<射撃ニュース9月>

9/12
(クマに襲われ男性軽傷:長野)
下高井郡野沢温泉村で11日早朝、82歳の男性がクマに襲われ軽いけがをした。クマは体長70センチから80センチの子グマとみられていて、今も見つかっていない。村内では、今年、クマの目撃情報が15件寄せられている。
(世界選手権第3日:スペイン)
射撃の世界選手権第3日は10日、スペインのグラナダで行われ、クレー射撃の男子トラップで大山重隆(大山商事)は112点で115位だった。日本勢はこの2種目で、今大会は2016年リオデジャネイロ五輪出場枠を逃した。
(クマ目撃:栃木)
11日午前7時40分ごろ、那須町湯本で、クマ1頭が県道を横切り、雑木林に走り去っていくのを乗用車で出勤途中の女性が見つけ、警察に通報した。那須塩原署によると、クマは体長約1メートルで親グマとみられる。同署で警戒するとともに、注意を呼び掛けている。
(クマ目撃:栃木)
11日午前5時30分ごろ、那須塩原市高林の別荘地を散歩中の住民が、クマ1頭が市道を横切り雑木林内に走り去ったのを目撃し、近くの人を通して110番した。那須塩原署によると、クマは体長約1メートルで、親グマとみられるという。同署で警戒するとともに、注意を呼び掛けている。
(親子グマ目撃:栃木)
10日午前8時ごろ、那須町湯本の日本郵船那須寮付近でクマ2頭が目撃された。那須塩原署によるとクマは体長約1メートルと約0.6メートルの親子。通行中の男性が道路上から雑木林内に歩いて行くクマを目撃した。同署は付近の広報、警戒活動を実施している。
(クマの目撃情報:長野)
9月9日(火)午後10時頃、西町区小黒の伊那共同給食センター付近の道路沿いで、クマと思われる動物の目撃情報がありました。付近を移動される住民の方は十分注意してください。住宅付近であっても鈴・ラジオなど音の出るものを必ず身につけましょう。
(上高地でクマ目撃急増:長野)
紅葉シーズンを前に観光客でにぎわう上高地(松本市)でツキノワグマの目撃件数が急増している。撮影しようと安易に近づく観光客もおり、自然公園財団上高地支部は「クマの住む場所に立ち入っているという緊張感をもってほしい」と注意を呼びかけている。槍ヶ岳や涸沢・穂高連峰へ向かう多くの登山客が往来する横尾。8月24日正午頃、キャンプ場のはずれに体長1メートルほどのツキノワグマが姿を現した。テントの外でくつろぐ客からわずか20~30メートル。梓川との境界の林のあたりで警戒する様子もなく、のんびりと木の幹などをなめている。近くの山小屋スタッフが、カメラを持って近づこうとする客に注意し、一斗缶をたたいて大きな音を出したりしながら追い払った。親離れしてまもない3歳くらいのクマのようだ。上高地支部によると、ここ数年、上高地でクマの出没件数が増えている。今年は、8月末までで昨年4~11月の約50件を上回る70件の目撃情報が寄せられた。県の2011年度のツキノワグマの推定調査では、上高地を含む北アルプス南部に554頭おり、前回調査の06年とほぼ横ばい。県鳥獣対策・ジビエ振興室は「梅雨明けから秋にかけ、エサを求めて山里へ下りてくるケースが増えている。クマも人慣れし、人間と野生動物との距離が近くなっている」と指摘する。クマとの不必要な接触を避けるため、同財団は、「自分の存在を知らせる」「野外に食べものを置かない」「近づかない」などと書いた看板を、登山口やトイレなどに設置。上高地支部の奥原仁作所長は「野生動物は危険なのだという意識を忘れず、自然に親しんでほしい」と話している。
(ニホンジカ200頭捕獲へ:香川)
農作物などへの被害軽減を目的に、土庄、小豆島両町は13日から、野生のニホンジカの捕獲を行う。期間は11月9日までで、目標頭数(計200頭)に達し次第、終了する。捕獲は、両町長が許可した県猟友会小豆支部(平林恒春支部長)のメンバーが散弾銃とライフル銃で実施する。捕獲許可頭数は土庄町が80頭、小豆島町が120頭。捕獲地域は、土庄町が豊島を除く町内全域の山林で、重点区域は北浦地区から大部地区。小豆島町は町内全域の山林で、重点区域は西村地区の農免道路周辺。捕獲対象地域には立ち入り禁止や入山注意の看板を設置するほか、防災行政無線でも注意喚起する。
(クマ注意情報発令:石川)
金沢城公園で9日、クマの目撃情報が寄せられるなど県内で出没が相次いでいることを受け、県は11日、各市町や猟友会の担当者らを県庁に集めて連絡会議を開き、被害に注意するよう呼びかけた。山間地で餌となるブナの実が凶作の見込みで、人里に現れる可能性が高まっているとして出没注意情報を今年初めて発令した。会議では、県担当者が、金沢や白山など8市町の山間地で行った、餌となるコナラ、ミズナラ、ブナの実の出来具合の調査結果を説明。コナラは平年並み〜豊作だが、ミズナラは平年並み〜凶作、ブナは凶作とそれぞれ予測されるとした。特に深山部での不作が目立ち、クマの出没が相次いだ2006年と似ている。県自然環境課によると、今年の目撃件数は今月10日までで148件と昨年1年間の計147件をすでに上回っている。特に金沢市内は全体の約半分を占め、3割程度の例年と比べ多さが際立っている。野崎英吉課長補佐は「金沢市周辺でのクマの密度が高まっている可能性が高い」との見方を示した。クマの出没は活動が活発化する9月半ばごろから急増しやすい。県は、果樹園などでの不要な果実やハチの巣などおびき寄せる原因を取り除く▽クマの活動が活発化する早朝や夕方の散歩を控える▽入山時にはクマを警戒させるため鈴やラジオを携帯する−−よう求めている。自治体担当者からは席上、「予防をしていても市街地にクマが出てくる場合はある。撃ってよいかどうかの判断を含め、対処法の検討を深めてほしい」(金沢市)などの意見が出た。
(クマ出没に注意呼び掛け:福井)
ツキノワグマ出没対策連絡会が十一日、県庁であり、県はクマの餌となるドングリの不作などのため、今秋は里山付近の集落で多数のクマが出没する可能性があることを報告した。十七市町の担当者や県猟友会長らが出席。県自然保護センターの多田雅充所長が県内のブナ、ミズナラ、コナラ計三十九地点、七百五十六本のドングリの豊凶調査結果を報告した。ブナは凶作、ミズナラ、コナラは不作だった。秋にクマの出没件数が多かった二〇〇六年度、一〇年度もドングリが不作。両年はクマが集落付近で大量に出没。特に八月中旬以降、出没件数が増えた。今年もドングリが不作で、八月下旬以降の出没件数が増加傾向にあることから、県は今後多数のクマが出没する可能性を指摘した。春は山林に入って人身被害に遭う場合が多かったが、秋は住宅地周辺が多くなる。県自然環境課は集落内のカキやクリの早めの収穫や生ごみを外に置かないことなど集落全体で対策することの重要性を呼び掛けた。県に寄せられたクマの出没件数は十日までで二百二十八件に上る。
(クマ遭遇警戒の秋、昨年上回る:秋田)
県内で今月、高齢者2人が相次いでクマに襲われ、大けがを負った。この2人を含めて今年の負傷者は7人で、既に昨年を上回っている。今秋は、冬眠前のクマの栄養源となるブナの実の不作が予測されており、さらに多くのクマが餌を求めて人里に現れそうだという。今後、キノコ採りで山に入る人も増えるため、県などは人とクマが遭遇する危険性が例年以上に高まるとみて、警戒している。県警生活環境課によると、県内での今年のクマの目撃件数は10日現在、353件で、昨年1年間の283件を大幅に上回っている。クマに襲われ、けがをした人は子供を含めて7人おり、昨年より2人多い。また、夏以降、畑のトウモロコシやスイカ、養蜂場のハチの巣などが食い荒らされる食害も相次ぎ、昨年の約2倍の14件に上っている。東北森林管理局(秋田市)は、今秋のブナの実の結実を4段階で最低の「皆無」と予測。冬眠前のクマが他の餌を求めて人里に出没するなど、人と遭遇する危険性はこれだけでも高いが、県自然保護課は、今秋はほかにも遭遇の確率を高める条件が重なると指摘する。一つは個体数の増加だ。同課によると、昨年はブナの実が並作だったため、良好な栄養状態で母グマが冬眠し、子グマの繁殖や生育も順調だった。その結果、今年度の生息数は昨年度より約250頭多い約1200頭と推定されている。もう一つは、ブナ以外の餌の状況だ。今秋はドングリやトチの実、ヤマブドウなど、クマが好んで食べる他の植物も軒並み不作の予想。唯一、クリが豊作になりそうだが、クマが生息する山奥にはほとんど自生せず、多くの木は人里近くにあり、同課の担当者は「数が増えたクマが限られた餌を求めて歩き回る。クリを拾いに行く人や栽培農家は注意が必要」と警告する。キノコ採りの時期を前に同課は「クマは人の気配を察知すると寄ってこない」と、ラジオや鈴、蚊取り線香など音や臭いの出る物を携帯し、複数人で行動するよう勧める。また、山を歩く際は、沢ではなく尾根を歩くほうが良いという。沢は風が通りにくく、人の臭いがクマに届かなかったり、流れにラジオなどの音が消されたりするからだ。生ゴミや廃棄果樹など、クマを引き寄せる物を山や畑に捨てないことも重要。餌場を覚えたクマは、繰り返しそこに現れる習性があるからだ。隠れる場所を減らすため、畑などの近くのやぶを刈り込むことも遭遇や食害の防止策の一つだ。同課は「狩猟者の減少や里山を手入れする人の高齢化で、クマの活動域は広がっている。もはや出会わないだけでなく、クマを引き寄せない対策を心掛けるべきだ」と話している。
(GPSでサルの位置把握:山口)
山口県農林総合技術センター(山口市)が、衛星利用測位システム(GPS)を利用してサルの群れの動きを把握し、インターネットや携帯電話のメールで農家に知らせる新しいシステムづくりを進めている。効果的な追い払いにつなげ、農作物の被害に悩む農家の負担を減らしたい考えだ。新しいシステムは、サルの首にGPSの発信機を付け、基地局で受信。群れの位置をリアルタイムで把握し、インターネットの地図画面に表示する。サルの接近をメールで通知するシステムも導入する計画だ。季節や時間帯ごとの行動特性をつかみ、効果的な追い払いが可能になる。昨年度、萩市に基地局を設置し、来年度までに岩国市と県西部の計3カ所に増やす。発信機は、群馬県の企業が開発したクマやシカ用の発信機をサル用に改良し、重さ約180と軽量化した。現在、群れで生活する習性があり、発信機の装着に適した雌の成獣を探している。これまでもサルに発信機を付け、音や光で集落への接近を知らせるシステムはあったが、発信機の電波が届く距離が短いことなどが課題だった。GPSを使うことで遠距離まで届くようになり、住民への通知方法もインターネットやメールを使うことで利便性を向上させる。県内のサルの生息数は、2006年3月時点で28群、約1500匹と推計され、その後さらに増加しているとみられる。昨年度の県内のサルによる農林業被害額は約1億1500万円(前年度比約25%増)で、野生鳥獣による被害額の約2割を占めている。野生鳥獣による農作物被害は、被害額の大きさだけでなく、農家の生産意欲をそぐことも問題。同センターの田戸裕之専門研究員は「サルは1匹に発信機を付ければ群れの動きを把握でき、群れがどこにいるか分かれば農家の安心につながる。農家がサル対策に自信を持てるようにしたい」と話している。
(地産地消の料理開発へ:徳島)
美馬市と市内の宿泊施設、観光団体などが、地産地消メニューの開発に乗り出した。山間部で栽培されるヒエやキビなどの雑穀と、害獣駆除で得られるシカ肉やイノシシ肉などのジビエに着目。関係者でつくる検討委員会が来年1月をめどにレシピを完成させ、山の幸に恵まれた美馬市ならではのご当地グルメとして売り出す。料理はブルーヴィラあなぶき(穴吹町)つるぎの湯・大桜(木屋平)などの公共観光宿泊施設で提供し、民間飲食店にも参加を呼び掛ける。メニューの柱となる食材には、美馬市を含む県西部の傾斜地集落で栽培される雑穀を選んだ。雑穀は穴吹町渕名地区で数戸が主に自家消費用に栽培し、団子などの加工品も作っている。傾斜地での伝統農法の継承や発展にもつながるとみている。もう一つの柱は、狩猟や駆除で得られた鳥獣肉を使ったジビエ料理だ。木屋平地区に駆除したシカなどの解体処理施設があり、ジビエの普及や消費拡大を進められる点からも、地産地消料理にふさわしいと判断。野生のイノシシやシカ、カモなどの肉は高タンパク、低カロリーで一部の食通に人気が高く、豊かな自然を求めて県西部を訪れる観光客の関心も呼びそうだ。具体的なメニューや名称、食材の供給体制などについては、市観光協会や市商工会、観光宿泊施設の料理長ら13団体の代表らでつくる「地産地消メニュー開発検討委員会」で協議する。毎月1回程度開き、10月はジビエ、11月は雑穀について集中的に話し合う。ご当地グルメはまちおこしの起爆剤として注目が集まっており、県内でも県南5市町が連携し、魚介類など地元食材を使った統一規格の「南阿波丼」を販売するなどの取り組みがある。
(ジビエバーガーを販売:和歌山)
和歌山県古座川町相瀬の一枚岩鹿鳴館は13日から、シカ肉のハンバーグを使った「ジビエバーガー」の販売を始める。野崎舞店長(32)は「食べやすいので、ジビエ肉が苦手だという人にもぜひ味わってもらいたい。トッピングには古座川の特産物を使っている」と話している。町は同町月野瀬の南紀月の瀬温泉ぼたん荘裏にシカやイノシシの肉を解体・加工する「鳥獣食肉処理加工施設」を建設中。来年5~6月の稼働に向け、町産業振興課とぼたん荘がジビエ料理の第1弾としてジビエバーガーを開発した。施設の運用前からジビエ料理をPRするため、鹿鳴館で先行販売する。鹿鳴館は以前から、テークアウトできる商品を提供できないかと考えていたという。町産業振興課とぼたん荘が伝えたレシピで鹿鳴館のスタッフが調理する。施設が稼働するまでは、和歌山市の食肉処理加工施設からシカ肉を仕入れる。ジビエバーガーはシカ肉100%のハンバーグと一緒にトマトやレタス、タマネギをパンで挟んでいる。味付けに同町三尾川にある「天正堂」のブルーベリージュースを入れたシカ肉のミートソース、同町平井の農事組合法人「古座川ゆず平井の里」のゆずこしょうを混ぜたマヨネーズを加え、アクセントを効かせている。平日は20食、土日曜と祝日は50食を販売する。テークアウトは、平井の里のゆずドリンクとのセットで500円。ハンバーガー単品で350円。店内で食べる場合も値段は同じだが、セットのドリンクを店内のドリンクメニューから選ぶことができる。鹿鳴館の周辺にのぼりを立て、チラシを配布してPRする。

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9/10
(弾抜かず保管、散弾銃を誤発射:茨城)
茨城県警石岡署は4日、石岡市、建設会社顧問の男(67)を銃刀法違反(発射制限など)、火薬類取締法違反(貯蔵など)、電波法違反(無免許無線局の開設)の疑いで水戸地検に書類送検した。発表によると、男は6月19日、同市東石岡の石岡署を散弾銃の所持許可の更新に訪れた際、弾を抜いて銃を保管していなかったため、銃の引き金を誤って引いた際に実弾1発を発射し、同署2階生活安全課室の天井の石こう板(厚さ1センチ)に縦7センチ、横4・5センチの穴を開けた疑い。男が実弾数個を保管庫に保管せず、軽乗用車内に放置していたことも発覚。車に取り付けた無線機を無免許で使った疑いも持たれている。男はいずれも容疑を認めているという。
(子熊を見つけ、親熊に襲われ男性がケガ:福島)
