<射撃ニュース2月>

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(市街地でイノシシの目撃情報相次ぐ:長野)
27日午前、長野市吉田、高田、若里、中御所など市街地でイノシシの目撃情報が相次いだ。けが人はない。イノシシは見つかっておらず、長野中央署などが警戒している。長野中央署や市消防局などによると、同日午前6時半ごろ、吉田のJR北長野駅近くで最初の目撃があった。その後、同駅から南西に直線で約3キロの高田の路上、さらに西方の若里にも出没。同市若里市民文化ホールでは同9時半すぎ、イノシシが入り口のドアにぶつかった後、走り去ったという。体長は60センチほどだった。同10時20分ごろには中御所の裾花小学校近くで目撃された。イノシシを見た同ホールの女性職員は「こんなところでイノシシが出るなんでびっくりした。周りにいた人も驚いていた」と話していた。
(サル走り去る:愛媛)
25~27日に愛媛県松前町の住宅街などでサルの目撃が相次ぎ、住民から通報を受けた町は、同じ個体で成獣のニホンザルとみて防災無線で注意を呼び掛けている。北伊予小など町内3小学校は26日から集団下校などの対応を取り、伊予署もパトカー2台で警戒に当たった。町産業課によると、26日午前9時ごろ、恵久美地区の住宅近くで男性が発見。27日午前10時半ごろには約1キロ南の永田地区住民から「民家の塀を越えて出てきて東に走り去った」と連絡があり、その後、東側の鶴吉地区でも目撃された。伊予署には25日と27日に松前町徳丸での目撃情報が寄せられた。同署は27日、北伊予小の下校時間に合わせて周辺をパトロールし、近くの保育施設にも注意喚起した。
(目に余るカラス被害:沖縄)
石垣市内のアパートやマンションでカラスがごみ袋をあさり、歩道にごみが散乱するなどして市民から苦情が出ている。長期間にわたってカラス対策をしていないアパートなどでは、ごみ収集日のたびに歩道にごみ袋の中身が散乱し、放置されたままのケースもある。近隣住民からは「燃えるごみの日は毎回道路にごみが散乱している。住宅の所有者や管理人はなぜ対策を講じないのか」と憤りの声も。市環境課では「集合住宅のごみ捨て場には網カゴの設置などを呼びかけているが、強制力がないため、難しい状況だ。今後、何らかの対策を講じていきたい」と話している。
(キタキツネ、放置シカ肉食べ「メタボ」:北海道)
まるまる太ったキタキツネが集まり、雪面にはエゾシカの骨―。旭川市近郊では、狩猟や駆除で撃たれて野山に放置されたエゾシカの肉を求めてキタキツネが集まる光景がよく見られるという。「キタキツネにとってエゾシカは大変なごちそうだが、この太りかたは尋常ではない。生態系が攪乱(かくらん)されなければよいが」と心配する。撃ったエゾシカは持ち帰るなどして適正に処理するのが原則だが、道によると、食用の肉だけを切り取って残りを野山に放置するケースが見られるため、適正な処理を呼びかけているという。「増え過ぎたエゾシカを撃つのはいいが、マナーは守って欲しい」。
(くくりわな「安全・安心」に:長野)
上伊那地方でニホンジカ駆除に携わる伊那市高遠町の高遠町猟友会長山田勉さん(69)が、「安全で安心な」くくりわなを開発した。自動車整備士の仕事の傍ら約15年間わな猟をしてきた技術と経験を生かし、ばねの力を抑えたわなを自作。高齢者や女性でも扱いやすく、誤って人が掛かっても容易に外せるという。くくりわなには、ばねに通したワイヤと、踏み板がある。踏み板の周囲にワイヤの輪を掛け、ばねを縮めた状態に固定して設置。動物が板を踏むとワイヤが外れてばねの力で輪が締まり、脚が抜けなくなる。山田さんによると、開発したわなはステンレスの軟らかいばねを使用。鉄のばねを使う従来品の半分以下の力で仕掛けられる。輪が締め付ける力も3分の1以下。誤って人が掛かっても手で輪を広げて外せる。動物にも必要以上の苦痛を与えないという。踏み板は四角形で縦24センチ、横18センチ。従来の円形の踏み板より面積が広い。ばねの力を抑えた分、ワイヤ同士の接触部分の摩擦を少なくし、動物が掛かった時に輪が締まる速度が落ちないようにした。ばねを縮めた状態で持ち運べて、設置作業も楽だという。約2年前から地元で使って実績を上げ、昨年4月に実用新案登録。「信州トラップやま」の名で約千個を販売した。山で子どもや高齢者が誤ってわなに掛かることがあるといい、安全で捕獲率が高いわなを目指し、約4年前から自宅の工場で金属や木を加工。「危険性を1%でも少なくしたい」と今も新製品の試作を重ねている。高遠町猟友会が属する上伊那猟友会はわなによる鹿の捕獲に力を入れており、わな免許を持つ猟友会員は年々増えている。県内外のわなの講習会でも教える山田さんは「1頭でも多くの鹿が捕れるよう自分の知識と経験を役立てたい」と話す。信州トラップやまは1個8千円(税込み)。

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(動物園からシカ8頭逃走、子ジカ1頭未だ逃走中:熊本)
熊本市東区健軍の市動植物園の獣舎から逃げ出し、行方が分からなくなっていたニホンジカ2頭のうち1頭が25日朝、動植物園に隣接する健軍水源地内で捕獲された。残る1頭は子ジカ。市東部の桜木中付近で目撃情報があり、園は30人態勢で捜索を続けている。同日朝、園管理事務所近くでシカを目撃したとの情報が寄せられた。職員ら約20人が探し、水源地内でシカを見つけた。園では24日朝、シカ8頭が獣舎から逃げ出しているのが分かり、同日正午ごろまでに5頭を捕獲。シカは園外に出ており、午後11時半ごろには同区健軍のマンション駐輪場で1頭を捕まえていた。この駐輪場には、園職員や警察官ら総勢約15人が駆け付けて捕獲。跳びはねて興奮したシカは、取り押さえられると「キュー、キュー」と鳴き声を上げた。捕獲の様子を見た益城町のタクシー運転手、平江誠也さん(57)は直前、マンション近くの自衛隊通りを走るこのシカを目撃し、110番通報した。「最初は犬かと思った。見つかって良かった」と話した。
(住宅街にイノシシ、市職員ら素手で捕まえる:山形)
25日午前9時半頃、山形県米沢市林泉寺の市道で、通行人の男性がイノシシ1頭を目撃、米沢署に通報した。同署はパトカー5台を出動させ、市農林課の職員らと付近を捜索。約50分後に近くの市営住宅駐車場の車の下でイノシシを発見、職員らが素手で捕まえた。けが人はなかった。同課によると、体長約1メートル10のオスで推定2歳。成獣にある牙はなかった。捕獲後、猟友会が処分した。同署の発表では、23日にも同市中央や西大通でイノシシの目撃情報が寄せられており、市に注意を呼びかけるよう連絡していた。捕獲されたイノシシは右後ろ足をけがしており、同日に車と接触したという通報があったことから、同一のイノシシとみられる。現場は住宅街で、近くには小中学校や山形大工学部がある。市教委は24日、市内の小中学校に注意を呼びかけており、25日朝は一部で集団登校が行われた。山形大工学部は2次試験当日だったが、混乱はなく通常通り実施された。近くに住む無職男性(73)は「サルやタヌキは見かけるが、イノシシは初めて」と驚いた様子。県みどり自然課によると、県内では明治末期に絶滅したと考えられてきたが、2004年から再び姿を見せるようになり、12年度は県内で17頭が捕獲されている。
(国道止めシカ捕獲、初日2頭:北海道)
