<射撃ニュース2月>

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(日本クレー射撃協会、会場変更を「再要望」へ)
日本クレー射撃協会は26日、東京都内で理事会を開き、2020年東京五輪の射撃会場を現行計画の陸上自衛隊朝霞訓練場(練馬区)から変更するよう、大会組織委員会へ再度要望する方向で検討することを決めた。射撃会場をめぐり、同協会とライフル射撃協会は多くの集客が見込める都心湾岸部への変更を組織委へ要望していたが、18日に用地確保やメタンガス発生の恐れなどから変更できないと回答されていた。理事会では伊勢原射撃場(神奈川県伊勢原市)、成田射撃場(千葉県印西市)を新たな会場候補に想定。今後はライフル射撃協会や関係自治体などの意向を確認し、再要望を行うか決める。クレー射撃協会の大江直之事務局長は「朝霞の計画が悪いわけではない。他の可能性はないのか、既存施設も検討したい」と説明した。
(出水平野でカモ大量死:鹿児島)
出水市の出水平野で21日に83羽のカモが死骸や衰弱した状態で見つかり、県は27日、一部死骸の抽出検査の結果、消化器官の内容物から殺虫剤や農薬に使われる薬物を検出したと発表した。故意に薬物を散布した可能性もあり、県警にも報告した。発表によると、83羽はマガモ81羽とオナガガモ2羽。鳥インフルエンザの警戒パトロールをしていた監視員が、水田など3か所でまとまって死んだり、弱ったりしているのを見つけた。県はうち7羽から消化器官内に残っていたコメなどの内容物を取り出し、混ぜて検査したところ、殺虫剤や農薬に使われるダイアジノンとマラチオンが検出された。国も3羽の死骸を調べている。
(ツキノワグマ、斑紋識別で生息数を推定:栃木)
ツキノワグマの胸にある「月ノ輪(つきのわ)」と呼ばれる斑紋で個体を識別し、県全域の生息数を推定する県の調査が、初めて成功した。クマは人里での出没に警戒しなければならない動物である一方、過度の狩猟や捕獲によって絶滅させないように生息数を調べる必要がある。胸の斑紋を鮮明に撮影できるようになるまでには、関係者の粘り強い工夫があった。県が二〇〇八年まで山中で続けていた従来の調査では、有刺鉄線の囲いの中に蜂蜜を置いてクマを誘い出し、鉄線に付着した体毛をDNA型鑑定していた。ただ、高額な鑑定費用がかかることが課題とされていた。同じ課題を抱えていた他県では近年、DNA型鑑定をやめ、個体ごとに異なる斑紋を生かした識別が行われるようになった。仕掛けは、地上数メートルの高さに張ったひもにぶら下げた蜂蜜入りの容器と、クマが近づいてくると自動で撮影を始めるセンサーカメラ。クマが後ろ足で立ち上がり、頭上の蜂蜜を取ろうとする姿を動画で撮影し、胸の斑紋を確認する仕組みだ。県も一一年、宇都宮大・雑草と里山の科学教育研究センターの小金沢(こがねざわ)正昭教授と共同で、塩谷町などにまたがる高原山(たかはらやま)で実験を開始。斑紋を確実に撮影するため、クマがカメラに背を向けないようにする方法を考えていた時、「近くにくいがあれば、クマが体を支えるのに使うのでは」と思い至った。しかし、くいの長さが合わず、クマがくいを使わなかったり、胸元が隠れてしまったりして調査は難航。試行錯誤の末、一三年には九十センチのくいを、カメラから三・五メートルの距離に置くのが最適と判明。多くのクマが片方の前脚をくいにかけ、もう片方の前脚で器用に蜂蜜を取るようになり、斑紋を鮮明に撮影できるケースが増えてきた。こうして一四年六~八月、高原山の他に日光や那須など、クマが生息している県内の四地区で、約百四十台のカメラを使って調査。識別結果にさまざまな分析を加え、全県頭数を二百七十二~六百四十九頭と推定した。費用はDNA型鑑定式の半分程度に抑えられた。調査を担当した県林業センターの丸山哲也特別研究員は「くいを打ち込むのは、栃木県独自のアイデア」と成功を喜ぶ一方、「クマはシカほどの頭数や繁殖能力がないため、これからも生息数を注意して追っていかなければ」と語った。
(イノシシの皮で“革製品”:福島)
有害獣とされるイノシシの皮で革製品を製作し、新たな特産品として売り出そうという試みが伊達市で進んでいる。東京電力福島第1原発事故の影響で食用にならなくなったイノシシの皮を有効活用し、製品化を模索する。製品化を模索する同市農林業振興公社などによると、革の弱点でもある摩擦に強く、軽くて耐久性や通気性にも優れている。革製品に利用される他の動物の皮と同様、容易に加工できるという。なめしたイノシシ皮の放射性物質濃度は検出限界値未満という。同振興公社によると、同市で駆除されたイノシシは昨年度が約1500頭、本年度は約千頭で、原発事故後は焼却処分している。梅津善幸事務局長は「焼却処分しているうち1割でも商品化し、地域振興に役立てられれば」と期待する。今後は革製品の種類や量を増やし、本格的な販売を目指していく。同市では27日、革クラフト教室が開かれ、市民がキーホルダーとお守りを試作した。3月から市内で試験的に販売する。教室は作り手の養成も兼ねており、イノシシに畑を荒らされた経験がある同市霊山町の主婦渡辺忍さん(50)は「困りもののイノシシが生まれ変わってみんなに喜ばれるものになれば」と話した。
(ジビエ、就航都市間の交流事業:大阪)
狩猟で捕獲した野生鳥獣肉を食材にした「ジビエ料理」を調理、試食する体験講座が26日、豊中市であった。大阪空港の空路で結ばれた兵庫県豊岡市との交流事業として開催。シカ肉の産地である豊岡市・神鍋高原のおかみが「低カロリーで鉄分、ミネラルも豊富。血流も良くなる」とPRしていた。調理法などを指南したのは、食文化普及のため豊岡市の地元商工会などでつくる「神鍋ハートフル食プロジェクト」。会員で、ペンションのおかみらが来阪した。神鍋の食材をふんだんに使った「シカ肉と根菜のつみれ汁」「ニジマスのホイル焼き」「かんなべ団子」の3品を作った。つみれ汁にはミンチ状にしたシカモモ肉にショウガやネギを混ぜ合わせ、サトイモ、ゴボウなど火山灰土壌「黒ぼく」で育った根菜も用いた。豊中市の会社員、上倉斐さん(30)は「外食するより自分たちで作ることで親しみが湧く。豊岡へは飛行機で40分と聞いて身近に感じた」と話していた。

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(野犬がシカを襲う:北海道)
中標津市街地中心部にある東7条大橋付近の標津川で24日午前9時ごろ、野犬とみられる犬3頭がエゾシカ1頭を追い回す``狩り、、が繰り広げられた。群れからはぐれたとみられるエゾシカが、右岸から左岸に渡ろうとする中、左岸では白い中型犬3頭がほえるなどして威嚇。するとそのうち1頭が、川の中で立ちすくむエゾシカ目掛け泳ぎだした。行き場を無くし右往左往するエゾシカが下流方向へ逃走。右岸に渡りきった犬1頭と、左岸の犬2頭が川沿いを走りながら追跡し、そのまま犬とエゾシカは下流へと姿を消した。
(スキー場近くでクマ:岐阜)
高山市岩井町の飛騨高山スキー場近くで今年初となるクマの目撃情報があり、市などが注意を呼び掛けている。市農務課によると二十三、二十四日に親子とみられる二頭がスキー場から北へ五百メートルほどの路上で目撃された。二十三日は午前七時四十五分ごろ、近くにある国立乗鞍青少年交流の家の女性職員が車で出勤する途中、二頭のクマが路肩にある雪の山を乗り越えるのを見た。女性は「私の車を見て逃げたのではないか」と話した。二十四日夕方には、別の目撃情報もあった。市農務課によると、二月の出没は四年ぶり。例年は餌となる植物の芽や若葉が出始める四月ごろから目撃されるといい、担当者は「冬眠から目が覚めたのか、何かの音に驚いたのか。出没した理由は分からない」と話した。スキー場に爆竹やロケット花火を配備したり、県や警察に連絡するなどして警戒を強めている。高山市では昨秋、クマによるものとみられる被害が相次ぎ、一人が死亡、四人がけがをした。
(ヒグマ対策で意見交換:北海道)
地域の生物多様性を保全し、人間と野生動物の共生について理解を深める「第6回アニマルプロジェクトフォーラム」が23日夜、標津町生涯学習センターで開かれた。町とNPO法人ヒグマ情報センター(藤本靖理事長)の主催。総合討論では、1月下旬から2月上旬に標茶・厚岸両町で相次いだ冬眠から覚めたとみられるヒグマが作業員を襲った事故を受け、有識者が今後の対策をテーマに意見を交わした。総合討論では、標茶・厚岸の事故から、ヒグマが餌としてエゾシカに依存していることを強調し、「(エゾシカの生体や死体などの)餌が豊富にあることで、1月下旬に冬眠から覚める個体もいる」と指摘。また、「道が広域的な管理の枠組みをつくるべき」と提案。藤本理事長は事故対策として「人とクマとの距離が縮まる中、クマを撃てる人材の育成、住民に関心を持ってもらえるような機会をつくることが大切」と締めくくった。
(民家近くにイノシシ、市原市が対策強化へ:千葉)
いすみ市や南房総市でイノシシに田畑が荒らされる被害が相次ぐ中、市原市内でも被害が拡大している。かつては山側の市南部が中心だったが、ここ4、5年は比較的民家の多い北部でも出没。市は人がケガをする恐れもあるとして、専門家にアドバイスを依頼するなど対策を強化する。市によると、サルやハクビシンなど野生鳥獣による2013年度の農作物被害は4300万円。このうちイノシシは2900万円と6割以上を占めた。13年度は猟友会などが460頭近くのイノシシを捕獲したが、市の担当者は「生息数が増え、エサを求めて人に近い場所まで出てくるようになった」と話す。市は15年度予算案で、わなの購入などの対策費として7500万円を計上した。民間会社の専門家にアドバイスを求め、これまでの一律的な対応を改善。山あいや農村など各地域の生息状況に合わせた対策を考えることも計画している。
(ツキノワグマ保護対象、シカは指定管理鳥獣に:滋賀)
県は二十三日、管理・保護が必要な特定鳥獣のうちニホンジカやイノシシ、ニホンザル、カワウは生息数を減らし、ツキノワグマは保護していくとした管理・保護計画を決めた。特にニホンジカは指定管理鳥獣として駆除に力を入れる。大津市内で同日あった県環境審議会で了承された。保護と駆除を区別した上で経費補助する改正鳥獣保護法が五月に施行されるのに合わせ、それぞれ方針を明確にした。県内のツキノワグマは二百三十~三百六十頭と少なく、人への危険性が極めて高い状況などを除き原則、殺処分しないと規定。他の四動物は農作物や自然環境への影響が大きいとして減らすことで一致した。改正法は、市町に限ってきた駆除を都道府県や国も行えるようにしており、県は特に被害が大きいニホンジカを改正法に基づく指定管理鳥獣に指定。新年度に国の補助も得て民間委託し、比良、鈴鹿両山系で駆除する。ニホンジカは最新の調査で四万七千~六万七千頭が生息。担当者は「年に一万一千~一万六千頭を捕獲し、二〇一六年度末までに半減させたい」としている。
(誤射で男性死亡、被告に有罪判決:福岡)
イノシシ猟の最中に男性を誤射して死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われたみやこ町勝山浦河内、無職、武田智被告(74)に対し、地裁行橋支部(杉原崇夫裁判官)は23日、禁錮2年、執行猶予5年(求刑・禁錮2年)を言い渡した。判決によると武田被告は昨年11月6日午前10時20分過ぎ、町内の山中でギンナンを拾っていた行橋市の男性(当時72歳)をイノシシと見誤り、20メートル背後から散弾銃を1発撃ち、死亡させた。杉原裁判官は「注意を払えば確認できる状況にあり過失は大きいが、二度と銃を使用しないと述べている」と指摘した。
(シカやイノシシの農作物被害学ぶ:兵庫)
シカやイノシシなどによる農作物の被害について学ぶ講演会が3月7日、兵庫県三田市尼寺の有馬富士共生センターである。ひょうご森のインストラクター会が主催。県森林動物研究センターの三木隆広さんが、シカやイノシシの生態、被害の実態などについて話す。その後、シカ肉やイノシシ肉を使った料理を食べる。同会の山下武士会長は「シカは県内で年間3万頭以上が捕獲されているが、ほとんどが廃棄処分されている。食肉など有効活用を考えてほしい」と話す。
(エゾシカ対策功労者に知事感謝状:北海道)
エゾシカ条例に基づく第1号の「エゾシカ対策功労者」として、釧路市の花田實さん(83)ら3個人2団体に24日、道庁で高橋はるみ知事から感謝状が贈呈された。  花田さんは猟歴62年を誇り、道内でも数少ない80歳を超す現役。妻の姜子さん(77)も猟歴44年のオシドリハンターだ。元道職員で、北海道猟友会釧路支部長を長年勤め、1997年からは16年間にわたり釧路管内連絡協議会会長を務めるなど道の個体管理事業に協力。ボランティアハンター登録活用モデル事業では、ガイドハンターの取りまとめ役として調整や指導を担うなど、エゾシカ被害防止対策に大きな貢献をしている。
(鳥猟伝える映画を凱旋上映:岐阜)
