<射撃ニュース7月>

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(住宅で散弾銃発砲、男逮捕:東京)
東京・多摩市の住宅に押し入り、住人の無職女性(38)に向かって散弾銃を4発発砲し殺そうとしたとして、警視庁多摩中央署は11日、殺人未遂容疑で、住居不詳で70歳前後の男を現行犯逮捕した。男は調べに対し、黙秘している。同署によると、弾は女性に当たらなかったが、男から銃を奪おうともみ合いになった際、女性が手に軽傷を負った。警視庁によると、男は家を訪ねた際、応対した女性に対し「(女性の)父親の会社で家を建てた」と話していたという。発砲した男は以前、女性の父親と建設を巡りトラブルのあった男(71)とみられている。調べに対し、男は黙秘しているということだが、警視庁は事件の詳しい経緯を調べている。
(山菜採りの男性クマに襲われけが:青森)
県警によると13日、弘前市相馬の山中で、山菜採りの男性がクマに襲われて顔面などにけがを負ったほか、各地でクマの目撃が相次いだ。県内でのクマによる人的被害は今年初めて。クマと遭遇した場所は一丁木簡易郵便局から西南西約1・7キロの地点。被害発生を受け、弘前署がパトカーで現場付近の見回りを行っているほか、市や市相馬総合支所は看板設置や管内放送で注意を呼び掛けている。同署管内での出没は同日で12件目になった。同署は「クマよけの鈴などを携行し、1人で入山しないように」と話している。
(クマ、河川敷で1頭射殺:栃木)
13日午前11時40分ごろ、那須塩原市塩原の塩原温泉街沿いに流れる箒川河川敷で、付近をパトロールしていた地元猟友会がツキノワグマのオス1頭(体長約1メートル)を発見し、射殺した。那須塩原署によると、温泉街付近でクマが目撃されるのは珍しいという。同日早朝から、現場から約500メートル離れた鹿股川河川敷などで3回の目撃があり、猟友会や那須塩原署員などが約10人態勢で付近を警戒していた。同署によると、射殺されたのは目撃されていたクマとみられ、成獣と推定されるという。
(クマの目撃情報相次ぐ:北海道)
13日午前10時25分ごろ、十勝管内上士幌町上士幌の畑で、農作業をしていた男性(47)がクマの足跡を発見し、帯広署に届け出た。同署によると、足跡は長さ25センチ、幅14センチ。現場は農家が点在しており、一番近い民家からは約500メートル離れている。人や家畜、作物への被害はなかった。同署は付近の住民に注意を呼び掛けている。13日は、このほか釧路管内釧路町、オホーツク管内滝上町、後志管内赤井川村、渡島管内松前町などでもクマやクマの足跡の目撃情報が地元警察署に寄せられた。
(クマの目撃情報相次ぐ:北海道)
根室市内でヒグマの目撃情報がハイペースで増えている。2007年度以降最高を記録した09年度を上回るペースで、11日現在13件を数えている。寄せられる情報の半数が2頭同時で、「親子グマ」「子グマ2頭」と内容こそ分かれるものの、複数頭目撃も今季の特徴だ。市では「親子グマだった場合、母グマは子を守ろうと凶暴になるので注意してほしい」と呼び掛けている。 
(小学校近くでクマ目撃:岩手)
紫波町で11日、クマ一頭が目撃された。近くには小学校もあり、児童は集団下校した。11日午後1時過ぎ、紫波町星山で、県道の近くをクマ一頭が歩いていると、近くの住民から警察に通報があった。クマは成獣と見られ、田んぼを横切った後、近くの山林に立ち去ったと見られている。このため、警察では付近の住民にパトカーで警戒を呼びかけた。クマが目撃された周辺には民家が点在しているほか、約200メートル北には紫波町立星山小学校があり、学校では授業終了後に全校児童30人を集団下校させた。学校関係者によると、9日も現場から1キロほど離れたところでクマが目撃されたということで、紫波町役場では有線放送で付近の住民に注意を呼びかけている。
(クマ目撃:石川)
12日午前5時50分ごろ、七尾市湯川町で、市道を横断して山林に入っていくクマを住民が目撃しました。クマは体長120センチほどの成獣とみられ、通報を受けた警察と猟友会などは足跡を確認しましたが、クマは発見できませんでした。目撃現場は七尾市中心部から10キロほど東にある集落で、七尾市では周辺の町に注意を呼びかける放送を流し、チラシを配布しました。
(親子グマ3頭目撃:富山)
赤祖父湖堤防上で親子とみられるクマの成獣1頭と子ども2頭が歩いているのを、近くのトナミロイヤルゴルフ倶楽部でプレーしていた利用者が見つけ、市に通報した。市が広報車で注意を呼び掛けたほか、南砺署と地元猟友会が周辺をパトロールした。
(釣り人らがクマ目撃:栃木)
13日午前6時5分ごろと同55分ごろ、那須塩原市塩原の鹿股川左岸河川敷や近くの住宅街で、クマ1頭を釣り人や近くの住人がそれぞれ目撃し、通報した。那須塩原署によると、体長約1メートルだったという。
(クマ目撃:栃木)
日光署によると、12日午後4時10分ごろ、日光市中宮祠の国道120号付近でクマ1頭が目撃された。人的被害はない。クマは体長約1メートル。乗用車で通行中の観光客が、逆川付近から光徳牧場方面の山中に歩いていくのを目撃した。同署は関係機関とともに付近の警戒を呼び掛けている。
(クマ目撃:栃木)
11日午前10時15分ごろ、那須塩原市板室の沼ッ原湿原付近で男性観光客がクマを目撃した。那須塩原署は注意を呼び掛けている。同署によると、クマは体長約1.3メートル。沼ッ原湿原から西に約100メートルの山林で、クマは男性を見ると林の中に逃げ込んだという。
(クマの目撃情報:長野)
7月12日(土)午後4時頃、荒井区川北町の国道361号付近でクマの目撃情報がありました。付近の住民の方は十分注意してください。家の近くであっても鈴・ラジオなど音の出るものを必ず身につけましょう。
(雨の新盆入り、クマにも警戒:石川)
新盆入りの13日、日曜日と重なったこともあり、金沢市内の墓地には、雨にもかかわらず、朝から多くの人が墓参りに訪れた。新盆に墓参りをする風習がある金沢では、この週末から墓参りをする人が増え始め、野田山墓地では、時折、雨脚が強まるあいにくの天気の中多くの家族連れらが訪れていた。しかし、野田山墓地では先月20日にクマが目撃されているほか、ことしは、県内の至るところで目撃情報が相次ぎ、けが人も出ている。このため金沢市では、訪れた人に鈴を貸し出したりチラシを配るなど、注意を呼びかけてい た。墓参りに訪れた人は、「怖いだね、やっぱり」「鈴も何も持ってこなかったけど、鈴を借りていくかね…」と話した。お墓参りのピークは、きょうの見込みだが、金沢市ではあさって15日まで周辺のパトロールを実施するという。
(イノシシに注意を、一部で農業被害も:神奈川)
横須賀市と葉山町に、イノシシが出没している。横須賀は今年から、葉山は昨春からで、県横須賀三浦地域県政総合センターによると、両市町ではそれまで具体的な目撃情報はなかった。一部で農業被害も確認されており、両市町は注意を喚起している。葉山では昨年3月ごろから上山口地区に出没。JAよこすか葉山は、タケノコやサトイモ、ジャガイモ、カボチャなどの食害を確認した。昨年6月と今年4月に1頭ずつ、計2頭が捕獲された。横須賀では今年に入ってから、具体的な通報が寄せられ始めた。これまでのところ農業被害はないが、目撃地点は、東京湾に近い長浦町や田浦泉町などに加え、相模湾側の芦名もあり、広範囲に及んでいる。同センターによると、三浦半島の他自治体、鎌倉、逗子、三浦市では具体的な目撃情報はない。どこからやって来たかは不明だが、丹沢から鎌倉などを経由してきたケースに加え、飼育者が放した可能性もあるという。両市町は、イノシシに遭遇した場合は被害を回避するため、近づかずにゆっくりと後ずさりして離れることなどを呼び掛けている。
(小学校グラウンドでシカが出現:北海道)
室蘭市宮の森町の旭ヶ丘小学校のグラウンドに11日、約40センチの角を持つ雄のシカ1頭がマチ中に突然現れ、騒動となった。市職員や学校関係者と約1時間にわたってにらみ合いとなった末、中島繁華街などを走り回って、八丁平方面に逃げていった。児童や住民などにけが人はなかった。この日午前11時40分ごろ、周辺住民が同校のグラウンド内で体長約2メートルの角が生えた雄の子鹿1頭を発見。シカは、グラウンド内を走り回った後、道路に渡って同町の中島神社敷地内に逃走した。通報を受けた市職員や室蘭署員、室蘭清掃管理センター作業員らが出動し捕獲作戦が始まった。追いかけられ、すっかりおびえたシカは再び同校のグラウンドへ逃げ戻った。同校内では「外へ出ないよう」と緊急の校内放送が流れると一時騒然に。児童などが窓からその様子を心配そうに見つめる中、シカは、約3~4メートルのフェンスを飛び越えようとして何度も激突。署員らの包囲網をかいくぐり、猛スピードで道道室蘭環状線を横断し、あっという間に八丁平方面の山中へと逃げた。同校の男性教員は「校内にシカが入りびっくり。何事もなくてひと安心」と話していた。
(知床岬のエゾシカ密度、再び増加:北海道)
エゾシカ対策の重点地域である知床岬の先端部で、エゾシカの越冬数が再び増加した。今年は流氷が長く居座ったために捕獲作業の開始が遅れ、捕獲数が大きく減少。目標としていた生息密度を維持することはできなかった。環境省が12日、知床世界自然遺産地域科学委員会のエゾシカ・陸上生態系ワーキンググループ会議で報告した。知床岬の先端部(約7平方キロ)では一時期、500頭以上のエゾシカが越冬し、環境省が2007年度(シカ年度=6月~翌年5月)から個体数調整の捕獲を続けている。12年度は事前の航空調査で56頭を確認し、ヘリコプターと船で2回現地入りして計32頭を間引いた。生き残りは24頭、1平方キロあたりの生息密度は3・4頭になり、初めて目標だった5頭以下まで引き下げた。
(増え続ける食害、シカ捕獲を民間委託:群馬)
増え続けるニホンジカによる食害。鳥獣保護法が5月に改正され、国は野生鳥獣の「保護」から「管理」へとかじを切った。県も対策に本腰を入れる。県が駆除を委託している民間警備会社の捕獲の現場に同行した。7月2日午前9時。前橋市の赤城大沼付近にある山林。警備会社「シムックス」(太田市)の社員4人とともに、生い茂るササや木の枝をかき分け、道なき道を約15分間歩く。鳥獣対策課の田村直人さん(26)らが手慣れた手つきで枯れ葉をかき分けると、金属製の「くくりわな」が姿を現した。縦24センチ、横12センチの箱型。シカが踏みつけると、直径4ミリのワイヤがシカの足に巻き付く。シカが暴れて逃げると、ひもが引っ張られ、近くの木に取り付けられた発信器のマグネットが外れて、携帯電話に情報が送られる仕組み。小島成介課長(41)は「センサーを使って泥棒を捕まえる警備会社のノウハウを転用しました」と説明する。シムックスが仕掛けたわなは計77カ所。この装置だと一つずつ見回る労力が省け、どのわなにシカが掛かったかが把握できる。小島さんは「シカは人間を避けて移動するため、夜間にわなに掛かることも多い」と話す。1週間掛からなければ、わなを別の場所に仕掛ける。この作業は経験が物を言う。「シカの気持ちになって考える」ことが重要という。シカは、一度通って安全を確認すると、同じ道を通る習性がある。獣道や足跡、ふんを確認して設置場所を決める。田村さんらはゆっくりと歩き、仕掛ける場所を慎重に見極めていた。県は赤城山麓(さんろく)全体のシカの生息数を約3000頭と推計。2013年度から3年間、100頭ずつ捕獲するプロジェクトを始めた。昨年10月からは猟友会以外にも捕獲を委託している。狩猟者が高齢化し、生息数の増加に歯止めがかからない状況が背景にある。今回の改正法では、自治体が従来の猟友会だけでなく、専門的な狩猟技術を持つ企業やNPO法人に狩猟を委託できるようになった。群馬県は法改正に先駆けた格好だ。昨年度は目標の100頭をクリア。県自然環境課によると、15年度までプロジェクトを続けた後、効果を検証する。
(野生鳥獣肉、衛生管理指針策定へ)
