<射撃ニュース9月>

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(子グマ1頭を駆除、目撃情報相次ぐ親子の1頭か:北海道)
27日午前8時15分ごろ、札幌市南区真駒内柏丘12のじょうてつバス石山陸橋のバス停付近の林で、クマ1頭がいるのを札幌市南消防署員が見つけて110番通報した。北海道猟友会札幌支部のハンターが駆け付けたところ、現場を撮影中のSTVとHTBのカメラマンに向かって、10メートルくらい離れた場所からクマが近づくそぶりを見せたので、ハンターが午前8時40分ごろ、クマを駆除した。けが人はいなかった。札幌市によると、クマは体長1・1メートルで、1歳ぐらいの雄の子グマとみられる。現場は藻南公園から南に約1キロ離れ、同公園付近では25、26日にも子グマや親子とみられる2頭のクマの目撃情報が計4件、相次いでいた。
(クマ出没相次ぐ:北海道)
今月に入り、札幌市南区でヒグマの出没が相次いでいる。26日も夕方以降、住宅地近くの2か所で目撃され、今月だけで同区のクマ出没は15件となった。市みどりの推進課によると、今月、市内でヒグマ出没の情報は24件あり、このうち南区が6割余りを占める。市や札幌南署などが警戒しているが、付近の学校は集団で登下校し、校外行事を延期。クマが出没した「国営滝野すずらん丘陵公園」は、休園期間の延長が決まるなど、影響が広がっている。同課などによると、26日午後5時20分頃、南区川沿11の1の豊平川左岸の河川敷付近でヒグマ1頭が目撃された。25日にも近くで2回、クマが目撃されており、いずれも体長が1メートルに満たない子グマだった。同一の可能性があるという。26日午後7時5分頃には、約2キロ南の同区川沿18の1のバス回転所で、親子とみられるヒグマ2頭が目撃された。2頭は豊平川方面に逃げた。近くに住む主婦(64)は「まさかこんな住宅街にクマが出るなんて……。クマに遭遇したらと思うと怖い」と不安そうに話した。目撃情報を受け、市立石山小と藻岩小は26日、児童を集団で登下校させ、地元猟友会員や教職員らが見守った。石山小は26日、近くの藻南公園にハイキングに行く予定だったが延期した。市は25日から広報車を出して注意を呼びかけた。市は山を下りてきたヒグマが豊平川に沿って移動しているとみており、市職員らが26日から河川敷を見回っている。同課は「冬眠前のこれから、餌を求めてさらに増えるだろう。今年はドングリ類が不作との予想なので十分に警戒してもらいたい」と注意を呼びかけている。一方、23日にヒグマの足跡とフンが見つかり、来場者約6000人を退園させ、臨時休園となった「国営滝野すずらん丘陵公園」。国土交通省札幌開発建設部は26日、専門家を招いて対策会議を開いた。26日現在、新たなクマの痕跡は見つかっていないが、同部は30日までとしていた休園期間の延長を決めた。同部の渡辺政義次長は「もう少し時間をかけて点検する必要がある」とし、当面開園しない方針を示した。同園の昨年度の利用者は約63万人で、現在、約70万本のコスモスが見頃。休園によって、園内の「青少年山の家」で予定されていた小学校の校外学習が延期になるなど影響が出ている。
(県庁のサル、再び:静岡)
静岡市葵区の県庁近くで25日に目撃されたサルは一時は山に帰ったか、と思われたが26日、再び姿を現した。市は捕獲用のオリに入れる食べ物に干し柿を加え、改めて5カ所にオリを置くことにした。26日午前9時ごろ、静岡市中山間地振興課の職員が5カ所に置いていたオリを回収した。エサを食べた跡がなかった。
(市街地近くにイノシシ、1頭を捕獲:栃木)
市街地にほど近い大田原市金田地区周辺でイノシシによる農作物被害が発生している問題で、同地区に隣接する那須塩原市石林で地元猟友会のメンバーが1頭を捕獲した。捕獲開始から約2カ月。近隣住民らは「被害が少なくなる」と安堵の表情を浮かべる一方、猟友会は「繁殖力も強い。被害状況をみながら捕獲していきたい」と今後も駆除を継続する考えだ。大田原市金田地区今泉で7月中旬、農家男性が水田にイノシシらしき足跡があるのを発見。近隣の畑や水田でも、ジャガイモや稲の食害が見つかった。このため、大田原市が7月中旬、8月下旬に有害鳥獣捕獲を許可。猟友会などが大田原と那須塩原市境にある山にワイヤ製の「くくりわな」の設置に乗り出した。
(イノシシが海を泳ぐ:富山)
先日、富山湾で撮影された写真、船の上から撮影されたものですが、よく見ると、何か動物が泳いでいるのが分かります。実は、山沿いにいるあの動物の姿でした。「伏木港の万葉ふ頭です。先週、あちらの防波堤のさらに向こうでイノシシが泳いでいるのが見つかりました」『イノシシのようなものが海を泳いでいる』漁船から伏木海上保安部に通報があったのは今月20日の午前11時ごろ、県自然保護課と地元の猟友会の人が船で現場に向かったところ…県自然保護課、高橋正樹さん「あまりというかほとんど聞かない話なので、本当かな?と、イノシシに似た違う物体が浮遊してるんじゃないかと思ったんですけども」近づくと、海面から茶色い背中が。確かにイノシシでした。イノシシが泳いでいるのが見つかったのは高岡市の万葉ふ頭の沖合いおよそ1.5キロの富山湾。通報から1時間後、県の担当者が到着したときには沖合い1キロほどまで岸に近づいていました。県自然保護課、高橋さん「海にいるとぷかぷか浮いているような、浮遊しているような感じだったので」「陸のほうに向かって泳いでいるような感じでしたので」「犬掻きのような動きで移動してたんだと思います」イノシシは3歳から4歳くらいのオスで、体長およそ140センチ、体重70キロほどでした。山の生き物・イノシシがなぜ海を泳いでいたのでしょうか?イノシシの生態に詳しい富山市科学博物館、南部久男館長「伏木ですと二上山系にいたものが迷い出て見つかったということだと思います」「(イノシシは)分布域も広がっているし、数も多くなっているので、伏木のような海岸線に近い町ですと、海にまちがって落ちたりすることはあると思います」県外では、九州や瀬戸内海周辺で海を泳ぐイノシシが見つかることがあります。県内でも山間部の湖などで泳ぐ姿がまれに目撃されています。ただ、今回のようにイノシシが富山湾を泳ぐ姿の目撃は、県や富山市科学博物館の南部館長も「聞いたことがない」と話しています。このイノシシですが、向かっていた岸のすぐ近くには伏木の住宅街があり、陸に上がると被害がでるおそれがあったため、駆除されたということです。それにしてもなぜ、富山湾を泳いでいたのか、気になる所です。
(クレー射撃の中山帰国)
リマで23日に開かれたクレー射撃の世界選手権の女子トラップで銀メダルを獲得した34歳の中山由起枝(日立建機)が26日、成田空港に帰国し、集大成と位置付ける2016年リオデジャネイロ五輪に向けて「世界で戦える自信をつかんだ。五輪でもメダルを取りたい」と意気込みを語った。国際大会は昨年のロンドン五輪以来だったが、ことし6月からイタリア合宿を重ね「とにかくたくさん撃ち込んだ成果が出た」と、練習量のアップが奏功したと強調した。20年東京五輪についても「年齢的にまだ狙える」と視野に入れながら「まずは3年後のリオに集中したい」と笑顔で話した。
(イノシシから農作物守れ:富山)
県内では、10年ほど前までほとんど見られなかったイノシシの出没が、この数年で急増し、県内の農業被害額は、この5年間で4倍に増えています。このうち、県内でもっとも被害が大きい氷見市では、農作物への被害を食い止めようと、地元の住民たちが、26日、被害を受けやすい箇所を点検しました。今回の点検は、県高岡農林振興センターや氷見市などが実施したもので、地元の農家からおよそ40人が参加しました。氷見市では、去年、イノシシによる農作物への被害額がおよそ1千万円にのぼり県内で最も被害が大きく、今年もすでに去年の3倍近いおよそ70頭のイノシシが捕獲されています。参加者らは、山あいにある田んぼを訪れて、イノシシの侵入を防ぐために設置された電気柵の状況を確認。県の担当者から、漏電や電圧の低い箇所がないか、また、一番下の柵が、イノシシの子どもの鼻の高さと同じ、地上から20センチの高さになっているかなどを確認するようアドバイスを受けました。また、26日の点検では稲刈りを終えた田んぼに生えてくる長さ10センチほどの稲穂「2番穂」がイノシシの格好の餌場になってしまっているとして、「2番穂」を刈り取るか電気柵を11月まで設置する必要性が指摘されました。今回の点検では、ツキノワグマへの対応策も示され、餌となる柿の木の枝を切り落としたうえで、木の幹にトタンを巻いてクマが登れないようにする方法も実践されました。県や氷見市では、これらの対策を広く周知し、農作物への被害軽減につなげたいとしています。
(カラス対策情報交換:青森)
弘前市と県立弘前実業高校は26日、市街地で生息するカラスへの対策についての初の情報交換を行った。市によると、現在市街地には約5000羽のカラスがおり、ゴミ集積場のゴミ散乱、ふん害、畑荒らしなど市民生活に影響が出ている。同校は昨年度から農業クラブがカラスの調査・対策に取り組んでいる。農業クラブの10人と市担当者3人が出席。同クラブが、薄く、幅の広い合成繊維のテープを二つ折りにして長さ1メートルほど農園内の支柱やグラウンドのネットに結びつけたところ、被害がなくなり、風による揺れや音による効果と推定していると報告。市側から釣り糸による対策などの説明があった。クラブの工藤一希会長(3年)は「市役所と自分たちの対策が比較できて、有意義だった」と話した。市担当者は「高校生が真剣にカラス対策を考えてくれてありがたい」としている。
(マガン飛来、秋深まる:鳥取)
米子水鳥公園(米子市彦名新田)のつばさ池に、秋の深まりを告げるカモ科の冬鳥・マガンが飛来した。水鳥公園の指導員が27日、確認した。飛来時期を記録し始めた1995年以降、最も早く、昨年よりも6日早い。
(ビームライフル教室:神奈川)
県立伊勢原射撃場で10月19日(土)、ビームライフル射撃体験教室が開催される。参加無料。対象は市内在住・在学・在勤者。時間は午前9時から午後4時までで4クラス。申し込みは10月1日(火)から。定員は先着各回15人。
(ジビエ普及で研修会:高知)
シカやイノシシなどの野生鳥獣「ジビエ」食文化の普及を図り、新たな産業の創出を目指す研修会が27日、高知県の四万十市役所で開かれ、四国4県の行政、狩猟、飲食などの関係者約80人がイノシシの活用法などを学んだ。四国B級ご当地グルメ連携協議会を母体とし、野生鳥獣の観光資源化を目指して4月に発足した四国ジビエ連携(事務局・愛媛県松山市)が主催。研修会は6月の徳島県での開催に続き2回目で、愛媛県西予市のイノシシ捕獲や蓄養の取り組みなどが発表された。野村町青年農業者連絡協議会(西予市)の増田寿永会長(28)は加工施設や地元狩猟者などとつくる捕獲チームの活動を紹介。イノシシのおりに対する警戒感が年々高まっているため、新たにセンサー設置などに取り組んでいることを話し、ノウハウを共有することの大切さを強調した。獣肉処理加工施設「ししの里せいよ」(同市)の舟本健施設長(54)は餌や飼育環境を工夫して「自信を持って売れる肉」をつくっていると説明。「イノシシという大切な地域の資源を生かさない手はない」と力を込めた。
(プロが語る「ジビエ料理」の醍醐味)
