<射撃ニュース3月>

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(シカ狩りで散弾銃を誤射:大分)
杵築市の山中で、シカ狩りをしていた60歳の男性が、誤って仲間の男性の右足を散弾銃で撃ちました。撃たれた男性は手当てを受けていて、命に別状はないということです。25日午後2時ごろ、杵築市山香町の山中で、60歳の男性がシカ狩りをしていたところ、一緒に来ていた71歳の男性の右足を誤って散弾銃で撃ちました。撃たれた男性は、けがをして手当てを受けていますが、命に別状はないということです。警察が業務上過失傷害の疑いで調べています。
(南相馬市のイノシシ、6万1000ベクレル:福島)
放射性セシウムの生物濃縮は野生動物の食物連鎖の頂点にいるイノシシで顕著に表れている。2012年3月26日に福島県が発表した「野生鳥獣の肉における放射性核種の濃度測定結果について」で3月11日南相馬市原町区で捕獲されたイノシシから1キログラム当たり6万1000ベクレルの放射性セシウムが検出されたことが明らかとなった。これは、過去最悪の記録である同5万6000ベクレルを大きく超える物である。このイノシシも福島県南相馬市で捕獲されたものであり、同地区の野生動物の汚染が気になるところだ。今回の検査結果の発表では、放射性廃棄物の埋め立て基準値である1キログラム当たり8000ベクレルを超える個体が5体発見された。捕獲したイノシシ49体の内48体が食品基準値の100ベクレルを超える値となっている。今回のデータによりイノシシの放射性セシウム汚染度のワースト3は全て今年に入ってから捕獲された個体となった。
(愛媛国体、競技場が内定:愛媛)
17年愛媛国体の県準備委員会常任委員会が21日、県庁であり、クレー射撃は高知県芸西村のミロク高知射撃場でそれぞれ調整していることが事務局から報告された。
(果樹園にクマの足跡:神奈川)
小田原市は26日、同市早川の果樹園でクマの足跡が見つかったと発表した。足跡の大きさは13センチほどで少なくとも四つあったという。これまでのところ、被害や目撃情報は寄せられていない。県猟友会小田原支部の男性が25日午後3時ごろ、サルの監視をしていた際に発見し、26日に県鳥獣保護員を通じて県に連絡。県の担当者が現場で確認した。市環境保護課は地元自治会に情報提供して注意を喚起するとともに、27日以降は周辺でパトロールを実施する。
(新潟市で約1千戸停電:新潟)
25日午後4時半すぎ、新潟市北区美里、川西などで延べ1055戸が約1時間停電した。東北電力新潟支店によると、カラスが巣作りに使ったとみられる針金が配電設備に接触したことが原因。カラスが営巣する3月から5月ごろまで、カラスによる停電が毎年発生している。同支店は「パトロールを強化しているが、どこに巣を作るか予想できず、対策が難しい」としている。
(シカ捕獲数大幅増:大分)
シカやイノシシなどによる農作物の被害が多い豊後大野市で、シカの捕獲数が大幅に増えている。市が被害防止対策の一環で、2010年度から捕獲報償金制度を拡大。シカについては報償金を増額し、猟期外でも支給するようにしたのが大きな要因だ。市は「制度は効果が高い」として継続する方針。今後は制度の維持と、捕獲に携わるハンターの確保策が課題となりそうだ。県豊肥振興局の統計では、同市の年間捕獲数は09年度はシカ174匹、イノシシ218匹だったが、制度変更後の10年度はシカ765匹、イノシシ531匹。11年度はシカ1864匹、イノシシ866匹といずれも大幅に増加。市農林整備課によると、本年度は2月末現在でシカ2124匹、イノシシ727匹という。制度の変更は、特に被害が多いシカの捕獲を促すため。市は10年度、猟期内でも報償金を支給することにし、通年で捕獲が増えるようにした。従来支給していた猟期外の報償金も2千円増額。県も同時期に報償金を支給するための最低捕獲数の制限をなくすなどしている。猟師の間でも制度の変更は好評で、神田増秋・市猟友会三重支部長(63)は「猟師の士気も上がっている」と効果を実感。「特に夏場の1万円は大きい。夏は暑く、農作業が忙しい。イノシシやシカの味が落ちるのもあり、みんな猟に行きたがらない。今は夏でもわな猟をする人が増えた」と話す。ただ、市は本年度の農作物被害額は減少せず、昨年度の2059万9千円よりわずかに増えると見込んでいる。「市に被害を報告しない人も多く、実際はもっと多い」(同課)ともみており、引き続き対策を進める構え。また、市内のハンターが今後、高齢化に伴い減少することも懸念されているため、同課は「今後は制度の継続と、捕獲する人の数を確保する方法を考える必要がある」としている。
(里山に迫る、クマ・シカ:石川)
県環境審議会の自然共生部会が二十六日に県庁であり、頭数増が予想されるニホンジカの捕獲を進めるため保護管理計画を初めて策定し、里山での定住化が懸念されるツキノワグマの同計画を見直した。イノシシと同様、県内で野生獣の行動範囲が拡大していることを反映。部会に出た狩猟者らは「早く対策しないと大変なことになる」と指摘し、現場の厳しい実態を訴えた。ニホンジカの農作物被害はほとんど発生しておらず、捕獲も二〇一一年度に五頭、一〇年度に十一頭のみ。福井県や岐阜県の手法を参考にはじいた結果、県内では推定生息数(参考値)は六百~千百頭と計算された。ただ隣接する福井県嶺北で農林業被害が拡大し、狩猟者の減少やニホンジカの繁殖力の強さもあって「早い段階での増加抑制と農業被害の防止」(県)が不可欠になった。計画では狩猟期間を二カ月延ばし、一日当たりの捕獲数を無制限に設定した。生息や被害の状況を観察し、情報を関係者間で共有することを明記した。委員の中村浩二・金沢大学長補佐は加賀地区で千頭の群れがいると明かし、今後は急激に増えると危機感を表明。「ハンターの数は十分ではなく、シカはなかなか捕れない。(計画は)本当にできるのか。もっと危機感を持った方がよい」と注文した。専門委員の岡川純一郎・県猟友会長は「シカは(分布が急拡大する)イノシシと一緒になる」と述べ、早期対策を求めた。一方、ツキノワグマの管理計画は一二年度に現行分が終了するため改定した。県は、一一~一二年に個体数推定調査を実施。中能登地域への生息地拡大に伴い調査地点も拡大した。その結果、推定数は六百~八百頭から七百~九百頭に上方修正され、新計画に盛り込まれた。部会では「女性ハンターを増やせるような工夫を」「若い人に猟への興味を持たせてほしい」など、狩猟文化のPRや担い手確保策を求める意見も出た。
