<射撃ニュース3月>

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(改正銃刀法、4月1日施行)
政府は13日、競技用空気銃を扱える年齢の下限を14歳から10歳に引き下げた改正銃刀法の施行日を4月1日とする政令案を閣議決定した。2020年東京五輪・パラリンピックに向け、エアライフル、エアピストルの種目で低年齢からの選手強化を目指す。警察庁によると、特例で所持が認められた10歳以上19歳未満の選手が練習する場合、射撃練習場の管理者は選手や指導員の氏名などを備え付けの帳簿に記し、両者に通知しなければいけない。旧銃刀法では、14歳以上でなければ空気銃を使用できず、競技団体の要望を受けて改正案を臨時国会に提出。昨年11月に成立した。
(鉛弾、全国的な規制必要:北海道)
猛禽(もうきん)類などの鉛中毒死を根絶するため、オホーツク管内斜里町議会は9日、道内で現在禁止されている鉛弾の使用などを、全国的に規制するよう国に求める意見書案を全会一致で可決した。国の天然記念物オオワシやオジロワシが越冬する世界自然遺産・知床から、規制強化を全国に発信する狙い。鉛中毒死は、シカなどの死骸に残った鉛弾の破片を鳥類が食べることで発生する。道は以前から鉛弾の使用を規制してきたが、昨年、所持だけでも刑事罰を科す全国初の条例を施行した。しかし、環境省釧路自然環境事務所によると、道内では本年度すでにオオワシの鉛中毒死が3羽確認されるなど、被害が後を絶たない。鉛弾の規制がない道外のハンターによる持ち込みも指摘されている。意見書案は、斜里町議の桜井あけみ氏が提出。全国規模で狩猟に使う鉛弾を銅弾に移行する必要があると訴え、鉛弾の使用・流通・所持の禁止を求めている。
(猟犬?飼い犬襲う:熊本)
南関町と玉名市に2月から大型犬2匹が出没し、飼い犬がかみ殺されたとみられる被害などが続いた。同町に捕獲器が置かれたが、まだ捕まっていない。県などは住民に注意を呼び掛けており、9日に山狩りをする予定。南関町には2月7、21日、同町宮尾の住民から「つないでいた飼い犬が死んでいる」と連絡があった。首周辺にかまれたような傷痕があったという。隣接の玉名市の玉陵中校区でも2日、うろついている大型犬2匹を住民が目撃。県有明保健所によると、同日午後5時ごろ、近くの山から出てきた大型犬が、住民が散歩させていた飼い犬の下半身にかみついた。目撃者の話では、危害を及ぼしているのはシェパードに似た灰色と、種類不明の赤茶色の犬。片方は狩猟用アンテナ付きの黄色い首輪を付けている。有明保健所などは、2月25日に南関町宮尾の林道沿いに大型捕獲器(高さ約1メートル、幅約3メートル、奥行き約4メートル)を設置したが、犬が近づいた形跡はない。9日の山狩りは県や両市町の職員十数人が出動。情報が寄せられた地域を重点的にパトロールする。
(警戒区域でイノシシ、イノブタ381頭捕獲:福島)
環境省は10日、東京電力福島第1原発事故後に警戒区域に指定されていた福島県内の5町村で本年度、イノシシとイノブタ計381頭を捕獲したと発表した。2013年度の204頭から177頭増えており、同省は新年度も捕獲を継続する。捕獲は農地への被害防止などのため、14年5月26日~ことし2月20日に断続的に実施。富岡、大熊、双葉、浪江の4町に、本年度から葛尾村を加えた計5町村の帰還困難区域と居住制限区域に、はこなわ計40基を設置。浪江町105頭、大熊、双葉両町各93頭、富岡町69頭、葛尾村で21頭を捕らえた。豚舎などから逃げたブタと、野生のイノシシが交配して生まれた「イノブタ」とみられるのは15頭で、昨年度の73頭から減少した。
(今年初、クマ目撃:栃木)
11日午前8時25分ごろ、那須町高久丙の町道の歩道を歩くクマ1頭を車で走行中の男性が目撃し、那須塩原署に通報した。県警によるクマの目撃情報の発表はことし初めて。専門家は「クマは4月上旬ごろから出没し始めることが多く、例年より少し早い。ドングリなどの凶作で、昨秋十分な量の餌を摂取できなかったクマが、腹を空かせて早めに冬眠から目覚めた可能性がある」と注意を呼び掛けている。同署によると、目撃されたクマは体長約1メートル。現場は東北自動車道那須インターチェンジの北東約4キロにある山梨子交差点から東に約50メートル。周囲は民家や田畑、牧場などが点在している。県自然環境課によると、新聞報道や市町の報告に基づく県内のクマの目撃情報は2014年4~11月で計214件。集計を始めた12年は同時期に128件、13年は同じく78件だったが、3年間とも1~3月の目撃情報はなかった。昨年、目撃情報が急増した背景にはツキノワグマの餌となる山のドングリなどの凶作があり、餌を求めてクマが人里に来たことなどが考えられるという。
(国道4号にイノシシ:栃木)
12日午後5時20分ごろ、さくら市氏家の国道4号付近で、「イノシシを見た、親子2頭いる」と、近くの住民から通報があった。さくら署によると、通報を受け、署員と同市職員で捜索したところ、約10分後に目撃現場付近の国道4号で車にひかれたとみられるイノシシ1頭(体長約1メートル)の死骸を発見した。現場は交通量が多いが、イノシシと衝突したとの申告はなく、子どもとみられるイノシシは見つかっていないという。
(イノシシお手柄!?板碑を発掘:栃木)
足利市の古刹(こさつ)、行道山浄因寺(同市月谷町)の境内で、イノシシの掘り返した跡から古い板碑が見つかった。地元の依頼を受け、同市教委で近く調べる。板碑は縦45センチ、横26センチ、厚さ2センチで、上部に「二条線」と呼ぶ2本の横線があり、中央付近に梵字が書かれている。檀家(だんか)で郷土史家の中島太郎さん(51)らが3日午前、イノシシに荒らされた地面に掘り出された状態で見つけた。同寺は5年前に無住になって以降、イノシシの被害が目立っていた。同市教委文化課によると、板碑は主に中世に作られ、市内では県指定文化財の「小俣板碑」などが比較的数多く残っているという。同寺は和銅6(713)年、奈良時代の高僧・行基の創建で、「関東の高野山」とも呼ばれ多くの修行僧が訪れた。江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎が錦絵の題材にしたことでも有名。明治19年の大火で本堂など主要建物とともに運慶作の仏像なども焼失した。中島さんは「イノシシがまさか板碑を掘り出すとは。同寺は歴史と由緒があり、貴重な資料が埋蔵されている可能性もある。本格調査につながれば」と話している。
(キジと列車衝突:茨城)
10日午前9時10分ごろ、大子町のJR水郡線常陸大子−下野宮間で、下り普通列車(2両編成)が、飛んできたキジと衝突した。キジは死んだとみられるが、乗客約30人と乗務員にけがはなかった。この事故で、普通列車の前面の窓ガラスにヒビが入ったため、下野宮駅でガラスをビニール製のテープで補修し、運転を再開した。JR東日本水戸支社によると、事故列車1本が約30分遅れ、約50人に影響した。
(森林除染、大半が手つかず:栃木)
原発事故後の航空機による空間線量モニタリング調査に基づき、環境省は2012年7月、県内の森林約36万ヘクタールが汚染された可能性があると推計した。64万ヘクタールの県土の5割以上に及ぶことになるが、民家や農地の周辺、森林公園などを除き具体的な除染計画はなく、この4年手つかずのまま。イノシシやシカ、野生のキノコ、山菜の一部は今も出荷制限が続く。森林の環境はどうなっているのか。文部科学省が11年10月に行った航空機でのモニタリング調査を元に、環境省は県内の森林の汚染状況を推定した。空間線量は12・1万ヘクタールで年間1~5ミリシーベルト、23・8万ヘクタールが1ミリシーベルト以下とされた。今も汚染の実態は不透明なまま、森の恵みに影響が表れ続けている。那珂川町で狩猟歴40年余の小高公平さん(73)は「増えるイノシシをどうにかしてほしい」と農家に要請され、本業の造園業の傍ら、わな猟でイノシシを捕獲し、町内にある県内唯一のイノシシ肉加工施設に納めている。「俺はこの年だし、震災後も気にせず食べているけど、子どもや女性は放射能が心配だろう。肉をあげにくくなったよ」11年9月、県内の複数の自治体で捕獲されたイノシシから、1キログラムあたり500ベクレルという食肉の暫定基準値を超える放射性セシウムが検出され=表=、出荷制限になった。翌年4月から肉や野菜など一般食品の基準値は1キログラムあたり100ベクレルに厳格化。各市町のイノシシ肉のモニタリング調査では、14年度も26頭のうち3頭が基準値を超えた。県は、基準を超えた個体が確認された地域では、野生鳥獣の自家消費を控えるよう呼びかけている。イノシシの生態を研究する宇都宮大学の雑草と里山の科学教育研究センター講師・小寺祐二さんは「イノシシは野生動物の中でも特に長期間にわたってセシウムに汚染されやすい」。1986年のチェルノブイリ原発事故を受けた研究でもそう指摘されたという。「イノシシがエサを食べる際、セシウムが付着した土を口にしている可能性がある」と小寺さん。イノシシは秋や冬、地中に埋まるキノコの仲間やクズの根などをエサとすることが多く、「放射能濃度は夏に下がり冬に上がる」と話す。那珂川町は頭を抱える。同町和見のイノシシ肉加工施設は09年の開設以来、猟師がわなで捕獲したイノシシを県内外の飲食店などに「八溝ししまる」のブランド名で卸してきた。震災後、全国でいち早く全頭検査に踏み切り、県内では同施設で加工された肉だけが出荷を認められている。福島泰夫町長は「イノシシ肉の人気が高まりだした時の被災だった。今冬は施設で受け入れたイノシシの約7割が1キログラムあたり100ベクレルの基準を超えて出荷できない」と明かす。昨年4~9月は123頭のうち出荷できなかったのは4頭だったが、今年は4日までに検査した31頭のうち23頭が基準を超え廃棄処分になった。福島町長は「処分代などで運営は苦しいが、有害鳥獣を食べて減らそうと始めた取り組み。全頭検査と品質管理を徹底し、安全なものは売っていきたい」と話す。那珂川流域の森林で放射性物質のモニタリング調査を行う宇都宮大農学部森林科学科の大久保達弘教授(森林生態学)は「セシウムの濃度は原発事故当時の初期沈着量で決まり、今はほとんど検出されないところもある」と述べた上で、「県内では比較的初期沈着量が多かった那珂川上流域の土壌は、今も線量が高い状態が続く」と説明する。大久保教授によると、震災直後に比べ、落ち葉などが腐った林床の有機物層のセシウムの濃度は、14年平均値で2割以下に減った。とはいえ、指定廃棄物の基準値である1キログラムあたり8千ベクレルを超える場所もあるという。汚染度の高い林床の有機物層を取り除けばセシウムの濃度は下がるものの、引き換えに森林の生態系は破壊されてしまう。横浜国立大学や宇都宮大学などが共同で、セシウムを吸収しやすい樹木や微生物の特性を生かし、土壌の汚染物質を集めて捨てる「移染」の研究を進めている。実用化はこれからだ。林床の放射性セシウムは有機物層の下の土になった部分に移動し始めているという。「今後も森林、特に里山林のモニタリングを継続し、慎重に見守っていく」と大久保教授。セシウム137の半減期は30年。まだ26年ある。
