<射撃ニュース10月>

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(競技用銃の使用下限、10歳に引き下げへ)
競技用の空気銃を扱える年齢を14歳以上から10歳以上に引き下げる銃刀法改正案が14日閣議決定された。五輪競技では「エアライフル」と「エアピストル」があり、2020年東京五輪に向けた選手育成策として年齢引き下げを要望していた競技団体からは歓迎する声が出ている。銃刀法では18歳未満は空気銃を含めて銃を扱えないが、国体などに出場する14歳以上の有力選手は、部活動の顧問ら指定された指導員の下で練習をすることが認められている。改正法案では、この制度の下限年齢を善悪の判断ができ、体格的にも扱うことが可能とみられる10歳以上に引き下げるとともに、合宿や遠征先でも空気銃を使えるようにするため、都道府県公安委員会が指定する指導員がいる練習場なら備え付け空気銃を撃てるようにする。エアライフルは全長約1メートル、総重量約3キロ。エアピストルは全長約40センチ、総重量約1キロ。海外での空気銃の下限年齢はイタリアが14歳、オーストラリアやカナダが12歳、ドイツが10歳。中国や韓国では年齢制限はない。日本ライフル射撃協会の岸高(きしたか)清事務局長は「若年層から強化を図る韓国や中国並みに競技環境が整う」と歓迎。空気銃を扱えない選手は光線式のビーム銃で練習してきた。低年齢から空気銃を扱い強化につなげるアジア諸国と比べ、日本は後れを取ってきたという。
(シカ、イノシシを指定管理鳥獣に)
全国的に急増し食害を引き起こしているニホンジカとイノシシについて、環境省は14日、「指定管理鳥獣」に指定する省令案を公表した。11月12日までパブリックコメントを受け付けた上で、年内にも決定したい考え。指定されれば、国や自治体は適正規模にするための捕獲事業が可能となる。省令案は、国が定める指定管理鳥獣を都道府県が駆除できるよう鳥獣保護法が5月に改正されたことを受けたもの。ニホンジカとイノシシの指定のほか、捕獲事業の民間委託制度や夜間の銃による狩猟の要件なども盛り込まれた。
(キノコ採りの男性、クマに襲われ重傷:北海道)
11日午後0時10分ごろ、千歳市藤の沢の山林で、キノコ採りをしていた千歳市内の男性会社員(59)がクマに襲われて頭や腕をかまれ、右足首を骨折する重傷を負った。男性はドクターヘリで札幌市内の病院に運ばれたが、命に別条はないという。千歳署によると、男性は同日朝から1人で現場を訪れていた。けがの状態などから、背後から襲われたとみられる。男性は自力でクマを追い払い、持っていた携帯電話で110番通報した。現場は、千歳市郊外の住宅街から南西方向に約4キロ離れた国有林内。男性は自家用車で林に入り、車から約170メートル離れた場所で襲われた。地元の猟友会員が周辺を捜索したが、クマは見つからなかった。
(熊に襲われけが、キノコ採りの70代男性:長野)
13日午前7時ごろ、伊那市西箕輪の西山神社北側の山林で、近くの無職荒和男さん(73)が熊に遭い、顔や左腕を引っかかれ、左手の指を折るなどのけがをした。伊那署によると、1人でキノコ採りをしていた。自宅に戻った後に救急搬送され、市内の病院で治療を受けたという。熊は成獣とみられ、同署員、市職員、猟友会員らが付近を警戒している。
(クマに襲われケガ:長野)
10日午後3時ごろ、高烏谷山にキノコ狩りに出かけていた伊那市富県の70代の男性が、クマに襲われて頭や手首に、けがをする事案がありました。伊那市役所によりますと、クマに襲われけがをしたのは、伊那市富県の71歳の男性です。午後3時ごろ、キノコ狩りに出かけていた男性が、高烏谷山でクマに襲われました。男性は、頭や手首にけがを負いましたが、命に別状はないということです。午後5時現在、けがを負わせたクマを捕獲するため、猟友会が活動しているということです。伊那市では、付近の住民に注意するよう呼びかけるとともに、山に入る場合は、2人以上で行動し、鈴・ラジオなど音の出るものを必ず身に着けるよう呼びかけています。
(クマに相次ぎ襲われ男性2人ケガ:新潟)
新潟県南魚沼市と新発田市で人がクマに襲われケガをする被害が相次いだ。警察が住民に警戒を呼びかけている。12日午前9時45分ごろ、南魚沼市小川の無職・富山茂さん(80)が自宅から200メートル離れた山の中にきのこ採りに入ったところ、木の上から下りてきたクマに頭をかまれた。富山さんは右後頭部を切るケガをした。この秋、周辺ではクマの目撃が相次いでいた。また、午後2時40分ごろ、新発田市滝谷でも別の男性(78)がクマに襲われ、顔に軽いケガをした。警察が周辺の住民に警戒を呼びかけている。
(熊に襲われ2人けが、キノコ採りの夫婦:長野)
12日午前9時50分ごろ、上水内郡信濃町の山林で、キノコ採りに来ていた長野市の夫婦が熊に襲われ、頭や太ももを引っかかれた。長野中央署によると、夫婦は市内の病院に運ばれた。頭などに軽いけがをしており、命に別条はないという。県鳥獣対策・ジビエ振興室によると、本年度、県内で熊に襲われてけがをした人はこれで23人となった。長野中央署によると、熊は成獣とみられ、夫(76)は頭や脚を、妻(76)は脚や胸を引っかかれた。夫婦は、熊よけ用の音が鳴る道具を持っていたが、当時は使っていなかったという。同署員や地元猟友会が付近を警戒し、同町は屋外放送で住民に注意を呼び掛けた。近くの農業男性(60)は「今年は田んぼや畑で熊の足跡を見つける頻度が異常に多い。襲われないように自分も気を付けたい」と話していた。
(クマに襲われ農作業男性けが:福井)
11日午前11時ごろ、勝山市村岡町黒原の田んぼで、農作業をしていた近所の男性(71)が、クマに襲われた。男性は顔や腕にけがを負い病院に運ばれたが、命に別条はないという。勝山市によると、親グマ1頭と子グマ2頭の計3頭が現場から逃げた。襲ったのは親グマとみられる。地元の猟友会が付近を捜索したが、見つからなかった。現場周辺では9月以降、クマが目撃され、足跡やふんも相次ぎ見つかっている。
(男性がクマに襲われけが:石川)
11日夜、加賀市内で、男性がクマに襲われ軽いけがを負いました。11日午後7時ごろ、加賀市小坂町の住宅地で、近くに住む40代の男性が駐めてあった車に乗ろうとしたとき、突然クマに襲われました。男性は、左足のももを1回かまれ、軽傷を負いました。男性によると、クマは体長1メートルほどですぐに逃げていったということです。現場周辺には足跡やフンなどの痕跡はなく、近くには、クマがえさとして好むクリやカキの木が多くありました。加賀市では12日朝から現場付近をパトロールするなどして警戒を強めています。
(また熊出没、1頭処分:長野)
11日朝、安曇野市穂高有明の民家周辺に熊が出たとの目撃情報が安曇野署などに複数寄せられた。同署員や猟友会員、市職員らが捜していたところ、広域農道と川に挟まれた茂みに熊1頭が逃げ込み、危険と判断して午前9時10分すぎに殺処分した。けが人はなかった。安曇野署によると、熊は7歳ぐらいの雄で体長1・4メートル、体重100キロほど。殺処分した場所はあづみ農協のライスセンターの北側で、近くには穂高西中学校があり、住宅が点在している。近くの男性(74)は午前8時すぎ、自宅近くのクリの木の下に熊がいるのを見つけ、元猟友会員の知人に連絡。熊は一帯を歩き回り、パトカーが住民に外出しないよう呼び掛けた。「こんなところまで出てきたのには驚いた」と話していた。県内では今秋、安曇野市や大町市などで熊の目撃例が相次いでいる。市街地での出没例も多い。県のまとめでは本年度に県内で熊に襲われてけがをした人は21人で、記録が残る2006年度(18人)以降最多を更新している。
(市役所近くに子熊、警報を延長:長野)
熊の出没が相次いでいる大町市で10日夕、市役所近くに熊が出没した。子熊だったため、市職員や大町署員らが近くに母熊が潜んでいないか警戒したが現れず、子熊は逃げた。けが人はなかった。伊那市富県の山林では、キノコ採りに入った男性(71)が熊に頭部や右腕を引っかかれるなどのけがを負った。子熊が出没したのは大町市市役所西側の北原町の民家敷地内。栗のいがを片付けていた農業男性(71)が、数メートル離れた場所で子熊を目撃し、慌てて家に入って市役所に通報した。子熊はしばらく栗の木におり、猟友会員らが住民に被害が出ないように警戒。しばらくすると木から下りた。茂みや田畑を走って逃げていったとみられる。大町市では今年、8日までに6人が熊に襲われてけがをしているほか、出没が続いていることから、10日までだった「クマ出没警戒警報」の期限を延長した。期限は定めず「当面の間」とし、解除は出没状況をみて判断する。一方、伊那市の男性が熊に襲われたのは10日午後1時40分ごろで、富県の高烏谷山(たかずやさん)北側の山林。一緒に来ていた妻が車で市内の病院に運んだ。伊那署によると、熊は成獣とみられ、男性は急に襲われたと話しているという。県鳥獣対策・ジビエ振興室によると、本年度、県内で熊に襲われてけがをした人はこれで21人となり、記録が残る2006年度(18人)以降最多を更新した。
(県道でクマ1頭目撃:栃木)
14日午後7時45分ごろ、那須町高久丙の県道でクマ1頭が目撃された。那須塩原署によると、クマの体長は約1メートル。車を運転中の男性が、県道を横切るクマを目撃し、同署那須交番に通報した。同署で広報、警戒活動を実施している。
(クマの目撃情報:栃木)
14日午後6時ごろ、日光市柄倉の二宮堀に架かる橋の上でクマ1頭が目撃された。今市署によると、クマは体長約1メートル。地域住民が目撃し、同署に通報した。現場は多目的集会所の西側。同署は付近の警戒をするとともに注意を呼び掛けている。
(ガラス窓越しにクマ、「ふなずし」桶の米食べる:滋賀)
12日午前0時20分頃、滋賀県長浜市今荘町の民家で女性(61)が就寝しようとしたところ、軒下で物音がし、ガラス窓越しにクマ(体長約1メートル)がいるのを発見。室内の照明をつけると、クマは逃げていった。女性にけがはなかった。長浜署の発表によると、ツキノワグマの成獣とみられる。軒下に置いてあった伝統食「ふなずし」用の桶(高さ50センチ、直径20センチ)の中を押さえていた落としぶたと石二つが取り除かれ、発酵米が食べられていたという。
(クマ目撃:栃木)
13日午前9時10分ごろ、日光市瀬尾の県道でクマ1頭が目撃された。今市署によると、クマは体長約1メートル。県道を西から東へ横切り森へ入ったという。車で通行中の人が目撃し、同署に通報した。同署は付近の警戒や注意を呼び掛けている。
(クマ出没:栃木)
今市署によると、12日午後5時25分ごろ、日光市西川の湯西川ダム管理支所敷地内で、同職員が施設の点検作業中、クマ1頭が敷地東方へ走り去るのを目撃した。同署によると、クマは体長約1メートルという。同署で警戒するとともに、注意を呼び掛けている。
(トウモロコシ畑でクマ目撃:栃木)
那須塩原署によると、12日午前6時20分ごろ、那須塩原市戸田のトウモロコシ畑にいるクマ1頭を車で通行中の男性が目撃、通報した。クマは体長約1メートル。現場は戸田調整池の南約100メートル付近という。同署で現場付近を警戒するとともに、注意を呼び掛けている。
(山間部でクマの目撃情報:富山)
黒部市や富山市で12日、クマの目撃情報が相次ぎ警察や市がパトロールを行うなど警戒を続けています。12日午前6時過ぎ、黒部市宇奈月町明日にある黒部市農村文化伝承館で、宿直勤務中の職員が近くの田んぼを東に移動する体長1メートルほどのクマ1頭を目撃しました。通報を受けた黒部警察署や黒部市の職員、有害鳥獣捕獲隊員が近くをパトロールして警戒を呼びかけています。これより先の午前2時過ぎ、富山市八尾町下笹原の県道で、新聞を配達していた人が山側へ立ち去るクマ1頭を目撃、警察に通報しました。富山西警察署がパトカーで巡回し警戒を続けています。
(クマ目撃相次ぐ:栃木)
今市署によると11日午後7時40分ごろ、日光市倉ケ崎の市道をクマ2頭が横断しているのを車で通りかかった人が目撃し、110番通報した。クマは体長約1メートルと約60センチという。また同日午後9時30分ごろには、同市栗原の市道でも体長約1メートルのクマ1頭が目撃された。同署と関係機関で付近を警戒するとともに、注意を呼び掛けている。
(クマ1頭目撃:新潟)
11日午後8時半ごろ、長岡市栃堀の男性が、自分の家の前をクマ1頭が歩いていたと長岡署に通報した。長岡署によると、クマの体長は1メートルほど。長岡署は市役所などに連絡するとともに、付近の警戒活動を行っている。
(クマ2頭目撃:栃木)
今市署によると11日午後7時40分ごろ、日光市倉ケ崎の市道をクマ2頭が横断しているのを車で通りかかった人が目撃し、110番通報した。クマは体長約1メートルと約60センチという。同署で付近を警戒するとともに、注意を呼び掛けている。
(クマ目撃情報:新潟)
11日午前10時ごろ、上越市中郷区八斗蒔の市道でクマ2頭を目撃したと、近くに住む女性が中郷区総合事務所に通報した。市によると、体長はそれぞれ約1メートル10センチと70センチで親子とみられ、やぶに逃げた。目撃場所は近くの四ツ屋集落まで約100メートルの距離で、市はパトロールや防災無線などで注意を呼び掛けている。
(クマ1頭目撃:栃木)
11日午前4時ごろ、日光市柄倉の山林内で、仕事で訪れた人がクマ1頭を目撃し、通報した。今市署によると、クマは体長約1メートル。東方の山林内を歩いているのを目撃した。同署は関係機関とともに付近の警戒を呼び掛けている。
(クマの目撃情報:長野)
10月10日(金)午後3時頃、高烏谷山にて、きのこ狩りに出かけた男性がクマに襲われ、後頭部、手首をけがをする事態が起こりました。付近の住民の方は十分注意してください。山に入る場合は二人以上で行動し、鈴・ラジオなど音の出るものを必ず身につけましょう。
(住宅街でクマを目撃:栃木)
9日午後9時50分ごろ、矢板市上町の市道でクマ1頭が目撃された。矢板署によると、クマは体長約1メートル。市道を北から南へ横切っていったという。車に乗っていた男性が目撃した。現場は矢板中の西側にある住宅街。同署は付近の警戒をするとともに注意を呼び掛けている。
(市街地にイノシシ現る:香川)
11日夜、香川県高松市新北町周辺の住宅街の住民から、イノシシの目撃情報が高松北署に相次いだ。午後6時15分ごろ、同町の無職女性(64)が自宅の玄関先で目撃、直後に東方に逃げた。女性にけがはなかった。約10分後、女性の自宅から約250メートル南の会社事務所で1階玄関脇のガラス1枚が割れているのを男性従業員が発見。ガラスにはイノシシとみられる動物の毛や血が付いていた。同署によると、イノシシの体長は約1メートル。パトカー4台で約2時間捜索したが、見つからなかった。同署は「遭遇した場合は刺激せず、すぐに通報してほしい」と注意を呼び掛けている。
(クマ対策を強化:長野)
大町市でクマに市民らが襲われる被害が相次いでいることから、十九日に同市で「第三十一回大町アルプスマラソン」を開く実行委員会は、給水所に猟友会員や警備員を配置するなど選手の安全対策を強化することを決めた。コース周辺でもクマの目撃があり、希望する選手には鈴も配る。クマの出没を警戒するため、民間の警備員五人、職員十三人を給水所や危険と思われる場所に配置するほか、猟友会員六人に給水所に待機してもらう。クマが隠れそうなやぶの下草刈りも事前に行う。当日は、開始前にコース周辺で花火を鳴らしたり、携帯ラジオを用意してクマが現れないようにする。沿道でも多くの市民に応援してもらい、出没しにくい環境作りに協力してもらうという。大町アルプスマラソンは、県内でも二カ所しかないフルマラソンの日本陸上競技連盟公認コースで開かれる大会。大会長でもある牛越徹市長は十五日の定例会見で、「マラソン大会ではより多くの人に協力してもらい、万全の対策を講じたい」と話した。
(クマ注意、目撃178件:島根)
ツキノワグマが冬眠前に活動を活発化させる時期を迎え、県や自治体が注意喚起している。益田市と鹿足郡では今年4月から8月末までの目撃数が、この5年間で最も多い178件に上る。県西部農林振興センターは「実った柿を放置せず早く収獲するなど、クマを集落に出没させないための対策を」などと呼びかけている。クマの目撃例は、過去最高だった2006年度同期の206件に次ぐ水準で推移。これからの時期、冬眠に向けて多くの餌を食べて脂肪を蓄えるため、山に木の実などが少ないと、人里に出没する傾向も増えてくる。島根、広島、山口の3県にまたがる西中国山地のツキノワグマは、環境省のレッドデータブックで「絶滅の恐れのある地域個体群」に指定。捕獲後、唐辛子スプレーを吹き付けるなど、人を怖がらせるように仕向けて山奥に放つ「学習放獣」が基本。そのため、推計生息数は1998、99年度の280~680頭だったのに対し、2009、10年度には450~1290頭と、ほぼ倍増している。生息域の拡大に伴って住民とのあつれきも増えており、同市など1市2町は8月、「生息域が低標高地に拡大し、脅威と被害が増加している」などとして、人に慣れた問題のクマの殺処分などや学習放獣の効果測定、人里近くでの生息数調査などを求める要望書を県に提出している。同センターによると、集落近くで出没が相次ぐ背景には、生息域の末端部が広がった上、かつて緩衝地の役割を果たしていた里山が利用されなくなり、耕作放棄地も増えたため、クマが身を隠す茂みが増えたことも挙げられるという。「集落の周辺部にクマを定着させないため、誘引物の撤去と徹底した防除が必要」と同センター益田事務所の大谷浩章・鳥獣対策専門員は強調。▽放置された柿の木などの伐採や果実の撤去の徹底▽果樹園などへの電気柵の設置▽果樹の幹をトタンで巻いて木に登らせなくする――などの対策が有効という。大谷専門員は「性格上、積極的に人を襲うことはないが、一定エリア内に入ると、防衛反応として攻撃することがある。山に入る時は鈴などを身に付けて人間の存在を知らせてほしい。農作物被害や足跡などの痕跡があれば、行政に一報を」と話している。
(クマとの遭遇に注意:長野)
10月13日(月)午前7時頃、西箕輪の山林内で男性がクマに襲われ重傷を負う人身被害が発生しました。長野県内で10月に入ってからも、クマの出没が相次いでいます。山に生息するクマが冬ごもりに向けて餌を求めて活発に活動を行う時期でもあります。クマから身を守るため次のことに注意しましょう。クマに遭遇しないようにするには、人間の存在を知らせるため、家の近くであっても笛・鈴・ラジオなど音の鳴るものを身につけましょう。早朝や夕方、キノコ狩りなどで入山する場合は2人以上で行動するなど特に注意してください。