近年はシカやイノシシなどによる鳥獣被害の対策として、積極的に狩猟を推進する地方自治体が増加。首都圏をはじめ、全国的にジビエを楽しめる専門店も続々と登場している。「そもそもジビエ料理はフランス貴族の伝統食で、本来はフレンチやイタリアンで食べるものでした。しかし、最近はバル、ワインバー、居酒屋、果ては中華料理店でも提供するお店が出てきています」そう教えてくれたのは、日本ジビエ振興協議会の会長で長野県のフレンチレストラン「オーベルジュ・レスポワール」のオーナーシェフを務める藤木徳彦さん。内閣府の地域活性化伝道師としてジビエ活用を指南するこの道の第一人者だ。「動物の種類ごとにバラエティに富んだ肉を味わえるのが、ジビエ料理最大の醍醐味。野生動物のオスは筋肉質で雄臭があり、メスは柔らかくまろやか。雄雌で肉の味がハッキリと異なります」さらに、ヘルシーで栄養価が高いのもジビエ肉の特徴だ。たとえば、シカ肉は100gで110kcalと非常にローカロリー(豚モモ肉は100gで225kcal)。また、貧血によい“ヘム鉄”も、牛肉や豚肉に比べて4~6倍の含有量を誇るとか。とはいえ、ジビエ肉には臭みが強い印象も…。「それは、かつて盛んに行われていた熟成のイメージですね。以前は肉を1週間寝かせるなどして熟成させており、旨みが増すかわりに臭みも出ていました。しかし、最近ではニオイを出さないよう、獲れたての新鮮な肉を料理することがほとんどです」加えて、獲物の血抜きや内臓の処理を行う技術の向上、衛生面への配慮などが進み、最近はニオイが気になるようなジビエ肉は減っているのだとか。「もちろん、生まれつきクセの強い肉を持つ動物もいます。だからジビエデビューをする時は、食べる肉をよく吟味しましょう。オススメはやはりシカやカモ。赤身肉をしっかりと味わえるヤマバトも人気ですよ」一方、野生の味に慣れてきたら、日本ならではの「国産ジビエ」にも挑戦してほしい、と藤木さん。「たとえばフランスで高貴な食材とされ、乱獲で禁鳥になってしまったヤマシギとタシギ。我々におなじみのカラスもパイに包むとおいしく食べられますし、イベリコ豚のような味わいのアナグマもツウの間で人気です」田畑を荒らす有害鳥獣に指定されているシカやイノシシは一年中捕獲できるが、ほかの鳥獣は一般的に11月15日から2月15日の狩猟シーズンだけ。野生動物が冬を越すために体内にしっかりと脂を蓄える秋こそが、ジビエ料理の一番の食べ頃だとか。今後、ますます話題になりそうな新たなデートスポットとして、この秋はジビエ料理店に足を運んでみては。

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(中山が女子トラップで銀)
クレー射撃の世界選手権は23日、リマで行われ、女子トラップでロンドン五輪代表の34歳、中山由起枝(日立建機)が銀メダルを獲得した。日本協会によると、同種目で日本選手最高順位。中山は予選をトップと同点の3位で通過し、6人による準決勝も突破した。決勝でロンドン五輪優勝のジェシカ・ロッシ(イタリア)に10-12で敗れた。井上恵(ナスタジャパン)は予選36位で敗退した。五輪に3度出場した中山は、2008年北京五輪で4位だった。
(シカ駆除費、猟友会100万円水増しか:兵庫)
兵庫県猟友会西脇多可支部と多可猟友会有害鳥獣駆除班が2010~12年度に実施したシカの駆除で約106万円の水増し請求があったとし、兵庫県と多可町が25日、返還を求めた。同支部の支部長と同駆除班の班長は同じ男性が務めていた。男性は水増し請求を認め、返還する意向を示している。県と町の調査によると、同支部や同駆除班は、シカ駆除に出動した人数を実際より多く報告するなどし、3年間で延べ103人分の委託料(1人当たり1日9375円)とシカ15頭分の駆除委託費9万7500円を不当に請求したという。県は10年度から「シカ捕獲専任班編制事業」を実施し、田畑を食い荒らすシカの駆除に対し、補助金を出している。11年度からは市町も補助金を出している。水増し請求をしているとの情報が今春、同町に届き、7月、県と町が出動したメンバーに聞き取り調査した結果、同支部が提出した報告書が水増しされていることが分かった。男性は神戸新聞社の取材に対し、水増し請求を認め「(水増し分はメンバーに)配った。速やかに返還したい」と話した。県自然環境課は「詳細な報告を求めるなどし、再発防止に努めたい」としている。
(ハンター不足解消へ初の養成講座:宮城)
有害鳥獣を駆除できる即戦力のハンターを短期間に育成しようと、県は初めての「新人ハンター養成講座」を10月20日に開講する。講座は来年3月までの全9回。ハンター歴42年のベテランが「長年の経験を短期間で身につけられる優れた内容」という画期的な講座で、ハンター不足解消の切り札として期待を集めている。初の「新人ハンター養成講座」を県が企画したのは差し迫った理由があった。県内の有害鳥獣の駆除要請はイノシシの北上で増える一方なのに、ハンターは高齢化と後継者不足で年々減少、早ければ4、5年後にも駆除要請に応えられなくなる懸念だった。県自然保護課によると、イノシシの有害駆除数は北上とともに増え続け、平成19年の574頭が24年には4倍近い2151頭。ニホンジカの24年の有害駆除数が1245頭、このほかにツキノワグマやニホンザルの駆除要請もある。有害駆除を担当するのは市町村の駆除隊。メンバー全員が県猟友会の会員だ。同会によると、24年2月1日現在の会員数は1516人。ピークだった昭和53年の8755人の5分の1以下で、平均年齢も63・6歳と高齢化している。「現在でも駆除要請を受けるのがいっぱいいっぱいの状態。若い人が入らない状況がこのまま続いて高齢化が進めば、あと4、5年で駆除要請にも応じられなくなる」。県猟友会のこんな強い危機感が初めての講座の開講につながった。有害駆除には豊富な経験が必要だ。住民の安全を確保しながら野生動物を駆除するには的確で冷静な判断が欠かせない。かつてはベテランについて10年間の経験を積むのが当たり前だったという。講座はこれを半年間で取得できるように工夫が凝らされている。イノシシやニホンジカ、ツキノワグマ、ニホンザルの生態を学び、ベテランの手ほどきで駆除したイノシシとニホンジカの解体と料理、箱わなの架設実習、ニホンザルの追い上げ体験など、短期間で即戦力を育てる実戦的な内容だ。ハンター不足は全国的な課題。県自然保護課によると、この種の新人ハンター養成講座を県単位で開講するのは「おそらく宮城県が初めて」としている。募集定員20人に対して12日現在の応募者数は16人。県は募集締め切りの今月末まで一人でも多くの参加を呼びかける予定で、今後の成果が注目されている。
(クマに頭かまれ男性けが:北海道)
24日午前9時半ごろ、函館市女那川町の山林で、ヤマブドウを1人で採りに来ていた同住所、無職山本忠勝さん(62)がクマに襲われ、後頭部や右肩などに軽傷を負った。函館中央署によると、山本さんは林道沿いの河原に出たところ、親子連れのクマ2頭に遭遇。親グマに後頭部をかまれ、右肩や右足には爪によるひっかき傷を負った。現場は旧恵山地区で、海岸線の国道から約7キロ入った民有林。道内で今年起きたクマによる人身事故は、4月16日に檜山管内せたな町で女性が襲われ死亡、同29日には日高管内新ひだか町で男性が負傷しており、今回が3件目。
(ゴルフ場付近でクマ射殺:北海道)
22日午前8時15分ごろ、千歳市蘭越のゴルフ場「ザ・ノースカントリーゴルフクラブ」のコース外にある作業用管理道路周辺にクマ1頭がいるのをゴルフ場の男性スタッフが目撃し、110番通報した。千歳市によると、千歳署から連絡を受けた市と地元猟友会でつくる千歳市熊防除隊が、同9時40分に管理道路近くでクマを発見、森に逃げ帰る様子を見せないことから射殺した。クマは体長約1・5メートルの雄で推定4歳。クマの出没により、プレー客約110人が一時、クラブハウスに避難した。
(イノシシの突進受けて男性けが:兵庫)
23日午前7時30分頃、兵庫県淡路市生田畑の農業中谷陽義さん(64)方で、中谷さんが敷地にある倉庫を懐中電灯で照らしていたところ、突然、体長約1・5メートルのイノシシが飛び出してきた。中谷さんは突進を受け、左脚を打つ軽いけが。イノシシは山へ逃げた。淡路署の発表によると、中谷さんが倉庫内の物音に気づき、調べていた。中には米やぬかがあり、数年前からイノシシに食い荒らされる被害があったという。
(イノシシ襲い女性重傷:岡山)
20日午前6時30分ごろ、備前市麻宇那の市道で、歩いていた近くの女性(73)が、突然イノシシ1匹に押し倒されて両脚をかまれた。女性は救急車で市内の病院に運ばれたが、左太ももなどに重傷を負った。市などによると、女性は襲われた後、約300メートル先の自宅まで戻り、家族が119番したという。女性が襲われた際、ちょうどミニバイクで通りかかった近くの男性(61)がクラクションを鳴らすと、イノシシは逃げ去ったといい、この男性は「バイクにも突進してきた。片方の後ろ脚がない大きなイノシシだった」と話していた。近くの住民によると、約3年前から同じイノシシがよく目撃されており、わなを仕掛けるなど捕獲を試みているという。このイノシシが畑を荒らすケースは何度かあったが、人を襲ったのは初めてとみられ、備前署が周辺を重点的にパトロールするとともに、市教委も小中学校に登下校時の注意を呼びかけている。
(女性襲ったイノシシか、銃で駆除:岡山)
備前市麻宇那の農道で20日に女性を襲ったとみられるイノシシが25日までに、現場近くの草むらで見つかり駆除された。24日午後5時ごろ、被害現場の東約100メートルの道路脇の草むらで、近くの男性(61)がうずくまっているイノシシを発見。猟友会のメンバーが射殺した。イノシシは体長約120センチ、体高約80センチ。住民らの目撃情報通り、足をけがしていることなどから同一の可能性が高いという。猟友会の男性(60)は「これで登下校の子どもやイノシシ被害を受けている周辺の農家も少しは安心できるのでは」と話した。
(軽ワゴン車がクマと衝突:秋田)
22日午後7時ごろ、大館市川口字下鳴滝台の市道で、同市山田の派遣社員男性(66)の軽ワゴン車がクマと衝突した。男性にけがはなかった。大館署によると、男性が同市山田方向から川口方向へ走行中、体長約1メートルのクマ1頭が左前方から道路を横切り、車の左前部と衝突。クマは右側の畑に逃げた。車はバンパーがへこんだ。民家まで約50メートル。
(普通列車がクマと衝突もけが人なし:北海道)
21日午後7時40分ごろ、北海道新ひだか町のJR日高線春立―東静内間で、様似発苫小牧行き普通列車(1両編成)がクマと衝突した。乗客4人と運転士にけがはなく、列車は約10分後に運転を再開した。JR北海道によると、運転士が確認したところ、衝突したとみられるクマが線路近くに倒れていたという。このトラブルで普通列車2本が運休した。
(県庁に迷いザル:静岡)
25日午前11時半ごろ、私立静岡雙葉中学校(静岡市葵区)から、「校内にサルが1匹入り込んだ」と110番通報があった。サルは野生のニホンザルと見られる。午後0時半ごろには、県庁4階の窓の外を歩いているところを目撃され、静岡中央署員や有害鳥獣の捕獲を行う同市中山間地振興課の職員ら約20人が捕獲作業に当たった。その後、サルは県庁本館の屋根に登るなどして逃げ回り、現場は大勢の報道陣や見物人で一時騒然となった。同2時ごろにサルが県庁東館の非常階段に逃げ込んで姿を消すと、同課の職員が金網にミカンやカキなどを入れたわなを仕掛けた。サルは依然として逃走中。県広報課によると、けが人や物的な被害はなかったという。同市駿河区から来ていた奥野千之(せいし)さん(77)は「まさかこんなところにサルが出るなんて」と驚いた様子だった。
(クマ目撃で通学路警戒:長野)
クマの目撃情報があった上松町上松小学校は26日朝、教員やボランティアが通学路の警戒をした。クマが出没したのは25日午後5時ごろ。同校近くの公園で複数の目撃情報があった。子グマとみられる。
(公園にクマ:北海道)
25日午前5時35分ごろ、札幌市南区真駒内柏丘12の藻南(もなみ)公園付近で、クマ1頭が歩いているのを散歩中の男性(68)が目撃し、110番通報した。札幌南署によると、クマは体長約1メートルで子グマとみられる。クマは公園から隣接する豊平川に入り、南の方向へ立ち去ったという。公園にはクマの足跡が複数あった。現場は住宅街から約300メートルで、地下鉄南北線真駒内駅から南西に約1・5キロの地点。市は豊平川河川敷に看板を立てて注意を呼びかけている。同市南区石山では8月22日にもクマが目撃されており、市は今回と同一個体とみている。23日には、同公園から約8キロ南の同市南区の国営滝野すずらん丘陵公園でクマの出没情報があり、来園者が避難する騒ぎがあった。市民団体「ヒグマの会」会長の金川弘司北大名誉教授は25日に目撃されたクマについて、「定山渓方面から豊平川を通って来たとみられる。今年は山の実なりが悪く、今後も注意が必要」と話した。
(現場付近にクマの足跡:北海道)
きのう札幌市南区でクマの目撃が相次いだことを受けて、朝から市の職員らが現場付近を調べたところ、クマと見られる足跡やフンが見つかりました。札幌市南区石山で、きのう相次いだクマの目撃情報を受けて、朝から市の職員や専門家がクマの痕跡がないか調べたところ、クマとみられる足跡やフンが見つかりました。(NPO法人エンヴィジョン・早稲田宏一さん)「これはもうクマのフンですね。新しいですね、1日2日以内だと思う」。また、現場近くの石山小学校では、教職員が見守る厳戒態勢の中、児童らが登校しました。石山小学校によりますと、きょうもクマを警戒し、学年ごとにグループに分かれて下校するということです。
(中学校と幼稚園にサル出没:島根)
