<射撃ニュース3月>

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(露天風呂に入浴中、ヒグマが100m先に:北海道)
札幌、北見両市で29日、ヒグマの目撃情報があった。29日午前11時25分頃、札幌市南区小金湯の宿泊施設で、露天風呂に入浴中の60歳代の男性客が、豊平川を挟んで約100メートル先の山林をヒグマが歩いているのを見つけた。体長約1メートルの子グマとみられ、間もなく山の中に去り、けが人はなかった。山の対岸に宿泊施設や民家があり、札幌南署が注意を呼びかけている。午前11時10分頃には、北見市留辺蘂町金華の国道242号で、道路を横断するヒグマを乗用車で通りがかった男性が目撃し、110番した。北見署によると、現場は山間地でクマは山林の方向に立ち去ったという。
(狩猟者確保へ「塾」設立:島根)
中山間地域で鳥獣被害が広がる中、狩猟者の確保につなげようと、島根県猟友会弥栄支部に所属する今田孝志さん(62)=浜田市弥栄町高内=が「狩人塾」を立ち上げた。自ら講義などで狩猟の魅力や心得を伝え、免許所有者の技術向上も図っていく。今田さんは昨年11月まで、浜田市相生町で32年間うどん店を経営。「弥栄を活性化したい」と店を閉め、今年3月から自宅近くで、自ら仕留めたイノシシの料理も出す飲食店「陽気な狩人」を営む。講座は同店を拠点に月1回ほどのペースで開く。
(もう限界、食害防ぐハンター高齢化)
シカやイノシシなどの有害鳥獣の駆除を担う狩猟者(ハンター)の高齢化と減少が、農業に深刻な影響を及ぼしている。人数が減るのに伴って駆除が十分にできなくなり、農作物の被害が拡大。事態を重く見た国も今国会に関連法の改正案を提出するなどして対策に本腰を入れ始めた。
(大炎上ブログ「ちはるの森」のちはる氏が女性猟師になった理由)
「ちはるの森」という個人ブログをご存知だろうか? 自らを「暮らしかた冒険家」と称するちはる氏という女性が開設しているブログで、そこに並ぶ記事のタイトルは、「今年も普通の女子が鴨を絞めて、お雑煮にしたよ。」「うさぎはかわいい味がした。うさぎ狩りと解体してきたよ。」といった具合。鶏、鴨、猪にうさぎなどを解体し、調理していく様子を写真とともにリポートしている記事が多いのだが、動物を絶命させていく過程の写真や、解体の際に当然出る血なども掲載しており、はっきり言って「閲覧注意」なブログだ。現在アップされている記事には「一部生々しい写真が掲載されています」といった注意書きがなされているが、この表現方法、さらには動物の解体を見せるという行為自体に対して、コメント欄は賛否が真っ二つに分かれた意見で大炎上している。個人的には、この写真の掲載の仕方は「乱暴だな」と思うものの、ブログの記事を読む限り、筆者のちはる氏には「あえてこのような表現手段を取っている」という強い意志が感じられる。これに対し、さまざまな意見が表出されるのは当然のことだし、なぜ彼女がそのような表現手法を取っているのか、いつか話を聞いてみたいと考えていた。そして、前回の記事(「鹿の解体アーティストの「解体ワークショップ」を体験してみた」http://nikkan-spa.jp/595072)の取材で山梨県を訪れたとき、偶然にもちはる氏と出会うことができた。現在は福岡県に住んでいるちはる氏は、たまたまこの前日から山梨入りしていたのという。なんでも、今回の解体ワークショップを主催した「水曜日のカンパネラ」のコムアイ氏の“解体の師匠”佐野琢哉氏は、ちはる氏の師匠でもあるそうで、2人はいわば姉妹弟子といったところだ。そもそもちはる氏が獣の解体を始めたのは2011年3月11日の東日本大震災のあと。「周りがどんなふうになっても生きぬく方法を身につけないと、次は死ぬかも」と思ったのがきっかけだという。一番最初は経験もまったくないのに鶏を絞めるワークショップを企画し、ネットなどで情報を集めてみたが、うまくいかない。そこで解体の勉強に出ようと思いたち、山梨県の佐野氏の下で「猪とか鹿とか鴨とかをたくさん絞めて、練習して」(ちはる氏)から本格的に解体を始めた。そして2013年1月には狩猟免許も取得。新人猟師としての活動から、そしてブログの炎上についてまで、コムアイ氏とともにたっぷりと話を聞いた。――まず、なぜ猟師になったのかを教えていただけますか?ちはる:解体を始めたのが3.11のあとからで、それから3年間、解体を勉強して鶏を絞めるワークショップなどをやっていたんです。でも、それって結局、スーパーマーケットで肉を買うことの延長線上でしかなくて「食べ物の最初から最後まで」じゃないなと思うようになって。動物を入手するところから自分で関係性をつくっていかないと、ただ絞めるだけじゃなんだかバランスがとれなくて。なんとなく精神的にもダメージが大きかったんです。それで、猟を始めたんですよ。山に入れば動物も自分も一対一の動物として闘わなきゃいけないし、足跡を追ったり、形跡を辿っていくうちに自分も「この肉を食べよう」という気持ちが育って来るし、向こうも「あ、狙われているな。逃げ切ってやろう。」みたいな、そういう関係性が山の中で作れるんですよね。――ちはるさんは、鉄砲で猟をするんでしたっけ?ちはる:私は罠です。一応、猟銃を使える狩猟免許は持っているんですけど、自分の手でできる範囲の肉を獲りたいという気持ちがあって、罠は手作りでやっています。なので、自分で罠を作って罠かけて、とどめは殴って気絶させて、ナイフで頸動脈を切るというやり方でやっています。――その罠はワイヤーの罠ですか?ちはる:ワイヤーの罠です。でもやっぱり、猟でいきなり大きい獲物が獲れるっていうのはラッキーでしかないなと思っていて、私が今獲れるのは小さい猪ばっかりですね。――それは瓜坊っていうヤツですか?ちはる:瓜坊よりはもうちょっとでっかい、子猪ですね。親の猪は賢いので、罠があることがバレちゃうんです。「ここに何かある」ってすごい慎重で。でも、子猪はけっこう、「あ、あそこにエサがある」っとドドドっと来て、バシンってかかっちゃうので。――これまでに、何頭仕留めました?ちはる:えーと、去年(2013年)の12月から本格的に初めて、12月で3頭獲って、1月はいろいろと別件があって東京や山梨に来たりしているので、今猟はお休み中です。やっぱり、罠猟は山の近くに定住していないと難しいんじゃないかなと思うんです。毎日山に入って、その山のすごいささやかな変化、例えば「ここにこんな大きな葉っぱあったっけ?」とか「ここにこんなボコッて小高い土の盛りあったっけ」ぐらいのレベルから猪の動きを探っていくので……。――日々の活動が重要ということなんですね。ちはる:そうなんです。だから1週間とか空けちゃうともう初めからやり直しぐらいの感じなんです。改めて猟をやってみて、すごく時間がかかるものなんだなぁ、と思いました。――獲られるのは猪だけなんですか?ちはる:私が住んでいるところ (福岡県某所)には鹿がいないんですよ。でも、少し離れた場所にはいるみたいですね。――この間、奥多摩の鹿肉処理場にコムアイさんと一緒に取材に行ったんですけど、駆除を熱心にやったおかげで鹿が減っているんです。全国でも珍しいらしいんですけど。コムアイ:その代わり、鹿が山梨県に逃げているとも聞きましたね。ちはる:へー。でも、生き物って本当にそういうものだな、と思っていて。一か所だけで何かが解決されたから解決ってわけじゃなくて、やっぱり、生き物の暮らしには県境がないから、両方でバランスを取りつつ対策を全国で、横の繋がりを通じてとっていかないとダメなんだな、というのは感じますね。コムアイ:ね。長期的に見たら、別に今減らしただけで何かが変わるわけではないからね。――コムアイさんは猪を捌いたことはあるんですか?コムアイ:猪は死んでいるのは見たことあるけど、捌いたことはないですね。――女性の猟師さんが増えているんですけど、ちはるさんは山には1人で入られるんですか?ちはる:猟のやり方によって変わってきますね。――犬を連れていたら1人じゃ厳しいとかあるみたいですもんね。ちはる:犬猟の場合はグループなことが多いみたいですね。でも、犬猟でも忍び猟でも1人の人もいますよ。私は最初師匠や先輩たちと山に入って、それからは1人でやっていました。でも、やっぱり猪は重いし、罠掛け道具一式山に持って行くのはなかなかハードで。私、軽トラ運転できないので(笑)。今一緒に住んでいる彼氏も猟師で料理人なので、彼とペアを組んで狩り場探しとか罠掛けとか、とどめを刺すのも一緒にやっています。――なるほど。ご近所には女性猟師はちはるさん以外にいますか?ちはる:います。最近、女性猟師がちょっとづつ増えているみたいで。なんでなんでしょうね。コムアイ:若い男性は?ちはる:若い男性も増えていると思います。周りでも若い人がちょこちょこ増えているみたいで、猟がブームになってきてるのかもしれないですね。――あと、ブログのこともお伺いしたいんですが、ちはるさんのブログって炎上するじゃないですか(笑)。ちはる:はい(笑)。――コメント欄の意見を分析してみると、「笑顔で解体している写真」に対して強い拒否反応があるんです。その気持ちもわからないではないのですが、ちはるさんは解体の現場を写真で全部をさらけ出すじゃないですか。それはやはり、覚悟を決めてらっしゃるということですよね?ちはる:そうですね……。というより、そもそもこのブログがこんなにたくさんの人に読まれることになるとは思っていなかったので正直驚きました。私としては、狩猟や解体に興味がある人の役に立てればと思って写真を細かく掲載しているんです。それは、私自身がブログやYouTubeで解体や狩りの情報を集められたからということもあります。先輩猟師たちが情報を公開してくれたおかげで今こうして活動できているので、私もこれから何か始めようとしている人へ繋げていければと思って。でも、ブログは不特定多数の方が見る場所なので、表現が直接的すぎたかなとは反省しました。でも、これだけ肉食文化が浸透しているなかで、肉を捌いて食べるということは決して特別ではないし、スーパーで売っている肉の向こう側には必ず捌いてくれている人がいるんだと思うんです。そういう場面を知らずに、捌くのだけを誰かにやってもらって、自分は食べるだけといのはなんだかバランス悪いなと感じています。こういうテーマがもっと身近にオープンに、みんなが語れるテーマになってほしいな、というのが私の気持ちなんです。だから、特別な人がやってるわけじゃなくて普通の人がやってるよ!と伝えたくてタイトルに「普通の女子が鴨を捌いて~」と書いたんですけど、「いや、君は普通じゃない」ってツッコミがすごく来てしまって、「あ、伝わらなかったんだ」ってなっちゃったんですけど(笑)。伝え方を間違えたのかもしれないです。難しいですね。――なるほど。ちはる:でも、狩りや解体というのは私みたいに全然筋肉のない、しかも根性のない人でもできることだし、そういうことで、狩りや動物がさばかれて食べられていくっていうことのハードルを下げたいっていうのがあって。昔は軒先とかで鶏絞めていましたし、もっと暮らしの近くにあったことだと思うんです。あと、狩りといえば「マタギ」のイメージがあって、みんな無言で真面目で笑わずに真剣に……って思っている人多いと思うんです。もちろんそうだとは思うんですけど……。コムアイ:でも、食べるのは楽しいしね。食べるものをつくるときは楽しいのは当たり前だからね。笑っちゃうのも自然なことではあるよね。ちはる:うん。そこで笑顔が出たからといって、命に対する敬意がないかどうかっていったら、違うんじゃないかなと思っていて。命に対する敬意というのは、その人の暮らしの中からにじみ出すものであって、一部だけで判断することはできないんじゃないかなっていう気持ちがあります。狩りや動物を絞めて食べることっていうのは、人間の営みのひとつなわけで、決して、真面目なことがずっと続くわけではないわけじゃないですか。もっと人間らしいものだと思っているんです。だからたまにはマヌケなこともあるし、笑っちゃう楽しいこともあるし、ときには残酷なこともあるし。でも、それは山の中で自分が生きていくために仕方がないことだったりもするし、そういうことが伝わらなくて、「笑顔」という一部分だけバーッと広まっちゃうと、誤解されるなあ、というのを自分のブログでわかりました(笑)。――もうブログが炎上することは平気になったんですか?ちはる:えー。でも……まあ、コムアイちゃんはどうなの? ライブハウスで解体とか、なんか大変そうだなって思っているんだけど。コムアイ:えーと、私はちはるちゃんと同じ気持ちのところと、違うところがあって。同じなのは解体に対してハードルを下げたいっていうところからスタートしているところ。でも、私は狩りや解体というのは特別なことだと思っていて。普通に山で暮らしている人は普通のことなのかもしれないけど、東京で食べている側からのスタンスでいたい、という気持ちがずっとあるの。で、なんか、やっぱり普通じゃないと思うのね。佐野さんとかは当たり前だからっていうけど、私からしたら、かわいい獣がだんだんと食べ物になっていくところに、毎回、毎回、不思議な感じを覚えるっていうか。かわいくて、かわいそうで、でもおいしいみたいな。なんかこう、その感情は不思議なものだと思うの。ほかではない感情だから。そういうのって、不思議だけど面白くないですかっていう感じで見せていきたいのね。ちはる:そうだね。東京の人の感覚を持ちながらっていうスタンスは大事な気がする。そこから伝えられること、いっぱいあると思うし。でも、私は獣に対してかわいそうって思うほどの余裕はないかも。なんかねぇ、わからないけど、家畜とか自分が手塩にかけて育てた動物を殺すときはかわいそうっていうか、すごく……うまく説明できない感情になる。でも、やっぱり狩りをするときは、お互い死ぬ気でやるから。とどめを刺すときって、向こうも必死なのでこっちも必死でいかないと危ない。そこはかわいそうというよりは怖さのほうが大きいかな。コムアイ:猟師さんはそう言うね。ちはる:とにかくちゃんととどめを刺せて「ホッ」みたいな。私が一番大事にしてるのは、獲物をできるだけ苦しめないこと。もちろん、自分も攻撃されないようにすることは大事ですけど、一番つらいのはちゃんととどめを刺せなかったときとかかな。コムアイ:罠にかかったまま数日いさせちゃったときとか?ちはる:毎日見回りをするからそれはないけど、とどめ刺しがうまくいかないときとか。コムアイ:あー、のたうち回ったりとか。血を流しながらまだ生きてるみたいな。ちはる:まだ生きてるとか。そういうときが一番つらいし、自分が未熟だな、と思う瞬間ですね。――一方、自分で飼っている家畜というか、鶏とかを絞めるときはどういう感情になるのか、詳しくお聞きしてもいいですか?ちはる:えー。ちょっとまだわからないです。この1月の前半にヒナから育てた烏骨鶏を絞めたんですけど……。最終的に食べるために育てていたので、ずっとそういう気持ちを育んではいたんですけど、なんかやっぱり、いつものように「今日もエサくれるんでしょう」みたいな感じで来たところを捕まえて絞めてしまうので。それに対する気持ちの折り合いの付け方っていうのはどうしたらいいのかまだわからないですね。コムアイ:就農体験で養鶏所の世話をしていたとき、卵を食べるのもいやだったもん。――まだ狩猟や家畜を絞める、というのは日常生活の一部ではない、という感じなのでしょうか?ちはる:うーん、今となってはけっこう日常になってきたと思います(笑)。家では自分で解体した以外のお肉は食べない暮らしをしているので。――普段は、菜食主義……というのもおかしいですが、お肉を食べないんでしたっけ?ちはる:そうです。そんなに厳しく決めているわけではないですが、普段はお肉を食べない暮らしをしています。――冬だけ食べるんですか?ちはる:やっぱり寒くなるので。肉があったほうが体があったまるし、猪は体が芯から温まるんですよ。自分で狩りができるようになるまでは、お肉を食べるのが自分の身の丈に合わないな、ってずっと思っていたんです。大きい猪とか1人で捌くのは何時間もかかるし、牛とか豚ってもっと大きいじゃないですか。自分で解体できないものをたくさん食べるのってバランス悪いなってずっと思っていて……。でも少しずつ山に入って自分で猪を獲れるようになって、自分のできる範囲が増えてきたから、お肉も少しずつ食べれるようになったし、そういうところに対する気持ちはだいぶ解放されたような気持ちです。

