<射撃ニュース6月>

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(ツキノワグマ捕獲:山口)
県は5日、岩国市錦町宇佐郷の牛舎近くでツキノワグマ1頭を捕獲したと発表した。市や警察と協議し、地域住民の不安が強いとして殺処分した。今年度の捕獲は、4日の下関市内に続き、3頭目。県自然保護課によると、熊は雄の成獣で、体長155センチ、体重84キロ。5日午前5時半ごろ、パトロール中の地元の猟友会員が、箱わなにかかった熊を発見した。5月末ごろから、牛舎の飼料が食い荒らされる被害があり、熊の足跡が残っていたことから、猟友会がわなを仕掛け、パトロールしていた。同課によると、5〜6月は熊の繁殖期で雄が雌を探して出没するため、県内でも度々姿が目撃されるという。目撃したらそっとその場を離れるか、声をかけて人の存在に気付かせるよう呼び掛けている。
(住宅地でクマ:宮城)
今日午前8時頃太白区西多賀5丁目の住宅地でクマが目撃され近くの西多賀小では警戒のため保護者同伴で児童を下校させた。目撃されたのは体長およそ1.2メートルのクマ一頭で付近の住民が目撃し警察に通報した。
(学校近くでクマ目撃:北海道)
札幌市中央区宮の森1の16の山中で8日夕にクマが目撃されたことを受け、目撃現場周辺の住宅街では9日朝、パトカーが巡回して注意を呼び掛け、近くの小中学校では教員らが通学路に立ち子供らの登校を見守った。目撃現場から約200メートルの距離にある市立宮の森中学校(小路徹校長、350人)では、パトカーが「クマの目撃情報がありました」と広報しながら巡回する中、教員3人が通学路に立って警戒。生徒らは「怖いね」などと話しながら足早に学校へ向かっていた。大石まり教頭(54)は「当分は登下校の時間帯に教員が見守り、まとまって下校するよう指導したい」と話した。目撃現場から約700メートル離れた大倉山小(類家斉(ひとし)校長、348人)でも教員らが登校する児童を見守った。宮の森中の近くに住む男性(83)は「学校が近く登下校する小中学生をよく見かけるので心配」と話した。
(クマが出没:新潟)
9日朝、阿賀野市の田んぼでクマ1頭が目撃された。近くには民家や小学校があり、警察が注意を呼びかけている。クマが目撃されたのは、阿賀野市次郎丸の田んぼ。9日午前7時すぎ、車で通りかかった人から、「田んぼの中でクマが歩いている」と警察に通報があった。クマは体長およそ1メートルで、その後、山に逃げたという。目撃された場所の近くには民家があるほか、1.3キロほど離れた場所には小学校があり、警察と市が注意を呼びかけている。一方、阿賀町川口でも9日午前9時前、体長およそ1メートルのクマが目撃された。クマは車の音に驚いて山に逃げたが、近くに民家があることから、警察は役場と連携して住民に注意を呼びかけている。
(民家にクマ、犬の餌食べる:栃木)
矢板署によると、8日午後8時45分ごろ、塩谷町船生の民家の軒下でクマが目撃され、目撃者から110番があった。同署によると、目撃者が飼い犬の鳴き声がするため確認したところ、大きなクマが犬の餌を食べていた。クマはその後、立ち去ったという。人的被害はなかった。
(クマ?ハチの巣狙い屋根壊す:京都)
5日午前7時55分ごろ、京都府南丹市八木町船枝の京都帝釋天(たいしゃくてん)の境内にある八幡堂の屋根が壊れているのを近隣住民が見つけ、市八木支所に通報した。担当者が調べたところ、高さ約3メートルの屋根上部の木がはがされ、ミツバチの巣の残骸があった。八幡堂を囲む柱に残された爪痕などから、クマがハチの巣を取るために壊したらしい。帝釋天は無住で人的被害はなかった。南丹市ではツキノワグマの出没が相次ぎ、今年度の通報は今回で7件目。京都帝釋天は780年創建と伝わる古刹(こさつ)で、本堂は府の指定文化財になっている。
(サルの集団出没:福岡)
福岡市早良区小笠木周辺に野生のニホンザルの集団が出没している。6日朝も30~40匹程度が姿を見せ、鍋をたたいて追い払おうとする住民を横目に、民家の庭先でじゃれ合ったり、屋根に上ったりしていた。住民は「毎年、柿などを狙って秋に山から下りてくるけど、この時期に姿を見せるのは珍しい」と話していた。この日は二十四節気でイネ科植物の種をまくころという意味の「芒種(ぼうしゅ)」。周辺でも田植えを終えたばかりで、サルたちは小さな稲が整然と並んだ田んぼのあぜ道を行ったり来たり。近くの主婦小幡スエさん(76)は「女性にかみついたりもするそうなので、こんな集団で下りてくるととても怖い」と心配していた。福岡市動物園の動物相談員古賀晋さん(66)は「サルはコメも好物で稲穂から取って食べるが、実りの時期はまだまだ先。スイカなども育ってないのに、ちょっと下りてくるのが早かったのかな」と話していた。
(はぐれサル捕獲へ:和歌山)
和歌山市は、11日から開かれる6月市議会に和歌山大学周辺で出没している野生猿捕獲を目的にした163万円の有害鳥獣捕獲等事業補正予算案を提出する。猿はことし3月上旬に市内北部で発見された。通常は数週間程度で群れに戻るが、今回まちなかに出没した猿はいまだ単独で行動しているとみられている。人への威嚇や飛びつきなどの被害も出ているため、市が捕獲に乗り出した。計画では、専門家の指導を受け捕獲おりの設置や、注意喚起の啓発看板設置、報奨金などを計画している。
(女性がカラスに襲われけが:大阪)
9日正午前、大阪府池田市で道を歩いていた50代の女性がカラス2羽に襲われ転倒、左ひざの骨を折る大ケガをしました。取材班が現場に駆けつけると・・・大きなカラスが木の上から、こちらを睨みつけています。路上には、ケガをして動けないカラスのヒナが。巣から落ちたヒナを親ガラスが守ろうとして、通行人を襲ったとみられています。「あぶないあぶない!」(記者)「(ヒナを)パッと取って、パトカーの中に入れますんで」(警察官)警察官がヒナを捕獲しようとすると・・・「カー!カー!カー!(怒)」(カラス)頭上からカラスの声が・・・ヒナは捕獲され別の場所に運ばれましたが、カラスの興奮状態は続いていて、警察は引き続き注意を呼びかけています。
(和歌山国体の「クレー射撃」、会場はなぜ伊勢原?:神奈川)
和歌山国体なのに、会場は伊勢原市?来年10月に和歌山県をメーン会場に開催される「紀の国わかやま国体」で、クレー射撃競技が伊勢原市上粕屋の県立伊勢原射撃場で行われる。和歌山県内に国体基準を満たす射撃場がないための措置だが、日本体育協会によると「メーンの開催地との距離は歴代でも最も遠い部類」という。なぜ伊勢原なのか…。JR和歌山駅から小田急線伊勢原駅までは電車で5時間超。車では7時間近くがかかる。せめて近畿や関西でやってもよさそうだが、射撃競技運営班は「伊勢原は射撃場が5面あり、2種目の競技で2面ずつ取れるので開催期間も短く済む。設備や交通面も充実し、メリットが大きい」と説明する。県立伊勢原射撃場は1972年にオープン。しかし鉛弾の土壌汚染などの問題を受け2002年から休場した。約33億円を投じて散弾の拡散防止壁の設置や地面の舗装を行うなどし、昨年4月に再オープンした。日体協国体課によると県外開催の際はまずは隣県、次に国内を「東・中・西」に分け、同一ブロックで見つけるのが基本だ。中ブロックの和歌山県の近県にも射撃場はあったが、「大会運営側が行う鉛対策の費用が非常に高く現実的ではなかった。伊勢原はその点、対応が万全で必要がなかった」と運営班。東ブロックの神奈川への越境開催が決定した。国体課によると国体基準を満たす射撃場は全国でも少なく、県外開催が珍しくないという。ただ、「国体全体でもブロック外の開催はほぼ例がない」。その距離は、スキーのジャンプ競技なら“最長不倒”の部類で間違いないという。和歌山県は5月から伊勢原市内に事務所を開き、職員4人が単身赴任をし、準備に奔走中だ。同29日には、若宮茂樹国体推進監が伊勢原市の高山松太郎市長を訪問。若宮推進監は「立派な施設で大変ありがたい。皆さまの協力なしには競技は成功できない」と支援を要請。高山市長も「市もできる限りのことをする」と返した。和歌山県によると選手や関係者を合わせて期間中は約2千人が伊勢原を訪れる見込みで、市側も「それなりの経済効果が見込める」と期待している。競技の開催は来年10月2~4日。ちなみに和歌山県は、過去の国体で射撃の入賞は一度もないという。
