<射撃ニュース11月>

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(クレー射撃、念願の日本一達成:岩手)
一関市青葉1丁目の武内重人さん(62)が、全日本クレー射撃選手権大会のスキートの部で優勝した。同大会の優勝は本県選手で初めて。武内さんは25日、市役所に勝部修市長を訪ねて日本一の喜びを報告し、2016年の岩手国体に向けて「今回の調子を維持しながら若い人を育て、岩手を優勝に導きたい」と意欲を語った。同大会は9月21、22の両日、福岡県立総合射撃場で開催された。7度目の出場となった武内さんは5ラウンドの合計113点で、上位6人によるセミファイナルに進出。さらに4人に絞り込まれるメダルマッチの上位2人に入り、盛岡市の村谷信明さんに競り勝って初優勝を飾った。武内さんは22歳の頃に猟友会の親戚の勧めでクレー射撃を始めた。約10年間続けた後、しばらくの間競技を離れたが、射撃仲間の誘いをきっかけに54歳で再開。国体には08年から6回出場しており、09年に個人3位入賞など輝かしい成績を残している。現在は花巻市クレー射撃場で月2、3回の練習を行い、東北地方を中心に1シーズンにつき20~30試合を戦っているという。同日は妻のあけみさん(53)、県クレー射撃協会の佐藤力副会長と共に市役所を訪れ、優勝盃を披露。勝部市長は「これを機に国体に向けて競技人口が増えてくれれば。おめでとうございます」とたたえた。武内さんは「優勝は絶対的な目標だったのでモチベーションや集中力を高く維持できたし、1ラウンドの調子が良くて勢いに乗った。大きな自信になった」と悲願達成の喜びをかみしめ、岩手国体に向けては「クレー射撃は若いうちに始めた方がいいので、これからは経験を生かして後輩の指導にも力を入れたい」と決意。大会では本県選手が上位を争い、県勢初の優勝をつかんだとあって、佐藤副会長は「再来年の国体に向けて非常に喜ばしい結果」と今後に期待を寄せていた。
(熊の目撃情報:宮城)
11月27日(木)午後6時頃、登米市東和町錦織二良根地内で、熊の目撃情報がありましたので、付近を通るときは十分注意してください。また、山に入るときは、鈴などの音の出るものを身に着けるなどの対策を行いましょう。
(ニホンジカのはねられた死体発見:青森)
東北地方環境事務所は27日、世界自然遺産・白神山地の緩衝地域から約20キロ北の深浦町北金ヶ沢の農道で、軽乗用車にはねられたニホンジカの死体が確認されたと発表した。同事務所によると、シカは21日午後3時半頃、町内の男性の軽乗用車にはねられて死んだ。町教委職員が、長い角や体毛などの特徴から雄のシカと確認した。町では10月14~15日にも、白神山地に近い国有林に設置された監視カメラに、ニホンジカの姿が3回にわたり捉えられていた。町農林水産課は「目撃情報はこれまでもあったが、死体が発見されたのは初めて。樹皮被害の確認などを進めたい」としている。
(イノシシ、目撃情報10件:愛媛)
松山市中心部で25日夜、イノシシの目撃が相次いだ。松山東署などによると、4キロ圏内で約25分間に10件の目撃情報があり、住民に注意を呼び掛けている。けが人などの被害は確認されていない。25日午後7時40分ごろ、松山市拓川(たくせん)町の拓川市民運動広場付近で男性がイノシシに気付き110番通報。その後、市内の柳井町商店街やホテル前、繁華街の二番町や三番町などで目撃された。同8時5分ごろ、「道後公園にイノシシが入った」との情報が寄せられ、同署などが園外に市民を避難させ7カ所の出入り口を封鎖。周辺を捜索したが見つからなかった。26日は、午前10時から松山猟友会のメンバーらが公園内を捜索。東口付近の約100メートルの範囲に複数の足跡や血痕が確認されたがイノシシは見つからず、約40分で打ち切った。猟友会によると、イノシシは体重60キロ、体長1メートルほど。けがをしており、温泉旅館や山がある北へ向かったとみられる。
(生息域広げるニホンジカ、早めの対策を:福島)
農作物への被害が心配されるニホンジカの生態と対策を学ぶセミナーが会津若松市で開かれた。尾瀬で問題となっているニホンジカによる食害だが、南会津町と昭和村にまたがる駒止湿原でも、貴重な植生を荒らす被害が確認されたほか、猪苗代町や会津若松市では、足跡が見つかるなど、少しずつ、生息域を広げているとみられる。そのニホンジカの生態と対策を学ぶセミナーには、自治体や農業関係者など、およそ50人が参加した。講演した麻布大学の南正人准教授は、「シカの存在を確認したら、早めの対策をしてほしい」と呼びかけた。*麻布大学・南正人准教授インタビュー「(福島県内は)少しシカが増えて来たっていう程度だと思うんですが、地域によっては、ここから5年ぐらいで数倍になるような感じで増える事がありますので、警戒を早めにしたほうがいい」多くの自治体では、具体的な対策がとられておらず、調査などを続けながら方策を検討する考え。
(柵設置で順調に回復:和歌山)
和歌山森林管理署(田辺市新庄町)は26日、田辺市鮎川の大塔行政局で大塔山山頂保全検討会を開き、有識者や自治体関係者ら13人が参加した。頂上に設置した防護柵の効果で、誤伐された自然林が、順調に回復していることが報告され、今後も人手を加えず、自然の推移に委ねた保護管理をしていくことを確認した。本来は山頂で現場の植生を見ながら検討会を開く予定だったが、雨天のため会場を変更した。管理署からの経過説明に続き、追跡調査を依頼されている県自然環境研究会の水野泰邦副会長が現状を報告した。水野副会長は、全体的には防護柵設置によって植生は順調に回復していると評価した上で「ブナの高木、大木の枯死や衰弱が続いている」と指摘。その原因は分からないとしながらも、伐採によってブナ林が衰弱し始めてから手だてをするまでに数年放置され、その間に林内環境が悪化、地上部だけでなく地下部まで疲弊している可能性があると推測した。最後に「森林の回復には長い時間を要するため、基本的には人手を加えずに長いスパンの中で経緯を見守りたい」と締めくくった。また、シカの食害で裸地になった山頂付近の通路に昨年3月、シカの侵入を防ぐ扉を設置したことで、雑草木などが生えた写真なども紹介した。意見交換では、頂上付近で狩猟をしてシカの生息密度を下げられないかという提案が出たが「あそこまでハンターが行ってくれるのか」「箱わなの資材を上げるのと見回りが大変」などの意見があり、管理署が県に問い合わせて対応を検討することになった。次回の検討会は2015年秋に山頂で行う予定。
(シカ肉使った調理実習:北海道)
標茶高校(生田仁志校長)は22日、課題研究「食品ゼミ」と乳製品加工を選択する2、3年生10人が、エゾシカ肉料理に挑戦した。生徒たちは、釧路管内に広く生息するエゾシカの有効活用を研究。今回は部位ごとに適した料理法を学ぶことを目的に、中標津町の栄養満点カフェ・ループの代表で栄養士の佐藤あゆ美さんが講師を務めた。生徒たちは、佐藤さんからエゾシカ肉が高タンパク、低脂肪でヘルシーな食材であることなどの説明を聞いてから、すね肉のザンギとネック肉を使ったチンジャオロースを調理。参加した生徒たちからは「エゾシカ肉は苦手なイメージだったが、とてもおいしかった」「おいしいだけではなく、体にも良いことが分かった」「ほかの料理にも活用できそうな調理法で勉強になった」といった声が寄せられていた。
(「地元食材」イノシシ活用:千葉)
捕獲したイノシシの有効活用を図ろうと、市原市主催のイノシシ肉料理の講習会が27日、千葉市中央区で開かれた。市原市内の飲食店など5店舗が参加し、仏料理のシェフから調理の手ほどきを受けた。農作物などを荒らすイノシシの捕獲を行っている同市は、食用として活用するため、野生獣解体処理施設を持つ大多喜町と昨年12月に「イノシシ肉の販売促進に関する協定書」を締結していた。今回の講習会はその一環で、市内の飲食店などでも積極活用してもらおうと初めて開催された。講習会には、渡仏経験があり料理コンサルタントとして活躍する多田鐸介(たくすけ)シェフ(48)が招かれ、ジビエ(野生鳥獣)料理の実演指導を行い、ハムや赤ワイン煮込みなど6品が作られた。調理のポイントは殺菌と、肉を軟らかくするために時間をかけて火を通すことだという。また、独特の臭みを消すためにスパイスやハーブがふんだんに使われ、日本人の味覚に合わせるために緑茶を使うメニューも登場し、参加者を驚かせた。市原市不入のレストラン「ピッツェリア ボッソ」の稲垣佐知子さん(38)は「臭みが取れていておいしい。地元の食材だから使ってみたい」と話した。イノシシ肉は、道の駅の「たけゆらの里おおたき」(大多喜町石神)がロースを1キロ3千円などで販売。県外からの発注もあり、関係者は「新しいブランドとして展開していきたい」と期待を寄せている。
(カモ肉出荷盛ん:秋田)
秋田県八郎潟町字川口のマガモ生産組合加工販売所(小野源一所長)で、カモ肉の出荷がピークを迎えている。お歳暮や宴会用としての需要が多く、県内外からカモ鍋セットの注文が相次いでいる。27日は、組合員ら3人が午前8時から処理作業に追われ、鮮やかな手つきでカモをさばいていた。同組合は毎年、大阪の業者からひな約1500羽を購入。5月に大潟村で有機農業に取り組む農家に貸し出し水田で育ててから、組合員が飼育する。大豆やニワトリの肉を与えて太らせた後、10月下旬から出荷作業が始まる。血抜き後に羽を取り、解体する。スーパーなどの小売店には卸さず、客に直接販売、発送している。

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(クマに襲われ新聞配達の男性けが:滋賀)
27日午前2時半ごろ、滋賀県長浜市尊勝寺町の路上で、新聞配達中だった男性(48)が背後からクマに襲われ、顔や頭を負傷した。長浜署によると、男性は自ら119番し、命に別条はない。現場は田畑や住宅が点在する地域。約4時間半後に地元猟友会が50メートルほど離れた竹やぶでクマを発見、射殺した。長浜署によると、ツキノワグマで体長約1・25メートルの雌。同署管内では11月に入ってからクマの目撃は13件目で、17日にも男性(72)が襲われ、腕や手首にけがをした。
(住宅街にイノシシ、男性かまれ重傷:山口)
23日午後4時頃、山口県岩国市室の木町4の住宅街にイノシシが現れ、路上を歩いていた近くの男性(71)が頭や手などをかまれて重傷を負った。イノシシは近くの住宅の庭に逃げ込み、約2時間後、同県警岩国署員や地元猟友会のメンバーら約20人が囲い込んで殺処分した。同署の発表では、イノシシは体長約1・2メートル、体重約100キロ。近くの山から出てきたとみられる。
(市街地にクマ、男性重傷:岐阜)
20日午後3時10分ごろ、高山市城山の城山山林の遊歩道で、散歩中の無職男性(65)=同市西之一色町=がクマに襲われた。男性は顎の骨を折るなど全治3カ月の重傷。約1時間後、地元猟友会員が現場近くの山林でクマ1頭を射殺した。高山署などによると、現場はふもとの山王児童公園から山頂の城山公園に続く遊歩道。男性は1人で山頂に向かう途中で襲われた。猟友会員らが現場から約100メートル離れた山林で発見し、射殺した。クマは雄の成獣で、体長約1.4メートル。現場は観光客でにぎわう同市の古い町並みから南に約1キロ。周辺では今年9月以降、クマの目撃情報が6件あり、18日にも出没したばかりだった。現場付近の畑で農作業をしていた山蔵和子さん(70)は「ほかにもいるかもしれない。作業をするのが怖い」と話した。同市内の今年のクマ出没件数は、例年の約3倍の439件と過去最多。今月も116件の目撃があり、同市などは引き続き注意喚起を行っていく。
(カモ類から鳥インフル検出:鳥取)
鳥取県と環境省は27日、鳥取市気高町で18日に採取されたカモ類のふんから、高病原性の鳥インフルエンザウイルスを検出したと発表した。鳥取大が採取した。環境省は27日、採取した地点の周辺10キロ圏内を野鳥監視重点区域に指定した。一方、環境省によると、宮城県栗原市で19日に見つかったオオハクチョウの死骸を確定検査した結果、高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されなかったことも判明した。簡易検査で陽性反応が出ていた。環境省は周辺10キロ圏内を野鳥監視重点区域に指定していたが27日に解除した。
(鳥インフルは高病原性H5N8亜型:千葉)
千葉県で今月18日に2羽のカモの糞から鳥インフルエンザウイルスが検出された問題で、環境省が確定検査を行った結果、これらは毒性の強い高病原性の「H5N8亜型」のウイルスであることがわかった。発見場所から半径10キロ以内の「野鳥監視重点区域」で野鳥の飛来状況を調査するなど、監視体制を強化している。千葉県では18日、長柄町(ながらまち)で県職員が渡り鳥の糞便調査を行ったところ、2羽のカモの糞から「H5N8亜型」の鳥インフルエンザウイルスを検出。確定検査を行った結果、高病原性の「H5N8亜型」鳥インフルエンザウイルスの陽性反応を確認した。環境省では、20日から発見場所の半径10キロ以内を「野鳥監視重点区域」に指定。23~25日までの3日間、野鳥の専門家でつくる緊急調査チームを派遣して、野鳥の飛来状況について調査を行った。その結果、野鳥・ホシハジロの死骸1羽を確認したが、簡易検査を行ったところウイルスは陰性だったほかは、大量に死んだり、異常行動が確認されたりすることは無かったという。環境省では今後も定期的に糞便の採取を行うなど監視活動を続けていく。一方、今月13日に東京都江東区で野鳥のホシハジロの死骸が見つかり、遺伝子検査で「A型」の鳥インフルエンザウイルスが検出された問題について、確定検査を行った結果、高病原性のウイルスは確認されなかった。当初の検査では、ウイルスはこの個体がもともと持っていたウイルスに反応した可能性が高く、死因は別の原因であると見て、環境省では江東区の「野鳥監視重点区域」を解除した。
(改正銃刀法が成立、競技用空気銃10歳から)
競技用空気銃の使用を特例で認める年齢を現在の「14歳以上」から「10歳以上」へ引き下げた改正銃刀法が21日の衆院本会議で可決され、成立した。来年5月までに施行される予定。本人は銃を保管せず、指導員の監督下で撃つことを条件に都道府県公安委員会が認定すれば、10歳から射撃できるようになる。2020年の東京五輪・パラリンピックでメダル量産が期待できる種目だとして、競技団体などが年齢制限の緩和を要望していた。
(ライフル射撃協会、五輪を都心での開催要望へ)
日本ライフル射撃協会は22日に開いた理事会で、2020年東京五輪のライフル射撃の競技会場を都心にするよう大会組織委員会に要望することを決めた。現在の開催計画では、埼玉県朝霞市などに立地する陸上自衛隊朝霞訓練場内の仮設会場となっている。要望は国際射撃連盟(ISSF)の意向を受けたもの。日本協会の松丸喜一郎専務理事は「(朝霞の場合、ISSFは)観客がいっぱいになるのかを心配している」と話した。
(ハンター減歯止めに狩猟税廃止を)
シカなどの野生鳥獣による農作物被害を防ぐ担い手となるハンターの減少が深刻化する中で、環境省はハンターが納める狩猟税の廃止を求め、関係省庁などに働き掛けを強めている。狩猟者の高齢化に加え、銃規制が強化されるなど、近年ハンターを取り巻く環境が厳しさを増しているだけに、地元の猟友会や行政関係者はこの動きを注意深く見守っている。
(空気銃など91丁所持、銃刀法違反で男逮捕:高知)
愛知県豊田市高岡町の自宅と不動産会社事務所で銃を計91丁所持したとして、高知県警組織犯罪対策課と高知署は26日、銃刀法違反(所持)容疑で、不動産会社社長岡本和義容疑者(65)を逮捕した。同課によると、容疑を認めている。逮捕容疑は7月1日、自宅と会社事務所で、ミニチュアガン8丁、空気銃8丁、準空気銃75丁を所持した疑い。鑑定の結果、いずれもベニヤ板を貫通するなどの威力があり、銃刀法で規制される銃に該当すると判断した。 
(実弾900発、火薬3キロを無許可所持容疑の35歳男を再逮捕:大阪)
許可なく実弾約900発や火薬約3キロを所持していたとして、大阪府警保安課は24日、火薬類取締法違反容疑で、大阪府寝屋川市三井南町、無職、山下晋吾容疑者(35)=銃刀法違反容疑で逮捕=を再逮捕した。再逮捕容疑は6月、自宅で猟銃用の実弾910発や火薬約3・3キロなどを無許可で所持していたとしている。実弾を所持するには、火薬類取締法に基づき、都道府県の公安委員会の許可を得る必要があるが、山下容疑者は「猟銃の販売許可を持っているので、火薬も所持できると思った」と供述しているという。府警によると、800発を超える実弾を所持する場合は、鍵のついた強固な火薬庫で保管しなければならないが、山下容疑者は自宅の床に銃や実弾を無造作に置いていたという。府警は6月、散弾銃を違法所持したとして銃刀法違反容疑で山下容疑者を逮捕し、自宅から猟銃など21丁と実弾約4500発を押収。大阪地検が7月から4カ月間、鑑定留置して刑事責任能力があると判断したが、同容疑についてはこの日、処分保留とした。
(初のジビエ衛生指針通知、安全利用を徹底)
厚生労働省は、野生鳥獣肉(ジビエ)の衛生指針(ガイドライン)を定め、都道府県に通知した。ジビエで衛生指針を作成したのは初めて。狩猟者やジビエを扱う飲食店関係者に対し、安全な鹿やイノシシの肉が流通するようガイドラインの徹底を求めている。ガイドラインでは主に(1)狩猟する(2)肉を運搬・下処理する(3)調理する――の3段階に分け、注意事項を提示。具体的には銃やわなで捕獲した場合の放血・内臓摘出の方法、調理する際に肉を75度で1分以上加熱することなどを盛り込んだ。同省が10月、ガイドラインについて国民から意見を募集したところ、ジビエの安全性を高めるため、狩猟者らに周知徹底するべきとの意見が目立った。こうした指摘を踏まえ、関係者向けの研修会の開催や、狩猟者・食肉処理業者の認定・登録制度の策定などを都道府県に求めている。5月の鳥獣保護法改正で今後、鹿やイノシシの捕獲数が増えることを見据えてガイドラインを作成した。これまでは狩猟が盛んな北海道などが定めたものしかなかった。
(クマ出没で、公園を封鎖:岐阜)
高山市の城山公園近くの山中で二十日、市内の無職男性(65)がクマに襲われ重傷を負ったことを受け、市は公園を当面封鎖することを決めた。周辺には住宅街や小中学校、児童公園があり、市中心部の観光名所の古い町並みからも近く、観光客も訪れる。二十日には猟友会員が男性を襲った可能性のあるツキノワグマ一頭を射殺したが、二十一日早朝にも公園管理事務所の職員がパトロール中に別のクマ一頭を目撃。他にもクマがいる可能性がある。市は、城山公園の入り口十五カ所に立ち入り禁止の看板やロープを設置している。
(イノシシが出没し逃走中:神奈川)
神奈川県藤沢市と茅ヶ崎市で、イノシシの目撃情報が相次いでいる。問題のイノシシは24日夜に茅ヶ崎中島、同市漁港付近、藤沢市の片瀬1丁目交番付近で目撃された。そして25日早朝には藤沢市片瀬2丁目の住宅街でも目撃されている。たかがイノシシと思う方も居るだろうが、「猪突猛進」と言う言葉もあるように、非常に素早く移動する事が出来る動物で、突進力がかなり強い。また、鋭い歯と尖った爪も危険だ。体重も重く、体当たりをされた場合、吹き飛ばされる可能性が高い。住宅街でも発見されており、子供を持つ世帯は特に注意が必要だ。警察や市ではいずれも同じイノシシと見ており、仮に目撃したとしても「近づいたり大声を出さないで欲しい」と市民に呼びかけている。26日以降目撃されていないが、捕獲されたと言う情報もなく、まだまだ注意が必要だ。場合によっては、横浜市に侵入している可能性もある。
(通学路にイノシシ、用水路で捕獲し処分:徳島)
20日午前7時ごろ、上板町の東光小学校の通学路周辺にイノシシが出没し、町職員らによって1時間後に捕獲された。児童の通学時間帯だったが、けがなどはなく、イノシシは殺処分された。町産業課などによると、最初の目撃から約30分後、イノシシが同校から約400メートル離れた同町椎本の民家の敷地内に潜んでいるのを住民が発見した。その後、イノシシは民家を飛び出し、用水路に落ち込んで出られなくなったため、町職員が用水路内におりを仕掛けて追い込んだ。現場は同校の通学路のそばで、町職員や板野署員、教員ら約10人が付近を警戒した。集団登校する児童の列が通学路を通り過ぎた直後、民家からイノシシが飛び出したため、児童は無事だった。近藤正憲校長は「児童と遭遇しなくて良かった」と、胸をなで下ろしていた。捕獲されたのは体長約80センチの雄の成体だった。町内では13、19の両日、別の住宅地でイノシシが目撃されており、町は引き続き防災無線で警戒を呼び掛ける。
