<射撃ニュース12月>

12/30
(カラス大量死、胃の内容物や油揚げから殺虫剤「シアノホス」検出:福島)
福島県鏡石町の県立岩瀬農業高校周辺で今月末、カラスの死骸が大量に見つかった問題で、福島県は28日、死骸のカラスの5羽の胃の内容物と、そばに落ちていた油揚げから、有機リン系殺虫剤「シアノホス」が検出されたと発表した。福島民友などが伝えた。同紙によると、国立環境研究所が検査を行い、5羽のカラスの胃の内容物からは51~750ppmのシアノホスが検出され、油揚げからは5万1000ppmと高濃度のシアノホスが検出された。一方、県ではシアノホスの致死量については知見がないため、死因との関係は不明としている。今後、獣医らに相談して対応するという。別のカラス9羽では鳥インフルエンザの遺伝子検査も行われたが、全てが陰性だった。また、福島県中家畜保健衛生所では細菌検査や病理検査も行ったが、死因となるような細菌や異常は確認できなかったという。岩瀬農業高校周辺などでは、今月21〜25日の間にカラスの死骸計86羽が見つかっていた。シアノホスは、市販されている有機リン系殺虫剤で、果樹園や畑で農薬として使われている。2013年に横浜市内の路上でカラス20羽が死骸で見つかる問題があったが、この時も一部のカラスの胃の内容物からシアノホスが検出されていた。
(野生のイノシシを食材に活用、地域振興に:石川)
農作物に被害を及ぼす野生のイノシシをジビエ料理の食材として有効活用し、地域振興に生かす取り組みが石川県内で進んでいる。羽咋市と白山市ではイノシシ肉の調理法をPRする試食会や説明会も開催され、関係者は「イノシシ肉の消費を拡大し、新たな産業や雇用の創出に結びつけたい」と意気込んでいる。羽咋市は11月、地元で捕れるイノシシ肉を特産品にしようと普及説明会を開き、飲食店主ら約30人に解体処理した骨付きロースやモモ肉などをセット(各2~3キロ)にして無料提供した。市の食肉処理施設を10月25日から稼働させており、販路開拓を図るのが狙いだ。流通価格は、高級部位の肩ロースが1キロ当たり5000円などと見込まれ、説明会に参加したカフェの女性店主(30)は「ランチメニューに加えることができれば」と思案していた。同市によると、市内では今年度、21日までにイノシシが99頭駆除され、昨年度の計50頭を大きく上回る。隣接する宝達志水町でも21日までに前年度の3倍以上の328頭が捕獲された。米やリンゴなどの農作物が食い荒らされる被害も出ているという。市は料理講習会などを開いてブランド化を目指す方針。市産業建設部の八野田正光部長は「ジビエ料理を普及させ、若い人たちの雇用の場の創出につなげたい」と話す。白山市では「白山麓ジビエ」のブランド化を目指している。市内で食肉処理場を運営する「白山ふもと会」は11月、イノシシの食肉を活用した試食会を市内の料亭で開催した。同会は今年、イノシシ約260頭を処理し、約1・5トンの食肉を生産。1キロ約4000円で販売している。試食会では、市内の料理店がイノシシの子のモモ肉のローストなどを提供。出席者からは「味がしっかりしている」「臭みもなく、軟らかい」など高評価を得た。山田憲昭市長は「農業保護と地産地消の点からも白山のジビエを育てたい」と話している。県や関係市町などで作る「いしかわジビエ利用促進研究会」は来年1月19日から約1か月間、金沢市のANAクラウンプラザホテル金沢でジビエ料理フェアを開く予定だ。
(熊肉猪肉食べ放題:長野)
クマやイノシシなどのジビエ料理を味わうイベント山のめぐみ感謝祭が23日、伊那市の竜門で行われました。山のめぐみ感謝祭は竜門の社長で猟師の小阪洋治さんが、自ら仕留めたクマやイノシシを多くの人に楽しんでもらおうと行われたものです。肉の仕入れ値がかかっていないことから飲み放題食べ放題で3000円と格安で提供されました。店内にはおよそ140人が訪れめったに味わうことができないジビエ料理を楽しんでいました。
(生肉で感染する「E型肝炎」患者が過去最多)
生肉を食べると感染する「E型肝炎」の患者数が2015年12月13日までに187人となり、2003年に調査を始めて以降、過去最多となったことが国立感染症研究所の調べでわかった。E型肝炎は豚やイノシシ、シカ、クマなどの肉やレバーを生で食べると、病原のHEVウイルスに感染し発症する。発熱や黄疸などの症状が出るが、致死率が非常に高く、A型肝炎の10倍といわれる。特に妊婦の場合は患者の約20%が死亡する危険な病気だ。このため、厚生労働省が2015年6月に飲食店で豚を生で提供することを禁止した。しかし、最近、野生のイノシシやシカの肉を食べるジビエ料理がブームになり、ひそかに生で食べるひとが後を絶たない。2015年3月、ある雑誌がE型肝炎の危険性を注意する記事を掲載しながら、同じ号のグルメコラム欄でジビエ料理専門店の「とろ~り美味しい! シカの刺身プラス脳、ハツ、レバーの3種盛り」メニューを紹介し、「これって、いいんですか?」とネット上で批判を受けた例もある。厚生労働省では、「豚やシカ、イノシシは必ず火を通して食べてください」と呼びかけている。
(ハクビシンを食べる。おいしい害獣クッキング)
ハクビシンは、中国語で「果子狸」と表記する。タヌキに似ており、文字どおり果実(フルーツ)を好んで食べるジャコウネコ科の動物だ。野生動物のくせに手先が器用で、ご丁寧にもミカンの皮をむいて盗み食いをする。日本語では「白鼻芯」という漢字が当てられているとおり、ハクビシンは鼻筋が白いタヌキっぽい生き物だ。ネコ目ジャコウネコ科の動物であり、日本ではおもに四国地方に生息している。ハクビシンは、中国や東南アジアでは「おいしい肉」として認知されているようだが、日本国内でわたしたちが口にする機会は皆無といってよい。『日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?』(田中康弘・著/エイ出版社・刊)には、高知県のミカン果樹園を荒らすハクビシンについてのルポタージュが掲載されている。駆除したのち食べるのだ。ミカンの敵は、シカとハクビシンだ。1個のミカンが実るためには25枚の葉っぱが必要なのだが、それを野生のシカが食べてしまう。葉っぱを守ることができても、実ったミカンをハクビシンがつまみ食いする。高知県で果樹園をいとなむ長野さんは、くやしい思いをしていた。やられたらやりかえす、倍返しだ。しかし、たとえ害をなす獣(けもの)であっても、日本国内では許可なく駆除することを許されていない。ネコやイヌを虐待から守るための「動物愛護法」があるように、害獣といえども「鳥獣保護管理法」によって取り扱いが厳密に定められているからだ。ハクビシンは「鳥獣保護管理法」によって「狩猟鳥獣」に指定されており、免許を持っていれば狩猟期間中は捕獲が許可されている。くだもの農家なのに狩猟免許を取得した長野さんは、やがて箱罠(はこわな)によって駆除に成功する。「ミカンの被害は肉で弁償してもらう」その言葉通りに、長野さんは鹿や猪の肉を経済に変えている。食肉処理や販売の免許を取得して地元の産直市場で売っているのだ。ここまでやる人は実は非常に珍しい。有害駆除で仕留められた獣の有効活用が全国で叫ばれているが、実際にはそのほとんどが未処理で廃棄されている。(『日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?』から引用)狩猟といえば「銃」を思い浮かべるかもしれないが、ハクビシンは「箱罠」で捕獲できる。いまはAmazonでも買えるらしく、1個につき1万円程度で入手可能だ。ハクビシンの調理方法を説明しよう。まずは、吊るして血抜きをしたのち皮をはぐ。内蔵をごそっと抜き取り、部位ごとに切り分けていく。ハクビシンは小さな動物であり、家庭用サイズのまな板におさまるので解体しやすいそうだ。ロース、ヒレ、モモ肉に切り分ける。本書『日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?』では、ハクビシンの焼き肉とハクビシンのすき焼きが紹介されている。臭みはなく、脂は牛肉よりもあっさりしており、噛めば噛むほど味がにじみ出てくるそうだ。さかのぼること縄文時代から、日本に住む人々はあらゆる肉を食っていた。生きるために「食べられるものは何でも食べていた」と言ったほうが正確だ。サル・キツネ・ムササビなど、古代のゴミ捨て場である「貝塚」からはさまざまな動物の骨や歯が出土されている。弥生時代以降に農耕技術が発達すると、肉食への依存度が減っていく。肉よりも穀物のほうがカロリー効率が良いからだ。しかもコメや麦などは大量に貯蔵できるので、獣をあわてて追いかけまわす必要もなくなっていった。だが、中世以降の日本人が肉を食べなかったわけではない。たしかに、日本書紀には肉食禁止令らしきものが記録されている。奈良時代である675年には「ウシ・ウマ・イヌ・サル・ニワトリ」の殺生禁止令が布告されるが、農作業の動力源としての家畜の保護が目的であり、指定されていない動物の肉ならば食べても良かった。日本の仏教において、肉食を禁止しているというよりも、動物を殺すこと(殺生)を禁じている意味合いが強い。浄土真宗は肉食を禁じていないし、禅宗においても「布施された肉」を食べることがある。多くの宗派は、食欲を満たそうとして「殺生」することを忌避しているのだ。その後、鎌倉時代~江戸時代にいたるまで、肉食を汚らわしいものであると忌避していたのは、「祭祀」に関わる人々、貴族仏教を信仰する人々であって、武家や庶民のあいだではよく食べられていたようだ。日本の場合、魚や鳥肉のほうが好まれていたというだけで、むかしの日本人が獣肉の味を知らなかったわけではない。『日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?』では、ハクビシン以外の獣肉についても知ることができる。イノシシ猟については、本州と沖縄のちがいが興味ぶかい。寒冷地と亜熱帯では、表皮の処理方法や肉のさばき方が大きく異るからだ。その理由とは?日本のむかし話で「タヌキ汁」をよく見かけるが、ほんとうに食べられるのだろうか。猟師のなかには「タヌキなんて臭くて食えたもんじゃない」という意見も多いタヌキの呼称はさまざまであり、地方によってはムジナと言ったりアナグマと言ったりする。獣肉ハンターである著者は、大分県にてタヌキ汁の真相を知ることになる。ほかにも、罠猟で仕留めた鹿肉しか使わないレストランや、北海道のトド漁についても取材している。獣肉あるところに、かならず猟師あり。解体作業を撮影したカラー写真がたくさん収録されているので、本書は単なるグルメ本にとどまらない貴重な資料集だ。

TOPへ

12/28
(安中にライフル射撃場:群馬)
野生鳥獣の捕獲の担い手を養成するため、県が設置を検討するライフル射撃場の是非などを協議してきた学識経験者らの検討委員会(委員長・小金沢正明宇都宮大教授)は25日までに、整備の必要性を認める提言をまとめた。 設置場所は県クレー射撃場(安中市中宿)への併設が合理的とした。これを受け県は地元住民に提言内容の説明を開始。鳥獣被害が深刻化する中、整備は長年の懸案で、県は住民の同意を取り付け早期整備を目指す考えだ。
(ニホンジカにGPS:長野)
県は来年度、県内全域で初めてニホンジカに衛星利用測位システム(GPS)機能付きの首輪を着けて、生息域を調べる取り組みをする。位置情報を基に効率的に捕獲、駆除し、年数億円に上る農業や林業への被害を食い止める。調査は十カ所ある県の各地方事務所管内で計二十匹のシカにGPS付き首輪を装着し、群れに戻す。シカは主に群れで移動するが、季節などで生息域が異なる。位置情報から群れの移動パターンを把握し、通り道にわなを仕掛けるなどして効率的に捕獲する。位置情報は、通り道にセンサー式カメラを設置し時間ごとの出没数を調べるなど、生態や生息数の調査にも使う。夜間にシカの移動経路に投光器を向け、暗闇で光る目の数から生息数を把握する取り組みもする。十二月二十四日に閣議決定した来年度の政府予算で、シカやイノシシの捕獲や調査の関連事業に環境省は前年同額の五億円、農林水産省は前年並みの一億五千九百万円を計上した。県は来年度、国庫補助と県費を活用し、市町村と合わせて県内で四万匹のシカの捕獲を目指す。シカは繁殖力が強く、毎年二割ずつ数が増えるという。県の担当者は「餌がある限り増え続け、山の植生を食べ尽くしてしまう。食い止めるには捕獲を続けるしかない」と話す。
(サル追放へGPS活用:山口)
サルの生息数が増加し、農作物への被害が拡大している。中山間地域の過疎化で森林や竹林が手入れされなくなり、畑や民家に近い場所にサルの隠れ場が増えたことが原因とされる。住民による追い払い活動や捕獲が行われている中、県は全地球測位システム(GPS)によるサル追放の実証実験に乗り出した。昨年度の野生鳥獣による県内農作物の被害額は5億3700万円。このうちサルの被害は1億900万円で、イノシシ(2億3700万円)、シカ(1億1200万円)に次いで多かった。目撃などから推計する生息数も2005年は約1500頭だったが、今年は約2000〜4000頭と倍増。昨年捕獲されたサルは763頭に上った。山口市仁保地区で25日、自治会や猟友会でつくる「さる被害防止見回り隊」のメンバー2人が軽トラックで集落を巡回した。4年前に結成された見回り隊は週2、3回巡回し、サルを見つけるとロケット花火を発射して追い払う。同地区では、自治会などが放棄された柿やユズなどの果樹を伐採したり、ロケット花火を使った追い払い方法を住民に教える研修会を開いたりしてきた。しかし、サルは雨など人目に付きにくい日や時間帯に現れるようになり、住民も高齢化して追い払うのが難しくなったという。見回り隊員の吉広利夫さん(67)は「生息数を減らさなければ解決できない」と嘆く。こうした声を受け、県は今年度、1100万円の予算を確保してGPS8台を購入。10月に同地区の耕作放棄地に高さ約2・5メートル、8メートル四方の捕獲柵を設置した。サルを捕獲し次第、群れの中心になりそうな雌を選んで首輪タイプのGPSを付けて逃がす計画だ。GPSからは2時間に1回、位置情報が発信される。インターネットの専用サイトで群れの位置を確認できるという。群れの位置が分かれば、被害が予想される地域で追い払い活動を強化するなど、対策を講じることができるという。県農林総合技術センターの担当者は「サルの分布拡大を食い止めたい」と、意気込んでいる。
