<射撃ニュース9月>

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(駆除熊と猪肉から基準値超セシウム:宮城)
県は今月2日の測定の結果、蔵王町と栗原市で有害駆除されたツキノワグマ、七ケ宿町で有害駆除されたイノシシの肉からそれぞれ国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。国の基準値を超える放射性セシウムが検出されたのは、先月21日に蔵王町七日原で駆除されたツキノワグマ(1キロ当たり120ベクレル)と、同24日に栗原市栗駒沼倉大峰で駆除されたツキノワグマ(同240ベクレル)、同21日に七ケ宿町関で駆除されたイノシシ(同290ベクレル)。ツキノワグマとイノシシの肉については、今年6月25日付で県内全域で国から出荷制限指示が出されており、現在も継続している。
(イノシシに買い物客悲鳴、壁に激突し大穴:大分)
大分市公園通り西の大型商業施設「パークプレイス大分」に7日、イノシシが侵入し、買い物客3人が負傷した。週末の午前中で、家族連れなどが少しずつ増える時間帯。施設内では悲鳴が上がり、驚きに包まれた。施設側は負傷者が出た事態を重視し、野生動物の侵入に備えた安全確保策の検討を始めた。大分東署などによると、イノシシが最初に目撃されたのは午前10時半。3階の映画館付近だった。その後、上りエスカレーターを逆走して2階へ移動、スポーツ店、1階イベント広場などを走り回った。この間、男女3人が足をかまれるなどして負傷した。3階ではエレベーター付近の壁に激突し、大きな穴が空いた。午前11時過ぎ、施設から東の方へ逃走し、警察や猟友会が周辺を探したが見つからなかった。家族で施設を訪れた豊後高田市の会社員関紘祐さん(32)は駐車場で車から降りようとした時、何かが走り回っているのに気づいた。「よく見るとイノシシだった。幼い子供2人も一緒だったのでとても怖かった」と振り返った。パークプレイス大分は映画館、スーパーや、衣料、飲食などの店が集まった郊外の人気スポット。休日には4万人前後が訪れる。諫邦弘・支配人は「野生動物の侵入は、これまで想定していなかった。捕獲用具の導入や警備員による巡回強化など、侵入しても負傷者を出さないよう対策を考えたい」と話した。
(犬の散歩中に男性がクマに襲われ重傷:群馬)
群馬県沼田市の山で、犬の散歩をしていた60歳の男性がクマに襲われて大けがをしました。9日午後4時半すぎ、沼田市の戸神山で、「夫がクマに襲われた」と女性から119番通報がありました。消防が駆けつけると、登山口付近の駐車場に手や足などにけがをした男性がいて、病院に搬送されましたが重傷です。警察によりますと、男性は山の中で犬の散歩をしている際にクマに遭遇し、襲われたということです。その後、クマは姿を消し、男性は自力で下山しました。警察は、山の周辺を巡回し、付近の住民に注意を呼びかけています。
(回送列車とクマ衝突:北海道)
8日午後8時35分ごろ、稚内市のJR宗谷線抜海駅―南稚内駅間で、幌延発南稚内行き回送列車(1両編成)がクマと衝突した。運転士にけがはなく、クマは線路内で死んでいるのが確認された。JR北海道によると、事故の影響で後続の札幌発稚内行き特急スーパー宗谷が幌延―稚内間を部分運休し、乗客約70人は代行タクシーに乗り換えた。
(住宅地にサル:大阪)
大阪府摂津市や隣接する大阪市内の住宅地や学校付近などで8日から、サルの目撃情報が相次いでいることが10日、大阪府警や自治体などへの取材で分かった。野生の中型ニホンザルとみられ、人への被害は確認されていないが“逃走中”で、自治体担当者は「近づいたり餌を与えたりしないで」としている。府警や自治体によると、最初の通報は8日午後。摂津市鳥飼上1丁目の住宅地で、サルが屋根の上や木の枝に跳び移り、民家の庭先で柿やカボチャを食い散らかしていた。市職員や警察官計7人が捕獲しようとしたが逃げ去った。いったん行方が分からなくなったが、9日昼に大阪市北部の東淀川区に現れた。その後、淀川を渡り南下したとみられ、10日朝からは旭区や都島区、城東区、最初の目撃場所から約20キロ離れた平野区、大阪府八尾市などで相次いで目撃され、捕獲されていない。全て同じサルとみられる。
(クマ3頭目撃:栃木)
11日午前11時半ごろ、足利市山川町の市道で、通りかかった男性がクマ3頭を目撃し110番した。足利署によると、現場は市養護老人ホーム福寿荘から東へ約300メートルの付近。同署によると、クマは体長1メートル強。男性は市道(大月大沼田通り)を車両で通行中、クマが道路を横切るのを目撃したという。同署などが警戒している。
(クマの目撃情報:長野)
9月9日(月)午前10時20分頃、ますみヶ丘区のますみ荘付近の道路上でクマの目撃情報がありました。付近の住民の方は十分注意してください。家の近くであっても鈴・ラジオなど音の出るものを必ず身につけましょう。
(クマの目撃:栃木)
那須塩原署によると、6日午前8時40分ごろ、那須塩原市百村の県道を横切るクマ1頭を車で通勤中の女性が目撃し、110番した。同署は警戒を呼び掛けている。クマは体長約1・2メートルで、雑木林の中に入っていったという。
(サル被害新たに2人:宮崎)
市民がサルにかみつかれる被害が相次いでいる日向市で5日未明、新たに男性2人がかまれてけがを負った。人的被害は3日ぶり。負傷者は計14人になった。市によると、午前3時50分頃、財光寺の市道で、20歳代の男性がバイクを止めて降りたところ、右足首をかみつかれ、8針縫うけがを負った。約45分後、約1キロ離れた市営住宅の駐車場で、車に乗ろうとした60歳代の男性にサルが飛びかかり、振り払おうとした男性の両足にかみついた。男性は9針を縫うけが。市は4日、サルが出没している財光寺、塩見地区で、餌に触れると入り口の扉が閉まる箱わな8基を増設。足をワイヤで締め付ける「くくりわな」を含め、これまでに仕掛けたわなは計16か所になった。職員約40人も昼夜2交代で被害地域を巡回するなど警戒を強めている。5日午後2時40分頃、宮崎市花殿町の宮崎大付属小(河原国男校長、668人)の校舎内にサル1匹がいるのを柏木美樹生副校長が見つけた。サルは約10分後に校外へ逃走。児童や教職員にけがはなかった。柏木副校長によると、校舎内を巡回中、音楽室や理科室などがある西校舎2階の階段付近に体長40~50センチのサルがいるのを発見。追い払ったところ、1階から校舎外に出て、隣の校舎の3階のひさしに登った後、塀を乗り越え校外に出た。サルが児童と遭遇することはなかった。校舎内に荒らされた形跡もなかった。下校時は教職員が児童に付き添うなどして対応したという。柏木副校長は「街中にある小学校で、サルが出没するなんて聞いたことがない。対応を検討する必要がある」と話していた。同日午後2時頃には、近くの宮崎公立大の敷地内でもサル1匹が目撃されていた。
(“かみつきザル”に襲われ男性重傷:宮崎)
宮崎県日向市で6日未明、男性がサルに襲われて大ケガをした。日向市ではこの「かみつきザル」による被害が相次いでいる。サルが現れたのは日向市の財光寺小学校近くの道路で、6日午前1時15分頃、コンビニから自転車で家に帰っていた20代の男性が、後ろからサルに襲われた。男性は手や足の4か所をかまれ、20針以上縫う大ケガをした。現場近くには小学校もあり、日向市は24時間態勢でパトロールや警戒を続けていた。サルによる被害は先月28日以降、10日間で15人となり、住民の不安は募っている。
(サル捕獲作戦失敗、対策再検討へ:宮崎)
野生のサルによるかみつき被害が相次いでいる宮崎県日向市で8日、警察や消防、地元猟友会のメンバーら約490人が捕獲作戦を実施した。4時間半にわたり大規模な“捜索”を行ったが、サルは一度も姿を見せず捕獲は失敗。市側は、被害撲滅へ作戦の練り直しを迫られている。かみつき被害は8月末から頻発。これまでに男女18人が負傷し、日向市議会は市職員が答弁の準備に奔走する一般質問の中止を決定したほど。この日は、朝から猟友会メンバーが爆竹や猟犬を使い、サルが出没した付近の山で追い込み。網を持った市職員らが待ち伏せたが現れず、午前11時半ごろ打ち切った。市では今後、専門家の意見を参考に対策を再検討するという。
(かみつきザル?、捕獲:宮崎)
住民18人がサルにかみつかれる被害が相次いだ宮崎県日向市で9日、サル1匹が捕獲された。市内には2匹のサルが出没していたが、市は専門家の話などから、住民を襲ったサルではないかとみている。この日早朝、同市塩見地区でサルが目撃され、猟友会や市職員ら約280人が周辺を捜索。午前11時すぎ、サルが逃げ込んだ空き家の壁や天井を壊し、網で捕獲した。日向市の対策本部によると、この地域には大小2匹のサルが出没し、住民にかみついているのは大型のサルの方だとみていた。9日に捕獲されたのは体長約60センチのオスで、市は宮崎市の動物園職員に照合を依頼。体長や尻の特徴、目撃証言などから「かみつきザルの可能性が高い」との見方を示した。ただ、もう1匹が捕獲されていないため、24時間態勢のパトロールはしばらく続けるという。日向市では8月28日~9月7日、散歩中や就寝中の市民ら18人がサルにかまれる被害が発生。8日には、490人規模での捕獲作戦をする騒ぎになっていた。
(捕獲のサル、殺処分:宮崎)
散歩中や就寝中の住民ら計18人がサルにかみつかれる被害が相次いだ宮崎県日向市は10日、オスザル1匹を有害鳥獣として殺処分にしたと発表した。9日に猟友会や職員ら約280人を動員して捕獲。動物園や大学などに引き取りを打診したが、「隔離して飼う場所がない」などの理由で断られた。市は「かみつきザルの可能性が高く、山に放つ選択肢はなかった」としている。
(一度にイノシシ8匹捕獲:岡山)
イノシシによる農作物被害が相次いでいる岡山市南区郡で、山すその畑に仕掛けたおりに、イノシシ8匹がかかった。9日朝、近くの畑で農作業をしていた人が見つけた。地元住民は「一度にこんなにも捕まるなんて」と驚いている。8匹は体長50センチ程度の子ども。おり(幅約1メートル、奥行き約2メートル、高さ約1メートル)には、ぬかを置いておびき寄せていた。地元住民によると、2年ほど前からイノシシに稲を倒されたり、サツマイモやスイカを食い荒らされる被害が発生。県猟友会岡山支部が昨年7月におりを設け、昨年は捕まらなかったが、今年は今月7日にも体長約1メートルの雄1匹がかかった。
