<射撃ニュース7月>

7/12
(クマがスイカ食い荒らす?:山形)
11日午前5時30分ごろ、尾花沢市五十沢のスイカ畑で、農作業に来た男性(65)がスイカ5個が食い荒らされているのを見つけ、市役所に届け出た。尾花沢署によると、歯形などからクマによる被害とみられる。
(親子グマ目撃:石川)
10日夜、小松市内の川で、親子のクマが目撃されました。その2日前にも周辺で、親子のクマが目撃されていて、警察が注意を呼びかけています。10日午後7時半ごろ、小松市五国寺町で親子のクマが川の水を飲んでいるのを、近くを通りがかった中学生が見つけ、学校を通じて、小松市役所に連絡しました。警察や猟友会では、11日朝、通学時間にあわせてパトロールを行いましたが、クマは見つかっていません。今月8日には、現場からおよそ4キロ離れた「憩いの森」でも、親子のクマが目撃されています。現場近くには、民家や中学校もあり、警察では、周辺の住民に注意を呼びかけています。

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7/11
(クマから児童守れ:長野)
ツキノワグマから児童を守ろう―と、伊那市の伊那西小学校と伊那西公民館は10日、近くにある飼料用トウモロコシ畑に電気柵を張った。畑は餌場になっており、熊の目撃情報が多い場所。通学路の安全確保と、食害防止を目的に本年度初めて実施した。同校によると、学校周辺での熊の目撃情報は2011年が約50件、昨年が約10件。信州大農学部(南箕輪村)の調査で飼料用トウモロコシ畑を餌場にしていることが判明。同校は昨夏から同大と協力して電気柵の設置を計画した。場所は通学路付近で出没頻度の高い、ますみケ丘の畑4カ所(約2万5000平方メートル)で、柵の総延長は1280メートル。PTAや地元酪農家、市、県上伊那地方事務所などから30人が参加し、高さ1メートルの支柱を畑の周りに立て、周囲を電気ワイヤーで覆った。小平廣幸校長(57)は「去年は親子の熊が学校の隣接地で目撃されている。子どもたちを守るため、引き続き対策に努めたい」と話した。同校ではこれまで児童に熊よけの鈴を持たせたり、出没が増える秋には下校の送迎をしたりと被害防止対策を実施。地域住民の協力で周辺の間伐なども行っている。
(イノシシ捕獲から販売まで:香川)
道の駅「源平の里 むれ」などを運営する四国にぎわいネットワーク(香川県高松市)が、県内に生息するイノシシの肉を使ったくん製など加工品の開発を進めている。地元の狩猟者や県外のイノシシ料理店と協力し、来年中に商品化する予定。イノシシによる農作物被害を減らすとともに、新たな地域ブランド食品に育てる考えだ。県内のイノシシによる農作物被害額は、1998年の3227万円から、2010年には1億4511万円と約5倍に急増。山に餌が少なくなり、畑を荒らすケースが増えた上、捕獲費用は狩猟者が負担する場合が多く、県内にはイノシシ肉の販路もほぼないため、駆除も進んでいないのが現状だ。イノシシ肉は低カロリーで、疲労回復効果のあるビタミンB群を多く含む高級食材。同社は、捕獲から食肉処理、加工、販売までの一連の仕組みを作れば、イノシシの頭数を調整しながら、新たな県産食肉にもなると考えた。イノシシの捕獲、処理は、さぬき市の狩猟者たちが、県の定めたイノシシ肉処理のガイドラインに沿って実施。風味を損なわないように、猟銃ではなくわなで捕獲し、新鮮なうちに処理する。商品開発は、兵庫県内でイノシシ料理を提供する飲食店も協力。製品は同社が運営する道の駅や高松市塩江町の奥の湯温泉で販売する予定。この計画は、地元の農林漁業者と中小企業が連携したビジネスモデルとして、かがわ産業支援財団の補助事業に選ばれた。同社の難波広孝常務は「まずはモデルを確立させる。被害に悩む他の地域にも参考にしてもらえればうれしい」としている。

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7/10
(クマを目撃、注意を呼び掛け:宮城)
9日午前7時半ごろ、仙台市青葉区郷六のJR仙山線線路付近で、クマ1頭が歩いているのを通勤中の男性が見つけ、仙台北署に通報した。北署によると、クマは体長約50センチ。近くに民家が点在しており、同署が注意を呼び掛けている。
(小学校の校庭にクマ出没:秋田)
9日午後6時10分ごろ、秋田市雄和戸賀沢の市立戸米川小の校庭にクマがいるのを近くに住む男性が目撃し、同校が秋田東署に通報した。秋田東署によると、クマは体長約1メートル。小学校南西側の山林から校庭に入り、再び山林に戻ったという。授業は終了して児童は既に下校しており、校内には教員だけ残っていた。同署はパトカーで警戒し、付近の住民に注意を呼び掛けている。
(野球場近くでクマ目撃:新潟)
加茂市は9日、同市長谷の七谷野球場近くの市道上で7日午後8時半ごろ、体長約1メートルのクマが目撃されたと発表した。市によると、通りがかった市内の男性が見かけ、加茂署に通報した。市は9日、市内全戸に文書を配布し、注意を呼び掛けた。
(クマ情報:富山)
9日午前8時10分ごろ、南砺市大鋸屋(城端)の国道304号で、子グマ1頭が道路を横切るのを車を運転していた男性が目撃し、市林政課へ通報した。子グマは道路東側の山中に入っていった。市城端行政センターが周辺住民に注意を促した。
(小学校でクマ講習会:長野)
大町市八坂小学校で9日、クマに遭遇した時の対処法講習があった。軽井沢町でクマ対策に取り組む専門家が、児童と保護者に鈴を持って人の存在を知らせるなど、まずは予防をすることと解説。万一遭遇したら首など急所をランドセルなどで守ると説明した。
(獣害対策へ町と農研機構協定:島根)
島根県美郷町は8日、獣害問題の解決に向け一緒に取り組みを進める協定を、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)近畿中国四国農業研究センター(福山市)と結んだ。田畑を荒らすイノシシ対策をはじめ肉や革の活用で地域おこしにつなげている町を研究、実践の場にして、成果を全国に発信する。協定はほかに、学術研究、人材育成、地域振興で連携すると定めている。町は旧邑智町時代の1999年から、同センターの大田研究拠点(大田市)と共同でイノシシに荒らされにくい田畑と周辺の環境づくりや、肉の活用を推進。2008年以降、年間500人以上の視察を受け入れている。この日、町内で調印式があり、景山良材町長と同センターの尾関秀樹所長が協定書に署名。イノシシ革の書類ケースに焼き印を押した。今後は、田畑を荒らす動物の住みかになっている竹林の整備や、広がりつつあるシカ害の対策も進める。

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7/9
(クレー射撃協会、基本財産4000万円の補填完了)
日本クレー射撃協会は8日、東京都内で総会を開き、2011年に前執行部が必要な手続きを経ずに取り崩した基本財産4000万円の補填(ほてん)手続きが完了したことが報告された。文部科学省から6月末までに穴埋めするよう改善命令を受けていた。加盟各都道府県協会からの寄付3000万円に加え、有志の寄付と理事の負担で補った。クレー射撃協会は前執行部に対する訴訟で、損害賠償を求めている。クレー射撃協会は役員人事をめぐる内紛で、09年に日本オリンピック委員会(JOC)から資格を停止され、交付金も凍結されている。JOCは選手強化費に限って、補助金支給再開を決定。クレー射撃協会は基本財産の補填が済んだため、交付金の全面的な支給を求めていく。
