<射撃ニュース11月>

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(「イノシシと間違え」、男性死亡:福岡)
6日午前10時20分ごろ、福岡県みやこ町勝山浦河内の山中で、男性が散弾銃で撃たれ、死亡した。県警は、誤って男性を撃って死亡させたとして、近くに住む無職武田智容疑者(74)を業務上過失致死の疑いで緊急逮捕した。県警によると、「イノシシと間違えた」と話しているという。行橋署の発表によると、死亡したのは同県行橋市草野のアルバイト木下桂二郎さん(72)。木下さんはギンナン拾いをしていたとみられるという。武田容疑者はこの日朝、仲間数人で山に行き、分かれて猟を開始。撃った弾は1発で、木下さんの後背部に命中したという。
(クマに襲われ、84歳男性けが:富山)
7日朝、立山町で84歳の男性が捕獲用のわなから出てきたクマに襲われ、頭などにけがをしました。男性は命に別状はないということです。警察などによりますと、7日午前7時前、立山町芦峅寺の民家の裏にある空き地で、近くに住む無職、佐伯定芳(さえき・さだよし)さん(84)が、捕獲用のわなから出てきたクマに襲われました。佐伯さんは、頭とあごを切るけがをしましたが、命に別状はないということです。クマは体長およそ150センチの成獣とみられ、佐伯さんを襲ったあと、現場から逃げたということです。佐伯さんは地元の猟友会のハンターで、同じ集落の住民から「わなの中から音がした」との連絡を受けて、確認に向かったところ、わなから出てきたクマに襲われたということです。わなはクマが中に入ると、入り口の鉄板が降りて閉まる仕組みになっています。立山町によりますと、佐伯さんは、鉄板の外側に網状の柵を取り付けたうえで、鉄板を引き上げて中の様子を確認しようとしたところ、クマが柵を持ち上げて出てきた可能性があるということです。
(熊1頭殺処分、市役所近くの民家裏:長野)
6日午前10時ごろ、大町市大町高根町の民家裏に熊が1頭いるのが見つかり、猟友会員に殺処分された。現場は市役所から約400メートル西側にあり、東側には住宅地、西側には田畑が広がっている。小中学校や高校にも近い。高根町では数日前から熊の目撃情報が相次ぎ、3日には近くの農業男性(66)が農作業中に熊に襲われてけがを負っていた。熊が見つかった民家の会社員男性(54)によると、6日午前8時50分ごろ、庭にある柿の木の枝とかじられた跡のある柿数個が地面に落ちているのを見つけて確認していると、南側の物置小屋の陰から熊1頭が現れ、襲ってきたという。男性が近くの車の陰に隠れると、熊はいなくなった。男性は住宅に戻って110番通報した。熊はその後、同じ会社員男性の民家の裏にいるのが見つかり、猟友会員が殺処分した。県北安曇地方事務所林務課によると、体長約110センチ、体重約70キロの雌だった。近くの別の住宅では5日朝、漬物小屋の金属製のドアが熊に破られ、漬物が食べられる被害が見つかった。猟友会員によると、3日に農業男性を襲ったとみられる熊は既におりで捕まえたといい、今回は別の熊とみられる。大町市は熊の目撃情報が減少したことを受け、10月31日に「クマ出没警戒警報」を解除。11月3日から6日正午までの目撃情報は高根町の3件で、市消防防災課は「さらに出没が続くか状況を慎重に見極めてから警報の再発令を検討したい」としている。
(クマ注意!呼びかけ:岐阜)
高山市でクマに襲われたと見られる農家の男性が亡くなった事故を受けて、同市は6日、「熊被害対策本部」の緊急会議を開き対策強化を決めた。クマの目撃が相次ぐ近隣の飛騨市や下呂市、白川村では、会議を開いたり、注意を呼びかけたりした。高山市対策本部長の西倉良介・副市長は「対策本部を立ちあげたばかりでまことに残念。今後はクマの捕獲とともに、市民や観光客の安全を守るために取り組んでいく」とコメントした。同本部は、果樹農家にJAと連携し注意喚起のチラシを配布するほか、クマに人の存在を知らせるため、公園の入り口に設置したドラム缶をたたけるようにする。また目撃された地域では、わなの設置や警察による巡回を強化する。市内で果樹園を営む樋口弘美さん(52)は「クマよけの鈴を身に着けたり、ラジオの音を大きくしたりして作業するようにしたい」と話した。近隣の下呂市も6日午後4時過ぎ、市民を対象にした生活安全メールで「クマ出没に注意しましょう」と一斉送信した。同市と猟友会による対策会議を開き、引き続き猟友会が定期的にパトロールする。一方、クマに襲われて先月、市民がけがをした飛騨市は、農林課の担当者が「目撃情報があれば無線で注意喚起してきたが、今後は特に夜間外出時の注意を促したい」と話した。白川村でも9月にクマに襲われてけが人が出ており、朝7時と夜7時の2回、無線で注意を呼びかけている。担当者は、「火の用心の見回りも今は実施していない。夜の見回りはやめてほしい」と話す。観光客への対応など、近く村長らが対策の強化を話し合う予定という。県内では今年度、クマの目撃情報が急増しており、県自然環境保全課によると、クマの出没件数は、10月末現在で1097件。記録が残る1999年度以降で最多だった2010年度の833件を上回り、過去最多を更新している。県は今年3月、クマが出没した際の対応やクマの習性、人里に近づけないための対策などを明記したマニュアルを作成。県内の全市町村に配布し、9月には再度マニュアルの内容を徹底するよう、注意喚起を行った。同課の担当者は「クマと遭遇しないように工夫するしか対策はない。朝や夕、夜間に出歩くことは非常に危険であることを理解してほしい」と呼びかけている。
(クマ、餌凶作で出没最多:岐阜)
原田和夫さん(74)がクマに襲われたとみられる高山市丹生川町瓜田の現場は人けの少ない山あいのリンゴ畑。周りを囲う電気柵の近くには、クマが地面をえぐった痕や木には複数のかじった痕が残る。「なぜ、こんなことに」。家族や住民に悲しみ、驚きが広がった。原田さんを発見した妻のタズさん(67)は「信じられない。畑で何があったのか…」と声を震わせた。発見時、原田さんが畑に乗って行った軽トラックはドアが開き、ヘッドライトはついたままで近くに農業用フォークが転がっていたという。リンゴは実がたわわに実っており、「明日収穫しようと2人で話していたのに」と言葉を詰まらせた。悲報を聞き、駆け付けた原田さんのいとこの保木口忠司さん(73)=同市松之木町=は「和夫が一本ずつ植えて作った畑で、こんなことになるとは」と驚きを隠せない。リンゴ畑に続く山道口に住む小林末夫さん(78)=同市丹生川町根方=は、「家裏の柿や山道脇のタラの実を取りにクマが下りてきていた。クマはおとなしいと思っていたが、油断できない」と顔を曇らせた。飛騨猟友会の今井猛事務局長は「今年はドングリだけでなく、ヤマブドウや栗も不作でクマが飢えている。雪が降ればますます危険」と危惧。空腹のクマは冬場も活動することがあり、果樹がなくなれば、民家の軒先の干し柿や納屋の野菜を求めて住宅地に近づく可能性もあるという。「夜間の果樹園の見回りは極力避け、畑に残飯をまいたり、夜にごみ収集所に生ごみを置かないなど、クマを寄せ付けない対策も大切」と話した。
(狩猟免許の受験増加、3年ぶり200人超:栃木)
2013年度の県内狩猟免許受験者が前年度に比べ約1・5倍の220人に増えたことが6日までに、県自然環境課のまとめで分かった。受験者が200人台に回復したのは3年ぶり。県が12年度に狩猟をPRするDVDを作成したほか、13年8月に県内で環境省主催の狩猟に関するフォーラムが開催されたことから、同課の担当者は「こうしたPR策の効果が表れたのではないか」とみている。狩猟免許は「網・わな猟」が「網猟」「わな猟」に分かれる制度改正があった07年度に、県内では「わな猟」受験者が250人となり、火薬銃の「第1種銃猟」、空気銃の「第2種銃猟」と合わせ323人が受験し、その数は06年度からほぼ倍増した。狩猟免許受験者は08年度以降減少傾向を示し、10年度に200人を超えたが、その後の2年間は150人前後だった。しかし13年度に増加し、わな猟受験者は前年度の115人から151人に、第1種銃猟は29人から64人に伸びた。13年度の全体合格率は前年度と同じ92%だった。
(シカわな猟の初心者向けマニュアル作成:高知)
高知県は11月6日までに農林業の食害が深刻化しているシカの捕獲増へ、わな猟の初心者向けマニュアルを作成した。5千部を発行し、狩猟者らに無料で配る。高知県内では、銃猟のハンターが減少傾向にある一方、わな猟は農作物被害の自衛手段として手掛ける人が増加。「経験の浅い狩猟者の技術向上が課題になっている」(高知県鳥獣対策課)という。マニュアルは、石や枝を避けて歩くなどシカの習性を踏まえ、くくりわなを仕掛ける場所や効果的な設置手法などを写真やイラストで紹介。「枝を使い、そこしか踏まない場所をつくる」といったベテラン5人の「技」も取り上げている。高知県は生息数の減少を目指して、年間3万頭の捕獲を目標に掲げており、2013年度の捕獲は約1万9千頭。鳥獣対策課は「捕獲数の底上げには個々の技術アップが不可欠。マニュアルが役立てば」としている。
(ブナの結実なし、国有林の全観測地点:長野)
中部森林管理局は、県内の国有林で十月にブナの結実状況を調べたところ、全ての観測地点で結実がないことを確認した。ブナの実の不作は、調査を始めた二〇〇五年以降で最悪の状況で、クマが餌を求めて住宅地などに多数出没している要因とみている。同管理局は、飯山市や白馬村など七市村の二十九点で目視により結実状況を確認し、「ほとんどの木で結実」「大径木を中心に半数の木に結実」「わずかな木の実に結実」「結実が見られない」の四段階で評価した。これまでで最もブナの実が不作だった一二年度は79%の地点だった「結実が見られない」が、今年は全地点となり、過去最悪の状況となっていることが分かった。県外に目を向けても、岐阜、愛知両県の全地点で結実が見られず、富山県は77%の地点で結実が見られない状況となっている。県によると、クマによって人がけがを負う事故は四日現在で二十七件起きており、既に過去の年間最多件数を上回っている。同管理局の黒田誠技術開発主任官は「ブナの実はクマの主食なので餌不足が出没が多くなっている一因と考えられる」と話した。
(深まる秋に冬の使者:福井)
日に日に秋が深まる中、坂井市三国町の池には今年も冬の使者「カモ」がシベリアから渡って来て羽を休めています。禁猟区域となっている坂井市三国町加戸の大堤は毎年多くのカモがシベリアから渡ってくることから「鴨池」として知られています。カモは先月下旬ごろから姿を見せ始め、今は首の部分が青いマガモや体がやや小さいコガモなどが渡って来ています。きょうも水面をスイスイと泳ぎ回ったり立ち上がるようにして羽ばたく姿を見せていました。また長旅の疲れを癒やすかのように、スイレンの葉の上や浅瀬で羽を休める姿も見られました。大堤のカモは、この後も日に日に種類と数が増え毎年冬には1000羽を超えます。
(東北のジビエ危機、原発事故で提供困難に)
東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故を受け、野生鳥獣の食肉「ジビエ」を扱う料理を東北で提供できない状態が続いている。国の基準値を超える放射性物質が検出されたのが要因で、影響は岩手や山形、宮城各県など広範囲に及ぶ。マタギ文化の継承も危ぶまれる事態に、関係者の嘆きが深まっている。「足を運んでもらっても断らなければならないのがつらい」。飯豊連峰に近い山形県小国町の小玉川地区。民宿と料理店を営む本間信義さん(64)は原発事故後、目玉だったツキノワグマ肉が提供できなくなった。県内全域で出荷が制限されたためだ。柔らかく煮込んだ赤身が入った「熊そば」などのメニューが人気だった。一時は東電への賠償請求も検討したが、手間の割に受け取れる金額が小さいことから諦めた。本間さんはマタギの9代目として、昔ながらの猟を仲間12人で守ってきた。肉の販売は収入源の一つだったこともあり、「この状態が続けば後継者がいなくなってしまう」と危機感を募らせる。岩手県ではニホンジカの肉が基準値を超えた。五葉山に約1万頭が生息しており、原発事故までは大船渡市の第三セクター「三陸ふるさと振興」が「けせんしかカレー」を製造していた。五葉山から福島第1原発までの距離は約200キロ。ふるさと振興の志田健総務課長は「ヒット商品だったのに販売できなくなった。これだけ離れても実害を受けるとは…」と話す。フランス語で野生鳥獣肉を意味するジビエを使う料理が注目される背景には、野生鳥獣による深刻な農作物被害の増加がある。自治体などが近年、駆除促進と観光資源の発掘を狙い、食肉利用の拡大策を打ち出している。国が2012年度から年間30万頭分の補助金を用意し捕獲強化を促した結果、流通量が増加。メニュー開発も加速しブームに火が付いた。ただ出荷制限地域では食用販売できず、ほぼ全量が廃棄されているとみられる。宮城県丸森町でイノシシ肉を販売していた「いのしし館」は出荷制限が始まった11年8月、閉鎖に追い込まれた。農家らでつくる「丸森自然猪利用組合」が10年にオープンさせたばかりだった。町によると、10年度に252頭だった捕獲数は13年度に1236頭まで増えた。原発事故の影響が大きい福島県で繁殖が進み、域内に入り込む例が増えたらしい。組合の一條功代表(63)は「頭数は増え、施設の息の根も止められた。非常に理不尽だ」と嘆いた。