(ニホンジカ被害、新たな捕獲法など紹介:栃木)
日光地域のニホンジカの被害対策を考える講演会が九日、日光総合会館(日光市安川町)で開かれた。国有林を管理する林野庁が開催した意見交換会で、行政や林業関係者のほか、狩猟者や自然保護関係者ら約百人が参加した。林野庁関東森林管理局(前橋市)は、二〇一三年度からシカ被害の多い県で講演会を始め、栃木県では初めて開催した。管理局によると、県内には約二万三千六百頭のシカが生息し、一〇年度には約三千三百四十八万円の農業被害があったという。講演会では、森林総合研究所の研究コーディネーターの小泉透氏が、「カリング」と呼ばれるシカ個体群を許容可能水準に維持する手段について言及。地域を定めて、成獣のメスから確実に捕獲する方法の有効性を訴えた。宇都宮大農学部の小金沢正昭教授は、一九九〇年代からの奥日光地域での急激な個体数増加に伴う森林生態系への影響を解説。狩猟などの人の手による管理には限界があるとし、オオカミの導入によって生態系の復元を図っている米国イエローストン国立公園の試みを紹介した。県林業センター特別研究員の丸山哲也氏は、日光地域で実験している、餌づけによって射手が待ち受ける場所に誘引する効率的な捕獲方法を説明した。こうしたシカ対策について、参加した自然保護関係者からは「シカの増加によって、奥日光の生態系はかなり荒廃している。山をよく知っている地元の人の意見を取り入れたり、自然保護に従事する人の待遇を改善して、管理する人材を確保するべきだ」などの意見が出された。
(ハンター対象シカ解体講習会:長野)
先月、伊那市手良に、シカやイノシシなどの野生動物の肉処理施設が開設したことをうけて、伊那市伊那猟友会は会員を対象にしたシカの解体講習会を、12日開きました。12日は、シカ4頭が用意されました。伊那市伊那地区の猟友会の会員のうち40人ほどが参加して解体を学びました。猟友会員は、自己流の方法で解体を行う人が多いことから、手順を学んでもらおうということと、施設のお披露目もかねて、今回、講習会を開きました。講習会では、野生動物の解体処理施設、伊那ジビエ手良を運営している登内里見さんと、弟の耕治さんが、解体を行いました。二人は解説を加えながら、解体を進めていました。この施設は、シカやイノシシなどを、衛生的に処理し、料理などに使える肉の流通を増やそうというものです。野生肉の処理施設は、上伊那では4番目、伊那市内では初めて設置されました。農林業に深刻な被害を与えているニホンジカやイノシシを食材として活用する取り組みとして期待されています。県によると、昨年度、県内でおよそ4万頭のニホンジカが捕獲されましたが、食用として活用されたものは、5%に満たないということです。登内さんは、手際よくシカの血を抜き、皮をはぎ、ブロック肉に分けていきました。伊那猟友会には、150人ほど会員がいて、今後も、年2回ほどこうした講習会を開いていきたいとしています。捕獲したシカは、条件を満たすものであれば、この施設で受け入れていて、猟友会員の収入にもつながるということです。
(ボーガンの矢刺さったコハクチョウ死ぬ:埼玉)
先週、埼玉県の川で、弓型の銃=ボーガンの矢が突き刺さった状態のコハクチョウが見つかりましたが、8日夜、動物病院で死にました。警察は鳥獣保護法違反の疑いで捜査しています。先週金曜日の朝、埼玉県で撮影されたコハクチョウの写真。左胸には、矢が羽根の部分しか見えないほど深く突き刺さっています。「衰弱していました。飛べなくて落ちちゃったんです。かわいそうでどうしようもない」(コハクチョウを目撃 渡辺利夫さん)埼玉県坂戸市と川島町の境を流れる越辺川には、毎年、12月から3月にかけて100羽以上のコハクチョウが冬を越すために訪れます。羽を休めていたコハクチョウを襲った悲劇。6日、動物病院に運ばれ、矢を抜く手術が行われましたが、懸命の手当てもむなしく、8日午後7時ごろに死にました。「人間でいうと左の鎖骨から右の大腿骨を骨折している。斜め上から狙って至近距離から撃ったのでは。人間なら即死ですね」(治療にあたった 大山通夫獣医師)長さ53センチの矢は左胸から右脚にかけて貫通していて、腸などを損傷、右脚は骨折していました。「何でこんなことをするのだろうと憤り(を感じた)。死んだハクチョウもこれから帰るところだったと思う。シベリアの方に帰らせてあげたかった」(地元の人)コハクチョウを襲ったのはボーガンと呼ばれる弓型の銃でした。1993年には、同じようにボーガンに襲われた“矢ガモ”が、その痛々しい姿から大きな話題になりました。ボーガンは銃刀法などの規制の対象でないため、大人への販売や所持に制限はありません。「本来の目的と違うことに使われるのは非常に問題だと思う。(ボーガンが)日本に入った時点で標的射撃しかできない、基本的には。そこから先は持つ人の自覚の問題になってしまう」(ボーガン販売「トウキョウジュウホウ」藤巻忍さん)警察は、何者かがコハクチョウを狙ってボーガンの矢を撃ったとみて鳥獣保護法違反の疑いで捜査しています。
(野生鳥獣肉に続く出荷制限、ある猟師の選択:東京)
写真家の田附勝さん(41)が、岩手県釜石市でシカ猟を撮影した写真展「おわり。」を東京・六本木の「ギャラリーサイド2」で開いている(19日まで休)。タイトルは猟師がつぶやいた言葉。東日本大震災から4年を迎えたが、放射性物質の影響で、福島、岩手、宮城などでは野生鳥獣肉の出荷制限が続く。鉄砲を置いた猟師は言った。「食べられないなら、殺したくない」。だから終わり、だと。田附さんは「自然とそういうつながり方をしている人なんです。彼のところで、東北とか、日本とか、そういうものを学んだ気がする」と話す。平成18年ごろから東北各地に通ってきた田附さんは、写真集『東北』を震災のあった23年に刊行し、第37回木村伊兵衛写真賞を受賞した。その間ずっと親しくしてきたのが岩手県釜石市唐丹(とうに)町の林業、白浜秀基さん(58)。巻き猟(グループ猟)のリーダー的存在だった。「猟を取材しに行ったわけじゃなくて、知り合った人が猟をやってたから撮ってたんだけど、震災後はかかわり方をどうするか、どう撮っていくか、正直揺れた。いくら親しくても、やっぱり部外者だしね」震災後の撮影をそう振り返る。23年11月に行われた彼らの猟をテーマにした写真展「その血はまだ赤いのか」を開いた。それはリアルタイムに被災地の日々を伝える試みでもあった。しかしその後、白浜さんは猟をしないまま、昨年4月に銃を手放した。「間違ってほしくないのは、駆除は必要だし撃っている人もいるということ。たまたま俺の知ってる人が猟をやめたっていう話なんです。彼はシカを撃ったら必ず供養していたし、網にかかってたら助ける、ケガをしていたら保護する。独特のつながり方をしているから、『それなら殺さない』という選択をした」展示作品には、シカの彫刻が施された猟銃の写真がある。保護していたシカが死んでしまい、毛布でくるんで埋葬するシーンも出てくる。命を奪う一方で、精いっぱい命を尊ぶ。田附さんは、彼らの営為を素直に描こうと試みている。「猟であれなんであれ、彼らが山に入るっていうのは、山を守ることとつながっている。家に行くと、あちこちにシカの角とか無造作に転がってるんだけど、じつは全部、どこでどういうときに取ったか覚えてる。それが、彼らにとっての時間とか記憶とか、そういうことなのかなって…」自然の循環のなかで日々を重ねていく。そういう人たちと接するうちに、写真家の心境も変わってきた。「東北という特定の場所で撮ってるんだけど、最近は場所のことよりも、時間軸がすごく気になってる。もっともっと長い時間の中での『これまでの東北、これからの東北』が、写真にできるかどうかを考えてます。ただ震災後の変化を追うんじゃなくてね」
(カササギ生息数維持、絶滅恐れなし:佐賀)
佐賀市周辺に集中して生息していたカササギ(カチガラス)が、福岡、熊本県など県境を越え営巣区域を拡大し、全体的な個体数を維持していることが分かった。佐賀県が減少傾向を懸念する声を受け実施したカササギの生息調査結果を12日発表した。生息範囲の拡大は、過密状態による、えさ場不足が背景とみられる。佐賀市周辺の高密度地域から、密度が低い地域への「自然な分散行動」で、絶滅を危惧するような状況ではないという。電柱への営巣数調査では、県全体の営巣数は5206個で、1万個を超えて最も多かった90年代と比較し、半減していた。ただ、爆発的に増加する前と同程度で、県文化財課は「元に戻ったのでは」と分析する。1996年の調査では、佐賀市近辺に集中していた生息地が、今回の調査で大部分が天然記念物指定範囲外の福岡県筑後市、八女市付近に移っていることも確認された。かつて生息していなかった福岡県玄界灘沿岸、長崎県東部、熊本県北部、大分県西部まで広がっていた。また、「黒カラスに追い立てられカササギが減少しているのでは」との指摘も多かったため、カラスのねぐらとカササギ営巣数増減の比較調査も実施したが、因果関係は認められなかった。県文化財課は「絶滅を心配する状況ではないということを、データを基に説明できたことは大きい。ただ、解明できていない点も多く、電柱営巣数の推移に注意しながら今後も調査をしていきたい」としている。調査は、県鳥であり、国の天然記念物に指定されているカササギの個体数が減少しているという県民からの指摘を受け、2011年度から始めた。県内調査では鹿島や唐津で増加していることが分かったが、専門家会議で「県内だけでは不十分」と指摘があり、13年度は初めて福岡県筑後地方にも範囲を拡大した。