10日午後、会津若松市で、72歳の男性がクマに襲われ、ケガをした。道路を横切った2頭の子グマを追いかけて茂みの中をのぞいたところをクマに襲われた。警察によると、男性は、会津若松市大戸町の県道を車で走行中に、前方を、2頭の子グマが横切ったことから、確認をしに車を降りたところ、親グマに襲われたという。男性は、腹をひっかかれ、その際に、転んで頭を打つなど、軽いケガをした。警察は、安易にクマに近づかないよう注意を呼びかけるとともに、付近を警戒している。
(クリ拾いの女性、クマに襲われけが:秋田)
8日午後1時45分ごろ、潟上市昭和豊川の山林で、1人でクリ拾いをしていた同所の女性(80)がクマに襲われ、顔や腕にけがを負った。搬送先の秋田市内の病院に入院したが、命に別条はないという。五城目署などによると、女性はクマに襲われた後、自力で自宅付近まで戻り、近所の住民が119番した。顔面を引っかかれ、右頬に約10センチの裂傷を負ったほか、右腕骨折の疑いもあるという。現場は道の駅しょうわの東約4キロ。
(サル、女性にかみつき逃走:栃木)
8日午後2時半ごろ、日光市の中禅寺湖近くの路上で、さいたま市から観光で訪れた無職女性(65)がサル3匹に襲われた。女性は左足や腰をかみつかれ、軽傷を負った。日光署によると、女性は歩いてバスターミナルへ向かっていた。エサをちらつかせるなどの行為はなかったという。サルはそのまま逃げた。付近では4月にも30代の女性がサルに引っかかれている。署は警戒を強めており、「サルがいたら近づかないように」と呼びかけている。
(畑でトウモロコシ被害:秋田県)
被害があったのは、横手市増田町増田字上河原地内の河川敷にある畑です。横手警察署の調べによりますと、6日午前5時ごろ、畑に出向いた60代の男性が見つけたもので、トウモロコシおよそ70本が被害にあっていました。
(クマ出没増加、被害防止呼び掛け:宮城)
広い中山間地を抱える栗原市で本年度、ツキノワグマの目撃情報が増えている。8月31日現在で既に185件に達し、2013年度の1年間(101件)の1.8倍に達している。クマは例年10月ごろまで出没する。市はごみを屋外に置かないなど、被害防止策を取るよう呼び掛けている。合併によって栗原市が発足した05年度以降の目撃件数は表の通り。年度ごとの増減が激しく、13年度は最多だった12年度の半分以下だった。本年度は4月に初めて目撃され、5、6月に増えた。7月の51件、8月の84件はそれぞれの月としては過去最多。8月21日には花山地区で男性会社員がクマに襲われ、けがをした。県は「クマの増減の原因は分からないが、ドングリの作柄に関係があるらしい」と説明する。市によると、13年度はドングリなどの餌が豊富でベビーラッシュだったといい、担当者は本年度の増加の理由の一つとして「個体数が増え、縄張り争いに敗れた雄が里に下りてきているのではないか」と推測する。目撃情報の増加には、高齢化や過疎化に伴って耕作放棄地や遊休農地が増え、クマが潜みやすくなったという背景もある。市はクマとの出合い頭の接触を避けるため、畑の周辺の草むらを刈り払うよう求めている。県や市は目撃情報を基に、わなや電気柵を民家の周辺に設置できる。ただ、栗原市では中山間地や山間地を中心に「クマが出没しても当たり前」という意識が強く、通報しない住民もいるという。市は(1)ごみを屋外に置かない(2)食料や飼料の保管を厳重にする(3)山野に入る場合に鈴などを携行する-といった被害防止策を取るよう呼び掛けている。市農林振興課の担当者は「安全を確保するため、クマを目撃したら情報を提供してもらいたい。例年10月ごろまでは出没する。被害に遭わないよう、まずは自己防衛に努めてほしい」と話した。
(公園にクマ?一時閉園:石川)
9日午前5時半ごろ金沢城公園で、クマのような動物が管理用の道路を横切っているのを造園業者が見つけました。管理事務所は、来園者の安全確保のため、金沢城公園への立ち入りを禁止とし、警察や猟友会が、捜索にあたりました。近所の住民は「こんな中心街に思いもよらぬこいとで、びっくりしている」と話していました。猟友会が調べたところ、足跡などの痕跡はなく、目撃された動物は、クマの可能性は低いということで、管理事務所は午後2時半に一部のエリアを除いて開園しました。10日以降、当面の間、午前5時からの早朝開園は、見合わせ、午前7時に開園する予定です。なお金沢城公園では去年12月にクマが目撃されています。
(クマ、観光客を追い掛ける:栃木)
那須塩原署によると、6日午後2時5分ごろ、那須塩原市中塩原の県道でクマ1頭が目撃された。同署によると、クマは体長約1.2メートル。目撃したジョギング中の観光客を200メートルほど追い掛けたあと、いなくなったという。現場はもみじライン入り口交差点から、ハンターマウンテン方面へ約1キロの距離。 同署は付近の警戒や注意を呼び掛けている。
(クマ目撃:栃木)
8日午後9時20分ごろ、日光市所野で通行人がクマ1頭を目撃した。日光署は警戒を呼び掛けている。同署によると、体長約80センチ。現場付近は住宅地に近い山林で、クマは道路を横断し、南東方向の山林に入っていったという。
(クマ目撃:栃木)
矢板署によると、7日午後5時半ごろ、矢板市高塩の田んぼでクマ1頭が目撃された。人的被害はない。同署によると、クマは体長約1メートル。県道を車で走行中の男性が、田んぼ内で立ち上がっているクマを目撃したという。
(住宅街近くで子グマ目撃:栃木)
日光署によると、6日午前10時55分ごろ、日光市細尾町の細尾大谷橋交差点から北東50メートルの雑木林でクマ1頭が目撃された。同署によると、クマは体長約50-60センチメートルで、国道120号方面に歩いて行ったという。警ら中の同署員が目撃した。現場付近は住宅街。同署は付近の警戒や注意を呼び掛けている。
(クマ目撃:新潟)
9日午前5時半ごろ、上越市高住の県道でクマ1頭が横切るのを目撃したと、新聞販売店従業員の男性が市に通報した。市によると、クマは体長約1メートルで、近くのやぶに逃げた。現場から集落までは約200メートル。
(クマ目撃:新潟)
7日午前7時ごろ、南魚沼市荒山の集落を流れる水無川付近でランニング中の住民が、クマを目撃したと南魚沼署に通報した。同署によると、クマは体長1・5メートルほどで、山へ逃げたという。また柏崎署によると、同日午前7時半前、米山の大平登山口から約270メートル登った地点で子グマが目撃された。
(クマ目撃・痕跡、4~8月374件:新潟)
新潟県内でツキノワグマの出没が増加している。県によると、2014年4~8月の目撃・痕跡の報告件数は374件で、06年以降では最多だ。農業や人への被害を防ぎ野生動物の管理を進めるため、自民党県議団は財政面などでの支援を図る条例案作りに着手した。県はハンター養成に力を注ぐ。クマの出没は秋に多いため、専門家は注意を呼びかけている。
(クマ目撃:長野)
9月7日(日)早朝に小沢区下小沢の諏訪八幡社付近の住宅地でクマの目撃情報がありました。付近を移動される住民の方は十分注意してください。住宅付近であっても鈴・ラジオなど音の出るものを必ず身につけましょう。
(イノシシ出没:新潟)
9月8日午前6時20分頃、新潟県上越市頸城区西福島の西福島工業団地内で住民が体長約1mのイノシシ1頭を目撃し、上越警察署に通報した。人的被害は報告されていない。周辺に民家もあることから、同署は同市と連携して警戒活動を実施したものの、イノシシの捕獲に至っていない。同署は付近住民に注意を呼び掛けている。
(イノシシ・鹿の調査、捕獲に20億円)
環境省は2015年度、イノシシと鹿の生息数を大幅に減らすため、各地域での捕獲体制支援に乗り出す。予算の概算要求に20億円を新規で計上し、鳥獣害対策を重点施策に位置付けた。深刻化する農林業への被害に歯止めをかけるとともに、自然生態系の保全にもつなげていく。
(非常勤職員に猟友会員:山口)
下松市は、イノシシなどによる農作物への被害に対応するため、下松猟友会のメンバー42人を非常勤職員として採用し、「鳥獣被害対策実施隊」に加えた。県によると、県内の市町では初めての取り組み。鳥獣被害防止特別措置法に基づき、猟友会のメンバーが実施隊員になれば、駆除で事故が起きても公務災害として取り扱うことができる。また、狩猟税の軽減、技能講習の免除といった優遇措置もある。市は42人を1日付で採用し、実施隊員に委嘱した。5日には、同市東豊井にイノシシが出没したとの情報が市農林水産課に入り、職員が猟友会に連絡。隊員たちが初めて現場に向かい、オリを仕掛けて子供の1頭を捕獲した。同課によると、隊員は男性41人、女性1人で、平均65歳。大半がシニア世代や農家で平日も自由に動ける人が多いため、捕獲や駆除、パトロールでも機動力を発揮できるという。これまでは、市に情報が寄せられると、猟友会に依頼してボランティアで活動してもらっていたが、隊員として活動すると、1回につき4700円の報酬が支払われる。同市では農作物の食害の増加に伴い、イノシシの駆除数も右肩上がりで、2013年度は08年度の3倍近い266頭に上った。同課は「猟友会が実施隊に加わり、迅速に対応できるようになったので、鳥獣被害の減少につなげたい」としている。
(伊勢原射撃場を改修:神奈川)
神奈川県は、9月8日開会の県議会定例会に、伊勢原市にある伊勢原射撃場の改修費を計上する。同射撃場は、2015年10月開催の「紀の国わかやま国体」で、クレー射撃競技場として越境開催される。
(捕獲したクマは…:大阪)
今年6月、大阪府内で初めてツキノワグマが捕獲されました。しかし、3か月近くたった今もその引き受け先は見つかっていません。クマを保護すべきか、それとも殺処分すべきか。府は対応に苦慮しています。6月19日、大阪府豊能町の山中でイノシシ捕獲用の檻にかかったツキノワグマ。体長およそ1.3m、体重51.5キロで4~5歳とみられています。「オリがゆさゆさ揺れるほど暴れていた」(クマを見つけた猟友会のメンバー)捕獲したものの、対応に困った大阪府は、とりあえずドラム缶型の檻に入れることにしました。しかし、その姿を見かねた森林や動物の保護を訴える団体が移送用の檻を提供し、以来、エサやりや掃除をしています。「(クマは)75日間日光に当たっておりません。下は糞尿でいっぱいだし、一刻も早く出してやらないと死ぬと思います。」(日本熊森協会・森山まり子会長)しかし、大阪ではそう簡単に放すことができない理由がありました。このツキノワグマが捕獲されたのは京都府と兵庫県に接する大阪の豊能町。通常、京都や兵庫で誤ってワナにかかったクマは環境省の指針に基づいて、全て地元の山に返しています。今年もそれぞれ30頭以上のクマが返されました。一方、大阪府ではこれまでクマは生息していないと考えられていたため、捕獲したクマに対応するマニュアルがありませんでした。「獲れたものは放してあげるという方向。それともう一つは誰か飼って頂けませんかという、できるだけ処分はしたくないという観点で2つの方法を探してきました。」(大阪府動物愛護畜産課・堤側俊課長補佐)しかし大阪の場合、山に放すには民家が近すぎ、引受先として100以上の動物園に当たりましたが、「野生なので病気が心配」などと受け入れを拒否されました。その結果、3か月近くたった今も移送用の小さな檻に閉じ込められているこのツキノワグマ。地元の人はどう思っているのでしょうか?「あれだけ山を切り開いていたらクマも棲むところがないと思う」(地元の人)「地元の人間にするとクマがいてるということが驚きでね。かわいそうやけど殺処分してほしいね、早く」(地元の人)森山さんも知り合いなど飼育してくれる人を探していますが、このまま引き受け先がない場合、殺処分の可能性もあるといいます。「なんとか民間と行政も協力して殺さないで生かすという方向に持っていきたい」(日本熊森協会・森山まり子会長)
(サル目撃相次ぐ:岐阜)
生息していないとされる常陸大宮市で、サルが相次いで目撃されている。市によると、7月下旬から6件の目撃情報が寄せられた。昨年、一昨年に寄せられた情報はゼロ。サルはいったい、どこから来たのか。4日午後1時ごろ。常陸大宮市小貫に住む農業の男性(65)は軽乗用車の上にいたサルを目撃した。体長40~50センチ。ワイパーのラバーやカキの実をかじり、男性と目が合うと、一目散に裏の林へと逃げていったという。「おや、と思っていたらあっという間にいなくなった。タヌキは見たことあるけど、サルが出るなんて」と男性は驚く。市によると、最初に目撃されたのは7月25日。男性宅から南に15キロほどいった小野地区と三美地区に、相次いで出没した。その後、7月下旬から8月下旬にかけて、市内の3カ所で「サルを見た」という人が出た。
(野生サル群れ10匹程度の目撃情報:福岡)
福岡県警糸島署が9日午後3時すぎに出した情報によると、同日午後1時ごろ、福岡県糸島市二丈松国付近で、野生のサル約10匹がはいかいしているのが目撃された。野生のサルは危険なので、サルを見かけた場合は不用意に近づかず、騒いだりしないことが大切。
(ニホンカモシカ、阿蘇外輪山で初確認:熊本)
阿蘇外輪山には生息しないとされてきた国の特別天然記念物「ニホンカモシカ」が、高森町の清栄山付近で初めて確認された。森林総合研究所九州支所(熊本市中央区)が撮影に成功、同支所は「増えたシカなどの影響で生息環境が悪化し、移動した可能性がある」と指摘している。ニホンカモシカは、岩場や急斜面を好む。九州では熊本、大分、宮崎にまたがる九州山地に生息。文化庁などの調査によると、3県全体の推定生息数は1995年の約2200頭から、2012年は約800頭に減少。県内は270頭から50頭になった。8月に公表された県のレッドリスト2014では、絶滅の恐れが高くなったとし、分類を「絶滅危惧ⅠA類」に引き上げ。えさが競合するシカ増加が要因とみられる。宮崎県では、シカやイノシシのわなによる錯誤捕獲もあったという。撮影場所は、清栄山付近の標高798メートル地点。同支所は、東海大農学部から寄せられた目撃情報をもとに4月、自動撮影カメラ3台を設置。4月27日朝の撮影データに、斜面を駆け上がるカモシカの成体1頭を確認した。これまでに生息が確認された同町の宮崎県境から約10キロ離れていた。同支所の安田雅俊主任研究員(45)は「詳しい経路は不明だが、別の生息域から新天地を求めて移動した可能性がある。今後も注意深く見守る必要がある」と話している。
(硝酸塩入り餌でシカ駆除、農作物被害防ぐ:静岡)
静岡県農林技術研究所森林・林業研究センターは深刻な農作物被害などをもたらすニホンジカを駆除する新手法を開発した。硝酸塩入りの餌を食べさせる方法で、従来の猟銃やワナによる捕獲に比べ人や他の動物に与える影響が小さいのが特徴だ。シカやウシなどの反すう動物はいったん飲み込んだ食物を口の中に戻し、かみ直す動作を繰り返す。こうした動物は硝酸イオンを摂取すると、胃の中の微生物が亜硝酸イオンに還元。亜硝酸イオンは血中の酸素を運ぶヘモグロビンと結合し、酸素を運ぶ機能が失われるため、酸欠状態になって死に至る仕組みだ。硝酸塩は自然界に存在し、生態系への影響も少ないという。ウシが硝酸塩の摂取で死ぬなどの被害が出ることは広く知られていた。同センターは「同じ反すう動物のシカでも同様の現象が起きるのではないか」と考え、2012年度から研究に着手した。昨冬に東伊豆町で、野生のシカを対象に試験を実施。通常の餌で餌付けした後、硝酸塩入りの餌を与えたところ、駆除できることを確認した。ただ、硝酸塩入りの餌にあまり食い付かないケースがあるため、食味などを改良する。今冬も同町内で駆除試験を行う。シカによる農作物被害は伊豆地域や県東部で目立つ。ワサビの葉やシイタケなどを食べることが多く、近年の年間被害額は8000万円前後に上る。農作物だけでなく、南アルプスの高山植物など自然生態系への悪影響も出ている。被害が目立つ自治体では猟銃やワナを使った駆除を進めている。ただ、猟銃による捕獲は住宅地に近い場所などではできない。ワナはクマなどシカ以外の動物を捕獲してしまう可能性がある。このため、シカの大幅な削減には至っていないのが現状だ。森林・林業研究センターは6日に開いた日本哺乳類学会で研究成果を発表した。同センターの大場孝裕・上席研究員は「実用化に向け、餌の改良や与え方の研究を進めたい」としている。
