<射撃ニュース7月>

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(山菜採りの男性、子連れクマに襲われけが:栃木)
26日午前9時半ごろ、塩谷町上寺島の山林で同所の農業男性(70)が山菜採りをしていたところ、子連れのクマに襲われ、頭や背中などにけがをした。矢板署によると、命に別状はないという。同署によると、男性は自力で下山し、同日午前10時ごろに消防通報したという。
(クマ捕殺、おりのわなに掛かる:福島)
24日午前5時30分ごろ、会津美里町の山林で、同町職員が、おりのわなに掛かったクマを発見した。同町によると、クマは体長約1.3メートルのオスのツキノワグマで、県の許可を得て射殺した。同町では、5月に山菜採りの男性1人が死亡、男性の捜索に当たった警察官など4人も重軽傷を負う事件が発生。18日には、男女3人がクマに襲われる事件が発生し、クマの被害が相次いだことから町内のパトロールを行うとともに、捕獲用のおりを数カ所設置していた。町では、7月中はクマの警戒を呼び掛ける広報活動を続けるという。県内でクマ目撃相次ぐ 県内で24日、クマの目撃情報が相次ぎ、警察署が現場周辺に注意を呼び掛けた。
(原発事故後、街にサルやイノシシ出没:福島)
環境省は26日、東京電力福島第1原発事故後に警戒区域だった地域で初めて実施した野生動物の生息調査で、市街地に以前はほとんどいなかったニホンザルが生息し、イノシシもほぼ全域で確認されたと発表した。住民の避難と捕獲数の減少で、出現エリアが拡大した可能性がある。環境省は「住民の帰還に向け、農地の除草などで野生動物が生息しにくい環境をつくり、効果的に捕獲する態勢を検討する」としている。調査は、昨年7月時点で警戒区域だった地域内の道路に全長各10キロの計5ルートを設定。昨年11月と今年1月、自動撮影カメラや車からの目視などで動物の出現頻度を調べた。イノシシは原発事故前に見られなかった海岸にも生息し、ニホンザルは山麓に集中しているものの一部は福島県浪江町の市街地で確認された。地元自治体や猟友会へのヒアリングでは「ニホンザルが人を警戒しなくなり、人が近くにいても逃げなくなった」「イノシシが農地を掘り起こすなどの被害は多い」といった声が寄せられた。
(日光線シカ衝突で一部運休:栃木)
24日午後11時25分ごろ、JR日光線今市-日光間で、宇都宮発日光行き下り電車がシカと衝突。点検のためこの電車を車両基地に移動する関係で、25日午前7時15分宇都宮発鹿沼行きなど上下線4本を運休した。JR東日本によると、約千人に影響が出た。
(飼いイノシシ、家族振り切り逃走中:群馬)
27日午後0時頃、群馬県長野原町林の自営業男性(66)が自宅で飼っていたイノシシが檻おりから逃げ出し、捕獲しようとした男性の妻(68)ら家族3人が足などに軽傷を負った。長野原署の発表によると、イノシシは体長約1メートル40、体重約100キロ。逃走中のため、同署は付近住民らに注意を呼びかけている。
(クマに注意、目撃情報相次ぐ:和歌山)
和歌山県田辺市大塔地域で7月中旬以降、クマの目撃情報が相次いでいる。大塔行政局に入っている情報だけで計3件あり、「これまで情報がなかった地区でも発見されており、注意してほしい」と呼び掛けている。熊野(いや)地区で今月中旬に2度災害復旧工事の現場作業員が目撃した。目撃情報によると人間の背丈ほどだったという。鮎川の愛賀合地区では22日午後5時半ごろ、犬の散歩をしていた男性住民が目撃した。通報を受けて大塔行政局は放送したり、集落支援員が住民に直接声掛けしたりして注意を呼び掛けている。ツキノワグマのイラストを入れたチラシを作り、目撃された地区周辺に立て看板を設置した。同局産業建設課は「人家付近でも警戒してほしい」と話している。
(おりにイノシシ8頭:長野)
24日午前5時ごろ、長野市塩生乙の山林内で、地元の鳥獣対策委員会が農作物被害を防ぐために設置した捕獲用のおりの中に、雌の成獣イノシシ1頭と生後2~3カ月とみられるイノシシ7頭の計8頭が入っているのを地元住民が見つけた。成獣は体長約1メートル、他の7頭はいずれも体長約40センチ。周辺ではイノシシなどによる農作物被害が頻発しており、最近もジャガイモなどを植えた畑が荒らされたばかりという。同委員会の酒井昌之会長は(74)は「8頭は母子だろう。成獣のイノシシがおりの中に入るのは珍しく、子と一緒に入ったのではないか」と話していた。捕獲された8頭は長野地方猟友会が殺処分した。
(クマ目撃、警察がパトロール強化:栃木)
日光署によると、27日午前7時50分ごろ、日光市湯元の山林内でクマ1頭が目撃された。被害はない。同署によると、クマの体長は約1.5メートル。湯滝から南方約300メートルの湯川付近で遊歩道を散策していた観光客が川を渡っていくクマを目撃した。現場付近は遊歩道近くの山林内のため、パトロールを強化し観光客への広報を行うほか、同市や関係団体などと連携して警戒を呼び掛ける。
(クマ情報:富山)
23日午後4時20分ごろ、射水市平野(小杉)の太閤山カントリークラブのクラブハウス近くで、従業員が成獣とみられるクマを目撃し、射水署に連絡した。同署によると、クマは体長約1メートル。当時プレーしている人はおらず、クマはクラブハウス付近の茂みに入り、行方が分からなくなった。署員や地元猟友会メンバーらが周辺を警戒するとともに、住民に注意を呼び掛けた。
(サル出没注意:和歌山)
25日8時ごろ、橋本市高野口町名古曽(こうやぐちちょう・なごそ)の住宅地で、サルが1匹出没しているのを地元の住民が見つけ、かつらぎ警察署に通報しました。これを受け、かつらぎ警察署では、警察官を現場にパトロールに向かわせたほか、住民や夏休み中の子どもらに対して「野生のサルならば噛みつかれる危険がある。また、次に見つけた場合は保健所にも連絡してほしい」と注意を呼びかけるともに、県警のメール情報サービス「きしゅう君の防犯メール」でも情報を流しています。
(クマ被害対策探る:福島)
会津地方振興局と喜多方市は26日、同市で「集落で取り組む集落環境診断研修会」を開き、住民らがクマ被害対策を考えた。会津管内では本年度、クマによる人身被害が7件発生し、既に昨年度を上回っている。また、クマの目撃情報なども多くなっていることから、集落で取り組めるクマ対策を考え、地域全体に広げようと実施した。同市岩月町の治里地区で開催し、住民ら約20人が参加した。農業総合センターの木幡栄子主任研究員が講師を務めた。参加者は、集落内を回り野生動物がすみやすい環境となっている場所をチェックした。その後、クマ対策として「集落だけでできるもの」「集落ではできないもの」を考えながら対策目標や行動計画を策定した。
(クマ、市街地近くまで生息地拡大:長野)
