<射撃ニュース5月>

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(88歳女性がクマに襲われ重傷:滋賀)
27日午前4時30分頃、滋賀県多賀町樋田の県道で、近くの無職女性(88)がクマに襲われ、顔などに重傷を負った。県警彦根署の発表では、女性が自宅近くの地蔵にお参りしていたところ、後ろから襲われたという。女性の夫が、顔から血を流して倒れている女性を見つけ、119番した。現場は山あいの集落。同署は地元の猟友会と巡回するなどし、住民に注意を呼びかけている。
(女性襲ったクマ、三重県が滋賀県に放した可能性)
三重県内で捕獲されたクマを、同県の担当者が隣接する滋賀県の山中に放していたことが27日、分かった。同日早朝には、滋賀県多賀町で女性がクマに襲われて重傷を負う事故があり、滋賀県側はこのクマの仕業だった可能性があるとみて、知事名で三重県に抗議する方針。三重県側は落ち度を認めて同町に謝罪し、滋賀県への謝罪も検討している。三重県獣害対策課によると、同県いなべ市で今月17日、ツキノワグマ1頭が捕獲され「麻酔で眠らせた上で、滋賀県境の山中に放した」と発表。しかし、実際には三重県の放獣担当者は県境を越え、滋賀県多賀町でクマを放したが、滋賀県に連絡していなかった。その後、同町で27日早朝、女性(88)が自宅近くでクマに襲われ、頬骨を折るなどの重傷を負った。滋賀県によると、これまで同町内でのクマの目撃情報はほとんどなく、三重県が放したクマの仕業ではないかとみている。捕獲したクマの処置は、自治体によって対応に差があるのが現状という。滋賀県はクマの保護管理計画で、麻酔をかけた上、捕獲場所と同じ市町で放獣する-などと定めているが、三重県は放獣場所についての明確な規定がない。滋賀県自然環境保全課の担当者は「連絡もせず他県にクマを放すなど常識では考えられない」と憤っている。
(クマにかまれ男性けが:富山)
27日午後2時ごろ、富山市山田高清水の山中で、山菜採りをしていた富山県の男性(57)がツキノワグマにかまれ、左ひじに軽傷を負った。県自然保護課によると、知人と2人で山菜採りをしていた際、前方からクマが現れたという。知人にけがはなかった。クマは体長約1・2メートルで、男性を襲って山中に逃げた。県は「ツキノワグマ出没警報」を出して注意を呼び掛けている。
(タケノコ採り女性、クマに襲われる:秋田)
25日午前11時ごろ、秋田県鹿角市十和田の山中で、タケノコ採りに来ていた同市十和田大湯の60代女性がクマに襲われた。女性が覆いかぶさってきたクマを払いのけると、クマはそのまま逃げていったという。けがはなかった。鹿角署によると、女性は友人2人と一緒に入山。近くに体長約1・5メートルのクマが突然現れた。下山し、友人が110番した。現場は熊取牧場から北へ約1キロの山林。
(サル襲撃、女性2人ケガ:大阪)
26日、大阪府の柏原市と羽曳野市でサルが相次いで女性を襲い、2人がケガをした。現場は柏原市の住宅街で、26日午後、徒歩で孫の家へ向かっていた女性(83)が2匹のサルに遭遇し、1匹に左腕をかまれた。女性は病院に搬送され、軽傷を負った。26日午前7時前には、羽曳野市でも70代の女性がサルに飛びつかれ、背中に軽いケガをした。周辺の大阪府河南町と合わせてここ数日、2匹のサルの目撃情報が相次いでおり、羽曳野市などは「サルを見かけても目を合わせず、食べ物を与えないように」などと注意を呼びかけている。
(美術館にイノシシ出没、園内のタケノコに猛進:栃木)
足利市草雲美術館(同市緑町)に野生のイノシシが出没し、庭園内のタケノコを掘り返すなどの被害が出ている。同市山間部はイノシシの生息密集地だが、関係者は「市街地の一角、美術館にまで姿を見せるとは」と、驚きを隠さない。市は当面、周辺におりを設置するなど対策を強化する。同館は市街地西部の丘陵地にある足利公園(4・5ヘクタール)の南端にあり、周辺は住宅密集地。すぐ南をJR両毛線が走る。幕末から明治時代に活躍した南画家、田崎草雲の業績を顕彰し、作品類などを展示しており、今秋、草雲生誕200年記念で特別展なども予定されている。被害は今月のゴールデンウイーク明けごろから目立っており、同館前の竹林のタケノコが掘り返されたり、園内の枝折戸(しおりど)が倒されたりしている。庭園南側、竹の柵の間から侵入しているとみられ、同館の「イノシシ被害は初めて」(市文化課)という。足利市内では約20年前からイノシシが増え始め、渡良瀬川北部の同市河北地域では山間部をはじめ全域に生息。農作物被害や目撃例も相次いでいる。このため市は地元猟友会に委託し、山中におりを設置して駆除に当たっている。平成25年度の有害駆除頭数は約1300頭で県内全体の約3割を占め、26年度はさらに増えて約2800頭が駆除された。今年4月、イノシシ対策で設置された市農林整備課の担当者は「駆除してもなかなか減らないのが現状」と話し、公園管理の市市街地整備課も「公園周囲に柵を設置するにも限度がある」と頭を抱えている。
(クマ目撃情報相次ぐ:宮城)
26日午前10時40分ごろ、仙台市泉区紫山4丁目の雑木林の木に体長約1メートルのクマ1頭がよじ登っているのを近所の男性が見つけ、泉署に通報した。ほぼ同じ場所で午後2時20分ごろにも、スクールバスで通りかかった幼稚園の女性教諭が体長約1メートルのクマ1頭を目撃した。同署は付近住民に警戒を呼び掛けた。
(クマ1頭目撃:新潟)
25日午前9時ごろ、柏崎市大沢の田んぼに体長約1メートルのクマがいるのを車で通り掛かった住民が目撃し、柏崎市役所に通報した。柏崎署によると、現場は最寄りの住宅から約300メートル。付近では23日にもクマが目撃されている。
(サル出没、目撃多数:千葉)
25日午後4時半ごろ、千葉市中央区都町1付近の住宅街でサル1匹が住民に目撃され、捕獲のため警察などが出動する騒ぎとなった。同日は捕獲できず、警察などで引き続き捜している。市環境保全課によると、サルは野生とみられ、座った状態で体長約50センチ。住宅の屋根やブロック塀の上などを歩き回る姿が目撃されている。現時点で人への被害情報は寄せられていないという。サルは22日に佐倉市内でも目撃され、24日午後6時ごろには千葉市若葉区若松町付近で、25日午前11時ごろには同区都賀2や貝塚2付近にも出没している。サルは目を合わせると危害を加えてくる可能性もあるため、同課は「発見したら餌を与えたりせず、むやみに近づかないで」と注意を呼び掛けている。
(シカ生息数抑制実施へ:富山)
県内のニホンジカ生息数抑制を目指す「県ニホンジカ管理計画」が、二十九日から実施される。農林業被害の未然防止のほか、ライチョウがいる高山帯への侵入を防ぐのが狙い。捕獲頭数の増加を見据えて、捕獲後のジビエ料理としての活用に期待が高まるものの、処理方法が確立されていない課題もある。県の管理計画は、サル、イノシシ、ツキノワグマに続いて四種目。十一月十五日~二月十五日の現行の狩猟期間を六週間延長して県内すべての休猟区でニホンジカを狩猟できるようにし、一人一日一頭の捕獲制限も解除する。ニホンジカは全国的に増加傾向にあり、一九〇〇年代前半から生息が未確認だった県内でも、二〇〇四年度に三頭を確認。これまで農業被害の報告はないが、本年度の生息数は推定約四千頭で、管理計画がない場合は二三年度に約二万頭までに増えるとみられる。長野県では、ライチョウが生息する南アルプスの高山植物が食べ尽くされる被害が出ている。県内の高山帯でも同様の被害が及ぶ可能性もあり、ライチョウの生態系を守るため、被害がほぼない現時点での生息数抑制を決めた。県自然保護課の担当者は「増えてから抑制しても歯止めが効かない。草木の被害を減らすために、数が少ないときに抑えることが有効」と意義を訴える。ただ、被害や捕獲頭数の実績がまだ少ないため、県内では捕獲後の処理方法が決まっていない状況。ジビエ料理での活用も、農林被害が顕著なイノシシがほとんどで、県農村振興課の担当者は「被害が出ていない中で、活用先を見つけるのは難しい。今後は、捕獲状況に応じて活用先を探したい」と話す。
(シカ頭数半減へ:山梨)
県は25日、環境省の推計で県内の生息数が約6万9000頭とされるニホンジカについて、2023年度までに半減させる目標を定めた管理計画を明らかにした。計画案は同日、甲府市で開かれた県環境保全審議会で了承され、計画は29日に施行される。今回の計画の策定と改訂は、国の鳥獣保護法改正に伴うもの。生息数の著しい増加や生息地の拡大によって農林業に大きな被害を与えている種として、県ではニホンジカ、イノシシ、ニホンザルについて特定鳥獣管理計画を策定することになった。県によると、ニホンジカによる造林木の枝葉や野菜などの食害、水稲の踏み荒らしなどの農林業被害は近年、2億円前後で推移。2013年度は農作物被害が約4100万円、森林被害は約2億300万円だった。ニホンジカについては、2012年度に約3万8000頭と把握されていたが、県が用いてきた方法と違った推定法で環境省がまとめた結果、これまでの1・8倍となる約6万9000頭が生息しているという結果に。さらに、現行の捕獲率を維持した場合、2023年度には約14万7000頭まで増えると予測された。県では、今年度から捕獲を強化する方針で、鳥獣保護法の改正に合わせて、認定鳥獣捕獲等事業者制度を創設。猟友会のほか、知事から認定を受けた民間事業者なども捕獲ができるようにし、捕獲態勢を強化。管理計画には、将来的に適正生息数とされる4700頭まで減少させることも目標に掲げた。この日の審議会では、出席した委員から「国の対策が遅かった」などの指摘が出され、県側の担当者が「全国的に対応が遅れたことは否めないが、あきらめるわけにはいかない。生息数の半減は高いハードルだが、科学的な見地に基づいた適切な捕獲を工夫し、効果的に管理を進めたい」と理解を求めた。
(「予防強化集落」に指定、鳥獣被害が多発する地域:大分)
県は本年度、鳥獣被害の多発する集落で集中的に対策を進める地域を「予防強化集落」に指定する制度を始める。被害防止の計画を策定した集落には、防護柵を設置する予算を優先的に配分。集落ぐるみで取り組む捕獲対策を後押しする。県内の被害額は近年減少しており、密度の高い地域を狙って「AI(人工知能)ゲート」など新たな機器も導入する。県が26日に開いた県鳥獣被害対策本部会議で説明した。鳥獣被害全体の3分の1がイノシシによる水稲への被害。特定の地区で複数年続いている状況を踏まえ、水稲の被害地区で上位100カ所を調査。予防強化集落の候補地を選定する。3年間の被害防止計画書を策定した集落に指定する。捕獲の精度を高めるAIゲートは、動物の出入りをセンサーで感知し、捕獲が最大になるタイミングで自動捕獲できる。県内3カ所に設ける。複数のシカを一網打尽にできる「ドロップネット」を2基増やす。懸案だった日出生台演習場内の捕獲対策は昨年12月末からの6日間に実施。計195人が参加し、銃器を使って150頭を捕獲した。本年度も継続する。鳥獣被害対策に関する県の予算額は、農業土木関係も含め9億5千万円。県によると、2014年度の被害額は2億7400万円と過去15年で最少。3億円を下回るのは3年連続となった。イノシシの捕獲は2万8173頭、シカは4万380頭でいずれも過去最多の捕獲数。県が捕獲に意欲的な集落を指定した重点集落61集落のうち、昨年度は28集落が被害のない「被害ゼロ集落」になった。
(害獣から墓守れ:岩手)
一関市真柴の瑞川寺(齊藤信一住職)は、庫裏にすみついたハクビシンの駆除に力を入れている。約千の檀家(だんか)でつくる護持会も「動物に先祖代々の墓を荒らされては困る」と、対策を強化。侵入口をふさぐ工事を終え、お盆に向けて供え物持ち帰りのPR看板設置を計画するなど活動を徹底していく。護持会は3月下旬、同寺から「庫裏の天井に雨漏りのような染みがある」と報告を受け、修繕のため業者に調査を依頼。屋根は傷んでおらず、動物の排泄(はいせつ)物の蓄積によるものと分かった。夜になると天井裏で何かが動く音が聞こえることを知り、ハクビシンがすみついたと推測して侵入口を探索。軒下の換気口の金網の破れや、屋根と壁のつなぎ目の隙間などをふさいだ。ハクビシンの通り道とされる庫裏と本堂の渡り廊下の縁の下には、市に申請して借りた箱わなが置かれている。護持会は、以前カラスに供え物を荒らされたことから、檀家に供え物の持ち帰りを呼び掛けて墓地内の環境整備を強化してきた。2014年12月には、カラスがよく実を食べていた参道付近の高さ約8メートルのスモモの木を伐採。一連の努力が実りカラスは減ったが、一安心していたところにハクビシンの問題が浮上した。護持会の小野寺正晃事務局長(73)は「ハクビシンで困っている人は他にもいるはず。見掛けのかわいさにほだされてはいけない」と強調。お盆に向け、敷地内にハクビシンの絵と「ハクビシンが居ます!お供物は持ち帰りを!」とメッセージを書いた看板3枚の設置を計画しており、「害獣を寄せ付けないよう対策を徹底し、みんなの墓を守っていきたい」と協力を呼び掛けている。ハクビシンは夜行性で、果実を好み同じ場所に排泄する習性を持つ。群れをつくり、5センチ程度の隙間から建造物に入り込んですみつく。農作物の食害に加えて騒音、ふん尿など生活環境にも害を与えるとされ、県は狩猟免許を持たない人にもわななどによる捕獲を認めている。
(「ジビエ」に潜む危険性、勧められても生肉は食べないで!)