25日午前9時すぎ、松江市の島根大学教育学部附属中学校と幼稚園の敷地にサルが侵入した。附属中学校によると、体長は70~80センチの大きなのサルで、威圧感があり、幼稚園の園庭で数分間ウロウロとしたあと出て行ったという。サルが中学校から幼稚園の敷地へ移動したのは、園児たちが登園してくる時間帯で、園庭には15人ほどの園児がいたが、屋内へ避難した。けが人はいなかった。松江市によると、サルは松江市の石橋町や大輪町で目撃されたが、その後の目撃情報はないという。
(「サル見た」6件:島根)
松江市内の中心部などで、9月上旬からサルの目撃情報が数件寄せられ、市が注意を呼びかけている。農林基盤整備課によると、最初に住民の通報があったのは9日。しばらく途絶え、24、25日には計6件の目撃情報があった。法吉町や大輪町、黒田町で確認され、1匹のサルが移動しているとみている。
(イノシシ活動範囲広げる:福島)
福島県内では東京電力福島第1原発事故で住民が避難した地域を中心に山が荒れた状態で、イノシシが活動範囲を広げている。里に下りて田畑を荒らす被害が急増し、福島の農業再建に影を落としている。今年からコメの作付けが認められた福島市大波地区。8月末、山あいに沿って連なる田んぼに稲穂が実り始めた。「夜のうちにやられたよ」。農家加藤徳喜(かとう・のりよし)さん(61)はイノシシに踏み倒された稲を見て肩を落とした。稲穂が出た後、電気柵を田の周りに設置したが、イノシシは柵の下をくぐって侵入、あと1カ月で稲刈りを迎えるところだった。「原発事故の前は、イノシシが田んぼまで入ってくることはなかった」。近くに迫る山は人の手が入らず、雑草が生い茂っている。環境省が2012年度に原発20キロ圏内で実施した野生動物の生息調査では、ほぼ全域でイノシシが確認された。同省は「住民の避難と捕獲数の減少で、出現エリアが拡大した可能性がある」と分析する。福島県全体のイノシシの捕獲数は、事故前の10年度の3736頭に対し、12年度は4856頭と過去最高に。行動範囲の広がりは原発に近い地域にとどまらず、県全体で里に出没するケースが増えている。原発から20~40キロ圏内に位置する田村市でも、事故後に捕獲数が激増。住民が避難した町から、山を越えて来ているとみられる。一方、狩猟者は減少している。10年度には県内で4779人が狩猟者として登録していたが、11年度は3328人と3割減。その後、元の水準には戻っていない。イノシシを捕っても、肉に放射性物質が含まれ、食品の基準値を超えて食べられないケースもあり、狩猟者減の一因に。県猟友会の担当者は「高齢化で減少傾向だった中、原発事故の影響で極端に減った」と話す。事故からの農業再建を目指す福島の農家にとって、イノシシ被害は頭痛の種だ。対策は電気柵の設置や、県や自治体が組織する捕獲隊が中心。捕獲を促すため、補助金や懸賞金を設けている。環境省も11月から原発20キロ圏内にわなを仕掛け捕獲を進める。しかし「子どもをたくさん産むので、単純に捕獲するだけではいたちごっこ」と福島県自然保護課の酒井浩(さかい・ひろし)主幹は話す。事故前は山で下草を刈って、イノシシが姿を隠す場所をなくした「緩衝地帯」を設けることで里と分断し、人間との住み分けができていた。酒井さんは「事故後、草が生い茂り、山から里まで境目がなくなった」と指摘。山を管理し、イノシシが里に来ないようにするのが抜本的な対策だが、山の除染が進まず、思うように管理できないのが現状だ。
(クマの餌、ドングリは「並作」:兵庫)
県森林動物研究センター(丹波市)は25日、クマの餌となる県下の山のドングリ類の豊凶調査結果が今秋、中間レベルの「並作」だったと発表した。同センターでは冬眠前のクマが餌を求めて人里などに大量出没する可能性は低いとみているが、平成25年度の県内のツキノワグマの目撃・痕跡件数は今月19日現在で計331件に上っており、「クマは山のどこにでもいる」として、引き続きハイカーや山間部の住民らに注意を呼びかける。同センターによると、クマの餌となるドングリ類のブナやミズナラなど3種全体で、豊凶調査結果は「並作」だった。「豊作」と「凶作」の中間に当たり、「9月末現在で計806件の目撃・痕跡件数があった平成22年度のようなクマの大量出没はないだろう」(同センター)という。ただ、今年度の目撃・痕跡件数は前年度の4~9月末の計440件より少ないものの、4月13件▽5月68件▽6月86件▽7月69件▽8月72件▽9月23件(19日現在)-の計331件で推移。地域別では北但207件、南但64件、西播31件、丹波17件、中播10件、北播2件で、北但は特に多い。目撃情報の多さについて、同センターは「クマの生息頭数が増えたことなどが大きい要因」とみる。県北部の生息数は24年1月現在、591頭(推定)で、近年は繁殖や栄養状態がよいことから「生息数は右肩上がりに増えている」という。また、餌を求めて集落に現れ、捕獲後に山に放されたクマが人を恐れなくなり、再び集落周辺に姿を見せることも件数増加の要因とみられる。今のところ人的被害はないが、果樹園などでは食害が起きている。同センターは、クマの出没地域では人里でも夕方から朝の時間帯の外出は控える▽クマを誘い寄せる生ゴミを屋外に置かない-などの注意を呼びかけ、クマが生息する山に入るときはラジオや鈴などの音響物を携帯し、クマとの出合い頭の遭遇を避ける対策が必要としている。
(餌不足、空腹クマに注意を:北海道)
函館市女那川町の山林で24日、ヤマブドウを1人で採りに来ていた同住所、無職男性(62)がクマに襲われ、後頭部や右肩などに軽傷を負った事故で、道内で今年起きたクマによる人身事故は、3件目となった。今年は、全道的にドングリが不作や凶作のため、秋に餌を探して農地や市街地に下りるクマが例年より増える恐れがあり、警戒が必要だ。函館中央署によると親子連れのクマ2頭に遭遇した男性は、親グマに後頭部をかまれるなどしたが、持っていた、先端にハサミの付いた長さ約1・5メートルのアルミ棒で抵抗すると、クマは立ち去ったという。親グマは体長1・5メートル、子グマは同50センチほど。クマによる事故では今年、4月16日に檜山管内せたな町で女性が死亡、同29日には日高管内新ひだか町で男性が負傷している。しかし、事故は例年秋に多く、1962年以降クマに襲われて死傷した132件の事故のうち、10月が24件で最多。5、9、11月が16件で続く。狩猟や害獣駆除での入山に加え、キノコや山菜採りの人が増えるためだ。
(クマによる負傷者、最多4人:栃木)
県内のクマによる負傷者数が、1992年に県が統計を開始して以降で最多の4人に上っている。夏から秋にかけてはクマの活動が活発になるため、行楽シーズンを迎えて、各自治体なども一層の注意を呼び掛けている。県内では7、8月にクマに襲われる事故が相次いだ。7月18日には那須町高久乙で農業用水取水口の清掃作業をしていた男性(55)が襲われた。20日には日光市所野で散歩中の女性(80)が、26日には塩谷町上寺島で山菜採りの男性(70)が襲われ、いずれも軽傷を負った。さらに8月25日には矢板市長井の寺山ダム付近で、同級生とサイクリングに来ていた同市内の高校3年の男子生徒(17)が、1人で脇道に入ったところ、突然現れたクマに両肩や胸を引っかかれ、軽傷を負った。環境省によると、全国では7月末までの集計で、31人の重軽傷者、2人の死亡者が出ている。県自然環境課によると、8月末までの県内の目撃は64件ある。多い順に日光市21件▽那須塩原市16件▽塩谷町7件。日光市では昨年から倍増しており、目撃地点に注意喚起の看板を設置し、小学校の通学路で猟友会の会員が猟銃を車に準備して待機するなどの対策を取っている。同課は日光市でクマの目撃が増えた要因を、「高齢化や過疎化で山間地に管理されていない耕作地が増えたため」と分析する。本来、手入れされた耕作地は、クマにとって人里と森林の境を認識する目印の役割を果たす。しかし、耕作放棄地に雑草が高く生い茂っていると、気付かずに通り抜けて人里まで下りてきてしまうケースがあるという。また、山間部が多い塩谷町では、農家に対して「農作物を保管する倉庫のシャッターはしっかり閉めるように」と指導したり、ドラム缶を利用したわなを設置したりしている。では、一般の市民がハイキングなどでクマとの遭遇を避ける方法は−−。環境省によると、「鈴やラジオなど音が出るものを身につけて人間の存在を示す」「見通しが悪いやぶ道のコースをなるべく選ばない」などが挙げられるという。
(クマの足跡発見、30日まで閉園に:北海道)
23日午後2時ごろ、札幌市南区の国営滝野すずらん丘陵公園で、巡回中の公園職員がヒグマのものとみられる足跡とふんを見つけた。公園は約2時間半後に閉鎖し、当時園内にいた約6千人を避難させた。公園は調査のため30日まで閉鎖し、イベントも中止する。10月1日に再開予定。発見したのは公園にある青少年山の家から約3キロ南西の山中で、公園の境界に設置しているクマよけの柵の公園側。足跡の長さは約10センチで、公園が調査を依頼した専門家によると子グマという。
(クマ出没、今秋も警戒を:北海道)
石狩管内で9月に入り、クマの出没が目立ち始めた。23日に足跡などが見つかった札幌市南区の国営滝野すずらん丘陵公園では、来園客らが避難を強いられた。例年9月下旬から、冬眠に備えて木の実を食べ始めるクマ。今年はドングリが凶作といい、専門家は「今後、餌を求め市街地や農地に出没するクマが増える恐れもある」と注意を呼び掛けている。「周辺で、クマの足跡らしきものが発見されました。調査のため、臨時休園とします」国営滝野すずらん丘陵公園で、来園中の親子連れなどに避難を呼び掛ける放送が響いたのは23日午後3時ごろ。1時間ほど前に、園内の青少年山の家から南西に約1キロの山中で、クマの足跡やふんが見つかった。この日の来園者は約6千人で、「避難を呼び掛けた時は2、3千人ほどが残っていた」(公園管理の担当者)。全ての来園者が園を出るまで約1時間かかったという。公園は1983年に開園し、99年に敷地内で初めてクマが目撃された。クマの侵入を防ぐため、公園を管理する開発局は2001年~08年、約3億円の工事費をかけて、公園の外周約7・2キロに高さ2・5メートルの金属製の柵を設けた。今回、足跡などが見つかったのは、柵の約1メートル内側。08年以降に園内でクマの痕跡が見つかったのは、初めてだ。クマが柵をよじ登るのは難しいとみられる。現場近くには、柵が川を横切って設けられている場所もあり、「柵の下の金網が張られていない水中から、クマが侵入した可能性もある」(開発局)。今も公園内にクマがとどまっている危険性があり、開発局は25日以降、侵入経路の調査などを専門家と協議した上で行う。札幌市内ではここ数年、滝野すずらん丘陵公園のような自然に囲まれた公園で、クマがたびたび目撃されている。一昨年には宮丘公園(西区)と旭山記念公園(中央区)でクマが目撃され、一時閉鎖された。昨年には札幌芸術の森(南区)でも目撃が相次ぎ、市は今年5月、芸術の森の周辺約4キロに電気柵を設けた。設置以降、目撃情報はないという。札幌市によると、電気柵は食害防止のため農地に設置される場合が多く、公園など公共施設への設置は珍しいという。市みどりの推進課は「クマよけに電気柵は有効。今後も出没が多発する場所に設置を進めたい」としている。
(公園に生ごみ、当面立ち入り禁止に:北海道)
オムサロ遺跡公園(渚滑町川向)の駐車場で18日朝、生ごみの入った大型のごみ袋(45リットル入り)3つが、不法投棄されているのを同園の管理人が見つけ、市と紋別署に通報した。生ごみは周囲に散乱していて、動物が食い荒らしたものとみられる。クマの可能性も否定できないことから、同公園を管理する市立博物館では、安全が確認されるまで18日から当面の間、遺跡公園を立ち入り禁止とした。ビニールのごみ袋の中には、ごはんやラーメンなどの残飯が入っていた。同博物館では「量がとても多く、一般家庭の生ごみではない感じがする」と話している。同公園では今年5月と8月にも残飯が不法投棄されており、これで3回目。同博物館では「食い荒らした動物は不明だが、生ごみのにおいでクマが近寄ってくる可能性がある。また繰り返し生ごみが捨てられると、クマが学習し、習慣的にやってくる可能性もある。不法投棄は絶対にやめてほしい」と話している。同博物館では引き続き、職員・関係者らが見回りを行い、クマが近寄っていないかを確かめている。
(餌付け?河原にサケ:北海道)