(カラスの巣にご用心:群馬)
繁殖期を迎えたカラスの巣作りが活発となり、東京電力が巣の見回りを強化している。カラスの巣に使われた金属製のハンガーが原因となる停電被害が例年この時期に相次いでいるためだ。群馬支店は「電柱などで巣を見つけたら、自ら撤去せず、まず連絡してほしい」と呼び掛けている。24日は大阪府寝屋川市の京阪本線で、カラスの巣のハンガーが架線に接触したことが原因とみられる停電が発生。県内でも昨年、桐生市(3月)と高崎市(4月)で同様の停電被害があり、住宅計約千軒に影響した。ことしの被害はまだないが、2010年に4件、11年にも3件の停電が発生した。
(イノシシ対策一冊に)
効果的な鳥獣害対策を研究している対策手法確立協議会は、地域ぐるみのイノシシ対策をまとめた冊子「イノシシ被害対策の進め方」を作成した。イノシシの生態から被害の現状、対策のポイントを説明し、被害防止策に取り組む地域の事例を紹介している。
(シカ銅像に名前プレート設置:北海道)
帯広市内の平原通商店街に飾られたシカの銅像を題材に物語と名前を公募した「平原の鹿物語」実行委員会は、最優秀賞作品に登場した銅像の名前が刻まれた赤い御影石のプレートを設置した。26日午前11時からプレートがお披露目され、最優秀賞を受賞した医王田(いおた)恵子さん(57)や商店街の関係者が完成を喜んだ。名付けられたのは藤丸前の3頭と六花亭本店前の1頭。六花亭前の雄ジカを父親の「ダン」、藤丸前の雌ジカを母親の「リン」、子ジカは双子の雄として兄を「ダイチ」、弟を「ソラ」と名付けた。4頭の名前が書かれたプレートは縦11センチ、横22センチ。19日からそれぞれの銅像の前の路上に埋め込む作業を行った。事業名の「平原の鹿物語」と刻んだ楕円(だえん)形の記念プレートも藤丸前の路上に設置した。医王田さんは「作品の名前が残ってうれしい。市民の皆さんにシカの銅像が浸透してほしい」と笑顔。中田実行委員長も「銅像を生かした活性化策を今後も考えていきたい」と話していた。

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3/25
(カラス巣からハンガー落下で停電:大阪)
24日午前11時10分ごろ、京阪本線の寝屋川市(大阪府寝屋川市)―淀屋橋(大阪市)間、天満橋(同)―中之島(同)間で停電があり、本線や中之島線などで約1時間20分にわたり運転を見合わせた。京阪電鉄によると、寝屋川市―萱島(同府寝屋川市)間の架線を支える鉄柱(高さ約12メートル)に作られたカラスの巣から鉄製ハンガーが落下、架線に接触したハンガーを通して鉄柱に電気が流れたことが停電の原因とみられる。同社の広報担当は「以前から定期点検で鳥の巣が見つかるたびに取り除いてきたが、対策となると難しい」と説明。京阪線は上下線で計48本が運休、計96本が最大1時間20分遅れ、約12万人に影響した。
(クマもうお目覚め?:北海道)
24日午後1時35分ごろ、十勝管内上士幌町糠平の国道沿いで、車を運転中の男性(42)がクマ1頭を目撃し、帯広署に通報した。同署によると、クマは体長約2メートル。男性がクラクションを鳴らしたところ、林に引き返したという。現場はぬかびら源泉郷から三国峠方面へ約1・5キロ地点。道内では今月16日、檜山管内厚沢部町の道道付近の畑で、体長約1・7メートルのクマ1頭がいるのを住民が目撃し、ハンターが山中で射殺している。市民団体「ヒグマの会」会長の金川弘司北大名誉教授は「クマは通常、4月上旬まで冬眠しているはず。昨年の猛暑によるエサ不足で、冬眠せずにエサを探し回っている若いクマの可能性がある」と指摘。「空腹のクマは人を襲う可能性もある。家の外に生ごみなどを置かないように」と注意を呼びかけている。
(捕獲獣活用へ:鹿児島)
鹿児島県は3月中にも、捕獲した野生獣肉の有効活用に向けた「イノシシ・シカ肉衛生管理ガイドライン」をまとめる。野生獣肉は、牛肉や豚肉と違って「と畜場法」などの対象外で、県独自の指針設置は初めて。野生鳥獣は現在、捕獲後に大半が埋設されている。衛生的で安全な食肉の供給を促し、捕獲した鳥獣の有効活用につなげるのが狙い。ガイドラインは、牛肉などの処理に準じ、処理施設の衛生基準や、捕獲から運搬、解体、流通まで作業工程ごとの衛生管理・品質確保の手順などを定めた。このほか、食肉を扱う販売業者や飲食店業者に対しても、仕入れ先の確認や生肉提供の禁止といった留意事項などを盛った。県が22日、県鳥獣被害防止対策推進会議を県庁で開き、報告した。3月中の策定を目指すという。
(イノシシから最大260ベクレル:千葉)
2013年3月18日、千葉県は県内で捕獲されたイノシシの肉から最大で1キログラム当たり260ベクレルの放射性セシウムが検出されたことを発表した。今回、基準値を超える放射性セシウムが検出されたのは2体。千葉県君津市で2月12日に捕獲されたイノシシで同260ベクレル、130ベクレルが検出されている。千葉県では昨年9月5日に1キログラム当たり210ベクレルの放射性セシウムで汚染されたイノシシが捕獲されている。千葉県はこのため同年11月5月から出荷制限を実施。2013年1月18日から鴨川市の肉処理施設を除き出荷制限は解除となっている。今回、イノシシから260ベクレルの放射性セシウムが検出されたのは出荷制限解除後初めてのことになる。今回検出された260ベクレルの放射性セシウム汚染は千葉県では過去最大値の野生鳥獣の汚染となる。
(サルを追っ払うワン:和歌山)