近年、野生の鳥や獣を食材として利用する「ジビエ」に関心が集まっている。都市部でもジビエを扱う飲食店が増えて人気を呼んでいるが、感染症のリスクがあることはあまり知られていない。ジビエの普及振興に努めるNPO法人「日本ジビエ振興協議会」は5月7日、ジビエと人獣共通感染症(ズーノーシス)に関するセミナーを開催し、集まった狩猟、解体処理、食品流通、飲食などジビエ関連業者らに感染症予防を訴えた。講師を務めた日本大学生物資源科学部(神奈川県藤沢市)の壁谷英則准教授(獣医学)は「人獣共通感染症はまれなものと思われがちだが、人間に感染する1,709種類の病原体の49%、156種類の新興感染症のうち73%が人獣共通であり、非常に身近なものであることを知ってほしい」と指摘。ジビエの中でも人気のシカやイノシシの肉を食べることで感染する病原体として、サルモネラや腸管出血性大腸菌、E型肝炎ウイルスなどを挙げ、国内外の野生動物の保菌率状況などを解説した。こうした感染症を防ぐポイントとして、(1)十分な加熱調理、(2)腸内容の汚染防止など食肉処理工程における衛生管理の徹底、(3)食肉処理従事者の充分な感染症対策―の3つを紹介した。また、シカの肉を生で食べる風習が残っている地方もあるが、これはきわめて危険で、生命に関わることもある。生食のリスクを十分理解し、勧められることがあっても決して食べず、加熱調理されている場合でも、火が十分に通っているか注意するよう求めた。また、日本で見られる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、ツツガムシ病、日本紅斑熱といった感染症の原因微生物は、野生動物に寄生するマダニなどが媒介する。壁谷准教授によると、シカやイノシシの数が増えると人家周辺に出没する頻度も増加し、媒介生物(ベクター)に触れる危険性が上がることにもつながる可能性があるという。「厚生労働省の取りまとめでは、SFTSは今年4月現在、国内で110例が報告されており、うち32例が死亡している。国立感染症研究所などの調査では、これまで西日本に限られてきたが、SFTSウイルスを保有するダニや、感染歴のある(抗体を持つ)シカは、中部地方や東北地方などでも確認されている」(壁谷准教授)マダニなどによるベクター感染を防ぐには、山に入る際に適切な服(長袖、長ズボン)や靴(長靴)などを着用する必要がある。また、シカ、イノシシが人家周辺に出没しないよう、適正な個体数管理をすることでリスクを軽減できる可能性もあると考えられている。
(イオンがシカ肉販売へブランド化後押し:長野)
総合スーパー「イオン」は、6月5日から県内の11店舗すべてで、県内産のニホンジカの生肉(冷凍)や加工食品を通年で販売する。野生鳥獣による農林業への被害が拡大する一方、捕獲された野生鳥獣の食肉として活用が期待される中、スーパーでシカの生肉が販売されるのは初めて。「信州ジビエ(野生鳥獣肉)」としてブランド化を図っている県は、「一般の消費者にジビエを届ける流通経路がようやく出来上がった。信州ジビエがごく普通に家庭の食卓に上がるように普及に努めたい」としている。平成25年度の野生鳥獣による県内での農林業被害額は11億4815万円に上り、そのうちニホンジカの被害は4億966万円を占めた。捕獲や防除対策の強化で被害額は減少傾向にあるものの、依然として高い水準にあり、計画的な捕獲による個体数管理は急務だ。県の第3期ニホンジカ管理計画は年間2万5千~3万5千頭の捕獲目標を掲げているが、捕獲されたニホンジカの9割程度は山中に埋められるなどしており、食肉として加工処理されるのは5%にも満たない。県鳥獣対策・ジビエ振興室によると、24年度の実績で捕獲されたニホンジカは3万3668頭。このうち食肉処理されたのは1564頭で、加工された食肉は12・3トンにすぎず、流通もソーセージ類などの加工食品を除けば、レストランなどへの直接仕入れが大部分を占めており、一般消費者に生肉が届く仕組みはこれまでほとんどなかった。今回、一般消費者向けに生肉を販売する仕組みが出来上がったのは、業務用食品卸売業「ナガレイ」(長野市)が県内各所に散らばる22のジビエ処理加工施設から、シカの生肉や加工品を仕入れる流通の流れが構築できたため。県は昨年度、信州ジビエ研究会とともに、徹底したトレーサビリティー(流通履歴管理)や衛生管理のもとで加工処理されたシカ肉に対する認証制度を創設。ナガレイにはシカ肉の流通促進事業を委託しており、イオン店頭で販売される生肉は同制度で認定された3施設からのものに限られる。同室は「この流通の仕組みにより、消費者のジビエに対する安全性への懸念は払拭される」としている。シカ肉の販売にあたって、県は地域活性化の包括連携協定を結ぶイオン、野生鳥獣に詳しく県森林大使を務める作家のC・W・ニコルさんと連携。ニコルさんがシカ肉の料理レシピをイオンを通じて消費者に提案し、普及拡大を後押しする。イオンで販売される生肉はいずれも冷凍状態で、ロースとモモのブロック肉が200グラム1280円(税抜き)、煮込み用が同980円(同)。イオンを運営するイオンリテールの辻晴芳専務執行役員は「シカ肉は牛肉や豚肉に比べて高タンパク、低脂肪、低カロリーで鉄分が豊富。ヨーロッパではジビエとして注目が集まる食材で、シカ肉のおいしさをイオンから発信していきたい」と話す。ニコルさんは「森にダメージを与えているシカを減らさないと、生態系を崩してしまう。一方で捕獲したシカの95%を捨てている。ヨーロッパではシカ肉は貴族の食べ物。動物性脂肪が蔓延(まんえん)している日本人の食生活を改善するためにも、おいしいシカ肉を食べてほしい」と呼びかける。イオン11店舗では、認証生肉3種類を月間ベースで合計400キログラムの販売を計画。このほか、大和煮などの缶詰、カレーなどのレトルト製品、ソーセージなどの加工食品11種類も販売し、信州ジビエのブランド化を後押ししていく。
(アグリイノベーション、共同研究に助成補助:長野)
農業を基本に新たな産業づくりを目指す、伊那谷アグリイノベーション推進機構は、今年度新たに共同研究等に対し、助成・補助を行うことを決めました。27日は、南箕輪村の信州大学農学部で総会が開かれ、今年度の事業計画が示されました。今年度の重点課題として共同研究等の展開を新たに加え、伝統作物の探索、健康・長寿や新しい産業に結びつく未利用資源の調査研究を進めます。また、産学官が一体となった共同研究を推進するため、新たに、機構が、プロジェクト研究に対する費用を、助成・補助していくことが決まりました。助成金と補助金は、機構が出すもので上限を80万円とするとしています。また、昨年度は、活動の一つとして、ニホンジカの被害を軽減するため個体数の管理やシカ肉の加工、流通、食品開発を目指し産業化への道筋を検討してきました。今年度はシカ肉解体施設の「信州産シカ肉認証処理施設」の認証に向けたサポートや伊那谷産シカ肉の特性調査などに、力を入れるとしています。伊那谷アグリイノベーション推進機構は、夏と秋にシンポジウムを開催する他、四季折々の景観と農産物を活用した体験講座などを予定しています。
(鹿丸ごと活用:兵庫)
兵庫県内で活動する鹿の加工・処理業者や飲食業者、猟友会など21団体は26日、鹿の肉や皮、骨など1頭丸ごとの有効活用を進める「ひょうごニホンジカ推進ネットワーク」を設立した。川上から川下まで関係者が連携し、食用肉の需要を拡大することに加え、皮や骨、角の商品化に取り組むのが目的だ。捕獲した鹿を地域の資源として、地域創生につなげることを目指す。神戸市で開かれた設立総会には加工・処理業者や飲食業者、研究機関、消費者団体、行政など88人が参加。初代会長には設立発起人で、鹿肉専門の料理教室を開催する「愛deer料理教室」代表の林真理さん(51)が就いた。林会長は「捕獲した鹿の大部分は埋設されているのが現状。頂いた命を無駄にせず、有効活用し、さらには地域活性化につなげたい」とあいさつし、協力を呼び掛けた。同ネットワークは2015年度、鹿肉の機能性を生かし、アスリート向けの試食会を開く。ボクシングジムやプロサッカーチームを対象に、高たんぱく低脂肪でアミノ酸など生体機能調整に役立つ成分を豊富に含む鹿肉のメニューを提案し、PRする。安全・安心な鹿肉の供給体制を構築するための合同研修会や商談会などを開く他、肉や加工品の情報を発信するホームページも開設する。皮や角は工芸品や靴などへの商品化を進める。
(激増するシカ、活用の機運を作っていこう)
「シカを殺すなんて、かわいそう」。女性を中心にそんな声は多い。確かに、むやみに命を奪うというならとがめられても仕方ない。が、ご存じだろうか。今、日本の山では、激増した野生のシカによる苗木や樹皮の食害で林業が脅かされているばかりか、下草が失われ、ひどい場所では表土が流出して国土が荒廃していることを。原因は(1)オオカミ絶滅やハンター減少による天敵の減(2)人の手が入らない里山の増加によって奥山からシカが出てきている(3)温暖化に伴う降雪減による冬を越せるシカの増加-などが考えられている。環境省によると、北海道を除くシカの数は、四半世紀前と比べて約10倍の約261万頭(平成23年度)。これが37年度には約500万頭に増加すると推定されている。私自身、シカが好まない植物だけが残った森林や、皮を剥がされて無残に白い幹を曝(さら)す木々を全国各地で目にしてきた。確かに、あのつぶらな瞳で見つめられれば、私だって「かわいい」と思う。しかし、情に流されて手をこまねいていれば、生物多様性は失われ、禿(はげ)山だらけになってしまうかもしれない。事は急を要する。もうひとつ大きな課題がある。現状では撃たれたシカの多くが山に埋められているのだ。搬出するだけの労力がない、首から上を撃たないと(食肉として)おいしく食べられない、流通には相応の冷蔵・加工施設が必要等々の理由があるが、命を頂いた立場としては、いかがなものか。短期的にはやむをえないとしても、こうした山の現実を国民も共有し、官民挙げての取り組みが必要なのではないか。感謝と畏敬の念とともに山の恵みを頂くという、日本人であれば根源的な自然への向き合い方を忘れるべきではないだろう。鳥獣保護法を改正するなどして、国もようやく重い腰を上げつつあるが、国民の側からも積極的に肉は食材、皮は印伝(いんでん)(シカやヒツジの皮をなめしたもの)などとして利・活用する機運を作っていこうではないか。なにはともあれ、特に食わず嫌いの方は、まずは一度恵みの味をご堪能あれ。
(「害獣」シカで甲州印伝:山梨)
シカの皮に漆で模様を描く伝統工芸品「甲州印伝」の材料に、農作物被害対策として富士北麓地域で捕獲されたニホンジカを利用するプロジェクトが、今年度から始まった。400年以上続く甲州印伝の歴史のうち、ニホンジカが使われていたのは主に江戸時代で、現在は輸入したシカの皮が中心。関係者は「原点となる素材を復活させ、伝統の印伝に新しい魅力を加えたい」と意気込んでいる。甲州印伝は江戸時代、武田家の家臣だった上原勇七がシカの皮に漆付けする独自の技法を編み出したのが始まりとされる。元々ニホンジカの皮が用いられていたが、明治時代以降、ニホンジカが減少し保護対象となったため、現在はキョンなど海外から輸入したシカの皮が使われるようになっているという。再びニホンジカに注目が集まったのは、シカによる農作物被害が理由。環境省によると、県内の推定頭数は6万9917頭(2012年度末)で、同省が定める適正数の15倍にも達し、県内の農作物被害額は年間約4000万円に上る。県などは駆除の必要性から管理捕獲を実施。捕獲されたシカの一部は肉がジビエ(野生鳥獣肉)料理に利用されているが、皮については廃棄されていた。今回のプロジェクトは、県総合理工学研究機構が主導しており、富士北麓地域で捕獲され、富士河口湖町内の食肉加工場に持ち込まれたシカの皮を購入して印伝用の加工に用いる。様々な種類のシカの皮の柔軟性や耐久性などを比較した試験では、ニホンジカの数値は高品質とされるキョンと遜色ない結果が出たという。研究に参加する県工業技術センター主任研究員の串田賢一さん(45)によると、小型のキョンに比べてニホンジカは倍近い大きさの皮が取れるため、大きなサイズのバッグなど、今までにない印伝が作れる可能性がある。串田さんは「伝統ある印伝の素晴らしさに新しい価値を付加できるはず」と力を込める。業者の期待も大きい。試作品制作などでプロジェクトに協力する「印傳でんの山本」(甲府市)の工芸士、山本裕輔さん(32)は「現在は原材料を輸入に頼り、技術だけが山梨に残っている状態。地域の資源を使うことで、伝統工芸としての原点回帰もできる」と話している。