(雄のツキノワグマ捕獲相次ぐ、7月末まで要注意:鳥取)
鳥取県内で5月以降、ツキノワグマの捕獲が相次いでいる。例年6月末までに3~4頭のペースでイノシシ用のわななどにかかるが、ことしは4日現在ですでに7頭を捕獲。県緑豊かな自然課は「繁殖期に入り、ペアを求める雄が行動範囲を広げている」として注意を呼び掛けている。クマの捕獲は5月中旬から急増。鳥取市用瀬町と同国府町でそれぞれ2頭、智頭町、八頭町、倉吉市関金町で1頭ずつわなにかかった。成獣が3頭、若い個体が4頭でいずれも雄だった。クマは6~7月に繁殖期を迎え、雄の行動が活発になる。捕獲された7頭は、ペアを探して広範囲に動き回り、人里に近寄ったとみられる。同課は過去に捕獲した約40頭のクマに発信機を付けてモニタリング調査を実施している。1週間ごとに位置情報を把握しているが、今季は雄の約半数が5月中旬から活発に動き回る一方で、雌の動きが極めて少ない。
(イノシシ1頭の目撃相次ぐ:富山)
高岡、砺波、小矢部市の境界付近の住宅地などで9日早朝、イノシシ1頭が相次いで目撃され、各市の職員や警察署員、住民らが付近を巡回し、学校に注意を呼び掛けた。
(ニホンカモシカ、格闘した柴犬大けが:三重)
5日午前5時50分ごろ、三重県松阪市伊勢寺町の会社員、奥田耕造さん(68)方の庭に、国の特別天然記念物のニホンカモシカが迷い込み、格闘した飼い犬の柴犬(しばいぬ)に38針を縫う大けがをさせる騒ぎがあった。妻の憲子さん(76)が犬を助け出し、110番したが、「可愛い顔をしているけれど、角を上下に揺さぶる様子が恐ろしかった」と振り返った。カモシカは猟友会などが麻酔銃で眠らせ、同日夕に現場近くの山に放された。同市などによると、迷い込んだのは体長約1メートル、体重15キロの雄。犬の鳴き声に気付いた憲子さんが庭に出ると、カモシカが長さ10センチほどの2本の角で犬を何度も放り上げたりしていたという。犬は14歳の雌で、腹や顔など10カ所以上を角で突かれていた。カモシカも右耳に犬にかまれたとみられるけがをしていた。奥田さん方では約17平方メートルの庭を高さ約1〜2メートルの金属製フェンスやコンクリートのブロック塀で囲い、犬を放し飼いしていた。カモシカの保護に当たった同市の木野本和之文化課主幹(53)は「現場は県道沿いにあり、山から下りて車に驚き、飛び込んだのではないか」と話していた。
(クマ目撃最多92件:秋田)
野生のクマと人との遭遇が今年、急増している。県警のまとめでは、1~5月の県内のクマ目撃件数は92件に上り、過去10年間で最多。繁殖がうまくいき、個体数が増えたことで、餌を求めて山から人里に下りてくるクマが増えたためとみられる。6月以降は繁殖期で行動範囲が広がるため、クマに出くわす確率はさらに高まりそうだ。県警生活環境課によると、今年は4月に13件、5月に79件の計92件の目撃情報があり、昨年までの10年間で最多だった2011年の59件を大幅に上回った。死者こそ出ていないものの、4月2日に仙北市の山林で伐採作業の準備中だった30歳代の男性が襲われ、顔や腕に軽傷を負うなど、負傷者は5月末時点で4人に上り、この10年間で最も多かった10年に並んだ。県自然保護課によると、クマの餌になるドングリやブナの実はここ数年不作だったが、昨年は並作だったため、良好な栄養状態で母グマが冬眠、子グマの繁殖、成育も順調だったとみられる。県の調査では、今年度の推定生息数は約1200頭で、昨年度の約950頭から大幅に増加している。前年に餌が豊富だと、翌年は少なくなる傾向がある上、個体数が増えているため、餌を探して山を下りてくるとみられる。また、今年は春に暖かい日が続き、早い時期から山菜やタケノコ採りで山に入る人が多かったことも目撃件数が増えている要因という。一方で、生息域の変化を目撃件数が増えた要因に挙げる専門家もいる。阿仁熊牧場(北秋田市)を管理する北秋田市商工観光課の獣医師、小松武志さん(46)は「かつては集落周辺の森林は住民が山菜採りなどで使い、定期的に伐採などをしたため、餌が少なかった。クマは人の入らない奥地にしか生息していなかったが、近年は高齢化や人口減少の影響で森林整備の機会が減っており、餌の分布が集落付近にまで広がっている」と話す。クマの行動範囲が広がる夏場に向け、ますます注意が必要だが、クマは県のレッドデータブックで保護が必要な「留意種」に指定されており、簡単に駆除できない。そのため、農作物などに被害が出た場合は、県猟友会を通じて、被害のあった現場にオリや電気柵を設置して対応する。県自然保護課は「クマを見たら近づかない。1人で山に入らず、鈴やラジオなど音が出る物を携帯する。食べ残しを捨てない」と注意を呼びかけており、今月からクマが生息する山の近くのスーパーやコンビニ店などに注意喚起のチラシを配ることにしている。
(シカ捕獲最多53%増の5306頭、農業被害減少:栃木)
県環境森林部は6日の県議会農林環境常任委員会で、2013年度の県内シカ捕獲数が前年度比53%増の5306頭となり、過去最多となったことを明らかにした。過去最多を更新するのは2年連続。シカは市町などの報奨金支給制度が充実したことで、ハンターの意欲向上につながっているようだ。イノシシは同27%減の5792頭だった。一方、県農政部のまとめでは13年度の県内野生鳥獣による農作物被害状況は同比3・9%減の2億9600万円で、3年ぶりに減少した。シカの捕獲は猟銃によるケースが多いが、イノシシはエサを用いた箱わな猟が主流。13年度はイノシシの好物であるドングリなど木の実が豊作で、里に出てくる個体数が減り、エサでおびき出す箱わなに掛かりにくくなった。このため捕獲数が減り、農作物被害の減少にもつながったとみられる。シカは捕獲報奨金支給制度が12年度から拡充されている日光市などで捕獲数が増加した。同市の捕獲数は県全体の6割を占めた。13年度のクマ捕獲数は48%減の37頭で、サル捕獲数は30%減の486頭だった。農作物被害は06年度の5億5400万円をピークに減少していたが、11年度から増加し、12年度は3億800万円だった。
(忽那諸島でイノシシの捕獲急増:愛媛)
松山市は中島など忽那諸島での、イノシシの捕獲数や生息状況調査の結果をまとめた。25年度の捕獲数は483頭で、前年度の2倍強と大幅に増加している。市農林水産課によると、有害鳥獣捕獲許可に基づくこれまでの中島地区の捕獲数は、23年度140頭(市全域831頭)、24年度225頭(同833頭)。25年度の市全域での捕獲数は1130頭で、同地区での捕獲数増が全体を押し上げた形になった。これは、同地区で近年、生息数が増加傾向にあるとみられる上に、捕獲しようとする住民が増え、捕獲技術も研修で向上したためと分析している。生息状況調査は愛媛大学農学部との連携で、昨年7月から実施。由利島を除く中島6島と興居島の計7島に、動きを感知し自動撮影するセンサーカメラ27台を設置したほか、中島本島のメス1頭に電波発信機を付け、活動範囲や行動パターンなども調べた。これによりイノシシが日中、耕作放棄された畑で生活していることなども分かった。同地区にイノシシはもともと生息しておらず、平成11年に津和地、怒和(ぬわ)両島で見つかったのが最初。山口、広島方面から海を泳いで渡ってきたとみられ、幼獣の天敵のタヌキや、エサのライバルとなるシカもいないことから、生息数が増加。平成22年ごろから畑などでの被害も目立ちだした。