記録映画を手掛ける東白川村出身の映画監督、今井友樹さん(35)による初監督作品「鳥の道を越えて」が、二十八日から岐阜市と関市の映画館で上映される。かつて故郷でさかんだった鳥猟文化を取り上げ、幼いころに持った疑問を八年かけて丹念に取材。今井監督は「ふるさとのために作った記録映画。若い人にも見てもらい、自分の足元を見直すきっかけになれば」と話している。「あの山の向こうに鳥の道があった」。山々に囲まれた東白川村で、小学生だった今井さんが祖父の照夫さん(88)から聞いた言葉が制作のきっかけだった。冬に渡り鳥が大群で飛来し、空が黒くなるほど集まってできた“鳥の道”。その光景を追って、岐阜、福井、石川、富山、北海道で二百時間以上カメラを回した。渡り鳥を捕獲する「カスミ網猟」や食文化にも目を向け、一九四七年(昭和二十二年)の禁猟後に山村で起きた保護運動と密猟の歴史も折り込んで、光と影を描き出した。撮影中に一度だけ、渡り鳥の大群が何十分間も頭上を飛び続ける場面に遭遇した。真っ黒な空を見上げ、「これがおじいちゃんの見た光景か」と思ったら、涙が出たという。映画は昨年三月に完成し、全国で順次公開してきたが、県内での劇場公開は初めて。昨年十月には文化庁映画賞文化記録映画優秀賞、今年一月にはキネマ旬報文化映画部門一位を受賞。体調を崩しがちな祖父に、キネマ旬報の金色の受賞トロフィーを手渡すと、「重いな。お疲れさま」と穏やかにほほ笑んでくれた。今井さんは「地域性が強い映画で、岐阜で上映するのが夢だった。記録映画になじみのない人にも、知らない世界を知る楽しさを感じてもらえれば」と話していた。
(「ジビエ」で街おこし、中国5県で広がる )
イノシシ、シカなど野生動物の肉「ジビエ」活用を軸に地域振興や害獣駆除の促進を進める動きが中国5県で広がっている。広島市では市が補助金を出して新たに処理場を整備したほか、島根県では大手外食チェーンがジビエを使用したご当地メニューを開発。食の観光資源として訪問客の呼び込みにつなげるほか、農作物の損害発生を抑える狙いだ。
(シカ肉の和製ジビエで町おこし:静岡)
富士宮青年会議所(富士宮市)は「ジビエの日」と銘打ち、シカ肉の創作料理を味わう食のイベントを開く。市の獣害対策でシカの捕獲が急増する中、狩猟の盛んな西洋のジビエ料理からヒントを得た企画だ。同じ獣害に悩む伊豆市は自前で食肉加工施設を整備し、伊豆ブランドの「おいしいシカ肉」で町おこしに取り組む。
(英語教育やジビエに力:和歌山)
和歌山県古座川町は23日、2015年度の当初予算案を発表した。一般会計は27億5321万円で大型施設の建設を進めた前年度より26・23%(9億7878万円)減ったが、例年並みの予算規模となった。主な事業は0~15歳の英語に特化した教育の計画作りや、ジビエ振興を目的にした地域おこし協力隊の雇用など。4月以降にオープンする鳥獣食肉処理加工施設に関連し、2人を雇用する「地域おこし協力隊制度活用事業」に642万円。同施設は同町月野瀬の「南紀月の瀬温泉ぼたん荘」が運営するもので、ジビエの解体・調理、観光と連携した宣伝を行う人材を雇う。
(「名物」発売、シカバーガー:広島)
安芸高田市八千代町佐々井の八千代産直市場が、市内で捕獲されたシカの肉を使ったハンバーガーを発売した。ジビエ(狩猟肉)料理の普及を図る狙い。具材の野菜も地元産にこだわる。「八千代の名物として定着させたい」と意気込む。
(シンプルに味わう野生肉:東京)
空前の赤身肉ブームを受け、じわじわと人気を集めているのが、野生の鳥獣肉ジビエ。野山を駆け巡っていたシカやイノシシなどは、筋肉質で脂肪が少ないのが特徴。低カロリーで高タンパク質なヘルシーさが注目されている。サラリーマンの聖地、新橋のちょっと外れにある「焼ジビエ 罠わな 炭打」は、炭火焼きでシンプルに味わえる店。各地のハンターから直接届く新鮮なエゾシカ、イノシシといった野生肉に加え、契約農場で飼育されているイノブタやダチョウなどがそろう。シカはさくりとした食感に力強いうまみがジワリと広がる。イノシシのおいしさは、何といっても甘く濃厚な脂身。炭火で適度に脂が落ち、いくらでも食べられる。6時間以上かけて煮込んだタンはとろけるやわらかさ。あっさり薄味が絶妙だ。いずれも獣臭さは一切なく、肉そのもののおいしさが堪能できる。ワインを1本1000円で持ち込めるのもうれしい。
(ジビエ料理店、人気に:高知)
高知のジビエ料理専門店「Nook's Kitchen(ヌックスキッチン)」(高知市本町3)が提供するシカ料理が人気を集め、地元をはじめ県内外からの予約客でにぎわっている。昨年7月にオープンした同店。高知で唯一のジビエ料理専門店として、県内で狩猟されるシカ・イノシシをメーン食材として提供している。地元を中心に多数のメディアで話題となっていた同店は、高知在住のプロブロガー、イケダハヤトさんもブログで、「ミシュラン取っても不思議じゃない」と絶賛するほど。調理を手掛けるのはオーナーシェフの西村直子さん。ニュージーランドを中心に海外で12年間、調理師として活動。高級食材で知られるシカをさまざまなレシピで料理してきた。帰国後は「シカを資源に転換する」をスローガンに、「四国ジビエグルメフェスタ」や4年間で2万5000個を販売したヒット商品「シカドック」を開発するなど、シカを生かすためのイベント企画や商品開発を精力的に取り組んできた。同店スタッフの小笠原さんは「高知の森はエサが充実し良質なので、おいしいシカが育っている。この店は利益(自分たち)よりも、高知の恵まれた環境、シカの価値を知ってもらうコンセプトショップと思っている。提供する料理はオーナーのストーリーそのもの」と話す。ネットには、「想像を絶するうまさ。やわらかく臭みがない」「シカがこんなにおいしいと思わなかった」「料理それぞれに世界各国の味がする」などのコメントが寄せられている。メニュー・料金については、その日の肉の状態に変わり、西村さん自身も「当日まで分からない」と話す。

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(民家から散弾銃2丁盗まれる:大阪)
大阪府茨木市の民家で、狩猟用の散弾銃2丁が盗まれ、大阪府警茨木署が窃盗容疑で捜査していることが23日分かった。スチール製の保管庫(高さ約140センチ、幅約30センチ、奥行き約25センチ)ごと盗まれたという。実弾は入っていなかった。同署によると、21日午後4時20分ごろ、帰宅した住人の男性(67)が、1階の窓ガラスが割れ、2階に置いていた保管庫と現金数千円がなくなっているのに気づいた。保管庫は施錠され、床に釘で固定していたが、外されていた。男性は府公安委員会の許可を得て散弾銃を所有していた。
(ゴルフ場にイノシシ、従業員が襲われ軽傷:宮城)
22日午前11時20分頃、宮城県名取市愛島北目の「仙台空港カントリークラブ」のゴルフ場で、「イノシシがいる」と支配人の男性から110番があった。追い払おうとした従業員の男性(32)が、牙で尻に深さ約2センチの軽傷を負った。岩沼署の発表によると、イノシシは体長約2メートルの1頭で、ゴルフ場の外に逃げたという。
(「子ども守る」、イノシシ被害で警戒:滋賀)
大津市日吉台で二十二日夕にイノシシが男性五人を次々と襲った事件を受け、現場周辺では二十三日、地元防犯組織などが注意を呼び掛けた。現場から南に百メートルの日吉台小学校では、全校児童に「できるだけ複数人で行動しましょう」と放送を流した。下校時は教諭が現場付近に住む子どもたちの集団下校に付き添った。日吉台防犯推進会は「すぐ通報できるよう携帯電話を持って」と会員百二十人にメールを一斉送信。山下英子会長(65)は「引き続き子どもたちを見守りたい」と警戒を緩めない。地元猟友会などは二十七日に山狩りをするという。県内での鳥獣による人的被害は、大津市南志賀の民家の裏庭でイノシシが二人にけがを負わせた二〇一一年十一月以来。県の担当者は「知らないうちに餌づけをすることにならないよう、住宅周辺にごみなど餌になるようなものを放置しないことが大事だ」と話している。
(「幼少期から暴力受け恨み」、父親射殺の長男:神奈川)
横浜市神奈川区のマンションで昨年1月、父親を散弾銃で射殺したなどとして、殺人罪や銃刀法違反に問われた長男で無職佐藤亘被告(24)(高松市庵治町)の裁判員裁判の初公判が23日、横浜地裁(根本渉裁判長)であり、佐藤被告は「相違ありません」と起訴事実を認めた。起訴状によると、佐藤被告は昨年1月30日未明、父親の会社役員佐藤秀延さん(当時55歳)のマンションで、秀延さんの腹部を散弾銃で撃って殺害したなどとされる。冒頭陳述で検察側は「(佐藤被告が)幼少期から父親に暴力を受け、恨みや殺意を抱くようになった」と動機を説明。弁護側は「成育歴が犯行を決意した事情と密接に関係しており、刑を大幅に減軽する必要がある」と主張した。
(木箱の中に銃弾、埋蔵文化財センター:静岡)
磐田市見付の市埋蔵文化財センターの倉庫から、1500発を超える銃弾などが入った「ピストール 弾薬」と墨書きされた木箱2箱が見つかり、センターを管理する市教委文化財課が磐田署に届け出た。同署は所持禁制品として押収し、鑑定している。木箱は民俗資料を整理していた職員が十九日に見つけた。一つは幅四〇・五センチ、奥行き一七センチ、高さ一五・五センチ。もう一つは幅四九センチ、奥行き二四センチ、高さ二二センチ。中には数個ずつの紙箱が油紙で包まれており、紙箱には二十五発ほどずつの銃弾が入っていた。銃弾の直径は七、九、一二、一七ミリの四種で、計千五百三十七発。文化財課によると、古式銃用とみられる。箱には雷管二千三百六十二個、直径二ミリほどの鉛の玉数百個、鉛の玉を入れたと思われる革のケース一個も収められていた。紙箱の一つには「明治十八年夏 赤松ヨリ」と墨で書かれている。倉庫は一九九八年の完成。木箱は寄付されたのか、どこかから運ばれてきたのかは不明という。処分は磐田署に一任しているが、大箸清雄課長は「残せるものなら、歴史的資料として保存したい」と話している。

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(体重60キロのイノシシ、路上で突進:滋賀)
22日午後4時45分頃、大津市日吉台の路上で、体長約1・2メートルのイノシシが、犬の散歩をしていた近くの無職男性(65)ら71~18歳の男性5人に次々と突進。5人は手や脚に軽傷を負った。イノシシは約10分後、住民に取り押さえられ、地元の猟友会に殺処分された。滋賀県警大津署によると、体重60キロ程度のオス。
(山中でイノシシにかまれ男性けが:佐賀)
22日午前10時ごろ、嬉野市塩田町馬場下丙の山中でイノシシ1頭が出没し、所有する元採石場を訪れていた市内の70代男性に突進して当たった。男性はイノシシともみ合いになって右親指をかまれ、10針縫うけがを負った。鹿島署によると、イノシシは体長70~80センチ。男性が元採石場内に車を止めて外に出たところ、正面から体当たりされ転倒した。イノシシともみ合いになった際に、右手などかまれたという。現場周囲に民家はないが、約2キロ北に塩田小がある。嬉野市は地元猟友会に警戒活動を要請すると共に、付近住民にも注意を呼び掛けている。
(五輪射撃会場、変更認めず)
2020年東京五輪の射撃会場について、日本クレー射撃協会と日本ライフル射撃協会が大会組織委員会に要望していた都心湾岸部への変更が認められなかったことが21日、分かった。現在の計画では陸上自衛隊朝霞訓練場(練馬区)内の仮設会場となっているが、両協会は湾岸部への変更を要請。これに対し、組織委から変更できないとの回答が寄せられたという。日本クレー射撃協会によると、認めない理由について組織委は、湾岸部に十分な用地を確保できない上、埋め立て地はメタンガスが発生する場合があり、火薬類取締法の観点から適切でないと説明した。 日本ライフル射撃協会の松丸喜一郎専務理事は21日の理事会で「(会場計画)決定まで時間がなく、朝霞になる可能性が高い」と話した。国際射撃連盟が1月に会場を視察。朝霞訓練場を評価する一方で、選手村からの長い移動時間や、都心から離れていることによる集客面に懸念を示していた。
(イノシシと衝突と電車が衝突:福岡)
JR九州によると、福岡県糸島市の筑肥線加布里-貴山間で、福岡空港発唐津行き快速電車(6両編成)がイノシシと衝突した。列車は安全確認のため一時停止。この影響で、同線は上下で17~28分程度の遅れが生じている。
(野生イノシシ肉から基準超セシウム:宮城)
宮城県は20日、県内で2月に有害捕獲された野生鳥獣の肉の放射性物質測定結果を発表した。栗原市のイノシシ1検体と丸森町の同2検体から国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超す放射性セシウムがそれぞれ150ベクレル、140ベクレル、390ベクレル検出された。県内のイノシシ肉は国が出荷制限を指示中で、流通していない。
(線路上に石、線路近くに動物死骸:長崎)
22日午後4時15分頃、長崎県諫早市多良見町市布、JR長崎線市布駅構内で、諫早発長崎行きの普通列車(2両編成)の運転士が異音に気付き、緊急停止した。調べたところ、線路付近から粉砕した石が見つかった。乗客約50人にけがはなかった。列車は安全確認のため現場に約9分間停車し、この影響で上下の列車に最大20分の遅れが出た。JR九州と諫早署によると、石を砕いたと見られる線路近くに動物の死骸があり、カラスなどが置いたとみている。
(シカ捕獲、隣県と連携:岐阜)
県と岐阜大が協定を結んで設置している鳥獣対策研究部門の研究報告会が県庁であった。2014年度調査の結果、これまでニホンジカの目撃情報が少なかった飛騨東部などでも森林の低木が衰退している地点が複数あり、シカの高密度化が県内全域に広がっていることが分かった。県は15年度、シカの捕獲(個体数調整)を県内全域に広げる方針。ニホンジカによる森林下層植生の影響調査では、県内全域の落葉広葉樹林で樹高3メートルまでの低木の衰退状況を調べた。シカの目撃情報が多い中濃や西濃南部で森林の低木の衰退が著しい地点が多かった。これまで目撃情報の少なかった飛騨東部や東濃南東部でも森林の低木が衰退している地点が複数みられることが新たに分かった。県境でシカが増えすぎている状態にあるとみられることから、県は今後、隣接県と連携してシカの捕獲を進めることを検討する。同研究部門は12年度に設置。3回目となる報告会では、イノシシの個体群調査や狩猟者の意識調査、鳥獣対策の人材育成プログラムの開発など七つの研究テーマの成果を報告した。
