<射撃ニュース7月>

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(「クマ出没」通報相次ぐ:宮城)
宮城県内で11日、クマの目撃が相次いだ。3度の目撃情報が警察に寄せられた大崎市松山地区では、発見された1頭が地元猟友会によって射殺された。撃たれたのは、同市松山千石の道祖神社内にいたクマ。午後4時40分ごろ、木に登っているのを近所の女性が見つけて通報。夜間に周辺の住宅地を動き回ると危険だと判断され、午後6時半ごろに射殺された。古川署によると、体長約70センチだった。道祖神社から5キロ以上離れた松山下伊場野で午前8時10分ごろ、2キロほど離れた松山次橋で午後2時50分ごろ、それぞれ水田で小さなクマが目撃されていた。同日は仙台市太白区茂庭台2丁目、大衡村大瓜でも道路上でクマが目撃された。
(子グマ、JR特急に2度ひかれる:北海道)
13日午前7時35分ごろ、北海道南富良野町のJR石勝線トマム−新得間で、帯広発札幌行き特急スーパーとかち2号(5両)が子グマと衝突した。同8時45分ごろにも、ほぼ同じ場所で、札幌発釧路行き特急スーパーおおぞら1号(6両)が同一とみられるヒグマと衝突した。除去のため特急など4本が最大約80分遅れ、約480人に影響が出た。処理にあたった猟友会によると、衝突したのは体長約1メートル、体重約60キロのヒグマの3歳の雌だった。JR北海道によると、1回目の衝突の後、クマは動かなくなったが、近くに親グマがいる可能性があったため、スーパーとかち2号はクマを線路内に放置したまま通り過ぎた。しかし生きていたとみられ、2回目の衝突につながり、その際、クマは死んだとみられる。
(高校近くにクマ出没:北海道)
12日午後1時20分ごろ、渡島管内松前町建石の松前高校の校門近くに、クマがいるのを町民が目撃し、同校を通じて松前署に通報した。同校ではこの日、朝から学校祭が行われており、約150人の生徒が登校していた。現場は国道から北に約500メートル。同署によると、クマは北の山の方向へ立ち去ったという。同署員らが現場を捜索したが発見できなかった。けが人などはなかった。町によると、町内では今月上旬から松前公園北部の「第二公園」を中心に、桜の実を食べるクマの姿が数回目撃されており、町職員が早朝に爆竹を鳴らすなどの対応をしている。
(国道脇でヒグマ3頭目撃:北海道)
北海道斜里町ウトロの国道334号脇で13日早朝、ヒグマ3頭が歩いているのが目撃された。目撃されたのは同日午前4時40分ごろ。クマはいずれも体長2メートル前後で、道路脇の草むらを餌を探すように歩いていた。5分ほどで森の中へ戻っていった。
(特急列車とクマ衝突:秋田)
秋田県内で11日、JRの特急列車や自動車がクマと衝突する事故が2件相次いだ。いずれもけが人はいなかった。午後9時10分ごろ、大館市長走のJR奥羽線白沢—陣場間で、秋田発青森行き下り特急つがるがクマと衝突した。乗員乗客は37人。はねられたクマは死んだ。JR秋田支社によると、運転士が線路上にクマがいるのを見つけ、ブレーキをかけたが間に合わなかった。列車は陣場駅で点検を行い、異常がなかったため23分遅れで運転を再開した。また、午後3時10分ごろ、秋田市雄和平尾鳥字広面の秋田自動車道上り線で、湯沢市の会社役員女性(57)の乗用車がクマと衝突した。県警高速隊によると、女性が秋田南インターチェンジ(IC)方向から協和IC方向へ走行中、進行方向右側から体長約1メートルのクマが道路を横切り、車の右前部にぶつかった。クマは左側の山林に逃げたという。
(国道にクマ:宮城)
10日午前6時ごろ、大崎市古川上中目の国道347号で、体長約120センチのクマが歩いているのを近隣住民が見つけ、110番した。現場は志田小や県古川支援学校の西約1.4キロ。同小では登校時間、教職員が通学路に立ち、警戒に当たった。クマは近くのJR陸羽東線の線路上にも現れた。
(クマ目撃:栃木)
11日午前7時50分ごろ、那須町高久乙の道路上でクマ1頭が目撃された。那須塩原署によると、現場はコナミスーパーキャンパスの北方約500メートル付近。クマは体長約80センチで、道路を北から南へ横切った。車で走行中の男性が目撃した。
(三重のクマ、4年前滋賀で捕獲)
今年5月、三重県内で捕まった後に隣の滋賀県側に無断で放されて問題となったツキノワグマは、2011年にも滋賀県内で捕獲されていたことが、森林総合研究所のDNA解析で分かった。この一帯にクマは定着していないとされてきたが、専門家は「既に生息域となっていたことが裏付けられた」と指摘する。クマは5月17日に三重県いなべ市の養老山地で捕獲され、同日中に滋賀県多賀町の鈴鹿山脈に放された。10日後に同町内で女性がクマに襲われ、滋賀県が三重県に抗議したが、森林総研東北支所(盛岡市)の大西尚樹主任研究員によるDNA分析で、放されたクマと襲ったクマは別の個体だったと判明した。さらに、大西研究員が周辺で捕獲されたクマのDNAと比べると、4年前の11年10月に鈴鹿山脈西側の滋賀県東近江市で捕獲され、その後放されたクマと遺伝子型が一致した。鈴鹿山脈の北にある滋賀・岐阜県境の伊吹山地には以前からクマが生息し、今回捕獲されたクマとDNAの系統が同じ。12年にも東近江市で別のクマが捕獲され、伊吹山地で暮らすクマが南下して三重・滋賀県境の鈴鹿山脈や岐阜・三重県境の養老山地の人里近くに分布を広げるようになったと考えられるという。全国でも00年以降、狩猟の減少などでツキノワグマの生息域が急速に広がっている。大西研究員は「地元の山にはクマはいないという考え方を変える必要がある。県単位でクマ対策をしても意味がなく、広域的な管理をすべきだ」と話す。
(銃刀法違反容疑で逮捕、目的外で散弾銃を携帯:長野)
長野県警駒ケ根署は13日までに、散弾銃を本来の目的以外で携帯したとして、銃刀法違反(携帯違反)の疑いで、駒ケ根市赤穂の会社役員、矢沢秀宗容疑者(44)を逮捕した。矢沢容疑者は長野県クレー射撃協会の理事を務めている。逮捕容疑は、6月下旬ごろ、同市内で県公安委員会から所持許可を受けていた散弾銃を、目的外で携帯したとしている。具体的な場所や、運搬方法は「捜査中」としている。署によると、矢沢容疑者はクレー射撃に使用する目的で散弾銃を所持する許可を得ていた。「知人男性に譲渡するために携帯していた」と容疑を認めているという。県クレー射撃協会によると、矢沢容疑者は平成23年から理事を務めており、国体にも出場経験がある。
(鳥獣対策、報奨金が威力:佐賀)
餌の不足や出産・子育てのため、イノシシやサルなどの農作物被害が増える夏場を迎え、有害鳥獣の駆除が活発化してきた。佐賀県内の有害鳥獣の駆除数は右肩上がりで増え、被害金額は減少傾向にある。県生産者支援課は「田畑への侵入防止対策、すみ分け対策などと併せながら、さらに被害額を減らしたい」としている。同課によると、被害額が最も多いイノシシの捕獲頭数(狩猟と有害駆除の合計)は、2013年が2万2816頭で、03年の9608頭と比べ倍増。初めて2万頭を超えた10年以降、毎年2万頭以上を捕獲している。一方、被害額はピークだった02年の4億1700万円に対し、13年は1億1120万円と4分の1まで改善した。捕獲が増えた要因の一つは国や県、市、JAなどが出し合い、捕獲者に支払っている報奨金の増額。額は市町によって違うが、唐津市では親イノシシ1万3千円、子イノシシ6千円、親サル2万8千円、子サル2万1千円などが支払われる。同課は「捕獲者のモチベーションの一つになっているのでは」と説明する。捕獲には狩猟免許に加え、有害鳥獣駆除の許可が必要。方法は箱わなが最も多く、ほかに網や猟銃、空気銃も使われる。実質的には各地域の猟友会が担当しており、被害に遭いそうな場所にわなを仕掛けるほか、農家の要請を受けて駆除している。唐津市浜玉町でハウススモモやかんきつ類を生産する進藤聖二さん(55)は「サルはビニールを破ってハウスに入り荒らし回る。イノシシはやっと実がなりかけた木を倒して駄目にしてしまう」と説明。「1年かけて育て、ようやく収穫期を迎えた時に被害に遭うと、農業を辞めたくなる」と憤る。よく駆除を依頼しており、「駆除後、しばらくは被害がなくなり、助かっている」と感謝する。課題もある。唐津市有害鳥獣対策室は「狩猟免許を持っている人は60代、70代が中心。数年後には高齢化で捕獲者が減る可能性が大きい」と指摘。国の補助がいつまで続くかも不透明で、報奨金の額が減った場合、「捕獲者のモチベーションが下がらないか心配」という。捕獲した鳥獣は現在、ほとんど埋設処理しているが、肉の有効活用で地域活性化に結びつけることも「検討が必要」と話す。県生産者支援課は「全体として、農家などからの苦情は減っている。イノシシ駆除数2万頭以上をキープするなど、被害軽減に向け、今後も努力したい」としている。
(シカと車の衝突事故4日に1件ペース:兵庫)