(イノシシと車が衝突:栃木)
24日午前0時40分ごろ、栃木市藤岡町の渡良瀬遊水地第3水門北西約700メートルの道路上で、同市、自動車販売業男性(49)の乗用車が、草むらから飛び出してきたイノシシと衝突した。男性にけがはなかった。栃木署によると、イノシシは体長約1・5メートルあったという。
(侵入のクマが病院内を歩き回る:福井)
23日午前6時半ごろ、福井県勝山市滝波町5丁目の医院内にクマ1頭が侵入した。クマは院内を歩き回った後、ガラスを割って外へ去った。院内には看護師や入院患者数人がいたが、けが人はなかった。院長が医院駐車場で体長約1メートルのクマを目撃。クマは正面玄関の自動ドアから侵入し、2階などを歩き、別の出入り口のガラスを割って外へ逃げた。市や猟友会、警察が周辺を探したがクマは見つからなかった。現場周辺は住宅や飲食店、小中学校があり、市は周辺をパトロールするなどして注意を呼び掛けている。
(住宅街を走る電車にイノシシが:東京)
住宅街を走る電車にまさかの事態です。JR武蔵野線の電車が異常な音で突然、停止。線路の横にはイノシシが倒れていました。21日午前7時すぎ、東京・府中市のJR武蔵野線北府中と西国分寺駅間で、走行中の電車の運転士が異常な音を聞いたため、非常ブレーキを掛けました。運転士が周りを調べると、重さが約80kgのイノシシ1頭が線路の横で死んでいるのが見つかりました。乗客約600人にけがはありませんでした。この影響で、電車は15分間、停車しました。直前には、現場周辺でイノシシの目撃情報が相次いでいました。JR東日本によりますと、東京の郊外でイノシシと電車が衝突することは珍しいということです。
(道後温泉近くにイノシシ出没、注意呼びかけ:愛媛)
25日夜、愛媛県松山市の繁華街などで「イノシシがいる」という目撃情報が相次ぎ、県では、最後に目撃された道後温泉近くの公園を捜索のために一時封鎖するなど、警戒にあたっています。公園内では数か所にイノシシの足跡が見つかり、猟友会などによると、体重はおよそ60キロ、竹の柵を突き破り、公園を出た後、山へ向かったとみられています。これまでのところ、けが人などの被害は出ていないということですが、県では、イノシシを見つけても近づかないよう注意を呼びかけています。
(公園に子グマ?小学生が目撃:北海道)
24日午後3時30分ごろ、苫小牧市明徳町4の錦多峰公園で遊んでいた小学生が子グマらしき動物を目撃した。連絡を受けた市は夜から公園を閉鎖した。25日朝は、近隣の小学校の教員らが公園周辺の通学路で警戒に当たっている。子グマとみられる動物は、3人で遊んでいた児童のうちの1人が目撃。その保護者が午後4時40分ごろ、110番通報した。児童は、公園内北部分のささやぶで、うずくまっている子グマを見つけたという。市は午後9時から公園にロープを張るなどして閉鎖するとともに、クマ出没を知らせる看板を設置した。苫小牧署は午後4時50分ごろからパトカーで付近を警戒、猟友会も付近を捜索した。道猟友会苫小牧支部の荒木義信支部長によると、25日午前6時30分から再び現地を確認、錦多峰川の川岸を公園付近から錦多峰浄水場までを捜索したが、足跡などの発見には至らなかったという。目撃現場の同公園は、錦多峰浄水場から南に300メートルほどにあり、住宅街にも近い。約700メートル西にある明徳小の校区内。道路を隔てて北に雑木林、西には市営住宅明徳団地が隣接しており、通学路にも面している。毎朝、知人らと同公園で体操を楽しんでいるという男性(91)は「朝、看板が立っているのを見てびっくりした。シカはよく見掛けるが、クマは最近だと珍しいですね」と話していた。
(ニホンジカが目撃:秋田)
生息数は少なくても環境に大きな影響を与える生物をキーストーン(要石)種と呼ぶ。繁殖力が強く、群れて植物を食べ土地を丸裸にしかねないニホンジカはキーストーン種の代表格だ。扱いを間違えると生態系が破壊されかねない。県内でニホンジカの目撃数が増えている。県の調べでは過去5年間で35頭だったのが本年度は既に25頭。以前は奥羽山脈沿いだったが、にかほ市象潟町や男鹿市脇本百川(ももかわ)など沿岸部にも出没している。ニホンジカはもともと東北地方に広く生息していたが、江戸から明治期にかけて狩猟によって激減した。県内では70年ほど前に男鹿半島で目撃されたのを最後に絶滅したとみられ、北東北の生息地は岩手県北上山地南端の五葉山(1351メートル)1カ所まで狭められた。その五葉山でも乱獲で生息数が減ったため、岩手県は一時期シカ猟を禁じた。ところが1970年ごろから数が増えて農林業の被害が目立つようになる。一転して捕獲に乗り出したものの既に生息域は全県に広がり、昨年度の農業被害は3億円に達した。秋田県内でいま目撃されているニホンジカは、岩手県側から移動してきたとみられる。シカに言わせれば失地回復かもしれないが、いずれ被害は農林業だけでなく白神山地にも及ぶだろう。早期対応こそ要の石である。
(野生のトドが出没:北海道)
24日午前9時50分頃、住宅街の道路にトドがいるところを住民が見つけ、町の職員が10人がかりで保護し、軽トラックに乗せて海に帰しました。トドは通常、日本海側ではよく見られますが、オホーツク海側の、しかも、漁港から250メートルも離れた場所で見つかるのは極めて珍しいそうです。
(ニホンジカ、農道で事故死:秋田)
白神山地の世界自然遺産登録区域の北約20キロの青森県深浦町内の農道で21日、事故死したニホンジカが見つかっていたことがわかった。ニホンジカは近年生息域を広げており、白神山地のブナ林が食害を受ける可能性があるとして関係機関が警戒を強めている。町などによると21日午後、北金ケ沢の西海岸広域農道でシカが車と衝突した。町職員が写真撮影などをした後、林に埋葬したという。東北森林管理局津軽白神森林生態系保全センターの石田和彦所長によると、角の状態からこのシカは3歳以上のオス。オスは新天地を求める傾向があるといい、石田所長は遠方から移動してきた個体ではないかと推測する。「侵入経路を確認し、科学委員会の意見をふまえながら対応していく」と話した。青森県によると10月に深浦町で2件、弘前市で1件の「ニホンジカを見た」との通報があった。
(住宅街にイノシシ3頭出没:新潟)
23日正午すぎから午後1時ごろにかけ、小千谷市日吉などでイノシシ3頭が走り回っているとの通報が住民から小千谷署などに相次いだ。同署によると、イノシシは小千谷市元町の介護老人保健施設の窓ガラス1枚を割り、同市西吉谷では軽乗用車に衝突しバンパーをへこませた。イノシシはいずれも体長約60センチで、信濃川左岸の住宅街で目撃された。軽乗用車に衝突したのはそのうちの1頭で、同市時水方面の山中へ走り去ったという。小千谷署などが付近を探したが、他の2頭も見つからなかった。
(県道でクマ目撃:栃木)
那須塩原署によると、27日午前10時22分ごろ、那須塩原市横林の県道で、男性が車で北進中、前方の道路上を西から東に横断するクマ1頭を目撃し、110番した。同署によると、クマは体長約1メートル。現場は同市横林小から北に約1キロという。同署で付近を警戒するとともに、注意を呼び掛けている。
(県道でクマ目撃:富山)
22日朝、黒部市中陣の山あいの県道交差点でクマが道路を横切るのを通りかかった人が目撃し警察に通報しました。黒部警察署や黒部市の職員が周辺を捜索しましたが見つからず、近くの住民に注意を呼びかけています。22日午前6時40分ごろ、黒部市中陣の県道福平・石田線の交差点で、車で通りがかった人がクマが道路を横切るのを目撃し警察に通報しました。クマは体長1メートルぐらいで、魚津市の方向から山あいにあたる黒部市の阿古屋野方向に向かって道路を横切ったということです。警察と黒部市の有害鳥獣捕獲隊、市の職員が周辺を捜索しましたが見つからず、警察と市は近くの住民に注意を呼びかけています。
(公園近くでクマ目撃:新潟)
20日午前10時半ごろ、津南町下船渡の中津川運動公園脇の斜面でクマ1頭を目撃したと、公園の雪囲い作業をしていた男性が町を通じて十日町署に通報した。同署などによると、クマは体長約80センチで、住宅や商店が並ぶ国道405号方面に向かった。現場付近には県立津南中等教育学校があり、職員が周辺の道路で生徒の下校を見守った。津南小では児童が職員の引率で下校した。
(GPSでエゾシカの生態・追跡調査:北海道)
環境省釧路自然環境事務所は雌のエゾシカに衛星利用測位システム(GPS)付き発信器を装着させた行動追跡調査を行っているが、今年2月、釧路湿原国立公園内の釧路町達古武で放したシカが標津町に移動した後、ほぼ同じルートで越冬地とされる達古武方面に戻っていることを突き止めた。釧路湿原に生息するシカが規則的に往復する「季節移動個体」と判明した初のケース。シカの的確な捕獲手法を確立するための興味深いデータとして注目を集めそうだ。
(動物が逃げ出したら…捕獲訓練を実施:石川)
飼育している動物が逃げ出したことを想定した捕獲訓練が26日、能美市のいしかわ動物園で行われた。この訓練は、震度6強の地震が発生し、飼育施設が壊れ、雄のオランウータン「ブロトス」が脱走したという想定で行われた。ブロトスは、2009年に綱渡り用の鉄塔から落下し、逃げ出したほか、12年には職員がカギを閉め忘れ、施設内の管理通路に脱走したことがある。訓練では、車に乗った職員や猟友会のメンバーらが入口の広場に誘導し、獣医が吹き矢で麻酔を注射。ブロトスを捕獲した。園では2008年にもチンパンジーが脱走しており、いしかわ動物園では「もしもの時に備え、連携を密にしたい」と話していた。
(シカと衝突防止へ実証実験:岩手)
JR釜石、山田両線で列車とシカの衝突事故が増えている。本年度は10月末現在で136件(前年同期比46件増)となり、山田線は既に2013年度の1年間を上回る。個体数の増加に捕獲が追いつかず、さらなる増加と生息域の拡大を招いている。事故は年々増加傾向で、JR盛岡支社はシカ類の「忌避剤」などの実証実験を重ね、事故防止につなげたい考えだ。県によると、ニホンジカは五葉山地域から生息域を広げ、今では早池峰山周辺から県内ほぼ全域に拡大。13年度の県内のシカ捕獲実績は9619頭と、12年度の2倍以上に上った。同支社は07年、野生動物と列車の衝突事故が相次いだことを受け、岩手大などと協力してライオンのふんの抽出物から作る忌避剤を開発し実用化。今年5月末には釜石線沿線の4キロ区間に散布し約50日間、事故ゼロの効果があった。同線ではシカの侵入防止ネット整備も進め、11年度までに2・2キロ区間で設置を完了。シカの嫌がる音が出る「忌避音装置」を走行中の列車に装着し、効果を検証中という。
(ヒノキにテープ、シカ食害防止:愛媛)
愛媛県内に豊かな森を育てようと、伊予銀行(松山市)は22日、松山市横谷の県営林で、ニホンジカの食害防止テープをヒノキに巻き付けるボランティア活動に取り組んだ。高縄山の麓に位置し、樹齢40年以上のヒノキなどが広がる「伊予銀行エバーグリーンの森」(11.5ヘクタール)では近年、シカによる枝葉や樹皮の食害や角こすりの被害が深刻化。行員ら約40人が県職員の指導で、環境にやさしいトウモロコシを原料にした食害防止テープを幹に巻き付けていった。巻き付けることでヒノキを人工物に見せかけて警戒させ、食害を防止する効果があるという。
(丹波舞台に狩猟ドラマ)
丹波で猟師をめざす女性の生き方を描いたテレビドラマ 「狩猟雪姫」 が11月29日午後3時から、 関西テレビで放送される。 主演の小島藤子さん (20) をはじめ、 駿河太郎さん (36) や栗山千明さん (30) =特別出演=らテレビでおなじみの俳優が出演する。 24日午後3時25分からは、 同テレビで見どころを紹介する事前番組が放送される。 今年9月から市内各地でロケを行い、 ドラマの随所に市民にとっては見慣れた風景が登場する。 収録には50人以上の市民がエキストラとして出演し、 物語を盛り上げている。
(サルから畑守る新兵器「猿落君」:高知)
野生のニホンザルによる畑の作物被害が深刻な中土佐町笹場地区に、新たなサル侵入防止柵がお目見えした。サルが登ろうとすると外側にしなるようになっている柵で、住民らが新たな効果を期待している。防止柵は「猿落(えんらく)君」と呼ばれるもので、1998年に奈良県果樹振興センターが考案した。プラスチック製の細いポールに網を巻き付け、畑を囲むように設置。サルが登ろうとすると、その重みで外側にしなる。てこずらせることで侵入をあきらめさせる効果があるという。中土佐町での導入を呼びかけたのは、地域でサルの生態調査を行っているNPO法人四国自然史科学研究センター(須崎市)の葦田恵美子さん。家庭用に大根やキャベツを育てている中山浩志さん(53)がサルの被害に悩んでいることを聞き、近くのホームセンターでポール60本、網60メートルを購入。近隣住民と協力してわずか半日で完成させた。「材料費は1万9千円。電気柵に比べれば安価な上、製作も簡単」と葦田さん。
(廃棄イノシシ皮で膠作り:東京)
地域を笑顔にする高校生のアイデアコンテストの決勝大会が23日、東京都世田谷区の東京農業大であった。イノシシの皮から膠(にかわ)を作る提案をした広島県神石高原町の油木高産業ビジネス科1年のチームが優良賞を受賞した。  宮本麗さん、村竹由梨さん、藤井彩さん(いずれも16歳)の3人。ミツバチの巣箱の周囲を荒らすイノシシを研究し、捨てている皮の利用法として膠を思い付いた。製法を調べて夏休みに初挑戦。80度の湯で8時間ほど煮込み、真空パックして保存できるようになった。
(捕獲した鹿の肉など食用に:長野)
長野県諏訪郡富士見町猟友会の有志でつくる「信州富士見高原ファーム」は21日、会が捕獲した鹿やイノシシを食肉用に解体処理する施設を町内で稼働させる。これまで廃棄していた肉を無駄にせず、地元で消費につなげる。パックに詰めた鹿肉は同施設のほか、町内の道の駅や観光施設の売店などで売る計画だ。鹿などをつるして解体するスペースを設け、骨を抜いた肉を保管する冷凍庫のほか、肉の切り分けや真空パック、ラベルの印刷ができる機械をそろえた。木造平屋約100平方メートルで、旧入笠会館隣の富士見財産区の敷地内にある。20日、町などの関係者10人余が見学した。町農林係によると、昨年町が猟友会に委託して駆除した鹿は782頭、イノシシは21頭。ともに前年を上回り、近年は増加傾向。駆除した鹿やイノシシはこれまで、会員が自家消費する一部を除き土に埋めていたという。同ファームは農林水産省から6次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画の事業者に選ばれ、国の補助金を受けた。将来は、ソーセージやジャーキーなど加工食品の製造・販売も視野に入れる。代表の戸井口裕さん(65)=富士見町境=は「これからが大変だけれど、楽しみな気持ちが大きい」と話した。
(しし鍋店紹介:茨城)
石岡市八郷商工会は、名物のイノシシ肉を使った鍋が食べられる飲食店をまとめた今年度の「しし鍋マップ」(1万部)を作製した。マップは、地元猟師が食べていた「しし鍋」を街おこしにつなげようと2007年から作っている。石岡市とつくば市の計11店を店主の写真やコメントなどとともに紹介している。元々は、地元猟友会がしとめたイノシシ肉を提供していたが、福島第一原発事故が発生。放射性セシウムが規制値を上回り、地元でとれた肉が提供できない状況が続いたため、昨年度は県外の加工施設で全頭検査し、規制値をクリアした肉を仕入れてしのいできた。商工会サービス部部会長の藤岡充さん(72)は、「『しし鍋の灯は消さない』と頑張ってきた。全頭検査をした肉だけを提供しているので、安心して食べに来てほしい」と話している。
(シカ肉で地域活性化を:兵庫)
シカの肉を食材として地域活性化に生かすための「ジビエ料理講習会」がこのほど、兵庫県佐用町佐用の佐用町商工会館で開かれた。同町内の飲食店主ら約20人が参加し、ブランド確立のための調理法や販売方法を考えた。同町で、シカは農作物を荒らす有害鳥獣として駆除される。これまでも商工会青年部や飲食店などが、シカ肉を使ったコロッケやハンバーガーなどを商品化して販売。高タンパク低カロリーというヘルシーさを売りにしたメニューを考案し、観光資源にしようと模索している。今回、宝塚市のシカ料理研究家、林真理さんが講師を務めた。林さんは大学と共同で部位別の硬さを調べた結果などを基に、シカ肉本来のおいしさを生かした調理で本当のジビエ料理ファンをつくることが大切と強調。健康志向の料理に関心が高い層へのアピールが欠かせないと訴えた。参加した男性は「シカ肉料理を佐用の食文化として根付かせたい」と話していた。
(創作ジビエ、猪鹿クレープ風:愛知)
野生のシカやイノシシの肉を使った創作料理を競う「ジビエ・グルメ・グランプリ2014」で、日進市北新町の料理店「食彩阿蔵(あぐら)」が優勝した。バリアフリーにこだわった店として知られ、調理も一人で担当する店主の水野俊弘さん(51)は「食材だってバリアフリー。工夫次第でジビエもおいしく食べられる」と話す。大会は、獣害対策の一環として三年前から県が主催し、野生鳥獣の肉「ジビエ」を使ったメニューの開発に取り組んでいる。今年は今月八、九日に豊田市の道の駅「どんぐりの里いなぶ」であり、県内各地から十七団体が参加した。優勝の創作料理は、「猪鹿お好みクレープ風」。イカの塩辛とショウガを混ぜ込んだ小麦粉の生地に、薄切りにしたイノシシやシカの焼き肉、キャベツや白菜、チーズをのせ、クレープのように巻いた。店でよく食べていた賄い料理からヒントを得たという。ジビエ料理は初めてだったが、常連客に試食してもらい、二カ月間試作を重ねた。水野さんは二十歳で調理学校を卒業後、母の美津子さん(71)が営んでいた自宅近くのお好み焼き店を継いだ。しかし、次第に経営が苦しくなり閉店。自宅で倉庫として使っていた築百十年の木造二階建ての蔵を改装し、二〇〇〇年六月に現在の店を開いた。障害のある娘がいる水野さんは、年齢や性別、国籍、障害の有無を問わず、だれでも気軽にくつろげるようなバリアフリーの店にこだわった。段差のない引き戸の出入り口や手すり付きのトイレのほか、メニューもイタリアンや和食、エスニックなど豊富で、好みを問わず楽しめる。営業時間を朝昼晩の三つに分け、朝はお年寄り、昼は親子連れが多く来店し、夜は地元のスポーツ団体などが宴会などで利用する。目立たない立地の小さな店だが、地域住民の憩いの場となっている。枠にとらわれないバリアフリーの発想は、食材も同じ。水野さんは「独特の臭みや食中毒の心配から敬遠する人も多いジビエだが、アイデア次第でおいしく食べられる。いずれはジビエを使ったメニューを店にも本格的に取り入れたい」と、普及にも意欲を示している。
(秋まつり、狩猟疑似体験やジビエ試食:和歌山)
和歌山県古座川町主催の「第28回古座川の秋まつり~古座川の魅力・再発見!~」が23日、同町一雨の明神小学校と明神中学校で開かれた。今年のテーマは「ジビエ」で、ジビエ料理の試食コーナーや、猟銃を使った狩猟を疑似体験できる「シューティングシミュレーター」があり、町の鳥獣害対策への取り組みをアピールした。58の出店があった野菜や物産の販売、体験コーナーなどにも多くの来場があった。開会式では、武田丈夫町長が「町内では秋から、ジビエバーガーを売り出している。町民が頭を悩ませているシカやイノシシを仕留め、有効に使っていくための解体所も来年オープンを予定している。町のものとして成立させるために頑張っていきたい」とあいさつした。滝口定延町議会議長は「町では鳥獣害や耕作放棄地の増加、林業の担い手が減り山が荒廃するなどさまざまな問題があり、地域振興のためジビエなどへの取り組みをしている。今日は多彩な催しや触れ合いの場があるので1日楽しみ、農林業振興への理解を深めて」と述べた。体育館に設置されたシューティングシミュレーターは、狩猟者が減少していることから、手軽に狩猟を体験することで狩猟に興味を持ってもらうために県が導入した装置。画面に映し出されたイノシシを銃で狙うもので、参加者は銃の重さを感じながら、次々と獲物を撃った。ジビエ料理の試食コーナーには、シカ肉を使ったウインナー、つみれそば、肉まんがそれぞれ200人分ずつ用意された。町職員が「12月1日から道の駅『一枚岩』で販売を開始します」と呼び掛け、振る舞った。また、一枚岩鹿鳴館が販売したジビエバーガーは、用意した50食が早々に売り切れた。