(防護柵「石川側に」、微修正案に県民ら反発:福井)
石川県は22日、福井県内に生息するニホンジカの侵入を防ぐため、県境に計画していた防護柵の設置場所を見直し、県境から200メートル〜1・5キロ石川県側の林道沿いにずらす修正案を明らかにした。あわら市の住民向け説明会で表明。出席者からは「わずかな修正に過ぎない」と反発する声が相次いだ。石川県は当初、県境約50キロのうち北陸自動車道から東へ約24キロにわたり、高さ約2メートルの鉄柱を約2・5メートルおきに立て金網を張る計画を推進。一方、福井県側はシカが柵の周辺にとどまり、農林業に被害が出ることを懸念、計画に反発していた。説明会で石川県森林管理課の土居隆行課長は、柵は石川県内の林道沿いに設置し、5〜10メートルの開口部を約20カ所設けると説明。そこにワナを仕掛け「捕獲が事業の主目的だ」と述べた。説明会には農林業や鳥獣害対策の関係者ら約50人が参加。石川県が示した修正案に批判的な意見が相次ぎ、兼業農家、谷口幸則さん(59)は「県境から少し離れただけで修正とは言えず、一方的な主張だ。計画自体を中止すべきだ」と語気を強めた。福井県地域農業課の森川峰幸課長は「住民が納得しない限り、同意できない」と強調した。石川県は2015年度に予定していた北陸道から東へ7・2キロまでの設置を断念。土居課長は「さらに理解を深めてもらうよう努力したい」と述べた。
(迫るニホンジカ:青森)
「ニホンジカの対策は被害が出てからでは間に合わない。他県の食害報告を教訓に、現時点で調査や野生ジカの管理を進めていかなければいけない」。8月中旬、青森市内で開かれた「県ニホンジカ管理対策検討科学委員会」で北里大学獣医学部講師の岡田あゆみ委員が県内で急増する野生ジカの目撃状況を受け、こう呼び掛けた。明治期以降、乱獲などで絶滅し県内に生息しないと推測されていた。しかし、隣県の岩手県釜石など3市町にまたがる五葉山にすむ野生ジカが地球温暖化や狩猟者の減少などで北上してきたとみられ、ここ10年で三八地域の県境を中心に目撃情報が急増している。県自然保護課が直近5年間に報告を受けた目撃件数(死亡、保護など含む)は2010年度13件、11年度19件、12年度10件、13年度7件、14年度40件と増加傾向にある。今年度、県内で確認された件数(10日現在)は前年度の約2倍に迫る72件で94頭に上り、目撃場所も県内全域へと拡大しつつある。環境省や林野庁、関係自治体などで組織する「白神山地世界遺産地域連絡会議」が監視体制を敷く西目屋村、鯵ケ沢町など白神山地周辺の3町村では17件18頭(10日現在)を確認。8日には世界遺産の登録地域を保護する緩衝地帯に初めて、雄1頭が入り込む様子が自動撮影カメラで捉えられたと報告された。尻尾が短く、夏には褐色の体毛に白い斑点模様が表れるなど愛らしい姿のニホンジカだが、全国的に食害が深刻化している。岩手県が受けた農業被害額は06年度約2629万円だったが、08年度は1億4827万円と急増し、13年度は2億9128万円と約3億円に近い状況だ。樹木の新芽や樹皮なども食料にしており、原生林のまま残る白神山地のブナ林や希少動植物の生態系の破壊も懸念される。一度地域に定着すると被害の防止は難しい。雌の繁殖能力は高く、早ければ1歳で出産。林野庁の資料「森林におけるシカ被害対策について」によると、雌1頭が産む幼獣の数は年率約20%とされる。雌100頭が生息すれば、翌年には120頭を出産する計算だ。環境省は本州に生息するニホンジカは12年度末時点で249万頭と推計。現在の捕獲率でいくと23年度には402万頭に増加すると見込む。単独行動の雄とは違い、雌は幼獣と共に集団で行動する。そのため地域への定着状況の判断基準とされるが、県内でも雌の目撃や幼獣の死体が発見されており、被害拡大の未然防止に向けた対策が急務になっている。同課の佐々木あつ子課長は「県では現在、1台のカメラに撮影された映像の中に複数の雌が映る状況。本県は雌の侵入初期と言われているが、県内で生息が進んでいるのは間違いない」と予断を許さない状況だと分析。その上で「ニホンジカはやみくもに捕獲しても意味がない。検討科学委員会の委員から捕獲に関する知識をもらうなど、気を引き締めて対策を進めたい」と話す。「狩猟は残酷だと思うかもしれないが、動物が増えすぎて生態系が壊れないように調整するのが私たちの役目。自然を守っていると自負している」今月6日、津軽地方で行われた狩猟者の魅力を体感するバスツアー。現役ハンター3人と20~70代の参加者30人が意見交換する座談会で、弘前市やその周辺市町村で組織する「中弘猟友会」の工藤昭副会長が狩猟への思いを語った。参加者は興味深そうに聞き入り、「マタギとハンターの違いは」「猟は個人で行うもの? それとも団体で?」などと質問を投げ掛けた。バスツアーでは、つがる市木造地区での地元猟友会による狩猟や弘前市内にある銃砲店での見学、スクリーンに映し出された鳥獣に向かってモデル銃を撃つ疑似狩猟ができるシミュレーター体験、野生鳥獣を調理した「ジビエ料理」の試食などもあった。友人と参加した弘前大学農学生命科学部2年の後藤杏香さん(20)は「狩猟現場を見学できて感動した。狩猟者の方が動物に親しみを持っていることも分かり、狩猟に対する悪印象は全然ない」と笑顔を見せた。県自然保護課は、目撃情報が相次ぐニホンジカによる被害の未然防止に向けた初動対応を急いでいる。県内全域の山林に自動撮影カメラを設置して監視体制を強化しているほか、地元猟友会の協力を得て野生ジカを捕獲するモデル捕獲事業、食害の脅威を県民に周知するパネル展などを実施。バスツアーもその一環だ。同課の佐々木あつ子課長は、中でも狩猟者の確保は重要だと話す。「狩猟者の社会的な役割は、農作物を荒らす有害鳥獣の数を調整すること。ある程度の頭数が分かれば侵入防止の柵が設置できるが、分からない状況のままでは柵は無意味になる。そういう意味では野生ジカの捕獲には狩猟者は必要な存在」。しかし、県内の狩猟免許所持者は激減している。同課のまとめでは、ピーク時の1981年には7283人が所持し、全体の約8割を占めるのは20~40代で6118人だった。しかし、高齢化による免許返納や新規取得者が増加しない背景から狩猟者の減少に拍車が掛かっている。ピーク時の約3分の1にまで落ち込んだ2010年は1917人で、14年は1509人と1500人台を切る勢いだ。年齢層は逆転し60代以上は14年1082人と全体の約72%だった。工藤副会長も70歳を迎える来年、免許返納を予定。もともと70歳で身を引く考えだったが「視力や体力が落ちるのはもちろんだが、もし認知症を発症して誤発砲してしまったら」と体力の衰えを口にする。後継者不足にも不安を示し「自然の変化に目を向ける人が少なくなった。狩猟に興味を持つ若者が増えてくれたら」と願う。県がツアー終了後に参加者に行ったアンケートでは「狩猟免許を取りたい」などと前向きな回答が多く見られた。事前申し込みには定員30人に対し64人が申し込み、うち20~40代は計45人と若者や中年が興味を示している様子がうかがえる。佐々木課長は「応募者が多く、免許取得を前向きに考える人も多いことが分かった」と話し、「来年度以降も何らかの形で狩猟者獲得に向けた取り組みを進めていきたい」と前向きな姿勢を示す。間近に迫るニホンジカ被害の未然防止には狩猟者の確保と捕獲体制の整備、管理が急務だが、その道筋に光が差し込み始めている。
(激増するイノシシ、耕作放棄地と両輪で対策を:愛媛)
「ここまでイノシシが下りてくるなんて」。新居浜市の住宅街で小学生3人がイノシシに襲われて足などをけがした10月23日、現場近くの住民が驚きの声を上げた。その2日後には、西条市でも犬を散歩中の60歳代男性が両手などをかまれた。続けざまに発生した“事故”に驚きの声も出たが、イノシシが山奥にしかいなかった以前とは事情が違う。県によると、昨年度に県内で有害獣として捕獲された数は1万2974頭。1993年度の276頭から47倍に激増しているからだ。ちなみに今年度は、たとえば新居浜市で捕獲数が161頭(12月1日時点)、西条市が248頭(10月末時点)。いずれも昨年度を上回るペースだ。イノシシは農作地に仕掛けたわなで捕獲したり、猟師が銃で射殺している。捕獲した多くは埋葬処理している。一方、一部は肉として販売されている。私が見た販売価格は、ロース1キロ6000円で安くない。たくさん捕獲しているなら、食用に回せば、とも考えられるが、そうもいかない理由がある。食用にするには、捕獲後すぐに血抜きが必要▽血抜きができる猟師が減った▽解体処理施設が少ない−−などだという。毎年1000頭以上を捕獲する西予市や、上島町など県内4市町ではイノシシ肉を特産品とする取り組みもある。「イノシシ肉の消費拡大で捕獲への関心を高め、命という自然の恵みも大切にするため」(上島町産業振興課)という狙いだ。急増の背景の一つに、耕作放棄地の増加がある。NPO法人西条自然学校の山本貴仁理事長は「山間部の過疎化も大きい」と前置きしたうえで、「耕作放棄地は餌となる雑草が生えるし、手入れされていないので身を隠して別の畑を狙う際の“基地”になる」と説明する。農林水産省の報告書によると、県内の耕作放棄地は、90年に6136ヘクタールだったが、今年は1万312ヘクタールになった。今年も寒くなってきた。ボタン鍋でも囲みながらイノシシ問題を考えてみたい。
(暖冬の恩恵、北限のサルのんびり:青森)
2016年の干支(えと)は「申(さる)」。下北半島では、国の天然記念物「北限のサル」(ニホンザル)が暖冬の恵みを受けている。25日、まだ積雪のないむつ市脇野沢小沢地区の山沿いに、約50頭の群れが現れた。寒風に時折、雨や雪が交じる中、サルたちは枝の冬芽を食べたり、地面のえさを探したりしながら林の中を移動。樹上では親子が身を寄せ合って毛繕いする姿が見られた。脇野沢周辺では、むつ市の委託を受けたNPO法人「ニホンザル・フィールドステーション」が、サルの個体数や群れの実態調査を同日から始めた。松岡史朗事務局長は「30年近く調査しているが、この時期、山のふもとに雪がないのは初めて。地面には、まだクローバーなど食べるものがあり、過ごしやすいのでは」と話していた。県のまとめによると、下北半島のニホンザルの群れの数や頭数は増加傾向で、2014年度は69群2389頭で過去最多となっている。
(狩りガール?害獣を狩って美味しく食べる女子が増加中)
講談社・イブニングで連載中の『山賊ダイアリー』。狩猟免許を持つ作者の岡本健太郎さんが、自身の狩猟生活を真面目にのんびりと描いたもの。今までは縁遠いと思われていた狩猟をぐっと身近に感じるとして人気になっています。そんな最中、最近は狩りガールという狩猟免許をわざわざ取得して狩りを楽しむ女子が増えてきているそうです。山ガールとか魔女ガールとか色々流行していましたがついにここまで来ましたか。 女優の杏さんも狩猟免許を持っており、実際もらったウサギをさばいて食卓に出すという自身の生活が話題になったのも記憶に新しいですよね。田畑を荒らす有害鳥獣による被害は年間200億円近いそうです。捕獲後は焼却処分されることが多いそうですが、もっと有効活用できないものかと国も普及に向けて支援しています。捕獲したシカやカラス、イノシシなどをジビエ料理として出す飲食店が増え、調味料として加工する企業も出てきています。青森県で今年2カ所で行われた県の猟友会メンバーが実際にキジ猟を実演し昼食にジビエ料理を楽しむという狩猟体感ツアーでは、女性の参加者が3割を占めました。全国的にも“ハンター”は減少傾向にあり、害獣は増加傾向にあるために大日本猟友会は「狩りガール」を商標登録し狩りガールになるための手引きを丁寧に説明したサイトをつくるなど、女性のハンター志願者に対する間口を広げているようです。狩猟免許を取り、銃の所持許可試験に合格してから病院の診断書や戸籍謄本、住民票などを用意して銃の許可申請するために警察署に出向いたりしなければなりません。また銃の所持に関しては、例えば持ったままコンビニに入ってはいけない、車の中やバイクに乗せたまま離れてはいけない、など細かい決まりがあります。狩猟者のために公益団体である猟友会へ入会すると先輩ハンターたちに色々教えてもらえたり入会費には必須の保険料が含まれていたりなどメリットがたくさんあるようです。そんな面倒な手続きなどがあったとしても狩りガールが増えつつあるのは、狩りの楽しさや美味しさに他では味わうことのできない魅力があるからなんではないでしょうか。実際、新鮮な鹿肉の生肉ってありないほど美味しいので、筆者もちょっと狩りガールを目指そうかな……なんて思ってしまったことは言うまでもありません。
