<射撃ニュース6月>

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(クマよけ鈴携帯も女性襲われ負傷:福井)
12日午前8時ごろ、福井県勝山市鹿谷町矢戸口の山で、山菜採りをしていた近くの60代女性が子グマに襲われ、顔や手足にけがを負った。市によると現場は集落東側の民家の裏山。女性が1人でフキを採っていたところ子グマ1頭と遭遇し、顔や左手、左足を引っかかれたり、かまれたりした。自力で近くの親戚宅に逃げ込み、親戚が119通報した。女性はクマよけの鈴を携帯していたという。県猟友会勝山支部などが周辺を捜索したがクマは見つからなかった。勝山署は周辺を巡回し、注意を呼び掛けた。猟友会によるとクマはこの時期、餌のクワの実やハチミツを探して活動するという。7日に現場近くで子グマを目撃したという地元の男性は「例年、この時期はあまり見かけないのに、ことしは珍しく多い」と話していた。
(駆除の「補償費」目当て、水増し横行:兵庫)
農林業被害をもたらすシカやイノシシなど有害鳥獣を捕獲した猟師に支払われる「報償費」で不正が相次いでおり、自治体が頭を悩ませている。兵庫県篠山市は4月から、水増し申請を防ぐため、捕った動物と猟師が一緒に写った写真を提出してもらうようにした。兵庫県三田市は猟師を市の非常勤職員として採用。不正防止にあの手この手で取り組んでいる。昨年12月、篠山市猟友会の会員が市に提出する報償費申請の書類に、虚偽報告の疑いがあることが発覚。同一のシカやイノシシを別の角度から撮影するなどして、捕獲頭数を水増しした可能性が疑われる写真があった。市は新たな対策として、これまで捕獲した動物だけでよかった申請用写真について、動物と猟師が一緒に写るよう家族以外の人が撮影するように規定を改めた。撮影者名も記録し、1人で捕獲した場合は報償費を払わない。確実に不正を防ぐ方法は、自治体職員が1頭1頭確認することだが「労力とコストが大きすぎ現実的でない」(篠山市農都環境課)。報償費をめぐる問題は近隣地域でも続発している。2012年には県猟友会三田支部で写真の使い回しによる虚偽申請が発覚。13年には同西脇多可支部などでも水増し請求があり、市町などが返還を求めた。三田市は13年度に「鳥獣被害対策実施隊」を設立して狩猟登録者を対象に隊員を公募し、県内で初めて非常勤職員として採用。それまで捕獲を県猟友会三田支部に委託していたが、実施隊が行うことにし、自治体の目が届きやすくした。同市農業振興課は「市の職員に位置づけることで、捕獲活動への公共意識を高めてもらい不正防止につなげたい」としている。イノシシやシカの生息域は年々広がっており、農林業被害を抑えるため捕獲活動は重要さを増している。報償費制度は、有害鳥獣を捕獲するハンターの確保と捕獲数維持には欠かせない。兵庫県によると、農林業被害は2013年度でシカが3億300万円、イノシシが2億6900万円と深刻な状況が続く。シカは但馬北部で、イノシシは赤穂や姫路、加西各市で目撃が増えている。特にシカは木や草を食べるため、生態系のバランスが崩れ自然環境に大きな影響を与える。一方、わなと猟銃の免許保持者は延べ5637人(13年度)で5年前から5%減。比較的、取り組みやすいわな猟の免許は増えているものの、猟銃免許保持者の減少が目立つ。60歳以上が67%を占めるなど高齢化も進み、今後さらに減るとみられる。ハンターを確保するため、県や各市は免許取得の教室や体験会を開催。県自然環境課は「民間企業に委託すればさらなるコスト増となる。猟友会に協力してもらうメリットは大きい」としている。
(クマ捕殺の中止求める:三重)
三重県が捕獲したツキノワグマを県境の滋賀県側に放した問題で、三重県知事が捕殺を許可したのは違法だとして、住民グループが12日、捕殺にかかる公金支出の差し止めを求め、住民監査請求の書類を県に提出した。請求書によると、三重県ではツキノワグマの捕殺は鳥獣保護法に基づく県知事の許可が必要で、人身被害の恐れがある場合に限定されている。放したクマが滋賀県側で女性を襲ったか不明なのに捕殺を許可したのは裁量権を逸脱しており、関係する県の支出を差し止めるべきだとしている。住民グループの三浦美恵代表は「無実のクマを、銃を持って追いかけ回すのは人間の身勝手だ」と話した。
(クマ目撃相次ぐ:北海道)
道内で13日、クマの目撃が相次ぎ、道警などが注意を呼び掛けている。午後5時50分ごろ、留萌管内苫前町古丹別の男性が、自宅から約150メートルの水田にクマがいるのを見つけ、羽幌署に届け出た。同署によると、クマは体長約1・5メートルで、男性に気付き、山中に逃げていった。現場は古丹別中から約150メートルの地点。同町教委などによると、14日に同中グラウンドで予定されている古丹別小の運動会は、「地元猟友会などのパトロールで安全が確保された」として、予定通り実施するという。同署などは早朝から付近をパトロールする。13日午前7時20分ごろには、檜山管内江差町小黒部町の道道で、クマ1頭が横断するのを通りがかった男性が目撃した。クマは体長約2メートルで、山中に立ち去ったという。約200メートル先に民家が点在している。
(クマ目撃相次ぐ:滋賀)
春以降、県内各地でクマの目撃が相次いでいる。県や県警によると四月から六月十日までに確認されたのは四十四件。前年四~六月の二十九件(県まとめ)を大きく上回っており、自然環境保全課の今城克啓副主幹は「遭遇したときの対処法を正しく身に付けて」と呼び掛けている。クマの目撃情報は高島市の二十二件、長浜市の十五件が目立つほか、米原市や大津市、多賀町でも情報が寄せられている。多賀町では五月下旬に高齢女性が襲われ、顔の骨を折る大けがを負った。今城副主幹は、増加している理由を「シカに森の植生が破壊されているため」と分析。県内のクマは推定三百頭とされるのに対し、シカは四万七千~六万七千頭いるとみられ、ササの葉や山菜などを食べ尽くしているという。クマは秋にはドングリなど木の実を食べるが、木の実がないこの時期はシカと餌が重なる。餌を求めて人里に現れるクマだが、今城副主幹は「本来はおとなしい動物。クマも驚いているので遭遇した時は騒がないで」と訴える。対策としては、柿などの収穫は早めに、遭遇したら背中を見せない、「襲わない」という意思表示をする-などを挙げている。高島市内でクマの目撃情報が増えていることを受け、高島署は十一日、市や猟友会とともに緊急対策会議を開いた。署員の概要説明の後、目撃情報を防災無線で知らせるのに加え、鈴を持ち歩く、食べ物を屋外に置かない、などの対策を住民に徹底することを取り決めた。市内の目撃情報は今年に入って十日までに二十二件に上り、月別に見ると四月七件、五月六件、六月九件。五月二十日には登山中の男性が襲われ、重傷を負った。
(クマの目撃情報:長野)
6月15日(月)午後9時頃、東春近田原から富県南福地への市道沿いにて小クマの目撃情報がありました。付近を移動される住民の方は十分注意してください。
(クマ出没:宮城)
13日午前10時半ごろ、仙台市青葉区芋沢の市道で、体長約1メートルのクマを目撃したと、車で通り掛かった男性が110番した。仙台北署によると、クマは市道を横断し、北側の山林に入っていったという。
(空港の滑走路付近にクマ出没:青森)
12日午前8時50分頃、青森市大谷の青森空港の滑走路付近にクマが1頭いるのを巡回中の男性職員が発見し、空港を通じて青森署に通報した。けが人や運航への影響はなかった。同署の発表によると、クマは体長約1メートル。同署などで警戒を続けている。
(クジャクなど167羽を駆除:沖縄)
竹富町は11日までに本年度前期のクジャク銃器駆除事業を終えた。銃器を使用した駆除作業を黒島と小浜で1回ずつ行い、クジャク74羽、カラス93羽を駆除した。環境省の要注意外来生物に指定されているインドクジャクや有害鳥獣のカラスを駆除し、生物多様性の保全や農家への被害防止を図るのが目的。県猟友会竹富町地区(河合正憲地区長)や地域の安全監視員、町役場職員、八重山警察署の小浜駐在所、西表駐在所から延べ35人が参加。5月29~30日に小浜島でクジャク23羽、6月10~11日に黒島でクジャク51羽とカラス93羽を駆除した。町自然環境課によると、今回駆除した個体はオス、メスともに若い個体が多く、繁殖力の旺盛な成熟個体は少なかった。與那城博主任は「数年間の駆除作業で、人間に対するクジャクの警戒心が年々強くなっているように感じる。これからはいかにして成熟個体を駆除していくかがカギとなってくる」と述べた。河合地区長は「気温が30度を超え、厳しい駆除作業となったが、一定の成果を上げられてほっとしている。これからも有害鳥獣駆除を通じ、自然環境の保護や農畜産物への被害未然防止に協力していきたい」と話した。昨年度は1年間に両島で4回の事業を実施し、クジャク288羽とカラス47羽を駆除した。
(クマ出没注意、過去最多ペース:新潟)
新潟県内でツキノワグマの出没が相次いでいる。県のまとめによると、4月以降のクマの目撃・痕跡発見件数は12日時点で164件で、現在の方法で統計を取り始めた2006年度以降で過去最多だった昨年と同ペースで情報が寄せられている。5月は100件と同月として最多だった。専門家によると、近年、クマの生活圏の変化などによって春から初夏に多く出没する傾向があるといい、各自治体や県警は注意を呼びかけている。ツキノワグマの主食であるミズナラやクリなどの木の実は、一定の周期で不作と豊作を繰り返すため、凶作であれば冬眠に備えたクマが人里へ降り、秋に大量出没する。一方、春〜初夏の時期にも冬眠明けのクマが人里まで餌を探しに降りてくるが、クマの生態に詳しい箕口秀夫・新潟大農学部教授=森林生態学=は「近年は増加傾向にある」という。県によると、06〜11年度の4〜8月の間の目撃・痕跡発見件数は100〜200件で推移していたが、12年度には200件を超え、14年度は380件に達した。今年も同様のペースで増え続けている。県内のクマの生息数は約1000頭前後と推測され、例年に比べて増えてはいない。箕口教授は「クマの生活圏が人里に近づいてきたからではないか」と分析する。入山した登山者が捨てた食べ物の味を知ったことや、収穫しないまま放置した農作物、墓の供え物はクマを呼び寄せる原因だという。冬眠場所も「人里に近づいてきたのではないか」と指摘する。県内では5月7日朝、阿賀町で70代の男性がクマに襲われ頭や顔に軽傷を負った。今月3日には長岡市の市街地近くで地元猟友会がクマを射殺。新潟大付属長岡小学校からわずか400メートルの河川敷だった。県は「山菜採りや登山の際は、携帯ラジオや鈴を持ち、クマの活動が活発な早朝や日没後は入山を避けてほしい」と呼びかけている。
(ツキノワグマの痕跡確認:徳島)
那賀町木頭北川の高の瀬峡で10日、地元猟友会の男性会員がツキノワグマに壊されたとみられるミツバチの巣箱を見つけ、県に届け出た。近くの剣山スーパー林道上では足跡も確認されており、県はホームページなどで注意を呼び掛けている。県生活安全課は、提供された巣箱と足跡の写真の鑑定をNPO法人四国自然史科学研究センター(高知県須崎市)に依頼。センターが11日、足形や巣箱の状況などから「ツキノワグマの可能性が極めて高い」と判断した。クマの体長などは分かっていない。現場は高の瀬峡にあるレストハウス「平の里」からスーパー林道を剣山方面へ約400メートル進んだ付近。足跡は林道上で見つかり、巣箱は近くの山中に放置されていた。ツキノワグマの目撃や人的被害の情報はない。剣山山系でのツキノワグマの生息数は十数頭から数十頭とみられ、県版レッドリストで「絶滅危惧ⅠA類」に指定されている。
(白神世界遺産近くで再びシカ2頭:秋田)
環境省東北地方環境事務所は12日、秋田県藤里町粕毛真土の山林で10日夕にニホンジカ2頭が目撃されたと発表した。現場は白神山地の世界自然遺産登録地域から南に約10キロ。付近では4日にも2頭目撃されている。同事務所などによると、10日午後6時45分ごろ、藤里町の50代男性が車で町道を走行中、道路脇の林にいるニホンジカ2頭を目撃。携帯電話で写真撮影し、同町藤琴の白神山地世界遺産センター「藤里館」を通じ同事務所に連絡した。2頭のうち1頭は、角が生えているのを男性が確認したため雄とみられる。もう1頭は判別できなかった。4日には、今回の現場から北へ約3・6キロの地点で2頭のニホンジカが撮影された。同一個体かどうかは分からないという。今月に入って目撃された場所の周辺では2013年9月以降、計4件の目撃情報がある。同事務所は「このエリアにすみ着いている可能性が高い。引き続き生息情報を収集し、対応を検討する」としている。ニホンジカをめぐっては、本県では明治から昭和初期に絶滅したとみられていたが、近年は目撃が相次いでいる。白神山地ではブナの若木が食べられるなど植生への影響が懸念されるほか、他地域でも農業被害が出る恐れがある。
(放獣されたクマ接近で砂防学習施設閉館:岐阜)
三重県が捕獲したツキノワグマを滋賀県に連絡せずに県境で放した問題で、岐阜県は14日、放獣されたクマが近くにいる可能性が否定できないとして、三重県境付近にある砂防問題の学習施設「さぼう遊学館」(岐阜県海津市)を臨時閉館した。県によると、13日午後7時ごろ、クマに付けた発信器からの電波で、さぼう遊学館から南西に約3キロ離れた三重県いなべ市の山林にいるところまでは確認したが、14日朝になって電波を受信できず、居場所を特定できなくなったため、念のため閉館を決めた。さぼう遊学館は土砂災害などを学べる施設として岐阜県が1994年にオープン。入場は無料で昨年度の来館者は約1万人。岐阜県は9~10日、同じクマが接近していたとして、さぼう遊学館より北側にあり、名勝「養老の滝」がある県営の養老公園を臨時閉園していた。
(「サル目撃」15市町に:大阪)
大阪府内でサルが目撃された自治体が4月から今月11日までで、昨年同期の4市から大きく増え、15市町に及んでいることが、府への取材でわかった。広範囲に人里に出没していることになり、先月下旬には柏原市と羽曳野市で、計2人の女性がそれぞれ襲われた。府はサルと遭遇した場合は、近寄らない▽目を合わせない▽食べ物を見せない▽食べ物を与えない-の4項目を呼びかけている。府によると、サルは平成27年度の今年4月から今月11日まで、高槻市、東大阪市、交野市、茨木市、柏原市、河南町、河内長野市、太子町、和泉市、羽曳野市、泉佐野市、八尾市、寝屋川市、枚方市、四條畷市の15市町で目撃され、その情報が府に寄せられた。北部から南部まで広範囲にわたっている。昨年の同期間では、茨木市、吹田市、大阪市、摂津市の4市のみだった。5月26日には、2人の女性が柏原市と羽曳野市でサルに襲われた。柏原市では、歩いていた大阪市の80代の女性が飛び出してきた2匹のサルに襲われ、左腕をかまれた。羽曳野市でも、別の女性が2匹のサルに襲われ、背中を引っかかれる被害にあっている。今春以降の目撃情報の増加について府動物愛護畜産課の担当者は「原因は分からないが、同じ個体が移動して目撃されている可能性もある」と指摘したうえで、もしサルに襲われそうになった場合は、「逃げるしかない」と話す。大阪市立自然史博物館の哺乳(ほにゅう)類担当の和田岳学芸員は「サルは子供が育てばオスが群れから出てあちこちに出没する。人里に出没するのはオス」とし、「体格の大きい男性を襲うことは少なく、高齢女性や子供を狙う傾向がある」と指摘。「不用意に近づかないなど、襲われるような状況をつくらないことだ」と話している。
(ハンター招き狩猟体験談を聞く:新潟)
高齢化でハンターの減少が続く中、狩猟の担い手を増やそうと、県は20日午前9時半から、十日町市の十日町地域振興局などで体験研修会を開く。銃を使った狩猟の体験談や、デモンストレーションなどがある。同振興局が会場の午前の部では、狩猟免許の取得方法を説明。若手ハンターの体験談や野生鳥獣の捕獲に関する講習のほか、獣肉(ジビエ)の試食もある。午後からはまつだい射撃場で模擬銃を体験したり、射撃のデモンストレーションを見学したりする。
