。目撃証言では、ろうそくは売店近くのほこらに立ててあったもので、カラスは3本をくわえて1本をすぐそばに落としたという。同大社のカラスを調べたことがある樋口広芳・慶応大特任教授(生態学)の話「カラスは、ろうそくの油脂分が好きでかじって食べることがあり、火種でぼやが起きる恐れがある。近づかないようてぐすを張るなど、本格的な対策をとらないと防げないだろう」
(群れも雌も求めず…「ニートザル」?放浪中:愛知)
今月に入り、愛知県春日井市から知多半島先端まで約50キロを移動し、20か所以上で目撃された1匹のサルがいる。群れで行動することが多いサルがなぜ長期間1匹で放浪を続けるのか。専門家からは、数年前から突然増え始めた、群れに戻らず雌も求めない「ニートザル」ではないかという指摘が出ている。サルは4日午前8時に春日井市大泉寺町で目撃されて以降、市街地を中心に南下し、5日に名古屋市守山区、9日に同県大府市、11日に同県常滑市、12日に同県美浜町で目撃され、13日に同県南知多町師崎に達した。県自然環境課によると、体長約50センチの若い雄のニホンザルで、特徴から同一のサルと見ている。ニホンザルの県内の主な生息地は、同県豊田市や同県岡崎市などの山間部で、目撃された場所は生息域外。サルは1日で20種類以上の葉を食べることもあり、広範囲の移動は良くあることで、最近は、駆除でサルの数が減る中、山間地の開発で生息域が狭まり、市街地に出没するサル自体は珍しくない。また、発情期を終えたこの時期は、雌を求めて別の群れへと単独で渡り歩く雄ザル「ハナレザル」が多く、移動中に方向を見失って市街地へ出没して目撃される例は過去にもあった。しかし今回のサルの行動について、日本モンキーセンター(犬山市)の加藤章園長(58)は、「南下した先の海にはサルが求める物はない」と指摘した上で、人間の若年無業者(ニート)になぞらえて加藤園長が名付けた「ニートザル」ではないかと分析する。「ニートザル」は、群れに戻ろうとしたり、雌を求めたりなどの本来の目的を失ってそのまま市街地をふらふらするサルで、7年ほど前から報告があるという。加藤園長は「これまでと変わった事態であることは確かだが、どうしてこのような行動を取るのかの原因は分からない」と話す。これまでのところサルによる被害の報告はない。動物は本来不必要な行動はとらないといい、相手にならない限り、人に危害はない。県では、→むやみに接近しない→目を合わせない→大声を出さない→食べ物を与えたり見せたりしない→外に生ゴミを放置しない――などと注意を呼びかけており、目撃したら、すぐに地元の市町村や警察署まで連絡するようにと話している。
(サル被害深刻:香川)
野生のニホンザルによる被害が香川県内で深刻化している。捕獲数、農作物の被害額は2009年度から4年連続で増加し、12年度の被害額は過去最悪の4351万円に上った。県によると、餌を求めて山から下りる個体が増加したことが主な原因とみられる。県は12年度から生息調査を開始。データをもとに、個体数の多いさぬき市や三豊市の山間部を重点地域に指定し、効果的な被害防止策の研究を進めている。来年度からは住民と協力し、本格的な駆除に取り組む方針だ。県内では近年、イノシシやアライグマなどによる農業被害も増加傾向にあり、里山の保全や農地の適正管理なども含めた野生鳥獣の被害対策が大きな課題として浮上している。県みどり保全課によると、ニホンザルによる県内の農業被害額は、10年度に前年度比約4割増の3869万円と急伸。狩猟などによる捕獲数も09年度以降増加し、12年度は過去2番目に多い168匹に上った。同課によると、10年度は猛暑の影響でニホンザルの主食となるドングリの落下が早く、秋に餌が不足したため人里へ下りるようになり、生ごみや耕作放棄された農作物など、餌が簡単に手に入る人里や畑での被害が増えるようになった。生息調査では、これまでにさぬき市や東かがわ市、土庄、小豆島の両町、まんのう町、三豊市などの山間部で生息が確認された。同課によると、サルの侵入を防ぐには、畑に防護柵を張りめぐらせるハード対策が有効で、出荷に適さない農作物を畑に放置しないことも重要という。来年度からは本格的な駆除事業にも着手する。今年10月からは、住民を対象にした講習会がスタートしており、サルの生態や捕獲方法などを紹介している。長老格の雌を捕らえると群れが分派してしまい、かえって生息範囲が広がる恐れがある。このため、箱わなで捕獲した個体は性別を確認し、雌は逃がすことを原則とするという。県内の生息調査に当たった野生動物保護管理事務所関西分室の岸本真弓上席研究員は「ニホンザルに限らず、野生鳥獣の被害対策は地域特性に合わせることが重要。駆除と防護柵のどちらに重点を置くべきかなど、行政は地域住民とよく連携して進めてほしい」と話している。
(クマ保護へ生態把握:高知)
