<射撃ニュース5月>

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(ツキノワグマ捕獲:鳥取)
鳥取県倉吉市関金町の関金小学校から約1キロ離れた同町郡家の山中で27日、ツキノワグマが捕獲された。鳥取県などは同町内の集落近くでのクマの目撃情報はこれまでなかったと、注意を呼び掛けている。県緑豊かな自然課などによると、ツキノワグマは体長約1メートル20センチの若い雄で、地元の猟友会の会員が同日午前5時、イノシシ用のワナにかかっているのを確認し、同市に連絡。同日午後、県の担当者らが発信器を付けるなどして処置した上で山中に戻したという。これを受けて、市は防災無線で市民に注意喚起し、関金小は授業終了を早めて集団下校を実施。全校児童にクマよけの鈴を配布したほか、郡家、大坪、山口方面の登校班には教職員が引率した。27日には鳥取市用瀬町安蔵でもツキノワグマが捕獲されており、県緑豊かな自然課は「クマは繁殖期に入り、活発に活動する時期だ。いないとされている地域でも目撃される可能性がある。注意するとともに目撃した場合、速やかに情報提供してほしい」としている。
(熊1頭を捕獲:福島)
29日郡山市で熊1頭が捕獲された。周辺の住宅地で、おととい熊が目撃されたことを受けて、市が設置した檻にかかっていたという。熊が捕獲されたのは郡山市熱海町の住宅地で、きょう午後1時30分頃、「クマが檻の中にいる」と近くの住民から市に連絡があった。市や警察が確認したところ、捕獲用の檻の中に体長1メートル20センチの2才程度のオスの熊が入っていたという。檻は、おととい民家で米ぬかを食べている熊が目撃されたことを受けて、市が設置したものだった。*住民・伊藤征一さんインタビュー「(檻に)米ぬかを入れたから今晩か明日の朝かと思っていたから。ちょっとは良かったなと思う」体の特徴などから、おととい、目撃された熊とみられ、その後、処分された。
(クマ出没:岩手)
花巻市東和町で28日、クマ1頭が目撃された。警察と地元の猟友会が町内を警戒し、注意を呼び掛けている。27日午後0時半頃、花巻市東和町北川目の農道で、クマの成獣1頭がいるのを住民が目撃した。通報を受けた警察が現場に向かったが、クマはすでにいなくなっていたという。クマが目撃された現場から約150メートル北西には保育園があり、安全が確認されるまで園児たちは外に出るのを控えて、その後、全員帰宅した。花巻市内では、27日も石鳥谷町でクマの目撃情報が寄せられていた。今年は、クマの餌不足が予測されており、県では8年ぶりにクマ出没注意報を出して注意を呼びかけている。
(住宅街でクマ見つかる:新潟)
28日午前4時ごろ、上越市昭和町2の県道で、パトカーで巡回中の上越署員が、体長1メートルのクマを目撃した。クマは住宅のある北の方向へ移動し、行方が分からなくなった。同署によると、現場はJR高田駅から北西に約1・2キロの住宅街。近くにはコンビニエンスストアや医院などがある。同署は現場周辺をパトカーで警戒し「クマを目撃したら、安全な場所に避難してから通報してください」と住民に呼び掛けた。同所の無職中沢哲也さん(76)は「近くでクマが出たという話は聞いたことがない。外出時は気を付けたい」と驚いていた。現場から約800メートル離れている飯小学校(児童数395人)は午前7時ごろ、保護者に注意を喚起するメールを送信した。校長と教頭が通学路に立ち、集団登校する児童を見守った。井沢文夫校長は「クマよけの鈴を購入し、下校時には教職員の付き添いを検討している」と話した。
(クマの目撃相次ぐ:新潟)
小松市内では28日夜から29日未明にかけ、相次いでクマが目撃されました。警察が住民に警戒を呼びかけています。28日午後7時ごろ小松市小山田町の県道で、知人の家に向かう途中の女性が運転する車に体長60センチから70センチほどの子グマがぶつかりました。女性にけがはありませんでした。また29日午前0時15分ごろには、子グマが出没した小山田町から4キロほど離れた小松市長谷町の国道で道路を横断する成獣のクマが目撃されました。現場近くには小学校や中学校があり、警察では登下校時のパトロールを強化しています。
(民家近くでクマ見つかる:新潟)
28日午前5時半ごろ、村上市荒島の上水道配水場付近で近くに住む女性がクマを目撃し、同所の区長を通じて村上署に通報した。同署によると、目撃場所は民家から200メートルほどで、同署や市が注意を呼び掛けている。
(クマ目撃、イノシシの見間違いか?:栃木)
28日午前4時ごろ、宇都宮市横山町の田んぼ脇の土手でクマを目撃したと、近所に住む男性(67)が110番した。同所では前日の同時刻にもクマの目撃情報があり、宇都宮東署や同市農林環境整備課、猟友会などが現場を調べた結果、足跡からイノシシの可能性もあるという。同署によると、動物の目撃場所は豊郷北小の北方約300メートル付近の田んぼ脇の土手で、体長約1・5メートルで黒色だったという。目撃した男性によると、110番をしている間に付近の山林に逃げたという。同市によると、付近ではクマの出没情報は無いが、イノシシは最近よく出没するという。一方、目撃した男性は「イノシシは何度も見ているが、あれはクマだと思う。イノシシの大きさではなかった」と話した。
(クマの目撃が大幅増加:福島)
会津美里町で28日、山菜採りで山に入った男性がクマに襲われ、重傷を負った。県内では昨年の同時期よりクマの目撃情報が大幅に増加している。県は「山に入る際には音の出るものを必ず身につけて」などと注意を呼びかけている。同日午前7時40分ごろ、同町西本の山林で山菜採りをしていた同町の無職船田実さん(71)が体長約1・6メートルのクマに顔や両手をひっかかれた。船田さんは一緒にいた妻に「クマだー」と大声で叫びながら逃げた。妻とともに下山途中に119番通報し、救急搬送された。会津若松署によると、現場は明神ケ岳の登山口から3~4キロ登った地点。昨年5月にも山菜採りをしていた男性がクマにかまれたりひっかかれたりして遺体で発見された場所に近い。
(イノシシなど捕獲204頭:福島)
環境省は、東京電力福島第1原発事故に伴って、立ち入りが原則禁止とされている福島県内の帰還困難区域など(旧警戒区域)で、26日にイノシシやイノブタの捕獲を始めた。農地を掘り返すなどの被害が続いているためで、住民の要望を受けて昨年度に続いて実施する。昨年11月から今年2月まで、富岡▽大熊▽双葉▽浪江−−の4町でわなを使って計204頭を捕獲した。イノシシは、町に人がおらず、狩猟が行われていないために出没しているとみられる。イノブタは、ブタとイノシシが交配したもので、富岡町に生息しているという。人家に侵入して、家具などを壊すことも懸念されている。今年度は4町に加え▽南相馬市▽浪江町(20キロ圏外)▽葛尾村▽飯舘村−−でも実施する。個体数の増加を抑えるため、出産シーズンに合わせ7月上旬まで行い、餌が少なくなる秋にわなを使った捕獲を再開するという。環境省鳥獣保護業務室の担当者は「将来の住民帰還の妨げにならないよう、捕獲事業を続けたい」と話す。
(駆除数、初の2千個体超:沖縄)
有害鳥獣対策協議会(会長・向井信夫石垣市農政経済課長)は27日午前、市役所第2会議室で本年度1回目の会議を開き、一斉駆除の年4回実施とキジ、クジャクの卵買い取りを28日から6月30日まで行うことを決めた。市の2013年度の駆除実績は前年より927個体多い2315個体で、統計を取り始めた06年以降、初めて2000個体を超えた。会議では、早急な駆除方法の見直しと連絡体制を再検討する方針。同課によると昨年度の有害鳥獣駆除はイノシシ146頭、クジャク361羽、キジ1382羽、カラス368羽、バン20羽、カモ38羽。生息数が増えているキジの駆除が前年を830羽上回った。会議のなかで、県猟友会八重山地区の安田喜禮地区長は「発見から駆除までの早急な連絡体制の構築が急がれる。ほ場に足跡や目撃情報があれば早い駆除が必要。野鳥の生態を知り、効果的な駆除を検討すべきだ」と述べた。同協議会では、有害鳥獣が生態系や農作物に与える影響を懸念し、早急な駆除活動を行うことを確認し、向井課長は「農家や市民と連携を図り、迅速な駆除活動ができるように取り組む」としている。
(イノシシ捕獲2倍超の483匹:愛媛)
愛媛大農学部と連携し忽那諸島のイノシシ生息状況を調べている愛媛県松山市は27日、同市中島大浦の市中島総合文化センターで報告会を開き、2013年度に有害鳥獣捕獲許可を受け中島地域で捕獲されたイノシシが、前年度の2倍以上となる483匹と大幅に増えたことを明らかにした。市農林水産課によると、有害鳥獣捕獲許可を受け中島地域で捕獲したイノシシは11年度に140匹、12年度は225匹だった。捕獲数が大幅に増えた背景にはイノシシを捕獲しようとする住民の増加や、研修での捕獲技術向上を挙げ「生息数についてはっきりしたことはいえないが、近年増加傾向だと推測される」とした。市と愛媛大の調査では、有人9島で聞き取りし、7島計二十数カ所に動物の動きを感知し自動撮影するカメラを設置。中島本島の雌1匹に電波発信機を取り付け、活動範囲を把握した。
(捕獲技術ノウハウまとめる:栃木)
県環境森林部は29日までに、ベテランハンターのわなによるシカ捕獲技術の伝承を図るため、ノウハウをまとめたリーフレット「先輩ハンターに聞く!『くくりわな』でシカを捕獲する方法」を発行した。県がこうしたリーフレットを作るのは初めて。同部自然環境課は「高齢化でベテランハンターが減っている。貴重な技術を引き継いでいかないといけない」と説明している。リーフレットは県猟友会の協力を得て製作した。猟友会の日光、安蘇、塩谷の3支部、5人から聞き取りをするなどして、5人の共通点と個々のよい点を盛り込み、くくりわなの捕獲方法をまとめた。リーフレットの発行部数は3千部。サイズはA4判でカラー4ページ。9月以降に狩猟免許取得者向けに開く講習会で、主に配布する。
(ヒグマ被害なくせ、管理計画が始動:北海道)
各地でヒグマの目撃情報が相次ぐ。せたな町の山林では4月、1年前に女性を襲って死なせたヒグマが再び、山菜採りの女性を襲った。人的被害をなくし、農業被害を減らすにはどうしたらいいのか。道は今年度、道内全域を対象としたヒグマ保護管理計画をスタートさせた。管理計画はヒグマを「道の豊かな自然を代表する道民共有の財産」と位置づけ、適正な数を維持し続けるのが狙い。人や農業への被害が道内各地に広がり、人里への出没が目立ってきたことを背景に、先行して2000年度に始めた「渡島半島地域ヒグマ保護管理計画」を全道域に広げるものだ。3年計画で最初に取り組む重要な作業が、道全域での頭数の実態把握。道内には2200~6700頭のヒグマがいると推定されている。しかし、渡島半島地域以外の頭数把握はこれまで、狩猟者へのアンケートに基づいていて、科学的な調査は行われていない。このため道は6月、富良野市の東京大学演習林の約300平方キロメートルを使って頭数把握調査を行う。「ヘアトラップ法」と呼ばれる調査方法で、有刺鉄線の囲いを120カ所に設け、鉄線にかかった毛からDNAを分析して、周囲の生息数を推定する。クマの毛が抜けやすい8月末まで行い、クマの密度を推計。その結果から全道域の頭数が推計できないか検討する。道によると、道内でこの60年間にヒグマに襲われた人は131人で、50人が死亡している。ヒグマの狩猟や有害駆除の際に逆襲に遭った事例が4割余りを占め、次いで山菜採りやキノコ採りの際に襲われた事例が2割余りあるという。管理計画では、すべてのヒグマが人間を襲うのではなく個体差があり、経費の面からも問題のあるクマに絞って捕獲することを求めている。クマとの遭遇を回避するため、山野では鈴やホイッスルを携帯するなど基本的なルールの徹底や、出没情報の周知、家庭ゴミや食べ物の屋外放置をやめることを求めている。年間2億円近い農業被害を減らすため、電気柵の導入促進や、クマが移動する時に通る樹木や下草の伐採なども推進する。ヒグマの生態に詳しく、道の保護管理計画に助言をしている道立総合研究機構環境・地質研究本部の間野勉企画課長によると、北米での研究で、人間の持つ弁当やおやつ、キャンプ場から出る残飯を食べたクマは、それを求めて人間を襲う危険が高まるとの調査結果が出ているという。間野課長は「多くのクマは、人が近くにいるのがわかれば近づいてこない。凶暴化するのはごく一部で、普通のクマをいくら捕まえても意味はない。凶暴化しないよう食べ物を残さないことも大切だ」と指摘している。
(有害鳥獣対策協議会:長野)
南箕輪村は、平成25年度に銃と罠で駆除したカラスの数が93羽だったと27日報告しました。これは、27日南箕輪村役場で開かれた有害鳥獣対策協議会で報告されたものです。南箕輪村では、年々カラスによるとうもろこしや大豆等の作物への被害が増えています。特に被害の大きい久保地区では、6日間で60羽程が駆除されています。南箕輪村では、昨年度から猟友会などに支払う駆除出動費に加えて1羽につき300円の報奨金を設けています。なお、罠での駆除はキツネが12頭、イノシシ・ハクビシン・タヌキがそれぞれ8頭、サルが5頭、ニホンジカが2頭となっています。
(メガソーラーに思わぬ敵、カラスが石?:高知)
メガソーラーに思わぬ敵!?―。高知県高知市瀬戸地域の大規模太陽光発電所で、カラスが落としたとみられる石で太陽光パネルの表面のガラスが破損する被害が出始めている。専門家によると、カラスは石を落として「遊ぶ」習性があるとされ、事業者は「習慣化しなければいいが…」と困惑している。
(銃と向き合う:神奈川)
危険性や違法性を知りながらも、拳銃やライフルなど殺傷能力の高い武器に引きつけられる人は少なくない。触りたい、所有したいという欲望と、どう向き合えばよいのか。県内で、あらためて考えさせられる事例が相次いだ。昨年8月に開催された在日米海軍横須賀基地内のイベントで、米兵が見学に訪れた子どもたちに銃を触らせた。問題視する県内の平和団体代表者らは近く、米軍の行為は銃刀法違反に当たるとして、同基地前司令官らを横浜地検に刑事告発する見通しである。イベントの銃体験コーナーは、親子が列を成すほどの盛況だったという。問題発覚後すぐに、米軍幹部は横須賀市役所を訪問。「文化的な背景の違いから一部の方々に大変不快な思いをさせた。同様のことが起こらないよう最大限配慮する」と釈明した。一連の問題はインターネット上で「米軍の無神経さに腹が立つ」「兵器への憧れは誰でもある。反戦意識とは別物」と賛否が分かれ、物議を醸した。また、3Dプリンターで製造された殺傷能力のある拳銃を所持したとして大学職員の男が逮捕された事件で、横浜地検は今月28日、銃刀法違反の罪で男を起訴した。県警の調べに、男は「拳銃が大好きで、銃が違法な日本でどうしたら持てるかを考え、自分で造ろうと思った」と動機を供述。さらに「体力的に弱い者の自衛手段として拳銃は必要だ」と持論を展開したという。銃が人を引きつけるのは事実だ。力強さや機能美、造形美などが理由だろう。幼少期にモデルガンで遊んだり、ゲームや映画の銃撃戦に心躍らせたりした経験を持つ人もいよう。私たちの中には、平和や治安を願う一方で、こうした武器の魅力を無頓着なほど容易に受け入れてしまう面が否定できないことをまず自覚する必要がある。その上で、映像やモデルガンなどを楽しむ行為と、本物を手にする行為に明瞭な一線を引かなければならない。特に、銃による残酷な描写や情報が氾濫する現代は、子どもたちが自ら判断し、欲望を制御する力を身に付けなければならない。どんな理由を並べようと、銃は紛れもなく人を殺傷する武器であり、忌避すべき存在である。日本社会では受け入れられないとの共通認識を醸成し、強固にせねばなるまい。
