<射撃ニュース8月>

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(女性がクマに背中を噛まれ軽傷:宮城)
10日午前5時ごろ、宮城県白石市越河の畑で、農作業をしていた無職女性(77)がクマに襲われて背中に軽傷を負った。白石署によると、女性がしゃがんで作業中、背後からかまれたという。クマは近くの山に逃げた。宮城県内では10日早朝、色麻町や利府町でもクマが目撃されたが、けが人はなかった。
(帰宅途中にイノシシ?襲われた女性重傷:大阪)
10日午後11時40分ごろ、大阪府池田市城山町の路上で、近くに住む会社員の女性(21)が帰宅中、路上でイノシシとみられる動物に襲われ、足の骨を折る重傷を負った。池田署によると、女性は目の前を横切るイノシシを発見。逆方向に逃げようとしたところ、追いかけられて襲われたという。
(高速にクマ、車数台にはねられ即死:福島)
9日午後7時20分頃、福島県猪苗代町壺楊の磐越自動車道上り線で突然、体長約1メートルのクマが車線上に現れ、郡山市の男性会社員(26)のライトバンがブレーキを掛けたが間に合わずにはねた。クマはこの車を含む8台以上の通行車両に次々とはねられ、即死した。ほか1台がクマを避けようとしてガードレールに衝突したが、けが人はなかった。この事故で、同自動車道上り線は、猪苗代磐梯高原インターチェンジ(IC)―磐梯熱海IC間が約1時間半、通行止めになった。
(道路上でクマ目撃:栃木)
日光署によると、9日午前5時ごろ、日光市清滝安良沢町の道路上でクマ1頭が目撃された。人的被害はない。同署によると、クマの体長は約40センチ。日光市民病院北西約200メートル付近で、近所の住人が道路上にいるクマを目撃した。クマは北側の空き地へ入っていったという。現場付近は空き地が多く、南方と西方は住宅地、東方には日光明峰高もあることから、パトロールを強化し、同市や関係機関などと連携して警戒を呼び掛ける。
(シカ・イノシシ狩猟期間短縮へ:群馬)
県は9日、県内のシカとイノシシの狩猟期間を今期から短縮する方針を固めた。同日開かれた県自然環境保全審議会の部会(部会長=斎藤晋・県立女子大名誉教授)が、県の短縮案に同意した。県によると、短縮は狩猟中の死亡事故が相次いだことを受けた安全管理強化が目的で、全国初という。鳥獣保護法は、猟期を11月15日~2月15日と規定している。県自然環境課によると、県内は農作物被害に対応するため、特例で銃猟を2月末まで、わな猟を3月15日まで延長していた。しかし、昨年12月に桐生市で狩猟中の男性が散弾で死亡、2月には南牧村でもシカ猟中の男性が死亡する事故が発生。猟期中の死亡事故は昨期、全国でもこの2件だけだったため、狩猟関係者から「猟期延長中に土地鑑のない県外ハンターが押し寄せ、事故が起きやすい」「猟期を知らずに渓流釣りなどで山に入る人も多い」と見直しを求める声が上がっていた。短縮案は、銃猟、わな猟とも猟期を同法通りに一元化する。環境省野生生物課は、「猟期の延長が全国的な傾向で、短縮は聞いたことがない」としている。県によると、2011年度のシカ・イノシシの狩猟捕獲は計約4300頭。猟期短縮で捕獲数は各300頭ほど減るとみられる。県内の野生鳥獣による農作物被害は、11年度で約5億6000万円(前年度比5%増)に上る。この日の部会では「猟期短縮による被害拡大が心配だ」との意見も出た。
(釧路湿原でエゾシカ駆除へ:北海道)
環境省釧路自然環境事務所(北海道釧路市)は8日、釧路湿原国立公園内の達古武湖周辺で来年1月にもエゾシカの捕獲を試験的に始める方針を決めた。増えすぎたシカが湿原の生態系に悪影響を与えているとみられるためで、環境省が釧路湿原でエゾシカを駆除するのは初めて。同省は試験捕獲の結果を見て対象地域の拡大などを検討する。来年度中に「生態系維持回復事業計画」を決め、本格的な駆除に乗り出す考えだ。釧路自然環境事務所によると、釧路湿原では1990年代以降、エゾシカが増える傾向にあるとみられている。
(アナグマの目撃、住宅街で急増:鹿児島)
鹿児島市の繁華街や住宅街にアナグマが出没し、市民からの通報が市に相次いでいる。市や猟友会は「住宅開発で生息域が狭まるなどし、食べ物を求めて山を下りてくるのでは」と推測している。今月初めの深夜、同市中心部の住宅街にあるごみ置き場。体長50センチほどの動物が生ごみをあさっていた。鼻筋の毛が白い。アナグマだ。人の気配を感じると、足早に排水溝に潜って姿を消した。市生産流通課によると、市内住宅街でのアナグマの目撃情報は年々増加。昨年度は50~60件、今年度はすでに40~50件に上る。市民からは動物名の問い合わせのほか、「床下に潜り込んだ」「家庭菜園が荒らされた」といった相談が寄せられている。平川動物公園に寄せられた情報では、ごみ捨て場で腹を見せて寝ていたこともあるという。市内で有害鳥獣として捕獲される頭数も増えている。2009年度は11頭、10年度は24頭、11年度は13頭だったが、昨年度は78頭と急増。県によると、県全体の捕獲数も増えており、昨年度は3年前の3倍を超える982頭に上った。アナグマが出没する要因について、同課は「開発の影響で森林が減少した影響では」と推測。猟友会鹿児島支部の中園功一支部長は「猟友会の会員の減少を背景に生息数が増え、食べ物がある街中に下りてくるのでは」と見ている。同課は「森林に戻すため、アナグマを見かけても、そっと見守ってほしい」と呼びかけている。
(銃所持許可審査で照会せず、調査書を虚偽作成:埼玉)