野生鳥獣肉(ジビエ)の衛生管理に関し、厚生労働省は食中毒防止の徹底に向け、国の指針を策定する方針を決めた。秋までに具体的な内容をまとめる予定で、10日、検討会の初会合を開いた。E型肝炎ウイルス(HEV)や細菌、寄生虫などによる食中毒対策を巡っては、各地の自治体が指針を策定しているが、流通実態や健康被害のリスクを踏まえ、国として統一的な指針を示す必要があると判断した。検討会は食品衛生の専門家やジビエ関連団体の関係者らで構成。厚労省研究班の実態調査結果を基に議論を進め、解体時の注意点、検査の仕組みなどを整理する。10日の初会合では、ジビエ料理が地域の特産品などとして広がりつつある現状を踏まえ「おいしさを保ちながら衛生管理を向上できる指針を作るべきだ」との意見が出た。研究班の報告書によると、中国地方で2009~11年に捕獲したイノシシの42%にHEVの感染歴を確認。11~12年に九州、関東地方のイノシシも調べ、それぞれ22%、8%の感染歴があった。研究班は12年12月~13年1月、全国の5万人を対象に、直近3年間にジビエ料理を食べたことがあるかもアンケート。イノシシ肉を食べたと答えた人は15%、シカは11%、クマは3%、キジは4%だった。
(射撃競技、空気銃使用年齢の引き下げ検討)
2020年の東京オリンピックなどに向けて、射撃の競技団体が若い世代の選手育成のために競技用の空気銃の使用開始年齢の引き下げを求めたことを受けて、警察庁が設置した有識者会議が初めて開かれ、現在、一定の技能があれば14歳から認めている使用開始年齢を引き下げる方向で検討が始まりました。警察庁の有識者会議は、銃刀法で競技用の空気銃の使用開始年齢が、14歳からと規制されていることなどについて、競技団体が東京オリンピックなどに向けた選手育成のために、より若い年齢から使えるようにしてほしいと要望したことを受けて開かれました。会議には、スポーツ科学や法律に詳しい大学教授ら5人がメンバーとして参加し、最初に警察庁の辻義之生活安全局長が年齢を引き下げた場合について、「安全性などを確保するためにどのような対応が必要か専門的な意見を求めたい」と述べました。警察庁は空気銃の使用開始年齢を引き下げる方針で、今後、海外の事例を参考にしながら安全対策の在り方などを有識者会議で検討したうえで、銃刀法の改正案を取りまとめ、秋の臨時国会に提出することにしています。
(初捕獲のツキノワグマ、マニュアル作成迫られる:大阪)
大阪府豊能町で6月19日に捕獲したツキノワグマの対応をめぐり、府は、7月末までに受け入れ先を確保できなければ殺処分する方向で検討に入った。府はこれまでに全国の動物園やクマ牧場など約100カ所に受け入れを打診したが、飼育環境が整っていないことなどを理由に拒まれたため。ツキノワグマの捕獲は府内で初めてなだけに、府側は対応に頭を悩ませつつ、マニュアルの作成を迫られている。豊能町は京都府と兵庫県に隣接する大阪北部に位置。同町内の山林でイノシシ用のおりに入っているのが見つかったツキノワグマは、体長約1・3メートルの雄で推定4~5歳になる。豊能町役場は、ドラム缶式の専用のおりで保護していたが、当初の見込みより受け入れ先探しが難航したため、今月2日にクマが動き回れるよう大きめのおりに移した。同町職員が朝夕の2回、はちみつや水を与え、衰弱した様子は見られない。大阪府の動物愛護畜産課は「7月末までをめどに受け入れ先を決めたい」とし、期限までに決まらなければ専門家と供にクマの扱いを検討するという。その際、検討材料の一つになるのが殺処分だ。兵庫県森林動物研究センターによると、兵庫県では捕獲を確認したその日のうちに殺処分することをルールで決めている。他の動物を捕まえるために設置したわなにツキノワグマがかかってしまう「錯誤捕獲」の場合では、山に放すと定めている。ツキノワグマの初捕獲を受け、大阪府の松井一郎知事は「生態系が変化してきている」との認識を強め、ツキノワグマの扱いに関するマニュアルの作成を担当部局に指示。近隣府県を参考に専門家や地元市町村と相談しながら、今月末までに取りまとめる方針だ。環境省によると、2013年度に全国で捕獲されたツキノワグマ1289頭のうち1207頭が殺処分された。同省担当者は「ツキノワグマは餌に対して執着のある動物。学習させて山に放しても(里に)戻ってくる可能性もある」と話している。
(ハクビシン、夜な夜な出没:石川)
長町の住宅街に夜な夜なハクビシンが出没し、話題になっている。つがいで塀の上を歩いたり、庭に植わったビワの実を食べたりするなど、堂々と活動している。農地はないため、これといって目立った被害があるわけではなく、住民は今のところ「駆除するのはかわいそう」と静観しているが、一方で「繁殖したら大変だ」とも気をもむ人もいる。長町3丁目に住む浅倉功さん(77)は「午後8時ごろになると裏庭の塀を歩くハクビシンをよく見掛ける」と話す。4年ほど前から出没していたが、今年は特に頻繁に姿を見せている。これまでに確認されたのは雄、雌各1匹で、時にはつがいでも現れる。浅倉さんによると、ハクビシンはよく熟れたビワや梨の実を食べる。人の姿を見ても、慣れているのか、おびえた様子を見せずににらみ返すような構えを取り、ゆっくり立ち去るという。近所の家では、池にすむカモの卵が食べられ「ハクビシンの仕業か」とうわさになったこともあった。住民たちは、長町かいわいの家にはうっそうとした木や茂みのある庭が多く、餌となる果実なども豊富なことから、ハクビシンが好んですみついているのではないかと推測している。市内のハクビシンの個体数や繁殖状況について、市はまとまった調査データを持っていないが、「近年はまちなかの住民からも『屋根の上に居た』『軒下をうろついていた』といった相談を受けることがある」(環境政策課)という。アライグマのように特定外来生物に指定されている動物は、公共団体の職員が運搬などに携わる必要があるが、ハクビシンは指定を受けていないため、市は相談を受けた場合、駆除業者があることを紹介するにとどめている。
(狩猟の魅力まるわかりフォーラム)
環境省は、将来の鳥獣保護管理の担い手確保を目的とした「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」を、今年度も全国5会場で企画し、第1弾を山口県下関市で平成26年8月10日(日)に開催する(入場無料・申込み不要)。昨年度同様、狩猟の魅力や社会的役割を実感できるプログラムを実施する。更に、今年度は大人気ハンター漫画「山賊ダイアリー」とのコラボ企画による来場者への豪華特典も用意している。
(銃の3Dプリンターデータは有害情報扱いに)
インターネット上の違法・有害情報の通報窓口「インターネット・ホットラインセンター(IHC)」を運用する一般財団法人インターネット協会(IAjapan)は11日、通報を選別する際の基準となる「ホットライン運用ガイドライン」の改訂案を公表した。有害情報の類型として、「3Dプリンターによる銃砲の製造が可能な設計図データ」、下着などを対象とする「盗撮行為」、「ストーカー行為等」および「戸籍謄本等、住民票の写し等の情報等の違法な手段による入手」を新たに追加する。なお、有害情報とは、「情報自体から、違法行為(けん銃等の譲渡等、爆発物等の製造、児童ポルノの提供、公文書偽造、殺人、脅迫等)を直接的かつ明示的に請負・仲介・誘引等する情報」のこと。
(食害に思う:群馬)
先日、赤城大沼付近の山林に分け入り、ニッコウキスゲなどの食害をもたらすニホンジカの捕獲作業を取材した。地中に埋めたわなにシカがかかる仕掛けだが、その日はかかったシカはおらず、内心ほっとした気持ちもあった。かかっていれば、殺処分する場面を目の当たりにしなければならなかったからだ。「人間が食べる前に、動物に食われたら、かなわないからね」と、今年の出荷シーズンを迎えた夏秋キャベツの産地、嬬恋村のJA組合長。村ではシカやイノシシの侵入を防ぐ電気柵の整備を徹底した結果、今のところ食害を防いでいるという。食害の原因の一つに、よく挙げられるのは高齢化に伴う狩猟者の減少だ。だが、人間が「有害」とする獣たちの増加の原因は、果たしてそうしたことだけだろうか。大きくみれば温暖化など地球の異変を招いた結果によるものとも言えないか。人間の領域に獣が数多く立ち入ってもらっては困るし、殺処分を「残酷だ」と言ってはいられない現状も理解できる。だが同時に、根本原因を見詰めることも必要なのではないかと思った。
(ジビエの可能性探る、地域活性へ調理勉強会:高知)
ニホンジカやイノシシなど野生鳥獣肉(ジビエ)を地域活性化に生かす勉強会がこのほど、高知県土佐清水市足摺岬の温泉宿泊施設「足摺テルメ」で開かれ、出席者が試食や意見交換を通して可能性を探った。ジビエの普及に取り組む団体「四国ジビエ連携」(愛媛県松山市)が足摺テルメの協力を得て企画。土佐清水市観光協会や市職員ら11人が参加した。四国ジビエ連携の村田善隆理事=四万十市具同=が、低カロリーで高タンパクのシカ肉の特長などを紹介。「全国的に流通網や需要があり、幡多地域で産業として立ち上げ、雇用につなげたい。まずは食べて知ってもらいたい」と呼び掛けた。愛媛県松野町で捕獲されたシカ肉を使い、テルメの伊藤剛・総料理長が「ロース肉のソテーはちみつ山椒(さんしょう)風味」「もも肉のカツレツ」「すじ肉の南蛮漬け」など5品を調理した。参加者は「後から肉のうまみがじわっと来て、臭みもない」「ボイルしたもも肉は宗田節だししょうゆがぴったり」などと舌鼓。伊藤総料理長は「天候などで魚がないときに夏のシカ、冬のイノシシのようにお薦め品として出せたらいい」と話していた。

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(馬術以外の会場決定、19年国体:茨城)
2019年に本県で開催する第74回国民体育大会県準備委員会の第5回常任委員会が8日、水戸市内で開かれ、開催会場が決まっていなかった正式競技のうち、陸上などの会場地も決定した。会場が未定の競技は馬術だけとなった。広報活動を担うマスコットキャラクターのデザインも決まり、大会本番へ向けPRに活用していく方針だ。競技会場は…クレー射撃が笠間市に決まった。マスコットキャラクターは応募総数2830件の中から、東京都目黒区のイラストレーター、ミウラナオコさん(52)=日立市出身=の作品に決定した。県国体推進課によると、従来にないユニークなキャラクターで、大会愛称「いきいき茨城ゆめ国体」とスローガン「翔べ 羽ばたけ そして未来へ」の概念に合致していることから選定された。子どもから大人まで親しみやすいイメージで、左手の緑のハートからは「夢を描くパワー」、右手のオレンジのハートからは「勇気のパワー」を発する設定という。今後、秋までに愛称を公募で決めて着ぐるみも作り、さまざまな機会に茨城国体のPRに活用する。
(イノシシE型肝炎調査、中国地方で感染歴3割超)
野生鳥獣肉(ジビエ)の安全性に関する厚生労働省研究班の調査で、中国地方で捕獲されたイノシシの30~42%にE型肝炎ウイルス(HEV)の感染歴があることが9日、分かった。九州地方は22%、関東地方は8%だった。研究班は「人への病原性は強く、生で食べるのは厳禁」としている。厚労省は10日に検討会の初会合を開き、ジビエの衛生管理の在り方について議論を始める。ジビエ料理は自然の恵みとして珍重され、町おこしの特産品などとして注目されているが、法律に基づく食肉処理時の衛生検査はなく、自治体や事業者の自主的なガイドラインに委ねられている。
(市街地にクマ、保育園から30メートル:北海道)