(市民の銃体験中止:神奈川)
防衛省の陸上幕僚監部(陸幕)が、陸上自衛隊の駐屯地などを一般開放するイベントで実施してきた銃の操作体験を取りやめるよう全国約150の駐屯地に文書で通達していたことが29日、分かった。通達の昨春以降、駐屯地で開催された記念行事や祭りなどでの銃体験は事実上の中止が続いている。2012年4月に、陸自練馬駐屯地(東京都練馬区)の創立記念行事の武器展示会場で、一般来場者に小銃や機関銃の操作体験をさせた。これを問題視した地元住民を中心につくる「自衛隊をウオッチする市民の会」は13年4月、市民に小銃などを手に取らせていた行為が銃刀法違反に当たるとして、当時の田中直紀防衛相や君塚栄治陸上幕僚長らを東京地検に刑事告発した。これを受け、同幕僚長は同年4月に練馬駐屯地で予定していた記念行事での銃操作体験の取りやめを発表した。さらに陸幕は同じ時期、全国約150の駐屯地に対し、一般開放行事で来場者に銃に触れさせないよう指導する要領を文書で通達。以後、全国的に銃の操作体験コーナーは姿を消した。従来の銃の展示に関しては、鎖などで固定し隊員をそばに立たせるなどして来場者が近づけないよう配慮しているという。陸幕関係者は「市民感情を考慮して決まった」と経緯を説明。事実上の中止をいつまで継続するかについては、「われわれは訴えられている側であり、全面的に中止するのか、今後再開するか、今のところは不透明」と話す。横須賀市御幸浜の武山駐屯地では今月25日、東部方面混成団の創立記念行事が開かれた。同行事は12年は装備品展示場で銃の操作体験コーナーがあったが、13年は銃の展示のみとなり、今年は展示そのものがなくなった。「市民の会」事務局長の種田和敏弁護士は、「告発状はいまだに受理されていないが、告発したことにより一定の効果が出ている。今後も注視していきたい」と話している。
(3Dプリンタ悪用抑止プログラム開発:東京)
大日本印刷(DNP)は、3Dプリンタ操作時に違法性や著作権侵害の恐れがある場合に、実行を抑止するセキュリティプログラムを開発した。近年、様々な分野で3Dプリンタや3Dスキャナの活用が期待されている一方で、銃器などの危険物製造やキャラクタ製品の模倣といった目的で使用される事例も発生している。DNPが開発したセキュリティプログラムは、3Dプリンタ出力用のSTLデータから、法的認可や許諾が必要な製品(ブラックリスト対象製品)かどうかを独自のアルゴリズムで高速照合し、不法なデータと判定された場合はプリンタの作動を停止する。Webサイトからダウンロードしたデータに多少の装飾や改変、アングル変更などを施したものや、3Dスキャナで読み取って作成されたデータに対しても的確に照合できるという。同社は、3Dプリンタ関連の企業や団体、情報セキュリティサービスを提供する企業などと連携し、2017年までに同プログラムの実用化を目指すとしている。
(捕獲シカの角ストラップに:山梨)
富士川町長沢の無職長沢勝彦さん(66)はシカの角を使ったオリジナルストラップ作りに取り組んでいる。自ら捕獲したシカの角の再利用法として、ストラップを思いついた。知人や近所の人にプレゼントし、「面白いアクセサリー」と好評だという。長沢さんは35年ほど前から猟友会に所属していて、県の管理捕獲などで、有害鳥獣に指定されているシカの駆除をしている。シカの肉は自宅で食料にするなどしているが、角の部分は使い道がなく自宅で保管していた。角のストラップ作りは20年前に始めた。ストラップの角の大きさは5~6センチほど。1本の角の先端を電動工具で切断し、ドリルで穴を開け、ひもを通す。切断面をやすりで滑らかにし、全体を布などで磨いて完成させる。周りを削ってくぼみをつけ、文様を加えることもある。角は分岐して先端が複数あるので、1本から1~4個を作ることができる。個体によって角の形や色が微妙に異なり、「同じものは二度とできない」という。今後は角の先端1センチほどを使ってピアスを作ることも計画している。長沢さんは「プレゼントした時に喜んでくれる姿が楽しみで作っている。これからもたくさんのストラップを作っていきたい」と話している。

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(ツキノワグマ捕獲:和歌山)
27日朝、日高川町中津川(ひだかがわちょう・なかつがわ)の山林で、箱わなにオスのツキノワグマ1頭がかかっているのが見つかりました。和歌山県は、人里に再び現れないようクマに学習させた上で、夕方、山に戻しました。ケガ人はいませんでした。日高川町では、今月(5月)7日に愛川(あたい)地区でメスのツキノワグマが捕獲されていて、今年に入って県内のツキノワグマの捕獲は2例目です。県・自然環境室によりますと、箱わなにかかったのは、体長およそ109センチ、体重が34・5キロ、推定年齢は3歳から4歳で、子どもと大人の中間の若いオスのクマです。きょう午前7時半ごろ、日高川町中津川に設置されたイノシシやシカを捕獲するための箱わなにクマがかかっているのをわなの所有者の家族が見つけ、日高川町役場を通じて県に通報しました。県の職員と御坊(ごぼう)警察署の警察官、それに野生動物の専門家が現場にかけつけ、奥山にクマを運びました。そして専門家がクマのそばで大声を出して威嚇し、再び人里へ戻らないよう学習させた上で、午後4時ごろ、日高川町内の山にかえしました。県・自然環境室によりますと、紀伊半島には推定でおよそ180頭のツキノワグマが生息しているものとみられ「冬眠から醒めて、人里へ食べ物を探しに来たのではないか」と話しています。現場は、湯浅御坊道路の川辺(かわべ)インターに近い山あいの地区です。
(ツキノワグマ、捕獲相次ぐ:鳥取)
県内でツキノワグマの目撃情報や捕獲が相次いでいる。27日には鳥取、倉吉両市で1頭ずつ捕獲され、今年度すでに5頭になった。冬眠から明けて活動も活発になる時期。県は注意を呼びかけている。27日午前、鳥取市用瀬町安蔵の林道脇にしかけられたイノシシ捕獲用の大きなオリの中に、クマが1頭横たわっていた。近くで大きな音を鳴らしても反応がない。麻酔が効いていることを確認すると、県職員らがオリから出し、体長などを計測した。体重約94キロ、全長約1・5メートル。推定10歳以上のオスとみられるという。個体の動向を確認できる発信器を取り付けた後、県内の山中に放つ予定だ。
(クマ出没、道路横切る:新潟)
5月28日午前4時ごろ、新潟県上越市昭和町2の県道飯門田新田線のローソン昭和町店付近の交差点で、警ら中の上越警察署員が、道路を南から北へ横切る体長約1mのクマ1頭を目撃した。現場は住宅や医院などがある市街地で、上越市では安全安心メールなどで市民に注意を呼びかけているほか、警察などと連携して付近のパトロールを行っている。本年度、同市に寄せられたクマの目撃情報は9件目。合併前上越市では初めて。
(クマ目撃:新潟)
26日午前8時すぎ、阿賀町川口の道路でクマ1頭を見たと、地元の男性が町役場に通報した。津川署によると、現場は三川温泉スキー場入り口近くで、クマの体長は約1メートル。現場から約150メートルには民家があるため、同署や町は警戒を呼び掛けている。
(クマが目撃される:栃木)
27日午前4時ごろ、新聞配達中の男性が宇都宮市横山町の市立豊郷北小学校の北約200メートルの畑でクマ1頭を目撃し、約1時間後に新聞販売店を通じて110番通報があった。宇都宮東署によると、クマは体長約2メートルで、近くの山林へ逃げた。クマの足跡などは見つかっていないという。豊郷北小によると、現場付近は児童の約7割が通る通学路。同校は保護者や教職員にメールで注意を呼びかけたほか、教職員が通学路に立つ登校指導を緊急に実施した。署は付近のパトロールを強化し、県や市と連携して注意を喚起するという。周辺は山林とゴルフ場、住宅地が混在する地域で、市中心部から北へ約6キロ。
(クマ出没:岩手)
27日早朝、盛岡市の住宅地の近くでクマの成獣1頭が目撃され、警察が周辺の住民に注意を呼びかけている。27日午前7時ころ、盛岡市湯沢の「湯沢団地」の西側の市道で、クマの成獣1頭が、道路脇にいるのを住民が目撃した。クマの出没を受けて、現場から約4キロ東にある羽場小学校では、午後3時すぎに全校児童237人を職員や保護者らの付き添いのもと集団下校させた。今年は、クマの餌不足が予測されており、県では8年ぶりにクマ出没注意報を出して注意を呼びかけている。
(クマ出没、警戒を市民に呼びかけ:岩手)
一関市中心部にクマが出没した問題で、同市の勝部修市長は26日の記者会見で「市民には十分注意してほしい」と警戒を呼びかけた。餌となる生ゴミを屋外に置かないことや、朝夜の散歩などで一人歩きしないことなどの対策を求めた。市によると、24日未明、親子連れのクマと別のクマとみられる計3頭が同市中心部で目撃され、2歳ほどの子グマが射殺された。他の2頭の行方は不明で、25日朝にも同市中心部の畑にクマのふんがある、と市に連絡があったという。
(ゴルフ場でもイノシシ被害:富山)
県内のゴルフ場で春先以降、イノシシがコースを荒らす被害が相次いでいる。餌を求めて芝を掘り返した痕が数多く見られ、プレーに支障を来すケースもある。被害対策として侵入防止柵の設置が有効だが、費用がかさむことが悩みの種となっている。県西部のゴルフ場では3月以降、コース内で5、6回、イノシシによって芝を掘り起こされる被害を確認した。フェアウエーとの境に近いラフでは縦約2メートル、横約50センチの広さで芝が荒らされた。スタッフによると、土の中にいるミミズなどを食べているとみられ、被害箇所はその都度、芝を戻して修繕する。別のゴルフ場ではフェアウエーにも被害が及び、土の軟らかいラフやコース外の地面で荒らされた痕跡は数え切れない。修繕が間に合わない箇所は修理中とし、ボールが入った場合は近くに置き直してプレーを再開してもらう。支配人は「直しても直しても掘り返される。いたちごっこだ」と嘆く。一方、5、6年ほど前から被害が確認されていた県東部では、イノシシの侵入を防ぐため、柵を設置したゴルフ場がある。4年ほど前に敷地の全周に柵を取り付けたゴルフ場では被害がやんだ。支配人は「以前は爆弾が落ちたような状態だった。対策が効いてよかった」と話す。別のゴルフ場でも一昨年に鉄製の格子柵を設置以降、被害は確認されていない。柵の設置には全18ホールのゴルフ場で2千万円以上の費用が必要となる。県西部のゴルフ場関係者は「いずれ柵が必要だと思うが、負担は重い」と話す。県ゴルフ連盟は「被害対策は各ゴルフ場に委ねるしかない。費用負担は苦しいと思うが、安全確保に努めてほしい」としている。
(イノシシ狩り、環境省今年も:福島)
イノシシ、今年も狩ります――。環境省は26日、県内の避難指示区域で畑や家屋を荒らすイノシシの捕獲を始めた。昨年度は東京電力福島第一原発から20キロ圏内だけだったが、今年度は住民の求めに応じて20キロ圏外の帰還困難区域にも対象を広げた。避難指示区域では、住民が住まなくなった地域にイノシシが入り込み、畑を荒らしたり、家の中に入って汚したりする被害が出ている。多産で増殖が早いため、放置すればするだけ被害は大きくなる。そこで環境省は住民の帰還意欲をそがないよう、捕獲する範囲を広げ、期間も延ばした。環境省によると、昨年度は11月~2月に浪江、双葉、大熊、富岡の4町に箱わなを仕掛け、131頭のイノシシと73頭のイノブタを捕まえた。これに対し、今年度は開始を半年間早めたうえで、まず双葉、大熊、富岡の3町で始めた。来月上旬からは浪江町と葛尾村でも捕獲する予定で、将来的に南相馬市と飯舘村での捕獲も検討している。同省の担当者は「昨年度は秋からの事業だったが、今年度は春から始める。効率的に捕獲を進めたい」と話した。
(くまモンも応援、長崎国体をPR:熊本)
熊本のご当地キャラクター「くまモン」との交流会が諫早市で開かれ、国体キャラクターのがんばくんとらんばちゃんも駆けつけた。大きな歓声に迎えられた熊本のご当地キャラクター「くまモン」!ファンとの交流会のため長崎を訪れた。長崎国体のマスコットキャラクターがんばくん、らんばちゃんも駆けつけ、くまモンと一緒にPRした。子どもたちと国体を応援するダンスを披露した。国体ではカヌーとクレー射撃の2つの競技が熊本の会場でも行われる予定。10月12日に開幕する長崎国体。「くまモン」パワーで県の内外にPRした。
(ニホンジカの侵入、北アで未然に防止:長野)
ニホンジカの侵入から北アルプスの自然環境を守るため、県は今年度から関係機関の連携を強化し、基本方針を定めて捕獲などの保護管理対策を行う方針を固めた。安曇野市で26日開いた県や関係市町村、猟友会でつくる「北アルプス山麓ニホンジカ対策連絡会議」で明らかにした。シカの被害がまだ広がっていない地域を区切り、明確な方針を決めて具体的な対策に乗り出すのは全国でも珍しく、急激に広がる被害を予防的に防ぐ取り組みとして注目される。北アルプス周辺では、今月13日に松本市奈川地区で初めてシカが捕獲されたほか、昨年は大町市の北アルプス岩小屋沢岳(標高2630メートル)の山頂付近で県環境保全研究所のセンサーカメラにシカの姿が撮影された。信州大のGPS(衛星利用測位システム)を使った移動経路調査でも、山麓周辺近くまでシカの生息域が広がっていることが確認されており、北アルプスがある中部山岳国立公園内に生息域が広がることは時間の問題とみられている。八ケ岳や南アルプスでは高山植物へのシカの被害が拡大。「お花畑」と呼ばれる高山植物の群生が食い荒らされ、生態系全体に大きな影響が出ている。「被害が広がってから捕獲に乗り出すのでは、被害の拡大を防ぐのは難しい。南アルプスを教訓に、関係機関が協力して北アルプスにシカを入り込ませない対策に万全を尽くすことが必要だ」と、環境省松本自然環境事務所の西尾治首席自然保護官は話す。県が連絡会議で示した対策検討のたたき台では、高山植物の食害など生態系への影響の未然防止や農林業被害の軽減を図るため関係機関が連携し、今年度はシカ保護管理対策の基本的方針を検討。これまでの生息事業調査や対策事業の取りまとめを行い、平成27年度から地域を特定してシカ対策を総合的かつ集中的に進める-としたタイムスケジュールが示された。連絡会議では、白馬村や大町市など市町村担当者が、シカの侵入による生息域の拡大や被害の状況を報告し、強い危機感を表明。松塩筑や安曇野市、大北地区の各猟友会からも山麓地域周辺で確実にシカが増えている状況が報告される一方、高齢化で捕獲が困難になっていることなどが問題提起された。また、山麓周辺で移動経路調査を行う泉山茂之信大農学部教授は「かつてはシカが生息していなかったこの地域でも、確実に増加する段階に入っており、できうるすべての対策を行うことが大切。シカは短い期間で急激に増えるため、数が少ないうちに捕獲しなくてはならない」と提言。被害の未然防止の観点から関係機関が連携して対策に乗り出すことは「画期的なことだ」と高く評価した。県野生鳥獣対策室の宮宣敏室長は「この地域では生息密度が低いため、捕獲は容易ではないが、今の段階から本腰を入れた対策を行うことで、全国のモデルとなるような取り組みにしたい」と話している。
