<射撃ニュース6月>

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(町職員、クマに襲われけが:福島)
7日午前10時45分ごろ、金山町本名の風来沢林道で、同町の役場職員の男性(58)が、背後のやぶから突然現れた体長約1メートルのクマに襲われ、左足をかまれた。男性は軽傷。先月末には、会津美里町で男性が襲われて死亡しているのが発見されており、県警は「目撃件数は毎年7月がピーク」と警告している。県警総合運用指令課によると、今年のクマの目撃情報は4月が6件、5月37件、6月が7日までに24件で計67件。うち6件で人が襲われ9人が死傷した。昨年7月は115件の目撃情報があった。同課は「入山時にはラジオをつけるなど人がいることをクマに知らせてほしい」と話す。
(3頭の親子グマ目撃:岩手)
8日正午頃、盛岡市内で3頭のクマの親子連れが目撃され、警察が注意を呼びかけている。クマの親子連れが目撃されたのは、盛岡市羽場の東北自動車道・盛岡南インターチェンジ付近で、近くに住む住民から「正午頃に親グマ1頭、子グマ2頭を目撃した。」との通報が警察にあった。その後、親グマは子グマ1頭を口にくわえて、北の方向に逃げ、残された子グマは水路に逃げ込んだ。警察が水路に逃げた小熊を探したが見つからず、水路近くの畑には動物のものとみられる足跡が点在しているのが確認された。これから夜にかけて親グマが子グマを探しに来る可能性もあることから、警察では付近の住民に十分注意するよう呼びかけている。
(3日連続でクマ出没:福井)
6日午後7時35分ごろ、勝山市村岡町五本寺の市道(西環状線)で、クマの親子3頭が村岡山方面へ横断しているのを、車で通り掛かった男性が目撃した。市内でのクマ出没は3日連続となった。前日にクマが目撃された地点から東に約3キロの場所。市によると、親グマは体長約1メートル、子グマは70センチくらい。昨年9月にも付近で親子グマが目撃されている。近くにある長尾山総合公園は、9日に開かれる勝山恐竜クロカンマラソンの発着点。市は「7日朝からコースを巡回し、安全を確認する。庁内で協議し対策を考えたい」としている。市内でのクマ出没は、昨年3~8月は目撃13件、痕跡2件だったのに対し、今年は3月以降すでに目撃11件、痕跡1件となった。市は「出没しやすい明け方と夕暮れの外出を控え、目撃があった場所を通る際は鈴を身に付けるなど注意してほしい」と呼び掛けている。
(幹線道路でクマ目撃:石川)
6日夜、金沢市の幹線道路沿いで、クマが目撃されました。金沢市や猟友会が捜索したところ、クマの足跡が見つかり、注意を呼びかけています。6日、午後10時50分ごろ、金沢市山科町の大乗寺丘陵公園近くの交差点で、クマらしき動物が山側から住宅街へ向かっていったと110番通報がありました。警察や猟友会、金沢市の職員が付近を捜索したところ、午前5時ごろ、近くの畑でクマの足跡を見つけました。警察などによりますと、クマは体長1メートルほどで、山側から道路を横断しその後、畑から再び山へ戻っていったとみられています。現場は通称・山側環状道路沿いで、近くには住宅地もあり、金沢市や警察ではパトロールを強化するほか、チラシなどを配り、住民に注意を呼びかけています。なお、県内のクマの目撃情報は、今年58件となり、去年の2倍以上となっています。
(保育園付近でクマ目撃:新潟)
10日午後6時半前、魚沼市今泉のふたば東保育園付近で、クマ1頭を目撃したと、車で通りかかった市内の男性が小出署に通報した。同署によるとクマは体長約1メートル。県道を横切り山の方へ逃げたという。付近には民家が数軒ある。同署は現場周辺をパトロールし、警戒に当たっている。
(クマ1頭目撃:栃木)
日光署によると、10日午前8時45分ごろ、日光市日光の田母沢川上流で、クマ1頭が目撃された。被害はない。同署などが警戒している。同署によると、クマは体長約1メートル。釣り客が、寂光の滝近くの堰堤の上にいるのを目撃した。現場付近は山林だが、下流には住宅や中学校、宿泊施設が混在している。
(林道でクマ目撃:栃木)
9日午前9時25分ごろ、那須塩原市百村の林道で、クマが歩いているのを別荘地内を巡回中の警備員が目撃し、那須塩原署に通報した。同署によると、クマは体長約1・5メートル。現場から西の熊川方面へ逃げて行ったという。中学校なども近く、同署は現場付近のパトロールや広報などを強化している。
(クマ撃退スプレーで児童が病院に:岐阜)
7日午後2時5分ごろ、加茂郡富加町滝田の富加小学校で、授業中に2年生の教室に入ってきた蜂を退治しようと、男性教諭(29)=美濃加茂市=がクマ撃退用スプレーを噴射し、校内にいた児童36人が目やのどの痛みを訴え、病院に搬送された。症状はいずれも軽く、女児1人が経過観察で入院した。加茂署によると、2年1組の5時間目の授業中、蜂1匹が教室内に侵入。男性教諭が殺虫スプレーを使ったが、効き目が悪かったため、クマ撃退スプレーを噴射した。同教室のほか、隣や2階の教室の2、4年生計4クラスの男児13人、女児23人が目やのどの痛みを訴えた。クマ撃退用スプレーはアメリカ製で、刺激臭が強いトウガラシの成分。1回の噴射で勢いよく拡散する。同小では近所の山でクマが出没したことがあり、職員室でクマ撃退スプレーを常備していた。
(クマ目撃、例年上回る:石川)
クマの目撃が相次いでいることを受け、金沢市は7日、巡回パトロールや、市民への注意呼びかけなどの取り組みを強化すると発表した。6〜7日にも目撃され、クマが冬眠から目覚める4月以降の目撃や痕跡発見の件数は7日までに13件。6月末で平均9件ほどという例年のペースを上回った。今後、親離れした子グマが人里に近づきやすくなる時期に入るといい、市は「散歩の際は熊よけの鈴を持つなど、気を付けてほしい」と呼び掛けている。市などによると、6日午後11時前ごろ、金沢市山科町の金沢外環状道路山側幹線(山側環状)の交差点近くに、クマがいるのを通行人が目撃した。周辺は住宅街で、7日未明から市や猟友会が捜索し、クマとみられる足跡を見つけた。また7日朝には同市湯涌町でもクマが目撃された。先月には同市弥勒町の市立森本中学校の校内に迷い込んだクマが射殺された。6〜7月は市街地近くへの出没が多くなる見込みという。市教委は7日、市内の小中学校に改めてクマへの注意を促す通知をした。市は早朝パトロールの人員を2人から4人に増やし、2班に分かれて見回る。また、目撃場所近くに看板を設置し、付近の住宅などには注意を促すチラシを配る。目撃の多発について市は「例年に比べ、気温が暖かくなるのが早かったことも一因かもしれない」としている。目撃情報は市のホームページでも確認できる。
(電気柵設置総延長314キロに:福島)
田村市は6日、農地の獣害対策のために新たに設置する電気柵の総延長が約314キロに達する見込みであることを明らかにした。東京電力福島第一原発事故で、人が住まなくなった地域の農地を荒らすイノシシが急増したことを受け、同原発から半径30キロ圏内の農家の設置希望をまとめた。同市は「30キロ圏内で利用される農地は、ほぼすべてが柵に囲われる」とみている。同市では都路町地区東側の一部が同原発20キロ圏内の警戒区域だったが、昨年4月に避難指示解除準備区域に再編された。農地の除染も進み、今年、旧警戒区域では唯一、販売用に稲作が再開された。一方、イノシシの駆除数(通常の狩猟分を除く)は2011年の51頭から昨年は191頭に急増。稲作が再開されない間に、土を掘るなど農地が荒らされていた。同市は11日開会予定の6月議会に提案する補正予算案の中で、有害狩猟鳥獣捕獲事業費として約1億2000万円を計上。このうち約1億1500万円分について、国の補助を受けて電気柵設置費を助成する予定だ。同原発30キロ・メートル圏外についても別に約1000万円の補助を見込んでいる。
(改良電気柵で侵入許さず:三重)