(野生のイノシシ食材に:石川)
農作物に被害を及ぼす野生のイノシシをジビエ料理の食材として有効活用し、地域振興に生かす取り組みが県内で進んでいる。羽咋市と白山市ではイノシシ肉の調理法をPRする試食会や説明会も開催され、関係者は「イノシシ肉の消費を拡大し、新たな産業や雇用の創出に結びつけたい」と意気込んでいる。羽咋市は11月、地元で捕れるイノシシ肉を特産品にしようと普及説明会を開き、飲食店主ら約30人に解体処理した骨付きロースやモモ肉などをセット(各2~3キロ)にして無料提供した。市の食肉処理施設を10月25日から稼働させており、販路開拓を図るのが狙いだ。流通価格は、高級部位の肩ロースが1キロ当たり5000円などと見込まれ、説明会に参加したカフェの女性店主(30)は「ランチメニューに加えることができれば」と思案していた。同市によると、市内では今年度、21日までにイノシシが99頭駆除され、昨年度の計50頭を大きく上回る。隣接する宝達志水町でも21日までに前年度の3倍以上の328頭が捕獲された。米やリンゴなどの農作物が食い荒らされる被害も出ているという。市は料理講習会などを開いてブランド化を目指す方針。市産業建設部の八野田正光部長は「ジビエ料理を普及させ、若い人たちの雇用の場の創出につなげたい」と話す。白山市では「白山麓ジビエ」のブランド化を目指している。市内で食肉処理場を運営する「白山ふもと会」は11月、イノシシの食肉を活用した試食会を市内の料亭で開催した。同会は今年、イノシシ約260頭を処理し、約1・5トンの食肉を生産。1キロ約4000円で販売している。試食会では、市内の料理店がイノシシの子のモモ肉のローストなどを提供。出席者からは「味がしっかりしている」「臭みもなく、軟らかい」など高評価を得た。山田憲昭市長は「農業保護と地産地消の点からも白山のジビエを育てたい」と話している。県や関係市町などで作る「いしかわジビエ利用促進研究会」は来年1月19日から約1か月間、金沢市のANAクラウンプラザホテル金沢でジビエ料理フェアを開く予定だ。

TOPへ

12/25
(シカが衝突、電車遅れ:静岡)
23日午後9時15分ごろ、山梨県身延町のJR身延線身延―塩之沢間で、静岡発甲府行き下り特急「ワイドビューふじかわ13号」にシカが衝突した。JR東海静岡支社によると、安全確認のため、同特急と上り普通電車の計2本が最大17分遅れ、約30人に影響した。
(列車がシカと接触:岡山)
JR西日本によると、21日午後10時10分ごろ、山陽線の熊山駅(赤磐市)―万富駅(岡山市)間で列車がシカと接触し、車両と線路を確認した。このため、山陽線の熊山駅から岡山駅(岡山市)間の一部列車に約25分の遅れが発生している。
(新たに5羽のカラス死骸:福島)
鏡石町の岩瀬農高周辺でカラスが死んでいるのが見つかった問題で、県は24日、同校周辺で新たに5羽の死骸が見つかったと発表した。死んだカラスは計85羽となった。県や町によると、同校から北西約1キロの果樹園で4羽、隣接する水田で1羽が死んでいるのを農家が23日に発見し、24日に町に届け出た。発見数が10羽以下だったため、県は環境省のマニュアルに従い鳥インフルエンザの簡易検査は行わなかった。県は21、22の両日に見つかったカラス計75羽について抽出式の簡易検査を行い、陰性と確認している。県は国立環境研究所に検体を送り、遺伝子検査している。
(鳥インフル陽性反応、環境省や県など合同で巡回:鹿児島)
出水市の出水平野でナベヅルの幼鳥1羽の死骸からA型の鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たのを受け、環境省、県、市は22日、「野鳥監視重点区域」(死骸の発見場所の半径10キロ圏)で合同パトロールを開始した。県による同区域の養鶏場への聞き取り調査では同日、異常は確認されなかった。合同パトロールは、同省と県の担当者7人が4班に分かれて実施。野鳥の死骸や、フラフラ飛ぶなど弱ったツルやカモがいないか探した。今回検出されたウイルスが高病原性でなければ同区域は解除され、同時にパトロールも終了する。しかし、高病原性と判明した場合、陽性反応が出たツルが回収された日(19日)から45日間続ける。環境省出水事務室の中村陽子・感染症対策専門官は「異常な野鳥の早期発見に努め、防疫体制の一翼を担いたい」と話していた。一方、市は市役所で養鶏農家の代表ら約40人との会議を開き、万一の際の連絡体制などを確認した。渋谷俊彦市長は冒頭、「最悪の事態を想定して万全の態勢を取る。鳥インフルエンザを封じ込めていきたい」とあいさつした。約120農家が計約500万羽の鶏を飼育しているマルイ農協の橋口利彦・生産事業部長は会議後、「農家に消毒の徹底、野鳥や小動物の侵入防止などを確実に行ってもらえるよう改めてお願いしたい」と述べた。今回の事態を受け、県は22日、関係部署の課長らによる庁内連絡会を開催。各課が関係機関と連携して情報を共有し、防疫に万全を期すことなどを確認した。
(住宅街にサル1匹が出没:熊本)
熊本県警大津署によると、22日午前9時ごろ、熊本県大津町引水付近の住宅街に、サル1匹が出没しているのが確認された。同11時6分現在、サルは発見、捕獲されていない。同署は「かみつくおそれがあるので、不用意に近付かないように」と警告している。
(民家の庭先にサル出没:兵庫)
24日午後、兵庫県明石市の民家の庭先でくつろぐサルの様子をカメラがとらえた。  サルが見つかったのは明石市朝霧町の民家の庭先。住民が野鳥のエサとしておいていたミカンを夢中で食べていた。  明石市では24日午前11時ごろ、住民からサルの目撃情報が寄せられ市の職員らが捜していた。サルは、屋根や塀をつたって民家を移動しながら木の実を食べたり、毛づくろいをしたりして、くつろいでいた。  明石市によると、この周辺でサルが出没することは珍しいという。市では直ちに捕獲することはせずにサルが人に危害を加えないよう監視をしつつ、広報車やホームページなどで市民に注意を呼びかけていくという。
(野生サルの出没相次ぐ:山口)
下関市豊北町で野生のサルの出没が相次いでいる。撮影した地区では、今月に入って50頭を超えるサルの群れが相次いで出没している。地元の人が大きな音を立てて追い払っても遠くまでは逃げず、近くに人がいなくなるのを待っている。民家の庭にある数本のミカンの木、サルが狙うのは一番美味しいミカンで、器用に皮をむいて口にする。畑では、ダイコンの他、キュウリやサツマイモなども被害に遭った。昨年度の下関市に於けるサルの農業被害は豊北町を中心に2300万円に上っている。
(白神山地、ニホンジカ6頭撮影)
白神山地世界遺産地域連絡会議は21日、青森、秋田両県にまたがる世界遺産白神山地および遺産周辺地域で本年度、計6頭のニホンジカがセンサーカメラで撮影されたと発表した。昨年から4頭増えた。シカは白神山地に植生するブナの樹皮を食べるため、遺産地域内の生態系への影響が懸念されている。環境省などがシカの生息状況を調べるため、5~11月、順次計79台のセンサーカメラを設置。9~10月にかけて、オス5頭と性別不明の1頭が写っていた。遺産地域内の緩衝地域にあたる青森県西目屋村の暗門の滝付近では10月13日にオス1頭が撮影され、遺産地域への侵入が初めて確認された。会議は来年1月に、夜間に強力なライトを照射して動物の姿を確認する「ライトセンサス」を実施するほか、来年度もセンサーカメラ調査を継続し、生息状況の把握を進める。環境省の藤井沙耶花自然保護官は「昨年も遺産地域近くで発見されており、侵入は予想していた通りだった。引き続き生息情報の収集に努める」と話した。
(「イノシシ撃退大作戦」、10年で事業費2億円:兵庫)
イノシシによる農作物への被害拡大を防ごうと、三木市は10年間で総事業費2億円超を投入するプロジェクト「イノシシ撃退10年大作戦」をスタートさせた。「防御と駆除」を重視し、侵入防止柵(さく)やわなを大幅に拡充して「守り」を固めるほか、ハンター育成につながるように助成も行って「攻め」も後押しする。市は大作戦のスタートに伴い、21日の12月定例会最終日に電気柵の設置補助などの事業費1千万円を盛り込んだ補正予算案を可決した。市農業振興課によると、同市では近年、イノシシにイネが踏み荒らされたり、サツマイモが食べられたりする被害が増加傾向にある。平成24年度に12カ所(被害総額19万円)だったのが、25年度に17カ所(64万円)になると、26年度には過去最悪の39カ所(100万円)に急増。今年度はさらに被害が広がり、9月末時点ですでに75カ所(134万円)になっている。こうした状況に、市は「防御と駆除」に重点を置いた大規模なイノシシ対策を立案。36年度までの10年間で約2億6千万円を投じて事業推進することを決めた。「防御」では、イノシシの侵入防止柵(金網柵、電気柵)について、これまでは集落が設置する場合に市が費用の半額を補助していたのを、最大で全額補助に切り替え。これまで随時設置してきたわなは、10年間にわたって毎年200基ずつ計2千基を増強する。一方、「駆除」では、ハンターの数が増えることを狙って、猟友会に入会しようとする人を対象に狩猟免許取得費など必要経費の半額程度を助成する。同課は「補助金を活用して対策を強化することで、イノシシ被害の防止につなげたい」としている。
(マタギや人口減考える:秋田)
マタギや人口減少を教材にした特別授業が今月上旬、北秋田市阿仁合小(神成寿寛校長)であった。6年生8人が地域の狩猟文化を学ぶとともに、県内で急速に進む人口減にどう向き合うかを話し合った。授業は、秋田大大学院教育学研究科の大学院生9人が担当。講師として現役のマタギ鈴木英雄さん(68)を招いた。鈴木さんは狩猟道具を見せながら、マタギは仕留めた獲物を山の神からの贈り物として大切に扱うことを紹介。冬の猟の厳しさからなり手が減っていることを説明し「マタギになる人が一人でも出てくれたらうれしい」と語り掛けた。大学院生たちは、市の人口予測や政策を盛り込んで作った副読本を基に、人口自体が減り続けている現状を説明。対策を話し合った児童からは「若者に人気の仕事を増やせばいい」「市の魅力を観光客にPRする」などの意見が出た。山田桂君(12)は「祖父はマタギだったけれど、知らないことも多かった。地域のことを勉強できて良かった」と話した。指導に当たった外池智秋田大教授(52)=社会科教育学=は「地域の身近な話題や社会の課題を取り上げることで児童の学びが深まる。学生の成長にもつながる」と成果を強調した。
(大学キャンパスにイノシシ:山口)
山口市の山口大学吉田キャンパスに最近、イノシシが出没している。東側にある動物医療センターや、中心部の理学部、北西側の正門付近と、神出鬼没だ。動物生態学が専門の細井栄嗣(えいじ)准教授が2頭のイノシシの動画を撮影した。まだ、体長約80センチの子どもで、エサを探して鼻面で地面を掘っている。ただ、子のそばには母親がいる可能性もあって危険という。細井准教授は「いまは小さくても、やがては大きくなる。カワイイではすまされません」。
(イノシシ被害急増、県庁で初会合:香川)
深刻化する鳥獣被害への対策を進めるため、県鳥獣被害防止対策本部(本部長・浜田恵造知事)が設置され、第1回会議が21日、県庁で開かれた。会議では、県みどり保全課と農業経営課から、鳥獣害の現状が報告された。県みどり保全課に通報があった市街地などへのイノシシの出没件数とけが人の数は、2010年度に26件2人だったのが13年度は86件1人、14年度は176件7人に。今年度は11月末現在までで193件17人に上り急増。野生鳥獣による農作物被害金額も、10年度以降、確認できるだけで毎年2億5000万円以上の被害が出ている。イノシシは1990年度以前は南部の県境付近に生息が限られていたのが、現在は島しょ部を含む県内全域に広がった。ニホンザルは12、13年度の県の調査によると、県内に群れが少なくとも33群あり、推定生息頭数は約3000〜4500頭に上る。中でも加害性の高い群れが10群あるという。また、ニホンジカも生息範囲を拡大しているという。浜田知事は「人への被害も出ている深刻な状況だ。新年度予算で、充実した対策を盛り込むなど、スピード感をもった対応を」と呼びかけた。
(多々良沼「トリ騒動」、ハクチョウ飛来減少:群馬)
ハクチョウの飛来で知られる邑楽町と館林市にまたがる多々良沼(通称・ガバ沼)。地元住民の餌付の成果で増えたハクチョウの優雅な様子を見に行くと、例年なら100羽を超えるはずが、たったの27羽。しかも思わぬ「トリ騒動」が起きていた。ことの発端はオオタカの出現だった。地元の「白鳥を愛する会」の時崎清会長(70)によると、会員らが日に2回餌を与えていたカモを狙うつがいのオオタカが現れ、今では沼近くの林で営巣し、幼鳥含め複数のオオタカが繁殖しているという。そこに猛禽(もうきん)類の撮影を狙い巨大な望遠レンズを持ったアマチュアカメラマンが集結。オオタカの襲撃シーンを待つため、ハクチョウが警戒して餌を食べに寄ってこなくなったというのだ。カメラマンにすれば、希少なオオタカが獲物を捕らえる瞬間をキャッチできるのは撮影の醍醐味(だいごみ)。夢中になるのは分かる。カメラマンの一人が記者に見せてくれた写真は、オオタカがカモを捕らえ、それを横取りしようと襲いかかるオオタカの幼鳥などが迫力満点に写っていた。一方、愛する会の会員らは、長年ハクチョウとともに餌を与えてきたカモが食べられてしまうのだから、彼らにいい感情は持てない。対策として、餌やり場から離れて撮影することを求める看板を立て、カメラマンに注意を促した。加えてごみを散らかすなど、そのマナーの悪さも周辺で耳にした。さらに、ハクチョウの飛来数そのものの減少も心配だ。平成17年に沼が真っ白になるほどの601羽が飛来したが、「暖冬も考えられるが、日本海側に雪が降れば、食べるものが少なくなって飛んでくるかも」と時崎会長は話す。また、ハクチョウ、オオタカ、カモのトリ騒動に輪をかける存在がカラス。警戒するハクチョウに代わり、事態を知った(?)カラスが空が真っ黒になるほど現れ、餌のパンを食べてしまう事態という。以前は絶滅が心配されたオオタカだが、環境省によると現在はレッドリストカテゴリーから外れ、全国で6千羽ほどまで増えているという。ガバ沼の騒動について聞くと、「住民との間でトラブルの原因になっているとは聞いたことがない」(自然環境局野生生物課)と驚いていた。美しい湖沼が舞台の騒動、うまい解決策がないものか。複雑な思いで沼を後にした。