JR長野駅など長野市の中心市街地で昨年10月、クマが目撃されて多くの市民を驚かせたが、このときに県庁近くの裾花川河川敷で射殺されたツキノワグマは、食べ物を農作物に依存せず、河川敷の植物などを食べて生息していたことが、24日に開かれた県野生鳥獣被害対策本部(本部長・阿部守一知事)の会議で報告された。目撃例などからも、里山や耕作地の放置などで、クマの生息可能な地域が市街地の近くにまで広がっている実態が明らかになった。県環境保全研究所の岸元良輔自然環境部長が報告したところによると、飯綱山麓の目撃情報の集計では、かつて中腹にあった目撃場所が市街地ぎりぎりのところまで下がり、市街地近くで冬眠、出産した雌も確認された。「里山が放置されて森林が拡大、放棄された田畑がやぶ化して身を隠す場所が増えていることも、市街地周辺に生息域を広げている原因」という。また駆除されたクマの年齢構成をみると、「16歳以上のクマが年々増えて高齢化が進み、年老いたクマが里の方へ下りてきている」と岸元部長。「人間の住む周辺域で、農作物を荒らさなくても暮らせる状況が生まれている。そこに廃棄、放置された果実などがあれば、さらにクマを人間が住んでいる所の近くに誘い込むことになる」と話す。農林業被害額が最も多いニホンジカについても、天敵であるオオカミの減少などの要因に加え、「里山の放置や中山間地での耕作放棄地の拡大など、クマと同じ要因で個体数が増加している」と岸元部長は警告する。この日の会議で報告された平成24年度の野生鳥獣による農林業の被害額は12億6459万円。前年度に比べて1億5308万円(10・8%)減少し、5年連続の減少となった。同本部では捕獲強化などが奏功したとしているが、これまで被害がなかった飯山市と松川村で新たに被害が確認されるなど、県北部に被害地域が拡大している。
(イノシシ対策に苦慮:広島)
世界遺産の島・宮島(廿日市市)で昨年からイノシシの目撃情報が増え、市が対策に頭を悩ませている。観光客や、島に生息するシカの安全確保のため、本格的な駆除に踏み切れていない。近く、生息状況の調査に乗り出し、有効な捕獲方法を検討する。市農林水産課によると、宮島には従来イノシシは生息していなかった。初めて目撃情報が寄せられたのは3年ほど前。昨年4月以降、地面を掘り起こした跡の発見を含めて情報は11件寄せられた。弥山登山道の大元ルートや麓の大元公園などで目撃されているが、桟橋や厳島神社などの市街地での例はない。宮島周辺では2010年、イノシシが海を泳ぐ姿が目撃されており、島内のイノシシは対岸か別の島から渡ってきたと推測される。環境保護団体「宮島地区パークボランティアの会」の中道勉さん(73)は昨年3月、西部の多々良川の河口付近で、砂浜を走る姿を見た。「島は登山客や海水浴客でにぎわう。市は早く対策を立ててほしい」と注文する。市は目撃情報が増えてきた昨年4月から、島内2カ所にわなを仕掛けているが、1頭も捕獲できていない。シカが誤って掛からないようにするため、設置できる場所はシカの少ない場所に限られるという。また、登山客の多い観光の島で、鉄砲による駆除は困難とみている。市は9月にも、シカの生息調査に合わせてイノシシの足跡の分布などを調べ、頭数や行動パターンを推定する。
(イノシシ対策で電気柵研修会:富山)
イノシシによる農作物被害を防ぐため、県農作物鳥獣被害防止対策連絡協議会は25日、南砺市小又(福光)で現地研修会を開催した。県は1月に策定したイノシシ保護管理計画で、16年度の農作物被害額を11年度の3633万円の半分以下に抑えることを目標にしている。
(国道路面に「シカ注意」:北海道)
釧路開建は7月から、エゾシカと車の衝突事故が多発している釧根管内の国道3路線の計22カ所の路面に、「シカ注意」の表示を始めた。2年前に試行していたが、より見やすいように改良し、今年から本格実施に踏み切った。表示は縦13メートル、横2・2メートルで道路の白線と同じ塗料を使用。事故多発地帯である国道240号の釧路市阿寒町内6カ所、44号の根室市と厚岸町内14カ所、391号の標茶町内2カ所で、現在作業を進めている。釧根管内の国道は道内でも有数のシカとの衝突事故発生地帯のため、同開建は注意喚起が必要と判断。2011年に391号の標茶町内1カ所で「シカ事故多発」の路面表示を試行し、ドライバーから好評だった。同開建は「今回は字数を少なくするなど一目で分かるようにした。エゾシカとの衝突事故は生死に関わる。表示を見たら減速してほしい」と呼び掛けている。
(イノシシ駆除、緩衝帯にヤギ導入:長崎)
長崎県は、離島で増えすぎて問題になっている野生のヤギを捕獲し、農作物を食い荒らすイノシシの防除対策に投入している。これまでに県内44地区に計88頭のヤギを導入。イノシシの侵入を防ぐワイヤメッシュ柵の周りの雑草を重点的に食べさせることでイノシシを寄せ付けない緩衝帯づくりに効果を上げている。県内では農作物を野生鳥獣から守るため、防護柵の整備を進めている。だが、高齢化のため除草が追いつかず、柵の周りに雑草が生い茂り、イノシシの隠れ家になってしまうなど、柵設置後の管理が課題となっていた。一方、同県小値賀町の無人島では、かつて飼われていたヤギが野生化し、個体数が増えすぎて下草を食べ尽くし、表土が雨水で流出、生態系や漁業への被害が懸念されていた。そんな“厄介者″のヤギを鳥獣害対策に有効活用しようと県が昨年度、ヤギの購入費など1地区5万円を上限に助成する事業を始めた。ヤギは小値賀町担い手公社が捕獲したものや他の島で飼われていたものを各市町の鳥獣対策協議会を通じて導入。2頭を1組とし、繁殖しないよう同性を組み合わせたり、去勢したりしている。1頭を柵につなぐことで、もう1頭のヤギも離れず柵周辺にとどまって草を食べるという。昨年、市内6地区に計12頭のヤギを導入した県北部の平戸市。ヤギを管理する農家の一人、川下重信さん(76)は「柵につるがはって葉が生い茂り、強風で倒されてしまうこともあったが、今はヤギがきれいに草を食べてくれる。飼うのに手はかからないし、人が行けない急なのり面でも平気で登って除草してくれるのでありがたい」と喜ぶ。県は今年度さらに県内35地区に、計70頭を投入する予定だ。
(イノシシ子連れ、定着の恐れ:石川)
石川県希少生物研究会の時国公政代表(72)=七尾市大津町=は26日までに、珠洲市若山町の林道でイノシシ5頭を見付け、写真撮影した。市によると、市内での撮影は初めて。成獣1頭と幼獣4頭で、県自然環境課は「近辺で繁殖しているとみられる」と指摘しており、農作物被害を及ぼすイノシシが能登半島の先端でも定着している可能性が大きい。県内では耕作放棄地の増加などでイノシシが北上している。時国代表は能登を中心に毎年、国や県の委託で自然環境影響調査を続けており、「イノシシが掘った穴や荒らされた水田は七尾市などでよく見掛けるが、実際に遭遇したのは初めてだ」と述べた。珠洲市内では2010年度からイノシシによる稲への被害が発生。市やJAによる有害鳥獣対策協議会が、電気柵の設置を進めている。10年度に8万3千円だった珠洲市でのイノシシ被害額は、12年度に223万4千円まで急増。新たに親子連れとみられるイノシシが確認されたことを受け、市産業振興課は「水田保全やイノシシ駆除の対策を強化する必要がある」と警戒している。
(シカの食害が広がる、「捕獲のプロ」育成が必要)
