<射撃ニュース4月>

4/15
(イノシシ・シカ対策初会合、全国農業被害230億円)
イノシシやシカによる人的被害や農作物への被害が各地で相次いでいることを受けて、環境省は14日、初めての会合を開きました。「生態系をここまで鳥獣が壊しているとがく然とした思い。相当管理をしないと増加は止めることはできない」(石原伸晃 環境相)近年、イノシシやニホンジカなどが急増し市街地に現れ、人を襲ったり農作物を食い荒らしたりして問題になっていて、全国で農業被害はおよそ230億円にのぼります。こうした事態を受け、環境省は14日、鳥獣被害が大きい北海道や長野県などの知事らを集め、被害の現状や対策などを話し合いました。環境省は、夜間でも条件付きで銃による捕獲を認めることなどを盛り込んだ鳥獣保護法の改正案を今国会に提出し、今後10年でイノシシとシカを半減させることを目指しています。
(鳥獣被害「もはや災害」、環境相に訴え)
石原伸晃環境相は14日、農作物に深刻な被害を与えているシカやイノシシなど有害鳥獣への対策について、北海道、長野、長崎3道県の知事らと意見交換した。知事からは「もはや災害。確実な捕獲のため、予算措置の拡充を」と財政支援を求める声が相次いだ。石原環境相は冒頭に「被害の深刻さを共有したい」とあいさつ。高橋はるみ北海道知事は、エゾシカによる被害が2011年度に過去最高の64億円に達したと指摘。長野県の阿部守一知事は、効率的な捕獲のため、わな猟を推進していると紹介。中村法道長崎県知事も「野生鳥獣の管理に国はもっと積極的に関与してほしい」とした。
(鳥インフル、養鶏場一斉調査)
熊本県の養鶏場で国内では約3年ぶりに鳥インフルエンザが発生したのを受け、東北各県は14日、大規模な養鶏場の調査など対応に追われた。現段階ではいずれも異常は確認されていない。各県は消毒の徹底などを呼び掛けている。秋田県は養鶏農家や養鶏協会など関係団体に対し、防疫対策と異常発生時の報告を要請。県内にある個人・法人の養鶏場計152カ所の実態把握を急いだ。青森・秋田県境の十和田湖畔では2008年、ハクチョウの死骸から鳥インフルエンザウイルスが東北で初めて検出された経緯がある。秋田県畜産振興課は「農家の防疫意識は当時より格段に向上した」と話し、引き続き警戒を強める構えだ。山形県は50羽以上を飼育する農家には電話で、100羽以上の農家には立ち入り検査でそれぞれ状況を確認した。市町村と県猟友会には野鳥の監視態勢を強化するよう求めた。岩手県は100羽以上の農家527戸を対象に異常の有無などを電話で聞き取った。宮城県も農場150カ所の状況を電話やファクスで調べた。福島県は100羽以上を飼育する食用の養鶏場184カ所について現状を確認。50カ所で立ち入り検査を実施した。青森県は13日中に100羽以上の農家172戸に連絡し、対策を周知した。県畜産課の高橋邦夫課長は「4月いっぱいは渡り鳥もおり、迅速な情報提供で注意を促したい」と話した。
(小学校近くにイノシシの群れ:富山)
15日午前6時15分ごろ、黒部市荻生の沖公民館近くの田んぼで、体長約1メートルのイノシシ4頭が群れているのを住民が見つけ110番した。近くに荻生小学校、荻生保育所があるため黒部署などが周辺をパトロールし、注意を呼び掛けている。
(県道近くで熊見つかる:新潟)
13日午後9時半前、村上市山居町の県道で、近くを通りかかった男性がクマを目撃し、村上署に通報した。同署によると、クマは体長約1メートル。
(カラスの巣による停電:宮崎)
カラスの巣による停電が県内で相次いでいる。針金ハンガーなどで電柱に作られた巣が電線などに触れ、ショートするのが原因。九州電力宮崎支社は営巣情報の提供を呼び掛けている。営巣による停電事故は過去5年に2~13件発生しており、今年はすでに4件。繁殖期で巣作りが多くなる4月を迎え、同社は電柱や鉄塔を巡回。飛来防止装置を設置している。「感電しやすい材料を取ってきて、数日で巣を作られる」と苦慮しているが、発見した巣はすぐに撤去するなど予防に必死。停電防止か繁殖か-。カラスと人間が戦いに火花を散らしている。
(タケノコ荒らすイノシシ:富山)
タケノコの収穫シーズンを迎え、氷見市内の竹林でイノシシがタケノコを食い荒らす被害が出ている。面積が広く雑草の生える竹林は、畑のように電気柵で囲む防止策が難しく、狩猟免許の必要な捕獲檻(おり)を増やすことしか打つ手がない。今年は豊作が予想される「表年」で、産地を抱えるJA氷見市は生産者に注意を呼び掛け、警戒を強めている。タケノコの特産地で知られる氷見市南西部の粟原で3月中旬から、2軒の生産者がイノシシに計約4キロ分のタケノコを食い荒らされる被害に遭った。確認されている被害は今のところ小規模だが、JA氷見市十二町支所は、粟原たけのこ出荷組合の組合員28人に呼び掛け、イノシシ情報の収集に当たっている。丸山厚志次長は「被害拡大を防ぐため、捕獲檻の設置も検討したい」と対策を思案する。同市戸津宮の竹林でも3月中旬以降、イノシシがタケノコを食べた穴が数カ所で見つかり、今月3日には竹林近くに市が設置した捕獲檻にイノシシ1頭が掛かった。竹林所有者の農業関修三さん(80)は「タケノコは自家消費用だが、今後も被害が増えるのでは」と心配する。猟友会員で戸津宮区長の藤林久一さん(67)によると、同市北部では昨春からイノシシによるタケノコの食害が目立つようになった。「イノシシは鼻が利くので地中のタケノコを食べる。灘浦地区の直売所に出荷する農家は困っている」と藤林さんは話す。4月に新設された氷見市いのしし等対策課によると、2013年度の狩猟と捕獲檻によるイノシシの捕獲数は231頭で前年度の70頭の3倍以上で、今年度は現在41基の檻の設置数を30以上増やす計画だ。同課は「4月に入ってもイノシシの出没情報がある。集落単位の対策を地道に進めたい」としている。
(若者5人、狩猟に本腰:山梨)
人口720人の山梨県小菅村で、増え続ける野生鳥獣による農林業被害を食い止めようと20、30代の5人の若手村民が対策に乗り出した。3人はくくりわな、2人は猟銃の狩猟免許を獲得。狩猟だけでなく、捕獲した野生鳥獣の皮を加工し製品化することで、村の観光資源にしようと奮闘する。銃の所持許可を県警に申請している段階だが、熱い思いを抑えきれず、皮革製品の試作を始めた。同村は過疎高齢化で狩猟者が激減、現在の猟友会の会員は18人とピーク時の5分の1となった。半数は60歳以上で今後も減少が見込まれる。狩猟者減に伴い、野生鳥獣による農業被害は年々増加。耕作放棄地の増加も、被害に拍車をかけている。村への通報も増えているという。免許を獲得した5人は、地域おこし協力隊と東京農業大学のプロジェクト「多摩川源流大学」のスタッフだ。うち4人は県外からの移住者で、青柳博樹さん(39)だけがUターンした。全員、猟は素人だったが、鳥獣害に苦しむ高齢農家を目の当たりにし「よそ者を快く受け入れてくれた地域の人に恩返しがしたい」と3月、狩猟免許を獲得した。1月下旬にはメンバーの鈴木一聡さん(29)が、村の狩猟文化の体験ツアーを企画。都会から狩猟に興味を持つ25人が駆け付けた。最年少の山際祥さん(22)は「村民と猟が共通の話題となり、交流を深めることができる。積極的に村の人たちに話を聞きにいきたい」と意気込む。これまで唯一の若手だった、県東部猟友会上野原支部小菅分会長の黒澤友彦さん(36)は「担い手は減るのに、有害駆除の依頼は増え続ける一方。若手の加入はありがたい」と歓迎する。村も免許の講習会受講料や、銃の所持許可に掛かる申請費用を補助。担当の中川徹さんは「高齢化で免許を更新せず、返納する人も多い。新たなハンターに長い間、狩猟に取り組んでもらえるよう、最大限支援したい」と話す。5人の挑戦は既に始まっている。県内の処理施設から廃棄される皮を引き取り、皮革加工を始めた。技術を学ぼうと東京の勉強会に参加、名刺入れやペンケース、小銭入れなど約10種類を試作した。先輩ハンターから狩猟に欠かせない技術や文化を学び、今後は自分たちで捕獲した鹿の皮を活用する計画だ。村の土産は、わさび漬けやこんにゃく、竹細工などで、若者に受ける土産がないことから、若い女性にも使ってもらえる皮革製品を開発、新たな特産品として売り出したい考えだ。青柳さんは「鳥獣害を減らすだけでなく皮革製品を村の観光資源にし、地域を元気にしたい」と抱負を語る。
(レミントン・アームズ、製品の自主回収を発表:アメリカ)
レミントン・アームズ・カンパニーは本日、2006年5月1日~2014年4月9日に製造されたX-Mark Pro®(XMP®)トリガーを備えたライフルModel 700™とModel Seven™の自主回収を発表しました。レミントンの上級エンジニアは、XMPトリガーを備えた一部のModel 700ライフルとModel Sevenライフルが特定の状況で意図せず発射する可能性があると判断しました。安全のため、これらの製品を回収しています。レミントンの調査により、一部のXMPトリガーは組立工程で接着剤が通常より多く使用され、それが原因で意図せず発射する可能性があると判明しました。そのため、レミントンはすべての対象製品を回収し、徹底的な検査とXMPトリガーの特殊プロセスでの清掃を行います。レミントンは、回収対象ライフルの使用を直ちに中止し、レミントンに返品するようお客さまに勧告しています。費用は無料です。ライフルは、検査、特殊清掃、テストを行い、できる限り早くお返しします。回収対象ライフルの診断や修理はおやめください。レミントンは、所有するModel 700ライフルやModel Sevenライフルが回収対象かどうかを消費者が判断できるよう、専用のウェブサイトと無料ホットラインを開設しました。ウェブサイト:http://xmprecall.remington.com 無料ホットライン:1-800-243-9700(#3、続いて#1)、月~金、午前9時~午後5時(東部夏時間) このウェブサイトとホットラインでは、回収対象ライフルの費用無料での返品に関してご案内しています。広報担当取締役のテディ・ノビンは、次のように述べています。「レミントンは、安全について非常に真剣に考えています。当社はXMPトリガーの設計に全幅の信頼を置いていますが、お客さまの安全のために今回のリコールを実施し、組立工程で通常より多く使用された可能性のある接着剤を取り除きます。対象となるライフルを調べ、リスクを最小限に抑えるために、安全と技術に関する大規模な情報源を確立しています。当社の目標は、すべての回収対象銃器の検査、特殊清掃、テストを行い、できる限り早くお返しすることです。」「私たちは、可能性のあるすべてのライフルを自主回収することで、当社のお客さまとその安全を第一に考えます。また、この機会を利用して、皆さまに銃器の安全10カ条を思い出していただきたいと思います。」 銃器の安全10カ条 1. 銃口は常に安全な方向に向けておく。 2. 銃器を使用しない時は弾を抜く。 3. 自分の銃を安全だと思い込まない。 4. 標的とその背後を確認する。 5. 適切な弾薬を使用する。 6. 引き金を引いた時に弾が発射されない場合は、取り扱いに注意する。 7. 銃を撃つ時は常に目と耳の保護具を着用する。 8. 銃を撃つ前に銃身に障害物がないことを確認する。 9. 銃を変造・改造せず、定期的にメンテナンスに出す。 10. 使用する銃器の機械的特性や取り扱い上の特性を学ぶ。 レミントンは、メディアでの広報活動、的を絞った広告、デジタルメディアを含む幅広い広報チャンネルを通じて消費者の皆さまにお知らせしています。

