<射撃ニュース3月>

3/30
(絶滅のクマ?1頭、目撃情報:宮崎)
延岡市は27日、同市北川町の大崩山(1644メートル)山麓(さんろく)の山荘付近で、女性登山者がクマと思われる動物の目撃情報があったと発表し、登山者に注意を促す看板を山麓周辺に設置した。市農林畜産課によると、女性が目撃したのは24日午後4時過ぎ。女性から8メートルほど離れた山中に体長50〜60センチのクマのような動物がいたという。
(クレー射撃W杯、折原80位横内は90位)
クレー射撃のワールドカップ(W杯)は28日、アラブ首長国連邦(UAE)のアルアインで行われ、男子スキートの折原研二(那須国際射撃場)は80位、横内誠(横内商店)は90位となり、予選で敗退した。
(石原奈央子は予選敗退、クレー射撃W杯)
クレー射撃のワールドカップ(W杯)は27日、アラブ首長国連邦(UAE)のアルアインで行われ、女子スキートの石原奈央子(古峯神社)は21位に終わり、予選で敗退した。
(サル出没、注意!:千葉)
香取市大倉丁子(ようろご)の国道356号沿いの民家でサルが相次いで目撃され、通報を受けた市が情報を集めている。市や香取署によると、目撃されたのはいずれも1匹で、今のところ人畜への被害情報は寄せられていない。市などによると、25日夕と26日朝に、同署に数件ずつ通報があった。いずれも民家の屋根や車の上にいたとの情報だが、散歩中の子どもに対し、威嚇し追いかけて来たとの報告もあったという。東庄町などで1月下旬に目撃されたサルと同一の可能性があり、1週間ほど前にも同町で目撃されている。市は「むやみに餌をあげたり、目を合わせたりしないで」などと注意を呼び掛けている。
(集落近い県道でクマ目撃:新潟)
27日午後8時すぎ、十日町市高島の県道でクマを目撃したと、車で通りかかった男性が十日町署に通報した。同署によると、クマは体長約1メートル。集落から200メートルほど離れた県道に架かる橋の上を歩いていた。県猟友会会長=十日町市=は「冬眠明けのクマが、ブナの芽を食べに動き始めるころだ。ほとんどは山の中だが、5月の連休ごろまでは人目に付きやすい」と話している。
(ヒグマ、ここ200年で急激に草食化:北海道)
京都大学生態学研究センターの松林順氏らによる研究グループは、北海道に生息するヒグマを対象に安定同位体分析を用いた食性解析を行い、かつてのヒグマは現代に比べてシカやサケといった動物質を多く利用していたことを明らかにした。ヒグマは北半球の広範囲に分布する大型の雑食動物で、食物資源の可給性に応じて食性を大きく変化させるという特徴がある。ヒグマの食べ物といえばサケというイメージが強いが、これまでの調査では、北海道のヒグマはフキやセリ科などの草本やヤマブドウ・サルナシの果実といった植物質中心の食性だということが分かっている。今回の研究では、北海道の道東地域と道南地域を対象に、ヒグマの骨と食物資源のサンプリングを行った。その結果、ヒグマの食性は時代経過に伴って肉食傾向から草食傾向に大きく変化していたことが明らかになった。道東地域ではサケの利用割合が19%から8%まで減少し、陸上動物の利用が64%から8%にまで減少していること、道南地域では陸上動物の利用割合が56%から5%まで減少していることが分かった。また、この食性の大きな変化は概ねここ200年の間に急激に進行したことが分かった。約200年前は、明治政府による開発が本格化した時期と一致しているため、この変化が人為的要因に起因している可能性が示された。今後は、本研究成果を足がかりとして、生態系に対する人為影響を調べる保全生態学的研究において安定同位体分析手法の活用範囲が広がり、関連分野の研究がより一層発展すると期待されている。
(クマ肉出荷制限解除求め署名提出:山形)
東日本大震災による福島第一原発事故の影響で国の指導により、県内では、クマ肉の販売や流通が出来ない状態が2年半にわたり続いている。これを受け、マタギの里として知られる小国町をはじめ、米沢市、南陽市、長井市など県猟友会の置賜ブロックが中心となり、今年2月から署名活動を展開していた。県庁を訪れた県猟友会の一行は街頭などで市民に呼び掛け集めた1431人分の署名簿を、県環境エネルギー部の森谷俊雄部長に手渡した。5月のゴールデンウィークに小国町内で開催される恒例のクマ祭りで名物のクマ汁が提供できない状態が続いており、県では「地域の切実な願いとして受け止め、引き続き、国に対して地方の声を伝えていきたい」としている。
(市街地のイノシシ:和歌山)
田辺市郊外の自宅周辺にイノシシがすみ着いた。物騒極まりない。近所の農家が猟友会員に依頼して何匹か捕まえたが、わなに掛からない賢いやつもいて手を焼いている。山に食べ物が少ないわけではなく、生息数が増えているようだ。そんな折りに知人から「神戸市はもっとすごいよ」と教えられた。イノシシが人を恐れずに住宅街を歩き回って生ごみをあさったり、河川敷で昼寝をしたりしている。条例で禁止しているのに、餌付けをする人もいるという。神戸新聞によると人に危害を加えるケースも増えており、昨年4月から12月までの9カ月間に、襲われてけがをする事案が57件もあった。以前、田辺市の住宅街にすみ着いたイノシシを捕獲して山奥に放つ現場を取材したことがある。おりに入ったイノシシは興奮して暴れ、鼻で鉄格子にぶつかる。それを山中に運び扉を開けると、一目散に林道を走った。猪突(ちょとつ)猛進というイメージとは異なって意外に身軽。猛スピードのまま直角に曲がって森の中に消えた。県内では年間1万3千匹のイノシシが捕獲されるが、それでも数は減らない。対策の一つとして県が進めているのが、ジビエ(野生鳥獣)料理の普及である。2月のジビエウイークには76店が参加した。田辺でもこのままでは、市街地への侵入は時間の問題である。阻止するには、近隣のイノシシを食べ尽くすほどの取り組みが必要になるだろう。
(害獣わな作動をスマホで確認:香川)
システム開発のスパークル(香川県小豆島町)は、イノシシやシカなど農作物被害をもたらす害獣の駆除わなの位置や作動状況を遠隔で確認できるシステムを開発した。わなが作動すると位置情報がスマートフォン(スマホ)などに送られ、利用者は迅速に捕獲に向かうことができる。近年、天候不順などで害獣被害が増えるなか、狩猟者や自治体の需要を見込む。
(イノシシの被害防止へ、専門家招き住民講習会:栃木)
鹿沼市と市野生鳥獣対策協議会は21日、粟野コミュニティセンターなどで野生鳥獣対策講習会を開いた。参加した地域住民約40人は、専門家からイノシシの生態について学んだ後、獣害防護柵の設置予定場所の下見を行い、効果的な柵の設置方法を検討した。市内では本年度、イノシシによる農作物などへの被害が例年より多く確認されている。市によると、猟友会による捕獲数は例年400~500頭だが、本年度はすでに約980頭に上っている。1頭の捕獲につき、捕獲報賞金1万1千円(国5千円、市6千円)が捕獲者に支払われるが、市の予算は10月に底を突いたという。市などはこれまでに、防護柵を板荷、清洲、入粟野地区などで設置している。
(野生鳥獣の保護に尽力:北海道)
厚真町上厚真の自営業、村井広昭さん(64)が野生鳥獣保護功労で2014年度知事感謝状を受けた。25日に厚真町役場で感謝状の伝達式が行われ、胆振総合振興局の永浦政司環境福祉長から村井さんに感謝状が手渡された。長年、自然環境の保全、野生鳥獣の保護などに尽力し、顕著な功績のある個人、団体に感謝状を贈っている。今年度は全道で18人が対象。村井さんは04年から自然保護監視員兼鳥獣保護員として活躍。地域の巡回パトロールを毎月行い、狩猟期にはハンターへの安全指導もしている。猟友会苫小牧支部厚真部会事務局長も務めており、町が行う有害駆除にも積極的。日没に光を当てて目の輝きからエゾシカの生息数を確認する調査にも1994年から参加している。また、担当する環境緑地保護地区などの監視業務を続け、自然環境の適切な利用の推進に努めてきた。これらの功績が評価された。伝達式には、厚真町の宮坂尚市朗町長も同席。「感謝状の受賞は日ごろの努力の成果。ぜひ、後継者も育ててほしい」とハンターとして44年の経験を持つ村井さんを激励していた。村井さんは「こういった感謝状は初めて。活動10年くらいで、いただいて良いのかなと思う」と控えめに話していた。