(猿追い払い、地域ぐるみ:三重)
三重県伊勢市旭町で、農家が地元住民や小学校の教員と連携し、地域ぐるみで猿の追い払いに取り組んでいる。鍵は、農家の有志がほぼ毎日、パソコンから送信する一斉メール。町内の猿の動きや追い払いの現状などを知らせるのが狙いだ。小まめな情報共有が住民らの意欲を喚起し、持続的な追い払いにつながっている。追い払いが始まったのは2010年。地元農家の呼び掛けで始まり、地域住民が参加する地区会議で同市立宮山小学校の教員も呼び、対策の必要性を訴えた。猿は児童が育てる野菜畑を荒らすだけでなく、通学路にふんをするなど衛生上の不安もあったことから、学校側も快諾した。住民や小学校では猿を見掛けたら連絡し、農家が追い払いを担うという二段構えの体制だ。猿が出没した時の連絡体制はこうだ。まず猿を発見したら、住民がリーダーの携帯電話に連絡し、どこで出没したかを告げる。リーダーは別の地区にも電話をかけて人を集め、出没場所に集合、ロケット花火などで追い払う仕組み。年間に20回ほど追い払いを実践しており、花火代は、市の助成金を活用する。猿のふんや足跡の情報は、上地区の農家リーダー・松岡利和さん(68)が毎日送るメールを通して共有する。地区のリーダーや熱心な住民、小学校の校長ら約20人に情報を発信している。内容は、見回り中に発見した農作物被害、猿やイノシシなどの足跡やふんの位置、町内に2カ所あるわなの様子など多岐にわたる。一斉メールは、松岡さんが自発的に始めた。「わなにタヌキが掛かっているなど何かしら動きがあり、記録になると思った。日々の情報共有が大切だと感じ、続けている」と話す。効果も次第に現れてきた。県伊勢志摩地域農業改良普及センターが6月に実施した調査によると、農家12人中9人が、取り組み前に比べて「農作物被害が減った」と答えた。同校の大西利和校長も「年に数回だが、実際に猿を見掛けたらロケット花火で追い払いをしている。追い払いをする前は猿が運動場に入ってくることがあったというが、最近は全くない」と効果を実感する。同センターの能仁俊明主幹は「行政主導でなく農家が何が必要か考え、実践したことが奏功した」と評価する。
(「クマ9月頃から里山に」ブナ大凶作で注意:新潟)
県は、ツキノワグマの主食であるブナやミズナラが今秋、県内のほとんどの地域で木の実をつけていないか、わずかの結実にとどまっていたとする調査結果をまとめ、5日開かれた被害防止対策連絡会議で報告した。熊が人里に大量に出没する危険性が高まっているとして、出席した市町村の担当者らを通じて県民に注意を呼びかける。調査は7月下旬から約1か月間、佐渡市と粟島浦村を除く28市町村の293地点で行い、冬眠を控えた熊の栄養源となる5種類の木の実を調べた。奥山に比較的多く分布するブナやミズナラの凶作が目立ち、特にブナは、木の実の付き方を少ない方から0~3の値で示した豊凶指数が0・29にとどまり、7件8人の人的被害があった2012年度の0・27とほぼ同水準だった。一方で、里山に多く分布する栗やオニグルミの実は、豊作の場所もあった。新潟大農学部の箕口みぐち秀夫教授はこうした結果から、「奥山が不作なので、熊は9月頃から里山を中心に活動し、その後、人里にも出没する可能性が非常に高い」と指摘している。県によると、今年度の熊の目撃件数は8月末までに374件に上り、過去9年間で最も多くなっている。連絡会議では、〈1〉早朝や夕方の入山を避ける〈2〉山に入る時は鈴やラジオなどを携行する――などの熊よけ対策が周知された。
(クマ出没多発の恐れ:山形)
今秋、例年以上にクマが山形県内の人里に出没する可能性が高まっているとして、農家や自治体の関係者は警戒を強めている。林野庁が、冬眠前のクマの栄養源となるブナの実が、県内は昨年に比べて著しい不作になると予測しているためだ。この夏すでに各地の畑で農作物が食い荒らされる食害が多発しており、県や市町村などが対策に乗り出している。県みどり自然課が今年1月1日~8月31日に把握した目撃情報は222件に及び、前年同期の188件を上回る。県警も目撃情報と、食害や足跡発見などの痕跡が残る「出没」情報をまとめており、その数は9月2日時点で計315件と、前年同期の1・5倍に増加。過去5年間で2番目に多くなっている。特に今年は出没情報が多く寄せられ、全体の3割近い88件を占める。県園芸推進課は、「今年は食害が多いと聞いている。今後も続く心配がある」として、職員が農家を対象に防護柵の設置方法などを指導している。すでに尾花沢市では収穫期を迎えたスイカが食べられ、東根市では食べ頃のモモ約200個が食い荒らされた。このほか、7月下旬には鶴岡市の民家にクマが侵入する被害があった。現状でも食害に悩まされている農業関係者がさらに懸念しているのが、本来クマのエサとなるブナの実の出来具合だ。ブナの実は脂肪やたんぱく質を豊富に含んでおり、クマにとって越冬前の重要な栄養源となっている。これが結実しないと、エサを求めて人里にクマが降りてくる危険性が高まるという。林野庁東北森林管理局(秋田市)が毎年初夏に行っている調査では、飯豊連峰など22か所の観察地点のうち、半数を超える12か所でブナの開花が「全くみられない」と判断。このため、この秋の結実は、4段階で最悪の「皆無」と予測された。同局の笠井史宏企画官は、「ブナの結実には周期があり、昨年がやや実りの多い『並作』だったため、今年は結実が少なくなった」と分析する。さらに懸念されるのは、クマの動きが活発になる秋に、人が襲われるケースだ。2010年10月には、体長約1メートル30のクマが長井市の中学校に突入し、職員に体当たりをしてけがをさせた。12年10月に川西町の女性がクマに襲われて7か所を骨折する事故も起きている。食害だけでなく人的被害も心配されることから、東根市農林課は、目撃や食害が相次いだ地点を中心に、注意喚起のチラシを配布している。同課の担当者は「今後も出没することが考えられる。仮に遭遇したとしても、被害が起きないよう万全を期したい」としている。
(クマの出没に注意、エサの実り具合”大変悪い”:富山)
この秋は、ツキノワグマの出没に注意が必要です。県が先月、クマのエサとなる木の実の実り具合を調査したところ、クマが大量出没した年と同じように作柄が大変悪かったということです。これは、8日開かれた県議会・厚生環境委員会で、県が報告したものです。県は、県内各地にあるブナとミズナラ、コナラの実り具合を毎年調べていて、今年の調査では、ブナとミズナラがいずれも4段階でもっとも悪い『凶作』でした。ブナとミズナラは1年おきに豊作と凶作を繰り返しますが、今年は過去の凶作の年と比べても特に悪く、クマが大量出没した2006年や2010年と同じ状況にあるということです。一方、コナラは個体によって、上から2番目の『並作(なみさく)』から3番目の『不作』にまたがっていました。県では、こうした状況からこの秋の見通しについて、クマがエサを求めて山里の集落や平野部に行動範囲を広げる可能性があるとみています。
(ドングリ大凶作、全域に今秋「クマ大量出没」注意呼び掛け:岐阜)
岐阜県自然環境保全課(TEL058-272-8231)が現在、今年のドングリ大凶作により「ツキノワグマが人間の生活圏に大量出没する可能性が極めて高い」として県内全域に注意と警戒を呼び掛けている。岐阜県内のほぼ全域に生息するツキノワグマ(以下、クマ)は、ブナ・ミズナラ・コナラのドングリ類を主要なエサとしており、9月~10月にかけ野山で冬眠前の捕食を活発的に行う。特に子グマを連れ添った親グマは攻撃性が強く、出会った場合は被害に遭う危険度も高い。同課では今年8月21~27日に県内5地域、計26地点で今年のドングリの着果率状況を目視調査した所、飛騨地方では5段階評価でブナとミズナラがゼロの大凶作、コナラも0.3%と、全域で大凶作と言っていいクマのエサ不足を確認。人里へのクマ大量出没に注意を呼び掛ける判断を下した。県のドングリ調査は2008年から、クマ出没との因果関係を調べるために行ってきたもので、クマの大量出没が起きた2010年もドングリが凶作だったという。県担当者によると、調査前の2006年にもドングリ不足が原因と見られるクマ大量出没があり、これまでのケースからほぼ4年周期で起こっているとしている。県内全市町村のクマ目撃情報を地図上に記したウェブサイト「岐阜県クママップ」によると、今年4月~8月の目撃データは前年比135%(昨年=292件、今年=395件)と著しく増加。9月に至っては8日現在で34件と、すでに昨年同月分の32件を上回るペースで発生している。同サイトでは、これから秋の紅葉シーズンを迎える乗鞍岳の行楽客や登山者に向け「乗鞍岳畳平周辺のクマ出没情報」も開示。乗鞍総合案内所(高山市丹生川町、TEL090-8671-3191)では現在、クマ情報の事前チェックと現地での目撃情報を呼び掛けている。標高日本一の1085メートルに位置する東海北陸自動車道・松ノ木坂パーキングエリア(高山市荘川町)でも、トイレ前にクマ出没注意看板を設置。道路を管理するネクスコ中日本が道路緊急ダイヤル(♯9910、通話無料)で、高速道路エリアでのクマ目撃情報の通知を呼び掛けている。県担当者は「キノコ採りや紅葉狩りなどで野山に入る場合は、『クママップ』情報を参考に十分注意してほしい」と話す。野山でクマと出会わないためには、「ラジオやクマ鈴など音の出る物を携行し人間の存在を知らせる」「単独行動は避け2人以上で行動」「新しいふんや足跡を見付けたらすぐに引き返す」「クマに味を覚えさせないよう残飯などは必ず持ち帰る」と注意を促す。もしクマに出会ってしまったら、「クマがこちらに気付いていない場合=速やかにその場から離れる」「クマがこちらに気付いた場合=背中を見せず、そのままゆっくりと後ずさりしながらクマから離れる(大声で威嚇したり背中を向けて走ったりは逆効果)」「クマから攻撃を受けそうになった場合=とにかく急所(顔面・首・後頭部・腹部)を守る」とも。クマを集落周辺に寄せ付けない自衛策としては、「生ゴミを田畑に捨てない」「カキ、クリなどクマを誘引する果樹の実は残さず採取」「利用しない果樹は伐採」「利用している果樹は、トタン巻き付けなどで防除」、特に狙われやすい果樹園、養蜂場、養魚場には「電気柵の設置」などを呼び掛けている。人家周辺などでクマや新しい痕跡を目撃した場合は、近隣の市町村役場か県振興局環境課まで。
(クマの生息域拡大懸念、保護管理計画見直し:石川)
県内でツキノワグマの出没が相次いでいる。今年の目撃情報は141件と前年を上回るペースで、9日には金沢市中心部の金沢城公園でクマとみられる動物が目撃された。昨年初めて能登半島北部でクマが目撃されるなど、近年は七尾市や中能登町など能登地区での目撃が目立っており、生息域の広がりも懸念される。県はクマの保護管理計画を見直すなど、対策を強化している。県自然環境課によると、県内の9月1日時点でのクマの目撃情報は、141件(前年同期比18件増)に達し、大量出没した2010年以来の勢いで推移。このうち金沢市は77件で、昨年1年間の46件を既に上回っている。昨年は、それまでクマの生息域の北限と考えられていた羽咋市と七尾市にまたがる邑知潟おうちがた平野よりも北の七尾市の山間部で初めてクマが目撃されたが、今年は同市で5月に目撃情報があったほか、8月に民家敷地で足跡が見つかった。同課は「金沢は、里山を切り開いてできた住宅街と鳥獣が多く生息している奥山が接近している。能登は、里山が荒廃し、鳥獣のすみかとなっている。これらが、クマの出没が増えている要因」と分析している。県は今月、クマの保護管理のあり方を策定した「県ツキノワグマ保護管理計画」を一部変更した。これまで計画の対象範囲としていなかった志賀町、穴水町、輪島市、能登町、珠洲市を含めた県全域を計画区域とし、奥能登地域で今後、クマを全頭捕獲し生息域の拡大を防ぐ方針を盛り込んだ。同課によると、県内には700~900頭のクマが生息。主に、ブナ、コナラ、ミズナラの実を餌とし、9月頃から、冬眠に備えて餌を求めて回り、里山や市街地に出没しやすくなる。今秋は、ブナが大凶作とみられるが、コナラやミズナラは十分に実るとみられ、同課はクマの大量出没の可能性は高くないとみているが、「目撃したらすぐに通報し、絶対に近寄らないでほしい」と話している。
(ツキノワグマ注意「五感働かせて」:岡山)
ツキノワグマが出没する可能性が高まる秋を前に、クマによる被害を未然に防ぐため、県の学習会が8月、美作市江見の作東バレンタインプラザで開かれた。地域住民や鳥獣保護員、学校、猟友会の関係者ら約70人が参加し、生態や被害防止対策などについて熱心に聴き入った。岡山、兵庫、鳥取県にまたがる東中国地域に生息するツキノワグマは、環境省のレッドデータブックで「絶滅の恐れのある地域個体群」に指定されている。岡山県は「人とツキノワグマの棲(す)み分けによる共存の実現」を目的に、2000年度からツキノワグマ保護管理計画に基づいて狩猟を禁止するなど保護に取り組んできた。その結果、生息数が回復しつつある一方、出没が問題になっている。特に秋から12月上旬にかけて、冬眠に備えてエサを探し求めるクマが出没する可能性が高まるという。学習会では、野生動物保護管理事務所関西分室の片山敦司・上席研究員が、ツキノワグマの生態や行動、被害防止対策を語った。分布の状況について「近年の調査で全国の広い範囲で分布の拡大が認められる」と注意を促し、「里山での行動が目撃される時間帯は早朝と夕刻が多いが、奥山では昼間に行動する個体が多く観察されている」と指摘した。
(クマ出没注意!:大阪)
府北部で春先からツキノワグマの出没が相次ぎ、府が対策に乗り出した。2006年度以降はゼロだった出没情報が、今年は既に4件。兵庫県や京都府から越境してきている可能性が高いという。秋口には冬眠に向けて餌を探して人里に近づく恐れがあり、付近の住民に警戒を呼びかける方針だ。府動物愛護畜産課によると、大阪は近畿2府4県のうち、唯一、ツキノワグマが生息していない地域。府内での出没情報は、05年に能勢町で足跡が見つかったのを最後に、寄せられていなかった。ところが、今年は5月に茨木市で足跡が見つかり、6月には豊能町で雄1頭がイノシシ用のおりで捕獲された。7~8月にも高槻市で2件の情報が寄せられた。 要因とされるのが、兵庫県と京都府にまたがり生息するクマの群れの南下だ。兵庫では00年頃には年間100~200件程度だった出没情報が、近年は300件を超える。京都でも同様の傾向がみられ、頭数が増え、行動範囲が南に広がっている可能性があるという。今年は7月末現在の出没件数が、兵庫で251件、京都で447件と過去5年で最多。9月以降、冬眠に備えるために多量の餌を必要とするクマが、人里に近づく恐れが高いという。府は今月4日、出没の予防と被害防止のための指針を作成。市町村を通じ、生ゴミの野外放置を減らしたり、道路沿いのやぶを刈り込んだりする対策を呼びかけるほか、ホームページやチラシで注意喚起することを検討している。府動物愛護畜産課の担当者は「これだけの頻度でのクマの出没は従来にないケースなので、注意深く状況を見守りたい」とし、京都大の高柳敦講師(森林生物学)は「秋に山林でドングリが不作となるなど餌が不足すると、大量出没につながる恐れもある。人がけがをするような事態を防ぐために、早めに注意を呼びかけることが重要だ」と話している。
