<射撃ニュース3月>

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(白昼、市内にイノシシ:埼玉)
「なぜ、こんなところに」。約1カ月前の白昼、埼玉県ふじみ野市の住宅地にイノシシが出没して住民を驚かせた。その約2時間前にはさいたま市内でも目撃されており、十数キロを猪突猛進(ちょとつもうしん)し、荒川は泳いで渡ったとみられている。2月11日午後0時半ごろ、東武東上線のふじみ野駅から東に約500メートルのふじみ野市苗間の駐車場。近くの公園に行く途中の小学5年の男児がイノシシ(体長約1・3メートル)に足をかまれ、軽いけがを負った。イノシシは駆けつけた警官に捕まり、殺処分された。近所の男性(77)は「ここにずっと住んでいるが、初めて見た」と驚く。さいたま市の警察に、「イノシシが走っていた」という通報が相次いだのは、同じ日の午前10時45分ごろ。目撃された地点などからイノシシの動きを追うと、西区の氷川神社から馬宮中学校を抜け、桜区の浦和白鍬郵便局までの約5キロを約30分で街中を南下。午前11時45分ごろ、約4キロ離れた富士見市の立教大グラウンド近くの荒川河川敷に到着した。そこから西へ約5キロ行くと、ふじみ野市の男児が襲われた現場だ。橋の上での目撃情報がないことからすると、イノシシは荒川を泳いで渡ったのか。イノシシの生態に詳しい宇都宮大農学部付属里山科学センターの小寺祐二特任助教は「十分に可能性はある」と話す。瀬戸内海の島を泳いで行き来するなど、イノシシは遠くまで泳ぐ能力を持つという。
(雪崩で男性重傷:青森)
8日午前10時20分ごろ、西目屋村居森平字寒沢の寒沢トンネル付近の山中で雪崩が起き、サルの追い払い作業を1人でしていた同村田代字神田、警備員佐藤修治さん(57)が巻き込まれた。佐藤さんは右肋骨(ろっこつ)を折るなどの重傷を負い、県防災ヘリ「しらかみ」で弘前市内の病院に搬送された。本県の雪崩による人的被害は今冬初。弘前署や村などによると、雪崩は幅30メートル、長さ100メートルの規模。大きな音で雪崩に気付いた佐藤さんが近くのスギ林に逃げ込み、林内で雪崩に巻き込まれ約3メートルほど滑落したという。
(イノシシ11体から基準超え放射性セシウム検出:群馬)
2013年3月11日、厚生労働省が発表した「食品中の放射性物質の検査結果について(第597報)」により、栃木県で捕獲されたイノシシから1キログラム当たり最大で570ベクレルの放射性セシウムが検出されたことが判明した。今回の検査で一気に11件の検出となった。捕獲場所は栃木県那賀川町、益子町などである。今回、栃木県で捕獲されたイノシシはこれらの高濃度汚染の個体に比べればかなり低い汚染水準ではある。イノシシが餌とするキノコの放射性セシウム汚染は栃木県でも高水準になっている。福島県でも放射性セシウム汚染の記録が更新されたのは今年に入ってからである。生体濃縮による野生鳥獣への影響は、福島県以外でも悪化してくる可能性があるのではないだろうか。
(“犯人”じっくり観察、農作物の被害防止へ:大分)
県は12日、サルによる農作物への被害を抑えるため、農業普及指導員を対象にした研修会を大分市の高崎山自然動物園で開いた。各振興局から約20人が出席。山に入って野生のサルの暮らしを見学するとともに、効果的な農作物の防護柵の作り方を学んだ。園の職員の案内で森の中に入り、サルの体格や運動神経、好みとする木の実といった基本的な知識を、枝につかまるなどしたサルを間近に見ながら学習。職員は「(単独行動の)オスを見つけても近くに群れがあるとは限らないが、メスを見つけたら数十匹は周辺に仲間がいる可能性がある」と説明した。県によると、サルによる農作物被害は県南部が多く、ミカンなどかんきつ系の果物被害が目立つという。県森との共生推進室は「今回の研修結果を各地での農業・果樹指導に生かしたい」としている。
(シカ捕獲頭数倍増へ:岐阜)
野生のシカによる農作物の食害を抑えようと、県は二〇一五年度までに、年間の捕獲頭数を現在の二倍以上に当たる一万五千頭に引き上げる。松岡正人議員の質問に、平工孝義農政部長が答えた。県農村振興課によると、一一年度のシカによる農作物の被害額は、中山間地を中心に四千二百万円。〇七年度は千九百万円余で、五年間で二・二倍に増えた。狙われやすい水田や果樹畑に防護柵を設置したが、被害が減っていないため捕獲数増にかじを切る。県の推計では、県内のシカ生息数は約五万頭で、一一年度には猟師らが六千五百頭を捕獲した。同課は「温暖化で越冬しやすくなり、このままではシカの増加を抑えられない」とみる。特に被害が多い下呂、郡上市などの猟友会に市町村を通じて働き掛ける。猟友会員らの日当などに充てるため、一三年度当初予算案にも関連費四千四百万円を盛り込んだ。
(戦場ケ原利用者6700人減:栃木)