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(伊勢原射撃場、わかやま国体の会場に:神奈川)
神奈川県立伊勢原射撃場(上粕屋2380番地)が2015年に開催される「紀の国わかやま国体」のクレー射撃競技の会場になることが3月13日に正式に決定した。来年度から開催に向けた準備が進められる。わかやま国体の最後の県外競技として会場の検討がされていたクレー射撃。和歌山県内をはじめ、近畿・東海地方には国体基準を満たす射撃場が無く、競技委員会では熊本県と福岡県の施設と伊勢原射撃場を検討した結果、伊勢原が会場に決定した。伊勢原射撃場は2013年4月に全弾回収型施設としてリニューアルオープンしている。和歌山県の国体推進局競技式典課によると、環境対策をはじめ、スキートとトラップの両射場を持ち、会期日程などの経費の面でも最適と判断されたという。クレー射撃競技は2015年の10月2日(金)から4日(日)の3日間を予定。全国から競技者約240人と大会役員や運営委員約200人。合わせて約440人が伊勢原を訪れる。2014年の4月頃には、市内に和歌山県職員が常駐する県外事務所が設置される。また、クレー射撃競技の運営委員会に伊勢原市の関係団体等も入り準備が進められる。市スポーツ課では「伊勢原射撃場を選んで頂いたことに感謝。多くの人が訪れ、経済効果も期待できます。国内トップクラスの射撃場、市内の各団体と協力して円滑に競技が進められるように協力していきたい」と話した。
(停電5275戸、カラスの巣原因?:福岡)
25日午後5〜6時ごろ、行橋市内で最大5275戸が2〜3分停電した。九州電力行橋営業所の26日の発表によると、停電したのは南大橋や蓑島などの一部で、午後5時23分から3分間と午後6時5分から2分間。カラスが電柱の上に作った鉄製ハンガーの巣が高圧電線に接触したのが原因とみられる。
(JR運転席窓にカラス衝突:埼玉)
28日午前6時15分ごろ、JR武蔵野線東川口(埼玉県川口市)―南越谷(同県越谷市)間を走行中の下り電車にカラスが衝突し、運転席前面の窓ガラスにクモの巣状のひびが入った。鳥と衝突し窓ガラスにひび割れができるのは珍しいという。JR東日本大宮支社によると、電車は東所沢発西船橋行きで、衝突後に緊急停止し南越谷で運転を取りやめたほか、下り1本が運休、3本に最大10分の遅れが生じ、約1200人に影響した。乗客乗員にけがはなかった。
(春のエゾシカ、懸命の川渡り:北海道)
留萌管内天塩町の天塩川河口付近で27日、エゾシカ十数頭が群れをなし川を泳いで渡る姿が見られた。河口から2キロほど上流の地点で、川幅は約300メートル。市街地に近い左岸側半分ほどは水面に厚さ数センチの氷が張り、右岸側は解けた状態。この日午前、シカが左岸から次々と川を渡り始め、氷がない場所では水面から顔を出し器用に泳ぎ切った。対岸ではシカ数百頭が群れをつくり、川を渡ったシカを迎え入れる姿も。ただ、氷が割れて水に落ちたシカは、周囲の氷に阻まれてはい上がれず、野犬数頭に襲われる場面もあった。てしお猟友会事務局の高田寿裕さん(62)は「海の近くは雪解けが早いため、草を食べるために川を渡る姿がしばしば見られる。氷が割れて水に落ち、はい上がれずに死ぬシカもいる」という。
(教員懲戒処分最多17人:香川)
県教委は27日、県立高校の男性教諭(46)と高松市立中学校の男性教諭(52)を懲戒免職処分に、2人を停職処分としたと発表した。今年度に懲戒処分された教職員は17人でうち免職は5人となった。いずれも過去30年間で最多となった。県教委によると、県立高校の教諭はライフル射撃部顧問で、昨年10月の大会でエアライフルの競技者認定を受けていない部員数人に射撃させた。これまで県高体連への旅費の不正請求や保護者らへの活動費の水増し請求もしており、「厳しく処分した」としている。

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(日高川町公社元職員を詐取容疑で送検:和歌山)
県警捜査二課と御坊署は24日、日高川町が鳥獣捕獲に対して支払う報償費10万5000円を不正に詐取したとして、ジビエ工房紀州で解体作業などを担当していた元町ふるさと振興公社職員の北岡悟容疑者(55)=同町小熊・5日付で解雇=を詐欺容疑で和歌山地方検察庁御坊支部に書類送検した。元職員は対象となった7頭分の容疑を認めているほか、「100回ぐらい不正をした」などと話しており、1年以上にわたり疑惑の目が向けられ続けてきた鳥獣害捕獲報償金問題が全容解明に向けて動き出した。イノシシやシカによる農産物の鳥獣害対策の取り組みが全国で注目され、ジビエの町として売り出してきた日高川町を揺るがす事件が明るみになった。鳥獣捕獲報償費が問題視されたきっかけは、平成24年度の報償費について、町監査委員が定例監査結果で公示した文書に「写真の転用や要綱に定められている日付がない写真が散見している」と記し、再度の精査や捕獲方法等の確認徹底が必要と指摘。これらの不正請求の疑念を報じた本紙などの報道をもとに捜査を実施し、北岡容疑者の犯行を特定した。送致の容疑対象となったのは、平成23年11月ごろから平成25年1月までに交付された10万5000円分。北岡容疑者は、すでに報償金を受けたイノシシを新たに捕獲したと虚偽の申請と写真撮影を行い、銃による報償金1万5000円をだまし取ったほか、他人が捕獲し、ジビエ工房紀州に持ち込んだニホンジカ5頭を、本来の捕獲者名とは別に自ら捕獲したと見せかける確認票と写真を撮影し、報償金請求の権利を装って7万5000円をだまし取った。また、路上で発見したイノシシの死がいを、同じ猟友会に所属する他人が銃で捕獲したとする虚偽内容の確認票を作成して1万5000円を詐取した。ジビエ工房は平成22年5月、当時の町当局が町おこしの一環として鳥獣肉を売り出すための解体処理施設として開設。猟師ら自らが利用する計画だったが、利用頻度が低いことなどが要因で、平成23年7月に解体専門の嘱託職員として北岡容疑者が雇用された。この頃から、報償金の受け付け事務や獣肉の買取金と報償金(公社が仮払い)を同工房が代行出来るようになり、町職員(平成25年6月退職)がシッポや写真を確認して申請書を作成していたが、北岡容疑者は手続きに精通していたという。同町では、銃によるイノシシとニホンジカの捕獲1匹につき1万5000円、ワナに6000円、銃のニホンザル1匹に2万円、ワナ1万円などの報償金を付与。平成24年度は当初予算に3330万円を盛り込んだが、捕獲数が急増したために補正予算との合計で5020万3000円を交付した。町監査委員の定例監査結果をきっかけに、申請手続きに多数の問題点があるとして、町議会産業建設常任委員会や有志の議員が写真なども調査。交付の要綱には、イノシシやニホンジカの場合、シッポと日付の入った写真を添えて町に申請することが規定されているが、写真の転用や捕獲個体の写真に日付がないものが645件もあった。町ではシッポが提出されているために捕獲したとして報償費を交付したが、対象者の59人に厳重注意した。市木久雄町長は、対象となったのは就任前に発生した不正だが「町としてこのような事実があったことは誠に遺憾であり、関係機関や町民の皆様に深くお詫びしたい」と話し、就任後の昨年6月からは日付のない写真は受け付けていないなどと説明するとともに、再発防止に向けて、ジビエ工房の運営含や鳥獣害対策、組織の見直す方針を示した。
(車と衝突後も2時間、猪突猛進:京都)
25日午後10時20分ごろ、京都市左京区岡崎円勝寺町の交差点でイノシシが乗用車と衝突し、その後、2時間にわたって市内を逃走し、同区の京大医学部付属病院構内で捕獲された。けが人はなかった。川端暑によると、イノシシは仁王門通を東向きに走行していた乗用車と衝突、一度倒れたものの、起き上がり南の方向へ逃げた。駆けつけた同署員21人などが川端通を逃走するイノシシを目撃。追いかけて同病院の駐車場で盾を使って捕まえた。イノシシは雄で体長1メートル、体重約80キロ。捕獲した直後にショック死したという。
(和歌山国体、県外事務所:和歌山)
県ではクレー射撃の会場となる神奈川県伊勢原市(いせはらし)に、5月1日に競技事務所を開設する予定です。事務所では競技会場の施設整備や、競技役員の確保のほか、ボランティアの募集、警察・消防など関係する団体との連絡調整など、現地での本格的な作業を行います。設置される期間は、国体終了後の来年(2015年)11月末までの予定です。
(シカ・サル、猟で頭数管理:香川)
農作物被害を防ぐため、県は2014年度、野生のニホンジカとニホンザルの「適正管理計画」づくりに乗り出す。いずれも小豆島や東讃地区を中心に生息域が拡大し、被害も増加。イノシシと同様、狩猟などによる個体数の管理・削減が必要と判断した。シカはオリーブなどの樹皮をはいで食べ、木を枯らすほか、里では果実なども食べる。サルも畑の大根や芋などを食い荒らす。県内の被害額は08年度にシカ209万円、サル2629万円だったが、12年度にはそれぞれ749万円、4351万円に増えた。県は12年度から生息域や個体数を調査。シカの生息域は東讃地区の徳島県境と小豆島だけだったが、本土側では四国山地沿いに西へ拡大。県境を出入りするため生息数ははっきりしないが、ふんは12年、まんのう町でも確認された。小豆島では推定で約2000頭が生息。山間部からほぼ全域に拡大しているという。イノシシと同様、耕作放棄地の増加に伴い、人里に近づきやすくなったのが主な原因とみられる。サルは、小豆島では銚子渓で観光資源として餌付けされた2群計500匹が知られるが、これ以外にも野生の群れが5群いるとみられる。このほか東讃に18群、中西讃にも8群と推定されている。人里で農作物を食べるようになると冬季や子猿の死亡率が下がり、個体数が増える。群れの個体数が30~50匹だと生息域のドングリなどで自活できるが、それ以上になると餌を求めて人里に出没しがちになるという。県が、県内全域を対象とした管理計画を定めるのは、イノシシ以外の鳥獣では初めて。1年かけて策定し、15年度から5年間、対策を実施する。小豆島のシカについては、面積などから300~500頭を適正規模と推定。狩猟を中心に個体数を調整する考えだ。東讃でも捕獲を進め、農作物被害を防ぐとともに中讃以西への生息域拡大を防ぐ。サルについては、各群に何頭いるかを詳しく調べ、群れごとに▽個体数削減のための捕獲▽人里に出たサルの駆除▽電気柵による境界線の明確化――を使い分ける。より効果的な捕獲法の開発を含め、14年度予算に1760万円を計上した。県の担当者は「人と野生動物が共存できるよう、計画を練り上げたい」としている。◆適正管理計画 鳥獣保護法に基づき、知事が定める。野生鳥獣を長期的な観点で保護し、人との共生を図るのが本来の目的で、農業被害対策や生息環境の整備を進める。法律上の名称は「保護管理計画」だが、県は農業被害が増大している現状を踏まえ「保護」の2文字をあえて外した。「害獣として駆除する必要性が高まっていることを伝えるため」としている。
(有害鳥獣を微生物で分解:岐阜)
生ごみの堆肥化などに使われる微生物を使ったイノシシなどの有害鳥獣の分解処理実験が、下呂市金山町の南部クリーンセンターで今月末まで進められている。農作物被害を防ぐため、各地で有害鳥獣対策が進むが、駆除した有害鳥獣は食材などへの利用も限られ、処分に各自治体は頭を悩ませている。下呂市も今まで焼却か埋設をしているが、環境や駆除関係者への負担も大きいため、北海道の六自治体がエゾシカの処分として採用している分解処理を一月から二カ月間実験した。処理システムを開発したEM研究所(静岡市)などの指導で、微生物を培養した菌床に、シカやイノシシの死骸を投入。一日一回かくはんして発酵を促す。二カ月間で五十頭ほどの死骸を入れたが、分解が急速に進むため、菌床の容量はほとんど変化がなく死骸の減量に大きな効果を示している。市では「コストなどを比較して、本格的に導入するか考えたい」と話している。
(ライフル標的を更新:静岡)
藤枝市は、2014年度に瀬戸谷屋内競技場(スポーツ・パル高根の郷)にあるライフル射撃場の標的をアナログ式(紙)から光学式電子標的システムに更新する。更新するのは14年度が13台、15年度が13台の計26台。
(内部被ばく検査結果を公表:福島)
福島県平田村のひらた中央病院にある公益財団法人震災復興支援放射能対策研究所は25日、2012年8月からことし1月末までに実施した全身測定装置(ホールボディーカウンター)による内部被ばく検査結果を公表した。同病院が検査を請け負っている那須塩原、日光両市民計1038人からは、セシウム137は全て検出限界値(300ベクレル)未満だった。検査は米国キャンベラ社製の機器を使い、検査対象は2歳以上。同期間中に那須塩原市民は844人、日光市民は194人が受検した。同研究所は茨城県牛久市民の検査も受託しており、同市の受検者6902人全員も限界値未満だった。一方、同期間内に検査した福島県民9724人のうち61人から限界値以上の値を検出した。放射線量未検査の野生のイノシシ肉や山菜などを継続的に摂取したことが要因という。
(シバザクラやビオラ食害:愛媛)