(餌不足、行動範囲拡大か:富山)
県内の民家近くでクマの出没が多発する中、立山の室堂(2450メートル)周辺などでも9月以降、クマの目撃が相次いでいる。専門家は、ドングリの凶作による餌不足のため高山帯付近に生えている植物を食べようと、行動範囲を広げたようだと指摘。10月に入り目撃件数は減りつつあるが、出没した地点は観光客や登山客らが訪れるエリアに近く、環境省などは注意を呼び掛けている。
(クマ出没注意、府北部で情報4件:大阪)
大阪府内で生息が考えられていなかったツキノワグマの出没情報が5月以降、府北部地域で増加している。クマが冬眠に備え、えさを求めて活発に動く時期となり、府は、出没が相次いだ同地域に対し警戒するよう求めている。新たに策定した府の対応方針では、クマを誘引するカキやクリ、生ごみを屋外に放置しないよう呼び掛けている。5~8月、山間部を抱える茨木市や高槻市などで、足跡や目撃などの情報計4件が寄せられた。このうち豊能町では、6月にオス1頭が捕獲された。府動物愛護畜産課によると、ツキノワグマは2005年に能勢町で足跡が確認されたのを最後に報告がない。それ以前の数年をさかのぼっても出没は、数件程度だという。府は9月にまとめた対応方針の中で、府内はクマの恒常的な生息域ではないとした上で「一時的な目撃はあっても定着した個体等は確認されていない」と説明。近隣府県で生活している群れの生息域拡大が指摘されていることから「府域での出没等の影響が危惧されている」との懸念を示している。クマはこの時期、越冬前にえさを豊富に食べるため行動範囲を広げ、人里近くに来ることもあるという。山あいの地域では注意が必要だ。対応方針では、集落にクマを寄せつけないよう、民家近くに生ごみを放置しない▽食べないカキやクリは収穫する▽隠れ場所となるやぶを刈る-などの対策を呼び掛けている。山に入る際は鈴をつけて存在を知らせることも大切だ。7、8の両月に2度の目撃が確認された高槻市はその都度、現場近くに注意を呼び掛ける看板を設置。地元住民に向け、対策をまとめた回覧文書を作成した。市担当者によると「府の指針ができる前からすでに啓発してきた」として、引き続き警戒するという。府の担当者は「人とクマが接近することが最も怖い。遭遇を予防することが大事だ」と話している。
(住宅地のクマに衝撃、警戒活動強化:栃木)
住宅街で9日夜にクマ1頭が目撃されたことを受け、市は10日朝、防災行政無線などで注意を呼び掛け、矢板警察署や消防団と協力し通学時間帯に付近の警戒活動を行った。住民からは「住宅街にまでクマが出てくるとは」との声が上がった。矢板署によると、クマは9日午後9時50分ごろ、上町の矢板中西側の内川沿いで市道を横切る姿が車で通行中の男性(63)に目撃された。翌10日朝は市職員や矢板中の教員らが付近で立哨したほか、警察や消防団が車両で付近をパトロールした。市によると、近くのごみ置き場でクマの足跡があり、ごみ袋が荒らされた形跡があったと住民から連絡があったという。
(有害鳥獣焼却施設、3市共同で来春稼働:京都)
有害鳥獣として捕獲したシカやイノシシなどを焼却する京都府内初の処理施設が福知山市大江町三河(そうご)に建設されることになった。農作物被害が深刻化する中、狩猟者の負担を軽減する狙い。福知山、舞鶴、綾部市が共同利用し、駆除した動物を回収する仕組みも整える。来年4月の稼働を目指す。3市では2008~12年度に年間平均計約6900頭を捕獲。従来の処理は穴を掘って埋めるのが主で、高齢化する駆除者にとって負担となっていた。敷地約3500平方メートルに焼却棟、会議研修棟など3棟を建設。炉の1日当たりの最大焼却量は760キロ(シカ換算で19頭)で、年間約4200頭の処理を想定する。3市の計十数カ所に冷凍庫を設置し、駆除した動物を冷凍車で回収。大江町内は駆除者による直接持ち込みとする。総事業費は4億4千万円で福知山市が運営主体となり、合併特例債や2市の負担金などを活用する。福井県若狭町での取り組みを参考にした。府によると、イネや野菜など府内農業被害額(昨年度)は約5億円で、うち3市の鳥獣被害は約1億円にのぼるという。福知山市林業振興課は「駆除者の労力を軽減する焼却施設の設置で、捕獲を一層推進したい」としている。
(駒止湿原シカ食害拡大:福島)
南会津町と昭和村に広がる国天然記念物の駒止湿原で、ニホンジカによる貴重な湿原植物の食害が拡大している。12日までの両町村などの調査で分かった。両町村と関係団体は16日にも対策会議を設立し、シカの捕獲などの対策に乗り出す。南会津町教委によると、食害は7月から8月にかけて確認された。3つある大きな湿原のうち、大谷地を中心に木道沿い一帯でニッコウキスゲの花が咲いた後に付ける実が食べられる被害が確認された。水無谷地ではミズバショウの葉がかじられていた。ミズゴケも踏み荒らされ、湿原の生態系全体への影響が懸念されるという。これまでシカの足跡などが確認されていたが、町教委は「これほど大きな被害は初めて」としている。8月には湿原内に設置したカメラにニホンジカの姿がはっきり映っていた。群れで侵入している可能性が高いという。16日に設立する対策会議は林野庁、県、両町村、湿原の保護や案内に取り組む団体、有害鳥獣捕獲隊、地元行政区などでつくる。第一弾の対策として、今秋中に足わなによる捕獲を始める。福島大などの有識者の助言を受け、被害の未然防止に努める。同湿原は南会津町田島地区の北西部と昭和村南部にまたがる。貴重な植物が自生する高層湿原で、観光や環境学習などで大勢の人が訪れる。
(ヒグマ、知床の浜から姿消す:北海道)
世界自然遺産の北海道・知床で今秋、名物のサケやマスを追い回すヒグマの姿が激減している。例年なら8月ごろに遡上(そじょう)を始めるカラフトマスが極めて少ないのだ。その一方で山の木の実は豊作。多くのクマは苦労してマスを捕るよりも、山の実りに魅せられたとみられる。ただ、マスへの依存が高いとされる知床半島先端付近では、痩せたクマも目撃される。カラフトマスは、ユネスコの世界遺産委員会が高く評価した、知床の「海と陸との生態系の連鎖」を象徴する魚。知床半島の河川に遡上するサケ科の中心的存在だ。全長45~60センチで、道内の河川には7~10月ごろに遡上する。北海道連合海区漁業調整委員会のまとめでは、今年のカラフトマスの北海道沿岸の漁獲数(9月30日現在)は、昨年の半分以下の134万7千匹。過去20年で最少で、ピーク時の1996年の約8%だった。継続的に孵化(ふか)放流事業が行われているが、沿岸漁獲数は急速な減少傾向にある。
(クマとの共生、昨秋の出没現場で学ぶ:北海道)
昨年9、10月にクマが出没し、一時閉園を余儀なくされた滝野すずらん丘陵公園(札幌市南区)で11日、出没の経緯や同公園の対策を通じてクマとの共生について学ぶ勉強会が開かれた。利用者ら約20人が参加し、紅葉が深まる森の中、クマの痕跡が確認された場所を歩いた。クマの出没騒動から1年たち、公園のクマ対策を市民に知ってもらおうと、開発局が初めて企画した。参加者は講義でこれまでの経緯などを学んだ後、クマが出没した公園南西側の外周柵付近を見学。開発局によると、以前は小動物が通れるように柵に500カ所以上の隙間があったが、現在は閉じられている。クマが監視カメラで撮影された場所にも行き、クマのふんが落ちていた地点も確認。付近にはクルミやヤマブドウの木があった。公園の管理運営を受託する滝野管理センターの安達明彦副センター長は「柵の向こうはクマの餌場となっているのかもしれない。森は支笏湖までつながっており、すぐ近くにクマがいてもおかしくない」と話した。参加した南区の主婦(57)は「クマには罪はないが、私たちも公園で楽しみたい。共生の難しさを感じた」と話していた。
(勇壮、シカの角切り:奈良)
江戸時代から続く古都・奈良の秋の風物詩「シカの角切り」が11日、奈良公園(奈良市)の鹿苑で始まり、黒い法被姿の勢子役の男たちが雄ジカをつかまえるまでの勇壮な攻防に、観客から大きな歓声が上がった。角切りは、発情期で気性が荒くなった雄ジカが鋭い角で人を傷つけないよう、江戸時代初期の1671年に奈良奉行が始めたとされる。勢子が竹で作った「十字」と呼ばれる道具で角に縄をかけ、解こうともがくシカと力比べに。数人がかりで暴れるシカを押さえ、神職役が水を飲ませた後、のこぎりで角を切り落とした。
(ダーツの矢が刺さった「カラス」発見:北海道)
札幌市の公園で9月下旬、矢が刺さって飛べない状態のカラスが発見された。昼下がりに散歩中の男性が通報。警察は悪質ないたずらとみて捜査しているそうだ。報道によると、カラスに刺さっていた矢は長さ約8センチ、直径およそ0.5センチのプラスチック製で、ダーツに使う矢のようだった。警察はカラスを保護し、矢を抜いたうえで、雑木林に離したという。最近は、動物に対する「虐待」がしばしば問題となっているが、野生の鳥は法律でどのように保護されているのだろうか。「カラスは、路上のゴミをあさって散らかしたりするので嫌いだという人もいます。しかし、いじめて良いということにはなりません」渋谷弁護士は、このように切り出した。「ペットの虐待を取り締まる法律といえば、『動物愛護管理法』の動物殺傷罪が挙げられるでしょう。しかし、今回の場合は、あてはまりません。動物愛護管理法の動物殺傷罪は、対象範囲が一部の動物に限定されていて、野生のカラスは対象ではないからです」この法律で「みだりに殺したり、傷つけたりしてはいけない」と定められているのは、あくまで「愛護動物」に限られている。ここでの愛護動物とは、まず「牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと、あひる」。それに加えて、「人が飼育している」ほ乳類、鳥類、は虫類のことだという。「つまり、鳥についてはペットとして飼っているなど、持ち主がいる場合だけが処罰の対象です。ある人が『持っている』わけではない野生のカラスは、対象になりません」では、野生の鳥を保護する法律はある?「野生の鳥は、鳥獣保護法という別の法律によって保護されています。許可なく、すずめ、カラスなどを含む野鳥を捕まえたり、野鳥の卵を巣などから取ってくることは、原則として禁止されているのです。野鳥を捕獲したり、卵を採取すると処罰されます」今回の場合、捕獲とは限らないように思えるが・・・「条文の『捕獲等』には、野生の鳥を殺したり、傷つけたりすることも含まれると考えられています。この事件のカラスは、人が自分の物として『持っていた』ものではないので、野鳥にあたるでしょう。野鳥をダーツで捕獲・駆除することが、許可されるとは考えられません。したがって、ダーツを投げてカラスを傷つけた人は、許可なく捕獲し(傷つけ)たことになり、鳥獣保護法違反として、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処される可能性があります」渋谷弁護士は「どんな動物であろうとも、かけがえのない命があります。生き物をいじめることは慎みましょう」と締めくくっていた。
(アジア大会女子クレー銀、中山さん一日署長に:茨城)
11日から始まった全国地域安全運動に合わせ、結城署は同日、結城市在住でアジア大会女子クレー射撃・トラップで銀メダルを獲得した中山由起枝さん(35)を一日署長に任命し、同市中央町の市民文化センターアクロス周辺で街頭キャンペーンを行った。中山さんは県警の制服に銀メダルをかけて登場。同署や同市などから参加した約60人を前に、「何が出来るか悩んだが、地域の方々が自分たちのまちを自分たちで守ろうと活動していることに励まされた。負けないように先頭に立って、犯罪被害の防止を呼びかけます」とあいさつした。その後、同署の佐々木甲也署長らとともに、ドライバーや歩行者らにチラシなどを配り、ニセ電話詐欺や侵入盗への注意を促した。佐々木署長は「結城署管内の刑法犯認知件数は前年同期と比べ減ってはいるが、ニセ電話詐欺は被害額が増え続けている。皆さんと協力し地域を守る活動を盛り上げたい」と話した。
(狩猟の大切さPR、環境省フォーラム:熊本)
イノシシやシカなどの食害から農作物を守るため、狩猟の大切さをPRする「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」(環境省主催、西日本新聞社など後援)が11日、熊本市北区のフードパル熊本で開かれた。会社勤めの傍ら猟に携わっている人たちの体験談発表や、猟具の使い方の説明などがあり、市民ら約200人が耳を傾けた。県自然保護課によると、狩猟する場合は網▽わな▽銃-の3種類ごとに免許が必要。県内では延べ5035人が免許を持っているが、7割が60歳以上で、猟をできる人の急速な減少が心配されている。一方、県内の農作物被害額は2013年度に約4億5500万円に達し、駆除に協力する狩猟者の育成が課題になっている。フォーラムでは、狩猟歴3~16年の県内の「若手」5人が登壇。そのうち農業男性は「自分の手を動かして得た肉をいただき、豊かな暮らしができる」と魅力を紹介。動物の命を奪うことは「抵抗はあるが、それを忘れないようにしたい」と話した。会社員男性は「店に並ぶ肉を見ても命への尊敬を感じるようになった」と意識の変化を語った。会場では、実際のシカ肉のカレーライスやイノシシ汁などの試食会もあり、人気を集めていた。
(求むハンター:高知)
ある大学の名誉教授と雑談。農学部で教べんを取っていましたが、退官後に滋賀で農業を始めました。先祖代々の農地があり、軽い気持ちで始めましたが、野生鳥獣の被害に悩まされているとぼやいていました。この先生によると、最も悪質なのはサル。柵を軽々と跳び越え、集団で作物を荒らします。サル相手では、ハンターも二の足を踏むと嘆いていました。「シカやイノシシは昔から狩猟の対象だったが、サルは違う。さらに、ヒトに姿形が似ている分、撃ちにくいのでは」と解説してくれました。ただ、サルを駆除しない限り、安心して農作業に励むことができないと強調していました。こんな話を思い出したのは、県鳥獣対策課から「体感 狩りガール・狩りボーイ」と銘打った狩猟フォーラムを25日午後1時から、高知工科大(香美市)で開催するというチラシをいただいたからです。若い人に狩猟への関心を持ってもらおうと、県主催で初開催します。地産外商に力を入れている県にとって農林水産物は、“外貨”獲得の貴重な資源。加えて、移住促進でも農林水産業が受け入れ先となりますから、鳥獣の駆除は喫緊の課題です。同課の説明では、野生鳥獣の被害額は年間3億円前後。市町村による報告をまとめたものですが、「把握された被害は氷山の一角。実態はもっと深刻」と指摘しています。イノシシ、シカ、サルで被害の8割を超えています。一方、狩猟者は4900人程度で減少を続け、60歳以上が72%と高齢化が進んでいます。免許を取るために、県はさまざまな支援に取り組んでいますが、特に銃による狩猟者が落ち込んでいます。銃や保管庫購入など初期投資がかかるのが敬遠されているのでしょう。フォーラムは事前申し込み不要で、参加費無料。新潟県猟友会所属の女性が「ハンターになるために」との演題で講演▽狩猟免許取得相談▽銃やワナなどの猟具紹介▽野生鳥獣の肉を使ったジビエ料理の試食などが計画されています。こうした活動は定年後にこそふさわしいという意見を耳にしたことがあります。地域貢献になり、野山を歩くため健康増進にもつながります。捕獲によって報奨金が得られるケースもあります。
(今年も相次ぐクマの出没、変わりつつある人間社会とクマの習性)
長野県などで最近、クマの人里への出没が目立ち、11月ごろにかけて各地で捕獲などの騒ぎが相次ぎそうです。長野県大町市では5月以降140余件ものクマの目撃情報があり、3日までに5人が負傷しました。クマの餌となる山の木の実などの不足や、中山間地の過疎化、農業衰退など人間社会の変化も反映しているとの指摘もあり、背景は複雑です。北アルプス山麓に位置する大町市で9月20日、自宅庭先にいた中年の男性が、28日には同県朝日村と山ノ内町の山林、河川などで、10月3日には長野県小川村の山林でそれぞれ男性が襲われ、けがをしました。大町市は2010年の熊の大量出没以来4年ぶりに「クマ出没警戒警報」を出し、警察、地元猟友会と連絡を取りながら警戒を呼びかけています。同市内では9月だけで107件もの熊の目撃情報があり、同市消防防災課は「餌となる山のドングリなどの不作も影響しているのではないか」と話しています。長野県では2012年10月に県庁所在地・長野市のJR長野駅の在来線ホーム付近にクマが現れて大騒ぎになったこともあります。環境省によると長野県のクマ類による人身被害は大量出没があった2010年に14件14人、2012年に7件7人。今年は8月までに5件5人です。クマの捕獲(捕殺を含む)件数は2010年に430頭、2012年は448頭に上りました。昨年は138頭に落ち着きましたが、今年は7月までに147頭を数え、再び増加傾向です。野生生物の保護などに取り組んでいるWWFジャパン(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン・東京都港区)のまとめによると、野生鳥獣による農作物被害額は、農林水産省の統計で1999年度から200億円前後で推移し、クマによる被害額は全体の2%程度です。クマの場合に問題になるのは人身被害があることで、環境省の統計によると2002年以降、ヒグマとツキノワグマによる全国の人身被害は年間40~80人の年が多いものの、2006年には145人、大量出没した2010年には150人に上りました。WWFジャパンは、クマが安定して生息する東北、甲信越、北陸地方で事故が多いとしています。クマが人里近くや時には町の中にまで“進出”する背景についてWWFジャパンの那須嘉明さん(優先種担当)は、「秋にドングリなどの山の実りが少ないとクマは行動範囲を広げて人里に出てくる」としながらも、「それは一つの理由であって、ほかの背景もありそう」と言います。那須さんが注目しているのは、中山間地が高齢化などで過疎化し、田畑が草地に変わったりする環境の変化です。「人が住んでいて農業などに従事し、クマなどの野生動物を遠ざける場所にもなっていた中山間地が、その役割を失うことでクマが直接人家の近くにまで入り込んでくるようになったのではないか」と指摘します。さらに、かつて里山で炭焼き用に繰り返し利用したコナラやクヌギなどドングリがなる木に人間の手が入らなくなり、今は人里に近いクマの餌場となっている可能性がある――とも。北アルプスや里山の動植物に詳しい長野県塩尻市の元新聞社カメラマンで自然写真家の丸山祥司さん(69)は、「クマが人里に近づいて、人間に慣れて怖がらなくなったような気もする。夕暮れにスピーカーから町に流れる時報の音楽に合わせてクマが行動しているふしもある。人間の営みの世界に入りつつあるのかもしれない。そうすると、ラジオや鈴を鳴らして歩けばクマは逃げるというこれまでの考え方でいいのかどうか」と、ややショッキングな懸念を語ります。クマの被害への恐れから、クマの捕殺を求める住民も少なくないのですが、クマの数が減っている地域では法律に基づき保護管理をしています。絶滅のおそれのある貴重な動物として、鳥獣保護法でツキノワグマの狩猟による捕獲が禁止されている島根、広島、山口県にまたがる地域は長野県などとはまったく事情が異なります。その一方で長野県のようなクマ出没県でも、軽井沢町ではクマに「お仕置き」をして放し、人間社会に近づかないようにする試みが行われています。クマの出没は人的被害の防止、動物保護のあり方、共生の試みの行方などさまざまな課題を人間社会に提示しているといえます。現実に戻って、クマに遭遇した場合、どうしたらいいのか。大町市では対応策として、(1)熊が出没している地域周辺では、活動が活発になる明け方・夕暮れ時の外出はなるべく避ける、(2)熊に人間の存在を知らせるため、鈴や笛を鳴らしたり、ラジオをつける、(3)熊のふんや足跡を見つけたら引き返す、(4)子熊を見つけたら近くに母熊がいます。非常に神経質なので、絶対に近づかない、(5)万が一、熊に出合ったら、落ち着いてその場から離れる。その際、熊に背を向けず、熊を見ながらゆっくりと落ち着いて後退。大声を出したり、走って逃げるのはやめる、(6)襲われたら、両腕で顔や頭をガードして大けがを避ける――などを挙げています。また、刺激物を成分にしたクマよけスプレーを携帯する登山者もいます。外国製は1本1万円前後。製品によりガスの噴射距離約10メートル、噴射時間9秒などの機能が記されています。