(4月に鳥獣害対策チームを設立:東京)
野生のイノシシや鹿の皮革製品の販路を拡大しようと、産地と販売先を結びつける取り組みが4月から始まる。皮をなめす山口産業(株)(東京都墨田区)や、狩猟サミットを手掛ける特定非営利活動法人(NPO法人)日本エコツーリズムセンターなどが連携した。野生獣の皮革製品市場をつくることで、農山村と都市双方に収益が生まれる仕組みにする。事業名は「ラセッテーアライアンス」。「ラセッテー」とはなめしの技術を指し、「アライアンス」とは英語で同盟という意味があり、なめした革をチームで普及していこうという思いを込めた。鳥獣害に悩む自治体や猟師など産地と、皮革のデザイナーや小売店、百貨店などが参画する。鳥獣捕獲に取り組む産地は増えているが、肉は利用しても皮は活用されずにほとんどが廃棄されているのが実態だ。このため産地から「捨てるのはもったいないので、なめしてほしい」との要望が山口産業に殺到。同社がなめした枚数は2014年は1043枚と、11年の5倍以上に増えた。ただ、革にはしたものの、産地からは「売り先がないので紹介してほしい」との電話が連日のように同社に入り、野生獣の皮革を販売したい小売店からも「どこで野生獣の皮革を入手できるのか」といった問い合わせが相次ぐようになった。そこで同社専務の山口明宏さん(47)が、獣害対策で地域活性化を目指す日本エコツーリズムセンターなどに呼び掛けて「ラセッテーアライアンス」を結成。現在はデザイナー3人、小売店10社と約20の産地が参加する見込みで今後、募集を本格化させるという。流通面でも課題がある。野生獣の皮をなめすことができる国内工場は限られていることから、全国5カ所になめし工場を建設するため、全国調査に入る計画だ。良質な革に仕上がるよう、産地に出向いて「皮はぎ講習会」も実施する。山口さんは「野生獣の皮革製品を扱う店や地域はあるが、まだ点の存在。チームをつくって売り先を確保できれば、なめしも進み、捕獲への意欲が湧いてくる産地も増えるはず。鳥獣害対策をビジネスとして成り立たせたい」と展望する。同センターの共同代表、森高一さん(47)も「しなやかで肌触りが良いなど野生獣の皮革ならではの特長がある。発信力が付けば人気は出る。暮らしの中で、もっと皮革製品を使ってもらえるようにしたい」と意欲を語る。
(イノシシ肉使ったジビエ料理に舌鼓:栃木)
イノシシやシカなどの獣害対策を学ぶフォーラムの一環で、イノシシ肉を使った料理の実演が宇都宮市の宇都宮大であった。フランス料理のシェフによる本格的な料理が振る舞われ、研修を重ねてきた参加者らは、舌鼓を打ちながらジビエ料理の可能性を学んだ。メニューは、イタリア風赤ワイン煮込みと根菜を使ったポトフ。宇都宮市の料理店「ジョワ・デ・サンス」で料理長を務める山本康之さんが参加者の前で調理した。山本さんは「家庭では扱いにくい肉だが、肉質は想像以上に柔らかい。ジビエ料理なので、においを残しながら丁寧に調理できれば可能性はある」と評価した。野生動物管理学が専門の宇都宮大講師、小寺祐二さんは実演前に行った講義の中で、イノシシ肉は売れる部位が限られ、加工品の利益が少ないといった課題を指摘。「目的はあくまで農作物の被害対策。捕獲が目的化すると成功は難しい」と注意を促しつつも、「品質を上げて値段を高くするなど売れる仕組みが必要。課題を克服すれば黒字の可能性はある」と助言した。フォーラムは地域で獣害対策を担う指導者の育成を目的に、県と宇都宮大の研究機関「雑草と里山の科学教育研究センター」が主催。一般向けに昨年八月から開かれた地域リーダー育成研修会の修了認定式も兼ねて行われ、修了者や鳥獣管理を担当する自治体職員など約六十人が参加した。
(オリジナルのジビエ料理開発:徳島)
三好市観光協会と市内のホテル・旅館7社は、シカやイノシシなどの野生鳥獣の肉(ジビエ)と、地元食材を組み合わせたオリジナル料理を開発した。各宿泊施設では「大歩危・祖谷の地美栄(じびえ)」と銘打ち、メニューに加える。観光協会は「山深い三好市ならではの観光資源に」と期待している。考案したのは、渓谷の隠れ宿祖谷美人、ホテル祖谷温泉、ホテルかずら橋、ホテル秘境の湯、サンリバー大歩危、ホテル大歩危峡まんなか、旅の宿奥祖谷。シカやイノシシの肉は、昨年8月に同市東祖谷新居屋に完成した有害鳥獣の解体加工施設「祖谷の地美栄」が提供した。同市西祖谷山村尾井ノ内のホテル秘境の湯での試食会では、シカ肉の丼、シシ肉つみれのキノコ煮込み、シカ肉とそば米のクリームコロッケなど、各料理長らが腕を振るった12メニューが登場。独特の匂いや臭みを抑えるため、みそ漬けにしたり、ワサビと組み合わせたりと工夫を凝らしており、観光、行政関係者ら約40人が舌鼓を打った。「有害鳥獣の駆除と、ジビエ料理の地産地消が両立する」「レシピを公開し、共通メニューとして売り出しては」といった意見が出された。観光協会などはジビエ料理に着目し、昨年9月から地元食材を活用したメニュー開発に取り組んできた。既に各施設で提供されているものもあり、残りも順次取り扱いが始まる。

TOPへ

3/26
(出没のサル捕獲:佐賀)
佐賀市中心部に出没していた野生のサルが23日夕、捕獲された。民家の床下に潜んでいたところを、わなを仕掛けて取り押さえた。サルは市の担当者が人里離れた山中に帰したという。捕獲されたサルは体長約60センチ。市中心部の住宅街で16日に目撃され、その後行方がわからなくなっていたが、21日朝、同市高木瀬東の住民から「家の床下にいるようだ」と通報があった。市がイノシシ用の箱わなを仕掛けたところ、23日夕に捕獲された。市農業振興課は「だいぶ振り回されたが、住民にけががなくて良かった」と、ほっとしていた。
(射撃場の鉛散弾、新年度から除去へ:佐賀)
伊万里市大川内町の市営散弾銃射撃場に大量の鉛散弾が放置されている問題で、伊万里市教委は25日、土壌調査した計62カ所のうち48カ所で基準値を超える鉛を検出したことを明らかにした。17カ所は基準値の10倍以上、最高で130倍を超える高濃度で、鉛が溶出する可能性も高いとしている。新年度から鉛散弾除去に着手する方針だが、処理費用が億単位になるとみられ、課題は山積している。散弾銃射撃場環境対策検討委員会(委員長・樋口壮太郎福岡大院教授)に報告した。本年度は射撃場内の土壌(深さ50センチ)や、表流水と地下水の水質、周辺部の地質(深さ10メートル)などを調べた。射撃場内は散弾を全く除去していないことから高濃度の鉛が検出され、最も高い地点では含有量で基準値の133倍、溶出量で170倍となった。現地は酸性土壌の自然環境で、鉛が溶出する危険性が高いことも指摘された。水質は、表流水を4回、地下水を2回調査し、ともに基準値を超える回があったが、委員会は「下流にはあまり影響がない」と評価した。今後も雨期のモニタリング調査を継続することを求めた。市教委は鉛の濃度の高い約4万平方メートルの表土を取り除く案を提示した。汚染土壌を処分するには高額な費用が予想されるほか、斜面を削るため森林機能の低下なども課題に挙げられる。委員らは、土砂の流出を防ぐ沈殿池の造成や、汚染土壌を場外に持ち出し処理せず射撃場内で安全に保管することなどを提案した。樋口委員長は「コストが最少で、最も合理的な対策をつくるべき」とした意見をまとめ、状況を判断しながら段階的に作業を進めていくよう要望した。