エゾシカの食害などが問題となっている千歳市の支笏湖周辺で25日早朝、酪農学園大の吉田剛司教授(野生動物学)を中心とした研究グループが、国道から銃を撃つ手法でエゾシカの学術捕獲を行った。国道453号の支笏湖北側の約6キロを通行止めにして行われたが、国道を通行止めにした野生動物の捕獲は初めて。支笏湖北側の斜面には約300頭のシカが冬に住み着き、樹木の食害や交通事故が問題となっていた。公道からエゾシカを銃撃することは鳥獣保護法などで禁止されている。また、斜面であるためにわなを使った捕獲も難しく、グループは道警や道開発局と通行止めに向けた協議を進めていた。この日は午前6時半~8時頃、トラックの荷台にハンターが乗り、山の斜面にいた雌2頭を銃で撃つなどして捕獲した。吉田教授は「捕獲頭数は若干、少ないが、関係機関が連携して取り組めたことが意義深い」と語った。学術捕獲は27日も同じ時間帯で実施される予定。また、道は25日、3月7~9日、白糠町の国有林で、白糠町や陸上自衛隊などと連携し、エゾシカを大量に捕獲する作戦を実施すると発表した。今年で4回目となる。参加するハンターは数十人に上る見通し。昨年は113頭を捕獲した。
(無人の地、イノブタ急増で被害:福島)
東京電力福島第1原発事故から3年近くたっても住民の全町避難が続く福島県富岡町で、イノシシとブタを交配させた「イノブタ」が急増。無人の家に入って荒らすなど、我が物顔で歩き回っている。イノシシも増加中で「野生の王国にするわけにはいかない。住民の帰還意欲にかかわる」(同町)と、地元では対策に追われている。富岡町では事故後、食用に飼育されていたイノブタ20頭ほどが逃走。環境省や町が昨年11月からワナを仕掛け、今年1月までに約120頭を捕獲した。イノシシとの区別は難しいが大半はイノブタで、繁殖して増えたらしい。同町産業振興課の黒澤真也係長(46)は「まだまだいる。どれぐらい増えたのか想像がつかない」と語る。今月、同町を歩くと、雑草で荒れた畑から道路に顔をのぞかせるなど、1時間足らずで子連れなど5頭を目撃した。昨年12月には、農協倉庫の扉が壊され、米3トン(約60万円相当)が食べられたのが見つかった。近くでは、二本爪の足跡があちこちについていた。イノシシの被害も増加傾向で、同じ全町避難の浪江町にも昨年4月から今月24日までに家屋侵入など43件の被害情報が寄せられ、昨年11月には一時帰宅中の住民が庭でイノシシに襲われた。特定外来種のアライグマの目撃情報も増加中。伊達市では昨年4月から今年1月までの捕獲数が1100頭(前年同期比600頭増)と倍増。県自然保護課の酒井浩主幹は「避難で人がいなくなった区域で増加したイノシシが、周辺に出てきているのではないか」と話す。環境省は委託事業として浪江、双葉、大熊、富岡町の帰宅困難区域などで捕獲を続ける。富岡町も今年から狩猟免許を持つ町民14人で駆除隊を結成。4月からは1頭2万円の捕獲報奨金を検討し、捕獲数増を目指す。現地視察経験のある小寺祐二・宇都宮大特任助教(野生動物管理学)は「原発周辺は人がおらず、耕作放棄が進むなどイノシシが住みやすい環境が広がり、数年後にはさらに繁殖する可能性がある。人への警戒を忘れた野生動物は人と近づきすぎ、事故が起きる危険性がある」と指摘する。
(山林にクマ密集地、推測される要因は:福島)
福島市南西部の山林に、全国平均の最大約5倍の密度でツキノワグマが生息している可能性の高いことが、福島県が昨年実施した調査でわかった。ツキノワグマの主要な移動ルートなども推定できたといい、県は「被害防止に役立てたい」としている。調査は「カメラトラップ」と呼ばれる方法で行った。ハチミツなどクマをおびきよせる餌の近くにカメラを設置。クマが近付くとセンサーが働いて自動で撮影し、映った回数や移動範囲などから生息数を算出する。昨年7~10月に福島市南西部の荒井、土湯、水原の3地区の約40平方キロ・メートルの範囲で、カメラを40か所に設置したところ、ツキノワグマを計1716回撮影できた。その中から、ツキノワグマの胸の「月の輪」の形で41頭の個体を識別することができ、1平方キロ・メートル当たりの生息数は約0・5頭と推定した。野生動物の生態に詳しい自然環境研究センター(東京都)の米田政明・研究主幹によると、ツキノワグマの生息密度は全国平均で同0・1~0・3頭程度。一方、環境省は、全国平均同0・1~0・15頭との数値を採用している。米田主幹は「福島の0・5頭は高い値だ。東北では北上山地での調査結果と同じぐらい」と話す。県自然保護課は、福島市南西部の生息密度が高い要因について〈1〉調査地の北側に果樹園などがあり、捕獲が盛んに行われている。捕獲から逃れようと、クマが調査地周辺に集まっている〈2〉耕作放棄地が多い〈3〉クマの移動ルートになっている――と推測する。ツキノワグマは、JR福島駅から南に約8キロ・メートルの福島大や蓬莱団地周辺などでも目撃されている。ツキノワグマが市南西部の森林から南部の市街地まで移動する経路について、同課は「東北新幹線の福島トンネルの上側の森などが通り道になっているのではないか」とみる。県は、別の手法による2008年度の調査で、県全体のツキノワグマの生息数を860~1600頭と推定していたが、今回の調査による計算では2011~4182頭と大幅に増加した。ただ、調査方法が異なるため単純に比較はできないという。同課は「今後も県内各地で調査を継続し、実態把握に努めたい」としている。
(カラス撃退、懐中電灯で:山形)
カラスのふんや鳴き声に悩まされている酒田市の中心市街地で、懐中電灯を使用した「追い払い作戦」が試験的に実施された。電線に止まったカラスに光を当てる単純なものだが、17~21日の5日間で一定数が移動する効果を上げた。市環境衛生課は「今後も継続して行うとともに、音などを利用した方法も試してみたい」としている。「ふん害」に頭を痛めているのは、日吉町、中町、本町の各地区住民。2012年12月頃から夕方になると、電線で羽根を休めるようになった。その数は、昨年3月の同課の調査で約4200羽。今年1月末に改めて調べたところ、約7000羽に増えていた。カラスは子育てをする夏場は集団化しないが、冬場は群れる傾向があるという。被害を深刻に受け止めるのは、これらの地区に飲食店が多いからだ。電線の下の歩道や道路は、ふんで茶色や白色に染まり、悪臭も漂っている。中町中和会商店街振興組合の脇屋直紀理事長は「汚れがしつこく、自分の店の前を清掃するので精いっぱい。電線にびっしり止まったカラスは威圧感もある。1日も早く追い払ってほしい」と訴える。市は対策に乗り出すにあたり、他の自治体の先行事例を研究。いくつかの候補の中で、費用がほとんどかからない割に効果が大きいとされたのが、懐中電灯の光を照射する方法だった。同課は「カラスが電線で休むのは、人間がリビングでくつろいでいるのと同じ。休息の時間を妨害して居心地が悪いと感じれば、移動するはず」と説明する。追い払い作戦は、カラスが電線に集まりだす午後5時からスタート。参加した住民や市職員らが、懐中電灯の光をカラスに向けて当てると、一斉に電線から飛び立った。ただ、しばらくするとカラスは再び電線に戻ってくる。これを何度も繰り返すため、当初は参加者から「いたちごっこだ」と落胆の声も上がった。ところが5日間も続けると、全部は追い払えないものの、減ったことが見た目にも分かるようになった。同課の阿蘇秀一環境保全係長は「日吉町にいたカラスは(約500メートル離れた)海沿いに移り始めていることが確認できた。取り組みを継続することで効果が望めると思う。今後も市街地にカラスが集まらないような対策を考えていきたい」と話している。
(シカよけに遮光ネット:大分)
里山の代表樹種で、シイタケの原木になるクヌギの幼木がシカの食害で枯死する被害が県内各地で急増している。これに対し、県農林水産研究指導センター・林業研究部(日田市)が研究を重ね、農業資材用の遮光ネットで囲むとシカが警戒して幼木に近づかないことを確認した。シカ対策として広めていく。研究成果は25日、林業研究部が林業関係者らを対象に開いた研究発表会で、森林チームの北岡和彦研究員(29)が報告した。クヌギは、スギやヒノキなどと違い、伐採後に切り株から出る「萌芽(ぼうが)」と呼ぶ芽で再生される。芽は根の養分ですぐに成長し、10年ほどで木材として利用できるようになる。シイタケの原木だけでなく、かつてはまきや木炭の材料として大量に利用されてきた。
(クマ撃退に電気柵が有効:京都)