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10/10
(クマ監視カメラ設置:石川)
金沢城公園(金沢市)で九月下旬にクマが捕獲されたことを受け、石川県は九日、公園外周の雑木林に、十基の監視カメラを設置した。職員らが毎朝カメラの映像をチェックして素早い対応を取ることで、金沢を代表する観光地の安全・安心につなげる。対象は一般が立ち入りできず、樹木や草やぶが多いエリア。おりにかかったクマが見つかった甚右衛門坂から本丸園地周辺にかけて九基を、石川門付近に一基を、職員が木の幹に固定した。具体的な場所は非公表だが、専門家の意見を踏まえて園内に侵入した際の動線を考慮、漏らさず撮影できるよう選んだ。カメラは二十四時間動き、動物の熱を感知すると自動で撮影を始める。職員らは毎朝巡回し、記録媒体(SDカード)の中身を確認する。クマが映っていた場合は速やかに市や県警、猟友会に連絡する。県金沢城・兼六園管理事務所の猿田秀一所長(56)は「カメラで『絶対に安全だ』と確認し、来園者に不安を与えないようにしたい」と話した。冬眠が近づく十二月中旬まで設置する予定。県内では広範囲で出没情報が相次いでいる。今年の目撃は八日現在で百九十一件で、前年より41%多く過去十年では最多。奥山の餌が少ないとも予想されており、県は警戒を強めている。
(天草でシカ繁殖か:熊本)
天草地域で長年生息が確認されていなかったシカ(ニホンジカ)が9日、天草市有明町赤崎のヒノキ林で捕獲された。海を泳いで渡って来たシカが繁殖している可能性があり、市は農林業被害を懸念している。市農林整備課によると、午前11時半ごろ、イノシシ駆除用のくくりわなに掛かっているが見つかり、地元の猟友会メンバーが処分した。体長は1・2メートル、体重は45キロほど。角が生えた雄で、2歳くらいとみられる。天草地域では、貝塚からシカの骨が出土しているが、熊本大の研究者らが30年ほど前に実施した本格的な調査では見つからず、いなくなったと考えられてきた。ところが、数年前から目撃情報が寄せられるようになり、昨年10月に上天草市龍ケ岳町の山間部で写真が撮影された。市ではシカ同様、長年いないとされてきたイノシシが近年爆発的に増加。農作物被害額は年間3千万円を超えている。一方、増えすぎたシカが森林を荒らす被害は全国的に問題化している。「親がいて繁殖してるのかもしれない。イノシシよけの柵は低くてシカには通用しない。数が増えれば対策が必要になる」と同課。情報収集を進める一方、一斉捕獲を検討している。
(クマ出没急増、思わぬ場所にも油断大敵:福井)
県内でツキノワグマの出没件数が増えている。9月下旬にはあわら市、永平寺町で人身被害が発生した。今後も出没は冬眠に入るまで続くと予想され、人間の生活圏に寄せ付けない予防策を講じるなど注意を払いたい。県内の出没件数は今年4月以降、9月末現在で326件に上る。4~8月で2005年以降最多となったが、さらに9月に入り急増。ひと月で114件を数え、前年9月(11件)に比べ10倍超となった。9月21日には、あわら市波松の畑で農作業中の男性が襲われ、大けがを負った。現場は小学校から約500メートルと近く地域住民は肝を冷やした。同市内でも今年は既に昨年の倍の出没件数に上り、市は防災無線やホームページ、回覧板で注意を呼び掛けている。出没エリアの6カ所におりを設置し捕獲を狙うほか、パトロールを強化していく。22日には、永平寺町の山中でも観光に訪れていた男性が被害に遭った。県は相次ぐ人身被害を受け、県内市町の担当者を招集。現状や予防対策を確認し、出没情報の収集や住民らへの注意喚起、パトロール強化、捕獲などの徹底を呼び掛けた。近年では2010年も今年と同様、9月に102件と大量出没した。その後も出没件数は10月300件超、11月200件超、12月も20件を超えた。この傾向を踏まえれば今年も、12月上旬まで引き続き大量出没が懸念され、注意を怠ってはならない。クマが人里におりてくるのは山のエサ不足からだ。県によると、今年は奥山のブナが凶作、ミズナラも里山のコナラも不作となっている。さらに近年は捕殺も少なく生息数が増え、里グマ化するなど生息域が広がっていることも背景にある。「今まで見たことがない」「出るはずがない」と思っている地域でも油断せずに、「現れるかもしれない」と用心したい。クマの被害に遭わないために、まず出没傾向を知っおく必要がある。秋冬の人身被害の発生は山際の住宅地周辺や畑、少し入った山林内が多く、時間帯は早朝や夕方が多いという。出合い頭に襲われる事例から、山際や畑周辺の草を刈り視界を良くしておくことが大事だろう。人里や集落にクマを寄せ付けないために、生ゴミや農作物の残りなどを家回りに置かないことは当たり前と肝に銘じたい。またカキやクリ、ギンナンなどは早めに収穫し、いつまでも放置しない方がいい。クマとの遭遇を避けるために、山に向かう時は鈴を付ける、ラジオの音を出していくなど、人の気配を感じさせる回避の決まり事を必ず実践し身を守りたい。

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10/9
(釣り人、クマに襲われる:長野)
8日午前8時ごろ、大町市平の木崎湖畔の雑木林で安曇野市のアルバイト男性(42)が熊に襲われてけがをしたと、近くの住民から110番通報があった。大町署によると、男性は顔を熊に引っかかれ、ドクターヘリコプターで松本市内の病院に運ばれた。命に別条はないという。現場は湖の北西で周辺には田が広がっている。猟友会員らが雑木林を捜索したが、熊は発見できなかった。同署によると、男性は雑木林に入って魚釣りをしようとしていた際、茂みから突然現れた熊に襲われ、近くの民家に助けを求めたという。木崎湖には早朝から多くの釣り人が訪れている。男性が襲われた際、雑木林から50メートルほど離れた湖上でボートに乗ってヘラブナ釣りをしていた自営業男性(70)=埼玉県加須市=は、「突然に『ギャー』という大きな叫び声が聞こえた。駆け付けた警察官に危ないと言われたので、30分ほどボートに身を伏せていた。怖かった」と話していた。雑木林の西側にあるパラグライダー着陸場の管理者森春雄さん(69)=大町市常盤=は、「お客さんの安全のために朝夕は犬を連れて来て警戒したい」と話していた。大町市で熊に襲われてけがした人は今年6人目。現場近くの西海ノ口地区では度々熊の目撃情報があり、市職員が巡回したり、防災行政無線や緊急メールで住民に注意喚起していた。
(熊出没続く、塩尻で1頭射殺:長野)
7日午前、松本、塩尻、安曇野の各市で熊の目撃が相次いだ。塩尻市洗馬ではおりにかかった熊1頭を射殺した。安曇野市では6日夕から7日午前にかけて目撃情報が5件寄せられた。うち1件は、同市穂高南小学校の敷地内で、同校は臨時休校とした。いずれもけが人は出ていない。塩尻市洗馬では午前7時ごろ、近くの小出厚さん(77)の畑の脇に市が設置したおりに熊が入っているのを、小出さんが発見して猟友会員に連絡した。駆け付けた猟友会員が熊を射殺した。市猟友会によると、熊は体長約1・5メートルで体重は約100キロ。雄で7、8歳とみられる。洗馬では6日、熊の足跡が見つかったことから市が防災無線で注意を呼び掛けていた。地元の洗馬小は集団下校をしている。安曇野市では7日午前3時半ごろ、同市穂高の穂高南小学校を通り掛かった新聞配達員から「敷地内に熊がいた」と110番通報があり、同10時ごろには穂高有明で「熊が道路を渡って山に入った」と安曇野署に通報があった。6日も午後5時ごろに穂高有明、同8時ごろに堀金三田で、それぞれ住民から熊を見たと通報があった。同10時ごろには市街地のJR穂高駅近くで「熊が道路を横断していた」と110番通報があった。安曇野署と市消防団は7日未明から午前8時ごろまで周辺を巡回し、穂高地域の防災行政無線などで注意を呼び掛けた。小学校の下校時間の午後3時ごろから再び警戒を強める方針だ。穂高北、穂高西の2小学校は集団下校、穂高東、穂高西の2中学校は部活動をやめて早めの下校を促す。安曇野市では、6日早朝に穂高有明で熊を見たとの情報があり、猟友会や安曇野署が捜索、昼すぎに穂高北小学校近くで体長約1・5メートルの雄を射殺している。松本市波田では7日午前7時半ごろ、「熊が国道を渡っていた」と通行人から松本署波田交番に通報があった。署員が付近を捜したが、熊は確認できなかった。
(熊の死骸、車と衝突か:長野)
9日午前1時50分ごろ、塩尻市宗賀の国道19号の路肩で熊が死んでいる―と、国土交通省飯田国道事務所(飯田市)に車で通り掛かった人から連絡があった。車と衝突して即死したとみられる。同事務所と塩尻市農林課によると、熊は体重60キロほどで推定4歳、性別は不明。市街地方面に向かう車線の路肩に倒れていた。死骸は通行に支障がないよう撤去した。現場はJR中央西線日出塩駅から塩尻市街地側に500メートルほどの場所。一帯は山林だが、民家や工場が点在している。同日午前6時50分ごろには、安曇野市穂高有明の有明山神社から東に約500メートルほどの山林で、捕獲用のおりに熊1頭がかかっているのを地元の猟友会員が見つけ、市に連絡した。市によると、熊は体長1・4メートル、体重80キロで6歳の雄。猟友会員が約2時間後に射殺した。県内では今秋、市街地を含めた場所で熊の目撃例が相次いでいる。県林務部のまとめでは本年度に県内で熊に襲われてけがをした人は20人となり、記録が残る2006年度(18人)以降最多を更新している。
(乗用車とクマ衝突:栃木)
8日午前2時45分ごろ、宇都宮市石那田町の日光宇都宮道路上り線で、埼玉県桶川市、建築業男性(28)の乗用車が道路を横断中のクマと衝突した。男性と同乗の男性(27)にけがはなく、車のバンパーが損傷した。クマは死亡した。県警高速隊によると、クマは体長約1・3メートル。道路左から右に横断していた。
(クマ目撃:栃木)
8日午後8時40分ごろ、那須町湯本の町道でクマ1頭が目撃された。那須塩原署によると、クマは体長約1メートル。道路を南から北へ横切っていったという。車を運転していた人が目撃し、那須交番に通報した。同署は付近を警戒するとともに注意を呼び掛けている。
(クマ目撃:栃木)
8日午前10時40分ごろ、那須塩原市西岩崎でクマ1頭が目撃された。那須塩原署によると、クマは体長約1・3メートル。道路を北から南に横切り、森林内に歩いていったという。通行中の男性が目撃した。現場は細竹交差点から約30メートル西側。同署は付近の警戒や注意を呼び掛けている。
(クマ目撃:栃木)
8日午後2時20分ごろ、日光市所野の県道でクマ1頭が目撃された。日光署によると、クマは体長約60センチ。県道東側の歩道から山林へ入っていったという。散策中の観光客が目撃した。現場は霧降の滝入り口付近。同署は付近の警戒や注意を呼び掛けている。
(クマ目撃:栃木)
7日午後0時10分ごろ、日光市中宮祠の小田代ケ原でクマ1頭が目撃された。日光署によると、クマは体長約1メートルで、北へ向かっていったという。ゴミ収集作業をしていた人が目撃した。現場は周辺にバス停などのある場所。同署は付近の警戒や注意を呼び掛けている。
(小学校そばにクマ3頭:滋賀)
8日午前8時10分ごろ、滋賀県米原市上野の伊吹小学校体育館南側の県道を親子のクマ3頭が横切るのを、散歩中の住民が見つけた。当時、児童94人は登校して校舎内におり、けがなどはなかった。米原署などによると、親グマは体長1メートル、子グマ2頭は約50センチ。市は防災行政無線で注意を呼びかけている。同校は平常通り授業を行い、児童は休み時間には屋外に出ないようにし、集団下校させる。
(野生サル、住宅街で目撃:神奈川)
藤沢市などの住宅地で7、8の両日、相次いで野生のサルが目撃された。市環境保全課によると、8日午前6時45分ごろ、同市下土棚の民家の屋根にサル1匹がいるのを住民が見つけ、市に届けた。オスのニホンザルとみられる。被害の通報は寄せられていない。7日には、約1キロ離れた綾瀬市上土棚の小学校でサルが目撃されており、同課は同じサルとみて、近づいたりえさをやったりしないように注意を呼び掛けている。
(クマ、晩秋まで警戒:栃木)
栃木県内で10月に入ってからも連日、クマの出没が相次いでいる。背景にはクマの餌となるドングリなど木の実(堅果(けんか)類)の不作があり、県自然環境課は「不作の年は晩秋までクマが人里に現れる可能性がある。十分な対策を取ってほしい」と注意を呼びかけている。矢板市上伊佐野で4日午前9時半ごろ、川沿いの市道を歩いているクマ(体長約1メートル)を自転車の中学生が目撃。同日午後7時20分ごろには同市幸岡の市道で、車を運転中の女性が前方を横切る子グマ(同約60センチ)を見た。日光市瀬川でも同日午後8時半ごろ、車で県道を走行中の人が前方を横切るクマ(同約1メートル)を目撃した。県自然環境課のまとめによると今年4〜9月のクマの目撃件数は143件で、前年同期(70件)から大幅に増加。9月だけで62件の目撃情報があった。また、4〜9月末の捕獲頭数(捕獲後に放獣した頭数も含む)も58頭に上り、前年同期(29頭)に比べ倍増している。クマは山に餌が不足すると人が住む地域に下りてくる。例年、山に餌が少ない夏はクマが人里に出没しやすく、ドングリが実る秋になるとクマは山にこもって餌を食べ冬眠に備えるが、不作の年には餌を求めて人里に現れる傾向がある。同課が9月上旬に県内の高原、県北、県南3地域で行った堅果類の豊凶調査によると、今年は凶作から不作のレベル。ミズナラは高原、県南が凶作、県北が不作▽コナラは高原、県南が不作、県北が並作▽クリは高原が不作、県南、県北が並作−−となった。県は、クマを人里へ寄せ付けないための対策として、収穫予定のない柿やクリは伐採したり実を除去する▽生ゴミや廃棄野菜を庭や裏山に捨てない▽犬や猫の餌は夜間は屋内に入れる−−などを求めている。また、もしクマと出合ってしまった場合は「静かにゆっくり後退して離れ、絶対に近づかないで」と呼びかけている。県内に生息するクマはツキノワグマで、県は約200頭と推測。臆病でおとなしい性質だが、子グマを連れている親グマは防衛本能で襲ってくることがあるといい「襲ってきたら、地面にうずくまり、首の後ろで手を組んでクマが立ち去るのを待つなどして身を守ってほしい」(同課)という。
(クマ出没、残飯放置せず鈴付けて:岐阜)
中濃地域では9月以降、人里に近い場所でクマを目撃したという情報が出始めている。報告は今のところ美濃市で2件。だが、関市内の山林でもクマがスギやヒノキの樹皮を剥いだと思われる痕跡があるとの情報が寄せられている。各自治体は注意を呼び掛けているが、万が一、クマに遭遇してしまったら-。専門家に対処法を聞いた。県博物館の説田健一学芸員は、クマが頻出している原因を「マイマイガの異常発生で、食料となる木の実が少なくなっているのかもしれない」と分析する。県自然環境保全課の担当者も「本年度はブナ、ミズナラ、コナラが同調して不作」と話しており、飢えたクマが食べ物を探しに集落などへやってくる可能性を指摘する。美濃市産業課によると、市に直接寄せられた情報以外にも「クマを見た」と言っている人がいるもようだ。クマは基本的に夜行性だが、日中も餌を求めて活動している場合があるという。山から下りてきたクマを、民家などに寄せ付けないためにはどうすればよいか。「ぎふ哺乳動物研究会」の梶浦敬一さんは「家の周辺に残飯を捨てたり、果樹園で育てていて腐ってしまったカキやモモなどを放置したりすると、クマを誘引してしまう」と話す。養蜂用に設置した巣箱も、そのままにしておくと危険だと指摘する。登山やキノコ狩りなどで山道を歩く際にも注意が必要だ。梶浦さんは、ジュースの空き缶を持ち歩いているだけでも、においに敏感なクマをおびき寄せてしまうと説明。その上で「クマは人間に気付くと逃げていくので、鈴を付けたりラジオを流したりして存在をアピールするのが効果的」と対策を説く。それでもクマに遭遇した場合には、急に動いたりしゃがんだりせず、静かに後ずさりしながらクマとの距離を取る方法がよいとされる。美濃市猟友会の木村紀男会長は「クマに背中を見せると追いかけてくるし、死んだふりをするのも効果がない。クマより大きな声を出して威嚇するのも一つの方法」と教えてくれた。
(クマ出没件数、今月急増:滋賀)