(武雄市が「いのしし課」廃止へ:佐賀)
武雄市は25日、8月1日付で組織改編を行い、イノシシによる農作物の被害を防ぎ、食肉として利活用するために設置していた「いのしし課」を廃止すると発表した。広報を担当する「フェイスブック・シティ課」も、広報課に変更する。いのしし課は樋渡啓祐・前市長が2009年4月に設置した。小松政ただし市長は記者会見で「一定の成果は出ており、看板としては役割を終えた」と述べた。業務は農林課が引き継ぐ。
(迷い込んだカモの親子、住民らが“救助”:兵庫)
兵庫県川西市平野の住宅地にカモの親子8羽が迷い込み、25日、地元住民らが助け、近くの西池に移した。同日午前8時ごろ、近くに住む会社役員、長谷川泰博さん(68)が外に出たところ、側溝にカモの親子がいるのを発見した。近所の住民らとともに約2時間かけて子ガモ7羽を捕獲。池に移すと、後を追ってきた親ガモと寄り添って泳いでいたという。長谷川さんは「長く住んでいるが、この近くでカモを見たのは初めて。これからは子ガモの成長を見守っていきたい」と話していた。

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(クマに襲われケガ:岩手)
23日正午すぎ、紫波町で68歳の男性がクマに襲われ、頭等にケガをした。23日正午すぎ、紫波町片寄の無職、藤尾久司さん(68)が自宅近くで枝切りの作業中、突然、クマに襲われたと藤尾さんの妻から消防に通報があった。警察によると、藤尾さんは頭や耳の近くから出血していて病院で手当てを受けるも、意識ははっきりとしているという。その後、現場近くで親子のクマが目撃され、午後1時すぎ、地元の猟友会に2頭とも駆除された。
(クマに襲われ男性けが:長野)
24日午前9時半ごろ、長野県坂城町の山林で、山菜採りをしていた同町の無職男性(68)がクマ1頭に襲われ、顔や腕などをかまれてけがをした。男性は近くの消防署まで助けを求めに行き、病院に搬送されたが、命に別条はない。県警千曲署によると、クマは体長約60センチ。男性は妻と孫と山菜採りに来ていた。署員らがクマを捜索しているが見つかっておらず、付近の住民に注意を呼び掛けた。
(クマ目撃:新潟)
24日午後3時すぎ、柏崎市山室の県道で、住民がクマ1頭を目撃し110番通報した。柏崎署によると、クマの体長は約1メートル。現場周辺には住宅が点在しており、23日にクマが目撃された大沢地区までは直線で約2キロ。
(クマ目撃:新潟)
22日午前5時前、阿賀町黒岩の町道でクマ1頭が歩いているのを男性が目撃し、町役場三川支所に通報した。津川署によると、体長は約1メートル。現場から約150メートルのところに公営住宅があり、同署と町が注意を呼び掛けている。
(クマ目撃:新潟)
22日午前11時半すぎ、上越市板倉区別所でクマ1頭が県道を横切るのを目撃したと、車で通りかかった男性が市に通報した。市によると、体長は約110センチ。民家に近いことから、市は防災無線などを通じ注意を呼び掛けている。
(イノシシ出没相次ぐ:福岡)
芦屋町東部の山鹿(やまが)地区に今月上旬以降、イノシシが相次いで出没している。町には22日までに計12件の目撃情報が寄せられた。けが人や農作物の被害は確認されておらず、町は「出くわしても騒がず、黙って逃げて」と呼び掛けている。町によると、響灘沿いの公園付近に2、3頭がいるのを住民が発見した5日夕を皮切りに、町営文化施設「芦屋釜の里」敷地や町営グラウンドなどで目撃されている。体重80キロ前後の成獣と幼獣で、親子の可能性もある。山鹿地区にイノシシが生息する山林はなく、食物を求め北九州市から迷い込んだらしい。遠賀郡猟友会と共同で捕獲作戦を進める町地域づくり課は「わなを仕掛けたおりにおびき寄せるのに時間が必要」と説明。「町内に居着かないよう、屋外に野菜くずなど餌になるものを放置しないでほしい」と呼び掛けている。
(サル目撃情報:福岡)
福岡県警によると、23日午後5時ごろ、福岡市南区平和1丁目付近でサル1匹がうろついているのが目撃された。福岡南署は「サルを見かけても、不用意に近づかないで。騒いだりしないように」と呼びかけている。
(クマ目撃、避難区域でも5件:福島)
クマとみられる目撃情報は、東京電力福島第1原発事故の避難区域の福島県富岡町でも相次いで寄せられている。除染作業の本格化に伴い、ことし2月中旬から4月までに、爪痕などの情報が計5件に上っており、町は注意を呼び掛けている。浜通り地方の双葉郡は阿武隈山地と隣接し、富岡町も西部が山林地帯。目撃は上郡山滝ノ沢地区など山林地帯のほか、市街地付近でもある。「大きい黒い物体が道路を横切った。子グマもいた」などの情報もあるが、写真や映像がなく断定には至っていない。町によると、除染など多くの作業員が入るようになり、野生動物を目撃する頻度が増えたという。避難区域ではイノシシの出没が常態化。町産業振興課は「原発事故で山と人里の境界がなくなっているのは事実」と説明し、一時帰宅の住民らに防災無線やチラシで、クマへの警戒を促す。楢葉町でも富岡町境の波倉地区でクマの親子を見かけたとの情報がある。ただ地元住民の中には「この辺でクマなんて見たことがない。イノシシとブタが交雑した、黒いイノブタを見間違えたのではないか」と受け止める人もいる。
(シカ、イノシシの捕獲制限緩和:熊本)
県は22日、農作物への被害が深刻化している県内のシカやイノシシの頭数管理に向けた新たな計画を明らかにした。シカの県内生息数を7千頭に抑制し、イノシシによる農作物被害を年間1億5千万円まで減らす目標を達成するため、対策を強化する。29日に施行される改正鳥獣保護法(鳥獣保護管理法)は、都道府県が主体となって市町村の枠を超えた広域的なシカやイノシシの管理をするよう求める。県は改正法に沿って2017年度末までの新計画を策定。県庁で22日あった県環境審議会で内容を報告した。新計画では、これまで有害鳥獣捕獲者1人につきシカ180頭、イノシシ100頭としていた半年間の捕獲許可頭数の上限を撤廃。「管理に必要な頭数」と規定して、より多くの捕獲を促す。被害が増加傾向にあるシカについては、熊本都市圏や天草地域も管理区域に加え、県内全域を管理の対象とする。イノシシは既に県内全域が管理対象となっている。県内には現在、シカが3万~4万頭いるとみられ、13年度の農作物被害は前年度の2倍近い4千万円に達した。イノシシの頭数は不明だが、13年度の被害は14%減の2億8千万円だった。
(野生鳥獣肉の放射性物質検査、基準値超えは24%)
イノシシやシカなどの野生鳥獣肉は299件検査し、72件が基準値超だった。
(ツキノワグマ、初の生息調査:福島)
福島県は本年度、阿武隈川東側の阿武隈山地で、ツキノワグマの生息調査に初めて乗り出す。県内では会津地方の奥羽山脈などを中心に生息し、県東部は生息に適さないとされてきた。ところが、目撃情報が近年続出しており、県は実態を突き止め、被害防止や保護管理につなげる方針だ。調査は夏ごろを想定。対象エリアは目撃情報に基づき選定する。好物の蜂蜜でおびき寄せ、自動カメラを仕掛けて撮影する手法を用いる。立ち上がったツキノワグマを撮影して、胸の斑紋から個体を識別。仕掛けに付着した体毛のDNAを分析し、地域属性を追跡することも検討している。県自然保護課によると、ツキノワグマは阿武隈川を境界として西側の奥羽山脈を中心に分布する。東側の阿武隈山地は標高が比較的低いため、実が餌となるブナやミズナラが奥羽山脈ほど豊富ではなく、人の手も入りやすい。阿武隈川をはじめ、県を南北に貫く国道4号やJR東北線などが移動の障壁になっている。阿武隈山地での目撃は1990年代から徐々に増え、2006年以降は毎年数件以上の情報が県に寄せられている。いわき地区周辺の山林では養蜂箱が襲われるなど状況証拠もある。ただ、1990年以降に実際にクマと確認されたのは、飯舘村で車にはねられて見つかったケースなど2頭だけだ。県は2012年度から毎年、阿武隈川の西側エリアで生息調査を進めてきた。14年度に実施した会津美里町南部では40カ所に自動カメラを仕掛け、39頭を確認。県全体で約1600~4600頭がいると推計する。県自然保護課の田村尚之副課長は「もし阿武隈山地で確認されたとしても、元来生息していたクマなのか、阿武隈川を渡ってきた個体なのかも分からない。実態をつかみ、専門家も交えて検証したい」と話す。
(中アで鹿対策強化:長野)
伊那市や市内猟友会、農林業関係者らでつくる市有害鳥獣対策協議会(会長・白鳥孝市長)は22日、今年度の総会を市役所で開き、ニホンジカの生息が増え続けているとみられる中央アルプス側の山域での調査や捕獲を強化することを決めた。西春近を中心に防護柵を設置して土砂災害の危険区域内で植生を保護するほか、誘導柵を張り、捕獲数の増加を目指す。上伊那地方の鹿の生息域は南ア側とされてきたが、近年は中ア側でも高山帯で捕獲されるなど増加。同協議会は一昨年度から本格的に調査や捕獲を始めた。昨年度の捕獲数は21頭で前年度を10頭下回ったが、伊那猟友会によると広範囲に分散しているため捕獲に苦慮しているが、生息域は中ア山域全体に広がりつつあり、「相当数に増えているのは間違いない」という。こうした状況を受け、中ア山域への鹿対策費を20万から327万円に増額し対策を強化。鹿の食害は山肌の露出による崩落につながる恐れもあることから、2006年7月の土石流災害を受け地元で苗木の植栽を進めている西春近諏訪形の貝付沢上流部などに防護柵を設置して苗木の保護を図るほか、森林内に誘導柵を設置し、柵の周辺にわなを置いて捕獲数を増やしたい考えだ。いずれも地元地区と協議し、具体的な方策を決めていく。会合ではこのほか、市内全体では高遠地区で対策の成果から捕獲数が減り、全体の鹿捕獲数が2155頭で前年度から391頭減ったことなどが報告された。一方で依然として多くの鹿が目撃される高遠町入笠山については、県が捕獲に乗り出すとした。サルやイノシシ、クマなどを加えた有害鳥獣の捕獲数は前年度比785頭減の3270頭、農作物の被害量は6.6%減の199トン、被害額は4.5%増の3117万円だった。白鳥市長は「防護柵やわななどで着実に成果を上げてもらっているが、依然として多くの被害があり、連携して個体調整に尽力してほしい」と協力を求めた。
(増え始めたクマの目撃:岐阜)