(湿原のシカ、20年前の3倍増:北海道)
湿原内にシカ道(シカの歩いた跡)が大幅に延び、植生に影響を与えていることを踏まえ、2014年度第2回釧路湿原エゾシカ対策検討会議が24日、釧路地方合同庁舎で開かれた。足跡や採食跡で確認されていた湿原内のエゾシカの増加が、ヘリによる航空機調査で湿原全体で満遍なく、20年前に比べて3倍程度には増え、湿原核心部でも大きく増えたことが裏付けられたと報告された。
(“うり坊”受難の冬:石川)
白山市中宮の山毛欅(ぶな)尾山(標高一、三六五メートル)南側斜面で確認されていたイノシシの群れが姿を消した。同市尾添の県白山自然保護センターブナオ山観察舎職員によると、子どものイノシシはえさ不足や雪崩で全滅したらしい。観察舎の記録を見ると、昨年十二月十九日に十一頭のイノシシの群れを確認。うち六頭が昨年春に生まれたという。ことし一月ごろまでは親子の元気な姿が連日のように確認されていたが、少しずつ数が減り、二月十八日に群れの最後の一頭が見られたのが最後だった。観察舎からは、がりがりにやせ細った若いイノシシの写真が二月に撮影されているほか、子どもの遺がいをキツネやテンが食べる姿も見られている。センターなどによると、今冬は三月十二日に今冬最高の積雪(三四〇センチ)を記録するなど、積雪状況が例年と違い、えさを見つけることが難しかったらしい。観察舎での確認では、二年ぶり二度目の珍客・ニホンジカの若い雄も冬を越えられなかったという。
(食害深刻化、野生シカの管理へ:静岡)
富士山麓(さんろく)などで深刻化する野生動物の食害をめぐり、ニホンジカの管理に関する報告会が、富士市であった。行政機関や猟友会、NPOの関係者ら約150人が参加し、シカの効果的な捕獲などについて意見交換した。野生シカは、富士山麓で約1万8000頭が生息。県などは、来年度までに約1万4300頭に減らす目標を立てている。静岡森林管理署は、山麓の国有林での被害や取り組みを説明。今年度は、餌でおびき寄せる狙撃やわなで359頭を捕獲したことを報告した。枝沢修署長は「県や市町などと連携し、シカの抑制を進めたい」と語った。NPO法人・若葉は狙撃の実務と効果を、独立行政法人・森林総合研究所は捕獲の際の安全管理などを報告した。県森林・林業研究センターの大橋正孝氏は、富士宮市の関係者で作る協議会の活動などを紹介し、研究者や捕獲技術者らの協力態勢と役割分担などを説いた。
(野生動物対策報告会を実施:長野)
軽井沢町は3月23日、「軽井沢町野生動物対策報告会」を町中央公民館で開いた。町内の野生動物に関する活動や現状を町民に伝えることが目的で、約90人が参加した。町からの委託を受けて活動するNPO法人「ピッキオ」とNPO法人「生物多様性研究所あーすわーむ」、軽井沢町猟友会、町のサル追い隊がそれぞれの取り組みなどを発表。外来種のアライグマなどの対策にあたる「あーすわーむ」の福江佑子さんは「複数の野生動物に対応できる柵など、より効果的な措置を考えていく必要がある」。ニホンザルの追い払いを行う有害鳥獣対策専門員の藤原秀さんは、「駆除や追い払いだけでは完全ではない。野鳥の餌は適量を置く、外から見える場所に食べ物を置かないなど、ひとりひとりの注意が必要」と呼びかけた。質疑応答では様々な質問や要望が挙がり、長倉地区からの参加者は「自宅近くに仕掛けられた罠にかかったイノシシの鳴き声がうるさくて眠れないことが何度もあった。対策を講じてほしい」と意見を述べた。町役場観光経済課の山浦農林係長は、「広報などを通じて個別の活動を報告することはあるが、野生動物全般の対策を町民の方に直接伝える場を設けるのは初めて。自然豊かな軽井沢にとって野生動物との共存は避けられない問題なので、今後も続けていきたい」とした。
(数千羽のカラスに悩まされる長岡駅:新潟)
新潟県・長岡駅周辺では、数千羽ものカラスの大群に悩まされているという。長岡駅の新幹線ホームの天井が、カラスのねぐらになっており、フンの被害もひどい有り様だ。これには、プロ・ナチュラリストの佐々木洋氏も「ちょっと異様な光景ですね」と、驚きを隠せなかった。佐々木氏は、「新潟県だと、カラスより強いハヤブサとかオオタカとか天敵がいますよね。(駅の構内には)そういったものも入ってこないし、何より暖かいんですよね」と、ホームの天井がカラスにとって最善のすみかであると説明している。従来のカラスは数十羽で一斉にエサをあさり、ゴミをまき散らす“大集団”型だったが、近年ではフォーメーションが変化。早められたゴミの回収に合わせ、より短時間でエサを効率的に取れるよう、機動性を重視した“少数型”で行動するようになったという。カラスが自動車を怖がらなくっているのも大きな変化だ。車がすぐそばを通過しても動じず、大胆にも道の真ん中に居座ったりするという。また、人間の顔を識別して、攻撃したりフンを落としたりするのだとか。また、カラスが電線に逆さまにぶら下がって、遊ぶようすが見られることも増えてきているようだ。これまでの認識からは考えられない、非常に珍しい行動だという。佐々木氏は、「生活に余裕がある生き物には、遊びがある」とコメントしている。
(道知事感謝状、野生野獣保護に尽力:北海道)
北海道猟友会伊達支部の副支部長、豊浦部会長で、鳥獣保護員、自然保護監視員の黒澤鐵也さん(71)が、2014年度(平成26年度)の道知事感謝状・野生鳥獣保護功労に輝いた。伝達式は23日午後、豊浦町役場であった。村井洋一豊浦町長ら幹部が同席する中、胆振総合振興局の永浦政司環境福祉長から表彰状を受けた。黒澤さんは1971年(昭和46年)まで農業を営みハンター歴50年のベテラン。2004年(平成16年)に西胆振消防組合伊達消防署豊浦支署の副支署長を最後に退職後は、鳥獣保護員として月に最大10回程度出動し、傷ついた鳥獣の保護や狩猟期の巡視、ハンターへの安全指導に取り組んできた。猟友会の立場では、有害駆除出勤時の会員への指導、駆除に尽力。06年以降は自然保護監視員として担当する町内の静狩礼文華、東雲町の天然保護樹木「大久保の栗」、洞爺湖町清水の亮昌寺周辺などの監視業務を続けている。黒澤さんは「大変ありがたい話しです」と晴れの受賞を喜んだ。同功労は14年度全道の18人が受賞、胆振管内は黒澤さんを含め2人。
(野生動物の食肉処理加工施設が完成:和歌山)
和歌山県古座川町は同町月野瀬に、野生動物の肉「ジビエ」を解体・加工する施設「町鳥獣食肉処理加工施設」を完成させた。公営施設としては県内で日高川町に続いて2例目。農作物に被害をもたらす有害鳥獣であるシカやイノシシの肉を「山の恵み」として活用し、町の特産物にする。4月中に稼働する予定。施設は木造平屋で、延べ床面積が約125平方メートル。総事業費は6786万8247円。国の補助などを活用して建てた。県内最大規模で、最新の機械を導入。シカやイノシシを年間約千匹扱うことができる。町産業振興課によると、全国の優良施設を見学し、専門家から助言を受け、衛生管理を徹底した設計にしたという。水害対策として2・7メートルかさ上げしている。加工肉は地域に特産品として根付かせ、都会にも売り出す。作業工程は、初めに施設の外にある搬入口で、捕獲した動物を天井のレールに取り付けた電動ウインチでつるす。寄生虫を処理するため表面を焼き、高圧洗浄機で洗う。一次処理室で電動皮剥機を使って皮を剥ぎ、内臓を摘出。冷蔵庫で一定期間、低温で熟成させ、二次処理室で加工する。作業工程によって、それぞれ部屋を分けるなど衛生面に配慮している。運営は町の委託を受け、同町月野瀬の南紀月の瀬温泉ぼたん荘が担う。ぼたん荘は町と協力してジビエバーガーを開発し、懐石料理を販売する準備を進めるなどジビエ料理の開発に力を入れている。22日に竣工(しゅんこう)式が開かれ、武田丈夫町長が「農林作物に被害を及ぼすイノシシやシカを山の恵みと捉え、町の特産品にする。古座川を代表する味覚としてジビエを提供できれば」とあいさつした。関係者や招待者によるテープカットの後、施設の内覧会があり、町の担当者が作業工程や導入した機械について説明した。その後、近くのぼたん荘で、ぼたん荘が開発している和食のジビエ料理6種類の試食会があった。出席者は「あっさりしていておいしい」などと舌鼓を打った。町鳥獣食肉処理加工施設は、肉の搬入や加工の体制が整い次第、運営を始める。町は古座川ジビエ振興協議会を発足させており、食用だけでなく革製品やドッグフードなどの他の活用法も探っていく。専門家を招いた講習会も開く予定。
