<射撃ニュース6月>

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(渓流釣りの女性、クマに襲われる:岐阜)
25日正午ごろ、岐阜県下呂市萩原町山之口の川上(かおれ)岳付近の山之口川支流で渓流釣りをしていた愛知県西尾市の女性(46)がいきなり背後からクマに襲われた。頭を引っかかれたり、かまれたりしたが、生命に別条はないという。人がクマに襲われたのは県内では今年初めて。県警下呂署によると、女性は同日午前10時ごろから、70代の父親と友人の計3人で渓流釣りをしていた。他の2人は離れた場所にいて無事で、女性の悲鳴を聞いて駆け付け、近くの工事事務所に助けを求めて通報した。ツキノワグマとみられるが大きさなどは不明。現場は登山口から約1〜2キロ入った地点で、近くの川ではアマゴやイワナが釣れるという。
(クマ、「安全宣言」:岩手)
花巻市で今月15、16日に住民4人がクマに襲われた問題で、市と花巻猟友会は24日、市内で記者会見を開き、クマは山に帰ったとみられるとして、事実上の安全宣言に当たる警戒態勢の解除を発表した。現場周辺の2小学校の通学路で、登下校時間帯に行われていたパトロールも終了する。市や猟友会によると、15、16日、同市栃内と北笹間で4人がクマに襲われた。2頭の目撃情報があり、猟友会ではうち1頭を駆除した。3歳で雄の成獣だった。もう1頭も追ったが、18日以降、情報はなかった。20日にはわなを仕掛けたが、クマはかからず、おびき寄せるためにまいたエサにも小動物以外、手をつけた形跡はなかったという。花巻猟友会の藤沼弘文会長は「目撃情報やわなの状況からクマがここには存在しないだろうという判断になった。住民は不安を抱えており、一つの節目と考えた」と話した。24日には湯本地区などで目撃情報が複数あったが、笹間地区と別のクマとみられるという。
(民家近くにクマ:新潟)
下越地方で25日、クマの出没が相次いだ。胎内市蔵王で午前11時半前、林の中にクマ1頭がいるのを付近の住民男性が目撃し、区長を通じて胎内署に通報した。同署によると、クマの体長は約1メートルで、山の方に走り去った。新発田市上赤谷では午後1時半前、県道で車を運転していた男性がクマ1頭を目撃したと同所の駐在所に通報した。新発田署によると、クマの体長は約1メートル。いずれも現場から最寄りの民家まで100~40メートルしか離れておらず、県警などは注意を呼び掛けている。
(クマ情報:富山)
25日午後5時5分ごろ、魚津市大光寺でクマの目撃が相次いだ。住宅地近くのため、市鳥獣被害対策実施隊や市職員、消防が警戒に当たったが、痕跡などは見つからなかった。26日午前6時から一斉パトロールを行う。国道8号バイパスの大光寺トンネル出口近くでは、車で通りがかった男性が海方向に横断する体長約1メートルのクマを目撃。近くの県道では、体長約50センチのクマが横断するのを車で通りがかった女性が見つけた。横断していった先には住宅地や老人福祉施設などがあり、通報を受けた魚津署は外を出歩かないよう呼び掛けた。市職員らは爆竹を鳴らすなどして捜索したが姿はなく、足跡も見つからなかった。25日は立山町東中野新の県道でも午後7時15分ごろ、親子とみられるクマ2頭を近くの住民が見つけた。朝日町境の国道8号近くの大谷川沿いでは午前2時50分ごろ、体長約1メートルのクマ1頭が歩いているのが目撃された。
(クマ情報:富山)
25日午前2時50分ごろ、朝日町境の国道8号近くの大谷川沿いで、クマ1頭が歩いているのを車で通り掛かった男性が見つけ、110番した。クマは体長約1メートルで、川の上流方向の山林に向かった。入善署や朝日町役場が付近をパトロールし、住民に注意を呼び掛けている。
(シカ捕獲に補助金:愛媛)
愛媛県の八幡浜市鳥獣被害防止対策協議会(会長・菊池賢造市産業建設部長)の2013年度総会が24日、市役所であった。近年市内でニホンジカが確認されていることを踏まえ、新規事業としてシカ1頭当たり成獣1万3000円、幼獣6000円を補助し、捕獲強化を図ることなどを確認した。総会には地元猟友会やJA西宇和、八幡浜署などから11人が出席した。NPO法人「かわうそ復活プロジェクト」(同市)の松田久司さんが、同市布喜川に設置した自動撮影カメラで5月にシカ3頭が撮影されたことを紹介。「専門家の分析で母親と1、2歳のいずれも雌と分かった。雌や複数個体の観察は初めてだ」と説明し「市内で繁殖可能な状態にある」と述べた。
(花火使ってサル被害対策:和歌山)
サルなど有害鳥獣から農作物を守るため、古座川町が導入する動物追い払い用花火の使用講習会が24日、町民体育館などで開かれた。ロケット花火より火薬の量が多く、5連発で発射できることなどが特徴。参加した住民は「非常に使いやすい」などと話していた。花火は、三重県の委託を受けて同県亀山市の花火製造業「伊藤煙火工業」がサル追い払い用として3年前に開発した。長さ約40センチで専用のホルダーに入れて使用。点火後に内筒が5連発で発射され、爆発音で威嚇する。飛距離は最大で約20メートル。同社によると、三重県内のある集落では1カ月に500本を使ったところ、サルが近づかなくなったという。同町は約500本を購入する予定で、申請があった地区の代表者に譲渡する。火薬量がロケット花火の約20倍と多いため、使用にあたっては講習を受ける必要があり、住民ら約150人が講習会に参加した。同社の伊藤照雄社長(61)が使用方法を説明した後、同町役場近くの河原で実技があり、約10人の参加者が実際に花火を使用した。畑周辺などに2つの群れのサルが出没するという同町池野山の奥根公平さん(79)は「手に振動はないし、非常に使いやすい。試してみたい」と話した。同町によると、平成24年度に届け出があったサルを含む有害鳥獣による農作物被害額は約169万円に上るという。
(獣害対策に高校生が協力:富山)
サルやイノシシの被害からスイカの生産を守ろうと、富山市万願寺地区で25日、地元の高校生が取り組みに協力しました。富山市万願寺の米島光栄さんのスイカ畑で獣害対策に取り組んだのは、中央農業高校の3年生7人です。25日は縦7メートル、横50メートルの広さの畑の周りにネットを張り電気柵を張るなどしてサルやイノシシの被害を防ぐ対策を行いました。この地区では戦後、スイカの栽培が盛んになり、かつては市場にも出荷していましたが現在は高齢化の影響で専業の生産者はおらず、十分な獣害対策ができないことが課題でした。再びスイカの栽培を盛り上げようという声が地元から上がり、中央農業高校が今回初めてスイカの栽培に協力したということです。生徒らは今後、毎週畑に出向き農薬の散布などについて生産者から学ぶ予定です。
(広がる銃、わな免許取得)
狩猟者の高齢化が進む中で、狩猟に携わる若者が各地で目立ってきた。野生鳥獣による農林業被害が社会問題化し、若者の関心が高まっていることが背景にある。免許を取得して狩猟をするだけでなく、狩猟や鳥獣害問題を広く伝えようと多様な活動を展開。狩猟への若者の関心の高まりを狩猟の担い手の増加にどうつなげるかが課題だ。静岡県富士宮市の井戸直樹さん(37)は、首都圏の若い女性らを集めてイノシシや鹿の皮のなめし方を手ほどきする。4年前に銃とわなの狩猟免許を取得。狩猟の傍ら、狩猟の役割や鳥獣害の実態を伝えるこうした体験講座やツアーを企画し生計を立てる。「鳥獣害や狩猟への若者の関心は高まっている。狩猟者減少の課題に一石を投じたい」と井戸さん。「捕獲だけでは生活できないが、やり方次第で収入につながる。山に根差す狩猟を新たなライフスタイルとして提唱したい」と話す。社会問題に関心のある企業に鹿の解体方法を伝える活動も行う。狩猟や鳥獣害などの情報をインターネットでも発信する。同市の狩猟者で、井戸さんの講座を手伝う松本美乃里さん(30)は「山ガールなどがはやっているが、次に来るのは“狩猟ガール”」と期待する。