日本各地でシカが農作物や森林の樹木を荒らす食害が深刻になっている。鳥獣保護区を減らし、捕獲に取り組むなど官民挙げての対策が動き始め、シカの肉を使った料理の普及の動きも広がる。自然保護と人間生活をどう両立させるか、人間の知恵が問われている。農林水産省のまとめでは、野生鳥獣による農産物被害額は2011年度に全国で226億円、うちシカによる被害は過去最高の83億円に達しており、2005年から倍増している。林野庁によると、シカやクマなどによる森林被害面積は2011年度に約9400ヘクタールで、うちシカが5700ヘクタールと6割を占める。シカは本州中央部を中心に生息するニホンジカのほか、北海道のエゾジカ、屋久島のヤクシカなど各地に生息。明治以降は乱獲のため各地で激減したが、戦後、保護策が取られ、数は次第に回復していった。生息する頭数の正確な統計はないが、地球温暖化によって冬の餓死が減ったことや狩猟者減少による捕獲数減で増え過ぎた状態ということだ。そこで、狩猟を禁じて動物を保護する鳥獣保護区の削減に踏み切る自治体が続出している。保護区は地元自治体などの意見を聞いて国または都道府県が指定するが、例えば茨城県は2010年に常陸太田市の意見を受けて同市内の保護区の更新を見送っている。食害に悩む地元住民からの嘆願書を受けてのことという。こうした保護区の削減を朝日新聞が集計したところ、2007~2012年度の6年間に全国で約9万2000ヘクタールの保護区が廃止・縮小され、2012年末時点で、全国で約362万ヘクタールになった。削減分のうち8割近くがシカやイノシシによる被害が理由という。各地で、懸命の対策が取られている。ミズバショウの3分の1が食害にあうという国立公園・尾瀬(群馬、栃木、新潟、福島県境)では、4月から群馬県や地元猟友会などが協議会を作り、150頭の捕獲を目指し、200個のわなを仕掛ける取り組みを始めた。富士山でも、林野庁関東森林管理局と独立行政法人森林総合研究所が共同で、静岡県内の国有林をモデル地区として、シカの捕獲のほか、植生回復の技術開発に取り組む。東京都内でも、ワサビを中心に食害が増えている奥多摩町は年間1400万円で猟友会に駆除を委託、都内最高峰の雲取山(2017メートル)の山頂まで都のヘリで猟友会員を運んで下山しながら捕獲するなどの取り組みを進めている。
(高校生ががイノシシ防止柵設置:岡山)
県立興陽高校(南区藤田)の造園デザイン科3年生40人がこのほど、玉野市田井のみやま公園にイノシシ防止の柵を設けた。造園施工管理の夏季校外実習で、生徒たちは、汗だくになりながら、炎天下で作業を続けた。玉野市公園緑化協会の職員や市内の造園会社の社員約10人の指導を受けながら、公園と森林を分ける境に沿って竹を細い縄で組む高さ1メートルの四つ目垣などを設営した。公園周辺に生息するイノシシから入園者を守る柵のため、木のくいを打ち付け、竹を縦と横に等間隔でがっちり組み合わせ、周辺の自然景観にも配慮して仕上げた。くい打ちなどをした藤原卓磨君(18)は「(公園の敷地に沿って)曲げながら柵を作るので難しい。校内実習と異なり、考えながら作業しました」と話していた。
(ハンノキ駆除、野鳥の楽園守る:石川)
加賀市は、ラムサール条約登録湿地「片野鴨池」の湿地保全活動を本格化させる。鴨池は伝統猟法「坂網猟(さかあみりょう)」の猟師や農家が減少した影響で手入れが行き届かなくなり、ハンノキが繁殖。徐々に陸地化する「遷移(せんい)」が進んでいる。「野鳥の楽園」を守ろうと、25日は市の呼び掛けで猟師、地元住民が集まり、ハンノキの駆除に汗を流した。鴨池は約10万平方メートルで、冬にはコハクチョウやカモ、ガンなど約1万羽の野鳥が集まる日本有数の越冬地として知られる。1993年に国際的に重要な湿地としてラムサール条約に登録された。鴨池内ではもともと水田が耕され、収穫後のもみを食べに野鳥が集まることで、人間と自然が共生する環境をつくっていた。しかし農家の減少が原因で99年以降、耕作が行われなくなり、放棄された水田にヨシやマコモなどの多年草が群生するようになった。約10年前からは湿地帯が草原地を経て陸地化する「遷移」現象が起き、池の北部約千平方メートルにハンノキの林が拡大した。加賀市は昨年、ハンノキの樹皮をはぎ取り、立ち枯れさせる駆除作業を試験的に実施。今年はさらに規模を拡大することにした。この日は猟師や住民ら約20人が集まり、なたなどを使ってハンノキ16株の樹皮をはぎ取った。ハンノキは2、3年で立ち枯れする見込みで、市は「今後も地域と連携し、里山の自然を守っていく」(環境課)としている。
(丹後のシカ肉などを使用:京都)
与謝野町金屋の就労支援事業施設「リフレかやの里」は、町のブランド米「京の豆っこ米」やシカ肉など丹後の食材をふんだんに使った「与謝野サンド」を開発した。8月から販売し、ご当地サンドとして普及を目指す。シカ肉のみそ煮込みなど4種類を試作。3回の試食会で、特に好評だったシカ肉のローストと、白身魚のフライを商品化することに決めた。サンドの値段は、ローストが1個550円、白身魚が同450円。同施設近くで開かれるイベント「町ひまわりフェスティバル」(8月3~11日)から販売を始める。
(高級イノシシ肉使用料理:佐賀)
武雄市の武雄センチュリーホテルは、武雄産冬季限定の最高級イノシシ肉を使ったカレーとバーガーを開発した。上質のブランド肉のため臭みはなく、肉の質感を残した自信作。カレーはホテルのレストラン(ランチ)で提供し、レトルトにして売店でも販売。バーガーはホテルのカフェテラスで、いずれも25日から取り扱う。武雄市から特産のイノシシ肉を使った料理ができないか打診され、今春から開発に着手。12月15日~3月15日に捕獲された雌のイノシシで、上質の脂がのり、独自の手法で熟成させた冬季限定の最高級ブランド「武雄パルファム」を使った。「パルファムカリー」と名付けたオリジナルカレーは、肉だけを先に調理し、独特の食感を残すようにした。子どもから大人まで、抵抗なく食べられるようにマイルドな味付けになっている。ランチは1050円、レトルトは630円。バーガーは、パテに「武雄パルファム」を100%使い、青いパパイヤの千切りのほか、ナス、トマト、からし菜と組み合わせた。ソースの甘酸っぱさとからし菜のピリッとくる辛さが、イノシシ肉と絶妙にマッチしている。ポテト付きで500円。開発した毛利青司総料理長は「予想以上に肉の質感がしっかり残っていて味が深い。価格も安くできたので、ぜひ食べてほしい」と話す。
(イノシシでご当地グルメ:富山)
高岡市商工会青年部が、地元で捕獲されたイノシシの肉を活用した料理の開発に乗り出した。中田かかしまつりや福岡つくりもんまつり(いずれも富山新聞社後援)など地域のイベントに出店する。地元飲食店との提携も視野に入れ、地域活性化を目指す。青年部員約30人が中心となり、ご当地グルメで町おこしに貢献しようと、開発委員会を発足させた。高岡市の山間部にはイノシシが生息し、農作物に被害を及ぼしていることから、イノシシ肉を利用することになった。24日夜は高岡市商工会福岡支所で第3回開発委員会が開かれ、山口克次委員長らが、地域のイベントなどでの試食、アンケートの実施など、メニュー決定に向けた事業予定を確認した。開発委員会は27、28日、イノシシ料理が盛んな岐阜県郡上市で体験研修会を開く。しし鍋を提供する料理屋などを訪れ、イノシシ肉の保存法や保存期間、調理法などについて理解を深める。山口委員長は「ゼロからのスタートで、青年部が一丸となって取り組んでいる。頑張って地域のために貢献していきたい」と話している。委員会は今後、9月までにメニューを決定し、試作を重ね、来年2月の完成を目指す。