TOPへ

4/14
(大山は44位、W杯男子トラップ)
クレー射撃のワールドカップ(W杯)は11日、米アリゾナ州トゥーソンで行われ、男子トラップで大山重隆(大山商事)は44位だった。
(商店街にシカ出没、観光客2人けが:栃木)
13日午前9時35分ごろ、東武日光駅近くの日光市松原町の目抜き通りの商店街に鹿1頭が現れ、走っていたマイクロバスにぶつかって倒れた後、起き上がって再び走り出した。商店街を歩いていた台湾からの観光客の女性2人(いずれも54歳)が驚き、鹿を避けようとして尻もちをつき、腰を打撲する軽いけがをした。日光署によると、鹿はそのまま逃走。鹿は成獣だが、生え替わりの時期で角はなかったという。署は鹿の出没に注意するよう観光客や付近住民に呼びかけ、鹿の行方を追っている。現場は東武日光駅から南へ約100メートルの土産物屋などがある商店街。鹿は直後に土産物屋にも侵入。売り物の日本酒やビールなどの瓶が15~20本ほど割れたという。店で働く60代の女性は「この辺りに猿が出たことは何回かあるけど、鹿は初めて」と驚いていた。
(泳ぐイノシシに襲われ釣りの男性重傷:埼玉)
13日午後0時45分ごろ、埼玉県美里町の円良田(つぶらだ)湖岸で、群馬県伊勢崎市の男性(74)がイノシシに襲われ、背中に重傷を負った。児玉署によると、男性が釣り客の釣果を確認するため、道路から湖岸に降りたところ、自分に向かって泳いでくるイノシシを発見。慌てて逃げようとしたが追いつかれ、背中を爪で引っかかれたという。男性と一緒に来ていた妻が介抱していたところ、通りかかった老夫婦が119番した。男性は背中に少なくとも2カ所の深い傷を負い、そのまま入院した。イノシシはそのまま逃走し、山に逃げ込んだとみられる。大きさは不明。地元の猟友会が、わなを仕掛けるなどの措置をとったという。円良田湖は、かんがい用の人造湖。この時期はヘラブナ釣りを楽しむ人でにぎわっているという。同署によると、以前からイノシシが出ることはあったが、人を襲うことはほとんどなかった。イノシシが泳いでいるのが発見されたのは、08年10月に陸から約1・5キロ離れた瀬戸内海で海上保安部の職員によって見つかった例などがある。
(居着きクマ、再び捕獲:静岡)
裾野市須山十里木地区の別荘地周辺に居着き、度々目撃されていたツキノワグマが11日、再び捕獲された。3週間近くクマ騒動に振り回されたものの、人的被害はなく市は胸をなで下ろしている。市によると、同日午後3時35分、麻酔銃で眠らせて捕獲し鉄製の檻(おり)に閉じ込めた。2歳で体長約75センチ、体重約50キロの雄だという。市や警察には、3月下旬から1日数件の目撃情報が寄せられていた。市は警察、地元猟友会と連携し、今月5日にこのクマを捕獲。約6、7キロ離れた富士山麓(さんろく)の山中に放した。ところが翌6日、似ているクマが別荘地周辺で目撃され、山から戻ってきたものとみられていた。別荘地周辺に固執する理由は分かっていないが、エサ場がある可能性も指摘されている。
(住民の安全を、電気柵を設置:北海道)
住民の安全を守るため対策に乗り出しました。道南のせたな町で人を襲ったクマが見つからない中、住民の新たな被害を防ぐため電気柵が設置されました。電気柵が設置されたのは、人を襲ったクマが出没した周辺の住宅地です。せたな町ではクマによるあらたな住民の被害を防ぐため、住宅地にクマが入れないように電気柵を張り巡らせました。せたな町では今月4日クマが女性を襲いけがをさせました。このクマは去年も女性を襲い死亡させています。町は「危険なクマ」と判断し、駆除する考えですが未だ見つからず、電気柵を設けることにしました。(近くの住民)「危険性があるクマだから(人里に)入らないための防護柵」人を襲ったクマの捜索は、きょうも地元のハンター2人で行われましたがまだ、発見されていません。電気柵が設置されたとはいえ、クマが見つかるまで住民の不安は続きそうです。
(ヒグマ出没、目撃相次ぐ:北海道)
13日午前10時半ごろ、留萌市留萌村峠下の深川留萌自動車道ののり面に、クマ1頭がいるのを通行車両の女性が目撃し、110番通報した。道開発局は、同自動車道の沼田IC(インターチェンジ)―留萌幌糠IC間を、同日午前11時20分から1時間通行止めとした。通報を受けた留萌署のパトカーが、深川留萌自動車道と平行して走る国道の同住所付近で、体長約1・5メートルのクマを発見したが、間もなく南側の山に立ち去った。また、午後3時50分ごろ、同自動車道の走行車両の男性が、同市幌糠町の留萌ダム付近の山中にいる体長約2メートルのクマを見つけ、道開発局を通じて通報した。留萌署が付近の道道で山へ向かう足跡を確認した。このほか、同日午後0時15分ごろ、同市堀川町3の国道で、斜面から下りてきたクマを走行車両の男性が目撃した。同署によると、間もなくクマは山へ戻った。同署や市が、それぞれの現場付近の住民に注意を呼びかけている。
(鳥獣による農業被害抑止へ実施隊:岩手)
鳥獣による農作物の食害抑止の取り組みを一層強めようと、大船渡市は本年度、鳥獣被害対策実施隊を立ち上げる。18日に委嘱状交付式を予定している。国の特別措置法に基づくもので、猟友会員59人を隊員として委嘱し、ニホンジカなどの有害捕獲などを行う。隊員は市の非常勤特別職となり、公務災害補償適用や狩猟税の軽減猟銃技能講習の免除といったメリットも。気仙ではすでに陸前高田市と住田町が昨年から設置しており、深刻な状況が続く中、その活動効果は注目を集めそうだ。県などの調べによると五葉山地域では7400~1万1100頭ものニホンジカが生息していると推定される。気仙3市町と釜石市にまたがる五葉山地域では、昭和60年代からニホンジカによる農林産物への被害が社会問題化。大船渡市での農業被害額は25年度で約6700万円となっており、深刻な状況が続いている。こうした中での鳥獣被害対策実施隊設置は、国の「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」に基づくもの。猟友会員59人を委嘱し、市の尾坪明農林課長を隊長とする。隊員は市の非常勤特別職となり、活動時に事故があった際は公務災害補償を適用。狩猟税の軽減や猟銃技能講習の免除といった優遇措置も講じられる。任期は年度いっぱいで、1年ごと更新していく予定だ。 隊の活動は▽年間を通じたニホンジカ、ツキノワグマなどの有害捕獲や追い払い▽わなで捕獲されたハクビシンやアナグマなどの処理▽カワウ、カラス、カルガモなどの有害捕獲──が柱となる。初年度はニホンジカ640頭、カラス300羽、カワウ30羽などの有害捕獲をはじめ、わななどにかかったニホンジカ、ハクビシンなどの処理を計画。ニホンジカ1頭当たりの捕獲報奨金は8000円となる見通し。尾坪農林課長は「従前から狩猟人口が減少する中、原発事故による放射性物質の影響もあって入山者は減っている。実施隊員委嘱はハンターが動きやすくなるもので、一層連携を強めて被害対策を進めていきたい」と、従来からの対策との相乗効果に期待を寄せる。隊員への委嘱状交付式は18日午後3時30分から盛町のシーパル大船渡で行われる。鳥獣被害対策実施隊は、市町村ごとに設置を進めており、昨年10月末現在、全国745市町村が設置。気仙では陸前高田市と住田町が昨年から設けている。
(立てこもり男に罰金20万円:愛知)
愛知県春日井市のアパート自室に散弾銃を持った男が立てこもった事件で、銃刀法違反(実包装てん)の罪に問われた元会社員黒木豊被告(56)に対し、名古屋簡裁は11日、求刑通り罰金20万円の判決を言い渡した。紀平和成裁判官は判決理由で「自殺したいがために、他人の迷惑を顧みることなく自室で猟銃に実包を装てんして立てこもった。人身事故の危険の高い行為で悪質だ」と述べた。判決によると、黒木被告は長年面倒を見てきた母親の死や賭け事でつくった借金に悩み、猟銃での自殺を計画。今年1月24日午後8時15分ごろ、自室で、狩猟と標的射撃でしか使用を許可されていない散弾銃に弾を込めた。その後、被告は自殺する決心がつかないまま自室に立てこもり、銃の取り扱いを誤って実弾1発を発砲。警察官300人以上が出動、周囲の住民が避難する騒ぎになった。捜査員の説得で通報から14時間後に保護された。被告は銃刀法の発射容疑で逮捕されたが、故意ではないとして同罪での起訴は見送られた。
(狩猟者育成拠点に、休業クレー射撃場改修:鳥取)
鳥取市は2014年度から、休業中の市営のクレー射撃場を改修し、狩猟者向けの射撃練習場の整備に乗り出す。県東部では初の施設で、身近に練習できる環境を整えて狩猟意欲の維持につなげるのが狙い。16年度のオープンを目指し、市は「狩猟者を減らさないようにしたい」としている。改修するクレー射撃場は、1983年に市が整備した。1.1ヘクタールの広大な敷地を備えるが、競技人口の減少などで08年から休業している。そこで市は施設の所管を農林水産部に移し、狩猟者の射撃練習場に改修することを考えた。市は14年度当初予算に「射撃場整備事業」を設け、調査費として580万円を計上した。クレー射撃は鉛弾を使うため、まずは施設の土壌が汚染していないか調べる。結果を踏まえて設計や工事に着手。クレーのように飛来する的を射撃できるよう再整備し、狩猟者の練習場に活用する。狩猟者が銃を所持する許可を更新するためには実技試験を受ける必要がある。試験に受かるため、市内の狩猟者は倉吉市や岡山県で練習しているのが現状だ。ただ、移動に時間が掛かるため、高齢者を中心に更新をためらう声も出ていた。このため市は、狩猟意欲の低下につながる恐れがあるとして、射撃場を再整備し、身近に練習できる環境を整えて狩猟者の後継者育成につなげる方針だ。市農林水産部は「近くに射撃訓練できる施設ができれば、狩猟への意欲を促すことにもなる。鳥獣被害対策の拠点の一つにしたい」と説明する。
(シカ捕獲、地域ぐるみで:岐阜)
シカによる農作物被害の増加を受けて、県は2014年度、住民と猟師らが協力してシカ捕獲に取り組む地域に対して活動費を助成する。県はシカの年間捕獲数を、現状の7割増の1万5000匹に引き上げることを目標に掲げており、捕獲にかかわる人材の増加を目指す。助成対象は地域の自治会など。狩猟免許所持者がくくりわなを設置した後、住民がわなにかかったシカがいるか見回りをしたり、捕獲されたシカを運び出したりして手伝う。地域住民の手伝いにより、わなを置く人の負担が減るため、多くの場所に設置することが可能になるという。このような活動をする地域に対して、くくりわなや赤外線カメラなど資材の購入費、住民が狩猟免許を取るための費用を、一件百五十万円を上限に助成する。県は、シカの生息密度が高い下呂市や郡上市など十三市町に一カ所ずつ指定することを目指し、事業費計千九百五十万円を一般会計当初予算に盛った。県の推計では、県内には約五万匹のシカが生息。二〇一二年度の農作物の被害額は約九千四百万円で、前年度から倍増した。降雪の減少や、中山間地の過疎化で山が手入れされなくなったため、生息数が増加。繁殖力も強く、年間一万匹を捕獲しないと増え続ける見込みという。県はくくりわなの免許所持者向けの技術研修も実施。四月中に岐阜市と郡上市、白川町で計九十人が受講し、岐阜大が考案した最新の捕獲方法などを学ぶ。
(猟友会と捕獲契約、5000円上乗せ:大分)
大分県竹田市直入町の22集落は、野生獣の捕獲活動経費を拠出する契約を猟友会と交わし、イノシシの捕獲数をこれまでの2倍に増やした。中山間地域等直接支払制度を活用し、イノシシと鹿1頭当たり5000円を交付。県や市の助成に上乗せする格好で、猟友会員の意欲を高めている。集落側は猟友会との連携を進め、農家の鳥獣害対策の意識を高める契機にもしたい考えだ。事業は、2012年度から22集落の農家450戸が参画する同町中山間地域直接支払推進協議会が進める。同制度の交付金のうち、5割を充てる共同活動費の中から猟友会に補助を払っている。交付金を活用し獣害対策で猟友会と連携する取り組みについて農水省は「統計はないが、全国的に極めて珍しい事例ではないか」という。同県では、捕獲報奨金として、市と合わせてイノシシの捕獲1頭当たり6000円、鹿の捕獲1頭あたり1万円を助成している。同協議会は、全集落でイノシシによる食害が深刻化していることから、活動経費を上乗せし、捕獲を促すことにした。同協議会の補助によりイノシシの捕獲1頭の狩猟者の収入は1万1000円となる。同協議会が補助金を出す時期は、鳥獣害対策の一環という位置付けを明確化させるために4月11日~10月25日の有害鳥獣駆除期間に設定している。市に捕獲報告があった件数に対し、有害鳥獣駆除の期間後、一括して交付している。中山間地域に位置する同町。猟友会員の高齢化などでこれまで捕獲が思うように進まなかった。同協議会の会長で稲作農家の岩屋刑部さん(71)は「鳥獣害対策は農家の自衛が基本だが、猟友会との連携を進めるためにも補助をしたいと考えた」と話す。同町の狩猟者は約30人で、平均年齢は70歳。同協議会の上乗せにより、13年4~10月のイノシシの捕獲数は、例年の2倍に相当する102頭だった。地元の猟友会の一つで、長湯猟友会事務局を務める伊藤隆弘さん(76)は「100頭を超えたことは過去になく、上乗せが捕獲の大きな励みになっている。農家との協力体制が広がっている」と効果を指摘する。
(4月14日からシカ駆除、入山に注意を:兵庫)
丹波市全域でシカ捕獲活動が4月14日から7月14日まで行われる。丹波市猟友会が、鉄砲やワナで農作物を食べ荒らすシカを駆除する。丹波市は、山に入る場合は目立つ服装をし、鈴、ラジオなど音を出るものを携帯することや、入山予定が決まっている場合は、山に入る日時、場所、人数などを市農業振興課(0795・74・0221)まで連絡するよう呼びかけている。昨年度の春の一斉捕獲活動で、170頭が駆除された。
(雌ばかり19頭、ツキノワグマ原因不明の死:秋田)
クマが謎の死です。北秋田市のクマ牧場で、ツキノワグマの雌19頭が相次いで死にました。原因は分かっていません。専門家も交えて解明にあたることにしています。運営するマタギの里観光開発・上杉二三男代表取締役:「えさも与えているし、25、26年ツキノワグマを養ってきた施設なので、飼育に関しての落ち度は無いと思いますけれども」阿仁熊牧場の運営会社によりますと、飼育していた約70頭のツキノワグマのうち、先月に冬眠から目覚めた雌19頭が相次いで死にました。牧場を管轄する北秋田市の獣医師が解剖するなどしましたが、病原菌などは確認されず、原因は分かっていません。運営するマタギの里観光開発・上杉二三男代表取締役:「研究機関でちゃんとした解明をしてもらえるように頼んであります」阿仁熊牧場は26日に今シーズンの営業を始める予定で、今後、獣医学の専門家の調査を受けることにしています。
(野生動物の食肉活用、ジビエ研修会で強調:東京)
公明党野生動物被害対策プロジェクトチームの谷合正明座長(参院議員)は10日、日本ジビエ振興協議会が都内で開いた研修会に参加し、あいさつした。ジビエとは、捕獲したシカやイノシシなどの野生動物を食肉として活用すること。ジビエに取り組む企業や自治体などが参加した。谷合氏は、先月の参院予算委員会でジビエについて質問した際に田村憲久厚生労働相から、野生動物の食肉利用に関する衛生ガイドライン(指針)を作ると明言された点を報告。その上で「今秋の狩猟期までには、ガイドラインを国から示せるようにすべき」とし、「消費者に信頼され、ジビエ振興につながる内容にするのが重要」と述べた。ガイドライン策定の論点に関して厚労省担当者は「野生動物を食肉処理場で解体し、何らかの異常があった場合の対応や、捕獲現場での適切な処理方法などがある」と説明。すでに独自のガイドラインを作っている、ジビエが盛んな都道府県と内容を調整しながら策定していく考えを述べた。