(電気柵でイノシシ撃退へ:石川)
石川県輪島市の国名勝「白米千枚田」で今夏、初めてイノシシ被害があり、市では5日、侵入を防ぐために電気柵(長さ約500メートル)を設置した。市農林水産課などによると、これまで千枚田での被害はなかった。8月20日に国道249号から山側にある千枚田でイノシシの侵入が確認されたため、市は捕獲用のオリを設置した。しかし9月初旬にかけ、山側の千枚田約100枚のうち4枚(計約20アール)で、収穫間近の稲が食い荒らされた。イノシシは、稲穂を食べるほか、稲を踏み倒すなどして田んぼの中を荒らしてしてしまう。千枚田には、全体で1004枚の大小様々な田んぼがあり、国道を挟んで、山側へ観光客が訪れることは少ない。一方、奥能登を代表する観光地としてにぎわう海側の千枚田には今のところ、イノシシ被害はないが、市は5日、被害拡大を防ぐため山との境界に電気柵を設置した。電気柵には、8000ボルトほどの高圧電流が流れており、イノシシの撃退に効果がある。人が触れた場合、バチンと感じる冬場の静電気と同じくらいのショックがあるという。電源はソーラー発電でまかなわれ、収穫後に撤去される。市などによると、市内では長くイノシシが居ないとされていたが、近年は、餌を求めて能登半島を北上したと見られ、5年ほど前から被害が出始めた。中でも今年は、市の北部地区などで、実った田んぼへの被害が急増しているという。
(知床のヒグマはサケを意外に食べない:北海道)
ヒグマは秋に川を遡上するサケを大量に食べるとみられていたが、知床のヒグマは意外にサケを食べず、栄養源に占めるサケの貢献は5%程度に過ぎないことを、北海道大学大学院農学研究院の森本淳子准教授らが詳しい食性分析で突き止めた。最もサケを利用しやすい知床の結果だけに「衝撃的」と受け止められている。京都大学生態学研究センターの大学院生の松林順さん、北海道立総合研究機構環境・地質研究本部の間野勉課長、ニュージーランド・マッセー大学のAchyut Aryal研究員、北海道大学大学院農学研究院の中村太士教授との共同研究で、クマ類に関する米科学誌URSUS(今年12月発行)に論文を掲載する。北海道にはヒグマとサケが共存している。サケが海から運ぶ窒素やリンといった元素は陸の動物にとって貴重な栄養源となる。研究グループは、ヒグマによるサケの利用がどのような条件で変動するかを調べるため、知床半島を対象に安定同位体を使ったヒグマの食性分析を行った。食性分析はこれまで、解剖したヒグマの胃の内容物や糞の調査で研究されてきたが、証拠が間接的で不十分だった。安定同位体による分析は、動物の長期間の食性を個体ごとにより正確に推定できるメリットがある。研究グループは、知床半島内で1990年代以降、捕獲されて保管されていたヒグマ191頭の大腿骨からコラーゲンを抽出し,炭素・窒素安定同位体比を測定した。骨に含まれるコラーゲンの同位体比には,その個体が死亡するまでの数年から一生分の食性情報が記録されている。ヒグマの主要な食物源である草本や果実、農作物、昆虫、陸上ほ乳類、サケの安定同位体比も測り、各食物の利用割合を個体ごとに推定して、各個体のサケの利用割合と年齢、捕獲地点の環境との相関を調べた。知床半島は、北海道で最もサケを捕獲しやすい環境だが、ヒグマ個体群全体のサケ利用割合は平均5%程度にとどまっていた。北米のアラスカのヒグマが栄養源の30%をサケに頼っているのと比べると、極めて少なかった。サケの利用は年齢・性別でも変動していた。子育てをするメスやその子どもは、サケの利用が相対的に低下していた。「オスによる子殺しのリスクを減らすため、サケを捕獲しやすくて、オスに遭遇しやすい場所を子連れのメスが避けて行動するため」と研究グループは解釈した。開発の手がほとんど入っていない世界遺産地域のクマは、この分析で、その他の知床半島の地域に比べてサケの利用割合が高く、平均的なサケ利用割合は2倍以上と予測された。この結果は、ヒグマによるサケの利用が人為的な活動で制限されて、北海道の象徴的な光景とされているヒグマとサケのつながりが失われかけている可能性をうかがわせた。森本淳子准教授は「ヒグマは栄養分豊富なサケを好むが、雑食性で、かつてなかった農作物まで食べる。自然が比較的残る知床でさえ、サケの利用率がこれほど少ないのは衝撃的だ。多くの頭数を調べた結果で、信頼性は高い。世界遺産に指定された地域のヒグマに比べて、開発された地域ほど、サケを食べていないので、ダム建設やサケ漁などの人為的な影響が否定できない。知床以外の地域のヒグマや、遺跡から出土したヒグマの骨で同様の食性分析をして、栄養分摂取に占めるサケの割合の変動を調べたい」と話している。
(函館新聞「クマが出ました!車で走行中のクマを目撃!」:北海道)
野生のクマは恐ろしい存在なので、笑っていいのかどうか微妙な部分ではあるが、函館新聞のクマ目撃情報が大きな話題となっている。函館新聞の公式ツイッターが熊の出没を道民に伝えるため、以下のような書き込みをしたところ、それを読んだ読者から「何かがおかしい」と報告が続々寄せられたのだ。「(・(ェ)・)クマが出ました!/【八雲】1日午後10時15分ごろ、八雲町栄浜の国道5号沿いで、森方面に車で走行中のクマを目撃し、八雲署に通報した。体長約2メートルで、同町栄浜歓迎案内広場付近の茂みにいたという」「(誤) 森方面に車で走行中のクマを目撃 (正)森町方向に車で走行中の男性がクマを目撃」最初の書き込みでは、クマが自動車を運転しているような内容で書き込みしてしまったのである! これには多数の読者が爆笑したらしく、1万近いリツイートが寄せられている。
(鳥獣食肉処理施設の建設費を増額:和歌山)
和歌山県古座川町月野瀬、南紀月の瀬温泉ぼたん荘裏で、有害鳥獣であるシカやイノシシの肉を食用に加工し、町の特産物として活用するための「鳥獣食肉処理加工施設」の建設が進んでいる。来年3月までに完成し、5~6月に運用を始める予定。9日に開会した町議会9月定例会で、同施設を当初の計画より拡充することに伴う建設工事の補正予算を含んだ2014年度一般会計補正予算案が可決された。施設は木造平屋(125平方メートル)。専門家の助言を受けて必要な機械をそろえ、衛生面に配慮した設計となっている。肉を傷つけずに電動で皮を剥ぎ、剥いだ皮を有効活用するための機械、肉を熟成させるための冷蔵室(約13平方メートル)、金属探知機、真空包装機、スライサー、急速液体凍結機、冷凍室(約10平方メートル)を導入する。動物は天井のレールに取り付けたウインチでつるし、屋外で洗浄した後、1次処理室で皮を剥ぐ。つり上げたまま冷蔵室で最低3日間熟成させ2次処理室で加工し、冷凍室に保管する。レールは外から冷蔵室まで整備し、冷蔵室は最大20頭収容できる。作業員が1次処理室から他の場所に移動するときに細菌を持ち込まないように、廊下を通って服を替えてから他の部屋に入るなど衛生管理を徹底する。ぼたん荘の料理人らが解体や加工をする。加工した肉は地元の飲食店や宿泊施設で消費し、食育にも活用して町の特産物にする。都会の料理店にも販売し、剥いだ皮で雑貨などの革製品を加工することも考えているという。町議会9月定例会では、施設の建設費に2265万5千円追加し、5965万5千円とする補正予算案が可決された。国の鳥獣被害防止総合対策事業から1980万円の補助が出る。国の過疎対策事業債も活用する予定。全国の優良施設を見学し、日本ジビエ振興協議会の小谷浩治事務局長から助言を受けて設計を見直した。当初の計画より建築面積を広くしたため、予算を補正した。天井高を上げ、肉をつるすためのレールを取り付け、廊下を設けた。処理室の床や壁をコーティングし、冷凍庫の周囲に排水設備を設けるなど細部までこだわった。工事の進捗(しんちょく)状況は約8割で、水害対策の2・7メートルのかさ上げ工事が終了するところだという。担当の町産業振興課、細井孝哲さん(30)は「専門家に助言を受け、もうすぐ国から発表されるジビエ加工場に関する衛生基準に十分対応できる施設にしている。今後さらに展開していくには衛生面を徹底することが必要で、肉以外にも皮の有効活用ができる施設にしていきたい」と話している。鳥獣食肉処理加工施設は県内に17施設あり、公営施設は日高川町が建設した施設のみ。
(ジビエの季節が到来、野生鳥獣肉の衛生管理とそのリスク)
これから本格的な秋の深まりとともに楽しみなのが、狩猟した野生の鳥や獣の料理、ジビエだ。だが衛生面で気になる動きもある。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。この7月、国内で捕獲された一定数のイノシシにE型肝炎ウイルスの感染歴があることがわかった。関東では8%だったが九州で22%、中国地方では30~42%にものぼったという。こうした状況を受けて、厚生労働省は7月、8月と「野生鳥獣肉の衛生管理に関する検討会」を開き、衛生管理の指針づくりを進めている。国内でジビエ料理が大きく注目を浴びるようになったきっかけは、野生鳥獣による深刻な農作物被害がきっかけだった。この20年で田畑の穀類やイモ類を食べる野生のイノシシは2倍以上の88万頭に。樹木の苗木などを食べ、森林にダメージを与えるニホンジカに至っては、1990年ごろにはイノシシと同程度だったのが261万頭にまで増えた。現状の捕獲率のままでは2025年にはさらに2倍の500万頭にまで増えるという試算もあり、捕獲体制の増強がのぞまれている。だが、仮に捕獲体制が整ったとしても、その後の課題も山積みだ。鳥獣保護法の規定により、捕獲鳥獣を現地に放置することは禁じられている。と畜→流通→消費という循環に乗せるために、と畜場や流通の充実はもちろん、レストランのシェフや消費者のニーズを生み出さなければならない。だが野生鳥獣は管理された家畜よりも食中毒リスクは高い。実際、7月10日に行われた第一回検討会で座長をつとめた岩手大学の品川邦汎名誉教授はこう発言している。「ふだん食べている食肉は、飼育管理もきちんとされた家畜。飼料も安全性が確保され、と畜場に搬入された後も専門の獣医師が一頭ずつ、病理学・微生物学、化学的に検査している。これと同じことを野生獣肉について行うことはできない」地域の特産品として注目されるジビエも、現時点では法律に基づく食肉処理時の衛生検査はなく、衛生管理は自治体や事業者の自主的なガイドラインに委ねられている。しかも自治体ごとにガイドラインは異なる。捕獲した鳥獣を屋外で解体していいかという基準ひとつとっても、自治体ごとに異なる。一方、海外に目を向けてみると、アメリカ、EUや国際基準では、ハンターがと畜を行う場合には資格の取得が義務づけられていたり、食肉処理・加工施でも検査を受けることになっている。各国とも手法や「食肉」とされる肉の基準は異なるが、その国や地域の食文化や実情に沿った形のガイドラインがある。対して江戸時代後期まで表立って肉を食べてこなかった日本人の食肉文化の歴史はまだ浅い。厚労省の研究班「野生鳥獣由来食肉の安全性確保研究班」が2012年12月から1月にかけて、5万人を対象に行った調査では刺身やルイベ、干し肉などを食べた層に不調を自覚した人が多かったという。前出の品川邦汎・岩手大学名誉教授は検討会のまとめでの発言の要旨は次のとおり。「大前提は生肉では食べない。食肉の安全の確保は大事だが、人間の安全も大事。狩猟者も放血時にE型肝炎の感染に留意する必要がある。また食肉の安全性ばかり注視すると、すそ野を広げるためのおいしさが抜け落ちる。調和しながら両立させるのは難しい課題。狩猟者がいて、食肉処理が行われ、販売をする。すべてが連携し、消費者により安全なものを届けるガイドラインをつくる必要がある」ガイドライン策定の目標となる期限は狩猟シーズンが始まる11月頃。衛生管理に有効なのはもちろん、現実に則した指針の策定が望まれる。
(カラスと共生できる社会へ:栃木)
生ごみを散らかすなど、「街の厄介者」と見なされがちなカラスとの共生を目指す「カラスシンポジウム」が十一月一日、宇都宮市の宇都宮大峰キャンパスで開かれる。参加無料。カラスの行動研究で知られる同大の杉田昭栄(しょうえい)農学部教授が企画し、今回が二回目の開催。「君といつか分かり合える日まで」と題し、「心理」「感染」などのテーマで研究者五人が発表する。カラスを敵視して駆除するのではなく、習性を理解し、共存することが目的。カラスよけの商品を作っている企業などが、ポスターを使って自社商品を発表する時間も設ける。五人の研究者以外の発表希望者は、「第二回カラスシンポジウム」のホームページを通じ、主催者にメールで要旨を伝える。締め切りは今月十二日。シンポジウムは、午前十時~正午、大学会館二階で行われる。午後四時半から交流会もある(会費千円)。
(牛、カラスから守れ:島根)
隠岐諸島で飼育されている繁殖牛をカラスの攻撃から守ろうと、攻撃の誘因となる牛の傷を隠す方法を、地元の獣医師が考え出した。スプレーで殺菌し、毛と似た色に染めると、カラスを寄せつけず、傷の治癒に効果的だったという。県農業共済組合連合会の東部家畜診療所隠岐駐在(西ノ島町)の獣医師、中倉亨さん(49)によると、牛を襲うのはハシブトガラス。肉の色に反応し、仲間の牛の角などで傷を負った牛がいると、その部分を攻撃する傾向があるという。そこで傷を分かりにくくしようと、傷に薬剤を塗った後、黒いポリエチレンシートで傷を覆って隠す「被覆法」と、殺菌作用があり、毛に近い色に染まる色素剤をスプレーする「染色法」を考案した。
(“狩りガール”達人技めざしベテラン猟師を取材)
大日本猟友会は8日から、ホームページ(HP)を活用し、狩猟の担い手である若い女性がベテランの狩猟者を取材したインタビュー記事「教えて、狩猟の達人」の掲載を始めた。一人前のハンターになるために若い女性狩猟者が、日本全国の狩猟者を訪ね、狩猟者から狩猟の重要性やポイントなどを聴いた。連載記事に仕上げ、狩猟に興味を持つ若者の増加を目指す。同会は昨年、インターネット上で「目指せ! 狩りガール」の連載コーナーを立ち上げた。東京都内在住の一般女性が狩猟に興味を持ち、免許取得から実際に猟に出た体験などをドキュメント風に記事にまとめ毎週連載し公開してきた。「教えて、狩猟の達人」は昨年の企画の第2弾となる。全国の「狩りガール」が登場し達人の思いのこもった話に耳を傾け、連載にまとめる。更新は週1回程度で、狩猟の意義や技術を広く発信していきたい考えだ。3月まで掲載する予定。大日本猟友会は「免許を取得してもきちんと捕獲できるようになるのが重要。高齢の狩猟者からの技術伝承のきっかけにつなげたい」と話す。
(狩りガール、デビュー:大分)