昨年、飛騨地域の人里に姿を現したクマ。春を迎え、各地で目撃情報が寄せられるようになった。有識者らは「今年は昨年のように大量出没する可能性は低い」と予測するが、遭遇を避けるためにも、行政だけでなく、個人の対策は欠かせない。高山市農務課によると、市内の昨年のクマの出没件数は四百七十四件と、過去最多だった二〇一二年の二百三十三件を大幅に上回った。餌のブナやナラの実が、そろって凶作だったことなどが原因に挙げられる。飛騨地域を中心に九人が重軽傷、高山市では一人が犠牲になった。山間地だけでなく、市街地でも目撃情報や足跡が見つかり、閉鎖される公共施設も。入園が規制された高山市上岡本町のアルプス展望公園スカイパークに、長女(3つ)と散歩にきていた同市石浦町の主婦(30)は「昨秋は、怖くて子どもを外に連れて行けなかった。今は落ち着いているけれど、今年もどうなるのか不安」と漏らす。今年の高山市の目撃件数は、十七件(五月二十一日現在)と昨年同時期の七件よりも多い。だが、県自然環境保全課は「今年はまだ調査していないが、餌となる木の実の不作が続いたことはない」と、大量出没はないと見る。岐阜大野生動物管理学研究センターの特任助教、森本萌弥(ともや)さん(31)も「クマが昨季の餌不足で死んだり、子どもの出産も減ったりして総数が減っている可能性もある」と同様の見解を示す。大量出没を受け、各自治体も市の配信メールに目撃場所の地図を付けたり、目撃情報があった公共施設で継続的に看板を設置したりと対策に躍起だ。クマの生態や習性を知ってもらおうと、高山市は六月中旬に有識者を招いた講演会を開く。だが、山間地で生活する以上、誰にでも遭遇する可能性はある。森本さんによると、目撃情報が多いのは例年、秋よりも山菜採りや渓流釣りのシーズンとなる六~八月。「山に入るときや近くを通るときには、いつも鈴やラジオなど音が出るものを携帯し、クマに人間がいることを知らして」と話す。万一、遭遇したときには、クマを刺激しないよう背中を見せず、ゆっくりと動いてその場から離れるのが有効という。収穫しないカキやクリの木を切り倒したり、生ごみや養蜂箱を自宅の近くに置いたりしないなど、生活圏にクマを寄せない環境づくりの重要性も指摘する。市農務課の担当者は「行政が手を尽くしても、守り切れないことはある。出没する前から、おのおのが備えていくことが大切」と呼び掛ける。「クママップ」をご存じだろうか。その名の通り、県内の目撃情報を地図に落とし込んだもので、県のホームページから閲覧することができる。昨年度の出没状況を見てみると…。岐阜市周辺を除けば出現を示すマークがぎっしり。特に飛騨地域では、住宅地周辺の主要道は、ほぼ覆い尽くされている。人とクマとの境界線がなくなっていることを知った。そもそも、私たちはクマのことをどれだけ理解しているのか。共存のためにも“隣人”のことを正しく知り、再び訪れるであろう餌不足の年に備えたいと思う。
(ムクドリ追い払いに天敵のタカ:福井)
福井市中心部の街路樹を寝床にするムクドリの群れの鳴き声、ふん害対策で、福井県は今月、天敵のタカを使った追い払い作戦を始めた。年末まで継続的にタカを飛ばして効果を検証するほか、街路樹に釣り糸を張り巡らせたり、赤や青の電飾をともしたりといった試みも進めており、有効な対策を見極める。20日、日没間近の福井市・大名町交差点付近。石川県小松市の鷹匠たかじょう・吉田剛之たかゆきさん(42)の腕から、中南米原産のタカ「ハリスホーク」がスッと飛び立った。ケヤキの枝に止まっていた数十羽のムクドリは慌てて、反対車線側の街路樹に飛び移った。吉田さんが道路を渡って再び、ムクドリの止まる木にタカを放つと、鳥たちは、また別の木に移動。約1時間、同じことを繰り返し、作業を終えた。マンションにすみ着くハトやカラスなどの鳥害対策が専門の吉田さんは「一度では駆除できないが、繰り返すことで鳥が『この場所は危険』と認識すれば効果が出る」と話した。ムクドリは体長約25センチ。年間を通じて、ほぼ同じ地域で生息し、集団でねぐらをつくる習性がある。市中心部で増え始めたのは約5年前。日中は餌場で過ごすとみられ、日没になると大名町交差点付近の南北約500メートル、東西約300メートルの歩道沿いに植えられた計約150本のケヤキ、ユリノキに現れる。例年、5月頃から徐々に数が増え、昨年は夏以降は常に数百羽が鈴なりで滞在。県の昨年12月の調査では4000羽を超えていた。
(竹島で明治期にアシカ猟:島根)
明治から昭和初期にかけて、竹島(島根県隠岐の島町)でアシカ猟を行っていた「竹嶋漁猟合資会社」の1905年(明治38年)の登記簿が、松江地方法務局に残されていることが、県竹島問題研究会の調査で分かった。同社に関する国の行政文書が確認されるのは初めて。同社の所在地や社員名、設立目的などが詳しく記されており、同会は「当時の竹島漁労の実態を示す貴重な資料」と評価している。竹島関係の記録を調査していた同会関係者が5月初旬、登記簿謄本を確認した。同社は清算されていないため、登記簿が保存されていたとみられる。同社は、閣議決定を経て県が竹島を編入した1905年、旧西郷町(現・隠岐の島町)を拠点に竹島周辺で操業していた漁師・中井養三郎(1864~1934年)らが設立。経営難で中井が漁業権を手放す29年(昭和4年)頃まで、四半世紀にわたって主にアシカ猟に従事した。同会によると、08年(明治41年)のピーク時には年間1681頭を捕獲、売上高は約5878円(現在の貨幣価値で約600万円)に上ったという。登記簿には、同社代表の中井や、社員として県からアシカ猟を許可されている漁師4人(中井を含む)の名前が記載されている。設立目的には「竹嶋海驢あしか捕獲製造販売」や「獣皮売買製造、魚油(アシカの脂)売買製造、普通漁業」と記されている。同会は「会社組織を作って1905年前後に竹島でアシカ猟をしていたことを示す韓国側の公文書は一切確認されていない。登記簿の発見は、我が国の竹島での漁業実態を把握する上で重要だ」としており、隠岐の島町が新設する竹島問題の啓発施設で、登記簿謄本を展示する方向で検討している。
(ジビエ、手軽に男の手料理:兵庫)
西播磨県民局光都農林振興事務所は、捕獲したシカの有効活用を進めようと「シカ肉をおいしく食べるぜ!〜男の手料理〜」リーフレットを作成した。手軽においしくシカ肉を料理できるレシピなどを紹介している。リーフレットでは、シカ肉を弱火やアルミホイルで軟らかく焼き上げるバーベキューのコツや、フィルム袋を使って家庭でも簡単に作れるロースト、塩こうじを使った竜田揚げなどシカ肉料理の作り方をレシピとともに写真で紹介。シカ肉が買える西播磨の精肉店も掲載している。西播磨では、シカによる農林業への被害額が2013年度、約1800万円に及んでいる。一方で、狩猟対策も進められており、昨年度のシカの捕獲頭数は約1万2000頭で、そのうち約235頭分が食肉となる見込みという。光都農林振興事務所は「あまりなじみのないシカ肉料理を広く知ってもらうことで、消費拡大や捕獲数の増加につながれば」と期待している。A4判4ページフルカラーで、6000部を作成。西播磨県民局のほか、西播磨の市役所や町役場、ジビエ料理の提供店などで無料配布している。
(ジビエ料理、くず肉レシピも:石川)
野生のイノシシやシカなどの肉を使ったジビエ料理の普及を目指し、猟師や料理関係者らでつくる「いしかわジビエ利用促進研究会」の今年度初会合が21日、石川県庁で開かれた。今年度は、需要が少ない部位の活用法を探り、供給量の増加を試みることを決めた。県内では、イノシシなどが田畑を荒らす被害が多発しており、駆除した後の獣肉の食材利用を進めている。今年度計画として、需要が少ないすね肉や骨の近くのくず肉を使ったレシピの開発に取り組み、県内の若手料理人を対象に「いしかわジビエコンテスト」を開催することを決めた。参加者からは「節約志向の主婦のために、身近な調味料で作れるレシピにすべきだ」「イノシシの運搬や解体には労力がかかり、自治体で報酬援助をしてほしい」などの意見が出た。
(ツキノワグマ出没:大阪)
大阪府内で捕獲されたツキノワグマがいると聞いた。府によると、過去にツキノワグマが捕獲された例は「記録にない」という。最近は街中にイノシシが出没し、人に危害を及ぼす例も出ている。ナニワの野生動物や自然体系に異変が起きているのだろうか。まずクマが捕獲された府北部の豊能町を訪ねた。昨年6月に捕獲され、今年4月から町内にある高代寺の敷地内で飼われている。名前は「とよ」。体長約1.5メートル、体重約60キログラムの大人のオス。肉付きもよく貫禄がある。京都大学農学研究科講師の高柳敦さんによると、兵庫県北部から福井県にかけて「北近畿個体群」と呼ばれるツキノワグマの一群が生息する。オスは初夏、交尾のため活動範囲を広げる。今回は「恋人」を求めて大阪に迷い込んだようだ。「北近畿個体群は保護活動によって生息数が増えて活動地域が広がる傾向にある。今後、大阪府内でも出没頻度が高まる可能性があります」と高柳さん。実際、大阪の平地や人里に野生動物が下りてくることが増えている。一つの指標になるのが農作物の鳥獣被害額だ。大阪府内の2013年度の被害額は1億3千万円と、この10年間で約4割増えた。被害額の約4割はイノシシ、次に多いのがシカだという。シカといえば奈良を想像しがち。しかし、箕面市や能勢町など府北部には06年度時点で約1800匹のシカが生息すると推計されている。実は奈良公園周辺をも上回る。一部地域ではシカが「過密状態」にあり、府は年700匹以上を目安に捕獲を続けている。イノシシなどは市街地での出没も後を絶たない。13年には池田市で20代女性が夜、イノシシの体当たりを受けて足の骨を折るけがをした。神戸市でもイノシシによる人への危害が増えており、市は昨年からパトロールや追い払いなどを始めている。通常、鳥獣被害は森林の多い地域で起こる。だが林野庁によると、大阪府の森林面積は約5万8千ヘクタール(12年度)と全国で最も小さい。森林率も31%と全国で最低水準だ。平地が多い大阪でなぜ、捕獲対策が必要なほど野生動物が増えたのか。一つは平野部で耕作が放棄された農地が広がっているためだ。府動物愛護畜産課の堤側俊課長補佐は「耕作放棄地や、管理が行き届かない竹林が居心地のいいすみかになっている可能性がある」という。他府県との境の森林にすんでいたのが平野部の耕作放棄地まで活動範囲が広がったと考えれば、合点がいく。取材するうち別の事情も見えてきた。野生動物が里に下りるのを未然に防ぐハンターの不足だ。大阪府猟友会の田中茂雄事務局長は「自治体からの捕獲依頼は増える一方で、ハンター不足は年々厳しくなっている」と危惧する。もともと大阪は近隣府県に比べ狩猟の適地が狭い。活動機会が限られるため、狩猟に慣れた会員は少ない。田中さんは「ハンター同士が狩猟のノウハウを教え合う機会を増やさなくては」と懸念する。国は1963年、行きすぎた狩猟を防ぎ、野生動物を保護するために「鳥獣保護法」を制定した。大阪府内でも捕獲できる鳥獣、期間、方法などを定めた「鳥獣保護区」が森林地域に点在する。保護が浸透したことで次第に生息数が増え、急に捕獲に乗りだそうとしても態勢が整わない。皮肉な話といえる。これから、住民は野生動物とどう向き合えばいいのか。ヒントになりそうなのがニホンザルの生息地で有名な箕面市だ。観光客の餌付けなどでサルの繁殖間隔が短くなり、生息数が急増した。市は10年に悪質な餌付けに罰金を科す条例を施行。メスザルの避妊対策も進めた。一時約600匹超まで増えたサルは約340匹まで減った。不必要に人と関わるのは野生動物にとっても不幸だ。昨年6月に捕獲された「とよ」も、府には「野生に戻すべきだ」「野生に戻すと人に害を及ぼす」という相反する意見が寄せられ、捕獲から引っ越しまで10カ月近くを要した。豊かな自然と住民の安全をどう両立させるか。増える野生動物は我々に重い宿題を課しているといえそうだ。
(話題の「夏ジビエ」アピール)