(クマ目撃:栃木)
8日午後2時45分ごろ、那須塩原市板室で、車で通行中の男性がクマ1頭を目撃し、110番した。那須塩原署によると、現場は板室温泉から南東へ3キロほどの区域で、付近にはキャンプ場があるという。クマは体長約1.5メートル。道路西側の山林にいるところを目撃された。同署などが警戒している。
(クマ目撃:栃木)
日光署によると、8日午後3時ごろ、日光市湯元で、国道120号を横断するクマ2頭を通りかかった観光客が目撃した。現場は湯元温泉街入り口のY字路付近。クマはいずれも体長約1・5メートルで、西から東(湯ノ湖側から山側)に道路を横断したという。同署はパトロールを強化する一方、関係機関と連携し、警戒を呼び掛けている。
(民家近くでクマ目撃:新潟)
8日午前9時ごろ、五泉市水戸野の採石場に向かう取り付け道路で、クマ1頭が横切るのをダンプカー運転手の男性が目撃し、五泉署に通報した。同署によると、クマは体長約1メートル。現場は民家まで約300メートルで、同署や市が注意を呼び掛けている。
(シカ対策で樹木ガード:徳島)
剣山系で拡大するニホンジカの食害対策を検討する「剣山地域ニホンジカ被害対策協議会」が8日、美馬市脇町の県西部総合県民局美馬庁舎で開かれ、今年度の取り組みなどを決めた。各団体の調査報告などに続いて、今年度の取り組みとして、10月頃に登山道沿いで被害が目立つところに「樹木ガード」を設置することや、捕獲に関する技術研修会を開くことなどを決めた。また、県勤労者山岳連盟から、10、11月を「防除強化月間」に定めることや、目撃情報の報告書類の統一化などが提案された。国の2012年度の剣山系での生息調査では、1平方キロ・メートルあたり4・02頭で、08年度の調査より3・2頭減っていたが、県の担当者は「調査点によって数字が違うので、それほど減ったと言えないのでは」と分析。出席者からも「あまり減っていない」という意見が出された。

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7/8
(新幹線、クマと衝突:山形)
5日午後7時ごろ、山形県米沢市のJR奥羽線板谷-赤岩間で、新庄発東京行きの山形新幹線つばさ156号がクマと衝突し、緊急停止した。約10分後に運転を再開、乗客約230人と乗務員にけがはなかった。事故の影響で、新幹線や普通列車の上下計7本が最大43分遅れた。JR東日本によると、運転士が線路を横切るクマを見てブレーキをかけたが、間に合わなかった。運転士らが付近を捜索したがクマは見つかっていない。
(目撃相次ぐ:山形)
小国町白子沢で6日午前、クマの目撃が2件続いた。体長はいずれも約60センチで、子グマとみられる。目撃場所が約200メートルしか離れていないことから、小国署は同一のクマの可能性もあるとみて、注意を呼びかけている。同署の発表によると、同9時55分頃、同所の町道を歩いているクマを、車を運転していた同町の会社員男性(43)が目撃。クマは東の山林へ入った。約35分後には、北東へ約200メートル離れた林道上でも、車を運転中の同町の無職女性(69)がクマを見つけた。
(中学校近くにクマ:栃木)
5日午後5時半ごろ、那須町高久丙の別荘地で雑木林を歩くクマ1頭が目撃された。現場は那須中から北東に約700メートルの付近。那須塩原署によると、体長約1メートル。別荘地を散歩中の住民が発見し、同署に通報した。同署は注意を呼び掛けている。
(クマ目撃:栃木)
6日午前6時35分ごろ、那須町湯本の別荘地でクマが道路を横切るクマ1頭が目撃された。現場は那須小の北東約700メートル付近。那須塩原署によると、体長約1メートル。別荘地を通行中の住民が目撃し、同署に通報した。同署は注意を呼び掛けている。
(民家近くでクマ1頭目撃:新潟)
7日午後5時すぎ、胎内市熱田坂の県道でクマ1頭を目撃したと、車で通り掛かった女性が消防を通じて胎内署に通報した。同署によると、クマの体長は約130センチ。現場付近には胎内スキー場があり、目撃された地点から約20メートル離れた場所には民家がある。
(民家近くでクマ目撃:新潟)
5日午後1時半前、阿賀町細越の県道で、体長約1メートルのクマ1頭を目撃したと、ダンプカーで通りかかった男性が津川署の駐在所に通報した。同署によると、クマは県道を横断し、山の中に入っていったという。目撃された場所から民家までは約300メートルで、同署は注意を呼び掛けている。
(クマの足跡?:大分)
豊後大野市緒方町の祖母・傾山系の麓で6月、同町の自営業、文藤恭一さん(54)がクマらしき動物の足跡を見つけ、写真に収めた。九州のクマ(ツキノワグマ)は絶滅したとされているが、この知らせを受け、研究者などでつくる民間組織「日本クマネットワーク」(JBN)は1、2日に現地入りし、現場周辺にカメラを設置、調査を始めた。文藤さんによると、6月21日午後4時ごろ、有害鳥獣駆除のため同町内の山中を歩いていたところ、クマらしき動物と遭遇。低く大きなうなり声が4度聞こえた後、山道の約70メートル先に、4本足で歩く黒い動物が茂みの中に入っていくのを目撃した。動物のそばにあったツバキの木の高さから、体高は約1メートル20センチ。普段からシカやイノシシ、カモシカといった動物は見慣れており、「クマだ」と思い、後を追ったが逃げられた。翌日、目撃現場周辺を訪れたところ、道に残ったわだちの中に約15センチの足跡が二つあり、デジタルカメラで撮影したという。その後の雨で足跡は消えている。祖母・傾山系では昨年6~10月、JBNが登山客のクマ目撃情報に基づき山中に約50台のカメラを設置した。しかしクマらしき動物は映っておらず、足跡などの痕跡も見つからなかった。今回の目撃現場は調査範囲の外。JBNは今回、現場付近に9台、さらに周辺に21台の赤外線センサー付きカメラを取り付け、秋まで撮影を続ける。JBNの山崎晃司・茨城県自然博物館首席学芸員は「写真はピントが合っておらず不鮮明だが、指や爪が確認できる。アナグマのものに似ているが、足跡の大きさの証言が正しいならクマの可能性がある」と話している。クマの目撃情報はほぼ毎年、周辺自治体などに寄せられているが、生息を裏付ける証拠は見つかっていない。大分、熊本、宮崎3県は2001年までに野生種の絶滅を認定。国も昨年8月に絶滅を認めた。文献では、昭和初期ごろまで大分、宮崎両県側で野生のクマが捕獲されていたと記録されている。
(クマ情報:富山)
6日午前5時ごろ、砺波市正権寺の国道359号で、クマが道路を横切ったと車で通り掛かった男性が110番した。現場は富山市婦中町地域との境に近い山間部で、付近に集落がある。市が住民に注意を呼び掛けている。
(増える野犬、湖でエゾシカ襲う:北海道)
北海道根室市の風蓮湖でエゾシカを襲う野犬3匹――。湖畔でレストランを経営する川村秋男さん(58)がカメラでとらえた。撮影したのは先月下旬の早朝。野犬のうち1匹は首輪をつけていて、川村さんが大声を上げると気にするそぶりを見せるなど、元は飼い犬だったとみられる。爆竹を鳴らすと犬は逃げたが、シカは首や背中から血を流していて「おそらく助からなかっただろう」という。川村さんによれば、同様の光景をこの冬から何度か目にしているという。「駆除のためにハンターが仕留めたシカの死体も100%は回収できない。エサがあるので野犬も増えている。人への危害も心配だ」と話す。連絡を受けた市は1日、野犬駆除の対策会議を開き、箱わなの設置や注意喚起の広報をすることなどを決めた。