TOPへ

4/11
(凶暴ヒグマ、捜索空振り:北海道)
北海道せたな町で昨年4月と今月4日、同じヒグマが人を襲い死傷させたことを受け、町と地元猟友会などは駆除するために9日、出没現場付近の山林で大規模な捜索を初めて行ったが発見できなかった。町によると、4日に山菜採りに来ていた女性が襲われ負傷した現場付近の山林を調べたところ、付近に3〜5頭のヒグマの足跡が見つかった。この日はせたな、今金両町のハンター23人や消防職員が3班に分かれて入山。道の防災ヘリコプターと無線でやりとりしながら上空からも捜索したが発見に至らず、2次災害防止のため日没前に捜索を打ち切った。10日は見送り、11日以降に再開する方針。道によると、女性を襲ったヒグマが現場に残した血液のDNA型を鑑定したところ、現場から直線で8キロ離れた山林で昨年4月、52歳の女性を襲って死亡させたヒグマと同じだったことが判明した。このヒグマは人を恐れず再び襲う可能性が高いため、せたな町は引き続き入山自粛を呼びかけている。現場の山林のふもとに住む同町の主婦、青木ツマさん(83)は「早く駆除してもらわないと怖くて仕方ない」と不安げな表情。農業の男性(83)は「ヒグマに作物を荒らされたという話をよく聞く。私もヒグマを見たことがある。近くに生息しているので気を付けなければならない」と話した。
(防げ鳥獣被害、対策隊53人に辞令:岩手)
陸前高田市は7日、2014年度の市鳥獣被害対策実施隊に53人を任命した。14年度はニホンジカの捕獲報奨金を増額し、報奨金の対象とする鳥獣も増やした。農作物被害を食い止めるため、行政とハンターのより一層の連携推進を目指す。辞令交付式は市役所で行われ、約40人が出席。久保田崇副市長が「鳥獣による農作物被害を防ぐためにも力を貸してほしい」と激励し、戸羽茂夫隊長に辞令を交付した。戸羽隊長は「活動を継続できるように無事故で励んでいく」と決意した。隊員は非常勤特別職員の立場で、公務災害補償が適用され、猟銃の技能講習免除、狩猟税の軽減などの優遇措置が受けられる。本年度から捕獲報奨金はニホンジカが1匹6千円から8千円に増額され、今後増加が見込まれるイノシシやニホンザルが報奨金の対象鳥獣に追加された。
(今季初のクマ目撃情報:岐阜)
高山市農務課は十日、市内で今季初めてクマの目撃情報があったと発表した。山菜採りシーズンが本格化するのを前に、農務課担当者は注意を呼び掛けている。十日は、清見町三ツ谷のピクルの森付近で目撃された。目撃情報では、クマは小型で近くの山林に登って行くところだったという。一昨年七月には、丹生川町の山林で山菜採り中だった男性がクマに襲われたこともあり、農務課担当者は「クマはタケノコや新芽などを食べる。山菜採りの人と同じような場所で行動することもあるので、クマ鈴を付けるなど対策を」と話している。
(山間地でイノシシ被害、崩れた土が市道ふさぐ:富山)
砺波市の山間地にある栃上の市道で、イノシシが道沿いの斜面を掘り返し、崩れ落ちた土が道路や側溝をふさぎ、住民が苦慮している。栃上では2、3年前から秋にイネが倒されたり、コメが食い荒らされたりしたが、春に被害が出たのは初めてという。
(小水力発電施設、獣害対策に利用:愛知)
県豊田加茂農林水産事務所が農地環境整備事業として、豊田市太田町細田に建設していた小水力発電施設が完成し、9日、市旭土地改良区に引き渡された。同改良区は、イノシシなどの獣害対策用の電気柵(長さ約1キロ)などへの電力に使う方針だ。施設は、農業用水の流水(流量毎秒約10リットル)をバイパス水路で流し、らせん式の2基で発電する。発電量は水量により2基で計6〜20ワットという。設置費用は約220万円だ。
(自宅に模造拳銃など62丁:熊本)
熊本県警と警視庁は9日、熊本市中央区新屋敷1、不動産会社取締役、田代勲容疑者(58)を銃刀法違反(所持など)容疑で逮捕した。発表によると、田代容疑者は1月14日午前8時25分頃、38口径の自動装填そうてん式拳銃、信号弾などを発射する信号銃各1丁のほか、違法な金属製の模造拳銃60丁を自宅に隠し持っていた疑い。県警は、田代容疑者が模造拳銃をインターネットで取引しているとの情報を警視庁から受け、1月、同容疑者宅を家宅捜索し、押収した。検証の結果、自動装填式拳銃と信号銃はともに殺傷能力があることが確認された。田代容疑者は「40年以上前から趣味で集めていた」と供述しているという。
(電柱のカラスの巣を撤去:愛知)
愛知県北名古屋市で、電柱に作られたカラスの巣の撤去が行われました。カラスは、洗濯用のハンガーや針金などで巣を作ることが多く、金属が電線に触れてたりして停電を起こす原因になることから、中部電力が撤去しています。2月から6月にかけて、巣をつくり、特に、4月は多いといいます。中部電力は、尾張地区で、今年、既に1900個近い巣を撤去したということです。
(鳥獣被害1%増、ネズミ害急増)
農水省は2月14日、平成24年度の全国の鳥獣害による農作物被害状況を公表した。24年度の鳥獣害による被害金額は230億円で、前年に比べて3億円(1%)増だった。鳥獣種別の被害金額は、シカが5000万円減の82億1000万円、イノシシが1000万円減の62億2100万円、カラスが1億4900万円減の20億6000万円、サルが6900万円減の15億3600万円と主な鳥獣の被害額は減少したものの、ネズミが4億500万円増の6億8900万円、ヒヨドリが3億1900万円増の6億5000万円など、前年に比べて倍以上の被害を出した鳥獣もあった。農水省では、これらの被害が増えたのは木の実の結実状況や気象の変化などが要因だとしている。全体の被害面積は9万7000haで、前年に比べて6000ha(6%)減。被害量は70万tで、同1万3000t(2%)減だった。
(熊野の日本キジ飼育、本年度限りか:三重)
近畿一円に三十年以上出荷されてきた熊野市紀和町産の日本キジが、本年度限りで飼育を終える可能性が高まっている。狩猟用の放鳥事業が、各県で見直し対象となったことが原因。市側は食肉としての販路開拓に期待をかけるが、存続のハードルは高い。日本キジの生産は、旧紀和町が一九八二(昭和五十七)年、県猟友会の委託を受けて開始。合併後は熊野市が出資する市ふるさと振興公社が引き継いだ。過去十年の生産のピークは二〇一〇年度で、県内に千四百九十羽、奈良と滋賀両県に計五百六十羽を出荷した。ただ、猟友会員が減少するにつれ、放鳥の意義が低下。他県への出荷はなくなり、三重県も一三年度を最後に購入を打ち切った。県獣害対策課の担当者は「そもそも自然界に放した鳥がどれほど生き延びるかを実証するのが難しい」と理由を説明する。キジが野菜を食い荒らす悪影響も報告されていたという。公社は本年度、ふ化させる数を大幅に減らし、廃止時期を見極める方針だ。もともと食肉用に生産してきた大型の高麗キジは当面、飼育を続ける。キジは国鳥で日本人となじみが深い。祭事にも使われるため、公社は上賀茂神社(京都府)や大神(おおみわ)神社(奈良県)など著名な神社にも販売しており、生産を止めた場合、畿内の伝統行事にも影響が広がりそうだ。一方で高級食材として重宝されるため、食肉業者からの引き合いは現在もあるという。公社の土口直洋専務理事は「全国的に日本キジの飼育場は減っている。わずかな需要をどう取り込むかが課題だ」と話している。
(ハクチョウの群れ、ひと休み:北海道)
市幌向と北村砂浜にまたがる河跡湖の旧石狩川にハクチョウの群れが飛来し、早朝の散歩を楽しむ市民の目を和ませている。近くに住む梅原保さん(67)によると、ハクチョウは毎年3月下旬から4月頭にかけて2週間ほど旧石狩川に滞在。今年は3月31日ごろに姿が見え始めたという。1・5キロにわたって3千羽ほどいるとみられ、梅原さんは「なかなか見応えがある」と話す。ハクチョウは午前6時ごろから周辺の畑に向かってぽつぽつと飛び立ち始め、8時ごろには川からいなくなる。雪が解けた水田で落ち穂を食べ、夕方戻ってくるという。オナガガモなどのカモ類やカモメ類も飛来しており、週末には川岸がカメラマンや見学の家族連れでにぎわっている。ハクチョウは東北などで越冬し、道内を経由してロシア・シベリア方面に帰る。
(ALSOKが鳥獣被害防止事業に参入)
警備保障会社であるALSOK(総合警備保障株式会社)は、日本の農業および農作物を守るため、鳥獣被害防止事業に参入することを7月31日に明らかにした。ALSOKが開発したのは、わなが作動すると自動起動してメールを送信し、管理者にわなが作動したことを知らせる「有害鳥獣捕獲わなの監視装置」だ。管理者が見回りなどしなくてもわなの作動状況が把握できるので、わなの見回りにかかる労力の低減や稼働率の向上が期待できるというもの。すでに千葉県富津市の農園で試行導入されており、同農園の担当者は「見回りする前にわなが作動しているかどうかわかるので、事前準備ができ二度手間を減らせる」「誤動作であることをあらかじめ確認できるので、見回り計画がたてやすい」と評価している。この装置の販売価格は一式9万5000円(税抜き)〜となっている。
(犬殺処分が全国最多、「ワースト返上」NPO啓発に力:茨城)
犬の殺処分数が八年連続全国最多の茨城県で、飼育マナーや避妊・去勢の大切さを知ってもらおうと、NPO法人や県が啓発に力を入れている。二〇〇二年度に一万匹を超えていた殺処分数は年々減少し、一三年度(集計中)は三千匹を下回る見通し。それでも九年連続最多となる可能性が高く、将来ワーストを返上した上、さらにゼロに近づけたい考えだ。処分を待つ犬の鳴き声が施設内に響く茨城県動物指導センター(笠間市)。箱形の装置に犬を追い込み、二酸化炭素を注入すると、二十分ほどで死ぬ。一二年度は三千百七十七匹が処分された。全国では一二年度、三十を超す都道府県で犬の処分数は千匹以下だった。センターによると、茨城県が多いのは(1)広い家が多く、敷地内で放し飼いされた犬が逃げ野犬化する(2)気候が温暖で野良犬が生きていける-などの地域性のほか、避妊・去勢率が低いという飼い主の問題があるという。こうした現状を変えようと、NPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク」(同県つくば市)が、センターなどから引き取った犬猫の新たな飼い主を探す活動を数年前に始めた。飼い主が見つかれば、ボランティアが自宅に足を運び、飼育について細かくアドバイスする。鶴田真子美代表は「『避妊手術はかわいそう』では無責任。路上でカラスに食べられたり、殺処分されたりする命を想像してほしい」と話す。県も「全国ワースト1脱却宣言」を掲げ、子どもたちに殺処分の現実を知ってもらおうと、一二年から夏休みにセンターの見学会を開催。小学生が犬の胸に聴診器を当てて心音を聞く出張教室も実施している。熊本市のように、捨てに来た人に飼い手を探すよう強く説得し、〇九年度に犬処分数を一匹まで減らした自治体もある。茨城県生活衛生課は「殺処分ゼロを目指し根気強く啓発を続けたい」としている。