(ジビエ専門卸が活躍:東京)
東京都日野市の石﨑英治さん(36)は、鳥獣害に悩む産地と飲食店をつなぐ野生鳥獣肉(ジビエ)専門の肉卸だ。エゾシカ肉のおいしさを広めようと都内でカフェも経営する。有害鳥獣を農山村の資源として捉え、狩猟者の意欲向上につなげようと奔走する。ジビエ肉専門の卸は全国でも珍しいという。石﨑さんはジビエ専門の肉卸などを手掛ける(株)クイージを2010年に設立。北海道のエゾシカを中心に島根県美郷町や兵庫、長野など各県の処理場からイノシシや鹿肉を仕入れ、レストランなどに販売している。北海道大学で林業を学んだ石﨑さん。ジビエに関心を持ったのは、阿寒湖の森林がエゾシカによって大きな被害を受けていることを目の当たりにしたことだった。「先祖の代から100年以上守り育ててきた森林が自分たちの代で壊れてしまう現実を知った」。東京都内の大手企業に就職してからもこの思いは消えることがなく、起業を志してきた。エゾシカ被害が全道に拡大するにつれ「捕獲しても売り先がない」といった声が相次ぎ、会社勤めを辞めてエゾシカ肉の専用卸になろうと決意、ジビエ事業を手掛ける会社を設立した。現在の仕事は肉卸の他、小売店向けのソーセージやハムなどの商品開発や販路開拓など。年齢や捕獲場所、雌雄を把握、トレーサビリティー(生産・流通履歴を追跡する仕組み)が整い、年間数百頭を捕獲できる産地のジビエを売り込む。狩猟者と対等に話せるよう自ら狩猟免許も持つ。飲食店への売り込み方にはこつがある。まず産地ごとに違うジビエの価値を見極め、どんな飲食店のどんな料理に合うのか、ターゲットはどの層かを提案する。「ジビエは家畜と違い品質面で個体差が大きい。色や硬さも変わってくるので、シェフには肉ごとに特徴や火加減など調理法を説明している」と石﨑さん。シェフの信頼も厚い。東京都港区のレストラン、ボワウェールの川口かずのりシェフは「料理人が猟師や産地と直に取引するより、プロが間に入る方が信頼できる。プロの意見を踏まえて捕獲、処理したジビエだからこそ安心して料理できる」と評価する。毎週金曜日には、東京・三軒茶屋でジビエ料理を提供する「エゾシカフェ」を経営。「ジビエは地域の資源。きちんと利用することで、狩猟者の捕獲意欲の向上だけでなく、将来的には農山村にお金が還元される仕組みを作りたい」。ジビエを新しい産業にしたいと夢を描く。

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(駅近くでクマ射殺、2歳ぐらいの子グマ:岩手)
24日午前1時半ごろ、一関市地主町の路上で親子とみられるクマ2頭を通行人が見かけ、一関署に通報した。地元猟友会や警察などが警戒に当たり、同日午前6時40分ごろ、猟友会会員が子グマ1頭を射殺した。同署によると、市役所がある同市竹山町など中心部で複数回目撃されたが、住民らに被害はなかった。市農地林務課によると、子グマはツキノワグマのメスで、体長70センチ。推定2歳という。親クマは見つかっておらず、市は広報車で注意を呼びかけている。県は「餌不足で人里に出没する可能性が高い」として、8年ぶりに「クマ出没注意報」を発令している。
(高校のグラウンドにクマ:秋田)
23日午前9時50分ごろ、秋田市手形の県立秋田高校のラグビー場で、体長約1メートルのクマ1頭が歩いているのを男性教諭が見つけ、110番通報した。クマはそのままラグビー場を抜け、斜面を下りたといい、けが人はなかった。約30分後、隣接する市立旭川小学校近くの住宅街でもほぼ同じ大きさのクマが目撃された。秋田東署は、学校や周辺住民に注意を呼びかけ、市を通じて猟友会に有害駆除を依頼した。旭川小は屋外での活動を中止し、全校の授業を5時間目までで切り上げた。午後2時すぎには保護者に一斉メールし、児童たちは迎えに来た保護者とともに下校した。午後3時ごろ孫の進藤和柚(なゆ)さん(7)を迎えに来た工藤和子さん(60)は「子どもは逃げることができないので、クマに出合ったらこわいなと思う」。
(クマのケンカ目撃:秋田)
24日午後、由利本荘市でクマが目撃されました。目撃されたクマは、ケンカしているように見えたという事です。
クマが目撃されたのは、由利本荘市岩城道川の竹林内です。由利本荘警察署の調べによりますと、24日午後0時50分ごろ、53歳の男性が自宅の南側にある竹林内で、2頭のクマがケンカしているような状況を目撃したという事です。クマは、その後、竹林の中に走り去ったということです。目撃されたクマは、ともに体長1メートルほどだったという事です。被害は出ていませんが、一番近い民家までの距離は30メートルほどで、警察では、パトカーで警戒を呼びかけたほか、付近住民にも注意を呼びかけました。
(中学校近くの山でクマ目撃:秋田)
24日午後、北秋田市内の中学校の近くでクマ1頭が目撃されました。クマが目撃されたのは、北秋田市の森吉中学校の裏手にあるスキー場です。北秋田警察署の調べによりますと、午後3時50分ごろ、森吉中学校のグラウンドで野球の練習をしていた地域の住民が目撃したものです。目撃された場所は、校舎からおよそ200メートル離れた中学校が所有するスキー場で、クマは、中腹から山頂に向けて登っていったという事です。警察では、北秋田市と連携し、地域住民に注意を呼びかけています。
(クマ目撃:新潟)
25日午後7時ごろ、柏崎市山室の国道付近でクマ1頭を見たと、住民の女性が柏崎署に通報した。同署によると、クマは体長約1メートルで、近くを流れる鯖石川方面に逃げた。目撃された場所は民家から200メートルほどで、同署と市が住民に注意を呼び掛けた。
(クマ目撃:新潟)
24日午前11時半すぎ、阿賀野市久保の沢田堤付近で、小さなクマ1頭を目撃したと、通行人から近くを走行していた阿賀野署のパトカーに通報があった。同署によると、クマの体長は1メートル弱。現場はサントピアワールドの北側で、近くに温泉施設がある。同署や市などが注意を呼び掛けている。
(クマ目撃:山口)
23日午前8時ごろ、防府市江泊の住宅地近くで、住民の女性が全長約1メートルのクマを目撃し、同市役所に通報した。一方、山口市阿東嘉年下でも同日正午ごろ、国道315号そばの斜面で、近所の男性が全長約1メートルのクマを目撃、110番した。山口署によると、クマは山中に逃げ込んだという。
(竹田城跡にクマ:兵庫)
23日午前10時半ごろ、朝来市和田山町の国史跡・竹田城跡登山道付近の山中で、クマらしき動物1頭を登山客が見つけ、タクシー運転手を通じて朝来署に通報した。同署と朝来市が観光客に注意を呼びかけている。市によると、竹田城跡でクマの目撃情報は初めてという。
(イノシシ捕獲、範囲を拡大:福島)
環境省は23日、東京電力福島第1原発周辺のイノシシの捕獲事業を26日から行うと発表した。昨年度は旧警戒区域内の福島県富岡、大熊、双葉、浪江4町で実施したが、今年度は原発から20キロ圏外の帰還困難区域にも範囲を拡大する。原発周辺の人の立ち入りが原則禁止されている地域では、イノシシが人里に出没して田畑を掘り返したり、家屋を荒らしたりする被害が多発している。これを受け、同省は昨年11月中旬から今年2月末にかけ、204頭のイノシシ、イノブタを捕獲した。今年度はまず7月上旬まで実施し、えさの少なくなる秋に捕獲を再開する予定だ。
(シカ捕獲、阿寒で激減:北海道)
阿寒湖周辺の自然環境と森林保全などに取り組む前田一歩園財団(釧路市、前田三郎理事長)のエゾシカ捕獲事業で、昨年度に囲いわなで捕獲されたエゾシカは6頭にとどまった。2004年に始めた事業だが、捕獲が100頭を下回ったのは初めて。少雪の影響やシカの警戒心が増したことが原因とみられる。
(被害額、過去最悪の1億7591万円:山口)
下関市は22日、シカやイノシシなど有害鳥獣による農林作物の2013年度の被害額が、記録が残る2005年以降、最悪となる1億7591万円に上ったことを明らかにした。有害鳥獣の個体数の増加に加え、耕作放棄地が増えて動物が隠れやすい場所が増えたことなどが原因とみている。市議会経済委員会で報告した。市農林整備課によると、動物別の被害額はシカ7499万円が最高で、以下イノシシ4683万円▽サル2657万円−−など。一方、近年の被害額をみると、09年度1億4844万円▽10年度1億916万円▽11年度1億5328万円▽12年度1億7581万円−−といずれも1億円を超える高止まりの状態が続いている。
(鹿捕獲が過去最多3503頭:長野)
諏訪地方6市町村が、猟友会に委託するなどして2013年度に捕獲したニホンジカは計3503頭で、前年度実績を約1100頭上回り、過去最多を更新したことが分かった。「対策実施隊」によるわな捕獲の強化や、隣接市町村との合同捕獲が奏功したとみている。狩猟での捕獲数は県が集計中だが、近年は1000~1500頭で推移しており、諏訪地域の年間捕獲目標(4500頭)を達成する公算が大きい。市町村別では、茅野市が最多の1271頭(前年比462頭増)で、富士見町が782頭(61頭増)、諏訪市が714頭(417頭増)。他3市町村も増加した。茅野市は12年度に「鳥獣被害対策実施隊」を設置。13年度は諏訪猟友会茅野支部の20人を隊員に委嘱した。非常勤特別職としてくくりわなによる捕獲活動を展開し、計1071頭を捕獲。市は「実施隊の活躍が大きい。活動日数が初年度より70日ほど増えたことで捕獲数が伸びた」としている。13年度に組織を強化した諏訪市は、大和から四賀にかけての東山地域で実施隊員21人が184頭を捕り、総数を押し上げた。民家に近く、銃による駆除が困難な場所に計121基のわなを設置。市農林課は「住民からも農作物被害が減ったと聞く」と効果を感じている。岡谷市は、隣り合う塩尻市と初めて行った合同捕獲(広域捕獲)の成果を強調。両市境で効率的な駆除ができたとする。富士見町と原村はそれぞれ「猟友会員の努力が大きい」。町によると、2月の豪雪の影響で、猟期明けから間髪入れずに行う一斉駆除が予定通りにできなかったものの、前年を上回る成果が出せたという。各市町村は引き続き、捕獲と防護の2本柱で鹿対策を進めると説明。富士見町では今秋、猟友会有志の獣肉加工施設が稼働する予定でおり「有効活用の道が開け、捕獲活動にも弾みがつくのでは」と期待している。諏訪では11年度から、鹿の保護管理計画に基づいて年間捕獲目標が4500頭に引き上げられた。狩猟分などを含めた同年度の捕獲数は2599頭、12年度は4011頭だった。
(昨年度鹿捕獲、中アで6倍:長野)
伊那市や市内猟友会、農林業関係者らでつくる市有害鳥獣対策協議会(会長・白鳥孝市長)が昨年度、中央アルプス側の山域で捕獲したニホンジカは31頭で、前年度の6倍に増加したことが、同協議会のまとめで分かった。23日の同協議会総会で報告した。上伊那地方のシカの生息域は南ア側とされてきたが、中ア側でも増え始めていることが裏付けられた形。同協議会は引き続き調査を続けるとともに、爆発的な増加を防ぐため捕獲を進めていく。中アでは昨年、南信森林管理署(伊那市)が駒飼ノ池―濃ケ池間の登山道付近(標高約2620メートル)でニホンジカを撮影するなど、目撃情報や食害跡の報告が年々増えている。同協議会はこれを受け、昨年度に足跡の追跡やくくりわなの設置など本格的な調査や捕獲に乗り出した。2012年度は西春近で5頭を捕獲したのに対し、昨年度は西春近9、西町大坊や小沢など伊那で17、西箕輪5の計31頭を捕獲。今年度も4月末現在ですでに西春近5、西箕輪2の7頭を捕獲している。伊那猟友会の牧田文男会長によると、調査を始めた昨年6月ごろは西春近を中心に50~60頭が住み着いているとみていたが、徐々に西箕輪方面へ拡大。天竜川を渡り中ア側へ移る群れのほかにも、辰野町方面から入り込んだり、木曽側と行き来しているシカもいるといい、「最近は山沿いの民家でも見かけるようになってきている。200頭くらいはいるのではないか」としている。調査・捕獲は同猟友会に委託して継続する。牧田会長は「これからの季節は人家の野菜などを目当てに里山に下るシカが多くなる。現われやすい場所で重点的に捕獲を行う」と強調。事務局の市耕地林務課も「増加を食い止めるため、県や森林管理署、信大などと連携し、全体像の把握に努めたい」としている。伊那市の昨年度の有害鳥獣による農作物被害は、213トン、2,900万円余りでした。
(新規狩猟者支援事業:山形)
山形県猟友会では、狩猟免許試験の受験者を対象に、初心者向け狩猟免許講習会(有料)を開催します。また、新規に山形県猟友会に入会した方を対象に、銃等の購入経費の助成や、安全に狩猟を行うための実技講習会(無料)を行います。詳しくは、山形県猟友会までお問い合わせください。
(室蘭・蘭西地区もシカの行動圏:北海道)
室蘭市内でシカの出没が相次いでいる。21日にみゆき町で3頭が目撃されているが、19日にも清水町の測量山観光道路付近で同数が見つかっている。ともにオス1頭、メス2頭の組み合わせで、同一の個体と思われる。かつては蘭西にはシカはまったく生息しないといわれてきたが、絵鞆半島“西進”は確実に進行しているようだ。19日に測量山で目撃したのは築地町在住の女性(58)。午前11時ごろ登山道を歩いていると、唐松平付近に3頭がひょっこり。女性は驚いて写真を撮り、観光道路に止めていた車に逃げ込んだ。3頭は車のそばまで付いてきたがやがて林の中に姿を消したという。女性は「全く警戒心がなく、人に慣れているようでした」と振り返る。市内では以前から蘭北、蘭東地区で多く目撃されてきたが、昨年は幸町の市役所付近、新富町の住宅街に出没して住民を驚かせた。市生活環境部地域生活課によると、蘭西地区での発見情報は2012年(平成24年)から寄せられている。「夜中に白鳥大橋を歩いていた」「JRの踏切を渡っていた」などの目撃情報もあり、北、東から西へ行動範囲は拡大している。登別市は以前から市街地を含む全域でシカが目撃されてきた“メッカ”。同市は年間を通して北海道猟友会室蘭支部に駆除を委託し、同会会員を含む鳥獣被害対策実施隊も冬季に3回、大規模駆除を行っている。市内の12年の駆除数は127頭、農業被害額は730万円に上った。室蘭市生活環境部地域生活課では「シカは捕獲しようとすると暴れることもあるので、遭遇しても冷静に対応を。観光道路に出てくるケースもあるので注意して車を走らせてほしい」と警戒を促す。登別市観光経済部農林水産グループも「見かけたら刺激を与えないように静かに離れて」と呼び掛けている。
(クマの出没が各地急増!被害も続出し死者まで!?)
