<射撃ニュース10月>

10/12
(クマ出没、夫婦ケガ:岩手)
11日午後3時半頃、八幡平の山頂レストハウス近くのトレッキングコースで、奈良県から訪れた69歳の男性と68歳の妻が下山途中、突然成獣と見られるクマ1頭に襲われた。男性は左耳と右腕、妻は左足と胸のあたりをひっかかれ、病院に運ばれたが、命に別条はないという。2人は当時ほかの4人と一緒に歩いていたが、コースの奥の茂みで物音がした後、熊が襲ってきたという。八幡平は今の時期紅葉を見物に全国から大勢の観光客が訪れることから警察などではクマの出没に注意を呼びかけ。
(シカ出没で“大捕物”:千葉)
大網白里市南今泉のため池に9日、シカ1頭が出没し、市や消防などが約7時間にわたる大捕物の末に捕獲した。海岸に近い同地区でシカの目撃例はなく、奔走した市職員や見守った付近住民らは一様に驚きを隠せなかった。市によると同日午前8時ごろ、近くに住む市職員がため池内にいるシカを発見した。市と県の職員や東金署、消防など約30人が駆け付け捕獲作戦を練ったが、池には約2メートルほどの雑草が生い茂っており、シカが隠れて手が付けられず難航した。午後0時20分ごろから消防の放水でシカを追い込み、網で捕獲しようとしたが失敗。その後は池の両側からロープを張って端に導き、ロープをシカの角に引っかけて午後3時すぎにようやく引き上げた。池は白里海岸から約200メートルほどの場所で、近くに住む堀本清さん(70)は「山はないのに、どこから来たんだろう。タヌキやハクビシンはいるが、シカは初めて見た」と驚いていた。市によると、捕獲されたシカは体長約1・6メートルのニホンジカとみられ、性別は不明という。「立派な角があったので心配だったが、住民がけがをすることなく、安心して夜を迎えることができて何より」と胸をなで下ろしていた。
(アライグマ民家に、市職員が処分:福岡)
田川市伊田の民家で9日午前9時半ごろ、「アライグマのようなものが木に登っている」と住民から市役所に通報があった。特定外来生物のアライグマは有害鳥獣で駆除対象になっており、駆けつけた市職員が処分した。現場の周囲には田や小高い山があり、アライグマは民家の庭の柿の木に登っていた。駆けつけた県猟友会田川支部事務局長の實藤清實さん(77)によると、アライグマは民家の飼い犬を警戒してなかなか下りず、實藤さんが先端に縄を結んだ棒を急場でこしらえて捕獲。その場で市職員に引き渡したという。北九州市立いのちのたび博物館(八幡東区)の山根明弘学芸員(49)は毎日新聞の取材に「尾のしま模様と鼻の上にある縦線からアライグマであることは間違いない」とし「テレビなどでかわいいイメージがあるが、成長すると凶暴。北米原産だが最近は県内でも多くの発見例があり、何でもかむ習性があるので十分気をつけてほしい」と話している。
(サル連日出没、注意を呼びかけ:福岡)
行橋市南泉近辺で6〜9日にかけ連日、サルが出没し、市農林水産課が注意を促している。現地は八景山団地と呼ばれる戸建ての住宅地。サルは6日と7日に1件ずつ、8日に3件、9日に1件の目撃情報があり、いずれも1匹が民家の庭先で確認されている。市は自治会に注意喚起したほか、児童生徒の保護者へのメールで、見かけたら近づかないよう呼びかけた。今年はカキの当たり年でサルは果実を求めて山から下りてきたとみられる。市農林水産課は「庭のカキやミカンは実をもぎとり、犬の餌は食べ残しがないよう確認してほしい」と話している。
(クマから身守る方法、児童が学ぶ:福井)
クマから身を守る方法を子どもたちが学ぶ講習会が6日、福井市すぎのこ児童館で開かれた。下宇坂小の児童10人が、クマに遭ったときの対処法について知識を深めた。市によると、今年4~7月に市内で59件の目撃情報があり、うち7件が地元美山地区。講習会は同児童館の要望で市と市有害鳥獣捕獲隊が昨年に続き開いた。1~3年生が参加した。同捕獲隊の宮下堅司事務局長は、「クマも人間を怖がっている。人間の存在を知らせるために、外出するときは鈴を身につけて」と説明。もし遭遇したら、クマを驚かさないように大きな声を出さず、静かにその場を立ち去ることなどを指導した。子どもたちは、今年美山地区で捕獲された成獣の毛皮も見た。爪を触った子どもたちは「硬い」「怖い」などと声を上げていた。櫻谷彩音さん(1年)は「これからもちゃんと鈴を持って出かける」と元気よく誓っていた。
(動物園から逃げ出した「キョン」が大繁殖:東京)
愛くるしい眼(まなこ)で有名な小型のシカ「キョン」が伊豆大島(東京都大島町)で大量繁殖し、島名産のアシタバなどを食い荒らしている。繁殖に捕獲が追いつかない状態で、大島では人口よりもキョンの数の方が多くなってしまう事態に。また、房総半島南部(千葉県勝浦市など)でも急増し、有害鳥獣として捕獲対象になっている。食用や革製品として提供しているところもあるが、ごく一部に限られ、“厄介者”となったキョンに東京都などが頭を悩ませている。昭和49~55年に少年誌で連載されたギャグ漫画「がきデカ」(山上たつひこ作)の中で、「八丈島のきょん!」というフレーズがあり、一躍有名になったキョン。50代の都職員は「われわれの時代は、キョンといえば『八丈島のきょん!』。人気があったんだけどね」と振り返る。キョンはシカ科の動物で中国南東部や台湾が原産。体重約15キロで、大きさは中型犬ほど。生後1年ほどで繁殖が可能になり、年中繁殖が可能という。農業被害を及ぼす特定外来生物に指定され、東京都が平成19年度に、千葉県が21年度にそれぞれ駆除計画を立て、根絶に取り組んでいるが、生息数は年々、増えている。伊豆大島では昭和45年、都立大島公園(動物園)で飼われていたキョン十数頭が台風で壊れた柵の間から逃げ出して野生化し、繁殖したとみられる。キョンの天敵であるオオカミやクマがいなかったことも繁殖を加速させた。都環境局によると、平成22年度の調査では、キョンの生息数は推定3千頭。1年に1千頭ずつ捕獲していけば、5年後には根絶できると見込んでいた。だが、26年度の調査では推定1万1千頭にまで急増。約8300人の大島町の人口よりも多くなった形で、キョンの増加数に捕獲数が追いついていないという。都の担当者は、急増の理由について「調査の精度が上がり、より正確な実態がつかめるようになってきた」と説明する。逆算すると、22年度の調査時点で、すでに生息数は6千匹に及んでいたとみられるという。この事態を受け、これまで「東京都が逃がしたのだから、東京都が責任を持って根絶すべきだ」としていた大島町も、今年度から対策に乗り出した。大島町の統計によると、26年度の鳥獣によるアシタバなどの農産物の被害額は約581万円。うち約380万円がキョンによるものという。畑が全滅した農家もあり、町では人家や畑の周辺を中心に、わなを仕掛け捕獲している。房総半島では昭和30年代、千葉県勝浦市の動植物園「行川アイランド」(平成13年閉園)から脱走したキョンが野生化。19年度は推定3400頭だったのに対し、26年度末は約4万7千頭に増えている。千葉県の26年度の農業被害額は計3億8千万円で、そのうち、イノシシが約1億9千万円と半分以上を占め、キョンは77万9千円にすぎないが、「今から手を打たないと大変なことになる」(県の担当者)と危機感をあらわにする。捕獲されたキョンはほとんどが殺処分されるが、一部、食肉や革製品として活用されているものもある。フランス料理店「deco」(東京都渋谷区)では2年前ごろから、房総半島で捕獲されたキョンを猟師から直接仕入れ、ローストしたり、ミンチにして「パテ」にしたりして不定期で提供している。シェフの室田拓人さん(33)は「鹿肉をあっさりさせた感じ。当店で初めて食べる人がほとんどだが、『おいしい』となかなか好評ですよ」と話す。また、キョンの頭皮から作られたセーム革は最高級品で、バイオリンなどの楽器の手入れに用いられている。しかし、産業に結びつけるには、食肉処理場などの整備をはじめ、人材育成や採算性などの課題があり、大島町の担当者は「対策に乗り出したばかりで、産業化を検討する段階にはない」と説明する。都の幹部も「早急に駆除することが優先で、産業化は難しいだろう」と述べ、キョンとの戦いに効果的な方法を見いだせずにいる。