(棚田のり面に荒らす、イノシシ被害深刻化:富山)
高岡市福岡町沢川(そうごう)で、イノシシが棚田ののり面を掘り起こす被害が相次いでいる。6日に同集落で市鳥獣被害防止対策協議会のイノシシ檻(おり)捕獲研修会があり、掘り起こされた跡を見た市内の他地区からの参加者は「ひどい状態だ」と驚いた。
(イノシシ捕獲へ研修会:富山)
イノシシによる農作物被害を防止、軽減しようと、高岡市と県高岡農林振興センターは6日、同市福岡町沢川で檻(おり)を使った捕獲の研修会を開催した。地元・五位山地区、石堤地区などから約50人が参加した。
(電気柵設置に補助金を:富山)
砺波市鳥獣被害防止対策協議会の総会は5日、市役所で開かれた。急増するイノシシの農作物被害対策で、市側は電気柵の予防対策補助金をJAとなみ野などと協力して新設するため、市議会6月定例会に予算案を計上する方針を示した。詳細を詰めて今年度から補助や支援強化に乗りだし、実効ある対策を推進する。予防対策補助金は市、JAとなみ野のほか、砺波地域農業共済センターが一緒に取り組む。対策協議会は捕獲用のわな6基を購入する。市が5月に6基を設置しており、今年度は12基増で、計21基となる。このうち6基はセンサー方式を導入し、親イノシシの捕獲を進める。イノシシ侵入防止柵は昨年度約9・6キロを設置し、今年度は栴檀野、栴檀山、雄神の3地区で約32キロの設置が予定されている。市内のイノシシ捕獲は昨年度に初めて24頭を捕まえた。今年度は5日現在、0頭で、捕獲計画では40頭。農作物の被害額は一昨年度が約120万円、昨年度が220万円だった。イノシシ被害地域の拡大に伴い、従来は市地区自治振興会協議会から代表として、山本稔栴檀山自治振興会長が市鳥獣被害防止対策協議会長を務めていたが、雄神、般若、東般若、栴檀野、東山見の5地区の自治振興会長も副会長や委員となり、対策協議会の態勢を強化した。
(捕獲の担い手研修会:岩手)
ハンター減少によって野生鳥獣が増加し、農作物の食害などが拡大している事態を受け、県は29日、狩猟免許取得を考えている人などを対象にした「捕獲の担い手研修会」を初開催する。主に若者向けで、3日までに49人が申し込み、関心の高さがうかがえる。県自然保護課は「なじみのない人が猟に触れる入り口になれば」と、狩猟免許取得者が増えることを期待している。研修会には県猟友会が協力する。経験30年以上のベテランと新人が体験を講演するほか、キジなどの解体を実演。あらかじめ仕留めておいたエゾシカやキジを試食する。免許を取得しても、3年で迎える最初の更新をしないケースも多いため、取得3年以内の人の参加も受け付け、わな猟の技術などを指導する。同課は研修会参加が仲間作りにもなり、狩猟をやめる人が減る効果もあるとみている。申込者数は▽10代11人▽20代16人▽30人12人▽40代以上が10人と好調。男性37人、女性が12人。免許がない人が29人いる。若くして猟を始めた体験記、千松信也さん著「ぼくは猟師になった」(2008年出版)が話題になり、13年には大日本猟友会が「目指せ!狩りガール」と題したウェブサイトを開設。これにより、猟に興味を持つ若者が増えているとみられる。研修会は29日午前9時半、盛岡市湯沢1の都南つどいの森。先着順で定員60人。無料。狩猟免許は▽網猟▽わな猟▽第1種銃猟(散弾銃・ライフル銃・空気銃)▽第2種銃猟(空気銃のみ)−−の4種類があり、取得は20歳以上。県にデータが残る1989年以降、新規取得者の最少は99年の37人。最多は2013年の219人。この年の数字を押し上げたのが、前年比63人増の129人が取得したわな猟免許。畑を荒らすハクビシン対策として多くの市町村職員が取った。人を襲うクマ対策には猟銃が必要。しかし、第1種は年平均125人が高齢などを理由に免許を更新しない一方で、新規取得者は40人しかいない。県猟友会の会員は1974年の9147人をピークに13年は8割減の1667人。平均年齢は62.5歳だった。
(獣害止める、人材育てる:和歌山)
県内でイノシシや猿などの鳥獣害被害が広がり、県や農家などが対策に頭を悩ませている。国や県の支援を受け、農地の周囲に侵入を防ぐ防止柵などを設けてきたが、ハンターの高齢化などもあって被害額は増えているという。そうした状況を受け、農家に鳥獣害対策を指導するアドバイザー養成研修会への参加人数が増える一方、県も若い世代に魅力を知ってもらうため、狩猟の体験シミュレーターを購入するなど対策を強化している。県農業環境・鳥獣害対策室によると、農作物の鳥獣被害は2012年度、約3億5000万円。09年度の約2億8000万円に比べ、近年、増加傾向が続く。12年度はイノシシが最も多く約1億9100万円。猿が約5000万円、鹿が約4700万円だった。そうした状況を受け、県内各地の農家などは08~13年度、国や県の補助を使って侵入防止用の電気柵やフェンスを計約1200キロ、農地の周囲に張った。だが、柵やフェンスがない畑が狙われたり、乗り越える猿に対しては効果が薄かったりしたため、被害は続いた。そんな状況を受け、今年度、5回開かれるアドバイザー養成の研修会には農協職員ら26人が参加する。研修は06年度に始まり、必要な猟の免許を取得してアドバイザーになったのは、これまで116人に上るが、今年度の26人全員が研修を終え、認定されれば年間の人数として過去最多になる。参加した県農協連合会の金岡弘樹・総合企画部次長は「畑を荒らされて意欲を失う農家は多い。各地の農協と連携して対策に取り組むためにも知識を持つ人を、さらに増やす必要がある」と話す。一方、イノシシなどを捕まえる猟銃免許を持つ猟友会メンバーは05年度の約2500人から12年度に約1650人へと大きく減少。60歳以上が6割を超え、高齢化も進む。ハンターの数を増やそうと、県は今年3月、ライフルや散弾の模擬銃で、スクリーンに映った獲物を狙い打つ「シューティングシミュレーター」を約300万円で購入した。5月16日には、県庁で市町の鳥獣害対策担当者らが体験。職員らは「なかなか当たらない」と悪戦苦闘しながらも、熱心に取り組んでいた。今後は農家らが集まる研修などで使ってもらうという。実際に体験した県猟友会海草海南支部書記の徳田秀美さん(42)は「この装置を体験してもらえれば、魅力が伝わるのではないか」と期待していた。
(イノシシ、線路脇で子育て:大分)
日田市天瀬町のJR天ケ瀬駅・線路脇のスギ林斜面で、ウリ坊5匹と子育て奮戦中の母親イノシシがカメラに収められた。プラットホームからもよく見え、愛くるしい一家の姿が通学・通勤客や旅行客を和ませている。撮ったのは、近くで障がい者も宿泊できる温泉民宿「季(とき)の風」を経営する松浦吐四郎さん(74)。久大線の右手8メートルの木陰の斜面に穴を掘り、どっしり構える母親のお乳を吸ったり、じゃれ合って跳びはねたりする体長30センチ、しま模様のウリ坊が今月初めから姿を現した。構内と斜面の境目に防護壁と金網フェンスが張ってあり、居住環境の安全性はばっちり。早春に交尾し、5月中旬に生まれたらしい。農作物の敵として冷たい目を浴びがちだが、松浦さんは「スクスク育って」と温かい目を向ける。
(南ア仙丈ケ岳馬の背上部に鹿防護柵増設へ:長野)