ここ数年、ブームとなっているジビエは狩猟で得られたシカやイノシシ、ウサギ、キジなど野生鳥獣の肉。冬に向けて脂肪を蓄え、狩猟の解禁も重なる秋がシーズンとされるが、最近は「夏ジビエ」が話題になっている。農作物に被害を与える有害鳥獣として、通年捕獲されるシカなどの活用を図る自治体が増えているためだ。関係者は「夏ジカはおいしい」と口をそろえる。野生鳥獣による農作物被害は深刻だ。農林水産省によると、被害額は年間200億円前後。中でも多いシカ、イノシシは狩猟が解禁される秋から冬にかぎらず有害鳥獣対策として計画的に捕獲されている。しかし、捕獲後はほとんどが処分され、食肉として利用されるのはごく一部だった。食肉利用が増え始めたのは、市町村を中心とした被害対策を支援する鳥獣被害防止特措法の平成20年2月の施行がきっかけだ。食肉処理加工施設の整備も国による財政支援の対象となり、地域の特産にしようと、施設整備が全国的に広がった。農水省によると、施設数は同年12月の42カ所から昨年6月の146カ所に増加。こうした中、餌の豊富な夏においしいシカを「夏ジビエ」としてアピールする動きも出てきた。兵庫県丹波市では年間千頭のシカを処理できる施設が昨年から稼働。加工した精肉を通年販売する「丹波姫もみじ」は電話注文も全国から受けており、「雄のシカは、雌を追いかける時期の9月に向けて夏場に脂乗りがよくなる」とする。昨年から東京都内で始まった夏と冬の鳥取県産ジビエフェアに参加しているのは「いなばのジビエ推進協議会」だ。鳥取県東部のジビエ関係団体が24年5月に設立。高級食材を目指し、くさみが出ないよう捕獲・解体段階からの技術向上に取り組んでいる。同協議会で産地と飲食店などとの橋渡しをするジビエコーディネーター、米村晴己さんは「夏のシカは春先から新芽を食べて栄養を蓄え、脂の甘みのある肉が食べられる」と話す。同県若桜町の「わかさ29(にく)工房」ではシカを食肉加工して道の駅で販売するほか、電話注文にも応じる。「イノシシは冬に脂が乗るが、シカは夏もおいしい」。神奈川県伊勢原市で活動するハンター16人のグループ、大山・高部屋有害駆除班の磯崎敬三代表はこう話す。ジビエブームの中、市の商工会などで組織する地域特産物研究会で、シカ肉を観光振興に生かそうという話が持ち上がった。野生鳥獣肉は、寄生虫やE型肝炎ウイルスを保有している可能性など食品衛生上のリスクがあるため、厚生労働省が26年11月、衛生管理の指針を作成。磯崎さんは指針に沿って枝肉にする施設を今月、開設した。シカ肉は調理法が普及していないため、加工設備を持つ市内の柏木牧場でジャーキーやソーセージに加工、販売される予定だ。鳥獣被害の大きい県では、国の指針に先駆けて安全に食べられる仕組み作りに取り組んできた。長野県は19年、衛生管理のガイドラインを整備し、カレーやステーキなどのレシピも開発している。静岡県伊豆市は23年、食肉加工センター「イズシカ問屋」をオープン。県のガイドラインに基づきパック加工、地元の精肉店で小売りされている。「イノシシは冬に脂が乗るが、シカは夏もおいしい」。神奈川県伊勢原市で活動するハンター16人のグループ、大山・高部屋有害駆除班の磯崎敬三代表はこう話す。ジビエブームの中、市の商工会などで組織する地域特産物研究会で、シカ肉を観光振興に生かそうという話が持ち上がった。野生鳥獣肉は、寄生虫やE型肝炎ウイルスを保有している可能性など食品衛生上のリスクがあるため、厚生労働省が26年11月、衛生管理の指針を作成。磯崎さんは指針に沿って枝肉にする施設を今月、開設した。シカ肉は調理法が普及していないため、加工設備を持つ市内の柏木牧場でジャーキーやソーセージに加工、販売される予定だ。鳥獣被害の大きい県では、国の指針に先駆けて安全に食べられる仕組み作りに取り組んできた。長野県は19年、衛生管理のガイドラインを整備し、カレーやステーキなどのレシピも開発している。静岡県伊豆市は23年、食肉加工センター「イズシカ問屋」をオープン。県のガイドラインに基づきパック加工、地元の精肉店で小売りされている。
(シカ肉の「アヒージョ」いかが:北海道)
滝上町は5月、新たな特産品としてエゾシカ肉をオリーブオイルとニンニクで煮込んだスペイン料理「アヒージョ」のレトルト食品を発売した。町独自の特産品販売は初めて。滝上町、西興部村、上川管内下川町で昨年度まで2年間取り組んだ「オホーツク山の幸活用推進協議会」が3種類のレトルト食品を開発。3月にキーマカレーなど3種類を試験販売し、人気だったアヒージョを商品化した。試作ではモモ肉を使ったが、レトルト食品では煮込むとコクの出るスネ肉に切り替えた。パッケージは町職員がデザイン、落ち着いた和紙風のピンク色にまとめ、シバザクラのまち滝上らしさを表現した。1日の発売以降、道の駅香りの里たきのうえで約150個が売れ、町内の宿泊施設への販売分を含め、製造した2千個の半分が売れたという。開発を担当した町農政課の八木沼嘉彦特産開発係長は「町の特産品として事業が安定すれば、民間に引き継ぐことも検討したい」と話している。
(キジが玄関先に産卵:福岡)
野生のキジが行橋市二塚、山西晴男さん(80)宅の花壇に巣をつくり、7個の卵を産んだ。人が出入りする玄関から20センチの近さで、山西さんは「こんな所に巣をつくるとは」と驚いている。花壇の草取りをしようとした18日、キジのメスがじっとしているのを見つけたという。「けがしているのかと思い、なでてやったら逃げよった」。メスがいた所には卵が七つ並んでいた。北九州市の「いのちのたび博物館」の武石全慈学芸員は「これほど人間の近くに寄るのは珍しい」としつつ、「キジはカラスから卵を守るため、庭先に巣を作ることがある。人の出入りする所に居を構え、万一に備えているのでは」とみる。メスはほぼ一日、じっと卵を温めてほとんど外出しないという。5月上旬に顔が鮮やかな赤色のオスの姿もあったが、最近は見かけない。山西さんは「当分は草取りしないでそっとしておきます」。日本の民話「桃太郎」にも出てくるキジは日本の国鳥。草原や農耕地周辺の草むらにすみ、昆虫や植物の種を食べる。卵は3、4週間でふ化するとみられる。
(公園でカルガモ出産ラッシュ:神奈川)
横浜・仲町台のせせらぎ公園(横浜市都筑区新栄町)で現在、複数組のカルガモの出産ラッシュとなっている。園内には、自然林に囲まれた大きな池があり、カルガモのほか、カイツブリなどの水鳥が生息している。毎年5月上旬頃からカルガモのヒナが生まれるが、同時期に何組も生まれることは珍しい。5月5日頃に生まれた11羽のヒナを筆頭に、15日頃別の母カモから9羽が生まれ、さらに5月20日には3組の親子を確認。もう1組いるという情報もある。毎日公園を散歩しているという女性は「カラスなどの外敵だけでなく、子ガモが増えすぎると母ガモが他の子ガモを攻撃することもあるので心配。みんな無事に成長して巣立ってほしい」と話す。

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(熊に襲われ、69歳男性けが:長野)
18日午後5時40分ごろ、塩尻市宗賀の竹やぶ近くの道路を散歩していた近くの建築業男性(69)が熊1頭に襲われた。塩尻署によると、頭や首、両脚の太ももをかまれ、松本市内の病院に搬送された。松本広域消防局によると、命に別条はないとみられる。塩尻市や同署、地元猟友会員らが一帯を捜索したが、熊は見つかっていない。19日は小中学生の登校時間に合わせ、午前6時半ごろから警戒する。市森林課は「周辺では不要な外出を控え、十分注意してほしい」としている。現場は県企業局本山浄水場の南約500メートルで、国道19号の東約100メートル。畑が広がり、住宅も点在している。市によると、付近では17日にも熊が目撃され、地元区長を通して注意を呼び掛けたという。18日午後6時前、熊に襲われた男性から携帯電話で助けを求められた近くの男性(69)は、近所の2人と現場に駆け付けた。男性は歩いていたが、頭から手足まで傷があって、血まみれだったという。
(熊襲撃現場見回り、捕獲用のおり設置へ:長野)
長野県塩尻市宗賀で18日夕、近くの建築業男性(69)が熊1頭に襲われてけがをしたのを受け、市や塩尻署、市猟友会の関係者らは19日朝、現場付近の見回りをした。熊は発見できず、足跡なども見つからなかった。同日午後には捕獲用のおりを設置する予定で、引き続き注意を呼び掛けている。現場は県企業局本山浄水場の南約500メートルで、国道19号の東約100メートルの山林。男性は未舗装の山道を散歩中に襲われた。命に別条はないとみられる。見回りは雨の中、午前6時半ごろから20人ほどで行い、山の斜面や竹やぶを見て回り、おりの設置場所を決めた。市によると、17日夕にも付近で親熊1頭と子熊2頭がいたとの目撃情報が市に寄せられ、注意を呼び掛けていた。見回りに参加した県松本地方事務所の鳥獣対策専門員、竹内玉来(たまき)さん(50)は「目撃情報がある時は山に入るのを控えた方がいい。入る際は、ラジオなど音の出る物を携帯してほしい」と話した。地元の宗賀小学校は19日、スクールバス利用以外の児童は当面、集団下校することにした。また、教職員や保護者らが、現場近くのスクールバスのバス停周辺に立つことにした。
(男性がクマに襲われ:青森)
山菜採りの男性がクマに襲われ、けがをしました。21日午前8時ごろ、青森県黒石市で、75歳の男性が友人と2人で山菜を採るために山に入ったところ、クマに襲われました。悲鳴を聞いた友人が駆け付けると、男性は顔から血を流して倒れていて、体長約1.5mのクマが逃げていくのが見えたということです。男性は顔に全治2週間のけがをしました。警察は、付近に「クマに注意」の看板を立て、住民に注意を呼び掛けていました。
(消防署員、クマに襲われ大けが:滋賀)
20日午後4時30分頃、滋賀県高島市今津町の三重嶽(974メートル)を登っていた大阪府高槻市北消防署の消防士吉田勝則さん(51)(大阪府摂津市鳥飼八防)から、「クマに襲われてけがをした」と110番があった。吉田さんは腕や頭に大けがを負い、県の防災ヘリで救助された。滋賀県警高島署によると、吉田さんは1人で山頂を目指し、尾根づたいに進む途中で突然、現れたクマに襲われたらしい。
(落下してきたクマともみ合い男性けが:宮城)
19日午前10時55分ごろ、宮城県白石市福岡八宮の山林の沢で、1人で釣りをしていた同県丸森町の男性(65)がクマに襲われた。白石署によると、男性は顔にけがをしたが、自ら病院に行き、命に別条はない。署によると、男性は「50~60センチのクマが木の上から落ちてきた」と話している。顔を引っかかれてもみ合いになり、一緒に沢に転落した。さらに男性が抵抗すると、クマは山林に逃げたという。
(改正鳥獣保護法施行で全国的に体制強化)
増えすぎた野生動物が農作物や生態系に深刻な被害を与えている事態を改善するため、捕獲体制を強化する「改正鳥獣保護法」が今月29日に施行される。動物に食い荒らされた農作物の被害額は、調査を始めた1999年から年間200億円前後で推移。2013年の調査では、全ての都道府県で年間4500万円超の被害が出ている。貴重な高山植物への食害など生態系に与える影響も深刻だ。市街地にクマやイノシシが迷い込み、人間に危害を加えることもある。被害が深刻化している主な原因は、(1)動物の生息域の拡大(2)狩猟者の減少・高齢化(3)耕作放棄地の増加―だ。特に狩猟者の減少に関しては、1975年から2012年までに狩猟免許所持者が30万人以上減った。そこで改正鳥獣保護法では野生動物を捕獲する担い手を増やすため、捕獲の専門事業者を都道府県知事が認定する制度を創設。猟友会のほか、警備会社などの参入を想定し、効率的な捕獲体制の実現をめざす。網やわなを使った猟の免許が取得できる年齢を20歳以上から18歳以上に引き下げたり、条件付きで住宅地での麻酔銃の使用を認めたりするなど規制緩和も進めた。野生動物による暮らしと生態系への被害対策を充実するため公明党は、改正鳥獣保護法の成立に尽力。捕まえた動物の命をムダにしないという観点から、ジビエ料理(野生動物の肉を使った料理)への活用も推進し、地方創生につなげようと取り組んでいる。
(クマ目撃:新潟)
18日正午ごろ、柏崎市佐水の水田で体長約1メートルのクマを目撃したと、農作業をしていた近所の男性が柏崎署に通報した。同署によると、クマは現場近くにある高齢者施設の脇を通って山林の方向に移動した。
(中学校近くの用水路でシカを保護:福岡)