兵庫県丹波市内でシカと車が衝突する事故が相次いでいる。丹波署によると今年1~6月に計44件があり、平均すると約4日に1件のペース。ほとんどが夜7時台~翌朝5時台の時間帯に発生し、けが人は出ていないものの車が大破するケースもある。生態に詳しい専門家らに対策を聞いた。同署のまとめでは、1~6月のシカとの衝突事故は毎月6~9件発生。同署交通課は「今年は季節を問わず件数が多い印象がある」と話す。山沿いを中心に、交通量の多い国道でも起きている。地域別では、氷上=13件▽青垣=11件▽市島=10件▽山南=7件▽春日=2件▽柏原=1件。県森林動物研究センター(丹波市青垣町沢野)主任研究員の横山真弓さんは「一般的に秋の繁殖期は雄が雌を無我夢中で追うので列車や車との事故が起きやすい。ただ、個体数が多いのでもはや季節を問わない」とみる。丹波署によると、シカが道路に飛び出して動きを止め、ぶつかるケースが多いという。横山さんは「突発的な事態に遭遇すると硬直する特性はある」と語る。事故に遭わないためには結局、運転に注意するしかなさそうだ。同署の北村正彦交通課長は「夜間に山沿いを走る際は速度を抑え、ライトの上向き(ハイビーム)を使うなどして気をつけて」と助言。横山さんも「シカは複数で行動するので、1頭が道を横切ったら後続も続いて出てくる可能性が高い」と慎重な運転を呼び掛けている。
(改正鳥獣保護法、適正管理へ課題山積み:福井)
増えすぎた野生鳥獣の捕獲を強化する「改正鳥獣保護法」が今年5月に施行された。これまでは動物の「保護」を主眼に置いてきたが、今後は「管理」の方向にかじを切る。捕獲で適正な個体数に削減し、深刻化する農林業被害の防止や生態系の保全に努める。特にイノシシとニホンジカは「指定管理鳥獣」と位置づけ、環境、農水の両省は2010年推定で410万頭とされる生息数を23年度に半減させる目標を掲げる。また各都道府県は国の方針に従い「鳥獣保護管理事業計画」を策定していく。県内の里地里山はもちろん、近府県に行っても山裾に延々と伸びる電気柵と金網のフェンスを見かける。イノシシとシカから農作物を守る防護措置だ。20年前にはなかった光景だが、今や出没が日常化し農家を困らせている。本県の被害を見てみよう。まず昨年14年のイノシシ。面積は255ヘクタール、金額は過去最高の1億1479万円に達し、全ての鳥獣被害の9割を占めた。一方シカの場合は面積20ヘクタール、金額187万円と少なかったが、過去には面積105ヘクタール(11年)、金額1642万円(09年)と甚大だったときもある。本県の特徴として、昨年のイノシシの被害面積は嶺北が78%を占め、シカは嶺南に96%と集中した。ただしシカは全国で爆発的に増加し、嶺北でも分布域が拡大する可能性が高い。狩猟の制限がさらに緩和されたイノシシとシカについて、県地域農業課は17年度からスタートする「管理計画」を立てる。そのためモニタリング調査などで新たな適正数を設定する。現在は従来の計画を継承しており、イノシシの管理目標は過去最大の年間約8000頭以上を捕獲し個体数を調整。シカの場合、生息密度の違いから嶺南の捕獲数は雄と雌合わせて8000頭以上、嶺北では同1600頭以上を捕獲する。ほかにも山ぎわ緩衝帯の設置、狩猟者の育成や捕獲技術の研修、獣肉を使ったジビエ料理の普及、樹木のネット保護など総合的に取り組んでいる。新計画では生息数を正確に把握するため新たな調査法も導入する。兵庫県が考案し計算した方法だと、同県内のシカは従来の5倍強、16万6000頭以上もいると推定された。今まで同様「保護」に分類されたツキノワグマにしても、実態とかけ離れているとの指摘もある。全ての計画の基本となるデータだけに、より精度の高い実態把握に努めてほしい。有害鳥獣の増加は原因も対策も多岐多様ゆえ、課題は山積みである。特に懸案は捕獲動物の処理施設。県内では嶺南に限られ、住民で埋設処理するのは大変な上、獣肉は時間がたつとジビエにも利用できない。嶺北の施設整備も検討が必要だろう。さらに最近新たな問題が浮上した。それは自治体の壁を越えて協力する意識、つまり隣府県との連携欠如である。石川県は福井県に何の相談もなく、県境にシカの侵入防止柵を設置する準備を進めていた。高さ2メートルの鉄柵で延長24キロに及ぶ大々的な計画だ。三重県では捕獲したツキノワグマを滋賀県境辺りに事前連絡なしに放獣。滋賀の女性が襲われる事故が発生した。後で別のクマだと判明したが、手前勝手では問題は解決しない。動物は県境に関係なく自由に動き回る。鳥獣対策は調査も捕獲も保護も、広域連携を前提にしないとうまく機能しないのは当たり前だ。
(獣害対策、都市部と連携へ:兵庫)
都市住民と連携しながらサルやイノシシ、シカなどの獣害対策に取り組もうと、元兵庫県森林動物研究センター研究員の鈴木克哉さん(39)らが、NPO法人「里地里山問題研究所(さともん)」を設立した。篠山市を拠点に活動する。都市部からサポーターを募り、イベント開催などを通じて獣害に悩む農村地域との橋渡し役を担う。2年前に篠山市が開いた獣害対策の研修会に参加した住民らが、研修会の講師だった鈴木さんとともに法人をつくった。正会員は13人で、鈴木さんが代表理事を、神戸大学特命助教の清野未恵子さんが副代表を務める。地域とサポーターとの協力関係を継続させようと、多彩なプログラムを用意する。
(キジ、餌おねだり?:北海道)
千歳市都の清水農園(清水清光さん経営)に人慣れしたキジが現れ、子供たちと遊ぶなど関係者の目を引いている。昨年も飛来したというキジは、今年4~5月に姿を見せ、人間に近づくようになった。ハスカップ収穫中の農園関係者に近付き、農園内の直売所の屋根や、中に入ってくることも。イチゴ狩りに来た客も驚くという。10、11日に学校が休みで遊びに来た清水さんの孫で、小学5年の坂東直晃君と洸星君(4)は「ジキ」と名前を付け、遊んだ。直晃君は「『おいで』と呼んだら寄って来たり、(イチゴなどの餌をあげたら『もっとちょうだい』という感じで追い掛けられました」。洸星君も「一緒に遊んで楽しかった」。清水さんは「この辺りではキジはよく見るが、こんなに人に近づくのは珍しい。この農園を居場所のように思っているのかも。かわいいですね」と目を細めた。
(夏山シーズン突入、クマ遭遇の危険性“増”)
「頭や腕にけが」「複数カ所をかまれ」…。各地からクマ被害の報せが相次いでいる。環境省によれば、全国ですでに169頭(4月時点)が捕殺・捕獲されており、本格的な夏山シーズンに入った現在、人とクマが遭遇する危険性は増している。万一、鉢合わせしたとき、どんな行動をとればよいのか。生き残る方法は-。新潟県糸魚川市の山中で今月7日、山菜採りをしていた男性(80)がクマに襲われ、顔と手に手術を要するケガを負った。糸魚川警察署によると、同市では6月29日にも80代の男性が杉林で草刈り中、背後から頭を噛まれる事故があったばかりだった。同市に限らず、5月から7月初旬まで全国で少なくとも19人がクマと遭遇し、被害に遭っている。そもそも日本には2種類のクマが存在し、本州と四国の一部に生息するのがツキノワグマ。立ち上がった大きさはオスで最大1・5メートル、体重は60~100キロに達する。ツキノワグマより体長も体力も上回るのが北海道のヒグマで、立ち上がれると約2メートル、体重は200キロ程度におよぶ。たびたび被害が報告されているが、1915年に現在の苫前町で発生した「三毛別(さんけべつ)羆事件」は、日本獣害史上、最悪の人的被害といわれる。事件は作家、吉村昭の小説「羆嵐(くまあらし)」(新潮文庫)に詳しく記録されている。惨劇が起きたのは12月を迎えた山深い三毛別地区の開拓団の集落。冬眠をし損ねたオスのヒグマが集落を襲い、2日間で妊娠中だった女性の胎児も含めて7人が犠牲になった。人間の味を知ったヒグマは“エサ”である遺体を取り戻そうと、通夜の席も襲撃。事件後、現場に住む者はいなくなり、「現在は林道が通るだけで、用がない限り近づく人もいない」(苫前町の住人)という。東京農工大学の小池伸介講師(生態学)は「ヒグマもツキノワグマも、ふだんは草食性の生活を送っており、積極的に人間を襲うことはない。ただ、エサに対しての執着はとても強い。キャンプ場に残された生ゴミなどの味を一度覚えてしまうと、人間との距離が近づいて事故が起こりやすくなる。ツキノワグマも結果的に人を食べた事例はある」と話す。登山などでゴミ処理を怠ると他者に危険を及ぼしかねないという。「基本的には、クマは人間との遭遇を恐れている。私も調査で生息地に入り、こちらに気付いて逃げるクマを見たことがある。大切なのはこちらの存在を相手に知らせることだ。生息地ではラジオをつけたり、笛を吹いたりすることが有効になってくる」(小池氏)だが、いかに努力しても、鉢合わせする恐れはある。小池氏は「なかなかできることではないが」とした上で、「慌てず、大声を出したりしてクマを興奮させないこと。クマは背を向けたものを追いかける習性があり、走る速さは時速40~50キロともいわれる。目を見ないようにして後ずさりしてその場を離れることだ」と話す。万策尽きてクマが襲ってきたときは、「うつぶせに寝て、両手で首筋を攻撃から守るしかない。出血を防ぐことで生き残る可能性は残されるのではないか」と小池氏。かわいいといっていられるのは動物園のなかでのこと。生息地を訪れる前に、その脅威を理解しておきたい。