(鳥獣害対策で新規支援:長野)
飯田市鳥獣被害対策協議会が11日、市内で開かれ、市側は本年度から新たに、市内各地区のまちづくり委員会と対策協議会が連携して取り組む鳥獣被害対策に対し、予算的な支援を行うと説明した。特にはサル害の増加を踏まえ、市農業課は「地域が一丸となって継続的に追い払いなどに取り組むことが効果的」と指摘。地域一体による計画的な取り組みを後押しする。市は地区一丸の対策支援事業費として、本年度予算に100万円を計上。支援する取り組みは▽サルの生息環境、習性などの調査に基づき実施する被害対策▽防護柵の設置や管理関係▽学識経験者らを招いての学習会や研究会―などを想定している。同課によると、2014年度の市内のサルによる農業被害額は1874万円余。08、09年度の300万円前後と比べて大きく増えている。近年は座光寺や上郷、丸山、羽場、山本など市内西部で果樹や野菜の被害が目立ち、市街地への出没事案も増。「農家だけの追い払いでは対応できない状況」(同課)になってきているという。11日の協議会総会のあいさつで佐藤健副市長も「サルが住宅地に出現し、市民生活にも影響が出ている」と指摘。「地区を挙げての対策、工夫が大切で、まちづくり委と対策協が連携した取り組みへの支援を強化したい」と話した。14年度の鳥獣捕獲数の報告によると、シカ1518頭(前年度比364頭増)、カラス932羽(272羽増)、イノシシ228頭(58頭増)、ハクビシン・タヌキ155頭(100頭増)、サル143頭(65頭増)、クマ38頭(10頭増)。市は昨年10月に「市鳥獣被害対策実施隊」を立ち上げ、担い手の確保など体制整備を図っており、捕獲数が増えた一因とみている。一方、鳥獣による農業被害額は6454万円余で、13年度比で723万円余減った。内訳はサル1874万円、イノシシ1137万円、シカ978万円、カラス758万円、クマ448万円などだった。事業計画によると、これまで鳥獣の種別ごとに設定していた捕獲区域について、各地区の連携体制の充実に伴い一律で「市全域」へ変更。引き続き、サル用の大型囲いわなの新設、信州大との連携によるGPS(衛星利用測位システム)を活用したサルの生態調査などを進める。
(ストップ鳥獣害、カラス)
野生鳥獣による農作物被害で、シカとイノシシに次いで大きな被害をもたらすカラス。2012年度は6400ヘクタールで20億6千万円の被害を出した。カラスの生理・生態に詳しい山形大農学部の後藤三千代客員教授は「完全に追い払うのは不可能」と指摘し、「問題発生の根本原因を明らかにして生態を利用した対策こそ必要」と呼びかける。
(シカ肉より身近に:北海道)
くしろ消費者大学の特別公開講座「シカ肉を知ろう!食べよう!」が13日、釧路市生涯学習センターで開かれ、約100人が参加した。受講者らは、講話と試食会を通じて、エゾシカの捕獲や調理、商品化などについて理解を深めた。食生活や環境保護、社会保障など安心安全な暮らしづくりに役立つ知識を学ぶ全6回、2年制の集中講座。第5講の今回は、エゾシカとシカ肉がテーマで、釧路総合振興局保健環境部環境生活課主査の福井拓郎氏、一般社団法人北海道猟友会釧路支部常任理事の清水聡氏、レストランイオマンテシェフの舟崎一馬氏、北泉開発常務取締役の曽我部元親氏が、それぞれの立場で講話した。
(結婚式祝砲が命中し19歳女性死亡:フランス)
フランス北部の町マルリーで13日、結婚式に参列した車列から散弾銃が「祝砲」として発砲されところ、路上にいた19歳の女性の頭部に散弾が命中し、女性は死亡した。女性は別の結婚式に参列していたところで、発砲した20代後半の男と、車を運転していた26歳の男は逮捕された。男らは狩猟用の散弾銃を空に向けて発砲しており、「雰囲気を盛り上げるためだった」と供述。押収された散弾銃の口径は世界的に最も一般的な大きさの「12番」で、狩猟のほかクレー射撃でも使われることが多い。
(コルトが破産法申請へ:アメリカ)
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は14日、米老舗銃器メーカーのコルト・ディフェンスが15日までに連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請すると伝えた。ライフル銃や拳銃の需要低迷で経営が悪化していた。コルト社は裁判所の管理下で3億5500万ドル(約438億円)に上る債務を軽減したい考え。破産法申請後の資金繰りは手当て済みで銃器生産は継続するという。
(女性の間でイノシシ猟が流行:オーストラリア)
最近、オーストラリアとニュージーランドでは大勢の女性が野外で銃を持ってイノシシを撃つ新しい趣味を養成している。オーストラリアとニュージーランドではイノシシ猟をする女性たちが頻繁に雑誌の表紙に登場してこのイノシシ猟スポーツの人気が上がっている。イノシシ猟は趣味なだけでなく生態保護にも繋がる。イノシシ猟スポーツを宣伝する主要雑誌の一つであるChicks Smashing Gruntersはより多くの女性がイノシシ猟スポーツに参加して農家の土地をイノシシから守るよう激励して注目されている。雑誌に掲載された写真はいずれも美人ハンターたちが送ってきた写真である。

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(クマに襲われ男性けが:栃木)
11日午前、栃木県那須塩原市の湿原で男性がクマに襲われてけがをしました。警察などは付近のハイキング客に注意を呼びかけています。11日午前9時前、栃木県那須塩原市の沼ッ原湿原の駐車場の入り口で、クマに襲われてけがをしている人がいると、近くを通りかかった男性が消防に通報しました。警察によりますと、クマに襲われたのは60代の男性とみられ、頭や膝などに引っかかれたような傷があり、ドクターヘリで県内の病院に運ばれて手当を受けていますが意識ははっきりしていて、命に別状はないということです。また警察が周辺を調べたところ、駐車場近くにあるハイキングコースから外れた山の中で血痕が見つかったということです。警察は、山の中でクマに襲われたとみて、男性から話を聞くなどして、当時の詳しい状況を調べるとともにパトロールを強化して付近のハイキング客に注意を呼びかけています。那須塩原市によりますと、沼ッ原湿原にはハイキングコースがあり、年間およそ10万人が訪れて季節の花を楽しむなどしているということです。湿原はもともとツキノワグマが出没する地域で、那須塩原市は湿原の周辺に熊に注意するチラシを掲示していますが、11日朝、男性が熊に襲われたことを受けて、市の公式ツイッターなどで改めて熊の出没に注意するよう呼びかけています。市によりますと、湿原付近では、ことしに入って熊の目撃はなかったということで市や県、それに地元の猟友会は男性が熊に襲われた現場を調べ、クマを捕獲するかどうかなど、今後の対応を協議することにしています。那須塩原市商工観光課は「男性が熊に襲われたと聞き、驚いた。これから観光客が増えてくる時期なので、熊に対する注意喚起をしっかりと行いたい」と話しています。
(熊に男性襲われけが、近くの小学校は集団下校:長野)
10日午後0時50分ごろ、塩尻市宗賀の林道を散歩していた近くの無職男性(65)が熊に襲われた。市や塩尻署によると、成獣と子熊の2頭で、男性は成獣に顔や右肩、右腕をかまれたり引っかかれたりし、自力で自宅に戻った後、市内の病院で手当てを受けた。軽傷とみられる。住民を通じて連絡を受けた市職員や市猟友会員らが同日夜まで周辺を捜索したが、熊は見つからなかった。市は防災行政無線や緊急メールで注意を呼び掛けたほか、11日朝も現場周辺を警戒する。一方、現場近くの宗賀小学校は全校児童を集団下校させ、現場周辺の地区は教員が付き添った。現場付近を通る本山地区の高学年は、普段は徒歩通学だが、スクールバスに切り替えた。12日までは同様の対応を続ける。市森林課は「特に熊の動きが活発になる夕方などは、不要な外出を避け十分注意してほしい」としている。現場は国道19号の尾沢橋から東へ約300メートル離れた山林の林道。宗賀地区では5月18日、10日の現場から南西に2キロほど離れた山林で男性(69)が熊に襲われてけがをしたほか、隣接する洗馬地区の沓沢湖周辺では、3日に子熊、9日に成獣が捕獲された。
(女性がイノシシに太ももをかまれる:大分)
10日午前8時50分ごろ、佐伯市上浦の雑木林で、近くの女性(72)がイノシシに右太ももをかまれた。女性は軽傷。佐伯署によると、イノシシは現場とは別の場所でワイヤ製のわなにかかったが、ワイヤを引きちぎって雑木林に入ったという。女性はサカキを採りに1人で雑木林に行ったところ、イノシシが突然現れ、かまれた。同署は傷を負って興奮したイノシシが女性を襲ったとみている。女性は現場から自力で逃げ、事情を知った近所の住人が119番。同署員や猟友会メンバーらが足に付いていたワイヤの一部が樹木に絡まったイノシシを発見し、殺処分した。
(サル出没、人襲い畑荒らす:福岡)
福岡県那珂川町でサルの出没が相次いでいる。人を襲ったり、群れで畑を荒らしたりしており、町が注意を呼びかけている。町などによると、3日午前10時半頃、同町松木の幼稚園近くで、親子のような2匹が道を横断しているのを同園の職員が目撃した。6日午後3時半頃には、王塚台3の路上でバイクを運転中に転倒した男性(20)に対し、付近にいた2匹のうち1匹が襲いかかり、足をかんで軽傷を負わせた。また、6~8日には恵子えこと成竹の畑3か所で、約40匹の群れが作物を荒らしているのが確認された。同町では先月25日にも西隈で下校途中の小学1年の女子児童がひっかかれたり、かまれたりしてけがをしたほか、同28日にも5か所で目撃されている。同町は「サルと目を合わせたり、餌を与えたりせず、玄関や窓をしっかり閉めて」と呼びかけている。
(クマと衝突、列車一時停止:山形)
10日午後10時5分ごろ、山形県真室川町のJR奥羽線釜淵-大滝間で新庄発秋田行き普通列車(3両編成)がクマと衝突し、緊急停止した。乗客2人と乗務員2人にけがはなかった。JR東日本山形支店によると、衝突の約20分後に徐行で大滝駅まで移動して車両に異常がないことを確認、45分遅れで運転を再開した。
(ツキノワグマ1頭を捕獲:和歌山)
10日午前8時半ごろ、田辺市龍神村小家の山中で、シカ・イノシシ用のくくりわなにかかったツキノワグマ1頭が見つかった。県内で今年捕獲されたツキノワグマは、先月30日の橋本市彦谷の個体に続いて2頭目。
(三重県が放したクマ、岐阜・養老に移動:岐阜)
三重県が先月17日に捕獲して滋賀県内に放したツキノワグマが、岐阜県養老町の山林にいるのが確認されたとして、県などは9日、近くにある県営の養老公園(同町高林)を臨時閉園するなどの対応を取った。三重県によると、クマは放された時につけられた発信器により、同日午前11時ごろ、同町柏尾地区の民家まで直線で約500メートルまで接近。岐阜県によると同公園までは約1・5キロの距離だった。これを受け、町は対策本部を設置。防災無線などで町民に注意喚起をしたり、小中学生の保護者にメールで送迎の連絡をしたりした。岐阜県は同公園を通常より3時間早い午後2時に閉園。猟友会員によるパトロールも実施したが、クマが民家から離れたため、午後5時に終了したという。県によると、10日に同公園を開園させるかどうかは、クマの位置情報を見たうえで決めるという。
(クマ鑑定に着手:三重)
県は10日、三重県が捕獲したツキノワグマを無断で多賀町内に放した問題で、放されたクマと、同町で女性を襲ったクマが同じ個体か確認するため、三重県と多賀町がDNA鑑定に着手したことを明らかにした。2~3週間後に結果が出るという。三重県は捕獲した際に採取した血液を、多賀町は事故現場に落ちていた体毛を、それぞれ鑑定する。ただ、県自然環境保全課は「体毛は劣化が激しいと聞いており、確認は難しいかもしれない」としている。
(成獣の熊目撃情報:長野)
11日午前7時ごろ、塩尻市洗馬の沓沢(くつざわ)湖北側の山中に熊がいるのを、近くを散歩していた人が見つけ、市猟友会を通して市に連絡した。熊は成獣とみられ、市や塩尻署、市猟友会などが周辺を捜索したが見つかっていない。けが人はいなかった。市は同日、防災行政無線で注意を呼び掛け、現場近くを含む市内3カ所に捕獲用のおりを設置した。目撃現場近くでは、3日に子熊、9日に成獣の熊がおりに掛かった。そのおりを再び使用するほか、10日に同市宗賀で男性(65)が熊に襲われた現場近くと、11日までに目撃情報が寄せられた同市贄川にも、それぞれおりを設けた。市内では5月18日、宗賀の山林で男性(69)が熊に襲われた。その後、沓沢湖周辺でも相次いで目撃されている。
(民家の敷地にクマ:宮城)
10日午後6時55分ごろ、仙台市青葉区芋沢の民家の敷地にクマがいるのを訪問中の女性が見つけ、この家に住む女性が110番した。クマは近くのやぶに入っていったという。仙台北署が注意を呼びかけている。
(クマ出没:北海道)
音更町下士幌北3線の畑で10日、クマ1頭が歩いているのを、校外授業中の音更緑南中学校の生徒が発見した。最寄りの民家までの距離は約200メートルだった。町内では7、8日に木野地区でクマが出没したばかりで、市街地周辺で相次ぐ目撃情報に町や学校、地域住民に不安が広がった。現場周辺を捜索した道猟友会音更支部によると、足跡の大きさから、木野地区に現れたクマとは別の個体とみられる。同校によると、現場は学校から北に約500メートルの付近。同日午前9時ごろ、体育科の授業で、校内駅伝大会の練習で北3線の町道を西に走っていた2年生の女子生徒3人が、北西にある防風保安林の中を北に向かうクマを見た。生徒たちからクマまでは30~40メートルくらいだったという。連絡を受け、同支部は午後1時半ごろからハンター9人でクマを捜索したが、発見には至らなかった。現場付近では成人男性のこぶし大の足跡を見つけた。田守一好支部長は「昨年秋に親から離れた2、3歳の子グマだろう。東の山から来たのでは」とみる。現場を訪れた寺山憲二町長は「今後は猟友会と相談しながら対応したい。町民の安全のため職員と頑張りたい」と話した。町は同日の日没まで消防と車両5台で付近の監視を続けた他、午後7時ごろまで広報車でクマ出没を付近住民に知らせた。周辺農家にはファクスで注意喚起した。同支部は11日早朝も現場周辺をパトロールしたが、クマの姿や形跡は見られなかったという。緑南中(福田茂校長、生徒420人)は10日の部活動を中止し、集団下校を実施。帰宅後の外出を控えるよう生徒に注意喚起した。11日朝も複数人での登校を指示した他、下士幌地区の生徒約40人については保護者に送迎を依頼。通学路は要所に教職員を配置、町と警察の車両が巡回し生徒の登校を見守った。学校西側の宝来地区に住む男子生徒の母親は「絶対に1人で帰ってこないよう言いつけた」とし、同地区から自転車で登校した女子生徒も「ちょっと怖い」と不安な表情。一方、下士幌地区から車で登校した男子生徒の父親は「この辺はたまにクマが出る。さほど大騒ぎすることでも」と落ち着いた様子だった。同校は同日、校舎外での体育授業を控えた。野村勉教頭は「学校に近く、生徒が発見したということもあって驚いている。けががなくて良かった」と話した。10日は木野東小も集団下校とし、11日朝は下士幌小と昭和小でも保護者の送迎を依頼した。
(クマの目撃情報:長野)
6月10日(水)午後6時00分頃、小黒川渓谷キャンプ場付近で、クマの目撃情報がありました。付近を移動される住民の方は十分注意してください。
(ニホンジカ、2頭目撃:秋田)
