<射撃ニュース10月>

10/29
(サルが保育園襲撃、引っかかれ女児2人けが:山梨)
27日午前11時すぎ、山梨県都留市で、保育園の園庭に1匹のサルが現れ、遊んでいた4歳の園児2人に突然、襲い掛かりました。2人は頭や尻を引っかかれ、軽いけがをしました。保育園の裏山に逃げたサルは、体長70cmから80cmほどで、雄とみられています。周辺では、先月からサルの姿がたびたび目撃されていて、この保育園でも捕獲用の罠を設置するなど対策を講じていました。地元の猟友会などは28日朝から山に入り、このサルを捜すとしています。
(園児襲ったサル駆除:山梨)
都留市で園児2人を襲ったサルが28日駆除された。市はサルが単独で行動していたため、縄張り争いなどで敗れ気が立っていた可能性があると分析している。大月警察署によると27日午前11時20分ごろ、都留市小野の開地保育園で外で遊んでいた園児が野生のサルに襲われ、女の子2人が軽いケガをした。このため保育園や近くの小学校ではけさ警察官や職員が警戒にあたった。市と猟友会が駆除に乗り出したところ昼ごろサルが再び保育園の近くに現れ猟友会がきのうサルが逃げていった近くの小学校の裏山で待ち伏せて銃で駆除した。駆除されたのは体長1メートルのオスで、特徴から園児を襲ったサルと同じ個体とみられている。都留市は通常群れで暮らすサルが単独で行動していたことから、「縄張り争いなどで敗れ気が立っていた可能性がある」と分析している。園児2人がけがをした保育園では「再発防止とともに園児の心のケアにも努めたい」と話している。
(鳥獣駆除、都道府県が目標設定を)
中央環境審議会は27日、農作物に深刻な被害を与えているニホンジカやイノシシなど有害鳥獣について、都道府県が数値目標を設定して主体的に捕獲することを定めた基本指針を望月義夫環境相に答申した。5月に改正鳥獣保護法が成立したことを受けての措置。指針では、都道府県が鳥獣管理に関して専門知識を持った職員を育成・配置するほか、効率的な捕獲方法の情報収集に努めるとした。今後、捕獲数増加が見込まれるため、捕獲した鳥獣を可能な限り食肉などに活用することが重要だとも指摘した。改正法は、ニホンジカとイノシシが対象で、来年5月に施行される予定。
(民家敷地にクマ:埼玉)
26日午後8時ごろ、飯能市永田の民家の敷地内で、クマ1頭が柿の木に登って実を食べているのを隣家の主婦が発見、同市役所に通報した。同市農林課によると、クマは裏山方面に去り、けが人はなかった。同市は住民に注意を呼びかけている。現場は住宅地で小中学校3校が近くにあり、山を挟んで日高市の団地や小中学校、付近に天覧山などのハイキングコースがある。このため、飯能市はクマを追い払うのではなく、捕獲することを決定。猟友会が27日、裏山を捜索したが見つからなかった。28日も捜索を続ける方針。同市内では9月27日にも南高麗地区でクマが目撃されたが、捕獲には至っていない。
(市街地にイノシシ:長野)
27日正午すぎ、諏訪市街地にイノシシが出没したと110番通報があった。諏訪署員や猟友会員ら約30人で捜索や捕獲に当たったが、包囲網をかいくぐって上諏訪・四賀両地区の商店街や住宅地の中を逃げ回ったり、国道20号やJR中央東線を横断したり。3時間の格闘の末、ようやく山へと帰った。けが人はなかったものの、複数の警察車両が注意喚起しながら巡回するなど物々しい雰囲気に包まれた。関係者によると、イノシシの体長は1メートル前後で「春先に生まれた個体」とみられるという。成獣と2頭でいたとの目撃情報もある。市内の一部の小学校はこの日、職員付き添いで集団下校した。
(県道でクマ目撃:栃木)
28日午後6時半ごろ、矢板市高塩の県道でクマ1頭が目撃された。矢板署によると、クマは体長約1メートル。道路を南から北へ横切って走っていったという。車で帰宅中の女性が目撃した。同署は付近の警戒をするとともに注意を呼び掛けている。
(竹やぶでクマ1頭目撃:栃木)
28日午後4時55分ごろ、矢板市片俣の竹やぶでクマ1頭が目撃された。人的被害はない。矢板署によると、クマの体長は約1.5から2メートル。会社から帰宅した男性が自宅西側の竹やぶの中にいるクマを目撃した。クマは走って逃げて行ったという。同署で広報、警戒活動を実施している。
(クマ目撃:新潟)
27日午前7時前、上越市朝日の市道脇の田んぼで、クマ1頭を目撃したと車で通り掛かった男性が市に通報した。市によると、クマの体長は約1・2メートルで、山の方へ逃げた。現場から民家まで約150メートル。
(小学校近くでクマ目撃:栃木)
今市署によると、26日午後10時10分ごろ、日光市轟の国道461号をクマ1頭が横断するのを車で通り掛かった人が目撃し、通報した。クマは体長約1メートル。現場は同市轟小の南西約300メートルの場所で、警戒を呼び掛けている。
(奥多摩でクマ目撃情報が37件:東京)
東京都奥多摩町でツキノワグマの目撃情報が過去五年間で最多ペースで増えている。九月末には、登山者が山中で出くわしたクマに襲われ、大けがを負った。今年は山にドングリなどのえさが少ないとみられ、今後も冬眠に向けて、えさを探し回るクマが頻繁に出没する可能性がある。都や町は、登山者に複数での行動と、クマよけの鈴など音の出る物を携行するよう注意を呼び掛けている。都奥多摩ビジターセンター(同町氷川)には二十七日現在、クマの目撃情報が三十七件寄せられた。すでに昨年の二十一件を大幅に上回り、過去五年間で最多だった二〇一二年の二十七件を更新している。町観光産業課への目撃情報も十八件で昨年の十一件を上回っている。出没エリアは山間部だけでなく、南氷川地区の住宅地近くで徘徊(はいかい)していたとの情報もある。人的被害も発生した。九月二十八日に川苔(かわのり)山(高さ一、三六三メートル)に一人で登った三十代の男性がクマに頭をかまれ、倒れて動けなくなった。ほかの登山者が見つけて通報し、病院に運ばれた。町観光産業課の職員によると、例年、出没情報は多く寄せられるが「人的な被害は、ここ二、三年はなかった」と話す。昨年は、えさとなるドングリが豊作だったが、今年は少ないとみられる。ビジターセンターは、クマが目撃された場所や日付を書いた青いシールを地図上に貼って事務所に掲示している。クマは通常、登山者の出す物音を警戒して自ら遭遇を避ける習性がある。このため担当者は「登山者は鈴や、付けっぱなしのラジオを携行してほしい。一人でなく複数でおしゃべりしながら登ることなどを心掛けてください」と呼び掛けている。町もJR青梅線奥多摩駅前の登山届け箱近くに「クマに注意」との看板を立て注意喚起している。
(鳥獣被害対策実施隊を設置:山形)
鳥獣による農作物被害などの防止を図る「鶴岡市鳥獣被害対策実施隊」が設置され27日、市役所で委嘱状の交付が行われた。鳥獣被害防止特措法に基づき市が設置したもので、庄内では初めて。地元猟友会の会員ら177人が委嘱され、消防団のように市の非常勤特別職となる。年間5000万円に上る農作物被害の縮小と人身被害の防止に対応する。市農政課によると、同市のこれまでの鳥獣被害対策は、市鳥獣被害防止対策協議会で行うカラスの捕獲やニホンザルの追い払い、市が猟友会に委託して行うツキノワグマやサルの緊急捕獲活動、地域住民や農家が自ら行う被害防止機材への助成と大きく3つの取り組みを展開している。一方で、鳥獣被害対策の担い手である猟友会員は、会員の高齢化と減少が続き、1978年度の848人をピークに、本年度は168人と激減。ここ10年でも60人減少している。狩猟資格を維持するための経費や手続きの負担もあり、新規会員の獲得と既存会員の負担軽減が課題となっていた。同実施隊は、被害防止の担い手の確保と実効性を高める観点から、同特措法に基づいて設置できるもの。隊員の狩猟税が通常の2分の1に軽減されるほか、2014年度からは3年以内に銃刀法上の指示処分を受けていないなど一定の要件を満たせば技能講習の免除などメリット措置が拡充。県内では置賜、村山を中心に15自治体で設置している。鶴岡市では、10月1日付で立ち上げ、県猟友会鶴岡支部の141人、同温海支部の27人、市の各庁舎担当者9人の計177人を隊員に委嘱。この日の交付式では、隊員約40人が参加。榎本政規市長は「農作物の鳥獣被害には地域ぐるみで取り組んでいくことが大切。東北一森林面積の広い市として、より実効力のある活動に一緒に取り組みたい」とあいさつし、県猟友会の佐藤征勝支部長と阿部徳秋温海支部長の代表2人に委嘱状を交付した。実施隊を代表し佐藤支部長は「銃を使っての活動で危険なことを認識しながら、さらに一人一人が精進を重ね、地域の人に認知されるように社会貢献に努力していく」と決意表明した。引き続き、研修会として先行して取り組みを進めている米沢市の担当者や実施隊のメンバーら3人が取り組みを発表した。
(イノシシ、海を泳ぐ:長崎)
佐世保海上保安部の巡視艇がパトロール中の海上でイノシシを見つけ、記録用のビデオカメラで撮影した。同海保によると「海を泳ぐイノシシを見かけるのは珍しい」としている。同海保によると、巡視艇「つばき」が27日午後1時半過ぎ、長崎県佐世保市俵ヶ浦町の高後崎から南に約1キロの海上を巡回していたところ、船長がイノシシ1匹を発見、本山貴雅・航海士補(23)が撮影した。体長約80センチで、東の同県西海市側に向かって、犬かきのような動きで泳いでいた。同海保がイノシシが泳いでいるのを撮影したのは初めてという。本山航海士補は「海でイノシシを見かけるなんて思いもしなかった。上手に泳いでいたので、岸までたどり着いたのではないか」と話していた。
(イノシシが芝生はぎ取る:佐賀)
テントキャンプのベストシーズンです。日中は過ごしやすく、日が落ちてからは焚(た)き火でゆっくり過ごすことができます。そんな金立教育キャンプ場のあちらこちらで芝生がはぎ取られ、まるで耕運機で耕したかのようです。犯人は農業被害などで知られるイノシシです。神経質で警戒心が強いといわれますが鼻の力は強く、メスでも50~60キログラムの石を動かします。さらに、120センチの高さを助走なしで飛び越え、時速45キロメートルで走り、20センチ程度の隙間があればくぐり抜けることができるなど、運動能力はかなり優れています。また、夜行性とばかり思っていましたが、実は昼行性で夜間行動するのは人に見つかりにくいことを学習した結果だそうです。かなり賢い動物で、農業被害なども人間が豊かな森を破壊した結果で反省すべきは人間のようです。
(熊警戒「人里に入れない工夫を」:長野)
中信地方を中心に熊の出没が相次ぐ中、県のクマ対策員を務める信州大山岳科学研究所(長野県上伊那郡南箕輪村)の泉山茂之教授(55)=動物生態学=が27日、信濃毎日新聞のインタビューに応じた。大北地方から下伊那地方の出没現場などを調べた結果、熊の餌となるドングリが他地域と比べ北アルプス東麓で少なく、過去に発信器を付けて放獣した熊の動きなどから、例年なら奥山にいる6、7歳の体重100キロほどの大きな熊が里まで下りてきているのが今年の傾向と指摘した。泉山教授によると、熊は冬眠に備えて脂肪を蓄えようと9月上旬からドングリなどを食べ始める。ところが、今年の北ア山麓には十分な量がなく、奥山にすむ大きな熊が餌を求めて里近くに下りてきている。その結果、里近くにすむ親子連れや若い熊が押し出され、まず里に出没するようになった。9月下旬には、大きな熊も里に出没し、深刻な被害を出すようになったとする。奥山の熊が里に下りる現象は、ドングリなどの堅果(けんか)類が全県で凶作だった2006年の大量出没の際も見られた。多くの場合、里にあるクルミなどを求め、耕作放棄地や川沿いの茂みを伝って移動し、街中に現れたとみられる。泉山教授は「もともと里近くにいた熊は人間の怖さを知っているが、人間と接触がない奥山の熊は知らない」と話す。泉山教授は、里に餌付いてしまった熊は駆除することが必要とする一方、「1頭駆除しても次の1頭が現れるだけ」と指摘。電気柵を張ったり川沿いの茂みや耕作放棄地を刈り払ったりして「人間の生活空間に入ってこないようにする」ことが重要とする。「過去に電気柵を張った地域では熊は出ていない。また、昨年茂みを刈り払った(松本市南西部を流れる)鎖川沿いでは、毎年発生していた被害が止まった」と泉山教授。「同じような大量出没は今後も起きる。熊は街中にも出るから、山際だけでなく街中の住民の問題でもある。住民と行政が協力し、具体的な対策を進めてほしい」としている。
(サルの“悪行”拡大:高知)
高知県の室戸岬にすみ着き、時には観光客を威嚇するサルの“悪行”がエスカレートしている。建物への投石やガラス瓶を割る行動が目撃され、10月27日朝には室戸ジオパークインフォメーションセンターのガラスが割られる被害が発生。関係者は「けが人が出なくて幸いだったが…」と不安を募らせている。
(エアガン発射、ワンボックスカーから所有者を確認へ:北海道)
27日午後、北海道・札幌市の路上で、車に乗った男がエアガンを発射した瞬間をカメラがとらえた。警察は28日、現場近くに止めてあったワンボックスカーを、レッカー車で警察署に移動して、所有者の確認を進めている。27日午後4時ごろ、運転席の窓から出てきた手に握られていたのは、シルバーのエアガン。その引き金を引き、外に向け、3回ほど発射しているのがわかる。「中に乗っていたのは、だいたい20代くらいの2人のように見えまして、笑っているような様子も、はしゃいでいるような感じは見てとれました」と語った。15メートルほど先で、自転車を押していた歩行者に当たった様子が見えたという。警察は28日午前10時半すぎ、現場近くの駐車場に止めてあった白のワンボックスカーを、レッカー車で警察署に移動して、所有者の確認を進めている。
(コーエーテクモゲームス取締役顧問の柿原康晴氏がながさき国体クレー射撃で優勝:東京)
コーエーテクモゲームスの取締役顧問 柿原康晴氏が、長崎県で開催された“東日本大震災復興支援 第69回国民体育大会”において、クレー射撃トラップの部で見ごと優勝!柿原氏は、同体育大会に東京都代表として出場していた。柿原康晴取締役顧問からのコメント:今回、4度目の国体出場でついに念願のタイトルを獲得することができました。昨年の東京国体では個人成績は振るわなかったものの、東京都として団体総合優勝の成績を残すことができ、チーム全員で1つのことを成し遂げる素晴らしさを実感しました。 今大会ではこのチームへの貢献ということを強く意識して臨んだ結果、トラップ部門個人優勝と団体総合優勝を果たすことができました。この先は2016年のリオデジャネイロオリンピック、2020年の東京オリンピックへの出場目指し、引き続き研鑽いたします。皆様のご声援、ありがとうございました。
(ライフル競技場設計を四国建築:愛媛)
内子町は、2017年開催予定の「えひめ国体」に向け、城の台公園特設ライフル射撃競技場建設を15年度に計画している。現在、設計を四国建築設計事務所(松山市)で進めている。期間は15年3月13日まで。
(エゾシカ肉に高い関心、スーパーで販売開始:北海道)
コープさっぽろベルデ店(帯広市西17南4、鈴木敏幸店長)は、道が定める「シカの日」(毎月第4火曜日)の28日、エゾシカ生肉(チルド)の販売を始めた。定番商品として扱うのは十勝管内の大手スーパーでは初めて。初日から買い物客の関心を集めた。北海道とコープさっぽろが進めるエゾシカの有効活用・食用拡大の取り組みの一環。コープでは昨年から6店舗でシカ生肉を販売していたが、組合員からの要望もあり取り扱い店舗を拡大した。販売するシカ肉は、生け捕りして一定期間育てた後、知床エゾシカファーム(オホーツク管内斜里町)など、エゾシカ食肉事業協同組合(同)に加入する道内のHACCP認定工場で加工した。パックには個体識別番号が記され、同組合ホームページから生産履歴が確認できる。同店ではばらやもも、ロース、ヒレなどの生肉が並び、午前10時の開店とともに買い物客が手を伸ばした。部位によって値段は異なるが、ヒレは100グラム698円、ロースは同577円、ももは同298円など。ステーキ肉を購入した士幌町内の若木武勇さん(75)は「シカは脂が少なく食べやすい。食べるのが楽しみ」と話していた。同店では28、29日にシカ肉30%引きで販売する他、毎月の「シカの日」もセールを行う。鈴木店長は「新しい食文化。ぜひ一度味わってみてほしい」と話している。
(ジビエ料理など持ち寄り交流会:和歌山)