東京都目黒区の会社員・加藤あこさん(29)は今年、銃とわなの免許を取得。狩猟の準備として、農山村を訪れて狩猟者と話したり農作業を手伝ったりして住民と交流する。「鹿による山の木の食害が深刻化していることに関心を持った。狩猟で山の木を少しでも救い、農林家の役に立ちたい」と意気込む。京都市の松下晶さん(33)は3月に脱サラし、捕獲した鹿の革の加工や皮革製品の販売などを手掛ける事業を起こす準備を進める。「野生動物による農作物や森林被害は社会問題化している。狩猟の注目度はもっと高まる。鳥獣害対策や狩猟をビジネスにする事例も出てくる」とみる。環境省によると、狩猟免許所持者数は2010年が19万人で、10年間で2万人減、20年間で10万人も減少。一方で、狩猟の魅力をPRするため全国8カ所で昨年度開いた狩猟のフォーラムには1500人以上が参加し、6割が40歳以下だったという。今年度も9カ所で開き、ハンティングの模擬体験や若手ハンターの講演などを行う予定だ。「若者の狩猟への関心が高まり、ネットなど発信力を生かして狩猟や鳥獣害問題を広める動きが各地で芽生えている」と同省野生生物課。社会全体で若い狩猟者を支援する体制づくりを目指す。岐阜大学野生動物管理学研究センターの角田裕志准教授は「形式的な講習会ではなく、技術を習得できるベテラン狩猟者との交流の場や、若い狩猟の担い手が現場で活躍できるような狩猟体制が必要だ」と指摘する。
(イノシシ捕獲マニュアル:香川)
イノシシによる農作物被害が相次ぐなか、県は、独自の捕獲マニュアルを作成した。被害の拡大に伴い、狩猟免許の取得を促してきたが、「わなの仕掛け方が分からない」という人も多い。県はマニュアルで狩猟の手順を分かりやすく解説し、初心者の技術向上を図る。県などによると、1990年以前は、イノシシは県境の山間部で捕獲されていたが、繁殖力が高いこともあり、最近では、市街地で目撃されるなど平野部にも侵出している。人家周辺への出没に伴い、1998年度に約3200万円だったイノシシによる農作物被害は、2011年度には3倍以上の1億1400万円まで増加し、鳥獣害被害全体の4割を占める。県は、狩猟免許の申請手数料の一部を補助するなどし、農家に免許取得を働きかけた。その結果、県内のわな猟免許所持者は、1993年度末は約60人だったが2012年度末には約1300人まで増加した。しかし、県によると猟期に捕獲実績がない人が4割を占めるといい、経験不足をカバーできるよう昨年度から、県猟友会と協力しながらマニュアルづくりを進めてきた。マニュアルでは「はこわな」「囲いわな」「くくりわな」の種類ごとの特徴や設置場所の選び方、事前の餌付け、設置方法などをイラスト入りで解説。捕獲場所選びの重要なヒントとなる足跡やけもの道なども写真で紹介している。1万部作製し、各市町や農協などに配布。今後、マニュアルに即した講習会を開くなどして、捕獲数を増やしたい考え。県みどり保全課は「まずはマニュアルを参考に1頭捕獲し、こつをつかんでもらいたい」としている。
(イノシシ料理事業展開:香川)
高松市の道の駅「源平の里むれ」などを運営する四国にぎわいネットワーク(高松市)は農地を荒らすイノシシをジビエ(狩猟肉)料理に活用する事業を始める。香川県内の農家の協力を得て食肉に加工し料理の材料に使うほか、県内の飲食店に供給する。今後メニューの開発を進め、2015年度の本格販売を目指す。香川の新たな名物に育てるのが狙いだ。狩猟免許を持ち、食肉加工施設を持つさぬき市の農業者と連携する。
(食害予防へサルにGPS首輪:長野)
無線機器開発のサーキットデザイン(安曇野市、小池幸永社長)は、全地球測位システム(GPS)を活用しサルの動きを探る小型機器を開発する。鳥獣による農作物被害対策に活用するのが狙いで、来年度にも発売する。鳥獣による農作物被害額は全国で200億円を超え、自治体が対策に乗り出している。関連製品やサービスの需要も出てきそうだ。首輪のようにサルに装着する専用機器を開発する。

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(前会長ら除名提案へ、日本クレー射撃協会)
日本クレー射撃協会は22日、東京都内で開いた理事会で、必要な手続きを経ずに、基本財産4000万円を取り崩した平井一三前会長ら14人を除名処分とすることを賛成多数で決めた。7月中旬の総会で過半数の賛同を得られれば、正式に決定する。前執行部が取り崩し分の補填(ほてん)計画を文部科学省に提出しながら、返済に応じる姿勢がないことを処分の理由としている。平井前会長らは昨年7月に2年間の資格停止処分を受けたが、裁判で無効を訴えている。同協会は6月末までに取り崩し分を穴埋めするよう文科省からの改善命令を受け、傘下の47都道府県協会に寄付を求めている。だが、現時点で不足しているため、22日の理事会で各理事が約80万円を負担することを決めた。
(子守る親ガラス、通行人を次々襲う:青森)
青森県庁や県警本部などが立ち並ぶ青森市長島1丁目の路上で20日、カラスが通行人を襲う騒ぎがあった。飛ぶことができずに歩き回る子ガラスを“外敵”から守ろうと、親ガラスが道行く人々を次々と威嚇。周辺は一時騒然となった。目撃していた県警本部の男性警備員(50)によると、親子とみられる3羽のカラスは午後2時ごろ現れ、親の2羽が十数人の頭をつつくなどした。子を追い払おうにも、電線で身構える親が鋭いまなざしを向け、しばしにらみ合いが続いたという。すると、子は信号待ちの車のボンネットにジャンプ。その瞬間、信号が青に変わり、車は子を乗せたまま走り去った。1時間以上に及んだ騒ぎは、子ガラスの〝逃走劇〟であっけない幕切れ。様子を見守っていた男性会社員(61)は「親が必死に子どもを守っていたのに…。過保護が嫌で逃げたのかな。“家出”もカラスの勝手でしょ」と苦笑いしていた。
(クマ目撃:北海道)
23日午後5時ごろ、オホーツク管内美幌町美禽(みどり)の網走川河畔で、体長約1・5メートルのクマ1頭が川を東から西に渡っているのを釣り人が発見し、110番通報した。現場は美幌バイパスの美幌大橋付近で、JR美幌駅の北約1・5キロ。周辺に農家が点在している。美幌署は近くの住民に注意を呼びかけるとともに、巡回を行っている。
(中学近くでクマ:秋田)
23日午前8時半頃、由利本荘市岩城二古、市立岩城中学校のグラウンド南側の山林斜面にクマ1頭がいるのを、グラウンドを走っていた同中1年の女子生徒が発見した。クマは山林に逃げた。学校が市役所を通じて由利本荘署に通報した。同署の発表によると、グラウンドでは、この生徒ら約20人が部活動で走っていた。この生徒とクマとの距離は約30メートルで、グラウンドと斜面との間にフェンスなどはなかった。一方、同8時45分頃、横手市大森町湯ノ沢の県道で、体長約1メートルのクマ1頭が道路を横切るのを、近くにいた男性が見つけ、119番した。クマは山林に逃げた。いずれも警察がパトカーで注意を呼びかけた。
(クマの目撃情報:新潟)
23日午後6時ころ、三条市下田地区住民から三条署にクマの目撃情報があった。午後5時55分ころ、三条市牛ヶ首地内の県道牛ヶ首笹岡線で、通行人に52歳の男性が体長約1メートルのクマ1頭を目撃したとの通報があった。三条署では、付近住民などに注意を呼びかける広報と警戒活動を行っている。
(クマ目撃:栃木)
22日午後9時15分ごろ、那須塩原市板室の市道で通行中の男性が、路上を横断するクマを目撃した。那須塩原署は警戒を呼び掛けている。同署によると、体長約1・5メートル。目撃された場所は、県道中塩原板室那須線と市道の交差点から、市道を沼原池方面に約300メートル進んだ付近という。
(クマ情報:富山)
21日午後4時半ごろ、富山市小見(大山)の県道で、道路を横切るクマ1頭をドライバーが目撃し、富山南署小見駐在所に通報した。地元猟友会員や市職員らが付近をパトロールしたが、雨のため痕跡は確認できなかった。