県内でツキノワグマの出没件数が増えている。県によると、四~九月の間にクマが目撃されたり捕獲されたりしたのは四十一件で昨年並みだが、十月に入ると八日までに七件と急増。冬眠に備えて活発に餌を探し回るようになると、さらに出没が増えるとみて県が注意を呼び掛けている。四十一件の内訳は、湖北(長浜、米原市)二十四件、高島市九件、大津市八件。十月一日には、長浜市木之本町古橋の己高(こだかみ)山(九二三メートル)に続く尾根道で三重県の男性が子連れのクマに襲われ、右足をかまれる事故が発生しており、地元猟友会が周辺にわなを仕掛け警戒している。原因として考えられるのは生息地での餌不足。県の調査によると、今年はドングリの実をつけるブナの木が、ミズナラと合わせて“凶作”。また害虫による「ナラ枯れ」の現象が大津市内で特に目立つという。県自然環境保全課副主幹今城克啓さん(44)は八、九月に相次いだ豪雨も一因とした上で「ここ十年、凶作が続いており、森林の状態悪化が大きい」と指摘。クマ対策として、家の外に生ごみを置かないことや、山に入る時はラジオや鈴などで音を出して存在を知らせることなどを注意事項として挙げている。米原市上野の伊吹小学校付近で八日、親子グマが目撃され、市が防災行政無線で注意を呼び掛けるとともに米原署のパトカー三台が周辺を警戒した。児童らにけがはなかった。近くの男性(73)が、同校体育館南側の県道を横切る三頭を見つけ、市林務課と学校へ伝えた。男性は「初めて見たが、心臓が止まりそうだった」と驚きさめやらぬ様子。中島妙子校長(56)は「校舎内にいたのは不幸中の幸いだ」と話した。児童は集団下校し、教員がクマ鈴を持って先導して家まで送り届けた。
(クマ出没注意して、木の実少なく早くも41件:滋賀)
今月に入り、県内でツキノワグマの出没が目立ち始めた。今秋はクマが食べる木の実が少ないといい、冬眠を前に数が増える可能性がある。登山客が襲われる被害も出ており、県や市町、警察はパトロール強化やポスター掲示などを通じて注意を呼びかけている。県によると、今年度の目撃情報は長浜、米原、高島、大津4市で41件と、昨年度の54件に迫っている。1日午前8時半頃には、長浜市木之本町古橋の己高こだかみ山の山道で、登山中の男性が親子の2頭に遭遇し、足をかまれる軽傷を負った。県内で負傷者が出るのは4年ぶりで、市は県の許可を得て現場近くに捕獲用のオリを設置。周辺にポスターを貼るなどして啓発している。8日午前8時10分頃には、米原市上野の伊吹小体育館近くで親子の3頭が住民に目撃され、同小は児童に昼休みなどに外で遊ばないよう注意喚起。保護者にもメールで連絡し、中島妙子校長は「あと10分ほど早かったら登校中の児童が出会っていたかもしれない。クマよけ鈴の着装を確認し、集団下校させたい」と話す。9日朝は、職員が通学路に立って安全を確保する。県と県立大の調査では、今年度はクマの主食のドングリの実が少なく、ブナ、ミズナラが4段階で最少の凶作、コナラは下から2番目の不作。クマの目撃情報が過去10年で最多の322件に上った2010年度と同じ傾向にあるという。県の担当者は「春頃に大量発生した蛾がの幼虫が葉を食べたことなどが影響し、ドングリが少なくなっている」と分析。「冬眠に向け、エサを探して活発に移動する時期で、人里まで下りて果樹などを食べているのでは」と説明する。秋の行楽シーズンを迎え、県警も「クマの行動範囲は広く、特定の場所だけの問題と考えずに警戒してほしい」としている。民家や人に近寄らせないためには▽家庭などで、ごみを外に置かない▽柿の木の周りなどには電気柵を設置▽管理されていない果樹は伐採する▽登山時などはクマよけの鈴をつける――などがある。夜行性のため、夜の外出や朝の通学・通勤には特に注意が必要だ。人を見ると驚いたり、子グマを守るために親グマが威嚇したりすることがあるため、県は遭遇した場合▽背中を見せないようにゆっくり立ち去る▽撃退しようとせず、クマが立ち去るまで待つ▽攻撃が避けられない状態になれば地面のくぼみにうつぶせになり、両手で頭や首を守る――ことを示している。
(クマとの遭遇に注意:長野)
長野県内で10月に入ってからも、クマの出没が相次いでいます。山々に生息するクマも冬ごもりに向けて、餌を求め活発に活動を行う時期でもあります。クマから身を守るため次のことに注意しましょう。クマに遭遇しないようにするには、人間の存在を知らせるため、家の近くであっても笛・鈴・ラジオなど音の鳴るものを身につけましょう。早朝や夕方、キノコ狩りなどで入山する場合は2人以上で行動するなど特に注意してください。
(クマよけの鈴を配布へ:福井)
今年に入り、クマが例年見られない地域でも目撃情報が続出し、九月二十二日には県が最も危険度が高い「出没レベル4」を宣言したことを受け、福井市は小中生を対象にしたクマよけの鈴の普及へ準備を進めている。清水、国見、越廼の各地区など、比較的標高の低く、クマの姿がほとんど見られない地区を中心とした二十四校が対象。クマが頻繁に現れる地区には福井フェニックスライオンズクラブから鈴の寄贈があるが、それ以外の地域では鈴を持たない児童がほとんど。市は約八百五十個を発注し、今月中には各校に配布する予定。社南小では、周囲にクマのすみかとなる場所もなく、児童の通学時に鈴を持たせていない。七月に校区内でクマの目撃情報が一件寄せられてからはバス通学などで対応。さらにクマの行動が活発化する前に、鈴を持たせることを決めた。市有害鳥獣対策室によると、標高の低い地域にはクマのエサとなる植物が少なく、クマが活動することは少ない。今年は個体数が増加し、越前町などからエサを求めて移動してきたとみられる。
(ジビエ普及で捕獲増え、野生動物の被害減った:三重)
シカやイノシシなど野生動物による2013年度の農林水産被害額は6億2900万円で、前年度に比べて7000万円減ったことが三重県の集計で明らかになった。被害額は11年度の8億2100万円をピークに2年連続の減少。県は、ジビエ料理の普及などに伴い、野生動物の捕獲頭数が10年度以降、高水準で推移していることも要因の一つとみている。集計によると、農業被害は3億2400万円で、主な動物別の内訳は、イノシシ1億2100万円、ニホンザル1億900万円、ニホンジカ6800万円。このほか、林業被害は2億5600万円、カワウなどによる水産業被害は4900万円だった。市町による被害防止計画の作成を定めた鳥獣被害防止特別措置法の施行(08年2月)により、09年度まで計2万頭以下だったニホンジカとイノシシ、ニホンザルの捕獲頭数が10年度には計2万7865頭に急増。13年度も計2万7582頭を捕獲した。特にニホンジカの捕獲頭数は09年度に比べて7割増となっている。県は捕獲された野生動物を利活用するため、県の品質・衛生管理マニュアルに沿ってシカやイノシシの肉を提供している事業者を認定する「みえジビエ登録制度」を昨年12月に創設。これまでに18事業者、31施設が登録されている。
(神出鬼没、イノシシに注意:千葉)
房総丘陵を中心に生息が確認されているイノシシだが、山間部がある山武郡市の一部自治体でも警戒を怠ることはできない。農作物の被害防止で東金市は駆除作戦を展開、農家も自衛策を講じる。
(駆除頭数、多すぎないか:宮崎)
県内の鳥獣被害について先日取材し、農作物などへの食害防止を目的にした「有害捕獲」や狩猟で昨年度、合わせて2万5203頭のシカが捕殺されていることを知った。気になって「県内には全部で何頭いるんですか?」と県自然環境課の担当者に質問してみた。返ってきた答えは、4万1000頭(2012年度末時点)。県内には139カ所の観測ポイントがあり、そこで確認したフンの量などを基に推定生息数を出しているのだという。算出方法には感心したが、同時に「捕殺頭数が多すぎないか?」という疑問が起きた。昨年度は6割強が殺されている。このままではすぐに絶滅してしまうのではないか。疑問をぶつけると、担当者は少し間を置いて「しかし……シカが激減したという話は聞きません。県境をまたいで移動するので、実際に何頭いるか確定させるのは難しいんです」と、生息頭数は「あくまで推定」と改めて強調し、今後も捕獲に力を入れていく方針だと付け加えた。県は、1万5000〜2万頭が「適正数」と考えているそうだ。だが毎年、多くの野生動物を「殺さなければならない」現状は、人間と動物両方にとって不幸な状態ではないだろうか。そう思えてならない。
(ヘルシーな上に美味しいシカ肉から学べる意外な事実)
人間は、地球上の資源を恩恵として利用し、また多様な生物たちと無縁では過ごせません。豊かで便利な暮らしが当たり前の現代は、そのことを忘れてしまいがちです。近年多く聞かれるようになったシカによる農作物被害等の問題は、人間と自然とのつながりについて考えさせられるテーマです。海外ではジビエ料理の一つとして食されるシカ肉ですが、日本の家庭では牛豚鶏肉ほど身近ではありません。しかし実は日本でも、古くから肉が食され、毛皮も利用されていました。資源として高い価値のため、昭和初期までに捕り過ぎによりニホンジカが絶滅寸前となったため保護政策が実施されました。その結果、各地でシカの増えすぎによる被害が深刻化し、2010年度の農作物被害金額は約77億5千万円。また多くの植物を食すことで森林機能が低下、生息する多くの動物にも影響を与えています。兵庫県立大学准教授 横山真弓氏によると、ニホンジカが増えた原因は、繁殖力が高い上に人がシカを捕獲しなくなったこと等があげられます。現在兵庫県では、年間約3万5千頭のニホンジカが捕獲されますが、今後数年間は3万頭以上の捕獲を続ける必要がある(絶滅の危機もない)と予測されています。捕獲したシカを食用にする取り組みもされていますが、これまでは野生動物の肉は家畜のような法規制がなく、各自治体が独自で基準を作っています(厚生労働省では報告書をまとめ、近く指針を出す)。ニホンジカは、家畜と比べても人獣共通感染症は少ないのですが、野外での解体処理は食中毒菌に汚染される原因となります。兵庫県ではシカ肉の衛生的な処理方法等を示したガイドラインを策定し、ガイドラインにそった食品は、兵庫県認証食品として認可されます。認証ブランド「丹波姫もみじ」は、3年間トレースバックできる体制で安全・安心の確保に取り組んでいます。また兵庫県は「ニホンジカ有効活用研究会」で、生産から流通方法の検討、料理講習会などの普及活動も実施しています。このように普及の動きは活発ですが、根深い問題もあります。各自治体は、猟友会などに捕獲を促していますが、現実は捕獲されたシカはほとんど廃棄されてきました。というのは、家畜と異なり一頭あたりの肉の量が少なく手間がかかり、仕留めてすぐに適切に血抜きしなければ肉質が低下するため、狩猟と解体処理には高い技術が必要です。また猟師の高齢化が進み、技術や倫理感の伝承の場も減っています。環境省は、ハンターの役割についての理解と育成を進め、年々捕獲数は増加していますが、毎年増える個体数すら捕獲できないため減少傾向は見られません。「丹波姫もみじ」の藤本裕昭氏は「現状は、シカの数を減らすことが優先されていて、食べることを前提にされていない。一つの命を奪った以上は、無駄にせずきちんと最後までその命を活かしきれるようにしたい」と話されたことが印象に残りました。都会で暮らす私たちには何もできないように思いますが、これからジビエがおいしい季節ですし、加工品なども流通していますので、シカ肉を見かけたらまずは一度味わってみましょう。適切に処理されたシカ肉はおいしく、低脂肪・高タンパク、鉄分も豊富と、栄養面でも注目されています。そして、皿の向こう側にある命や、人の暮らしと自然とのつながりに少しでも思いを寄せて、おいしく、有り難くいただきたいものです。
(なぜ今、獣害が問題に?:滋賀)
最近、クマやシカ、イノシシの被害を新聞でよく目にするけど、以前より多くなったの?県内ではシカ、イノシシ、サル、カワウが4大害鳥獣といわれているんだけれど、中でもシカとイノシシによる被害がとても大きい。昨年度の県内の農業被害額約2億2600万円のうち8割近くを占めている。A シカやイノシシは増えているの?Q 県によると、県内のシカの適正な生息数は約8000頭なんだけど、現在の生息数は推定で4万7000〜6万7000頭。イノシシについては施策が追いついておらず、推定頭数すら出ていない。獣害は全国でも大きな問題で農業被害額は200億円超。さらにシカの場合は山の下草を食べ尽くすために生態系にも大きな影響が出ているんだ。A でも、なぜ最近になって山から里に出てくるようになったの?Q 要因は大きく二つ。一つは過疎化。山に近いところにある畑などに人が行かなくなり、シカやイノシシにとっては絶好の餌場になっている。耕作放棄地はその典型だけど、人がいないと、怖くないからシカやイノシシは里まで出てくる。そうしたらそこにはおいしい食べ物があるから、ますます出てくるという悪循環が生まれている。もう一つの要因は、猟師が減ったこと。そもそもシカやイノシシは山の動物ではなく、平野の動物。どうして今は山にいるのかというと、人間に追われて山にすむようになったからなんだ。その追いやる力が狩猟で、天敵のオオカミがいなくなって以降、狩猟によって人と動物のすみ分けや頭数の調整が行われていたのに、狩猟人口が激減しているんだ。県猟友会によると、県内には30年ほど前は3000人くらいいた狩猟者が今は1000人あまり。しかも、60歳以上が7割くらいを占めるというんだ。これからさらに深刻になるだろうね。A 街にまで出てきたりして。Q いや、冗談ではなく心配されている。野生動物を管理するのは環境省だけど、昨年取材した担当者は「農村だけではなく、近いうちに都会にも出現する」と危惧していた。実際、大分市では大型商業施設のエスカレーターをイノシシが走った事件があったし、京都市の商店街でバイクに乗った女性が夜、シカと衝突した事故が起きている。A 対策はどうなの?
(「ジビエ」、今さら聞けないメリットと注意点)
今、”ジビエ”がブームの兆しを見せています。ジビエとは、フランス語で「狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉」を意味します。ヨーロッパでは貴族の伝統料理として古くから食されてきました。最近日本でも、鳥獣害対策で処理されたイノシシやシカを食肉として有効活用できるとあって、流通量が増えています。しかもこのジビエ、栄養も豊富で、さらに美味しいとあって最近ではジビエ料理を出す専門の料理店もあります。ワインとの相性も良いので、「ジビエを食べに行かない?」と女性を誘ってみれば、「お、この人ちょっと“ツウ”かも……」と思われるかもしれませんよ!?しかし、通常の食肉と違って野生肉ならではの注意も必要です。今回の記事ではジビエのメリットと注意点をご紹介します。野生で育ったものは、飼育されているものに比べて自然界を駆けまわって過ごし、エサも天然のものを食べています。ジビエの中でもよく食べられているのがイノシシやシカですが、これらは牛肉に比べて低カロリー(牛肉:411kcal、イノシシ:268kcal、シカ:110kcal)で、さらに脂肪の質がよく、動脈硬化や肥満の原因になる飽和脂肪酸の割合が低いことが特徴です。さらに、体内のさまざまな栄養素の代謝に関わるビタミンB群が豊富。ジビエは健康面を考えても良質な食材と言えそうです。ジビエを食す時に注意したいのが生肉を避けること。全国で生のイノシシ肉やシカ肉を食べたことによってE型肝炎や腸管出血性大腸菌症などの食中毒にかかったという報告が寄せられています。さらに寄生虫に感染するリスクもあります。E型肝炎は劇症化すると死亡する危険性があり、腸管出血性大腸菌症は焼肉店でのユッケの事件が記憶に新しいところですが、こちらも重篤な症状を引き起こします。これらの食中毒リスクは肉を加熱することで回避することが可能です。厚生労働省も、ジビエの消費量が増えていることに対して、衛生管理のガイドラインを作成し、消費者が安心してジビエを食べられるような環境整備を行っていくと発表しています。これから認定・登録制度ができれば、きちんと認定を受けた飲食店かどうかを確認した上でジビエを楽しめるようになりそうです。いかがだったでしょうか。ジビエには独特の魅力があり、一度食べたらファンになるという人も多いようです。ぜひ一度食してみては。
(2014年秋、クマの大量出没の予測)
2014年の秋、日本各地でクマの大量出没の発生が懸念されています。その要因の一つとして注目されているのが、堅果類(ドングリなど)の実りの状況です。WWFジャパンでは、堅果類の豊凶調査を実施した先進的な都道府県の情報を中心に、各都道府県の関連情報をまとめました。クマは例年、生息地である奥山に食物が少なくなる夏になると、ある程度の頻度で人里へ出没しますが、ドングリなどが奥山で実る秋になると、そうした行動は収まります。しかし年によっては、奥山の実りが不足することがあり、平常の数倍のクマが出没することがあります。これがクマの大量出没といわれる現象で、社会的な問題となっています。特に近年、本州では2004年、2006年、2010年に、全国的な大量出没が起こっています。その結果、クマによる農業被害や人身被害が多発。また、被害防止のため多くのクマが捕獲されました。こうした大量出没の原因は、クマの問題である食糧不足のみとは限りません。過疎化が進む中山間地域の社会・経済問題や、狩猟者の減少など、人間の側の問題もその要因の一つです。クマの大量出没は、これら複数の要素が重なって、起きると考えられています。とはいえ、その年のクマの大量出没に直接的な影響を与えていると考えられているのは、やはり奥山の食糧不足です。クマは冬眠に向け、秋になるとブナ・ナラ類などの実をたくさん食べますが、それらの木々がどのくらい実をつけるかは年によってさまざまで、ほとんど実をつけない年もあります。そこで、クマが秋の食物として依存している木々の実りを調べることで、ある程度、その秋のクマの出没傾向を予測することができます。出没予測の指標となる樹種は、地域によって異なりますが、主にブナ、ミズナラ、コナラなど堅果類(かたい皮や殻に包まれた果実や種子)が挙げられます。これらの「木々の実り調査(堅果類の豊凶調査)」は、都道府県単位で行なわれていますが、現在のところ、すべての都道府県が実施しているわけではなく、一部の先進的な自治体に限られています。事前にクマの出没を予測し、それに備えることで、クマとのトラブルを減らそうという取り組みは、とても意義があることだと考えます。今後はより多くの都道府県でより精度の高い調査が行なわれるようになると共に、調査の結果が広く告知され、多くの人に認知されることが望まれます。そこで、WWFジャパンでは、2014年秋に堅果類の豊凶調査を実施した都道府県が、公開している結果を取りまとめました。また、一部の都道府県が取り組んでいる堅果類の豊凶調査の他に、多くの地方自治体が注意喚起のために出しているクマの目撃・出没情報などについても収集しています。予めこうした情報と意識を持ち、行動することは、実際にクマの出没が起きた時に発生する被害を減らし、さらに被害を防ぐために行われるクマの捕獲を減らすことにもなります。WWFではぜひ、お住まいの地域やお出かけを予定されている地域の情報をご確認いただき、クマとの不要なトラブルを避ける一助としていただきたいと考えています。それは「クマとの共存」を考える上で、とても大切なことです。