(「目の前で爆死しようと」ストーカーを逮捕:東京)
警視庁によると、去年12月、爆竹の火薬で爆発物を作ろうとしたとして、介護士の小谷周平容疑者(32)が火薬類取締法違反の疑いで逮捕された。ネット上で爆竹を1万発以上買い、ばらした火薬をビンに詰めていたという。小谷容疑者は知人女性へのストーカー行為で逮捕・起訴されていて、「目の前で爆発させて自殺しようとした」と供述しているという。
(誘客第3弾「山の幸」:富山)
北陸新幹線開業を前に、県は今月から、富山の「食」の魅力を生かした観光誘客戦略として、「富山湾鮨ずし」「とやまのおいしい朝ごはん」に続く第3弾の「とやまの山幸やまさち」キャンペーンを始めた。山菜や川魚、狩猟で捕獲された野生鳥獣の肉を使った「ジビエ」などの料理で富山の新たな魅力をPRする。キャンペーンには、富山市や南砺市などの県内のフランス料理店や和食店など8店舗が参加。料理のメニューは各店ごとに異なり、仕入れた食材や季節によっても変わる。2月に開かれた試食会では、南砺市の干し柿、富山市大山地区のイノシシ肉を使ったフランス料理などが披露された。キャンペーンでは、参加店の共通ルールとして、〈1〉県内の山の幸を使った1万円以上のコース料理〈2〉煮物や炊き込みご飯など「多喜たき込み」(炊き込み)料理を1品含める〈3〉山の幸の産地をお品書きに記す〈4〉各店独自のおもてなしをする――などの条件を設けた。「各店独自のおもてなし」では、タケノコ掘りやカモ猟の見学、温泉の無料利用など各店が趣向を凝らしたサービスを提供する。県観光課は「海の幸だけでなく、山の幸も豊富な県内の食の魅力を広めたい」としている。
(シカ肉料理「軟らかい」:愛知)
農作物被害を減らすために捕獲した野生のイノシシやシカなどの肉「ジビエ」を食材として有効活用する取り組みを広げようと、県は10日、名古屋市中区の名古屋国際ホテルで「愛知産ジビエの交流会」を開いた。交流会には、狩猟や飲食業関係者ら約140人が参加。イノシシなどによる農作物被害の実態やジビエの衛生管理についての講演が行われたほか、同ホテルの日高幸哉総料理長が手がけた県産ジビエ料理の試食会が行われ、「シカとイノシシのソーセージ」や金沢市の郷土料理を参考にした「シカの治部煮」など9品が振る舞われた。豊田市猟友会に所属する原田競治さん(66)(みよし市)は「火を通すと硬くなるシカ肉がこんなに軟らかく調理できるとは驚いた。参考にしたい」と話していた。県によると、2013年度の鳥獣類による農作物被害は約4億円。捕獲されたイノシシは約7300頭、シカは約2800頭に上るが、ほとんどが埋設処理されている。
(アナグマはフルーツの香り!?“ジビエは臭い”は嘘だった?:福岡)
日本では「臭いから……」と敬遠されるイノシシやシカなどのジビエ肉。フランスでは、当たり前のようにマルシェ(市場)で売られていて、一般の家庭料理として食べられているという。なぜ、日本では、ジビエは遠い存在なのだろうか。福岡を拠点に活躍するフレンチ料理家であり、ハンターでもある井口和泉さんは、自著『料理家ハンターガール奮戦記』(朝日新聞出版)の中で、フランスのボルドーに住む姉を訪ねたときに、その友人からふるまわれた家庭料理「キジと白ブドウの白ワイン煮」のおいしさに感動したのがきっかけで、日本でもジビエを手に入れられないか入手ルートを探すようになったと明かす。そして、その過程で日本の里山における深刻な獣害を知ることになったのだという。2013年度の鳥獣類による全国の農作物被害は230億円で、10年前の約2倍。メディアでも、山を追われた野生の動物たちが人間を襲う事故がたびたび報道されているが、里山が失われていく日本では、現在、狩猟は食べるためではなく、農作物を食い荒らす野生の獣(害獣)を駆除するのが主な目的となっている。こうして捕獲された動物たちのほとんどは廃棄される。流通可能な肉に加工することのできる、正式な営業許可を受けた解体処理加工施設が圧倒的に不足しているからだ。また、家畜に比べて品質の個体差が大きいため、安定した材料供給を求める飲食店は猟銃の肉を避けることになる。しかし、「アナグマはフルーツの香りがする」とたとえられるほど、本来、ジビエの肉は魅惑的で、新鮮なものは臭くない。実際、井口さんにはイノシシが臭いというイメージはまったくないし、「臭い、マズい」と悪評の高いタヌキですら、「知らない味というだけで、恐ろしくマズいなんてことはない」と語る。「日本人と肉食の関係はどこかよそよそしい」と感じた井口さんは、ジビエ肉を手に入れるために、自ら、イノシシを解体する現場に飛び込んだ。フェイスブックで知人が猟師になったことを知り、彼の解体に参加したのだ。そして、「生きもの」が「食べもの」に変わっていく瞬間を目の当たりにし、自身もハンターへの道へ足を踏み入れた。新米ハンターの仲間たちと、ハンターチーム「tracks」を結成し、来る日も来る日も猟に明け暮れるうちに、井口さんに突き付けられたのは、獲った肉をどのようにおいしく調理するかということではなく、料理家として命をいただくということは、どういう意味を持つのかという自分への問いだった。自分たちが食するために、目の前で元気に動いているイノシシの命を奪う現場に立ち会うことは、想像以上に感情の揺さぶりがあったという。いくつもの葛藤を乗り越えて、井口さんは、一つの「出口」にたどりついた。それは「料理とは動物たちの魂の抜け道を作る行為だ」ということ。これまで、料理家である自分は「命」を受け取るだけの「行き止まり」だと感じていたけれど、ちゃんとつなげられていると気付いたのだという。井口さんの望みは、日本でも、もっとたくさんの人たちに、ジビエ料理を食べてもらうことだ。本当の成熟した肉食文化とは、「鳴き声以外は食べつくす」ことだと井口さんは教えてくれた。イノシシも肉を加工しつくしたあと、最後に骨を煮込むと、美しい金色のスープになるという。それが、いただいた「命」への敬意であり、感謝でもある。最近では、女優の杏さんが狩猟免許を取ったことが話題になったが、日本でも、自然との共生という視点や、自分が口に入れるものへの関心の深まりによって、少しずつ狩猟に対する関心が広がってきている。臭くなんてない。先入観を捨てて、香しい本来の野生の恵みを、味わってみてはいかが。
(「みえジビエ」が商標登録されました:三重)
「みえジビエ」が商標登録されました。普通名詞「ジビエ」と地域名を組み合わせた文字だけの商標登録は全国で初めてです。県では、安全でおいしい野生獣肉を食べていただくため、「『みえジビエ』品質・衛生管理マニュアル」に沿って衛生管理等を行っている事業者を三重県が審査し、登録する「みえジビエ登録制度」を設けています。

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(市中心部にイノシシ:広島)
9日午前5時5分ごろ、広島市南区の宇品小学校付近の路上で「約15分前にイノシシが北へ走っていった」と通行人から110番があった。午前10時ごろ、同市中区東千田町の広島大跡地で、動物管理センターの職員が麻酔針の吹き矢で眠らせ捕獲した。けが人はいなかった。広島中央署や広島南署によると、イノシシの体長は約1メートル。市民や署員の目撃情報から、イノシシは宇品小学校から約5キロ北の中区上幟町までいき、県庁や原爆ドームなどを約3キロ南下、広島大跡地にたどり着いたとみられる。
(わなのイノシシにとどめ刺そうと、逆襲され重傷:岐阜)
7日午前10時頃、岐阜県中津川市坂下の山中で、狩猟中の同市、無職男性(85)がイノシシに襲われ、右大腿部に重傷を負った。岐阜県警中津川署の発表によると、男性がわなにかかったイノシシに、刃物でとどめを刺そうと近づいたところ、逆に襲われたという。楯さんは車で帰宅途中、気分が悪くなり、下車して道路に横たわっていたところを通行人が見つけ、119番したという。
(クマ目撃、警察が注意呼び掛け:福島)
6日正午ごろ、北塩原村桧原の銅沼付近でクマを目撃した、と山歩きをしていた女性から猪苗代署に通報があった。同署管内では今年初めての目撃で、同署は注意を呼び掛けている。同署によると、クマは体長約1メートルで、雪原を歩いていた。目撃した女性は、裏磐梯スキー場から裏磐梯の冬の観光名所「イエローフォール」に向かって進んでいたという。
(稲の食害“犯人”はカピバラ:沖縄)
石垣市で野生化したカピバラが稲を食べる食害が昨年秋から発生している。2年前に目撃され、当初はおとなしい草食動物で実害はないとみられていた。運動能力が高く、捕獲が難しい上に、行政は「駆除名目が見つからない」と困惑。稲作農家は収入の大半を占める1期米に被害が出ないか気をもんでいる。かみ切られた稲の苗が放置された水田で農家の上地国博さん(74)は「苗が41箱分食われていた。もうショックで…」と声を落とす。5日朝の田植えのため前日、苗箱を水田に置いていた。周囲には3本指の足跡が複数あり、JA担当者は「イノシシは2本指。3本指はカピバラに間違いない」と断言する。上地さんはJAから急きょ苗を購入した。2万3千円の出費。「1期米がやられると大損害。早く対応してほしい」と訴えている。カピバラは2013年、石垣市内の観光施設から逃げたとの見方があるが、同施設は否定する。水辺に生息し、13年は新川川、14年春から名蔵川で目撃が相次いだ。昨年秋、名蔵の農家からは稲穂が食べられたとの苦情がJAに寄せられた。警戒心が強い上、走ると犬並み、数分間の潜水も可能で、垂直の壁を上る跳躍力もある。市消防は2年前、捕獲に失敗。捕まえれば警察に遺失物として届け出ることもできるが、捕獲は困難と予想されている。特定外来生物や有害鳥獣の対象ではなく、石垣市は「ペットが逃げたという認識。飼い主が駆除申請すれば対応は考えられるがそれもなく、勝手に駆除できない。捕獲も難しい」と頭を抱えている。
(イノシシ被害深刻化、避難指示区域など:福島)