(獣肉加工処理施設完成:愛知)
イノシシなど獣肉加工処理施設が豊田市新盛町菅田でこのほど完成した。1月10日から稼働する。畑などを荒らすイノシシを食べて駆除を進めようと、足助地区の住民らが設立した会社「山恵」(小沢庄一社長)が国、市の交付金、補助金計約3500万円を受け、約5400万円で建設した。年間約300頭の処理を予定し、鍋用のほかソーセージ、肉まんの具などの商品化を期待している。施設は鉄骨平屋建て約80平方メートルで、枝肉処理室、包装室などがある。市内では毎年、3000〜4000頭のイノシシ、シカが捕獲され、一部は鍋用に解体、販売されるが、大半は埋めて処分されている。このためイノシシ肉を地域の資源として活用しようと、住民が会社を設立した。市農政課によると、同種の施設は新城市、岡崎市などにあり、県内で4カ所目。
(シカ肉の地産地消を学ぶ:北海道)
釧路市立芦野小学校(森泉校長)の4年生(82人)は、2学期の総合的な学習の時間で「釧路もりあげ隊」をテーマに釧路の良さを知り、それを広める学習に取り組んできた。21日には、最後のまとめとなる阿寒産エゾシカ肉を使ったザンギ作りに挑戦した。学習は地産地消くしろネットワーク(事務局・釧路市産業推進室)の協力を得て行われ、北泉開発の曽我部元親さんからエゾシカについて話を聞いたり、卸売りスーパーあいちょう芦野店(藤本要幸店長)でエゾシカ肉の良さをPRする活動などを行ってきた。この日は、管理栄養士で調理師の加徳良太さんの指導を受けながら、肉を切って味付けし、かたくり粉を付けて油で揚げていた。これまでお世話になった人たちを招き、給食メニューのエゾシカ肉の団子が入った「もみじ味噌ちゃんこ汁」とともに味わっていた。
(迷惑鳥獣、美食に変身)
田畑を荒らすシカやカラスなどの「有害鳥獣」は、年間200億円近い被害をもたらす。捕獲後、埋却や焼却処分されることが多いが、意外な方法で加工したり、料理にしたりする試みが各地で進められている。国も普及に向けて支援している。京都府京丹後市で100年以上の歴史をもつ小野甚味噌醬油(おのじんみそしょうゆ)醸造は今年、シカ肉をこうじの力で発酵させ、しょうゆのような「醬(ひしお)」の製造を始めた。ナンプラーなど魚醬(ぎょしょう)は各地にあるが、肉が原料のものはほとんど例がないという。市によると、2014年度には3800頭が捕獲された。豊富なシカ肉を「有効利用」しようと、市が開催したビジネスアイデアのコンテストに、京都工芸繊維大学(京都市)で発酵を研究するグループが醬づくりを提案。老舗の小野甚が実現に乗り出した。仕込みは5月。30キロあまりのシカ肉をミンチにして、こうじや塩とともに、杉製のたるにつけ込んだ。社長の小野甚一さんは「仕込みの時は獣肉のにおいがすごかった」と振り返る。今はにおいもなく、見た目はしょうゆとほぼ同じだ。現在は、毎日かき混ぜて熟成中で、来年5月にできあがる見込み。醬の成分や安全性を確認して商品性を探る。小野さんは「しょうゆと違う個性が出るかどうか、楽しみです」と語る。神奈川県平塚市の公民館では10月、住民ら約40人が集まって、薫製肉の試食会が開かれた。味わった水嶋一耀さん(71)は「普通においしい。カモに近い感じがする」と話した。食べたのはカラスの肉。カラスはゴミを荒らすだけでなく、農業被害も深刻だ。試食会を開いた総合研究大学院大学の塚原直樹助教(野生動物管理学)は「栄養面でとても優れた、素晴らしい肉」と説明する。カラス肉はリトアニアの一部で伝統的に食べられ、野生鳥獣の肉を使うジビエを提供するフランス料理店では高級食材として使われているという。鉄分は牛レバーの2倍以上、タウリンも豊富な一方、コレステロールは鶏卵の千分の1。塚原さんによると、同市で捕獲されたカラスの肉から検出された水銀や重金属の濃度は普通の食品と同水準だった。「もっとも、都会でゴミをあさっているカラスの場合はわかりません」このほか、滋賀県ではカレーチェーン店と協力してシカ肉カレーを開発したり、大阪府立大がシカ肉の缶詰を開発したりするなど、ユニークな取り組みが進む。ただ、普及には安定した捕獲や食肉処理施設の整備などの課題がある。農林水産省などによると、野生鳥獣による農作物被害は毎年200億円近い。13年度に最も大きな被害をもたらしたのはシカ(約76億円)で、イノシシ(約55億円)やカラス(約18億円)、サル(約13億円)が続く。捕獲した鳥獣のうち、食用に利用されるのは約14%。専用の処理加工施設は現在、約170カ所あるとされるが、捕獲数は増加傾向で、利用の余地は大きい。農水省は施設の整備を支援したり、厚生労働省は衛生管理のガイドラインを作ったりするなど、国も普及を後押ししている。
(シカ肉使い、「しかぽてち」:兵庫)
宝塚市でシカ肉料理に取り組む「愛deer料理教室」代表、林真理さん(51)が、シカの肉でだしをとったスープ味のポテトチップス「しかぽてち」を開発した。より多くの人にシカ肉の魅力を知ってもらおうと、気軽に食べられるポテトチップスに目を付けた。上品なシカの味わいを楽しめる商品に仕上がったといい、林さんは「『しかぽてち』を食べて、シカ肉に興味をもってほしい」と話している。林さんは、7〜8年前からシカ肉を使った料理教室を開き、約2年前からは、シカ肉を使ったカレーなどの加工品づくりに取り組んできた。シカ肉は脂肪分が少なく鉄分が豊富で、ヨーロッパなどでは人気があるという。 近年、日本でもシカなど野生動物を使った「ジビエ料理」が注目されているが、まだ人気を集めるまでにはなっていない。県によると、2014年度に県内で捕獲されたシカは約4万5000頭で、そのうち食用にされたのは5%ほど。林さんは「もっとシカ肉に親しんでもらうために、意外性とユニークさのある商品が必要」と考え、「年齢を問わず、多くの人が好きなポテトチップスがいい」と思いついた。宝塚市でシカ肉料理に取り組む「愛deer料理教室」代表、林真理さん(51)が、シカの肉でだしをとったスープ味のポテトチップス「しかぽてち」を開発した。より多くの人にシカ肉の魅力を知ってもらおうと、気軽に食べられるポテトチップスに目を付けた。上品なシカの味わいを楽しめる商品に仕上がったといい、林さんは「『しかぽてち』を食べて、シカ肉に興味をもってほしい」と話している。林さんは、7〜8年前からシカ肉を使った料理教室を開き、約2年前からは、シカ肉を使ったカレーなどの加工品づくりに取り組んできた。シカ肉は脂肪分が少なく鉄分が豊富で、ヨーロッパなどでは人気があるという。 近年、日本でもシカなど野生動物を使った「ジビエ料理」が注目されているが、まだ人気を集めるまでにはなっていない。県によると、2014年度に県内で捕獲されたシカは約4万5000頭で、そのうち食用にされたのは5%ほど。林さんは「もっとシカ肉に親しんでもらうために、意外性とユニークさのある商品が必要」と考え、「年齢を問わず、多くの人が好きなポテトチップスがいい」と思いついた。

TOPへ

12/21
(目撃増えるニホンジカ、捕獲作戦スタート:青森)
近年青森県で目撃情報が増加し、農作物への食害が懸念されているニホンジカのデータ収集と効果的な捕獲対策を探るモデル事業が19日、三戸町で始まった。地元猟友会や県職員ら十数人による捕獲作戦を展開。捕らえることはできなかったが、足跡を見つけるなど生息を確認した。モデル事業は県と県猟友会の共催。同会三戸支部と田子支部の会員7人が実動を担った。午前10時ごろから三戸町内の山林に歩いて入山、追い込み役の勢子(せこ)3人と銃を手にした射手4人に分かれ、午前10時半ごろから30分ほど待機したが、ニホンジカは現れなかった。ただ、現場へ向かう途中の林道沿いで足跡を発見。同会三戸支部の奥政憲支部長は「子ジカも見たことがあり、増頭しているのは確かだと思う。現れる可能性が比較的高い天候だったが、しょうがない」と話し、「支部会員は30人で高齢化と後継者不足が心配。とにかく会員を増やしたい」と切望していた。同行した県環境生活部自然保護課の佐々木あつ子課長は「ニホンジカによる食害は今のところ県への公式な報告はないが、多くの情報があることは承知している。気を引き締めて情報収集に努める」と話した。モデル事業は来年2月15日まで計20回ほど実施する予定。特に繁殖の可能性が高いとされている三八地方で力を入れる方針という。
(サル被害防止へ駆除実施隊:大分)
津久見市の猟友会メンバーでつくる鳥獣被害対策実施隊(通称・サルパトロール隊)が本年度の駆除を始めた。定期的に駆除や巡回活動に取り組む組織は県内では珍しいといい、市も「彼らが見回ることで被害抑止につながっている」と期待を寄せている。実施隊は、野生動物による農作物や人的被害が相次いだことから、2009年に市が呼び掛け創設。本年度は9人で編成。3人一組でサルなどが出没しそうな場所を車で巡回し、目撃情報や通報があれば現場に急行し駆除する。年末年始などを除き、来年3月末まで活動する。市によるとここ数年、丈夫な防護策の設置などでイノシシやシカ被害は減少しているが、サル被害は深刻化。出没件数は年々増え「もう農業が続けられない」との声も寄せられているという。実施隊は「サルは車の音やメンバーの顔も覚えている。においにも敏感で数百メートル先からでも気づく。頻繁に足を運び、農作物だけでなく人的被害も減らしていきたい」と話している。
(140キロ大イノシシやっと退治:静岡)
伊豆市小下田の「恋人岬」近くの山中で16日、体長約1メートル60、体重約140キロのイノシシが駆除された。数年前から周囲の畑を荒らし回り、「岬の主ぬし」と言われてきた大物で、地元猟友会は「ようやく駆除できた」と安堵あんどしている。市と猟友会関係者によると、大半のイノシシは60~100キロ。「岬の主」は推定約150キロと言われてきた。猟友会は5年にわたり、わなをしかけるなどしてきたが、捕獲できなかった。このイノシシは、冬場は山深くに移動するため、今回の駆除作戦で、市は猟友会に銃による駆除を許可。15日夜から、岬の遊歩道や駐車場など一帯を立ち入り禁止にして、観光客の安全を確保した。16日はハンター約30人が山に入り、正午頃、猟犬が追い詰めたイノシシを射手が仕留めた。約4時間かけて運び出して計測したところ、推定よりはやや小さかったが、まるまるとしたオスだったという。駆除に同行した市農林水産課の職員は「まれに見る大物で、農作物被害がひどかったので一安心。クリスマスに向け、恋人岬を訪れるカップルにも安心してもらえる」と話していた。
(カラスが原因で停電:新潟)
17日午後4時前、新潟市秋葉区浦興野などで計1021戸が停電し、約1時間半後に復旧した。東北電力新潟支店によると、カラスが運んできた針金が配電設備に接触したとみられる。
(“トラの威”でサル撃退:高知)
鋭い眼光でサルを撃退、悩める農家の救世主に!?―。高知県四万十市西土佐薮ケ市の農業、松浦栄さん(69)の畑で、トラのぬいぐるみが害獣被害防止に活躍している。トラを置いた周辺では作物被害がなくなったといい、松浦さんは「できたらもう10体ほど欲しい」と話している。松浦さんはナスやシイタケを栽培しているが、近年はサルやシカに芽や実などを食べられる被害が頻発。ネットや電気柵を張り、爆竹を鳴らすなどの手を打ったが、サルはすぐ学習して侵入を図るため解決に至らず「延々続く知恵比べ。彼らも生きるために必死なんは分かるけど…」とお手上げ状態だった。そんな中、松浦さんは2013年の夏に、知人宅の倉庫で大きなトラのぬいぐるみを見つけた。全長1・7メートルで、ぎらりと光るガラスの目は迫力満点。知人がそのまた知人からもらって玄関周辺に飾ったが、「訪問客が怖がるので倉庫にしまい込んだ」と聞いた松浦さんは、ひらめいた。早速譲り受けて畑へ置くと、トラが見える範囲では被害がぴたりとやんだ。松浦さんは「一番効果があった。しっかり守ってくれて、頼りにならあね」と誇らしげにぬいぐるみをなでる。しかし、最初は金茶色と黒のしま模様だった毛並みも、薄いオレンジと紫に色あせた。松浦さんはペンキで塗り直すか思案中のほか、畑に“撃退効果”を広げたいと、ぬいぐるみの販売元を探している。トラは今後も夏はナス、冬はシイタケの番に活躍する予定という。
(動植物12種を独自指定:北海道)
