<射撃ニュース8月>

8/15
(クマに襲われけが:青森)
14日午後3時半過ぎ、新郷村戸来で渓流釣りをしていた八戸市内の60歳代の男性会社員がクマ2頭に襲われた。男性会社員は顔の骨を折ったり額を切るなどのけが。新郷村は防災無線で注意を呼びかけ、猟友会がパトロールするなど警戒している。
(釣り中、熊に襲われけが:山梨)
14日午前10時頃、北杜市武川町黒沢の大武川河川敷で、釣りをしていた東京都八王子市の60歳代男性が熊に襲われ、頭や顔などを爪でひっかかれて全治1週間のけがを負った。北杜署の発表によると、現場は「篠沢大滝キャンプ場」の上流約3キロの場所で、男性は家族ら7人で渓流釣りをしていた。男性が1人で離れた場所にいた際、突然熊が対岸から走り寄ってきて、男性に正面から覆いかぶさり、頭や顔などをひっかいた。男性が倒れると、熊はそのまま逃げたという。熊が逃げた後、男性は家族らと一緒に車で同キャンプ場に向かい、管理人の男性に「熊に襲われた。119番してほしい」と助けを求めた。事故を受けて、北杜市は防災無線で住民に注意喚起を行い、地元猟友会も周辺をパトロールしたが、同日夕方までに熊は見つからなかった。同市によると、現場付近は熊の目撃情報がある場所で、住民らはあまり近づかないという。
(イノシシが体当たり、けが負わす:山口)
12日午後3時25分頃、山口県岩国市三角町の今津川河口付近の岸壁で、釣りをしていた同市の男性(70)がイノシシに体当たりされて転倒し、手や足に軽いけがを負った。山口県警岩国署の発表では、イノシシは体長約1メートル。海へ飛び込み、沖へ泳いでいったという。
(トウモロコシ400本クマ被害:山形)
被害に遭ったのは、高畠町金原の畑で、12日午前5時すぎ、所有者の54歳の男性がトウモロコシが食い荒らされていることに気付き通報した。警察の調べによると、収穫直前のトウモロコシおよそ400本が食い荒らされており、現場にはクマのものと見られる10センチほどの足跡が残されていた。県内では尾花沢市でも、合わせて5カ所の畑で、スイカやトウモロコシがクマに食い荒らされる被害が、発見された。警察では、付近住民に警戒を呼び掛けるとともに家のそばにスイカなどを廃棄しないよう注意を促している。
(クマ、人目はばからず:宮城)
人里などで出没情報が相次いでいるツキノワグマに遭遇した。クマが現れたのは今月上旬の夜。宮城県大和町吉田の菅原元さん(62)の養魚場でニジマスやイワナを狙っていた。推定年齢7、8歳の雄で、体重は優に100キロを超えているようだ。いけすに顔を突っ込み鋭い牙や爪で魚を襲うと、カメラのストロボの光など気にもせず食べ続けた。菅原さんによると、このクマが養魚場に姿を見せるようになったのは今春から。夏場にかけて動物性タンパク質を補給するためだという。宮城県によると、仙台圏でのクマの目撃件数は4~6月が昨年より10件少ない63件だった。だが、7月以降は8月7日現在で145件に達し、昨年7~9月の94件を大幅に上回っている。「この辺りは昔からクマのすみか。うまく彼らと共生していきたいね」。菅原さんはこう話した。
(クマの足跡など発見:新潟)
13日午後2時すぎ、南魚沼市樺野沢の畑でクマの足跡などを地元住民が見つけ、南魚沼署に通報した。12日にも同市塩沢の畑で足跡が発見されており、同署や市では付近の住民や学校に注意を呼び掛けている。同署によると、見つかった足跡はいずれも直径約20センチで、樺野沢の畑ではトウモロコシが食べられた形跡もあった。
(ヒグマ、国道に:北海道)
北海道上士幌町の国道273号で11日、国道に現れたヒグマを通りかかったドライバーが写真撮影した。上士幌町から三国峠に向かう国道の路肩で、何かを食べているような仕草のヒグマを見つけた。約30メートルの距離で車内から撮影したが、前の車が鳴らしたクラクションに驚き、道路を横断して逃げたという。上士幌町によると、この地域はクマの目撃情報が多く、今年は特に週1回程度は通報があるという。町の担当者は「あまり刺激せず、クマが逃げるのを待って最寄りの警察か役場に連絡してほしい」と注意を呼びかけている。
(クマ1頭目撃:栃木)
13日午後5時半ごろ、那須塩原市板室の別荘地内でクマ1頭を目撃したと、付近の住民が別荘管理者を通じ通報があった。那須塩原署によると、クマは体長約1メートル。現場は板室温泉街に近く、クマは別荘地から東の沢の方に向かい、姿が見えなくなったという。
(エゾシカ、登別温泉・地獄谷を往来:北海道)
登別温泉の地獄谷で、エゾシカが岩壁を行き来する姿が目撃され、付近を散策する観光客を驚かせている。自然公園財団登別支部によると、今年6月ごろから目撃情報が聞かれるようになった。シカが出没するのは展望台で地獄谷を背にして立つと正面に見える急斜面。親子のシカが草を食べながら長さ100メートルほどの岩肌を移動したり、立派な角の雄シカが駆け抜けたりするという。周辺では近年、エゾリンドウや、イチイの葉、ノリウツギの樹皮が食べられる被害が相次いでいる。同支部は「岩壁の移動も、個体数増が影響しているのでは」とみている。物珍しさから、写真を撮るなど観光客には喜ばれているが、シカが通る場所には岩肌が削られて獣道ができている。同支部の藤吉功所長は「野生動物とは言え、自然の景観を維持する観点からは悩ましい」と話している。
(避難指示区域で野生ザル急増、震災前の3倍以上:福島)
東京電力福島第一原発事故の避難指示区域内の福島県南相馬市小高区で、野生のニホンザルが急増している。市は原発事故前の3倍以上の約390頭に増えたとみており、お盆で避難指示区域内での宿泊が許可されている17日までの期間中、パトロールを行う予定だ。「いた、あそこだ」。12日午前、小高区に隣接する同市原町区鶴谷地区で、地元猟友会などによる市有害鳥獣捕獲隊の隊員がビニールハウスの上にいるサルの親子を見つけた。分隊長の門馬重傚しげのりさん(68)は猟銃を構え、空砲で威嚇。ポンという発射音の数秒後に破裂音が鳴り響くと、サルは山中に逃げ去った。市の委託を受け、同隊が小高区や原町区でパトロールを始めたのは今月1日。以来、目撃情報が寄せられた場所を中心に計12人が交代で巡回している。避難指示区域内では除染作業が行われているため、実弾は使わず、空砲の音で追い払っているという。市は、原発事故後に住民が避難したため、人と動物のすみ分けのバランスが崩れ、出没するサルが増えたとみている。同区域内ではイノシシやアライグマなども生息域を拡大している。
(警備大手ALSOK、獣害対策に参入:千葉)
警備会社大手の綜合警備保障(ALSOK、東京都港区)が、野生獣の捕獲事業に乗りだした。警備業務で培った遠隔地からの監視や緊急出動のノウハウを生かして、イノシシや鹿による農作物被害に悩む地方自治体や集落から業務を請け負うことを目指す。第1弾として千葉県茂原市に箱わな1基を設置。ここで捕獲技術を高めながら実績を積み、本格的な事業展開につなげる方針だ。ALSOKは、箱わな猟を行うのに必要な「捕獲従事者」の認定を市を通じて県から受けた。6月にわなの狩猟免許を持つ社員を責任者に、同市に箱わなを設置。市の指導を受けながら、グループ会社の千葉綜合警備保障(千葉市)と捕獲試験を始めた。箱わなには、ALSOKが昨年から販売する箱わな用の監視装置を取り付けた。わなが作動すれば同社と市にメールで通報され、社員らが現場に駆け付ける体制を取る。まだ捕獲に至っていないが、2014年度はイノシシ100頭、ニホンジカ20頭までの捕獲が認められている。このため、箱わなまで誘引する餌を米ぬかやサツマイモなどで調整したり、監視カメラによるわな周辺のイノシシの生態を調べたりして、効果的な捕獲方法を探っている。わな責任者を務める同社GS営業室の小塚卓也さんは「捕獲実務は初めて。市の協力を得て技術を高めたい」と話す。26日には、協力業者と野生動物の生態調査も計画している。同市では、イノシシによる水稲の被害は、届け出分だけで13年度は2.2ヘクタール、約24万円だった。ハクビシン、アライグマによる野菜、果樹への被害も急増し、深刻化している。箱わな34基、くくりわな2基で捕獲を進める市は、「(捕獲作業は)ボランティアに頼っているのが現状だ。どの地域も対策の従事者の高齢化が問題になっており、専門業者へのニーズはある」(農政課)とみる。千葉綜合警備保障は「県内は鳥獣害が深刻だ。対策に社の人材や長年培った情報技術が生かせる」と説明。捕獲に加え、防護柵設置や、害獣のすみかとなりやすい荒れ地の整備など予防対策の事業化も視野に入れる。高齢者の見守りや空き家管理サービス事業を展開するALSOKも、「鳥獣害対策にとどまらず、農村を守る総合的な事業も検討していきたい」と話す。
(クマ出没、高まる危険性:岩手)
クマが人里に出没する危険性が高まっていることが、東北森林管理局の平成26年度のブナの開花状況と結実予測から分かった。県内では、クマの好物であるブナの実の結実が期待できず、深刻な餌不足が予想されているためだ。「これから秋にかけて、クマが人里のどこに出てもおかしくない状況です」。クマの生態に詳しい森林総合研究所東北支所生物多様性研究グループ(盛岡市)の大西尚樹主任研究員はこう警鐘を鳴らす。深刻な餌不足が予想されるのは昨年のブナの実が8年ぶりに豊作だったため。冬眠中に出産するクマが餌に恵まれ、個体数を増やした一方で、26年度のブナの開花状況は調査した24カ所のうち18カ所が「非開花」で、ほとんど実がならない予想となっている。開花状況を基にした豊凶指数も0・3と、資料が残っている2年度以降では18年度の0・4を下回る過去最低。ブナは2年連続で豊作にならないという経験則もあり、県は餌不足の懸念から今年3月18日付で出没注意報を発令していた。この不安は的中し、県が7月末でまとめた県内のクマによる被害は8件9人で、25年度の7件11人を件数で上回っている。大西主任研究員は、生ごみを夜出さない▽ガソリンやペンキなど、においの強いものは室内に置く▽栗や柿は早めに落とす-といった対策を呼びかけている。
(アライグマ、住宅街で目撃例増:奈良)
奈良市の西大寺地区の住宅街で、野生化したアライグマの目撃例が増えている。西大寺地区自治連合協議会(青山文彦会長)は7月末、24自治会役員を集めて「アライグマ出没対策会議」を初めて開き、県景観・自然環境課や市農林課から担当者を招いて最近の傾向や捕獲器の扱い方などを聞いた。西大寺新池町自治会で6月、「タヌキが3頭出た」との情報があり、住民が写真を撮って交番に持ち込んだところ、アライグマと判明。近隣自治会も含めて少なくとも大人3頭、子ども3頭がいるとみられ、回覧やポスターで注意を呼びかけ始めた。その後、ペットの犬の餌の残りを食べられたとか、高齢者が精魂込めて育てた家庭菜園のスイカやトウモロコシに被害があり、自治会が市から捕獲器を借りた。最初は猫が2頭かかって逃がし、ようやくアライグマ1頭を捕まえた。しかし休日だったため市が回収できず、餌やりの際に逃げられたという。アライグマは広範囲に出没し、一つの自治会の対策では限界があるため、地域で取り組もうと対策会議を開いた。南都七大寺の一つ、西大寺では貴重な文化財への被害はないが、建物が爪で傷つけられたり、建物の解体時に生息した痕跡が見つかったりしたことがあり、境内に捕獲器を置いて対策している。アライグマは北米からペットとして輸入され、飼いきれなくなったものが野生化。既に全都道府県で生息している。体重が10キロを超えて中型犬ぐらいに成長することも。繁殖力が強く、住宅の屋根裏など高い所にも入り込み、ふん尿による汚染や農作物への被害が出ている。県によると、生息数は不明だが県北部の農業被害が多く、2002年度に初めてアライグマ1頭を捕獲。09年度から捕獲して獣医師が安楽死させる体制をとり、10年度900頭▽11年度629頭▽12年度833頭を捕獲した。奈良市は数が多いため、13年度から県とは別に、市と猟友会で処分を始めた。13年度は175頭を捕獲。今年度は農業被害が深刻な東部山間地域を中心に、既に180頭を捕獲した。市で42個の捕獲器を2週間ずつ貸し出している。
(成田国際空港、鷹匠によるバードストライク対策を実施:千葉)
成田国際空港会社は8月11日、バードストライク発生件数を削減するため、鷹匠による鳥の追い払いを試験的に開始した。この試みは、B滑走路北側エリアで行われる。8月11日から8月17日の間、各日7時から9時、16時から18時まで、場周道路および防音堤内を鷹匠が鷹を連れて鳥を追い払う。バードストライクとは、鳥が航空機と衝突することをいい、航空機の損傷、飛行計画の変更、離陸中止といった被害がもたらされる。国内空港におけるバードストライクの件数は年々増加しており、同空港では、昨年1年間で110件以上のバードストライクの報告を受けているという。同空港では、点検員によるパトロール、散弾銃による駆除など、さまざまな対策を打っているが、なかなか減少には至っていない。
(体重150キロの巨大イノシシ捕獲:栃木)