サルによる農作物被害額が全国ワースト2の三重県で、被害防止効果が高まった電気柵の普及が進んでいる。県農業研究所などが従来の電気柵にちょっとした改良を加えた結果、実験では田畑への侵入を完全に防ぐことができた。鈴鹿市西庄内町の北畑地区は山裾に位置し、サルの被害が絶えない。集落の一角にある二百二十平方メートルほどの小さな畑が、県農業研究所の実験場所だ。一昨年に新たな電気柵を四方に張り巡らし、効果を確かめている。柵の高さは二メートル。網目状の鉄柵の上に電線が三本張り渡されている。従来の電気柵と異なるのは、等間隔に立てた支柱部分にアルミテープを巻き付けた点。これまでは電線を張っても支柱を伝って乗り越えられることがあったが、アルミ部分に通電させることでそれを防ぐ仕掛けだ。電流は微弱なため感電死することはないが、効果は十分のようだ。実験では畑を二十四時間撮影する定点カメラを設置し、サルの動向を調査。設置直後は月に三十頭が柵近くまで訪れ、うち三頭がよじ登ろうとして感電し、逃げ去った。一年たつと、近づいたのは五頭にまで減り、登ろうとするサルはいなくなった。結局、これまで一度も侵入を許していない。県農業研究所の山端直人主幹研究員は「サルは賢いため一度感電したり、その姿を見たりすると諦めて近づかなくなる」と話す。実験に協力する畑の所有者の野崎正子さん(85)によると、設置前はたびたびサツマイモやスイカなどを食い荒らされていた。「やっと安心して収穫できるようになった」と喜ぶ。支柱まで通電させるアイデアはもともと、被害が多い兵庫県香美町小代(おじろ)区で生まれた。新たな対策として着目した兵庫県と三重県農業研究所が、昨年度まで三年間の共同研究を経て効果や作り方を確立した。発祥地にちなみ、柵は「おじろ用心棒」と呼ばれる。研究後は県内の市町や農村に柵の作り方を案内し、少なくとも二十集落以上で設置された。山端主幹研究員は「住民による追い払いと合わせて取り組めば、大半の被害をなくせる」と話す。おじろ用心棒を作るのに必要な発電機やアルミテープなどはホームセンターで購入できる。県内のサルの農業被害額は二〇一一年度、一億四千四百万円で、山口県に次いで多かった。〇八年度には全国ワースト(一億五千万円)になっている。
(イノシシ連続出没:長野)
イノシシの出没が、長野市一帯の住宅地で相次いでいる。今のところ人的被害はないが、県外では重傷者が出たケースも。子どもたちの通学路付近でも目撃され、不安が高まっている。イノシシが人里まで来るのは広域的な傾向とみられ、県内各地でも農業被害を含めて警戒が必要だ。五月十三日朝、西長野の住宅街で目撃情報が複数あり、安茂里などで二十一、二十二、二十九、三十各日にも出没。六月に入っても目撃情報が続いている。近くの小学校では、通学路に教職員や警察官が立つなど警戒に当たった。目撃された体長は六十センチ~一メートル程度で、複数が付近の山に生息するらしい。近年、遊休農地が増えるなど、人家付近に隠れ場所ができたため、県内各地で出没頻度が増えているとみられる。県環境保全研究所自然環境部の岸元良輔部長によると、一般的にイノシシは警戒心が強く、人には寄り付かない。ただ、「雄は鋭い牙を持ち、人が襲われると非常に危険」と警告する。四月には、兵庫県で九人が襲われ、一人が重傷を負った。県内でも、人身被害がここ五年で一件発生。襲われないためには「見かけたら刺激しないように、その場からそっと離れることが大切」と呼び掛ける。イノシシは幼虫などを食べるため、穴を掘る習性があり、農業への被害は大きい。水田のあぜ道が崩されるケースもあるという。県野生鳥獣対策室によると、二〇〇六年以降、被害総額は毎年一億五千万円を超える。JAながの営農指導部指導課の小池健主任は「出没が相次いでいるため、それだけ農作物への被害が増えるのではないかと不安だ」と警戒している。
(南アルプス、銃での捕獲8月下旬から:長野)
環境省は、ニホンジカによる高山植物への食害が問題となっている南アルプスで、今年8月下旬から9月にかけて全国でも初となる高山帯での銃による捕獲の実証実験を行います。6日伊那市役所で開かれた南アルプス食害対策協議会で、環境省の北アルプス首席自然保護官の西尾(にしお)治さんが講演し、南アルプスでの鹿の駆除について話しました。南アルプスでは、高山植物に被害が出ているためシカの個体数調整が必要となっています。これまでも、冬の間、里山に降りてくるシカの駆除は行われてきましたが、夏場の高山帯での対策が求められていました。検討した結果、仙丈ケ岳の小千丈カールが銃による駆除の効果がもっとも高いとしています。時期については、登山者が少なく、ライチョウの繁殖期ではない、8月下旬から9月にかけて行なうとしました。駆除した鹿は、ヘリコプターなどで搬出するということです。西尾さんは、「標高の高い場所でのシカの捕獲方法を確立したい」と話していました。南アルプス食害対策協議会は、貴重な高山植物を絶滅させないため、国や信州大学農学部、関係する自治体などで組織され、平成19年度に発足しました。協議会会長の白鳥孝伊那市長は「世界自然遺産の登録を目指す南アルプスは、食害対策でも先進的な取り組みが注目されている。正常なバランスの南アルプスに戻したい」と挨拶しました。
(ウミガメの卵食べ荒らされる、イノシシ被害か:鹿児島)
大和村の国定公園ヒエン浜で、ウミガメの卵が食べ荒らされているのが見つかった。奄美大島でウミガメの調査をしている奄美海洋生物研究会(興克樹会長)によると、状況からリュウキュウイノシシが食べた可能性が高いという。同研究会は“犯人”の特定と現状把握のため、ヒエン浜にセンサーカメラを設置した。5月末に産卵場所が荒らされているのを村民が見つけ、役場に通報。村から連絡を受けた同研究会が確認したところ、産卵場所6か所のうち3か所が掘り返され、卵の殻が散乱していた。周囲にイノシシのものとみられる足跡があったという。興会長は「同じイノシシが食べたのではないか」と推測する。大和村は畑を荒らすイノシシを有害鳥獣として取り除くため、ヒエン浜のある戸円地区で、わなによる駆除を予定している。このわなに、卵を食べたイノシシがかかる可能性がある。同研究会は昨年から、「奄美大島ウミガメ上陸・産卵全島調査」を実施。昨年もヒエン浜を含む奄美大島の3海岸と請うけ島の3海岸、与路よろ島1海岸の計7海岸で、イノシシによるとみられる卵の食害を確認した。今年はヒエン浜のほか、奄美市名瀬の海岸でも卵の捕食を確認しているが、こちらはイノシシによるものかどうか分からないという。興会長によると、奄美で初めてイノシシによるウミガメの卵の捕食が確認されたのは2008年。世界自然保護基金(WWF)ジャパンが同年行った重要産卵地調査の報告に、請島と与路島の事例が記載された。興会長は「請島はアオウミガメの主要な産卵地。今年はまだ食害の報告はないが、早急なイノシシ対策が必要」と危機感を募らせている。
(電気牧柵、農家貸出へ:沖縄)
石垣市農政経済課(多宇弘充課長)は7日午前開いた第2回石垣市病害虫防除協議会で、前年度に県の補助で導入したクジャク駆除の箱ワナ20基の使用・取り扱い要綱とイノシシ被害防止用の電気牧柵(ぼくさく)77基の貸し出し要綱を農家に説明した。同課では、箱ワナについては狩猟許可が必要なことから、県猟友会八重山支部に委託。キジ駆除にも活用する。電気牧柵については、農家からの申請を受け、市が現地調査をしたうえで、農作物の収穫が終了するまでの期間、無償で貸し出すことにしている。電気牧柵は1基100メートルの2段式。電源は乾電池。1ヘクタールのほ場で使用するには4基必要となる。貸し出し開始時期について同課では「来週早々にも貸し出しを始めたい」(多宇課長)としている。参加者から出された「農家の購入に対し補助を出し、農家に購入・管理させた方がいい」との意見に対し、多宇課長は「県の補助制度を導入するために貸し出しとした。(農家購入への補助は)今後、検討したい」とした。また、キジ被害防止対策としては、来年2月ごろからの次期産卵期に、県の基金を活用して、1個200円で卵を買い上げる考えを示した。このほか、県猟友会八重山支部が5月中旬から会員対象に実施したキジ・クジャクのクチバシの買い上げで、20日間で500羽の実績が上がっていることが報告された。
(効果的な獣害対策へ、電気柵の設置と管理のポイント)