北海道は、道内の生態系に著しい被害を及ぼす恐れがあるとして、アメリカザリガニやイノシシなど動植物12種を「指定外来種」に独自指定した。2013年に制定した生物多様性保全条例に基づき、指定種は適正な飼養や販売時の説明が義務付けられ、野外に放つことが禁止され、違反者に30万円以下の罰金が科される。指定されたのは動物が10種で、内訳は国外外来種のアメリカザリガニ、チョウセンシマリスのほか、本州から道内に持ち込まれる国内外来種のイノシシ、トノサマガエル、ニホントカゲなど。植物がフランスギク、イワミツバの2種。罰則が適用されるのは来年6月19日からで、それまでは周知期間となる。道生物多様性保全課は「北海道はそもそも外来種を『入れない、捨てない、広げない』ことが原則。持ち込みの自粛を求めたい」と話している。
(狩猟者増へ本腰:青森)
県内でニホンジカの目撃情報が増え、農作物などの被害が心配されている。狩猟が急増を食い止める有効な手だてとなるが、県内の狩猟者はピーク時の約5分の1まで減少。危機感を抱く県は今年度、狩猟者を増やすための取り組みに本腰を入れ始めた。県が初めて実施した「狩猟体感バスツアー」に同行してみた。バサバサバサッ――。6日昼、雪が吹きすさぶ、つがる市木造の原野に、カモの飛び立つ羽音が響き渡った。猟銃を手に、草むらににじり寄っていた数人の猟友会員が空を見上げて落胆する様子が、100メートルほど離れた場所から見守っているツアー参加者にも伝わってきた。この日、獲物を仕留める場面を見ることはなかったが、参加者は「見ているだけで緊張感が伝わってきた」と興奮気味に話していた。今回の狩猟のターゲットはカモやキジなどの鳥類だ。だが、県が対策を本格化させた背景には、ニホンジカの「脅威」がある。県によると、県内で絶滅したとされていたニホンジカが今年度(8日現在)、81回目撃された。ニホンジカは食欲が旺盛で繁殖力も強い。爆発的に増えると農作物に被害が出るだけでなく、貴重な自然環境も脅かされる。ブナの原生林など貴重な自然が残る白神山地の世界自然遺産地域では10月に初めてその姿が確認された。他県では、食害で地域の生態系が変わるほどの被害が出ているという。今回のツアーの位置づけは「ニホンジカ初動対策事業」。被害が深刻になる前に、狩猟に理解を深めてもらい、最前線で活躍する人材を増やす試みだ。11月には八戸市で狩猟の魅力を猟友会員が語ったり、タレントがPRしたりするイベントも開かれた。狩猟者の減少は深刻だ。県内の狩猟免許所持者は昨年度、延べ1509人で、10年前の2537人から約1000人減った。ピーク時の1981年の7283人の約5分の1だ。高齢化も顕著で、全体の7割超が60歳以上という。県自然保護課は「狩猟者減少に歯止めがかからない。長く狩猟ができる若い世代に興味をもってもらいたい。被害が本格化してからでは遅い」とする。ツアーには女性8人を含む29人が参加。年齢層も20~70歳代と幅広い。狩猟の様子を見た後、弘前市の銃砲店を訪問。猟師と意見交換したり、シミュレーターを使った射撃体験をしたり、カモ鍋やシカ肉のサラミなど「ジビエ料理」を試食したりと、内容は盛りだくさん。弘前大2年の女子学生(20)は「初めて猟の現場を見られて感動した。私も挑戦してみたい」と話していた。ツアーに同行した私は5年ほど前、ニホンジカの被害に悩まされる長野県で狩猟免許を取得したことがある。免許を取るまでに多くの時間とお金がかかる上、実際に狩猟の現場に立つと、「被害防止」と「命」のはざまで心が揺れた。狩猟者を増加させるには、狩猟の重要性を啓発しつつ、そうした面でのフォローも不可欠と感じた。中弘猟友会の工藤昭副会長は「人間と自然の共生のために狩猟は重要だが、たいへんな面もある。1回のツアーでは伝えきれない」とも話す。県は今後もツアーを開く予定という。
(縄文人が先生、鹿の活用法:長野)
県内でも深刻な農作物の食害をもたらすニホンジカを食肉として活用する方法を探るシンポジウム「縄文食から有害鳥獣問題を考えるin大岡」は20日、長野市大岡公民館で開いた。信濃毎日新聞社の主催で、地域で住民と共に課題を考えながら報道していく取り組みの一環。約40人が参加し、鹿を食料としていた縄文時代の生活などを学びながら、鹿の食肉加工や流通の方法について意見を交わしたり、鹿やイノシシの肉を使った料理を試食したりした。元県立歴史館総合情報課長の宮下健司さんが、縄文文化と野生鳥獣の関わりなどを解説。縄文人は鹿を食肉とするだけでなく、角を釣り針に加工するなどさまざまに活用してきたなどと説明した。宮下さんの指導で参加者がナイフ用に、鹿の角で黒曜石を割る体験もあった。シンポジウムでは、大岡地区住民自治協議会長の中村哲夫さんが、鹿が田畑に入ったりイノシシが稲を踏み倒したりする被害が地域で近年増えていると指摘。「地域が高齢化しており、作物を食べられて農業をやめる人も多い」と話した。大町市で農園カフェを経営する児玉信子さんは、有志で建設した施設で鹿やイノシシを解体して食肉に加工し、自身の店や学校給食で料理に活用している―と報告。「処理施設が増えれば流通量も増えるので、住民と自治体が力を合わせることが大事」と呼び掛けた。長野市いのしか対策課長の山崎千裕さんは、「ジビエ(野生鳥獣肉)用として活用できれば、狩猟現場で(死骸を)埋める負担も減り、捕獲がさらに進む。農作物の被害も減る好循環ができ、地域の活性化につながる」とし、市としても処理施設の充実方法を検討していく考えを示した。シンポジウムの合間には、児玉さんが調理した鹿肉のロースト料理とイノシシ肉のトマト煮の試食もあった。地元の農家丸山勝典さん(66)は「臭みがなくておいしかった」と話していた。
(尾瀬、守り後世に:東京)
尾瀬保護財団(理事長・大沢正明知事)の設立20周年記念シンポジウムが19日、都内で開かれた。パネルディスカッションなどを通してシカの食害対策について認識を深めるとともに、入山者の分散化、外国人への対応といった課題について意見を交わした。アウトドアスクール「木風舎」代表の橋谷晃さんが「日本を代表する自然・尾瀬の魅力」と題して基調講演。シカの食害について「早急に対策をしないと尾瀬が駄目になってしまう」と警鐘を鳴らした。
(エミュー一石三鳥:大分)
豪州原産の大型鳥「エミュー」を活用した地域おこしに、佐賀県基山町の農家などが取り組んでいる。耕作放棄地の有効活用と有害鳥獣対策につなげ、食肉化などで農家の所得向上を目指す“一石三鳥”の取り組みだ。商品化の第1弾として、ミンチ肉を使ったレトルトのキーマカレーを販売している。「攻撃性がなく、くちばしの先も丸いから痛くない。目もかわいいでしょう」。基山町宮浦地区の田んぼで、農業吉田猛さん(62)が4羽のエミューに餌を与えながら目を細めた。「エミューの飼育が、若者に農業への関心を持ってもらうきっかけになれば」と話した。福岡と県境の同町は人口約1万7000人。総面積22・15平方キロのうち農地は14%で、多くが耕作条件の悪い中山間地域にある。過疎と高齢化で耕作放棄地は増加。2014年度は約10年前のほぼ6倍にあたる約14ヘクタールに達し、イノシシによる農作物への被害も約280万円に上る。地域の活性化策を模索していた吉田さんは、耕作放棄地対策として町からエミューの飼育を紹介され、「鶏を飼う感覚でいいのなら」と決心。昨年11月、山間部の田んぼを高さ約2メートルの柵で囲い、生後約8か月の4羽を飼い始めた。効果は意外な面で表れた。大豆やソバの畑では、イノシシが害獣よけの柵を破って侵入し、農作物を食い荒らしていたが、畑近くの田んぼでエミューの放し飼いを始めてからは被害が減った。臆病で警戒心が強いイノシシの習性と関係があるとみられる。今年7月には、仲間2人と農業生産法人株式会社きやまファームを設立。県の補助金を活用して生後約3か月のヒナ25羽を仕入れた。福岡県飯塚市の業者に頼んで、レトルトのキーマカレーも開発。飼育中のエミューは成鳥でないため、今回は北海道から肉を仕入れた。11月下旬から、九州自動車道・基山パーキングエリア(上り線)で1箱(200グラム入り)600円で販売している。町も、エミューを新たな地域資源と位置づけ、10月に中小企業庁の補助制度「ふるさと名物応援宣言」を県内で初めて実施。宣言した自治体には、国の補助金が、関連商品の開発や販路拡大などに優先交付される。町の担当者は「飼育数を増やすためのサポートを強化したい」と語る。「当面は100羽を目標に増やし、耕作放棄地での飼育に協力する農家に報酬を払えるようにしたい」。きやまファームの社長を務める鳥飼善治さん(58)はエミューオイルを使った商品開発などの展望を描く。
(高知で出会ったジビエの名店:高知)
高知で素晴らしいお店と出会うことができた。以前から「ぜひ行ってみて!」と食的百戦錬磨の知人からおすすめされていた一店。ようやく念願かなっての訪問!「ヌックスキッチン」がオープンしたのは2014年7月。たった1年半で、高知でもっとも予約が取りにくい店になっているという。営業日が毎週木・金・土と少ないということもあるが、なかなかの盛況ぶりである。しかも、訪れた人のほとんどがリピーターとなり、県外からのお客さんも相当数だそう。その実力、いかほどか!店主は女性。西村直子さんがひとりで腕を振るっている。旅が好きで世界を回り、オセアニアではニュージーランドを中心に腰を据え、料理人・料理教室講師として活躍した。帰国後は、地元高知のジビエを広めるべく、企画開発などにも力を注いでいるという。この日はディナーをおまかせでお願いする。しょっぱなからテーブルに大歓声。前菜の盛り合わせなのだが、早くもシカ、イノシシのオンパレードだ。シカらしい濃い血色のサラミやテリーヌ、オイル煮にしたアヒージョにシチュー、カレー味のパテまである。イノシシのピザ、なんていうのもあってとにかく楽しく、お酒飲む組はすかさずビールをワインに置き換えていた。なかでもおいしかったのがシカのたたき。シカのしっとりとした赤身はとてもたたきに合うのだ。上にのせられた柑橘は、高知の柑橘「直七」だと思われる。このすっきりとした酸味がたたきをますますおいしくしてくれた。女性店主の心配りか、肉をたっぷり食べる前には野菜サラダを。高知はどこに行っても野菜がおいしくて驚いたが、こちらはドレッシングもふわふわと具だくさんで、クミンが効いているから食欲も増進。シンプルなサラダがもりもり食べられる。サラダで胃袋のスタンバイができたところで、さあ、ジビエを!まずは仔イノシシの低温塩釜焼き。塩で包んで焼いたイノシシ肉がなんて芳醇なこと! イノシシは野趣が売りだろうけれど、仔イノシシはそこまでハードではなく、ここではそのほんのりした野趣を残して華やかに昇華。舌に絡みつくようになめらかで、シルキーだ。塩釜だからほんのりと塩味が広がり、味わい豊か。ハニーマスタードを少しだけつけて。なんて繊細な焼き方をする方なのだろう、とカウンターの向こうで奮闘する西村さんに熱視線を送る。コースは緩急ついていて、次はポトフ。この日はシカのソーセージと冬瓜のポトフ。ソーセージは信頼できる業者に頼んで作ってもらっているそうだが、今すぐ売ってほしい! と言いそうになるほどの完成度。シカだから、というもの珍しさではなく、鉄っぽい旨みがしっかりと広がる逸品。高知県、西村さん開発の「シカドッグ」を売り出し中らしいが、そちらも食べたい……。メインはシカのシンプルロースト。赤身中の赤身、モモ肉をまさにシンプルに焼いたもの。シンプルだからこそ難しいわけだが、この断面のツヤ、深い色あい、みずみずしさ……なんて美しいのでしょう。つけ合わせも大いにシンプルで、この日はかぼちゃのピューレときのこのみ。一同、しばし見とれつつ、赤ワインを追加する。焼き方はなにしろ名人芸。それと同時に感動するのがシカ肉自体のポテンシャル! 高知の豊かな森でおいしい餌をもりもりと食べ、そして奥深い山を駆け回っているシカは、これまで食べたどんなシカよりも力強い、野生の筋肉の味がした。ナイフで切るときに刃にまとわりつくような質感は、口に入っても同じこと。そして、味が弾けるように元気、そして清々しい。「なんでこんなにおいしいの~」と悶えていると、「西村さんは目利きなんだよ」と隣からアドバイスが飛んできた(高知では割と隣の席から普通に話しかけてくる)。罠ではなく、銃で撃ったものしか使わず、さらに肉質を見極めているからこそ、なのだそう。高知のシカ自体がそもそもおいしいのに加えて、狩猟法などを選んでいるのがヌックスのスペシャルなところらしい。「これが飛行機に乗っても食べに行けと言われた味か~」と感激していると、「まだお腹に余裕があるなら追加でなにかいかが?」と西村さん。炭水化物欲を微妙に持て余していたので、「イノシシチャウダーのクリーミーマカロニグラタン」と「シカとイノシシの煮込みうどん」とダブル注文(お隣さんが食べていたものがあまりにもおいしそうで……)。イノシシのグラタンは一見家庭的なペンネグラタンなのだが、イノシシのだしが効き、肉もゴロゴロ。なんて贅沢な! さらに素晴らしかったのがうどんで、「ジビエ鍋の〆」みたいなものだった。クリアなスープにシカとイノシシの肉、油揚げや野菜、そしておうどん。ほっとする味で、みるみる広がるジビエの旨みをうどんに絡めとる。21時を過ぎないと注文できないお夜食メニューなので、次回来るときもスタートは遅めの設定にしよう、と心に誓った。デザートは大好物のパブロヴァをチョイス。ニュージーランドで働いていた西村さんらしいメニュー。高知は肉も野菜も、そしてフルーツもおいしいんだよな……。トップにのっていたのは仏手柑……か?(記憶がうっすら) 移住者が多いのも大いに頷ける食材王国っぷりを見せつけられたコースの締めくくりであった。というわけで、高知のジビエを堪能したヌックスキッチン。次回は、またもや頼まれてもいないのに高知のおいしい情報を披露したいと思います!