(駐在所で拳銃暴発、警察官「手が滑った」:北海道)
11日午後6時10分ごろ、北海道剣淵町仲町の道警士別署剣淵駐在所で、30代の男性巡査部長が拳銃を落とし、1発を暴発させた。銃弾は天井に当たったが、けが人はなかった。道警士別署によると、巡査部長は同日午後6時に勤務を終え、1人で拳銃を保管庫に入れる作業をしていた際に落としたという。「手が滑った」と説明しているという。同署が12日に現場検証を行い、銃弾を探している。同署の岡誠二副署長は「事実確認をして原因を究明する。規定違反があればしかるべき対処をし、再発防止に努めたい」と話した。
(イノシシらーめん考案:島根)
島根県出雲市佐田町大呂の御幡(みはた)地区の住民でつくる「みはた特産品研究会」(渡部良治会長、16人)が、イノシシ肉と骨を使った「いの骨(こつ)らーめん」を考案した。10日から3日間、同地区にある集会所「なかよし会館」で試食販売を行う。評判がよければ地区内で週末などに定期販売したい考えだ。山間部の御幡地区では、田畑を荒らす厄介者のイノシシを食材として地域活性化に生かそうと2007年に同研究会を発足させ、イノシシ肉を使ったカレーやコロッケなどを開発、市内外の地域イベントで販売している。14年3月からは地区内に肉処理場と食品加工場を整備、会員が狩猟から加工まで手掛けている。これまで捨ててきた骨の利用に着目、1年かけてラーメンを開発した。スープはしょうゆベースで、骨をタマネギ、ニンジンなど地元産野菜と一緒に2日間煮込み、あっさりした味。トッピングのチャーシューはイノシシのバラ肉を柔らかく煮込み、肉の甘みを感じられるように仕上げた。渡部会長(65)は「たくさんの人に食べてもらい、地域のいいところを輝かせたい」と話した。
(イノシシを食べませんか:佐賀)
ここ2週間ほど、唐津市の中心街でイノシシが暴れ回ったニュースが気になった。6日には雌1頭が捕獲されたものの、幾度か目撃されたイノシシがこの1頭だけかどうかは分からない。基山町で、箱わなに掛かったイノシシを処分するところを見せてもらったことがあるが、体当たりするイノシシの力はすさまじかった。今回もかみつかれて負傷する被害が出ており、対策が必要になろう。環境省の調査によると、県内のイノシシ分布は、1978年には福岡県境の脊振山周辺や長崎県境の多良岳山系でしか確認されていなかったのに、2003年には佐賀平野の一部を除く全県に及んでいる。唐津の例は、イノシシが山から市街地にあふれ出てきたのか。増える理由はオオカミなどの天敵がいなくなったことや温暖化、耕作放棄地の増加で人里近くでも身を潜めるやぶができたこと、街中にあるごみが餌になることなどが挙げられる。いずれも人間の活動の結果であり、私たちが生態系のバランスを崩した。その責任をどう取るかは難しいが、とりあえず食べることでは協力したい。以前、佐賀市であったイノシシ料理の試食会では大方は美味だった。きちんと処理したものはいやな臭みもない。食べたことのない人もぜひ一度味わってみてほしい。

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10/9
(400キロのヒグマを駆除、「こんな巨体見たことない」:北海道)
9月26日、紋別市上渚滑町立牛のデントコーン畑で、体重400キログラムのオスのヒグマが駆除された。冬眠に備えてデントコーンを食べ、そこで寝るという日々を繰り返していたらしく、かなり太った体格だった。2人組で駆除に当たったハンターの1人は「50年やっているが、こんなに大きなクマは見たことが無い」と驚いている。市内では他に、渚滑町宇津々と藻別でも推定350キロ以上の巨大ヒグマの足跡が確認されていて、紋別市は猟友会の協力を得てパトロールを実施するなど警戒している。今年は国内最悪の獣害とされる三毛別羆(さんけべつ・ひぐま)事件(1915年12月、7人死亡・3人負傷、北海道・苫前町)からちょうど100年。このときのヒグマは体重340キロで、今回の巨大クマはさらに大きい。なお紋別市民会館2階ロビーに展示されているヒグマの剥製(北米・アラスカで駆除)も、体重が400キロだったと記されている。ハンターの1人によると、デントコーン被害によるヒグマ駆除依頼を受けて現地を確かめたところ予想以上のひどさだったため、仲間を呼んで2人態勢で臨むことにしたという。残っていたデントコーンをコンバインで刈り取ってもらい、ヒグマが隠れているエリアを狭めていったところ、突然、巨大なクマが飛び出してきたという。そこで猟銃を撃ち、命中させた。ユニックで吊り上げて測定したところ、体重はちょうど400キロ。このハンターが10年前に仕留めた310キロのクマを優に超える新記録となった。「巨大ヒグマを捕った」との話題は地域を駆け巡り、集まった大勢の人たちも、その大きさに驚いたという。
(捕獲、決め手は“ラグビー魂”:佐賀)
6日、佐賀県唐津市の住宅街に突如現れた体長およそ1メートルのイノシシ。実は、このイノシシ、6日午後から男女4人にけがを負わせた後、寺の境内に逃走しました。市や警察がネットを持って捕獲を試みますが・・・、反撃に遭うなど大捕り物となりましたが、その窮地を救ったのが、なんと元ラガーマンの55歳、原田正明さん。強靱な相手も恐れないラグビー魂で暴れるイノシシをたった1人で押さえ込みました。「結構大きかったんで、私もどういうふうに動くのかなと思ってたら、ガーッと来たんですよ。走ってドドドドッと。で、私はこっちの方へ逃げたんですよ。ここらあたりで逃げてもしょうがなかったので、取っ組み合いみたいになってしまいました。いっきにドーンと体重をかけて『これでもか』と」(イノシシを捕獲した原田正明さん)唐津市によれば、捕獲したイノシシは離島から海を渡ってきた可能性もあることから、まだ複数頭いることも視野に入れて、警察などが引き続き、警戒を呼びかけています。
(「イノシシにかまれた」78歳男性ら2人けが:熊本)
4日午前7時50分ごろ、熊本県阿蘇市車帰の無職男性(78)宅から「イノシシにかまれた」と110番があった。阿蘇署によると、男性と、同居するパートの女性(69)が手や脚などにけがを負い入院した。意識はあり、命に別条はない。阿蘇署によると、駆け付けた警察官が、男性宅の庭でイノシシを発見。敷地内にある納屋に追い込み、地元猟友会が射殺した。イノシシは体長約120センチ、体重約100キロの雄だった。男性は女性と2人暮らしで、2人が玄関から出たところにイノシシが突っ込んできたという。
(イノシシ衝突、70代女性けが:広島)
広島県福山市は8日、市街地でイノシシが出没し、同市内の70代の女性がけがをしたと発表した。イノシシは同日夕までに発見されていないことから市は注意を呼びかけるとともに、周辺のパトロールを強化している。市によると、7日午後8時50分ごろ、同市南今津町にイノシシ2頭が出没し、市民が広島県警福山西署に通報した。午後9時20分には同町のすぐ近くの同市高西町で1頭の目撃情報があったほか、イノシシと思われる動物と女性の左足が衝突し、女性が15センチの切り傷を負って病院へ搬送されたという。市の担当者は「イノシシが興奮している可能性もある。見つけたら刺激をせずに静かに立ち去って警察や市に通報してほしい」と話している。
(乗用車をクマがひっかく?:福島)
郡山市西田町土棚の住宅敷地で、駐車してあったこの住宅に住む男性の乗用車の運転席ドア部分に、クマの爪痕とみられる傷が数カ所見つかったことが3日、郡山北署への取材で分かった。同署によると、1日午後11時ごろから2日午前9時ごろにかけて、車内にあったオレンジジュースのペットボトルなどを狙ってクマが傷を付けたとみられる。同署は、周辺のパトロールを強化し、住民に注意を呼び掛けた。
(クマ、乗用車と衝突し山に逃走:山口)