深刻な野生鳥獣による農業被害。2009年度以降、被害額は200億円を超え、特にシカ、イノシシによる被害の増加が目立っている。野生獣から農作物を守る有効な対策の一つが電気柵だが、正しく設置しないと、効果がまったく発揮されない。そこで、イノシシの習性を踏まえた電気柵の設置方法と管理のポイントを伝える。 <柵線の間隔20センチ以内、ガイシは圃場の外側に付ける>*設置の留意点*電気柵を張っていたのに、イノシシの侵入を許したという場合、入られた所には必ず施工上のミスがある。その一つが柵線の設置不良だ。イノシシの場合、電気がよく流れるのは鼻と蹄のみ。剛毛に覆われた体にはほとんど電気が流れない。柵線の下にくぼみなどがあり、そこに頭が入るとそのまま侵入されてしまう恐れがある。U字溝など、田んぼの取水口も同様。そのため、(1)地面から柵線までの間隔と柵線間の間隔は20センチ以上にならないように張る(2)地面にくぼみがある場合は、凹凸をなくすか、支柱を追加して柵線が地面から同じ高さにする(2)段差が解消できない場合は、設置場所を変えるか、柵線の設置段数を増やし、くぐり抜けを防止するなどの対策が必要。
(高齢化で狩猟者減少:群馬)
群馬県は10日、散弾銃など有害駆除に使う「第1種猟銃」について、昨年度の県内狩猟免許所持者数(速報値)が2047人、狩猟登録者数(県外在住含む)が2907人でともに前年度を大きく下回ったことを明らかにした。免許所持者のうち20歳代は約1%だった。狩猟者は有害駆除に不可欠の存在だが、高齢化で確保が難しくなっている実態が浮き彫りになった。同日開かれた県議会鳥獣害対策特別委員会(関根圀男委員長)で県側が明らかにした。昨年度の狩猟免許所持者数は、前年度比444人減。この5年では約3割減った。年齢別割合は、60歳代が全体の44・4%、70歳代以上が23・7%を占め、高年齢者に偏っていることが分かった。一方、20歳代は約1%に過ぎず、30歳代は4・4%、40歳代も7・6%にとどまった。県内で猟を行うために必要な狩猟登録をした者のうち、県内在住者は1804人で全体の62%。登録者数は1970年代半ばには全体で約1万5000人、県内在住者も9000人弱だったが、ともに減少の一途をたどっている。狩猟者の減少について、県自然環境課は、高齢化や狩猟の人気低下が原因にあると分析。東京電力福島第一原発の事故後、野生動物から規制値を超える放射性物質が検出され、捕獲しても食べられないことが狩猟離れに拍車をかけているとみている。同課担当者は「若い狩猟者は『自分たちの土地を守る』という目的が多く、趣味で始める人は少ない」と指摘し、「農作物被害が広がる中、狩猟にかかわる人材の確保は不可欠だ」と危機感を募らせている。昨年の県内の災害による水稲被害のうち、鳥獣害が原因とされる面積は前年比2倍に増えた。県は今年度から国の鳥獣被害防止対策事業を活用し、狩猟者の捕獲活動の費用助成を強化するなど支援を拡大する構えだ。
(イノシシ捕獲の入門書:香川)
これであなたもイノシシ捕獲のプロに―。田畑を荒らし、市街地にも出没するイノシシの数を減らすため、香川県が狩猟免許所持者向けの入門書「イノシシ捕獲技術プログラム」を作成した。担当者が「読めば初心者でも年間4~5頭は捕れる」と言い切る自信作だ。「場所選び」「餌付け」「わなの設置」と手順をフローチャート化し、豊富な写真で獣道やふんの見つけ方を説明するなど、分かりやすさを追求。職員が動画を撮りながら猟友会とともにわなの効果を検証し、1年かけて完成させた。イノシシによる県内の農作物被害は2011年度で約1億1300万円に上り、増加傾向にある。
(停電防止、カラスの巣撤去に懸命:秋田)
東北電力秋田支店は、カラスが電柱に作った巣による停電を防ぐため、巣の撤去作業に取り組んでいる。巣作りのピークに合わせ、今年は3〜5月に計448個を撤去した。それでも先月、同支店管内では巣が原因の停電が2件発生。同支店は「停電につながる恐れがあるので、巣を見つけた場合は連絡してほしい」と呼び掛けている。今年の撤去数は3月36個(前年同月63個)、4月283個(同155個)、5月129個(同59個)だった。昨年は4月に爆弾低気圧が発生した影響があるものの、今年の3〜5月の合計は前年同期より171個多い。
(183人の集落にシカ2000頭:北海道)
「シカに占拠された」−−。北海道東部の風蓮湖に面した別海町の走古丹(はしりこたん)に厳冬期、2000頭を超えるエゾシカが集結するようになり、人口183人(4月末現在)の集落が頭を悩ませている。食害や交通事故が深刻化しているものの、一帯は道立自然公園。狩猟は禁じられており、駆除も追いつかない状態。シカは長距離を移動することから、近隣自治体は連携した形で野生動物との共生策を模索し始めた。「庭のオンコ(イチイ)がシカに食われたので家を網で囲った。シカが外で暮らし、人間が囲いの中で暮らしているようだ」。走古丹に住む漁業、福原義親さん(64)は集落の実態をそう証言する。1月にはシカをよけようとした乗用車がスリップして電柱に激突する事故が起きた。別の漁業者の男性は「まるで『シカの惑星』だ」と嘆く。走古丹は海流によって運ばれた砂が細長く堆積(たいせき)した砂嘴(さし)で、風が強いため雪が積もりにくい。厳冬期でもエゾシカがササや根、枯れ葉、樹皮を食べて生き延びる環境にある。このため十数年前から12月〜翌年3月にエゾシカが集結するようになった。この問題は「人と森とエゾシカは共生できるのか」をテーマに2日、北海道弟子屈町で開かれた「第12回摩周・水・環境フォーラム」(摩周水系西別川流域連絡協議会など主催)でも取り上げられた。走古丹など一帯は野付風蓮道立自然公園のため禁猟。平地のため駆除も容易ではない。タワーの上から撃ったり、囲いわなを使って捕獲したりしているが、一向に減る気配はない。町の目視調査では今冬最大で2088頭を数えたが、エゾシカ協会の井田宏之事務局長(58)は基調講演で「実際はこの数倍はいるだろう」と話した。被害は他地域にも広がりつつある。走古丹地区に隣接する西別川河口流域では、フォーラムの主催者の一つ、虹別コロカムイの会(舘定宣会長)がシマフクロウの生息する森の復元に向け、1994年から植樹を行っているが、苗木の大半が食害に遭った。このため3年前から電気牧柵で植樹地を囲って苗木を植えている。走古丹のエゾシカは3月末以降に広域に分散し、直線距離で100キロ以上を移動したケースもあり、自治体の枠を超えた広域での対策は急務。 井田事務局長は「職業的に捕獲するチームを(別海、標茶、弟子屈)3町で雇い、走古丹のシカを300頭に減らしてはどうか」と提言。3町の共同歩調について弟子屈町の徳永哲雄町長は「やればできる」と前向きに取り組む姿勢を見せた。
(若狭牛、イノシシ対策で今年も放牧:福井)
イノシシによる農作物の被害を防ぐため、河川敷や林に若狭牛を放牧する取り組みが10日、今年も鯖江市山間部の河和田地区で始まった。敦賀市の牧場から借りた2頭の雌を、出産間近の11月ごろまで放牧する。雑草も食べてもらう。河和田地区の農家ら住民でつくる「河和田東部美しい山里の会」が、2007年からイノシシ対策で毎年放牧している。この日は電気柵も設置した。イノシシは臆病な半面、慣れると大胆に行動し、河川も簡単に渡ってしまう。農林水産省の鳥獣被害対策アドバイザーでもある同会の服部義和事務局長(55)は「イノシシの生態をきちんと理解し、対策を取ることが重要。放牧した牛を見に人が集まることで、さらなる効果が期待できる」と話す。
(シカ肉、年内に試験販売:北海道)
コープさっぽろ(札幌)は7日、エゾシカ肉の試験販売を、年内に始めることを明らかにした。道内で頭数が増え、農業被害などが深刻になっているため、有効活用に協力する。札幌市内で同日開いた通常総代会で大見英明理事長が表明した。野生のエゾシカは病歴などの検査データが不十分で、何を餌にしていたかも確認できず、コープさっぽろは取り扱いに慎重だった。しかし、コープ組合員でエゾシカ被害に悩む道東の農家から販売を求める声が高まり、安全性の検査で道の協力を得られる見通しも立ったため、試験販売を決めた。肉の処理施設や販売頭数、価格、取扱店舗などは具体的に決まっていない。