宇都宮市横山町の山林で、体重が推定百五十キロほどの雄のイノシシが捕獲された。県によると、仕掛けにかかるのは二十~四十キロの子どもが多く、百キロ超の成獣は珍しい。捕獲したのは、上河内猟友会の篠原甫(はじめ)さん(77)=同市下小倉町。七月二十八日午前十時ごろ、ワイヤ製の輪に脚を入れるとすくい上げる手製の仕掛けに、大きなイノシシがかかった。最近十年ほどは仕掛けによる捕獲をしており、篠原さんは「五十五年の経験で一、二を争う大きさ」と驚く。イノシシが田畑を荒らしたりする被害は県内でも見られ、篠原さんが住む宇都宮市郊外の上河内地区では、食べ物を求めて民家近くにも出没。帰宅した女子高校生が庭にいるイノシシを見つけ、家に一時入れなかった例もあったという。県の統計では、二〇一三年度に県内で捕獲されたイノシシは有害捕獲、狩猟を合わせて計五千七百九十二頭。篠原さんは「イノシシは多産ということもあって、なかなか減らない」と、捕獲の必要性を指摘している。稲穂が実り始めるこの季節は、せっかく育てた稲を荒らされるのが農家の悩み。田んぼの周辺では、所有者らが網状の防護柵を周辺に張り巡らせるなどの対策も取っている。
(企画展「ヒトと野生動物との共生」:高知)
野生鳥獣被害の実態や、その対応策などを紹介する企画展「ヒトと野生動物との共生」が、高知県高岡郡越知町越知丙の「横倉山自然の森博物館」で開かれている。9月15日まで。須崎市の四国自然史科学研究センターから借り受けたイノシシやハクビシンの剥製のほか、ニホンザルに食べられた大根の写真、被害に遭った後の対応を紹介したパネルなど約50点を展示している。パソコンやスマートフォンで監視と遠隔操作ができる鉄製の箱わな(幅115センチ、奥行き225センチ、高さ115センチ)や、鳥獣を追い払うぱちんこ、モデルガンも並ぶ。横倉山自然の森博物館の安井敏夫学芸員は「同じ生態系の一員である野生動物と、うまく共生していく方策を考えてほしい」と呼び掛けている。16、17日は関連イベントを予定している。16日午後1~4時、四国自然史科学研究センターの職員が「イノシシ、シカから田畑を守る」などと題して講演。17日午前9時~午後2時には、シカ肉などを使ったジビエ料理教室を開く。

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8/12
(散歩中の男性、クマに襲われ大ケガ:石川)
10日午前8時10分ごろ、金沢市北陽台1丁目の市道で、1人で散歩中の男性(62)=金沢市=がクマに襲われ顔をかまれ、あごの骨を骨折する重傷を負った。男性は金大附属病院で手当てを受けており、命に別条はない。金沢東署などによると、親クマ1頭と子グマ2頭がいたとみられ、署員と石川県猟友会金沢支部のメンバー約40人が付近を捜索したが、見つからなかった。金沢東署と市によると、男性を襲った親グマは体長約1メートル、近くにいた子グマはいずれも体長約50センチで、3頭は近くの山中に逃げたとみられる。男性は側溝のふたをゴルフクラブでたたいて音を出すなど、クマに気を付けながら散歩していたが、道路脇の茂みからクマが突然襲いかかってきたという。近くを車で通行していた40代男性が、襲われている現場を目撃し、119番通報した。付近に住む猟友会員が駆け付けた際は、約7、8メートルの距離で「ウー、ウー」と鳴く子グマ1頭を見掛けたという。猟友会は付近におり1基を設置した。現場は周囲を山林で囲まれており、現場近くでは2010年7月にも、散歩中の女性がクマに顔をひっかかれて重傷を負った。金沢市によると、市内で今年寄せられたクマの目撃情報は74件で負傷者は2人となった。昨年の1~7月末までの目撃情報は37件で負傷者はいなかった。目撃情報が相次いでいることについて県の担当者は、集落に近い里山や雑木林にクマが身を隠せる太い木が増え、生息範囲が広がったことが原因の1つだとし、「目撃情報があった近くでは音を出しながら歩くなど注意を払ってほしい」(自然環境課)と話した。
(クマ捕獲:鳥取)
鳥取市国府町上地の水田付近で7日、ツキノワグマが捕獲された。最寄りの民家からは約1・5キロ離れ、人的被害はないという。今年の県内での捕獲は31頭目(昨年同期6頭)となった。県緑豊かな自然課によると、同日午前8時半ごろイノシシ用のわなにかかっているのが発見された。体長約1・1メートル、体重32キロの雌で3歳前後と推定。発信器を付け山へ放した。今年は例年より捕獲数が多く、同課は「農耕地などではクマよけの鈴を付けるなど注意を」と呼びかけている。
(クマ1頭、道央道を横切る:北海道)
9日午後0時35分頃、北海道長万部町の道央自動車道下り車線を走行中の男性が、前を横切るクマ1頭を見つけ、110番した。クマはそのまま立ち去った。八雲署の発表によると、現場は長万部インターチェンジから函館側に約3・5キロ行った地点。付近に民家はないが、約2キロ離れた場所にキャンプ場があり、同署が利用者に注意を呼び掛けた。付近を同署員などが巡回したが、クマは見つからなかった。
(深夜のごみステーションにクマ:栃木)
日光署によると、10日午前0時30分ごろ、日光市所野のごみステーションで、クマ1頭がごみをあさっているのを、付近の防犯カメラの設置者が映像で確認、通報した。クマは体長約1メートル。現場は住宅地に近く警戒を呼び掛けている。
(クマ目撃:栃木)
日光署によると、8日午後1時ごろ、日光市中宮祠の山林でクマ1頭が目撃された。人的被害はない。クマは体長約1.5メートル。農作業をしていた人が休憩中、うなり声が聞こえたため周囲を確認したところ、クマを目撃したという。
(イノシシの出没相次ぐ:神奈川)
葉山町内でイノシシの目撃情報が相次いでいる。先月末までに町に寄せられた通報は33件。人的被害はないものの農作物への食害も確認されており、町は注意を呼びかけている。イノシシが出没したのは昨年3月ごろから。上山口地区で目撃されたのを皮切りに一色、木古庭、長柄などからも「イノシシを見た」「足跡を見つけた」などの情報が寄せられた。県横須賀三浦地域県政総合センターによると三浦半島では横須賀市でも情報が寄せられているが以前は具体的な目撃情報はなかった。「県西部から山を伝ってきたか、人為的に持ち込まれたか原因は不明」という。発見されるのは主に山間が近い畑などで、農作物を狙って山を下りてきたとみられる。JAよこすか葉山ではジャガイモやサツマイモなどイモ類をはじめ、インゲン、大豆、スイカなどの食害も確認した。これを受け、葉山町では地元の町内会が農家の声を集約し、捕獲作戦を開始。昨年6月には60センチほどの幼獣、今年4月には125センチほどの雌のイノシシを捕獲した。捕獲後も目撃情報が相次いでいることや、新たに産まれた子どものイノシシが育っている可能性もあるため、町では町内の掲示板やホームページなどで注意喚起。イノシシと遭遇した際は近寄らずにゆっくりと後退することなどを呼び掛けている。
(梨2千個、カラス食害:兵庫)
兵庫県香美町香住区下浜の梨園で8日までに、収穫直前の二十世紀梨がカラスによって大量に荒らされる被害が発生した。地面には食い荒らされるなどした約2千個が散乱。今月下旬に初出荷を控え、特産品の栽培に精を出していた生産者らは肩を落としている。カラスに襲われたのは、同地区の農家5軒。このうち例年約4万個を出荷する40代男性の梨園30アールでは7日夕に約300個、8日早朝に約700個の計約千個が被害に遭った。男性によると同日午前8時半ごろ、農園で約15羽のカラスの群れを確認。中に入ると無数の梨が地面に散らばっていた。昨年の初出荷の平均単価を基に計算すると、被害額は約20万円に上るという。「カラスに荒らされるのが一番腹が立つ。こんなにやられたのは初めてだ」と憤る。カラスは長年にわたり、梨生産農家を悩まし続けている。この男性も爆音機4台を設置しているほか、姿を見掛けるとロケット花火で威嚇するなど対策を講じてきた。しかしカラスも知恵を付け、人がいないときを見計らって荒らしているという。同じく梨の栽培が盛んな同区隼人では、地区が一丸となって梨園を見張り、ロケット花火で追い払うなど人海戦術で被害を最小限にとどめている。同区の60代男性によると、人の気配がなければカラスが近寄り、あっという間に500~千個ほどは落とされてしまうという。二十世紀梨の生産は、農家の高齢化もあって年々減少傾向。カラスによる被害が深刻化すれば、生産農家にとって死活問題となりかねない。香住果樹園芸組合は、町にカラスの駆除を依頼しているほか、猟友会にも協力を求める考えを示している。
(サルの農作物被害防げ、「モンキードッグ」の調教補助:愛媛)
松山市はサルによる農作物の被害を防ごうと、「モンキードッグ」の調教補助制度を導入した。“第1号”として同市北条地区に配置されたイヌが果物を狙うサルを追い払うなど、早くも効果を上げている。モンキードッグは、対サル用として訓練を受けたイヌで、近年では全国で活用が進んでいるが、県内では松野町に続く導入。北条地区で、それぞれ果樹園を営む石橋仁志さん(53)の飼いイヌ「ハク」(オス)と、樋野彰彦さん(59)の同「ケン」(オス)の2匹が最初の候補となり、徳島県の訓練所でサルを追い払った後に戻ってきたり、命令に従ったりするよう専門のトレーニングを3~4カ月間受けた。市は1匹当たり約20万円の訓練費を負担した。7月末に同市から認定証が交付され活動している2匹だが、効果は上々。石橋さん方ではブルーベリーを栽培しており、これを狙った数十匹のサルが出現したが、「イヌが反応して猛烈にほえ、追い払ってくれた。例年被害に遭っているだけに助かっている」という。また2匹は、近隣の要請にも応じて出動、農作物を守っている。市農林水産課によると、平成25年度の市内の有害鳥獣による農作物被害額は3256万円。中でもサルは捕獲が難しく被害も増加傾向にあるだけに、市では飼い主の希望があれば年に2匹程度、訓練費を補助できるよう検討している。
(シカ肉発売、「鉄分多くヘルシー」:北海道)
中標津町内のスーパー「Aコープ中標津店あるる」(東4南1)で8日、シカ肉の販売が始まった。来店客はこれまで町内のスーパーで見ることのなかった食材を、興味深そうに手に取って眺めていた。「町内で手軽にシカ肉を味わってもらいたい」と5月に稼働したエゾシカ処理施設「なかしべつもみじ工房」(緑町南2)がスーパー向けに初出荷した。工房では、1日10頭ほど運び込まれるエゾシカの皮をはぎ、背割りして洗浄し、2日~1週間ほど熟成させて部位ごとに切り分けている。店頭に並んだのは冷凍のモモ、バラ肉など。「あるる」内の冷凍肉・魚売り場の一角に専用コーナーが設けられた。竜田揚げやコーラ煮などのレシピ集や、シカの部位や栄養について記したポスターも設置。価格は季節によって変わるが、10月中旬までのエゾシカ有害駆除期間はヒレ、ロースともに100グラム324円。地産地消促進のため、安い価格に設定した。毎月第4火曜日の「シカの日」には販売スペースや部位を増やす予定もあるという。同工房の若森勝茂さんは「鉄分が多くてヘルシーなシカ肉をこの機会に手にとってもらいたい」と話している。あるるの営業時間は午前9時半~午後8時。地方発送もできる。
(主婦らが会社立ち上げ、シカ肉使ったコロッケ販売:三重)
三重県産のシカ肉の消費拡大を図ろうと度会(わたらい)町の主婦たちが合同会社「味工房わたらい」(度会郡度会町、TEL 090-8732-9481)を立ち上げ、地元産ジャガイモなどを使った「しかちゃんコロッケ」の販売に力を入れている。
(鳴きまねでサルを撃退「モンキーワラ」:インド)
インドの首都ニューデリーでは、食べ物を求めて庭やオフィスを荒らす野生のサルを鳴きまねで追い払う「モンキー・マン」たちが活躍している。鳴きまねを始めると直ちにサルの群れが庭を荒らすのをやめるほど効果てきめんだ。マヘンドラ・ゴスワミさん(26)は、サルの鋭く甲高い叫び声や鳴き声をまねた声を駆使し、緑が豊かな市内中心部の政府庁舎や高級住宅街にサルが寄り付かないようにしている。同国政府はサル対策として、地元で「モンキーワラ(『サルの人』といった意味)」と呼ばれる人々を、これまでに40人採用した。モンキーワラは、騒ぎを起こしている小型のアカゲザルの天敵で、攻撃的な性質を持つラングール(オナガザル科の一部の猿の総称、別名ヤセザル)のまねができるように訓練されている。ゴスワミさんはAFPに対し、「まず大きな声で『アー、アー、アー』と叫んで、ラングールが接近していると警告する」と語った。次に、サルがおびえて逃げる時に出す『アッ、アッ、アッ』という甲高い鳴き声をまねるという。「最後に攻撃の際の『ウア、ウア』という叫び声を先の2種類の鳴きまねと交ぜて出す。そうするとサルの群れは不安そうに逃げ場を求めて去っていくんだ」ゴスワミさんらは、特にデリー首都圏の高級住宅街で引く手あまただ。サルを追い払うため、棒やゴムバンドで小石を飛ばす道具を使うこともある。先日地元住民はサル対策として、録音した鳴き声を再生する装置を仕込んだプラスチック製のラングールの模型を設置したが、ゴスワミさんによると「サルたちは3日で作り物だと気付いた。その後サルたちはオオカミの群れのように模型に襲いかかり、残骸を持ち去ってしまった」という。
(中国の成金はイギリスで狩猟を楽しみ、貴族の暮らしを享受)
