<射撃ニュース12月>

12/15
(イノシシ3頭、ガラス破りスーパーに突入:群馬)
12日午後6時45分頃、長野県上田市上田のスーパー「ツルヤ山口店」で「イノシシ3頭がガラスを割って店内に入り込んできた」と居合わせた買い物中の上田署員から同署に通報があった。約20分後には近くの路上で高校生(15)の自転車にイノシシ1頭がぶつかり、高校生は転倒し軽傷を負った。イノシシは走り去った。同署と同店によると、イノシシは出入り口横のガラスを割って店に突入した。イノシシのうち2頭は直後に店外に出たが、1頭は店内を歩いた後、ほかのガラスを割って店外に出た。店内には買い物客や従業員30~40人がおり、けがはなかった。商品にも被害はなかった。
(通学路にクマ:石川)
12日朝、小松市軽海町の中海中学校の通学路で体長1メートルほどのクマが目撃されました。きょう午前7時半ごろ小松市軽海町で、中海中学校の方向から加須加美神社に向けて道路を横切るクマ1頭を通学途中の中学生が目撃しました。クマは体長1メートルほどあり、成獣とみられています。現場は中海中学校の通学路で、報告を受けた教職員が付近を警戒しました。これまでにクマの足跡などは見つかっていませんが小松市では警察や消防、猟友会と協力してパトロールを行い、注意を呼びかけています。今年度、小松市ではクマの目撃情報が30件寄せられています。
(シカが「特急北斗」止める:北海道)
13日午後10時40分ごろ、JR千歳線植苗(北海道苫小牧市)-美々駅(千歳市)間で函館発札幌行きの特急北斗17号(6両編成)がシカと接触、緊急停車した。JR北海道によると、乗客乗員約100人にけがはなかった。衝突で先頭車両前方のブレーキ関連装置の一部が壊れた。走行に支障はなく、破損した部品を取り外して約30分後に運転を再開した。
(公開講演会、放送大学鳥取学習センター:鳥取)
放送大学鳥取学習センターの公開講演会が13日、兵庫県新温泉町の浜坂多目的集会施設で開かれた。鳥取、兵庫両県の関係者約50人が参加。講演やパネル討議を通して中山間地域の課題であるシカやイノシシなど鳥獣被害の現状やジビエの普及に理解を深めた。同センターの地域貢献事業で、兵庫県内での開催は初めて。鳥取大の沢田廉路地域学部特命准教授は基調講演で、鳥取県内の鳥獣被害とジビエ活用の現況を報告。鳥獣被害について「農業被害だけでなく山の荒廃は災害にもつながる地域の大きな問題」と力を込め、「山にある宝としてジビエを有効活用することは解決策の一つ」と訴えた。
(鳥獣被害対策技術指導研修会の開催とイノシシ対策講演会対応:徳島)
農研機構近畿中国四国農業研究センターでは、近畿中国四国地域における各府県のご協力のもと、地域における指導的立場を担う方を対象とした鳥獣被害対策技術指導研修会を、23年度より5カ年の計画で管内の各地で開催しております。平成26年度は、徳島県において5回の研修開催を計画し、地域の指導者として必要とされる広範かつ専門的な知識と技術を習得していただいております。第4回目となる研修会を12月2日に徳島県JA松茂において開催し、当研究センターの畜産草地・鳥獣害研究領域の研究員による講義と、中央農業総合研究センターの山口主任研究員による鳥類の生態と被害対策の講義と、ナシ園におけるカラス対策として「くぐれんテグス君」設置実習を行いました。なお、今年度最終回となる第5回研修会は、鳥獣害対策のまとめとして1月14日の開催を予定しております。また、12月4日には岡山市がイノシシ被害への有効な対策の一助とするため開催した講演会において、当研究センターの堂山研究員が2時間余りの講演・質疑対応を行いました。農作物被害回避に有効なイノシシの行動特性研究に基づく数々の対策について、参加者からは多くの共感が得られたようです。これらの取組により、鳥獣被害に関する最新の知見や技術が面的に広がり、農作物被害が減ることで農家の所得向上につながることが期待されます。
(荒れ地広がる剣山国定公園、ミツマタ2万本:徳島)
かつてササや高山植物に覆われていた那賀町の山地がシカの食害で荒れ地が広がっていることから、町内の林業家でつくる「木沢みつまたクラブ」が対策に本腰を入れている。2012年度から町内の荒れ地にシカが嫌うとされるミツマタの苗木を植えており、14年度は過去最多の2万本の植樹を計画している。食害を防ぎ、本来の植生を取り戻すのが狙い。会員7人と県山岳連盟の14人は11月、剣山スーパー林道沿いの小屋に泊まり込み、同町岩倉の山地2ヘクタールに2日かけてミツマタの苗木約2千本を植えた。現場は剣山国定公園内。かつてはササや樹木に覆われていた。だが、シカの食害で今は植物がほとんどない。クラブの亀井廣吉代表(65)=同町小畠、林業=によると、食害は約15年前から進行。多様な植物にあふれていた山は見る影もなく、荒れ地になった尾根沿いは崩れる可能性が高まっているという。ミツマタはシカの害に遭うことがほとんどないことから、シカが嫌う成分が含まれているといわれる。また、ミツマタが成長して根を張れば、土砂の流出を食い止められる効果も期待できる。クラブは12、13年度に同町木頭北川や同町掛盤などの尾根沿いや山林など約16ヘクタールで3万本の苗木を植えた。最初に植えた苗木は1・5メートルほどに育っている。周囲のサクラやケヤキなどの樹皮は食べられているが、ミツマタへの害はない。今後、ミツマタの苗木を植えると同時に、近くにブナなどの苗木を植樹し、ミツマタに他の苗木を保護する効果があるかなどを調べる。
(ジビエ料理に注目!!)
野生鳥獣の肉を使ったジビエ料理が注目を集めている。平成26年の世相を最も反映し、話題を呼んだ食「今年の一皿」にも選ばれた。厚生労働省が今秋、ジビエを安全に使うための衛生管理指針を出したことなどから飲食店を中心に広まり、手軽に味わえるメニューも登場。「ジビエ元年」となりそうだ。「今年の一皿」は、食に関する調査研究を行う「ぐるなび総研」(東京都千代田区)が選定し、今回初めて発表した。今月4日に行われた発表会では、都内のフランス料理店「ラ フィネス」の杉本敬三シェフが腕を振るい、「蝦夷(えぞ)子鹿の赤ワイン煮込み ちりめんキャベツのカネロニ仕立て」を披露。「本来、ジビエは冬が一番おいしいといわれますが、日本では夏もおいしい。季節による味の違いを楽しんでもらいたい」と話した。同総研理事で、放送作家の小山薫堂さんは、滋味に富んだ一皿に舌鼓を打ち、「天然のジビエには旬がある。魚同様、日本人が肉の旬にも敏感になれば、食文化はさらに豊かになるのでは」と語った。これまでジビエは、ワインに合う高級なフランス料理、あるいは、イノシシ肉を使ったぼたん鍋や、シカ肉のもみじ鍋といった山里の郷土料理が主で、一般にはなじみが薄かった。「天然の食材」のため、家畜の牛豚のような安定供給は難しい。しかし、近年は農作物を荒らしたり、自動車と衝突するなど、イノシシやシカによる被害が深刻化。その対策で捕獲された鳥獣を、国産ジビエとして活用する取り組みが増え、気軽に食べられる料理もお目見えしている。ジェイアール東日本フードビジネス(北区)では、首都圏の“駅ナカ”を中心に展開するカフェやそば店で、ジビエメニューを限定販売している。ハンバーガーショップ「ベッカーズ」では、「信州ジビエ鹿肉バーガー」が人気。当初、今月末までの販売予定だったが、10日ほど早く終了してしまう勢いだという。長野県産のシカ肉を使ったパティに、コリコリとした食感のアワビタケを組み合わせたリッチな味わいが好評だ。東京駅構内の「ヒントインデックスカフェ」など4店舗のカフェでは、信州ジビエのカレーを、そば店「あずみ」(8店舗)では、千葉県産のイノシシ肉を使った温かいそばを順次販売。同社販促・宣伝部は「JR東日本グループの地域再発見プロジェクトの一環でメニュー化したもの。初級編として、ジビエ料理を食べるきっかけになれば」と期待する。野生の肉は、硬さや臭みが気になるところ。しかし、北海道エゾシカ対策課は、「それは昔のイメージです。今では、素早く適正に血抜きをし、品質管理も徹底している。北海道の衛生処理マニュアルに従って食肉処理されたものには認証マークが付いています」と説明する。エゾシカ肉の価格は、1キロ当たりロース・ヒレが4千~6千円、ももが3千円前後、バラが1千円台と、一般的な和牛と同じくらい。よく加熱するのが調理のポイントで、ザンギ(空揚げ)やハンバーグ、カレーなど、定番の家庭料理にもよく合う。「赤身の肉のエゾシカは高タンパク低脂質で、鉄分が豊富。特に、鉄分が不足しがちな女性やアスリートにお勧めしたい」

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12/12
(銃許可の規制緩和、診断書はかかりつけ医も)
銃所持の許可や更新を受ける際に提出する医師の診断書について、警察庁は11日、精神科医に限定している現行の規制を緩和し、かかりつけ医も認めることを決めた。2007年に長崎県佐世保市で8人が死傷した散弾銃乱射事件を受けた銃刀法の改正で強化された規制だが、鳥獣駆除に携わる人の負担軽減策として、大日本猟友会や自民党の議員連盟が緩和を求めていた。警察庁は関連する規則の改正案を公表。12日から30日間、一般の意見を募集した上で来年3月に施行する予定だ。
(「狩猟税」軽減、全廃は見送り)
政府は10日、来年度の税制改正で、都道府県がハンターから徴収している地方税の「狩猟税」の税負担を軽減する方針を固めた。レジャー目的の猟と、農作物を荒らす有害鳥獣の駆除の両方を手がけるハンターに特例で設けている、支払う税金が5割に減る措置を6割以上に拡充して、さらに税負担を軽くする。ハンターの減少に歯止めをかけ野生動物による農作物への被害を防ぐ狙い。14日の衆院選挙後の税制改正作業で減税幅を詰め、2015年度税制改正大綱に盛り込む。狩猟税は、使用する銃や網、わなに応じて5500~1万6500円の税額を毎シーズン支払う仕組み。現在、イノシシやシカなどの有害鳥獣の駆除を専門に行う狩猟者は非課税だが、来年度の税制改正では、趣味のハンティングに加えて、有害鳥獣の駆除も行う狩猟者の税負担を減らすことで猟の担い手を増やす。全国の狩猟免許所持者は1975年度に約51万8000人いたが、高齢化により11年度には約19万8000人と半分以下まで減った。政府は10日、来年度の税制改正で、都道府県がハンターから徴収している地方税の「狩猟税」の税負担を軽減する方針を固めた。レジャー目的の猟と、農作物を荒らす有害鳥獣の駆除の両方を手がけるハンターに特例で設けている、支払う税金が5割に減る措置を6割以上に拡充して、さらに税負担を軽くする。ハンターの減少に歯止めをかけ野生動物による農作物への被害を防ぐ狙い。14日の衆院選挙後の税制改正作業で減税幅を詰め、2015年度税制改正大綱に盛り込む。狩猟税は、使用する銃や網、わなに応じて5500~1万6500円の税額を毎シーズン支払う仕組み。現在、イノシシやシカなどの有害鳥獣の駆除を専門に行う狩猟者は非課税だが、来年度の税制改正では、趣味のハンティングに加えて、有害鳥獣の駆除も行う狩猟者の税負担を減らすことで猟の担い手を増やす。全国の狩猟免許所持者は1975年度に約51万8000人いたが、高齢化により11年度には約19万8000人と半分以下まで減った。