(鹿の料理法、教えます:和歌山)
鹿肉料理のおいしさを広め、鳥獣害をなくしたい――。和歌山県中部の日高地方で、鹿肉料理講習会への講師派遣やイベントでの試食提供など鹿肉料理の普及に力を入れている女性グループがある。その名は「シカレディース」。同地方の生活研究グループ連絡協議会の有志で構成。「まず一度、口に入れてもらうこと」を重視し、鹿肉を家庭で食べる習慣をつくるのが狙いだ。結成は2013年4月。捕獲しても利用されなかった鹿肉をもっと活用しようと12年、レシピコンテストを開催したのがきっかけとなった。応募作品を冊子にして配ったものの、実際に作る人がなく、鹿肉料理はほとんど広まらなかったという苦い経験が、活動の源となった。「鹿肉に対する先入観が強く、普及させるには食べる体験が必要」とシカレディース隊長の後藤明子隊長(60)。根底にあるのは鹿肉の消費拡大を広げるとともに、高齢化が進む狩猟者の意欲向上につなげ、農作物被害を少しでも減らしたいという思いだ。これまでに地域の祭りで鹿肉 の竜田揚げやロール巻きなど の料理を提供。講師要請 にも応じ、県内の団体に2、3人のメンバーを派遣し、レシピを基においしく調理するこつを伝授してきた。レディースは50、60代の女性20人で構成。印南町で梅2ヘクタールを栽培する坂口久美子副隊長(52)は、定植した苗木が鹿の食害を受けて成長していないことに触れ、「鹿肉のおいしさや料理法が分かれば、消費拡大につながる。食害に苦しむ農家の思いとともに伝えていきたい」と張り切る。

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11/6
(環境省、狩猟税廃止を要望へ)
環境省は2015年度の税制改正で、都道府県がハンターから徴収する狩猟税の廃止を総務省に要望する方針を決めた。5日午後、自民党環境部会で説明し理解を求める。シカやイノシシなど野生鳥獣による農作物被害が全国で深刻化する一方、ハンターはこの40年間で激減し、高齢化も進んでいる。金銭的負担を軽くすることでハンター増加につなげる狙いだ。狩猟税はハンティングが貴族的な趣味だった1870(明治3)年にできた。今の制度では、ハンターは猟期ごとに狩猟を行う都道府県に税を納める。税額は猟の種類によって5500〜1万6500円。これに対し、ハンターの全国組織の大日本猟友会や自民党の関係議連から「税負担を理由に狩猟をやめる人がいる」「ハンター拡大を目指しながら税金を取るのは矛盾だ」などと廃止要望が出ていた。一方、税収は全国で計17億円(12年度)に上り、シカやイノシシの防護柵設置など有害鳥獣対策に充てられている。このため、廃止には都道府県の反発も予想される。野生鳥獣による全国の農作物被害は09年度以降年間200億円を超し、12年度は230億円に上った。高山帯の花畑が食害で消失した例も報告されている。環境省の推計によると、11年度のイノシシの個体数は約88万頭で20年前の約3倍。ニホンジカ(北海道を除く)は約261万頭と約7倍に増え、このままでは、25年度に約500万頭までさらに倍増する見通しという。環境省は有害鳥獣の捕獲に企業参入を促すなどの対策で、シカ、イノシシを23年度までに半減させる目標を掲げる。しかし、1975年度に52万人いた国内のハンターは00年代以降、20万人前後で推移。60歳以上の割合は9%から66%に上昇し、高齢化に直面している。
(クマに襲われ男性死亡:岐阜)
6日午前8時10分ごろ、岐阜県高山市丹生川町瓜田のリンゴ畑で、近くに住む農業原田和夫さん(74)が顔から血を流し倒れているのを妻タズさん(67)が見つけ、高山署が死亡を確認した。高山市消防本部などによると、顔やのどなど数カ所に引っかき傷があったほか、クマの足跡やリンゴを食べた跡もあり、クマに襲われたとみられる。高山署などによると、原田さんは自宅から南西500メートルにあるリンゴ畑であおむけで倒れていた。所有する畑でクマやイノシシによる被害が増えていたため5日午後8時ごろ、軽トラックで様子を見に行ったが、6日朝になっても自宅に戻らなかったため、タズさんが近くを捜していた。リンゴ畑の周囲には、高さ60センチほどの獣害対策用の電気柵が張り巡らされているが、原田さんが襲われた場所近くの柵の下には深さ40センチほどの土を掘った形跡があり、そこからクマが侵入したとみられる。市職員や地元の猟友会員らが付近を捜したが、クマは見つかっていない。高山市では今年に入り、住民がクマを目撃したとの情報が300件以上寄せられ、統計を取り始めた2006年以降最多となっている。餌となるドングリが森で不作となっているのが原因とみられる。市は10月末、熊被害対策本部を設け、警戒を強めていた。岐阜県によると、記録が残る1999年度以降、県内でクマに襲われて死亡したケースはこれまでにないという。
(イノシシに襲われ2人襲われ軽傷:香川)
3日、香川県高松市の朝日町と鬼無町に相次いでイノシシが出没した。朝日町では1頭が会社員や釣り人を襲い、2人が軽傷を負った。イノシシは海に飛び込んだとみられ、高松北署などが警戒に当たっている。一方、鬼無町には2頭が現れ、人への被害が想定されたことから地元猟友会員が駆除した。けが人はなかった。同署によると、午前11時20分ごろ、同市朝日町4丁目の製薬会社の敷地内で、女性会社員(25)が体長約1メートルのイノシシを発見。外に逃がすため門を開けようとしたところ、両脚をかまれるなどして、約2週間のけが。同11時半ごろには、同社の北東約400メートルの岸壁で釣りをしていた男性会社員(69)に突進。男性は左脚に軽傷を負った。イノシシの目撃情報は同署に計6件寄せられ、男性がけがをした直後に「女木島の方向に泳いでいる」との通報があった。午後0時半ごろには、同市鬼無町山口にいずれも体長約90センチのイノシシ2頭が出没。一時見失ったが、約3時間半後に再び現れ、駆け付けた猟友会員が駆除した。
(男性がクマに襲われけが:石川)
2日午後、金沢市の山中で、近くに住む70代の男性がクマに襲われ、頭に軽いけがを負いました。きのう午後3時ごろ、金沢市下谷町の山中で近くに住む78歳の男性が、枝の伐採作業をしていたところクマに遭遇しました。男性はツメでひっかかれ頭部に3センチほどの軽傷を負い、近くの家に助けを求めました。男性の話によるとクマは体長1.5m前後でそのまま、逃げていったということです。金沢市によると、市内でのクマによるけが人は今年3人目です。現場は金沢市の湯涌温泉から1キロほど西側の山中で周辺では、度々クマが目撃されているということです。猟友会や警察が早朝も周辺を調査しましたがクマは見つからず、捕獲用の檻を設置し、注意を呼びかけています。
(イノシシ、今度は釣り人かむ:香川)
6日午前8時ごろ、高松市香西本町の下水処理場近くの海岸で釣りをしていた男性(86)から「イノシシがいる」と110番があった。高松北署によると、男性は右手の指をかまれ軽傷。イノシシは体長約1メートルで、駆け付けた警察官と香川県職員が捕まえ、殺処分した。高松市では3日にも約6キロ東の海沿いで男女2人がイノシシに襲われ、軽傷を負った。高松北署は別のイノシシとみている。
(イノシシと衝突、男子生徒がけが:栃木)
3日午後7時25分ごろ、那須塩原市関谷の市道で那須塩原市、高校3年男子生徒(17)の原付きバイクとイノシシ1頭が衝突した。男子生徒は転倒し、右手を打撲するなどの軽傷を負った。那須塩原署によると、イノシシの体長は70~80センチ程度。道路右側の畑から飛び出し、衝突後、同左側の雑木林に立ち去ったという。
(男性が熊に襲われ軽傷:長野)
3日午後2時20分ごろ、長野県大町市大町の農業男性(66)が自宅裏の畑で草むしりをしていたところ、熊に襲われて額を引っかかれた。大町署によると、男性は北安曇郡内の病院に運ばれ、軽傷。同市内で今年熊に襲われてけがをした人は計7人となった。同署員や市職員らが逃げた熊を探したが見つからなかった。男性によると、当時は妻と草むしりをしており、約10メートル離れた小川から熊が突然現れた。威嚇しようと声を上げたが、突進してきたといい、体をかわした時に引っかかれた。一帯は田畑が広がり、男性は朝夕は熊に注意していたというが、「まさか日中に人里に下りてくるとは思わなかった。これでは農作業もままならず、防ぎようがない」と困惑していた。大町市は10月31日、市内の熊目撃情報が減少傾向にあるとして9月20日に発令した「クマ出没警戒警報」を解除していた。
(サルに4人襲われけが:徳島)
ニホンザルが住民をかむなどして、けが人が相次いでいる板野町大寺、吹田の住宅地で5日午前、住民ら4人がサルに襲われてけがをした。住民が襲われたのは10月31日以来で、町が把握する被害者は計16人になった。町産業課によると、午前7時半から8時半ごろまでの間に、捕獲用のおりを設置した集合住宅の駐車場や板野東小の東側の民家で3件発生。男女3人が清掃作業中に足や尻をかまれるなどした。このうち、同町吹田の無職藤井晶夫さん(64)は、自宅の庭で木の手入れをしていたところ、左足の膝の裏側をかまれた。「突然後ろからかまれた。足がひりひり痛む。このままでは、おちおち外に出られない」と話した。さらに、午前11時40分ごろには、サル捕獲用のおりを移動させていた男性の県職員が尻などをかまれた。4人とも軽傷とみられるという。住宅地では、8月中旬ごろからサルの目撃情報が寄せられ、10月29日以降、登校中の小学生や住民が相次いで足などをかまれた。町と県は11月1日から本格的な捕獲に乗り出し、この日も午前7時から町職員4人が被害が出た地域を重点的にパトロールしていた。
(ヒグマの餌やり禁止、1月から:北海道)
道は5日、野生鳥獣への餌やり行為を禁止できる道の生物多様性保全条例の対象に、道内全域でヒグマを指定する方針を明らかにした。来年1月からで、違反した場合は、氏名の公表も可能となる。5日の道議会環境生活委員会で道が報告した。道によると、知床地域では観光客らが車内からパンを投げ与えたり、ヒグマを撮影するためにサケの死骸を川に放置しておびき寄せたりなどの行為が相次いでいる。地元の観光協会などが、餌やり禁止を呼びかけるキャンペーンを展開していた。規制の対象はヒグマに直接餌を与えたり、餌やりを目的に餌をまいたりするケース。食べ残しの弁当などを意図せずに放置した場合は対象外とする。道は「餌やりでヒグマが人に付きまとう危険が高くなり、結果的に有害駆除されるため、生態系のバランスに影響を与える」としている。
(物置の稲わらの上に横たわる熊:長野)
5日午前11時20分ごろ、長野県松本市赤怒田(あかぬた)の自営業高木輝仁(てるひと)さん(37)が、自宅の物置に熊が横たわっているのを見つけ、近所の猟友会員に連絡した。市、県の職員や松本署員ら10人ほどが駆け付け、約1時間半後に高木さん方の敷地内で猟銃により殺処分した。けが人はいなかった。県松本地方事務所林務課によると、体長116センチ、体重約35キロの雌の成獣だった。物置は屋根だけで壁がない構造。高木さんは荷物を取りに中に入り、稲わらの上の黒い物体に気付いて近くの車に逃げ込んだ。様子をうかがっていると、頭をもたげたため、熊と確認できたという。高木さんは「自分の家に熊が出るとは思わなかった。子どもたちにけががなくて良かった」とほっとしていた。殺処分の後、高木さん方の飼い犬が下顎にけがをしていることが分かり、熊に襲われたとみられている。高木さんから最初に連絡を受けた猟友会員で農業の高木光昭さん(75)は「昨晩ずっと3匹の飼い犬がほえ続けていて、変だなと思っていた。家の周りを熊が歩いていたと思うと、ぞっとする」と話していた。県環境保全研究所(長野市)の岸元良輔研究員によると、熊が餌を探して人家に入り込むことはあるが、とどまるのは珍しく、「空腹で動けなかったか、病気で体が弱っていた可能性がある」としている。