(エゾシカ皮でおしゃれサドル:北海道)
札幌の自転車愛好家でつくる団体「サッポロバイクプロジェクト」(太田明子代表)が10日、道産エゾシカ皮を使った自転車のサドルとズボンの裾の巻き込みを防止する裾ベルトを発売した。同団体は市内の会社経営者や弁護士など14人が2013年に設立。昨夏は通勤などで乗れるおしゃれなオリジナル自転車を考案し販売。今年は自分好みに部品を付け替える自転車愛好家向けに、農業被害が問題視されているエゾシカの皮を使ったサドルと裾ベルトを考案した。サドルは札幌中央区の革製品作家高瀬季里子さん(37)が皮をなめし、競輪サドルなどを手がける加島サドル製作所(大阪)が製作。「SAPPORO BIKE」の文字とシカのロゴマークを刻印した。幅13センチ、長さ27センチの細長くこぎやすい作りで、使い込むとツヤや風合いが出るという。限定4個で1個1万9980円。裾ベルトは幅3センチ、長さ30センチで青、赤、白、ベージュの4色。高瀬さんの手縫いで、サッポロバイクのロゴマークなどを刻印した。限定20個で1個6480円。いずれも同プロジェクトのホームページ(HP)などで販売する。好評の場合は増産する。太田代表は「シカの皮を使ったり、地域の素材を生かしたりした自転車グッズは全国的にも珍しい。おしゃれで品質のいいものを使うことで日々の暮らしに潤いを感じてもらえれば」と呼びかけている。
(「食」のプロ、山くじら給食に舌鼓:島根)
首都圏などの飲食店関係者を招いた給食会が13日、島根県美郷町粕渕の邑智小学校であった。東京都や神奈川県などから有名シェフら「食」のプロ10人が参加し、児童と一緒に町特産のイノシシ肉「山くじら」や地元農産物を活用した給食を味わった。山くじらの消費拡大を図ろうと、町が主催した産地見学会の一環。この日は地元産の食材をふんだんに使ったメニューが提供される「美郷のおいしい日」で、山くじらと夏野菜のカレーや和風サラダなどがテーブルに並んだ。シェフらはランチルームで、2年生42人と一緒にテーブルを囲んで会食した。カレーには児童が地域住民と一緒に収穫したジャガイモも使われており、地域の取り組みを実感しながらおいしそうに食べていた。産地見学会は12日から2日間の日程であり、シェフらはイノシシの革製品づくりの現場や処理加工場なども見学した。人気テレビ番組「料理の鉄人」にも出演した東京都渋谷区のフレンチレストラン「マッシュルーム」の山岡昌治オーナーシェフ(58)は「ブランド化を進める地域の熱意を感じた。給食のカレーもマイルドな味で心が和んだ」と笑顔で話した。

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7/10
(企業に狩猟を委託、シカ・イノシシ急増で)
シカやイノシシの急増で生態系に深刻な影響が出ているため、環境省は認定事業者制度を設け、企業などに狩猟を委託する方針を決めた。高齢化で減少する猟友会のハンターを補うのが目的で、すでに本年度、新事業費として十八億円が予算化されている。ただ、関係者からは「企業の参入は難しい」として、制度の有効性を疑問視する声が上がっている。環境省が狩猟に企業参入を促すのは、シカとイノシシが今後激増し、生態系を崩すとみられているからだ=図参照。シカやイノシシは、狩猟期間(北海道以外は十一月十五日~二月十五日)には狩猟免許と猟銃所持許可を持っていれば捕獲することができる。それ以外の期間には、食害を受けたなどの地域の事情により市町村が有害鳥獣駆除の許可を出して、地元の猟友会などに捕獲を認めている。しかし、中山間地の人口が減って動物が生息しやすくなっているほか、狩猟免許所持者は四十年前の四割以下まで減少。南アルプス周辺などでは「野生動物の天国」となっている。環境省が新たに導入する認定事業者制度では、都道府県が生息数などを調査し捕獲計画を決定した上で、認定を受けた企業などに捕獲を委託する。ただ、新制度が個体数削減につながるのかどうかは未知数だ。原因のひとつは、事業者の認定要件の厳しさ。捕獲に銃を用いる場合は、銃の所持許可者が十人以上必要と規定している。だが、社内で猟銃の所持許可を持っているのは数人という企業もある。狩猟免許と猟銃所持の許可を新たに取得するのは煩雑な手続きが必要で、十人以上確保するのは高いハードル。認定事業者になる検討をしている企業からは「実際に民間がどれだけ参入できるかは分からない」との見方も。岐阜大野生動物管理学研究センターの鈴木正嗣教授は「増えすぎた野生動物の捕獲の基盤となる仕組みは整っておらず、認定制度は第一歩として評価できる。ただ、業者によって捕獲能力に差があり、認定を受けても公共事業を請け負うに足る捕獲スキルを保証するわけではない」と話す。五月に名古屋市内で開かれた環境省主催の認定事業者制度の講習会。認定を得る要件となっており、十九団体が参加した。害虫駆除の老舗「雨宮」(名古屋市北区)は、「野生動物の食害に悩む地域は多い。捕獲はビジネスとして可能性を秘めている」として参加した。シロアリから始めた同社の駆除事業はアライグマやハクビシンなどに広がっており、シカやイノシシにも、これまで培ったノウハウや研究者とのネットワークが十分に応用できると判断したという。相談役の朝長昌樹さん(61)は「採算が取れるか分からないが、認定を受けることでスタートラインに立ちたい。認定を受けて捕獲実績を重ねれば、展望が広がるかもしれない」と話す。一方、岐阜県瑞浪市の農業生産法人「ハイランドファーム東濃」は、シカやイノシシの肉の利用に目を付ける。食肉処理施設を保有しており、野生動物の肉料理・ジビエを扱うフランス料理店を名古屋市内で営む。現在は、秋から春にかけての狩猟期に、従業員がとったものを冷凍保存して用いるが、不足してしまうときがある。「年間を通じて安定して料理を提供できていない。肉の確保につなげたい」と社長の斎場直樹さん(41)。「減り続ける猟師の育成になれば」とも期待する。
(ヒグマ目撃相次ぐ:北海道)
白老町内で6月末から今月初旬にかけてヒグマの出没情報が相次いでいる。いずれも被害やけが人などはないが、30メートルほどの至近距離で目撃されたケースもあり、白老町では主な目撃箇所にクマ出没を知らせる看板を設置するとともに、夜間や早朝の外出時には十分注意するよう呼び掛けている。町によると7月8日までに寄せられた出没情報は5カ所7件。6月2日にポロト湖の自然遊歩道内でクマの足跡が見つかったのが最初。翌日早朝の3日には緑丘3の民家畑でも足跡が発見されるなど、出没情報が相次いだため地元猟友会や町職員による巡回パトロールなどで対応した。3件目は6月29日午前9時ごろ白老霊園内。作業中の管理人が体長1・2メートル程度のヒグマと約30メートルの至近距離で遭遇した。7月1日には、仙台藩元陣屋資料館の職員が建物から約200メートル離れた史跡内をうろつくクマらしき黒い動物を発見。3、4、6日には町環境衛生センターに近い町道で陸上自衛隊白老駐屯地の隊員が、道を横切る体長100センチほどの子グマを見たという。最初の2件を除いて足跡や体毛、ふんなどの痕跡は見つかっていない。町生活環境課は出没情報を受け、目撃箇所周辺に「クマ出没注意」の立て看板を設置。ホームページでも夜間・早朝の外出時に十分注意をするよう呼び掛け、陣屋資料館も史跡内で注意喚起を進めている。また、ジョギングやサイクリングなどで利用する人もいる環境衛生センター周辺の町道では、夕方を中心に車両による巡回パトロールも行う考え。出没情報があった付近を歩く際は、鈴などの音が出るものを身に着けて外出するよう呼び掛けている。
(クマ被害相次ぐ:新潟)
糸魚川市の山中で、クマに襲われる事故が相次いでいる。ここ1カ月間の市内での目撃情報も前年同時期を大きく上回っている。専門家は「この時期は餌が少なく、山中で餌を探し回っているため、山に入ると出くわしやすい」と注意を呼び掛けている。事故は6月29日と今月7日に発生。29日は糸魚川市小滝の山中で杉の下草刈りをしていた男性が背後から襲われ、頭などをかまれた。7日は同市下出の山中で山菜採りをしていた男性が顔を上げたところ、目の前にいたクマに襲われた。日本ほ乳類学会員の野紫木洋さん(82)=糸魚川市=によると、この時期は春や秋に比べて餌となる植物が少ない谷間になっている。そのため、山中でサルナシなどの餌を探し回るクマが多くなるという。涼しい沢筋にもよく出るとして、「人間の方が注意する必要がある」と訴える。市によると、市に寄せられた目撃情報は6月以降15件で、前年同時期より倍増している。野紫木さんは「2年続けて出産数が多い。最近のクマは人間を怖がらず、山に慣れている人ほど危険。笛を鳴らすのも有効なので、山に入る際は十分注意してほしい」と呼び掛けている。
(ハトに“吹き矢”、先端はクギ:岡山)