(イノシシに襲われ2人けが:静岡)
静岡県掛川市の畑や山林で9日午前、男性2人が相次いでイノシシに襲われけがをした。2人とも命に別条はない。イノシシは地元猟友会の会員が射殺した。掛川署によると、同日午前11時30分ごろ、同市倉真の畑で農作業中だった看護助手松浦茂夫さん(63)がイノシシに頭や脚をかまれ、けがを負った。約20分後、約800メートル離れた同市初馬の山林で草刈り中だった無職岩崎仲雄さん(64)もイノシシに襲われけがをした。同じイノシシとみられる。イノシシは体長約130センチの雄で、約1時間後、現場近くの川の中にいるところを猟友会が見つけて射殺した。
(自宅に帰ったら玄関先にイノシシ、ぶつかり怪我:茨城)
11日午後6時半頃、茨城県石岡市宇治会、会社員男性(59)が自宅に戻ってきたところ、玄関先でイノシシとぶつかり、転倒して膝に軽傷を負った。イノシシは逃げており、石岡署が注意を呼び掛けている。発表によると、イノシシの体長は約1・5メートル。玄関のガラスドアに体当たりして破って男性方に侵入し、台所で食器などを割った。台所隣の居間には女性が3人いたが、台所の間にある戸を閉めて無事だった。
(南三陸にクマ!映像で初確認:宮城)
クマが暗闇に浮かび上がる。南三陸町がホームページにアップしている動画だ。慶応大の定点カメラが11月19日夜、同町戸倉の山林で捉えた。町によると、クマの目撃情報はたびたびあったが、映像によって町内での生息が確認されたのは初めて。慶応大は町内に64.3ヘクタールの学校林を持ち、動物観察用にカメラを設置。動画には暗闇から現れた大型の1頭が、カメラに近づく様子が15秒ほど映っている。撮影場所は登米市との境にある横山峠の付近で、石巻市にも近いという。町危機管理課の担当者は「町内に間違いなくクマがいることが分かった。画面の切り株から推測すると体長は1.5メートル程度。住宅地からは遠いが、警戒を強めたい」と話した。
(クレー協会、高橋会長を再選)
日本クレー射撃協会は10日、東京都内で理事会を開き、高橋義博会長(66)を再選した。任期は2016年3月末まで。
(蒲池猛夫さん死去、射撃でロス五輪金)
1984年ロサンゼルス五輪の射撃男子ラピッドファイアピストルで金メダルを獲得した蒲池猛夫(かまち・たけお)さんが4日午前4時24分、脳梗塞のため千葉市の病院で死去した。78歳だった。葬儀は家族で済ませた。満州(現中国東北部)生まれ。宮崎県高原中卒業後、自衛隊へ入隊。62年、自衛隊体育学校に1期生として入学し競技に打ち込んだ。68年メキシコ、72年ミュンヘン、76年モントリオールと五輪に3大会連続出場。メダルを期待されながら実力を発揮し切れず、80年モスクワ五輪も代表になったが、日本の不参加で出場できなかった。81年、引き金を引く右人さし指のけんを、草刈り中にカマで切断する致命的なけがをして引退したが、ロス五輪を前に現役復帰。日本五輪史上最年長の48歳4カ月で、金メダルを獲得した。日本の同五輪金1号で、すでに孫がいて「おじいちゃん選手」の金メダルと話題になった。
(常陸宮さま、鴨の捕獲で各国大使を「おもてなし」:千葉)
常陸宮ご夫妻が、各国の大使を招いて伝統的な鴨猟でもてなされました。千葉県の新浜鴨場には、ノルウェーやパラグアイなど8カ国の駐日大使が招かれました。鴨場では、鴨を捕獲し、標識を付けたうえで再び放します。常陸宮ご夫妻は、各国の大使に鴨の捕獲を体験してもらうなど、日本の伝統的な文化でもてなされました。宮内庁によりますと、網を使った江戸時代から続く伝統的な方法で、鴨を傷つけることなく捕獲するということです。常陸宮さまは先月20日、お住まいの宮邸の階段で転倒し、肋骨(ろっこつ)にひびが入ったほか、首と左足首を捻挫するなど全治1カ月のけがをされました。リハビリに取り組まれ、10日から公務に復帰されています。
(県道でイノシシを目撃:栃木)
8日午後4時50分ごろ、那須烏山市曲畑の県道で、イノシシ1頭の目撃情報があった。けが人はなかった。那須烏山署によると、イノシシは体長約1.5メートル。道路を横切っていったという。付近を通行していた人が目撃した。同署は付近の警戒をするとともに注意を呼び掛けている。
(サルの群れ出没で通学路監視パトロール:大分)
10日、大分市高崎で中学生の登校中におよそ30匹のサルの群れが出没し、けさから教諭が通学路をパトロールするなど警戒にあたっています。きのう午前7時半すぎ大分市高崎の市道におよそ30匹のサルの群れが現れました。大分西中学校の生徒が登校中に立ち往生する事態となり、連絡を受けて駆けつけた教諭が現場で爆竹を鳴らしてサルを追い払いました。生徒にけがはありませんでした。これを受けて教諭6人がけさから通学路の監視パトロールを開始し、生徒の登校を見守るなど、警戒にあたっています。きょうはこれまでにサルの目撃情報はなく、中学校は通常通り授業や部活動を実施しています。
(独自わなで1000頭超捕獲:高知)
高知県が鳥獣害対策に悩む集落を対象に、5000個の独自開発したくくりわなを無償配布した結果、イノシシや鹿を合わせて1000頭以上捕獲したことが分かった。町工場に委託製作したくくりわなは、女性や高齢者ら免許を取得したばかりの初心者でも扱いやすい点が特徴で、技術指導の充実も奏功した。わな免許を取っても実際に捕獲する狩猟者が少ないのが全国的な課題となる中、同県は「集落に活気が芽生え、非常に高い効果を上げている」(鳥獣対策課)とする。県は「わなの掛け方が分からない」「掛けても効果がなく捕獲を諦めた」といった農家の声を受け、昨年、町工場に製造を委託し、初心者でも扱いやすい、くくりわなの製作に着手した。市販のくくりわなは傾斜地や高齢者の多い中山間地域の実態に合わないものが多く、力を入れなくても簡単にばねを締め付けられるなど工夫を凝らした。県内の24市町村539集落にくくりわなを無償配布するとともに、現場に出向いて使い方を丁寧に説明。9月に県が昨年度の捕獲実績を調べたところ、1086頭の捕獲につながっていた。県は「わなを一度仕掛けても効果が上がらなければ、購入する費用や労力を負担に感じて最終的に鳥獣害対策への意欲を失う傾向がある。わな配布と技術研修の充実で集落住民の獣害対策に対する意識が高まってきた」と説明する。県は今年度も、イノシシや鹿の足を確実に捕らえられるよう、さらにばねを改良したくくりわな4000個を25市町村の466集落に無償で配布。今年度もベテランの狩猟者や県担当者がわなの設置方法や、イノシシや鹿が確実に仕掛けを踏むポイントなどを伝える講習会を31回実施した。並行して捕獲マニュアルの本を作り県内の狩猟者5000人に配り、講習会に出ていない農家にも捕獲できるよう配慮した。県は来年度もくくりわな3800個を無償配布する方針だ。県内の鳥獣被害は3億5000万円近くあり、農家の耕作意欲の低下が大きな課題となっている。狩猟者の高齢化が進む中、狩猟技術の伝承にも頭を悩ませており、県は「さまざまな獣害対策の課題解決の一歩にしたい」と話す。こうした取り組みに対し、高知県猟友会は「ただ配布するだけでなく、わなの仕掛け方なども手取り足取り実演してその後のフォローも充実している」と評価しており、全国のモデルケースになると見ている。
(シカ用わな、名人への道解説:高知)
シカによる農林業への被害を減らそうと、県はシカ捕獲用のわなのマニュアルを初めて作った。イラストを多用して分かりやすく解説しており、題して「これであなたもわな名人」。マニュアルはA4判26ページで5千部を印刷。県によると野生動物の捕獲には許可などが必要で、免許所持者や市町村の担当者ら向け。冒頭で、わなの種類として、「くくりわな」「はこわな」「囲いわな」の3種類を挙げ、価格や餌付けの必要の有無などを一覧にして紹介。続いて、種類ごとに詳細に解説している。
(自作「わな」で食害防止に貢献:栃木)
自作の「足取りわな」でシカとイノシシを年間計100頭以上捕獲し食害防止に貢献したとして、市は9日までに、県猟友会日光支部会員の工務店会長滝栄さん(84)=沢又=に本年度の市政功労賞を贈った。有害鳥獣駆除をめぐり市が同賞を贈呈するのは初めて。滝さんは高原野菜で有名な高原の鶏頂山山麓でダイコンを栽培している。しかし約10年前から、ほかの農家を含めホウレンソウやダイコンがシカやイノシシに食い荒らされる被害などが相次ぎ、地元自治会の要請も受け対応を検討。農作業者への安全面から銃を使わず、わな猟で捕獲することを決めた。50年ほど前から銃で猟をしてきた滝さんは、土中に埋める市販の「足取りわな」を参考に独自作を開発。直径12センチの塩化ビニールパイプにバネを仕掛け、獣が足を踏み込むとワイヤが締め付け逃げられない構造にした。「最初の4~5年は年間10頭ぐらいしか捕獲できなかった」と振り返る滝さん。人の臭いに敏感な獣の習性などに気を付けながら、わなを仕掛ける場所を入念に探して埋設。捕獲数は年々増え、昨年は105頭、ことしは12月上旬までに約130頭に上っている。
(ライチョウの危機深刻、岐阜大でパネル展:岐阜)
国の特別天然記念物で、県鳥にも指定されているニホンライチョウの現状を紹介するパネル展「ニホンライチョウの危機―神の鳥を失わないために」が、岐阜市柳戸の岐阜大図書館で開かれている。生態や関連の研究を伝えるパネル、写真、剥製など約100点が並んでいる。来年1月8日まで。ニホンライチョウは岐阜・長野県境の乗鞍岳などを含む北アルプスと南アルプス、周辺の高山に生息。全体の個体数(推定)は30年以上前は約3千羽いたが、最近は2千羽以下に減少したとされる。生息域を広げたキツネやカラスに捕食されたりシカにえさの高山植物を食べられたりしているのが要因。環境省は一昨年、レッドリストを改訂し、近い将来野生での絶滅の危険性が高い「絶滅危惧ⅠB類」に引き上げた。同展はライチョウの繁殖などに関わる岐阜大応用生物科学部動物繁殖学研究室の楠田哲士准教授が企画した。パネルは、自然界のニホンライチョウに関わる研究のほか、保護のための人工飼育に向け、近縁亜種のライチョウを飼う富山市ファミリーパークや上野動物園(東京都)などが取り組んでいる繁殖などの研究を紹介。岐阜大連合農学研究科博士課程2年山本彩織さん(26)も動物園から近縁亜種のふんを取り寄せ、産卵や精子形成に関わるホルモンの濃度を分析、照明の影響を調べた成果を出展した。ニホンライチョウの骨格標本や、ウズラより一回り大きい卵、コケモモなどの高山植物も展示している。楠田准教授は、「県鳥であることを知らない人も多い。理解を深めてほしい」と話していた。16日午後4時20分から同大応用生物科学部で、同展に協力した中村浩志信州大名誉教授がニホンライチョウの現状と保護について語る講演会もある。
(カラスによる太陽光パネルの被害に「断末魔の叫び」で対抗:愛知)
愛知県半田市の鴉根(からすね)町で約2千キロワットのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を運営しているユー・エナジー(半田市、木村佳弘社長)は、カラスの落石被害から太陽光を守るため、カラスの断末魔を流している。天敵の猛禽(もうきん)類のかかしも設置。落石で年間約50枚の太陽光パネルを壊されたが、断末魔を流すと被害がなくなったという。