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(クマに襲われ女性けが:栃木)
20日午後5時45分ごろ、日光市所野で、同所の無職女性(80)がクマに襲われ、顔や背中などに軽傷を負った。日光署は警戒を呼び掛けるとともに、駆除を視野に同市や猟友会と対応していく。同署によると、クマは体長約1メートル。現場は日光市交流促進センター南側の空き地付近。女性が散歩をしていたところ、後ろから襲われた。住宅地や公園が近いことから、同署はパトロールを強化するという。
(イノシシが突進、登山女性けが:兵庫)
20日午後0時20分頃、神戸市東灘区本山町の保久良神社近くで、登山をしていた大阪市住吉区の無職女性(63)がイノシシに襲われた。女性は左腕をかまれるなどし軽いけが。東灘署の発表によると、女性が同神社の参道を歩いていたところ、体長1メートル程のイノシシが突進してきたという。一緒にいた知人女性のリュックも奪われた。現場から北東に約500メートル離れた山中でも17日、山登りをしていた女性2人がイノシシに襲われ軽傷を負っており、同署が注意を呼びかけている。
(クマ捜索も発見できず:福島)
会津美里町で18日に男女3人がクマに襲われた被害で、現場周辺の住宅地は19日も警戒態勢が続いた。早朝と夕方には町有害鳥獣捕獲隊員によるクマの捜索が行われたが、発見できなかった。町は捕獲隊による捜索を22日早朝まで続ける方針という。会津若松署会津美里分庁舎の署員らと捕獲隊が組んで数班に分かれて巡回した。捕獲隊員によると、クマの痕跡は見つからなかったという。また、住宅地から離れた場所に設置したクマ用のわなでも捕らえることはできなかった。19日午後6時5分ごろ、会津美里町旭市川の山林でクマを目撃したと農作業をしていた男性から会津若松署会津美里分庁舎に通報があった。同分庁舎によると、クマは体長約1メートル。18日の被害現場からは南に約6キロ離れているという。同分庁舎は現場付近をパトロールし、注意を呼び掛けている。
(執拗に襲い住宅侵入、人恐れぬ「新世代クマ」か:福島)
福島県会津美里町勝原の住宅地の路上で18日朝、クマが現れて、新聞配達の男性(61)ら3人を相次いで襲った。3人は顔や腕などに全治1~2週間のけがを負った。執拗しつように住民を襲っている上、住宅内に侵入するなど、人を恐れない「新世代クマ」の可能性が高い。県警と町は、周辺の警戒を強化したが、現場の住宅地は恐怖と不安に包まれた。会津若松署の発表では、最初の被害は午前6時10分頃。複数の住民によると、クマはまず、歩いて新聞を配達中だった男性を道路上で襲った。男性の叫び声で出てきた近所の住民が、血を流して倒れている男性を発見、110番した。クマは向かいの住宅の間に逃げ込んだが、約10分後に救急車が到着した直後、再び姿を現した。現場に集まっていた住民数人は驚いて逃げたが、家から出てきた会社員女性(54)と娘の会社員(28)の2人がクマと鉢合わせになり、頭や腕をかまれたり、ひっかかれたりしたという。クマは、開いていた玄関から女性宅に侵入。居間などをうろついた後、足跡を残して姿を消した。現場は会津美里町役場の南約2キロ、周囲に畑が点在する住宅地。近くの男性(78)によると、クマは体長約1メートルで丸々太り、興奮した様子もなく、のそのそと動き回っていたという。男性は「新聞配達の男性は倒れて顔が血で真っ赤だった。交通事故かと思ったが、クマと聞いてたまげた」と話した。また、近所の女性(76)は「畑仕事中に『助けてー』という女性の悲鳴が聞こえた。このあたりは農家が多く、早朝から畑に行く人が多いので心配」と不安そう。付近では、前日の17日、トウモロコシ畑が荒らされていたという。現場の約250メートル先にある町立ひまわり保育所ではこの日、保護者に自宅待機を要請、子どもたちの外遊びを中止した。簗取恵津子所長(58)は「送迎時間にクマが出たら……。帰宅後もできるだけ出歩かないよう保護者に連絡した」と話した。同町では今年5月、今回の現場から約7キロ離れた山林で、山菜採りの男性がクマに襲われて死亡、警察官ら4人が負傷する事故が発生している。
(クマ目撃、注意呼び掛け:宮城)
22日午前6時40分ごろ、仙台市青葉区川内亀岡北裏丁の山林で、新聞配達中の男性がクマを見つけ110番した。仙台中央署によると、体長1メートルに満たない子グマとみられる。同署はパトカーで周辺を巡回し、注意を呼び掛けている。
(クマ2頭見つかる:新潟)
21日午後1時半ごろ、胎内市夏井の市道で乗用車を運転していた女性が、林の中にいるクマ2頭を目撃し、近くの「胎内昆虫の家」を通して胎内署に通報した。クマの大きさなどは不明。同署と市が注意を呼び掛けている。
(クマ目撃:栃木)
今市署によると、21日午後6時半ごろ、日光市中三依の野岩鉄道中三依温泉駅東方の山林内で、体長約1メートルのクマが目撃された。被害はないという。同署は関係機関と警戒を強めるとともに、注意を呼び掛けている。
(クマの目撃情報:石川)
20日午前7時20分ごろ、小松市波佐谷町で道路を渡るクマ1頭が目撃されました。大人のクマとみられています。なお、けが人は出ていません。小松市では、近くの町内会や学校に連絡し、注意するよう呼びかけています。
(旅行者にシカとの事故防止啓発:北海道)
釧路警察署と釧根地区レンタカー協会は20日、釧路市鶴丘の釧路空港前のレンタカー会社5社で啓発活動を行い、レンタカーを利用する旅行客らに注意ポイントなどを伝え安全運転を呼び掛けた。両者の合同啓発は今回で3回目。道東特有のエゾシカの飛び出しや、景色や動物に見とれて前の車に衝突する事故現場の写真をA4判のパネルにし、視覚で安全運転を訴えた。同署担当者は「シカは大きいもので体重が100㌔。群れで行動するので1頭が通過してもまだ出てくるので注意して」などと具体的に説明した。同署管内(釧路市、釧路町、白糠町、鶴居村)で今年発生したエゾシカと車の衝突事故は69件(6月末現在)。けが人が出る事故は起きていない。
(絶滅危惧種のカモ、小学生ら調査:青森)
深浦町の小学生たちが、絶滅危惧種のシノリガモ親子の調査に取り組んでいる。国内での継続的な繁殖確認自体が珍しいといい、環境省も注目する活動だ。6月末の日曜日、白神山地から流れ出て日本海に注ぐ深浦町内の川岸。「来たよ、来た来た」「かわいいっ」。鳥から見えないようにと張ったテント内で、双眼鏡を手にした小学生の女の子たちの声が、小さく飛び交った。昨年11月からシノリガモの観察を続けているのは、町立いわさき小学校6年生、上杉かえでさん(11)、菊池理花さん(11)、棟方みなみさん(11)の3人組だ。この日は同級生の菊池愛歌さん(11)も参加し、2カップル計12羽のヒナを観察。同町在住の写真家浜田哲二さん、妻律子さんのアドバイスを受けながら、えさとなる水生昆虫の種類や数を確認したり、気温や水温などを測ったりして、自然環境とシノリガモたちの行動の関係を調べている。