29日午前6時半ごろ、周南市中須の国道376号で、周南市須々万本郷の男性会社員(58)運転の乗用車が山林から飛び出してきたクマ1頭(体長約1・5メートル)と衝突した。会社員にけがはなかった。周南署によると、クマは乗用車の右前輪やドアに衝突し、そのまま走って山林に逃げ戻った。男性の通報を受け、同署がパトカーで付近を巡回する一方、周辺の住民や小中学校に警戒を呼びかけた。現場は周南市中須支所の西約1・5キロ。市農林課は「農作業や散歩などで山に入る時は、鈴やラジオを携帯して人の存在をクマに知らせるように」としている。
(アライグマ捕獲、外来生物法の施行後県内初:宮崎)
県は7日、特定外来生物のアライグマ1匹が日之影町の山中で捕獲されたと発表した。九州では北部を中心に繁殖し、農作物の被害などが問題となっている。2005年の外来生物法施行以降、県内での捕獲は初めて。狂犬病にかかっていたり、人にも感染するアライグマ回虫が寄生していたりする可能性があり、県自然環境課は「発見した場合は近づかず、行政機関へ連絡してほしい」と呼びかけている。同課によると、猟友会の男性が9月11日、イノシシや鹿のわなに掛かっているのを発見。その場で殺処分し、写真を撮影して町に届けた。尾も含めた体長は約1メートルで成体とみられる。アライグマは北米原産で雑食性。環境省九州地方環境事務所(熊本市)によると、九州では長崎や佐賀、福岡を中心に、11年度に1687匹、12年度に2126匹が捕獲されている。ペットが逃げ出すなどして繁殖したと見られる。外来生物法では、人や生態系に悪影響を与える特定外来生物は飼育や輸入、運搬が原則禁止され、見つかると殺処分される。県内では11年4月、椎葉村の九州大実習林に設置されたカメラに映っていた例がある。県が周辺にわなを設置したものの、掛からなかった。
(イノシシが目撃される:大分)
6日午前、竹田市中心部に体長1メートルほどのイノシシが出没し、市が住民に注意を呼びかけています。6日午前9時すぎ、竹田市田町の商店街付近で「イノシシがうろうろしている。」と付近の住民から警察に通報がありました。警察と消防が駆け付けましたがイノシシは確認できませんでした。目撃した人の話によりますとイノシシは体長1メートルほどの大きさだったということです。警察と消防がパトロールを実施したほか、市も防災無線で注意喚起を行いました。市は山から下りてきたイノシシは興奮状態にあるため発見した場合は市や警察に連絡するよう呼びかけています。
(イノシシ目撃情報:茨城)
8日午前2時ごろ、土浦市藤沢のアパート駐車場に「イノシシが出没した」との110番通報が近所の住民から寄せられた。現場に近い同市上坂田の畑でも6日朝、目撃されており、土浦署と市は警戒を強め、付近を捜索している。近くに住む農家男性(70)は「この辺では普通は出ない」と話し「おととい(6日)の朝7時ごろ、庭でガサガサと音がした。イノシシが家の庭を通り越して隣の家の庭に来た」という。その上で「有刺鉄線に頭を引っ掛けたみたいで、いくらか手負いになっている」と話した。市教育委員会は目撃現場に近い藤沢小と都和南小に対し、保護者送迎による登下校を要請。新治中や都和中など周辺の小中学校にも出没情報を伝え対応を要請した。市農林水産課によると、イノシシによる農作物への被害報告は入ってとしながらも「庭などを踏み荒らしたり、鼻で地面を掘り上げたなどは聞いている」という。同署関係者は「(福島原発事故で)イノシシから放射性物質が検出されるなどしたため近年狩猟が行われなくなった。これから冬場にかけエサが無くなるときが不安だ」と話している。今回目撃された現場はショッピングセンター「さんあぴお」から数百メートル近く離れ、付近には畑地や介護施設、民家、工場などが混在している。
(公民館付近でイノシシ4匹目撃:福岡)
9日午前10時28分ごろ、福岡県太宰府市連歌屋3丁目の連歌屋公民館付近で、イノシシが4匹うろついているとの目撃情報があった。福岡県警筑紫野署は「イノシシを見かけたら、安易に近づかず、挑発などしないように」と呼びかけている。
(ハンター山林へ、北海道内で解禁:北海道)
今季のエゾシカ猟が1日、道内で一部地域を除いて解禁され、道内外のハンターが日の出とともに各地の山林に入った。石狩管内当別町の道有林では、道猟友会当別支部長を務める札幌市北区の林業向井正剛(せいごう)さん(46)がさっそく銃を構え、エゾシカを狙った。向井さんは「シカに樹皮を食べられたとみられる木が目立つようになった。当別でもシカが増えているようだ。一頭でも多く仕留めたい」と話した。道によると、道内の2014年度のエゾシカ推定生息数は、前年度比6万頭減の48万頭(データが少ない南部=渡島、檜山、後志管内=を除く)。ただ、生息範囲は南部にも広がっているとみられ、エゾシカによる農林業被害額は46億円と依然高い水準にある。猟期は一部地域を除き来年3月31日まで。
(中心街にシカ、小学校の登校を一時見合わせ:静岡)
静岡市の中心街近くにシカ出現です。住宅の敷地内に潜んでいたのは、立派な角を生やした体長1メートルを超えるシカです。8日朝、静岡市中心街近くの住宅に野生のシカが現れ、市の職員や警察が出動する騒ぎとなりました。しばらくの間、市職員や警察とシカのにらみ合いが続きましたが、午前9時すぎ、日本平動物園の職員が麻酔銃を撃って弱らせたシカを捕獲しました。シカが静岡市の中心街に姿を現すのは珍しく、静岡市は近くの小学校の登校を一時、見合わせるなどの対応をとりました。
(アライグマを初捕獲:宮崎)
宮崎県は7日、農作物を食い荒らす特定外来生物のアライグマ1匹を、県内で初めて日之影町で捕獲したと発表した。アライグマは、人に感染すると脳障害をもたらす「アライグマ回虫」が寄生している可能性があり、県は発見したら通報するよう呼び掛けている。県によると、猟友会員が9月11日、同町でわなにかかった1匹を確認した。体長約1メートルで、同日中に殺処分したという。県内では2011年、椎葉村に設置した自動カメラで1匹を撮影したが、その後は発見されていなかった。環境省によると、アライグマは九州7県で宮崎県だけ捕獲実績がなかった。農林水産省の集計では、アライグマによる農作物被害は13年度、国内で約3億3900万円に上っている。
(白神山地周辺にまたニホンジカ)
環境省東北地方環境事務所は6日、青森、秋田両県にまたがる世界遺産白神山地の遺産地域から約12~15キロ離れた青森県深浦町と鯵ケ沢町の山林で、ニホンジカがそれぞれ1頭見つかったと発表した。同事務所などが設置したセンサーカメラに写っていた。青森県側白神山地周辺での確認例は本年度に入り7件目。同事務所によると、9月12日午後6時45分ごろに深浦町の国有林付近で性別不明のシカ、10月1日午前5時10分ごろに鯵ケ沢町の白神の森遊山道でオスのシカをそれぞれ撮影した。シカは白神山地に植生するブナの樹皮を食べるため、遺産地域内の生態系への影響が懸念されている。同事務所の藤井沙耶花自然保護官は「遺産地域から少し離れた場所でも発見されており、県内で生息範囲を広げている可能性がある」と指摘した。
(シカ水路転落:長野)
30日午前8時半ごろ、長野市篠ノ井小松原の農業用水路にニホンジカが落ちて出られなくなったと近所の人から市役所に通報があった。駆け付けた市職員らが同10時半ごろ、捕獲した。体長1メートル40センチほどの雄で、市職員らが捕獲後に軽トラックで運んで近くの山に放した。用水路は、長野市中心部から西方の住宅や農地が点在する地域にあり、幅約4メートル、水深約1メートル。敷地内に用水路が流れる酒造会社社長の飯田基(もとい)さん(67)が30日午前2時ごろ、用水路からいつもと違う水の音が聞こえるため、様子を見に行ったところ、シカが水路内で駆け回っていた。朝になってもいたため、長野市いのしか対策課に通報。同10時半ごろ、市職員らがロープをシカの角に掛けて4人がかりで用水路から引き上げ、山に放した。飯田さんによると、近くの山からシカが出てくることは多く、2011年にも同じ用水路にシカが落ち、救出されたことがあった。市いのしか対策課は「現場周辺では、リンゴの木の芽や野菜が食べられるシカの食害が深刻だ。この地域を含め、人が住む場所近くへのシカの進出は年々増えている」としている。