(川で子グマ捕獲:岐阜)
4日午前11時ごろ、岐阜県関市武芸川町谷口のゴルフ場従業員江崎徹さん(53)方で、子グマが倉庫の柱をよじ登っているところを江崎さんが見つけた。市猟友会員や市職員らが駆け付け、高さ約3メートルの所にある梁と屋根の隙間に隠れていた子グマを引っ張り出し、ネットで捕獲した。体長50センチほどのツキノワグマで、市職員は市と福井県との境の山中で逃がした。江崎さんは、子グマが田んぼを歩いているのを自宅の窓から目撃。いったん見失ったが、倉庫でガサガサと音がしたため近づくと、子グマが柱を登っていたという。関市によると、今秋の市内でのクマ出没は7件目。今回の現場はすぐそばを武儀川が流れる国道418号沿いで民家は少ないが、2、300メートルほどの所に武芸小学校があり、住宅も立ち並んでいる。江崎さんは「自宅近くでクマを見るのは初めて。こんな所まで来るとは、おなかをすかせていたのか」と驚いていた。親グマの痕跡は見つかっていないが、市猟友会は5日から数日間、朝夕に小学校や付近の山の巡回パトロールを実施。近くの小中学校では、登下校時に教職員が引率したり、児童にクマよけ用の鈴の携帯を促したりする。
(民家の畑に“ツキノワグマ”出没:滋賀)
滋賀県米原市の民家の畑に出没したクマの姿をカメラが捉えた。3日午後2時40分頃、米原市の民家の畑の中にクマが現れた。体長約1メートルのツキノワグマとみられる。民家のすぐ裏では、先月27日にもクマ3頭が出没したという情報が付近の住民から警察に寄せられていて、クマは複数いるとみられる。米原市内ではクマの目撃情報が10月以降に20件以上あり、例年を上回るペースだという。警察は付近の住民に対し、なるべく外出を控え、クマを見ても絶対に近づかないよう呼びかけている。
(住宅街でクマ目撃:青森)
3日正午前、むつ市柳町3丁目の住宅でクマ1頭が庭を横切っているのをこの家の女性が目撃。クマは体長約90センチで、まもなく姿が見えなくなった。現場はむつ市中心部に近い住宅街の一角で、近くには小学校もある。
(サル出没、工場地帯や住宅地で目撃:愛知)
東海市の工場地帯や住宅地で四日、野生のサルを目撃したとの情報が警察署や市に相次いで寄せられ、市は防災情報メールで市民に注意を呼び掛けた。市内の小中学校などにも通知した。いずれも一匹で、けが人などの被害はない。東海署によると、午前七時すぎ、高横須賀町で野生のサルを通行人が見つけた。その後も市内を北上する形で午後三時半すぎまで、東海町や荒尾町の工場敷地内、民家庭先など四カ所から出没の通報や一一〇番があった。市には午後五時半まで五件の通報があった。重複箇所を除くと目撃されたのは六カ所とみられる。市農務課によると、市内では三日正午ごろにも、名古屋市に近い名和町の団地周辺でサルが目撃された。五月の大型連休中にも数カ所でサルの出没情報があった。市防災危機管理課は「サルを見つけても近寄ったり大声を出したりせず、戸締まりを徹底してほしい」と呼び掛けている。
(サルに警戒しながら児童登校:徳島)
先週、住民がサルに襲われる被害が相次いだ板野町。連休明けの4日は子どもたちが安全に学校に通えるよう地元のボランティアらが通学路で警戒にあたりました。干してある布団の上を悠然と歩くサル。板野町吹田の住民がきょうスマートフォンで撮影した動画です。この映像が撮影された直後、四国放送のカメラもサルの姿を捉えました。先程の物干し場から持ってきたのか、洗濯バサミをくわえています。すぐ下には県が設置したオリがありますが、サルはそのまま山の中へと消えて行きました。先月29日に住民が襲われて以降、サルの目撃情報が相次ぐ、板野町吹田地区。連休明けの4日、近くの板野東小学校の通学路では、教職員や町の職員、それに地元の防犯ボランティアが見回りを行い警戒にあたりました。児童らは集団登校したり、保護者に付き添われて登校していました。4日も朝から目撃情報が相次ぎ、町の職員らが網や棒をもって町内を巡回しました。板野町によると町内7か所に設置された捕獲用のオリには、これまでのところ目立った変化はなく、捕獲されたとの情報も入っていません。板野町では、当分の間児童の登下校時の見回りを、継続していくということです。また、サルを見かけてもむやみに近づかず町や警察に連絡してほしいと呼びかけています。
(クレー射撃アジア選手権:香川)
クレー射撃のアジア選手権は3日、アラブ首長国連邦(UAE)で行われ、県勢の服部慶子(日立建機=香川県琴平町在住)が女子トラップ個人で4位、同団体で銀メダルに輝いた。先のアジア大会に出場した服部は、個人予選を4位で通過し、上位6人による決勝ラウンドに進出。同ラウンド最初の15発で4番手につけ、3、4位による3位決定戦では同じくアジア大会日本代表の中山由起枝(日立建機)に惜しくも敗れ、メダル獲得はならなかった。団体は各国3人の予選ラウンドの合計点で争い、服部の活躍もあって日本は2位に食い込んだ。
(駅前でイノシシ目撃情報:三重)
11月6日午前7時50分ごろ、名張市平尾の近鉄名張駅付近の駐車場に「イノシシがいる」と110番通報があった。名張署によると、通報を受け、名張署員と地元猟友会の会員らが捕獲作業のため、追跡を始めた。同9時現在は駅から南東約1・5キロの百合が丘地内で目撃情報が入っているという。同市教育委員会によると、目撃情報が寄せられた時間帯は登校時間帯と重なったため、教職員らが通学路周辺の警戒にあたったという。
(イノシシ、市街地や港に出没:香川)
高松市の高松港周辺で3日、イノシシが男女2人にけがを負わせ、海へ逃げ去った。今年は市街地への出没件数が増えている。山林でイノシシが増えすぎ、人間の生活圏へ足を踏み入れるようになっていると関係者は指摘する。3日、倉庫や工場が立ち並ぶ地域で1時間45分にわたってイノシシが走り回った。県立中央病院の北側の造船会社「四国ドック」(地図①)にイノシシが現れたのは午前9時50分ごろ。同社総務部の中西隆政さん(37)が防犯カメラの映像などで確認したところ、イノシシは南側の門の隙間から勢いよく敷地内に侵入したという。
(海を泳ぐイノシシ:香川)
4日午前9時5分頃、香川県小豆島町の地蔵崎の西約2キロ沖合で、高松海上保安部の巡視艇「くりなみ」が、小豆島を目指して泳いでいるイノシシを発見し、撮影した。海保によると、イノシシは体長約1メートル。寺島龍也船長が約300メートル先の海上にいるのを発見し、接近して乗組員2人が写真と動画の撮影に成功した。動画を撮影した女性乗組員は「けっこう速かった。穏やかな瀬戸内海だからこそ、見られる光景なのでしょうね」と話していた。3日には、高松市内の海岸沿いで釣り客らを襲ったイノシシが海に逃げたばかり。寺島船長は「水上バイクなどに乗っていると、近くで泳いでいるのを見かけるかもしれないが、安易に近付かないでほしい」と呼びかけている。
(イノシシの目撃情報相次ぐ:埼玉)
県内でイノシシの目撃情報が増えている。山間部や丘陵地にとどまらず、平野部の民家に近い場所でも目撃が相次いでいる。今後も警戒が必要と判断した県は「イノシシに出合ったら近づかないで」といった注意事項を全市町村に通知し、住民への周知を依頼した。県みどり自然課によると、これまで県内のイノシシ目撃情報は年に数件だった。本年度は6月以降、市町村と県環境管理事務所を通じて計21件の目撃情報が県に寄せられている。特に10月は月別で最多の9件となり、平野部の吉見町や東松山市でも目撃されている。吉見町では3地区でイノシシの出没が確認されている。畑だけでなく、小学校やゴルフ練習場の周囲、民家近くにも出てきた。同町農政環境課は「『イノシシがいる』という情報は昨年までなかった。情報によって大きさや体の色が違い、1頭なのか複数なのか分からない」と困惑気味。同町は回覧板で住民に注意を喚起するとともに、出没した地区にわなを仕掛けた。県に寄せられた情報以外に、熊谷市にも。同市では旧江南町で10月30日に2件、31日に7件の目撃情報があった。11月に入ってからも旧江南町のクリ林で目撃された。同市は鳥獣保護員と県環境管理事務所の協力を得て、イノシシの足跡のあった獣道にわなを設置。3日に体長約1メートル、体重約40キロのメス1頭を捕獲した。同市環境政策課は「市内にイノシシが出ることは珍しく、不安を感じていた市民も多いのではないか」と話す。毛呂山町では1日、70代の男性が自宅前の路上でイノシシとみられる動物にかまれる事故が発生した。県は注意事項として、イノシシを見たら近づかないことや落ち着いて行動することを強調。刺激せず、餌を与えないことを挙げている。イノシシの農林業被害を防ぐため、県が防護柵を設置するなどの対策を講じる「特定計画対象区域」に指定しているのは、秩父や比企、児玉地域などの17市町村。同課は「(それ以外の)東松山市や吉見町、熊谷市、県東部地域まで生息域が拡大している」とみる。農作物への被害も深刻で、2012年度のイノシシによる被害金額は約4600万円に上る。県生態系保護協会は「里山が適切に管理されておらず、全国的にイノシシが平野部に出てきている」とし、「人間から刺激しない限り攻撃してこないので、冷静な行動を」と話している。
(シカから放射性セシウム:埼玉)
県は5日、秩父市で捕獲したニホンジカから国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムを検出した、と発表した。
(シカ被害対策で、国有林内も捕獲:群馬)
林野庁関東森林管理局利根沼田森林管理署と県猟友会沼田支部は六日、「国有林野内におけるニホンジカ等による被害に対する捕獲協力に関する協定書」の調印式を行う。利根沼田地区はニホンジカの増加に伴い、民有林や国有林内の食害や農地の農作物被害が深刻な問題になっている。地区の国有林は全森林面積の約65%。このため、狩猟期間中、国有林内へ猟友会の車両が乗り入れることを認め、効果的にニホンジカを捕獲しようと、協定を結ぶことになった。関東局管内で初の取り組みという。協定は、沼田市の県利根沼田振興局で管理署の永井寛署長と猟友会の小林節雄支部長が出席して結ばれる。
(増やせ若手ハンター、担い手高齢化で激減:茨城)
県内で将来の鳥獣保護管理の担い手となる狩猟免許取得者が、高齢化の影響で30年前の3分の1以下に減る一方、イノシシによる農作物被害も深刻化している。環境省や県などは若手ハンターを増やそうと、9日に笠間市の市立笠間公民館大ホールでフォーラムを開く。県は、「若い人に狩猟の魅力や社会的な役割を知ってもらい、関心を持つきっかけになれば」としている。県環境政策課によると、県内の狩猟免許取得者は1984年度には1万4793人だったが、2012年度には3985人まで減少した。その約7割が60歳以上の高齢者で、12年度に県などが行ったアンケート調査では、76・5%が「10年後には狩猟をやめている」と回答したという。一方、県北や県央の山間部や筑波山麓などではイノシシによる農作物被害が深刻で、12年度には水稲を中心に笠間市や水戸市など16市町で計6216万円の被害が確認された。近年は鉾田や行方、小美玉の各市まで生息域を拡大している。10年後、県内のハンターは2000人ほどに減少するとされ、県は13年度、笠間市の狩猟者研修センターで狩猟免許の試験回数を年3回から4回に増やすなど対策に乗り出した。来年度以降は出前試験や、初心者を熟練者が指導する講習会を県猟友会の協力を得て開くことも検討していく。環境省主催の「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」(県、県猟友会共催)は9日午後1時~5時に開催。20~40歳代のハンターの男女4人が「私がハンターになった理由」をテーマにトークセッションを行う。映像と模擬銃で狩猟を疑似体験したり、野生鳥獣の肉(ジビエ)料理を試食したりできるブースも設ける。
(若手ハンターが狩猟語る:鳥取)
高齢化が進む狩猟の担い手を増やそうと、「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」(環境省主催)が1日、鳥取環境大(鳥取市若葉台北1丁目)であった。ハンターによる座談会やわなの実演、模擬銃の展示、ジビエ料理の試食などがあり、150人が訪れた。冒頭、環境省鳥獣保護業務室の安藤健一室長補佐が1970年代に50万人いた狩猟者が2010年には19万人に減り、高齢化も進んでいる現状を解説。シカ、イノシシが全国的に増え、農作物被害が年間200億円に上っているとして、「農山村を守る狩猟者の確保が課題。一人でも多くの人が狩猟者になってほしい」と話した。座談会では、会社員や県職員、地域おこし協力隊員ら5人のハンターが登壇。島根県美郷町で地域おこし協力隊員として活動している長浜世奈さんはフレンチレストランでアルバイトした経験から狩猟に興味を持ったことを話すなど、それぞれの体験を話した。