ジビエ料理とおふくろの味でおもてなしをテーマに、和歌山県の日高地方生活研究グループ連絡協議会(後藤明子会長)は27日、みなべ町東本庄の町保健福祉センターで試食や意見交換などをする催しを開いた。みなべ町や印南町などにある8グループが工夫を凝らしたジビエ料理や伝統の料理を持ち寄って交流した。「日高をまるごと味わう会」と題した催し。連絡協議会では会員有志が昨年「シカレディース」を発足させてジビエ料理の普及に取り組んでいることや、来年には「紀の国わかやま国体」があることから、いろいろな機会に料理でおもてなしをする参考になればと企画。生活研究グループは農村地域の女性らでつくっており、この日は各グループのメンバーら計約150人が参加した。後藤会長は「食を中心に輪が広がることがうれしい。おいしい料理を囲んで楽しいひとときを過ごしたい」とあいさつ。来賓の下宏副知事は「今年は特にジビエとおふくろの味ということで大変楽しみ。こうした地域の文化を伝承していってほしい」、みなべ町の小谷芳正町長も「四里四方の産物を食べると健康で長生きすると言われる。毎日、みなべの梅を食べて長生きを」と呼び掛けた。試食会には、地元の食材を生かし各グループのメンバーが手作りの料理32品を用意。シカ肉のカツサンド(みなべ町生活研究グループ連絡協議会南部川支部)、わさびずし(印南町生活・営農改善グループ連絡協議会)、甘酒(みなべ町生活研究グループ連絡協議会南部支部)などが並び、メンバーがそれぞれの料理について「梅びしおを使っているので、あっさりとおいしくなっている」などと紹介した。
(岡崎のジビエ:愛知)
人里から車で山道を上ること十五分、せせらぎの音が響く愛知県岡崎市夏山町に「三州マタギ小屋」がひっそりとたたずむ。周辺の農地を荒らすイノシシやシカが毎日のように持ち込まれ、解体され、食肉になる。近年、山は植林された針葉樹が幅を利かせる。野生動物の餌になる実をつける広葉樹は減った。その上、温暖化で増えすぎた動物が餌を求めて山から下りてくるようになった。小屋の主人、日浅一(ひあさはじめ)さん(69)は猟師歴五十年のベテラン。捕獲した動物を土に埋めて処分せず、野生鳥獣を食する「ジビエ料理」の材料として生かそうとしている。動物を大切な食材と考え、肉体の激しい損傷につながる銃は使わず、おりで捕まえる。捕まった子どもは山へ逃がす。「命をいただきながら、うまく循環させるのが猟師の知恵だよ」農地や山林の環境を保ちながら、捕獲した動物を地域の特産品として生かす活動は、環境と経済の両立を目指すESDの理念と一致している。

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10/27
(熊に襲われ男性けが:岐阜)
25日昼前、岐阜県飛騨市で、住宅街に熊が出没し、男性が襲われけがをしました。午前11時50分ごろ、飛騨市神岡町で、クマの出没情報を聞いて周囲を見回っていた70歳の男性がクマと遭遇し、襲われました。男性は首や顔などひっかかれけがをしました。この30分ほど前に、現場近くの住宅の裏にクマが潜んでいるという通報が市役所にあり、注意を呼びかけていたところでした。市や警察、猟友会などが警戒を続けています。
(男性、熊にかまれけが:長野)
23日午後3時20分ごろ、長野県安曇野市堀金烏川の白沢潔さん(69)から「熊にかまれた」と110番通報があった。安曇野署員や地元猟友会員らが駆け付け、白沢さん宅のやぶで熊を見つけ、4時ごろ、殺処分した。白沢さんは自宅近くの田の様子を見に行く途中で熊に出くわし、右腕をかまれ、軽いけがをした。県鳥獣対策・ジビエ振興室によると、本年度、熊と遭遇してけがをした人はこれで26人となった。同署などによると、熊は体長約1・5メートル、体重約100キロの雄で推定8歳。現場は通称広域農道西側の田園集落。同日、近辺で熊の足跡が見つかるなどして猟友会員らが警戒していた。地元の堀金小学校は集団下校し、教員が通学路を巡回した。一方、23日午前6時半ごろ、塩尻市宗賀のJR洗馬駅近くに仕掛けたおりに熊が1頭入っているのを市猟友会員が見つけ、殺処分した。市によると、熊は体長約1・2メートル、体重約50キロ、3~4歳の雄。おりの近くでは午後4時45分ごろ、熊2頭が出没。目撃した市猟友会の塩原基宏会長(73)によると、1頭は洗馬駅方面、1頭は奈良井川方面に逃げたという。塩尻市では、21日夕に雑木林で女性が熊にかまれた広丘原新田で市職員や塩尻署員が警戒を続けている。塩尻署は小学校や保育園の登下校時間に合わせてパトカーで警戒。市職員、市猟友会員3人でつくる有害鳥獣パトロール員らが来週半ばごろまで警戒を続ける。市教委によると、現場近くの広丘小と吉田小は、集団下校を継続。広丘小は23日の登校時間を午前8時以降とした。丘中学校は同日朝の部活動を中止した。
(乗用車と衝突、クマ死ぬ:栃木)
23日午後7時18分ごろ、那須塩原市鳥野目の東北自動車道上り線で東京都国分寺市本多3丁目、会社員男性(38)の乗用車とクマが衝突した。県警高速隊によると、男性にけがはなく、クマは死んだという。同隊によると、クマは体長約1.3メートル。男性が追い越し車線を走行中に中央分離帯側からクマが出てきたという。
(柿の木に登り実を食べるクマを駆除:福井)
福井県大野市の民家で24日朝、庭の柿の木に登っているクマが見つかり、猟友会に駆除された。ケガ人はなかった。クマは体長が120センチで体重50キロのオスのツキノワグマで、住民の安全を確認した上で、猟友会が駆除した。
(保育園児ら、登山でクマに遭遇:長野)
24日午後0時半ごろ、上田市の太郎山(標高1164メートル)に登っていた保育園児3人と男性保育士(37)がクマ1頭を目撃し、山頂近くのトイレに避難した。通報を受けた上田署員や市職員、別の保育士らが駆け付け、約1時間後、園児らは無事に下山した。保育園によると、太郎山登山は春と秋の恒例行事。男性保育士によると、クマに遭遇したのは山頂から約400メートルほどの地点。「ミシッ、ミシッと音がして、カモシカかと思ったら、4、5メートル先の斜面をクマが登ってきた」。体長は約1・5メートル。「顔や耳もはっきり見えた」という。「逃げろ」と、とっさに子どもたちを誘導し、約100メートルほど戻って、山頂付近のトイレに避難した。「子どもたちは動揺して、泣き出しそうな子もいた」という。避難後、携帯電話で園に通報し、園から市役所に連絡。園児らはトイレの中などで救助を待った。
(クマ出没相次ぐ:長野)
塩尻市で24日、2頭のクマが捕獲された。また上田市の太郎山では、午後1時ごろ、集団登山をしていた保育園児などがクマを目撃した。一時、保育士と園児3人が山頂付近のトイレに避難した。園児たちにけがはなかった。
(クマ目撃:新潟)
26日午前8時すぎ、十日町市高道山の市道でクマを見たと住民から十日町署に通報があった。同署によると、現場は住宅から約150メートルでクマは体長約80センチ。
(クマの目撃情報:長野)
10月26日(日)午前6時30分頃、ますみヶ丘区の農道ますみヶ丘信号から小黒川間において、クマの目撃情報がありました。付近を移動される住民の方は十分注意してください。この時期はクマが餌を求めて活発に活動を行う時期でもあります。家の近くや普段歩きなれている山でも、クマが出没する可能性があります。クマから身を守るため次のことに注意しましょう。クマに遭遇しないようにするには、人間の存在を知らせるため、家の近くであっても笛・鈴・ラジオなど音の鳴るものを身につけましょう。早朝や夕方、キノコ狩りなどで入山する場合は2人以上で行動するなど特に注意してください。
(畑にクマ3頭:栃木)
25日午後5時ごろ、那須塩原市宇都野の畑で近所の人がクマ3頭を目撃した。那須塩原署によると、1頭が体長約1メートルで、2頭が体長約40センチ。現場は同所の嶽山箒根神社から西に約400メートル付近。
(クマの目撃情報相次ぐ:新潟)
上越市と妙高市で25日、クマの目撃情報が警察に寄せられた。いずれも民家に近く、警察などが注意を呼び掛けている。上越市では午前6時前、同市石沢の矢代川沿いの畑でクマ1頭を目撃したと、近所の男性が110番通報した。上越署によると、体長約1・5メートル。妙高市では午前6時半前、同市三本木新田でクマ1頭が国道18号を横断しているのを車で通りかかった男性が目撃し、110番通報した。妙高署によると、体長約1・8メートル。
(ツキノワグマの痕跡:神奈川)
秦野市堀西で23日、ツキノワグマの痕跡が確認された。市内での出没情報は2年前に3度あって以来。市は追い払いを実施し、周辺に注意を呼び掛けている。市によると、痕跡が見つかったのは同日正午ごろで、堀西地区の「堀西さわやか農園」と桂林寺付近の柿畑の2地点。いずれも枝が折られ、柿が食べられた形跡があった。市と県が確認したところ、フンや足跡の特徴から、ツキノワグマの成獣と特定された。市はすでに注意喚起を促すチラシを付近の幼稚園、小中学校、住宅に配布。市環境保全課は「クマに遭遇しても近づかず、大きな声を出さない。農家は野菜の残りかすの処分、果樹の収穫を早めて」などと呼び掛けている。
(小学校近くでクマ目撃:栃木)
那須塩原署によると、24日午後10時ごろ、那須塩原市上大貫の市道で、道路を南進するクマを運転中の人が目撃し、同署に通報した。目撃現場は大貫小学校東方約300メートルの市道で、東北自動車道の西側。クマの体長は約1メートルという。同署で現場付近を警戒するとともに、注意を呼び掛けている。
(クマ1頭目撃:栃木)
24日午後5時35分ごろ、日光市所野の道路でクマ1頭が目撃された。人的被害はない。日光署によると、クマの体長は約1メートル。通行人が道路を横切るクマを目撃した。クマはその後山林に入って行ったという。現場付近は住宅地に近い山林。同署で広報、警戒活動を強化するほか、関係機関と連携して警戒を呼び掛ける。
(クマ2頭目撃:栃木)
23日午後7時15分ごろ、矢板市上伊佐野の農地でクマ2頭が目撃された。矢板署によると、クマは1頭が体長約1メートルで、もう1頭が約50センチ。北西の方向へ走っていったという。車で通行中の男性が目撃した。同署は付近の警戒をするとともに注意を呼び掛けている。
(イノシシ目撃情報:栃木)
宇都宮東署によると、26日午前7時20分ごろ、宇都宮市岩曽町の通称・御幸五差路西側でイノシシ1頭が目撃された。付近の民家の金網フェンスが壊された。人的被害はない。イノシシは体長約1メートル。その後、同市御幸町、平出町、下平出町でも目撃情報があった。
(サル目撃情報、相次ぐ:千葉)
24日午前8時10分ごろ、習志野市東習志野6丁目のホームセンター付近で、サルが歩いているのを市民が発見し、習志野市役所や習志野署に届けた。その後、隣接する八千代市、千葉市花見川区でも目撃された。23日には船橋市、21日には鎌ケ谷市内でも出没した。東葛地域の各警察署によると、今月6日以降、野田、流山、柏市内などでも目撃情報が相次いだ。同じサルかどうかは確認されていない。各市や各警察署には市民からの被害情報は入っていないが、注意を呼びかけている。ニホンザルなどを飼育する市川市大町の市川市動植物園は、これまで京葉、東葛エリアに野生サルは確認されていないため、飼われていたものが逃げたのでは、と推測する。飼育員は「どんなサルなのか情報はありませんが、逃げているサルは人間には捕まりません」。
(野生動物の出没相次ぐ:群馬)
前橋や高崎で相次いでクマやアライグマなど野生動物が目撃され、前橋市・高崎市が注意を呼び掛けている。前橋では10月22日、大手町でアライグマが目撃された。14日には粕川町で体長2メートル程度のシカが目撃された。粕川町は郊外で田畑もあるが、大手町は群馬県庁や前橋市役所などもある中心市街地。体長40センチ程度とはいえ、アライグマは獰猛な危険小動物だ。高崎では10月21日に中里見町でクマが、22日に隣接する安中市板鼻町では子グマ、同じ個体かどうかわからないが、翌23日にも同町で子グマが目撃されている。サルは最近では9月26日に高崎の下里見町で、10月20日には前橋の上細井町で目撃されている。シカは赤城山麓などで増えており、9月には大規模な囲いわなを使った捕獲作戦が始まった。前橋市在住の猟友会会員の男性は「福島第一原発事故以降、赤城山で猟をする人が減った。狩猟は殺生(せっしょう)を目的としているのではなく、肉を食べるため。だから撃たない。駆除にも協力してきたが、猟をする人自体が減っているので、シカもイノシシも増えるに任せているような状態」と話す。前橋市、高崎市では野生動物を見かけても近寄らない、エサになるようなもの(残飯を含む)を家の外に置かないなど注意を呼び掛けている。
(クマ、個体数調査検討へ:長野)
クマ出没による負傷者が相次いでいることを受け、県は24日、塩尻市の県林業総合センターでツキノワグマ対策会議を開いた。23日も安曇野市で男性が襲われた。県のまとめでは、クマによる今年の負傷者は26人に上る。調査や捕獲に携わっている県のクマ対策員らは「要因を調べ、その場限りでない対応を」と訴えた。安曇野署によると、安曇野市堀金烏川の男性が23日、自宅近くでクマに腕をかまれ、けがをした。24日の会議で、県の松本、北安曇地方事務所の担当者は「例年になく市街地近くに出ている」などと報告。NPO法人信州ツキノワグマ研究会の林秀剛理事は、昨年ドングリが豊作で多くの子グマが生まれたことを一因に挙げ「駆除だけではなく、長期的に取り組む総合的な対策を考えなくてはならない」と強調した。他の対策員からも「電気柵を整備する必要がある」「人とクマを引き離す工夫が大事だ」との声が出た。森林総合研究所(茨城県つくば市)の中下留美子研究員は「来年以降も人里に居着くクマが増える可能性がある。なぜ市街地に出てくるのか、どのような形で人身事故が起きたかを個々に分析すべきだ」と指摘した。これを受けて県の担当者は来年度、個体数や出没把握のための調査や、電気柵整備の促進を検討する考えを示した。
(県がクマ出没警報を発令:富山)
県内で相次ぐツキノワグマの目撃情報を受け、市街地に出没する事例が増えてきたことなどから、県は24日、出没警報を出しました。人身被害が発生する前に警報が出されるのは、4年前の制度開始以来初めてです。24日出された県のツキノワグマ出没警報では、特に柿などの果樹の利用する予定のない実を早めに取り除くことや、クマの家屋への侵入を防ぐため、戸締まりを徹底するよう呼びかけています。県では、2010年に策定した計画で人身被害が発生した場合などに警報を出すことにしていますが、今回は、目撃情報が4年ぶりに300件をこえたことや、市街地での出没が見られるようになったこと、また、このあとも出没が続くとみられることから、出没警報が発表されました。県内では24日も、黒部市の前沢小学校の近くや南砺市で目撃情報が相次ぎました。
(クマ目撃急増、捕獲おり設置:滋賀)
滋賀県米原市の旧伊吹町内で10月に入り、クマの目撃情報が急増している。市は山際に捕獲用のおりを増設したほか、伊吹山登山口(同市上野)に注意喚起のポスターを設置した。「山麓周辺の民家ではクマが好むギンナンやカキの実を木から取り除き、登山者らは鈴の携帯を」と呼びかけている。旧伊吹町内でのクマの目撃は、9月は2件だったが、10月は3日の藤川地区に始まり、23日までに17件に上っている。特に8日朝は同市上野の伊吹小近くで親子3頭が目撃され、児童の登下校時間に地元のスクールガードや教員、市、米原署がパトロールを強化し、警戒している。市は捕獲用のおりを、民家に近く複数目撃のある地域に限り、まず11日に伊吹小から約600メートル離れた伊吹山麓の森、21日は大久保地区、さらに22日には上板並地区と、3カ所に計4基を設けた。23日に1~2合目間で2頭が目撃された伊吹山では、「注意 熊出没」と書かれたポスターを登山口に3カ所設けている。今後は「遭ったときには、クマを見ながらゆっくりと後ずさりする」などの対処法も記載する、という。市は「クマに遭わないことが一番で、伊吹山麓では人間がいると分かるよう、声や音を出す行動を取って」と話している。
(県内シカ捕獲数は過去最多の1.9万頭:高知)
深刻な農林業被害をもたらしているシカの2013年度の高知県内捕獲頭数が前年度より約2割、3千頭余り増えて、過去最多の1万9093頭となったことが高知県のまとめで24日までに分かった。国の支援策で、捕獲に対する報奨金が上乗せされたことが主な増加要因とみられる。ただ、「自然増」から減少に転じさせるために必要とされる「年間3万頭」の捕獲目標には、まだ及ばない。
(ツキノワグマ大量出没、原因はドングリ不作:長野)