県の「わかやま版・過疎集落支援総合対策」で過疎生活圏に設定されている日高川町寒川地区で取り組んでいたモンキードッグ育成の訓練が終了。寒川地区の飼い犬2匹がモンキードッグに認定され、23日のジビエ料理まつりの開会式で玉置俊久町長から認定証が贈られた。モンキードッグは、サルやシカなど野生獣から田畑を守る犬。認定されたのは、宮川英樹さんの飼い犬「ハナコ」と森岡スミ子さんの「ハナ」。いずれもメス5歳の雑種。昨年10月から育成訓練が始まり、2匹とも優秀で、通常12回の訓練が必要なところ、ハナコは9回、ハナは11回の訓練で見事テストに合格した。今後、住民から要望があった際、地域の田畑でサルなど野生獣を追い払い、作物を守る。県内でのモンキードッグ認定は那智勝浦町に次いで2団体目。寒川地区では、この2匹を含め4匹が十数回にわたり訓練士の指導の下育成訓練を受けた。地区では、「シイタケを核とした産業振興で未来につなぐ集落づくり」をテーマに、3本柱の対策と13の取り組みを計画しており、モンキードッグはその一つ。
(カラス餌付け規制条例案:奈良)
カラスの鳴き声による騒音やふんの被害を減らすため、奈良市はカラスへの餌付けや生ゴミの放置などを規制する条例案を市議会に提出しました。奈良市議会に提出されたのは、「カラスによる被害の防止及び良好な生活環境を守る条例」案です。この条例案はカラスに直接エサをやることや、カラスが狙う生ゴミなどの路上放置などを規制する内容で、市の担当者が餌付けをしている住民の敷地内を立ち入り調査できるほか、違反者には5万円以下の罰金を課すこともできます。条例案に至る発端は、一部の住宅地で数年前から住民がカラスに餌付けをしていたことでした。餌を目当てにカラスが次々と集まり、付近の住民は騒音やふんの被害に悩まされていたのです。「カラスがしょっちゅう飛んできて、その声がものすごく嫌な声なんですね、大きい声で」(住民)カラスへの餌付けなどを制限する条例は、近畿では大阪の箕面市に続き2例目で、奈良市では今年6月の議会での成立を目指しています。
(駆除したシカで薫製作り指導:広島)
駆除したシカの肉を材料にした薫製教室が23日、安芸高田市高宮町原田の市野生鳥獣食肉処理施設であった。市内外から参加した30人が作り方を習った。市地域振興事業団の主催で2回目。参加者は市有害鳥獣捕獲班の竹岡信夫さん(58)の手ほどきを受けた。スライドで作り方を見ながら、シカ肉に香辛料や岩塩などを擦り込んで下ごしらえをした。鍋でゆでた後、風にさらして乾燥。薫製窯にシカ肉を入れ、2時間いぶした。福山市大門町、無職豊島守さん(72)は「薫製作りは初めて。家でもやってみたい」と興味津々だった。市内では、シカの農作物被害が深刻で駆除が課題になっている。同事業団は駆除したシカの食肉化など活用策を市民に考えてもらうため、市の協力を得て薫製教室を開いた。
(銃規制強化の州法成立:アメリカ)
米西部コロラド州のヒッケンルーパー知事(民主党)は20日、15発以上の銃弾を装填できる弾倉の販売を禁止し、銃を購入する人の身元調査の対象を広げることで銃規制を強化する州法案に署名、同法が成立した。米メディアが伝えた。コロラド州は市民生活に銃が身近な土地柄。民主党支持層を含めて銃規制への抵抗が強かったが、昨年7月に同州内の映画館で乱射事件が起きて12人が死亡、12月にも東部コネティカット州の小学校で26人が死亡する事件が発生したことから、世論が変化した。州法は7月に発効する。店舗販売のほか、個人同士の取引やインターネット販売でも身元調査を義務づける。
(車にひかれた動物を食肉に:アメリカ)
米モンタナ州上院議会は21日、車にひかれて路上で死んでいるシカなどの動物について、住民が持ち帰って食べてもよいとする法案を可決した。この法案は同州下院はすでに通っており、上院が賛成28、反対21で可決したことにより、スティーブ・ブロック州知事(民主党)が署名すれば発効する運びとなった。同知事はまだ態度を明らかにしていない。同法案では、警察当局者が衝突事故と認定すれば、死亡した動物を食肉として利用できる。対象となる動物は、シカ、ヘラジカ、ムース、アンテロープ。現在の法律では、これら動物の死骸は廃棄されるか放置されている。同法案の共同提案者ビル・ラビン議員(共和党)は「(死骸の放置は)無駄だと思える。この法案により、食料配給団体を合法的に呼んだりすることが可能になる」と意義を語る。草案段階では、多くの動物や鳥類も食肉利用の対象として盛り込まれていたが、毛皮などを狙った密漁を誘発しかねないとの懸念から除外されたという。一方、法案の反対派は、衛生面の問題を指摘する。ケンドール・バンダイク議員(民主党)は「ハイウェーパトロール警官や警察官は食肉検査の専門家だろうか」と疑問を投げかけている。

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(新規狩猟者確保へ助成:山形)
昨年の目撃件数が統計を取り始めた01年以降最多となった熊への対策について、県は出没増加の分析や効果的な対策をとるための情報収集を行う推進チームを県庁内に設置し、関係部局で連携を図る。また熊を捕獲する狩猟者が高齢化で減少していることから、新規狩猟者を確保するため免許取得に向けた実技講習会などを助成する。関連予算に707万円を盛り込んだ。県みどり自然課によると、県猟友会は昨年4月1日現在で1544人。15年前(3076人)と比べほぼ半減した。さらに平均年齢は、昨年4月1日現在で61・2歳。2年前と比べ0・3歳上がっている。そのため同課は新たに免許を取得して入会してもらえるよう後押しする。具体的には、新規狩猟者が必要となる備品などを1人5万円を上限に助成する。狩猟者の費用は衣類や靴、バッグなどを含めて10万〜30万円くらいかかるという。また、免許試験前に実技講習会を実施したり、狩猟をまったく知らない人にも少しでも興味を持ってもらえるよう普及セミナーの実施に助成する。同課は「20代の女性で免許を持っている人もいるので、多くの若者に興味をもってもらいたい」と話す。熊の目撃件数は、07年51件▽08年66件▽09年64件▽10年288件▽11年142件。12年は前年より304件も増え、446件だった。
(クマ出没、10年度の半数:新潟)