(猟友会がキジを放鳥:長野)
飯伊連合猟友会(塩澤久一会長、会員738人)はこのほど、狩猟者の育成・確保と狩猟鳥類の保護・増殖を目的に、キジ220羽を放鳥した。上田市のキジ養殖業者から搬入した県補助事業162羽、大日本猟友会助成事業59羽の計220羽。90齢日のメス114羽とオス106羽の内訳となっている。飯田合同庁舎の駐車場で飯伊8ブロックに分けられたキジは、引き取りに来た各ブロック責任者がそれぞれの地域に持ち帰って支部役員らと放鳥した。大鹿、喬木、豊丘の竜東ブロック喬木支部では、役員が同村小川上平のもろはら公園で放鳥。塩澤会長は「キジは人家近くに生息し、地面で生活したり営巣しているので、天敵のキツネやタヌキ、ハクビシン、野良猫などにやられてしまい、自然繁殖が減ってきている。中山間地が過疎化し農業が行われなくなっているので、キジが増える状況ではなく、長生きするのは少ない。なんとか元気に育ってほしい」と願った。事務局(県下伊那地方事務所林務課内)によると、キジはオスだけが狩猟の対象となる。目印として足輪がついており、狩猟したオスの足輪を事務局へ提出すると大日本猟友会から金バッジが記念品として贈られるが、年間3、4個にとどまっている。
(北ア南部でシカ初撮影:長野)
中部森林管理局中信森林管理署(長野県松本市)は5日、北アルプス南部の稜線(りょうせん)付近に設置した自動撮影カメラで、ニホンジカの撮影に成功したと発表した。これまで北ア北部では撮影されているが、上高地を含む南部では初めて。同管理署は関係機関の協議会などに情報提供し、ニホンジカ対策を検討する。カメラを増やして今後も調査を続ける方針だ。個体数が増えているニホンジカは近年、餌を求めて生息域を北アルプスに広げ、高山植物への影響が懸念されている。上高地を含む北ア南部でも目撃や鳴き声を聞いたとの情報が相次ぎ、同管理署は生息状況を調べるため、今年7月末に西穂山荘から槍見台にかけての稜線部(標高約2180メートル)に赤外線を使って自動撮影するカメラ計4台を設置。10月29日まで撮影を試みた。その結果、9月28日午前0時すぎと10月2日午後5時すぎに1頭ずつ写っていた。県環境保全研究所(長野市)の岸元良輔研究員(哺乳類生態学)は「北ア南部でもいずれ撮影されるだろうと予想していた。いよいよ上高地に入ってきたかという印象」と話す。「南アではニホンジカの影響で高山植物が減ったと聞く。北アにも定着して数が増えれば、高山植物への影響が懸念される」と指摘した。カメラには9月11日午前7時前にイノシシも写っていた。岸元研究員は環境への影響はニホンジカほどではないとした上で「乗鞍岳の高山帯でイノシシが目撃されたり、掘り返し跡が見つかったりしたことがあるが、ほかでは聞いたことがない」と話している。
(白神山地、シカ食害危機か:秋田)
ブナなど植物の食害を引き起こすニホンジカが、世界自然遺産・白神山地の遺産地域に迫っている恐れが高まった。林野庁や環境省などの白神山地世界遺産地域連絡会議が5日、遺産地域付近の自動撮影装置に初めてニホンジカとみられる動物が写ったと発表した。遺産地域から150メートルほどしか離れていない八峰町八森の山林で10月17日午前3時頃、自動撮影装置が捉えた。これまで遺産地域から5~10キロほど離れた場所での目撃や撮影例はあったものの、今回は比較にならないほど近い。頭が写っておらず、画像自体もやや不鮮明だが、独立行政法人森林総合研究所(茨城県つくば市)鳥獣生態研究室の堀野真一室長が、体毛や脚の形などからニホンジカにほぼ間違いないと判断した。堀野室長は「写真からは雌雄の判別はできないが、仮に雌の場合は付近に定着している可能性が高い」と話す。現地で今月11日、環境省や林野庁の担当者らとともに、ニホンジカが行き来して草むらにできる「シカ道」や餌を食べた跡、フンがないかなどを調べる。ニホンジカの食害は、国立公園などで希少な高山植物や花畑が被害に遭い、生態系を破壊するなど、全国で問題化している。白神山地の周辺でも目撃情報が出始めたため、林野庁東北森林管理局(秋田市)と環境省東北地方環境事務所(仙台市)が今年5月以降、自動撮影装置計68台を秋田、青森両県の遺産地域内や周辺に設置していた。同管理局の佐藤宏一自然遺産保全調整官は「撮影されたニホンジカが遺産地域に入っていたとしても不思議ではない。11日の現地調査の結果を踏まえて対応を検討する」と話している。
(クマ騒動・その正体は…:大分)
傾山の登山口で昨夜登山客からクマの目撃情報が寄せられ警察と市が現地で調査を行う事態となりました。騒動を招いた正体は意外なものでした。きのう午後5時半ごろ豊後大野市などと宮崎県にまたがる傾山で、登山をしていた男性から「登山口にクマがいて下りられない」と110番通報がありました。環境省は2012年に九州のツキノワグマは「絶滅」と判断しましたがその後も祖母傾山系では目撃情報が相次いでいました。一夜明けたきょう豊後大野市は目撃情報のあった登山口周辺で確認にあたりました。その後、詳しく調査した結果ー。市が現場で撮影した写真に映っているのは、水路の構造物です。市は登山客がこの構造物をクマと見間違えたのではないかとみています。ただ、祖母・傾山ではこの他にも目撃情報はあり、クマを巡る議論は続きそうです。
(明かり減らしてカラス招かず:山形)
夕暮れになると、市街地に大挙して押し寄せ、ふん害や騒音をまき散らすカラスたち。この問題を解決するため、山形大農学部の後藤三千代客員教授が新たな方法を提案している。追い払うのではなく、明るい場所を好むカラスの生態を利用して、別の場所に誘導する手法だ。後藤さんはカラスの生理・生態学が専門で、1990年代から研究している。昨年度から酒田市の委託で「カラスの集団ねぐら対策」を研究。その成果を10月下旬、市民向け講演会で発表した。効果があったのは、昨年2~3月に約4千羽のカラスがねぐらとした酒田市浜田1丁目の庭園「清亀園」での対策。夕方になると大挙してやってきて、園内はカラスのふんで真っ白に汚れ、悪臭も放つ状態だった。
(農作物の獣害阻止へ超音波装置:広島)
県立広島大生命環境学部の三苫(みとま)好治准教授(44)=環境化学=が、超音波を利用し、イノシシやシカによる田畑での農作物被害を食い止める装置の開発を広島県内の企業と進めている。実証試験で、雨などの日以外の効果が確認されており、全天候型に改良を続けて市販を目指す。
(鹿への理解深めて、事故防止へビラ配布:奈良)
今月の「国天然記念物『奈良のシカ』愛護月間」に合わせ、保護団体の「奈良の鹿愛護会」(大川靖則会長)は5日、奈良市登大路町の県庁前で、鹿の生態や正しい接し方についての広報活動を行った。同会は、メスを巡ってオスが攻撃的になる発情期の到来に合わせて愛護月間を制定。人身事故の防止や、鹿への理解を深めるための啓発活動などに取り組んでいる。この日は同会の職員やボランティアら約20人が、観光客らに啓発ビラを配布。保護活動推進のための募金も呼び掛けた。愛護会の小西凉治事務局長は「発情期を迎えたシカへの注意とともに、シカの大切さや愛護会の活動を知ってもらえれば」と願っていた。
(有害鳥獣駆除し活用、シカ革製品を地域の特産に:鳥取)
鳥取県東部の山あいの町・若桜町に、有害鳥獣として駆除したシカの革製品を製造販売する工房がある。ジビエ(野生鳥獣肉)料理の利用が増える中、捨ててしまっていたシカの皮に注目し、地域の特産品として根付かせようと取り組んでいる。若桜町に昨年11月に開店した「革工房ディア*ディア」。廃虚だった古民家を改装した工房兼店舗には、シカ革のかばんや財布が並ぶ。若い女性向けのデザインも多く、オーダーメードも受け付けている。町では10年ほど前から、シカによる農作物被害や交通事故が増加し、近年は駆除数が年間千頭にも上るように。工房のオーナー石井健治さんは4年前、町が駆除したシカを有効活用しようとしていると知り、提供してもらった皮を使って自ら商品を作り始めた。シカ革の特徴は、牛革に比べ薄く柔らかいこと。手になじみやすいブックカバーや、固くて厚みのある牛革と組み合わせた財布など、デザインに工夫を凝らす。シカ革の柔らかさを生かした洗顔用のクロスは、口コミで訪れた女性客に人気だ。「国内で流通するシカ革は輸入が多く、純国産はあまりない。シカ革を若桜の新しい産業にしたい」と石井さん。現在はパート従業員を雇い、革職人の育成にも励む。「ジビエとシカ革で、有害鳥獣を丸ごと地域資源として活用する取り組みを広げていけたら」と意欲を見せている。
(イノシシ肉メニュー化:鳥取)
全国的に鳥獣被害が拡大している中、設立から間もなく半年を迎える「鳥取中部イノシシレシピ開発倶楽部」(西坂茉利代表)。鳥取県倉吉市内で試食会を開催するなど、イノシシ肉のメニュー化を進めている。イノシシを生け捕りにして飼育している「鳥取中部イノシシ産業化プロジェクト」(徳岡憲一代表)とも連携を図り、魅力発信に躍起だ。同倶楽部は、一般的に「硬い」「臭い」などの先入観を持たれているイノシシ肉の“負”のイメージを払拭(ふっしょく)し、おいしい食べ方を提案しようと、ことし6月に発足した。高品質なイノシシ肉を、年間通して安定供給するのを目指している産業化プロジェクトと連携し素材を確保。同倶楽部は飲食店などでメニュー化してもらおうと動きだした。西坂代表が中心となり、発案したレシピを基に市内の飲食店にも協力してもらい、先月21日には県中部の飲食店の関係者らを招いて試食会を実施した。用意したメニューは、ボタン鍋▽モモ、ロース、バラ肉の塩焼き▽もも肉みそ焼き▽もも肉赤ワイン煮▽もも肉団子汁▽ロース丼-の6品。参加者は試食後、アンケート用紙に感想などを記入した。結果はどのメニューも平均点以上の評価。最高評価の5点が最も多かったのは、みそ焼きと赤ワイン煮。塩焼きは5点の評価はなかったが、4点が約7割を占めた。意見では「女性に受けることが大事」などの提案があった。同倶楽部事務局の橋谷孝志さんは「試食会が開けたのは大きな一歩。鳥取県の名物にしたい。そのためにも、まずは中部でしっかりと広めていきたい」とメニュー化に突き進む。
(ジビエ召し上がれ、銀座で農業高生:長野)
長野県が情報発信拠点として東京・銀座に開設した「銀座NAGANO」で12月3日、飯田市の下伊那農業高校アグリ研究班の生徒11人が一日限定のレストランを開き、地元産シカ肉を使ったジビエ料理のフルコースを提供する。長野県では駆除されたシカの有効利用が大きな課題となっており、生徒たちは「ジビエに対する理解を深めてもらえれば」と期待している。ジビエとは、食材用に狩猟で捕った野生鳥獣の肉を指すフランス語。欧州では秋や冬の狩猟期、野ウサギやカモなどが市場に出回る。生徒たちは、シカやイノシシなどによる農林業の被害を学び、最も捕獲数が多いシカの肉の活用法を研究。顧問の小池真理子教諭(46)が、日本ジビエ振興協議会代表でフランス料理店オーナーシェフの藤木徳彦さん(43)=長野県茅野市=に講師を依頼した。当初は「生徒のやる気がなければ、この話はなかったことにしよう」と思っていた藤木さん。八月、自らの店でジビエ料理を試食した生徒たちが「店を出すのが夢」「自分たちが作った野菜を使いたい」と話す姿を見て講師を引き受けた。生徒たちはメニューを考え、料理ごとに担当者を配置した。放課後に毎日集まって料理を試作し、意見を出し合った。藤木さんが学校を訪れ、料理の形や盛り付け方を助言した。銀座で出すのは六品。飯田市千代地区の伝統野菜「千代ネギ」のゆず蒸しから始まり、前菜はシカ肉をミンチにしたコロッケと春巻き。メーン料理はシカの背ロースのステーキで、学校で造ったワインと梅みそソースで味わってもらう。学校で先月開いたお披露目会では、飯田市の飲食店関係者らが試食。八店舗を経営する中根正佳さん(45)は「味付けも素晴らしく、うちに来て作ってほしいくらい」と感心していた。ミルクスープを担当する総料理長の三年吉川貴之君(18)は、酪農を営む実家から搾りたての牛乳をもらって作る。「銀座で精いっぱいやりたい。全ての料理がお薦めです」と自信を見せる。ステーキを受け持つ一年藤下拳成(けんせい)君(15)は「食べた人がどんな反応をしてくれるのか楽しみ」と話す。当日は午前十一時~午後零時半と午後一時半~三時に開く。定員は各三十人で、料金四千円。予約も受け付けている。生徒が育てた野菜や加工品、ワインの販売もある。
(今、鹿肉がアツイ!)