ツキノワグマから農作物の被害を防ぐため、京都府丹後広域振興局などが京都府京丹後市で2種類の電気柵を設置したところ、いずれも被害がなかったことが分かった。クマの食害は毎年10件以上あるといい、府は「どちらの柵も有効なことが分かった。普及を進めていきたい」としている。府のほか、京丹後、宮津、与謝野、伊根4市町などでつくる丹後地域野生鳥獣被害対策チームが、効果を検証。京丹後市久美浜町にある桃園(約10アール)には収穫シーズンの昨年6~12月に金属製ネットを使った柵、梨園(約17アール)には同10~12月に金網から張り出すように電線を取り付けた「張り出し式」を設置した。カメラを使い、桃園では7月に3回、梨園では10月に2回、クマの接近を確認したが、いずれも侵入や被害はなかった。ネット式は1メートル当たり約2000円、張り出し式は同約400円で設置できるという。
(イノシシ肉でソーセージ:高岡)
高岡市商工会青年部は、3月上旬にイノシシ肉を使ったソーセージを試作する。昨年5月から進めている取り組みの一環で、試作品は第4弾となる。高岡市では福岡町地域を中心にイノシシによる農作物の被害が増加しており、地産地消を見据えた活用策を図る。ソーセージはイノシシ肉に高岡産の野菜を練り込んで仕上げる。富山市の業者に製造を委託した。5日に試食会を開き、その後市内の行事などで市民にも食べてもらう予定。オリジナルソースをかけたホットドッグとしての活用も考えている。市商工会青年部は、ご当地グルメで町おこしを図ろうと開発委員会を設立し、11回の協議を重ねた。これまでにイノシシ肉を使った煮込みハンバーグ、スープギョーザ、鍋を試作している。開発委が試食者に実施したアンケート(回答417人)で、「おいしい」と答えたのは7割以上。イノシシ肉を食べたことがある人は3割弱で、食べる機会があれば支持される食材との手応えをつかんだ。開発委は試食会などを重ね、イノシシ肉のPRに努める。山口克次委員長は「イノシシがおいしく食べられるよう研究を進め、食材としての人気を高めたい」と話している。
(きじ鍋600杯に行列:愛媛)
愛媛県鬼北町特産のキジ肉の魅力をPRする「きじ鍋まつり」が23日、同町岩谷の町農業公社であり、町内外から訪れた家族連れらが鍋や串焼きなどの特製料理を楽しんだ。鬼北きじ生産者部会や農業公社でつくる実行委員会が2009年から開催。鬼北町では20年ほど前からキジの飼育を始め、現在8生産者が年間約1万3000羽(約16トン)を地元加工場に出荷し、「鬼北熟成きじ」のブランド名で販売している。広いスペースで飼育するため身が引き締まり、冷蔵庫で熟成させることで増したうま味が特徴。まつりには、600杯分を準備したきじ鍋をはじめ、串焼きやそば、メンチカツ、カレーなど、キジを使った各種料理を町内の団体が出展。イベント開始直後から大勢の来場者がお目当てを買い求めてはおいしそうにほお張っていた。
(最高裁、ライフル協会の訴えを棄却:アメリカ)
米連邦最高裁判所は24日、若者への銃の譲渡を規制する条項の見直しを求めた全米ライフル協会(NationalRifleAssociation、NRA)の上告2件を、いずれも棄却理由の説明無なしで退けた。銃規制反対派にとっては痛手となる。それぞれ異なる2つの訴訟で連邦最高裁は、18~21歳に対して銃携帯の許可を取得することを規制するテキサス(Texas)州法を支持するとともに、21歳未満への銃販売を禁じた連邦政府の「1968年銃規制法」についても有効だとした。「合衆国憲法修正第2条(SecondAmendment)」で国民が武器を保有する権利は認められているが、18~21歳には十分な責任能力があるとのNRA側の主張には疑問を呈した。このほか連邦最高裁には先月も、第三者による代理での銃購入防止を目的とした規制や、たとえ軽微であってもドメスティックバイオレンス(DV)の犯罪歴がある人物の武器所有禁止に関する訴訟が起こされている。これらの訴訟の判決はまだ出ていない。

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(エゾシカ猟、鉛弾所持で刑事罰:北海道)
道は4月からの施行を目指す「エゾシカ対策条例」案に、エゾシカ猟をするハンターが鉛弾を所持しただけで刑事罰を科す規定を盛り込んだ。従来は鳥獣保護法に基づき鉛弾の「使用」について禁止してきたが、国の天然記念物であるオジロワシやオオワシなど希少猛禽(もうきん)類の鉛中毒が後を絶たないことから、「所持」にまで踏み込んで厳しく規制する。環境省によると、鉛弾の所持が規制されるのは全国初。条例案では違反者に3カ月以下の懲役か30万円以下の罰金を科すとしている。開会中の第1回定例道議会で条例案が可決、成立し4月から施行されれば、道内でエゾシカ猟が解禁される10月から適用される。鉛による中毒死はエゾシカなどの死骸に残った鉛弾を鳥類がのみ込むことで発生する。道はこれまで鳥獣保護法に基づき道内全域でエゾシカ猟での鉛弾使用を禁止し、違反者に6カ月以下の懲役か50万円以下の罰金を科してきた。だが、希少猛禽類の鉛中毒死は毎年相次ぎ、昨年度はオジロワシとオオワシ計6羽が被害にあった。今月5日にも日高管内平取町で死んだオオワシの成鳥から鉛中毒を示す0・6ppm以上の高濃度の鉛が検出された。環境省北海道地方環境事務所は、鉛弾で撃たれたエゾシカを食べて中毒死した可能性が高いとみている。
(イノシシが乗用車に衝突:新潟)
糸魚川市田伏の国道8号で23日午後1時半ごろ、イノシシが乗用車にぶつかってきたと運転手の男性から110番通報があった。けが人はいなかった。糸魚川署によると、イノシシは体長1メートルほど。山側から国道に飛び出して走行中の乗用車の左後部にぶつかり、海岸方向へ逃げ去ったという。現場は住宅地で、大和川小学校まで約400メートル。同署は「見つけても近づかず、警察に通報してほしい」としている。
(イノシシの足跡確認:愛知)
豊明市や名古屋市緑区などでイノシシの目撃が相次いでいることを受け、豊明猟友会は二十二日、豊明市や県、愛知署とともに目撃された同市内の数カ所でイノシシの捜索活動を実施した。姿は発見できなかったものの、一カ所で新しい足跡を発見。猟友会などは警戒を続けるとともに「見掛けても追い掛けたりといった刺激を与えないで」と注意を呼び掛けている。イノシシは一月上旬、名古屋市緑区藤塚二の住宅街で目撃され、その後、豊明市沓掛町や前後町、東郷町北山台、諸輪で断続的に目撃が続いている。今月十九日夜には、豊明市間米町間米で見たとの通報が一件あり、これまでの通報は二十件以上に達する。体長一メートルほどの成獣とみられている。目撃された一帯は猟銃が使えない区域で、一月中旬には東郷町内の山林近くの畑にわなを仕掛けたが、捕獲には至らなかった。この日の捜索は、約二十人が手分けして実施。新たな足跡は、豊明市沓掛町萱野の水田のあぜ道で確認された。だが移動した方向までは分からず、引き続き警戒していく。酒井克俊会長(59)は「イノシシの通り道がはっきりしないとわなの設置も難しい。これだけ目撃が多いので、けが人が出ないように注意喚起もしていきたい」と話している。
(サルに食べられる前に、「果物狩り」:高知)
野生のサルによる被害に悩む中土佐町で23日、放置された柑橘(かんきつ)類がサルのエサになるのを防ごうと、住民らが一斉に果物狩りをした。同町上ノ加江の各地区では、15年ほど前からサルが農作物を荒らしたり、民家に侵入したりするなどの被害が出ている。最大の原因は、山や畑に放置された柑橘類やビワ、ヤマモモなどの果実。栄養価が高く、サルの繁殖を助けてしまっているという。この日は笹場地区の住民やボランティアの大学生など約20人が参加。ユズやキンカンなどを次々と手で収穫し、軽トラックの荷台いっぱいになった。今後、ジャムなどに加工して販売する予定だという。また、ところどころ木を伐採し、サルの隠れる場所をなくす工夫もした。周辺地域ではロケット花火やパチンコを使ってサルを追い払うなどの活動も継続している。同地区で農業を営む下元道夫さん(62)は「追い払いも地道に続け、人間とサルの住み分けをはっきりさせていきたい」と話した。