奥日光の戦場ケ原周回線歩道(日光市)の平成24年度の利用者が、前年度比約6700人減の20万5822人だったことが、歩道を管理する環境省日光自然環境事務所のまとめで分かった。同事務所は、戦場ケ原にある4カ所の入り口のうち、国が管理している赤沼分岐と北戦場ケ原の2カ所に登山者カウンターを設置し、5~11月の利用者を計測している。同事務所によると、24年度の赤沼分岐の利用者は、17万7466人で同0・5%増だったのに対し、北戦場ケ原の利用者は2万8356人で同21・2%減少した。2カ所を合わせると20万5822人で同2・7%減少した。特にハイキングに来ていた男性会社員がクマに襲われてけがをした10月は、利用者が赤沼分岐で同約3800人、北戦場ケ原で同約2千人減少。同事務所は「一時通行を制限するなどしており、少なからず影響した」としている。利用時間別でみると、赤沼分岐は午後1~2時が最も多く、北戦場ケ原では午後2~3時が最多だった。
(サル被害対策研修会:大分)
サルによる農業被害が深刻化する中、12日、県の担当者らが高崎山で被害を防ぐための研修会を実施し、サルの生態を学びました。大分市の高崎山自然動物園で実施されたサル被害対策研修会には、県の地方振興局の農業指導員ら19人が参加しました。参加者は山に入り、職員の説明を受けながら、サルの運動能力や泣き声の種類などを学びました。サル被害対策として県が高崎山で実地研修を実施するのは初めてです。県内のサルによる農業被害額は、年間2500万円を超えていて、これから初夏にかけて最も被害が多くなります。県では今後も研修を重ね、被害防止に役立てることにしています。
(ローソン、イノシシ肉使ったおにぎりや鍋:福岡)
ローソンは13日、福岡県と包括連携協定を結び、第1弾として同県みやこ町産のイノシシ肉を使ったおにぎりや鍋=写真=などを19日に発売すると発表した。害獣の肉を活用し、福岡の特産品として県内外の消費者にアピールする。発売するのは「猪味噌煮おにぎり」(135円)と「ぼたん鍋」(398円)。福岡、佐賀、長崎3県の約500店舗で、1カ月間の期間限定で販売する。他にも辛子めんたいこを使ったパンなど7商品を九州の約1千店舗で売る。福岡県によると、イノシシによる農作物の被害額は県内で年間5億円に上る。協定締結後、小川洋知事とともに記者会見した新浪剛史社長は「福岡県との協力で(食材の)発見が進むと期待している」と話した。

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(農水省の鳥獣害支援、イノシシ・鹿8000円)
農水省は9日までに、2012年度補正予算に盛り込んだ「鳥獣被害防止緊急捕獲等対策」の交付金単価を公表した。鹿やイノシシ、熊などの捕獲は1頭当たり8000円を上限に支援する。独自の支援措置を実施している自治体では、従来の措置に上乗せする見通しで、同省が目標に掲げる30万頭の緊急捕獲の実現を目指す。
(登山道散歩中イノシシと衝突:岐阜)
11日午後4時20分ごろ、各務原市北西部の三峰山(250メートル)の登山道で、散歩をしていた同市の無職男性(72)に、突然現れたイノシシがぶつかり、男性は左膝に軽いけがを負った。イノシシはその後、山中に逃げ込んだとみられる。周辺では8日、岐阜市琴塚の元鉄工所から脱走したイノシシが目撃され、その後も逃走を続けている。各務原署などは同じイノシシかどうか調べるとともに、付近の住民に山に入らないよう呼び掛け、警戒している。同署によると、11日現れたイノシシは体長約1メートル、牙があり、雄だったらしい。やぶから突然現れ、男性の足に当たってきたという。男性は自力で下山し、110番した。同署は登山道を立入禁止にした。各務原市は防災行政無線や携帯電話の防災情報メールで注意を呼び掛けている。
(ペットのイノシシ逃走、車に接触:岐阜)
8日午前8時15分ごろ、岐阜市琴塚4丁目の民家で飼われていたイノシシが鉄製のおりを破って逃げた。隣の各務原市で車に接触したが、けが人はなかった。岐阜中署によると、イノシシは体長約2メートルの雄で牙がある。パート女性(43)がペットとして5年ほど前から飼育していた。各務原市の東海学院大の敷地内で目撃された後、山林に入ったとみられ、岐阜県警や地元の猟友会などが捜している。
(急増カラス、追い払い作戦:青森)
八戸市の中心市街地でカラスが急増している。鳴き声やふんなどへの苦情も多く、対策を模索する市は7、8日に、ねぐらになっている長者山周辺でライトや花火を使った追い払い実験を初めて行う。7、8日八戸で午後5時過ぎ、四方八方から長者山にカラスが戻ってくる。黒い影が次々に夕焼け空を横切り、カァカァと鳴き声が響く。市環境政策課によると、カラスのふん害などの苦情が増え始めたのは2011年秋頃。八戸野鳥の会の協力で行った個体数調査では、昨年11月は約5000羽、今年1月は1万羽だった。急増したのは、生息するハシブトガラス、ハシボソガラスに加え、冬になって渡り鳥のミヤマガラスが飛来したためという。長者山周辺でのカラス被害は深刻だ。地面や屋根、駐車している車には白いふん、未消化のもみ殻などをはき出したものがびっしりこびりつく。近くの主婦(55)は「苦労して掃除しても、翌朝には汚れている。きりがない」とため息をつく。追い払い実験は午後6時から約2時間。市と周辺町内会の約30人が電線に止まっているカラスを花火やライトで追い払う。繰り返すことで効果があるという。市は新年度一般会計当初予算案にカラス被害緊急対策事業費として1581万円を計上しており、わなで捕獲するほか、えさを減らすためのゴミ箱設置補助を行う計画だ。