(十津川の「食」アピール:奈良)
十津川村の源泉かけ流し宣言と世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」のダブル10周年を記念して、10日に初の「十津川食いもん市」が、同村平谷の昴の郷野外広場で開かれる。十津川村ならではの「食」をアピールする目的で、同村ホテル旅館組合が主催。村内で捕えたイノシシやシカの肉を使った猪(しし)汁(約300食)や炭火焼(約100人分)を無料で振る舞い。この日だけの「十津川ジビエバーガー」を、限定100個、1個500円(税込み)で販売する。同バーガーは、イノシシとシカの肉で作ったハンバーグをパンに挟んだもの。隠し味のユズやタカナも村産品。デミグラス風のきのこソースが相性ぴったりで、同組合の若手が試行錯誤を重ねて完成させた。メンバーの旅館業玉置晋也さん(33)は「シンプルに肉のうまさを味わってもらいたい。村産食材のハーモニーを楽しんで」と話している。このほか、吉野・熊野地域の自治体や団体も食品や特産品を販売。ものまねパフォーマンスやバリトン歌手の崔宗宝さんの歌唱、シンガーソングライター佐々木幸男さんらによるライブコンサートもある。また、村内4カ所の公衆温泉浴場が無料開放される。

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10/7
(住宅街に熊出没、雑木林で射殺:長野)
6日午前6時ごろ、長野県安曇野市穂高有明で「熊が歩いて行くのを見た」と住民から同市穂高支所に連絡があった。地元猟友会や安曇野署員ら約20人が捜索し、雑木林にいるところを見つけ、午後0時15分ごろ、射殺した。けが人はいなかった。安曇野署によると、熊は体長約1・5メートル、体重90キロで7歳ぐらいの雄。熊を射殺した現場は同市穂高北小学校に近い住宅街だった。同小は6日、台風18号の影響で登校時間を正午としていたため、熊出没の連絡を受けた教職員が通学路で子どもの見守りをした。安曇野市では6日午後10時ごろ、射殺現場から南東に3キロほどのJR穂高駅近くで、住民から「熊が道路を横断している」と110番通報があり、安曇野署が警戒している。
(クマ1頭目撃:栃木)
6日午後7時半ごろ、那須塩原市高林の市道を横切るクマ1頭を車で通行中の男性が目撃、110番した。那須塩原署によると、体長約1メートル。現場は高林小の東約2キロで、付近は民家が点在している。
(サル現れる、捕獲に失敗:三重)
津市丸之内の民家の屋根で六日、サル一匹が目撃された。市役所近くの市中心部での出没。人が襲われるなどの被害は出ていないが、市農林水産政策課は注意を呼びかけている。市や津署などによると、午後三時ごろ、女性から津署に「サルがいる」と一一〇番があった。午後四時ごろから市と県の職員、署員ら八人でタモや網などで約一時間にわたって捕獲を試みたが、見失ったという。体長は不明だが大人のニホンザルとみられ、市の担当者は「見つけたら近づかないようにして、通報してほしい」と話している。
(クマ撮影、自動カメラで:石川)
七尾市は六日、同市黒崎町の山中に設置した自動撮影カメラで、クマを確認したと発表した。市内では今年、クマの出没情報が十件あったが、確認は足跡のみで撮影、捕獲はなかった。クマが撮影されたのは初めて。市によると、撮影日時は、九月九日午後二時十八分。撮影されたのは成獣で、体長一・二メートルとみられる。市はクマの生息地調査のため、八月に自動撮影カメラ十五機を各地に設置。八月十三日から九月二十四日までのデータを解析していた。
(クマよけ鈴、品薄の店も:岐阜)
飛騨地域でクマの目撃情報が相次ぎ、人里で住民が襲われる事例も出ている今秋、ホームセンターでは例年になくクマよけの鈴が売れ、一部では品薄になる店も出ている。飛騨市古川町のジャンボあらき古川店の園芸コーナーには、鈴やベルなど大小八種類を置く。価格は一個八百~二千五百円台。六日昼は三種類を残して品切れの札が表示され、店側も「これだけ品が抜けることはない」。毎年この時期は山菜採りなどの入山者が買い求めるが、今秋は学校の遠足や登下校で子どもに持たせようと、保護者の購入や問い合わせが目立つ。高山市西之一色町のホームセンターバロー高山店の担当者は「例年の倍まではいかないが、売れ行きは順調」と話す。五百~千円台の鈴や笛など六種類をそろえ、この一週間で二十個近く売れた。在庫から順次店頭に並べている。別の店舗では、米国製のクマよけスプレーで、トウガラシ成分を噴霧する一本一万円台の商品も珍しく売れたという。人の存在を知らせ、遭遇を避けるためのクマよけの鈴。店頭には大きさや音が異なる複数の種類が並ぶが、NPO法人・日本ツキノワグマ研究所(広島県廿日市市)の米田一彦代表(67)は「クマは高い音に敏感で、風鈴のようにチリンチリンと鳴る方が効果がある。カウベルタイプのようにガラガラした低い音は効果が少ない」と指摘する。一人の場合、歩みを止めると音が鳴らず、効果は限定的だが、集団登下校などで複数人が身につけていると効果が高いという。
(キジさん大きく育って!児童ら放鳥:熊本)
生息数が減少傾向にあるとされる国鳥のキジの繁殖を目的に、県は6日、阿蘇地域の鳥獣保護区10カ所で計120羽を放鳥した。1962年から毎年実施しており、県全体では今年、計64カ所で1千羽を放つ。阿蘇市蔵原の阿蘇みんなの森(高塚鳥獣保護区)では、阿蘇小の1年44人が雌雄計24羽の放鳥を体験。多良木町の養殖場で5月に人工ふ化した体長40~60センチの成鳥を、県職員や県猟友会員と一緒に恐る恐る抱きかかえ、広々とした森に放った。キジが羽根をばたつかせて飛び立つと、子どもたちは歓声を上げて大喜び。佐藤玄君(6)は「見たことはあったけど、初めて触った。フワフワして温かかった」と話した。
(イノシシ肉に関心、販路拡大目指し試食会:島根)
「おおち山くじら」のブランドで売り出す島根県美郷町産のイノシシ肉の販路拡大を目指し、同町などがこのほど、東京都内で試食会を開いた。参加した都内在住の料理人や食肉関係者ら約50人が食感や味を確かめるともに、田畑を荒らす害獣を活用した取り組みに理解を深めた。町では、夏場に駆除されたイノシシの肉や革を使って産業創出を目指している。旬の冬に比べて脂が少ない上、臭みが強く、食用には不向きとされてきたが、生きたまま食肉加工場に搬入して処理するなど工夫し、課題を克服。都内にも販路を獲得しつつある。

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10/6
(クマに襲われ男性けが:長野)
3日午前6時50分ごろ、長野県大町市平の民家に隣接する畑で、この家に住む男性会社員(37)がクマに引っかかれ、頭などに大けがをした。同市では9月下旬から人がクマに襲われる被害が相次ぎ、けが人は5人となった。現場はりんどう幼稚園東側の住宅地。男性が畑にいたところ、自宅のわきから現れたクマに襲われた。大町署によると地元猟友会員らが周辺を捜索したが、逃げたクマは発見できなかった。男性は襲われる直前に持っていたカメラでクマを撮影しており、民家のわきを歩く体長1・2メートルほどのクマ1頭が写っていた。りんどう幼稚園はこの日は遠足で、園児は登園しなかった。男性が襲われた畑から500メートルほど南にある大町北小学校では、学校近くに住む児童の保護者に車での送迎を要請した。同市は、3日までとしていたクマ出没警戒警報を1週間延長。クマが潜む可能性のあるやぶなどに注意をするように防災無線で呼び掛け、市や県が下草刈りや河川敷の立ち木の伐採などを進める。週末は市職員によるパトロールもする。
(ジビエ料理、食中毒防止に十分な加熱を)
シカやイノシシなど野生鳥獣の肉を食材にする「ジビエ料理」について、厚生労働省の専門家検討会は安全に食べるための指針をまとめた。猟銃で捕獲する際の「狙い所」や、食中毒防止に必要な加熱温度など、狩猟から調理までの具体的な衛生管理方法を示した。ジビエ料理で国が基準を設けたのは初めて。指針では、食べても安全だと判断できない肉は破棄するのを原則にしている。食べられない獲物の例として、(1)脱毛が激しい(2)著しくやせている(3)既に死んでいる--などを挙げた。銃で狩猟する場合は頭や首を狙い、腹部は外すことを求めている。胃や腸の内容物が拡散し、肉が汚れる危険があるためだ。解体する食肉処理業者は、内臓に病変がないかをチェックし、腫瘍などが見つかれば、まるごと廃棄する必要がある。食中毒に備え、狩猟者の名前や狩猟場所、日時などの記録を一定期間保管することも求めた。調理の時に大事な点は加熱で、目安は「肉の中心部が75度になる状態で1分以上」。ジビエ料理を提供する飲食店は、肉を食肉処理業者から仕入れ、生肉は決して提供しないよう定めている。検討会は「野生鳥獣の捕獲数が多い地域では、狩猟者や食肉処理業者の認定制度を設けることを検討してほしい」と指摘。ジビエ料理を提供する飲食店の把握も必要としている。
(わな猟、5日に再開:静岡)
静岡県伊豆市は、鹿の捕獲中、猟銃の誤射で仲間が死亡した7月の事故を受けて中止していたわな猟を5日から再開する。7月末以降、猟を全面中止したことで鹿が市街地まで出没するようになり、住民から捕獲再開を求める声が相次いだためだ。肝心の猟師は高齢化が進み、再び事故が起こりかねない。苦肉の策として県は反すう動物が食べると酸欠を起こす餌の活用を模索する。県猟友会は7月20日の伊豆市で起きた猟銃による死亡事故を重く見て、同日から県全域でのわな・銃による有害鳥獣捕獲の中止を決めた。だが、捕獲を中止したものの獣害は深刻化。伊豆市を除く他の市町は8月から安全対策を徹底した上でわな猟を再開、銃による捕獲も9月下旬から再開した。伊豆市では、有害捕獲を中止していた約2カ月の間に被害報告が例年を上回る40件に達した。普段は見掛けない通学路に鹿が出没したり、鹿と自動車が衝突したり、イノシシが民家の庭を掘り起こしたりする被害が相次ぎ、わな猟再開を決めた。市は地元猟友会と事故後に作ったわな利用マニュアルに基づき安全対策を徹底。1人が負傷した場合でも連絡する人を確保し、複数人での行動を基本とした。ただ、銃の使用は引き続き中止する。県は事故防止へ会議を開き、対策を徹底することとした。一方、猟師の高齢化は進む。環境省によると11年度の全国の狩猟免許保持者19万8418人のうち60歳以上は66%。静岡県内はさらに高く60歳以上が69%を占める。高齢化が進めば、判断ミスが起こりやすく、大きな事故に直結する危険性は高まる。わな猟では捕獲対象外の動物がかかる場合があり、熊などがかかると人に危害を及ぼす恐れもある。そうした中、県の森林・林業研究センターが模索を始めたのが、鹿などの反すう動物が過剰に食べると酸欠を起こして死に至る硝酸塩を使った餌の活用だ。硝酸塩は反すう動物の第1胃に入ると、微生物が硝酸イオンを亜硝酸イオンに還元。血液中で酸素を運ぶヘモグロビンと結合し酸欠を起こす仕組み。この手法で捕獲した鹿は肉としての利用はしない考え。死んだ鹿を他の動物が食べても影響がないという。同センターの大場孝裕上席研究員は「鹿の数が増え過ぎて、森林の草木が荒れて生態系を回復できない」と実態を指摘。県は「鹿被害は深刻な状況。このままでは農業、林業を守ることができない。硝酸塩での捕獲について住民の理解を得ながら実用化を検討していく」と説明する。
(県道でクマ3頭目撃:栃木)
6日午前7時ごろ、那須町湯本の県道でクマ3頭が目撃された。那須塩原署によると、クマの体長は約1メートル1頭と約60~70センチ2頭。通行中の男性が道路を横断するクマを目撃した。同署で広報、警戒活動を実施している。
(クマ目撃:栃木)
4日午後8時半ごろ、日光市瀬川の大谷川グリーンパーク南側県道でクマ1頭が目撃された。人的被害はない。今市署によると、クマの体長は約1メートル。乗用車で通行中の人が、県道を横切るクマを目撃し、同署に通報した。同所では同じ時間帯に合計2件の目撃情報があり、関係機関と連携して広報、警戒活動を実施している。
(子グマ目撃:栃木)
4日午後7時20分ごろ、矢板市幸岡の市道で子グマ1頭が目撃された。人的被害はない。矢板署によると、クマの体長は約60センチ。車で通行中の女性が市道を横断しているクマを目撃した。クマはその後山林に入って行ったという。現場付近は人家が点在する農村地帯で、広報、警戒活動を実施している。
(クマ目撃:栃木)
3日午後6時18分ごろ、塩谷町船生の町道を横断する子グマ1頭が目撃された。人的被害はない。矢板署によると、クマの体長は約50~60センチ。車で通行中の女性が横断しているクマを目撃した。現場付近は人家が点在する農村地帯で、広報、警戒活動を実施している。
(野球場でキョン捕獲:千葉)
東金市松之郷の東金青年の森公園野球場で2日、特定外来生物の「キョン」が捕獲された。千葉県によると、東金地域での生息は確認されておらず、「はぐれた個体では」と推測している。市教委生涯学習課によると、1日午前8時半ごろ、野球場の管理人から「シカのような動物がグラウンド内に入り込んでいる」とする連絡があり、有害鳥獣駆除の担当職員らがキョンと確認した。捕獲作戦は2日に行われ、市や猟友会会員らが参加。キョンが逃げ込むことを期待して、生涯学習課の佐瀬美行係長が整備用具の倉庫の扉を開放。思惑通り、疲れ果てたキョンが入り込み猟友会の男性が捕らえた。メスで体長50~60センチ、体重は20キログラム前後。駆除担当の職員は「周辺の市町で目撃情報は一切ないので、キョンが現れた経緯は不明」と話した。キョンは処分された。キョンは、中国や台湾に分布するシカ科の小型草食獣。国内で生息が確認されているのは伊豆大島と県内だけ。県内の個体は勝浦市の観光施設から逃げたものが野生化したとみられ、2000年代に入り急増。勝浦や鴨川、いすみなど9市町で約2万1千頭が生息している(13年3月末現在、県推計)。農作物被害が報告され、生態系への影響も懸念されている。
(囲いわな1か月、捕獲ゼロ:群馬)
県が、前橋市の赤城山麓で始めた「大型囲いわな」によるニホンジカの捕獲に苦戦している。9月1日のわなの設置から1か月間の捕獲はゼロで、わなに入った形跡もなかった。県と同市は、わなの中に餌となる牧草を生やすなど誘い入れる方法を工夫する方針だ。この試みは、県の「鳥獣対策連携プロジェクト」の一環。同市柏倉町の赤芝牧場に設置された外周約450メートルの金網柵のわなに一定頭数のシカが入るとセンサーで扉が閉まり、猟友会員らが駆除する計画だ。県や市は、近くで太陽光発電施設の建設工事が行われており、シカが警戒していることなどが難航している原因とみている。前橋西部猟友会の岩丸松雄会長も「シカの警戒心は非常に強い」と語る。岩丸会長によると、川の護岸工事が始まった途端にシカがいなくなり、1年近く戻らなかったケースもあるといい、「扉以外の出入り口も開放して、わなの中を自由に出入りできるようにし、シカが慣れるまで時間をかける必要がある」と話す。県や市は今後、わな内の入り口付近にシカが好むとされる牧草や鉱塩で誘い込む方法を検討しており、狩猟期を除き、2018年度までこのわなで捕獲方法を探る予定だ。シカは植林地の幼木を食べたり、角で木の皮を剥いだりする。県がまとめた13年度の被害額は、森林が1億3474万円、農作物が1352万円で、合計で全鳥獣被害額の約15%を占める。駆除頭数は増えているが、繁殖率が高いため生息頭数も増える傾向にあり、赤城山麓でも3000頭が生息しているとみている。県鳥獣被害対策支援センターは「時間はかかるかもしれないが、他県の例も参考にしながら、捕獲方法を確立したい」としている。今月中旬にも沼田市内で同様の取り組みを始めるという。
(ドングリ不作、増えるクマ目撃:栃木)
全国でクマの出没が相次ぐなか、県内でもツキノワグマの目撃が増えている。紅葉シーズンを迎えた奥日光では、修学旅行のハイキングコースを変更する学校も出ているという。今年はエサとなるドングリが不作で晩秋まで出没が続くとみられ、県は注意を呼びかけている。9月中旬、家族4人で日光・戦場ケ原に出かけた朝日新聞の男性記者(47)は木に登って実を食べるツキノワグマに遭遇した。川を挟んで約30メートルの距離。体長は1メートルほどに見えた。周りには観光客が10人ほどおり、クマ除けの鈴を鳴らしながら歩いている人や川でフライフィッシングをしている人もいた。それでもクマは動じることなく木の実を食べ続けた。
(クマの出没に注意:広島)
今年度、県内でツキノワグマの出没が目立っている。これまでに昨年度同時期の6倍の30頭を捕獲。えさ不足から人里に来ているようだ。人の被害は報告されていないが、秋はクマが活発に動く季節。県は2日、関係市町と緊急の対策協議会を開き、被害を防ぐ手立てを確認した。広島のツキノワグマは、島根、山口との3県にまたがる「西中国地域個体群」に属する。県は出没する北広島、庄原、広島、廿日市、世羅など10市町と「県ツキノワグマ対策協議会」を設けている。県自然環境課によると、今年度は9月末時点で30頭を捕獲。昨年度同時期は5頭で、1年間で14頭。2011、12年度はいずれも16頭で、今年度は107頭だった10年度に迫る状況だ。目撃情報も8月末で240件(昨年度同時期165件)に上る。なぜ多いのか。今年度の捕獲数が14頭に上る北広島町の担当者は、「長雨や日照不足で山にクマが食べるものが少ない」という。ツキノワグマは臆病な動物で通常は人を避けて行動するが、今夏は人家近くの畑でトウモロコシやトマトを食べるクマもいたという。
(パイン、イノシシ被害:沖縄)
石垣市によると、市内のパイン畑で苗の芯がイノシシに食べられる被害の報告が9月末現在で6件あり、農家の頭を悩ませている。被害報告は▽4月=1件▽6月=2件▽7月=1件▽8月=1件▽9月=1件―と推移。市農政経済課では電気柵の貸し出しや八重山猟友会の協力を得て畑の周辺にわなを設置するなどの対応を行っている。このうち、嵩田地区の東金三さん(62)のパイン畑では9月25日から毎日のようにイノシシの被害を受けており、畑約70㌃のほぼ全体が被害に遭っているという。来年6月の出荷に向けて、花を咲かせる処理を行う直前だった東さんは「昨年も被害に遭った。今年こそはと思っていただけにとても残念。泣くに泣けない」と肩を落とした。東さんは「このままでは、私の畑だけでなく市内全体に被害が広がりかねない。1日も早い駆除をお願いしたい」と要望する。嵩田地区では現在、猟銃を使ったイノシシ駆除は行われていない。同課では、近隣住民の理解を得ながら、猟友会による猟銃での駆除も検討していく考え。