(白黒肥料袋で“城壁”:京都)
シカによる食害から田畑を守ろうと、京都府南丹市日吉町胡麻の農家が、使い終わった大量の肥料袋をビニールハウス用のパイプにつるしてクリ園を囲む取り組みを始めた。廃物利用のアイデアだが、白と黒の肥料袋は、さながら「城壁」のようだ。周囲でシカの足跡が減るなど、効果が見え始めているという。塩貝考司さん(73)が考案した。棚田を転作してクリ園を作った際に、植えたそばからシカに新芽を食べられることに悩んでいた。シカ対策をテーマにした講演会やテレビ番組で、▽シカは遠くから餌場になりそうな所を見ており、先が見えない場所には危険性を感じて近づかない▽カラフルな色より白や黒などの色に反応する-と聞いて肥料袋の再利用を思いついた。今年1月、ビニール製の鶏ふんの肥料袋を裂き、直径25ミリのビニールハウス用のパイプに約200枚つるし、遠くからでも目立つように丘の上にあるクリ園に設置した。すると、クリの新芽が食べられなくなり、周囲の田んぼでもシカの足跡が目に見えて減ったという。風が吹くと肥料袋がめくれて裏地の黒色が見え隠れし、塩貝さんは「よりシカの恐怖心をあおったのではないか」とみる。「シカ対策は食べるものがある場所に近づけないことが大切。秋にならないと本当の効果は分からないが、継続する価値はあるのでは」と話し、つるす肥料袋をさらに増やすという。

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(サル駆除に「公務員ハンター隊」:山口)
農作物を荒らすサルを撃退する部隊を作ろうと、山口県萩市は6日、希望する一般職員28人に狩猟免許を取らせると発表した。市によると、公務員を「ハンター部隊」に養成するのは全国でも珍しいという。萩市の山間部では数十匹のサルが集団で頻繁に出没。人里近い田畑の野菜や果物、コメを食い荒らす。被害額は年間3千万円程度に上る。これまでは、被害を目撃した農家がロケット花火で脅かすか、地元猟友会のハンターを呼んで1匹あたり2万6千円の謝礼金を払って駆除してもらってきた。だが、猟友会会員は高齢化が進み、数も減っており、市職員に担わせる必要があると判断した。散弾銃を使える第1種銃猟とわな猟の免許をそれぞれ14人ずつ取得させ、来年3月以降に市役所本庁舎と六つの総合支所に配置する。免許取得費や散弾銃の購入費など計約700万円の予算は今年度の補正予算案に計上する。
(クレー射撃、停止の選手強化費再開へ)
JOC=日本オリンピック委員会は、新旧執行部の対立によって不適切な運営が行われていた日本クレー射撃協会について、組織の正常化が進んでいるとして、4年前から停止していた選手強化費の交付を再開する方針を決めました。日本クレー射撃協会を巡っては、新旧の執行部の対立が続いたほか、前の執行部が、基本財産およそ4000万円を、文部科学大臣の承認がないのに取り崩すなど問題が相次ぎました。JOCは3日、常務理事会を開き、日本クレー射撃協会が、去年10月に、日本体育協会に改善計画書を提出するなど、組織の正常化が進んでいるとして、4年前から停止している国からの補助金のうち、専任コーチの設置費などを除く選手強化費について、今年度から交付を再開する方針を決めました。JOCによりますと、クレー射撃協会への選手強化費は、年間1000万円程度で、適正に使用されていることが確認された強化事業について交付するということで、4日開かれるJOCの理事会で正式に決定します。JOCの市原則之専務理事は、「今の執行部を文部科学省も認めており、選手を第一に考えて、選手の活動に関する強化費は出していきたい」と話しています。
(イノシシ、通学時間帯に目撃:長野)
6日午前7時10分ごろ、長野市安茂里小市の松ケ丘小学校近くの住民から「民家の庭先にイノシシがいる」と同市消防局に通報があった。同小学校の通学時間帯だったため、長野中央署や学校関係者が近くで警戒した。けが人は出ていない。同署によると、イノシシは1頭で体長60~70センチ。同署員らが駆け付け、目撃場所周辺を探したが、イノシシは見つからなかった。近くの会社員岡村泰美さん(39)は自宅の庭にイノシシがいるのを目撃した。「ゆっくりと歩きながら、食べ物か何かを探しているようだった」という。しばらくして近くのリンゴなどの畑に移動したところを写真に収めた。岡村さんは「近くに小学校もあるので、外で遊ぶ子どもたちがイノシシに出くわしたりしないか心配」と話していた。長野市森林整備課によると、西長野や平柴など周辺では、5月13日以降これまでにイノシシの目撃情報が10カ所であった。今回の目撃を受け、同課は周辺の保育園や小学校などに注意を呼び掛けている。
(いたずらイノシシ捕獲:滋賀)
昨秋以降、大津市の市立皇子が丘公園(皇子が丘)でイノシシが広場の土を掘り起こす被害が相次いでいたが、大津市公園緑地協会と同市鳥獣害対策室が、公園にオリを設置し、先月末、3頭(成獣のメス2頭、子どものオス1頭)を捕獲することに成功した。公園での被害は現在、確認されなくなったという。同協会などによると、公園は16ヘクタールで、市民プールや体育館などがあり、県内各地から多くの利用者が訪れる。如意ヶ岳(472メートル)に近く、十数年前から山を下りてきたイノシシが公園周辺でよく目撃されるようになった。特に昨秋以降、「例年は年に数回見る程度だったのに最近は毎日のように見かける」などと目撃件数が急増した。如意ヶ岳では近年、イノシシの数が大幅に増えており、木の実などの餌の奪い合いが激しく、追いやられるような形で、何頭かが下りてきたとみられる。人通りの多い日中は同公園でもイノシシはほとんど見られなかったが、早朝や夕方には餌となるミミズや昆虫を求めて頻繁に出没し、広場の土を掘り返した。夜間もしばしば見られた。人を襲うことはなかったが、それでも住民の間で「子どもが襲われたら恐い」「掘り返された土で蹴つまずきそうだ」などとする声が目立つようになり、協会は捕獲することを決めた。2月末に協会は同対策室が所有するオリを借り受け、公園の山手側で、足跡からイノシシの通り道と推測される広場の隅2か所に設置。オリの中には米ぬかの餌を仕掛けとして入れ、イノシシが中に入れば、扉が閉まるよう設定。人間が誤ってオリに入らないよう、周囲にロープを張って住民には注意を呼び掛けた。仕掛けにかかったのはそれから約3か月後。5月29日午前11時頃に親子とみられるメス(体長約1・5メートル)とオス(同約20センチ)がかかっているのが確認され、翌30日午前9時頃にも成獣のメス(体長約1メートル)1頭が捕獲された。イノシシは単独行動か親子連れで動くことが多く、3頭は同公園周辺を縄張りにしていたとみられる。協会は「これでとりあえずは一安心できる。ただ新顔のイノシシが現れないとも限らないので、しばらくはオリを設置し続ける」としている。
(乗用車とクマが衝突:北海道)
札幌市南区で、4日乗用車がクマと衝突する事故があり、札幌市では近くの市民の森をきょうから立ち入り禁止にしました。現場近くでは、ことし4月にもクマが目撃されています。「クマは山側から歩いてきて、道路で車と衝突して、反対側に逃げていったということです」事故があったのは札幌市南区白川の市道で、おととい午後8時半ごろ、乗用車が、体長およそ1.5メートルのクマと衝突しました。車は右側の前の部分がわずかに破損して、クマの体毛が数本付着したということです。この事故で運転していた男性にけがはありませんでした。札幌市では、現場に隣接する南沢市民の森と白川市民の森をきょうから立ち入り禁止にしました。現場周辺ではことし4月にもほぼ同じ大きさのクマが目撃されていました。近くには、親子とみられるクマ2頭分の足跡が確認されています。札幌市では、今月20日まで市民の森の立ち入りを禁止してパトロールを強化する予定です。
(クマ目撃:栃木)
6日午後5時5分ごろ、日光市中三依の山林で、付近の住民がクマ1頭を発見し、警察に通報した。今市署が発表した。同署によると、クマは体長約1メートルで、山林内に逃走した。被害はなかった。同署などで警戒している。