(古い拳銃、押し入れ・物置から相次ぎ発見:茨城)
茨城県内で4~5月、民家から軍用拳銃など古い拳銃3丁が相次いで見つかったことが、捜査関係者への取材でわかった。自宅の整理などで見つかり、県警薬物銃器対策課は「第三者に渡ると危険。見つけたらすぐに警察に連絡してほしい」と呼びかけている。捜査関係者によると、1丁は4月上旬、県央地区の男性(73)が届け出た、江戸時代後期製造の日本製「管打ち式銃」。押し入れの整理中、新聞紙に包まれた状態で見つかった。鑑定の結果、古美術品に当たる拳銃だった。2丁目を届け出たのは、死亡した父が「古い拳銃を見つけた」と話していたことを思い出した県南地区の女性(78)。4月下旬に警察に相談し、駆け付けた警察官が自宅の物置内から1900年代初頭にアメリカで製造された軍用拳銃を発見した。5月下旬には、県央地区の男性(73)が自宅納屋にあった1800年代後半から1900年代初頭にアメリカで製造された軍用拳銃と実包5発を見つけて、届け出た。死亡した親族に軍歴があったという。いずれも古い拳銃だったが、2、3丁目は県警科学捜査研究所の鑑定で発射能力が確認された。窃盗被害に遭って第三者の手に渡ると、発砲事件や暴発事故にもつながりかねないことから、同課は「県内ではほかにも眠っている軍用拳銃があるのではないか」とみて、回収を強化している。
(罠で捕獲作戦を展開:神奈川)
葉山町上山口で今年3月ごろからイノシシによるものとみられる農作物被害や目撃情報が相次いでいる。6月までに町に寄せられた通報は計14件。小学校にほど近い農地でも痕跡が見つかったことから、地元町内会では人への安全確保のため罠を使った捕獲作戦を開始した。8日には1頭のイノシシを捕獲。今後も作戦を継続していくという。専門家によるとイノシシは警戒心が強く、通常は人里に出てくることはないが「一度畑の作物を口にすると味をしめて度々姿を現すようになる」という。その習性通り、「畑でイノシシのようなものを見た。作物が荒らされている」という第一報を皮切りに町には続々と通報が寄せられた。町によると農作物被害は11件、目撃情報は3件。「葉山は自然が多いとはいえ、被害報告があったことは記憶にない。初めてではないか」と町担当者も驚きを隠さない。4月には町職員が実際に現場の農地を訪れたところジャガイモなどの作物が掘り返された跡が見つかったという。町では「報告されていないものを含めれば被害や目撃数はさらに多いのでは」とみる。5月には上山口小学校から150mほど離れた農地でも痕跡を確認。被害が拡大していることに加え、子どもたちに危害が及ぶ可能性を危惧した上山口町内会が農家の声を集約し、捕獲作戦に乗り出した。その後、同町内会が町にイノシシの捕獲許可を申請。実際の捕獲にあたっては認可証を持つ専門家の協力をあおいだ。使ったのはイノシシが足を踏み入れるとバネでワイヤーが締まる「くくり罠」。被害のあった農地など9カ所に設置したところ、8日に体長およそ60cmほどの若い雄イノシシが捕獲されているのが確認された。ただ、一部で「複数頭のイノシシを見た」という目撃情報もあるため、今後も1年間をめどに罠による捕獲を続ける。農作物被害に遭った石井義房さんは「丹精込めて作った農作物を荒されるのは農家として忍びない。早く解決してほしい」と話した。
(標高3000メートルでシカ駆除へ:山梨)
環境省は8~9月、南アルプス・仙丈ケ岳(標高3033メートル)の山梨県側にある小仙丈沢カールで、銃によるニホンジカの駆除を試行する。駆除はこれまで山麓を中心に行っていたが、高山植物の食害や踏み荒らし被害が深刻化していることから、標高3千メートル級の高山帯での駆除が有効かどうかを探る狙い。環境省によると、シカを高山帯で駆除するのは全国で初めて。
(イノシシ・シカ、過去最多:栃木)
県がまとめた二〇一二年度の獣類の捕獲状況によると、イノシシは有害捕獲、狩猟を含めて捕獲頭数が前年度比37・4%増の七千八百九十三頭、シカは同45・9%増の三千四百六十六頭となり、ともに過去最多となった。県自然環境課によると、イノシシの捕獲頭数が最も多かったのは足利市で、佐野市、鹿沼市と続いた。同課は「秋にドングリの実りが不作だったため、餌が足りずに人里に出て畑を荒らし、捕獲される機会が多かったのでは」と分析している。シカの捕獲頭数が最も多かったのは日光市。市は一二年度から、シカ一頭を捕獲するごとに五千円の報償金を支給するようにした。狩猟も対象に含むため、県は頭数が大幅に伸びたとみている。このほか、サルの捕獲は六百九十頭、クマの捕獲は七十一頭で、ともに前年度より増えた。
(ハンター育成事業で射撃会:北海道)
会員の高齢化と減少に悩む北海道猟友会釧路支部は、今年度から道内の女性ハンターらでつくる「The Women in Nature(TWIN)」と合同事業を計画し、活性化に向けた取り組みに着手する。その第1弾として23日、釧路総合射撃場HAP1(釧路市新野)で合同のクレー射撃会が開かれた。今後、両者はライフル射撃会やエゾシカの巻き狩りなどを合同で実施したい考え。花田實支部長は「狩猟に関する知識をTWINに伝え、新規狩猟者を育成し支部の活性化につなげたい」と話している。
(児童がクマの対処方法を学ぶ:島根)
今月5日、島根県飯南町の小学校の裏山でクマが目撃されたこと受け21日、クマの対処方法などを学ぶ学習会が開かれた。島根県飯南町の赤名小学校の全校児童など約70人が、県の鳥獣対策課からクマを目撃した場合や遭遇した場合の対処方法を学んだ。クマが襲ってきた場合は、自分の首を手で覆って背中を向けてしゃがむことが効果的などと説明を受けた。島根県は、クマが生活する山に入る時は鈴やラジオで人間の存在を知らせる必要があると注意を呼びかけている。
(「猪鹿庁捜査一課」:岐阜)
「あしたは鍋ですね」「シカだから鍋じゃないだろ」。郡上市八幡町の山間部にある休耕田に設置したシカ用の捕獲おりに取り付けたセンサーカメラからSDカードを抜き出し、持参したパソコンでチェックする興膳健太さん(30)の軽口に、地元の農家が調子を合わせる。カメラには、誘導用のエサを食べるシカが写っている。おりは確実に捕獲するための「餌付け」の状態。このあと、捕獲できるようセットされた。興膳さんの肩書きは「猪鹿庁(いのしかちょう)長官」。郡上市で子どもたちの自然体験などを企画するNPO法人メタセコイアの森の仲間たち(興膳代表)が2010年から始めた、集落などの鳥獣害対策を支援する「里山保全組織」だ。猪鹿庁が獣害対策支援を行う西和良地区は、近年シカやイノシシなどの被害に悩まされている。山裾には、集落を取り囲むように電牧柵とネットを張ってあるが効果がないため、さらに集落側から農地にネットを張り巡らせてある。総延長は5キロ近くに及ぶ。
(獣害対策や里山活性化策探る:栃木)
イノシシなどの獣害対策に取り組む人や地域をつなげようと、農林業に従事する市民有志が、任意団体「猪鹿鳥獣共生ネット」(青木栄吉代表)を立ち上げた。インターネットによる情報発信に力を入れるとともに、先進地視察や講習会など独自の企画も予定。被害縮小や中山間地域の活性化に向けた道筋を市民レベルで模索する考えだ。発足メンバーは20人で、猟友会員や獣医師免許保有者、宇都宮大と県が養成する「鳥獣管理士」認定者など。地域の実情を把握するため、市北部の各地区から幅広く加入しており、獣害に精通した宇大と東京農工大の教授らが顧問に就いた。市には、全国でも珍しい獣害対策専門の係があり、東京農工大が市で実施した獣害調査(2009~11年度)の報告書もある。同ネット事務局長を務める宇大非常勤講師谷雅人さん(46)=葛生東2丁目=は「佐野は対策の前提条件が整っている。後は市民が積極的に関っていくことが重要」と設立の狙いを説明する。会員の情報交換には主に交流サイト「フェイスブック」を活用する。投稿サイト「ツイッター」と並行して活動報告を行うほか、全国的な実態や取り組みなどを発信していく。