(野性味あふれるジビエの魅力)
先日、駅ナカのハンバーガーショップ「ベッカーズ」に入ったところ、カウンターのメニューの「ベッカーズ別格」が目に飛び込んできた。「信州ジビエ鹿肉バーガー 690円」。通常のハンバーガーより300円も高い。迷わずにジビエバーガーを選んだ。「焼くのに10分ほどお時間をいただきます」「別格」を名乗るだけあり、ファストフードには珍しい重厚感がある。あるいは頼む人が珍しく、作り置きでは廃棄のリスクが高すぎるのかもしれない。ハンバーガーが到着する。外観だけでは普通の牛肉ハンバーガーと大きな違いはない。パンと肉の合間から顔をのぞかせた大ぶりな信州あわび茸(たけ)がいかにも秋の風情を醸し出している。ガブリとかじりつく。ジビエ(野生動物)から連想されるクセの強さ、生臭さは感じられない。むしろ驚くほど淡い。玉ネギの甘みの方がよほど自己主張が強い。それでも味覚を研ぎ澄まし、何とか「鹿肉らしい滋味」を感じようと集中する。時たま、独特の野性味が口内をよぎる。少なくともそんな気がする。情報社会において、人はモノ自体を享受しているのではなく、情報を消費しているというのが定説だ。「モノではなくコト(ストーリー)を売る」といったマーケティング手法も情報による付加価値アップを説いたものだ。大切なのは「自分が食べているのは信州の鹿肉なんだ」という情報である。そこに通常のハンバーガーとの差額300円の価値がある。 「ベッカーズ」と「ベックスコーヒーショップ」を展開するJR東日本フードサービス(東京・北)が長野県産鹿肉を使ったメニューを提供し始めたのは2011年。当初は3店舗だけだった取扱店舗が100店にまで拡大したのは、こうした価値観を共有する人が多いからに違いない。JRにジビエの活用を提案したのは長野県蓼科高原で「オーベルジュ エスポワール」を経営する藤木徳彦シェフだ。観光客が減る冬の集客対策として10年前から地元の鹿肉などを使った料理を出し始めた。やがて県から料理店向けにジビエの調理法を教えるセミナー依頼などが入るようになる。行政も曖昧だった衛生管理のガイドライン策定などで後押しし、「信州ジビエ」が広がった。現在はNPO法人「日本ジビエ振興協議会」(埼玉県三郷市)の代表も務め、ジビエ普及のために全国各地を行脚する。「ジビエ」とはフランス語で狩猟の対象となる野生の鳥獣類を意味し、牛や豚、鶏、羊など家畜類と区別される。貴族が自らの領地で狩った獲物を食材にしたのがルーツで伝統、格式ともに申し分ない。貴族にとっては豊かな土地と腕の良い料理人を持つ証しでもあり、ステータスシンボルとなっていたようだ。ところが最近、珍味とみなされがちだったジビエ料理が日本でも広がりつつある。最大の理由は野生動物が増えていることだ。温暖化で冬が過ごしやすくなったこと、天敵であるニホンオオカミの絶滅、猟師の高齢化などが原因といわれる。シカやイノシシを中心とした12年の捕獲頭数は約80万頭で10年前から2倍以上に増えた。「猟師さんが獣肉処理施設に売るシカの値段は15年前には1頭10万円ぐらいした。今は1万円しかしない」(藤木さん)一方、鳥獣類による14年度の農作物の被害は全国で70万トンと10年前の1.8倍に増えた。従来、ジビエ食材は輸入に頼ることが多かったが、捕獲した国産ジビエを活用すれば「害獣」が「食材」に変わる。長野県、岡山県、和歌山県、鳥取県などは地域ぐるみでジビエ振興に取り組んでいる。運動量が多いジビエは高たんぱく低カロリー、鉄分も多い。美肌効果もあるとかで、女性誌が取り上げることもある。最近の赤身肉ブームも追い風だ。 「料理人にとってもジビエは楽しい」と藤木さんは言う。「品質が一定の牛や豚に対し、ジビエはサイズも肉質も個体差が大きい。モノを見て、どう料理すれば一番良さが引き出せるかを考え、工夫する面白みがある。無駄なくすべてを使い切り、盛り付けなど皿全体でその動物が住んでいた環境を表現するのがジビエ料理の哲学。そういう部分も含めて楽しんでほしい」濃厚な味わいの赤身が印象的なシカ肉、対照的に甘みのある脂身が魅力の猪肉は年間を通して提供している。狩猟が解禁される11~2月は最盛期だ。仕入れの状況次第では「ジビエの王様」とされるヤマシギ、コジュケイ、マガモ、スズメ、ハトなどもある。ジビエ料理を楽しめる店は都心でも盛況だ。スパイスワークス(東京・港)が東京と大阪で4店を展開する「炉とマタギ」は「初心者のためのジビエ料理」がコンセプト。北海道十勝地方のトムラウシで捕獲して太らせた蝦夷鹿(えぞしか)のほか、猪などを盛り合わせた「マタギの三獣奏」や「蝦夷鹿モモ肉の串焼き」が定番だ。他店ではなかなか食べられないのはオーストラリア産カンガルー。鹿肉以上に筋肉質で、繊維が太い印象だ。「カンガルーはぴょんぴょん跳びはねてるからね。鹿よりも筋肉があるんでしょう」と大将の福本渡さん。かなりアバウトだが妙に説得力のある解説だ。市場が確立している牛や豚と違い、流通経路が定まっていないジビエは、猟師の仕留め方や直後の処理によって味が大きく左右される。漁獲手法や締め方により価値が変わる鮮魚と同じ理屈だ。「適切に処理されず、生臭くなったジビエを食べて悪い印象を持ってしまう人も残念ながら多い」と藤木さんは話す。水産の世界では天然魚を養殖魚よりも格上とする「天然信仰」が根強く残っている。それは味や身質の問題だけでなく、春夏秋冬で旬が変わる季節感や大海原を回遊するロマン、全国各地や遠洋まで及ぶ産地への旅情のようなものが混然一体となった価値だろう。ジビエにも似たような楽しさがある。
(シシ肉食べて被害減らそう:長崎)
イノシシの肉に関心を持ってもらおうと西海市西彼町の竹炭や竹細工、農産物などを扱う直売所「竹の家」(松尾邦弘代表)は23日、直売所の4周年感謝祭に合わせ、串焼き200本と鍋200杯を振る舞った。市によると、昨年度に市内で捕獲したのは2184頭。このうち消費したのは358頭で残りは焼却や埋設処分した。昨年度の農作物の被害額は約1100万円だった。この日は市内で捕獲した肉約30キロ使った。味わった市内の坂梨和枝さん(58)は「初めて食べた。臭みはまったくなく、軟らかくておいしい」と話した。松尾代表は「イノシシはタケノコが好物で竹製品を扱う者として竹林を荒らされ困っている。畑の作物を食い荒らすだけでなく、民家の石垣も崩され生活環境が脅かされている」と指摘。「シシ肉が販売、流通するようになれば捕獲する猟師も力が入り、適正頭数になり、農作物の被害も減るはずだ」と話している。
(駅そばで猪肉を:東京)
ジェイアール東日本フードビジネス(東京都北区)は25日、首都圏の駅構内で展開する「そば処あずみ」8店で、「千葉県産猪肉そば」を限定販売すると発表した。12月1日から31日までの予定だが、1万2千食限定で、売れ切れ次第終了する。千葉県は、イノシシによる農作物などへの鳥獣被害額が大きく、対策がとられている。君津市有害動物をなくす会などと組んで、わなやおりで捕まえたイノシシを食肉に加工した。そばはイノシシ肉と千葉県産の長ネギをすき焼き煮風の仕上げた温かいそばとなっている。価格は600円から。かき揚げそばが400円という価格からは、同店としては高めのメニューとなる。

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(飛び出したシカを避けようと、対向車と正面衝突:山梨)
16日午前5時40分ごろ、山梨県身延町内の国道52号を走行していた軽乗用車が道路に飛び出してきたシカを避けようとして対向車線側へ逸脱。直後に対向車と正面衝突する事故が起きた。この事故で軽トラックを運転していた44歳の男性が死亡している。山梨県警・南部署によると、現場は身延町波木井付近で片側1車線の直線区間。軽トラックは道路左側から飛び出してきた複数のシカを避けようと急ハンドルを切ったところ、対向車線側へ逸脱。直後に対向車線を順走してきたワゴン車と正面衝突した。衝突によって軽トラックは大破。運転していた静岡県富士市内に在住する44歳の男性が頭部強打でまもなく死亡。ワゴン車を運転していた長野県下諏訪町内に在住する70歳の男性と、同乗者2人も打撲なとの軽傷を負い、近くの病院へ収容されている。路上ではシカ1頭も死んでいた。警察では死亡した男性がハンドル操作で回避しようとした結果、事故につながったものとみて、発生の経緯を詳しく調べている。
(イノシシが歩行者ら襲い3人重軽傷:広島)
10日午後5時20分ごろ、広島県尾道市因島三庄町の県道で、体長約1・5メートルのイノシシが突然現れ、歩道を歩いていた近所の女性(48)ら3人に次々にぶつかった。女性は左太ももに約30センチの傷を負い、他の2人も軽いけが。イノシシはそのまま近くの山に逃げ込んだ。広島県警因島署によると、現場は因島南東部の集落で、すぐ近くには市立小学校もあるという。
(イノシシ男性襲われ軽傷:香川)
8日午前8時35分ごろ、香川県さぬき市津田町津田の男性(61)方で、納屋の中で作業をしていた男性が突然現れたイノシシに襲われ、右手をかまれるなどして軽傷を負った。イノシシは北東の海岸に向かって逃げたという。通報を受けた同署などが探したが、見つからなかった。さぬき署によると、イノシシは体長約1メートル。男性が追い払おうとしたところ、襲ってきたという。同市内では11月に入って、イノシシの出没が増えていたらしい。イノシシの目撃情報は高松市内でも沿岸部を中心に相次ぎ、男女3人がかまれるなどして、けがを負っている。同署は「遭遇した場合は刺激せず、すぐに通報してほしい」と注意を呼び掛けている。
(クマに襲われ72歳負傷:滋賀)
17日夕、滋賀県長浜市で帰宅途中の72歳の男性がクマに襲われ負傷した。午後6時ごろ滋賀県長浜市北ノ郷町で72歳の男性が歩いて帰宅中に家の近くで柿の木にクマがいるのを発見。驚く間もなくクマは男性に襲いかかった。
(クマに襲われ男性軽傷:新潟)
8日午前9時半ごろ、五泉市土淵の集落近くの杉林で、キノコ採りをしていた同市四ツ屋新、無職渡辺一蔵さん(76)がクマに顔と右腕を爪で引っかかれ、軽傷を負った。五泉署によると、クマは体長約1・5メートル。渡辺さんが襲われたのは土淵集落から300メートルほどの地点。同署や五泉市は、民家に近いことから、注意を呼び掛けている。
(18人けがさせたお尋ねサル、町職員が捕獲:徳島)
徳島県板野町内でサルが住民にかみつくなどし、計18人がけがを負うなどしていた問題で、同町などは8日、危害を加えていたと見られるサル1頭を捕獲し、処分したと発表した。町によると、捕獲されたサルは体長50・1センチ、体重6・8キロ。メスで推定年齢は5歳。8日午後3時半ごろ、同町大寺の団地内にいたところを町職員が網を使って捕まえた。10月29日ごろから、板野東小学校付近で小学生などがかみつかれるなどの被害が相次ぎ、県や町、県警が目撃情報を受けながら捜索を続けていた。
(庭にサル、女性が親指かまれ軽傷:山口)
7日午後2時45分頃、山口県下関市綾羅木本町の住宅の庭で、80歳代の女性が、突然現れたサルに左手の親指をかまれ、10日間の軽傷を負った。下関署の発表では、女性は庭木に水やりをしていた。サルは逃げ、体長などは不明。同署は付近の住民らに注意を呼びかけている。
(クマ捕獲、民家から50メートル:新潟)
岐阜市三輪南地区で7日、相次ぐクマの目撃情報を受けて設置したわなにツキノワグマがかかり、殺処分された。市内での捕獲は4年ぶりで、民家まで約50メートルの場所だった。主食のドングリの凶作で、同市でも餌を求めて民家近くに現れているとみられ、専門家は「クマが冬眠に入るまでの12月いっぱいは特に気を付けてほしい」と呼び掛ける。市によると、捕獲されたのは体長約1.8メートルの雄の成獣。6日夜、同市太郎丸の山の麓に設置したおりのわなにかかっているのを、巡回中の消防団員が発見した。同市では2010年度に4頭が捕獲された。以降、捕獲はなく、目撃情報も年に数件にとどまっていたが、今年度は12件と急増。三輪地域では10月26日から目撃され、三輪中学校(同市石原)の近くで道路を横断する姿も見つかったという。児童生徒の登下校時に見守りを強化し、近くの保育所は園児の散歩などを取りやめた。地元の三輪南自治会連合会の吉村直会長(63)は「まだクマがいるかもしれない。気を緩めずに警戒したい」と話す。県内のクマの行動状況などに詳しい岐阜大応用生物科学部付属野生動物管理学研究センターの森元萌弥特定研究補佐員(30)は「餌不足で、平年はあまり観察されない岐阜市内に行動範囲を広げている」と指摘。「(4頭捕獲された)10年度もドングリは凶作。今年の出没は予想していた」とし「自宅の周囲や畑に餌となるような食べ物を置かないなどの対策を講じてほしい」と語る。
(北関東道にイノシシ3頭、車と衝突:栃木)
18日午後11時50分ごろ、足利市大岩町の北関東自動車道西行きで茨城県東海村、運転手男性(44)のトラックと路上にいたイノシシ3頭が衝突した。イノシシは3頭とも死んだ。運転手にけがはなかった。県警高速隊によると、現場は片側2車線で、イノシシは走行車線にいた。同隊で詳しく調べている。
(ニホンジカと接触相次ぐ:岩手)
12日夕方から夜にかけて、走行中のJR山田線の上り列車2本がニホンジカと接触。遅れや運休が発生し、JR盛岡支社広報は「お客さまへの影響を最小限になるよう対応したいが、最近は列車とシカとの衝突が増加傾向にある」と頭を悩ます。同日午後5時半ごろ、宮古市区界(くざかい)のJR山田線松草―区界間で、走行中の上り列車がニホンジカと接触。別の上り列車も同8時35分ごろ、大志田―上米内間でニホンジカと接触した。安全確認のため一時運転を見合わせた。シカは逃げ、列車の乗客乗員にけがはなかった。同支社によると、上下4本が最大約50分遅れ、上下2本が運休し、約170人に影響が出た。
(イノシシ、校庭に穴50カ所以上:宮崎)
延岡市東海(とうみ)町の港小学校(児童数22人)で先月から、イノシシが校庭に穴を掘る被害が続き、授業や遊びに支障が出ている。穴の数は50カ所以上あり、被害は11日間に及ぶ。学校では通学路に教職員や保護者が立って警戒し、市もわなによる捕獲に乗り出した。校庭の緑色の芝生のあちこちに、土がえぐられた跡が残る。大きいものは直径3メートルを超え、深さは30センチほどあったという。「イノシシが好物のミミズを探して掘り返した跡です」と、近くに住む内田孝さん(83)。体育を運動場から体育館に変更するなど、授業にも影響が出ている。運動場がでこぼこで、昼休みにサッカーができなくて残念がる子もいるという。
(クマ、イノシシ衝突事故多発:栃木)
県内でツキノワグマの目撃情報が相次ぐ中、10月以降、クマやイノシシと乗用車などが衝突する事故が多発している。10月は県北地域を中心にクマとの事故が4件、11月(11日現在)は県南地域も含めイノシシとの事故が3件発生しており、「異例の多さ」(県警交通企画課)という。今秋はドングリの凶作により餌を求めて里山に下りるクマが増えていることが要因とみられ、専門家は「クマが冬眠するまでは里山に下りる可能性がある」と指摘。多くの事故は夜間に発生しており、県警は引き続き野生動物との事故に警戒するよう呼び掛けている。県警によると、クマと乗用車による事故は、10月8日に宇都宮市石那田町の日光宇都宮道路、17日に日光市上三依の国道121号と那須塩原市中塩原の国道400号、23日に同市鳥野目の東北自動車道で発生。イノシシは11月1日に栃木市大平町の市道で乗用車と衝突したほか、3日に那須塩原市関谷の市道でバイクと衝突。7日にはさくら市卯の里の国道4号で死骸が見つかった。バイクを運転していた高校生が右手を打撲する軽傷を負ったほかは、けが人はいなかった。イノシシの死骸が見つかったのは午後5時半で、それ以外の事故はすべて日没後から未明にかけて発生しており、夜行性のクマが活動する時間帯に当たるという。県警交通企画課は「暗闇の中で野生動物に気付くのが遅れ、事故につながったのではないか」と分析する。県警によると、事故の衝撃で前部バンパーが損傷するなど自走できない車両もあったという。日本損害保険協会によると、野生動物との事故は動物側に賠償責任を問えないため、車両保険で対応するケースが多いという。県自然環境課によると、本年度のクマの目撃情報は10月末現在で207件で、前年同期の3倍近くに上る。特に前年6件だった9月がことしは64件、4件だった10月が62件と、秋口に目撃が急増した。地域は那須塩原市や日光市など県北西部に集中している。
(市街地でイノシシ目撃、近くに死骸:栃木)
7日午後5時10分ごろ、さくら市卯の里4丁目の国道4号付近で、イノシシ1頭の目撃情報があり、同日午後5時半ごろ、その近くで車にひかれたとみられる死骸が見つかった。さくら署によると、付近を車で走行中の人から「イノシシが国道を横断した」との110番があったという。
(陸自演習場でクマの親子目撃:三重)
十八日午後五時十五分ごろ、津市戸木町の陸上自衛隊久居演習場内で、親子とみられるクマ二頭が目撃された。人が襲われるなどの被害は出ていないが、市や消防関係者らは注意を呼び掛けている。陸自久居駐屯地(津市久居新町)や市などによると、演習場内で男性隊員二人が体長一五〇センチと八〇センチほどのクマ二頭を発見。久居駐屯地を通じて市に通報した。市は周辺の自治会や小・中学校、高校に連絡し、注意を喚起した。十九日は、児童らの登下校の時間に合わせ、市消防本部や市、県の職員約十人がパトロール。二十五日まで同時間帯に一日二回、巡回する。
(柿畑にクマ、注意呼び掛け:奈良)
17日午後2時半ごろ、五條市西吉野町茄子原の柿畑でクマ1頭が目撃された。ツキノワグマとみられ、市内の柿畑に出没したのは約2年ぶり。市は18日、わなのおりを設置し、周辺住民に注意を呼び掛けている。
(ニホンザル出没、市職員ら3時間追跡:秋田)
秋田県能代市の中心部に18日、体長50〜60センチの雄ザル1匹が出没した。群れからはぐれ迷い込んだニホンザルとみられる。市職員や能代署員が約3時間にわたって追跡、サルは出没地点から約1・5キロ離れた向能代方向へ逃げた。同署によると、午前10時ごろ、市役所近くの同市上町の旧渟城第二小学校グラウンドにサルがいるのを、近くで作業中の清掃会社社員らが発見。市に連絡した。市職員が駆け付けたところ、サルはグラウンドから民家の屋根や木を伝い、東側の同市富町の市民体育館屋根へ逃げた。サルはその後、電線を伝って東側の同市御指南町の日吉神社境内を横切り、近くの木の上で“一休み”。市職員が米代川の堤防に追いやり、最後は向能代方向に逃げた。
(サル捕獲で国道が一時渋滞:大分)
18日朝、日出町の国道交差点で、サルが出没し逃げ回る騒動が起きました。サルは捕獲されましたが、周辺は一時騒然としました。18日午前7時20分頃、日出町の国道10号の堀交差点付近で「サルがうろうろしている」と110番通報がありました。サルは道路を横切ったりして逃げ回りました。1時間後、駐車場で警察官に捕獲されましたが、通勤時間帯の捕り物帳に周辺は一時騒然としました。捕まったのは体長60センチの子ザルとみられ、動物病院で手当てを受けた後、山に帰されるということです。
(公園でカラスやハトなど7羽の死骸見つかる:兵庫)
16日午前、神戸市灘区大和町の大和公園で、近くに住む女性(67)から「鳥がたくさん死んでいる」と灘署に届け出があった。同署によると、カラス1羽、ハト4羽、スズメ2羽の死骸が同公園内で見つかった。いずれの鳥にも目立った外傷はなかった。同署は、動物愛護法違反容疑で捜査している。
(鳥インフル陽性、渡り鳥の死骸から:東京)
環境省は東京都江東区で13日に野鳥のホシハジロ1羽が死んでいるのが見つかり、遺伝子検査で鳥インフルエンザの陽性反応が出たと発表した。強毒性かどうか調べるため、18日から確定検査を実施。検査結果が判明するまでには数日から1週間程度かかる見込み。環境省は、ホシハジロの死骸が見つかった地点から半径10キロ圏内で野鳥の監視を強化する。ホシハジロはカモ科の渡り鳥。越冬のため大陸から日本各地に飛来する。島根県内で今月3日に採取されたコハクチョウのふんから鳥インフルエンザウイルスが検出された。
(鳥インフルは中国起源「カモ類運ぶ」:熊本)