秋田県藤里町粕毛の山林で4日夕、2頭でいるニホンジカが目撃されたことが10日分かった。環境省東北地方環境事務所によると、現場は白神山地の世界自然遺産登録地域から南に約7キロの地点。2頭の性別はともに不明だが、同事務所は親子かつがいの可能性があると指摘。「現場付近にすみ着き、繁殖している可能性もある」とみている。目撃したのは同町の団体職員男性(43)。4日午後5時40分ごろ、帰宅中に車で林道米代線を走行していたところ、道路沿いの山林に2頭のシカを見つけた。これまでも2頭でいるシカの目撃情報はあったが、2頭同時のケースでは今回が白神山地に最も近い。親子かつがいであった場合、繁殖活動が行われている可能性は高く、一気に生息数が増える危険性がある。
(市役所の近くにニホンカモシカ:徳島)
三好市役所近くの山ののり面に9日、国の特別天然記念物のニホンカモシカが現れた。県教委教育文化政策課によると、市街地周辺で見つかるのは非常に珍しく、餌を求めて標高の低い場所に現れたとみられる。現れたのは、同市池田町シンマチの国立印刷局四国みつまた調達所の裏山。午前10時ごろ、石本治夫所長(55)が体長1・5メートルほどの成獣を見つけた。カモシカは付近を汽車が行き来しても驚いた様子は見せず、草木をはんだり横になったりしていた。石本所長は「冬場にサルの集団を見掛けたことはあったが、まさかニホンカモシカがいるなんて」と不思議がっていた。同課によると、2015年度の目撃情報は5例目。県内では毎年十数件の目撃報告が寄せられている。
(カモシカ、30人で大捕物:新潟)
阿賀野市の瓢湖周辺で8日、国の特別天然記念物ニホンカモシカ1頭が迷い込み、市や消防、猟友会など約30人が出動した。
(オフィス街にニホンカモシカ:富山)
11日朝、富山市の街なかに、国の天然記念物ニホンカモシカが現れました。3時間半にわたって逃げまわり、ビルの中で捕獲されました。「私がキャーっと声を出したもんだから、(ビルの2階に)上がっていったんだと思います」(カモシカに遭遇した人)11日午前8時半ごろ、富山市の街なかにカモシカがいると、住民から警察に通報がありました。カモシカはオフィスビル街を逃げ回った末、ビルの2階の階段の踊り場に逃げ込みました。警察がビルのシャッターを閉めて、逃げ場をなくし、にらみ合いの末、市の職員が麻酔銃を撃ち、通報からおよそ3時間後に捕獲されました。カモシカは体長およそ1メートル、オスで成獣とみられ、その後、山に帰されたということです。
(イノシシ対策強化、「隊員」3倍に増員:岩手)
岩手県一関市は農作物に被害をもたらしているイノシシ対策を強化する。宮城県北が北限とされたイノシシは近年、岩手県南に北上。岩手、宮城県境にある同市で個体数が増え生息域も拡大しているとみて、駆除に当たる「鳥獣被害対策実施隊員」を3倍に増員した。市は9日、猟友会会員ら218人に隊員を委嘱した。実施隊は2011年度に発足し、14年度は69人。15年度は「イノシシ被害の拡大に対応し、目撃情報や被害報告に迅速に応えるため」(市農林部)として大幅に増やした。猟友会会員の高齢化を受けた負担軽減の狙いもある。市によると、実施隊発足後のイノシシ捕獲頭数は12年度1頭、13年度22頭、14年度32頭と増加。本年度も既に4頭を捕獲した。同市でイノシシの目撃情報が寄せられるようになったのは10年ほど前で、08年ごろから農作物被害が報告されるようになった。市内の厳美、萩荘など西部山間地に出没、田畑を掘り起こすなどの被害があった。
(鳥獣農作物被害5年ぶり増:静岡)
2014年度に県内市町が被った野生鳥獣による農作物被害額は4億7658万円(速報値)で、5年ぶりに増加に転じたことが県のまとめでわかった。県では、伊豆市で昨年7月、シカを駆除していた猟友会員が仲間の誤射で死亡した事故を受け、一部の猟友会が猟を自粛したのが増加の主な原因だとみている。県農山村共生課によると、農作物被害額は、「10年度から市町や農協で、専門職員の養成を始めた」(担当者)こともあって、6億9618万円だった09年度をピークに、13年度(4億3746万円)まで減りつづけてきた。14年度の被害額を動物別に見ると、イノシシが最も多い1億7602万円で、ニホンジカが1億4304万円、サルが4250万円。この3種類で全体の7割以上を占める。富士山麓、伊豆地域での被害が目立つという。県は、農作物被害対策の道筋を示した「野生鳥獣被害緊急対策アクションプログラム」の14~17年度版に、17年度の被害額を3億5000万円に抑える目標を掲げている。今年度は、駆除を行うハンターの担い手を確保するための取り組みを本格化させる方針だ。
(シカ柵の実証実験:山梨)
水源林をシカの食害から守るため、防護柵にある工夫を施すことでシカに柵を壊されるリスクを軽減する実証実験が9日、南部町でスタートした。山梨を含む全国の水源林ではシカによる食害が深刻化していて、有効な防護柵の開発は喫緊の課題。こうした中、国の研究機関である森林総合研究所森林整備センターは9日、南部町で新たに開発した防護柵を公開した。ポイントはシカが通り道に使う獣道をあえて残すという考え方でこれまでの防護柵は林全体を覆ったためシカが通ることができる場所を探して柵にぶつかって柵を壊すケースが少なくなかったが、新開発した防護柵は柵で囲む範囲を小分けにし、シカの通り道として一定の間隔を設けた。森林整備センターは今後、7年ほどかけて南部町で防護柵の実証実験を行う計画で柵周辺の通り道にカメラを設置して、効果を検証する。センターでは実証実験の中間報告を来年2月までにまとめ、農林業関係者向けにデータを公開する。
(北海道犬りりしく勇敢に:北海道)
天然記念物の北海道犬の展覧会と獣猟競技会が7日、市役所北側広場で開かれ、全道から集まった愛好家が愛犬の体格や勇敢さなどを競い合った。北海道犬の原種の保存と優れた狩猟本能を守ることを目的に、北海道犬保存会江別支部(杉山征紀支部長)が毎年主催している。展覧会には114匹が出場した。雄雌別に生後3カ月以上の子犬から、7歳以上の「福寿犬」まで14部門に分かれ、「標準体形」に基づき体格や毛並みなどを審査。歩き方の審査では、飼い主の綱に引かれて、りりしい表情で歩く姿に観客から拍手が送られた。猟犬としての資質を審査する競技会では、おりの中のヒグマと向き合って力強くほえたり、逆におじけづいたりとさまざまな反応も。大会後、杉山支部長は「今年は暖冬で毛変わりが例年より1カ月くらい早かったが、良い状態の犬が多かった」と話した。
(ヒヨドリ果樹被害深刻化:愛媛)
愛媛県は10日、2014年度の野生鳥獣による農作物被害額は前年度比1%増の3億8160万円だったと明らかにした。イノシシ被害が減った一方、ヒヨドリによる果樹被害が南予を中心に増加した。県庁で開いた鳥獣害防止対策推進会議で報告した。ヒヨドリによる被害額は4465万円で、前年度に比べ89.5%(2109万円)増加。県によると、隔年で被害額が増減する傾向があり、12年度は4001万円だった。14年度はかんきつなど果樹の被害が9割以上を占めた。イノシシ被害は中南予で減少傾向にあり、9%(2170万円)減の2億1966万円だった。国や県、市町の補助金を活用した侵入防止柵の整備が進んできた効果とみている。被害の地域別では、南予が最多の2億3408万円。次いで中予が7891万円、東予が6857万円だった。作物別では、果樹が全体の7割に当たる2億6670万円に上り、稲・麦が5656万円、野菜が3193万円。被害面積は330ヘクタールで11ヘクタール増えた。
(「クマ剥ぎ」被害激増:滋賀)
江戸時代からの植林の歴史を持つ滋賀県長浜市谷口町のスギ林で、クマが樹皮を剥(は)ぐ「クマ剥ぎ」の被害が今年5月下旬以降、相次いでいる。エリアによっては、被害に遭った樹木の数は例年の3倍程度に達しており、地元の林業関係者はクマ剥ぎを防ぐテープを幹に巻く対策を取っているが、作業が追いついていないのが現状のようだ。同市谷口町は、江戸時代には幕府直轄の「天領」としてスギ林が保護され、伐採と植樹が細々と続けられてきたため、高樹齢の古木が多く残る。現在は、私有林147ヘクタールに約30万本のスギが植えられている。ここで産出されるスギ材は「谷口杉」と呼ばれ、年輪が緻密な上質の木材と評価を受けている。樹齢70年以上の大木が1万本以上、このうち300年を超える巨木が10本程度あるが、木材価格の低迷などから近年は、ほとんど伐採されていない。しかし、このうち10ヘクタールで今年、一部の伐採を計画。5月に入り、森林内を確認したところ、幹周りの樹皮が剥がされる被害が相次いでみつかった。樹皮を剥がされ、むき出しになった幹には爪痕のような傷があることから、クマ剥ぎとみられる。クマ剥ぎは、クマがスギなどの樹皮の下部にある樹液の糖分をねらって樹皮を剥ぐ行為。とくに根元の周囲を繰り返し剥がされると、腐食が進み、枯死につながるとされる。所有者は「例年は10本くらいが被害に遭っているが、今年は5月20日頃からこれまでに、30本以上がやられた」と厳しい表情。根元の周囲の樹皮が剥がされており、「枯死すると、商品価値が下がってしまう」と頭を抱えている。長浜市の山間部などでも、近年はクマの目撃情報が増えているが、クマ剥ぎ被害が今年に入ってなぜ急増しているかは、不明。滋賀北部森林組合の膽吹(いぶき)憲男参事(56)は「幹にテープを巻くことなどで被害の防止を図っているが、資金的にも人的にもこの作業を進める余裕がない」と対応に苦慮している。
(隣県で放したクマ?住民襲われ大けが)
三重県が捕まえたツキノワグマを県境に接する滋賀県多賀町内の山中に放したら、住民が「クマ」に襲われた。ただ、同じクマだったかはわからない。再び捕獲を試みるが、渦中のツキノワグマは今も山の中。殺処分か保護か。騒動は拡大する一方だ。ことの始まりは5月17日。三重県いなべ市で、体長約140センチのオスのツキノワグマが、イノシシ用のわなにかかった。県指定の希少野生動植物種で、県のマニュアルは「奥地への放獣が原則」。適地を探し、たどり着いたのが滋賀県多賀町内の林道だった。日も暮れ始めたので、クマに発信器をつけて放した。10日後の27日早朝、多賀町で女性(88)が、クマとみられる獣に襲われ、顔の骨が折れる大けがをした。滋賀県から連絡を受けた三重県獣害対策課の職員が放獣地点を確認したところ、襲われた現場から約6キロしか離れていなかった。周辺に黒い体毛が落ちていたこと、目撃情報などから、放したクマが疑われた。三重県の鈴木英敬知事は「勝手に県外に放獣し、地域住民に周知しなかった。あり得ない対応だ」。保護が原則の三重県だが、殺処分する方針を固め、毎週末、山狩りをしている。一方、「犯行現場」で発信器からの電波は一度も確認されていない。クマの帰巣本能を考慮すると三重方面に戻るはずだが、現場は逆方向だ。自然保護団体は「誤って捕獲され、放されたクマが人に危害を加えることはない。『冤罪(えんざい)』の可能性がある以上、捕殺するのはやめてほしい」と強く反対している。捕獲したクマはどうすればいいのか。対応は自治体で異なり、統一指針はない。大阪府豊能町で昨年6月、ツキノワグマが捕獲された時も、隣接する京都府、兵庫県への放獣も考えたが、「地元の合意を取り付けるのは難しい」と断念した。結局、全国の動物園やクマ牧場など約100カ所に打診し、4月に町内の寺に引き取られた。長野や兵庫、愛知の各県は原則わなにかかった市町村内で放している。兵庫県森林動物研究センターの担当者は「繁殖期を迎え、メスを求めて行動範囲が広がるので注意が必要です」。実際、問題のクマはいま、発信器の電波から、いなべ市と岐阜県海津市の県境付近を行き来しているのが確認されている。今月9日朝には、岐阜県側の養老公園近くで電波が確認された。捕獲された場所の周辺に戻った形だ。 ただ、これまでクマの目撃情報が寄せられたことがないという海津市では、「免疫が全くないのでパニック状態。捕獲しない限り、平常の生活は戻らない」(担当者)と困惑気味だ。今月3日まで、山側の市内5小中学校の保護者が車で児童・生徒を送迎し、部活動も全面中止した。三重、岐阜、滋賀の3県は今月中にも、クマが確認された場合の連絡体制の確立を目指すという。NPO法人「日本ツキノワグマ研究所」(広島県)の米田一彦理事長(67)は指摘する。「クマにとっては県境なんて関係ない。地域間で押しつけあわず、お互い様の気持ちで連携することが大切です」
(コルト、来週にも破綻の恐れ:アメリカ)
ロイター通信は9日、1830年代に創業した米有名銃器メーカーのコルト・ディフェンスが来週にも破綻する可能性があると報じた。銃市場の低迷や商品開発の失敗で拳銃などの売り上げが大幅に減少し、資金繰りが悪化したという。ブルームバーグ通信によると、コルトは米国防予算削減の影響により軍との契約の一部を失い、3億ドル(約380億円)以上の負債を抱えた。5月に債権者への一部支払いが履行できなかった。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は同月に信用格付けをデフォルト(債務不履行)状態を示す最低位の「D」に引き下げた。

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(ペット?のイノシシ、男女3人襲う:香川)
6日午前7時10分ごろ、香川県丸亀市綾歌町岡田西の住宅と畑で男女3人が相次いでイノシシに襲われ、足や尻などにけがをした。付近では5日夜、ペットとして飼われていたイノシシが逃げ出していた。丸亀署はこの逃げたイノシシが人を襲った可能性が高いとみて、県や市、猟友会と協力し、現場付近を約100人態勢で捜した。署によると、5日午後6時半ごろ、同市綾歌町岡田上の路上にイノシシがいるのを付近の住民が発見、近くの会社員男性(58)が飼育している1匹が鉄製の檻(おり)から逃げ出していたことが分かった。署員らが付近を捜し、パトカーからマイクで注意を呼びかけていた。6日朝、3人が襲われたのは、イノシシが飼われていた家から約1キロ離れた地点。イノシシは民家の前で女性(67)のひざをかみ、助けようとした息子(42)のひざや太ももなどもかんだ。数分後、200メートルほど離れた畑で農作業をしていた女性(89)がイノシシに牙で突かれ、尻に重傷を負った。逃げたイノシシは体長1・5メートル、体重80キロほどの雄という。署によると2010年ごろから男性がペットとして檻の中で飼っていたという。
(宅地にイノシシ入り込み、庭の母と息子が骨折:茨城)
5日午後3時25分頃、茨城県常陸大宮市の会社員男性(54)方の敷地にイノシシ1頭(体長約1メートル)が入り込み、庭にいた男性と母親(83)が襲われてけがをした。茨城県警大宮署の発表によると、2人は病院に搬送され、治療を受けている。母親は右手首や右肋骨ろっこつ、男性は左足を骨折するなどのけがを負った。イノシシは住宅北側の山林から敷地に進入し、南側に逃走した。市は、地元猟友会と協力して周辺のわなを確認するとともに、防災行政無線で住民に注意を呼びかけている。
(クマに襲われ、60代の夫婦がけが:秋田)
8日午前11時40分ごろ、秋田県由利本荘市の鳥海山の登山口付近で、「女性が夫と共にクマに襲われたと言っている」と通り掛かった男性から110番があった。県警由利本荘署によると、近くに住む農業土田和則さん(68)と妻トモ子さん(66)が頭や顔に裂傷を負うなどし、重傷。2人は山菜採りをしていて襲われたとみられる。クマは見つかっておらず、同署が入山者に警戒を呼び掛けている。現場は矢島口と呼ばれる登山道入り口付近。
(サルに飛びかかられ転倒、女性重傷:福岡)
5日午後3時45分ごろ、直方市上境の民家の庭にサル1匹が出没し、驚いた住民の女性(80)が転倒して右足の付け根を骨折した。直方署には同日朝から夕までに、同市や小竹町で計5件の目撃情報が寄せられており、署は「遭遇しても目を合わせないように」と注意を呼び掛けている。署によると、女性は「サルが飛びかかってきた」と話しているという。目撃情報は午前6時から午後4時20分まで、小竹町の小竹御徳大橋付近や直方市中泉、同市上境の岡森橋西交差点付近などの6キロ圏内で、住民から「大きめのサルが橋を渡っている」などと110番があった。サルは4日にも小竹町の小竹西小付近で目撃されており、署は同じサルとみて捜索を続けている。