(鳥インフル、野鳥から検出相次ぐ)
国内の野鳥から高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N8亜型)が相次いで確認され、家きんへの感染リスクが高まっている。韓国では秋以降、家きんで発生が続き感染拡大が止まらない。過去の発生状況をみると、韓国と日本の家きんでの発生時期が重なっている。両国の相関関係が強いことからも今冬は、最大限の警戒が必要だ。農水省は「どこの農場で発生してもおかしくない状況だ」(動物衛生課)と説明する。11月13日に島根県安来市でコハクチョウのふんから、11月下旬に千葉県長柄町と鳥取市でカモ類のふんから同ウイルスが検出された。これまでは、死亡した野鳥からの検出がほとんどだった。今回は、ふんからの検出が多いのが特徴だ。環境省によると、ふんから見つかったのは、2010年10月に北海道稚内市でカモのふんからH5N1亜型のウイルスを検出した1件だけだ。今回の相次ぐ検出に対し、環境省は「渡り鳥の飛来シーズン前から発生している韓国の影響が推測される。野鳥によってはウイルスに耐性があり、感染しても元気なまま日本に飛来しているのではないか」(野生生物課)と説明する。鹿児島県が10日、越冬のために1万羽以上が飛来する出水市で、死亡したナベヅルからウイルスを検出したと発表した。既に出水市では、衰弱したマナヅルやツルのねぐらの水からウイルスを検出していた。越冬地を管理するツル観察センターは、車両と靴底の消毒など対策を徹底している。ツルの越冬地は1シーズンで約4万人が訪れる観光名所。市観光交流課は「市内には養鶏農家が多い。観光客に消毒への協力と、食肉への風評被害が出ないように呼び掛けている」と対応に追われる。野鳥からウイルスを検出した県では、養鶏農場への立ち入り検査や防疫指導の徹底など独自に対策を強化。農水省は都道府県を通じて鶏舎に出入りする際の手や靴の消毒、車両の消毒、野生動物の侵入防止の徹底を呼び掛ける。同省動物衛生課は「農場関係者は野鳥の生息地に近づかない。生息地に行った人は農場に近づかないことが重要だ」と強調する。野鳥のふんからウイルスの検出が相次いでいることを踏まえ、農研機構・動物衛生研究所の西藤岳彦インフルエンザ・プリオン病研究センター長は「国内でウイルス密度が相当に高い可能性がある」と警鐘を鳴らす。
(シカ肉料理研修会、アスリート向けに着目:兵庫)
低脂肪でたんぱく質や鉄分に富むというシカ肉の長所に着目した「シカ肉利用研修会」が9日、朝来市和田山町玉置の和田山公民館であった。研修会は、調理メニューの提案、検討を通じて但馬地域でのシカ肉利用を促すため、但馬県民局の「ふるさとづくり推進事業」の一環として開催。道の駅や宿泊施設、飲食店などのシカ肉料理の提供関係者を対象に、今回も含め2回の研修会を開く。この日の研修会には15人が参加。シカ肉の衛生管理や栄養価などの講習に続き、シカ肉の特長を生かし、運動量の多いアスリート向きとして煮物やスープ、丼物の料理試食会もあった。参加した養父市大屋町の若杉高原スキー場「ロッジふじなし」の小畑邦博さんは「スキーヤー向けのメニューとして使えると思う。考えてみたい」と話していた。次回は来月下旬、岩津ねぎや朝倉山椒(さんしょう)など、地域の特産物を取り入れたシカ肉料理の研修会を開く予定。
(ジビエンナーレ開催:滋賀)
狩猟により食材として捕獲された野生鳥獣「ジビエ」の料理を食べ比べしてもらう初のイベント「高島ジビエンナーレ」が13日、高島市朽木市場の道の駅「くつき新本陣」で開かれる。市主催で午前10時半〜午後3時。市内で仕留められたシカやイノシシの肉を使った料理が9ブースで味わえる。提供されるジビエ料理は地元で食肉処理された「ゴールドもみじ」ブランドのシカ肉が中心で、ステーキ、サンドイッチ、カレー、みそカツ丼、カツサンド、ソーセージ、パスタなど。シシ肉では、あばら肉のたれ焼きやシシ汁などが食べられる。味比べしてもらおうと1品の量を少なめにし、値段も300〜700円に抑える予定。ジビエ料理のほか、獣骨を使ったアクセサリーのブースも出る。
(イノシシ肉で新メニュー:香川)
道の駅みろく(香川県さぬき市大川町)は11日から、施設内のカフェでイノシシ肉を使った新メニューを提供する。今後、目玉メニューとして売り出し、農作物への被害防止で捕獲されたイノシシの有効活用にも貢献する。新メニューは、ミートドリア、ピザ、カツバーガーの3種類。ミートドリアとピザは、イノシシ、牛、豚の合いびき肉で作ったミートソースを使用。カツバーガーはイノシシ肉約100グラムのカツを使った食べ応えある一品としている。地元の狩猟家が捕獲、加工した鮮度の高いイノシシ肉を使用。丁寧に血抜きすることで、独特の臭みを抑え、低カロリーながら、牛肉のようなこくとうま味が楽しめるという。価格はいずれも880円で、1日限定20食。来年3月末までの季節メニューだが、好評ならば来年度も販売する予定。
(趣向ジビエ料理いかが:長野)
辰野青年会議所(JC、若尾浩樹理事長)が進める野生鳥獣肉「ジビエ」の地域ブランド化事業の一環で、辰野、箕輪両町などの飲食店でジビエ料理が提供されている。今月限定の企画で、夏場の料理講習会の参加店を中心に、計13店舗が趣向を凝らしたニホンジカやイノシシのメニューを取り扱う。同JCで店舗とメニュー紹介のリーフレットを作成、配布し、地域へ利用を呼び掛けている。メニューは、鹿肉のステーキ、ソーセージ、スジ煮込み、餃子、イノシシ肉の牡丹鍋など。提供店の種別がホテルのレストランにラーメン店、焼き肉店、イタリアンと幅広いこともあり、メニューも和洋を超えた多彩なラインアップとなった。ジビエは、本場欧州などで身近な食材として親しまれるが、日本では食害獣のイメージが強くなかなか浸透しないのが現状。県内で捕獲されるニホンジカは増加が続くものの、ジビエの活用率は1割前後にとどまっているという。辰野JCでは、地域での試食や市場調査を踏まえてジビエの普及可能性に目をつけた。今年度ブランド化事業を立ち上げ、7~9月に辰野町で飲食店向け料理講習会、一般消費者向け試食会を開催。延べ43店舗、約120人が参加し、味の良さはもちろん、ヘルシーでメニューも豊富なジビエの魅力を体感した。店舗での料理提供企画は「地元の店で気軽にジビエが味わえる環境づくりの第一歩」。両町のほか岡谷市、川崎市の店舗も賛同してスタートした。辰野JCはリーフレット作成のほか、食肉加工施設やレシピ紹介などでもサポートした。県の地域発元気づくり支援金採択事業。辰野JC地域ブランド確立委員会は、ジビエ加工施設整備を将来目標に定める。「料理講習会、 試食会ともに反響が大きかった。提供店舗が増えて認知されれば、施設整備や、さらなる普及策も見えてくる」と期待を込めている。ジビエ料理は、予約制の店舗もあり確認が必要。

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12/8
(軽乗用車とクマが衝突:福島)
6日午前7時30分ごろ、会津若松市の国道294号で、通勤途中の男性の軽乗用車とクマが衝突した。男性にけがはなかった。会津若松署によると、クマは体長約1メートルで、軽乗用車とぶつかった後、山林に逃げていったという。現場は黒森トンネルから西へ約1キロの地点。
(釧路町~標津町80キロ、シカ行ったり来たり:北海道)
環境省が今年初めて釧路湿原で行っているエゾシカの行動調査で、1頭の雌が2月から11月にかけて釧路町達古武―標津町間の約80キロをほぼ同じ行程で往復していたことが分かった。冬の釧路湿原での植生被害と、夏の標津町での農業被害をもたらしているのは同一のシカだった。シカが季節で長距離移動するのは知られていたが、同じ行程で移動するのが明らかになったのは初めて。調査は2月中旬、釧路湿原の達古武沼周辺に設置した囲いわなで捕獲した雌2頭にイリジウム型衛星利用測位システム(GPS)首輪を装着。3時間に1回の間隔で居場所を調査している。冬季は2頭とも達古武沼北岸の3~4キロの範囲で生息していた。このうち1頭は4月中旬から河畔林や牧草地、防風林に沿って移動し、5月中旬に標津町に到着。周辺にいた後、8月下旬に来た道を戻り、9月上旬に釧路町達古武に帰った。もう1頭は釧路町達古武沼周辺から動かず、10月に狩猟で捕獲された。同省釧路自然環境事務所の寺内聡・専門官は「主に雌が季節で長距離移動をし、2地点を往復していることは予想していたが、これほど同じ行程をなぞるように移動しているとは思っていなかった」と語る。別の調査では、囲いわなで捕まったシカがその後もわな周辺に来ていることも分かっている。このため同省は知床で行っているシカをおとりに使う手法の導入や、3キロ範囲での集中的な餌付けによる捕獲を検討する。同省は今冬も達古武沼周辺で囲いわななどによる試験捕獲を続ける方針。寺内専門官は「関係市町村へのデータ提供を積極的に行うなどしながら連携を進めたい」と話している。
(高病原性ウイルス検出、ツルねぐらの水:鹿児島)
鹿児島県は6日、出水市の鳥獣保護区に設置したツルのねぐらで採取した水を確定検査した結果、H5N8型の高病原性鳥インフルエンザウイルスを検出したと発表した。県は6日、ねぐらから半径3キロ以内にある養鶏農場のうち10軒への立ち入り検査を始めた。鶏の異常の有無や防鳥ネットの整備などを確認する。環境省によると、ねぐらはカモなども利用。ウイルスは、保有している野鳥が水中でしたふんに含まれていたものがうつったとみられる。国や県などは、国指定の「出水・高尾野鳥獣保護区」にある干拓地2カ所に越冬のため飛来したツルが休む場所として、水を張ったねぐらを設けている。
(アザラシ、抜海漁港で駆除:北海道)
稚内市は、ゴマフアザラシによる漁業被害が深刻化する抜海漁港で、猟銃による駆除を始めることを5日の定例市議会で明らかにした。市内で銃を使用したアザラシ駆除を行うのは初めてで、稚内漁協が事業主体となり今月中に実施する。アザラシによる漁業被害は年々深刻化しており、地元漁業者からは、「水産資源回復の第一歩になる」と期待の声が上がっている。抜海港では定置網に入ったサケや、タコをアザラシが食い荒らす被害が問題化しており、地元漁業者が撃退策としてごう音玉や花火などで威嚇を続けてきたが効果は一時的だった。同漁協は抜本的対策として銃による駆除を宗谷総合振興局に申請し、11月14日に認められた。同振興局によると、猟銃によるアザラシの駆除は、宗谷管内では礼文や猿払でも行われている。認可された区域は抜海港北防波堤灯台を中心に半径1キロ以内で、地元ハンター2人がそれぞれ10頭以内で駆除する。港内での猟銃使用は漁港施設を損傷する恐れがあるため、港外で使用する条件で認可した。漁協関係者によると、漁船で港内にいるアザラシを港外に追い払ってから、別の漁船に乗ったハンターが船上から散弾銃でアザラシを撃つ計画だ。安全管理上、駆除実施前に地元住民に港に近づかないように呼びかけるチラシを配布するなど周知する。地元漁業者は「駆除によって群れに恐怖感を与えることが一番効果的なはず。安全に最大限配慮して進めたい」と話している。道によると、ゴマフアザラシによる漁業被害は年々増え、2013年度の道内の被害額約4億1千万円のうち、宗谷管内は6割近い約2億4千万円を占めた。