岡山市の住宅地で首と腹に吹き矢が刺さったハトが見つかり、この吹き矢は3本刺さっていて、先は“くぎ”だったことがわかりました。吹き矢が刺さったままのハトは9日、屋根から路上に飛んで降りてきました。カメラの数メートル先にまで近づいてきたハトを見ると、刺さっている吹き矢のようなものは3本ありました。また矢の先は金属の“くぎ”だったことがわかりました。衰弱した様子はありませんが、以前のようにえさを求めて積極的には飛び回わらなくなったと近くの住民は話します。「やっぱりかわいそう。まともにのどに突き刺さっている。お腹にも2本入っているくらいですから」(住民)また、屋根の上で過ごすこのハトをカラスが襲う姿も見られるということで、住民は何とか助ける方法がないかと、心配そうに見守っています。
(シカ肉消費、札幌圏で拡大:北海道)
札幌圏でエゾシカ肉の消費が広がっている。ラーメン店などがシカ肉を使ったメニューを提供したり、スーパーの精肉コーナーで販売したりするなど、道のシカ肉消費キャンペーンに石狩管内で参加するのは141店に上る。臭みが出ないよう加工され、料理法も知られるようになり、身近な食材になりつつあるようだ。道内の高速道のパーキングエリア(PA)などにあるレストラン対抗で6月、シカ肉料理のコンテストが開かれ、金山PA(札幌市手稲区)の「鹿肉卵とじ定食」が最優秀に輝いた。リーダーの富野千秋さん(50)は「家庭でも食べてもらえるような飽きの来ない『おふくろの味』にしたかった」。9月末まで提供しており、ドライバーらに人気だ。「弟子屈ラーメン」を展開するエフビーエス(札幌)は2年前、ラーメンのチャーシューを同じ値段のまま豚肉からシカ肉に替えられるサービスを始めた。毎月4、14、24日に発寒店と手稲店で実施しているが、菅原憲一社長(68)は「道内に2500店あるといわれるラーメン店でシカ肉の利用が広がれば、ものすごい消費量になる」と話す。道は農作物の食害をもたらすエゾシカの肉の消費を増やそうと2010年10月から、「4(シ)」「火(カ)」にかけて毎月第4火曜日を「シカの日」とし、シカ肉を扱う飲食店や小売店を募集。6月末現在で271店が登録していて、このうち石狩管内はほぼ半数を占める。家庭での消費も浸透してきた。イオン北海道(札幌)は6月から、系列店でシカ肉を販売している。ヒレ、ロース、バラ、スネの各部位を取りそろえ、価格は100グラム当たり300~700円台。東区の主婦(59)は「先日、焼き肉にしたけど臭みがなくておいしかった」。好評のため札幌圏では現在、当初予定より2店多い8店で扱う。13年10月から精肉を販売しているコープさっぽろ(札幌)でも売れ行きは好調。当初は札幌市内のルーシー店(白石区)とソシア店(南区)を含む6店でスタートしたが、現在は10店に拡大している。シカ肉の消費拡大は、加工・流通体制の改善に負うところも大きい。道内では狩猟で仕留めてから一定時間内に運び込まれたシカのみ受け入れる食肉加工施設が増えたほか、血抜きなどの技術も向上し、肉の鮮度や食味が増した。札幌市の料理研究家青山則靖さん(42)は「食肉加工業者の技術が向上し、ブロックではなく部位別に販売することが増え、家庭で調理しやすくなった」と話す。自身が年2~3回開くシカ肉料理教室は毎回、予約でいっぱいという。シカ肉の消費拡大を目指すNPO法人「エゾシカネット」(札幌)は「エゾシカの食文化を育てたい」と今月12日と8月7日、サッポロさとらんど(東区)でシカ肉入りピザの調理法などを親子で学ぶ教室を開く。参加者をホームページで募集している。
(自慢のシカ肉ハンバーグ発売:北海道)
市中登別町の障害者就労継続支援施設フロンティア登別(山田大樹施設長)が、白老産エゾシカ肉の冷凍ハンバーグ「鹿(ユク)バーグ」を発売した。ジビエ(野生動物の肉)ならではの香りと、脂肪の少ないヘルシーさが売り。エゾシカ肉活用と障害者就労の両立を目指す、期待の商品だ。鹿バーグは白老周辺の猟師が仕留めたシカ肉と野菜などをミンチして製造。室蘭市の食品加工業「池田屋」と1年がかりで商品開発し、6月12日に発売した。重さ100グラムで280円。商品名の「ユク」はエゾシカを意味するアイヌ語だ。こだわりはアレルギー原因物質の小麦粉や卵、牛乳を使わず、幅広い体質の人が食べられる点。つなぎに米粉を用い、肉汁を保つためコンニャク粉も取り入れた。山田施設長は「試行錯誤を重ねて、おいしい商品ができた」と胸を張る。施設を運営する社会福祉法人ホープ(白老町)は、シカ肉の解体処理施設を町内に持ち、アイヌ民族博物館(同)内の喫茶店で食事を提供してきた。本格的な加工食品は今回が初めて。鹿バーグはフロンティア登別のみで購入できる。

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(クマに襲われ女性骨折:岐阜)
岐阜県高山市丹生川町根方で29日に同所の無職女性(75)がクマに襲われたことが30日、分かった。高山署が同日発表した。女性は背中を引っかかれて軽傷を負ったほか、逃げる際に転倒して右手を骨折した。女性が30日に医療機関を受診して被害が分かった。署によると、女性は29日午後3時ごろ、自宅の隣のネギ畑で草抜きをした後、裏山の斜面の木陰に座って休憩していたところ、背中を引っかかれた。体長約50センチの子グマとみられる。現場は、昨年11月に60代夫婦がクマに襲われ重軽傷を負った場所から約500メートル。女性は30日、取材に「背中に何かが触れ、草かと思い、手で振り払った。振り返るとクマだったので、恐ろしくなって逃げた」と話した。子グマは斜面を駆け上がって逃げたという。付近の住民は「数日前に近くのわなに成獣のクマが掛かっていた。その子どもではないか」と語った。市職員や地元猟友会員、警察官らが付近をパトロールしたほか、ドラム缶式のわなを設置した。1日も丹生川支所職員らが巡回、警戒を続ける。また市は30日、同市城山の城山公園でクマの目撃情報があったとして、安全確保のため遊歩道の入り口17カ所を閉鎖した。同日午後3時45分ごろ、中腹の遊歩道付近で、男性から「クマみたいなものを見掛けた」と市に連絡があり、現場でクマの痕跡を確認したという。
(クマに襲われ男性けが:新潟)
7日午後1時すぎ、糸魚川市下出の山中で、山菜採りをしていた市内の男性(80)がクマに顔を引っかかれるなどのけがを負った。糸魚川署によると、男性は妻と2人で出掛け、それぞれ山中の別の場所で山菜採りをしていたところ、男性の目の前に親子とみられるクマ2頭が現れた。男性は親とみられる1頭に顔の左側と左手を引っかかれた。襲ったクマは体長約1メートルで、2頭とも山中に逃げたという。男性は車を運転し自宅まで戻り、消防に通報した。糸魚川市によると、現場は近くの民家から300メートルほどの地点。同署や糸魚川市は注意を呼び掛けている。糸魚川市では6月29日に同市小滝の山中で男性がクマに襲われてけがをした。
(山中にシカの死骸と大量の骨:岐阜)
岐阜県養老町柏尾の山中に、シカの死骸と大量の骨が放置されていたことが4日、わかった。養老署は何者かが投棄したとみて、廃棄物処理法違反の疑いで捜査を開始、県も調査に乗り出した。同署によると、2日に「シカが不法投棄されている」と匿名で通報があり、翌3日に、林道脇の崖に散乱しているのを確認した。県自然環境保全課によると、シカの捕獲は、狩猟と農作物の被害を防ぐ有害駆除、個体数調整に限り認められている。狩猟は11月中旬から3月中旬、有害駆除は市町村の許可で一年中行えるが、死骸は、焼却施設に持ち込むか、地中に埋めなければならない。同課は、「処分に困って捨てたのではないか」と話している。
(クマ、乳牛襲う:北海道)
道南地方でクマの目撃などが相次いでいる。今金町では乳牛1頭がクマに襲われて死ぬ被害が出た。6日は函館市や上ノ国町など各地で目撃が続いた。警察などは注意を呼びかけている。4日午後5時ごろ、今金町種川の牧草地で、酪農家(26)が放牧していた6歳の乳牛が腹部を損傷して死んでいるのを発見した。せたな署によると、ハンターが確認し、クマによる食害と判明した。現場は飼料用トウモロコシ畑の近くで、毎年クマが出没している。付近には農家の住宅が点在している。函館市では6日午前10時5分ごろ、陣川町のニンジン畑でクマ1頭が歩いているのを、農作業をしていた市内の男性(64)が見つけた。クマの出没を受け、函館市は同日、現場から約200メートルの笹流ダム前庭広場(赤川町)を閉鎖した。せたな町では6日早朝、北檜山区豊岡のパークゴルフ場から約200メートルの町道で、農家の女性(42)がクマのふんを見つけた。上ノ国町では6日午後2時50分ごろ、町内北村の国道沿いのササやぶに体長約2メートルのクマ1頭がいるのを作業車で除草していた町内の男性(61)が目撃した。現場周辺には民家やスーパーなどがある。鹿部町では6日午後1時半ごろ、町内大岩の林道に仕掛けた箱わなに、雄のヒグマ1頭がかかっているのを猟友会のメンバーが発見した。箱わなを仕掛けた地点の半径1キロ以内では今年に入ってからクマの目撃情報が相次いでいた。6日午後7時20分ごろには八雲町鉛川の道道でクマが道路を横切るのが目撃された。