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(クマ襲撃、男性3人けが:福島)
18日午前6時ごろ、福島県会津美里町勝原西勝の住宅街の路上で、新聞配達の男性(61)が突然クマ(体長約1メートル)に襲われ、叫び声などで異変に気づいて自宅を出た54歳と28歳の母娘も玄関先で相次いで襲われた。県警会津若松署などによると、3人はいずれも頭や足など数カ所をかまれ、病院に運ばれたが軽傷。県警は「人間を恐れないクマが増えている恐れがある」と注意を呼びかけている。現場周辺は田園地帯で、クマが好むブドウなどの果樹畑も点在している。警察官や地元猟友会メンバーらが付近を捜索しているが、クマは見つかっていない。現場から300メートル西の町立ひまわり保育所は、園児の家庭に自宅待機を呼びかける一方、予定していた農場体験を中止した。同署によると、付近では16日からクマの目撃情報が続発。17日はトウモロコシ畑が荒らされていたことから、現場から約2キロ西の町立宮川小は児童をバスで家まで送っていた。同保育所職員の五十嵐美和子さん(54)は、「ここは山からも離れた住宅地なので、まさかクマが出るとは……。今日は窓をしっかり閉め、(登園した一部の)子どもたちを外に出さないようにしている」と動揺を隠せない様子だった。
(クマに襲われ55歳男性けが:栃木)
18日午前9時半ごろ、栃木県那須町高久乙で、農地の取水口の清掃作業をしていた近くの農業斎藤一弘さん(55)がクマに襲われ、軽傷を負った。県警那須塩原署によると、クマは体長約1メートル。ささやぶから出てきて斎藤さんに正面から覆いかぶさり、背中を引っかくなどした後に逃げた。妻も一緒に作業をしていたが、けがはなかった。斎藤さんが自分で近くの交番に行き通報した。
(クマ、下校中の中学生が目撃:新潟)
17日午後4時半すぎ、胎内市坪穴の下坪穴バス停付近で、クマ1頭を下校中の中学生が目撃し、学校を通じて胎内署に通報した。同署によると、クマの体長は約1メートルで、胎内川方向へ逃げた。現場から民家まで約200メートルしか離れておらず、同署と市が注意を呼び掛けている。
(無人島のシカで市が賠償?:広島)
福山市鞆町の南東約9キロにある無人島宇治島で昨夏、市内の男性(42)がシカに蹴られてけがをした。市は今年、男性に賠償金を支払っている。そもそもなぜ無人島にシカがすみつき、市に賠償責任があるのか―。謎を解くため島に渡った。島は周囲約4キロ、面積約23ヘクタール。上陸するとすぐに、海岸で海藻やごみを食べるシカを見つけた。ほかにも山の斜面を群れで歩いたり、砂浜でじゃれ合ったり。3時間半の散策で12匹に遭遇した。体長は70~120センチで肉付きも良く、人を怖がる様子はない。「毎月餌をやりに来る人がいるから慣れている。挑発しなければ危険はない」。島の清掃活動を続けている瀬戸内海宇治島クラブの高橋隆二副会長(34)が教えてくれた。餌やりは、市の委託を受けた福山観光コンベンション協会が担当。本年度の予算は約30万円だ。市は今回、月に1度餌をやっていることから管理責任があると判断し、けがをした男性に賠償金の支払いを決めたという。市公園緑地課の松本和成課長は「市が約30年前にシカを放した。今後、どう活用するかなどは決まっていない」といい、餌は与え続ける方針だ。市や中国新聞の当時の記事によると、市が島にシカを放したのは1985年。50年代に無人になった島を活用し自然の楽園にしようと、市の施設で繁殖したオス2匹、メス3匹を調査用に運び込んだ。当初は広島大の研究者による生態調査が数回あったが、追跡調査は行われていない。市の確認では、現在は少なくとも17匹がいるという。ただ各地では50、60年代に無人島に放したシカがもとでトラブルも起きている。東京都新島村では、観光客を誘致する目的で近くの無人島に持ち込んだ約20匹が海を泳いで有人の島に移り、800匹ほどに増えて農作物を食い荒らす被害が発生。北海道洞爺湖町でも、当初の3匹が200匹以上に増え、島の植物329種が消滅したことが確認されている。北海道大の立沢史郎助教(保全生態学)は「シカは外的要因で異常繁殖する可能性もある。きちんと調査した上で管理計画を立て、今後のあり方を話し合うべきだ」と指摘している。
(シカ、交通事故死100頭に:奈良)
一般財団法人「奈良の鹿愛護会」は16日、奈良市の奈良公園や若草山全域に生息する天然記念物「奈良のシカ」の頭数を前年比15頭増の1094頭と発表した。調査は毎年7月に実施している。今年は、愛護会の職員ら延べ83人が15、16両日に調べた。その結果、オスは210頭(前年比12頭増)、メスは736頭(同36頭増)で、今年生まれた子鹿は148頭(同33頭減)を確認した。また、昨年7月から1年間に死んだ鹿は、前年比35頭増の359頭だった。原因別でみると、交通事故が100頭(同9頭増)、疾病が144頭(増減なし)、原因不明など「その他」(同26頭増)が115頭。交通事故発生エリアのワースト1は、国道169号の県庁東交差点から奈良ホテル前にかけての区間だった。愛護会は「交通事故件数は昨年より10件ほど増えている。ドライバーはくれぐれも鹿に注意して、安全運転に努めてほしい」と呼びかけている。
(シカ逃走劇:石川)
野々市市下林の畑で十七日朝、ニホンジカ一頭が見つかり、一キロにわたる逃走劇の末、市職員や地元農家によって捕獲され、白山市の山中に放された。野々市市によると、市内での確認は九年ぶり。市によると、午前八時四十分ごろに住民が見つけて市役所に通報した。角が生え始めた体長一メートルの雄。麻酔銃を逃れ、キウイ畑や水田などを転々と移動したが、午前十一時すぎに藤平の農業ハウスに網で追い込まれ、捕獲された。水を飲み、おとなしくしていたという。県白山自然保護センターの職員は「情報が少なくてどこから来たのか分からないが、餌は山に豊富にあり、どうして出てきたのか不思議」と話す。石川農林総合事務所の職員は「夜間に移動するうちに迷い込んだのではないか」と推測している。
(シカ食害防止へ箱わな購入:広島)
シカによる農作物への被害を食い止めるため、呉市は住民の要望を受け、捕獲用の箱わなを購入する。狩猟免許を持つ住民に無償で貸し出す。箱わなは幅1メートル、高さ1・3メートル、奥行き2メートル。5月に1基を購入すると決めた。人に危険が及ばないよう、設置に当たっては猟友会の有害鳥獣捕獲班が場所を検討する。市は例年、国、広島県の補助金200万円を受けイノシシ用のわなを購入している。シカのわなの購入費用もその一部を充てるという。同市では6、7年くらい前から安浦町でシカの姿が目につき始めた。農作物の食害も出ている。昨年度は同町で26匹、川尻町で1匹を捕獲、駆除。本年度からシカを捕獲報奨金の対象に加えた。4月以降は両町で計4匹を駆除している。イノシシの箱わなに入ることが多いが、より体が大きいためイノシシ用より高さが30センチ高いシカ用の購入を決めた。