(ジビエ処理施設を初認証、安全PR:和歌山)
鳥獣害対策で捕獲した県産のイノシシ肉とシカ肉「わかやまジビエ」の流通拡大を目指して県が新たに導入した食肉処理施設の衛生管理認証制度について、いの屋(和歌山市藤田)など県内4施設が初の認証を取得した。安全性を制度で確保することにより、消費を促す効果が期待される。9日、県庁で認証書の交付式が行われる。8日の定例記者会見で仁坂吉伸知事が発表した。県畜産課によると、認証制度は、食品衛生法に基づく許可を受けた県内の獣肉処理業者(現在17施設)が対象。県が平成21年から設けている「わかやまジビエ衛生管理ガイドライン」の順守と、捕獲日時や方法、処理日時、場所などの個体情報を管理するトレーサビリティシステムの導入、施設の衛生面などに関する県食品衛生管理認定制度の自主管理レベル1を満たしていることなどを基準に、県の認証会議が審査する。今回認証を受けたのは、いの屋、いの屋2号店(和歌山市湯屋谷)、山湯(湯浅町山田)、かつらぎ商店(かつらぎ町佐野)の4施設。認証期間は3年で、県は年1回の定期監査や立入検査により基準が保たれているかを確認する。県はまた、全国の都道府県で初となるジビエの肉質等級制度を導入。3月に講習会と試験を行い、18人を「わかやまジビエ格付員」に認定した。今回の認証4施設には計5人の格付員がおり、安全に処理された「わかやまジビエ」が、皮下脂肪の厚さや肉のつや、色などの基準で格付けされ、流通されることになる。仁坂知事は「ジビエを安心して県民に食べてもらい、将来的には県外にも名産品として販売するには、流通に乗せることが大切。処理施設の認証と格付けはそのための指標となる」と話した。
(「ジビエ肉」また食べたいが8割強)
「鳥獣被害対策.com」を運営する(株)地域環境計画は昨年11月から12月初旬にかけて「2014ちいかんオリジナルカレンダー」プレゼントの際に「野生獣害とジビエについての関心度」のアンケート調査を実施した。この調査ではまず「自然」「鳥獣害」そして「ジビエ」(フランス語で狩猟で捕獲された野生鳥獣のこと)への関心度を聞いているが、自然に「非常に関心がある」「ある程度関心がある」人は合わせて94.4%、鳥獣害は同89.1%と高い。そしてジビエについては、同60.5%と全体(有効回答数3403)の6割の人が関心を持っている。そして「ジビエ肉へのイメージ」(グラフ参照)については、ポジティブなイメージとしては、「ワイルド」24.3%、「美味しそう」19.5%、「ヘルシー」16.5%、「栄養価が高い」15%が上位を占めている。一方ネガティブイメージとしては「独特のクセがありそう」73.5%、「固そう」37.7%、「安全性に不安」18.5%が大半を占めている(3403人が複数回答)。実際に「ジビエ肉を食べた感想」を聞いたところ、イノシシ肉を食べたことがある1602人では、「美味しかった」「どちらかというと美味しかった」の合計が73.9%。シカ肉を食べたことがある892名では同75.8%と美味しいと感じた人が4分の3と好感触を示している。食べたことがある人に「また食べたいですか」と聞いたところ、イノシシ肉を食べたことがある人の30.1%が「是非また食べたい」、55.3%が「機会があればまた食べたい」と回答。シカ肉を食べたことがある人でも「ぜひまた食べてみたい」が36.5%、「機会があれば…」が48.8%といずれも85%以上の人が「また食べたい」と回答している。
(柔らかシカ肉、特製みそだれで:北海道)
オホーツク管内の飲食店などでつくる「オホーツクエゾシカ肉普及の会」は、地場産のシカ肉を使った丼「力みなぎる元気めし オホーツクえぞ鹿どん」を考案した。管内の飲食店18店舗が、24日から順次販売を始める。柔らかいシカ肉に特製みそだれで味付けするなど統一ルールを設定。新しいご当地グルメとして定着を目指す。シカ肉の有効利用を通じ、シカによる食害の軽減につなげ、地域活性化を図る狙い。北見市の中華料理店「笑安記」の千代敏彦オーナーシェフ(61)が関係者に呼び掛けて同会を設立し、メニューを考案した。えぞ鹿どんのルールは、《1》エゾシカ協会の認証などを受けた特定の工場で衛生的に処理した肉を使う《2》指定の特製みそだれで味付け《3》好みに応じて丼にかけられるよう、すりおろしたナガイモを添える《4》丼単体の価格は千円未満とする《5》その他の材料は地場産食材にこだわり、店の独創性を生かす―の5点。加盟店が中心的に使うのは、食肉処理を行う知床エゾシカファーム(斜里町)が柔らかく処理した肉。高タンパク低脂肪のシカ肉とナガイモの組み合わせで、健康志向をアピールする。9日は笑安記に同会加盟店の関係者ら約10人が集まり、同会代表の千代さんが丼の調理を実演したほか、統一ルールについて説明した。提供予定店舗は、北見市、美幌町、斜里町などの18店。笑安記をはじめ北見市の飲食店は24日に発売し、他地域でも順次販売を始める。同会は今後も加盟店の拡大を図っていく考え。千代代表は「健康的でスタミナもつくメニュー。いろいろな店の味を楽しんでほしい」とPRしている。
(鹿肉のおいしさ広めたい:長野)
上伊那郡中川村大草の木下重幸さん(53)と妻の直美さん(53)が自宅を改修し、鹿肉の薫製工房をオープンした。ともに上伊那猟友会中川支部に所属。狩猟免許と銃砲所持許可を持ち、鹿猟をして村内の施設で解体作業を手掛ける。直美さんが味付けした第1弾の商品「鹿くん」の販売を始めており、「かめばかむほど味が出る」とPR。夫婦二人三脚で狩猟から販売までを一貫して行う。重幸さんは20代で、直美さんは30代で猟を始めた。副業をしながら、猟期を中心に猟をしている。これまで鹿肉は家で焼いたり薫製にしたりして食べていたが、使い切れない肉は埋めてしまうことも。「もったいない」とこの十数年、商品化に向けて研究してきた。約300万円を投じて自宅を改修。調理や薫蒸、乾燥、包装を一貫してできるようにした。県から食肉製品製造業の許可を得るのに必要な資格を持つ衛生管理者が見つかり、猟友会仲間などの後押しも受け、念願の工房を3月末にオープン。鹿肉の別称にちなみ、「燻製(くんせい)工房もみじ」と名付けた。鹿くんはしょうゆと砂糖をベースに味付け。「はっきりした味になる」と、黒コショウを隠し味にしている。乾燥時間なども工夫し、比較的軟らかい背ロースやももだけでなく、ふくらはぎやすねなどの部位も余すところなく使用。お年寄りらも食べやすいよう、煮て軟らかくしたタイプの製品も研究中だ。中川村は、農林業被害対策でニホンジカの活用研究に力を入れている。昨年度は村内に獣肉解体加工施設を整備した。木下さん夫婦も同施設で鹿を解体する。狩猟から解体、加工まで「全ての工程に関わっているから商品への愛着が湧く」と直美さん。重幸さんは「鹿肉でこんなにおいしいものができることを知ってもらいたい」と話している。
(鹿、イノシシの缶詰:奈良)
今では農産物や植林を荒らし、山村の生活を脅かしている鹿とイノシシ。野生鳥獣は、フランス料理の高級食材だが、伝統が無いわが国では、駆除後の扱いに困る場面も。若い時から狩猟が趣味だった天川村洞川の阪口正さん(56)は、カツやボタン鍋などに使えない部位の肉を缶詰にして販売。「特に鹿の料理は腕が必要。手軽な缶詰でおいしさをアピールしたい」と話す。阪口さんは21歳で狩猟を始めた。今では1シーズンに鹿70匹、イノシシ30匹を仕留める。銃猟にこだわるのは良い肉を取るためだ。また県内自治体の委託を受け、鹿やイノシシの駆除にも携わっており、捨てられる肉を活用できないかと考え、2010年、処理施設を建てて、食べられなかった部位を使った缶詰の製造を始めた。使うのは、鹿では筋、すね、首などの脂分が少ない部位。イノシシはボタン鍋に使う部位以外だ。ゆでて脂と血の臭みを抜く。缶詰は業者に委託。調味料とともに高圧で加熱するため、「鹿肉は柔らかくなり、ぱさつかなくなる。余った肉が、逆に缶詰には適している」。トチなどの蜂蜜の販売もしている。阪口さんは「洞川の自然の恵みを村おこしに活用できれば」と話す。
(柵の下に竹、イノシシアナグマ侵入できず:大分)
大分県竹田市で米とシイタケを栽培する農家の佐藤和憲さん(63)は、獣害を防ぐ金網柵の下に竹を敷き詰めることで、土を掘って侵入するイノシシやアナグマの被害をなくした。田畑に柵をぐるりと囲んでも、鼻で柵の隙間から土を掘り返して柵の下から潜り込み、圃場(ほじょう)に侵入する獣に対抗、放置竹林を活用した。イノシシの侵入を防ぐために効果的な方法も突き止め、農地に獣を寄せつけない環境を整えた。佐藤さんは2年前に金網柵を集落の仲間とともに設置したが、家と農地の背後は山のため、イノシシなどの出没が相次ぎ、柵内にたびたび侵入し、農作物を食い荒らされることが悩みの種だった。アナグマが柵の下の土を掘り返して侵入すると、イノシシがその後、土をさらに深く掘り返して入ってくる始末。急傾斜地の畦畔(けいはん)は、獣が荒らして草も生えないほど土が掘り返されていたという。その結果、米の食害が深刻化。佐藤さんは県や市の担当者に相談し、柵の下に竹を敷き詰めることにした。柵の下に敷き詰めた竹の長さは、全2キロに及んだ。竹を柵の場所に応じて2~3メートルに切り、針金で柵の支柱とともに締め付ける。ポイントは若い青竹ではなく、強度が増した少し黄色がかった竹を選ぶこと。イノシシやアナグマの鼻の力に負けないよう強度の強い針金でしっかり締め付けて固定することも重要だ。竹は農地側ではなく、イノシシやアナグマが侵入する外側に敷き詰め、竹の太さは、イノシシがくわえないよう直径5センチ以上を選ぶ。耐久性を考え、様子を見ながら数年で取り替えることも検討している。昨年、田植えを終えた6月から7月に近隣の放置竹林の竹を切って敷き詰めたところ効果はてきめんだった。「これまでは柵の下にブロックを置いても鼻で押しのけて侵入された。今では全く被害がない」と喜ぶ佐藤さん。ブロックは一個の長さが短く、鼻で簡単に押しのけることができるが、竹は長くて表面がつるつるしているため、鼻で押しのけることができない点が奏功した。県の鳥獣害担当者も「土を掘り返す能力にたけたイノシシでも、竹を嫌がって諦めるほど。多くの農家に実践してもらいたい」と高く評価する。佐藤さんは今月末に開く集落の農家の会合で、竹を敷き詰めて侵入を防いだ成果を披露し、仲間にも勧めるつもりだ。「あまりに被害がひどくて、どうにかせんとと思って始めた対策。竹はどこにでもあるし、誰でもできて効果があるので、ぜひ試してほしい」と佐藤さん。イノシシとの知恵比べは今日も続く。