(クマの目撃、相次ぐ:北海道)
道内で7日、クマの目撃が相次いだ。いずれもけが人はなかったが、住宅街の近くで見つかったケースもあり、警察などが注意を呼び掛けている。札幌市南区石山東6の国道で午後9時45分ごろ、クマ1頭が横断し、草地の奥に入っていくのをパトカーで巡回中の札幌南署員が目撃した。同署によると、体長1メートルほどで子グマとみられるという。現場は同市立石山東小から約300メートル離れた住宅街で、同署が巡回を強化している。函館市陣川町では午前11時半ごろ、市道を横断するクマ1頭を車で通りがかった男性が見つけ、110番通報した。函館中央署などによると現場は国史跡の四稜郭の東約150メートルで、民家まで約150メートル。近くでは午後0時20分ごろにも、住民がクマ1頭を目撃した。両現場は南西側約800メートルと北側約1・2キロに住宅街が広がっている。渡島管内八雲町熊石西浜町では午前7時20分ごろ、メロン畑の捕獲用わなにかかったクマを農家の女性が発見。クマは駆除された。前日、メロンの食害があり、わなを仕掛けていた。美唄市南美唄町大通7では7日午後3時35分ごろ、クマ1頭を会社員が見つけた。約1時間後、猟友会会員が付近の山林でクマ1頭を射殺した。
(熊出没注意:北海道)
道内で4日、クマの目撃が相次いだ。道警によると、美唄市や十勝管内広尾町など9市町村で、少なくとも9件計16頭に上った。いずれもけが人はいなかったが、関係機関が注意を呼び掛けている。広尾町野塚の国道336号では午後3時25分ごろ、クマ4頭が横断するのを、車で走行していた同町内の団体職員の男性(22)が発見、広尾署に通報した。現場は最も近い民家まで400メートルだった。付近は、しばしば目撃情報が寄せられているが、同署は「一度に4頭は珍しい」とする。渡島管内木古内町札苅では午前11時半ごろ、クマ3頭が共同墓地近くの道路を歩いているのを、車で通りかかった人が目撃。美唄市落合町緑が丘の林道では午後3時40分ごろ、クマ3頭が目撃されたほか、函館市陣川町では午前11時ごろ、民家から約150メートル離れた道路を、体長約1メートルのクマが横切るのが目撃された。
(腹ぺこクマ出没?夕張でメロン10個、旭川ではビート被害:北海道)
1日午前6時ごろ、夕張市沼ノ沢のメロン畑で、ビニールハウスが破られ、夕張メロンが食い荒らされているのを、生産農家の男性(25)が見つけ、夕張市に連絡した。市はヒグマによる食害と判断し同日午後、夕張署に通報した。夕張署はパトカーを出動させ、付近の農家に注意を呼びかけた。同署などによると、ハウスのビニールが破られ、メロン約40個がハウス外に引っ張り出され、このうち約10個が食べられていた。メロンはクマの大好物。かつてこうした被害が相次いだこともあり、大半の農家は現在ハウスの周囲に電気柵を張り巡らせ、自衛しているという。被害を受けたハウスは電気柵がなかった。市場関係者によると、夕張メロンは通常1個千円から1万円程度で取引されており、出荷の最盛期は今月中旬。被害の拡大を防ごうと、市は1日、道に対し、わなの設置許可を申請した。1日午前9時ごろ、旭川市西神楽3のビート畑で、農作業中の男性(60)がクマの足跡と周辺の葉などが食い荒らされた跡を発見、旭川東署に届け出た。現場は上川管内美瑛町との境の畑作地帯。同署によると、足跡は長さ約25センチで北方向に約500メートルにわたって続いていた。
(クマ捕獲、山奥へ帰す:京都)
京都府京丹波町富田でツキノワグマがわなにかかっているのがこのほど見つかり、7日、同町内の山奥へ放つ作業が行われた。丹波地域では本年度に入ってクマの目撃情報が相次いでおり、各自治体は警戒を呼びかけている。今回のクマは体長1・1メートル、重さ40キロの若い雄。6日午後4時40分ごろ、住家から少し山中に入った共同墓地の近くで猟師が見つけた。シカやイノシシ捕獲用のくくりわなに左前足がかかった状態だった。府や町職員、警察官の立ち会いのもと、「野生動物保護管理事務所」(神戸市)の職員が麻酔銃で眠らせ、個体識別用のマイクロチップやタグを付けて山に帰した。同事務所によると、体重が落ちる夏場にしては太っていた。この時期は繁殖のために若い個体の動きが活発になり、目撃されやすいという。区長の小山周平さん(71)は「お盆には人もよく入る場所なので、住民に注意を呼びかける」と話していた。本年度に入って南丹市で11件、京丹波町で8件の目撃情報が寄せられている。今回捕まったクマとの関係は不明という。両市町では昨年度も5~7月に目撃情報が多く、警戒を強めている。
(特急「しなの」にイノシシ衝突:岐阜)
3日午後8時半ごろ、岐阜県中津川市のJR中央線坂下―落合川間で、上り特急「ワイドビューしなの」がイノシシをはねた。列車は安全確認のため約1時間停車。先頭車両の前面下部の覆いに不具合が見られたため、応急処置をした後、中津川駅まで運転し、以降の運転を取りやめた。上下計2本の列車が運休。後続の列車も最大で1時間遅れ、370人に影響が出た。
(ハブが丸のみ、大きすぎた獲物とは:鹿児島)
鹿児島県徳之島で、子どものイノシシ「ウリ坊」を丸のみしたハブが見つかった。専門家によると、日本のヘビがウリ坊を食べた例の確認は初めてらしい。環境省の渡辺春隆自然保護官が4月に撮影した。路上で死んでいたハブの膨れあがった腹を切ると、中から体長約30センチのリュウキュウイノシシが出てきた。猛毒で恐れられるヘビも「食い意地には勝てなかったみたい」と渡辺さん。大きすぎる獲物を食べ、内臓圧迫や窒息などで死んだ可能性があるという。
(クマの目撃情報:長野)
7月7日(火)午後4時頃、西春近沢渡区柳沢(中央道西側の猪沢川流域)の山林内で、クマの目撃情報がありました。付近を移動される住民の方は十分注意してください。
(仙台でクマ2頭目撃:宮城)
5日午後1時45分ごろ、仙台市青葉区作並小坂東の民家敷地内で、体長約1.5メートルのクマ2頭がいるのをこの家に住む男性が見つけ、110番した。仙台北署によるとクマは北に向かったという。同署が注意を呼び掛けている。現場はニッカウヰスキー仙台工場の西約100メートル。
(仙台市内でクマ目撃相次ぐ:宮城)
仙台市内で4月以降、ツキノワグマの目撃情報が相次いでいる。市に寄せられた通報は6月25日現在で60件と、この時期としては過去10年で最も多い。観光地や大学、住宅地付近でも確認されており、市が注意を促している。宮城県と仙台市の統計を基にした集計によると、2006年以降の通報件数はグラフの通り。当初十数件で推移していたが、58件に急増した12年以降、多い傾向が続く。ことしは青葉区の仙台城跡周辺で5月中旬、体長約1メートル超のクマ1頭が2日連続で目撃された。東北大青葉山キャンパスの理学部近くでも4月下旬に1頭が確認された。泉区での目撃例は前年同期(8件)の3倍以上に当たる26件に上る。紫山1丁目と同4丁目西側の雑木林では5月下旬~6月上旬の3回、2ないし3頭が見つかった。青葉区の会社員大友正幸さん(60)は5月24日夕、青葉区作並の国道48号でクマを目撃した。「70~80メートル先の道路を小走りで渡るのを見た。体長1.3メートルくらいはあって驚いた」と振り返る。目撃情報の増加について、市八木山動物公園の阿部敏計副園長は「クマには縄張り意識がある。互いの縄張りが重ならないよう、人里近い場所まで来ているのではないか」と推測する。12年以降の増加ぶりを踏まえ、個体数が増えている可能性も指摘する。市環境共生課によると、けが人や農林業への被害は確認されていない。クマは餌を求めて薄暗い時間帯に活動する習性があるといい「早朝や夕方の外出はできるだけ避け、野外レジャーの際は食べ残しを持ち帰るようにしてほしい」と呼び掛ける。目撃情報は、市内5区の各区民生活課か最寄りの警察署で受け付けている。
(古川でクマ目撃:宮城)
29日午後11時10分ごろ、大崎市古川小野上滝沢の国道4号沿いの草むらで、体長約1メートルのクマ1頭が歩いているのを通行人が見つけ、古川署に通報した。現場周辺は店舗や民家が多く、同署は警戒を呼び掛けている。
(滋賀県内で放したクマ、岐阜・三重が捜索中止)
岐阜、三重両県は三重県が捕獲して連絡せずに滋賀県内で放したツキノワグマの捜索を中止することを決めた。クマは3県境付近におり、岐阜、三重両県と関係市町が今後の対応を協議した。これまで捕殺を前提に、委託した猟友会などが捜していた。わなによる捕獲は、仕掛けを増やして強化する。捕獲できた場合に殺処分するかは結論が出ず、引き続き協議する。5月にクマを放した10日後、滋賀県多賀町で女性がクマに襲われたため捕殺する方針だったが、DNA検査により別の個体が襲ったと判明していた。殺処分は、不安を持つ住民が求めている一方で、反対する市民グループもある。発信器を付けたクマが多賀町付近にいることも確認されたため、滋賀県や同町にも協議参加を呼び掛ける。三重県は6月30日、改定した放獣マニュアルを公表した。「奥地とする」とだけ定めていた放獣場所を「捕獲された市町村内」と修正。隣接自治体への連絡義務も明記した。