(クマ目撃:新潟)
6日午前7時前、上越市岩木の畑でクマ1頭を目撃したと、近所の会社敷地で除雪をしていた男性が上越署に通報した。クマは体長約60センチ。周辺には民家があり、上越署などが警戒を呼び掛けた。
(鹿捕獲過去最多1500頭超え:長野)
茅野市が諏訪猟友会茅野支部や鳥獣被害対策実施隊と行う今年度のニホンジカ捕獲数が11月14日現在で1492頭(うち雌990頭)に達し、目標の1500頭を上回り過去最多になる見通しとなった。市は4~6月の捕獲実績が各月200頭を超え、ライトセンサスなどの目撃情報を速やかに捕獲活動に反映した結果とみている。市によると、発足3年目の実施隊(20人)の捕獲数が1386頭(うち雌925頭)に上る。最多は月別だと6月の230頭、地区別は米沢・北山の674頭だった。今年度は雌の捕獲を進め、捕獲数全体のうち雌は66.3%を占めた。市は「出産期の4~6月に雌を中心に捕獲したことで効果的な個体数の調整が進んだ」とする。また、年度当初から速いペースで捕獲が進んだ理由に2月豪雪の影響を挙げ、「春先は雪解けの早い場所に下りてきていたのでは」と分析した。農家からの被害届やJAの情報を取りまとめた農作物などの被害面積は、前年度比340アール減の2195アール。ここ数年で個体数が減ってきた地域もあるが、市は「被害は大きく減っていない」として、来年度も1500頭の捕獲目標を維持する方針だ。鹿が数多く生息する別荘地への対応を課題とした。市は、各地区の被害状況の把握と地域との対策強化を目的に「鳥獣被害対策地区勉強会」を新たに始める。開催を希望する地区に職員が出向き、野生鳥獣の習性や対策方法、防護柵の正しい設置方法、国や市の支援策などについて説明する。市鳥獣被害対策室は「被害が減っていない以上、捕獲の水準を下げるわけにはいかない。より一層、広域的な連携と取り組みが求められる」と話している。市はまた、よりきめ細かい捕獲活動を実施するため、来年度から鳥獣被害対策実施隊を増員する方針。わな免許を持つ諏訪猟友会茅野支部会員に協力を要請し、捕獲目標の範囲内で活動を展開する。「捕獲圧に地域差があった。それを均等にして効果的な捕獲につなげたい」と話す。
(珍しい白イノシシ捕獲:兵庫)
丹波市猟友会春日支部の真継憲雄さん(66)=春日町国領=が3日、自身が仕掛けた檻わなで、頭と体の一部の体毛が白いイノシシを捕獲した。猟師歴46年の真継さんは、「珍しいイノシシが檻に入った」と驚いている。檻は高さ1㍍、幅2㍍。先月中ごろ、同町牛河内の山中に仕掛けた。3日、猟師仲間から「イノシシが檻に入っている」と連絡を受け、現地へ行ったところ、一部の体毛が白い、子どものイノシシが入っていた。「10年ぐらい前にも、白いイノシシを捕まえたことがある」と話す真継さん。現在は猟師仲間の荻野敏夫さん(同町東中)が経営する「荻野モータース」に設置している檻に入れている。
(ヒグマにトド、おいしく変身:北海道)
エゾシカ、ヒグマ、トド、ウチダザリガニ…。農林漁業に被害をもたらすなど「厄介者」として扱われることも多いが、狩猟や駆除で捕獲されたうち一部は食材として活用されている。どんな料理に変身しているのか。そして、そのお味はいかに―。ジューッ。鮮やかな赤みを帯びた肉片をフライパンで焼く。香ばしいにおいに思わずつばを飲み込んだ。20日ほど前にハンターが仕留め、熟成させた十勝管内のヒグマのモモ肉。口にすると、舌の上でフワッと脂が溶け出す。一見すると脂身が多いが、その脂が甘くておいしい。「みんなこの脂にはまる。融点が低いので、人間の舌の温度で溶けるから冷めてもパサつかない」と帯広市内の食肉処理場「狩人の蔵」代表の引地安久さん。硬さや臭みもなく、ペロリとおいしくいただいた。道によると道内のヒグマの生息数は推定2200~6500頭。農林業被害は年間約1億円で、市街地への出没が多発するなど人とのあつれきは深刻だ。2012年度の捕獲数は699頭。「害を及ぼすとはいえ、いただいた命。適切に処理して無駄なく活用することが大事」。ハンター歴30年以上の引地さんは力を込める。8年前に食肉処理の許可を得て、地元ハンターや自らが仕留めたヒグマ、エゾシカなどの精肉や加工品を販売。モモやヒレ肉が人気で、スネや首筋など需要の少ない部位は缶詰に。胆のうは漢方薬、毛皮や爪、牙はアクセサリーなどに変身する。肉はクチコミで広がり、全国の飲食店から注文が入る。ジビエ(野生鳥獣の肉)料理に力を入れるフランス料理deco(東京)の室田拓人シェフは「北海道のヒグマは注目食材で、人気も高まっている」と評価する。「シカの日」を知ってますか? 増えすぎたエゾシカの食利用を広めようと、道が2010年秋に毎月第4火曜日を「シ=4」「カ=火」の語呂合わせで設定。参加店は、エゾシカ料理を提供するなど、さまざまなサービスを行っている。日本茶専門店「玉木商店」(札幌市中央区)は通年、エゾシカのつくだ煮をお茶漬けで提供している。「お茶屋がなぜシカかと不思議でしょ」。玉木康雄社長は笑いながら、つくだ煮の載ったご飯に熱々のほうじ茶を注いだ。狩猟免許を持つ玉木社長が「毎日食卓で味わってほしい」とつくだ煮を考案。厳選したほうじ茶で煮込み、香りを生かした風味だ。道によると、13年度のエゾシカの推定生息数は10年前より4割増の56万頭。捕獲の成果で10年度の65万頭をピークに減少しているが、高水準が続く。農林業被害は年間約60億円。食利用拡大が食害対策になるため、官民の取り組みが進む。近年は肉がスーパーや百貨店で販売されるなど、より身近な食材に。コープさっぽろ(札幌)は昨年10月から札幌、苫小牧など道内9店で販売。売り上げは、計画を上回る。「シカの日」は精肉を3割引きで提供している。以前は「臭みが強い」と敬遠されることもあったが、処理技術の向上で、臭みを感じない人も多い。コープさっぽろ畜産部の奈須野貴大さんは「『口に合わない』と敬遠している人こそ試してほしい」と呼びかける。国際的に「準絶滅危惧」に指定されているトド。「海のギャング」とも呼ばれ、道内沿岸部などで深刻な漁業被害をもたらしている。2013年度の被害額は約20億円。被害に歯止めをかけようと、今秋から駆除上限数は従来の2倍の501頭になった。捕獲したトドは有効利用が望ましいが、肉は臭みが強くあまり食用には向かないとされている。そんな中で缶詰を製造しているのが札幌市西区の食品加工業「北都」。道内で捕獲されたトドを「カレー」や「大和煮」などにしている。大和煮を食べてみると、野趣あふれる味が口中に広がった。みそとショウガが臭み消しとなっている。八木誠一郎社長は「珍味として楽しんでもらえるよう、あえてある程度の臭みを残している」と話す。JR札幌駅の北海道どさんこプラザ札幌店によると「物珍しさで購入する観光客が多い」といい、年間約300個売れている。生態系を乱すとして特定外来生物に指定されているウチダザリガニ。札幌市中央区のレストラン「ビストロ・ラ・マルミット」では、2年前からメニューに上っている。鍋で3分ほどゆでると、黒ずんだ色から鮮やかな赤色に変わり、エビに似たプリプリとした食感を楽しめる。ウチダザリガニは、道内では昭和初期に食用として摩周湖に放され、その後、生息地が拡大した。各地でボランティアなどによる駆除が行われているが、脅威的な繁殖力に追いついていない。水野孝司店長は「メニューとして出すことで、お客さんが少しでも外来生物について考えるきっかけになれば」と話している。
(列車が故意にクマをひき殺す?:ロシア)
ロシアの列車の運転士が線路上にいたクマを故意にひき殺したと思わせる動画が動画共有サイトユーチューブに投稿され、注目を集めている。現地の検察当局は違法行為がなかったか調査を始めた。問題の動画は、雪の積もった場所でスピードを上げる列車の先頭車両から撮影されたもの。背中に雪がかかったクマが、列車から逃れようと列車の進行方向に向かって走っているが、すぐに列車に追いつかれてしまう。「静かに!」と言う男の声の後、同じ声で「ひき殺せ!ひき殺せ!」という叫び声が録音されていた。クマの姿が列車の前部の下に隠されて見えなくなると、男は「やったぜ!」と叫んだ。この動画を撮影した携帯電話が列車のフロントガラスに映っていた。動画の最後では計器盤のボタンが見え、この動画が運転席で撮影されたことが分かる。この動画はユーチューブで17万回以上再生された。ニュース専門テレビ局「ロシア24」はこの動画を「悪魔の所業」と呼んで批判した。モスクワから北東に約3000キロ離れたシベリアの都市ノリリスクの交通検察当局によると、動画は現地時間今月4日の午前2時ごろ、露金属鉱山大手ノリリスク・ニッケルが使っているノリリスク市内の専用線で撮影されたとみられている。交通検察当局者は、運転士は衝突を避けようとせずに故意にスピードを上げたとみられることから、運転士の行為が適法だったか調べていると述べた。ノリリスク・ニッケルの広報は、ガバリート・モスクバラジオに、現地の従業員に問い合わせたところ、クマは先頭車両についている雪よけの板に当たって線路脇に転がされ、死んではいないということだったと述べ、おそらくけがの程度も軽いだろうとの見方を示した。ニュースサイト「Gazeta.ru」はノリリスク・ニッケルのスタッフの話として、けがをしたクマは凶暴になり人間に危険を及ぼす恐れもあるため、このクマをさがしていると伝えた。

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12/5
(ワサビハウスに熊、けが人なし:長野)
4日午前9時26分、長野県安曇野市穂高の農業黒岩卓郎さん(65)のワサビ畑で、黒岩さんら2人が熊に出くわし、110番通報した。安曇野署員や市猟友会員、市職員が駆け付け、同10時55分に栽培ハウスから出てきたツキノワグマ1頭を殺処分した。けが人はいなかった。同署によると、熊は推定10歳以上の雄で、体長1・6メートル、体重約150キロ。黒岩さんによると、複数ある栽培ハウスの間の水路を歩いていると物音がし、ハウスのビニールを突き破った熊が5メートルほど先から向かってきた。ハウス内のワサビを踏み荒らした跡はあったが、食べた痕跡はなかったという。市耕地林務課によると、市に寄せられた熊の目撃情報は9月が24件、10月が105件、11月が21件で、熊の出没は収まってきていた。県環境保全研究所の岸元良輔研究員によると、例年9月には熊の目撃は減るが、今年と同様に熊の目撃が相次いだ2006年も12月に熊が捕獲された例がある。熊が冬眠する時期は12月中下旬というが、「気温だけでなく餌の量も関係して一概に言えない。おなかがすくと熊の行動範囲が広がる」と話していた。
(“悪行”サル、ついに御用:高知)