(繁殖を願ってキジ176羽放つ:広島)
広島県猟友会庄原支部は8日、庄原市内にキジ176羽を放った。出雲市の業者が飼育した生後8カ月の雄と雌を半数ずつ放ち、繁殖させて生息数増を狙う。旧庄原、東城、西城、比和、口和、総領の各地区の鳥獣保護区を中心に放鳥。旧庄原では峰田小の6年生5人が8羽を放った。三浦菜々花さん(11)は「羽毛がサラサラで柔らかくて気持ち良かった。元気に育って卵をたくさん産んでほしい」と願った。川北小でも8羽を放した。キジの放鳥は毎春、市内で約40年続けているが、キツネやタヌキによる捕食や、森林の減少で数は減っているという。同支部の岸昇支部長(69)は「国鳥のキジがいれば住民の気持ちも潤うだろう。子どもたちには自然を大切にする心を育んでほしい」と話していた。
(イノシシ料理講習会:大分)
イノシシ料理講習会が8日、別府市中央公民館であった。別府大短大部の村田勝名誉教授の指導で26人がシシ鍋、天ぷら、ネギみそに挑戦した。市などによると、イノシシ、鹿、猿の市内農業被害は11年度2798万円。市猟友会がイノシシ624頭、鹿329頭を駆除した。だが、流通ルートに乗せにくく、市猟友会の冨田能範会長は「調理方法を知る人が増えれば、肉を融通できる」と話していた。

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(有害鳥獣捕獲対策強調月間:長野)
雪に覆われた標高約1500メートルの小諸市内の山中。氷点下13度、身を切るような寒さをこらえながら、「タツマ」と呼ばれる銃の射手がじっとニホンジカが現れるのを待つ。追い立て役の「勢子(せこ)」は、笛を吹いたり大声を上げたりしながら、膝まである新雪をかき分け獲物の足跡を追う。遠くで猟犬がしきりにほえ、谷間に銃声がこだました。15日までの1カ月間は、県佐久地方事務所が設けた「有害鳥獣捕獲対策強調月間」。佐久地域では、野生鳥獣による農林業被害のうちニホンジカによるものが約8割を占める。この時期がニホンジカの妊娠期に当たることから、2月中旬までの通常の猟期が終わった後も有害鳥獣捕獲従事者が積極的に銃による猟を行い、効果的な駆除を狙う。小諸市猟友会(柳沢亮三会長)の有志約20人でつくる「小諸市有害鳥獣駆除班」は2月、2回の出猟でニホンジカ4頭、イノシシ1頭を駆除した。「生態系のバランスが崩れた現状を多くの人に知ってもらいたい」と、勢子を務める柳沢昭治さん(62)。一斉捕獲日の3日は、佐久地域の猟友会が地元の山林に出猟。広域捕獲態勢を取りニホンジカを追った。同地事所林務課によると、佐久地域のニホンジカの推定生息数は2万6300頭。昨年の強調月間には1072頭を駆除しており、今年も同等の成果を目指している。
(初のサル大規模捕獲作戦:鹿児島)
野生のニホンザルが人にかみつくなどの被害が相次いでいる南さつま市坊津の坊、泊両地区で6日、初の大規模な捕獲作戦が繰り広げられた。市猟友会員34人や市職員、南さつま警察署員ら約60人が参加。頻繁に住民を襲う片足がないサル1匹を追い掛けたが、捕獲には至らなかった。当初は同日午前9時に打ち合わせをした後、作戦に入る予定だったが、午前8時前に猟友会員が坊地区の集落内で片足のサルを目撃したことから、急きょ捕物を開始。防災無線で住民に注意を呼び掛けるとともに、網や棒を手にした参加者が、無線で連絡を取り合いながら、山際の路地や住宅の庭に時折姿を見せるサルを約2時間追跡したが、見失った。その後、態勢を立て直し、猟銃を持った猟友会員6人も山手に配置したが、サルは警戒したのか再び現れずじまい。午後4時半で、8時間に及んだ同日の作戦を打ち切った。
(シカとの衝突事故多発、マップ作成:鳥取)
管内で車がシカやイノシシと衝突する交通事故が多発している郡家署は、衝突事故マップ「要注意! 夜はシカの街道」を作成した。事故があった地点と日時などを記載。鳥取県八頭町と若桜町の町報に折り込み全戸配布するなどして、地域住民に注意を呼び掛けている。同署によると、2012年中に届け出のあったシカやイノシシとの衝突事故件数は12件。うち11件がシカだった。シカが道路で死んでいるという通報も数件あった。発生現場は、旧郡家町3件▽旧船岡町5件▽旧八東町3件▽若桜町1件-。幹線道路の国道29号で5件発生している。11年の届け出件数は若桜町が多かったが、昨年は八頭町内で目立った。時間帯は、午前11時台の1件を除いて11件はいずれも午後5時以降。特に午後9時以降が6件と全体の半数を占め、夜間に多く発生している。同署の長砂敏明管理官は「夜間は見通しが悪く、シカやイノシシが出てきても気づきにくい。スピードを控えて運転し、交通事故に遭わないように十分気を付けてほしい」と話している。
(鳥獣被害対策、シカ撃退率90%超進入防ぐ「新兵器」:群馬)