猟銃の所持許可を出すかどうかを決める警察の審査で、必要な照会作業をしたと偽って調査書などを作ったとして、所沢署は九日、虚偽有印公文書作成・同行使などの疑いで、所沢署生活安全課の男性巡査部長(60)を書類送検した。県警は同日、巡査部長を減給十分の一(一カ月)の懲戒処分とした。県警によると、猟銃などの所持許可申請を審査する場合、各警察署は、申請者の過去の行政処分の有無や、ストーカーなどの当事者ではないかなどを県警本部に照会する。だが巡査部長は、少なくとも二〇〇九年以降の調査書など二百四十三通について、照会をしていないのに「該当しない」との内容を勝手に書いたとみられるという。県警は「本来なら銃を所持できない人が許可されたケースはない」としている。巡査部長は、このうち八通の虚偽作成に関わったとして、書類送検された。県警によると、巡査部長は容疑を認め、九日付で依願退職した。県警が昨十月、警察署から照会を受けた際に県警が作成している記録と、所沢署から送られてきた調査書などを照合したところ、虚偽作成が発覚した。
(イノシシ出没で農作物に被害:岡山)
岡山市南区の児島半島にある光南台中学校区でイノシシの出没が相次いでいる。イノシシの隠れ場所となる耕作放棄地が広がっていることなどが原因とみられる。県猟友会がわなを設置して駆除に乗り出しているが、行動範囲は拡大。農作物に被害を及ぼし、住民は対策に追われている。同中学校区の住民や小串学区連合町内会によると、農作物の被害が出始めたのは5年ほど前。当初荒らされたのは山中の畑だったが、昨年ごろから山裾の田畑でイモやスイカを食い荒らしたり、稲を倒したりする被害が顕著になったという。被害を受けた田畑では住民が周りをトタン板やネットで囲うといった対策を取っている。向小串、阿津、郡の3町内会は13年度、市と県の補助金を初めて活用し、捕獲柵を計6基購入する予定。住民の高齢化などで耕作放棄地が山裾にも広がり、茂った雑草の中にイノシシが身を隠し、田畑に出没しやすくなっているとみられる。
(トキ野生復帰検討会、カラス駆除を決定:新潟)
専門家による「トキ野生復帰検討会」(座長=山岸哲・兵庫県立コウノトリの郷公園長)が8日、佐渡市内で開かれた。国の特別天然記念物トキの巣を襲うカラスを来季から駆除することが決定。放鳥トキのきょうだいペアから生まれ保護された4羽同士を交配させる実験を行えるかも検討することになった。環境省や研究機関の職員ら約40人が出席。今季の放鳥トキの繁殖ではカラスのかく乱で少なくとも4組が巣を放棄した例が確認されたため、トキの味を覚えたカラスは駆除すると決めた。今季、きょうだいペアから生まれた4羽については、近親交配による遺伝的影響を調べるため、4羽同士でさらに交配できるか、特別天然記念物を管轄する文部科学省と相談した上で検討する。また、感染症による絶滅を防ぐため全国各地で分散飼育されているトキについて、周辺住民に理解を深めてもらうため一般公開することも議論された。
(伊万里市射撃場の鉛問題、検討委が初会合:埼玉)
伊万里市大川内町の市営射撃場(休止中)に57トン以上の鉛が放置されている問題で、鉛除去に向けた土壌調査の範囲や方法を検討する委員会の初会合が8日、伊万里市役所で開かれた。土壌汚染の専門家委員が現地を視察し、調査の進め方などについて協議した。検討委は土壌汚染、水質などを専門とする大学教授ら4人と、市の担当部課長ら計16人で構成。委員長には廃棄物が専門の福岡大大学院工学研究科の樋口壮太郎教授を選んだ。初会合では、市体育保健課がこれまでの経緯を説明。土壌汚染対策法に基づく表層土とボーリングでの調査、鉛散弾の分布から汚染状況を把握する方法など3案が示された。委員からは「汚染源である鉛散弾は地表から1メートル程度にあるので、むやみに深く掘る必要はない」「表流水や地下水への影響を知る上で水系や流域図、地質の推計断面図による情報が必要」などの意見が出た。次回は9月末か10月初めを予定。計4回ほど会合を重ね、年度内に結論を出す計画。市は委員会の決定を受け、鉛除去の工程表を作る。
(急増する箱わな、磨けぬ捕獲技術)
政府の鳥獣害対策予算が拡充され、各地にイノシシや鹿を捕獲するわなが急増している。イノシシの子ども「うり坊」単独ではなく、親子連れで捕獲することが、被害減につながるといった捕獲のポイントがあるが、わなを効果的に活用できていないケースが目立つ。関係者からは、わなの普及と併せて捕獲技術を高める重要性が指摘されている。福島市の農家で県猟友会福島支部部長の佐久間貞二さん(71)は、箱わなが各地に点在することを心配する。「捕獲には技術が必要。だが、その技術を持たないまま、うり坊だけを捕獲するなど、わなを安易に設置する農家が多い」と嘆く。佐久間さんは、イノシシの獣道を見極め、最も効果的な場所に箱わなを設置する。最初の1、2週間は、わなの扉が作動するためのセンサーを外し、餌でおびき寄せる。警戒心の強いイノシシの親がわなに入り、餌を食べているところで、わなの扉が下りるようにして、親子で捕獲するのが、佐久間さんの手法だ。佐久間さんは「じっくり待たないと、繁殖能力の高い親をいつまでも捕獲できないことになる。捕獲は、有害鳥獣との知恵比べだ」と強調する。2012年3月に成立した改正鳥獣被害防止特措法により、鳥獣害対策への補助が手厚くなった。鳥獣被害防止緊急捕獲等対策では、鹿やイノシシなどの捕獲に対する助成(1頭当たり8000円が上限)や、箱わなの設置など捕獲に必要なソフト対策に同年度で17億円の予算が付いた。このため、どこにどれだけの数の箱わなが設置されているか統計はないが、農水省は「全国各地で箱わながかなり増えている」(鳥獣災害対策室)という。