(クマ1頭を殺処分:滋賀)
県は八日、大津市南小松で成獣のツキノワグマ一頭を殺処分したと発表した。先月、多賀町で女性を襲ったクマとは別個体とみている。県自然環境保全課によると、クマは体長一三〇センチ、体重八〇キロの雄。午後二時四十五分ごろ、同所の耕作地でイノシシなどを捕獲するためのわなにかかっているのを市職員らが確認。放獣するため県に連絡したが、クマがおりを倒して脱出しようとしたため射殺した。百五十メートルほどの場所に民家が数軒あり危険と判断した。県の特定鳥獣保護計画では原則、ツキノワグマは放獣することとしているが、人命の危険が高い場合は殺処分することとしている。高島市内で八日、クマの目撃情報が三件相次いだ。高島署は現場周辺の警戒を強化するとともに、防災無線で注意を呼び掛けた。署によると、午前七時十五分ごろ、マキノ町野口の国道161号を子グマが横断するのを大型トラックの運転手が発見。同八時半ごろには約十九キロ離れた今津町大供の陸上自衛隊今津駐屯地近くで体長一メートルほどのクマが、今津町から十キロほど離れた高島の県道で体長一・五メートルほどの個体がそれぞれ目撃された。
(クマを捕獲:新潟)
6日午前5時半ごろ、村上市宮ノ下に設置したおりで、クマを捕獲したと同市が村上署に通報した。クマは地元の猟友会により射殺された。同署によると、クマは4歳くらいの雄で体長約1・3メートル、体重約60キロ。3日に同所の民家付近でクマの目撃情報があり、市がおりを設置していた。
(市中心部にクマ出没、その後駆除:新潟)
長岡市中心部で3日未明、クマが目撃され、射殺された。付近の住民は「こんな場所にクマが出るとは」と驚いていた。3日午前0時すぎ、同市長倉町でクマ1頭を見たと同所の男性が長岡署に通報した。午前5時半前、同所の栖吉川の河川敷で署員がクマを発見。午前6時すぎ、猟友会員が射殺した。長岡署によると、クマは体長約1・2メートルの雄。現場はJR長岡駅から約1・6キロの住宅街で、新潟大学付属長岡小学校までは約400メートル。目撃情報を受け、長岡署と長岡市が注意を呼び掛けるとともに、クマを探していた。付近を歩いていた長岡市花園東の30代女性は「朝起きたらクマの警戒を呼び掛けるチラシがポストに入っていた。よく通る場所なのでこわい。駆除されたと聞いて安心した」とほっとした表情。同市美沢の50代女性は「こんな住宅街にクマが出たなんて初めて聞いた」とおびえた様子だった。
(捕まえたツキノワグマを放獣:愛知)
愛知県豊根村坂宇場の山中で4日、ツキノワグマ1頭が捕獲され、村は5日、県のマニュアルに従い、クマの健康状態などを確認し、村内の山林に放した。捕まえたのは3~5歳とみられる子熊。体長110センチ、体重43キロ。4日夕、木や草の芽を食べ尽くしてしまうニホンジカを捕らえるために、県が仕掛けたわなにかかっていた。5日午前、麻酔で眠らせたまま、置き去りにした。絶滅危惧種で「保護対象のため」(県環境部自然環境課)として、放獣場所は明らかにしていない。豊根村は長野、静岡両県と接するが、人けのない奥山で、県境付近ではないとしている。
(新たな目撃、クマ出没:北海道)
7日朝、音更町木野市街地でクマが出没した町内では8日未明にも新たな目撃情報があり、帯広署や町、道猟友会音更支部が監視態勢を継続している。現場から近い中学校の生徒は8日朝、大半が保護者の車で登校。ハンターらも目撃場所の周辺を捜索するなど警戒を強めている。町は7日午後7時まで、同日朝の目撃場所(木野西通16付近)の周辺20カ所に職員を配置。その後は8カ所に絞り、夜を徹して監視を続けた。8日午前0時ごろには、緑陽台北区1の障害者支援施設「緑陽荘」のごみ箱に近づくクマを、役場建築住宅課の杉本光さん(30)と菅原隆行さん(34)が目撃。2人によると、クマは音更木野間基線を南進、同施設の入り口付近をうろついて東の林に逃げ込んだという。これを受け、帯広署と町は同日午前5時半すぎから道猟友会音更支部(田守一好支部長)のハンター7人と、目撃場所付近の林でクマを追い込む「巻狩(まきがり)」を実施したが、発見には至らなかった。田守支部長は「クマは(現場の東西にある)川から高速道路伝いに、まち場に入ったとみられる。山に帰った形跡は見当たらないので警戒を続けたい」と話した。8日午前も8カ所での監視を続けている。現場から近い共栄中(尾崎俊明校長、生徒270人)では同日、登校時に保護者に車で送ってもらうなどして生徒の安全を確保した。同校は7日夕、電話で同日の夜間外出を控えることと、8日の送迎について連絡した。この日午前8時ごろには生徒を送る車が続々と同校に到着。友人と相乗りする生徒もいた。2年生男子の父親は「不安なので早く捕まえてほしい」と話していた。同日の帰宅時は集団下校する予定。
(住宅街にクマ、ハンター出動:北海道)
7日朝、音更町木野西通16周辺で、複数回にわたってクマが目撃された。住宅地や中学校のすぐそばで、ベテランハンターら関係者も驚いている。帯広署、音更町役場、ハンターらが付近を捜索しているが、午後1現在、クマは見つかっておらず、けが人は出ていない。同署や町役場は、付近住民に注意を呼び掛けている。同署によると、同日午前8時15分ごろ、同住所の緑地帯水路付近を散歩中の男性(74)が、前方約40メートル先でクマ1頭(体長約1.5メートル)が歩いて移動しているのを目撃し、110番通報した。同8時半ごろには、最初の目撃場所から東に約150メートルにある音更共栄中学校西側草地付近で、別の通行人が同じ個体とみられるクマを発見し、同署に通報した。同9時半ごろには、最初の目撃場所から北に約1キロの畑でクマの足跡が見つかった。道猟友会音更支部によると、足跡は縦約15~18センチ、横約10センチで、体長や足跡の大きさから「親から離れて2、3年たった4、5歳のクマ」とみられるという。現場周辺は閑静な住宅街で、ハンター歴50年の田守一好支部長も「こんな街場に出たのは初めて」と驚いていた。柳町小では同日、運動会が行われていて、会場ではクマに注意するよう放送があったという。最寄りの緑陽台小の運動会は6日に実施された。8日は町内全小学校が運動会の代替休日で児童は登校しない。中学校について町教委が対応を検討している。
(クマ出没:宮城)
7日午後8時半ごろ、川崎町前川の町道で、体長約1メートルのクマ1頭が道路を横切ったのを車で通行中の男性が見つけた。8日午前6時15分ごろには、約6キロ離れた村田町足立の県道でも体長約1メートルのクマ1頭が目撃され、大河原署が注意を呼び掛けている。
(クマ目撃:宮城)
7日午後2時25分ごろ、大衡村中央平の県道を体長約1メートルのクマ1頭が歩いているのをオートバイで通り掛かった男性が見つけ、110番した。現場はトヨタ自動車東日本本社の北側。大和署によると、クマは近くの山林に入っていった。
(クマ目撃相次ぐ:秋田)
県内で6日、中学校のグラウンドなど人家近くでツキノワグマの目撃が3件相次いだ。北秋田市桂瀬の同市立森吉中学校で午後4時頃、グラウンドを体長約1メートルのクマが横切った。体育館にいた20歳代男性教員が目撃し、北秋田署に通報した。土曜のため生徒はいなかった。クマはグラウンド近くの林に姿を消した。正午頃には大仙市大沢郷寺の60歳代女性が田んぼで作業中、約400メートル離れた高速道路下に体長約1メートルのクマがいるのを目撃した。午後2時30分頃には能代市二ツ井町小繋の県道で、車で走行中の50歳代男性が体長約80センチのクマがいるのを見つけた。北秋田、大仙、能代各署が注意を呼びかけている。
(クマ目撃情報、周辺で警戒:山梨)
4日未明、笛吹市一宮町でクマが目撃され、警察と市が注意を呼び掛けている。 笛吹警察署によると4日午前0時45分ごろ、笛吹市一宮町坪井の山梨トラックステーション敷地内を、小さいクマのような動物が歩いているのを運送会社の男性が発見、警察に通報した。
(放されたクマ「慎重に捜索した」が未発見:岐阜)
三重県いなべ市で捕獲されたツキノワグマを同県が滋賀県多賀町に放した問題で、三重県は7日、クマがいるとみられる岐阜県大垣市上石津町の山中で捕獲に向けた捜索を行ったが、発見できなかったと発表した。同県などによると、クマは5日朝以降、同町下山の水嶺湖(水資源機構・打上調整池)の東側の養老山系にいることが確認されている。7日は、いなべ、大垣、海津市、養老町の猟友会員43人が山に入り、林道沿いから狩猟犬も使って捜索したが、見つからなかった。クマが移動している場所は林道から入り込んだ急傾斜地。広葉樹に覆われて見通しが悪く、クマと不意に出くわす危険性も高いことから、慎重に捜索したという。関係自治体は改めて捕獲方法などを検討する。大垣市は8日以降も上石津町多良、時地区や水嶺湖畔の日本昭和音楽村などをパトロールするほか、防災行政無線で住民に注意を呼びかける。
(熊の捕殺に市長が電話で抗議:三重)
いなべ市で捕獲されたツキノワグマを三重県が情報提供をせずに隣接する滋賀県多賀町の山中に放した問題で、伊賀市の岡本栄市長は6月5日、捕殺方針の県に対して助命を求めた。放獣から10日後、同一のツキノワグマかは判明していないが、同町内の女性(88)が熊に襲われ重傷を負う被害に遭っている。岡本市長が県農林水産部に電話で抗議したのは、5日の6月定例会終了後。県では野生のツキノワグマが近い将来絶滅する可能性が高い種とし、「絶滅危惧1B類(EN)」に分類しており、市長は「自分たちの誤りで起きた問題を熊に責任を押し付けるのはおかしい。本来は保護する立場なのに、軽々に殺処分するとは許しがたい」と憤った。県獣害対策課は5日、県といなべ市、岐阜県、海津市、大垣市、養老町の6自治体による会議で銃による捕殺を行うことで確認し、7日朝に実施すると発表。同課は取材に対し「地元住民の大きな不安を早期に取り除くため、捕殺は止むを得ないという判断になった」と話した。
(体当たり猿ご注意:長野)
駒ケ根市の駒ケ根高原にある古刹(こさつ)、光前寺で6日、参拝客1人が猿に体当たりされ、転んで擦り傷を負うなどし、駒ケ根観光協会や同寺などが観光客らに猿に注意するよう呼び掛けている。同高原は中央アルプス千畳敷の玄関口でもあり、市も注意喚起の看板を一帯に設置するなど対策を取る方針だ。光前寺によると、寺周辺は年間通じて猿が出没する。同協会には今回の件以前に、辺りで猿が原因でけがをしたとの報告は寄せられていない。関係者によると、6日午後3~4時ごろ、光前寺の山側の遊歩道を夫(50)と歩いていた愛知県春日井市の女性(43)の足元に、猿が背後から体当たりした。女性は転倒し、手や膝などを擦った。猿は子連れとみられ、夫が追い払った。女性は、連絡を受けた駒ケ根観光協会職員に付き添われて市内の病院で手当てを受け、同日帰宅した。同協会は6日、駒ケ根高原の観光案内所入り口などに張っていた猿注意の張り紙の内容を、親子連れには近づかないよう強調するなど変更。光前寺も8日までに、参道に「猿が出没します」などと注意を促す張り紙をした。市産業部は看板設置のほか、猿を見かけたら花火で追い払うなどし、近く市のホームページでも注意を呼び掛ける。猟友会とも連携し、場合によっては捕獲用のわな設置も検討するとしている。
(住宅街でクマの足跡:北海道)
白老町のポロト湖周辺など2カ所で2日から3日にかけてクマの足跡が見つかった。通報を受け、地元猟友会などが地元周辺地域でパトロールを実施。町生活環境課は「夜間と早朝の外出時には注意を。足跡などを見つけた時はすぐに通報してほしい」と注意を呼び掛けている。クマの足跡が見つかったのは、ポロト湖のカムイ入り口側に近いミズバショウ群生地。2日午後3時30分ごろに研修中のアイヌ民族博物館職員が発見した。3日午前7時ごろには緑丘3の住宅街で主婦(66)が畑作業中に足跡を見つけ、それぞれ町に通報した。町職員によると足跡は1頭分で長さ24センチ、幅15センチほど。「猟友会関係者は雄のクマではないかと話している」という。クマ出没の連絡を受け、町は遊歩道入り口に看板を設置。緑丘地区の2町内会に文書を配布するなど注意喚起を行っている。発見現場に近い緑丘小学校では、「山側に近づかない」などの注意点を児童に説明。3日の下校時から学年ごとの一斉下校と教員や地域の見守り隊、教育委員会職員などによる通学路での見守り警戒、車両巡回活動を始めた。ポロト湖畔の遊歩道は散歩やウオーキングなどで利用する町民も多いが、今回のクマ騒動で控える動きも出始めているよう。4日朝に散歩していた町内東町の60代男性は「気を付けないといけませんね」と不安そうに話した。町は「クマが出没しやすいのは早朝と夜間。外出時には十分注意してほしい」と話している。
(住宅地にシカ出没:埼玉)
狭山市入間川地区の住宅地などで5日、ニホンジカが出没した。同市職員らが捕獲を試みたが、シカは山林に逃げ込んだ。同市は防災無線で注意を喚起し、地元の入間野小など4校は集団下校を行うなど警戒を強めた。
(高圧線にカラス接触490戸停電:山口)
7日午前10時40分頃、山口県下関市菊川町の田部、上田部両地区の一部約490戸で停電が発生し、約5時間後に復旧した。中国電力下関営業所の発表によると、カラスが高圧配電線に接触したのが原因だという。
(準空気銃などを所持の男を逮捕:愛知)
人を傷つける能力のあるモデルガンを持っていたとして、愛知県警は、神奈川県厚木市の52歳の男を逮捕しました。銃刀法違反の疑いで逮捕されたのは、厚木市の無職、遠藤悟容疑者(52)です。警察によりますと、遠藤容疑者は1月、人を傷つける能力を持った準空気銃22丁などを持っていた疑いがもたれています。インターネットのオークションサイトで、遠藤容疑者がこれらの銃を出品していたことから、事件が発覚したということです。警察の調べに対して、遠藤容疑者は容疑を認めていて、「インターネットの海外のサイトから購入して売った」と話しているということです。警察は、遠藤容疑者が銃を売った先などを調べています。
(目指せハンター、基礎講座に20人:愛媛)
有害鳥獣駆除を担うハンターを養成する「狩猟まるわかり基礎講座」が7日、松山市山越町の県男女共同参画センターで始まり、大学生ら約20人が参加した。狩猟現場を訪れるなど、講座は11月まで計4回開かれる。高齢化や人口減少で狩猟者が減少し、鳥獣による農作物の被害が深刻化していることなどから、県が昨年度から講座を開催している。野生鳥獣による農作物の被害状況や狩猟の基本を学ぶ座学のほか、射撃大会を見学したり、ジビエ料理を食べたりする体験講座などを予定している。1回目のこの日は、県猟友会の小崎武志理事が「猟銃を扱うに当たっての心構え」と題して講演した。小崎理事は、わな仕掛けだけで有害鳥獣を減らすのは難しいと指摘。猟銃による駆除の必要性を強調した。猟銃の取り扱いについては、「最初に弾が入っているかどうかを確認する」「弾を装填そうてんするのは発射の直前」などと説明した。質疑応答では、参加者が「ハンターの友人に銃を預けてもいいのか」と質問。小崎理事は「銃は常に自己の管理下におかないといけない。社会の信用の下、銃を持つことの重みを理解してほしい」と答えた。
(坂本会長を再任、日本ライフル射撃協会)
日本ライフル射撃協会は6日、東京都内で開いた総会、理事会で任期満了に伴う役員改選を行い、坂本剛二会長(70)の再任を決めた。任期は2年で同会長は5期目。松丸喜一郎専務理事(61)が副会長兼務となった。
(犬ぞり猟43年、北極圏に住む日本人)