鳥獣被害に対する県内各地の取り組みの成果発表会が、前橋市内で開かれた。県中部農業事務所は地元企業とシカなどの進入防止用装置を共同開発し、90%を超える忌避率(装置を渡らず引き返す率)を上げたことなどが報告された。五十三ヘクタールの区画整理が行われた渋川市赤城町の赤城西麓土地改良事業羽場坂地区では、ニホンジカによる畑の踏み荒らしなどの被害が拡大。二〇一〇、一一年度に周辺山林から農地への進入防止のため金網二・六キロを設置したが、集落と農地を結ぶ道路は柵で遮断することができなかった。この対策として、「テキサスゲート」と呼ばれる放牧牛の逃亡防止用装置を参考に、動物が渡れないようにひづめより大きな網目の金網を地面に置く「粗目(あらめ)グレーチング道路横断工」という装置を地元企業と開発。網目は幅八センチの六角形で、金網は深さ三十五センチに設定。現在、市道二カ所に設置して、モニター監視を行っている。報告によると、昨年確認されたシカは八十七頭で忌避率92%、イノシシは二十三頭で同100%、カモシカは六頭で同66・7%。全体で百十六頭で同92・2%と好成績を収めている。実用化はされておらず、一セット二百万円かかるコストの縮減が課題。網目に土砂などが流入した場合の対策について、同事務所は「周辺に側溝があり土砂が流れ込まない構造になっている」とした。また、利根実業高校は養蚕に使われていた道具「回転まぶし」を利用して進入防護柵を考案。シカやイノシシの進入防止に成果を上げたと報告。忌避剤のタカノツメ(カプサイシン)などを染み込ませた軍手をつるした柵の試みも報告された。
(シカ肉でジビエ・ハンバーガー:三重)
三重県四日市市の中部調理製菓専門学校の奥村仁まさし副校長が、県産シカ肉の普及を目指して「ジビエ・ハンバーガー」を考案した。17日に近鉄四日市駅前で開催される歩行者天国「第9回よっかいちYY(ワイワイ)ストリート」で販売される。同校を運営する古川学園は、全日本司厨士協会四日市支部と合同でYYストリートに毎回、グルメブースを出展。これまで菓子、とんてき、漬物スティックなどを販売してきた。県がシカなど野生鳥獣肉(ジビエ)の利用促進に力を入れていることから、今年はシカ肉ハンバーガーの販売を企画。四日市都ホテルの総料理長を務めたこともある奥村副校長が、市内の料理店と共同でジビエ・ハンバーガーを作った。奥村副校長は「シカ肉はあっさりしているので、ジューシー感を出すため、豚バラ肉を混ぜ、特製スパイスでシカ肉本来の甘みを出した」と話す。当日は整理券配布後、午前11時から150個を販売する。コーンスープとセットで350円。YYストリートは午前10時~午後4時。大道芸人の舞台やミニSLの運行などがある。
(ジビエ料理店の認定制度導入:徳島)
徳島県はシカなどの害獣が農産物を荒らす鳥獣被害の対策を強化する。県内産のシカの肉などを使ったジビエ(狩猟肉)料理を提供する飲食店の認定制度を導入する。13日に第1弾として5店を認定する。食肉利用の拡大により、狩猟者の捕獲意欲の向上と地域経済の活性化を狙う。「徳島県シカ肉・イノシシ肉処理衛生ガイドライン」に則した処理加工施設から提供されるシカ肉などと野菜、調味料といった地域の食材を使った料理を「阿波地美栄(あわジビエ)」と名付け、これを提供する飲食店を認定する。「うまいよ!ジビエ料理店」という名称で認定し、名称の入ったのぼりを認定店に提供し設置してもらう。今後、県のホームページで認定店を紹介する予定。2014年度をめどに合計30店の認定を目指している。今回認定するのは「四季美谷温泉」(那賀町)、「和の宿 ホテル祖谷温泉」(三好市)、「つるぎの湯 大桜」(美馬市)、「木屋平物産センター たぬき家」(同)、「阿波のおばんざい料理 華鳳」(同)。いずれもシカ肉を使った料理で、ご飯にハンバーグ状にした肉を載せたり、竜田揚げ、コロッケ、野菜いためなどに料理して提供する。
(駆除のイノシシ商品化:石川)
白山麓の害獣対策の一環として、白山市若原町の社会福祉法人「鳥越福祉会」と、白山麓旧5村の観光協会が設立した「白山ふもと会」が、駆除したイノシシの肉を燻製(くんせい)にした商品の開発に成功した。従来、“邪魔者”扱いされてきた害獣を特産品資源へ生かそうとする取り組みで、関係者は「ただ駆除するだけでなく、地産地消で有効利用出来れば」と、今月中にも本格販売に乗り出す。開発に成功した燻製品「いのくん」は、イノシシ独特の肉の臭みを取り、しょうゆベースの甘みのある味付けにして、酒のつまみに合う珍味として仕上げた。県内で初めて解体処理場の許可を受けた「白山ふもと会」が昨年9月、臭みが強く廃棄されていたイノシシ肉の有効利用をと、食肉加工の製造販売にノウハウのある「鳥越福祉会」に相談したことで商品開発が始まった。同会が運営する知的障害者の就労支援施設「青い鳥ワークセンター」(白山市杉森町)で試作を重ね、イノシシの肉を長ネギ、タマネギと一緒にゆであげ、しょうゆベースのタレに漬け込んだ後に、桜の木のチップで半日間いぶしたところ、臭みの取れた品となった。さらに、「いのくん」のほか、クマの肉を燻製にした「くまくん」の開発にも成功、順次、販売を始める予定だ。6日には関係者が、PRのため県庁に谷本知事を訪ね、「いのくん」などを紹介。試食した谷本知事は、「クマのほうが軟らかいね」などと感想を述べ、「白山麓には、駆除だけでなく食材として使う文化があり、財産だ。希少性を訴えて、ブランド化していっては」とアドバイスした。