四国中央市金砂町の翠波(すいは)高原(標高約800メートル)で、春に見頃となるパンジーや5月に開花するシバザクラなどがシカに食い荒らされ、ほぼ全滅する被害を受けたことがわかった。昨年は菜の花が食害に遭ったため、管理する市は高さ1・2メートルの竹垣を設けていたが、飛び越えて入ってきたらしい。ひどい場所では一面が足跡だらけになっており、市はシカの駆除を検討するという。高原の約3ヘクタールでは昨年春に菜の花、夏にはコスモスの花芽が食い荒らされた。市は昨年8月、栽培地を囲うように高さ2メートルの鉄柵を張り巡らせた。そのため今春は、菜の花は被害に遭っておらず、新芽が高さ10~20センチに成長し、4月下旬には見頃になりそうだという。ところが、鉄柵のすぐ外側にある斜面約600平方メートルに植えていたシバザクラが、昨年までは被害に遭っていなかったのに、今月中旬の雪解けとともに、あちこちで食い荒らされたという。市は、特にひどく荒らされた約200平方メートルに、パンジーやビオラ、レイジー計600株を植え、周囲には竹垣を巡らせた。しかし、新たに植えた株もほとんど食われてしまったのを、市職員が24日に確認した。市観光交流課は「鉄柵で栽培地に入れなくなったシカが、餌を求めて今まで手を出さなかったシバザクラまで食べるようになったのだろう。まさか被害に遭うとは思わなかった」と頭を抱える。高原では、市が観光地にしようと1984年からコスモスを栽培。98年からは菜の花も植えており、晩夏と春にそれぞれ30万本が咲き乱れる光景が名物となっている。シバザクラは2009年に植えた。
(鳥獣害に悩む地域、学習型観光に注目)
観光の形態が変わりつつある。旅行中に社会貢献や世の中の課題の学習を取り入れるなど、土地を訪れるだけでなく、深みのある体験を求める人が増えている。鳥獣害に悩む地域でも、ジビエ(野生鳥獣肉)や野生鳥獣被害の実情を観察するツアーなどがビジネスチャンスになる可能性は大きい。JR東日本の長野支社に勤務した時、イノシシや鹿が列車に衝突して運行を乱すことが多く、鳥獣問題は以前から意識していた。観光では地域独自の魅力が大きな要素だ。野生鳥獣を有効に使えれば、社会的な課題の解決と観光客の誘致につながると思っている。観光は神社仏閣の参拝などから始まった。世の中が豊かになると団体で温泉旅館に泊まり、酒食を楽しむようになった。さらに形態が変わり、今の観光は大きく二つに分けられる。一つは、地域のおいしいものを食べたりする物見遊山的な観光、もう一つは、社会的な課題などを現場で体験する学習型の観光だ。特に東日本大震災以降は、サスティナブル(持続可能)な生き方に関心が高まり、学習型の需要が増えている。野生鳥獣の観察ツアーや角、皮を使った工作体験などは学習型観光といえる。体験を通じて鳥獣害の勉強、見聞を広げることができる。ジビエも画一化された都会に暮らす消費者にすれば一つのステータスだ。また近年は、これまで観光資源でなかったものも注目されている。例えば、大阪府東大阪市の町工場の見学・体験ツアー。昨年は1万人以上が参加した。船や機械の部品工場を見学し、ものづくりの精神が学べる。特に修学旅行生が目立ち、参加者全体の8割を占める。野生鳥獣も学習の切り口から、観光資源へと見直すことは十分に可能だ。だが、最初から全て完結した形で立ち上げるのは難しい。行政の支援を受けながら民間が動き、複数の専門家と協力して、最終的には観光、旅行事業を含めて大きな輪にしていくのが理想だ。鳥獣害対策を好循環させるためには、しっかりした出口対策が必要だ。ジビエは一つの鍵になる。前職で長野産のジビエ弁当を観光キャンペーンの一環で販売し好評だった。JR東日本のグループ会社が昨年、鹿肉バーガーを首都圏の飲食店で販売した際には、1万食が当初の予定より1週間早く完売した。供給量の確保など課題はあるが、おいしければ消費者は十分ついてくる。ジビエを活用する際には、肉の品質、安全基準のチェック体制を地域一丸でつくり、慎重かつ丁寧に進めるのがよいのではないか。学習型観光の需要はさらに増えるだろう。地域が協力して観光客の受け入れ体制を整えれば、野生鳥獣は新たな価値を生み出すはずだ。
(野生獣を食べることへの関心度は全体の9割以上)
『鳥獣被害対策.com』を運営する株式会社地域環境計画は、「野生獣害とジビエについての関心度」をテーマに、インターネットアンケート調査を行いました。近年、全国各地域でシカやイノシシ等の野生鳥獣による様々な被害が深刻化し、被害額は農作物だけでも年間230億円(平成24年度 農林水産省調査)に上っています。被害拡大を防ぐ為の方法は「捕獲」が中心ですが、捕獲後廃棄される鳥獣を「森の恵み」として捉え、「食べる」=ジビエという発想が注目されつつあります。アンケート調査は「ジビエ」が鳥獣被害対策のアプローチ、新たな地域資源となるのかという点に着目したものです。その結果、「自然や鳥獣害、ジビエへの関心度」については、「非常に関心がある」「ある程度関心がある」など、何らかのかたちで関心を持っている人が約9割と、全体的に高い関心を持つ傾向にあることがわかりました。他にも、「鳥獣被害の実態を初めて知った」「より自身のこととして関心を持った」「農林業従事者の苦労が理解できた」「自然環境衰退への不安」など、多くの意見が寄せられ関心の高さが示されました。
(アスリートにシカ肉を:兵庫)
「アスリートのための鹿肉料理試食会」(県森林動物研究センター主催)が3月24日、大阪ガスクッキングスクール神戸(神戸市)であり、運動選手や、運動選手に食事を提供する人たちが、鹿肉料理研究家、ジビエ料理のシェフらの料理を味わった。脂肪が少なく、高たんぱくで鉄分豊富な鹿肉を使い、アスリートのニーズを踏まえたメニューや加工品開発につなげようと県が開いた。定員30人に対し、60人以上が参加。10品ほどを味見した。ボクシングの長谷川穂積選手が所属する真正ジム(神戸市)の小坂遼(20)、小坂烈(16)両選手は、「思ったより柔らかい。体にプラスになるようなことがあれば食べてみたい」と話した。サッカー、ヴィッセル神戸三木谷ハウス(同市)でプロを目指す若者に食事を提供している寮母の村野明子さんは、「シカ肉のミンチをハンバーグにして使ったことがある。肉のかたまりを使ってもおもしろそう」と述べた。五輪、世界選手権の日本代表経験者らでつくる一般社団法人アスリートネットワーク(大阪市)からは、シンクロナイズドスイミングのシドニー、アテネ五輪団体銀メダリストの巽樹里さんをはじめ、カヌー、陸上の選手らが出席。鈴木祐美子さん(北京五輪カヌー代表)は、「脂質を気にしている選手は多く、栄養価が高いのは魅力。人工飼料でなく、自然の物を食べている安心感もある」と高評価。荒川大輔さん(2007年、09年走幅跳世界陸上代表)は、「シカ肉はいいぞ、と聞く。口コミが期待できるのでは」と話していた。柏原町出身で、篠山産業高校時代に2年連続ボクシングでインターハイに出場した山本明男さん(50)=箱根ラリック美術館レストランシェフ=らが料理を担当。山本さんは「炙(あぶ)り鹿スネ肉のマリネ?風」「鹿肋骨スパイシー焼き」などを調理した。あばら骨を焼いた「スパイシー焼き」は、ほとんど肉がない料理。「減量で苦しいボクサーの口寂しさをまぎらせられないかと考えた」などと制作意図を紹介した。シカ肉を販売する丹波姫もみじ(氷上町谷村)の柳川瀬正夫社長は、「シカの機能性を重視したい人たちとつながれた。関係性を深め、良い展開につながっていけば」と期待を語った。
(シカのジビエ料理学ぶ:和歌山)
シカやイノシシによる鳥獣害対策に取り組む女性グループ「シカレディース」(後藤明子隊長)は、日高川町船津の「中津ふるさと加工所」で、ジビエ料理の講習会を開いた。シカ肉を使ったロール巻きやそぼろ三色丼の調理法を、新宮市シルバー人材センターの11人に教えた。新宮市でもイノシシやシカによる農作物への被害が深刻化。イノシシ肉はシシ汁やすき焼きで消費されているが、シカ肉の需要は少なかった。そこでシカ肉料理の創作を目指すことにした。講習で、センター会員は後藤隊長や小田美津子隊員らの指導で、肉を薄く伸ばしてニンジンやカイワレ大根、モヤシを載せて巻き、フライパンで中火で焼いて輪切りにした。センター会員、大江加予子さん(70)は「あっさりして食べやすい。ミンチにした料理を考えたい」と話した。

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(実包1240発とダイナマイト、空き家で発見:京都)
22日午後2時ごろ、京都市右京区嵯峨二尊院門前長神町の空き家で、ライフルと散弾銃の実包計1240発、ダイナマイト(長さ12センチ、直径2・5センチ)4本を、解体作業で訪れた建設業者が見つけ、所有者だった男性の次男を通して右京署に届け出た。同署は半径50メートル以内の41世帯に午後7時すぎまで退避指示を出し、この間、住民らが屋外で回収作業などを見守った。右京署によると、実包などは庭にあった無施錠のロッカーの中から見つかった。元所有者の男性は火薬類取締法に基づきライフルや散弾銃所持の許可を得ていた。2007年の死亡後は空き家で、親族が今年1月に不動産を売却していた。一帯は退避指示に伴って立ち入りができなくなった。実包などは銃砲店が親族からの依頼を受けて回収した。向かいに住む山内幸造さん(76)は「警察官から爆発物があると聞いて着の身着のままで外へ出た。静かな街なので、ただただびっくりしている」と驚いた様子だった。
(山本太郎議員あて封筒に実弾、55歳元社長逮捕:愛知)
昨年11月に山本太郎参院議員宛ての郵便物から散弾銃の銃弾と脅迫文が見つかった事件で、警視庁公安部は24日、脅迫の疑いで名古屋市の金属加工会社元社長、水谷三紀男容疑者(55)=別の脅迫事件で逮捕、起訴=を再逮捕した。捜査関係者によると、再逮捕容疑は昨年11月19日ごろ、「近日中に射殺します」と書いた脅迫文と銃弾を入れた封筒を千葉県内から郵送した疑い。東京都内の郵便局がエックス線検査で封筒を見つけ、警視庁に相談。山本氏には届かなかった。男は当時、クレー射撃の銃免許を所持。今年2月、取引先だった都内の企業に銃弾と「必殺」と書いた脅迫文を送り付けた疑いで逮捕された。山本氏宛ての脅迫文と筆跡や文言が似ており、警視庁が関連を調べていた。2012年5月に朝日新聞東京本社に封筒で届いた銃弾とも特徴が似ており、関連を調べる。山本氏は昨年10月31日の秋の園遊会で天皇陛下に手紙を手渡ししたことが問題となった。昨年11月13日にもナイフが入った山本氏宛ての封筒が参院議員会館に届いた。
(公園にイノシシ出没、男性かまれ軽傷:熊本)
23日、熊本市の公園で男性がイノシシにかまれ、けがをしました。23日午後、熊本市西区の石神山公園の散策路で、30代の男性が左腕をイノシシにかまれました。公園管理事務所によりますと、かまれた男性は軽傷で、自ら運転して病院に向かったということです。当時、公園にはおよそ200人がいましたが、他にけが人はいませんでした。イノシシは公園の東側から逃げて、まだ見つかっていません。この一帯では、去年12月にもイノシシが目撃されています。
(各地でクマ目撃、足跡発見:北海道)
道内では22日から23日にかけ、各地でクマの目撃や足跡の発見が相次いだ。道警は「クマが冬眠から目覚め、活動を始める時期。人家の近くや路上で、姿や足跡を見つけたら通報を」と注意を呼び掛けている。23日午前10時45分ごろ、宗谷管内中頓別町敏音知(ぴんねしり)の山中で、猟友会のハンターがクマ2頭を射殺した。22日に付近で2頭の足跡が見つかり、枝幸署などが捜索していた。同署によると、1頭は推定4~5歳の雌で体重約130キロ。もう1頭は雄の子グマで同約80キロだった。23日正午ごろには、檜山管内厚沢部町南館町の墓地を訪れた函館市の無職女性(60)が、クマの足跡があるのを見つけ、江差署に通報した。同署によると、足跡は長さ約40センチ、幅約25センチだった。日高管内新ひだか町三石本桐の町道では同日午後2時半ごろ、クマ2頭が道路を横断するのを車で通りかかった女性が目撃し、静内署に届け出た。同署によると、クマは牧草地に姿を消したという。
(クマの目撃情報:石川)
23日午前、能美市の山林でクマが目撃され、市や警察が付近をパトロールし、住民に注意を呼びかけています。23日・午前10時40分ごろ、能美市泉台町の「クアハウス九谷」そばの山林で、体長1メートルほどのクマがいるのを近くでグランドゴルフをしていた住民が目撃し、警察に通報しました。クマはその後山林に入り込み、連絡を受けた能美市や猟友会が付近を捜索しましたが、足跡や痕跡は見つかりませんでした。現場近くには住宅も多く、能美市や警察では、パトロールを強化するとともに住民に注意を呼びかけています。
(闇夜に走る塊、餌を求め畑へ:宮城)
野生のイノシシ2頭が車のライトに浮かび上がり、瞬く間に闇に紛れた。彼岸の入り直前の3月中旬、仙台市西部の郊外で写真に収めた。夜8時すぎ、出没情報があった太白区秋保町の山道を車で走っていると、突然、大きな岩のような塊二つが現れた。全身茶色の毛で覆われ、体長1メートルと1.5メートルぐらい。イノシシと分かると、すぐに視界から消えた。イノシシによる農作物被害は深刻化している。市農政企画課によると、市内の食害は2013年度、既に約300件の報告があり、被害額が約1000万円を超す過去最悪のペースとなっている。繁殖力が旺盛で出没範囲は年々拡大する。2年前には岩手県北上市で死んだ個体が確認された。東北の山里は農作物の作付けシーズンを迎える。太白区秋保町長袋の荒若久好さん(65)は「イノシシは畑を見事なまでに食べ尽くす」とあきれ顔で話す。ことしは対抗策としてジャガイモ畑を電気柵で囲うという。
(イノシシ生息か、湯沢で目撃:秋田)
湯沢市秋ノ宮字中山の国道108号で今月中旬にイノシシが目撃され、足跡が確認された。県自然保護課によると、野生イノシシの生息域は宮城県と山形県が北限とされているが、本県でも近年目撃例が増えている。同課は「積雪の多いこの時期に山を越して来たとは考えにくい。地熱で雪が少なくなっている場所で越冬したのかもしれない」とし、本県でも生息している可能性が高いことを強調した。同課によると、今月16日午後6時ごろ、国道108号の歩道を歩いているイノシシ1頭を住民が発見した。翌日に現場を訪れた県職員が、雪の上に残る縦横各10センチほどの足跡を発見。ひづめの特徴からイノシシのものと確認した。県がイノシシの足跡を確認したのは初めて。
(イノシシはねる事故相次ぐ高速:福島)
福島県浜通り地方の常磐道で、横断中のイノシシを車がはねる事故が相次いでいる。今月も13、14日に連続発生し、今年1月以降の累計で5件となった。人的被害こそ出ていないものの、大事故につながるおそれがあるとして、県警高速隊が注意を呼び掛けている。今月14日の事故は、午後6時50分頃、2月22日に再開通した常磐富岡インターチェンジ(IC)―広野IC間の上り線、広野町上北迫で発生。男性(39)1人が乗った乗用車が、道路を横断していたイノシシ3頭のうち、1頭(体長約80センチ)をはねた。はずみで車は対面通行の反対車線に飛び込み、ガードレールに衝突。男性にけがはなかったものの、同隊幹部は「もし対向車がいたら大事故になっていた」と話している。イノシシを車がはねた同様の事故は今年、同区間で1件、相馬IC―南相馬IC間と広野IC―いわき中央IC間で各2件発生。常磐道では、昨年1年間で5件の事故があり、今年はわずか3か月で並んだ。県自然保護課によると、イノシシは12~3月が繁殖期で、行動範囲が拡大するという。担当職員は「東京電力福島第一原発事故の避難指示区域は人けが少ないためイノシシが増えており、餌を求めて山から下りている。人とイノシシの活動の境界が明確でなくなっている」としている。イノシシは複数で突然、横断して来るため、高速隊では「対向車や前方を走る車がない時は、ライトを上向きに切り替えて早めに発見し、減速するしかない。突然、飛び込まれた時も、無理なハンドル操作をしないように」としている。