(ニホンジカの捕獲目標を1.8倍に引き上げ:和歌山)
和歌山県は、鳥獣保護法改正に伴い、野生動物による農林業被害を防ぐための特定鳥獣管理計画を変更し、ニホンジカの年間の捕獲目標数を9千匹から約1・8倍増の1万6千匹に引き上げる。知事が指定する事業者に捕獲を委託する。これらの計画案は県ホームページなどで公開しており、3月6日まで賛否や意見を募集している。これまで県内のシカの生息数を3万1千匹と推定してきたが、新たな手法で推定調査したところ、5万3千匹となった。このため、現状を維持するには最低1万6千匹の捕獲が必要となり、減少させるにはそれ以上捕らなければならない。事業者に捕獲を委託、必要に応じて夜間の銃猟も可能になるという。このほか、猟期の延長(11月1日~3月15日)や捕獲上限数の撤廃、くくりわなの12センチ規制の緩和などは現計画を継承し、管理捕獲(目標1500匹)も続ける。イノシシとニホンザルの内容は現計画を継承する。県内の2013年度の野生動物による農作物被害は約3億3千万円。内訳はイノシシ約1億7千万円、サル5千万円、シカ約4500万円となっている。シカはさらに4700万円の林業被害を出している。
(イノシシ前線、南下防げ:千葉)
田畑を荒らす野生鳥獣。中でもイノシシによる被害は大きい。農村部の多い房総の自治体では、住民らで組織する「鳥獣被害対策実施隊」を設立する動きが出ている。ことし南房総市に、市レベルでは県内で初めてできた同隊を取材した。二月、平日の早朝。南房総市三芳(みよし)地区の農家、三平(みひら)隆之さん(71)宅に、オレンジ色の隊員ジャンパーを着込んだ男性三人が集まった。三平さんと、いずれも同地区の農家、斉藤正通さん(62)、渡辺正介さん(63)。任務は各農家が設置した防護柵や捕獲わなの見回りや点検。この日は地区内の農地三カ所を回った。「ここ、壊されている」。畑のそば、山側斜面に設置された防護柵を点検していた斉藤さんが指さす。柵の一部が地面からめくり上げられている。「山側から下りてきたイノシシが、鼻先で何度もぶつかって壊した跡だ」と言う。川に近い別の畑では、半径数メートルにわたり掘り起こされたように荒らされた一角があった。三平さんは「川を泳いできた後、ここまで上がって草の根などを食べたのではないか」と見る。山を下り、川を泳ぎ、縦横無尽に動いているようだ。一月に発足した南房総市の鳥獣被害対策実施隊は、合併した旧七町村の地区ごとに二~三人、計十九人の陣容で、それぞれ月二回ほど活動する。農業従事者が多く、各戸の防護柵や捕獲わなの見回りや点検をする。市に先行して昨年、同隊を設立した睦沢、鋸南両町では銃による捕獲もする。南房総市の隊員も半数以上は猟銃免許を所持しており、市は「将来は銃による捕獲もしていきたい」(農林水産部)としている。七町村が合併した南房総市は市域が広く、イノシシの出没状況も地区で差がある。二〇一四年度の捕獲数(本年一月末現在、市調べ)では、後背地に山間部を持つ富山地区(七百四十九頭)、三芳地区(五百二十六頭)に対し、房総南端の千倉地区は二十三頭、白浜地区は六頭と少ない。三平さんは「多産系ですぐ繁殖し、何でも食べる。南房総は気候温暖で食べ物には事欠かない。何とか三芳地区周辺で抑えなければ」と表情を引き締めた。市の中心域に位置する三芳地区を「イノシシ被害前線」とすれば、この前線がずるずると南の千倉、白浜方面へ後退していくと、市全域がのみ込まれかねないことを危惧するからだ。南房総市のイノシシ被害額は県内二番目 県の調査(二〇一三年度)によると、獣類の被害額は県内総計で約二億五千四百四十万円。うち、イノシシが約一億六千七百万円と突出している。イノシシの被害額では、南房総市は約二千九百六十万円で、いすみ市(約三千二十万円)に次ぎ県内で二番目に多い。南房総市の調べでは、一四年度、市内のイノシシの捕獲数は、本年一月末時点で二千五百五十七頭。すでに前年度(二千二十一頭)を超えている。
(八ケ岳西麓、有害鳥獣捕獲スタート:長野)
狩猟期間(2月15日まで)が終了して最初の週末となった21日、ニホンジカなどの農林業被害が広がる八ケ岳西麓で有害鳥獣の捕獲が始まった。原村八ケ岳美術館駐車場では同日、村から有害鳥獣の捕獲や被害防止対策について委嘱を受ける「村鳥獣被害対策実施隊」が出陣式を行った。3月下旬までの土日曜・祝祭日に実施する、ニホンジカの捕獲活動をスタートさせた。出陣式には、銃器を使う村猟友会会員で実施隊員の約20人が参加した。村猟友会の平林和人会長は「きょうから鳥獣被害対策の駆除活動が始まる。事故のないよう、安全確認の徹底を」と呼び掛けた。村農林商工観光課の小林千展課長は「皆さんの活動もあり、被害額は徐々にではあるが、減ってきていると思う。村でも鳥獣被害対策の施策を行っているが、猟による効果は大きい」とあいさつした。実施隊員たちは、目印となるオレンジ色のベストやジャケット、帽子を着用。銃器の持ち運びや発砲場所、方向などの安全について再確認した。駆除の範囲や役割などを打ち合わせて、持ち場へ出発した。初日は、県道富士見・原・茅野線西側の同村原山の林地でニホンジカを追った。実施隊員によると、まだ林内は雪が深いこともあり、土手斜面や日当たりの良い場所などに集まっていると思われるという。今期は例年通り、メスジカを中心に50頭を目標に活動する。同課によると、村内の農作物への鳥獣被害額は年間500万円近くに上るといい、その9割ほどがニホンジカによるもの。山際にある集落の中新田のほかに、中央道沿いの柏木や菖蒲沢でも目立つという。村では捕獲のほか、防護柵や見通しをよくする緩衝帯の設置など対策を行っている。メスジカの捕獲は、個体数変動への影響が大きいことから、県野生鳥獣被害対策本部でも重視。5カ年計画の最終年度となる2015年度のメスジカ捕獲目標は、これまで未達成だった捕獲分を上乗せして計画目標の達成を図る。
(農作物のイノシシ被害と駆除の窓口一本化:栃木)
足利市内のイノシシ被害増加を受け、同市は4月1日付で農林整備課に林政担当を新設する。農作物被害と駆除の窓口を一本化し、有害鳥獣対策を強化する狙いがある。平成26年度の駆除数は既に過去最多の2100頭に達し、車との衝突事故なども目立っている。県自然環境課によると、県内のイノシシの生息数は推定3万3500頭。約20年前、群馬県から足利市内に侵入したとされ、佐野、栃木市と県南西部を中心に生息域を拡大している。イノシシの農作物被害は年間約1億円で、県は26年度の狩猟と有害駆除を含めた捕獲目標を8千頭とした。特に足利市内は生息数が多く、25年度の有害駆除数は1345頭で県全体の約3割を占め、水稲被害だけで約600万円に上った。26年度の駆除数は12月末で前年度より5割も増加し、深刻度を増している。同市内は北部山間地から市街地近くまで生息し、渡良瀬川伝いに南部地区にも生息域を広げているとみられる。自動車やバイクとの衝突事故、道路や農業用水路などを掘り返す被害も相次ぐ。一方で駆除に当たる猟友会員はピーク時の800人からは120人に激減。県猟友会足利支部の新井勝利支部長(80)は「イノシシが増えすぎている。今後、人との接触事故が心配だ」と話す。同市は現在、農務課農業振興担当が農作物被害、同課農林整備担当が駆除をそれぞれ担当していたため、農業従事者らから改善を求める声も出ていた。27年度からは農務課が農政、農林整備の2課に分かれ、農林整備課内の担当がイノシシ対策に当たる。和泉聡市長は「イノシシの被害対策に万全を期したい」と話している。
(地域課題の解決法探る:兵庫)
地域課題の解決法を考えるシンポジウムが20日、兵庫県南あわじ市の吉備国際大学地域創成農学部であった。「だれもが役割のある活きいきした地域の創成」をテーマに、大学の研究者らが行政や住民に、農業や健康、文化財保護など多彩な分野で研究成果を発表した。同大学と地元住民の主催で2回目。同学部のある南あわじ志知キャンパスと、人文系学部が入る高梁キャンパス(岡山県高梁市)をテレビ中継で結んだ。志知キャンパスでは、地域創成農学部の森野真理准教授が、南あわじ市内でイノシシやシカによる獣害が多発している実情を踏まえ、獣害情報のデータベース構築の取り組みを発表。「被害の起きた位置の情報を統合することで、次にどの地域で被害が起きやすいかを予測し、対策に役立てられる」と訴えた。議論を聴いた同市阿万上町の農家の男性(66)は「獣害に困っている農家は多いので、研究の進展に期待したい」と話した。
(素早い対応、捕獲数増大:福岡)
狩猟期のイノシシ捕獲数を2年で37%増やし、農作物の被害額を1千万円以上減らすことに成功した福岡県糸島市。鳥獣被害対策実施隊などによる捕獲活動に加えて、侵入防止柵の設置や緩衝帯の整備など総合的な取り組みで成果を挙げている。中でも、地域住民の連絡を受け、迅速に駆けつける実施隊の対応が光る。
(見晴らす流氷、エゾシカ草をはむ:北海道)
根室湾と風蓮湖にはさまれた北海道別海町走古丹(はしりこたん)地区で21日、流氷や知床連山を背景にエゾシカの大群が悠然と海岸を歩き回る姿が見られた。エゾシカの越冬地になっている走古丹には、約2千頭といわれるエゾシカがエサを求めて集結する。例年にも増して積雪量が多い今冬は、シカたちもエサ探しに苦労しているとみられ、強風で雪が吹き飛ばされて草が露出した海岸部で、数百頭もの群れが草をはんでいた。この日は北から流れてきた流氷が見渡す限り根室湾を埋めていた。車で通りかかった地元の男性も「流氷は風ですぐに流れ去ってしまうので、シカと一緒に見るのは珍しい」と話していた。
(鹿カレーを出張販売:滋賀)
「カレーハウスCoCo壱番屋」のフランチャイズ店を経営する長浜市南高田町の「アドバンス」が、24日から毎週火曜の昼に、県庁正面玄関前で鹿カレー2種を出張販売する。獣害対策で捕獲した鹿の有効利用の一環。アドバンスは2010年、地元の猟友会が捕獲した鹿の肉を「ジビエ」(野生鳥獣肉)として購入し、鹿カレーの販売を始めた。出張販売は、獣害対策などに携わる県職員との交流をきっかけに実現したという。20日は試験販売があり、スタッフらが移動販売車で県庁に乗り付けた。車内のキッチンで鹿肉を揚げるなどして、日野町産鹿肉の「竜田揚げカレー」(905円)と、長浜市余呉町産鹿肉の「天然鹿カツカレー」(906円)を完成させると、合わせて約100食がすぐ売り切れに。アドバンスの衛生管理・販売促進課長、森みどりさん(52)は「鹿肉は低脂肪でヘルシー。おかげさまで大盛況です」と話していた。
(食べて獣害考える:滋賀)
イノシシ料理を食べながら獣害問題の現状を学ぶ講座が21日、東近江市北須田町の繖(きぬがさ)山であった。県内外の約40人がイノシシを解体、調理し、自然の恵みを味わった。「里山で猪(いのしし)を美味(おい)しく食そう!」と題し、地元の農家片山恵美さん(31)が企画。大阪府豊中市を拠点に“料理開拓人”の肩書で活動する堀田裕介さん(37)を招き、繖山で二日前に捕獲されたイノシシを食材にした。イノシシを包丁で解体し、地面に穴を掘って石材を敷き詰め、野菜でふたをするように蒸す「地中蒸し」に。地元野菜を使った鍋や串焼きもあり、参加者は「脂身がさくさくしてうまい」「臭みが全然ないね」などと舌鼓を打った。繖山付近の田畑では、五年ほど前からイノシシの獣害が出始め、住民らが山中にわなを仕掛けて捕獲している。片山さんは「悪者扱いされがちだが、害獣が増えたのは人間のせいでもある。おいしく食べることで関心を高めたい」と話した。
(美味ジビエ、変幻自在:岐阜)
ジビエ(野生鳥獣肉)料理を味わう「ぎふジビエフェア」に22日から新たに参加する高山市内の飲食店2店の内覧会が、同市本町のフランス料理店ル・ミディで開かれ、行政、肉加工施設の関係者らが料理を味わった。フェアは県とぎふジビエ推進ネットワークが主催して28日まで県内の飲食店で開かれている。県が策定した野生のシカなどを衛生的に解体処理する「ぎふジビエ衛生ガイドライン」に沿って処理した肉を参加店に提供、各店がメニューを考案した。高山市の2店が加わり、参加店舗は10店になった。高山市のル・ミディはシカ肉ローストの冷製とイノシシ肉のステーキのコース料理を、ステーキハウスキッチン飛騨(同市本町)はイノシシ肉のソーセージとハンバーグをそれぞれ提供する。内覧会ではル・ミディオーナーシェフ田上克憲さんとキッチン飛騨シェフの河本敏久さんが調理法などを説明し「料理人の考え次第で何でも作れそう」「独特のくせを損なわないよう工夫した」などと語った。ル・ミディに肉を提供した同市清見町の獣肉加工施設「飛騨ジビエ清見」の梅地清澄代表(64)は料理を味わい「ジビエの印象が変わった。これだけおいしく食べられるなら捕獲に力を入れないと」と笑顔で話していた。
(害獣レザーの「マンハッタンポーテージ」、リバースプロジェクトと共同製作)
「マンハッタンポーテージ(Manhattan Portage)」が、害獣レザーを活用したメッセンジャーバッグを製作した。リバース プロジェクト(REBIRTH PROJECT)が進める「INOCHIKA プロジェクト」の第2弾で、3月下旬の発売を予定している。国内では環境変化による生態系バランスの崩れから年間30万頭近くのシカが害獣として駆除されており、「INOCHIKA プロジェクト」は問題の認知拡大を目的にスタート。昨年秋の第1弾では、「Lee JAPAN」や「VIRI-DARI」とコラボレーションした商品を伊勢丹新宿店に出店したポップアップストアで販売した。第2弾となる今回のアイテムは、北海道産のエゾシカレザーをベースに、レザー抜染でシカの角を織り込んだ迷彩柄をプリント。環境変化はハチの減少化にも影響していることから、アクセントとしてハチが飛ぶ姿もあしらった。3月中旬から北海道のマンハッタンポーテージ一部店舗で先行発売。3月下旬から丸井やリバースプロジェクトオンラインショプでも販売する。