オホーツク管内斜里町の知床国立公園内の岩尾別川で、頭と内臓が取られたサケ15匹が放置されていたことが、19日分かった。知床財団は何者かがヒグマに餌付けしようとしたとみており、「クマを引き寄せる原因になるので絶対にやめてほしい」と呼び掛けている。同財団によると、18日午後1時ごろ、財団の職員が岩尾別川河口から上流約2キロの河原で捨てられたサケを見つけた。警察などに連絡し、約1時間後に回収した。サケの頭と内臓は、刃物のようなもので取り除かれていた。動物が食べた形跡はなく、腐敗していなかったことから、数日以内に放置したとみられる。
(猟友会、悩む高齢化:山形)
県猟友会(山形市)が高齢化と後継者不足に直面している。会員は狩猟だけでなく、農産物を荒らす有害鳥獣の捕獲、野生動物の生態調査などに協力しており、県も今年度から新規入会者を対象に、銃の購入費を助成するなどの支援を始めた。同会の会員数は、1978年度の7141人をピークに減少が続き、2012年度は約5分の1の1474人。多くは11~2月の狩猟期間にカモやクマなどを撃っているが、シカなどの野生動物の生息域などを確認する生態調査や、鳥獣保護区であることを示す標識の設置なども行っている。比重が大きいのは、農産物を食い荒らすクマやイノシシなどの有害鳥獣の捕獲だ。昨年度の会員1人当たりの出動回数は12・5回。現地までの移動や銃弾などの費用は自己負担で、出動時に仕事を休む会員もいる。自治体から補助もあるが、同会の大村良男会長(88)は「1回2000~3000円程度。持ち出しになることが多い」と打ち明ける。悩ましいのは、出動の大半を占めるツキノワグマへの対応だ。県は保護管理のため、年間の捕獲数の上限を設けている。昨年度は人里近くへの出没が相次ぎ、わなにかかる数が激増。狩猟期間前に捕獲数の上限に達し、県から狩猟自粛を要請された。クマの殺処分などに協力しながら、狩猟ができなくなるため、県は新たに52頭の捕獲を認めたが、同会の高橋和吉事務局長(67)は「『慈善事業』の側面が大きくなっている。会員は減り、平均年齢も61・6歳と高齢化が進み、負担感は増している」と漏らす。県内で捕獲されたツキノワグマから規制値を超える放射性セシウムが検出され、昨年9月以降、クマ肉の出荷制限が続いていることも影を落とす。解除のめどは立たず、大村会長は「狩猟を辞める人が増えなければいいが」と話す。猟友会は今年度から県の協力も得て、6月に寒河江市のイベントに参加し、小学生らに射撃を体験してもらったほか、南陽市で普及セミナーを初めて開催し、若手女性ハンターによる実演を披露するなど、若い入会者を増やそうと懸命だ。県みどり自然課も「会員数の減少が続けば、有害鳥獣に対応できない」として、新たに猟友会に入会した場合、銃や、銃弾などを自宅に保管するロッカーなどの購入費について、5万円を上限に総額の3分の1を助成する支援を始めた。こうした中、8、9月に行われた狩猟免許試験には、過去5年で最多の134人(昨年度比76人増)が申し込み、113人が合格。猟友会関係者も、久しぶりの明るい話題に沸いた。高橋事務局長は「高齢化は全国的な流れで、即効性のある対策は難しい」としながらも、「狩猟は文化であり、会の活動は社会貢献の側面もある。多くの人に関心を持ってもらえるように今後も働きかけていきたい」と話している。
(イノシシの捕獲激増:富山)
氷見市五十(いか)谷(だに)と森寺の3カ所に設置された檻(おり)で20日、子ど ものイノシシ計5頭が捕獲されているのが見つかった。市内の今年度の檻による捕獲頭数 は同日現在で計67頭と既に昨年度全体の2・7倍に達している。コシヒカリ収穫の最盛 期を迎え、市やJA氷見市は農家に注意を呼び掛けている。イノシシはいずれも体長1メートル前後で市北部の山間部の五十谷では南側の檻に1頭 、北側の檻には3頭が捕獲されていた。市北西部の森寺の檻でも1頭が捕まった。氷見市によると今年度は市内24カ所にえさでイノシシを誘う檻が設置された。イノシ シは8月下旬から夜間に稲穂が食べられるなどの中山間地域で被害が報告されている。捕 獲数が増えた理由について「イノシシが繁殖したのと、檻の設置場所が昨年度より5、6 カ所増えたため」(市農林課)とみている。市の2012年度の被害額は998万円と前年度の約2倍で県内で最も多い。市は今年 度、50集落に延長213・4キロの電気柵を貸与している。しかし、市西部の早借では8月下旬に電気柵で囲んだ田んぼの中にイノシシの親子5頭 が侵入したまま外に出られず、ぐるぐる回っているのが見つかった。狩猟期間は11月か らのため市は檻に入ったイノシシ以外は猟銃使用を許可しておらず、やむを得ず5頭を逃 がした例もある。市農林課では「電気柵でイノシシの侵入を防ぎ、檻で地道に捕獲する作業で被害を抑え たい」としている。
(鹿捕獲ハイペース:長野)
諏訪市が今年度から組織を強化して東山地域で取り組む「鳥獣被害対策実施隊」が捕獲したニホンジカの頭数が、開始2カ月の8月末時点で67頭に上っている。「思った以上にペースが速い」と事務局の市農林課。市内で活動する猟友会の銃・わな猟や、後山区の集落捕獲隊の捕獲分と合わせた総頭数は346頭(8月末現在)で昨年度の市内年間捕獲頭数の297頭をすでに上回り、過去最多を更新している。今年度は実施隊など全体の取り組みで500頭の捕獲目標を掲げており、目標には届きそうな勢いだ。市は5月末、諏訪猟友会諏訪支部のメンバー20人を実施隊員に任命。市の非常勤職員として雇用し、捕獲の強化を図った。わなを取り付け、7月から本格的に開始。住宅地に近く、銃による駆除が困難な四賀、角間新田、霧ケ峰農場などで行っている。住民から市に捕獲依頼があると、隊員に連絡してわなを設置。協力を得た地元住民に見回ってもらい、わなにかかった場合、連絡を受けた隊員が現場に出向き、市清掃センターなどに鹿を運んで処分する。わなはこれまでに22カ所に計96基を設置。鹿は大和の宿泊施設「かんぽの宿諏訪」上から四賀神戸、角間新田、霧ケ峰農場といった広範囲で確認され、元町体育館上など民家の近くまで出没している。隊員の1人、鉄工業の浜孝一さん(46)=四賀神戸=は「実施隊の効果は出ている。近所の人からも畑が荒らされなくなったと喜ばれている」とする一方、「自分の仕事があるので、捕獲した鹿を(処分する)清掃センターに持ち込む手間が大変」と話す。市内のニホンジカの捕獲頭数は2009年度128頭、10年度121頭、11年度230頭で推移。今年度は実施隊の他に後山区の集落捕獲隊で135頭、猟友会で144頭を捕獲している。市農林課は、同市郊外の霧ケ峰で食害よけの電気柵が設置され、鹿の生息範囲が周辺に移っている可能性を指摘。9月下旬から11月にかけて鹿の繁殖期を迎えるといい、「繁殖期前に多く捕獲できれば」と話している。
(有害鳥獣県内一斉捕獲:大分)
「有害鳥獣県内一斉捕獲」の出発式が22日、豊後高田市臼野のあわしま公園駐車場であった。県鳥獣被害対策本部長の小風茂副知事や、市猟友会員ら約40人が出席した。イノシシやシカによる農林被害を防ごうと、県内各地で毎年開催している。式では小風副知事、鴛海豊副市長が「皆さんの活動は世界農業遺産の認定を受けた国東半島を守ることにつながる。よろしくお願いします」などとあいさつ。猟友会を代表して、瀬々義晴さん(64)=市内真玉が「食害は後を絶たない。安全第一と順法精神を忘れず、有害鳥獣駆除の成果を挙げたい」と誓った。参加したハンターは8班に分かれ、猟犬と共に市内各地の山野へ。鳥獣を追い込んで捕獲した。29日も実施する。
(シカ用わな「大型化」に異論:山梨)
深刻化するニホンジカの食害を食い止めるため、県が円形ワイヤで脚を捕らえる「くくりわな」の直径の大型化を12月から来年3月まで認める方針を固めたのに対し、野生動物の保護団体から「絶滅の恐れがあるツキノワグマを誤って捕獲する」と懸念の声が出ている。大型化はハンターの高齢化で猟銃による捕獲が減るとみられるため、わなの捕獲効率を高めて補うのが狙い。県は今秋の外部審議会で承認を得て正式決定する意向だが、わな大型化の功罪について丁寧な説明を迫られることになる。
(サルの食害急増:石川)
金沢市内で、ニホンザルによる農作物の被害が年間100万円超にのぼっていることがわかった。人への危害は報告されていないが、被害面積も年々広がっている。市は本格的な捕獲作戦に乗り出した。県自然環境課によると、サルは県内で計約1200匹が生息しているとみられる。
(キジ放鳥:熊本)
生息数が減少しているとされるキジの保護と繁殖を図るための放鳥が25日、阿蘇地方を皮切りに始まった。狩猟解禁前に県が毎年実施しており、10月下旬までに県内各地で1千羽が放たれる。阿蘇市蔵原の「阿蘇みんなの森」(高塚鳥獣保護区)では、阿蘇小の1年生42人が生後4~5カ月、体長40センチ前後のキジ32羽を地元猟友会や県職員らの助けを借りながら優しく両手で抱っこ。「元気でねー」の合図で手を離すと、キジは晴天の空に勢い良く飛び立った。前田成人君(7)は「かわいかった。大きく元気に育ってほしい」と感想を述べた。 阿蘇地方ではこの日、1市2町2村の12鳥獣保護区で計120羽を放鳥した。今年の狩猟解禁日はイノシシとシカが11月1日(一部地域除く)。それ以外のキジなどの鳥類は11月15日。
(熊対策に「食物マップ」作製へ:長野)
北佐久郡軽井沢町で熊対策に取り組んでいるNPO法人ピッキオは、熊の餌となる栗やドングリの実り具合の調査を今年から拡充し、「クマ食物マップ」を作る。軽井沢町内と町隣接の群馬県内の里山での調査箇所を60地点から77地点へと増やし、21日調査を始めた。今後、特定の木を継続的に詳しく観察することで、餌の実り具合と熊の行動との関連を詳しく調べる。この日は、スタッフ6人が5地点を調べた。調査方法は1地点で、栗、コナラ、ミズナラの木計10本程度を選び、1本当たり15秒間、5~6人が双眼鏡で実の数を数え、その数に応じて豊作や不作などを決める。昨年までは、実を数えずに大まかな目視で判断していた。今年の調査は、ピッキオで就業体験中の大学生や一般参加者らも加わって、9月末まで続ける。調査した木は衛星利用測位システム(GPS)で位置を記録し、来年以降も継続して調べる。調査は今後、住民に熊の実態を知ってもらう目的で、豊作だった木にはセンサーカメラを設置して熊が餌を食べる様子なども記録する予定だ。ピッキオ野生動物対策担当の玉谷宏夫さん(40)は「10年間を目標に調査を続けたい」としている。
(イノシシなどによる農作物被害防止のための補助制度:香川)
高松市では,イノシシなどによる農作物被害を防止する侵入防止柵を設置する農家などに対し,購入費用の一部をJA香川県の助成制度に合わせて補助する制度を,平成21年度から始めました。補助対象経費はイノシシ等から農林産物の被害を防除し,人に安全と認められる方法により,市内に住所を有する農業者等が高松市内に設置する電気柵,シート柵,トタン柵等の防護施設の材料費。交付額は補助対象経費の4分の1以内の額(補助限度額は25,000円)。
(イノシシ・クマ農作物被害防止講習会:富山)
イノシシやクマによる農作物などへの被害を防ごうと氷見市で26日講習会が開かれ、農家が対策を学びました。正月の床飾り「串柿」の産地で知られる氷見市の久目地区で開かれた説明会には、稲作農家やカキの生産者およそ40人が参加しました。県のまとめでは、去年、氷見市のイノシシによる農作物への被害額は998万円に上り、県全体のおよそ3割を占めています。これは南砺市や石川県で電気柵などイノシシ対策が進んだ結果、対策が不十分な氷見へ餌を求めてイノシシが移動しているとみられます。26日の講習では県の担当者がイノシシの被害防止に電気柵が有効なことやクマ対策としてカキの木にトタンを巻きつけて木に登れなくしたり枝打ちしたりするとよいことを説明していました。
(泳ぐ「イノシシ」の情報を:長崎)
「WANTEDイノシシ、シカ」-。壱岐市やJA壱岐市、県でつくる壱岐地域鳥獣被害防止対策協議会(会長・江川常博JA壱岐市農産園芸部長)は、被害を水際で防ごうと、海を泳ぐイノシシやシカの情報提供を、米などの"報酬"を懸けて呼び掛けている。同市では2010年6月、郷ノ浦町の海岸で釣り人が上陸するイノシシとみられる動物を目撃して以来、島各地で足跡などの情報が寄せられるようになった。ハンターなどが捕獲を試みているが、成果は上がっていない。イノシシは、もともと壱岐に生息しておらず、本土から泳いで来たとみられている。報酬は、泳いでいるイノシシ、シカを同協議会が捕獲に向かうまで監視した人に贈られる。ポスターのデザインを考案した県壱岐振興局農林水産部の舩場貢部長は「目に付くように西部劇風のデザインにした。多くの情報を寄せてほしい」と話している。