イギリスドラマ「ダウントン・アビー」に影響され、中国の成金たちは貴族のスポーツだからと、イギリスで猟をすることを好む。「香港新報」は11日に、英紙「タイムズ」の報道を引用して伝えたところによると、このブームは5年前から始まり、中国の成金は狩猟期間に、砦に住み、執事と使用人を雇い、スーツも着る。ハンプシャーにある農場を買った後、もう1ヵ所の農場を買って狩猟時に使う考えだ。阿里巴巴(アリババ)の創始者の馬雲氏は、3万6000ポンドで11人の友人と共に、1週間連続でネス湖周辺のAldourie Castleに滞在し、執事とコックを雇ったことがある。イギリスのほか、近年、中国の狩場も徐々に多くなった。14種の動物を狩猟できるが、中国の成金は襲撃技術を練習した後、イギリスへ実践しに行きたい。海外狩場責任者によると、多くの人は狩猟された動物と写真を撮り、虚栄心を満足するのが目的だという。

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(トド倍増、漁業被害深刻:北海道)
北海道沿岸などで漁業被害の原因となっているトドの駆除上限数(採捕枠)が今秋、501頭と従来の2倍となる。捕獲したトドは有効利用されることが望ましいが、トドの肉は食用としては人気がない。どう活用できるか、北海道庁は頭を悩ませている。トドは主に10月から6月頃にかけ、ロシア海域から北海道沿岸に来る。定置網を食い破ったり、網に入った魚を食べたりし、漁業被害額は平成元年度の約3億8千万円から24年度は約16億円と4倍以上に拡大している。北海道水産林務部水産振興課の津坂透課長は「トドはなんでも食べるが、中でもタラの白子やタコが好き。底魚のタラは網で引き揚げてきたときを狙い、白子だけ食べる。学習するのか、多くの魚を捕る船を狙うらしい。トドとの知恵比べは数十年に及ぶが、負けてばかり」と打ち明ける。トドはかつて、有害鳥獣として自衛隊の協力で駆除していた。しかし、世界的に減少していることから保護が叫ばれるようになり、環境省もレッドリストで「絶滅危惧2類(絶滅の危険が増大している種)」に分類し、水産庁は駆除数を厳格に管理。これが奏功し、24年のレッドリスト見直しでは、準絶滅危惧(存続基盤が脆弱(ぜいじゃく)な種)へとランクが下がった。毎年約6千頭が日本に来遊することやその起源となるアジア集団の個体数が増加傾向にあるのがその理由だ。準絶滅危惧でも絶滅しないよう管理は必要。ただ、漁業被害を拡大させないため、水産庁は駆除上限数をこれまでの2倍の501頭とした。しかし、トドを捕獲できるハンターは不足し、年間501頭も駆除できるか疑問視する声もある。また、駆除後は水産資源として有効利用することが求められる。現在、トドの肉を使った「トドカレー」の缶詰やレトルトカレーが土産用として売られている。ただ、これらの商品で使われるトドは年間約250頭のうち50~60頭。消費が少ないため、これ以上の加工は難しく、残りの約200頭は利用できていない。「どうすればおいしく食べられるか知恵を絞っているところ。ただ、捕獲は冬場だけで、年間を通じて安定供給できず、首都圏のレストランなどで扱ってもらうのは難しい」(津坂課長)かつて、トドの皮は衣服やかばん、脂肪は油として使われていたこともあった。トドならではの特性を生かした魅力的な商品が開発できるか-。津坂課長は「日本海側は資源が減少し、北海道の水産業にとってトドは重要課題。こうした現状を知ってもらい、駆除したトドの利用法を考えてほしい」と話している。
(報奨金問題、百条委が中間報告:和歌山)
財団法人ふるさと振興公社、元嘱託職員の男性(55)による有害鳥獣捕獲報奨金の不正受給疑惑問題の全容解明に当たっている日高川町の議会百条委員会の原孝文委員長は6日、臨時議会のなかで、中間報告を行った。証人尋問の結果、元嘱託職員が町との話し合い同様に「何もしていない」と容疑を否認していることを明らかにし、今後裁判となる可能性もあることから、早期の全容解明は困難と判断、検察庁の動向を注視しながら調査を継続していく方針を示した。元嘱託職員の男性(3月5日に解雇)は、虚偽の書類申請で町から10万5000円を不正にだまし取ったとして、3月24日に書類送検されている。現在のところ、起訴か不起訴か確定していない。県警の捜査では被害が裏付けされたのはこの7件の容疑で、県警の発表では「100件以上はやった」とも供述しているという。この問題を受け議会では百条委員会を設置。これまで7回の委員会を開き、関係書類の調査や関係者に話を聴くなどして事件の全容解明に努めてきた。この日、原委員長は委員会設置の経緯とこれまでの調査内容を報告。それによると証人尋問では、元嘱託職員は不正受給の方法・件数等、警察の証言について「警察で何を言ったか覚えていない」「警察で立件された7件、(供述したと発表があった)100件以上についても覚えていない」「警察でも〝覚えていない〟と言った」「私は何もしていない」と回答。提出した報奨金申請の確認作業(誰がどのように行ったか)には「分からない。確認作業に関わっていない」、問題の舞台となったジビエ工房で受け付けた申請に対する報奨金の受け渡し方法は「公社決済のあと、領収書へ名前を書いて公社の係から受け取った。それ以上は分からない」と答え、立件された7件を含めすべて事件との関わりを否定している。元ジビエ工房担当職員は、不正を見つけられなかったのかの質問に対して、「持ち込まれた獣の確認はほとんどすべて私が行い、問題はなかった」と答えている。しかし、元嘱託職員の報奨金申請が年間425頭と驚異的に多く、委員会では不正の可能性が高いと見られる申請と現金の受け取り方法について▽捕獲した1頭の獣で2回申請した 農家などに処理を任された獣を自分が銃で捕ったと申請した▽他人が申請しすでに報奨金が支払われた獣を再度自分が捕ったと申請した――などと推測。これらの方法で報奨金を受け取ったとする着眼点で調査していることも明かした。原委員長は今後の調査の進め方として「元嘱託職員の男性が検察庁でも否認を続けるなら、裁判になる可能性が高く、事件の全容解明にはしばらく時間を要することになる。検察庁の動向を注視しながらさらなる書類調査、また必要な関係者の証人・参考人招致など行いながら全容解明に努める」と述べた。最後に、調査のなかで制度の不備や改善点が明らかになったとし、第1次提言として銃(1万5000円)とワナ・オリ(6000円)の報奨金の統一、申請受付を本庁・支所に限定し複数の職員が担当する、捕獲者個人への振り込みによる報奨金の支払い、はっきり認識できる証拠写真の提出としっぽ・耳など現物確認、証拠物は細かく断裁して焼却処分することなど求めた。
(「鳥獣害川柳」全国から1200句:大分)
大分県由布市の平石自治区が募集していた鳥獣害川柳に全国から1200句が寄せられ、70人の住民による総選挙で優秀賞を選んだ。川柳は、全国の農家と鳥獣害の悩みを楽しく共有しようと住民が企画。予想以上の反響だったため、県や同市も急きょ表彰に加わった。住民らは「全国の人たちと川柳を通じて悩みを分かち合えた」と手応えをつかみ、来年も川柳募集を計画する。発案したのは自治会長の麻生博昭さん(63)。同市のホームページなどで募集したところ、北海道から九州の農家などから応募が相次いだ。集まった川柳には地域性も表れた。首都圏など都市部からはカラス害に悩む句が多く、東北からは東京電力福島第1原子力発電所事故の影響で捕獲しても食べられないむなしさをつづった句が目立った。同自治区では、住民総勢70人による「鳥獣害川柳総選挙」を7月末に実施。優秀賞には「やっかい獣 とうちゃんだけで もうたくさん」、「サルが出た じいちゃん出番だ ゴリラ顔」など10句を選んだ。自治区の取り組みを知った県や市も賛同。同県中部振興局長賞には「困りもの タヌキ・イノシシ うちの嫁」、市長賞には「柵されて 猪(シシ)の反撃 倍返し」を選んだ。住民らは「応募された川柳全てが秀逸で、選ぶのは至難の業だった」と振り返る。「イノシシよ 払え柵代 修理代」で特別賞を受賞した兵庫県河東市の農家、宮田賢三さん(75)は「自分たちだけが苦労するのではなく、獣害の悩みを知ってもらうことが解決につながる。悔しい気持ちに共感してもらえてうれしい」と満足げだ。「初出荷 イノシシ様に 先越され」で特別賞に輝いた宇都宮市の農家、上田義輝さん(73)も「激戦を勝ち抜いたと聞くと、夢のようだ」と喜ぶ。集まった川柳は、同自治区内の10キロの獣害防止柵につり下げて住民の意欲喚起につなげている。麻生さんは「びっくりするほど集まり、各地で鳥獣害に悩んでいることがあらためて分かった。川柳で獣害が減るわけではないが、地域の団結力が強まるきっかけになる」と意義を強調する。
(シカ食害対策、お花畑がなくなる前に:長野)
アルプスの高山帯でニホンジカに遭遇するケースが増えてきた。目撃情報は上高地でも報告されている。南アルプスの仙丈ケ岳などでは、食害でお花畑が見る影もない姿になった。対策は急を要する。都市部を含め全国に情報発信し、危機感を共有して、本格的な頭数管理に乗り出したい。山を歩いていると、カモシカ、サルといった野生動物を見かけることがよくある。気のせいか、人間をますます怖がらなくなってきた感じも受ける。登山道を悠々と横切ったりしている。環境省の推計では、ニホンジカの全国の生息数は2011年時点で261万頭。この20年間で9倍に増えた。長野県内の推計生息数は10万頭余。捕獲に努めているものの、食害を防ぐに至っていない。南アでは仙丈ケ岳の小仙丈沢カール、聖岳の薊畑(あざみばた)といった代表的なお花畑が、食害と踏み荒しで壊滅状態になった。八ケ岳などでは樹皮を剥ぎ取られ立ち枯れた樹木をよく見かける。北ア爺ケ岳一帯で3軒の山小屋を経営する柏原一正さんによると、小屋周辺の稜線(りょうせん)でも2年ほど前からニホンジカを見かけるようになった。中アでは昨年秋、ニホンジカの姿が初めて駒ケ岳の近くで確認された。北ア、中アのお花畑はいま、食害から守れるかどうかの瀬戸際にある。次の世代に継承するために手を尽くしたい。お花畑は絶滅が心配されるライチョウが餌をついばむ場所でもある。ニホンジカが増えた一因に、温暖化で越冬しやすくなったことが挙げられる。即効性のある対策を見いだすのは難しい。当面は狩猟によって数を減らしつつ、麓に押し戻すことを考えるほかない。鳥獣保護法がこの春改正され、保護から頭数管理へと基本姿勢が転換された。国や都道府県が主導して広域的な捕獲を進めることができるようにもなった。野生動物の頭数管理は小規模市町村の手に余る。環境省や都道府県は保護の視点も踏まえた管理計画を作り、市町村を支援して進めてもらいたい。国民の理解も欠かせない。上高地や中ア千畳敷などでは、サルに出合うと「かわいい」と近寄っていく観光客を見かける。野生動物が人慣れすると問題はますます難しくなる。山の自然がどうなっているか、頭数管理がなぜ必要か、分かりやすい情報提供にも力を入れたい。
(我がもの顔で道路を占拠する「奈良のシカ」:奈良)
夕涼みをするために、奈良公園のシカたちが道路に続々と集結。そんな異様な光景の写真や動画がツイッターで拡散されて話題になっている。我がもの顔で歩くシカたちは、歩道だけでなく、車道も占拠している。すぐそばを自動車が通過していくので、危険な光景にもみえる。この奈良公園のシカたちは、誰が管理しているのか。奈良県のホームページによると、国の天然記念物に指定されている野生動物で、誰かが所有して、飼育しているわけではないそうだ。ネット上では「事故が起こらないか心配」「管理しろよ」という意見もある。もし仮に、「交通事故が起こらないように」と考えた人が、シカを捕獲して別の場所に追いやったとしたら、法的に問題があるのだろうか。動物問題にくわしい細川敦史弁護士に聞いた。「奈良公園のシカは、1980年代に春日大社が所有権を放棄して以来、所有者がいない状態です。また、1957年には、文化財保護法に基づく国の天然記念物に指定されています。文化財保護法では『天然記念物の現状を変更し、またはその保存に影響を及ぼす行為をして、これを滅失し、き損し、又は衰亡するに至らしめた者は、5年以下の懲役または30万円以下の罰金に処する』と定められています」では、シカを捕獲すると、犯罪になるのだろうか。「さきほどの規定を奈良のシカに当てはめてみると、シカの現状に手を加えたり、個体数に影響を与える行為をしてはならないと考えられます。捕獲や移送の過程で、シカがけがを負ったり、死亡したりすれば、罪となる可能性が高いでしょう」なるほど、奈良県のホームページにも「個人が捕まえたり、傷つけたりすることは違法行為です」と書かれていたが、このような法的な理由があったのか。実際に裁判になったケースもあるのだろうか?「シカ肉を売る目的で奈良公園のシカをボーガンで撃ち殺した男性が、文化財保護法違反の罪で起訴され、2010年に懲役6カ月の実刑判決を受けています。ただ、判決の量刑は、その被告人の前科前歴など、報道されていない事情も考慮されるので、このケースだけを見て、奈良公園のシカを殺すと実刑判決を受ける、と一概にいえません」では、危険な状態のシカを見かけた場合にはどうすればいいのだろうか。「良かれと思ってしたことでも、違法と判断される可能性があるので、自分たちだけで何とかしようとせず、『一般財団法人奈良の鹿愛護会』など関係者に連絡して、適切に対応してもらうことが相当でしょう」細川弁護士はこう締めくくった。
(いのしし条例改正案へのパブコメ募集:兵庫)