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(射撃場でライフル暴発か:埼玉)
19日午後1時50分ごろ、長瀞町野上下郷の県長瀞射撃場で、さいたま市南区太田窪5丁目、電気設計業尻枝裕美さん(57)が倒れているのを職員が発見し119番した。消防が駆け付けたが、ライフルの銃弾1発が胸を貫通しており、既に死亡していた。秩父署は尻枝さんのライフル銃が何らかの理由で暴発したとみて調べている。同署によると、尻枝さんは同日午後1時半ごろから「大口径射撃」と呼ばれる300メートル先の標的を撃つ練習を行う予定だった。銃弾は尻枝さんを貫通後、室内射撃場の天井に当たったという。事故当時、練習場にいたのは尻枝さん1人だけだった。背後の監視カメラが事故の状況を撮影していたという。銃架に立て掛けた銃が倒れ、尻枝さんが銃を抱え込もうとしたところ、暴発したとみられる。事故前、尻枝さんは盗難防止用ワイヤを手繰っていたとされる。銃は尻枝さんの所有で「ウィンチェスターライフル」と呼ばれる長さ96・5センチ、口径7・62ミリの猟銃。尻枝さんは銃所有歴28年以上のベテランで、この銃にも10年以上前に免許が出ていたという。射撃場を所管する県みどり自然課によると、同射撃場での死亡事故は初めて。管理体制に不備はなかったとしている。県猟友会によると、猟期が終了し、残弾の処理などでこの時期に練習や射撃大会などを行うという。事故については「銃架に立て掛ける銃に銃弾が入っていることは本来あり得ない」としている。現場は全10射台のうち7番目にあり、入り口の近く。天井には血痕のような小さなしみが残り、付近には弾痕を示す×印が二つ付いた白い張り紙が垂れ下がっていた。廊下を隔てたすぐ後ろでは固定式の監視カメラが作動していた。
(指定鳥獣にシカ、イノシシ)
環境省は20日、5月の改正鳥獣保護法施行を前に、近年急増し農作物や生態系に大きな影響を与えているニホンジカとイノシシを「指定管理鳥獣」とする省令を公布した。国や自治体は同法施行に伴い、2種を適正規模にするための捕獲事業が可能となる。国は2種合わせて410万頭程度と推定される生息数を2023年までに半減させる目標を掲げている。同省は今後、都道府県が実施する捕獲事業に対して補助金を交付するなど、積極的な駆除に乗り出す方針。
(エゾシカを駆除、モバイルカリング:北海道)
エゾシカの餌付けと林道を走行する車両からの管理捕獲(モバイルカリング)を行うエゾシカ捕獲技術開発事業が16日から、浜中町の道有林釧路管理区で始まり、初日は10頭を捕獲した=写真。森林伐採地におけるエゾシカの効率的捕獲方法の確立を狙いに、2011年度から釧路総合振興局が関係機関の協力のもと、同町と厚岸町の道有林釧路管理区で行っている。今季は15日から開始する予定だったが、発達した低気圧による悪天候で中止となり16日ずれ込んだ。初日は同町の四番沢林道など3路線で実施。午前10時に地元猟友会会員が餌場15カ所にサイレージを置き、午後1時から日没までに林道を1往復し、雌10頭を捕獲した。捕獲作業は3月1日までの土曜日を除く12日間の予定。  
(シカ囲いわな捕獲順調:北海道)
1年で最も雪深い時期を迎え、餌を求めて移動してきたエゾシカの大群が、根室管内の越冬地に姿を見せている。野付半島や別海町走古丹では今季、町による囲いわなの本格的な運用が始まり、順調に捕獲数を伸ばしている。一方で、管内各地の積雪が平年比1・5倍以上を記録し、深すぎる雪で越冬地や平野部に移動できず、山間部にとどまる個体も多いようだ。
(シカ食害防止へ猟師育成:青森)
青森県は20日までに、世界自然遺産の白神山地周辺などで近年目撃が相次いでいるニホンジカへの対策を強化すると明らかにした。実態調査や猟師の育成を進め、貴重なブナの原生林や農作物が食い荒らされるのを未然に防ぐ狙い。2015年度当初予算案に、定点カメラ設置費や猟師の研修費など約1300万円を盛り込んだ。自然保護課は「シカは繁殖力が強く、いったん増えると手遅れになる。移動ルートを解明できれば効率よく対策できる」としている。県によると、青森のニホンジカは明治時代に乱獲で絶滅したが、ここ10年で目撃が相次いだ。専門家の調査では、生息数の多い岩手県のシカと遺伝子型が同じで、沢や道路伝いに青森県内に入ってきた可能性がある。昨年10月には世界遺産地域からわずか150メートルの地点にある環境省の定点カメラがニホンジカとみられる動物を撮影。関係者の間で危機感が高まっていた。青森県は今秋にも、目撃数の多い県南東部や岩手、秋田との県境付近に定点カメラ約100台を設置。移動ルートの解明を目指す。また、県内の猟師にはシカなどの大形動物の狩猟経験が少ないことから、県外の猟師を招いての講習会も開く方針だ。
(イノシシ緊急捕獲へ、農業被害増に歯止め:福島)
東京電力福島第1原子力発電所事故以降、急増するイノシシに対し、福島県は2015年度から直接捕獲事業に乗り出す。既存のハンターにとどまらず、多様な狩猟の担い手を確保する。県内の捕獲頭数は1万頭以上と震災前の3倍に上っており、生息域の拡大に伴って農業被害も深刻なことから、県は対策の柱として取り組む。15年度予算案に「鳥獣被害対策強化事業」として関連事業を含め1億1600万円を計上した。県によると、県内のイノシシ捕獲頭数は、08年度の2829頭から、13年度には1万1087頭に急増。農業被害額も5817万円から7501万円に増えている。県は「原発事故に伴う住民避難や作付けの断念などの環境変化で、イノシシの生息域が急速に拡大している」と分析する。14年5月の鳥獣保護法の改正で、農業被害の拡大などから頭数を管理する必要がある鳥獣について国や県が直接捕獲を行えるようになった。同法の改正を受け、県は特に被害が深刻なイノシシについて緊急対策が必要と判断。直接捕獲を事業に盛り込むことを決めた。イノシシの捕獲事業を行う民間企業や団体を県が認定した上で、捕獲を直接委託する。委託を受けた業者は県内で通年捕獲が可能になる。捕獲目標などの詳細は、市町村の担当者らとともに今後詰める。県は現在策定中の15年度からの新たなイノシシ管理計画案でも、直接捕獲を個体数管理の対策として位置付ける。
(イノシシ、生息域ほぼ全県に拡大:長野)
近年、長野県内でイノシシに襲われてけがをする人が目立ってきた。県が統計を取り始めた2006年度から11年度はゼロだったが、12年度は1人、13年度は6人に。14年度も17日現在、2人が軽いけがをした。県はイノシシを見掛けても刺激せず、その場を離れるよう呼び掛けている。16日、北安曇郡白馬村で下校中の小学2年女児が近づいてきたイノシシにかまれて軽傷を負った。昨年12月12日にはイノシシ3頭が上田市のスーパーのガラスを突き破って店内に侵入。外に逃げた後、自転車に乗っていた男子高校生にぶつかり、高校生が軽いけがをした。13年10月には、松本市の市街地にイノシシが突然現れ、捕獲しようとした市職員ら6人がけがをしている。県によると、県内の生息数は詳しい調査がないため分かっていないが、捕獲数は01年度の4887頭から12年度の6987頭に増加。以前は県中南部が中心だった生息域が今はほぼ全域に広がっている。白馬村農政課の担当者は「5、6年前から目立つようになったと地元猟友会員から聞く。『今まではいなかったのに』と驚く住民も多い」と話す。県環境保全研究所(長野市)の岸元良輔研究員は「イノシシは人里近くにいる動物。近年は人慣れしていると思われる個体もあり、いつ出くわしてもおかしくない」と指摘する。県によると、12~14年度の県内の人身被害は10月に2件、12月に1件、2月に1件で、イノシシの発情期の秋、冬にほぼ重なっている。中央農業総合研究センター(茨城県つくば市)で野生動物対策を担当する仲谷淳上席研究員は、11月から2月が狩猟期間であることにも注意が必要だとする。猟犬に追われるなどして「パニック状態」で人里に現れ、偶然居合わせたような場合や、犬を連れていたりするとトラブルになる可能性があるという。万が一、出くわしてしまったときは「慌てず、静かにその場を離れるのが基本」と仲谷さん。イノシシから近づいてくるような場合は「高い場所に上るか、物陰に隠れてやり過ごしてほしい」と話している。
(ニホンジカ捕獲目標4万頭、個体数管理へ雌集中的に:長野)
県野生鳥獣被害対策本部は17日、今年度第2回目の会議を県庁で開き、ニホンジカの平成27年度捕獲目標を当初計画から1万3千頭引き上げて4万頭にすることを決めた。ニホンジカ全体の捕獲目標達成のために捕獲効率を優先した結果、個体数変動に与える影響が大きい雌の捕獲が滞ってきたことが理由で、県は「個体数管理にはメスジカを集中的に捕獲する必要があり、目標全体を引き上げることにした」(鳥獣対策・ジビエ振興室)としている。県内ではニホンジカなど野生鳥獣による農作物などの被害は深刻化しており、県としてはさらに対策を強化していく方針だ。23~27年度を計画年度とした第3期特定鳥獣保護管理計画は、23年度時点の推定生息頭数10万5千頭と設定。毎年2万5千~3万5千頭(うち雌は1万8千~2万6千頭)を捕獲し、27年度の生息頭数を3万5千頭にする計画となっている。これに対し、捕獲実績全体(26年度は推定値)は計画の目標を達成しているが、今後の個体数を左右する雌の捕獲はいずれの年度も目標に達していない。理由について、同室は「計画策定時は銃器を用いてメスジカを集中捕獲する計画だったが、目標達成に向けて捕獲効率の高いわな猟による捕獲を促進した結果、捕獲頭数は飛躍的に増加したが、雌雄を特定した捕獲が困難となり、メスジカの捕獲目標が達成できなかった」と説明する。このため、県は27年度の捕獲目標を4万頭とし、このうち雌は2万9千頭に設定することにした。総捕獲頭数に占める雌の割合は73%で、23~25年度の捕獲割合の59%から大幅に引き上げられる。捕獲目標の引き上げに伴って、改正鳥獣保護法の認定鳥獣捕獲等事業者制度などを27年度に積極的に導入。これにより、県が主体となって捕獲事業を行うことができることから、新年度の捕獲目標ととともに、第3期管理計画で示した11万4千頭という雌の全体捕獲目標の達成は可能としている。
(「メスジカ捕獲強化期間」スタート:長野)
ニホンジカによる農林業への被害を防ぐため、県や県市長会、県町村会は、「県下一斉メスジカ捕獲強化期間」をスタートさせた。期間は5月31日まで。この時期に雌の集中捕獲を行うのは、芽吹きの頃に出産期を迎えるシカの生態に合わせて、捕獲の取り組みを強めることによって効果的な生息密度の低減を図るのが狙い。春の行楽シーズンとも重なることから、里山などへ入る際の注意を呼びかけている。県の第3期特定鳥獣保護管理計画では今年度の捕獲目標を3万5千頭としており、このうち雌の捕獲目標は2万6千頭。現時点での今年度予想捕獲頭数は3万4367頭だが、このうち雌の捕獲頭数は「現時点では分からない」(県林務部)としている。
(カモ類、生息域に変化:和歌山)
日本野鳥の会和歌山県支部と県、市町村などによるガンカモ類の冬期生息調査が行われ、ことしは河川、池、ダムなど345カ所で調べた結果、昨年より1048羽多い1万593羽のカモ類を確認。日高川では例年並みの842羽が確認されたが、一部で生息場所の変化がみられ、平成23年の台風12号豪雨の影響が続いているとみられている。県自然環境室によると、ことしは先月11日を中心に、野鳥の会会員、県・市町村職員ら延べ約120人が参加して調査を実施。ハクチョウ類とガン類は1羽も確認されず、カモ類の渡来数が多い河川は紀の川が2232羽、日高川が842羽、古座川が810羽などとなっている。日本野鳥の会県支部によると、日高川で確認されたカモ類の数は昨年と同じで、個体数としては例年並み。しかし、台風12号豪雨以前、御坊市の天田橋上流左岸でよく見られたホシハジロが3年連続で確認されなかった。同支部の沼野正博事務局長は「この現場は以前は船が多く係留されていた葦原だったが、そこが土砂で埋まって藻類などのエサがなくなったせいか、台風の前は50~100羽確認されたホシハジロやキンクロハジロが見られなくなった。日高川の個体数は台風の年の冬には減ったものの、翌年からは例年並みに戻っている」と話している。
(伊勢原射撃場、NTC強化拠点施設に:神奈川)
伊勢原市内上粕屋の神奈川県立伊勢原射撃場が2月6日、文部科学省からクレー射撃のナショナルトレーニングセンター(NTC)競技別強化拠点施設に指定された。期間は2017年3月31日まで。NTCは東京都北区に中核拠点(味の素NTC)を持つ、トップアスリートの選手強化活動用の競技施設。冬季競技や海洋競技など、センター内に設置できない競技ついて競技別強化拠点施設を指定している。全国で強化拠点に指定されているのは伊勢原射撃場を含む26施設。神奈川県内では初の強化拠点施設となる。文部科学省は今回の指定について「NTCの必須条件である国際規格を有していること」とコメント。また県教育委員会は「県の施設が指定を受けたことは、たいへん喜ばしいこと。全国から国内トップレベルの選手やコーチが来る。この機会をスポーツや地域振興につなげたい」と話した。伊勢原射撃場は1972年にクレー射撃場とライフル射撃場を持つ県内唯一の総合射撃場として開設。鉛汚染問題により2002年に休場、環境に配慮した全弾回収型施設として2013年に営業を再開した。再開から2年。現在では、一般競技者だけでなく、日本クレー射撃協会の公式大会などに利用されているほか、昨年9月にはallかながわスポーツゲームズ市町村対抗クレー射撃大会の会場にもなった。また、今年10月には「わかやま国体」の県外会場としてクレー射撃競技も行われる。射撃場を管理する(一社)神奈川県射撃協会の葛谷寛一事務局長は「東京に近く、高速道路のインターも近い。3射面を有するトラップ射撃など、使い勝手良い施設。トップアスリートの方々のために、充実した施設をめざします。伊勢原射撃場利用者の中からオリンピック選手がでてくれれば嬉しい」と話す。