こうした支援体制が充実する一方で、「箱わなを活用する技術が伴っていない」といった指摘もある。「箱わなで狩猟する人には群れで取ってくれと指導しているが、なかなか浸透していない。今後も箱わなが増えていく中で、技術も同時に向上させていかなければいけないと認識している」(長崎県)などの声が出ている。集落全14戸が参加する福井市の市ノ瀬町イノシシ駆除協議会。地域ぐるみでイノシシの捕獲体制を整え、獣害を減らしているとして、同市内の先進地域と位置付けられている。同協議会では設置した七つの箱わなを、手分けして毎日見回り、餌を絶やさないないようにする。箱わなのセンサーの奥、両脇に餌を置くなど工夫する手法は「市ノ瀬方式」などと呼ばれ、捕獲の効率を上げているとして評判だ。「見回りをしっかりして、箱わなの維持・管理をしていることが、鳥獣害を減らした成果の要因だ」と自治会長の谷口則文さん(70)。農家の木村清一さん(72)は「箱わなを設置しただけで終わっているという他の地域の話をよく聞くが、自分たちは長い間、小さな集落でも工夫して技術を磨いて駆除している」と話す。岐阜大学野生動物管理学研究センターの角田裕志准教授は、(1)有害鳥獣の群れ全体の頭数と親の頭数の把握(2)獣道の把握(3)農作物の味を覚えさせることになるので、畑の野菜を餌付けに使わない(4)警戒心を解いてから捕獲する――など捕獲のポイントを指摘。その上で「わなの数をいくら増やしても、きちんとした手順や技術を踏まなければ無駄になる。箱わなの設置と同時にポイントを学び、情報を共有する研修の充実が求められている」と主張する。
(サルと共存:新潟)
南魚沼市ではいくつものサルの群れが確認され、農作物被害が拡大しているが、新たな対策として成果をあげているのが、船ケ沢新田地区における「サル・クマと共存できる地域づくりモデル事業」だ。同地区は39戸の農業集落。桑やクルミ、柿の木が多いことから、サル、クマの被害に悩まされてきた。対策ではまず学習会を開催。住民へのアンケートで被害地、被害動物を把握すると同時に、集落住民への意識啓発を徹底した。住民総出でサルなどの出没地点や被害状況を確認する集落環境診断を行い、具体的な対策を立案した。力を入れたのが、情報の集約・共有だ。バス停に鳥獣被害届ポストを設置し、どの農地にどんな被害があったのかを、地区内だけでなく、近隣集落へも回覧して情報を共有している。サルは母系社会でメスザルを中心に群れを形成して行動することから、中心となるサルを捕獲して発信器を装着。信号を追跡するテレメトリー調査で行動をモニターし、地図化して行動を予測している。
(ジビエを食する会:鳥取)
獣肉解体処理施設「わかさ29(にく)工房」=若桜町若桜=をお披露目するジビエを食する会が9日、同町内で開かれた。銘板除幕や施設内見学、シカ肉料理の試食があり、鳥獣害対策の新たな拠点の門出を関係者が祝った。近年捕獲数の多いイノシシやシカの肉を有効活用しようと若桜、八頭両町が約2500万円かけて建設。延べ床面積90・65平方メートルの木造平屋建てで、約6頭分保存可能な熟成用冷蔵庫や冷凍庫、スライサー、包装機器などを備える。獣肉処理解体施設としては県内で7カ所目。会には両町や県、地元猟友会メンバーなど約40人が参加し、小林昌司若桜町長が「ジビエで活力あるまちづくりをしていきたい」とあいさつした。試食会は同町屋堂羅の屋堂羅相撲館で行われ、地元飲食店・夢豆庵(むとうあん)によるシカ肉のサイコロステーキやカツ、カレーライスなど5品が登場。参加者は「柔らかい」「食べやすい」などと舌鼓を打っていた。施設の管理は当面若桜町が行う。同町産業観光課は「施設の活用と並行して販売ルートの確保も行い、地域に還元できるようにしたい」としている。

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(シカ、12年後に500万頭に倍増)
農作物や山林を荒らす被害が深刻化しているニホンジカについて、環境省は7日、捕獲数が現状のペースにとどまった場合、平成37年度には北海道を除く全国で23年度の2倍近い500万頭まで増えるとの推計結果を公表した。環境省がニホンジカの数の将来推計値を出すのは初めて。背景には狩りをする人の高齢化に伴う狩猟人口の減少がある。環境省によると、過去の捕獲数から23年度のニホンジカの生息数を261万頭と推計。23年度の捕獲数は約27万頭で、捕獲率がこのまま変わらないと仮定した場合と、捕獲率を増やした場合をシミュレーションした。捕獲のペースが現状のままなら37年度に500万頭まで増えるが、2・2倍にした場合は171万頭に減り、2・9倍にすれば84万頭になる。狩猟免許の所持者数は平成元年度の29万人から22年度には19万人に激減している。
(ニホンジカ20年で9倍に、狩猟会社認定を検討)