(ヒグマ出没が増える恐れ、ドングリ凶作:北海道)
道は5日、ヒグマが10~12月に、市街地や農地へ出没する頻度について、例年より増える恐れがあると発表した。主食となるミズナラの実(ドングリ)が2年ぶりに全道的に不作や凶作になっているためだ。専門家は住宅街の屋外で生ごみの放置を避けるよう呼び掛けている。道が9月に、全道でクマが好んで食べる木の実4種類について調査した。ミズナラの実と、道南に分布するブナの実(ドングリ)が不作や凶作だった。ヤマブドウとサルナシの実が一部の地域で不作や凶作だった。道は2005年度から毎年、道内の大学付属演習林や林業試験場などで4種類を調査し、出没予測をしている。実が不作や凶作だった11年度は、10~12月の捕獲頭数が前年の2・7倍にあたる322頭に増え、札幌市中央区にある円山、山鼻地区などの住宅街でも出没した。
(秋のヒグマにご用心:北海道)
冬眠を控えたクマが餌を求めて動き回る一方、人間もキノコ採りなどで山野に入り、クマが人に被害を及ぼす事故が多い時期を迎えた。空知管内各地でクマの目撃情報があり、岩見沢市や美唄市ではキャンプ場が立ち入り禁止になっている。道や各市町は、野山に入る際に注意を呼び掛けている。道のまとめによると、ヒグマによる人への被害は1989年以降、10月に7件発生し、月別では4月と並んで最も多い。昨年10月も千歳市の山林で、キノコ採りをしていた男性がクマに襲われ、頭や腕をかまれて重傷を負った。空知管内でも06年10月、新十津川町で男性がヒグマに足をかまれて重傷を負った。空知管内のヒグマの駆除捕獲数は本年度、9月末までに7市町で15頭。芦別市が6頭で最も多く、美唄市、砂川市、夕張市は各2頭だった。岩見沢市内では9月16日にも利根別原生林でクマが目撃され、原生林やいわみざわ公園キャンプ場などが立ち入り禁止になっている。美唄市でもクマらしきものが目撃されたとして、我路公園キャンプ場が閉鎖されている。両市の施設は2日時点で再開の見通しが立っていない。上砂川町の道道でも1日、クマが目撃されたとして、現場に近い奥沢パークゴルフ場と奥沢キャンプ場は3日まで閉鎖され、4日から再開予定だ。道は、野山に入る際に《1》クマの出没情報を確認《2》鈴などで音を鳴らす《3》クマの足跡やフンを見つけたら引き返す―などを呼び掛けている。
(イノシシ出没の対応に苦慮:佐賀)
イノシシが出没している唐津市中心部の市街地で、29日早朝も目撃情報が相次いだ。付近には小学校や幼稚園があり、安全面から、わなを仕掛けるわけにもいかず、銃による駆除はもっての外。唐津くんちの観光シーズンを控え、関係者は対応に頭を痛めている。市や唐津署によると、同日午前6時40分ごろ、唐津市南城内の唐津神社付近でイノシシ1頭が目撃された。市役所前のコンビニエンスストアでドアに衝突したり、国指定重要文化財の旧高取邸付近にも現れ、同7時前に西の浜で目撃されたのを最後に行方が分からなくなった。現場付近では23日に工事現場の作業員の男性がイノシシにかまれ両足を負傷。近くにある大志小では、その直後から子どもたちが地域住民らに見守られながら、集団で登下校していたが、週明けの28日から平常通りに戻したばかり。目撃情報が通学時間に重なったことから、保護者に一斉メールで児童が一人で登校しないよう呼び掛けたほか、唐津署員約10人が周辺で警戒に当たった。原口毅校長は「今後も出没する可能性があり、PTAと見守り体制を相談しないといけない」と悩ましげ。市有害鳥獣対策室も駆除に乗り出しているが、箱わなを仕掛けようにも、子どもたちが誤ってけがをする危険があるため、人通りの少ない場所に1カ所しか設置できていない。市街地では猟銃も使えず、駆除の決め手を欠くのが実情だ。イノシシは市街地からほど近い同市大島の沿岸で泳いでいるのが目撃されているが、海を渡ってくるのか、郊外の山間部に生息しているのか分かっていない。市内での捕獲頭数は年間3700頭にも上り、「仮に1頭捕まえても、安心はできない」と同対策室。「警察などと連携して情報を把握し、けが人が出ないよう情報の周知に努めるしかない」と話す。
(狩猟者バンク、さぁ始動:福井)
福井県と県猟友会は、県内の狩猟者を選抜登録し、市町の依頼に応じて派遣する狩猟者の人材バンク制度を始める。狩猟者の機動的な派遣により、鳥獣被害が多い割に狩猟者数が足りない地域の対策をてこ入れすることが狙いだ。早ければ11月にも運用を開始する。 環境省によると「県域で狩猟者の人材バンクを制度化し、取り組むのは全国的にも珍しい」(鳥獣保護管理室)と言う。登録する狩猟者は約50人。猟友会が調整役となって、能力と余力がある狩猟者や、広域で活動できる狩猟者を選出して連絡先などをリスト化する。被害発生の連絡を受けた市町が猟友会に派遣を要請し、同会が適当な狩猟者を選び出す仕組み。県猟友会は20支部あり、800人ほどの会員がいる。活動範囲を居住市町に限定する狩猟者が多い。地域ごとの被害と狩猟者数には隔たりがあり、人手が足りない地域に対する支援が課題となっていた。同県の2014年度の有害鳥獣による農作物被害面積は289ヘクタール、被害金額は1億2500万円だった。同県の昨年のイノシシの被害面積は78%が嶺北地域。一方、鹿は96%が嶺南地域だった。県地域農業課は「人材バンクで被害拡大を抑えたい」と説明する。
(クレー射撃は神奈川開催、鉛対策が理由:神奈川)
開催中の和歌山国体のクレー射撃競技が2日、神奈川県伊勢原市の県立伊勢原射撃場で始まった。開催県から遠く離れた異例の会場だが、環境対策が施されているため費用面から選ばれた。競技には47都道府県から選手・監督計237人が参加予定で、和歌山から派遣の県職員約30人のほか、地元も市職員や市民延べ約270人がボランティアなどでサポートする。同射撃場はライフルも撃てる総合射撃場。散弾に使う鉛の汚染が全国的な問題となるなか、神奈川県は2002年度から計約35億円をかけて土壌の除去や飛散防止のための舗装、壁の構築などを実施。全弾回収型の施設に改修して、13年度にリニューアルした。今回の会場化で県は舗装の補修など新たに2億円を予算化した。和歌山国体は4競技が県外開催となっているが、ボートや馬術などクレー射撃以外のはいずれも近畿圏が会場という。「鉛対策費用が必要なく、施設も大きいので日程調整もスムーズで競技期間が短くてすむ」ことが評価された。
(クレー射撃の腕競う:神奈川)
第70回国民体育大会「2015紀の国わかやま国体」のクレー射撃競技会が10月2日から4日、神奈川県立伊勢原射撃場(上粕屋2380)で行われた。クレー射撃競技は、円盤状のクレー標的を空中に飛ばし、散弾銃で射撃して当たった数を競う。国体ではトラップとスキートが実施され、それぞれ県代表3人の団体成績と個人成績、総合成績で競われた。当日は47都道府県から集まった230人以上の選手・監督をはじめ、市職員や市民ボランティアも多数参加。観客も含め3日間で約3000人が訪れた。競技会場は大勢の観客が静かに見守る中で銃声が鳴り響く、緊張感ある空間となった。また、大会記念品や和歌山県と伊勢原市のお土産の売店も設けられ、多くの人が利用した。千葉県から息子の応援に来た早坂美智子さんは「クレー射撃は迫力があってドキドキするスポーツ。初めて伊勢原に足を運んだのですが、今度は観光として訪れたいです」と感想を話す。選手たちからは伊勢原射撃場の設備を称する声が聞こえた。今回が11回目の国体出場だという山梨県の金井典美選手は「とても大きくて立派な射撃場。ここでの射撃は慣れないと難しいので、そこがまた面白い」と話した。3日間の競技を終え、東京都が総合優勝。神奈川県はトラップ団体で26位、スキート団体で4位、総合6位と健闘した。
(犬に13発、県警に意見600件:千葉)