(靴泥棒はカラス?:広島)
大竹市の小方地区を中心に、サンダルや靴が盗まれる被害が相次いだ。盗まれたとみられる履物は、亀居公園がある近くの丘の周辺で発見、数百個に上る。目撃情報などから地元ではカラスの仕業とみている。被害が出始めたのはことし春ごろ。勝手口など屋外のサンダルや靴が次々となくなった。5月ごろ隣に住む孫たちの新品サンダル2足が被害に遭った岩政勝清さん(75)は「勝手口に置いていたが、朝気付いたら消えていた」。7足取られた家もあるという。妻環さん(71)の美容室でも話題になり、海に近い晴海地区や廿日市市寄りの黒川地区の広範囲で被害に遭っていることが分かった。大竹署にも「靴が盗まれる」と相談があり、パトロールを強化した。同署には「カラスがくわえていたのを見た」との情報も寄せられたという。一方、広島市安佐動物公園飼育展示課の田原正稔さん(59)は「カラスが光る物を集めることはあるが、靴をくわえるという習性は聞かない。夜行性のキツネなどの可能性もあるのでは」とみる。ここのところ「犯行」は収まってきたという。
(有害鳥獣捕獲の担い手、取得に補助金:新潟)
クマやサル、イノシシなど、人や農作物に被害を起こす「有害鳥獣」を捕獲できる狩猟免許の所持者が、高齢化などで減少している。クマなどが出没しやすい中山間地にとっては地域の安全に関わる問題で、県と一部の市町村は新たな免許所持者を増やすため、取得にかかる費用の一部補助制度を新設した。県によると、県内の免許所持者は2001年度には4465人だったが、11年度は3066人まで減少している。県環境企画課は「かつては地域ごとに狩猟者がいて、地域を守ってきた。人口減や高齢化で捕獲の協力をお願いできる人が減っている」と危機感を示した。担い手不足への対策として、県は今年度から、狩猟免許の詳しい内容やハンターの体験談を聞いたり、狩猟の見学をしたりできる研修会を開き、新規取得者の掘り起こしに取り組んでいる。今回新たに設けた補助制度は、狩猟をするのに必要な「第1種銃猟免許」と猟銃の所持許可の取得にかかる費用約11万円のうち、県と市町村で上限5万3000円を補助する。補助制度を実施している市町村は現在、関川▽新発田▽阿賀▽阿賀野▽南魚沼▽津南??の6市町村で、今後は村上▽五泉▽出雲崎▽柏崎▽魚沼▽十日町▽糸魚川??の7市町も予定している。今後の試験などの予定は、12日に猟銃の所持許可取得のための講習会が長岡市の「ハイブ長岡」で、狩猟免許試験は11月22日に県庁で開催される。今年度すでに実施された試験の合格者にも補助は適用されるという。
(狩猟の魅力まるわかりフォーラム:滋賀)
「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」が9月14日、ピアザ淡海(大津市におの浜1)で開催される。主催の環境省は、全国的に生息域を拡大し続けているニホンジカの2011年度の生息数が、過去最多の216万頭と推定。さらに、ニホンジカの捕獲の努力が現状にとどまるとすれば、2025年度に500万頭まで増えるとも。増えすぎたニホンジカは、すでに各地で生態系や農林水産業への被害を深刻化させており、対策の必要性は高まっている。滋賀県では、県内の野生鳥獣による農作物被害額が、2012年度で3億6,433万円。シカの生息数は前回の調査よりも減少はしているものの2010年度3月で4万7000~6万7000頭と推測される。2012年度時点でイノシシ、シカの順で獣害の80%を占めている。同省は人間と野生鳥獣の適切な関係をこれからも続けていくために、増えすぎた鳥獣の生息数を抑制する取り組みを進めており、ハンターが重要な役割を果たしてきた。現在、ハンターの全国的な高齢化・減少が進んでおり、ニホンジカの生息数が増加した一因といわれている。同フォーラムは新たな担い手となるハンターを確保するのが狙い。フォーラムでは若手ハンターの人物像に迫るトークセッションや、ジビエ料理の試食、ハンティングの模擬体験ができるワークショップブースの出展などがあり、狩猟とはどういうものか、ハンターとはどういう人なのかを知ることができる。鳥獣害対策コンサルタント「wildlifemanagementconsultant(ワイルドライフ・マネージメント・コンサルタント)」を経営する齋田由紀子さんは、日野町で「有害捕獲」に従事し、現在は猿の獣害防止のために生態調査などに携わっている「猟ガール」。「狩猟はスペシャル、非日常的と思われているが、銃を持っている人は平日はサラリーマン、休日はゴルフクラブの代わりに免許を取得して銃を持つ。趣味の世界から今は社会的な意義を持って活動しているということを知っていただければ」と参加を呼び掛ける。試食コーナーには日野町猟友会有志で運営する「獣美恵(ジビエ)堂」のイノシシやシカのハムや缶詰も提供される。同猟友会の吉澤郁一会長は「年間400頭を駆除している。3年前からフランス料理のシェフを招いて食べ方も研究してきた。臭みを無くすために血や内蔵をすぐに処理し肉を冷水につけるなどの努力をしている。滋賀のお土産として観光施設にも提供している」と話す。同猟友会などから仕入れたシカ肉を使った「鹿カレー」を提供するCoCo壱番屋滋賀地区の川森慶子課長は「滋賀限定メニューとして販売を始めて3年4カ月、滋賀への貢献、獣害となっている鹿肉の利活用として考案した。固い・鉄分豊富で臭みがあるというイメージの鹿肉を子鹿から臭いがきついと言われる大人の鹿もそのまま調理。鹿肉らしい味を残しつつ、食べたことのない人も、食べてみるとおいしいと思えるようにと努めている。販売当初からの定番メニューの煮込み型を秘伝のスパイスと圧力釜で硬さも取り除き、食べやすい形で提供する。鹿肉を知っていただくきっかけづくりになれば」と話す。
(鈴鹿国定公園、シカ食害対策)
滋賀、三重の県境に広がり、貴重な植生の残る鈴鹿国定公園で、植物がシカに食べられる被害が深刻化している。被害はここ数年で極端に進行し、危機感を募らせた両県の関係者が5日、東近江市で「鈴鹿生態系維持回復協議会」を設立した。県境を越えてタッグを組み、シカ捕獲や植生保護などに乗り出す。同公園は両県の7市3町にまたがり、面積約2万9千ヘクタール。千メートルを超す山々が連なり、「21世紀に残したい日本の自然100選」(森林文化協会など主催)に選ばれた御池岳(東近江市)のオオイタヤメイゲツ群落など多様な植生を誇る。近年、御池岳山頂でササが消え、オオイタヤメイゲツも樹皮がはがされるなど公園内での被害が顕著に。シカによる食害とみられ、低木などの被害は土砂流出や生態系破壊につながるおそれもある。県によると、県内のシカ生息数は推定4万7千~6万7千頭で、年に3割近く増加している。被害の全体像は把握できておらず、協議会は、滋賀県が「効率的な対策をしたい」と三重側に呼びかけた。両県、地元市町の担当者、学識経験者ら13人で構成。設立会合では、高地でのシカ捕獲や捕獲後の処理の難しさなど課題を出し合った。今後は、協議会を中心に両県で被害実態や生息状況の調査に着手。続いて、来年度から5年間の生態系回復の計画を策定する。協議会会長の野間直彦滋賀県立大准教授(植物生態学)は「貴重な生態系を取り戻したい」としている。
(スズラン、シカの被害:山梨)
スズラン群生地のある笛吹市芦川町でシカが急増し、スズランや高山植物が踏み荒らされる被害が相次いでいる。このため、市はシカよけの電気柵を群生地の周囲に設置することを決め、開会中の市議会9月定例会に関連予算案を提出。可決されれば、10月にも電気柵を設置する考えだ。市によると、電気柵は高さ1・8メートル、長さ600メートル。予算額は49万円。群生地の周りには既にイノシシよけの電気柵が設置されているが、高さが20センチほどしかなく、シカは簡単に跳び越えてしまうため、これを撤去して新たに高さのある電気柵を設けることにした。倉嶋清次市長は「スズランと高山植物はすばらしい観光資源。大切な資源を守り、これ以上の被害が出ないよう電気柵を設置することにした」と話す。「今年はスズランが3分の1しか咲かず、見頃の期間が短かった」と肩を落とすのは、近くで民宿を経営する原幸代さん(61)だ。毎年5月には2・6ヘクタールのシラカバ林にスズラン約260万株が咲き、多くの観光客でにぎわう。そのスズランを、原さんは現在、父親の藤本義晴さん(故人)から引き継いで手入れを続けている。原さんによると、シカは3年程前から群生地付近で見かけるようになった。今年に入り、数頭の群れが群生地付近のシシウドなどの野草を食べる姿を目撃し、群生地ではシカが寝転がって潰してしまったとみられるしおれたスズランも見つかったという。同市芦川支所によると、シカは群生地だけでなく、麓の畑にも姿を現し、ほうれん草の苗を食べてしまうなど被害が急増している。市は、地元の猟友会の協力を得て昨年20頭、今年は31頭を駆除したが、効果は限定的だという。群生地には、スズランのほか、レンゲショウマやオオバギボウシなど美しい花を咲かせる野草も多く、同支所は「電気柵を設置し、大切な自然を守りたい」としている。県みどり自然課と県農業技術課によると、県内に生息するシカは、2007年度の2万6000頭(推定)から11年度には4万頭(同)に急増している。これに伴い、農作物の被害額も2300万円(07年度)から3700万円(11年度)に増加している。シカが増えた理由として温暖化の影響があり、冬に枯れずに残る草木が増えたため、飢え死にするシカが減ったと考えられるという。農作物被害を減らすため、県は昨年、獣害防止柵整備計画を策定した。シカのほか、イノシシやサルなどによる食害を防ぐため、農地を取り囲むように電気柵や高いフェンスなどの防護柵を14年度末までに計275キロにわたって設置する計画で、12年度までに半分程の137キロの整備が終わった。2・5キロの防護柵を整備した笛吹市御坂町上黒駒のモモやブドウなどの果樹園では、設置後の被害面積が10分の1に減ったといい、県耕地課は「防護柵の効果は大きい。引き続き、整備していきたい」としている。
(AI活用した囲いわな設置:長野)