(石破氏、ジビエ普及へ旗振り)
イノシシやシカ、キジなど野生鳥獣の食肉「ジビエ」の普及を目指す自民党の「鳥獣食肉利活用推進議員連盟」の総会が25日、党本部で開かれた。会長の石破茂地方創生担当相は「『うまい』と分かってもらわなければ仕方がない」と指摘。4月にも党本部でジビエ料理の試食会を開く考えを示した。同議連は2月に発足。ジビエの普及を後押しすることで、農作物の被害を抑えるとともに、地域活性化につなげたい考えだ。石破氏は課題として、安定した供給体制構築やハンター確保などを挙げた。
(鹿やイノシシ野生獣皮が「資源」に生まれ変わる)
鹿やイノシシによる農業被害が増える中、捕獲された野生獣皮の有効活用や地域活性化支援の取り組みが広がっている。最近はエゾシカやイノシシなどの野生鳥獣を使ったジビエ料理が注目を集めているが、野生獣皮の資源化にも期待が集まっている。田畑や森林で被害を与える鹿やイノシシは、有害獣として全国の市町村で捕殺処分され、廃棄処理されている場合が多い。岡山県吉備中央町で捕殺されたイノシシは、皮革材料として活用され、平成24年に設立した生活用品ブランド「KIBINO(キビノ)」の製品に生まれ変わっている。ルームシューズ、ティッシュケース、名刺入れやチャームなど約30種類。岡山市や同町の障害者就労支援事業所3カ所で、手仕事を生かした風合いのある製品作りをしている。障害者の自立支援の一環として支援事業所の商品開発などを行う岡山県セルプセンター(岡山市北区)が中心となり、有害獣として捕殺されるイノシシの皮の活用を発案。農商工連携の県のモデル事業に採択され、ブランド化にこぎつけた。同町で捕獲されたイノシシの皮を猟師が剥ぐ。その後、東京都墨田区で皮革のなめしや染色を手掛ける「山口産業」に送られ、なめされる。山口産業は20年、北海道や島根県から持ち込まれたエゾシカやイノシシのなめし加工を手掛けたことをきっかけに有害獣の皮を扱うようになった。以降、口コミで全国から相談が寄せられるようになった。同社専務の山口明宏さんによれば、イノシシの皮は体を覆う硬くて太い毛を支えているため、摩擦に強い革に仕上がり、バッグなどに向く。一方、鹿皮は表皮が薄い分、柔らかく、羊革に近い特徴を持つという。ただ、野生の鹿やイノシシの体には傷も多く、加工しても消えない。山口さんは「傷一つない革製品を求める消費者が多く、普通に売ればクレームの原因となりうる。地域がブランド化を図り、付加価値を高めるしかない」と指摘する。25年、同社や加工を依頼してきた地域、自然保護活動を行うNPO法人などが実行委員会を組織。廃棄される獣の皮を有効活用することでブランド化を図り、地域活性化と雇用機会創出を目指す「MATAGI(マタギ)プロジェクト」を立ち上げた。獣皮のなめし加工を手掛ける一方、革にしたときの品質を高めるための皮剥ぎの方法などを講習会で情報発信している。取り組みは広がっており、同プロジェクトを通じてなめした皮の枚数は25年の831枚から26年は1043枚に増えた。「鹿やイノシシの革で製品を作ってみたい」と手を挙げるデザイナーやメーカーも。同プロジェクトのイベントでなめし工程を見学した革作家、加藤キナさんは「鹿革の風合いの柔らかさに驚いた。手に入るルートがあればぜひ使いたい」と話す。なめし加工依頼の増加に対応するため今後、全国5カ所でなめし工場を整備。デザイナーやメーカー、小売店との連携組織を立ち上げる。鹿やイノシシによる農作物などへの被害は深刻だ。農林水産省によると、調査を始めた平成11年度以降、被害額は年間200億円前後で推移し、25年度は199億円で鹿・イノシシ・猿が全体の約7割を占める。環境省推計では、23年度のニホンジカ(北海道を除く)の生息数は元年度比8.8倍の261万頭に、イノシシは同3.5倍の88万頭に増加。一方、24年度捕獲数は鹿が46万頭、イノシシは42万頭にとどまる。このため、鳥獣保護法を改正した鳥獣保護管理法が今年5月に施行。35年度までに鹿とイノシシを半減させる目標を掲げている。
(ジビエ祭、みやこでイベント:福岡)
野生のシカやイノシシ肉をさまざまな料理で提供する「第1回みやこジビエ祭」が28、29日にみやこ町犀川本庄の町犀川支所前で開かれる。29日午後6時からは支所隣の体育館で、ジャズピアニストの辛島文雄さんのトリオと、ボーカルの阿川泰子さんのコンサートを予定している。主催はみやこ観光まちづくり協会。昨年まで別々だったイベントを同時開催し、集客をはかる。28日は午後3時、29日は午前11時に開会。ジビエを使った空揚げやラーメン、お好み焼きなどの屋台13店が出店し、29日は午後3時までイノシシの丸焼きやイノシシ汁が無料で振る舞われる。
(地場産シカ肉をギョーザに:北海道)
苫小牧市植苗のラーメン店「味の大王 総本店」は4月上旬から、植苗など東胆振のエゾシカ肉を使ったギョーザを販売する。東胆振では加工場がないことなどからシカ肉活用の動きが広まっていないが、高橋浩一社長(47)は「地域の資源で、観光客にも喜ばれる」と話す。シカ肉をジビエ(野生動物の肉)としてブランド化しようと、市内の他店が使えるのぼりも作っている。高橋社長は「東胆振でも農林業被害を防ぐためのシカ駆除が進んでいるけれど、ほとんどが埋蔵され、有効活用が進んでいない」と話す。栄養素が豊富で低カロリーであることや、道外観光客からの注目度が高いことに着目し「飲食店がおいしく提供することが消費拡大につながる」と昨年10月に活用法を考え始めた。ラーメン店ならではのメニューとしてギョーザを開発すると決め、香味野菜と香辛料の配合を工夫して今月、完成させた。中江友紀店長(31)は「独特のうま味と歯応えがある」とアピールする。6個380円で、取り組みに賛同した大町のギョーザ店「鐵(くろがね)」も同じ時期から取り扱う。道によると、道内で捕獲されるエゾシカ年約13万頭のうち、食肉加工されるのは約2万頭。加工場のない地域では多くが埋葬されているという。味の大王は北広島の業者から、地元の植苗をはじめ東胆振産に限定して年約40キロを仕入れる。市内には「シカ肉に興味があり、メニューを開発中」という飲食店主もいる。高橋社長は「取扱店が増えれば流通もスムーズになる。のぼりやチラシで『苫小牧ジビエ』と銘打って、地場産シカ肉をブランド化させたい」と話している。

TOPへ

3/23
(傷害容疑で男逮捕、シカよけネット抗議して口論:京都)
近所の女性を殴りけがを負わせたとして、京都府警福知山署は22日、傷害の疑いで、京都府福知山市榎原の自称トラック運転手、山口一彦容疑者(48)を現行犯逮捕した。同署によると、容疑を認めている。現場には女性の夫(80)も意識不明の状態で倒れており、搬送先の病院で死亡が確認された。同署は夫への暴行についても、殺人や傷害致死容疑の適用を視野に捜査している。逮捕容疑は22日午前9時45分ごろ、自宅付近の路上で近所の女性(77)の顔を殴るなどし、けがを負わせたとしている。女性は1週間の入院。同署によると、山口容疑者と夫婦は隣人同士。夫婦が道路沿いにシカよけのネットを設置した際、山口容疑者が、「車で通行しにくい」などと抗議し口論になり、犯行に及んだという。同日午前10時20分ごろ、夫が倒れているのを見た近隣住民が119番した。