千葉県松戸市の未明の住宅街で、突然13発の銃声が響いた。暴力団の抗争ではない。3人の警察官が銃口を向けたのは、住民らに相次いでかみついた紀州犬。なぜ13発も撃ったのか?「女性が犬にかまれた」。110番通報は9月14日午前2時。松戸署員3人が現場へ行くと、左腕をかまれた飼い主(71)が犬と相対していた。体長122センチ、体重21キロの大柄な犬が牙をむいて、警部補(55)に向かってきた。「犬から離れて下さい。射殺します」。4時間半前にも、近くで「犬にかまれた」との通報があり、すでにけが人は3人。もう被害者を増やせないと、警部補はその場で飼い主から射殺の許可を得ると、続けざまに5発撃った。犬との距離は3~4メートル。だが、犬は倒れず、後ずさりした警部補が路上で転倒。後ろにいた巡査部長(47)と巡査(27)が交互に計8発撃った。犬がやっと倒れたのは約2メートルの距離から巡査部長が撃った最後の13発目。約5分の出来事だった。解剖の結果、当たったのは13発中6発。顔面1発、肩付近3発、後ろ脚2発。心臓を貫いた最後の13発目が致命傷になったようだ。「1、2発で急所に当てられれば良かったが、暗闇で動き回られて難しかったのではないか」と捜査関係者は語る。警察庁の通達は、現場に出る可能性が高い交番勤務や刑事課などの警察官には最低でも年1回の実弾による射撃訓練を義務付けている。ただ、実弾の購入には全国で2億2千万円(2014年度)かかる。腕が鈍らないように、映像や訓練用の弾を使った訓練も年2回求めている。今回、発砲した千葉県警の3人も数十発の実弾訓練と映像訓練を受けていた。しかし、訓練の想定はあくまで人への発砲で、動物は想定していなかったという。
(保護区5カ所でニホンキジ放鳥:佐賀)
野生鳥獣の保護繁殖のため県は7日、鳥栖市などの鳥獣保護区計5カ所で国鳥「ニホンキジ」200羽を放した。若鳥たちが勢いよく箱から飛び出し、秋晴れの空に甲高い鳴き声を響かせた。狩猟対象のニホンキジの生息数を保とうと1987年から県が毎年実施し、県内42カ所の鳥獣保護区(約1万7000ヘクタール)を順に巡っている。今年は唐津猟友会に委託し、脊振山(神埼市・吉野ケ里町)、石谷山(みやき町)、九千部山(鳥栖市)、基山(基山町)の4保護区内(計2799ヘクタール)で放鳥した。放鳥数は累計1万1900羽になった。石谷山鳥獣保護区では、県猟友会のメンバーや鳥獣保護員、県職員ら約10人が、生後150日の若鳥40羽を野山に放った。キジは「ケーン」と元気な声を上げて、新たなすみかへ飛び立った。県猟友会三養基支部長の末永功さん(66)は「山間部ではキジの数が減っているように感じる」と話していた。
(ニホンジカ被害食い止めへ集中捕獲期間:長野)
長野市は市内で増えるニホンジカによる農作物被害を食い止めるため、狩猟期間が終わる2月中旬から3月をめどに来年から集中捕獲期間を設ける。農家などでつくる地域の有害鳥獣対策協議会を通じてハンターの協力を促すほか、追い払いへの補助金比率を引き上げる方向だ。地域でばらばらだった各猟友会と被害状況を共有し、対策を練る会議の設立も検討する。地域が一丸となってニホンジカ対策に取り組む体制をつくる。ニホンジカはリンゴの木の芽や皮などを好んで食べるため、実がつかなくなったり木自体が枯れてしまうなど農作物への影響が大きい。猟銃などを用いた狩猟期間は毎年11月中旬から翌年の2月中旬までだが、この期間を終えた2月中旬から3月末までをめどに集中的に捕獲や追い払いを進める計画だ。ニホンジカの雌は2月から5月の間に出産期を迎えるとされ「数が増えすぎる前に対策を打てる」(市いのしか対策課)とみている。有害鳥獣の駆除や追い払いは、農家などで組織する地域の有害鳥獣対策協議会が猟友会に所属するハンターと契約。ニホンジカを捕獲した場合、市は協議会を通じて国の補助金も含め1頭あたり1万5000円をハンターに支払う。銃声を使って畑などから追い払う「追い払い等業務委託」については捕獲よりも人手が必要になる。市は追い払いにかかった総費用の4割としていた補助金の比率を5割以上に引き上げ、ハンターの協力を促す。今年度中をめどに、市と各地区ごとに13ある猟友会支部からなる対策会議の設立も検討する。加藤久雄長野市長と市内の各猟友会のメンバーを中心に構成する予定だ。被害状況や効果的な対策などについて定期的に議論し、ニホンジカなどの有害鳥獣対策をまとめる。これまでの対策は各地区ごとに任されていた。「連携を密にして共同で対策を練り、被害の減少につなげたい」(加藤市長)考えだ。
(カラス対策、苦渋の伐採:青森)
長年カラスの被害に悩まされてきた青森市中心街の「善知鳥うとう神社」(青森市安方)で30日、カラスの巣がある神社入り口付近の大木2本の伐採作業が行われた。木は神社に欠かせない存在として市民にも親しまれているだけに苦渋の決断だったが、神社は「参拝客の安全を守ることが第一」としている。伐採された2本の木は、神社の参道入り口に近い高さ20メートル超、直径約60センチのヒマラヤスギ。先の大戦で焼失した神社を再建する際に植えられたものだといい、神社では戦後の青森市を見つめてきた木として大切に扱ってきた。そんな木々にカラスがすみ始めたのは2000年頃だ。次第に駐車場の車や参道がフンで汚されるようになり、参拝客が威嚇されることも。最近では、周辺のゴミが荒らされて苦情が寄せられたり、神社の職員がカラスに襲われて頭にけがをしたりした。神社ではこれまで、低い位置にできた巣は職員が駆除してきたが、これ以上放置できないと判断し、カラスのすみかとなっている木の伐採を決めた。この日は、朝から作業員10人がクレーン車や高所作業車を使って、木を上部から数メートルずつ切り落とし、カラスの巣も取り除いた。神職の秋元俊二さん(58)は「木がなくなるのはさみしいが、人への被害を出すわけにはいかない。巣を撤去できたので、カラスもしばらくは来ないはず」と話していた。市内では、以前から各地でカラスのフンや鳴き声に関する苦情が相次いでおり、市は地元猟友会に委託して定期的に駆除しているほか、13年度からは生態調査を行って解決の方策を探っている。
(アザラシ観察所、漁業者に配慮し開設せず:北海道)
稚内市や稚内観光協会が市内の抜海漁港に毎冬設けている「ゴマフアザラシ観察所」が今季、開設されないことが決まった。アザラシによる漁業被害が深刻化し、行政が駆除を本格化する中、観光客の安全や地元漁業者に配慮した格好だ。アザラシ観察所は稚内の冬季観光の目玉で影響も懸念されるが、稚内観光協会は「観光よりも地元の1次産業を優先したい。旧瀬戸邸など他の施設の魅力を売り出していきたい」としている。抜海漁港は埠頭(ふとう)から肉眼でアザラシの群れが見られると話題になり、市や同協会が2003年から、暖房やトイレを備えた観察所を主に11~3月に開設。旅行会社が冬のツアーに組み込み、ピークの07年には約1万2千人、ここ数年も毎冬3千~9千人前後が訪れる人気のスポットだった。ただ、定置網のサケやタコなどを食い荒らすアザラシ被害が問題化し、地元のタコ漁が休止に追い込まれたこともある。漁業者は観光振興を考慮し、観察所開設に協力しながらも「見せ物にすると、アザラシの有害性が見過ごされてしまうので、できればない方がいい」などの声も出ていた。昨年12月からは市や稚内漁協が銃を使用した追い払いを初めて実施。道も本年度から、捕獲などによる個体数削減を掲げたアザラシ管理計画を進め、駆除に向けた取り組みが本格化しており、観光客の安全性も考慮した結果、開設を見送ることにした。来季以降の開設も難しいとみられる。同協会は「暴風雪の日に埠頭近くまで行く観光客もいて危険な面もあった」と説明。昨年初めて冬季開放した歴史的建造物・旧瀬戸邸の入場者が4千人以上になるなど好評だった点を挙げ、「観察所中止はツアー会社も了承しており、冬の観光に大きな影響はないと思う」としている。
(動物と衝突、運休や遅れが過去最多)