県は6日、諏訪郡富士見町境の遊休農地に人工知能(AI)で門を下ろす囲いわなを一つ設置した。農作物を荒らすニホンジカを効率よく捕獲する方法を探る実証実験の一環。門は、あらかじめ設定した頭数のシカがわなに入ると下り、シカを囲う。一度に多くを捕獲できる可能性があるという。わなの広さは約28平方メートルで、柵の高さは約2・5メートル。門の部分にある赤外線センサーがシカの出入りを感知するため、わなの中に今、何頭いるか、付属コンピューターが計算。あらかじめ設定した頭数に達すると電気が流れる。それにより、ピンが外れて門が落ちる仕組みだ。地元猟友会が作った行動マップを基に、普段シカが隠れる林と食害が出ている畑の間に置いた。わなの中にはシカが好む牧草を生やす。同日、種をまいた。わなは11月末まで置く。シカが警戒しなくなるまで時間がかかるため、当面は門を下ろす設定はしない。囲いわなは、兵庫県立大などが開発。販売会社によると、全国に100基設置し、約3年でシカとイノシシを計千頭捕獲したという。1回で15頭入った例もあるという。県内では、6月から約3カ月、伊那市の入笠牧場に置き、2頭捕獲した。県諏訪地方事務所の金子政博林務課長は「すぐに結果は出ないだろうが、周囲にえさがなくなるこれからの時季は、成果があるかもしれない」と話している。
(イノシシに注意!チラシ配布:大分)
7日大分市郊外の大型商業施設でイノシシが出没したことを受け市は周辺の地区に注意喚起のチラシを配布した。イノシシに出会った場合刺激を与えず避難することやイノシシとの遭遇を防ぐため鈴で音を鳴らしたり懐中電灯を持ち歩いたりするよう呼びかけている。
(イノシシ出没を受けて小学校が注意喚起:大分)
7日、大分市の大型商業施設にイノシシが出没し、3人がケガをしたことを受けて、地元の小学校は9日教職員が引率して集団下校を行うなど安全対策をとっています。7日午前、大分市の「パークプレイス大分」に体長1メートルほどのイノシシが出没し、およそ40分間施設内を暴れまわりました。その際3人の買い物客がイノシシにぶつかり、けがをしました。パークプレイス大分からおよそ2キロ離れた松岡小学校は、9日保護者宛てに注意喚起のプリントを配布しました。この中ではイノシシに出会っても走って逃げたり大声を出したり、イノシシを刺激する行為をしないよう、各家庭で子どもたちに指導するよう呼びかけています。また9日の放課後、教職員が引率して集団下校が行われました。松岡小学校では全体の6割となるおよそ600人の児童がパークプレイスのある公園通りから通っていて、学校では周辺をパトロールするなど警戒を強めています。大分市は今後、猟友会と協議して、ワナの設置など、対策を検討する方針です。
(クマ注意呼び掛け、ドングリ大凶作:岐阜)
県は9日、ツキノワグマの主食となるドングリの実り具合について、「岐阜圏域を除く県内全域で、ある程度実っている」との調査結果を発表した。このため、人の生活圏へクマが多く出没する可能性は低いが、県自然環境保全課は「岐阜圏域は注意が必要。他圏域も山林に入る際は十分に気を付けてほしい」と注意を呼び掛けている。県は8月20~30日、県内5圏域の25地点で、ツキノワグマの主食となるブナ、ミズナラ、コナラの着果状況を調査。県内平均でみるとブナとミズナラは並だったが、本巣市根尾を調査地点とする岐阜圏域では着果が確認できず、いずれも大凶作。コナラは中濃北部で大豊作だった地点があったものの、県内平均は並に近い凶作だった。県は、岐阜圏域を除く県内全域で、ブナやミズナラの着果がある程度認められることから、人の生活圏へクマが頻繁に出没する可能性は低いと分析。しかし、岐阜圏域では大凶作のため、岐阜圏域の北部などで注意が必要となるという。同課は「登山ブームなどで今後、山へ入る機会が増えることが予想される。ラジオや鈴で音を出すなど十分に注意を。また、生ゴミや未収穫の果樹を田畑に残さないなど対策を講じてほしい」としている。県によると、県内では今月3日現在、228件のクマの目撃情報が寄せられており、飛騨地域で1件の人身被害の報告もあった。
(エサのコナラ凶作、クマ出没に厳戒態勢:富山)
冬眠を控えたクマの出没が多くなる9月下旬を前に、県内の各自治体や小学校などが厳しい警戒態勢を敷いている。県内のホームセンターでは、例年より早く対策グッズコーナーを設ける動きが出てきた。8月27日には南砺市城端で80歳女性がクマに襲われる人的被害が出ており、クマのエサとなるコナラが、今年は2005年の調査開始以来、最悪の凶作になると予想されることから、各団体は被害防止に懸命になっている。富山市堀川本郷のカーマホームセンター富山本郷店は、クマの大量出没が心配された昨年に倣い、例年より約1カ月早く8月下旬ごろから鈴や爆竹、携帯ラジオなどクマ対策グッズをそろえたコーナーを設け、ピークに備えている。同店の武田信樹副店長は「まずクマが近寄らないよう、音の出るものを身に着けてほしい」と話す。人的被害が発生した南砺市では、全戸にチラシを配布し注意喚起を行ったほか、現場に近い山田川沿いでは、県が中心になってクマの隠れ場所になる草むらの刈り取りを行う予定になっている。同市城端小は、保護者に目撃情報を迅速に連絡できる緊急メールへの加入を勧めており、被害の防止に努める。このほか、射水市が山間部に近い金山、串田両地区の自治会長に注意喚起文書を送り、住民に回覧するよう要請。立山山麓にあたる富山市小見小は、児童に鈴装着を徹底するよう指導、同市福沢小は25日に対策教室を予定する。高岡市教委も、市内の小中学校や特別支援学校計40校に対して注意を促す文書を送った。県によると、今年は5日までに116件の出没情報が県に寄せられた。ホームページでは、出没情報地図「くまっぷ」を配信。今年から1キロ四方ごとの出没件数が一目で分かる新機能を備え、危険な地域を分かりやすくするなど、情報提供に力を入れる。9月下旬には、エサ不足でクマが人里に下りてくる可能性が高まることから、「クマは朝、晩に活動が活発になる。その時間帯は極力外に出ないでほしい」(県自然保護課)としている。
(行楽シーズン、“里グマ”に注意:福井)
山に入る機会の増える秋の行楽シーズンを控え福井県は5日、本年度ツキノワグマ出没対策連絡会を県庁で開いた。県は今年4~8月のクマの出没件数が、過去最多となっていることを報告し「クマが集落に近い里山に定着する“里グマ”化が進んでいる可能性がある」と、秋以降の出没に注意を呼び掛けた。市町の鳥獣害担当や県の関係課、猟友会などから約40人が参加した。県のまとめでは、今年4~8月の県内の出没件数は、昨年同時期の約1・5倍に当たる141件。統計を取り始めた2006年度以降で最も多く、既に昨年度1年間の146件に迫っている。福井市や永平寺町、勝山市、高浜町で特に多く、このうち勝山市は人身被害が1件出ている。県は今秋の見通しについて、標高の比較的高い奥山で、えさとなるブナの実が「並作」となっているなどの状況から「奥山のクマが里地へ大量出没する可能性は高くない」と説明。一方で4~8月の出没状況から「里山に定着しているクマが増えている可能性がある。9~10月は活動が活発化するので、クマをおびき寄せることになる集落内のクリやカキを早めにもぐなど、管理を徹底してほしい」と強調した。このほか▽里山に近い住民に朝夕、夜間の散歩を控えるよう呼び掛ける▽集落近くに定着している可能性のあるクマは危険なため、放獣することなく原則捕殺する―などの対応を申し合わせた。
(ミロク急騰、10月期予想の上方修正を好感)
ミロク<7983>が急騰。9時7分に21円高(10.00%)の231円をつけている。同社は9日引け後、今10月期の業績予想を上方修正。売上高は従来予想の112億7000万円から119億円(前期比1.0%増)に、営業利益は3億4000万円から5億円(同21.6%減)に上積みした。同社は猟銃(ショットガン&ライフル)をはじめ、工作機械、自動車関連製品などを手がける。今期は猟銃事業において、主力市場である米国で需要が拡大したことで売上が計画を超過し、利益面では付加価値の高い製品の販売好調などが寄与した。ミロクの年初来高値は、4月2日につけた289円。
(クドカン、東京五輪にノリノリ「クレー射撃で出ます」)
脚本家の宮藤官九郎が10日、東京・有楽町のニッポン放送本社で行われた同局・秋の新番組発表記者会見にお笑いタレント・バカリズムとともに参加。2020年に開催が決定した東京オリンピックについて宮藤は「クレー射撃で出ます」と冗談めかして宣言。「クレー射撃って出れそうな気がする、なんでだろう」とおふざけモードの宮藤に、バカリズムは「怒られますよ! すごい達人がいるわけですから」と厳しく指摘。それでも「僕は50歳になってるので50歳でも出れる競技があれば出たい」と声を弾ませると、バカリズムは「僕はとりあえず、街を綺麗にしたい!」と真面目に目標を掲げていた。
(クレー射撃の元審判、「7年間生きて、見に行く」:埼玉)
2020年東京五輪の開催決定に、半世紀前の東京五輪を経験した人たちからも喜びの声が続いた。東京五輪のクレー射撃で審判員を務めた会社役員、阿久津一郎さん(82)=さいたま市浦和区=もその一人だ。狩猟が趣味だった阿久津さんは、27歳のときにクレー射撃を始めた。シカやキジを狙う実戦で鍛えた腕は競技でも光り、東京五輪の県代表候補に一時浮上。最終的に選手には選ばれなかったが、審判として参加することになった。クレー射撃は所沢市に新設された射撃場で4日間行われた。インドのマハラジャ(大地主の富裕層)が一族50人ほどを連れてきたことに驚いたり、昭和天皇の案内役の1人になり身が引き締まったことなど、思い出は尽きない。射撃場に向かって「オリンピック道路」(現在の埼大通り)が敷かれたのをはじめ、県内の町並みも大きく変わっていった。テレビや冷蔵庫などの家電が普及し始め、その後の高度経済成長と合わせて、国全体が希望に満ちていた。「戦後の自分たちの歩みを世界が認めてくれたわけだから、国民はみな、もろ手を挙げて東京開催を喜んだ。この感覚は今の人には分からないかもしれない」と阿久津さんは言う。クレー射撃はやめたが、週に一度はゴルフをする健康体だ。当時の仲間はほとんどが鬼籍に入ったというが、「あの世で待っている仲間に報告するためにも、この7年を頑張って生きて試合を見に行きたいね」と笑った。
(オリンピック東京開催、選手コメント)
中山由起枝(射撃)「マイナーな競技だが、みんなに見てもらう機会ができた。競技人口を増やし、メジャーな競技にしていきたい」
(大阪の中心部、カラスが少ない意外な事情)