元紋別でクマの出没が相次いでいる。7日午後2時ごろには元紋別保育園の目の前の市道から近くの雑木林へ入り込んでいく体長約1・5メートルのクマが目撃され、紋別警察署や紋別市では地域住民に警戒するよう呼びかけている。現場は住宅地の一角で、クマは同保育園から30メートルという至近距離を歩いた。約100メートル離れた元紋別小学校も見通せる場所で、クマの進行方向から推定すると、同小側から歩いた可能性もある。2日午前10時30分ごろ体長約2メートルのクマが目撃された現場からは、直線距離で約700メートルと近いことから、同じクマということも考えられる。7日の通報を受けて紋別警察署では警察官4人、市職員3人、猟友会のハンター4人で現場を捜索したが、クマの発見には至らなかった。8日も現地付近ではパトカーが巡回したり、市の広報車が警戒を呼びかけたりと、物々しい雰囲気に包まれた。いっぽう元紋別保育園は臨時休園となり、門も閉じられひっそりと静まり返っていた。元紋別小学校は安全が確認されるまで登下校時に保護者が付き添う。
(中学校正門にクマ:秋田)
7日午前6時15分ごろ、秋田県能代市扇田の能代東中学校の正門付近に体長1メートルほどのクマがいると、散歩中の60代の女性から110番があった。クマは道路を横断し、川の向こうの山に入って行ったという。けが人はいなかった。
(ニホンカモシカ、4時間の逃走劇:静岡)
御殿場市の中心市街地で8日、国特別天然記念物のニホンカモシカの目撃情報が相次ぎ、通報から4時間の逃走の末、市職員らが捕獲する騒ぎがあった。捕獲されたニホンカモシカは同日中に富士山中腹に放された。同日正午ごろ、JR御殿場駅東側の民家などから「カモシカがいる」と複数の通報が市にあった。市職員や警察官、地元猟友会メンバーら約20人が網やロープで捕獲を試みたが、2メートル程度の壁を越える跳躍力のあるニホンカモシカの追跡に大苦戦。駅西側の御殿場駅前交番近くで一度は網に掛かったが取り逃し、多くの店舗やビルが立ち並ぶ駅周辺市街地を舞台に逃走劇を繰り広げた。同日午後4時15分ごろ、同報無線の呼び掛けに応えた市民の目撃情報から、市職員5人が同市二枚橋の民家裏に追い込んで捕獲に成功した。捕獲されたニホンカモシカは体長約95センチ、体高約80センチ、角の長さは12センチで雌雄は不明。同市によると、ニホンカモシカは富士山麓でも生息しているが、記録の残る過去約20年で市街地での目撃は無いという。猟友会メンバーは「富士山でシカの数が増えた結果、エサ場を追われたのでは」と推察した。
(クマ目撃相次ぐ:新潟)
上越市中郷区で8日、クマ2頭が相次ぎ目撃された。いずれも集落まで約100メートル、300メートルと近いことから、地元猟友会がパトロールするとともに、市は注意を呼び掛けている。午前10時すぎ、同区八斗蒔の県道で、車を運転していた男性がクマ1頭を目撃し、市に通報した。クマは近くの林に逃げた。午後1時半前にも同区二本木の同じ県道で、車を運転していた別の男性が道路を横切るクマ1頭を目撃した。市によると、クマは体長約1メートルで、近くのやぶの中に逃げた。
(クマの目撃情報:長野)
7月10日(木)午前7時分頃、小沢、中の原区の農道付近でクマの目撃情報がありました。付近の住民の方は十分注意してください。家の近くであっても鈴・ラジオなど音の出るものを必ず身につけましょう。
(クマ目撃情報相次ぎ、国営公園が当面閉園:長野)
長野県の国営アルプスあづみの公園大町・松川地区は9日、クマの目撃情報が相次いでいるとして、安全確認ができるまで同日から閉園を続けると発表した。園事務所によると、今月2、4日に目撃情報が寄せられ、いずれの日も臨時休園に踏み切った。8日も目撃情報が寄せられたため、閉園継続を決めた。閉園期間は未定という。園は、人間とクマが互いを見つけやすくなるよう、園内の下草を刈り取るなどの対策を始めた。園事務所の有坂均・工務課長は「来園者に安心して遊びに来てもらえるよう、対応を急ぎたい」と話している。
(クマの目撃情報、人里で増加:青森)
県内各地で、クマの出没と目撃情報が相次いでいる。県警のまとめでは、9日現在までの目撃件数は117件と前年同期(100件)を上回るペースだ。幸いけが人は出ていないが、作業場が荒らされる被害が1件、走行中の車と衝突する事故も2件起こった。専門家は、秋以降、クマが餌を求め人里に下りる可能性がさらに高まると指摘し、県や県警は注意を呼びかけている。県警地域課によると、農作物の食害は1件(前年同期4件)で、けが人は出ていない。6月20日早朝には平内町の鉄工所に体長約1メートルのクマが出没、作業場の窓ガラスを割られ、機材が壊される被害が出た。クマを見つけた事務員の工藤輝子さん(65)は「1時間くらい作業場をウロウロしていて、怖かった。誰にもけががなくて良かったが、また来ないか心配」と不安そうだった。鉄工所は町立東小学校(全校児童84人)の通学路に面しており、同校は当日、付近を登下校する児童に職員が付き添ったほか、集団登校の班長の児童にクマよけの鈴を配るなどした。小笠原千景校長は「地域の方々と協力しながら、子供たちを見守っていきたい」と語る。6月29日には六ヶ所村で、7月8日には青森空港近くの青森市で、道路脇から飛び出してきたクマと車の衝突事故も起きた。クマの出没はなぜ増えたのか。北海道大学の坪田敏男教授(野生動物医学)は「昨秋は、栄養価が高く好物のブナの実が全国的に豊作で、繁殖が活発化したことが要因の一つでは」と推測する。ブナは豊作の翌年から数年は凶作が続くため、「餌の少なくなる10、11月に人里への出没がぐっと増える可能性が高い。注意すべきはむしろこれから」と警鐘を鳴らす。対策として、クマは視界の開けた場所を警戒して避ける習性があることから、「ヤブ払いをしたり、普段から出没しそうな場所をパトロールしたりするのが効果的」と話す。県自然保護課によると、夏場はスイカやトウモロコシなど、クマが好む作物が収穫を迎える。秋以降はキノコ採りの入山者が増えるため、クマと遭遇する機会も増える。同課の関口亨主幹は「本来は臆病な動物で、人の気配を察知したらクマから離れていく。入山の際は音の鳴るものを身につけ、もし鉢合わせしたら、刺激しないで静かに立ち去ることが大切」としている。
(クマ目撃:栃木)
8日午後5時40分ごろ、日光市足尾町の県道を歩くクマ1頭を近所の人が目撃し、警察に届け出た。日光署によると、体長約1メートル。現場付近は住宅などがまばらな山間部で、犬の散歩中に目撃したという。同署はパトロールを強化し、警戒を呼び掛ける。
(シカ捕獲、最多3万9963頭:長野)
2013年度の県内のニホンジカ捕獲数が目標の3万5000頭を上回り、過去最多の3万9963頭に達したことが県の集計で分かった。3万3668頭だった12年度比で2割近く増えた。ただ、このうち繁殖を抑える効果が高い雌の捕獲数は2万3673頭で、目標の2万6000頭には届かなかった。捕獲数は個体数調整と狩猟の合計。地方事務所別の県内10地域では最多が佐久の9885頭、次いで上伊那の9574頭。佐久地域は12年度比で2割以上多い過去最多で、目標の8500頭を超えた。内訳は南佐久の町村が全体の74%を占め、最多は佐久穂町の2279頭、2番目は佐久市の1954頭。主な捕獲地(山域)は八ケ岳、群馬・山梨県境の関東山地、浅間山麓(さんろく)。同地域の捕獲数は12年度も県内最多の7972頭だった。県佐久地方事務所は「鹿の移動に対応し、市町村や県境を越えた広域・共同捕獲などに取り組んだ結果」と説明する。だが、鹿の増加の勢いが止まったかどうかは不明で、南佐久から北佐久に拡大していく傾向にあるという。「冬は隣接の山梨や群馬県内に移動している可能性もある」とみて、今後も共同捕獲などを進める。県のニホンジカの第3期特定鳥獣保護管理計画(11〜15年度)によると、11年時点の県内の推定生息数は10万4666頭。地域個体群別では多い順に八ケ岳4万8527頭、南アルプス3万3787頭、関東山地1万3708頭、その他の地域が8644頭。同計画では現在、増え過ぎて大きな農林業被害などをもたらしている鹿を年間3万5000頭捕獲し、15年度までに3万5000頭に減らす目標を掲げている。県鳥獣対策・ジビエ振興室の担当者は「雌の捕獲数は11年度から目標には届いていない。分布の拡大傾向もあり、県全体で数が減ったかは分からない。15年度に生息調査をして次期管理計画を立案する」と話している。
(白神山地のシカ対策話し合う:青森)
白神山地のシカ対策を話し合う委員会が9日弘前市で開かれた。国の担当者が白神山地と岩木山周辺に監視カメラ69台を設置し、林業関係者に目撃情報の調査を行うことを報告した。専門家からは東北地方全体の目撃情報を集約する体制作りが必要との意見が出た。
(「火縄銃サミット」9月開催:熊本)
葦北鉄砲隊の結成10周年を記念して9月28日、芦北町で「全国火縄銃サミット」が開かれる。全国から30を超える鉄砲隊が集まり、約250人による火縄銃の一斉射撃でギネスブック登録を目指す。7日に芦北町役場であった同サミット実行委員会の設立総会で決めた。2009年に同町であったサミットでは全国23団体・200人が一斉射撃を成功させており、今回は御立岬公園海水浴場で、その更新に挑む。実行委の委員長になった同鉄砲隊の平江大八隊長(52)は「鉄砲隊や芦北町の良さを世界に発信できるよう頑張りたい」と述べた。サミット前日の27日は町民総合センターで歓迎レセプションを開催。俳優の藤岡弘、さん、堺鉄砲研究会代表の澤田平さん、町在住の漫画家村枝賢一さんが記念講演する。葦北鉄砲隊は江戸時代の1630年代に細川藩が藩境防衛で組織し、明治初めに解散した。現鉄砲隊は火縄銃砲術の継承を目的に2003年に結成され、国内外で演武を披露している。
(24歳「狩りガール」、「命、食のありがたみ気付いた」:富山)
山に入って狩猟をし、仕留めた動物を解体、自ら調理し、食する女性たちがいる。石川県猟友会に所属する団体職員加藤彩歌(あやか)さん(24)=金沢市新町2丁目=も、そんな「狩りガール」の一人だ。重い猟具や100キロ近い獲物を運ぶだけでなく、内臓処理などの血なまぐさい作業もいとわない。うら若き女性がなぜ、狩りに没頭するのか。加藤さんは大学で森林生態学を専攻し、野生鳥獣による食害や環境保全に関心を持った。「山の植物や動物が好き。山歩きをするうちに、もっと自然と向き合いたいと思うようになった」。人と動物が互いの縄張りを維持して共生する里山の自然を守りたいと、4月から毎週末、猟友会の藤井潤英さん(65)と、駆除のために仕掛けたわなを見回っている。6月の日曜日、イノシシ捕獲の連絡を受けて、加藤さんは金沢市下涌波町の山林に向かった。おりの中にはメスのイノシシと生後間もない子どもがおり、周囲には強烈な獣臭が漂っている。かわいらしいうり坊に目を細めていても、仕留める段階になれば、ためらいや同情は消し去る。無心になって集中し、素早く息の根を止めることが、動物が苦しまない方法だからだ。イノシシをワイヤでつり上げ、やりで突き、ナイフで解体する。初めて自分で仕留めたイノシシを食べたときは「生きている姿が頭の中でよみがえり、命や食べることへのありがたみに生まれて初めて気が付いた」という。それ以来、肉だけでなく野菜もたくさんの人の手や行程を経て口に入ってくるのだと考えるようになった。「人の都合で殺すのだから、全て無駄なく食べることが礼儀」と話す加藤さんは、部位ごとにおいしい食べ方を試し続け、自宅の冷凍庫はイノシシの肉でいっぱいだ。加藤さんは「農家の意識を変えないと食害は増える一方」と話す。畑や野菜の管理を徹底することが、動物と人間が共生する里山の環境を守る。力が必要な狩猟は男性向きだが、物腰柔らかな加藤さんは駆除で立ち会う農家に注意を呼び掛けており、女性ならではの活躍の場もある。「はやく一人前になり、里山の環境保全の力になりたい」と加藤さんは力を込めた。狩猟や野生鳥獣の肉である「ジビエ」、自然への興味から、ハンターの世界に踏み出す「狩りガール」は、全国で増えており、一般社団法人大日本猟友会は昨年、女性ハンターの増員を目的に、インターネットの特設サイト「目指せ! 狩りガール」を開設した。石川県によると、2012(平成24)年度、狩猟免許交付試験を受けた県内の女性は10人で、08年度の3人から増えた。県猟友会が昨年秋に開いた事前講習会には、20代女性が3人参加した。同会事務局によると、若い女性が参加するのは珍しいという。金沢市によると、イノシシによる農業被害は拡大しており、昨年度は1100万円の被害が発生した。わなによる捕獲数は12年度より71頭多い93頭で、銃と合わせ142頭を捕らえた。