(住宅街にクマ:栃木)
3日午後11時15分ごろ、日光市足尾町の田元交差点の南西約150メートルの山林内で、クマが歩いているのを付近の住民が目撃した。日光署によると、クマは体長約1メートルで、目撃した住民との距離は約10メートルだった。現場付近は山間部の住宅街。同署は付近のパトロールを強化するほか、日光市や関係団体と連携し、警戒を呼び掛けている。
(クマ目撃:栃木)
日光署は3日、日光市の「竜頭の滝」の上流斜面で2日夕にクマ1頭が目撃された、と発表した。現場付近は観光地で、同署はパトロールを強化する一方、関係団体と連携して警戒を呼び掛けている。 同署によると、2日午後4時半ごろ、観光客が竜頭の滝上流の斜面をクマ1頭が登っていくのを目撃した。クマの大きさなどは不明という。
(クマ「北限」北上中:石川)
県内のツキノワグマ生息域に“異変”が起きている。これまで能登の石動・宝達山地周辺が北限とされていたが、先月末に初めてさらに北部の眉丈山地との間にある平野部を越えた七尾市旭町で目撃情報が寄せられた。今年は人里周辺でクマの出没が相次いでおり、県などは大量出没の年に生息域が北上する傾向があるとして警戒を強めている。七尾市旭町のゴルフ練習場敷地内で、体長60センチほどのクマが歩いているのが目撃されたのは5月31日。この地区ではこれまで、羽咋市と七尾市にまたがり、石動・宝達山地の西側を走る邑知潟(おうちがた)平野が壁となり、クマが目撃されることはなかった。地域には「ついにここまで来たか」と衝撃が走った。練習場付近は、2つの山地の間を通る国道159号線が走り、車や人の交通量は少なくない。北限を越えて現れたクマの行動を、県自然環境課は「人里付近では夜行性になる傾向がある。夜の間に平野を渡ったのだろう」と推測する。奥能登地域には高洲山(標高567メートル)などを中心に山地や丘陵が広がっている。このため、「山間部をつたって、いずれは奥能登にも北上していくのではないか」とみる。県内にすむクマは、成獣で体長1メートル20~1メートル45で体重40~130キロ。雑食性で主に山菜や木の実などを食べる。県の調査では、1970年には県南部の白山麓を中心に推定300~400頭が生息していた。その後、生息範囲が広がり、現在は北部の七尾市以南で800頭前後が生息しているとみられる。同課によると、5月末現在までに寄せられた目撃情報は45件で昨年同期の2倍以上。近年では04年に1000件以上、06年と10年にも300件を超す目撃情報が寄せられた。そうした年には食物不足が生じるのか、クマの生息域は北上する傾向があるという。同課では「過疎・高齢化の進行で森林管理が行き届かず、大木が生い茂る奥山と里山の区別がつかなくなってきている。このため、本来は奥深い森林に生息するクマが人の住む里山に定着するようになったのではないか」とみる。県はクマとの遭遇防止や、遭遇時の対処法などを紹介する手引を作成し、市町役場などで配布中。同課担当者は「邑知潟平野以北の住民も、今後はクマが近くにいることを意識していく必要がある」としている。
(高山帯での銃による捕獲の実証実験:長野)
環境省は、ニホンジカによる高山植物への食害が問題となっている南アルプスで、今年8月下旬から9月にかけて全国でも初となる高山帯での銃による捕獲の実証実験を行います。6日伊那市役所で開かれた南アルプス食害対策協議会で、環境省の北アルプス首席自然保護官の西尾(にしお)治さんが講演し、南アルプスでの鹿の駆除について話しました。南アルプスでは、高山植物に被害が出ているためシカの個体数調整が必要となっています。これまでも、冬の間、里山に降りてくるシカの駆除は行われてきましたが、夏場の高山帯での対策が求められていました。検討した結果、仙丈ケ岳の小千丈カールが銃による駆除の効果がもっとも高いとしています。時期については、登山者が少なく、ライチョウの繁殖期ではない、8月下旬から9月にかけて行なうとしました。駆除した鹿は、ヘリコプターなどで搬出するということです。西尾さんは、「標高の高い場所でのシカの捕獲方法を確立したい」と話していました。南アルプス食害対策協議会は、貴重な高山植物を絶滅させないため、国や信州大学農学部、関係する自治体などで組織され、平成19年度に発足しました。協議会会長の白鳥孝伊那市長は「世界自然遺産の登録を目指す南アルプスは、食害対策でも先進的な取り組みが注目されている。正常なバランスの南アルプスに戻したい」と挨拶しました。
(クマ樹皮はぎ9年で30倍:群馬)
県内でクマによる樹木の皮はぎ被害が、二〇〇二年度から一一年度まで九年間で三十倍の八十三ヘクタールとなったことが三日、県の調べで明らかになった。県は「クマが皮をはいで樹液をなめることがわかっており、味をしめて親から子などへ伝わって拡大しているのではないか」と話している。被害の多い桐生、みどり両市は本年度から捕獲に乗り出した。県議会一般質問で、星野寛氏(自民)の質問に県側が答えた。近年、クマが樹皮をはいで水分や糖分などの栄養分を吸収するため、スギとヒノキの林業被害が広がっている。皮はぎの被害にあうと、水分が木全体に回らなくなるため、放置すると木材として使えなくなるという。県の調べでは、クマの皮はぎ被害面積は〇二年度に二・八ヘクタールだったが、一一年度に八十三ヘクタールに拡大。そのうち桐生二七・五ヘクタール、みどり十八ヘクタールの計四五・五ヘクタールで、二市で過半数を占める。ほか沼田市の旧利根町が二十ヘクタール、高崎市七・三九ヘクタール、中之条町が一・六三ヘクタール。こうした現状を踏まえ、県はクマに警戒心を与えてスギなどに寄せ付けないようにするため、プラスチック製の帯を木に巻く対策を実施。桐生とみどり両市は、県の適正管理計画に基づいて地域計画を策定、今年四月から十基程度の檻(おり)をしかけて捕獲を始めた。同計画では桐生市は七頭、みどり市は五頭の年度内捕獲を目標としているが、現在までのところ捕獲の報告はない。クマは行動範囲が広く、栃木県の日光方面から桐生・みどり市に移動している可能性もある。一一年度の県内調査でクマ一千百頭ほどの生息が報告されており、農作物、人的被害は近年急増しているとみられる。桐生・みどり市では地元の猟友会も捕獲に乗り出し、一二年度に桐生で八頭、みどりで七頭の捕獲が報告されている。
(フィールド射撃、県体正式競技に:石川)
一般ハンターの銃器慣熟、技術向上を目的にするフィールド射撃が今年の県体から正式競技として採用されることが決まり、8月4日に加賀市の加賀散弾銃射撃場で48番目の得点種目として実施される。47都道府県猟友会で石川が初の試みとなり、県猟友会は全国の仲間に県体などへの競技導入を呼び掛け、減少する狩猟人口に歯止めをかけたいとしている。欧米のフィールド射撃はスポーツ競技として定着し、弾丸に費用がかさみ、犯罪防止の観点から富裕層を中心に普及している。日本では、大日本猟友会の中で会員の射撃技術向上や事故防止の訓練として活用されてきた。しかし、狩猟人口の高齢化、減少化に伴い、フィールド射撃も衰退している。そこで、県猟友会では、全国に先駆けて一般社会人におけるスポーツ化を考え、県フィールド射撃協会を設立、昨年、県体協に加盟し、県体に公開競技として参加した。フィールド射撃は、クレー射撃と同様に放出機から飛ばされた素焼きの皿(クレー)を撃ち、ポイントを争う競技。クレー射撃より、皿のスピードが遅いため狙いやすく、猟の訓練として全国の猟友会で行われ、初心者も十分に楽しめる。県体の正式競技になったことで、県フィールド射撃協会では、ハンターの後継者育成を含めた競技人口拡大、銃の安全な取り扱いを含めた技術向上へ意を強くしている。
(伊万里市射撃場の鉛問題、除去行程に遅れ:佐賀)