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(イノシシ猟の男性、頭部に銃創:鳥取)
2月28日午後9時5分ごろ、鳥取県若桜町赤松の山中でイノシシ猟に来ていた兵庫県宍粟(しそう)市波賀町上野の無職、幸福利秋さん(70)が頭から血を流して死んでいるのを仲間の男性が発見した。頭部に銃創とみられる痕があった。遺書などは見つかっていない。鳥取県警は誤って撃たれたり、事件に巻き込まれた可能性もあるとみて、調べている。県警郡家署によると、銃創のような傷が左のこめかみと右側頭部の顎(あご)の辺りの2カ所にあり、弾が貫通したとみられる。遺体の近くに幸福さんのライフル銃や空の薬きょうが落ちていたといい、薬きょうが幸福さんの銃のものか他のものか調べている。幸福さんは仲間約10人と同日午前10時半ごろから猟を始めた。各自がライフル銃を持ち、無線で連絡を取り合いながら分かれて行動し、幸福さんは1人で動いていたという。猟は日没ごろに終わったが、幸福さんは姿を現さず、午後8時になっても連絡が取れなかったため、仲間たちが山中を捜索していた。現場は国道29号から約1キロ山中に入った地点。鳥取県では、この日がイノシシの猟期の最終日だった。
(公園でシカに猟銃発砲:滋賀)
滋賀県彦根市鳥居本町の市営鳥居本公園内で昨年12月、少年野球チームが練習中、狩猟中とみられる男2人が立ち入って猟銃を発砲していたことが5日、分かった。子どもらにけがはなかった。人が集まる広場や住宅地での銃猟は鳥獣保護法で禁止されており、彦根署が同法違反の疑いで調べている。関係者によると、12月16日午前10時ごろ、地元スポーツ少年団の野球チームの小学生約20人が同公園グラウンドで練習中、猟銃を持った男2人が裏山から下りて公園内に入り、児童らと反対の山側にいたシカ1頭に向かって2発を撃ち、立ち去ったという。2人と児童らは数十メートルしか離れていなかったため、現場にいたコーチが公園の管理者を通じて彦根署に通報した。同公園周辺を含め市内山間部では近年、餌を求めて人里近くに下りてくる野生のシカやイノシシが目立っている。猟期の11月~翌3月は市が委託している地元猟友会の駆除作業は行っていない。市農林水産課は「一般狩猟者を含め安全ルールを守るよう滋賀県とともに指導していく」としている。
(イノシシから5万6000ベクレルの放射性セシウム:福島)
2013年3月5日、厚生労働省が発表した「食品中の放射性物質の検査結果について(第593報)」により、福島県南相馬市で捕獲されたイノシシから1キログラム当たり5万6,000ベクレルの放射性セシウムが検出されたことが判明した。これは今年の検査で出た8,000ベクレルを超え、昨年10月29日にいわき市で捕獲された個体から検出された過去最高値、3万3,000ベクレルを2万3000ベクレル上回るものとなる。野生鳥獣における過去最悪の放射性セシウム汚染である。今回の検査では、4万ベクレル、2万8,000ベクレル、1万6,000ベクレル、1万5,000ベクレルの放射性セシウムを検出した個体も確認されている。TOP3の内1位、2位が今回の検査で発見された個体となった。国の放射性廃棄物で通常の埋め立て処理できない基準値が1キログラム当たり8,000ベクレルである。今回の5万6,000ベクレルはその7倍になる値だ。チェルノブイリでは事故から10年後に50万ベクレルを超える個体も発見されている。現在、福島県では森林地帯、腐葉土の放射性セシウム汚染などが確認されている。
(シカ肉からセシウム:岩手)
県は28日、奥州市で捕獲されたシカの肉から、国の基準値(1キロ・グラム当たり100ベクレル)を超える120~160ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。県内で捕獲されたシカ肉は既に国の出荷制限を受けており、今後も継続される。
(シカの頭部、警察が捜査:岡山)
美作市真加部、勝田中学校の教職員駐車場に、ニホンジカの頭部が置かれていたことが28日、分かった。悪質ないたずらとみられ、美作署が調べている。同校や市教委によると、21日午前7時半すぎに車で出勤した池嶋賢祐校長が正門の奥にある駐車場で発見。大きさは角を含め60〜70センチ程度。周囲に血痕はなく干からびた状態で、動物にかじられたような痕があった。20日夕、正門を施錠して全教職員が帰宅した際にはなく、翌朝にかけて何者かが持ち込んだとみられる。岡山県北部の山林には有害獣として駆除したシカが現地で解体され、残った一部が放置されている場合があり、山林から運ばれた可能性があるという。発見時、生徒はほとんど登校しておらず、学校側は生徒の目に触れる前に頭部を処分。27日にPTA役員らに報告し、28日に生徒に知らせ、保護者あての文書を持たせた。池嶋校長は「生徒や保護者らへの連絡が遅れ、申し訳ない。生徒の安全を最優先に不審者情報にも注意しながら見回りなどを徹底したい」としている。
(エゾシカ捕獲初日順調:北海道)