(アイガモ100羽出現のナゾ:千葉)
千葉県香取市を流れる小野川に数日前、100羽ものアイガモが突如現れました。「初めてだもん、今までないもん。こんなに急にアイガモが来たのが」(地元の住民)アイガモといえば、最近では、水田に羽を切ったアイガモを放し、雑草などを駆除させる「アイガモ農法」というものが知られています。千葉でも行われているといいますが、今回のアイガモは、その農家から逃げてきたのでしょうか。しかし、県の家畜保健衛生所が調べたところ、香取市と近隣のアイガモ農家からは、いずれも逃げた鳥はいないとの回答が・・・。いまだ謎の多い今回のアイガモ騒動。定住は望ましくないとし、香取市は、餌付けをしないよう自治会などを通じて呼びかけることを検討しています。夜には群れの鳴き声がうるさいという苦情も。町には少しにぎやか過ぎるの“カモ”しれません。
(指導者チーム、農家と巡回:長崎)
長崎県の島原半島では、農業改良普及員、自治体、JA、農業共済組合の職員がチームを組み、獣害防止柵の設置後も農家と集落を見回り、点検を欠かさない。柵を巡らせても下からイノシシが侵入したり、隠れ場となる耕作放棄地を見つけたりと、被害が減らない理由を現場に出て見つけ出す。柵の維持管理の重要性を周知し、柵の効果を最大限に発揮している。同県では、研修を通じて正しいイノシシ対策の知識を持ち、集落へ周知させる指導者「A級インストラクター」の養成を進める。農業改良普及員を中心に、JAや自治体の職員らがインストラクターとして活躍。農家に柵の設置や維持管理、集落点検の方法などを助言、対策を支援している。イノシシ被害が深刻化する島原半島でも、研修を受け、A級インストラクターとなった普及員や自治体、JA島原雲仙の職員が各集落に対策を指導。2008年度から国の鳥獣被害防止対策交付金を活用して柵を設置している。昨年度までに島原半島の雲仙市、島原市、南島原市内のおよそ400の農家グループが柵を立てた。柵の設置当初から5年が経過。A級インストラクターの資格を持った指導者らは「事業をやりっぱなしでは意味がない。柵を設置するだけでなく、管理をすることが大切」と考え、昨年度、集落のリーダーらにその後の柵の効果をアンケートで調査。その結果、被害が継続しているグループが約90に上った。そこで、島原振興局、3市の担当者、JA島原雲仙、県南農業共済組合の職員で17のチームを結成。被害が減っていない、侵入を許してしまったといった約70グループを回り、柵周辺の草刈りの様子やイノシシの痕跡などを農家と共に調べた。柵沿いの草刈りの頻度や防護柵の補修や見回りの回数の他、被害がいつ、どういった作物に発生しているかなども聞き、改善を促した。不在地主のために柵内の草刈りができないといった悩みの報告もあったという。島原振興局農林水産部の中村麗美主任技師は「回ってみると、農家から対策しても侵入されると相談を受けて、農家の悩みが聞けた。設置した後も関係機関が協力してフォローしていることが農家に伝われば、農家もやる気が芽生える」と巡回の意義を強調する。県によると、こうした柵の維持管理を後押しする貴重な支援という。JA島原雲仙のおばま地区営農センター、出田正史さんは「柵は設置できても、維持管理を継続することが難しい。これからも巡回を続けて農家が困っている獣害対策の支援をしていきたい」と前向きに話している。
(敵はシカ、尾瀬のミズバショウ危機)
福島、栃木、群馬、新潟の4県にまたがる尾瀬国立公園でニホンジカによる希少植物の被害が止まらない。近年では尾瀬の代名詞、ミズバショウも食べられたり荒らされたりするようになり、関係者は危機感を募らせている。実態を知ろうと、現地を歩いた。6月11日、群馬県片品村の登山口、鳩待峠から歩くこと約1時間。多くの登山客でにぎわう尾瀬ケ原の入り口に着いた。湿原に延びる木道を進むと、水辺一面に広がる白い花に目を奪われた。ミズバショウだ。聞いていたような被害はなく、ほっとしたのもつかの間。撮影スポットとして有名な下ノ大堀川で、ミズバショウの一部が根元から掘り返されたような跡を見つけた。さらに、木道が交差する竜宮十字路の近くに向かうと、湿地に大きなくぼみができたり植物が倒されてめちゃくちゃになったりしていた。思わずため息が出る。「尾瀬の一番の見どころが駄目になってしまい、残念。下ノ大堀川の周辺は、以前は被害がなかったのだが…。シカは生息場所を年々変えている」。片品山岳ガイド協会の松浦和男会長(73)は肩を落とす。群馬県や松浦会長によると、ニホンジカが尾瀬に現れるようになったのは1990年代半ば。例年、雪解け後に日光方面からやってくる。天敵が少なく繁殖力が高い上、地元猟師の高齢化もあって数が増え、2009年ごろからは植物が食べられる食害が拡大した。湿原を歩き回ったりダニなどを取ろうと泥に体をこすり付けたりし、周囲の植物まで荒らすケースも目立っている。国や自治体は対策に懸命だ。主に環境省が駆除を続けてきたが、群馬県も昨年(2013年)、わなを使った捕獲を始め、春と秋に計148頭を捕まえた。今年は春だけで152頭。妊娠した雌が多く、繁殖を未然に防げた。竜宮十字路近くの山小屋の小屋主、萩原澄夫さん(60)は「数年前に比べ、この辺りでは被害が減った印象だ。捕獲の効果ではないか」と話す。ただ、生息場所を変えるニホンジカは個体数の正確な把握が難しい。食害も続いており、群馬県の担当者は「どれだけ捕獲すればいいのか現時点では分からない。今後も地道に続けていく」と気を緩めない。行き合った登山客の男性は「そんなに被害がひどいとは実感できない」と話した。貴重な自然はまだ壊滅したわけではない。「取り返しがつかなくなる前に何とかしなければ」。そんな思いを抱きながら帰路に就いた。
(通学路にクマ避けの電気柵設置:長野)
伊那市のますみヶ丘に出没するクマの対策として、伊那西小学校関係者や地区住民、信州大学は、餌場となっているトウモロコシ畑に電気柵を9日、設置しました。この日は、小学校の教諭やPTA、信州大学の関係者など30人が作業を行いました。参加した人たちは、餌場となっている畑を囲むように支柱を打ち付け、そこに、ワイヤーを、固定していました。地元の人によると、この付近ではおよそ10年前からクマによる食害が発生しているという事です。人への被害も報告されている事から、伊那西小では、平成23年にクマに対する安全会議を設置し、県や市、信州大学と共に対策を検討してきました。今回、信州大学が行動調査も行う為、部材代を負担し、通学路に面しているトウモロコシ畑に電気柵を設置しました。作業は、午前中に行われ、5か所の畑に総延長1.5キロの柵を設置しました。伊那西小によりますと、今年は熊の目撃情報は無いということです。
(「鹿カツカレー」大人気:京都)
京都学園大(京都府亀岡市曽我部町)の学食に4月からシカ肉のメニューが本格採用され、人気を集めている。分厚いモモ肉を使ったカツが皿の上で盛り上がる「鹿カツカレー」。10日に1度の提供日にはほぼ毎回品切れになるほどだ。学食「ゆう愛」が、シカにちなんで4が付く毎月4、14、24日(平日のみ)に1日25食限定で提供している。単品500円、サラダ付き600円。ボリューム満点で特に男子学生の人気が高い。1月、シカなどの獣害を学んだ学生の提案で、同学食がメニュー採用の検討を開始。串カツや煮込みなどメニュー数種を2度、試験提供した。冬休みの間に検討を重ね、赤身のジューシーさが際立つカツと定番のカレーを組み合わせた。当初は1日10食だったが、人気が高まったため、6月から仕入れ量を増やして25食にした。仕入れ先は南丹市美山町の「田歌舎」。狩猟後に血抜きなど丁寧に下処理したシカのブロック肉を使う。店内では、低脂肪でビタミンやミネラル分が豊富などの特長をパネルで紹介している。1日に2度食べる学生や、健康を重視して毎回注文する体育会系の学生も多いという。7月最初の提供日となった4日も大人気。経営学部1年で硬式野球部の廣岡伶哉さん(18)は「食べやすい。次も注文したい」、人間文化学部3年の東條泰希さん(20)は「冒険のつもりで初挑戦したけど、おいしい」と満足そうだった。

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(イノシシにかまれ女性が軽傷:兵庫)
6日午後9時ごろ、神戸市東灘区岡本4の路上で、歩いて帰宅中の会社員女性(30)=姫路市=がイノシシに尻をかまれ、軽いけがを負った。東灘署によると、女性は、ごみステーションでごみをあさっているイノシシの横を通り過ぎた際、後ろからかまれたという。イノシシは成獣とみられ、駆けつけた署員が探したが、見つからなかった。現場は山手幹線北側の住宅街。周辺では5月25日から6月17日までの間に、計5人がイノシシに襲われている。
(列車と衝突、クマ死ぬ:北海道)
3日午後7時40分ごろ、標茶町のJR釧網線五十石(ごじっこく)~標茶駅間で、釧路発網走行き普通列車(1両編成、乗客28人)が、クマと衝突し停止した。けが人はいない。衝突されたクマは体長約1・3㍍で、保線社員が線路上に死んでいるのを確認し、4日午前4時ごろ、標茶町役場の職員やハンターに回収された。  弟子屈署とJR釧路支社によると、運転士が線路を横断しようとしているクマを発見し、ブレーキをかけたが間に合わず、衝突。その後、列車前方からエンジンの冷却水が漏れているのを運転士が発見し、前のエンジンを止めて後方のエンジンのみで、34分遅れで運転を再開した。
(知事公邸の庭荒らし御用:鳥取)
鳥取県知事公邸(鳥取市東町1丁目)の庭が何者かに荒らされる事件があり、暗視カメラを設置した県が“犯人”を割り出したことが3日、分かった。大方の予想通り、庭荒らしの正体は猪突(ちょとつ)猛進する、あの“厄介者”だった-。久松山南側の知事公邸は裏手の山と庭の間にフェンスが張られ、侵入者を防いでいる。ところが4月ごろ、夜な夜な庭を掘り起こす不届き者が出没。被害が続くため、県鳥獣対策センターから暗視カメラ2台を借り、監視体制に入った。数日間監視したところ、映像がとらえたのは、正面玄関から堂々と公邸に入っていくイノシシの姿。味をしめたイノシシは、4月28日昼にも公邸に侵入。職員に発見され、網で“御用”となった。公邸には、過去にもイノシシが出没。平井伸治知事もたびたび目撃していたという。県立博物館や仁風閣など近隣施設でも植物の根の辺りを掘り返す被害が相次いでいる。庭が荒らされる出来事に不安も覚えた平井知事の妻、りえさんは眠れぬ日もあったとか-。その後、裏手のフェンスや正面玄関の柵の下はふさがれ、平井夫妻は「平穏な夜」を取り戻したようだ。
(クマ目撃:北海道)
ヒグマの目撃情報が5日、役場などに相次いで寄せられた。釧路署の発表によると、同日朝、釧路市阿寒町シュリコマベツの市道で散歩をしていた男性会社員(55)が、約30メートル先をヒグマが歩いているのを目撃した。約40キロ南の路上にはヒグマのフンが見つかった。釧路町床丹の釧路陵墓公苑付近ではタクシー運転手が目撃し、地元猟友会が警戒に当たった。苫小牧市丸山の国道276号と紋別市元紋別の市道でもヒグマが目撃されたほか、広尾町や江差町、初山別村でも目撃情報があった。道警や自治体が注意を呼びかけている。
(ヒグマ目撃、注意呼びかけ:北海道)
4日の朝、北海道のオホーツク海側にある雄武町の小学校のすぐ近くでヒグマが目撃され、町が注意を呼びかけています。4日午前6時半ごろ、雄武町沢木の国道で車を運転していた男性が、体長1メートル50センチほどのヒグマが歩いているのを見つけ、警察に通報しました。クマが目撃された地点から50メートルほどの場所には、児童数13人の沢木小学校があり、このうち9人が徒歩で通っていることから、学校は保護者に対して児童の登下校に付き添うよう依頼しました。雄武町内では2日夜から4日朝にかけて、ヒグマの目撃がほかに2件相次いでいますが、これまでの捜索では見つかっておらず、町は捕獲のためのわなを設置するとともに、周辺の住民に注意を呼びかけています。雄武町産業振興課の小野隆行さんは「住民も不安になっていると思うので、警察などと連携してしっかり対応していきたい」と話しています。北海道内では3日、南部の北斗市の小学校近くでヒグマが目撃されたほか、先月には札幌市内などでも出没が相次いでいて、自治体や警察が警戒を強めています。