2012年度に県内で出没が確認されたツキノワグマは556件(7日現在)で、ブナの凶作で大量出没した10年度の半数以下だったことが18日、分かった。同日開かれた県ツキノワグマ保護管理対策検討会(会長・箕口秀夫新潟大教授)で県が報告した。12年度もブナが凶作で、クマの人里への大量出没が懸念されていた。県によると、クマの目撃・痕跡件数は昨年9月までの上半期は10年度を上回ったが、10月以降は下回るペースになった。10年度は1年間で1229件、ブナが豊作だった11年度は182件だった。人身被害は12年度が7件8人で、10年度の10件11人より少なかった。箕口教授は、出没が少なかった要因を「ブナは凶作だったが、コナラなどが豊作だったことや、捕殺でクマの頭数が減った可能性がある」と分析。「今冬は山間部の降雪が多かったため、春以降も山に雪が残ると、餌を求めて里山へ降りてくる可能性がある」とし、注意を呼び掛けた。
(クマの出没防ごうと伐採作業:京都)
堤防一つ越えればアパートや市のスポーツ施設。そんな市街地隣接地だがクマの目撃情報がある福知山市和久市町付近の由良川河川敷で17日、安全確保などを目的にした市民参加による立木伐採の作業が行われた。主催したのは国交省福知山河川国道事務所と福知山市市。河川環境整備の狙いもあり、地元の和久市町自治会や一般市民にも参加を呼びかけた。河川敷は民有地が多く、市から伐採の依頼を受けた国交省が、所有者から伐採の許可を取るなどして、作業に取り掛かる運びとなった。作業には国・市職員ら約40人のほか、地元の自治会員と福知山環境会議のメンバー、一般市民ら約40人も参加。中には女性の姿もあり、それぞれ鎌や草刈り機などを持って集まった。伐採計画は約1ヘクタールで、このうち0・2ヘクタール分を市民らが作業した。ササや大木になった桑の木などがいっぱい生えていて、簡単な作業ではなかったが、参加者らは協力して手際よく取り組んだ。今回の作業部分の隣接地ではすでに国交省の発注で業者による伐採が行われていて、作業が済んだ部分は見通しが随分良くなった。和久市町自治会長の山田宏徳さんは「クマの被害に遭う危険性が少しでも軽減され、安心できます」と、伐採の取り組みを喜んでいた。
(クマと人、すみ分けを:東京)
野生動物の人里への出没が問題となっている中、あきる野市はツキノワグマの生息環境を守ろうと、越冬時に餌となるドングリを増やす試みを始めた。今月に入り、市内の市有林で、ドングリのなる木の最初の植樹を行った。市の担当者は「人間と野生動物がすみ分けられるように、山林の環境を整えたい」と話している。市環境政策課によると、市内ではツキノワグマやニホンジカ、ニホンカモシカなど大型動物の生息が確認されている。このうち、ツキノワグマは昨年秋から年末にかけて、旧五日市町地域の住宅地で目撃が相次ぎ、わなにかかった子グマ一頭を捕殺処分した。ドングリの不作が原因とみられるため、市は人里への出没を防ぐには、生息域で十分な量の餌を確保できるようにすることが必要と判断した。ドングリを生み出す樹木は複数あるが、成長が早く、年によって量に大きな差が出ないヤマグリを選んだ。今月十六日、市の森林レンジャーや職員、地元ボランティアら約三十人が、檜原村との境に近い市西部の市有林にヤマグリの苗木九本をそれぞれ間隔をあけて植えた。苗木はある程度成長しており、今秋には最初の実をつけるという。「森林レンジャーあきる野」の杉野二郎隊長(57)は「クマが人間とかかわることなく静かに暮らせるように息の長い活動にする」と、春と秋を中心に今後も植樹活動を続ける方針を示した。ツキノワグマの生態に詳しい長野県環境保全研究所の岸元良輔自然環境部長は植樹の効果を認めたうえで、クマが見通しの良い場所を嫌う習性をもつことから「森を間伐して山中に見通しの良い場所を作り、クマが人里へ出にくい環境をつくることが重要」と指摘した。
(イノシシソーセージ、“新ブランド”:岡山)
田畑を荒らすイノシシが新見市の新ブランドになりそうだ。イノシシの肉を加工しソーセージとして3年前に売り出したところ、上質な肉の味わいが評判を呼び、今ではソーセージなどを満喫する観光ツアーが登場するほどの人気ぶり。山あいの静かな里を揺るがすその名は「小猪棒(うりぼう)」。ブランドの千屋牛に負けじと販路拡大へ猪突猛進−−。小猪棒を販売しているのは同市哲西町上神代、食品販売兼飲食店「哲西郷趣膳水上」経営、水上真一さん(46)。「この辺りは、冬になると雪が深く、父の世代の男たちはイノシシ猟のために山へ入り、貴重なたんぱく源を確保してきました。しかし、過疎化が進み、猟をする男たちも高齢化。食習慣も大きく変化しました。かつては“食薬”と重宝されたイノシシも地域に迷惑な有害獣となりました」と話す。水上さんは「イノシシを地域で消費させる方法はないか。イノシシの肉を食卓に乗せた食文化を復活させたい」と考えた。思考錯誤の末、ソーセージに加工すれば長期保存も可能で献立の用途も幅広く、流通にも乗せやすいと思いついた。しかし、加工技術がない。食品としての安全・安心の確保も欠かせない。水上さんは、同市神郷油野でベーコン工房ヴィーヴルを営む健康王国社長の梅本千代美さん(70)に相談した。手作りハムなどを手がける同社開発部長、小谷幸彦さん(56)がソーセージの製造を引き受けた。小谷さんは「イノシシには独特の臭みがあります。ブラックペッパなど複数の香辛料を肉になじませ、うま味に変化させて、肉自体が持つ甘さを引き立てました」と胸を張る。哲西郷趣膳水上で扱うイノシシは年間50〜60頭。このうち長さ13センチ、重さ70グラムの小猪棒の販売は5000本。1本315円、2本セットで販売されている。水上さんは「ボイルしてからスライスして食べるのが一般的です。軽くあぶってもおいしい。表面がカラリとして中がジューシーでビールとの相性は抜群です。鍋やおでんの具にすると子供たちにも喜ばれます」と話す。小猪棒を販売しているのは同市哲西町上神代、食品販売兼飲食店「哲西郷趣膳水上」経営、水上真一さん(46)。「この辺りは、冬になると雪が深く、父の世代の男たちはイノシシ猟のために山へ入り、貴重なたんぱく源を確保してきました。しかし、過疎化が進み、猟をする男たちも高齢化。食習慣も大きく変化しました。かつては“食薬”と重宝されたイノシシも地域に迷惑な有害獣となりました」と話す。水上さんは「イノシシを地域で消費させる方法はないか。イノシシの肉を食卓に乗せた食文化を復活させたい」と考えた。