「ごみ袋を破って中身をまき散らす」「鳴き声や大量のフンに悩まされている」。東京都に寄せられたカラス被害を調べて、深刻さに驚いた。ピーク時の2002年度は年に約3800件の相談があり、23区内の都市部に集中。「威嚇された」「襲われてケガをした」ケースもあった。都は01年に対策プロジェクトを発足し、捕殺や巣の撤去を進めた。これにより12年度の相談は335件と、10年間で10分の1以下に激減。「対策前、約3万6400羽だった推定生息数は12年度は1万7900羽と、ほぼ半減しました」と都の担当者は話す。大阪市はどうか。12年度の相談は299件と、現在の東京と大差ない。ただ市の担当者によると「相談はかつてはほとんどなかったのですが、報道などで関心が出てきたのか少し目立ち始めたので、4年前から集計するようになったところです」。それでも襲われてケガをしたなどの深刻な被害はまだないそうだ。カラスよけグッズのメーカーにも確認した。羽を休めないよう軒先に取り付ける金属製の剣山を製造する宏友(兵庫県西宮市)では「確かに大阪の繁華街からの注文はほとんどありません」(管理部の高橋尚子マネージャー)。日本野鳥の会大阪支部(大阪市)の橋本正弘支部長に聞くと「“カラス密度”が東京と違います」と教えてくれた。同支部などの05年の調査では、府内(約1900平方キロメートル)の推定生息数は約1万2千羽。東京都(約2200平方キロメートル)は1万7900羽だから、1平方キロ当たりの生息数は東京が8.1羽、大阪が6.3羽で、大阪の方がやや少ない。大阪はカラスがすみにくい自然環境なのか。「そうでもないですよ」。こう話すのは大阪市立自然史博物館の学芸員、和田岳さん。春の繁殖期には市内ほぼすべての公園で巣を作り、万博記念公園(吹田市)などで大規模なねぐらも確認されている。ただ「都心部を巡回調査しても、驚くほど見かけませんでした」。和田さんによると、カラスはスズメや貝、動物の死骸、果物なども好む類を見ない雑食性。大阪の都市部にすむカラスは郊外で食料を確保している様子で、府には農産物の被害が報告されている。カラスが都心にはびこる東京と、郊外に出向く大阪。違いは「繁華街のごみ事情が原因です」と、生態に詳しい東京大学総合研究博物館の松原始特任助教(動物行動学)は指摘する。狭い地域の路上に生ごみ入りのごみ袋が毎日、大量に並ぶと、カラスには最上の餌場になるという。キタやミナミでは飲食店と個別契約したごみ回収業者が、午前3時ごろまでにごみ袋を回収。カラスが活動を始める早朝には路上からごみ袋は姿を消す。大阪市のごみ焼却場が深夜も、処理を受け付ける事情も大きい。一方、東京23区内では、飲食店のごみも家庭ごみと一緒に、午前8時ごろから回収するのが一般的。カラスの格好の朝食だ。ごみの回収時間について、大阪市の担当者は「古い慣習で、カラス対策ではない」。東京の一部ではカラス被害で回収を早める動きもある。「巣を壊したりしない限り、カラスが人を攻撃することはない。大阪では人と共存できているのでしょう」。和田さんはこう話す。カラスは公園の滑り台を転がるなど、遊び好きで愛らしい面もある。都市に生きる“隣人”として上手につきあいたいものだ。

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9/5
(猟仲間誤射で逮捕、業過致死容疑:群馬)
南牧村でシカ猟中の男性に仲間の銃弾が誤って貫通し死亡した事故で、県警捜査1課と富岡署は4日、前橋市五代町、農業吉田尚人容疑者(54)を業務上過失致死容疑で逮捕した。発表によると、吉田容疑者は2月24日午後4時半頃、南牧村の山中で仲間15人とシカの巻き狩り猟をしていた際、周囲の安全を十分に確認するなどの注意義務を怠ってライフル銃を発射し、富岡市野上、農業富田栄さん(当時73歳)を死亡させた疑い。吉田容疑者は3発発射し、うち1発が富田さんの左ももと左腕を貫通。富田さんは出血性ショックで死亡した。現場付近には当時、4人おり、吉田容疑者と富田さんが射手で、残る2人はシカの追い立て役だった。吉田容疑者以外の3人は散弾銃を使っていたという。調べに対し吉田容疑者は「間違いありません」と話しているという。吉田容疑者の狩猟歴は約30年だった。逮捕を受け、富田さんの妻(69)は「一区切りが付いたのは良かったが、来年の1月15日で結婚50年だった。一緒に迎えられなくて残念」と涙を浮かべた。死亡事故を防ぐために、県や県猟友会では、猟期を短縮したり、ルールを新たに策定したりするなどの対応を取っている。県警生活安全企画課や県自然環境課などによると、昨年度の狩猟事故は県内で3件あり、このうち死者が出たのは、今回の事故と昨年12月に桐生市の山中で起きた事故の計2件。死亡事故は全国では群馬だけで、県内では2008年度以来となった。事故を受け、県は今年度から、最長3月15日までだった狩猟期間を2月15日までに短縮した。狩猟期間は北海道以外では原則11月15日~2月15日で、期間中は49種類の鳥や獣を狩猟できる。しかし、鳥獣被害に悩む県は昨年度まで、シカ、イノシシに限って、銃猟を2月末、わな猟を3月15日まで認めていた。一方、県猟友会は前方を確認して、確実に捕獲できると判断した場合にのみ発砲することなどを含んだ計9項目の「狩猟事故防止対策決議事項」を今年新たに策定し、3月の役員会議などで周知の徹底を確認している。
(原発周辺でイノシシ駆除へ:福島)
原発事故を受けて、すべての住民が避難している福島県内の原発周辺の地域では、イノシシに住宅や田畑が荒らされる被害が相次いでいることから、環境省はイノシシの駆除に乗り出すとともに生息状況の調査を始めることになりました。福島県内の原発周辺の地域では、イノシシやタヌキ、ニホンザルなどの野生動物が、人がいなくなった住宅地の周辺まで生息範囲を広げていることが確認されていて、住宅や田畑が荒らされる被害が相次いでいます。このため環境省は、こうした地域のうち、浪江町、双葉町、大熊町、富岡町の放射線量が極めて高い「帰還困難区域」などで、特に住民からの要望が強いイノシシの駆除に乗り出すことになりました。餌が減り捕獲がしやすくなることしの秋から冬にかけて、順次70個ほどのわなを仕掛け、合わせて200頭程度を捕獲して処分するということで、住民の帰還に向けた環境を整えたいとしています。また環境省は、早ければ今月中にもイノシシの生息状況の調査も始めることにしていて、捕獲したイノシシに位置情報を知らせる発信器を取り付けたり、住宅に残された足跡などを調べたりして行動範囲を把握し、被害の防止につなげていきたいとしています。
(イノシシ肉から基準超セシウム:茨城)
県は4日、石岡市内で捕獲され、同市内の加工施設・朝日里山学校で処理された2頭のイノシシ肉の放射性物質を検査した結果、このうち1頭から基準(1キログラム当たり100ベクレル)を超える同120ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。基準を超えた肉は全て廃棄される。残り1頭は同15ベクレルだった。県によると、イノシシの検査で基準を超えたのは、基準が同100ベクレルになった2012年4月1日以降2頭目。
(クマの目撃、4件相次ぐ:広島)
広島県神石高原町で今夏、ツキノワグマの目撃が相次いでいる。2日には南部の国道182号で熊の親子が目撃され4件に。町は「居着いている恐れもある」と注意を呼び掛けている。町によると、2日午後3時15分ごろ、同町坂瀬川の犬塚バス停前で、子熊が国道を横切り、親熊と合流するのを通り掛かったドライバーが見た。7月10日に上豊松の町道で1頭、同21日に福永の県道で足跡、8月24日に牧の県道で1頭がそれぞれ目撃されており、昨年1年間の3件を上回った。件数以上に、町は親子熊の出没を気にしている。「生息区域」の外を放浪する離れ熊が多いとされた従来の目撃例と違い、町内で繁殖している可能性があるからという。町は3日、目撃現場に看板を立て、有線放送で町内全戸に注意喚起。小中学生には熊よけの鈴をつけるよう学校を通じて促した。同町の守多三郎産業課長は「人や農作物への被害は確認していないが、捕獲に乗り出すことも検討したい」と話している。
(市街地近くにイノシシ食害、住民ら駆除へ:栃木)
市街地にほど近い金田地区今泉やその周辺で、イノシシによる農作物の被害が発生している。同地域での発生は初めて。頭数はわずかとみられ、現在は部分的な被害にとどまっているが、近隣にはニュータウンなど住宅地もあり、住民らは「定住されたら深刻」と8月下旬から駆除に乗り出した。市農林整備課によると、7月16日に今泉地内の農家男性から「所有の水田にイノシシらしき足跡がある」という連絡を受け、現地を調査。水田での足跡に加え、近隣の畑でジャガイモが掘られ食害の跡を確認した。地元住民が地域内の農家に聞き込みをしたところ、春ごろからユリの根を抜かれたり、ジャガイモをかじられる被害が4~5軒で発生。8月中旬以降、稲の食害も発生しているという。出没場所は、大田原市と那須塩原市の市境に沿って小高い山が南北に連なっており、那須塩原市石林地内でも稲の食害が確認されている。このため、大田原市は7月中旬、那須塩原市は8月下旬に有害鳥獣捕獲を許可。狩猟資格を持つ住民などが捕獲を始めた。
(シカの銃駆除、1回発砲も捕獲できず:長野)
南アルプスのニホンジカ対策として、仙丈ケ岳(3033メートル)で1日から4日間の日程で銃によるシカ駆除を試行していた環境省は3日、小仙丈沢カールでシカ3頭を確認し、1頭に向けて発砲した。だが、仕留めたかどうかは確認できず、発砲する機会はもともと1回と想定していたため、試行は捕獲できないまま終了する見通しとなった。同省南ア自然保護官事務所(山梨県南アルプス市)によると、シカ駆除試行に向け、逃げ道をふさぐためカール底部に総延長500メートルにわたって柵を設置。中央付近に塩や餌を置きシカをおびき寄せた。作業を委託した一般財団法人「自然環境研究センター」(東京)の射撃手6人、登山者が付近にいるかを確かめる監視員7人ら計16人と、同事務所自然保護官ら総勢20人が入山して臨んだ。同事務所によると、初日と2日目は一帯にガスがかかって遠くを見通せず、雨や風も強かったため作業は見送り。3日は一部でガスがかかるもののある程度見通せる状況となったことから午前5時、射撃手6人をカール上縁部に配置しシカを待った。午前5時45分、柵から外れた北側のハイマツ帯で射撃手がシカ3頭を確認。数日来の天候から「次のチャンスがあるか分からない」(南ア自然保護官事務所)と判断し、同51分、1頭をライフル銃で撃った。狙ったシカはその後に姿が見えなくなり、1時間ほど周辺を探した。姿は確認できなかったが、地面に血痕はあり、他の2頭は発砲音などで逃げたという。発砲後に逃げたシカはすぐには一帯に戻らないもようだ。監視員らはその後も終日、シカがカール内に戻るかどうか、見渡せる稜線(りょうせん)上から双眼鏡も使って巡視した。一帯では一時、青空ものぞき、カール内に設けた黄色い柵が確認できたが、シカの姿は見られなかった。銃による駆除の試行は本年度、これで終わるが、同センター職員らは今後も1週間程度、引き続きカール内で観察を続ける予定だ。