シカなどの野生動物が列車にぶつかり、運行に支障をきたすケースが増えている。全国の鉄道事業者の間で、運休や30分以上遅れた件数は昨年度、過去最多に。各社は様々な対策を試みてきたが、いずれも決め手に欠ける。行楽期とシカの繁殖期が重なる秋は、頭の痛い季節でもある。北陸から九州まで列車を運行し、1日約500万人を運ぶJR西日本の担当者は「シカを完封できない」と肩を落とす。列車と接触する動物は、シカが全体の7割、イノシシが2割を占める。「9~11月はシカの繁殖期。活動が活発になり、ほぼ毎日、どこかで事故が起きる」という。動物と衝突すれば、車両の点検や処理で列車が遅れるばかりか、乗客がけがをする可能性がある。走行区間の長いJR西の場合、影響は都市部まで及ぶこともある。JR西は、1997年ごろから対策に取り組んだ。当時は、シカの嫌がる超音波を出す「シカよけの笛」を車両に取り付けたが、あまり効果はなく、外した。2002年度以降は、線路脇にシカが嫌うというライオンの糞(ふん)やオオカミの尿をまいてみた。しかし、臭いが続かず、動物は3カ月程度で慣れた。一方で、近隣住民から「くさい」と苦情が寄せられ、本格的な導入には至らなかった。「シカは人間の臭いを嫌う」と聞き、美容院から毛髪をもらってきて、洗濯用のネットに入れ、線路脇につるしたこともある。しかし、逆に好奇心を呼び起こしたのか、初日にシカが集まってしまった。「せっけんの香りも嫌い」という情報に飛びつき、洗濯用ネットの中にせっけんを入れてみたが、雨ですぐに溶けてしまった。溶けにくくしようと、竹筒の中に入れたが、香りが届く範囲は3~5メートル。大量には設置できず、シカの侵入を阻止できなかった。
(エゾシカ衝突事故、今年すでに45件:北海道)
車とエゾシカの衝突事故が増え始める10月に入り、中標津署が注意を呼びかけている。今年は9月末時点で前年同期と比べ6件多い45件の衝突事故が発生するなど事故は増加傾向となっており、一層の注意が必要だ。同署によると、同署管内では昨年、70件の衝突事故が発生し、その中でも10月は最多の15件に上った。シカの生態に詳しいNPO法人南知床・ヒグマ情報センターの藤本靖理事長によると、シカの活動時間は早朝と夕暮れ時という。今年はシカが多いとの報告はないが、日没が早くなるにつれてシカの活動時間と人間の活動時間が重なり、事故につながりやすくなるという。例年、雪が解けてシカが活動し始める春と、越冬地へ移動を始める秋に事故が発生しやすくなる。また、藤本理事長は「シカは車のライトを浴びると足が止まるので、ブレーキが間に合わないことが多い」と指摘する。近年の車は対人衝突時の人のけがを抑えるため、車体で衝撃を吸収する構造をしており、「体重130キロ前後の大型のシカとぶつかれば車は大きく損壊し、乗っている人に被害が及ぶ可能性がある」と話す。国道を管理する釧路開建は、シカが発生しやすい場所に侵入防止柵を設置したり、道路の路面上に注意を促す標識を設置するなど対策を行っているが「シカの生息地に道路があるという意識を持ってほしい」と話す。同署は「シカの目はライトを反射して光るので、ハイビームでシカを早期発見してほしい。郊外ではスピードを出しがちだが、制限速度を守り、安全運転を心掛けてほしい」と話している。
(野生肉で感染?E型肝炎が昨年上回るペース)
ウイルスに汚染されたイノシシやシカの肉などを摂取して急性肝炎を起こすE型肝炎の患者報告数が、昨年を上回るペースで増えている。国立感染症研究所がまとめた今年の患者報告数は、昨年同期の1.3倍を記録。患者が大幅に増えた札幌市は「感染の予防には、現状で使用可能なワクチンがない状況にあるため、手洗いの励行と飲食物の十分な加熱が大切」と注意を呼び掛けている。
(獣害対策、金網フェンス総延長160キロ:福井)
おおい町が五年の歳月と総額十八億円をかけて進めてきた、総延長百六十キロ(高さ二メートル)に及ぶ獣害対策用の金網フェンスの設置工事が年内に完成する見通しとなった。同町では二〇一一年、町内の全六十三集落を対象に、シカやイノシシが生息する山間部と集落の間をフェンスで仕切る工事を始めた。フェンスには、人が山に入れるよう開閉式の扉も各所に設けた。合併前の旧大飯町時代から、町の補助と農家の負担で電気柵設置などの対策を取ったが、柵を跳び越えるシカもおり、本格的な対策を求める声が上がっていた。当時は町が把握する限り、米や麦など農作物の獣害は年間約五百万円に及んでいたが、フェンスの設置が進むにつれ、被害は五分の一ほどまでに減少した。ただ、猿はフェンスを跳び越えて侵入するため、田んぼを覆うネットの購入を補助するなど別途対策をとっている。総事業費は、国の補助金や電源立地地域対策交付金などから捻出した。費用対効果の面から事業の妥当性を疑問視する声もあるが、町の担当者は「『イノシシが集落に降りてきて怖い』という住民の声が多く寄せられたほか、車との衝突なども起こっており、生活被害の観点からも、必要な事業と判断している」と話している。
(農作物被害減少へ県が予算:千葉)
県は開会中の9月定例会で、来年1月から農作物などに甚大な被害をもたらしているイノシシとニホンジカの捕獲を行う方針を明らかにした。事業費として9月補正予算案に3500万円を計上。これまで単独で捕獲を実施してきた市町村に県が加わり分業で対応することで、“高止まり”が続く農作物被害の軽減が期待される。県農地・農村振興課によると、5月の鳥獣保護法一部改正に伴い、生態系への影響が大きいイノシシとニホンジカに限り、都道府県なども捕獲できるようになったことを受けて決まった。平成26年度の全有害鳥獣による県内の農作物被害額は3億8112万円。このうち約半分をイノシシが占める。各市町村がさまざまな施策を行っているが、打開の見通しは立たず、稲や野菜、果実など、ほとんどすべての農作物が被害に遭っているという。同課の担当者は「県は昭和57年に電気柵の設置の購入補助を始めて以降、さまざまな取り組みを行ってきたが、被害は減らない」と頭を悩ませる。今回の対象となる両獣の各市町村による捕獲数は上昇傾向にある。平成19年度は5721頭だったイノシシは22年度には1万1523頭となり、26年度は1万7741頭と過去最高となった。ニホンジカについても19年度の1454頭から7年で倍以上の3601頭を捕獲している。それでも「生息数の伸びの方が顕著」(担当者)とみられ、ニホンジカは19年度に約4900頭だったのが、26年度には3倍近い約1万4千頭になったと推定されている。今後、生息数の多い地域で大量に捕獲することを目指す市町村に対し、県は被害地域拡大を防ぐことに主眼を置く。イノシシとニホンジカはともに県南部に多く生息するが、イノシシは飛び地的に数が増えて被害が大きくなりつつある成田、長生地域で、ニホンジカは現在の「北限」ともいえる夷隅地域で当面は捕獲を行う予定だ。自然保護課の担当者は「市町村と連携し、農家の被害を少しでも減らしたい」と意気込んでいる。
(首切断のカモやハトの死骸:東京)
8日朝、東京都内で首が切断されたカモやハトの死骸が見つかりました。都内ではネコの不審死も相次いでいて、警視庁が関連を調べています。 「ハトがここで死んでいるのかなと思って来て、足で蹴飛ばした。おかしいなと思って見たら首がなかった」(発見した男性)8日午前6時ごろ、足立区の都営住宅の敷地内で住民の男性が首が切断されたカモの死骸を見つけ、警察に通報しました。現場に血痕はなく、他に目立った傷もありませんでした。警視庁は、何者かに別の場所で危害を加えられた後、運ばれた可能性があるとみて、鳥獣保護法違反の疑いも視野に詳しく調べています。その2時間半後、中野区の路上でも首が切断されたハトの死骸が見つかりました。首には刃物で切られたような痕があったということです。「ネコの首だけで、ひっくり返った状態。引きちぎられているような」(発見した男性)この自営業の男性は今年8月、葛飾区の自宅の玄関先にネコの首があるのを見つけ、警察に通報しました。付近にネコの胴体はなく、血の痕もなかったということで、警視庁は動物愛護法違反の疑いで捜査しています。都内では今年4月からネコの不審死がおよそ20件相次いでいて、警視庁が関連を調べています。
