<射撃ニュース1月>

1/31
(イノシシと衝突、列車遅れ:島根)
29日午前10時42分ごろ、島根県江津市のJR山陰線黒松-浅利間を走行中の益田発米子行きの快速電車(2両)がイノシシと衝突、停車した。運転士が車両点検を行ったところ、床下の機器でエア漏れが見つかり、同線大田市-江津間で運転を見合わせて同電車で応急措置を行い、約50分後に運転を再開した。JR西日本米子支社によると、特急2本が部分運休するなどし約400人に影響した。
(免許取得費を全額補助、来年度から謝礼も倍増:兵庫)
神戸市はイノシシなどの「有害鳥獣」の駆除を後押ししようと、来年度から新規に狩猟免許を取得する際の費用を全額補助する。全国的に高齢化などによる猟友会員不足が、農作物の鳥獣被害に拍車を掛けており、市が全面バックアップして被害の縮小を目指す。市農政部計画課によると、市内のイノシシの捕獲頭数は2003年に329頭だったが、12年には640頭とほぼ倍増。12年の農作物の被害額は3917万円と4000万円に迫る。一方、市内の狩猟者登録数は495人(12年)と500人を切り、有害鳥獣の捕獲に協力する捕獲班員は100人程度という。市は捕獲班員の充実を図ろうと、狩猟に必要な銃猟やわなが使える免許の受験料や登録料、銃の所持許可手数料などを補助する。猟銃免許で6万5000円、わな猟免許で3万円の支援となり、猟銃免許の取得では、欠格事由の有無や身元調査も受けるため、捕獲班に参加できるようになってから費用を支給する方針という。また、イノシシを捕獲した際に支払っている謝礼も現在の1万円から倍増し、苦労をねぎらう。久元喜造市長は「神戸は都市部のイメージが強く、問題が認識されてこなかった。危機感なく(イノシシの子どもである)ウリボウを餌付けするような認識を改めてもらうきっかけにもなれば」と話した。
(クマ目撃増加171件、前年度上回る:山口)
県内でツキノワグマの目撃件数が増えている。今年度は30日現在で前年度1年間を46件上回る171件。すでに、最近10年で3番目に多くなっている。生息数の増加に加え、里山が荒れてクマが出没しやすい環境になっていることが原因とみられる。県自然保護課などによると、04年度以降の目撃情報は、西中国山地の木の実などが凶作でクマが人里に下りてくるなどした10年度の435件と、04年度の395件を除けば、78~153件で推移してきた。目撃情報は例年、冬眠前に餌を求めて移動距離が長くなる9~10月に増えるが、今年度(30日現在)はこの3か月に前年度を34件上回る87件あった。岩国市(56件)、山口市(44件)、周南市(27件)の順に多く、旧町村部と合併した自治体が目立った。山口、広島、島根3県が09~10年度に行った調査では、3県のツキノワグマの推定生息頭数は450~1290頭。04~05年度の調査では300~740頭で、5年間で1・5倍以上に増えたとみられる。日本ツキノワグマ研究所(広島県廿日市市)は「過疎や高齢化で人の手が入った『里山』が自然林の『奥山』に変わり、人とクマの生活圏の境界線がなくなっている」と指摘している。ツキノワグマは環境省のレッドデータブックで「絶滅の恐れのある地域個体群」とされ、県は12年にクマとの共存を掲げた第3期特定鳥獣保護管理計画を策定した。県自然保護課は「生ごみを放置したり、埋めたりする行為がクマを呼び寄せる。住民に危険が及べば、殺処分せざるを得ない」と注意を呼びかけている。
(純粋ニホンザル守れ、交雑サルも特定外来指定へ)
環境省はアカゲザルやタイワンザルとニホンザルとの交雑種を、生態系に重大な影響を及ぼすとして特定外来生物に指定する方針。アカゲザルやタイワンザルは既に特定外来生物に指定されているが、昨年成立した改正外来生物法で、交雑種の指定も可能になっていた。交雑が進めば純粋なニホンザルが消滅する恐れがあるため、防除を進める。3月にも指定を正式に決める。環境省によると、アカゲザルは千葉県房総半島に生息し、ニホンザルとの交雑が問題になっている。タイワンザルも青森県下北半島、東京都大島町、静岡県南伊豆町、和歌山県北部に定着し、既に青森や和歌山では交雑が確認された。特定外来生物に指定されると、輸入や飼育が原則禁止される。今後、特定外来生物の魚のバス類同士を交配してつくりだした「サンシャインバス」についても検討する。交雑種以外では、北アメリカ原産のカナダガンも新たに指定する。茨城、神奈川、山梨、静岡の各県で生息が確認され、在来種のシジュウカラガンと交雑する恐れがあるという。
(鳥獣被害対策、捕獲と利用の拡大で)
野生動物の保護を担う鳥獣保護法の改正を環境省が目指している。各地で野生のシカやイノシシが急増し、農作物の食害や貴重な生態系への影響が広がっているからだ。こうした鳥獣については、従来の保護を前提とした個体数調整から、捕獲対策の強化を含めた積極的な管理へ転換するという。今通常国会に同法の改正案を提出する方針だ。被害の深刻度を考えれば、政策転換はやむを得ない。併せて、捕獲した野生動物の食肉利用を促進し、地域振興にもつなげてもらいたい。環境省の推計では、2011年度のニホンジカ(北海道を除く)の生息数は261万頭、イノシシは88万頭。農作物被害は毎年約200億円に上る。現状の捕獲率だと、シカは25年度に倍増すると予測された。一方で、捕獲に携わる狩猟免許所持者はこの40年間で6割減り、約19万人となった。高齢化も進む。中山間地の過疎化で、利用されない里山や耕作放棄地が増えた。森林伐採でエサとなる草場が増えた。地球温暖化で越冬しやすくなった。増加にはさまざまな要因が絡むが、いずれも人間の行動がもたらした結果であることを忘れてはなるまい。環境省が検討中の改正案では、一定の技能があり、適切な安全管理もできると認められる捕獲専門の事業者を都道府県が認定する制度を創設し、効率的な捕獲の実施を図る。全国的に被害が深刻化しているシカなどについては、国が全国の捕獲目標などを盛り込んだ指針を示すという。市町村が中心だった捕獲事業も、これらの鳥獣は必要に応じ都道府県や国が実施できるようにする。こうした捕獲対策の強化は待ったなしだが、野生動物の保護管理に詳しい専門家を各地に配し、適切に実施されているかどうかを監督する必要がある。そのための人材育成や、野生動物の分布状況調査など科学的なデータの蓄積は急務だ。野生動物に県境はない。環境省や農林水産省、都道府県が行政の縦割りをなくし、広域的な対策に連携してあたることも重要となる。欧州では野生鳥獣の肉(ジビエ)は高級食材だが、日本では捕獲後に多くが廃棄されている。山から下ろして解体処理するには労力やコストがかかるし、販路の開拓も必要だ。それでも、地域の特産品とするために、衛生管理を徹底し、ブランド化を進めるなどの取り組みが各地で少しずつ広がっている。カレーやハンバーガーの具材として提供する外食店も出てきた。国としても後押ししてもらいたい。ジビエを食べることは、人間と野生動物との共存を考える良い機会ともなるはずだ。
(巨人マシソン、野豚狩りで英気!)
巨人のスコット・マシソン投手(29)が30日、成田空港着の航空機で来日した。ワニや七面鳥など野生動物のハンティングが趣味の守護神。このオフは、自宅のある米フロリダ州で野生の豚3匹を狩猟。自ら肉をさばき、ソーセージを作ったと明かした。「狩りをしたものはすべて食べる」がポリシーの剛腕は「今年(の狩猟)は不作で豚しか捕れなかったんだけどね。味はとてもおいしかった。家族や友人も『普通のお店の食べ物みたい』と言ってくれたよ」と笑顔を見せた。豚も恐れるパワーで、今季もフル回転する。昨年は米国へ帰国して1週間後、11月中旬からランニングなど練習を再開。12月中からブルペンに入るなど、“本職”でもエンジン全開だ。昨季、山口とともに最優秀中継ぎ投手を獲得した最速163キロ右腕は「中継ぎでも守護神でも、任されたところで結果を出すだけ。昨年と同じような投球が出来れば、自然とタイトルが付いてくる」と力強かった。
(坂網鴨の晩餐会:石川)
加賀市が2月3日、東京・南青山のレストラン「ナリサワ」で開く「加賀の晩(ばん)餐(さん)会」に、安倍晋三首相夫人の昭恵さんが参加することが決まった。晩餐会はカモ料理の最高食材と位置付ける「坂網鴨」を知ってもらうために開催され、昭恵夫人のほか女優の剛力彩芽さんや菊川怜さんらも参加する。北陸新幹線金沢開業を見据え、ファーストレディーら豪華女性陣のパワーで、坂網鴨の魅力を全国へ発信する。加賀の晩餐会は2012年から始まり、今年で3回目。北陸新幹線金沢開業の前年に当たることから、今回はより注目度の高い女性に参加してもらおうと、加賀市が昨年11月ごろから人選を進めてきた。市職員に昭恵夫人と知り合いの女性がいたため、参加を要請したところ、28日までにメールで昭恵夫人から直接「当日を楽しみにしている」との返事があったという。昭恵夫人のほか、作家の吉永みち子さん、島村菜津さん、エッセイストの平松洋子さんら各界で活躍する女性らも出席する。晩餐会には2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長に就任した森喜朗元首相、稲田朋美クールジャパン戦略担当相、蓮舫参院議員も参加する。加賀市は「五輪とクールジャパン戦略の『大物』の力で、世界に向けた坂網鴨の広報を期待できる」としている。このほか、テレビキャスターの長岡杏子さん、旧山中町出身の料理人道場六三郎さん、日本野鳥の会の柳生博会長ら合計20人が出席する。加賀市では、著名なゲストに市の『応援団』になってもらおうと意気込む。坂網鴨は加賀市の片野鴨池で藩政期から続く石川県有形民俗文化財「坂網猟」によって捕らえられたカモで、ブランド化を進めている。会場のナリサワは格付け本「ミシュランガイド」で二つ星を獲得した名門レストラン。晩餐会ではオーナーシェフの成澤由浩さんが調理を担当し、坂網鴨に加え、橋立のカニや三谷地区の山野草も提供する。
(瓢湖の珍鳥目撃者に「発見証」:新潟)
阿賀野市は、毎年瓢湖で数羽しか確認されないカモ科の「アメリカヒドリ」を見つけた人に「発見証」を進呈するユニークな企画を始めた。たくさんのハクチョウやカモの中から見分けるのは“至難の業”だが、「運試しのゲーム感覚で楽しんでほしい」と呼び掛けている。アメリカヒドリはカモ科、体長約50センチ。10月下旬に北・中米などから渡ってくる。オスとメスで対照的な姿をしており、オスは頭のてっぺんが白く、目の周囲から後方にかけて光沢のある緑色の線が入る。メスは全体的に淡い茶色をしており、オスと同じような模様がうっすらと見える。繁殖地と越冬地は北・中米だが、北海道や小笠原諸島などにも渡って来る。瓢湖には年に数羽しか飛来せず、中国やロシアなどから越冬に来るカモ科の「ヒドリガモ」と似ているため確認が難しい。市は、ヒドリガモの飛来状況をつかむとともに、瓢湖に観光客を呼び込もうとの一石二鳥を狙う「珍鳥発見企画」を考えた。ラッキーにも発見した人は、近くの資料館「白鳥の里」で、どこで見たかなどを申告し、名前と日付が入った名刺サイズの「発見証」をもらえる。目の周りが黒く「パンダガモ」の愛称で親しまれている「ミコアイサ」を見つけた人にも発行する。瓢湖管理事務所の所長は「給餌場の付近で発見できる確率が高いと思う」とアドバイス、「一般の人がアメリカヒドリやミコアイサを探すのは大変だが、挑戦してほしい」と話している。渡り鳥が引き上げる3月下旬頃まで行う。
(冬鳥探鳥会、湖面のカモなど観察:宮崎)
冬鳥探鳥会が、高原町蒲牟田の御池野鳥の森公園キャンプ村周辺であった。県内外から愛好家ら約50人が集まり、望遠鏡を手に湖面に浮かぶカモなどの観察を楽しんだ。探鳥会は、日本野鳥の会県支部と同町観光協会が26日に開催。この日は好天で暖かい陽気に恵まれ、森ではビンズイやモズ、湖面では首から顔がグリーンに輝くマガモやオナガガモなど計27種が観察された。宮崎市から来た女性(66)は「かわいい野鳥や自然の風景を見ると心が和みます」と笑顔で話していた。県支部によると、カモはシベリア方面から飛来。御池では1987年に1万7400羽の越冬が確認されたが、近年は700〜1000羽に激減しているという。地球温暖化の影響で南下せずに東北地方で越冬しているとの報告があり、同支部は冬場に御池周辺に餌場になる湿田が少ないのも原因とみている。
(「ジビエ」食品の試食会:鳥取)