(「狩りガール」、なぜ女性はハンターの世界に)
最近、話題に上ることが多くなった「狩りガール」。狩猟免許を取得して、ハンターの世界に飛び込んだ女性たちのことだ。狩猟免許を持つ女性はこの10年間で倍増し、各地の講習会やイベントでも女性が存在感を増している。「山ガール」「歴女」など、さまざまな趣味の世界に進出する女性たちが、新たな舞台として狩猟に目を向けるのはなぜか。狩りガールを取材すると、日常で味わえない「生の実感」に魅せられているようだ。「狩りは自分とシカとの闘い。撃ち損ねたシカと目が合うと、悔しさと闘志がわき起こるんです」大阪府門真市の会社員、国見綾子さん(28)は週末ごとに猟犬を連れて福井県南西部のおおい町の山間部に入り、ニホンジカを狙う。生い茂る草木を分け入り、ぬかるみに残る足跡をたどってシカを追い、息を潜めてゆっくりと近づく。幼いころからハンターの父に連れられて山に入り、捕らえてさばいてもらったイノシシやシカの肉のおいしさを知った。こうした原体験もあり、20歳で狩猟免許を取得。山に入れば約3キロの重量がある猟銃を持って何時間も歩き回り、厳しい寒さの中でじっとシカを待ち続ける。それだけに仕留めたときの達成感や心の高ぶりは、日常で感じることはできない。「上質の肉を得たときの感動や、『粗末のないように食べる』という命への感謝は普段の生活では味わえないです」環境省によると、狩猟免許の所持者は昭和54年度で約44万7千人だったが、平成24年度は約18万人と半減し、6割余りが60歳以上と高齢化が進む。一方で女性の所持者は13年度の953人から24年度には2037人に倍増した。もともとクレー射撃が趣味だった大阪府東大阪市の会社員、藤崎由美子さん(46)は、ハンターの減少が野生動物による農作物の被害拡大につながっていると知り、最初は「社会貢献になれば」といった動機で昨年12月に狩猟免許を取得。当初は命を奪うことへの恐れとためらいがあったが、1月上旬に初めて大阪府北部で地元猟師と狩りを経験。猟師がイノシシを仕留め、余すところなくさばく様子を見たとき、「殺生を誰かがやってくれているおかげで肉を食べることができるんだ」と実感、気負いや抵抗感が抜け落ちたという。こうした感覚は日常生活でも変化となって表れる。「スーパーに並ぶ食肉も、きちんとおいしくいただこうと思う気持ちが増しました」と話した。猟師の新たな担い手として女性の存在感が増す中、各地の猟友会でも女性へのPRに力を入れている。大阪府猟友会では昨年3月、女性の後継者の育成を目指し、20~80代の女性30人が「たんぽぽの会」を結成。同会で部長を務める曽我輝久江さん(57)は「山では自分の勘を働かせ、五感を研ぎ澄まさないと獲物を仕留めることはできない。忍耐や集中力が必要だが、日常生活では味わえない体験に魅力を感じ、山に入る女性は多い」と話す。最近では「狩りガール」という言葉も徐々に浸透。野生鳥獣を食材として活用する「ジビエ料理」の人気の広がりも、女性が狩猟に興味を持つきっかけになっているとみられている。曽我さんは「これまで狩猟は男性が中心だったが、女性も積極性や器用さを生かして活躍することはできる。自分の持つ技術を伝え、仲間を増やしていきたい」と話している。
(日本のジビエ料理ランキング、鍋からラーメンまで)
ジビエというとフランス料理を想像するかもしれないが、日本にだってシカやイノシシなど、昔からたくさんの伝統的なジビエ料理が存在する。日本語でいえば「狩猟でとる鳥獣肉」。いったんは衰退したように見えた日本のジビエだが、ワインに合うフレンチとして身近になってきたのに加え、人里におりてくる動物の食害対策というまったく別の観点で増えてきた背景もある。「ぐるなび」(http://www.gnavi.co.jp/)がユーザーの投稿やアンケート調査を集計したところ、ジビエ料理を食べたことがあるのは全体の約半数で、一番多かった肉の種類はイノシシ(81.4%)、次いでシカ(67.4%)だった。食べる頻度が昨冬に比べて増えた人の理由は、最多は「普段行く飲食店で扱うようになった(48.1%)」、次いで「流行っているから(25.9%)」「おいしいから(22.2%)」。ジビエメニューのランキング1位は、東京・両国、ももんじやの「猪鍋」。下町で9代続いているしし鍋の店だ。2位は埼玉のイタリアン L’oasiの「タリアテッレ 丹波産猪とポルチーニのラグー」。そして3位にはラーメン店もランクインし、京都・キャプテンの「いのししチャーシューメン」。ここでは、イノシシ肉やシカ肉入りの餃子も楽しめる。
(害獣を人気食材に、シカ肉流通丸ごと後押し:兵庫)
農業被害が深刻で嫌われ者のシカ。ただ、その肉は低脂肪なうえ高タンパクで、ジビエ(野生鳥獣肉)料理のブームも手伝って、高級レストランの人気食材でもある。そこで兵庫県は2015年度、1年かけて野生のシカの捕獲から加工、消費までの流れを構築。加えて皮や骨の活用も狙い、「シカ丸ごと1頭活用作戦」に乗り出す。県自然環境課によると、県内のシカの生息数は推定12万頭。農林業の被害額は約3億円に上り、野生鳥獣による被害全体の約4割を占める。特に播磨、南但馬で、稲を倒したり、樹皮を食べたりする被害が多発。県は年間3万5千頭を目標に、捕獲を続けている。その半面、食用への関心は高まりつつある。食に関する民間研究機関は昨年、世相を反映する料理として「ジビエ料理」を選定した。ただ県内で食肉処理されるのは「千頭に満たない」(同課)のが現状で、県は15年度当初予算案に約3700万円を計上。シカ肉の積極利用を進める。具体的には、猟友会やシカ肉の処理加工施設、レストランなどで連携組織を設置。高い栄養価を生かして競技者向けメニューの開発などを図り、需要を喚起する。また皮は皮革細工に、骨は飼い犬のおやつなどに用いられることから、それらの活用も研究する。一方、野生鳥獣は供給の不安定さがネックになる。そこで、捕獲したシカを持ち込みやすくなるよう、ストックポイント(中継施設)の整備を5カ所で計画。設置する市町を支援する。新たな処理加工施設(2カ所)の整備支援や、シカの運搬支援にも乗り出す。県自然環境課は「シカ肉の品質は高い。認知度が上がり、一般家庭の食卓にも上るようになれば」とする。
(ジビエ料理、ブランド化狙う:石川)
北陸新幹線金沢開業を機に、県などは、県内の豊かな食文化をPRする一環として野生鳥獣の肉「ジビエ」の活用を進めている。19日には、県内で捕獲されたイノシシやシカの獣肉を使ったローストやお茶漬けなど斬新なメニューの試食会が金沢市のホテルで開かれた。関係者は「いしかわジビエ」ブランドを確立し、新幹線開業後の誘客につなげたい考えだ。県内では近年、イノシシによる被害が目立ち、水稲やジャガイモなどの食害のほか、田畑を転げ回る「ぬたうち」の被害もある。農作物被害金額は2007年の1191万円から14年は9145万円に急増。捕獲数も07年の655頭から13年の2684頭に増えた。県は昨年7月、有害鳥獣の駆除を進めながら「ジビエ料理」を普及させる狙いで、猟師や料理関係者らとともに「いしかわジビエ利用促進研究会」を発足させ、メニューやレシピ作りを進めてきた。県内では、ジビエ料理をブランド化して町おこしにつなげようとする動きもある。白山市商工会青年部は、イノシシの肉を「白山麓猪いのしし」と名付け、白山麓旧5村にあるホテルや旅館、レストラン計12施設で、イノシシを使った料理の提供を始めたほか、生肉、薫製など加工品の販売、牙や皮などを生かしたグッズの販売などを行っている。白山市の旧5村の観光協会で作る「白山ふもと会」は、イノシシやクマを食肉として加工する解体場を12年に建設。白山猪は、白山の清涼な水や木の実を食べて育つため、肉は柔らかく、甘みがあるという。同青年部部長の山本隆俊さんは「多くの人がイノシシを食べることが駆除につながり、農業被害の減少になれば」と期待する。加賀市の伝統のジビエ「坂網鴨さかあみがも」も注目される。国内有数のカモの飛来地で、ラムサール条約登録湿地でもある片野鴨池に飛来するカモをY字型の坂網で捕獲する伝統猟法は、江戸時代から続く。鉄砲と違って身が傷つかないため、同市出身の料理人・道場六三郎さんは「最高の食材」として激賞する。市は、地元や東京で食談会を開くなどし、「坂網鴨」のブランド化を進めている。県が地元の料理店などと昨年から開発に取り組んできたイノシシやシカの肉を使った「いしかわジビエ」の料理とレシピが19日、初めて披露された。試食会に参加した行政や料理関係者からは、「柔らかく食べやすい」との声が聞かれた。試食会は金沢市のホテルで開かれ、シューマイやコロッケ、お茶漬けなど和洋中の加工品4種と料理9品が並んだ。このうち「白山ふもと会」が開発したイノシシの醸し漬けなど一部は近く商品化が決まっており、県里山振興室の清水正雄次長は「北陸新幹線の車内販売に採用してもらえるよう働きかけたい」と話した。
(「坂網鴨」を味わう晩さん会:石川)
江戸時代から続く加賀市の伝統鴨猟「坂網猟」で捕獲した鴨をPRしようと17日夜、東京都内で、著名人を招いた晩さん会が開かれました。加賀市では江戸時代からおよそ330年の歴史を持つ「坂網猟」で捕獲した「坂網鴨」のブランド化を進めていて、3年前から晩さん会を開いています。晩さん会は17日夜、東京・南青山の有名レストラン「NARISAWA」で開催され、東京都の舛添要一知事や女優の菊川怜さん、歌手の五木ひろしさんら著名人が招かれました。「坂網鴨」は鴨が空腹となる夕方を狙って、網で生け捕りにするため、猟銃で捕獲した鴨と比べて、臭みがないのが特長です。高温の油をかけて、じっくりと調理された坂網鴨は、ごぼうで作られたろうそくと、灯籠をイメージした和紙で囲われた器に盛りつけられました。また、加賀市橋立産のズワイガニや三谷地区の葛を使用したデザートなど加賀市の食材がふんだんに使われ、参加者がその味を、堪能しました。「坂網鴨」は年間300羽程度しかとることができず、普段は加賀市内でしか食べられないため、加賀市では今後も「坂網鴨」を観光誘客につなげたい考えです。
(ジビエ料理、新たに6店舗認定:徳島)
県は16日、鳥獣被害対策の一環として、ガイドラインに沿ったシカやイノシシの肉(ジビエ)を提供する店舗「うまいよ!ジビエ料理店」に、新たに三好市などの6店舗を認定した。認定店は計11カ所となり、県は今後、ホームページやイベントなどでPRして、消費拡大を図る。今回認定されたのは、美村が丘(美馬市)▽祖谷美人(三好市)▽谷口商店(同)▽ホテルかずら橋(同)▽森のくまさん(同)▽うり坊(東みよし町)。徳島市内であった認定証交付式で、飯泉嘉門知事は「素晴らしい料理とおもてなしをお願いしたい」とあいさつ。ぼたん鍋やシカ肉のスペアリブなど各店舗の自慢の料理を試食した。

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(鹿狩り中の男性発砲、猟仲間が右腕にけが:三重)
15日午後2時15分ごろ、津市美杉町太郎生(たろう)の山中で鹿狩り中の堺市中区、無職北隆史さん(65)が散弾銃を撃ったところ、猟仲間の綛谷(かせたに)芳夫さん(65)=堺市東区=の顔や右腕に弾が当たった。綛谷さんは林道まで歩いて下山し、救急車で病院に運ばれた。津南署は業務上過失致傷の疑いもあるとみて調べている。署によると、北さんは山中で見つけたシカを狙って撃ち、シカを挟んで向こう側にいた綛谷さんに誤って弾が当たったと説明している。現場は奈良県との境に近い津市西部の山中で、付近に民家はなかった。
(シカ撃ったらヒグマに奪われた:北海道)
16日午後2時50分ごろ、北海道白糠町上庶路の山中で、仲間と2人でシカ撃ちをしていた東京都足立区本木南町の自営業・大須賀実知生さん(57)が仕留めたシカを回収しようとしたところ、突然現れたヒグマに奪われる事件があった。白糠町は、道東、釧路市の中心部から西へ約30キロにある人口約8700人の町。現場は住宅から約100メートルの地点だった。大須賀さんが、約100メートル前方のシカに弾が命中したのを確認し、雪をかき分けながら近づくと、約50メートル手前でヒグマがシカをくわえているのに気がついた。大須賀さんたちは一目散に逃げ、ヒグマもシカをくわえたまま、山中に消えたという。体長は約2メートルで、成獣だったとみられる。2人は知人を通じて北海道警釧路署に通報。署員らが近隣住民に注意喚起した。2人にけがはなかった。大須賀さんは東京都猟友会の会員で、団体対抗のクレー射撃大会の安全狩猟地区対抗射撃研修会などに出場経験がある。ヒグマは食糧がなくなる冬には冬眠する習性があるが、活動を続けて越冬するヒグマもいる。道東では1月に標茶町の山中で男性がヒグマに襲われて死亡、今月2日にも厚岸町の山中で男性が襲われ、けがをしている。釧路署管内ではホームページなどでヒグマへの注意を呼び掛けているが、通報があったのは今年になって初めてだった。