熊本県で今年4月、国内で初めて確認された高病原性の鳥インフルエンザウイルス「H5N8型」は、中国東部で見つかったウイルスが起源とみられることが動物衛生研究所(茨城県つくば市)の調査でわかった。感染しても病気にならない渡り鳥のカモ類が越冬で飛来したことにより、日本に持ち込まれた可能性が高いという。今シーズンもカモ類の渡りは始まっており、農林水産省は対策強化を急いでいる。研究所の金平克史・主任研究員らのチームが11日、横浜市で開催中の日本ウイルス学会で報告した。チームは、熊本県内の養鶏場で死んだ鶏から分離されたウイルスの遺伝子を解析。今年1月に韓国で流行した鳥インフルエンザの遺伝子とほぼ同じで、2010年と11年にいずれも中国東部で見つかったH5N8型とH5N2型の遺伝子が組み合わさっていた。このウイルスをカモ類のアヒルと鶏に接種する実験を行ったところ、鶏はウイルス量が比較的多い場合にのみ感染して死んだ。アヒルは少ない量で感染するものの、発症しないままウイルスを一定期間排出した。同研究所は「感染しやすいカモ類によって、中国大陸から韓国、日本に広がったと考えられる。飛来したカモ類のふんに接触して感染したスズメやネズミなどの小動物が鶏舎に入り込み、鶏に伝わったのではないか」としている。
(クマ目撃:新潟)
18日午後3時前、上越市中郷区藤沢の会社敷地内でクマ1頭を目撃したと、会社の駐車場に車を止めていた男性が市に通報した。市によると、クマの体長は約90センチ。17日も同所の市道でクマが目撃されている。
(クマ、駅付近に連日の出没:兵庫)
17日午後2時5分ごろ、朝来市山東町滝田で、農作業中の女性が5メートルほど離れたところを歩くクマ1頭を見つけた。連絡を受け朝来署員が付近を警戒していたところ同3時40分ごろ、JR梁瀬駅近くの粟鹿川沿いでクマを発見。北側の山方面へ向かい、同4時ごろ、住民が山へ入る姿を見たという。署によると、いずれも体長1メートル。同じクマの可能性もあるという。JR梁瀬駅付近では、連日クマの目撃情報があり、署は巡回し付近住民に警戒を呼び掛けている。県朝来農林振興事務所なども同様に出没を警戒。農林振興事務所は「柿の実や生ゴミ、漬物のたるなどクマを引き寄せる物の撤去を徹底し、興味本位の行動は慎みクマへの接近は絶対にしないでほしい」と呼び掛けている。
(クマの目撃相次ぐ:新潟)
上越市で17日、クマの目撃情報が相次いだ。午前9時前、同市岩木のバス停付近でクマ1頭を見たと車で通り掛かった女性が110番通報した。クマは体長約1メートル。午後1時半ごろには、同所の女性が自宅から約100メートル離れた北陸道上り線ののり面で、木に登るクマ1頭を目撃し、市に通報した。体長は約1メートル。午前10時前には、同市中郷区藤沢の市道でクマ1頭を目撃したと車で通り掛かった男性が市に通報した。体長は約1・2メートル。
(クマの目撃情報:長野)
11月15日(土)午前6時頃、市道西部1号線(広域農道)小沢交差点付近で、クマの目撃情報がありました。付近を移動される住民の方は十分注意してください。この時期はクマが餌を求めて活発に活動を行う時期でもあります。家の近くや普段歩きなれている山でも、クマが出没する可能性があります。クマから身を守るため次のことに注意しましょう。クマに遭遇しないようにするには、人間の存在を知らせるため、家の近くであっても笛・鈴・ラジオなど音の鳴るものを身につけましょう。早朝や夕方、キノコ狩りなどで入山する場合は2人以上で行動するなど特に注意してください。
(クマ目撃:新潟)
10日午後8時ごろ、糸魚川市蒲池の民家の敷地で、柿の木にクマ1頭が登っていると車で通り掛かった男性が糸魚川署に通報した。同署や糸魚川市役所が注意を呼び掛けている。
(住宅地でクマ目撃:栃木)
日光署によると、9日午前10時30分ごろ、日光市足尾町の旧神子内小学校の校門付近で、クマ1頭が目撃された。同署によると、クマは体長約1・5メートル。校舎内で展覧会の準備をしていた人が、ガラス窓越しに校門付近を歩いているクマを目撃した。現場付近にはコンビニや住宅があり、同署が関係機関と連携し、警戒と広報活動を行っている。
(歩くクマ目撃:栃木)
那須塩原署によると、9日午前6時20分ごろ、那須塩原市塩原の国道400号で、道路上を歩いているクマを車で通行中の女性が目撃し、通報した。同署によると、クマは体長約1・2メートル。現場は猿岩トンネルの西側付近という。同署で警戒するとともに、注意を呼び掛けている。
(クマ目撃:新潟)
7日午後1時半ごろ、津南町上郷上田の県道脇でクマ1頭を目撃したと、車で通りかかった十日町市の女性が町などを通じて十日町署に通報した。町や十日町署によると体長は約80センチ。現場はJR飯山線越後田中駅に近く、最寄りの住宅からは約50メートル。クマは山に入ったという。
(サルが出没:熊本)
熊本県警によると、18日午前9時45分ごろ、熊本市北区植木町の桜井小学校付近で、サル1頭を目撃したとの情報があった。現在のところ、サルに襲われたなどの情報はないが、同県警は「サルに遭遇しても、近寄らない」「大声を出したり、物を投げたりしてサルを刺激しない」「サルと目を合わせないようにして、落ち着いて離れる」などと注意を促している。
(サルの目撃情報:長野)
11月17日(月)午前11時30分頃、美篶下県区下県交流センター付近でサルの目撃情報がありました。サルを見かけても、近づいたり大きな声を出して刺激しないようにしてください。また、餌を与えないようにしてください。
(サルの目撃情報:栃木)
13日午前5時ごろ、矢板市扇町2丁目の駐車場でサル1匹が目撃されたと警察に届け出があった。人的被害はなかった。矢板署によると、サルは体長約30センチ。南へ逃げていったという。駐車場北側の住宅で就寝していた男性(64)が、物音を確認した際に目撃した。現場は住宅地で矢板中央高校の近く。これまでサルの目撃情報はなかったという。
(サル目撃相次ぐ:栃木)
宇都宮市の住宅街で10日、サルの目撃情報が県警に相次いで寄せられた。県警や市によると、10日午前8時ごろに宇都宮市明保野町、午前9時ごろに約3キロ東の宇都宮市城東1丁目のスーパー駐車場と同2丁目の市立城東小学校付近、午前10時半ごろには城東小から約2キロ南東の同市東峰町でサル1匹が目撃された。県警と市は捕獲用の網などを準備し、約15人態勢で捜索したが、10日夜までに見つからなかった。県警には6日以降、市内でサルの目撃情報が数件寄せられており、同じ個体の可能性があるという。城東小では、児童が植えた芋畑付近でサルが目撃され、10日午前は体育の授業などの屋外活動を中止。下校時は集団で、保護者や教職員が付き添ったという。柿沼隆久校長は「まさかこんな街中でサルを見るとは思わなかった。子どもたちに危害を加えないか心配です」と話した。
(サル目撃相次ぐ:岐阜)
10日午後1時ごろ、岐阜市金園町の国道248号交差点で、サルが路上に座っているのを通行人が見つけた。このほか午後4時すぎまでに名鉄岐阜駅近くなど市中心部の繁華街を含む半径500メートルの範囲で少なくとも7件の目撃があり、岐阜中署と市が捜索したが、見つからなかった。市農林園芸課によると、体長50センチ前後のニホンザルの成獣で、市北西部の山林に生息する群れからはぐれたとみられる。市教委は市中心部の白山小学校と梅林小学校、梅林中学校に11日も登下校時に注意するよう指示した。岐阜市では5月にも市東部の住宅街でサルが目撃されている。同課は「サルを見つけても追い掛けたりせず、その場から離れて市や警察に連絡して」と呼びかけている。
(クマ出没相次ぐ、「ごみの処理適切に」:神奈川)
相模原市緑区の山間部で今年、クマの出没に関する情報が相次いでいる。人に危害が及んだ報告はないが、先月には住宅付近まで来て庭にある柿の木に登るクマが目撃されている。冬ごもり前に餌を求めて動き回る時期だけに、市や県は地域住民らに注意を呼び掛けている。市水みどり環境課によると、同区内でクマの目撃や足跡が見つかるなどの出没情報は本年度12件(7日現在)。クマが好むドングリの実が不作だった2012年度(28件)と比べると少ないが、既に13年度(4件)の3倍に上る状況となっている。特に10月15日午前2時ごろに目撃されたクマは、同区佐野川の県道付近にある住宅の庭におり、地元住民らを震え上がらせた。住宅は山梨県上野原市との県境に位置する集落の一軒。嫁いで40年になるという住人の女性(60)は「庭からガサガサと音がして、外を見たらクマが柿の木に登っていた。まさか庭先に出るとは」と驚きを隠さない。クマは高さ約3メートルのところまで登り、実を振り落とそうと枝を揺すっていた。体長は1メートル以上、柿の木には登った際の爪痕が生々しく残る。母屋近くの別の柿の木にも登り、枝が折れて下に落ちた後にその場から立ち去ったという。屋根に接していた柿の木は切断するなど対策を取った。近所に住む男性(86)も、住宅近くの出没を警戒する。「山梨県側で最近捕獲されたという話を聞いたが、まだ他にもいるかもしれない。夜は外出しないようにしている」市は地元に「クマ出没注意」の看板を設置し、自治会を通じて回覧で出没情報を知らせた。人里にクマを引きつけないよう、生ごみや廃棄果樹などの適切な処理を呼び掛けている。県自然環境保全センター(厚木市)は「昨年に比べ、今年は山の木の実が少ないと聞いている。(冬ごもりするまでの)あと1カ月程度は注意が必要だ」と話している。
(白神山地周辺にニホンジカ、10月の2日間に3回)
東北森林管理局(秋田市)は10日、青森、秋田両県にまたがる世界遺産・白神山地の青森県側緩衝地域まで約150メートルの地点で10月中旬、ニホンジカが撮影されたと発表した。青森県深浦町追良瀬の追良瀬川上流部に設置した入山者把握用のセンサーカメラが捉えた。10月14日深夜から15日夕方にかけて計3回、オスが2頭、性別不明の個体1頭が写っていた。頭部や全身の姿が比較的鮮明に写っていたため、31日のデータ回収後、専門家が鑑定しニホンジカと断定した。オス2頭は同一の個体とみられるが、別の1頭の画像は暗く、性別などは不明。秋田県側の緩衝地域付近でも10月17日にニホンジカとみられる動物が撮影された。白神山地が生息域になったとすれば、食害などで世界遺産の生態系に大きな影響を及ぼす可能性があり、侵入対策の検討が迫られる。同管理局の佐藤宏一・自然遺産保全調整官は「撮影された場所を考えれば、遺産地域に侵入している可能性は否定できない」と話した。当面は現場付近にセンサーカメラ3台を増設し、シカが平地に下りる降雪期まで実態把握に努める。
(白神山地でシカ痕跡見つからず、環境省など調査)
世界自然遺産の白神山地近くに設置した監視カメラにニホンジカとみられる動物が写っていた問題で、環境省などは11日、秋田県八峰町で痕跡調査を実施した。監視カメラが設置された場所周辺で足跡やフンなどを探したが、この日はニホンジカが定着している痕跡は見つからなかった。調査には環境省や林野庁、秋田、青森両県などの担当者ら15人が参加。ニホンジカとみられる動物が写っていた監視カメラがある八峰町八森真瀬沢から、世界自然遺産の緩衝地域に接する標高約700メートルの山道を1時間ほど調べた。この日の調査では、ウサギのものと見られるフン以外、ニホンジカの体毛や食痕などの痕跡はなかった。
(イノシシ目撃急増「目そらさず後ずさり、速やかに立ち去って」:埼玉)
県内でイノシシの目撃情報が相次いでいる。県に今年度寄せられた目撃情報は10日現在で26件を数え、わずか1件だった昨年度から急増。いままで見られなかった平野部の民家近くでも目撃されており、中には男性が手をかまれるケースもあった。県は「出合ったら近づかないで」と注意を呼びかけている。県みどり自然課によると、毛呂山町若山で1日午前9時ごろ、男性(75)が自宅の軒先でイノシシを発見。大声をあげて追い払おうとしたが、興奮したイノシシに手をかまれ軽傷を負った。10月には月別で今年最多となる9件の目撃情報が県に寄せられた。吉見町では同月、3地区で4件の目撃情報があり、31日に民家の庭先に出現したイノシシは体長約1メートル、体重40~50キロ。飼い犬がほえ続ける前でドッグフードを食べ、その場に座り込んで休んでいたという。住民から通報を受けた同町の職員らが網で囲い込んで捕まえようとしたが、網をかいくぐり裏山に逃げ込んだ。同町では昨年までイノシシが目撃された例はなかった。今年に入ってゴルフ練習場や小学校の近くなど人の日常生活域でも出没し、同町農政環境課は「1頭なのか、複数頭が出没しているのか分からないが、いずれも人慣れしている印象がある」と困惑した様子。同町は目撃された地区にわなを設置したほか、広報車のスピーカーや回覧板で住民に注意喚起している。県に寄せられた情報以外にも、熊谷市では10月下旬から住宅地近くのクリ林などで目撃。今月3日には体長約1メートル、体重約40キロの雌1頭が捕獲された。県みどり自然課によると、県はイノシシによる農林業被害を防ぐため、「特定計画対象区域」として秩父市など西部18市町村を指定。地元農家が防護柵などの対策を行っている。だが、今年は久喜市や蓮田市など東部でも目撃が相次いでおり、生息域が拡大している可能性があるという。「山に餌となる木の実などが少なく、人里まで出てきているのでは」と同課。「イノシシを見かけたら目をそらさず、後ずさりしながら速やかに立ち去ってほしい」と助言している。
(イノシシ、例年に比べ多い出没数:香川)
8日午前8時半ごろ、香川県さぬき市津田町津田の住宅敷地内に侵入した体長約1メートルのイノシシが屋外にいた男性(61)の右手をかみ、軽傷を負わせた。そのまま逃げ、行方は分かっていない。隣接する高松市でも3日に男女が相次いでイノシシに襲われ軽傷を負ったほか、6日には釣りをしていた男性が右手の指をかまれた。県みどり保全課によると、今年は例年に比べて出没数が多いが、理由は分かっていない。同課は「見つけても追い払ったりせず、放っておくように」と呼び掛けている。
(深まる秋、クマに注意:兵庫)
兵庫県森林動物研究センターは、ツキノワグマが餌とするドングリ類の豊凶調査の結果をまとめた。今秋の実り具合は県内全域でほぼ例年並みで、クマが人里に大量出没する恐れは少ないとみている。ただ地域によって差があり、但馬地方では餌を求めて集落に出没するクマの姿や痕跡が多数確認されている。冬眠を控えて採食行動が活発になることから、同センターはあらためて注意を呼び掛けている。同センターによると、県内でことし4月から9月末までに報告されたクマの目撃事例や痕跡の件数は465件。このうち北但馬が約6割に当たる267件、次いで南但馬の118件となっている。人身被害は起きていないものの、果樹園や集落のカキを荒らす被害が発生。イノシシやシカ用のわなに誤って掛かるケースもある。目撃情報は10月上旬には落ち着いていたが、下旬以降は増えている。同センターの森林動物専門員、広瀬泰徳さん(45)は「山のドングリが底をついた可能性もある。目撃情報がある地域は特に注意が必要」と指摘する。クマが人里付近に餌があることを覚えてしまうと、周辺を縄張りにしてしまう恐れがあるからだ。クマは本来臆病な性格だが、食べ物に執着して人を襲う事態に発展することもある。6日には、岐阜県高山市のリンゴ畑でクマに襲われたとみられる男性が死亡している。クマを集落に寄せ付けないようにするには、不要なカキやクリの木を伐採したり、生ごみを野外に置かないなどの対策が必要。広瀬さんは「クマが来ても餌がないことを認識させ、夕方や夜の出歩きは控えて」と警戒を促している。
(道南でもエゾシカ被害深刻:北海道)
道南地方で、エゾシカによる被害が止まらない。農林業被害は対策が奏功してか、拡大に歯止めがかかる気配もあるが、シカと車の衝突事故は増加の一途。道南は道東や道央に比べシカが少ないとされてきたが、専門家は「生息数が増えている可能性がある。道東などで増え始めた当時に似ている」と指摘する。道南でのシカ被害の実態を見た。「シカに踏まれて売り物にならない」。函館市小安町の野菜畑で、農業佐藤亘(とおる)さん(50)は皮がめくれ、黒ずんだキャベツを手に嘆く。15年前からシカが畑を荒し、年200~300万円の被害がある。「今年も状況が変わらなければ、ビニールハウスの施設園芸に切り替えようかと悩んだ」同市は道南の市町の中でシカによる農業被害が顕著だ。佐藤さんら函館市亀田農協の組合員約30人は2011年9月に「鳥獣被害者の会」を結成。くくりわなの免許を取って畑にかけ、市に対策を求めてきた。農家らの訴えを受けて、市は昨年度までで食害の多い市内東部に電気牧柵を計3・9キロ、高さ2メートルの鉄柵を計3・8キロ設置。その効果か、7年ほど前から目立っていた農業被害額は13年度で1260万円と、ピークの09年度から6割減。佐藤さんの畑も電気牧柵が設けられ、今年は被害額が前年を下回る見通しだ。渡島管内全域でも、13年度の農業被害額(速報値)は約2千万円と09年度から半減している。管内の自治体や農協などは今年2月、「渡島地域エゾシカ対策連絡協議会」を設立。対策などについて情報共有を図っている。ただ、函館では最近、従来ほとんど出没のなかった北部の石川町で食害が目立ち始めているという。佐藤さんは「電気牧柵はシカの行動経路を変えるだけ。頭数抑制の根本対策を考えなければ」と焦りをにじませる。市農林整備課も「市内での被害が減っている分、別の場所へ分散している可能性がある」とみる。実際、生息密度の高い区域ではシカの影響が牧柵で囲われていない自然植生に及んでいる可能性がある。知内町では町内に総延長55キロの電気牧柵を設け、農作物の被害額はここ数年、100万円程度で横ばいの状態。だが柵で囲われていない同町から福島町にかけての矢越岬周辺は越冬するシカが数多く集まり、森林の食害が深刻だ。ササなどが食べ尽くされ、山肌が露出して土壌流出が確認された箇所もある。町などは懸念を強め、今冬からわなによる捕獲を試みる予定だ。
(エゾシカ、ドングリ食べた!?:北海道)
根室市歴史と自然の資料館の外山雅大学芸員がエゾシカがドングリを食べたとみられる写真を撮影した。ドングリには消化を阻害する物質タンニンが含まれており、シカが食べるのは珍しいという。外山さんは10月中旬、市春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンターに隣接する東梅学習林で観察会を開いた際、赤外線センサー付きカメラを使ってエゾリスの撮影に挑戦。カメラ設置後、3時間ほどたって回収したところ、エゾリスのえさとして置いたドングリをエゾシカがのぞき込み、その直後に何もなくなっている様子が写真に撮られていた。外山学芸員は「カメラには複数のエゾシカがドングリ周辺をうろつき、ほかの動物が来た気配はない。ドングリがカメラ周辺や地面に落ちた形跡もなく、エゾシカが食べた可能性が高い」とみる。ドングリはネズミなど体内にタンニンを分解する酵素を持つ動物しか食べることはないという。エゾシカはこの酵素を持っておらず、外山学芸員は「好んでドングリを食べたとは思えない。今年はドングリの実りがよく、おいしそうに見えたのでは」と話している。
(霧ケ峰と周辺のシカ生息動向調査:長野)
県諏訪地方事務所は、霧ケ峰と周辺の道路沿いで4~9月に5回行ったニホンジカの生息動向調査(ライトセンサス)の結果をまとめた。発見総数は571頭で、1回平均は114頭。標高1200~1400メートル地帯を中心に、生息密度が依然高いことをつかんだ。昨年度は実施していない春の調査では、秋口と同じように牧草地利用を増やす傾向が浮かび「農地や植物群生地のほかに、牧草地に侵入させない対策も必要だ」としている。霧ケ峰農場(諏訪市)から八島駐車場(下諏訪町)に至る市道・県道(延長15キロ)で夜間に実施。8月を除いて毎月1回、車を低速走行させながらライトを照らし、光る目から頭数をカウントした。調査期間や当日の天候が異なるため単純比較はできないものの、1回平均の発見頭数は同じルートで9~11月に行った昨年度の65頭を大きく上回った。最も多かったのは4月の194頭で「牧草地に集中していた」という。県環境保全研究所(長野市)などが一昨年5月に行った別のライトセンサスでも、八島ケ原湿原東側の牧草地で大量の鹿が確認されていた。「冬は主にササを食べ、春になると栄養価の高い牧草を食べに集まってくる」と地事所林務課。夏にかけては霧ケ峰の植物を含めて多彩な採食になり、繁殖期でもある9~10月には牧草地へ戻って「栄養第一の採食をするようになる」と一帯での行動パターンを解説。牧草の採食は個体数増加の一要因とされ、一部地域で始まった牧草地の囲い込み対策を広げていく必要性を挙げている。7月調査では茅野市内の2ルートでも行い、白樺湖方面の林道・一般道で16頭、麦草峠に至る国道299号沿いで57頭を確認した。入笠山周辺などにはカメラを置いて行動を監視している。