(ジビエ試して、シシ食会:香川)
高松市牟礼町の「道の駅 源平の里 むれ」で23日、イノシシ料理の試食会「讃岐の珍味 シシ食会」が開かれた。シシ肉を野生鳥獣の肉「ジビエ」として活用する取り組みを進める道の駅の指定管理者「四国にぎわいネットワーク」(高松市)が、消費拡大につなげようと企画した。試食会には約200人が訪れた。だんごや大根、金時ニンジンと一緒に調理したみそ汁や、シシ肉のミンチを白ごま、シイタケ、ショウガと混ぜ合わせた甘辛煮などを味わった。さぬき市鴨庄の佐藤トクエさん(80)は「イメージと違って柔らかく、臭みもなかった。栄養たっぷりのイノシシ肉を食べ、元気になれた気がします」と話した。
(ジビエを味わって:高知)
シカやイノシシを使った料理を味わって欲しいと、県はレストラン20店の協力を得てジビエ(野生鳥獣)料理を提供するフェアを開催している。農林業に深刻な被害をもたらしている野生鳥獣を食材として生かす狙いで、初の試み。28日まで、料理を紹介したガイドも作り来店を呼びかけている。協力店の一つ、高知市の「バール・バッフォーネ」は、シカのロースト(2千円)を提供している。代表の青野摩周さんによると、シカ肉は牛肉に比べて焼き上がる時間が早く、加熱し過ぎるとばさばさになりやすい。そこで、鉄板の余熱を使ってじっくり火を通すという。「シカは独特のうまみがある。いまは供給ルートが未確立で定期的な提供ができていないが、この機会にぜひ、味わって欲しい」と話す。

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(元取引先に「必殺」実弾など送り付ける:愛知)
「必殺」と書かれた脅迫文と散弾銃の弾2発を取引関係にあった商社に勤務する男性に送り付けたとして、金属加工会社の元社長の男が逮捕されました。名古屋市の金属加工会社の元社長・水谷三紀男容疑者(55)は、おととし5月と去年1月の2回にわたり、「必殺」と書かれた脅迫文と散弾銃の弾2発を東京・中央区の商社に勤務する男性に封筒で送り付けた脅迫の疑いが持たれています。警視庁によりますと、水谷容疑者は競技用に散弾銃を所有する免許を持っていて、取り調べに対し、「驚かせてやろうと思って弾を送った」と容疑を認めているということです。水谷容疑者の会社は以前、男性の商社と取引関係にありましたが、2011年に債務超過のため倒産していて、警視庁が詳しい動機を調べています。
(狭い雪道のイノシシに注意:長野)
旧軽井沢で2月17日、雪かき中にイノシシに襲われる被害が相次いだ。軽井沢町は18日夕方の町内放送で「イノシシを見かけたら早めに避難するなど、十分注意するよう」呼びかけた。積雪により道幅が狭いところでイノシシと遭遇すると、逃げ場もないため注意が必要だ。旧軽井沢に住む宣教師のランディス・レイさんは2月17日15時頃、夫人と2人でヴォーリズレーンの雪かきをしているときにイノシシの突進を受けた。人が通れる50cmほどの道を作ってあった先、30mほどのところに黒い物体を発見。近づいてきてイノシシと分かったが、両側に80cmほどの雪が積まれていて逃げ場がなく、ランディスさんは3度突進を受けた。3度目には雪かき用に持っていた鉄製のスコップで応戦。血を流しながらイノシシは来た道を引き返したが、ヴォーリズレーン上方で雪かきをしていた女性が、同じイノシシの突進を受けた。ランディスさんは転倒するなどし、左太ももと右ふくらはぎを打撲。夫人も右の足首を切る傷を負った。太ももを3cmほど切る傷を負った女性は、歩くのが困難だったため、ランディスさんの自宅にあったトボガンぞりに乗せ、雪の上を滑らせて、旧軽井沢の個人病院まで連れて行ったという。ランディスさんは「これまで何十回とイノシシを見ているが、攻撃されたのは初めて。雪で逃げ場が無かったし、いつもと違う景色にイノシシも興奮していた」と話した。
(シカ被害対策、「可能な限り捕獲」:島根)
島根県や出雲市、住民らでつくる「シカ被害対策協議会」が、出雲合庁で開かれ、平成26年度の対応について「可能な限り捕獲していく」方針を申し合わせた。約30人が出席。本田勝己・県鳥獣対策室長が「昨年度は前年比1・5倍の捕獲で、生息頭数は30~40%減。全体として減少傾向になった」と説明。続いて、目視調査などで、北山山地(6130ヘクタール)に496頭の生息が推定されると報告があった。近年シカが増えているという湖北山地(5287ヘクタール)では、推定生息が1315頭とし、県の管理計画で定める目標頭数に遠く及ばないとした。このため、新年度も上限目標は設けず、捕獲に力を入れることを確認した。
(鳥獣による農作物被害額減少:富山)
イノシシやカラスなど鳥獣による農作物への被害額は去年、県内でおよそ8700万円と前の年より2700万円余り減って8年ぶりに1億円を下回りました。これは県のまとめでわかったもので21日の県議会農林水産委員会で県側が報告しました。それによりますと去年、県内での鳥獣による農作物被害額は8711万円で、前の年より2700万円余り減少しました。被害金額が1億円を下回ったのは平成17年以来8年ぶりです。このうち富山市の呉羽梨の産地で鳥の侵入を防ぐ網やテグスを張るなど対策が進み、カラスの被害が前の年より2300万円余り減りました。一方、イノシシによる被害額は県全体で前の年とほぼ同じ3656万円に上りましたが、氷見市では電気柵の設置の効果があがるなどして1000万円近くあった被害がほぼ4割減の590万円まで縮小しました。県は引き続き、国の交付金などを活用しながら、県単独でも予防のための電気柵の設置に対し支援を拡充するなど対策を進める方針です。
(イノシシ被害防止講習会:兵庫)
イノシシ被害の防止策を学ぶ講演会が19日、兵庫県淡路市久留麻の淡路島東浦サンパークであった。先進的な取り組みを進める島根県美郷町の住民らが、野生動物を寄せ付けない環境づくりや獣害をビジネスに転換する活動を紹介し、市内の農家ら約100人が熱心に聞いた。市内の被害は、国営事業で造成された北淡路地区で約15年前に始まり、市全域に拡大。市によると、2012年度は水稲や果樹、野菜など計22・5ヘクタール、総額約3300万円の被害が確認され、田んぼのあぜ道や水路などにも広がる。農家の耕作意欲が低下しているため、近畿農政局が講演会を開いた。美郷町の連合婦人会長が、捕獲したイノシシの肉を餃子やコロッケに加工し収入を得ている「おおち山くじら」事業を紹介。女性もわな猟の免許を取り、獣害駆除に貢献していると伝えた。シカやイノシシの生態を研究し、美郷町に被害防止策を助言している独立行政法人・近畿中国四国農業研究センター研究員は「すみかになる茂みの近くに野菜や果樹を放置すると、餌付けしているのと同じ」と説明。その上で柵の設置方法について「イノシシもシカも跳ぶことは好まず下をくぐるので、地面に密着させてるのが効果的。カメラで行動を記録し、最良の方法を工夫してほしい」と助言した。淡路市黒谷の男性(67)は「電気柵を使っている。講義の内容を復習し点検したい」と話していた。
(都猟友会のビル、トーヨー建物で:東京)
東京都猟友会(千代田区)は、既存ビルの建て替え計画で、トーヨー建設(葛飾区)に施工を依頼、近く既存建物の解体を完了し3月に本体工事に取り掛かる。規模は鉄骨造地下1階地上10階建て延べ893平方㍍。
(伊万里市射撃場の鉛問題、調査方法を決定:佐賀)