イノシシやシカなどによる農作物被害が広がる一方、狩猟を担う猟師は減り、高齢化も進む。そんな中、新たな狩猟の担い手として注目されているのがハンターの世界に踏み出す女性「狩りガール」だ。その狩りガールデビューを心待ちにしている。小さい頃から「海・川・山」の三つの「りょうし」の父清春さん(56)に付いて自然の中で育った。3姉妹の次女。父が猟犬の訓練をする時にもただ一人山に入り、自然に慣れ親しんだ。「楽しかった」と話す。だから本当は「はやりの『狩りガール』という気持ちで狩猟免状を取ったわけではないんです」と言う。自分の食べるものを自然の中で撃って解体して食べる−−という一連の過程を知らないまま「ただ食べるだけでいいのか」との思いが出発点だ。6月以降、銃刀法に関する初心者講習会を受け、第一種銃猟狩猟免状を取得、射撃講習のクレー射撃にも合格した。「散弾銃は重くて、体が小さい分肩への衝撃が大きかった」。さらに狩猟中に仲間と連絡を取り合うアマチュア無線技士の資格も取った。11月1日からの狩猟解禁に向け、銃所持許可を県公安委員会に、県猟友会に狩猟者登録も申請中だ。母恵子さん(56)が4年前に始めたシシ肉や加工品のシシ飯の素(もと)などを販売する店「山川屋」で、父と一緒に仕入れたシシ肉を部位ごとに解体する作業も経験した。猟犬が手負いのイノシシの牙にやられるなど狩猟には危険もある。だが、市猟友会野津支部会長も務める清春さんは「イノシシが隠れている時のしっぽの振り方など、犬の仕草も知っているから大丈夫。女の子が狩猟をすることで男性も興味を持ってもらいたい」と愛娘のデビューを楽しみにしている。県内の鳥獣による農作物被害は2013年度、2億9400万円。5億円を超えた00年度に比べて予防や対策の効果が上がっているが、駆除の中心となる県猟友会の会員数は3月31日現在で3417人。ピークだった1978年に比べ半減し、しかも平均年齢は60歳を超えているという。

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(五輪クレー射撃、村田で:宮城)
2020年東京五輪のクレー射撃競技を、村田町の県クレー射撃場に誘致する動きが浮上している。会場を陸上自衛隊朝霞駐屯地(東京都、埼玉県)とする当初計画が見直される可能性が出てきたためで、県内の関係者は「全県的に盛り上げたい」と意気込む。県クレー射撃場の村山重幸管理者や、射撃場を指定管理する県猟友会の生駒純一副会長らが1日、町役場を訪れ、佐藤英雄町長に誘致に向けた働き掛けを求めた。非公開の懇談で、村山管理者は「東日本一の大きさで、交通の面からも利便性がある。経済効果も大きい」と訴えたという。懇談後、佐藤町長は取材に「(実現できれば)東日本大震災からの復興の明るい希望になる。ハードルは高いが各方面と歩調を合わせて考えたい」と述べた。県クレー射撃場は熊本県総合射撃場と並んで国際大会が可能な東日本唯一の3Aランク施設。五輪で使う場合、同時に開催される見込みのライフル射撃場の建設が必要となるなど課題もある。県クレー射撃協会などによると、東京には射撃場がなく、当初は朝霞駐屯地に仮設射撃場を造る計画だった。だが、安全保障上の問題があり、建設費が数十億円に上る一方で競技後に取り壊すため、「既存施設の活用」を求める声が挙がっている。関東近県への建設案もあり、方向性は定まっていないという。県クレー射撃協会の大宮淳一事務局長は「誘致するのではあれば協会としてもできる限りの協力をする」と話している。
(クマと軽乗用車が衝突:北海道)
3日午前0時20分ごろ、北海道厚沢部町の道道でクマと軽乗用車が衝突しました。道内では、クマの目撃情報が去年の同じ時期と比べ増加傾向にあり、どさんこ投稿ボックスにも車で走行中にクマを目撃した視聴者からの動画が寄せられています。撮影した男性によりますと、先月末の午前5時半ごろ、道北の石北峠を車で走行中にクマを目撃しました。男性は30メートル以上手前でクマに気づいて車を減速させたため、衝突を未然に防ぐことができました。しかしきょう未明、道南で車とクマが衝突する事故が起きました。(運転していた男性)「とにかく驚いて、逃げることしか頭になかった」午前0時25分ごろ、厚沢部町上の山の道道で、男性が運転する軽乗用車が飛び出してきたクマと衝突しました。(運転していた男性)「(クマの)顔の先をかすめて、車はそのまま走るしかなかった」クマは逃げましたが、車は左前のライトが破損しました。車に乗っていた男性と9歳の娘にけがはありませんでした。道によりますと、本格的な秋を前にしたこの時期は食べ物が少なく、クマが人里に下りてくることが多いということです。
(公園近くでクマの目撃:北海道)
1日午後5時半ごろ、苫小牧市高丘の高丘森林公園内にある遊歩道で遊んでいた子どもたちがヒグマ1頭を目撃し、同公園管理事務所を通じて市に通報があった。市や地元猟友会などが現場付近を捜索。苫小牧署が警戒に当たった。このため、隣接する市緑ケ丘公園内に入る通路が一時閉鎖され、スポーツ施設などが使用できなくなったほか、2日早朝に緑ケ丘球場で予定されていた第52回大鷲旗争奪苫小牧朝野球大会の決勝も、3日に延期に。目撃現場に近い学校では全校集会で子供たちに注意を呼び掛けるなど、対応に追われた。市や同署などによると、現場は金太郎の池にあるバーベキューハウス付近の遊歩道をわたって、展望台へつながる通路から約200メートル外れた地点。連絡を受けた市や警察、猟友会などが1日夜から周辺の警戒、捜索に当たったが、発見には至っておらず、2日午前8時までに捜索を打ち切った。これを受けて、市は2日午前11時に金太郎の池の南側とスポーツ施設(テニスコート、緑ケ丘球場、パークゴルフ場、サッカー・ラグビー場)の閉鎖を解除した。高丘森林公園の全部と金太郎池の北側遊歩道は引き続き閉鎖を継続。期間は4日までと考えている。2日午前、緑ケ丘公園のゲートに「立ち入り禁止」が表示されたのを見て、引き返していくパークゴルフ愛好者や解除を待つ工事現場の作業員の姿も。普段、散歩で公園を利用するという、現場近くに住む木場町の男性は「ゲートの張り紙でクマが出たのを初めて知った。周辺住民への広報が遅い」と市の対応を疑問視する声も上がっている。
(県庁近くにクマ出没:山形)
2日午後10時50分ごろ、県庁から南東へおよそ400メートル離れた山形市妙見寺にある山際の駐車場で、51歳の男性が車のライトを点灯したところクマ1頭が山の中に入っていく姿を目撃した。クマは体長およそ1・5メートルの成獣と見られている。現場にはクリの木があり、周辺ではクリが食い荒らされている跡があった。警察はパトカーを出動させるなどして付近の住民に注意を呼び掛けている。警察によるとことし、県内でのクマの目撃や出没件数は、2日現在で315件に上り、去年の同じ時期を102件上回っている。
(国道でクマ目撃:新潟)
2日午後7時ごろ、糸魚川市市振の国道で、クマ1頭を目撃したと近くの女性が糸魚川署に通報した。同署によると、クマは体長約1メートル。現場は道の駅「越後市振の関」付近で、集落に近いことから、同署が周辺を警戒している。
(クマ目撃:栃木)
4日午後4時55分ごろ、日光市若間の山林でクマ1頭が目撃された。今市署によると、現場は県道川俣温泉・川治線沿いで、栗山黒部駐在所の西方約3.6キロの付近。クマの体長は約1メートルで、通行人が県道沿いの木に登っているのを目撃した。
(駐車場にクマ:栃木)
3日午後5時33分ごろ、日光市中宮祠の華厳の滝第1駐車場で近くの売店従業員がクマ1頭を目撃した。日光署は警戒を呼び掛けている。同署によると、クマは体長約1.5メートル。駐車場から国道120号方面へ向かったという。
(クマ1頭を目撃:栃木)
3日午後0時25分ごろ、那須塩原市塩原の畑でクマ1頭が目撃された。那須塩原署によると、クマは体長約1メートル。通行中の男性が目撃し、同署に通報した。現場は民家から東に約200メートルの距離。同署は付近の警戒や注意を呼び掛けている。
(“迅速に”自治体のクマ対策:北海道)
赤井川村でもヒグマによる農業被害などが相次いでいて、おととい、1頭のクマが捕獲されました。自治体の迅速な対応が人の生活とクマを分けるのに有効なようです。クマが食い荒らし、畑に散乱したスイカー。赤井川村の農家では7月以降、クマによって農作物が食い荒らされる被害がありました。(赤井川村・横井慎之係長)「畑の所有者が昼間にクマを目撃して、危険を感じて作業できないということで、人への被害が出る前に捕獲することにした」赤井川村では、通報を受けてすぐに対策に乗り出しました。クマを捕まえるオリを設置したところ、おととい、体長1メートルのクマ1頭が捕獲されました。赤井川村では今年度、昨年度よりも18件多い31件のクマの目撃情報が寄せられています。(横井係長)「農作物が収穫される時期なので、被害の増大も心配される。パトロールを強化して対策したい」きょう開かれた道の振興局の研修会でも、赤井川村のような迅速な対応が重要だと確認していました。(後志総合振興局・幌村幸司自然環境係長)「赤井川村の場合、クマの出没があると、ただちに職員がハンターと現場に行って、ヒグマの行動について現場を分析して対策している。市街地への出没にも十分に役に立つ取り組み方だと思う」道では今後も、クマが人の生活圏に姿を現わす機会は多いとみていて、注意を呼びかけています。
(実りの秋、かさむ鳥獣被害対策:岩手)
花巻市は、ニホンジカなどの鳥獣被害対策として電気柵を設置する際の補助費予算を追加する。本年度の予算126万円が残額2万円となり、補助件数の増加を見込んだ。市は追加する210万円を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案を5日招集の市議会9月定例会に提案する。クマやハクビシンを含む同市の鳥獣被害額はここ数年で大幅に増加しており、農作物の収穫期に向けて生産者らは「苦悩の秋」を嘆く。06年から始めた電気柵の助成は、設置費用の2分の1(上限7万円)を補助する。昨年度は24件で約114万円。本年度はすでに25件で124万円(8月5日現在)となり、件数、金額ともに昨年度を上回る。市はこのほかハクビシン対策で捕獲用わなを予約制で貸し出しているが、計19基がフル回転の状況だ。同市大迫町内川目でブドウ園を営む吉田正さん(74)は園内にラジオ5台を設置し、夜間も音を出すなどの対策で、ハクビシン撃退に一定の効果があったという。一方で、近年なかったクマの出没が増えた。「多いと週3、4日。一晩に12~15房がやられる。クマに入園料だけでも置いていけって言いたいよ。夜も落ち着かないし、ストレスがたまるのもつらい」と憤る。
(エゾシカ、日本海泳ぐ:北海道)
北海道上ノ国町沖の日本海で、エゾシカの泳ぐ姿が目撃され、地元住民の間で話題になっている。エゾシカは1頭で、8月29日午後6時頃、上ノ国町大安在地区の200~300メートル沖合を泳いでいた。1~2歳のオスとみられ、道を探すように何度か岸に上がりながら、5~6キロ先の扇石地区へ向かったという。泳いでいた理由は分からないが、北海道大学農学部の近藤誠司特任教授(畜産学)は「シカは泳ぎがうまく、洞爺湖の中島にいるシカは湖を泳いで渡る。暑さをしのぐためや、何かに追われて逃げる際に海に入る可能性もある」と話している。
(巨大「囲いわな」でシカ捕獲:群馬)
生息数が急増しているシカを捕獲するため、県は9月から前橋市と協力し、外周約450メートルの巨大な「囲いわな」を赤城山周辺に設置するなど、本格的な取り組みを始めた。現在は手動で入り口を開閉しているが、4日からはシカがわなに一定数入った段階で扉が自動的に閉まる「AI(人工知能)ゲート」の運用も始める。これほど大きな囲いわなは県内では初めての設置といい、駆除の切り札になればと期待されている。県鳥獣被害対策支援センターによると、県内には平成24年度時点でシカ約1万7千頭が生息しているという。7~9年度の調査では約7600頭だったため、ここ15年で9千頭程度増えた計算だ。同センターは「狩猟者数の減少や温暖化による生息地域の拡大が影響しているかもしれない」と指摘する。県北部の尾瀬でも、シカによるミズバショウなどの食害が深刻化している。県は昨年から、尾瀬国立公園や周辺にわなを仕掛けるなどして、越冬のために移動するシカの捕獲を始めている。今回、大型囲いわなを設置したのは、農業や林業被害が出ている赤城山周辺の赤芝牧場(前橋市柏倉町)。以前から周辺にカメラを取り付けてシカの動向を探っており、移動が頻繁な地点に設置した。高さ約2・5メートルのわなに取り付ける「AIゲート」は、捕獲したことを管理者にメールで自動連絡するシステムも備わっており、同センターは「巡視などの労力負担にもつながる」と期待する。県は今月末までに、沼田市利根町穴原の旧ミリオン牧場にも大型囲いわな(周囲約420メートル)を設置する予定。前橋、沼田の両市のわな設置期間は5年を考えている。センターは「今回の設置で得られた情報を基に、わなの運用や安全で効率的な捕獲方法を検討し、地域への普及を図っていきたい」としている。
(丹沢のニホンジカ、2月の記録的大雪で多数死ぬ:神奈川)
2月の記録的大雪で丹沢に生息するニホンジカが67頭死んだことが、県がこのほど公表した2014年度ニホンジカ保護管理事業実施計画で明らかになった。近年例がない2メートルを超える積雪で動けなくなって衰弱死したり、数頭の群れごと雪崩に巻き込まれたりしたと見られている。県は記録的な大雪を受けて2月15日~5月11日の間、ニホンジカの死亡調査を実施。国・県の関係機関のほか、自然公園指導員、山小屋、林業関係者から丹沢山域での目撃情報を収集、分析した。その結果、ニホンジカ67頭、ニホンカモシカ11頭の死体を確認した。場所は丹沢に広く見られ、雪が深い北斜面や深い谷筋で目立った。1カ所で複数の死体があった現場は、地形的に雪崩が起きた可能性があるという。記録的な大雪は2月上旬から中旬にかけて断続的に降り、丹沢では1~2メートルの積雪があった。山間部の道路が長期間閉鎖に追い込まれ、管理人が交代できず、最高峰・蛭ケ岳の山荘では3週間も缶詰め状態になるなどの影響が出た。ニホンジカの生態に詳しい丹沢自然保護協会の中村道也理事長は「近年は温暖化の影響などで大半のシカが越冬している。今回の大雪は私も初めての経験で、実態は調査の数より2~3倍以上死んだのではないか」と推察している。県はこのほど、2014年度のニホンジカ保護管理事業実施計画を策定した。昨年6月のハンターの滑落死亡事故を受けて14年度は、安全対策を強化して5月から各事業を開始している。計画によると、管理捕獲の目標頭数は前年度並みの1804頭。内訳は自然植生回復などで584頭、農作物などの被害軽減で1220頭。このほかに狩猟(目標715頭)でも実施する。13年度の実績は、捕獲目標1777頭に対して1405頭。うち自然植生回復などで517頭(目標557頭)、被害軽減で888頭(目標1220頭)。狩猟は573頭(目標776頭)だった。シカの生息密度が高い中高標高域で自然植生への影響軽減を目的にした事業分では、県猟友会へ委託する捕獲の強化や、専門的なワイルドライフレンジャーの活動が軌道に乗って目標達成率は9割を超えた。課題の一つである捕獲の担い手となるハンターの確保は、深刻化する鳥獣被害に対する関心の高まりで、狩猟免許所持者が3694人となり増加に転じた。主体の第1種銃猟免許(ライフル銃や散弾銃など)の増加は5年ぶり。県自然環境保全課は「2月の記録的大雪でニホンジカがかつてなく多く死んだ。しかし、管理捕獲の必要性を変えるレベルではなく、従来の方針通り事業を進めていく」と話している。
(シカ食害深刻、保護地区で銃・ワナ使えず:三重)