シカやイノシシなど、いわゆる「ジビエ」を使った加工食品を味わうイベントが鳥取市で開かれた。このイベントは、ジビエ料理の普及を目指す協議会が開いたもの。イベントには地元の飲食店の関係者が招かれ、シカ肉を使ったウィンナーや、シカのもも肉のローストなど、鳥取県内ではまだあまり普及していないジビエの加工食品を試食した。参加した男性は「肉だけではなくて、その土地の野菜だとかがセットでおいしくなっているものは、非常によかったなと思う」と話していた。イベントを開いた協議会では、今後もジビエを使った加工食品や独自メニューの開発を進めていくことにしている。
(丹波の食材で新名物メニュー:京都)
京都府の丹波地域が誇る豊かな食材を使い、亀岡、南丹、京丹波2市1町の料亭や旅館が開発した料理が29日、亀岡市余部町のガレリアかめおかで披露された。シカ肉ミートソースをよもぎそばに合わせた「美山鹿そばボロネーゼ」、イノシシ肉入りの「ぼたんラーメン」など個性的な11品が並んだ。開発に参加した全16店で今後、担当メニューを提供する。昨年6月、府南丹広域振興局の呼び掛けで「食と文化でつながる京都丹波キャンペーン連絡会」が発足。丹波の名物メニューを作ろうと会員の事業者に呼び掛け、昨秋からレシピを考えてきた。披露されたのは亀岡産ハバネロを使った辛みが特徴の「牛ぎゅうから丼」、京野菜たっぷりの太巻き「京やさい大黒巻き」といった料理。「美山鹿すき焼き丼」はシカ前脚のスライス肉を使用、「京丹波かもライス」は焼いたカモに赤ワイン仕立てのソースをかけてご飯を添えた。1品800円~1800円(鍋は1人前4千円から)と手ごろな価格に設定した。この日は旅行会社や出版社の担当者が招かれた。シカ料理を提案した料理旅館「枕川(ちんせん)楼」(南丹市美山町)の長野豊社長(63)は「シカは1頭丸ごと使える優れた食材。丹波の食の魅力をもっとPRしたい」と話した。一部を除き3月1日から販売する。同振興局は2月末に全メニューを掲載したグルメマップを各店で配布する予定だ。
(「ジビエフェア」、20店参加しシカ料理などPR:高知)
「ジビエ」と呼ばれるシカやイノシシなど野生鳥獣の料理をPRしようと、高知県は2月1日から同28日まで「よさこいジビエフェア2014」と銘打ったキャンペーンを展開する。高知県内20の飲食店が参加し、自慢のジビエ料理を提供。鳥獣被害の軽減へ、食肉利用の普及を図る。農林業に深刻な被害を与えるシカやイノシシの数を減らそうと、高知県などは捕獲に力を入れているが、食肉消費は「捕獲数の1%ほど」(高知県鳥獣対策課)。有効活用が課題になる中、昨年末に実施した「シカ料理コンテスト」と共に初めて「よさこいジビエフェア」を企画した。よさこいジビエフェアには高知市の10店のほか、嶺北地域4、香美市、須崎市、土佐市、四万十町、仁淀川町、安田町の各1店が参加し、食事券などが当たるスタンプラリーも実施する。高知県鳥獣対策課は「ジビエ料理は、実は非常においしく栄養価も高い。この機会に親しんでもらえれば」と話している。参加店の情報を掲載したパンフレットは書店やスーパーなどのスタンドで無料配布している。
(ジビエ1000食販売:和歌山)
県内産のイノシシやシカの肉を試食する「わかやまジビエフェア」が30日、和歌山市湊通丁北2の「ホテルアバローム紀の国」で開かれた。6種類の料理計1000食が1食300円で販売され、500人の来場者が買い求め、ほぼ完売した。県とJTB西日本和歌山支店の主催。農作物を食い荒らす有害鳥獣を食べることで頭数を減らそうと、フランス語で野生鳥獣の肉を意味する「ジビエ」の普及に取り組んでいる。最初に仁坂吉伸知事が「県内の農家は農作物被害で悩んでいる。捕獲したうち、流通肉は3%と少ない。県は(イノシシやシカの)肉の等級制度を始めたので、安心して肉を買って食べてほしい」とあいさつした。販売された料理は、「猪丼(どん)ぶり」「猪汁」「鹿肉のカレー」「猪と野菜のトマトシチュー」のほか、ニンニクやヨーグルトなどを入れてオーブンで焼いた「鹿肉の骨付きタンドリー」、シカ肉をトマトやワインで煮込んだ「鹿肉のラグーナポレターノ」が登場した。友人と6人で訪れた同市小野町の主婦、黒沢光子さん(73)は「猪汁はショウガが効き、水菜の香りが良い。丼は肉が薄く切ってあって牛肉の細切れを食べているよう。鹿肉のラグーは、肉があっさりしてクセがない」と評価していた。2月1〜28日は県内の54店舗と精肉店6店舗が参加し、「第3回わかやまジビエウィーク」が開かれる。期間中、ジビエ料理を食べてアンケートに答えると、抽選でホテルのディナー付き宿泊券や、旅行券などが当たる。
(加工施設建設へ:奈良)
五條市は、増加するイノシシ、シカの肉を加工する施設を同市阪合部新田町に建設し、食肉販売を目指す。30日には、施設建設事業費3931万3000円を盛り込んだ補正予算案を臨時市議会が可決した。秋ごろに着工し、来年1月末ごろの運用開始を目指す。同市のイノシシ・シカの有害駆除頭数は年間約500頭。現在は捕獲した現地や民家などで解体作業等が行われており、衛生や安全面で課題だという。
(シカ骨使い濃厚スープ:兵庫)
農家レストラン三心五観(丹波市春日町下三井庄、藤本傑士さん経営)が、丹波産のシカ骨を使ったスープで作る担々麺「重ね煮の鹿丹担麺セット」(1200円)の提供を始めた。シカ骨で取ったスープに、練りごまや味噌などをブレンドしたタレを合わせ、コクのある味に仕上げている。藤本さんは「商品名には『丹波を担う』という意味を込めた。将来的には、丹波市のご当地グルメになればうれしい」と期待を膨らませている。食材は、できる限り丹波産にこだわった。シカ肉の加工・販売を手掛ける丹波姫もみじ(氷上町谷村)で出るシカ骨を使用。濃厚なスープを作るため、圧力鍋でシカ骨を2時間ほど煮込む。イノシシの骨を入荷できれば、シカ骨と一緒にブレンドして提供することも考えている。味噌は地元大路地区の特産品「大路みそ」。トッピングには、シカ肉のローストやミンチ、カンナンファーム(春日町栢野)の卵で作った味玉のほか、旨みを引き出す「重ね煮」で調理した野菜を使用している。麺は国産の小麦を使い、丹波製麺所(山南町谷川)に特注している。藤本さんは「自然でのびのび育ったシカの骨を使用し、化学調味料は使っていない。飲みやすいスープで、子どもでも食べられるような辛さに仕上げているので、自然食としての丹担麺を味わってほしい。丹担麺以外にも、シカ骨を有効活用できるような料理を考えてみたい」と話している。藤本さんは昨年、丹波姫もみじの柳川瀬正夫社長と知り合い、「シカ骨を有効活用できないだろうか」と話し合った。過去に神戸市でラーメン店を経営していた経験を生かし、丹波産食材をふんだんに取り入れたご当地グルメを作ろうと決め、担々麺作りに取り組んだ。丹担麺は、毎週金、土曜の午後6時からヤマザキショップおぎの(春日町中山)横で開かれている「大路週末バル」でも提供している。店で提供するものとトッピングが変わり、700円。三心五観で食べる場合は、前菜が付き、前日までに予約が必要。
(「ジビエ」に熱い視線:京都)
農林産物に深刻な被害をもたらしているシカを、「ジビエ」として有効活用していこうと、京都府は中丹ジビエ活用プロジェクトに取り組むことにし、その開始を告げるキックオフセミナーが27日に福知山市内のホテルで開かれた。講演とシカ肉を使った料理の試食があり、料飲業界や観光協会などから定員を超える約70人が参加。新たな地域資源にと意見交換した。中丹3市だけでも野生鳥獣による農作物被害は年間1億円から3億円近くに及ぶ。このほか被害に遭わないようにと防除柵などを張り巡らす作業は農家に大きな負担。生産意欲を削ぎ、山間部では集落の存亡にもかかわる問題となっている。一方で食肉として見た場合、シカなど狩猟で捕獲した野生鳥獣は高級食材の「ジビエ」として欧州で古くから愛されてきた。日本でも近年、ジビエという言葉が広まってきている。そこで、厄介者のシカを「おいしく利用」していこうと、府でメニュー提案や普及活動をしていくことになった。キックオフセミナーでは、夜久野町直見で農作業受託と農産加工をしている有限会社田舎暮らしの中島健太郎さんが講演。「ジビエの地域資源としての可能性」をテーマに話した。自身が就農以来、シカによる食害に悩まされ続けて猟による駆除を始めたいきさつから語り、昨春新たに設けたシカとイノシシの食肉加工施設について紹介。食肉利用に適した捕獲方法、おいしい肉にするため捕獲直後の素早い処理などを説明しつつ、「里山を守り、シカの生命をムダにしないためにも、ジビエをひろめ、地域活性化につなげたい」と意欲を語った。この後、会場となったホテルロイヤルヒル福知山&スパ(土師)総料理長で著名ホテルの総料理長も務めてきた吉野国男さん、スペインのミシュラン星付きレストランで長年修業してきたバー&レストラン「ラボラトリ」(篠尾)オーナーシェフの西村純一さんが、中島さん提供のシカ肉で2品ずつを調理。来場者全員で試食をした。メニューは「シカ肉のパテ」「シカ肉上モモの生ハムのトスタディータ」(加熱処理済み)、「シカ肉背ロースのルスティード・丹波産カブのムース」「シカ肉のロースト」。どれも柔らかな赤身の特徴をいかした調理がされていておいしく、参加者たちは香りをかいだり、写真を撮ったりしながら食感を確かめていた。府は2月中に中丹広域振興局内にプロジェクトチームを立ち上げ、新年度にわたってメニュー開発や普及活動に取り組んでいくことにしている。
(野生肉「ジビエ」、各地に広がる)
フランス語で野生鳥獣の肉を意味する「ジビエ」を新たな味として売り出す試みが各地で広がっている。農作物に被害を与えるため、駆除対象になっているシカやイノシシの肉を消費できれば、社会貢献にもつながるとして大手企業の注目も高まりつつある。シカ肉の「ジビエバーガー」が机にずらりと並ぶ。昨年12月下旬、長野県上田市で開かれた試食会で、日本ジビエ振興協議会の藤木徳彦代表(42)は「東京で大人気になったんですよ」と笑顔で語り掛けた。首都圏に約20店を展開するJR東日本グループのカフェ「ベッカーズ」は昨年11月、ジビエバーガーを8000食限定で売り出した。2カ月で販売する予定が2週間で売り切れ、急遽(きゅうきょ)追加した2000食もすぐに完売した。三重県では、イオングループのスーパー「マックスバリュ」の5店が、県と地元企業で共同開発した味付きの生シカ肉を昨年8月から販売。「カレーハウスCoCo壱番屋」も三重県内の30店で、シカ肉入りカレーを昨年10~12月に限定販売し好評だったという。ジビエはフランス料理では一般的な食材。日本では「臭いがきつい」「硬い」などの悪いイメージもあり、まだ需要は少ないが、血抜き処理や調理を丁寧にすればおいしく食べられる。藤木さんは長野県茅野市のレストランのオーナーシェフで長年ジビエ料理を提供してきた。大手企業の力を借りてジビエの魅力を多くの人に伝えようと、今回のジビエバーガーを監修。上田市の社会福祉法人「まるこ福祉会」が障害者作業所の仕事として、シカのひき肉を豚肉や卵と混ぜてパテの形で冷凍する作業を引き受けた。店舗では、冷凍パテをマニュアルに従い焼いて盛り付ける。粗びきにしたシカ肉は適度な歯応えがあり、かむほどに味わいが広がるという。JRの担当者は「食材として大きな可能性がある。積極的に売り出したい」と話す。野生鳥獣による2011年度の農作物被害は計226億円で、個体数が増えたシカとイノシシの被害が6割強を占める。自治体が助成金で捕獲を後押しし、食肉の商品化も進むが、まだ埋設処分されるケースも多い。藤木さんは「自然の恵みを無駄なく食べる仕組みを広げたい」と意気込む。岡山県美作市は昨年6月、シカとイノシシの食肉処理施設を開設したが、卸先は小さな飲食店が中心だ。今も約100頭分のシカ肉の在庫があり、市の担当者は「大手と取引できればありがたい」と期待を込めた。
(駆除イノシシ加工、「むなっ猪」発売:福岡)
宗像市は2月1日、駆除イノシシを食肉加工した新たな特産品「むなっ猪(ちょ)」の販売を始める。道の駅むなかたで販売する他、市内6飲食店で鍋物や鉄板焼きとして提供する。発売記念に1日と2日の午前8時半から道の駅で、ぼたん鍋を各日500食振る舞う。宗像市は昨年2月、福津市、宮若市、岡垣町と共同で鳥獣加工処理施設を建設。捕獲者が搬入したイノシシや鹿などを解体し、産業廃棄物として処理してきた。食肉としての活用を進めることで捕獲を促進し、農作物被害の減少を目指す。道の駅ではロース、バラ、モモ肉を、いずれもを全国平均より3割以上安い値段で売り出す。また「むなっ猪」を使ったウインナーやコロッケなどの商品も開発中。