(クレー射撃W杯、中山は予選敗退)
来年のリオデジャネイロ五輪予選を兼ねたクレー射撃のワールドカップ(W杯)アルアイン大会は21日、アラブ首長国連邦のアルアインで行われ、女子トラップの中山由起枝(日立建機)は予選7位で、上位6人による決勝に進めなかった。
(クレー射撃W杯、大山は予選敗退)
来年のリオデジャネイロ五輪予選を兼ねたクレー射撃のワールドカップ(W杯)アルアイン大会は22日、アラブ首長国連邦のアルアインで行われ、男子トラップの大山重隆(大山商事)は予選53位に終わり、上位6人による決勝に進めなかった。
(高校の敷地内でクマ2頭目撃:山形)
17日午後8時20分頃、山形市飯田の山形明正高校の敷地内で、クマ2頭が目撃された。けが人はなかった。山形県警によると、クマの目撃情報が寄せられたのは今年初めて。山形署の発表によると、いずれも体長約1メートル20で成獣とみられる。同校でフットサルの練習をしていた子供を車で迎えに来た男性が、体育館横のゴミ箱をあさるクマを目撃した。クマに向かって車のライトを点滅させると、南西方向の山中へ逃げていった。校舎付近は山間部で、民家が点在している。同校は18日朝、生徒に注意喚起を行い、同署もパトカーを出動させて周辺住民に注意を呼びかけている。
(クマ出没、当面は監視と警戒で対処:北海道)
大山町4丁目の住宅街近くで親子クマが目撃されてから2日後の19日、紋別市は紋別猟友会のヒグマ捕獲従事者5人と意見交換会を開き、当面は駆除活動を見送り、クマの動向を監視するとともに、地域住民に対しては充分に警戒するよう呼びかける方針を固めた。目撃現場は住宅街に近く、駆除活動に刺激されたり手負いとなったクマが住宅街方向へ突進した場合、発砲できず、さらに危険な状況に陥ることが懸念されるため。付近のパトロールは続け、万が一の際には対処する。紋別市によると親子クマは17日午後2時ごろ、大山町4丁目の国道238号線バイパスから大山山頂方向へ約200メートル進んだ林の中で目撃された。18日に付近を調べたところ、ここから約150メートルほど市街地側にクマと思われる足跡も見つかっている。クマの親子が目撃された位置は民家から約200メートルと近く、北海道によるヒグマ対応マニュアルに照らすと、被害発生前の危険度としては3段階のうち最も高いレベルに相当するという。生ゴミ等の味を覚えると、繰り返し住宅街へ出没する可能性があり、危険性は一気に高まる。いっぽう19日の意見交換会では、住宅街の近くにクマがいるという現状のリスク以上に、駆除作戦に失敗した場合のリスクがはるかに大きいとして、当面は積極的な駆除を行わない方向で意見がまとまった。巣穴の開口部が住宅街へ向いており、クマが巣穴から突進した場合、数十秒で住宅街へ到達してしまい、その後の対応が難しいためという。逆に山の方向へクマが進行したとしても、斜面が緩く、すぐに遠くへ逃げてしまうため、やはり銃弾を命中させるのは難しい。ハンターの1人は「斜面が立っていれば撃ちやすいが、ここでは難しい。もしもクマが迫ってきたら撃たざるを得ないが、冷静さを保つことはできず、人や民家に弾が飛んだら大変。住宅街まで走られたら終わりだ」などと話していた。また、この親クマは5~6歳のメスと見られ、数年前からこの場所にいた可能性が高いという。こうした声を受けて市側でも当面はクマの動向を見守る方向で検討している。いっぽう市民に対しては、クマの存在を知らせ、クマによる危険性を避けるため必要な事柄について、住民説明会を開くなどして周知する考え。クマの嗅覚は人間に比べてはるかに優れているため、特に生ゴミ等の取り扱いについては「袋の口をしっかり縛り臭いがもれないようにする」「ゴミは収集日当日の朝に出す」などの対処を呼びかける。また漬物(アルコール)や揮発油など臭いの強いもの全般に興味を示すため、そうしたものを屋外に放置しないことも、クマを引き寄せない対策になるという。なお市では現場を含む比較的広い範囲で立ち入り制限を実施する考え。すでに注意看板の設置を始めている。
(シカの侵入阻止へ、専門家が近く調査:北海道)
国交省新千歳空港事務所は、新千歳空港の滑走路や誘導路付近へのエゾシカの侵入を防ぐため、対策に乗り出す。地元猟友会と連携するほか、生態に詳しい専門家などによる現地調査も近く実施する予定。調査結果を基に侵入防止策を検討する構えだ。新千歳空港では3日午後7時すぎ、誘導路付近にエゾシカ7頭が侵入しているのを航空会社の地上作業員が発見した。作業員から連絡を受けた同事務所は、追い払うため同30分ごろに2本の滑走路を閉鎖。車両9台を出動させてシカを追った。同時に隣接する航空自衛隊千歳基地に同基地滑走路の開放を要請し、午後8時10分に運航を再開。同空港発着の2便が欠航し、33便が遅延した。全てのシカが追い出されたのは4日午前2時半ごろ。しかし同5時ごろには再び滑走路付近に5頭のエゾシカがいるのが見つかり、再び車両が出動した。調査では、滑走路と敷地を囲むフェンスに切れ目や破れはなく、侵入経路は判明していない。跳躍力があるため、高さ約2メートルのフェンスを跳び越えた可能性があるという。新千歳をはじめ全国の空港では野鳥が機体にぶつかるバードストライクを防ぐためパトロールを実施している。鳥がいた場合は空砲で威嚇するなどして対応するが、新千歳空港でのシカ侵入の事例はごく少なく、侵入時の車両出動を目的とした庁内の連絡にとどまっていた。道内では近年、エゾシカが増加している。今後も同様のケースが空港で発生する可能性は高い。同事務所は運航に影響があった今回の事案を受けて、対策の検討を開始した。対策は千歳市、苫小牧市、道とも協議し、シカの侵入時に各自治体の猟友会員に出動を依頼するよう調整中。追い払うために威嚇してもらうよう、体制づくりを進めている。北海道猟友会千歳支部事務局は「まずは威嚇して追い払うことが前提。どうしてもその場を動かない場合など、周辺への安全性を確認した上で駆除もあり得る」と話す。同事務所は今月中に専門家を招いた現場調査を実施する予定だ。高速道路でシカ侵入対策に取り組む人や、生態に詳しい研究者などがフェンス周辺などを調査する。シカが侵入しやすい箇所や問題点があれば、改善点や課題の調査結果をリポートにまとめ、提出してもらう。今後の侵入防止策に活用する考えだ。同事務所では「現地調査の結果を空港の安全対策に生かしたい」としている。
(トンネル内でシカのんびり、列車2時間進めず:北海道)
18日午前11時40分ごろ、上川管内南富良野町のJR根室線で、滝川発釧路行き普通列車(2両編成)が全長2・2キロのトンネル内に迷い込んだシカに進行方向をふさがれ、約2時間にわたりトンネルから出られなくなった。乗客15人が乗っていた。
(140キロ大イノシシ駆除:徳島)
佐那河内村職員の上野浩嗣さん(42)=県猟友会佐那河内地区会員=が、同村下の山中で体長1・4メートル、体重140キロの雄の大イノシシを仕留めた。山周辺ではイノシシによるタケノコの食害や、墓石が倒されるといった被害が村役場に寄せられており、上野さんは猟期最終日(15日)を前に、休暇を取って入山。すぐに猟犬が大イノシシを発見し猟銃1発で倒した。大イノシシは5歳以上とみられ、同行した猟友5人掛かりで運んだ。上野さんにとっても猟歴7年余りで、最大の獲物となった。この後、現場近くの山で88キロの雌の大物も仕留めた。上野さんは「背中の毛を逆立てて迫ってきた時は恐ろしかった。村内の被害が少しでも減れば」と話している。
(民家にイノシシ、門扉破り逃走:栃木)
18日午前8時31分ごろ、高根沢町花岡の民家から「イノシシが庭先で暴れている」と110番があった。さくら署によると、イノシシは体長約1メートル。警官が現場に到着したところ、アルミ製の門扉を突き破って西へ走っていったという。けが人はなかった。同署と町で捜索している。現場は民家のまばらな田園地帯だという。