思考錯誤の末、ソーセージに加工すれば長期保存も可能で献立の用途も幅広く、流通にも乗せやすいと思いついた。しかし、加工技術がない。食品としての安全・安心の確保も欠かせない。水上さんは、同市神郷油野でベーコン工房ヴィーヴルを営む健康王国社長の梅本千代美さん(70)に相談した。手作りハムなどを手がける同社開発部長、小谷幸彦さん(56)がソーセージの製造を引き受けた。小谷さんは「イノシシには独特の臭みがあります。ブラックペッパなど複数の香辛料を肉になじませ、うま味に変化させて、肉自体が持つ甘さを引き立てました」と胸を張る。哲西郷趣膳水上で扱うイノシシは年間50〜60頭。このうち長さ13センチ、重さ70グラムの小猪棒の販売は5000本。1本315円、2本セットで販売されている。水上さんは「ボイルしてからスライスして食べるのが一般的です。軽くあぶってもおいしい。表面がカラリとして中がジューシーでビールとの相性は抜群です。鍋やおでんの具にすると子供たちにも喜ばれます」と話す。
(イノシシ料理に挑戦:山口)
宇部市小野の体験学習施設「アクトビレッジおの」で17日、イノシシの肉を使った料理を学ぶ教室があった。教室は2年前、「海辺と町と里山の食の交流」として始まった。施設がある小野地区や宇部市沖の瀬戸内海で取れる新鮮な野菜や魚介類を使った料理が好評という。本年度最後のこの日は「イノシシ料理」にチャレンジ。参加者らは、地元で取れたイノシシの肉を材料に、獣肉の臭いの消し方や旬の野菜の煮方などを学んだ。ある参加者は「イノシシ肉は臭いと決め込んでいたが全く違った。牛や豚よりおいしい」。指導した宇部フロンティア短大・桜井菜穂子教授は「地元食材の良さを学ぶことは、暮らしに役立ちます」と話していた。
(攻撃用銃の禁止を断念:アメリカ)
米上院民主党執行部は19日、銃規制で最大の柱だった殺傷能力の高い攻撃用銃の規制について、法案から削除する方針を決めた。法制化を事実上断念したといえる。コネティカット州での小学校銃乱射事件を受け、オバマ大統領が推進した抜本的銃規制は大きく後退した。銃規制は、もう一つの柱である購入時の適性検査の強化が焦点となる。米メディアによると、上院民主党トップのリード院内総務は同日、「攻撃用銃への規制支持は(上院議員100人のうち)40人に満たない」と述べた。法案を主導したファインスタイン上院議員(民主)は「失望した。敵は強大だ」と述べ、銃規制に反対する全米ライフル協会(NRA)に敗北した、との認識を示した。攻撃用銃は軍用を改良したものが多く、昨年12月の小学校銃乱射事件をはじめ、凶悪銃犯罪で度々使われている。1994年に18種類の生産・販売を禁止する法律ができたが、2004年に失効。オバマ氏は「軍隊スタイルの銃は街には要らない」と法律の復活を訴え、ファインスタイン氏が157種類の銃を禁止する法案を提案していた。同氏は攻撃用銃を規制する法案を再度、採決にかける構えだが、成立する可能性は極めて低い。銃乱射を防ぐため、弾倉を10発以下に規制する法案も成立は微妙となっている。一方、銃購入時の適性検査を個人売買にも拡大する法案は、リード氏も銃規制の柱とする考え。現行法では銃器店で購入する場合、一定の犯歴や病歴のチェックが義務付けられているが、銃売買の4割を占める個人間には規制がない。世論調査で9割が支持し、共和党の一部も支持を表明しているが、NRAは強硬に反対しており、なお予断を許さない状況だ。

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(猟区内で犬撃たれ死ぬ、ハンター誤射か:北海道)
町内の道有林で今月上旬、放されていた飼い犬1匹が撃たれ死んだ。エゾシカ猟中の誤射かどうかは分かっていない。飼い主は「誤射なら人だった可能性もある。銃を持つ以上、細心の注意を怠らないでほしい」とハンターのモラル向上を改めて訴えている。
(ペットで飼育のイノシシ逃げだし、射殺:岐阜)
17日午前9時35分ごろ、岐阜市岩田坂の三峰山で、地元の猟友会が雄のイノシシ1頭を射殺した。岐阜中署によると、8日に約2キロ離れた市内の住宅から逃げ、隣の各務原市で車に接触したイノシシと、牙が1本欠けている点などが似ているという。同署によると、射殺されたイノシシは、体長約120センチ、体重約50キロ。8日に逃げたイノシシはパート女性(43)がペットとして5年ほど前から飼育していた。各務原市の東海学院大の敷地内で目撃された後、三峰山に入ったとみられ、県警や猟友会が捜していた。
(電車がシカと衝突:滋賀)
15日午後11時半ごろ、JR草津線甲西駅(湖南市平松)-三雲駅(同市三雲)間の線路上にシカがいるのを柘植発草津行き普通電車(8両編成)の運転士が発見、非常ブレーキをかけたが間に合わずシカと衝突した。乗客45人にけがはなかった。この事故で上下線計3本が最大2時間半遅れた。
(停電の原因はカラス?:福岡)
15日夕方、JR鹿児島線の南福岡駅構内で架線が切れ、一部列車が運休するなどし2万4000人に影響が出たトラブルは、カラスが原因だったことがわかりました。このトラブルは、きのう午後6時前、JR鹿児島線・南福岡駅の構内で、列車に電気を送る架線が切れて、停電が発生したものです。この影響で鹿児島線は博多~鳥栖間の上り線がおよそ2時間にわたって不通となり、28本の列車が運休、32本の列車に遅れが出てあわせて2万4000人に影響が出ました。JR九州によりますと、南福岡駅に隣接する車両基地を出た回送列車の近くで、焦げたカラスの死骸が見つかりました。このためカラスが列車のパンタグラフに接触してショートし、架線が切れたことが停電の原因だったとみられています。鹿児島線は、16日は始発から通常通り運行しています。
(市街地にシカ3頭:北海道)