東京電力福島第一原発事故の避難指示区域などで、野鳥や動物が住宅や田畑を荒らす被害が深刻化している。県の推計ではイノシシは事故前の1・4倍に増加。自治体は駆除を進めるが狩猟者は減っており、自治体職員らが狩猟免許を取得する動きも広がっている。楢葉町では先月末、民家近くのわなに体重約40キロのイノシシがかかった。「人に突進してきたら大けがは免れない」。町有害鳥獣捕獲隊長の早川洋一さん(80)は危惧する。町は12基のわなで田畑を荒らすイノシシを200頭以上捕獲した。県によると、原発事故で農業は縮小し、鳥獣全体の農作物被害額は、2010年度の約1億5800万円から13年度は約1億4800万円と減少。だが、イノシシ関係は10年度の約5300万円から13年度は約7500万円に増え、全体の50%近くに達した。イノシシの推計生息数は、10年度の約3万5000頭から14年度は約5万頭に増えた。農業被害は福島第一原発に近い沿岸部で増加傾向にある。県内では、サルやハクビシンによる果樹食害やネズミやアライグマによる家屋損傷が報告されているという。食用肉として人気のあったイノシシだが、原発事故で検出される放射性セシウムが国の基準値を超え、捕獲は伸び悩む。県猟友会の会員も10年度の3542人から13年度は2686人に減少。イノシシを捕まえると、報奨金を支給する自治体もあり、わななどでの捕獲は11年度の3021頭から13年度は1万1087頭と約4倍になった。農家や自治体職員が鳥獣保護法に基づく狩猟免許を取り、駆除に乗り出す動きも広がる。狩猟免許は都道府県別で、「わな猟」と「網猟」、火薬銃と空気銃の2種類の「銃猟」がある。今年度の県内の受験申請数は、記録が残る過去16年間で最多の計389人となり、11年度の3倍に上った。南相馬市職員の伊達和幸さん(33)は先月、わな猟と銃猟の試験を受けた。同市では避難指示区域も含めて営農再開が進んでおり、伊達さんは「農業復興の意欲が失われないよう手助けしたい」と意気込んだ。だが、肉などの処分に困る自治体も。報奨金制度がある相馬市ではイノシシ捕獲数が事故前の10倍近くに増加。冷凍保存の約250頭は市有地に埋め、来年度からはペット焼却施設でも処分するが、1頭5万円以上の費用がかかるという。
(比良山系でもシカ捕獲へ:滋賀)
県は2015年度から、大津市の比良山系のニホンジカ捕獲に向けた本格調査を始める。滋賀三重県境の国定公園の鈴鹿山系などでは調査や捕獲などを進めているが、比良山でニホンジカ対策に注力するのは初めて。六日の県議会環境・農水委員会で説明があった。県鳥獣対策室の担当者によると、比良山系では近年、登山客やスキー場関係者からシカの食害によるササ枯れに関する指摘が増加。草木のない裸地が広がり、土砂流出や山崩れの懸念もある。県は現在、市町を通じて猟友会などに捕獲を依頼。ただ人里から離れた、標高の高い地域までは手が回らないことが多いという。事業は昨年五月の鳥獣保護法改正を受けて検討。一五年度は詳細な生息数や行動パターンなどを調べ、一六年度以降の捕獲につなげる。国の補助金も合わせ、当初予算案には両山系で関連費用計二千二百万円を計上した。今後は比良、鈴鹿の両山系での捕獲には許可を不要としたり、猟友会以外の認定事業者に捕獲を依頼したりすることなども視野に入れる。鳥獣対策室によると、県内には四万七千~六万七千頭のシカが生息するとされる。担当者は「事業を通じて(シカを)捕獲可能な範囲を広げ、対策を進めたい」としている。
(イノシシ生息圏拡大:群馬)
イノシシの生息地が県内全域に広がり、農作物被害が深刻化している。平野部にある太田市の市街地でも捕獲数は2013年度の17頭から、14年度は8倍以上の143頭(先月末現在)にまで急増。専門家は耕作放棄地の増加や山林の手入れ不足が一因とみており、地域を挙げた総合的な取り組みが急務になっている。イノシシの捕獲頭数が急増している太田市は7日、市民を交えて、初めての対策研修会を開いた。出席者からは「子どもが通学する時間帯に出没するので、不安がある」「イノシシに遭遇したら、どう対応すべきか」との懸念や質問が相次いだ。市街地に隣接した3キロ四方ほどの金山丘陵でイノシシが出没し始めたのは数年前。捕獲オリを増設した結果、捕獲数は13年度の17頭に対し、14年度は8倍以上に増えた。昨秋には、イノシシと遭遇した住民がけがをする事故も2件発生しており、市では「予想以上に急増している」と危機感を募らせている。太田市内では金山丘陵に隣接した田んぼの稲や畑が荒らされるなど、農作物への被害も拡大した。市はこれまでに5・6キロにわたる金網柵を設置。15年度からは柵をさらに2キロ延長し、丘陵全体を柵で取り囲み、イノシシを山から出させない作戦を検討している。一方で、イノシシによる被害拡大には複合的な要因があり、対策が難しい。林業の後継者不足により、手入れのされない山林や竹林が荒れたり、耕作放棄地が広がった結果、イノシシの住みよい環境が中山間地だけでなく、都市部周辺にまで拡大したりしているからだ。イノシシの生態に詳しい宇都宮大・雑草と里山の科学教育研究センター講師の小寺祐二さん(44)は7日の研修会で、「イノシシから守るべきところを柵で囲い、下草刈りして環境整備するしかない。対策に向け住民の意識を高める必要がある」と述べ、地域ぐるみで継続的な取り組みが必要との認識を示した。
(イノシシ出没時に専用電話:兵庫)
イノシシが人を襲う被害の続発などを受け、神戸市は、市民から出没の通報を受け付ける専用電話「鳥獣相談コールセンター」を開設する方針を決めた。多くの情報を集めて活動エリアを絞り込み、捕獲につなげる狙い。兵庫県警とのホットラインを整備し、迅速に対応できる態勢も整える。市内では2014年4~12月、前年同期比で2倍を超える57件の負傷事案が確認され、市が餌付け禁止の啓発や被害地からの追い払いを実施した。一方で、市民からの通報が市役所と区役所に分散するため、窓口を専用のコールセンターに一本化する方針を決定。業者への委託費など約1100万円を15年度当初予算案に盛り込んだ。開設は5月を予定。午前8時~午後9時に受け付け、土日曜日も対応する。寄せられた情報は、猟友会に伝えて捕獲に役立ててもらう。また、人が襲われるなどの重大事案を想定し、県警からの連絡を24時間受け付ける専用回線も整備。被害の発生に合わせて市の委託業者が現場を確認し、必要に応じて猟友会に連絡する。コールセンターでは、イノシシのほか、アライグマの情報を受け付ける。北区と西区では、農作物の被害対策として、ヌートリアと鳥類の通報にも対応する。
(釜石の空き地にシカ11頭現る:岩手)
岩手釜石市の中心部にシカの群れ11頭が突如現れたことが判明し、話題となっている。現場となったのは宮古信用金庫などが立ち並ぶ地点で、6日朝空き地となっているスペースで群れたシカ11頭が青草を食べているのを同信用金庫職員らが発見した。市民の方によると、2、3頭のシカが餌を食べに来ることはあるそうで、存在している事自体は珍しくないそうだ。しかし、群れをなして11頭現れたのは初めてだそうで、河川敷に居たシカが餌を求めて出てきたのものと見られている。11頭では、シカト出来るはずもなく、ちょっとした騒ぎになったようだ。
(阿蘇山などで野焼き、野生のシカが逃げ惑う:熊本)
熊本県の阿蘇山一帯や北外輪山などで8日、一斉に野焼きがあった。全国一の広さを誇る草原の維持が目的。野焼きの跡は、4月には新芽の季節を迎える。この日は約20の牧野(ぼくや)組合で実施。登山道路周辺は観光客やアマチュアカメラマンの好ポイントで、薄茶色の草原に炎が音を立てて広がると歓声が上がった。阿蘇市の黒川牧野では、親子とみられる4頭の野生のシカが火に追われ、逃げ惑う一幕も。見物人をはらはらさせたが無事脱出し、事なきを得ていた。
(害対策リーダー研修、20人に修了証:栃木)
とちぎ獣害対策地域リーダー育成研修会の修了認定式が6日、宇都宮大峰キャンパスで開かれ、20人に修了認定証が手渡された。イノシシ肉などの消費、需要を拡大させ捕獲増につなげようと、プロのシェフがイノシシ肉を使った料理を披露した。野生鳥獣による県内の農業被害額は増加傾向で、2012年度は3億円を超えている。こうした状況を受け、本年度始まったリーダー育成研修会は、8月から計10回開かれ、計101人が野生鳥獣の生態や被害防止対策の技術を学んだ。一定の条件を満たし修了認定証を受けた人は今後、各地域で行われる対策の核となる。一方、イノシシ肉の赤ワイン煮込み、ポトフの調理が実演された。実演では、全頭検査を行う那珂川町加工施設のイノシシ肉が使われた。
(大学生が「カラス対策本」発刊:福井)
地域の環境問題について学ぶ福井大学の学生たちが「カラス対策本」を発刊した。カラスによるごみ荒らしの実態を観察し、生態に着目して開発した撃退スプレーの作り方なども掲載した。同大などで無料配布している。手がけたのは教育地域科学部の3年生5人。地域の課題をテーマにした授業の中で、通学時に気になっていたカラスによるごみ被害を取り上げることにした。昨年5月から活動を開始。福井市内の住宅地4カ所で約1カ月間、ごみ収集日の早朝に、カラスがごみ袋を破って中身を食い荒らす様子を観察した。地域住民にも聞き取り調査し、「ブルーシートやネットを張ってもめくられてしまう」といった課題を探った。カラスが酸味、苦み、辛みを嫌うことを文献で知り、身近な材料で手軽に作れる撃退スプレーの開発にも着手した。酢、ゴーヤ、一味唐辛子でそれぞれスプレーを作り、捕獲したカラス2羽で効果を調べた。このうち効果があったのは、酢のスプレー。住宅地でまんべんなくゴミ袋に吹き付けて実験したところ、「4羽中1羽がその場を離れていった」という。対策本は、こうしたカラス被害の実態や撃退スプレーの作り方などについて紹介している一方、食べ残しや汚れが落ちていない容器などが入っていると、カラスにつつかれてしまうことも指摘している。メンバーの竹内壮太さん(21)は「現地調査で、捨てる側のマナーにも問題があることがわかった。この本がごみについて考えるきっかけになればいい」と話した。
(鳥獣害減へ県が普及推進、ジビエ料理を県庁食堂で:徳島)
徳島県内で捕獲された野生鳥獣の肉を使ったジビエ料理を広めるため、県庁食堂で10~13日、「阿波地美栄(じびえ)フェア」が開かれる。県はジビエ料理が味わえる店を認定し、消費拡大に取り組んでいるものの関心が低いため、安価な定食として職員や県民に食べてもらうことにした。提供するのは、シカ肉の竜田揚げとハンバーグ、みそ煮込み、サラダの4品。生協定食(520円)では2品、ミニ定食(310円)では1品を選べる。昼食メニューの営業時間は午前11時半~午後1時で、誰でも利用できる。食堂を運営する県職員生活協同組合のチーフ茨木博さん(53)が、県の「うまいよ!ジビエ料理店」に認定されている四季美谷温泉(那賀町)の中田雅之料理長からアドバイスを受けてメニューを考えた。県の処理衛生管理ガイドラインに従っている那賀町と阿波市の処理加工施設から仕入れた肉を使う。県内の野生鳥獣による農作物被害は、2013年度まで5年連続で年間1億円を超えている。県は被害を減らすとともに、肉を特産品として売り出すため、13年3月以降、県内のホテル、飲食店など11施設・店を「うまいよ!ジビエ料理店」に認定した。しかし、大半が県西部で、広く浸透していない。県農村振興課は「この機会に食堂に足を運んでもらい、ジビエ料理のおいしさを知ってもらえれば」としている。