県内各地で相次ぐ出没と人身被害を受けて県は24日、専門家によるツキノワグマ対策会議を塩尻市の県林業総合センターで開いた。大量出没の原因について出席者からは、山のミズナラの実(ドングリ)の不作に加えて、「里山が森林化して人家との境目がなくなっており、そこにある柿の木などが誘引してクマが餌付け状態になっている」とする指摘もあった。県では「出没が長引く恐れがある」として注意喚起を続けながら、対策会議での意見も参考に今後のツキノワグマの保護管理対策を検討する。対策会議には、県がツキノワグマ対応を依頼しているクマ対策員のほか、県環境保全研究所、森林総合研究所(つくば市)などの野生鳥獣研究者ら約20人が出席した。大量出没についてクマ対策員でNPO信州ツキノワグマ研究会の林秀剛さんは、「昨年は山の実が豊作で子どもがたくさん生まれたこと、今年はドングリは不作だが、里の栗や柿、クルミは豊作でバランスが悪いことが一つの引き金になった」と指摘。同じくクマ対策員でベア・スマート・コミュニティ長野の後藤光章さんは、「シカやイノシシが増えて、クマだけが増えないことはあり得ない」と指摘し、クマの個体数増加も要因に挙げた。今後の対策について県環境保全研究所の岸元良輔研究員は、「餌付け状態になっているクマを作らない努力。問題のある場所を調査し、10年くらいかけて改善を」と提言。クマ対策員でNPO法人ピッキオの玉谷宏夫さんも「普段から人とクマの距離をあける対策が必要」と指摘した。県のまとめによると、例年だと8月をピークに減少する目撃情報が、今年は8月より9月に急増し769件(平均は423件)。このうち363件が集落付近で目撃され、8月の194件から倍近い件数になった。人身被害も23日までに26件発生し、2006年以降最多となった。
(熊出没対策で電気柵求める声:長野)
熊の出没や人身被害が中信地方を中心に相次いでいるため、県林務部は24日、緊急の「ツキノワグマ対策会議」を塩尻市の県林業総合センターで開いた。県が依頼するクマ対策員3人は「餌付け」につながる残飯などの放置をなくし、田畑を電気柵で囲うといった対策を求め、捕殺についても意見を交わした。同部によると、本年度は9月までの目撃件数が1871件で2006年度以降3番目に多く、地方事務所別では松本、北安曇で4割近くを占める。例年は8月をピークに減るが、今年は9月に大幅に増えたのが特徴で、今後も続く恐れがあるという。人身被害は26人と06年度以降最多。13件が集落付近で発生した。時間帯は午前8時以降の昼間が12件と最多。368頭を捕獲し、322頭を捕殺した。クマ対策員はNPO法人信州ツキノワグマ研究会(松本市)理事の林秀剛さん、ベア・スマート・コミュニティー・ナガノ(長野市)主宰の後藤光章さん、NPO法人ピッキオ(北佐久郡軽井沢町)の玉谷宏夫さんが出席した。林さんは「1頭駆除しても別の個体が出てくる。根本的解決には電気柵設置などを考える必要がある」。後藤さんは個体数が増えているとみて、電気柵設置に加え「人里の餌に執着する熊は捕殺しないと問題は解決しない」とした。オブザーバーの県環境保全研究所(長野市)の岸元良輔研究員は「人が気付かずに熊を餌付けしている場所を調べて除くことも必要」とした。県は来年度以降、熊の個体数を調査、分析して対策を考える方針だ。
(伊勢原射撃場に約77億円相応の成果が必要:神奈川)
神奈川県に公営の射撃場がある事を初めて知りました。国際大会などにも使用されているのでしょうか?横浜市金沢区の県営射撃場を伊勢原市内に移転し、昭和47年に整備費約3億円をかけて開設しました。その後、平成10年の「かながわ・ゆめ国体」で使用するために平成6年から3年間の工期で、約40億円を費やして再開場しています。しかし、鉛弾を使用する射撃競技は、この頃、全国的に鉛汚染問題が発生し、同施設も周辺への環境汚染を未然に防ぐ対応として、鉛汚染土壌等改修工事を約20億円かけて実施し、全弾改修型射撃場として改修を含め、約33億円支出して現在の伊勢原射撃場が完成、再々開場しています。そして、今議会で3千2百万円の補正予算案と限度額を1億7千万円余とした債務負担行為の設定が可決しました。内容は、クレー放出機の更新と飛散防止壁の改修工事です。同射撃場は「全弾改修型」を標榜しながら、実は散弾の破片が場外に飛散してしまう状況にあります。昨年、56年ぶりの東京五輪開催が決定しました。同射撃場周辺は、第二東名伊勢原ICも完成することからアクセスは好条件です。同施設で五輪が開催されること、費用対効果の面から一役交いたいと思います。
(射撃場を知って:神奈川)
上粕屋の県立伊勢原射撃場で10月18日、市内の小学生を対象にしたビームライフルの射撃体験教室が開かれ50人以上が参加した。昨年4月に再開した伊勢原射撃場を知ってもらおうと行われたこの体験会。伊勢原高校の射撃同好会などが協力し、児童に銃の持ち方や的の狙い方を教えた。参加した瀬尾遼太君(桜台小3年)は「集中するのが難しかったけど楽しかった」とうれしそうだった。 体験会は来年1月にも開かれる予定。
(県営射撃場建設計画、印南で住民説明会:和歌山)
県は24日、鳥獣害対策としての県営射撃場建設計画について候補地として名乗りを上げている印南町印南原地区で説明会を開き、地元住民ら50人が参加。仮に設置するとなった場合、想定施設は国体を開くことができる規模であることなどを紹介し、「実施には多くの住民や関係者の理解が必要で、現段階ではするともしないとも言えない。今回の説明会が第一歩」と話した。「スキート射撃」、「ライフル射撃」などの種類があり、印南原ではトラップ2面、スキート1面、ライフル5射座を想定していると紹介。射撃場は規模などでAAA、AA、Aなどの格付けがあり、印南原での想定はAで認定を受ければ国体を開くことができる規模だという。設置は県で、運営は専門的な知識を有する団体などに指定管理していく方針であることを説明。仮に設置が決まった場合、設計や造成などで完成までに4年かかることも話した。参加者からは騒音や鉛害についての質問があり、県はそれらの対策は国の「指定射撃場の指定に関する内閣府令」に定められていることを説明し、鉛害対策については着弾範囲の舗装などの方法も紹介した。最後に「鉛害、騒音、造成による川の濁り、また濁りによる下流への影響などさまざまな課題の検証が求められ、関係する多くの方の理解が必要。地元での説明会はその第一歩」と話した。県の射撃場計画は湯浅町でもあったが、用地確保や地元合意が得られず平成22年に断念。現在候補に名乗りを上げているのは印南原のみ。
(食害、ジビエで減)
イノシシやシカが農作物を食い荒らす食害が深刻化し、国や自治体が捕獲数を増やそうと若手ハンターの養成や「狩猟ビジネス」への新規参入を促す取り組みを始めた。捕獲した鳥獣をジビエ(野生鳥獣肉)料理として普及させようという試みも広がっており、「狩り」と「食」の両面で生息数の減少を目指している。農水省などによると、野生のイノシシやシカは過疎化や狩猟人口の減少の影響で増え続けている。山間地だけでなく都市部にも食害は拡大し、交通事故が起きたり、人が襲われたりすることもある。年間の捕獲数は1970年にイノシシが約6万頭、シカは約1万5000頭。自治体が積極的に駆除に乗り出したため、2011年にはイノシシが約39万頭(6倍)、シカは約42万頭(28倍)に増えた。しかし、生息数を減らすことはできていない。鳥獣による農作物の被害額は12年度で約230億円。10年前から200億円前後で推移するが、イノシシとシカによる被害が約8割を占めている。一方、環境省によると、70年に約53万人いた狩猟免許所持者は2011年に約20万人まで減った。高齢化が進む一方、免許を取得する若者が少ないのが原因だ。危機感を抱く自治体は若者の養成に乗り出している。兵庫県西播磨県民局は今年初めて「若手ハンター養成教室」を開催。21〜64歳の17人がシカの捕獲や解体を見学し、13人が銃猟免許を取得した。担当者は「ハンターは40年前の約2割に減り、65歳以上が半数を超える。このままでは食害を減らすことはできない」。長野県や宮城県もハンター養成学校や講座を開き、若者の取り込みに躍起だ。また、国は民間会社が捕獲事業に乗り出しやすくなる道を開いた。来春に施行される改正鳥獣保護法で、安全管理など一定の基準を満たした民間業者を都道府県が認定し、自治体の捕獲業務を委託しやすくする制度を盛り込んだ。環境省は「狩猟ビジネス」普及の好機ととらえ、15年度の予算要求に自治体の捕獲業務を支援する事業費20億円を新たに盛り込んだ。担当者は「警備会社、害虫駆除業者、環境コンサルタントなどが関心を持っている」と期待を寄せている。捕獲したシカやイノシシを使った料理も広がっている。食用として普及すれば捕獲数の増加にもつながる可能性がある。カレー店「CoCo壱番屋」は昨年春以降、「害獣処分に協力したい」と、滋賀県内の約10店で「天然鹿カレー」を提供する。JR東日本系列の飲食店「ベッカーズ」と「ベックスコーヒーショップ」は今年11月、東京、神奈川など9都県の約100店で「鹿肉バーガー」「鹿肉ジビエドッグ」を売り出す。イオン系列のスーパー「マックスバリュ」は三重県内7店で「鹿肉ハンバーグ」などを販売しており、ワインに合うと好評だ。専門店も増えている。飲食店経営の「スパイスワークス」(東京都)は12年、都内に続いて大阪市北区に専門店「炉とマタギ」をオープン。狩猟小屋を模した店内で、北海道産のシカや和歌山県産のイノシシを炉端焼きや串焼きで味わえる。ジビエ料理の普及に取り組むNPO法人「日本ジビエ振興協議会」(埼玉県)によると、ジビエはもともとフランス料理に使われていたが、5年ほど前から人気が広がり、衛生管理や調理法が改善された。小谷浩治事務局長は「庶民の食べ物として広がりつつある。ジビエ人気が食害を減らす一助になれば」と話す。
(餌付けやめないと氏名公表:兵庫)
神戸市議会は27日、禁止しているイノシシへの餌付けをやめない場合に氏名などを公表する条例改正案を全会一致で可決した。市内でことし4~6月、住民がイノシシに襲われる被害が相次ぎ、市が対策強化を検討してきた。12月1日に施行する。市によると、これまでの条例は規制区域内でイノシシの餌付けを禁止し、必要に応じて勧告する内容だった。改正条例では新たに、勧告に応じない場合に命令を出し、さらに応じないケースでは、氏名や餌付け行為の内容を市のホームページと市役所の掲示板に掲載することとした。
(クマ出没警戒を、主食のブナ・ナラ凶作:長野)
県内の山地でツキノワグマが主食とするブナやナラが凶作となり、餌を求めて人里近くに現れる熊の目撃情報が増えている。専門家は「この秋の熊は民家の裏にいると思った方がいい」と注意を呼びかけている。県環境企画課によると、4月から今月23日までの目撃情報は718件に上り、昨年度の目撃数(302件)を大幅に超え、大量出没した2006年度(1080件)や10年度(1229件)に迫る勢いとなっている。人身被害も相次いでおり、17日には上越市中郷区岡沢で83歳の女性が自宅裏で農作業中に襲われ、肋骨ろっこつを折る大けがを負った。人身事故は10月だけで3件起きている。熊に詳しい長岡技術科学大の山本麻希准教授によると、今年はブナの開花率が低く、ほとんど実をつけず、ミズナラやコナラなども不作となった。さらに、下越地方から中越地方にかけて大量発生したマイマイガの幼虫が広葉樹の葉や花を食べたため、熊が餌とするドングリがほとんど見つからない状況だという。山中で餌を取れない熊はクルミや栗、柿などを求めて人里近くに出没する。上越市では、熊が柿の木に登った痕跡が数多く見られており、市は「熊を呼び寄せないために、柿の実を早く収穫するように」とチラシなどで注意喚起している。山本准教授によると、餌が不作の年の熊は早めに冬眠する傾向がある一方、行動範囲を広げるため、従来は生息していないとされてきた長岡市小国地域、上越市柿崎地域などでも安心できないという。山本准教授は「朝夕に一人で裏の畑に出かけるのは避け、どうしても仕方がない時は緊急事態に備えて唐辛子スプレーなどの撃退道具を用意してほしい」と話している。
(シカ・イノシシ対策、現状にもっと危機感を:秋田)
シカ(ニホンジカ)が先ごろ鳥海山麓で初めて確認され、県内の生息域が拡大していることをうかがわせた。ここ数年は、県内に生息していないとされてきたイノシシの目撃情報も相次いでいる。これらの野生動物が県内で繁殖するようになれば、農林業の食害や自然植生への悪影響は避けられない。被害が出る前に、早急に実効性のある対策を講じる必要がある。東北では近年、シカやイノシシの生息域が急速に拡大している。県内では5年ほど前まで、この2種が目撃されることはほとんどなかった。シカに関しては、2009年度以降の目撃情報は44件、その地域は12市町に及ぶ。昨年度に3億円近い農作物被害を出した岩手県から、県境を越えて来た可能性が高い。注目すべきは雌の成獣が確認されていることだ。昨年9月に横手市で子連れの雌1頭が見つかったのを皮切りに、本年度は同市、鹿角市、大仙市で3頭が見つかっている。雌が確認された場合は、その地域周辺で繁殖活動をしている可能性があり、繁殖力が強いだけに、短期間で個体数が増える恐れがある。増加すれば、農作物や樹木が食い荒らされることは明白だ。植生への影響も懸念されている。尾瀬では1990年代半ばにシカの生息が確認されて以来、ニッコウキスゲやミツガシワなどが食害に遭っている。世界遺産の白神山地や国定公園の鳥海山などにとってもシカは大きな脅威だ。白神に関しては、東北森林管理局などが監視カメラを設置して警戒を強めているが、目撃された場合の対策はまだ検討していない。初期対応をどうするかが重要であり、具体的に詰める時期に来ているのではないか。警戒が必要なのはイノシシも同じだ。県内では2012年2月に湯沢市で捕獲されて以降、これまでに同市と由利本荘市で計6頭が目撃ないし捕獲された。シカと同様に繁殖力が強く、このまま放置すれば数年で爆発的に増える恐れがある。県は本年度、シカとイノシシの生息調査に乗り出した。16年度までの3年間調査を行って、保護管理に関する計画を策定。駆除も検討する。農林業や植生への被害がまだない今だからこそ、先手先手で対策を考えたい。そのためにも国や県、市町村、猟友会、民間組織などの全県的なネットワークを早期に立ち上げる必要がある。情報を共有し、迅速に対応できる体制を構築しなければならない。本県の現状に対して、関係機関がもっと危機感を持つことが何よりも大切だ。県には専門チームを発足させるなどして、減少傾向が著しいハンターの育成を含む総合的な対策の強化を期待したい。
(野生鳥獣の食害、効率的駆除で農作物を守ろう)
シカなどの野生鳥獣が農作物を食い荒らす害が後を絶たない。実りの秋の今、農家のダメージは深刻だ。政府と自治体は、計画的に駆除を進める必要がある。環境省は、ニホンジカとイノシシを、新たに設けた「指定管理鳥獣」に指定する方針だ。都道府県が駆除計画を立て、民間業者などに捕獲を委託できるようになる。夜間の銃猟も解禁される。5月に改正された鳥獣保護法は、増え過ぎた鳥獣を適正規模にまで減少させる「管理」の概念を強く打ち出した。保護を重視してきた鳥獣行政の転換が鮮明になった。「指定管理鳥獣」の新設も、その流れの一環だ。野生鳥獣による野菜や果実などの食害は年200億円に上り、シカとイノシシによる被害が6割を占める。それを考えれば、現実的な対応だろう。シカに樹皮を食べられた樹木が枯死し、植生に変化が生じている地域がある。森林の保水力が失われ、土壌流出の危険性も指摘されている。対策は急務だ。2008年に施行された鳥獣被害防止特措法に基づき、地域住民が報酬をもらって駆除などに加わる被害対策実施隊が、800以上の市町村に設置されている。害獣の駆除数は、増えてきている。だが、それ以上のペースで、生息数が増加している。特に、シカの繁殖力は強い。本州以南の生息数は261万頭と推定される。温暖化による積雪の減少や、餌場となる耕作放棄地の増加が、繁殖に拍車をかけているとみられる。このままでは、25年度には500万頭に達する。環境省と農林水産省は、現在の生息数を10年後に半減させることを目指しているが、達成は容易でないだろう。最大の課題は、駆除を担う人材の不足だ。わな猟や銃猟の免許保持者は10年現在、19万人で、40年前の3割余りに減少した。免許保持者の高齢化も著しい。60歳以上が6割を超えている。講習会の開催などを通し、後継者の確保が欠かせない。効率的な駆除には、詳細な生息調査も重要だ。長野県は独自の調査結果を基に、生息数が多い地域で重点的に捕獲を実施している。昨年度の捕獲数は目標を上回り、食害の被害額は、ピーク時の6割に抑えられた。シカなどの群れを餌場に誘導し、まとめて捕獲する。少ない人員で多くを駆除するには、こうした工夫も求められるだろう。
(「狩猟サミット」、全国からハンター200人:静岡)