(ふ化場のイワナ5万匹が半減、野鳥被害か:北海道)
然別湖に注ぐヤンベツ川で町が運営するミヤベイワナのふ化場で、野鳥の捕食とみられる被害があり、今年放流予定の2年魚約5万匹が半減していたことが分かった。町は21日までに、被害拡大を防ぐため目玉模様の入ったバルーンを設置した。ふ化場では、湧水を使った外池で体長5センチほどの稚魚を飼育していた。職員は常駐でなく、2日に1回訪れており、2月中旬に魚影が薄くなっていることに気付いた。ふ化場内に野鳥がいたことも確認、大量に捕食されたとみている。ふ化場周辺で10羽ほどが確認されたのは、カモ類の「カワアイサ」。冬鳥として渡来する渡り鳥で、道内では留鳥として繁殖している地域もある。潜水して魚類を捕食しており、本州では大量の飛来で食害が問題になった事例もある。町は20日の町議会議員協議会で「事故報告」を行い、報告の遅れと、管理が十分でなかったことを陳謝した。商工観光課は「国立公園内のため、ネットの設置については環境省と協議している。初めてのケースであり、専門家の助言も得たい」としている。湖周辺には希少鳥類も生息しているため、慎重な対応を迫られている。ミヤベイワナは然別湖だけに生息するオショロコマの亜種。資源保護のための町によるふ化・放流事業は1970年代に始まった。現在は期間限定で遊漁を解禁している。
(昨年ブナ豊作で出没増加も、8年ぶり注意報:岩手)
県は18日、今年春から秋にかけて県内でツキノワグマが例年より多く出没する恐れがあるとして「出没に関する注意報」を発令した。発令は2006年以来2回目。県自然保護課によると、餌となるブナの実が豊作だった翌年は、雌の栄養状態が良好なため子グマの数が多くなるという。また、凶作で餌が少ない年には出没が多い傾向にある。13年の県内は豊作で、14年は「凶作」か「皆無」となることが確実視されている。前回注意報を出した06年は、15件16人の人身被害が発生。県は「春から秋にかけて山間地や人里、市街地に例年より多く出没し、人身被害や農畜産物被害が増加する恐れがある」と注意を呼び掛けている。
(ツキノワグマ増加:岡山)
岡山県は、県内に生息するツキノワグマの個体数の2013年推計調査をまとめた。標準的な値を示す中央値は147頭と推定され、12年の中央値131頭と比べて増加率は12・3%となった。調査は初回の12年に続き、2回目。一定の信頼度(確率90%)を満たす範囲で示した推測生息数は、最少の場合が87頭、最多で289頭。いずれも12年(最少79頭、最多267頭)を上回った。クマの個体数調査を手掛ける兵庫県立大に委託して実施。出没件数、捕獲数、再捕獲数、餌となるドングリ類の作柄など04〜13年の過去10年分のデータをもとに統計学の手法で解析した。13年の県内の出没件数は県北部の8市町村で58件で、12年の56件から微増。このうち、美作市、西粟倉村、奈義、勝央町の勝英4市町村が計48件と8割以上を占めた。捕獲数は7頭で、人身への被害はなかった。県と兵庫、鳥取の3県で見られるツキノワグマは東中国地域個体群とされ、環境省のレッドデータブックで「絶滅の恐れのある個体群」に指定されている。県自然環境課は「生息数の把握を進め、ツキノワグマが人里に下りてこないよう地域住民と連携して対策に当たりたい」としている。
(エゾシカ対策条例成立:北海道)
増えすぎたエゾシカの頭数を適正に管理し、食や観光などで活用する道の「エゾシカ対策条例」が20日の道議会本会議で可決、成立した。環境省によると野生鳥獣の管理、利用に関する条例は全国で初。条例は一部を除き、4月1日から施行する。エゾシカの捕獲はこれまで道が立てた目標を目安に各自治体が進めていたが、道がより積極的に関与する態勢にする。具体的には、生息が密集して被害が大きい地域を道が「特定重点対策地域」に指定、捕獲方法などのアドバイスを行う。野生鳥獣の肉「ジビエ」が人気を集めていることを踏まえ、飲食店でのエゾシカ肉の提供を含め、食や観光分野で活用。従来の取り組みだが、条例化でより強力に推進する。さらに狩猟の担い手確保のため新たに道外からハンターの誘致に取り組む。また、エゾシカ猟にまつわる希少猛禽類(もうきんるい)への影響を軽減するため、全国で初めて鉛弾の所持を禁止した。罰則は10月からの施行で、狩猟時にハンターが鉛弾を所持すると3カ月以下の懲役か、30万円以下の罰金を科す。
(シカ被害軽減へ、森林管理署と山都町など協定:熊本)
熊本森林管理署と山都町、同町の県猟友会3支部は19日、シカによる農林業への被害軽減を目指す対策協定を結んだ。県内初の取り組みで、猟友会が国有林内にわなを設置して捕獲を進める。同管理署によると、県内にシカは適正頭数の約4・7倍に当たる推定3万3千頭が生息。同管理署管内の国有林面積約2万5千ヘクタールのうち同町は約1万ヘクタールを占め、スギ、ヒノキの食害のほか農作物を食い荒らす被害が起きている。同管理署は猟友会に「くくりわな」60セットと国有林に通じる林道のゲートの鍵を、それぞれ町を通じて貸与する。同様の協定は、九州では鹿児島、宮崎でも結ばれている。菊池市隈府の同管理署であった調印式には工藤秀一町長ら約20人が出席。森本義春署長が「協定を有効活用して1頭でも多く捕獲してほしい」と要請。県猟友会矢部支部の福田満興支部長は「農地や畜産にも被害が出ている。会員に協定の周知を図りたい」と話した。
(シカにGPS搭載首輪:群馬)
県林業試験場と太田市の「数理設計研究所」は衛星利用測位システム(GPS)機能を搭載した首輪をニホンジカに装着し、行動軌跡を把握する新システムを開発した。システムから得られた情報を基に、シカの新たな捕獲方法の立案など、鳥獣被害対策に役立てるのが狙い。同試験場によると、新システムを使えば、シカの現在位置がリアルタイムで把握できるようになり、シカの行動や生息地などが早く正確に分かるようになるという。これまでの追跡システムでは、野生動物の位置を特定するために現地へ行く必要があり、位置精度も低かった。また、GPS機能を使ってシカの位置情報データを蓄積できても首輪を回収しなければならなかった。新システムでは、長距離電波を飛ばす技術により現地に行く必要がなくなり、インターネット回線を使ってパソコン上で位置情報をリアルタイムで確認できるようになった。今年度は赤城山周辺の3頭のシカに首輪を装着していたが、大雪の影響などで3頭とも死んでしまったという。来年度は首輪を6基追加し、赤城山全体を網羅するシカ追跡システムを構築する予定だという。
(放射性物質、対策決まる:栃木)
県は一三年度の放射性物質検査の実績(今年三月十三日現在)も発表した。農産物は二百九十六品目計四千二百五検体中、中禅寺湖のニジマスなど魚四検体で国の基準値(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)を超えた。全頭検査をしている牛、イノシシは計四万五千九百六十二頭中、イノシシ五十一頭が基準を上回った。
(アライグマなど特定外来生物、生息域広がる:熊本)
国外から入り込んだ様々な特定外来生物が、県内各地で生息域を広げている。農作物を食い荒らし、在来の生態系を脅かすだけでなく、人に危害を加える恐れがある生物も見つかっている。自治体などが調査や駆除に取り組んでいるが、根絶は難しいのが現状だ。「ついに来たか、という思いだ。できるだけ早く対策を打たなければ」荒尾市北東部の平山小路地区。市農林水産課の藤井浩一・農政係長は、周囲にミカン畑が広がる山間部に設置したわなの状況を確認しながら、深刻な表情を浮かべた。ここで特定外来生物のアライグマ1匹が捕獲されたのは2月3日。市が昨年12月、生息調査のため市内6か所に設置したわなの一つだった。県内では2010年に熊本市で1匹、12年に御船町で2匹が捕獲されているが、県北部では今回が初めて。以前から野生化している福岡県側から南下してきた可能性があるという。アライグマは北米原産の雑食性で、繁殖力が強い。40年ほど前にテレビアニメで描かれた愛らしい姿とは対照的に、農作物を食い荒らすほか、狂犬病などの感染症を媒介する恐れもある。荒尾市はナシやミカンなどの果樹栽培が盛んだ。藤井係長は「アライグマは木に登って果実を食べる習性がある。農作物の被害防止策はこれまでイノシシが中心だったが、新たな対策を検討する必要がある」と危機感を募らせる。県によると、県内では現在22種の特定外来生物の生息が確認されている。宇土半島では、東南アジアや中国に分布するクリハラリス(タイワンリス)が繁殖し、農作物などへの被害が発生。宇土、宇城両市で10年度に3112匹、11年度に1527匹が捕獲された。セリ科の多年草ブラジルチドメグサは1998年、国内で初めて菊池川中流域で確認された。その後、生息域を広げ、現在は熊本市民の憩いの場である江津湖でも繁殖。江津湖では、水質への影響などが懸念されるアフリカ原産のボタンウキクサなども生えており、刈り取り船などを使った除去作業が連日行われている。このほか、同市北区では昨年8月、かまれると頭痛などの症状が出るセアカゴケグモが県内で初めて見つかった。県は、荒尾市でアライグマが捕獲されたことを重視。市町村の担当者を対象にした効果的なわなの設置方法などに関する講習会を13日に開いた。県自然保護課は「繁殖力が強い外来生物がいったん定着してしまうと、完全に駆除するのは非常に困難だ。飼いきれなくなったペットを捨てるような行為は絶対にしないでほしい」と呼びかけている。
(グマの巣にタヌキなど居候:兵庫)
兵庫県立やしろの森公園(加東市上久米)内の里山で、アナグマが地面に掘った巣の中に、タヌキやキツネが“居候”する様子を、愛好家団体「播磨野生動物調査研究会(野動研)」が、5年がかりで撮影した。多様な動物が巣穴を共同で使う姿をとらえた写真は珍しく、生態を知る上でも貴重という。アナグマはイタチ科の動物で、体長50~80センチ。長い爪を持ち、地面に複数の部屋がある入り組んだ巣穴を掘って暮らす。穴の長さは5メートル以上になるとされる。2003年の兵庫県版レッドデータブックではCランク(準絶滅危惧種)だが、増加傾向にあるとみられ、イモなどの農業被害も出ているという。野動研は2008年から、活動拠点である同公園でアナグマの巣の前を定点観測する。動物が出現すれば自動でシャッターを切るセンサーカメラ3台を設置。これまでにイノシシやテン、イタチ、カケスなど約50種類の動物の姿をとらえた。中でも、タヌキやキツネ、アライグマは、巣穴に出入りしていた。ムジナ(貉)とも呼ばれるアナグマ。ことわざの「同じ穴のムジナ」は、穴掘りが苦手なタヌキなどが同居するさまを表したとされる。とはいえ「こんなに多くの種類が使っているとは」と野動研顧問の谷口誠司さん(65)=三田市=は驚く。「同じ穴の‐」を広辞苑で引くと「多く悪人についていう」とある。だが、アナグマの飼育経験がある谷口さんは「争うことのない平和主義者ゆえの“同居”。子育て中はどうしているのかといった生態をさらに詳しく探りたい」と話す。
(ライフル射撃、ジュニア選手を育成:東京)
有望なジュニア選手を東京に集めて育成するJOCエリートアカデミー事業を日本ライフル射撃協会が今春から始める。1期生4人のうちの1人で福岡県立太宰府高1年、川原楓はライフル競技で将来を期待され、4月から新しい環境で競技生活をスタートさせる。川原は複数競技を経験しながら適性を見極める福岡県タレント発掘事業の出身者。小3からバレーボールを始めたが、身長158センチでは世界で通用しない。「五輪を狙える種目をやる」と競技転向に迷いはなかった。中2の秋、事業のプログラムでライフル射撃に出会うと「自分のやったことが結果に出る」。バランス能力の測定値は受講生平均の1・5倍ほどと適性が合った。高校進学が決まった後は毎週末に4時間ほど自主練習。「撃っていると時間を忘れる」と朝から夜11時までわずかな休憩で練習したこともある。今年1月のライフルの国際大会で銅メダルを獲得した同高3年の末本佳那もタレント発掘事業の出身だが、県協会の仁部宗弘理事は「川原の潜在能力は末本以上」と話す。川原はビームライフルで昨年6月の九州高校大会を制し、10月の国体で6位入賞。今年1月にエアライフルの資格を取り、3月16日の大会で末本の自己ベストと同じ395点(400点満点)を出した。それでも「点数を求めすぎればいつか伸び悩む。いま結果が悪くても、五輪で優勝できればいい」と浮ついたところがない。4月から同級生でピストルの井浦侑希乃と共に東京都立高に編入学し、味の素ナショナルトレーニングセンターで寮生活を送る。東京行き前に不安を持つジュニア選手もいるが「他競技のトップ選手とも一緒になり、刺激を受けられる。不安に思う時間があるなら撃てばいい」と前向きに捉えている。
(守る意識と正しい知識、鳥獣害対策研究グループリーダー)
高齢化や過疎化、担い手不足などの課題を抱える農村に、襲い掛かる野生動物。地域での有効な対策を探る各界の識者に、被害を克服する実践のヒントを聞いた。「農地を自衛する意識」と「正しい知識」。この二つが野生動物から農作物を守る基本だ。鳥獣害対策は猟友会に駆除を頼んだり、行政支援で柵 を設けたりするだけの“他人任せ”では解決しない。被害を減らすには、まず農家自身が対策の担い手と自 覚することだ。その上で、集落を挙げた対策の効果が出てくる。対策が成功するか、失敗するかは、農家の意識で分かれる。鳥獣害への関心が薄いと自分の農地以外に目が向かなくなる。集落に果実や野菜くずなどの餌、隠れ場所となる耕作放棄地があることに気付かない。無意識のうちに野生動物を集落に呼び寄せ、被害を招く。農地を柵で囲っても動物は学習し、あっさりと侵入する。捕獲頭数が増えても被害が減らないのがその証拠だ。対策の鍵は、集落を動物にとって魅力のない場所にできるかどうかだ。実現には集落の環 境整備が欠かせない。被害が初めて出た集落では、専門家から野生動物の習性や環境 整備の手法を学び、実践すべきだ。長い間、被害に悩む集落は、対策に欠点がなかったか、行政を交えて話し合う。捕獲や柵に依存していないか、野生動物を呼び寄せていないか。問題を探ることが、あらためて鳥獣害を考える機会になる。その上で専門家から学び、対策を打ち出せばいい。農研機構は害獣の生態や集落の環境整備などを研究し、被害を減らす取り組みに力を入れている。獣種ごとの対策マニュアルを用意する自治体や研究機関も多い。研究成果や研究者を活用することを勧めたい。高齢化や対策を担う男性が少ないことを理由に、活動が難しいという声を聞くが、そうではない。イノシシの被害が深刻だった島根県美郷町では、1999年から高齢の農家や女性、狩猟者を巻き込んだ集落ぐるみの活動を始め、成果を上げている。果実や野菜の片付け、耕作放棄地の管理、柵の点検などを続け、被害が大きく減った。集落に餌がなくなったため、わなでの捕獲が増え、イノシシ肉の周年販売を実現した。今では地域興しのシンボルだ。昨年、近畿中国四国農業研究センターと美郷町が協定を結び、町外からの視察を受け入れている。対策に成功した町 の取り組みを伝え、農家らに「被害は減らせる」と実感してもらうことが狙いだ。小さな地域でもやればできる。成果は着実に各地に広がっている。