高たんぱく、低脂肪、ミネラル豊富なヘルシー食品として、鹿肉が注目を集めています。「くせが強くて堅いから苦手」という人、食わず嫌いなんて、もったいない! テキスト『きょうの料理ビギナーズ』の人気連載「ビギコレ!」では、鹿肉の今を総力取材しています。「意外に柔らかくて、くせもなく、食べやすいですよ」と言うのは、北海道・釧路市にあるスーパーマーケット「あいちょう」の社長・相澤長秀さん。「あいちょう」の精肉売り場では、1年中、家庭向けに鹿肉を販売しています。ということは、北海道ではすでに、鹿肉が家庭に普及しているのでしょうか。「外食店では鹿肉を出す店が増えましたが、家庭ではまだまだですね。“内食(ないしょく)”の普及率を高めるために、まずは“中食”となるものを販売してアピールしています」と言う相澤さん。内食は“家庭でつくった料理の食事”、中食は“買ってきた総菜や弁当など出来合いの食事”。精肉以外に、缶詰やレトルトカレーを常時販売するほか、毎月第4火曜日の「シカの日」には、鹿肉の手づくり弁当を月替わりメニューで販売しているそうです。食材として買ってもらうためには、まずは肉のおいしさを知ってもらうのが先決、ということですね。ところで、野生のはずなのに、「あいちょう」で販売する鹿肉は柔らかくてくせもない、というのはなぜなのでしょうか。「うちで扱う鹿肉は、養鹿したものを仕入れているからです」と相澤さん。養鹿、ですか? それって、養豚とか養鶏とかの鹿バージョンなのでしょうか。ということは野生ではなく、家畜???「いえいえ、野生ですよ。ただし銃でしとめるのではなく、わなで生け捕りにして、半年間、囲いの中で放し飼いにしながら雑穀などの飼料を与えてから出荷するんです。こうすることで肉質は柔らかく、くせもなくなります。これを一時養鹿と呼んでいるんですね」ほー、なるほど、勉強になりました。おいしい形で提供されるには、手間がかかっているんですね。「鹿肉は鉄分が非常に多いので、特に女性の方にはおすすめです。鉄分の含有率は、レバーやほうれんそうより抜きん出ています。おいしい健康食としてぜひたくさんの方々に食べていただきたいです」と、相澤さんからのメッセージ。まだ値段が少々高めなのがネックではありますが、もっと市場に出回って手ごろになる日も近いかもしれませんね。※テキストでは、ジビエを得意とする料理研究家の川上文代(かわかみ・ふみよ)さんが、鹿肉をつかったしょうが焼きや竜田揚げ、ハンバーグのレシピをご紹介しています。
(“郡上ジビエ”復活へ:岐阜)
ジビエ(野生鳥獣肉)のおいしさを広く知ってもらおうと、郡上市でイノシシ肉やシカ肉を使った創作料理を提供する「地美恵(じびえ)フェア」が初めて開催される。期間は8日から12月31日までで、市内の9店舗が参加する。大和、美並の両観光協会や郡上やまと獣肉利活用推進協議会などでつくる実行委員会が主催。農作物の獣害が年々増える中、高級食材としても扱われるジビエの価値を見直してもらおうと企画した。趣旨に賛同した参加店は、シシ肉を使った揚げ餃子や石焼きビビンバ、ちらしずし、シカ肉を使ったカツや炒め物などを考案した。食べ比べを楽しんでもらおうと、期間中はスタンプラリーを実施。対象のメニュー3品を食べると、郡上の特産物詰め合わせが当たる抽選に1口応募できる。5日には同市美並町の美並健康福祉センター「さつき苑」で関係者向けの試食会が開かれた。松森勇実行委員長は「郡上は昔からシシ鍋で有名な土地柄だけに目指すのは“郡上のジビエの復活”。ジビエのおいしさをぜひ実感してほしい」とPRした。
(「ひたぎすかん」開発、シシ肉消費拡大へ:大分)
日田市の老舗旅館「亀山亭」と市内天瀬町のゆずごしょう生産者の梶原靖徳さん(43)は、イノシシ肉を使ったジビエ料理「ひたぎすかん」を共同開発した。甘辛いタレに付け込んだシシ肉を焼いて食べる料理で、臭みやクセなどはなく、付属のゆずごしょうで食べると絶妙。梶原さんらは「シシ肉消費の起爆剤になってほしい」と話す。北海道のジンギスカンをヒントに考案。シシ肉と本タレの他、お好みで付けることができる梶原さん手作りのゆずごしょう、うま辛ソースも入っている。しょうゆベースの甘辛い本タレと一緒に野菜を炒めて食べることもできる。梶原さんによると、2012年に亀山亭であったジビエ料理の研究会がきっかけでシシ肉に注目。「あまり消費されていないシシ肉をおいしく食べられるようにしたい」と考えた。シシ肉は、市内上津江町の獣肉処理施設管理組合から仕入れている。タレは亀山亭の監修。おかみの諫山知代美さんが、知人の元焼き肉店経営者に依頼した。現在、大分空港、市内中津江村や上津江町の道の駅などで冷凍販売している。

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(イノシシ出没、かまれるなど6人けが:東京)
31日午前、東京・あきる野市や福生市で男女6人がイノシシに相次いで襲われけがをしました。その後、地元の猟友会がイノシシを捕獲し、処分しました。「無我夢中だった。痛いというより、なんとかしなきゃという感じ」(けがをした男性)31日午前8時すぎ、あきる野市草花で、近くの小学校の教諭から「イノシシが出た」と110番通報がありました。そのおよそ30分後には、別の男性から「イノシシにかまれた」と通報がありました。警視庁などによりますと、午前8時20分ごろからおよそ20分の間に、あきる野市や福生市で通行人など40代から70代の男女6人がイノシシに相次いでかまれるなどして軽傷を負いました。「(イノシシを)ナイフで刺すしかない。警察官にナイフで刺しますと」(猟友会の男性)イノシシはその後、地元の猟友会などに捕獲され、処分されたということです。
(住宅街でイノシシに?尻と手をかまれ軽傷:埼玉)
1日午前9時30分頃、埼玉県毛呂山町若山の町道を歩いていた近くの無職男性(76)が突然襲ってきたイノシシとみられる動物に尻と右手をかまれ、軽傷を負った。西入間署の発表によると、男性を襲った動物は体長約1メートル20。現場は東武越生線・武州長瀬駅近くの住宅街で、同町には、同日午前11時過ぎまでに、町内からイノシシの目撃情報が十数件寄せられた。同町は防災無線で住民に注意を呼び掛けた。
(巡査、素手で熊捕獲:長野)
31日午後1時20分ごろ、安曇野市穂高柏原の広域農道近くの畑で、安曇野署穂高交番の西村翼巡査(19)が素手で子熊を捕まえた。この日は穂高周辺で熊の目撃情報が市に相次ぎ寄せられており、西村巡査は「逃がすものかと必死だった」と振り返った。午前11時20分ごろ、熊が歩いているという110番通報があり、約1時間半後にも再び通報があった。西村巡査が市職員や地元猟友会員と計20人ほどで探していると、駐車場の車の下から突然、体長70センチほどの子熊が自分に向かって飛び出してきたという。足元の畑に敷かれていた段ボールで行く手を遮ると、子熊は右へ。後ろからタックルし、段ボールで覆うように押さえ込んだ。子熊はうなり声を上げて段ボールを引っかき、西村巡査の腹を蹴ったが押さえ続けた。西村巡査は千曲市出身で、中学1年で始めた柔道は3段。「ここで逃がしたら、民家に入って被害が出るかもしれないと思った。必死だったけれどチャンスだとも思った」と話した。子熊は入れられたおりの中で暴れて口にけがをしたことから、十分懲りたと判断され山に放された。
(サルに襲われ11人けが:徳島)
徳島県板野町内で10月29日から31日にかけて、サルに小学生2人を含む11人がかまれるなどして軽傷を負った。「早く捕まえてほしい」と住民の間で危機感が強まり、県や町は対応に乗り出した。1日は町に目撃情報が2件寄せられたが、「簡単には捕まえられそうにない」との声もあり、長期戦になる可能性もある。県によると、29日朝に登校中の小学6年の女児が、31日午前は小学6年の男児が1匹のサルに足をかまれた。他にも29日からの3日間で20~60代以上の男女9人が同様の被害に遭った。襲ったのはいずれも胴長50センチほどの同じサルとみられ、板野東小学校を含む半径約1キロの範囲に集中しているという。とくしま動物園でサルの飼育を担当する吉岡貴志さん(44)は「繁殖競争に負けたサルや空腹なサルが神経質になって人を襲った可能性が高い」と話す。1日は麻酔銃を携えた県職員3人が町役場に待機したが、出動しなかった。町はえさでサルを誘い込んで捕獲しようと、同町吹田の空き地に金網やトタンで縦横8メートル、高さ3メートルの檻(おり)を設置する作業を始め、「2日に完成させたい」。町職員12人が広報車を使ったり戸別に訪ねたりして注意を呼びかけた。
(新たなサル目撃情報、警戒続く:徳島)
10月29日から小学生などがサルに襲われる被害が相次いでいる徳島県板野町では、今朝もサルの目撃情報が入り、警戒が続いています。「サルが出没し、人に危害を与えていますのでご注意ください」(町の警戒パトロール)今朝も板野町では住民から「神社でサルを見かけた」との情報が入り、職員らが捕獲用の麻酔銃を携え、周辺の見回りを行なっています。10月29日から板野町の住宅街に出没しているニホンザル。こちらの写真では犬がいるにもかかわらず、住宅の玄関前に座り込んでしまっています。板野町ではこれまでに小学校に登校中の児童2人が噛まれるなど12人が襲われ軽いけがをしました。「どんと当たったので後ろを向いたらサルがいた。ピリピリするなと思ったら歯形が入っていた」(噛まれた人)県は4か所に捕獲用のおりを設置しましたが、サルはまだ見つかっておらず、明日まで警戒を続けるとしています。
(サルを捕獲へ大型のオリが完成:徳島)
板野町でサルが児童らを襲いケガをさせた問題で、板野町が設置を進めていたサルを捕獲するための大型のオリが2日完成しました。オリが設置されたのは板野町吹田のサルがよく目撃されている住宅地近くの空き地です。オリは8メートル四方で高さが3メートルの大型のもので、サルが上から中に入ると外に出られない構造です。この日夕方まで設置作業が行われ、完成後にエサのミカンを並べました。一方、この日も町や県の職員ら10人余りがサルに注意するよう街宣車で呼び掛けたり、パトロールしたりしました。板野町によりますとサルに噛まれるなどの被害を受けた人は、これまでに12人にのぼっています。
(熊1頭殺処分:長野)
29日午前6時すぎ、長野県東筑摩郡山形村小坂(おさか)地区の空き家敷地内に熊が1頭いるのが見つかり、約1時間後に地元猟友会員が殺処分した。現場は村役場から1キロほどで近くに住宅もある。地区内では28日、熊の目撃情報が役場に寄せられていた。けが人や農作物への被害はない。28日午前8時ごろ、現場近くの住民が熊のふんを見つけ、村役場に連絡。夜になって熊の目撃情報や熊が歩く音がするという情報も寄せられ、村職員、猟友会員、松本署員らが捜したが見つからなかった。29日は計30人余で午前6時から捜索を再開。間もなく空き家の敷地内のやぶの中にいる熊を発見した。爆竹でやぶから追い出し、木に登ったところを駆除した。村によると、熊は体長1・5メートル、体重160キロほどの雄の成獣。一方、山形村の現場から5キロほど東方の松本市笹賀でも29日午前5時半ごろ、熊が出没し、通り掛かった車と接触した。熊はいなくなった。現場は、奈良井川右岸の堤防道路で、今村橋から50メートルほど下流。付近では28日夕にも熊の目撃情報があった。運転手にけがはなく、市猟友会と松本署が朝夕を中心に警戒を続ける。
(熊目撃相次ぐ、1頭を殺処分:長野)
31日午前6時ごろ、松本市梓川上野の花見(けみ)地区で、捕獲用のおりに熊1頭が入っているのを見回り中の市猟友会員が見つけ、市梓川支所に通報した。熊は約2時間半後に殺処分された。けが人はいない。おりの近くで、同じ猟友会員が別の熊1頭を目撃したが逃げた。さらに、現場から直線で約2・5キロ北東の同市梓川梓、同約10・5キロ東の同市笹賀でもそれぞれ1頭の目撃情報があった。松本署や市などが警戒に当たったが、殺処分された熊以外に熊は見つからなかった。梓川の現場周辺には住宅、笹賀の現場周辺には工場などがあり、市などが注意を呼び掛けている。梓川上野で殺処分された熊は体長120センチ、体重約75キロで、7歳の雄だった。梓川梓の現場は秋葉社の南側。午前9時半ごろ、工事現場の作業員が熊を目撃し、110番通報した。笹賀の現場は奈良井川左岸にある下二子橋西交差点付近で、午前9時ごろに目撃された。一方、安曇野署によると、安曇野市穂高柏原の広域農道沿いでも31日午前、子熊を見たという複数の目撃情報があった。近くには穂高西小学校がある。
(イノシシと車が衝突:栃木)
1日午後8時5分ごろ、栃木市大平町下皆川の市道で、雑木林から飛び出してきたイノシシと同市、女性(45)の乗用車が衝突した。イノシシは体長約1メートルで、衝突後逃げたという。現場はJR大平下駅から北に約1キロの農村部。
(中心街にシカ:熊本)
人吉市の中心商店街に31日朝、ニホンジカ1頭が出没した。けが人などの被害はなかったが、突然の珍客に周囲は騒然となった。市農林整備課と人吉署によると、午前7時前、通行人から「九日町の駐車場にシカがいる」と署に目撃通報があった。署員や市職員、猟友会メンバーら約30人が出動。駐車場に網を張って捕獲を試みたが、シカはかいくぐって商店街を東へ逃走した。同9時ごろ、約200メートル先の店舗兼住宅のビル通路で見つかり、殺処分された。シカは体長約1・5メートルの雄で、約50センチの角があった。「野生のシカが迷い込んだのでは」と同課。ビルに住む女性(46)は「街中でシカを見るのは生まれて初めて」と驚いていた。一方、上天草市松島町の樋合島では同日午後2時ごろ、クルマエビ養殖場のいけすに体長約1・5メートルの雄のニホンジカが入り込み、約3時間後、地元猟友会が殺処分した。市農林水産課によると、同市では今年3月に大矢野町でシカ1頭の目撃情報があるという。
(100円ショップにイノシシが侵入:埼玉)