今年になってからクマの出没ニュースが続出している。最近では5月13日、群馬県桐生市役所で職員が出勤してきたところ、なんと敷地内にクマを発見し、警察に通報。警察署員はクマをパトカーで追跡し、地元の猟友会が射殺した。クマは体長130センチの、体重約50キロのオスのツキノワグマ。市内では前日から目撃されており、警戒されていた。群馬県では被害者が出なかったが、新潟県では怪我人が出ている。4月21日、新潟県村上市の防風林で男性が山菜採りをしていたところ、クマと遭遇。男性は顔や右手などをひっかかれ、アゴの骨を折る重傷をおった。さらに4月26日には同じく新潟県の村上市の道路脇で、頭から血を流して亡くなっていた女性が発見された。顔に引っかいたような傷があったことと、大型動物の足あとが残っていたことから、クマに襲われた可能性が高いとされている。このように今年のクマの出没は例年の3倍~5倍と多く、各地でさまざまな被害が出ているが、その原因として考えられているのがエサであるドングリの出来だ。昨年はドングリが大豊作だったためメスの発育がよく、子グマが多く生まれた可能性が高い。子連れのメスグマは子グマを守ろうと攻撃的になるため、人を襲う可能性が高くなるのだ。またドングリは大豊作の翌年は大凶作になる傾向がある。今年の秋には、エサのドングリが少ないため街に降りてくるクマが、またしても多くなる可能性が高いのだ。レジャーなどで山に入る時は、しばらく注意が必要だ。
(「狩りガール」鳥獣駆除の新たな担い手に)
シカやイノシシなどによる農作物被害の広がりを受け、頭数管理などを強化する改正鳥獣保護法が成立した。だが、狩猟を担う猟師は減り続け、高齢化も進む。新たな担い手として注目を集めるのが「狩りガール」たちだ。獲物を食べることも同時に楽しむ文字通りの「肉食女子」がハマる狩猟の魅力とは?東京都内に住む女性会社員(32)は昨年9月、銃器で狩猟をするために必要な第1種銃猟免許を取得。さらに銃の所持許可証を取り知人から散弾銃を譲り受けた。農学部出身で山歩き好き。狩猟に興味を抱いたのは「自然の中で自分で取ったものを料理して食べてみたい」と思ったからだ。今年2月、北海道を訪れて初めてインストラクターが同行する猟に参加した。銃を構えてもなかなか撃つ決心がつかなかったが、ようやく放った1発で雌のエゾシカ1頭を仕留めた。「うれしさ、かわいそうという気持ち、ついに取れたという安堵(あんど)が入り交じり、体が熱くなって泣けた」。都会暮らしでは得られない体験だった。丁寧に皮をはぎ、ロースやももなど部位ごとに切り分け、シチューやローストにして家族や友人にも振る舞った。「内臓を取り出した時には温かさを感じ、ついさっきまで生きていたことを実感した」と話す。免許取得や銃の購入などに通常は約30万円かかる。免許に加えて、各都道府県に狩猟者登録をすることで猟に出られる。わなや網、空気銃を使っての狩猟も、それぞれに免許が必要だ。環境省などによると、2012年度の野生鳥獣による農作物被害額は229億円に上り、希少な高山植物が絶滅したケースもある。一方、わな猟などを含む国内の狩猟者は1970年度には53万人いたが、2011年度は20万人と激減。60歳以上の占める割合は10%から66%に上昇した。そんな中、女性は全体の1%未満ながら、06年度の1217人が11年度には1912人と右肩上がりだ。狩猟歴十数年のベテラン、松浦友紀子さん(39)=札幌市=は12年9月、公務員や大学生、管理栄養士ら北海道で活動する約30人で女性狩猟グループを結成した。ほとんどは免許や許可証を取得して間もない初心者だ。森林総合研究所北海道支所に研究員として勤務する松浦さんは、エゾシカによる農作物被害を目の当たりにし、適正な捕獲の必要性を実感したという。
(鳥獣害防止の担い手に、ハンター養成塾開講:愛媛)
畑や果樹園に被害を与えるイノシシやシカを捕獲する「有害鳥獣ハンター」の養成塾第1回講座が25日、愛媛県松山市であった。女性2人を含む20人が来年1月まで、山での実地体験や座学など6回の講座で基礎を学ぶ。県によると、2012年度、県内で農作物の鳥獣被害は約4億1400万円。一方、狩猟免許の所持者は1978年の延べ1万1540人をピークに12年度は延べ4791人まで減少。特に銃猟免許は60歳以上が7割を占めて深刻だ。養成塾では、北海道立総合研究機構研究主任でエゾシカの生態を研究し捕獲に取り組む上野真由美氏が、探索や肉の解体運搬の体験を伝授。「ベテランと行動し経験を積むことが大切。発砲時の反動が大きい銃があり、自分に合ったものを選んで」と助言した。
(ハンター養成講座開校:兵庫)
高齢化が進む狩猟の世界に若者や女性を呼び込もうと兵庫県が企画した「若手ハンター(猟師)養成教室」の開校式が25日、上郡町光都の県西播磨総合庁舎であった。本年度中の狩猟免許取得を目指す20~60代の受講生18人が、県内で数少ない女性ハンターの話に熱心に耳を傾けた。シカやイノシシなどの野生鳥獣による農林業被害の防止に不可欠なハンターは高齢化で、将来的な人員確保が課題。西播磨県民局が9月までの計4回開く教室では、県職員や銃砲店主らが、法令や猟具などの座学や実地研修で狩猟法を伝える。この日は、女性ハンターとして県内で活躍する県猟友会姫路支部の女性ハンター大前有希さん(26)が講演した。農林業を守るやりがいとともに、狩った野生鳥獣を味わえる魅力などを解説した。女性でただ一人参加した受講者(62)は「ハードルは高いけど、できるところまでやってハンターを目指したい」と話していた。
(害獣のシカを餌に:長野)
農作物への被害が深刻な有害鳥獣を有効活用するため、小諸市は捕獲したニホンジカを動物園の肉食獣の飼料にする取り組みを進めている。環境省は先進的事例として、二十五日に視察に訪れた。市によると、二〇一二年四月から、地元猟友会などが捕獲したニホンジカを、小諸市動物園のライオンの餌にしている。園内で担当者が解体し、冷凍殺菌して与える。これまでに二十八頭を活用した。殺処分されたニホンジカの埋葬や焼却には、一頭あたり約一万円かかるため、飼料活用はコスト削減に効果的とする。処分した有害鳥獣の活用としては、ジビエ料理が注目されてきたが、寄生虫や病原菌が問題。市担当者は「飼料ならハードルが低い」とし、動物園だけではなく、一般向けのペットフードとして売り出すことも検討するという。イノシシ、ハクビシンなども博物館や研究機関に提供して活用しており、視察に訪れた北川知克環境副大臣は「有害鳥獣は全国的に問題となっているが、一つの取り組みとして参考になった」と話した。
(違法わな?猫の脚切断:神奈川)
脚を切断された野良猫が、川崎市麻生区で多数目撃され、住民から不安の声が上がっている。神奈川県警麻生署は動物愛護法違反の疑いで調べている。住民グループ「下麻生の安全を守る会」によると、同区下麻生の麻生不動院付近で目撃が多い。五日に黒猫の前脚が路上で見つかり、八日には前脚を切られた別の猫を住民が保護した。二〇〇八年十月以降、脚を切断され保護された猫は確認しているだけで十五匹。数本の小動物の脚が民家の前に並べられていたこともあった。猫三匹を治療した「とみき動物クリニック」(東京都稲城市)の獣医師富木奈緒美さんは、切断面などから「『とらばさみ』のようなわなが仕掛けられている可能性が高い」と話す。とらばさみは狩猟に使うわなの一種。中央の板に動物の脚が乗ると、ばねで挟む仕掛けで、のこぎり歯が付いているものもある。狩猟使用は鳥獣保護法で禁止され、有害鳥獣駆除目的でも自治体の許可が必要。守る会はちらしや回覧板で情報提供と虐待防止を呼び掛け、パトロールもしている。今のところ、わなは見つかっていない。メンバーの村松順子さん(64)は「猫が嫌いでも、こういう形で気持ちを晴らすのは卑劣で陰湿」と話している。
(猟師の呪文:宮崎)
宮崎県のある山村には猟師が山に入る前に唱えなければならぬ呪文があった。「ただいま、上のコウザキにヤタテを撃ってあげもうす。ただいま、下のコウザキにヤタテを撃ってあげもうす。火の車に乗ってお上がりなさってたもれ」▲コウザキとは九州地方の狩猟神の名、ヤタテは空砲、火の車は銃口の火を指すという。イノシシやシカが生息する山中の猟場は「カクラ」と呼ばれ、暦によって猟ができる方角が決まっていた。入山が禁じられる方角は山の神が守っており、獣が逃げ込む場所だった▲山の恵みを享受する暮らしは、厳しい山のおきてに従い、自然の大きな均衡を保つ営みでもあった(遠藤ケイ著「熊を殺すと雨が降る」)。だが今、猟師たちがいなくなった山で自然のバランスが大きく崩れているという▲農作物の食害や生態系への深刻な影響をもたらしているシカやイノシシの急増である。その捕獲を促進する改正鳥獣保護法が成立した。ハンターがこの40年で6割も減り、高齢化する一方、ニホンジカの場合は20年間で9倍近くにも増えてきたというのが現状という▲従来の「保護」から生息数の適正な「管理」へ、という野生鳥獣をめぐる政策転換である。増えすぎた鳥獣は都道府県や国が管理計画にもとづく捕獲事業を行うが、そこでは民間企業の参入を促すという。はてさてビジネスとしての捕獲に入山の呪文はあるのだろうか▲「コウミヤ」とは先の村で獲物の肉を奉納する神楽(かぐら)が舞われる場所であった。今もまた捕獲したシカやイノシシの食肉利用に工夫をこらし、自然の恵みに感謝するのが山の神への礼儀というものだろう。
(信州産シカ肉、6月から認証マーク制度スタート:長野)
長野県と信州ジビエ研究会は6月から、シカ肉の認証マーク制度を始める。衛生基準などを満たす認証施設で処理した肉に「信州ジビエ」のマークを付けて販売することを認め、マークには、消費者が手軽に携帯電話で生産履歴を確認できるQRコードを付ける。信州産シカ肉の新たなブランド戦略として注目される。マークは、自然や安全・安心をイメージしてもらえる緑を基調とし、シカ肉の赤身とのコントラストが映えるよう工夫したという。QRコードに携帯電話をかざすことで、捕獲した場所や年月日、性別や体重が確認できるほか、解体処理施設の場所や処理年月日も知ることができる。シカ肉では全国初の試みで、消費者の高い食の安全意識に応えられるようにした。認証を得るには、県とジビエ研究会が定める基準にのっとって肉の処理を行っていることが必要。認証施設は現在、下諏訪町の「自然育しぜんはぐくみ工房『岳』」の1施設のみだが、県内にはシカ肉の処理・加工を行う施設はほかに18施設ある。県鳥獣対策・ジビエ振興室の宮宣敏室長は「認証施設を増やしてブランド力を強化し、需要の拡大を目指していきたい」と話している。◆信州ジビエ研究会=シカなど県内の野生獣を食肉として活用し、地域振興につなげるようと、狩猟関係者や飲食店、長野県観光協会などが参加し、2012年に設立された。会長は、エッセイストで画家でワイナリーオーナーでもある玉村豊男さん。
(ジビエ料理のレシピ集作製:山口)
下関市鳥獣被害防止対策協議会は、家庭で簡単に料理できるジビエ料理のレシピ集を2000部作製し、市内の道の駅などでジビエ商品を購入した客に無料で配布する取り組みを始めた。ジビエはフランス語で野生鳥獣の意味。市は昨年4月、捕獲したシカやイノシシの販路開拓や農作物への被害防止につなげようと、同市豊田町に食肉加工施設「みのりの丘ジビエセンター」を開設した。今回の取り組みは市民にジビエにより親しんでもらい、センターの活動を支える狙いも込められている。レシピ集にはシカの竜田揚げ▽シカロースとナスのカツレツ▽ジビエ鍋▽イノシシの肉味噌(みそ)▽イノシシコロッケ−−の5品の作り方を記載している。レシピ集は市のホームページでも閲覧できる。一方、みのりの丘ジビエセンターで2013年度に処理されたシカ、イノシシは計595頭で、ほぼ目標(600頭)通りだった。
(イノシシ肉のカレー試作:富山)
氷見市のアートNPOヒミングは23日までに、地元産イノシシ肉を使った「ししカレー」を考案し、同市北大町のヒミングアートセンター内のカフェで提供を始めた。近年、目撃情報が増加するイノシシを多くの人に食べてもらい、食肉利用の知名度を上げる狙いで、改良を進めて定番メニュー化を目指す。ししカレーには繊維状にほぐしたイノシシ肉がまんべんなく入っており、肉のうま味とトマトやタマネギなど野菜の甘み、スパイスの香ばしさが溶け合い、食べやすい味わいになっている。今月上旬に県内の業者から氷見でとれたイノシシ肉約1・5キロを仕入れ、約50食分を試作し、数量限定で販売している。氷見の山海の幸の魅力を発信する「つながるつなげる農と食@氷見プロジェクト」の一環で、イノシシ肉の認知度向上のためメニューを開発した。ヒミングの平田淑江理事は「試行錯誤を重ねて改良し、定番にしたい」と意気込んだ。ししカレーは税込み800円。カフェの営業は木~日曜日の午前11時半から午後5時。

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(鳥獣保護法改正案、きょう成立)