ニホンジカの食害から高山植物を守るため、南アルプス食害対策協議会(会長・白鳥孝伊那市長)は、南ア仙丈ケ岳(標高3033メートル)の馬の背から山頂にかけての登山道沿いに、新たに5カ所の防護柵を設置することを決めた。今月中に具体的な場所を定め、7月の設置を予定している。南アルプスに関係する伊那市や富士見町、南信森林管理署、信州大学農学部などでつくる同協議会が、6日に伊那市役所で開いた総会で決定した。南アでは1990年代末からニホンジカによる高山植物の食害が確認され、馬の背付近のお花畑が一時壊滅状態になるなど被害が深刻化。同協議会は2008年から防護柵設置による保護活動をはじめ、これまでに7カ所、総延長948メートルのお花畑を囲み、年の経過とともに植生の回復が確認されている。新たな防護柵はこれまでの取り組みに追加するもので、馬の背上部の標高約2650メートル付近への設置を計画。山頂へ向かう登山道の両側に5カ所に分け、計203メートルを設置する。信大の研究結果から、柵の色をこれまでのオレンジ色から、シカが視認しやすい青色に変える。防護柵のほか、シカが嫌う忌避剤を使った効果の検証も行う。付近はシナノキンバイやクロユリ、コイワカガミ、ミヤマキンポウゲなどが咲いていたが、現在は食害のため、高山植物が見られなくなっているという。このほか、林道南ア線沿いで近年、ビロードモウズイカやヒメジョオンなどの帰化植物が増加していることから、歌宿~戸台大橋間で抜き取り作業を行い、育成分布範囲などを調査する。白鳥市長は「防護柵による高山植物保護は成果が出てきたが、1年でも手を抜くと元に戻ってしまう。地道な取り組みが必要となるが、他地域と連携して対策を進めていきたい」と述べた。
(食害防止、電気柵を設置:岐阜)
高山市荘川町寺河戸の国有林にある県天然記念物「山中峠のミズバショウ群落」で6日、鹿やイノシシの食害を防ぐための電気柵が設置された。冬季に取り外していた柵を設置する作業で、飛騨森林管理署や地元住民ら15人が汗を流した。
(改正鳥獣保護法、被害軽減へ適正管理を:鹿児島)
増えすぎたシカやイノシシなどの捕獲促進を盛り込んだ改正鳥獣保護法が今国会で成立した。公布から1年以内に施行する。2012年度の有害鳥獣による農林業被害は全国で約230億円に上る。シカの食害で国立公園内の樹木が枯死するなど、自然生態系への影響も深刻化している。鹿児島県内の農林業被害は07年度以降増加傾向が続き、12年度は8億1000万円だった。特にシカ被害は前年に比べ2割増え、2億7300万円に上った。鳥獣被害は農家の生産意欲減退を招き、耕作放棄地が増えるなどの副作用をもたらす。地域振興の面からも喫緊の課題といえる。国や自治体は早急に効果的な対策を示してもらいたい。鳥獣被害防止特別措置法が08年に施行され、対策を強化している自治体は多い。だが、銃やわなを使った集中的な捕獲や侵入防止柵の設置も被害を減らすまでには至っていないのが現状だ。環境省の推計によると、11年度時点でシカは全国で325万頭、イノシシは88万頭に上る。捕獲率が現状のままなら25年度のシカの生息数は、北海道を除く全国で500万頭に増えるという。被害拡大を食い止めるには、生息数を適正な水準まで減少させる必要がある。改正法の目的に鳥獣の「管理」を加え、積極的な捕獲を打ち出したのは評価できる。対策の柱として、国や都道府県が市町村の境界を越えた広域的な捕獲事業を集中的に実施するとした。猟銃の夜間使用も一部解禁する。猟友会や自然保護を行うNPO法人、警備会社などを地域の事情に応じて知事が認定する予定だ。10年以上にわたって頭数管理や生態系保護に当たることになる。シカの急増は、高齢化に伴い狩猟者が減少したのが要因の一つとされる。若者の雇用対策としても期待できるだけに、複数の専門職員が常勤で従事できるよう予算配分を求めたい。捕獲した鳥獣肉を名物料理にしたり、処理・加工施設の衛生管理を認証したりする自治体もある。資源としての活用も積極的に後押ししてほしい。捕獲だけでなく、畑に収穫し残した作物を放置しないなど鳥獣を人里に呼び寄せない対策も重要だ。野生との共生を目指す仕組みを地域全体で進めていくべきだ。鹿児島県は生息調査の財政支援などを国に要望する一方、12年度に「鳥獣管理の将来ビジョン」を作成し、効果的な捕獲や被害集落支援などに取り組む。法改正を被害軽減への追い風にしたい。
(部下に実弾入り拳銃突き付け、巡査部長を書類送検:兵庫)
部下に実弾入りの拳銃を突き付けたとして、兵庫県警は6日、銃刀法違反(加重所持)の疑いで、高速隊の男性巡査部長(38)を書類送検し、同日付で停職3カ月の懲戒処分にした。書類送検容疑は、西宮市内の西宮北分駐隊庁舎で3月18日朝、勤務するため弾を込めていた際、部下の20代の男性巡査長の腰に「うぃー」と言いながら拳銃の銃口を押し当てた疑い。巡査部長は「冗談のつもりだった。大変なことをした」と容疑を認めているという。巡査長が別の上司に相談して発覚した。引き金には安全用のゴムが付いた状態だったが、県警は職務以外で拳銃を使用した行為が銃刀法の違法な所持に当たると判断した。
(ジビエ(鳥獣肉)振興へ:東京)
野生動物被害対策プロジェクトチーム(PT、谷合正明座長=参院議員)と横山信一農林水産大臣政務官は4日、農水省でジビエ振興に関する自治体や団体の取り組みなどを紹介する展示を見学した。ジビエとは、野生動物を食肉利用すること。一行は、岡山県美作市の河副基彦・農業振興課係長から、獣肉処理施設の作業工程を聴取。その後、日本ジビエ振興協議会代表でフランス料理店のオーナーシェフを務める藤木徳彦氏が調理したシカ肉料理を試食し、ジビエ振興の課題について意見を交わした。藤木代表は、福祉施設でジビエを加工し、JRの駅などで販売する取り組みを紹介。谷合座長は「地域と連携してジビエの振興に努めたい」と話していた。
(「ジビエ」活用へ研究会:石川)
谷本知事は6日の県議会一般質問で、イノシシやシカといった野生鳥獣の肉を食材として活用するための研究会を設けることを明らかにした。吉田修議員(県政石川)の質問に答えた。農作物を食べ荒らすなどして農家を悩ませている鳥獣を、逆においしく食べ、県産食材としてPRする狙い。谷本知事は「北陸新幹線金沢開業後の新たな里山ブランド『いしかわジビエ』として育てていきたい」と強調した。「ジビエ」とは、狩猟によって捕獲された野生の鳥獣を意味するフランス語。欧州では、栄養価が高い高級食材として親しまれている。県によると、県内ではほとんどの地域で獣肉を使った食文化はなじみが薄く、捕獲したイノシシなどの肉の大部分は猟師らが食べるか、廃棄処分されているという。研究会には料理専門家や猟友会、農業団体、行政機関などが参加し、7月にも初会合を開く。鳥獣はイノシシやシカ、カモなどが対象となる見込み。ジビエ料理のレシピや加工品の開発を進めるほか、PRイベントを開催したりロゴマークを作成したりし、獣肉の需要喚起を進める。猟友会などを対象に研修会も開き、肉質を保ったり、細菌が入るのを防いだりする捕獲や処理の仕方も学んでもらい、処理施設の整備も支援する。県は開会中の県議会に提出した補正予算案に関連予算1000万円を盛り込んだ。県内では、鳥獣害被害がやまず、県によると、イノシシによる県内の農林業被害額は2009年の3680万円から13年には4980万円に増加。13年度に県内で捕獲されたイノシシ(有害捕獲と狩猟の合計)は2684頭と前年度より927頭増え、01年度(226頭)の約12倍に上った。鳥獣害被害に対し、県は、市町や農協などで構成する対策協議会が防護柵や捕獲おりを設置するのを支援したり、関連機関の連絡会議を開いたりしてきた。今年度からは、福井県で急増しているニホンジカが県内に侵入してくるのを防ぐため、福井との県境のほぼ半分にあたる加賀市内の県境約24キロに金網の柵(高さ約2メートル)の設置を始める。補正予算案に関連予算5800万円を盛り込んでおり、今年度は7・2キロの区間で予定している。谷本知事は報道陣の取材に「有害鳥獣による被害の対策を進めるだけでなく、『食材になる』という発想も必要。有害鳥獣の捕獲だけでは疲弊してしまう」と話した。