伊万里市大川内町の市営散弾銃射撃場(休止中)に約57トンの鉛が放置されている問題で、市は3日、鉛の除去に向け、年内に実施予定だった射撃場と周辺の土壌調査が来年度に遅れることを明らかにした。調査の遅れに伴い、除去作業も来年度以降にずれ込む。塚部芳和市長が定例会見で明らかにした。3月の会見では「土壌調査を行った上で、年内に除去作業のアクションプラン(鉛除去の工程表)を発表する」としていたが、「役所内部だけの議論ではなく、慎重に対策を講じる必要がある」と判断。有識者による検討委員会を設け、土壌調査の範囲や方法を検討する方針に転換した。委員会は環境分野などの大学教授と市職員の14人で構成し、鉛の飛散範囲の算定や現地調査などを行い、土壌調査の範囲と方法を本年度中にまとめる。
(湿原で夜間見回り:福島)
県や地元町村でつくる南会津尾瀬ニホンジカ対策協議会は7月に食害が深刻な尾瀬の大江湿原で夜間のシカの見回りや追い払いに取り組む。食害防止に向けては全国初とみられる。秋には複数の狩猟者が銃でシカを追い込む「巻狩り」をする。5日に南会津町の県南会津合同庁舎で開いた設立総会で決めた。見回りは県、檜枝岐村、南会津町、地元猟友会、尾瀬保護財団などが連携し、昨年花の数が激減したニッコウキスゲの開花する時期に行う。ニホンジカが活動する夜間に湿原の木道付近を中心に巡回し、シカを見つけたら追い払う。野生動物の保護管理を専門とする民間事業者に最も効果的な捕獲の方法を検討してもらう。北海道などで効果を挙げている「巻狩り」は10月から11月に行う。複数の狩猟者が銃と追い込みネットを使っての捕獲を試し、効果を検証する。
(キジの卵買い上げ開始:沖縄)
農作物に大きな被害を与えているキジの防除対策としてJAおきなわ八重山地区営農振興センター(大道保夫センター長)が独自に、卵の買い上げをスタートさせた。買い上げ価格は1個100円。市の採取許可を受けた者が対象。JAでは去る5月2日から順次、同センター所属の8生産部会400人を部会ごとに許可申請。20日に許可が下りた。5日までの卵の買い取りは2件、約20個。キジの繁殖・抱卵時期が4~5月と言われているだけに、本年度は買い取り時期を逸した可能性がある。市では、県の鳥獣被害防止緊急捕獲対策事業推進交付金(基金)事業を活用し、1個200円での買い取りを計画していたが、時期が遅いため、次期抱卵シーズンから適用する。
(カラス被害防止、黒いワイヤ張る:富山)
富山市の呉羽地区でカラスがナシを食い荒らす被害が増えているため、県は今年度、被害防止策としてナシ畑に黒いワイヤを張る実証実験を行います。これは、5日県庁で開かれた農作物の被害防止対策を話し合う会議で県が報告しました。去年、県内でカラスやイノシシなどの鳥獣による農作物の被害額は1億1400万円あまりで、このうちカラスによる呉羽地区のナシの被害額はおよそ5000万円と全体の44パーセントにのぼります。県の富山農林振興センターはカラスの被害を食い止めようと今年3月に呉羽地区のナシ畑3か所あわせて30アールでカラスが見えにくいとされるつやを消した黒のステンレス製ワイヤを格子状に張り巡らせました。ワイヤに体が触れるのを嫌ってカラスが畑に近寄らなくなるということで県は収穫を迎える時期にカラスの被害が減ったかどうかを検証します。
(「カラス餌付け禁止条例」可決:奈良)
奈良市議会で、カラスへの餌付けや生ゴミの放置などを規制する条例が可決されました。全国では3例目となる条例で、違反すれば罰金も課されます。奈良市議会は5日、「カラスによる被害の防止及び良好な生活環境を守る条例」を可決しました。直接エサを与えることを禁止するほか、カラスが狙う生ゴミなどの路上放置なども規制する内容です。奈良市では、一部の住民による餌付けでカラスが集まり、鳴き声やふんの被害に悩まされていました。「カラスがしょっちゅう飛んできて、その声がものすごく嫌な声なんですね、大きい声で」(近所の住民)条例では市の担当者が餌付けしている住民に対し、住宅の敷地内を立ち入り調査できるほか、調査を拒んだ場合には最大で10万円以下の罰金を課すこともでき、早ければ今月中にも施行されます。
(食害イノシシ「懐いて食べれん」:高知)
安芸市穴内甲の農業、長野博光さん(62)が飼っている雌のイノシシ「ハナ子」が、愛嬌(あいきょう)を振りまいている。長野さんに名前を呼ばれると、100㌔を超える大きな体を振るわせて駆け寄り、頭をなでてもらう。11年前、農作物被害対策で捕獲し、赤ちゃんの「うり坊」の時から食用に飼育してきたが、長野さんは「もう家族みたいなもん」とかわいがっている。穴内甲地区の奥ノ谷集落は、イノシシによる農作物の食害が深刻。長野さんは「やられるばっかりは性に合わん」と12年前からわな捕獲を始めた。その1年後、集落内でうり坊を見つけ、「僕が追い掛けて、同行した友達が足で踏んでおさえた」のがハナ子だ。大きく育てて食べようと飼い始めたが、最初こそ警戒したうり坊は約10日後には、触れても嫌がらないほどに。以後、すっかり懐き、長野さんの手から直接パンを食べるまでになった。成長した今は地面に横たわり、腹をさすってもらうのを好むハナ子。長野さんも「自分を人間やと思い込んじゅうかも」「これほど懐かれたら食べれんねえ」と目を細める。長野さんは子イノシシを捕まえるたび「いずれ食用に」と飼ってきたが、わなには成獣も次々掛かり、食べられないまま。自宅近くの畑の一角におりの〝イノシシ団地〟を造り、現在はハナ子の他に10頭を飼っている。イノシシは年を重ね、食べるには肉が硬過ぎる状態になっているといい、長野さんは「ここまで来たら、死ぬまで飼わんといかんね」。すっかり〝親代わり〟の表情だ。
(小学校の地中に手投げ弾:栃木)
栃木県警宇都宮東署は3日、宇都宮市道場宿町の市立清原中央小学校の敷地内で、旧陸軍のものとみられる訓練用の手投げ弾(直径約6センチ、高さ約11センチ)などが地中に埋まっているのが見つかったと発表した。火薬は入っておらず、発見された1日は土曜日だったため教諭や児童はいなかった。発表によると、同校は校舎の建て替え工事中で、1日午後3時頃、地中を掘削していた業者が深さ約2・3メートルの場所で見つけた。銃剣47本や機関銃の部品なども一緒に埋まっており、計90点にのぼった。3日に宇都宮市を通じて同署に届け出があった。同署は、かつて近くにあった旧陸軍の関連施設の武器などの可能性があるとみている。
(同僚警官の金盗む、処分の巡査部長は射撃の名手:大阪)
拳銃の射撃訓練で一緒になった警察官らの財布から繰り返し金を盗んだとして、大阪府警は5日、南署地域課の男性巡査部長(30)を停職1か月の懲戒処分とした。巡査部長は、5年前に警察の全国拳銃大会で準優勝した射撃の実力者。同日、依願退職した。発表では、巡査部長は今年2月から4月の間、府警総合訓練センターと同署のそれぞれの更衣室で、警察官12人のかばんを物色し、計10万6000円を盗んだ。「金はパチスロに使った。負けが続き、妻に小遣いが欲しいと言えなかった」と話しているという。被害相談を受けた上司が2月下旬、署の更衣室にカメラを設置。4月下旬、巡査部長がバッグから金を抜き出す様子が録画され、追及したところ盗んだことを認めたという。

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(クマ2頭射殺、住宅地で目撃相次ぐ:岩手)
31日午後3時半ごろ、花巻市天下田の住宅地付近の川沿いで「クマ2頭が歩いている」と通行人から110番通報があった。花巻署から連絡を受けた花巻猟友会が同4時42分ごろ、同市松園町の雑木林内にいた2頭を駆除した。同署や猟友会によると、前日に付近で目撃情報が相次いだツキノワグマの親子とみられる。2頭は体長約130センチ、体重約80キロ、推定5歳の雌と、体長約90センチ、体重約40キロで推定2歳の雄。川沿いを歩いているのを警戒中の署員が発見。同署や花巻市と合同捜査していた猟友会が、目撃された場所から約400メートル離れた雑木林で、猟銃で射殺した。同署には30日、同市松園町の市道やコンビニなどでクマの目撃情報が計4回寄せられた。付近に花巻北中や住宅密集地があり、同署などが警戒を続けていた。市は「近くに住宅があり、人に危害を加える恐れがあった。追い払うのが基本だが、やむなく捕殺した」としている。
(農場出没のクマ、捕獲し殺処分:青森)