15日正午ごろ、室蘭市高砂町に雄のシカ3頭が室蘭工業高校に逃げ込み、市などで捕獲作戦を展開した。けが人はいなかった。室蘭市によると、午後0時5分に室蘭署から「3頭のシカが高砂町1・55付近から水元町に向かっている」と通報があった。シカは高砂保育所付近や知利別サテライトクリニック付近を通り、室工高グラウンドに逃げ込んだのは午後1時ごろ。3頭はグラウンドから出ることができず、市職員や室蘭署員が捕獲しようとしたが、同3時ころに1頭が高砂町方向、2頭が楽山方面にそれぞれ“逃走”した。同4時には1頭が中島町付近で知利別川に飛び込み室蘭港方向に泳ぎ出し、2頭は水元町から室蘭岳に向けて逃げていった。この“逃走劇”のさなか、車とシカの衝突事故が知利別町で発生したが、けが人はいなかった。近隣の小中学校や高校は集団下校や学校での待機といった措置が取られた。市は「白昼の市街地にシカが3頭現れることは珍しい」と話している。
(クマ目撃、雪少なく警戒必要:富山)
17日午前6時半ごろ、射水市入会地(小杉)で、散歩をしていた付近住民が国道472号の西の山の斜面を移動しているクマの成獣1頭を目撃した。射水署は付近をパトロールするとともに、地域住民に注意を呼び掛けている。
(クマ目撃、県内で今年初:青森)
14日午後2時ごろ、三戸町貝守の県道で、クマ1頭が道路を横切るのを路線バスに乗っていた町内の女性が目撃した。県内でクマの目撃情報は今年初。三戸署などによると、体長約60センチの子グマで、道路沿いの畑へ逃げたという。同署が警戒を呼びかけている。
(シカに4本の角:和歌山)
和歌山県上富田町朝来、弁当店経営の仲幹司さん(65)が、4本の角が生えた雄のシカ=写真=を捕獲した。毎年生え替わるが抜け落ちずに残ったためで、仲さんは「初めて見た」と驚いている。このシカの体長は1・42メートルで、角の長さは46センチ。右の角の外側から22センチ、左の角の外側から10センチの角が生えている。仲さんが8日午後4時半ごろ、田辺市富里地域の山で、猟犬を使って川に追い込み、猟銃で仕留めた。奈良市の財団法人奈良の鹿愛護会によると、内側の長い角は2011年に生えたもので、12年に抜け落ちないまま、外側から新しい角が生えたという。角は通常、3月に抜け落ちる。
(片足失ったシカ、「冬を乗り切って」:北海道)
根室管内別海町の野付半島で、右後脚の一部を交通事故で失ったとみられる若い雄ジカが懸命に冬を越している。群れから残されがちだが、少ない餌を探しハマナスの枝などを食べている。傷ついたシカの保護を続ける野付半島ネイチャーセンター長の森田正治さん(67)が、13日と16日に確認した。「3本足のシカが野生でいるのを見たのは初めて」という。「今年は雪が多く生き残れたのもたいしたもの」と森田さん。どうか温かく見守ってやってほしい、と呼びかけている。
(イノシシ、雪に適応:石川)
石川県白山自然保護センター(白山市)は、積雪2メートルを超える多雪地帯である白 山国立公園内のブナオ山で、イノシシの群れが越冬する姿を初めて確認し、昨年12月か ら今月にかけて写真と動画で継続的に記録することに成功した。同センターによると、豪 雪地帯での生息が難しいとされてきたイノシシが雪に適応して生きる様子を一冬の間とら え続けた記録は全国的にも例がない。写真と動画には、イノシシの成獣が標高800メートル付近で体高ほどもある雪を鼻で かき分けて道をつくり、その後ろを幼獣がついて歩くなど、厳しい環境の中でたくましく 生きる様子が記録されており、同センターは「イノシシの適応力の高さがうかがえる」と 分析する。県内ではイノシシの生息域が白山や能登などに拡大し、白山麓ではミズバショウ群落が 食い荒らされる被害が出ている。農業被害も各地で問題となっており、地域住民などから 対策の強化を求める声が上がっている。
(ニホンジカ・イノシシ、捕獲促進へ補助制度:岐阜)
農作物などの深刻な被害を食い止めようと県は、ニホンジカの生息密度が高い県内13市町を対象に、狩猟期間中に捕獲したニホンジカに対する補助制度を設けて個体調整を実施している。制度の対象となっていない高山市は単独で今年度の狩猟期間中のイノシシ、シカ捕獲に対して捕獲奨励金を交付するなどの鳥獣害対策を計画している。県は昨年8月、鳥獣保護法に基づく県の特定鳥獣保護管理計画を改定。11年度に行った生態調査で県内の生息頭数が約5万頭と推定されたシカを対象に、1平方キロ当たり10頭以上と生息密度が高い郡上市や下呂市、本巣市など13市町で個体数の調整を盛り込んだ。15年度までに1万5000頭の捕獲を目標にしており、メスに1万円、オスに5000円の補助金を支払う。昨年11月15日から今年3月15日までの実施を届けた郡上市では、1150頭の捕獲目標をほぼ達成したという。県清流の国ぎふづくり推進課によると、県内の獣害による農作物の被害は3億4416万円(11年度)。ここ数年の被害は横ばいで、うち約4割はイノシシによる被害となっている。シカの被害は、畑を柵で囲うなどの対策を進めて4887万円(同)と少ないが、柵で防ぐことができない山中では、下草を食べて山の表土がむき出しになるところが増えている。1平方キロ当たり5頭を超えると下草に影響が出始めるといい、同課の中田雅章課長補佐は「シカが山林の下草を食べることで表土がむきだしになる場所が増え、雨で土が流れ出す危険がある。早急な対策が必要」と話す。県の個体数調整の対象市となっていない高山市は、農作物の鳥獣被害面積の集計を始めた07年には240ヘクタールの被害面積だったが、柵などの整備で12年度には91ヘクタールと被害が減少。だが07年度に379頭だったイノシシの捕獲頭数が12年度には1382頭と増えている。今年度から狩猟期間中のイノシシとシカ(メス)の捕獲に対して捕獲奨励金5000円を出す計画を進めている。同市農務課は「生息数は増えており、被害を減らすには捕獲を進めるしかない」と話している。
(シカを餌付けし一網打尽:徳島)
剣山地域ニホンジカ被害対策協議会は17日、シカの新たな捕獲方法「シャープシューティング」の報告研修会を美馬市で開いた。つるぎ町で昨年春と秋に実施された実験の結果が報告され、県は、担い手となる人材育成に取り組む方針を明らかにした。
(わな猟実技講習会:長野)