佐賀県伊万里市大川内町の市営散弾銃射撃場の鉛問題について対策を検討している委員会(委員長・樋口壮太郎福岡大院教授)は21日、射撃場からの鉛弾の飛散範囲を推定し、複数カ所で土壌調査を行って鉛の堆積状況を調べる方針を決めた。新年度から着手し、調査期間は最短1年。結果を基に、鉛汚染対策をまとめる。調査手順は、射撃場周辺の地形図を作成して、散弾が飛ぶ射線を30平方メートル間隔に区切り、49地点で地表から深さ50センチまでの土壌をサンプリングする。環境基準値以上の鉛が検出された場合は、さらに調査範囲を広げる。並行して水質調査を行い、鉛の濃度の高い地点ではボーリング調査をして、地下水に溶出していないかもチェックする。射撃場に隣接し、土壌から基準値以上の鉛が検出された民有地の休耕田については、複数の地権者がいるため、市は「まだ地権者の同意が得られていない」として今回の調査範囲に含めなかった。調査と並行して「同意を得られるよう努力する」としている。また、射撃場からの流出水対策として、市が昨年3月に場外河川に設置した排水処理タンクについては、同年9月にタンク内に堆積した土砂を調査した結果、最大で基準値の2・9倍の鉛を検出したと報告。「鉛をタンクにとどめ、流出を防ぐ効果が出ている」と説明した。同射撃場には、57トンの鉛が堆積していると推定されている。
(果樹農家、冬のシカ農業被害深刻:北海道)
石狩管内でエゾシカによる冬の農業被害が深刻化している。札幌や石狩の果樹園ではリンゴの木の新芽などが食べられ、収量が半減する農家も。被害が集中する夏や秋は、シカの侵入を防ぐ電気柵が有効だが、冬は積雪で機能しなくなり、打つ手がないのが現状だ。「リンゴ作りをやめなきゃならんかな」。札幌市南区白川で果樹園を営む佐藤順一さん(72)は、高さ2・5メートルの電気柵が雪に半分ほど埋もれているのを見てため息をついた。佐藤さんの果樹園では8年前から、2~3月にリンゴの木の新芽や樹皮を食べられるようになった。多い年は全体の半分の150本の木がシカの被害に遭い、収穫量は半分以下に落ち込んだ。4年前に50万円かけて裏山と果樹園との境に電気柵を設置した。だが電線に雪が付くと漏電するため、長さ500メートルの電線の周りを除雪しなければならない。電気柵のない場所から侵入されることもあり、佐藤さんは「手はかかるし収量は減るし、嫌になる」と嘆く。佐藤さんによると、程度の差はあるが、白川地区の十数軒の果樹農家の半数で同様の被害があるという。石狩市浜益区で果樹園を経営する木村武彦さん(59)は昨年10月、リンゴ園に電気柵を設置した。秋はシカが侵入せず効果があったが、冬は2メートル近い積雪で電線が埋まるため、「使用は諦めた」。市によると、浜益区には9軒の果樹農家があり、サクランボなどでも被害が出ているという。管内のエゾシカによる農林業被害額は2006年度は1600万円だったが、12年度は1・5倍の2500万円に増えた。被害の大半は、夏から秋にかけての稲や野菜の食害。冬の果樹への被害については、新芽が食べられると、数年間は実がならないなど影響が単年にとどまらないため、「被害額を算定するのが難しく、よく分かっていない」(札幌市農業支援センター)という。札幌でもシカなど野生生物による農業被害が目立っていることから、札幌市南区白川の市北方自然教育園は22、23の両日、「地域の自然を知るミニフォーラム」を開く。22日は北大大学院の池田透教授が特定外来生物のアライグマの生態について解説。23日は道立総合研究機構環境科学研究センターの宇野裕之研究主幹がエゾシカ対策について話す。
(捕獲イノシシ、放牧出荷:鳥取)
有害鳥獣として捕獲されたイノシシを牧場で育て、特産品として売り出す取り組みが県中部で始まった。銃などで仕留めて出荷する場合に比べて肉質が良く、安定出荷も可能になるという。農産物への食害防止と地域振興を両立する取り組みとして期待され、関係者は「丹波篠山を超える日本一のシシ肉の産地を目指す」と意気込む。企画したのは地元の猟友会や旅館などでつくる「鳥取中部イノシシ産業化プロジェクト」(10人)。倉吉市服部で「鳥取猪(いのしし)牧場」を営む徳岡憲一さん(47)(北栄町東高尾)が代表を務めており、駆除されるイノシシを有効活用する方法として考えた。県などによると、2012年度のイノシシによる農産物の被害は4377万円で、野生動物による被害の6割を占める。県中部の捕獲数は、10年度の706頭から12年度は903頭と3割近く増加。しかし、大部分は殺処分されて食用に回っていないという。ネックとなっているのが品質だ。野生の肉質は、食べ物や気候などに左右されるため不安定。さらに、脚を針金で縛る「くくりわな」や銃で仕留めた場合は、損傷したり、壊死(えし)したりした部分を出荷できず、無駄が出てしまうという。そこで同プロジェクトは、県中部で生け捕りにし、肉質を向上させてから販売するビジネスモデルを考案。イノシシを傷つけないよう、猟友会が箱わなを使って捕獲し、牧場ではトウモロコシや麦などの飼料を与える。2か月から1年で体重70キロ程度にまで育て、近くの施設で加工する。イノシシは、有害鳥獣捕獲制度を活用すれば、狩猟期(11~2月)以外でも捕ることができ、猟友会から1頭数万円程度で買い取る方針。3月には、徳岡さんの牧場に約600平方メートルの放牧場が完成する予定で、15頭程度で始め、来秋には40頭程度に増やす計画だ。牧場の整備や餌代、イノシシの引き取り費用は、13年度からの2年間で約650万円。県からも「鳥取力創造運動支援補助金」200万円を受ける。中部の1市4町の行政担当者、観光関係者らとの連携も進んでおり、シシ肉を使ったメニューの開発、県中小家畜試験場の協力による肉質の分析や品質管理を行っていく考えだ。イノシシは気性が荒いうえストレスに弱く、飼育には不向きとされるが、2010年に亡くなった徳岡さんの父、昭彦さんは約35年間飼育し、最盛期は東京や大阪などに年間1000頭を出荷した実績があるという。徳岡さんは「父親が積み重ねたノウハウを生かし、野生にはない、軟らかくて、くせのない肉を作る」と自信を見せている。
(信州産シカ肉、認証制度創設:長野)
欧米で高級食材として扱われる野生獣肉(ジビエ)をブランド化し、本格的な流通の仕組みを構築しようと、県と官民協働組織の「信州ジビエ研究会」(玉村豊男会長)は、トレーサビリティー(流通履歴管理)を柱に据えた信州産シカ肉の認証制度を創設した。ジビエの認証制度はすでに北海道などで導入されているが、「個体ごとに認証番号を付けて捕獲から食肉加工まで消費者が確認できる仕組みは全国で初めて」と県野生鳥獣対策室。今春の本格開始を目指しており、同室は「牛肉並みの安心・安全な流通経路を構築したい」としている。認証制度は、18日に長野市内で初めて開かれた「全国ジビエサミット」の席上、制度の取りまとめにあたり認証審査委員長に就任した竹田謙一信州大農学部准教授が発表した。深刻な野生鳥獣被害の一方で、捕獲したニホンジカを貴重な食の資源として有効活用するのが狙い。県や狩猟者や調理師などでつくる研究会では、認証制度を市場流通拡大の柱と位置づけて捕獲から食肉加工、販売・流通、消費までの一貫したサイクルを戦略的に描いている。県はシカ肉の利用拡大を目指し、平成19年に食肉加工の手順などを定めた「信州ジビエ衛生管理ガイドライン・衛生マニュアル」を策定したが、獣肉に抵抗感を持つ消費者意識もあって、一般への定着はなかなか進んでいないのが実情だ。こうしたことから、認証制度は流通過程の透明化を図るとともに、食肉加工過程の安全性を確保し、牛肉などと同水準の食肉として普及させ、信州産シカ肉のブランド化を図ることを目指して、昨年度から検討を重ねてきた。制度は、同ガイドライン・マニュアルに従って定めた認証基準書に沿って適切な食肉処理や加工作業が行われ、徹底した衛生管理の下で記録の保管を行っている施設を審査委員会が認定。出荷される製品には「信州産認証シカ肉」として認証マークを貼り流通経路に乗せる。また、処理する個体ごとに識別番号を付け、捕獲や処理に関するデータを管理し、捕獲から製品出荷までの安全性を目に見える形にする。認証の有効期間は1年間。先行して制度を運営している北海道では、社団法人・エゾシカ協会が認証機関になって19年からスタート。道内69のエゾシカ処理施設のうち13施設を認証施設と認定し、加工処理されたエゾシカ肉に認証マークを付与して販売している。スーパーなどでも約40店舗でパック詰めなどによって販売されており、県内でも認証制度の創設により「信州ジビエ」を本格的に流通させる仕組みがようやく整うことになる。県は、制度創設に伴い、18日付で下諏訪町の「自然育(はぐくみ)工房 岳」を第1号の認証施設として認定し運用を開始した。当面、県内で食肉加工されているシカのうち半数程度の認証を目指しており、製品に貼る認証マークも近く完成する予定だ。ジビエサミットの席上、阿部守一知事は制度について、「ジビエの振興にあたっては安全・安心を担保することが必要だ。また、市場の流通に乗せるには、地域と一緒にやっていかなければいけない。一部の特定部位だけでなく、いろんな部位が食べられるように研究するとともに、消費者がどこで買えるか、きちんとしたシステムを作らなければならない」と強調した。