(田んぼ脇の側溝に落ちたカモの子ども救出劇:栃木)
側溝に落ちたカルガモの子どもたちを母親のもとに戻そうと、警察官らによる救出劇が宇都宮市で繰り広げられました。5羽の子ガモは、田んぼ脇の側溝に落ちて自力でははい上がれなくなりました。親ガモが心配そうに近くを駆け回るなか、警察官らによる救出作戦がスタートしました。子ガモたちは助けてもらえることが分からずに逃げ回り、警察官らは網やかごで追い込んでいきます。泳ぎ疲れたのか、なかにはぐったりした様子の子ガモもいましたが、5羽とも無事に親ガモの待つ田んぼに戻されました。

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(クマ出没でワナ設置:岩手)
クマの出没や人への被害が相次いでいる花巻市の笹間地区周辺では、警戒が続く中、地元の猟友会は、クマを捕獲するための『ワナ』を設置した。捕獲用のワナは、クマの出没が相次いでいる花巻市笹間地区で警戒活動を続けている『花巻猟友会』が、県の許可を得て設置した。ワナは、笹間地区から2キロほど西側に離れたクマの通り道とみられる林の中、2か所に設置され、ドラム缶と格子扉を組み合わせたワナの中やその周りに、クマの好むエサを置いておびき寄せる仕掛け。花巻猟友会では、ワナを1週間程度設置し、クマを捕獲した場合は山に返すことを基本に対応する事にしている。
(クマが倉庫に侵入、「コラ!」で退散:京都)
福知山市大江町二俣一の森本設備工業(森本嘉一社長)の倉庫に18日夜、クマが侵入した。倉庫内には森本さん(59)がいたが、けがはなかった。森本さんによると、18日午後6時55分ごろ、倉庫近くで片づけをしたあと、倉庫内の居室にいたところ、飼い犬がほえたため、部屋から倉庫内を見ると、体長1・2メートルほどのクマが立ちあがり、内側から窓ガラスを爪でひっかいていた。森本さんがクマに向かって「コラ!」と叫ぶと、クマは外に出ていった。窓ガラスのそばには箱に入れた炭があり、炭を散らかした跡があった。1週間ほど前から飼い犬がよくほえていたという。森本さんは「クマは筋肉隆々で、立ち上がった大きさは1・5メートルほどに見えた。まさか倉庫内に入ってくるとは思わなかった。かかってきたらえらいことになっていた」と話している。倉庫は、二俣から三河へと続く府道沿いにあり、府中丹広域振興局は19日に府道沿いの山すその一定区間に電気柵を設置した。
(クマ目撃減少、昨年の半数以下:北海道)
警察に寄せられるヒグマの目撃情報が、今年は例年に比べ少ない。道警釧路方面本部管内(釧路、根室、十勝)に限らず全道的な傾向のようで、専門家は近年駆除される個体数の増加が影響していると分析している。加えて3月の荒天と5月中旬まで続いた低温で、人の外出が少なかったことも要因とされている。
(イノシシからヒメサユリ守れ:福島)
国の準絶滅危惧種に指定されているヒメサユリの名所が、イノシシに荒らされる被害が県内で相次いでいる。東京電力福島第一原発事故後、狩猟がほとんど行われなくなり、イノシシが増えていることが原因とみられる。15年越しでヒメサユリを育ててきた福島市の栽培家や、国内最大級の群生地を抱える南会津町は対策に乗り出した。ヒメサユリは、福島、新潟、宮城、山形県の一部に自生するユリ科の植物。種から球根になるまで5年かかり、病気に弱く、栽培が難しいとされている。福島市土湯温泉町の堤ヶ平では1997年から、温泉街の名所にしようと、ヒメサユリの植栽を開始。土湯温泉観光協会の幕田文夫さん(63)が自宅前の敷地を耕して球根を植え、育ててきた。毎年、見頃を迎える6月になると、多くの観光客が訪れる。今年も2000本以上の大きい株が、かわいらしいピンクの花を3、4輪ずつ咲かせた。ところが、今月6日朝、幕田さんが花畑を訪れると、根元から倒れ、かじられた跡のある球根が散乱していた。ほじくったような穴や動物の足跡も残されていた。被害は500本以上。足跡などから、イノシシの仕業とみられる。日本最大級の群生地とされる南会津町でも昨年、イノシシによる被害が発生した。約7ヘクタールの敷地に100万本が咲き誇る貴重な観光資源を守るため、町は周囲に電気柵を設置するなど対策を強化している。土湯温泉、南会津町ともに、過去にイノシシによる被害はなかったという。原発事故後に発生しているのは、県内のイノシシから国の規制値を超える放射性物質が検出され、食肉用に捕獲されなくなって生息数が増えたためとみられる。警戒区域で農作物の作付けが行われず、餌を求めて周囲の市町村に流入している可能性もある。実際、福島市のイノシシによる農作物の被害額は2010年度の約330万円から、12年度は約860万円に増えた。土湯温泉のヒメサユリはかつて、サルやカモシカの食害に悩まされた。最盛期は約6万本の花を咲かせていたが、2008年には約1万本に減少。幕田さんは球根を種から育て、再生を目指してきた。今年は小さな株も増えて、あと3、4年すれば「また一面に広がるヒメサユリを楽しめるはず」と期待していただけに、新たな食害にショックを受けたという。それでも幕田さんはめげずに、高さ約1メートルのネットを張り巡らせ、夜間の巡回を始めた。来年のシーズンに向けて手入れも続けている。温泉街は原発事故による風評被害で客足が遠のいており、幕田さんは「ヒメサユリを復興の目玉にしたい。再び多くの人たちに見に来てもらえるよう、たくさんの花を咲かせてみせる」と誓った。
(四国のクマ保護考えよう:高知)
NPO法人四国自然史科学研究センター(須崎市)と世界自然保護基金(WWF)ジャパン(東京)は29日、高知市曙町の高知大朝倉キャンパスで「四国のツキノワグマについて知っていますか?~絶滅が危惧される、その現状~」と題したセミナーを開く。四国のツキノワグマは絶滅の危機にあり、同センターとWWFジャパンは全地球測位システム(GPS)を使った追跡調査を実施。今年4~5月、香美市の剣山系で「ショウコ」(雌、推定13歳)と2頭の子グマの動画撮影に成功している。当日は午後1時半に始まり、同センターの金沢文吾理事が「四国のツキノワグマ、その歴史と現状」と題して講演。1930年代に「害獣」として駆除が奨励されたことに加え、人工林の増加などで激減してきた経緯を解説する。共同調査についてはショウコのケースをもとに、山田孝樹研究員が成果や課題について語る。山田研究員は「頭数を回復させるために必要な保護策を、多くの人と一緒に考えたい」と話している。
(レシピ工夫、シカ肉七変化:北海道)
道内高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)の食堂が、エゾシカ肉を使った料理の味を競うコンテストが19日、札幌市内で開かれた。最優秀賞には、薄切りのシカ肉にデミグラスソースをかけた輪厚PA(下り線)の「シカ肉オムハヤシ」が選ばれた。東日本高速道路道支社が企画。子会社が運営する砂川、輪厚(北広島)、金山(札幌)、岩見沢、有珠山(伊達)の各食堂が計7品を出品し、札幌のシェフらが審査した。粗びきのシカ肉を使った砂川SA(下り線)の担々麺や、煮込んだシカ肉をナガイモと絡めた金山PA(上下線)のそぼろ丼など調理法を工夫した。出品作は7月12日~9月30日に、考案したSA、PA内で試験的に販売される。道支社は、料理の人気が高ければ定番メニューに加えることも検討する。

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(シカ管理捕獲中に男性滑落死:神奈川)
19日午前10時ごろ、丹沢山中の清川村宮ケ瀬の堂平(どうだいら)地区で横須賀市鴨居、自営業の男性(71)が滑落し、搬送先の病院で死亡した。厚木署によると、男性は県猟友会メンバーとともにシカの管理捕獲をしていた。高さ約13メートルの崖を下りて逃げたシカを追い、元の場所に登り返す途中で滑落したとみられる。同僚ハンターの無線に男性から助けを求める連絡が入り、119番通報した。管理捕獲は、増え過ぎたシカを減らすために県自然環境保全センターが県猟友会に委託しており、男性は初めての参加だったという。同センターは「管理捕獲での死亡事故は初めて。原因を究明し再発防止に努める」としている。