TOPへ

12/18
(浜名湖周辺「ヌートリア」繁殖か:静岡)
湖西市の浜名湖周辺で、特定外来生物に指定されている南米原産のネズミの仲間「ヌートリア」の捕獲が相次ぎ、市は農林水産業への被害が懸念される有害鳥獣として駆除している。目撃例も多く、県は「ヌートリアが繁殖して数や生息域が拡大している可能性もある」と警戒している。市によると、2月に1匹捕獲してからこれまでに計6匹を駆除した。農産物への被害を心配した新居町中之郷地区の自治会から相談を受け、市は6月に猟友会に依頼して旧養鰻(ようまん)池に仕掛けた箱わなでも捕獲。12月16日に捕獲したヌートリアは、新居町源太山地区に停泊中の漁船に身を潜めているのを住民が発見した。たも網で捕獲した市職員によると、体長70~80センチで重さは10キロ未満。「網をかぶせると逃げようとして激しく暴れた」という。環境省によると、ヌートリアは長い爪と鋭い前歯があり、水生植物を大量に捕食。水鳥などと餌をめぐり競合する恐れがある。目撃例がある愛知県豊橋市は「興奮すると引っかかれることがある。野生動物は病気を持っている場合があり、むやみに近づかないで」とホームページで注意を促している。湖西市も市民への注意を呼び掛けていく予定。県によればヌートリアは2011年に浜松市内でも捕獲例があるが、報告は少ない。担当者は「生息域の拡大は好ましくない。市町は積極的に駆除してほしい」と話している。
(クジャクなど293羽駆除:沖縄)
竹富町は11日までに本年度のクジャク銃器駆除事業を終えた。銃器を使用した駆除作業を黒島と小浜で各2回実施し、クジャク171羽、カラス122羽の計293羽を駆除した。町自然環境課によると、今年ふ化したと思われる幼個体が減少しており、與那城博主任は「5月に実施した探索犬による繁殖卵駆除(駆除数333個)の効果があらわれ始めていると実感している」としている。ただ、繁殖力の高いインドクジャクは駆除の手を緩めると数年で元に戻ることが予想されることから、駆除事業を継続して行う考えだ。県猟友会竹富町地区の河合正憲地区長は「クジャクの駆除数は171羽と昨年度(288羽)の6割程度とふるわなかった。個体数の減少にあわせ、警戒心が高くなったと考えられる」と話している。駆除は、猟友会が大原駐在、小浜駐在、地域住民の協力を得て実施。5月29~30日に小浜島でクジャク23羽、6月10~11日に黒島でクジャク51羽とカラス93羽、11月6~7日に黒島でクジャク53羽、カラス29羽、12月10~11日に小浜島でクジャク44羽を駆除した。
(繁華街でサルの目撃情報相次ぐ:兵庫)
神戸・三宮の繁華街でニホンザルの目撃情報が相次いでいる。14~17日にかけ、5件の通報があった。丹波地方や大阪・箕面方面などからやって来たとみられるが、神戸の市街中心部での出没は非常に珍しい。人を襲う可能性もあり、同市が注意を呼び掛けている。来年は申(さる)年。待ちきれなかったか。神戸市などによると、最初の通報は14日の夕方。同市中央区下山手通7のマンションで「塀の上でじっとしている」と警察などに通報があった。その後、15日にJR三ノ宮駅の北(同区琴ノ緒町5)、16日には三宮センター街の南の商業ビル(同区三宮町1)とJR元町駅北のマンション周辺(同区北長狭通4)でそれぞれ目撃された。さらに17日朝にも、14日の場所に近い同区中山手通6で見つかった。5~14日には長田区や兵庫区の住宅街などでも目撃されており、同市農政部計画課は同じ個体が東へ移動した可能性が高いとみている。ニホンザルは神戸近郊では、兵庫県の篠山市や神河町、佐用町、大阪府箕面市などの山に生息。50~100キロは動くという。同課の担当者は「群れから離れたのだろう。一般的には1~2週間で山へ帰る」と話す。三宮周辺での目撃について、淡路島モンキーセンター(洲本市)の延原利和所長は「人が多く、危険の多い繁華街に自ら出て行くのは珍しい」と驚く。もしペットだった場合、ストレスから攻撃的になるケースもあるという。今月2日には大阪市内の繁華街・アメリカ村でサルの捕獲劇があったが、同課は「通行人の安全を確保したうえで捕まえるのは技術的に難しい」と慎重な姿勢だ。神戸市は、目を合わせない▽大声を出さない▽不用意に近づいたり餌を与えたりしない-などの注意点を同市ホームページに掲載。サルは簡単に扉や窓を開けるため、戸締まりの徹底も促す。
(狩人は企業、シカやイノシシの食害防止)
シカやイノシシによる農作物被害が深刻化する一方で、捕獲する狩猟者は高齢化で減り続けている。そのギャップを埋めるため、鳥獣保護法が改正され、企業が自治体の捕獲事業に参入しやすくなった。自治体から認定を受けた警備会社や建設会社などが捕獲事業を受託し始めている。狩猟者不足のなか、企業が新たな担い手になるか注目される。11月中旬、木の葉が落ち始めた赤城山(群馬県)。オレンジ色の作業着を着た警備会社のシムックス(同県太田市)の社員2人が、下草が茂る斜面でわなを点検していた。同社の田村直人さん(29)は「ぱっと見て、シカが通りやすい道がわかるようになった」。今年度、県からニホンジカ80頭分の捕獲事業を受託。わなで捕獲するとセンサーが反応してメールが送られる仕組みも開発した。同社取締役の高橋直人さん(38)は「ビジネスとして成り立つかどうかは未知数。実績やノウハウを積み、事業を広げたい」と話す。自治体の捕獲事業に企業の参入が相次いでいるのは、環境省が今年度、捕獲実績や安全管理体制などの水準を満たす法人を「認定鳥獣捕獲等事業者」に認定する制度を始めたためだ。自治体から認定を受けた団体は事業を受託でき、夜間の銃猟や麻酔銃の使用も一部可能になる。警備大手の綜合警備保障も参入し、子会社が認定を受けた。同社は「大規模化や肉の加工・販売など、工夫次第で収益を出せる。地元と協力しながら全国に広げたい」としている。環境省が企業の参入を促す背景には、鳥獣による農作物被害が全国で毎年200億円を超えるなか、狩猟者が減り続けていることがある。シカやイノシシの個体数は近年急増。環境省によると、2012年度時点でニホンジカは北海道を除き推定249万頭と10年前から倍増、イノシシも約89万頭と4割増えている。希少な高山植物の食害など、自然生態系への被害も大きい。国や自治体は個体数を減らす取り組みに力を入れ、年間で計90万頭近くを捕獲しているが、増加に歯止めがかからない。一方で、狩猟免許保有者は2012年度に約18万人と40年前の3分の1に減り、高齢者が6割超を占める。環境省の担当者は「若手が少なく、捕獲事業が続けられなくなるかもしれない」と話す。岐阜大の鈴木正嗣教授(野生動物管理学)は「個体数を減らすには、組織で効率的な捕獲ができる事業者の育成は欠かせない。ただ、現場で事故やトラブルを防ぐため、定期審査など事業者の質を保証する仕組みも必要だ」と指摘している。
(クレー射撃でリオ五輪代表、結城市長らに報告:栃木)
リオデジャネイロ五輪のクレー射撃に本県選手として出場する中山由起枝(なかやまゆきえ)(小山市生まれ、日立建機)は15日、茨城県の結城市役所を訪れ、前場文夫(ぜんばふみお)結城市長らにリオ五輪代表決定の報告を行った。中山は結城市在住の36歳。ことし8月ワールドカップ(W杯)の女子トラップで優勝し、国別出場枠を獲得。その成績が評価され、今月9日に本県選手第1号、自身4度目の五輪出場が決まった。冒頭に前場結城市長が花束を贈呈。中山は「しっかり調整していきたい。まだ一度もメダルを獲得していないので、ぜひ取れるように頑張りたい」と話した。「どれだけ自分のペースで優れたパフォーマンスができるか。そこをクリアできれば、いい結果も残せるはずだ」と言葉に熱を込めた。
(害獣駆除、技術伝える:千葉)
野生のイノシシやシカが農作物を食い荒らす被害が県内各地で増える一方、猟銃を扱ったり、ワナを仕掛けたりする「狩猟免許」の所持者は高齢化に伴って減少傾向にある。後継者の確保が課題となる中、木更津市に害獣駆除を委託されている「木更津猟友会有害鳥獣対策特別駆除隊(駆除隊)」は、将来の担い手育成に力を入れ始めている。「檻おりを置く向きは、どっちがいいですか」。12月中旬、木更津市大久保の水田脇で、駆除隊に入って3年目のJA職員栗原貴寛さん(35)は、隊長の清田一雄さん(65)の助言を受けながらイノシシを捕獲するための檻を設置していた。駆除隊が市に委託されて害獣駆除を始めたのは15年以上前。当時、同市馬来田地区でサルが農作物を食い荒らす被害が急増したため、「木更津猟友会」の有志が駆除隊として活動を始めた。近年はイノシシによる被害が深刻で、隊員は猟銃や檻、足を挟む手製のワナを使って駆除にあたっている。2014年の駆除数は過去最多の550頭にのぼった。ただ、メンバー24人の平均年齢は約65歳と高齢化しており、中心メンバー8人の平均は70歳に迫る。清田さんは「このままでは近い将来、駆除をする人がいなくなって被害はさらに広がる」と危機感を募らせる。県自然保護課によると、散弾銃などを扱える第1種銃猟免許や、わな猟免許といった「狩猟免許」の県内の所持者は、ピーク時の1978年に約2万人いたが、2014年に約6000人まで減少。4種類の免許はいずれも有効期限が3年の更新制で、高齢者が適性検査などを敬遠して免許を更新しないケースも多いという。ここ数年は、狩猟への関心の高まりもあり、免許の新規取得者は微増しているが、実際に捕獲できるかどうかは長年の経験がものを言うため、「すぐには害獣を捕まえられないケースも多い」(同課)という。このため、ベテランによる技術伝承が害獣による被害拡大を防ぐカギとなる。駆除隊は後継者育成のため数年前から木更津猟友会の若手に声をかけ、13年以降、30~50代の4人が加わった。栗原さんもその一人で、狩猟免許を11年に取得して猟友会に入り、清田さんらに勧められて駆除隊の一員になった。狩猟歴30年以上の清田さんらは積極的に駆除をする傍ら、若手を連れて山に入り、ワナの仕掛け方などを伝授している。栗原さんは害獣の足跡を見分けられるようになるなど着実に技術を身につけているといい、「ふだんは仕事があるので駆除にあたる日は限られるが、親切に教えてもらっているので頑張りたい」と話す。技術の伝承には、狩猟中の安全確保という側面もある。県内では過去、害獣駆除中の誤射による死亡事故も起きた。清田さんらベテランは、猟銃を使用する際は必ず肉眼で害獣を確認してから引き金を引くよう仲間に口を酸っぱくして伝えているという。清田さんは「安全に駆除できなければ意味がない。害獣被害の拡大を防ぐためにも、技術を持った仲間を増やしていきたい」と話している。
(多摩川上流の水源林でクマ被害拡大:東京)
東京都が管理する多摩川上流域の水源林で、ツキノワグマが樹皮を剥ぐ被害が増えている。被害は年間200本程度の年もあるが、今夏は確認できただけで約2000本に上る。傷ついたヒノキやスギは腐食する恐れがあるだけではなく、木材としても売れなくなる。都は木に防護材を巻くなど対策に力を入れ、水源林の保全を図る考えだ。山梨県丹波山村の山あい。人や資材を運ぶ簡易モノレールに乗って山の奥に進んでいくと、樹皮が剥がされた木が目立ってくる。都水道局水源管理事務所の岩崎浩美技術課長は「大きく剥がされた樹皮は元に戻らない」と困り顔だ。クマは樹液をなめようとして樹皮を剥がすという。戦後、成長の早いヒノキやスギなど針葉樹の植林が進み、クマが好む木の実がなる広葉樹が減ったことが背景にあるとみられる。都は2014年度に幹を保護する対策を過去最大の134ヘクタールの範囲で実施したが、被害の食い止めには至っていない。だが「森にクマがいるのは当たり前。駆除はせずに共生をめざす」(岩崎課長)という立場だ。樹木の防護は08年度からはじめた。幹に何かが付いているだけで、クマは違和感を覚えて近づかないため、当初はわら縄を巻いた。ところが、せっかく巻き付けたわら縄をシカが食べてしまうため、今は1枚500円程度で10年以上使えるナイロン製の樹皮ガードを増やしている。枝打ちで切り落とした枝を、木の根元に積み上げてクマが近づけないようにする「枝置き」の範囲も広げていく。都の水源林は約2万3千ヘクタールに及び、奥多摩町から山梨県小菅村や丹波山村、甲州市まで広がる。都全体の面積の10分の1に相当し、水道事業者が保有する森林としては全国で最も大きい。
(猟用刀、受け継ぐ者は:北海道)