(放獣、捕獲市町内で:三重)
いなべ市で捕獲されたツキノワグマを無断で他県に放した問題を受けて、県は30日、ツキノワグマに特化した対応マニュアルを新たに策定し、7月から運用すると発表した。捕獲した場合、「奥地に放す」としていた従来のマニュアルを見直し、捕獲した市町内で放すことを明記。滋賀県など近隣県との連絡体制も協議を続け、マニュアルに反映させる考えだ。県は、これまで目撃情報のなかったいなべ市や津市で今年度、ツキノワグマが捕獲されたことから、全県的な対応が必要と判断。ツキノワグマに特化した「県ツキノワグマ出没等対応マニュアル」を策定することにした。イノシシやシカなど野生動物全般を対象にした従来のマニュアルによると、シカ用のオリなどでクマが誤って捕獲された場合、「発信器を装着し、奥地に放すことを原則とする」とだけ記されていた。新たなマニュアルでは、クマを放すのは原則、捕獲された市町内とし、捕獲地点と同一山系の集落から2キロ以上離れ、人家や遊歩道などがない森林と定めた。クマを放すことができず、安全が確保できない場合は、山中の安全な場所に一時保護する。クマを放すのに適した場所や一時保護する場所は毎年、調べるという。クマを放すまで、関係する市町などとの情報共有を徹底し、チェック表などで確認することにした。また、ツキノワグマが集落周辺などへ出没した際の対応も記載。関係市町と情報収集し、地元の自治会へ情報提供するなど安全確保に努めるとした。マニュアルは暫定版で、県境付近に放す場合の具体的な基準や規定は、岐阜、滋賀県と協議するほか、今後、奈良、和歌山県とも意見交換するという。
(クマ捕獲問題、捕獲費差し止めの監査請求却下:三重)
三重県が県内で捕獲したツキノワグマを無断で滋賀県多賀町内に放した問題で、三重県監査委員は2日までに、住民グループが捕獲費用の支出差し止めを求めた住民監査請求を却下した。請求したのは自然保護団体「日本熊森協会」(兵庫県西宮市)三重県支部のメンバーら。
(鳥獣被害対策を共有:岩手)
ニホンジカやハクビシンなど野生鳥獣の農作物や住民生活への被害を防止するため、県沿岸広域振興局は30日、沿岸自治体や猟友会などの関係者を集めて対策連絡会を初めて開き、各地の取り組みや課題について情報交換した。釜石市新町の釜石地区合同庁舎で開き、同振興局や管内9市町村の担当者ら約30人が出席した。取り組み事例として、岩泉町は捕獲後のニホンジカやツキノワグマを活用するため、処理加工施設の建設を検討していることを紹介。釜石市は被害額を詳細に把握するため、農家の営農計画書に被害アンケートを同封したところ、回答率が約8割となったという。野生鳥獣の生息範囲は年々広域化し、釜石市の市街地でもニホンジカがよく目撃されている。2013年度の沿岸広域圏域の鳥獣による農作物被害額は約1億5千万円で、うち約9700万円がニホンジカによるという。
(鳥獣被害4年連続減、防護柵や捕獲効果:長野)
2014年度の上伊那地域の野生鳥獣による農林業被害額は約1億1200万円で、前年度より約400万円減り、4年連続で減少したことが、上伊那地区野生鳥獣保護管理対策協議会のまとめで分かった。6月30日に伊那市のいなっせで開いた同協議会の会合で報告された。ニホンジカを中心とした防護柵の設置や捕獲による個体数調整などの効果とみられる。一方で、ニホンザルによる被害が増えていることから、捕獲頭数を増やすなど重点的に取り組んでいく方針だ。鳥獣別の被害額は、ニホンジカが3900万円で最も多く、被害額全体の35%を占めた。次いで、カラスなどの鳥類が2500万円、ニホンザルが2400万円など。前年度と比べると、ニホンジカは800万円減る一方、ニホンザルは1100万円の大幅増となった。市町村別では、伊那市が前年度比600万円増の3700万円、箕輪町が400万円減の3000万円、辰野町が1100万円減の1800万円、駒ケ根市が200万円減の1300万円など。伊那市では林業被害が500万円近く増えたほか、農業被害もわずかに増えた。各市町村では農林業被害を防止するため、有害鳥獣捕獲を積極的に推進。ニホンジカは6170頭の目標に対し、約7700頭(集計中)を捕獲した。過去最多となった前年度(9574頭)を下回ったものの、3年連続で7000頭を超えた。今年度も引き続き6170頭を目標に捕獲に取り組む。ニホンザルは372頭を捕獲した。前年度より10頭増えたが、目標の395頭には届かなかった。ニホンザルの被害対策は捕獲のみでは難しいことから、「追い払い」などの防除対策も併せて進めているが、地域住民からは捕獲を求める要望が強いため、今年度は捕獲目標を595頭に引き上げる。野生鳥獣による農林業被害は07年度をピークに減少傾向となっている。同協議会では「防護柵の設置や捕獲による個体数調整など対策の効果」とし、引き続き県、市町村、猟友会など関係機関・団体が協力し被害対策に取り組んでいく方針だ。
(道南部のエゾシカ数調査:北海道)
道は本年度、北海道南部地域(渡島、檜山、後志管内)でエゾシカの推定生息数の調査を初めて行う。生息数が少ないとみられていた同地域は、2013年度の捕獲数が約2千頭で04年度の40倍に急増し、シカが関係する交通事故や農林業被害額も増加。道は推定生息数を把握した上で捕獲計画を作成し、生息数が激増する前に適正数に抑え込みたい考えだ。推定生息数調査は、東部地域(オホーツク、十勝、釧路、根室管内)と西部地域(石狩、空知、上川、留萌、宗谷、胆振、日高管内)で毎年実施している。東部と西部を合わせた13年度の推定生息数は56万頭。残る南部は生息数が少ないとみて実施していなかった。南部地域の13年度の捕獲数は約2千頭で、04年度と比較すると40倍に達した。同地域の13年度のエゾシカの農林業被害額は04年度比7・4倍の3700万円、交通事故件数は同22倍の88件に増加している。南部での調査は《1》ヘリコプターを使った上空からの目視や撮影《2》群れの移動経路を把握するために生け捕りにしたシカに衛星利用測位システム(GPS)受信機を付けて放獣《3》赤外線センサーによる自動撮影カメラの設置―の三つの手法で行う。調査で、生息数や生息密度を推定できる。季節や時間によって異なる群れの生息地も分かり、効率的な捕獲計画に生かせる。調査は15年度に行い、推定生息数は16年度にまとめる予定。その後に捕獲目標頭数や捕獲計画を定める。
(獣害3%減、3億2100万円:和歌山)
県は1日、2014年度のイノシシやサルなど野生鳥獣による県内の農作物被害額が、前年度比3%(約980万円)減の3億2100万円となり、2年連続で減少したと発表した。県農業環境・鳥獣害対策室によると、被害額はイノシシが1億6200万円で半数を占めたほか、サル5100万円、シカ4400万円、アライグマ2900万円などが目立った。被害を受けた作物別では、果樹が最多で76・6%。次いで、野菜9・8%、水稲8・9%だった。県内の農産物被害額は、04年度に3億9800万円で過去最高を記録。以降、増減を繰り返し、12年度の3億5200万円の後は減少が続いている。県は鳥獣害対策として、農家などが防護柵を設置する際の費用助成や囲いわなの設置、計画的な捕獲による頭数管理などを実施。また、銃猟を行う人が高齢化で毎年約100人減少していることから、免許取得講習料の補助や狩猟体験ができる機械を使った研修会などで、新規のハンター獲得に努める。同対策室の担当者は、「鳥獣害被害を一気になくす奇策はない。地道な対策を継続していくことが解決への近道になる」と話している。
(福井と石川がシカ防ぐ柵めぐり対立:福井)