環境省は7日、北海道を除く全国に生息するニホンジカとイノシシの個体数を初めて推計し公表した。ニホンジカは2011年度に216万頭と、この20年間で9倍近くに増え、今のペースでは25年度にさらに倍以上に増える見通し。環境省は野生鳥獣による農作物などへの被害を減らすため、鳥獣捕獲の専門会社を認定する新制度の検討を始めた。推計によると、ニホンジカは11年度216万頭で過去最多を記録。これに対し、捕獲数は27万頭と約1割にとどまり、現状のままでは、25年度に500万頭まで増える見通しだ。一方、イノシシも11年度に88万頭と推定され、1989年度の3.5倍に増加した。シカは繁殖能力が高いうえ、最近は暖冬で、冬を生き延びるケースも多い。農作物や森林の食害だけでなく、車や列車との衝突事故も後を絶たない。従来は自治体が地元の猟友会を中心に有害鳥獣の捕獲を行ってきたが、狩猟免許保有者は89年度の29万人から10年度に19万人へ減少。うち60歳以上が63%を占め、高齢化が進んでいる。このため、環境省は専門技術を持った事業者を認定し、若手ハンターの雇用、育成につなげる新制度の導入を検討している。案では、集団で行う大規模な捕獲作戦や、標高の高い山中、市街地近郊などでの高度な捕獲技術を要する作業を担う民間事業者を国が認定。各自治体が策定する保護管理計画に従って、捕獲業務を受託できるようにする。要件として、安全管理体制や捕獲実績、従業員の研修などを義務付ける。
(違法選挙文書、県猟友会幹部を書類送検:山梨)
先月、投開票された参院選の公示前に、比例代表候補への投票を呼び掛ける違法文書を配ったとして、県警は近く、県猟友会幹部を書類送検する方針を固めた。違法とされる文書は、自民党で落選した比例代表候補への投票を促す内容で、一部は候補者と県猟友会幹部の写真が添付されていた。捜査関係者によると、この幹部は事務所のパソコンで文書を作り、公示前に少なくとも数百人に配ったとされている。取材に対しこの幹部は「違法とは知らなかった」と話している。県警は配れた文書の一部について立件を急ぎ、公職選挙法違反の疑いで近く書類送検する方針。県猟友会関係者によると、作成した文書は県内の各支部に持ち込まれ、地域の責任者を通じて手渡しなどで配布されたという。
(サル出没、5人けが:佐賀)
野性のサルが7月下旬以降、佐賀県唐津市の市街地などに相次いで出没している。市有害鳥獣対策室に寄せられた情報では、かまれるなどして5人がけがを負っているという。同室は、注意を呼びかけている。同室によると、市中心部や呼子町周辺での目撃や被害の情報が多い。7月21日に呼子町の自宅近くで遊んでいた小学2年生が背中を、同27日に町田で保育園へ向かっていた園児が尻をそれぞれかまれた。今月1日には、和多田の小学校のプールで児童がひっかかれ、同3日には、西唐津の民家の庭先で、犬に餌を与えていた女性が背中をかまれた。同4日は、佐志で市民がかみつかれた。群れからはぐれた雄の可能性が高いという。同室は、子どもや高齢者がサルに出くわした場合は、刺激しないようにして、その場から離れるように呼びかけている。一方で、人間を怖がらなくなっていることも考えられるため、出来れば、鍋をたたくなどして大きな音を出して追い払うように求めている。
(クマ目撃:栃木)
7日午後6時5分ごろ、日光市中宮祠の山林で、クマ1頭が目撃された。日光署によると、クマの体長は約1メートル。現場は中宮祠水処理センターの南側で、付近には商店などが点在する。同署などが警戒している。

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(サルに襲われ児童ら5人けが:佐賀)
佐賀県唐津市で、小学生や保育園児を含む5人が野生のサルに襲われ、けがをしていたことが6日、市への取材で分かった。いずれも軽傷という。市有害鳥獣対策室は「人間に慣れたサルが山から下りて来ているのでは」と話し、市民に注意を呼び掛けている。市によると、7月21日、自宅の庭で遊んでいた小学2年の児童が背中をかみつかれた。27日には、母親と一緒に保育園に向かっていた幼児が尻をかまれた。8月1~4日にも、小学生や女性が引っかかれるなどした。唐津市には、野生のサルが約400頭いると推測されている。
(クマに襲われ女性重傷:秋田)
3日午前4時35分ごろ、秋田県仙北市の枝豆畑で、農作業をしていた近くに住む無職藤川レツさん(81)が、クマに襲われ左腕骨折などの重傷を負った。仙北署によると、クマは体長約1・5メートル。畑の隣にある水田から走ってきて、頭や左腕をひっかいて逃げたという。同署や地元の猟友会が付近をパトロールし、警戒を強めた。
(登山中にクマと遭遇、男性軽傷:岐阜)
3日午後2時50分ごろ、岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂(かんさか)の北アルプス弓折岳山頂(2592メートル)付近で、登山に来ていた東京都世田谷区砧3の男性会社員(69)が体長約2メートルのツキノワグマと遭遇。男性は右手甲を前足の爪で引っかかれ軽傷を負った。岐阜県警高山署によると、男性は登山仲間の女性2人と登山道を歩いていたところ、クマに襲われたという。約3時間後、パトロール中の県警飛騨署員と出会い、高山署に通報した。
(シカ接触、特急が部分運休:高知)
3日午前5時15分ごろ、JR土讃線の上り特急列車「しまんと2号」(2両編成)が土佐山田―新改駅間でシカと接触。20分ほど現場で停車した後、運転を再開したが、後続との時間調整や検査のため、多度津―高松駅間で運休となった。
(クマ1頭目撃:新潟)
4日午後9時前、阿賀町九島の路上で体長約80センチのクマ1頭を目撃したと、近くに住む男性が津川署に通報した。目撃地点から民家までは約100メートル。
(クマ目撃:栃木)
日光署によると、5日午前9時20分ごろ、日光市中宮祠の遊歩道でクマ1頭が目撃された。被害はない。同署によると、クマの体長は約1メートル。赤沼茶屋北西約2キロ付近で戦場ヶ原の遊歩道を散策していた観光客が、遊歩道上にいるクマを目撃した。現場付近は山林内だが、自然研究路遊歩道上での目撃のため、パトロールを強化し観光客への広報を行うほか、同市や関係機関などと連携して警戒を呼び掛ける。