29日午前8時45分頃、埼玉県飯能市飯能の100円ショップで侵入警報が作動した。警備員が駆け付けたところ、店内を走り回るイノシシを発見、110番した。飯能署と市によると、イノシシはガラス2枚を突き破って侵入。約25分間にわたって陳列棚にぶつかるなど暴れ回った。署員が到着した後、ガラス1枚を割って逃走した。イノシシは午前10時頃、店の南側約300メートルの路上で倒れているのがみつかった。市職員が到着するとイノシシは既に死んでいた。顔や足などに切り傷があり、店に侵入したイノシシの可能性が高いという。市の担当者は「昨冬の大雪の影響で、山に食べ物が乏しく、野生動物が人里近くに下りてきているのかもしれない。くれぐれも注意してほしい」と呼びかけている。
(アライグマ、避難区域で生息域拡大:福島)
原発事故の避難区域を中心にアライグマの生息域が拡大している。福島県が昨年度までに行った調査では14市町村で目撃情報があったり捕獲されたりしているが、今年度は新たに4町村に広がった。事故で住民が避難したのに加え、アライグマは天敵がおらず繁殖率も高いため、帰還困難区域などの民家をふん尿で汚したり、柱をかじって傷つけるなどの被害が続出。農業被害も懸念され、住民からは「このままではますます帰還意欲がそがれてしまう」と不安の声が上がる。福島県自然保護課によると、アライグマは2000年に県内で初めて南相馬市原町区で確認。12年までに15頭を捕獲した。また同課は過去2回調査を行い、06年度に8市町村、13年度に8市町(うち2市が重複)で生息を確認している。今年度、新たに目撃情報や捕獲が確認されたのは、避難区域の大熊町、飯舘村と葛尾村。さらに避難区域に隣接する広野町でも10月21日に1頭捕獲された。アライグマの生態を調査している南相馬市博物館によると、同市内の海岸線を中心に目撃数や捕獲数が増加しており、原発事故で住民が避難したこともあり、生息域が拡大したと考えられるという。同博物館は、同市内で00年3月〜11年2月の12年間で8頭(うち幼獣2頭)の捕獲を確認したが、11年3月〜14年3月の事故後3年では26頭(うち幼獣6頭)に増加。1頭が年に平均3〜4頭出産するといい、幼獣が多く見つかったことが繁殖率の高さを示している可能性があるという。浪江町から二本松市に避難している豊田動物病院の豊田正獣医師(63)は「寒くなれば人の住んでいない家にアライグマがすみ着いてしまう。このまま放っておくとアライグマによる人家汚染が進み、住民の帰還がますます難しくなるのでは」と危惧する。同町の産業・賠償対策課は「地元猟友会などに駆除をお願いしているが、イノシシ駆除も大変で手が回っていない」と頭を抱える。環境省によると、全国のアライグマの捕獲数は91年は9頭だったが、10年には約2万5000頭に達した。農作物を荒らすなどの被害が相次ぎ、同省は05年に飼育や放すことを禁じる「特定外来生物」に指定したが、12年には全国で約3億3000万円の農業被害(農林水産省の統計)をもたらした。アライグマの生態に詳しい日本獣医生命科学大獣医学部の加藤卓也助教は「被害を抑えるには、野生のアライグマを一頭でも多く捕獲することが唯一の方法。それが進まない限り数は増え続け、手がつけられなくなる」と指摘する。
(イノシシ、海を渡って農作物に被害:愛媛)
松山海上保安部は、瀬戸内海に浮かぶ中島(松山市)近くで、イノシシ1頭が泳いでいる様子を撮影した映像を公開した。愛媛県担い手・農地保全対策室によると、県沖で泳ぐ姿が目撃されるのは珍しい。担当者は「現在約3千人が住む中島では10~20年前からイノシシによる農作物の被害が出るようになった。海を泳いで渡ってきたと思われる」としている。松山海保によると、10月19日午前10時半ごろ、パトロール中の巡視艇「いよざくら」の乗組員が中島の西約500メートルの海上で発見。体長約50センチで野生とみられ、時折、水面から鼻を出しながら中島に泳ぎ着き上陸した。
(イノシシで稲全滅:岐阜)
各務原市鵜沼大安寺町の水田がイノシシの群れに荒らされ、収穫前の稲(ハツシモ)がほぼ全滅状態になったことが市農事改良組合の調査で分かった。関係者は「こんなひどい被害は初めて」と困惑している。現場は同市東部で坂祝町と関市の境に近い国道21号坂祝バイパス西側の山間地で、水田や休耕田が点在する。山麓(さんろく)の林道沿いのあぜ道に設置してあった防護柵(高さ約1メートル)が倒され、水田の稲が踏み倒され、実った米が食いちぎられていた。林道には複数のイノシシの足跡が残されていた。被害に遭った水田の面積は約3000平方メートル(3反)に及び、米約1200キロが収穫不能になったとみられる。約1000平方メートル(1反)で稲作をしていた農業、坂井直巳さん(55)は「イノシシの群れが防護柵を乗り越えて田に入り込み、逃げる時はトタンの柵を突き破っていく。以前にもイノシシの被害はあったが、今年は本当にひどい」とため息をついた。収穫不能になった米の被害分は保険で補うという。市農政課は、イノシシ対策として、各務東、須衛、大安寺、蘇原など各町の山麓で猟友会に委託して鉄製のわなを十数カ所仕掛けているが、イノシシの被害状況は把握していないという。岐阜中央農業共済組合によると、市内で昨年申告のあったイノシシ被害は約4400平方メートルで、今秋も被害申告の連絡が出てきたという。市農事改良組合の川村益美会長(73)は「イノシシは実った稲を口に挟んで食いちぎる。例年も多少の被害はあるが、こんなにひどい年は初めて。イノシシは夜行性で夜に行動するので厄介。こんな状態が続くと、来年以降は稲作をあきらめて休耕田が増えていく」と困惑していた。
(クマ通報269件、過去最多に迫る:青森)
今年の県内のクマの通報状況が過去最多に迫る勢いだ。県警地域課のまとめでは、30日までの通報件数は269件で、昨年同期より48件増加した。県警の1993年以降の統計では、2012年の306件が最多で、それに次ぐ推移となっている。今年、通報があった269件のうち、「目撃」が246件で昨年同期比50件増。農作物を食べられる「食害」は20件で昨年より3件減った。一方、昨年2件だった人が襲われる「人的被害」は1件増の3件。地域別の通報件数では、むつ署が最多で56件、次いで青森署と鰺ケ沢署の35件。昨年1年間の通報件数は225件。306件の12年は「大量出没の年」で、11年以前の5年間はいずれも200件以下だった。県自然保護課では「クマの目撃数は年ごとに増加と減少を繰り返すが、10年スパンで見ると近年は高止まりしている状況にある」とする。高止まりの原因については、▽生息頭数が増えた可能性▽山菜採りなどで人がより山深い地域に入るようになった▽目撃したら通報する、という意識が浸透した−−などの要素を挙げたが、結論は出せないという。通報は9月以降は減り始めるが、今年は10月27日に鰺ケ沢町の山中でキノコ採りをしていた男性(55)がクマに頭や頬をかまれて軽傷を負った被害もある。昨年の人的被害2件も両方とも10月下旬に相次いでおり、県警地域課では「まだ注意が必要だ」としている。
(熊目撃:栃木)
那須塩原署によると、3日午前6時10分ごろ、那須塩原市高阿津の県道で、車を運転していた女性が道路を横切るクマ1頭を目撃した。同署によると、クマは体長約1・2メートル。現場は高阿津集落センターの北約500メートル。同署は警戒活動を実施するとともに、注意を呼び掛けている。
(クマ目撃相次ぐ:新潟)
県内では31日、クマが相次いで目撃され、県警などに通報があった。午前7時ごろ、阿賀町日出谷甲の国道で、車を運転していた付近の住民が体長約1・5メートルのクマ1頭を目撃したと町役場に通報した。現場から民家までは約100メートル。午前7時すぎには、南魚沼市のJR石打駅付近で体長約1メートルのクマを目撃したと、通勤途中の男性が110番通報した。クマは駅の北側約100メートルの線路を横切り、国道17号方向に行ったという。午前11時半ごろには、新発田市滝谷の滝谷森林公園で、車で通り掛かった女性がクマ1頭を見たと管理人を通じて新発田署に通報した。クマは体長約1メートル。午後7時半前には、妙高市上中村新田の住宅敷地で、体長約2メートルのクマ1頭が柿の木に登っているのを住民の男性が見つけ、妙高署に通報した。
(住宅地でクマ2頭目撃:栃木)
日光署によると、31日午後4時ごろ、日光市清滝安良沢町の路上で、徒歩で通りかかった付近住民が、林から出てきたクマ2頭を目撃した。同署によると、クマは体長約1メートルと約50センチ。現場付近は住宅地で、同署は警戒活動を実施するとともに、関係機関と連携して注意を呼び掛けている。
(クマ1頭目撃:栃木)
31日午前11時半ごろ、日光市西川の県道付近でクマ1頭が目撃された。人的被害はない。今市署によると、クマは体長約1メートル。観光バスの運転手が、穴田トンネル西側の道路付近でクマを目撃し通報した。同署で広報活動を実施している。
(2年ぶりクマ出没:神奈川)
堀西地区の農園と桂林寺近くの柿畑で10月23日、足跡やフンなど、ツキノワグマの痕跡が発見された。秦野市環境保全課は周辺住民に情報提供と注意を呼び掛けている。クマ痕跡の情報が寄せられたのは23日の午前11時50分頃。農園利用者から、「柿が鳥獣被害にあったようだ」という報告があった。これを受けて、管理をしているはだの都市農業支援センターの職員が確認。クマの可能性が高いため、同日午後2時頃に同課職員と湘南地域県政総合センターの専門家らが現地に駆け付け調査を行った。その結果、近くから20cm程の足跡やフンなども見つかり、ツキノワグマの成獣の痕跡であると断定。市は周辺の情報収集を行い、桂林寺近くの柿畑でも痕跡が発見されたため、対策本部を立ち上げた。付近にセンサーカメラを設置したほか、近隣14自治会に回覧板やパトロール車で注意喚起を行っている。ツキノワグマは丹沢山地に生息しており、生息数は30頭前後。絶滅危惧種に指定されている。市は9月に入り、大山で目撃情報があったことから、山伝いに秦野へクマが侵入すると思われる東側にセンサーカメラを仕掛けていたという。しかし今回、痕跡が出たのは西側。人家に近い場所でもあり、「住民に被害が及ばないようにするとともに、クマがどこから来たのか、侵入経路の検証も行わないといけない」と話す。市内でのクマの出没は2年ぶり。「今年は食料であるドングリの実りが皆無。クマが人里まで下りてくるかもしれないと言われていました」と同課。今後も人里に出没する可能性は高いという。「11月末から冬眠に入ると予想されるので、この1カ月が勝負」。市は地元住民や登山者などに対して、クマと遭遇した場合は、走らずに静かに立ち去ること、また、クマの定着を防止するために、野菜残渣の処理や果樹の早期収穫などを呼び掛けている。
(クマ出没、一時騒然と:富山)
県内でクマの目撃情報が相次ぐ中、紅葉でにぎわう立山町の称名滝に29日、クマが現れました。クマが生息している山間部ですが、大勢の観光客が訪れていて、一時騒然としました。観光客「クマだ。逃げろ」「紅葉を楽しむ大勢の観光客で賑わうこちらの称名滝で、先ほど午後1時ごろクマが出没しました」今年、県内で目撃情報が相次いでいるツキノワグマ。これは29日、称名滝の展望台からチューリップテレビの取材クルーが撮影した映像です。出没したクマは1頭で、称名川の右岸から左岸に渡っていきました。称名滝周辺はクマが生息している山間部ですが、紅葉を見に訪れていた観光客は思わぬクマの出没に。「あの岩の斜面を本当に身軽にひょいひょいと(登っていった)」「怖いですね。とりあえず逃げるしかないかなっていうところですね」県は、ツキノワグマの目撃や痕跡情報が県内で相次いでいることから24日に出没警報を発令。目撃や痕跡情報は29日までに322件あり、大量出没が問題になった2010年に次ぐ多さとなっています。県によりますと、木の実の凶作でクマがエサを求めて行動範囲を広げていて、出没場所は市街地にまで拡大しています。29日は、南砺市の下梨でもクマがカキの実を食べた跡が見つかりました。県は引き続き、カキなどの果樹の利用する予定のない実を早めに取り除くことやクマの家屋への侵入を防ぐため、戸締まりを徹底するよう呼びかけています。
(クマ目撃:新潟)
29日午前2時ごろ、上越市黒田の男性が自宅前の柿の木の近くにクマ1頭がいるのを目撃し、市に通報した。市によるとクマの体長は約1・5メートルで、やぶの中に逃げた。周辺では28日にも黒田小学校のグラウンドでクマの足跡が見つかり、市が注意を呼び掛けている。また、午後6時ごろ、妙高市三本木新田の市道でクマを見たと、車を運転していた女性が妙高署に通報した。同署によると、クマは体長1メートルほど。発見場所は民家から約90メートルの距離で、田んぼに移動した後、姿が見えなくなったという。
(路上でクマ目撃:栃木)
29日午後6時50分ごろ、那須塩原市西岩崎の路上でクマ1頭が目撃された。那須塩原署によると、クマは体長約1.5メートル。北から南へ道路を横断していったという。車を運転していた女性が目撃し、同署に通報した。同署は付近の警戒をするとともに注意を呼び掛けている。
(民家敷地にクマ:栃木)
29日午後3時57分ごろ、日光市芹沼の民家敷地でクマ1頭が目撃された。今市署によると、クマは体長約1メートル。柿の木に登っていたという。地域住民が目撃し、110番した。同署は付近の警戒をするとともに注意を呼び掛けている。
(奥多摩でクマ目撃情報が過去5年最多ペース:東京)