TOPへ

1/29
(シカ・イノシシ半減へ猟規制緩和)
野生のシカやイノシシなどによる食害が深刻化しているのを受け、政府は近く鳥獣保護法を改正し、狩猟に関する規制を緩和する。農林水産省の試算では、2011年度の農業被害は226億円。動物の増加に捕獲が追いつかないため、オリにおびきよせる「わな猟」を未成年者もできるようにしたり、狩猟可能の時間帯を拡大したりし、保護重視の姿勢を転換する。法改正では、わな猟などを認める対象者を成人から18歳前後まで拡大したり、現在は日の出から日没までに限られる銃の猟を、都道府県などによる駆除に限って24時間できるようにしたりする。環境省の中央環境審議会は、月内にもこうした内容を盛り込んだ答申を決め、政府は今国会に法改正案を提出する。この法改正の背景にあるのは野生動物の増えすぎだ。農林水産省によると、鳥獣による農作物被害は耕作地の減少にもかかわらず、ここ15年ほど200億円前後で推移している。被害が大きいシカとイノシシの11年度の生息数は、環境省の試算でシカが261万頭(北海道を除く)、イノシシは88万頭と年々増加。北海道でも11年度のエゾシカの生息数が64万頭と推定され、同様に増加傾向にある。シカは繁殖能力が高く、10年後に倍増するとの予測もある。政府は23年度までにシカとイノシシを現状の約410万頭から半減の計約210万頭に抑え込む目標を設定し、法改正を切り札と位置づける。
(ハンター高齢化、猟銃免許取得や更新補助:兵庫)
イノシシによる人や農作物への被害を食い止めようと、神戸市は2014年度から新たに鳥獣の捕獲に関わる人に、狩猟免許の申請料など6万5千円を補助する。ハンターの高齢化とともに鳥獣の被害は都市部でも深刻化する恐れがあり、同市がハンターに対する初めての補助制度に乗り出す。狩猟を始めるには、兵庫県が行う狩猟免許試験への合格や、警察から銃の所持許可のほか狩猟税もかかる。同市はこうした費用として銃の場合6万5千円、わなには3万円を補助。既に免許を持っている人には、更新費用の半額を支給する。ハンターの減少は県内の自治体に共通する悩みだ。丹波市は13年度から、補助額の上限を1人7千円から20万円(わな免許は7万円)に増やし、銃や衣類などの購入にも充てられるようにした。豊岡市でも5万円(同1万5千円)の補助制度があるが、神戸市によると、市街地を抱える神戸・阪神間の自治体では珍しいという。同市は長田、垂水区を除く全区に有害鳥獣捕獲班をつくり、兵庫県猟友会の会員115人が活動している。市の要請を受けて12年度に捕獲したイノシシは640頭、うち半数は市街地近くの山中で捕らえた。だが60歳以上の会員が76%に達しており「ここ数年で活動に支障が出る」(市農政部)との危機感が強まっている。同市では鳥やイノシシによる農業被害が毎年4千万円に上る。市街地でもイノシシにかまれる人身被害が13年度は25件(昨年度は18件)発生、個体数を減らす対策が急務だ。北区、西区以外はわなによる捕獲となる。16年度まで3年間限りの措置で、年間20~30人の申請を見込む。
(イノシシ1頭捕獲:和歌山)
和歌山市北部の新興住宅地・ふじと台の周辺で、きのう(27日)体長およそ1・2メートル、体重がおよそ50キロあるメスのイノシシ1頭が、地元の猟友会の仕掛けた箱わなにかかり、捕獲されました。和歌山北警察署によりますと、ふじと台南側の入り口や、南海・和歌山大学前駅の周辺では、先月(12月)下旬からイノシシが複数頭いるという目撃情報が相次いでいて、警察と地元の猟友会が、見回りをしたり、箱わなを仕掛けるなどして警戒にあたっていました。これまでにケガ人や建物などへの被害はありません。きのうは複数いるとされるイノシシのうち、メス1頭がわなにかかったということです。和歌山北警察署では、「ふじと台周辺の山林にはもともとイノシシがいると言われている。今後もエサを求めて出没することが予想されるので、目撃したら近寄らずに110番通報して欲しい」と呼びかけています。
(カラス市街地襲来、対策急務:岩手)
盛岡市の中心市街地にカラスの大群が襲来し、市に騒音やふん、異臭などの苦情が相次いでいる。市は今月、カラスのねぐらだった同市の愛宕山で追い払いの実験を行ったが、その一部が市街地を転々としているとみられる。郊外に逃げることを期待していた市では、対応に追われている。26日深夜。盛岡市本町通では、東西に走る3列の電線に、200メートル以上にわたってカラスが隙間なく止まっていた。電線は大きくたわみ、カラスの黒いシルエットで幅が30センチほどに膨張したかのようだ。「うわ、何あれ!」「カラス?こわー」。通りかかった男女が声を上げた。空が白みかけた27日午前6時30分頃、1羽、また1羽と舞い上がり、6時45分にはほぼいなくなった。電線直下の路面はふんに覆い尽くされていた。市環境企画課によると、市役所から北東約1・5キロのところにある愛宕山をカラスがねぐらにするようになったのは1983年頃。毎年増え続け、ここ10年ほど、群れは5000羽台で推移しているという。愛宕山近くの山岸地区を中心に、ふんや騒音などの苦情が多いことから、市は今月7~15日にスピーカーを使った追い払い実験を初めて実施。天敵の鳶(とび)の鳴き声とカラスが逃げる際にあげる声を、午後4時~6時半に30分間隔で流した。市は、カラスが郊外に逃げることを期待していたが、7~28日に、これまで被害が少なかった地域の住民からも含め、ふんの清掃依頼など計22件の苦情が寄せられている。愛宕山から追い払ったカラスのうち約2000~2500羽が中心市街地に移ったものとみられる。ごみの集積場が荒らされたとの情報はないという。市の担当者は夜間、電線に止まったカラスを懐中電灯で照らして追い払うなどしているが、効果はない。市街地では農作物の被害などもなく、「猟銃などを使うわけにもいかず、駆除は難しい」としている。カラスの行動習性などに詳しい岩手大農学部の東淳樹講師(保全生物学)によると、市街地を転々とする群れは愛宕山にいた集団とみられ、しばらくすれば戻る可能性が高いという。一昨年に市と共同で実施した愛宕山のカラスの行動追跡調査では、市郊外の家畜の飼料や売り物にならず放置されたリンゴなどが餌となっていた。東講師は、「1か所に5000羽もいる愛宕山は異常。飼料などにネットをかけて物理的にカラスが餌を取れなくするなどの対策が効果的だ」としている。
(獣害抑制に一役:山梨)
小菅村の20~30代の村民5人が、村内の獣害抑制に一役買おうと狩猟免許の取得を目指している。高齢化が進む村内では猟友会メンバーもピーク時より8割減少。激しいシカの食害などに歯止めがかからなくなっている様子を見て立ち上がった。5人は村地域おこし協力隊員や多摩川源流大スタッフ。2人が銃を使用して狩猟ができる「第一種猟銃免許」、3人がくくりわななどを使って狩猟ができる「わな猟免許」の取得を目指している。5人のうち、わな猟免許を取得している1人を除いて4人は狩猟の「素人」。事前講習会に出席し、銃の扱い方などを一から学んでいる。29日に甲府市内で行われる試験に挑戦する。獣害対策の中心となってきた東部猟友会上野原支部小菅分会も今ではメンバー18人となり、90人以上いたピーク時の2割程度にまで減少。村内は小規模な農地で自家用栽培をしている家庭がほとんどで、村源流振興課は「村民から寄せられるシカやサルによる獣害はとても多い」とこぼす。5人のうちの1人、石坂真悟さん(32)は「免許を取得し村の先輩の技術を学びたい」と意気込み、岡本亮太さん(30)も「村内の獣害を減らし、地域の活性化につながればいい」と話す。メンバーは将来的に、狩ったシカの皮をストラップや筆入れなどに活用することを計画。鈴木一聡さん(29)は25、26の両日に村内の狩猟文化を紹介するイベントの企画なども行い、都内や神奈川県からの参加者に狩猟を通して村の魅力をPRした。
(安全・安心ジビエ、通年流通:熊本)
熊本県多良木町の村上武雄さん(68)は、鹿やイノシシを狩猟者から仕入れて解体し、流通させる全国でも珍しいジビエ(野生鳥獣の肉)の精肉店を経営する。牛や豚の家畜動物の食肉処理技術を生かし、通年で全国のホテルやレストランなど外食産業に販売。ジビエの注目が高まっていることから需要も増えており、ジビエ普及の一翼を担っている。村上さんが社長を務める「村上精肉店」は、およそ20年前から野生動物の肉の販売を始めた。開店当初は家畜だけを精肉にして卸していたが、南九州で鳥獣被害が深刻化し、有害鳥獣を駆除する狩猟者が増えていたため、ジビエを取り扱うようになったという。珍しさや専門店で解体している信頼性、安心感などが口コミで広がり、現在は全国に販路を広げる。希望があれば肉の出荷地や雌雄などをデータ化した産地証明にも応じている。最近は特に注文が多く、扱う肉の7割近くがジビエになり、経営の柱に据える。村上さんは「ジビエに脚光が集まっている。衛生面の課題もあるジビエだが、精肉店であれば安心できるといって取引してもらっている。安全・安心なジビエであれば、もっと売れるはず」と実感する。狩猟によって仕入れ量が大きく異なるが、狩猟者との人脈を生かし、「希望の量に満たない」と言えば協力してもらえる体制を整える。夏場の野生動物は脂肪を蓄える冬に比べて傷みやすく「調理に向いていない」と敬遠する地域が多い中で、通年で販売するのも同社の特徴の一つ。「ジビエの味は冬と夏は異なるものの、きちんと食肉処理すれば夏場もおいしく食べられる。農産物への被害が起きやすい夏場に捕獲した野生動物を売るという意味も大きい」との考えで、売り先に夏のジビエの特徴などを正確に伝える。村上さんと取引する狩猟者は「売り先があることが捕獲の意欲につながっている」と歓迎し、大阪市の外食産業も「安定した量と安心できる品質を確保してくれるので信頼できる。ジビエでは貴重な購買元だ」と評価する。鳥獣害の出口対策として重要視されるジビエ。村上さんは「ジビエは利益率も高い。狩猟者と売り先を結び付ける役割を今後も果たしていきたい。ジビエの可能性はまだまだ広がる」と見通している。
(学校給食にシカ肉カレー:兵庫)
シカの肉を使ったカレーの給食が28日、兵庫県丹波市青垣町の小中学校5校で出された。軟らかく煮込んだ肉を食べた児童からは「おいしい」と声が上がった。農作物被害が課題になっているシカの有効活用を進めようと青垣地域で毎年、給食に出ているメニュー。今回は、初めて丹波県民局がシカ肉を提供した。背中やももの切り落とし肉16・8キロ(約600食分)を、同市氷上町谷村のシカ肉加工販売業、丹波姫もみじから仕入れた。神楽小学校(同市青垣町文室)では、児童約70人がランチルームに集まり、シカ肉や野菜の入ったカレーを味わった。シカ肉のハンバーガーを食べたことがあるという3年生の児童(9)は「軟らかくて、香りも良かった」と笑顔で話した。