階上町赤保内新ラ田の農場で28、29の両日に相次いで発生したクマの食害で、牛舎の飼料を食べたとみられるクマが30日に捕獲、殺処分された。町によると、処分されたのは5~6歳とみられる雄のツキノワグマで、体長約1メートル。被害の報告を受けた町と地元猟友会が29日午後1時半ごろ、農場の近くに蜂蜜を入れたドラム缶型のわなを仕掛けた。30日午前3時半ごろ、見回りに訪れた町職員と猟友会員がわなにかかっているクマを発見。わなから出すのは危険と判断し、その場で処分した。農場所有者の家族は「思ったより早く捕獲された」と安堵(あんど)の表情。近くの小学校の教職員は「子どもの安全を考えると、ほっとしている」と漏らした。
(クマ目撃、仙台で相次ぐ:宮城)
仙台市内でクマの目撃情報が相次ぎ、最近では最多だった昨年を上回るペースだ。例年、山間部の太白区秋保地区での目撃情報が多いが、今年は、市街地に近い住宅街や大学構内にまで、出没範囲が広がっている。原発事故によるクマ肉出荷停止の影響で個体数が増えた可能性もあり、市や警察は、「薄暗い時間帯は、できるだけ外出を控えて欲しい」と注意を呼びかけている。クマは冬眠から覚めて間もない4月から、人里に姿を見せ始める。今年5月29日までの市への目撃通報件数は、24件と過去5年間で最多だ。1年間で222件を記録した昨年を、同期比で7件上回っている。「まさか、こんな市街地にクマが出るなんて……」。仙台中央署幹部は5月29日、クマが目撃された現場を聞き、驚きを隠せなかった。体長約1メートル20もあるクマ1頭が昼頃、仙台市青葉区霊屋下の瑞鳳殿と広瀬川周辺を行き来する姿が目撃されていた。周囲には、住宅や商店が立ち並び、JR仙台駅まで、わずか約1・5キロだ。東北大青葉山キャンパス(仙台市青葉区)や宮城教育大(同)でも、クマが走って行く姿が目撃されている。東北大は、クマが大学構内で目撃される度に、学生や教職員らへメールで注意を呼びかけている。青葉山キャンパス内の研究室に自転車で通う東北大院の男子学生(23)は「大学周辺の雑木林に住むクマに襲われるかも知れず、例年になく怖い」とおびえている。市環境都市推進課によると、クマは薄暗い時間帯に餌を求めて活発に活動するという。同課は「餌となる家庭ゴミは収集日当日、明るくなってから出してほしい。ハイキングなどで入山する際はラジオや鈴を携帯して」と警告している。クマの生態に詳しい盛岡市動物公園の辻本恒徳園長は、クマが出没する原因について、〈1〉下草刈りなどの手入れがされない山が増え、クマが身を隠せる場所ができた〈2〉人里に餌があることに気付いたクマが増えた〈3〉原発事故でクマ肉などが出荷停止となり、以前より捕らなくなって個体数が増えた――ことなどを挙げている。
(山開き、子グマも歓迎?:岩手)
雫石町と秋田県仙北市にまたがる駒ケ岳(1637メートル)は1日、爽やかな青空の下、山開きを迎えた。登山者は心地よい風を受けながら、雪解けの登山道を一歩一歩踏みしめ、途中でクマと「遭遇」する場面もあった。同町の国見温泉登山口から約50人が出発。絶好の天候の下、山頂を目指し、男岳山頂で秋田県側からの一行と喜びを分かち合った。裏岩手山岳会によると、目撃されたクマはツキノワグマの子グマ。登山者は珍客の歓迎に驚きながらも、優しく見守っていた。
(クマ5頭を目撃:福島)
1日午前10時50分ごろ、南会津町川島の山林でクマ3頭を目撃したと、近くの事務所に勤める男性から南会津署に通報があった。同署によると、クマ3頭は親子とみられ、親グマの体長が約1.5メートル、子グマ2頭の体長がいずれも約50センチだったという。また同日午後0時30分ごろには、同町滝ノ原の神社でクマ1頭を目撃したと、近くの住民から同署に通報があった。同署によると、体長は約1メートルで、クマは草をはんでいたという。さらに、同日午後8時30分ごろ、同町田島字下東荒井の町道でクマ1頭を目撃したと、近くの住民から同署に通報があった。
(クマ情報:富山)
31日午後3時40分ごろ、氷見市吉池の棚田にクマ1頭がいるのを車で通り掛かった近くの男性(69)が見つけ、地元区長を通じて市に通報した。クマは棚田南側の山へ姿を消した。氷見署員や市職員らが付近をパトロールし注意を呼び掛けた。
(クマに注意:愛知)
豊田市は2日、稲武地区の路上に、ツキノワグマの足跡が付いているのが見つかったと発表した。市内でツキノワグマの目撃・痕跡情報が寄せられたのは約2年ぶり。市は、現場に「ツキノワグマ注意」の看板を設置するなどして、市民に警戒を呼びかけている。市によると、同日午前4時頃、同市大野瀬町オコチの国道153号の路上で、自家用の蜂蜜をとるため、道路脇の山に個人が設置していた蜂の巣箱が壊された状態で落ちているのを通行人が見つけた。通報を受けた足助署員や猟友会メンバーらが駆けつけたところ、周辺のアスファルトに、蜂蜜がツキノワグマの足形状にべっとりとついていた。足跡は複数あったが、成獣1頭分とみられるという。クマが食べ物を求めて、蜂の巣箱を壊し、中の蜂蜜を食べた際に足跡が付いたらしい。大野瀬町は岐阜、長野両県境に近い山間地で、過去には何度もツキノワグマの目撃・痕跡情報があり、最近では、一昨年5月5日に目撃されているという。
(クマ、奥能登北上の恐れ:石川)
能登半島の眉丈山系の七尾市旭町で31日、クマが目撃された。石川県によると、これ まで能登半島のクマの北限は石動・宝達山系とされ、より北に位置する眉丈山系でのクマ 目撃情報は初めて。眉丈山系と石動・宝達山系は平野で分断されており、県などはクマが 民家なども多い平野部を横断して北上した可能性があるとしている。今後、クマが山地で つながる奥能登まで生息域を広げる恐れがあり、関係機関は警戒している。七尾署によると、31日午前4時ごろ、七尾市旭町のゴルフ練習場「エビアンゴルフ倶 (く)楽(ら)部(ぶ)」で、女性従業員(67)が山林から練習場に入るクマ1頭を目 撃した。体長は60~70センチで、女性の姿に気付くと山林に逃げていったという。「あり得ない。平野は越えられないと思っていた」。眉丈山系でのクマ目撃情報を受け 、七尾市農林課の担当者は驚きの声を上げた。クマが眉丈山系に到達するには、石動・宝達山系から平野部を越える必要がある。七尾 市内では2008年に初めてクマが目撃され、今年はこれまでに4件の目撃情報が寄せら れていたが、いずれも石動山周辺に限定されていた。七尾市農林課と県自然環境課によると、今回、クマは石動・宝達山系から、平野部の国 道159号や県道、集落周辺を越え、眉丈山系に至った可能性がある。眉丈山系から山地 や丘陵伝いに奥能登まで移動でき、従来クマがいないとされていた奥能登にも行動範囲を 拡大する恐れがあるという。眉丈山系でのクマ目撃情報に、県猟友会羽咋支部の松下芳隆支部長代行(志賀町)は「 とうとうここまで来たか」と警戒心を募らせた。松下さんは「眉丈山系に以前はいなかったイノシシが現れるようになり、いつかはクマ も来るだろうと思っていた」と話し、パトロールを強化する考えを示した。松下さんは、クマの成獣であれば一晩で30~40キロ移動するとし「目撃地点が遠く ても、油断してはいけない」と指摘。「奥能登の人もクマに遭遇しないよう、山に入る際 は、携帯ラジオや鈴を持ち歩いてほしい。自分の身は自分で守る意識が大切だ」と注意を 呼び掛けた。県によると、今年の県内全体のクマ目撃情報は45件(31日現在)で、昨年同時期の 2倍以上となっている。
(野生シカなどから基準値超えの放射性物質:群馬)
県自然環境課は31日、野生鳥獣の放射性物質検査の結果、沼田市で捕獲したイノシシ1頭から1キロあたり160ベクレル、桐生市で捕獲したシカ1頭から同150ベクレルと、基準値(同100ベクレル)を超える放射性セシウムを検出したと発表した。野生のシカとイノシシは出荷や自家消費が自粛制限されており同課は今後も自粛を呼びかける。
(狩猟登録者が激減、ピークの3分の1に:京都)