御殿場市内にある国立中央青少年交流の家で10月25日~27日、「第2回狩猟サミット」が開催され、日本全国から集まった200人弱の参加者が、狩猟に関する情報交換やワークショップを行った。近年の狩猟へ関心の高まりの影響もあり、参加者は大学生を含む20~30代が多く、うち3割ほどが女性の参加となった。ワークショップでは、猟の初歩から狩猟後の獲物の活用やビジネス利用など多岐にわたり、「狩猟でどのように生計を立てていくのか」をテーマにしたワークショップは人気を集めた。近年注目されているいわゆる「狩りガール」と呼ばれる女性ハンターは、狩猟そのものにはもちろん、その後の産業化を含めた周辺事業への関心も高いのが特徴。ジビエへの利用や、皮の利用方法などへの関心が高い。併せて、害獣駆除の観点などからの「人と獣の関わり」についてのワークショップも開催。限界集落での農作物の被害や、高齢化故の対応の難しさなどが話し合われた。岐阜から参加した後藤さんは「大学で野生動物管理を学び興味を持った。今年大学を卒業したが猟師の免許を習得し、これからも関わっていけたら。1回目も参加したが、全国の狩猟関係者が集まる機会は貴重。次もぜひ参加したい」とコメント。徳島大学で「狩りガール」として活動する生田さんは「徳島で活動の幅を広げ多くの人に知ってほしい」と抱負を述べた。
(野生鳥獣との共生学ぶ:長野)
信州大学の人材育成講座「地域戦略プロフェッショナル・ゼミ」が25日、県内3会場で開講した。南信地域会場の同大学農学部(南箕輪村)では、「環境共生の未来学1」がスタート。県内各地の24人が受講し、大学の専門家や地域の実践家による講義、先進地でのフィールドワーク、ワークショップなどを通し、野生鳥獣との共生について学ぶ。文部科学省の「(地)の拠点整備事業」として取り組むゼミ。大学が自治体等と連携し、地域を志向した教育、研究、地域貢献活動への取り組みを支援する事業。信大では「知」の中核的存在として機能強化を図る考えで、その一環として同ゼミを開催する。ゼミは、大学と連携協定を締結する県や市町村との対話の中から抽出した三つの地域課題をテーマに、社会人向け講座を構築。大学の「研究知」と地域の「実践知」の融合による新たな課題解決アプローチを目指す。第一線で活躍する研究者や地域の実践家から知識を得て、実践演習も交えた学習を提供する。南信会場のゼミは伊那市と南箕輪村をモデル地区に、鹿やイノシシ、クマ等の野生鳥獣の実態を把握し、環境共生文化、エコシステムを創造する人材を育成する。受講者は10代~60代で、職業は農業や林業、公務員、NPO関係者、高校生とさまざまだ。ゼミは来年2月まで開き、15のカリキュラムを用意。里山の生業の変遷や野生動物の行動などに関する座学、有害鳥獣対策やジビエ活用の先進地でのフィールドワーク、動物と人間が共生する社会の構築を考えるワークショップなどを行う。信大では「ゼミ修了者が地域リーダーとなり、連携して継続的に地域活動を展開するだけでなく、地域人材を育成する地域講師としても活躍してほしい」と期待する。
(身近な鳥獣、正しく知って:栃木)
児童に身近な鳥獣の知識を身につけてもらおうと、須賀川小は17日、同校で鳥獣被害防止講話を開いた。山間にある同校付近では、市鳥獣被害対策実施隊がイノシシをたびたび捕獲している。5月には同校教師らが校内でハクビシン1匹を捕獲するなど鳥獣が身近にいることから、児童に正しい知識を身につけてもらおうと企画した。講師は同実施隊の大金恒夫さん(67)、貝塚恒夫さん(66)が務めた。貝塚さんは「イノシシの出産は年に1度か」などと、イノシシに関する知識を問うクイズを10問出題し、児童に答えさせた。大金さんは「イノシシを防ぐには、田畑や家の庭に食べ物を置かないことが一番」とし「イノシシは野菜や果物が好きで、味を覚えると山に戻らなくなる。ドッグフードも食べる」と指摘。「毛が抜けているハクビシンやタヌキには病気がある。直接手で触らないで」「ハクビシンは凶暴。かまれる危険がある」と注意を促した。
(ウミガメの卵、食害相次ぐ)
日本各地でウミガメが産んだ卵がイノシシやタヌキなどの動物に食べられる被害が相次いで報告されている。環境省は今年度から、被害実態の調査に乗り出し、監視カメラを設置するなど対策を検討する方針だ。日本の砂浜で産卵が見られるのはアカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの3種。いずれも環境省のレッドリストで「近い将来野生での絶滅の危険性が高い」(絶滅危惧ⅠB類)、「絶滅の危険が増大している」(絶滅危惧Ⅱ類)に分類されている。御前崎海岸(静岡県)や大浜海岸(徳島県)はウミガメと産卵地が国の天然記念物に指定されている。環境省は地元のボランティアやNPO「日本ウミガメ協議会」の協力を得て、2004年度から東京都から沖縄県まで41の砂浜で産卵状況を調べている。調査によると、産卵場所となる砂浜の保全や漁業による混獲の防止対策が進んだ影響で、産卵回数は増加傾向にあり、アカウミガメは12年度に最大の9661回の産卵が確認された。
(“冬の使者”ハクチョウ飛来:栃木)
大田原市羽田の羽田沼に26日、“冬の使者”ハクチョウが飛来した。昨年の11月8日よりも10日以上早かった。地元住民によると、午前7時40分すぎ、オオハクチョウの雄と雌のつがい2羽が沼に舞い降りた。26日午後も羽田沼を訪れた人たちが羽を休めていたハクチョウに餌をやる光景がみられ、男性会社員(34)は「カモに餌をやろうと来てみたが、ハクチョウがいて驚いた。子供に見せられて良かった」と話した。地元の白鳥を守る会の小泉芳一さんによると、羽田沼では12月ごろから、オオハクチョウやコハクチョウが次々に飛来する。ピークを迎える1月末~2月初旬には200羽以上に上る。
(ピストル型花火でかみつきサル撃退:栃木)
栃木県日光市の親子が営む町工場が開発した、ロケット花火を使ったピストル型の発射装置が、サルなど有害動物の退治に一役買っている。花火の破裂する音で驚かせて追い払えるといい、観光客がサルに襲われる被害が相次ぐ市内で効果が出ているという。紅葉の名所として知られ、シーズン本番の10、11月は日光東照宮付近に約50万人が観光に訪れる。観光客が立ち寄る土産物店にサルが群がるトラブルが多発したため、市は2011年ごろに約30個を配備。装置を使うと同じ場所に現れなくなった。市の担当者は「効き目は想像以上」と満足げだ。同市では、観光客がサルにかみつかれたり引っかかれたりしてけがをする被害が毎年約10件発生しており、今後の被害の縮小に期待を寄せる。
(ジビエ料理17店競う:愛知)
害獣として捕獲されたシカやイノシシの肉を食材とした料理コンテスト「ジビエ・グルメ・グランプリ」が11月8、9日、豊田市武節町の道の駅「どんぐりの里いなぶ」で開かれる。同コンテストは、県がジビエの消費拡大を目指して主催し、4回目。今年は過去最多の17店が出店し、県内で捕獲されたシカやイノシシの肉を使ったホットドッグ、ピザ、肉まんなどオリジナルのジビエ料理を200~800円程度の値段で提供する。県によると、昨年度の鳥獣害による農作物の被害は3億9000万円に上る。シカとイノシシは約8700頭が捕獲され、このうち約600頭がジビエ料理に利用されたが、まだまだ利用が可能としてさらなる普及を目指す。コンテストでは、審査員がグランプリを決定するほか、来場者の投票で最多得票の料理には特別賞が贈られる。県農業振興課は「まだなじみの薄いジビエ料理を食べ比べてほしい」と来場を呼びかけている。8日は午前10時~午後4時、9日は午前10時~午後3時の開催。
(「おおち山くじら」×都内有名レストランのフェア開催:島根)
クリーツは10月27日~11月30日、東京都内のレストラン9店にて「おおち山くじらフェア」を開催する。同企画は、島根県邑智郡美郷町とのコラボレーションのもと実施される。「山くじら」はイノシシの別称で、各参加店舗でイノシシ肉「おおち山くじら」を使った料理を提供する。同町では街を挙げてブランド化に取り組み、地元のイノシシ肉を「おおち山くじら」と名づけ、一年中楽しめる特産食材としてアピールしている。提供する店舗は、イタリアンやフレンチのほか、テリーヌ専門店などさまざま。各店オリジナルメニューでの「おおち山くじら」を味わうことができる。
(許可得ず機関銃の発射試験、住重社員を書類送検:東京)
公安委員会の許可を得ずに機関銃の発射試験をしたなどとして、警視庁は24日、住友重機械工業(東京都品川区)と社員2人を火薬取締法違反と銃刀法違反(所持など)の疑いで東京地検立川支部に書類送検した。発表によると、社員1人が2012年10~11月、東京都福生市の同社試験場で、都公安委の許可を得ずに、自社で製造した機関銃の性能試験のため実弾24発を発射した疑い。また、別の社員は今年2月、都内の施設に見本のため保管していた海外製機関銃1丁と準空気銃3丁について、都公安委に届け出ていなかった疑い。社員2人が許可や届け出が必要ないと誤認していたといい、同社は「管理を徹底し、再発防止に努めたい」とのコメントを出した。

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10/23
(クマに襲われ猟友会男性けが:福井)
22日夕方から23日朝にかけて勝山市の市街地でクマの目撃が相次ぎ、付近を捜索していた猟友会の男性がクマに襲われ、顔にケガをした。現場は勝山市長山町1丁目の長山公園付近。勝山市によると23日午前6時頃、クマの目撃情報を受けて付近を捜索していた猟友会メンバーの72歳の男性がクマとばったり出くわし、左頬を爪で引っかかれた。男性は病院で手当を受け、ケガの程度は軽いという。勝山市内では前日夕方にもこの現場に近い沢町2丁目の住宅街で体長1メートルほどのクマの目撃情報があり、市職員らが付近を捜索したが見つからなかった。これからクマが冬眠に入る来月中頃にかけ、エサを求めて市街地にまで出没する恐れがあり引き続き注意が必要。
(クマにかまれて女性が大けが:栃木)
21日午後4時ごろ塩尻市広丘原新田の養蜂場で女性(71)がクマに襲われた。女性はドクターヘリで松本市の病院に運ばれたが頭を数ヵ所かまれる大けが。命に別条はないという。クマは捕まっていない。現場は住宅街で近くには保育園もあり、塩尻市や猟友会などが警戒にあたっている。
(背後からクマ、鎌振り回し追い払ったが男性重傷:群馬)
19日午前10時半頃、群馬県片品村戸倉の山林で、キノコ採りをしていた沼田市の男性会社員(63)が背後からクマに襲われ、顔や右足などに重傷を負った。群馬県警沼田署の発表によると、クマは体長約1メートル50で、男性は持っていた鎌を振り回して追い払い、自力で下山した。
(クマにはね飛ばされ女性がけが:新潟)
17日午後5時半前、上越市中郷区岡沢の住宅敷地内でこの家に住む女性(83)が倒れていると、近所の住民が119番通報した。市や消防などによると、女性はクマに襲われてはね飛ばされ、あばら骨や顔の骨を折った。クマの体長は約1・2メートル。自宅裏にいた女性めがけて突進してきたという。現場付近では9月末にも、60代の男性がクマに襲われ顔や足を引っかかれて軽傷を負った。17日午後5時すぎには、中郷区二本木の区総合事務所近くの市道でクマ3頭を目撃したと、車で通り掛かった女性が市に通報した。市によると、クマの体長は1頭が約1・1メートル、ほかの2頭は約0・7メートル。同日午後5時半すぎには、糸魚川市根小屋の住民が自宅脇の柿の木にクマが登っているのを目撃し、糸魚川署に通報した。同署によると、クマは体長約1メートルで山の方向へ逃げた。
(散弾銃で無理心中か、病院理事長夫婦が死亡:東京)
17日午後1時10分ごろ、東京都大田区田園調布の民家で、住人の横浜桐峰会病院(横浜市)理事長、松本義峯(よしたか)さん(75)と、妻の亜耶乃(あやの)さん(30)がベッドの上で血を流して死亡しているのが見つかった。義峯さんが散弾銃を胸に抱えていたことなどから、警視庁田園調布署は義峯さんが亜耶乃さんを銃で撃って殺害後、自殺を図った無理心中とみて詳しい経緯を調べている。同署によると、2人は2階の寝室のベッドの上であおむけに並んで倒れていた。義峯さんは顎の下、亜耶乃さんは腹や胸にそれぞれ撃たれたような傷があった。いずれも寝間着姿だったという。同病院に勤務する次女(36)が出勤時間を過ぎても義峯さんが来ないことを不審に思い、警備会社に連絡。警備員が義峰さん宅のかぎを開けて室内に入り、2人が死亡しているのを発見し、119番通報した。散弾銃は義峯さんが猟銃として登録し、所持していたものだった。同署は次女らから事情を聴くなどして動機を調べる。
(イノシシ388回出没、避難指示解除準備区域:福島)
福島県は16日、福島第1原発の避難指示解除準備区域の11市町村のうち、早期に営農再開が見込まれる地点に鳥獣被害対策用の定点カメラを設置した結果、イノシシの出現を計388回確認したと発表した。カメラを設置したのは避難指示解除準備区域に指定された11市町村の計55カ所。8月末から9月上旬の5日間、センサー付きのカメラで観測した結果、イノシシの写真を計388枚撮影した。これと並行して大熊、双葉、浪江の3町で9月22日から箱わなを仕掛け、今月15日までに計20頭のイノシシを捕獲した。わなは11月から楢葉町にも設置する。原発事故後、避難区域ではイノシシなどの野生動物の生息域が拡大している。10月下旬からは2回目の定点カメラ調査を実施する予定で、県環境保全農業課は「観測データは各自治体に提供する。営農再開を目指す避難区域の鳥獣被害対策に生かしてほしい」と説明している。
(シカ9頭死ぬ、家畜衛生所で調査:愛媛)
松山市の鹿島の鹿園で飼育されている鹿28頭のうち、9頭が死んでいるのが見つかった。いずれも目立った外傷はなく、市は県中予家畜保健衛生所に死因の調査を依頼した。14日午前9時ごろ、鹿園に隣接する博物館の男性職員が、雄3頭、雌5頭が死んでいるのを発見。15日には、別の男性飼育員が、雌1頭が死んでいるのを見つけた。いずれも成獣。13日は台風の接近で渡船が終日運休しており、12日午後5時半ごろまでは異状なかったという。同衛生所の検査では、胃の内容物などに異状はなかった。市によると同園では1961年から鹿の飼育をしているが、多数の鹿が同時に死んだのは初めて。
(シカ肉、出荷自粛を一部解除:埼玉)
県は、県内で捕獲されたシカ肉の出荷自粛を一部解除した。東京電力福島第一原発事故の後、野生のシカから国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたとして、2012年10月から事業者に自粛を要請していた。県によると、シカ肉を扱う小鹿野町の業者が9月に放射性物質の測定器を購入し、県とのダブルチェックで全頭検査する態勢が整った。このため、県は16日から基準値以下であれば出荷・販売できるようにした。この措置を受けて、小鹿野町や秩父市の旅館や飲食店約70軒では、シカ肉のローストなど「ジビエ料理」の提供が可能に。紅葉シーズンを前に、モミジ(シカ)で観光を盛り上げようと、21日にさいたま市の知事公館で西秩父商工会が試食会を開いた。小鹿野町の旅館の若女将、須崎真紀子さん(38)が「柔らかくておいしいシカ肉を食べにきて」とPRした。
(オオカミの尿、逃げるシカ:北海道)
オオカミの尿に含まれる有機窒素化合物「ピラジン」に、エゾシカが恐怖を感じて近寄らないことを、旭川医大と道医療大(石狩管内当別町)の研究班が野外実験で確認した。研究班はすでにマウスで同じ効果を確かめており、今回の結果は、シカと車の衝突事故や食害を防ぐために散布する「忌避剤」として、ピラジンの実用化へ道を広げたといえる。オオカミの尿が他の動物を寄せつけないことは、経験的に知られてきた。研究班は、米国で販売されているオオカミの尿をそのまま忌避剤に使うのではなく、実験を通じて尿の中からマウスが嫌がる原因物質として3種類のピラジンを見つけた。人工的に作ったピラジンの混合液にもマウスは避ける行動を取ることを確認し、昨年4月に論文を発表した。今回は、この混合液がエゾシカにも有効かどうかを確かめるため、昨年8~9月にオホーツク管内西興部村の鹿牧場で実験した。好物のトウモロコシ飼料を置いたエサ場を4カ所設け、うち2カ所にはピラジンを2ミリリットル含ませた脱脂綿入りの金属管を4本、エサの周りに置いた。残る2カ所はピラジンのない空の金属管4本を置き、シカ30頭ほどの動きを15分間観察し、その結果を解析した。それによると、実験開始直後の空腹時はピラジンがないエサ場には平均6頭が集まったのに、ピラジンのある方には平均2頭しか近寄らなかった。シカがエサを食べた回数と時間は、ピラジンがないエサ場の方が明らかに多くて長かった。