(クマの目撃:新潟)
6日午後0時半ごろ、新発田市上中山の男性が山方向へ走り去る子グマを目撃し、110番通報した。新発田署によると、子グマの体長は不明。現場から近くの集落まで約300㍍で、新発田署と新発田市は注意を呼び掛けている。
(クマ目撃:新潟)
5日午前7時すぎ、新発田市本田の中峰ゴルフ倶楽部で、ゴルフ場から県道方向に走っている子グマを従業員が目撃し、月岡駐在所に通報した。新発田署によると、子グマの体長は約50センチ~1メートルで、現場近くには民家が多数ある。新発田市本田では4日にも約1メートルのクマが目撃されており、同署と新発田市は注意を呼び掛けている。
(クマ目撃情報相次ぐ:福島)
県内では5日、クマの目撃が相次ぎ、県警は、不用意に近づかないよう、ドライバーや観光客に注意を呼びかけている。会津美里町和田目では、午前3時55分頃、乗用車の女性が、道路中央に体長約1メートルのクマがいるのを目撃した。会津若松署によると、現場はJR若宮駅の南東約1・3キロで畑の中。須賀川署によると、天栄村の国道118号鳳坂峠で同11時10分頃、車で通行中の男性が、道路を横断する体長約1・5メートルのクマを目撃した。また、猪苗代署によると、北塩原村桧原で午後1時15分頃、乗用車の男性が、ペンションが立ち並ぶ沼地近くの県道を体長約50センチのクマが横断するのを目撃した。
(クマが出没:石川)
小松市大野町でクマが出没し、警察は付近の住民に注意を呼びかけています。5日午前9時ごろ、小松市大野町の県道金平・寺井線を車で通行中の女性が、道路脇にクマが歩いているのを見つけ警察に通報しました。クマは体長50センチほどの小グマとみられ、茂みの中に入って行ったということです。発見現場からおよそ300mの所には保育所や小中学校があることから、小松市と警察は学校や住民に注意を呼びかけたほか、小中学校では保護者による送り迎えを実施する予定です。
(クマ目撃:栃木)
4日午後5時半ごろ、日光市中宮祠の国道を横断するクマ1頭が目撃された。日光署は警戒を呼び掛けている。同署によると、体長約1メートル。現場は華厳の滝から北東に約500メートルの森林。帰宅途中の女性が目撃したという。
(野生のクマとイノシシから放射性物質:群馬)
県は4日、前橋市や安中市などで5月に捕獲された野生のツキノワグマ3頭とイノシシ2頭から、国の基準を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。最高は前橋市のツキノワグマで、基準値の6・4倍に相当する1キロ当たり640ベクレルだった。クマやイノシシは県内全域で出荷制限中。
(小中学生も射撃が可能に、射撃年齢引き下げのパブコメ募集中)
射撃の下限年齢の引き下げについてパブリックコメントを募集している。警察庁生活安全局保安課企画係が射撃の下限年齢を引き下げる件についてパブリックコメントを募集している。対象となるのは空気銃と装薬銃だ。目的は2020年の東京オリンピックに向けた若年層の競技者育成のため、射撃競技団体や文部科学省から要望が出たそうだ。空気銃は、現在18歳以上でなくては所持できないようになっているが、競技会などに向けた年少射撃資格認定制度を設けており、例外として14歳以上であれば、一定の条件の下で射撃が許可されている。これを14歳未満にも引き下げようとするもので、案として8歳(競技団体の要望)、10歳(小学校高学年)、12歳(小学校卒業)を挙げている。装薬銃は、現在18歳未満の所持は禁止で、空気銃のように競技であっても18歳未満に射撃が許可されることはない。これを14歳(競技団体の要望)、16歳(陸上自衛隊高等工科学校において射撃を開始する年齢)などに下げる案や、まず空気銃の射撃年齢の引き下げを行って様子を見た後に、装薬銃も検討する案が出されている。勘違いするといけないのだが、今回の案は「射撃」年齢の引き下げであって、「所持」年齢の引き下げではない。現在でも空気銃を年少者(14歳以上18歳未満)が所持することはできず、監督者が所持許可を受けた銃を「射撃」することが許可されているだけだ。パブリックコメントには賛否両論集まりそうだが、結局のところ引き下げになりそうな感じがある。何と言っても「東京オリンピック」の影響は大きい。黄門様の印籠のように、「東京オリンピック」が出てしまえば、何でも通りそうな雰囲気がある。コメントの募集は17日まで。
(射撃場を再整備へ、ハンター育成・有害鳥獣対策に:鳥取)
鳥取市が、休場中の鳥取クレー射撃場(同市覚寺)を再整備し、再開することになった。イノシシなどによる農作物被害が拡大している一方で、ハンターは高齢化が進むなどで減少。再開によりハンターを育成し、有害鳥獣対策につなげる。同射撃場は昭和58年に開設されたが、利用者が減り平成20年に休場。鉛の散弾が場内に散らばっていたため、土壌を調査した後、来年初めから再整備を始める。表土を撤去し、射場や管理棟などを改修。散弾などが回収しやすいようアスファルト舗装などを行う。平成27年度中の再開を計画しており、整備費用は約3億6100万円。射撃場がない鳥取県東部のハンターは、県境を越えて岡山県に練習に行くケースが多い。また猟銃の免許更新には技能講習が必要になった。ハンター数を増やすには近くで練習や講習ができる環境の整備が急務と判断した。同市では射撃場の再整備により、10人程度のハンター育成を期待している。
(若手ハンター育成急務)
農作物や森林に深刻な被害を及ぼしているシカやイノシシ対策を強化するため、改正鳥獣保護法が成立した。増えすぎた野生動物の捕獲を促す狙いだが、肝心のハンターは40年前の半数にも満たない。担い手を増やすことが急務となる中、専門知識を持った若いハンターを育てる取り組みが始まっている。「いったん掘り返した場所を、自然のように見せるのは難しいですね」。シカの足を挟むわなの上に土をかぶせながら、東京環境工科専門学校(東京都墨田区)3年の後藤康宏さん(20)がつぶやいた。群馬県・前橋駅から車で約1時間の赤城山の中腹。シラカバで有名な山林で今月中旬、同校の実習が行われた。受講生は後藤さんと、同学年の松沢正実さん(20)。わなを仕掛ける練習をし、森林の食害の現場を見て回った。わなはワイヤで木につながれ、木にはセンサーをくくり付けている。シカが足を挟まれて暴れると、ワイヤが引っ張られてセンサーが反応し、登録者の携帯電話にメールが送られる仕組みだ。2人は土や落ち葉、草で丁寧にわなを隠すと、棒をわなに刺して反応させ、作動の流れを学んだ。「警戒心が弱いシカはかかるけれど、いったんわなに近づいて手前で離れる慎重なシカが映った動画もある。人間との知恵比べだ」。講師の青木豊さん(52)が説明すると、2人は真剣な表情でうなずいた。後藤さんと松沢さんは、同校が今年度から開設した4年制の「野生動物管理専門家養成コース」に在籍。同コースは、シカやイノシシなどの捕獲技術を持ち、被害対策の立案ができる人材の育成を目指しており、銃猟免許やわな猟免許も取得してもらう。同校によると、鳥獣被害対策について体系的に学ぶコースは珍しいという。幸丸こうまる政明校長は「(鳥獣対策を担う)猟友会メンバーは高齢化している。野生動物の生態を熟知し、効果的な管理法を考えて、現場でも働ける即戦力を輩出することが求められている」と設置の狙いを語った。環境省によると、狩猟免許の所持者はこの40年間で半減し、高齢化が進んだ。1975年度は51万8000人で、60歳以上は9%だったが、2011年度は所持者が19万8000人に減少する一方、60歳以上は66%に上った。農林水産省によると、農作物の被害額は調査を始めた99年度以降、200億円前後で推移している。12年度は230億円で、シカ、イノシシ、サルによる被害が約7割を占めた。同省はシカやイノシシなどの捕獲者に、1頭あたり8000円を上限に経費を払い、捕獲を進める仕組みなどを設けたが、若いハンターの確保は喫緊の課題だ。改正鳥獣保護法では、わな猟などの免許取得年齢を20歳以上から18歳以上に引き下げるなど、担い手育成に向けて要件を緩和した。環境省は12年度から、ハンターの役割を伝え、わなの実演などを行うフォーラムを各地で開催。約3800人が参加し、13年度の来場者アンケートでは64%が20~40歳代だったが、同省の担当者は「狩猟はもともと趣味の位置付けで、ハンターで生計をたてるのは難しい」と語る。同校の担当者も「就職先には自治体や、わなの監視などを行う警備会社が想定されるが、雇用を生む土壌は固まっていない」と課題を口にする。「狩猟管理学研究室」を4年前に開設した酪農学園大(北海道江別市)の伊吾田宏正准教授は「現状では専門知識を生かす職場が民間にも公的機関にも少なく、意欲のある若者を十分に生かせない」と指摘。同法では捕獲などの専門業者の認定制度も導入しており、「捕獲ビジネスが成長すれば、ハンターの需要が高まり、担い手確保が進む可能性もある」と期待した。
(ヒグマ出没、対症療法で立ちゆかぬ:北海道)
行楽シーズン真っ盛りの中、道内各地で昨年以上にヒグマの目撃が相次いでいる。毎年のように公園や自然散策路が閉鎖されるようになったのは、親離れした若グマが居場所探しや好奇心から市街地近郊に出てきているからとの指摘がある。住民の安全を考えると閉鎖は暫定措置としてはやむを得まい。だが、クマは学習能力が高く、人が近づかないとみると、さらに人里に接近してくる傾向がある。「対症療法」で立ちゆかない時期にきたと認識すべきだ。各種調査で、道内全体の頭数は近年、大幅に増加したと推定されている。札幌近郊には繁殖力のある複数の雌グマも居着いている。それでも安易に駆除できない状況では、共存しつつ、人の安全を確保する発想が欠かせない。検討すべきは、「人の生活域」と「クマの生息域」のすみ分けを明確にし、間に緩衝地帯を設けるゾーニング(区域分け)である。福島県ではすでに導入し、一定の効果を挙げている。具体策として、まず侵入路を断つことから始めたい。環境破壊にならぬ範囲で、クマが隠れるやぶや河畔林の伐採を進めてほしい。昨年、度重なる侵入を受けて、札幌市南区の滝野すずらん丘陵公園が行った柵の強化は他の公園や施設でも検討の余地がある。それで食い止められないなら、電気柵の設置や威嚇による奥地への追い立て、わなによる捕獲、追い払い専門に訓練された対策犬の導入などを組み合わせるべきだ。対策犬は長野県軽井沢町で役立っている。ただ、対策を立てるに当たっては実態把握が先決だ。個体数や分布状況を調査した上で、官民と専門家で具体策を練る必要がある。一方で、事故防止には、何をおいても市民や子ども一人一人がクマの習性や遭遇時の対応を知っておくことが欠かせない。生ごみや果樹、農作物が簡単に手に入れられる状況をつくらないことが肝要だ。ごみは当日出しを徹底し、散策路などに食べ残しを放置しないよう心がけたい。市街地にうまみがなく、居心地が悪いとクマが学べば、出没は減るはずだ。道は今年3月、道内全域のヒグマ保護管理計画を策定した。クマを人里や農作物に執着させないために、住民や社会の側に意識変革を求めた点は評価できる。確実に実行に移す行程表づくりを急いでもらいたい。
(「ししバーガー」商品化へ猛進:富山)
高岡市商工会青年部は四日、高岡のB級グルメとして取り組んでいるイノシシ肉を使った「ししバーガー」を同市戸出町の戸出コミュニティセンターで試作し、前日開幕した戸出七夕まつり会場で関係者にふるまった。青年部は、高岡市福岡地区などでイノシシによる農作物の被害が出ていることから、イノシシ肉を使った特産品の開発を昨年から始めた。これまでにハンバーグやギョーザ、ホットドッグ、ハンバーガー、鍋を試作。今回は最も商品化しやすいことを理由にハンバーガーを選んだ。メンバーは、下ごしらえした約五キロのイノシシ肉ハンバーグを手際よく焼き、四十個のハンバーガーを仕上げて、まつり会場で配った。責任者の山口克次・開発委員長(33)は「最高の出来。早く大勢の人に試食してもらい、来年には商品化したい」と話している。