TOPへ

1/28
(ニホンジカやイノシシの駆除、民間業者も容認へ)
中央環境審議会(環境相の諮問機関)の自然環境部会は27日、生態系や農林業に被害をもたらすニホンジカやイノシシの駆除を進めるため、民間の専門業者に捕獲を認める制度を新設することを大筋で了承した。環境省は答申を反映した鳥獣保護法改正案を今国会に提出する。現状では狩猟免許を持つ個人が自治体の依頼を受けて駆除を担っているが、免許を持つハンターはこの40年で6割以上減っている。法改正で、一定の技能や安全管理体制を持つ民間企業や団体を都道府県が認定。捕獲に関する申請手続きの負担を軽減するなどし、事業者の参入を促す。同省によると、2011年度のニホンジカの生息数は推定で325万頭、イノシシは88万頭。年間の農作物被害額は約200億円、森林被害は9千ヘクタールに上る。
(イノシシ目撃相次ぐ:愛知)
27日夜、愛知県東郷町と名古屋市緑区でイノシシの目撃情報が相次いだ。愛知署によると、午後10時ごろ、東郷町春木の住宅街で住民がイノシシを目撃。緑署によると、午後10時35分ごろから、隣接する緑区東神の倉周辺でイノシシの目撃が4件あった。署員が駆けつけたが、イノシシは逃げた。いずれも1頭で体長1メートルぐらい。イノシシは今月上旬にも緑区や東郷町、愛知県豊明市で目撃されている。
(鴨川のヌートリア捕獲へ:京都)
京都市内の鴨川に特定外来生物のヌートリアが生息している問題で、京都府と京都市は、3月末までに生息状況などの実態調査を初めて実施することを決めた。農業などへの被害が出ていないが、鴨川の生態系保全のため、調査結果を踏まえ2014年度以降、本格的な捕獲に乗り出す。ヌートリアは南米原産で大型のネズミの仲間。西京区などの桂川沿いでは農業被害が発生し市が捕獲している。近年、10~30匹ほどが鴨川の出町橋近辺などで確認され、府と市は淀川から北上してきたとみている。河川を管理する府が餌やりを禁止する看板を立て、パトロールをしてきた。初の府と市による調査は、北山大橋-出町橋間の鴨川を中心に、中州にあるとみられる巣穴の場所などを調べ、正確な生息数を把握する。食べ物の種類、行動の範囲やパターンを確認した上で、実際に捕獲しながら、最適な対策を検証する。14年度以降、特定外来生物法に基づく防除計画を策定し、捕獲を本格化する方針。ヌートリアは繁殖力が強く雑食で、イタセンパラなどタナゴ類が産卵する二枚貝を食べるため、生態系に与える影響が大きいという。市環境管理課は「街中で捕獲が難しい面もあるが、生物多様性を守るため適切に対応したい」としている。
(シカの生息数、新手法で調査:和歌山)
和歌山県は、農作物や山林を荒らす被害が問題となっているニホンジカの管理計画に生かすため、新たな手法で生息数の推定調査を始めた。3月中ごろまでに調査を終え、その後、具体的な捕獲目標や方法などを検討して対策を強化する。今回行うのは「ベイズ法」を用いた推定調査。もともと水産資源量の予測に開発されたものを野生動物に応用しており、環境省なども生息推定に採用している。これまでの、ふんを数えたり、目視で数えたりする調査では見落とし分があり、生息数が過小評価される傾向があるが、捕獲数やふんの数、目撃情報などを総合的に統計処理するベイズ法だとより実数に近い数字が出やすくなるという。予算は約800万円。県は2010年時点で3万1千匹が県内に生息していると推定し、16年度までに8700匹(1994、95年度レベル)程度まで減らす計画を立てている。雌ジカ捕獲の規制緩和などをして有害捕獲と狩猟を合わせて年間9千匹を目標に捕獲している。このほか有害捕獲や狩猟とは別に、13年度までの3年で管理捕獲を実施。捕獲目標はほぼ達成したが、被害は減っていない。このため、より正確な生息数を把握するため、今回の調査を行うことになった。県内のシカによる被害額は、ここ10年は3千万円を超え、10年度は4780万円、12年度にも4666万円となっている。環境省も昨年12月、シカの生息数を10年以内に半減させる方針を打ち出している。11年度の全国の推計生息数は325万匹だったが、23年度までに160万匹に減らすという。11年度のシカによる全国の農作物被害は83億円で、05年度の39億円に比べて2倍以上になっていた。環境省は来年度以降、都道府県ごとに捕獲目標数を示して対策を促す方針で、生息数調査のため本年度の補正予算案に5億円を盛り込んだ。また、狩猟者確保のため、集団で大規模捕獲する業者の認定制度を創設するほか、わなや網で猟をするための免許取得年齢の引き下げを検討する。
(拳銃18丁と軍用ライフル1丁、実弾計670発押収:神奈川)
県警暴力団対策課は二十七日、県内の住宅から拳銃十八丁と小銃一丁、実弾約六百七十発を押収したと発表した。県警は「情報源の秘匿」を理由に住所を明らかにしていないが、住宅は暴力団の武器庫だったとみている。同課によると、拳銃は米スミス・アンド・ウェッソン社製などの回転式十二丁と、米コルト社製などの自動式六丁。小銃は米国製の軍用ライフルとみられる。容器などに入れて隠されていた。同課は昨年十二月、情報に基づいて住宅を家宅捜索した。所有者の特定を進め、過去の犯罪で使用されていないかを調べている。
(ジビエ料理企画、学生食堂で提供:福井)
イノシシなどの野生動物の肉「ジビエ」の消費拡大につなげようと、福井大の学生が「ジビエフェア」を企画し27日、福井市の同大文京キャンパスの学生食堂でオリジナルメニューの「猪(いのしし)肉のすきやき丼」の限定販売を始めた。メンバーは「先入観にとらわれずシシ肉のおいしさを広く知ってもらい、獣害について関心を持ってもらえれば」と話している。企画したのは、同大教育地域科学部の3年生。昨年4月、地域の課題についてグループ調査する授業「ワークショップ」で獣害をテーマにすることに決めた。発案者で美浜町出身の高木優吾さん(21)は「嶺南では獣害が深刻化していて身近な問題となっている。メンバー4人が県外出身者だったので、みんなで意識して取り組みたいと思った」と話す。メンバーは県や同市、猟友会の担当者を訪ね、鳥獣害対策についてインタビューを重ねた。駆除した有害鳥獣の肉は需要が少なく、ほとんどが山に埋設されている現状を知り、食材として消費を拡大することが捕獲の促進につながることを学んだ。ジビエ料理になじみの薄い学生に魅力を知ってもらうためのフェアを企画。学内の助成事業から上限10万円の支援を取り付けた。授業から発展して学生が大規模なフェアを企画するのは同大でも珍しい試みという。メンバーはレストランやイベントなどでジビエ料理を食べ歩き、メニュー考案のヒントを探った。数種類の試作品の中から全員一致でシシ肉を使った「すきやき丼」に決定。レシピを同大の生協に持ち込み、今月完成品が仕上がった。すきやき丼は1食あたり約50グラムのシシ肉を使い、ハクサイ、ニンジン、タマネギなどの野菜で彩りを添え、中央に温泉卵を載せた。メンバーで三重県出身の西村美伽さん(20)は「シシ肉の脂身はあっさりしていておいしい。女性にも好き嫌いせずに食べて欲しい」と自信作。Sサイズ360円、Mサイズ390円。初日の27日は、発売開始の午前11時から人気が殺到し、約1時間で100食分が売り切れた。シシ肉は4日間で約9キロを用意した。食堂では「ジビエの魅力まるわかりガイド」と称した手作りの冊子を無料で配布。調査結果や料理レシピ、レストランガイドなどを紹介している。助成金で計1200部製作した。リーダーの伊藤優宏さん(21)は「若者を中心にシシ肉の需要が伸びて、将来的にはスーパーなどで気軽に購入できる環境が整えばいい」と話していた。
(ジビエ給食を初提供:岡山)
シカとイノシシの食肉処理施設を昨年開設した美作市は27日、市内4幼小中学校でジビエ(狩猟肉)を使った給食を提供、子どもたちがイノシシ汁を味わいながら地域の食材について学んだ。ジビエを用いた給食は初めてで、同市大原、東粟倉地区の1幼稚園、2小学校、1中学校で実施。ふんだんに入ったイノシシのもも肉を豆腐やネギ、ニンジンと煮込んだ汁を英北学校給食センター(同市下町)が約500食作った。大原小(同所)3年生の教室では児童27人がおいしそうに舌鼓。男児(9)は「肉は軟らかくて食べやすかった」と話していた。「ジビエ」がフランス語で有害獣の肉という意味であることを学ぶ学年もあった。同市の有害獣による農林業被害額は2012年度約4800万円。捕獲頭数はシカ3392頭、イノシシ811頭に上っており、同市は捕獲されたシカとイノシシをジビエとして活用する食肉処理施設(同市平福)を昨年6月から稼働。12月までに目標の計約600頭を上回るシカ746頭、イノシシ176頭を受け入れた。