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(シカ、雪踏み台に柵越えか:北海道)
3日夜から4日にかけてシカの侵入が相次いだ新千歳空港では4日、国土交通省新千歳空港事務所が空港を囲む柵を緊急点検するなど対応に追われた。柵の破損箇所は確認されず、専門家は、シカが固まった雪を踏み台にして柵を跳び越えた可能性があるとみている。道東方面中心だったシカの生息域が道央に広がっていることもあり、同空港でも対策が求められそうだ。同空港でシカの侵入が確認されたのは3日午後7時すぎ。空港事務所の車両9台が出動し、クラクションを響かせながら追いかけた。いたちごっこの末、柵の一部を開けた場所に追い込み、「敷地外に出ました」との声が響いたのは翌4日午前2時半だった。ところが、その2時間半後、今度は5頭が侵入。2度目の追い払い作戦が終わったのは4時間後で空港事務所幹部は「こんなに多くのシカが連続で入ったのは過去に聞いたことがない」とこぼした。札幌ドーム約130個分(719ヘクタール)の面積の同空港は、周囲約16キロメートルに高さ約2メートルの柵が設置されている。
(モバイルカリング、シカ75頭駆除:北海道)
釧路総合振興局は4日、エゾシカ駆除のため林道を車で移動しながら猟をする今季の「モバイルカリング」で計75頭を捕獲したと発表した。2012年の開始以来最高で、振興局は「効率的に駆除ができた」としている。モバイルカリングは今年で4回目で、2月16日から3月3日までのうち、荒天などを除く11日間行われた。事前に餌場にサイレージを置くなどしてシカを集め、立ち入り禁止にした浜中、厚岸両町の道有林内を地元ハンター1人が車で移動しながらシカを撃った。立ち入り禁止にした林道は計5路線、12キロ。捕獲したのは雄11頭、雌64頭。昨年より24頭多かった。1日当たりでは6・8頭で、通常の狩猟の捕獲数の1―2頭を大きく上回った。増えた理由について振興局森林室は「積雪が多かったためシカの餌となる木の皮や枝葉が雪で隠れ、餌場に集まりやすかったのではないか」とみている。
(猟友会当別支部、シカ駆除1度に22頭:北海道)
道猟友会当別支部(向井正剛(せいごう)支部長、33人)が、茂平沢と青山にまたがる町有林でエゾシカの追い込み猟を行い、これまで数頭だった1度の猟としての実績を大きく上回る22頭の駆除に成功した。射撃場での訓練やシカの逃げ道を的確に狙ったことが功を奏したようで、同支部のメンバーは「今後も腕を磨き、農業被害を少なくしたい」と気を引き締めている。追い込み猟は3月1日に21人が参加して行った。山頂から追い込み役の5人が数百メートルごとに立ち、爆竹を鳴らしながら、ゆっくりと下山。麓に待機していた16人が、逃げてきたシカを撃った。追い込み猟は今年で3年目。積雪で見通しのいい2~3月に年2回実施している。これまでの駆除数は多くても5頭で、ゼロの時もあった。今回1度に大量駆除できたのは、2012年から年1回、空知管内浦臼町の射撃場で射撃精度を上げたことや、追い込み猟の経験を重ねたことで、シカの逃げ道が分かるようになったことが大きいという。林業を営む向井支部長(45)によると、今回の山だけで三つの群れの計約100頭を確認しており、「22頭は氷山の一角」と話す。シカに樹皮を食べられたとみられる広葉樹もここ数年で目立つようになり、シカが増えているのを感じるという。同支部にシカなどの駆除を依頼している、町鳥獣被害対策協議会事務局の北石狩農協によると、町内のシカによる農業被害額は、10年度860万円だったが、13年度は1086万円と、年々増加している。同農協は「シカの数は繁殖により1年で1・2倍に増えるとされる。農業被害額をみても、もっと駆除する必要があるだろう」と分析。今回の大量駆除に感謝しつつ「狩猟免許取得者がさらに必要。今後も農業者らに呼び掛けていきたい」と話している。
(組織的なシカ捕獲開始:北海道)
農作物の食害などが深刻なエゾシカの個体数を効率的に減らすため、知内、福島両町などでつくる知内・福島地域エゾシカ被害対策会議が4日、越冬地となっている矢越岬周辺で初の組織的な捕獲作業を始めた。3月中旬まで、10~20人程度で猟銃とくくりわなによる捕獲を行う。両町にまたがる矢越岬周辺は雪解けが早く、シカが周囲から集まるとみられている。今回は岬の西側の福島町岩部地区で車で道路を移動し、道路わきから猟銃で撃つ捕獲作業を6日まで実施。岬の東側の知内町小谷石地区では10日ごろから4日程度、くくりわなによる捕獲を試みる。初日は地元の猟友会会員、両町や渡島総合振興局の職員ら22人が参加。福島町浦和―岩部の道道約4キロの通行を規制し、3班に分かれて日の出から1時間ほど猟銃による捕獲を行った。シカをおびき寄せるために道路わきの斜面に挿したササなどの植物は大部分が食べられ、シカの姿も遠くに確認されたものの、この日は捕獲に至らなかった。対策会議事務局の知内町産業振興課は「今年は雪解けが早く、草が露出した箇所が多いため道道付近に下りてこないシカがいるようだ。期間中、極力多く捕獲できるよう努力したい」としている。
(シカ、足跡調査し捕獲を:青森)
白神山地の世界遺産地域周辺でニホンジカの生息が確認された問題で、有識者らによる「白神山地世界遺産地域科学委員会」(委員長=中静透・東北大学大学院教授)は5日、弘前市で会合を開き、春の雪解け前にシカの足跡調査を行い、早期に捕獲することが必要との考えで一致した。環境省や林野庁などの管理者側は、今後、地元の自治体や猟友会などと捕獲に向けた態勢作りを急ぐ。会合では、まず環境省と林野庁が昨年設置した68台の自動撮影装置による生息調査で、遺産地域から、わずか150メートルの秋田県八峰町でニホンジカとみられる個体1体を撮影したことなどを改めて報告。有識者からは「遺産地域内に侵入していてもおかしくない」との意見が出され、雪解け前の足跡調査と捕獲についても「急ぐべき」との考えで一致した。環境省や林野庁は、今後、捕獲に向けて地元の自治体や猟友会とともに雪解け前のシカの足跡調査に乗り出す。地元住民らにも目撃情報を求め、捕獲に向けた態勢作りを急ぐ方針だ。自動撮影装置による定点監視も継続する。また、秋田県側の核心地域周辺の入山規制の緩和については、同時に核心地域の監視強化と森林ガイドの育成などが必要との方針が示された。同科学委員会は、白神山地を管理する環境省、林野庁や青森、秋田両県や地元自治体で構成する「白神山地世界遺産地域連絡会議」に対し、科学的見知から管理について助言する機関。
(中部山岳国立公園内のシカ、「定着確認」捕獲実施へ:長野)
長野、新潟、富山、岐阜の4県にまたがる北アルプスを中心とした中部山岳国立公園内で、環境省などは平成27年度から、ニホンジカの捕獲に初めて乗り出す。これまで公園外の北アルプス山麓部で定着が確認されていたニホンジカだったが、公園内の亜高山帯(標高約1500~2500メートル)でも目撃例が増え、生息密度は低いものの定着しつつあることが確認されたためだ。「お花畑」と呼ばれる貴重な高山植物の植生が壊滅的な状況となった南アルプスを教訓に、北アルプスのニホンジカ対策は捕獲実施という新しい段階を迎えた。野生鳥獣の専門家や環境省長野自然環境事務所、関係自治体などで構成する中部山岳国立公園野生鳥獣対策検討会が2日、松本市内で開かれた。席上、北アルプス一帯でのニホンジカの侵入状況について検討した結果、信州大農学部の泉山茂之教授や岐阜大応用生物科学部の鈴木政嗣教授ら野生鳥獣の専門家は「今がデッドライン」と指摘。亜高山帯での効率的な捕獲手法の検討を開始するとともに、試行的な捕獲を実施していくことを決めた。検討会での報告によると、公園の周縁部にあたる北アルプス山麓では、ニホンジカの生息範囲が拡大。26年度中に寄せられた北アルプス一帯での目撃情報は30件に達し、そのうちの22件は公園内での目撃だった。また、亜高山帯以上での目撃は17件あり、最も標高が高い目撃場所は岩小屋沢岳付近の標高約2600メートル付近。自動撮影カメラの映像でも侵入が確認され、ニホンジカが公園内に定着し始めている状況が明らかになった。昨年秋に同事務所が行った高山植物の重要群落に対するモニタリング調査では、植生への被害は確認されなかった。しかし、泉山教授は「限られた時期の調査で被害がないからといってニホンジカがいないわけでない。昨年までとはかなり状況が違っており、すでに成獣の定着が始まっている」と指摘。鈴木教授も「試行的に(公園内の)捕獲を考えないと手遅れになる。1年先延ばしにするのは相当、リスクが大きい」と警鐘を鳴らした。25年3月に策定した同公園のニホンジカ対策方針では、リスク管理を侵入状況や植生への影響などにより4段階に分類。評価レベルごとに対策をメニュー化して定めている。これまでは目撃頻度が少なかったことから、山麓部での捕獲を行うレベル1の評価だったが、現在の公園内の状況について、検討会では「すでにレベル2の段階になっている」との認識で一致。対策内容を亜高山帯や侵入経路で捕獲するレベル2に引き上げることを決めた。ただ、公園内の亜高山帯は地形が急峻で岩が堆積するガレ場が多いなど捕獲にあたっての制約が多く、捕獲手法などの検討が必要。このため、鈴木教授は「捕獲場所を決めて行う待ち伏せ型の銃による捕獲が有効。(シカが好む餌を仕掛ける)誘因型のわなによる捕獲も検討すべきだ」としたほか、泉山教授も「移動経路を特定してシカを誘導して捕獲する方が効率がいい」などの見解を示している。また、亜高山帯ではこれらの制約の中での捕獲となるため、銃の高い技能を持つ捕獲従事者を配置することが求められる。県は鳥獣保護法の改正に伴って創設される「指定管理鳥獣捕獲等事業」や「認定鳥獣捕獲等事業者制度」を積極的に導入。27年度は高度な捕獲技術を持つ企業やNPO法人などを認定し、北アルプス山麓地域で事業を委託実施するが、環境省松本自然環境事務所の西尾治首席自然保護官は「こうした手法は亜高山帯での捕獲に有効であり、公園内でも長野県での取り組みに期待したい」と話している。