(サル捕獲用わな増設:宮崎)
日向市の住宅地で市民が野生のサルにかみつかれる被害が相次いでいる問題で、同市は4日、被害が集中している財光寺と塩見の両地区8か所に新たに捕獲用のわなを仕掛けた。両地区を中心に計12人の女性や高齢者が襲われ、日向署や消防、市職員らが警戒を強めているが捕まっていない。わなは鉄製の箱形で大きいもので高さ、横幅各80センチ、奥行き1メートル45。クリやナシ、モモを入れて誘い込み、餌に触れると入り口の扉が閉まる。市はサルの出没を確認した7月から市内8か所に設けており、計16か所になった。同市の対策本部は「サルに詳しい専門家から捕獲には多くのわなを仕掛けることが有効と助言された。早く解決したい」としている。日向市議会は4日、定例会の一般質問を取りやめることを決めた。9~11日に11人が行う予定だったが、サルの被害が増え、職員による24時間態勢のパトロールを強化していることから、市側が「答弁の準備が間に合わない」と要請した。市議会は9日の本会議で日程を変更し、10、11日を休会にする方針。畝原幸裕議長は「負傷者が相次ぎ、議会としても協力したい」と話している。議会事務局によると、一般質問の中止は口蹄疫が発生した2010年の6月定例会以来という。
(シカ食害で防護柵設置方針:福島)
尾瀬国立公園で深刻化しているニホンジカによる食害問題で、防護柵の導入を検討していた林野庁は平成26年度、檜枝岐村の大江湿原に設置する方針を固めた。全長3・5キロにわたり湿原全体を囲い込み、ニッコウキスゲへの食害を防ぐ。3日に新潟県魚沼市の奥只見緑の学園で開いた尾瀬保護財団主催の「尾瀬サミット2013」で示した。防護柵は高さ約2メートルで、森林内に設けることで木道から見えにくくし、景観に影響しないよう配慮する。11月にも試験的に柵を導入し、豪雪で破損しない構造を検討する。湿原入り口の木道には網目状の鉄製溝を置く。シカが脚を入れると抜けにくく、進入を防ぐ役割を果たす。大江湿原はシカの食害でニッコウキスゲの花が減少。県や檜枝岐村などは今年7月に夜間、追い払いをし、効果を挙げた。ただ、サミット出席者からは「追い払ったシカが別の地域に移動する」として、駆除の強化や駆除に向けた手続きの簡素化など抜本的対策を求める意見が出た。国の対応が環境省、林野庁などの各省庁にまたがるため、佐藤雄平知事はサミット後の取材に対し、「政府が一元的に取り組むべき」と円滑な対応を求めた。
(クマ出没激減、昨年同期の3分の1:北海道)
石狩管内で本年度、クマの出没件数が減っている。札幌市では昨年同期の約3分の1に減少。減った理由について、専門家は「クマが人前に出る危険を学習し、人目につかないようになったからではないか」と推測する。管内8市町村に本年度、住民から寄せられたクマの目撃や痕跡の情報は9月2日現在、71件。2012年度の202件、11年度の304件と比べ、年度途中とはいえ、半数にも達していない。出没件数が管内最多の札幌市は46件と、昨年同期より84件少ない。一方、千歳市は12件、石狩市は6件と、昨年度1年間の件数に並んだ。昨年7月にハスカップの食害を受けた札幌市南区石山の農業坂井貞三さん(84)は「春から気を付けていたが、これまでクマの被害がなく、ほっとしている」と話す。坂井さんの畑では昨夏、クマにハスカップの木を数本折られ、今年は木の周囲に丈の長い草を生やしてクマから見えないようにする対策を取った。坂井さんは「ハスカップは無事だったが、トウモロコシの収穫が途中なので心配だ」と話した。道立総合研究機構環境・地質研究本部の間野勉企画課長は「昨年、札幌で多数出没したクマは、近年の生息域の拡大に伴い、市街地に近い森林で生まれた好奇心旺盛な若いクマの可能性がある」と指摘。「一昨年度と昨年度に管内で計12頭が捕獲され、市街地近くのクマが減ったことや、昨年出没した若いクマが人間を怖いと感じる経験をして、現れなくなったからでは」と推測する。
(食害深刻、人恐れぬカラス増:富山)
主力品種「幸水」が収穫の最盛期を迎えている呉羽梨の産地、富山市呉羽地区で、カラスによる食害が深刻化している。2011年から猟銃による駆除が行われなくなったことで、人を恐れないカラスが増えてきたとみられ、これまで被害の少なかった畑でも被害が大きい。
(パチンコ店で食肉処理用の銃盗まれる:福岡)
4日午後2時半ごろ、福岡県大刀洗町高樋のパチンコ店駐車場に止めたトラックから食肉処理用の銃1丁や火薬などが入ったバッグが盗まれたと110番があった。小郡署は窃盗事件として捜査している。小郡署によると、通報したのは、このトラックを運転していた同県久留米市の精肉関連会社勤務の男性(34)。銃は引き金を引いて火薬を爆発させ、金属製のピンを押し出す仕組みで、家畜を気絶させるのに使われる。バッグに入っていた火薬で約50回使うことができるという。男性はこの日午後1時ごろにパチンコ店に入り、約1時間半後に駐車場に戻ると、トラック助手席の窓が割られ、バッグがなくなっていたという。
(クマ生息域、市街地に接近:長野)
JR長野駅など長野市の中心市街地で昨年10月、クマが目撃されて多くの市民を驚かせたが、このときに県庁近くの裾花川河川敷で射殺されたツキノワグマは、食べ物を農作物に依存せず、河川敷の植物などを食べて生息していたことが、県野生鳥獣被害対策本部(本部長・阿部守一知事)の会議で報告された。目撃例などからも、里山や耕作地の放棄などで、クマの生息可能な地域が市街地の近くにまで広がっている実態が明らかになった。県環境保全研究所の岸元良輔自然環境部長が報告したところによると、飯綱山麓の目撃情報の集計では、かつて中腹にあった目撃場所が市街地ぎりぎりのところまで下がり、市街地近くで冬眠、出産した雌も確認された。「里山が放置されて森林が拡大、放棄された田畑がやぶ化して身を隠す場所が増えていることも、市街地周辺に生息域を広げている原因」という。また、駆除されたクマの年齢構成をみると、「16歳以上のクマが年々増えて高齢化が進み、年老いたクマが里の方へ下りてきている」と岸元部長。「人間の住む周辺域で、農作物を荒らさなくても暮らせる状況が生まれている。そこに廃棄、放置された果実などがあれば、さらにクマを人間が住んでいる所の近くに誘い込むことになる」と話している。
(クマの今後の対応や役割りを検証:富山)
先月27日、南砺市城端で女性がクマに襲われて大けがしたのを受けて、市は、情報連絡体制など今後の対応や役割りを見直すことを明らかにしました。これは定例記者会見で南砺市の田中市長が述べたものです。先月27日、南砺市城端の80歳の女性がクマに襲われた現場は城端小学校の近くで、この日は朝から、クマの目撃情報が相次いでいました。田中市長は、クマがどのようなルートで市街地に近づいたのかといった情報収集や住民への注意の呼びかけについて見落としはなかったか検証する必要があると述べました。そして、猟友会との情報共有の体制を見直す考えを示しました。南砺市は、クマの出没に注意するチラシをすべての世帯に配り、来週、緊急対策会議を開くことにしています。
(クマは臆病、鈴で知らせて:広島)
庄原市口和町の口北小で3日、クマの生態を知り、遭遇した際の対処などを学ぶ会があった。人とクマとが共存できる環境づくりを目指す東中国クマ集会(兵庫県尼崎市)の望月義勝さん(49)が、全校児童34人に教えた。クマは冬眠が近づくと餌を求めて行動範囲が広がり、遭遇の可能性が高まる。望月さんは「クマは耳がよくて臆病。鈴を鳴らすなどで人の存在を知らせ、鉢合わせを避けることが重要」と強調。遭遇時は「騒がずゆっくり後退しながら逃げる」「物を投げて注意をそらす」などと対処法を紹介した。児童はツキノワグマの毛皮も触った。本年度の町内でのクマ目撃情報は3件。口北小では、児童は常に鈴を持ち、集団で登下校している。目撃情報が出た後の2日間は、保護者と教職員が児童を送り迎えする。6年河野諒大君(12)は「背中を向けて走って逃げないなど、教わったことを守りたい」と話していた。
(ツキノワグマの知られざる姿:宮城)
ツキノワグマの生態を紹介する写真展が7~11日、仙台市太白区の秋保・里センターで開かれる。NPO法人日本ツキノワグマ研究所(広島県廿日市市)の米田一彦理事長(65)=青森県十和田市出身=が西中国山地などで撮影した50点を展示する。写真は沢の中であおむけになったり、ツタを伝って木の間を渡ったりする姿をとらえており、普段は目にできない行動を垣間見ることができる。絶滅の危機にひんしているモンゴルのゴビヒグマを撮影した約10点も並べる。7日午後1時からは米田さんの講演もある。クマによる事故を報じる新聞記事を取り上げ、野生動物と人間の関わり合いを考察する。米田さんは「人間とクマが共存してきた歴史を参考にしながら、クマの知られざる行動をひもとくことができればいい」と話す。
(ジビエフェア、12店舗が料理PR:鳥取)
ジビエ料理を提供する鳥取市内の飲食店12店舗で「森の贅沢(ぜいたく)ジビエ(猪(いのしし)、鹿)フェア」が4日、スタートする。有害鳥獣として捕獲されるイノシシや鹿の肉のおいしさを知ってもらおうと、ジビエの飲食店や獣肉処理業者などでつくる「いなばジビエ推進協議会」が初めて企画した。来年1月26日まで。期間中、対象の飲食店のうち3店舗以上で食事をすると、ジビエの加工品や同市内のホテル宿泊券が抽選で当たる。応募用紙は、ジビエの飲食店12店舗で入手でき、食事をすると応募に必要なスタンプがもらえる。当選者は11月29日、来年1月29日の抽選会後に発表する。同協議会は「イノシシは脂が乗っていてジューシーで、シカはヘルシーで鉄分が多く健康に良い。ジビエの魅力を広めたい」と話している。