(処理加工施設開業:愛媛)
鳥獣被害対策で捕獲されたシカやイノシシを有効活用しようと、愛媛県松野町が同町富岡に整備した獣肉処理加工施設「森の息吹工房」で7日、開業式があり、関係者約60人が新たな産品創出の場に期待を寄せた。4月9日に稼働、真空パック詰めした生肉を県内中心に卸販売している。町によると、施設は、旧ガラス工房跡の倉庫を一部改修した鉄筋コンクリート平屋で106平方メートル。総工費約3500万円で3月下旬に完成した。地元猟友会員らが2013年6月に設立したNPO法人・森の息吹(森田守会長)を指定管理者とし、会員らが持ち込んだシカ、イノシシを洗浄し冷凍庫で2、3日熟成。切り分け真空パック加工する。スタッフ1人が常駐。年間シカ約500頭、イノシシ約150頭の処理を見込む。一般への販売準備も進めている。
(キジ、地域の特産に:宮崎)
キジの育成・出荷に取り組む都城市山田町の企業が市役所でキジ肉を使った料理、加工品の試食会を開いた。「地域の特産に」という試み。試食した池田宜永市長は「あっさりしている割にコクのある風味。うまい」と太鼓判を押した。試食会は5月29日、「宮崎県雉(きじ)生産事業合同会社」が開いた。同社は建設業、木脇利博さん(66)と精米業、志々目義民さん(66)が2008年に設立し、ふ化から食肉処理まで一貫生産している。昨年は約5500羽を東京、大阪のレストランや居酒屋などに出荷。JR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」乗客の宿泊先の高級食材としても引き合いがあるという。市長室での試食会で木脇さんらは「キジ肉は低脂肪、高たんぱく質でヘルシー」とPR。炭火焼きやガラを煮込んだスープを使ったそばなど4品を池田市長らが試食した。同社の今年の出荷目標は約6500羽。今後は炭火焼きやスモーク、そばセットなど加工品にも力を入れ、6次産業化を進める。将来的にはキジ料理専門店の展開も検討するという。

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(保育所にイノシシ侵入:石川)
3日午後2時15分ごろ、輪島市鳳至町の鳳来保育所敷地内に体長約1メートルのイノシシが侵入した。隣接する鳳至公民館との間にあるフェンスを突き破って同保育所のガラスに激突し、逃げ去った。けが人はいなかった。同保育所職員の角間美紀さん(36)が「ドン」という大きな音に気付いて窓の外を見ると、廊下のガラスにイノシシがぶつかっていた。逃げ道が分からず興奮しているようだったが、10秒ほどで逃げたという。輪島市教委は付近の鳳至小、河井小、輪島中に注意を促し、鳳至小では全校児童が集団下校した。輪島署によると、午後2時ごろに住民からもイノシシ目撃の通報があった。同署員らが捜索したが、見つからなかった。
(山林でクマ:栃木)
4日午後6時ごろ、日光市鬼怒川温泉滝の山林で小グマ1頭が目撃された。今市署によると、付近の住民が、道路を横断し山林に入っていく小グマを目撃、知人らを通じて今市署に通報があった。同署で広報活動などを行っている。
(クマ目撃:新潟)
4日午前10時ごろ、上越市安塚区大原の市道で、クマ1頭を目撃したと、車を運転していた男性が同区総合事務所に通報した。市によると、クマは体長約1メートルで、近くの林に逃げた。現場は集落内にあることから、市はホームページなどで注意を呼び掛けている。
(クマ目撃、倍増87件:福島)
県内では今年、ツキノワグマとみられるクマの目撃が相次いでいる。5月末時点の目撃情報は87件で、前年同期(43件)の約2倍に上る。会津地方では山菜採りの男性ら3人がクマに襲われて重軽傷を負った。夏以降もクマが餌を求めて人里に出没する可能性が高いといい、県は「十分な警戒が必要」と呼びかけている。今月2日夜から3日朝にかけても、学校の近くや高速道路上など、普段はあまりクマが出没しない場所での目撃情報が4件あった。本宮市荒井の市立本宮第二中学校近くの市道で2日夜、車に乗っていた女性が道路を横断する体長約1メートルのクマを見つけ、110番した。郡山北署から連絡を受けた市農政課は、市内の小中学校に連絡したり、捕獲用のわなを仕掛けたりするなどの対応に追われた。同校の安田浩明教頭は「校舎のすぐそばに出たことはない。生徒に1人で帰宅しないよう呼びかける」と話した。クマの出没が増えた理由について、北海道大学大学院獣医学研究科の坪田敏男教授は、「昨年はクマが好んで食べるブナの実が多く、出生率が高くなって個体数が増えたのが原因の一つ」と分析する。ブナは豊作だった年の翌年は凶作になる周期があるといい、「ブナの実が少なくなるとみられる今年は、餌を探して人里に下りる恐れがある」という。県自然保護課は「農作物が収穫できる時期になる夏以降、餌を求めて田畑に現れる可能性が高い」と注意を呼びかける。山中にカメラを設置してクマの頭数や生息域を把握し、付近の住民に注意を呼びかけるなどの対応をする方針。坪田教授は「人の食べ物の味を覚えさせないことが大事。ゴミの管理を徹底して、クマが人里に餌を求めて下りてこないようにする必要がある」と話した。
(クレー射撃場再開へ:鳥取)
2008年4月から休場している「鳥取クレー射撃場」(鳥取市覚寺)が再開する見通しとなった。鳥取県東部ではシカやイノシシによる農業被害が増える半面、銃猟者が練習や免許更新時の講習に使用できる射撃場がなく、銃猟者の育成や確保が課題となっていた。県東部1市4町の鳥獣被害対策の共有施設として再整備し、2016年春の再開を目指す。同射撃場は、わかとり国体前の1983年に射撃競技場として市が整備。国体終了後は市クレー射撃協会が管理運営してきた。2004年に鉛弾による環境汚染問題が発覚し一時休場。除去後の06年に再開したものの、利用者低迷などで08年に再休場した。近年は関係者の間で鳥獣被害対策の一環として再整備を求める声が上がっていたが、財源確保がネックだった。しかし、制度改正で国交付金が得られる見通しとなり、銃猟者確保の広域拠点として再整備することで関係自治体が合意。総事業費は3億6千万円で、市が鉛弾処理をした後に再整備する。
(イノシシ対策早めに、電気柵の講習会:富山)
氷見市のイノシシ対策電気柵設置講習会は3日、同市坪池の水田で開かれ、地元住民約40人が被害防止対策に理解を深めた。例年は稲の穂が出る前の7月中旬ごろに電気柵を設置していたが、今年は春先からイノシシの痕跡が多く見られるため時期を早めた。富山県高岡農林振興センターの林保則企画振興課係長が電気柵の設置法を指導し、参加者は約150メートルの区間で等間隔にくいを打ってワイヤを2本張り、電流を流した。氷見市赤毛の田村伊一さん(57)は「電気柵がないと農業ができない。イノシシ対策をしながら頑張っていきたい」と話した。

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(東京五輪クレー射撃「花巻で」:岩手)