(箱根登山鉄道が切り株巻き込み非常停止、イノシシ?が掘り起こしたか:神奈川)
17日午後9時5分ごろ、神奈川県箱根町の箱根登山鉄道入生田-箱根湯本間で、小田原発箱根湯本行き電車が線路内にあった木の切り株を巻き込み、約50メートル進んで非常停止した。脱線はせず、乗客らにけがはなかった。県警小田原署は線路脇上部の畑に生えていた切り株をイノシシなどの動物が掘り起こし、線路に落ちてきたとみている。同署によると、切り株は直径約45センチ、高さ約32センチ。3メートルほど上にある畑には動物が掘ったらしい穴と、植物などの食べかすがあった。電車は切り株の撤去作業で停車、乗客約50人は箱根湯本駅まで歩いた。同鉄道は小田原-箱根湯本間の上下線で終電まで運休した。
(近鉄準急、イノシシと衝突:三重)
十五日午前五時二十分ごろ、名張市の近鉄大阪線赤目口-三本松駅間で、名張発大阪上本町行き準急電車がイノシシに衝突した。乗客八人にけがはなかった。車両を点検したところ、配管から空気が漏れる不具合が見つかり、乗客全員を三本松駅で降ろし、残り区間を運休とした。近鉄によると、この影響で奈良、大阪方面を中心に特急電車を含めて上下線二十二本が運休し、二十九本で最大五十二分の遅れが出た。通勤客ら約二万五千人に影響した。
(飛び出してきたクマと衝突、乗用車が自走不能に:栃木)
17日午後8時10分ごろ、栃木県那須塩原市内の国道400号を走行していた乗用車と、道路を横断していたクマが衝突する事故が起きた。クルマは中破したが、運転していた48歳の男性にケガはなかった。栃木県警・那須塩原署によると、現場は那須塩原市中塩原付近で片側1車線。周囲は山林となっている。千葉県柏市内に在住する48歳の男性が運転する乗用車は、道路脇の山林から飛び出してきたクマ(体長約1m)と衝突した。衝突によって乗用車は中破して自走不能となったが、運転していた男性にケガはなかった。クマはそのまま山林に逃走している。現場付近では19日にもクマの目撃情報があり、警察では同一のクマである可能性が高いとみて、警戒を呼びかけている。
(住宅敷地内に熊、1頭を発見し処分:長野)
18日午前6時ごろ、松本市波田の住宅敷地内に熊が出たと住民から市役所に通報があった。松本署員、市職員、市猟友会員が捜し、6時50分ごろ、近所の住宅の敷地内にいた熊を発見。猟友会員が殺処分した。市西部農林課によると、熊は体長約135センチ、体重約80キロ、推定7歳の雄。熊が出たのは、アルピコ交通上高地線波田駅近くの住宅地。通報した女性(71)によると、午前5時50分ごろ、自宅裏で物音がしたため障子を開けると、ガラス戸越しに熊がいた。女性が「こら」と大声を出すと、熊は前足でガラス戸をたたいたという。女性は目覚まし時計を鳴らしながら障子から離れ、市役所に通報した。自宅裏では、漬物の容器が倒れ、別の容器のふたに穴が開いていた。女性は「怖くて体の震えが止まらない」と話した。熊はその後、隣の住宅の敷地内にも侵入。住民の女性(66)によると、夫(73)が2階のベランダに出て見ると、熊は庭を通って道路に出たという。熊は、この住宅の隣の住宅の敷地内にいたところを発見された。波田地区では17日も熊の目撃情報があり、同じ個体とみられる。北に隣接する梓川地区では17日、3カ所に仕掛けたおりにそれぞれ熊1頭が入った。市などは引き続き住民に警戒を呼び掛ける。
(熊捕獲や目撃情報、1頭処分:長野)
松本市波田の住宅敷地内に熊が出没し殺処分になった18日、塩尻市でも熊の目撃情報が相次いだ。同市農林課によると、広丘原新田地区を流れる堰(せき)の近くで午前6時ごろ、市が仕掛けたおりに熊が掛かっているのを地元猟友会員が発見した。熊は体長約140センチ、体重60~70キロで6~8歳の雌。200メートルほど北東には保育園があり、猟友会員が1時間40分後に殺処分した。午後0時半ごろには、宗賀地区のJR中央西線洗馬駅から約300メートル北にある墓地周辺で目撃情報があり、市が捕獲用のおりを設置。同2時半ごろにも、洗馬地区を流れる小曽部川の近くで目撃情報があった。市は夕方、洗馬、宗賀両地区の住民に防災無線で注意を呼び掛けた。19日からは市内全域に防災無線で注意喚起するとしている。
(女性襲った熊捜索、広報車で警戒呼び掛け:長野)
塩尻市広丘原新田で21日夕に女性が熊にかまれてけがをした一帯で22日朝、塩尻署員や塩尻市職員、地元猟友会員計30人余が熊を捜索した。雨の中、雑木林や果樹園など約2時間捜したが見つからず、市は警戒を呼び掛けている。捜索と広報車での警戒呼び掛けは午前6時に始め、熊の足跡や果樹園の設備が壊された形跡などがないか、丹念に見て回った。女性が熊に出合った所の近くの林におりを1基設置した。塩尻市猟友会などによると、21日夕に女性が襲われた場所は、複数の養蜂箱が散らかり、草が押し倒されていた。熊にかまれた女性の夫(77)によると、養蜂箱が置いてあった場所からなくなり、夫婦で捜していたところ熊に遭遇。熊は一度逃げたが、女性に襲い掛かってきたという。熊が養蜂箱を移動させたとみられ、市猟友会会長の塩原基宏さん(73)は「餌の養蜂箱を奪われると思ったのではないか」と話していた。県鳥獣対策・ジビエ振興室によると、本年度、熊と遭遇してけがをした人は25人で、記録が残る2006年度(18人)以降最多になっている。
(3ヵ所で熊捕獲、すべて処分:長野)
松本市梓川地区で17日、梓川の河川敷など3カ所に仕掛けていたおりにそれぞれ熊1頭が入っているのを地元猟友会員らが見つけ、全て殺処分した。梓川対岸の波田地区でもこの日、別の熊の目撃情報が複数寄せられ、市や松本署が注意を呼び掛けている。市西部農林課によると、16日に梓川の下島橋近くで親子など熊3頭の目撃情報があり、上流で山間部に近い梓川橋付近の3カ所におりを仕掛けた。17日朝、うち2カ所で雌の成獣(体長120センチ、体重75キロ)と推定1歳の子熊(70センチ、15キロ)が入っていた。雌熊の乳房には子育て中の形跡がなく、子熊の母親が近くにいる可能性もある。山林に近い梓川上野に仕掛けてあったおりにも、雄の成獣(130センチ、90キロ)が入っていた。松本市波田下波田では17日朝、別の熊の目撃情報が市などに2件あった。午後8時すぎにも奈良井川の塩尻市境近くで目撃情報があった。松本市によると、本年度寄せられた目撃情報は約320件に上っている。安曇野市では17日、熊の目撃情報は寄せられなかったが、山林に設置した捕獲用おりに6頭が掛かり、全て殺処分された。
(再びクマ見つかる:福井)
クマの出没が相次いでいる福井県大野市で17日朝、親子とみられるクマが住宅地の近くの林に仕掛けられたおりにかかっているのが見つかり、山の中に放されました。17日午前8時ごろ、福井県大野市松丸の住宅地から200メートルほど離れた林で、市が仕掛けたおりに親子とみられる2頭のクマがかかっているのが見つかりました。福井県自然保護センターの職員がクマに麻酔を打って調べたところ、1頭は体長1メートル20センチ、体重48キロのメスで、もう1頭は体長50センチ、体重18キロで、性別は調べていませんが親子とみられるということです。2頭のクマは、耳に赤い目印をつけたうえで山奥に放すためにおりごと山の中まで運ばれ、職員がおりのふたを開けると、最初に親とみられるクマが顔をのぞかせ、素早くおりから出ると山の中へ逃げていきました。続いて子グマが出てきて、少し戸惑った様子でその場に座り込みましたが、センターの職員が花火を使って大きな音を出すと、山の中へ逃げていきました。大野市では15日にも養豚場の豚舎の中にクマが入り込んでいるのが見つかり、危険な状況だったことから射殺されていて、市ではクマが出没しやすい夜間や早朝には、できるだけ出歩かないよう注意を呼びかけています。
(熊目撃、警察と猟友会が捜索:長野)
15日午前6時半ごろ、安曇野市穂高の万水(よろずい)川に架かる白金橋付近を散歩していた人が熊を目撃し、安曇野署に通報した。同署員と猟友会員が一帯を捜索し、堤防や近くの民家の畑、道路などで足跡を確認したが熊は見つからなかった。けが人はいない。目撃された場所は、大王わさび農場の南西側。11日朝にも同農場東側の犀川で熊が目撃されており、猟友会員によると、同じ個体の可能性がある。一帯にはクリやクルミの木が点在しており、餌を求めて移動しているとみられる。自宅の畑で熊の足跡を見つけた男性(63)は「夜から早朝は外を出歩けない。どう対策すればいいのか」と困った様子だった。安曇野市では今月に入って熊の目撃情報が60件寄せられている。けが人はいない。穂高地域ではJR穂高駅近くなどの市街地でも目撃がある。
(熊の目撃情報:長野)
15日午前6時15分ごろ、長野県松本市和田の松本臨空工業団地で熊を見たとの情報が松本署に寄せられ、同署員や地元猟友会員、市職員らが同市波田の畑に熊1頭を見つけた。危険と判断し、同9時10分ごろ、茂みから出てきた熊を猟友会員が射殺した。けが人はいなかった。市耕地林務課によると、熊は体長1・45メートル、体重約120キロの雄の成獣で、工業団地にはこの熊のものとみられるふんが点在していた。松本市では15日、午後5時ごろにも梓川・波田両地区の梓川に架かる下島橋近くで親子の熊の目撃情報があり、市などが注意を呼び掛けている。市内では本年度、今月14日までに山間部を中心に出没した熊36頭を射殺。昨年度の年間5頭を大幅に上回っている。一方、15日午前6時半ごろ、熊の目撃情報があった安曇野市穂高の万水川付近では、午後5時40分ごろにも目撃情報があったが、見つかっていない。けが人はいない。同市では今月、熊の目撃情報が60件余寄せられた。本年度は7日までに22頭を射殺した。
(住宅密集地でクマ目撃:富山)
富山市経力(きょうりき)の住宅密集地で子熊が2頭目撃され、市の職員や猟友会がパトロールを強化しています。富山市によりますと、18日午後10時ごろ、富山市経力の墓地で近くに住む人が子熊2頭を目撃し、警察に通報しました。19日朝、警察と富山市、猟友会が調べたところ、目撃場所の周辺でカキの木にクマのものとみられる爪あとがあったほか、糞や足跡も見つかりました。現場は住宅密集地で、市などでは警戒を強めています。
(クマの親子目撃、注意呼び掛け:岐阜)
十五日午後五時十分ごろ、美濃市片知の奥板山地区で、電気メーターの検針員がツキノワグマの親子を目撃した。市は住民に注意を呼び掛けている。市によるとクマは体長一メートルと一・五メートルほどの二頭。目撃現場近くには管理釣り場「美濃フィッシングエリア」があるが、住宅地からは二百メートルほど離れている。目撃者が市に通報し、市猟友会のメンバーや市職員らで周辺を捜索した。美濃市内での今秋のクマ目撃は、これで三件目。
(クマの目撃情報:長野)
10月23日(木)午後4時45分頃、横山区の(株)小松総合印刷北側において、子グマの目撃情報がありました。付近を移動される住民の方は十分注意してください。この時期はクマが餌を求めて活発に活動を行う時期でもあります。家の近くや普段歩きなれている山でも、クマが出没する可能性があります。クマから身を守るため次のことに注意しましょう。クマに遭遇しないようにするには、人間の存在を知らせるため、家の近くであっても笛・鈴・ラジオなど音の鳴るものを身につけましょう。早朝や夕方、キノコ狩りなどで入山する場合は2人以上で行動するなど特に注意してください。
(ダムでクマ目撃:三重)
21日午前0時ごろ、松阪市飯高町森の蓮ダム東約300メートルの県道にクマがいるのを、車で通りかかった人が見つけ、同市飯高振興局に通報した。市が注意を呼び掛けている。市によると、カモシカと思った通報者が車の窓を開けて追い払おうとしたところ、車に近づいてきてクマと分かった。大きさは大型犬ほどだったという。市は「熊出没!十分注意してください」の看板を現場に設置すると共に、同振興局管内の小中学校、森林組合、周辺自治会に文書や防災無線で注意を喚起した。
(クマ目撃情報2件:栃木)
那須塩原署によると、21日午後6時40分から50分にかけて、那須塩原市内でクマの目撃情報が2件あった。午後6時40分ごろ、同市中塩原の県道でクマ1頭(体長約1.5メートル)が目撃された。また、午後6時50分ごろには、同市木綿畑の市道でクマ1頭(体長約1.2メートル)が目撃された。
(クマ目撃:新潟)
21日午前9時すぎ、上越市板倉区筒方の市道付近で、クマを目撃したと歩いていた男性が市に通報した。市によると、クマの体長は約1・5メートルで、近くの川の方に逃げた。目撃現場から集落まで約200メートル。
(クマ1頭目撃:栃木)
21日午後2時ごろ、日光市清滝安良沢町の県道でクマ1頭が目撃された。人的被害はない。日光署によると、クマの体長は約60センチ。通行人が県道を横切るクマを目撃した。現場は、久次良町在所の西約200メートル。住宅地に近い路上であるため、関係機関と連携して広報、警戒活動を実施している。
(クマ3頭を目撃:栃木)
21日午前9時10分ごろ、日光市藤原の市道でクマ3頭が目撃された。今市署によると、クマは1頭が体長約1.2メートルで、他の2頭は約50センチ。道路東側の山林に入っていったという。車両で通行中の人が110番通報した。同署は付近の警戒をするとともに注意を呼び掛けている。
(住宅街でクマの出没相次ぐ:富山)
県内でクマの目撃が相次ぐ中、富山市の住宅街でも18日と19日、クマの出没が相次いでいます。富山市の平野部の住宅街にクマが出没するのは、今年に入って初めてで、県や市は注意するよう呼びかけています。19日午前6時ごろ、富山市経力の谷口正弘さんの自宅の庭で、カキの木の周辺にクマのフンや爪あとなどが見つかりました。谷口さんの自宅は住宅街にあり、富山市によりますと、平野部の住宅街でクマが目撃されるのは今年に入って初めてだということです。また、19日の夜には、そこから3キロほど離れた民家の庭でもクマが目撃されました。「富山市江本のこちらのお宅では昨晩、この木の上にクマがいるのが目撃されました。クマはその後こちらへ逃げたということです」富山市江本の四津谷秀作さん自宅の庭では、2頭の子グマが柿の木の上にいるところを、この家に住む長男の秀之さんが発見しました。通報を受けた警察が現場に駆けつけましたが、子グマは逃げていったということです。周辺では18日にも2件の目撃情報があり、いずれも子グマ2頭であることから、市は同じクマとみています。県によりますと、クマの姿や痕跡を見たという情報が去年は10月末までで147件だったのに対し、今年は19日までですでに284件に上っています。今回、富山市の住宅街でクマが目撃されたことについて、クマの生態に詳しいファミリーパークの山本園長は。「普段いるところと違うところで遭遇すると人にアタックすることがある」(山本茂行園長)クマが大量出没した4年前には、魚津市で農作業をしていた58歳の男性が頭などを引っかかれるなど被害が発生しています。県や市では引き続き、クマの出没に注意するよう呼びかけています。
(竹やぶにクマ出没:石川)
20日朝、小松市中海町のグラウンドに隣接する竹やぶの中でクマが目撃されました。20日、午前6時半ごろ小松市中海町の竹やぶで、整備作業をしていた白山市の男性が小さなクマを目撃しました。この竹やぶは、少年野球チームなどが練習する東部地区グラウンドとも隣接しています。今月2日にもグラウンド周辺で、子グマが目撃されており、この周辺ではキノコ狩りを行う人もいることから、小松市ではパトロールを行い、注意を呼びかけています。今年度、小松市ではクマの目撃情報が27件寄せられているということです。
(木登りのクマ3頭を目撃:栃木)
20日午後1時50分ごろ、日光市藤原の鬼怒川左岸でクマ3頭が目撃された。今市署によると、クマは1頭が体長約1メートルで、他の2頭は約50センチ。立ち木に登っていたという。目撃者が交番を訪れ通報した。同署は付近の警戒をするとともに注意を呼び掛けている。
(クマ3頭を目撃:栃木)
19日午後8時35分ごろ、日光市久次良町の国道120号でクマ3頭が目撃された。日光署によると、クマは2頭が体長約50センチ、1頭が約75センチ。道路南側の空き地に入っていったという。車両で通行中の近隣住民が目撃した。現場は住宅地で、同署は付近の警戒をするとともに注意を呼び掛けている。
(県道でクマ目撃:栃木)
19日午後6時48分ごろ、那須町高久甲の県道でクマ1頭が目撃された。那須塩原署によると、クマは体長約1メートル。県道を西から東に横切り、山林の中へ入っていったという。乗用車で通行中の男性が目撃し、110番した。同署は付近の警戒をするとともに注意を呼び掛けている。