東京都奥多摩町でツキノワグマの目撃情報が過去五年間で最多ペースで増えている。九月末には、登山者が山中で出くわしたクマに襲われ、大けがを負った。今年は山にドングリなどのえさが少ないとみられ、今後も冬眠に向けて、えさを探し回るクマが頻繁に出没する可能性がある。都や町は、登山者に複数での行動と、クマよけの鈴など音の出る物を携行するよう注意を呼び掛けている。都奥多摩ビジターセンター(同町氷川)には二十七日現在、クマの目撃情報が三十七件寄せられた。すでに昨年の二十一件を大幅に上回り、過去五年間で最多だった二〇一二年の二十七件を更新している。町観光産業課への目撃情報も十八件で昨年の十一件を上回っている。出没エリアは山間部だけでなく、南氷川地区の住宅地近くで徘徊(はいかい)していたとの情報もある。人的被害も発生した。九月二十八日に川苔(かわのり)山(高さ一、三六三メートル)に一人で登った三十代の男性がクマに頭をかまれ、倒れて動けなくなった。ほかの登山者が見つけて通報し、病院に運ばれた。町観光産業課の職員によると、例年、出没情報は多く寄せられるが「人的な被害は、ここ二、三年はなかった」と話す。昨年は、えさとなるドングリが豊作だったが、今年は少ないとみられる。ビジターセンターは、クマが目撃された場所や日付を書いた青いシールを地図上に貼って事務所に掲示している。クマは通常、登山者の出す物音を警戒して自ら遭遇を避ける習性がある。このため担当者は「登山者は鈴や、付けっぱなしのラジオを携行してほしい。一人でなく複数でおしゃべりしながら登ることなどを心掛けてください」と呼び掛けている。町もJR青梅線奥多摩駅前の登山届け箱近くに「クマに注意」との看板を立て注意喚起している。
(クマ目撃、湖北突出:滋賀)
ツキノワグマの目撃情報が相次ぐ長浜市で30日、県や県警、市などの関係者約20人が市浅井支所に集まり、情報を交換した。県によると、これまでの目撃情報は湖北地域で突出しており、集落や通学路など住宅街に出没するケースが目立つ。緊急対策を協議した関係者は「11月にも出没する可能性がある。絶対に近づかないでほしい」と注意を呼びかけている。県湖北森林整備事務所のまとめでは、今年4月1日から10月27日まで、県内全体の目撃件数は計95件。うち長浜市が46件と最も多く、以下、米原市26件▽高島市15件▽大津市8件となっている。特に10月初旬から急増し、出没が頻発した2006年度(156件)と10年度(133件)に迫る勢い。今年は山林でブナやミズナラの木の実が凶作で、冬眠前の腹をすかせたクマが、里の柿や木の実を探し回っているという。この日の会議には、整備事務所のほか、長浜・米原両市役所、長浜・木之本・米原の3署、湖北地域消防本部長浜消防署の担当者らが出席。住宅街の夜間パトロール▽登下校時間帯の警戒▽各自治会に対する注意喚起▽「クマ注意」の看板設置−−などの緊急対策実施を決めた。紅葉シーズンに合わせ、登山者にも看板などで厳重な注意を呼びかける。
(餌がない?ツキノワグマ大量出没:長野)
例年ならこの時期、減少するはずのツキノワグマの出没が相次ぎ、遭遇したクマに襲われる人身被害も過去最悪の件数となった。餌のドングリなどが不作傾向にあることや、生息環境の変化、狩猟者の減少などさまざまな原因が絡み合っているとみられるが、広域を移動するクマは生息実態が正確に把握できておらず、「なぜ大量出没につながったか、正確な分析は難しい」と県鳥獣対策・ジビエ振興室。県は来年度以降、クマの個体数や生息分布を調査、分析して対策を考える方針だ。今年度の9月末現在のクマ出没の目撃情報は1871件。過去最も多かった平成18年度の4574件の半分以下だが、大きく異なるのは出没の時期。例年は8月をピークにクマの目撃は減少するが、今年度は8月の457件に対し、9月は769件と大幅に増加した。捕獲頭数も9月現在で368頭を数え、9月だけで192頭が捕獲された。特に北アルプス山麓での出没が顕著で、松本、北安曇の両地方事務所管内が全体の4割近くを占める。長野地方事務所管内も2割を占め、地域的なばらつきがみられる。大量出没に伴って人身被害も10月23日現在で26件に達し、18年度の18件をすでに大きく上回って過去最悪となった。内訳は、山菜採りなどで入った林の中が8件なのに対し、集落付近が13件と人家近くでの被害が目立つ。大量出没の原因として、まず挙げられるのがドングリなど堅果類の結実状況。県の今年度調査によると、全体的に「不作~並作」との見立てで、地域的に結実のばらつきが大きく、「餌を求めて行動範囲が拡大することが想定される」と同室。同様に堅果類が不作だった18年度の人身被害は18人、22年度は14人を数え、柿など普段はあまり口にしない餌を求めて集落付近に出てきていると推測される。ただ、原因は堅果類の不作だけではない。県環境保全研究所(長野市)の岸元良輔研究員は、里山が荒れてきたことに伴う生息環境の変化を挙げる。里山で間伐などが行われず森林化することは「人間にとっては荒れている状況だが、クマにとっては住みやすい環境になってきた」と岸元さん。人間とクマの生活の境界域が接近しつつあることに警鐘を鳴らす。異常なパターンでの大量出没に、県は10月24日、県林業総合センター(塩尻市)でクマ対策会議を緊急開催。大学やNPO法人の研究者ら専門家である県委嘱のクマ対策員から大量出没の原因を聞いた。信州ツキノワグマ研究会(松本市)の林秀剛さんは「昨年はドングリが豊作で里には出ず、子供がたくさん生まれたことが、今年の大量出没の一つの要因になっている」と指摘。ベア・スマート・コミュニティ長野(長野市)の後藤光章さんは「山の環境がクマなどの野生鳥獣を収容しきれなくなっている。狩猟者の減少で、積極的に捕獲されないことも大きい」と分析する。対策については、駆除を徹底的にすべきだという意見と、駆除してもその子供がどんどん里に出てくるだけで電気柵が有効という相反する意見が出た。国内でも地域によっては絶滅の恐れのあるツキノワグマだが、保護と被害対策の難しい綱引きが続く。ただ、一致するのは「里にクマを定着させないことが大切」ということだ。野生鳥獣の生態を監視しているNPO法人「ピッキオ」(軽井沢町)の玉谷宏夫さんは「集落の周囲に餌となるものが多い。コメが餌となる可能性もある。普段から人とクマの距離を広げるような対策を取るべきだ」と指摘する。独立行政法人森林総合研究所(茨城県つくば市)の中下留美子主任研究員は「今年をきっかけに来年度以降も、クマは人間の近くに出てくる。どこから来た個体なのか調べることが大切だ」とアドバイスする。いまだに各地でクマの出没が続いており、県は「例年と違ってこれからも注意が必要だ。特に里山に接する集落では、柿やリンゴを狙って出てくるクマに遭遇することが考えられる。常に十分な注意を払ってほしい」と呼びかけている。
(イノシシとシカの狩猟解禁:熊本)
県内でイノシシとニホンジカ(一部地域を除く)の狩猟が1日解禁され、ハンターたちが各地の野山に分け入り獲物を追った。イノシシとニホンジカが増えて農林業被害が深刻になり、例年15日だった解禁日を2012年から早めている。阿蘇市永草の原野では、県猟友会阿蘇中部猟友会のメンバー8人が猟犬を先頭にシカを狙った。会長の川上奨さん(71)は「この日を待っていたが、猟師は高齢者ばかり。獲物は増え、猟師が減っている」と話した。この日は県や県警の担当者、鳥獣保護員ら計約100人も事故や違反防止を目的に一斉パトロールを実施した。全面解禁となる15日も実施する。猟期はイノシシが全域、ニホンジカが一部地域で来年3月15日まで。これ以外の鳥獣は同2月15日。県自然保護課によると、13年度のイノシシとニホンジカの捕獲は計4万2804頭で、過去最多だった。
(狩猟解禁、ハンターら山野へ:大分)
イノシシ、シカの狩猟が1日、県内で解禁され、ハンターたちは早朝から獲物を求めて山野に入った。由布市湯布院町下湯平地区では午前8時すぎ、同町や庄内町のハンターでつくる「久大クラブ」の40~70代の8人が狩猟をスタート。猟犬2頭を先頭に湯布院町内などの山で獲物を追った。メンバーで市湯布院町猟友会の中村正春支部長(66)は「近年は特にシカが多くなり、この辺りは里山の民家にも出没する。シカに餌を食べられたイノシシも山から下り、農林業に被害が出ている。猟師の数は減っているのでなかなか追い付かない」と話した。県によると、イノシシ、シカの猟期は来年3月15日まで。カモ、アナグマなど他の鳥獣は15日から来年2月15日までとなっている。
(狩猟解禁で鳥獣保護員らが巡回:和歌山)
和歌山県内で1日、イノシシとニホンジカの狩猟が解禁された。解禁に合わせ、旧田辺市内では県鳥獣保護員と県職員がパトロールした。毎年山間部を回り、箱わな、くくりわなを知らせる注意書きが設置されているかや、狩猟者が狩猟登録者証や猟銃の所持許可証を携帯しているかなど適正な狩猟がされているかを見て回っている。この日は県鳥獣保護員の山本実さん(87)=田辺市新庄町=と西牟婁振興局の担当職員が上芳養や秋津川、伏菟野地区などを巡回。午前中は雨天だったこともあり、狩猟者の姿は見られなかった。イノシシ、ニホンジカの狩猟期間は来年3月15日まで。その他の鳥獣の狩猟は今月15日に解禁、期間は来年2月15日まで。同振興局によると、管内の狩猟登録者数は鉄砲(空気銃を含む)が297人、わなが315人となっている。担当職員は「くくりわなは人里近くに設置されることもあり、注意書き設置の徹底を。昨年は射止めた獲物の解体後の後始末ができていないとの通報もあった」とし、適切な対応を呼び掛けている。
(若キジ力強く旅立ち、猟友会が放鳥:長野)
飯田市に拠点を置く飯伊連合猟友会(塩沢久一会長)は三十一日、生後九十日のキジ二百二十羽を飯田下伊那各地の山野に放した。北部、遠山、阿南など八ブロックの責任者らが、同市の飯田合同庁舎で割り当て分のキジを受け取り、車でそれぞれの放鳥場所に移動。段ボール箱に入れられたキジを出し、次々に放った。同市上飯田の山林では、同猟友会飯田支部長の片桐勝司さんが、銃猟が禁止されている山に向けて計八羽を放鳥。キジはブルブルという力強い羽音を残し、一直線に飛んで行った。キジは日本の国鳥にもなっているが、住宅開発などで生息に適した環境が悪化している。さらに、カラスやキツネにヒナ鳥が襲われることが多く、全国的に数が減っている。飯伊連合猟友会では、シカやイノシシを追う大物猟が中心だが、キジの数を増やすために鳥猟が行われない地域での放鳥を続けている。
(キジ200羽放鳥:佐賀)
野生鳥獣の保護繁殖を目的としたキジの放鳥が29日、白石町など県内4か所であった。県職員や猟友会メンバー、鳥獣保護員などが、ニホンキジ200羽を放った。放ったのは、熊本県球磨郡多良木町の養殖業者で育てられた、ふ化して120日のひな。水堂(白石町)、糸岐(太良町)、岩屋川内(嬉野市)の鳥獣保護区3区でそれぞれ52羽、鹿島鳥獣保護区(鹿島市)で44羽を放った。このうち白石町の杵島山中腹の鳥獣保護区となっているミカン畑では、段ボールに入れられていたひなが、ふたを開けると一斉に空へ飛び立っていた。県内の鳥獣保護区での放鳥は、県が1987年度から毎年、取り組んでおり、これまでに合計1万1500羽を放っている。
(キジ、自由な空へ:三重)
名張市立比奈知小(同市下比奈知)の5、6年生16人が29日、近くの東山公園でキジ20羽を放鳥した。勢い良く羽ばたくキジに児童らは「元気に育って」と声を掛けた。今年4月に同小と統合した旧滝之原小(同市滝之原)が、自然を大切にする心を育もうと、市猟友会の協力で、人に飼育されたキジを自然界に放つ活動を手伝ってきたため、比奈知小が引き継いだ。この日は、県鳥獣保護員の朝倉啓介さん(77)が、キジは体を清潔にするために砂浴びをすることや、鹿やイノシシと比べて農作物への被害がほとんどないことを解説した。その後、児童は両手に軍手をはめ、朝倉さんから「キジの肩をしっかり持って」と助言を受けて放鳥した。5年の大橋良介さん(11)は「雄は首が紫、顔は赤で、きれいだった」。6年の名倉一葉さん(11)は「初めてキジを見ましたが、かわいかった。また、放鳥したい」と話した。
(イノシシ対策に「電気止めさし器」貸し出し:兵庫)
イノシシやシカの農作物への被害が増えていることから、淡路県民局洲本農林水産振興事務所は31日、狩猟者向けに新たな「電気止めさし器」の講習会を開催し、機器50台の貸し出しを行った。県民局によると、淡路島内の生息数は推計でシカ約6800頭(平成24年)、イノシシ約1万頭(23年)で、25年の農林業の被害額はイノシシが約5千万円、シカが3300万円でいずれも前年を上回った。狩猟免許所持数は、25年度に495人と前年より40人増えたが、猟銃管理の手間などから、約6割がわな猟となっている。わなで捕獲すると、「止めさし」(殺処分)する必要があるが、刃物やハンマーでは暴れて危険が伴い、血液が飛散するなど問題があった。このため、同事務所では電気ショックを利用して安全に、動物の苦痛を少なく止めさしできる簡易な「電気止めさし器」を導入することにした。洲本市五色町鮎原宇谷の中山間活性化センターで行われた講習会では、狩猟免許を持つ約50人が参加。野生鳥獣対策連携センター(丹波市)の阿部豪(39)さんが機器の構造や使い方を説明。バイク用の12ボルトバッテリー、長さ約1メートルの塩ビパイプ2本などホームセンターでも購入できる部品を使っているため修理も可能で、腰につけて持ち運べる。捕獲したイノシシを使って実際に止めさしも行われ、阿部さんは「首とお尻に電極針を当て1分通電する」などと実演。一瞬で動かなくなったイノシシに参加者は驚いていた。40年以上の狩猟歴があるという洲本市安乎町の坂上秀治さん(74)は「刃物での止めさしは暴れて大変。この機器は便利なので、使ってみる」と話していた。
(センサー付き囲いわな貸し出し:和歌山)