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7/5
(住宅近くでクマ:新潟)
5日午前7時半すぎ、糸魚川市青海の市道をクマが歩いているのを住民が目撃、市を通じて糸魚川署に通報した。同署によると、目撃された個体は体長約60センチ。子グマとみられる。現場は住宅まで約50メートルで、同署と市が注意を呼び掛けている。
(クマ情報:富山)
4日午後6時15分ごろ、小矢部市安楽寺の国道471号をクマが横切り、山に向かって進んだと、通り掛かった男性が小矢部署に通報した。市によると、クマは体長1メートル程度の成獣とみられる。現場から西へ約200メートルに集落があり、市が住民に注意を呼び掛けている。
(クマ、小学校から1.5キロ:栃木)
4日午後3時ごろ、那須塩原市横林の雑木林でクマ1頭が目撃された。現場は横林小の北、約1.5キロの区域。那須塩原署によると、クマは体長約1メートル。散歩中の人が発見し、同署に通報した。同署などが警戒している。
(個体数減狙いサル捕獲:神奈川)
イノシシなどの野生動物による農作物被害の増加を受け、小田原市は対策を強化する。従来の追い払いに加えてニホンザルの個体数を減らす捕獲に乗り出し、イノシシ用わなの免許取得試験を秋から開催する。市環境保護課は「野生動物との共生を目指したいが、農業を諦めてしまうほど被害は深刻」と説明している。県と市の調査によると、市内の農作物被害の実態はこうだ。2012年度の被害額は、サル約180万円(被害面積約0・5ヘクタール)、イノシシ約1800万円(同約12・6ヘクタール)、ハクビシン約610万円(同約2・9ヘクタール)。11年度はサル約220万円(同約1・6ヘクタール)、イノシシ約630万円(同約5・4ヘクタール)、ハクビシン約150万円(同約1・4ヘクタール)。サル以外はこの1年で3~4倍の急増ぶり。サルの場合、農作物の食い荒らし以外の被害もある。12年度は市街地に出没しての威嚇が216件、車のドアミラーなど屋外の物品損傷59件、民家侵入6件など。児童1人が体を触られる被害も初めてあった。これらの件数は11年度に比べて2倍超になった。こうした野生動物による被害は申告による集計で、申告しないケースを含めて「実態はもっと多い」と関係者は口をそろえる。従来の対策は電動エアガンや花火を使った人里からの追い払い。市は地元猟友会に365日体制で委託。JAの組合員は9地域で独自の追い払い隊を組織している。しかし、群れは山中に戻っておらず、いたちごっこの面もあり効果には限界があるという。そこで市は風祭と板橋、箱根町湯本、南足柄市南部が行動域のサルの群れ「S群」(22頭)に対し、「人を恐れずに行為は極めて悪質」な雄3頭を特定、県の捕獲許可を得て箱わなを6月に設置した。また、根府川や江之浦、湯河原町などで生息するH群(45頭)は、農園のミカンを食べて個体数が増えたため、群れの全体数を減らすことを目的にした初の捕獲に近く踏み切る。一方、農地に侵入するイノシシは、市が許可して12年度に100頭を捕獲した。年間2頭ほど子を産み繁殖力は高く、ハンターの確保難もあって銃器による捕獲が追い付かないのが現状だ。市は、農家の自衛策としてわなを積極的に利用してもらおうと、免許取得試験を9月から市内でも開催できるようにした。市内では大がかりな防護柵の設置はまだ少なく、餌となる廃棄農作物や隠れ場所になる茂みなどの誘引環境の除去も引き続き呼び掛けていく。外来種のハクビシンも市街地を含めてほぼ市内全域で生息。ここ数年は100頭前後を小型のわなで捕獲しているが、「農作業小屋が出産場所になっている」(市農政課)ことなどから、増加傾向という。農家の高齢化や後継者不足で増える耕作放棄地が、野生動物を人里に近づける一因になってきた。農作物被害の拡大がさらなる耕作放棄地を生み出す悪循環に陥る懸念も、関係者の間に高まっている。保護一辺倒から人と野生動物の「緊張感ある共生」のかたちをどうつくっていくのか、地域全体の取り組みが問われている。
(ニホンザルの群れの位置情報:神奈川)
厚木市のHPにニホンザルの群れの位置情報が出ている。厚木市内にはニホンザルの群れが3つあるという。鳶尾群、経ヶ岳群、煤ケ谷群。農業振興課が管轄し、平日夕方追い払い隊員がサルたちの動向を報告しているとのこと。そういえば、荻野のゴルフ場でおサルのファミリーに遭遇したことがある。こちらが狙うグリーン上にズラリ親子総勢8匹。「どうせ乗ってこないだろう」と言わんばかりに動きもしない。やっとこちらがグリーンに辿り着くと、グリーンの周りに並んで、カップインを見守ってくれた。あのサル達はどの群れなのかな。それにしても市役所の方も大変ですね!見ざる聞かざる言わざる、とはいきませんから。
(有害獣の駆除の促進と有効活用:静岡)
「200グラム足りなかった」。イズシカ問屋(食肉加工センター)に、くくりわなで捕獲したシカを運び込んだ岡崎公三さん(73)は苦笑い。獲物は54.8キロのメス。イズシカ問屋では30キロ以上のシカとイノシシを有料で引き取るが40キロ未満が8千円、55キロ未満が1万円、55キロ以上が1万4千円だ。このほか、市から有害獣捕獲補助として1頭7千円が支給される。40年間猟を続け、2011年には150頭捕獲したという岡崎さんは、「今年は個体が減ってる」と話す。イズシカ問屋は、有害獣の駆除の促進と有効活用を目的に2011年4月にオープンした市営の施設だ。年間を通して1日に3~4頭のシカやイノシシが持ち込まれる。年間800頭の処理能力があり、昨年度は約750頭処理した。8割がシカだ。とめ刺し後放血処理してシートにくるみ、傷をつけずに4時間以内に持ち込むのがルール。職員の手で手際よく計量、傷などの確認をしたあと、あっという間に解体されていく。内蔵を取り除き、皮はぎして殺菌力の強い電解水で洗浄。冷蔵室で1週間熟成したあとで筋などを取り除き、ロース、モモなどの部位ごとに分ける。解凍後も、ドリップ(汁)が出にくいよう液体急速冷凍。さらに、銃弾の有無を金属探知機でチェックして出荷となる。少しでも銃弾の破片が残っていると、その個体全体を廃棄する。

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7/4
(クマ、トラックにはねられて即死:山形)
1日午後9時半ごろ、上山市川口の国道13号で、国道を横切っていた熊が北進中の大型トラックにはねられた。熊は即死。男性運転手(38)にけがは無かったが、トラックの前部が壊れた。上山署によると、熊は体長約70センチ。西から東に向けて国道を横切っていた。同署はパトカーを出動させ、付近住民に警戒を呼び掛けた。
(クマ民家に出没、捕獲し山に放す:山形)
26日午後3時ごろ、天童市上荻野戸、農業、奥山清さん(55)から「自宅軒下に子熊がいる」と天童署に通報があった。同署員や市職員、猟友会メンバー約20人が駆け付け、約1時間後にプラスチック製の果樹用コンテナを使って体長約50センチの子熊を敷地内で捕獲。近くの山に放した。けが人はいなかった。奥山さんは「蔵と母屋をつなぐ袋小路に追い込んだ。小さくて可愛かった」と苦笑い。近くに住む私立高3年の奥山志穂さん(17)は「捕まった時は鳴いていた」と話した。県みどり自然課によると、今年の目撃件数(16日現在)は69件。例年よりやや多いものの、前年同期に比べて85件少ない。同課は「熊を目撃したら警察か市町村へすぐに通報を」と呼び掛けている。