TOPへ

1/27
(「イノシシと間違えた」猟仲間を誤射、男性が重傷:鳥取)
25日午後3時10分ごろ、鳥取県南部町下中谷の雑木林で、イノシシ猟をしていた南部町の男性(59)が撃ったライフル銃の弾が、一緒に猟をしていた同町の会社員の男性(61)の右足首に当たった。弾は貫通し、男性は骨折などの重傷。県警米子署によると、撃った男性は「イノシシと間違えた」と話している。男性らは午後1時ごろから13人で猟を開始。イノシシに気づかれないように、木立に隠れながら猟をしていたという。
(立てこもり、隣の住宅の部屋に弾痕:愛知)
愛知県春日井市の自宅アパートで散弾銃を発砲したとして男が逮捕された事件で、弾丸が隣の住宅の部屋まで達していたことが分かった。警察の調べによると、銃刀法違反の疑いで逮捕・送検された春日井市の会社員・黒木豊容疑者(55)は24日午後8時すぎ、同市出川町の自宅アパートの部屋で散弾銃1発を発砲した疑いがもたれている。黒木容疑者は容疑を認めているという。その後の取材で、黒木容疑者が発砲した弾丸が隣の住宅の壁にまで達し、部屋の中にも弾丸でできたとみられる痕が見つかったことが分かった。被害を受けた住人は「びっくりしました。ぞっとした」「もう1つのリビングの方まで破片が飛び散っていた。ここ(床)が全部、白い粉がひろがっていた」と話していた。警察は、黒木容疑者が散弾銃を発砲した動機など詳しく調べている。県警によると、男は1990年から狩猟目的で散弾銃を所持するようになり、最近は自分の部屋に散弾銃3丁と空気銃1丁を保管していた。
(“狩猟女子”増加中:岩手)
岩手県で若い女性の狩猟者が増えている。鳥獣による農作物被害が年々深刻化する中、防止対策の担い手となる狩猟者は全体として減少と高齢化が進んでおり、県内自治体や猟友会は女性の増加に期待を寄せている。県猟友会の会員は1976年度の9147人をピークに減り続けている。2012年度は1714人で、60代以上が約7割を占める。しかし、本年度は20~30代の女性が相次いで入会し、前年度まで2、3人だったのが10人ほどまで増えた。阿部恵事務局長は「狩猟免許を取るための事前講習会に3、4年前から若い女性が参加するようになった」と言う。全国的にも同様の傾向で、環境省によると、11年度の狩猟者は19万8355人と前年度比で8141人減った。うち女性は1912人と約1%にすぎないが、前年度比で204人増えている。胆沢猟友会(奥州市)に所属する県職員鹿島佳子さん(31)は猟友会の知人に「鉄砲を持ってみないか」と誘われ、以前から興味のあった射撃を始めた。「許可を得ないとできない特別感、標的に当たった時の爽快感が魅力」と話す。狩猟にも出掛けるようになったが、出会うのは男性ばかり。女性の仲間をつくろうと昨年11月、花巻市のクレー射撃場の利用者に声を掛け「女子会」を開いた。30代の女性6人が集まった。参加者は「同年代と知り合う機会は少ないので楽しい」「男社会というイメージが強かったので、射撃や猟のイメージが変わった」と話し、射撃を楽しんだ後、銃や狩猟の情報交換をした。岩手県では12年度、シカやクマなどによる農作物被害が過去最悪の5億1200万円に上った。昨年6月には花巻市で4人がクマに襲われ、重傷を負う事故も起きた。過疎地では狩猟者が確保できなくなり、クマによる農作物被害が深刻になっている。農作物の鳥獣被害対策に取り組む県農業振興課は「狩猟者の高齢化や減少は被害が広がる要因の一つ。女性の狩猟者が増えているというのは意外だが、今後の広がりに期待したい」と話している。
(女性ハンター、獣害抑止へ奮闘:滋賀)
森は冗舌だ。清水のしたたる音、鳥の鳴き声、木々のざわめき。中に身を沈めると、交響曲さながら多彩な音に包まれる。待ち続け、ついにその足音が軽やかなリズムを刻んでやってきた。銃口を向け目を凝らす。まだか、まだか。胸の鼓動が高くなる。滋賀県甲良町の福原晴菜さん(22)は、小学3年の時から父に付いて山に通った。父の背から伝わる緊張感。20歳になったとき、すぐに狩猟免許を取った。今も小学校に勤めつつ、日曜日は中高年のおじさんたちと山に入る。猟場は琵琶湖東部、多賀町。犬上川上流の標高1000メートルを超す、鈴鹿山系に続く森だ。一帯ではシカやイノシシが増え、夜にはふもとの田畑を荒らし回る。絶えない食害に耕作を放棄した人も多い。シカやイノシシなどによる農業被害は全国で200億円を超える。最近は、街なかへの出没も頻繁になっている。環境省もここにいたって、野生動物の管理という観点からハンター育成に乗り出した。かといって、経験と勘が大切な狩猟の技術は一朝一夕に身につくものではない。山を歩いた距離だけ、動物に出合った回数だけしか上達しない。滋賀ではシカなどの猟期は3月15日まで。この時期、犬上川上流は積雪が1メートルを超えることもある。若き女性猟師の奮闘は続く。
(イノシシ激減、柵で区切る:和歌山)
和歌山県有田川町賢集落は、鳥獣害対策で特産ミカンの園地と山林の境目に全長6キロの防護柵を設置し、イノシシとのすみ分けで被害軽減に成功した。若手農家を中心に柵の管理体制を整える他、柵内に侵入したイノシシを徹底して捕獲。隣接集落を含めて計20キロの柵で園地と山林を区切り、害獣に強い地区づくりが進む。賢集落は約100戸の農家、法人が約80ヘクタールでミカンを栽培する。日当たりなど条件の良い山の斜面などに石垣を組んで園地を広げてきた。約10年前からイノシシが園地に入り込み、ミカンの食害に加え木を倒したり、石垣を壊したりする被害が急増。2008年から8基の箱わなを設置し、年間20頭ほどのイノシシを捕獲していたが、被害は減らなかった。そこで農家らでつくる賢集落中山間の会が国と町の事業を利用して、11年度に高さ1.8メートルの金網製防護柵を設置した。設置後は、被害が激減。集落では11年度に10ヘクタールで約300万円だった農業被害も、今はほとんどないという。柵は管理のしやすさを考えて設置場所を決めた。野生動物を引き付ける放棄園を除き、山林との境目を基本に園地全体を囲んだ。活動の取りまとめ役でミカン農家の三木利行さん(54)は「ミカンは地域の特産。イノシシから守るには柵しかないと若手が頑張っている」と話す。山道にも柵で出入り口を設置するなど生活道路などを除き、徹底して柵で園地と山林を区切った。設置後は農家後継者を中心に年4回、柵のメンテナンスを実施する。園地の近くに柵があるため、台風の通過後なども小まめに見回りでき、必要に合わせて補修する。また、県道などから園内に侵入したイノシシが、園地内に定着しないよう、猟友会による捕獲も徹底する。こうした対策が被害軽減につながった。町では「生活道路を柵で閉じてしまうのは難しい。柵の管理と侵入した場合の徹底捕獲の両立が、効果を持続させている」と評価する。波及効果も現れた。両隣の集落も12年度に防護柵を設置。広い範囲でミカン園と山林を仕切り、より獣害に強い地域づくりが進んでいる。
(カラス流入が大幅減少:和歌山)
八戸市の長者山など市中心部で近年、カラスの増加による被害が相次いでいる問題で、八戸野鳥の会(髙橋清法会長)は25日の個体数調査で、市中心部へのカラスの流入が大幅に減少したと発表した。東北電力や市森林組合が昨年から手掛けている各種対策の効果が出ているとみられ、今後も対策の継続が必要だと指摘している。
(篠山で「いのしし祭り」:兵庫)
イノシシとシシ肉をPRする「いのしし祭」が25日、兵庫県篠山市北新町の篠山城跡三の丸広場で開かれた。多くの観光客でにぎわい、イノシシの子ども「うり坊」レースや、シシ肉を使った「丹波ーガー」などが人気を集めた。11回目を迎える恒例行事で、市商工会や市などでつくる実行委員会が主催した。レースは市内で捕獲した3頭が直線コース(24メートル)を走り、1着を当てた人が抽選でプレゼントを獲得する仕組み。うり坊は猪突猛進の言葉通り一直線にゴールを目指し、見物客からは「速いなあ」といった声が上がった。見事1着を当て、黒豆の瓶詰めを受け取った同市吹上の男性(62)は「レースを初めて見た上に、賞品までもらえるのはうれしい」と笑顔。会場では飲食コーナーの屋台村も設けられ、イノシシの丸焼きなどにも列ができた。
(学食にシカ肉料理:京都)
農作物を荒らすシカを学食メニューに採用し獣害への関心を高めてもらおうと、京都府亀岡市曽我部町の京都学園大学食で準備が進んでいる。1月は串カツなどを試験提供。学生アンケートなどでメニューを絞り込み、冬休みを挟んで4月から本格的に導入する。きっかけは学生の提案だった。昨夏、バイオ環境学部3年の市場有華さん(21)がインターンシップ先の府地球温暖化防止活動推進センター(京都市中京区)で獣害の深刻さを学び、シカ肉の活用を大学や学食に提案した。学食「ゆう愛」では過去に学会のパーティーなどでシカ料理を提供した経験があり、提案を快諾した。シカ肉は南丹市美山町の「田歌舎」から仕入れる。メニューは煮込み、丼、串カツなどを想定している。初めて実施した15日は串カツを無料で配り、昼食時だけで230本を提供した。経営学部2年の大屋太祥(もとよし)さん(20)は「柔らかくてくせがない。今後も注文したい」。中国人留学生の同学部2年、王婷さん(20)は「シカは中国でも食べたことがない。食べやすくてイメージが変わった」と話す。第2回は27日にカレー煮込み約200食を無料で提供する。冬休みの2、3月は休止し、4月から日替わり定食のメーン料理などに週1回程度シカ肉を使う予定。市場さんは「亀岡など山林が多い地域では獣害に困っている人が多い。シカ肉を食べた学生が獣害を考えるきっかけになれば」と期待する。

TOPへ

1/25
(散弾銃持ちアパート自室に一晩:愛知)
愛知県春日井市出川町のアパートで銃声がした事件で、県警は25日午前7時20分前、部屋にいて自殺をほのめかしていた会社員の男(55)が説得に応じて外に出たところを保護した。男は電話で知人女性に「発砲した」と認めており、県警は春日井署に任意同行し、銃刀法違反容疑で部屋を家宅捜索するなどして調べる。男は事情聴取に「誤って発砲した」と話している。男が許可を得て散弾銃3丁と空気銃1丁を所持していることから、県警は捜査1課特殊班(SIT)を出動させた。アパートの半径200メートルの範囲に住む住民約110人は近くの公民館や小学校に避難した。けが人はいなかった。
(サルのエキノコックス感染を確認:北海道)
札幌市の円山動物園は24日、けがの治療中の15日に麻酔の影響で死んだ絶滅危惧種のダイアナモンキー1匹がエキノコックス症に感染していたと発表した。施設内にいる別の5匹を調べ、1匹の感染も確認したという。園はエキノコックス症の原因になる寄生虫の卵が口に入らない限り人には感染しないため、通常通り営業を続ける。園によると、死んだのは4歳の雌。血清診断で感染を確認した。エキノコックス症に感染したキツネのふんが口に入って感染したらしい。園では、寄生虫の卵が混ざった土や泥が施設に入らないよう、専用靴を導入するなどの対策を取っていたという。
(2月にジビエウイーク:和歌山)
和歌山県とJTB西日本和歌山支店は2月の1カ月間、県内の飲食店やホテルなど料理店54店舗でイノシシやシカの肉の「ジビエ料理」を提供する「ジビエウイーク」を開く。県畜産課は「安全で高品質なジビエ肉を多くの人に味わってみてほしい」と話している。ウイークは3年目。料理店は昨年より2店舗増えた。精肉店6店舗も参加する。昨年は1800食を提供したが、今年は2千食を目標にしているという。和食や洋食、フランス料理、イタリア料理、韓国料理などさまざまなジャンルのジビエ料理が味わえる。期間中にジビエ料理を注文し、アンケートに答えた人の中から、旅行券などが当たる抽選会もある。県は1月からイノシシ、シカ肉の格付け制度を始めており、ジビエ肉普及に力を入れている。県とJTB西日本和歌山支店は1月30日午前11時半から、和歌山市湊通丁北のホテルアバローム紀の国で、ジビエウイークをPRする「ジビエフェア」を開く。一般向けに初めて開く。「鹿肉の骨付きタンドリー」や「猪と野菜のトマトシチュー」など6品が用意され、1品300円で食べられる。
(給食にジビエ料理登場:鳥取)
「全国学校給食週間」が24日始まり、鳥取県若桜町浅井の小中一貫校「若桜学園」では、有害鳥獣として捕獲されたシカ肉のジビエ料理が給食メニューに初めて登場した。子どもたちは、高木政寛教育長や食材の生産者らと一緒に味わい、楽しいランチタイムを過ごした。この日の給食は「八頭郡の味」がテーマの郡内3町共通特別メニューで、シカ肉と大豆のトマト煮(若桜町)、ホンモロコのマヨネーズあえ(智頭町)、きのこスープ(八頭町)の3品が各町の小中学生に振る舞われた。シカ肉は、若桜、八頭両町が建設した獣肉解体処理施設「わかさ29(にく)工房」=若桜町若桜=が給食用食材として初めて提供。同町学校給食センターによると、高タンパク質で鉄分が豊富なシカ肉は子どもたちの成長を支える給食メニューに適しているという。軟らかく煮込んだシカのモモ肉は、児童生徒から大人気。同工房で解体処理を担当している山本紀幸さん(63)と会食した中学2年生らは「どうやって捕獲するの」「部位で違いはあるの」などと質問攻めにしていた。シカ肉を初めて食べたという小学3年の古田侑希君(9)は「軟らかくて味が濃くて自然の味がする。また食べたい」と話していた。
(女猟師の加工所オープン:大分)
イノシシのわな猟に取り組む豊後大野市の2人姉妹が、食肉加工施設「女猟師の加工所」を26日、オープンする。処理した肉は近くの農産物加工所が調理し、「道の駅あさじ」で販売する。田畑を荒らす害獣を、地域の宝に−−。姉妹の夢が広がる。主婦の東藤さき代さん(57)と、姉の田北たず子さん(61)。東藤さんは数年前、タケノコ作りに挑んだが、イノシシに荒らされ、獣害を実感。近所でも「誰か狩猟免許を取って」という要望があったため、姉の田北さんを誘い、3年前一緒に免許を取得した。その年、猟季(11月〜3月15日)に入ってすぐ、猟友会の先輩猟師から手ほどきを受け、イノシシが上を歩くと足を縛る「くくりわな」を設置。数日で初の獲物がかかった。先輩から「イノシシの通り道が見えている」と褒められ、のめり込んだ。3季目のこれまでに、姉妹合わせて85頭を捕獲した。獲物は先輩猟師宅で解体し、自宅で食べたり、知人に配ったりしてきたが、量が増えて消費し切れなくなった。そこで、正式に販売できるよう加工所の開設を決意。東藤さんが代表となり、生まれ育った同市大野町酒井寺の実家敷地内に、肉をつり下げる設備や冷凍庫などを備えた約27平方メートルの加工所を新築した。約280万円かかったが、県から半額補助を受けたという。田北さんは「臭いというイメージがあるかもしれませんが、うまく放血できていれば臭くない。身がしまっていて、おいしいですよ」とPR。農産物加工所には、空揚げやハンバーグなどへの調理を提案しているという。東藤さんは「猟をしていて可哀そうに思うことはありますが、だからこそ、せっかくの肉を多くの人に食べてもらいたい」と話している。
(「信州ジビエブーム」の仕掛け人が語るジビエの可能性:長野)
東京から約200km、長野県茅野市の山間部に、全国のジビエファンが集まるフランス料理の名店「オーベルジュ・エスポワール」がある。信州ジビエ料理や信州の食材を利用するのが特長で、シェフの藤木徳彦氏は、ジビエ料理を全国に広め、野生鳥獣被害の減少や地域の活性化を目指して設立された「日本ジビエ振興協議会」の代表も務めている。シカにイノシシ、クマなどは山里の田畑や家畜に被害をもたらす害獣というイメージが先行するが、欧州では高級食材。そこで、日本でも近年、見直されつつあるジビエの魅力と可能性について、藤木シェフにインタビューを行った。――日本ではともするとシカやイノシシ、クマなどは、農作物を荒らしたり、家畜を襲うなど害獣という扱いを受けています。藤木:僕は害獣という見方はしていません。フランス料理の視点からいくと、ジビエという高級食材であって、山の恵みや冬の美食という考え方なんです。――海外で高級食材として愛されているジビエが、日本でなかなか広まらなかった理由はどこにあるのでしょうか?藤木:“衛生の基準がなかった”ことが問題でしたね。たとえば長野県では昔からシカ刺しやボタン鍋を食べていましたが、山で獲った獲物を飲食店が扱うことに対して、保健所も伝統文化ということであえて摘発しなかったんですが、これは実はグレーゾーンなんです。もともとジビエは、扱いが肉ではなくてモノです。家畜でもないので、と畜場法には属さない。長野県には4か所のと畜場があるんですが、家畜に認定されているものは搬入して肉を捌くことができても、家畜以外のものはと畜場法で持ち込み禁止なんです。では、どこで裁くか? 猟師は山で作業します。そこに問題があったんです。しとめた獲物の放血をして、皮はぎ、脱骨、内臓摘出をして、正肉にしたものをビニールに入れて持って降りる。これが、食肉処理法に違反するんです。しかし、国にもルールがなく、長野県がブランド化していこうとするには、ルールを明確化する必要がありあました。そこで長野県は平成19年に、全国で2番目(※1番目は北海道で平成18年に「エゾシカ衛生処理マニュアル」を作成。ただしエゾシカはウシ科で、ホンシュウジカとは別種なので、本州、四国、九州に関しては長野県が初めてのガイドライン)に「信州ジビエ衛生ガイドライン」というものをつくりました。そのなかで、山肉を食べるまでのルールを作成しました。(1)「猟師さんがやっていい行為」(2)「獣肉処理施設がやっていい行為」(3)「飲食店がやっていい行為」というのを明確に分けました。(1)では、放血をした後、2時間以内に内臓が入ったまま処理施設に搬入する、(2)ではすみやかに内臓を出し、皮をはぐ作業をする。そのときも細かいルール(さばき方、用具の殺菌法、皮の洗浄法、処理した肉の保存法など)を決めました。(3)では、指定された獣肉処理施設から肉を買わないといけないなどです。藤木:それと販路を開拓するのが課題でした。肉処理をするところまでは、ある程度、国の補助金でできます。鳥獣被害対策費として国が200何億円というお金を出しているんですけれども、同等の被害が出ているんですよ。日本全国で150か所の獣肉処理施設があるんですが、ほとんどのところで肉が売れず余っています。現在、シカはニュージーランドのものが90%以上、外食産業に出回っている。それとエゾシカですよね。イノシシは、カナダとアメリカの半野生。ウリボウを捕まえていきて、半分肥育をかけたものをしめて出す。シカもそうです。広大な自然の中で捕まえてきて、一定期間肥育をかけて、生きたままと場に入れて1頭ずつしめ、内臓の検査をして、食べるのに適したものだけを出荷しているんです。あとは価格の問題です。海外のもののほうが日本のものより価格が安いんです。日本の料理人さんたちも協力をしてくれそうなんですが、価格の部分でハードルになっている。たとえばシカの場合、70kgのシカを生肉にすると、大体30kgから35kg。そのなかの飲食店がほしがる部位は、背ロースとモモだけ。それで大体12kgなんです。残りはみなさん“くず肉”っていうんですけど、前足、首肉、すね肉は筋がかたくてひき肉にしかできない。それで価格が跳ね上がってしまう。そうなると市場で競争すらできない。そこで考えたのが、くず肉を有効利用できる仕組みをつくることでした。長野県で獲れたシカのくず肉と呼ばれる部分を、福祉施設の食品加工工場で精肉します。そこでつくったものを販売しようと。5年くらい前になりますかね、JRさんに「どうにか東京駅のマーケットで売ってくれないか」と直接お願いに行きました。最初は怒られましたね(笑)。でも話をしていくなかで、駅中の飲食店なら販路ができるかもしれないということで、協力していただきました。今までは地域で消費しようというので一生懸命だったんですが、JRさんのおかげで長野県だけでなく、東京でも消費されるようになっています。――たしかに、最近では、ファストフードでもジビエが利用されるようになり、藤木さんが携わったベッカーズの「信州ジビエ 鹿肉バーガー」も話題になりました。藤木:そうなんです。昨年の11月1日から30日の期間限定で、最初は8000食の注文をいただいたんですが、発売から3日で5000食が売れまして。そこで増産してくれといわれて、2000食は増産したんですが、これ以上は無理ですと(笑)。結局1万食が完売しました(※1月20日より数量限定で復活販売)。また、ベックスコーヒーでは、30店舗すべてで「信州ジビエカレー~鹿肉入り~」を販売するにいたりました。最初はワイルドな料理だと思って男性が興味を示すかと思っていたのですが、アンケートを取ると20代、30代の女性の方たちのほうが興味をもっていて。鹿肉のヘルシーなところが気に入られたのかもしれませんね。――よりジビエが日本に浸透していくための課題とは何でしょう?藤木:ジビエ振興はもとは「農家さんを助けたい」という思いから。今は「大変だから自分の子供にも継がせたくない」「大変な仕事のわりに実入りが少ないに加えて、鳥獣被害。来年からはやらない」という人も多いんです。うちはもともと地産地消ではじめたので、農家さんがいなくなると魅力を発信できない。現在は補助金が頼りの福祉施設も「補助金なんてなくてもジビエで稼いでいく。これで生活するんだ」くらいのイメージで事業を成り立たせていかないとジビエ振興はきっとうまくいかない。産業として成り立たせていかないと。鹿肉バーガーが好評だったことで、いろんなところからやってみたいという話をいただいています。これがいろんなところで繋がっていけば、いい取り組みが形としてできるんじゃないかと思います。また、猟師さんに関しても、「いつまでに、どのくらい、どのような状態で搬入する」という依頼にプロとして仕事をしてほしいので、人材育成をしていきたいと思います。長野県では2000年を過ぎたころからシカとシカによる被害も増えてきたということで、県としては一石二鳥だったんですが、そうなると今度は「保護しろ」という声も上がってきます。どうやってバランスをとっていくかですね。フランス料理の親方に教わったのは、「命はすべてをいただく、料理はお皿の上ですべてを表現しろ」と。「頭から内臓から足の先まですべてを調理して、あますことなく食べる。そうすることで鳥獣に感謝の気持ちを捧げる」というのが料理人の真髄としてあると思います。