(工場敷地へ入るクマを目撃:栃木)
19日午後6時41分ごろ、那須塩原市中塩原の県道でクマ1頭が目撃された。那須塩原署によると、クマは体長約1メートル。県道を東から西へ横切り、草むらの中へ入った後、南側にある工場敷地に跳び降りたという。乗用車で通行中の男性が目撃し、同署に通報した。同署は付近の警戒をするとともに注意を呼び掛けている。
(ホテル近くでクマ目撃:栃木)
19日午後5時ごろ、日光市藤原のホテル近くの木の上にクマ1頭がいるのを男性が目撃し、110番した。今市署によると体長は約50センチ。クマはホテルが垣根として植えていた柿の木から実を採ろうとしたとみられる。周辺は民家が点在している。
(別荘地にクマ:栃木)
18日午後3時15分ごろ、日光市所野の別荘地内の山林で近所の人がクマ1頭を目撃した。人的被害はない。日光署によると、体長は約50センチ。現場は日光霧降アイスアリーナから北東に約800メートル。クマは山林から沢に入っていったという。
(クマ目撃:栃木)
17日午後6時25分ごろ、那須塩原市塩原の日塩道路で男性が道を横断するクマを目撃した。那須塩原署によると、体長約1メートル。現場は、逆杉信号機から日光方面に約500メートルのチェーン着脱場付近という。男性は車で通行中だった。
(駐車場近くでクマ:栃木)
16日午後8時15分ごろ、那須塩原市板室の県道を車で通行中の男性が道路脇にいるクマ2頭を目撃した。那須塩原署は警戒を呼び掛けている。同署によると、1頭は体長約1メートル、もう1頭は子グマとみられる。現場は乙女の滝駐車場の西方。
(公園にクマの足跡、目撃も相次ぐ:富山)
県内でエサ不足によるクマの大量出没が懸念される中、富山市八尾町では16日、公園でクマの足跡が見つかったほか、目撃情報が相次ぎました。「富山市八尾の城ヶ山公園です。こちらでクマの足跡が見つかりました。足跡は私の手と同じくらいの大きさで成獣のものと見られます」クマの足跡は16日午前8時ごろ、富山市八尾町の城ヶ山公園で付近の住民が発見しました。大きさは20センチほどで成獣のものとみられます。足跡が発見された公園は、民家が隣接しています。また、八尾町宮腰で16日午前10時半ごろ、同じく八尾町の角間では午後1時半ごろ、成獣のクマが目撃されています。富山市八尾総合行政センターによりますと、八尾町ではクマの姿や痕跡を見たという情報が去年1年間で12件だったのに対し、今年は16日までに55件寄せられているということです。県内でも9月末現在で、去年の同じ時期より97件多い、133件の目撃情報が寄せられていて、県は食べる予定のない果実を早めに処分することや、山間部では鈴など音の出るものを身につけるよう呼びかけています。
(サルの目撃情報多数:千葉)
東葛地域で10月に入り、サルの目撃情報が相次いでいる。6日正午頃に野田市関宿台町で1匹が出没して以降、流山、柏両市でも出没し、21日までに3市で計18件の目撃情報が各市と地元警察署に寄せられた。被害報告はないが、各市や県は、成獣が単独で南下している可能性があるとみている。最新の目撃情報は柏署に寄せられ、20日午後3時半頃、柏市今谷上町の住宅街に1匹がいたという内容だった。19日午前には同市光ヶ丘の住宅街に出没した。同市防災安全課は「見かけても近付かず、警察か市に連絡を」と呼びかける。県東葛飾地域振興事務所地域環境保全課によると、似たようなサルは、9月後半から埼玉県深谷、熊谷両市、茨城県内などで目撃が相次いだとの情報があるという。同課は「埼玉にいたサルが県内に入ったのかも」とみている。
(サル出没相次ぎ職員がパトロール:大分)
大分市の住宅街でサルの出没が相次ぎ、市の職員が小中学校の登校時間にあわせてパトロールを実施しました。大分市西部の八幡地区では、今月に入り、数匹から十数匹単位のサルの群れが相次いで目撃されています。これを受けて、市の職員が児童・生徒の登校時間にあわせてパトロールを実施しました。これまでにけが人や農作物などの被害は寄せられていませんが、市は捕獲用のワナを設置し、警戒にあたっています。サルの出没は天候不良により山のえさが減少していることなどが原因とみられています。市は付近の住民や学校にチラシを配布し、サルを見かけた場合近づいたりしないよう注意を呼びかけています。
(鳥獣被害へ官民タッグ、「対策実施隊」発足:栃木)
シカやイノシシ、サルによる食害の防止や駆除に官民一体で取り組む「市鳥獣被害対策実施隊」の発足式が16日、市役所で開かれ、隊員40人のうち市職員を除く県猟友会日光支部会員と市内の鳥獣管理士計25人に委嘱状が交付された。市によると同様の実施隊は大田原市が設けており、県内で2市目。各地区のパトロールや防護柵の設置、有害鳥獣の捕獲など被害防止策に今後努める。シカやイノシシ、サルによる市内の農作物被害額は、2010年度の1754万円から12年度は2942万円に激増。シカ食害の急増が要因とみられ、市は県猟友会日光支部と連携し13年度に大規模有害鳥獣駆除などを実施。この結果、同年度の農作物被害額も786万円へ大幅に減少した。市内11カ所に隊の地区会を設置し週2回、被害状況や出没頻度などを確認するほか、シカやイノシシを誘引する果樹やクズ野菜の除去、防護柵の設置を促進させる。
(射撃、五輪へ強化だ)
競技用の空気銃を射撃できる年齢を現行の「14歳以上」から「10歳以上」に引き下げる銃刀法改正案が閣議決定され、2020年東京五輪・パラリンピックに向けて選手強化を目指す県内の競技関係者からも歓迎の声が上がった。現行法では、14歳未満の競技者は国内用の赤外線ビーム銃しか使えないが、法改正により10歳から国際大会と同じ空気銃を射撃できる環境が整うことで、有望な子供たちの競技力の向上に期待がかかる。現行の銃刀法では、18歳未満は空気銃を所持できないが、競技団体の推薦を受けた有望な競技者に限り、都道府県公安委員会の認定を受けて14歳から特定の指導者について射撃できる。しかし、国内勢は五輪などの国際大会で、空気銃の射撃年齢に制限のない国の選手に比べて成績が振るわず、日本ライフル射撃協会などが制限年齢の引き下げを求めていた。政府は今国会での改正法成立を目指している。県ライフル射撃協会によると、協会会員は現在、約60人おり、このうち空気銃の競技者は高校生から60歳代までの約30人。空気銃を使えない小中学生は、赤外線を発射するビームライフルやビームピストルで練習し、競技会に出場している。協会は月2回、秋田市でビーム銃の教室を開いており、毎回、小学生を中心に約15人が参加。さらに、本格的に取り組む小中高生を対象に週1回の強化練習も行っており、若い競技者が徐々に増えているという。しかし、ビーム銃では国内の大会しかなく、世界大会を目指す競技者も、まずビーム銃から始め、14歳で空気銃に移行するのが一般的だ。こうした環境のなか、東京五輪を目指す若い県勢の活躍が目立っており、今年8月に東京で開かれた「第2回全日本小・中学生ライフル射撃競技選手権大会」では、ビームライフル自由姿勢・小学生の部で秋田市立四ツ小屋小4年の船木凛果さんが優勝、中学生の部でも同市立桜中1年の須田百香さんが優勝した。1月に10歳になる船木さんは、今月15日の練習で、「空気銃が使えるならやってみたい。五輪にも出場したい」と目を輝かせた。県ライフル射撃協会の伊藤昭会長(71)は「若いうちから本格的な空気銃が持てるのは子供たちの励みになる。五輪を目指して世界に羽ばたく子が育ってほしい」と期待している。
(渡らせて事故防止、エゾシカの横断歩道:北海道)
「鹿飛出し注意!!」。北海道ではおなじみの、道路脇の立て看板。数年前には札幌市北区の勤務先に通じる道路に、突然この大看板が林立して驚いた。改めてエゾシカをめぐる事態を実感した。今回の風景をはじめて見た時は、一瞬何のことかわからなかった。絶え間なく車が行き交う道路脇に、「鹿横断箇所 衝突注意」と書かれた看板。その先には路面を横断する黄色い帯状のライン。エッ、シカの横断歩道?!場所は国道36号を千歳から苫小牧に入ったあたり。道の片側には木が茂り、もう一方には湿原のような風景が広がる。黄色い帯は道路脇の侵入防止柵が途切れた所にあって、北海道開発局室蘭開発建設部が、シカの通り道として2007年に設けたものだった。エゾシカ絡みの交通事故が増え、胆振日高地区でも対策が検討された。コストはかけられない。そこで考案されたのが、シカがよく渡る場所の侵入防止柵をあけ、意図的に道路を渡らせる方法。夜間にシカに反応して点灯するセンサーライトを設置し、ドライバーに注意を喚起するようにした。設置前の3年間はシカの事故が年間2~3件だったのが、その後は0~1件。だが他の要因も考えられるため、実際の効果のほどはわからないという。道の発表では昨年道内のエゾシカの推定生息数は3年連続で減少したが、事故数は一昨年より微増の状態。日本ではまれな、シカにも人にも配慮された横断歩道。しかしあくまで試験的なものというから、今しかない風景になるかもしれない。
(クマによる人的被害が記録的ペースで増加)
クマによる人的被害は、2014年8月の時点で、すでに2013年に匹敵する件数になっている。専門家は、クマの主食となる木の実の不作が原因の1つだと指摘する。森林総合研究所野生動物研究領域長の大井徹氏は「(民家周辺には)残飯とか、家畜飼料が放置されていることもあります。そうすると、腹をすかしたクマが、これらを目指して人里に侵入していくわけです。人里への出没は、(クマは冬眠をするため)11月の末ぐらいまで続くものと考えられます。(山を歩く時と同じように)大きな音、声を出して、クマに人間の存在を早めに気づかせるといったことが大事です」と話した。
(被害額2年連続減少、侵入防止柵など効果:三重)
県は、2013年度の野生鳥獣による農林水産被害額とイノシシなどの捕獲頭数をまとめた。被害額は前年度より約7233万円少ない約6億2875万円で、2年連続で減少した。県獣害対策課は「集落ぐるみの追い払いや侵入防止柵などの整備が一定の効果を上げた」としている。被害の内訳は、イノシシやニホンジカ、ニホンザルなどによる農業被害が約3億2443万円▽シカなどに植林した苗木を食べられる林業被害が約2億5566万円▽放流した稚アユをカワウに食べられる水産業被害が約4864万円−−となっている。捕獲数はイノシシ9401頭(前年度1万1930頭)▽ニホンジカ1万7148頭(同1万7529頭)▽ニホンザル1033頭(同1377頭)▽カワウ805羽(同736羽)−−で、カワウ以外は前年度を下回った。獣害対策では、被害防止柵などのほか、5人以上のグループで花火などを使って山の中まで追い払ったり、野生鳥獣を発見した場合に非農家も含めて一斉メール配信を行い、対応可能な住民が即座に追い払ったりする地域ぐるみの取り組みが効果を上げている。県は、こうした優良事例を他地域に紹介して普及を図る一方、大量捕獲わなやサル接近センサーなどの技術開発にも引き続き取り組む。同課は「今年度は被害額を6億円以下にすることを目標にしており、さらに被害軽減を図りたい」と話している。
(ツキノワグマ、夏場の出没増える:島根)
県内のツキノワグマの出没傾向に変化がおきている。4~8月で捕獲が62頭と、同時期で記録のある2002年から最も多くなった。エサの木の実が豊作だった12年に多く繁殖した若いクマが春先に親離れし、人里に出没した影響とみられるという。島根のツキノワグマは、広島、山口との3県にまたがる「西中国地域個体群」に属し、02年から3県共同で保護管理計画をつくる。4~8月の県内の捕獲数は1桁が多いが、今年は4月2頭▽5月11頭▽6月17頭▽7月19頭▽8月13頭と増加。県中山間地域研究センターの沢田誠吾研究員(37)によると、若いクマに加え、お盆前からの長雨で夏場にエサの昆虫が少なかった可能性があるという。02~10年、県内のツキノワグマは偶数年に大量出没していた。木の実が1年おきに豊作と凶作を繰り返し、凶作の年にエサを求めて人里に多く来ると考えられていた。傾向が変わったのは12年。凶作年のはずが豊作だった。捕獲数も10年の3分の1以下と大量出没年にならず、その時に生まれた子が今夏の出没の原因になったとみられる。
(ツキノワグマ出没倍増:新潟)
新潟県内で今年、ツキノワグマの目撃情報が例年にないペースで寄せられている。県のまとめでは、市民からの目撃情報は4月から9月末までに595件に上り、昨年同時期(260件)に比べ倍増している。4月には村上市でクマに襲われたとみられる女性が死亡している。専門家によると、今年はクマが大量出没する数年に一度の年。これからの時期はクマが餌を求めて人里に降りてくることが予想されるため、各自治体が注意を呼びかけている。「今年はクマが大量出没している」。先月、県庁で各市町村の担当者が参加して開かれた「県ツキノワグマ被害防止対策連絡会議」で、担当者は数字を示し、各市町村に対策を講じるよう求めた。県内のクマの生息数は約1300頭程度と推測され、例年に比べて大きな増減はないという。では、なぜ今年はクマが多く出没するのか。クマの生態に詳しい箕口秀夫・新潟大農学部教授=森林生態学=は「クマの餌の中心となるブナの豊凶作に関係がある」と指摘する。クマは雑食だが、秋の主食はブナを中心としたミズナラやクリなどの堅果(けんか)類。秋は、冬眠に備えて大量の餌を必要とするため、山中に餌が少ないと餌を求めて人里に降りてくる。県が7月下旬〜8月に28市町村で行った堅果類の豊凶調査によると、今年のブナは上中下越・魚沼のほぼ全域で「凶作〜不作」だった。こうした中、住民がクマに襲われ負傷する事故も相次いでいる。4月26日には、村上市で、80代の女性が自宅近くの河原で頭から血を流して亡くなっているのが見つかった。県警は「クマに襲われた可能性が高い」と判断している。今月12日にも南魚沼と新発田の両市でそれぞれ男性がクマに顔や頭をたたかれるなどしてけがをしており、昨年はいなかったけが人は今年5人に上っている。箕口教授は「収穫しないまま放置した農作物や墓の供え物はクマを呼び寄せる」と指摘する。県環境企画課の皆川新一課長は「クマも人間もクリやきのこが好きなのは一緒。山菜採りでクマと出合わないよう、ラジオや鈴を持参して山に入ることが大事だ」と対策を呼びかけている。
(電気柵で一定効果:奈良)
有害鳥獣による農業被害が深刻な奈良市東部で、電気柵設置のモデル事業が効果を上げている。イノシシなどは完全にシャットアウトでき、「捕獲が難しい」とされるサルについても、群れによる壊滅的な被害はなくなった。同事業は市が設置費用を補助する一方、県も監視用ビデオカメラを設置するなどサルの行動パターンを研究。検証作業を進めて今後の対策に役立てるとしている。モデル事業で電気柵が設置されたのは中山間部に位置する阪原町。昨年11月、農家14軒が参加し、約7千平方メートルの畑地の周辺を高さ1・5メートルのメッシュ柵で囲んだ。メッシュ柵の上には最高8500ボルトの電流が流れる電気柵も取り付けられ、イノシシや鹿はもちろん、サルへの効果についても検証が進められている。
(猪垣35カ所機能せず:沖縄)
伊野田地区農地・水・環境保全の会(仲原清正会長)がこのほど、野底林道から浦底越道(クイツ)まで約3㌔の猪垣を点検したところ、土砂崩れや抜け穴など、猪垣として機能していない部分が35カ所確認された。イノシシはここからほ場へ侵入しているとみられ、同会の仲原会長は市に管理と定期的な点検を要望。市は「猪垣補修のための事業はないが、補修資材の提供を検討したい」(半嶺重行市むらづくり課長)としている。猪垣の点検作業は地域住民と農家が一体となって農業用施設の維持管理と農村環境の向上を図る「農地・水・環境保全向上対策」の一環。今月14日から2日間、会員4人が参加して猪垣沿いの雑木などを伐採しながら点検した。点検した場所では、イノシシが掘ったとみられるフェンス下の抜け穴のほか、土砂崩れが約510㍍にわたって15カ所、土砂だまりが約30㍍にわたって4カ所確認された。崩れた場所や土砂がたまった場所からはイノシシが容易に出入りできることから、周辺ほ場での農作物被害が懸念されている。仲原会長は「せっかく作った猪垣も点検・補修しなければ宝の持ち腐れ。市で管理や定期的な点検をしてほしい」と、市に対策を求めた。これに対し、市むらづくり課の半嶺課長は「猪垣を補修する事業がなく、予算確保が困難だが、補修資材を提供することはできるかもしれない」と述べるにとどめた。猪垣は、市の北西部の山すそを中心に広範囲にわたって整備されているが、補修点検が十分とはいえず、毎年のように農作物のイノシシ被害が発生している。
(猿と知恵比べ柿先取り:兵庫)