(野生動物が里へ下りてくるのを防ぐ「防獣ライト」を開発:山形)
天童市のハンターが、野生動物が里へ下りてくるのを防ぐ「防獣ライト」を開発した。赤、青、緑の3色6個のLEDが闇夜に点滅し、「動物には六つ目の化け物ににらまれているように見え、怖がって逃げていく」という。人里近くの獣道にセットして、さらに効果を検証している。防獣グッズの開発に取り組んでいるのは、天童猟友会に所属し、クマ撃ち名人を自認する元建設会社員の遠藤康久さん(70)。道路工事現場などにある安全標識用ライトの明かりを、愛犬の北海道犬や、ほかの動物が「どうも嫌がっている」ことに気づいた。猟を通じて野生動物に詳しい遠藤さんは、安全標識用ライトの光が動物には「えたいが知れないものに見えている」と推測。防獣効果を高めるために道路用安全標識用ライトについているLEDを6個に増強、さらに「動物が嫌がる色」を調べた。試作品をいろいろな動物に向けて点灯させると、「あっと言う間に隠れた」。7月からは天童市郊外の市民墓地近くに設置してテストしている。
(シカ肉使った缶詰開発:兵庫)
香美町村岡区福岡の薫製店「香味煙(こうみえん)」と同町香住区の香住高校が共同で、シカ肉を使った缶詰「ズドンと一発 鹿スモークトマト煮」を開発した。田畑を荒らすとして駆除されるシカの肉の需要を増やそうと、試行錯誤を繰り返して完成させた。10月中にも同店周辺の道の駅で新発売する。

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(クレー射撃、石原は予選敗退)
クレー射撃の世界選手権は17日にリマで行われ、女子スキート予選で石原奈央子(古峯神社)は30位に終わり、上位6人よる準決勝に進めなかった。
(クマ目撃される:栃木)
17日午前6時50分ごろ那須塩原市百村の路上でクマ1頭を目撃したと、車で通り掛かった通行人から通報があった。那須塩原署によるとクマは体長約1メートルで、現場は同市高林中学校の北西約200メートル。同署は警戒を呼びかけている。
(サル24時間警戒解除:宮崎)
市民が野生のサルにかみつかれる被害が相次いだ日向市は17日、職員による24時間の警戒態勢を同日までで解除すると発表した。被害現場の巡回も取りやめる。人を襲った可能性が高いオスザルが9日に捕獲され、その後、新たな被害の報告がないため。
(井上環境副大臣がシカ食害実態を視察:山梨)
国立公園内でシカの食害が相次いでいることを受け、井上信治環境副大臣が17日、甲州市の大菩薩峠で被害状況を確認した。井上副大臣は環境省職員の説明を受けながら、ニホンジカに皮を食べられて枯死した木の状況などを確認した。ニホンジカは各市町村で捕獲などの対策をしているが増加傾向にあり、食害は希少な植物にも及んでいるという。井上副大臣はこの他、峠の頂上で土に埋められたごみの現状も視察した。
(イノシシ捕獲、スマホで一発:福岡)
農作物を食い荒らすイノシシなどの野生動物を効果的に捕獲しようと、九州大の研究者とベテラン猟師が、スマートフォン(多機能携帯電話)の遠隔操作で扉を閉じることができる箱わなを開発した。スマホの画面でわな内部の画像を確認できるため、複数頭を一網打尽にするチャンスを狙え、間違えて別の動物を捕らえることも避けられる。福岡県の業者が来春をめどに商品化を予定しており、対策の切り札として注目されている。野生動物の捕獲は猟友会が主に行ってきたが、高齢化が進み担い手が減少。このため、農家などが簡単に駆除できるようにと、福岡猟友会(福岡市)で活動してきた村上雅昭さん(67)と、今年3月まで九州大大学院農学研究院に所属していた丸居篤・弘前大准教授(地域環境工学)が4年がかりで開発した。新型の箱わなは縦横2メートル、高さ1・5メートル。イノシシがわなに入るとセンサーが感知し、登録しているスマホにメールで知らせる。わな上部に設置されたカメラの画像を受信すれば、内部の様子をリアルタイムで見ることができ、扉を閉めるタイミングを選べる。カメラは夜間でも撮影可能だ。イノシシが多い九大伊都キャンパス近くで行った実験では、子どもを含む4頭を一度に捕獲できたケースもあった。動物が中に入ると扉が閉じる従来の箱わなでは、狙った動物以外でも作動し、子どもやペットがけがをする危険があった。農林水産省によると、野生動物による農作物被害のうち、九州はイノシシが最も大きく、2011年度の被害額は約19億円。丸居准教授は「少しでも被害軽減につながれば」と話している。
(シカ捕獲へ「囲いわな」:山梨)
甲州市塩山の大藤地区の農家でつくる大藤鳥獣害対策委員会(萩原辰夫代表)は、深刻化するシカによる果樹被害を食い止めようと、一度に大量のシカを確保できる「囲いわな」を設置した。金網の柵でつくった囲いに餌をまきシカを誘い込む仕組みで、県農業技術課は「県内でほかに導入している例は聞いたことがない」という。市産業振興課によると、市内のシカの捕獲数は2006年は50頭だったのに対し、昨年度は5倍以上の270頭に上る。市は合併前から鳥獣害対策として、山間部に防護柵の整備を進めていて12年度末までに36キロ分を整備。大藤地区で02年に高さ1・4メートルの防護柵を設置した。イノシシによる被害は減ったが、5年ほど前から柵を跳び越えて、桃やスモモ畑に侵入するシカが目立ってきた。シカの捕獲はワイヤなどを使い、1頭ずつ獲物の脚を捕らえる「くくりわな」や猟銃による捕獲が一般的で、市内でも行われている。萩原代表ら委員会メンバーは「さらに対策が必要」と長野県内の先進地を視察。広い面積が必要だが、一度にたくさんの獲物を捕らえることができ、同県で実績を上げているという「囲いわな」の導入を決めた。囲いわなは、大藤地区内の塩山中萩原の休耕地に7月に設置。広さ約800平方メートルを、シカが跳び越えられない高さ2・8メートルの柵で囲った。柵の中でシカが好むケンタッキーやヨモギ、ヘイキューブなどの草を栽培。どの草にシカをおびき寄せる効果があるかなどを確認した上で、近く捕獲を始める。光センサーでわなの中に入った獲物の数を自動で数え、シカが複数集まったところで入り口を閉めて捕獲するという。設置費用は約150万円。このうち3割を県、残りの7割を市が負担した。萩原代表は「囲いわなが機能し、被害が減るようになってほしい」と話している。
(「イノシシ被害減った」、電気牧柵に撃退効果:沖縄)
石垣市農政経済課(多宇弘充課長)は、県の鳥獣被害防止総合対策事業で導入した電気牧柵(電牧)77基を、イノシシ被害の多い北部地区を中心としたサトウキビ農家21人に貸し出し、一定の効果を上げている。電牧の長さは100㍍の2段。本体は電池式で、一定感覚で電流が流れ、イノシシなどの動物が電牧に触れると電流に驚き、そのほ場に侵入しなくなる。市によると、電牧を設置した農家から「設置後、イノシシがほ場に入らなくなった」との声が聞かれるという。貸出期間は設置してあるほ場のサトウキビの夏植え収穫が終了するまで。電牧は、JA購買が取り扱いを開始。農家からは「電牧購入への助成を検討してほしい」との要望が出ており、市は検討する考え。
(シカ被害防げ、きんちゃく式網箱わなを推進:大分)
網箱わなは幅、高さ約1.2メートル、奥行き約2.5メートルの直方体で、シカが入るとバネの力でネットが縮み、入り口がきんちゃく状に閉まって自由を奪う仕掛け。シカの侵入を防ぐ一般的なナイロン製のネットを使うことで、資材費は5千円程度に抑えられる。1人で組み立てることができ、移動も容易。鹿児島、宮崎両県などで導入済みで、一定の成果を挙げている。九州森林管理局大分西部森林管理署は10日、中津市山国町槻木の国有林に網箱わなを設置。現地で実演会を開き、同市近郊の農林業関係者約80人にノウハウを伝えた。同センターの所員が組み立て手順を説明し、「シカの通り道に置いたり、わなに誘い込むための餌を工夫して」とアドバイス。わなを連結して入り口を2カ所に増やした“改良型”など二つを広葉樹の造林地周辺に設置した。中津市猟友会山国支部の江島賢治支部長(65)は「持ち運びに便利で実用的。狩猟や既存のわなと併用しながら、被害を防ぎたい」と導入に意欲を見せた。同センターの後藤寿也副所長は「サルやイノシシ対策への応用など、さまざまな状況を想定しながら改良を続けている。現地関係者と情報を共有しながら、捕獲の精度を高めていきたい」と話した。20日には、県が玖珠町でも実演会を開く予定。<メモ>県内に生息するシカはニホンジカ。警戒心が強く、学習、繁殖能力が高い。立ち木の樹皮や農作物を食い荒らす。県によると、2012年度の鳥獣による農林業被害額約2億8700万円のうち、シカの被害は約7200万円。生息数は約5万8千匹(10年度時点)。年々、生息範囲を広げている。
(猪鹿鳥無猿隊、絆ベストで意欲向上:岐阜)
岐阜県養老町で、農家がおそろいの「絆ベスト」を着て鳥獣害対策にあたっている。ベストの色は猟友会と似たオレンジ、背には「猪鹿鳥無猿隊(いのしかちょうむえんたい)」の文字。ベストを着て防護柵を見回ることで、鹿やイノシシへの威嚇と農家の安全確保につながっている。「自分たちの田畑は自分たちで守ろう」という機運が芽生え、地区内の畑に鹿やイノシシが現れなくなるなど成果も出てきた。ベストを発案したのは、県農村振興課の酒井義広鳥獣害対策監。高知県内でおそろいのベストを着てカラスを追い払ったところ、ベストを着た人間を見てカラスが逃げるようになった事例を参考にした。名前は、「県内の農家が連携して取り組めるように」との願いを込めて、「絆ベスト」と名付けた。「鳥獣害対策のためのユニホームにしたい」と酒井対策監は期待する。昨年から県内の業者が製造し、帽子とベストのセットで2500円で販売を始めた。同町橋爪区は昨年11月に県の事業で防護柵を設置。柵を見回る組織として、地区の農家18人で防護柵維持管理委員会をつくり、今年4月から月1回、柵に破れや傷みがないか見回りを行うことにした。そんな時、酒井対策監からベストの着用を勧められ、18セットを購入した。同委員会に所属する農家の日比野守さん(67)は、ベストを着ることで「畑は自分たちが守っているのだという実感が湧く。うれしいし、気合が入る」と評価する。猟友会の会員が着るベストと似た色なので、「イノシシや鹿も怖がるだろう」と日比野さん。また、背中の文字を通して柵の見回り中だと一目で分かるので、猟期にはハンターの誤射を防げたり、近隣住民への活動のアピールになったりする効果も期待できる。日比野さんは、農家だけでなく「集落全体で餌付けをなくし、獣害を防ぎたい」と意気込む。同町によると柵を設置した後、同区の鳥獣被害はゼロになったという。同町では「効果を10年、20年と継続するためには地元住民による適切な柵の維持管理が必要。住民の意欲結集にベストが大いに役立っている」(農林振興課)とみる。ベスト着用を通し、鳥獣害対策だけでなく集落の維持につながることを期待する。
(狩猟の魅力若者語る:滋賀)
野生のシカやイノシシなどによる農作物や森林の食害が増える一方、狩猟者が減っていることを受け、大津市におの浜のピアザ淡海で14日、若い世代を狩猟に呼び込もうと環境省が主催する「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」が開かれた。イベントは同省が昨年から始め、全国を巡回中。県内ではニホンジカが急増し、2010年度では約4万7000頭以上に上る。一方、狩猟免許を持つ人は11年度に2048人と、ピーク時(1975年)の3分の1程度に減っており、有害鳥獣の駆除にも支障が出ているという。フォーラムでは、県内外で活躍する20~30歳代男女のハンター5人が登壇。高島市今津町の自衛官、井上彰二さん(39)は狩猟免許を持ったきっかけについて「自分の育てた野菜がシカなどに全部食べられたことがあったため」などと説明。甲良町長寺の会社員、福原晴菜さん(21)は「山の自然を感じられるのが好き。獲物を待っている間もわくわくするし、全行程が楽しい」と魅力を語った。会場からは「始めるまでの費用は」などの質問があり、平均で30~40万円程度だが、中古の機材で安くそろえる方法があることなどを紹介した。フォーラムに参加した高島市安曇川町、宗教法人職員比叡谷紗誓(さちか)さん(37)は「身の回りでも鳥獣被害はよく聞く。費用が安くできればやってみたいと思った」と話していた。
(アイスクリームに特産トウガラシ:香川)