(環境省と自然保護団体、鳥獣被害で論争)
「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」と銘打った環境省主催の行事が三日午後、宇都宮市で行われる。本年度中に同市をはじめ全国九カ所で開催予定で、シカやイノシシによる農作物被害が深刻化する中、ハンターの数を確保する狙い。しかし一部の自然保護団体からは「野生鳥獣が山から出てきたのは、狩猟者の減少が理由ではない」との反発が出ている。フォーラムは昨年度に続いての開催。本年度は宇都宮市のほか、来年二月までに滋賀、福井、宮城、静岡、高知、長崎、広島の各県と北海道でも行う予定。三日は会場となる宇都宮大で、現役の若手ハンター四人が、ハンターになった理由やきっかけを語るトークイベントを実施。わなや猟銃を紹介するコーナー、模擬銃と画面に映し出された映像で狩猟を疑似体験できるブースも設ける。環境省によると、全国の狩猟者数は一九八〇年前後は約五十万人だったが、二〇一〇年には約十九万人に減少。うち六十歳以上が65%と高齢化も進む。同省の担当者は、趣味の多様化が減少の一因と分析。「このままでは農作物への被害が拡大する。担い手の確保は切実」と訴える。これに対し、自然保護団体「日本熊森協会」(兵庫県西宮市)の森山まり子会長は二日、栃木県庁で記者会見し、「野生鳥獣が山から出てきたのは狩猟者が減ったからではなく、山が荒れ、エサがなくなったからだ」と反論した。戦後、国が奥山の広葉樹を伐採し、代わりにスギやヒノキなどの針葉樹を過密に植林したと指摘。「林の中に日光が入らないので、下草も生えず、砂漠のようになっている。元の奥山を復元することが重要なのに(環境省は)問題をすり替えている」と述べ、根本的な解決には、動物が暮らせる山の復活が必要と訴えた。同省の担当者は「下草の重要性も否定はしないが(下草が生える環境にするには)かなりの時間がかかる」と説明。また、シカやイノシシは繁殖力が高いことを指摘し、「捕獲しても追い付かないほど。増えすぎたものは減らし、バランスを保つ必要がある。現状に対処するには、狩猟者が減ってはまずい」と理解を求めている。
(クマ人身被害、7月だけで3件:栃木)
県北部で7月以降、クマに人が襲われる被害が相次いでいる。本年度までの過去10年では、多くても年2件で推移してきたが、2013年度は同26日に塩谷町の山林で山菜採りの男性(70)が襲われ、既に3件目が発生。クマの出没は例年、餌となる野菜、果物が畑や庭先などに実る8-10月に増える。県は今後も注意を呼び掛けていく。クマの出没が増えやすい時期を見据え、県自然環境課は(1)山では鈴、ラジオを鳴らし単独行動をしない(2)里山は下草刈りで見通しを確保する(3)餌になる食べ物を放置しない-などの対策の徹底を呼び掛けている。
(シカ個体数制御へ:愛媛)
愛媛県松山市は、ニホンジカの食害により裸地化が進む北条地域沖の鹿島で、シカの個体数をコントロールするため2014年度から、87頭のうち雌10頭ほどを除いて施設内で飼育・管理する初の5カ年計画をまとめた。2日に市役所であった北条鹿島野生鹿検討委員会(会長・石川和男松山東雲女子大名誉教授)で承認された。検討委と市によると、全国的にも鹿島のような小島でのシカ管理計画はあまり例がなく、成功すればモデルケースになる。鹿島は周囲約1.5キロの無人島。シカは1948年に県の天然記念物となり、保護されてきた。増加による植生への影響から61年には4頭を残し28頭を島内のシカ園に収容したが、2012年11月現在で園外55頭、園内32頭の計87頭(雄27頭、雌56頭、性別不明の子ジカ4頭)が生息。希少種を含む植物の食害が広がる一方、シカにとっても餌が減り厳しい環境となっている。
(シカ食害コスモスにも:愛媛)
例年コスモス約30万本(約3ヘクタール)が咲き誇る愛媛県四国中央市金砂町平野山の翠波高原で5日までに、半数に当たる約15万本がシカに食べ荒らされた。高原では今春、菜の花が食害で壊滅しており、市の観光資源が深刻なダメージを受けている。市観光交流課によると、6月末ごろから新芽や花、茎などが食べられ、ふんや足跡からシカによる被害と確認した。コスモスの大規模被害は初めて。市やボランティアでつくるコスモス感謝祭実行委員会は、例年約3000人が訪れる恒例行事「コスモス祭」を18日に予定通り開く方針。
(イノシシの被害減少、電気柵・わなが効果:富山)
農作物に被害を及ぼすイノシシの対策が県内で効果を上げている。電気柵を全長約180キロ設置している南砺市では2009年に1261万円だった被害額が10分の1に減少。富山市も捕獲や電気柵設置を進め、ピーク時から半減した。
(農作物のサル食害最悪:徳島)
2012年度の徳島県における野生鳥獣の食害のうち、サルによる農作物被害が前年度比12・3%増の4232万円に上り、統計を取り始めた1999年度以降で最悪となった。県西での被害拡大が目立つ。山林開発などで餌が減り、人里に下りてくるようになったのが原因とみられる。県は効果的な捕獲に向けた実証実験を近く始める。サルによる農作物被害額は09年度3987万円、10年度3667万円、11年度3769万円で推移。12年度の被害額を7地域別にみると、三好農業支援センター管内(三好市、東みよし町)が前年度比45・2%増の1275万円と最も多く、次いで徳島農業支援センター管内(徳島、小松島両市、勝浦、上勝、石井、神山4町、佐那河内村)が21・3%増の1211万円だった。美馬農業支援センター管内(美馬市、つるぎ町)は前年度22万円から5倍以上の120万円に増えた。県は13年度当初予算で、サルの捕獲に重点を置いた対策(獣害に立ち向かう農山村づくりモデル事業)に1320万円を計上。特定の場所に餌場をつくって捕獲したり、大型の囲いわなで群れごと捕まえたりする実験を行う。生ごみや収穫後の野菜くずを放置しないモデル集落も選定する。イノシシやニホンジカ、鳥類などを加えた12年度の農作物被害の総額は1億3188万円で前年度に比べ2・4%増え、過去4番目に多かった。イノシシは14・1%増えて4159万円。2年連続で最多だったシカは侵入防止柵の設置など対策を進めたため、23・7%減の3300万円だった。県農村振興課は「シカは狩猟強化などの対策が一定の成果を上げつつある。サルについても農家や市町村と連携しながら、効果的な被害軽減策を確立したい」としている。