猿による農作物被害を防ごうと、篠山市畑地区で19日、猿に取られる前に柿の実を収穫するイベント「さる×はた合戦」(同実行委員会主催)が行われた。好物の柿を取り去ることで、猿を農地に寄せ付けなくする狙い。公募で集まった都市部の住民ら約60人が、実を味わいながら収穫を楽しんだ。篠山市畑地区は、市のほぼ中央部に位置し多紀連山のふもとに広がる農村地帯。高齢化や人口減から管理が手薄になった農地でイノシシや猿の被害が増えている。イベントは、同地区で農業実習をしている神戸大と地元住民が昨年初めて北部の山のふもとの集落で実施。この日は南部の和田、般若寺など5集落で行った。参加者は、同市瀬利の市立みたけ会館に集合した後、バスや徒歩で12か所の現場に分かれ、地元住民の手ほどきを受けながら、素手や高枝切りばさみで甘柿を収穫。用意してきたビニール袋やかごに入れながら、もぎたての実をかじっていた。姫路市飾磨区、今村真さん(82)は「多紀連山には登山に来ていたのでなじみのある地域。猿の被害を新聞で知って参加した。柿の味は郷愁を誘う。近所のお土産にする」と話した。実行委員長の小島博久さん(63)は「猿の出没地域が広がっている。実を取り尽くし、寄せ付けないようにしてほしい」と呼び掛けていた。
(熊の被害減へ、餌場なくして:長野)
長野県大町市は22日、熊の生態と被害対策を学ぶ市民対象の研修会を市役所で開いた。今年は市内で熊の出没が相次ぎ、熊による人身被害が6件起きているため、熊の被害を減らすために企画した。県環境保全研究所(長野市)の岸元良輔研究員(61)が、約60人を前に、熊を人里に近づけない工夫などを話した。岸元研究員は「近年になって熊の生息圏が山奥から里山に広がり、人と出合う確率が増えている」と指摘。その原因として「木の間伐や伐採が減って里山が荒廃し、熊が生息できる自然環境になっている」と説明した。また、今年のようにドングリなど山の餌が不足すると、普段なら山奥でほかの熊を追い出して餌を確保できる大きな熊までも里山まで下りて餌を探すという。熊は縄張りがなく行動範囲が重なる。そのため、畑に放置されたリンゴや残飯といった餌があると、「駆除をしても、また新たな熊が集まってくる。駆除優先の対策より、餌場をなくす対策が優先」とする。岸元研究員は、熊の餌場となってしまった例として、トウモロコシ畑や養魚場、家畜飼料のある牛舎、ごみステーションを挙げ、「これらの餌は栄養が高く、熊の繁殖力が高まり、熊が増える。熊が人里の餌場に執着すると、人里に慣れてしまう危険性もある」としている。対策としては、餌場など熊を誘因する原因を取り除くこと、山から人里に続くやぶを刈ること、山の林を伐採、間伐することの3点が重要とした。畑を餌場にしないためには電気柵が有効という。また、近年、熊の大量出没が起きやすい傾向があり、人身被害も続いていることなどを挙げ、「県の保護管理計画による熊の捕獲自主規制は曲がり角に来ている」との見解を示した。大町市は現在、「クマ出没警戒警報」を発令中。市内の熊目撃情報は9月は107件、10月(21日現在)は127件となっている。
(狩猟者ピーク時の3分の1、若者向け催し開催へ:高知)
野生鳥獣による農林被害が深刻化する中、県内の狩猟者数は昨年約4千人で、ピーク時の3分の1以下に減ったことがわかった。高齢化が一因とみられる。県は狩猟者の確保に狩猟免許の試験回数を増やしており、25日に若者向けにフォーラムも初めて主催する。県鳥獣対策課によると、人工林の皮が食べられるなどの鳥獣被害は、13年度は3億1386万円(シカ1億3492万円、イノシシ1億449万円など)。08年度の2億4737万円(シカ1億1266万円、イノシシ5949万円など)より、約7千万円増加した。原因とされるのは、人口の過疎化による鳥獣の繁殖範囲の拡大や温暖化のほか、狩猟者の減少だ。県猟友会の会員数は1978年度の1万4572人をピークに減り続け、12年度は3875人に落ち込んだ。県猟友会によると、今年4月時点で60歳以上は73%を占め、狩猟者の高齢化が背景にあるとみる。
(ハンター確保へ、野生鳥獣増加で農作物被害:熊本)
シカやイノシシなど野生鳥獣の増加で生態系や農作物への被害が深刻化する中、ハンター確保のため狩猟の社会的役割などを紹介する「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」(環境省主催)が熊本市で開かれ、県内外から約170人が参加した。フォーラムでは、環境省の担当者が野生鳥獣による被害状況などを紹介。シカは北海道を除く全国に261万頭(2011年度推計)も生息し、このままでは25年度に500万頭に達すると指摘した。野生鳥獣による農作物被害額は近年は約200億円に上り、ハンターの減少と高齢化が課題となっていることが説明された。その後、若手ハンターによるトークイベントがあり、動物の命を奪うことに「最初は抵抗があった」「抵抗を忘れないことが大切」などの意見も出た。狩猟免許を取ったばかりの佐賀県鳥栖市の会社員、佐藤貴信さん(24)は「最初は抵抗があるのはみんな同じだと安心した」と話した。会場では捕獲用の箱わなが展示されたり、模擬銃を使って猟銃の構え方などを体験できるコーナーが設置されたりし、参加者は県猟友会会員による説明を熱心に聴いていた。イノシシ肉やシカ肉を使ったカレーなどの試食会もあり、参加者がおいしそうに食べていた。
(ピタリ照準「育てハンター」:兵庫)
神戸市内の住宅地で、通行人らがイノシシに襲われる被害が相次ぐ一方で、有害鳥獣の駆除を担ってきた県猟友会の会員数は年々減少し、高齢化が進んでいる。このため、市は11月10日、捕獲活動や射撃に関心を持ってもらい、後継者を育てるための「ハンター体験会」を初開催する。市内では4~9月、東部の住宅街を中心に、住民らがイノシシに襲われる被害が50件相次ぎ、計40人がけがを負った。市によると、捕獲頭数は2010年頃から急増しているという。一方で、県猟友会の会員数は年々減少傾向。04年度は3983人だったが、13年度には3193人にまで減った。メンバーのうち、市の依頼で捕獲活動を担ってきた有害鳥獣捕獲班員は115人。60歳以上が全体の75%を占める。後継者不足が深刻化しているため、市はハンター養成に乗り出した。体験会は、県との共催。西区の大学共同利用施設で、有害鳥獣捕獲班員から捕獲活動の意義や模擬銃の使い方の講義を受けた後、射撃場で実際の射撃の様子を見学。神戸ワイナリー(農業公園)でイノシシ肉の試食会も行われる。市農政部計画課は「体験会を通じて狩猟活動に関心を持つ人が増え、ハンターになりたい人の裾野が広がるきっかけになれば」としている。
(自治体ハンター育成:愛媛)
イノシシやシカによる農作物の食害に苦しむ自治体が、狩猟免許取得や猟銃購入の費用を補助したり、養成講座を開いたりと、相次いでハンターの育成に乗り出した。背景にあるのは、高齢化や銃規制の強化に伴うハンターの急減。食害の深刻化は耕作放棄につながるだけに、どの自治体も対策に懸命になっている。 「銃の所持には責任が伴うが、このままでは農業は守れない」。県が今年度始めた「ハンター養成塾」。講師の猟友会員が、受講する若手農家ら20人に心構えを強調した。講座は全6回。動物の生態などを学ぶ座学のほか、猟への同行、解体・調理の見学もある。狩猟免許や猟銃所持許可の取得など総額10万円程度の費用のうち、最大約9万円の助成が受けられるのも大きな魅力だ。かんきつ類の生産量が全国トップの県では、野生動物による果樹の被害が2億6400万円(2013年度)と、全農作物被害の7割近くを占める。多くは山間部の傾斜地や山裾で栽培され、農家は食害への緊張を強いられている。愛南町で特産の河内晩柑ばんかんを栽培する稲田塁さん(26)は、受講と並行して狩猟免許を取得した。3、4年前からシカに樹皮をかじられる被害がひどくなり、高さ約1メートルの電気柵を張ったが、それを跳び越えて荒らしにくる。「もう、自分の農地は自分で守るしかない」と、言葉に力を込めた。ハンター育成の動きは各地に広がっている。神戸市は今年度、銃を使った猟を始める人への助成を導入した。免許取得などの費用を最大8万5000円まで負担する。京都府は10年度から、猟銃の購入費の半額(上限額15万円)を助成しており、今年度は300万円を予算計上。同府舞鶴市は、保管に必要なロッカー購入にも3万円まで補助している。環境省によると、狩猟免許の所持者は、1970年代には50万人前後いたが、2011年度には約11万6000人まで減り、高齢化も急速に進んでいる。09年12月には改正銃刀法が施行され、許可申請の際には精神科医らの診断書が、3年ごとの更新時には警察官による保管状況の確認などが必要になった。猟友会によると、こうした規制強化が負担になり銃を手放す人が後を絶たないという。その一方、動物は反比例して増え、ニホンジカは11年度の推計で、20年前の7倍の260万頭が生息。農作物への被害額は、12年度は全国で約230億円に達し、都市部でも人がイノシシに襲われる被害が頻発している。環境省も、狩猟の意義を周知する取り組みを進めている。野生生物課は「銃は慎重な取り扱いが求められるが、農地の保護に欠かせない道具でもある。ハンターが活動しやすいよう、土壌づくりを進める必要がある」としている。
(高齢化するハンター、後継育成に本腰:熊本)
イノシシやシカなど野生鳥獣による農林業への被害が深刻化する中で、狩猟者(ハンター)の減少と高齢化が大きな問題となっている。環境省によると、全国の狩猟免許所持者は、かつて50万人を超えていたが、平成23年度は19万8千人と半分以下になった。この状況に、九州の自治体は国と協力して、狩猟の魅力を紹介するフォーラムを開くなど、後継者育成に乗り出している。被害総額41億2千万円-。九州農政局によると、九州7県では平成24年度、前年度を15%上回る農作物への鳥獣被害があった。動物別では、イノシシ被害が21億円と半分を占める。県別では福岡、宮崎両県でそれぞれ10億円を超えた。全国の被害総額は24年度230億円に達した。環境省によると、野生のシカの頭数(推定)は、この20年間で9倍近くとなり、23年度は261万頭だった。現状の増加が続けば、37年度には北海道を除く全国で500万頭まで増えると推計される。鳥獣被害の増加原因としては、野生動物の生息に適した地域が拡大したことなどが挙げられる。里山に人が入らなくなり、耕作放棄地が増大したためだ。農政局は「収穫間際に鳥獣に荒らされると、農業への意欲が大きく減退する。農山漁村にとっては、被害金額以上のダメージがある」と深刻に受け止める。各自治体は鳥獣駆除の強化を打ち出すが、ハンター不足が、足かせとなっている。環境省によると、狩猟免許所持者は23年度、全国で19万8千人。昭和50年度(51万8千人)の半数以下となっている。数の減少に加え、高齢化も深刻だ。狩猟者のうち60歳以上の占める割合は、平成2年度に20・3%だったが、17年度に50%を突破。23年度は66・2%に達した。ハンター不足は、シカやイノシシのさらなる増加を引き起こしかねない。この窮状に国も動いた。24年3月、議員立法により鳥獣被害防止特別措置法が一部改正された。ハンター育成に向けて、市町村が設置する「鳥獣被害対策実施隊」の隊員について銃刀法が定める技能講習の免除や、捕獲費用への補助、報賞金交付が盛り込まれた。九州内では全233市町村のうち、207市町村が「鳥獣被害対策実施隊」を設置している。また、今年5月に鳥獣保護法も改正され「鳥獣保護管理法」となった。従来の保護重視の政策を大転換し、生息数を適正な水準に減少させ、生息地を適正な範囲に縮小させる「管理」を法律の名称と目的に加えた。都道府県が実施する捕獲事業の場合、夜間の猟銃使用や、住宅集合地域での麻酔銃猟を許可した。網やわなで捕獲する免許の取得年齢も、現行の20歳以上から18歳以上に引き下げた。法整備を契機に、狩猟への理解を深め、後継者を育成しようと、環境省は全国各地でフォーラムを開いている。九州エリアでは今月11日、熊本市北区の市食品交流会館(フードパル熊本)で「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」があった。台風19号が接近し、開催そのものも危ぶまれたが、狩猟に関心を持つ189人が来場した。フォーラムは「すごいアウトドア!! ハンターというエコ・ライフ!?」をメーンテーマに掲げ、若手ハンターに迫るトークセッション「私がハンターになった理由(わけ)」や、ハンティング模擬体験ができるワークショップなどが催された。また、狩猟が生業として成り立つように条件整備を進め、ハンター育成につなげようという試みもある。代表的なものが、これまで大半が山に捨てられていた獣の肉の販路開拓だ。熊本県は、野生鳥獣の肉を使う「ジビエ料理」の普及に乗り出す。ジビエとは、シカやイノシシなど野生鳥獣の食肉を意味するフランス語で、ヨーロッパでは貴族の伝統料理だという。24年11月、狩猟関係者、加工業者、飲食店、県などで構成する「くまもとジビエ研究会」を設立し、ジビエの消費拡大に向けた事業を始めた。「くまもとジビエ料理フェア」など、県民がジビエ料理に親しむ機会をつくった。今月のフォーラム会場でも、同研究会がブースを出し、シカカレーや、イノシシ肉のトマト煮込みなどを振る舞った。獣肉の消費需要を高めることができれば、狩猟が盛んになり農作物被害が減らせる上、地域の新たな特産物としても期待できる。山口県下関市が狩猟肉専門の加工場を建設するなど、ジビエ料理の研究は各地に広がる。熊本県むらづくり課課長補佐の渡辺陽司氏は「ジビエ研究会では料理や加工品のレシピ開発に力を入れており、開始当初と比べてもレベルは上がっている。広く獣肉を使ってもらえるよう態勢は整えており、あとは流通量や質を安定させることが課題」と語った。
(狩猟の魅力まるわかりフォーラムの開催:茨城)
近年,イノシシ等の野生鳥獣が生態系や農林水産業に大きな被害を与えている一方で,狩猟者の減少と高齢化が進んでいます。そこで環境省では,将来の鳥獣保護管理の担い手確保を目的とした「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」を毎年度開催していますが,今年度も全国5会場で企画し,第5回目を下記により茨城県笠間市で開催します(入場無料・申込み不要)。狩猟の魅力や社会的役割を実感できるプログラムが満載です。更に,大人気ハンター漫画「山賊ダイアリー」とのコラボ企画による来場者への豪華特典もご用意しています。
(食害から守れ、ニホンジカ対策会議を設立:福島)
南会津町と昭和村にまたがる国天然記念物の駒止湿原でニホンジカの食害被害が出ていることを受け、駒止湿原保護協議会は16日、ニホンジカ対策会議(会長・大宅宗吉南会津町長)を設立した。本年度中にもニホンジカ捕獲に向けて、ワナを設置する方針。同会議はニホンジカによる湿原の生態系への影響を未然に防止しようと、関係者37人で設立。長期的には約150ヘクタールの湿原をフェンスで囲むことも視野に入れ、今後はワナの設置箇所を検討し、来年度は文化庁の許可を得て湿原内での捕獲も実施したい考え。南会津町で開かれた同会議設立の対策検討会では、五十嵐竹則町教育長のあいさつの後、協議事項で福島大の奥田圭准教授らがシカによる被害状況や対策計画などを説明、生態系の崩壊前の対策を提言した。同大の研究で、2011(平成23)年にセンサーカメラでニホンジカの角とみられる画像が撮影され、13年には湿原のニッコウキスゲにニホンジカとみられる食害痕が発見されている。
(ライチョウ保護めぐり議論:富山)
国の特別天然記念物のライチョウの保護を訴えるシンポジウム「ニホンライチョウが生き続けるために」が18日、富山市大手町の富山国際会議場で開かれた。生息地での保護に取り組むとともに、動物園などでの飼育繁殖技術の確立を急ぐことを確認した。市ファミリーパークの開園30周年記念事業として、富山市と同ファミリーパーク公社が主催した。南アルプスのライチョウ保護を研究している中村浩志・信州大名誉教授が講演。シカやサルなどの動物が高山域に進出し、ライチョウのエサの植物を食害していることや、生まれたばかりのヒナのいる親子をケージに保護し生存率を高める実験などを紹介した。
(イノシシやシカについて学ぶ授業:長崎)