(射撃場鉛浄化装置「大雨時効果なし」:佐賀)
伊万里市大川内町の市散弾銃射撃場の鉛弾による汚染問題で、市が設けた排水浄化装置について、市民団体「いのちの会・伊万里」は17日、「装置は大雨時に浄化の効果を発揮していない」とする独自調査の結果を公表した。装置は、射撃場近くの民間休耕田から流れ出る水を浄化する目的で、3月に設置。鉛をタンクに沈殿させ、上澄みだけを流す仕組みとなっている。団体によると、市内で157・5ミリの降水量を記録した今月6日、装置の通過前後で雨水を採取し、県環境科学検査協会(佐賀市)に分析を依頼。その結果、1リットル当たりの鉛の検出量は、通過前が0・014ミリ・グラムで、通過後は0・012ミリ・グラム。いずれも環境基準値の0・01ミリ・グラム以下を上回ったという。現地で調査結果を公表した同団体の下平美代代表(86)は「効果が不確かな装置ではなく、早く土を入れ替えるべきだ」と訴えた。一方、市教委は「大雨などの特殊な条件下では、十分な機能を果たせないが、通常の気象条件下では、環境基準を下回っていることが確認されている」としている。
(鉛吸収効果に期待、汚染休耕田でソバの種まき:佐賀)
鉛汚染土壌の浄化に役立てようと、伊万里市大川内町の若者グループ「とんご会」と市民団体「いのちの会・伊万里」(下平美代代表)のメンバー10人が14日、同町の市散弾銃射撃場に隣接する休耕田に、鉛吸収効果が大きいとされるソバ「信州大(おお)そば」の種をまいた。射撃場と休耕田では、環境基準値を超える鉛が検出され、休耕田の地権者やいのちの会が汚染土壌の入れ替えを求めているが、約3億円ともいわれる費用を理由に、市の対策は進んでいない。このため同会は2011年から休耕田を借りてソバを栽培。収穫後に鉛含有量を検査した上で市に土壌入れ替えを要望している。昨年は根1キロ当たり最大2・37グラムの鉛を検出した。この日、約330平方メートルの休耕田に約1時間かけて信州大そばの種2キロをまいた。11月ごろに収穫し、佐賀大で鉛の含有量を検査する。とんご会の岩崎和貴さん(28)は「少しでも多くの鉛を取り除きたい」。下平代表は「市には鉛除去を強く求めていく」と話した。

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(イノシシ?に襲われ女性けが:大阪)
池田署は14日、池田市綾羽2の五月山公園で13日夜、近所の女性(60)がイノシシとみられる動物に襲われ、軽傷を負ったと発表した。同署は周辺住民に警戒を呼びかけるとともに、詳しい状況を調べている。同署によると、女性は同日午後10時30分頃、犬の散歩中、背後から動物に体当たりされ、右脇腹から出血、軽傷を負った。当時、辺りは真っ暗で、女性は「走り去る姿がイノシシのようだった」と話しているという。
(クマに襲われ男性軽傷:長野)
12日午前6時半ごろ、北アルプス・西遠見山(2268メートル)の山中で、下山中の山梨県北杜市、同市職員の男性(49)がクマに襲われ、頭部を縫う軽傷を負った。大町署によると、登山道を歩いていた男性は、突然、背後から現れたツキノワグマとみられる体長約1メートルのクマに頭をかみつかれたという。男性はクマを追い払って自力で下山し、松本市内の病院に運ばれた。
(クマが民家の壁壊す:岩手)
14日午後8時ごろ、山田町山田、男性会社員(48)方の壁の板がクマに剥がされた。宮古署によると壁の内側にはミツバチが巣を作っていたといい、ハチミツを狙って壁を壊したとみられる。人への被害はなかった。同署によると、風呂場の外壁が縦27センチ、横140センチの範囲で剥がされた。入浴中だった男性が、外で音がしたため窓を開け懐中電灯を照らしたところ、クマが壁を壊していた。懐中電灯の光を向けられたクマは逃げ去ったという。男性は15日午前に同署に届け出、同署が付近の住民に警戒を呼び掛けた。また、15日午後7時31分ごろ、北上市和賀町のJR北上線岩沢―横川目駅間の踏切付近で、上り普通列車がクマとみられる動物と衝突し、停車した。乗客にけがはなかった。同列車は衝突して停車した後、列車後方にクマのような動物を発見した。横川目駅に移動して車両点検を行い、18分遅れで運転を再開した。周辺で同日午後6時ごろ、クマの目撃情報があったという。
(クマと衝突し緊急停車:宮城)
14日午後10時10分ごろ、宮城県大崎市鳴子温泉南原のJR陸羽東線堺田-中山平温泉間で、新庄発鳴子温泉行きの普通列車(2両編成)がクマと衝突、緊急停車した。乗客乗員計2人にけがはなかった。JR東日本仙台支社によると、停車後、点検のため下車した乗員が線路脇にクマが倒れているのを発見。列車に異常はなかったため約30分後に運転を再開した。
(河川敷でクマの目撃情報:宮城)
14日午前9時20分頃、青葉区米ヶ袋付近の広瀬川河川敷で釣り人から体長1メートル位のクマ1頭を目撃したとの110番通報があった。警察で周辺を確認したもののクマは発見できず、付近の住民らに注意を呼び掛けている。
(クマ目撃相次ぐ:宮城)
13日午後0時20分ごろ、仙台市青葉区今沢権現森山の路上にクマ1頭がいるのを近所の住民が見つけ、仙台北署に通報した。同署によると、クマは体長約1・2メートルで、東側の山林に入っていったという。同署で付近住民に注意を呼びかけている。午後になって加美町下野目前川原中(しものめまえかわらなか)の河川公園で体長約1・7メートル、仙台市青葉区芋沢下清水下の路上で体長約50センチのクマがそれぞれ1頭目撃され、加美、仙台北両署が注意を呼びかけている。
(クマ目撃相次ぐ:青森)
むつ市でクマの目撃が相次ぎ警察が注意を呼びかけている。クマが目撃されたのはむつ市奥内のJR大湊線。13日午前7時すぎ金谷沢駅から南に600メートルの線路沿いを歩いているクマ1頭を列車の運転士が見つけた。乗客にけがはなかった。
(小学校近くにクマ:北海道)
11日夕と12日朝、滝上小学校(児童89人)の近くにクマが出没し、地域に不安が広がっている。同校は12日、全校児童を集団下校させた。滝上町は、ハンターによる登下校時の警戒を19日まで実施することを決めた。紋別警察署によると、11日は同小の学校林「ふれあいの森」に出没した。付近の女性が、一見して幼獣と分かるクマ1頭が森林から顔を出したのを目撃したという。12日は、そこから2~300メートル離れた雑草地に、体長1・5メートルほどのクマがいるのを、雑草地に隣接する住宅の女性が目撃した。両日とも警察官や町役場職員、ハンターらが出動して付近を捜索したが、クマの発見には至らなかった。町は12日、対策会議を開き、当面の間「ふれあいの森」を立ち入り禁止とするほか、同森への箱ワナ設置を検討することにした。地域住民に対しても、新聞折り込みチラシを配布するなどして注意を呼びかけるという。
(小学校付近でクマ目撃:青森)
11日午後7時ごろ、弘前市狼森字天王の広域農道(アップルロード)で、体長約1メートルのクマがいるのを車で走行中の、同市の男性(63)が目撃した。男性にけがはなかった。弘前署によると、現場は大和沢小学校(幸田龍一校長)から東に約150メートルの地点。大狼神社から石川方面に向かう最初のカーブ付近で、近くに民家などはほとんどない。同校は12日、児童に友達と一緒に登下校することや、現場付近を通らない通学路を通るよう呼び掛けるチラシを児童を通じて各家庭に配布した。また市なども現場付近に看板を設置し、注意を呼び掛けた。