一時は生産が途絶えた香川県特産の高級トウガラシ「香川本鷹ほんたか」に地域おこしの夢をかけ、高松市庵治町の住民グループが、栽培とアイスクリームなどの加工品づくりに乗り出した。販売まで手がける「6次産業化」が目標だ。将来はイノシシの食害を防ぐ「作物バリア」として普及させ、耕作放棄地の増加を防ぐ<一石二鳥>を狙う。香川本鷹は、長さ7~8センチと普及種のタカノツメより一回り大きく、辛みも強い。かつてはピクルスの材料として欧米に輸出もされたが、安価な輸入品に押され、1980年頃までに市場から姿を消した。2005年、県西部の畑の片隅で細々と自家栽培されているのが見つかり、県などが再興に動いているが、生産規模はまだ3戸65アールにとどまっている。新たに生産を始めたのは、「何かしょうでネットワーク」(8人)。代表の小西勇さん(64)が、トウガラシの辛み成分カプサイシンにイノシシよけの効果があると知ったのがきっかけだ。海沿いの庵治町でも、05年頃からイノシシの食害が急増。後継者不足も相まって耕作放棄地の増加が懸念される。「香川本鷹を放棄地に導入し、特産品にしたい。畑の周囲に植えてイノシシを遠ざければ、農地を守ることにもつながる」と思い立った。今春、県農業試験場から苗100本を分けてもらい、借りた放棄地など約3アールに植えて無農薬で栽培。8月下旬、真っ赤に熟した実を取り始め、10月末までに約80キロを収穫する予定だ。香川本鷹は乾燥させて一味などに加工されてきたが、小西さんは「生の風味とコクを生かした」ほかにない商品作りに腐心。今夏の猛暑を背景に「アイスクリームに混ぜたら面白い」とひらめいた。辛みを引き出すという焼酎に漬け、ペースト状にしてアイスクリームに混ぜ込み、地元のイベントで試験販売を始めた。地元産のちりめんじゃこと一緒に練り込んだ「とうらがしみそ」も試作。今後、イベント会場でPRし、ネット販売も構想中だ。小西さんは「農家に栽培を呼びかけ、普及を急ぎたい」と話している。

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(目指せ2020年の日本代表?今からでも五輪選手になれそうな種目は、あの競技)
2020年夏季の東京五輪開催が決まり、盛り上がる日本列島。競技場での観戦も思い出になるだろうが、実際に参加することができれば、間違いなく一生の思い出となるだろう。そこで、今からでも必死に努力すれば日本代表になれる可能性がありそうな種目を、独断でまとめてみた。なお、日本代表になれそうな可能性が高い順からS>A'>A>Bとしている。クレー射撃……可能性ランク「B」。散弾銃を用いて、空中などを動く「クレー」と呼ばれる素焼きの皿を打ち壊していくスポーツ。クレーの形状は通常直径15cmほどの円盤型で、投射機を用いてフリスビーのように空中に射出したり、あるいは地面に転がしたりし、射撃の標的とする。日本クレー射撃協会によると、国内で散弾銃を所持しているのは15~16万人で、「実際の競技人口は12万人ほどではないか」(同協会)と推測されている。五輪に参加するためには、W杯や世界選手権などで「クォータプレース」(QP)と呼ばれる国としての出場枠を獲得しなくてはならない。クレー射撃では、海外でのQP対象試合に出場し、優勝などの成績を収めることで、QPを獲得した選手が、そのまま五輪に参加できるという。非常にわかりやすいルールだが、12万人のライバルを今から巻き返すのは容易ではなさそうだ。ライフル射撃……可能性ランク「S」。ライフル銃、またはピストルを用いて行う競技。クレー射撃と違い、決められた距離に固定されている的を狙い、その点数を競う。ライフル種目とピストル種目がある。日本ライフル射撃協会によると、ライフル種目の競技人口は、「約6,500人だと思います」。ほとんどが同協会の会員だという。一方、ピストル種目の競技人口は、空気銃が約500人。これは、日本の銃の取り扱い規制が厳しく、国内での所持者は「18歳以上の500人」と定められているため。その枠は基本的に満員の状態で、空き枠が出るのを順番待ちしている状態だという。さらに装薬銃にいたっては、その枠が50人に限定されているが、「実際はその半分ほどではないでしょうか」(同協会)。射撃に関する優れた技量を有していることや、競技会で一定以上のレベルを残さないといけないなどのハードルがあるが、数十人しか競技人口がいなければ、努力と才能次第では日本代表も夢ではない?五輪出場のためにはクレー射撃と同様、QPを獲得する必要がある。総合的な面からすると、ライフル射撃が最も近道?「競技人口が少ない」「費用がそこまでかからない」「少ない種類の競技をマスターすればよい」という点を考慮すると、これからの努力次第にもよるが、ライフル射撃が最も五輪選手を狙いやすい種目と言えそうだ。ただ、ここで紹介したのは、国外で五輪が開催した場合の選考基準であり、ホスト国となると勝手が違ってくるケースも。例えば、射撃では五輪に参加するためのQPを獲得する必要がなくなり、射撃に関する全種目に必ず選手を参加させなければならなくなる。「過去の成績を重視するのか、一定の技術点を撃てた者にするのか。代表選手の選び方はこれから議論することになる」(日本クレー射撃協会)という。
(衛生基準の統一を、ジビエ振興協)
鹿やイノシシなど野生鳥獣肉(ジビエ)の消費拡大を目指す日本ジビエ振興協議会は12日、東京都港区で「ジビエ課題カンファレンス2013夏」を開いた。野生鳥獣のと畜に関する衛生管理や肉の品質管理について、今年度は集中的に取り組むと提起。全国統一の基準づくりに向けた活動計画を報告し、参画を呼び掛けた。昨年に続き2回目の開催。行政やJA関係者など約90人が出席した。野生鳥獣のと畜に関しては、法律や全国統一の基準はなく、都道府県段階の行政らが独自のガイドラインを作って運用している。同協議会の小谷浩治事務局長は「ジビエの一層の普及には消費者に受け入れられる体制が欠かせない。全国の行政、食品関係者などと連携し、広域的に標準化させた基準が必要だ」と力説。実現に向けて同協議会は10、11月に長野、静岡両県の加工施設の視察ツアーを企画したことを紹介した。事例報告では、静岡県伊豆市の野生獣肉加工処理施設「イズシカ問屋」について小谷事務局長が説明。牛や豚をと畜する食肉センターと同水準の衛生管理を導入している状況を紹介した。(株)大入(東京都渋谷区)は、ジビエのソーセージをパンではさんだ「ジビエサンド」を福祉施設と連携してキッチンカーで販売する事業を報告。「国産ジビエの安定供給への協力をお願いしたい」と語った。鹿のモモ肉を素材に料理講習会も行った。肉質がぱさつかない調理法として「低温真空調理」を実演。試食した参加者から「やわらかくてジューシー」と好評だった。
(クマ追い払い作戦:青森)
八戸市鮫地区で、同一とみられる子グマが11日から3日連続で目撃されたのを受け、同市は14日、青森県猟友会八戸支部の協力を得て、同地区の住宅地付近を巡回した。クマや足跡は見つからず、市は引き続き、市民への注意喚起とクマを見掛けた際の迅速な情報提供を呼び掛けることにしている。
(住宅街にサル:青森)
住宅街の空き家にサルが籠城(ろうじょう)。警察官などとにらみ合いが続きました。青森県板柳町の住宅街にサルが現れたという通報で、警察官や役場の職員らが17日朝から出動。空き家に逃げ込んだサルを捕獲するため、警察官がスズメバチ用の防護服に身を包み、窓から逃げようとするサルを家の中に押しとどめます。にらみ合いが続きますが、午後3時45分すぎ、無事に捕獲しました。住民らにけがはありませんでした。
(サル目撃情報相次ぐ:熊本)
熊本市の住宅街や熊本城付近で、10日から15日にかけてサルの目撃情報が相次いだ。これまで被害報告はないが、市動物愛護センターは「見かけても刺激しないで」と注意を呼び掛けている。センターや熊本北署によると、10日昼ごろ同市北区の清水万石と鶴羽田周辺で最初に目撃された。11日には同区飛田の住宅街、13日には中央区京町でも見られた。15日朝、熊本城そばの千葉城町で見かけたという女性(73)は「毛は灰色で、木から木へ飛び移っていった。こんな街中にいるなんて」と驚いていた。同センターは「野生のニホンザルではないか」と推測。若いオスは春や秋ごろ、群れから離れて移動することがあるという。一方的に攻撃してくることは少なく「見つけても騒いだり、えさをやったりしないで」と話している。
(サル被害防止のパトロール開始:宮崎)
宮崎県日向市で野生のサルが人を襲う被害が相次ぎましたが津久見市でもここ数日住宅街に現れています。これから農業被害も懸念されるため、地元ではきょうからパトロールを開始し警戒を強めています。津久見市ではきのうまでの2日間市内中心部の住宅地にサルが出没しています。現れたのは1匹で、人への被害はありません。津久見市ではおよそ10年前から町なかにサルが現れるようになり2008年には住民が相次いでサルに噛み付かれけがをしました。これを契機に津久見市では2009年から猟友会のメンバーなどがパトロールを実施しています。今年はきょうからスタート。目撃情報があった場所などを中心にまわりました。パトロールでは木の揺れや鳴き声などでサルがいるかどうかを調べます。確認した場合、猟銃や花火を使って近寄らないよう威嚇します。みかんの産地津久見市では収穫の時期を迎えるこれから、サルなど野生動物による農業への被害が増加します。市によりますと、去年は44匹のサルを捕獲。農作物への被害額はみかんを中心におよそ530万円でした津久見市ではサルを見かけたら市に連絡してほしいと呼びかけています。
(サル警戒態勢を縮小:宮崎)
日向市は13日、市民が野生のサルにかみつかれた被害を受けて3日から継続していた職員約40人による24時間の警戒態勢を14人に縮小すると発表した。早朝や夜間に相次いで襲われたことから、被害が集中する財光寺、塩見地区周辺を2人1組の3グループが夜通しで巡回、市役所の対策本部には別の職員が詰めて警戒していた。人を襲った可能性が高いオスザル1匹(体長約60センチ)が捕獲された9日以降、新たな被害の報告がないため、14日午前0時から巡回と待機の職員数をそれぞれ2人ずつに減らす。24時間態勢の警戒は続ける。一方、市立財光寺小は8月30日から始めた集団での一斉下校を継続中。このまま被害がなければ、週明けから少人数による下校に切り替える方針。登校は従来通り集団で行う。日向署員や保護者らの見守り活動は当面続けるという。市内では8月28日から今月7日までに男女計18人がかみつかれるなどして重軽傷を負った。捕獲されたサルは殺処分された。
(わな猟免許、300人突破:石川)
県内でおりを仕掛けて獲物を狙う「わな猟」を行う狩猟免許所持者が2012年度末で316人となり、300人を突破した。銃や網を使う猟を含めた免許所持者全体の人数は近年ほぼ横ばいで、わな猟の人気が目立つ。県は、イノシシの出没が増えている中能登地区で、農林業関係者が農作物被害の抑制へ免許を取得するケースが多いと分析している。わな猟は2006年度まで、網猟とまとめて免許が交付され、単独交付となった07年度の免許所持者は113人だった。その後、毎年20人以上増加し、5年で2・8倍になった。一方、散弾銃・ライフル銃の免許所持者は、07年度から12年度までに123人減(18・1%減)となった。免許所持者全体は07年度は859人、12年度は943人。12年度は全体の3分の1が「わな猟」となった。わな猟は、銃猟に比べて少ない費用で始められることが特徴。イノシシ被害が増えるにつれて、農地を守るために免許を取得する農家やJA、市町職員が増え、手軽なわな猟を選んだとみられる。12年度の免許所持者のうち、農林業関係者は2割を占めた。地域別に分析すると、七尾市でイノシシ被害が初確認された08年度を境に、同市周辺の中能登農林総合事務所管内の免許所持者が急増し、12年度は08年度比4割増の167人となった。県は12日、ツキノワグマの餌である木の実の豊凶予測をまとめた。ブナは凶作、ミズナラは並作~豊作、コナラは凶作~並作で、県は「昨年とほぼ同じできとみられる」としている。県は13日、県庁でツキノワグマ出没についての連絡会議を開く。11日までのクマ目撃件数は過去最多ペースの126件となっており、注意を呼び掛ける。
(猟友会、進む高齢化に危機感:京都)