(高1が「大砲」作っちゃった、武器等製造法違反容疑で16歳逮捕:兵庫)
殺傷能力のある空気銃を作ったなどとして、兵庫県警少年捜査課は16日、武器等製造法違反と銃刀法違反容疑で兵庫県宝塚市の県立高校1年の男子生徒(16)を逮捕した。同課によると、容疑を認めている。人や動物が撃たれた被害は確認されていない。昨年11月中旬、生徒の関係者から連絡を受けた学校の教職員が伊丹署に相談した。捜査関係者によると、「大砲のようなものを持っている生徒がいる」との相談だった。逮捕容疑は、昨年6~11月、当時住んでいた兵庫県伊丹市の自宅で殺傷能力のある空気銃1丁を製造・所持したほか、威力は劣るが人にケガをさせる恐れのある準空気銃と呼ばれる銃2丁を所持した疑い。空気銃は全長約2メートル8センチ。サイズとしては、2メートル9だった故ジャイアント馬場さんの身長とほぼ同じ。生徒は「ランチャー」と呼んでいた。準空気銃は約1メートル18センチと約1メートル40センチ。口径は3丁とも約2・5センチ。インターネットで作り方を調べ、市販の塩化ビニール製のパイプなどを使ったという。既成のエアガンを改造したわけではなく手作りで完成させた。このため本物の銃とは見た目は異なるという。同課は、詳しい製造目的などを調べている。可燃性ガスをためて爆発させ、ネジやボルトで作った金属製の弾丸を撃ち出す仕組み。県警は押収した空気銃を調べ、1メートル離れた場所からスチール缶を貫通させる程度以上の威力を確認した。男子生徒は自宅で試し撃ちしたとみられ、穴の開いた厚さ1ミリのスチール缶と鉄製のケースも押収された。
(杏、狩猟の免許を取得「自分で獲って食べてみたい」)
女優の杏が、インタビュー取材の中で、狩猟の免許を取得していたことを明かし、「私は鹿肉が好きなので、自分で獲って食べてみたいという思いがあります(笑)」と意外な一面も見せてくれた。狩猟の免許を取ったことについて話し、「山に入ってみたいという願望があります。鹿は繁殖力が強く増えすぎてしまったので、環境問題にもなっていて、駆除しなくてはいけないらしいんです。駆除したものの、使い道がなくて産業廃棄物になっていることもあるそうですが、人が食べる機会が増えたり、ドッグフードにしたりともっと使い道があれば、命を循環させられると思うんです。何より、私は鹿肉が好きなので、自分で獲って食べてみたいという思いがあります(笑)」と意外な面をみせ記者を驚かせた。今回のドラマでは、射撃大会でも優勝した経験を持つ刑事役。狩猟の免許を持っている杏だが、「ただ撃つというだけでなく、射撃大会優勝経験者というのはハードルが高かった」と振り返るも、「猟銃の講習を受けたおかげで、少しは銃に対する気構えができていたと思います」と語っている。
(イノシシ被害防ぐ”対柵”を:沖縄)
鳥獣駆除を終えた沖縄県猟友会八重山地区は、昨年11月15日の狩猟解禁日から野底や崎枝地区で共猟を実施。延べ160人の参加者でイノシシ17頭を仕留めた。例年より多く、大きさも50㌔から70㌔級と大物の当たり年。一方、行政は農作物のイノシシ被害を食い止めようとあの手この手で策を講じているが、決定打に乏しい。「猪突(ちょとつ)猛進」させない”対柵”が急務だ。
(深刻イノシシ被害、管理計画着実な実行を:福島)
イノシシによる農作物被害が深刻さを増している。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の影響で、県内ではイノシシの個体数が増え、生息域を広げているからだ。県は5年間で4万頭以上減らす管理計画案をまとめた。農家の営農意欲を低下させず、さらに避難区域への帰還意欲をそがないためにも、県には着実な実行を望む。県内では原発事故に伴う避難区域の設定により無人となった土地でイノシシが活動範囲を広げた上、食肉にできなくなったため狩猟する人が減り、個体数が急増している。避難区域からはイノシシがあふれ出し、生息域を阿武隈川西側にまで広げている。このため農作物被害も増えている。平成20年度に5817万円だったのが、25年度は7501万円と約1・3倍になった。県によると、推計4万7千~4万9千頭が生息している。管理計画案では毎年1万7千~1万8千頭を捕獲し、5年間で農産物への被害や生態系に影響のない個体数とされる5200頭に減らす。捕獲数は原発事故前の平成22年度が3736頭、23年度が3021頭、24年度が5824頭、25年度が1万1087頭と増えているが、生息数の増加に追い付かない。計画を実現するには捕獲する人材の確保が何より重要だ。県内の狩猟登録者は21年度に5064人だったが、先月末時点で3610人まで減っている。県は射撃教育の受講料補助の引き上げなどで養成を図る考えだが、効果は不透明だ。新年度から「わな免許」の受験料の助成を始める。わなは箱の中に閉じ込める「箱わな」、通り道に設置する「くくりわな」などがある。わなを貸し出す自治体もあり、猟銃よりも取り掛かりやすい。免許取得者が増えることを期待したい。担い手養成には、捕獲したイノシシを処分するための助成充実も求められる。食用として利用できないから、埋設や焼却処分している。現在、県は1頭につき8000円の助成をしている。上乗せする市町村もあるが、狩猟関係者によると焼却する場合、燃料代程度にしかならないという。避難区域以外の農作物被害の防止には、捕獲に加え、耕作放棄地の管理も重要だ。イノシシは耕作放棄地を餌場として繁殖し、地域の農作物を荒らす。農業者の耕作意欲は下がり、さらに耕作放棄地が増える。集落による放棄地の管理が大切だ。県にはこうした視点での取り組みも進めてほしい。
(ジビエ料理教室:山口)
下関市内の加工施設で処理されたイノシシやシカの肉の消費拡大を目的とした料理教室が16日、下関市で開かれた。ジビエ料理教室には、市民およそ50人が参加した。メニューは、シカのロース肉を使ったはりはり鍋、イノシシ肉のミンチとシカのモモ肉を使ったハンバーグで、市内にある東京第一ホテル下関のシェフが、家庭で簡単に出来るレシピとして考えたもの。下関市では、おととし4月、駆除したイノシシやシカを解体・処理する「みのりの丘ジビエセンター」を稼動させ肉や加工品を新たな特産品にしようと取り組んでいる。参加者は、シェフの指導を受けながら料理を作って試食していた。料理教室は、今月8日に市内豊田町でも開かれていて、市では、今回考案された併せて4つのレシピを来週には、市のホームページに掲載する予定。
(ご当地メニュー考案、シカ肉など地元食材使う:徳島)
美馬市の「ご当地グルメ」開発を目指す宿泊施設地産地消メニュー検討委員会は、シカ肉と雑穀を使った新メニューを完成させた。あぶったシカ肉、県西部で収穫したソバ「そらのそば」を使ったサラダや雑炊など、新たに開発した14品目の試食会を16日、同市穴吹町のブルーヴィラあなぶきで開いた。美村が丘(脇町)、ブルーヴィラあなぶき、つるぎの湯・大桜(木屋平)、平成荘(同)の4宿泊施設がメニューを考案。試食会では、関係者約40人が料理に舌鼓を打った。県観光協会の清重泰孝理事長は「どの料理も素朴でおいしかった。多くの観光客を呼び込む新たな目玉になってほしい」と話した。同委員会は昨年9月から食による観光活性化を目指し、地元食材を使ったメニュー開発に取り組んできた。14品の料理は、冬季休業中の平成荘を除き、17日から各施設で食べることができる(要予約)。
(シカ肉のシチューやカレー、ジビエ料理フェア:京都)
狩猟で捕獲した野生の鳥獣肉を使ったジビエ料理の普及を目的とした「京都@中丹ジビエフェア2015」が、中丹地域(福知山、舞鶴、綾部市)の料理店28店舗で開かれている。シカやイノシシの肉を主な食材にした鉄板焼きやシチュー、カレーなどさまざまな味覚が各店で堪能できるフェア。22日まで。中丹地域の里山で捕獲した野生鳥獣を「森の恵み」として活用し、地域の魅力を発信しようと府中丹広域振興局が企画。公募により3市の料理店28店舗が参加した。各店とも福知山市内の処理場などで加工された脂肪が少なく、栄養が豊富な肉を使っている。シカ肉と地元野菜で柔らかく煮込んだ「鹿と野菜のシチュー」(綾部市の綾部ふれあい牧場)や、備長炭で香ばしく焼き上げる「鹿肉の背ロース炭火焼」(福知山市の囲炉裏(いろり)焼こめん)、手頃な値段のスタミナ丼として人気の「鹿肉ロース丼」(舞鶴市の居酒屋水の冠)などが楽しめる。「鹿の和風地元産野菜のスープカレー」(綾部市の万里也(まりや))や「鹿そば 朱天」(福知山市の大江山鬼そば屋)、「焼ジビエコース」(舞鶴市の炭焼とうがらし亭)などもある。
(ジビエで獣害に思いを:岐阜)
可児市土田の仏料理店「オーベルジュ・ドゥ・リリアーヌ」は、県の獣害対策に協力し、シカ肉のジビエ料理をランチで提供している。オーナーシェフの大脇有人さん(34)は「使い道を考えなければ、獣害はどんどん広がる。都会にはない田舎の強みを生かしたい」と話す。県が十店舗を選び、シカやイノシシ肉の料理を考案してもらう「ぎふジビエフェア」の一環。リリアーヌは東濃・可茂地域で唯一の参加店になった。フェアは二十八日まで。ジビエはランチコースのメーンの一皿で登場する。もも肉をカレー粉や黒こしょうなどのスパイスに漬けてマリネにし、ビーツのソースで味を調えた。「牛や豚と違い、野生のシカは風味に個体差がある」と大脇さん。肉の特徴によってマリネする時間や火を入れる時間を変え、お年寄りでも楽しめるよう軟らかくしてある。大脇さんは「有害鳥獣を捕る人は高齢化で減る一方。駆除しても単に埋めるだけでは費用も増え、根本的な解決にはならない。肉を消費する出口を考えていかないと」。自らも猟銃免許の取得を目指して勉強を始めている。
(捕獲獣の皮の活用:岡山)
全国で深刻な被害をもたらしている獣害。岡山県・吉備中央町も例外ではなく、シカよりもイノシシによる被害が多い。捕獲された獣の加工施設があり、ジビエブームで肉は食され始めたが、皮は廃棄に。そこで数年前から皮の活用に関する調査が進められ、昨年には吉備中央町から吉備高原エリアのイノシシ革を使ったブランド「INOKKO(イノッコ)」が誕生。洋服や雑貨の開発・販売がスタートした。「町には元々服飾関係の縫製工場が多く、地元企業の活性化にもつながればと思いました」と『吉備中央町商工会』の早川仁さん。体が小さいイノシシから取れる皮が少ないため、地元の高い縫製技術で作られたジャケットに革を合わせて、この「ゲームジャケット」が完成した。ツイード生地でテーラードタイプのジャケットに、イノシシ革の肩あて、肘あてをつけた。「イノシシの狩猟と、ヨーロッパのハンティングジャケットを合わせて親和性を高めました」と早川さん。『メイド・イン・ジャパン・プロジェクト』に関わる森野純一さんがブランドコンセプトを担当。植物性タンニンでなめされた環境に優しい革を使用する。

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(民家敷地内にイノシシ2頭:新潟)
13日午後8時半ごろ、柏崎市宮之窪の住宅敷地内でイノシシ2頭が歩いているのを近所の女性が目撃、住宅の住民が市を通じて柏崎署に通報した。同署によると、イノシシはいずれも体長約1メートル。
(大学近くでイノシシ目撃:新潟)
15日午後4時半すぎ、上越市大学前の用水路でイノシシ1頭を目撃したと、近くの住民が上越署に通報した。同署によると、イノシシは体長約50センチ。現場周辺には上越教育大学や住宅地があり、イノシシは大学方向に逃げた。
(クジャク288羽駆除:沖縄)
竹富町は13日までに本年度のクジャク銃器駆除事業を終えた。黒島と小浜で計4回、銃器を使用した駆除作業を行い、クジャク288羽、カラス47羽を駆除した。町自然環境課(小浜義也課長)では、両島で来年度も事業を継続し、4〜6月と10〜12月に銃器を使った駆除のほか、4〜5月にはクジャクの卵を探索する犬を使って卵を駆除する計画。同事業は、環境省の要注意外来生物に指定されているインドクジャクや有害鳥獣のカラスを駆除し、生物多様性の保全や農家への被害防止を図るのが目的。駆除作業には町猟友会(河合正憲会長)の会員をはじめ、八重山署の小浜・西表大原駐在所、町職員など延べ約60人が参加。クジャクに加え、今回からはカラスの駆除も実施した。本年度の駆除作業を終えて河合会長は「数年にわたる駆除事業で黒島、小浜のインドクジャクは減少しているように感じるが、畜産や農作物へのカラス被害はまだまだ後を絶たない。来年度も町と連携して取り組みたい」と話した。銃器を使用するため八重山署も安全確保の面で協力しており、小浜課長は「猟友会や警察署の協力に感謝している。来年度も有害鳥獣や外来生物の除去に向けて駆除事業を実施したい」と関係者に礼を述べた。
(厳冬の野山で獲物追う:長野)