ほおを突き刺す風の中、10頭の犬が雪をけり、そりを引いて疾走する。著書「エスキモーになった日本人」で知られる大島育雄さんは、グリーンランド北西の北極圏の村で43年間、猟師として生きてきた。10日で68歳。標高1300メートルの氷原を越え、半月で600キロを走る犬ぞり猟は「体力的に今回が最後」と話している。その旅に同行した。「アウリッチ(動くな)!」。出発を前に興奮する犬たちの上で、大島さんの鞭(むち)がヒュンと風を切る。零下30度、太陽が4カ月出ない冬が明けた4月。海氷や雪がとけるまでの数カ月間が、「犬ぞり猟に一番いい季節」と大島さん。シロクマの毛皮のズボンに、アザラシの皮のブーツのいでたち。「シロクマを捕り、孫にもズボンを作ってあげたい」と笑う。大島さんが暮らすデンマークの自治領、グリーンランド北西のシオラパルクは人口約30人の「地球最北の村」だ。千年余り続く犬ぞり猟文化を取り巻く環境は厳しさを増す。温暖化で海氷や雪は減り、猟師はこの10年間で半減した。先住民の伝統の防寒服や猟具を作れる人が減り、大島さんの元には注文が絶えない。民族衣装に使うアザラシの皮の処理方法を教えに遠方の学校にも出向く。猟の初日、海氷を進むと、氷河がそびえていた。そりを降り、押して上がる。さらに数時間走り、見渡す限りの氷原に出た。方向感覚を失いそうだが、そのあたりの風向きを知っていれば、「雪の筋で方角がわかる」という。日没後も走る。凍える手でテントを張ったのは、出発から約17時間後、午前1時だった。2日目。毛むくじゃらの黒いものが動く。ジャコウウシだ。パーンと乾いた銃声が響き、巨体ががくんとのけぞった。「これで犬ぞりの『燃料』は大丈夫」。ナイフ1本で皮をはぎ、骨をはずす。肉は人と犬の食料にし、骨も犬にやる。ふわっと暖かい毛皮は敷布や防寒具、角は装飾品に。余すことなく使う。「誰もが命を頂いて生きていることを忘れてはいけない」4日目、はるか海氷で白い点が動くのを見て、大島さんが銃をつかむ。「シロクマだ」。犬の声に気づき、シロクマの足も止まる。距離は500メートル近く。1発で命中。「遠いから1メートル上を狙った」という。シロクマは、自治政府から認可された専業猟師しか捕れない。グリーンランド北西の広大な地域で年間6頭までで、大島さんも数年に1頭しか捕れない。他の動物も同様に、厳しく制限されている。大島さんは「生きるために最小限しか捕らない伝統の生活が追いやられている」と嘆く。6日目、海岸に立つ背丈ほどの三角の石の前で、大島さんが歌を口ずさむ。子グマを息子のように育て、その帰りを待つおばあさんが石になったと伝えられ、猟師は自然の恵みへの感謝を捧げるという。そばに残る石の土台は、もとは妻の父の家だった。今は誰もいない。「貨幣経済が来て変わってしまった」。電気や電話が通れば、お金がいる。仕事を求めて、人は南部の町へと流れ、北部の集落は消えつつある。北部に残る猟師仲間はバイトをしている。観光客を犬ぞりで案内すると、1日約3万円。大型のカレイのオヒョウを釣ると、高く売れて日本などに輸出される。14日目の帰路。氷河を下っていると、そりがガクンと止まった。幅約30センチの氷の割れ目、クレバスがばっくり開いている。「犬が落ちた。手伝って」と、大島さんが叫ぶ。そりにつながるひもを引っ張って1頭、また1頭。3頭目は深くて見えないところで宙づりになっている。2人で力いっぱい引き上げた。15日目の未明、村に戻った。出迎えた息子の顔を見て、大島さんの表情がやわらぐ。でも、一抹の寂しさも。猟師生活は、自然の中で生かされていることを教えてくれ、その過酷さは生きる実感をわき立たせてくれる。「子どもたちは、もう猟師だけでは食べていけない。ぼくはいい時代に生きた」
(「かすみ網猟」の昔と今:岐阜)
東白川村出身の映画監督、今井友樹さん(35)=東京都町田市在住=が製作した「かすみ網猟」の昔と今を記録したドキュメンタリー映画「鳥の道を越えて」(2014年、93分)が20日午後2時から、羽島市竹鼻町の市映画資料館で特別上映される。現在、「かすみ網猟」は生態系の保護などを目的に鳥獣保護法で捕獲を禁止されているが、調査目的に限って認められている猟法などを06年から8年間かけて追いかけた。今井監督は「かつて祖父たちが経験した鳥との関わりや生活文化を知ってほしい」と話す。上映終了後、今井監督の講演会もある。「かすみ網猟」は秋の渡り鳥を透明度の高い網を張って捕まえる猟法。昔から県東部の東濃地域などで冬の食生活のたんぱく源として捕獲されていたが、野鳥の乱獲を防ぐためGHQ(連合国軍総司令部)が1947年に禁止した。「昔、あの山の向こうに鳥の道があった」。今井監督の祖父照夫さん(今年3月、87歳で死去)が故郷の山を指しながら語ったこの言葉が映画製作の動機だった。渡り鳥が通る山の尾根には、かつて網を仕掛けた「鳥屋(とや)」があった。禁猟前の「かすみ網猟」を知る祖父や古老たちから聞き取り調査を始めると、東濃地域がおとりを使って網で渡り鳥の群れを捕まえる地だったことが分かった。映画には、山間に住む人たちが自然や鳥とどう関わり、恩恵を受けていたのか、生活文化を記録した内容となっている。本作を3月に見て、羽島市での上映会を企画した日本野鳥の会会員の太田和義さん(49)=同市堀津町須賀中=は「監督が足で丹念に調べて撮影し、説教がましくないドキュメンタリーに感銘を受けた」と語る。映画を上映する資料館の近藤良一館長(63)は「山村で暮らす人間と鳥の関係に迫った内容で、貴重な民俗学資料といえる」と話している。
(一般開放イベントで本物の銃展示:沖縄)
在沖米海兵隊が6、7の両日、宜野湾市の米軍普天間飛行場の一部施設を一般開放して行った「フライトライン・フェア」で、本物の銃が展示され、来場者が触ることができる一角が設けられた。県平和委員会は銃刀法や日米地位協定に違反する可能性を指摘し、批判した。展示会場では来場者が銃を興味深げに触ったり、海兵隊員に動作の方法を習ったりしていた。幼児が銃に触れる姿も見られた。実弾は入っていなかったものの、触って動かせるようになっており、来場者が銃の安全装置の部分を動かすと、近くにいた米兵が駆け付け、動かした部分を元に戻す場面もあった。現場で説明していた陸軍の担当者は「本物だが、安全にした状態だ」と説明した。県平和委員会の大久保康裕事務局長は「銃の展示については横須賀基地で問題となり、神奈川では現在再審査請求をして係争中だ。銃を自分の支配下に置いて所持しなければいけないという銃刀法や国内法を尊重するという地位協定違反に当たる可能性がある。最近は本物の銃の展示はしていなかった」と指摘した。その上で「銃を子どもに触らせることは武器に対する怖さをまひさせてしまう一種の思想攻撃だ。軍隊が行うことはいろいろな面で作戦であり、そもそも一般開放は情報戦略の一つだ」と批判した。フライトライン・フェアでは所属する垂直離着陸輸送機MV22オスプレイや嘉手納基地所属のF15戦闘機なども展示され、来場者が戦闘機に乗る姿も確認できた。
(オオカミ復活で獣害防止を:静岡)
県内で年間4億円以上に上る、シカやイノシシなどの野生鳥獣による農林産物への被害。県は捕獲や被害防止柵の設置など対策を進めており、被害額はピーク時の7割以下にまで減少したが、昨年度は増加に転じ下げ止まりの兆候が見えた。そうした中、民間団体からは絶滅したオオカミの「再導入」を求める声も。生態系ピラミッドの頂点に立つオオカミを復活させ、獣害に歯止めをかけようと模索が始まっている。日本オオカミ協会(南伊豆町)は5日、三島市の三島商工会議所で「オオカミシンポ2015」を開催。19世紀末から20世紀初頭にかけてオオカミが絶滅したものの、再導入に成功した米国とドイツから研究者や自然保護団体の職員を招き、明治時代末に絶滅したオオカミの日本への再導入について議論を交わした。国際自然保護連合(IUCN)オオカミ専門家グループ元議長のデービッド・ミッチ氏は、1995年から米国のイエローストーン国立公園で、世界で初めてオオカミを再導入した事例を紹介。同公園では1920年代のオオカミの駆除後、生息数が6万~8万頭にまで増加し植生の荒廃を招いていたエルクジカが、再導入により15年間で4千~5千頭にまで減少したことを説明した。ミッチ氏は「オオカミを導入しても、人間の生活領域を守るハンターは必要」とした上で、「日本でも中国などから、オスや避妊手術を受けた個体などを試験的に導入しては」と提案した。ドイツ自然・生物多様性保護連合(NABU)職員のマーカス・バーテン氏によると、ドイツでは2000年に入り初めて国内でオオカミの群れを確認。昨年には35の群れにまで拡大したが、これまでに人間を襲ったケースはないという。ドイツは地方の人口密度が比較的高いこともあり、バーテン氏は「放牧されている家畜を守る措置は必要だが、オオカミと人間は共存できる」と語った。県内では昨年度、シカやイノシシなど野生鳥獣による農林産物への被害額が4億7658万円に達し、前年度から3912万円増加。ピーク時の平成21年度(6億9618万円)以来右肩下がりの状況が続いていたが、下げ止まりの様相を呈している。しかし、オオカミ再導入の実務を担う環境省は「日本は自然界と人間の生活エリアが非常に近接している」(中央環境審議会、25年7月)として導入に懐疑的。同協会の丸山直樹会長は「日本には『オオカミは人間を襲う』という偏見がまだ根強い。まずはオオカミについての正しい知識を広めていきたい」と話した。
(対イノシシ電気柵、鼻先へ衝撃集中:静岡)
静岡県農林技術研究所森林・林業研究センターは、イノシシの鼻先に強い電気ショックを与えられる電気柵ワイヤの張り方を考案した。2本の電線を編み込んだ幅12ミリのリボンワイヤを使用。従来の電線1本の場合はイノシシの体を通電して地面に抜けてしまうが、リボンワイヤは1本に電気を流し、もう1本を電気の逃げ道(アース)にするため、電気が鼻先に集中して流れる。電気が抜けにくく、電圧が落ちてしまうアスファルトや砂地で高い効果がある。同センターによると、一般的に野生動物の侵入を防ぐには最低でも3000~3500ボルトの電圧が必要だという。ただし、アスファルトの道路沿いに電気柵を設置した場合、電圧が2000ボルト近くまで落ちるケースがあり、十分な電圧を確保しにくい。実際にイノシシなどが通り抜けてしまうことがあるという。そこで同センターは、アスファルトでも電圧が弱まらないよう、電気柵に工夫ができないかを検討。2本の電線を平行に編み込んだリボンワイヤを使って試験に取り組んだ。試験を通じて考案したのが1本に電気を流し、1本をアースにする方法だ。その際、2本の電線が接触してショートするのを防ぐため、リボンの両端は重ねて結束バンドでしっかり固定する。イノシシが入ったことがある圃場(ほじょう)で2014年度に1カ月間試験したところ、侵入を防ぐことができた。同センターの片井祐介主任研究員は「この方法なら、アスファルトでも鼻先に8000ボルトほどの電気が流れ、体を通電させる場合の6000ボルトと同等の侵入防止効果が得られているはずだ」と推測する。引き続き検証し、実用化を目指す。同センターの考案した方法は、既存の電気柵で使っている支柱や電源は、そのまま使うことができる。電線の他、柱と電線を絶縁する器具の碍子(がいし)を交換すれば済むため、コスト負担を抑えられるのが利点だ。電線のコストは100メートル当たり500~2000円ほど上がると試算している。
(道内11店でエゾシカ肉発売:北海道)
流通大手イオン(千葉)傘下のイオン北海道(札幌)とマックスバリュ北海道(同)は5日、エゾシカ肉の販売を始めた。まず1年で320頭分の肉を販売し、両社で計500万円の売り上げを目指す。ヒレ、ロース、バラ、スネの肉をそれぞれ冷凍し、真空パックに入れて商品化した。価格は100グラム当たり367~799円。イオン北海道は札幌、旭川、釧路、苫小牧、名寄の計8店、マックスバリュ北海道は札幌、函館の計3店で販売している。捕獲したシカをオホーツク管内斜里町の養鹿(ようろく)施設で一定期間飼育し、道の衛生マニュアルなどに基づき処理、加工した「安心、安全なエゾシカ肉」(イオン北海道)という。
(イノシシのソーセージ開発:長崎)
対馬市の農林関係団体などでつくる「対馬いとなみ協議会」(神宮喜仁会長)が、農産物を食い荒らすイノシシの肉を使った3種類のソーセージを売り出した。森林や田畑を荒らす有害鳥獣としての捕獲が増え、その肉を有効利用することにした。市によると、対馬ではイノシシ、シカによる農産物被害が後を絶たず、2014年度の被害額は約2047万円で、捕獲数は計8884頭に上る。これまで捕獲した有害鳥獣は土に埋めて処分していたが、肉を食材にして地域づくりに役立てることにした。まず捕獲したイノシシなどは、同市美津島町の市対馬猪鹿いのしししか加工処理施設に持ち込む。市の島おこし協働隊員で有害鳥獣ビジネスコーディネーターも務める谷川ももこさん(27)らが、市のガイドラインに沿って食肉を解体処理後、ソーセージに加工している。熊本県や岐阜県の食肉加工業者の指導を受けて開発した商品は現在、3種。「オリジナルソーセージ」(100グラム、650円)はスパイスを控えめにするなどして肉のうま味を引き出した。そのほか、チーズの香りと酸味が肉のうま味を引き出した「コンテチーズ入りソーセージ」(同、700円)、ワインなどに合うように風味豊かで上品な味に仕上がった「レバーパテ」(同、1200円)がある。いずれも同市厳原町今屋敷にある市観光情報館「ふれあい処どころつしま」で販売している。谷川さんは「イノシシ肉は牛肉と比べ低カロリーで、高たんぱく質。歯ごたえがあり、おいしいですよ」と話す。近くシカ肉を使った商品の販売も始めるという。
(ペットフードを試作:福岡)
福岡県は、捕獲したイノシシの内臓を有効活用するため、ペットフード製造会社と共同して、主にレバーを使った犬のペットフードを試作した。その一部が商品化され、嗜好性も高く好評だ。レバーが使用されるのは衛生的にとれるため。

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(官邸ドローン事件、発炎筒改造などで再逮捕:東京)
首相官邸屋上で小型無人機「ドローン」が見つかった事件で、ドローンに搭載した発炎筒を改造していたなどとして、警視庁麹町署捜査本部は3日、火薬類取締法違反と銃刀法違反の疑いで、山本泰雄容疑者(40=威力業務妨害罪で起訴)を再逮捕した。再逮捕容疑は3~4月、無許可で発炎筒の着火部分を変形させたほか、昨年12月、帳簿に射撃場で弾を撃ったとする虚偽の記載をするなどした疑い。捜査本部は認否を明らかにしていない。3日、福井県小浜市の山本容疑者宅を家宅捜索した。捜査本部によると、山本容疑者は福井県公安委員会の許可を得て散弾銃1丁を所持。銃刀法の規定で、銃弾を使ったり廃棄したりした際に、帳簿に記録することになっている。実際には射撃はしておらず、今年4月の家宅捜索で、弾から抜き取ったとみられる無煙火薬が自宅から見つかった。発炎筒の改造に利用しようとした可能性もある。ドローンには発炎筒2本や小型カメラが搭載され、発炎筒に発火した形跡はなかった。また、放射能を警告するマークが貼られた容器がついており、中の土から微量の放射線が測定された。山本容疑者は4月9日未明、東京都港区赤坂2丁目の駐車場からドローンを遠隔操作し、首相官邸屋上に落下させて官邸職員らの業務を妨害したとして起訴されている。
(クマ出没、地元猟友会が駆除:新潟)
3日未明、新潟県長岡市の住宅地を流れる川にクマが出没し、早朝に駆除された。3日午前0時15分頃に住民から通報があり、警察官が警戒していたところ、午前5時20分すぎ、体長120センチの雄のクマ1頭を発見、約1時間後、地元の猟友会に駆除された。
(ツキノワグマで捕獲、山中に放す:山口)
2日午後0時半ごろ、周南市鹿野上で、イノシシ用の箱わなに、ツキノワグマ(雄の成獣、全長1メートル、体重19キロ)が捕獲されているのを、わなを仕掛けた地元猟友会の会員が見つけた。県と市関係者らが協議のうえ、約5時間後に、人家から離れた山中に放った。県自然保護課によると、ツキノワグマの捕獲は今年度初めて。
(親熊に注意を、目撃の成獣見つからず:長野)