(イノシシ対策など5項目を知事に要望:佐賀)
高島や神集島など唐津市の7島の区長らでつくる佐賀県離島振興委員会(委員長・坂井俊之唐津市長)は12日、佐賀県庁を訪れ、イノシシ被害対策や老朽化している海底送水管の更新など5項目について、古川康知事に要望した。来年度予算への反映を求めている。各離島の委員らは「住民から毎日のようにイノシシにやられたと電話が入る」「離島航路の定期時間外に船を貸し切ると高額でこたえる」などと訴えた。古川知事は「公共で用意した船の運航を民間に任せるような形で運賃を安くできないか検討したい。イノシシ被害は農業だけの問題ではなく、島全体の暮らしを守るという意識で個体の減少に取り組みたい」と答えた。
(イノシシ肉などから基準以下セシウム:山梨)
県は10日、南アルプス、上野原2市と山中湖村で今月4、7両日に捕獲した野生のイノシシとニホンジカの肉4検体から、1キロあたり8・0~9・0ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。いずれも国の基準値(1キロあたり100ベクレル)を下回った。県みどり自然課によると計18検体を検査。数値が最も高かったのは上野原市で4日に捕獲したイノシシの肉で同9・0ベクレル。次いで山中湖村で同日捕獲のニホンジカの同8・7ベクレルだった。峡東と峡南地域で捕獲したイノシシとニホンジカからは検出されなかった。
(クマに注意、外国人観光客に英文チラシ:岐阜)
岐阜県の高山警察署は18日、高山市の古い町並み近くにある安川交番前で、クマの被害拡大を防止するため、外国人観光客向けに英語で作成したチラシを配布し、注意喚起した。署員は米国やイタリア、スペイン、香港などから訪れた観光客にチラシを見せながらクマに対する注意を促した。今月12日には高齢者2人がクマに襲われてケガをするなどクマの被害は深刻な事態になっており、高山市は熊被害対策本部を立ち上げ注意を呼びかけている。
(クマ出没・目撃、3倍超:岐阜)
岐阜県で人がクマに襲われ死亡するなど、人里にクマが出没し、人が被害に遭う事故が今年、急増している。出没は岐阜や長野、福井の各県などでは既に昨年1年間の件数を超えた。餌不足から冬眠も遅れており、今後も警戒が必要だ。専門家は「クマがいることを想定し、特に朝晩は単独行動を控えてほしい。それでも外出する際は、鈴やラジオなどで人の存在を知らせることが重要だ」と注意を呼び掛けている。岐阜県高山市丹生川町の山あいで12日午前、柿の収穫に訪れた夫婦がクマに襲われた。妻(68)は頭から後頭部にかけて引っかかれて重傷、夫(67)も軽傷を負った。現場は夫妻の自宅から約150メートル。クマは柿の木近くの茂みに潜んでいたという。約1キロ西のリンゴ畑では6日朝、農業の原田和夫さん(74)がクマに襲われ遺体で見つかっていた。長野県では、負傷者は29人(4月〜11月10日)と2006年以降の最多を既に更新。白川郷(岐阜)や永平寺(福井)など観光地でもクマによる人身被害が発生した。目撃件数は、岐阜県では今年4〜10月で1097件と、昨年度1年間の352件の3倍超。これまで見られなかったような人里での出没も目立っているという。今年9月、北アルプス山麓(さんろく)で自然ガイドを務める岐阜県飛騨市神岡町の石橋智さん(46)は高山市上宝町双六の人家近くで車を運転中に見たクマの様子に驚いた。「私の車に見向きもせず夢中になって餌を食べていました」。車とクマの距離は4メートルほどだったが、クマは脇目もふらずクルミの木に登って枝を折り、地上にいた子グマに餌を与えていた。石橋さんは「今年はクルミやトチノミ、ナナカマドの実など普段食べないものまで食べているようだ」と話す。クマの生態に詳しい岐阜大学応用生物科学部の浅野玄(まこと)准教授(野生動物医学)によると、岐阜などではクマの餌となるドングリ類が取れず、クリや柿、野菜などを求め人里に出ているという。特に子グマを連れた母グマは神経質になっており、クマが活動する朝晩は田畑に行く場合でも要注意だ。また、十分な餌を蓄えなければ冬眠しないため、目撃情報があるうちは警戒が必要で、浅野准教授は「どこでクマが出てもおかしくない状況だ」と注意を呼び掛けている。
(ツキノワグマに注意を:滋賀)
米原市内で十月以降、ツキノワグマの目撃情報が急増。今月十二日現在で三十件を超えた。旧伊吹町の姉川上流域の集落を中心に多い地区では、下板並で八件、上板並、大久保でそれぞれ五件、伊吹で四件出没している。多くは、柿の木に登り柿を食べているところだった。市は対策として四地区の山手に直径五十センチ、長さ二メートルのドラム缶式わなを設置。これまでに体長一メートルほどの三頭が捕獲されている。また、十一月からは毎朝、防災行政無線で柿の早期収穫と、遭遇しないためにラジオやクマ鈴を持ち歩いて自分の存在を知らせるよう呼び掛けている。県によると、えさとなるブナやミズナラなどの実の凶作が原因という。えさを求めて山から人家近くまで下りてきたらしく、冬眠前で活動が活発になっているとみられる。市の担当者は「えさのある場所に人間がいると奪われると思い興奮する。朝晩の外出を控え、引き寄せないよう柿を取り去ってほしい」と話す。
(集落周辺の殺処分、年齢高い熊増加傾向:長野)
長野県内の集落周辺で殺処分されたツキノワグマのうち、比較的年齢を重ねた16歳以上の熊の割合が増加傾向にあることが11日、県環境保全研究所のまとめで分かった。2013年の暫定値では全体の18%で、割合は08年の1・3%から5年間で10倍以上に上昇。高齢の熊は体が大きく、優先的に奥山の餌を確保しやすいとされるが、同研究所は「人里近くに降りてきて定着し、年齢を重ねる熊が増えている」と推測。餌不足の今年は高齢の熊がさらに人里近くで増えるきっかけになる可能性もある。研究所は01年以降、殺処分された熊の歯を入手し、歯の断面にある年輪状の模様を数えて年齢を推定。12年までに計1214頭を調べ、13年は50頭を対象とした。16歳以上の熊は05年まで確認できなかったが、山中の木の実が不作のため人里近くで熊が大量に出没した06年(調査対象354頭)に7頭を初めて確認。同年は2・0%だった。08年(同79頭)は1頭で1・3%だったが割合はその後に上昇し、12年(同188頭)は29頭で15・4%、50頭を調べた13年は9頭で18・0%だった=グラフ。熊の寿命は20~30年程度。今年分は今後分析する。同研究所の岸元良輔研究員は「餌不足の06年に山から降りてきて人里近くの新たな餌場を覚え、翌年以降も訪れている熊もいるのではないか」と推測。背景には、人が里山に入る機会が減り、熊が身を潜められるやぶや餌場などが人里近くに増えていることがあると指摘する。県などによると、熊が大量出没している今年も、例年なら奥山にいる高齢とみられる熊が人里近くへ下りてきたため、餌場をなくした若い熊が畑などに出てきているとみられる。今後、人里近くで熊が増えるかどうかについて、県クマ対策員の後藤光章さん(40)=長野市=は「木の実が不足するような年に熊の密度が高まることはあるかもしれない」としつつ、継続するかは流動的だとする。一方、岸元研究員は今年の殺処分で熊全体の年齢構成が変わる可能性も指摘。今年の4~10月の処分数は569頭で06年の558頭を既に上回っており、今後出没する熊の年齢層について「どう変化するか長期的に調査したい」としている。
(クマ警戒レベル導入:岐阜)
高山市丹生川町瓜田でクマに襲われたとみられる男性が死亡した事故を受け、市はクマの目撃数や危険度に応じた警戒レベルを導入する。市農務課によると、素案では人身事故のあった集落を最大レベルの「4」とし、目撃情報のあった場所からの距離などにより、レベルを決める。目撃情報があった場合の行政対応を素早くするのが目的。各課ごとにレベル別の対応方法をあらかじめマニュアル化しておき、それに沿って対応する。警戒レベルの導入時期や、住民にレベルの設定状況を公表するかは、今後決めるという。市は十日に熊被害対策本部会議を開き、クマが生ごみをあさるのを防ぐため、ごみを収集日当日に出すよう一般家庭に呼び掛けることも決定。市内の全農家にクマへの警戒を呼び掛けるチラシを配ったり、畜産農家に家畜のえさ置き場の戸締まりを徹底してもらったりする方針も決めた。
(お受験にも獣害対策?:神奈川)
獣害問題を知ることで、考え続ける忍耐力をつけよう――。小学生を対象に学習塾を運営する日能研(横浜市)が、獣害対策の教材を発行した。一見、受験には関係のなさそうなテーマだが、近年の試験問題で「環境」がテーマに上る機会が増えたことから取り上げた。獣害対策に取り組む地域や日本の食文化の変化、法律面まで同社スタッフが3カ月かけて取材し、冊子にした。テーマに獣害を選んだ理由について、同社調査開発室の岡亜希子さんは「子どもの成長につながる自然体験学習を展開する中で、自然学校のスタッフからイノシシなどの獣による森林や農業への被害を知った」ことを挙げる。取材を進めると、獣害は、環境だけでなく人の暮らしの変化などさまざまな要因があることが分かり、冊子では自然との向き合い方や、肉として活用されず、多くが廃棄されてしまう獣たちの命の価値観にも触れた。また、「野生動物と遭遇したらうれしい?困る?」「家畜とペットの違いは?」などの問い掛けを増やし、子どもが考えを深められるよう工夫した。同社は2008年から「環境を考えるBOOK(ブック)」を独自に作成。一冊ごとに水やエネルギーなど一つのテーマを取り上げている。獣害をテーマにした冊子は第5弾。同社の高木幹夫代表は「獣害という問題があることを単純に知るだけでなく、その背景を学び、解決策を練ることで考え方の訓練や生きる力が身に付く」と期待する。タイトルは「環境を考えるBOOK(ブック)(5)獣害から始まるお話」。B5判、165ページ。塾生以外でも1冊1296円で販売している。
(各地でチョウが減少、増えすぎたシカの影響)
日本では対馬にのみ分布するツシマウラボシシジミというチョウがいる。数年前からにわかに絶滅が噂されるようになり、日本チョウ類保全協会の昨年の機関誌によれば、すでに野生絶滅に近い状態にあるという。原因は食草のヌスビトハギを含む林の下草がシカに食べられてしまったことにある。実際に訪れてみて、対馬の北半分の林からは下草という下草がほぼ消え、シカが嫌う有毒植物のみが繁茂している様子を目の当たりにした。シカが下草を食べつくすことによる森林生態系の崩壊が全国各地で生じている。シカは日本の在来種で、通常の密度で生息していれば問題は生じなかったのだが、増えすぎたことが問題を引き起こす原因になっている。5月の連休頃に山あいの田畑周辺をゆったりと舞うウスバシロチョウもシカの影響を受けている生きもののひとつだ。西日本ではやや山地性となり、食草が平地まで豊富にある地域でも、このチョウは以前から、少し山間部でなければ姿が見られなかった。その理由を解き明かしたくて、十代の終わりころ、兵庫県北部で分布調査に熱中した。その結果、谷間が狭まったところほど下流まで生息していることが分かり、おそらく夏の気温あるいは湿度が分布を制限しているとの推定まではできた。それから20年。今年5月中旬に兵庫を久々に訪れてみると、ウスバシロチョウはシカがまだ増加していない地域のみで見られ、シカが増えてしまった地域では林の下草さえほとんどなくなって、チョウの姿も消えていた。本来は気候や植生によって成り立っていたチョウの分布が、シカの存在によって左右されるようになってしまっている。シカの食害による生物多様性の低下は、多くの場所では今世紀に入ってから顕在化したが、全国を見渡せば決して近年に始まったことではない。例えば宮城県の金華山など、小さな島ほど早くから影響が出ていた。増加の理由については、狩猟者の減少、戦後の拡大造林によって好適な環境が増えていたこと、天敵が乏しくなっていることなど、いくつか候補が考えられている。だが、統一的な見解はまだないし、ひとつの理由だけで明快に説明できるような単純なものではないだろう。ただ、半世紀近く前から「このままでは植物が健全に生育せず、生態系が崩壊する」という研究者による予測はあった。生態系が持続可能になるであろう「シカの適正個体数」も算出されていながら、対策を実行に移すことが非常に困難で、ほとんどの場所では手遅れになってきた。シカは大型獣で跳躍力にすぐれ、広域を移動するため、まだ増えていない地域への移動を制限しようとすれば、人の背丈よりもはるかに高い柵が必要になる。現実的には、農地などを柵で囲う以外に効果的な方法はない。食肉としての流通を呼び掛ける声もあるが、需要はごく乏しいので現在駆除されている数でさえ釣り合わない。課題が明確でありながら、現在の社会の仕組みのなかでは短期間で有効な手が打てず、長期的な取り組みになることは間違いない。低密度に抑え続けることが必要だが、3年あるいは5年で区切られがちな行政の事業のなかで、長期的な対策をどのように位置づけるかということも大きな課題となる。もちろん、全国各地で官民あわせて様々な取り組みがなされており、狩猟による駆除と並行して、研究機関と行政との連携で様々な調査・研究が進められ、シカからの防護柵の設置や効果的な捕獲わなの開発なども試みられている。現状では目先のひとつひとつの課題について、様々な立場の人が取り組むほかなく、ツシマウラボシシジミについても生息できる環境を残すよう、対馬市や環境省が専門家の調査を受けて、すでに対策に動き出している。ひとたび崩れた生態系を元に戻すのは容易ではなく、「もう諦めよう」と言ってしまうことは簡単だが、諦められずに正面から取り組む人々の苦悩が今日も全国各地で続いている。
(柵立てて「イノシッシ」:鳥取)
シカやイノシシなどの獣害に悩む鳥取県八頭町横田で15日、鳥獣被害防止ボランティア団体「イノシッシ団」と地元住民らが、侵入防止柵の設置作業を行った。総勢約50人が集落と山林の境界線に約600メートルのワイヤメッシュ柵を取り付けた。少子高齢化が進み、住民だけでは作業が困難となっている同地区から支援要請を受け、県がイノシッシ団を中心にしたボランティアを派遣。作業のこつや設置後の維持管理をアドバイスする県鳥獣技術士のイノシッ士をリーダーに、4班に分かれて作業を同時進行した。団員らは、地中30~50センチ程度に支柱を打ち込み、高さ2メートル、幅2メートルのワイヤメッシュ柵を針金で連結していった。今後、設置方法を学んだ地元住民を中心に400メートル分を設置し、総延長約1キロの侵入防止柵を完成させる。同地区は18戸しかない小規模集落。10年ほど前にシカが現れ始めた。近年は10頭以上の群れがうろつき、庭木や果樹の新芽を食べるなど被害が拡大していた。同地区農事実行組合の下田正組合長(61)は「高齢者の多い地元だけでは侵入防止柵の設置は無理。とてもありがたい」と感謝していた。
(狩猟免許とらない?ハンター減って絶えぬ鳥獣害:茨城)
イノシシなどによる農作物への被害が絶えないなか、県内のハンターがじわじわと減り続けている。県によると、1998年度に約9千人いた県内の狩猟者は2012年度、約4千人にまで減った。高齢化も進むため、県は若手に関心を持ってもらおうと対策に乗り出している。県環境政策課によると、県内の狩猟免許取得者数は年々減少。98年度に7421人いた取得者は、12年度には3985人にまで減った。県内で狩猟をするときに届け出る登録者数は98年度に約9千人いたが、14年間で半数以下に。年齢構成をみると、免許取得者のうち71・5%は60歳以上。10年前は全体の40%余りだったことから見ても、高齢化が進んでいることがわかる。
(御嶽山、ライチョウを守れ)
環境省などによると、ライチョウは日本アルプスの標高2500メートル以上の高山帯に生息する。近年、温暖化などの影響で、カラスやキツネなどが高山帯まで進出し、ヒナや卵が食べられるなどして個体数が減少。1980年代は国内に約3000羽いたとされる個体数は、現在約2000羽弱と推測されている。御嶽山では、林野庁中部森林管理局が2012年度に調査し、153羽が生息していると推定した。今回の噴火の影響について、ライチョウの生態に詳しい信州大教育学部の中村浩志特任教授は「灰をかぶっても、ほとんどのライチョウが無事に逃げられたと思う。冬の間は雪や灰があまり積もっていない亜高山帯に下りて木の芽を食べるため、飢える心配はないだろう。ただ、普段暮らしている高山帯には灰が降り積もり、植物が枯れて餌が取れないため、春に巣作りできない可能性がある」と懸念する。御嶽山が有史以来初めて噴火した1979年秋の前後で、ライチョウの個体数にほとんど変化がなかったという記録もある。中村教授らの独自調査によると、繁殖期の79年春につがいを約50ペア確認し、81年春も50ペアだった。ただし、95年春には35ペア、08年春は28ペアと減っており、長期的には減少傾向にあるとみられる。長野・岐阜両県は、ライチョウを県鳥に指定している。長野県自然保護課は「入山規制が来春に緩和されるか未定だが、緩和され次第、調査に向かいたい」と話している。
(小学生がキジを放鳥:大分)
子どもたちに自然や生き物を大切にする心を育もうと、大分市の森で小学生がキジの放鳥を体験しました。キジの放鳥体験は大分市の大分キヤノン大分事業所が自然保護活動の一環として毎年開催しているもので、10日は佐伯市蒲江の小学5年生22人が参加しました。児童は事業所で飼育されたキジ22羽を箱から取り出し、山に返していきました。多くの児童はキジを見るのが初めてで少し怖がる場面もありましたが、元気よく空に羽ばたく様子を見るとうれしそうに歓声をあげていました。大分キヤノン大分事業所は生態系を守る活動として工場を立地した2008年からキジを卵から育てて、自然に返す取り組みを続けています。
(ヒヨドリ食害7割減、ミカンの木を糸でぐるぐる巻き:三重)
三重県御浜町にある県農業研究所紀南果樹研究室は、温州ミカンの木をミシン糸でぐるぐる巻きにすると、ヒヨドリの食害を7、8割減らせることを明らかにした。糸は約20~30センチの幅で巻き付ける。木をネットで覆う従来の対策と比べて安価で、作業も木1本当たり3分程度でできるのが利点だ。 張った糸に羽が絡まるのを恐れ、鳥が近づかなくなるため、被害が減るとみられている。カラス対策として柿の木に糸を巻く方法はあったが、糸の幅を狭めて小型のヒヨドリにも応用できることを示した。県内のかんきつ園地では、9月から翌年4月にかけて渡り鳥であるヒヨドリの食害が発生し、対策が急務となっていた。同研究室では、同町の温州ミカン圃場(ほじょう)で糸を利用した食害防止策を検討。成木19本で試験し、このうち2本の木には何もせず、17本には糸を巻いた。糸を巻いた木は、糸の使用量を変えて、効果を見た。早生品種収穫時期の10月25日から調査を開始。糸を巻いてから11日、20日、32日後のいずれの時点でも、糸の使用量が多いほど被害が減少することが分かった。被害は、被害額に経費を加えた額を、無被害時の販売額で割った「被害額率」を算出して比較。何もしなかった木では被害額率が1本平均約20%になったが、糸を巻いて被害を減らした木の中でも被害が少なかった3本では、同5%だった。この技術のポイントは、糸を張る経費が1本当たり100円程度と安価なこと。糸は、被害の少なかった3本の平均で1本当たり9メートル必要だが、ミシン糸を使うため、糸代は木1本当たり51円。1本当たり3分でできるので、労賃は1時間1000円で換算しても、1本で50円程度になる。同研究室の市ノ木山浩道課長は「糸の張り方は、ヒヨドリが羽を広げた幅より狭い20~30センチ幅を目安にしてほしい。ポイントは、鳥が侵入しないように木全体に満遍なく張ること」と話す。
(全国で拡大するイノシシ被害、NHKで特集番組を放送へ)