(電車にシカ衝突か:山梨)
19日午後8時半ごろ、JR中央線・長坂~日野春駅間で、上り普通電車にシカとみられる動物が衝突した。同電車は現場に28分間停車し、安全を確認した後、運転を再開した。けが人はいなかった。後続の上り普通電車にも約15分の遅れが出るなど、午後9時現在、ダイヤに乱れが出ている。
(ハクビシン感電?、新幹線など35本運休:山形)
16日午前3時5分頃、山形市のJR山形駅―羽前千歳駅で、信号機約20台が赤から青に切り替わらなくなるトラブルがあった。約8時間25分後に復旧したが、山形新幹線「つばさ」上下2本を含む35本の列車が運休し、普通列車に最大で約3時間45分の遅れが出るなど、約4400人に影響が出た。JR山形支店の発表によると、北山形駅にある信号機を制御する機器の一部が損傷しており、同駅構内の架線下で感電したとみられるハクビシンの死骸が見つかった。同支店は、ハクビシンが架線に接触し、ショートが起きたのが原因とみている。
(地元住民らがアライグマの一斉捕獲:大分)
大分県で、地元の住民が乗り出していたアライグマの一斉捕獲で、18日朝、2匹が、わなにかかっているのが見つかった。茂みの中のわなにかかったアライグマ。ドッグフードやスナック菓子のわなにつられて、わなを設置してから、1日もたたないうちに捕獲された。捕獲されていたのは、2匹のアライグマ。アライグマによる農作物被害が深刻化していることから、大分市が地元の住民と協力して、17日から市内11カ所に、わなを設置していた。そして17日朝、市の職員が見回りに訪れた際に、2匹のアライグマが、わなにかかっているのを見つけた。大分市では、6月28日まで、わなを設置し、捕獲を続けるほか、今後は、わなの貸し出しも行うという。
(地元住民らがアライグマの一斉捕獲:大分)
大分県で、地元の住民が乗り出していたアライグマの一斉捕獲で、18日朝、2匹が、わなにかかっているのが見つかった。茂みの中のわなにかかったアライグマ。ドッグフードやスナック菓子のわなにつられて、わなを設置してから、1日もたたないうちに捕獲された。捕獲されていたのは、2匹のアライグマ。アライグマによる農作物被害が深刻化していることから、大分市が地元の住民と協力して、17日から市内11カ所に、わなを設置していた。そして17日朝、市の職員が見回りに訪れた際に、2匹のアライグマが、わなにかかっているのを見つけた。大分市では、6月28日まで、わなを設置し、捕獲を続けるほか、今後は、わなの貸し出しも行うという。
(ヌートリア捕獲:山口)
農作物に被害を及ぼす特定外来生物のヌートリアが、岩国市周東町三瀬川で5月に捕獲された。山口県自然保護課によると、県東部での捕獲例は初めて。体長約45センチ、体重約6キロ。同町の農業向井淳さん(35)が5月11日に市道わきで見つけ、網で押さえた。近くの水田に見慣れない足跡があったため、住民が警戒していた。同課によると、県内のヌートリアの捕獲例は昨年2匹、ことしは山口市で1匹、萩市で3匹という。農作物被害の報告は現在のところないという。同課は「目撃したら市や町に連絡を」と呼び掛けている。

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(またクマ被害、男女3人けが:岩手)
16日午後6時46分ごろ、花巻市北笹間の水田で、同市北笹間、農業の男性(70)と妻(69)がクマに襲われ脚や額にけがを負った。同7時1分ごろ、同市中笹間の路上で、同市栃内、団体職員の男性(47)が商店から出た際、背後からクマに襲われ、頭や左手をけがした。花巻署によると夫婦は盛岡市内、団体職員の男性は北上市内の病院に運ばれた。3人とも命に別条はないという。15日にも市内の男性がクマに襲われ重傷を負った。数時間後、市内の林の中でクマ1頭を発見し、猟友会が猟銃で射殺した。猟友会によると、同日に目撃情報があった親子らしき2頭の子とみられる。残り1頭は逃げたままとみられ、引き続き警察や猟友会が警戒活動をしている。
(クマに襲われ男性大けが:岩手)
花巻市で15日夕方、男性がクマに襲われてけがをした。地元の猟友会が16日朝、子グマ1頭を駆除したが、途中で散弾銃が暴発し、猟友会の1人がけがをした。15日午後5時前、花巻市栃内にある民家で、81歳の男性が庭で作業をしていたところ、突然後ろからクマに襲われ、顔や肩などに大けがをした。付近ではクマ2頭が目撃され、地元猟友会が16日朝から捜索にあたり、午前7時頃子グマ1頭を射殺した。また、この捜索の途中で、猟友会のメンバーの66歳の男性が持っていた散弾銃が暴発し、男性は右足の小指に大けがをした。警察によると、クマを捜索している途中で男性が銃を落としてしまい、暴発したものとみられている。
(クマの捜索活動中に散弾銃が暴発し男性けが:岩手)
16日午前6時25分ごろ、岩手県花巻市北笹間の市道で、クマの捜索活動をしていた同市の猟友会メンバーの男性会社役員(66)の散弾銃が暴発し、花巻署によると、この男性が右足小指を負傷した。同署によると、暴発で2発の弾が発射され、うち1発が男性の右足に当たった。近くに猟友会の男性1人がいたが、けがはなかった。暴発時の詳しい状況を調べている。市内で15日夕に無職の男性(81)がクマに襲われ、顔や肩にけがを負った。近くで親子とみられるクマが目撃されたことから、猟友会が16日早朝から捜索。午前7時ごろ体長約80センチの子グマを見つけ、射殺した。
(クマに襲われ重傷:福島)
15日午前10時20分ごろ、昭和村下中津川の山林で、山菜採りをしていた同村の無職男性(83)がクマに襲われ、左腕や左脇腹などを切られる重傷を負った。会津坂下署によると、男性を襲ったクマの体長は約1メートル。男性が1人で山菜を採っていたところ、突然やぶの中からクマが出てきて襲われたとみられる。男性は自力で下山。男性の家族が同署昭和駐在所に通報した。男性を襲ったクマは発見されておらず、同署が周辺の警戒に当たった。現場は男性の自宅の裏山で、男性はクマよけの鈴などは携帯していなかったとみられる。
(クマ、わなにかかり山中に放つ:長野)
16日午前9時40分ごろ、長野市中条の山林で通行人が熊を目撃し、長野中央署中条駐在所に通報した。駆け付けた署員らが、ワイヤで脚を締めるイノシシ捕獲用の「くくりわな」にかかった熊を発見。午後2時すぎに県クマ対策員が麻酔銃で眠らせ、民家などから離れた山中に放した。けが人はなかった。同署によると、熊は体長約1・5メートル。県長野地方事務所によると、許可を受けた動物以外がわなにかかる「錯誤捕獲」に当たるため、殺処分はしなかった。
(クマ2頭目撃、警察がパトロール強化:栃木)
日光署によると、14日午後0時40分ごろ、日光市中宮祠の県道(中禅寺湖スカイライン)で、クマ2頭が目撃された。被害はない。同署によると、クマの体長は約1メートルと約50センチの2頭。同所を訪れた観光客が道路を横断する親子連れと思われるクマを目撃した。現場付近は半月峠方面に向かう観光道路のため、パトロールを強化し観光客への広報を行うほか、同市や関係団体などと連携して警戒を呼び掛ける。
(クマ情報:富山)
13日午前7時40分ごろ、南砺市小来栖(平)の市道で、子グマ1頭が横断するのを近所の男性が見つけ、市に通報した。クマは谷を下りていったという。市は防災無線で周辺住民に注意を促し、市捕獲隊員が周辺をパトロールした。現場は国道304号から東へ約200メートルの地点。
(クマ出没相次ぐ:青森)