高知県室戸市の室戸岬にすみ着き、観光客に飛び掛かるなどの行為を繰り返していた野生のニホンザルが12月3日夕、箱わなに掛かり、捕獲された。しかし、周辺には「もう一回り大きいサルが石を道路に置いて遊んでいた」との目撃情報もあり、関係者は引き続き、わなを設置して警戒を続ける。捕獲されたのは、体長約60センチの雄とみられる1匹。室戸市から相談を受けて芸東猟友会が室戸岬に仕掛けたわな2基のうち、11月下旬に室戸ジオパークインフォメーションセンター近くに設置した1基に入った。中に置いた餌を手にすると、入り口が閉まる仕掛け。3日午後5時半ごろ、室戸ジオパークインフォメーションセンター職員が「ガシャーン」という音を聞いて外に出ると、金属製の箱わなの中でサルが驚いた様子で座っていたという。連絡を受けた芸東猟友会の来暁士(らい・あきお)会長(61)が4日、サルを小型のおりに移し、室戸市佐喜浜町の山奥に放った。室戸ジオパークインフォメーションセンターの金井理香さん(42)は「捕まって一安心。でも、別のサルの目撃情報もあり、同じような被害が起こらないといいが…」とすっきりしない表情で話していた。捕まったサルは、岬周辺に今年2月ごろ現れ、7月下旬ごろから女性や子どもに飛び掛かるなどの威嚇行為をするようになった。10月には室戸ジオパークインフォメーションセンターのガラス扉を石でたたいて割るなど行為がエスカレートしていた。
(「今年の一皿」にジビエ料理)
食に関する調査研究をする「ぐるなび総研」(東京)は4日、今年の日本の世相を象徴する「今年の一皿」に、野生鳥獣を食べる「ジビエ料理」を選んだ、と発表した。シカやイノシシなどの野生鳥獣による農作物の被害が増え、その肉を使ったジビエ料理が注目を集めている。ジビエはフランス語で、シカやイノシシなど食用の野生鳥獣を意味する。低脂肪で栄養価が高いのが、幅広い世代に受けている。厚労省が10月に衛生管理や調理法などの指針をまとめたことでブームに弾みがつき、JR東日本グループのファストフード店「ベッカーズ」が11月から、長野県産のシカを使った「鹿肉バーガー」を売り出すなど、ジビエを扱う飲食店が増えている。飲食店検索サイト「ぐるなび」内でも、関連メニューを提供する店が増え、利用者の検索回数も伸びているという。
(トド迷い込み、カラスが襲撃:北海道)
北海道根室市中心部の船だまりに2日、トドが迷い込んだ。頭に傷を負い瀕死(ひんし)の状態で、カラスの襲撃を受けていた。知床財団の鑑定では雄とみられ、推定体重200〜300キロ。後頭部に銃弾を受けたような跡があり、駆除で手負いとなったらしい。発見した酒井勝さん(78)=石狩市=は「ときどき『フー』と苦しい声を上げていた。保護できないものか」と話していた。
(補正案にクマ対策費計上:福井)
勝山市の12月定例市議会が3日開会し、2億844万円の今年度一般会計補正予算案など17議案が提出された。クマ対策の有害鳥獣駆除事業費(341万円)も盛り込んだ。市によると、今季はドングリの不作などのためクマが人里に大量出没し、人身被害も2件発生。今年度当初予算で見込んでいた現地確認の出動回数を大きく上回ったため、委託している地元猟友会の人件費などを計上した。
(鳥インフル、監視重点エリア:神奈川)
大田区でホシハジロの死体からA型インフルエンザウイルスが検出されたことを受け、環境省は11月27日、市内の中原区、幸区、川崎区のそれぞれ一部を野鳥監視重点区域に指定した。12月1日現在、動物衛生研究所において養鶏産業に甚大な影響を及ぼすとされる高病原性かどうかの確定検査が行われている。鳥インフルエンザは鳥類の感染症で、病原性やウイルスの型によって高致死性のある高病原性か臨床症状をほとんど示さない低病原性かに区別される。感染した鳥と濃密な接触などを除いて、通常は人に感染はしない。鳥同士については、感染した鳥の排泄物などを通して発症する可能性があり、大きな被害につながる場合がある。川崎市健康福祉局によると、これまでに市内でA型インフルエンザウイルスの陽性が出た野鳥はいない。今回は大田区での発見を受けて、発生地から10Km圏内が4つの対応レベルのうち最も高い野鳥監視重点区域に指定された。検査では高病原性か否かが調べられる。確定検査の結果、高病原性だった場合は、野鳥監視重点区域の期間が45日間延長され、環境省が野鳥緊急調査チームを派遣するなど、監視が強化される。低病原性だった場合は、重点区域が解除となる。市では、種類のわからない野鳥の死体を発見した場合や、カラスやスズメなどでも、同じ場所で連続して死体を見つけた場合は、触らずに保健福祉センター衛生課に相談するよう呼びかけている。
(ジビエ料理:富山)
野生鳥獣の被害に悩む富山県が、ジビエ(野生肉)料理の普及に努めだしたという。ガイドブックに登場する大長谷ふるさとセンター(富山市八尾町)を訪ねた。岐阜県境にある山里の大長谷地区。川沿いの国道471号を進むと、「食事処(どころ)」と「村上山荘」を兼ねたセンターが現れる。茶色の三角屋根に白壁の2階建て。玄関をくぐると、水槽を勢いよく泳ぐうまそうなイワナが…。センターのあるじは元猟師の村上光進さん(68)。この地区で生まれ、畜産をしながら20歳で猟師、24歳で山荘経営も。猟は冬のタンパク源確保になる野ウサギから始め、熊撃ちを3年前までやってきた。「まあ、そうやねえ。大長谷のドングリ、特にブナの実が豊作やと、脂肪がついておいしい。やっぱ熊汁やね」と穏やかに話す。その熊汁を味わった。熊肉を大根やジャガイモなどと煮込んだ汁が大きなわんにたっぷり。意外にあっさりしたしょうゆ味で、酒にも合う。2杯目はハクサイが入っていた。「その日ある野菜で」と言う。イワナの刺し身と塩焼き、天然ナメコも味わった。食事処には山の幸のほか、「本日のおすすめパスタ」や「薪窯ピザ」のメニューも並ぶ。大阪から3年前に帰ってきためいのイタリアンシェフ村上恵美さん(38)が4月から11月まで作る。光進さんの猟友会仲間からイノシシの肉が入れば、4月にはジビエ料理も出す。パスタはイノシシ肉の薫製ベーコンを使うカルボナーラ、ミンチにしたミートソースなどを考案。「熊肉と行者ニンニクのスタミナパスタ」「イノシシのベーコンとクレソンのピザ」も。恵美さんは「ドングリの餌がいいので、ここのイノシシは臭くない。甘く、おいしい脂身を生かしたベーコンを使います」と伯父と同じように話した。滞在中、キノコ狩りのバスツアーに出合った。光進さんが理事長を務めるNPO法人大長谷村づくり協議会が山を案内する。山荘には、渓流釣りや白木峰散策の客が季節に訪れる。パスタはイノシシ肉の薫製ベーコンを使うカルボナーラ、ミンチにしたミートソースなどを考案。「熊肉と行者ニンニクのスタミナパスタ」「イノシシのベーコンとクレソンのピザ」も。恵美さんは「ドングリの餌がいいので、ここのイノシシは臭くない。甘く、おいしい脂身を生かしたベーコンを使います」と伯父と同じように話した。滞在中、キノコ狩りのバスツアーに出合った。光進さんが理事長を務めるNPO法人大長谷村づくり協議会が山を案内する。山荘には、渓流釣りや白木峰散策の客が季節に訪れる。

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12/4
(小学校にイノシシ出没:山口)
11月30日に住民ら2人がイノシシに襲われ、重傷を負った岩国市由宇町神東で1日、警察や市が警戒を強める中、今度は地区内の神東小のグラウンドに2頭が出没した。住民らを襲ったイノシシとは別とみられ、市は注意を呼びかけている。同小によると、同日午後1時過ぎ、教室にいた児童がグラウンドを横切るイノシシ2頭を発見。グラウンドの花壇を荒らすなどして外に出て行ったという。その後、連絡を受けて駆け付けた市猟友会によって殺処分された。市によると、1頭は体重約50キロで、もう1頭は同25キロだった。一方、30日に住民らを襲ったイノシシは見つかっておらず、岩国署と市由宇総合支所は朝からパトカーや広報車で巡回したほか、保護者が児童らを車で送り迎えした。同署は2日も登校時間帯にパトカーで通学路などを中心に警戒する予定。同小は今後1週間ほど屋外での授業を取りやめる。芝口美智留校長は「子どもたちには外で遊ばないよう注意を促したい」と話した。市猟友会の山形一夫会長は「今年は山に木の実などイノシシの餌が不足しており、餌を求めて人里に下りてくるケースが増えているのではないか」と話している。
(衰弱カモはインフル陰性:鹿児島)
鹿児島県は3日、出水市で11月28日に衰弱した状態で発見され、その後死んだヒドリガモ1羽の遺伝子検査の結果、鳥インフルエンザウイルスは検出されなかったと明らかにした。羽などに外傷があったが死因は不明。出水平野では11月23日、衰弱したマナヅルが見つかり、29日にH5N8型の高病原性鳥インフルエンザウイルスへの感染が確認された。
(畑へサルの接近防ごう:徳島)
那賀町で過疎や高齢化によって未収穫のままになっている特産のユズを狙い、人里に近づくサルが急増していることから、四国大の学生が、放置された畑でユズを収穫する活動を始めた。同町では、サルが人里に下りて農作物を荒らす被害が増えており、被害額は5年前と比べ2倍以上に膨らんでいる。11月には、四国大生や町地域おこし協力隊員ら24人が被害が目立つ同町木頭北川の2集落でユズを約900キロ収穫した。活動は町地域おこし協力隊員の細貝旬さん(24)らが発案し、四国大に協力を要請。四国大は参加者を募り、学生約20人で「人とサル共生プロジェクト 木頭ゆずちぎり隊」を結成した。収穫したユズは町内の加工品業者に買い取ってもらい、活動資金に充てる。今後、収穫した集落でのサルの出没状況を観察し、来年も継続して活動する予定。町の調べでは、サルによる農作物の被害額は09年度274万円、10年度269万円、11年度702万円、12年度735万円、13年度675万円と推移。中でもユズやカキなど果樹の被害額は09年度の112万円から13年度は294万円に拡大している。木頭北川地区では、ユズの被害だけでなく、「トウモロコシが全滅」「犬を飼っているのに家の敷地内の畑までやられた」といった報告も増えている。細貝さんは「この活動で人里に近づくサルが減ってほしい。ゆくゆくは人と野生動物の共生につながれば」と話している。
(イノシシはやりたい放題、原因は「紳士のスポーツ」衰退にあり?:兵庫)