増えすぎた野生鳥獣を適正に管理するため、国が主体的に捕獲に乗り出すことを盛り込んだ鳥獣保護法改正案を参院環境委員会が22日、賛成多数で可決した。23日の参院本会議で可決、成立する見通し。農作物や貴重な植物に大きな被害をもたらしている鳥獣について保護政策から大きく方針を転換する。ハンターの高齢化や天敵がいなくなったことなどから、シカやイノシシなどの野生鳥獣は爆発的に増えている。環境省によると、全国のニホンジカの推定頭数は、この20年で9倍近くに増え、2011年度に261万頭となった。このままでは25年度に500万頭に達するとされる。南アルプスでは希少な高山植物群落が食べ尽くされ、絶滅したケースも出ている。シカやイノシシなどの野生鳥獣による農作物被害は全国で229億円(12年度)に上る。改正法案では、集中的に頭数を管理する必要があるシカやイノシシなどの鳥獣を環境相が指定、都道府県や国が捕獲事業を実施する。国は予算支援を検討する。これまではハンターの趣味による狩猟や、地元自治体などの予算措置に頼ることが多く、全国的に統一した効果的な捕獲が課題だった。また、都道府県知事が、安全管理体制や、ハンターの技能・知識が一定水準である法人を「鳥獣捕獲等事業者」として認定。法人の新規参入を促す。一定の条件で森林での夜間の銃捕獲や、居住地域での麻酔銃による捕獲を認める。全国の狩猟免許所持者はこの40年で6割以上減り、約20万人(2011年度)にとどまる。うち60歳以上が約66%を占め高齢化も進む。鳥獣保護法改正により、環境省は計画に基づく捕獲をビジネスと位置づけ、積極的な法人の参入による人材確保と効果的な捕獲を狙う。認定事業者を目指し、異業種から参入する企業も出ている。群馬県太田市の警備会社「シムックス」は、社内に8〜9人のチームを結成。多くのメンバーが、わなや銃器による狩猟の免許を取得。シカを捕獲するためのわなを80基用意し、昨年は群馬県から捕獲委託も受けた。警備システムのノウハウを生かし、同社は、約5年前から財団「自然環境研究センター」(東京)と共同で、わなにシカがかかると、通報するシステムを開発した。これらの作業を通じて、わな猟のノウハウをセンターから学んだ。深沢利弘社長は「5年間の経験で人材を育成できつつある。国の認定を受けられれば信頼が高まる」と期待する。◇鳥獣保護法改正案骨子・環境相が指定した鳥獣について、国または都道府県は捕獲などの事業を実施・都道府県知事が捕獲を担う事業者を認定・事業(森林など)では夜間の銃捕獲を認める・知事の許可で、居住地域で麻酔銃による捕獲ができる・網または、わな猟免許の取得年齢を20歳から18歳へと引き下げる
(両陛下訪問の桐生でクマ騒動:群馬)
天皇、皇后両陛下が私的な旅行で群馬県桐生市を訪れた22日、市内でクマの出没情報があり、警備関係者らが緊張に包まれた。午前9時ごろ、桐生市川内町の市立川内中学校から市役所に「クマを見た」と連絡があった。登校中の女子生徒が午前8時20分ごろ、山の方でガサガサと音がしたことに気づき、振り返るとクマのような動物がいたという。市職員が目撃場所を調査したところ、イノシシの足跡がはっきりと残っていた。市内では、13日に市役所敷地内にツキノワグマ1頭が出て桐生猟友会が射殺。21日には山に近い新里地区でもクマの目撃情報があった。県警警備2課によると、22日は県警全体を挙げて警備に当たった。桐生署は「あらゆることを想定し、万全の対策を取っていた」という。13日にクマ駆除のため出動した桐生猟友会の坂口一男会長は「天皇陛下が来て大勢の人が集まるような場所には、クマは怖がって近寄らない。だから安心して今日を迎えられた」と話す。両陛下は、足尾銅山の鉱毒で破壊された自然が回復した様子を見たいとの意向で、わたらせ渓谷鉄道の通洞駅(栃木県日光市)から水沼駅(桐生市黒保根町水沼)までトロッコ列車に乗車し、車窓からの景色を楽しんだ。水沼駅やJR桐生駅では集まった大勢の住民に手を振り、笑顔を見せた。
(住宅街でシカの大捕物劇:北海道)
19夜にヒグマの親子出没騒動があった千歳市内で20日午後、けがをして民家の庭先に迷い込んだ若い雄のエゾシカを保護しよう―と、千歳市職員と千歳署員約10人が保護作戦を繰り広げた。場所はJR千歳駅から2キロの道道支笏湖公園線と千歳川に挟まれた同市春日の閑静な住宅地。対岸には原生林が広がる青葉公園がある。エゾシカの話題は16日にさかのぼる。この日朝、JR「千歳駅の近くにエゾシカがいる」「中学校にいる」と市民から目撃情報が千歳署に相次いで寄せられた。登校時間帯と重なり同署は、隣接する大型商業施設や学校付近を警戒。シカを追跡したが、国道付近で姿が見えなくなっていた。関係者の話から、20日に千歳川沿いに姿を見せたエゾシカは、体長などから16日と同じとみられる。車にはねられたのか、左角を失い、右後ろ脚を骨折しているよう。推定2~3歳、体長は1.2メートルほど。民家の庭先や路地に迷い込み、さすまたや網、毛布を手にした市職員や署員に包囲されたシカは身動き一つせず辺りの様子をうかがう。じわりと詰め寄られた次の瞬間、若ジカは〝牛若丸〟のように跳びはね、するりと身をかわした。住民が遠巻きに見守る中、およそ1時間に及んだ大捕物。結局シカは川を渡り対岸へ。斜面を駆け上り、青葉公園に姿を消した。関係者も「けがをしていてもこれだけ動き回れれば、山に戻っても大丈夫」と胸をなで下ろした。市内では近年、エゾシカの出没が急増している。市環境課によると昨年もこの時期、千歳川に迷い込んだエゾシカを住吉から上流域の青葉公園付近まで誘導して山へ返したという。
(クマ目撃:栃木)
21日午後8時17分ごろ、塩谷町上寺島の県道を車で通りかかった男性(46)が路上を歩くクマを発見し、警察に通報した。矢板署によると、体長は約1.5メートル。クマは北側の山林に入っていったという。現場は同所の西荒川ダムから東に約300メートル付近。
(県警本部で2時間停電、カラス巣作り原因か:三重)
21日午前10時53分ごろ、津市内の広域で停電が発生した。約6000戸に影響し、県警本部(同市栄町)では約2時間にわたって停電が続くなどした。中部電力によると、停電したのは旧安濃町のほぼ全域や一身田地域、津駅周辺などの市中心部、美里町地域の一部など。同市片田新町の送電線鉄塔にカラスが巣作りしたのが原因とみられ、約1分間停電した。一部の信号機が消えたが、鉄道を含め交通機関に大きな影響はなかったという。一方、県警会計課によると、県警本部では午後1時15分ごろまで停電が続いた。庁舎内のパソコンが一時使用できなくなるなどしたが、110番センターなどは自家発電により通常業務に大きな支障はなかったとしている。同課によると、本部は非常時に備え2回線の電源を引いており、停電発生直後に自動的に別電源に切り替えられた。しかし、今回はすぐに通常電源が復旧し、担当者は「二つの回線が混線した可能性がある」とし、詳しい原因を調査している。また津市桜橋3の県津庁舎では停電後、約45分間にわたって庁舎内の電話の発着信ができなくなった。NTT西日本の作業員が調べたところ、電話交換機の通信基盤に機能不良が確認されたため、再起動して復旧させたという。
(野生鳥獣の農林業被害:山口)
下関市ではイノシシやシカなどの野生鳥獣による農林業への被害が昨年度、過去最悪だった事がわかった。下関市によると昨年度のイノシシやシカ、サルなどの野生鳥獣による農林業への被害は前の年度よりもわずかに増えて約1億7590万円と過去最悪となった。最も多かったのがシカによる被害で約7499万円、前の年度よりも600万円近く増え2007年度と比べると3倍以上だ。一方、イノシシによる被害は約4683万円で、こちらは前の年度に比べて2800万円余り減っている。また昨年度はイノシシ約1200頭、シカ約1300頭を有害駆除しているが、特に野生のシカが、減っている様子はなく、農林業の被害額は年々増えている。市では今年度から2016年度までの鳥獣被害防止計画を策定していて、野生鳥獣による全体の被害額を3割減少させて1億1800万円程度に、シカは4800万円にまで減らしたいとしている。
(有害鳥獣として駆除した中型獣、研究機関に提供:長野)
長野県小諸市と市猟友会が有害鳥獣として駆除したハクビシンやタヌキ、アナグマなどの中型獣を、研究機関に提供する試みを始めた。従来は「可燃ごみ」として処分するしかなかったというが、提供を受ける麻布大獣医学部(相模原市)はアルツハイマー病の研究に活用しており、殺処分以外の活用方法が広がりつつある。市農林課によると、市内で2013年度に駆除した有害鳥獣は計337匹。このうち中型獣は215匹で、車にひかれて死んだ個体を含めると計285匹に上った。同課の鳥獣専門員竹下毅さん(37)は「殺して捨てるだけでは命が無駄になる」と考え、2、3年前から哺乳類研究者の学会や会員制交流サイト(SNS)などで駆除した動物を研究に活用するよう呼び掛けを始めたという。その結果、12年から野生動物の感染症を研究している大学研究者にハクビシンの血液の提供を始め、県環境保全研究所(長野市)にも年齢調査のためにハクビシンを送るようになった。本年度は麻布大獣医学部の宇根有美教授の依頼で、ハクビシンやキツネ、アナグマ、タヌキ、テンを送った。同教授は脳の組織や遺伝子を調べ、アルツハイマー病の原因を探る研究に生かすといい、「動物は動物園からも提供を受けるが、頻繁には得られない。小諸市からは数カ月で欲しい数が得られる」と話している。竹下さんによると、現在は他の大学などからも提供依頼が相次いでおり、中型獣のほとんどを活用できるとみている。
(シカ進入、監視カメラを設置:青森)
全国各地で深刻な食害を引き起こしているニホンジカの世界遺産・白神山地への侵入を監視するため、白神山地や周辺地域に監視カメラが設置されることになった。22日、世界遺産地域の緩衝地域から約3キロ地点になる青森県西目屋村川原平の国有林内で、東北森林管理局津軽白神森林生態系保全センターによる定点監視カメラの設置作業が公開された。白神山地中心部へのシカの侵入はまだ確認されていない。しかし、岩木山など周辺部では近年、目撃情報が出てきており、「侵入は時間の問題」(白神山地世界遺産地域科学委員会)とされる。国は今年度から監視体制の強化に乗り出しており、今回のカメラの設置はその一環だ。設置されるのは計64台。世界遺産地域を中心とした19台は環境省が、これまでに目撃情報のあった岩木山周辺や遺産地域外となる青森・秋田県境付近などへの45台は東北森林管理局が担当する。
(農作物鳥獣害対策アドバイザー、今年度の研修始まる:和歌山)
イノシシやシカ、サルなどの野生動物による農作物被害を防ぐため、専門的な知識を持ったアドバイザーを育成する今年度(2014年度)の研修が、きょう(21日)から始まりました。これは、和歌山県が9年前に創設した制度で、わなの整備や防護柵の設置などでアドバイスを行う専門家「農作物鳥獣害対策アドバイザー」を育成し、県の長年の課題となっている鳥獣害の減少を効果的に進めようというものです。これまでに県や市町村、JAの職員など、鳥獣害に関係する116人がアドバイザーに認定されています。きょう午後1時半から県庁の北別館で開かれた研修には、およそ30人が出席し、県・鳥獣害対策室の職員から県内の農作物の被害状況や、鳥獣保護と狩猟の適正化に関する法律などについて講義を受けました。研修はこれから10月まで毎月1回のペースで開かれ、参加者はアライグマやシカの被害対策や、わな免許の講習、電気柵の設置方法などを勉強します。参加したJAながみねの職員は「紀美野町(きみのちょう)ではイノシシによる山椒の葉の食害が問題です。研修を活かした地域貢献をしたい」と話していました。また田辺市(たなべし)の職員は「アライグマとハクビシンの被害が防ぎきれていない。少しでも生産者の力になりたい」と話していました。県によりますと、県内の農作物の被害額は、この10年間、毎年3億円前後で推移しています。
(野生鳥獣による被害防止へ:新潟)
県の関係部局などが野生鳥獣による被害の対策を話し合う会議が21日、開かれ、農産物や人への被害が発生しないよう対策を進めていく方針を確認した。県庁で開かれた会議には、県や県警の有害鳥獣に関係する部署から12人が出席した。県内の野生鳥獣による農作物の被害額は減少しているものの、昨年度も2億5000万円以上にのぼっている。会議では、イノシシによる被害の割合が増えていることなどが報告され、電気柵を設置するなどして被害防止に取り組む方針が確認された。また、村上市では先月、人間がクマに襲われる被害が発生していることから、被害防止のため、クマの出没情報の共有や県民への注意喚起などを関係機関が連携して行っていくことなども確認した。今後は地域で被害防止対策を進める人材を育成するため、専門家による研修会も開催していく方針だ。
(猟銃模擬体験できます、狩猟者確保へ装置導入:和歌山)
農作物の鳥獣被害が深刻化する中、狩猟者が減っていることから和歌山県は、猟銃による狩猟を模擬体験できる装置を導入した。鳥獣害対策の会議などで紹介し、広く関心を持ってもらうことで、狩猟者増加につなげたいという。近年の県内農作物の鳥獣被害額を見ると、増加傾向にある。イノシシは05~07年度は1億2千万~1億4千万円だったのが、12年度は1億9100万円。シカも05~08年度は3300万~3800万円だったのが、12年度は4700万円となった。一方、県猟友会会員のうち、第1種免許(猟銃)取得者は年々減少している。05年度に2492人だったのが、10年度に2千人を切り1869人になり、12年度は1651人になった。免許取得者の高齢化も進んでおり、60歳以上の割合は06年度に46・6%だったのが、12年度は61・3%になった。そこで県は3月、猟銃による狩猟を模擬体験できる「シューティングシミュレーター」を購入した。費用は約300万円で、全額国庫補助を受けた。導入は、長野県、兵庫県に次いで全国3例目という。パソコンなどを使って、壁に映し出した映像にシカやイノシシ、クマ、キジなどが出没。ライフル銃や散弾銃で撃ち、命中すれば鳥獣が倒れる。銃の重さは本物とほぼ同じで、発砲時の衝撃も感じられる。和歌山市や海草地方の市町の鳥獣害対策担当者らの会議がこのほど県庁であり、出席者が体験した。海南市産業振興課の職員(26)は「狩猟の経験はなく、難しかった。しかし、当たったときの満足感は大きい。関心を持ってもらえると思う」と感想を述べた。県農業環境・鳥獣害対策室担当者は「増えている鳥獣被害の軽減のためには、狩猟管理が必須。狩猟者が減り、高齢化も進んでいる。若い人にも興味を持ってもらい、狩猟者の確保につなげたい」と話した。県振興局や市町村などが開く鳥獣害対策の研修会や農家の集まりなどに出向いて、活用したいという。
(ハバネロに獣害対策効果?:滋賀)
農作物栽培の獣害対策効果を検証するため、東近江市の八日市南高校農業技術科の生徒らは二十一日、同市杠葉尾町の畑に、学校で育てたハバネロやシシトウといった刺激性のある野菜苗を植え付けた。杠葉尾町地区を含む市東部の山間地域「奥永源寺」には、シカやサルなどの獣害に悩まされ、作物栽培を諦めた耕作放棄地が多い。そんな土地の活用に取り組む地域おこし協力隊の前川真司さん(26)から協力依頼を受けた同校は、検証を授業に取り入れた。放棄地の畑は事前に前川さんが耕した。参加した野菜園芸専攻の三年生八人は前川さんらと一緒に、まずは苗を植える畝作り。二畝できると持参したピーマンやオクラなどの野菜苗とハバネロやタバスコなどの刺激作物の苗をほぼ交互に計約百株を植え付けていった。畑に柵は設けず、野菜が収穫期を迎える七月にかけ、どれほどの獣害対策効果があるか検証する。前川さんは「もしかしたら、一週間ですべて食べられてしまうかもしれない。でも、ある程度でも収穫に成功すれば、耕作放棄地に希望が生まれる」と期待を込めた。