階上町でクマの出没が相次いでいる。町によると、5月13日の初確認から、わずか1カ月足らずで目撃や食害など計8件が確認され、既に昨年1年間(4件)の倍に達した。「焦げた臭いを敬遠したか、パトロールのため多くの車両が山に入った影響ではないか」。関係者からは、4月から町内を中心に連続発生し、放火が疑われている林野火災との関連性を指摘する声が上がっている。青森県警によると、6月9日現在、県内でのクマの目撃情報、食害は昨年より10件少ない39件。階上町では、5月13日に同町角柄折作立の町道でクマが目撃されたのを皮切りに、養蜂箱を壊されたり、農場で牛の飼料を食べられたりするなどの食害が発生している。同30日には、農場近くに仕掛けられたわなで1頭が捕獲、殺処分されたものの、その後も目撃情報が寄せられている。今月6日夕には、下校中の町立道仏小学校の男子児童(10)が町道を横切るクマを発見。取材に「がさがさと音がして立ち止まると、クマが出てきたのでびっくりした」と当時の様子を振り返った。現場は小学校から直線で800メートルと比較的近距離にあり、学校側は保護者に登下校時の送迎を要請したほか、教職員が手分けをして学区内を巡回した。なぜ、例年以上にクマが出没しているのか。クマの生態に詳しい県猟友会八戸支部の木村鉄男事務局長は「クマは、山菜やキノコ採りシーズンに、山から下りてくることが多い」とし、入山者が増えることがクマの行動に影響を与えているとの見方を示す。現在は山に木の実などの餌が少なく、食べ物を求めて人里に現れている可能性はあるものの、木村事務局長は「相次ぐ林野火災で、クマが驚いて逃げて来ているのではないか」と推測。町役場の関係者も「野生の動物は焦げた臭いに敏感だ。目撃情報が多いのは山火事の影響も大きいのでは」と指摘する。
(水田にクマ出没:京都)
12日午前9時5分頃、京丹後市弥栄町小田、国道482号沿いの水田に、クマ1頭が出没した。通りがかったドライバーらが驚きの声を上げる中、クマは大きな体を揺さぶるように走って水田を横切ると、山側に姿を消した。市農林整備課によると、クマの目撃情報は市内で4月に4件、5月には32件に上り、今月もすでに23件。「出没時期が例年に比べて早く、件数も多い」といい、注意を呼びかけている。
(クマ3頭目撃:新潟)
12日午後4時前、阿賀町東山の畑で親子とみられるクマ3頭を目撃したと、近くを通りかかった女性が町役場を通じて津川署に通報した。同署によると、親グマは体長約1メートルで、子グマ2頭を連れていた。目撃された場所から民家までは約40メートルと近いため、同署などは注意を呼び掛けている。
(小学校近くにクマ:栃木)
那須塩原署によると、11日午後6時ごろ、那須塩原市横林の県道でクマ1頭が目撃された。現場は横林小学校から約150メートル南の場所で、同署などが警戒している。同署によると、クマの体長は約1メートル。車両で通りかかった男性が目撃し、県道から西の方角へ去ったという。
(同じ電車にシカが3回連続で衝突:和歌山)
15日午後11時頃から同11時55分頃にかけて、JR紀勢線の紀伊田辺(和歌山県田辺市)発串本(同県串本町)行き普通電車が立て続けに3回、シカと衝突した。乗客約20人にけがはなかった。同線では年間約300回、電車とシカが衝突するが、1本の電車が続けて3回衝突するのは珍しいという。JR西日本和歌山支社によると、15日午後11時40分頃、紀伊田辺発串本行きの普通電車が、江住(同県すさみ町)―和深(串本町)間でシカと衝突した。非常ブレーキで停車し、運転士が確認したがシカは見あたらなかった。この電車は同11時頃と同11時55分頃にもシカと衝突し、23分遅れた。16日午前6時10分頃、串本発紀伊田辺行きの普通電車の運転士が、前日に衝突のあった和深―江住駅間の線路内で、負傷したシカ1頭を発見。撤去作業のため、特急「くろしお」1本と普通電車2本が20~30分遅れ、約280人に影響が出た。
(シカと電車、衝突4件相次ぐ:和歌山)
嵐山などを経由し京都市と南丹市を結ぶJR嵯峨野線(山陰線京都−園部)で、先月からシカと電車が衝突する事故が4件相次いだ。同線での電車とシカの衝突事故は過去2年間で2件しかなく、突然の増加にJR西日本も首をひねる。他路線ではライオンのフンを線路にまくなどの対策を試みたが、効果は今一つという。「シカの動きが読み切れない」。担当者は対応に苦慮している。今月5日午後10時ごろ、南丹市の同線八木−吉富間で、下り普通電車(8両)が線路内に立ち入ったシカをはねた。さらに40分後、400メートル離れた同駅間で、別のシカと後続の下り普通電車(4両)が衝突した。いずれもニホンジカとみられる。同線のシカとの接触事故は2011年度は2件で、12年度は0件。今年度は5月10日以降、同市や京都市右京区で計4件の事故が起きた。南丹市によると、農業の後継者不足などで耕作放棄地が増えていることに伴い、山から下りてきたシカやイノシシが荒れた田畑を寝ぐらにするケースが出ているという。人里にシカなどの動物が居着いたことが事故増加の要因となっている可能性がある。シカとの衝突防止策は有効な方法が見つかっていない。JR和歌山線では、線路付近に電気ショックを与える電線を張り巡らし、動物園からもらったライオンのフンを線路内にまいたが、目立った効果はなかった。また、JR湖西線では、高さ1・8メートルの柵を設置したが、跳び越えて進入したり、進入後に外に出られなくなってはねられたケースもあった。同社は「これまで線路に『入れない』『来させない』という方針でやってきたが、効果は今一つ。これだけ事故が集中したことは過去になく、対応を検討したい」と話している。
(サル目撃相次ぐ:富山)
13日朝から午後にかけ、富山市針原中町や町袋でサルを目撃したと、富山北署に通報が相次いだ。通報があったのは午前7時40分ごろ、午後2時ごろ、午後2時35分ごろの3回。同署が周辺を巡回したが見つからず、いずれも被害はない。
(市街地にサル、菜園荒らし去る:富山)
12日早朝と夕方、富山市新庄町と向新庄町でサルを目撃したと、それぞれ地元の男性から富山中央署に通報があった。富山市 ... ただ、夏が近づくと雄の若いサルが群れを離れて単独で行動し、河川沿いなどを移動して市街地に出てしまうケースもあるという。
(停電、カラスの巣作りで?:北海道)
15日午前1時55分ごろ、札幌市白石区東札幌の約650戸で停電があった。この影響で、同市白石区東札幌3の2のスーパー「ダイエー東札幌店」(3階建て)屋上の自家発電機が緊急作動。通行人が発電機の排ガスを火災の煙と見誤って119番通報したため、はしご車など15台が出動し、辺りは一時騒然となった。停電は同3時15分ごろに復旧した。北電札幌支店によると、停電の原因は付近の高圧線に引っかかった針金ハンガーとみられる。例年4~6月はカラスの繁殖期で、巣作りの材料のハンガーと電線の接触が原因とみられる停電も多く発生しており、同社がハンガーが引っかかっていた詳しい原因を調べている。現場は、市営地下鉄東西線東札幌駅付近で、マンション住民らが窓から不安そうに消防の活動を見守っていた。
(カラス感電が原因で電車運休:奈良)
13日午前6時40分ごろ、田原本町から王寺町にかけての近鉄田原本線西田原本-新王寺間で停電が発生し、上下23本が運休、約3千人に影響した。JRなどによる振り替え輸送を実施し、約2時間半後に運転を再開した。近鉄によると、カラスが架線上で感電したのが原因という。
(民家の屋根にアライグマ:京都)
外来種のアライグマが京都府宮津市小田の空き家の屋根に巣を作っているのを、府猟友会宮津支部のメンバーが発見し、10日と11日の2日間で、アライグマの子4匹を捕獲した。空き家の隣の住民が7日夜に「カエルでも鳥でもない、『キョッキョッ』という変な声が聞こえる」と、家の所有者に連絡した。所有者は10日に宮津市に通報。猟友会の会員が調べたところ、かやぶき屋根とトタン板の隙間に巣があり、体長約20センチのアライグマの子3匹を見つけた。11日にも1匹を捕まえた。市は「屋根に住み着くのは珍しい。獣害も多く、見つけた時は連絡を」と話している。
(クマ目撃、東北で異変?)