道と釧路管内白糠町が陸上自衛隊などと連携して実施するエゾシカの捕獲事業が1日、同町の国有林などで始まった。3回目の今年はヘリコプターから群れを探し、狭い場所に追い込んで撃つ手法に加え、車で移動しながら撃つ「流し猟」も取り入れ、昨年の初日を4頭上回る28頭を捕獲した。3日まで3日間の日程。陸自第5旅団第27普通科連隊(釧路管内釧路町)などの54人や北海道猟友会白糠郡支部のハンター34人、道、町職員ら計138人が参加。陸自は自衛隊法に基づく訓練と位置付け、ヘリコプターで上空からシカの分布状況を把握し、スノーモービルで捕獲した個体を集積場所まで運搬した。
(ハンター出猟、大幅減:栃木)
獲物を仕留めても放射能汚染の影響で食べることができないなどの理由で、今シーズンもハンターの出猟は大幅に減っているという。猟での捕獲減少分は、有害鳥獣駆除で調整することになるが、駆除の担い手となるハンターの減少が止まらない。生態系破壊、農林被害を食い止める対策が迫られる中、厳寒の足尾山中で24日、県猟友会日光支部が行ったシカの大規模有害鳥獣駆除に同行した。氷点下6度。24日午前8時、日光市足尾町赤倉の古河橋たもとのロータリーに集まったハンターは40人。無線機の周波数や入山者情報、各人の配置などを確認し、持ち場に向かった。市内で行う通常のシカ、イノシシの狩猟期間は2月末まで。これとは別に、大規模な有害鳥獣駆除が毎年2、3月に数回行われている。この日は植樹活動で有名な松木地区の中の久蔵、仁田元地区で実施された。斜度45度以上もある傾斜を上り下りしてシカを追う「勢子」たち。「ホォー」と叫びながら氷壁を歩く。足元は登山用のアイゼンだ。1発の銃声が合図のように響いた。次々と銃声が山あいにこだまする。約150メートル先の斜面で立ちすくんでいた3頭のうち2頭が突然倒れ、沢伝いに転げ落ちた。間断なく吹き付ける雪。猟はこれで終わりではない。撃った獲物を回収する作業も一苦労だ。大物では70キロもあるシカの脚を持ち、時には数百メートルも引きずり斜面を上り、下る。28頭を仕留めて回収し、作業が終了したのは午後3時。参加者の中で若手といえる足尾向原の会社員羽尾伸一さん(42)は、重労働を終えて一息つき「狩猟だけでは、シカは減らせない。遠方から来て足尾に木を植えてくれる人たちのためにも、駆除しないければならないと思っている」と話した。
(メスジカ一斉捕獲:三重)
ニホンジカによる農林業被害を減らそうと名張市猟友会のハンターらが3日、同市鵜山などの山林でメスを中心にした一斉捕獲に取り組んだ。数年前まで駆除期間外にメスを撃てなかったことから、角のあるオスを狙う傾向になっていたため、市が協力し狩猟期間中に有害駆除と指定し実施した。食肉の再利用のための解体講習会も同市夏見の処理場で開き焼き肉にして舌つづみを打った。ハンター約40人が市役所前で朝9時から出動式に臨み、亀井利克市長が「獣害が増える中で大勢集まっていただき感謝し、無事と成功を祈ります」と激励。3班に分かれ同市滝之原や青蓮寺ダム近くの山林に入り、5時間後にメス4頭、オス2頭を獲った。処理場では、わな猟の人も集まり、この日、獲ったシカは解体、調理し、互いの無事をねぎらった。シカによる農林被害は増え、有害駆除は平成14年度の16頭から22年度には121頭、24年度は10月末までに113頭と激増。農村の畑や住宅地にも出没し、自動車との衝突事故も起きている。猟友会は狩猟期間外の4月から10月に毎週15~20人のチームで捕獲してきたが、被害は減っていないという。狩猟期間中のメスジカの一斉駆除は昨年3月に続き2回目。
(完成前の新庁舎でカラスふん害:山梨)
今月15日の完成を前に、甲府市役所の新庁舎がカラスのふん害に悩まされ、市が対策に乗り出している。建物の形が見え始めた去年12月ごろから、平和通りに面した西側の壁にカラスのふんが目立ち始めた。市は対策として、カラスがとまる新庁舎の屋上近くに、カラスよけのワイヤーを張る予定。ワイヤーは直径数ミリとカラスの足ではつかめない太さで、実際に屋上で試したところカラスがとまらなくなったという。市は「今回の対策は効果が期待できる。完成後もきれいな庁舎を維持していきたい」としている。現在、汚れている壁面は今後建設業者が清掃を行い、15日の完成を迎える予定。
(農作物鳥獣被害5430万円、カラス50%増:富山)
被害額が最も多いのはカラスで11年の3689万円から増え、このうち富山市の梨の被害は4980万円(11年2946万円)と約92%を占めた。
(伊万里の鉛検出問題、市長が計画期限区切る:佐賀)
伊万里市散弾銃射撃場(同市大川内町)の鉛汚染問題で塚部芳和市長は4日の定例記者会見で「年内をめどに解決のためのアクションプランを策定する」と発表した。同問題で期限を区切った計画が示されたのは初めて。射撃場内に蓄積された鉛弾を取り出し、場外の鉛汚染された休耕田の土壌の入れ替えも必要。塚部市長は「休耕田の事業を優先したい。場内の鉛はそこに残る限り(汚染源となって)住民の不安は残るので除去する」と環境問題として取り組む姿勢を強調した。事業の前提として鉛弾の拡散状況(広がりと深さ)などの調査が必要。特に射撃場は山中にあり「専門家の知見が必要。13年度の補正予算でコンサルタントの調査費を計上することになる」と説明。3億円と推計される事業費については「全部を市費で一度に捻出するのは困難」と10年程度の長期プランを策定する。プランには年度別の事業内容のほか財源も明記する。さらに市長は「私の任期は来春までだが、誰が市長になっても事業が続くようにしておきたい」と述べた。市は全庁的な検討委員会を発足させたが、1年たっても解決のめどすら示さず、失望の声が上がっていた。