TOPへ

1/23
(散弾銃暴発?、都内の男性重体:茨城)
20日午前9時40分ごろ、小美玉市川中子の園部川沿いの堤防で、東京都台東区清川1、職業不詳、梶村良仁さん(37)から「銃が暴発してけがをした」と119番があった。救急隊員が駆け付けたところ、梶村さんは所有するワゴン車近くに倒れており、散弾銃の銃弾で左手と右太ももを負傷していた。茨城町内の病院に運ばれたものの、意識不明の重体となっている。石岡署によると、ワゴン車の後部座席には散弾銃があり、弾が発射された跡があった。このため、同署は散弾銃が暴発した事故とみて、原因などを捜査している。梶村さんはカモ猟のため、同所に来たと見られる。
(釧路湿原にシカ囲いわな:北海道)
環境省釧路自然環境事務所は釧路湿原で増えすぎたエゾシカの駆除を目的に、15日から釧路町達古武地域に囲いわなを試験的に設置した。釧路湿原内では初めての試み。このほか今年度中に、くくりわな、シカを餌付けしてハンターが群れごと銃で駆除するシャープシューティングも試みる。
(ジビエ肉の格付け制度導入:和歌山)
県はイノシシやシカの野生獣肉「ジビエ」の消費拡大を目指し、全国で初めてとなる肉質の格付け制度をスタートさせた。狩猟者が捕獲するイノシシとシカの肉はほとんどが仲間内で配られており、一般消費者に流通していない現状を打開するため、獣肉処理施設の衛生管理認証と合わせての新システム。肉質は皮下脂肪の厚さなどを基準に、イノシシは3等級、シカは2等級に分けて格付けされる。平成24年度、県内で捕獲されたイノシシは約1万4000頭、シカは約9400頭。22日現在、県内には日高川町の「ジビエ工房紀州」など17の獣肉処理施設があるが、24年度中に処理施設に持ち込まれて販売されたのはイノシシが440頭、シカが217頭とわずか3%弱にとどまっている。ほとんどは狩猟者がイノシシやシカを捕獲しても、食用に適さなかったり、狩猟者が自らさばいた肉を仲間内で分け合っており、県は一般消費者にもより安全で高品質な肉を届けるため、処理施設の衛生管理認証制度とジビエの肉質格付け制度をスタートさせた。処理施設衛生管理認証の対象は、ジビエ工房紀州など食品営業許可を受けた県内の処理業者で、衛生管理ガイドラインの順守、捕獲から流通、消費、廃棄までのトレーサビリティシステムの導入などを基準に、3年間有効の認証を交付する。肉質の格付けは県の講習会に参加、適合審査に合格した人が格付員となり、皮下脂肪の厚さや肉の締まり、きめ、肉と脂肪の色などを基準にランクを判定。イノシシはA・B・Cの3等級、シカはA・Bの2等級に分けて格付けされる。県畜産課によると、今月7日の制度スタートからこれまでのところ、施設、格付員ともに認証の申請はなし。仁坂吉伸知事は「ジビエの消費拡大のため、捕獲、解体、流通、消費の流れのうち、流通の部分をテコ入れするのが今回の制度。衛生管理認証を受けた施設で処理された高品質の肉を提供しながら、格付けで大丈夫と認められた肉は学校給食にも使えるよう努力していきたい」と話している。
(食害軽減とジビエの魅力広めたい:長野)
諏訪市生活環境課職員の小泉沙奈恵さん(25)=豊田=がわな猟免許を取得し、猟友会員にもなって昨年末に狩猟デビューした。諏訪猟友会事務局によると、女性会員はこれで3人目だが、20代の加入は初めて。技術と体力を共に高め、農林業や自然環境の被害軽減に「少しでも貢献したい」と語り、「ジビエ(野生鳥獣肉)料理の魅力を、身近なところから広げる活動もしたい」と張り切っている。諏訪西中学校時代に通学路で猿に遭遇し、野生動物に興味を持った。動物生態を研究するため、日大生物資源科学部へ。北海道でヒグマの体毛を採集、DNAを抽出し、木に背中を擦り付ける謎の多い行動(背擦り行動)の理由を探った。)銃猟免許を持つ指導教官のエゾシカ猟に同行し、「私も捕りたい」と思った。興味を持ったら突き進む”猪突猛進型”の性格だ。「地元に目を向けると、鹿やイノシシの被害に悩んでいた。少しでも力になれれば」。大学院を経て昨年4月に市職員に採用され、2カ月半後の狩猟免許試験に臨んだ。)昨年12月21~23日の3連休にデビュー。くくりわなを仕掛けたり、その見回りをするため、郊外の市有林まで連日車を走らせた。”猟果”はなかったが、「今猟期中にも1頭は捕りたい」と意気込む。)ハンターの減少や高齢化が深刻化する中、大日本猟友会はホームページに「狩りガール」の企画を掲載、若い女性の力も求める。小泉さんは昨年、岐阜県で開かれた狩猟サミットに参加した。「同年代の女性も多かったです。共通の悩みなどについて意見や情報を交わしていきたい」。諏訪でいつか、「女子会」ができることを夢見る。)自然から頂く恵みを無駄にせずに活用したい―との思いも強い。「鹿肉は高たんぱくで低カロリー。調理法次第で臭みや硬さがなくなり、牛肉や豚肉に劣らなくなる」。解体方法を熟練ハンターから教わり、「得意ではないけれど好き」という料理の腕を磨いて「狩猟に無縁ながら、わな猟免許の取得を理解してくれた両親に鹿肉料理をプレゼントしたい」

TOPへ

1/21
(散弾銃が暴発、男性意識不明:茨城)
茨城県小美玉市の堤防で、暴発した散弾銃の弾に当たり、37歳の男性が意識不明の重体です。小美玉市の堤防で、20日午前9時半ごろ、「散弾銃が暴発した」と119番通報がありました。警察官らが駆けつけると、男性が足や手から血を流して倒れていました。病院に運ばれましたが、弾が右足の太ももに当たるなどして、現在、意識不明の重体です。救急隊が到着した時には意識があり、猟銃の所持許可証を呈示したということです。警察は、男性が、弾が入った自分の散弾銃を車の後部座席の足元から取り出そうとした際、弾が1発、誤って発射されたとみて調べています。男性は鴨撃ちに来ていたとみられています。
(空覆うカラスの大群:石川)
小松市中海町で昨年末ごろからカラスが急増し、連日、数千羽の大群が現れるようになった。朝夕には空を黒く覆う光景が見られ、専門家は群れのねぐらが近くに移った可能性を指摘するが理由は分からず、住民からは「不気味で怖い」「どこから飛んでくるのか」と不安の声が上がっている。中海町は中山間地域に位置し、周辺には田が広がる。野村秀嗣町内会長(63)によると、カラスの群れは毎年確認されたが、これまでは数百羽程度だった。今冬は昨年12月から増え始め、朝夕に大群で飛び交い、しばらくすると姿を消すという。カラスは明け方、けたたましい鳴き声を上げ、付近住民が迷惑を被っており、夕方は国道360号沿いにある電線や民家の屋根に集まり、ふんで車が汚される被害も出ている。現時点では、ごみや農作物が荒らされるケースは出ていない。野村会長は「どこから来て、どこに消えていくのかは分からないが、自然豊かな証拠だ」ととらえるが、妻きよみさん(53)のように「本当に気持ち悪い」と表情を曇らせる住民は多い。農産物直売店「きのこの里」の河原静香店長(41)は「今年の数の多さは異常だ」と不安を口にした。中海小ではグラウンドの照明や周辺の木々に大量のカラスが止まるが、田中哲臣校長(60)は「児童はもう見慣れており、おびえる様子はない」として、状況を見守っている。鳥類を専門とするいしかわ動物園飼育展示課の竹田伸一さん(55)は、群れが別の場所のねぐらから人に追いやられ、中海町周辺の山中に逃げた可能性があるとみている。県内のねぐらは金沢城公園が有名だが、金沢市から小松市までの移動は考えにくいという。小松市内では8年前、白山田町、西原町でも、同様にカラスの大群が現れたが、現在は多く見られないという。
(シカ、クマ農作物被害対策を交流:京都)
シカ、サル、イノシシ、クマなど野生動物による農林業被害問題について研究する京都府有害鳥獣問題研究会は18日、京都市上京区の府職員福利厚生センターで第4回総会と「京都の有害鳥獣問題を考える集い」を開きました。集いでは、京都府鳥獣自然保護部会の村上興正会長が「京都府における獣害と対策の現況」と題して講演。「鳥獣害対策をするにあたって、シカ、イノシシ、サル、クマなどそれぞれ個別の対処が必要」と述べ、主にシカとクマ対策に絞って府内の状況を解説しました。シカについては捕獲数が増加しながらも個体数が増え、分布が拡大している状況を説明し、メスの捕獲数や農作物を守る柵の設置の増加、森林を広葉樹に転換するなどシカの生息地を保全することを強調しました。クマ対策については、ツキノワグマの人身事故を回避するために事前に対策をすることや、学習放獣の実施、隣接県との保護管理と連動した広域管理の議論が必要と説明。最後に「地域によって実情が大きく違う。地域が主体になって、鳥獣害対策をしていくことが重要」と述べました。府内各地で対策に取り組んでいる参加者から「鳥獣駆除できる人づくりが重要」「駆除した動物の焼却施設の設置が進められている」「猟友会と駆除隊のあり方を再検討すべき」などの発言があり、各地の状況を交流しました。
(五輪メダリスト育成事業、国際大会へ出発:福岡)
オリンピックなどでメダルが獲得できる選手に育てる「メダルポテンシャルアスリート」に選ばれている太宰府高校(太宰府市高雄)の2人の女生徒が、ドイツ・ミュンヘンである国際エアガン大会に出場する。2人は、3年の末本佳那さん(18)=中央区笹丘=と2年の西彩花さん(17)=太宰府市青山。高校では県内唯一の射撃部で練習してきた。20日に出発し27日に帰国する。ライフルの末本さんは「自己ベストを目指したい」、ピストルの西さんは「楽しんで撃つ、自分の射撃をしたい」と抱負を語った。この育成事業は文科省から委託された日本スポーツ振興センターが、今年度から進めている。2人は昨年11月、日本ライフル射撃協会が選んだ全国20人の中に入った。末本さんは中学2年の時、県のタレント発掘事業で射撃に挑戦し才能を認められ、太宰府高へ。10メートル離れた的に40発撃ち得点を争う競技で自己最高は400点中395点。昨年1月のオーストラリアンユースオリンピックで銅メダル。東京の私立大への進学も内定し「オリンピック出場を目指します。体育教師になりたい」と語る。西さんは入学後、射撃部を知って入部。社会人も出る昨秋の全日本選抜で369点で9位だった。「私はまだオリンピック出場を言える段階ではない。集中力とメンタル面が問われるスポーツなので、そこをもっと磨いていきたい」。3月にクウェートであるアジア大会にも出場する。
(鳥インフル感染源は野生カモ:韓国)
全羅北道を中心に韓国国内で先日発病が確認された毒性の強い高病原性鳥インフルエンザの感染源は、渡り鳥である野生カモ(トモエガモ)の群れがウイルスに感染した状態で韓半島(朝鮮半島)に飛来し、農場周辺などでウイルスをばらまいていたことが原因である可能性が高いことが分かった。この野生カモは全羅北道以外の地域にも移動しているため、それに伴ってウイルスもより広範囲にばらまかれている恐れがある。トモエガモは2月まで全羅北道一帯にとどまり、その後3月ごろにはロシアに向かって移動するが、その際に人口が密集する首都圏上空を通過する可能性もあるため、検疫当局は対策に頭を痛めている。農林畜産食品部(省に相当)は20日、今回鳥インフルエンザの感染が最初に確認された全羅北道高敞郡のカモ農場近くにある東林貯水池で野生カモの死骸を回収し、死因を分析したところ、農場で検出されたものと同じH5N8型ウイルスが発見されたと発表した。この結果を受け農林畜産食品部は「韓半島に飛来した野生カモの群れから出たふん尿などを通じ、高敞郡や扶安郡の農場にいるカモなどがウイルスに感染した」との結論を下した。政府は野生カモの群れが主にとどまる東林貯水池と群山市の錦江湖について、一般人による周辺の立ち入りを禁止し、カモの群れに対する集中監視を始めた。また全国37カ所の渡り鳥飛来地とその周辺に対する消毒作業を一斉に開始した。農林畜産食品部は鳥インフルエンザが急速に拡散する気配は今のところ見られないと判断し、19日午前0時から48時間としていた湖南地域(全羅南北道)での移動中止命令を、予定通り21日午前0時に解除した。
(米軍がスマートライフルをテスト、誰でも名スナイパーに:アメリカ)
アメリカ・メディアは16日、「米軍がスマートライフル狙撃銃をテストしている。価格2万7000ドルの狙撃銃は小型パソコンを内蔵し、1度も銃器を使ったことがない人でも、約1097m離れている標的を狙い撃ちすることができ、精度はほぼ100%だ」と報じた。中国・広州日報が伝えた。これらの狙撃銃はWiFiアンテナを搭載し、使用者による移動軌跡データのリアルタイム収集を認めている。同時にFacebook、YouTube、Instagram又は電子メールを通じてストリーミング・メディアを共用することもできる。これまでのテストで1度も射撃訓練を受けていない12歳の女子中学生が、スマートライフル「Tracking Point」を使い、それぞれ200m、500m、750m、1000m先の標的に命中させた。13日に「Tracking Point」の初の公開テストで、狙撃訓練の経験のない記者70人のうち、69人が900m先の標的に命中させた。本部がアメリカ・オースティンにあるこの会社は、2013年に、上記のようなスマートライフル「Tracking Point」を開発した。同社の報道官は、ペンタゴン(米国防総省)は既にスマートライフル「Tracking Point」6丁を調達したと明かした。
(シカ肉じわり浸透:北海道)
道内スーパー大手のコープさっぽろが店頭でエゾシカ肉の販売を開始し、3カ月が経過する。釧路市の貝塚店では毎月第4火曜日の「シカの日」に合わせ、売り場面積を広げて割引セールを実施しており、シカの日は通常の売り上げの5倍となるなど、食卓へ徐々に普及しつつある。だが、価格が牛や豚と比べ3割ほど高い上、レシピが浸透しておらず、シカ肉が家庭に定着するにはまだ時間がかかりそうだ。
(シカ肉シチューぽかぽか:山口)
食べ物で体を内側から温め、暖房を使いすぎないようにしようと、下関市役所地下の食堂で20日、恒例の「ウオームビズランチ」の提供が始まった。1日20食限定でシカ肉入りシチューとご飯、サラダ付きで500円。2月14日までの期間限定メニューだ。シカ肉は下関市豊田町に昨年できた「みのりの丘ジビエセンター」で加工されたもの。低カロリーで鉄分が多く、体を温める効能もあるという。野菜も含めて「地産地消」にこだわり、食品輸送に伴う二酸化炭素の排出削減を図る。この日はメニューの企画に関わった下関市立大の環境サークル「eco心」の学生5人と、新成人の職員12人が中尾友昭市長と共に食事会でランチを味わった。ビーフシチューのような食感に、市立大3年の宮内啓太さん(21)は「臭みもなくておいしかった。あったまりました」。
(「いのしし鍋」販売中:三重)
菰野町の湯の山温泉にある御在所ロープウエイが運営しているレストランで、温泉の郷土料理「いのしし鍋」が販売中だ。イノシシなどの肉と山菜を煮込んだ鍋料理に、ご飯や副菜を付けた定食。担当者は「寒い時期に体を温める逸品」と話している。