和歌山県は、野生動物による農作物被害を減らすため、センサー付き囲いわなを昨年度から導入。有害獣の捕獲に取り組む市町村や団体に貸し出して県内での有効性の実証や普及を図っている。10月中旬からは、西牟婁振興局管内で初めての捕獲実証が上富田町で始まっている。上富田町に貸し出した囲いわなは7メートル四方で高さ2メートルの金属製。シカとイノシシを捕獲する。任意の捕獲数を設定し、その匹数が中に入ると自動的に扉が閉まって群れを一網打尽にする仕組み。餌は米ぬかと干し草を固めたヘイキューブが使われている。動物が扉前を通ると動画撮影するカメラも設置しており、複数回シカが撮影され、一度に最大4匹が映っていた。県果樹試験場の調査でもシカは4、5匹のグループで行動することが確認されており、捕獲数は4匹に設定している。ただし、2週間入らなければ3匹でも扉が閉まる。町や地元地区愛郷会、猟友会上富田分会の関係者が毎日見回りをしている。同町への貸し出しは来年3月まで。装置は総額約200万円。他府県で実績はあるが、県内での実績がないため、まず県が導入して貸し出すことで、今後、各団体が導入しやすいようにする。上富田町を含めて県内で8台が稼働している。センサーには携帯電話で現場の動画を確認するタイプもある。田辺西牟婁地方で農作物の鳥獣被害額は年間4千万~4千500万円。このうちシカが27・1%、イノシシが15・9%を占めている。西牟婁振興局農業振興課は「設置、移設も簡単で、慣れれば4、5人集まれば2時間ほどで組み立てられる。管内での設置台数を増やして1人でも多くの人に知ってもらい、捕獲強化につなげたい」と話している。
(生態知り獣害に先手、予防視点で全国初)
東北農政局は、東北地域での鳥獣害を未然に食い止めようと「予防的鳥獣被害対策マニュアル」を全国で初めて作成した。東北6県の鳥獣被害の現状を踏まえ、野生動物の生態や他地域での被害対策を紹介。野生動物と関わりがなかった地域の行政担当者や農業者に、野生動物の基礎知識をつけてもらい、早期対策の実践につなげる。マニュアルは、野生動物の生息域の変化を地図で示した上で、被害拡大の恐れが強いイノシシと鹿の生態、見た目の特徴、足跡やふんなど痕跡の見つけ方を紹介。農業関係の市町村担当者や農業者が生態を理解し、被害に遭う前に先手を打てるよう工夫した。全国の対策も記した。東北6県の2012年度の鳥獣被害額は約22億円。11年度に比べ7億円以上増えた。秋田県で生息が確認されなかったイノシシや鹿の目撃情報も寄せられるようになった。被害のない地域でも対策をしなければ鳥獣害が発生する恐れがあることから、マニュアルを作成した。農政局のホームページから入手できる。
(急がれる猟師育成:鳥取)
ニホンジカやイノシシなど有害鳥獣の被害が全国的に拡大している要因の一つに、高齢化と後継者不足による猟師の減少がある。有害鳥獣による農業被害は、農家の生産意欲を減退させ、過疎化の進行につながるとされる。鳥取県内でも銃猟免許の取得者は30年前の約17%にまで激減。中山間地域で農業の守り手としての役割も担ってきた猟師の育成が急がれている。昨年度、鳥取県で捕獲されたイノシシは2008年度と比べ約1・5倍の7098頭、シカは約8・5倍の5029頭に上った。県鳥獣対策センターによると、10年度の被害金額はイノシシ約7620万円、シカ約6120万円。11年の豪雪で生息数が減り一時的に被害額も下がったが、昨年度はイノシシだけで約5280万円。シカは、主に被害を受けていた森林が荒らし尽くされ、162万円しか報告が上がらないほど壊滅的な状況となっている。
(狩猟・野生鳥獣の現状と鳥獣保護法改正)
前回の連載「現代狩猟生活入門」を開始したのが2009年。世間であまり知られていない猟師の生活や狩猟の実際の様子を伝えるのが主なテーマでした。あれから5年、狩猟を取り巻く環境は大きく変化しました。全国各地で狩猟やジビエ(野生鳥獣肉)に関するイベントが目白押しで、新聞や週刊誌、テレビなどでも狩猟や野生鳥獣問題について頻繁に特集が組まれています。ちょっと前までは「クマよりもわしら猟師の方が絶滅危惧種や」なんて自嘲気味に話すくらい、狩猟の世界では高齢化が進み、人数も減る一方でした。それが、「狩りガール」なんていう言葉まで出来て、実際に猟の現場に参加する若者が増えてきています。これには現場の猟友会の先輩方もびっくりしているというのが正直なところです。これは、減少する狩猟者をなんとか増やそうとしてきた各地での地道な取り組みがようやく実を結んだという側面もありますが、一番大きいのは狩猟の対象となる野生動物の側の変化です。人間が山との関わりを放棄しているとも言える現代、日本の森は管理されない針葉樹の人工林と荒れ放題の旧里山林がほとんどです。そのような森で一部の動物たちがその変化に適応し生息数を増やし、生息域を拡大してきています。その代表格がシカとイノシシです。シカはかつては生息数が減少し保護獣とされてきた期間もありましたが、今はそれが信じられないくらい激増しています(※環境省の試算では、現在261万頭ほど生息しているのが、このままいけば10数年後には約500万頭になるとのことです)。多産なイノシシは環境が整えば爆発的に増え、深刻な農業被害を引き起こします。シカは農林業被害だけでなく、希少な植物を食べ尽くすなどの生態系被害ももたらします。また、最近ではサルの群れやクマが人里に多く出没し、人身事故を起こすケースも増えています。さらには、アライグマやハクビシン、ヌートリアなどの増加する外来種の問題もあります。これらの野生鳥獣の問題に対処するための手段として、狩猟の価値が見直され、いま注目を集めているというわけです。こういった現状を受け、これまでは野生鳥獣は原則として「保護」するものだとしていた環境省も方針を転換しました。今年の5月に鳥獣保護法が改正され(※パブリックコメントを経て2015年の5月に施行が予定されている)、野生動物を適正に「管理」するという内容が盛り込まれ、その名称も「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」と変更されました。これにより、一部の狩猟免許の取得可能年齢が引き下がられたり、これまで猟友会任せだった有害捕獲に新たな事業者を認定できるようになります。また、これまで全面禁止だった夜間の発砲も一定の条件下では認められるようになりました。環境省は3年前から「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」という狩猟啓発イベントも継続して行っています。これは、環境保全・鳥獣管理に狩猟は不可欠なものだと考えているということの証だと言えます。国を挙げた狩猟推進の流れのもと、これはビジネスチャンスだと参入する企業も相次いでいます。わなにセンサーを取り付けて管理をするという警備会社もあれば、農家と個別契約する有害駆除会社などもあります。鳥獣肉の流通・販売方面でも多くの企業が関心を寄せています。また、各自治体の有害捕獲に対する報奨金も軒並み上昇傾向にあり、それを目当てに猟を始めるという人も出てきています。狩猟やジビエに関する書籍もどんどん出版され、まるでプチ狩猟バブルが到来したかのような状況になっています。ただ、こういった急激な変化は既存の狩猟者やこれまで地域ごとにずっと続いてきた狩猟文化にどういった影響を与えるのか、慎重に見極める必要があります。また、日本の山は地域ごとに分断された山塊が多く、捕獲しやすいエリアに猟が集中すればその地域だけ特定の動物の個体群が激減・絶滅するという事態も考えられます。 今回の連載では、転換点に差し掛かったといえる狩猟の世界について、様々な切り口から見ていきたいと思っています。
(「鳥海マタギ」後世に:秋田)
鳥海山麓で狩猟を生業なりわいとしていた「鳥海マタギ」の歴史と文化を後世に伝えるため、秋田県由利本荘市鳥海町の鳥海射撃協会が、クマの解体作業をはじめ昔の猟具やわな、生活用具などをDVDに映像で記録している。現役のマタギがいなくなって久しく、「このままでは忘れ去られてしまう」と、この春から撮影を始めた。DVDは来年3月に完成する予定で、映像の次は記録冊子を制作する。協会のメンバーは現在32人で、多くがマタギの子孫という。射撃の技術は先祖代々、受け継がれてきたといい、今も市の駆除要請に応じてクマの捕獲に出る。これまで、春クマの解体作業や山の神様にささげる儀式、ウサギやカモの猟、鉛を溶かして弾丸を作る工程などのほか、四季折々の山の風景をDVDに収録した。11月からは秋クマの捕獲を撮影する。中間報告を兼ね、先頃、地元で資料展を開き、クマを捕獲するわな「オッチョウ」を縮尺模型で復元した。クマが仕掛けの中の餌に食いつくと、大きな石を載せた長さ3メートルもの丸太が落ちてきて、クマを押し潰す仕組みだ。鳥海マタギは、百宅(ももやけ)、橇連(きゃんじきづら)、皿川の三つの系統に大別される。最も歴史が古いとされる百宅マタギには、平家の隠れ里伝説も伝わる。5年前に引退した最後の百宅マタギ・金子長吉さん(73)の自宅を訪ねた。現役時代、54頭のクマを仕留めたという金子さん。長年の猟で膝と腰を痛めたが、17代目のマタギはクマと山の知識なら誰にも負けない自負がある。「山のどのあたりに追い込むか、クマとの知恵比べが勝負だ」とたばこをぷかり。猟期になると今も血が騒ぐ。その百宅地区も、鳥海ダムの建設とともに水没する流れだ。皿川マタギの流れをくむ同協会副会長の三浦俊雄さん(66)は「地域に根ざしてきたマタギの文化を後世に伝えるのは、われわれ末裔まつえいに課せられた義務だ」と話している。
(シカ事故防止パネル展:北海道)
エゾシカと車との衝突事故を防ごうと道開発局は1日から、釧路市昭和の大型スーパーで啓発活動を行い、買い物客らに事故防止を呼び掛けている。 秋から冬にかけてエゾシカの衝突事故が多くなることから例年この時期に行っている。展示場所のイオンモール釧路昭和店内には、道釧路総合振興局や道警釧本のデータを基にしたエゾシカの行動や衝突事故の写真、エゾシカと遭遇した体験談などが紹介されている。また、エゾシカ衝突事故マップを配布し、事故が多く起きている道路やエゾシカを見たらすぐに減速するなどの注意ポイントをアピールしている。3日まで。
(カモ、空覆う大群:滋賀)
シベリアなどから越冬のために南下したカモの大群が1日、草津市志那町の琵琶湖で見られた。空を覆う様子は、ヒッチコックの映画「鳥」のワンシーンのようだ。多くはホシハジロで、キンクロハジロも交じっている。ホシハジロの一部は台湾まで南下するといい、羽を休めるため立ち寄った琵琶湖で、釣り船などに驚いて一斉に飛び立ったとみられる。湖北野鳥センター(長浜市湖北町)の植田潤さんは「大群は2週間ほど前まで湖北で確認されていた。南部には今年、初飛来した可能性がある」と話している。
(ニカワに変われ:広島)
神石高原町の県立油木高が、獣害対策で駆除されたイノシシの皮を利用して、ニカワの製造に取り組んでいる。文化財の修復や墨の原料として使ってもらおうと生徒3人が発案した。高校生による地域活性化のアイデアを競うコンテストの西日本地区大会で準優勝し、11月に開かれる全国大会に出場する。3人は1年の宮本麗うららさん(16)、藤井彩さん(16)、村竹由梨さん(16)。同校で手掛けるミツバチ飼育を手伝っていた時、イノシシなどの獣害から巣箱を守ろうとインターネットで調べたのがきっかけだった。町によると、昨年度はイノシシ約1000頭が駆除され、肉は食用に加工、販売されたり、自家消費されたりしているが、皮は多くが廃棄されるという。宮本さんは「もったいないので、活用できないかと思った」と話す。ニカワは牛の皮などが原料で、文化財の修復、墨を作る際の接着剤などに使われる。日本ゼラチン・コラーゲンペプチド工業組合(東京)や製造業者によると、生産量は減少傾向で、「特に文化財などの補修に使うニカワは、需要が限られるうえ、伝統的な製法で作るため、全国的にも生産が少ない」という。3人はイノシシの皮でニカワを作れないかと考え、教諭に相談。放課後に試作を始め、皮を切って毛を刈り、煮詰めた後、ガーゼでこして乾燥させ、使う際には煮戻した。実験を重ねて水の量を調整し、煮る温度を一定に保つと、十分な粘り気が出るようになった。生徒らは「活用してもらうには、作りやすさや使いやすさも重要」と考え、煮てガーゼでこしたものを真空パックにした。取り組みは、福岡市で4日に開かれた農家や地域の活性化を目指すアイデアコンテスト「全国高校生みんなDE笑顔プロジェクト」(全国農業協同組合中央会主催)で発表し、西日本地区大会で準優勝。11月23日の全国大会(東京)への出場を決めた。3人は「毛は抜くことができず、硬くてキッチンばさみで刈り込むのも大変だった」と口をそろえる。今後は、皮を細かく切り、ガーゼで丁寧にこすなど毛を簡単に処理する方法を模索し、品質向上を図るという。将来は所蔵品の修復などにニカワを使う美術館との連携や、地元の間伐材を燃料にした薪ストーブを使い、出たすすとニカワの墨作りも考えている。3人は「駆除されるイノシシがニカワとして地域を元気にする起爆剤となり、日本の文化財を守る宝に生まれ変わってほしい」と意気込んでいる。
(「熟成ジビエ」料理:東京)
東京都中央区の和食料理店「小熊」は10月下旬より、「熟成ジビエ」メニューを提供している。ジビエ料理」とは、野生の鳥獣を素材とした料理。11月~1月頃までが最盛期で、同店では「鳩」「青首鴨」「ヤマシギ」「タシギ」「キジ」「ドンコ(猪の仔)」「エゾシカ」など希少な食材を料理に仕立て提供する。何が供されるかは当日までわからないという。中でも極少量とされる「鳩」は、一羽400g前後の中サイズを選定。約1週間熟成させることで旨味を引き出し、提供直前に炭火で軽く炙っても、しっとり柔らかい質感のまま味わえるという。ムネ肉、ササミ、モモ肉、手羽と半身分をひと皿に盛り付けることで、部位ごとの味わいの違いを楽しめる。付け合わせには、香ばしい丹波枝豆、とろりと甘い完熟サルナシ、濃厚なセミドライトマトを選んだ。

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