イノシシは、神経質で警戒心の強い動物です。突進力が強く、突然人間を襲うことが有ります。走るスピードも速く、大きいために大人でもイノシシの突進によって跳ね飛ばされ大怪我を負う事があります。時速45キロで走ることも出来ます。ネット上ではイノシシと車がぶつかった画像をいくつも見ることが出来ますが、車がへこんだり、壊れてしまうほどの威力があります。過去には、男性が畑で血を流して倒れて亡くなっているのが見つかり、近くにイノシシの足跡が残されていたのと、足や背中などに突き刺された跡が有り、イノシシに襲われたことにより失血死で亡くなった事が分かりました。オスのイノシシの牙はとても鋭く危険です。牙を使って攻撃されれば深い傷を負い大怪我になります。大人の人間が攻撃された場合は、イノシシの牙がちょうど太ももの高さになるため、大腿動脈を破られて、失血死してしまう事もあります。メスの場合牙は短いですが、その代わりに噛みついてくることも有ります。イノシシは、多くの地域で被害を出しています。住民が大怪我をしたり、芝生が掘り返されたり、農作物を食い散らかすなど被害が拡大し、自治体でも駆除を行っては居ますがなかなか被害は減りません。最近では、佐世保海上保安部の巡視艇がパトロールの最中にイノシシが泳いでいるのを見つけ、その様子がテレビに流れるなど話題になっていました。NHK総合11月9日19時30分放送の『ダーウィンが来た!生き物新伝説』で、イノシシの生態について放送されます。竹林に大量の無人カメラを設置しタケノコを狙ったイノシシはどんな行動をしているのか、住宅街に現れるイノシシの現状などが分かるということです。
(海を泳ぐイノシシが目撃された理由:長崎)
長崎県で、カナヅチと思われていたイノシシが、海を泳ぐという珍しい映像が撮影された。「山」のイメージが強いイノシシがなぜ、海を泳いだのか。貴重なイノシシの生態が撮影されたのは、先月27日のことだった。長崎県佐世保市の沿岸から南に約1キロの沖合で、1頭のイノシシが波に揺られながら泳いでいる様子を、海上保安庁の巡視艇の乗組員が発見。ビデオカメラで約3分間にわたって撮影したのだ。イノシシが目指していたのは、対岸の同県西海市と見られるが、無事に岸までたどりつけたかは不明のままだ。イノシシといえば、一般的に人里離れた山奥に生息するイメージが強く、海を泳ぐなどという話は聞いたことがない。しかし、イノシシの生態に詳しい近畿中国四国農業研究センター研究員の堂山総一郎氏は、「他の哺乳類同様、ある程度の泳力はある」と話す。堂山氏によれば、イノシシは、潮の流れに乗れば10キロくらいを泳ぐことも可能だという。実際、九州北部や瀬戸内海あたりでは泳ぐイノシシは珍しくなく、頻繁に目撃もされている。今回目撃されたイノシシは、体長約80センチと小さいことから、親とはぐれてしまった可能性も指摘されている。長崎県内の鳥獣害対策を担当している県農山村対策室によると、県内でも海を泳ぐイノシシの目撃情報は年1回程度あるという。ただ、泳ぐ理由までは不明だと話す。「耕作放棄地の増加などにより、木の実などを食べるイノシシの生息環境はよくなっている。エサ場を求めて海を渡るということは考えにくく、あえて飛び込む理由はわかりません」(担当者)ならば、いったいイノシシたちの海中遊泳にはどんな背景があったのか。前出・堂山氏は次のように推測する。「イノシシには、みずから海に飛び込む習性はありません。プールなどに落とす実験でも、落水後すぐに水から上がろうとします。したがって、いちばん考えられるのは、人間や犬に追われて海に逃げ込んだケース。自動車などにぶつかって、驚いた拍子に飛び込んでしまった可能性もありますね」すぐに岸に戻ろうとするものの、潮の流れが速いとそのまま流されてしまう。また、イノシシは走り続けることで体温が急速に上昇し、死に至ることもある。そのためハンターや犬に追われて逃げている際に、体温を冷ます目的で海に飛び込むこともあるという。長崎県は、福岡や宮崎と並んでイノシシによる農作物被害が深刻な県だ。12年度の被害総額は約3億2000万円。同年度には約3万1000頭を捕獲したが、それでも稲やジャガイモなどの被害が後を絶たない。そのため県や自治体もイノシシの増殖・繁殖には神経をとがらせている。「今回の佐世保湾沿岸はもともとイノシシが多く生息している地域ですが、そうじゃない場所に流れつかれると、やっかいですね」(前出・県農山村対策室担当者)実は、今年3月、県の離島・壱岐で初めてイノシシが捕らえられた。もともと島に生息していなかったが、4年前に海から上陸するところを目撃されて以来、農作物の被害が相次いでいた。前出・県農山村対策室担当者によれば、「この時上陸したイノシシは、玄界灘を挟んだ対岸の福岡県・糸島半島から追い立てられ、30キロ離れた壱岐にたどりついたと見られています」3月に捕獲されたイノシシは雌の成獣だったが、幸い2~3年以内に出産した様子はなく、繁殖していた可能性は小さい。しかし、万が一に備え、市では駆除活動を続けていくという。佐世保湾を泳いでいたイノシシが妙なところへ“猪突猛泳”していないことを祈るばかりだ。
(死んだふり?逃げるべき?クマと出会った時の正しい対処法)
山でピクニックやハイキング、トレッキングをしている時に熊に遭遇したら、どう対処すればいいのでしょうか?通説的に言われている対処方法でも、誤っていることや危険なものもあるので、本記事でそれらをまとめてみようと思います。本記事では、日本列島・本州に生息するツキノワグマを想定しています。北海道に生息するヒグマ、北アメリカに生息するグリズリーには通用しませんのでご留意ください。クマに遭遇した時に、やってはいけない4つの行動を紹介します。1:死んだふりをする…これは一番知名度の高い、ある種の都市伝説でしょう。まず、根拠が全くわかりませんし、死んだふりをしている時にクマが臭いなんか嗅ぎにフガフガスリスリしてえきたら、恐ろしさとくすぐったさのダブルパンチでピクっとしてしまうでしょう。また、ほんとに死んでるか確かめるために噛られて振り回されるかもしれませんよ。嗚呼、おそろしやおそろしや。2:叫ぶ、大声を出す…クマと遭遇したときにびっくりして叫んだり、大声を出すのは危険でしょう。クマが襲ってくるということは、こちらに恐怖心を抱いてるという場合が多いからです。大声を出したり叫んだりすると、クマがびっくりして襲い掛かってくる危険性を高めるといえるでしょう。3:背中を向けて逃げる…動物には背中を向ける相手、逃げる相手を追いかけるという本能があるようです。背中を向けて走ると犬に追いかけられた、という経験がある方もいるのではないでしょうか。背中を向けて走ると、ほぼクマの標的になるといえるでしょう。4:カメラを向ける、写真を撮る…クマに遭遇すると、物珍しさや好奇心からカメラを向けたくなる人もいるかと思いますが、これは非常に危険ですのでやめたほうがよいでしょう。動物は、「目」を恐れるという特徴があります。目よりも数倍大きいレンズを向けられることは、クマにっとって恐怖そのものです。もちろん、フラッシュをたくなどもってのほかです。自然界に閃光は雷しかないので、とても驚かせてしまいます。熊に遭ってしまった時の対処法-以下に記載する方法は、あくまで「襲われるリスクを軽減するであろう」方法です。確実に助かる方法ではないので、ご了承のうえ参考にしてください。1:睨みつける…睨みつけて我慢比べ、まさしく「にらめっこ」です。クマに「こいつ、ビビってるな」と思われたらおしまいですので、根気強く、目を逸らさずに睨め続けます。よく「睨めながら後退りし距離を置く」とは言われますが、出会ってしまった状況でそのようなことが可能かはわかりません。見つめ合っているうちにクマが去った、というケースも多いので、目を逸らさずに睨め続けましょう。クマに出会ってしまったら、あなたの「揺るがない心」が一番大切です。2:木に登る…「クマは木登りが得意だ」とはよく言われることですが、地上でクマと戦うよりは幾分有利な点があります。人間は腕力よりも脚力のほうが数倍強いといわれますし、靴を履いているので素手よりは攻撃力が格段に上といえるでしょう。また、木に登れば上から下へ足を使うことができます。そもそも木に登った相手をわざわざ追いかけてくるのか、ということもあるので、案外使える対処法なのかもしれません。地上でクマにマウントを取られたら勝ち目がありません、万事休すです。襲われたら!身を守るための方法-1:傘を開く…クマに襲われた時にとっさに傘を開いたらクマが逃げていった、という話があります。いきなり傘が開きクマもびっくりしたのでしょう。2:クマ避けグッズを使う…クマ避けスプレーや、爆竹といったグッズを使ってクマを追い払う方法です。このようなクマ避けグッズは、いつでも使えるように携帯しましょう。カバンからゴソゴソと探している暇はありません。3:鼻を蹴る…こんな余裕はまずないと思いますが、万が一襲われて至近距離に詰められた場合はクマの鼻をめがけて攻撃しましょう。他の動物もそうですが、クマも鼻が急所のようです。4:頭を隠してうずくまる…何もできることが無い場合はこうするしかありません。腕で頭を隠し、うずくまります。背中はリュックやザックが守ってくれるので、これが最善の方法でしょう。熊に遭わないようにするには…?当然ですが、クマに出会わないのが一番いいに決まっています。クマに出会わないようにするためのポイントをまとめましょう。1:出没ポイントでの朝、夕方の行動を避ける…クマは早朝、夕方に活発に行動します。この時間帯は出没地点で行動することを避けるのが、一番の有効策でしょう。川沿いなどクマの出没が多い場所には「熊出没注意!」という標識が設置されている場合があります。また、登山指導センターなどで、出没情報が共有されていますので、チェックすると良いでしょう。2:鈴をつける…荷物や腰に鈴をつける方法です。鈴をつけて歩くと音が出ますので、自分の存在を周りに知らせることができます。自分の居場所を知らせてクマに避けてもらうという方法です。そのほかにも、声を出したり話をする、笛を鳴らすというのも同じく有効だと言えるでしょう。これらの方法は、周囲の登山者の迷惑にならないよう注意しましょう。3:油断をしない、気配を察する…「クマなんかいるわけない!」とか「まさか自分が…」という考えは捨てましょう。注意しながら歩いていると、意外とこちらがクマに気づいているのにクマが気づいていない、なんてこともあります。クマは執着心がつよく、目の前のことしか考えていないので、食事中や何かをしているときは驚くほど周囲に無頓着です。このような場面に遭遇したら、静かに立ち去りましょう。まとめてみると、クマに出会ってしまった場合は結局は運だ、ということです。子連れのクマや、手負いのクマなどは興奮しているので襲ってくる確率が高いですし、逃げても追いかけてこない場合もあるでしょう。「やってはいけない!」で述べたことと、有効と思われる対処法も案外表裏一体ですので、逆の場合もあるかもしれません。そして、クマがみんな人間を恐れているとは限らない、ということです。身も蓋もありませんが、クマ相手ですのでありますので最後は運命に任せるしかありません。以上の点を念頭に、アウトドアを楽しみましょう!
(ぎふジビエ推進ネットワーク、来月設立の方針:岐阜)
県は18日、県鳥獣被害対策本部の本部員会議を県庁で開き、イノシシやシカなどジビエ(野生鳥獣肉)の普及を図る「ぎふジビエ推進ネットワーク」(仮称)を12月に設立する方針を示した。県は昨年度、衛生的な処理方法や施設の概要を示す「ぎふジビエ衛生ガイドライン」を策定。この基準に基づいた解体処理施設が県内では現在5カ所あり、「ぎふジビエ」を提供するレストランも県内や名古屋市に登場している。ネットワークは食肉処理業者、レストラン、学識研修者や市町村担当者など50人で構成。ぎふジビエの普及・拡販を図る。12月18日に岐阜市内で設立会議を開催。解体講習会やレストランでのフェア、調理師を対象とした料理講習会を予定している。昨年度の県内農作物の鳥獣被害額は4億7千万円で、前年度と比べて9%増加。県は鳥獣被害を抑えるためにイノシシやシカなどの捕獲を推進している。本部長の古田肇知事は「ぎふジビエの積極的なキャンペーンを図るように」と指示した。
(害獣シカ、広がる食材活用:山梨)
農作物を食べ荒らし、深刻な被害を与えているシカを食材として活用する取り組みが、山梨県内でも広がりを見せている。富士河口湖町、丹波山村に続き、今年8月には早川町に食肉加工処理施設が完成し、都内のレストランに食肉を卸している。富士河口湖町では10月、飲食店主や宿泊業者らを集めたシカ肉料理の試食会が開かれ、地域の特産作りも始まっている。シカ肉活用の広がりの背景には、頭数の増加がある。県によると、県内に生息しているシカは2013年現在、推計で3万4230頭に上る。これは、環境省が生物多様性保全や農業被害防止などの観点から示した山梨県での適正数(4700頭)の7倍以上になる。また、シカが農作物を食い荒らす農業被害も年々増しており、08年度に2800万円だった被害額は、12年度には4000万円と5年間で1・4倍に増えた。県みどり自然課の担当者は「これまでは駆除したシカは捨ててしまうか、猟師が自分で消費するだけだった。処理施設の整備で食肉としての有効活用が期待できる」と話す。こうした中、富士河口湖町精進にある「富士河口湖町ジビエ食肉加工施設管理組合」は08年から、シカ肉の処理・販売を開始。猟師が持ち込むシカを1キロ当たり400円で買い取り、内ロースやモモなど部位ごとに分けて冷凍して1キロ500~4000円で販売している。現在は年間約2トンを処理するまで増え、売り上げも順調に伸びている。加工処理所の滝口雅博所長(61)は「河口湖産はおいしいとプロの料理人から好評をいただいている」と胸を張る。09年には丹波山村直営の「丹波山村シカ肉処理加工施設」がシカ肉の販売を始め、年間500~800キロを処理。村営の道の駅でソーセージを販売したり、村営温泉でシカ肉料理を提供したりしている。早川町では町が施設を建設し、現在、町内の民間業者が食肉加工・販売を行っている。「柔らかい」「おいしい」――。10月16日、富士河口湖町勝山の勝山ふれあいセンターで行われた試食会では、シカ肉を使ったカレーや竜田揚げなど7種類の料理を食べた参加者から、こんな感想が聞かれた。中でも柔らかいシカのロース肉とトリュフを使った「ロッシーニ風」は、牛肉と変わらないような肉の食感とトリュフの香りが合い、参加者の人気を集めていた。試食会を主催したのは、町内の食材を使った料理で地域おこしに取り組んでいる市民団体「富士山麓んめぇ~もん倶楽部」。梶原正信会長(62)は「シカ肉が和洋色々な料理に使えて、おいしいということを知ってもらたい」と話し、今後も試食会を企画するつもりという。岡山県ではシカを含めたジビエ(野生鳥獣の肉)の活用を進めようと、11年度から県が飲食店主らを集めた研修会を開催。ジビエ料理などを扱う店は同年度の3店舗から、今年1月時点では22店舗に増えたという。富士河口湖町ジビエ食肉加工施設管理組合によると、シカは細菌の繁殖を防ぐため、撃ってから2時間以内に処理する必要があるため、供給が安定していないのが課題だという。それでも、滝口所長は「牛肉と変わらないくらい品質がいいという自信がある。一度食べていただければ、良さが分かるはず」とPRしている。
(「しか煮込みうどん」好評:北海道)
手打ちそばなどの三幸食堂(登別市中央町、阿部和則店主)がこのほど、登別産エゾシカ肉を使った新メニュー「しか煮込みうどん」を創作し、金曜日限定で提供を開始した。シカ肉の風味とピリ辛が特徴。味と珍しさ、ワンコイン(500円)という安さもあり、好評を得ている。登別市が本年度から取り組んでいる、市内で駆除されたエゾシカ肉の普及促進事業に賛同し、夏ごろからメニュー開発に着手した。同事業は「登別に食の名物がない」との声を背景にしたもので、これまで焼却処分していたシカ肉の有効活用などを目指している。阿部さんは、シカ肉普及には低価格が欠かせないと考え、ワンコインでの提供を前提にコスト計算し開発。当初は大変苦労したという。「とにかく火を通すと硬くなる」からだ。そばとの相性も「良くない」と感じた。このためひき肉として使うことにし、コストと味のマッチングを考えうどんを採用。「ふわっとした」感じを出すためトリ肉と半々の割合で混合し、鷹の爪と刻みネギを合わせた炒めものを、煮込みうどんの上に載せた「しか煮込みうどん」が完成した。10月17日から金曜日限定メニューとして、1日30食の提供を開始した。2週目までは6食しか売れなかったが、店舗近くの市役所の応援もあり、3週目には30分で30食が完売した。さらに口コミで広がっていくことを期待している。地元産シカ肉は町内の精肉店「鮮肉もりせい」から仕入れており、通年で入荷できる見通しで、来夏前には新メニューへの切り替えを検討している。「シカ肉の扱いにくさを逆手に取ることで、新メニューのヒントが見えてくるのではないか」と創作意欲を高めている。
(犬猫向け餌用シカ肉販売:北海道)
中標津町在住の吉原由紀子さん(42)、北井なごみさん(46)によるボランティア団体ユッキーズが、中標津保健所などで保護された犬猫の里親捜しに取り組んでいる。活動をより充実させるため、収益を資金に充てようと、先月下旬から犬猫向けシカ肉の販売をスタート。捨て犬猫問題の根本的な解決につながる、啓発活動にも力を注いでいる。
(野生の味を噛みしめよう!牡丹鍋の基礎知識と3大名産地)
寒さが強まり、鍋がおいしい季節となってきました。水炊き、しゃぶしゃぶ、すき焼き、キムチ鍋、トマト鍋……たくさんの種類がある鍋料理のなかで「牡丹鍋」を食べたことがありますか?「牡丹鍋ってなんの鍋?おいしいの?」「食べてみたいんだけど何味なのかわからない!」という疑問を抱かれている方も多いのではないでしょうか。ここでは、そんな牡丹鍋についてご紹介いたします。牡丹鍋とはイノシシの肉を使った日本の鍋料理のひとつで、しし鍋とも呼ばれています。お鍋の中で野菜・根菜・いも類・こんにゃく・きのこ類・お麩・豆腐などの具材をしし肉とともに味噌仕立てに煮るという調理法が一般的です。地方によって味付けが異なりますが、味噌のほかには醤油などを使うこともあるようです。「ぼたん」という鍋の呼び名は、使われるシシ肉を薄く切り、牡丹の花のようにさらに盛り付けることにちなんでいます。イノシシの肉は厚いわりに淡白で、煮込めば煮込むほどやわらかくなります。肉自体の獣くささは狩猟後の血抜きの巧拙や調理者の手腕によるため、初挑戦する場合は口コミや評判をチェックしてからお店に行くといいでしょう!縄文・弥生時代のころからイノシシは貴重な食料として扱われており「古事記」「日本書紀」にもシシ肉を食べる記述を見ることができます。その後、仏教の渡来とともに肉食が禁止されていきましたが、実際には市場で獣肉が出回っていたそうです。そのなかでもイノシシの肉は美味とされており、江戸時代でも「山鯨」という名称で食べられ続けていました。明治時代になって肉食が解禁されると、特にイノシシを入手しやすい山間部の地域でシシ肉を使った鍋が発達し、食用としてさらに広まっていきました。兵庫県・篠山と静岡・天城山、そして岐阜県の郡上が日本のイノシシの3大名産地といわれています。これらの地域が名産地と呼ばれるには、イノシシが育った環境にその理由があります。イノシシは、岩山や起伏に富んだ険しい形であればあるほど、良く育つといわれています。雑木林や竹やぶのなかで体をぶつけながら走り回ることでイノシシがたくましく育つんですね。また、イノシシは大食漢で雑食性です。木の実やキノコ、豆や米など、豊富な山の幸を食べて大きくなったイノシシのお肉はその栄養と同じうまみを持つんだとか!篠山と天城山・郡上のイノシシはこうした条件がそろった山の中でのびのびと育つからこそ、「3大」に数えられるんですね!岐阜県の樽見鉄道では、列車の中で牡丹鍋を食べることのできる「しし鍋列車」というイベント列車を運行しています。車窓に流れる雪景色を眺めながら、あたたかい牡丹鍋に舌鼓を打つ贅沢さに毎年大盛況なんだとか。「しし鍋列車」は年末年始を除く12~2月の毎週木曜日に運行しています。完全予約制なので、気になる方は要チェック&要予約!また、兵庫県の牡丹鍋は2007年に農林水産省が主催の「農山漁村の郷土料理百選」に選定されています。牡丹鍋を食べたいときは、その産地に注目したお店選びをしてみるといいのかもしれませんね!あまり気軽に食べられるわけではない牡丹鍋ですが、その独特のうまみと甘みはぜひとも一度味わってみたいものです。産地や口コミに注目しつつ、今年の冬は牡丹鍋に挑戦してもいいかもしれませんね!