TOPへ

1/20
(シカを貫通の弾、仲間に当たり重傷:北海道)
18日午前10時50分ごろ、北海道初山別村共成の山林で、グループでシカ猟に来ていた近くの農業の男性(47)がライフル銃を撃ったところ、弾がシカの体を貫通し、仲間の名寄市東6南5、会社役員、菅野隆さん(70)の頭に当たった。菅野さんは重傷を負った。道警羽幌署は業務上過失傷害の疑いもあるとみて、男性らから事情を聴いている。同署によると、菅野さんは計5人で猟に来ていた。体長約2メートルのシカを囲い込み、男性が銃を撃った際、菅野さんは反対側でスノーモービルに乗っていたという。
(ライフル射撃場の再開検討へ:栃木)
鉛弾による土壌汚染で2004年10月に休止した県ライフル射撃場(宇都宮市新里町乙)について、県教委は14年度、再開に向けた検討に入る方針を固めた。22年に県内で開催予定の国体の競技施設や、有害鳥獣を駆除するハンターの訓練施設への活用を見据え、14年度予算要求に約2億円を盛り込んだ。土壌を改良するための調査を行い、周辺地域への影響も見極め、20年度の再開をめざす。
(サルが土産物店に籠城:和歌山)
和歌山県田辺市中辺路町栗栖川、熊野古道滝尻王子そばの土産物店に16日昼前、サルが侵入した。捕獲しようとする地元住民らで店周辺は騒然。サルは3時間以上居座った後、県職員らの手で保護され、山中に返された。土産物店「古道の杜あんちゃん」(木田豪さん経営)に午前11時半ごろ、雄ザル1匹が現れ、屋根に上った。木田さんが追い払おうとすると、サルは店内に入り、店とその奥にある住居とを仕切るガラス戸を割るなどして暴れ回った。地元住民と警察官が駆け付け、連絡を受けた県や市の職員も到着。対応を協議し、捕獲作戦を開始した。獣害対策用ネットを店の出入り口に張り巡らし、裏手から県職員ら数人で突入。店内の棚の上にいたサルを漁網で捕まえた。サルの体重は約10キロ。木田さん家族にけがはなかった。サルは、市職員が離れた場所の山中に放した。木田さんによると、サルが姿を見せ始めたのは昨年末から。最初軒先に陳列していたミカンが被害に遭い、その後店の引き戸を開けて豆や菓子を取るようになった。子ザルを含めた5匹の群れが現れたことも数回あったという。木田さんは「サルは人間を怖がる様子はなかったので、お客さんに危害を与えないか不安な日々を送っていた。協力してもらった皆さんのおかげで、一段落できた」と話している。
(新年度、有害鳥獣の生息・被害調査:栃木)
県は2014年度の新規事業として17日までに、より効果的な有害鳥獣捕獲やその重点対応地域を設定するため、イノシシやシカなどの生息数や被害状況の調査に乗り出す方針を固めた。5キロ四方の生息状況を把握し、捕獲目標を設定するほか、農業集落の被害状況を調べ、わなの設置場所に活用する。県が蓄積してきた狩猟者からの捕獲・目撃データをコンピューターで統計処理し、おおよその生息数や今後の見通しも導き出す。14年度県一般会計当初予算案に事業費約1400万円を盛り込む。県が蓄積してきた捕獲・目撃データは最低5年分を用いる。データは狩猟者が狩猟期間後、県に報告したもので、5キロ四方ごとに積み上げる。目撃情報も報告するため、その分も組み入れ、イノシシの生息数を割り出す。一方、シカの生息数把握は一定の期間内に一定の区域を歩き、フンの量や乾燥状態などを基に推計していく手法で行う。捕獲目標についてイノシシは、過年度の捕獲数などを参考に08年度から年間5千頭と設定、11年度から8千頭に上げた。14年度の調査を受け、15年度からは生息数をベースにした捕獲目標を立てる方針。これまで、シカは設定していない。被害状況の調査は県内に約3千ある農業集落ごとに実施する。平均戸数60~70戸の各集落にアンケートで依頼する。またセンサーカメラを設置し、イノシシなどが農作物を食べる様子をチェックし、わなの設置場所や獣道の調査にもつなげる。
(国立公園内に駆除目的わな設置:北海道)
北海道釧路市の環境省釧路自然環境事務所は16日、釧路湿原国立公園内でエゾシカを捕獲する囲いわなを釧路町の達古武(たっこぶ)湖北側に設置した。シカの急増で樹皮の食害などが深刻化しているためで、環境省が釧路湿原でエゾシカを駆除するのは初。今月末から捕獲する。わなは奥行き約33メートル、幅約14メートルの楕円(だえん)形で、カラマツ林に設けられた。樹脂製の網と黒いビニールシートで囲い、入り口に餌のオオムギなどを置いている。入り口は遠隔操作で閉じ、監視カメラで見張る。捕獲は3月末までで、捕らえたシカは業者に引き取られて食肉用となる。行動把握のため、2頭にはGPS(全地球測位システム)装置を付ける。シカの出没状況を見るため昨年12月から周辺で餌をまき、多い時は15〜20頭をカメラで確認した。釧路湿原では、シカの通り道「シカ道」が約2.3倍に広がっていることが、2004年と10年の航空撮影で判明した。希少植物の踏み荒らしなども深刻になっている。道内の国立公園での囲いわな設置は知床や阿寒湖周辺でも行っており、知床では約180頭が捕獲されるなど効果が出ているという。
(急増イノシシ、墓地荒らし:群馬)
イノシシの生息数が急増しているとみられる群馬県太田市で、市営「八王子山公園墓地」(太田市西長岡町)が、イノシシの掘り返し被害に遭っていることが、同市への取材で分かった。同墓地は、同市北部の「八王子丘陵」にあり、1989年に使用が始まった。周囲の森林を含めた面積は約17ヘクタールで、この中に15か所の「墓所」が配置されている。各墓所の中は幅1メートル80、奥行き2メートル50の墓地区画に分けられ、市民が49万円の永代使用料と、年額3150円の管理料を市に支払って使用している。同市によると、イノシシは2011年頃から、頻繁に現れるようになったが、昨年夏頃までは、墓所の外の調整池周辺や斜面を掘り返すにとどまっていた。ところが、昨年11月になってついに墓所の中にも侵入。墓石近くで掘り返しが起きるようになったという。侵入は15か所の墓所のうち6か所に及んだ。今のところ、墓石が傷つけられるなど直接的な被害はないが、同市では、市民から使用料と管理料を徴収している墓所内へ侵入した事態を重視。箱型のワナを設置するなどの緊急対策を取った。さらに今後は、金属製の網で試験的に墓所を囲ったり、イノシシが歩きにくくなる工夫として、斜面に金網を敷設したりするという。ワナには昨年12月中旬、オス1頭と母子3頭がかかるなど、徐々に捕獲の実績が出るようになった。同市では、これにより被害が減少するかどうか、推移を見守っている。
(体長2メートルのイノシシ捕獲:栃木)
上塩原の山中で12日、ベテラン猟師も「初めて」という巨大なイノシシが銃で捕獲された。つり下げると鼻先から脚先まで約2メートル余り、体重は重すぎて測れなかったが「150~160キロはありそう」という大物だ。捕獲したのは、東小屋、自営業星次男さん(67)ら地元の猟師十数人でつくる狩猟グループの8人。12日に上塩原の尾頭峠北の山中で、獲物を四方から囲んで仕留める巻き狩りの手法で捕獲した。狩猟歴46年、鳥獣管理士3級の資格を持つ星さんが今月2日に下見して足跡から大物がいると確信、長年の経験と知識を動員してこの日午前中、集まった仲間と追い詰めた。仕留めた星さんは「100キロは超えると思ったがこれほどとは思わなかった。バキバキと枝を踏んで向かってくる音がすごかった」と振り返る。2時間かけて入った猟場から麓に運び出すまで6時間以上かかった。
(カモ類生息調査、昨年より446羽減:長野)
全国一斉の「ガンカモ類の生息調査」が16日朝、県内でもあり、諏訪湖周辺では計1797羽の生息を確認した。昨年より446羽、一昨年より1023羽少なかった。調査関係者は、同日の諏訪市の最低気温が氷点下10度と今季最低を記録し、湖が全面結氷したことが影響しているのではないかとみている。
(資料館で古式銃や日本刀盗難:山梨)
山梨県警甲府署は19日、甲府市上帯那町の郷土資料館から、管打ち式の古式銃1丁や古銭約180枚などが盗まれたと発表した。発表によると、このほか盗まれたのは、日本刀1本と掛け軸2本。資料館は同市の男性(88)が所有するサクランボ農園の敷地内にあり、男性が趣味で集めた古美術品などを展示。男性が同日、資料館のシャッターに穴が開いていることに気付き、中にあった飾り棚の南京錠が壊されていた。同署は、男性が最後に展示品を確認した今月上旬から19日までの間に盗まれたとみて調べている。
(イノシシ解体講習が好評:石川)
白山ふもと会(白山市)は19日、白山市東二口の獣肉加工施設でイノシシの解体講習会を初めて開催した。金沢、能美、小松市などから料理人や猟師をはじめ、害獣駆除後の活用策に興味を持つ若い女性4人を含む20人が参加した。同会は予想以上の反響を受け、今後、月に1回程度、定期的に講習会を開くことを決めた。長年、吉野谷でジビエ(野生鳥獣)を料理している同会幹事の中山明設(あきせつ)さん(60)らがイノシシを食肉にする作業を指導した。受講生は鋭利な皮はぎナイフを使って、イノシシ肉特有のうまみをもたらす脂の層を取りすぎないように気を付けて手を動かした。参加した料理人の成田裕介さん(31)=金沢市=は「普段は扱わない食材。難しい作業だったが料理の幅を広げるためにもっと勉強したい」と話した。箱わな猟の免許を持つ加藤彩歌さん(23)=同市=は「せっかくの免許を生かすために、今後も解体のこつを学びたい」と意欲を見せた。同会は、2012(平成24)年に県内で初めてイノシシやクマを食肉として加工する解体場を設けた。技術を持つ会員は6人で、講習会の受講生の中から後継者が生まれることも期待している。今後は、内臓の取り出し方や部位分け、血抜きの方法などを教える。中山さんは「講習会にこれだけの人数が集まるとは思わなかった。受講生にはしっかりと技術を伝えていきたい」と話した。
(スポンジゴムでシカ押し出し)
山間部を走る列車と、線路内に立ち入ったシカとの衝突事故に頭を悩ませているJR東海。ダイヤの乱れや車両の破損が相次いでいることを受け、同社が新たに開発した衝撃緩和装置が効果を上げている。先頭車両下部に取り付けた、スカート状のスポンジゴムでシカを押しのける。JR東海によると、2012年度に在来線で起きたシカとの衝突事故は過去最多の635件。7年前の05年度が271件なので、2・3倍にも増えていることになる。狩猟者が減るなどして、シカの数が増えていることが一因だという。車輪の下にシカを巻き込んでしまうと、取り除くのに時間がかかるほか、穴を掘って埋めるために職員を派遣する必要があり、年々負担が重くなっている。
(シカ肉、東京・大阪で好評:北海道)
根室産のエゾシカ肉が東京や大阪の高級ホテルで人気を集めている。提供するのは根室市内唯一のエゾシカ専門の食肉加工会社「ユック」(西尾裕司社長)。海霧に含まれるミネラル分たっぷりの草を食べることで、肉質がフランス料理に合うなど、高く評価されているからだ。西尾社長(51)がユックを創業したのは2005年秋。道の補助も活用して加工工場を建設した。創業当初を振り返り、西尾社長は「ノウハウもないし販路もない。周りからは笑われ、建設会社ごと駄目になるのではないかと何度も思った」。根室管内1市4町ではエゾシカによる食害や交通事故が深刻で、「厄介もの」のイメージが強い。根室振興局のまとめによると、12年度の農林被害額は9億3100万円と過去最高を記録。被害は根室市だけでも1億6300万円に上る。しかしユックは根室産にこだわり、シーズンの10月~翌1月はハンターからの受け入れのほか、囲いわなで捕獲したシカを中心に生肉で出荷。夏場は冬に捕獲したシカを根室市内の養鹿(ようろく)場で飼育する。ユックの肉の卸値は最高級のロースで1キロ4500円で、他社より2~3割高め。初年度は4・7トンの出荷にとどまったが、食品衛生管理の国際規格「HACCP(ハサップ)」を取得していることなどが評判を呼び、「食の安全」を求める専門業者を中心に需要が拡大した。出荷量は09年度以降、右肩上がりで推移している。
(「しし鍋」全国鍋合戦出場へ:茨城)
石岡市八郷商工会が町おこしにしようと取り組んでいるイノシシ肉を使った「しし鍋」がシーズンに入っている。26日に埼玉県和光市で開かれる「ニッポン全国鍋合戦」(和光市商工会主催)に参加する予定だ。原発事故の影響でイノシシ肉の入手は震災前より難しくなったが、関係者はしし鍋の火を消すまいと準備を進めている。しし鍋は地元で捕獲したイノシシを活用して客を呼び込む名物にしようと、2007年から八郷商工会の音頭で、各飲食店が足並みをそろえてPRしてきた。鍋の季節となる11月から翌年5月に合わせて「しし鍋マップ」を毎年発行し、7周年の今シーズンは石岡市11店、つくば市1店の計12店を紹介している。店ごとにみそやしょうゆベースの味つけで、脂がのった肉は、豚肉と比べると歯ごたえがあり、かみしめるとうまみが広がる。年々、県外からのファンも増えていた。しかし、11年12月2日、福島第一原発事故の影響で、国は県全域のイノシシ肉を出荷停止に。関係者の強い要望を受け、県が一部解除を申請した結果、同月21日から石岡市の加工施設「朝日里山学校」で全頭検査を行い、放射性セシウムが規制値を下回った肉のみが出荷できるようになった。ただ、出荷量は以前より減少し、昨シーズンは各店2キロ程度しか手に入らず、多くの注文に応じられなかった。店主らは今シーズンも、より良い鍋を出すために肉の切り方、鍋に入れる具材などを確認し合い、店には「検査したいのしし肉を食べていただいております」と安全を伝える貼り紙をしている。石岡市小見で飲食店を営む同商工会サービス部会長の藤岡充さん(71)は「何年も続けてきて、楽しみにしている人もいる。肉の入手は大変だが、あきらめずに頑張りたい」と前を向く。「全国鍋合戦」は4回目の参加。500人分を用意し、白菜などの野菜もできるだけ地場産を使う。同商工会の担当者は「マップも配布し、県外にアピールしたい」と意気込む。本図一衛会長は「冬の名物として、それぞれの店が工夫をこらしてきた。安全を最優先に、鍋による地域活性化を続けたい」と話している。
(ジビエ料理でスタンプラリー:岡山)
駆除されたイノシシなどを使ったジビエ料理を普及させるため、岡山県備前県民局は岡山市など県内の料理店などをめぐるスタンプラリーを展開している。イノシシやシカ肉を提供する精肉店や料理店を利用するとスタンプが1個もらえ、2個になれば応募できる。特産品の詰め合わせやイノシシ皮革製品などが当たる。来月28日まで。参加店は岡山市内のフランス料理店、焼き鳥店、居酒屋と吉備中央町の和食店、赤磐市の精肉店など22店。
(ジビエ専門店:東京)
東京都千代田区のJR神田駅近くの飲食店「焼ジビエ 罠(わな)」神田店。イノシシや鹿、キジのスライス肉を七輪で焼いて食べる客でにぎわう。昨年2月のオープン以来、臭みがなく、滋味あふれるおいしさを知った客が繰り返し訪れるようになり、すっかり人気店となっている。同店は都内2店舗目。運営する(株)夢屋(渋谷区)の小林研社長は、高たんぱくで低カロリーな野生鳥獣肉(ジビエ)は健康志向の人に売り込みやすいといい、「都心部での需要は十分にある」と手応えを語る。同社は主に、全国の猟師らとの直接契約で仕入れる。1店舗で1カ月にイノシシと鹿の肉を最低各50キロ使う。来月には都内にもう1店舗の開店を予定。都内に30店舗まで広げる構想だ。小林社長は「店の展開には、欲しい時に欲しい量のジビエを安定して確保できる流通体制が必要だ」と指摘する。農水省によると、国内の中央・地方卸売市場でジビエの取り扱い実績はない。野生鳥獣をと畜・解体し、肉を販売するには、食品衛生法に基づき食肉処理業や食肉販売業の許可を得る必要がある。だがジビエでは、牛肉や豚肉のような需給調整とまとまった量を流通させる仕組みが未整備だ。小林社長は「北海道のエゾシカのように、本州でも猟師や業者を束ねて肉を流通させる組織が地域ごとにあるといい」と提案する。ジビエには衛生面の課題もある。全国的に流通の実態は不透明。と畜場法の対象外である野生鳥獣には、解体処理の方法で全国の統一基準がなく、肉の状態などを検査する体制や法的な規律はない。フランス料理のシェフらでつくる日本エスコフィエ協会の堀田大副会長は「病気がなく健康な野生鳥獣の肉でも、食材として安全に使える水準かどうかなど心配はある」と語る。国内のフランス料理界は、店の目玉になる国産の鹿肉やイノシシ肉の利用を進めたい意向が強い。しかし、食品事故が発生すれば店の信頼を失うだけでなく、ジビエ全体の消費離れが起こりかねない。「検査体制の整備や、解体処理に関するガイドラインを順守させる仕組みが必要だ」と堀田副会長は強調する。農水省と環境省は、ニホンジカの生息数は2011年度で261万頭(北海道を除く)と推定。鳥獣害対策としてニホンジカを23年度までに半減させる目標を定める。推定88万頭いるイノシシも同期間に50万頭に減らす。「入り口対策」である捕獲の数が増えれば、出口対策としての食肉利用の促進が欠かせない。フランス料理を教える料理学校のル・コルドン・ブルー・ジャパン(渋谷区)でエグゼクティブ・シェフを務めるドミニク・コルビさん(48)は、「衛生管理が徹底され、部位別に手に入る体制が整えば業者や料理人はもっと使う。家庭の食材としても定着するだろう」とみる。