(クマ目撃:栃木)
今市署によると、16日午前11時20分ごろ、日光市西川の海尻トンネル南方の山林内で、クマ1頭が目撃された。通行車両の運転手が目撃し、警察に通報した。同署は関係機関と警戒を強めるとともに、広く注意を呼び掛けている。
(クマ目撃:栃木)
鹿沼署によると、12日午後0時30分ごろ、鹿沼市上粕尾で、道路を走行中の運転手が山林内を歩いている体長50~60センチのクマ一頭を目撃した。同署は市役所を通じて近くの小学校などに注意を呼び掛けるとともに、パトカーによる警戒などを実施している。
(カモシカと列車が衝突:福島)
6日午後4時半ごろ、JR只見線の会津坂本−塔寺駅間のトンネル内で、上り普通列車(2両編成)がカモシカと衝突した。 乗客約25人にけがはなかった。 JR東日本福島支店によると、塔寺駅で車両点検を行い約20分後に運転を再開した。
(クマの餌場に電気柵設置:長野)
伊那市のますみヶ丘に出没するツキノワグマの対策として、伊那西小学校関係者や地区住民、信州大学は、餌場となるトウモロコシ畑に電気柵を10日、設置しました。10日は、小学校の教諭やPTA、信州大学の関係者など30人が作業を行いました。参加した人たちは、餌場となっている畑を囲むように4メートルおきに支柱を打ち付け、そこに、リボン状のワイヤーを、たるまないよう固定していました。地元の人によると、この付近では10年前からクマによる食害が発生しているという事です。熊による食害は、畑全体で収穫量の1割程度と影響が少ない事から、電気柵の設置といった大掛かりな対策は行われてきませんでした。しかし、ここ数年、目撃情報が増え、人への被害も発生している事から、伊那西小では、平成23年に熊に対する安全会議を設置し、県や市、信州大学と共に対策を検討してきました。今回、信州大学が行動調査も行う為、部材代90万円を負担し、通学路に面しているトウモロコシ畑に電気柵を設置しました。作業は、午前中から時間かけ行われ、4か所の畑に総延長1.3キロの柵を設置しました。県によりますと、伊那市内における熊の目撃情報は、今年に入り7件となっていて、去年の同じ時期と比べ4件増加しています。
(新たに囲いわな作戦:北海道)
厚真町は、エゾシカの食害対策として、新たに囲いわな作戦に乗り出す。2012年度の農作物被害は前年より1000万円減ったとはいえ、なお3000万円台。今回は一定の場所にシカを集めて捕獲しやすくするといい、シカ肉を札幌の業者に提供してペットフードに活用することも視野に入れている。町産業経済課によると、シカに作物が食べられるなどの被害は毎年のように起きている。対策の一つとして、畑に金網フェンスを設置している。09年度から国の補助金も利用して農家の希望を受け、3カ年で計約160キロのフェンスを整備した。この結果、11年度に4264万円に上った農業被害額は、12年度には3238万円まで減少したという。フェンス効果を確認できた半面、未設置の場所で新たな被害が生まれているという。町はフェンスの増設を検討しながら、対策をより効果的に進めるため、囲いわなの設置を決めた。設置場所はハンターと検討する。シカ用のフェンスにつなげる形で全周100メートルほどの広さに設置し、扉はタイマー式で、餌の置き場も用意する。また、対策の検証のために自動撮影カメラも設置する。総事業費は219万円。わなは10月から11月までに完成させ、月4回程度の捕獲作業を予定。捕獲の際には札幌の加工業者の協力を得て、シカ肉をペットフードに利用してもらう計画も進めている。町は「すでにむかわ町では一定の成果が出ている、と聞いている。今のところ肉は無償での提供だが、もっと効果的な活用を考えていければ」としている。
(銃猟現場ルポ:大分)
深刻化しているイノシシやシカによる森林や農地の鳥獣被害を防ごうと、稲穂が成長を始めた6月末、県東部振興局の呼び掛けで杵築、国東両市猟友会合同の一斉捕獲があった。「最近話題になっている銃猟の現場はどうなっているのだろう」。杵築市猟友会(中野政美会長)に同行し、ハントの現場を取材した。最初に箱わなで捕らえられたイノシシを見た後、「早速猟犬がシカを見つけたんや」という中野会長に連れられ、猟銃を使った捕獲班の元に向かった。ハンター10人のチームが張り込んでいる市内大田地域の山中に案内してもらった。山の谷間に張り込んでいた藤原勇郎さん(58)=市消防団長、市内杵築=は左手に散弾銃、右手に小型モニターを持ち、谷間とモニターを交互に見詰めながら無線機で仲間と連絡を取っていた。モニターは猟犬に付けたGPS発信機の受信装置で、今どこで獲物を追っているかを確認し、メンバーの配置を決めているのだという。「GPSを取り入れたのは4、5年前。導入以前に比べ捕れる獲物の数が1・5倍ほどになった」と藤原さん。猟はアナログのイメージがあったがデジタル機器を駆使していることに驚いた。このとき追っていたシカは結局、持ち場を超えて逃走。藤原さんは「まあよくあること」と笑う。早朝から始まった猟は収穫のないまま正午を迎えていた。三つ目の山の麓で無線を聞いていると、犬の鳴き声と銃声が聞こえた。「イノシシみたいやわ」と中野会長。立て続けに銃声が聞こえた。群れでいたうちの4頭を捕獲したようだ。その後同じ山でシカ2頭も捕獲。チームで計6頭の大猟となった。市に捕獲報奨金を申請するために写真撮影をし、証拠となるしっぽをナイフで切り落とした。1頭8千円になる。「捕れない日もあれば、今日みたいに大猟の日もある。仕留めた瞬間はやっぱりうれしいね」とメンバー。獲物は自分たちで加工して食べる。それも大きな楽しみだという。取材を終えて実感したのはチームワークの大切さ。狩るためだけではなく安全のためにもお互いの位置や獣道を把握してなければならない。確かに危険は伴うし、維持も大変だろう。それでも実際に同行してみると、実益と公益を兼ねた活動であることを実感したし、ハンターたちが夢中になるのも理解できた。
(狩猟の魅力フォーラム:栃木)
将来の鳥獣保護管理の担い手を確保するため、県民に狩猟免許への関心・意欲を持つきっかけを提供する環境省主催の「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」が8月3日、宇都宮大峰キャンパス峰ケ丘講堂で開かれる。本県開催は初めて。ハンターが狩猟について説明するほか、ハンティングの模擬体験もできる。フォーラムは県、宇都宮大農学部付属里山科学センター、県猟友会が共催する。環境省の2013年度鳥獣保護管理の担い手確保促進フォーラム事業の一環。2年目の事業で、本年度は本県を含む全国9会場で開催する。本県の狩猟(火薬銃、空気銃、網猟、わな猟)登録者件数は減少傾向をたどる。11年度は延べ3523人で、ピーク時の1976年の1万7659人から大きく減った。県自然環境課によると、狩猟者の高齢化が主な要因という。フォーラムは狩猟の持つ魅力や社会的な役割を実感できるように企画。同里山科学センターの小寺祐二特任助教とハンターでライターの小堀ダイスケさんが「狩猟のイロハ」と題してトークを披露する。モデルや音楽家などの本業を持つハンターらによるパネルディスカッションも行う。ハンティングの模擬体験ができるワークショップブースが設けられ、模擬銃や狩猟に使うわなの紹介コーナーや、野生鳥獣の肉(ジビエ)料理の試食コーナーも用意される。午後1時~同5時。参加無料。午前9時から農学部の教室で「野生動物管理のための鳥獣捕獲」の講義があり、一般の人も聴講可能。