(イノシシ捕獲ツアー、鋸南町開催へ:千葉)
鋸南町は、農作物を掘り返すなどして農業に悪影響を与えているイノシシの増加を逆手に取り、わなを仕掛けたり、ジビエ料理を学んだりするエコツアーを開催する方針を決めた。農村集落の新たな魅力を山のベテランらが伝授する。町は都会の大学生ら若者に受講を呼びかける方針だ。南房総地域では、15年前まで生息していなかったイノシシの被害が深刻化している。同町での農業被害は2002年頃から出始め、12年度には野生鳥獣全体の被害額が4200万円に達した。イノシシ捕獲数は13年度に562頭、14年度は700頭を超えそうだという。「イノシシに押しまくられるだけでいいのか」。町の若手職員が抱いた疑問から町の活性化に利用する検討が始まった。知識、対策ノウハウは猟友会などに蓄積されており、講師の人材は豊富だった。計画されているツアーは2コース。「けもの道トレッキングコース」は、山を歩き、足跡をたどってワナを仕掛けるまでを学ぶ。料理までの手順を学ぶ「解体・ジビエ料理堪能コース」もあり、食肉処理業者や料理の専門家にも講師を依頼する予定だ。ツアーは新年度から春と秋に開催。参加者として、町内での就農や週末農業を希望する都市生活者も視野に入れ、移住の誘致も狙う。町は具体的な計画が決まり次第、問い合わせ窓口を開設する予定。白石治和町長は「講師陣は粒ぞろい。“イノシシ大学”の開校だ」と話している。
(県議会、ブログそっくりの質問是か非か:宮城)
インターネット上の他者のブログとそっくりな質問は是か非か-。2月定例会のある議員の一般質問に議会関係者から疑問の声が上がっている。約600字のうち、ブログとうり二つの質問項目が200字強あった。議員は、銃刀法に比べ武器等製造法は規制が緩いとして、条例による規正強化を県に求めた。「講習は不要、身辺調査不要、精神科医などの診断書も不要、許可の更新も不要、さらに銃の数も制限なし」など、複数箇所は完全に一致した。議員に取材すると、質問文の作成過程で支持者が複数の新聞を参考に原案を出し、自身も手を入れたという説明だった。議員は「ブログは見ていない」と話す。他者のブログをまねて議員が質問しても、法に抵触する可能性は低そうだ。弁護士知財ネット東北地域会の代表を務める石井慎也弁護士は「仮に、ブログの内容が(思想や感情を創作的に表現した)著作物であっても、議員が非営利かつ無償で話せば著作権侵害にならない」と解説。事実を的確に整理し、指摘しているブログは、むしろ「積極的に参考にしてもいいのではないか」との見解だ。一方、東北大大学院情報科学研究科の河村和徳准教授(政治学)は「ブログを見なくても、まねと思われないようチェックすべきだった」と批判。「政治家にとって言葉の力は極めて重要だからだ」と強調する。法律の不備は確かに議員の指摘がもっともだが、質問自体は通り一遍で、訴え掛ける何かに欠けた。借り物の言葉で自説を通そうとしても、有権者は心を動かされまい。政治家は人を説得するため、言葉を自らの血肉としてから口にする必要があるだろう。
(来月中に防護柵試験設置:奈良)
県の「奈良のシカ保護管理計画検討委員会」(委員長・村上興正元京都大学理学研究科講師、9人)の第3回会合が5日、奈良市内で開かれた。会合では、奈良公園一帯のシカによる農林業被害の軽減に向けて、来月中に奈良公園に近い市内3カ所の農地に高さ約1・8メートルの防護柵を試験的に設置することを確認した。田植えの始まる前の時期を選んでおり、県はシカによる農作物被害の防止効果を検証する。防護柵を設置するのは、奈良公園から南方に位置する同市鹿野園町の2カ所と、同市藤原町の1カ所。鹿野園町では、水田を中心にシカの侵入跡が確認されており、約1万4千平方メートルと約2万1千平方メートルの農地を囲む形でシカの侵入を防ぐ防護柵を設置する。
(「ネットで調べて作った」“バズーカー砲”少年が供述:兵庫)
武器を完成させていくのが楽しかった-。殺傷能力のある空気銃を製造したとして、未成年者としては全国で初めて逮捕された少年は、そんな趣旨の供述をしたという。兵庫県警少年捜査課などは2月16日、武器等製造法違反(無許可鉄砲製造)と銃刀法違反(所持)容疑で、同県宝塚市の県立高校1年の少年(16)を逮捕した。まるで「バズーカー砲」を思わせる全長約208センチもある空気銃は、約1メートル離れてもスチール缶を撃ち抜けるだけのすさまじい威力があったようだ。少年は「インターネットで調べてつくった」と供述しているが、昨年5月には、神奈川県で3Dプリンターを使って拳銃をつくり、逮捕された元大学職員の男もネットを参考にしていたとされる。誰もが危険で威力のある「銃」を製造できるようになったのだ。専門家は安易な気持ちによる「武器製造」に警鐘を鳴らしている。「生徒が自宅で大砲のようなものを持っている」平成26年11月、少年が通う県立高校に、ある保護者から連絡があった。少年は自身で製造した空気銃をスマートフォンで撮影し、その画像を同級生の友人に見せびらかしていたという。友人の親が画像を見て、あわてて高校を通じて伊丹署に通報したことをきっかけに、捜査が始まった。県警は少年宅を家宅捜索し、空気銃と準空気銃の計3丁を押収した。塩化ビニール製パイプなどを銃口にして、可燃性ガスを爆発させて弾丸を発射させる仕組みだった。驚いたことに、空気銃に使われた原材料はすべてホームセンターなど、身近なところで市販されているものばかりだった。弾丸も金属製のボルトを加工したもの。少年の部屋からは試射で弾丸が貫通したスチール缶も見つかった。県警が3丁を鑑定した結果、1丁は殺傷能力が認められる全長約208センチの空気銃で、口径は25ミリ。残る2丁は空気銃に準ずる威力を持つ全長が約139センチと118センチの「準空気銃」だった。県警は空気銃や準空気銃を所持したとする銃刀法違反容疑に加え、威力の強い空気銃をつくったとして、より刑罰の重い武器等製造法違反容疑も適用して少年を逮捕。武器等製造法違反容疑での未成年者の逮捕は全国で初めてのケースだった。逮捕容疑は26年6~11月ごろ、当時住んでいた同県伊丹市内の自宅で殺傷能力のある大型の空気銃1丁を製造・所持し、空気銃に準じた威力で人にけがをさせる恐れのある準空気銃2丁を所持したとしている。実はネット空間には空気銃の製造方法が出回っている。捜査関係者によると、少年は容疑を認めた上で、「動画投稿サイトで製造方法を紹介する動画を見て、金づちやはんだごて、電気ドリルでつくった。特別なものは使っていない。武器を完成させていくのが楽しかった」という趣旨の供述をしているという。検索サイトや動画共有サイトで「空気銃 作り方」と記入して検索すると、かなりの件数がヒットする。子供の自由研究用のような、おもちゃの銃を撮影した動画も多いが、中には今回のような大型で殺傷能力のある空気銃の製造方法を紹介した動画もある。昨年5月には、3Dプリンターで拳銃を製造したとして、神奈川県警などが銃刀法違反容疑で、元大学職員の男=同罪などで懲役2年の実刑確定=を逮捕した。この男も空気銃の少年と同じく原材料はすべて市販の素材を使い、ネット上から3Dプリンター用の詳細な設計図を入手して拳銃を製造していた。捜査関係者は「戦闘アニメにあこがれる子供が多いのと同じ感覚ではないか。そうした感覚で銃製造に及んでしまう人間が増える恐れは大いにある」と不安を隠さない。今回の少年逮捕のニュースは大きな反響を呼び、ネット上では「つくったらいかんこともわからんのか」といった批判的な意見が書き込まれた。一方で「悪意はないんだろうから、しっかり事情を聴いて、穏便に取り計らってやればいいのに」「ガキのお遊びだと思うよ」との書き込みも。未成年で、しかもまだ人に向けて撃っていない段階で逮捕に踏み切ったことへの疑問が背景にあるようだ。しかし、捜査関係者は「本来は空気銃よりも威力の弱い準空気銃を1丁持っていたとしても、逮捕要件を満たしている。今回は殺傷能力のある空気銃を自分で製造していた点を重くみた」と強調する。誰もが危険で威力のある「銃」を製造することが可能になった時代。こうした動きに警察が甘い顔をみせて放置すれば社会の危険性は増していく。人を撃つ行為の有無や年齢は逮捕をためらう理由にはならなかったようだ。銃刀法では、国内で銃の所持が許されているケースは、猟銃やスポーツ、有害鳥獣の駆除などの場合だ。猟銃の散弾銃やエア・ライフルは許可があれば許された範囲で使用できるが、より危険なライフルや拳銃に関しては狩猟歴が10年以上や射撃経験が多い人などにしか許可されず、初心者で持つことは許されない。銃の製造も原則禁止という厳しい規制があるが、専門家は今回の事件と3Dプリンターによる事件の影響を懸念する。銃犯罪に詳しい立正大の小宮信夫教授(犯罪学)は「2つの事件は誰でも銃を“国内生産”できることを証明してしまった。これまでの銃規制を根底から覆す事態だ」と指摘する。ネット上にはびこる拳銃などの製造方法や3Dプリンター用の設計図に関しては?野放し?状態。いつ模倣犯が現れてもおかしくはないが、当面は警察や民間団体が見つけ次第、プロバイダーなどに削除依頼していくほかに有効な手立てはほとんどないのが現状だ。3Dプリンターで製造した男は、拳銃の組み立て状況から紹介する動画を動画投稿サイト「ユーチューブ」にアップ。「引き金を引くたびに乾いた音が響き、火花と煙が上がる」と拳銃を自慢していた。小宮教授は「武器を持ちたい人間には自分に自信がない場合が多い。自信を武器で補完し、あたかも自分が強くなったような錯覚に陥る。『人を傷つけなければ問題ない』という意識もある。子供のころから地域貢献活動などで自己肯定感を持たせるとともに、銃犯罪の現実を伝える教育が必要だ」と話している。
(火葬し隠蔽、完全犯罪計画:神奈川)