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(小学校敷地に子グマ出没:山形)
3日午前、鶴岡市の小学校の敷地に子グマ1頭が出没した。クマはすぐにその場から立ち去りけが人などはいなかった。3日午前10すぎ、鶴岡市山五十川【やまいらがわ】にある山戸【やまと】小学校の校舎の裏で、体長およそ50センチの子グマがいるのを教員が発見した。クマはすぐに山に戻っていた。学校によると当時、1、2年生10人が校舎の表側のプールで水泳の授業中だったが、授業を中断して校舎の中に避難し、いずれもけがはなかった。クマ出没を受け学校では、教員が付き添って集団で登下校する措置を取るという。鶴岡市温海庁舎・庄司又兵衛産業課長は「児童、生徒もいるし、住家も近いので猟友会とも相談しながら対応していきたい。鈴や携帯ラジオを鳴らしてクマが近寄らないようにしてほしいし、(山には)一人で行かないようにしてほしい」と述べた。周辺では、1日にも山戸小から1キロほど離れた道路上でクマが目撃されていた。
(イノシシのワナに男性かかる:岐阜)
3日午前10時10分頃、岐阜市鏡岩の金華山山林を歩いていた同市内の男性(82)が、左足首をイノシシのくくりワナ(直径20センチのワイヤ)に締め付けられて動けなくなった。駆け付けた同市消防本部のレスキュー隊員がワイヤを切断し、救急車で病院に搬送した。男性は足に一時的なしびれがあったものの、骨には異常はなかった。同市農林園芸課によると、金華山では最近、イノシシがよく出没し、周辺の農作物を荒らしたりすることから、昨年は46頭を捕獲。今年は5月末までに9頭を捕獲している。現在、金華山の登山道以外の山林に20か所、注意喚起の看板と一緒にくくりワナを設置しているが、人がかかる事故は初めて。同市は今後、注意喚起の看板を増やして事故防止を図ることにしている。事故にあった男性は、金華山のごみ拾い活動の下見をしていてワナにかかったという。
(空気銃所持の年齢条件緩和へ)
警察庁は3日、競技用空気銃の所持を例外的に認めている年齢を、現在の14歳から引き下げる方針を固めた。秋の臨時国会に銃刀法改正案を提出する。2020年東京五輪・パラリンピックに向け、低年齢からの選手強化を目指す競技団体が条件緩和を求めていた。年齢は8歳、10歳、12歳のいずれかで検討する。銃刀法は、18歳未満の空気銃の所持を禁止しているが、国体などの候補として地方の体育協会からの推薦があり、都道府県公安委員会が認定した14歳以上の選手は所持が認められている。対象となっているのは昨年末時点で260人。
(ライフル射撃協会、銃刀法の緩和方針を歓迎)
警察庁が競技用空気銃の使用可能な年齢を現在の14歳から引き下げる方針を固めたことに対し、条件緩和を求めていた日本ライフル射撃協会の松丸喜一郎専務理事は3日、「われわれの悲願。早急な対応をしていただいて大変ありがたい」と歓迎した。同協会など競技で銃を使用する6団体は、2020年東京五輪・パラリンピックに向けて低年齢からの選手強化を進める必要があるとし、銃刀法緩和を求める要望書を文科相らに提出していた。松丸専務理事は「(緩和が実現すれば)他の強豪国と同じように、若年層から強化できる。東京五輪で成果を残せるようにやっていく」と述べた。
(環境相、シカ食害や施設の管理状況を確認:群馬)
石原伸晃環境相は2日、片品村の尾瀬国立公園を視察し、シカによる食害や施設の管理状況を確認した。視察後、石原環境相は「湿原は想像以上にシカに荒らされていた。被害が広がる前にしっかりとしていきたい」と話した。猟友会の高齢化が進んでいることから、若い人に入ってもらって対応することや、捕獲方法としてワナを使うことも有効だと指摘した。
(シカ捕獲は企業・団体と猟友会協力:福島)
石原伸晃環境相は2日、尾瀬の尾瀬ケ原などを訪れ、シカの食害の現状などを視察した。国が認めた企業・団体と地元の猟友会が協力してシカの捕獲に当たる同省の事業を、全国に先駆けて尾瀬で始める考えを示した。石原環境相は群馬県側の龍宮小屋で、星光祥檜枝岐村長らと懇談した。星村長らの案内で尾瀬ケ原を歩き、貴重なニッコウキスゲやミツガシワなどが食害に遭っている実態や、入山者が減少している現状について説明を受けた。石原環境相は群馬県側の鳩待峠で記者団の取材に応じ、「想像以上に湿原が荒らされている現状を聞いた。地元、民間の協力を得ながらしっかりと守らなくてはならない」と話した。新たな食害防止対策として、国が捕獲専門家として認定した企業・団体が、地元の猟友会とともに駆除に当たる事業を展開する。星村長は「尾瀬に対する理解を深めてもらったと思う。視察の成果を踏まえ国として課題解決にしっかり対応してもらいたい」と語った。見晴地区で原の小屋を営んでいる星幸代さん(61)は「貴重な自然を残すため、シカの食害対策を早急に進めてほしい。このままでは生態系に変化が生じてしまう」と訴えた。
(クマ目撃:栃木)
日光署によると、3日午後5時50分ごろ、日光市中宮祠の同市中宮祠水処理センター北側山林でクマ1頭が目撃された。クマは体長約1メートル。犬の散歩をしていた付近住民が目撃した。現場は第1いろは坂の下り口近く。同署は同市や関係団体と連携し、警戒を呼び掛けている。
(クマ2頭目撃される:栃木)
那須塩原署によると、3日午前11時8分ごろ、那須塩原市鴫内の市道上でクマ2頭が目撃された。体長はそれぞれ約1メートル、約80センチほど。散歩中の男性が道路を横断し山林へ逃げていくのを目撃し110番した。現場は民家から200メートルほどの距離。同署では付近を検索するほか、警戒や注意を呼び掛けている。
(クマ2頭の目撃情報:栃木)
今市署によると、3日午後2時半ごろ、日光市独鈷沢、国道121号沿いの公園駐車場でクマ2頭が目撃された。通行人が目撃し同署に通報した。現場は三依駐在所から南に約2・5キロの距離。同署では関係機関と共に現場付近を確認するほか、警戒や注意を呼び掛けている。
(クマ目撃:栃木)
2日午後6時50分ごろ、日光市中三依の野岩鉄道中三依駅北側の空き地付近でクマが目撃された。今市署は注意を呼び掛けている。同署によると、クマは体長約1メートル。駅で列車を待っていた乗客が発見し、警察に通報したという。
(窓突き破り民家にシカ:群馬)
1日午前7時50分ごろ、桐生市新里町山上の萩原泰雄さん(65)方に、シカ1頭が掃き出し窓のガラスを突き破って飛び込んだ。数十分間にわたって家の中で暴れ、屋外に逃げた。けが人はいなかった。萩原さんによると、シカは体長1メートルほどで角はなく、雌だったとみられる。家の中に入った後、出口を探して暴れ回り、萩原さんが捕獲を試みたが振りほどいて屋外に逃げた。萩原さんは「まさかシカが家の中に入ってくるなんて」、妻の広子さん(65)は「ガラスが割れるすごい音がして何事かと思った」と驚きを隠さなかった。現場は市新里支所の西約800メートルで、県道前橋大間々桐生線に面した民家。市の担当者は「新里地区の山間部にはシカが生息しているが、住宅地に出没するのは珍しい。家の中に入った例は聞いたことがない」と話している。
(クマ出没、水族館休館:京都)
京都府宮津市小田宿野の水族館「丹後魚(うぉ)っ知(ち)館」一帯でクマが目撃され、休館を余儀なくされている。現在も敷地内にクマが出没しており、再開のめどは立っていない。関西電力宮津エネルギー研究所の敷地内にある。6月28日と29日に相次いで、研究所の警備員が敷地内の道を歩くクマを目撃した。クマのふんが見つかり、実がなっているヤマモモの木が荒らされていた。研究所は危険と判断し、28日から魚っ知館を臨時休館とした。関西電力の松下浩士エネルギー研究所課長は「捕獲されるなどクマが来る危険がなくなったと判断されるまで、再開できない」と話す。今後、府丹後広域振興局や宮津市と相談し、クマの捕獲や、餌となるヤマモモの伐採、クマの嫌う音を出すスピーカーの設置など、対応策を検討する。2005年にもクマの目撃情報があり、魚っ知館を2カ月間休館したことがある。
(墓参り、クマに注意:石川)
七月にお盆の墓参りをする人が多い金沢市。最も大きな市営墓地の野田山墓地(野田町)では、六月二十日に駐車場でクマが目撃され、以後も二日までに目撃や痕跡の報告が四件あった。市は遭遇を防ぐため、供え物の持ち帰りや鈴の携帯を呼び掛けている。
市内には四カ所の市営墓地があるが、クマの情報は一万六千区画がある野田山墓地に集中。昨年同時期の目撃はないが、二〇一二年七月には六十代の男性がクマに襲われて負傷した。市森林再生課の担当者は「墓が多いため、出入りする人が見つける機会も多いのでは」と推測する。今年六月二十七日には墓地南の三小牛町で痕跡が見つかり、三十日には近くの野田町でミツバチの巣箱が荒らされた。七月二日には再び三小牛町、大桑町で草をかき分けた跡が見つかった。墓地駐車場にはクマ出没を知らせる看板があり、クマやカラスを招き寄せる供え物の菓子や飲み物を持ち帰るよう呼び掛ける。また管理事務所ではクマ鈴を貸し出している。同課の担当者は「墓参の際はラジオやクマ鈴で音を鳴らしながら行動を。茂みには近寄らないように気をつけてほしい」と話した。
(鹿捕獲が過去最多:長野)
諏訪地方6市町村で2013年度に捕獲された鹿は前年より約1000頭多い5002頭となり、過去最多を更新したことが2日、県諏訪地方事務所林務課のまとめで分かった。市鳥獣被害対策実施隊の集中的な活動や、鹿の行動を見定めた上での効率的な捕獲が奏功。諏訪の年間捕獲目標(4500頭)を達成した。鳥獣による農林業被害額は市町村まとめで8640万円。鹿害が全体の7割強と依然高率を占めている。捕獲の内訳は、市町村が猟友会に委託するなどした個体数調整で3750頭、狩猟で1252頭。個体数調整には南信森林管理署が国有林で捕らえた個体や、霧ケ峰・高ボッチ周辺など駆除が困難な地域で、諏訪広域捕獲隊(隊員7人)がわなで捕った216頭が含まれる。市町村別(かっこ内は個体数調整)では、茅野市が最多の1598頭(1271頭)。以下、富士見町1293頭(782頭)、諏訪市1002頭(714頭)と続き、他3市町村も前年実績を上回った。茅野、諏訪両市では、非常勤特別職としてわな捕獲に従事した「実施隊員」の活躍もあって、総数が伸びたと分かっている。農林業被害額はこれで3年連続で減少。農業関係が4262万円と前年比で約490万円減り、林業関係は4378万円と280万円ほど増えた。2月の大雪でササ類が採食できなくなり樹皮の食害が増えた可能性もあるが、「大雪が主因と断定するのは現時点では難しい」という。同課は「捕獲の担い手である猟友会員や、市町村の努力のたまもの。諏訪地域で独自に作った鹿の行動マップも貢献したと思う」と分析。数字として表れない自然環境・高山植物の被害もあり、今年度は5170頭を目標に捕獲を進める方針だ。
(ハンター震災で減少、農作物被害深刻化:岩手)