鞘(さや)から抜かれた24センチの刀身は怪しく光り、刃に沿って雲文様がうっすら浮かぶ。この短い日本刀のような刀は「猟用刀」で、狩猟の際に必ず携帯する。獲物の解体にも使うが、出合い頭や弾を外してヒグマと相対した時、唯一身を守る武器となる。前回紹介した「熊百頭退治」の大川春義さんから息子高義さんが受け継ぎ、1998年6月の高義さんの死後、林豊行さん(66)に遺族が託した。林さんは惨劇の舞台となった三渓地区から約18キロ海側の古丹別の街で、理容業を営みながら狩猟を続けている。もともと三渓の出身で、子どもの頃、家には軍用銃があり、兄と空気銃でスズメやカケスを撃って遊んだ。そんな時、春義さんに「鉄砲好きか? 今度連れてってやる」と声をかけられた。「熊撃ちの春さん」の言葉に心が躍った。札幌などで理容を学び、25歳の時、故郷で開業した。すぐに猟銃を取得。大川親子と熊撃ちに歩き、ヒグマの生態や習性、心構え、技術を学んだ。そして翌年4月、猟友会の仲間と初めて仕留めた。沢で偶然、足跡を見つけ追跡した。すると突然、足跡が消えた。「止め足」だ。警戒心の強いヒグマは人の気配を感じると大きく横に跳び、進路を変えると聞いていた。引き返すと斜面を登るヒグマがいた。距離は50メートル。引き金を引いた。1発目は後ろ足、2発は背中。致命傷を与えられず、3発目で倒した。その強靱(きょうじん)な体力に初めてヒグマの恐ろしさを感じたという。心に残る教えの一つが「近づく時は普通に歩くな」。ヒグマは遠くからでも人が雪を踏む音がわかる。だから木やササから雪が落ちるような音を立てて近づけ。つまり単調ではなく、自然界の不規則な音で近づけという意味だった。「最初はまったく意味がわからなかった」と笑う。林さんはこれまで11頭をとった。大半が畑や民家近くに出没するヒグマの駆除だ。冬眠明けを狙う春グマ駆除が90年に禁止され、いまは狩猟期に出合えば撃つ程度で、その機会はめったにない。ヒグマが減ったとは思わない。目撃情報も頻繁で畑で足跡もよく見かける。エゾシカが増え、山には撃ち損じや自然死の死骸などがあり、「ヒグマは餌に困らなくなった」とみる。2頭の巨大ヒグマの剥製(はくせい)が苫前町郷土資料館に展示されている。高義さんたちが倒した「北海太郎」(500キロ)と、林さんも加わった「渓谷の次郎」(350キロ)だ。ともに仕留めたのは雪が残る4~5月。いまの規則では、熊撃ちが代々伝えてきた「追跡の技」も教えられない。林さんが会長を務める苫前町猟友会には20~70代の9人が所属する。ヒグマを撃った経験があるのは林さんだけ。知識や技術は教えられても、追い込む難しさや相対した時の度胸は体験を繰り返す以外に身につくものではない。私も猟銃を持つが、4年たってもヒグマに出合わないし、引き金を引く自信もない。実践の場ではわずか10メートル先のエゾシカを外すこともあるのだ。猟用刀を次に受け継ぐ熊撃ちをどう育てるか――。林さんは自問する。
(子どもに銃体験、抗議:滋賀)
滋賀県の、あいば野平和運動連絡会は17日、高島市にある航空自衛隊饗庭野(あいばの)分屯基地で11月28日に行われた基地祭(一般開放)で、子どもを含めた来場者に模擬銃を持たせ銃の操作を体験させたことに対し、分屯基地司令あての抗議文を提出しました。早藤吉男共同代表ら8人が基地を訪れました。早藤氏らは「子どもに銃を触れさせる行為は、15歳未満の児童の軍隊、武装集団への採用を禁じたジュネーブ条約や子どもの権利条約の趣旨に反し許されない。陸上自衛隊では、市民団体から銃刀法違反と告発され、銃操作体験を中止している」と指摘。「戦争法が成立した今、子どもたちに戦争体験をさせ、青少年を戦場に駆り立てる危険な企てであり強く抗議する。今後、子どもたちに銃などあらゆる武器の接触体験をさせないように」と申し入れました。担当者は「司令に伝える」とこたえました。
(ライチョウの画像収集、生態把握で来年度にも:長野)
国特別天然記念物で、絶滅危惧種でもあるライチョウの生息実態を把握するため、県が来年度にも、衛星利用測位システム(GPS)機能が付いたスマートフォンなどで登山者らが撮影したライチョウの画像収集を検討していることが15日、分かった。かつて山小屋に設置したポストへの投函(とうかん)で情報を集めたこともあったが、寄せられる情報が減って打ち切った経緯がある。県は大勢が所持し、手軽に画像を送信できるスマホなどの情報を、ライチョウ保護に役立てたいとしている。県自然保護課などによると、スマホやデジタルカメラにはGPS機能を搭載し、撮影した画像ごとに自動で撮影日時や場所を記録できる機種が増えている。登山者や、ライチョウ保護のために本年度養成を始めたボランティア「ライチョウサポーターズ」がライチョウを撮影した場合、県に送信してもらう仕組みを検討している。関係者によると、森林限界を超える高山帯に生息するライチョウは、継続的な生態調査が難しい面がある。一方、ライチョウはニホンザルやニホンジカに生息環境を脅かされているとみられ、今年8月には北ア・東天井岳近くでライチョウのひなを捕食する猿が確認され、保護のための現状把握が課題という。県は2010年度、県内にある北アルプスの山小屋51カ所にポストを設け、野生動物の目撃日時や場所を用紙に記入して投函してもらう事業を開始。最大で年間1400件余の情報が寄せられたが、その後減少し、13年度を最後に打ち切っていた。スマホなどを使った画像提供は、猿やニホンジカも対象にする方針。スマホで撮影した画像は、電波状況によってはすぐに送信可能なケースもあるため、県自然保護課の山崎明課長は「猿によるひなの捕食のような異常事態も、即座に分かる可能性がある」と期待している。ライチョウ生息域のうち、北ア(乗鞍岳含む)、南ア、御嶽山への登山者は年間40万人。登山者への知らせ方によっては、より大勢が高山環境への関心を高めることにもつながるとしている。ライチョウに詳しい「中村浩志国際鳥類研究所」(長野市)代表理事の中村浩志・信州大名誉教授(68)は「撮影場所が記録された画像は極めて有効な証拠。多くの情報が集まればライチョウの生息状況や、猿やシカの侵入状況の全体像が見える」と話している。一方、県は猿によるライチョウのひなの捕食が確認されたことを受け、高山帯に侵入する猿をゴムで玉を飛ばすパチンコなどで追い払うことを検討。作業にはボランティアを募ることを想定している。
(エゾシカによる水草のバイカモ食害を撮影:北海道)
清流の象徴でもある水草のバイカモがエゾシカの食害に遭う様子を、酪農学園大学大学院の研究グループが撮影した。エゾシカがバイカモの生育を阻害し、採食時期に季節性があることも突き止めた。川魚などの生態系にも影響を与える可能性がある。研究グループが調査したのは千歳川水系のママチ川で、湧水(ゆうすい)河川のため冬も凍らない。2012年8月から13年8月にかけて、シカの採食による影響を調べるため、シカを排除するネットを群落の10カ所に張り、ネット内外のバイカモの長さを毎月計測した。12年10月からは自動撮影カメラを設置し、採食や踏みつけ行動の様子を記録した。この結果、エゾシカは春から夏にかけて最も川に出入りし、バイカモ群落を踏んで歩いたり、食べたりしていた。自動撮影カメラは、エゾシカが川に頭を突っ込んでバイカモを引きちぎるように食べる様子を捉えていた。清流の象徴でもある水草のバイカモがエゾシカの食害に遭う様子を、酪農学園大学大学院の研究グループが撮影した。エゾシカがバイカモの生育を阻害し、採食時期に季節性があることも突き止めた。川魚などの生態系にも影響を与える可能性がある。研究グループが調査したのは千歳川水系のママチ川で、湧水(ゆうすい)河川のため冬も凍らない。2012年8月から13年8月にかけて、シカの採食による影響を調べるため、シカを排除するネットを群落の10カ所に張り、ネット内外のバイカモの長さを毎月計測した。12年10月からは自動撮影カメラを設置し、採食や踏みつけ行動の様子を記録した。この結果、エゾシカは春から夏にかけて最も川に出入りし、バイカモ群落を踏んで歩いたり、食べたりしていた。自動撮影カメラは、エゾシカが川に頭を突っ込んでバイカモを引きちぎるように食べる様子を捉えていた。また、ネットの内側より外側の方が1年を通じて草丈が短かった。特に春は最も差が大きく、外側の草丈の平均値は内側の62%しかなかった。バイカモは自然の状態でも季節で長さが変わるが、ママチ川は年間を通してネット内外で水質や水温に違いがなく、明らかにエゾシカが生育に影響を及ぼしているという。エゾシカによるバイカモの食害については、摩周湖の伏流水が流れる西別川の源流域でも確認されている。地元のシマフクロウ保護団体は「水草が減ってすみかとする魚が減れば、シマフクロウの餌が減ることになる」と、14年から行政や専門家の協力を得て古い漁網で群落を覆い、一定の効果をあげている。酪農学園大大学院の研究グループは11月、論文をオランダの学術誌のオンライン版に掲載した。調査にあたった同大学院野生動物保護管理学研究室の日野貴文・特別研究員は「水草は川魚を育む淡水生態系の重要な要素だが、シカの採食がどのような影響を水草に及ぼすのか、不明な点が多かった。影響を受ける季節が西別川と異なる点も興味深い。今回の研究がバイカモ保護の役に立てば」と話している。
(イノシシ駆除へタッグ、山大と周防大島町:山口)
地域の課題解決を図るための包括連携協定を結んでいる山口大学と周防大島町が、イノシシ対策でもタッグを組むことになった。大学側が生態調査をして駆除方法を探る試みだ。13日午後8時ごろ、周防大島町の農道で、車のライトに茶色のイノシシの姿が浮かび上がった。体長約1メートル。逃げるそぶりもない。「またか」。学習塾経営、木村重樹さん(56)はイノシシを避け、通り過ぎた。塾帰りに初めてイノシシを目撃したのは7、8年前だった。今では夏場ならほぼ毎晩、冬でも週に1、2回は見かける。「最近は昼でも見るし、住宅地にも迫っている。10頭前後の集団を見たことも。『増えてきた』と実感する」町によると、もともと島にイノシシはいなかったが2002年度に8頭を捕獲し、昨年度は1621頭捕まえた。今年度も11月までに1170頭。09年度113万円だった農業被害額は昨年度、900万円に膨らんだ。手を焼いた町は山口大に対策を相談。県鳥獣被害防止対策協議会会長の細井栄嗣・山口大准教授が11月30日、現地を視察した。今後、調査の詳細を詰め、来月にも本格始動する。町農林課は「これまで(柵による)防護と捕獲の両面から対応してきたが、生態調査をやってもらい、別の角度からもアプローチできれば」と期待する。細井准教授は「まずは胃の内容物やふんを分析し、何を食べているのか調べたい。柵などの防除を徹底した上で、生息しにくい環境づくりをする必要がある」と話している。
(活性化アイデア表彰:香川)
過疎化が進む東かがわ市の五名ごみょう地区で、住民がアイデアを出し合ってまちおこしに奔走している。季節ごとに様々な催しを開いたり、地元で捕れるイノシシの肉を販売したりでにぎやかな雰囲気を演出。地区の特長を生かした活動は、活性化に優れた成果を上げた団体をたたえる今年度の「過疎地域自立活性化優良事例表彰」(総務省など主催)にも選ばれた。市中心部から約17キロ。徳島県との県境の中山間地に五名地区はある。6日に冬の恒例行事「いのしし祭り」が開かれ、寒空の下で地区人口の3倍に当たる約1000人が集まった。お目当ては、その名の通り地元で捕れるイノシシ肉だ。「とてもアットホーム」。同市水主のパート従業員岡田洋子さんは家族4人で訪れ、楽しそうにそう語った。長女の爽友海さゆみさん(9)も「イノシシがおいしかった。おばちゃんたちがいっぱいおまけしてくれたよ」と笑顔。祭りでは、肉と自家製のみそで作ったイノシシ汁が無料で振る舞われ、豪快な丸焼きに来場者もびっくりしていた。主催した五名活性化協議会会長の小北逸郎さん(61)は「発想の転換から生まれた祭り」と笑う。同地区ではジネンジョの栽培が盛んだったが、イノシシが食い荒らし、後継者不足もたたって栽培を断念する農家が続出。困り果てた住民たちは、2002年にこのイベントを思いついた。「食われるなら、食ってしまえ」同協議会は05年、地区で唯一の小学校だった市立五名小の閉校を機に設立された。子供たちの姿が消え、活気が失われることを危惧した住民らが、同小の文化祭を「山びこコンサート」と名付けて継承。毎秋、体育館でコーラスなどを発表するほか、市内の小学生やプロの演奏家らも招いて合唱や演奏を披露している。荒れた里山を整備する「里山活性化プロジェクト」では、間伐材で薪炭を作ったり、駆除したイノシシを「ジビエ」として地元の土産物店で販売したりして、収入を得る手法を確立した。「いのしし祭り」もその一環だ。取り組みが認められ、同協議会は今年10月に同優良事例表彰の「全国過疎地域自立促進連盟会長賞」を受賞した。ここ数年、若い移住者も増えつつあるといい、小北さんは「非常に励みになる。これからも住民たちとアイデアを出し合いながら活動を活発化させていきたい」と話した。
(富士山麓「ロード・キル」、独自に調査:山梨)
道路を横断する動物が車にひかれて死んでしまう「ロード・キル」。富士山麓では多様な野生動物が犠牲になっている。こうした現状を黙認できず、立ち上がった人がいる。富士河口湖町で富士山の環境活動に取り組んできた舟津宏昭さん(42)だ。自動車産業などに対策を働きかけるため実態調査を続けている。舟津さんの拠点は昨年、本格的に始動した「富士山アウトドアミュージアム」。といっても博物館や美術館ではない。「富士山の自然すべてが博物資料。屋外でたくさん見つけ、丁寧に調べ、大切に守り続け、めいっぱい学ぶ。そんな思いで名付けました」地元の子供たちに自然教育を行う「富士山の森が小学校」やゴミ収集、ガイドなど業務はさまざま。名刺には「富士山のよろず承り●(ます)」と印刷されている。ロード・キルを考えるきっかけになったのは、かつての研修先、オーストラリアで聞いた一言だ。「カンガルーが飛び出してきたらかわさずはねろ」。確かに全速で迫る動物を無理に避ければ、横転など大事故につながる。だから車の前面に“カンガルーバー”が装備されているのだが…。車社会と動物は共存できないだろうか。「森の中におじゃまします」が自然と向き合う舟津さんの信念。動物と車を分離する「アニマル・パス」は「否定しないが性に合わない」。自動車産業や行政などに呼びかける際、示すデータがない。「天然記念物などと違い、調べている機関はなかった」という。昨年5月末に、自らロード・キルの調査を始めた。車で富士山を囲む国道をパトロール。「走行距離は1周約180キロ」という。チラシも配り、目撃したら通報してもらう。連絡を受ければ夜中でも現場へ。ガソリン代が大変だ。今年11月まで約1年半の間に、路上で息絶えた計177個体を確認した。静岡側も含む山麓全域に、ニホンジカ、タヌキ、鳥類、アナグマ、ハクビシン…。小さなカエルや外来種のアライグマもいた。イノシシは1件もなく、意外と鳥類の犠牲が多いなど、少しずつ傾向も見えてきた。舟津さんは自治体の了解を得て、いくつかを持ち帰り、専門家に剥製にしてもらっている。「生前の再現ではなく、死んだ姿をそのまま残す」。見開いた眼だけはそっと閉じて。地域の子供たちに見せると、真剣な表情で触れようとする。“野生”と接点ができ、生への慈しみが芽生える。ロード・キルの連絡もしてくるようになる。次のステップは「対策」だ。技術革新が進む「衝突被害軽減ブレーキ」で動物も察知可能にならないか。動物が嫌うロードノイズを発する路面ができないか。さまざまなアイデアが浮かんでくる。ここから先は専門家の助けが必要だ。ハードルは高いが、富士山にバイオトイレを導入したときも大変だった。舟津さんは挑戦を続けていくという。