(イノシシ肉を特産品に:岐阜)
イノシシ肉の有効活用による地域活性化に取り組んでいる、美濃加茂市の市民グループ「シシ丸王国~みのかも農商工研究会」(加藤敏夫代表)は2日、同市太田町の生涯学習センターでの定例会で、イノシシ肉を使ったソーセージの試食会を開き、県内外から参加した有志が早速、味わった。シシ丸王国は、昨年6月、イノシシ肉を使ったカレーなどの商品開発を学ぶ農商工セミナー受講者らで結成。圏域のブランド力を高めるまちづくり活動として、「みのかも定住自立圏つながる事業」にも参加。同市や八百津町などで多く出没し、農作物被害などの獣害が深刻な問題となっているイノシシの肉を特産品化につなげる活動に取り組んでいる。ソーセージは中部大学(愛知県春日井市)応用生物学部の根岸晴夫教授の研究室に試作を依頼。可児市内で捕獲されたイノシシの肉を使って調理した。試食会では、ぷりぷりして歯応えのある「粗びき」と、さらっとした「細びき」の2種類のソーセージを用意。その場で焼き上げられ、味わった出席者は「思ったより食べやすく、おいしい」と、くさみもなく軟らかくて満足そうだった。加藤代表は「イノシシは11月から3月が捕獲期間で、試作段階を経て、来年4月にも商品化したい」と意欲を示していた。

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(近くに散弾銃が…50代夫婦が血を流し死亡:神奈川)
横浜市戸塚区の住宅で、50代の夫婦が死亡しているのが見つかりました。近くに猟銃が落ちていたことから、警察は夫婦のどちらかが無理心中を図ったとみて捜査しています。1日午後5時ごろ、戸塚区の住宅から「両親が猟銃で自殺した」と通報がありました。警察などが駆けつけると、住宅の1階の台所で、この家に住む佐々木荘一さん(54)と妻の和子さん(58)が血を流して倒れていて、その場で死亡が確認されました。2人の近くには散弾銃が落ちていました。荘一さんが猟に使う目的で所持していて、銃のライセンスを持っていたということです。佐々木さん夫婦は次男(26)と3人暮らしで、2階にいた次男が台所から銃声を聞いたということです。警察は、夫婦のどちらかが無理心中を図ったとみて遺体を調べるとともに、次男から詳しい状況を聞くなど捜査を続けています。
(猟友会男性区域外で駆除、市に報奨金返還へ:滋賀)
県猟友会甲賀支部水口町猟友会に登録する男性猟師(73)が2010〜11年に、市への報告とは違う区域でシカ猟を行っていたことが同会への取材で分かった。同会はこの時期に男性が駆除したシカ21頭分、計31万5000円の報奨金を市に返還するという。同会によると、男性は10年から同会に有害鳥獣駆除従事者として登録。同会では水口町区域以外での捕獲を認めていないが、男性はシカの生息数が多く、捕獲しやすい土山町区域で猟を行い、水口町で駆除したと虚偽の報告をしていたという。
(シカと衝突、自転車の男性投げ出され重傷:北海道)
28日午後7時15分頃、北海道稚内市宗谷村峰岡の国道238号で、マウンテンバイクで旅行中だった横浜市保土ヶ谷区峰沢町の無職男性(31)がエゾシカとぶつかった。男性は頭を打つなどして重傷を負った。稚内署の発表では、男性はエゾシカとぶつかったはずみで投げ出され、しゃがみこんでいたところを通りがかった車のドライバーに発見された。男性は「左側からシカが飛び出してきた」と話し、自転車の前輪は大きくゆがんでシカの毛がついていた。現場は下り坂となっており、同署では男性がシカを避けきれなかったと見ている。同署によると自転車にエゾシカがぶつかるのは珍しいという。
(サル被害、けが人5日間で11人に:宮崎)
九州各地で野生のサルが市街地に出没し、住民を襲うケースが相次いでいる。宮崎県日向市では1日までの5日間で11人が被害に遭い、8月31日に対策本部が設置された。専門家は「サルを見たらすぐに逃げて」と注意を促している。同市での最初の被害は、28日午後6時55分頃。ジョギング中の女子高校生が足を靴の上からかまれた。1日午前7時頃には、窓を開けて寝ていた80歳代の女性が手の指をかまれた。被害が相次ぐ地域に住む細川正さん(70)は「以前は畑を荒らす程度だったが、まさか街中に居座って人を襲うなんて」と驚く。市は職員が24時間態勢でパトロールを始め、地元の小学校は30日から集団下校を始めた。同本部は、立て看板や防災行政無線で注意を呼びかけ、網を使った捕獲作戦の準備も進める。
(クマと衝突?35分間停車:滋賀)
31日午後7時50分ごろ、滋賀県長浜市西浅井町のJR湖西線の永原―近江塩津間を走行中の近江今津発敦賀行き下り普通電車が、クマとみられる動物と衝突し約35分間、現場に停車した。乗客10人にけがはなかった。JR西日本によると、運転士が線路上にクマのような動物1頭がいるのに気づいて非常ブレーキをかけたが間に合わなかった。電車に異常はなく、運転を再開した。上下2本が運休し、計5本が最大で44分遅れ、約400人に影響した。
(クマ目撃情報:宮城)
2日午前7時ごろ、仙台市青葉区郷六の広瀬川の河川敷で、クマ1頭が歩いているのを近くに住む男性が見つけ、110番した。クマは体長約1メートルで、南の方へ向かったという。仙台北署が注意を呼び掛けている。
(クマ目撃:新潟)
31日午後4時ごろ、魚沼市東野名の田んぼ脇で、同市平野又の農業男性(66)が子グマ1頭を目撃し、別の住民を通じて小出署に通報した。
(クマの目撃情報:長野)
8月30日(金)午後4時頃、伊那西小学校北側の山林内で、クマの目撃情報がありました。付近の住民の方は十分注意してください。特にクマが行動する夕方から早朝は注意をお願いします。家の近くであっても鈴・ラジオなど音の出るものを必ず身につけましょう。
(県道でクマ:栃木)
28日午後5時40分ごろ、那須町豊原乙の県道那須西郷線で、クマ1頭が目撃された。那須塩原署によると、クマは体長約1.5メートルで親グマとみられる。軽トラックで走行中の男性が、県道を北から南に横切るクマを目撃し、110番した。
(クマの目撃情報:栃木)
那須塩原でクマの目撃情報. (8月27日 17:21). 【PR】. 那須塩原署によると、27日午後3時10分ごろ、那須塩原市湯宮の市道で、バイクで通行中の郵便局員が、道路西側の林内を西に歩いていくクマを目撃し、110番した。 クマの体長は約1メートルという。
(玄関出たらクマの親子3頭:岩手)
紫波町で26日朝、住民がクマに襲われてけがを負う被害が2件相次いだ。クマの行方は分かっておらず、付近一帯は不安に包まれている。親子グマに襲われながら九死に一生を得た無職・高橋久雄さん(74)は一夜明けた27日、恐怖体験を語った。26日午前6時頃、高橋さんは、庭にいた妻から「クマだよ!」の叫び声を聞いた。玄関からガレージに飛び出すと、体長約1メートル50センチの成獣1頭、同1メートルほどの子グマ2頭が目の前に。親グマは前脚を高く上げながら急接近してきた。「これはもうどうにもならん。ダメだと思いましたわ」。鋭いツメで胸を引っかかれて倒れると、3頭は立ち去った。「不幸中の幸いとしか言いようがありません」。胸部に約15センチの傷を負っただけで一命を取り留めた。約15分前には付近の住宅で86歳男性が襲われて頭をかまれており、こちらも奇跡的に軽傷で済んだ。紫波町は今月9日に大雨被害に遭った直後からクマの目撃情報が続出。山でのエサ不足で人里に下りてきているものとみられる。町は27日、地元猟友会と共に捕獲用のワナを設置するなどしたが、目撃情報は寄せられていない。
(シカ、年28%増の大繁殖:千葉)
今年3月末時点の県内のニホンジカの推定生息数が前年同期と比べ約2100頭増加し、1万頭に迫っていることが県への取材で分かった。耕作放棄地の増加や高齢化による狩猟者の減少を背景にニホンジカは県内でも急増しているが、各自治体が力を入れる捕獲が繁殖に追いついていない実態があらためて浮き彫りとなった。現状のままでは2025年度に生息数が全国で倍増するとの試算もあり、県は捕獲用の餌の開発に着手するなど対策を急いでいる。県自然保護課によると、11年度までの10年間で県内のニホンジカの生息域は約4倍に拡大。北限の市原市から南限の館山市まで1772平方キロメートルにまで広がっている。こうした中、県は昨年度の捕獲目標を2800頭に設定。各市町が駆除を進めた結果、前年度より約600頭多い3276頭を捕獲し、目標頭数を大幅に上回った。それでも、増殖には歯止めがかからず、今年3月末(昨年度末)時点の推定生息数は、前年同期比2157頭(27・8%)増の9923頭に上った。一方、昨年度の農作物被害は12ヘクタールで423万円。近年は減少しているものの、同課は「今後、生息密度が上がれば被害が増える恐れがある」と危機感を募らせる。
(マダニ媒介ウイルス、感染歴あるシカ見つかる:福岡)
国立感染症研究所(東京)は29日、マダニを介して感染する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスについて、保有するマダニのほか、感染歴のある野生のシカやイノシシ、猟犬が、患者発生の報告がない中部地方以西の10県で見つかったと発表した。同ウイルスが広く分布していることが浮き彫りになった。同ウイルスにはこれまで西日本13県で39人が感染、うち16人が死亡している。同研究所は5月から、山口大や岐阜大などと、捕獲したマダニの遺伝子や動物の血液を分析、ウイルスの保有状況や感染歴を調べた。その結果、患者発生の報告がない山梨や静岡、福井、和歌山の4県で初めてウイルスを保有するマダニが見つかった。また、福岡、長野、和歌山の3県ではシカに、香川県ではイノシシに、三重、富山、岐阜、香川の4県では猟犬に、初めて感染歴がある動物が見つかった。
(ツキノワグマ、餌不足で出没の恐れ:富山)