(ハクチョウ類3907羽飛来:岩手)
県は、2012年度のガンカモ類生息調査結果をまとめた。県内に飛来したハクチョウ類は3907羽で、前年度から121羽増加した。調査は1月13日を基準日に県環境保健研究センターが県内328カ所で実施。大きくハクチョウ類、ガン類、カモ類に分けて生息状況の把握に当たった。このうちハクチョウ類は84地点で確認され、一関市の蒲沢堤・油島の565羽(前年度198羽)が最多。次いで盛岡市の高松の池352羽(同258羽)、一関市の金流川・花泉老松270羽(同193羽)、北上市の新堤251羽(同83羽)、平泉町の北上川小島244羽(同768羽)と続いている。種類別ではオオハクチョウ3764羽(同3715羽)、コハクチョウ132羽(同71羽)で、いずれも前年度を上回ったが、県では「平年の変動の範囲内」としている。ガン類は7地点で前年度より506羽多い910羽と倍増。例年観測されているコクガン、マガンに加え、本県では初めてシジュウカラガンが確認された。一方でカモ類は前年度比3460羽減の1万9608羽と平成に入ってから最少の飛来数となった。確認された種類は21種と平年並みだったが、いわてレッドデータブックでBランクのトモエガモが4年ぶりに確認された。県自然保護課によると、東日本大震災で津波の影響を受けた海岸や河口の調査地点では、ハクチョウ類は震災直後の11年度は一時的に減少したものの、今回は一部地域で個体数が回復傾向を示した。ガン類、カモ類も増加傾向を示しているが、今後も継続的に動向を把握していく必要があるとしている。
(稲の苗を水没、シカ食害半減:滋賀)
稲作で田に水を深く張る栽培法「深水(ふかみず)管理」を応用してシカが稲を食べる害を減らせることが、滋賀県農業技術振興センター(滋賀県近江八幡市安土町大中)の実証研究で分かった。シカが水面から出た稲しか食べない習性に着目した。1日に同センターで行った研究発表会で報告した。シカは田植えをした稲の葉や茎を初夏に食べる。繰り返し食べられると生育が悪くなって米の収穫量が落ち、同じ株が4回食べられると収穫が半減する。同センターによると、シカによる水稲の被害額は2010年度で1億4200万円に上っている。深水管理は、田植え後の5月初旬から中干し前の6月上~中旬まで、田の水を通常の2~3センチより深い7~10センチに張って苗の大半を水没させる。本来は、米の品質を維持したり、冷害から防ぐためだが、同センターは、食害防止に応用できるのではと着想。農林水産省の事業として、東近江市内の山間地にある水田で昨年まで3年間、効果があるか実験した。その結果、1株ずつ比べると、深水管理の田で食べられた株は、葉や茎の減少量が35%にとどまり、深水管理をしない田で被害を受けた株の減少量77%に比べて半減。水田全体で被害を受ける面積も3分の1に減った。同センターの河村久紀専門員は「被害が多い地域では柵などのシカ防除策と組み合わせれば効果的」と話している。
(白山麓にサル、最大の群れ「タイコ」:石川)
白山市木滑の自営業土井川誠一さん(54)は4日までに、自宅付近で約40匹のサルの群れを撮影した。サルたちは幅約2メートルの用水路を飛び越えるなどして移動し、親ザルが子ザルを背負う姿も見られた。県白山自然保護センターによると、「タイコ」と名付けた白山麓最大の群れの一部とみられる。土井川さんが群れを撮影したのは2月28日午後0時半ごろ。観察すると、山際の雪上を歩き、雪で遊ぶ子ザルもいた。自宅付近で群れと遭遇するのは珍しく、土井川さんは「餌を探して山から下りてきたのだろうか」と話した。センターによると、サルは吉野谷や鳥越地区で活動する「タイコ」群の一部と考えられる。群れの名前は尾添川支流付近の「タイコ壁」と呼ばれる崖が由来で、「タイコ」群には13のグループがある。食べ物が少なくなる冬季は木の芽などのエサを求めて山里近くに出没することがある。
(イノシシ撃退ロボット開発:宮崎)
宮崎大学は、農作物に加害するイノシシを撃退するイノシシ対策ロボットを開発した。カメラセンサーが個体を自動追尾して、光と音で刺激を与え追い払う。個体ごとに刺激を与えるため、効果の継続性が高い。27日、東京都内で開かれたイノシシの捕獲対策の検討会で紹介した。
(ツキノワグマにGPS装着:神奈川)
人里近くでの出没が多発したツキノワグマによる被害を未然に防止するため、神奈川県は28日、クマの行動をリアルタイムで把握するためのGPS(衛星利用測位システム)発信機をクマに装着し、行動域を調査する方針を示した。ドングリの実りの状況によって季節的に移動するのか、常に人里近くで行動する人を怖がらない“新世代クマ”がいるのかを見極め、クマ対応マニュアルの見直しに役立てる。GPSを装着したクマが人里に近付いた場合の“クマ注意報”の発令につなげたい考えだ。県内のクマの出没・痕跡情報が平成24年度に前年度の15件を大きく上回る115件(1月まで)寄せられたため、多発地域から要望があった。25年度当初予算案にGPS2台分約240万円を計上。人里にクマが現れるのを待って捕獲、装着する。