イノシシやシカなどの有害鳥獣を捕獲する猟友会捕獲班員の高齢化が進んでいることから、舞鶴市は今年度から、猟銃免許の取得に対する補助率を2分の1から3分の2に引き上げるなどの支援拡充策を始めた。同市農林課は「このままでは近い将来、捕獲班の活動の低下は避けられない」と危機感を持っており、支援の拡充で有害鳥獣捕獲の新たな担い手の確保を図る。同課によると、平成24年度の同市内の狩猟登録者数は126人で、平成に入ってからはほぼ横ばいの状況。ただ内訳を見ると、わな猟の登録者数が増加している一方で、猟銃による狩猟者数は大きく減少している。さらに深刻なのは高齢化で、舞鶴市内の3つの猟友会の有害鳥獣捕獲班員(51人)の平均年齢は64・9歳。50歳代以下は11人しかいない。狩猟免許の取得が難しく、取得後も安全面など規制が厳しいことが原因とみられるが、「有害鳥獣対策には猟友会の協力は欠かせない」と、同市は平成21年度から狩猟免許取得の支援制度をスタート。同制度を使って4年間で27人が免許を取得するなど、「一定の成果」(同課)をあげたが、狩猟登録者数の高齢化に歯止めはかかっておらず、今年度からさらに支援を拡充することにした。補助率が2分の1から3分の2に上がるのは、猟銃免許の取得のほか、狩猟税、猟銃購入(上限20万円)などの費用。また、新たに猟銃等保管設備の購入に対する支援(補助率3分の2、上限3万円)も始める。対象は20歳以上の舞鶴市民で、狩猟免許取得後に舞鶴市内の3つの猟友会のいずれかに所属し、有害鳥獣捕獲従事者として活動することが条件。
(クマ注意報:石川)
県は13日、県内で今秋、ツキノワグマの大量出没の可能性があるとして、関係市町にクマ出没注意情報を発令した。発令は昨年に続き2年連続。今年の目撃件数(12日現在)は126件で、大量出没のあった2006年(62件)、10年(81件)よりも速いペースで情報が寄せられており、県は「奥山でエサが少なく、里山周辺で人とクマが遭遇する危険が増している」と注意を呼びかけている。県が8月に実施したクマのエサ調査では、ブナが凶作、ミズナラが並作~豊作、コナラが凶作~並作と予測され、警戒情報が発令された06、10年の豊凶予測と類似しているという。県によると、県内では七尾市以南で800頭前後が生息しているとみられている。ただ、これまで能登の石動・宝達山地周辺が北限とされていたが、今年初めて、山地西側の邑知潟平野を越えた七尾市旭町で目撃情報が寄せられた。その後も、平野部を越えた中能登町廿九日と七尾市小島町で目撃されるなど、今後も生息範囲の北上が懸念されている。県は同日、県庁で金沢や七尾など関係市町や県猟友会の担当者らと連絡会議を開き、〈1〉クマを引き寄せる柿や栗、蜂の巣などを除去する〈2〉クマはやぶや茂みに隠れて移動するため、集落に隣接する草むらを刈る〈3〉鈴やラジオを携行する――などの対策を求めた。
(クマ情報4~8月141件、昨年度1年に匹敵:福井)
今年4~8月に県内で目撃されるか、痕跡が確認されたツキノワグマの情報が、昨年度1年間の146件に迫る141件と大幅に増えていることが、県のまとめで判明した。冬眠を前にクマの動きが活発化する秋以前にこれほどのクマが出没するのは異例で、この時期としては過去5年間で最多。県は「集落に近い里山にすみ着いた『里グマ』が増えている可能性がある」と注意を呼び掛けている。県によると、クマの出没が多いのは一般的には春と秋。春は山菜採りなどで人が山に入って、秋は冬眠前に栄養を蓄えるクマの行動が活発化して人との遭遇率が高くなる。特に山のドングリが凶作の年には餌を求めて行動範囲が広がり、集落近くまで下りてくる。ただ、県が8月16日~9月3日に実施したブナ科樹木のドングリの生育状況は、ミズナラ、コナラは「不作」だったものの、ブナは「並作」、クリは「豊作」で、クマが里山に大量出没するほどの不足は生じていないという。しかし、福井市、勝山市、高浜町などでは、この5か月間の出没件数は昨年度の2~3倍。昨年は0件だった永平寺町でも16件と大幅に増えた。年間2頭だった全県での捕殺数も既に7頭に上る。9月に入ってからも福井市生野町の集落で、蔵の中にあった蜂の巣の蜂蜜を狙ってクマが壁を壊した痕跡が見つかり、勝山市平泉寺町赤尾では住民が家の前でクマと遭遇するなど出没が続いている。県は、市町の担当者らを集めて5日に対策会議を開催。▽柿や栗などを収穫しないまま放置しない▽生ゴミを外に置かない▽蜂の巣は撤去する――など、クマを引き寄せないための対策を住民に周知することを申し合わせた。
(イノシシ対策強化、捕獲用わな設置:大分)
大分市の商業施設「パークプレイス大分」にイノシシが現れ、買い物客にけがを負わせたことを受け、周辺の学校や団地で対策が強化されている。11日、市は注意を促すチラシを近くの自治委員に配布、市猟友会は捕獲用のわなを設置した。市農林水産課は「万一、イノシシに遭遇した場合は、刺激しないよう静かにその場を立ち去ってほしい」と呼び掛けている。施設にイノシシが出没したのは7日午前。体長1メートルほどの1頭が施設内を40~50分間走り回り、買い物客3人にけがを負わせ、そのまま逃げた。地元の松岡小学校(佐藤直人校長、938人)は、全教職員にイノシシに出合った場合の対処法を説明し、担任を通して子どもたちに周知。通学路で登下校を見守る保護者や地域のボランティアにも、メールで注意を呼び掛けた。施設に隣接する団地の5自治会には11日、注意を呼び掛けるチラシが配られた。市職員が各自治委員宅を訪問し、約60枚のチラシを渡して回覧するよう要請。公園通り4丁目自治委員の長谷川裕之さん(71)は「数年前には自宅前の畑にイノシシが出たことがある。自然が近くにある団地なので出没は仕方ない。あらためて注意を呼び掛けたい」と話した。市猟友会のメンバーは、パークプレイスから北西に約500メートル離れた同市松岡の大分スポーツ公園内の雑木林にわなを設置した。周辺で30頭ほどの群れを目撃したこともあるという同会の安藤崇宣さん(73)は「もともとイノシシがいる地域だが、人がたくさんいる施設にまで侵入したのには驚いた」と話し、今後わなを増やすことも検討している。市農林水産課によると、かつてはイノシシがすむ山間部と、人間がいる住宅地の間には里山があり、そこが“緩衝地帯”となっていた。しかし近年は、山間部を切り開いて住宅ができ、イノシシと人間の生活圏が近くなっているという。同課は「餌を与えたりすると、イノシシが人間の生活圏に居着き危険。野生動物には餌を与えないでほしい。成獣のイノシシに襲われれば命に関わることもある。万一、遭遇した場合は大声を出したり、急に走って逃げたりせず、落ち着いて行動してほしい」としている。
(シカ・イノシシ課、農作物の被害対策:岡山)
岡山県備前市は13日、10月1日付で「シカ・イノシシ課」を新設すると明らかにした。農作物に被害を与える有害鳥獣の対策に取り組む。同課には職員5人が配置され、鳥獣の肉を使った特産品の企画や地元猟友会と連携した駆除などを進める。田畑への侵入を防ぐ柵の補助金制度、近隣自治体との出没情報の共有も引き続き実施する。市によると、約5年前からシカやイノシシによる被害が拡大。農作物を食い荒らされるほか、民家への侵入、乗用車との交通事故も増加。岡山県の昨年の被害総額は約3億8千万円、シカとイノシシ駆除数は約2万2千頭に上る。
(鳥獣保護区2カ所を解除:三重)
シカやイノシシによる農作物被害が相次いでいることを受けて、県は南伊勢町にある二カ所の鳥獣保護区の指定を解除する。禁止されていた狩猟が可能となり、被害抑止につなげる。解除するのは、南伊勢町内の沿岸部から山間部にかけて広がる南海鳥獣保護区(二千百三十ヘクタール)と、山間部の伊勢路鳥獣保護区(千百四十ヘクタール)。ともに二〇〇六、〇七年度から保護区として十年間の指定になっていた。しかし、シカやイノシシ、サルによる田畑の被害が増え、住民から解除の強い要望を受けた措置。県は野生動物を守るため、狩猟を規制する鳥獣保護区を県内で四万九千ヘクタール指定。最近は保護区の近辺で農作物被害が多発し、解除や縮小の検討を重ねている。解除に踏み切るのは二〇〇五年度以来、八年ぶり。このほか農作物被害が絶えない亀山市の鈴鹿国定公園鳥獣保護区など三カ所での区域縮小(計百九十ヘクタール)も決めた。十月に指定区域を定める鳥獣保護事業計画を変更し、正式に解除・縮小する。
(イノシシの農作物被害急増:岐阜)
イノシシの農作物被害が急増している。可児市、御嵩町とも既に昨年の捕獲匹数を上回っていて、計三百匹超えはほぼ確実。御嵩町が町議会九月定例会に補正予算案を計上するなど、対策費用もかさむ一方だ。可児市内で八月下旬、子イノシシ三匹が一度に捕まった。おりの中で砂煙を上げて暴れ回る。周辺はアンモニアのような鼻を突く異臭が漂った。「特にタケノコやサツマイモの被害がひどかった」とは、可児市猟友会の宮島鉦二会長(78)。稲は踏み倒され、排せつ物で駄目になった田んぼも多い。可児市は四月から、御嵩町は六月から、いずれも十月までを有害鳥獣捕獲期間と定めている。被害増に伴ってわなの数を例年より増やした側面はあるが、可児市の捕獲数は八月末までに六十三匹で、昨年の五十匹を超えた。御嵩町も九月十日までに二百十五匹で、昨年の二百十一匹を上回り、十七匹捕らえた日もあった。昨年度の農作物の被害額は、可児市が九百六十万円(前年度比二百六十万円増)、御嵩町は二百五十万円(同二十九万円増)。対策費は膨らむばかりで、可児市は本年度当初予算で、昨年度よりも七十五万円多い四百八十五万円を計上した。渡辺公夫町長も九月定例会で「一度人里に出没すると、人慣れが強く山に帰らず、人家や農地に住み着く。駆除しても被害の減少は見られない」と懸念を示し、補正予算案で捕獲経費百六十六万円を追加した。当初予算と合わせると三百二十一万円で、昨年度決算額の一・九倍になる。関係者は「里山が荒れたり、耕作放棄地が増えたりして、民家のすぐ近くに住みやすい環境が増えた」と口をそろえる。「高齢化に伴った猟友会員の減少も原因」という指摘や「繁殖力が高いから、子どもばかり捕獲してもきりがない」と嘆く人もいる。両市町とも田畑を柵で囲う費用を補助しているが、御嵩町は本年度、より限度額や補助率が大きい「団体枠」を追加した。担当者は「複数で取り組んだ方が、設備や規模がしっかりとしたものになり、効果が見込める」と地域ぐるみの対策を呼び掛けている。
(お寺のコケ、イノシシ荒らす:福井)
福井県勝山市平泉寺町平泉寺の平泉寺白山神社境内で12日、イノシシがコケを掘り起こした跡が見つかった。同神社は国史跡白山平泉寺旧境内の中にあり、白山国立公園の指定区域。美しいコケが広がる境内は人気の観光地だけに、区民らは対策に頭を悩ませている。現場は拝殿に向かう参道の北側で、一帯の緑のコケを掘り起こした跡が、蛇行しながら続いていた。同日午前6時ごろ、清掃のために訪れた平泉寺区長の平泉浤祥さん(73)が発見した。「ここ3、4年イノシシが増えており、これまでにも周辺のやぶで姿を見かけた。ただコケの中に入ったのは初めてで、びっくりした」と平泉さん。丁寧にコケを埋め戻しながら「境内の周囲にフェンスを設けるなど対策が必要」と危機感を強める。現場で足跡を確認した市環境保全推進コーディネーターの前園泰徳さん(41)によると、山は餌となる木の実などがまだ少なく、里に下りてきたとみられる。ただ「コケの下に餌は少ないので、たまたまかもしれない。再発するようであれば、センサーカメラを設置して頭数などを調査したい」と話す。境内横の田畑にはイノシシよけの高いフェンスが連なっており、行き場がなくて境内に侵入した可能性もあるという。市史蹟整備課は「国立公園内であり、地元区と県、市で対策を考える必要がある」とする。昨年10月には、女神川を挟んで同神社から約1キロ離れた市史跡「平泉寺墓地」でも、コケがイノシシに掘り起こされる被害があった。このときは市がトウガラシの粉をまく対策を取り、その後に被害は出ていない。
(イノシシ被害、面積5倍以上:富山)
砺波市議会産業建設委員会は13日開き、市側は山間部でイノシシの被害が相次いだ問題について、同日までに把握している本年度の被害面積は5・6ヘクタールで、昨年度1年間の5倍以上になっていることを報告した。
(コメ収穫最盛期なのに、イノシシ田荒らし:富山)
コメの収穫が最盛期を迎える中、砺波市の山間部にある栴檀山(せんだんやま)地区で、イノシシが田んぼを荒らす被害が相次いでいる。稲が倒されたり稲穂を食べられたりして、収量が6分の1になった田もある。
(「クマ」早い段階で防災無線:富山)