菰野町の御在所岳(一、二一二メートル)で、ニホンジカによる食害が深刻だ。春の観光資源のツツジの皮が食べられ、枯れてしまう被害が後を絶たない。登山者が多く、国の天然記念物であるニホンカモシカも生息しているため、猟銃を使った捕獲は難しい。防除ネットを巻いたり、植樹したりしているが、根本的な打開策は見いだせていない。御在所岳山上公園に多く生育するツツジ。根元から高さ七十~八十センチほどまで、皮がはがれた木があちこちで見られる。幹を揺らすと弱々しくしなる。「もうしばらくすると、倒れてしまう」と、公園を管理する「御在所ロープウエイ」常務の森豊さん(55)。木が減ると土が流れ出し、災害が起きる危険性もある。森さんによると、繁殖力の強いシカは食べる量も多く、届く範囲の樹皮や草花を手当たり次第、食べてしまう。シカが苦手な雪が山上で減っていることもあり、頭数は増えており、公園内で一度に十数頭が目撃されることもあるという。県獣害対策課によると、御在所岳一帯は鳥獣保護地区になっており、県の許可がないと猟銃やワナを使った捕獲はできない。許可が下りたとしても、登山者に周知徹底し、通行止めにするなど事故防止策が必要という。捕獲以外の対策として六年ほど前から、四日市市の認定NPO法人「森林(もり)の風」と協力し、幹にネットを巻く活動をしてきた。四年前からは中部電力や三重銀行の寄付を受け、千二百本ほどの植樹もしてきた。費用は一本当たり三千円で、社員が一緒に作業もする。今月十七日には新たに三重交通グループも参加する。森林の風の滝口邦夫会長(65)は「山を楽しむ人は増えたが、守る活動はまだ少ない。もっと協力者が増えてほしい」と話している。
(シカよけ網に野生クマタカ絡む:熊本)
高森町色見の山林に張られたシカよけネットに、絶滅の恐れがある野鳥「クマタカ」が絡まり保護された。獲物を捕獲する際にネットに突っ込んだとみられ、シカの増加が希少な野鳥の生息環境に影響をもたらした。クマタカはケガをしているとみられ、町職員が2日、御船町の県鳥獣保護センターに運んだ。クマタカは「森の王者」と呼ばれ、野鳥ファンに人気だが、間近に見る機会はほとんどない。体長は80センチ前後で、翼を広げた大きさは160センチほど。環境省のレッドデータブックで、近い将来に絶滅の危険性が高い「絶滅危惧ⅠB類」に分類されている。同町の林業家、馬原益夫さん(69)が8月30日、スギ林に張り巡らされた高さ2メートルほどのシカよけネットに絡んで動かない猛禽類を発見。ネットを切って保護し、町役場を通じて同センターなどに連絡した。馬原さんが肉や水などのえさを与えると、立ち上がるまでに回復したという。クマタカと知った馬原さんは「50年以上林業をやっているが初めて見た。何とか死なないでほしいとの思いだった」。保護されたクマタカは、左の翼の付け根部分を負傷しているとみられるが、程度は不明。同センターは「飛べるようになるかもしれないが、獲物を捕獲できるほど回復するかは分からない」と説明している。日本野鳥の会県支部の山本和紀副支部長(66)は「シカ対策などのネット増加によって、猛禽類などの事故が今後も増えていく可能性はある」と話している。
(シカ対策など話し合う:群馬)
群馬、新潟両県の知事や自然保護家らが尾瀬の課題を話し合う「尾瀬サミット2014」が二日、片品村の尾瀬岩鞍(いわくら)リゾートホテルで開かれた。貴重な植物を食い荒らすニホンジカを昨年度から本年度上半期にかけて県が二百九十九頭捕獲したことなどが報告された。サミットは尾瀬保護財団(前橋市)が一九九六年度から主催し、福島県を含め尾瀬のある三県の持ち回りで開催。今回は大沢正明知事、新潟県の泉田裕彦知事、片品村の千明(ちぎら)金造村長や有識者、行政担当者ら計九十四人が参加した。ニホンジカはミズバショウやニッコウキスゲに被害を与え、環境保護のために捕獲せざるを得ない状況。環境省と福島県が捕獲してきたが、県も昨年度から協力している。昨年度の捕獲頭数は県の百四十八頭を含め計三百十四頭となった。県は本年度上半期で百五十一頭を捕獲した。一方、最近は尾瀬でも外国人の観光客が目立っており、東京五輪に備えて環境保護への協力を呼び掛ける必要性が議題になった。泉田知事は「啓発DVDを作成し、外国人が利用する公共交通の中で流したらどうか」と提案した。
(クマ大量出没注意:岐阜)
県は4日、ツキノワグマの秋の主食となるドングリの実り具合について、「県内全域で凶作と大凶作」との調査結果を発表した。調査を開始した2008年度以降、最悪の結果で、県は「クマが餌を求めて人里周辺に大量出没する可能性が極めて高い」と、注意を呼び掛けている。8月21~27日、県内5圏域の26地点で、ツキノワグマの主食となるブナ、ミズナラ、コナラの着果状況を調査した。ブナは、県内全域で着果が認められず大凶作。ミズナラは岐阜、西濃、中濃圏域で大凶作で、県内平均では極めて大凶作に近い凶作と判定した。コナラは、西濃圏域で大凶作だったが、県内平均では凶作だった。県は「周期的に豊作と凶作を繰り返すことに加え、今年は雨が多く、日照時間が短かったことが影響したのでは」と分析する。ブナ、ミズナラ、コナラがいずれも凶作だった10年度は、クマの目撃件数が例年の3、4倍の833件に上ったため、県は今秋も冬眠前のクマが人の生活圏に大量出没するのではと危機感を募らせる。県内では今年4月から8月31日までに337件のクマの目撃情報が寄せられており、08年度以降で最多。うち、揖斐郡揖斐川町と下呂市では2件の人身被害があった。県は「山に入る際は、ラジオや鈴で大きな音を出して人の気配を知らせ、生ごみや未収穫の果実を野外に放置しないでほしい」と話している。
(クマ出没200件超、秋も増加懸念:福井)
県内のクマの出没が急増するなか、冬眠を前に餌を求めて活動が活発化する時期を迎えた。出没件数は今年度に入ってすでに209件(1日現在)となり、前年度1年間の173件を上回って23年度以降最多に。県は、今月中旬まで出没の目安となる木の実(堅果類)の調査を行っているが、秋になってもクマの出没が落ち着く気配がないことから、木の実の出来がよくないと見ており、さらなるクマの出没増加を懸念している。県は各市町に早めの対策を求めるとともに、11日には市町担当者を集めた出没対策連絡会で状況を示す。県自然環境課によると、クマの出没(目撃・痕跡・捕獲)件数は4月から209件で、23年度以降では年間の出没件数を上回っている。同課は、ここ3年ほどはドングリなどの木の実が良好だったため繁殖。このため、里山にも現われ、目撃される頭数が増えたのではないかとみている。捕獲数は32頭と23年度以降で最も多く、うち捕殺が29頭となっているが、幸い人への被害は出ていない。だが、過去5年間で年間841件と最多だった22年度は4~8月が116件で、冬眠前の9~12月が721件と激増しており、今秋、激増する恐れがある。同課は、これまでの木の実調査では出来がよくないとみており、山際の集落では生ごみを放置しないなど早めの対策が必要という。大野市では出没件数が26件あり、4頭を捕獲。人里に近づいて危険なクマ1頭を捕殺、残りを放獣している。木の実については「全般的に悪い」とみている。
(犬の居場所を瞬時にキャッチ:東京)
古野電気は位置検知用として国内初の電波法に適合した狩猟用発信器「ドッグナビ」を開発した。無線免許は不要で、猟犬の位置や音声をリアルタイムで取得可能。経験や勘に頼らず、狩猟や迷い犬の探索を効率化できる。11月11日に発売し、猟犬用のGPS端末と狩猟者用の端末のセットで価格は14万5000円(消費税抜き)。舶用電子機器で培ったGPSや無線通信技術を応用し、大日本猟友会(東京都千代田区)の協力を得て開発した。GPS端末は180グラムと軽量で猟犬への負担が少ない。複数の狩猟者端末で同じ猟犬の位置を確認でき、1台で最大15頭まで補足できる。国内では野生鳥獣による農作物被害が年間200億円を超え増加傾向。その一因として狩猟者の減少や高齢化が挙げられ、狩猟の効率化が課題となっている。そのため海外規格の不法な発信器が出回り、総務省が注意喚起などの対応に追われている。
(全農、大量加工施設:千葉)
農産物への被害が深刻となっている野生鳥獣の肉(ジビエ)を受け入れ、カレーなどさまざまな食品に大量に加工する施設が10月に千葉市で稼働する。全国農業協同組合連合会(全農)が野生鳥獣肉の流通も念頭に整備、第1弾として長野県内で捕獲したニホンジカの肉を使ったカレーを製造する。当面は1日千食分を生産し、来年7月からは1日2万食分を製造できる態勢を整える。野生鳥獣肉は消費量が多くなく加工施設も少ないため、ニホンジカなどを捕獲しても、土中に埋めるなどして処理することが多い。駆除するハンターの減少も課題となっている。施設の本格稼働で捕獲した鳥獣肉の流通ルートが広がれば、ハンターの収入増や、一定の人材確保にもつながる可能性がある。施設は8月に完成し、全農子会社のピュアディッシュ(千葉市)が運営する。規格外の野菜や固いスジ肉など、流通しにくい農畜産物も加工・販売する。下ごしらえした食材を真空包装し、低温で加熱する調理方法を採り入れており、味や食感を損なわないため、ジビエ料理に向いているという。商品は外食企業から注文を受けて開発し、茅野市のフランス料理店シェフ藤木徳彦さん(42)が助言する。長野県内で捕獲したニホンジカのカレーは、JR東日本の子会社向けに製造する。千葉県内で捕獲したイノシシを使ったすき煮そばも生産予定で、他に飼育牛のロースト、鶏肉の煮物などを試作中という。長野県内では同様の施設は、上田市や茅野市、上水内郡信濃町などにあり、鹿肉カレーなどを製造してきた。しかし、各施設とも製造能力は1日数百食分にとどまっている。農林水産省によると、野生鳥獣による2012年度の全国の農作物被害額は、11年度比3億3700万円増の229億6400万円(県内は5700万円減の7億9400万円)。一方、県鳥獣対策・ジビエ振興室によると、県内で2012年度に捕獲された鹿は3万3668頭で、ジビエとして利用したのは約5%。都内で4日に記者会見した全農の成清一臣理事長は「鳥獣の被害を受けると、農家の生産意欲が大きく低下する。(加工施設で)野生鳥獣肉を流通させる仕組み作りを支援できると思う」と話した。
(狩りガール、密かにブーム?)
森ガールに山ガール。「○○ガール」という言葉が世間に浸透してから久しいが、最近「狩りガール」という言葉が誕生したという。「狩りガール」とは、その名の通り狩猟をする女性のこと。会社に勤めながら、休日には山に入って鹿や猪などの鳥獣をハンティングする若い女性が増えつつあるというのだ。昨年には国内のハンターの共済事業を行っている大日本猟友会が、「目指せ! 狩りガール」なるウェブサイトを開設。「自然好きとジビエ料理をきっかけに“狩猟肉”に興味を持った」という一人の女性がハンターになるまでの体験記を綴っている。ハンターというと男性が多いイメージだが、実際に女性のハンターは増えているのだろうか?大日本猟友会の広報担当者は次のように語る。「ハンター数などの統計は環境省が発表していますが、その年の統計が発表されるまで2年かかるので、『最近、狩猟をする女性が増えている』と、現時点で断言することはできません。ただし、東京都の発表では、去年の狩猟免許の受験者数が前年の2倍ほどで、女性の受験者は4倍ほどに増えたそうです。『目指せ! 狩りガール』の開設や作者の狩猟体験に基づいた漫画『山賊ダイアリー』(岡本健太郎/講談社)のヒットもあり、またニュースなどでハンターが減少していると報道されたことで、狩猟に興味を持った人が増えたのではないかと考えています」まだ女性のハンターが増えているとは断言できないようだが、狩猟に興味を持つ女性は確実に増えているようだ。狩猟免許の女性受験者数が増えているとはいえ、18万6000人(2009年度)いるハンターのうち、女性のハンターは1539人。約5年前のデータなので現在はもう少し増えているかもしれないが、それでも決して多いとはいえない。では、なぜ大日本猟友会は女性にアプローチしたのだろうか?「狩猟を体験するイベントをいくつか開催しているのですが、男性は『気持ち悪い』と言って、若干引いてしまう人が多い中、女性は食いつきが良いのです。おそらく、女性は料理好きの人が多く、ブロック肉や魚をさばくという行為に慣れているので、肉を処理するプロセスに対して抵抗感が少ないのではないでしょうか。『食べ物が生産されるところを見てみたい』という女性は増えており、そのような食材に対する好奇心のある人が狩猟に興味を持つのだと思います」(同)つまり、食材に対して興味を抱いている女性をターゲットに「目指せ! 狩りガール」を開設したというわけだ。では、女性のハンターが増えることで、いったいどのような効果が期待できるのだろうか?「年々、ハンターの高齢化が進み、ハンターの数も減少傾向にあります。ハンターになるだけなら運転免許を取得するのと同レベルの試験で終わるのですが、狩猟の技術は一朝一夕では身につきません。狩猟の師匠について山に入り、獲物の見分け方を教えてもらったり、安全な狩猟の手法を手とり足とり教えてもらわなければならないのです。その師匠となるハンターが高齢化によって減ってきている上に、技術を受け継ぐ人も少なくなっているのです。若い世代に技術を受け継いでいただきたいと考えておりまして、まずはキッカケとして女性にアプローチしているのです」(同)近年、鹿や猪などの野生鳥獣による農林水産被害が深刻化しており、農林水産省の発表によると、全国の野生鳥獣による農作物被害額は年間229億円にも上る。ただハンターが増えれば鳥獣被害が減るという単純な話でもない。実際に狩猟免許を取得しても、10年近く獲物を仕留められないハンターもいるという。将来的なことを考えても、少しでも早く若手に狩猟への興味を持ってもらい、獲物を仕留める技術をベテランハンターから受け継いでいくことが重要なのだ。また、ここ数年でジビエ(獣肉)料理を提供する飲食店が増えており、都内でも気軽にジビエを味わうことができるようになったのも狩猟に興味を持つ女性が増えた一つの要因かもしれない。実際に「目指せ! 狩りガール」の主人公の女性は、都内にあるエゾシカ料理の専門店に通っているうちに、「このお肉がどうやって来たのか? 獲るところを見てみたい」と感じたことから、ハンターへの道を歩み始めた。「ジビエブーム」と「狩りガール」には密接な関係があるのではないだろうか。狩猟は命に向き合う神聖な行為であるとして、安易にブームとしたり「狩りガール」をもてはやすことに反対する意見もあるようだが、狩猟に興味を持つ女性が農作物の鳥獣被害を抑制する一翼を担う存在となる可能性もありそうだ。この「狩りガール」が一過性のブームで終わらないことを願うばかりである。
(姉妹がイノシシ退治:大分)