(ジビエ料理教室、おいしく楽しく学ぶ:山口)
家庭でジビエ料理を学ぶ教室が16日、下関市豊田町の「みのりの丘体験加工施設」であった。猟友会などでつくる「市鳥獣被害防止対策協議会」が初めて企画。家族連れら23人が参加し、ジビエセンターで処理されたイノシシやシカ肉を使った料理に挑戦した。ジビエはフランス語で野生鳥獣の意味。参加者はプロの調理師のアドバイスを受けながら、イノシシコロッケ、シカの竜田揚げ、イノシシの肉みそを作り試食した。家族5人で参加した同市豊北町の公務員、永富敬吾さん(39)は「ジビエの肉をもらっても冷凍室にたまる一方だった。これからは、好物のコロッケにして食べます」と話していた。講師役の一ノ俣温泉グランドホテルの津森伸二料理長は「ジビエはカロリーが低く栄養価が高いのでお勧め。香辛料を使えば特有のにおいも抑えられるので、自分で調理してどんどん食べてほしい」と呼びかけた。
(ジビエ事業で障害者の雇用拡大目指す:長野)
知的障害者らが働く長野県上田市の社会福祉法人「まるこ福祉会」(柳沢正敏理事長)が、来年度にもジビエ(野生鳥獣肉)事業に本格的に参入すべく準備を進めている。すでに昨年販売されたシカ肉のハンバーガーの材料を提供するなど活動しているが、早ければ来年度新たに食肉処理施設を設けて、地元で獲れたニホンジカの処理、加工、製品製造までを一体的に行い、障害者の就労機会や給料を増やすことにつなげたい考えだ。まるこ福祉会は平成24年11月、県が提案した「ジビエ振興と障害者就労施設との連携」に賛同して、障害者の新たな就労の場としてジビエ事業への参入を決定。同年12月、本格的な調理場を備えた障害福祉事業所「きらり」を開所し、活動を始めた。茅野市のフランス料理店シェフで日本ジビエ振興協議会代表の藤木徳彦さんの協力を得て、そうざい製造業や飲食店営業、食肉処理業、食肉販売業の許可を取り、シカ肉の加工、販売をスタートした。昨年11月には、「ジェイアール東日本フードビジネス」(東京)が首都圏で展開するファストフード店「ベッカーズ」の各店舗で、藤木さん監修の「信州ジビエ鹿肉バーガー」を販売したが、パティ(肉)とソースは「きらり」で製造。1カ月間の限定販売で、当初は8千食の予定だったが、好評だったことから2千食を追加し、合計1万食を完売した。上田市など東信地方には捕獲したニホンジカを処理する施設はなく、「きらり」では現在、飯田市で解体されたジビエを利用している。今年1月には食肉製品製造業の免許も得て、製品の製造、販売もできるようになった。同会が準備を進める食肉処理施設が完成すれば、地元で獲ったニホンジカの処理から製品製造までを同会で担うことができる。野生鳥獣をめぐっては県内で農林業への被害が相次いでいるが、処理施設のない東信地方でも同様で、対策は喫緊の課題だ。県はその捕獲を進めるとともに、肉を人気上昇中のジビエとして処理、加工し、製品製造、消費までを進める「ジビエの食のサイクル」構築を目指している。同会の活動はそれをさらに障害者の雇用、給料の増加につなげるというもので、その観点からは「一石三鳥」とも言える画期的な取り組みだ。柳沢理事長は「どうせやるならジビエの入口から出口までやりたい。それが障害者の雇用や給料の増加につながればみんなの幸せになる。ここで成功例ができれば全国で困っている福祉施設の希望になるだろう」として、本格的な事業展開に意欲を燃やす。藤木さんも「ジビエは東京でオシャレと受け止められるようになってきており、県内や全国各地で6次産業の形ができてきた。地域の福祉施設などと連携して製品化し、大消費地に販売できればと考えており、今回の取り組みを全国に発信していきたい」と語る。食肉処理施設の建設は一部地元住民の理解が得られておらず、計画通り来年度中に完成するかどうかはめどが立っていないというが、柳沢理事長は「施設建設の意義を理解してもらって何としても実現したい」と話している。
(高タンパク&低カロリーで美味、「ジビエ」大ブームの理由)
シカやイノシシなど野生鳥獣の肉「ジビエ」がちょっとしたブームだ。18日は長野で「全国ジビエサミット」が開催され、20日は東京・青海で「ジビエナイトお台場」が開かれる。イベントの出演者で、長野・蓼科のフランス料理店「オーベルジュ・エスポワール」のオーナーシェフ、藤木徳彦氏がこう言う。「昨年5月に初めて『お台場ジビエナイト』を開催したところ、90人に参加していただきました。その半分ぐらいが20代後半から40代の女性でした」イベントにはシカの背ロースのポワレ、イノシシのバラ肉のワイン煮込みなど5品のジビエが出る。料金は4000円(当日券)。“目玉”はなんとカラスだという。「カラスと聞くと驚く人がほとんどですが、モモ肉は砂肝みたいな食感で、野生味のある濃厚な味がします。胸肉はもう少し軟らかくローストビーフのようにポワレにします。脳みそもいただけます。クリームチーズのようにトロッとして、ぜいたくな味ですよ」
(冬の“団体客”カモ1400羽:岐阜)
池田町から大垣市にかけての杭瀬川で、越冬のために飛来するカモ類の数が年々増加し、群れをなして泳ぐ姿が住民らを楽しませている。日本野鳥の会岐阜西濃ブロックの有志が1月11日に行った調査では、同町の八幡公民館から同市の赤坂新橋までの杭瀬川で、昨年より600羽多い1400羽のカモ類を確認した。同ブロックの窪田一仁代表(64)は「狩猟人口が減り、従来保護区に飛来していたカモ類が、身近な川や水路に分散してきている。杭瀬川は、水がきれいでえさとなる藻も豊富なため、好んで訪れるのでは」と推測する。県内に飛来するカモ類は年々減少傾向にあり、揖斐川の船附鳥獣保護区でも減少しているが、小規模な河川では増加しているという。18日も多くのカモ類が川の至る所に群れをなし、付近をウオーキングしていた神戸町の牧村雅正さん(71)は「いろいろな種類がいて、見ているとかわいらしい」と笑顔を見せていた。カモ類は3月上旬ごろ、北方に旅立つという。

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(初日は不発、エゾシカ駆除:北海道)
エゾシカの餌付けと林道を走行する車両からの管理捕獲(モバイルカリング)を行うエゾシカ捕獲技術開発事業が2月2日から、厚岸町と浜中町の道有林釧路管理区で始まった。シカの足跡は確認されたものの、捕獲には至らなかった。モバイルカリングはエゾシカの主な生息地である森林で適切に管理、活用していく仕組みを確立するために2011年度から釧路総合振興局が関係機関の協力のもと道有林釧路管理区で行っている。実施区域は従来から行われていた3路線9・2㌔。このほか、昨年試行的に行ったサンデーモバイルカリングを2路線増やし3路線6・6㌔とする。また、従来は助手席からの発砲だったが、今年度は高位置から広く見通せるサンルーフからの発砲を本格的に行う。
(ライト照射でカラス追い払う:山形)