四国山地で9月、ツキノワグマの「ゴンタ」が、ドラム缶で作ったワナを巧妙にすり抜け、中のハチミツだけをとる様子を、四国自然史科学研究センター(須崎市)が撮影し、注目された。ワナは生態調査用で、捕獲時には発信器を付けて、再び山に戻している。なぜ生態調査をする必要があるのか。同センターに聞いた。同センターなどが、徳島との県境で実施している生態調査の狙いは「絶滅を防ぐこと」。四国のツキノワグマは数十頭とされており、環境省の「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定されているが、生息数さえ正確にはわかっていないのが実情だ。行動実態に応じた保護策を国や県に提言するため、2012~16年の第2次調査で、どこに、どのクマが生息しているかなどを調査している。そのために、ワナでいったん捕獲して発信器を付ける必要があるという。同センターによると、四国のツキノワグマは四国山地に広範囲に生息していたが、昭和初期から1980年代にかけて、林業被害をもたらす害獣として駆除された。餌となる木の実をつける広葉樹が伐採され、スギやヒノキが植林されたことも減少の一因とされ、現在は四国山地東部の剣山系で確認されているだけだ。第1次調査は、05年から5年間かけて実施した。捕獲して発信器を付けるなどした結果、▽500平方キロ・メートルの範囲で、複数のクマが行動▽クマ1頭の移動範囲は約100平方キロ・メートルに及ぶ▽温暖な四国のクマも冬眠する▽繁殖が続いている――ことがわかった。第2次調査では、クマの居場所を特定する精度の向上を狙った。発信器に全地球測位システム(GPS)機能を持たせ、約1時間ごとに、どのクマがどこにいるのかわかるようになったが、バッテリーの交換のため、2、3年に1度、捕獲する必要があるという。併せて、森の中で古い毛を採取。DNAを調査して性別や親子関係を特定し、生息数の把握につなげる。これまでの調査で四国のツキノワグマには固有の遺伝子が含まれていることが判明した。同センターの山田孝樹研究員は「四国のツキノワグマの生態をきちんと確認した上で、適切な保護策をとっていきたい。同時に人とクマが共生できる環境作りにも取り組まないといけない」と話している。
(JR東海のシカ対策装置、非設置車に比べ遅れ3分短縮)
JR東海はこのほど、列車とシカの衝突時に衝撃を緩和する装置について、これまでの試行実績を発表した。運行時間の遅れを短くできるなどの効果が見られたことから、同社は今後も設置車両を増やしていく。同社によると近年、シカとの衝突事故が多数発生するようになり、列車の遅れや車両の破損などの問題が生じていた。こうしたことから同社は、衝突時にシカを線路の外に押しのける「衝撃緩和装置」を開発。紀勢方面の特急『ワイドビュー南紀』で運用しているキハ85系の先頭車6両(連結タイプ4両・非連結タイプ2両)に設置して、効果の検証を続けてきた。2012年7月から今年11月にかけて発生した『ワイドビュー南紀』とシカの衝突は140件。衝撃緩和装置を設置した車両との衝突は75件、非設置車両との衝突は65件だった。シカを線路外に押しのけた件数は、設置車両が64件、非設置車両が47件で、押しのけた割合は設置車両の方が13%高い。シカとの衝突による遅延時間の平均も設置車両が15.1分、非設置車両が18.2分で、設置車両の方が約3分短かった。30分以上の遅れが発生したのは設置車両が1件、非設置車両が6件だった。同社は今後も衝撃緩和装置の設置車両を増やす方針。2014年度から2015年度にかけて高山本線と太多線、紀勢本線、参宮線に順次投入するキハ25形2次車52両に、分割・併合を考慮した形状の衝撃緩和装置を設置する。
(機関銃の試験データを改ざん、防衛省に納入)
住友重機械工業(本社・東京都品川区)が、防衛省に納入している機関銃の試験データを改ざんしていたことがわかった。改ざんは少なくとも10年以上に及んでいたとみられる。主力装備品をめぐる不祥事が明らかになり、防衛調達のあり方が問われることになりそうだ。防衛装備品の調達では、防衛省が製造企業に発注する際に要求性能を定めている。機関銃の場合、必要な発射速度や一定距離の目標への命中率などの項目がある。関係者によると、同社は納入前の性能確認試験で、要求性能を満たしていないのに基準に達しているように装っていたという。改ざんデータに基づいて納入された疑いのある機関銃は1千丁を超える可能性がある。
(イノシシ肉を町の特産へ、処理加工施設が完成:京都)
有害鳥獣とされるイノシシの肉を町の特産にしようと、伊根町で処理加工施設「やまくじら」が完成した。町内の猟師でつくる伊根町ジビエ会有限責任事業組合(池田豊組合長)が運営する。
(カラスの肉は美味しいのか?)
農作物や在来種に被害をもたらし、生態系を脅かす鳥獣たち。しかし、見方を変えれば高級食材でもある。工夫次第で益獣となりうるこれらを実際にいただいて調査してみた!都会でよく見かけるカラスも、農村地区では畑を荒らす害鳥だ。しかし、カラスもフランス料理では高級食材として扱われるとか。長野県茅野市の山間に店を構えるフランス料理の「オーベルジェエスポワール」。オーナーシェフの藤木徳彦氏は、信州ジビエを広めた中心人物で、ジビエ料理を全国に普及拡大させ、野生鳥獣被害の減少や地域の活性化を目指して設立された「日本ジビエ振興協議会」の代表を務める人物だ。そんな藤木シェフにごちそうになったのは、「信州産ハシボソカラス胸肉のポワレとモモ肉とフォアグラのパイ包み焼き」。ハシボソカラスは、くちばしが小さくて細いカラスで、おもに郊外で暮らしている。街中でよく見かける、くちばしの太いハシブトカラスとは異なり、自然の物を主食にしているので、安心して食べられるのだ。「カラスは完全な赤身肉で筋肉質。焼き過ぎると肉が堅くなってしまい、特有の獣臭さが出てしまうので、冷たいフライパンに肉を置き、じっくりと焼き上げていきます」カラスの肉は、鶏肉と比べてかなり弾力があり、想像していた以上に臭みがなく、クセもなくて食べやすい。とくに絶品だったのがカラスの脳みそ。鶏のレバーのような濃厚な味わいだが、レバーほど苦味がなくて非常に美味だった。信州でしか体験できない味なので、東京や名古屋など遠方から食べに来るのもうなずける。

TOPへ