十五日に終わる狩猟シーズンが大詰めを迎え、南信各地の猟友会員らがイノシシやシカを追い続けている。厳しい冷え込みの中、ハンターは猟犬とともに獲物を追跡。雪が降り積もる険しい山で、今日も人間と獣の駆け引きが繰り広げられている。十三日午後一時すぎ。阿智村南部の山で、飯伊連合猟友会会地支部長・倉田員志さん(66)ら五人のグループがイノシシを狙った。勢子(せこ)の内田勝喜さん(67)が二頭の紀州犬を連れてシシを追い、獣道に潜んだタツマ(射手)が仕留める大物猟だ。「モノ(獲物)は二頭。何としても獲りたい」と倉田さん。午前中、沢や林道に残るシシの足跡から移動方向を探る「見切り」を重ね、この場所に決めた。細い林道を分け入った山奥。ライフルや散弾銃を抱えたタツマは物陰で息を殺す。谷を渡る風が、木を揺らして“ゴー”と鳴く。厚い靴下を二枚重ねていても、長靴の足が痛い。たまらない寒さだ。「足跡が見えん」「谷を登ったのか…」-。猟を始めて約二時間後。十キロ以上も歩いた内田さんが追跡を断念した。「せっかくの足跡が雪と風で消えた。ここらの山は広いから、シシはどこにでも跳んでしまう」。白い山を見上げ、悔しそうにライフル銃を下ろした。倉田さんらのグルーブは年明け以降、ほとんど毎日山に入っている。昨年は十一月十五日の狩猟解禁から、イノシシだけで十頭も獲った。それが、今年はさっぱりという。シシはこの時期に繁殖期を迎え、雄は雌を求めて広範囲を移動する。さらに、追われたシシは警戒心が強くなり、ハンターの裏をかいてくる。倉田さんは「昔から『寒ジシ追う猟師に銭貸すな』という言葉がある。それだけ獲るのが難しいということ」と笑った。四輪駆動の軽トラックを連ねて林道を下った仲間たちは、早速次の猟の段取りに入った。「猟期はまだ二日ある。あきらめるにはまだ早い」。オレンジ色のベストが雪に映えた。
(農家と猟師協力、畑守る:長野)
イノシシやシカによる農林業被害が深刻化する中、県がその対策として創設したハンター養成学校。狩猟免許取得を目指して昨年7月に開校、座学やわな猟実習を経て、1月からはいよいよ銃猟捕獲の講習が各地で開かれている。2月8日に中野市で行われた「巻き狩り」に同行した。午前8時過ぎ、日野地区の標高600メートルほどの小山の麓に、オレンジ色のベストや上着を着込んだ一団が集まった。足元は雨具ズボンや長靴。市猟友会の猟師16人、地元農家の30人、記者を含む受講生16人の総勢60人超だ。この日学んだのは、巻き狩りという手法。山の上から茂みに潜む獲物を追いつめる勢子せこと、下で銃を構えて待つ射手しゃしゅに分かれて行う伝統的スタイル。農家の人たちが勢子となった。「スタート!」。無線の合図とともに、尾根にずらりと並んだ勢子が一斉に「ホーイホイホイ」などと声を出しながら斜め下へ歩を進めた。農家の人たちの爆竹や笛の音も加わり、雪に覆われた山の中は何ともにぎやかになった。勢子側に付いた記者は悪戦苦闘の連続だった。ひざ下までの雪に足をとられ、枝に打たれたり、急斜面を滑ったりしながら、汗だくで駆け回っていた。約1時間後、上から「いたぞ!」と叫ぶ声。見上げると、10メートルほど先を黒い大きな塊がドドドドっと駆け抜けていった。イノシシだ! まんまと逃げられた。この日、射手はシカとイノシシの雄各1頭を仕留めていた。猟友会長の佐野澄博さん(67)は「地元農家は孫の代まで畑を守ろうと熱心で、いい連携ができている。猟はチームワークが大事」と話す。聞けば、逃したイノシシは記者が遅れたことで包囲網がほころび、その「穴」から抜け出したらしい。猟とはまさに、動物たちとの知恵比べ。悔しさと、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。獲物は、近くに住む猟師の家で佐野さんらが巧みに解体した。腹を割くと内臓から湯気が上がる。あぶったシカ肉は臭みがなく、かむほどに味わいがあった。つい先ほどまで生きていた命。「ありがたい」という思いが自然とこみ上げた。シカやイノシシによる県内の農林業被害額は2013年度、11億5000万円に上った。果樹被害の多い中野市では、地元農家やJAが市猟友会と連携し、8年前から1~3月の週末に巻き狩りを実施している。農家が猟に参加する例は珍しく、県内でも先進的な取り組みだという。
(北陸イノシシ被害、前年度比4割増)
石川、富山、福井、新潟4県でイノシシによる2013年度の農作物被害額は、前年度比4割増の2億2000万円だったことが北陸農政局のまとめで分かった。イノシシを含む全ての野生動物による被害はほぼ横ばいの総額5億3223万円だった。農政局は「暖冬傾向や猟師の高齢化などさまざまな要因が絡み、イノシシが生息域を広げている」と分析している。県別の被害総額は、新潟2億5249万円▽福井1億2790万円▽富山8711万円▽石川6473万円。近年は、08年度の8億7000万円をピークに、おおむね減少傾向をたどっている。一方、13年度は前年度と比べて、被害面積は14%減の2124ヘクタール、分量も42%減の2743トンと、いずれも減少したが、被害額は159万円減とほとんど減らなかった。比較的単価の高いコメの被害が半分程度を占めたため、被害を受けた面積や分量が減った割には、被害額が少なくならなかった。イノシシなどの野生動物は農作物を食べるだけでなく、田を踏み荒らしたり、田に体をこすりつけたりする習性があるため、食害以外のダメージも農作物に及ぼす。石川、福井、富山では被害を受けた農作物全体の7〜9割がコメだった。イノシシの生息域は石川県内でも拡大が指摘され、以前は生息していなかったとされる能登半島北部(奥能登)でも5年ほど前から捕獲や目撃情報が相次いでいる。動物の種類別の被害額は、イノシシのほかは、カラス1億2000万円▽サル4300万円▽ムクドリ2900万円▽タヌキ2000万円−−などと続いた。
(国立公園、食べ尽くすシカ)
希少な動植物が生息する国立公園で、シカによる被害が深刻化している。絶滅危惧種の植物が食べ尽くされて植生が変わったケースもあり、環境省も駆除などの対策を本格化させている。ただ、駆除活動がほかの動植物に影響を与えないように配慮する必要があるなど、国立公園ならではの制約も多い。「シカが草を食べ尽くしてしまった」。雪に覆われた広大な湿原が広がる釧路湿原国立公園(北海道)。同省釧路自然環境事務所の寺内聡さんが、一角にある小高い丘を指さした。かつてはササに覆われていたという丘の頂上付近は、表土が露出し、中腹も植物はまばらだ。わずかに残されたササを、数頭のシカがのんびりとはんでいる。寺内さんは「強い雨が降ると、表土が湿原に流れ込んでしまう事態も考えられる」と心配する。ササだけではない。昨年には絶滅危惧種ヤチツツジが食害に遭ったことが初めて確認された。シカの通り道となっている場所では、地面が繰り返し踏みつけられて固くなり、植物が生えなくなった。同国立公園のシカは、1990年代から増え始め、2000年代に入るとこうした被害が至る所で見られるようになったという。北海道によると、道内のエゾシカの生息数は、2000年度は32万頭、13年度は56万頭と推計されている。同省による国立公園の調査では、全国の31公園のうち、20公園が「シカの被害を受けている」と回答した。同省によると、シカによる被害が特にひどいのは、世界自然遺産の知床(北海道)や尾瀬(新潟、群馬、栃木、福島)、南アルプス(山梨、長野、静岡)など15公園。知床では、食害が進んだ結果、シカが好まないアザミなどの植物が繁茂し、植生が大きく変わったという。南アルプスでは、この地域にしか生えないキタダケソウなど希少な高山植物が食べられ、群落単位で消滅の危機に直面。尾瀬では湿原のミズバショウが食い荒らされているという。「植物や樹木が食害で枯れて表土が露出し、地滑りなどの災害につながりかねない状態のところもある」。同省の担当者は危機感を募らせる。こうした事態を受け、同省は、国立公園でのシカ対策に本腰を入れ始めた。新年度予算案では、13年度の約2倍にあたる4億円の対策費を盛り込んだ。各公園の地元自治体などと連携し、シカの駆除に加え、行動の継続監視、生態系の変化の調査なども行い、シカに荒らされた植生の回復も図る。だが、釧路湿原の寺内さんは「国立公園ならではの難しさがある」と説明する。例えば、湿原にわなを設置する場合、貴重な植生を傷つけないため、地面に接しないような工夫が必要になる。さらに、湿原には特別天然記念物のタンチョウも生息しており、タンチョウ目当てに訪れる観光客も多いため、猟銃による駆除活動も難しい。こうした課題は他の国立公園にも共通しており、高山帯など駆除担当者が頻繁には足を運べない場所では、対策はさらに難しくなる。シカ増加の原因は諸説ある。駆除を担うハンター不足などのほか、地球温暖化で積雪期が短くなり、シカにとって生き延びやすくなったことが影響しているとの見方もある。シカの被害に詳しい自然環境研究センターの常田邦彦研究主幹は「全体としてシカが増えるペースに対策が追いついていない。被害を受けた自然の回復には時間もかかる。国立公園でも対策をスピードアップさせる必要がある」と話した。
(野生動物の動き、被害「見える化」)
森林を荒らすシカ、作物を食べ尽くすサル、里で人を襲うクマ。野生動物による被害が深刻化している。共存するには適切な管理が欠かせないが、野山を動き回る動物たちが、どこに、どのくらいいるかを知るのは難しい。科学的な調査手法で全体像を把握しようとする試みが進んでいる。国内で農業や林業に最も被害を与えている野生動物、ニホンジカ。その被害の広がりが一目で分かる地図が、関西地方を中心に次々と作製されている。始まりは兵庫県立大の藤木大介准教授(森林生態学)が2006年に始めた調査だった。シカの被害は、林業利用が盛んな針葉樹林では比較的よく調べられているが、林業と関係の薄い広葉樹林では国立公園など一部の地域しか調査されていなかった。そこで藤木さんは、落葉広葉樹林の下草や低木の状況、シカが植物を食べた痕跡など調べる項目を絞った簡単な調査票を考案。県内約350カ所の「点」の情報を新たに集め、地理情報システム(GIS)を使った特殊な計算でマップ化した。広がりのある「面」の情報になったことで、それまでよく見えなかった県内の被害の全体像が鮮明になった。藤木さん自身、「シカの被害がこれほどひどいとは。これまで被害がなかった所にまで迫っている」と驚いたという。4年後の10年、同じ調査でマップ化したところ、これまでシカが少なかったエリアにも被害が広がっていた。被害の地図と狩猟の時の目撃情報をあわせて解析すると、県の捕獲目標頭数をもっと増やさなければならないことがはっきりした。視覚的に分かりやすい地図と、簡単な方法が評判となり、福井、京都、滋賀、大阪、岐阜などの各府県も導入。県境をまたいだ地図も作製できるようになった。藤木さんは「兵庫県の他でも想像しなかった被害が見つかっている」と話す。ニホンザルの農業被害に悩まされてきた新潟県新発田(しばた)市。里に出没する群れは14~17、計700~800頭がいるが、どういう条件の場所を好むのかはよくわからなかった。新潟大の望月翔太助教(野生動物管理学)は、地上の観測と人工衛星データを組み合わせることで、サルが好むエリアを10段階に分けてマップ化する方法を考案した。サルに取り付けた発信器で群れの位置を特定。一帯の衛星画像を、農地や森林などの植生ごとに分類した。二つのデータを重ねると、サルがどんな植生を好むのかが見えてきた。把握しきれていなかったサルの生態が推定できるようになった。望月さんは11年からサルに悩む地元農家にマップの情報を説明。マップを参考に市が電気柵を設けると、群れの行動範囲は狭まり、頭数も減ったという。飛行機からの画像を生かす試みもある。東海大の大石優特定研究員(リモートセンシング)は06年、北海道猿払(さるふつ)村で横600メートル、縦1キロの雪が積もった森林の画像68枚を空中撮影。現地で調査したシカやキツネの足跡の特徴をもとに、画像に写ったごく小さな足跡を自動検出するプログラムを作った。うち10枚には平均2・5キロのシカの足跡線が浮かび上がり、生息密度をある程度推定できた。「画像から動物を抽出する技術は使えるレベルに達している」と話す。山が不作の年は、クマが里へ出る――。森林総合研究所野生動物研究領域の岡輝樹チーム長は04年、昔から知られていた仮説をデータで裏付け、大量出没を予測するシステム「クマダス」を提唱した。クマに襲われる事故を減らすため、岡さんは、クマにとって重要な食料のブナの実に着目。林野庁東北森林管理局がブナ林育成のために調べていた実のなり具合と、各県のツキノワグマの有害駆除数という二つのデータの年変動を地域ごとに比較した。すると、大豊作の翌年は大凶作となり、クマが人里に大量出没する傾向が見えてきた。実際に、青森、秋田、岩手の3県で過去10年平均の3~8倍にあたる計約550頭が駆除された01年の大量出没では、前年にブナが大豊作になっていた。「クマダス」では、ブナの実を観察したり集めたりして「凶作指数」を算出。大豊作の翌年に大量出没の注意情報を出す。現在、少なくとも15県が同様のシステムを導入している。凶作だとなぜクマ出没が増えるのか。クマが人里に現れるのは6~11月、ブナが実るのは10~11月なので、おなかをすかしたクマが里におりてくるとは言えない。「説明できないこともあるが、データが蓄積されて信頼性が増し、事故を減らすことができれば」と岡さんは語る。<推定生息数> 環境省が捕獲数などから推定した2011年度のシカの生息数(北海道を除く)は261万頭(中央値)。1989年度の約9倍に増えた可能性がある。北海道は13年度の道内のシカを56万頭と推計している。環境省の別の調査によると、07~08年度のニホンザルの生息数は約20万頭、ツキノワグマは約1万5千頭、ヒグマは約3千頭とみられている。調査方法によって数字にばらつきがある。<年200億円被害> 農林水産省によると、野生動物による農作物の被害額は近年、年200億円前後で推移している。シカ、イノシシ、サルの3種で全体の7割を占める。生息域の拡大や狩猟の減少、耕作放棄地の増加などが深刻化の原因とされる。林野庁のまとめでは、森林被害は人工林を中心に約9千ヘクタール。葉や枝、樹皮を食べたり、角で樹皮をこすったりするシカ害が全体の約8割。環境省によると、クマの人身被害は11~13年度は57~81人だったが、14年度は12月の暫定値で120人に達している。
(鷹匠に理解深める:長野)