27日に南砺市で女性がツキノワグマに襲われて負傷した人身被害を受け、富山県は2 9日、富山市の県民会館で緊急対策会議を開いた。県側は、ツキノワグマの餌になる木の 実の結実状況に関し、標高の低い場所に生育するコナラが「凶作~不作」であると説明し 、今秋はコナラ林を生息域とするクマが山里や平野部に出没する恐れがあるとした。結実状況調査は、県森林研究所が今月上旬から下旬に実施し、コナラは2005年の調 査開始以来、最も悪い結実状況だった。標高が高い場所に生息するブナは「凶作~並作」 、ミズナラは「不作~並作」と判定した。29日現在、県に寄せられたツキノワグマの目撃・痕跡情報は前年同期より6件少ない 108件、有害捕獲数は5件多い20件で、人身被害はツキノワグマが大量出没した10 年以来、3年ぶりとなった。会合には市町村や県警、猟友会などの関係者約60人が出席した。県側は人身被害防止 の具体策として、クマの餌になる果実の早めの撤去や木の伐採、隠れ家になる草むらの刈 り取りなどが必要と説明した。
(鳥獣駆除の団体認定制度、環境省検討)
全国で野生鳥獣による農作物や山林への被害が問題化しているため、環境省が高い捕獲技術を持つ団体の認定制度をつくり、認定した団体には銃を使うことができる時間を延長するといった規制緩和を検討していることが29日、分かった。県内でも被害が深刻なニホンジカやイノシシなどを効率的に駆除するため、態勢強化を図る狙いとしている。鹿について同省は、生息数の1割程度としている現在の駆除のペースだと、2025年度には北海道を除く全国で11年度の約2倍の500万頭まで増えると推計。駆除のペースを速めるには、大量の一斉捕獲や高山帯・亜高山帯、市街地周辺といった特別な配慮が求められる区域での駆除が必要になるとして、制度創設の検討を始めた。認定の対象には企業やNPO、地元猟友会などを想定。安全管理態勢の確保や技術研修などを条件とし、ハンターの雇用や育成を促す。餌でおびき寄せた動物の群れを一斉に銃で撃つ「シャープシューティング」、高山帯・亜高山帯での駆除といった高度な技術を持つ団体や、地域住民の要請で駆除に出動する「地域密着型」の団体の認定を想定している。銃を使った猟は日の出から日没までに限られているが、認定団体は日の出前や日没後の使用を認めることを検討。鹿などの駆除に必要なライフル銃は、散弾銃を所持してから10年たたないと所持できないが、同省鳥獣保護業務室は「期間を短縮できるか、警察庁などと相談したい」としている。猟友会などには、狩猟免許の取得可能年齢を2歳引き下げて18歳にするよう求める声もあるという。環境省によると、高山帯での銃による駆除は長野・山梨県境の南アルプス・仙丈ケ岳(3033メートル)で9月1~4日に全国で初めて試行する。シャープシューティングは北海道・知床でエゾシカを対象に行っており、受託している公益財団法人知床財団は「日没直後は動物が活発に動き、捕獲に適している」と話している。信州大農学部の竹田謙一准教授(応用動物行動学)は「趣味の狩猟と、生息数の調整という行政の事業を区別し、行政側が意図する場所、手法などを踏まえた捕獲の効率を高めることができる」と話している。認定制度創設には鳥獣保護法の改定などが必要。同省は中央環境審議会の議論を踏まえ、年内にも一般から意見を公募し、本年度内をめどに方向性を固める方針だ。
(シカ対策、仙丈ケ岳で銃捕獲実験:長野)
環境省は1日、南アルプス仙丈ケ岳(3033メートル)の小仙丈カールでニホンジカを銃で捕獲する実証実験を始めた。初日は濃霧と悪天候のため、射手が連携して捕獲するシミュレーションをして鹿の出現に備えた。3千メートル級の高山帯で銃器によるシカの捕獲をするのは全国初の試み。実験は3日までで期間中は警備員を配置して登山者の安全確保を図る。捕獲に成功すれば4日に個体をヘリコプターで回収する。かつては「花の仙丈」と呼ばれるほど高山植物の宝庫だった仙丈ケ岳のお花畑だが1990年代から鹿による食害が深刻化し、現在では草原化している。同省と南アに関連する市町村や南信森林管理署、信州大学農学部などでつくる南ア食害対策協議会は仙丈ケ岳馬ノ背のお花畑の跡地を柵で囲い、復活させる取り組みを進めている。高山帯での捕獲は、柵による対策が限定的なため、一歩踏み込んで直接的に個体数を減らす試み。国内屈指の射手が所属する自然環境研究センター(東京都)に捕獲を依頼。これまで鹿の行動調査や自動給餌機による誘引、追い込み柵の設置などをして実験に備えてきた。シミュレーションでは決められた場所に配置された6人の射手が、無線を使い鹿の位置の確認や、次の射手への引き継ぎなどを本番さながらに訓練した。捕獲作業中に登山者が現れたことを想定し、銃から弾を抜いての作業中断、エリア内の監視などの動きを確かめた。同省の西尾治首席自然保護官は「生態系の保護や生物多様性、鹿が高山帯で集団行動することによる土砂崩壊を防ぐための実証実験。制約は厳しいが、結果が出れば鹿対策の可能性が広がる」と実験の意義を強調した。実験結果は、早ければ来年3月に同協議会が開く報告会で公表する。
(サルの被害対策で大型囲いわな:和歌山)
ニホンザルによる農作物被害を減らすため、和歌山県は大型囲いわなの設置を始めた。6月に完成した湯浅町の施設ではすでに16匹を捕獲。9月上旬には印南町に完成。囲いわな設置は年間600匹の捕獲を目指す管理捕獲の一環。県農業環境鳥獣害対策室は「この2カ所をモデルケースとして、他の市町村や地域に広めていきたい」と県内計14基の設置を目指す。近年、県南部を中心にニホンザルによる被害が深刻化、ここ10年ほどは年間被害額が5千万円前後で推移している。このため、2013年度に策定したニホンザルの保護管理計画では、「平成」に入って一番被害額が少なかった1989年度の1900万円ぐらいまで減らすことを目指している。その対策の一つとして、2013年度と14年度の2年間で管理捕獲を実施する。湯浅町山田に完成した囲いわなは8メートル四方で高さ4メートル。印南町樮川に予定しているのは10メートル四方で高さ4メートル。今後の囲いわな設置については、各自治体や地域が国の事業などを活用し、餌代などを県が補助していく。ニホンザルの捕獲には銃器や箱わななどの方法があるが、群れごとの捕獲には囲いわなが効果的だと言われている。県内のニホンザル 群れの目撃と聞き取りによる生息調査では、1986年度に80の群れで2110~2735匹と推定されたが、2012年度には180の群れで3972~7308匹に増加していると予測している。県内の捕獲状況は93年度以降、常に400匹を超え、ここ数年で急増し、2010年度には最高となり、1425匹となった。
(新人ハンター発掘へ官民PR)
狩猟の担い手を増やそうと、狩猟の文化や魅力をアピールする動きが官民で広がっている。国は免許の取得方法やジビエ(狩猟肉)料理を紹介するイベントを各地で開催。愛好者団体は「狩りガール」と称して女性の積極参加を促す。ハンターはピーク時の半数以下に減る一方で、野生鳥獣による農作物被害は増えており、関係者は「少しでも歯止めをかけられれば」と期待している。「狩猟をするには免許が必要です」「自分で仕留めたイノシシを食べると、命への感謝の気持ちが生まれます」。8月上旬、宇都宮市で開かれた環境省主催のイベント。現役ハンターの話に、200人以上の参加者が熱心に耳を傾けた。わなや模擬銃を展示したりイノシシ肉を試食したりするコーナーも設置。気軽に立ち寄れる雰囲気で大学生や女性の姿もあった。栃木県益子町の会社員、大貫貴史さん(31)は「近所で農作物被害が起きているので役に立てれば」と話した。環境省は主に40歳以下の狩猟未経験者の掘り起こしを目的とした「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」を昨年度から始めた。今年度は宇都宮も含め計9カ所で開催する。同省によると、狩猟免許の保有者は1975年度の約51万8千人をピークに、2010年度は19万人程度まで減少。高齢化も進んでおり、60歳以上が64.2%を占める。一方で、野生鳥獣による農作物被害は05年度の約187億円から11年度は約226億円に増加。獣類の被害の8割はシカとイノシシによるもので、国立公園の花や樹皮をシカが食べる森林被害も増えているという。狩猟家の全国組織、大日本猟友会(東京)は7月中旬からインターネットで「目指せ!狩りガール」と題した連載を開始した。都内の30代女性会社員が免許を取得するまでの体験記をイラストで紹介。女性ハンターは全体の1%程度で、同会は「同性がハンターになる過程を紹介することで狩猟への抵抗感もなくしたい」としている。30代ハンターらでつくる岐阜県郡上市の任意団体「猪鹿庁」は獣害を受けている集落に猟の仕方を助言し、毎年秋冬に猟師と山を歩きジビエ料理を食べるエコツアーを実施している。10月にはハンターの講演やシカの解体を実演する3日間の「狩猟サミット」を開く。メンバーの永吉剛さん(30)は「猟師がいなければ人間と動物のすみ分けが崩れる」と話す。免許取得費などで10万円程度の初期費用がかかるほか、銃所持を申請すると警察が近隣住民に申請者に関する調査をするため「興味はあっても尻込みする人も少なくない」と指摘する。
(猟師確保へ銃猟体験会:兵庫)
有害鳥獣による農林業などへの被害が拡大する一方で、狩猟者の減少と高齢化が進んでいるのを受け、県農政環境部自然環境課は5年前から、銃猟による地域の有害鳥獣捕獲活動に関心のある人を対象に、実際の捕獲現場を体験してもらう「銃猟体験会」を県内各地で開催している。篠山では8月25日に火打岩一帯で開かれ、阪神間を中心に、篠山、加古川、たつの市などから、女性3人を含む30―64歳までの10人が参加した。篠山市猟友会篠山支部のメンバー15人とともに山に入り、5頭のシカを仕留める瞬間を目の当たりにした参加者らは、その迫力に驚きつつも有害鳥獣捕獲に対する理解を深めていた。篠山で行われるのは、2011年に続いて2度目。篠山市猟友会会長の古屋定繁さん(74)=寺内=が、県から銃猟体験会開催の要請を受け、自らが籍を置く篠山支部のメンバーに声をかけた。銃猟体験会は、今谷、春日江、火打岩の3集落にまたがる山中で行われた。勢子(せこ)と呼ばれる獲物を追い立てる役割の猟師1人が、今谷から7匹の猟犬を山に放ってシカを追い出し、そのほかの猟師と参加者は春日江から火打岩にかけて、シカが飛び出してきそうな場所(待ち場)に身をひそめ、獲物が飛び出してくるのを待った。しばらくすると火打岩側の待ち場に5頭のシカが飛び出し、猟師たちはすかさず発砲。成獣のオスとメスそれぞれ2頭と、幼獣1頭を仕留めた。古屋さんは「今回の体験を踏まえ、一人でも多くの人に猟銃(ライフル銃、散弾銃)の所持ができる第1種銃猟免許を取ってもらい、猟友会の一員として有害鳥獣駆除に務めてもらえればありがたい」と話している。12年度末現在、猟友会の会員数は県で3301人、篠山市で118人。県、篠山市ともに、会員数のピークは1976年で、県では約1万1000人、篠山市でも約300人を誇った。