(イノシシ肉メニュー、初日は完売:栃木)
県庁生協食堂は17日、那珂川町など八溝地域で捕れたイノシシの肉を活用した料理の提供を始めた。コロッケやすき焼き風煮などのメニューを、毎日約50食用意する。初日に登場したコロッケは完売し、上々のスタートを切った。21日までの期間限定サービス。14~30日に実施中の「有害鳥獣捕獲強化・安全確保キャンペーン」の一環。農業被害などをもたらすイノシシなど、有害鳥獣捕獲への県民理解の促進を図ることが狙い。イノシシ肉は県中山間地域活性化推進協議会が協力した。那珂川町は「八溝ししまる」のブランドで地元産のイノシシ肉を販売している。豚肉に似た食感で、臭みがなく、食べやすいという。メニュー名には「ししまるコロッケ」や「ししまると野菜のチーズデミトマトシチュー」などと「ししまる」を冠した。生協食堂で提供する時間は午前11時~午後1時半。価格はごま炒めやシチュー、すき焼き風煮などの主菜が250円か270円、コロッケカレーが500円などとなっている。
(ベッカーズで限定販売中の「鹿肉バーガー」)
最近、「ジビエ」という言葉をよく聞く。ジビエとは狩猟で食材用に捕まえた野生の鳥や動物のことだ。要するに、野生のイノシシとかウサギとか鹿とかの肉ということである。なかなか興味深いがイキナリ狩猟肉とかちょっと敷居が高いなぁ……と、思っている人に是非とも試してほしいジビエがある。それはベッカーズの「鹿肉バーガー」。手に入りやすく、比較的リーズナブルに食べられるのでちょっと試してみたい人にピッタリなのだ。JR東日本グループのカフェ「ベッカーズ」では、ここ数年、秋になると鹿肉バーガーを提供している。それが今年もやってきた!2014年11月1日より販売となった「信州ジビエ鹿肉バーガー(690円)」だ。ハンバーガー1個に690円とは高い気もするが、実物を見るとそんな思いも吹き飛ぶはず。ベッカーズのハンバーガーは、どこかのぺしゃんこバーガーにあらず!!広告の写真と同じ、それ以上かと思わせるボリュームなのだ。注文を受けてからグリルされる100グラムのぽってり鹿肉パティ。ガブリっとかじりつくと、パティ(ハンバーグ)は牛肉のそれとは全く異なることがわかる。柔らかでありながら、「ぷりっぷりっ」と音を立てそうなほどの弾力なのだ!肝心の味はというと、ズバリ「淡白」。強い主張は感じないのでクセがないと言えばない。だがその一方で、牛や豚、鶏とは明らかに異なるので、クセがあると言われればある。不思議な味わいである。鹿肉バーガーは、信州の鹿肉を使用したパティのほか、長野県産のあわび茸、玉ねぎ、鹿肉ダシに赤ワインが加えられたソース、そして粒マスタードが自家焼成の酒種(さかだね)バンズ(パン)にサンドされている。パティだけを食べ続けると正直ツライものがあるのだが、そこはシャキシャキ玉ねぎと赤ワインのソース、マスタードの酸味がうまいことバランスをとってくれる。鹿肉に目を奪われがちだが、使用されている全ての食材を一緒に口に運んだときに、信州ジビエ鹿肉バーガーの真価が発揮されるように感じた。これはナイフとフォークを使って上手に食べたいところである。なお、信州ジビエ鹿肉バーガーは数量限定で12月31日まで、カフェ&デリベッカーズ池袋東口店、R・ベッカーズ田町店を除いたベッカーズ18店舗で提供予定だ。さらに、11月10日からは、ベッカーズよりもはるかに店舗が多い系列店「ベックスコーヒー」でも信州産の鹿肉を使ったソーセージを使用した「信州鹿肉ジビエドッグ(480円)」を発売予定である。今年はジビエにチャレンジしてみたい!という人は試してみるといいかもしれない。

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(ハンター減で狩猟税廃止検討)
政府、与党は来年度の狩猟税制改正で、都道府県がハンターから徴収している狩猟税を廃止する検討を始めた。ハンターの減少に歯止めをかけ、野生動物による農作物への被害を防ぐ狙いで、今後、議論を本格化する。ただ全国の税収は2012年度で約17億円に上り、都道府県から反対の声も出ている。狩猟税は使用する銃や網、わなに応じて、それぞれ5500~1万6500円を毎シーズン、支払う。税収は鳥獣保護や猟場のパトロールなどに使われる。狩猟免許を持つ人は1970年代には50万人前後だったが、ここ数年は20万人程度に減少した。高齢化と、新たに猟を始める人が少ないことが原因。
(熊が男性襲う、顔にけが長野)
7日午前8時半ごろ、駒ケ根市中沢上割大洞の山中で、仕掛けたわなを見に来た同市下平の男性(66)が熊に遭遇し、襲われて顔にけがを負うなどした。駒ケ根署などによると、男性は伊那市内の病院へ運ばれ、重傷とみられる。同署員や猟友会員、駒ケ根市職員が熊を捜している。現場は伊那市との境の西側。付近に人家はない。同署などによると、男性は猟友会員で、わなはイノシシ用という。伊南行政組合消防本部によると、男性は自分で車を運転して自宅に戻り、119番通報した。市は現場周辺を回り、防災行政無線や音声告知端末、メールでも注意を促した。同署も「音の出る物を身に着けて外出してほしい」と呼び掛けている。
(熊にかまれ男性軽傷:長野)
12日午前11時ごろ、長野県塩尻市洗馬の畑でレタスを収穫していた近くの男性(58)が後ろから熊に襲われ、右太ももをかまれた。男性は松本市内の病院に運ばれ、軽傷。現場は小曽部川左岸で周囲には人家もある。塩尻市職員や地元猟友会員、塩尻署員など計約30人が一帯を捜索したが、熊は見つかっていない。塩尻署によると、男性は畑の脇に止めたトラックのラジオを付けて作業していたが、突然襲われた。熊は体長約1メートルで、男性が大声を出すと西の方に逃げたという。近くの洗馬小学校はこの日、現場近くに住む児童の保護者に下校時に迎えに来るよう呼び掛けた。同校は周辺で熊が出没した9月下旬から、登校時は保護者が付き添い、下校時はPTA役員の協力で集団下校させてきたが、高山雪校長は「しばらく厳戒態勢で対応する」と話した。市は朝夕のパトロールを継続し、塩尻署も同小の登下校時間帯を中心に警戒する。地元猟友会員は雑木林や竹やぶを集中的に捜索し、小曽部川をさかのぼったが熊は見つからなかったという。
(クマに襲われ60代夫婦けが:岐阜)
12日午前10時50分ごろ、岐阜県高山市丹生川町根方(ごんぼう)の笠根橋から北へ200メートルほど離れた山すそで、地元に住む60代の夫婦がクマに襲われた。高山署によると、2人はカキの実を採りに行った際にクマと遭遇。顔を引っかかれるなどして負傷したが、命に別条はない。2人は近所の民家に逃げ込み、市内の病院に搬送された。笠根橋は国道158号沿いの小八賀川に架かり、周囲に民家も点在している。地元の猟友会員らが付近を捜索しているが、クマは見つかっていない。現場近くに住む主婦中舎清美さん(71)は、裏山の方角から「助けてくれ」という叫び声を聞き、外に出ると、2人が尻で滑るように山を下りてくるのが見えた。夫の藤一さん(78)が助けに行く間に通報した。「2人とも顔が血で真っ赤。だんなさんは首からも血が出ていた」。クマはすでに現場にいなかったという。中舎さん方でもクリやカキの実が食べられた跡があったという。清美さんは「気を付けようと、町内のみんなで言い合っていたところだった。外に出るのが怖くなってくる」と話した。高山市では今年、クマの目撃情報が300件以上寄せられ、統計を取り始めた2006年以降最多となっている。今回の現場から北西へ約1キロの丹生川町瓜田のリンゴ畑では6日、クマに襲われたとみられる農業男性(74)の遺体が見つかっており、市は対策本部を設けて市全域で警戒を強めている。岐阜県内などでは今秋、クマの主食のドングリが不足し、人里での出没が相次いでいる。
(女性ら3人にけがさせたサル射殺:島根)
島根県警江津署は7日、江津市都治町で女性ら3人にけがをさせて逃げていたサル1匹が同日午後4時45分頃、同町内で猟友会員に射殺されたと発表した。同署によると、5日午前9時45分頃、同町の市道を歩いていた近くの女性(88)が、背後からサル1匹に飛びかかられ、振り払う際にひっかき傷などのけがを負った。サルは付近で5日夕に80代女性、6日夕に80代男性にそれぞれかみついて軽いけがを負わせ、同署や市などが警戒。7日夕、住民の情報で猟友会員が民家の裏山に隠れていたサルを見つけ、射殺した。
(病院入り口にイノシシ:東京)
10日午前6時半頃、東海大八王子病院(東京都八王子市石川町)の入り口付近にイノシシがいると110番があった。八王子署によると、駆けつけた署員らが病院の敷地内で体長1・5メートルほどのイノシシを発見。駐車場の植え込み付近のくぼみに落ちたところを、地元猟友会のメンバーによって射殺された。追跡の際、敷地内にいた市内の男性(86)と男性署員(26)がイノシシにぶつかるなどし、それぞれ足と手に軽傷を負った。現場は近くを中央道が通る住宅街周辺。
(クマ、果樹園で捕獲:岐阜)
16日午前11時ごろ、岐阜市雛倉の果樹園で、捕獲用わなにツキノワグマ1頭がかかっているのを猟友会員が見つけた。市農林園芸課によると、クマは成獣の雌で体長約160センチ、体重70〜80キロ。猟友会が殺処分した。同課によると、今月5〜6日にかけて果樹園周辺でクマの目撃情報があり、市と猟友会が捕獲用のわなを仕掛けていた。市北部では10月以降、クマの目撃情報が15件あり、市は猟友会に捕獲を要請。今月7日に同市太郎丸で雄1頭を捕獲していた。市は、引き続きクマが出没する恐れがあるとして、消防署と連携してパトロールを続けるともに、防災無線で住民に注意を呼び掛ける。
(住宅街にイノシシが出没、女性かまれけが:群馬)
8日午前8時40分ごろ、太田市富沢町の路上で犬の散歩をしていた同市の無職女性(63)がイノシシに襲われた。女性は左足にかみつかれて軽いけが。イノシシは同日午後に駆除されたが、学校や住宅が建ち並ぶ市街地に現れ、周辺は一時騒然となった。太田署によると、午前9時ごろまでの間に、近くの市立南中学校などでも目撃情報があり、同署員や地元猟友会のメンバーらが周辺を捜索。しかしイノシシは姿を消した。その後、午後2時20分ごろ、同市牛沢町で「庭先にイノシシがいる」と再び同署に通報があり約10分後に発見。イノシシは介護福祉施設の敷地に逃げ込んだため、施設利用者らを一時的に避難させ猟銃によって駆除したという。体長は約1・2メートルで体重75キロ前後。人に向かって突進するなど、凶暴な様子も見せたという。
(遊歩道にクマ出没:山梨)
富士吉田市の遊歩道で18日、クマが出没したの目撃情報があり、市が防災無線などで注意を呼び掛けている。身のと猟友会がパトロールして警戒している。
(狩猟解禁15日から3カ月間、イノシシは期間延長:香川)
香川県内での狩猟が15日から来年2月15日までの3カ月間、解禁される。イノシシに限り、3月15日まで期間を延長する。県内では10月以降、イノシシに人が襲われる被害が相次いでおり、県は「マナーを守り、事故のないように気を付けてほしい」としている。県みどり保全課によると、狩猟鳥獣に指定された48種類のうち、県内では雌のヤマドリとキジのほか、ツキノワグマが捕獲禁止。ニホンジカも小豆郡地域では捕獲してはいけない。また、狩猟そのものや銃の使用を禁止した区域もある。イノシシについては、農作物への被害が大きいことから、2005年から狩猟期間を他の鳥獣よりも1カ月長く取っている。県内では過去5年間に狩猟による死傷者は出ていない。同課は事故防止に向け、狩猟者に法令順守やマナー徹底を求めているほか、ハイキングなどで野山に出掛ける人には「わなに注意し、目立つ服装で、ラジオなど音の出る物の携行を」などと呼び掛けている。
(狩猟解禁、2月15日まで:福島)
今年度の県内の狩猟が15日、解禁となった。桑折町の阿武隈川・伊達崎橋下周辺では、オレンジ色のベストを着たハンターが日の出とともに、カモやキジなどを狙い銃声をとどろかせた。県猟友会桑折支部長の後藤忠郎さん(59)は「県内のイノシシは放射線量が高く食べられない。仕方なく北海道に行き、狩猟している。現実とはいえ残念だ」と話した。狩猟期間は来年2月15日まで。農作物などに被害をもたらすイノシシは同3月15日まで。
(狩猟解禁、シカ・イノシシは来年3月15日まで:京都)
京都府内の狩猟が、15日に解禁される。猟期は来年2月15日まで。ただし、ニホンジカとイノシシは増えすぎた生息数を適正な水準に減少させるため、3月15日まで延長される。狩猟鳥獣はゴイサギ、マガモなど鳥類28種、ノウサギ、アライグマなど獣類20種の計48種。府独自措置として、府レッドデータブックに絶滅寸前種・絶滅危惧種として登録されているツキノワグマ、ヤマシギ、クロガモは狩猟による捕獲が禁止されている。解禁に合わせ、府と警察、緑の指導員、猟友会合同によるパトロール班が府内を巡回。福知山市内でも3班が、銃猟による事故防止、くくりわなの使用基準徹底を重点にパトロールする。
(狩猟、来年2月まで:群馬)
今年度の狩猟が15日に解禁される。ニホンジカによる農林業被害を食い止めるため、県は、国が定める「1人1日当たり1頭」との捕獲頭数制限を「雄1頭、雌制限なし」に引き続き緩和する。狩猟期間は昨年度同様、来年2月15日まで。県自然環境課によると、狩猟者登録数は、銃猟が約2600人で年々減少。網やわな猟は農家の自衛意識の高まりから増加傾向で約820人に上る。
(狩猟解禁、駆除に期待:兵庫)
県内の狩猟が15日、解禁され、狩猟者登録を受けた人が各地の山に分け入り、わなを仕掛けたり、猟銃で獲物を狙ったりした。解禁に合わせ、猪しし肉を使ったボタン鍋が名物の店には予約が急増。鹿やイノシシによる農作物被害が深刻化する中、農家からは駆除への期待の声も上がった。狩猟期間は2月15日までだが、鹿とイノシシは3月15日まで延長される。10月末現在、県に登録されている狩猟者は4312人。丹波市春日町の山裾ではこの日朝、狩猟歴約50年の山内秀樹さん(73)が鉄製の箱わなに扉を設置し、狩猟許可番号を書いた札をおりに取り付けた。山内さんは猪肉の販売も行っており、昨年は兵庫、京都両府県で捕獲され持ち込まれた150頭を精肉した。「去年並みの収獲を期待している」という。篠山市二階町の料理旅館「近又」では、解禁に合わせボタン鍋の予約が急増しているといい、女将おかみ森本初美さんは「年配のリピーターに加え、阪神地域の若い世代の客も増えている。最近はワインと一緒に味わうこともおすすめして、なかなか好評です」と話していた。一方、今年、収穫直前に約20アールの米の大半をイノシシに荒らされた丹波市春日町在住の女性(66)は「手間暇かけて育てた作物が被害にあうと、農業を続ける気力が失せてしまう。根本的な駆除対策をとってほしい」と訴えていた。県によると、野生動物による農林業被害額は昨年度7億9400万円に上った。中でも、鹿(3億300万円)、イノシシ(2億6900万円)の害が目立つ。特に鹿は農作物に加え、樹皮も食べて木を枯らすため、荒れた森林が増えて土砂災害が起きやすくなることも懸念されている。県は、鹿捕獲の目標を年間3万5000頭と設定し、各市に頭数を割り当てている。昨年度の捕獲数が5209頭と県内トップの豊岡市は今年度、県の割り当て(5260頭)を上回る6500頭の目標を掲げた。狩猟期間とは別に許可を得て行う有害捕獲を中心に、狩猟者への報奨金を増額するなど対策を強めている。狩猟者の高齢化も進んでいるため、県は人材養成にも力を入れ始めた。但馬県民局が独自に行ってきた「狩猟マイスター育成スクール」を今年度から全県に拡大し、受講生を募っている。
(シカ増殖、北海道から屋久島まで食害)
シカが増え続けている。被害は北海道から屋久島まで広がり、農作物だけにとどまらない。下草が食い尽くされ土砂崩れの危険が高まる場所も。10年後に倍近くに増えるとの試算もある。捕獲を強化するため鳥獣保護法も改正され、官民一体で新たな試みも始まった。野生のシカを探して、富士山南斜面、静岡県裾野市の有料道路「南富士エバーグリーンライン」を車で走った。標高千メートル付近、シカが横切った。車を止めてカメラを構えたが間に合わない。走り出すとまた一頭、扉を開けた途端に逃げられた。昼は一頭も出てこなかったが、暗くなると次々現れる。数頭を逃し、今度は車を手前から徐行させる。近づいても、母子らしいシカは道路脇で草を食べ続けていた。静かに窓を開けて300ミリの望遠レンズで撮影できた。静岡県自然保護課によると、富士山地域の静岡県側には推定で1万頭前後が生息。木々は樹皮をはがされ、植林しても葉や枝先を食べられる。国有林では4年前、静岡森林管理署や県、富士宮市、猟友会などが協力して、シカの駆除を始めた。猟師ら十数人がかりで週末に通年行ったが、2010年度は288頭。簡単には減らせなかった。
(クマ対策に一斗缶:岐阜)
高山市丹生川町瓜田のリンゴ畑で、クマに襲われたとみられるリンゴ農家の男性(74)=同所=が死亡していた事故を受け、市は7日、クマによる被害の拡大を防ぐため、公園に注意喚起の看板などを設置したほか、パトロールを実施した。地元の猟友会は7日早朝、事故現場に設置したわなを確認したが、クマはかかっていなかった。市は同日までに、市内32カ所の公園に、クマに人の存在を知らせるためにたたく一斗缶と、注意喚起の看板を設置した。担当者は「大きな音を出すことはクマとの接触を避ける上で有効」と話す。市街地の城山公園(同市城山)や北山公園(同市三福寺)では、外国人観光客への周知のために散策路に英語、中国語などの看板を立てた。同日夜は高山署員が事故現場に待機して警戒を強めたほか、市消防団が市内全域をパトロールして市民に警戒を呼び掛けた。
(ツキノワグマ出没に注意:岐阜)
岐阜市やその近郊の山里でツキノワグマの出没が相次いでいる。市内では二〇一〇年以来、四年ぶりにクマが捕獲された。えさになるドングリ不足が背景にあるとみられ、一部では農作物被害も。人に危害が及ぶ恐れもあり、各自治体は看板や防災無線を通じて注意を呼び掛けている。市北部の網代地区や三輪地区では九月下旬以降、集落の近くでクマの目撃情報が相次いでいる。市は三輪地区内の二カ所におりのわなを設置。今月七日になって同市太郎丸で、体長一・八メートルの雄の成獣がわなにかかっているのを消防団員が見つけた。クマは殺処分された。地元の三輪南自治会連合会の吉村直会長(63)=岐阜市福富天神前=は「ことしほど頻繁に目撃されるのは初めて。自主防犯組織のパトロールを強化していたところだった」と胸をなで下ろしつつ、「まだいるかもしれない」と気を引き締める。市によると、クマに関する住民からの通報は例年十件に満たないが、今季は既に十二件に上っている。市は「少なくとも冬眠が始まる十二月までは警戒が必要」として、目撃情報があった現場付近に注意を呼び掛ける立て看板を設置するなどしている。岐阜市に隣接する山県市でも六日、旧美山町の田栗・笹賀地区でクマが捕獲された。目撃情報など住民からの通報は夏以降、市内で五十件近くあり、「例年二、三件程度なのを踏まえると、極端に多い」(市産業課)。情報は随時、防災無線で流している。本巣市でも、例年の三倍近い三十件の通報が寄せられている。市林政課によると、例年目撃情報が多い根尾地区にとどまらず、山間部から離れた外山地区にも出没範囲が拡大。猟友会が箱わなを設置して一頭を捕獲したが、特産のカキの被害も確認されている。
(有害鳥獣捕獲強化、安全確保キャンペーン始まる:栃木)
県の「有害鳥獣捕獲強化・安全確保キャンペーン」が14日始まり、県庁昭和館前でキャンペーンの出発式が行われた。農林業や生態系に被害をもたらすシカやイノシシなどの有害鳥獣の捕獲を一層推進するとともに、捕獲への県民理解の促進、捕獲の安全確保の徹底を図ることが目的。30日まで。出発式には県猟友会や市町の担当者、県警、JAなどの関係者約100人が参加した。
(報償費詐取事件の不起訴を報告:和歌山)
日高川町が鳥獣捕獲に対して支払う報償費10万5000円を不正に詐取したとして、元町ふるさと振興公社職員の男性が書類送検された事件で、地検と和歌山区検が不起訴処分としたことを受けて14日、町執行部は町議会全員協議会で報告。市木久雄町長は、民事訴訟や不起訴への不服申し立てを行うことも可能だが、新たな証拠などがない限り、これ以上の追及は困難な状況にあることを説明した上で「公の場(12月議会)で報告し、住民の代表でもある議会や議員の声を重く受け止めて今後の対応を判断したい」と話した。市木町長は「以前から町民の皆様に大変な迷惑をかけている報償費詐取事件について、不起訴処分とする地検からの正式な文書が届いた」と話し、不起訴になった理由について、検事からは「専門家の意見も聴き調査した。報償金を二重請求したことが立証できなければならないが、捕獲したイノシシやシカなどの個体がすでに焼却処分されており、DNA鑑定も出来ない状況であり、客観的に写真だけで証拠を求めることが出来ない。したがって不起訴処分とする。だが、嫌疑がないとは言わない」との説明を受けたと報告した。町議から「追及はこれで終了するのか」などと、今後の対応について問われた町長は「民事訴訟や不服申し立てを行うとしても、新たな証言者が現れたり、被疑者の『やっていない』という自供を覆す証拠が出てこない限り難しいと考えている。仮に民事裁判となれば、費用や時間を要することにもなる。公の場で報告した上で、住民の意向を受けて判断したい」と述べ、12月定例議会で不起訴処分について改めて報告するとともに、議会の声を重く受け止めて今後の対応を決める考えを明らかにした。この事件は、平成23年11月ごろから平成25年1月までに交付された報償費10万5000円分について、元公社職員がすでに報奨金を受けたイノシシを新たに捕獲したと虚偽の申請と写真撮影を行い、銃による報奨金1万5000円をだまし取ったほか、他人が捕獲し、ジビエ工房紀州に持ち込んだニホンジカ5頭を、本来の捕獲者名とは別に自ら捕獲したと見せかける確認票と写真を撮影し、報奨金請求の権利を装って7万5000円をだまし取ったなどというもの。県警捜査二課と御坊署が今年3月24日、有害鳥獣捕獲報償金交付事業に絡む詐欺事件として、元公社職員を詐欺容疑で和歌山地方検察庁御坊支部に任意送致していた。