対馬市立厳原中(小田克也校長、177人)は、農業や林業に被害を与える有害鳥獣問題を考える学習に取り組んでいる。イノシシやシカの生態や被害防止策を学ぶほか、皮革を使ってペンケースなどを作成。皮革を活用した作品づくりを授業に取り入れるのは、全国でも珍しいという。市によると、イノシシやシカが農作物を食い荒らす被害はここ数年急増。昨年度の被害額は約1300万円で、捕獲数は約9千頭に上る。捕獲後は山野に埋めることがほとんどで、資源としての有効活用が課題になっている。厳原中と市有害鳥獣対策室が企画した。1年生が対象で、6~10月の総合学習の10時間を活用。これまで獣医師で島おこし協働隊員の谷川ももこさん(27)が講義したほか、ハンターを招きわなや模擬銃を体験するなどしてきた。5回目の授業となった22日は、服飾デザイナーの椎名貴子さん(44)や、元協働隊員で革製品の商品開発に取り組む山下遼さん(26)らが講師を務めた。生徒は島内で捕獲されたイノシシとシカの皮に穴を開け、針と糸で縫い付けてペンケースや小物入れを作った。中野健太君(12)は「今まで皮に触ったことはなかったけれど、役立つものが作れ面白かった。学習を通じイノシシやシカの被害をどう食い止めるべきか考えるきっかけになった」と話した。
(単独で行う「罠猟」の危険性)
ここ数年の出来事ですが『山賊ダイアリー』などの「狩猟系漫画」の影響なのか、珍しく狩猟免許を取得する人が増えているそうです。そうは言っても、まだまだマイナーな世界なのですが。まあ、きっかけは何であれ、年々減少してこのままだと「野生動物よりも先に猟師が絶滅する」と言われる狩猟の世界に新しく人が増えるのは、良い事かと思われます。しかし「誰にでも始められる」と言う風に紹介されると、筆者としてはちょっと違和感がありますね。そんなに手軽な趣味では無いと思うからです。 確かに狩猟免許を取得して猟を始めるのは、それほど難しい事ではありません。特に罠や空気銃なら、普通の人ならばかなりの確率で取得出来るでしょう。さすがに散弾銃を持つとなると、審査から何から色々と大変ですが。そんな「狩猟」の世界ですが、どうも最近はネットの普及などで情報が簡単に手に入るせいか「一人でも狩猟は出来る」みたいな風潮がありますが、はっきり言って筆者に言わせていただくと「鳥撃ち以外は一人では無理!」とだけ言っておきましょう。確かに大物猟を一人でやっている人も居ますが、本当に「独りぼっち」でやっている人は、まずいません。稀に銃猟で超ベテランの方や、北海道でエゾ鹿猟をやっている人の中にはいるようですが。仮に一人で狩猟をしていても、実は狩猟仲間が居たりして、大きな獲物を運ぶ時は手伝ってもらえる環境にある人がほとんどです。そして「罠猟なら一人でも出来る」と勘違いしてしまった結果、ネットでかじった知識で知ったつもりになり、見よう見まねで「罠猟」を始めてしまう人がいます。それがこちらの動画です。動画には山奥でキャンプしながら「罠猟」をする様子が描かれています。そして念願の鹿が罠に掛かり興奮する様子、殺すかどうかの葛藤、決意を固めて棒を探す場面…そして、氏が棒を片手に鹿が居た場所に戻ると、そこには千切れた鹿の足首と壊れた罠だけが残っていました…動画には色々なコメントが流れています。その中には氏の行動を批判するコメントや庇護するコメントと様々で「動物虐待だ」「お前らも肉は食べるんだろ」「初めてだから仕方ない」などなど、批判する者も居れば庇護する者もいて、それぞれ好き勝手にコメントしています。筆者としては氏が一番落ち込んでいるようだし、確かに初めての大物だから仕方がないとは思います。自分が鹿を無駄に傷づけて、恐らく死なせてしまったであろう事を後悔しているのは、良く伝わります。若干、動画を盛り上げる演出なのか時間をかけて一人語りしたり、止める(殺す)為の道具を用意してなかった点など気になる事はありますが。まあ、そんなこんなでコメントをまとめると「今回は初めてだったのだから仕方がない、次への経験として生かせ」「本人にとっても鹿にとっても最悪の結果だったな」と言う事で、今回の経験を生かして次は頑張れ!みたいな感じで応援する人が多いようですね。氏も今回の経験を糧に「次は必ず仕留める」と考えているようです。筆者は罠猟はやりませんが、一応は猟師なので上から目線で今回の件について語っておきますと「お前ら、何も分かってない」って感じです。今回の動画で「死に直面した動物が、どれほど暴れるのか」を学んだと思います。自分の足を引きちぎってまで逃走する「野生動物」のチカラは侮れません。この事に関して異論を唱える人はいないでしょう。なので、普通の猟師は罠猟でも、かかった獲物が猪だったり大型の鹿だった場合には仲間の助けを借ります。鉄砲を持っている人に撃ってもらったり、ロープで絡めて動きを封じてから、止めたりするのです。ベテランの猟師ですら、危ないと思った時は鉄砲に頼るのに、素人が拾った棒きれだけで、どうにかなると思っているのでしょうか?今回の件は「最悪の結果だった」と言う流れですが、はっきり言ってあんなの最悪ではありません。本当の最悪とは「罠にニホンカモシカが掛かってしまった」と言う場合です。狩猟免許を持っているなら「ニホンカモシカ」が非狩猟鳥獣である事は知っているはずです。もしも、その「ニホンカモシカ」が自分の罠に掛かった場合、一人でどう対処するつもりなのでしょうか?正解は「仲間を呼んでロープで絡めて動きを封じて罠を外す」ですが、猟仲間もいない人は手段がありません。死に直面した動物の暴れっぷりを見れば分かりますが、あの状態の動物を「死なない程度に棒で殴って気絶させる」など不可能です。また地域によっては「ツキノワグマの捕獲自粛」などもあるので、場合によっては暴れる「ツキノワグマ」から罠を外す必要もあるのです。
他にも「複数の罠に複数の鹿が掛かった」場合も対処出来ないでしょう。食べきれないし、持ち帰りきれない挙句、そこら辺に埋めてしまうのがオチです。何頭もの鹿を埋める穴を掘るのも重労働なので、下手をすれば埋めずに放置する輩も出てくるかもしれません。罠猟の場合は銃猟と違って「獲物を選ぶ事が出来ない」と言う事を忘れたら猟師失格です。勿論、銃猟も単独では色々と難しいのですが、それでも「撃つ、撃たない」の選択肢はあります。つまり普段は単独で罠猟をするのは勝手ですが、いざと言う時に「仲間」を呼んで事態を解決出来ないようならば、無責任に罠を仕掛けるのは止めるべきだと言う事です。免許を持っていれば簡単に罠を仕掛ける事は出来ますが、その罠に関する「責任」は全て当人にある事を忘れないで下さい。「不本意ながらニホンカモシカが掛かったけど事故なんだから仕方ない」では通用しません。自分が仕掛けた罠に非狩猟鳥獣が掛かった場合、速やかに罠から解放する義務があります。やや辛口な批評になってしまいますが、このように「何も知らない」人が気軽に罠を仕掛ける事で「くくり罠全面禁止」になる可能性もある事を忘れてはいけません。そうなると実質、大型の害獣に対しては「箱罠」しか無くなってしまいます。「箱罠」となると罠の値段も高いので多くは設置出来ないし、その大きさと重さで移動させるのも大変です…結果、無責任な「くくり罠」を仕掛ける人間が増えて規制されると、今後の「害獣対策」がより難しいモノになってしまう危険性があるのです。人と接するのが苦手とか、どうしても一人で自由に猟をしたいと言うのであれば、空気銃による鳥猟がオススメです。鳥ならば一人で撃って回収して捌いても余裕です。無益な殺生をする事もなく、自分に必要な分の命だけを奪う事が出来ます。もっとも、実際には「縄張り」みたいな習わしがある地域も少なくないので、新参者が好き勝手に山に入って、自由に猟が出来るかと言うと難しいとは思いますが…やはり、最初は猟友会に入って銃砲店などで先輩の猟師を紹介してもらい、少しづつ学びながら人脈を広げるのが、猟師になる一番の早道です。ある程度「顔」が利くようになれば、自分が一人でブラブラしながら鳥を撃てる場所も作れると思います。狩猟と言うと鉄砲による「誤射」や「流れ弾」の危険性がクローズアップされがちですが、実は罠に掛かった獲物の逆襲に合い負傷する猟師は少なくありません。罠猟にも、それなりのリスクがあるのです。そして狩猟をすると言う事は、害獣駆除だの食べる為だの色々な理由がありますが、最終的には「命を奪う」「殺す」と言う本質を覚悟する必要があります。自分の手で獲物の命を絶つ事に、少しでも迷いや気後れがあるのならば、初めから鉄砲を持ったり、罠を仕掛けてはいけません。
(“狩りガール”増やしたい:大阪)
男のイメージが強い狩猟の世界をしなやかに駆け回っている。「女性にお勧め。運動になるし、おいしいお肉も食べられます」と笑顔を見せる。ことし4月に発足したたんぽぽの会の部長に就任し、「女性会員に自分の持っている技術をどんどん伝えたい」と意気込んでいる。たんぽぽの会は女性会員26人がメンバー。20~80代の幅広い世代の“狩りガール”がそろっている。メンバーは狩猟や射撃の技術を磨くことはもちろん、啓発イベントではイノシシの焼き肉を振る舞ったりと、こまやかな気配りと料理の腕を存分に発揮している。その先頭に立つ曽我さんは「イベント会場で女性の姿をアピールし、新しい会員の掘り起こしを図りたい」と意欲を語る。また、技術の継承も課題の一つ。大阪府猟友会は、男女の会員を対象に技術指導する“学校”を立ち上げる計画で、講師の一人を曽我さんが務める予定だ。田中茂雄専務理事兼事務局長(72)は「狩猟や射撃の技術を伝えてほしい」と期待を寄せる。狩猟免許を取ったのは2000年。猟友会の事前の講習が役立ち、「1回で合格した」。これまでに仕留めた獲物は数十頭になるという。初めての獲物はシカだった。猟犬に追われたシカが一瞬、動きを止めたとき、20メートルほどの距離から引き金を引いた。「出てきたら絶対撃つと気合を入れていた」と振り返る。今はイノシシの解体もできるようになり、家族で囲む食卓にはさまざまな料理が並んでいる。冬はぼたん鍋、夏はイノシシの焼き肉、ひき肉にしてハンバーグも。シカ肉はカレーやシチューに使い、「ロールキャベツにも挑戦したい」と目を輝かせる。猟友会理事の夫も「カレーがおいしい」と喜んで食べているという。曽我さんは「お金を出せばスーパーで何でも手に入りますが、自分で仕留めた命に対して、無駄なく食べることが供養になる。私たちは別の命をいただいて生きている。人間の原点だと思います」。
(冬の使者、マガンが飛来:石川)
加賀市の片野鴨池には、マガンやヒシクイなどの渡り鳥が飛来しはじめ、訪れる人たちを楽しませています。毎年、カモなどの渡り鳥が飛来してくる加賀市の片野鴨池。今年も今月上旬ころから、渡り鳥の数が増え始めました。国の天然記念物に指定されているマガン。近くの水田で、コメなどのえさを食べ終えて、鴨池に戻ってきます。3000キロ近い大移動を終えたマガンにとって、片野鴨池の環境はねぐらに適しています。最大で3000羽の渡り鳥が飛来し、西日本有数の越冬地と言われています。この日は、同じ天然記念物のヒシクイも羽を休めていました。渡りのピークは12月から2月にかけてで、春には繁殖のためシベリアに戻っていきます。
(ジビエだけではありません、シカ革製品が女性に好評:鳥取)
鳥取県東部の山あいの町・若桜町に、有害鳥獣として駆除したシカの革製品を製造販売する工房がある。ジビエ(野生鳥獣肉)料理の利用が増える中、捨ててしまっていたシカの皮に注目し、地域の特産品として根付かせようと取り組んでいる。若桜町に昨年11月に開店した「革工房ディア*ディア」。廃虚だった古民家を改装した工房兼店舗には、シカ革のかばんや財布が並ぶ。若い女性向けのデザインも多く、オーダーメードも受け付けている。町では10年ほど前から、シカによる農作物被害や交通事故が増加し、近年は駆除数が年間千頭にも上るように。工房のオーナー、石井健治さん(45)は4年前、町が駆除したシカを有効活用しようとしていると知り、提供してもらった皮を使って自ら商品を作り始めた。シカ革の特徴は、牛革に比べ薄く柔らかいこと。手になじみやすいブックカバーや、固くて厚みのある牛革と組み合わせた財布など、デザインに工夫を凝らす。シカ革の柔らかさを生かした洗顔用のクロスは、口コミで訪れた女性客に人気だ。「国内で流通するシカ革は輸入が多く、純国産はあまりない。シカ革を若桜の新しい産業にしたい」と石井さん。現在はパート従業員を雇い、革職人の育成にも励む。「ジビエとシカ革で、有害鳥獣を丸ごと地域資源として活用する取り組みを広げていけたら」と意欲を見せている。
(安心して食べて「シカ肉ロースト」披露:埼玉)
小鹿野町や秩父市旧吉田町を拠点に活動している西秩父商工会(岩崎宏会長)は21日、さいたま市浦和区の知事公館で同地域の「シカ肉のロースト」を披露した。岩崎会長は「鹿肉を地域資源として捉えている。安心して食べてもらえる肉を提供することで、秩父地域の振興につなげたい」とあいさつした。同商工会は2009年7月から、秩父地域で捕れる鹿肉を商業に生かそうと、鹿肉の衛生管理マニュアルを作成。県では12年4月、野生獣肉(シカとイノシシ)の商用化が可能になった。しかし、東日本大震災で福島第1原子力発電所が被災した影響を受け、秩父市内で捕獲されたニホンジカからは放射性物質(セシウム)が検出、鹿肉の商用は自粛を余儀なくされていた。同商工会はその後、自主的な検査のほか、県機関の再検査も受け、一部のシカ肉の商用化にこぎ着けた。この日披露された鹿肉のローストは、表面を焼いて約20分間湯せんをした後、薄切りにした。臭みがなく、肉が柔らかいのが特徴。レシピを考案したのは同商工会経営指導員の神林秀典さん(60)。1年半の歳月をかけ、独学で一番おいしい食べ方を編み出したという。神林さんは「シカによって農作物や観光資源の花が荒らされていることもあり、シカの有効活用をずっと考えてきた。小鹿野発のシカ肉のローストで地域の活性化につながれば」と笑顔で語った。鹿肉は今後、11月から小鹿野町や秩父市内の旅館や飲食店など計約70店舗で提供される予定だという。
(「シカ肉料理コンテスト」でレシピ募集:高知)
害獣として駆除されるシカを有効活用しようと、高知県は「シカ肉料理コンテスト」を企画、レシピを募集している。11月30日まで。昨年に続き2回目。プロ・アマ、ジャンルは問わず、「一般家庭で料理可能」なレシピが条件。材料や分量、調理方法などを申込用紙に記し、完成写真を添えて郵送またはメールで申し込む。書類審査後、料理関係者らが試食審査。最優秀賞1点、優秀賞3点を選び、入賞者に賞状と副賞を贈る。
(シカ肉ウインナーおいしい!:香川)
兵庫県香美町で16日、初めての「ふるさと給食」があり、香住、村岡、小代各区のこども園から中学校で統一メニューが提供された。子供たちに“地産地消”を理解してもらう狙いで、今年から実施。この日のメニューは、香美町内で捕獲されたシカの肉を使ったウインナーとサツマイモごはん、白菜などの地元産の野菜がたっぷりと入ったいなか汁など。香住区の香住小学校(山本真校長、401人)では、2年2組(24人)の児童たちも、シカ肉ウインナーがどんな味なのか興味津々。給食が始まると、さっそくウインナーを口にほおばり、小柴結依子ちゃん(8)は「おいしかった」と満足そうだった。
(「ジビエ料理」に舌鼓:奈良)
十津川村ホテル旅館組合(深瀬雅志会長、13戸)が初めて企画した「十津川食いもん市〜吉野と熊野を食おうらよ」が10日、同村平谷、十津川温泉昴の郷で開かれ、鹿やイノシシの肉を使った「ジビエ料理」を味わう人でにぎわった。「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録10年などを記念し計画。肉に歯ごたえがあるイノシシ汁、軟らかい鹿肉のももの丸焼きが無料で振る舞われた。吉野、熊野から13店が地域の特徴を出した料理を販売した。温泉宿を経営する深瀬会長(52)は「地元は鹿などの駆除に苦慮しているので『ジビエ』を取り上げた。来年もぜひやりたい」と話していた。
(3D銃製造の男に懲役2年実刑判決:神奈川)
3D(3次元)プリンターで拳銃を製造、所持したとして、銃刀法違反や武器等製造法違反などの罪に問われた、川崎市高津区の元湘南工科大職員、居村佳知被告(28)の判決公判が20日、横浜地裁で開かれ、伊名波宏仁裁判長は、懲役2年(求刑懲役3年6月)を言い渡した。伊名波裁判長は判決で、居村被告が3Dプリンター銃の違法性を認識していたと指摘。「誰でも拳銃を製造して所持できることを示し、銃規制を形骸化しようと考えた」と述べ、「3Dプリンターを用いれば比較的簡単に拳銃が製造できることを実証した」と指摘した。その上で、「当初から製造過程などをインターネットで公開することを意図していたことも考慮すると、極めて模倣性が高い悪質なもの。到底許されるものではなく、刑事責任は重い」と量刑理由を述べた。

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