(「サルサミット」:宮崎)
野生鳥獣による農作物などへの被害対策を話し合う「みやざきサルサミット」が2、3日、宮崎県都城市であった。同市のほか、延岡市や日向市などの県の鳥獣被害防止対策モデル集落に指定されている5集落の住民約100人が参加。2日は事例発表や意見交換、先進地の取り組みを視察した。作付けの断念など、中山間地で問題となっている鳥獣被害の軽減を目指そうと、都城市が主催。県内では初めての開催となった。初日は、同市高城町の高城生涯学習センターを会場に、各集落が取り組みを発表。同町田辺集落の松田芳美・公民館長は、花火によるサルの追い上げや、サルの目撃情報を掲載した「サル新聞」を定期的に刊行していることを紹介。「山に近い場所にある果樹の伐採など、集落一帯となった取り組みで被害を防いでいる」と述べた。3日は、シカ防止の電気柵を設置している同市西岳地区の現地視察があった。県内の鳥獣による農産物の被害は年々増加しており、2011年度は約4億4千万円で、07年度から倍増している。イノシシとシカによる食害が多いが、近年はサルの被害も増えているという。
(獲物を仕留め食う、これも「部活」:東京)
狩猟免許を取り、わなや銃で獲物の仕留め方を学ぶ学生集団がある。東京農工大(東京都府中市、小金井市)の「狩り部」。全国的にも珍しい部活動という。他大学の学生を含めて部員は約30人。食害などで崩れていく生態系を間近に見ながら、狩猟現場で動物の命に向き合い、抱くのは「感謝」だ。29日、東京農工大府中キャンパス。狩り部の部員が鹿の角を輪切りに加工していた。環境省が8月3日に宇都宮市で開く「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」にブースを出し、角を使ったストラップやアクセサリー作りを実演するための準備だ。角は栃木県の猟友会から提供してもらった。「野生動物は食べてもおいしいが、色々な使い方ができることも知ってほしい」。部長で地域生態システム学科4年の津上洋太郎さん(21)は話す。
(狩猟担い手を育成:新潟)
有害鳥獣の生息域が拡大する一方で狩猟者の減少と高齢化が進む事態を受け、県は3日、狩猟担い手研修会を十日町市の県地域振興局で開いた。上中越地域の狩猟に関心がある市民ら約20人が参加した。県などによると、近年農作物や水産物に被害を及ぼすサルやイノシシ、カワウなどの生息域が広がり捕獲数も年々増えている。一方、1980年代初めに9千人を超えていた県内の銃猟免許所持者は、2011年度には2600人程度に減少し、60歳以上が7割を占めている。こうした状況を踏まえ、県は本年度から担い手育成のため各地で研修会を開くほか、銃猟免許取得を支援する助成制度も創設した。研修会では、鳥獣保護法や年3回実施している狩猟免許試験について解説。合格率が93%(12年度)を超えることや、5~7月に無料の希望者講習会があることなどを説明した。県猟友会十日町支部会員の男性(35)は「猟銃所持者にしかできない社会貢献があり、農家や住民に喜ばれている」と体験を語り、中古銃や保管ロッカーはそれぞれ5万円程度から購入できると助言した。イノシシ鍋の試食会や射撃場での模擬銃体験もあり、長岡市の会社員の男性(28)は「銃の所持は少し怖い面もあるが、猟に行きたくなった」と話していた。

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(サル出没、高校生らかまれる:静岡)
29日午後6時ごろ、富士市神戸の富士署神戸駐在所付近の路上にサルが出没し、女子高校生や男子中学生らに次々とかみついた。富士署によると、少なくとも3人がかまれ、足首やふくらはぎにけがをしたが、いずれも軽傷のもよう。同署によると、サルは体長50センチくらい。午後6時半ごろに署員が見つけて捕まえようとしたが、逃げた。
(またもサル被害:静岡)
29日に高校生ら3人が野生のサルに襲われた現場近くで、31日も女子高校生がサルに左手をかまれた。警察によると31日午前9時ごろ、富士市今宮の路上で女子高校生(16)が電柱に登っていたサルに跳びつかれ、左手の親指をかまれて軽いけがをした。31日の被害は、29日夕方、女子高校生ら3人が噛みつかれた現場から北へ約1.5キロの場所だった。市では30日から午前6時と午後5時の1日2回、現場付近のパトロールを行い警戒を強めている。
(サル捕獲用の檻設置:静岡)
野生のサルによる被害が続く富士市は2日、目撃情報の多い地区に罠を設置した。富士市では6月28日からおよそ1か月間で野生のサルに噛みつかれるなどの被害が8件あった。これを受けて市は2日、サルを捕獲するための罠を、目撃情報の多かった富士市神戸と今宮の半径1.5kmの範囲に4基設置した。罠は幅1メートル、奥行き1.2メートル、高さ1メートルで、サルがサツマイモやトウモロコシを取ると、入り口がふさがれる仕組みになっている。罠は3か月間設置し、サルを捕獲した場合は今後人を襲うことがないよう山に逃がすという。また1日2回のパトロールは今後も引き続き行う予定。