神戸市内の住宅街で住民がイノシシに襲われる被害が相次いだことを受け、市は「市いのししの出没及びいのししからの危害の防止に関する条例」の改正案をまとめ、8日から市在住者や市内への通勤・通学者から策定に向けたパブリックコメントの募集を始める。9月8日まで。現行の条例はイノシシに、餌となるものを与えることや捨てることを禁止するなどしていた。改正案では餌付けのために餌を置くことを禁止し、違反者は公表することなどの条項を追加している。市によると、イノシシによる人的被害は今年4月以降、31件発生(7月末現在)。昨年同時期(7件)から急増している。このため、市は条例改正に乗り出した。パブリックコメントの結果を改正案に反映させ、議会へ提出する。意見は市農政部計画課へ持参や郵送、FAX、メールで提出できる。
(府警本部内で拳銃1発誤射、点検作業中:大阪)
府警は7日、府警本部内で拳銃の点検作業をしていた留置管理課の男性巡査部長(54)が、実弾1発を誤って発射したと発表した。弾は床に当たったが、けが人はなかった。同課によると、男性巡査部長は同日正午頃、同課内で拳銃(38口径)の定期点検をしており、チェックを終えた銃に弾を詰めて保管庫に入れようとした。しかし、引き金に誤射を防止するゴムを付け忘れており、装着しようと拳銃を持って移動した際、床に発射したという。同課は「安全対策を徹底し、再発防止に努める」としている。
(ジビエ「おいしい」、高校生が料理店で試食:三重)
十月に津市で開かれる「産業教育フェア」(県教委など主催)で、同市白山町の白山高校の生徒たちが地元産の獣肉を使ったジビエ料理を販売する。七日、商品を開発した同市大谷町のフランス料理店「ミュゼ ボン ヴィヴァン」を訪れ、試食した。同校では毎年、商品の販売を通じてコミュニケーション能力を養ってもらおうと、商業部に所属する生徒が中心となって白山、美杉、一志地区の特産物をフェア会場で販売している。今年は地元食材を活用した新商品を打ち出そうと同店に頼んで白山産のイノシシや美杉産のシカを使った「いのしかサンド」「しかソーセージのキッシュ」などのレシピを開発してもらった。試食には生徒七人が参加。三年の森川竜平君(17)は「臭みがなくておいしい。地元食材を積極的に発信したいので、お客さんにしっかりと説明したい」と話した。料理長の出口直希さん(37)は「イノシシやシカの肉は臭いというイメージを持たれている。食べたことのない人たちにおいしさを伝えてほしい」と生徒たちに呼び掛けた。フェアは十月二十五、二十六日、県総合文化センターで開催。生徒たちはジビエ料理のほか、和菓子など七品目を販売する。
(野生肉「ジビエ」を食べてみた:東京)
照りつける太陽にギブアップ寸前であるが、まだまだ夏は終わらない。むしろ暑くなるのはこれからだ。せめてスタミナをつけようと肉を食らうが、もはや普通の肉じゃ物足りない……。そうだ、こんなときは野生肉「ジビエ」を食べよう!調べてみるとジビエは、滋養強壮と血流促進効果があるらしい……。この時期にうってつけじゃないか! というわけで東京は神田にある「焼きジビエ 罠」に行ってきた。「焼きジビエ 罠」はJR神田駅西口から徒歩3分のところにある。西口改札を出たらサンクスが見える通りに入り、3本目の角を左折すると、右手に見えてくる。ガラス張りの店造りで「罠」と書かれているから、すぐにわかるはずだ。到着したのは平日の18時半頃。私(筆者)は予約していなかったが何とか席を用意してもらえた。平日にも関わらず、ほぼ予約で埋まるほどの人気なので、お店に伺う際は予約することをオススメする。さっそく注文しようしたが、何を頼んでいいかわからない! お店の方に伺うと「まずはセットの鹿や猪を食べて、その中から気に入ったものを追加するといいですよ」と教えてもらった。そこで、鹿と猪のセット、そして雉(キジ)を頼んでみた。注文を受けると、カウンターの中では一枚一枚肉を切り始める。予め切って置いておくと、においが出てくるので、このスタイルにしているそうだ。丁寧な仕事っぷりを見ていると、これはかなり期待できそうだ……!やってきた鹿と猪の肉は、若干黒みを帯びており、いかにも野生味を漂わせていた。炭火で焼いて食べてみると、これがうまい! いわゆるクセや臭みが全くない!! もちろん、牛や豚とは違うが、それは風味の違いだけである。若干ビビっていたが、メッチャOCです!!その後に頼んだ猪豚(いのぶた)と熊もクセはほぼない。特に猪豚のタンとハラミはかなりうまい! 気に入った! だが、どうせならもっと野性味のあるものを食べてみたい……。店員さんに伺ったところ「猪豚のレバー」を勧められたのでお願いしてみた。見た目はそのままレバーである。牛にも豚にも見えるレバーそのものである。さっそく焼いて食べてみると……! これは強烈! むしろ激烈っ!! レバーの風味に加え、独特のクセがハンパない!「良薬は口に苦し」というが、なんかどこかに効きそうな味だ! 半生とよく焼きで食べたが、断然食べやすくなる「よく焼き」をオススメする!その他、カレーや煮込み、サラダなどのサイドメニューもおいしくいただけた。心のどこかで “ゲテモノ感” を覚悟していたのだが、それは全くない。ただただ、おいしいお肉であった。心なしか、体の内からみなぎるパワーを感じつつ、家路についたのであった。

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(クマ目撃情報3件:石川)
6日午前7時55分ごろ、金沢市天神町2丁目の竹やぶに体長約1メートルのクマの成獣がいるのを通行人が見つけ、金沢中署に通報した。約10分後には金沢美大近くの路上で、午前8時25分ごろには旭町1丁目の民家の庭で目撃情報が続き、いずれもクマは林の中へ逃げ込んだとみられる。同署や市は、3件とも同一のクマとみており、市職員や石川県猟友会員が周辺を捜索した。現場近くには住宅密集地があり、パトカーや消防車両が巡回して付近の住民に注意を呼び掛けた。金沢市によると、市内で今年寄せられたクマの目撃情報は70件になった。
(クマ1頭の目撃情報:栃木)
矢板署によると、5日午後7時39分ごろ、矢板市長井の県道でクマ1頭が目撃された。同署によると、クマは体長約1メートル。道路北側から南側の畑へ横断して行ったという。車を運転していた人が目撃した。同署は付近の警戒や注意を呼び掛けている。
(クマ目撃:栃木)
日光署によると、5日午後6時半ごろ、日光市清滝1丁目付近でクマ1頭が目撃された。人的被害はない。同署によるとクマは体長約1メートル。付近住民が、同所清滝寺北方約100メートル付近の畑にいるのを目撃した。その後クマは北側の山林に入っていったという。現場付近は住宅に近い山林のため、パトロールを強化するほか、市や関係団体と連携し警戒を呼び掛ける。
(シカ、イノシシ、クマから放射性物質:群馬)
県は4日、片品村や安中市などの野生のニホンジカ、イノシシ、ツキノワグマ各2頭計6頭から、国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。6頭は5〜7月に捕獲され、最高は片品村のニホンンジカの380ベクレル。いずれも県内全域で出荷制限中。
(新強化拠点、第2トレセン18年開設で調整)
2020年東京五輪・パラリンピックに向け、トップ選手の新たな強化拠点となる「第2ナショナルトレーニングセンター(NTC)」を国が18年秋までにオープンさせる方向で調整していることが5日、関係者の話で分かった。東京五輪で金メダル数世界3位を目指す日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長は「少しでも早く完成することが重要。ぜひ期待したい」と述べた。文部科学省の有識者会議は7日の会合で、第2NTCを設置すべきだとの中間報告書をまとめる。その中で、専用練習場をつくる競技にメダル獲得が有望な水泳、卓球、フェンシング、アーチェリー、射撃の五つを挙げ、五輪選手とパラリンピック選手が共用できる施設とすることなどを盛り込む。これを受けて文科省は15年度から作業を進める。日本ライフル射撃協会の松丸喜一郎専務理事は「ロンドン五輪の日本の好成績で、NTCの効果は証明済み。少しでも早い完成を望んでいる」と期待し、全日本アーチェリー連盟の島田晴男副会長は「広い施設ができれば、パラリンピック選手との合同合宿も可能だと思う」と語った。08年に完成した味の素NTC(東京都北区)は柔道、体操など12競技の専用練習場と宿泊棟を備えるが、JOCは東京五輪に向けては拡充が必要として、昨年末に要望書を文科省に提出していた。
(悪意なき侵略者、北の原生脅かす外来種:北海道)
知床国立公園羅臼ビジターセンターに5月下旬、「アライグマを見た」という情報が羅臼町の酪農家から寄せられた。場所は国立公園の外で、同町南端の峯浜地区。特徴的な「しましまのしっぽ」のあるアライグマが道路端にうずくまっているのを、車から見かけたのだという。だが、それは2週間も前の話。ビジターセンターから通報を受けた町は、捕獲わなを仕掛けることは見送った。北米原産のアライグマは1970年代、テレビアニメ「あらいぐまラスカル」のヒットでペットとして国内に入り、逃げ出したり持て余した飼い主が放したりして野生化したといわれる。食欲旺盛で、小動物や鳥のひな、魚のほか、果実や野菜、穀類など何でも食べ、全国で農業被害が深刻化している。道内でも2011年度で約6500頭が捕獲され、142市町村で生息が確認されている。支笏湖など国立公園内でも捕獲されていて、エゾサンショウウオやニホンザリガニも捕まえて食べる。アニメの愛くるしいイメージとは裏腹に、農家や在来種を守ろうとする環境省にとっては、とんでもない厄介者だ。同省は05年に特定外来生物に指定して根絶をめざしている。世界自然遺産・知床への侵入には特に神経をとがらせる。相手は木登りも上手で、知床に生息する絶滅危惧種シマフクロウのヒナや卵の被害も心配されるからだ。同省羅臼自然保護官事務所では、アライグマの通り道の川沿いの5カ所に自動撮影カメラを設置し、監視を続けている。レンズの前を動く物体が横切るとシャッターが下りる仕組みだ。アライグマが映っていれば捕獲わなを仕掛けるが、担当者によると「今年はまだシカやキツネしか映っていない」という。同事務所は、ブログや羅臼町広報誌などを通じて町民にも情報提供を呼びかけている。同町では、3年前に峯浜地区で1頭捕獲されたが、国立公園内ではまだはっきりと確認された例はない。環境省の委託を受けて知床でアライグマの調査を続けている北海道大大学院の池田透教授(保全生態学)は「できれば今後も国立公園内には入らないでほしいが、そのためには初期段階でたたくことが重要だ」と強調する。道内での繁殖が同様に問題になっているエゾシカは、それでも年に1頭しか出産しないが、アライグマは平均約4頭産むという。捕獲わなを多数設置するには費用も人手もかかる。道内の自治体の多くは、シカやヒグマ対策だけで手いっぱいの状態。目立った農業被害が出ない限り、駆除に乗り出すことは難しいが、そうなってからでは対策は非常に難しくなる。大分市では、海岸で産卵するウミガメの保護に取り組む環境NGOが、卵を狙うアライグマの捕獲を行い、成果を上げている。この活動にも協力している池田教授は「自治体とボランティア組織などが地域ぐるみで取り組むシステムを作り、情報の吸い上げや捕獲対策をしないと、この厄介な相手には太刀打ちできない」と訴えている。

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(熊に襲われ男性大けが:長野)
3日午前7時50分ごろ、長野市若穂保科の無職上沢豊昭さん(71)が、近所の住民と共に、リンゴ畑内のわなに掛かった熊の様子を見に行ったところ、熊が暴れて外に飛び出し、頭や背中などを引っかかれた。長野中央署によると、上沢さんは市内の病院に運ばれたが、大けが。命に別条はないという。熊は山中に逃げたといい、同署と地元の長野地方猟友会若穂支部が一帯を警戒し、注意を呼び掛けている。長野中央署によると、わなはドラム缶を縦に二つつなげた物で、熊が中に入ると鉄板のふたが閉まる仕組み。熊は体長約150~160センチとみられ、ふたを押し曲げて外に出たとみている。住民によると、付近では熊にリンゴの実を食べられたり、枝を折られたりする被害が相次いでおり、7月下旬にわなを仕掛けたという。近くに住む90代女性は「熊がいるとは聞いていたけれど、実際に姿を見た人はほとんどいなかった。まさか人が襲われるなんて」と、不安そうに話していた。
(クマに襲われ重傷:福島)
3日午前8時30分ごろ、猪苗代町の畑で農作業をしていた同町の農業男性(88)がクマに襲われ、側頭部や頬などを切る重傷を負った。猪苗代署によると、男性は1人で農作業をしていてクマに襲われた。命に別条はないという。男性の声に気付いた家族が119番通報した。同署はパトカーで現場周辺の警戒や広報活動を実施、注意を呼び掛けている。
(わな使用を再開、銃は中止継続:静岡)