カラスの大群によるふんの被害や騒音が深刻化している酒田市の中心部で昨夜から、ライト照射による追い払いが始まった。この取り組みは、カラスの被害に悩む県内外の先進事例をもとに酒田市が始めたもの。17日夜は、市職員や地元の自治会から18人が参加。懐中電灯を手に5つの班に分かれて、飲食店などが集中する中町や日吉町など中心商店街に出動した。カラスは、夕方、松林が広がる光ヶ丘地区や日和山公園周辺のねぐらに帰る前に、街なかで休憩しているとみられ参加者は、電線に群がるカラスにライトを当てた。一時は、空を埋め尽くすような勢いでカラスが飛び交うが、しばらくするとまた元に戻ってく。これを何度も繰り返すことでカラスの居心地を悪くさせ別の場所に移動させるのが狙いだ。市環境衛生課阿蘇秀一さんは「被害のほとんどが電線に止まってふんをするというのが主なものだから、とにかく電線に止まらせないことを目指して行きたい」と述べた。市は、今週金曜日まで毎日、ライト照射による追い払いを続けて効果を検証し、今後の対策に役立てる方針だ。
(トキの天敵、カラス駆除に賛否:新潟)
新潟県佐渡市で放鳥されている国の特別天然記念物トキの天敵カラスの駆除をめぐり、専門家や地元住民の間で意見が割れている。トキ保護のため賛成する声が上がる一方で「人が介入すべきでない」との反対意見も。3月には繁殖期を迎えるため、環境省は対応を急いでいる。トキは2003年に「キン」が死んで国産が絶滅。中国産を国内の施設で繁殖させ、佐渡市では08年から野生復帰に向けた放鳥を開始しているが、昨年の繁殖期はカラスによる卵の持ち去りや攻撃などが深刻化。巣立ったひなは4羽に減少し、巣立ち直前に捕食された例もあった。環境省は昨年8月、野生復帰事業の専門家会合を同市で開き、トキを襲う特定のカラスを必要に応じて駆除する方針を決定。会合に参加した山階鳥類研究所の尾崎清明副所長は「駆除して効果をみることに意味はある」と主張する。カラス対策では、野生トキがわずかとなった1954年に、新潟県が海岸のごみ捨て場などへの毒団子散布を実施。だが駆除数は目標を大きく下回り、毒物使用への批判が上がったことも重なって頓挫した経緯がある。今回の駆除方針にも一部の住民から反対の声が上がる。「自然を操るのが無理なのは過去の経験が証明している」と強調するのはトキの餌場作りに励む高野毅さん(70)。NPO法人「トキどき応援団」の仲川純子理事も「人が手を出すと本当の意味での野生復帰にはならない。他の生物も生息できる環境で繁殖を見守るべきだ」と話す。駆除方法は未定だが、佐渡トキ保護センターの金子良則獣医師は「せいぜい空気銃で撃つぐらい。トキを襲うカラスの特定は困難で、やっても無駄だろう」と批判する。新潟大の永田尚志准教授(鳥類生態学)は「カラスが繁殖に影響を与えているのは事実。餌を与えないようにしたり、ごみをむやみに出さないようにしたりするなど、住民と長期的な対策を考える必要がある」と話す。
(トド被害、漁民悲鳴:北海道)
トドによる漁業被害の急増を受けて、北海道の19漁協でつくる道日本海沿岸漁業振興会議は2月1日、国に被害対策を求める初の緊急集会を開いた。漁業関係者ら100人以上が参加した。各漁協は「もはや自然災害だ」などと悲痛な声を上げ、駆除の拡大や所得補償制度などを求めた。トドは毎年10〜6月、ロシア極東から南下し日本海側や根室海峡などに滞留する。年間4700〜8000頭と推計され「ここ20年で1.5倍になったとみられる」(道漁連)。トドが刺し網やロープを破ったり、網にかかった魚を食べたりするケースが続出。道などによると、被害額は1990年度で5億6800万円だったが、年々増加し92年度以降は10億円台に達した。2012年度は16億1235万円で過去最悪となった。道内の海獣による漁業被害額の約7割をトドが占め、地域別では日本海とオホーツク海側、根室海峡に集中している。ただ、トドは環境省の準絶滅危惧種に指定されているため、国は駆除数に上限を設けており、13年度の道内の駆除枠は253頭にとどまる。集会では、北るもい漁協(羽幌町)の幹部がトドによる漁具の破損により休漁を余儀なくされているとし、「実際の被害額ははるかに多い。休漁は断腸の思い。管内の刺し網漁は瀕死(ひんし)の状態だ」などと訴えた。集会に出席した水産庁の長谷成人・増殖推進部長は「駆除には科学的な根拠が必要。トドの数は増えており、駆除数の見直しをスピーディーに行いたい」と述べた。
(生態保全へ外来種駆除:兵庫)
県は、生態系保全に向けた「生物多様性ひょうご戦略」を5年ぶりに改定した。民間団体との連携推進や、野生動物の適正捕獲などを盛り込み、人と自然が共生するための取り組みを強化する。「生物多様性ひょうご戦略」は2009年に策定された。環境を取り巻く問題の変化に対応するため、12年に県環境審議会に諮問し、同審議会で見直しを検討してきた。改定版では、貴重種の保護や外来種の駆除に取り組む団体を「見守り隊」として登録し、17年までに15団体の登録を目指すことを明記。シカは年間3万5000頭、アライグマとヌートリアも年間各7000頭を捕獲して外来生物の駆除を進めるほか、藻場や里山林など、動物の生育環境も整備していく。生物の生息状況をタイムリーに把握するため、絶滅危惧種になる恐れのある動物を記載した「レッドデータブック」も更新していく。県は「自然の恵みが命の支え合いからもたらされていることを理解し、自然への感謝の気持ちを心に刻んでほしい」としている。
(鳥獣の駆除と保護を考えるNPO設立:京都)
有害鳥獣による農作物の被害が深刻になる中、被害の軽減を目的にしたNPO法人が福知山市内で設立された。「さきもり鳥獣の保護捕獲の適正を考える会」(下元照男理事長)。狩猟免許取得者らで結成。有害鳥獣駆除のほか、個体数の調査、餌になる木の植樹など動物保護の立場からの活動も進めていく。会を起こした下元理事長(66)は、地元のさつきケ丘自治会長を務めていた40代のころ、下豊富地区内で有害鳥獣による被害が出ていることを知った。5年ほど前に狩猟免許を取得し、府猟友会福知山支部猟友会に所属。昨年2月には被害を軽減したいと、ソーシャルビジネス有害鳥獣被害の対策を考える会を4人で立ち上げ、光と音でシカを追い払う装置を製作し、実際に取り付けて効果があることも証明した。今回更に被害の軽減を進めていくため、対策を考える会とは別に、NPO法人の立ち上げを計画。昨年12月に府から法人の認可を得た。元陸上自衛隊員ら14人が所属。取り組みの一つの駆除については、市が募集する駆除隊に参加していくため、会の中で狩猟免許取得者を増やしていく。一方で一般の人たちが免許取得できるように、わなの講習会などをすでに開いている。シカ、イノシシのほか、由良川のアユなどを食べるカワウやスズメバチなども駆除対象に考えている。また、光と音でシカを追い払う装置を引き続き作っていくほか、行政や農区から要請があれば、市内の農村地域に設置されている有害獣侵入防止柵の設置の手伝いや点検、補修にも取り組む。個体数の調査でシカなどの頭数の減少が見られたら、山間部に餌になる実がなる木を植えていくことも考えている。12年度の市内での有害鳥獣による農作物被害額は約6500万円に上る。市によると、今年度は防止柵の設置が進んでいることで、減る傾向にあるとみているが、有害鳥獣による被害軽減は緊急の課題になっている。下元理事長は「農家が汗水たらして作った作物が一晩のうちに有害鳥獣によって水の泡になることもある。今は何とか被害を減らしていく方向で、積極的に活動していきたい」と話している。
(イノシシやシカ調理法学ぶ:山口)
捕獲した野生鳥獣の肉を使った「ジビエ料理」を知ってもらおうと、シェフを招いた料理教室が17日、下関市の唐戸市場で開かれた。市民ら約40人が参加し、イノシシやシカの肉の調理法を学んだ。市などでつくる市鳥獣被害防止対策協議会が企画。市内の「みのりの丘ジビエセンター」で解体した肉が用意され、東京第一ホテル下関の井立慎一料理長(45)らが講師を務めた。井立料理長は実演しながら「あくが強いゴボウなどはジビエ料理に合う」などとアドバイス。参加者は各班に分かれて手際よく調理を進め、ミンチ肉を団子にした鍋料理や、シカのロース肉を使用したカツレツなど計3品を約1時間で仕上げた。参加した同市小月杉迫の伊藤節子さん(66)は「軟らかくておいしく、臭みも気にならない。家でも試してみたい」と話していた。