(警察学校で実弾50発不明:愛知)
愛知県警は7日、同県春日井市の警察学校拳銃射撃場で実弾50発の所在がわからなくなっていると発表した。県警は何者かが持ち出した可能性もあるとみて、弾の発見を急いでいる。発表によると、発覚したのは5日午後6時頃。県警教養課が警察官約70人を対象に拳銃訓練を実施した後、使った薬きょうと残りの実弾を数えたところ、1箱分の50発が不足していることが確認された。同課によると、実弾は学校内の火薬庫と拳銃金庫の2か所に保管されており、いずれも施錠されている。5日午前9時頃に同課の50歳代の男性警部補が火薬庫から2000発、金庫から約800発を運び出し、倉庫に保管。同日午後0時半からの訓練で、40歳代男性警部補が実弾を配布する際、帳簿上の数より少ないことに気づいたという。県警は、周囲の捜索や訓練参加者への聞き取りなどを行ったため、発表が7日になったと説明している。
(警官が実弾1発紛失:愛知)
愛知県警春日井署は19日、地域課の男性巡査(24)が拳銃の実弾1発を紛失したと明らかにした。庁舎内のほかに春日井市内で紛失した恐れがあるとして、同署が捜索している。同署によると、巡査は交番勤務。18日午前8時40分ごろ、拳銃に弾を装填する際に気付いた。最後に確認したのは12日朝で、13日午後0時50分ごろに勤務を終えて拳銃を片付ける際に実弾があったかは「記憶があいまい」と説明している。14~17日は休みだった。県警では5日にも警察学校の射撃訓練後に50発を紛失する問題が起きたばかり。
(山の狩猟、解禁で同行ルポ:和歌山)
イノシシとシカの狩猟が今月から、全国各地で解禁された。県内では捕獲・駆除の頭数は増えているものの、イノシシやシカによる農作物被害は減っていない。現場の実情を知ろうと2日午前9時から、尾上貞夫・県猟友会長(58)が率いるグループ約10人に同行し、かつらぎ町の山中に入った。午前中の成果はイノシシ1頭だった。最初に山の斜面に広がる果樹園に向かった。イノシシが山林との境の鉄柵をくぐって侵入し、柿やミカンを食い荒らすのだという。狩猟は「勢子(せこ)」役が茂みの中に潜んでいる獲物を猟犬で追い立て、待ち受けていたメンバーが仕留めるチームプレーだ。果樹園に入って1、2分、メンバーがイノシシの獣道に向けて散弾銃を構えた。記者もその背後に隠れじっと待った。犬の首輪についた鈴と虫の鳴き声しか聞こえない中、遠くで散弾銃の銃声3発が響いた。勢子が追い立てた獲物を阪本富人さん(55)=橋本市高野口町=が仕留めたのだ。犬と格闘しながら坂を転がってきたため、狩猟歴30年のベテランでも2発外したという。体重50〜60キロの丸々と太ったオスだった。現場の果樹農家、上北祐輔さん(28)=かつらぎ町星川=は「いくら駆除しても毎年被害が出る。ひどい時は4分の1くらいのミカンを食い荒らされる。こいつは僕が育てたようなものだね」と足元のイノシシを見つめた。すぐに仕留められたため、軽い気持ちで2頭目を狙う猟についていった。勢子に同行し、急斜面の雑木林を下り始めてから5分、同行したことに後悔の念が湧いてきた。ぬかるんで滑る斜面を踏みしめ、枯れた竹を鎌で払って体をくぐらせる。顔にかかるクモの巣や野バラのトゲも気にしていられない。勢子のベテランの沢本猛彦さん(68)=同町三谷=についていくだけで精いっぱいだ。まだ新しいドングリの殻やイノシシの足跡が見つかった。近くにいるのは間違いない。突撃されたら無事では済まない。前日も猟犬1頭がイノシシの牙でけがをしたという。足場の悪さと緊張で汗が噴き出し、午前中で山を下りた。県内のイノシシによる農作物被害は年間1億7000万円以上と、鳥獣被害の半分以上を占める。猟友会も2010年以降は毎年1万4000頭前後ものイノシシを捕獲・駆除しているが、被害はいっこうに減らない。一方で猟友会は高齢化から年々会員が減っており、鉄砲の免許を持つ人は約1500人と、この10年で1000人も減っている。尾上会長は「家畜が山に放されたイノブタ由来の繁殖力の高い個体が増えてきていて、捕獲しても全然間に合わない。柿畑など人里への出没が増えており、落ちた柿をそのまま捨てないなどの農業者の協力も不可欠だろう」と話している。イノシシとシカの狩猟期間は来年3月15日まで(有害鳥獣駆除除く)。
(大物猟に同行、過酷な役目「勢子」体験:群馬)
「ズドーーン!」。山あいに銃声がこだました。猟犬に追われたシカが木陰から飛び出し、猟師が1発で仕留めた。体長約110センチ、体重約60キロの雌のニホンジカ。猟師がナイフで腹を割き、その場で内臓を取り出した。狩猟解禁から2日目の16日、下仁田町の狩猟グループに同行した。イノシシやシカ、クマを狙い撃つ「大物猟」は、獲物を追い込む「勢子(せこ)」と、銃で撃つ「射手(しゃしゅ)」が役割を分担する。私が体験した勢子は、山の地理や動物の生態に関する深い知識と、相当な体力が求められる過酷な任務だった。午前8時半、下仁田町西野牧の猟場に到着。この日は40〜70代の約20人が参加した。2番目に若い勢子、小泉隆幸さん(47)=下仁田町本宿=に案内され、山林に入った。「まだ新しい。もの(獲物)が歩いた跡だよ」。小泉さんが地面を指さした。目を凝らすと、落ち葉の間にイノシシのひづめの跡。「こういったわずかな手がかりから、ものが進んだ方向を推測するんだ」。小泉さんの表情が引き締まった。「素人向けの歩きやすい道」を選んでくれたというが、山肌の傾斜は最大45度。ひょうひょうと山頂を目指す小泉さんの背が徐々に遠のく。四つんばいになって懸命に追った。猟開始から10分で息切れした。記者はグループのお荷物になりかねない。かたじけない。山中を自在に歩き回る猟師たちの驚異的な体力に頭が下がった。山頂付近で数人の勢子が互いに大声を張り上げ、獲物をふもとへ追い込む。待ち受ける射手が狙いを定め、命中させる。グループは半日で雄ジカ2頭を含む計3頭を仕留めた。最後は私もシカに縄をくくりつけ山から下ろす作業を手伝った。県によると、10月末現在の県内の狩猟登録者は3411人で、1970年の1万8947人をピークに年々減少傾向。若者の趣味の多様化や、猟師の高齢化が主な要因という。ニホンジカなどの野生鳥獣による農林業被害が増える一方、2011年3月の東京電力福島第1原発事故後は県内のシカやイノシシから基準値を超える放射性物質が検出されているため、肉を出荷できない。この点も狩猟離れに拍車をかけているという。猟師を取り巻く環境は厳しい。しかし小泉さんは「狩りは動物との知恵比べ。逃げられる時もあれば、こちらが勝つ時もある。そこの駆け引きが魅力」と話す。野生動物と人間がバランスを保って共生するには、猟師たちのプロの技の伝承と、食肉としての有効活用が不可欠と痛感した。
(伝統の坂網猟に熱視線、外国特派員が見学:石川)
日本外国特派員協会に所属する特派員九人が、十八日から二十日まで加賀市と小松市をプレスツアーで訪問する。初日は加賀市を訪れ、歴史と文化に触れるコースを回った。小松空港に到着後、中谷宇吉郎雪の科学館(潮津町)と県九谷焼美術館(大聖寺地方町)を見学した。加賀の伝統工芸品の九谷焼に、特派員はさまざまな角度から熱心に視線を送っていた。片野町の片野鴨池も訪れ、江戸時代から三百年以上の歴史を持つカモ猟「坂網猟」の説明を受け、解禁されたばかりの猟を見学した。特派員は上空のカモを捕らえる流れや坂網の構造、猟の現状について猟師に質問し、坂網を手に取るなど興味深そうに伝統に触れていた。加賀地方の工芸品や自然、温泉や食材など伝統ある特有の文化を発信しようと、市が昨年から協会にプレスツアーを申し入れ、今年になって実現した。二日目以降は、山中漆器の工房や、芸妓(げいこ)の舞や唄の見学などが予定されている。
(学食にシカ肉メニュー:北海道)
北見工大生協の食堂で10日、エゾシカ肉を使ったメニューの提供が期間限定で始まった。この日のハヤシライスを皮切りに、キーマカレー、韓国風そぼろ丼の3種類が14日までに順番でお目見えする。学生を中心に、シカ肉の有効活用や地産地消の考えを広めるのが狙い。レシピは、シカ肉の普及促進のために料理考案に取り組む同大の前田康成准教授の研究室が提供した。肉は、北海道猟友会北見支部が捕獲したシカ肉を利用する。10、11日にハヤシライス、12、13日にキーマカレー、14日に韓国風そぼろ丼がメニューに並ぶ。いずれも1食333円で、1日100食近く用意。同食堂ではシカの焼き肉などを提供する機会はあったが、こうした料理としての提供は初。同食堂は「癖が無く、軟らかくておいしい肉。多くの人に味わってほしい」とPRする。食堂は誰でも利用可能。
(「ぼたん鍋」の季節:福井)
11月のイノシシのわな猟解禁に伴い、福井県おおい町名田庄地域の料理旅館では、名物の「ぼたん鍋」に使われるイノシシ肉の入荷が始まった。軒先には水分を抜くためにイノシシがつるされ、この時季おなじみの光景が見られる。店では「今年も山の恵みをいっぱい食べたイノシシが入っている」と、本格的なシーズン到来を喜んでいる。ぼたん鍋は、イノシシ肉と一緒に野菜、根菜、キノコ類などを煮込んだもので、名田庄地域の冬の味覚として人気を集める。薄切りにしたイノシシ肉を大皿に盛りつけた様子が、ボタンの花のように見えるのが名の由来。40年以上にわたり、ぼたん鍋を提供している同町名田庄久坂の料理旅館「新佐」では、3日に今年初めてイノシシが入荷。12日までに、地元の猟師が近くの山で捕獲した7頭が運び込まれた。経営者の栗原正夫さん(66)によると、今年も脂の乗った良質なイノシシ肉がそろっているという。同店では自家製のみそで煮込んで提供している。栗原さんは「寒くなるにつれ、もっとイノシシが入ってくる。栄養分も豊富なぼたん鍋を食べて体の中から温かくなってほしい」と話している。同店のほか、同町名田庄納田終の町営ホテル「流星館」、名田庄三重の料理旅館「南川荘」、名田庄口坂本の料亭「門野亭」でも、イノシシが入荷次第ぼたん鍋を楽しめる。県内のイノシシの狩猟は、わな猟が来年3月15日まで、銃猟は15日~2月15日。
(シカ肉でキーマカレー:福岡)
添田町の猟友会や町職員でつくる「英彦山ジビエの会」が、シカの肉を使った「そえだ鹿肉キーマカレー」を開発、発売した。「低カロリー、高タンパクでビタミンや鉄分が豊富」と、農作物に被害を与えるシカの肉で町おこしを図る。ジビエの会は2010年に発足。英彦山などで捕獲したシカやイノシシを町食肉処理加工施設で処理し、町内の道の駅「歓遊舎(かんゆうしゃ)ひこさん」「英彦山温泉しゃくなげ荘」「ひこさんホテル和(なごみ)」などに出荷している。鹿肉キーマカレーは、食肉処理した際に出る細かい肉をミンチに加工して使用。10月下旬から、レトルトパック(400円)を「歓遊舎ひこさん」で販売し、川崎町の飲食店「案山子(かかし)」で料理(サラダ付き600円)を食べることもできる。

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(銃の許可証を勝手に交付、巡査長を書類送検:新潟)
新潟県警は12日、散弾銃所持の許可証を、上司の決裁を受けずに勝手に交付したとして、有印公文書偽造・同行使などの疑いで、見附署生活安全課の男性巡査長(26)を書類送検し、減給10分の1(1カ月)の懲戒処分とした。巡査長は同日付で依願退職した。県警によると「事務処理を先送りにして別の業務をするうちに期限が近づき、間に合わないと思った」と供述している。書類送検容疑は昨年7月と今年5月、男性2人に対し、署長らの決裁を受けずに公安委員会の印を押して散弾銃計3丁の許可証を交付したとしている。男性のうち1人が今年5月、別の許可申請を出した際、許可証の数と、同署が把握していた銃の所有数に違いがあることから判明した。斎藤卓也首席監察官は「誠に遺憾。再発防止対策に取り組む」と話している。
(条例根拠なく手数料約100万円徴収:大分)
火薬類の許可に関する手数料徴収で、県が誤って条例の項目を削除し、100万円余りの手数料を根拠のない状態で徴収していたことがわかりました。県は火薬類関係の事務手続きについて、市町村への権限移譲を進める中で、今年度、主に猟銃に使われる火薬類の譲り受けなどに関する項目を条例から削除していました。しかし、火薬類の譲り受けなどに関しては、県公安委員会が権限を持つことから、4月以降も各警察署で手数料徴収の手続きが行われていました。このため、今年4月から先月末まで条例に根拠のない状態で手数料の徴収を続けていたことになります。受付件数は447件で徴収額は約108万円に上ります。県は7日から各警察署を通じて関係者に謝罪しています。また誤りを訂正するため、知事の専決処分として7日付けで条例を改正し、今年4月にさかのぼって適用するとしています。
(殺傷可能な空気銃所持、男4人を書類送検:愛知)
人を傷つける威力がある空気銃などを所持していたとして、愛知県警豊川、蒲郡両署は13日、銃刀法違反(空気銃不法所持など)の疑いで、さいたま市北区の無職男性(47)ら4人を書類送検した。送検容疑では、男性は4~6月、自宅などで空気銃などを最多で12丁所持していたとされる。東京都と大阪府の30~50代の会社員男性3人もそれぞれ1~6丁、自宅などに所持していたとされる。豊川署によると、4人とも容疑を認めている。銃の一部には人を殺害する能力もあったという。さいたま市の男性は、香港から銃を輸入し、インターネット上で1丁当たり5万5千~9万8千円で販売していた。会社員3人は顧客。豊川署員が、ネット上で違法な銃の取引を見つけ、捜査していた。香港の販売店側は、税関での摘発を逃れるため、威力が銃刀法の規制内であるかのように偽造した証明書をつけていたという。
(住宅軒下に2頭のクマ、猟友会が処分:岐阜)
人がクマに襲われる被害が相次いでいる岐阜県高山市で、12日夜、2頭のツキノワグマが住宅の軒の下にあるミツバチの飼育箱を荒らしているのが見つかり、大きな音を鳴らしても逃げなかったことから、猟友会の人に処分されました。12日午後7時ごろ、岐阜県高山市清見町で、2頭のツキノワグマが住宅の軒の下にあるミツバチの飼育箱を荒らしているのが見つかりました。2頭のクマは、車のクラクションを鳴らすなど威嚇しても逃げなかったということで、人に危害を与えるおそれもあるとして、この家に住む猟友会員の男性が警察官の立ち会いの下で2頭を処分しました。警察によりますと、2頭は、体長1メートル20センチ体重70キロのクマと体長80センチで体重25キロの子グマで、親子とみられるということです。クマを処分した男性は「この辺りにはふだん、それほどクマは出ませんが、ことしはほかにも被害が出ています。地元の人は少しは安心できたのではないでしょうか」と話していました。高山市を含む飛騨地方ではことし、人がクマに襲われる被害が相次ぎ、今月5日にリンゴ畑に見回りに行った74歳の男性が死亡したほか、12日は柿の実を収穫していた60代の夫婦がけがをするなど、これまでに1人が死亡、9人がけがをしています。
(シカを硝酸塩入り餌で駆除、「残酷」の声も:静岡)
食害が深刻なニホンジカを硝酸塩の入った餌で駆除する方法を静岡県職員らが考案した。一度胃にのみ込んだ食べ物を口に戻して徐々に消化する「反芻(はんすう)動物」の特徴を利用したものだ。「シカ対策は待ったなし。銃やわなを使った駆除より人への危険が少ない」とし、他の動物への安全性を確認しながら実用化を目指しているが、「残酷だ」といった声も出ている。考案したのは、県農林技術研究所森林・林業研究センターの大場孝裕上席研究員ら。硝酸塩が反芻動物の胃に入ると、細菌で亜硝酸塩に変わる。すると、赤血球が酸素を運ぶ能力を奪われ酸欠に陥り死に至る。大場さんらは1~2月、同県東伊豆町で住民の同意を得て効果を確認し、致死量も判明させた。「餌に避妊薬を混ぜる方法は他の動物に影響が出る恐れがあるが、この方法は反芻動物以外に影響がない」と話す。
(クレー射撃女子、中山が銅メダル)
日本クレー射撃協会は7日、アラブ首長国連邦(UAE)のアルアインで3日に行われたアジア選手権女子トラップで、中山由起枝(日立建機)が銅メダル、団体が銀メダルを獲得したと発表した。
(鳥獣類の狩猟解禁:兵庫)
鳥獣類の狩猟が15日、兵庫・丹波地域でも解禁された。ぼたん鍋で知られる篠山市では、各地で猟師がイノシシを追った。市猟友会の古屋定繁会長(76)は、仲間と共に朝から山裾でイノシシの足跡を探し、犬を放して猟を行った。古屋さんは「誤射などの事故に十分に気を付けたい」と話した。篠山市は住民や登山者に「迷彩服は厳禁。目立つ服装を心掛け、道をそれず見通しのいい道を歩いてほしい」と呼び掛けている。食肉販売店「おゝみや」(同市乾新町)ではこの日、捕ったばかりの約70キロの雌が届いた。店では昨年、ぼたん鍋セットが兵庫県と県物産協会が全国にPRするブランド「五つ星ひょうご選定」に選ばれた。大見春樹社長は「今年は木の実をたくさん食べている様子。品質の良い肉を厳選して消費者に届けたい」と話した。
(狩猟解禁、事故防止呼び掛け:群馬)
県内で十五日、狩猟が解禁された。県や県警、県猟友会などは計二百九十人体制で、入猟者の検問や猟場のパトロールをした。県自然環境課によると、県狩猟者登録者数は昨年より百十七人少ない三千四百十一人。狩猟期間は、すべての鳥獣で来年二月十五日まで。シカは昨年に引き続き県内全域で、国の定める「一人一日あたり一頭」から「オス一頭、メス制限なし」に緩和している。安中署は日の出前から、安中市松井田町北野牧・入山地区の二カ所で検問を実施。署員が入猟者の狩猟免許やわな猟免許の所持確認、銃砲所持の状態やわなを確認し、誤射などの事故防止への注意を呼び掛けた。
(増える害獣、減るハンター:秋田)
クマの目撃情報が多発し、白神山地では10月に初めてニホンジカとみられる動物1頭が監視カメラに写るなど、害獣の駆除を迫られるケースが増える中、県内ではハンターの減少には歯止めがかからず、20年前から6割も減った。県は今年度から、若手ハンターの育成に乗り出した。9月、横手市山内の栗林に仕掛けられたわなで、100キロ超の雄のツキノワグマ1頭(体長約1メートル)が捕獲された。栗の木を荒らされた所有者が市に駆除を依頼し、市からの要請で山内猟友会員が駆けつけた。ハンターは毎年、11月から2月の猟期に山に入る。猟友会員は猟期を除く時期に、クマなど鳥獣による人的被害や農作物の食害が予想される場合、市町村の依頼を受けて見回りや捕獲などに協力している。
(ハンター後継、若者照準:高知)
農作物被害や山林の荒廃に歯止めをかけようと、県が猟師の養成に本腰を入れている。10月25日には「狩猟フォーラム」を、高知工科大(香美市土佐山田町)で開催。昨年は環境省などと共同だったが、今年は初めて単独で開催した。高知県猟友会のメンバーが狩猟や免許についての質問に答えるブースも設けられ、県は「一人でも多くの若い人に、狩猟に関心を持ってほしい」としている。フォーラムには約200人が参加。新潟県燕市で狩猟用のわなを製造販売する会社の社長で、ハンターの山村則子さん(46)が基調講演した。結婚前は美容師で、狩猟とは無縁だった山村さんは、嫁ぎ先で仕事を手伝ううち、狩猟に関心を持つようになったという。「わなは動物の命をいただくためのもの。だから、最後まで自分自身が関わることが大切だと感じた」と話し、わな猟から始まり、猟銃免許を取得するまでの経緯を説明した。狩猟について「自然と人間の暮らしを守る目的もあって受け継がれている。誰かがやらなければならない。高齢化も進んでいるので若い人の参加が必要だが、個人の金銭的負担は大きい。行政の支援が拡充してくれれば」と訴えた。その後、山村さんは壇上で、県内で狩猟をしている30歳代の3人とトークを展開。きっかけについて3人は「子どもの頃からの憧れ」「親が狩猟をしていたから」と話し、「自分の命が、他の動物の命の上に成り立っていることを直接知ることができる」「普通は手に入らない様々な肉を味わうことができる」などと魅力を語った。会場周辺ではシカの焼き肉が振る舞われ、猟友会メンバーが鉄製の檻おり「箱わな」を使った猟について説明。本物と同じ大きさと重さ(約3キロ)の模擬銃に触れるコーナーも設けられた。昨年のフォーラムにも参加し、この夏にわな猟の狩猟免許を取得したという高知大学農学部2年、川井友紀子さん(20)は「山歩きが趣味。(樹皮を食べる)シカのために山の風景が変わり、保水力が低下していることを学び、狩猟に関心を持った。将来は猟銃免許取得も考えたい」と話した。県によると、鳥獣による農作物被害は、2008年度は2億4700万円だが、11年度には3億1800万円で3億円を突破。その後も、12年度は3億3900万円、13年度は3億1300万円で、3億円台で推移している。イノシシ、シカ、サルで被害の約9割を占めており、これらの捕獲数は08年度の1万9000匹から毎年増え、13年度は3万9000匹。一方、県猟友会に登録しているハンターは、1979年の1万4552人をピークに徐々に減少、ここ数年は4000人前後で推移しており、2013年度は3914人。高齢化も進み、1人当たりの負担が大きい。狩猟免許の取得者を増やそうと、県は13年度から、初心者講習会受講料(7000円)を全額補助。毎年、500人の免許取得者増加を目標にしており、13年度は425人が新たに免許を取得した。

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