(イノシシ捕獲:栃木)
さくら署によると、21日午後6時15分ごろ、高根沢町寺渡戸で、体長約1メートル、体重約50キロのオスのイノシシを捕獲した。現場付近は田園地帯という。同署によると、同日午後5時15分ごろ、同町平田でイノシシを目撃したとの申告があり、同署員や町職員らが周辺を調べていた。けが人はないという。
(増えすぎイノシシ、自治体悩ます:福島)
福島第一原発事故の避難指示区域周辺の自治体が、有害鳥獣として駆除したイノシシの処分に苦慮している。肉から基準値を超す放射性物質が検出されるようになり、食用にできなくなった。保管場所は不足し、埋設・焼却処分もスムーズに進まない。原発事故後、イノシシは増えているとの推計もあり、対策は厳しさを増している。
(内子町のライフル競技場、当初案に工事費など:愛媛)
内子町は、特設ライフル射撃場建設を2015年度に計画しており、当初予算案にSBR(スモールボアライフル)射撃場建設工事費に1億1815万円、同工事監理委託料などに371万円を計上している。
(ハンター確保に本腰:神奈川)
農作物の被害が深刻な有害鳥獣への対策として、松田町は4月から、狩猟免許取得にかかる費用の全額補助を始める。2015年度の鳥獣防除対策費232万円に関連費を盛り込み、次世代ハンターの呼び水にしたい考えだ。松田町によると、シカやイノシシなどによる農作物の被害は松田町内で年間約60万円(2・7トン)。足柄上地域の1市5町でも年間560万円(9・5トン)だが「報告されているのはほんの一部。実態は非常に深刻」だという。収穫直前の農作物が被害に遭うことで営農意欲をそがれ、耕作放棄の引き金にもなるといい「報告するのも面倒なのが実態」と嘆く。県の管理捕獲で年間約100頭のシカを捕獲する松田町内では、神奈川県猟友会足柄上郡支部(中野博支部長)のメンバー23人が年3回の集中捕獲を担うが、農作物への被害は後を絶たない。同支部では「ハンターの高齢化や法改正による狩猟免許更新の厳格化が重なりピーク時に180人いた会員が95人まで減った。いずれは駆除が追いつかなくなる」と警鐘を鳴らす。狩猟には都道府県が発行する狩猟免許と登録が必要で免許取得の試験がある。 猟具の種類に応じて網猟、わな猟、第1種銃猟(銃器・空気銃)、第2種銃猟(空気銃)の4種類の免許があり、神奈川県では年4回試験がある。免許取得には約1万5千円の費用が必要で取得から3年毎に更新のための実技講習がある。松田町では、従来は「わな猟」だけを対象としていた狩猟免許取得費の半額助成を2014年度から銃猟免許にまで広げ、15年度からは全額補助へ強化する。町の補助制度で昨年秋に銃猟免許を取得した高校教諭の桐生海正さん(25)=松田町寄=は「祖父がイノシシ被害に苦慮するのを見て2年前にわな猟免許を取った。シカ被害やヤマビルの実態を見て銃猟免許も必要だと考えた」と話す。現在は猟期の日曜日を中心に山へ入り、猟友会員として県の管理捕獲にも参加している。鳥獣による食害対策は、猟による駆除のほか、餌場となる山の本来の姿を取り戻す取り組みも不可欠だ。国や県による包括的な強化も求められるところだ。
(カピバラ、県が有害鳥獣指定:沖縄)
全国ネットでも放送された「稲を食べるカピバラ」。観光施設から逃げ出したとみられ、石垣島の温暖な環境下で野生化し、稲を食い荒らしている。市の申請で県が18日付で有害鳥獣に指定したのを受け、石垣市は猟友会と連携し、カピバラの捕獲に乗り出す。カピバラは南米アマゾン川に生息するネズミの仲間で、体長1・3㍍、体重60㌔以上に成長する地球上に存在する最も大きいネズミといわれる。野生化しているカピバラは名蔵地区に生息しているとみられ、現地の水田で水稲に被害が出ている。名蔵大田原に水田がある豊川善一さん(75)=登野城=は18日午後、水田でカピバラを発見。「最初はイノシシかと思った」というほどの大きさだったといい、3本指の足跡と刈り取った跡のように食べられた稲を確認した。「浅いところが歩きやすいのか、食われた所は全部浅いところ」と順調に育った稲の被害に肩を落とす。先月、植え付け前の稲が被害に遭った上地国博さん(74)は「稲は植え付け後40~50日で根切りのために水を抜く。水田が乾いた状態の時にカピバラにやられると致命的」と話した。市農政経済課によると、カピバラはこれまで有害鳥獣の指定外。被害農家から捕獲依頼があったが、対応できずにいた。だが、野生化し、農作物に被害が出ている現状を受け、県が有害鳥獣に指定したことで、1年間捕獲が可能になった。市はクジャク用の箱わななどで捕獲を計画。九州でカピバラを飼育している施設から習性や好物などを聞き、準備を進めている。だが「クジャク用のわながカピバラにどこまで有効なのか分からない」(市担当者)としている。八重山保健所では「捕獲の設備やノウハウなど協力できる所はある」と市からの協力要請があれば応じる構え。捕獲した場合、島外の施設が引き取りを希望している。カピバラは移動すると捕獲が難しくなるだけに、稲の根切り時期も合わせ、早めの捕獲が待たれる。
(30人総出で獣害ゼロに:広島)
広島県の中央部に位置する人口30人の世羅町横坂集落が、イノシシの侵入防止柵を設置するなど、農家でない人も含めた住民総出の対策で獣害ゼロを成し遂げた。地道な積み重ねは、鳥獣害対策の模範事例として中国四国農政局が表彰したほど。県もそうした活動を集落単位から市町単位に広げようと、2015年度予算で支援する計画だ。横坂集落は住民の過半が65歳を超える、高齢化の進む中山間集落だ。農業の担い手不足のため、12ヘクタールある農地の9割は隣の集落の農事組合法人に耕作を依頼しているが、毎年出来秋になるとイノシシによる被害に悩まされてきた。そこで12年度から3年間、県の助成を受けて、農地を囲むように全長6キロの侵入防止柵を設置した。6キロとはいえ、急傾斜の山道は車が入れず、困難を極めた。重さ5キロの柵や鉄くいを住民が担いで登り、柵3000枚を張り終えるまで11カ月かかった。その後、地点ごとに担当者を決め、破れや侵入の形跡がないかを小まめにチェックすることで、イノシシを寄せ付けない集落となり、被害は2年間ゼロを維持している。成功の鍵は、農家だけでなく住民全員で協力していることだ。有光哲則さん(75)ら中心メンバーは「農地を農事組合法人に預けたからといって、管理も任せてはいけない。農地が荒れれば、自分たちの集落が埋没することになる」と危機感を訴え、協力を呼び掛けた。農地を預かる隣集落の農事組合法人・稔の代表、宇坪實さん(60)も「法人だけでは労力面で獣害対策まで実施するのは難しかった。地元の協力があったからこそ、今がある」と感謝する。県は、横坂のような県内18のモデル集落に対し、12年度から鳥獣害対策の活動費として集落ごとに3年間で計500万円以内の支援を実施。その結果、県の13年の鳥獣被害額は4億7700万円と、ピークだった11年の8億4800万円と比べて大幅減につながった。 さらに成果を上げようと、県は15年度予算として1655万円を計上。活動費として1市町当たり2年間で計500万円を限度に助成することにした。県は「集落ごとの優良事例をより広範に実践することで効果はもっと高まる」(農業技術課)と期待する。
(「犬猿の仲」利用しサル撃退:鹿児島)