(シカ肉に舌鼓:北海道)
西胆振6市町の加工食品を販売する「西いぶりDEうまいもん・いち」が2日から室蘭市輪西町の「ぷらっと・てついち」で始まった。買い物客は各地の名産品を買い求め、シカ肉のジンギスカンに舌鼓を打っていた。西いぶり食の魅力向上研究会の主催で、西いぶり定住自立圏形成推進協議会の共催。加工食品の即売を通して消費の拡大を目指し、地産地消のニーズを調べる。会場では、うずらのプリンやシカ肉ジンギスカン、たらこ、納豆、あぶりホタテいずし、ゴボウの漬物などが販売され人気を呼んだ。正午からは室蘭工業大学ものづくり基盤センターが製作した特大鍋を使い、シカ肉と西胆振産の野菜を焼き上げたシカ肉ジンギスカンが無料で配られた。香ばしいにおいに誘われた買い物客は「くせがない」などと言いながら、普段口にすることがないシカ肉を味わっていた。各出店者のブースでも試食をしながら商品を購入していた。「うまいもん・いち」は、きょう3日と9、10の両日に開催。9、10日は販売商品が替わり、イタリアンソーセージやわさび漬け、イチゴパウンドケーキ、リンゴジュース、赤毛和牛のハンバーグなどを並べる予定。
(シカ燻製「五つ星」:兵庫)
香美町村岡区の薫製店「香味煙(こうみえん)」が製造しているシカ肉の薫製「鹿(しか)ト召シ上レ山ノ恵(めぐみ)」が、県の新ブランド「五つ星ひょうご」に認定された。新技術でシカ肉特有のにおいも取れ、新しいシカ肉製品として、害獣駆除の推進にもつながると期待されている。
(シカやイノシシで地域おこし)
田畑を荒らすシカやイノシシの被害を減らすだけでなく、地域おこしにもなる――。そんな「一石二鳥」のジビエ(野生鳥獣)料理や加工品の売り出しに、全国の自治体が本格的に乗り出している。2月、カレー店「CoCo壱番屋」の和歌山県、大阪府の計9店舗に野生のシカ肉を使ったカレーが登場した。シカの薄切り肉が1食70グラム入って830円(税込み)。「鹿カレー」と大書したのぼりに食欲をそそられて注文した和歌山市の大学生江藤直之さん(21)は「臭みがあるイメージと違う。味が濃くておいしかった」。同店によると、大学生や40~50代男性の注文が多く、トップ5に入る人気だという。シカ肉は和歌山県産。同県日高川町で捕獲したシカを、町の解体施設「ジビエ工房紀州」で加工した。鳥獣被害に苦しむ町は2010年5月、解体用具や冷凍庫を備えた同施設を整備。費用約2800万円は、国と県の補助で全額まかなった。
(ご当地バーガー販売拡充:北海道)
地元産キジ肉や米粉などを使ったご当地グルメ「岩見沢バーガー」の販売店舗が1日から、市内4店舗に増える。これまでは市内2店舗のみだったため、関係者は「市民がご当地グルメに触れる機会が増えれば」と期待している。岩見沢バーガーは2010年、まちづくり会社などが商品化した。その後設立された岩見沢バーガー研究会が販促活動を続けている。これまではホテルサンプラザとパン店「粉工房かんすけ」のみで販売されていたが、1日からはJR岩見沢駅1階の「ネットワークショップふらっと」と、5西2の「まちなか直売所」でも販売する。まちなか直売所では地方発送もできるよう、冷凍の岩見沢バーガー(バンズとキジ肉のみ、2個セットで580円)も売り出す。
(イノシシ・クマの薫製、知事にPR:石川)
白山麓旧5村の観光振興に取り組む「白山ふもと会」の千菊裕二会長らは6日、石川県庁に谷本正憲知事を訪ね、駆除したイノシシとクマ肉を利用した薫製「いのくん」「くまくん」をPRした。薫製は鳥越福祉会との共同開発。イノシシはネギなどの香味野菜と一緒にゆでてにおいを抑え、野生の脂の甘さを生かした。市内の道の駅などで試験販売している。クマは軟らかな食感が特徴で、今月中旬から販売を始める。薫製を口にした谷本知事は「白山麓の特産品になる」と語り、シカ肉の利用も提案した。一行は堅豆腐をみそで漬け込み、薫製にした「いぶし豆腐」も紹介した。山田憲昭県議会議長、増江啓県議が同行した。
(イノシシジャーキー新発売:福岡)
「浮嶽(うきだけ)くじら」ブランドでイノシシ肉を処理加工している糸島市の「浮嶽くじら処理加工組合」が、イノシシジャーキーなどの新商品を開発した。同市二丈福井の物産直売所「福ふくの里」などで販売している。値段はイノシシジャーキー(50グラム、500円)▽ロースハム(100グラム、550円)▽生ウインナー(同290円)。市農業振興課の担当者は「低カロリー・高たんぱくで健康や美容にもいいそうです。味はあっさり、臭みもありません」という。市はイノシシ捕獲報奨金として1頭2000円を計上しているが、昨年10月15日〜今年2月末で1150頭が駆除されている。

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