(駒止湿原でシカ食害か:福島)
南会津町と昭和村に広がる国天然記念物の駒止湿原で昨年、ニホンジカにニッコウキスゲが食べられたとみられる跡が見つかっていたことが21日、分かった。同湿原でニッコウキスゲの食害が確認されたのは初めて。昨年夏、駒止湿原を訪れた福島大理工学群共生システム理工学類の塘(つつみ)忠顕教授が、湿原の木道付近で花の部分がなくなっているニッコウキスゲを見つけた。湿原に設置したカメラにシカが映っていたほか、シカが湿原を掘ったとみられる跡も確認した。塘教授は「シカの食害か断定はできないが可能性は高い」としており今年、詳しく調査する。
(対馬のチョウ、絶滅危機:長崎)
長崎県・対馬だけに生息する固有亜種のチョウ、ツシマウラボシシジミが絶滅の危機に直面している。増えた野生のシカが、幼虫の餌となる下草を食い荒らしたためだ。野生のシカは全国各地で激増している。シカの増加は生態系への影響のほか、感染症を媒介する害虫を運ぶことによる人の健康への悪影響も指摘されている。
(登別市にシカ肉処理工場:北海道)
白老町萩野の社会福祉法人ホープ(片山のぶ子理事長)が来年4月、登別市内に障害者の通所型就労施設を建設することが20日までに分かった。今年9月に着工する。登別市手をつなぐ育成会と連携してシカ肉ハンバーグを製造する拠点として新設し、25人程度を新たに雇用する。市内では障害者施設が少なく、整備を求める声が多かっただけに関心を集めそう。準備を進めている同法人グループ・多機能型事務所フロンティアの佐藤春光施設長は「アレルギー除去の食材を使う。学校や病院の給食向けに製造したい」と話している。登別市での事業展開について、佐藤施設長は「以前から登別の関係者と相談をしてきた。近くに就労できる場がなく、わざわざ遠方の施設に通ったり、やむを得ず自宅にとどまるケースが少なくない。なるべく地元で働ける場を、と考えた」と説明している。計画によると、建設予定地は登別市中登別町。登別温泉通りに面した1650平方メートルの民有地を借りて、床面積416平方メートルの木造平屋建て施設を整備する。名称は「フロンティア登別」。施設内はシカ肉を処理する作業室のほか、売店、食堂、事務室、相談室などを整備。売店に2、3人、通常作業は20人程度を雇用する。生産体制は「稼働直後は1日300個ペースとし、早い時期に500個体制に拡大したい」と語る。施設整備などに掛かる事業費は約1億円。このうち約6000万円は国と道の補助金でまかない、残る4000万円が設置主体のホープが負担する。佐藤施設長は「登別の手をつなぐ育成会など地元からいただいた寄付金も活用する」としており、白老と登別が連携した施設として運営を進めていく方針。シカ肉処理を業態に選んだのは、白老町の同法人関連施設ですでに実績を上げていると強調。登別で近年、エゾシカ駆除後の利活用が活発なことを挙げる。佐藤施設長は「例えばシカ肉処理だけでなく、シカの皮も扱うなど将来的には事業内容を専門特化した上で効率運営を進めたい」と語る。同法人では白老町内だけでなく、登別市内でも喫茶店や売店など施設外就労を進めているが、「新しい施設はその拠点に位置付ける。積極的に市内の関係機関などに働きかけたい」と期待を寄せている。
(サル追い払い農作物守る犬、昭恵夫人も視察:三重)
畑などに近づく猿を追い払う「モンキードッグ」を知ってもらおうと、三重県名張市と県境を接する奈良県宇陀市の飼い主らでつくる「モンキードッグ倶楽部くらぶ」(逵つじ敏也代表)による記念講演会とデモンストレーションが20日、名張市鴻之台の市防災センターで行われた。同倶楽部のメンバーや、市民ら約100人が参加し、訓練などに見入った。また、安倍首相夫人の昭恵さん(51)も視察に訪れ、熱心に講演を聞いていた。モンキードッグは2005年に長野県大町市で導入されたのが始まり。野生の猿による田畑の農作物被害を防ぐため、猿が人里に降りてきた際に追いかけるなどして山に追い払うのが役目。農家などの飼い犬を対象に、人間の命令に服従し、猿を殺さずに追い払えるように半年間訓練し、自治体から認定を受ける。猿が出現すると、その場所へ駆け付けて犬を放し、追い払う。全国25都道府県の77市町村で導入されており、12年度で計371頭が認定されている。同倶楽部は、11年4月に活動を始め、年間十数回、出動させている。名張市と宇陀市を行き来する猿は、38頭と42頭の2グループ。宇陀市では、導入前の10年度に800万円だった、猿などによる農作物の被害が、年々減少。12年度に514万円、13年度には326万円となっており、効果が上がっているという。一方、名張市は、10年度が162万円、11年度が約174万円で、12年度には、165万円となった。この日の記念講演は、東京大大学院で環境学を専攻する山口薫さん(54)が「モンキードッグ活動による野生サル追い払いの成果と課題」と題して話した。山口さんは、モンキードッグを導入している自治体へのアンケートの結果、82%の自治体が効果的であると回答したことを説明。モンキードッグを導入することで、農作物の被害が抑えられることなどについて解説した。一方で、犬も飼い主も高齢化していくため、世話が大変になるといった課題があることも示し、「動物にも優しい社会が、人にも優しい社会をつくることになる」と締めくくった。このあと、場所を同センターの芝生広場に移し、モンキードッグのデモンストレーションを実施。この日は14頭が、「伏せ」や「待て」の基本動作のほか、合図で飼い主の元に戻ってくる訓練などを披露した。昭恵さんは、山口さんの知人で、山口県内での視察などを終えて、東京に戻る途中に立ち寄った。講演会と訓練を視察した昭恵さんは、取材に、「モンキードッグが活躍して、猿を殺さずに追い払う。人と動物が共存するこうした取り組みを、首相にも報告したい」と話していた。
(「ぎふジビエ」民間ネット年内発足:岐阜)
県鳥獣被害対策本部の第8回本部員会議が21日、県庁で開かれ、野生鳥獣の肉(ジビエ)の販路拡大を目指して、県は「ぎふジビエ」の民間ネットワークを年内に立ち上げることを明らかにした。県は本年度、鳥獣被害対策を近隣市町村と協力して広域で行うモデル事業のほか、急増するニホンジカの捕獲頭数目標を1万2千頭と定め、くくりわなによる捕獲法の研修会開催などさまざまな対策に取り組む。民間ネットワークは仮称で「ぎふジビエ利活用協議会」。県が昨年11月に策定した衛生ガイドラインに基づいて解体処理を行った「ぎふジビエ」を扱う処理施設やレストランなどの店舗でつくる。調査研究や情報交換を行い、販路拡大やブランド化への取り組みを強化していく。会議で、古田知事は「鳥獣被害は切実な問題。適切な捕獲を行い、その上で活用を進めてほしい」と述べた。シカ肉のソーセージなどの試食を交え、ジビエ活用の現状も報告された。「ぎふジビエ」の解体処理施設を運営する所産業(揖斐郡揖斐川町)の所竜也社長は「ジビエの市場拡大で捕獲を促進したい。岐阜のブランド肉として県内外に発信できれば」と意欲を語った。
(無農薬でおいしいお米、「アイガモ農法」:千葉)
無農薬で米を栽培する長生村の「アイガモ農法」が、今年も村役場近くの水田で行われている。都市部住民との交流を目指して始まったオーナー制度による取り組みは9年目を迎え、今年は約90人のオーナーが参加している。アイガモ農法は、村内の農家12人が参加する「南部アイガモ農法研究会」が中心となって進めている。アイガモが水田の害虫や雑草を食べるため、農薬を使わずに米を栽培できるという。研究会の鈴木定会長(69)は「アイガモ米は農薬を使わないので安全で安心。食味値が高くおいしい米です」と説明する。村も農業を観光資源として捉え、研究会と連携。オーナー制度で都市部の住民を呼び込み、村の魅力を紹介して「将来的には村に住んでもらう」(小高陽一村長)狙いがある。アイガモ米のほかにも、落花生とそばでもオーナー制度を導入している。今月11日には、アイガモ農法の放鳥式が行われ、船橋市や千葉市などのオーナー約90人が参加した。9ヘクタールの水田でコシヒカリを栽培し、9月には約400キロの米が収穫できるという。茂原市の小学1年生、外松優音さん(6)は「カモに初めて触ることができて楽しかった。収穫したら焼きおにぎりにして食べてみたい」と笑顔で話していた。
(ジビエのお好み焼き:福岡)
「猪(いのしし)かあちゃん」のブログネームで、野生イノシシ・鹿肉を使った「ジビエ料理」のレシピを発信してきた福岡県みやこ町の主婦中原裕美余(ゆみよ)さん(52)が、町内にある実家のお好み焼き店で「ジビエお好み焼き」を売り出した。猟友会会員の夫が捕獲したイノシシ・鹿肉を調理し家族で食べている中原さん。塩麹(こうじ)を入れたお湯で下ゆでして軟らかくしたミンチを混ぜ込み、独特の食感のお好み焼きを数カ月かけて考案した。野生鳥獣の肉はあまり出回らず本来値が張るが、安値で“現地調達”するため、1枚600円。「高級食材と庶民の味のコラボです」とニンマリ。

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(住宅街にヒグマの親子出没:北海道)
19日午後6時40分ごろ、千歳市新星の住宅地で、近所の男子中学生(12)が3頭のヒグマを目撃したと、母親が110番通報した。千歳署や市クマ防除隊が19日、20日と出動して警戒している。千歳署によると、体長1.6メートルほどの親グマ1頭と体長70センチ前後の子グマ2頭。約50メートル離れた空き地を、北から南の方向に横切り市街地の方向に歩いて行ったという。通報を受けて、千歳署はパトカー2台を出して付近を警戒。千歳市は町内会や学校などにヒグマの目撃情報を知らせた。市クマ防除隊と市職員が周辺を巡回し、現地を調査したが痕跡は発見されなかった。新星(81世帯、211人)と隣の蘭越(126世帯、147人)の全戸にビラを配布し、住民に注意を呼び掛けている。20日も午前4時40分から市クマ防除隊と千歳署、市職員ら計6人が周辺を捜索する一方、市は現場に「クマ出没」の看板を設置した。また、地元の緑小学校は大和、桂木、新星地区の家庭に周知し、20日の登校時は職員が通学路を巡回した。下校時は桂木と新星方面のスクールバスに職員が同乗して安全を見守り、徒歩で通学の児童は職員が付き添って集団下校した。現場は市街地から4キロ離れた道道支笏湖公園線沿いの住宅地。現場から約30メートル離れた雑木林の上方にはゴルフ場や陸上自衛隊の演習場が隣接する。市は▽ごみは当日の朝にごみステーションに出す▽山に入るときは必ず音が鳴るものを携帯する▽食べ残しは必ず持ち帰るように―と市民に注意を呼び掛けている。
(鳥獣害対策でハンター養成:愛媛)
愛媛県は鳥獣害対策を強化するためハンターの養成に乗り出す。25日に松山市内で「愛媛県有害鳥獣ハンター養成塾」を開講する。2014年度は県内市町などが推薦する農業者や大学生など約20人が狩猟について学ぶ。受講者にはライフル銃などが使える第1種銃猟免許を取得してもらい、鳥獣害対策の現場で活動してもらう。養成塾では、鳥獣の生態に関する知識を身に付けてもらうほか、県内の野生鳥獣による農作物などの被害状況を学んでもらう。狩猟現場を実際に見学するなど、捕獲技術を学ぶ機会も設ける予定だ。愛媛県内ではシカやイノシシによって農作物が食い荒らされる被害が増えている。その一方で、狩猟者の高齢化が進むとともに、第1種銃猟免許の取得者は減少が続いている。このため、若手のハンターの養成が課題となっている。
(シカなど捕獲、認定事業者委託に懸念)
参院環境委員会は15日、シカ、イノシシ等の増加による農林業被害や生態系への影響が深刻化するもと、認定事業者に捕獲事業を委託することを盛り込んだ鳥獣保護法改定案についての参考人質疑を行いました。弁護士の坂元雅行氏(トラ・ゾウ保護基金事務局長)ら4氏が意見を述べました。坂元氏は、改定案の効果と安全性に疑問を呈し、都道府県が委託する認定事業者が場所や時期などの計画性を無視して「とりやすい個体から優先的にとる方向へ流れるおそれがある」と主張。事故を発生させず、効果的に捕獲事業を進めるためにも「鳥獣行政担当職員に野生動物管理の専門的技能・知識を持つ者を配置し、指導・監督することが重要だ」と強調しました。日本共産党の市田忠義議員は、増えすぎた鳥獣の生息数を人為的に大規模に減らす法改定の方向性について「生物多様性保全の観点からどう考えるか」と質問しました。坂元氏は「生態系本来の働きに委ねることが原則であるべきだ」とした上で、「現在の状況で(シカやイノシシの)個体数や分布を縮小していくことは必要」だが「(大規模捕獲計画は)1回で成功させ、その後は規模の小さな安定した管理で済むようにしなければならない」と述べました。
(「モンキードッグ」をPR:三重)
畑などを荒らす野生のサルを追い払う犬「モンキードッグ」をPRする講演と訓練の実演が20日、名張市鴻之台1番町の市防災センターであった。名張と奈良県宇陀市で活動をしているモンキードッグ倶楽部(逵(つじ)敏也代表)が主催し、安倍首相夫人の昭恵さんも訪れた。
(ライフル競技場新築設計:愛媛)
内子町は、ライフル競技場新築設計を早ければ6月に外注する。2017年開催予定の愛媛国体で内子町はライフル射撃の開催地。小田420にある城の台公園体育館東側の敷地約7500平方㍍にライフル射撃の競技場を建設する。
(アグリイノベーション推進機構が総会:長野)