東北でクマの目撃情報が相次いでいる。6県全体では多発した2012年の同期の7割程度だが、仙台市は過去5年で最も多く、中心部の近くにも姿を見せた。東日本大震災の被災地では、沿岸部から内陸部に移転した住民がクマに驚いて通報が増えたケースもある。各県は被害に遭わないよう注意を呼び掛けている。東北に生息するクマは6県の推計で計1万頭近くに上る。各県がまとめた目撃通報は表の通り。秋田以外は前年同期より少ないが、平年比では6県とも同水準か、やや多い。仙台市は31件で前年比14件増となり、2009年以降で最も多い。西部の丘陵地にある住宅地を中心に、JR仙台駅から約2キロの青葉区霊屋下や、住宅街に囲まれた同区の水の森公園でも目撃された。短期間に通報が頻発した地域もあり、市は「同じクマが何度も目撃され、通報件数を押し上げた可能性がある」(環境都市推進課)とみている。震災の津波で甚大な被害を受けた岩手県大槌町では、沿岸部から山間地の仮設住宅に移った住民が見慣れないクマに驚き、通報するケースが続く。町農林水産課の担当者は「地元で『クマの通り道』と呼ばれる場所。昔からいる町民は農作物などに被害がない限り通報する習慣がなく、震災の影響で通報が増えたといえる」と指摘する。6県ではことし1~5月、クマに襲われ1人が死亡、12人がけがをした。福島県会津美里町では5月28日、山菜採りに出掛けた男性(78)が襲撃を受けたとみられ、遺体で見つかった。男性を捜索中の家族や町職員ら4人も重軽傷を負った。各県の担当者はクマを寄せ付けない対策として(1)クマの餌になる生ごみを放置しない(2)鈴やラジオなど音の出る物を携帯し自分の存在を知らせる(3)遭遇したら騒がず、そっと後ずさりする-などを挙げる。 クマの目撃が相次ぐ背景や必要な対策について、野生生物の生態に詳しい岩手大農学部の青井俊樹教授(野生動物管理学)に聞いた。(聞き手は報道部・相沢美紀子)-通報が頻繁に寄せられている。「クマは山の木の実が不作だった年の夏から秋にかけ、餌を求めて出没するのが一般的だった。この時期に目撃される原因は明確ではない」「東北は奥羽山系から連なる山林が市街地に接しており、仙台のような大都市でもクマが出て当然の環境だ。緑があればどこにでも現れると思った方がいい」-市街地に出没するのはなぜか。「本来は臆病な動物だが、猟の衰退で人間を恐れないクマが増えたことが一因だ。残飯や果樹などの味を覚えて繰り返し来たり、親離れして間もない雄が新たな生息地を求めたりしている」「生息数が増えた可能性も否めない。クマは肉や毛皮、胆のうなどの利用価値が高く、かつては猟で適度な数が捕獲されていた。行政機関は正しい生息数を調べ、増加分を捕獲し、適正数を維持する必要がある」-被害を防ぐための有効な対策は。「即効性のある対策はない。行政による捕獲はアマチュアのハンターに依存しているが、高齢化と銃規制の強化で減少の一途だ。担い手を養成し、野生動物を管理する専門家を市町村に配置する制度を早急に整備しないと、増え続ける野生動物に対処しきれなくなる」
(12年度県内、イノシシとシカの捕獲最多:栃木)
県内のイノシシとシカの捕獲数が2012年度、過去最多となったことが16日までに、県環境森林部の調べで分かった。イノシシは前年度比37・3%増の7893頭で、シカは45・8%増の3466頭。一方、12年度の野生鳥獣による農作物被害額は前年度比5・8%増の3億816万円と2年連続で増えた。県自然環境課は「エサのドングリなどが少なく、里に出る個体数が増え、捕獲の機会も増えた。ただ被害前にすべてが捕獲できる訳ではない」と説明している。これまでイノシシの捕獲数は09年度の6935頭、シカ捕獲数は00年度の3378頭が最も多かった。捕獲策を強化した市町では成果が出た。担当課内に対策係を設置した佐野市は、猟友会との連携が向上するなどし、イノシシ捕獲数は11年度の1227頭から12年度はほぼ倍の2272頭。日光市はシカ捕獲に報奨金を用意した結果、11年度の961頭から1892頭に倍増した。12年度のサル捕獲数は前年度比55・4%増の690頭。クマは31・4%増の71頭だった。農作物被害額は06年度の5億5354万円をピークに減少していたが、11年度から増加に転じた。
(食害でシカ72頭捕獲:群馬)
尾瀬でシカによる植物の食害が広がっている問題で、県は今年初めてシカの本格的駆除に乗りだし、五月末現在で七十二頭のシカを捕獲した。県は今秋に再度行う予定で「食害や踏み荒らし対策として実施した。本年度は百頭を目標にしたい」と話している。尾瀬では一九九〇年代半ばにシカが確認され、近年は尾瀬ケ原、尾瀬沼などで食害が本格化している。日光方面から尾瀬ケ原に向かう移動経路の東側ではすでに環境省が銃による捕獲を実施。二〇〇七年度から一二年度までの六年間で三百八十四頭を捕獲したが、被害は深刻化しており、地元から取り組み強化を求める声が上がっていた。県は四月に片品村、東京電力、尾瀬山小屋組合、尾瀬保護財団を構成員とする尾瀬地域生物多様性推進協議会を立ち上げ、地元の片品村猟友会に作業を委託した。同会はゴールデンウイーク中に日光から尾瀬ケ原へ向かうルート西側の二カ所で、くくりわな百五十個を設置。五月末にいったん捕獲を終えた。わなは直径十センチほどで、シカが踏むとバネがはずれてワイヤが締まる仕組みだという。県は捕獲を十一月ごろに再開し、尾瀬ケ原から日光方面に戻るシカを狙って、同じルートでくくりわなと銃を併用する計画だ。
(市に「いのしし課」:佐賀)
鳥獣被害防止特措法の施行から5年。2011年度は前年度より被害額が6%減少したが、抜本的な解決にはほど遠い。成果を上げている地域の「防ぎ、捕らえ、活かす」取り組みを紹介する。「昨年は増える年なんですけどね」。2012年の佐賀県武雄市のイノシシによる農作物(水稲、大豆)の被害額は310万円で、前年より減少した。果樹の表年はドングリやクリなどエサが多いため、翌年には子どもが多く生まれ、被害が拡大する。11年は表年だった。いのしし課の江口和義さんは「対策の成果ではあるけど、油断はできない」と気を引き締める。同市の水稲と大豆の被害額は、04年には2740万円にのぼった。その後、減少と増加を繰り返しながら徐々に下がり、11年は430万円。趨勢では、12年は1千万円ほどになる。武雄市では、狩猟のプロと関係者が一体となり、防除・すみ分け・捕獲による総合的な取り組みをしている。司令塔が、09年に発足した市の「いのしし課」だ。
(鳥獣被害に駆除実施隊:鳥取)