県は2015年度、飼い犬を訓練し、田畑の農作物を食い荒らすサルを追い払わせる作戦に本腰を入れる。「犬猿の仲」を利用した取り組みで、今月13日までの約4か月間、さつま町で犬の養成訓練を行い、5匹に訓練完了証を授けた。県は、この中からテストに合格した犬を「モンキードッグ」として認定し、農作物の被害が出ている地域で作戦を開始させる方針だ。県内ではニホンザル、イノシシ、ニホンジカなどが果物や野菜、水稲といった農作物を食い荒らす被害が後を絶たない。県農村振興課によると、このうちニホンザルによる農業被害額は2013年度、約2200万円だった。特に大隅、熊毛地域での被害が目立っている。そこで県が目を付けたのがモンキードッグ。山口県が山口市内で行った調査では、犬を放した場所から半径200メートル以内にサルが近寄らなくなったとの成果も報告されている。鹿児島県は、志布志市で警察犬や災害救助犬を養成している訓練士村上和喜さん(69)を山口県に派遣。モンキードッグの訓練方法を習得してもらった上で、鹿児島県内での養成訓練の講師役を頼んだ。最初の訓練は昨年11月21日から今月13日まで計16回にわたって実施され、さつま町などの希望者5人とその飼い犬たちが参加。「待て」「来い」「伏せ」の基本動作を確認したり、おりに入ったサルにほえる訓練を受けたりした。自身もジャガイモがサルに食い荒らされる被害に遭ったという同町の農業、平島賢一さん(43)は愛犬「ぽん太」(パピヨンの雄、4歳)と参加した。「訓練を重ねるうちに、言うことをよく聞くようになった。サルと遭遇したら、しっかりほえ、被害を減らしてもらいたい」と期待する。県は15年度、モンキードッグに関する運用指針を策定。作戦を展開する場所を検討する一方、養成訓練を継続して認定犬を増やしていくという。この作戦を進める県自然保護課は「電気柵の設置や威嚇用花火の使用など従来の対策に加え、犬猿の仲をうまく活用して、成果を上げていきたい」としている。
(絶滅寸前の四国のツキノワグマ、仔グマの順調な成長を確認)
WWFジャパンと認定NPO法人四国自然史科学研究センターは、四国の剣山山系で実施しているツキノワグマ調査によって、2013年冬期に生まれた仔グマが親離れをし、1歳まで無事に成長をしている事実を確認しました。これは、わずか数十頭が生き残るのみといわれる四国のツキノワグマが確実に繁殖し、成長していることを裏付けるものであり、個体群の未来と保護活動にとっては朗報です。四国自然史科学研究センターとWWFジャパンは、2012年7月から「四国地方ツキノワグマ地域個体群絶滅回避のための総合調査」を共同で実施し、2014年9月に、親離れしたばかりの1歳のツキノワグマの亜成獣を捕獲しました。そして血液調査などを行なった結果、この今回捕獲した仔グマが、2012年9月から調査・追跡してきた、メスのツキノワグマ「ショウコ」が、2013年冬期に生んだ2頭のうちの1頭であることが明らかになりました。ショウコ親子は2013年4月、冬眠穴で母グマと戯れる生後数カ月の仔グマの様子が観察・撮影され、同年10月にも、林野庁の四国森林管理局が設置した調査用の自動撮影カメラに元気な姿が捉えられていました。さらに今回の捕獲・調査によって、仔グマは立派に親離れし、剣山山中で成長していることが確認されました。仔グマの成長の確認は、絶滅が懸念される四国のツキノワグマ個体群の、確実な繁殖と若い個体の成長を裏付けるものであり、個体群の未来と保護活動にとっては朗報です。また、今回実施した、血液などからのDNA鑑定により親子関係を明らかにする試みは、今後の個体群動態を調べる上で重要な手法になると期待されます。調査では通常、捕獲したクマに発信器を付け、その後の行動を追跡しますが、今回は捕獲個体が幼く小さかったため、調査チームは計測や採血などの作業のみにとどめ速やかに山野に戻しました。調査に携わる四国自然史研究センターの山田孝樹氏は、「生息中心地域で新しく生まれてきた個体が、成長過程とともにどのように周辺地域に拡散していくのかは未だにわかっていない。この課題は個体群の存続と密接にかかわっているだけに、今後積極的に調査してゆきたい」とコメントしています。総合調査では今後も、四国のツキノワグマの生態や行動範囲、さらには生息域の餌資源量の把握を通じ、保護区等に設定すべきエリアの選定や、保全策の実施につなげてゆく取り組みを目指していきます。
(1月、飛来の野鳥増加:滋賀)
県は、今年一月に琵琶湖岸をはじめとした県内の水辺へ飛来した野鳥の数が、前年同期比5・2%増の十六万九千八百四十二羽だったと発表した。今年は四十二種類を観察。クイナ科のオオバンが六万二百七十一羽で過去最高を記録した一方、他の鳥はおおむね横ばいとなった。カモ科は九万九千九百二十九羽で二年連続で十万羽を割った。県自然環境保全課の担当者は、カモ科は近隣府県でも減少傾向にあるとし「原因ははっきりしない」と話している。環境省が実施している全国調査の一環で、毎年一月上旬に実施。今年は一月十一、十二の両日を中心に野鳥の会の会員ら延べ三百人が百七十五カ所で観察した。
(獲物持ち寄り「猟師納会」:岐阜)
昨年十一月からの狩猟シーズンが今月十五日で終わったことを受け、県内で猟を楽しむ人たちでつくる「ぎふハンターネットワーク」のメンバー十三人が二十一日、獲物を調理して持ち寄る「猟師納会」を岐阜市殿町の喫茶店「殿町珈琲(カフェ)」で開いた。ネットワークは猟師や、ジビエ料理が好きな人ら四十人でつくる。会長の岐阜大野生動物管理学研究センター森部絢嗣(じゅんじ)助教(35)らが一年半ほど前に結成した。猟を始めたいと思っている人らに、正しい狩猟の知識や獲物の調理法などを広めるのが目的。ふだんはインターネットのフェイスブックで交流している。エゾシカのロースト、ツキノワグマのすき焼き、イノシシ肉と古代米の炊き込みご飯など多彩な料理が並んだ。「シカ肉はワサビじょうゆで臭みが取れる」「今年は外来種のネズミがよく捕れたな」などと会話も弾んだ。参加した土岐市泉町の公務員小池ますみさん(26)は、わなの免許を持つ「狩りガール」。実家のある揖斐川町で週末に狩りをする。「納会で、命の大切さを共有できたと思う」と話していた。
(ジビエ料理、普及へ交流会:和歌山)
農林水産省が設定した「農山漁村女性の日」(3月10日)に合わせ、由良町の女性が設立した女性の日推進会が同町網代の中央公民館で、ジビエ料理の交流会を開いた。推進会は年1回、地元の漁業や農業の食を通して女性たちが情報交換をしている。今年は、シカやイノシシによる鳥獣害対策に取り組む女性団体「シカレディース」(後藤明子隊長)を講師に招き、推進会会員約50人がシカやイノシシの肉を使ったミカンライスや竜田揚げを作った。推進会の山中紀美子会長(58)は「ミカンの木の葉はシカに、根はイノシシに食べられて困っている。ジビエ料理を普及させて駆除してほしい」と話していた。
(ジビエ推進へ組織結成:兵庫)
シカやイノシシなどの鳥獣害対策に頭を抱える自治体や住民が相次ぐ中、ジビエ(野生鳥獣肉)の推進を目指す組織「加西ジビエ促進委員会」が、加西市にできた。21日に同市内で試食会や交流パーティーを開く。メンバーは「多くの人に、ジビエに親しんでもらえる会にしたい」と意気込んでいる。狩猟に興味のある人々で結成された「もみじ狩隊」のメンバーを中心に、大阪や神戸など関西在住の20~50代の男女10人で1月につくった。市によると、市内の2012年度の鳥獣害被害額は3245万円。シカの捕獲頭数も増加傾向にあり、12年度は340頭、13年度は520頭だったという。獣の侵入を防ぐ金網の柵を設けるなど対策を進めるが、駆除などは人材不足もあり思うように進んでいない。こうした中、市は若者の活動を支援する事業の一環で、都市部在住の狩猟に興味のある人らに呼び掛け、集まった10人が、ジビエの6次産業化を目指し、同委員会をつくった。メンバーは、農家をはじめとした狩猟者に交じり、鳥獣害についても学びたいという。いずれは、食肉加工施設やジビエ料理を提供する飲食店の運営企画も検討していくという。大学で野生動物の研究をしたという橋本友里恵さん(29)=大阪府茨木市=は「若い人が狩猟などにも入っていけるような土台をつくりたい」と話した。21日の試食会は、えぇもん王国(同市北条町横尾)で午後5時半~6時半。