釜石市で20年ぶりとなる狩猟免許試験が20日に実施される。東日本大震災の影響で猟銃が流失したことなどで猟師の数が激減し、増加した野生生物によって農作物への被害が深刻化していることが背景にある。ただ、東京電力福島第1原発の事故による出荷制限などもあり、野生生物を食肉として活用する道にも課題が山積している。実施される試験は網猟、わな猟、散弾銃などの装薬銃、空気銃の4種類。20年ぶりの試験とあって市も全面支援の態勢をとる。合格者に対し、受験料や試験に必要な診断書の作成料、免許の登録料などを補助する。補助率や限度額は合格者数などをみて決めるという。猟師が激減した背景には震災の津波がある。猟銃の所持などを定める銃刀法では、殺傷能力の高いライフル銃を所持するためには、散弾銃など別の銃の所持歴が10年以上必要とされる。県警生活環境課は「銃刀法は個別の銃を規制する法律。銃が1本でも残っていれば、継続となるが、全てなくなると許可が途切れ、再所持するためには一からやり直しとなる」と説明する。津波で全ての銃が流失した猟師の多くがライフル銃の再所持を諦めており、釜石・大槌連合猟友会によると、震災前140人いた会員は現在90人程度になっている。農作物への被害も深刻化している。県自然保護課によると、これまで3億円前後だった被害額は平成24年度に5億1180万円となった。自然保護課の担当者は「農家も県も被害対策に本気になっている。急増の要因はこれまで計上しなかった被害が表に出たことにあるが、実感として5、6年前から被害が増えている」と話す。これまでニホンジカの生息域は住田町、釜石市、大船渡市にまたがる五葉山周辺が北限とされていたが、生息数の増加や暖冬による降雪量の減少で県内全体に広がっているとされている。県では、五葉山周辺のシカの生息数について、統計調査を継続しており、25年3月で7400~1万頭と推計している。ただ、区域面積は県全体の約2割程度でしかなく、県内全体での調査は実施していないため、県内全体での生息数は把握できていない。猟友会からは、急増する野生生物を食肉として活用できないかという声が上がるが、それを阻むのが、東京電力福島第1原発の事故だ。基準値を超える放射線量が検出されたとして、クマ肉については24年9月から、シカ肉については同年7月、ヤマドリ肉については同年10月、県の全域を対象に出荷制限を受けている。厚生労働省によると、放射線量を管理できる場合、市町村単位で例外的に規制が解除される場合もあるという。しかし、全頭検査や専用の処理場の整備、加工の際に市職員の立ち会いなど厳密な管理が要求されるため、資源活用の道も険しい。
(シカの食害対策万全、防護柵を設置:福島)
尾瀬で深刻化するニホンジカの食害を防ごうと、国、県、地元町村が連携しての本格的な対策が1日から始まった。林野庁は同日までに大江湿原を囲む防護柵の設置を完了。県は檜枝岐村、南会津町などと一緒に湿原でシカの追い払いを始めた。大勢の入山者でにぎわうニッコウキスゲの開花時期を間近にし、万全の態勢を取る。防護柵は沼山峠側の木道から尾瀬沼の近くまで、全長約3・5キロにわたって設けた。高さは約2メートルあり、支柱と支柱の間に金属性の丈夫な網が付いているので、シカは容易に侵入できない。防護柵が本道と交差する地点は、金属製の網目の「道」にしてシカが湿原内に入れないようにした。6月上旬から専門家らの意見を聞き、設置を進めた。ハイカーが行き交う木道から離れた山林内を通し、色を茶色にするなど、景観に配慮した。シカが侵入しようとして柵に体当たりし、損傷することも考えられるため、定期的に巡視を続ける。尾瀬沼周辺の宿泊施設の関係者は「柵が設置されて以降、シカは湿原に入ってきていないようだ」と効果を期待する。防護柵と並行して取り組む追い払いは県、地元町村、環境省、林野庁、尾瀬保護財団の職員が参加する。担当者が2人以上のチームをつくり、毎日午後6時から翌朝5時まで大江湿原のニッコウキスゲの群生地を中心に歩いて回る。シカを発見した場合は電灯などを使って追い払う。ニッコウキスゲの花のシーズンが終わった後も、茎が食べられないよう8月中旬ごろまで活動を続ける予定。
(イノシシ対策会議、夜間・休日の連絡体制など確認:兵庫)
神戸市の住宅街で住民がイノシシに襲われる被害が相次いでいることを受け、市は2日、市役所で、県や県警など関係機関と連携会議を開いた。11機関から担当者ら計17人が参加し、イノシシ対策などの情報共有や夜間・休日の連絡体制などを確認した。会議は、イノシシ被害が連続して発生以降、初めて開催した。市や被害が集中している東灘、灘、中央各区の区役所、県森林動物研究センター、関係警察署などの担当者らが参加した。市の担当者が近年の被害状況やイノシシの捕獲頭数、パトロール事業や餌付け禁止の啓発などの市の対策について説明した上で、協力を要請。県森林動物研究センターの研究員が、東灘、中央両区でイノシシの餌付け場所から近くなるほど苦情の件数が多くなるなどとするデータを報告した。また、緊急時の連絡体制についても議論。警察が夜間や休日などの緊急時、区役所を通さずに直接、猟友会に出動要請ができる体制を整えることなどを確認した。
(ラムサール条約への懸念:佐賀)
佐賀市が東与賀町沖の干潟を、国際的に重要な湿地帯として保全する「ラムサール条約」への登録を検討している。来年6月の第12回締約国会議での申請を目指し、地元住民や県、環境省と協議を進めていくが、対象地域とその周辺は農漁業者らにとっても大切な生産現場ともなっている。環境保護と人の営みを、どう共存させていくのか。実現に向けてのハードルは相当高そうだ。ラムサール条約は水鳥の生息地として国際的に重要な湿地および、そこに生息する動植物の保全を目的に1971年採択された。2012年3月現在、世界で1997カ所、約1億9200ヘクタールが登録されている。日本は46カ所(計13万7968ヘクタール)で、絶滅の恐れのある生物の生息地など国際的基準に加え、国の自然公園法や鳥獣保護区の特別保護地区などに指定、地元住民の賛意が得られることが条件となっている。佐賀市が登録を目指すのは、八田江川と本庄江川河口の間に位置する東与賀干潟。シギ・チドリの飛来数が日本一多いことで知られ、環境省の12年調査では約6840羽を確認した。このほか希少種のクロツラヘラサギ、ツクシガモ、ズグロカモメなどが生息、魚介類もムツゴロウ、ワラスボなど有明海でしか見られない貴重な生物の宝庫で、自然条件は十分満たしている。課題は地元の賛同だろう。鳥獣保護区に指定されると狩猟は禁止され、特別保護地区は干潟の埋め立てや工作物などの開発もできなくなる。このためノリ産地として有名な有明海の漁業者はカモなどによる食害に気をもむ。「狩猟が禁止されれば被害が出る恐れがある」というのだ。懸念は福岡県で現実となっている。主に柳川市から大牟田市に至る約10キロの沿岸部で養殖中のノリが食い荒らされる被害が頻発、2012~13年の被害額は約2450万円に上った。漁業者らは爆音機やパトロールに加え、来季からは猟友会と連携しカモの捕獲も始めるという。農業にとっての心配は少ないようだが、付近には佐賀空港があり、鳥が航空機と衝突する「バードストライク」も問題となる。環境省は2004年にも登録を打診、その時、佐賀県は「ノリや麦への被害やバードストライク増加などの影響を考えると難しい」とし、白紙となった経緯がある。佐賀市はこうした事情も踏まえ、面積を5分の1の250ヘクタールに縮小する方針を示したが、県は「保護区となればどれくらい鳥が増えるかなどのデータがほしい」などと、判断材料の提示を求めている。条約は干潟や水鳥などの保護とともに「賢明な利活用」もうたう。人間の行為を厳しく規制した環境保護ではなく、生態系の機能や湿地を維持しながら人の暮らしもより豊かになることを目指しているのだ。つまり現在の営みをなし崩しにはできない事情がある。条約登録には干潟を守る住民意識を高め、ひいては「有明海再生」にもつなげていきたいという願いが込められている。登録は鹿島市も意欲をみせており、両市は今後、環境省や県、地元と協議を本格化させるが、掲げる理念と現実のはざまで、どう折り合いを付けていくのか、行政手腕が試されている。
(猿撃退に効果あり、ピストル型の追い払い発射装置:栃木)
栃木県日光市の町工場の親子が作った、市販のロケット花火を使ったピストル型の追い払い発射装置が猿などの撃退に成果を挙げている。開発したのは、精密機械部品を製造する高原精機社長の竹澤勝雄さん(76)。自らもトマトやナスを栽培し、野生鳥獣に苦しめられた経験があるだけに、高齢者でも使いやすく軽量な商品に仕上げた。市農林課が30個購入して地元猟友会に貸し出したところ、群れで襲来していた猿が近寄らなくなったという。同市では、猿が畑や土産店などに頻繁に出没。防護ネットや爆竹などで対策してきたが、学習能力が高く、すぐに慣れてしまった。当初はロケット花火を瓶に挿して発射し、追い払おうとしたが、飛距離や方向が安定しなかった。そこで竹澤社長は地域のために何かできないかと一念発起。工場にあるアルミ製パイプなどを利用し、ピストルに似せた発射装置を作った。ロケット花火の飛距離は通常20メートルほどだが、装置を利用すると2発同時に40、50メートル飛ぶようになった。これまでは花火の音で威嚇していたが、音とともに目標に向かって花火が真っすぐ飛ぶようになったという。パイプに導火線用の穴を設けて火を付けやすくしたり、火花が使用者に飛ばないようにアクリル板を取り付けたりと、使いやすさと安全性を考慮し一つずつ手作りする。名前は「ダンちゃん」。弾丸の「弾」と孫の「暖」くんから命名した。特許庁に申請し、2011年に実用新案登録された。今までに県内外の農家や土産店などに約200個販売。息子で専務の竹澤佐千夫さん(44)は「200グラムと軽く楽に持ち運べる。困っている農家の力になるため、農工連携を進めたい」と意気込む。県も応援する。中小企業が卓越した技術で開発した商品をPRする「レッツBuy(バイ)とちぎ」制度に同商品を認定、関係機関に購入を勧める。購入した市の担当者は「狙って同時に2発、安全に発射できる」(農林課)と評価、今後の量産化に期待する。価格は5000円で、ロケット花火は100本650円(市販品でも使用可)。

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(男性がクマに襲われケガ:岐阜)
30日昼前、岐阜県下呂市で男性がクマに襲われ、ケガをした。警察などによると、30日午前11時40分ごろ、下呂市萩原町四美の南飛騨健康増進センター内の「薬草の森」の散策道で、1人で歩いていた男性(29)が後ろからクマに襲われ、顔やあご、胸などを爪で引っかかれた。男性はドクターヘリで病院に運ばれたが、命に別条はないという。クマは体長80センチほどで、走ってきて前足で引っかいたという。「薬草の森」では午後は客らの立ち入りを規制した。下呂市では去年も6月下旬、渓流釣りの女性がクマに襲われケガをしている。
(クマの目撃相次ぐ:富山)
南砺市利賀地域で1日、クマの目撃が2件相次いだ。午前11時45分ごろ、集落から約200メートル離れた上百瀬の市道を成獣(体長約1メートル)が横断。午後5時には、同村の利賀斎場から数百メートルの国道471号で、成獣が横切るのを通行人らが見つけた。通報を受けた市は南砺署と共に付近をパトロールし、地元区長らに注意を呼び掛けた。
(クマと遭遇、出没情報相次ぐ:北海道)
札幌市南区の野外スポーツ施設で29日、サイクリング中の親子がクマ2頭に遭遇した。札幌市南区では今月に入ってクマの目撃が増えていて、警戒を強めている。29日午後3時半ごろ、自転車に乗っていた親子が札幌市南区にある野外スポーツ施設「Fu’s(フッズ)」で2頭のクマと遭遇した。クマとの距離はわずか3~4メートル。2頭のクマは親子とみられ、斜面を立ち去ったという。札幌市南区では6月に入り、クマの出没情報などが5月の倍以上となる11件(5月は5件)寄せられている。担当者は6月から7月にかけてのクマの繁殖期が影響しているのではないかと話している。
(クマ警戒、緊張の登校:石川)
金沢市御所町で二十八日、男性が親子とみられるクマ三頭に襲われけがを負った事故を受け、市教委は三十日、市内の市立小中高校八十二校に対し、外出時はクマよけの鈴を携帯することや、集団で行動することなどを求める通知文を出した。金沢市夕日寺小学校周辺では、早朝からパトカーが「子グマの近くには親グマがいます。クマを見たら速やかに逃げましょう」などと呼び掛けながら巡回。児童は、父母らに付き添われて集団で登校し、職員は通学路に立って見守った。友達と登校してきた六年の男児(11)は「怖い。外では遊ばないようにする」と不安げに話した。金沢東署や市、近くの小中学校などの教職員も通学路をパトロールし、児童の安全確保に目を光らせていた。小松市東山町の国道416号でも三十日午前七時ごろ、成獣のクマ一頭がドライバーに目撃された。目撃地から約二キロ以内に中学校や小学校がある。