TOPへ

4/8
(一度捕獲も、別荘地に再びクマ出没:静岡)
3月下旬から裾野市の別荘地にクマが現れ、5日、捕獲されて富士山麓に放された。しかし、6日再び、クマの目撃情報が寄せられ市では注意を呼びかけている。再び目撃されたのは、体長75センチ、体重50キロ、推定年齢2歳のツキノワグマと見られている。裾野市によると、5日午後4時20分頃、裾野市須山で麻酔銃を使いクマを捕獲。その後、クマを富士山麓へ放した。しかし、6日夕方、裾野市須山の別荘地で再び熊の目撃情報があり、猟友会がクマを確認した。クマの耳につけられたタグの色や、体の特徴が似ていることから、市では、捕獲されたクマが再び別荘地に戻ったものと見ている。市では、同報無線などで注意を呼びかけるとともに、パトロールを続けるという。
(同じヒグマ、また人襲う:北海道)
北海道せたな町で4日、山菜採りに来ていた40代女性がヒグマに腕をかまれ負傷した事故で、現場にあったクマの血液のDNA型を道が鑑定したところ、昨年4月に同町で52歳の女性を襲って死亡させたヒグマと同じだったことが7日、分かった。今回、40代女性はクマよけの鈴を鳴らしていたにもかかわらず襲われた。道と町は人を恐れない危険なヒグマとみて、現場周辺への立ち入りを自粛するよう注意を呼びかけている。道警せたな署によると、40代女性は60代男性と林道を歩いていたところ、背後から近づいてきたヒグマにリュックサックを爪で引っかけられて倒され、腕にかみつかれた。男性が持っていたなたを振るって応戦し、ヒグマの鼻に傷を負わせたところ、山中に逃げていったという。道立総合研究機構環境科学研究センター道南地区野生生物室(江差町)が現場にあったクマの血痕を解析。昨年4月16日に52歳女性が襲われて死亡した際、現場に残されていたヒグマの毛から調べたDNA型と一致した。昨年と今年の現場は直線で8キロの距離がある。傷を負わされたクマは人を襲う可能性が高く、現場周辺に山菜採りに入るのは極めて危険だ。町は入山自粛を求める看板を設置、同署も巡回して住民らに警戒を呼びかけている。道と町、猟友会は近く大規模な山狩りをしてクマを駆除する方針。道によると、2004〜13年度に春の山菜採りでヒグマに人が襲われた事故は7件発生しており、6人が死亡している。
(ツキノワグマ活発化、対策連絡会:福井)
ツキノワグマが活発化するシーズンを迎え、県や各市町の関係者による対策連絡会が7日、県庁で開かれた。昨年度は春秋シーズン(4~8月)の出没回数が過去5年間で最多だったことに加え、3年ぶりに人身被害が起きたこともあり、山菜採りや山林作業の際への注意を喚起している。連絡会では、平成25年度の出没回数が173件で前年度比27件増で、捕獲数は同4頭増の7頭だったことなどが報告された。同シーズンの出没回数は141件で、特に福井・坂井地区では同40件増の57件にも及んだ。福井市美山地区や永平寺町などが多く、県では「同一固体の可能性もあるが、断言はできない」としている。また、近年はクマの餌となるドングリやナラなどの不作がなく、猟も減っていることから、今後、大きく増える可能性も示唆した。県のまとめでは、元~25年度の人身被害遭遇場所について、3~7月は山菜採り44%、山林40%と人が山に入った際に多くなっている。9~12月は住宅地周辺50%など、冬眠前にエサを求めて住宅地周辺に出没する傾向がみられる。県では山菜採りやハイキングなどで入山する人への注意喚起や、出没時の連絡・出動態勢の確認を求めた。勝山市や猟友会からは状況確認などの初動段階で猟銃の携帯許可を求める声も上がったが、県や県警は「報告や状況に応じて、個別に判断する」と応じるにとどめた。
(イノシシと格闘、猟犬の全国大会:和歌山)
猟犬としての能力を競い合う第6回全国猪犬猟能競技大会が5日、和歌山県上富田町岩田の熊野山本猪犬訓練所(山本弘之代表)であった。各地から集まった35匹の猟犬が、イノシシと1対1で格闘した。同訓練所が、猟師同士の交流や飼育している猟犬の能力向上を目的に開いた。参加者は23人。埼玉県など関東地方や鹿児島県など九州方面からも参加があった。競技は3部門で行い、幼犬の部(生後10カ月まで)に6匹、若犬の部(11カ月~1歳8カ月)に13匹、成犬の部(1歳9カ月以上)に16匹が出場。5分の制限時間を設けてベテランの猟師が審査に当たり、イノシシとの駆け引きや向かっていく気の強さ、かみついて最後まで猟に集中する粘り強さなどをチェック。部門により20キロ、35キロ、65キロのイノシシが用意。約1100平方メートルの柵の中に放たれ、猟犬が茂みの中にいるのを見つけて追い出したり、かみついたりして猟を想定した訓練をした。山本代表は「イノシシが増えているが、猟師や猟犬が少なくなってきている。この大会を通じて親睦や経験を深めてもらい、猟師の数が少しでも増えて、イノシシの有害駆除に協力できたらと思う」と話している。
(郊外のカラス60キロも移動、夏秋は遠出好き)
郊外に生息するカラスに、季節ごとに移動距離やねぐらを変える性質があることを、宇都宮大(宇都宮市)の杉田昭栄(しょうえい)農学部教授(61)の研究チームが解明した。野鳥を介した感染症の予防や、農作物の食害対策へ応用できそうだ。国立科学博物館付属自然教育園(東京都港区)が二〇〇〇~〇三年度、都心で行ったカラスの追跡調査では、大半の個体は半径五キロ圏内で暮らしていた。一年中、決まった場所に出される生ごみを餌にしているためとみられる。これに対し、郊外のカラスのほうが行動範囲が広いとみられることは以前から指摘されていたが、杉田教授は「郊外のカラスの、季節ごとの行動の違いを追跡調査で明らかにしたのは初めて」と話している。杉田教授は一一年から、長野県飯田市と栃木県真岡市で調査を開始。両市で計約三百七十羽を捕獲し、衛星利用測位システム(GPS)の受信機を着けて放ち、約二百二十羽を再び捕まえて移動記録を調べた。その結果、カラスは春、畜産農家周辺をねぐらにし、一日数キロ程度しか移動しなかった。巣作りの季節のため、遠出を避け、配合飼料など家畜の餌を食べているとみられる。夏から秋にかけては、一日に三十~六十キロも移動。果樹園のブドウや柿、魚やネズミなどの小動物を、広い範囲で探して食べていると分析している。餌が少なくなる冬には再び、畜産農家付近で生活。ただ、春と異なり、よりよい農家が他にあれば、長距離の移動をする例もあった。杉田教授によると、カラスは十数羽の小集団で行動することが多い。親子の結び付きも強く、子は生後一年以上、親と過ごす場合もある。家族や仲間と情報をやりとりする中で、いい餌場や安全なねぐらに集まる可能性が高い。杉田教授は「冬前に畜舎付近の森で枝打ちをし、カラスよけの設備を置くなどすれば、ねぐらになるのを防げる」と指摘。鳥インフルエンザや口蹄(こうてい)疫といった動物の感染症は、カラスが媒介している可能性が指摘されているが、「やみくもにカラスを害鳥として警戒するのではなく、季節に応じた対策で感染症や食害のリスクは減らせる」と語った。今後は畜舎内に定点カメラを置き、カラスがどんな行動をしているかも詳しく調べる。