(中学生、鳥獣被害学ぶ:福井)
捕獲した鹿などの肉を食べ、森林や農作物などの鳥獣被害を考える授業が30日、小浜市立小浜第二中学校であり、全校生徒約500人が生息数が増え過ぎている問題点などを学んだ。嶺南地方では全国初の専用処理施設を置くなど有害鳥獣の駆除に力を入れており、2014年度に鹿約8000頭を処分した。一方、食肉用に解体されたのは81頭にとどまり、捕獲後の有効活用が課題となっている。同中では昨年、総合学習の一環で鹿肉を使った「ジビエ給食」を提供。今月末に鳥獣による被害箇所を回り、12月には給食を予定している。この日は、市農林水産課課長補佐の畑中直樹さんが講師を務めた。鹿は森林や人間の生活圏に昼夜を問わず出没し、水田の早苗など1000種以上の植物を食べ、嶺南では適正とされる生息数の5~8倍近くもいると説明。「山は荒れ、防災の面でも人間の生活を脅かしている」と捕獲の意義を強調しつつ、「捕獲された命のことも大切にしてほしい」と訴えた。3年、玉山聖将まさと君(14)は「こんなに被害が出ているとは知らなかった」と話した。
(ジビエ、給食へ放射性物質検査:福井))
小浜市が12月から市内の一部の小中学校給食にジビエ(野生鳥獣肉)を使った料理を提供することになり、実施前の11月に大腸菌などの検査に加え、肉に含まれる放射性物質の検査もすることを決めた。ジビエの給食導入は県内で初めてで、シカ肉を予定。検査について市農林水産課は「野生動物は人の管理外で生息しており、福島第1原発事故以降、食材を通じた内部被ばくを心配する声が高まっている。念のための検査をして判断材料を得たい」と説明している。小浜市の検査対象は放射性物質のセシウム134と同137。福島原発事故で環境中に放出され、主に東日本の土や植物などに付着している。長野県より西の地域には、ほぼ存在しない。市は今回、検査のための消耗品費として17万8000円の予算を充てる。松崎晃治市長は「食の町づくりを進める当市では、給食に安全で安心な食材を提供する観点から放射性物質を含む検査を指示した」と話している。福島原発事故後の放射性物質を巡っては、農林水産省や厚生労働省が食品1キロ当たり100ベクレル以下のもののみ市場へ出荷するよう基準を設けている。ジビエも同じで、農水省鳥獣対策室によると、シカは6日現在、岩手、栃木、群馬の3県で出荷制限中となっている。今回の小浜市の対応について、福井県は「自主的に検査をするのは各自治体の判断次第」としている。ジビエの給食導入の背景には、頭数増加や農作物被害などのため駆除した野生鳥獣を活用していく国の施策がある。県も今年から、給食向けの調理技術研修会を開くなどして普及を図っている。
(狩猟楽しみ森守る:山梨)
県猟友会青年部の最年少会員として活動されていますが、青年部とはどんな組織ですか。狩猟に携わる人の減少や高齢化から、2013年10月に青年部ができました。20〜40代の県内の狩猟者が交流しあう場所です。それぞれが地元にある地域ごとの猟友会に所属していますが、青年部でまずは基礎的な狩猟の技術を学び、近い年代同士が交流するのが活動目的です。具体的にはどんな活動をしているのですか。狩猟期間は毎週のように狩猟の機会があります。参加は自由です。メンバーと狩猟犬を何頭か引き連れて、主に鹿を仕留めます。その日に捕れた鹿をその場でさばき、平等に山分けします。肉はその場で丸焼きにしたり、持ち帰って保存食にしたり、とその後の扱いはさまざまです。農作物への被害が増える中、猟友会に期待される役割も大きいのでは。県から与えられた許可頭数を管理捕獲することで、獣害対策に貢献しています。また、狩猟だけでなく、昨年からは「山梨産業フェスティバル」(今年は10月17、18日開催予定)に猟友会として参加しています。鹿の角で作ったキーホルダーや、鹿肉のジャーキーなどのジビエ料理を出品しました。今年も鹿肉のカレーやウインナーを出品予定です。ほかにも、山中湖近くの大平山で動物のえさになるドングリやブナの植樹を行うなどボランティア活動も展開しています。森林の保全について多くの人に考えてもらう機会を作っています。猟友会に興味を持ったきっかけは何ですか。岐阜大学の応用生物科学部で森林の生態系について学び、山に鹿が増えて、自治体が困っているということを知りました。友人が狩猟の資格を取るというので、自分も興味を持ちました。罠(わな)の仕掛け方などの資格を取る試験の会場で、青年部長の羽田健志さんに声をかけてもらったのがきっかけです。狩猟に魅力を感じる瞬間は。初めて狩猟に連れて行ってもらった時、冬の寒い中で、みんなで鹿をじっと待ちました。狩猟犬が鹿を発見して、吠えると、皆で一斉に獲物に向かって走っていく。自然の中を皆で駆け回って、獲物を分かち合う瞬間に幸せを感じます。猟友会は人数が少なく、同時に獣害対策も必要ですから義務感で狩猟している状態になりやすい。でも、本当はそうではなく、あくまで趣味の一環なんです。結果として、森にとって良い。そうでないと続かないと思います。現在も会員を募集していますか。はい。県外から来た人も多く、間口は広いです。ボランティアスタッフも募集しています。最終的には地元の猟友会に所属していくことになると思います。一方、狩猟には危険もつきものです。14年には銃の誤射などで多くの事故があり、軽はずみに「やってみよう」というわけにはいきません。それでも獲物の鹿肉は、格別の味がします。
(「わなに害獣」、メールで通知:岐阜)
イノシシやシカなどがわなにかかると、無線通信システムを使ってスマートフォンなどに通報する「害獣捕獲通報システム」を、公益財団法人ソフトピアジャパン(岐阜県大垣市)が、情報処理サービス会社「電算システム」(岐阜市)と共同で開発した。現在、実証実験を行っており、関係者は、わなの見回りや捕獲確認など人手のかかる作業を軽減できると期待している。県内では害獣被害が深刻となっており、防護柵やわなの設置、狩猟など対策を行っている。だが、農家の高齢化や狩猟者の減少など、担い手不足が大きな課題になっている。システムは県の「ITものづくり等推進支援事業」の一環として開発。イノシシやシカなどがわなにかかって暴れると、わなにつないだ子機の磁石が外れて捕獲を検知。中継機を通じて情報が親機に送られ、捕獲したわなの場所などがスマートフォンにメールで知らされる仕組みだ。子機や中継機は乾電池、親機も太陽光発電で賄え、消費電力が少なく、安価なのが特長。見回りや確認の頻度を減らせ、作業コストを大幅に削減できるという。先月15日から大垣市上石津町の山中で実証実験が行われており、既にイノシシ1頭、サル2匹をわなで捕獲し、システムの有効性を確認したという。実証実験は11月14日まで実施し、来年度には商品化したいとしている。電算システムの開発責任者、大畠淳範さんは「子機や中継機を増やせばかなりの範囲をカバーできる。担い手不足で、獣害に苦労している地域の手助けになれば」と話している。
(イノシシ、シカ肉の処理加工:奈良)
ジビエ(野生鳥獣の肉)で地域おこしをしようと、五條市が県内自治体で初めて造ったイノシシ、シカ肉の処理加工施設「ジビエール五條」の完成式が1日、同市阪合部新田町の施設であった。市内の74%を山林が占める五條市。シカ、イノシシを中心とする野生動物の農作物被害がひどく、昨年は狩猟などでイノシシ919匹、シカ390匹を捕獲した。一方、野生鳥獣の肉はフランス料理などで高級食材とされ、「ジビエ料理」が近年ブーム。市はこれまで焼却処理していた駆除動物の有効活用を目指し、「ジビエール五條」を建設した。施設は面積78平方メートルで処理室、熟成用冷蔵庫、冷凍庫などを備える。事業費は約3600万円。4〜10月は捕獲後60分、11〜3月は同90分以内に搬入するなど厳しい衛生管理を行い、解体・精肉加工をする。肉は大塔ふるさとセンター(五條市大塔町宇井)などで販売する。
(駆除したニホンジカを名物に:埼玉)