福井県あわら市と石川県加賀市の県境で、石川県がニホンジカの侵入を防ぐ柵の設置に向けた工事を進めていることが30日、分かった。福井県やあわら市は福井県側のシカの増加を懸念し、石川県に計画変更や地元説明会の開催などを求めてきた。しかし事前連絡もないまま現地に「工事中」の看板が立てられ、設置に向け草木が下刈りされていた。福井県の担当者は「道義に反している。認められない」としている。現場は、県境をまたぐ刈安山の加賀市側の山頂付近。「ニホンジカ被害防止対策推進事業」と書かれた看板が立てられ、幅10メートルほど草木が刈られているのを、6月中旬にあわら市民が見つけた。石川県は昨年6月、北陸自動車道の東、県境の加賀市側24キロに、シカの侵入を防ぐため高さ約2メートルの鉄柵設置を計画。昨年度中に約5800万円をかけ区間西側の刈安山山頂付近まで約7・2キロを整備するとしていた。石川県森林管理課によると、下刈りは本年度に入ってから石川の地権者の合意を得た約6・2キロで完了。残り約1キロは福井の地権者数人の合意を得ておらず、行っていないとしている。昨年、計画を知った福井県は柵設置により県内のシカの個体数が増えることによる林業への被害や滞留したイノシシによる農産物などへの被害拡大を懸念。石川県に設置位置の見直しなどを再三申し入れてきた。要請を受け石川県は、昨年11月から今年2月まで数回に分け、柵設置位置の一部区間の見直しや捕獲用のおりを増設する修正案を示した。だが、福井県地域農業課は「本県に比べ石川県のシカ被害はごく小規模で捕獲のノウハウがない。おりの設置場所は手入れが行き届かない山中で、(修正案の)効果や実際に捕獲できるかどうか不明確」などとして再考を求めた。返答はなかったが石川県は昨年度は事業を実施せず本年度の繰越事業にした。ことし5月末、両県の担当者とあわら市が協議。福井県と同市は周辺住民や林業関係者、猟友会などを交えた地元説明会を開くよう要請し、石川県は受け入れたという。石川県森林管理課の土居隆行課長は福井新聞の取材に対し、「柵の設置でシカを(福井県側に)はね返そうとしているのではない。目的は柵とおりを組み合わせた個体数の調整」と主張。捕獲する団体については「シカの捕獲実績はほぼないが、(石川県内の)森林組合などに協力を呼び掛けている」と答えるにとどまった。地元説明会に関しては「丁寧に事業の趣旨を説明したい」としたが、柵設置の福井県側の合意の必要性については明言を避けた。福井県地域農業課は「地元への説明もなく工事を進めていたことは非常におかしい」と非難。引き続き両県とあわら市で協議するとともに計画の見直しを求め、場合によっては事業の撤回を申し入れていくとしている。
(クマに今夏もご用心:秋田)
秋田県内のクマの目撃件数は6月末までに177件に達し、過去10年で最多だった昨年同時期の198件に次いで速いペースになっている。登山や山菜採りの途中で遭遇し、かまれたり引っかかれたりするケースも目立つ。例年、目撃件数は7月に増える傾向があるため、秋田県警は注意を呼び掛けている。県警によると、2005年以降のクマの目撃件数は=表=の通り。いずれもツキノワグマとみられる。昨年の増加は、13年秋にドングリなど食料が多く、繁殖が進んだことなどが、要因として考えられる。ことし6月末までの負傷者は7人。この時期では09年と並んで最も多い。6月8日には由利本荘市矢島町の竹やぶでタケノコを採っていた60代の夫婦が襲われ、顔を骨折するなどの重傷を負った。本州に生息する野生のツキノワグマはドングリのほか、木の芽や葉を食べる。大森山動物園(秋田市)の三浦匡哉獣医師(43)は「人を食べようとして襲い掛かるのではない。臆病で、人を怖がって攻撃してくるのだと思う」と説明する。県警生活安全企画課の担当者は「山に入る時は、鈴やラジオなど音が出る物を身に着けてほしい」と話す。
(クマ遭遇時、大声ダメ:滋賀)
木之本署管内でクマの目撃が増えていることを受けて、同署で三日、クマに遭遇したときの対処方法などを学ぶ署員向けの研修会が開かれた。県湖北森林整備事務所の野瀬拓也主任主事ら三人が講師を務め、署員約二十人が出席。クマの特性や生態系、遭遇時の対処方法などを学んだ。野瀬主任主事は、クマが人里に出没する理由を解説。春から夏にかけては、好奇心旺盛な子グマが人里に現れる場合があり、秋には冬眠前に山にドングリなどの餌が不足すると山を下りてくると説明した。その上で、「春の出没が必ずしも秋につながるわけではない」と指摘した。対処方法では、鈴を付けるなどの予防策を紹介。遭遇した場合は「クマ自身も驚いている。大声を出すのは控えて、静かにそっと離れる冷静な対応が必要」とアドバイスした。高時駐在所の田中洋一巡査部長(58)は「今年も出没が多いので不安。巡回や広報活動をしっかりしたい」と気を引き締めていた。長浜市内では、四~六月末に十九件のクマの目撃があり、そのうち九件が同署管内の北部地域。昨年は同時期に市内で九件、北部地域で五件だった。
(マイマイガ大量発生、クマの出没増加の一因に:富山)
去年、県内で大量発生したマイマイガ。クマの餌となるドングリの木の葉が食べつくすためクマの出没増加につながる可能性を指摘する研究結果が発表されました。これは県森林研究所の中島春樹(なかじまはるき)主任研究員が発表したものです。マイマイガが大量に発生した場合、幼虫が森林の葉を食い荒らします。県内でも去年の春、五箇山や大長谷などでおよそ40年ぶりに大量発生し問題となりました。中島主任研究員によるとクマの餌のドングリがなるブナ科の樹木が特にマイマイガの食害を受けやすく、中でもミズナラとコナラの被害が目立つということです。県森林研究所ではマイマイガの大量発生がクマの出没増加につながる可能性があるとして、今後、出没傾向の予測に役立てていきたいとしています。
(モンキードッグ候補犬を募集:京都)
篠山市農都環境課は、ニホンザルによる被害を減らすため、サルの追い払い犬(モンキードッグ)の育成に取り組んでいる。追い払い犬の候補犬を募集しており、これまで認定した27匹に加え、新たな認定をめざしている。集会などの機会を利用して、「サル追い払い犬活用勉強会」を行う。参加要件は、サルの被害集落在住で、地域ぐるみの追い払い活動に協力できる飼い主。認定までの手順は、追い払い犬適性テストを行った後、合格した犬のみ服従、追い払い訓練を実施する。
(ニホンザル捕獲目標数引き上げ:長野)
ニホンザルによる農作物被害が増加していることから県は今年度、上伊那での捕獲目標数を200頭引き上げます。これは、30日伊那市のいなっせで開かれた上伊那地区野生鳥獣保護管理対策協議会で報告されたものです。報告によりますと、ニホンザルによる平成26年度の上伊那の農林業被害額は25年度よりおよそ1100万円多い、2400万円となっています。昨年度は、電気柵の実証実験や群れの行動調査、捕獲に併せて追い払いなどによる防除対策を行いました。しかし、地域住民から捕獲が強く求められているため昨年度の上伊那全体の捕獲目標数395頭から今年度、200頭引き上げる595頭としました。今年度も、電気柵の推進や追い払いなどを引き続き行っていくとしています。昨年度の野生鳥獣による上伊那の農林業被害額は1億1千万円で、ニホンジカによるものは全体のおよそ35%、サルが20%を占めています。ニホンジカについては被害額が減少傾向となっていて26年度上伊那では6170頭の捕獲目標に対し7473頭を捕獲しました。県では今年度もニホンジカの捕獲促進を継続するとしています。
(改正鳥獣保護法施行から1カ月)
イノシシや鹿などの生息数・範囲を「保護」するだけでなく、適正に「管理」する視点を盛り込んだ改正鳥獣保護法が5月29日に施行され、1カ月が過ぎた。同法は銃の規制を緩和し、一層の捕獲強化を狙う。ただ、捕獲の担い手である猟友会からは「誤射など事故の可能性がかなり高まる」と懸念の声が相次ぐ。事故が発生した地域で狩猟を担うリーダーに、改正法の受け止めを聞いた。3月14日、熊本県相良村のベテラン狩猟者の銃が暴発し、一緒に狩猟に出掛けていた仲間の農家に弾が当たった事故が起きた。同村の有害鳥獣捕獲隊によると、狩猟を終えて帰ろうとした矢先、イノシシが見えたため、再度山を登ろうとしたところ、山道で滑って転倒。弾みで銃が暴発、前を歩いていた農家に弾が当たるけがを負った。命には別条はなかったという。事故をきっかけに、この60代のベテラン狩猟者は捕獲隊を離脱した。また、事故を受けて同捕獲隊は緊急役員会を開き、(1)猟銃に弾を込めるのは、発射時期が迫っている時とする(2)発射の必要がない時は弾を抜く(3)猟犬と共に複数で実施する「巻き狩り猟」は、配置前から全員で立ち位置を確認、移動する場合は無線で連絡を取り合い周知する――などの対策を徹底、厳守することを決めた。隊長の堀川泰注さん(68)は「狩猟中の事故を起こせば、被害者も加害者も周囲も心身ともに傷付く。絶対に再発させてはいけない」との思いを込めた。それだけに捕獲強化を盛り込んだ改正法には懸念が拭えないという。2014年、狩猟者が仲間を誤って猟銃で撃ち、死亡させる事故が発生した静岡県伊豆市。改正鳥獣保護法について、伊豆市を管内とする同県田方猟友会長の鈴木忠治さん(75)も「狩猟者の高齢化により、慣れや行動の鈍さが事故を招いている。こうした安全面での課題を棚上げにしたまま、ただ捕獲を強化すればいいという法律には違和感を覚える」と受け止める。栃木県佐野市でも13年11月、イノシシ猟をしていた地域外の狩猟者が、一般人を誤射する事故が発生した。同市を管内とする県猟友会安蘇支部の人見利康さん(77)は「二度と事故を起こさない体制をつくり上げることが絶対に必要。法改正して銃による捕獲を強化するなら、安全性の担保が大前提となる。山菜採りの人たちや農家など幅広い人たちに法改正の内容を知ってもらうことも大切だ」と指摘する。誤射などの事故対策は待ったなしだ。環境省によると12年度までの10年間、狩猟事故は年間100件前後で推移している。同省は「捕獲する回数が増えれば、事故のリスクも増える。基本的な銃の使い方を守ることが事故を防ぐ鍵となる。注意喚起をしていきたい」(野生生物課)としている。
(山の神と語り合うハンターが日本にいる!)