(対策強化に鳥獣保護法改正へ、「保護」から「管理」へ転換)
環境省が今国会で、鳥獣保護法の改正を目指している。野生のシカやイノシシが全国各地で増え続け、農作物や貴重な生態系への食害などが目立つようになったからだ。こうした鳥獣については、従来の「保護」を中心とした対策から、積極的な捕獲も含めた「管理」への転換を図る。法律の正式名称も「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」から「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」に改称する。増え続ける野生鳥獣対策は待ったなしだが、実効性を持たせるには、人材の育成や省庁の縦割りを排した体制構築も求められる。環境省などによると、2011年度のニホンジカ(北海道を除く)の生息数は261万頭、エゾシカは64万頭、イノシシは88万頭と推計された。ニホンジカはこの20年間で9倍近く増えた。11年度の捕獲数は約27万頭で、捕獲率が現状のままだと25年度に約500万頭に達すると見込まれる。野生鳥獣による農作物の被害は09年度以降、年間200億円を超す。11年度は226億円で、シカが83億円、イノシシが62億円と全体の6割以上を占めた。シカの食害は森林や貴重な生態系への影響も深刻で、全国に30カ所ある国立公園のうち20カ所で被害が確認されている。農林水産省は今年度、鳥獣被害防止総合対策交付金として95億円を計上した。都道府県や市町村の支出も加えれば、毎年相当額が被害対策に投入されているが、抜本的な解決にはいたっていない。野生のシカやイノシシはなぜ増えているのか。シカについては明治期の乱獲を反省し、長く保護政策がとられてきたこともあるが、いずれにせよ人間の活動の変化が結果として影響している。まず、中山間地の過疎化が進んだことで、利用されない里地・里山や耕作放棄地が増えた。そこにイノシシが進出してきた。戦後の拡大造林で森林が伐採され、シカのエサとなる草地が増えた。地球温暖化の影響で積雪が減り、シカが越冬しやすくなった。天敵のオオカミは絶滅してしまった。シカが襲われることはない。一方で、捕獲に携わる狩猟免許所持者はこの40年間で6割減り、約19万人となった。ハンターの高齢化も進んでおり、捕獲が十分にできない地域も出てきている。鳥獣保護法は「狩猟」と都道府県知事の許可を受けて行う「許可捕獲」を除き、野生鳥獣の捕獲を原則として禁止している。では、狩猟と許可捕獲はどう違うのか。狩猟とは、法定猟法(銃猟、わな猟など)により鳥獣保護法で指定された狩猟鳥獣(現在は鳥類29種、獣類20種)を捕獲することだ。狩猟を行うには、免許を取得し、都道府県に登録する必要がある。許可捕獲は、(1)農作物の被害防止のための有害捕獲(2)都道府県などが定めた特定鳥獣保護管理計画に基づく個体数調整(3)学術研究目的等――に分けられる。いずれも都道府県知事などの許可が要る。かつては捕獲の多くが狩猟によるものだったが、近年では許可捕獲が上回るようになっている。環境省が検討中の鳥獣保護法改正案では、名称に加える「管理」を「鳥獣の数を適正な水準に減少させ、生息地を適正な範囲に縮小させるために必要な措置を講じること」と定義する。都道府県は、鳥獣保護法に基づき「著しく増加又は減少した野生鳥獣」を対象に特定鳥獣保護管理計画を策定し、個体数調整をしてきた。一方、「管理」に積極的な捕獲対策の意味を持たせた改正案では、保護管理計画を第1種特定鳥獣と第2種特定鳥獣(いずれも仮称)の2種類に再整理する。第1種は「その数が著しく減少している鳥獣」で、保護が必要となる。第2種は「その数が著しく増加し又はその生息地が拡大している鳥獣」で、シカやイノシシが相当する。第2種の中でも特に必要なものについては、市町村が中心だった捕獲事業も、都道府県や国が直接実施できるようにする。その上で、一定の技能を持ち、適切な安全管理ができる捕獲の専門事業者を都道府県知事が認定する制度も創設する。個人では難しい技術を使った効率的な捕獲を促すためだ。認定事業者は自治体の委託を受けて、捕獲事業を実施することになる。現行は禁止されている夜間の猟銃捕獲を限定的に認めることも検討する。また、若手の捕獲従事者を育成するため、わな猟と網猟の免許取得年齢を20歳から18歳に引き下げる。環境省は、全国的に被害が深刻化しているシカなどについては、国が都道府県ごとの捕獲目標などを盛り込んだ指針を示す考えだ。これに対し、猟友会などからは、認定事業者の具体像が分かりにくい、もっと狩猟を活用すべきだなどといった声も出ている。狩猟関係者からどう理解を得ていくのかも注目される。野生鳥獣行政は保護から捕獲へと重点が移ろうとしている。前述のように都道府県は、鳥獣保護法に基づき野生鳥獣の個体数を調整する保護管理計画を定めてきた。一方、有害鳥獣の駆除など農産物被害対策は、08年施行の鳥獣被害防止特別措置法に基づき、市町村が国の基本方針に則した被害防止計画を策定して取り組むことになっている鳥獣被害特措法は農水省、鳥獣保護法は環境省の所管だ。二つの法律は整合性を図ることになっている。両省は連携して鳥獣捕獲強化対策に乗り出し、23年度までにニホンジカとイノシシの生息数を半減させることを目標に掲げた。しかし、野生動物管理の専門家からは、都道府県と市町村との連携がうまくいっていないという指摘もある。野生鳥獣に県境は関係なく、市町村や都道府県の枠を超えた対策が欠かせない。国や自治体、研究者や地域住民などさまざまな関係者が手を携え、対策を効果的に進めていく必要がある。野生動物の分布状況の調査など科学的なデータの蓄積も欠かせない。日本には野生動物管理の専門家が少なく、人材の育成も急がなければならない。有害鳥獣の駆除という対症療法に加え、荒れた里山の環境を回復したり、耕作放棄地を有効活用するなど、野生鳥獣を山に押し戻す対策も併せて求められるだろう。
(春作業、マダニにご用心)
マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の発症報告が各地で相次いでいる。2013年1月に国内で初めて発症が確認されて以来、年間で40人が発症。マダニは鹿やイノシシに寄生して分布を広げ、農家が感染したケースもある。SFTSは有効な治療法がなく、発熱や下痢を引き起こし、最悪の場合は死に至る。マダニの活動は春から盛んになるため、厚生労働省などは、農作業時は肌を露出しないよう注意を呼び掛けている。マダニは、日本紅斑熱やライム病といった細菌による感染症も媒介するが、抗菌薬による治療ができ、発症しても死に至るケースはまれだ。一方、ウイルス性の感染症であるSFTSは、有効な薬剤やワクチンがなく、熱を下げたり下痢を止めたりする対症的な治療しかできない。厚労省によると最初に感染が見つかったのは2011年の中国で、次いで日本、韓国で発症。事態を重く見た同省は昨年3月、SFTSを発症患者の報告義務がある感染症の一種として指定。原因について調査を進めている。昨年発症が確認された40人は、職業別にみると「無職」が21人で、次に「農業者」が7人と続いた。発症者のうち死者は13人と3割に上り、高齢者が中心だった。発症地域は兵庫県より西の13県。ただ同省の調査では、北海道から九州の23道府県でウイルスを保有したマダニが見つかり、発症のリスクは高まっている。実際、現場でもマダニをよく見かけるとの声が出てきた。静岡県農林技術研究所 茶業研究センターで病害虫を担当する小澤朗人研究員は「県内の茶園やその周囲の雑草地で病害虫調査をすると、よくマダニを見つけるようになった。気付くとズボンの裾にくっついていて、ひやっとしたこともあった」と自身の体験を話す。マダニを発見した農家からも、防除方法についての問い合わせが最近、増えているという。感染を防ぐ方法はないのか。国立感染症研究所が作成したマダニ対策のパンフレットによると、マダニは、鹿やイノシシなどの野生動物が出没する環境や、民家の裏山やあぜ道などに生息する。外出時は首にタオルを巻くなど、肌の露出を少なくする対策が有効としている。同研究所では「かまれたら、無理にマダニを取り除かずに皮膚科などで処置してほしい。38度以上の発熱や下痢などの症状が見られたら、医療機関で相談してほしい」(調整課)と注意を促す。
(「サル研究の妨げ」、砂堆積で船出せず:宮崎)
串間市市木の船着き場「石波泊地」に大量の海砂が堆積し、ニホンザルが生息する対岸の幸島に渡船を出せなくなったことから、県が砂の除去作業を進めている。京都大野生動物研究センター幸島観察所は60年以上、サルの調査を続けており、県串間土木事務所は「世界的な霊長類研究に支障が出ないようにしたい」としている。京大幸島観察所などによると、2月中旬頃、強風によるしけの影響で大量の海砂が石波泊地の防波堤(長さ114メートル)北側に押し流され、渡船や釣り船の船着き場が砂で埋まった。幸島は周囲3・5キロ、面積32ヘクタールの無人島で、ニホンザルの生息地として国の天然記念物に指定されている。現在、約80匹が確認され、観察所職員の鈴村崇文さん(39)と研究員の高橋明子さん(33)が渡船で島に渡り、健康状態などを記録している。調査は1952年から続けられ、サルが海水でイモを洗う行動の発見などで注目を集めた。石波泊地が使えなくなると、長年にわたる継続調査が途絶えるおそれもあったという。串間土木事務所は観察所の要請を受け、今月10日から砂の除去作業を開始。約3100立方メートルを重機で移し、海流で戻らないよう約300メートル離れた場所まで運ぶ。費用580万円は今年度の漁港維持管理費から支出した。同事務所は「観察所の船着き場として使えるようにするための緊急措置。天候次第で再び堆積する可能性もあるので、長期的な視点で対策が必要」としている。
(シカ肉を地域資源に:北海道)
日本共産党の紙智子議員は17日の参院農林水産委員会で、鳥獣被害、とりわけ全国的に増加しているシカ被害防止対策の強化やシカ肉を地域資源として活用するための支援を求めました。北海道では鳥獣被害のうちエゾシカによる被害が9割に達しています。生息数の抑制対策が進められているものの、シカは重さ100キロを超える大型動物。駆除後の運搬が困難で不法投棄されている実態もあります。紙氏は捕獲活動への支援策が少なく、意欲につながらないと指摘し、支援額の引き上げなどを要求。また、シカ肉の食肉処理施設への売却はわずか13・2%、ペットフード製造業者への売却は0・3%にすぎないとし、シカ肉を地域資源と位置づけ有効活用するために、国が衛生管理基準を設け、加工・流通対策を強化するよう要求しました。厚生労働省の新村和哉食品安全部長は「国としてガイドライン作成など安全性を確保する対策を進めたい」と答弁。佐藤局長も「食肉としての利活用は大切。商品開発や販売を強化する取り組みを支援したい」と述べました。
(食卓にエゾシカ肉、さらなる活用探る:北海道)
エゾシカの「食」としての有効活用を考えるシンポジウム「みんなでエゾシ会議」が22日、釧路市の釧路短期大学で開かれた。同短大と市の主催で今年で4回目。市内では今、料理店や学校給食でもエゾシカ肉が扱われるようになり、市民にもすっかり定着した。「集大成」と銘打った今回のシンポには100人以上が集まった。シンポでは、エゾシカ肉の栄養成分を研究する同短大の岡本匡代准教授(食品科学、管理栄養士)が講演。シカ肉が古くから食べられてきた日本の歴史や、高たんぱくで低カロリー、鉄分も豊富という特長を説明し、「まさに女性のためのヘルシー肉。北海道のクリスマスは鳥肉ではなく、エゾシカ肉になるぐらい定着してほしい」と食卓への普及を呼びかけた。

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(日本クレー射撃協会、処分を解除)
日本オリンピック委員会(JOC)は19日、東京都内で加盟団体審査委員会を開き、役員改選をめぐる内紛が原因で、09年から資格停止中の日本クレー射撃協会についても、組織運営の改善や規定整備の進展を認め、処分を解除する方向となった。25日の理事会で正式決定される。
(市街地でイノシシ目撃:長野)
18日朝、長野市の市街地で、イノシシが目撃された。防犯カメラは、縦横無尽に走り回るイノシシの姿をとらえていた。街中に突如現れた、1頭のイノシシ。大きなビルの前で立ち止まったかと思うと、再び走り回った。これは、地元の新聞社の本社ビルに設置された防犯カメラの映像。午前6時すぎ、駐車場を走るイノシシを警備員の男性が見つけ、警察に通報した。体長は130cm程度で、大人のイノシシとみられる。長野市では2月も、市街地でイノシシの目撃が相次いでいる。
(サルの目撃情報相次ぐ:大分)
大分市の住宅地でサルの目撃情報が相次ぎ、市が周辺の学校に注意を呼びかけています。きょう午前7時半頃大分市下郡小学校近くの住宅地でサルが電線に登っているのを登校中の児童や住民が発見しました。出没したのは子ザルで群れからはぐれたとみられています。最初の目撃情報はきのうの朝。大分市によりますと大在や鶴崎など4つの地区で電線の上を歩くサルの目撃情報が次々と寄せられました。そしてきょうも、下郡地区を起点に市街地などの広い範囲でサルが出没しています。いまのところ人への被害は確認されていませんが、大分市は周辺の小中学校などにサルと遭遇しても目を合わせたり、エサを与えたりしないよう注意を呼びかけています。
(春からクマ出没注意報:岩手)
県は18日、今年春から秋にかけて県内でツキノワグマが例年より多く出没する恐れがあるとして「出没に関する注意報」を発令した。発令は2006年以来2回目。県自然保護課によると、餌となるブナの実が豊作だった翌年は、雌の栄養状態が良好なため子グマの数が多くなるという。また、凶作で餌が少ない年には出没が多い傾向にある。13年の県内は豊作で、14年は「凶作」か「皆無」となることが確実視されている。前回注意報を出した06年は、15件16人の人身被害が発生。県は「春から秋にかけて山間地や人里、市街地に例年より多く出没し、人身被害や農畜産物被害が増加する恐れがある」と注意を呼び掛けている。