(イノシシ被害額最少、生息数は増加か:佐賀)
佐賀県内のイノシシによる2013年度の農作物被害額は1億1000万円で、過去20年で最も少なかった。侵入防止柵の設置や捕獲など、対策の成果が出ているとみられる。ただ、14年度は夏場の長雨で生存数が増えたという指摘もあり、県は警戒を呼び掛ける。県生産者支援課によると、13年度被害額の内訳はコメ5500万円、果樹3千万円、その他1900万円の順に多かった。被害額は年々減少しており、13年度は、ピーク時の02年度(4億1600万円)の4分の1になった。神埼市脊振、唐津市七山では08年から国の補助金を活用し、ほ場全体を金網で囲む侵入防止柵を集落ぐるみで設置してきた。その効果が出ているとみられ、現在は佐賀市富士町、三瀬にも整備されている。侵入防止柵の設置とともに、捕獲も進めている。13年度の捕獲数は2万2816頭。過去最多の10年度(2万6016頭)に次ぐ数で、4年連続で2万頭以上となった。内訳は、狩猟免許を持つ人による「狩猟」が4676頭(前年度比952頭減)、農作物被害防止を目的とした「有害駆除」が1万8140頭(同2554頭増)だった。こうした対策の効果で被害額は減少しているが、県農業技術防除センターの担当者は「生息数は決して減っておらず、今夏の異常気象の影響も心配」と危機感を示す。佐賀市北部や神埼市脊振地域からは「イノシシの出没数が例年より多い」という報告が多く寄せられており、「例年は梅雨明け後の気温上昇で幼獣が死亡するが、今年は長雨のため、脱水症状を回避して生き残った個体が多いようだ」と指摘する。佐賀市富士町の農家は「今年は山際だけでなく、民家近くにも来ている。金網を鼻で曲げ、柵の下を掘って田んぼに侵入している。稲穂を食いちぎられて、駄目になった水田が20アールある。落胆し、米作りを諦めた仲間も出てきた」とやりきれない表情を浮かべた。草丈が伸びるとイノシシの隠れ場になり、放置された果実は餌になるため、同センターは耕作放棄地の発生を防ぐ重要性も強調する。担当者は「地域が一体となり、生息地と農地を管理し続けることが重要。柵の点検や補修はもちろん、不要な柿や栗、ビワの伐採にも取り組んでほしい」と助言する。
(シカの被害深刻、生息数増加:福井)
古来より人間とかかわりのあるニホンジカ。個体数が増え、木の皮や下草などを食い荒らす。樹木が立ち枯れて森林生態系にも影響し、土砂流出による災害の恐れもある。国は生息数を適正規模に減少させるため、5月に鳥獣保護法を改正した。県内もニホンジカの生息密度が高まる。適正な生息数へ、官民の連携が欠かせない。農林水産省によると、2012年度の野生鳥獣による農作物被害総額は約230億円に上る。県内は年間1億円前後。環境省によると、11年度の生息数は、ニホンジカ261万頭(北海道を除く)、イノシシ88万頭と推定、人間の生活圏に出没する。県内でも「シカが増えている」との声が聞かれる。県によると、11年度のシカの推定個体数は嶺南2万2千頭、嶺北は1万頭。目撃数などから嶺北での生息数が増えているという。環境省は、捕獲数が現状を維持した場合、ニホンジカの生息数は25年度に500万頭まで増えると推測。鳥獣保護法改正で、野生生物の「保護」から「管理」へとかじを切った。集団で組織的に捕獲する業者の認定制度の創設など、対策に本腰を入れ、23年後までに個体数を半減させることをもくろむ。シカは有史以前から狩猟対象であり、若狭町の縄文遺跡からも一部が出土している。耕作地が広がった江戸時代はイノシシやシカが田畑を荒らした。明治以降は銃の解禁もあり、全国的に姿を消した。昭和に入りメスジカが狩猟から除外、その後オスジカも狩猟禁止となり、昭和50年代後半から個体数が増加した。農村部の過疎化や農業従事者の高齢化で、耕作放棄地や荒れた農地が増加。野生動物が出没することで鳥獣被害が拡大、耕作意欲が低下し、耕作放棄地が増える悪循環に。さらに薪炭の使用が減り、里山を利用する機会が減ったことなど、人間の側にも課題があるといえよう。暖冬も関係する。積雪が少ないためエサが確保でき、子ジカが冬を越し生き延びる。嶺北の増加も暖冬による少雪の影響とみられる。シカによる食害は、農林業をはじめ森林生態系を脅かす。樹木の皮をはいで食べ、下草を食べ尽くす。樹木が立ち枯れ、森林が持つ保水力の機能が失われる。さらに表土がむき出しの“丸裸”となり、雨で土砂が流出し、災害を誘引する。三重、奈良両県に位置する大台ケ原でシカが増加し森林の衰退が進むなど、全国規模で被害が拡大。昨年の大雨により美浜町新庄で発生した土石流とみられる土砂崩れは、シカによる食害の影響が指摘されている。福井市の鷹巣市有林ではヒノキの一部が皮はぎの被害に遭い、下草がなくなっている地点が確認された。市内の企業が社会貢献として調査。こうした民間の力を活用し、対策に生かしたい。移動する相手だけに、捕獲には自治体間の連携も不可欠だ。本県の捕獲計画数9600頭に対し、捕獲数は6500頭にとどまる。狩猟者の高齢化が進む中、県や森林組合はわな猟の研修会を県内各地で開く。担い手育成を目指すが、すそ野をどれだけ広げられるかが課題でもある。野生動物の保護、捕獲が場当たりであってはならないことは歴史が物語る。命あるものだけに十分に調査、分析し適正な捕獲としたい。
(クマ出没注意、一部で可能性高い県予測:愛知)
愛知県は3日、ツキノワグマが今秋、一部の人里で出没する可能性が高いとする予測を発表した。冬眠前のえさになるドングリ類の実りが岐阜県と長野県で悪く、行動範囲を広げたクマが愛知県内にえさを求める可能性があるためだ。愛知県によると、岐阜県東濃地域と接する豊田、瀬戸の両市、岡崎市の山間部の人里で「出没の可能性が高い」という。長野県南信地域に近い新城、設楽、東栄、豊根の4市町村は「やや高い」と予測した。今年のドングリ類は愛知が平年並みの一方、岐阜と長野は不作。長野県の担当者は「夏の天候不順に加え、局地的なゲリラ豪雨が多かったことも影響している」とみる。地域間で実りのばらつきが大きいと、クマが行動範囲を広げ、出没の危険性も高まる。
(鳥獣対策など要望:佐賀)
佐賀市農業委員会(坂井邦夫会長)は9月30日、秀島敏行市長に対し、市の農業にとって有益な農地中間管理事業の実施や有害鳥獣対策の推進など5項目の建議書を提出した。建議書では、小規模農地を集めて生産性を向上させる国の農地中間管理事業について、市の地理的条件を考慮した実施を要望。このほか、農業基盤の整備、集落営農組織の法人化と担い手の確保・育成、有害鳥獣対策、中山間地等直接支払制度の継続を求めた。農地中間管理事業については、国が公募による農地貸し付けを義務づけており、資本力のある企業が優位になることを懸念。また、県の事業規定で、農地の借り受け対象から耕作放棄地が除外されており、北部中山間地の実情も考慮した事業実施を求めている。秀島市長は「反映できる点は来年度の事業に取り入れていきたい」と応じ、イノシシによる農作物への被害に対しては「新たにいい方法を見いだしたい」と述べた。
(サル追い払おう、柿を事前に収穫へ:京都)
農作物などに被害をもたらすサルを集落から追い払おうと、餌となる柿の実を食べられる前に収穫するイベント「さる×はた合戦」が19日と11月8日、兵庫県篠山市畑地区で開かれる。農村を悩ます獣害について関心を持ってもらおうと、同地区で実習授業を受けていた神戸大生が昨年初めて開いた。今回は住民でつくるみたけの里づくり協議会が主催し、神戸大生が協力する。サルは一度餌を採った場所に何度も来る習性がある。その習慣を断ち切り、山での生活に戻そうと19日は甘柿採りを、11月8日は渋柿を採って干し柿を作る。甘柿と干し柿は持ち帰ることができる。昨年は神戸や阪神地域から約130人が参加。「地域の役に立ちながら、柿も採れる」と好評だった。獣害対策に詳しい神戸大学の布施未恵子特命助教は「獣害対策の協力者を増やし、継続的な追っ払い対策につなげられたら」と話す。
(カラス対策に黄色いごみ袋:栃木)
生ごみを荒らすカラス対策として、大田原市は市内のごみステーションで黄色のごみ袋による実証実験を始めた。カラスの目では黄色い袋だと中が見えないといい、全国各地の自治体で採用されている。市によると、同市美原のごみステーションで住民の協力を得て、週2回のごみ収集日に市指定の半透明のごみ袋と黄色のごみ袋に分けて家庭ごみを出し、状況を調査する。黄色のごみ袋は、カラスの生態研究で知られる宇都宮大学農学部長の杉田昭栄教授が、ごみ袋製造会社と開発。特殊な顔料が使われ、人間には半透明の黄色い袋もカラスには中身が識別できないという。実験初日の今月3日、ごみステーションに4世帯から半透明4袋、黄色6袋が出され、市生活環境課職員が状況を確認。それぞれカラスの被害はなかった。同市ごみ問題検討委員会の提言を受けて、今回初めて実施。同市鳥獣対策アドバイザーの杉田教授の指導も受けて、来年3月まで調査を続けるという。
(韓国で鳥インフル感染拡大)
韓国で高病原性鳥インフルエンザの感染が広がる中、徳島県や県内の養鶏農家らが警戒を強めている。大陸から韓国を経由して飛来する鳥が感染源となる恐れがあるためで、県は感染防止策を徹底するとともに、野鳥の不審死や大量死を見つけた場合は通報するよう呼び掛けている。韓国では1月以降、鳥インフルエンザが食鳥関連施設で200件以上発生。野鳥の死骸約40羽からウイルスが検出されている。9月24日には2カ月ぶりに南部のアヒル農場で感染が確認された。日本野鳥の会県支部によると、県内には10月中旬以降、韓国からハイタカが飛来するほか、カモやサギの一部も越冬のため飛来する可能性がある。三宅武支部長は「猛禽類やカモの死骸は、数が少なくても感染を疑う必要がある」と指摘する。韓国での感染拡大を受け、県は9月26日に危機管理連絡会議を開いた。約220戸の養鶏業者・農家に感染防止策を講じるよう周知し、県民にもホームページで注意を呼び掛けている。家畜伝染病対策として消毒用の石灰を約60トン備蓄しており、国内で発生した場合、状況に応じて農家へ配る。県内では、2011年に那賀町でフクロウの死骸から鳥インフルエンザウイルスが検出されて以降は確認されていないが、今年4月に熊本県の養鶏場で発生。防護服や長靴など6700セットも順次購入中で、10月末には感染を想定した防疫演習も行う。松本和也危機管理政策課長は「万が一の事態に備え、県庁内の人員・連絡体制や資機材なども再確認している」と話す。県内の13年のブロイラー出荷量は約5万トンで、全国6位。鳥インフルエンザが発生すれば甚大な被害が予想される。62業者・農家が加盟する県養鶏協会は、消毒液や石灰の購入と定期的な消毒を会員に呼び掛けており、感染リスクが高まる冬場を控え、農家では防鳥網の点検と石灰などの準備に余念がない。杉原勲会長は「ウイルスを鶏舎内に持ち込ませないために、万全を期さないといけない」と表情を引き締めた。
(クマ被害続発、“音のお守り”忘れずに)
住民や観光客がクマに襲われる被害が各地で相次いでいる。紅葉シーズンを迎え、山間の行楽地は人出も増える。自治体などは情報を広く伝え、山に入るには鈴などの“音のお守り”を携行したい。九月下旬、福井、長野、岐阜県などで、襲われた人がけがを負う被害が続いて起きた。中には骨折や入院した人もいる。今年はツキノワグマの目撃件数が、例年よりかなり多いという。岐阜県白川村は例年の約三倍、長野県大町市でも九月は昨年の十倍を超えた。秋に目撃が急増するのは、冬眠前のクマの主食であるブナなどのドングリ類が不作で、代わりの食物を求めて人里に下りてくるためだ。今年は東北の被害も際立つ。環境省によれば、人身被害が百四十七人(うち死亡二人)と、最近ではもっとも多かった二〇一〇年度も、ドングリ類の不作の年だった。ツキノワグマは本来、おとなしくて臆病な動物である。野生動物の生態に詳しい岐阜大の浅野玄准教授は「人に気づけば怖がって逃げる。不意に出くわすのが、いちばん危険だ」という。クマに襲われないよう身を守るには「近づかない、近づけさせないこと」が最良の方策だ。現地に看板などで情報提供もされているが、事前に役場や警察などに目撃情報を確認し、出没地に近づかないようにするべきだ。安易な単独行動も避けてほしい。だが、森林や山に入らぬわけにもいかぬ。クマを近づけさせないためには鈴や笛、携帯ラジオなどを鳴らし、人の存在や接近を知らせる方法が有効だ。専用の鈴なら登山用品店や現地のホームセンターなどで手に入る。こんな例もある。福井市の山あいの羽生小学校は毎年、全児童にクマよけの鈴を順繰りに渡している。みんな用心のため、ふだんからランドセルに付けて通学している。クマが人里に出没し始めたのは最近に限らない。背景には、過疎・高齢化による農山村などの衰退がある。長期的には、それらの適正管理や再生こそが求められる。
(豪快、シカの角切り:宮城)
石巻市の離島・金華山の鹿山公園で5日、秋の恒例行事のシカの角切りがあった。駆け回る雄ジカを勢子(せこ)が豪快に捕らえるたび、約300人の観客から大きな拍手が送られた。勢子を務めたのは、市内の鹿友華角(ろくゆうかすみ)会のメンバー約20人。塀に囲まれた角切り場にシカを放ち、掛け声とともに赤い旗を付けた竹棒で追い立てた。角に投げ縄を絡ませ、手で角をつかみ取り押さえた。神職がのこぎりで角を切り落とした後、野山に戻した。塩釜市から家族と訪れた塩釜一中1年桜井綾乃さん(13)は「元気なシカを捕まえるのは大変そうだけど、迫力満点だった」と興奮冷めやらぬ様子だった。角切りは発情期の雄ジカの角が長く鋭くなるため、参拝客に危険がないよう金華山黄金山神社が1963年に始めた。東日本大震災の影響で2011年は中断したが、翌年に再開。同様の行事を行っているのは、国内では奈良県の奈良公園のみという。
(シカ食害、山崩す)
台風や集中豪雨などの際に起こる土砂崩れの原因の一つに、シカの食害が指摘されている。山間地ではニホンジカの群れが、樹木だけでなく下草を食べ尽くし、保水力を失った地肌がむき出しになる斜面も見られる。学識者は防災の視点から対策が必要だと警鐘を鳴らす。
(野生シカ、うまみ増す秋:長野)
秋、レストランのメニューに「ジビエ」の文字が躍る。狩猟で捕ったシカやイノシシなど野生動物の肉だ。そのジビエ料理を売り物にしているのが、村歌舞伎で知られ、映画「大鹿村(おおしかむら)騒動記」(阪本順治監督、原田芳雄主演)の舞台になった長野県大鹿村だ。食害防止のため、わなによるシカの狩猟が年中認められている。村内の旅館や食堂は「ジビエ研究会」を結成し、村ぐるみでシカ肉料理を売り出している。かつて獣肉は血なまぐさいとか、内臓肉のようだと敬遠された。「それは処理方法が悪かったため。いまでは血抜きから三十分以内で内臓を取り出します。このため、血や内臓の嫌な臭いが移りません」そう話すのは、村唯一の処理・加工施設「ヘルシーミート大鹿」の蛯沢(えびさわ)義昭さん(64)。十年前から食肉処理を担当している。長野県が独自策定した信州ジビエ衛生管理ガイドライン・衛生マニュアルに沿った施設として認証を受けている。村の人口は千百人。シカは七千~八千頭ともいわれる。「村名の通りシカの里。いまでは年間四、五百頭ほど食肉処理しますが、野生のため可食部分が少ないのが悩み」。五〇キロの成体ならロース、モモ、肩肉で合わせて十キロ程度で、年間生産量は五トン。「柔らかいロースは引っ張りだこだが、モモは余り気味です」シカ肉の脂質は牛肉の十分の一、カロリー四分の一のうえ、鉄分などミネラルは豊富で、ヘルシー食材として注目の的。ヘルシーミートには有名ホテルや都市部のレストランから注文が絶えない。「今の時期、シカは太って、うまみが増します。おいしかですよ」。蛯沢さんは肉を切り分ける手を止め、自信たっぷりに話した。
(よい子のみんな!エゾシカ肉食べるんだ:北海道)
増え過ぎたエゾシカ、みんなでいっぱい食べよう――。北海道で農作物を食い荒らすエゾシカの有効活用を呼び掛ける正義のヒーローが誕生した。その名は「DO(ドゥ)★カイザー」。仕掛けたのは、札幌市在住の会社員やデザイナーら有志5人で、地域に貢献したいと手弁当で準備を続け、今春デビューを果たした。衣装や音楽はプロが手掛けただけに見応えは十分だ。これまでに道内8カ所で無料ショーを開き、子どもたちから人気を集めている。DO★カイザーは、絶滅したエゾオオカミをモチーフにした。エゾシカ団の鹿間敏之(しかまとしゆき)総統とライバル関係にある設定だ。エゾシカ団とは、エゾシカを増やして人気を高めようとしている「全道エゾシ化計画」をもくろむ集団。農家の畑を荒らすなどのいたずらもするため、DO★カイザーが懲らしめる。ショーを通して伝えたいのは、生態系のバランスが崩れると自然や人間生活にも影響を与えてしまうということ、ただ有害獣を駆除するだけではなく、有効活用が重要ということだ。そうした思いをDO★カイザーに託し、子どもたちに「エゾシカは大事な仲間だけど、増え過ぎて困っている。いっぱい食べて自然豊かな北海道を守ろう」と発信する。発案したのは、札幌市の広告企画業「エスベース」代表の下畑浩二さん(42)と、キャラクターデザインを手掛ける小林友和さん(38)。下畑さんは以前から「北海道に貢献したい」と考え、エゾシカ問題に行き着いた。「地産地消や自然環境を考える上で象徴的な問題。それを子どもたちに知ってほしい」と2008年、戦隊ヒーローを思いついた。そうした企画に、音源や動画の作成に携わる綾智樹さん(38)や新妻達也さん(28)、佐々木佳久さん(43)も賛同、実現につながった。ショーでは、ヒーローが着ぐるみの「ゆるキャラ」に見られないよう、ヒーローものの演技経験があるアルバイトに出演を依頼し、本格的なアクションを披露する。音響や司会も加わり、10~25分のショーに仕上げた。観覧中の子どもたちからは、DO★カイザーに声援が飛び交い、反応は「大受け」(下畑さん)という。商業用ではない幼稚園などに出向くショーは無料。相談に応じて全国にも出向くという。
(ガード下にジビエバル:東京)