イノシシやシカなどの野生動物による農林業などへの被害に対し、鳥取市は、地元猟友会の会員ら約45人を「鳥獣被害対策実施隊」に任命し、駆除などの対策を強化する。有害鳥獣が市街地に現れたり、人命にかかわったりする場合に迅速に対応するのが目的。市は実施隊設置に関する条例案を6月定例市議会に提案している。可決されれば、7月1日に任命式を行う。市農業振興課によると、2007年に「鳥獣被害防止特別措置法」が成立し、自治体が実施隊を設置して駆除に乗り出せば、国は補助金を増やすなど活動支援を強化している。県内では、既に八頭町が町職員を隊員とする実施隊を設置しているが、民間の狩猟者で実施隊を組織するのは同市が初めてという。イノシシやシカなどによる同市での農林業被害額は昨年度が約1100万円で、捕獲頭数はイノシシが1530頭、シカが548頭。農作物の育成状況や気象条件によって年度ごとに被害額は上下するが、ここ数年は1000万円以上の水準で推移しているという。近年は農林業だけでなく、市街地にもイノシシなどが出没し、民家の庭を荒らすなどの被害も相次いでいる。昨年1年間に市に寄せられた市街地での被害の相談件数は79件。今年は12日現在で早くも50件の相談が寄せられており、昨年を上回るペースだ。市はこれまで、住民から被害の相談を受けると、地元猟友会の会員らに駆除を委託してきた。しかし、狩猟者を探すのに手間がかかるなどの課題があった。これに対し、実施隊は、市から依頼を受ければ迅速に出動し、猟銃やわななどで有害鳥獣の駆除にあたる。また、被害を受けた住民に対策を助言する。隊員は非常勤職員のため、出動回数に応じて手当を支給する方針。市は開会中の6月定例市議会に提案した2013年度6月補正予算案に、手当などの経費96万円を計上している。同課の担当者は「実施隊の設置で有害な動物に適切に対応し、被害を減らしていきたい」と話している。
(センサー式捕獲おりに期待、シカやイノシシ食害対策:京都)
京都府京丹波町の梅田地区で、シカやイノシシの食害対策として、センサー式の捕獲おりを用いる試みが始まった。自動で有害鳥獣を捕らえる新型の仕掛けに、地元住民は期待を寄せている。町は昨年度から、餌に寄ってきたシカを、遠隔操作で落とした網て捕獲する「ドロップネット」の実証実験を行っている。これまでに23頭を捕らえた。今回、新たな装置を試験導入して、効果を比べる考えだ。地元の梅田振興会の要望を受け、町がこのほど、鎌谷中の山に1基設置した。おりは4メートル四方で高さ2メートル。入り口付近にセンサーが取り付けられ、設定された頭数の侵入を感知すると自動的にゲートが閉じる仕組み。これまでにシカ1頭を捕獲した。また、餌や足跡の状況から、シカやイノシシがどの程度活動しているか検証している。梅田振興会の上田千明さん(63)は「1頭でも多く捕りたいが、焦ってはいけない。何度かやってみてじっくりとデータを取っていきたい」と話している。
(イノシシ捕獲へ、センサー式箱わな:和歌山)
学習能力が高く、警戒心の強いイノシシを効率的に捕獲しようと、和歌山県果樹試験場(有田川町)が、センサー式のスイッチを使った箱わなの開発に着手している。同時に嗜好(しこう)性の高い誘引餌も探している。試験場は「イノシシを確実に捕獲して、これ以上増やさないようにしたい」と話している。これまでの箱わなは、「ワイヤ式」や「回転式」といわれるスイッチ型で、機械的に扉を閉めていた。農業関係者から「わなに掛かりにくい」との声があって、調べたところ、スイッチ部分に触れずに出入りして餌を食べていることを確認した。試験場では、中途半端な方法で取り逃がして警戒心を強めないよう、センサー式で確実に捕獲することにした。また、センサーを使うことで、捕獲サイズを制限できることから、幼獣やタヌキなどが掛からないようにして、効率よく成獣を捕獲したいという。イノシシは年1回発情して4、5匹の子どもを産むため、増加率を抑えるには成獣を捕獲しないといけない。幼獣は5割ほどの生存率だが、幼獣だけ捕獲した場合、子どもを失った親イノシシが再度発情をして子どもを産む習性があり、効果が薄いと考えられる。捕獲用誘引餌は、トウモロコシが時季や個体に関係なく嗜好性が高く、砂糖を混ぜるとさらに高まった。今後も実験を続け、嗜好性の高い餌を開発する。県内のハンターの登録は、1985年に5927人いたが、高齢化や銃刀法改正で2011年には2100人まで減少。逆にわな・網免許は取得しやすいこともあり251人から1900人に増えている。植田栄仁主査研究員は「農家が自衛のためにわなを設置するケースが増えており、簡単で効率のよいわなを開発したい」と話している。
(駆除のシカ、菌で分解:北海道)
北海道興部町は生ごみの処分に使う土壌菌を組み合わせ、駆除したエゾシカを分解して処理する方法を開発した。農業被害が深刻で、年間約300頭を駆除しているが、処理の経費は3分の2ほどに削減できた。環境省は菌を使う方法は珍しいとしている。興部町によると、土壌菌を付着させた約30立方メートルの木材チップの中にシカの死骸を入れる。ショベルカーで1日1回かき混ぜると、体重約100キロのシカが3日ほどで骨も皮もなくなる。道内の4町村もこの方法を採用したほか、ニホンジカやイノシシの被害に悩む岐阜県下呂市も同様の処理施設を建設する方針だ。
(シカ肉ハンバーグ、臭み抑え軟らかく:北海道)
江差町内橋本町の「れすとらん津花館」が道南のエゾシカ肉を使ったハンバーグをメニューに取り入れた。臭みを抑え、食べやすいよう工夫し、料理長の打越修さん(60)は「江差の新たな人気メニューに育てたい」と張り切っている。新メニューは、カレーライスにシカ肉ハンバーグを載せた「カレー鹿肉ハンバーグ」と、定食形式で和風味の「おろし鹿肉ハンバーグ」の2種類で、どちらも950円。函館の卸会社からエゾシカ肉を調達した。エゾシカ独特の臭みを抑えるため、上ノ国産豚肉「フルーツポーク」を混ぜ合わせ、牛乳や卵を通常より多めに加えて軟らかい食感に仕上げた。近年、道南でもエゾシカの捕獲頭数は増えており、食材への活用が重要テーマとなっている。同店は「シカ肉の普及に貢献できれば」(打越さん)と、半年ほど前から試行錯誤してきた。できあがったシカ肉ハンバーグは、5月中旬からハンバーガー(290円)として試験的に同店や観光客が立ち寄る売店「ぷらっと江差」などで販売。好評だったため、店舗メニューにシカ肉ハンバーグを正式に加えることにした。打越さんは、ハンバーガーも引き続き製造販売する方針で、「ぜひ一度味わってみて」とPRしている。
(シカ肉ソーセージ販売へ:長野)
松川町大島で豚の飼育や肉の加工販売をしている「さんさんファーム」は今月下旬、狩猟や個体調整(駆除)で捕獲されたニホンジカの肉などを使った「鹿ソーセージ」の販売を始める。硬くて調理に向かないとされるすねや首などの肉を使うことでシカ肉の活用を進める。鹿ソーセージは、同社と茅野市のフランス料理店主、藤木徳彦さん(41)が共同で開発した。福祉施設の入居者の屋台販売用としてシカ肉ソーセージを作ってほしいとの依頼を受けた藤木さんが同ファームの専務、原実さん(44)に打診。かつて豚肉のソーセージを一緒に作った経験を生かして、4月中旬から開発してきた。シカ肉は、ジビエ(野生鳥獣肉)を扱う大鹿村内の会社などから仕入れた。シカ肉だけだとパサパサした食感になるため、同ファームが飼育する黒豚の肉や脂も使って食べやすくした。原さんは「商品を普及させて、シカを消費し、町内でも広がっているシカの食害を防ぎたい」と話している。

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