本県に2020年東京五輪のクレー射撃競技を誘致する構想が、競技関係者や花巻市の経済関係者の間で浮上している。新施設の整備が必要な現在の計画に対し、花巻空港から車で約20分、温泉宿泊施設にも近い同市湯口の市クレー射撃場での開催を日本オリンピック委員会(JOC)へ提案する方針。県レベルの誘致組織設立を目指し、今月下旬にも市民有志の決起大会を開く予定だ。「被災地岩手で東京五輪」というプランの実現へ今後の動きが注目される。競技関係者によると、東京五輪のクレー射撃は現在、陸上自衛隊朝霞(あさか)駐屯地(埼玉県朝霞市)に約47億円かけて仮設射撃場を整備し、大会終了後に取り壊す計画だが、関係者から「もったいない」の声が続出。昨年秋の東京国体で競技開催を受け入れた千葉や神奈川、茨城なども候補地となり水面下で検討が進む。ここに割って入ろうとしているのが「花巻案」。同市クレー射撃場は老朽化が進むが、2016年岩手国体に向けて改修する予定。スキート2面、トラップ2面、ダブルトラップ1面の計5面を備え、駐車場も含めた総面積は約6ヘクタールで全国トップクラスの広さを誇る。一番の売りは新幹線駅から車で約30分、温泉宿泊施設から5分という「立地の良さ」と、競技者が太鼓判を押す「撃ちやすさ」だ。本県が名乗りを上げれば「震災復興」を世界に向けて発信できる。関係者は今月、花巻市内で決起大会を開いて機運を盛り上げ、県の誘致組織を立ち上げる方針だ。
(クマに襲われけが:岩手)
2日午後、矢巾町の山林を通る道をランニングしていた男性が、クマに襲われ軽いけがをしました。警察によりますと、きのう午後6時班ごろ矢巾町広宮沢の山林を通る町道で、近くに住む会社員、板山敏彦さん50歳がランニングをしていたところ、親子と見られるクマと鉢合わせしました。成獣とみられるクマが襲いかかってきたため、板山さんは逃げようとしたところ転倒しその際、左手の甲をひっかかれ軽いケガをしました。その後、自力で帰宅し警察に通報したものです。板山さんは病院で手当てを受けましたが命に別状はありません。これを受け矢巾町は昨夜、地元の猟友会とともに広報車を使って、付近の住民に対し注意を呼びかけたほか、けさクマが現れた現場周辺に、捕獲用のワナ3機が仕掛けられました。
(クマ1頭目撃:岩手)
31日午後5時40分ごろ、花巻市高木の矢沢小北側でクマを見たと、住民から花巻署に通報があった。同日は周辺で複数の目撃情報があり、同署や市、花巻猟友会が警戒している。署員が付近を捜索したところ、同校から南西に約200メートル離れた高木岡神社で子グマ1頭を発見したが、近くの山林に逃げていったという。現場は国道4号花巻東バイパスの近くで、高木団地など住宅も多い。市はホームページで、同日午前5時20分ごろ同バイパス歩道でクマ1頭が目撃されたとして、注意を呼び掛けていた。
(各地でクマ目撃:富山)
県内各地で31日、クマの目撃が相次ぎ、各署がパトロールなどで注意を呼び掛けた。午前10時40分ごろ、魚津市湯上の北陸自動車道下り線有磯海サービスエリア(SA)近くにあるSAレストラン従業員駐車場で男性従業員がクマを目撃。周辺に住宅や事業所もあることから、魚津署は市に連絡し警戒に当たった。これに先立ち午前6時半ごろ、砺波市庄川町三谷の林道でクマが現れ、散歩中だった住民が連れていた犬が軽いけがを負った。午後7時50分ごろ、氷見市小竹の民家近くの市道でも道路を横切るクマが見られた。高岡市では、30日夜に東海老坂の民家庭先でクマが目撃されたことを受け、美しいまちづくり高岡市民連絡会議が二上山で1日に行う予定だった特別清掃の中止を決めた。
(クマ目撃、夜間に道路横断:栃木)
今市署によると、日光市大沢町で2日午後10時30分ごろ、体長100~150センチのクマが目撃され、関係機関で現場付近を警戒するとともに、注意を呼び掛けている。同署によると、車で帰宅途中の人が、道路を横断し雑木林に入るクマを目撃し、警察に通報したという。
(走るクマ目撃:栃木)
那須塩原署によると、30日午後6時10分ごろ、那須塩原市折戸の主要地方道矢板・那須線で、車で通りかかった人が、道路を西から東に向かい走って横切るクマを目撃し、同署に通報した。同署によると、目撃された現場は「塩那橋」から北方約200メートルの地点。クマの体長は約1メートルという。同署で付近を警戒するとともに広く注意を呼び掛けている。
(森林公園でクマ目撃:新潟)
30日午前10時半前、見附市本町の大平森林公園の遊歩道付近で木に登る体長約1メートルのクマ1頭を目撃したと、通りかかった女性が見附市役所を通じて見附署に通報した。同署によると、目撃場所は民家から約1・5キロ離れている。同署や市は注意を呼び掛けている。
(市街地にイノシシが出現:新潟)
5月29日午後6時45分頃から7時前にかけて新潟県上越市四ヶ所や、同市鴨島1の市街地でイノシシが相次いで目撃された。市によると、同日午後6時45分頃、四ケ所交差点付近で親子のイノシシ計2頭が道路を横断するのを男性が目撃した。この男性は午後6時55分頃、鴨島1でドラッグストア前の県道をイノシシ1頭が横断するのも目撃し、上越市に通報した。鴨島1では男性以外にもイノシシを目撃したとの情報が上越警察署に寄せられた。同署はパトカーで巡回。また市は教育委員会などを通じて注意を呼び掛けた。市によると、イノシシの目撃情報は中山間地を中心に頻繁に寄せられているが、市街地では今年1月1日、五智1や高田地区の栄町で目撃されて以来という。
(盛岡にもイノシシ出没?:岩手)
ついに盛岡にも出没―。岩手大農学部の研究室などがクマの生態を確認するため、盛岡市猪去に設置していたカメラにイノシシとみられる野生動物が写っていた。宮城県が北限とされていた生息範囲が県南部から県央部まで拡大している可能性が強まった。県内はイノシシ対策が不十分といい、関係者は田や果樹の被害を懸念する。同大の野生動物管理学研究室とサークル「ツキノワグマ研究会」は昨夏ごろ、クマ侵入ルートなど探ろうと、農作物被害が多い同市猪去の山際に無人センサーカメラを設置。今年3月末まで設置していた3台の画像を5月上旬に確認したところ、昨年12月末、1台にイノシシのような動物の後ろ姿があった。同大農学部の青井俊樹教授(野生動物管理学)は、中央農業総合研究センター(茨城県つくば市)に画像の検証を依頼。同センターは写真の動物を▽背中部分の毛が多く、たてがみがある▽尾の長さや幅、曲がり具合▽大きな円盤型の鼻鏡―などの特徴を挙げ「雌のイノシシである可能性が高い」と判断した。
(停電、犯人はカラス:福岡)
九州電力行橋営業所は2日、豊前市北部の八屋地区と周辺の一部で、3233戸が最長35分間停電したと発表した。同営業所によると、原因は八屋地区の公園脇の電柱にカラスが営巣、巣の材料の中にあった鉄製のハンガーが電線とコンクリート製の電柱に接触し、電気が電柱を伝って地面に流れたためという。停電は午後3時22分に発生。八屋地区の177戸が35分間、同地区と松江、四郎丸地区の一部の3056戸が4分間にわたって停電した。営業所によると、鉄製ハンガーをカラスが営巣材に使うことによる停電は各地でたびたび発生。3月にも行橋市内で5275戸が3分間、3496戸が2分間停電したという。
(ツキノワグマ、160平方キロ行動)