イノシシが餌を求めて住宅街に現れ、ごみを荒らしたり、時には人を襲ったりという被害が深刻化している神戸市。その一方で、こうした害獣たちを仕留めるハンターの減少や高齢化の問題も指摘されている。こうした事態に危機感を募らせた市はこのほど、「ハンター体験会」を初めて開催した。海外ではハンティング(狩猟)は「紳士のスポーツ」と呼ばれ親しまれているが、日本ではいまだになじみが薄い。鉄砲所持の許可が必要などハードルは高いが、クレー射撃の実演やイノシシ肉の試食などを通じて、参加者全員が興味津々の様子だった。市によると、今年度に住民らがイノシシに襲われた被害は10月末時点で53件に達した。昨年度の27件から2倍近くに大きく増えている。例年、イノシシは4~6月に繁殖期を迎え、子を守るために人を襲うケースが増えるという。今年6月には4日連続で買い物袋を持った住民らが襲われ、負傷する騒ぎも起きている。また、農作物の被害は昨年度で約4千万円にも上っている。統計上は横ばい傾向だが、市の担当者は「出荷していない田畑は、被害を届けないことが多い。実際の被害額はもっと増加しているのではないか」と打ち明ける。こうした状況に危機感を募らせた市は、12月から条例で禁止しているイノシシへの餌付けをやめない場合、氏名などを公表する罰則を設けた。住民らが餌付け行為をしているうちにイノシシが人慣れしてしまい、餌がもらえると思って人に近づき、被害に発展する怖れもあるからだ。そんななか、さらに深刻な問題が浮上した。イノシシを仕留めるハンターの減少だ。市が害獣駆除を依頼している猟友会メンバーは、神戸市内で110人。5年前に比べると1割以上も減少したという。さらに、60歳以上が4分の3を占めており、「このまま進めば、イノシシなどの捕獲活動にも支障をきたす」(市担当者)と指摘されている。それだけに、新しい若手ハンターを育てることは最大の課題といえる。そこで、市はハンターの世界に触れる機会を作るために体験会を企画。11月10日に初めて開催したところ、募集定員30人を上回る35人が参加した。平均年齢は46歳で、女性の参加もあり、「予想以上に多くてホッとした」と関係者らは胸をなで下ろした。体験会では、市担当者が猟期や狩猟免許取得の手続きを説明。六甲山で活動している有馬猟友会のメンバーが講師として参加し、イノシシ狩りの体験談を披露した。通常は5~10人でチームを組んで山に入る。まずは餌を食べた跡や足跡などの痕跡を探し、どのあたりにいるかの目星を付ける。逃げ道をふさぐようにハンターを配置し、イヌを放って獲物が逃げ出したところを仕留める。その後は速やかに解体し、チーム全員で分けるという。平成23年に狩猟免許を取得した加藤広樹さん(49)は「仕留めたときの感動だけでなく、さまざまな楽しみがある。ぜひ免許取得に挑戦してほしい」と呼びかけた。模擬銃を使った猟銃の取り扱い方法の説明などを受けた参加者らは、同市西区の射撃場に移動。猟友会メンバーによる空中に飛んだ直径12センチの皿を散弾銃で撃つ「クレー射撃」の実演を見学した。最後は、近くのバーベキュー場でイノシシの焼き肉会。「全然臭みがなく、脂身が甘くておいしい。癖になりそう」と驚いた声が上がっていた。仕事先の畑がイノシシの被害を受けたことをきっかけに参加したという神戸市中央区の自営業、野田剣士さん(29)は「狩猟はとっつきにくいイメージがあったが、猟友会の方々が楽しそうに話しているのが印象的だった」と笑顔を見せる。同市中央区の会社員、石原信一さん(41)も「もともと釣りが趣味で、アウトドアスポーツの一環として以前から興味がありました。免許取得にチャレンジしたい」と盛りだくさんの内容に満足した様子だ。狩猟を行うには、都道府県の公安委員会の鉄砲所持の許可が必要だ。兵庫県で狩猟免許をしようとした場合、例年7月に行われる試験で、関連法令や猟具などの知識と視力、聴力などを問う1次試験と、猟具の取り扱い技能を問う2次試験に合格しないといけない。取得費用は約20万円もかかるといわれ、ハンターになるまでのハードルは高い。神戸市は今年度から取得費用のうち最大8万5千円を補助する制度を創設した。市担当者は「狩猟に対する市民の関心を高め、担い手を発掘することで、鳥獣の適正管理につなげたい」としている。有馬猟友会の浜崎昭憲会長(65)も「体験会をきっかけに狩猟に興味を持ってもらい、一人でも多くの仲間を獲得したい」と手ごたえをつかんでいるようだ。神戸だけでなく、全国的にハンターの高齢化が進み、狩猟人口も減少している。しかし、イノシシ以上に怖い存在がクマだ。餌を求めて山を下りてきて、人を襲う被害も後を絶たない。ハンターの増加が、こうした動物たちの対策に奏功するのなら、その魅力を発信し根付かせることが、有効な対策につながるのかもしれない。
(御嶽のライチョウが危機:長野)
長野、岐阜県境の御嶽(おんたけ)山(三、〇六七メートル)の噴火で降り積もった火山灰が、国特別天然記念物のライチョウに影響する恐れが出ている。灰によって、すみかやエサとなる高山植物が枯れる可能性があるという。ライチョウは環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されているが、御嶽山周辺には、生息に適した標高二千五百メートル級の高山が他になく、専門家は「御嶽山からライチョウがいなくなるかもしれない」と懸念している。火山噴火予知連絡会の御嶽山総合観測班の一人で、信州大の竹下欣宏(よしひろ)准教授(地質学)は十一月、御嶽山の降灰状況を調査。火山灰は二千四百メートル付近から目立ちはじめ、二千七百メートル付近では十センチほどに。ライチョウが営巣するハイマツの根元や、エサとなるガンコウランやクロマメノキなどの高山植物が灰に覆われていたという。御嶽山のライチョウの生息域は、ハイマツが分布する二千五百~二千七百メートルとほぼ同じ。ガンコウランやクロマメノキは樹高が数十センチほどしかなく、火山灰に埋もれやすい。灰の熱で枯れたり、土中の種が発芽しなくなる恐れもあるとされる。信州大の中村浩志名誉教授(鳥類生態学)は「十センチも積もれば、ライチョウの生息に必要な植生は失われるかも」と危機感を募らせる。中部森林管理局の二〇一二年の調査では、御嶽山のライチョウは推定百五十三羽。大まかに五つに分けられる生息域のうち、降灰が多い火口東側の黒沢区域では二十一羽、噴火口ができた王滝・継母(ままはは)岳の両区域には計六十五羽がいた。ライチョウは雪が積もる十一~三月までは標高二千三百メートルほどまで下りてきて過ごす。春になって二千五百~二千七百メートル付近へ上がるが、火山灰で一帯の高山植物が枯れていれば、降灰が少ない区域に移動すると考えられる。ただ、中村名誉教授によると、御嶽山は他の山と連なっていない「独立峰」のため、北アルプスなどのライチョウと比べ、遺伝子の多様性がなく、環境の変化に弱い。中村名誉教授は「なわばりに新たな個体が加わり、密集することで、ストレスがかかる可能性がある。一気に数が減るかもしれない」と指摘。今後、少なくとも数年間は調査をすべきだとする。
(エキナカで“猪肉そば”)
JR東日本の駅構内で営業する「そば処(どころ)あずみ」の埼玉、千葉、東京の8店舗は1日から、期間限定で千葉県産イノシシ肉を使った「猪肉(いのしし)そば」の販売を始めた。利用者の多いエキナカの店舗で気軽に野生鳥獣肉(ジビエ)を楽しんでもらい消費拡大を狙う。31日まで。駅構内で飲食店を運営するジェイアール東日本フードビジネス(東京都北区)が企画した。イノシシ肉は千葉県内で捕獲した個体を、君津市の食肉加工施設が枝肉に加工。JA全農の子会社が真空パックの状態で店に提供する。メニューは特定非営利活動法人(NPO法人)日本ジビエ振興協議会の藤木徳彦会長が監修、イノシシ肉と長ネギを甘辛く煮て食べやすくした。東京都中野区の会社員新居由啓さん(27)は「独特のこくがそばに合う。臭いも全くしない」と満足げだ。同社は2011年から鹿肉を使った別の商品を販売。予想を超える売り上げを記録したことからイノシシ肉のメニューに着手した。価格は店舗により600円か630円。同社の担当者は「独特の味や風味のあるジビエは地域振興につながる食材。今後も活用していきたい」と話す。
(イノブタの肉でウインナー:兵庫)
イノブタの肉を原材料としたウインナー作りに2日、神代小学校(兵庫県南あわじ市)の5年生ら30人が挑戦した。農作物を荒らすシカやイノシシを捕まえ、食用肉として利用する機運が島内で高まる中、同小が企画。料理人の成瀬孝一さん(55)を講師に迎え、地元料理店「旬」の店主林俊介さん(35)が助手を務めた。まず、イノブタのミンチに塩やこしょう、卵、バジルを加えて混ぜた。ラップの上にミンチを搾り出した後、ラップを巻いて糸で約7センチおきにしばった。10分間ゆで、引き上げてはさみで切り出した。児童のひとりは(11)は「肉そのものの味がしっかり出ていて、おいしい」と笑顔を見せた。
(鴨ネギ鍋、格安で人気:埼玉)
越谷市の産業振興とネットワークの構築を目的にした「こしがや産業フェスタ2014」が2日間、同市増林の市立総合体育館などで開催された。宮内庁埼玉鴨場にちなんだカモと越谷特産の「越谷ネギ」をはじめとする地場野菜などを組み合わせた「こしがや鴨ネギ鍋」の大鍋イベントが今年で10周年を迎えた。200円の格安販売とあって、午前10時の販売前には100人を超える購入者の列ができた。鴨ネギ鍋は直径2メートルの大鍋で作り、5千食が用意された。
(シカ肉料理をメニューに:福井)
県嶺南振興局農業経営支援部が普及に努めるシカ肉を、初めて小浜市とおおい町の飲食店二店舗がメニューの一つに加えた。支援部はさらに取扱店舗を増やしたい考え。提供したのは小浜市駅前町の居酒屋「吉のぶ」と、おおい町成海のホテルうみんぴあ。ともにオリーブオイルなどに浸して低温で調理する「コンフィ」で、一品料理やコースメニューの一つとして並べた。好評だが、先行するイノシシの「ぼたん鍋」と違って、なじみがないだけに「注文するお客さんは興味本位」(吉のぶ)という。牛肉とは異なる淡泊な肉質をより印象づけるため、両店ともにおいを消したり、軟らかくなるよう調理したりして工夫している。支援部は、農作物への獣害対策として駆除されるシカ肉に着目。二〇一一年から飲食店向けの料理講習会を開いて、食肉としてヨーロッパで定着する「ジビエ」のPRを続けてきた。飲食店での提供が始まったのは、若狭町内に昨年建設された肉の加工処理施設が後押しした。美浜町内の民宿でも取り扱いを始め、猟友会員と直接取引のない店でもジビエが少しずつ広がる傾向にある。食品スーパーの店頭に並べる計画はなく、肉はあくまで飲食店向け。「ものがそろえばランチメニューも考えたい」(うみんぴあ)との声があり、一層の普及には販売、流通ルートの整備が鍵を握っている。
(シカのつみれ蕎麦や肉まん登場:和歌山)
和歌山県古座川町相瀬の一枚岩鹿鳴館に、シカ肉を使ったジビエメニュー「鹿のつみれ蕎麦(そば)」と「鹿肉まん」が新たに登場した。9月から販売しているジビエバーガーの売れ行きも好調で、野崎舞店長(32)は「これからの季節にぴったりの新メニューをぜひ味わって。ジビエ料理が古座川の新たな名産として認知されるようになれば」と話している。町は同町月野瀬の南紀月の瀬温泉ぼたん荘近くで、シカやイノシシの肉を解体・加工する「鳥獣食肉処理加工施設」を建設している。来年4月か5月のオープンに向け、町産業振興課とぼたん荘がジビエ料理の開発をしており、その第1弾としてシカ肉のハンバーグを使ったジビエバーガーを考案した。次にテリヤキジビエバーガーを開発し、11月から販売を始め、どちらも味付けに地元の食料加工品を使用している。シカ肉は建設中の施設が稼働するまでは、和歌山市の食肉処理加工施設から仕入れる。新メニューも含め、レシピを教わった鹿鳴館のスタッフが全て調理している。新メニューは12月1日から販売を開始した。鹿のつみれ蕎麦はシカ肉の臭みを消すためのショウガや白ネギ、卵を混ぜたつみれ、町産のユズの皮などが入っている。650円で1日15食限定。サンショウを振り掛けて食べるのがお薦めという。鹿肉まんはシカ肉を町産の原木シイタケ、タマネギと合わせて手作りの生地で包んだ。臭みを抑えるためにごま油を入れ、豚の背脂でジューシーさを出した。250円で1日24食限定。テークアウトもできる。ドリンクとのセットは400円で、テークアウトはゆずドリンクとのセットに限る。鹿肉まんは喫茶終了後の時間帯も販売する。ジビエバーガーとテリヤキジビエバーガーは、合わせて平日に20食、土日曜と祝日に50食を販売している。バーガーを目当てに遠方から来る客もおり、来店者は例年より2~3割多いという。ジビエバーガーは9月13日に販売を始め、10月25日に千食を達成。テリヤキジビエバーガーを合わせて12月2日現在で約1800食を販売している。土日曜と祝日はほとんど売り切れるという。観光客から「安くておいしい」、地元住民からも「臭みがない」と好評だ。