TOPへ

1/16
(有害鳥獣、捕獲認定制度を新設)
中央環境審議会の小委員会(委員長=石井信夫・東京女子大教授)は15日、ニホンジカやイノシシといった農林業などに被害をもたらす鳥獣対策について、「保護」中心から、被害対策のための捕獲も含めた「管理」への転換を盛り込んだ答申案を大筋で了承した。捕獲に専門的に取り組む団体の認定制度を新設し、効率的な捕獲を目指す。環境省は答申を反映した鳥獣保護法改正案を、通常国会に提出する方針。同省によると、2011年度のニホンジカの推定生息数は261万頭、イノシシは88万頭。農作物の被害は毎年約200億円に上る。一方、狩猟免許所持者は最近40年で6割以上減少。高齢化も進み、捕獲が十分できない地域もある。答申案などによると、一定の技能があり、適切な安全管理もできると認められる捕獲専門の事業者を都道府県が認定。捕獲に従事する人が狩猟免許を持つことは、現行法と変わらず必要だが、個人では難しい技術を使った効率的な捕獲を促す。また、若手従事者を確保するため、わな猟と網猟については、免許取得年齢を20歳から18歳に引き下げる。また、被害が広域化している鳥獣に関しては、従来の都道府県単位の管理ではなく、国が全国の捕獲目標などを盛り込んだ指針を定めることを明記した。
(住宅地の野生サル、麻酔銃で捕獲可能に)
環境省は15日、住宅地に野生のニホンザルが出没した場合、麻酔銃による捕獲を認める方針を決めた。住宅地での銃による野生鳥獣の狩猟は鳥獣保護法で禁じられているが、サルの出没が近年多発していることを踏まえ、麻酔銃に限って認める必要があると判断した。同日の中央環境審議会(環境相の諮問機関)の小委員会で明らかにした。関係機関と協議の上、早ければ次期通常国会に同法改正案を提出する。住宅地に現れた野生のニホンザルは現在、わなや手づかみで捕獲している。現場で対応する自治体からは、より効率的な銃による捕獲を認めるよう要望されていた。このため同省は、猟銃より射程距離が短く、住民への危険が比較的小さい麻酔銃についてのみ使用を認めることにした。
(市街地にイノシシ出没:長野)
13日夜、長野市北部でイノシシの目撃が相次いだ。目撃は当初2頭で、このうち1頭は同市東和田の長野東郵便局付近でバスと衝突して死んだことが確認されたが、残り1頭は見つかっていない。長野中央署や長野市消防局が同日深夜まで付近に警戒を呼び掛け、捜索を続けた。長野市教委は14日朝、登録した保護者へのメール配信サービス「安全・安心ネット」を通じて、付近の小中学校の児童生徒に注意を呼び掛ける。長野中央署によると、最初の目撃は13日午後6時45分ごろに同市下駒沢の中央橋付近で、通行人から110番通報があった。さらに同7時10分ごろには、同市富竹の富竹大橋付近でも目撃したとの通報が寄せられた。体長はいずれも1メートルほどという。このうち1頭は同8時半ごろ、同市東和田の国道18号で、回送中の高速バスに衝突。同署などが死んだことを確認した。残り1頭は見つかっておらず、その後も若宮二丁目交差点付近や同市高田の家電量販店付近で目撃情報があった。高速バスを運転していた長電バス(長野市)の山岸正樹さん(38)=下高井郡山ノ内町=は「左側から突然、何かが飛び出して堅い物がぶつかったようなドンという鈍い音がした。まさかこんな街中でイノシシが現れるとは」と驚いていた。バスのバンパーにはひびが入ったという。同市北部では昨年12月17日、JR信越線三才駅でイノシシ3頭が目撃され、うち1頭が近くの保育園グラウンドで捕獲されたほか、同18日には同市田中の県道上で2頭の目撃があった。
(とらわれのイノシシ救出へ:兵庫)
神戸市中央区の宇治川のえん堤内で1年近く出られなくなっているイノシシをめぐり、兵庫県と神戸市が、生きたまま山に返すための協議を始めた。同市によると、野生のイノシシを山に返すのは市内で初めてのケースという。同市によると、県からは神戸土木事務所と神戸農林水産振興事務所、市からは中央区役所と農政部が出席し、昨年12月末から協議を開始した。猟友会の協力で生きたまま捕獲し、山に返すことを検討。時期などについては今後決めるが、「できるだけ早く実施したい」としている。14日には県と市の担当者がえん堤の確認もした。イノシシは2012年冬ごろ、近隣の住民が発見。高いコンクリート壁があり、えん堤から出られずにいた。実害がなく鳥獣保護法が定める捕獲の必要性がないことから、県も市も手が出せない状態だった。今回、えん堤を管理する県が「えん堤を点検する時に、イノシシが職員に危害を加える可能性がある」と判断し、捕獲を決めたという。
(「対策実施隊」発足:岡山)
イノシシやサルによる農作物被害防止に向け、駆除に取り組む「吉備中央町鳥獣被害対策実施隊」が発足した。15日、岡山県吉備中央町豊野の賀陽庁舎で辞令交付・発足式が開かれた。鳥獣被害防止特別措置法に基づき、町が県岡山地区猟友会賀陽分会員と町職員の計40人を任命。猟期外(4〜10月)に町が月1回行う一斉駆除活動や、住民から依頼を受けた際の駆除に当たる。非常勤職員扱いで、年間の活動の6割以上に従事する必要があるが、狩猟税の半減といった特典もある。式では、山本雅則町長が隊員7人に辞令を交付。隊長を務める小室弘司町農林課長が「町の安心安全を守るため、被害軽減に向けて迅速な活動体制を築きたい」と述べ、副隊長の片山泰正・賀陽分会長は「農家の皆さまのためにも、町と一体となって有害鳥獣駆除に努めたい」とした。
(シカ食害防止へ応援隊:岩手)
遠野市は急増するニホンジカによる農作物被害に対応するため、狩猟免許を持たない農家らによるニホンジカ捕獲応援隊を設立する。市鳥獣被害対策実施隊(同免許所持者)の補助者として捕獲用わなの見回りなどを行い、捕獲活動を支える。県が策定した第11次鳥獣保護事業計画の規定に基づき、県内初めての団体設立。今月から捕獲技術・安全対策講習を開催し、3月までに30人、2015年度までに100人の応援隊員の育成を目指す。同市は12年にニホンジカ駆除を組織的に進めるため狩猟免許を持つ市民による同実施隊を設立。同年は332頭と前年の倍近い頭数を駆除するなど成果を上げたが、農作物被害額は過去最高の1億4642万円を記録するなど被害に歯止めがかかっていなかった。応援隊は市内の農家を中心に結成。市が主催する講習会を受講すれば隊員となり、自らが所有する農地内で狩猟免許を持つ実施隊が設置したわなの管理と見回りを行う。同市ではこれまで山間部を中心に駆除活動を行っており、応援隊は手薄だった農地周辺部の捕獲強化と農作物への被害防止に力を入れる。
(サル捕獲へ囲いわな設置:和歌山)
和歌山県みなべ町清川の山中に、ニホンザルを捕獲するための大型囲いわなが設置された。過疎集落を支援する県事業の一環で、住民でつくる「清川寄合会有害駆除班」(山崎学代表)が整備。サルはイノシシやシカと比べて防護柵などで農作物被害を防ぐことが難しく、関係者は「被害の軽減につながれば」と期待を寄せている。サル捕獲用の囲いわなの設置は町内では初めての取り組みという。鳥獣害対策を担当している町うめ課によると、2012年度にサル被害を調べたところ、町内には10の群れがあり、推定で約270~460匹が生息。果樹や野菜、稲などの農作物を食べられる被害が出ており、中には人を威嚇するケースもあったという。鳥獣による農作物の被害額は12年度、町全体で664万2千円。鳥獣の種類で見た場合、最も被害額が多いのがイノシシの187万円で、サルは136万2千円と次いで多かった。シカ(130万6千円)、アライグマ(123万7千円)と続くが、同課の担当者は「被害を受けても報告がないケースも多い。イノシシやシカは防護柵を作れば被害を防ぐことが可能だが、サルは柵を越えてしまうために防ぐことが難しく、猟友会の方が追い払ってくれているが、なかなか被害が減らない」と話す。山崎代表(55)によると、有害駆除班には清川地区の猟友会メンバーが参加。これまで地元の農家を対象に害獣から農作物を守る方法を学ぶ講習会を開いたり、シカやイノシシを捕獲するためのおりを清川地区内に12基設置したりしてきた。捕獲おりは11年度に設置し、これまでに約50匹のイノシシやシカを捕獲しているという。サルの囲いわなは「出没が多く、被害も深刻。銃を使っての捕獲も難しい」と導入を計画。他地域の先進事例を参考にして、清川の軽井川区にある山中に幅8メートル、奥行き8メートル、高さ4メートルの大きさのわなを整備した。県が13年度から行っている管理捕獲の一環として取り組む。天井部分が開いているためサルは自由に中に入ることができるが、内側はトタンが張り巡らされているために、外には出られない仕組み。今月10日に完成し、わなの中に200キロのミカンを入れて、サルを誘う取り組みを始めた。山崎代表は「サルは知能が高く器用で、集団で行動もし、一番やっかいな存在だ。自家用の作物を作っている畑がサルにやられて全滅した、というケースもある。この取り組みによって、できるだけ早く成果を上げることができれば」と話している。
(若者に狩猟の魅力アピール:岡山)
狩猟の新たな担い手確保に向け、初めて若者にターゲットを絞って魅力をアピールする「狩猟フォーラム」(岡山県、県猟友会主催)が13日、岡山市内で開かれた。狩猟生活をつづった著書「ぼくは猟師になった」で知られる千松信也さん(39)=京都府=が講演。わなで捕まえたシカやイノシシは自分で解体処理して食べることを説明し「狩猟の基本は自然とともに暮らすということ。動物を殺すだけでなく、有効活用しなければいけない」と強調した。会場では狩猟道具の展示や免許制度の相談コーナーなどもあり、参加した人たちは猟銃(模擬銃)などを手にしながら同会員の説明を聞いていた。県内の2012年度の狩猟者登録数は4205人。うち60歳以上が73・6%を占め、高齢化に伴う狩猟者確保が課題となっている。
(イノシシの狩猟を体験:愛媛)
命と食の大切さを知ろうと、イノシシを狩猟し、解体する体験会が25、26両日に今治市の大三島で開かれる。島に住む若手猟師と一緒にわなを仕掛け、1泊2日でイノシシを追い、野生動物と人間の関係を考える。自然や環境教育の体験会などを開く今治市の「よろず体験事務所 をかしや」(菊間彰代表)が催す。大三島出身で、島に帰郷した猟師の渡辺秀典さん(37)が講師を務める。渡辺さんは愛媛大で地方の活性化問題などを学んだあと、実家のかんきつ農家を継いだ。6年ほど前から島で姿を見なかったイノシシが現れ始め、農業被害が深刻になってきた。地元の猟友会と協力して2010年に仲間と「しまなみイノシシ活用隊」を結成。市に働きかけて廃校の給食センターを食肉処理施設に改築し、食肉を都市部のレストランへ出荷するなどの活動を続けている。
(クマの生息域拡大:石川)
県内の二〇一三年のツキノワグマ出没件数(目撃)は百四十七件で、出没増が懸念されたものの過去五年の平均水準だったことが、県のまとめで分かった。秋の餌量が少ないと大量出没につながるが、確保されたとみられる。ただ七尾市での出没が過去最多になるなど、生息域の拡大が顕著になっている。近年の出没数は〇四年以降、五十七~千六件と大きく波があり、大量出没とされる一〇年は三百五十三件に上った。一三年九月中旬の時点では件数が過去十年で最多だったことなどから、県は注意情報を二年連続で発令。しかし大量出没の年に大幅に増える九~十一月は一二年と同様に少なく、大量出没が予想された一二年比で16%増にとどまった。奥山のブナが凶作だった半面、奥山から里山にかけてのミズナラが並作-豊作だったことが影響したとみられる。一方で一三年は、クマが人間の生活圏に近づく危険を感じさせる事態が相次いだ。七尾市での目撃は十一件と一二年の五件から倍増。これまで生息の北限とされてきた邑知地溝帯(七尾市など)を越えた地域で目撃された。これを受け同市の地溝帯北部では、八月から自動撮影カメラやおりを置いて警戒している。十二月には金沢市中心部の金沢城公園でふんが見つかるなど市街地が騒然とする事態になった。捕獲には至らず県は原因分析を進めたい考えだ。県自然環境課の担当者は「生息分布は拡大している。山からの人間の撤退と関係している可能性がある」と話している。
(カモ類飛来、今季7割弱増:鳥取)
県内に飛来するカモ類の個体数が昨季に比べ7割弱増加したことが、県が日本野鳥の会県支部に委託した調査で分かった。環境省の全国一斉調査に伴い、12日に実施。カモ類は2万8051羽で昨季比1万1186羽増加。一方、ハクチョウ類は294羽(昨季581羽)で半減した。
(鹿肉処理場で獣の処理と流通を考える)
農作物や在来種に被害をもたらし、生態系を脅かす鳥獣たち。しかし、見方を変えれば高級食材でもある。害獣グルメの主役はシカである。シカの肉はどう処理され、流通しているのか――音楽ライブでシカの解体ショーを披露するなど、この問題に強い関心を持つ「水曜日のカンパネラ」のシンガー・コムアイさんとともに、東京都内唯一の鹿肉処理場である奥多摩町の「森林恵工房 峰」を訪ねた。ここは全国119か所の鹿肉処理場のひとつ。’93年からシカの捕獲に力を入れてきた奥多摩町が、焼却処理していた鹿肉を活用して観光資源とするべく、3700万円をかけて’06年に完成させた。案内してくれたのは、奥多摩町観光産業課の獣害担当・清水洸佑さんと、処理場職員の酒井卓真さんだ。「林の下草を山肌が禿げるまで食べてしまうので、雨が降ると地滑りが起きてしまうんです。今は年1400万円の有害鳥獣捕獲委託金を支払って、猟友会に捕獲を依頼しています」(清水さん)初年度は360頭の捕獲枠を満たしたが、生息頭数は全国でも珍しいことに年々減っているという。捕獲圧が生じ、生息密度が落ちているらしい。’12年の有害鳥獣捕獲頭数は161頭。駆除活動は年約110回行われるから、1回あたり2頭も獲れていない計算になる。処理場では保健所の指導のもと衛生管理を徹底させている。搬入は仕留めてから2時間以内と定められており、処理室は2つに分かれている。冷凍庫、冷蔵庫はもちろん、包丁研ぎ機、ナイフや手袋の熱湯消毒機、残留銃弾がないかを調べる金属探知機まで完備。鹿肉は町内の食堂やおみやげ品「山の恵みカレー」の工場に卸す。内臓を傷つけると食肉には使えないなど条件も厳しく、処理に回せる個体は捕獲数の6~7割程度。1頭からとれる枝肉は約2割、50kgの個体なら良好な状態で搬入できて10kg程度だという。採算については?「正直ギリギリです。ほかの市町村から事業化を睨んで処理場を造りたいと相談されますが、しっかり計画を立ててからの実施を勧めています」コムアイさんはその話が衝撃的だったという。「シカの個体数調整のために全国の自治体が狩猟者を増やそうとしていますけど、食肉消費を増やしてビジネス化するには処理と流通がまだまだ追いついていないのかなと思いました。保健所の基準を満たすにはコストがかかるし、難しい。課題はココですね」確かに難しいが、だからこそ解決できたら画期的だ。継続的な取り組みに期待したい。◆鹿肉処理の流れ【まずは施設の外で毛皮についた雑菌を洗浄】捕獲現場で血抜きして搬入されたシカは、まず四肢と頭を落とし、懸吊ハンガーに逆さにぶら下げて清水で徹底的に洗浄する【一次処理室で、毛皮を剥ぎ内臓を摘出】胃腸の内容物が出ないよう直腸と食道を結搾し、傷つけないように内臓を摘出。ナイフや手袋は、83度以上の湯につけて消毒する【二次処理室で小分けにし、食肉処理室で加工】ロース、モモなど部位ごとにブロック肉にして真空パックし、冷凍で販売する。トレーサビリティのためにラベルもつけられる
(美味しい「害獣グルメ」は日本の里山や農業を救う)
農作物や在来種に被害をもたらし、生態系を脅かす鳥獣たち。しかし、見方を変えれば高級食材でもある。工夫次第で益獣となりうるこれらを実際にいただいて調査してきた。最後に、そもそも「害獣」とは何なのかをこれまで登場したシェフや害獣問題に強い関心を持つ「水曜日のカンパネラ」シンガー・コムアイさんらに語ってもらった。自治体や行政、土地によっても害獣の基準はまちまち。食の現場に近いシェフたちは「害獣という言葉自体が好きではありません。人間の都合ですし。私は山の恵みと捉えています」(オーベルジュ・エスポワールのオーナーシェフ・藤木徳彦氏)、「フランスでは高級食材。日本にもシカやイノシシを食べる文化があった。それを取り戻したい」(エゾシカフェの店主・石崎英治氏)と言う。里山保全を掲げるNGO、猪鹿庁の「狩猟サミット」で公式カメラマンを務める高木あつ子氏とコムアイ氏は次のように語る。高木:いま狩猟はほとんど里山保全や農作物の保護のための個体数調整という観点で行われていますけど、要は人間の都合なんですよね。コムアイ:結局、増えすぎると害獣なんです。増えすぎたのも人間の都合なのに。わたしは循環型社会に興味があって、農家で暮らしていた延長で鹿肉に出合いました。おいしいし、需要が増えれば問題の解決にもつながる。これは広めなきゃと。高木:畜産は日本では少し無理があると思うんです。国土は狭いし、飼料も輸入頼り。捨てるほど野生動物が獲れるなら食べたほうがいい。コムアイ:シカやイノシシは故意に太らせたお肉と違ってヘルシーだし、飼料や土地の問題もない。いろんなことがうまく回るんですよね。販路と価格、ジビエのイメージ改革など課題は山積みだが、どうせならありがたくいただきたい。
(シカ肉普及、東京で奮闘:北海道)
北大農学部出身の石崎英治さん(35)が、全国でも数少ないエゾシカ肉の卸売業や専門飲食店を東京で営み、普及に奮闘している。道内のシカ肉解体施設と都内の飲食店の間に流通ルートを構築し、農林業被害を与えているエゾシカの頭数抑制に貢献したいという。「ロースは特に人気の部位。モモ肉の脂は料理の香り付けに使えます」。昨年12月、東京・渋谷のレストラン「スモークキッチン」で、石崎さんは男性シェフに日高産シカ肉の特徴を熱心に説明した。同店はエゾシカ肉のグリルやハンバーグを出し人気という。石崎さんは2010年、シカ肉などの卸売会社「クイージ」を日野市に設立。都内の飲食店に、道内の解体施設から仕入れた肉の販売を始めた。世田谷区では「たぶん日本初」というシカ肉専門の飲食店「エゾシカフェ」を週1回開き、ステーキなどを700円前後の手軽な値段で提供。12年にはNPO法人「伝統肉協会」を立ち上げ、料理教室などでシカ肉の普及に努めている。兵庫県出身の石崎さんは北大時代、釧路・阿寒湖畔などで森林の生育などを研究した。そこで増えすぎたシカに木が荒らされるのを目の当たりにし、「農林業被害を防ぐには、人間がシカの生息数をコントロールするしかない」と肉の活用を考えるようになった。
(農地荒らすシカをジビエに:京都)
シカ、イノシシなど野生鳥獣の肉「ジビエ」で地域の活性化をと、京都府は中丹ジビエ利活用プロジェクトをスタートさせることにした。その開始にあたり、キックオフセミナーを27日に福知山市土師のホテルロイヤルヒル福知山&スパで開く。中丹地方では、増えすぎたシカ、イノシシなどによる農林業被害が深刻。特に山間部では集落の存続にかかわる問題にすらなっている。そんな中、有害鳥獣駆除や狩猟で捕獲したシカ、イノシシを食肉加工処理する施設が、福知山市に昨春整備された。開設したのは農作業受託や農産物の加工販売を手がけている有限会社田舎暮らし。「地域の農業を守るために」と夜久野町門垣に建設。昨年3月に完成し、5月から稼働を始めた。社長の中島健太郎さん(38)は会社勤めから転職して01年に就農。しかし「水稲も特産の黒豆も、みんなシカにやられる」という被害に直面した。防除ネットや柵を張り巡らしても侵入してくるシカ。農作物を守るには「駆除するしかない」と、狩猟免許を取って捕獲するようになった。多い時には一人でも月に20頭を捕獲。集落によっては捕獲後の埋設場所に困るほどで、「なんとか活用したいというのが願いでした」と話す。処理施設で扱う肉は、わな猟か捕獲柵でつかまえたシカのみ。わなの設置場所も地形などを限定している。「捕獲時に暴れたり、転げ回ったりすると肉に臭みが出るから」だという。食肉処理の方法によっても味に影響が出てくるため注意を払う。こうして処理した肉は、試食のたびにおいしさを分かってもらえ、京都市内のフランス料理店へ出荷するなど、販路が広がりつつある。柔らかく、牛肉に比べて脂身が少なく、淡泊な味わいのシカ肉。ヘルシーな食材として注目されるようになってきた。欧州で貴族の伝統料理として愛されてきた「ジビエ」という言葉が、日本でも知られるようにもなってきた。府は今後、ジビエ料理を提供する店を増やしたり、おいしいメニューを開発して需要を掘り起こし、有害鳥獣を資源として生かしていくことにしている。キックオフセミナーは午後2時30分から4時30分にかけて。初めに中島さんがシカの捕獲、ジビエの地域資源としての可能性などについて講演。続いて試食会をする。調理するのは会場ホテルの西洋料理長、吉野国男さんと篠尾のスペイン料理店ラボラトリのオーナシェフ、西村純一さん。試食後に意見交換・質疑をする。
(レストランでジビエ料理:三重)
欧州などで野生の鳥獣料理を表すジビエ料理としてシカ肉の利用を広めようと伊賀市西明寺の「ヒルホテルサンピア伊賀」のレストラン「花ごころ」が15日から昼食メニューでシカ肉のそぼろ丼と、ボロネーゼ(パスタ)の提供を始めた。伊賀地方ではサンピア伊賀のほか昨年末から伊賀産のシカ肉を使ったメニューを出す店が登場し関心を集めている。丼は、シカ肉のミンチに玉子(たまご)やネギをあしらい、パスタはベーコン、大根、ヒラタケなどを添えた。ともに独特の淡泊な味を引き出し、鶏のそぼろのような食感が楽しめ各850円。シカ肉は、県の協力で伊賀市山畑に平成24年末に設立した処理施設組合「かじか」から出荷されている。組合の処理能力は年間約350頭で、安定供給が可能になり県の公募でサンピア伊賀のほか、市内のレストラン「グリル・ストーク」など4店がジビエ料理を提供。ステーキや角煮、味噌炒め、しいたけのジビエ詰めなどに調理し予約販売している。県伊賀農林事務所の中川知之主幹(46)は「処理技術が向上し、くさみがなく柔らかいシカ肉が供給できる」とさらに提供店舗の応募を呼びかけていた。
(駆除イノシシで肉まん:島根)
駆除後のイノシシ肉を活用した特産品づくりに取り組む美郷町の食品加工団体「おおち山くじら倶楽部」が、イノシシ肉入りの肉まんを開発し、昨年末から町内で販売を始めた。これまでも、地元で「山くじら」と呼ばれるイノシシ肉を使った商品を企画・生産し、今では地域ブランドとして定着してきた。新たな特産品の誕生に、関係者は「更に美郷の名が広まってくれれば」と期待している。商品名は「猪饅(いのまん)」。イノシシ肉を細かく刻んで町内産のキャベツ、シイタケ、タケノコ、タマネギ入りの具に仕上げた。イノシシ肉特有の、歯ごたえのある食感で、一口ほおばると肉汁がジュワーッとしみ出す。1個100グラムあり、町内の産直みさと市と道の駅グリーンロード大和で、2個入りを300円で販売している。気軽に食べられ、冷凍などで日持ちする商品づくりを模索していたところ、電子レンジで温めるだけで味わえる肉まんに着目。昨年9月から倶楽部のメンバー7人が、具の味付けや生地の包み方などを試行錯誤しながら、完成させた。倶楽部は、イノシシ肉を特産品にしようと、地元有志が2007年12月に結成。既にイノシシ肉を材料にしたシューマイやギョーザ、コロッケ、つくだ煮など9種を商品化している。倶楽部では猪饅の販路拡大を目指しており、吉川統子部長(78)は「生地に包んだ後、形を整えることに苦労した。手軽に味わえる商品として幅広い世代に味わってほしい」とアピール。町産業振興課の矢渡正宏主任(33)も「イノシシ特有の臭みもなく、良質なたんぱく質を多く含んでおり、とてもヘルシーな商品」と太鼓判を押している。

TOPへ