まちづくりを考える「諏訪まちアートフォーラム」(五味光一座長)は14日夜、まちに学ぶ講座「諏訪塾」を諏訪市のまちづくり活動拠点施設「すわまちくらぶ」で開いた。昨年12月以来2回目。江戸流五代鷹師の山本勲さん(72)=同市清水町=を講師に招き、日本古来の鷹狩りや鷹匠の世界に理解を深めた。山本さんによると、江戸流は江戸時代の鷹狩り技法を受け継ぐ流派で、初代鷹師は徳川慶喜に仕えた村越仙太郎。▽訓練をしたオオタカで実際に狩猟をする▽全ての道具を毎年手作りする―などの流儀がある。山本さんは、27歳のときに東北地方の鷹狩りに魅せられてタカを飼い始め、四代鷹師の高橋進氏に師事。餌を初めて食べたら「人間界にきた」として命名することや、45日間で狩りができるように訓練することなどを紹介しながら、「かわいいと思ったらタカとは対峙できない」とし、野性を残しながら飼いならす難しさを強調した。山本さんは「師匠の教えを守りながら、みんなで楽しく実猟するのが夢。そのためにはタカだけでなく自然を観察する力も大事です。いくらかでも伝統文化を分かってもらえたら」と話していた。山本さんは、自ら飼育する雌のオオタカや愛弟子2人を傍らに据えて講演。市内外から訪れた参加者約30人は猛禽類の鋭いツメと眼光に畏敬の念を抱きながら、鷹匠の流儀に聞き入り熱心に質問した。「日本文化は細やかで素晴らしい」と感じ入っていた。すわまちくらぶは3月2日まで、諏訪を含む鷹匠に関する歴史資料やタカ関連書籍、山本さんが製作した道具、江戸流の歴代鷹師、実猟の写真・映像などを紹介する展示を行っている。次回の諏訪塾は「諏訪のおひなさま」をテーマに開く予定という。
(ニホンカモシカ撮影:三重)
国の特別天然記念物、ニホンカモシカを鳥獣保護員、朝倉啓介さん(77)=名張市緑が丘中=が同市薦原(こもはら)地区でカメラに収めた。朝倉さんによると、2004年にも名張市内でニホンカモシカが見つかったことがあるが、鈴鹿山脈などの本来の生息域から数十キロ離れた場所で発見されるのは珍しいという。住民が市猟友会に報告し、同会から連絡を受けた朝倉さんが8日、カメラを手に現地へ急行。1頭のニホンカモシカを確認し、逃げないように距離を保って、シャッターを切ったという。10日にも同じ個体と思われる姿を撮影した。ニホンカモシカはウシ科のカモシカ属。県内で絶滅の恐れがある野生生物をまとめた「県レッドリスト」の2005年版では「準絶滅危惧」だったが、14年版で「絶滅危惧2類」に変更された。数年ごとに生息数を調べる県が年々減少傾向にあると判断した。NPO法人「県自然環境保全センター」(桑名市)理事長で、元「日本カモシカセンター」(菰野町、06年閉園)園長の森豊さん(56)によると、今回見つかったニホンカモシカは体長約1・2メートルで、8、9歳の成獣。角の太さなどから雄とみられるという。森さんは「本来は鈴鹿山地や紀伊山地などで生息している。増えたニホンジカに縄張りを奪われ、逃げてきたのでは」と推測している。
(マタギの掟めぐる物語:岩手)
矢巾町民劇場第19回公演「ぬさかけの掟(おきて)~山神の昔話~」は14、15の両日、同町南矢幅の田園ホールで上演される。南昌山で猟をするマタギが受け継いできた掟をめぐる物語。掟破りの密猟を繰り返す主人公・松太郎と掟を重んじる仲間、山で生き抜く動物たちの交錯する思いを描き、「命の大切さ」を問い掛ける。エキストラを含めた出演者は、町民や町出身者、町内勤務者の4歳から70代までの約50人。稽古は昨年11月から始め、スタッフ約100人と本番を迎える。演出で工夫をしたのは、山の動物たちが話し合いをする場面。バックライトを使い、舞台上の薄い「紗幕(しゃまく)」にシルエットが浮かび上がる。2回登場する子どもたちのダンスも見どころの一つだ。
(シカの植生被害、考える報告会:兵庫)
シカによる植生への被害について考える「但馬北部の自然を考える報告会<シカから希少植物など自然植生をどう守るか>」が14日、豊岡市立野町の市民会館であった。報告では、シカの頭数を減らす対策に加え、植生を保護柵で守る必要性について言及があった。環境団体などの関係者約90人が参加。北上傾向のある但馬地域のシカの生息状況や、植生被害急増への対応策などについて専門家から報告があった。県森林動物研究センターの藤木大介・主任研究員はシカの生息分布などの経年変化を図表類で説明。捕獲目標を達成している地域では農業被害が減少していることなどを説明した。このほか、シカへの住民の対応状況や捕獲状況などについても報告があり、参加者はメモを取りながら聴き入っていた。
(シカ食害、深刻化を訴え:徳島)
NPO法人三嶺の自然を守る会(暮石洋理事長)が、剣山山系のシカによる食害をまとめた冊子(B5判カラー、33ページ)を作った。2014年の登山シーズンに会員が撮った写真57枚を掲載。樹皮を食べられた木が枯死し、山肌がむき出しになった斜面が崩れるなど被害が深刻化している状況を報告している。会によると、植生が消えた土壌では保水力が低下し、多くの急傾斜地で雨の影響とみられる崩落が起きていた。三嶺周辺で5月に撮られた写真からは大木が根こそぎ倒れ、大雨により地盤が深くえぐられた様子が分かる。食害が広がる前の04年ごろの写真も併せて掲載しており、荒廃ぶりが目立つ。ササの群生が壊滅状態となった剣山周辺で10月に撮影された写真は表土が流失し、多くの岩石が地面に現れている。09年の写真と比べると、浸食の進む様子がうかがえる。ササが消失し裸地化が進むカヤハゲやジロウギュウ、多くの樹木が崩れ落ちた四ツ小屋谷川の源流域(三好市東祖谷)などの写真もある。国や県が近年、シカ捕獲に力を入れたことで剣山と三嶺の縦走路ではササの群生が復活しつつある。一方で裸地も年々広がっており、暮石理事長は「急傾斜地では土砂崩落の危険性が高まっている」として、対策を急ぐよう指摘する。会は剣山山系の荒廃ぶりを広く知ってもらおうと13年春に続いて報告をまとめた。150部発行し、希望者には600円(送料込み)で販売する。
(ネットオークションで拳銃を落札、40代男性を書類送検:福井)
福井県警鯖江署は13日、銃刀法違反の疑いで鯖江市の40代の自営業男性を書類送検したと発表した。送検容疑は昨年7月下旬、インターネットオークションで購入した拳銃1丁(長さ27センチ)を自宅で所持していた疑い。送検は12日付。同署によると、同年6月、静岡県警がオークションに拳銃が出品されているのを確認。男性が同3月に落札していたため福井県警に連絡があった。出品者は県外の人物だった。鯖江署が拳銃を押収して鑑定したところ、1700年代に作られた古式銃の模造品で、殺傷能力が確認されたという。男性は10丁以上のモデルガンを所持しており、今回の拳銃は「観賞用に落札した」と話しているという。銃弾や発射のための火薬は持っていなかった。
(駆除のシカ肉特産品に:神奈川)
伊勢原市は、シカ肉を使ったジビエ(野生鳥獣)食品の開発に本格的に乗り出す。有害鳥獣による作物被害を食い止め、地元特産品として売り出す一石二鳥の効果が狙い。民間の山小屋を解体処理施設用に改修してもらい、4月にもシカ肉加工品を市販する予定だ。丹沢・大山一帯に生息するシカは、約5500頭。同市のシカによる作物被害は報告分だけで年間約350万円に上る。一方、市が駆除するのは年平均80頭。このほかにハンターが約60頭を射止めるという。シカ肉食品は以前からあったが、自己消費が原則。法的な規制はなかった。しかし、昨今のジビエブームで、第三者に提供したり、販売目的で製造したりするケースが増加。各都道府県は食品衛生法に準拠した条例で対応に当たってきたが、昨年11月に国が統一ガイドラインを示した。市農業振興課の高橋健一副主幹は「ガイドラインはシカの肌など外観に異常はないか、食用の部位に弾が残っていないかなど常識的なもの。最大のポイントは猟場近くに解体処理施設が必要なこと」と説明する。シカの場合、2時間以内に放血(血抜き)して、内臓を取り出さないと肉質が低下し、傷みも早い。これまでは山奥の現場で解体し、内臓を土中に埋めるケースがほとんどだった。これに対し、人家近くに出没するシカを射止めた場合は、短時間で搬送できる。市の北側、大山や高部屋、比々多地区には13の林道が走る。仁ヶ久保にがくぼ林道脇に山小屋を所有する金属加工業、磯崎敬三さん(71)が、市の依頼で小屋に解体室を新設。さらに冷蔵室も増設する。すべての林道から40分以内で到着できるという。磯崎さんは地元狩猟会の幹部で、昨年まで16年間、市山岳救援隊長を務めた。「有害鳥獣とはいえ、その命を有効に使うため一役買いたい」と話す。シカ肉を売り出す構想は2年前に持ち上がった。市が音頭を取る「地域特産物研究会」で取り上げられ、試作品を製造。コンビーフはぱさぱさだったが、ジャーキーとソーセージ、カレー用肉は好評だった。イノシシも捕獲されるが、頭数が少なく解体も難しいため、敬遠されている。60キロのシカで食用になるのは最大20キロ程度という。製造を手がけた柏木牧場の柏木貞俊専務(51)は「脂分が少なく濃厚な風味は、特に女性に人気。使える肉は後ろ脚のももだけで利益は少ないが、伊勢原の知名度を上げたい」と語る。伊勢原市は昨年4月、猟友会の会員25人を鳥獣被害対策実施隊に編入した。隊員になると、猟期(11月15日~2月末)や猟場以外でも狩猟ができ、講習免除や登録料半減などの恩典がある。市によると、こうした措置は県内初めてという。駆除が進めば、ジビエ食材も確保でき、相乗効果が生まれる仕組みだ。隊長の志村功・市経済環境部長は「フルーツに加え、ジビエ食品も市の特産品として売り出したい」と張り切っている。
(イノシシ肉堪能して:福岡)
「八女ジビエウイーク」が、八女、福岡両市の飲食店9店で始まった。八女産のイノシシ肉に親しんでもらおうと、八女商工会議所が2年前から毎年開いているイベントで、15日まで。期間中、工夫を凝らした料理が味わえる。ジビエは、仏語で「野生の鳥獣肉」の意。八女市を悩ませているのが、イノシシによる農作物の食害。市林業振興課によると、被害額は2012年度が約9700万円、13年度は約8500万円。防護柵設置などの対策を講じており、年間の駆除も約2000頭(13年度)に上る。一方、有害駆除で捕らえたイノシシをどうするかが問題となっていた。八女商議所はこうした現状に着目し、有害駆除で得られたイノシシの肉を地域活性化に使えないか、と「八女ジビエプロジェクト」を12年度に発足させた。その後、イノシシ肉の活用方法について調査研究を進めつつ、同年から「八女ジビエウイーク」を開催し、イノシシ肉を売り込んできた。今回参加した9店舗では「いのししの溶岩焼き」や「ジビエ稲荷(いなり)」「猪(しし)肉の三種串焼き」「八女猪のラグーパッパルデッレ」など、各店が考案したメニューが楽しめる。また、八女市の店では、ジビエウイーク終了後も、イノシシ肉を使ったメニューやハム、ソーセージを常設メニューに取り入れる店もあるという。商議所の担当者は「今年はより多くの人に楽しんでもらうため、手ごろな価格設定にしてもらった。八女産のイノシシをぜひ堪能してほしい」と話す。
(エゾシカ肉を観光客に:北海道)
道は12日、エゾシカ肉の消費と販路の拡大に向けたセミナーを、洞爺湖町洞爺湖温泉の洞爺湖万世閣ホテルレイクサイドテラスで開いた。捕獲したエゾシカを有効活用し、観光地でのメニュー採用と、観光旅行プランへの組み入れを狙っている。宿泊施設の調理スタッフら観光関係者と、周辺自治体の担当職員約30人が出席。札幌市のフードプロデューサー、青山則靖さんがエゾシカ肉を使ったトマト煮やシチューなどの煮込み料理を中心に、調理方法を実演。シカ肉特有の臭みを抜く下処理のポイントを紹介し「筋膜や脂分を取り除くことで特有の臭みはなくなる。シカ肉は使い方次第でおいしい肉です」などと説明した。出席者は、調理法を確認しながら料理を試食した。共催した洞爺湖地場産品協同組合の傳正宏専務理事は「きちんと調理すれば臭みなどが消え食べやすい」と話していた。ほかにも「あっさりしていてシカ肉と言われないと分からない」といった感想が出ていた。調理の実演に先立ち、道エゾシカ対策課の職員がエゾシカを取り巻く現状を説明した。エゾシカによる農林業への被害は道東を中心に年間50億円規模に上る。計画的な捕獲の結果、生息数はやや減少傾向にあるが、2013年度(平成25年度)に捕獲した約13万頭中、食肉処理施設で処理された数は約2万頭に限られ、食用としての流通量拡大が課題になっている。
(「イズシカ」料理が食べられるイベント列車:静岡)
「イズシカ」料理が食べられるイベント列車「イズシカトレイン」が、今年も3月6日と13日に静岡県の伊豆箱根鉄道で運行される。イズシカとは、伊豆半島でとれるシカ肉のこと。伊豆箱根鉄道では2010年から日本酒とともにイズシカ料理を味わえるイベント列車を運行している。今年も駿豆線の三島~修善寺間を約2時間40分かけて往復する予定。列車の前後には専用ヘッドマークを取り付け、また車内にはちょうちんや雛のつるし飾りなどの装飾を施し、スタッフもはんてん&前掛け姿になって風情を出すのだそう。当日の列車内では、有志による「イズシカファンクラブ」のジビエ料理が味わえる。イズシカのロースト、イズシカのミートローフ、イノシシのサラミ、そして川魚のアマゴ、天城地方の自然の恵みを生かしたわさび寿司、天城軍鶏の塩焼きなどだ。シカ肉は脂肪分が少なく、高タンパク、低カロリーで鉄分が多い。さらにこれらの料理に合わせて、伊豆半島で唯一の酒蔵「万大醸造」の清酒「本醸造鶴生」「萬燿」の2種が飲み放題となり、さらに乾杯用に「伊豆のにごり酒」も出る。

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