(県産イノシシカレーいかが、ココイチ3店:島根)
カレーハウスCoCo壱番屋は12月から、県内の全3店舗で、県内産イノシシ肉を使った「おおち山くじらカレー」(税込み780円)を提供している。駆除した野生のイノシシ肉のブランド化を進める美郷町の「おおち山くじら生産者組合」と同社などが共同開発した。歯切れが良く、後味あっさりのイノシシのモモ肉スライスをふんだんに使用。ルウには隠し味としてイノシシ肉のミンチを練り合わせたみそを使い、コクのある仕上がりになったという。同組合は2004年に結成し、近年は年間4トンを生産。翌年には商標登録も行って、品質の高さが評価されている。同組合は「若い人たちに積極的に食べてもらい、おおち山くじらの認知度アップにつながれば」と期待している。
(「ジビエ料理」狩猟と解体の真実を密着取材:山梨)
11月半ばから多くの地域で狩猟が解禁され、ジビエ(野生の鳥獣の肉)料理のシーズンが到来した。ジビエといっても、我々が目にするのは店で出てくるお肉だけ。いったいどうやって捕られ、処理されているのか? そこで日本でもトップクラスの捕獲数を誇る山梨県早川町のプロ猟師、望月秀樹さん(47)に密着。猟と解体処理の現場を取材した。30日午前11時15分ごろ、山口県岩国市由宇町神東で住民2人が相次いでイノシシに襲われ、病院に搬送された。イノシシは逃げており岩国署などが家の外に出ないよう呼び掛けている。目撃情報などから、襲ったのは体長1メートル以上の同じイノシシとみられる。このところ増えすぎたシカやイノシシ、サルに農作物が食い荒らされる被害が全国の農地で相次いでおり、農林水産省の統計によればその被害額は年間約230億円(2012年度)。そのため、政府、与党は来年度の税制改正で、都道府県がハンターから徴収している1シーズン数千円から数万円の狩猟税を廃止する検討を始めたばかり。ハンターの減少に歯止めをかけ、野生動物による農作物への被害を防ぐ狙いで、今後、議論を本格化する。狩猟免許を持つ人は1970年代には50万人前後だったが、ここ数年は20万人程度に減少した。望月さんは猟師歴26年。毎年、駆除で200頭、猟期に100頭の計300頭を仕留めているスゴ腕だ。早川町も獣害に苦しんでおり、町では駆除した上でその肉を特産品として販売する計画を立て、今年8月に「早川町ジビエ処理加工施設」を竣工した。望月さんは捕獲したシカをここで解体し、東京都内の店などに出荷している。11月下旬のある日、本紙記者は望月さんの猟に同行した。猟のポイントまでは、もちろん“歩道”などない。足を置けそうな場所を選んで進んでいくだけ。急角度で下手をすれば谷へ落ちそうな険しい“道”だ。この道はやがて獣道と合流した。望月さんが足元を指さして「これはイノシシの足跡。まだ新しい。こっちはイノシシのフン。昨日の夜から今朝にかけてのもので、我々が来た方向に行ってるね」と解説してくれた。さらに進むとクマの出没ポイントがあった。「この幹の傷はクマの爪によるもの。木を登って上のどんぐりを食べたんだね」。周辺にはクマが折った枝が落ちていた。望月さんによれば、シカやイノシシは「首から上を撃つ」のが鉄則だという。「内臓に当たると胃や腸の菌が散って肉に移る。保健所の指導もあり、そういう肉は売り物にしません」。弾は鉛ではなく銅製を使っている。重い銃を持ちながら険しい道を軽々と進む望月さん。その後をやっとついて行っていた記者に緊急事態が。なんと靴底が丸ごと外れたのだ。急角度な場所で踏ん張るため、靴が負荷に耐えられなかった。「こういう険しい場所で生活するシカは身が締まっておいしくなるんですよ」という言葉を聞きながら、仕方なく記者は離脱して加工場へ。その後、望月さんは正確に首を撃った20キロの雄ジカを捕獲して戻ってきた。山梨県では捕獲してから加工場まで運ぶ時間を「2時間以内」と指導しているが、望月さんは1時間以内に運び込み、捕獲から2時間以内に解体を終えるようにしているという。シカはまず高圧洗浄機で虫や土を洗い流す。つるして皮を剥ぎ、内臓を分離。この間、何度もゴム手袋をつけ替える。皮は廃棄物として捨て、内臓はウイルスや寄生虫、放射性物質が含まれていないか検査に回す。解体が終わるまでわずか30分。販売する肉はパッケージしてマイナス40度に瞬間冷却する。このシカからは背ロース、後ろ脚のもも肉など約5キロ分が販売に回される。売値は3万円ほど。猟師は減り続けているが、早川町と望月さんの取り組みが軌道に乗れば、駆除に専任する“プロ猟師”が増えるきっかけになるかもしれない。
(陸自小銃訓練、1発捜し雪の中600人徹夜:青森)
「行方不明の実弾1個」を求め、陸上自衛隊弘前駐屯地(青森県弘前市)の隊員約600人が2日午後から徹夜で雪の岩木山麓(さんろく)を捜索し、3日昼前にやっと発見した。寒気が流れ込み深さ30~40センチに達した雪をかき分けての捜索だった。陸自第9師団司令部によると、第39普通科連隊の1個中隊50人が2日朝~午後、弘前演習場(同県西目屋村)で89式小銃(口径5.56ミリ)による射撃訓練を実施。それぞれが29発、計1450発を撃つはずが、1人が28発しか射撃していないことが判明した。薬きょうを確認すると、やはり1449個しかなく、「実弾紛失の可能性がある」と捜索を始めた。実弾の配布場所から射撃場まで、屋外の約50メートル区間が捜索範囲。中隊員たちだけでの捜索は難航し、投光器まで投入した徹夜の捜索に約600人が投入された。3日早朝にはさらに約70人が応援に入り、同日午前11時43分に雪中から実弾1個を回収した。第39普通科連隊長の平沢達也1等陸佐は「周辺住民や市民に不安と迷惑をかけ、おわびする」とのコメントを出した。

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12/1
(熊に女性襲われる:長野)
28日午前7時ごろ、上水内郡小川村法地の村道で、同村瀬戸川の無職西沢トシ子さん(85)が、山林から駆け下りてきた熊に顔などを引っかかれた。近くにいた住民が119番通報し、西沢さんは長野市内の病院に搬送された。長野中央署によると、顔に数カ所に傷を負ったが、命に別条はないという。現場は山林に囲まれた村道。同署によると、熊は体長は約1メートル。その場からいなくなり、同署員や地元の猟友会員らが付近を警戒した。村は有線放送で住民に注意を呼び掛け、猟友会に現場付近にわなを設置するよう依頼した。村建設経済課によると、今年4月以降、村内の熊の目撃情報は97件で昨年度1年間(47件)の約2倍に上る。村内でのけが人はこれで2人目。県鳥獣対策・ジビエ振興室によると、本年度、熊と遭遇してけがを負った人は31人に上り、記録が残る2006年度(18人)以降最多をさらに更新した。うち11月に入ってからの人的被害は、10年に1人出て以降は出ていなかったが、本年度は4人となった。同室の担当者は「今年はドングリが不作で11月に入っても広範囲に熊が餌を求めて動いているのではないか」とした。
(イノシシに襲われ2人大けが:山口)
30日昼前、山口県岩国市で、67歳と59歳の男女が相次いでイノシシに襲われ大けがをしました。イノシシは逃げ、地元の猟友会が付近を捜索するとともに、市や警察が警戒を呼びかけています。30日午前11時すぎ、岩国市由宇町神東で67歳の男性と59歳の女性の家族から「イノシシに襲われた」などと相次いで消防に通報がありました。警察などによりますと、このうち、男性は近くの畑で農作業を終えて帰宅した直後に、女性は自宅近くの畑で花の種をまいていたときに襲われたということで、2人とも全身をかまれるなどの大けがをしましたが、命に別状はないということです。2人を襲ったのは体長が1メートルを超える同じイノシシとみられ、そのまま逃げたということです。現場は岩国市の中心部から南に20キロほど離れた海沿いの集落で、近くに山があります。地元の猟友会が付近を捜索するとともに、市や警察が住民に警戒を呼びかけています。岩国市では、今月23日にも、外を歩いていた70代の男性がイノシシに頭や手などをかまれてけがをしています。大けがをした男性と女性が相次いでイノシシに襲われた2つの現場は、およそ100メートルの距離です。大けがをした女性の母親は「家の畑で倒れていて顔は血だらけになっていたので、あわてて救急車を呼びました。本当にびっくりしています」と話していました。また、大けがをした男性の救助にあたった近くに住む住民の男性は「これまで、小さなイノシシが農産物を荒らす被害はあったが、体長が1メートルを超すような大きなイノシシは見たことはありませんでした。けがをする被害が出たことにとても驚いています」と話していました。イノシシは逃げていることから、警察や消防、それに岩国市は、地域の住民に対し外出時などは警戒するよう呼びかけています。
(ツル、鳥インフル強毒性:鹿児島)
鹿児島県は29日、世界的なツル越冬地の出水平野(同県出水市)で衰弱した状態で見つかり、鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出ていたマナヅル1羽について、ウイルスは強毒性で致死率の高い「高病原性」のH5N8亜型だったと発表した。鹿児島大の確定検査で判明した。周辺は国内有数の養鶏地帯。県によると、発見場所の半径10キロ圏内の養鶏場から、異常の報告はないという。出水平野のツルは15日の羽数調査で、観測史上最多の1万4378羽が確認された。現地には地球上に生息するマナヅルの4~5割、ナベヅルの9割が飛来するとされる。環境省は12月2~5日に野鳥緊急調査チームを派遣し、野鳥のふんを採取するなどして感染が拡大していないか調べる。ツルの発見場所の半径3キロ圏内では鶏が91万羽、10キロ圏内では505万羽が飼育されている。県は対策本部を設置し、30日に3キロ圏内の農場全33カ所に立ち入り、鶏の異常の有無や防鳥ネットの破れなどを確認。10キロ圏内の全141農場に消石灰140トンを緊急配布する。伊藤祐一郎知事は「迅速な対応が必要。全庁で情報共有し、力を合わせて対応を」と指示した。ウイルスが検出されたツルは23日朝、出水市高尾野町下水流の干拓地で見つかり、27日に市ツル保護センターで死んだ。環境省は同日、現場から10キロ圏内を野鳥監視重点区域に指定し、パトロールを開始。28日に衰弱したカモ1羽を発見したが簡易検査は陰性で、遺伝子検査をしている。H5N8亜型のウイルスは11月8日以降、島根、鳥取、千葉の3県でカモなどのふんから確認されており、出水市が4例目。野鳥の個体から見つかったのは今季初。県は他地域のウイルスと遺伝子型が一致するかを詳しく調べる。出水市では2010年12月にナベヅル、11年1月に農場の鶏に鳥インフルエンザの感染が確認され、ツル観光や地域経済が打撃を受けた。今年4月には、熊本県多良木町の養鶏場で鳥インフルエンザが原因の大量死が発生している。