(シカ肉給食「おいしい」:兵庫)
シカ肉を活用した給食メニューが18日、兵庫県新温泉町内の8小中学校に並んだ。子どもたちは、肉を口に入れると「おいしい」と声を上げ、ジビエ食材の味を堪能した。シカ肉は牛肉などに比べて高タンパク・低脂肪で、鉄分を豊富に含む。給食は、県の事業「シカは食べる獣やで大作戦」を活用して実施し、昨年11月に続いて2回目となる。今回は、酢豚の味付けに似せたケチャップがらめとして調理。シカ独特の臭みを取るためにおろししょうがや酒に漬け込み、湯がくなどの処理も行った。浜坂南小学校(新温泉町栃谷)では、児童約60人が順次、昼食を開始。子どもたちは笑顔でぶつ切りの肉をほおばっていた。2年の女児=同町七釜=は「軟らかくておいしい。家でも食べたい」と話していた。

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(「弾入れたまま」乗車し暴発か:北海道)
北見市留辺蘂町の山中で14日、エゾシカ猟中の男性(62)が仲間のライフル銃の弾に当たって死亡した事故で、業務上過失致死の疑いで逮捕された岩見沢市7東8、会社役員荒井悦生容疑者(65)が「引き金を自ら引いたわけではない」と供述していることが15日、北見署への取材で分かった。同署によると、荒井容疑者は車で移動する際は銃の弾を取り外すという注意義務を怠っていたことについて「駄目だと知っていたが、弾を入れたままにしていた」と供述し、銃の安全装置も外していたという。同署は同容疑者が車を降りようとした際に、何らかの力が加わって引き金が引かれたとみて、詳しい経緯を調べている。
(有田のシカはミカン好き:和歌山)
和歌山県湯浅町など有田地域に生息するニホンジカは、特産のミカンの葉が好物で、枯れた葉でも食べてしまう――。県果樹試験場(有田川町)の研究から、こんな傾向があることが分かってきたという。同試験場は、剪定せんてい後、切った枝を放置すると餌になり、農作物被害を引き起こす可能性があるとして、「シカの口に入らないよう、枝はすぐに処分して」と呼びかけている。県によると、2009年の推計では県内のニホンジカの生息数は約3万1000頭で、1995年頃の約8700頭から3・5倍に増加。12年度のニホンジカによる農作物被害額は4600万円に上る。ミカンなどかんきつ類の栽培が盛んな有田地域(有田市と湯浅、有田川、広川の3町)でも被害が問題となっており、同試験場は13年から、生息地域によって好む餌が異なるニホンジカの有田地域での食性を明らかにし、被害予防や効率的な捕獲につなげようと実験を始めた。同年1月に行った実験では計4回、一般的にニホンジカが好むとされるアオキの葉とミカンの葉を同じ場所に並べ、シカの動きを観察。その結果、ほとんどのシカがアオキの葉よりもミカンの葉に先に口をつけ、食べ尽くした。また、別の実験で、葉が硬く変色するまで枯れたミカンの枝を餌場に置いたところ、シカは葉を食べ尽くしたという。実験を行った同試験場の法眼利幸主査研究員は、「一般的に好むとされるアオキより先にミカンの葉を食べたのには驚いた。今後、シカを捕獲するために誘い出すエサとしても活用できる可能性がある」と話す。2月下旬から3月にかけてのかんきつ類の剪定時期になると、ミカンの枝と葉が、果樹園周辺の山林内や道路脇の溝などに放置されていることも多い。同試験場は「剪定した枝を放置することは、果樹園の近くでシカの餌付けをしているようなもの。農作物被害を引き起こしかねないので、シカが食べられないように柵の中に入れたり、チップにしたりするなど、すぐに処分してほしい」としている。
(イノシシ、シカ肉に舌鼓:大分)
狩猟で捕獲したイノシシやシカの肉を販売するイベントが16日、豊後大野市朝地町の「道の駅あさじ」であった。普段はあまりなじみのないジビエ(狩猟肉)料理も提供され、多くの人が舌鼓を打っていた。ジビエのおいしさや鳥獣被害を知ってもらおうと、1月末にオープンした獣肉処理施設「女猟師の加工所」が主催した。野生鳥獣の保護や駆除に取り組む大日本猟友会(東京)が、2月の第3日曜日を「ジビエの日」と定めており、これに合わせて開催した。会場では、具材がイノシシ肉のうどんやから揚げ、シカ肉の竜田揚げなどができたてで販売され、多くの家族連れらが買い求めていた。女猟師の加工所から仕入れたジビエを調理している農産物加工所「そら」が作ったイノシシ肉の紅茶煮や肉みそも人気を集めていた。地元猟友会によると、捕獲後すぐに血抜きをするなど適切に加工すれば、食べたときの臭みはないという。
(動物の恵みに感謝:富山)
県自然博物園ねいの里の「冬の生きもの観察と動物の恵みに感謝」は16日、富山市のねいの里で開かれ、親子連れら約50人がイノシシやクマなど野生動物の生態や体の構造を学び、人間との共生のあり方に理解を深めた。県自然博物園の間宮寿(かず)賴(より)主任(40)が県内のイノシシの出没状況や行動範囲を説明。田畑を荒らすイノシシに関しては、電気柵などを仕掛けて捕獲していることをスライドを使って紹介した。体重約50キロの雄のイノシシの解剖も行われ、参加者に筋肉や骨の仕組み、胃腸の内容物などを解説した。参加者は館内のカモシカやクマの剥製を見学したほか、かんじきを履いてねいの里周辺の散策路を歩き、イノシシやタヌキなどの足跡を観察した。イノシシの肉やサツマイモ、ダイコンなどの具材が入った猪(しし)鍋も味わった。家族4人で参加した富山市呉羽中2年の藤堂光輝君(14)は「イノシシの解剖は初めて見た。生物の命の大切さをあらためて感じた」と話した。県は昨年度に引き続き、県内でのイノシシの有害捕獲数が急増していることから、イノシシ保護管理計画に基づき、3月15日までイノシシに限定して狩猟期間を延長する。2月28日までは銃猟とわな猟、3月1~15日はわな猟のみを許可する。
(ジビエウイーク:長野)
県内で普及に向けた動きが盛んになっている、イノシシや鹿などの野生鳥獣(ジビエ)を食材に利用する「ジビエ料理」。長野市の繁華街・しまんりょ小路で17〜23日に、飲食店9店舗がワンコインの500円でジビエ料理を提供する「長野しまんりょ会ジビエウイーク」が開催される。県内ではイノシシなど野生鳥獣による農作物被害などが深刻化しており、県のまとめでは2012年度は約12億6000万円の被害があった。ジビエ料理は、普段は「厄介者」扱いされている野生鳥獣を食材として生かそうという取り組みだ。ジビエウイークは飲食店主らでつくる長野しまんりょ会が主催。同会は昨年から、農協や地元住民らとジビエの狩猟から出荷、流通までの経営モデルを研究する協議会をつくり、ジビエ料理振興を目指している。長野しまんりょ会の斎藤幸代会長は「ジビエウイークを開催することで、売る側がしっかりとジビエを生かすことを示し、さらに普及させたい」と狙いを話す。同ウイークでは、9店舗がイノシシと鹿の料理を「原価に近い価格」(斎藤さん)の500円で提供。スタンプラリーも実施し、3店舗を回った客には、提携するビール会社から缶ビールがプレゼントされる。斎藤さんが経営する居酒屋「鶴亀」では、イノシシのスペアリブ▽鹿肉の肉みそピザ▽鹿のあばら肉の塩こしょう炒め−−の3品を出品する予定だ。自然で育ったジビエは、低脂肪・高たんぱくとされており、栄養価も高いという。11日は関係者の試食会が開催されたが、斎藤さんは「各店舗ともしっかりとした料理ができた。臭みもなく、味も良い」と自信を深める。しまんりょ小路は長野市中心部にあり、観光客はもちろん、ビジネス客の往来も期待できる。斎藤さんは「常に『小路に来ればジビエが味わえる』という環境にしたい。今後もメニューを広げていきたい」と話している。

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