(初の民間肉処理センター:静岡)
賀茂地域で捕獲されたイノシシやシカを買い取って精肉にする「野生獣肉処理センター」が南伊豆町にオープンした。町内で林業を営む黒田利貴男さん(50)が設立した会社「森守(もりもり)」が運営しており、通年で食肉を処理する民間施設は県内で初めて。野生獣による農作物被害を減らし、猟師の家計を助ける効果も期待できるとして、注目を集めている。「イノシシはビタミンが豊富で、シカは低カロリーで栄養バランスがいい。女性におすすめですよ」。大型冷凍庫からシカ肉とイノシシ肉を取り出しながら、黒田さんはこう話した。木造約60平方メートルの同センターは11月に資本金900万円で建設された。施設内は搬入から内臓処理を行う1次処理室と、スライサーなどの機材で加工する2次処理室に区分。加工した獣肉は真空包装された後、大型冷凍庫に保存され、注文に応じて出荷されていく。猟師歴30年という黒田さんは5年ほど前にシカやイノシシを原料としたソーセージ作りを始めたことがきっかけになって、同センターの建設を思いついた。「農家が野生動物に畑を荒らされて耕作意欲を失い、耕作放棄地が拡大する悪循環を何とかしたかった」と振り返る。県賀茂農林事務所によると、昨年度の賀茂地域の鳥獣害による農作物被害額は約4600万円。同地域で捕獲されたイノシシは約2600頭、シカは約4700頭に上るが、捕獲された野生獣のほとんどが山地に埋設処分されており、環境衛生面からも問題があった。同事務所の担当者は「食害対策には電気柵も有効だが、根本的な解決には捕獲を続けるしかない。猟師の後継者不足の問題もあり、今後捕獲量を維持できるかが課題になる」と話す。同センターでは、衛生管理などのセミナーを受講した猟師に「森守狩猟者登録証」を発行し、現在、登録証を持つ約30人からシカやイノシシを1頭8千~1万2千円で買い取っている。こうした取り組みを広げていくことで、猟師の収入を増やして商売として成立させ、後継者の育成につなげていきたい考えだ。開業後約1カ月がたち、賀茂地域の飲食店や旅館から獣肉の注文も相次いでいるといい、新たなご当地グルメとしての期待も高まっている。黒田さんは「動物の命を奪うだけでなく、資源として使い切ることが大切。『食』を通じて、人の命や山の再生に役立てられるような新しい循環を生み出したい」と話している。
(食通集うジビエ専門店:高知)
木々が色付き始めた11月初旬、ジビエの魅力に取りつかれた大人たちが、物部川河畔に大集合した。県内のジビエを、有名レストランのシェフがバーベキューで提供するイベントに、県内外から約30人が参加した。主催したのは「高知家エクストリームトラベル社」。6月に県が設立した仮想の旅行会社だ。まだあまり知られていない、それでいてとんがった「エクストリーム」な魅力を全国に発信している。バーベキューは、高知市にあるジビエ料理専門店「ヌックスキッチン」のオーナー、西村直子さんと協力し、今話題のジビエ料理のファンを高知に呼び込もうと企画した。「ジビエ」は、フランス語で野生の鳥獣のこと。牛や豚、鶏、羊などの家畜と違い、狩猟で捕獲される。運動量が豊富なジビエは脂肪分が少なく高たんぱく質低カロリー。鉄分も多く、近年健康志向の女性たちを中心に人気が高まっている。ジビエの確保はこれまで輸入に頼ることが多かったが、全国各地で鳥獣による農作物の食害が増え続けると、国も後押しして、国産ジビエの消費が喚起されるようになった。「害獣」を「食材」に変える取り組みだ。今でこそ「ジビエ」という言葉が定着し都会女子の関心も高いが、イノシシや鹿を狩って食べるのは、昔から全国の田舎の風習だった。ただ、子供の頃のなじみの味だったという人の中には「臭いが苦手」「硬くておいしいと思えない」という人も少なくない。そんなイメージを払拭し「ジビエ」を産業として盛り上げていくには「おいしく食べる」ことが大前提。それには、三つの条件が必要だ。一つ目は、動物が育つ自然環境が整っていること。二つ目は、適切に処理をできる猟師がいること。三つ目は、それぞれの肉の特性を知って調理できる人がいること。高知はどうか。自然環境は言うまでもない。県の面積に占める森林の割合は84%と全国一を誇る。問題は「猟師」の確保だ。単に獲物を仕留めるだけでなく「おいしく」食べる処理のために重要な役割を果たす。しかし、環境省の資料によると、1975年には52万人いた猟師も、2012年には18万人まで減少しているという。もちろん高知も例外ではない。高齢化も激しく、待ったなしの難題だ。明確な打開策がない中で「救世主」として注目されているのが「狩りガール」と呼ばれる、猟師に憧れる女性の台頭だ。獲物を追って登山道のない山を走り回るのが楽しい、おいしい食材を追求して自ら狙いに行きたい……。そんな女性たちの思いに県猟友会も期待を寄せる。猟師減少の歯止めとなるか。高知の最大の強みは、ジビエ料理のおいしさを世界に発信するレストランの存在だろう。ジビエ料理専門店「ヌックスキッチン」は、県民が「観光客におすすめしたい行きつけの店」を投票する「『高知家の食卓』県民総選挙」でも選ばれ、食通が集まる名店として証明されている。「東京でもこんなおいしいジビエ料理を食べたことがない」とわざわざ訪れる人も多い。物部地域出身の西村さんは海外で経験を重ね、高知に戻ってきた。この日バーベキューで提供されたイノシシ肉は室戸産、鹿肉は北川村産。高知のジビエに新しい光を当て、新たな客層を呼び込む。過疎を食い止める産業に育ち、新しい観光素材として育つ可能性を秘めているジビエ料理から目が離せない。
(あったかカモ汁給食:新潟)
新潟市西蒲区潟東地域の小中学校4校で10日、地域の食文化に理解を深めてもらおうと特産のカモを使った給食が提供された。潟東中学校では、地元猟友会の会員らが訪れ、生徒との交流給食会が開かれた。脂の乗ったカモ肉と地元産の野菜を煮たカモ汁を味わった。市教育委員会の企画で今年が4年目。潟東地域のカモ猟は鉄砲を使わず網で捕るのが特徴で、11~2月に行われる。この日は市潟東学校給食センターが猟友会が捕ったカモ36羽(計約18キロ)分を使って、生徒や児童、職員ら計約470人分を作った。カモ汁は薄切りにしたカモ肉とダイコンやサトイモ、ニンジンなどの野菜が入ったもの。ほかにレンコンメンチカツ、おひたしなどが並んだ。生徒たちは「とてもおいしい」と言いながら箸を進めていた。2年生の男子生徒(14)は「カモ肉は脂が乗ってとてもおいしかった。潟東地域を代表するカモ汁をこれからも給食で何度か食べてみたい」と話した。
(ユズ使用「シカパイ」販売:愛媛)
松野町特産のシカ肉とユズを使った新メニュー「シカパイ」が19日、同町延野々の道の駅「虹の森公園まつの」で限定100個販売される。考案した北宇和高校(鬼北町近永)の生徒は「独特の臭みがなく、ユズの風味豊かな自慢の一品。ぜひ味わってほしい」とPRしている。シカパイは今年11月、愛媛と高知の高校生が松野町の特産を使ったオリジナル料理を競う大会でグランプリを獲得。シカ肉をミンチ状にして臭みをなくし、ぱさつきを抑えるためにゆずジャムを加えて炒め、手軽に食べられる一口サイズのデニッシュのように焼き上げた。大会では味、形、商品実現性などを評価された。開発したのは同校生産食品科3年の茅野歩実さん(17)、山本芽衣さん(18)、谷口寛樹君(18)、岡田実優さん(18)。2014年に松野町の獣肉処理加工施設を見学し「シカ肉を使った商品を作りたい」と検討。大会へ向け今年7月、本格的に試作を始めた。道の駅が改良を加えて商品化し1個300円で販売する。新改久美副支配人(55)は「ゆずジャム製作の都合上、冬季限定になるかもしれないが、来年以降も販売したい」と意気込む。山本さんは「多くの人に食べてもらえるようになりうれしい。松野の名物になってほしい」と期待する。19日は生徒4人も店頭に立ち午前10時から販売。27日にも同道の駅で開催する歳末フェアで限定50個販売する予定。
(シカ角でクリスマスツリー:栃木)
シカの角を使ったユニークなクリスマスツリーが、佐野市葛生文化センター(葛生東1)に飾られている。市茂呂山公園で飼育され、安全のために切られたシカの角を利用。3年目の今年は、恐竜が生きた中生代をテーマにしている。37本の角を組んだツリーの高さは、台を含めて約1.5メートル。センター内にある市葛生化石館の職員やボランティアが準備し、市内の画家福島恒久さん(37)が仕上げた。同館で来年6月26日まで開催している入館無料の企画展「中生代という時代」に合わせ、卵から生まれた恐竜のレプリカをツリーの中に置き、台の周りは地層を描いた布で飾った。ツリー作りに携わったボランティアの高岩優也さん(20)は「たくさんの人に見てもらいたい」と話している。今月25日まで。ツリーはセンター1階のロビーにあり、月曜は1階部分が出入りできなくなるため見られない。
(対馬市と連携し、ジビエ料理の提供:大阪)
西日本を中心に居酒屋チェーンを展開する、マルシェ株式会社(本社:大阪市阿倍野区、代表取締役社長加藤洋嗣)は、地方創生に係る方々の志に共感し、その地域の特産品を利用した商品づくりや、販売のお手伝いをさせて頂く事で地域の活性化に繋げたいとの想いから、平成27年12月17日より長崎県対馬市と連携し、バルビダ天満橋店および東梅田店の2店舗で「ジビエ料理」の販売をさせていただきます。対馬市では、シカやイノシシ等の野生動物が農作物や森林を荒らす獣害問題が深刻化しており、市はそれをただ「被害」として捉えるのではなく、むしろ「資源」と捉える事で課題解決に向けて積極的に取り組んでおられます。対馬市のジビエはトレーサビリティに非常に優れており、いつ・どこで・どのように処理されたものなのかを調べることが出来、安心して食する事が出来ます。バルビダでは、対馬市によって衛生的に加工されたソーセージやベーコンを中心にバラエティに富んだメニューを「対馬ジビエ盛」として1,980円+税で販売させていただきます。この官民連携は、マルシェ株式会社が取組む 「ふるさと応援団マルシェ」の第2弾で、引き続き、地方創生の一助となるべく、第3弾、第4弾を進めてまいります。
(栄工業が商務流通保安審議官賞:新潟)
今年度の経産省主催第9回製品安全対策優良企業表彰の中小企業製造・輸入事業者部門で商務流通保安審議官賞を受けた有限会社栄工業(燕市三王淵)の山村則子社長(47)は16日、鈴木力燕市長を表敬訪問した。経産省は、民間企業の製品安全に対する積極的な取り組みを促進し、社会全体として製品安全の価値を定着させようと平成19年度から製品安全対策優良企業表彰を行っている。4部門あり、栄工業が受賞した中小企業製造・輸入事業者部門は、鍬(くわ)を製造する株式会社相田合同工場(相田聡社長・三条市田島1)が通算3回目となる最高賞の経済産業大臣賞を受け、栄工業はそれに次ぐ評価の受賞だった。栄工業は有害鳥獣駆除器などの企画画、製造、販売などを行っており、具体的にはネズミからツキノワグマまでを対象とした、かごやおりのような捕獲器が中心。相田合同工場の相田社長を師に製品安全対策に取り組んで今回初めてエントリーした。受賞のポイントは、使う人も捕獲した動物も傷つけない製品の開発、プライチェーン全体での協力体制構築、製品安全対策と製品安全文化の継続の取り組みがあげられた。午後4時過ぎに市役所を訪れた山村社長は、動物を傷つけないということについて「捕獲した動物にチップを着けて戻し、生態調査が行われる場合がある」と説明した。燕市が運営する燕版ISOといえる「TSO」に昨年度、取り組んでことし4月に認証を受けた。その取り組みのなかで「品質管理だけでなく製品安全対策も大事とわかった」し、「製品安全対策の文化を構築していかなければならない」と思って今回の表彰にも取り組んだ。山村社長は「作ることはできても発信することができない企業が多い」が、地元は中小零細企業が多いので「トップの考えをすぐに下に伝えられる」というメリットもあり、「小さな会社でもこんな賞をいただけることがわかった」と話した。山村社長は新発田市出身で旧栄町に嫁ぎ、夫の父の後を継いで社長になった。会社を旧栄町から燕市へ移して5年になり、「ようこそ燕市へ」と鈴木市長。山村社長は狩猟免許をもち、この2日前に県内版のテレビのニュース番組に出演。会社は社員14人のうち11人が女性と聞いた鈴木市長はテレビ番組に触発されて「燕のウーマン大賞をやったらどうかと思っていた。山村さんにお会いしてますますその意を強くした」と受賞や女性の力に感心していた。
(殺傷銃販売、賛成が過半数:アメリカ)
米ABCテレビなどは16日、カリフォルニア州の銃乱射事件を受けて実施した銃規制に関する世論調査結果を公表した。それによると、対人殺傷用銃器の一般への販売を引き続き認めるべきだと考える人が53%に達し、禁止すべきだとする人の45%を上回った。販売賛成派が半数を超えたのは、過去20年余りで初めて。ABCテレビによれば、背景にはカリフォルニア州での事件のような「ローンウルフ(一匹おおかみ)」型テロを政府は防げず、自分の身は自分で守るしかないという米国人の意識がある。テロ対策として多くの人に銃所持を奨励すべきだと答えた人も47%に上り、所持を規制すべきだとする人は42%にとどまった。

TOPへ