静岡県猟友会は1日、7月20日に発生した猟銃誤射事故を受けて23日から県内全域で中止していた銃とわなを使った有害鳥獣捕獲について、わなの使用を条件付きで再開することを決めた。銃による捕獲中止は継続する。同県猟友会の伊藤政夫会長は「農作物被害が多い地域で再開の要望が強かった。各地区で安全対策を徹底した上で再開を決めた」と話している。同県猟友会事務局が同日、県内13地区の猟友会に対し、文書でわな使用の再開を通知した。銃使用の再開時期は未定。わな使用の再開に当たっては、(1)各地域で捕獲作業時の安全について十分に話し合い、対策を立てた上で行う(2)有害鳥獣捕獲従事者の中で、わな猟と第1種銃猟免許の保持者に限り、わなで捕獲した際に銃による止め刺しを認める――との条件を設けた。県自然保護課によると2012年度末時点で、わなと第1種の両方の免許を持っているのは約950人。同県猟友会の佐藤均治事務局長は「死亡事故が相次いでいることを重く見ている。特に草木で見通しが悪く、暑さが厳しい夏場の銃使用については十分な検討が必要だ」としている。
(狩猟免許国家試験で出題ミス:愛知)
愛知県が3日実施した国家資格の狩猟免許(銃猟免許)試験で、ライフル銃など装薬銃対象の「第一種」と空気銃対象の「第二種」の問題用紙を入れ違えて受験者に配る誤りがあった。県が4日発表した。試験を所管する環境省と協議し、今後の対応を検討する。県によると、誤りがあったのは、「わな猟」や「網猟」など他の狩猟免許を既に持っている人を対象にした一部免除試験。刈谷市産業振興センターで実施し、第一種の受験者8人に第二種の問題用紙を、第二種の受験者2人に第一種の問題用紙を配った。試験中に受験者から指摘があり、誤りが分かった。印刷段階で表紙と問題用紙の組み合わせが違っていたのが原因。県担当者は「単純ミス。チェックも甘かった」と話している。第一種の受験者には試験後、本来出題されるはずだった、装薬銃に関する5問を追加質問として回答させる善後策を講じた。県は4日にも環境省に報告し、合否の取り扱いなどについて協議することにしている。
(公園でクマ目撃情報:福井)
四日午前五時半ごろ、大野市城町の亀山公園内で、散歩中の市民二人が相次いでクマ一頭を目撃した。連絡を受けた市は公園内を立ち入り禁止にし、付近に三基の捕獲おりを設置した。五日早朝に地元の猟友会が、公園内でクマを探し出す巻き狩りを行う。市によると、クマが目撃されたのは、いずれも亀山(二四九メートル)の頂上に立つ越前大野城に続く南側遊歩道付近。成獣とみられ、茂みの中に入っていったという。城は臨時休館し、公園内への四カ所の出入り口を封鎖して職員を立たせた。注意を呼び掛ける看板の設置なども行った。市街地西側に位置する亀山公園は、樹木の茂った遊歩道があり、市民の憩いの場となっている。市などによると、公園内では二〇〇九年四月と一〇年五月にもクマが目撃され、一〇年には一頭を捕殺している。また、四日午前六時二十分ごろには、鯖江市吉谷町青葉台北側の山際で、子グマ一頭が目撃された。そのまま山の方へ消えたという。
(民家近くでクマ目撃:新潟)
4日午後10時ごろ、津南町下船渡の町道でクマ1頭を目撃したと、付近を歩いていた男性が十日町署に通報した。同署によると、クマは体長約2メートル。現場は最寄りの民家まで約20メートル。クマは町道を南から北に向かって横切り、畑の中に入った。
(クマ被害相次ぐ:長野)
クマ目撃件数がピークを迎える8月に入り、県内でクマによる被害が相次いでいる。 須坂市は4日、同市日滝のモモ畑でクマが原因とみられる農作物被害が発生したと発表した。同日朝、モモの木がへし折られるなどの被害を職員が確認した。
(クマ出没相次ぐ:富山)
富山市南部の八尾地区の山間部で、クマの出没情報が相次いでいる。お盆を前に、墓に供えられた食べ物を目当てに山から下りて来ている可能性があり、富山西署は、墓参りは朝夕の時間帯を避け、果物やお菓子の供え物を墓に残さないよう呼びかけている。同署によると、同市八尾町上黒瀬で3日、県道を横切るクマが目撃されたほか、近くの寺で足跡や爪痕が見つかった。
(ツキノワグマ目撃情報:神奈川)
相模原市は4日、同市緑区青野原でクマの目撃情報が寄せられたと発表した。被害はないが、市は地元住民らに防災行政用同報無線(ひばり放送)などを通じて注意を呼び掛けた。同市水みどり環境課によると、3日午後4時半ごろ、地元住民が農作業中に数十メートル先の畑にいるツキノワグマを目撃。体長は1メートルほど。すぐに北側の道志川方面へ逃げていったという。目撃情報は、同区内で今年に入り3件目。同課はクマに出くわさないよう鈴など音のするものを身につける、人里へ引き寄せないよう生ごみなどの適切な処理-などを呼び掛けている。
(市道脇でクマ目撃:栃木)
日光署によると、4日午後9時15分ごろ、日光市所野の市道脇にクマ1頭がいるのを付近住民が目撃し、通報した。クマは体長約1メートル。現場は日光霧降スケートセンターの南約250メートル。近くに住宅地があるという。同署は付近のパトロールを強化するとともに、関係機関と連携し、警戒を呼び掛けている。
(国道横切るクマ:新潟)
4日午後6時ごろ、上越市中郷区藤沢の国道を横切るクマ1頭を目撃したと、車で通りかかった男性から上越市に通報があった。同市によるとクマは体長1メートルほどで、山中に逃げたという。
(クマ目撃相次ぐ:福島)
会津地方では3日、クマの目撃情報も相次いだ。猪苗代町の畑では午後1時10分ごろ、農作業中の男性がクマ2頭を目撃した。猪苗代署によると、2頭の体長はいずれも約70センチで子グマとみられる。同町の県道では午後7時15分ごろ、車で通り掛かった男性がクマを目撃した。同署によると、体長約1メートル。草むらの中に立ち去ったという。また、北塩原村の雑木林付近では午後6時30分ごろ、近くでバーベキューをしていた女性がクマを目撃した。同署によると、体長は約1メートル。さらに南会津町の町道では午後4時30分ごろ、車で通り掛かった男性がクマ1頭を目撃した。南会津署によると、クマは体長70~80センチで山林の中に入っていったという。
(クマ目撃情報:栃木)
日光署によると、3日午後0時15分ごろ、日光市中宮祠の「赤沼茶屋」公衆トイレ西側の山林でクマ1頭が目撃された。同署によると、クマは山林の笹藪の中にいたという。観光客が目撃し、茶屋に通報した。現場は戦場ケ原散策路の入り口で、特に観光客の多い場所。同署は付近の警戒や注意を呼び掛けている。
(クマの出没相次ぐ:青森)
クマにトウモロコシが食い荒らされるなどむつ市と深浦町で2日クマの出没が相次ぎ警察が注意を呼びかけている。2日午前4時ごろむつ市川内町戸沢の畑でトウモロコシ50本がクマに食い荒らされているのを農作業に訪れた所有者の男性が見つけた。
(橋の上にクマ:栃木)
那須塩原署によると、1日午後9時25分ごろ、那須塩原市小結のりんどう大橋上でクマ1頭が目撃された。同署によると、クマは体長約1メートル以上。北の那須街道方面へ走っていったという。現場で車を走らせていた人が通報した。同署は付近の警戒や注意を呼び掛けている。
(子グマ目撃情報:栃木)
那須塩原署によると、1日午後4時10分ごろ、那須町高久甲の那珂川別荘地内で、クマ1頭が目撃された。同署によると、クマは体長約80センチで子熊とみられる。町道を西に横切っていったという。散歩していた女性が目撃し、警察に通報した。現場はりんどう大橋などの近く。同署は付近の警戒や注意を呼び掛けている。
(クマ出没さらに深刻化:北海道)
紋別市渚滑町でのクマ出没が深刻な状況になってきた。1日午後8時10分ごろには、渚滑町1の国道238号線歩道に体長1メートルのクマがいるのを、車を運転中の女性が目撃。紋別警察署に通報した。現場は市役所から伸びる市道山の上線との交差点近くで、落石・渚滑地区の商業施設集積地の一角。日中でも笹薮等に隠れている可能性があり、同署では「充分に気をつけてほしい。屋外に生ゴミや残飯などを放置しないでほしい」と呼びかけている。この日は午後3時45分ごろにも、渚滑町3の渚滑川と渚滑古川の間にある堤防付近で、体長1・5メートルのクマが目撃されている。渚滑地区では7月15日に国道238号線近くの佐川急便紋別店(渚滑3)付近で国道を横断する体長1・5メートルのクマが目撃されたのを皮切りに、17日には渚滑小から約500メートルの渚滑町元西・市道渚滑基線で、30日にも渚滑町8の市道渚滑基線で、体長1・5~2メートルのクマが目撃されている。ことし4月27日にも渚滑町元西のバス停留所「9線」から約500メートルの山すそに出没している。その影響で、渚滑小・中や潮見小で集団下校や臨時休校、渚滑地区での夏期ラジオ体操会中止などの影響が出ているが、今のところ具体的な被害はない。しかし夏休み中であるため、屋外で遊ぶ子どもたちがクマと出遭ってしまうことが懸念される。一般にクマの行動時間は、気温の上がる日中を避け、朝夕に集中するといわれる。しかし1日に河川堤防で目撃されたのは、まだ気温が24℃ほどと高い午後3時45分ごろで、子どもたちの屋外活動時間内だった。せせらぎ公園の近くでは、複数の子どもが「グォーグォー」という低いうなり声を聞いたという情報もある。30日午後1時半~2時ごろで、場所は同公園の噴水前から道営住宅前の道路に抜ける車道沿いの資材置き場付近。笹やぶもガサガサと動いていたという。これらが同一のクマなのかどうかは不明だが、いずれにしても渚滑町の広い範囲が行動エリアになっていると見られる。昼夜を問わず最大限の警戒が求められる。
(クマ目撃52件と急増:富山)
県によると、今年上半期のクマの出没件数は61件と、統計を取り始めた05年以降2番目の少なさだったが、7月は一転し、1カ月間で52件となった。8月に入り、富山、高岡市、立山町で既に計4件の目撃情報が寄せられている。県によると、クマの餌となるブナやミズナラの実は今年、裏年で作柄が悪くなることが予想されている。このため、餌を求めて行動域を拡大するクマが増える可能性があるとしている。年間1387件の出没情報が寄せられた10年も、餌の結実が悪かった。南砺市上松尾で7月28日に男性がツキノワグマに襲われた場所はクマの生息域だったが、夏のレジャーなどで山間部に出掛ける人も増えることから県は警報を発令し、警戒するよう呼び掛けている。4月下旬には平野部の高岡市戸出地区で初めてクマの死骸が見つかり、住民らから生息域の拡大が懸念されている。県は「クマと出会わないよう、十分に対策を取り、被害を防いでほしい」(自然保護課)としている。7月28日に南砺市のたいらクロスカントリー場で男性がクマに襲われてけがをした事故を受け、砺波市は4日、クマ緊急対策会議を開き、住民に注意喚起するため栴檀山など6地区に出没警報のチラシを回覧することなどを申し合わせた。会議には市や自治振興会関係者が約20人出席した。県鳥獣保護員が朝夕に限らず昼間でもクマの出没が見られ、今後15~20日間は餌のない時期であり、注意をする必要があると説明した。チラシはカキやクリの処理やラジオ、鈴などの携帯などを呼び掛けている。富山市は4日、富山市八尾町宮腰の本法寺境内の水くみ場で3日午後3時40分ごろ、住職がクマの爪痕を見つけたと発表した。地元猟友会がパトロールしたところ、境内西側斜面にクマの足跡が見つかった。
(シカ駆除チーム派遣へ:奈良)
奈良県は、ニホンジカの駆除チームをハンター10人以上で編成し、食害に悩む各自治体への派遣を10月にも始める。面積の7割を森林が占める県内で、効率的な駆除を目指すとしている。メンバーは、経験豊富な県猟友会のハンター。市町村の要請に応じて派遣する。チームは人里近くの森に入り、無線で連絡を取り合いながら猟銃で駆除する。県内には現在、ニホンジカ約5万5000頭が生息するが、県は、農林業に被害が出ない頭数を現在の生息数の約8分の1にあたる6700頭と試算。適正数を大幅に超えた危機的な状況として、本格的な対策に乗り出す。一方で、頼みのハンターは不足している。県内の狩猟免許を持つ人は、1970年度には3000人を超えていたが、過疎化で年々減少し、2013年度は約3分の1の1005人に。高齢化も進み、60歳以上が7割を占めている。このあおりで、広葉樹の若木などが食べられる林業被害は、11年は計約339ヘクタールと、00年(134ヘクタール)の2・5倍に激増。農業被害も、全国2位の生産量を誇る柿や、水稲を中心に12年度は計約130ヘクタールで5759万円に上った。ニホンジカは、過疎化で手入れが行き届いていない雑草地などに身を潜め、人がいないことを確認して出没。「口が届くところにあるものは、何でも食べてしまう」(県農業水産振興課)という。奈良公園の鹿が国の天然記念物に指定されている奈良市には派遣しない。派遣は今年度中で計10回を予定しており、県森林整備課の担当者は「被害が出ている場所に重点的、機動的に派遣して、できるだけ被害を食い止めたい」と話している。
(アナグマ被害急増:大分)