(野生化進む福島原発避難地区:福島)
福島がとんでもないことになっている。福島第1原発周辺の町や村から人間が消えて2年4か月、かつての田畑は草原に変わり、イノシシやサルが白昼堂々とわがもの顔で歩く。人が住まなくなった家々はネズミの巣となった。福島県は国際原子力機関(IAEA)と実態調査を始めたが、野生の変化に追いつけない。 先月8日(2013年6月)、原発から3キロの大熊町に住民と専門家が入った。放射線量が高く、長期にわたって戻るのが難しい地域だ。玄関を入っただけで異変がわかる。10キロ入りの米袋が空だった。「3月には中身が入っていた」。なげし、床、配線のケーブル、手当り次第にかじってある。家中がフンだらけ。クマネズミだ。近くの養鶏場の光景は衝撃だった。放置され死んだニワトリは国が処分するはずだったが、死骸も卵もネズミに食い尽くされていた。建物には天敵のハクビシンの痕跡もあった。追われたネズミは民家へ拡散する。浪江町幾世橋地区は4月から立ち入りできるようになった。埼玉に避難している半谷有子さんは被害に驚いた。畳、カベ、柱…これでは建て直すしかない。昨年11月には被害はなかった。もう1度住みたいという希望はいま「もう無理か。帰るところじゃない」としぼむ。二本松市にある浪江町民の仮設住宅137世帯に聞いてみた。111世帯がネズミの被害にあっていた。専門家は2年の歳月をいう。「イノシシもネズミも生息域が広がっていて、防除・駆除のレベルではなくなっている」イノシシは本来臆病な動物だ。かつては山林に住み、人里へは夜出没した。しかし、里山が壊れて田畑までが草っ原になって、人もいない。2年で人を知らない世代が出てきて、白昼、住宅街をゾロゾロ歩いたり、田んぼにミミズやカエルを食べにくる。匂いの強いミョウガや玉ねぎまでかじる。福島県・IAEAプロジェクトのリーダーで獣医の溝口俊夫さんは、「これまで経験したことがない事態です」という。野生動物と人は微妙な距離のバランスを保つ。たとえば、保護獣のカモシカでは15メートルまで近づくのが限度だが、福島のイノシシは5メートルで撮影できる。母から子へ伝わる人への警戒心がない。近年、しきりにクマが市街地へ出てくるのと一緒だという。
(相次ぐクマ出没)
東北地方でクマの出没が相次いでいる。目撃情報は近年では際立って多かった2012年度を下回っているものの、人身被害が多発しているのが本年度の特徴。6月末までに1人が死亡し、18人が重軽傷を負った。死傷者はすでに、12年度1年間のほぼ半数に達している。人身被害は通常、登山者などが増える夏と、クマが冬眠を控えた秋に急増する。例年以上に厳重な警戒が求められよう。人里で襲われるケースも目立つ。特に岩手県では、けがをした7人のうち5人が人家周辺で被害に遭った。人里への出没は餌となるドングリなどの豊凶により年ごとに変動するが、同県自然保護課によると、増加傾向を示しているという。人家付近に出没した場合、人身被害の防止が最優先となるのは当然だ。ただ、自然保護の観点から不要な捕殺は避けるべきで、本来の生息域外への出没、人との遭遇をどう食い止めるかが重要となる。クマを人里に誘引する生ごみや放置果実をなくすなど身近な対応に加え、出没ルートとなる草むらの下刈り、奥山や里地・里山の森林の適正な管理、整備など、長期的な視点から対策に取り組む必要がある。東北各県のクマの目撃情報は、6月までに岩手で約540件(一部地域を除く)、宮城では179件に上る。記録的な大量出没となった12年度ほどではないとはいえ、大半の地域で平均的な年の同時期の件数を大きく上回っている。人里への出没は、山に餌が少なくなる夏や、冬眠に備えて大量の食物を求める秋に頻発する。昨年はブナやミズナラの実が不作だった地域が多く、大量出没につながったとされる。春以降、各地で被害が広がった原因ははっきりしない。春は新芽などのほか、前年のドングリも餌となるため、昨秋の不作が影響したとの見方もある。ただ、増加傾向の背景に、中山間地の農地の減少や里山の手入れが行き届かなくなったことがあるのは間違いない。さらに注意しなくてはならないのは、人里に出てきたクマは山にいるときより攻撃的になる可能性があることだ。餌となるものへの占有意識が高まることが主な原因とされる。人里への出没を防ぐ鍵は、クマが身を隠しながら移動するルートを寸断すること。道路ののり面や河川敷の下刈りなどが有効だ。より長期的には、餌を確保するため奥山の森林整備を図る必要があるが、まずは里山の手入れとその森林の有効活用、人里近くでの緩衝帯設置などの環境整備を急ぐべきだ。クマは活動範囲が広く、地域個体群は県境をまたいで分布する。隣県との連携、情報共有の強化が欠かせない。いち早い対策や住民への注意喚起を行うため、ドングリなどの豊凶予測の精度向上も求められる。最大の課題は被害防除と保護管理を並行して行いつつ、クマとの共生の道をどう探るかであることも忘れてはならない。
(シカ肉料理広めて:和歌山)
獣害対策で捕獲されたシカの肉を家庭に普及させようと、和歌山県田辺市の本宮町生活研究グループ連絡協議会(鈴木悦子会長、20人)は11日、シカ肉の料理講習会を本宮町の「うらら館」で開いた。シカ肉利用を推進する日高地方のグループ「シカレディース」の指導で調理し、シカ肉の用途を体感した。シカレディースは本年度、日高地方生活研究グループ連絡協議会(後藤明子会長)の有志で結成。ジビエレシピのコンクール入賞作品などを冊子にまとめて発行したり、料理の講師派遣を呼び掛けたりしている。派遣は今回が初めて。本宮町生活研究グループ連絡協の要請を受け、メンバー3人が訪れた。シカ肉料理として梅酒煮とはさみ揚げ、そぼろサラダ巻きずし、竜田揚げの他、イノシシ肉でシシ汁を作った。参加者は講師に材料やこつを教わりながら調理。調理後は全員で試食し、さまざまな味付けに合うシカ肉を味わった。シカレディースの後藤明子隊長(59)は「シカ肉は鉄分も豊富で、女性や重労働をする人にもお薦めできる。講習を機会に本宮町の皆さんが先生になって、地域でシカ肉の利用を進めてほしい」と話している。本宮町の2012年度の鳥獣捕獲匹数はシカが459匹、イノシシ211匹、ニホンザル149匹。特にシカは09年度の3倍以上と多くなっている。昨年夏には、町内にジビエ加工施設が設置された。鈴木会長(73)は「シカ肉は、あっさりして臭みもなく受け入れられやすいと思う。料理はそれほど知られていないので、本宮町で広めていきたい」と話している。

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