(高校でクマ目撃:青森)
県内ではクマの目撃情報が相次いでいる。大間町では3日連続でクマが目撃され町や警察が注意を呼びかけている。3日午前10時ごろ大間町の下手浜漁港付近で体長1メートルのクマが目撃された。大間町では7月に入ってからクマの目撃情報が6件となっている。
(尾瀬のミズバショウ、今年は「数えるほど」)
群馬、福島、栃木、新潟4県にまたがる尾瀬国立公園で、ニホンジカによる食害が深刻になっている。群馬県片品村の大清水湿原では、2万株はあったというミズバショウが、今年は「数えるほど」。環境省は、特別保護地区の尾瀬ヶ原に被害が拡大しないよう、捕獲活動を試験的に行う。福島県も、ニッコウキスゲが咲く今月から、夜間に水鉄砲やライトで威嚇したりする対策に乗り出した。尾瀬ヶ原や尾瀬沼の南に位置する大清水湿原(約2万平方メートル)。特別保護地区の外側で、標高が低いため開花時期が早く、車で近くまで行けるため人気だ。同公園の約4割を管理する東京パワーテクノロジー(旧尾瀬林業)によると、2~3年前からシカの食害が出始め、昨春はミズバショウの花や茎などが軒並み食われるなどした。山小屋経営者らの団体が湿原をネットで囲む対策を講じたものの、ミズバショウは今季も回復していないという。ニッコウキスゲの食害も深刻だ。福島県などによると、尾瀬での見頃は例年7月下旬で、特別保護地区の大江湿原では、黄色のじゅうたんを敷き詰めたような絶景となる。だが、昨季は「咲いている花を探す方が難しい状況」(県自然保護課)。シカが花を食い散らかした形跡が至るところに見られたという。環境省関東地方環境事務所(さいたま市)によると、尾瀬でシカが目撃され始めたのは1990年代半ば。ニッコウキスゲなどの食害が深刻化したため、同省が2006年、シカの首に発信器を付けて調べたところ、栃木県方面で越冬したシカが春から秋にかけて尾瀬で過ごすことが判明した。環境省は、昨年の深刻な食害を受け、ワナによる捕獲の実施地区を拡大する方針だ。今夏から群馬県側の尾瀬ヶ原にもワナを設置する。車が入れない尾瀬ヶ原での捕獲は手間もコストもかかるが、担当者は「被害を拡大させるわけにはいかない」と話す。福島県は今月から、大江湿原などで夜間パトロールに乗り出している。地元町村と協力し、1か月程度、職員が2人1組で場所や時間を変えて警戒する。予算不足の中、レーザーポインターや照度の高い懐中電灯で照らしたり、強力な水鉄砲を発射したりする作戦。シカの嫌がる臭いを発する固形の薬剤を木道の下に隠すことも検討中だ。秋には、地元猟友会と協力し、ネットに追い込んで捕獲する方法も試行する。県南会津地方振興局の担当者は「シカは頭が良く、効果的な方法でも繰り返すと避けるようになる。時間も場所もランダムにするしかない。思いつく限りの手段を取る」と話した。
(生息密度高まるニホンジカ:長野)
「総延長は174.5キロです」。農林業に被害を出しているニホンジカ。県諏訪地方事務所の担当者は、鹿を中心とした野生獣から農林地を守る柵が、3月末時点でこんな規模になったと説明した。中央道の起点、東京・高井戸から諏訪インターチェンジ間に相当する距離で、被害の深刻さを物語る。諏訪地方の野生鳥獣による農林業被害額は年間1億円前後で推移し、7~8割を鹿が占める。農家の自衛策と捕獲の強化で右肩上がりに歯止めは掛かったが、鹿の生息密度について、諏訪猟友会役員からは「一時より群れの規模が小さくなった」との証言がある一方、「数が減ったという実感はない」との声も聞かれる。竹内清会長(65)=下諏訪町=は、ハンターの減少や牧草地の造成、かつての狩猟制限など、複合的要因で生息数が急増したと指摘。そのうちの一つに、暖冬と積雪の減少で自然淘汰(自然死)がなくなったことを加え、「数を減らすのも人間だが、数を増やしたのも人間」と話す。鹿は10~11月に交尾し、6月ごろに子を産む。2歳から出産を始めるほか、妊娠率が良く繁殖能力は高い。諏訪市に住み、県鳥獣保護員を長年務めた故三村宏司さんはかつて、鹿は環境に対する順応性が高く、温暖化で早熟化が進んだとの見方を示した。食害やふん害、踏み荒らし…。八ケ岳連峰や霧ケ峰高原の自然環境、貴重な植物にもその影響が及び、「数字としては表れない被害」(同事務所)も深刻化する。猟友会副会長の一人で、狩猟歴35年の関島荘司さん(70)=諏訪市=は「駆除活動が困難な高地を避暑地、安全地帯として利用している」。信大農学部の泉山茂之教授は「駆除に合わせて行動を変える。鹿の能力以上の対策をしていかなければならない」と強調する。 牧草など「栄養価の高いモノ」(竹内会長)を得て繁殖速度を早めた鹿に対し、猟友会員は290人と「横ばいを維持するのがやっと」。7割近くが60歳以上と高齢化も進む。わな猟免許の新規取得が増えたものの、長崎・佐世保の散弾銃乱射事件を受けた法改正で猟銃所持に関する検査が厳格化されたのを機に、”離猟”を選択した人たちも相当数いるとみる。安全狩猟と法令順守の大切さを説き、担い手確保や効率的捕獲に向けて知恵を絞る行政の努力も認めた上で、猟友会関係者が言う。「駆除の促進、銃規制の強化と真逆の対応が取られている。いまの状況だと先にバテるのは間違いなく人間だ。近い将来、猟友会は絶滅危惧団体になる」
(捕獲目標シカ1000頭:長野)
茅野市鳥獣被害対策協議会(会長・柳平千代一市長)は28日夜、市役所で総会を開いた。行政や農業、観光、狩猟関係者ら約40人が参加。2013年度の有害鳥獣捕獲目標を市側が説明し、ニホンジカを1000頭(前年度目標600頭)、イノシシを30頭(前年同数)それぞれ捕獲することを了承した。12年度の農作物被害は、被害面積21.46ヘクタール(前年度比2.19ヘクタール減)、被害量171トン(同32トン減)、被害金額3500万円(同510万円減)だった。鹿の捕獲実績は、前年度の325頭を大幅に上回る809頭(うち雌499頭)に達した。イノシシは8頭だった。捕獲実績のうち、市が昨年7月に設置した「鳥獣被害対策実施隊」の捕獲数が496頭に上り、銃器の狩猟期間前後に「くくりわな」を使って出猟して成果を上げた。総会で諏訪猟友会茅野支部は「鹿が減ったと話題になっている。群れが少なく、妊娠しているメスも少ない。狩猟の効果だと思う」と指摘した。今年度は、実施隊が鹿700頭、猟友会が300頭を捕獲する計画。28日現在の捕獲頭数は278頭で、1カ月90頭の目標を上回っているという。総会では鹿の減少が話題になった半面、「イノシシのぬた場のように、鹿が集まる場所がある」(県諏訪地方事務所)との報告もあった。市農林課は「鹿の頭数は実際のところ分からない。絶滅を心配する時もある。鹿と人間が共存できる道を探っていきたい」と話している。
(「シカ肉認証制度」新設へ:長野)