(鳥インフルエンザについて:鳥取)
11月18日に鳥取県鳥取市で採取されたカモ類の糞便から高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されましたが、現在のところ、環境省と県による野鳥パトロールや周辺の養鶏場に対する調査の結果、異常は確認されておりません。鳥インフルエンザウイルスは、感染した鳥との濃密な接触等の特殊な場合を除き、通常では人には感染しないと考えられておりますが、県民の皆様には次のことをお願いいたします。・死亡した野鳥は素手で触らないでください。・死亡野鳥や鳥の排泄物に触れた後には、手洗いやうがいをしてください。・死亡した野鳥を見つけた時は、最寄りの県生活環境事務所、県総合事務所生活環境局に連絡し、その指示に従ってください。今後とも、迅速で正確な情報提供に努めていきますので、根拠のない噂などにより混乱することのないよう、ご協力をお願いいたします。
(クマ対策で衆院選投票所に爆竹用意:岐阜)
12月14日に投開票される衆院選。この秋にクマが相次いで出没している岐阜県高山市では、市選挙管理委員会が投票所の安全対策に追われている。既に、クマを追い払うための爆竹を用意したほか、当日は、地元の猟友会員に投票所周辺の見回りもしてもらう。市選管によると、選挙でのこうしたクマ対策は初めてで、総務省も「把握している限りでは、高山市のような対策は全国で聞いたことがない」としている。高山市ではこの秋、クマの被害が続出。今月6日朝には、山あいの丹生川町のリンゴ畑で、近くの農業男性(74)が顔から血を流して死んでいるのが見つかった。クマに襲われたとみられている。このほかにも丹生川町や市街地近くの山などで4人がけがをしている。餌となるドングリが森で不作だったことから、冬眠前のクマが餌を求めて人里に下りてきているとみられ、今年の目撃情報は400件以上。市の統計が残る2006年以降で最多となっている。農務課の林篤志課長(50)は「例年、11月になると目撃数は減るが今年は増えている。選挙がある12月も人里近くを動き回る可能性が大きい」と話す。05年に周辺町村と合併し、日本で最も広い市となった高山市。面積は東京都とほぼ同じ2177平方キロで、うち92%を森林が占める。クマがどこで出没するかはつかみにくく、対応は難しいという。このため市選管は、衆院選にあたり、72カ所の投票所のうち、これまでに目撃情報があるなどクマ出没の可能性が大きい50カ所を中心に対策することにした。市選管は、1箱10束入りの爆竹を70箱用意。投票所近くで出没が確認された場合、銃声に似た音で追い払う作戦だ。会員が約100人いる市内の猟友会にも協力を依頼。目撃時にすぐ駆けつけられるよう自宅で待機してもらったり、投票所の周辺を見回ってもらったりする。これらの方針は、1日に開く市の選挙管理委員会で正式に決める。一方で市選管は、有権者に対し、投票所には歩いて行かず、クマが出る危険性が高まる夕方以降の投票は避けるよう回覧板で呼び掛ける予定だ。ただ、その文言をどうするかには頭を悩ます。「例えば、夕方まで仕事がある人は、投票ができないと受け止められてはいけない」と担当者。万全なクマ対策を周知することで、投票そのものが危険だという印象を有権者に与え、投票率低下につながらないかも懸念しているという。とはいえ、市民の安全が第一。担当者は「市民に被害がないことを願うしかない」と祈るように話す。
(キビの食害広がる:沖縄)
城辺長北地区で、収穫前のサトウキビが広範囲にわたり動物に食い荒らされている。事態を重く見た地域住民らが28日、被害調査を実施し市に対策を求めた。キビ畑に残された足跡やかじった形跡などからイノシシと見られている。被害を受けた農家は、捕獲用のおりの設置や毒エサをまくなどあらゆる対策をしているが「賢いのか捕まらない」と話している。3年前から毎年被害を受けているという国仲和男さん(77)=城辺長間=は「自分たちのエサ場と思っているのかも知れない。この畑からは反収6㌧は出るが、今年は5㌧収穫できるかどうか」と肩を落とした。わなの設置のほか、キビ畑の周辺にロープを張ったり、ラジオをつけ放しにするなど「考えられる手は打っているが捕まらない」という。長北部落の伊良部正喜会長によると、今年5月に地元の人から「イノシシを見た」との目撃情報があった。10月下旬には3匹の子を連れた親イノシシも目撃されているという。被害を受けた畑には、動物とみられる足跡が残っており、被害調査に同行した下地明市議は「イノシシに間違いない」と指摘。被害にあった3箇所の畑がいずれも海岸沿いだったことから「海岸づたいに移動しているのではないか。駆除はキビ収穫後になると思うが、市は早急に対策を立ててほしい」と訴えている。1997年には平良大浦と城辺吉野で、キビやサツマイモなどの農作物が食害に遭った。この時は、猟友会八重山支部のメンバーが来島し、猟銃でオスとメスのイノシシそれぞれ1頭を捕獲したことがある。イノシシは、本来宮古には生息しないが、他の地区からペットなどとして持ち込まれたのが逃げて野生化したとみられている。
(狩猟免許取得に助成、9万円上限:北海道)
全国的にハンターの減少と高齢化が進む中、町は本年度から、50歳未満の町民を対象に、狩猟免許の取得補助を9万円上限で行っている。狩猟の担い手確保だけではなく、免許取得後のベテランハンターによる講習なども支援し、町内で長年培われた狩猟技術の継承を目指す。道猟友会斜里支部斜里分会では、15年前に約70人の会員がいたが、現在は40人ほどに減少。そのうち半分が60歳以上で、さらなる減少が懸念されている。一方、農作物に被害をもたらすシカは増え、狩猟の重要さは増している。狩猟に必要な第一種狩猟免許と銃砲所持許可を取るには約13万円かかり、費用が若い世代の足かせとなってきた。町は約7割にあたる9万円を補助するため、本年度予算に45万円を計上。補助は免許取得後に受けられる。高齢のハンターには狩猟技術が高く、シカがいる場所など生態を熟知した人が多い。町には「優秀なハンターが現役のうちに、技術を若い世代に引き継ぐ必要がある」(環境課)との判断もあった。このため地元猟友会員として3年以上有害鳥獣の駆除に努めることを補助条件として設定。猟友会が行う新人ハンター向けの集団狩猟や射撃練習会にも補助し、免許取得後に経験豊富なハンターから技術を教わる機会を増やした。補助制度は町のホームページのほか、しれとこ産業まつり会場などでPRしており、現在1人がすでに免許を取得して補助申請する見込み。町環境課は「狩猟のきっかけ作りから技術向上までを支援するので、多くの人に興味を持ってほしい」と呼び掛けている。
(“空飛ぶ電波塔”、野生生物の分布調査に)
情報通信研究機構(NICT)は、最新の研究成果を発表する「NICTオープンハウス2014」(2014年11月27~28日)で、小型無人航空機を用いた無線通信システムを紹介した。翼長2.8m、重さ6kgほどの無人航空機に小型の中継装置(以下、機上局)を搭載する。それを介して、災害などでネットワークが孤立した地域と、ネットワークが生存している地域の中継用地上局を結ぶ仕組みだ。地上局と機上局の通信には2GHz帯を利用している。現時点での送信出力は2W、通信速度は450kビット/秒(kbps)。地上局と機上局の通信距離は20km。通信速度については5Mビット/秒を目指すとしている。NICTの説明員によると、通信速度を上げる方法として複数の無人飛行機を並行して飛ばすことを考えているという。福島県富岡町(居住制限区域)では、野生のイノシシの分布調査に無人航空機が使われている。イノシシにつけたセンサーから、位置情報や放射線量などのデータを無線(150MHz帯を使用)で航空機に送信し、そこから、データをモニタリングしている地上局に送っている。無人航空機1機で、地上制御局を中心とした直径20kmの範囲をカバーできるという。
(「猪鍋セット」どうぞ:愛知)
山里の冬のごちそう「しし鍋」。設楽町観光協会は今年も、町内で捕獲されたイノシシの肉を使った「猪鍋セット」の申し込みを12月1日から受け付ける。農作物を荒らすイノシシの獣害対策とハンターの育成を目的に、捕獲されたイノシシの商品化を検討し、考案された。2004年度から販売が始まり、最近注目されるようになったジビエの先駆けとして人気が高まり、猟の状況によっては希望しても手に入らないこともある。今年はイノシシが多く、捕獲は順調という。セットは、しし肉に町内産の大根、コンニャクと八丁みそを詰め合わせた。特上ロースセットはしし肉600グラムで9000円、お得セットは肉500グラムで6000円。特上セットにはウインナーやジャーキーなどしし肉の加工品が付く。申し込み受け付けは12月1日からで、販売は来年1月下旬まで。
(森の恵みシカ肉料理教室:兵庫)
12月2日午前10時半から丹波の森公苑で、森の恵みシカ肉料理教室が開かれる。講師は「愛deer料理教室」の林真理さん。インドの伝統療法、アーユルヴェーダの考えを取り入れた鹿肉料理3品を作る。
(県産ジビエいかが:鳥取)
野生鳥獣の肉「ジビエ」を使った料理を提供する「1129いいにく感謝祭29グルメ&ジビエフェア」が28日、鳥取市賀露町西の「地場産プラザわったいな」で始まった。30日まで。国道29号沿線地域の活性化に取り組む、鳥取、兵庫両県の自治体などでつくる地域振興協議会が昨年に続いて、「11月29日(いい肉の日)」に合わせて開催した。3日間で16店舗が日替わりで、イノシシやシカなどの肉を使った18種類の料理を販売する。「鹿すきやき丼」(税込み500円)は、甘辛く味付けした若桜町のシカ肉と新鮮野菜を豪快にご飯の上に盛りつけた。しょうゆベースのたれで煮込んだイノシシの肉をのせた茶そば(同)も人気だ。シカ肉のウィンナーを食べた同市永楽温泉町の看護師矢部歩さん(36)は「臭みが全くなく、食べ応えもありおいしかった。ジビエの印象が変わりました」と満足した様子だった。
(フロリダ主要都市でサル出没、警察が捕獲に乗り出す:アメリカ)
米フロリダ州の主要都市タンパにサルとみられる動物が出没しているとの情報が寄せられ、警察が捕獲に乗り出した。現場はいずれもタンパの中心街から数キロの地点。最初に通報した住民は、感謝祭の27日午後に庭を駆け抜けるサルの姿を目撃。1時間後、10ブロックほど離れた橋の近くで別の目撃者がサルを見たと通報した。タンパ警察はフェースブック上で「サルを逮捕する正当な理由はないが、精力的に捕獲に努める」と述べた。サルは「3フィート(約90センチ)ほどの大きさで敏捷」と報告されているが、ソーシャルメディア上ではサルかチンパンジーのどちらなのかと問う投稿もみられる。

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