(鳥獣被害対策本部設置へ:群馬)
野生動物による農作物被害が深刻化する中、県は新年度から鳥獣害対策を本格化させる。近く鳥獣被害対策本部(本部長・茂原璋男副知事)を設置し、実務を統括する部長級ポストを新設することを決めた。対策本部に県警や県教委も加え、狩猟者確保・育成などの取り組みを強化する。鳥獣害による被害は増加の一途をたどっている。県によると、林業を含む県内農作物の被害額は、平成21年度は約8億5千万円だったが、24年度には過去最悪の約12億2千万円に上った。県内有数の観光名所・尾瀬の被害も深刻で、シカによるミズバショウの食害や、湿原の掘り起こしが目立つようになってきている。背景にあるのは狩猟者の減少だ。本県に登録されている狩猟者数は、ピークだった昭和45年度の1万8947人から、平成24年度は3734人まで減った。25年度は1月末時点で3585人となっており、24年度を下回り過去最低を更新するのはほぼ確実となっている。狩猟者の減少理由は、山間地の人口減少や銃管理の厳格化などさまざまだが、県の担当者は「昔は狩猟を趣味にしている人が多かったが、近年はレジャーが多様化し、趣味の幅が広がったことも大きい」とも指摘している。県はこうした厳しい状況を踏まえ、鳥獣害対策に本腰を入れることを決めた。県によると、対策本部は高崎市の鳥獣被害対策支援センターに事務局を設置。県の各部局のほか、国の特別天然記念物に指定されているカモシカの捕獲権限のある県教委や、銃刀法関連を指導する県警も加わる。現在、国では鳥獣捕獲の対象者を拡大するなどの規制緩和策が検討されており、対策本部では国の動きに合わせた対応を協議する。また、県教委や県警と連携することで、市街地に迷い込んだ野生動物への対応など、駆除面以外にも柔軟に検討できるようになる。県は、対策本部以外にも鳥獣害対策を進める考えで、狩猟者育成のため、安中市のクレー射撃場にライフル射撃場を併設することを検討。設置に向けた調査費100万円を19日に可決した新年度予算案に計上した。
(オジロワシ、オオワシ受難:北海道)
昨年、道内で列車と衝突した国の天然記念物のオジロワシとオオワシが過去10年で最多の計7羽に上ったことが19日、環境省の調査で分かった。列車と衝突死したエゾシカを食べようとして事故に遭ったとみられ、同省は新年度、シカの死骸の撤去などの対策についてJR北海道と協議を進める方針だ。同日、釧路市内で同省が開いた保護増殖を検討する会合で報告した。また、けがなどで同省釧路湿原野生生物保護センターに運び込まれた数が、本年度は同日までに、オジロワシ26羽、オオワシ20羽の計46羽に上った。これも過去10年で最多。傷病別ではオジロワシは風車との衝突5羽、シカなどの死骸に残った鉛弾を飲み込んで起きる鉛中毒の疑いが4羽、列車衝突と車との衝突各3羽など。オオワシは列車衝突と感電各4羽、車との衝突3羽、鉛中毒の疑い2羽など。同省は鉛中毒対策にも力を入れる方針で、被害の実態などを記したリーフレットをハンターに配布する予定。
(イノシシ被害拡大:広島)
広島県内有数の桜の名所である三次市三次町の尾関山公園で、イノシシが地面を掘り返す被害が広がっている。公園内を走る姿を目撃した例もあり、専門家は「うり坊の遊び場になっている」とみる。
(カラス被害終息、餌やり規制など奏功:大阪)
カラス被害は終息!――。大量のふんや激しい鳴き声被害から、カラスの餌やり禁止条例まで制定した箕面市が今春、桜井地域へのカラスの飛来がほぼなくなったとして、終息宣言した。1日300羽が「襲来」した異常事態から5年。市役所の動物対策チームによる撃退と、地域のゴミ出しのルール徹底がようやく実を結んだかっこうだ。12日の市議会建設水道常任委員会。市が今月の広報で「終息宣言」したことについて尋ねられると、倉田哲郎市長は、「行政だけでなく、住民、事業者の粘り強い協力で、桜井地域のカラス被害は終息に至ることができた」と答弁した。たびたびカラス被害が報じられてきた箕面市桜井地域。カラスへの餌やりなどが原因で、大量のカラスが隣接する豊中市内の鎮守の森から飛来し、住民生活に支障をきたすようになったのは5年ほど前だ。
(狩人塾、魅力を紹介:島根)
島根県浜田市弥栄町の田舎カフェ「陽気な狩人」でこのほど、猟師が体験を語る「狩人塾」が開催された。県内や鳥取、広島などから猟師や狩猟に興味がある17人が参加した。カフェを営む猟師の今田孝志さん(62)が、県西部農林振興センターの協力を得て開いた。今田さんは講演で体験を紹介し、「殺伐とした現代社会がストレスや自殺などを生む。猟犬と一緒に自然の中にいると人間的、動物的感覚がわいてくる。自然と関わって強い人間になれる」と訴えた。県西部農林振興センターの金森和裕さんは、浜田管内の狩猟者の減少と高齢化の現状を報告。後継者の必要性を訴えた。浜田市横山町から参加した猟師の小出伸昭さん(42)は「子供にも狩猟の様子を見せながら、自然と親しむように育ててきた」。松江市の猟師、丸石博さん(43)も「狩猟で捕ったカモなどを子供にも解体させ、食の循環や命の大切さを伝えている」と話した。講演後には、全員で猪肉料理を食べて自然の恵みを分かち合った。
(孤高の狩人:秋田)
木の葉が風に揺れる音を聴きながら、猟の成否を占う。50年近い経験に裏打ちされた感覚を研ぎ澄まし、クマの足跡を追う—。湯沢市秋ノ宮の湯ノ岱マタギの一人、菅詔悦さん(69)。常に自然の音に耳を傾け、動物と目で会話するという。湯ノ岱マタギは1人で山に入るのが特徴。菅さんは20歳ごろから山に入り、これまで50頭のクマを仕留めた。にらみ合ったとき、観念したような表情を見せるクマがいる一方、生存への強い意志を目に宿すクマもいる。距離はわずか5、6メートル。観念したと思えば、意を決して銃を構える。生への執着が感じられれば勝負を持ち越すが、この場合はクマの方が身を翻して去っていくという。「なんで殺生を仕事にしてきたんだろう、という思いはある」。自然との共生を常に考えてきた菅さんはクマの供養、感謝の儀式を欠かさない。後継者はいなかったが、期せずして吉報が舞い込んだ。東京の大学院を修了した橋本明賢(あきよし)さん(26)=福井県出身=が弟子入りを志願してきたのだ。専業では生活が成り立たないため「うれしさ半分、心配が半分」と菅さんは話したが、その表情には喜びがあふれていた。きっといい師弟になると思った。湯沢市は山に囲まれた街。山をフィールドにする職人が1人増え、伝統の灯が長くともされる見通しとなったことは喜ばしい。菅さんの姿勢を街づくりにも応用したい。街の音に耳を澄ませ、暮らす人の思いを真摯(しんし)に受け止める—。先人への感謝の気持ちを込めて取り組めば、離れたくない街、戻ってきたい街に育つのではないか。
(高校生、ジビエに挑戦:大分)
県内で急増する農林業の鳥獣被害の対策として捕獲されたイノシシやシカの肉を有効活用しようと、11日、日田市の私立昭和学園高校で料理教室が開かれた。調理科2年の生徒40人が参加し、料理専門家の指導でさまざまな料理づくりに挑戦し、試食もした。教室を開いたのは県西部振興局農山村振興部。昨年から、フランス語で野生鳥獣の肉を意味する「ジビエ」料理を広めようと、フードコーディネーターの原田京子さん(52)の協力を得て開いてきた。調理実習室で、わなで捕獲されたイノシシやシカの肉が披露されると、生徒らは初めて見る素材に興味津々だった。原田さんがくさみを消す工夫とともに料理法を紹介すると、質問が相次いだ。グループ別にイノシシ肉のスープやカレー、シカ肉とシイタケのしぐれ煮などを作った。
(害鳥獣にロケット花火発射:栃木)
シカやサル、カラスなど野生鳥獣による食害が深刻な中山間地域の農家。そんな悩みを解決できるかもしれないアイデア商品だ。外観はまるで拳銃。銃身に見立てたアルミ製のパイプに、市販のロケット花火を差し込み点火、発射すると、40~50メートル先で破裂。破裂音とともに、動物が逃げ出す仕組みだ。本業は竹沢勝雄社長(76)、佐千夫専務(44)の親子2人で営む精密機械加工会社だが、周辺の畑で野菜も作っている。これまで鳥獣害対策でロケット花火を瓶に差して発射しても、飛距離が安定せず効果が低かったという。竹沢社長が作業場にあった部品を組み合わせて発射装置を試作したところ、思いのほかよく飛んだのが商品化のきっかけだった。飛距離が安定するよう試行錯誤し、銃身の長さを25センチに設定。火をつけやすくするため導火線用の穴を設けたほか、火花が手に触れないよう、グリップ部分との間にアクリル板を取り付けた。銃身を2列にすることで、連射もできるようにした。評判を聞き、日光市も鳥獣害対策に約30丁購入。2011年には実用新案登録もされた。竹沢社長は「クマ避けや、カワウ対策にも有効だ」と話す。商品名の「ダンちゃん」は竹沢社長の孫で、小学生の暖君から取った。「弾丸のダンにもちなんでいて、ちょうどいいかなと思った」と佐千夫専務。「製造業だけでなく、農業など異業種の人とも話し合って、今後も新商品のきっかけがつかめれば」

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(散弾銃誤射、男性けが:北海道)
16日午前10時25分ごろ、北海道倶知安町琴平の山林でキツネやカラスを散弾銃で駆除していた地元猟友会のメンバーから「誤射で仲間がけがをした」と、110番があった。同町の自営業湯口公さん(42)の足に散弾が当たっており、負傷した。湯口さんは仲間の車で病院に搬送された。倶知安署によると、湯口さんは猟友会の仲間11人と同日朝から山林に入った。同署は誤射の状況を詳しく調べている。
(足滑らせ、ライフル銃で自分を撃つ:山梨)
15日午前9時55分頃、山梨県山梨市市川の山林で狩猟をしていた同市一町田中の農業の男性(66)が、ライフル銃でシカを撃とうとした際、足を滑らせて誤って自分の右足甲を撃ち、重傷を負った。山梨県警日下部署の発表によると、男性は甲府市内の病院に搬送されたが、命に別条はないという。男性は同日午前9時半頃から、猟友会のメンバー8人と入山していた。
(車の下敷き、男性死亡:和歌山)
15日午後2時10分ごろ、紀の川市神通の神通温泉から西方約800㍍の市道で、大阪府和泉市の無職、山崎一さん(63)が車の下敷きになる死亡事故が発生した。岩出署によると、山崎さんが軽貨物車を路上に駐車させて降りた直後に車が前進。停止させようとしたが、車とともに進行方向右側の休耕田に約2㍍転落し、車の下敷きになったという。車は下り方向に駐車していた。山崎さんと行動を共にしていた猟仲間が、119番通報。紀の川市内の病院に運ばれたが、午後4時ごろ死亡が確認された。エンジンは切られていたという。同署は事故原因について調べを進めている。
(イノシシはねられ死ぬ:福島)
14日午後6時50分ごろ、福島県広野町上北迫の常磐自動車道上り線(片側1車線)で、普通乗用車が道路を横断していたイノシシをはねた。乗用車を運転していた男性(39)にけがはなかったが、はねられたイノシシは死んだ。県警高速道路交通隊によると、横断していたイノシシは3頭で、死んだのは親とみられる1頭。警察官が駆けつけると、他の2頭は姿を消していた。現場は、東京電力福島第1原発事故で避難区域となったことで通行止めとなり、先月22日、約3年ぶりに再開通した広野インターチェンジ(IC)−常磐富岡IC間。原発周辺ではイノシシなど野生動物が繁殖し、家屋などへの被害が相次いでいる。
(買い上げ事業効果、狩猟意欲がアップ:福島)
東京電力福島第1原子力発電所の事故後、生息数が急増している有害鳥獣を駆除しようと、福島県内の市町村が、独自に買い上げ事業を実施し、捕獲頭数を大幅に増やしている。仕留めたイノシシや猿に対して支払う金額を高めに設定したり、前年度より引き上げたりして狩猟者の意欲向上を促す。処分に掛かる費用をゼロにするケースもある。農作物被害を減らし、農家の離農を食い止めようと必死だ。2013年度から1頭2万円の有害鳥獣の買い上げ実施に踏み切ったのは相馬市。東日本大震災や原発事故で被災農家の離農が進むことに危機感を持ったためだ。市によると、津波で被災した水田1162ヘクタールのうち営農再開したのは26%(13年度)にとどまる。市内では12年度に水稲4.2ヘクタールで鳥獣害が発生。被害がこれ以上拡大すれば、農家の意欲減退に拍車を掛けると判断、「営農再開への不安を少しでも取り除きたい」(農林水産課)と対策強化にかじを切った。事業に当たって市は、13年度から「鳥獣被害対策実施隊」を発足。地元猟友会が推薦した18人で構成し、半分は地元農家が占める。イノシシや猿の捕獲数は11日現在、290頭と前年の6倍近くに上った。捕獲した獣は、市指定の施設で処分すれば、狩猟者の負担はない。イノシシの生息は拡大しているが、捕獲が進んだことで、農作物被害を食い止めているという。実施隊長の高野田鶴夫さん(74)は「原発事故後、イノシシを捕獲する猟師が減り、今年に入ってイノシシの発生が特に増えた。今、手を打たないと、農家の意欲を保てなくなるほど被害が拡大する」と駆除に当たる。原発事故で営農を見合わせる地域を抱える南相馬市でも、イノシシなどに支払う報奨金を13年度は1頭当たり2万円と、前年度の2.5倍に引き上げた。その結果、捕獲数は3月現在、同8倍以上の1100頭に急増した。
(サル害130匹、巨大ケージで捕獲へ:福岡)
北九州市は新年度、同市小倉南区で農作物を荒らすニホンザルの捕獲作戦に乗り出す。市によると、群れは約130匹に達しているとみられ、出没する畑に巨大ケージを設置して一網打尽を狙う。同市や福岡県香春町によると、同町が1965年、大分市の高崎山をヒントに、餌を入れたケージを設置して野生のサルを捕獲。観光用に約20匹を飼育していたが、92年、ケージの鍵が壊れ、全て逃げてしまった。その後、隣接する小倉南区と同県みやこ町にも野生化したサルが出没。現在、同区内の約130匹の群れのほか、香春、みやこ両町でも二つの大きな群れが確認されている。北九州市内の農作物被害は最近5年間で127件、被害額は100万円を超えている。
(クジャクなど1749羽駆除:沖縄)
石垣市の委託で有害鳥獣駆除を行っている一般社団法人沖縄県猟友会八重山地区(安田喜禮地区長)は16日、本年度最後の有害鳥獣一斉駆除を行った。本年度全5回の活動で合わせてクジャク130羽、キジ1119羽、カラス500羽の計1749羽を駆除した。本年度最後となる5回目の駆除は2月中旬から約1カ月間にわたって実施。その最終日に当たる16日は25人が参加し、バードウオッチングが行われた屋良部半島を除く島内全域で一斉駆除を行った。5回目の活動では約1カ月間でクジャク61羽、キジ447羽、カラス500羽の計1008羽を駆除した。安田地区長は「カボチャやパインアップルなどがだいぶ被害に遭っていたようだ。今回の駆除で少しでも農家の被害を和らげられれば」と話した。
(シカ合同捕獲、挟み撃ちで効率向上狙う:長野)