21日午前、福岡県大刀洗町の中学校の近くでシカが見つかり、警察や地元の猟友会が追いかけておよそ1時間後に用水路で保護されました。21日午前10時ごろ、福岡県大刀洗町の大刀洗中学校近くの用水路で、体長1メートル余りのオスのシカが見つかりました。住民から連絡を受けた地元猟友会の山本岩雄さんによりますと、住民が道で歩いているシカを見つけ、追いかけていったら用水路に落ちたということです。シカはしばらく用水路の中を泳いだり走ったりして逃げましたが、およそ1時間後に、駆けつけた警察官らによってロープを使って用水路から引き上げられ、保護されました。けが人はいませんでした。大刀洗町役場の森利一郎産業課長は「まさかシカが出るとは思わなかった。無事に捕獲できてよかったです。餌を求めて山から下りてきたのかもしれない」と話していました。また、猟友会の山本さんは「シカは山から山に渡ることもあるため町に出ることもあるが、刺激したりしなければ人を襲うことはないので、見つけたら落ち着いて、警察などに通報してほしい」と話していました。このシカは、一時、町役場で保護された後、午後1時ごろに山に返されたということです。
(「サル噛みつき」事件で猟友会がワナを設置:大分)
5月15日、佐伯市の民家で出没したサルに女の子が指をかまれて、けがをした事件を受けて地元猟友会は20日、現場周辺の2か所に捕獲用のわなを設置しました。5月15日、佐伯市弥生の江良地区で民家の敷地内にサルが出没し4歳の女の子が指をかまれ、軽いけがをしました。これを受けて、20日佐伯市猟友会のメンバーが現場周辺の2か所に、捕獲用のわなを設置しました。わなはサルがエサを求めて民家に出没しているとみられることから、色づき始めたビワの樹のそばに設置され定期的に猟友会が見回ります。市によりますと、弥生地区には2014年の秋口から民家にサルが頻繁に出没するようになり、2015年4月から、10件以上の目撃情報が寄せられています。
(停電原因はカラスの巣:広島)
広島市で、住宅街に電気を送る電柱にカラスが巣を作り、停電の原因になるおそれがあるとして、巣の撤去作業が行われている。巣の撤去作業は21日も行われた。中国電力によると、電柱にカラスが巣を作り始めたのは2月17日だが、すぐさま停電になるおそれはないと判断、ヒナの巣立ちまでそのまま残された。そして、今月7日、ヒナが巣立ったことが確認された。広島市中心部の電柱には、1年間に平均360ものカラスの巣が確認されている。巣作りをさせないための器具を設置しているが、数が減ることはない。カラスは3月から4月に繁殖期を迎える。今年、カラスの巣が原因で起きた停電は3件、4850戸に影響が出た。電柱には、電流が流れないよう電線と絶縁されているが、カラスが作った巣が電線と接触すると大量の電流が流れてしまい、停電になるおそれがある。広島市中心部では94か所の巣が撤去された。中国電力は、ヒナの巣立ちを確認し、すべての巣を撤去する方針。
(カラスの巣でショートし2900戸停電:佐賀)
18日午後4時半ごろ、江北町や武雄市、大町町、白石町の4市町の一部で約2900戸が最大48分間停電した。消防によると、午後4時52分ごろ、江北町山口で電柱の上にあったカラスの巣が燃える火事があった。九州電力佐賀支社によると、巣が電線と接触してショートしたことが原因という。
(置き石か、電車に遅れ:福島)
19日午後3時ごろ、福島県郡山市本町2丁目の東北本線郡山-安積永盛駅間で、郡山発黒磯行き上り普通電車の乗務員が異音を感知し停車。確認したところ、レールに石が砕けたような跡があった。電車は同3時32分に運転を再開。東北本線の上下線6本が最大37分遅れ、約650人に影響した。JR東日本によるとカラスによる置き石の可能性もあるという。
(トド駆除苦戦、ハンター不足響く:北海道)
道内に深刻な漁業被害をもたらしているトドの駆除が思うように進まず、道内の駆除頭数が2014年度分(昨年9月~今年6月)の上限に及ばない見込みであることが分かった。上限は14年度から516頭と倍増したものの、これまでの実績は400頭前後にとどまる。慢性的なハンター不足や海上での猟の難しさがあらためて浮き彫りになった形だ。水産関係者によると、道内の駆除頭数は現在「400頭程度」。今後は全道でさまざまな漁が本格化する時期で、トドの駆除ができるハンター約150人のうち約半数を占める「漁業者ハンター」の出猟は多く見込めない。このため、残り10日余りで大幅な上積みは望めないのが実情だ。駆除上限は過去2年にわたって253頭で、13年度の実績は上限ちょうど、12年度も249頭を駆除した。一方で漁業被害額は増え続け、13年度は過去最高の約19億8千万円となった。水産庁は14年度から上限を約2倍に拡大し、道も猟友会所属のハンターにトド駆除への参加を促すなどして上限の達成を目指してきた。被害の大きい宗谷管内礼文町の船泊(ふなどまり)漁協によると、3月末の直近の集計で同漁協管内で駆除した頭数は約70頭と、前年度とほぼ同数にとどまった。漁協幹部は「トド撃ちは一生懸命やっているが、18人いる漁業者ハンターをこれ以上増やすのは難しい。魚がいれば本業(漁業)を優先せざるを得ない」と打ち明ける。
(有害鳥獣捕獲、銃で:静岡)
伊豆市は18日、昨年7月の誤射による死亡事故以来中止していた、銃による有害鳥獣捕獲を6月1日から再開すると発表した。わな猟に限り昨年10月5日に再開したが「わな猟だけに抑制すれば、シカやイノシシが相当増えてしまう」(菊地豊市長)と判断した。市が指定する有害鳥獣捕獲隊員のうち、銃猟免許を所持する146人全員に、市が射撃場で開く射撃研修と安全対策研修会への参加を求める。責任者など30人には救命講習受講も求める。いずれも従来は猟友会任せで市は開催していなかった。また市は無線機58台を購入。ハンター同士が位置を連絡し合うため使ってもらう。これまではアマチュア無線を使っていたが、総務省から「アマチュア無線を業として使うのは違法性がある」と指摘されたという。誤射を避けるため、木々の葉が生い茂る7?8月は猟による捕獲をしない。これまで捕獲は事後報告だったが、事前に場所や人数を市に報告する。今年度の捕獲目標はシカ650頭、イノシシ250頭。菊地市長は18日の定例記者会見で「有害鳥獣は農作業の被害のみならず、交通事故や通学路へのイノシシ出没など市民の安全面でも問題がある。痛ましい事故があったが安全対策を取ったうえで再開したい」と述べた。昨年7月の事故は、猟友会員の男性が、シカと間違えて仲間の猟友会員(当時60歳)に発砲し、死亡させた。
(21年ぶりアライグマ捕獲:鹿児島)
県は19日、特定外来生物に指定されているアライグマ1匹が1月に姶良市で捕獲された、と発表した。県内での捕獲は1994年以来、21年ぶり。県によると、姶良市重富地区の里山で1月15日、イノシシの捕獲用のわなに掛かり、死んでいた。猟友会の男性が撮影した写真を基に、県は今月18日、アライグマと断定した。大きさなどは不明。アライグマは北米原産で、国内には1970年代以降にペットとして輸入された。捨てられて野生化する個体が増え、生態系や農作物に被害を及ぼすとして、現在は外来生物法で飼育や輸入が原則禁じられている。九州では北部を中心に生息しているが、県内では確認されてこなかった。長田啓・県自然保護課長は捨てられたペットかその子孫の可能性が高いとして、「いったん定着すると大きな被害を及ぼす」と懸念。他に侵入例がないか情報提供を呼びかけている。
(アライグマ、定着なら農作物被害も:鹿児島)
外来生物法で輸入や飼育が禁じられた「特定外来生物」に指定されているアライグマが鹿児島県内で1頭、21年ぶりに捕獲された。元々は北米原産で日本にはいなかった動物だが、全国39都道府県に生息範囲が拡大し、各地で農作物被害や生態系への悪影響が報告されている。九州7県では鹿児島県のみで定着が確認されていなかったが、県は「県内に定着したとなれば、農作物に多大な被害が予想される」として、現状を把握するため広く情報提供を呼び掛けている。県によると、アライグマは同県姶良市で1月15日、イノシシ駆除用のわなに掛かっていた。性別や体重は不明。捕獲した男性が撮影していた写真からアライグマと確認した。県内でのアライグマの捕獲は1994年に旧大口市(伊佐市)で捕獲されて以来となる。アライグマは70年代にテレビアニメで人気が出て、ペットとして輸入された。逃げたり捨てられたりした個体が野生化し、農作物を荒らすようになり、2005年にブラックバスやマングースとともに特定外来生物に指定された。雑食性で、魚、カニ、カエル、ネズミなど何でも食べる。暑さや寒さにも強い。愛らしい顔とは裏腹に性格はどう猛で、牛や鶏などの家畜を襲う例もある。手先が器用で、ミカンやトウモロコシの皮をむいて食べ、スイカも穴を開けて実をほじり出すという。国内では近畿や北海道を中心に被害が拡大している。農林水産省によると、農作物被害額は03年の1億円弱から12年には3億3千万円と約3倍になっている。県自然保護課は「他に目撃情報はなく、定着したかどうかは不明。県のホームページで周知して情報提供を呼び掛け、その結果を見て捕獲に乗り出すかどうかを検討したい」としている。顔つきや体格がタヌキやアナグマと似ているが、見分けるポイントは尻尾のしま模様という。
(鳥獣被害で捕獲目標:奈良)
ニホンジカやイノシシ、ツキノワグマなどによる農林水産業への被害の深刻化に対応する「改正・鳥獣保護法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)」が今月29日に施行される。これを受け、県自然環境保全審議会鳥獣部会(部会長・高橋春成奈良大学教授、7人)は13日、改正法に沿った県の「第11次鳥獣保護事業(管理)計画」(計画期間=平成24年4月~29年3月)の変更案を協議、おおむね了承した。法施行日に合わせて正式に策定される。法律は、保護に加えて「管理」の文言を法の名称に入れ、各都道府県が「特に保護すべき鳥獣」と「特に管理すべき鳥獣」に分けて計画を策定するよう求めているのが特徴。
(上高地にシカ監視カメラ:長野)
林野庁中信森林管理署(長野県松本市)は、同市安曇の景勝地である北アルプス・上高地にニホンジカの生息を確認する監視カメラを設置する。生息域が高山地帯にも広がっており、実態を確認して対策を講じるのが目的で、管理署が北アで監視カメラを設けるのは、西穂高岳稜線(りょうせん)付近に続き2カ所目。今回設置するのは、河童橋から北東に約5キロ離れた標高約1550メートルの徳沢地区で、6月をめどに設ける。管理署によると、北アでのニホンジカの生息域は年々拡大し、徳沢地区では昨年6月、山小屋関係者から目撃情報が寄せられた。同年7月に設置した西穂高岳稜線(標高2、180メートル)付近では、10月までに計2回、ニホンジカ1頭ずつが撮影されている。ニホンジカの生息域拡大で、上高地でも絶滅危惧種のニホンライチョウが生息域を追われたり、コマクサなどの高山植物が食い荒らされたりする被害が懸念されている。南アルプスでは1990年代から高山植物の食害や踏み荒らしが深刻化しており、管理署の岩塚伸人さん(52)は「生息を確認次第、侵入経路を早急に調べて対策を講じたい」と話している。
(クマ情報、地図で発信:福島)
県内で人がクマに襲われる被害が相次いでいることから、県は、特に被害が多い会津地方振興局管内の13市町村を対象に、これまでの出没地点や被害場所などを地図上に示した「会津くまナビ」を作成した。計10万世帯に配布したほか、県ホームページでも公開している。県は「5月は例年、人身被害が最も多い。山などに入る前に役立ててほしい」としている。地図では、クマに襲われて人が死傷した場所は赤、捕獲された地点は黄、農作物被害は緑、目撃情報は青と、それぞれの地点を色で区別した丸印で示した。13市町村で計約1800件、最大過去6年分を掲載している。例えば、会津若松市では市中心部に近い飯盛山付近でも人身被害が発生していることや、南部の山間部などではクマが捕獲されたり、目撃されたりした地点が多いことが分かる。その他の市町村でも、山や森林から人里に移り変わる地帯や、山に近い農地での目撃・出没情報が多い。今年度は4月にすでに2件、登山客や山菜採りの男性がクマに襲われて負傷する被害が発生している。県自然保護課は「地図で警戒するとともに、鈴やラジオなどの音で自分の存在をクマに知らせてほしい」と注意を呼び掛けている。
(鳥獣被害の防止に向け「対策実施隊」結成:新潟)