信州大学農学部を中心に南信地域の大学や行政、企業、各種団体などが連携し地域産業の活性化を目指す「伊那谷アグリイノベーション推進機構」(機構長・向山孝一KOA会長)の2014年度総会が20日、同学部で開かれた。会員をはじめ関係者ら約70人が出席。本年度は、地域の農林畜産業、食品産業および関連産業を活性化する「伊那谷モデル」を創造する第一歩として、将来性の高い重点課題を具体的に選定し、その組織化推進に注力することを誓い合った。昨年10月に発足後、初めての総会。前年度事業報告によると、活動初年度は4回のシンポジウムと1回の体験講座を実施。シンポジウムには延べ848人が参加し、信大農学部および関係機関の研究シーズを地域に紹介するとともに、機能性食品開発に関わる共同研究3件、獣害防除に関わる酪農経営者との研究会発足1件、シカ肉に関わる調査活動グループ発足1件などの成果を得た。これらの実績を受け本年度は、ニホンジカによる被害を軽減するための個体数管理や捕獲方法、シカ肉利用としての加工・流通・食品開発など、産業化に向けた道筋の検討をはじめ、伊那谷地域における農林水産資源の特性調査の実施、食品・農産物の生産時に発生する未利用資源のさらなる機能性探索を、重点課題に挙げた。向山機構長は「大学や研究機関が持つシーズを伊那谷のニーズとマッチングさせる役割を果たすことで、地域の発展につなげていきたい。合わせて食糧やエネルギー、水などの自給率を高める方策を検討していきたい。実現させるためにも、中長期的なビジョンと事業の継続が必要」と話した。

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(ライフル銃技能講習で61人から誤徴収:秋田)
県警生活環境課は19日、県公安委員会から猟銃の技能講習を受託している「大館大子内射撃場」(大館市大子内)が2012年11月~13年11月、ライフル銃の技能講習の受講者延べ61人から施設使用料計11万1400円を余計に徴収していたと発表した。同射撃場は対象者全員に謝罪し、過大徴収分を全額返金した。同課によると、同射撃場は、銃刀法で定められたライフル銃の技能講習を実施する際、受講料1万2300円のほか、徴収する必要のなかった施設使用料(1人当たり1100~2200円)を誤って徴収した。射撃場の管理者と射撃指導員が、講習で認められている試射を講習外の練習だと勘違いし、施設使用料を二重に徴収したという。同課に13年12月、一部の受講者から、他の射撃場で受講した人と受講料が異なると問い合わせがあり、関係者らへ聞き取りなどの結果、過大徴収が分かった。県公安委は、26日に秋田市で開かれる技能講習指導者研修会で、実施要領の内容の再確認と再発防止の徹底を促すという。
(規制対象空気銃、所持容疑で逮捕:群馬)
伊勢崎署は19日、伊勢崎市国定町2、無職、高橋敬三容疑者(70)を銃刀法違反容疑で逮捕した。逮捕容疑は11日朝、自宅で空気銃1丁を所有していたとしている。自宅からエアガン33丁を押収した。同署は9日、「拳銃を持っているかもしれない」という匿名の電話を受け、11日に高橋容疑者方と同じ敷地内にある親族の家のガラスなどが弾丸のようなもので壊されているのを発見。自宅からエアガン33丁のほか、直径約5・5ミリの金属製の弾丸やエアボンベを押収した。うち1丁の威力を鑑定した結果、銃刀法で規制対象となっている空気銃に該当したという。3Dプリンターで自作したものではなかった。入手ルートを調べている。
(クマ目撃:新潟)
19日午前9時半すぎ、阿賀野市堀越の国道でクマ1頭を見たと、車で通りかかった男性が阿賀野署に通報した。同署によると、現場は陸上自衛隊大日原演習場近くで、クマの体長は不明。約500メートル離れた所には民家や病院などがあり、同署や市は警戒を呼び掛けている。
(クマの目撃情報、注意呼びかけ:鳥取)
夏山開き(6月8日)を控えた鳥取県大山町の大山(1729メートル)で、16日夕に登山道近くでクマを目撃したとの情報が登山者から寄せられ、県警八橋署はチラシなどで注意を呼びかけている。県は「数は少ないが、ツキノワグマが大山山麓で生息している可能性がある」としている。同署によると、16日午後6時ごろ、夏山登山道の3合目から2合目にかけて下山中の県内の女性登山者が、林の中にクマとみられる黒い動物を発見し、通報。登山道から距離約20メートルで、体長は中型犬より大きく、女性は「目が合った。クマに間違いない」と話しているという。県によると、大山山麓では平成16年ごろから、クマの目撃情報が出始めた。登山道近くでは2年前の秋、登山口の下山キャンプ場付近で目撃例がある。県は「念のため、登山者は鈴などを身につけて注意してほしい」と話している。
(サルの囲い罠設置へ:長野)
伊那市は鳥獣被害防止対策として今年度、サルの囲い罠を新たに2基設置するほか、センサーカメラによる野生動物の調査を実施します。9日、伊那市役所で上伊那鳥獣被害対策協議会総会が開かれ、各市町村が進める事業計画などが報告されました。事業費は上伊那全体で1,800万円、そのうち1,500万円は交付金でまかなわれます。伊那市の事業費は600万円で、事業内容はサルの囲い罠設置に300万円、くくり罠購入に200万円、センサーカメラ設置に100万円となっています。サルの囲い罠は伊那市横山に今年2月に設置され3月までに5頭が捕獲されたということです。同じタイプのものを高遠町と長谷に1基ずつ設置する計画です。10メートル四方の金網の中にエサを置き呼び寄せるもので、斜めに設置されたトタンを滑り降り中には入れますが外には出ることができない構造になっています。地上部分に30センチほど金網をはわすことで穴を掘って逃げることを防ぎます。伊那市ではほかに動物が通ると自動的に写すことができるセンサーカメラを25台設置し野生動物の調査も行う計画です。箕輪町は事業費200万円で一斉捕獲を行い、南箕輪村については事業はありません。上伊那全体の平成24年度の被害額はおよそ1億円で白鳥孝会長は「鳥獣被害により農林業が立ち行かなくなることがないよう、対策を講じていきたい。」と話していました。
(絶滅危惧種復活はシカのおかげ:兵庫)
絶滅の危機にあるサクラソウ科の多年草「クリンソウ」の大群生が近年、兵庫県内で相次ぎ発見されている。群生地はシカによる食害が深刻な中山間地域で、専門家は「シカが嫌う有毒物質を含むため被害に遭わずに済んだうえ、周囲の草が食べられ、生育環境が整ったのではないか」と分析。シカの食害で生息域が拡大する皮肉な結果となっている。5月に見ごろを迎えるクリンソウは、全国の山間部や湿地で見られたが、乱獲などにより激減。兵庫県のレッドリストで「絶滅の危険が増大している」とされるBランクに指定されている。一方、県内には約12万頭のシカが生息、幼木を食い荒らすなど山の荒廃が進む一因とされている。ところが、篠山市火打岩(ひうちわん)で2007年、約4ヘクタールの湿地に広がる17万株の群生が見つかり、住民による保存グループが登山道を整備して一般公開した。県立人と自然の博物館の藤井俊夫主任研究員は「国内有数の規模」と指摘。県生物学会副会長で保存グループ代表の樋口清一さん(77)も「約80年前から数十株単位で確認されてきたが、ここまでの規模はなかった」と話す。藤井主任研究員によると、クリンソウはプリミンという有毒物質を持ち、シカなどが食べない「不嗜好性(ふしこうせい)植物」に分類される。群生地は同市と同じく、シカが増加している宍粟市でも見つかっている。県森林動物研究センター(丹波市)の藤木大介主任研究員は「希少な植物をシカが食べ尽くす例が多い中、逆の結果となったまれなケース。裏返せばシカによる影響が拡大していることを物語っている」と話している。

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(クマ射殺、一時騒然:山形)
16日午前9時20分ごろ、米沢市窪田町藤泉付近でクマが出没したと米沢署に通報があった。近くに小中学校もあり、捕獲のため現場付近は一時騒然とした。クマが最初に目撃されたのは、会社の資材置き場だった。通報を受け、同署、市、県、県猟友会米沢支部の総勢32人が警戒に当たっていたところ、午前11時40分ごろ、クマは鬼面川河川敷で発見された。河川敷の下流と上流、東岸と西岸を行ったり来たりして、最後は両岸から追いつめられた。米沢市長による緊急時の有害鳥獣捕獲許可に基づき、午後0時52分ごろ猟友会会員に射殺された。体長約1・1メートルのツキノワグマで、4歳のオスと推定される。クマ出没の連絡を受けた窪田小学校では、安全を確認しながら保護者同伴で児童を下校させるなどの対応を取った。4月24日には長井市の市街地近くでクマ1頭が目撃されている。今月5日には、南陽市と長井市でそれぞれクマ1頭の目撃情報があったが、どちらも山林に走り去ったという。
(クマ1頭射殺、体毛鑑定へ:新潟)
15日早朝、村上市葛籠山の山中で、ツキノワグマ1頭がわなにかかっているのを猟友会のメンバーが見つけ、間もなく射殺した。現場近くでは先月、クマに襲われて死亡したとみられる女性(当時81歳)の遺体が見つかっており、村上署が関連を調べている。同市などによると、わなは先月26日夜、女性の遺体が見つかったのを受けて、猟友会が仕掛けていた。それ以降でクマがかかったのは、今回が初めてという。見つかったクマは雄で体長約1・1メートル、体重約45キロ。同署は、クマの体毛などをDNA鑑定するなどして女性を襲ったクマかどうかを調べる。
(サル目撃情報「不用意に近寄らないで」:香川)
5月に入り、香川県丸亀市内で野生のサルが相次いで目撃されている。丸亀署や同市などによると、体長などから同一のサルとみられ、市東部から西方に進んでいる。16日には市中心部近くで目撃情報があり、同署などが注意を呼び掛けている。これまでに人や農作物の被害報告はないという。県や同市によると、体長約60センチのニホンザルで雄とみられる。同署に最初に通報があったのは7日で、以降16日までに110番通報など15件の情報が寄せられた。16日は、早朝に同市土器町東7丁目のコンビニエンスストアにいるのを通行人が発見し、110番通報。同署員4人のほか、県や市の職員も駆け付けたが、正午までに見失った。同市農林水産課は、サルと遭遇した際の注意点として▽目を合わさず、後ずさりするように距離をとる▽むやみにからかったり、棒などを振り上げて威嚇しない―などを挙げ、「不用意に近寄らないでほしい」としている。
(東北道でシカと車が衝突:栃木)
県警高速隊は16日、同日午前3時半ごろ、栃木市小野口町の東北自動車道下り線で、路上のシカに大型貨物車が衝突する事故があったと発表した。車と野生動物の事故が1月から計8件と多発傾向にあるとして、県警は注意を呼び掛けている。同隊によると、壬生町、トラック運転手男性(37)の大型貨物車が左端の車線を走行中、車道に立ち止まっていたシカ1頭と衝突した。現場付近にはシカが計3頭いたという。現場は片側3車線で、動物飛び出し注意の警戒標識が設置されている。
(銃でシカ捕獲専任班新設、7月に本格始動:兵庫)
シカによる稲や野菜、木などの農林業被害を減らすため、豊岡市は捕獲拡大を図る。銃による捕獲専任班を新設し、7月から本格的に始める。県では2013年度から年3万5000頭をシカ捕獲の最低目標数値として掲げており、県から市町への補助制度見直しが2、3月に示されたことから、豊岡市も捕獲体制を強化した。市では13年度実績で5209頭捕獲しており、また県が定めた14年度の市町ごとの最低捕獲目標頭数では豊岡市は5262頭だが、市は14年度の目標捕獲頭数を6500頭としている。目標を高くした理由について市は、13年度は12年度に比べ約1・4倍捕獲したにもかかわらず、農林業被害が一向に減らないなどの状況を挙げている。県民局などによると、豊岡市では12年度の野生鳥獣による被害が農業約4900万円、林業約2700万円だった。また県によると、12年度の但馬3市2町の合計が農業約1億3800万円、林業約9000万円にのぼっている。豊岡市は、有害捕獲期間(4月1日〜11月14日、3月16日〜31日)と狩猟期間(11月15日〜3月15日)のうち、有害捕獲期間(13年度3483頭)の目標獲得頭数を14年度は5000頭に増やす。捕獲専任班は市内の有害鳥獣捕獲班員の中から平日も十分活動できる人を選び、1班10人前後で2班を編成する。1カ月当たり10日間活動し、1班で1日5頭捕獲する計算で、今年度の7月以降の有害捕獲期間(5カ月)で計500頭を捕獲する。有害捕獲期間の目標のうち残り4500頭は、専任班以外の有害鳥獣捕獲班員が銃またはわなで捕獲する。また、目標達成のため、1頭あたりの有害捕獲報償単価を上げる。有害捕獲期間の有害鳥獣捕獲班の銃による捕獲は現行8000円だが、これを1万6000円に上げるなどする。さらに県集落獣害アドバイザーで市有害鳥獣捕獲班員の岡居宏顕さんを嘱託職員として新規採用し、捕獲専任班の編成・運営についてのコーディネートなどにあたってもらう。国の交付金や県費などを含めた今年度全体事業費は当初予算分も含め約8660万円(うち市費2728万円)を見込んでおり、5月30日開会の市議会定例会に補正予算案を提案する。
(クマ出没、山入り注意)