TOPへ

3/17
(イノシシ猟で誤射男性が重傷:熊本)
14日夕方、芦北郡芦北町でイノシシ猟をしていた男性が一緒に来ていた男性を誤って撃ち重傷を負わせた。警察によると14日午後5時すぎ芦北郡芦北町古石の山中で、球磨郡相良村の会社役員の男性(64)が一緒に猟に来ていた近くに住む農業古田悟さん(67)を誤って散弾銃で撃った。古田さんは腹部に銃弾を受け重傷。男性は「急斜面で足を滑らせ引き金を引いてしまった」と話しているという。警察は男性を業務上過失傷害の疑いで書類送検する方針。
(野生のサル、住宅街に出没:佐賀)
佐賀市中心部の住宅街で16日、野生のサルが目撃され、市職員や佐賀署員らが捕獲に奔走。5時間以上にも及ぶ“大捕物”を繰り広げたが、サルは包囲網をかいくぐって姿を消した。サルは体長60~70センチ。同日午前8時ごろ、同市の高木瀬小付近で目撃された後、佐賀駅東の住宅街まで南下。線路上を行ったり来たりの野生の行動に手を焼く市職員からは「終わりが見えない」とぼやきも。今のところ、人や農作物の被害は報告されていないが、県都の市街地にまで出没し始めたサルに、「この辺は子どもも多いから、早く何とかしないと」と目撃者の男性(68)。市は通報があり次第、現場に駆け付けるという。「サルものは追わず」とはいかないようだ。
(ニホンジカ捕獲年5500頭、10年後に生息数半減:群馬)
群馬県は16日の鳥獣被害対策本部会議で、農林業に被害をもたらすニホンジカの年間捕獲目標数を5500頭とし、10年後に生息数を半減させることを盛り込んだ適正管理計画案を示した。目標数を設けるのは初めて。同時に提示したイノシシなど他の野生動物5種の計画案と合わせ、17日の自然環境保全審議会に諮る。
(射撃競技「楽しい」、松江で小学生が体験会:島根)
触れる機会の少ない射撃競技を子どもたちに知ってもらう島根県ライフル射撃ジュニアクラブ体験会が14日、松江市大庭町の立正大淞南高校室内射撃場であった。徳島市在住で元モントリオール五輪代表の尾崎道治さん(61)らの指導で松江市内の小学1~5年生7人が、ビームライフルやビームピストルで的を狙った。将来の人材発掘や競技への興味関心を広げようと、県ライフル射撃協会などが2013年度から月1回程度開いている。
(女性ハンター、存在で狩猟の魅力アップに期待:三重)
鮮やかなオレンジ色のユニホームに身を包み、猟銃を手にする名張市つつじが丘の北野悠子さん(36)は、約80人が所属する名張市猟友会で唯一の女性ハンターだ。山登りやスノーボードが趣味という活動的な北野さん。30歳の時、米国へ嫁いでいったいとこの家を訪れ、ハンターの家族が射止めたカモのジビエ料理を食べて「あまりにおいしく、ハンターという仕事に興味を持ちました」と話す。一昨年、勤めを辞めたのを機に、狩猟免許と猟銃の所持許可の勉強を始め、昨年5月に念願の資格を取得し、8月に猟友会へ加入した。猟期は例年11月から3月まで続くが、猟期でない土日にも、市の委託を受けた有害駆除活動に参加する予定だ。今期も市内の青蓮寺湖周辺などの山に先輩の猟師5、6人と一緒に出掛け、イノシシやシカを捕獲した。3キロほどの重さがある猟銃と水や食料などの装備で、5、6時間も歩く。体力には自信のある北野さんも「相当しんどいです。また、獲物を発見しても瞬間的に逃げられ、私はまだ1頭も仕留めたことはありません」と笑う。動物の足跡だけでその種類や大きさ、個体数、動いた方向などを見分けるベテラン猟師に、現場でさまざまな知恵を教えてもらう。「何より安全第一で、決して深追いしないよう、厳しく指導されています」と話す北野さんは「友だちに農家の方がいて、農作物がイノシシなどで大きな被害を受けると聞いています。そうした方に、少しでも力添えしたい」とニッコリ。同会の中嶋有示会長(66)も「これから10年先、野生動物は倍増すると言われています。ハンターの数も減り、高齢化する中で、女性ハンターの誕生はうれしいし、狩猟の魅力アップにもつながり大歓迎です」と喜んでいる。
(滑走路にシカ、侵入防止の徹底が必要:北海道)
たかがシカと侮れない。重大事故につながりかねないと強く認識する必要がある。今月初め、新千歳空港にシカの群れが侵入し、30便以上に目的地変更などの影響が出た。背景には、シカの生息地域が変化し、空港周辺の個体数が増加していることがあるようだ。今後も繰り返される懸念は消えない。侵入防止に向けて、柵のあり方の見直しなど空港管理を強化することが不可欠だ。侵入が確認されたのは夜だ。えさを求めてか、7頭が誘導路付近に入った。空港を閉鎖して車両で追いかけ外に出したが、翌早朝には5頭が入り込んだ。新千歳は1時間に最大で32便が離着陸する。航空機と接触したら。そう考えるだけでぞっとする。事故にならなかったことは不幸中の幸いだったと言えるだろう。シカは跳躍力に優れ、高さ2・5メートルに達するという。空港の周囲約16キロメートルには高さ約2メートルの柵が設置されているが、積雪を踏み台に飛び越えた可能性があるとの指摘もある。空港を管理する国土交通省新千歳空港事務所は、柵の高さを上げる考えを示している。対応は当然だ。早急に実施してほしい。さらに、柵外の除雪の徹底は欠かせない。柵を二重にすることも有効ではないか。ただ、これも対症療法にすぎない。道内のシカは最近増加し、農作物への被害も後を絶たない。そのため、道は保護管理計画に沿って捕獲を進めている。だが効果が上がっているとは言い難い。それゆえに捕獲頭数を増やすべきだとの声も出ている。空港運営に支障が出た一つの要因が空港周辺でのシカの個体数増であるなら、国は道と協力しながら移動調査などを行い、生息数に応じた個体数管理をもっと徹底すべきではないか。空港内に現れるのはシカだけに限らない。過去には中標津や帯広でキツネが侵入した。釧路では昨年9月に、クマが柵を乗り越えて滑走路近くまで入り込んだ。道内13空港は管理者が国、道、市と三様だ。だが野生動物の侵入リスクはどの空港も当てはまる。空港内での駆除はむやみにできない。連携を強めて対策に知恵を絞り、手法の共有を図りたい。北海道を訪れる観光客は今、増加している。その主要な玄関口である空港でのトラブルは、地域経済に影響が出かねない。回避に向けて全力を挙げてほしい。
(高校生がシカ料理:北海道)
白糠高校(上野直幸校長)の2年生18人が、釧路市内のレストランのシェフを講師にエゾシカ料理に挑戦した。2月から2年生の家庭総合の時間で、エゾシカ問題について、対策や猟の実際、有効活用などを学び考える授業の一環。最終回はおいしい食べ方を学んだ。高校生にも作りやすく、家庭で作ってもらいたいメニューとして、「タイ風エゾシカカレー」「エゾシカメンチカツ」の二つを指導した。生徒たちはシェフの実演に目をこらし、タマネギをみじん切りにしたり、シカ肉の塊をスライスしたりなど、丁寧に調理に取り組んでいた。
(ジビエ料理、広めて:岐阜)
県内で捕獲され、県の衛生ガイドラインに基づいて解体処理された獣肉「ぎふジビエ」の料理講習会が16日、岐阜市栄新町のローマ料理店「ピアノピアーノ」で開かれ、飲食店主らがメニューへの利用を考えた。ぎふジビエの普及とブランド化を目指す県とぎふジビエ推進ネットワークが初めて開催。県内の飲食店の経営者や調理師ら15人が参加した。講師は同店のオーナーシェフ野田幸宏さん(57)。野田さんはシカの骨付き肉の処理方法などを説明し、「おいしいところがたくさんある。臭いというイメージから敬遠せず、多くの人に味わってほしい」と利用を呼び掛けた。参加者はこの後、野田さんがシカのスネ肉などを使って作った赤ワインとトマト煮込みを試食。あっという間に完食し、「臭みはなく、おいしい。新メニューを考えたい」などと話していた。

TOPへ