新発田市は、野生動物による被害防止につなげようと、猟友会員を中心とした新組織を立ち上げた。市の非常勤職員となる隊員に20日、辞令が交付された。新発田市は20日、猟友会員を中心とした「鳥獣被害対策実施隊」を結成し、猟友会の代表8人に辞令を交付した。新発田市では昨年度、サルなど野生動物による農作物被害が1700万円確認されている。また、県内では野生動物が幹線道路や街中で目撃されるケースも増えていることから、人的被害を防ぐ対応も求められている。こうした背景から組織された「鳥獣被害対策実施隊」は、市の非常勤職員として身分が保証される。猟友会員は、これまではボランティアとしてほぼ無料で野生動物の駆除にあたっていたが、今後は新発田市から1日3000円の日当や保険の費用が支払われる。新発田市は、ほかにも追い払いや見回りなどの活動で、野生動物の被害防止に取り組んでいく考えだ。
(鳥獣被害防止協議会、今年度事業確認:長野)
野生鳥獣による農林業への被害防止に広域的に取り組む上伊那鳥獣被害対策協議会の総会が20日伊那市役所で開かれました。総会には上伊那8市町村のほか農林業の関係者およそ30人が出席しました。今年度は、サルの囲い罠や行動調査、鹿や猪のくくりわなの購入などを計画していて、事業費は1800万円となっています。会長の白鳥孝伊那市長は「猿による被害が年々増加している。今年は南アルプスにも対策を広げ積極的に取り組んでいきたい」と話していました。協議会では今後も広域的かつ継続的な対策を進め、野生鳥獣の農林業被害の軽減を図っていくとしています。
(クマとの遭遇に注意しましょう:長野)
初夏を迎え、山に入る機会が多くなるこの時期は、クマとの急な遭遇に注意して、事故に会わないようにしましょう。クマと遭遇しないようにするには、人間の存在をクマに知らせるため、鈴やラジオなど音の鳴るものを身につけましょう。この時期のメスグマは、子連れでいることが多い時期です。子連れのクマに注意して、見通しのきかない薮の中に入る時は十分注意しましょう。また、クマが行動する夕方から早朝は、特に注意しましょう。
(カラス対策、黄色い袋に効果:栃木)
カラスには中身が見えにくいとされる、宇都宮大などが開発した紫外線をカットする黄色のごみ袋の有効性を検証するため、市が行ってきた実証実験で、市は14日「被害に遭いにくい効果がある」とする中間報告を発表した。実証実験は、市街地の8世帯の協力を得て、黄色の被害対策袋と、灰色透明の市指定袋の被害の有無を検証した。その結果、一緒に出した場合、114袋のうち被害は指定袋13袋のみで、対策袋はゼロ。対策袋のみの調査でも152袋に被害はなかった。また、宇都宮大などが開発した、カラス対策ネットの有効性も調査。ネットを指定袋にかぶせたところ、119袋すべてに被害なし。また、通常のネットだけでも、、つつかれた跡はあってもごみが散乱することはなかったという。市は本年度も引き続き実証実験を行う。
(オオカミ復活で日本の山の生態系守れ:埼玉)
シカの食害などによる生態系破壊をオオカミの視点で考えようと、「日・米・独オオカミシンポジウム2015 復活と保護」(産経新聞社など後援)が6月8日午後6時から川越市のウェスタ川越で開かれる。日本オオカミ協会が同月3日から8日まで、全国6カ所で開催するシンポジウムの一環。川越では同協会埼玉県支部(岩堀弘明支部長)が主催する。日本では約100年前、ニホンオオカミが絶滅。生態系の頂点に立つ捕食者がいなくなり、シカやイノシシなどが急増。森林が食害され、農作物被害、山の荒廃を招く一因となった。シンポジウムはアメリカとドイツのオオカミ専門家2人が講演。米国・イエローストーン公園で絶滅したオオカミを再導入した結果、破壊された生態系が修復された事例や、ドイツでのオオカミ保護の現状などを紹介。パネルディスカッションも行われ、会場の質問も受ける予定。岩堀支部長は「日本でも荒廃した山を回復するにはオオカミの復活しかない。オオカミは人を襲うという誤解があるが、もともと臆病な動物。オオカミを理解し、復活を求める機運を高めたい」と話している。
(ジビエ普及、課題は供給:石川)
県などがブランド化を進める野生獣肉「いしかわジビエ」の利用促進研究会が二十一日、県庁であった。認知度アップに向けた本年度の事業計画を確認した一方、意見交換では、安定供給の壁が依然高いことが浮き彫りになった。料理人の会員は、メニューに取り入れるには流通の強化が不可欠と指摘。ANAクラウンプラザホテル金沢総料理長の川上清さんは「(課題は)安定供給と値段だ」「どこで買えるか分からないと前に進みづらい」。イノシシ肉が和牛A4ランクと同様の高値で納入されていると伝えた。金沢東急ホテル総料理長の丸山修司さんは「イノシシ肉を使いたくても手に入らない」と明かした。県猟友会の永川春一さんは個体の運搬と解体の負担が大きいため「役所で猟友会を援助してもらえれば肉は広く渡る」と提案した。白山市内に解体施設を持つ「白山ふもと会」の千菊裕二会長は「現状は年間百四十~百五十頭だが三百頭以上をさばかないと経営できない」と訴えた。ジビエ料理専門家の点田賢司さんは「一般の人にいかに浸透させるか。主婦層に発信を」と求めた。イノシシ肉をペースト状にしたリエットを振る舞い、会員から「臭みがない」「イノシシと分からない」と好評を博していた。研究会は昨年度に料理人らの協力で二十八品のレシピを開発。本年度は料理人向けの調理技術研修会やジビエ料理フェアの開催などを進める。本年度は県獣医師会や捕獲数が急増する輪島市や羽咋市、かほく市、能美市、宝達志水町、中能登町が加わり二十五会員となった。
(シカ肉ハンティング:東京)
意外と知られていない奥多摩の特産品であるシカ肉。渓谷や湖、山並みなど変化に富んだ景色が見られるコース「大多摩ウォーキングトレイル」で山の散策を楽しんだら、シカ肉を味わって胃袋を満たそう!奥多摩町観光案内所近くの天益(東京・奥多摩町)は、餃子の店だが、ジューシーな「鹿肉の竜田揚げ」(700円)も味わえるのでおすすめ。カリッと香ばしい肉厚な竜田揚げは、わさびを添えて食べると、さらにおいしさがアップ!奥多摩町観光案内所では、「奥多摩 山の恵みカレー」(420円)を入手しよう。たっぷりのシカ肉にワサビの茎を加えた、オリジナルの贅沢カレーとなっている。そして、昔ながらのまたぎ風シカ焼肉が楽しめる丹下堂(東京・奥多摩町)へも足をのばしたい。「鹿肉定食」(1500円)は、柔らかく、食べやすいシカ肉を存分に堪能できるメニュー。季節の野菜を使った煮物とけんちん汁もセットになっている。
(「けもかわプロジェクト」HP完成:長野)
長野県泰阜村の地域おこし協力隊、井野春香さん(27)が中心となって有害鳥獣の皮革から名札ケースなどを作って販売する取り組み「けもかわproject(プロジェクト)」のインターネットのホームページが完成した。動物の命を大事にしたいとするプロジェクトの理念を多くの人に紹介するとともに、商品の注文も受け付けて販路の拡大も目指す。「けものかわいい」「けもののかわ」の二つの意味が込められている同プロジェクトは有害鳥獣として駆除された鹿のなめし革から携帯ストラップや名札ケースなどを作り、村内外で販売している。注目されるようになり、商品購入方法の問い合わせも増えたため、手軽に商品を注文できるようにとNPO法人に依頼してホームページを作成した。村も本年度、プロジェクトに関わる地域おこし協力隊員を新たに2人採用し、取り組みを後押ししている。今後の取り組みについて、井野さんは「有害鳥獣で駆除された動物の肉についても活用を考えていきたい」としている。
(牙アクセサリー、イノシシ料理提供店で販売:福岡)
イノシシラーメンを提供している行橋市西宮市1の「らーめんしながわ」(品川敏見店長)が、イノシシの牙を使ったペンダントなどのアクセサリーの試行販売を始めた。しながわは、みやこ町で捕獲されるイノシシを使い、2010年からイノシシラーメン(750円)を提供している。豚骨のように骨を煮込んでスープを取り、麺にイノシシ肉を添えたジビエ料理だ。イノシシスープにカレー粉を溶かすイノシシカレー(500円)も人気だ。品川さんは当初から、牙をアクセサリーに活用する構想を持ち、スープを取った後に残る牙を保管していた。牙はメスだと3〜4センチ、オスだと5〜10センチに及び、鋭く曲がり、ペンダントにすると古代人の装飾品であるまが玉のようだ。4月、来客から市内の彫金家の紹介を受け、構想を実現した。牙を磨いて形状を整え、金具やひもをつけてペンダントやキーホルダー、携帯ストラップにした。一つ作るのに約9000円の費用がかかるため、1個1万〜1万5000円の高価なアクセサリーだが、品川さんは「魔よけやお守り、目標に向かって猪突(ちょとつ)猛進したい時にお勧めです」と話している。

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(山菜採りの男性、クマに襲われ大ケガ:山形)
17日午前7時ごろ、山形県飯豊町岩倉の会社員・高橋力夫さん(57)が自宅近くの山で山菜採りをして帰る途中、突然クマと遭遇し、襲われた。高橋さんは約30分後に自力で自宅に戻り、妻が119番通報した。高橋さんはあごや両腕をかまれる大ケガをして病院で手当てを受けている。警察の調べによると、高橋さんは17日午前5時ごろから一人で自宅裏の山に山菜採りに入り、自宅に戻る途中で突然、クマに出くわしたという。現場は、地元の神社の南西300メートルほどの山林。警察では現場付近にパトカーを出して住民に警戒を呼び掛けているほか、地元の猟友会が山に入り、クマが里に近づかないよう見回りを行った。
(女児がサルに噛まれてけが:大分)
15日午前、佐伯市で住宅の玄関先に出没したサルに、女の子が指をかまれてけがをしました。15日午前11時頃、佐伯市弥生江良の民家の敷地に猿が出没し、近くに住む4歳の女の子が左手人差し指をかまれ、軽いけがをしました。女の子は当時、一人で親戚の家を訪れていて、玄関先にいたところを猿に噛まれたということです。現場は住宅地で、地元の住民によりますと、1か月前にも近くで幼稚園児がサルに威嚇されたということです。サルの出没を受け、近くの切畑小学校では集団下校となり、サル撃退銃を持った教諭が児童を引率しながら帰宅させました。警察と市の職員が猿を探すとともに周辺住民に注意を呼びかけています。
(クマ目撃:新潟)
17日午前8時前、長岡市高町の市道にクマ1頭がいるのを、同所の男性が発見した。長岡署によると、クマは体長約1メートル。目撃された場所から最寄りの民家まで約50メートル、柿小学校までは約500メートルの距離。同署や市は看板を設置するとともにパトロールをするなどして住民に注意を呼び掛けている。また、17日午後4時半ごろには、阿賀町向鹿瀬の鹿瀬商工会付近でクマを目撃したと、通り掛かった女性から町を通じて津川署に通報があった。津川署によると、クマは体長約60センチ。国道を横切り、山の方に入っていったという。目撃された場所は近くに工場や住宅があり、鹿瀬小まで約500メートルの距離。同署と町は注意を呼び掛けている。
(サル目撃相次ぐ:千葉)
横芝光町や山武市の九十九里沿岸部で、野生とみられるサルの目撃情報が相次いでいることが15日までに、山武署などへの千葉日報社の取材で分かった。腕に軽傷を負った男性もいる。
(犯人はカラスか、線路の置き石で停車:福島)
16日午前9時45分ごろ、二本松市住吉のJR東北線本宮-杉田駅間で、走行中の下り普通列車(4両編成)の運転士が異音に気付き、列車を止めた。点検の結果、レール上に踏みつぶされた石が見つかった。けが人や車両の損傷はなかった。JR東日本は、カラスが線路に置いた石を列車が踏んだとみている。JR東日本福島支店によると、レール上に粉々になった石が5センチほどの範囲に残っていた。現場は踏切から離れており、人がいたずら目的で立ち入った可能性は低いという。運転士が線路付近にカラスがいるのを目撃していることから、カラスがレール上に石を置いたとみられる。東北線は点検と安全確認が必要となり、上下2本が最大28分遅れた。約280人に影響した。