山菜採りなどで山に入り、ツキノワグマに襲われる人身被害が東北地方などで相次いだ。春から夏の山では冬眠明けのクマが動き回る。餌となるドングリの昨秋の実りが良かったため、今年生まれた子グマの数が多い可能性も指摘されている。子グマを守ろうと母グマが凶暴になる恐れがあり、山では注意が必要だ。ツキノワグマ出没注意報が8年ぶりに発令されている岩手県。5月5日、遠野市の山林で山菜採りをしていた夫婦が子連れのクマに襲われ、顔をひっかかれるなどのけがを負った。同県自然保護課によると、今春の人身被害は5日までに5件で、計6人。平成25年度の年間の人身被害7件11人に比べると速いペースだ。担当者は「昨秋はブナの実が豊作だったのでメスの栄養状態が良く、子グマが多く生まれていると考えられる。クマは力が強いので、出合わないようにすることが大事」。同県が注意報を発令した際の指標はブナの実りの周期。クマは冬眠前の秋に餌のドングリが不足すると人里に出没する。東北地方では出没件数とブナの実りが関係し、奥羽山系側の地域では豊作の年には出没が少なく、凶作の年に多い傾向がある。豊作の年はメスが妊娠に適した状況となるという。大豊作の翌年は凶作に転じており、25年に大豊作だった奥羽山系では今年、凶作と見込まれる。このため、「子連れのクマが出没する可能性が高いうえ、夏から秋にかけ、多くのクマが食物を探して広範囲に動き回り、人里周辺に頻繁に出没する」と予測した。岩手県内のクマは推定約3400頭。「山と民家が近く、出合う可能性は高い」と担当者。同2900頭が生息する福島県でも、県会津地方振興局が「26年はブナの凶作が予想される」として注意喚起を行った。東北地方以外では、ミズナラやコナラなどの実りも出没件数と関わっているとみられる。西日本ではクマの生息数が少ないなど地域によって事情は異なるが、山でクマに出合う可能性があるのは同じだ。兵庫県内のクマの生息数は推定約700頭。同県森林動物研究センターの担当者は「クマは保護の対象。頭数が増えているためか、出没する時期が年々早まっている」と話す。クマの出没情報は例年5、6月に増える傾向があるが、今年は4月に17件と、過去最高だった23年と並んだ。京都府森林保全課によると、同県では昨年5月から6月に出没が多く、子連れのクマが人里近くにも現れた。同課では「春や夏は指標がなく、予測が難しいが、6月の終わり頃には繁殖期に入り、オスが長い距離を移動する。山に入るときは気をつけて」と話している。クマの全国的な出没の傾向について、茨城県自然博物館の首席学芸員、山崎晃司さんは「予測するのは難しい」と話す。クマが秋に食べるドングリの種類は地域によって異なる。関東地方に多いミズナラやコナラは、豊作か凶作かが分かるのが9月頃。ミズナラの実り具合はブナと違って広い範囲で同調することがなく、局所的なばらつきがあるという。ただ、昨秋はブナもミズナラも全国的に実りが良く、凶作だった地域が少なかった。山崎さんは「クマの繁殖の成功率が高まった可能性はある。子連れのクマは行動範囲が狭くなるが、山で出合えば子グマを守ろうとする。ハイカーや釣り人など山に入る人は注意が必要だ」と促している。
(県内クマ目撃、前年の3倍:山形)
5月に入り、県内全域でクマの目撃、出没が相次いでいる。県警地域課によると、今年のクマに関する通報は15日現在で36件。前年同期の13件から約3倍となっている。16日には3市町で3件の通報があり、うち米沢市では住宅地近くで目撃された。専門家は頂上部に雪が残るこの時期は餌を求めて人里まで下りてくる可能性が高いとして警戒を訴えている。午前9時20分ごろ、米沢市窪田町藤泉の畑でクマ1頭を目撃したとの110番通報があった。クマは鬼面川を西に渡り、対岸の住宅地へ移動。再び川に戻ってきたところを猟友会員が見つけ、射止めた。近くには米沢六中があり、同校は全ての出入り口の鍵を掛けて警戒した。米沢署によると、クマは体長約110センチで、雄の成獣とみられる。駆け付けた同署員らが現場付近を捜索し、同11時40分ごろ、畑から約450メートル離れた同市六郷町西藤泉の河川敷で発見。猟友会員が緊急時における有害鳥獣捕獲許可に基づき駆除した。現場付近の小中学校では校内の窓を全て施錠。米沢六中は部活動を普段より早く切り上げて集団下校を促した。同中の冨所謙一教頭は「生徒たちに動揺はなかったが、捕獲の連絡が入るまでは緊張が続いた」と話す。六郷小は全保護者に送迎を依頼し、塩井小は集団下校の措置を取った。遊佐町杉沢では午前4時半ごろ、タケノコ採りをしていた町内の男性(78)がクマ1頭を目撃し、町役場を通して酒田署に届け出た。クマは体長約1メートルで、農道を歩いていたという。また、鶴岡市岡山では午前6時10分ごろ、菊畑でクマの足跡を目撃したと、市内の女性(75)が鶴岡署に届け出た。成獣とみられ、近くの切り株には蜂の巣があり、そばに爪痕があった。クマの出没や目撃が相次いでいることについて、日本熊森協会県支部の八木文明支部長(長井市)は、頂上付近に雪が多く残っている影響を指摘し、「山菜などを求めて沢沿いに下流に向かうためではないか」と分析する。クマは餌を求めて川伝いを歩いているうちに市街地まで来てしまうことがあるという。八木支部長は要因の一つに、草木を伐採するなどの管理が行き届いていない河川が多いことを挙げる。国や県など管理者は川の流れを妨げる恐れがある支障木の伐採などを行っているが、目的は治水対策。流れに問題がない場合は手を入れないため小さな河川にまで手が回らないのが現状だ。沢を下るクマは草木が生い茂る河原を進み、気付いたときには人里ということが考えられるとする。「好んで人里に現れるクマはいない。驚き、パニックになっていることがある」と八木支部長。昨シーズン、クマの食料となるブナの実などが豊作だったことから繁殖が進み、今季は子グマが増えている可能性が高いとも予測。「親グマの警戒心は強いため、注意が必要」としている。
(捕獲数、年400頭超:神奈川)
住民らからの依頼を受け市が市内で捕獲したアライグマ・ハクビシンの数が年400頭超で推移している。2013年度の捕獲数は各235頭、213頭。13年度を含む過去5年間では1102頭、1354頭に上る。依頼は市全域に及び、専門家はペットなどが増殖し市内への生息が定着した状態とみている。市環境創造局動物園課では野生動物の被害や保護に関する相談を受け付けているが、過去5年の相談総数に占める両種の捕獲依頼の割合は4割を超える。アライグマは緑の多い市南部に目立つが、市街地の多い中区・西区等も例外ではない。両種は夜行性。被害には類似点があり【1】天井裏に住み着く【2】庭の作物を食われる――などが代表的な例。池の鯉が捕食されるアライグマ特有の被害もある。依頼を受けると市では檻を設置し、捕獲した動物を回収する。ハクビシンは鳥獣保護法に則り実害がある場合、アライグマは外来生物法に基づく県の防除実施計画により被害がなくても捕獲に動く。捕獲した動物は殺処分する。野生動物の生態について研究する横浜国立大学大学院環境情報研究院の小池文人教授によると、両種の分布が市域に拡大したのは自然破壊や都市化ではなく、「横浜が生活できる場所だったことに因る」という。アライグマの原産地は北アメリカ。1980年代に鎌倉でペットとして放し飼いにされていたものが増殖し、市内に侵入した説がある。森と市街地が入り交じる場所に生息し、金沢区方面に多い。東南アジア・中国南部を原産地とするハクビシンは静岡や山梨等で毛皮採取のために飼われていたものが放され、増殖したという。市内には80〜90年代に侵入。2000年代に市全域に分布し、森から市街地までどこにでも生息する。両種とも動植物を食料とし、家の屋根裏でも出産する。捕獲数が一定に推移している現状に小池教授は「(両種とも)市内の分布拡大は終了した」とし、市内に定着したと分析する。戸塚区に住む男性(74)は、ハクビシンとみられる動物に庭を荒らされた一人。敷地を網で囲ってから被害はないが、近くの知人宅では被害が続いており、「様子をみて市に相談するつもり」と話す。市では県の研修で動物の見分け方や罠のかけ方等を学び効率的な捕獲に努めている。依頼数を今後も横ばいと予測し「被害に困ったら相談を」としている。
(絶滅危惧種ヤチツツジにシカ食害:北海道)
エゾシカが急増する釧路湿原国立公園で、国の絶滅危惧種ヤチツツジにシカによる食害があることが環境省釧路自然環境事務所の調べで分かった。同事務所によると、同公園内で絶滅危惧種の食害確認は初めて。今冬は積雪が少なく、希少種が多く生育する「高層湿原」にもシカが侵入しやすくなり、食害や踏み荒らし被害が増えたことも明らかになった。同省は駆除などの対策強化を検討している。ヤチツツジはツツジ科の常緑の小低木で、北半球に広く生育し、国内では道内に分布する。昨年11月、同事務所が釧路湿原国立公園内の特別保護地区、赤沼の100平方メートルを調査した際、計0・25平方メートルでヤチツツジの食害を確認。今年2月には宮島・キラコタンの高層湿原でも計0・6平方メートルの食痕を発見した。国が重要種に指定するカラフトイソツツジとヤチヤナギについても赤沼で昨年11月、食痕を初めて確認。今年2月、細岡と宮島・キラコタンの高層湿原でも同様の食痕を見つけた。調査は湿原内を5地区に分け、2011年度と12年度の冬、13年度の夏、秋、冬に実施。12年度までの調査では、過去に絶滅危惧種に指定されていたホザキシモツケの食害は見つかったが、絶滅危惧種の食害は確認されていなかった。
(シカから守れ、霧ケ峰に電気柵設置:長野)
県など関係団体でつくる霧ケ峰自然環境保全協議会は16日、霧ケ峰高原の主峰・車山(1925メートル)周辺に、ニホンジカの食害や踏み荒らし等の被害対策として電気柵と防護柵を設置した。県諏訪地方事務所環境課によると、電気柵は2008年から設置を始めた。この日は約40人が参加。今年は車山西側の車山肩と同南側の富士見台のニッコウキスゲ群生地を囲む形で電気柵(昨年より200メートル長い延長2・3キロ)を、車山肩にネット防護柵(延長460メートル)を設けた。車山肩の電気柵設置では、5メートル間隔で立てた支柱に約40センチ間隔で電線4本を張り巡らせ、シカが中に入れないようにした。同日から24時間通電し、11月初旬に撤去する。参加した県霧ケ峰自然保護センターの小松研一さん(61)は「十数年前には見渡す限りニッコウキスゲが咲く草原だったが、数年前には電気柵の外側で一晩で食べ尽くされてしまったことがある」と説明。食害は観光面でもマイナスとなる。「群生地を囲むので電気柵の効果はある。初夏の開花に期待したい」と話した。
(ハクビシンが定着繁殖:和歌山)
全国で農作物被害や家屋への侵入被害を出している外来哺乳動物「ハクビシン」(ジャコウネコ科)が、和歌山県田辺市で定着繁殖していることが市の捕獲状況で分かった。2、3月に新庄町で5匹が相次いで捕獲され、昨年生まれの幼獣も含まれていた。田辺市は「繁殖しているのは間違いない。今後、アライグマと同じような状況になる恐れがある」と警戒を強めている。新庄町で捕獲されたのは、2月12日=幼獣雄(重さ1・8キロ)▽同月19日=成獣雄(4・7キロ)▽3月3日=成獣雄(同)▽同月6日=幼獣雌(1・8キロ)▽同月24日=成獣雄(4・8キロ)。哺乳類に詳しい田辺市稲成町、ふるさと自然公園センターの鈴木和男さんは「たまたま捕れているというレベルではない。確実に定着し繁殖している。相当数が生息し、いま捕れているのは氷山の一角にすぎないだろう」と危惧している。市農業振興課は「初期の段階で食い止めたい。もしハクビシンを見掛けた場合は情報提供してほしい」と呼び掛けている。紀南地方で昨年までの捕獲例は、2012年5月に白浜町十九渕で妊娠した雌と幼獣雌が相次いで捕獲され、13年に田辺市新庄町北長、同市上秋津左向谷、白浜町平、同町塩野の計6匹だった。県によると、県北部では、06年度に日高地方で2匹、08年度に海草地方で1匹、11年度に那賀地方で1匹、12年度に伊都地方で1匹の捕獲例があった。関東地方では深刻な状況になっており、埼玉県でのハクビシンの捕獲数は02年度に58匹だったものが06年度には6倍の352匹に膨れ上がり、07年度に431匹、08年度には974匹と千匹に迫った。12年度も917匹捕獲している。
(狩猟疑似体験装置を導入:和歌山)
農作物の鳥獣害対策に力を入れている和歌山県は、このほど、ライフル銃や散弾銃の狩猟疑似体験ができる装置を導入し、きょう(16日)午後、和歌山県庁で体験会が開かれました。これは、県・鳥獣害対策室が東京のソフトウエア会社が市販している装置を導入したものです。この装置はパソコンのソフトで作動し、プロジェクターに映し出される草原や山あいに現れるキジやイノシシなどの鳥獣を、パソコンに接続したライフル銃や散弾銃の形をした端末の引き金を引いて射撃する仕組みです。鳥獣のほか、クレー射撃の疑似体験も可能です。きょう、県庁の会議室で行われた疑似体験には、県や市町村でそれぞれ鳥獣害対策を担当している職員らおよそ20人が参加し、プロジェクターの画面上を飛ぶキジを射撃し、銃弾が命中すると、歓声や拍手がわき上がりました。海南市(かいなんし)の職員は「自分自身に狩猟経験は無いが、具体的なイメージをつかみやすく、狩猟免許の取得を考える人には有効だと思う」と感想を話していました。県・鳥獣害対策室の西岡晋作(にしおか・しんさく)主査は「高齢化などで銃の狩猟者が減少している現状に歯止めをかけるため、免許取得の助成制度に加え、より具体的に狩猟をイメージできる装置を導入した」と話していて、今後は、狩猟免許取得のための講習会などでこの装置を活用する意向を示しました。
(野生動物「増え過ぎ被害」農作物食い荒らし人も襲う)
いま日本全国で野生動物の数が急増、生息域も拡大して、農作物や人的被害が深刻化している。中山間地の過疎化が野生動物と人との境界を変えてしまった。農産物被害は4年連続で200億円を超え、国は鳥獣保護法を改正して保護政策を転換させたが、境界線再構築の道筋はまだ見えない。ニホンザルの生息域は2003年には1978年の1.5倍、都市部では4倍に拡大している。活動域は農村にまで及ぶ。山の中の木の実より、栄養価が高く数が多い農作物の方がエサの摂取効率がいいからだ。鹿児島・さつま町で収穫期にあるダイコン、カボチャなどが食い荒らされる映像があった。サルは数十頭、人手がなく手の打ちようがない。栄養のいいエサは個体数も増加させる。東洋大の室山泰之教授らが行った出産数の調査では、屋久島では3年に1回、10年で3頭だが、畑を荒らされている三重・大山田では10年で7頭だった。「増えると、また新しい被害地が広がる。食べさせないようにしないと連鎖は断ち切れません」と室山泰之教授はいう。鹿児島・南さつま市坊津町では、4年間で主に女性のお年寄り60人が噛みつき猿の被害を受けた。片足のないオスのはなれザルで、のらネコに住民が与えるエサがねらいだった。ついに昨年(2013年)2月、町は写真入りのポスターまでつくって懸賞金20万円をかけた。サルは半年後に山中で射殺した。サルによる危害は各地にあり、静岡・三島市周辺では10年、118人もの被害を出した。長野・上田市では今年すでに27人。北九州、下関、日向など、どこも生息域の変化の結果だ。森林総合研究所の大井徹氏は「当然の流れだ」という。かつては両者の間に緩衝帯があった。薪や炭をとるために10年周期で伐採・植林する樹林帯だ。ところが、需要がなくなり、過疎化で人も減り、木が繁ってサルにはいい環境ができた。そして、その先に農作物があった、繁殖力も高まったということなのだと解説する。

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