8月27日に南砺市城端で女性(80)がクマに襲われたことを受け、同市のクマ緊急対策会議が11日、市役所城端庁舎で開かれ、クマが人里近くで出没した場合、防災無線を早い段階で活用することや緊急連絡網の整備を徹底するなど、連絡体制を強化することを確認した。会議には市内全地域の自治振興会長や警察、消防など約60人が出席し、市側はクマ出没時の対応や木の実類の豊凶状況などについて説明した。当面の間、▽防災無線や消防団による朝夕の注意喚起▽クマを人里に引き寄せる原因となる果実などの撤去▽草刈りの徹底―などを行う方針を示した。出席者からは、8月27日の人身被害で、クマ出没から防災無線による広報まで約2時間かかっていることが指摘され、出没段階からの防災無線の活用や小中学校への速やかな連絡を求める意見が聞かれた。
(カラスパトロール隊:高知)
カラスの食害に悩まされてきたナシ産地の高知市針木地区では、追い払い用の爆音機に住民から苦情が出たため、雇用創生基金を活用してJA高知市でカラス対策の専任員を2人雇用。防鳥ネットなどで侵入を防ぐとともに、住民が散歩しながら追い払う「カラスパトロール隊」を組織するなど、地域一体となった取り組みで被害が激減した。針木地区は100年の歴史を持つナシ産地。33戸で構成する梨生産組合が、22ヘクタールで「新高」を中心に年間500トンを出荷する。ナシ園の周辺は市街化が進み、800戸を超える一般住宅が建っている。
(農地管理進め食害防止を:宮崎)
県内でイノシシやシカなどによる農作物の被害が急増している。2011年度の被害額は4億3500万円で05年度の3倍近くに増えた。駆除や防護柵設置などの対策は取られているが、作物の放置や耕作放棄地の増加などが鳥獣を人里に近づけ、被害拡大の一因になっているという。県などは農家や住民に農地管理の必要性を呼びかけている。県中山間・地域政策課によると、野生鳥獣による農作物の被害は05年度から増加傾向で、シカとイノシシ、サル、カラスが大半を占める。被害は米や野菜、果樹に集中しているという。被害が増える原因として、造林面積の拡大などで、野生動物が餌を求めて里山周辺に現れるようになったと考えられてきたが、県林業技術センター(美郷町)の山本進也主査は「売れない農作物や残飯を田畑に捨てたり、収穫しない果樹を放置したりすることで、それらが鳥獣の餌となり、結果的に人家近くにおびきよせている」と指摘する。稲刈り後の水稲の根から生えるひこばえの新芽は軟らかく、シカにとって格好の餌になるという。柿やミカン、ユズなど人の手が入らなくなった果樹園などにはサルやカラスが集まる。繰り返すうちに人を恐れなくなり、田畑の作物まで食い荒らすようになるという。山本主査は「これまで鳥獣対策は役所任せの傾向があったが、農家や住民が主体的に対策を考え、正しい知識に基づいて餌の供給を絶つ必要がある。地域全体で解決を目指すことが大事だ」と話す。県林業技術センターは2012年度、鳥獣被害に遭うなどした集落を中心に163回の現地指導や研修会を実施した。被害を招く人的要因を知ってもらい、有効な対策を取るため、荒らされた農地の傾向を紹介したり、防護柵の適切な張り方を教えたりしている。地域で農家に対する指導や巡回を担う「鳥獣被害対策マイスター」の育成も手がけ、昨年度までに市町村やJAの職員ら計224人を認定した。イノシシ、シカ、サルの捕獲数は11年度が計約3万1000匹で、10年前と比べて倍増した。大半は廃棄処分されているが、島根県ではイノシシの皮を使ったキーホルダーやペンケースなどを製造、販売している。大量の駆除を継続して行うには、経費を確保するための有効利用を考える必要がある。トウモロコシやサツマイモのサル被害に悩まされている都城市高城町の田辺地区は11年から、住民がサルの出没情報を連絡したり、ロケット花火でサルの群れを脅して追い払ったりしている。また、サルが集落と山林を行き交う際、雑木を伝っていることから、間伐するなどの対策も取っている。都城市鳥獣被害防止対策協議会の上西利茂会長は「被害を防ぐにはいろいろな手だてがある。地域の実情や態勢に応じ、住民が一致団結して取り組むことが大切」としている。
(脂肪消化にイノシシ胆汁:富山)
富大和漢医薬学総合研究所の渡辺志朗准教授の研究グループは11日までに、イノシシの胆汁(たんじゅう)に脂肪消化の作用があることを突き止めた。実験で、富山の伝統的な製剤原料であるクマの胆汁と比較したところ、消化作用の強さにほとんど遜色はなかった。研究グループは胃腸薬への応用に可能性があるとし、「くすりの富山」の技術を生かしたイノシシの新しい活用法に道が開けたとしている。研究グループは岡山県吉備中央町から依頼を受け、7月からイノシシの胆汁の成分研究に着手。植物油200ミリグラムに対し、消化酵素「リパーゼ」とイノシシ、牛、クマ、豚から採取した胆汁の乾燥粉末20ミリグラムをそれぞれ混ぜ、反応を調べた。その結果、イノシシの胆汁を混ぜた溶液から、植物油に含まれる脂肪を消化する作用が確認された。既に製剤原料として活用されているほかの3種類の胆汁と比べ、消化作用は若干弱かったものの、消化を助ける目的としては十分だった。研究グループはこれまでの実験で、豚の胆汁に血中のコレステロールや肝臓の中性脂肪を低下させる作用があることも確認しており、渡辺准教授は今後、豚の祖先であるイノシシの胆汁にも同じ性質がないか調べる。さらに、多くのサンプルを使って個体ごとの胆汁の性能をデータ化し、製剤原料としての均質性を確認する。富山県内でのイノシシの有害捕獲数は、昨年度が292頭(速報値)で、3年前の約3・8倍に急増した。県は「ジビエ(野生鳥獣の肉)料理」として食用を推進しているが、内臓部分は廃棄されている。一方、富山の伝統薬「熊(くま)の胆(い)」が取れるツキノワグマの胆(きも)はワシントン条約で取引が禁止されており、各メーカーはクマの胆汁を在庫に頼っている現状もある。渡辺准教授は、猟師は経験的にイノシシの胆汁を飲んで胃をいたわるとし、「里山の伝承を実験で裏付け、イノシシのさらなる有効活用に役立てたい」と話している。研究成果は富大地域連携推進機構が12日、富山市の富大五福キャンパスで開く「コラボフェスタ2013」で発表される。
(イノシシ・シカ肉の消費促進、飲食店と連携:長野)
JAグリーン長野(長野市)は狩猟肉(ジビエ)の消費拡大を目指し、地元飲食店組合などと連携する。協議会を設立し、イノシシ肉やシカ肉の飲食店での提供や加工品開発を加速する。鳥獣による農作物被害は増加傾向にあるが、食肉利用はあまり進んでいない。狩猟肉の出口を開拓し、鳥獣害対策を強化する。協議会には地元の飲食店が組織する「長野しまんりょ会」や厨房機器を販売するホシザキ北信越(金沢市)、キリンマーケティング長野支社(長野市)などが参加。茅野市のフランス料理店オーナーシェフの藤木徳彦氏が代表を務め、ジビエ料理の普及を図る「日本ジビエ振興協議会」も加わって、製品開発などで協力する。このほど農林水産省の「食のモデル地域構築計画」に認定された。補助金を得て狩猟肉の食肉利用を進める。今年度からの4年間で事業モデルを構築し、地域内で狩猟肉を消費するモデルの構築を目指す。JAグリーン長野は今年度、解体処理施設の本格稼働を始めた。この施設で解体したイノシシやシカの肉を使い、長野しまんりょ会に加盟する飲食店がメニュー開発を進める。ジビエを主菜や副菜、つまみなどに幅広く使われる食材に育てる。観光客を惹きつける名産品のひとつとしてジビエ料理を確立する考えだ。ホシザキは調理器具を生かした料理開発、キリンマーケティングは広報宣伝などで協力する。加工製品の県内外での販売にも乗り出す方針だ。長野で構築したモデルを他地域のJAなどで普及させることも検討している。鳥獣による農作物被害額は全国で200億円を超え、高水準で推移している。営農意欲の減退や耕作放棄地の増加につながりかねないとして、農水省や自治体が対策に乗り出している。県内でも狩猟者の育成を目指しているが、狩猟肉に関してはほとんど利用が進んでいない。食肉利用が進めば狩猟肉の価値が向上し、狩猟意欲も高まるとの期待がある。
(捕獲シカ肉、高校生がジビエ料理:三重)
津市久居東鷹跡町の三重県立久居農林高校で11月26日、シカ肉を使ったジビエ料理のコンテストが開かれる。優秀作品は、フランス料理店やイベントで提供することも検討されていて、参加する同校生活デザイン科食生活コースの3年生27人が、レシピ作りに取り組んでいる。同校に近い同市白山地区ではシカの食害が問題となっており、農業生産者らでつくる白山地区農産物ブランド化推進研究会が、捕獲したシカの有効活用を検討。若い力を借りようと今春、同校に打診した。コンテストに向け、同校はジビエ料理の研究を開始。今月10日には、津市大谷町のフランス料理レストラン「ミュゼ ボンヴィヴァン」料理長の出口直希さん(36)を招いて特別講習会を開いた。出口さんは、店で提供しているブイヨンスープやファルシ、ローストの調理を実演。生徒たちも実際にシカ肉を焼いたりして、出来上がった料理を盛り付けた。ジビエ料理を店で出し始めて約8年という出口さんは、シカ肉の魅力について「ほかの食材と合わせやすい上、栄養価も高く胃にもたれない」と説明。最初は見向きもされなかったが、今ではシカ肉料理が店の一番人気だという。コンテストの審査員も務める出口さんは「高校生がジビエ料理に挑戦するのは過去に例がない。斬新なアイデアで魅力ある料理を期待している」と語った。コンテストはシカ肉を使うのが唯一の条件で、和食、洋食などジャンルを問わない。生徒たちは調理実習などを重ね、11月の本番に臨む。優秀作品は、同研究会が各地のイベントで提供して活用する。出口さんも提供可能な作品があれば、期間限定メニューとして店で出すことを検討する。講習会でシカ肉を初めて食べたという居永健佑さん(17)は「脂が少なくヘルシーでおいしい。好きな中華料理でレシピのイメージを膨らませていきたい」と話していた。
(黒い鳥は豊かな街の象徴?:北海道)
札幌市内に暮らしていると毎朝、カラスの鳴き声で目が覚める。昔からカラスが多い土地は豊かな土地という言い伝えがある。明治の最初に札幌が開かれたときもカラスが多く、「ここは豊かな土地」だといわれたとの話を古い資料で読んだ。札幌とカラスは切っても切り離せない関係にある。中村眞樹子さん(47)はNPO法人「札幌カラス研究会」の代表で、全国に会員が20人いる。札幌カラス研究会はカラスの生態調査やカラスと人との軋轢(あつれき)を軽減するための提案を行っている。中村さんは、13年前に鳥を見るようになり、特にカラスに興味を持つようになった。最初はただ好きでカラスを見ていた。カラスは人を襲うことが話題になる。「人がカラスに襲われるのには原因がある」と中村さん。人間がカラスに石を投げたり、棒を振り回したことをカラスは覚えているのだという。「カラスは頭が良いことは知られているが、人間以上によく見ている。その発端は人間が作っている。だから手を出さないでほしい。できることならカラスも人を襲いたくないだろう。まずは人間から手を出している。カラスは子育て中に、自分の巣の周りに来てほしくない。カラスは鳴き声でそのサインを出している。まずは、いかにも怒っているという声を出して人間に知らせている。最後に蹴るしかないという場面で人間を襲う」今では毎朝、近所の公園に出掛けて、カラスの出席を取る。「毎日、カラスと一緒」と笑う。「向こうも分かっているので挨拶に来る。互いに分かっている。個体識別できますから。カラスは私以上に見ている」と話す。「札幌はカラスも住み心地が良いんでしょう」と話す。札幌にいるのはハシブトガラスとハシボソガラスという2種類。「札幌はこの両方を一緒に見ることができる珍しいところ。カラスを見るのにこんないい環境はない」普通、カラスを見ていてもその違いはよく分からないが、中村さんは飛んでいる姿を見ただけで分かるという。「カラスが人に嫌われるのは、その黒い色とゴミをあさったり、襲われたりするから」カラスはゴミをあさるため問題になるが、「ゴミはおやつ程度なので、ゴミがなくてもカラスは減らない」という。人間との共存はできないのか。札幌カラス研究会はカラスの保護団体ではない。「カラスも野鳥で、ハトやカモと同じ視線で見てくれればいい。生態を知らないだけで怖がるばかりではいけない。ゴミ問題も互いにマナーを守って生活すればカラスと共存できる」と話す。今年の夏、北海道ではカシワマイマイというガが大量発生したが、カラスはそれを食べ、駆除してくれた。「町のなかではカラスがドブネズミを食べている。カラスは人間の役に立っている」と中村さん。カラスは豊かな街の象徴でもある。中村さんの話を聞き、共存について考えさせられた。

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