TOPへ

4/7
(山菜採りの女性、背後からクマに襲われけが:北海道)
4日午後2時ごろ、檜山管内せたな町大成区太田の山林で、山菜採りに来ていた苫小牧市内の女性会社員(45)がクマに襲われ、肩や腕を負傷した。命に別条はないという。せたな署によると、女性は同日朝から知人男性と2人で山菜採りをした後、車に戻る途中で背後からクマに襲われたという。男性が持っていたナタで抵抗しながら女性とともに逃げた。現場は道道北檜山大成線から約300メートル山側の山林。地元の猟友会員が周辺を捜索したがクマは見つからなかった。せたな町は道道から現場付近までの町道を通行止めにした。同町では昨年4月にも、山菜採りの女性がクマに襲われ死亡している。
(ツキノワグマ捕獲:静岡)
5日午後2時45分ごろ、裾野市十里木地区の八幡神社自然公園でクマを捜索中の裾野署員がツキノワグマを発見。一緒に捜索していた猟友会などが協力して1時間半がかりで捕獲し、山奥へ放した。市によると、捕獲したツキノワグマは2歳ぐらい。体長75センチ、体重50キロで性別は不明。周辺は別荘地で例年、クマの出没は珍しくなく、今年は3月下旬から目撃情報が寄せられていた。
(イノシシ早くも活発、少雪が影響か:富山)
高岡市福岡町沢川(そうごう)で3月中旬以降、イノシシの被害が発生している。土手を荒らして用水を詰まらせるケースが多く、活発な行動の背景には今冬の少雪が影響しているとみられる。人や農作物への被害を未然に防ぐため、2月に結成した沢川限定のイノシシ捕獲隊員が6日、初めて捕獲用のおりを設置した。福岡町沢川は石川県境の中山間地。住民によると、イノシシが餌を探そうと土手を掘るたび、落ちた土が用水にたまる。被害の発生時期は例年より2週間ほど早く、雪解け時期と重なっているという。用水の江ざらいは住民が行うが、高齢者が半数を超える沢川にとって、負担は大きい。沢川では昨年度、12頭のイノシシを捕獲しており、高岡市全体の捕獲数の半数近くを占めた。農作物被害が後を絶たず、民間周辺にも出没する事態となっていたため、福岡町有害鳥獣捕獲隊の中に、鳥獣保護区の沢川で例外的に捕獲活動が行える隊員として住民4人を市が委嘱した。6日は、沢川営農組合の被害届を受け、隊員が高さ、幅各1メートル、奥行き2メートルの鉄格子のおり1基を地区内に設置。米ぬかをまき餌に使うことなど、以前から福岡町有害鳥獣捕獲隊として活動している隊員から指導を受けた。沢川限定の捕獲隊員である前田由市さん(60)は「人家の回りにイノシシが出ている。被害が出る前に捕獲し住民に安心してもらいたい」と話し、田畑公生沢川自治会長(67)は「高齢者の多い自治会にとって、捕獲隊の活動は心強い」と期待を寄せた。
(イノシシ・ニホンジカ、初生息調査へ:秋田)
秋田県は、イノシシとニホンジカを対象とした初の現地調査を6月から始める。イノシシは冬山で、ニホンジカは子連れで目撃されたことから、県は「県内で繁殖し、生息している可能性がある」(自然保護課)と推測。目撃情報の多い県境を中心に生息状況を調べる。県内では、イノシシとニホンジカによる農作物被害は今のところないが、隣県で被害が発生していることから、被害を未然に食い止めることが目的だ。農作物被害額は隣接する岩手県で2012年度、ニホンジカで2億8200万円、イノシシで213万円に上る。山形県でもイノシシで553万円の被害が出ていることから、秋田県は「生息状況を正確に把握し、農作物被害を起こさないようにすることが重要」(同)として現地調査に乗り出す。14年度は「野生鳥獣適正管理推進事業」として200万円を計上した。調査では、目撃情報が多い鹿角市から湯沢市までの県境を中心に木の食害の有無、足跡やふんなどの痕跡を確認し、イノシシとニホンジカの生息範囲を把握する。イノシシは12年2月に湯沢市で初めて捕獲されて以来、計6件の目撃情報が県に寄せられている。直近では3月16日に湯沢市の県境付近で目撃され、県は「山を越えて秋田側に来たとは考えにくく、(県内で)越冬したかもしれない」(同)とみる。一方、ニホンジカも09年6月に仙北市で死体が発見されて以来、計30件の目撃情報があった。雪のない6~11月に単体で目撃されるのがほとんどだったが、今年に入って子連れの雌が目撃されたことから「県内で繁殖活動をしている可能性がある」(同)としている。
(サル捕獲隊、市職員12人で結成:山口)
山口県萩市職員による「市サル捕獲隊」が結成され、同市役所で4日、辞令交付式があった。メンバーは通報があれば、公務として野生猿捕獲のため出動。市によると、公務員のみの捕獲隊編成は全国的にも珍しいという。捕獲隊は、本庁や各総合事務所に所属する30〜50代の男女12人で結成。いずれも猟銃やわな猟の狩猟免許を取得している。市農政課によると、同市と阿武町には野生猿の群れが九つあり、50〜100匹とされる一つの群れの数も近年は増加傾向にあるという。一帯の農作物の被害額は、年間約2600万〜3600万円。猟友会が毎年100〜160匹を捕獲するほか、住民も追い払い用のロケット花火を撃って自衛しているが、効果はあまり上がっていないのが現状だ。加えて、猟友会員(約300人)は60〜70代が中心で、高齢化。中山間地域の農家には猿が集団で押し寄せ、収穫期を迎えた野菜や果物を食べ尽くし、農家の耕作意欲を減退させている。市の捕獲隊は、このような状況を打開するのが狙い。勤務時間内に出没情報が寄せられると各地域の猟友会に連絡し、現場に駆けつけて対応する。この日の辞令交付式に、メンバーは活動時に着用する黄色とオレンジのベスト、帽子姿で勢ぞろい。野村興児市長は一人一人に委嘱状を手渡して「被害軽減につながるよう頑張ってほしい」と激励。隊長の溝部美津枝農林水産部次長(56)が「市民の期待に応えられるよう活動したい」と決意表明した。
(鳥獣被害対策隊が発足:静岡)
富士山麓の有害鳥獣による食害を防ごうと、富士宮市は地元猟友会員でつくる「市鳥獣被害対策実施隊」を組織した。鳥獣被害防止特措法に基づく県内初の取り組み。隊員らは「行政と協力して富士山の自然や山麓の農家の生活を守りたい」と意気込んでいる。実施隊は市内の富士宮猟友会と西富士山麓猟友会の各五人で結成。十一月中旬から翌年二月中旬の猟期を除き、わなで有害鳥獣を駆除する。被害農家に電気柵の設置などの対策を助言するのも任務の一つだ。市は隊員に日当千円を支払うほか、シカとイノシシを捕獲した場合に一頭五千円で買い上げる。市内の農業被害額は二〇一二年度、飼料作物と野菜を中心に千百八十八万円に上った。特に深刻化しているのがニホンジカによる食害。スギ・ヒノキの樹皮をはぐ林業被害や、貴重な高山植物を食べる生態系への影響も指摘されている。県の一〇~一二年度の調査によると、富士山の静岡県側には一万七千頭のシカが生息。〇四~〇六年度の前回調査よりも七割増えている。区域別では国有林に一万頭、富士宮市に山麓市町で最多の三千頭がいると推定している。隊長に選任された風岡正則さん(61)=同市内房=は「シカの多い場所に会員を一斉に派遣すれば効果的に捕まえられる。猟友会のエリアにとらわれずに気兼ねなく活動できるよう、市にはリーダーシップを発揮してほしい」と話している。
(希少高山植物を培養:山梨)
シカの食害が深刻になっている南アルプスの高山植物を培養して増やし、保全に役立てようとする研究を、県森林総合研究所(富士川町)が進めている。すでにミヤマハナシノブの培養に成功し、キタダケソウにも取り組む。将来、貴重な種が絶滅の危機にさらされたとき、培養株を自然環境に戻して復活できるようにしておくのが狙いだ。研究所2階の培養室に入ると、20度に保たれた室内のスチール棚に高さ10センチほどの試験管が並ぶ。試験管の中では明るい緑色の芽が5センチほどに成長していた。培養中のミヤマハナシノブだ。南アルプスでは1990年代後半からシカが目立つようになった。2011年夏の調査では、北岳の標高2700メートル付近まで出没し、高山植物や木の皮を食べていた。もともと個体数の少ない高山植物をシカが食べ続ければ、絶滅につながる恐れもあるという。
(鳥獣害阻止へタッグ:鳥取)
野生鳥獣による農林業被害を食い止めようと、鳥取県と日野郡3町などでつくる日野郡鳥獣被害対策協議会(会長・増原聡日南町長)は本年度から被害対策に当たる実施隊を編成。3日、日野町根雨の日野地域振興センター内に拠点となる事務所を設け、隊員4人に辞令を交付した。日野郡では近年、イノシシ、サル、シカなど農作物を荒らす動物の多様化や広域化が進行。鳥獣駆除を担う狩猟登録者が高齢化し、10年前と比べ約50人に半減するなど、駆除対策を担う後継者育成も課題になっている。このため、同協議会は町域を超えた対策を講じる実施隊を計画。日南町が大阪と東京から2人、江府、日野両町は町内から各1人、計4人の隊員を採用した。実施隊は今後、事務所を拠点に、郡内のパトロールや害獣が農地に入らないようにする柵の点検などを通じて認知度アップや情報収集に努める。また、メンバーのうち2人は狩猟免許を持っていないため、取得も目指す。事務所の開所式と辞令交付式では、増原会長が「日野郡は中山間地の典型。3町と県が連携して、日本の一つのモデルとして先進的に取り組みたい」と激励。実施隊のチーフを務める木下卓也さん(33)=大阪府高槻市=は「地域の人たちと一緒に活動して鳥獣被害を減らしたい」と意気込みを語った。
(第5回鳥獣管理技術研修会:栃木)
優れた自然の風景地の保護と利用の促進、生物多様性確保への寄与を目的とする自然公園において、今、本来自然の構成要素の一つであったシカが増えすぎたことにより、自然植生、自然景観の退行が進んでいます。また、歩道など主要利用施設に近接したエリアでは、クマ、サルなどの野生鳥獣と人との距離が限度を超えて接近する傾向が強まっています。シカ生息の拡大に伴って、ヤマビル生息域が急速に拡大し、公園利用者が被害に遭う事例も増えています。この研修では、首都圏に近く我が国を代表する国立公園の一つである日光国立公園の現状を紹介するとともに、パネルディスカッションで、野生鳥獣と人との関係の変化が自然公園の「保護と利用」に及ぼす影響と対策、今後の方向について考えていきます。
(鉄鋼スラグに高い通電性:和歌山)
和歌山県果樹試験場(有田川町)は、簡易舗装資材として使われている鉄鋼スラグに高い通電性のあることを突き止めた。試験場は「電気柵の周りを鉄鋼スラグで舗装すれば、維持管理が楽になる」と話し、電気柵の防草用資材として推奨している。鉄鋼スラグは鉄鋼製造工程で副産物として発生するもので、和歌山市の新日鉄住金和歌山製鉄所が製品化している。県リサイクル製品に認定され、建設資材県産品にも登録されている。電気柵は、動物に電気ショックを与えて追い払う装置で侵入防止効果は高い。しかし、電気が電線を伝って、きちんと流れないと効果が出ない。このため、草木が繁茂して電線に接触すると、漏電して効果が低減する。コンクリートやアスファルトは通電性が低いため、電気柵の防草用に使えない。試験は、厚さ10センチと15センチの2種類を、それぞれ幅1メートル、長さ13メートルで施工した。施工費用はコンクリートのおよそ4分の1から5分の1、アスファルトの2分の1から3分の1と安価。ただ、資材が1立方メートルで2トンと重いため、搬入路のない場所での施工は難しいという。通電性の実験では、動物が電線に接触した時、何も舗装していない土壌では約5600ボルトの電圧があった。厚さ10センチの鉄鋼スラグではこれに比べ73%の約4100ボルトだった。厚さ15センチでは2900ボルトと低下する傾向が見られた。また、コンクリートとアスファルトは千ボルトと低かった。県の対策マニュアルでは3500ボルトを基準としている。施工から9カ月後に調査したところ、鉄鋼スラグ上に草木は全く生えていなかった。ただ、土壌との境付近で鉄鋼スラグが薄くなっている部分には草木が生え、厚さ10センチより厚さ15センチの方が少ない傾向だった。今後、耐久性についても調べていくという。法眼利幸主査研究員は「設置した2013年1月末から今までイノシシなどの侵入を許していない。高い効果があり、適所に利用してほしい。安価なので普通の柵の防草や作業道の舗装にも使える」と話している。
(「食害」対策、災い転じ村の元気に)
シカやイノシシによる農作物などへの被害が深刻だ。このため国は、これら野生動物の捕獲を促す法整備に乗り出した。食害対策はもちろん急がれるが、それを農山村の振興や再生にもつなげたい。みなさん、ニホンジカの肉を食べたことがありますか。食用の野生鳥獣をジビエと言うが、初めてシカ肉を食べた。愛知県三河の産。口内にチーズっぽい後味が残ったが、癖が少ない。どんな調理にも使えそうだ。そのシカが、七百種を超える哺乳・鳥類のすむこの国で、爆発的に増えている。二〇一一年度のニホンジカの全国の推定生息数は約二百六十一万頭(北海道は別に集計)。十年前のほぼ二・六倍だ。イノシシも約八十八万頭で、一・五倍の急増ぶり。環境省が昨年まとめた。今のままだと、シカは十年先には五百万頭にもなるという。両種は生息域も広がっている。農山村の過疎が進み、耕作放棄地や手入れされない山林が増えたことが最大の原因とみていい。森の生態系の頂点にいたオオカミの絶滅や温暖化で冬の餓死が減ったためと指摘する専門家もいる。その食害が深刻だ。農作物の被害額はこの数年、二百億円台で推移。新芽や枝が食べられる林業被害の約60%はシカによる。森林の劣化は水資源や防災面の不安を高める。列車や車との衝突も頻繁に起きている。もはや都市住民の生活にも直結している。対策を迫られた国は、野生動物の「保護」の役割を担ってきた鳥獣保護法を抜本的に見直さざるを得なくなった。「保護」から積極的な「捕獲」への転換である。狩猟者の減少と高齢化に悩む現状を、捕獲を専門に行う民間事業者の認定制度を設け、さらには夜間も銃捕獲を認める規制緩和で補うことなどが柱になる。だが、それだけでいいのだろうか。信州大農学部の竹田謙一准教授は「捕獲だけでない専門家」の必要性を訴える。捕獲は農山村再生の対策の一部にすぎぬからだ。広い視野で、その将来の青写真が描ける人こそが、現場に求められるのではないか。近年、シカやイノシシのジビエを町おこしの“資源”にする事例が増えてきた。例えば鳥取県は東京の有名レストランにジビエ料理を売り込んでいる。盛んになれば、雇用創出にもなるだろう。こうした山村と都会の協力で、食害という災いを、よき福に転じられないものだろうか。
(ツバメの減少実態を調査:京都)
京都府宇治市の愛鳥団体・京都宇治はやぶさ隊(中島愛治代表)が、全国的に減少しているツバメの市内での生息状況を調査し、冊子「宇治のつばめ 昔と今」を発行した。減少の程度や理由を探ろうと、昨年3月~9月、会員25人が南に飛び立つ前にツバメが集まる宇治川の「ねぐら」の個体数調査や、ツバメが営巣していたり、古巣のある中宇治地域の商店などで聞き取り調査を行った。ねぐらに集まったツバメは最大で約3万羽。昭和50(1975)年代の3分の1以下まで減少していたという。減少理由についての聞き取りでは「カラスに襲われる」が80%と大多数を占め、そのほかに温暖化(10%)や周辺環境の変化(5%)が挙げられた。同隊はリボンを使ったカラスよけを提案している。ツバメの巣作りや子育ての様子や、スーパーなど街中で営巣する野鳥、白川の野鳥などの写真も紹介。中島代表(80)が母ツバメの強さに感動したり、保護した野鳥と心を通わせたりしたエッセーも掲載した。
(カラス肉を特産品にする試み:茨城)
茨城県の一部では、戦後間もない頃からカラスを食用にする習慣が始まり、今でも狩猟期間の11月中旬~2月中旬にかけて、地元漁師が取ったカラスの肉を食べているとのこと。こうした食文化を守る意味もあり、地域の人が中心となって特産品にできないか取り組んでいるそうだ。都市部では、騒音や糞害、ゴミ荒らし、巣による停電などの被害があることから憎まれがちなカラスだが、鳥類の中でも頭の良いことでは有名。また神の使いでもあることから、日本サッカー協会のシンボルマークには八咫烏(やたがらす)が用いられている。フランス料理では、野生の鳥や動物を材料にしたジビエ料理がある。哺乳類であればシカ、イノシシ、ウサギなど、鳥類であればウズラ、カモ、キジなどが知られているが、カラスもジビエとして食されている。雑誌などでも取り上げられたことのある長野県のフランス料理店「エスポワール」では、「信州産ハシボソカラス胸肉のポワレとモモ肉とフォアグラのパイ包み焼き」が5500円、「信州産カラスとフォアグラのパイ包み焼き」が6800円で提供している。食べてみたい人は訪れてみてはどうだろうか。ただし「すべての入荷は狩猟の状況に左右されます。お出しできない場合もあること、獲物の状態によっては料理法が限られることをご了承ください」と、注意書きがあるので、事前に問い合わせた方が良いだろう。
(シカ肉の天ぷらうどんを考案:広島)
安芸高田市の美土里町女性会が、シカ肉の天ぷらうどんを考案した。同町の神楽門前湯治村で日曜を中心に開かれる昼神楽公演で6日から売り出す。
(爺婆のバーガー召し上がれ:和歌山)
和歌山県田辺市龍神村の高齢者らでつくる「村の爺婆(じじばば)会」(辻達行代表)は5日から、同会が運営している産品直売所「村の爺婆の店 まあはいらんせ」(龍神村柳瀬)でイノシシ肉とシカ肉を使ったハンバーガーの販売を始める。週2日だった営業日もこの春から週3日に拡大するなど運営体制を強化。辻代表は「春の目玉商品。ぜひ味わってみて」と話している。直売所は、活性化に取り組む地域を支援する県の補助事業の一環で、国道425号沿いに昨年10月にオープンした。地元住民らが自家栽培の野菜、すしや漬物といった加工品など、地元ならではの商品を出品している。特に龍神村産のサトイモを使ったコロッケやプリンが人気という。同会は昨年9月、食品加工場(龍神村安井)も開設し、直売所で販売する加工品の製造や商品開発にも取り組んでいる。龍神村に観光などで訪れる人が増える春に合わせ、新商品の販売を始めようと考えていた同会は、以前来店した客から「手軽に食べられるハンバーガーを売ってはどうか」と提案を受けたことや、県が流通量拡大に取り組むなどしてジビエが注目されていることから、ジビエを使ったハンバーガーを作ることにした。当初の案では、すでに店の人気商品になっているサトイモコロッケとジビエを合わせたコロッケバーガーにしようと考えていたが、最終的にはジビエだけを使ったハンバーグをパンに挟むことにした。ハンバーグはイノシシ肉とシカ肉の2種類で、特性ソースで煮込む。肉はジビエ加工施設「ジビエ本宮」(田辺市本宮町)から仕入れる。このほどメンバーが加工場に集まり、ハンバーグを作り置きして冷凍保存するなど、5日からの販売に向け準備をした。皆で試食もした。ハンバーガーはイノシシ肉、シカ肉いずれも1日15個限定。1個400円。辻代表は「店の運営は現在、会員のボランティアに頼っているが、将来的には売り上げから人件費を出せるようにしたい。ハンバーガーが人気商品になり、運営体制の強化につながればうれしい。2種類のハンバーガーが軌道に乗れば、コロッケバーガーなどにも挑戦したい」と話している。
(高校生レトルトカレー試作:栃木)
那珂川町の特産品の一つである八溝山系のイノシシ肉「八溝ししまる」を使ったレトルトカレーの試作品作りがこのほど、馬頭高校水産科の実習室で町や町内の料理店、同校生徒ら約30人が参加して行われた。町内各分野の代表者でつくる「なかがわ元気プロジェクト連絡協議会」で、同校と御前岩物産センターの関係者が「八溝ししまる」レトルトカレーの商品化で意気投合し、同校水産科に食品加工の授業で使うレトルトパック用の調理器具があることから実現した。この日は、同センターが用意した地元産トマト入りのカレーにイノシシ肉1キロを混ぜ、アルミ製のレトルトパックに詰めて、20パックを完成させた。最後に全員でカレーを試食。水産科2年の鈴木かんなさん(17)は「イノシシの肉は甘みがあり、思ったより軟らかくておいしい。カレーに相性が合う」と話していた。レトルトカレーの賞味期限は半年から1年ほどで、関係者は今後、県の食品検査などを経て年内をめどに商品化を目指す考えだ。
(路上ではねられた動物を食べやすくするための法案が提出:アメリカ)
米国では、道路上で発生した野生動物の死亡事故はロードキルと呼ばれ、犠牲になった動物をワナに仕掛ける餌や、時には食用として利用することもある。今回は、路上で轢死した動物を食用に利用することを促す法案が米ミシガン州で提出された。ミシガン州では、狩猟免許を持っていない一般の人が路上ではねられた動物を処理するには、当局が発行する専用のタグが必要となる。そのため、地元の警察または自然資源省(DNR)に連絡してタグを発行してもらわなければならず、場合によってはタグを受け取るまでに時間がかかるケースがあるという。この法案は、そんな煩わしい手続きを省こうというもので、ドライバーは事故の発生日時と場所をメモしておき、後で電話またはメールで当局に許可を申請すれば動物を利用する権利を得られるという。つまり、法案が可決されれば、ドライバーは轢死した動物の肉を新鮮な内に食べることができるというわけだ。この法案はすでに上院を通過し下院へと回されている。法案を提出したダーウィン・ブーハー州議員は、「許可を得るのは簡単で無料なのに、タグを受け取るのに時間がかかるため、待っている間に肉の鮮度が落ちてしまう」と、この法案のメリットを語っている。ただしこの法案は、全ての動物に適応されるわけではなく、シカやクマの死骸を扱うには狩猟免許が必要とのこと。なおDNRは、動物の傾向を記録する観点から、この法案に反対している。