塩尻市洗馬の沓沢(くつざわ)湖近くで3日午前に目撃された成獣とみられる熊は、市や市猟友会が捜索したが見つからなかった。同じころにおりに掛かっているのが見つかった子熊1頭は、市などが同日午後、民家がある地域から離れた山中に放した。市森林課は「親熊がいる可能性があり、朝と夕を中心に不要な外出は控えるなど注意してほしい」と呼び掛けている。森林課によると、子熊が捕獲されたのは沓沢湖の北側で、成獣とみられる熊が目撃されたのは沓沢湖東側の山。子熊は体長約50センチで、おりの近くでは1日にも目撃情報があり、2日午前におりを設置していた。沓沢湖近くの洗馬小学校は3日、熊の目撃場所付近に住む児童約50人の保護者に、車での迎えを依頼した。3日は午後3時すぎにも、沓沢湖から東へ8キロほど離れた同市金井のみどり湖に近い山沿いの道で熊を見たとの情報が塩尻署に寄せられた。
(サル出没情報:熊本)
熊本県警によると、3日午前9時半ごろ、熊本市西区の住宅街にサル1匹が出没した。大きさは中型くらいという。南署は、かみつかれる恐れがあるとして、サルを目撃しても不用意に近付いたり、エサを与えたりしないよう注意を呼び掛けている。
(クマ対応で3県協力)
三重県が捕獲後に放したツキノワグマが岐阜、滋賀などとの県境付近を一時移動していた問題で、3県の担当者が捕獲時の対応や連絡体制について近く三重県内で協議することが3日、分かった。古田肇知事は同日の定例記者会見で「(クマの)捕殺の許可権限は市町村にあるが、ばらばらな考えで対応するのはおかしい」と述べ、捕獲時に隣接県で共通の対応を取る必要があるとの認識を示した。三重県がクマに発信器を付けていた点について、古田知事は「発信機を付けたから責任は三重県だといっても、(クマは)向こうから入ってくる」と県境を越えたクマの対応の難しさを強調。「今回の経験に照らし、三重、滋賀県と協議を始めた方がいい」と連携に前向きな姿勢を示した。捕獲したクマをめぐっては、三重、滋賀県が山に放すようマニュアルを定めている。岐阜県は捕獲されたクマがおりで暴れた際に歯などを傷つけ、放獣しても自然環境に適応できないという理由から原則として殺処分している。
(愛護団体、補殺中止訴え:三重)
県がいなべ市内で捕獲されたツキノワグマを無断で滋賀県多賀町内に放した問題で、県がクマを捕獲し殺処分する方針を立てていることに対し、クマの保護に取り組む一般財団法人「日本熊森協会」(森山まり子会長、兵庫県西宮市)が3日、捕殺の中止を求める要請書を県に提出した。県獣害対策課によると、この問題で動物愛護団体からの文書による要請は初。クマは放獣後に多賀町内で女性を襲った可能性があるが、同協会は「同一のクマか未確認。環境省のガイドラインでも誤捕獲の場合は放獣するのが原則となっている」などと指摘している。同課によるとクマは3日、いなべ市の山中にいるという。同課は「住民感情などを考慮すると、殺処分はやむを得ない」としており、同市などと協議し、6日に地元猟友会などと捕獲に乗り出す方針。
(停電、原因はカラスの巣:大分)
2日夕方、大分市で電線から火花が出て、周辺地区で一時、最大1800戸が停電し、信号機にも影響が出ました。カラスの巣が停電の原因と見られています。2日午後5時半頃、大分市山津町で電線から火花が出ていると通報がありました。火は間もなく消えましたが、周辺地区で一時、最大1800戸が停電しました。この影響で、国道197号の交差点3ヶ所で信号機が消えたため、警察官が手信号で交通整理にあたりました。停電は午後6時8分に解消し、現在、復旧しています。九州電力大分支社ではカラスの巣が電線と接触したことが停電の原因と見ています。
(鉛汚染土壌、県が除去方針:山梨)
韮崎市の旧県立射撃場の土壌から環境基準の200倍の鉛が検出された問題で、県教委は鉛に汚染された土壌を除去する方針を決め、6月定例県議会に提出する補正予算案に工事費を盛り込んだ。旧射撃場には、開設した1966年から閉鎖した2009年までの散弾が放置され、11年の県の調査で土壌中に環境基準を超える鉛が含まれていることが判明していた。県教委によると、健康被害の報告はないが、これまで汚染土壌の除去方法を検討。土壌汚染対策法の規定で全ての鉛を取り除くことはできないが、鉛の8割を除去できる工法を採用し、工事に伴い現在使われていない射撃場の事務棟なども解体する。工事は早ければ11月から始めるといい、県教委は6月議会に射撃場を廃止する条例改正案も提出する。
(サルの行動、実態調査へ:岐阜)
ニホンザルによる農作物被害を防ごうと、県は今秋、被害があった集落ごとに、サルの群れの行動実態を調べる。群れ特有の行動を把握した上で、地域ごとに防護策などをまとめた対策指針を本年度中につくる。県自然環境保全課によると、二〇〇八~一三年度に農作物被害があった二十四市町村の約七百五十集落で調査する。植物が少なくなって人里に下りてくる十一月の一カ月間、農家や住民らに、目撃場所や状況などをアンケート用紙に記入し続けてもらう。それらの記録を基に、群れの行動実態を分析。規模や習性などに応じて一定数を捕獲したり、柵を設けたりする。サルが原因の農作物の被害額は、一三年度が五千七百五十三万円で、イノシシとシカに次いで多い。しかし、県の鳥獣被害対策はイノシシとシカが中心で、サルは推定生息数や群れの分布などの現状も分かっておらず、対策は遅れていた。同課の担当者は「学習能力が高いサルは、餌があると認識すると、集団で何度も同じ場所にやってくる。群れの行動範囲に入る前に、早めの対策ができるよう指針を準備したい」と話した。
(わなにイノシシ、メールで通知へ:岐阜)
イノシシによる農作物被害を減らそうと、瑞浪市は今秋、わなの作動を市猟友会員にメールで通知する装置を導入する。見回りの労力を省き、駆除効率を高めるのが狙い。開会中の六月市議会に上程した一般会計補正予算案に購入費五百五十万円を盛り込んだ。装置は高さ二十六センチ、幅十一センチ、厚さ七センチの箱型。携帯電話の回線につながる発信機と乾電池が入っている。外側に磁石付きのワイヤが付いており、引っ張られて箱から外れると、あらかじめ登録した宛先にメールを発信する。おりに誘う「箱わな」や脚をつかむ「くくりわな」の動作部にワイヤをつなげば、捕獲直後に把握できる。市は二十台を購入し、猟友会員に貸し出す。市農林課によると、昨年度の稲作被害は百四十万円。水路の損傷や牧草の食害のほか、市街地での出没も相次ぐ。捕獲が得意な猟友会員は数人で、世代交代も遅れており、被害の抑止は難しい状況となっている。事業費は情報通信技術の活用が対象になる国の補助金で賄う。担当者は「イノシシが減ることで、農家の意欲向上と出荷増につながれば」と期待する。恵那市も同様の装置の導入を検討している。シカやサル、クマも対象とし、四台を農家や猟友会員に貸し出す方針。
(マタギの文化継承へDVD制作:秋田)
鳥海山麓に古くから伝わるマタギ文化を発信しようと、秋田県由利本荘市鳥海町の鳥海射撃協会(佐藤源一会長、32人)は「鳥海マタギ」を紹介するDVDを制作した。四季の移ろいの中で繰り広げられる狩猟の光景や作法などを収録。三浦俊雄副会長(66)は「鳥海地域には阿仁マタギ(北秋田市)に匹敵する狩猟文化があったことを知ってもらいたい」と話している。DVDは昨年県内で開催された国民文化祭を機に、マタギ文化を継承しようと、協会が市の助成を受けて作った。会員自らが家庭用のビデオカメラで昨年1年間かけて撮影した。販売や配布の予定はないが、6日午後4時から地元の紫水館でDVD完成を記念した試写会を行う。
(荒れた畑一帯に牛を放牧:富山)
有害鳥獣対策や景観保護のため、山あいの耕作放棄地に牛を放牧する「カウベルト」事業が二日、黒部市宇奈月町内山で始まった。山と人里の間に牛(カウ)の放牧地帯(ベルト)を設けることで、イノシシやサルが人里に近づくのを防ぎ、牛に雑草を食べさせて耕作放棄地の荒廃も防ぐのが狙い。市内四地区の自治会や環境グループなどが、市の補助を受け夏場に放牧している。先頭を切って放牧が行われた宇奈月町内山地区では、内山自治振興会が、立山町の畜産農家から借りた雌牛二頭がトラックで運び込まれ、約二ヘクタールの耕作放棄地に放された。同会の山本秀治会長(73)らがヨモギを与えると、二頭はおいしそうに食べていた。放牧は十一月までで、その間、会員八人が交代で餌や水やりを続ける。
(ジビエ、三越伊勢丹のカタログに掲載:三重)
県が販路拡大を目指す「みえジビエ(獣肉)」の冷凍加工食品が、三越伊勢丹(東京)のお中元ギフトカタログに掲載され、同社の国内全店舗で取り扱いが始まった。みえジビエが、百貨店の中元商品に採用されるのは初めて。県フードイノベーション課によると、掲載されたのは、ジビエ加工品製造販売「サンショク」(伊賀市)が開発したシカ肉のハンバーグ(120グラム)とメンチカツ(70グラム)のセットで、各4個が専用パッケージに入れられており、1セット5000円(税別)。メンチカツは今回の中元用に新たに開発した商品で、衣を付けて揚げても、そのまま焼いてもおいしいという。サンショクは、県が定めたマニュアルに基づいたジビエの衛生管理を行っている事業者として県に登録されており、安全性や品質、おいしさが認められ、限定商品となった。カタログは150万部発行され、ジビエ商品は、自然の恵みを生かした、生産者の思いがこもったこだわりの食を紹介するページに掲載されている。三越伊勢丹店舗で配布しているほか、同社のホームページでも閲覧、注文ができる。アドレスはwww.mitsukoshi.co.jp/chugen。鈴木英敬知事は「ジビエはヨーロッパでは高級食材だが、日本では理解が進んでいない。百貨店の客層にも認知してもらうチャンスとして期待している。ぜひ中元に利用してほしい」と話した。
(高校生、シカ肉「おいしい」:京都)
野生鳥獣の肉ジビエを味わう食育授業が京都府綾部市の綾部高で2日あり、生徒たちが農林業の被害や肉の栄養面などからシカについて学んだ。昨年度、捕獲されたシカは中丹3市で7153頭にもなる。府中丹広域振興局が、捕獲鳥獣を資源として生かし地域活性化を図るジビエ利活用プロジェクトの一環として、管内の中高生向けで初めてモデル的に実施した。フードデザインの科目を選択する3年生34人が、福知山市を拠点に府内で食育イベントを開く管理栄養士、櫻井要さん(27)の講義を受けた。生徒たちは、ヨーロッパのジビエの歴史やシカのすごい運動能力、スギ、ヒノキなどの柔らかい樹皮を食い荒らす害がひどいこと、肉は高たんぱくで低脂質、高鉄分ということを聞き、熱心にメモした。シカ肉入りコロッケの試食もあり、みんな「おいしい」を連発。生徒を代表し大谷真捺さん(17)が「とても興味深かった。管理栄養士になりたいので、きょうの話を糧にしたい」とお礼を述べた。

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(クマに襲われ女性けが:岩手)
31日午前9時半ごろ、岩泉町釜津田の櫃取湿原付近で、弟とタケノコ採りをしていた盛岡市向中野4、パート、金野洋子さん(63)が体長約1メートルのクマ1頭と遭遇し、右足のふくらはぎをかまれた。宮古署によると、自力で下山したが、数針を縫う軽傷を負った。
(自宅敷地にクマ、男性襲われけが:秋田)
29日午前5時半ごろ、秋田県仙北市角館町の民家敷地内で60代の農業男性がクマに襲われ、右腕を爪で引っかかれる軽傷を負った。仙北署によると、男性が農作業を終えて帰宅したところ、植え込み付近から体長約1メートルのクマが飛び出した。クマは男性に体当たりして民家西側の山林に逃げたという。現場は角館西保育園から南に約600メートルで民家が点在。
(サルに小1女児襲われ腕と足に軽傷:福岡)
那珂川町や大野城市で25日以降、サルの目撃情報が相次ぎ、小学生が襲われるなどしている。那珂川町は「サルを見掛けたら、食べ物を見せないようにして、見て見ぬふりをしてほしい」と注意を呼び掛け、町職員が車で巡回するなどしている。町産業課によると、サルが出没したのは住宅地の同町片縄、観晴(みはる)が丘、西隈の各地区など。25日午後3時すぎ、下校中の小学1年女児がサルに腕や足を引っかかれたり、かまれたりした。28日には午前8~11時ごろに、町に5件の目撃情報が寄せられた。いずれも屋外で、1件は飼い犬が襲われたという。場所や特徴などから2匹以上いるとみられる。同町の住宅地での目撃情報は珍しいという。大野城市では29日午後4時半ごろ、牛頸ダムに近いつつじケ丘5丁目で、低学年児童のランドセルにサルが飛びかかった。児童にけがはなく、サルはそのまま逃げたという。
(猟銃暴発、弾倉改造も発覚:静岡)
藤枝署(藤枝市緑町)で4月、定期検査で持ち込まれた狩猟用の散弾銃が暴発した事故で、同署は1日、暴発させた同市に住む70代男性を、銃刀法違反と火薬類取締法違反容疑で静岡地検に書類送検した。送検容疑は、4月14日、男性が改造した散弾銃を所持し、弾を装填(そうてん)したまま持ち運び、同署内で1発を暴発させたとしている。同署によると、男性は本来2発しか弾が入らない銃の弾倉部分を、3発以上入るように改造していた。男性は以前から銃を改造しており、年1回の定期検査の度に銃を適法な形に戻して臨んでいた。「獲物がたくさん捕れるように改造した」と話しているという。同署は「男性の銃が古くて特別な型だったため、気が付かなかった」と説明している。県警はこの事故の後、銃の所持者が改造しないよう徹底すると共に、同様の改造について検査で把握できるよう、各署に注意を促した。
(改正鳥獣保護法施行、「保護」から「管理」に)
有害鳥獣の捕獲を強化する改正鳥獣保護法が29日施行する。鳥獣が増え過ぎたり、生息範囲を広げたりするのを防ぐため、都道府県が「鳥獣保護管理事業計画」を策定し、適正な個体数に減らすための捕獲に力を入れる。高齢化に伴って狩猟者が足りない状況にあることから、捕獲の専門事業者を認定する制度も創設した。これまで「鳥獣保護」の観点から対策に取り組んできたが、農林業被害の深刻化や狩猟者不足を踏まえて法改正した。都道府県が管理計画を策定することを規定。一定の捕獲技能を持つ企業、団体を専門の捕獲事業者として知事が認定できる制度を新たに設けた。網やわなを使う猟の免許を取得できる年齢については、20歳から18歳に引き下げた。知事が許可した場合に住宅地での麻酔銃の使用を認める他、一定の条件のもとで安全を確保できる場合に限って夜間の銃猟の使用も認めた。ニホンジカとイノシシは「指定管理鳥獣」と位置付け、管理を徹底していく方向だ。環境、農水両省は、ニホンジカとイノシシの推定410万頭程度(2010年)とされる生息数を23年までに半減させる目標を掲げている。環境省は「抜本的に捕獲体制を改め、深刻化する被害に対応したい」(野生生物課)と説明する。改正鳥獣保護法は、鳥獣の生息数・範囲を適正に「管理」するため、捕獲体制を強化するのが特徴だ。しかし農林業被害を減らすには、農地に近づけない環境を整えたり、防護柵を維持したりといった地域ぐるみの取り組みが重要だ。都道府県が作る管理計画には、捕獲一辺倒でなく、現場の取り組みを生かす視点が求められる。現場を指導する専門家からは、法改正について「農家の捕獲依存を助長しかねない」との懸念も出ている。鳥獣害は営農意欲を奪い、耕作放棄地の増加にもつながるだけに、捕獲と並行して地域の自主的な対策を促していくべきだ。狩猟現場では近年、誤射による事故が多発している。夜間狩猟や住宅地での麻酔銃使用の規制の緩和は、誤射のリスクを高める危険性をはらむ。猟銃の安全講習を充実させるなど、これまで以上に安全対策を徹底しなければならない。捕獲したイノシシや鹿の処理に悩む地域は多い。ジビエ(野生の鳥獣肉)として販売するのが有効だが、狩猟者、行政、飲食店などの協力が欠かせない。官民挙げてジビエ流通の仕組みを整えることが鳥獣対策の意義を高めることになる。
(発見次第、殺処分へ:三重)