JR五反田駅のガード下に10月2日、「五反田ジビエバル Umagoya(ウマゴヤ)」(品川区東五反田2、TEL 03-5422-6890)がオープンした。店舗面積は約10坪、席数は20席。店長の三浦司さんは「ビジネスパーソンの多いエリアで物件を探していた。駅近で人通りの絶えない立地が気に入って出店を決めた」と話す。馬やイノシシ、シカなどの肉を使ったジビエ料理をメーンに扱う。「農作物への被害対策で捕獲された野生動物が廃棄処理されていると知り、活用したいと思った」と三浦さん。馬肉は熊本と会津、イノシシは島根、シカ肉は北海道から直送で仕入れているという。ランチはカレーなどの煮込み料理(800円)ほか、「ハンバーグティッシュ」(900円)、「ステーキ丼」(1,500円)を提供。ディナーメニューは「猪(いのしし)ソーセージ」(850円)や「鹿もも肉のロースト」(1,600円)、「蝦夷(えぞ)鹿のパテ」(650円)、「猪のトマト煮込」(900円)、「会津・熊本の馬刺盛」(1,350円)、「馬タンとスジの煮込」「馬ハツの香草焼」(以上1,000円)などを用意する。アルコールはオセアニアワインを中心に取りそろえる。「Umagoyaオリジナルシャルドネ」「Umagoyaオリジナルシラーズ」(以上、グラス=500円、ボトル=2,450円)、「アンゴーヴスパークリング」(グラス=580円、ボトル=2,980円)。ほか「キリン一番搾り生」(600円)や「NZ産クラフトビール ストークゴールド」(690円)、ハイボール(500円)、「旬果実の“ウマハイ”」なども。オープンを記念し、今月12日まではオセアニアスパークリングワインを半額の300円で、同13日~19日までは「会津・熊本馬刺盛」を750円で提供する。想定客単価は、ランチ=1,000円、ディナー=3,800円(ディナーとアルコールの価格は全て税別)。「食材の“えぐさ”を殺しながらも、癖を生かしておいしく調理している。牛、豚、鳥に飽きた方にぜひ来てもらいたい」と三浦さん。
(シカ肉使った「ジビエバーガー」人気:和歌山)
シカやイノシシ肉を「ジビエ」として活用しようと取り組んでいる古座川町で、シカ肉に同町特産のユズやブルーベリーを加えた「ジビエバーガー」が、同町の道の駅「一枚岩」鹿鳴館で販売され、人気を集めている。同町では、シカやイノシシによって田畑が荒らされる被害を防ぐため、昨年には計約千頭を捕獲。多くは廃棄処分されているが、町は肉の有効活用に向けて「鳥獣食肉処理加工施設」を建設し、来年5月ごろからの利用を目指している。ジビエバーガーは、加工施設稼働を前に「ジビエ」をアピールしようと、町と南紀月野瀬温泉ぼたん荘(同町月野瀬)が開発。現在は、和歌山市からシカ肉のミンチを仕入れているが、加工施設稼働後は、地元のシカ肉を使用していくという。商品化されたジビエバーガーは、シカ肉100%のパティにトマトやレタス、タマネギをパンではさみ、シカ肉のミートソースにはブルーベリーを加えた。マヨネーズとユズコショウによって味にアクセントをつけた。約190グラムのハンバーガーは食べ応え十分。同館の野崎舞店長は「クセもほとんどなく食べやすいと評判。ぜひ一度食べてほしい」と話していた。
(「ジビエ研究会」でシカ肉料理:長野)
秋、レストランのメニューに「ジビエ」の文字が躍る。狩猟で捕ったシカやイノシシなど野生動物の肉だ。そのジビエ料理を売り物にしているのが、村歌舞伎で知られ、映画「大鹿村(おおしかむら)騒動記」(阪本順治監督、原田芳雄主演)の舞台になった長野県大鹿村だ。食害防止のため、わなによるシカの狩猟が年中認められている。村内の旅館や食堂は「ジビエ研究会」を結成し、村ぐるみでシカ肉料理を売り出している。かつて獣肉は血なまぐさいとか、内臓肉のようだと敬遠された。「それは処理方法が悪かったため。いまでは血抜きから三十分以内で内臓を取り出します。このため、血や内臓の嫌な臭いが移りません」そう話すのは、村唯一の処理・加工施設「ヘルシーミート大鹿」の蛯沢(えびさわ)義昭さん(64)。十年前から食肉処理を担当している。長野県が独自策定した信州ジビエ衛生管理ガイドライン・衛生マニュアルに沿った施設として認証を受けている。村の人口は千百人。シカは七千~八千頭ともいわれる。「村名の通りシカの里。いまでは年間四、五百頭ほど食肉処理しますが、野生のため可食部分が少ないのが悩み」。五〇キロの成体ならロース、モモ、肩肉で合わせて十キロ程度で、年間生産量は五トン。「柔らかいロースは引っ張りだこだが、モモは余り気味です」シカ肉の脂質は牛肉の十分の一、カロリー四分の一のうえ、鉄分などミネラルは豊富で、ヘルシー食材として注目の的。ヘルシーミートには有名ホテルや都市部のレストランから注文が絶えない。「今の時期、シカは太って、うまみが増します。おいしかですよ」。蛯沢さんは肉を切り分ける手を止め、自信たっぷりに話した。
(県産イノシシいいね:富山)
県産イノシシ肉の試食会が五日、富山市友杉のテクノホールであり、プロの料理人が仕上げたジビエ料理を味わおうと、会場には長い列ができた。イノシシによる県内農作物の被害額は、二〇一一年度で約三千六百万円に上り、県は捕獲を後押ししようとイノシシ肉の食材活用を進めている。今回は、テクノホールで開かれた「KNB秋の大収穫祭」でブースを出店してPRした。富山市内のフランス料理店「シェ・ヨシ」の毛利義信シェフが、イノシシのミンチ肉と細かく刻んだタマネギなどを混ぜ合わせ、焼いた後に冷やした「冷製パテ」と、赤ワイン煮込みの二品を調理し、振る舞った。試食した人からは「初めて食べたがおいしかった」などと好評だった。

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10/3
(猿に向け砂防公園で猟銃発砲、流れ弾が乗用車に:山梨)
2日午前9時20分頃、山梨県韮崎市旭町上條北割にある甘利沢川砂防公園で、市内に住む男性(76)が、木から下りてくる猿に向けて猟銃で1発撃ったところ、流れ弾が近くの空き地に駐車中の乗用車に当たった。けが人はいなかった。韮崎署で銃刀法違反(発射の禁止)の疑いで調べている。発表によると、男性は「有害鳥獣駆除のために猿を狙って撃った」と話しているという。男性が自ら同署に通報し、発覚。空き地は公園から道を挟んだ向かい側にあった。
(目撃急増、クマ出没で対策会議:福井)
福井市は二日、ツキノワグマ出没対策会議を市役所で開いた。市内で四~九月末の目撃情報(痕跡含む)は七十四件で二〇一二(年間十三件)、一三(同四十二件)両年度の年間の件数を大きく上回っていること、市全体の山際で出没していることなどが報告され、対策を話し合った。会議は県内で人身被害が相次ぎ、県が最も危険度が高い「出没レベル4」に引き上げたのを受けて開催。市内の状況を報告した事務局から本年度は目撃情報が少なかった市西部の国見、越廼、清水地区や中心市街地に近い社南地区などで目撃されていることが報告された。県猟友会からは山中での餌が少なく、クルミやギンナン、カキなどの実を食べに人里近くに来ている状況も紹介された。事務局からはクマが冬眠する十二月上旬までの対策強化案も示され、主要道に面した市内八十カ所の山の入り口に注意看板を設置。関係部署や機関と連携強化を図ることが説明された。
(クマ出没に注意を:岡山)
県がまとめたツキノワグマの人里への出没予測で、「比較的人里に近い場所で活動すると予想される」との結果が出された。クマのエサとなる堅果類で標高の低い場所に生育するコナラが豊作とみられるためで、県は取り残したカキなどを早めに収穫するなど対策をとるよう呼びかけている。津山、勝央地域35カ所で8月下旬~9月上旬にかけ行った堅果類の豊凶調査では、標高の高い山で実るブナは不作、中間のミズナラは並作で、コナラは豊作が予想されるという。昨年は3種とも豊作判定だった。クマはエサとなる植物や昆虫類の多寡によって、人里に出没する可能性が変わってくる。特に冬眠に備えて食いだめする堅果類の豊凶で、今後の出没状況が予測できるという。県内のクマの目撃状況は平成12年度から統計を取り始めており、14件(12年度)~199件(22年度)と目撃数には大きなばらつきがあるが、基本的には堅果類が不作だった年は多く出没している。今年度は9月15日現在で38件の目撃例が報告され、昨年同期の41件よりやや少ない。県自然環境課は「標高の低い場所で活動するため、集落に近づくこともありそう。取り残したカキやクリなどはクマを引きつけるので早めに収穫してほしい」とする。キノコ狩りなど山に入る機会も多いことから、「複数で行動したり、鐘を鳴らしながら歩くなど気をつけて」と話した。
(「クマ注意」呼びかけ、目撃や捕獲件数増加:広島)
県内でツキノワグマの捕獲件数や目撃情報が増えているとして県は2日、県北など関係市町の担当者を集めてツキノワグマ対策協議会の総会を開き、住民らに注意を呼びかけるよう求めた。県のまとめによると、今年度は9月末までに、県内で捕獲されたツキノワグマは30頭で、前年同期の5頭を大幅に上回った。月別では、5月2頭、6月1頭だったのに対し、7月4頭、8月9頭、9月14頭と増加傾向にある。目撃情報も、8月末までに240件と前年同期の165件を大きく上回り、平成23年度以降の4年間で最も多い。月ごとの推移では、4月25件、5月39件、6月41件、7月63件、8月72件で、やはり徐々に増えている。このため、山間部のツキノワグマが出没する可能性がある地域の住民に、朝夕は特に注意することや、山菜採りなどで山に入るときはラジオを鳴らしたり鈴を身につけたりするなど、人の接近をクマに気づかせる工夫をするよう呼びかけている。
(食害防止へサル捕獲、10年で半減目指す:徳島)
徳島県議会9月定例会は2日午前、本会議を再開し、藤田元治(自民県民会議)重清佳之(明政会)の両氏が一般質問に立った。飯泉嘉門知事は、サルによる農作物の食害が問題となっていることを受け、サルの行動や繁殖といった生態を分析するなどした上で年間を通じて捕獲に取り組み、2014年度から10年間で群れ・個体数を半減させる考えを明らかにした。藤田氏は、サルによる農作物の食害の防止に向けた適正管理を求めた。知事は「サルは群れ単位で行動し、高い社会性や学習能力を有している。銃器を使用した捕獲は群れの分裂や被害の拡散を招くことから、戦略的な対策が不可欠」と指摘した。その上で▽被害を与える群れや個体数の特定▽大型おりによる群れの全頭捕獲▽避妊薬による繁殖抑制-などに、市町村や岡山理科大と連携して取り組んでいることを紹介。その結果を踏まえ、本年度中に策定する「ニホンザル適正管理計画(仮称)」に具体的な被害防止策を盛り込む考えを示した。県によると、米や野菜、果樹などサルの食害による13年度の被害額は約3200万円に上っている。重清氏は、障害者の自立や生活の安定を図るため、工賃アップの取り組みを充実させるよう求めた。豊井泰雄政策監は、県内の障害者就労施設が販売している商品のブランド化に向け、14年度はフランス人アーティストと連携して藍染の糸を使ったバッグの商品開発を行う方針を示した。神戸市の通信販売会社でアクセサリーやインテリア雑貨などの藍染商品を販売するなど販路拡大にも取り組む。
(「猪鹿鶏」、ジビエで地域おこし:熊本)
農林産物に深刻な被害をもたらしているイノシシやシカを「ジビエ料理」として地域振興に生かそうと、八代市商工会(黒木計会長)は、中山間地の幹線道路沿いを「猪鹿鶏[いのしかちょう]街道」として売り出すことを決めた。合併前の旧町村の商業者でつくる同商工会が、2年前から構想を練ってきた。対象地域は東陽町から泉町に向かう国道443号や、坂本町の国道219号沿いが中心。10月に試食会を開き、同街道の案内マップを製作。11月1日から街道沿いにのぼり旗を立て、商工会加盟の飲食店などがジビエ料理や加工品を提供する計画だ。9月24日は、ホテル熊本テルサの土山憲幸総支配人を講師に招きジビエ料理講習会を開催。土山さんがイノシシ肉のつみれ鍋、鹿肉のステーキなど4品のレシピを公開して実演し、対象地域の飲食店などの参加者約30人が熱心にメモを取っていた。土山さんは「臭みを取る下処理と、硬くならないような火加減がこつ」とアドバイス。試食した黒木会長は「十分、目玉料理になるおいしさだった。期待できる」と話した。
(児童がシカ肉のカレー作りに挑戦:福井)
野生鳥獣の肉を使ったジビエ料理について学ぼうと、若狭町の小学校では児童たちが野生のシカ肉を使ったカレー作りに挑戦した。ジビエでカレー作りに挑戦したのは、若狭町の気山小学校の3年生と4年生18人。児童たちは総合学習の時間に、地元の自然や環境をテーマに学んでいて、特に農作物への被害が出ているシカやイノシシなど有害鳥獣や、そのジビエ料理についても学習を進めている。食材として町内で捕獲したシカ肉をはじめ、じゃがいもや玉ねぎなど地元産の野菜を使って、カレー作りに取り掛かった。シカ肉は臭みをとるためニンニクと一緒に炒め、野菜と一緒におよそ1時間かけて煮込んであり、児童たちは森の恵みに感謝しながらおいしそうに味わっていた。ところで、ジビエ料理は農業への鳥獣被害が増える中、厚生労働省が衛生管理徹底の指針作りを進めるなど、各地で普及に向けた動きがあり、若狭町では学校給食への導入に向けてこうした取り組みを進めている。

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10/2
(クマに襲われ男性けが:北海道)
1日午後2時ごろ、オホーツク管内滝上町内の男性(76)がクマに襲われたと男性の親戚から町に通報があった。男性は命に別条はないが、顔を4針縫うけがで紋別市内の病院に入院した。町によると、男性は9月30日午前7時ごろ、自宅から約2キロ離れた町道を散歩中、物音がして振り返ったところ、体長約2メートルのクマに体当たりされ転倒。クマは体長約1メートルの子グマ4頭を連れていた。現場は周辺がデントコーン畑で人通りがなく、一番近い民家からも約600メートル離れている。今年は時折、クマが目撃されていたという。襲われた後、男性は自力で歩いて帰宅。1日昼すぎに訪ねてきた親戚の勧めで町内の病院を受診後、紋別市内の病院で精密検査を受けた。左耳から頬にかけてクマの爪痕とみられる傷があるほか、首を捻挫。転んだ際に胸や両膝を打ち、歩くと痛むという。
(ハイカーがクマの親子に襲われ軽傷:滋賀)
1日、午前8時半ごろ、滋賀県長浜市木之本町の己高山の登山ルートの入り口近くで、三重県四日市市から来たハイカーの男性(63)がクマに襲われ、軽いけがをしました。「飛びつかれたのでななく、そのままドーンと来た。クマの頭を殴ったら、一旦5メートルくらいクマが下がった。こちらが尻もちをつくと、また向かってきた。2回目のとき、脚をやられた」(クマにかまれた男性)クマは付近に生息するツキノワグマの親子とみられ、男性にかみついた親グマは体長約1メートル。子グマは50センチくらいだったということです。クマの親子はそのまま立ち去り、男性は自力で近くの宿泊施設に駆け込み、病院に運ばれました。男性は、「こんな山の麓でクマに出くわすなんて」と驚いていて、地元の猟友会は午後、捕獲用のおりを2か所に設置しました。
(熊に襲われ女性けが:長野)
1日午前11時ごろ、大町市常盤泉の柿ノ木集落の50代女性が、自宅の庭で熊に襲われ、尻をかまれてけがをした。女性は救急車で北安曇郡内の病院に搬送され、命に別条はない。大町で熊に襲われてけがをした人は9月20日以降、4人となった。熊にかまれた女性によると、市の防災無線で柿ノ木集落内での熊の目撃情報が流れたため、様子を見ようと庭に出たところ、茂みから体長1メートルほどの熊が飛び出してきて体当たりされた。女性は倒されて尻をかまれながらも、叫び声を上げて近くにあった発泡スチロールで熊を何度もたたくと、熊は南の方向に逃げていったという。その後、女性宅から400メートルほど南の農家の納屋に熊が逃げ込むのが目撃された。猟友会員が納屋を確認したが、熊は発見できなかった。市消防防災課によると、柿ノ木集落では9月30日から目撃情報が数件寄せられていた。
(子グマ1頭を目撃:栃木)
1日午前0時ごろ、矢板市石関の会社敷地内でクマ1頭が目撃された。矢板署によると、クマの正確な体長は不明だが子グマとみられ、北側の山林へ逃げていったという。同社で夜勤中の従業員男性(37)が目撃した。現場は山間地で、会社が点在しているという。同署は付近の警戒や注意を呼び掛けている。
(クマ3頭の目撃情報:栃木)
1日午後1時5分ごろ、那須町湯本でクマ3頭が目撃された。那須塩原署によると、クマは1頭が体長約1メートルで、2頭が約60センチ。西から道路を横切り、東の森林内に入っていったという。通行中の男性が目撃した。現場は那須バギーパークの東側。同署は付近の警戒や注意を呼び掛けている。
(サルの目撃情報:長野)
10月1日(水)坂下区の坂下神社北側の傾斜地で、サルの目撃情報がありました。最近、市街地でのサルの目撃情報が頻発しています。サルを見かけても、近づいたり大きな声を出して刺激しないようにしてください。また、餌を与えないようにしてください。
(サル一人旅?県北部に出没:埼玉)
県北部で黙々と東方行脚を続けるサルの姿が、羽生市藤井上組で撮影された。撮影者は渡辺信明さん(25)で、「羽生でサルを見るとは衝撃的です。ただただびっくり」と目を丸くしながら語った。サルが現れたのは9月29日午前8時ごろ。母親から「家の前にサルがいる」と聞いた渡辺さんは疑心を抱きつつ、デジタルカメラを手に家の外へ。クリの木の高さ5メートル付近にいたサルは実を落とそうとしているのか、枝を揺すっていた。シャッターを切ると木伝いに移動し、奥へ消えたという。「動きが速く1枚撮るのが精いっぱいだった」サルの目撃情報は9月23日から深谷や熊谷市内などで上がっていた。羽生署と羽生市環境課によると、同市内で最初の目撃情報が寄せられたのは28日午前で、総報告数は12件。5年前、羽生にサルが出没した時はダイコンやクリが食べられる被害が出たが、今のところ農作物への被害は入っていない。その姿勢に「マナーの良いお客さんだ」との声も上がった。目撃場所は上新郷、藤井上組、今泉などの地区や千代田駐在所付近など。東西に走る県道60号に沿う形で進んだとみられるが、同ルートの途中には東北自動車道の高架が存在する。この“関所”も難なくクリアし、加須市へと入ったのだろうか。30日午前9時ごろ、加須市立大越幼稚園に長男を送り届けた母親と祖母が、同地区の民家の屋根でカキを手にしたサルを発見した。大越小学校によると、母親は「サルは4歳の娘よりちょっと小さかった。60センチくらいでは」と話したという。ひたすら東を目指し、悠々と一人旅を続けるサル。何が目的なのかは本人しか知り得ないが、迎え入れる人々は温かい。最新の目撃情報が寄せられた加須市では、市環境政策課が該当エリアに防災無線で知らせるとともに、学校関係には保護者向けのメールで「刺激しないでゆっくりとその場を離れてほしい」などと冷静に対応するよう呼び掛けている。
(中ア登山道に鹿、高山帯新入ルートか:長野)