TOPへ

4/4
(住宅街にイノシシ、体当たりされ男女4人重軽傷:兵庫)
3日午前9時15分頃、神戸市西区井吹台西町、市営西神井吹台住宅の敷地内や周辺の道路で、イノシシが通行人らに次々と体当たりし、50~60歳代の男女4人が足などに重軽傷を負った。イノシシはそのまま逃げ、兵庫県警神戸西署と同県猟友会などが捜索している。現場一帯は住宅街。市営住宅近くの路上で自転車に乗っていて襲われ、手足にけがをしたパート従業員の女性は取材に「イノシシと目が合った直後、自転車ごと押し倒された。力が強く怖かった」と話した。
(お尋ね者、イノシシ御用:長崎)
長崎県の離島・壱岐でイノシシが初めて捕らえられた。もともと島に生息していなかったが、4年前に目撃されて以来、農作物の被害が相次いでいた。お尋ね者はついに御用となったが、島民は「他にもいるかも」と警戒を続けている。壱岐市によると、3月21日、島北部の山中で地元猟友会のメンバーらが体長1・3メートル、体重90キロの雌を見つけ、銃で撃って駆除した。2、3年以内に出産した様子はなかったが、市担当者は「繁殖している可能性もある。駆除を続けたい」と話す。壱岐では2010年6月、島南部の海岸に泳いで上陸するイノシシが初めて目撃された。
(クマが目撃される:石川)
3日午後1時ごろ、小松市岩渕町の白山神社付近で近所を散歩していた男性が境内にいるクマを見つけました。男性は警察に連絡し、警察が付近を確認しましたが、クマのものと見られるふんや足跡は見つかりませんでした。警察によりますと、クマは大型犬くらいの大きさで、男性に気付き神社から山の方へ立ち去ったということです。警察や小松市では町内放送をかけたりパトロールをしたりして注意を呼びかけています。なお石川県によるとこの時期はクマの冬眠が終わり活動期に入るということで、山に入るときはスズやラジオを携帯するなどクマへの対応に注意してほしいということです。
(野生動物、大雪で受難?:長野)
小県郡長和町や松本市で、国特別天然記念物のニホンカモシカや、ニホンジカの死体が相次ぎ見つかっていることが3日、関係者への取材で分かった。専門家は、2月上旬、中旬の大雪の影響で餌が不足したり移動が阻まれたりして衰弱死した可能性を指摘。今後、雪解けが進み、山へ入る人が増えると、「野生動物が死んでいるのが各地で見つかるかもしれない」と話している。長和町教委によると、同町大門では1~3月、カモシカ計6頭が死んでいるのが見つかった。見つかったのは、1頭が1月で、5頭は2月上旬の大雪以降。大門の姫木平地区の別荘などの周辺では今年、人里に下りてきた複数のカモシカが毎日のように出没し、イチイの葉を食べる様子が目撃されていた。町内でカモシカの死体が見つかるのは例年1頭程度。今回の6頭はいずれも幼獣か老獣で、担当者は「もともと弱い個体が大雪で動けなくなり、衰弱したのではないか」とする。また、町産業振興課の担当者によると、数は数えていないものの、今年はニホンジカの死体も例年より多く見つかっているという。一方、松本市入山辺の扉温泉付近でも2月の大雪後、ニホンジカの幼獣1頭の死体を市職員が確認した。市耕地林務課によると、一帯でニホンジカの死体が見つかることはあまりないといい、「雪が深く、親についていけなかったのかもしれない」。県環境保全研究所(長野市)の岸元良輔・自然環境部生物多様性班研究員によると、1979(昭和54)~84年度に秋田市で行ったカモシカの幼獣の死亡率調査では、平均は53・5%だったが、大雪が降った83年度は88・9%。岸元研究員は、長和町の事例のはっきりした原因は分からないとしつつ、一般的に「大雪が降ると特に幼獣は死にやすい傾向がある」と指摘する。北佐久郡軽井沢町のNPO法人「生物多様性研究所あーすわーむ」の代表理事を務める南正人・麻布大准教授が昨年1~3月、浅間山中腹で駆除したニホンジカの胃の内容物を調べたところ、ササや落ち葉、樹皮を確認した。「今年のような大雪ではササや地面の落ち葉が食べられず、栄養状態はかなり厳しいと思う」と指摘。県猟友会の竹入正一・副会長=上伊那郡辰野町=は「例年に比べ、野生動物が全体的に痩せている気がする」と話す。南准教授によると、83年度の大雪の際、宮城県や北海道などでニホンジカやエゾシカが大量死しているのが見つかったといい、「同様のことが今年、各地で起きるかもしれない」とみている。
(餌のブナの実凶作、クマの出没注意報:岩手)
ツキノワグマが冬眠からさめる時期に合わせて、県は平成18年以来8年ぶり2度目の「ツキノワグマの出没に関する注意報」を出し、クマの被害に遭わないよう注意を呼びかけている。この時期は、餌不足で人里に下りてくるクマが増える。さらにクマの好物のブナの実が、今年は凶作が見込まれているという。県内のブナの実は昨年、大豊作だった。ブナの実は2年続きで豊作にならないことが知られている。クマの有害捕獲数は、豊作の翌年の13年が142頭。前年は50頭で3倍近く増えた。18年も241頭で、豊作だった前年の53頭の5倍近くとなった。今年は、昨年の大豊作で冬眠中に出産する雌の栄養状態が良く、子グマが多いと予想されている。県自然保護課は「子連れクマが出没する可能性が高く、夏から秋にかけては多くのクマが食物を探して広範囲を動き回り、人里周辺に頻繁に出没するものと予測している」と説明している。
(「モンキードッグ」認定へ:兵庫)
サルを追い払う犬「モンキードッグ」として活躍できるよう、今年度、訓練を受けてきた5匹の犬の最終テストが3月25日、篠山市内5カ所で行われ、審査員が訓練の成果をチェックした。モンキードッグとして認定できるかどうかを検討し、今月中に認定書の交付式を行う予定。篠山市は、深刻化するサルの農作物被害を軽減しようと、2010年度からモンキードッグを育成しており、これまでにラブラドール・レトリバーや柴犬など、認定を受けた20匹が市内各地で活躍している。
(カラス減少へ餌場対策検討:岩手)
盛岡市の中心市街地にカラスが大量飛来した問題について谷藤裕明市長は2日の定例会見で、個体数減少に向け、餌場対策を検討していると説明した。市によると、1月に大規模なねぐらとなっていた愛宕町で天敵のトビの鳴き声を流すと、現場からカラスが見られなくなった。しかし、同月下旬、市内の本町通など中心部を、推定約2500羽が転々としていることが判明。3月4日ごろからは、約400羽が同市内丸の内丸緑地への飛来を始めた。1月の追い払い対策から3月3日までに、市に寄せられた苦情は清掃要望を中心に55件。内丸緑地への飛来後は1件にとどまっている。市は同緑地を所有する県に清掃強化を依頼している。谷藤市長は「餌場対策を行い、個体数減少について研究したい」としている。