浅間山麓のツキノワグマのオスの行動範囲は160平方キロを超える場合があることが、NPO法人「ピッキオ」(長野県軽井沢町)などのGPS(全地球測位システム)を用いた調査で分かった。追跡した3頭の行動範囲は8市町村に及んでいた。調査の結果は、広域的な保護管理や被害防止に役立てる方針だ。野生のツキノワグマは観察が難しく、その生態は詳しく分かっていない。ピッキオや日本獣医生命科学大などは2010年10月~14年3月の約3年半、三井物産環境基金(東京都)の助成を得て、浅間山麓に生息するツキノワグマの生態を調べる「QUMA(クマ)プロジェクト」を実施した。オスの行動範囲の調査では、3頭にGPS付きの首輪をつけ、1年間、追跡した。オスは行動範囲が広く、従来使っていた電波発信機では電波の届く範囲が限られていたために見失うことが多かった。調査の結果、3頭の行動範囲は、43平方キロ~165平方キロに及び、軽井沢町や群馬県安中市など計8市町村にまたがっていた。平均的なメスの2~6倍の広さがあった。行動した時期を見ると、普段は比較的狭い範囲を行き来する一方、初夏や秋には一時的に3キロ以上離れた場所に移動していた。ピッキオのスタッフ玉谷宏夫さんは、「繁殖期の初夏は交尾するメスを探し、冬眠前の秋は、エサを探していた可能性がある」と分析する。エサとなる実がなるナラ、栗、桜などの落葉広葉樹林を集中的に行き来していることも分かった。2頭の行動範囲が重なった部分も落葉広葉樹林だった。別の調査では、ツキノワグマがどのような場所を好むのかを調べた。軽井沢、御代田両町の国有林内に、ハチミツでおびきよせて体毛を採取する仕掛けを設置したところ、軽井沢町の中心から北に走る国道146号より東側の方が西側より利用頻度が高いことが分かった。落葉広葉樹林が多いことが関係しているとみられ、こうした林が多い群馬県側から来ている可能性も推定された。玉谷さんは、「森の中のクマの様子が分かってきた。エサの分布調査と組み合わせれば、より正確な出没予測につなげられる。これまで町と森の境界線で水際対策をしてきたが、より広域的な対応をしていきたい」と話している。
(福井からのシカ侵入阻止へ:石川)
石川県は、福井県で急増しているニホンジカの「越境」を阻止するため、加賀市内の県境約24キロに、侵入を防ぐ金網の柵を設置する。福井との県境のほぼ半分を封鎖する計画で、今年度は7・2キロの区間で整備に着手する。県境に沿ってシカ侵入防止の柵を設けるのは全国初。福井県ではシカによる農林業被害が深刻化しており、石川県は「県内でもすでに危険なレベルに達している」として対策を急ぐ。県が今年度に整備するのは、加賀市奥谷町の北陸自動車道付近から、加賀市直下町の刈安山までの区間となる。柵は、シカが飛び越えられない高さ約2メートルとする。県は生態系への影響に配慮し、シカ以外の動物がこれまで通り県境を行き来できるよう、金網の網目の大きさを検討している。来年度以降は、刈安山から加賀市山中温泉小杉町付近までの16・8キロ区間を整備する。県によると、シカ対策で山間部に柵を設けた例は、神奈川、宮崎、静岡県であるが、県境に設置するのは初めて。設置場所には、地権者の協力を得てわなも仕掛け、駆除につなげる。福井県内では1990年以降、シカの数が爆発的に増え、現在は推定3万2千頭が生息する。捕獲件数は90年度の66件に対し、2010年度は8475件に急増した。福井県の担当者はこの20年間で生息範囲が北上したと説明し、「年間1万頭以上を駆除しないと、さらに増える可能性がある」と頭を抱える。石川県は柵を設けることで、福井県嶺北にいるシカの行動範囲が狭くなり、福井県側で駆除しやすくなるとみている。石川県では、ニホンジカの県内生息数を最大で1100頭と推測している。ただ、山間部で採取した糞(ふん)の量から頭数を算定しているため、実数や増減値、活動範囲は詳しく分かっていない。このため、県は今年度から、捕獲したシカの首に衛星利用測位システム(GPS)を取り付けて生息範囲を調べる取り組みや、定点カメラで群れの場所を突き止める本格調査に乗り出す。県内での駆除件数は2010年11件、11年5件、12年14件で、福井県に比べて極端に少ない。樹木の皮剥(かわは)ぎといった林業被害は、09年に初めて白山市で確認され、昨年度に4年ぶりの被害が報告された。被害面積は09年の半分となる4アールだったが、場所は金沢、白山、加賀、能美市内に広がった。近年は標高2100メートルの白山麓や野々市市の市街地でも目撃情報があり、生息地の広域化や被害拡大が懸念されている。
(「カウベルト」、今年も開始:富山)
畑などを荒らすサルやイノシシ、クマが人里に近づかないようにするため、山と人里の境目の帯状エリアに牛を放牧する「カウベルト」が2日、黒部市宇奈月町内山地区で始まった。同市では8年目になる取り組みで、これから市内3カ所で相次いで牛が放牧される。牛たちは11月ごろまで野草を食べながら、サルやイノシシを踏み込ませない“大役”を担う。カウベルトは、耕作放棄地などを電気柵で囲い、その中に牛を放牧して、野草除去と害獣排除を図る取り組み。県と市町村が連携して支援し、内山地区では5年目。今年は、富山地方鉄道愛本駅近くの耕作放棄地など約2ヘクタールが対象地になった。放牧されたのは、立山町の畜産農家が育てる妊娠中の繁殖和牛2頭で、まる(6)とさくら(5)。妊娠中の牛はおとなしいため、内山自治振興会が頼んで借りている。2日午前、放牧式が催され、毎朝えさを与える地区住民や獣医師、市・県の職員らが参加。牛や電気柵を検査したあと、2頭を対象地へ放した。2頭はのんびりと歩きながら、さっそく野草をかじったり、時々通る電車の音に驚いたり。2頭とも11月に出産予定で、直前まで任務にあたるという。
(トキ繁殖の課題、カラスの捕食対策が必須:新潟)
佐渡市の野生下で今季誕生したトキのひなは30日現在、36羽(うち生存確認は32羽)に達し、昨季(14羽)を大きく上回っている。一方、カラスによるひなの捕食が疑われるケースもあり、課題も尽きない。トキを追い続けている新潟大の永田尚志准教授(54)に、課題と展望を聞いた。――「ベビーラッシュ」が続いている。「順調といえるが、カラスなどによる捕食の問題は解決できていない。今季も4羽が死んだり行方不明になったりしたが、状況証拠からハシブトガラスの仕業に違いない。同じ林で複数のペアが営巣をやめた例もあった。これもカラスが原因と思われる。親がきちんと巣を守っていれば、ひなは襲われない。両親並みに体が大きくなった巣立ち間近のひなでも、油断しているとやられてしまう」――銃による駆除も検討されている。「事実上無理だろう。トキは人家に近いところにおり、銃は使えない。冬季にワナを仕掛けて一網打尽にするしかないが、引っかかるのは若いカラスばかり。野焼きした生ごみにもカラスが集まってくる。また、車にひかれたタヌキや猫を放置しているのも、カラスを呼び込んでいるようなものだ。ごみ対策は重要だ」――テンも天敵だ。「荒廃した山林では、テンは簡単に木の上に登って枝を渡る。親も含めてどこでもトキは捕食されてしまう。トキはテンに追われて静かな奥山から人里に下りている状況。テンは1950年代に、サドノウサギによる林業被害を防ぐために導入され、あっと言う間に増えた。今となっては駆除は難しく、山林の間伐など適切な管理に頼るしかない」――野生下のトキは事実上、100羽を超えた。「500羽になったら、島外に飛んでいくだろう。放鳥する地区が限られているので、生息域が集中している。思い切って放鳥場所を分散することも必要だ。まだまだ生息可能な場所が佐渡にはある」――きょうだいペアのひなの捕獲ができない事例が起きた。「きょうだいペアのひなは捕獲すべきだ。かわいそうだという感情論もあるが、近親交配の子孫には繁殖力の低下などリスクが少なからずあることは科学的にも証明されている。これを放置して増えていけば、100年後のトキの生存を脅かす可能性がある」――放鳥トキをルーツとして野生下で生まれたトキを親に持つ「放鳥トキ3世」がまもなく巣立ちする。「放鳥3世といっても、まだ両親ともに野生下で生まれたわけではない。野生下同士の繁殖を誘導した方がいい。放鳥も、今後は野生で生まれたトキの繁殖力を高めるために、数を抑える必要が出てくるだろう。その意味で、何年後に何羽という目標も慎重に考える必要がある」――餌場環境は十分だろうか。「佐渡の農家の皆さんの努力で環境が整備され、良い状態にある。あえて言えば、時折田んぼのあぜに除草剤をまいているところがある。あぜにいるミミズや昆虫は重要な餌。できるだけ除草剤は使わず、草刈りでお願いしたい」