横浜市神奈川区のマンションで昨年1月、父親(当時55歳)を散弾銃で射殺したなどとして、殺人罪や銃刀法違反に問われた無職佐藤亘被告(24)(高松市庵治町)の裁判員裁判で、横浜地裁は4日、懲役15年(求刑・懲役20年)の判決を言い渡した。根本渉裁判長は「完全犯罪をもくろんだ計画性の高い巧妙な犯行」と述べた。判決によると、佐藤被告は昨年1月30日未明、父親の秀延さんのマンションで、室内のブレーカーを落として秀延さんの帰宅を待ち伏せ、至近距離から散弾銃で秀延さんの腹部を撃って殺害した。佐藤被告は遺体を火葬して犯行を隠蔽しようと、事前に棺おけを用意。火葬手続きに必要な死亡診断書を作成するため、実在する病院のゴム印や医師の印鑑などを購入していた。根本裁判長は動機について、「暴力で支配してきた父親への恐怖や、幼少期から人生の芽を摘み取られてきたとの気持ちから、自分の人生をやり直すには殺害するしかないと考えるようになった」と指摘。その一方で、「被告の生育歴が不遇であったことについては、犯行への影響とは別に同情の余地があり、一定程度考慮すべきだ」と述べた。
(15台を光学式に更新:静岡)
藤枝市は、瀬戸谷屋内競技場(スポーツ・パル高根の郷)にあるライフル射撃場の10㍍標的15台をアナログ式(紙)から光学式電子標的システムに更新するため、当初予算案に2340万円を計上した。
(中学校の給食にイノシシ肉シチュー:石川)
白山市の鳥越中学校では畑を荒らす害獣・イノシシが給食に登場しました。給食に登場したのは、白山麓で獲れたイノシシ肉を使ったシチューです。白山商工会では害獣であるイノシシの肉をブランド化しようと活動しています。今回は地元の子ども達にもおいしさを知ってもらおうと給食の食材としてイノシシを提供しました。シチューに使われたのは、イノシシのスネの肉。スジをやわらかくするため、朝から3時間以上煮込んだそうです。イノシシ肉の給食は、しし汁やポトフなど、メニューを変えて白山麓周辺の小中学校で提供されます。

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(新千歳空港にシカ7頭侵入、滑走路閉鎖:北海道)
3日午後7時15分ごろ、新千歳空港の誘導路付近にシカ7頭が侵入し、国土交通省新千歳空港事務所が滑走路2本をいずれも閉鎖、着陸予定だった3便が函館などに目的地を変更するなど、同空港発着の計33便に影響が出た。隣接する航空自衛隊千歳基地が滑走路を開放して対処し、同8時10分ごろに航空機の運航が再開された。同基地によると、「シカ出没で滑走路を緊急開放するのは異例」(広報室)という。空港事務所などによると、航空会社の地上作業員が滑走路と駐機場をつなぐ誘導路近くでシカ7頭が歩いているのを目撃し、同事務所に連絡。空港事務所は、千歳基地に、滑走路2本のうち東側の1本の開放を要請するとともに除雪車など9台を出動させシカを追跡した。4日午前0時すぎ、少なくとも5頭を敷地外に追い払ったが、残る2頭については確認できていない。3日午後7時35分ごろに中断した運航は同基地の滑走路開放により、約35分後に再開したが、新千歳に着陸予定だった3便がそれぞれ函館、旭川、羽田に目的地を変更。30便に最大2時間40分の遅れが出た。空港事務所によると、空港の敷地は高さ約2メートルのフェンスで囲まれており、一度にシカ7頭が侵入するのは極めて珍しいという。
(中山は予選敗退、クレー射撃W杯)
来年のリオデジャネイロ五輪予選を兼ねたクレー射撃のワールドカップ(W杯)メキシコ大会は2日、メキシコのアカプルコで行われ、女子トラップの中山由起枝(日立建機)は予選40位に終わり、上位6人による決勝に進めなかった。
(人襲ったヒグマ、今週末から捜索:北海道)
檜山管内せたな町内の山林で昨年、一昨年の春に計2人を死傷させたヒグマを駆除するため、同町と檜山振興局などは3日の関係機関会議で、今月上旬から地元猟友会のハンターによる捜索開始を決めた。特定の個体の駆除を目的とした捜索は、異例の措置という。今回の捜索は、冬眠あけのクマの行動範囲が比較的狭く、足跡の確認などが容易なことから実施を決定。目的の個体以外は危険のない限り駆除しない。ハンターは今週末にも5、6人態勢で同町北檜山区、大成区の山林に入り、クマの足跡などを捜索。発見時に駆除するほか、行動範囲を確認して箱わな設置などの措置を取る。期間は4月末まで。町などは捜索期間中、町民、旅行者に山菜採りなどの入山を自粛するよう呼びかける。人を襲ったクマはDNA鑑定で同一個体と確認済み。雄で、前足の幅が14センチ、鼻にナタで受けた傷がある可能性が高いという。
(鹿が「ドーン」と、店のガラス戸突き破り侵入:山梨)
1日午前11時半頃、山梨県笛吹市石和町松本の生花店「フルール夢工房」に、鹿1頭が入り口のガラス戸を突き破って侵入した。当時、店内には店員2人がいたが、けがはなかった。店員の鶴田悠さん(34)によると、店内のカウンターに立っていたところ、鹿がガラス戸に向かって走ってくるのが見えた。鹿はガラス戸を突き破り、店内を数メートル駆け抜け、カウンターの後ろにある裏口の扉を押し開け、外に逃げたという。店内にはガラスの破片が飛び散り、商品の一部が破片をかぶる被害も出た。店は営業を続け、ガラス戸は2日、新しいものと交換した。鶴田さんは「角が立派な、大きな鹿で、ぶつかった時は『ドーン』と大きな音がした。お客さんがいなかったのが不幸中の幸い」と話した。通報を受けた山梨県警笛吹署や市、地元の猟友会が1日、付近を捜索したが、鹿は見つからなかった。市は防災無線で市民に注意を呼びかけたが、2日夕までに目撃情報はないという。市の担当者は「市街地まで鹿が下りてくるのは珍しい。もし鹿を見かけたら近づかず、市や警察に通報してほしい」としている。
(北ア亜高山帯でもニホンジカ捕獲へ:長野)
北アルプスのニホンジカ対策を協議する中部山岳国立公園野生鳥獣対策検討会(事務局・環境省松本自然環境事務所)は2日の会合で、シカの生息範囲が広がっているとし、植生への影響などを表すリスク評価を従来のレベル1から2に引き上げることを決めた。2014年に実施した調査や捕獲で生息範囲の拡大を確認したためで、捕獲を亜高山帯でも行うことを決めた。長野県松本市で2日開いた会合には国や県、市村などから約30人が出席。各機関が昨年の北ア一帯でのシカの目撃や捕獲情報を報告した。自動撮影カメラによる撮影では、中信森林管理署(松本市)が北ア南部の西穂山荘周辺(標高約2200メートル)で2回、県環境保全研究所(長野市)が北ア北部の岩小屋沢岳付近(同約2600メートル)で5回撮影した。山麓地域でも環境省などが多数撮影した。国立公園内でコマクサなどの「重要群落」への被害は確認されなかったが、専門家は「調査位置や期間が限定的である以上、被害がないとは言えない」と指摘した。リスク評価は全4段階で、レベル1は山麓地での捕獲を対策とし、同2は亜高山帯(同約1500メートル~2500メートル)での捕獲を対策に挙げている。会議後、検討委員で信州大山岳科学研究所の泉山茂之教授(動物生態学)は「南アルプスのように高山帯の植生被害対策が手遅れにならないよう北アで対策を強化する必要がある」とした。環境省松本自然環境事務所の西尾治・首席自然保護官は「捕獲場所の選定や捕獲の実施主体を検討していきたい」と話した。
(森林保全とシカ管理セットで:奈良)
ニホンジカの増加による森林の生態系変化や、人間との共存について考えるシンポジウムが奈良市の奈良女子大学で開かれ、県内外から100人を超える研究者や学生らが参加した。同大学や奈良教育大学などの教授、一般会員らでつくる「紀伊半島研究会」(代表・和田恵次奈良女子大教授)が主催し、今回で18回目。研究会では、大都市近くに位置しながら古い歴史と文化を築き上げてきた紀伊半島を、人間社会と自然が共生するモデルケースとみて、さまざまな研究活動に取り組んでいる。2月28日に開かれたシンポジウムは、「森林とシカと人間の暮らしを考える」がテーマ。大阪産業大大学院の前迫ゆり教授は、シカと春日山原始林の共生や、生態系保全について講演。「森の保全とシカの管理は別々に論じるのではなく、セットで考え、市民も参加して地域全体で話し合う必要がある」と指摘した。奈良女子大大学院で、生物の行動や分布について研究する中村麻紀さん(24)は「増加するシカの被害が大きいことに驚いた。頭数を管理していくことが大事だが、その方法は難しい。しっかりと対策を考えなければならないと思う」と話していた。
(鹿肉のフルコースずらり:北海道)
西興部村養鹿研究会(中原慎一会長)が主催する第20回鹿肉パーティが28日、西興部村のホテル森夢(りむ)で開かれた。同村に多く生息するエゾシカを地域おこしに活用しようと、その肉の味わい方を提案するもの。テーブルには定番の人気メニュー「鹿しゃぶ」や、新メニューの「鹿のマリネ」など鹿のフルコース8品が次々と運ばれ、訪れた人たちは「どれも美味しい」「とても柔らかい」と、食べ比べを楽しんだ。同研究会は平成2年、西興部村を活気付けようと地元有志10人が集まって発足。エゾシカを放し飼いする鹿牧場公園や、鹿肉の加工施設を作るなどして、鹿肉の普及に努めてきた。適切な処理が施されなかった時代の評価が今でも根強いが、鹿肉は適切な血抜きを行えば生臭さは少なく、高たんぱくで低脂肪、かつ鉄分が豊富という優れた特徴がある。同研究会では、肉質への誤った理解を払拭しようと、同ホテル料理人らの協力を得て様々な調理方法を考案してきた。村もこれを支援しようと鳥獣処理加工センターを建設。ハンター育成のための射撃場も整備された。こうした取り組みが高く評価され、今年度は総務大臣から「ふるさとづくり大賞」を受賞している。第20回の大きな節目を迎えたこのパーティ。今年も村内外から100人を大きく超える鹿肉ファンらが集まった。新メニューを楽しみにしているリピーターも多い。
(獣害、ならばジビエ料理に:兵庫)
シカやイノシシの獣害被害が増えるなか、兵庫県洲本市は狩猟免許取得者の捕獲技術向上や集落ぐるみの対策を推進するため、同市五色町都志のウェルネスパーク五色で「獣害対策セミナー」を開催した。ジビエ(野生鳥獣料理)としての活用を目指してイノシシの丸焼きの試食も行われた。セミナーには狩猟免許取得者や獣害対策に関心のある市民ら約150人が参加。野生鳥獣対策連携センターの新箭剛士(あたらしや・つよし)技術専門員が、イノシシやシカの生態や特徴から、季節によるワナ設置場所やワナの中へうまく誘引するエサのまき方、集落全体で分担して作業することなど、捕獲数を増やすコツを解説した。洲本市の農産物被害額は平成25年度に約1870万円と前年度から約760万円増加。このため26年度に市は「ストップ・ザ・獣害事業」として7地区で捕獲指導を行い、今年1月までに昨年度の2倍以上となる229頭のシカ、イノシシを捕獲している。捕獲後の食肉としての可能性を探るため、セミナー終了後にはイノシシの丸焼きが登場。約20キロのイノシシをウェルネスパーク五色のオーブンで約2時間かけて焼いたという。「臭みはまったくなく、おいしい」「焼き豚みたいで、ビールによく合いそう」などと参加者から好評だった。