長野県や長野県調理師会などでつくる信州ジビエ研究会は、シカ肉の安全・安心を打ち出すための「信州産シカ肉認証制度」を設ける。県内の獣肉処理施設を研究会が認証し、シカ肉の信頼性を担保する。シカによる農作物への被害が深刻な中、シカ肉の流通・消費が進めば地元にとって一石二鳥となる。シカ肉の信頼性を向上させて普及につなげる。月内に信州大農学部の竹田謙一准教授ら学識経験者などによる認証基準の検討委員会を発足、基準を詰めていく。2007年に県が策定した自主基準「信州ジビエ衛生管理ガイドライン」などに沿ってチェック項目を選定する。認証施設となるためには、銃弾の破片などが体内に残っていないかチェックするために金属探知機の設置も必要になる見通しだ。施設に持ち込まれたシカには個体識別番号を付け、捕獲日、捕獲場所、解体日などがわかるようにする。認証の対象施設を公募し、11月までには第1号を認証したい考え。県内には現在、17のシカ肉などの獣肉処理施設がある。食品衛生法に基づいて食肉処理業などの許可を得ているが「それだけでは基準が緩く、もうちょっと厳しくしないと取り扱えないとの声が流通業者から寄せられていた」(県野生鳥獣対策室)。北海道では07年からエゾシカ協会による「エゾシカ肉認証制度」が始まっており、13施設が認証を受けている。こうした先例を踏まえ、長野県も制度作りに踏み出す。県のまとめによると、11年度の食肉としてのシカ処理頭数は1484頭、生産量は14.2トン。5年前に比べればそれぞれ約2倍に伸びているが、捕獲されたシカ(11年度に2万7000頭)の1割にも満たない。シカによる農作物の被害額は防護柵などで少し減ったものの、11年度で5億円強となお深刻で、食肉としての活用が期待されている。
(シカ肉ソーセージでホットドッグ:長野)
阿智村の地域おこしグループ「南信州もったいないプロジェクト」が、有害鳥獣駆除目的で捕獲されたシカ肉を原料にソーセージを作った。三日には、ソーセージの流通拡大を狙った「あちホットドッグ」の試食会が、村商工会館で開かれた。同プロジェクトは、昨年六月に使用が始まった村ジビエ加工施設に大量のシカ肉が冷凍保存されていることを知り、県の地域発元気づくり支援金も受けてソーセージの製作に励み、オリジナルの「アチ・ソーシス」が出来上がった。単品販売のほかにも販路を広げようと、村内のパン屋さんなどに協力してもらい、村産の野菜やケチャップにこだわったホットドッグを作ってもらった。試食会には「耕紡工房」と「キッチンストーブ」の二店からホットドッグ商品が運び込まれ、店のこだわり紹介の後、参加者が次々にほおばった。どちらの商品も「パンとソーセージの食感がマッチしておいしい」「野菜もたっぷりでヘルシー」と高い評価を受けていた。ホットドッグは二店のほか、福祉施設「夢のつばさ」でも商品化される予定。プロジェクト代表の小池昇治さんは「ソーセージは学校給食に提供するなどして、地産地消や食育にもいかしていきたい」と話した。村内のシカ捕獲頭数は二〇一〇年度九十頭、一一年度百六十九頭、一二年度二百三頭と増えている。

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(遺体とともに6丁の銃、そして実弾など数百発:大阪)
大阪市都島区のマンションの一室で、住民とみられる男性会社員(31)の遺体が拳銃とともに見つかった事件で、都島署が現場から新たに5丁の銃らしきものや、実弾など数百発を押収していたことがわかった。同署によると、拳銃やライフルのようなもので、同署は、銃刀法違反などの疑いがあるとみて、鑑定を進めている。遺体の見つかった現場はドアや窓が施錠され、室内に争った跡もないことから、同署は自殺とみている。
(サル駆除で誤射:新潟)
28日午前9時40分ごろ、新潟県阿賀町八ツ田の山林で、猟銃でサルを駆除していた同町臨時職員、石川智之さん(26)の頭などに、同行の男性(63)が誤射した散弾銃の弾が当たり、けがをした。命に別条はないとみられる。津川署によると、男性は「やぶから、がさがさと音がしたので撃ったら当たってしまった」と話している。午前9時ごろから、2人で駆除活動をしていた。誤射当時、約20メートル離れていた。阿賀町によると、5月下旬からサルに農作物を荒らされる被害が相次ぎ、今月10日、駆除のため石川さんを採用した。誤射した男性は猟友会のメンバーで、石川さんと同様に町の臨時職員。
(県射撃場、来月3日から再開:千葉)
県自然保護課は27日、県射撃場(市原市)を7月3日から再開すると発表した。騒音対策として進めてきた防音改修工事が完了したためで、2001年の閉鎖以来12年ぶり。同課は射撃技術向上の場を提供することで、有害鳥獣による被害防止につなげたい考えだ。同射撃場は騒音に加え、市内の水質調査で環境基準値を超える鉛が検出されたため、閉鎖された。県は飛散した鉛散弾600トン(推定)のうち471トンを除去している。
(特定外来生物のシカ無許可飼育:千葉)
特定外来生物の「ダマシカ」を国の許可を受けずに飼育したとして、警視庁生活環境課などは26日までに、特定外来生物法違反容疑で、観光施設「ダチョウ王国」(千葉県袖ケ浦市など)の運営会社社長、矢口宗平容疑者(35)=茨城県つくば市=ら男2人を逮捕し、社員の男女2人と法人としての同社を書類送検した。同課によると、「ダマシカという名前も知らず、許可が要るとは知らなかった」と話している。ダチョウ王国は、ダチョウやアルパカ、ウサギなどの動物に餌をやったり触ったりできる牧場で、袖ケ浦市と茨城県石岡市にある。多いときで21頭のダマシカを飼っていたという。
(中学校のグラウンド脇にクマ:山形)
クマは姿を消したが、同校は放課後の部活動を中止し、生徒を集団下校させた。グラウンドと土手の間にフェンスなどはなかった。南陽署の発表によると、クマは体長約1メートル50で成獣とみられる。同校によると、目撃されたのは2限目で、期末テストのため生徒全員が教室内にいた。目撃した教諭は「試験監督中に2階から窓の外を見ると、クマがいたので驚いた」と話していた。
(学校近くでクマ目撃相次ぐ:青森)
県内は1日もむつ市の大湊中学校や大湊高校近くでクマの目撃が相次ぎ警察などが注意を呼びかけている。専門家は雨不足でえさとなる山の実が少ないことが要因ではないかと指摘している。
(乗用車がクマと接触:山形)
27日午後1時15分頃、尾花沢市延沢の市道で、57歳の男性が運転する乗用車に道路脇の林からクマが現れ、車両の右側に接触した。クマは体長1メートルほどの成獣と見られており、乗用車と接触した後、再び林の中に逃げたという。男性にけがはなかった。
(空港近くでクマ目撃相次ぐ:北海道)
30日午前7時15分ごろ、苫小牧市美沢の新千歳空港滑走路南側の空港敷地外で、クマ2頭が歩いているのを、空港警備員が目撃し、苫小牧署に届け出た。同日午後7時5分ごろにも、付近で運転中の男性がクマ1頭を目撃した。同署や国土交通省新千歳空港事務所によると、朝目撃されたクマは空港敷地を囲うフェンスから約100メートルほど離れた草地にいた。夜は、そこから西側方向へやや離れた道道上を横断していたのを目撃された。同事務所によると、フェンスがあるため空港敷地内にクマが侵入する可能性は低いという。
(普通列車とクマが衝突:北海道)
25日午後8時15分ごろ、日高管内様似町のJR日高線西様似―鵜苫(うとま)間で、様似発静内行き普通列車(1両編成、乗客2人)がクマと衝突した。運転士や乗客にけがはなかった。JR北海道によると、列車は現場を8分遅れて出発した。現場でクマが見つからなかったため、苫小牧発様似行きの普通列車も本桐駅(日高管内新ひだか町)で停止させ、乗客4人をタクシーで代行輸送した。
(クマ目撃、ハイキングコース近く:栃木)
29日午前11時20分ごろ、日光市中宮祠の西ノ湖バス停付近でクマの目撃情報があった。被害はなかった。日光署が発表した。同署によると、低公害バスの乗客が併走するクマ1頭を目撃したという連絡が、日光自然博物館にあった。現場付近はバス停があるほか、ハイキングコースとなっており、同署などが警戒している。
(クマ目撃:栃木)