(クマを目撃:宮城)
1日午前6時ごろ、仙台市青葉区芋沢権現森山の市道脇で、クマ1頭が歩いているのを車で通行中の男性が見つけた。仙台北署によると、クマは体長約1メートルで、西側の山林に入っていったという。近くに民家があり、北署が注意を呼び掛けている。
(クマ1頭目撃:新潟)
2日午前8時半すぎ、新発田市滝谷の市道でクマ1頭を目撃したと、同市滝谷森林公園の男性臨時職員が新発田署に通報した。同署によると、クマは体長50~60センチで子グマとみられる。現場から民家までは約400メートル。
(クマの目撃情報:長野)
7月23日(火)午後4時30分頃、西春近地区春富ふくじゅ園北側の山林内で、親子のクマの目撃情報がありました。付近の住民の方は十分注意してください。特にクマが行動する夕方から早朝は注意をお願いします。家の近くであっても鈴・ラジオなど音の出るものを必ず身につけましょう。
(クマ目撃:栃木)
日光署によると、30日午前7時25分ごろ、日光市中宮祠の国道120号でクマ1頭が目撃された。被害はない。同署によると、クマの体長は約1メートル。光徳入口付近で観光バスの運転手が光徳方面から戦場ヶ原方面へ国道を横断するクマを目撃した。現場付近はハイキングコースもあることから、観光客などへ注意を呼び掛けた。
(クマ目撃と痕跡、本年度164件:新潟)
クマによる被害の防止や個体数管理について話し合う県ツキノワグマ保護管理対策検討会が29日、新潟市中央区で開かれた。今春は雪解けの遅れによる餌の不足などの影響で県内のクマの目撃・痕跡報告件数が164件に上っていることから警戒を強めるとともに、生息状況を把握する調査を行うことを決めた。県によると、本年度の目撃・痕跡報告件数は7月19日現在、164件。2012年度の4~7月分より少ないが、秋に大量出没した10年度の同時期を上回っている。会長の箕口秀夫新潟大教授は「今秋は(ブナなどの豊凶作による)出没予測が難しい。関係機関が情報交換を密にし、被害を防ぐ必要がある」と指摘した。10年度の調査では県内のツキノワグマの生息数を1082頭と推定。13年度は県内3カ所に初めてクマの撮影用カメラを設置し、生息数や生息場所をあらためて推定する。餌の実がなる木の伐採や森林整備で出没が減った南魚沼市の事例を参考にモデル地区を設けて対策を強化する。会合では、出席者から「他県ではクマが市街地に出没したケースがあり、都市部向けの対策も必要だ」「餌となる果樹の伐採を支援してほしい」などの意見が出た。ニホンザルの対策検討会も29日開かれ、県の保護管理計画に基づき、村上市など10市町が捕獲などの実施計画を策定することが報告された。
(野生化した外来シカ「キョン」:千葉)
台湾などに生息する外来種で小型のシカの仲間「キョン」が房総半島南部で急増している。繁殖力が強く、農作物や花卉(かき)の食害も懸念される。千葉県は本格的な対策に乗り出したが、小型で捕獲しづらいために駆除がなかなか進まない。専門家は「後手に回ると被害が広がる」と危機感を強める。「花の部分だけきれいに食べられるなんて」。千葉県勝浦市の主婦、柳沢美左子さん(67)は6月、庭のアジサイを見て肩を落とした。夕方になると近くの雑木林から「ギャー」と耳慣れないキョンの鳴き声が響く。同市の無職、岩瀬正さん(74)も「毎日のように昼間でも道路に出てくる」と驚く。近隣ではキョンを警戒し家庭菜園にネットをかける対策をとっている。キョンは勝浦市の元観光施設から1960年代に逃げて野生化。房総半島南部に広がり、現在約1万7千匹が生息するとみられる。繁殖力が強く2012年までの5年で5倍に増えたと推定されている。専門家によると、房総半島は原産の台湾に似た暖かな気候で、キョンの好物の照葉樹の葉が豊富にあることなどが増加の理由。減反政策で増えた耕作放棄地が格好の“隠れ家”となっているとの指摘もある。今年、南房総市でも初めて1匹が捕獲された。県担当者は「南房総市は花の特産地。大切な産業を守るためにも生息域の拡大を食い止めたい」と危機感を強める。同県は生息数の推定方法を見直し、精密なデータを市町村に提供する予定。区域ごとに具体的な捕獲目標を設け、効率よく捕獲する考えだ。一方、実際に駆除の担い手となる市町村の動きは鈍い。県内でのキョンの被害額は今のところ年間約60万円なのに対し、イノシシによる被害は約2億円。南房総市の担当者は「キョンの被害報告はまだない。イノシシ対策が優先」。キョンの捕獲数は11年度は約1200匹にとどまり、生息数の大幅減にはほど遠いペース。キョンは体が小さいため、イノシシを想定したわなではすり抜けてしまう。駆除を請け負う猟友会も高齢化による人手不足が深刻で、捕獲体制に限界があるという。キョンの生態に詳しい千葉県生物多様性センターの浅田正彦副主幹(47)は「繁殖して農業被害が目立ってきてからでは遅い。数の少ないうちに集中して捕獲を進めるべきだ」と話している。
(大日本猟友会が女性向けHP)