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(カモが大量死、高濃度農薬検出:鹿児島)
鹿児島県は、同県出水市のツルのねぐらなどでマガモやオナガガモ83羽が死んだり衰弱したりした状態で見つかったと発表した。うち7羽を検査したところ、消化器官に残されたコメから高濃度の農薬が検出された。県によると、検出された農薬は稲作には使われない。意図的にねぐら周辺に農薬がまかれた形跡もなかった。濃度は基準値の860倍。県は、カモが何らかの原因で農薬が付着したコメを食べたとみている。83羽はいずれも21日朝、干拓地にあるねぐらやその周辺で発見された。出水市は国内最大のツル越冬地で、昨年11月以降、鳥インフルエンザに感染したツルやマガモが確認された。今回死亡したカモも感染の有無を調べるため検査。大量死だったため、国立環境研究所(茨城県つくば市)や鹿児島県環境保護センターで調べていた。
(シカの食害考える:奈良)
急増するニホンジカの問題を考える、紀伊半島研究会(和田恵次会長)の第18回シンポジウムが28日、奈良市北魚屋東町の奈良女子大学であり、「森林とシカと人間の共存」をテーマに講演などが行われた。
(捕獲方法に料理法も:兵庫)
イノシシやシカなどによる農業被害を減らそうと、洲本市は1日、同市五色町都志のウェルネスパーク五色で獣害対策セミナーを開いた。農家ら約150人が、効果的な電気柵やわなの設置などを学んだ。捕獲したイノシシの活用方法の一例として丸焼き料理も披露され、参加者らが試食した。野生鳥獣対策連携センター(丹波市)の淡路市技術専門員、新箭あたらしや剛士さんが講師を務め、スライドやビデオを使ってイノシシの生態などを説明し、▽わなは保守点検をするほど効果が高い▽動物は執着心が強いので農作物の味を覚えさせない――などの対策を話した。参加者から「箱わなの設置場所は山裾と農地のどちらが良いか」との質問が出され、新箭さんは「今の時期、妊娠中の雌は山にいるので、山裾の方がいい」と回答。わなの設置に必要な狩猟免許の取得についての質問もあり、市の担当者が補助金制度などを説明した。洲本市五色町広石下の農業柿本俊和さん(65)は「田んぼは電気柵で対策したが、イモやトウモロコシが被害に遭っており、2年前に狩猟免許を取った。教わった箱わなへの誘引のコツが役に立ちそうだ」と話していた。イノシシの丸焼きは、昨秋の講習会で捕獲したものを使用。オーブンで約2時間かけて焼き上げ、参加者らが「これはうまい」などと話しながら試食した。市農政課によると、同市では農業被害が2010年度に2003万円に上った後、電気柵の設置が進むなどし1100万~1200万円台で推移していたが、13年度は1873万円と未対策地域を中心に増加に転じた。市は、集落ごとに狩猟免許取得者がいるように手続きや登録の費用を補助し、わなを設置した集落への指導を続けている。
(シカとイノシシ、なぜ積極的に捕獲?)
最近、シカやイノシシに畑が荒らされる被害が多いと聞いたよ。国が本格的な対策を始めるんだって?5月末に施行される改正鳥獣保護法(かいせいちょうじゅうほごほう)のことですね。現行法は、戦前や戦中の乱獲(らんかく)で多くの動物が減ってしまった反省を生かした内容です。このため、基本的には捕りすぎを規制しています。ところが、近年、シカなどが全国的に急増し、農林業や希少(きしょう)な野生植物に大きな被害が出ています。改正法は、積極的な捕獲方針を強く打ちだしました。トリも捕獲されるの?心配しないで。大きな被害をもたらす動物を選び、今回シカとイノシシが指定されました。環境省の推計によると、北海道を除く全国のシカ生息数は261万頭(2011年度)ですが、このままでは25年度に500万頭に増えます。イノシシも11年度に88万頭で1989年度の3.5倍です。具体的な被害は?農家が大切に育てた農作物や若木を食い荒らし、農作物被害は全国で229億円(12年度)に上ります。また、高山帯へも進出し、希少な高山植物を食べていて、絶滅(ぜつめつ)させる恐れもあります。どんな対策をとってきたの?増えすぎたシカなどの捕獲は、趣味のハンターらが所属する猟友会(りょうゆうかい)に主に頼っています。多くの都道府県や市町村は、ハンターが捕獲した頭数に応じた捕獲報奨金(ほうしょうきん)を出しています。ところが、ハンターはこの40年間に6割以上減り約20万人(11年度)となり、うち60歳以上が3分の2を占め、高齢化が進んでいます。それは大変だね。改正法で国は、計画を立ててシカとイノシシの捕獲事業を行う自治体に、プロのハンターを雇えるように人件費などを補助し、被害が拡大している最前線や、頭数を減らす効果が高い場所での捕獲を充実させます。また、民間企業などを認定し、捕獲から食肉の加工・販売を扱うビジネスへの参入を目指します。採算がとれるかどうかが課題です。これらの対策によって国は、23年までにシカとイノシシの頭数をそれぞれ半減させる目標を立てています。
(産業銃積んだ車「盗まれた」…酔って場所勘違い:山梨)
甲府市徳行1で27日未明、銃刀法で規制されている建設用びょう打ち銃(産業銃)を積んだワゴン車が「盗まれた」と届け出があった「事件」で、県警捜査1課などは同日夜、車が同市内で発見されたと発表した。所有者の同市内に住む設備業の男性(39)が駐車した場所を勘違いしていたといい、県警は男性に注意した。県警は当初、産業銃が悪用される恐れもあると窃盗事件として捜査。しかし、男性が車を「施錠した」と説明し、飲酒もしていた事などから、前日夜からの男性らの足取りを確認するなどした。その結果、27日午後7時半に甲府市丸の内3のコインパーキングで車を発見した。車に荒らされるなど被害はなく、産業銃も無事に車内で見つかった。県警によると、男性らは26日夜から複数の飲食店をはしごして飲酒。「飲食店の駐車場に駐車したと思い込んでいた」と説明している。産業銃は火薬を利用して壁などにくぎやびょうを打ち込む工具で、所持には県公安委員会の許可が必要。
(銃器にGPSの装着義務化:韓国)
韓国で銃器類への衛星利用測位システム(GPS)装着や位置追跡が義務化されるほか、個人が少量の実弾や小型空気銃を所持することが全面的に禁止される。先月、韓国で銃の乱射事件が相次いだことを受け、政府と与党セヌリ党は2日、事故対策をめぐる会合を開き、こうした内容を対策案としてまとめた。4月の臨時国会で関連法を成立させ制度改正と予算確保を目指す。現在は全国の警察署に猟銃などを預け、出し入れすることが可能だ。また、銃器を所持している人への移動制限はない。さらに、400発以下の実弾と5.5ミリ口径以下の空気銃を個人が所持することが認められている。このため、いつでも銃犯罪が起こる可能性がある。会合では、銃器所持許可制度強化のため関連規定に一度でも違反した場合、永久に銃の所持を禁止する「ワンストライクアウト制」を導入することが決まった。韓国では先月、中部の世宗市と京畿道華城市で相次いで銃乱射事件が発生し、計7人が死亡した。
(山の幸、ジビエ:富山)
農作物に被害を及ぼすイノシシ。県はその肉を活用した「ジビエ料理」の普及に力を入れている。一方で、猟師の減少や高齢化の影響で、捕獲したイノシシの獣肉処理が思うように進まない現状もある。さまざまな課題解決の鍵を握るのは、山の幸・ジビエの普及だ。県農村振興課によると、二〇一四年のイノシシによる農作物への被害額は四千百九万円、年々増加傾向にある。県は電気柵の整備や猟師への支援など対策を進め、一四年度のイノシシの捕獲頭数(一月末現在)は、前年度末の二倍超となる過去最高の千九十頭となった。イノシシ肉を無駄にしないため、県は欧州で高級食材とされるジビエに注目。「とやまジビエ」として、レシピの紹介や料理の講習会などを企画。二月には、県内の飲食店十六店舗でジビエ料理を楽しめるフェアを初めて開催した。県の担当者は「ジビエのおいしさをもっと知ってもらいたい」と意欲をみせる。イノシシを捕獲する猟師の高齢化は年々加速。県猟友会の年齢構成を見ると、〇六年度に六十歳以上が全体の50%だった会員は、一三年度には68%に高まった。会員数もピークだった一九七八年度の二千百七十五人に比べ、一四年度は七百三十四人と約三分の一に減少。県猟友会の担当者は「猟は『農業者のために』という思いから始まったボランティア。猟銃の管理など経済的な負担も大きく、それなりの対価がないと続けられない」と話す。捕獲したイノシシを獣肉処理施設に運ぶ作業にも手間がかかるという。県のガイドラインでは、雑菌対策のために捕獲後すぐに施設に運ぶ必要がある。だが、重さは八〇キロほどあり、大きいものでは一〇〇キロを超す。重機を使って運び出す場合もあり、県内の獣肉処理施設二カ所では、三年間で約百件と利用実績が伸び悩む。猟友会の担当者は「捕獲しても出費がかさむ。猟師の減少は、ジビエ普及にも影響があるので、行政には経済的な支援を強化してほしい」と訴える。県はこれまで、狩猟免許試験の実施回数を増やし、受験者向けの講習会を開催。こうした地道な努力が実り、一四年度の狩猟者数は三十六年ぶりに微増に転じた。新年度からは、ベテラン猟師が経験の浅い猟師に実地研修する事業を行う予定で、県の担当者は「猟師の数やジビエの需要が増えれば、捕獲頭数も増えて農業被害も抑制できる。それぞれが恩恵を共有できる関係強化に努めたい」と話している。おいしいジビエ料理を堪能するためには、猟師の腕前が重要という。「内臓を撃ってしまうと、お肉が獣臭くなってしまうんだ」と県猟友会の担当者。頭を撃つことで、獣臭さはある程度防げるらしい。学生時代に初めて食べたしし鍋は、あまりの獣臭さに吐き気すら覚えたのを思い出す。猟師の減少も由々しき課題だが、腕前の向上にも目を向けた支援を県には期待したい。

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