TOPへ

4/3
(クマに襲われ男性けが:秋田)
仙北市角館町の山林で2日、仙北東森林組合(同市)の男性職員(37)がクマに襲われ、口や腹などにけがを負った。クマによるけが人は県内で今年初めて。県や県警が注意を呼び掛けている。仙北署によると、男性は2日午後2時20分ごろ、同市角館町西長野の山林で間伐するスギに目印を付ける作業を1人で行っていたところ、クマに遭遇。爪で口を引っかかれたほか、右肘や右脇腹をかまれた。近くの民家に逃げ込み、住民を通じ119番通報。近くの洞穴から子グマ1頭が見つかったことから、母グマとみられる。
(洞爺湖・中島のシカ、集中駆除で激減:北海道)
エゾシカの増加で生態系の破壊が進んでいる洞爺湖の中島(胆振管内洞爺湖、壮瞥両町)で、酪農学園大(江別市)などが行ってきた集中駆除が3月末に終了した。駆除を始めた2012年春に約280頭いたシカは4分の1の約70頭に激減し、同大は森林環境を維持できるレベルに戻ったとしている。駆除は同大農食環境学群の吉田剛司教授(野生動物保護管理学)を代表に、同大と東京農工大などが環境省の研究事業を受託して実施した。吉田教授は「国内では前例のない短期集中型の大量駆除。大学や研究機関が持つ知識やさまざまな技術を投入した結果、効率の高い駆除が実現できた」としている。駆除は、中島と呼ばれる四つの島のうち最大の「大島」(480ヘクタール)に、外周約150メートルの柵(囲いわな)を設置し、餌付けにより大量のシカを誘い込んだほか、効率的にシカを狙撃できるシャープシューティングなども行った。
(シカの管理捕獲始まる:和歌山)
ニホンジカによる農林業被害を減らすため、和歌山県は1日から管理捕獲(計1800匹)を始めた。期間は5月20日まで。2010年度の調査で県内には3万1千匹が生息していると推定され、被害の少なかった1995年ごろの8700匹まで減らしたいという。今回で4年目。本来の有害捕獲は、農作物や人の生活に被害が出た場合に行っていたが、管理捕獲は被害がなくても生息実態に応じて数を減らしていく。各振興局の割り当ては、西牟婁が579匹で最も多く、東牟婁482匹、日高322匹、有田326匹、伊都69匹、海草22匹の計1800匹。市町村別で最も割り当ての多いのは田辺市の329匹。これに狩猟と有害捕獲を加え、年間約9千匹を目標としている。これまでの管理捕獲は11年度1462匹(目標1500匹)、12年度1438匹(同)、13年度1663匹(1800匹)だった。県内のシカによる農作物被害は02年度までは2千万円前後だったが、03年度から3千万円を超えるようになり、09年度に4600万円、10年度に4800万円とピークを迎えた。11年度は4千万円を切ったものの12年度は4700万円と再び増えた。これに林業被害も加わる。県はこれまで、狩猟期間を11月1日~翌年3月15日に延長したり、雄雌ともに何匹でも捕獲できるように捕獲制限を撤廃したりして捕獲を強化してきたが、被害を大きく減らすには至っていない。県鳥獣害対策室は「14年度にシカの保護管理計画を見直す予定。捕獲数や対策なども検討していきたい」と話している。
(カワウの駆除スタート:静岡)
カワウによるアユの食害が拡大する安倍川で、1日から漁協関係者と地元の猟友会16人が安倍川の河川敷に集まり、6月1日のアユ釣りの解禁に向けて、2か月におよぶカワウ駆除がスタートした。ペリカン目ウ科のカワウは、この時期に海から川へ遡上するアユの稚魚を捕食する。安倍川と藁科川では10年ほど前から遡上するアユだけでなく、放流した稚魚も捕食されるなど食害が拡大している。
(駒ケ根のサル、ヒトと共存:長野)
中央アルプスの駒ケ根高原を根城にする野生のサルが、駒ケ根市や宮田村の里に群れでやって来て、観光客らの目を引いている。昨年秋、農産物直売所のカボチャを盗んで食べるやんちゃぶりはあったものの、今のところ大きなトラブルはない。駒ケ根観光協会の今村公彦統括本部長(60)は「駒ケ根高原では、サルが人間と程良い距離間を保っているようだ」と、山からの来客を見守っている。同観光協会によると、高原のサルの群れは標高八百メートル付近から、駒ケ岳ロープウェイの始発駅「しらび平駅」(標高約千七百メートル)付近に出没する。二日にも、宮田村の太田切川左岸で、サルの群れ約三十頭が道路を渡り、木の芽が食べられる「森と水のアウトドア体験広場」に向かおうと疾走。驚いた観光客が車を止め、赤ちゃんザルをおぶった母親ザルなどを写真撮影していた。今年は降雪量が多かったため、中アでは、サルが食べる木の芽の発芽が遅れているという。今村本部長は「山の雪が解けるにつれて、サルはだんだん標高の高い場所に移動していく」と話す。昨年十一月末、駒ケ根市の駒ケ根ファームスの隣にある農産物直売所に、約五十頭のサルがやって来た。数頭がカボチャ二~三個を抱えて持っていこうとしたため、直売所の坂本英雄さん(71)が大声を出して威嚇。サルはカボチャを落としてしまったが、割れた実を器用にかじって食べていたという。坂本さんは「これくらいのことは、許せる範囲だ」と話す。南信地域では、農作物を荒らすサルの駆除も行われているが、駒ケ根高原ではなんとか人間と共存している様子。今村本部長は「サルを脅かして、観光客にけがをさせてしまわないように、手荒なことはしない。今は仲良くやっている」と笑顔で話していた。
(シカ肉有効活用:三重)
三重大は、獣害対策で捕獲したニホンジカの肉を有効活用しようと、食品メーカーのヤマモリ(桑名市)や県と共同して、シカ肉が入ったレトルトカレー「三重大学欧風ジビエカレー」を開発した。ヤマモリとのカレー開発は、二十六万食を売り上げたヒット商品「三重大学カレー」に続く第二弾。獣害対策にもつながる新たな大学ブランド商品として広める。一箱六百五十円で、当面は三重大生協で販売。製造や販売を担うヤマモリによると順次、県内で取扱店を増やし、年間一万食を目標にしている。シカ肉入りカレーの開発は三年前から始まり、大学生協やブランドづくりの学生委員会が中心となって試食や検討を重ねてきた。これまでの三重大学カレーはソウダカツオを使った和風カレーだったため、今回はデミグラス風に。食べやすい固さに下処理したブロック状のバラ肉や肩肉を軟らかく煮込んだ。衛生面も配慮し、県のジビエ取り扱い基準にのっとった伊賀市の加工処理会社からシカ肉を調達。ヤマモリも独自に残留農薬を検査し、安全でおいしいカレーを目指した。パッケージは学生委員会でデザインし、高級感を出すため黒を基調に、シカのイラストや学生支援のオリジナルキャラクターをあしらった。デザインを担当した教育学部三年堤あいさん(20)は「従来の三重大学カレーと、味もパッケージも差別化を意識し、より手に取ってもらえるようにした」と話す。二日の販売開始に合わせて学内で開かれた発表会には、内田淳正学長や鈴木英敬知事らが出席。内田学長は「日本人はカレーが大好き。このカレーが皆さんの中で広がることを期待したい」と話した。

TOPへ

4/1
(ニホンジカ捕獲へ:香川)
農作物などへの被害軽減を目的に、土庄、小豆島両町は5日から、野生のニホンジカの捕獲を始める。期間は5月4日までで、目標頭数(計200頭)に達し次第、終了する。捕獲は、両町長が許可した県猟友会小豆支部(平林恒春支部長)のメンバーが散弾銃とライフル銃で実施する。捕獲許可頭数は両町ともに100頭。捕獲地域は、土庄町が豊島を除く町内全域の山林で、重点区域は北浦地区から大部地区。小豆島町は町内全域の山林で、重点区域は西村地区の農免道路周辺。捕獲対象地域には立ち入り禁止や入山注意の看板を設置するほか、防災行政無線でも注意喚起する。
(鳥獣害と闘う、地域独自の資格制度)
鳥獣被害が各地で深刻化する中、餌付けの要因や電気柵の正しい設置方法、イノシシの生態などの専門知識を習得した人に資格を与える、独自の資格制度に取り組む地域が出てきた。集落のリーダーや県の普及員、JA、市町村担当者らが対象で、農家ら地域住民の対策を下支えする。対策の迅速化や情報伝達の円滑化の他、集落全体の意識が高まり、被害発生時の原因が把握しやすくなるなど大きな効果が現れている。宮崎県が育成に力を入れる「鳥獣被害対策マイスター」。年4回程度の研修を通じて鳥獣害対策の基本を習得した現場に近い行政やJAなどの農林業関係者ら310人が任命されている。資格制度は2010年にスタート。柵を設置しても収穫しない果樹が放置されていたり、柵の外側と内側が逆に設置されていたりと、農家が誤りがちな対応に現場目線で指導、助言する。技術指導や情報収集の他、政策や法律も学んでおり、集落と県、国の事業との調整役も担う。マイスターの一人で、鳥獣害対策の基本を習得した児湯農業改良普及センターの福元博さん(51)は「これまでは相談に来られても具体的なアドバイスをすぐにできなかった。知恵、知見が増えて集落活動の企画や運営も手伝うことができる。仕事の幅が広がり、手応えが大きい」と胸を張る。マイスターが普及したことで「異動の多い行政職員は鳥獣害対策を知らない」と思いがちだった農家からの相談件数も増えたという。福元さんに集落活動の相談をする西都市の黒木いく代さん(66)は「対策を継続するのが難しい。支えてくれる人がいるのは助かる」と感謝する。県は昨年からレベルアップ研修も開始。アナグマやタヌキなど小動物の対策や電気柵の張り方に特化した講習会もマイスターが受講し、知識を深めている。県鳥獣被害支援センターの田原博美センター長は「各地で鳥獣害対策をする集落の裾野が広がっている。担当から外れても次の仕事に生かせるので、波及効果は大きい」と実感する。資格制度を設ける地域によると、「まとめ役」となる人材育成が、個人から地域ぐるみによる獣害対策への移行の鍵になる。「イノシッ士」が活躍する鳥取県。3年で登録を更新し、現在およそ90人が集落単位の鳥獣対策の技術指導する。また、JA静岡中央会と静岡県は5年前から、鳥獣被害対策総合アドバイザーを養成し、247人に上る。被害金額の大幅減少などの目に見える効果はないが、地域目線で専門的な対策の実施につながっているという。宇都宮大学の奥田圭特任助教は「鳥獣害対策のスキルを持った専門家は不足しており、資格がある旗振り役の育成は意義がある。数字上の成果は短期間では表れにくいが、予算の関係で短期的な制度にするのではなく、持続的な養成が求められる」と指摘する。

TOPへ