(3Dプリント銃は「実用的」ではないという実験結果:イギリス)
日本でも3Dプリンタを使って拳銃を自作し逮捕される事件が発生したが、BBCにて「(3Dプリンタで作った)プラスチック製の拳銃はあまりに壊れやすい」ため、実際に犯罪に使用されることはないだろうという話が取り上げられている。記事によると、英National Ballistics Intelligence Service in Birminghamの研究者が3Dプリント銃を使った実験を行ったという。その結果、3Dプリント銃は非常に脆いため、撃ったときの勢いで破壊してしまうことが分かった。しかも、破壊した欠片の飛び散り方も予測がつかないため、3Dプリント銃で撃った人に危害が及ぶ可能性が高いとのこと。なかには、真上に飛び、天井に突き刺さったプラスチック破片もあった。撃った後の弾殻も、破壊して飛び散ったパーツとほとんど変わらない距離のところに落ちていたという。こういった理由から、現段階では、銃を使って犯罪を犯そうとしている人にとって、3Dプリント銃は役に立たないという。
(自分で狩猟したシカやイノシシを食べる「狩りガール」が増加)
また新しい「ガール」の登場だ。その名は「狩りガール」である。私のざっくりとした理解では、少女趣味的な洋服の着用を好むふわふわとした女性たちを、「森ガール」という。また、登山やアウトドア活動をおしゃれの文脈で楽しむ女性たちのことは、「山ガール」という。森と山、どちらにしても、たいした実質があるとは考えにくい流行り言葉だ。それらの造語が広まることによって儲かるオトナたちもいたりするから、あんまり連呼されると「なんでもガールをつければいいって安直だろ」と腐してみたくなる感じもある。しかし、「狩りガール」は違う。当然のことながら、これは、猟師のような格好で都会を闊歩する新種の娘たち、を指してはいない。「狩りガール」は、そのまま直球で「狩猟に挑む女」を意味している。5月24日に流れた毎日新聞の記事によると、こんな状況があるそうだ。〈わな猟などを含む国内の狩猟者は1970年度には53万人いたが、2011年度は20万人と激減。60歳以上の占める割合は10%から66%に上昇した。そんな中、女性は全体の1%未満ながら、06年度の1217人が11年度には1912人と右肩上がりだ〉日本のハンター界は、高齢化が進むばかりで、若い世代がほとんど寄り付かなくなってしまった。複雑な要因が絡んでのことだろうが、そもそも狩猟を身近で楽しめるような田舎では、人口が減少し、高齢化している。田舎に残った若い世代にしても、けっこうな時間とお金も必要な狩猟を趣味にできるような人は例外的だ。ハンターは必然的に減り続けておかしくない。なのに、そこで予想外の事態が展開し始めたわけである。ここ2~3年のことのようだが、以前はほぼ男社会で当たり前だった狩猟の世界に、若い女性たちが関心を示してきたのだ。そして現に、狩猟免状を取得、シカやイノシシを獲る女性ハンターが増えている。まだ狩猟者全体の1%未満とはいえ、縮小化する業界にとっては願ってもない話だ。彼女たちが本当に狩猟を楽しんでくれれば、マイナー化する一方だったハンター業界の見られ方も好転するだろうし、おじさん・おじいさんばかりの集まりの中に、「よろしくお願いします!」と若い娘が入ってきたら、それだけで単純に花が咲いたような気分になるものだ。かくして、一般社団法人の大日本猟友会としても、女性ハンター大歓迎ということで、去年の夏に「目指せ!狩りガール」と題する特設サイトを開設。ジビエ料理好きな東京在住の女性会社員が、ふとしたきっかけからハンターを目指し、自ら仕留めた獲物の肉料理をみんなにふるまうまでのアレコレを、センスよく描いてみせた。「狩りガール」の発生地は、おそらくこのサイトである。少なくとも大日本猟友会公認の呼称なのだ。今春まで18回更新されたリアル体験記風の「目指せ!狩りガール」物語は、素人がハンターになるまでクリアすべき数々のハードルを、具体的にわかりやすく解説している。狩猟入門のハウツー読み物としてよくできている。通読した私の感想は、動物を獲る以前の、狩猟免状を取得して鉄砲を扱えるようになるまでが大変なんだ、ということだ。免状を与えるにふさわしい人物であるかどうかの行政チェックが厳しいし、鉄砲を入手して使いこなすのも、魚釣りの竿やリールの場合よりはるかに難しい。だから地域社会の壊れた田舎で若者ハンターは出づらいよなと思うと同時に、このぐらいハードルを高くしているから銃による犯罪が少ないのだな、日本はそれでいいのだ、と納得したりもする。けれども、「狩りガール」はそうしたハードルを次々に乗り越えていく。どうしてそこまで狩りをしたいの?という疑問が普通に浮かぶが、サイトの物語の主人公である東京の女性社員は、都内のエゾシカ料理店がお気に入りで、「このお肉がどうやって来たのか?獲るところを見てみたい」という、ごく気軽な動機から行動をおこしている。一般的に女性がハンターを目指す動機は、どんなものなのか。同サイト内の説明ページでは、次の3パターンが挙がっている。〈食べ物に対する関心から、米や水、野菜、魚だけでなく、自分で納得できる〈肉〉と向かい合うライフスタイルを選んだ女性〉〈都市農村交流の中から野生鳥獣による食害・獣害を目の当たりにし、森林保護・環境保全に関心を持った女性〉〈山歩きだけでは物足らず、少しだけステップアップしようと思った女性〉やや抽象的だが、なんとなく分かる。これらは、例えばNGOや社会貢献型の仕事に就くようなタイプの心性と似ている。それこそ「森ガール」や「山ガール」のような消費者としてだけの存在ではなく、世の中の仕組みとダイレクトに結びつく者でありたいといった欲望。ちょっとぐらい大変でも、自力で生きていることの実感を大切にしたいという価値観の台頭。ネット用語で言いかえれば、けっこう尖った「リア充」重視の人々かもしれない。実は、性別や年齢に関係なく、そうした生き方を優先する人が増えているような気もするが、とりあえずは今でも「若い女性なのに~」という文脈のほうが衆目を集めやすいので、「狩りガール」がニュースになるのだろう。その裏で、人知れず腕を磨いている「狩りボーイ」も当然いるはずだ。日本人の多数がお肉の出所どころか、お魚は骨があるから苦手と言ってのけるご時世にあって、まったく正反対に向かう人たち。2011年にその名も『女猟師』というルポルタージュが出て一部で注目されたり、同年から『山賊ダイアリー リアル猟師奮闘記』というマンガがヒットしたりといった話もある。狩猟を職業とすることは極めて困難だが、究極の一次産業として気になる世界であることは確かだ。「目指せ!狩りガール」を読んだら、私の胃袋も鳴ってきてしまい、北海道料理店でエゾシカ肉をいただいてきた。火の入れ方が上手ければ、とてもジューシーでくせもなく、味のいい赤身肉だとあらためて思った。サイトの主人公のように「獲るところを見てみたい」という気持ちにはならなかったが、「このお肉がどうやって来たのか?」は知りたくなった。「狩りガール」がこのまま増えて、狩猟の世界が活性化したなら、いわゆるトレーサビリティーをしっかりさせて、誰がいつどうやって獲った肉なのか分かるようにするといい気がした。で、食べる側担当としては、店のメニューにある「狩りガールARIが獲った根室のエゾジカ背ロースのロースト」といった能書きを読んで注文するのも、一興なんじゃないかなどと考えた。

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