秩父地域のニホンジカの肉を活用したみそ漬け丼が先月、小鹿野町や秩父市の飲食店で一斉に発売された。シカは野菜や樹皮を食い荒らし、地域の農林業に大きな被害をもたらすこともあって、西秩父商工会が九年にわたり商品化を模索してきた。臭みがなく適度な歯応えのある肉は、新しい山の味覚として親しまれそうだ。
みそ漬け丼を販売しているのは、小鹿野町と秩父市吉田地区にある旅館や飲食店、弁当店など十六カ所。シカのもも肉を酒かす入りのみそにたっぷり漬け込んでいるが、調理のレシピや盛りつけは各店で異なる。価格は九百円から千二百円程度。「シカを食う」に掛けて四角い丼に盛ったり、油で揚げてカツとして提供したりする店も。野生肉にありがちな臭さや硬さはほとんど感じられないと、客からは好評だ。秩父地域では長年、シカの食害に悩まされ続けてきた。秩父地域には一万頭を超えるシカが生息するとされ、トウモロコシや大豆、ソバの芽などが食い荒らされたり、シラビソの木の樹皮がはぎ取られて立ち枯れたりしている。このため、西秩父商工会は地元の猟友会に協力を依頼し、わなでシカを捕獲してきた。商工会は従来、捕獲したシカを埋設していたが、二〇〇六年以降、肉や皮の有効利用を検討し始めた。しかし、東京電力福島第一原発事故の影響で、一二年十月に秩父市内で捕獲されたシカの肉から国の基準値を超える放射性セシウムが検出され、県内で捕獲されたシカ肉の出荷・販売は自粛に追い込まれた。一方で県は昨年十月、小鹿野町にある食肉処理業者一社が取り扱うシカ肉について、全頭検査による安全確認を条件に自粛を解除することを決めた。この業者が最初に自主検査を行い、国の基準値(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)より厳しい独自基準値(同五〇ベクレル)未満のシカ肉だけを県を通じて再検査する方式だ。こうした二段階検査をクリアしたシカ肉だけが、今春から小鹿野町などで食材として販売されるようになった。シカ肉はほかの肉と比べて健康にいいとされる。百グラム当たりの熱量は九十キロカロリーと牛肉や豚肉の三分の一以下。脂質は牛肉、豚肉の百分の一程度と極めて低い。商工会は現在、みそ漬け以外にもジャーキーやサラミに加工しているが、今後皮革についても靴や小瓶入れとして活用することを検討している。商工会の担当者は「肉は柔らかく栄養価が高いのが特徴。特に鉄分が豊富に含まれるので、女性や子どもに食べてもらいたい」と話している。
(シカ肉使い絶品ハム:三重)
ジビエのソーセージとハムを作る菰野町菰野の精肉店「角屋」は、おいしさをより追及しようと改良を予定し、二〇〇九年にドイツであったハム・ソーセージのコンテスト「ズーファ」で金メダルを獲得した伊藤尚貴さん(31)が試行錯誤している。角屋が製造、販売するのは「鹿肉ブルスト」と「鹿肉シンケン」。ドイツ語でブルストはソーセージ、シンケンはハムを意味する。湯の山温泉の関係者から「獣害対策で捕獲されたジビエを有効活用できないか」と相談を受けたのがきっかけ。昨年末から製品化に取り組み、今年三月に販売を始めた。菰野町で飼育された「鈴鹿山麓クリーンポーク(菰野豚)」と、県独自のマニュアルに沿って品質管理された「みえジビエ」のシカ肉を使う。シカ肉と豚肉の比率は半分ずつ。かみ応えがあり、肉汁が弾けるような味わいが特徴という。四月に県の制度の内容が変わり、改良に乗り出すことに。肉の比率を変え、より幅広い世代に食べてもらえるような製品を目指す。尚貴さんの父で三代目店主の伊藤裕司さん(59)は「おいしさには個人で好みがあり、最大公約数をどう見つけるかが難しい」と話す。来年二月までに新たなブルストとシンケンを発売する予定。県産業支援センターの「みえ地域コミュニティ応援ファンド助成金(地域資源活用型)」にも内定し、資金面で援助を受ける。裕司さんは「三重のジビエと菰野の豚肉を使い、本場ドイツの製法で作る。来年の伊勢志摩サミットで、ドイツのメルケル首相にも食べてほしい」。尚貴さんは「家庭の食卓に並び、身近に感じてもらえたら」と話す。
(わかやまジビエ料理の魅力発信へ講習会:和歌山)
野生のシカやイノシシの肉を使ったジビエ料理の魅力を発信しようと、県とJTB西日本和歌山支店ジビエプロモーションチームが料理講習会を開いた。県内の飲食店45店舗では26日までジビエ料理を気軽に味わえる「オータムフェスタ」が開催中。講習会には県内の飲食店から約20人の料理人が集まった。講師は、和歌山市手平の「ビッグ愛」内のフレンチレストラン「オテル・ド・ヨシノ」の手島純也料理長。「鹿肉の赤ワイン煮」と「猪肉のリエット」を実演し、「ジビエ料理は、作り手の『おいしい』『食べてもらいたい』という強い思いが大事」。ジビエ特有のにおいの強さはニンニクやスパイスでやわらげ、酸味があるトマトなどでおいしく仕上げることができるという。県農業生産局畜産課の担当者は「オータムフェスタで県内外の人にも、わかやまのジビエ料理を味わってもらえれば」と話した。
(美味「しか」とPR:島根)
ニホンジカの肉を使った創作料理を提供する「出雲鹿グルメフェア」が、松江、出雲市などの料理店で15日から開かれる。フェアに先立ち、料理の試食会が、出雲市中野美保南の市民交流施設であり、和食、洋食、中華など多彩な11品が披露された。ニホンジカは、出雲市北部の北山山地などで農作物被害を起こし、駆除が進められている。9月28日にあった試食会は、県内の埋もれたおいしい食材を発掘している料理店主らのグループ「しまね地産品発掘協議会」(大橋昌典代表)の主催。メンバーの11店が1品ずつ持ち寄った。四川料理を得意にする出雲市の中華料理店「出雲翠苑」は、「出雲鹿の甘酢唐辛子炒とうがらしいため」を披露。うま味のあるもも肉と強い辛みを調和させ、フレンチのジビエ(獣肉)料理とは違うおいしさに仕上げた。店主の吾郷克己さん(61)は「淡泊だが可能性のある食材」と評価。他の店主もソーセージ、そぼろごはん、カレー、薬膳料理など多彩な品を作った。シカを提供し、試食に臨んだ大社猟友会の北川恒夫会長(80)は「どれもうまい。苦労して駆除したシカの肉を、喜んで食べてもらえるようになってほしい」と話していた。関係者によると、北山山地で捕獲されたシカのうち、年間70~100頭が保健所の許可を受けて食肉として処理されているが、利用は拡大していない。フェアには計14店が参加し、11月15日まで実施する。
(シカ肉でジビエバーガー:和歌山)
和歌山県内や大阪府に出店しているパン店「カワ」(本社・広川町)は古座川町と協力し、同町内の施設で処理加工したシカ肉を使った「清流鹿のジビエバーガー」を開発した。10月1日から全17店舗で販売を始める。カワ企画室管理主任の今西廣典さん(35)は「いろんな人に食べてもらい、古座川町のシカ肉のおいしさを知ってもらいたい」と話している。
(地元食材とコラボ、新ジビエ料理披露:島根)
イノシシやシカの野生肉(ジビエ)の普及を目指す「森の贅沢(ぜいたく) ジビエフェア」(いなばのジビエ推進協議会主催)が29日、鳥取県東部地区で始まった。鳥取市新品治町の中国電力鳥取支社文化料理教室でキックオフイベントが行われ、5店が地元食材とコラボした新メニューなどを紹介した。フェアは来年1月29日までで、24店舗がジビエ料理を提供する。今回紹介されたメニューは、ジビエと木の実などを用いた「古代いなばのハンバーグ」、イノシシ肉と砂丘ゴボウをじっくり煮込んだ「山鯨(くじら)のゴンボDON」、シカ肉ミンチと県産梨などを材料にしたコロッケ「ジビコロ」、シカ肉のミンチを使ったパスタ「鹿肉ボロネーゼ」の4品。「和宝工房」(若桜町若桜)は、シカの角のオブジェに名前を刻印する体験制作などを行った。試食した「鹿野温泉国民宿舎 山紫苑」の谷本耕一支配人は「おいしかったが味が濃く、まだ工夫がいる。和食で使えるぐらいになればみんなが食べるようになる」と話し、同協議会の長尾裕昭会長は「森のやっかいものを新しい食材として利活用しようとスタートした。イベントを通じて普及させたい」と意気込んでいた。

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