国東市内でアナグマによる食害が増え始め、市が積極的な駆除に乗り出した。7月から専用捕獲器を猟師に無償で貸し出し、8月からは駆除報償金も値上げした。昨年度の市内被害額(県内3位)はイノシシ・シカ被害の1割にも満たないが、急増する捕獲数から生息数の大幅増が推測される。生息数減少にてこずるイノシシ、シカの例を教訓に、被害を早期に食い止める。アナグマはアライグマやタヌキ、ハクビシンと間違えられるが、突出した口先としまのない短い尾が特徴。市によると、果樹園や家庭菜園のナシやイチゴ、スイカなどで被害報告がある。県内の被害額は、2009年度の約190万円から13年度には約1130万円と約6倍に増加した。市内も同じ傾向で、13年度は約130万円の被害を確認。調査を始めた12年度の約4倍となっている。市内で捕獲されたアナグマの数は12年度81匹、13年度196匹、本年度135匹(5月末まで)。イノシシを狙う箱わなに紛れ込むケースが急速に増えており、市は「さらに被害が拡大する可能性がある」と危機感を強めている。市は対策として、餌で招き入れて閉じ込めるタイプの箱型捕獲器50個(幅36センチ、高さ37センチ、奥行き93センチ)を購入し、市内全域の山中や人家付近に設置した。1匹3千円だった報償金は1日から千円アップした。市内の鳥獣被害対策はこれまで、イノシシ・シカが中心だった。捕獲数は2011年度以降、計5千匹前後で推移し、「捕っても捕っても減らない」(市農林水産課)のが実情だ。同課は「アナグマでは早期に手を打った。市民にも自主的な被害予防に取り組んでほしい」と話している。
(深刻な鹿の食害:長野)
茅野市蓼科の滝ノ湯川沿いに群生するモミが鹿の食害を受け、深刻な状態にあることが山林を所有する湯川財産区の調査で分かった。目通り周囲2~3メートルの巨木だけでなく、種子から育った苗木も枯死しており、このままだとモミの天然林が失われる恐れもある。一帯のモミは小宮御柱祭の御柱用材に使われるため、地元関係者は「当面はなんとかなるが、将来、御柱ができなくなったら大変だ」と心配している。現場は、ビーナスラインの竜源橋(標高1650メートル)から、下流にある城の平別荘地までの滝ノ湯川沿い。湯川財産区は6月8日、地域住民からの情報提供を受け、山野委員会が被害を確認した。7月20日には財産区議員や山番組の若者ら約30人を動員し、事業費約60万円で200本のモミに鹿除けネットを張り、樹皮剥ぎされた部分に防腐剤を塗布している。財産区によると、モミへの食害は「チラホラあったが、これだけ大量に食べられたのは初めて」という。大木を中心に被害を受けており、中には根元周囲が約3メートルになる樹齢80年の巨木も。食害直後のためか、周囲の樹皮を全て失いながらも葉をつけているモミが多い。財産区は「大木の伐採はお金が掛かる。立ち枯れを待つしかない」と嘆く。現地を訪ねると、モミは高さ2メートル以下の樹皮が剥ぎ取られ、地面はおびただしいふんに覆われていた。根元周囲にあった実生の苗木は葉がなく立ち枯れていた。そんな場所が川沿いの3、4カ所に点在しており、案内してくれた財産区の篠原雅秀総代(65)と荻原純一郎議長(65)は「ここは鹿のねぐらかもしれない」と話した。茅野市鳥獣被害対策室は「2月の大雪で主食であるササが雪に覆われたためモミを食べたのでは。現地に居座っていた可能性もある」と分析する。市は被害状況を考慮して「鳥獣被害対策実施隊」の隊員1人に依頼し、7月下旬からわな猟による捕獲活動を一帯で始めた。八ケ岳山麓の他地区からは、深刻なモミ被害の報告は入っていないという。
(シカ侵入、上高地も:長野)
北アルプス上高地(松本市安曇)で今年5月以降、ニホンジカの目撃情報が4件寄せられていることが1日、環境省松本自然環境事務所(同)への取材で分かった。白馬岳周辺など北ア北部ではこれまでも確認されていたが、北ア南部の上高地内では初めてで、北アでも徐々に生息域を広げているとみられる。環境省は、希少植物の食害や生態系への影響に危機感を強めており、年内にも大正池―横尾間でニホンジカの生息状況調査に乗り出す。上高地周辺では2012年に横尾で鳴き声の情報が、釜(かま)トンネルの松本側入り口付近で目撃情報があった。今年の目撃情報はいずれも上高地内で、5月8日から7月30日までの間に宿泊業者や登山客などから計4件寄せられた。いずれも1頭ずつで、釜トンネル上高地側入り口付近で2件、焼岳登山道、明神―徳沢間でそれぞれ1件ずつだった。同事務所は、目撃者に電話などで聞き取り調査をして、姿や角などの特徴からニホンジカと判断した。上高地周辺に設置した自動カメラでは、シカは撮影できていないが、同事務所の西尾治・首席自然保護官は「上高地にニホンジカはいるとみられていたが、今回の情報で裏付けられた」とする。年内にも開始する調査の方法は具体的に決まっていないが、上高地内への自動カメラ設置や、個体数調査なども検討するという。県内の山岳地帯では南アルプスでニホンジカによる食害が深刻で、全国各地でも被害が広がっている。西尾保護官は「南アのように被害が拡大する前に、どのような対策が必要か検討するために効率的な調査を実施したい」としている。
(イノシシ被害、登山中も急増:兵庫)
神戸市の山間部で、登山客らがイノシシに襲われる被害が7月中旬から急増している。市内でイノシシ被害が多い東灘区では今年も含めここ数年、市街地で住民が襲われるケースが目立ち、山間部では2011年度以降、ほとんど報告されていなかった。登山客らの「餌付け」が背景にあるとみられ、市は被害が集中しているエリアに看板を設置するなど注意を呼び掛けている。神戸市によると、山間部で「ザックを奪われて腹をかまれた」「登山道で後ろから襲われた」などの連絡が7月12日以降、8件相次いだ。負傷者も既に7人に上っている(7月末現在)。被害が集中しているのは六甲山の眺望スポット「風吹岩(かざふきいわ)」(同市東灘区)周辺。阪急岡本、芦屋川駅から六甲山最高峰へ向かうルートが合流する地点にあり、登山客らの休憩ポイントになっている。市は7月末、風吹岩周辺など十数カ所に「餌付け禁止!!」などと記した看板を設置。今月2日には市の委託業者が登山道近くでチラシをまき、「襲われそうになったら荷物を放して逃げて」などと注意を呼び掛けた。被害急増の背景について、市は「イノシシは学習能力がある。餌付けが繰り返されて食べ物目当てに人に近づく個体が出てきたのかもしれない」と推測。被害者からの情報では単独のイノシシと、子連れの2グループがいるという。市街地ではイノシシを山間部に追い払えるが、生息地である山間部では“即効性”のある対策は難しい。担当者は「登山客らに餌付け禁止を徹底してもらい、イノシシが人に近づかなくなるようにしたい」と話す。風吹岩近くで女性がイノシシに襲われる場面に出くわしたことがあるという京都府京田辺市の男性(63)は「今日(2日)も登山道脇にリュックと中身が散乱していた。六甲山にはよく来るが、1人だと怖い」と表情を曇らせた。風吹岩周辺では10年秋にも登山客が特定のイノシシに襲われる被害が続発。神戸市が駆除に踏み切った。
(クマ出没、市が警報:富山)
南砺市上松尾のクロスカントリー場で七月二十八日に男性がクマに襲われ大けがをした被害を受け、市は一日、市役所城端庁舎で緊急対策会議を開いた。餌となるブナの凶作で今後もクマの大量出没が予想されるため、特別警報を発令し警戒態勢を強化していくことを決めた。有害鳥獣捕獲隊や自治振興会長、警察など関係者約六十人が出席。市の担当者が今年一~七月の市内での出没が三十件に上り、山間部だけでなく住宅街付近でも目撃情報があることを報告した。被害防止に向け、市は防災行政無線や住民へのチラシ配布で注意喚起を強める方針を説明。クマが活発に動く朝夕の時間帯は農作業を控えることや、生ごみを外に置いておかないことなども呼び掛けた。
(有害鳥獣ハンター養成:長野)
県が主催する「ハンター養成学校南信会場」の入校式と狩猟セミナーが3日、伊那市荒井のいなっせで開かれた。ニホンジカなど野生鳥獣による農林業被害対策として狩猟者の増加を図ろうと、今年度初めて同セミナーを計画した。県内4会場で70人が入校した。来年3月まで、有害鳥獣捕獲実習2回を含む全5回セミナーで学ぶ。南信会場は上、下伊那、諏訪地方などから10人が参加した。わな猟、銃猟に関する実習や、捕獲鳥獣の解体、ジビエ調理実習、試食も行う。狩猟免許を持っていない受講者もおり、養成学校とは別に狩猟免許試験の勉強会などもサポートしていく。県内の狩猟者数は、1970年の2万6594人をピークに減少し、昨年は5788人。一方、有害鳥獣による農林業の被害額は狩猟者減少に反比例するように増加した。88年に初めて20億円を突破したが県が対策を進め、2007年から6年連続減少。昨年は11億5000万円だった。県林務部鳥獣対策・ジビエ振興室の宮宣敏室長は「近年はニホンジカがすごく数を増やし、自然や人の暮らしを破壊する脅威になり、捕獲は重要な取り組みになっている。しかし、担い手は高齢化、減少が進んでいる。野生鳥獣の捕獲に携わりたい人の意欲を実際のパワーに変え、若手の皆さんを育成していく」と協力を求めた。初回は、被害状況、被害対策や鳥獣法、狩猟免許制度の概要、猟友会の活動などについて、同振興室職員を講師に学んだ。
(クマ対策施し営業再開:京都)
敷地内でクマの出没が相次ぎ臨時休館していた京都府宮津市小田宿野の水族館「丹後魚(うお)っ知(ち)館」が、このほど営業を再開した。6月28日から休館していたが、対策として、餌となるヤマモモの木を伐採し、ラジオが流れるスピーカーを設置した。クマの出没がなくなり、来場者の安全が確保されたと判断した。
(基地開放イベント、ことしは銃体験実施されず:神奈川)
横須賀市の在日米海軍横須賀基地で昨夏開催されたイベントで米兵が子どもたちに銃を触らせていた問題で、今年のイベントでは同様の銃体験は実施されなかった。2日、同基地で開催された基地開放イベント「ヨコスカ・ネイビー・フレンドシップデー」で銃器の展示そのものがなかった。銃体験をめぐっては県内の平和団体が教育上の問題点などを指摘し、銃刀法違反容疑で同基地前司令官らを刑事告発していた。銃体験をやめた理由について、同基地司令部広報は「特に理由はない」と説明している。告発人代表の新倉泰雄さんは「銃体験がなくなったことは一歩前進。これからも子どもを銃から守り、戦争につながる動きに歯止めをかけていきたい」と話した。この問題は、昨年8月の同イベントの来場者が銃に触れている子どもの姿を目撃し、撮影した写真を市民団体に提供したことで明るみに出た。その後、同基地司令官のデイビッド・グレニスタ大佐は市役所を訪れ、「今後は同様のことが起こらぬよう最大限配慮していく」と述べ、銃体験をやめることを示唆していた。この日、イベントに訪れた同市在住の女性(63)は「(銃体験は)なければないで良い。子どもがおもちゃのように銃に触り、興味を持つきっかけになっては困る」と話す。一方、長女で、1歳の長男を連れて来場していた女性(26)=横浜市港南区=は「実際に触ることで、銃で自己防衛している米国との違いが分かるのでは。日本では銃は身近にないし、それで人を殺すとは思えない。親がどう説明するかだ」と話していた。
(水力で動くかかし設置:徳島)
佐那河内村上の段々畑に、農業用水を動力源とする「動くかかし」が設置された。農作物目当ての野生鳥獣を寄せ付けない一方、通り掛かる人の関心を引いている。竹の「鹿威(ししおど)し」に水が流れ込むと、鹿威しとワイヤでつながれたかかしなど20体が上下左右に揺れる仕組み。かかしは農作業をする人を模しており、トラやタカの模型も一斉に動き、作物に近づく動物を威嚇する。県臨時職員の竹内啓司さん(58)が、サルやシカの食害対策として設置した。鳥獣威嚇装置として特許も取得している。
(クマが出た!その時住民の皆さんは:島根)
全国的に、クマの出没が懸念されている2014年の秋。クマを殺さずに対応できないのか? という意見が強くある一方で、クマのすむ山林に隣接した地域では、人や農業などへの被害の現状と不安を訴える声が跡を絶ちません。そうした現場で今、何が起きているのか。そして、クマと人間が共存するために、何が必要とされているのか。WWFジャパンと島根県の共同プロジェクトが展開されている島根県益田市の匹見町から、2014年の春に起きた出来事をご紹介します。西中国山地が、背骨のように延びる島根県。ここには、「絶滅の恐れのある」ツキノワグマ個体群が生息していますが、近年は保護管理政策の成果によって、その生息数は安定しています。しかしその一方で、クマによる農林業への被害や、住民とのトラブルが多発。行政に対し、対応を求める声が跡を絶ちません。島根県では現在、WWFジャパンとツキノワグマの共同プロジェクトを展開。住民の方々と一体となって、クマをはじめとする獣害を軽減する取り組みを行なっています。これは、県内各地に専門員を配置し、クマの適正な保護管理の観点から、できるだけ殺さずに奥山に放す対応をしている島根県だからこそ(島根県では、各出先事務所で奥山放獣ができる体制を取っています)。しかし、こうした対応が、必ずしも住民の理解が得られるわけではありません。不安を抱いた住民から、捕獲したクマの殺処分を求められるケースも多くあります。そうした状況の中で、クマに対し、人はどう接し、共存をめざしてゆくべきなのか。その問いの一つの答えになり得る報告が、島根県益田市の匹見町より寄せられました。匹見町は、周囲を西中国山地1,000m級の山々に囲まれた渓谷型の地形に、わずかな耕地と集落が点在する中山間地域です。町内の面積のうち、森林が占める割合は、実に97%。日本海と瀬戸内海両方の気候の影響を受けるその森は、落葉広葉樹のブナから照葉樹のタブノキまで、多種多様な樹種で構成されており、太古の昔から、森林に支えられた文化が育まれてきました。