昔ながらの狩猟!「マタギ」ってどんな猟師?みなさんは「マタギ」という人たちの存在をご存じですか?マンガや小説などを通して、言葉ぐらいは聞いたことがあるという人もいるかもしれません。マタギとは、東北地方や北海道などで、昔ながらの古い方法を使って、集団で狩猟を行い生活をしている山のハンターのことです。その歴史は平安時代にまでさかのぼり、現在でも少数ながら存在している人たちです。マタギは15歳くらいから「勢子(セコ)」と呼ばれる、獲物を追い立てる役などをしながら修業を積みます。そしてマタギの頭領の指示に従い、集団で狩猟をします。獲物は特にクマやカモシカが多く、他にはニホンザルやウサギなども狩猟していたようです。なお、マタギというと、ライフル銃を持って、獲物の動物の毛皮をかぶっているイメージがありますが、近代では優れた防寒着があるために、そうした毛皮を着て狩猟をしているマタギはほとんどいないようです。マタギが山に入るときには、普通の言葉は使わない?マタギが狩猟に使う道具は、現代ではライフル銃が多いですが、昔はヤリや矢を使っていた時代もあります。しかしマタギは「ヤリ」という言葉を山の中では使わず、「タテ」と呼びます。これはなぜかというと、マタギには「山は、山の神が支配する場所。獲物である熊は、山の神からの授かり物」という独特の信仰があるからです。そのため、山の神に敬意を表して「ヤ」のつく言葉は使わないのだそうです。この他にも、マタギの間では里の言葉とは違う特別な山言葉を使う決まりがあり、たとえば、「死ぬ」を「サジトル」、「クマ」を「イタズ」と呼びます。まるで山の神の存在を身近に感じ、山と語り合うかのようです。獲った熊は昔ながらの作法に従い、「ケボカイの儀式」という儀式を行う地域もあります。この儀式は、山の神に感謝し、クマの霊を慰めたのち、その場で解体し、肉や皮を一緒に猟に出た仲間や猟犬の分まで平等に分けるというものです。獲った熊肉を販売したりはしませんが、皮や胆は売ることもあるそうで、特に胆は高額で取引されるようです。ただし、売ることを目的に狩猟をしているわけではなく、乱獲も禁止されています。あくまでも生活の糧を得るために狩猟を行っているんですね。マタギの生活を知ることは、その地域の歴史や伝統文化を知ること現在では、森林の減少やカモシカの禁猟化などにより、狩猟を専業とするマタギは減少していると言います。たとえば、その地域の山や森にある旅館経営のかたわらで、年間に数回狩猟に出る人などにより、マタギという仕事が受け継がれているのが現状です。マタギは、熊をはじめとした大きくて恐ろしい動物を相手にする、危険と隣り合わせの職業ですが、1000年以上もの歴史を誇る、その土地の歴史と伝統文化を知ることのできる貴重な存在です。マタギに興味が湧いた人は、マンガや小説、映画などを通して、大自然の中、歴史を感じるこの伝統的な職業について考えてみてはいかがでしょうか。
(子ガモ危機一髪:岩手)
一関市千厩町内で1日、側溝に落ちたカモのひなを助けようと、住民らによる必死の救出劇が繰り広げられた。助けられた子ガモ3羽は親ガモの待つ川へ放鳥。住民らは「もうはぐれないようにね」と元気よく泳ぐ姿を笑顔で見送った。同町千厩字北方の小野寺義之さん(71)によると、6月30日の午後に自宅前でカモの親子が歩いているのを見掛けた。辺りは商店街の裏側にある住宅街で、「なぜこんな所にカモが?」と首をかしげたという。1日朝、その親ガモが近所をうろうろしていたため様子をうかがっていると、自宅前の深さ1メートル以上の側溝に子ガモ3羽がいるのを発見。猫が狙っているのに気付き、子ガモを助けようと近隣住民や市役所千厩支所の職員に協力を呼び掛けた。職員が側溝のふたを開け、網やついたてになるシートなどを使って追い込む作戦を決行。住民らの心配をよそに、ひなはあっちに行ったり、こっちに行ったりし、救出劇は1時間に及んだ。最後は3羽とも無事網の中に入り、住民も一安心。近くの千厩川に親ガモらしい鳥がいるのを見つけ、川面に放鳥した。小野寺さんは「チームワークを発揮して助けてあげることができて良かった。親ガモの下で元気に育ってもらいたい」と子ガモの健やかな成長を願っていた。
(朝の散歩にはご注意を、猟銃を使ったカラスなどの有害鳥獣捕獲:千葉)
7月27日、29日、31日の合計3日間で、猟銃を使った有害鳥獣捕獲が四街道市内の住宅街を除く農地周辺で行われる予定です。各日、早朝から午前8時まで行われる予定ですが、この時間帯には、自然が楽しめる田んぼ道などで散歩されている方も多く見られます。四街道市のホームページには、注意事項として以下のことが掲載されています。・有害鳥獣捕獲員は水色の腕章を付けています。見かけても近寄らないようお願いいたします。・猟銃の音が聞こえた場合は、音のする方には行かないようお願いいたします。・その他、危険と思われる行為は絶対にしないようお願いいたします。当日散歩など予定されている方はご注意下さい。有害鳥獣捕獲は、鳥類が原因として考えられる農作物の被害を最小限に抑えるために実施されます。
(河川敷のシカ、親子で街に遠足:京都)
京都市左京区の市街地に親子連れとみられる2頭のシカが出没し、市民らの人気を集めている。28日午後には蓼倉(たでくら)橋下流約50メートルほどの高野川左岸の河川敷に現れ、のんびり草を食(は)む様子を散策中の市民やランナーが盛んに写真を撮っていた。近所の住民によると、1、2週間ほど前からこの親子連れのシカが目撃されており、高野川上流部から川沿いに下ってきたとみられる。サイクリング中に、シカと遭遇した平安女学院中学3年の竹内水毬さん(14)は「こんな街の中でシカを見るなんてびっくり。子ジカも小さくて可愛い」と目を細めながら、思いがけない「来客」をそっと見守った。
(名物!?「シカ肉カレー」:滋賀)
滋賀県内でカレー店「CoCo壱番屋」を12店経営するアドバンス(長浜市)が、獣害対策の一環として提供を続けてきたシカ肉カレーのレトルトパックを開発し、各店舗で販売を始めた。同社は2010年、県内で深刻化するシカの獣害解決の一助になればと、シカ肉を使ったカレーを開発。日野町などの猟友会から購入し、年間計約1万8千食を売り上げるメニューに定着させた。レトルトパックは容量220グラム。煮込んで柔らかくしたシカ肉が5切れほど入っている。同社総務課の川森慶子課長は「おいしく仕上がった。土産などに利用してほしい」と話している。税込み600円。
(“ジビエ”で街おこし:神奈川)
有害鳥獣対策で捕獲されたシカ1頭分の枝肉が6月25日、食肉処理施設「阿夫利山荘」(磯崎敬三代表/子易)から柏木牧場(柏木清代表取締役社長/小稲葉)に出荷された。枝肉はソーセージやジャーキーなどに加工、販売される。「市の新たな特産品で街おこしを」と始まったこの取り組み。市農業振興課によると、有害鳥獣が正規のルートで流通するのは珍しいという。きっかけは3年ほど前。猟友会のメンバーで大山高部屋有害駆除班代表の磯崎敬三さんが、有害駆除で捕獲した野生鳥獣を有効活用できないか模索していた。一方、柏木牧場代表の柏木清さんは、狩猟した野生の鳥獣を食材に用いる「ジビエ」のブームに着目。40年以上におよぶ食肉加工技術を使って地域貢献ができないかと考えていた。そんな両者の思惑が一致し、ジビエで街おこしの計画がスタート。今年3月には県内初となる野生動物の食肉処理施設「阿夫利山荘」が市内子易に完成し、流通に必要な自治体や保健所の認可、衛生管理体制なども構築されていった。6月25日に続き29日には2頭目のシカの枝肉が出荷された。衛生管理のため肉の一部は市役所に持ち込まれ、放射線検査を実施。2頭の検査はすでに行われ、いずれも基準値以下だった。柏木さんは「シカ肉はクセがなく低脂肪で若い方の味覚にも合うのでは。安全性に細心の注意を払いながら、喜んでいただける商品を作りたい」と語る。阿夫利山荘の建設費は磯崎さんら有害駆除班が一部負担した。柏木さんも本筋の牧場運営と並行しながら採算度外視で加工品の生産にあたっている。磯崎さんは「これからも動物の命を大切にしながら地域活性化に貢献していければ」と話している。柏木牧場によると、シカ肉の加工品は捕獲状況に応じて随時販売予定。価格は時価という。
(1日からシカ肉販売:和歌山)
和歌山県古座川町月野瀬の町鳥獣食肉処理加工施設は、町内で捕獲され、加工処理したシカ肉の販売を7月1日から始める。同町月野瀬の南紀月の瀬温泉ぼたん荘と同町相瀬の一枚岩鹿鳴館で取り扱う。町の委託を受けて施設を運営するぼたん荘の深海政也料理長(38)は「適切に処理された町産のシカ肉のおいしさを地元住民や観光客に知ってもらいたい。地元住民にとってジビエが自信を持って外に発信できる特産物になれば」と話している。
(エアガンでスズメを射殺、「鳥獣保護法」違反)
スズメをエアガンで撃ち殺したと明かし、死体写真を掲示板「2ちゃんねる」にアップしたことが、ちょっとした騒ぎになっている。「犯人」を捜し、警察に通報しようなどといった動きも起きている。スズメをエアガンで射殺するとどんな罪に問われるのだろうか。「スズメをエアガンで撃ったwwwwそしたら死んだwwww」「ち〜ん(笑) 」。こうしたスレッドが「2ちゃんねる」に立ったのは2015年6月28日だ。アップされた2枚の写真にはスズメの死体のようなものが映っている。さらに、「ちな東京マルイのp226e2というガスガンでやった 」「今画像見直したらbb弾写っててワロタww」などといった説明も書き込まれた。「2ちゃんねる」では、「頭おかしい」「これはふつーにまずい事案ですよ」「最終的には人間まで危害くわえるのみえるから怖い」といった書き込みもあり、騒ぎになった。スズメをエアガンで殺すとどんな罪に問われるのか。日本野鳥の会によると、野鳥や哺乳類の保護と被害の防止、狩猟の適正化について定めた法律「鳥獣保護法」に抵触し、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されるのだという。また、使ったエアガンが人の生命に危険を及ぼすようなものならば、銃刀法違反にも問われ、「とんでもないことをしてしまったという事ですね。通報すれば警察が刑事事件として扱うことになります」と担当者は説明した。「鳥獣保護法」の第八十三条には罰則についての記述があり、狩猟鳥獣以外の鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等(採取又は損傷をいう)をした者が罰せられる。これはスズメだけでなく日本国内の全ての鳥類が対象となっている。エアガンなどで撃ち殺していいのは狩猟免許を取得し、狩猟税を納めていることが前提で、11月15日から4月15日までの狩猟許可期間に限り、指定された場所だけで認められている。また、鳥獣による農業被害が出たことによる駆除は届け出制になっていて、都道府県の許可がなければ行ってはいけない。「殺すつもりはなく追い払うだけのつもりだった」というのもいけないそうで、「鳥獣に対し悪意があったのか、故意に傷つけるつもりだったのか、ということが問われるわけですが、エアガンなどで追い払う場合も狩猟免許が必要ですし、追い払う行為自体も鳥獣保護法に抵触する可能性は充分にあるわけです」と日本野鳥の会の担当者は話している。

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