三重県いなべ市で捕獲されたツキノワグマを同県が無断で滋賀県多賀町に放した問題で、三重県は、クマが現在いるとみられる岐阜県海津市と協議し、このクマを見つけ次第、殺処分する方針を決めた。このクマが多賀町で5月27日に高齢女性を襲ったクマかどうか不明だが、三重県は28日以降、クマの捜索を続けている。取り付けられた発信器の電波から、31日現在、放した場所から約15キロ・メートル北東の海津市南濃町庭田の山中にいるとみられるが、場所は特定できていない。殺処分は29日の協議で海津市から提案があったといい、三重県獣害対策課は「海津市民の安全や感情を考慮した」としている。クマは体長約1・4メートルの雄の成獣で、生け捕りは難しいという。同県は、6月1日以降も海津市や地元猟友会と連携し、捜索を続ける。
(クマ依然見つからず:岐阜)
三重県が県内で捕獲し、滋賀県との県境で放したツキノワグマが岐阜県海津市南濃町の山中にいる可能性がある問題で、三重県と海津市などは30日も引き続き行方を捜索したが、発見できなかった。同日午前、クマに取り付けた発信器の電波を同町の山中から受信したため、海津市猟友会と市、岐阜、三重両県の職員計25人態勢で捜索に当たった。市などによると、いったんはクマがいるとみられる場所を絞り込んだが、日没が近づいたため午後4時すぎに打ち切った。捜索後、海津市役所で対策会議を開き、31日は態勢が整わないことから捜索は実施しないことを決めた。1日以降も未定だが、三重県はモニタリングを継続する。
(クマ放獣マニュアル「来月中に改訂」:三重)
県がいなべ市で捕獲したツキノワグマを滋賀県多賀町に放した問題で、鈴木知事は29日の記者会見で「滋賀県側に連絡もせず、ご迷惑をかけて申し訳ない」と謝罪したうえで、県の野生動物保護に関するマニュアルを6月中に改訂する考えを明らかにした。職員が県内で適当な場所が見つからなかったことなどを理由に同町に放獣したことについては「日を改めて、再び県内で放す場所を探すべきだった」と批判した。クマを捕獲した場合の対応について、県のマニュアルには「発信器を取り付け、奥地へ放獣する」とだけ記載されている。県は再発防止に向け、専門家の意見を聞き、県内各市町と調整したうえで、県外への放獣禁止や連絡体制について盛り込んだマニュアルを作成する方針だ。一方、県は、クマに取り付けた発信器の電波が岐阜県海津市の山中で捕捉されたとして、29日、付近を捜索したが、場所の特定には至らなかった。今後、捕獲するかどうかについて、知事は「関係自治体と協議して判断したい」と述べた。
(3日連続、熊目撃:福島)
29日午前7時15分ごろ、福島市永井川字大釜地内の住宅地のごみ集積場に体長約100センチの熊1頭がいるのを、登校中の杉妻小5年生の女子児童が見つけ、同校と市教委を通じて福島署に通報した。けが人はいなかった。現場付近で熊が目撃されるのは27日から3日連続で、同署と市教委、市は同じ熊の可能性もあるとみて警戒を呼び掛けている。目撃現場は杉妻小から約1.2キロ、JR南福島駅から約1キロの住宅地の一角。27、28の両日の目撃現場から約500~800メートルの距離にある。3日連続の目撃を受け、市鳥獣被害対策実施隊の隊員が29日朝、現場周辺をパトロールした。市は県や県猟友会、同署などと協力し、熊の捕獲を視野に対策を協議する。市教委も29日、杉妻小など現場に近い小中5校と私立幼稚園協会に注意を呼び掛けた。杉妻小は集団下校を行い、児童に教師や保護者が付き添った。保護者の女性(37)は「熊の目撃現場近くを子どもが歩くので心配。しばらくは登下校に付き添いたい」と語った。
(4日連続、熊目撃:福島)
30日午前4時40分ごろ、福島市伏拝字沼ノ上の国道4号でクマを目撃したと、車で通りがかった男性から110番通報があった。現場周辺でのクマの目撃は4日連続となった。福島署によると、体長約1メートルのクマ1頭が国道を東から西に向かって横切り、雑木林の方に歩いて行ったという。同署はパトロールを強化し住民に注意を呼びかけている。
(クマ出没相次ぐ:新潟)
小千谷市内でクマの出没が相次いでいる。25日から29日午前までの目撃情報は6件に上る。けが人や農作物被害はないが、市や小千谷署が警戒を強めている。市市民生活課などによると、クマは25日朝に●生の国道291号を走行中の乗用車に衝突。26日早朝には近くの国道交差点で信濃川河川敷方面へと歩く姿が目撃された。付近では28日にも3回目撃されている。いずれも体長約1メートルで、同じクマとみられる。29日午前9時頃には、同所から北東に約4キロ離れた南荷頃の国道でも目撃された。28日までの目撃現場は、JR小千谷駅から北へ約1キロで、近くに市立東小千谷中や東小千谷小などがある住宅街だ。●生の養鯉ようり業伊佐光徳さん(44)は28日、自宅横の養鯉ハウスで作業中に、近くを歩く真っ黒なクマを目撃した。「黒いものが動いているのを感じて、ぎょっとした。こんなところで出没するとは」と驚いていた。目撃情報を受けて、同中は25日から、教師や保護者が付近に住む生徒を送迎している。クマよけの鈴も配った。同小も26日から、目撃現場付近に住む児童をバスで送迎している。29日の現場に近い市立東山小でも、徒歩の児童を教師が自宅へ送り届けるなどした。市は26日、地元猟友会の協力で、目撃現場の近くの信濃川河川敷の茂みにワナを設置した。好物のはちみつを掛けたリンゴやバナナが仕掛けられている。鳥獣被害について詳しい長岡技術科学大の山本麻希准教授は「今春は里に小さめのクマが出没している。親離れしたばかりのクマが迷い込んで、パニックを起こしているようだ」と話している。
(サービスエリアでクマ目撃:岩手)
28日午前、東北自動車道の上り線紫波サービスエリア内で子どもと見られるクマが目撃されました。周辺への被害はありませんでしたが町では警戒するように呼びかけています。クマは午前10時半ごろ東北自動車道上り線の紫波サービスエリア内のガソリンスタンドそばで目撃されました。目撃した店員によりますと体長は1m前後で子グマと見られるということです。町によりますと逃げたクマは見つかっておらず、有線放送で住民に注意するよう呼びかけたということです。この付近では先週土曜日、町内の男性がクマに襲われており、地元猟友会がツキノワグマ2頭を駆除したばかりです。
(クマ目撃相次ぐ:岩手)
29日午前5時32分ごろ、男性から「紫波町北日詰の岩手中央農協赤石倉庫付近で成獣より少し小さいクマが町道を通り過ぎた」と110番通報があった。その後も早朝にJR日詰駅周辺で子グマの目撃情報や国道4号をクマが横断したとの情報などが計3件相次ぎ、紫波署が現場付近を警戒。同農協の有線放送で住民らに注意を促した。駅から約500メートル南東側の赤石小(紺野好弘校長、児童406人)は保護者への一斉メールで集団登校を呼び掛け、現場近くに職員3人を配置。午後は授業を5校時で切り上げて集団下校させた。学校まで子どもを迎えに来た女性(49)は「市街地にまでクマが出てびっくりした。何かあってからでは遅い」と心配そうに話していた。
(子グマ出没、ハンター捜索:北海道)
29日午前8時半ごろ、中札内村上札内の上札内小学校(戸塚信校長、児童17人)で、クマ1頭が敷地内を歩いているのを同校公務補の坂本茂俊さん(65)が発見した。報告を受けた村と村教委が帯広署中札内駐在所に通報した。児童らに被害はなかったが、同署やハンターなどが付近を捜索に当たった。同署などによると、坂本さんが草刈りをするため校舎から外に出た際、体育館北側の芝生に子グマ(体長約1メートル)を見つけた。子グマは20~30分かけて校舎北の裏手を西方向に縦断したという。これを受け、学校側は同日、運動会(6月6日)の練習場所をグラウンドから急きょ、体育館に変更。午後からの下校時は職員が複数ついて集団下校とし、学童からの帰宅時も教職員が付いての付き添い下校とする。坂本さんは「クマを見たのは勤務6年目で初めて」と驚き、戸塚校長は「子供たちには充分気を付けて生活するよう指導したい」と話している。村によると、クマの足跡は同校から西側にある道道清水大樹線を横断し、民家や畑の間を抜けて札内川河川敷に向かっていたという。「上札内市街は山間近くでクマが出てもおかしくないが、過去にクマが出た例はほとんどない」とする。村は情報無線を通じ、地域住民に生ごみを屋外に放置しないよう呼び掛けるなどしている。帯広署も注意喚起している。
(クマがコメ食べる?:秋田)
28日午前5時すぎ、秋田市添川字鶴木台の民家敷地内の小屋で、袋に入ったコメが食い荒らされているのを所有者の80代男性が見つけ、秋田東署に届け出た。付近にあった足跡から、同署はクマによる食害とみて周囲に注意を呼び掛けている。同署によると、同じ小屋では26日から28日までの3日間で、3回にわたりコメが食い荒らされているのが見つかった。小屋入り口のシャッターなどが壊されていたという。
(クマ目撃情報3件:新潟)
小千谷市薭生の国道付近で28日、クマを目撃したとの通報が小千谷署と市に計3件寄せられた。現場近くでは25、26日にも目撃情報があり、市などが注意を呼び掛けている。28日午前7時半ごろ、クマが国道を横切っているのを知人の女性が見たと、近所の男性が小千谷署に通報した。同署によると、クマは体長約1メートル。午前10時半ごろと午後3時ごろには、最初の現場から約400メートル離れた市道でクマが歩いているのを見たと、近所の女性2人がそれぞれ市に通報した。周辺には小中学校があり、東小千谷中は25日から現場付近に住む生徒を対象に、保護者や教員が車で送迎している。東小千谷小は一部の児童の登下校を徒歩からスクールバスに切り替えた。市は26日、現場付近の河川敷にわなを設置。当面の間、朝夕に職員が車で見回る。
(サル出没確認:千葉)
白子町で5月31日~1日にかけて、野生とみられるサルが相次ぎ目撃された。隣接する茂原市でも目撃情報があり、同町の担当者は「同じサルが南下しているのでは」と話している。
(サル出没、民家の庭に侵入:福岡)
福岡県警筑紫野署によると、30日午前5時13分ごろ~午前6時40分ごろ、太宰府市の大佐野3丁目から観世音寺3丁目までの地域で、サル1匹がうろついているのが目撃された。民家の庭に入るなどし、山に逃げたという。けが人は確認されていない。
(クロスボウ、18歳未満へ販売禁止方針:茨城)
4月に茨城県取手市の路上で男性会社員がクロスボウ(洋弓銃)用とみられる矢で右足を撃たれ、けがをした事件を受け、茨城県の橋本知事は1日の記者会見で、同様事件の未然防止などを目的に、クロスボウを県青少年健全育成条例の有害玩具に指定し、青少年(18歳未満)への販売を禁じる方針を示した。県は事件後、県内の247店舗に電話調査を実施。6店舗で購入希望者が年齢を告げずに注文できる状態だったことがわかった。県は青少年の育成を阻害する恐れがあるとして、玩具銃(空気銃など)やバタフライナイフ、ダガーナイフなど6品を有害器具の中の有害玩具に指定し、販売などを規制しており、クロスボウも追加指定したい考え。近く開かれる県青少年健全育成審議会に諮り、有識者の意見を聞いた上で最終判断することになるが、知事は「有害器具として指定していくことになる」と見通しを述べた。
(イノシシ界のビッグダディ?30匹の集団現る:広島)
車の前に突然現れた30匹ほどのイノシシの集団――。広島県三次市海渡(うと)町の農事組合法人理事、森田正則さん(66)と長男敏弘さん(25)がその様子を映像で捉えた。イノシシの集団に遭遇したのは22日午後9時前。自宅から約300メートルの市道を車で帰宅中、大人とみられる5匹と25匹ほどの小さな子どもが前方から現れ、車に向かって走ってきた。イノシシは車に驚いたのか、脇の茂みに入ったり、逆方向に逃げたりして姿を消したという。正則さんは「一瞬、パニック状態になりましたが、息子にスマートフォンで動画を撮影してもらいました」と話した。正則さんによると、現場は田畑が広がる農村部で、約60戸の集落のすぐ近く。近辺ではイノシシが2年ほど前から特に目立つようになっているという。集落は今回、農作物に被害が出ないよう畑の周囲の柵を補修した。
(イノシシ激増に歯止めを:福島)
東京電力福島第1原子力発電所事故の影響でイノシシ被害が激増する現状を変えようと、福島県のJAそうまの支部長や役職員ら39人がわな猟の狩猟免許を取得した。ただ、免許を取ってすぐに捕獲できるわけではない。今年度、県猟友会からわな猟の指導を受け、捕獲したイノシシを処分する焼却施設ができるのを踏まえ、現場では鳥獣害対策を模索する。農水省によると、JAの役職員らが組織的に免許を取得する例は全国でも珍しい。管内の水田は東日本大震災の津波で塩害に遭った上、土を掘り起こされるなど毎晩のようにイノシシに荒らされている。イノシシの足跡がくっきり残り、営農を再開する予定がない水田もある。相馬市の農家、佐藤佐一さん(72)は「ここら辺の農地は見渡す限り、被害に遭っている。事故前ではあり得なかった。農家による自衛はもうできない」と獣害の深刻さを訴える。市が把握するイノシシの捕獲頭数は原発事故前の2010年度が6頭だったが、14年度には364頭と激増。市は「正確には把握できないが、農家からの被害報告や捕獲実績をみてもイノシシは急増している」(農林水産課)と話す。こうした現状に奮起したのがJAマンだった。JAの相馬中村総合支店営農センターの佐々木泰弘さん(53)は昨年、狩猟免許を取得した。「被害がひどく耕作を放棄した農家もいる。地域として何とかしなければと考え、免許を取った。頑張って捕獲していきたい」と意気込む。昨年、支店管内のJA支部長や理事、職員ら計39人が免許を取得。講習料や受験料はJAが全額負担した。だが、免許を取ってみると新たな問題が発生した。自動車のペーパードライバーに近いため、実践的なわなの仕掛け方やイノシシの処分方法が分からず、実際には狩猟ができなかった。そこで15年度は、同市などのごみを処分する相馬方部衛生組合がイノシシ専用の焼却処分施設を建設することになり、わなによる捕獲を強化する方針だ。捕獲には技術や知識などが必要となる。県猟友会の阿部多一会長は「焼却処理施設ができれば展望が見える。免許を取ったJAのメンバーには今後、わなの作り方や仕掛け方を伝授して、二人三脚でイノシシを退治していきたい」と歓迎する。JAは今後、捕獲だけでなく、農地を守る体制づくりも目指す。JA営農企画課の高玉輝生課長は「イノシシを農地に近づけない対策も同時に進めないと、被害は減らない。捕獲と防護に力を入れたい」と話す。JAの取り組みについて、農水省は「組織的に捕獲体制を整備しているJAは少なく、モデル事例になる。現場で活躍してほしい」(鳥獣災害対策室)と期待する。
(野生動物分布域拡大、共生課題:東京)
多摩地区で市街地などに出没する野生動物が増えている。里山地域などでの人口減少に伴い、生息数が拡大していることなどが原因とみられるが、電車と動物が衝突する事故も発生した。29日に野生のニホンジカやイノシシの適正な生息数管理を目指す改正鳥獣保護法が施行され、人と動物の共生が改めて問われている。JR東日本八王子支社によると、昨年11月21日午前7時過ぎ、JR武蔵野線の電車が府中市の北府中―西国分寺駅間を走行中、線路上を走って来た体重約80キロのイノシシと衝突した。乗客にけが人などはなかったが、イノシシは死んだ。同支社広報課は「中央線の高尾から山梨方面や青梅線ではイノシシやシカとの衝突事故が時々あるが、市街地では珍しい」と話す。一方、日本哺乳類学会理事長の梶光一・東京農工大学教授(野生動物保護管理学)によると、多摩地区では1990年代以降、シカやイノシシ、クマ、サルなどの分布域が拡大している。かつては動物がいる山と人が住む市街地の間に、両者が混在する緩衝地として里山などがあったが、過疎化などでそうした地域からは人がいなくなった。このため、動物の生息数や生息域が拡大し、都市部にも近づいてきたとみられ、梶教授は「今回のイノシシは多摩川沿いに市街地へ来た可能性がある。今後も似たようなことが起きるだろう」と予測する。兵庫県立大学の横山真弓准教授(同)は「都会の人は『野生動物は絶滅から守るもの』というイメージが強いが、全国各地ではシカやイノシシの増加による農作物の食害などの問題が起きている」と話す。農林水産省によると、全国の鳥獣被害は年間約200億円に達するという。環境省は2011年度末、全国の生息数はニホンジカ(本州以南)が約239万頭、イノシシが約90万頭と推定し、農林水産省とともに23年度までに半減を目指す。改正鳥獣保護法では都道府県が数値目標などを設定した管理計画を策定する。しかし、全国の狩猟免許所持者は1990年度の約29万人から、2012年度は約18万人まで減少。都は12年度以降、ニホンジカの捕獲目標を年間600頭としたが、狩猟者の不足や高齢化、山地が急峻きゅうしゅんで道路整備が遅れていることなどから、12、13年度の達成率はそれぞれ59%、66%にとどまっている。梶教授は「誰がいつ、どこで、どのように捕獲するか。国の方針を実現するための計画に具体性が欠けている。一方、現場に近い市町村には野生動物管理の専門家が少ない」と指摘。「『狩猟者の確保』『獲物を食べる』『専門家の育成』という三つの取り組みが、持続的な野生動物管理に必要だ」と強調する。