若者、特に女性に狩猟への関心を持ってもらおうと、「大日本猟友会」(東京都千代田区)は、ホームページ(HP)に特設ページ「目指せ!狩りガール」(http://kari-girl.com/)を作った。主人公の女性が、狩猟免許の取得などに挑戦する様子を全18回にわたり連載する。月1〜3回、2014年3月中旬まで掲載する予定。環境省などによると、国内の狩猟免許保有者は約18万6000人(09年度)で、1975年度の51万8000人から大きく減少。うち女性は1500人で1%にも満たない。また、60歳以上が6割を超えるなど高齢化も顕著で、野生動物管理の担い手不足が全国各地で懸念されている。連載では、東京都内在住の会社員女性(31)が実際に初心者講習や射撃教習に参加し、狩猟現場を見学、捕獲した野生動物を食べ、その体験を伝える。
(逃走した飼いイノシシ、自ら檻に戻る:群馬)
27日に群馬県長野原町林の自営業男性(66)宅の檻おりから逃げ出して、家族ら3人に軽傷を負わせたイノシシが檻に戻っているのを28日早朝、捜索中の地元猟友会の男性(65)らが見つけ、長野原署に届けた。
(選手たちを"狙い撃ち":神奈川)
今年4月、11年ぶりに再開した神奈川県立伊勢原射撃場(上粕屋2380)で7月24日、国民体育大会関東ブロック大会のクレー射撃競技が行われた。再開後、初の主要大会とあって会場には県内外から100人以上が集まった。この機会に伊勢原をPRしようと、市推奨みやげ会では会場に推奨みやげ品の販売ブースを設置。みやげを買い込む選手も見られるなど盛況だった。大会当日、射撃場の周辺には「多摩」「とちぎ」「熊谷」「群馬」など県外ナンバーの長い車列ができた。この大会では、1都7県(神奈川・千葉・埼玉・栃木・茨城・群馬・山梨)の代表選手による団体戦と個人戦がそれぞれ行われた。9月に開催される東京国体の予選会を兼ねていたこともあり、当日は雨天にも関わらず多くの人が集まった。市商工観光振興課と市観光協会では、伊勢原を広くアピールしようと、伊勢原市推奨みやげ会に出店を打診した。当日、ブースにはスタッフ2人が立ち、接客。競技の合間に立ち寄った選手・関係者のほとんどが伊勢原市外から来た人ということもあり、みやげ品を選びながら「なぜこまが売っているの」「酪農がさかんな地域だと始めて知った」などと話す人の姿も見られた。群馬県から審判として参加した柳澤満さん(79歳)は大山こま最中とおから味噌を購入。「伊勢原をゆっくり観光できるわけではないので、こうしたみやげコーナーはありがたい」と話し、「また来たい。次回はもっと色々なみやげを買いたい」と期待していた。接客にあたった観光協会の松藤美鈴さんは「大会の最中だったのであまり大きな声で『いらっしゃいませ』と言えなかったのが残念」とコメント。それでも、「たくさんの方がお越しくださり、伊勢原を市外に発信できた」と手ごたえを感じた。 一方、品ぞろえの少なさを来店者に指摘されたこともあり、「今回の課題を解決してまた出店できれば」と話した。伊勢原射撃場が大山に並んで市外・県外からの来訪者が多いことから、商工観光振興課や観光協会では今後も主要大会のたびにブースを出したい考え。射撃場を管理する神奈川県射撃協会の葛谷寛一事務局長も「地域振興の一環として、できる限りのご協力をさせていただきたい」と話している。射撃場では、8月24・25日にもライフルの大会が行われる予定。出店は現在、検討中だという。
(ビームライフル気軽に挑戦を:愛知)
豊田市宇連野(うれの)町の県総合射撃場で、ビームライフル射撃が体験できる。ビームライフルは資格や許可がなくても撃てる光線銃で、初心者や子どもでも気軽に挑戦できる。射撃競技に興味を持ってもらおうと、体験会も開いている。県総合射撃場では、固定した標的を狙うライフル射撃と、空中に飛ばした皿を狙うクレー射撃ができる。県総合射撃場によると、射撃はもともと競技人口が少ない上、ここ数年でさらに減少した。二〇〇九年の法改正で十八歳未満の空気銃の所持許可が厳しくなり、石川裕士場長は「初心者が指導者の銃を借りて撃つことができなくなり、新たに始めたい人にとっては、さらに敷居が高くなった」と説明する。国体の正式競技でもあるビームライフルは銃口から光線を発射し、十メートル先の標的を狙う。命中した場所によって最高十点が与えられ、画面に映し出される。昨年度からは月一回、週末に家族連れらを対象に体験会を開いている。使用する銃は重さ四・五キロだが、机や銃を置く台が設置されているため、小学校低学年から楽しめるという。石川場長は「射撃は精神のスポーツといわれ、集中力や判断力を鍛える訓練になる。年齢や性別に関係なく楽しめる」と話す。八月十日には小中学生の子どもがいる家族を対象に体験会「ビームライフルでチャレンジバトル」を開く。定員は十二家族。参加無料。通常の料金は一般が一時間百五十円、大学生以下が百円。
(「鹿肉カレー」味わって:岡山)
温泉施設やレストランなどからなる「愛の村パーク」(美作市後山)がニホンジカの肉を使った「鹿肉ジンジャーカレー」の販売を始めた。農林被害をもたらすシカやイノシシをジビエ(狩猟肉)として活用するための同市の食肉処理施設が6月に本格稼働したのを受け、レストランのメニューに追加。シカのロース数切れをオリジナルのショウガのたれに漬けて焼き、温泉卵と一緒にカレーライスに載せた。自家製カレールーはショウガの味と調和するようやや甘めにしているという。生野菜と季節の果物のセットで850円。平田肇料理長(59)は「カレーは子どもからお年寄りまで人気がある。柔らかく仕上げたシカ肉と一緒に味わってほしい」と話している。同じく新発売した定食「なのな箱」(1300円、1日限定10食)にも、シカ肉をサイコロ状に切って焼いた「コロコロステーキ」を盛り込んでいる。

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