諏訪地域森林づくり・林業振興会は15日、わな猟の実技講習会を下諏訪町郊外の山林で開いた。今年度の狩猟免許試験で合格した新規取得者を中心に9人が参加。諏訪猟友会の指導員から、ニホンジカやイノシシの捕獲率を高める架設方法を学んだ。実技講習は4年目だが、今回は狩猟に関心を持ってもらう狙いで初めて一般参加を受け付け、免許を持っていない2人も加わった。鹿の捕獲で実績を上げている二つのタイプを持ち、雪が残る林内へ。指導員の征矢隆さん(69)=岡谷市=は、獣道に仕掛けたわなの前後にあえて木の枝などを置き、またがせて踏ませる「猟師の技」を伝授。「これだけ鹿が増えるといつかは掛かるが、十発十中、最低でも9回は捕れるようにして」と呼び掛けた。県諏訪地方事務所林務課によると、今猟期中のわなの狩猟者登録数は140人。竹内清・猟友会長(64)=下諏訪町=は「一人ひとりが”猟果”を得られるようにし、鹿の頭数と被害をさらに減らしたい」。参加者の一人は「獣道のどの辺りに仕掛けるのがベストかを学び、捕獲率を上げたい」と話していた。
(出没サルと知恵比べ:三重)
亀山市の人里で近年、サルによる農作物の被害が続き、住民有志が追い払い作戦に乗り出した。シャープなどが立地する工業団地の開発で、山の居場所を失ったサルが人里に出てきたとみられ、人間とサルの知恵比べが続く。市の山間部では昔から、ニホンザルが生息していた。人家が多い地域でもサルの姿が目立つようになったのは、工業団地の造成工事が始まった十年ほど前から。畑の大根や家庭菜園が食い荒らされる被害が増え、市中心部にある商業施設「かめやまエコー」の駐車場でも見かけられるようになった。出没するのは、居住地周辺の雑木林に生息しているらしい約五十匹の群れ。県農政・普及室は「捕獲で数を減らしても別の群れが移動してくる。地域でサルを追い払い、農作物を守る取り組みをしないと効果がない」と話す。そこで市中部の城北地区では今年に入り、二十人前後の住民有志がロケット花火を使い、サルを群れごと北西側の山へ追い払う作戦に乗り出した。だが、計二回の作戦はサルがバラバラに逃げ、すぐに舞い戻ってきて失敗に終わった。サルの出没情報を調べる市民グループ「亀山サルの会」の足立勇さん(77)は「サルは毎日、人間を観察している。人間の性質を知り尽くしたサルと戦争するのは大変だ」と指摘する。城北地区コミュニティ会長の若林庄二さん(65)は「サルをいじめることが目的じゃないが、人間の居住区では共存できない。どうにかして山に戻ってもらうしかない」と漏らす。
(富士山麓の食害減へ:静岡)
富士山麓(さんろく)で深刻化するシカによる食害などを減らす取り組みが官民共同で進んでいる。国や県なども参加する富士宮市鳥獣被害防止対策協議会はこのほど、新たな捕獲方法「誘引捕獲」を用いて12日間で199頭を捕獲したと発表。14日には同市で成果説明会を開き、「全国の先進事例」として態勢作りや捕獲手法の詳細を報告する。県自然保護課によると、10年度末時点で県内には約4万6000頭のニホンジカが生息していると推定された。富士地域の推定数は約1万4000頭で、その数は増えているとみられる。シカが増えすぎることで、餌となる樹木などが枯れる被害や、農作物の食害などが深刻化している。一方で、地元猟友会の協力に頼る従来の方法では、高齢化などによる担い手不足や効率性が大きな課題として浮上。国や県などが人材育成や、給餌とわなの工夫などによる捕獲効率の向上を研究している。同協議会が実施した誘引捕獲もその一環。「シャープシューティング」とも呼ばれ、昨年に続き国有林内で行われた。定期的な給餌でおびき寄せたシカを、車に乗った捕獲者が狙い撃ちする手法で、少人数で効率的な捕獲ができるという。昨年は73頭(6日間)、今年は199頭(12日間)を捕獲した。協議会は、富士宮市を始めとして林野庁静岡森林管理署や県農林技術研究所森林・林業研究センターが参加。地元猟友会や、高度な射撃技術を持つ人が集まる県内のNPO法人なども加わり「全国的にも珍しい」(同センター)態勢を構築している。ニホンジカの低密度化に取り組む同センターの大橋正孝上席研究員は、「199頭は11年に富士地域で捕獲された総数の約10%にのぼり、効果的な方法と言える。態勢作りも含め、シカ問題に悩む他の地域にも参考になるのではないか」と話す。
(シカの食害防止効果を調査:徳島)
紙幣の原料となるミツマタがシカの食害防止に役立つか調査している那賀町の木沢林業研究会は16日、同町掛盤の民有地でミツマタの植え付けを行った。一緒にケヤキも植えて効果を確かめる。研究会の会員ら20人が参加。約0・3ヘクタールの民有地に、0・5~1メートルのミツマタ約800本を1・5メートル間隔で植えた。今後、ミツマタの間にシカが好んで食べるケヤキの苗木を植え、被害状況を調べる。研究会は、徳島文理大学や県森林研究所などとミツマタの食害防止効果について調査を進めている。山間部の新たな収入源としても期待しており、2メートルほどに育つ3年後には収穫し、紙幣の原料用として加工業者に出荷する。
(イノシシ出没が増加:愛知)
春日井市の東部丘陵地周辺で近年、農作物を荒らすイノシシの被害が発生。農家らが頭を悩ませている。市は二〇一二年度から捕獲用のおりを設置し、地元の猟友会と対策に乗り出している。今月十三日、春日井猟友会長、藤原勲さん(76)の案内で訪れたのは、同市細野町の山林。見ると、おりが設置され、自衛策として、地主らによる被害防止用の電気柵も取り付けられていた。「ああ、やっぱりだ」。藤原さんが指さした地面は土がでこぼこしている。イノシシが鼻で掘り返し、タケノコを探した跡。近くに食べ終えた皮だけが散らばっていた。山林付近の田畑でも同じ状況のようだ。「二、三年前から徐々に被害が出始めた」と話すのは、猟友会員の水野勝一さん(73)。自宅で食べる分の農作物を育てている細野町の田畑で昨秋、収穫目前のカボチャが食べられ、イネは踏まれて刈り取り作業に支障が出た。明知町や西尾町でも水稲を荒らされる事態が起きている。市農政課には、二〇一〇年ごろから「収穫物が食べられる」「地面に穴があいてしまう」などとイノシシの被害が報告された。近隣自治体から移動してくる可能性もあり、生息状況の正確な把握は難しい。県自然環境課によると、人が山に入る機会が減り、人家近くまでイノシシの行動範囲が広がったことなどが被害の増加につながっている。市は猟友会の協力を得て対策を始め、イノシシ用の特注のおりを二基購入(一基十万円)。昨年五月、細野町内の山林におりを設置した。一月末までに、体長八〇~一三〇センチ、体重一五~八〇キロの九頭を捕獲した。イノシシは、においに敏感で警戒心が強いため、猟友会の限られた会員だけが定期的におりの周囲を見回る。イノシシが通った獣道に餌を仕掛け、徐々におりにおびき寄せる。三月下旬には、被害が発生した西尾町にもおりを一基設置する。市では〇一年度から、アライグマ、ヌートリア、ハクビシンも捕獲の対象にしている。鳥獣保護法に基づき、農業や生活環境の被害防止に向けた捕獲を実施。アライグマとハクビシンは市内全域に、ヌートリアは八田川や地蔵川などの流域などに生息しているとみられ、昨年四月から今年一月までに計三十五頭を捕獲した。被害があった場合、市が業者に連絡して、捕獲箱を設置している。