岡谷市、塩尻市とそれぞれの猟友会は16日、両市境にある東山(標高1429メートル)一帯の山林で初めてニホンジカの合同捕獲をした。増えているとみられる鹿を効率良く捕獲する狙いで、両市の猟友会員と市職員計約130人が参加。計17頭を捕獲した。鹿は市境をまたいで逃げることが多いといい、農林業被害が増えている岡谷市が塩尻市に呼び掛けた。午前8時半に塩尻峠で開いた出発式で、塩尻市猟友会長の塩原基宏さん(72)は「記念すべき最初の作戦。成果を挙げよう」とあいさつ。両市の猟友会員や猟犬が二手に分かれ、それぞれ長さ数キロにわたって広がり、西と東に向かって鹿を追い出した。午後2時までに岡谷市側で7頭、塩尻市側で10頭を捕獲した。岡谷市猟友会長の登内秋登さん(71)は「雪が多く、市境をまたぐ鹿の動きはなかったが、今後も市域にこだわらずに連携を強めて農林業被害を減らしたい」と話していた。
(ハンター雇い捕獲増、農家に指導:北海道)
北海道の地方自治体で、狩猟免許を持つ若い人材を雇用して鳥獣による農業被害の軽減につなげる動きが出てきた。洞爺湖町では専任の嘱託職員が、エゾシカの捕獲やわなの仕掛け方の農家指導に当たり、被害を半減。住民の自衛意識も高めるなど、人件費を上回る効果を生んでいる。農家の高齢化や猟友会員の減少で捕獲の担い手不足が全国的な課題となる中、自治体が直属の狩猟者を確保して機動的な鳥獣対策を実現する試みは、注目を集めそうだ。洞爺湖町の鳥獣による農産物被害は2009年度、面積で約13ヘクタール、金額は1300万円。道内では比較的少ないが、町は「10年後を見据えて対策をしないと、被害はひどくなる」(農業振興課)と指摘。わな免許を持つ農家にくくりわなを貸し出すなど対策を進めてきた。しかし、わなで鹿が捕まらなかったり、ハンターの都合で、鹿のとどめ刺し(とめ刺し)が遅れたりする課題が浮上。そこで町は、第一種銃猟など3種の狩猟免許を持つ山本勲さん(33)を2012年度から雇用した。町は、効率的な捕獲のため15秒ごとに画像を自動撮影するセンサーカメラを利用する。森などに4台を設置し、鹿の行動を把握。山本さんは地元猟友会と連携し、12年度は21頭、13年度(3月4日まで)は37頭を仕留めた。12年度の鳥獣による農産物被害面積は約7ヘクタール、760万円へと大きく減った。山本さんは農家に、鹿をくくりわなへ誘引する方法を助言したり、連絡を受けた農場に出向いたりと、住民への指導や情報交換にも力を入れる。農家を対象に毎年行うアンケートで13年は「野菜くずを畑に捨てないなど自衛策を取っている」と答えた人が77.6%と、山本さんが雇用される前の11年から8.2ポイント上昇。鳥獣対策に対する農家の意識が向上していることがうかがえる。近隣の黒松内町も13年度、第一種銃猟免許を持つ本間由香里さん(25)を臨時職員に採用した。町内の農産物の鳥獣被害額は350万円(10年度)だが早めの対策を重視した。本間さんの担当は有害鳥獣捕獲の許可証の作成など。地元猟友会に所属し、私的にエゾシカ捕獲にも参加する。鳥獣の生態に詳しく、町は「職員全体の知識向上につながった」(環境政策課)と評価する。本間さんは今後の鳥獣害対策について、町単独の取り組みでは限界があると感じており、「道や市町村を越えた広域的な連携が必要」と訴えている。
(山林に頭蓋骨、住んでいた男性か:埼玉)
15日午後3時半ごろ、日高市新堀の山林で、白骨化した人の頭蓋骨があるのを有害鳥獣の駆除をしていた同市、猟友会員の男性(59)が発見した。飯能署によると、性別や死亡時期は不明。同署は遺体の他の部位など周辺の捜索を進めて、身元の特定と死因を調べる。現場は車道から北に約40メートル入った斜面で、倒木の下のくぼみで見つかった。近くには木の間にブルーシートが掛けられ、ズボンやジャケットなどが発見された。近所の住民から「4、5年前まで、男性が住んでいた」という情報も寄せられている。
(獣害対策「若者よ、狩りへ出よう」:兵庫)
狩猟免許を持つ人の減少や高齢化が進む中、西播磨県民局は新年度から、鹿やイノシシなどの野生動物による被害対策として、銃の若手ハンターの育成に取り組む。狩猟免許を取得するために必要な事項をまとめたパンフレットを作成したり、新規に養成教室を開いたりして、狩猟の担い手として若い世代の関心を高めていくことが目的だ。同県民局によると、西播磨地域の銃猟免許所持者は2008年度の545人に対し、13年度は418人に減少。12年度の銃猟免許所持者(403人)のうち、60歳以上が73%を占め、高齢化が進む一方、20~30歳代は5%にとどまっている。県内の鳥獣による農林業被害は08~12年度、約8~9億円で推移している。狩猟をするためには、都道府県の狩猟免許試験に合格し、免許を取得することが必要で、銃を使う場合は公安委員会の銃の所持許可を取る必要がある。このため、県は新年度予算に30万円を計上し、狩猟免許を取得するために必要な手続きや経費などを記したパンフレットを作成し、市町やホームセンターなどで無料で配布する。若者や女性などを対象とした養成教室は5月から8月の計4回、同県民局を主会場に開催し、年間の新規取得者を平均10人から20人に倍増させたい考えだ。既に取得者400人を対象に、今秋以降にアンケートを行い、狩猟に対する考え方や要望を把握して、今後の対策に反映させる。県光都農林水産振興事務所森林林業第2課の高瀬光朗課長は「事業の取り組み状況を見ながら、15年度以降も継続していくか判断する。若者や女性が新たに狩猟活動に参加してもらえるように努めたい」と話している。
(鳥獣被害、県が対策強化:群馬)
深刻化する野生鳥獣による農林業などへの被害に対し、県は来年度にも適正管理計画などの効果検証の第三者機関を設置、対策強化に乗り出す。県が13日の県議会鳥獣害対策特別委員会で明らかにした。県の取り組みを外部から総合的に評価し、効果的な対策を目指す。県は検討中のカワウも含め、イノシシ▽シカ▽カモシカ▽ツキノワグマ▽ニホンザル−−の計6種の適正管理計画を策定し、捕獲や侵入防止柵の設置などを進めてきた。しかし、対策を上回る速さでシカやイノシシは生息数を増やしており、野生鳥獣による農林業の被害額は2012年度に12億円を超えた。県によると、第三者機関は学識経験者を中心に構成。人数などは未定だが、実績やデータを基に県の対策の効果を検証するほか、種別の分科会を設けることも検討しているという。県は第三者機関以外にも、副知事をトップに据えた鳥獣害対策本部を来年度の早い段階で設置する予定で、多方面に及ぶようになった鳥獣被害に全庁的に取り組む。また、対策の中心となる鳥獣被害対策支援センターを現行の2係8人から3係12人に拡充。部署間の連携強化のため部長級の参事を配置するほか、専門知識を持った嘱託職員を採用し、センターの機能強化を図る。
(深刻なイノシシ・ネズミ被害:福島)
日本新聞協会が主宰するマスコミ倫理懇談会の東京地区3月例会が13日に開かれ、福島民報、福島民友の両地元紙の編集局長が3・11から3年間の福島の歩みと現状、復興を語った。避難区域の再編で東京電力福島第1原発から20キロ圏内の旧警戒区域も一時帰宅が許されている。放射能汚染のため事故発生から“放置”されてきた住居の傷みは激しい。キノコ類の侵食がおびただしいという話を以前に聞いたことがあるが、「県が今、一番やっているのはネズミ対策」だと民報の佐藤光俊氏は話す。一時帰宅した住民が目にするのはネズミのふんで汚れた我が家の姿。深刻なネズミ被害を受けて県が実態調査に乗り出し、昨年8月に対策事業が始まった。前例のないネズミ駆除事業とあって、県保健福祉部は1月、「避難指示区域におけるネズミ対応マニュアル~自治体版~」も出し、粘着式のわなも配布されているが、わなの仕掛けには家人の立会いが必要とあって、「一時帰宅の人にはやるけれど、全世帯には(わなが)配られていない」(佐藤氏)。国も駆除対策費用の全額補助制度を導入するなど、対策を始めたという。ネズミについては養鶏現場でも、成鶏が産んだ卵を巧みに盗み出したり、ヒナの内臓を食いちぎったりするなどした例がわかっているといい、畑ではイノシシが高圧電流の電気柵をものともせずに畑に侵入してやりたい放題。住宅も含めて「イノシシとネズミの被害はただごとではない」(同)。住み慣れた家に戻れても、あまりの惨状を目にすれば、帰還への気持ちも萎えかねない。国や自治体が帰還を促しても、放射線量や賠償金で解決できない問題が残っている。
(カラスの行動に地域差)
郊外に生息するカラスは、都心部のカラスより広範囲に活動することが、宇都宮大農学部の杉田昭栄教授(動物機能形態学)らの研究グループによる栃木、長野両県での行動調査で明らかになった。グループは「郊外の場合、広いエリアで好物の餌がある農家や畜舎を探し出し、仲間同士で教え合っている可能性が高い」と指摘している。調査によると、郊外のカラスは季節で行動を変化させ、春は巣作りのため安定して餌を確保できる畜産農家を探す。夏は山や川を飛び回り、魚や小動物を餌にすることも。ブドウや柿が実る秋は巣から30~60キロ離れた果樹園まで遠出し、餌の少なくなる冬は畜舎などを餌場にする。一方、都心部のカラスは半径5キロ以内で生活。餌を貪欲に探し、1羽ごとの縄張り意識が強い。生ごみや残飯などの餌の量には限りがあり、群れの中で取り合うことも少なくないとされる。
(カラスによる被害防げ:富山)
カラスやイノシシなどによる農作物の被害が問題となっていますが、富山市の特産、呉羽梨も深刻な状態です。カラスによる呉羽梨の被害額は、去年1年間でおよそ2700万円。富山市のナシ畑では、14日、生産農家などがカラス対策に乗り出しました。富山市の特産「呉羽梨」。収穫前のナシがカラスによって食い荒らされている様子が分かります。こうした現状を受けて、呉羽梨果樹組合と富山農林振興センターなどが対策に乗り出しました。「カラスの侵入を防ぐために設置されたのは、光に反射しないこの極細ワイヤです」(川合記者)富山市吉作地区にある呉羽梨の畑では、14日、生産農家や関係者などおよそ10人が集まり、カラス対策用のワイヤ張りが行われました。ナシ畑の周りに1,25メートル間隔でポールが立てられ、地面から高さ4メートルの位置に釣竿を使って太さ0.3ミリのワイヤを張っていきます。これは、ナシに近づくカラスがワイヤに気付かず接触することで警戒心を抱かせる作戦。去年に続き、2回目の取り組みです。背景には、深刻化するカラス被害があります。県によりますと、2010年から散弾銃を使った駆除を自粛。その影響もあって、翌年の2011年からカラスによる被害が倍増。おととしは、被害額が過去最大のおよそ5000万円に上ったことから、去年、ワイヤによる対策を実施。その効果が現れはじめています。今シーズンは8か所の梨畑でワイヤ張りを行い、カラス被害の推移を確認するほか、設置方法をマニュアル化して普及させる方針です。
(ミツマタ栽培本格化:徳島)
那賀町の林業家らでつくる木沢林業研究会が、紙幣の原料となるミツマタによる自然保護と産業の創出を目指す「木沢みつまたクラブ」を結成した。研究会はミツマタが食害に遭わずに育っていることに着目し、2012年から試験栽培を続けている。不足気味だった苗木が十分確保できたことや、用地に協力する地主が増えたことから規模を拡大し、本格栽培に乗り出す。研究会はこれまで町内の山林6ヘクタールで試験栽培してきたが、新たに8団体・個人の賛同を得て4倍近くの23ヘクタールに面積を広げる。仕入れや山での採取だけでは足りなかった苗も、研究会が独自に栽培することで2万本を確保できた。林野庁の森林・山村多面的機能発揮対策交付金411万円を活用して事業を行う。研究会がミツマタを栽培する一番の目的はスギやヒノキといった「経済木」をシカの食害から守るためだ。ミツマタはシカが嫌う物質を含んでいるとされ、試験栽培では徳島文理大学の研究室が中心となり、その効能を調べている。研究会はミツマタが食害予防に役立つことを見越し、栽培規模拡大に踏み切った。食害などで荒れ地となった箇所からの土砂流出を防ぎ、自然を保全する効果も狙う。紙幣の原料となるミツマタの収穫や皮むきは、林業ができない雨の日でも作業が可能となる。お年寄りも携わりやすい。植苗から3年で収穫できるまでに成長し、一度育った株からはさらに2~3年ごとの収穫が見込まれる。こうした特長から、研究会は山間地の新たな収入源になるとみて産業化も目指す。1月には国立印刷局四国みつまた調達所(三好市)の職員を招き、ミツマタを蒸して皮を剥ぐなどの加工技術を学んだ。研究会の取り組み拡大を、調達所は「需要はある。増産されることに期待している」と歓迎する。木沢みつまたクラブの亀井廣吉代表(65)=那賀町沢谷=は「山を救うにはミツマタしかないと考えている。来年はさらに規模を拡大していきたい」と意気込んでいる。
(猪鹿垣、調査・研究会が視察:香川)
江戸初期の小豆島(香川県)住民が、野生動物の食害から農作物を守るために農地の周囲に築いた「猪鹿垣(ししがき)」の調査・研究に取り組む「小豆島の猪鹿垣を考える会」(港誠吾会長)が16日、小豆島町吉田地区で視察会を実施。会員15人が山中を歩いて長大な“石の壁”を観察しながら、先人の労苦に思いをはせていた。猪鹿垣は江戸期、全国的に築かれており、現在、各地にある研究グループが情報交換や交流を行っている。小豆島での猪鹿垣は、主に石を高さ約2メートルに積み上げて、里山や集落の境界を城壁のように連ねる総延長約120キロが確認されている。同会は実測調査を重ねて、実態の把握を行っている。この日の視察した猪鹿垣は、同地区を流れる吉田川の両岸の山すそを集落を囲むように築かれており、総延長約1キロメートル。会員らは昨年末から、猪鹿垣の全容を露出させて見やすくするための草刈りや、長さや高さなどを測定してこの日に備えた。港会長は重要な場所では立ち止まり、「段々畑の土止めの石積とは異なり、山側にも石を積んで石垣の塀状にしている」と、猪鹿垣の特徴を強調していた。現在、小豆郡内の野生ジカの生息数は推定約2400頭とみられ、イノシシは目撃情報などから約1000頭と推測されている。参加した三枝祥三さん(77)は「どのようにして運んだのかと思うほどの大きな石も積まれている。(食害を防ぐため)村を挙げての作業だったのだろう」と先人の労苦を想像していた。同会では調査結果を地図に記載し、報告書を作成するなどして、同県の文化財指定を視野に活動を続けている。
(スポーツ射撃場が完成:大分)