(野生動物の適正管理を、全国組織設立)
野生動物の専門家らが30日、野生動物管理全国協議会(会長、梶光一・東京農工大教授)を設立した。捕獲による有害鳥獣の適正管理などを盛り込んだ鳥獣保護法の改正を受け、実態をよく知る立場から環境省などに提言するのが目的だ。シカやイノシシなどによる農林業被害の深刻化で、改正法では捕獲による生息数の積極的な管理が加わった。しかし、体制づくりや手法の確立はこれからだ。メンバーは北海道大や東京農工大、信州大、岐阜大、兵庫県立大などの研究者や、シカ肉処理業者の代表ら28人。科学的データの収集・解析をはじめ、捕獲従事者の資格制度の導入や人材育成、安全な食肉の普及などに取り組み、効果的な捕獲手法や資源化を提言する。
(GPSでクマ行動調査:宮城)
クマが人里で相次いで出没しているため、県は7月にも、全地球測位システム(GPS)を利用したクマの行動調査を始める。GPS機能が付いた首輪を捕獲したクマに装着し、人工衛星で位置情報を確認、クマが行動する範囲や時間帯を正確に把握して、人的被害の減少につなげるのが狙いだ。県によると、2007年度に283件だったクマの目撃情報は、13年度に512件に増加。今年度は6月25日時点で174件と、前年度同期比で7件上回る。県はこれまで、市町村から寄せられるクマの目撃情報や、山に設置した監視カメラを使って生態を調べてきたが、詳細な行動パターンを解明できなかったため、GPSを利用した調査に乗り出すことにした。調査は仙台市内で行い、山の麓の民家や畑周辺など別々の場所で捕獲したクマ2頭にGPS機能付きの首輪をはめ、山中に放す。人工衛星を通じて追跡されたクマの位置情報は、首輪に内蔵されたメモリーカードに保存される。首輪は、クマが冬眠に入る12月頃までに遠隔操作で外して回収し、行動範囲や時間帯を解析する。首輪が壊れた場合に備え、週1回程度、アンテナを用いてクマの所在を確認する。調査は、同様の手法により、山形県などでクマやイノシシ、サルの生態を調べた実績のある東北野生動物保護管理センター(仙台市青葉区)に委託する。県自然保護課は「クマが頻繁に現れる場所や時間帯が分かれば、出没を事前に予想して、住民に注意を呼びかけることができる」と期待している。今年、クマに襲われ、けがを負ったのは、6月末現在で2人。大崎市岩出山では25日夕、会社員の男性(63)がため池の堤防付近でクマに顔や首を引っかかれた。「目の前の草むらから突然現れた。近くにとめていた車に無我夢中で逃げ込んだ」。男性は県警に当時の状況を語った。クマは親子とみられる2頭で、男性を襲ったのは体長1メートル70ほどの親グマだった。大和町の山林では16日夕、山菜採りをしていた男性(79)がクマに手をかまれた。NPO法人「日本ツキノワグマ研究所」(広島県廿日市市)の米田一彦理事長によると、昨年はクマの餌となるブナの実が豊作だったため母グマの栄養状態が良く、子グマが増えたとみられる。また、東京電力福島第一原発事故で立ち入れなくなった区域では、捕獲されずに頭数が増加、県南部の山地に行動範囲を広げている可能性もあるという。米田さんは「ブナやミズナラが凶作になった場合、クマが餌を求めて山を下りてくる恐れもある」と指摘。▽山に入る時は高音の出る鈴を付ける▽クマは横の動きを追う習性があるため、出会ったら後ずさりして樹木のかげに身を隠す――ことをアドバイスしている。
(ニホンジカ捕獲数が過去最高:長野)
上伊那地域で2013年度に捕獲されたニホンジカは前年度比1678頭増の9574頭で、過去最高となったことが6月30日、上伊那地区野生鳥獣保護管理対策協議会のまとめで分かった。有害鳥獣として市町村や猟友会、関係機関が積極的に捕獲した結果で、農林業被害も減少しつつある。引き続き捕獲を推進するとともに、被害額に表れない高山植物の食害対策や、生息域の拡大が懸念されている中央アルプスでの取り組み強化が課題とされている。捕獲の内訳は、県事業(広域捕獲隊など)や市町村の有害鳥獣捕獲による個体数調整が7490頭、狩猟が2084頭。市町村別での捕獲頭数は、伊那市が5278頭で最も多く、次いで駒ケ根市が1562頭、辰野町が1434頭などの順だった。上伊那各市町村ではニホンジカによる被害拡大を受け、猟友会員による「鳥獣被害対策実施隊」を編成し有害鳥獣対策を積極的に推進。特に、年間を通して使用でき安全な捕獲方法である「くくりわな」の活用を進めていることが捕獲頭数の大幅増加につながっているという。一方、野生鳥獣による農林業被害額は、07年度の2億1600万円をピークに減少傾向。13年度は1億1600万円だった。ニホンジカによる被害額が全体の約4割を占める。被害額が最も多かったのは箕輪町で3400万円。次いで伊那市が3100万円、辰野町が3000万円など。箕輪町では林業被害が約1100万円に上った。同日、伊那市の県伊那合同庁舎で開いた協議会では、ニホンジカについて、県の特定鳥獣保護管理計画に基づき上伊那地域では今年度も6170頭を目標に捕獲を目指す方針を確認。出席者からは、南アがユネスコのエコパークへの登録が決定したことも踏まえ、高山植物の食害対策や、昨年度初めて高山帯での生息が確認された中アでの取り組み強化を求める意見も出された。
(熊の出没相次ぐ)
熊の出没が相次いでいる。岐阜県下呂市で6月30日午前11時40分ごろ、保養施設内にある森を散策中の男性(29)が熊に襲われ大けがを負う事故が発生した他、金沢市と岐阜県揖斐川町でも28日、熊にかまれたり引っかかれたりしてけがをした。熊の目撃件数が増えている地域もあり、中には、出没に関する注意報を発令した県もある。下呂市で被害に遭った男性はヘリコプターで県内の大学病院に搬送された。襲った熊は森に逃げたという。県によると、今年度の目撃件数は29日までに116件と「ほぼ平年並み」(自然環境保全課)だが、28日にも釣り人が襲われるなど発生が相次いでいるため、県民にあらためて注意を呼び掛ける。金沢市で28日、住宅街で犬の散歩をしていた住民が熊に襲われ頭などにけがをした。石川県によると、5月に猟友会の狩猟者が山で襲われた事故に続き2件目の人身被害となった。今年1月からの目撃情報は56件。前年同期に比べると少ないが「熊が出没するのは例年、秋。住宅街にまで出るようになったのは最近のことで異例だ」(自然環境課)という。県は里山の手入れが行き届かなくなったり、積雪が減り越冬できる子熊が増えたりしたのが原因ではないかと推測する。この他、秋田県大館市の河川敷で21日夕、近くに住む幼児が熊に襲われ軽傷を負った。同県の今年度の目撃件数は25日までに179件と前年同期(4~6月)比48件増加。人身被害も前年より4件多い5件となり市町村を通じて注意を促す。岩手県も3月中旬、8年ぶりにツキノワグマの出没に関する注意報を発令した。森林総合研究所(茨城県つくば市)は「現時点で全国的な情勢を把握できていない」(野生動物研究領域)としながらも「子連れの熊は子熊を守る観点から攻撃的になりやすいので注意が必要。見通しの悪いところでは音を出したり、やぶの整備をしっかりするなどしてほしい」(同)と促す。
(ハンター農家を育成:長崎)
有害鳥獣を捕獲する新たな担い手として長崎県は、農家によるハンター育成に乗り出した。猟友会と連携した柵の設置と害獣を寄せ付けない環境整備に加えて、農家自らが捕獲を進めるのが特徴だ。20代の若い農家が集団で狩猟免許を持ち、鳥獣害対策のリーダーとして活躍する地域も出てきた。環境省によると、長崎県の取り組みは、全国の先進事例という。政府は有害鳥獣の捕獲を強化する改正鳥獣保護法を成立させ、今後10年で、全国的に害獣の捕獲を強化する方針だ。ただし、捕獲を担う狩猟者は高齢化が進み、各地でハンター不足が深刻化している。課題解決へ、農家のわな免許取得を中心にハンター育成に力を入れる長崎県。猟友会と連携し、捕獲の研修、狩猟免許の試験実施回数や試験場所を増やすなどの体制を整え、市町村と共に全面的にフォローもする。長崎県雲仙市の小浜町。急傾斜の農地周辺に設置した柵やおりを、若い農家4人が見回る。メンバーは全員が20代。県と市の勧めで、3年前にわなの狩猟免許を取った。イノシシによる被害は、農家個人で柵を設置していたが、捕獲は猟友会任せだった。しかし、増え続ける獣害に若者が動いた。米や麦を作る金澤宏さん(26)は「個人では限界。隙間を狙って侵入して田畑を踏み荒らす。仲間で何とかしたいと考えた」と振り返る。県や市の担当者や対策専門家からわなの設置方法や、柵の見回りポイントなどを学び、鳥獣害対策の担い手として被害を防ぐ技術を高めてきた。活動に行政が同行するなどで、地域の理解も深まった。メンバーの一人でジャガイモなどを作る元村孝太郎さん(29)は、「年配の人も次第に『未来を担う世代が言うなら』と協力するようになった。顔見知りも増え、縦のつながりも横のつながりも強まった」と、笑顔を見せる。市町村単位でつくる「鳥獣被害対策実施隊」メンバーとして対策の助言も担う4人。害獣の侵入ルートや耕作放棄地、柵を記した地域の地図を持って、先輩農家らに柵の維持管理や、地域ぐるみの対策の重要性を地道に訴える。今年度の目標は捕獲。メンバーは「イノシシの隠れ場所になる耕作放棄地の解消、効果的な柵の設置と捕獲。全てつながっている」と口をそろえる。政府は、鹿の生息数を325万頭から2023年度までに160万頭、イノシシは88万頭から50万頭に削減する目標を据えるが、土台となる捕獲の担い手確保は急務だ。農家を中心にハンター育成を進める長崎県では、12年度の狩猟免許所持者が3116人と、07年度(2348人)から大幅に増えた。イノシシの捕獲数全国トップを誇り、9割がわな捕獲だ。県は「被害を受ける農家と、捕まえる猟友会が別という現状は限界がくる。農家が中核となり、柵の維持管理や集落の環境整備と並行して捕獲する意義は大きい」と強調する。
(食べて農山村応援、猪鹿“超”おいしい:東京)
猪鹿超(いのしかちょう)おいしいハンバーガーはいかが――。首都圏在住のサラリーマンやシェフ、編集者、食肉卸ら異業種の人材が集まって特定非営利活動法人(NPO法人)「伝統肉協会」を立ち上げ、野生鳥獣肉(ジビエ)のPRに活躍している。学校での食育やイベントへの出店、講座などを通じ、肉のおいしさや農山村での鳥獣害の実態を発信。都会の消費者に向けて「食べることで農山村を応援しよう」と呼び掛ける。同協会の会員は10人で、イベントの手伝いをするサポーターは約30人。エゾシカ肉を提供するレストランやイベントなどで出会ったことが縁で、2012年に発足した。人類が野生動物の肉を食べ続けてきた歴史や、山や田畑で起きている鳥獣害を見つめ直そうとの思いでジビエを「伝統肉」と定義し、普及を目的としている。同協会の会員でIT(情報技術)企業に勤める、今津紀子さん(28)は「初めてジビエを食べた時、そのおいしさに驚いた。都会人にとってジビエはフレンチやイタリアンの高級食材というイメージがあるが、もっと身近に感じてほしい」と狙いを話す。活動内容は多彩だ。毎月のように環境関連のイベントなどに出店し、会員のシェフらが考案したジビエのハンバーガーやエゾシカ肉を使ったカレーなどを販売。ホームページでの通信販売も担う。会員がラジオや雑誌を通してジビエ普及の意義を伝えたり、学校や社会人向けの研修会などでジビエの調理方法や農山村での鳥獣害問題を講義したりもする。バーベキュー会場でイノシシを解体する企画も好評だ。そんな活動が奏功し、ジビエに関心を持つ消費者が増えてきたという。同協会理事で環境ジャーナリストのブゥニィ・ブゥさん(50)は「都市の生活者が、少しでも鳥獣による環境破壊や農林業被害に対して手伝うことができるとすれば、問題を知ってジビエを食べること。メンバーは食いしん坊の集まりだから、楽しくPRしている」と笑顔で話す。銀行員の中島花子さん(34)は「田舎で捕獲して都会で消費する、そんな流れをつくりたい」と夢を描く。

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