実際、匹見町では、考古学者の間で「縄文銀座」といわれるほど数多くの遺跡や出土品が発掘されています。ここでの人の暮らしは今も、豊かな森林がもたらす恩恵により支えられています。 ところが近年、ツキノワグマをはじめニホンザル、イノシシなどの野生動物が住民の生活圏にまで出没し、農業被害や人身事故などが深刻な問題になってきました。町の中心部にある役場でさえ、クマの姿を見ることがあるといいます。背景の一つとして考えられるのが、過疎と少子高齢化。人が減り、暮らしが活気を失うと、野生動物は人間からの圧力を感じなくなり、それが人間の生活圏への出没、さらには人間とのトラブルまで発展すると考えられています。匹見町の現在の人口は約1,400人で、ピーク時である1955年(昭和30年)のおよそ1/5にまで減少しました。さらに高齢化率は50%を超え、全国平均の約24%を大きく上回っています。「過疎」という言葉が社会科の教科書に初めて登場したときに、全国の中から真っ先に例示に取り上げられたのが匹見町だったそうです。野生動物の被害のみならず、過疎と高齢化といった日本の農山村が抱える根本的な問題にも直面した自治体の一つといえるでしょう。この匹見町は、2012年から始まったWWFと島根県との共同プロジェクトのプロジェクトサイトの一つでもあります。そして、その拠点である島根県西部農林振興センター益田事務所で、現在プロジェクトを担当されているのが、県行政職員の大谷浩章さんと、鳥獣対策専門員(クマ専門員)の金澤紀幸さん。今回、このお二人より、2014年5月から6月にかけて、匹見町の現場で起きたツキノワグマと地域住民の方々をめぐる3つの事例をご報告していただきます。2014年5月1日、私たちは島根県西部農林振興センター益田事務所で、午前中の業務終了まであと10分と迫り、そろそろ片づけて午後からの業務に備えようと段取りを始めようとしていました。事務所の電話が鳴ったのは、その矢先のことです。益田市匹見町の町役場からの出動要請でした。「クマが民家裏の空き地に居座っています。今から現場に向かいますので、なるべく早く来てください。よろしくお願いします」春先のこの時期、冬眠明けで食糧となる山菜を求めるクマは、一つの場所にとどまらず、移動していることが多くなります。そのため対応が難しいのですが、匹見町に現れたのもそうしたクマでしょうか。ちょうど弁当に手を伸ばしたところでしたが、どうしたものかと迷う時間もなく、現場へ急行です。現場である匹見町道川に到着すると、すでに益田市と匹見町役場の方々、そしてクマに居座られてしまった民家の方や、地区住民の方々が集まっていました。その喧騒の中に車を止め降りてみると、ナント、すぐ目の前にクマがいるではありませんか!最初は距離を置いて観察していましたが、クマはじっとして動きません。遠目には小さく、仔グマのようでしたが、コッソリ近づいてみると、頭を持ち上げ威嚇してきます。よくよく確認すると、大人のクマでした。目撃した住民からは、付近にもう一頭、仔グマと思われる別のクマがいるようだ、との情報がありました。おそらく何らかの理由で、親子が離れ離れになってしまったのでしょう。ともあれ、安全確保のため、真っ先に対応すべきは大人のクマです。しばらく様子をうかがいながら観察を続けましたが、周りには民家もあることから、このままの状態が続くと良くないと判断し、クマを麻酔銃で眠らせて、山中へ移動することにしました。再びクマに近づき、麻酔銃を発射。麻酔が効いたことを確認し、身体を調べると、やはり大人のメスでした。出産経験があるようで、乳首も発達していました。予想通り、付近で見かけられた仔グマの母親だと思われます。通常この時期の大人のメスグマの体重はだいたい30~50キロくらいなのですが、このクマの体重は、なんと13kg。異常なまでに軽く、一同から驚きの声があがりました。これでは、最初に仔グマと見間違っても不思議はありません。本当にガリガリに痩せていて、今にも倒れそうなくらいでした。なぜこのクマがこれほどに痩せていたのか。その原因について、現時点では判りませんが、恐らく冬眠に失敗して食物を食べられずにいたのではないかと思われます。クマに負担をかけないよう、動きや変化を気にしながら、できるだけ迅速に計測を実行。移動用ドラム缶の中で休ませ、夕刻には奥山へと放獣(捕まえたクマを放すこと)しました。このような健康状態のクマを捕獲・放獣するのは、私たちとしても、きわめて稀なケースです。いつも以上に扱いは慎重になりました。しかし、いくら痩せこけて元気がないとはいえ、そこはツキノワグマ。麻酔銃を撃つ間際に見せた威嚇は、なかなかの貫禄がありました。これまでの経験では、このように民家近くでクマが見つかった場合、住民の方からクマの殺処分を求められ、放獣の「提案」すら許されないことが少なからずあります。ところが今回は状況が違いました。発見者の住民の方が、WWFジャパンと島根県が、以前匹見町で行なった「クマ講習会」に参加された方だったのです。麻酔処理が終わった後、住民の方に、クマを発見してから役場に通報するまでの経緯を聞いたところ、「以前の講習会で、クマの目撃があれば通報してくれ、と説明を受けたから、その通りにした」とのこと。講習会でのクマへの対処法を覚えていてくださったことが、今回の対応に繋がったのです。さらに、その家のご主人も、前年度に行なった動物駆逐用煙火講習会で資格を取得し、駆逐用の花火を所持。クマを発見した後、駆逐用花火でクマの追い払いを試みるなど、すべてが基本に忠実で、的確な対処をとられていたことが分かりました。もう一つ、現場での対応の上で重要だったのが、益田市の鳥獣担当の吉田洋さんの判断と行動です。益田市では、2014年から新しく鳥獣対策専門の嘱託職員を採用し、現場対応と指導体制を強化しました。ここ数年で益田市民からの鳥獣被害について、専門的な対策を望む声が多くなってきたためです。今後、適切なクマ保護管理の実現に向けて、島根県と益田市の専門員の存在が、大きな鍵を握ることになります。今回、吉田さんは、私たちの連絡を受けて、県の担当者よりも先に現場に到着し、クマの監視、周囲の管理などをしてくれました。そのおかげで、私たちも到着後すぐに、麻酔の準備ができました。通常、私たち島根県の担当者は、通報を受けてから、状況の把握、関係者への連絡、道具の準備などの作業を行ない、できるだけ短時間で出動できる態勢を整えます。それでも、通報から現場への出発まで、最短で30分は必要となります。一秒でも早く!と誰もが急ぎ、走りますが、何が起きるかは誰にもわかりません。その間も住民の皆さんは、クマが身近にいる緊張感に堪えているのです。そんな中、現場へ先に到着した吉田さんは、クマの監視や住民への対応を手際よく行ない、私たちを待ってくれていました。こうした適切かつ素早い取り組みは、住民の方々に落ち着いていただき、作業を信頼していただく上でも、重要な事なのです。今回捕獲されたクマは、そのまま殺処分されることになったとしても、おかしくはない状況でしたが、住民の方の理解によって、生き延びることができました。私たちも穏やかに余生を送って欲しいと願い、奥山に放しましたが、残念ながら放獣した場所の近くで息絶え、自然に還っていく姿を後日、見届けることになりました。それでも私たちは、今回クマを殺さず、山に戻せたことが、本当に意義深いものであったと感じています。住民の方々の適切な対応と、殺処分をすぐに求めようとしなかったその理解の深さが、確かに示されたからです。匹見町でのWWFと島根県が取り組む共同プロジェクトとしても、これは一つの大きな成果であったといえるでしょう。5月22日の朝、再び私たちの島根県西部農林振興センター益田事務所の電話が鳴りました。匹見町道川の和牛生産者の方より、牛舎で「毎晩クマが牛舎の餌を食いに来るので困っている。昨晩は餌箱の中で寝ていた」との通報です。早速、準備をして現場へ急行すると、そこは5月1日に痩せた母グマを捕獲した現場から、直線でわずか500mほどの場所でした。山裾と河川との間にある山間地で、クマが高い密度で生息しており、私たちの間では「聖地」と呼んでいるほどの地域です。そしてこの10年、ツキノワグマは毎年のように、この牧場にやってきては、牛舎の飼料をあさり続け、和牛の肥育(ひいく:肉量を増やし、肉質をよくするための飼育法)を手掛けている牧場主の方を、悩ませ続けてきたのです。それでも、この方は、私たちの業務である「クマの保護管理」に深い理解を示してくださり、それが故に「被害」と「我慢」の板挟みになっていました。2013年度には牧場で同様の被害があり、私たちが一部に電気柵を設置するなどの防除措置を行なって、最終的にクマを捕獲した際には、この地区では異例ともいえる「その場放獣」の了解をいただいたこともあります。この「その場放獣」とは、捕獲した場所でクマを放すもの。奥山などに運んで放す「移動放獣」とは異なった放獣の仕方で、クマや作業する側にとっての負担は小さくなりますが、住民は不安を抱きやすい方法です。しかし、毎年出没するとはいっても、今回のように、牛舎にやってきたクマが一晩帰らず、餌箱の中で寝てしまうというのは、大変な事態です。いずれ深刻な問題を引き起こすことは必至、と判断しなくてはなりません。そこで私たちは現場を丁寧に検証し、牧場主の方の許可を得て、クマを山に返すことを前提とした「予防的捕獲」を行なうことを決め、牧場内に有害捕獲用の檻を設置することにしました。これまで島根県は、防除対策を実施してもなお問題となるようなクマについては、殺処分という判断で捕獲許可を出してきました。しかし近年、私たちは実際のクマ出没の現場において、早急な対応と、人とクマの間に問題が起こる前に、手早く捕獲を行なうことで、住民の方のストレスを大きく軽減することに成功してきました。その経験に基づいて、殺処分をなるべく減らし、放獣を前提とした有害捕獲、すなわち「予防的捕獲」を積極的に行なうことにしたのです。この予防的捕獲は、県内それぞれ管轄の事務所職員が、クマを捕獲した後、迅速かつ安全に麻酔の実施と「学習放獣(捕獲したクマにお仕置きをして放獣すること。恐怖感を与えて人里に降りてこないようにする)」が行なえることが大前提です。島根県では、中山間地域研究センター研究員、県内各事務所に配置された5名の鳥獣対策専門員(クマ専門員)と、専門的研修を受けた行政職員により、これらの作業に対応できる体制が整っています。予防的捕獲は、この体制があるからこそ可能となる、積極的なクマ防除手段の一つだと言えるでしょう。今回も、私たちはこの「予防的捕獲」を選択し、問題が深刻化する前に捕獲することが一番良いと判断しました。クマが現れた場合、現場では、クマを引き寄せる「誘引物」の撤去と、電気柵の設置などによるクマの侵入を防止することが、基本的な対策となります。ところが、この現場は牛舎であり、誘引物である飼料を撤去するわけにはいきません。電気柵を設置するにも、牛舎全体が対象では大規模にならざるを得ません。「予防的捕獲」は、その状況を確認した結果としての判断でした。私たちは早速、捕獲用の檻を設置。様子を見ることにしました。ところが、それから1週間、何の音沙汰もありません。再び事態が動き始めたのは、5月27日のことでした。この日、クマは檻に入りました。ところが、入った檻は、設置した捕獲用の檻ではなく、牧場裏に以前から設置してあったイノシシ用の格子檻でした。そして一度は入ったものの、クマは持ち前の怪力であっさりと檻を破壊し、逃走したのです。そこで私たちも、あらためて本格的な捕獲作戦を練りあげました。まず、新たに補強した格子檻を用意するとともに、急遽購入したクマ専用の捕獲檻を追加。さらに、共同プロジェクトで購入した自動撮影機能が付いた監視カメラを3台配置し、目的のクマを捕獲するための包囲網を固めたのです。その甲斐あって、6月3日、クマはついに捕獲されました。私たちは早朝より現場へ急行。益田市鳥獣対策専門員の吉田さんにも来てもらい、無事に麻酔作業を終了しました。計測すると、80kgもあるオスのツキノワグマでした。ところが、麻酔処理をしながら、私たちは何やら違和感のようなものを感じていました。「牛の飼料を食べ散らかしたのは、本当にこのクマだったのだろうか?」そこで、設置した監視カメラを確認したところ、そこにはなんと、捕獲したクマとは別のクマの姿が!映像に映った餌の食べ方や、より大きな体格などから、今回捕獲したクマは、通報時に現れた最初のクマでないことがわかったのです。継続して捕獲を行なうことにしましたが、このようなケースは過去に例がなく、私たちも驚きを隠せませんでした。そして、翌日の6月4日。今度は52kgのオスが捕獲されました。動き回って、入り込んだ補強済みの格子檻を何回転もさせるなど、やりたい放題の元気の良いオスグマです。ですが、これもまた最初のクマとは、かけ離れた体格の小さなクマでした。さらにこの日も、前日と同じく、監視カメラには、最初のクマが映っていました。結局、幕が引かれたのはその翌日、まさかの3日連続となる6月5日のことでした。とうとう捕獲された「指名手配中」のクマは、97kgのオス。「大将」的な巨漢で、体格も気力も堂々の風格です。最後の最後に大物が捕まりました。ちなみにこの日は、普段なら現場で見ることができない、そうそうたる行政関係者の顔ぶれが参集していました。