中津市は三光総合運動公園弓道場を改修し、「三光屋内スポーツ射撃場」を整備した。ライフル射撃施設としては県内3カ所目。競技人口の拡大や競技力向上につながると期待されている。弓道場は2005年の合併以降、利用者が減少していたため、市が利活用を検討。市ライフル射撃協会(秋吉春夫会長)の要望を受け、昨年秋から改修していた。射撃場は約100平方メートル。エアライフル用が3射座、ビームライフル用が2射座ある。壁や天井を鉄板などで覆い、安全性や防音性を確保した。事業費は665万円。16日、関係者約30人が集まり、完成披露式があった。新貝正勝市長が「競技の普及に役立つことに期待したい」とあいさつ。県協会の江藤清志会長らが「中津から国体選手や、東京五輪に出るような選手が育ってほしい」と期待を膨らませた。この後、東九州龍谷高校時代に国体に出場した財津わかなさん(別府大学1年)が実演。出席者もビームライフルを体験した。日本協会の強化委員を務める礒部直樹さん(大分市役所)は「国際規格の電子標的や空調設備を備えており、練習場としては申し分ない」と太鼓判を押した。利用は午前9時~午後10時。料金は1時間につき、高校生以上200円、中学生以下100円(専用使用は別)。秋吉会長は「初心者講習などを開き、中学・高校世代を中心に選手の発掘に努めたい」と話した。
(散弾銃で父殺害、長男を起訴:神奈川)
男性の遺体が横浜市神奈川区のマンションから香川県内にトラックで運ばれた事件で、横浜地検は14日、殺人の罪で、高松市、無職佐藤亘容疑者(23)を起訴した。地検は認否を明らかにしていない。起訴状によると、被告は1月30日、横浜市神奈川区の会社役員の父親(55)のマンションで、父親の腹を散弾銃で1発撃ち、失血死させた、とされる。同居の母親(59)とともに父親の遺体を香川県内まで運んだとする死体遺棄容疑は処分保留となっていたが、地検は「悪質性がない」として、2人を起訴猶予とした。
(「ジビエ」格付け員の講習会開催:和歌山)
農作物に深刻な被害をもたらす野生のシカやイノシシの肉「ジビエ」の肉質などをランク分けする格付け員を認定するため、県は17日、県自治会館(和歌山市)でわかやまジビエ肉質等級制度講習会を開いた。より安心で高品質なジビエを消費者に提供しようと、県は今年1月に全国に先駆けて格付け制度を導入。第1回目となる今回の講習会には、県内の食肉解体処理業者や経験者ら20人が参加した。講習会では、肉質の格付け基準や衛生管理などについて説明した後、認定試験を実施。合格者にはジビエ格付け員認定書が後日交付されるという。格付けされるジビエは、県の衛生管理認証を受けた獣肉処理業者で処理された肉が対象になっており、県畜産課は処理業者の認証についても今後進めていくとしている。
(地域おこしの職員募集:和歌山)
和歌山県田辺市は新年度から、UIJターンの若者を臨時職員として採用し、同市本宮町で地域おこしの人材育成や就業モデルの形成を図る「地域特産品応援事業」を始める。国の制度で全国に広がっている「地域おこし協力隊」の「田辺版」。2人を募集する。開会中の3月議会に提案している。田辺市は本年度、国の緊急雇用制度で2人の臨時職員を採用。本宮町のイノシシやシカなどの食肉(ジビエ)処理施設で研修しながら、特産品の開発などに取り組んでもらっている。同様の取り組みを発展させ、地域の活性化や定住促進につなげるのが狙い。活動内容は食肉処理施設での研修、販路開拓やPR、タカナや熊野牛の生産者の支援を予定している。市によると、食肉処理施設は販路開拓まで手が回らないのが現状。観光以外の産業振興も急務で、外部人材のノウハウに期待しているという。事業期間は3年。
(一石ニ鳥のイノシシ肉ジビエ、原発事故で足踏み:千葉)
農産物を荒らす害獣イノシシの肉をジビエ(野生獣)料理に仕立てる一石二鳥の動きが、原発事故で足踏みしている。捕獲されたイノシシから国の基準値以上の放射性セシウムが先月末、約1年ぶりに検出され、狩猟者や料理店は落胆している。県は先月27日、君津市で捕獲された2頭から基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超す放射性セシウムが検出されたと発表した。昨年3月以来のことだ。「猪(いのしし)どんぶり膳」を看板メニューにする大多喜町の道の駅「たけゆらの里おおたき」。経理担当の磯野加代子さんは「影響が出ないといいんですが」と表情を曇らせる。猪どんぶりを売り出したのは2007年。イノシシを食肉に加工する町の処理施設が前年に完成し、「イノシシを活用した料理を」との望みがかなった。
(「道の駅」で春の感謝祭:兵庫)
兵庫県香美町内4カ所の道の駅が合同で取り組む春の感謝祭が16日、道の駅「あまるべ」「あゆの里矢田川」「村岡ファームガーデン」「ハチ北」でそれぞれ開かれた。本格的な春の行楽シーズンを前に、地域自慢の食材でもてなすイベント。各駅は県内外の観光客や地元住民らでにぎわった。海と山の自然に恵まれた同町の魅力を食で発信しようと「ギョ!魚!猪鹿腸(いのしかちょう)まつり」と銘打って開催。あまるべでニギス、あゆの里矢田川でイノシシ肉、村岡ファームガーデンで但馬牛ホルモン、ハチ北でシカ肉を使った料理を振る舞った。このうち、あゆの里矢田川のイノシシ鍋は、町内で捕獲したイノシシを使用。味わった来場者からは「柔らかくてあっさりしている」「みそとの相性もばっちり」などと好評だった。会場では手作りのとち餅なども販売され、求める人たちの列ができた。高橋正美駅長(62)は「観光シーズンに向け、今後も他の駅と連携し、地域を盛り上げていきたい」と話していた。
(イノブタ赤ちゃん誕生:和歌山)
和歌山県すさみ町小河内の畜産業、楠本政之さん(62)方で、イノブタの赤ちゃん10匹が生まれた。イノブタを飼育している県畜産試験場(同町見老津)によると、「イノブタ発祥の町」である同町で、生産農家が自然交配で繁殖させたのは初めてという。「イノブタは近年、需要が高まっており、試験場だけでは供給が追いつかない状態。地元で農家が繁殖に成功したことは大きい」と話している。楠本さんは、すさみイノブタ生産組合(三木武志組合長、5農家)の組合員。稲作やシキミ栽培をしており、副業としてイノブタを飼育しようと、県畜産試験場の指導を受けながら2011年に自宅近くに豚舎を建てた。試験場から生後5カ月のイノブタを購入し、イノブタ肉の出荷用に育てている。そのほか狩猟で捕まえたイノシシを十数匹飼っており、イノブタを産ませるために試験場から雌ブタを購入した。昨年11月1日に交尾を確認し、ことし2月26日に10匹(雄5匹、雌5匹)が生まれた。現在は母乳を飲んですくすく育っている。楠本さんは「畜産試験場などの指導を受けながら手探りの状態で育てている。販売先を確保して何とか軌道に乗せたい。地域にイノブタの生産が広まり、地場産業として次世代につながってほしい」と話している。雄イノシシと雌ブタから生まれた一代交雑種のイノブタは生後10カ月、110キロほどになると出荷。「F1(エフワン)」と呼ばれ、生産組合や町内の団体が販売している。イノブタは1970年、県畜産試験場で生まれたのが最初とされている。町では、商工会などが81年から「イノブタダービー」を開催し、86年にはパロディー国家「イノブータン王国」を建国するなど「イノブタの町」をPRしている。試験場では年間150匹ほどのイノブタを出荷しているが、民間の飼育がなかなか広がらなかった。2008年9月、すさみイノブタ生産組合が発足。町内の飲食店や宿泊施設がイノブタ料理を提供し、消費宣伝に力を入れるなど町ぐるみでイノブタ肉のブランド化を目指す取り組みが進んでいる。現在はロースやバラ肉だけでなく、他の部位を使ってハムやソーセージに加工、販売する組合の業者もあり、インターネット通販を中心に需要が高まっている。県畜産試験場は「問い合わせが増えており、試験場だけでは数が足りなくなっている。生産量を増やすためには周辺で繁殖農家を増やす必要がある」と話している。
(地元産の食材アピール:岐阜)
白川町や関市上之保で捕まえたイノシシの肉を使ったしし鍋(1人前1500円、要予約)が好評。肉にクセがなく、しみ出す脂は甘めのみそ味のスープに深みを加える。「商店街の活性化になれば」と店主の川合淳子さん(47)が1月末に開店。長良川天然鮎の塩焼きや郡上市の釜ケ滝で捕れるアマゴの甘露煮など地域産品をアピールする。
(アルプスの森食う野生シカ:ドイツ)
野生のシカが地球規模で爆発的に増えている。欧州のアルプス山岳地帯では樹皮や幼樹が食べられて森林が後退し、日本でも農作物の被害額は約80億円に達する。シカが増えるメカニズムの全容はまだ解明されていないが、一因として地球温暖化の影響が挙げられている。生態系や暮らしに与える温暖化の影響は、横浜市で今月開かれる国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第2作業部会総会でも議論される。ヒューッという甲高い鳴き声が谷にこだました。猟銃を持ったアンドレアス・ティアマイヤーさん(30)に一瞬、緊張が走る。ドイツ南部バイエルン州、オーストリアとの国境に近いウィントシュティールコプフ山(1824メートル)で2月27日、狩猟に同行した。鳴き声の主は、アルプスの山岳地帯に生息するカモシカの一種シャモアだという。ティアマイヤーさんが、このあたりに生息するシカの仲間アカシカとともに狙っている動物だ。だが姿を見つけられず、この日は一頭も仕留められずに終わった。本来なら今の時期は禁猟期だが、シカやシャモアなどの有蹄ゆうてい動物が増え、マツやモミの幼樹の葉を食べ尽くす食害が深刻なため、地元の森林保護管理団体が猟期を延長しているのだ。営林署職員のティアマイヤーさんはこの時期、約10人の仲間と週に1度は狩猟のため森に入る。一緒に森を歩くと、葉がなくなり、樹皮をかじられた高さ40センチほどのマツの幼樹が次々に見つかった。周辺には比較的新しいシカのふんが落ちている。「食害に遭うと成長が遅れ、食害を受けない高さ2メートルほどに育つのは難しくなる」と話す。北海道より一回り小さいバイエルン州は、森林面積が3分の1を超える。その森に異変が起きている。葉が軟らかく、滋養に富んだマツ科のモミやマツは、有蹄動物の好物だ。同じマツ科でも葉の硬いトウヒはあまり食べられない。ところが地球温暖化が進み、強い日差しに長くさらされると、乾燥に弱いトウヒは枯死してしまう。一帯の野生動物と森の状況を調べているスイス人のペーター・マイレ博士は「気温上昇でトウヒも生き残れるかどうか疑わしい」と指摘する。つまり、森がなくなろうとしているのだ。ドイツ・アルプス全体でアカシカは約3万頭、シャモアは約1万5000頭が生息していると推定され、「20年前に比べて明らかに増えている」(バイエルン州狩猟関係者)。なぜ増えているのだろうか。冬の気温が下がらなくなり、シカが容易に越冬できるようになったからだと指摘されている。欧州は今年暖冬で、同行取材したこの日も、2月の早朝だというのに気温は5度もあった。厳しい冬なら死んでいた野生動物が死ななくなった。樹木がなくなり山肌がむき出しになっている場所も食害によるモミの減少は雪崩や落石も引き起こし、幹線道路が2週間閉鎖されたこともある。モミは地中深くに根を張るがトウヒの根は浅い。森がトウヒ主体になると、地盤がもろく、崩れやすくなる。さらに、アルプスの山岳地帯に根を張る樹木は、雨水をスポンジのように吸収し、下流域の洪水を阻止する役割も担ってきた。昨年春に同州などを襲った100年に1度と言われる大洪水は、森の機能低下が被害拡大の一因とも指摘されている。バイエルン州は、シカの駆除を進めるとともに、モミやマツ、トウヒが入り交じった本来の森の姿を取り戻そうと、1986年以降、計約9100万ユーロ(約129億円)を投じて1200万本以上を植樹、シカの侵入を防ぐ金網フェンスも設置してきた。だが効果は芳しくない。2012年に調査した約2万1000か所のうち、食害を受けていなかったのは金網フェンスなどが奏功した約3800か所にとどまった。子供の頃からアルプスの森に親しんできたティアマイヤーさんの危機感は強い。「このままではアルプスから森が消えてしまう」。日本でも野生のシカが増えている。環境省の試算では、ニホンジカの生息数(北海道は除く)は約261万頭(2011年度)で、2001年度から10年で2・6倍に膨らんだ。新たな対策を取らない場合、25年度には500万頭に達すると予測されている。シカに詳しい日本哺乳類学会の梶光一理事長によると、シカは欧米など北半球を中心に激増している。ヘラジカは欧米全域で増え、欧州ではノロジカ、北米ではシロオジカやミュールジカなどの増加も見られる。増加の原因は、<1>オオカミなどの天敵の絶滅<2>山村の過疎化による生息域の拡大<3>狩猟者の減少――などが考えられているが、梶理事長は、「地球温暖化による暖冬で、寒波や大雪による餓死が減ったことも一因だ」と指摘する。シカが冬に死ぬ割合は、積雪量100センチを超える豪雪と関係が深い。1984年の豪雪では、宮城県の金華山島で生息していた約700頭のシカの約半数が死んだという調査結果もある。「豪雪がうまく機能してシカの個体数がコントロールされていた」(高田雅之・法政大教授)が、特に北海道では、90年代に入って豪雪が減った。支笏湖(北海道千歳市)の周辺地区でも、シカの増加は大きな課題だ。10年ほど前から日当たりのよい北岸の斜面がシカの越冬地になり、冬になると数百頭が集まる。シカは、札幌からもやってくる。集まったシカは次々と樹木の皮を食べ、枯れ木が増える被害が出ている。そこで酪農学園大などの研究グループは効果的にシカの個体数を減らす対策を考え、先月、湖の北側の国道を約6キロにわたり通行止めにしてシカを撃つ調査捕獲を行った。道路から狙う方が効率がいいとの判断だが、公道からの発砲は鳥獣保護法で禁止されている。このため通行止めにより公道ではないとの認定を受けて行ったが、それでも1頭を捕獲するのに約10分を要した。担当した同大の吉田剛司教授(野生動物学)は、「今回の成果は、様々な法規制がある中で『前例』を作ったことにある。場所にあった捕獲方法を考えて対応していかないと、シカの増加は食い止められない」と話す。日本は狩猟者も減少しており、世界的にもシカ問題の最前線に立っている。環境省はより効率的な捕獲を目指して今国会に鳥獣保護法改正案を提出する。現在は日の出から日没までに限られている銃の利用を都道府県などによる駆除に限って24時間できるようにしたり、プロの捕獲事業者を認定する国の制度を創設したりするという。
(230キロの巨大イノシシ仕留める:アメリカ)
米ノースカロライナ州で体重約230キロの巨大なイノシシが仕留められ、インターネットで写真が出回って話題になっている。イノシシを仕留めたのは消防士のジェット・ウェブさん。CNNの取材に応えて13日、あまりの大きさに家族や知人も驚いたと話し、「こんな大きなのがノースカロライナ東部の森を走り回っているなんて、みんな信じられなかった」と語った。ウェブさんは2年前にも同じくらいの大きさのイノシシを仕留めたことがあるという。肉は食用に解体し、友人知人に配ったが、それでもまだ自宅の大きな冷凍庫がいっぱいだという。ウェブさんによると、大イノシシは森に仕掛けたカメラに姿が映っていたことから、ハンター仲間と共に1月から追跡していた。2月28日に木の上で何時間も見張っていたところ姿を現し、1発で仕留めたという。

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