京都府内の狩猟登録者が減り続けている。2012年度は2700人を割り込み、ピーク時の3分の1以下にまで減少した。府は今後の有害鳥獣捕獲に支障が出かねないとして、狩猟免許取得の希望者の掘り起こしなどを進めている。府によると、12年度時点で3427人が狩猟免許(わな猟や火薬銃などの合計)を持っているが、狩猟税を払って狩猟登録している人は2649人にとどまる。登録者は1976年度には9千人を超えていたが、2005年度に3千人を下回り、近年は過去最少を毎年更新し続けている。登録者の平均年齢は11年度で65歳に達しており、府森林保全課は「免許は更新しても、危険だからと銃を持たない人が増えている」とみる。各地で起きた狩猟中の誤射事件や、レジャーとして楽しむ狩猟の衰退も登録者減少の背景にあると分析する。農作物を食い荒らすシカの捕獲頭数は、11年度で1万3500頭と前年度より520頭余り増えたが、「高齢化する登録者にフル回転してもらっている状況」という。このため、10年度から府北部を中心に、自治会などを通じて警察や自衛隊のOBらに免許取得を呼び掛けるチラシを配布したり、免許取得試験を農閑期の12月に実施したりするなど狩猟登録を増やそうとしている。
(鳥獣捕獲を強化へ、「実施隊」20人任命:長野)
諏訪市は30日夜、ニホンジカやイノシシの農作物被害を防止するため組織を見直した「鳥獣被害対策実施隊」の任命式を市役所で開いた。諏訪猟友会諏訪支部のメンバー20人を市の非常勤職員として雇用し、捕獲を強化する。住宅地に近く、銃による駆除が困難な四賀、角間新田、霧ケ峰農場などの東山地域を中心にわな猟を行う。6月から活動を始める。市民から市に捕獲依頼があったら、諏訪猟友会諏訪支部長を通じて隊員に連絡し、わなを設置する。事前に協力を得た地元住民に見回ってもらい、わなにかかった場合、連絡を受けた隊員が現場に出向いて処理する。市内のニホンジカの昨年度の捕獲数は前年度比67頭増の297頭。今年度は、猟友会へ委託している現行の銃・わな猟や、後山区で昨年発足した集落捕獲隊の活動を合わせ、市内全体で500頭の捕獲を目標に掲げている。任命書を手渡した山田勝文市長は「あした収穫しようとした作物を食べられたという話を聞いてきた。皆さんの力を借りて鳥獣被害を少しでも減らしたい」とあいさつ。隊員には活動で着用するオレンジ色のベストが配られた。隊員は3~4人の6班を編成し、駆除に当たる。諏訪猟友会諏訪支部の松田清照支部長(67)は「地域の要望に応えるのが猟友会の使命。ニホンジカなどを1頭でも減らしたい」と話した。実施隊は「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」に基づく設置。市は昨年3月、農林課職員のみを隊員に設けて情報収集したり、駆除を猟友会員に依頼したりしたが、鳥獣被害に歯止めがかからず、組織を改めた。
(iPhoneをスコープに搭載した本物のライフル:アメリカ)
ライフルとスマートフォン。一見なんの接点もない遠く離れた2つのデバイス。けれど、もしかしたらこれ以上に相性のよい組み合わせなんてないかもしれません。iPhoneをライフルのスコープとして使うためのデバイス「Inteliscope」は通常のズーム機能に加えて対象についての様々な情報をユーザーに伝達。狙撃を力強くサポートしてくれます。Inteliscopeを覗きこむと風向・風速、GPS座標、コンパス、弾道情報を一目で確認することができます。さらに懐中電灯やストロボとしてもInteliscopeは機能。そしておそらく最も便利な機能、各ショットの映像を記録し再生することまでできます。その操作性はまるでシューティングゲーム。なんだか射撃が仮想空間上の出来事のようでちょっぴり怖くも感じちゃいますが...Inteliscopeは69.99ドル(約7000円)で6月に発売予定。
(射撃W杯、2度目頂点射止める:宮城)
ドイツ・ミュンヘンで5月26、27の両日に開催された射撃のワールドカップ(W杯)で、宮城県警機動隊の警部補秋山輝吉さん(41)が「男子ラピッドファイアピストル」の種目で優勝した。W杯優勝は昨年のミュンヘン大会に続き2回目。同種目は25メートル先の五つの的に向け、8秒、6秒、4秒の制限時間内に各5発を速射し、精度を競う。2日間で4回繰り返して計60発を撃ち、600点満点で上位6人が決勝に進む。秋山さんは61人中3位の582点で決勝に進出。4秒以内の速射で的の中心に当たった数を競う決勝で、秋山さんは8回40発中33発を命中させ、2位の選手に4発差をつけて優勝を果たした。帰国後の31日、秋山さんは仙台市青葉区の県警本部で職員らに優勝を報告。「適度の緊張感を保ち、心地よく戦えた。今後も成果を挙げ、東日本大震災の被災地に明るい話題を提供したい」と笑顔を浮かべた。昨年のロンドン五輪出場はあと一歩で逃した。秋山さんは「2016年のリオ五輪出場を目指して訓練を重ねたい」と語った。
(3Dプリンタで製造できる「本物の銃」 日本に規制する法律はあるか?)
3次元のデータをもとに、樹脂などの素材を使って立体物を作り出せる「3Dプリンタ」が話題を集めている。10万円を切る価格のものも出てきて、一家に一台となる日も遠くないだろう。さまざまな立体製品が、個人の家庭で手軽に作り出せる時代になったのだ。ところが、新技術には必ずリスクが伴うものだ。アメリカでは独自に銃の開発を進める集団『Defense Distributed』が、3Dプリンタで発砲可能な銃を製造し、その設計データをインターネットで公開した。報道によれば、世界100カ国以上からアクセスがあり、80万件もダウンロードされた。日本からも数万件のダウンロードがあったという。このように家庭用の3Dプリンタで製造できてしまう銃を、日本で作ったら、犯罪なのだろうか。銃の3Dデータをダウンロードしただけでも、「銃の製造未遂」ということで取り締まりの対象となるのか。川口直也弁護士に聞いた。「3Dプリンタを使って銃が製造できてしまうことや、この銃のパーツのデータがインターネットに公開されていることは、取材を受けるまで知りませんでした」このように川口弁護士は率直に話すが、3Dプリンタで作られた銃は、法律的にどのような扱いになるのだろうか。「銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)は、金属性の弾丸の発射能力のある『銃砲』の所持を禁止しています。問題となっている銃から『実弾』を発射した動画がネットで公開されていたということですので、この銃が『銃砲』にあたるのは確かなようです」つまり、3Dプリンタで作られた銃だとしても、実弾を発射できる能力があれば、それを『所持』すると銃刀法違反になるということだ。では、『製造』した場合は、どうだろう。「実際に、ダウンロードしたデータを使って銃を製造すれば、武器等製造法に違反し、3年以上の有期懲役に処せられます。また、同法は、未遂罪も処罰の対象としていますので、いったん製造に着手すれば、銃が完成しなくても処罰を受けることになります」そうなると、銃の3Dデータをダウンロードすれば、銃製造の未遂罪ということなのだろうか。「いいえ、そうではありません。ネットから3Dデータをダウンロードしただけでは、『銃の製造未遂』にはなりません」このように川口弁護士は否定して、その理由を次のように説明する。「未遂罪が成立するには、犯罪の実行に着手している必要がありますが、『実行の着手』とは通常、犯罪の結果が実現してしまうような『現実的危険性』を含む行為を開始した時期だと、解釈されています。『銃の製造』という結果を実現するには、ネットから3Dデータをダウンロードしただけでは十分ではありません。実際に、3Dプリンタを動かし始めた時点で、その危険性が現実化したということになるでしょう」話題になった銃の3Dデータについては、日本からも数万件のダウンロードがあったということだが、それだけでいきなり「銃製造未遂罪」になってしまうというわけではないようだ。だが、そのデータを形にしようと、3Dプリンタを動かせば別だ。くれぐれも、そんな「実験」はしないように。

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