(カラスの巣撤去:三重)
津市南丸之内の送電鉄塔で28日、中部電力三重支店の作業員らがカラスの巣の撤去作業を行った。カラスは2~4月に巣作りし、7月までにヒナが巣立つ。都市部では、巣の材料に使われる針金ハンガーなどが送電線に触れて停電する恐れがあり、同支店によると、管内で昨年度に巣が原因で発生した停電は4件、支店が撤去した巣は1892個に上る。同支店は毎年2月後半から送電鉄塔の巡回を強化。停電を起こしやすい箇所の巣は取り除き、それ以外の箇所ではヒナの巣立ちを待って撤去している。作業員らはこの日、ヒナが巣立った巣がある鉄塔の腕金部分(地上約30メートル)に登って作業を開始。木の枝やビニールひもで作られた直径約50センチの巣1個を撤去し、袋に入れて地上に下ろした。同支店では「電気の安定供給のため、巣を見つけたらすぐに連絡してほしい」と呼びかけている。
(牛放牧でモーいのしし寄ってこない:福井)
イノシシによる作物被害を防ぐため、2007年から毎年牛を放牧している福井県鯖江市河田地区の住民グループ「河和田東部美しい山里の会」が今年も31日から、若狭牛2頭を同市沢町の河和田川堤防に放牧した。福井県敦賀市の牧場から2頭が、トラックでメンバー約10人が待つ放牧地に到着。雑草が青々と生い茂る堤防に放されると、早速好物のクズやススキの葉をのんびりと食べていた。近くの親子らも見学に訪れ、間近で牛をながめていた。メンバーによると、雑草などの茂みに隠れる習性があるイノシシは、牛が雑草を食べてしまうと身を隠す場所がないため出没しなくなる。放牧を始めてからは被害がなくなったという。放牧地は順次移動、牛は暑さに弱いため夏は山際に放牧する。11月ごろまで行い、放牧面積は約6ヘクタールにもなる。
(「ジビエ」に潜む危険性、勧められても生肉は食べないで)
近年、野生の鳥や獣を食材として利用する「ジビエ」に関心が集まっている。都市部でもジビエを扱う飲食店が増えて人気を呼んでいるが、感染症のリスクがあることはあまり知られていない。ジビエの普及振興に努めるNPO法人「日本ジビエ振興協議会」は5月7日、ジビエと人獣共通感染症(ズーノーシス)に関するセミナーを開催し、集まった狩猟、解体処理、食品流通、飲食などジビエ関連業者らに感染症予防を訴えた。講師を務めた日本大学生物資源科学部(神奈川県藤沢市)の壁谷英則准教授(獣医学)は「人獣共通感染症はまれなものと思われがちだが、人間に感染する1,709種類の病原体の49%、156種類の新興感染症のうち73%が人獣共通であり、非常に身近なものであることを知ってほしい」と指摘。ジビエの中でも人気のシカやイノシシの肉を食べることで感染する病原体として、サルモネラや腸管出血性大腸菌、E型肝炎ウイルスなどを挙げ、国内外の野生動物の保菌率状況などを解説した。こうした感染症を防ぐポイントとして、(1)十分な加熱調理、(2)腸内容の汚染防止など食肉処理工程における衛生管理の徹底、(3)食肉処理従事者の充分な感染症対策―の3つを紹介した。また、シカの肉を生で食べる風習が残っている地方もあるが、これはきわめて危険で、生命に関わることもある。生食のリスクを十分理解し、勧められることがあっても決して食べず、加熱調理されている場合でも、火が十分に通っているか注意するよう求めた。また、日本で見られる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、ツツガムシ病、日本紅斑熱といった感染症の原因微生物は、野生動物に寄生するマダニなどが媒介する。壁谷准教授によると、シカやイノシシの数が増えると人家周辺に出没する頻度も増加し、媒介生物(ベクター)に触れる危険性が上がることにもつながる可能性があるという。 「厚生労働省の取りまとめでは、SFTSは今年4月現在、国内で110例が報告されており、うち32例が死亡している。国立感染症研究所などの調査では、これまで西日本に限られてきたが、SFTSウイルスを保有するダニや、感染歴のある(抗体を持つ)シカは、中部地方や東北地方などでも確認されている」マダニなどによるベクター感染を防ぐには、山に入る際に適切な服(長袖、長ズボン)や靴(長靴)などを着用する必要がある。また、シカ、イノシシが人家周辺に出没しないよう、適正な個体数管理をすることでリスクを軽減できる可能性もあると考えられている。
(オオカミは怖くない?生態系回復のため導入訴える:埼玉)
増えすぎたシカの食害による深刻な森林破壊やイノシシ、サルによる農作物被害を食い止めるには、日本では絶滅したオオカミを再導入するしかないと主張する「日本オオカミ協会」(本部・静岡県南伊豆町)が、生態系回復のためにオオカミ再導入に成功した米国とドイツの研究者を招いた「日・米・独オオカミシンポジウム2015 復活と保護」を6月3日から全国6カ所で開催。最終日となる同8日は同時通訳付きで川越市のウェスタ川越で開かれる。日本オオカミ協会は、自然保護に携わってきた学者らが生態系の再生・保護などを目的に一九九三年に発足。二〇一一年、一般社団法人となった。川越市でのシンポジウムは県生態系保護協会の会員らで発足したばかりの日本オオカミ協会埼玉県支部(岩堀弘明支部長)の主催。米北西部の三州にまたがるイエローストーン国立公園では、オオカミが絶滅したことでアメリカアカシカが増えすぎ、生態系のダメージが深刻化。一九九五年からカナダのオオカミを再導入して生態系の再構築に成功した。ドイツでも自然保護団体がポーランド国境を越えてくるオオカミの保護活動を積極的に進めている。ニホンオオカミは明治時代に絶滅したとされる。岩堀支部長は「シカが増えすぎて銃やわなによる駆除ではとても追いつかない。シカをあるべき数にして、生態系を回復するには頂点捕食者のオオカミ再導入しかない。童話の影響で恐れる人が多いが、オオカミは臆病で人間を襲うことはない」という。シンポジウムは午後四時から。参加者はオオカミの世界的権威のデイビド・ミッチ氏(米)、ドイツ最大の自然保護団体「ドイツ自然・生物多様性保護連合」のマーカス・バーテン氏、日本オオカミ協会会長で東京農工大名誉教授の丸山直樹氏。
(有害鳥獣捕獲隊:佐賀)
伊万里市は5月29日、「市有害鳥獣捕獲隊」を市猟友会会員ら12人に委嘱した。農作物を荒らすイノシシなどの有害鳥獣被害はここ数年、市内の年間被害額が4000万円を超えて推移しており、隊員らは集落パトロールなどの活動を行う。捕獲隊は本年度で3期目。伊万里市役所で辞令交付式があり、深浦弘信産業部長が辞令書を手渡した。深浦部長は有害鳥獣の被害対策について「地域住民が自ら農作物を守る意識を持ち、有害鳥獣を寄せ付けない環境づくりを」と話した。捕獲隊員は月に2回程度、侵入防止柵の点検やイノシシが身を隠すやぶ、餌となる放棄果樹などを確認する集落パトロールを実施する。ほかにも市役所に寄せられた被害通報で現場に緊急出動し、捕獲や追い払いなどの対応に当たる。昨年度の活動実績は集落パトロール55回、緊急出動34回となっている。
(イノシシ捕獲へ新兵器:徳島)
小松島市対策協が檻開発、イノシシ捕獲へ新兵器 センサーで感知 小松島市や地元の猟友会、住民らでつくる市有害鳥獣捕獲対策協議会は、赤外線センサーを使ってイノシシを檻に閉じ込める仕掛けを開発した。
(シカ解体見て鉄板焼き、森を知る:福井)
「ピィィィー」。子ジカの甲高い鳴き声が山に響いた。わなにかかり、暴れる子ジカの首を猟師がワイヤで絞めてナイフを入れる。血がしたたり、少しけいれんした後、子ジカは息絶えた。福井県美浜町で開かれた獣害対策の現場を知る見学会の一場面。目を背ける女性や食い入るように見る子ども…。参加した約30人はさまざまな反応を見せた。猟師の力を借りて、見学会を企画したのは女性グループ「やまめの会」。県の研究機関や森林組合、NPOなどで、里山保全や林業振興に携わる20~40代の29人が名を連ねる。仕事で培った専門知識と人脈に、女性の感性をプラスアルファ。森を知り、楽しむイベントを企画して人と自然の距離を縮める“接着剤”になろうと2013年に発足した。全国各地で誕生している「林業女子会」の福井県版だ。高度成長期以降の薪炭(しんたん)から石油やガスへの燃料革命と、その後の林業衰退によって山仕事をする人が減少し、猟師も減った。人の気配が薄れた山でシカは悠々と暮らし、爆発的に増えている。下草を食い尽くして生態系を損ね、保水力を落とし土砂災害を誘発。杉の木肌で角を研いで商品価値を落とし、里に下り農作物を荒らす。人と山の関わり方が変わったことで引き起こされる獣害の現場に立ち、シカ駆除を担う猟師の奮闘ぶりに触れるのがこの日の狙いだった。シカの解体も見た。取り出された内蔵から湯気が上がり、ついさっきまで「命ある生き物」だったことを実感する参加者。背ロースなど部位ごとに解体されると、それは「食材」という印象に変わった。遠巻きに見守る男性と、最前列に陣取る女性たち。5歳の息子を連れて参加した福井市の40代女性は「山で動物を仕留めるのは畑で野菜を収穫するのと同じで自然な行為。感謝していただきます」とシカ肉の鉄板焼きを味わった。こうした見学会のほかにも、多彩な企画を手掛ける。手入れされた人工林でベテラン林家の仕事ぶりに接する企画、山の木が住宅に生まれ変わる伐採・乾燥・搬出・製材過程の見学と体験、宮大工の工房見学、冬山散策と生き物探し、森をテーマにした映画会や講演会…。フェイスブックでの情報発信も積極的だ。肩ひじ張らず純粋に山を「知りたい」「楽しみたい」という思いが根っこにある。「すぐに結果が出ない世界で信念を持って山仕事に打ち込む人はかっこいい」と話す20代のメンバーもいる。「山で起きているリアルを知り“自分ごと”として考えるきっかけをつくりたい」と酒田真澄美会長(35)=福井市。「女性は衣食住に敏感。山の現状を一般の人が身近に感じられるスタイルでアウトプットできる。山や林業が好きな女子がつながり、思いを共有する仲間が増えるのが楽しい」と自然体だ。
(ストップ鳥獣害:石川)
石川県白山市の一般社団法人「白山ふもと会」(千菊裕二代表)は3年前からイノシシやシカの解体場を設置。昨年は解体処理専門の職員を新たに採用するなどして充実を図り、ジビエ(狩猟捕獲され食用となる野生鳥獣肉)浸透の力になっている。50頭程度だったイノシシの搬入頭数が昨年度は149頭に増え、部分肉の一般の人たちへの販売も始めた。「鳥獣肉の流通ルートの拡大は将来の農産物被害防止につながる」と期待されている。
(スーパーでシカ肉が買えるように、でもどうやって料理する?)
牛・豚・鶏に加え、何とか買えるのは羊と鴨あたりまで、というのが、日本のスーパーの“肉事情”。だが、これからは鹿肉もスーパーで手に入るようになりそうだ。長野県で、6月からイオンが信州産シカ肉を通年販売することになった。総合スーパーでシカ肉が手軽に買えるようになるのは、初めてのことだ。増えすぎたシカによる森林被害で、捕獲したシカの肉を活用できないかというのが原点。林野庁によると、野生鳥獣による森林被害のうち、シカによる枝葉の食害は全体の8割を占めている。だが、今までは捕獲されたシカのほとんどは山中に埋められるなどしてきた。だが、ヨーロッパでは“ジビエ”として食卓にのぼる立派な食肉。長野県内では、レストランで焼肉やジビエ料理として少しずつ楽しめるようになってきていた。イオンで販売されるのは、シカのモモやロースのブロック、スライスや大和煮、鹿肉カレーやソーセージなど。加工品はともかく、料理する側にとっては、生肉はレシピが必要。販売に合わせて、この信州産認証シカ肉を家庭で調理して美味しく食べるために、ジビエ料理の達人でもあるC.W.ニコルさんのレシピが配布されるという。
(有害鳥獣対策協議会に感謝状:神奈川)
第69回愛鳥週間「全国野鳥保護のつどい」野生生物保護功労者表彰が5月10日、東京・虎の門ヒルズで行われ、伊勢原市有害鳥獣対策協議会大山地区(松本新一代表)に林野庁長官感謝状が贈られた。「全国野鳥保護のつどい」は、1950年から始まった愛鳥週間の中核行事として1961年から行われているもの。式典には(公財)日本鳥類保護連盟の総裁を務める常陸宮さまがご出席され、野生生物の保護に尽力した個人・団体に表彰が行われる。林野庁長官感謝状が授与された市有害鳥獣対策協議会大山地区は、ツキノワグマなどの野生生物に対する「保護」と「人身被害の防止」に向けた組織的な活動が評価された。9年ほど前から同地区の代表を務める松本さんは「役員をはじめ、行政や農協、地元の応援協力があって活動できる。たいへんありがたい」と受賞の喜びを話す。また、同会では19日に市長公室を訪れ、高山松太郎市長に受賞を報告した。市有害鳥獣対策協議会は、農林畜産物の被害防止と野生鳥獣保護による農業の安定を図るために1993年に設置された。2014年に作成された伊勢原市鳥獣被害防止計画によると、ニホンザルやイノシシ、ニホンジカ、ハクビシン、アナグマなど13鳥獣による農畜産物被害は市内全体で約2800万円。大山地区では、年4回の鹿の防護柵点検(修理)をはじめ、草刈りやサルの追い払い、イノシシ檻の点検などの活動を実施している。「今は農作物への被害だけだが、人にケガがあったら大変。多くの方に活動を知ってもらうとともに、今後も各団体の協力をあおぎながら活動を続けていきたい」と松本さんは話した。
(道の駅でシシバーガー販売:大分)
佐伯市宇目の「道の駅宇目」内のレストハウス「うめりあ」で1日から、地元で取れたイノシシの肉を使ったハンバーガーを発売する。6月末までの期間限定商品だが、人気がでれば通年で販売する予定。約20年前に売り出したシシラーメンなどと並ぶ新たな名物となりそうだ。メニュー名はイノシシを表す英語を使った「ボアちゃんバーガー」。客から「シシラーメンで使っているチャーシューよりもっと厚いシシ肉を食べたい」との要望を受け、4月下旬に開発をスタート。ワンコイン程度で食べることのできるハンバーガーとは一線を画す高級路線として売り出す。最大の特徴は厚さが約2センチもあるシシ肉を使ったカツ。特製みそダレで煮込んでイノシシ特有の臭みを消し、軟らかくした後、カツにしている。肉本来の味だけでなく、外側のサクサク感と内側の軟らかさの歯応えも楽しめる。市内のパン店で特別に作ってもらったパンにキャベツ、トマト、サニーレタス、ピクルスとともに挟み込んだ。直径は約15センチ、高さ約8センチとボリュームたっぷり。「シシ肉は昔から“血の道の薬”と言われ、妊婦や産前産後の人にいいとされて栄養豊富な食材。その上おいしいので、食べたことのない人に味わってもらいたい」と田村亮店長。

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