那須塩原署によると、27日午後7時半ごろ、那須塩原市木綿畑で、クマが道路を横切るのを車で通りかかった通行人が目撃し、通報した。クマは体長約1メートル。現場は、矢板那須線の塩那橋より北方500メートルの路上という。
(道路横切るクマ:栃木)
日光署によると、27日午後4時50分ごろ、日光市所野で、体長50~60センチのクマが道路を横切って林に入っていくのを付近の住民が目撃した。現場付近はペンションや住宅が点在する地域で、同署はパトロールを強化する一方、関係機関と連携して警戒を呼び掛けている。
(田んぼでクマ目撃:栃木)
矢板署によると、27日午後4時50分ごろ、塩谷町船生の田んぼで、体長約60センチのクマを通行人が見つけ、申告した。同署によると、通行人は黒色のクマが北に向かって歩いているのを目撃した。現場は民家南方の田んぼ内という。
(クマ情報:富山)
29日午前4時45分ごろ、高岡市福岡町大滝の国道8号で、道路を横切るクマのような動物1頭をトラックの運転手が目撃し、高岡署福岡町交番に届け出た。高岡署から連絡を受けた市は周辺の自治会や学校に注意を呼び掛けた。市は7月1日まで現場周辺のパトロールを続ける。
(クマ情報:富山)
27日午後6時10分ごろ、魚津市湯上の新川スーパー農道・新川宮津橋付近で、体長約1メートルのクマ1頭が海側から山側に道路を横断するのを、車で通り掛かった女性が見つけ、魚津署に連絡した。同署は周辺をパトロールし、住民に注意を呼び掛けている。
(クマ情報:富山)
26日午後4時ごろ、富山市八尾町上笹原の畑で、住民がクマの成獣のものとみられる足跡を見つけ、八尾総合行政センターに通報した。市職員と地元猟友会員が付近をパトロールし注意を呼び掛けた。農作物などへの被害はなかった。
(クマ情報:富山)
26日午後5時半ごろ、富山市八尾町東原の国道471号沿いで、クマの親子がクワの木に登っているのを近くの住民が見つけ27日午前、市八尾総合行政センターに通報した。約1キロ離れた同町西ヶ原でもクワの実を食べた痕跡があり、ふんも見つかった。市職員や猟友会が周辺をパトロールし、住民に注意を呼び掛けた。
(クマ1頭目撃:新潟)
27日午後7時半前、阿賀町津川の磐越自動車道に近い町道付近で、体長約1メートルのクマ1頭を目撃したと、車で通りかかった男性が津川署に通報した。同署によると、クマは津川インターチェンジ方面へ逃げたという。目撃された付近には、津川B&G海洋センター体育館があるため、同署は注意を呼び掛けている。
(釧路市内でシカ2頭迷走:北海道)
29日午後4時20分ごろ、釧路市暁町の釧路養護学校のグラウンド内にシカが2頭迷い込んでいる、と釧路署に通報があった。警察官が現場に行くと山林から来たとみられる2頭のシカが1頭ずつに分かれ付近をさまよい始めた。同7時30分現在シカの「逃避行」は続きパトカー2台が警戒に当たっている。これに伴う交通事故は確認されていない。市道を挟んですぐの柳町公園内に移動した1頭は、テニスコート付近でハトの群れに出迎えられ、通行人に警戒しながら東方向に移動。散歩中の男性に携帯のカメラを向けられていた。通行人の中にはシカに気付かず黙々と歩き続ける人も。至近距離で「しかと」されたような格好のシカが、ポカンとたたずむ一幕もあった。
(イノシシ激増、田畑を守れ:福島)
田村市内の原発から30キロ圏内の田畑のほぼすべてが、イノシシから守るために、同市から盛岡市までの距離に匹敵する総延長314キロの電気柵で囲まれることになった。この地域での、2012年度のイノシシ捕獲頭数は前年度の5倍となり、市は原発事故で人が住まなくなった双葉郡から山を越えてきている、とみる。営農再開を希望する人たちの支援に7月から設営に着手する。旧警戒区域の境界近く、田村市都路町の中心部に住む女性(80)宅の庭に咲くチューリップが今月初めイノシシに食い荒らされた。前日に咲いたばかりで鑑賞できたのは一日だけ。春には何も植えていない小さな畑に深さ1メートル以上の穴が掘られていた。「50年以上住んでいるけど、庭先に来られたのは初めて」と驚く。阿武隈高原一帯はイノシシの被害が多い地帯として知られており、その中央に位置する田村市でも被害は少なくない。原発事故以降、作付けしていない田畑も、人の気配がないことをいいことに、ミミズや古い木の根などを求めるイノシシに荒らされ放題という。市は、地元猟友会に依頼して毎年40~50頭は捕獲していた。それが12年度は197頭に。11年度の41頭と比べて約5倍の激増だ。今年度も5月までに、すでに67頭が捕獲されている。市は、イノシシが増えた背景に原発事故にある、とみる。イノシシから高濃度の放射性物質が検出される例が相次いだ。そのため狩猟期間中でも、事故前は県内外から来ていたハンターが山に入らなくなった。また、避難指示が続く双葉郡では天敵である人間がいないために繁殖。営農も止まったためイノシシが農作物を食べ尽くし、山を越えてきた、と市は分析する。市は原発事故による30キロ圏内での農業の自粛を今年度から解除した。旧警戒区域である20キロ圏内も含めた田畑474ヘクタールの36%で営農が再開された。電気柵は、すでに作付けを始めている場所から優先的に設営する。6月議会で営農再開支援事業として可決された1億2千万円の予算の大半は国の補助だ。
(集落囲う柵で農業被害大幅減:神奈川)
イノシシを中心とした野生動物による農業被害の軽減に向け、集落を柵で囲う南足柄市矢倉沢自治会(101世帯)の“作戦”が成果を挙げている。収穫し倉庫に保管していた1年分の米を2、3日で食べ尽くされるケースもあったため、住民の大半を占める農家が問題意識を共有。スタートから5年目を迎え、徐々に柵の範囲を広げるなど意欲的に取り組んでおり、県なども注目している。三方を山に囲まれた同自治会が北側の周囲3キロに金網を張ったのは、2009年度。防護柵設置の実証実験として国から無償提供され、住民延べ約300人が1カ月ほどかけて集落外側の山腹などに設置した。それまでは個別にトタン板を畑の周囲に設置する農家もいたが、地域全体では被害が絶えず、頭を痛めていた。柵の効果はてきめんで、県の集計によると、08年度に28件あった被害は6件へと大幅に減少。その後、動物の通り道となっている南側の数カ所にも設置し、柵の延長は北側と合わせ3・7キロに延びた。本年度も200メートルを整備し、さらに拡大させる予定だ。その設置には25万円ほどかかるが、自治会費や県の補助金で賄う。イノシシが土を掘って柵の下から畑に進入することはあるものの、その痕跡を見つけるたびに住民の手ですぐに修復している。「期待通りの成果が出ている」と手応えを感じる同自治会有害鳥獣対策委員会の清水栄達委員長(66)は取り組みの開始当時を振り返る。「生活に影響していたので、みんな危機感を抱いていた」。イノシシなどの野生動物に農作物を荒らされる被害は20年ほど前から増え始め、農業を断念した住民もいるほどだった。今、実感する。「住民一人一人のつながりが強く、高い意識を持ってくれたことが大きい」
(イノシシ減少、カラスは急増:富山)
12年度のイノシシの被害面積は10・6ヘクタール、被害額は880万円。ピーク時の10年度に比べ、面積は25・4%、被害額は42・3%に減った。県は「電気柵設置や、捕獲による個体数調整の成果」とした。
(シカ食害、奥多摩の攻防戦:東京)