(クマ対策県が緊急会議:富山)
南砺市城端で27日に女性がツキノワグマに襲われ、鼻の骨を折るなどのけがを負う被害が発生したことを受け、県は29日、「ツキノワグマ緊急対策会議」を富山市内で開き、被害防止対策を関係機関に要請した。県や市町村、県警、県猟友会などの関係者約60人が出席。県と南砺市が、27日の被害発生や、今年のクマの出没状況などを報告した。県によると、今月のクマ出没件数は28日現在で11件。同月比では、大量出没した2010年(48件)や06年(35件)ほど多くはない。8月はクマの餌が少なく、今回は餌を求めて集落周辺や平野部に行動域を広げたと考えられる。県は、秋にクマの餌となるドングリ類の着果状況の調査結果も報告。標高が高い所に生育するブナとミズナラは昨年より良かったが、標高の低い里山に成育するコナラは05年度の調査開始以来、最も悪い状況だった。今後、コナラ林の多い県西部でクマがどう動くか注意が必要だという。
(グレーチングでイノシシ撃退:山口)
山口県農林総合技術センターは、柵で閉め切らず農地をイノシシから守る新たな防護策の実証実験を、山口市上小鯖で今月中旬から始める。金属製の格子状のふた(グレーチング)を地面に設置し、侵入を防ぐ全国的にも珍しい手法。1日、実験に協力する地元農家への説明会があった。実験は、グレーチングを耕作放棄地に設置。両側にフェンスを張り、侵入口の反対側に餌のサツマイモを置いて監視カメラでイノシシを観察する。餌を取ろうと侵入すれば足がはまって進めないとの見立て。イノシシが餌まで到達できないグレーチングの長さや、設置した下の穴の深さを調べる。同センターはこうした防護策が他県でシカ対策に実用化されていることに着目。電気柵が設置できない箇所などへの設置を想定する。この日は、仮置きしたグレーチングを地元農家たち約10人に披露し、狙いなどを説明した。実験は3年計画。佐渡靖紀専門研究員は「電気柵で覆った農地の入り口に設置すれば柵の開閉の手間も省ける。実用化に向けて取り組みたい」としている。
(西表各地で猪垣を整備:沖縄)
西表島各地でイノシシによる農産物への食害が相次いでいるのを受け、竹富町(川満栄長町長)では2013年度中山間地域総合整備事業や県鳥獣被害防止総合対策交付金事業を活用し、西部地区と南風見田地区でイノシシの侵入防護柵(猪垣)を整備する。また、大富地区でも被害が発生していることから、県有害鳥獣防止緊急捕獲等対策事業の採択を要望している。猪垣は、転倒や腐食に強い亜鉛アルミ合金製。高さ1㍍で農地と山間部の境に整備され、イノシシが容易に農地に侵入できないようにする。西表島内の猪垣整備は西部地区は中山間事業で年次的に実施。東部地区は土地改良事業導入時に整備されたが、田畑に面していない未整備区間があり、同区間からイノシシが侵入、田畑で食害が発生している。13年度の中山間事業では西部地区一円で10㌔の猪垣を設置するほか、上原地区の防火槽3基と防風林3㌔も整備する。総事業費は約2億7000万円。南風見田地区では県鳥獣被害防止総合対策交付金事業を活用し、町有害鳥獣対策協議会が実施主体となり約2㌔の猪垣を整備する。総事業費は約900万円。受益者負担として設置作業の際、農家の役務も義務づけられている。大富地区で2カ所の未整備区間(約1100㍍・約600㍍)があることから、県有害鳥獣防止緊急捕獲等対策事業の採択も要望。採択されれば年度内にも整備したい考え。野底忠農林水産課長は「既存の猪垣は土地改良事業で整備されているが一定区間、整備されていない部分があるため、そこから侵入したイノシシによる被害が発生している。電気柵や漁網などを使って農家も自主防衛策をとっているが、少しでも早く被害軽減を図れるように中山間総合整備事業以外でも事業採択に向けて取り組んでいきたい」と話した。
(米兵、見学の子どもに銃:神奈川)
米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)の米兵が見学に来ていた子どもらに銃を持たせていたと市民団体が指摘していた問題で、同基地のデービッド・グレニスター司令官が29日、市役所を訪れ、沼田芳明副市長に「文化的な違いから一部の方に不快な思いをさせた」と謝罪した。市によると、3日は恒例の基地開放日で、米兵は部隊の装備品や、実弾を抜いた銃を展示して戦術などを実演。司令官は来場者の求めに応じて装備品を持たせていたと釈明したという。副市長は「来場者を楽しませるためとはいえ、日米では銃の意識が異なっており、行き過ぎがあったと感じる」と述べ、配慮を求めた。
(伊万里射撃場問題、市民団体が県に申し入れ:佐賀)
伊万里市大川内町の市営射撃場(休止中)に約57トンの鉛が放置されている問題で、市民グループが29日、県庁を訪れ、早急に鉛汚染を除去するよう市に指示してほしいと求めた。要望書によると、射撃場近くの民有地は土壌汚染が広がり、7月に専門家に依頼した調査でも、人体への影響が懸念される基準値の約4倍の鉛を検出したと指摘。古川康知事に対し、汚染された民有地を土壌汚染対策法に基づく要措置区域に指定するよう求めた。また、この問題をめぐり、伊万里市が設置した有識者らによる検討委員会について「法解釈など誤った認識に基づき議論が進んでいる」とし、軌道修正を指導するよう求めた。市民グループの下平美代代表は、対応した県環境課の職員に「県ももっと関心を持ち、一度現場を見てほしい」と訴えた。
(体長1mのインコ、捕獲の麻酔銃で死ぬ:千葉)
千葉市動物公園(同市若葉区)は29日、インコ舎から逃げ出した「ベニコンゴウインコ」を捕獲したが、間もなく死んだと発表した。人に危害を加える恐れはないが、26日の脱出以降、飼育課の職員総出で捜索にあたっていた。逃げたのは生後3カ月ほどのオスで、体長は約1メートルある。南米原産で、赤と青の鮮やかな羽が特徴。同園によると、26日夕、男性職員が檻(おり)の清掃中、わずかに開いたままになっていた扉から逃げたという。親鳥がいるインコ舎周辺の樹木を飛んで移動するなどし、捕獲作業は難航。29日午前7時すぎ、高さ約20メートルの木の上にとまっていたところを職員が麻酔銃を撃ち捕獲したが、針が心臓に至って出血し死んだ。朝生智明園長は「人為的なミスで、動物を死なせる結果になってしまい大変残念。再発防止を徹底したい」と話している。
(ジビエ気軽に味わって:長野)
長野市などでシカ肉を中心としたジビエ(野生鳥獣の肉)料理の普及に取り組む飲食店でつくる「鹿遊(かゆう)会」が、9月から10月末にかけてシカ肉料理を提供するスタンプラリーを行う。参加14店がそれぞれ独自のシカ肉料理を用意する。食べる機会の少ないシカ肉を気軽においしく味わってほしい―と意気込んでいる。同会には、長野、中野、松本各市の洋食店や和食店、無国籍料理店などさまざまな店が参加。提供するシカ肉料理も各店が独自に工夫しており、シカ肉とキムチを炒めた料理や肉団子、焼きソーセージなど多種多様だ。県野生鳥獣対策室によると、2012年度のシカの捕獲頭数は3万3668頭で、このうち食肉として加工処理されたのは1564頭。会の結成を呼び掛けた長野市内で飲食店を経営する滝口誠さん(32)は「流通態勢が整っていないため価格が高く、硬くて臭いという悪いイメージもある」と説明する。だが「料理素材として素晴らしく、しっかり調理すればおいしい」と滝口さん。料理の価格を千円ほどに抑え、複数の店が協力して開く催しを通じて、シカ肉に良いイメージを持ってほしいと期待する。
(「猪肉焼売」開発:長野)
根羽村の観光交流施設「ネバーランド」の桑原幸一郎料理長(45)と、高森町の土産品製造販売「マツザワ」がイノシシの肉を使ったシューマイを開発した。商品名は「猪肉焼売」。みじん切りにしたイノシシの赤身の肉と豚バラのミンチを一対一の割合でブレンドし、みそで味付けした。脂の多い豚バラを混ぜることで、甘みをプラス。「山の香りも楽しめるように」とゴボウも混ぜ、野趣あふれる食感を演出した。肉は、捕獲してから短時間のうちに血抜きや解体処理することで独特の臭みが抑えられている。狩猟や有害鳥獣駆除で捕獲したイノシシの肉のうち、脂身が少ない赤身は用途が少なく、桑原さんは「ドッグフードに利用されることが多い」と話す。こうした赤身の肉の利用促進を図ろうと、桑原さんがシューマイの開発を企画。レシピを考案し、マツザワが製造した。見た目は普通のシューマイだが、ゴボウのコリコリとした食感が印象的。豚の脂とさっぱりとしたイノシシの肉が混ざり合い、しつこくない味わいが楽しめる。桑原さんは「南信州全体にこの肉を活用する動きが広がってほしい。シューマイに限らず、いろいろな形で活用されればコストも下がり、学校給食などにも広げられる」と話した。シューマイは六個一パックで、五百~六百円。ネバーランドと、村内の料理店「ひよもの里」で販売されている。
(サルの捕獲具開発:徳島)
小松島市間新田町ヤケ木の屋根工事業杉本辰男さん(61)が、サルを餌でおびき寄せるくくりわなを開発した。持ち運びや取り付けが簡単で、サルの食害を減らす効果が期待される。串に刺したサツマイモやトウモロコシなどの餌をサルがつかんで持ち上げると、弦巻きバネが反応。ワイヤの輪がサルの手を締め付けて抜けないようにする。地元猟友会会員の杉本さんは、2011年にシカやイノシシ向けの捕獲具を開発。県内市町村を回って使い方を説明する中で「サル用の捕獲具はないのか」との声があったことから、製作に乗り出した。今春から2カ月余りかけて試作を重ね、ようやく完成した。サル用の捕獲具はこれまで金属ネットで囲んだ箱わながほとんどで、1台数百万円かかる上、移動に手間がかかっていた。12年度のサルによる県内の農作物被害は、統計を取り始めた1999年以降、最悪の4232万円に上っている。8月の発売後、岡山や茨城から注文がある。杉本さんは「サルに農作物を食い荒らされて困っている人は多いはず。少しでも役立てば」と話している。1台1万5千円(税込み)。

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