(カワウ駆除に本腰:宮城)
7月1日のアユ漁解禁を前に、仙台市の広瀬名取川漁協(金子賢司組合長)は20日、地元猟友会の協力でカワウの駆除を実施する。東日本大震災後、川釣り用に放流した稚魚の捕食被害が増えているためだ。これまでロケット花火で追い払ってきたが効果は薄く、初の猟銃使用に踏み切る。駆除が行われるのは、広瀬川が「渡幸大橋付近」(青葉区芋沢)、「サイカチ沼」(同区上愛子)、名取川が「竹ノ内橋付近」(太白区秋保町)、「碁石川合流点」「人来田発電所付近」(同区茂庭)、「名取大橋下流」(同区郡山)の計6カ所。午前6時ごろから60羽の駆除を目指す。漁協は毎年、アユやイワナ、ヤマメの稚魚を放流している。だが、近年は増えすぎたカワウに放流魚の約4割が捕食されていたため、有害鳥獣駆除の許可を得て、初めて実施に踏み切る。金子組合長は「放流するそばから群がって食べられるのを見ているしかない」と憤慨。被害額は400万円以上に及ぶ。カワウは広瀬、名取両河川の流域で少なくとも200羽以上が確認されている。名取川水系の釜房湖(宮城県川崎町)に大きなコロニーをつくり、年々増加しているという。名取川の河口付近に営巣していた群れが、東日本大震災の津波で巣を失い、中流域に移動してきたケースや、既に駆除の行われている福島、新潟両県から逃げてきた個体もあるとみられる。金子組合長は「川釣りを楽しんでほしい一念」と銃による駆除に踏み切った理由を説明。ただ、環境への配慮から、一般的な鉛の銃弾は使えず、威力の弱い鉄の銃弾を用いざるを得ない。目標数を駆除するのは難しいとみられている。漁協は粘り強く駆除を継続していく方針。当日は危険なので駆除エリアに近づかないよう呼び掛けている。
(ストップ鳥獣害:宮城))
イノシシによる農作物被害が後を絶たない宮城県仙台市。2014年度の被害額は741万円で、前年よりも337万円減少したものの、依然として高い水準にある。そのほとんどが水稲への被害で、移植後の苗を踏み荒らしたり、収穫前の稲が食害されるケースが多い。主に青葉区西部(旧宮城町)、太白区西部(坪沼、旧秋保町)および泉区西部など中山間地域に被害が集中している。
(2014年度のクマ出没、3倍増に:新潟)
2014年度の県内のツキノワグマの出没・目撃数は910件で、前年度の3倍に急増したことが17日までの県のまとめで分かった。11年度以降で最多だった。餌となるブナの実がほとんどならず、人里に多く出てきたとみられる。14日には専門家や行政関係者が県庁で検討会を開き、クマやサルなどの鳥獣被害の対策を協議した。県によると、県内のツキノワグマの推定生息数は1316頭。13年度の出没・目撃数は302件で、けがを負うなどの被害に遭った人はいなかったのに対し、14年度は急増し、昨年4月に村上市でクマに襲われたとみられる女性が亡くなったほか、7人があばら骨を折るなどのけがをした。本年度に入ってからの出没・目撃数は、15日現在で58件。頭を引っかかれるなどして1人が軽傷を負った。14年の同期は06年以降で最も多い92件で、1人が腰などに重傷を負った。ブナが多く実を付けると予想される今秋は出没が減る見込み。14日の検討会では、新潟大農学部教授の箕口秀夫会長は「ことしはブナが大豊作となる見通しだが、豊作の翌年は全く実がならない。来年は出没が増えるので、先を見据えた長期間の対策が必要だ」と強調。山際のやぶ払いや電気柵の設置で、クマが市街地に入るルートを断つなどの対策を確認した。検討会では、イノシシやニホンザル、今後被害の増加が懸念されるニホンジカなどについても、被害状況や市町村の取り組みが報告された。生態に応じた電気柵の設置や、被害予防の方法を専門家が助言した。県議会は野生鳥獣の管理強化を目指し、県や市町村の役割を明記した条例を昨年12月に制定した。箕口会長は「対策では周辺県との兼ね合いも考えなければならない。周辺県との調整は県でないとできない」と話し、対応を促した。
(駒止湿原で山開き:福島)
南会津町と昭和村にまたがる国指定天然記念物の駒止湿原は17日、山開きを迎え、県内外から訪れた大勢のハイカーが春の湿原の散策を楽しんだ。同湿原は昨年、ニホンジカの侵入が確認され、ニッコウキスゲなどが食べられる被害があった。湿原の環境への影響が懸念されることから、南会津町などは通路にシカを誘い込んで捕獲する「囲いわな」を初めて設置し、捕獲の効果を確認する。カメラによるシカの生息状況の調査に取り組み、防護柵の設置など今後の対策を検討する。
(ニホンジカ食害対策、白神山地にカメラ設置:秋田)
環境省と林野庁は、世界遺産・白神山地のブナ林への食害が懸念されているニホンジカ対策で、自動撮影カメラの設置を昨年に引き続き始めた。青森、秋田両県にまたがる遺産地域内と周辺に計75台を据え付け、生息状況の確認を進める。カメラは動物の熱を感知して自動的に撮影する。3、4週間ごとに担当者が山中に入ってデータを回収し、ニホンジカが写っていないかを調べる。昨年から本格的に設置を始め、ことしは7台増やした。内訳は青森側が45台、秋田側が30台。うち9台は世界遺産の核心地域内、2台は緩衝地域内、1台は緩衝地域外との境界線付近に置く。昨年は遺産地域まで150メートルの地点でニホンジカとみられる動物が複数回撮影されており、侵入は時間の問題とみられている。初日の14日は青森県深浦町と秋田県八峰町の国有林などに設置。6月下旬までに作業を終える。雪が降ると撮影が難しくなるため、11月初めごろに再び取り外すという。東北地方環境事務所西目屋自然保護官事務所の担当者は「シカ対策を講じる上で、まずは生息状況を把握することが重要だ。遺産地域内のカメラに姿が捉えられれば侵入が確定的になる」と説明する。
(鳥獣被害の防止策探る:佐賀)
イノシシなどによる被害を減らそうと、佐賀県の鳥獣被害対策指導員養成研修会が13日、小城市のドゥイング三日月で開かれた。市町やJA、関係機関の職員ら約200人が被害の現状や効果的な被害防止策などについて知識を深めた。研修会では県生産者支援課の職員が県内の鳥獣被害の現状や侵入防止柵などの対策状況、鳥獣保護法や有害鳥獣捕獲制度など関係法令を説明。事例発表では、農地と山林の間に牛の放牧地を設けて緩衝帯にする太良町の取り組みなどが発表された。また、近年問題となっているアライグマやアナグマなどの中型ほ乳類、サル、カラスなど鳥類への対策も紹介された。県内の野生鳥獣による農作物の被害は、2002年度の7億円をピークに減少しているが、13年度は2億500万円の被害があった。被害の約半分はイノシシによるコメや野菜の食害で、カラスやヒヨドリなど鳥類による果樹の被害も目立っている。
(農作物の鳥獣被害額増、主因はイノシシ:富山)
県内の農作物への鳥獣被害は昨年度、九千四十七万円に上り、前年度から三百三十六万円増えた。有害鳥獣として捕獲されたイノシシは千百五十八頭で、前年度の五百十七頭から二倍以上に増えており、県の担当者は「これだけ捕獲しても、被害が増えている」と事態の深刻さを嘆く。十五日、富山市の県民会館であった県鳥獣被害防止対策推進協議会の総会で、被害が報告された。県内の農作物被害は二〇一〇年度の一億二千四百二十四万円から減少傾向にあり、一三年度は八千七百十一万円だった。一四年度の被害のうち、イノシシの被害が四千百九万円と最多で、カラスの三千九百五十一万円、ニホンザルの三百九十六万円と続いた。有害鳥獣として捕獲されたイノシシは、〇六年度の十二頭から増加傾向にあり、一四年度は過去最多。各市町村が捕獲体制を強化したためとみられる。このうち、一頭あたり八千円の捕獲活動経費は五百四十二頭分で支給され、内訳は南砺市が最多の百七十一頭、氷見市の百二十三頭、朝日町の百二十頭、富山市の五十九頭と続いた。県農村振興課は、強い繁殖力と、県外からの移動でイノシシの絶対数が増えたことに加え、山の餌不足などが被害増加の原因と指摘している。
(鳥獣被害防止事業補助金について:山形)
近年、野生鳥獣による農作物被害が深刻な問題となっており、又、日常生活においても環境を脅かす存在となってきています。そこで山形村では、山形村住民の方で山形村内で鳥獣被害防止・駆除活動を行う者に対して予算の範囲内で補助金を交付します。農作物等、鳥獣の被害を防止する施設資材等の購入及び設置に要する経費に対して3分の1以内(ただし10万円を限度とする。)補助します。鳥獣による農林業被害対策のため、狩猟免許(わな猟免許又は銃猟免許)及び銃砲所持許可等を取得し、取得後、有害鳥獣駆除活動に従事することが出来る者に対して、新規取得又は更新継続に要する経費に対して10分の7.5以内(ただし8万円を限度とする。)補助します。
(食用キジふ化:北海道)
食用キジを飼育する知的障害者就労支援施設「ワークつかさ」(岩見沢市日の出町)で、ひなのふ化が始まり、飼育舎では生まれたばかりの約450羽が「ピイ、ピイ」と元気な鳴き声を響かせている。今年は暖冬の影響で例年より1週間ほど早く親鳥が産卵し、ふ化も早まった。産卵は7月上旬まで続き、約5千羽のひなが誕生する。約6カ月で成鳥に育つキジは同施設内で加工され、岩見沢や札幌の飲食店に出荷。施設内の食堂でも味わえる。
(記録映画『最初にカケスがやってくる』:北海道)
映画『最初にカケスがやってくる』の上映会が、6月7日に北海道・ゆめホール知床公民館ホールで開催される。『第7回恵比寿映像祭 惑星で会いましょう』でも上映された同作は、ホンマタカシが北海道・知床半島の斜里町で行われているエゾシカ猟を6年前から取材して完成させたドキュメンタリー映画。増え続ける野生のシカと高齢化する猟師の現状に迫る内容で、猟の様子やシカの解体、流通の現場から人がシカ肉を食べるところまでを捉えているという。ナレーションやテロップはいれず、映像と音楽のみで構成されている。また、ホンマはこれまでも野生のマウンテンライオンの生態を追ったマイク・ミルズとの共同プロジェクト『Together: Wildlife Corridors in Los Angeles』など野生動物との共存をテーマにした作品を発表しており、『最初にカケスがやってくる』は、2011年に東京・初台の東京オペラシティアートギャラリーなどで開催された個展『ニュー・ドキュメンタリー』で発表された『trails』シリーズの続編となっている。なお今回の上映会では、上映後にホンマによるアフタートーク、猟友会斜里支部斜里分会の猟師と対談を開催。会場では、シカ角を材料にしたアクセサリーなど工芸品の展示や、エゾシカ猟に関する情報、写真パネルの紹介も行われる。
(「ジビエ料理」手軽に:香川)
イノシシやシカなどの野生鳥獣の肉を素材にする「ジビエ料理」。香川県内でも提供する飲食店が増えている。低カロリーなのに栄養満点なのが人気の理由だ。地元産の食材を扱う店もあり、新鮮なジビエ肉のうまみを手軽に味わうことができる。「ジビエと野菜の組み合わせはヘルシーで、特に女性にお勧め」と話すのは、ステーキ専門店「藍丹」(高松市鍛冶屋町)のオーナー秋山靖矩さん(48)。和歌山、北海道産のイノシシやシカの肉を使い、ステーキやソーセージ、煮込み料理などをコースで提供する。イノシシのソーセージは初心者でも食べやすく、弾力がある上、肉の強い甘みを楽しむことができる。県産のイノシシ肉を使う店も。カフェ「クゥアパレル」(同市福岡町)では、日替わりランチやカレーランチのみそ汁に三木町産の新鮮なイノシシ肉を使用。脂身はしつこくないのにコクが深く、同町産のシイタケや大根などともよく合う。イノシシ丼を名物にするのは「キノコノ家」(同市塩江町)。県内でとれるイノシシ肉を使い、肉の良さをまるごと味わえる。店独自の甘みのあるたれがマッチする。とろとろになるまでイノシシ肉を煮込んだカレーも人気だ。

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