全国的に広がる鹿の食害。東京も例外ではない。都内には1200頭近くのニホンジカが生息していると言われ、分布域は拡大しつつある。都は年間600頭程度の捕獲目標を掲げるが、猟師の高齢化や鹿肉の有効利用など様々な課題があがっている。奥多摩町は都内の鹿駆除の「主戦場」だ。町は、平均年齢60歳を超える猟師と日々、対策を練っている。5月の早朝、奥多摩町の小河内(おごうち)ダム周辺に鮮やかなオレンジ色のベストや帽子を身につけた奥多摩猟友会の駆除隊11人が集まった。猟犬の首輪には、長く伸びた2本のアンテナがある。全地球測位システム(GPS)装置だ。鹿を見つけるとほえるため、チームで聞けるようマイクも取り付ける。坂村義照会長(58)は「鹿は賢い。頭使って体力を保たないと」と話す。全国の野生鳥獣による農作物被害は226億2700万円(2011年度)にのぼる。うち、鹿による被害は82億6千万円で最も割合が高い。都内での鹿による被害はここ数年、年間300万円前後だが、06年度には奥多摩町のワサビを中心に作物を食べられる被害が約620万円にのぼった。年間400~600頭近くが捕獲され、防護ネットや電気柵など農家も対策を工夫しているが、数を減らすには猟友会に頼らざるを得ないのが現状だ。
(尾瀬公園、シカ食害防止に新手段:福島)
尾瀬国立公園で深刻化しているニホンジカによる高山植物の食害を食い止めようと、県は7月から、水鉄砲や懐中電灯による威嚇、シカが嫌がる臭いで追い払うなど新たな対策に乗り出す。景観や静寂を損ねないという制約の中で、シカを撃退するため、あの手この手を尽くす方針だ。対策は、檜枝岐村などの地元町村や猟友会と協力し、同村側入り口の沼山峠に近い特別保護区・大江湿原と、同湿原北東部を流れる実川上流の矢櫃平(やびつだいら)で行う。特別保護区内では、既に環境省などが、わなやネットによる捕獲を始めている。県などは、ニッコウキスゲの花が咲く7月から1か月程度、担当職員が2人一組で連日、夜間に場所や時間を変えてパトロールする。パトロールでシカを見つけたら、レーザーポインターや照度の高い特殊な懐中電灯を照射したり、強力な水鉄砲を発射したりする。シカの嫌がる臭いを発する固形タイプの薬剤を木道の下に隠すことも検討している。10月以降、地元猟友会と協力してネットに追い込み、待ち伏せして狙撃する方法も実施する。福島、群馬、栃木、新潟の4県にまたがる尾瀬国立公園では1990年代半ば以降、シカの食害が後を絶たず、昨年はニッコウキスゲが過去に類のない被害を受けた。昨年9月、栃木を除く3県と環境省による尾瀬サミットが檜枝岐村で開かれたのを機に、各県で対策を取る団体が発足。県も6月、同村や南会津町、県猟友会南会津支部など7団体で「南会津尾瀬ニホンジカ対策協議会」を設立した。国の助成も受けて今年度、210万円の予算を確保した。十分な金額ではないが、県南会津地方振興局は「調査をしている間に、シカがどんどん増えてしまう」として、低予算でもできる様々な対策を試すことにした。協議会長を務める浅井源一郎・県南会津地方振興局県民環境部長は「ニッコウキスゲの花があたり一面を覆うような美しい景観を、一日も早く取り戻す」と意気込む。同地方振興局の担当者は「シカは頭が良いので、決まった時間に見回るだけでは避けられてしまう。毎日変えて群れをかく乱し、思いつく方法は何でも実行する」と話している。
(野生鳥獣農業被害、シカ減少・鳥類増加:長野)
昨年度の上伊那地域の野生鳥獣による農業被害は、シカによる被害は減少しましたが、鳥類による被害は、大幅に増加しました。
これは、26日、伊那市の伊那合同庁舎で開かれた、上伊那地区野生鳥獣保護管理対策協議会の中で報告されました。昨年度、上伊那地域での鳥類による農業被害額は、前の年度の1.7倍となる、3,700万円でした。被害が大きいのは、上伊那北部の箕輪町で1900万円、辰野町で1200万円で、主に果樹の食いあらしだという事です。協議会では、今年度、鳥の種類の特定を行い、対策をたてていくとしています。シカによる農業被害は、2900万円で、前の年度と比べ、700万円減少しています。協議会では、個体数調整や防護柵の設置の効果により、被害が減少したと見ています。また、天竜川より西側での目撃情報が増えている事から、今年度は新たに、シカが川を越えているとされる、伊那市と中川村で、くくり罠の設置を検討しています。協議会会長の青木一男上伊那地方事務所長は、「関係機関が連携して、捕獲の促進をして、被害減少に向けた取り組みを推進していきたい」と話していました。
(キツネ、アナグマなぜいない:熊本)
天草には、宇土半島に生息しているノウサギやキツネ、アナグマがいない。一方、長年いないとされてきたシカやイノシシが近年数を増やしている。このような“天草の哺乳類の謎”を解明しようと、森林総合研究所九州支所(熊本市)が調査を進めている。天草で哺乳類の本格調査が実施されたのは、30年以上前。1978年に熊本大の故・吉倉眞名誉教授らがまとめた資料によると、イルカなどを除いた陸生哺乳類はネズミやタヌキ、イタチなど9種がいた。イノシシとシカは貝塚から骨が出土しているが、当時生息は確認できなかった。一般的に島の生物の種類は、面積が広くなるほど多くなり、大陸から離れるほど少なくなる。同支所の安田雅俊主任研究員(44)は「天草のように広くて九州本土に近い島は、もっと多くていいはず」と指摘する。安田さんはノウサギやキツネ、アナグマは初めから天草にいなかったのではなく、上質な毛皮や肉を得るために人が過去に狩り尽くしたのではないかと推測。イノシシとシカも一時姿を消したが、泳げるため、再び海を渡ってきたとみている。調査は、2012年度から2年間。最も人の手が入っていない天草市天草町の照葉樹林を中心に、わなや自動撮影カメラの設置、住民への聞き取りなどを実施している。
(野生のシカ、北ア山麓から冬季に移動:長野)
野生のニホンジカが長野県大町市西部の北アルプス山麓で春から秋を過ごし、冬季には同市東部の美麻や八坂地域に大きく移動していることが、県の行動追跡調査で分かった。シカは、北ア山麓ではまだ生息密度が低いものの、農林業被害や北ア山麓に隣接する中部山岳国立公園の貴重な生態系への被害が心配されている。標高の高い地点での目撃例も増えており、県では「このまま個体数が増加し、被害が拡大しないように関係機関と連携し、効率的な捕獲に努めたい」としている。調査は、信州大に委託して実施。昨年5月から11月にかけて捕獲した12頭に衛星利用測位システム(GPS)を装着し、行動経路を追跡した。それによると、8頭が11月中旬から下旬にかけて大町市平鹿島などの北ア山麓から同市美麻、八坂地域に移動。また、今年3月下旬から4月中旬には再び北ア山麓に戻ったことが確認された。シカは移動にあたってJR大糸線や国道148号を横断していた。大糸線では平成20年からの5年間に、列車とシカの衝突事故が27件発生しており、こうしたことからも頻繁な移動が推測されるという。餌が得やすい場所を求めて移動しているとみられるが、県は4月から5月にかけて移動ルートにある大町市平海ノ口で集中捕獲を実施。148号沿いの道路防護壁の隙間部分にネットとわなを設置したところ、シカ2頭を捕獲したが、他に駆除対象ではないニホンカモシカ3頭やツキノワグマ1頭などが捕獲された。県は、まだ生息密度の低い大町地区での効率的な捕獲方法の確立を目指しており、県野生鳥獣対策室の田畑衛課長補佐は「シカの生息密度が低い地域でのわなによる捕獲は、(狙いとは違う)他の野生動物がかかってしまう錯誤捕獲が課題になることが分かった。シカに絞った捕獲の推進に向けて検討を進めたい」と話している。
(シカ肉製品改良に努力:北海道)