益田市の匹見支所の支所長と課長、益田市役所本所の課長、島根県益田事務所の所長、そしてたまたま視察に来ていた島根県庁の鳥獣対策室長。3日目にもなると、私たちは呆れ顔と同時に、慣れた手つきで淡々と作業をしていましたが、はからずも各役所の管理職が「総出」の大捕物となりました。しかし、何と言っても、この3夜連続の捕獲が快挙だったのは、捕獲した個体のすべてを、殺さずに山に返せたことです。この地域では普段からクマが多く、6月5日の3回目の捕獲以降も、川を隔てた対岸では出没が続いていました。住民の方々はクマの存在にはある程度慣れており、さほど怖がらない人も多いようです。それでも、地域全体、県全体という視野で見れば、錯誤捕獲(目的以外の動物が誤って捕獲されること、原則的には放獣しなければならない)されたツキノワグマでさえ、殺処分を求められ、実際に殺されるのが、ほぼ当たり前といってもいいのが現状です。そうした中で、今回のように、毎晩クマが出没を繰り返していたにもかかわらず、それを山に返すことができたのは、大変なストレスを受けつつも、放獣に理解を示してくださった牧場主の方の意志の賜物。私たちとしても、本当に頭が下がる思いでした。まさかの3夜連続の捕獲に、現場周辺は一時騒然となりましたが、最後のクマが捕まったこの日を境に、被害はぱったりと止み、牧場は静かな夜を迎えているようです。3頭連続捕獲の興奮もようやく落ち着いた6月9日、今度は匹見町役場、産経済課課長の村上正文さんから連絡が入りました。「クマが民家のガレージに篭城しています。猟銃を用意して、先に現場に行っています」村上課長は、役場の担当課長でありながら、猟師の免許も持っており、このような場合には事態を冷静に判断して、必要に応じ自ら銃を持ち出してくれます。クマの捕獲は常に危険と隣り合わせ。捕獲しようとした人がクマの反撃にあい、大怪我をするケースも少なからずあります。とはいえ、いつでもどこでも銃を持ちだすと、別の危険や問題につながりかねません。そうした中で村上課長は、どういう事態ならば銃を携行すべきか、この判断が絶妙で、私たちもいつも感心させられています。ともあれ、まずは現場へ。現在時刻は16時。事務所から匹見町までは、車で一時間弱の距離ですから、やもすれば、日没に間に合わなくなる恐れがあります。大急ぎで準備をして現場へ急行しました。現場には地元の住民の方や、警察関係者など10名ほどの人々が集まっていました。先着した村上課長と駐在所のお巡りさんが最前線でクマを監視。住民や役場職員の方々は、家の陰でじっと私たちの到着を待っていました。村上課長の状況説明によれば、クマは車庫に隠れてじっと動かない状態とのこと。クマを刺激することなく、麻酔作業を実施しようと、段取りを組みましたが、クマは倉庫に止めてある車に隠れて、ほとんど姿が見えません。少々の苛立ちも出てきます。気が気ではなかったのか、住民の方々は何度も現場に近寄ったり、覗き込もうとします。「危険なので離れてください!」私たちの度々の説明と静止もほとんど役に立ちません。とにかく安全管理に気を遣いながら、なんとか麻酔銃でクマを眠らせることに成功。早速、クマの身体を調べたところ、後ろ足に治りきっていない怪我の跡がみられました。数日前に交通事故に遭遇した個体が、彷徨いながらこのガレージに辿り着いたようです。関係者が見守る中、急いで体測を行ない、奥山へ放獣するべく、移動用のドラム缶に収容。作業が終わったのは18時を過ぎていましたが、集まっていた方々の顔色を見ようと振り返ると、近所のおばあさんたちは、車庫の横にある納屋の入り口に皆、座り込んいます。目の前でクマが篭城している事態にも顔色一つ変えず、作業の様子を見守っている姿は大変頼もしく思えました。放獣のために車に乗り込む頃には、住民の方々は安堵の表情を浮かべ、まるで何事もなかったかのように帰宅。クマも無事に山へ戻すことができ、全ての作業を終えることができました。しかし、こうした結果は、危険な結末と常に紙一重でもあります。特に、今回のようにクマが篭城しているような状況では、銃器とベテランのハンターが、この上なく心強い存在となります。待機しているハンターは、いざという事態が発生したとき、人々の安全を守るため、引き金を引かねばなりません。それは、現場において欠かすことのできない、大変重要な役割なのです。今回は幸いにしてそうした事態には至りませんでした。ですが、私たち、クマの捕獲・放獣に係わる担当者が、勇気をもって安全に作業ができたのは、銃を携えた村上課長が、すぐ側にいてくださったおかげです。その存在の大きさと意味を、改めて感じたケースとなりました。今回、匹見町で起きた3つの出来事を振り返って、私が強く感じたのは、まず住民の方々のクマに対する寛容さでした。同じ地域で1カ月に3度、クマが出没するという事態に遭遇しても、誰ひとり「殺してくれ」と言う方はいませんでした。まさしく、中山間地域において、クマと共存する暮らしの知恵を身に着けているのだと、深く関心させられる思いでした。とはいえ、クマの出没がもたらす緊張感や恐怖感は、やはり大変なものです。クマが出没し、被害を与える地域には、まだまだクマを憎み、その存在に悩む方も大勢いらっしゃいます。私たちはクマ捕獲の現場へ向かう時には、必ず事前に現場での段取りをシュミレーションします。そして現場に到着し、私たちの到着を待ちわびていた人々に、「お待たせしました」の一言を発するまさにその時、緊張がピークに達します。住民の方々の表情を一目見るだけで、一瞬のうちに現場の空気感が伝わってくるのです。クマに寛容な住民の方々も、行政に対しても寛容だとは限りません。現場での対応や、接し方を少しでも誤れば、私たちは住民の方々の信頼を失います。そうなれば、それまでの取り組みの努力と成果を、また一から積み上げ直さなければならいのです。それほどまでに、地域におけるクマをめぐる問題は、多面的で、実にデリケートで、解決の難しい問題なのです。それでも、今回あった3つの出来事は、適正なクマの保護管理ができている地域の確かな現状と、今後の我々の向かうべき姿のヒントを示してくれるものとなりました。私たちが住民の方々と信頼関係を構築し、そして維持していくためのキーワードとしてきたのは、「迅速な初動対」と「徹底した対応」。まさに2014年5~6月にあった3つの事例は、これらが実践できたケースであり、私たち行政に対する、住民の方々の信頼を確かめる機会になった、そう言っても過言ではないでしょう。いかに人とクマの共存を実現してゆけばよいのか。それは、簡単に答えの見つかる問いではありません。それでも、改善に向けた手がかりを、私たちはこの島根県の山間部で、掴み始めようとしています。

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(男性がクマに襲われケガ:岩手)
31日朝、遠野市の山林で散歩をしていた男性がクマに襲われケガをしました。男性の命に別状はありませんが、近くには小学校や保育園があり、警察や地元の猟友会が付近の警戒にあたっています。警察によりますと、31日午前6時半前、遠野市上郷町平倉の林道で、近くに住む無職の菊池哲郎さん(77)が散歩をしていたところ、親子と見られるクマと遭遇しました。菊池さんはクマに顔や右腕、両膝をひっかかれましたが、自力で家に帰り家族が119番通報しました。菊池さんは病院で手当てを受けていますが、命に別状はありません。クマは菊池さんを襲った後、山の方に逃げて行ったということです。地元の猟友会が駆除活動に出ていますが、クマは発見されていません。現場の近くには小学校や保育園があり、警察で住民に注意を呼びかけています。
(鳥獣用花火、取り扱い注意)
経済産業省は、鳥獣の追い払いに使う連続発射式花火(煙火)による事故が7月に2件発生したことを受け、使用者に注意を促している。持ち手付近で破裂しているため、原則、手に持たず、くいなどに固定して使うよう呼び掛けている。事故があったのは、大きな音で鳥獣を追い払う「打揚式動物駆逐用煙火」。同省が把握する事故は4件で、うち2件が今月、福島県で起きた。1件は専用の手持ち用ホルダーを使わなかったため製品が破裂し、1人が中指と薬指を欠損する重傷を負った。もう1件は製品破裂時にステンレス製ホルダーの底が抜け、1人が腹部など数カ所にやけどを負った。追い払い用花火は鳥獣のいる方向に向けて使うのが有効で手に持つことが多い。同省はやむを得ない場合として、手に持つ時は専用のホルダーを使うよう呼び掛ける。その際、ホルダーの底面に手が触れないよう、できるだけ下側を持つこと、ホルダー底面は体に向けず、できるだけ体から離して使うように注意を促す。ゴーグルや革手袋などの防護具も併用する。今回事故があった花火を販売した芳賀銃砲火薬店芳賀火工(仙台市)に対し、同省は製品の残存数を確認し報告することなどを要請。輸入業者に対しても販売先への使用方法順守の周知を求め、関係省、都道府県、関係団体にも、関係者への周知を依頼した。同省は今後、事故原因の調査を進め対応を検討する。また、昨年事故があった「駆除雷5発」のうち「2012年5月中国製」と表示があるものは、販売業者のライズ(岡山市)が自主回収を進めている。該当する製品を持っている場合は絶対に使わず、同社に連絡するよう呼び掛けている。同省は昨年12月、同社に対応策を要請した。
(クマの目撃情報:長野)
8月1日(金)午前5時10分頃、横山区の(株)西部重機資機材センター西側の鳥井沢付近においてクマの目撃情報がありました。付近を移動される住民の方は十分注意してください。道路沿いであっても鈴・ラジオなど音の出るものを必ず身につけましょう。
(クマ出没に注意、主食のブナの実大凶作:秋田)
東北森林管理局(秋田市)は31日、秋田県内のブナの開花状況が悪く、今秋はほとんどの木で実をつけることがないとの予測を発表した。ブナの実はクマの主食で、山に量が少ないとクマが人里に出没し、住民と遭遇する危険性が高まるという。同管理局によると、5、6月に県内54か所の開花状況を調べたところ、花が多かったのは1か所だけで、27か所では全く開花していなかった。このため、秋の結実予測を4段階で最低の「皆無」とした。2年ぶりで、昨年は4段階で2番目に多い「並作」だった。県警生活環境課によると、今年のクマの目撃件数は31日午後2時現在、例年より多い291件。過去10年間で年間の目撃が最も多かった2012年の491件に迫る勢いだ。この年も結実予測は皆無で、8、9月に145件の目撃があった。同管理局は「豊作や並作の後、7年ほど実が少ない年が続く」としており、来年以降もクマの出没には注意が必要になりそうだ。
(人へのクマ被害、8割が会津:福島)
県内で2007(平成19)年4月から今年6月までに発生したツキノワグマによる人的被害43件のうち、およそ8割に当たる34件が会津方部で発生していたことが31日、分かった。会津地方振興局と同振興局管内13市町村でつくる会津地域ツキノワグマ対策協議会が喜多方市で開いた会議で報告された。報告によると、人的被害は会津方部が79%と突出して多く、南会津、県北両方部は共に4件で9%、県中方部は1件で3%だった。クマからの人的被害を受けた51人がクマと遭遇した場面は山菜採り中が22人で全体の43%と最も多く、農作業中が7人(全体の14%)、キノコ採り中が5人(同10%)と続いた。遭遇した場所は43件のうち8割超の36件が山林、山林近くの集落「里地」が6件、市街地は1件だった。県は、会津方部に人的被害が集中した理由について、もともと生息数が多いことに加え、東日本大震災後に人が山に入らない時期が続き、その間にクマの行動範囲が広がったのでは―と分析する。また、会津方部の山林の放射線量が比較的低いため、山菜やキノコを採るため山に入りやすい環境だったことも原因の一つとみている。
(シカの食害、情報提供を:山梨)
シカが木の新芽や樹皮を食い荒らす問題が県内でも深刻化しているが、広範囲に及ぶ被害の全容をつかむのは大変だ。県森林総合研究所(富士川町)は詳しい実態解明に役立てるため、一般の登山者やハイキング客らにも情報提供を呼びかけ始めた。シカによる県内の林業被害はここ数年、毎年2億円前後で高止まりしている。飯島勇人研究員は「被害は県内全域に広がり、県職員だけですべて確認するのは難しい。また、調査対象は人工林のみで、天然林の被害はよくわかっていないのが実情」と説明する。そこで、ふだんから森林に接する機会のある人たちに、広く情報を寄せてもらうことにした。
(農林被害減少へ、シカ捕獲班始動:兵庫)
シカによる農林業被害を減らすため、捕獲拡大を図る豊岡市の捕獲専任班、豊岡市提供=が今月、本格的に始動した。豊岡市城崎町楽々浦であった専任班の発動式では、本田互・市コウノトリ共生部長が「住民は非常に期待を寄せている」と激励。市シカ有害捕獲専任班の冨山利夫リーダーが「自己管理をしっかりとして、また無事にここに集まるようにしたい」と決意を述べた。市は11月14日までと、来年3月16〜31日の間に計500頭の捕獲を目指している。市農林水産課は「行政も地元も非常に期待している。農林業被害の減少に貢献してほしい」としている。

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