男だけに任せておけん、イノシシ退治――。こんな合言葉で害獣退治に奔走する農家姉妹がいる。大分県豊後大野市の田北たず子さん(62)、東藤さき代さん(58)だ。わな免許を取得して害獣捕獲から、と畜・解体、ジビエ(野生鳥獣肉)の普及に取り組む。姉妹がさばく肉は放血が良いと評判で、先輩の男性狩猟者からも「獣の生態を理解している」と一目置かれる存在。女性の狩猟仲間を増やし古里を守りたいと思いは熱い。姉妹がわな免許を取ったのは3年前。市内の病院に勤務していたが定年を迎えたのを機に、実家の裏山に自生するタケノコを出荷する計画を立てていた。しかし、イノシシの被害でタケノコが全滅したことがきっかけで、近所の狩猟者に誘われ、わな免許を取った。以来、先輩狩猟者と共に山に入り、獣の通り道やわなの仕掛け方などのポイントを習得、狩猟の技術を学んだ。2年間でイノシシ約80頭を捕獲したが、悩んだのが活用法だ。肉を自家消費して、近所の人にお裾分けしても余ってしまう。そこで「命を奪った以上、食べることが大切」(田北さん)と考え、市や県に相談。助成を受けて1月、実家の敷地に加工所を造った。名付けて「女猟師の加工所」。姉妹で捕獲したり、周辺の狩猟者から内臓付きで1キロ1000円で買い取ったりしたイノシシや鹿をと畜・解体し、肉として道の駅や農産物直売所、肉卸やレストランに出荷する。命を生み出す女性ならではの視点から「内臓も含めてできるだけ多くを肉にしてあげることが供養につながる」(東藤さん)と、週の半分は捕獲や肉の解体と販売に充てる。半年間で約100頭を解体。売り上げは月7万~27万円と幅があり、安定経営が課題だ。東藤さんは「狩猟はまだまだ男の世界。これだけ被害が増えたのだから、女性も里山の風景や田畑を守っていかなければならない」と地域の女性に狩猟免許の取得を勧める。女性が免許を取得して効果を上げるための3カ条として、姉妹は(1)仲間2人で免許を取る(2)猟友会に入り先輩に教わる(3)師匠を決めて弟子入りし技を盗む――ことを挙げる。田北さんは「女性がペアで狩猟すれば、重い獣や箱わなだって運べる。励まし合えるので長続きする」と仲間が増えることを期待する。
(4月4日は「猪肉の日」:長野)
飯田市南信濃のジビエ(野生鳥獣肉)取扱店「肉のスズキヤ」は27日、遠山郷のイノシシ肉をPRするイベント「猪肉(ししにく)まつり」を南信濃の温泉施設「かぐらの湯」で初めて開く。同店の社長鈴木理(まさし)さん(53)が、イノシシ肉を多くの人に味わってほしいとの願いを込め、日本記念日協会(佐久市)に4月4日を「猪肉の日」として申請。今年3月に認定されたのを記念して企画した。肉のスズキヤは1957(昭和32)年創業。飯田下伊那地方などの猟師から鹿やイノシシ、熊などの肉を仕入れて販売するほか、近年は鹿の角やイノシシの牙などを加工し、アクセサリーとしての販売もしている。同店ではここ数年、ジビエに関する問い合わせが急増。2011年は年間100件余りだったのが、今年は一般の消費者や飲食店、商社からの注文などで既に2千件ほどが全国から寄せられているという。注目の高さに着目した鈴木さんが日本記念日協会に今年2月に記念日を申請。「しし」という語呂と、焼き肉でもイノシシ肉が食べられることなどをPRするため、4月4日を記念日として申し込んだ。27日のイベント当日は登録証の授与式ほか、同協会の加瀬清志代表(61)が記念日を活用した地域おこしの事例などについて講演する。下伊那郡天龍村の地域おこし協力隊員がイノシシを題材にした落語を披露するほか、鹿や羊の肉などとの食べ比べゲームも企画する。会場では、「猪肉の日」が記された2015年のカレンダーも販売される予定だ。鈴木さんは「来場者にジビエのおいしさを知ってもらい、地元の人にも遠山郷の魅力を見つめ直す機会になってほしい」と話す。
(鳥害を一掃する「超リアルな鳥ロボット」は空の番人となるか:オランダ)
ゴミをカラスに荒らされるというのは、比較的身近な鳥害だ。ゴミくらいであれば、ネットをかけたりボックスを使うことで対策はできるが、農作物への被害、空港近辺での鳥の衝突による被害などは、より解決が難しい問題だ。その鳥害に対して、鮮烈な方法で対策をしてくれるサービスがオランダに現れた。その方法とは、「肉食の鳥を模した、超リアルなロボットで追い払う」というものだ。ロボットだから、リモートコントロールができる。もちろん飛ぶ。それもリアルな動作で。それにしても、これはよほど近くで見なければ、作り物だとは気づかないのではないだろうか。それほど動きも形もリアルだ。Robirdと名づけられたこの鳥は、現時点で2種類が用意されている。ひとつはハヤブサ(Falcon)。これは3kgまでの鳥を追い払うのに適している。より大型のタイプとしてワシ(Eagle)も用意される。こちらはどんな害鳥も追い払うことができるという。このRobirdが現れると、そのエリアにいた鳥たちは、自然界と同じように反応するそうだ。捕食にあわないように、多くの鳥がその場所を離れていくのだ。現在、このRobirdほど効果的な鳥対策はほかにないという。現在このRobirdシステムは、自動制御によるオペレーションを試している最中だ。今年から来年(2015年)の前半くらいまで、そのテストを行う予定で、そのテストの協力者も募集中だという。私が子供の頃は、鳥というのはいささか神秘的な存在で、鳥と同様の動きで飛ぶロボットなど不可能な気がしていたものだった。しかし、素材や動力の進化で、いつのまにかこんなものが可能になった。これまで解決しなかった環境問題が、今後思いもよらない手法で解決することがありそうだと思わされる。
(チェルノブイリの負の遺産を背負うドイツの野生イノシシ)
1986年に発生したチェルノブイリ原子力発電所事故では、爆発によって飛散した放射性物質が近隣諸国はもとより全世界規模で被害を及ぼしました。近年ドイツで行われた調査からも、事故が原因とみられる放射能の影響が残されていることが明らかになっています。ドイツ・ザクセン州政府が実施した調査した結果からは、地域に生息している野生イノシシの3分の1は体内に放射性物質が蓄積されており、人間の消費には適さないレベルにまで達していることが明らかになっています。イノシシの出没によって高速道路が閉鎖されたり、車いすに乗った女性がイノシシに襲われる事件が発生するなど、人間社会にとってイノシシの存在は脅威の1つとなっていますが、今回明らかになった放射能の影響はまた別の次元での脅威となりそうです。原子炉内の燃料が炉心溶融を起こした後に爆発するという史上最悪の原子力事故になったチェルノブイリ原子力発電所事故では、爆発によって飛散した放射性物質が周辺の地域に深刻な放射能汚染をもたらしました。その影響は甚大で、事故から約30年が経過しても汚染の状況はいっこうに改善されず、2006年の段階でもチェルノブイリは「世界でもっとも汚染された10の都市」の1つにあげられています。影響はさらにヨーロッパの広い地域にも広がっており、フランスなどでも土壌汚染が確認されているほか、チェルノブイリから遠く1000km以上離れたドイツに住む野生のイノシシの体にも多くの放射性物質が蓄積されていることが明らかになっているのですが、これもチェルノブイリの影響の1つであると考えられています。野生のイノシシは地面を掘り返して地中に埋まっているキノコなどを食糧にしているため、地表の汚染の影響を顕著に受けると考えられています。2012年には、野生のイノシシを捕獲した場合には放射線検査を受けることが義務化されており、1kgあたり600ベクレルの安全基準を超えた場合は廃棄して処分することが必要となっています。1年間で752頭がこの検査を受けたところ、実に約4割にあたる297頭が基準を超えていたことがわかっており、なかには基準値を10倍以上も上回る個体があったことも確認されているとのこと。狩猟されたイノシシの肉は食品として販売されていたこともあり、これによって経済的ダメージを受ける例も発生しています。捕獲したイノシシを廃棄することになった場合には政府から一定の額が補填されるのですが、ザクセン州ハンター協会の会長を務めるシュテフェン・リヒター氏によると「狩猟にかかった費用はカバーできるが、売上からの利益はなくなってしまう」と被害の状況を語っています。なお、この問題の解決には非常に長い時間がかかることが予想されています。汚染ルートは土壌の汚染を含む食物連鎖に密接に関わっているため、汚染が取り除かれるまでには50年単位の長い戦いになることが予想されています。

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(クレー射撃協会、五輪後の施設活用要望へ)
日本クレー射撃協会は29日、東京都内で理事会を開き、2020年東京五輪のクレー射撃会場について、五輪後に競技拠点として活用できる施設にするよう関係機関に要望する方針を決めた。現在の計画では、クレー射撃は陸上自衛隊朝霞訓練場に、大会組織委員会が整備する仮設会場で開催される。クレー射撃協会は会場を共用する日本ライフル射撃協会と意見を集約した上で、施設活用の恒久化を要望し、認められなければ代替会場の提案を目指す方針。
(ハンター負担軽減へ、狩猟規制の緩和容認)
自民党の鳥獣捕獲緊急対策議員連盟(大島理森会長)は28日の総会で、有害鳥獣を駆除する狩猟者の負担軽減のため、銃刀法改正について議論した。警察庁は同法の一部改正や、運用の改善で対応する方針を示し、議連が承認した。また環境省は、狩猟税の見直しを2015年度の税制改正で求めると説明した。警察庁は、鳥獣被害対策実施隊員が農作物などの被害防止のためにライフル銃の所持許可を受ける場合、自宅での銃の保管を認めるようにする方針を提示した。現在は、実施隊を設置する市町村の庁舎で保管している。また、猟銃の所持許可の更新時に義務付けられている技能講習について、従来の点数評価から、自己流になっていないかなどの安全指導に重点を置くよう見直す方針を示した。同講習は、実質的な試験になっているとの指摘が出ていた。東日本大震災で猟銃を失った狩猟者については銃刀法を改正して対応すると説明した。銃を失う前後に、猟銃所持を許可されていた期間が通算10年以上であれば、ライフル銃の所持許可を受けられる特例をつくる。秋の臨時国会に改正案を提出する。銃刀法をめぐっては、高齢化が進む狩猟者を確保するため、大日本猟友会が法改正などを要望。同議連が警察庁と検討を続けてきた。一方、環境省は、都道府県が狩猟免許の所持者らに課税している「狩猟税」について、来年度の税制改正で見直しを要望すると説明した。同税は鳥獣保護の財源となっているが、狩猟者が増えない一因になっているとして、同議連の宮路和明会長代行ら出席議員から廃止を求める声が上がった。総務省は難色を示したが、大島会長の指示を受けて、年末に向けて調整を進めることとなった。総会では、農水省と環境省が15年度予算の概算要求に盛り込んだ鳥獣被害対策についても説明を受けた。大島会長は、鳥獣害対策について「(安倍首相の)地方創生という観点からも大変大事な問題」と訴え、施策の充実を求めた。
(にんじん畑、クマが食い荒らす:北海道)
北海道八雲町の住宅街に隣接するにんじん畑が、広範囲にわたりクマに食い荒らされているのが見つかり、警察などが付近をパトロールして注意を呼びかけています。30日午前6時ごろ、北海道八雲町落部のにんじん畑で、およそ300平方メートルにわたり、にんじんが引き抜かれた跡や葉だけが散乱しているのを、畑を所有する農家が見つけました。警察が調べたところ、荒らされた畑には、クマのものとみられる足跡やふんが残されていたことから、警察ではクマが畑のにんじんを食い荒らしたとみています。このにんじん畑は住宅街に隣接しているため、地元の猟友会などが付近をパトロールして住民に注意を呼びかけています。にんじん畑の所有する農家の本間美代子さんは「収穫直前のにんじんが、こういうことになって非常に残念です」と話していました。八雲町では、ことし4月からのクマの目撃件数が53件と、去年の2倍近くに増えています。これから冬眠を前に、クマが餌を探して人里近くに降りてくることが増えるとみられることから、町では目撃が相次いでいる地区の住民に対して、暗くなってからの外出を控えるなど、クマに注意するよう呼びかけています。
(果樹園のモモ食い荒らされる:秋田)
大館市の果樹園で、モモが食い荒らされているのが見つかりました。モモの木にはクマのものと思われる爪の痕がありました。被害にあったのは、大館市比内町の64歳の男性が所有する果樹園のモモです。大館警察署に調べによりますと、男性が果樹園の見回りにいったところ、モモおよそ100個が食い荒らされているのが見つかったという事です。モモの木には、クマのものと見られる爪痕もついていたという事です。29日の午後4時ころから30日の午前7時ごろまでの間に食い荒らされたものと見られています。およそ300メートルの距離には民家もあることから、警察で住民に注意を呼びかけました。
(鹿よけネットに絡みバイク転倒、女性が重体:兵庫)
兵庫県西脇市で、バイクで新聞配達中の女性がシカの侵入を防ぐために張られていたネットに絡んで転倒し、意識不明の重体です。当時ネットが道路を塞いだ状態になっていました。
(釧路空港近くにクマ出没:北海道)
我が物顔で歩くクマ。人の姿を見ても驚いた様子はなく、むしろ近づいてきます。距離はわずか5メートル。1日午前8時半ごろ、釧路空港の関係者が空港のフェンス越しに撮影したもので、クマは5分ほどで林の中へ消えて行きました。釧路市と警察は、空港やレンタカー会社を通じて観光客らに注意を促しています。
(クマの親子3頭、ゴルフコース横切る:栃木)
那須塩原署によると、1日午後1時40分ごろ、那須町湯本の那須ゴルフ倶楽部で、親子とみられるクマ3頭がコース上を東から西に横断していくのを作業中の従業員が目撃した。同署によると、目撃されたクマは体長約1・5メートル1頭と、約50センチ2頭。同署で付近を警戒するとともに、注意を呼び掛けている。
(病院付近でクマ目撃:栃木)
日光署によると、31日午前5時40分ごろ、日光市清滝安良沢町の日光市民病院付近で体長約1メートルのクマ1頭を付近住民が目撃した。人的被害はなかった。同署によると、クマは道路を横切り、北方の山方面に走り去ったという。現場付近は住宅地であることから警戒を呼び掛けている。
(クマ目撃情報:栃木)
日光署によると、30日午後10時半ごろ、日光市足尾町の住宅敷地にクマ1頭がいるのを家人が目撃した。人的被害はなかった。同署によると、住民の男性が台所から「ガタガタ」という音を聞いて確認したところ、出窓の網戸が外されており、南方の山に走り去るクマを目撃したという。現場は住宅が点在している。
(クマ1頭を目撃:栃木)
佐野署によると、29日午後9時ごろ、佐野市閑馬町の松場橋付近の路上で、クマ1頭が目撃された。クマは体長約1メートル。東に逃げていったという。乗用車で帰宅途中の近隣住民が目撃した。同署は付近の警戒や注意を呼び掛けている。
(クマ1頭目撃:栃木)
矢板署によると、30日午前8時20分ごろ、矢板市片俣の市道でクマ1頭が目撃された。クマは体長約1メートル。山林に入っていったという。散歩中の女性が目撃した。現場は運動公園や高校の近く。同署は付近の警戒や注意を呼び掛けている。
(木から落ちたクマの目撃情報:栃木)
鹿沼署によると、28日午前7時ごろ、鹿沼市深程の同市特別養護老人ホーム「粟野荘」北西にある山林でクマ1頭が目撃された。クマは体長約1-1・5メートル。木から落下したところを、粟野荘で介護作業中の男性が目撃したという。同署は付近の警戒や注意を呼び掛けている。
(クマ目撃情報:新潟)
29日午後7時半すぎ、南魚沼市清水瀬の新清水瀬橋付近の路上でクマ1頭を目撃したと、自動車で走行していた男性が南魚沼署に通報した。同署によると、クマは体長80センチほどで、川に逃げたという。
(クマ目撃相次ぐ:新潟)