道産シカ肉などの肉を製品化し全国展開事業を目指す町商工会の特別委員会の本年度初会合が24日夜、16人が出席し同商工会で開かれた。町商工会は2011年度、国の補助を受けて、シカ肉を使ったコロッケなどの製品化に着手。12年度からは全国商工会連合会の助成を受けて、シカ肉ソーセージを試作した。13年度にはこれらの成果を踏まえ、首都圏への販路開拓を目標に製品のレベルアップを図る。14年度には首都圏などでの本格販売を開始する計画。初会合では、委員長を務める武藤衛賢町商工会長が「これまでの成果を踏まえて、委員の皆さんの協力を得て足寄の特産品開発に努めたい」とあいさつした。この後、豊頃町で生産されているシカ肉100%のソーセージやハムなどを委員が試食し、足寄産製品の改良に向けて意見交換した。
(研修旅行で里山保全:京都)
都市部の中学生がこのほど、研修旅行で京都府南丹市美山町を訪れ、シカの里山侵入を防ぐネットの設置作業などを体験した。府や市、民間などが協力して研修旅行を誘致し、中身を練った珍しい取り組み。関係者らは「ユニークな体験を通し、自然と農山村の役割や魅力を知ってほしい」とし、今後の実施拡大を目指す。参加したのは大阪教育大付属池田中(大阪府池田市)の2年生161人。毎年京都府内で宿泊研修を行っているが、府南丹広域振興局と、丹波2市1町でつくる「京都丹波・食と森の交流協議会」の誘致を受け、今年は初めて美山町を訪れた。南丹市美山エコツーリズム推進協議会が、人と自然との共生について学んでもらおうと、里山を守る活動の体験を提案し、受け入れ準備を整えた。生徒は5グループに分かれ、同町芦生の京大演習林を歩いて水源の森の大切さを学んだほか、クマが樹皮を剝ぐのを防ぐためビニールテープを巻く作業や、ナラ枯れを防ぐために幹にラップをまく作業、美山川(由良川上流)の河川敷清掃などを体験した。同町中の美山町自然文化村の裏山では、NPO法人・芦生自然学校のスタッフの指導を受け、雪などで支柱が傷んだシカ防除ネットを、生徒らが約50メートルにわたって設置し直した。数人がかりで折れた支柱を引き抜くなど、額に汗して作業をした辻口輝君(13)は「たくさん人数と労力をかけてシカ対策に取り組んでいることを知った。自然との共生を考えるいいきっかけになった」と話した。
(シカ肉活用本格化:長野)
農林業被害対策でニホンジカの活用研究に力を入れている中川村は本年度、獣肉解体加工施設を整備し、村内で捕殺したシカの肉の加工販売に向けて本格的な準備を進める。都市住民が地方に一定期間移り住み、地域の活性化に取り組む総務省の制度「地域おこし協力隊」も導入し、シカ肉や農産物などの販売促進や商品開発を研究する人材を採用。地域に適した捕殺から加工、流通までの仕組みづくりを目指す。村は昨年度、自然環境や再生可能エネルギーを生かした地域活性化を目指す同省の「緑の分権改革」のモデル事業に採択され、シカ肉活用研究に着手した。同村葛島のマレットゴルフ場内にあった炭焼き製品の旧保管庫を一部改修し、仮設の解体加工施設を整備。行政や商工会、猟友会関係者らでつくる研究会も発足させ、仮施設で解体方法を学ぶセミナーやシカ肉料理の試食会を開くなどした。本年度は工事費約680万円をかけ、仮設施設の床や内装、トイレなどを改修。食品衛生法に基づく許可を得てシカの解体や加工ができる施設にする。管理運営は猟友会か、猟友会を中心とする団体に委託する予定。猟期の11月ごろの稼働を目指している。昨年度の村の研究では、臭みや硬さといったシカ肉のイメージ改善や安定供給の確保などが課題に挙がった。地域おこし協力隊員は2人募集し、課題解決に外部の視点を生かす考え。村総務課は「シカ肉を地域資源として活用し、持続可能な村づくりにつなげたい」としている。
(シカ肉ジャーキー好評:北海道)
4月下旬から販売を始めた「りくべつ鹿ジャーキー」が好評で、発売元の町は生産量を当初計画の3・6倍に増やした。品質の高さとおしゃれで多彩なパッケージが受けており、今月下旬からは新たにギフトセットも登場した。ジャーキーは、町農畜産物加工研修センターが開発。陸別産のシカ肉をサクラでじっくりといぶし、調味料には十勝ワインやオホーツク産の焼き塩やサケ節など高品質で安全なもののみを使用。味はマイルドとスパイシーがある。パッケージは、同センターを利用している町内の女性の意見を反映して、和風のシックな4色の紙製とした。ジャーキーは、大型連休直前の4月下旬から道の駅などで発売以来、人気を呼んでいる。町は当初、年間生産数を千個としていたが、すでに約1500個が納入済みで、年間生産数を3600個と、3・6倍に大幅に増やした。今後、夏休みを控えて観光客の入り込みはピークに向かうため、販売は十分に見込めそうだ。購入した客の反応としては「味に深みがあり、歯応えもちょうどいい」「外見も色彩豊かでおしゃれで価格も手頃」などの声が目立つ。開発に当たってきた秋庭智也さんは「商品の基本コンセプトには陸別の女性の感性が光り、人気を支えている」と語っている。りくべつ鹿ジャーキーは30グラム入りで500円。新たに登場したギフトセットは4個入りで2200円(箱代、送料込み)。道の駅などで販売している。
(カラス被害で環境が悪化:神奈川)
小田原市の「市の鳥」コアジサシを保護する取り組みが岐路に立たされている。酒匂川に保護区を設けて繁殖を見守ってきたが、2008年を最後に営巣が確認されていない。今月中旬に巣立ちの時を控え、市内では保護区より下流の中州にあった営巣地もカラスに襲われ“全滅”したという。カモメ科のコアジサシは絶滅危惧種の渡り鳥。オーストラリアなどより飛来、5月から7月にかけて国内で繁殖する。市内を流れる酒匂川は数少ない集団営巣地とされ、同市が1995年に市の鳥に制定した。97年に条例で飯泉取水堰(ぜき)からJR東海道線架橋までの中州(広さ約13ヘクタール)を保護区とし、営巣に配慮した立ち入り規制を行うなど、自治体レベルでは先進的な環境施策をスタートさせた。また「コアジサシの郷(さと)づくり」として市などが呼び掛け、飛来前の毎年3月中旬にボランティアによる草刈りやごみ拾い、石の置き直しを実施。営巣の確認後は、子育て中の告知看板も設置している。ただ、酒匂川全域の飛来数は減少傾向にあり、ここ数年は100羽前後で推移。受け入れ態勢を整える保護区でも成鳥の姿は見られるが、営巣は09年以降確認されていない。市環境保護課によると、その主な原因に卵を狙うカラスに加え、ひなを襲うハヤブサ科のチョウゲンボウが近くに営巣したことが挙げられる。大雨が増えて中州に大量の土砂が流入、営巣に適した砂礫(されき)地が減ったこともある。今シーズンは5月下旬、保護区より河口に近い中州で25カ所の営巣が確認された。近年頻発した大雨による増水が比較的少なく、関係者の間で繁殖の期待が高まった。しかし6月下旬、「大半が卵の段階でカラスに襲われてしまった」との悲報が、観察活動を続ける日本野鳥の会の地元メンバーから同課に寄せられた。保護区の開設から16年。営巣は過去2回あったものの、いずれもチョウゲンボウの被害で巣立ちまで至っていないという。同課は「1度被害を経験したコアジサシは戻ってこない習性もあるという。カラスなど天敵をなくす対策は難しい。市民による郷づくり活動の成果が表れないことは残念」と話している。保護区の営巣環境が悪化する中、取り組みの見直しが求められそうだ。

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