南信森林管理署(伊那市)が中央アルプスに生息するニホンジカを調査するため、伊勢滝から奥の登山道に今年度新たに設置したセンサーカメラに鹿が写っていたことが1日までに分かった。中アでは昨年度、標高2600メートル付近の高山帯で初めて鹿が確認され、生息域の拡大による高山植物などの食害が懸念されている。同署はこの登山道が高山帯への侵入ルートになっている可能性もあるとみて、今後の対策を検討していく方針だ。カメラによる調査は2012年度から始め、昨年度は高山帯に10台、亜高山帯に8台を設置したところ、駒ケ岳(2956メートル)山頂近くで雄の鹿1頭が撮影された。これを受けて同署は鹿の侵入ルートを調べるため、新たにカメラ3台を登山道に設置。うち標高2260メートルと同2160メートルに設置した2台のカメラに6月から9月にかけて計9枚写っていた。同署の松嶋克彰・森林技術指導官は「鹿は人間と同じように歩きやすい所を歩く。登山道を通っているのではないか」と推測する。ただ、今年度は高山帯では鹿は確認されておらず、昨年度の鹿も「迷っただけ」という可能性もあり、「情報を蓄積していきたい」という。また、今年度は6月以降、駒ケ岳ロープウェイしらび平駅に通じる県道駒ケ根駒ケ岳公園線と伊勢滝に通じる黒川林道の2路線で毎月、ライトセンサスを実施。9月18日に黒川林道で初めて鹿2頭が確認された。中アでは宮田村猟友会とともに「くくりわな」も設置しているが、捕獲されたことはない。松嶋指導官は「南アや八ケ岳と比べると生息数自体はまだ多くない」とし、「南アのような状況にならないよう早めの対応が必要。関係機関・自治体と情報を共有し、今後の対策を検討していきたい」としている。
(新たに鳥獣被害対策実施隊を組織:山口)
下関市は、有害鳥獣の駆除にあたる人たちの負担軽減を図ろうと、新たに鳥獣被害対策実施隊を組織した。隊員の身分は市の非常勤職員となる。下関市では、これまで、猟友会の人達で組織する「捕獲隊」がイノシシやシカなどの駆除にあたっていた。新たな「鳥獣被害対策実施隊」は、この捕獲隊をベースに組織されるもので、1日は、市内6地区の猟友会の会長に辞令が交付された。駆除活動隊員の身分は、市の非常勤職員で、報酬は年間2,000円、駆除でケガを負った場合は公務災害が適用される。また一定の条件をクリアすれば、猟銃所持許可更新時の技能講習が免除されるほか、狩猟税も半額に減免される。今回、猟友会の会員およそ280人が隊員となった。猟友会の会員を、有害鳥獣対策の非常勤職員とするのは県内では下松市に次いで2例目。
(民家敷地へイノシシ侵入相次ぐ:京都)
天王山近くの京都府長岡京市や大山崎町の民家敷地にイノシシが侵入し、農作物をあさったり工作物を破壊する事例が相次いでいる。山の荒廃でえさが少なくなっているためとみられ、住民に不安が広がっている。天王山の竹林を見上げる同町大山崎の民家。主婦の原田圭子さん(66)は裏手の家庭菜園を見てため息をついた。レモンの木は根っこが掘り出され、今にも倒れそうになっている。アスパラやタマネギも被害を受けており、あちこちで土を掘り返した跡が残っている。イノシシが走り回ってぶつかったのか、植木鉢も割れていた。原田さんによると、イノシシの被害は4月ごろから増え始め、現在も週に2回ほど夜間にやって来るという。原田さんは「10年ほど住んでいるが、こんなことは初めて。これでは何も植えられないし、いつ出くわすか怖くて仕方ない」とおびえている。近くの小池俊明さん(72)も、家庭菜園の世話をするために整備したブロックの階段が被害を受けた。侵入防止ネットや鈴を設置したが効果はないという。「もうすぐサツマイモができるので心配」とため息をつく。町によると、イノシシだけでなく、サルの目撃例も増えているといい、町は「出没注意!」と書かれた張り紙を町内3カ所に掲示した。ただ、根本的な解決策はなく、町は「(山麓の住民は)イノシシが活動する夜間はなるべく出歩かないで」と呼び掛けている。
(ツキノワグマに気をつけて、カキやクリ早めに収穫を:大阪)
これまで大阪府内で生息が確認されてこなかったツキノワグマが府北部で5~8月に相次いで出没したことを受け、府は初めて対策方針を策定した。ハイカーらにはクマよけの鈴の着用を、山の近隣住民にはクマを呼び寄せる原因となるカキやクリの早めの収穫などを求めている。ハイカーが増える行楽シーズンは、冬眠に備えたクマが餌を探す時期とも重なるため、専門家は「普段より注意が必要だ」としている。府内では5月、茨木市上音羽の土取り場でツキノワグマの足跡を確認。6月には、豊能町野間口の田んぼ近くに仕掛けたイノシシ用のおりで約1・3メートルのオス1頭を捕獲した。7~8月には、高槻市田能の府道などで2件の目撃情報があった。いずれもけが人はなかったが、約5メートルの至近距離で遭遇した人もいたという。府動物愛護畜産課によると、府内でツキノワグマが目撃されたのは平成12~17年に数件あっただけだが、今年は初めて捕獲されたこともあり、紅葉シーズンの本格化を前に府が対策方針の策定に乗り出した。対策方針では、クマを誘引する餌をなくすため、民家近くのカキやクリなどを早めに収穫したり、生ごみを屋外に放置したりしないことを提唱。通学路など人間の生活エリア付近のやぶを刈り、見通しを良くすることで、クマと人間が突然遭遇する環境を減らすよう呼びかけている。また、ハイカーらには、クマに人間の存在を知らせる鈴や撃退用スプレーの携帯のほか、残飯の持ち帰りを求めている。府は対策方針を府内自治体に配布。茨木市や高槻市では注意喚起の看板を設置したり、チラシを配布したりもしている。もともと生息地ではない府内でクマが出没する理由について、独立行政法人・森林総合研究所(茨城)の大井徹・野生動物研究領域長は「山で薪を取らなくなり、木が生い茂ったことによって、クマの生息環境が広がったためではないか」と指摘。全国的にクマの生息域が拡大しており、府内で目撃されたクマも、繁殖のために他府県から移動してきた可能性が高いとしている。
(冬の使者降り立つ、宍道湖にマガン:島根)
出雲市の宍道湖西岸で1日、冬の使者・マガンの今季初飛来が確認された。観測を続けているホシザキグリーン財団によると、昨年より5日、例年より4日ほど遅いという。この日午前6時55分頃、同市灘分町の斐伊川河口で、マガンの成鳥2羽が飛んでいるのを、地元の野鳥愛好家と同財団職員が相次いで確認。その後、2羽とも宍道湖沖合に2度飛び去ったが、同8時50分頃、河口の砂州に降り立った。マガンはカモ科の渡り鳥で、全長約70センチ、翼を広げた大きさは約1・4メートル。ユーラシア大陸や北米などで繁殖した後、越冬のため南下する。宍道湖西岸では毎年3月中旬まで過ごし、昨季はピークの12~1月に約3500羽が飛来した。
(AKB48永尾まりや、散弾銃を購入!)
AKB48のチームK所属の永尾まりやちゃんというメンバーを皆さんはご存じでしょうか?ファミリー劇場「ネ申テレビ シーズン16」で2014年9月21日/28日と2回に渡って放送されたむちゃぶり企画「永尾まりやのカイ・カン」で、いわゆる実銃免許といわれる「銃砲所持許可証」を取得したのです。なんで彼女が実銃を持つことになったのかというと、大人数でなかなか個人として輝くことが大変なAKB48の中で、何とか個性的な特技が欲しいということで、約半年前から企画が始動。ちなみに「実銃免許」が選ばれたのは、以前に番組内で行ったレーザーガンを使った射撃大会で1番の成績を挙げ、射撃のセンスが1番高かったからだそうです。企画始動から約1週間で参加した筆記試験(猟銃等初心者講習会【筆記試験】)では落ちるものの、2か月の猛勉強で見事リベンジ。射撃教習(実技試験)では、クレー射撃で25発中16発を命中させ、1回移動時に引き金に指をかけるという手痛いミス(減点10)をおかすものの、その後はミスもなく見事合格となったワケです。ちなみに彼女が選んだ銃は、「SKBカスタム 12ga.No.NS1050」。射撃センスが高さゆえにクレー射撃をはじめた彼女。せっかく取得した免許ですから、積極的に活用して、さらに才能を伸ばしてほしいですね。クレー射撃で東京オリンピックを目指すとか。ちなみに「ネ申テレビ」は、CSやケーブルテレビなど、有料チャンネルで放送されている番組ですが、後々DVD化などもされるのでぜひこの回が収録されたものを見て頂きたいです。永尾まりやちゃんに対する前情報がなくても、彼女に好感を持ちますし、「銃砲所持許可証」を取得する大変さが楽しくサクッと分かります。
(鹿皮で障害者の就労支援:長野)
長野県上伊那郡南箕輪村のNPO法人「やればできる」が伊那市で運営する障害者就労支援施設の利用者が、同郡中川村で解体されたニホンジカの皮で名刺入れ、キーホルダー、眼鏡ケースなどを作り、販売している。障害者が時間をかけて丁寧に作れて、工賃の単価も一定以上確保できるとして皮革製品に着目。農作物や高山植物の食害が問題になっている鹿の皮を使うことで、地域貢献も目指している。施設は「チャレンジセンター笑顔の時間(とき)」。中川村の猟友会「山恵会」が鹿皮を提供する。法人理事長小松みどりさん(40)=南箕輪村=の親族は同会の会員だ。鹿皮は東京の会社でなめして染色。施設利用者がスタッフとデザインを考え、製品を手作りする。中川村の第三セクター会社経営の宿泊施設「望岳荘」、駒ケ根市の中央道駒ケ岳サービスエリア(上り線)などで扱っている。製品には「D―eki―tane(できたね)」というロゴを刻印する。「D」は「三角形のもの」を意味する英語「Delta」の頭文字で、「人間は必ず○でなくても、△や×でもいい」との思いを表す。施設に「eki(駅)」のように大勢が集まって、利用者が「tane(種)」のように成長してほしいとの願いも込めた。「命あるものの体の一部を使わせてもらっている」と小松さん。皮はなるべく残さない。縫製、刻印、包装など作業を細かく分け、利用者の得意分野を生かして仕上げる。小松さんは、鹿の食害が深刻だからこそ、ジビエ(野生鳥獣肉)に関わる産業に可能性を見いだす。「ここで技術を磨いた利用者が働ける会社ができればいい」とする。

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(熊に襲われけが、駆除中の猟友会員男性:長野)
30日午前7時40分ごろ、長野県大町市平の「宮の森自然園」で猟友会員の60代男性が熊に襲われて顔や首、右足をけがしたと、仲間の猟友会員から119番通報があった。熊は仲間がその場で駆除した。男性はドクターヘリで松本市内の病院に搬送されたが命に別条はない。大町市では熊の出没が相次いでおり、今月20日に常盤で60代男性、22日に平で70代男性が熊に襲われてけがをしている。けがをした男性は大北猟友会平支部に所属。同支部は22日の被害を受け、朝夕に地区内を巡回してきた。30日も午前5時45分から13人で巡回を始め、7時ごろに同自然園で熊を発見した。猟友会員によると、けがをした男性は、銃で撃たれて倒れた熊のそばにいたところ、熊が突然起き上がり、襲われたという。この日、自然園ではこの熊を含め大人の熊4頭が駆除された。自然園は地元住民が管理し、遊歩道での散策やホタルの観賞ができる憩いの場となっている。猟友会員の男性(67)は「同じ場所に4頭も熊がいるのは異常。仲間がけがをして残念だが、市民の安全を守れて良かった」と話していた。この日早朝には、大町市の中心市街地で、商店街を横切る熊が目撃された。中心市街地での目撃情報は今年初めてで、市消防防災課は「市街地でも安心せずに注意してほしい」と呼び掛けている。
(ジビエ料理で初の指針、衛生管理徹底・生食禁)
イノシシやシカなど野生鳥獣の肉を使った「ジビエ」料理を安心して食べられるよう、衛生管理の方法について議論していた厚生労働省の有識者検討会は30日、初めての指針案をまとめた。一般からの意見募集を経て正式決定する。シカなどによる農産物被害の増加に伴い、野生鳥獣は近年、食肉としての活用が推奨されているが、家畜と違い衛生管理が自治体に委ねられており、統一的な指針の必要性が指摘されていた。指針は、狩猟、食肉処理、販売など段階ごとに具体的な処理方法を規定。生食はE型肝炎など食中毒の危険があるため禁止した。銃による狩猟で腹部に着弾した場合は食用としない。屋外では血抜きにとどめ、内臓摘出は原則として食肉処理施設で行うこととした。飲食店などで提供する際には、中心部を75度で1分以上加熱するよう求めた。都道府県は今後、指針を元に地域の実情に応じたガイドラインを策定し、狩猟者の認定制度や、提供する飲食店の届け出制度なども整備する。
(野生鳥獣、内臓は廃棄を)
厚生労働省の検討会は30日、野生鳥獣肉(ジビエ)による食中毒を防ぐため、狩猟や食肉処理時に異常の有無を確認し、調理時に十分加熱することを定めた衛生管理指針案を了承した。内臓は廃棄が望ましいとしている。同省が意見公募を経て正式決定し、自治体に通知する。イノシシやシカなどの野生鳥獣は、飼料や健康状態が管理されている家畜と生息環境が異なり、E型肝炎ウイルスや寄生虫などによる食中毒リスクがある。ジビエを地域の特産品として活用する動きが広がる中、衛生管理の在り方を国の指針としてまとめることで、食の安全を確保するのが狙い。
(シカ捕獲数9619頭に、前年度比2倍超:岩手)
県は29日、2014年度シカ保護管理検討委員会(委員長・堀野真一森林総合研究所鳥獣生態研究室長)で、13年度の県内シカ捕獲実績は9619頭で、前年度4240頭の2倍以上だったと報告した。規制緩和や市町村による有害捕獲頭数の増加などが要因。委員からは、捕獲頭数の増加が農業被害にどう影響するのか検証を求める意見などが出た。盛岡市内丸の県民会館で開かれた会議には委員11人が出席。県が捕獲頭数の推移、捕獲強化策を説明した。市町村の有害捕獲頭数は▽住田町742頭▽大船渡市599頭▽陸前高田市520頭▽遠野市516頭▽釜石市387頭―など。増加の要因について、県は▽狩猟期間を1カ月延長▽1日1人当たりの捕獲制限を撤廃▽休猟区の指定見直し―などの規制緩和策を挙げた。国の補助を受け、各市町村による有害捕獲事業も本格化し、13年度捕獲実績は年度目標の7700頭を大幅に上回った。委員からは「捕獲頭数と農業被害の影響を検証する必要がある」「捕獲後のシカの処理環境が十分に整っておらず、捕獲後のシカが放置されるケースが問題となっている」などの指摘が出た。
(クマ1頭を駆除:栃木)
那須塩原署は29日、那須塩原市関谷の電力中央研究所敷地内で、クマ1頭を駆除したと発表した。同署によると、クマは体長約1.5メートル、体重約60キロのメス。同日午後2時10分ごろ、同研究所の職員が敷地内に入り込んだのを目撃し、警察に通報。職員や近隣住民らの危険性を考慮し、地元猟友会会員が駆除した。人的被害はなかった。
(クマ目撃:栃木)
30日午後4時40分ごろ、塩谷町東房の山林から県道に頭を出したクマ1頭が目撃された。人的被害はない。矢板署によると、クマの体長は不明。クマはそのままUターンして山林内に入って行ったという。現場付近は人家が点在する農村地帯で、広報、警戒活動を実施している。
(クマ目撃:新潟)
30日午後7時半前、南魚沼市上野の国道に体長約1メートルのクマ1頭がいるのを車で通り掛かった男性が目撃し、南魚沼署に通報した。近くに民家があるため、同署や市は付近に注意を呼び掛けている。
(シカの新型捕獲装置を試験設置:大分)
県森との共生推進室は29日、陸上自衛隊日出生台演習場横の玖珠町日出生南部地域に、シカを一網打尽にする新型の捕獲装置(ドロップネット)を試験的に設置し、県内自治体の農林関係者や猟友会役員ら約50人を対象に研修会を開いた。高さ3メートルの支柱を立てて可倒式の網(18メートル四方)を張り、昼間は通常カメラ、夜間は赤外線暗視カメラでリアルタイム映像をパソコンやスマートフォンに配信。絶好機に落下スイッチを押すと、遠隔操作で電磁石に付いた網のプレートが一斉に外れる仕組みで、電源はソーラーパネル。研修会では、装置を共同開発した三重県と福井県の業者が説明。装置は特許出願中で、おびき寄せる餌は乾燥牧草や塩、米ぬかなどが効果的という。県によると、シカの県内捕獲頭数は年々増え、2013年度は約3万2400頭。農林業被害額は06年度に1億1500万円に達したが、13年度は6800万円に激減した。同推進室の清原誠二郎室長補佐は「被害予防と捕獲対策がうまく機能し始めたため」と説明し、新型装置にも期待している。
(ジビエやアユ料理を研究:和歌山)
和歌山県の古座川町商工会女性部(佃奈津代部長)は、新事業検討委員会をつくり、地域資源であるジビエやアユを使った料理について研究している。将来は町内に茶屋を開いて料理を提供したいという。26日には同町高池の町中央公民館で、シカ肉料理を扱う「愛deer料理教室」代表の林真理さん(50)=兵庫県宝塚市=から、シカ肉の調理法を教わった。全国商工会連合会が国から受けた地域内資金循環等新事業開発検討事業。同女性部は「地域資源を活用した茶屋開業への新メニュー開発と観光人口増加事業」で申請し、補助を受けている。地域で捕れるシカやイノシシの肉などのジビエ、清流古座川のアユを使った料理を提供する茶屋を開くことが最終目標。茶屋は部員の井土穂津美さん(68)が所有する川沿いの「民泊つきのせ」(月野瀬)で開く予定にしている。ジビエ料理の提供は、同町月野瀬で町が建設しているシカ肉やイノシシ肉を解体・加工する「鳥獣食肉処理加工施設」が、来年稼働することを踏まえて考えた。委員会は8月に発足し、初めに京都市の河床料理店を視察した。10月には奈良県でヤナ漁を見学し、11月には宝塚市で林さんの料理教室に参加する予定。同事業で活動できる期間は1月31日まで。この日の講習会には部員8人が参加した。林さんがシカ肉は高タンパク質で低脂肪、鉄分やミネラルが豊富な栄養価が高い食材と説明。調理の際は低温で長時間火を通してほしいと話した。その後、部員は林さんと一緒にロースやミンチのつみれ汁、しぐれ煮などを調理し、作り方を教わった。委員長の山本君枝さん(55)は「地元でシカ肉を食べたことはあったが、限られた食べ方しか知らなかったので、いろいろな料理を学べてよかった。どう生かしていくかは部員の工夫次第なので、頑張っていきたい」、佃部長(63)は「町内に地元の食材を提供する茶屋ができれば、周囲の飲食店への刺激にもなる。お客さんにとっても店を選べるようになるのはいいこと。個人の商売を頑張るだけでは衰退する一方なので、みんなで協力し、地域全体を盛り上げていきたい」と話している。町商工会青年部も同事業を活用し、町内で採れたニホンミツバチの蜂蜜のブランド力を高め、商品化することを目指している。

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