県内で1日、クマの目撃が相次ぎ、警察や市役所が注意を呼び掛けている。午前6時すぎ、上越市名立区平谷の県道で、クマ1頭を見たと、散歩中の女性が市名立区総合事務所に通報した。市によると、クマは体長約120センチで、近くのやぶに逃げた。現場は平谷の集落内。午後1時半すぎには、胎内市坪穴の国道脇の草むらでクマ1頭を目撃したと、車で通りかかった男性が胎内署に通報した。近くの民家までは約500メートル。
(中学生がクマ発見:新潟)
三条市に届いたクマ出没情報によると、27日午前10時10分ころ、三条市新屋地内で五輪峠付近の県道を走っていた部活動中の中学生が、道ばたの草やぶの中でクマと思われる黒い動物を発見した。また、午後5時30分ころ、長見寺近くの道路上で子グマ2頭を発見した。ことしは下田地区の各地でクマの出没が多発しており、とても危険な状態とになっており、むやみに山に入らず、近づかないこと、畑作業などで山間地へ出掛けるときは鈴やラジオなど音の出るものを身につけて、クマに十分、注意するよう呼びかけている。
(クマ目撃情報:新潟)
28日午前5時半ごろ、津南町谷内の相吉集落で、民家の近くに子グマがいたとの情報が町に寄せられた。近くに小学校があり、町が注意を呼び掛けている。25日に女性(70)がクマに襲われ重傷を負った同町下船渡とは直線で約10キロ離れている。
(クマの目撃情報:長野)
8月31日(日)午前11時頃、ますみヶ丘の西部ルビコン(株)北側のトウモロコシ畑においてクマの目撃情報がありました。付近を移動される住民の方は十分注意してください。住宅付近であっても鈴・ラジオなど音の出るものを必ず身につけましょう。
(ゴミ出しで玄関から出た途端、突進してきたクマ:長野)
27日午後9時50分頃、長野県信濃町平岡、会社員の男性(51)が、自宅の玄関先でクマに襲われ、右腕にけがを負った。命に別条はないという。長野中央署の発表によると、クマは体長約1メートルとみられる。男性はゴミ出しをしようと玄関から出た際、クマが突進してきたという。自宅に逃げようとしたが間に合わず、右腕を1回かまれた。
(クマ情報の文字絵評判:青森)
クマの出没情報を伝えて注意を促す青森県警の短文投稿サイト「ツイッター」が、関心を集めている。お堅いイメージを払拭(ふっしょく)するような文字絵入りが好評だ。中にはフォロワー(登録読者)に紹介するリツイートの数が1500を超えたケースも。クマの目撃件数が増える中、県警は被害の未然防止に役立てばと期待する。クマ情報のツイートは県警広報課が昨年7月に始めた。目撃情報の増加を受け、県民にすぐに伝えようという試み。ツイートは「くま出ました!」といったタイトルで「8月20日午後3時30分ころ(青森市浅虫で約1メートル1頭)が目撃されました」などと発生場所やクマの情報を伝える。「くまを見つけたら静かに立ち去りましょう」といったクマと遭遇した際の対処法を教えるツイートもある。文章に文字絵で描いたクマや人のイラストを付けたのが特徴。クマからの逃げ方などをイメージしやすいようにと女性課員2人が発案した。「ソーッ」「ガウ?」など遊び心に富んだ表現も使い、かわいらしさを出している。フォロワーなどから「ほのぼのした」「笑っちゃいけないけれど緊張感伝わらない」などのコメントが次々に寄せられ、インターネット上で注目が集まった。県警の普段のツイートは数件しかリツイートされないが、クマは多いときで1500を超えるリツイートがあるという。県警によると、青森県内では2012年に306頭、13年に225頭のクマが目撃された。ことしは8月26日現在で236頭が目撃され、既に昨年の総数を上回った。クマに襲われ、2人がけがをしている。近年は人里近くや道路脇などでの目撃例が増え、幅広い世代に注意を喚起する必要に迫られている。高坂精一広報課次長は「情報は見てもらわなければ意味がない。分かりやすい文面を意識しながら、今後も親しみやすいツイートを続け、被害の未然防止につなげたい」と話した。
(アヤメ保護網増設へ、シカ食害防止に効果:山梨)
南アルプス市などは11月、櫛形山で、アヤメ群落をシカの食害などから守るための防護ネットの設置箇所を増やす。防護ネット内ではアヤメの自生本数が3年間で約18倍に増加。効果が挙がっていることから、南アルプスの国連教育科学文化機関(ユネスコ)の生物圏保存地域「エコパーク」登録を機に、裸山エリアの1万平方メートルを新たに防護ネットで囲う。櫛形山は、適切な保護、管理をしながら、環境教育、調査研究活動や観光、レジャーに利用できるエコパークの「緩衝地域」に位置する。櫛形山はかつて「東洋一」と呼ばれるアヤメ群生地として知られ、市みどり自然課によると、1985年には約3千万本が咲き誇り、草原一面が花の紫色で染まり、ハイカーの目を楽しませていた。しかし、ニホンジカやイノシシの食害や踏み荒らしによってほとんどのアヤメが咲かなくなっていた。市は2007年に専門家らで立ち上げた「櫛形山アヤメ保全対策調査検討会」と協力して、野生動物の侵入を防ぐ防護ネットの設置を始めた。ネットは現在、櫛形山の裸山、アヤメ平エリアでアヤメの群落を囲うように約7万1千平方メートルの範囲に設置。11月からは、新たに裸山エリアの登山道沿いをネットで囲う。作業は、ボランティアや市職員で行う。防護ネットを設置した範囲のアヤメの自生本数は、本格的に観測を始めた10年は25本だったが、13年には461本に増えた。同課は「防護ネットの効果がはっきりと表れている。エコパークに登録された南アルプスの自然を守るための活動を続けていきたい」としている。
(シカ食害による林床砂漠や崩壊:高知)
高知県の物部川の源流域であり、三嶺をはじめとする山々が山容を誇る香美市物部町の森林地帯で、シカの食害を防ぎ、植生の回復を図る取り組みが続けられている。シカの捕獲が一定進み被害の進行は場所によっては抑制されているが、大きな傷痕が残る。四国山地でわずかに残る原生的森林の現状はどうなのか。「三嶺の森をまもるみんなの会」の依光良三代表と、三嶺中腹にあるさおりが原周辺を歩いた。さおりが原は森の中の平たん地で、山歩きには格好の休憩地。見上げると木々が枝を張り、緑が豊かに広がっている。しかし、目線を下げると草は食べ尽くされ、「林床砂漠」の様相を見せる。これを「街中の公園」と見れば大きな違和感はないかもしれない。しかし、生物多様性が失われているのは以前の状態と比べれば明らかだ。
(野生鳥獣被害、実態調査:群馬)
野生鳥獣による農林業被害や対策の実態を把握しようと、県鳥獣被害対策本部は29日、沼田市内3カ所で囲いわなや電気柵などを現地調査した。視察後、農業関係者6人と意見交換。電気柵は効果がある▽クマは作物を食べるだけでなく通学路にも出没する▽クマが河川敷を移動しているので整備してほしい−−などの声が出た。対策本部の担当者は「聞いた話を参考にしながら県全体の問題として対応する」と話した。
(クマ目撃増で対策会議:兵庫)
朝来・養父両市内の人里近くでクマの目撃情報が増えていることを受け「南但馬熊対策連携会議」が28日、朝来市和田山町の朝来署で開かれた。クマが現れた時に住民の安全を守るため、警察と行政の連携を図る狙い。県森林動物研究センター(丹波市)によると、県内の2013年度の推定生息頭数は673頭。今年度、センターに寄せられた目撃件数は、朝来市内32件▽養父市内44件(いずれも8月20日まで)で、県内全体は325件(8月27日まで)だった。また、警察への通報件数(6月1日〜8月24日)は▽朝来市内14件(昨年同期比7件増)▽養父市内12件(同3件増)と昨年より増えている。会議には朝来・養父2署、朝来・養父2市、県朝来農林振興事務所などから14人が参加。センターの廣瀬泰徳・森林動物専門員がツキノワグマの行動などを説明した。ドングリが凶作の年はクマが人里の柿などを求めて現れる傾向があること、クマが驚いてパニックになると攻撃してから逃げる習性があること、などを話した。また、森林に入る時はラジオなど音の出る物を持って人の存在を知らせることも呼び掛けた。朝来署の桑野真一署長は「今年はクマの目撃情報が多く、民家の近くまでクマが出ている。人身の安全を憂慮しており、各機関が集まりいろんな意見やノウハウが出て良かった」と会議を評価。今後は「他機関とさらに連携を強化して住民に危害が加えられないようにしたい」と話した。
(狙いを定めて、ライフル射撃体験:和歌山)
ライフル射撃競技を多くの子どもたちに知ってもらおうと「ジュニアライフル射撃体験教室」が26から28日の3日間、和歌山市西浜の県屋内ライフル射撃場(早田商店内)で開かれ、約80人の小中学生が参加した。市体育協会が主催し、「きのくにジュニアスポーツ推進事業」として開催。参加者は光線やデジタル信号で10㍍先の的を狙うビームライフルと、デジタルピストルを体験した。初日の前半の部には14人が参加。ライフルの扱い方や、競技のルールを学んだ後、国体強化選手らの指導の下、ライフルを構え、的に狙いを集中。射撃を重ねるたびに上達し、高得点を打ち出していた。参加した和歌山市立雑賀小6年の金井瑠花さん(11)は「屋台の射的から射撃に興味を持ってやってみたかった。ライフルは重かったけど、高得点が出るとうれしい。もっと上手になりたい」とにっこり。県ライフル射撃協会の出来可也副会長(62)は「教室を体験した子どもたちの中から、将来、活躍する選手が生まれると最高ですね」と話していた。
(イノシシ解体会社を設立:石川)
石川県内に生息範囲が広がり、農作物を荒らすイノシシを地域資源として活用しようと、北陸先端科技大学院大に通う20代の学生5人が会社を設立した。猟師が捕獲したイノシシを解体し、肉や皮、毛、骨を飲食店や工房に仲介、商品化のアイデアも出し、手数料を利益にする。北海道や京都の飲食店への販路開拓を進めており、新たな北陸のブランドを目指す。知識科学研究科の吉村祐紀さん(24)、藤丸紘樹さん(25)ら5人が5月ごろから準備を進め、7月下旬に登記を終えた。現在、解体に必要となる狩猟免許の取得に向けて準備を進めている。起業のきっかけは、大学が白山麓で展開するイノシシ活用のプロジェクトへの参加で、「捕まったイノシシを処分するだけではもったいない。食肉だけではなく、丸ごと商品にすれば売れるのではないか」という意見が出て、起業を志していた学生有志がビジネスモデルを練り上げた。肉はジビエ(狩猟による野生の鳥獣肉)として飲食店に販売する。皮はなめしてもらってバッグや財布、毛は化粧用の筆に加工、骨は砕いて九谷焼の素地(きじ)に混ぜることを視野に交渉を進めている。来年11月末までの初年度に、イノシシ100頭を丸ごと商品化する目標を掲げた。IT企業に勤務していた吉村さん、流通・アパレル関係の会社に勤めた藤丸さんが営業を担当し、販路拡大を担う。吉村さんはつてを頼って北海道のバーや京都の日本料理店とも食肉や加工食品を卸す約束を取り付けた。藤丸さんは生息地の拡大が進む羽咋市など能登での事業展開を模索している。社名は「ハタブネコンサルティング合同会社」とした。イノシシの事業が軌道に乗れば、事業を子会社に託すやり方で成長する「旗艦」としての企業像を思い描く。「規模はまだ小さいが、北陸新幹線の駅弁にイノシシ肉を使ってもらうなど、少しでも北陸の名物を増やしたい」と吉村さん。今後はイノシシ事業とともに、各地で生い茂るクマザサを加工してアロマオイルやお香、リキュールなどへの商品化を検討していく。
(「ジビエの工房」手応え:愛媛)
松野町の猟友会メンバーが仕留めた野生のシカやイノシシの肉「ジビエ」が好調に売れている。農作物や森林を荒らす有害鳥獣を駆除し、その肉を過疎の町の特産品にしようという一石二鳥の取り組みだ。町内の施設で処理する肉の品質は上々の評判。県内外のレストランなどから注文が舞い込み、品切れになる時もあるほどだ。8月24日午前10時頃、メンバー最高齢の美国正夫さん(82)は軽トラックで松野町富岡の獣肉加工処理施設に乗り付けた。荷台には1頭のイノシシ。約30分前に、施設から3キロほど離れた山中でワナと猟銃で仕留めた獲物だ。待ち受けた山口孔明さん(34)が施設内に運び入れ、手早く解体に取りかかった。美国さんは、狩猟歴60年のベテラン。これまでにシカとイノシシを5頭ずつ駆除し、施設に持ち込んだ。サツマイモや稲を荒らされた経験もあって、「駆除すれば他の農家にも喜ばれる。元気な間は続けたい」と意気盛んだ。加工施設は、猟友会メンバーらでつくるNPO法人「森の息吹」が運営する。今年4月、松野町が旧ガラス工房の一部を改修し、6月に「森の息吹工房」として開業した。改修や冷凍庫の購入などにかかった費用は約3500万円。3分の1は国の補助金で賄い、残りは町が負担した。町は森の息吹を指定管理者とし、補助金を出すなどして支援する。取引先は松山市のほか東京や大阪にも広がり、レストランや飲食店など30軒を超える。8月9日に松山市大街道のロープウエイ街にイタリア料理店「リストランテ ミカニア」を開店した吉良一也さん(56)は、6月に工房を訪ねて、30キロのシカ肉を注文した。コース料理のメイン食材にしており、「初めて食べるお客さんからも『味にくせがなくておいしい』と好評ですよ」と太鼓判を押す。NPOの森田守会長は「夏はシカが脂がのってうまい。ロースが税抜きで1キロ3000円で、相場より1000~3000円も安い」と胸を張る。山口さんは、解体処理から取引先の開拓までを引き受ける。「口コミで少しずつ問い合わせが増え、予想以上の売れ行き。肉質の良さを皆さんがわかってくれている」と手応えを感じる。シカやイノシシの肉は、解体処理するまでの時間が短いほど、食べる際の獣臭さを抑えられる。狩猟経験の豊富なメンバーが、仕留めたその場で血抜きをし、短時間で工房に持ち込むからこそ実現できる品質で、山あいの町ならではの立地の強みでもある。順調な滑り出しを見せるジビエ事業だが、牛や豚などの畜産と違って肉の安定供給には課題を抱える。山口さんによると、引き合いの多いロース肉は1頭から数%分しか取れず、メンバーの多くが米の収穫などに追われるこの時期は、獲物が思うように入らないという。野生動物が資源のビジネスゆえの難しさだが、町農林課の藤薮享史主任(37)は「あえて安定供給は狙わなくても良いのでは」と話す。「できるだけ肉の確保に努めてもらいながらも、欲しい時に手に入らないことが、ジビエの付加価値のアップにもつながる。そういう視点も入れて、事業を展開してもらえたら」と森の息吹の今後に期待を寄せる。松野町はこれまで、金網や電気柵を設置して有害鳥獣が農地に入るのを防いだり、猟友会に依頼して銃やワナで捕獲したりしてきた。これにより、シカとイノシシを合わせた捕獲数は2011年度が878頭、12年度が588頭、13年度741頭に上る。農林産物の被害は緩やかに減少し、13年度は約26.8トンと、ピーク時の09年度(38.7トン)の7割に減った。一方、捕獲したシカやイノシシの処理は、町の難題となった。これまでは遊休農地などに埋めてきたが、高齢者が多い猟友会メンバーには重労働で負担が大きい。さらに、捕獲数が増えるほどに埋設場所の確保にも事欠くようになった。町は焼却施設の建設も検討した。しかし、重油代など維持費がかさむ上、迷惑施設として周辺住民が反発する恐れもあり、実現しなかった。有害鳥獣を駆除するほどに膨れあがる処理の問題。このジレンマを解消するのが、ジビエとしての有効活用だ。藤薮主任は「捕獲した獣の肉の販売が地域興しにつながり、獣害が減れば農家の支援になって一挙両得だ」と話す。

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