(新型ディーゼル車両を導入、シカとの衝突も想定)
JR東海は14日、在来線の新型ディーゼル車両に新たな安全対策を追加した車両を製造し、2014~15年度にかけて52両を投入すると発表した。新幹線向けに開発した最新型の故障検知システムや、野生のシカとの衝突を想定した対策装置を搭載する。投資額は約120億円。新型車両「キハ25形」をさらに改良し、安全性や快適さを高める。管内の高山線(岐阜市~富山市)、太多線(岐阜県・美濃加茂市~多治見市)、紀勢線(三重県亀山市~和歌山県新宮市)、参宮線(三重県・多気町~鳥羽市)で、旧型の車両を順次置き換えていく。新幹線「N700A」に導入した、台車の振動を分析して異常を検知し故障を未然に防ぐ仕組みを、在来線で初めて装備する。先頭車両に緩衝材を付け、シカを押しのけて列車の遅れを防ぐ装置も追加する。名古屋市で記者会見したJR東海の山田佳臣社長は、在来線への新型車両の導入について「より一層の安全性向上とサービス引き上げを図りたい」と述べた。
(ガンやカモなど確認最多:宮城)
県が実施したガンカモ類生息調査で確認された県内のガン類・ハクチョウ類・カモ類は合計11万9454羽で、昭和47年度から実施している3月調査で、過去最多となったことが分かった。ガン類の確認数は6万9826羽と、昨年の4万3790羽より2万羽以上多かった。県内でガン類の飛来数が最も多い伊豆沼・内沼(栗原市・登米市)の確認数は3万876羽で、昨年の2万2414羽を約8000羽上回った。ハクチョウ類が最も多く越冬する鳴瀬大橋地点(加美町)は昨年わずか1羽だったハクチョウ類が1650羽を数えた。カモ類が最も多い化女(けじょ)沼は6872羽のカモ類を確認、昨年をほぼ3000羽上回った。この冬の県内は厳しい寒さだった。県によると、渡り鳥の北帰行は3月から。例年なら3月調査で確認数は大きく減少する。これだけ多くの鳥が確認されたことについて、「越冬地の環境をまだ冬だと感じていて、北帰行が遅れているのでは…」としている。
(イノシシ肉の活用策学ぶ:富山)
農作物を荒らすイノシシ肉の活用策を学ぶため、砺波市五鹿屋の第三生産組合の15人は16日、氷見市を訪れ、氷見市猟友会や農業委員会のメンバーの案内で、イノシシ捕獲の仕掛けを視察した。同市窪の民宿「あおまさ」では同肉を使った「ジビエ料理」を試食し、メンバーと交流した。砺波市では庄川町や栴檀野の中山間地域でイノシシ出没が増え、捕獲した肉の活用が課題となっている。「あおまさ」経営の青木政文さん(77)は約40年前からイノシシ肉の料理を提供しており、研修会が企画された。研修会では、砺波市農業委員会長の五十野(いその)正史さん(70)らが、氷見市猟友会員の藤林久一さん(67)の案内で同市戸津宮のおりなどを見て回った。この後、組会員が「あおまさ」で昨年12月に捕獲したオスの肉を使った焼き肉と鍋料理を味わった。氷見市農業委員会の森本成剛会長と堂端誠作前会長らが「冬場は脂が乗っている」などと説明。青木さんは「堅い肉なので、できるだけ薄く切っている」と調理方法を紹介した。出席者からは「クジラの肉に似ている」「みその鍋料理がおいしい」などの声が上がった。
(駆除シカ肉で中華まん:京都)
京都市上京区のNPO法人が、駆除されたシカの肉を使った中華まん「鹿まん」を開発した。農村部の食肉加工処理場と都市部の料理店が連携し、地域の資源を活用する。NPO法人「いのちの里 京都村」が、ほとんどが焼却処分されていたシカ肉を有効利用しようと企画した。野生獣などの食肉加工処理場「京丹波自然工房」(京丹波町)が、亀岡市や福知山市などで駆除されたシカを同法人に供給。協力する堺市の料理店「咲蔵(さくら)」が調理する。売り上げの一部は農山漁村の活性化に取り組む団体に寄付する。鹿まんのシカ肉は、油通しをして特有の臭みを消した。歯応えを楽しめるよう大きめに刻んだ上でタケノコやシイタケなどと一緒に調理し、みそ味で仕上げている。家庭でも調理でき、冷凍保存で1カ月、冷蔵で1週間もつという。今月1日には、上京区の同京都村事務所で試食会が開かれた。同法人の菱川貞義理事長(56)は「農村部の資源と、都市部の技術などと組み合わせることで新たな価値を生み出す取り組みを今後も続けていきたい」と話した。今後、一般への販売を検討するという。
(駆除シカの皮を製品に:鳥取)
有害鳥獣として駆除されるニホンジカを活用し、革製品の地域ブランド化を目指す店舗が、鳥取県若桜町にオープンした。起業を後押しする町初のチャレンジショップとして半年間営業し、町内での本格操業に備える。シカ革のハンドバッグやブーツなどを製造販売する「モードワン」。米子市で宝飾品やバッグの卸売業を営む石井健治さん(43)が2月末に出店した。町商工会が改修した商店街の事務所跡20平方メートルで営業し、家賃と光熱費の補助を半年間受ける。町では約10年前からシカによる農作物の被害が急増し、毎年度約千頭が駆除されている。石井さんは被害を知り、一昨年夏から駆除されたシカの皮の提供を受け、洗顔クロスの製造販売を始めた。昨年12月に町商工会が募ったチャレンジショップの出店に採用された。シカ革は軽くて伸びやすく、肌触りが良いのが特徴という。オーソドックスなハンドバッグで1個2万5千円から、制作期間は1カ月半~2カ月。石井さんは「町に人を集められるブランドにしたい」と意気込んでいる。

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