<射撃ニュース9月>

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(公園でクマ目撃:栃木)
13日午前7時25分ごろ、鹿沼市旭が丘の鹿沼市総合運動公園内で、クマ1頭が目撃された。人的被害はない。鹿沼署によると、クマは体長約1メートル。散歩中の男性が、温水プールからテニスコートへ歩いているのを目撃した。
(クレー射撃、服部ら予選敗退)
クレー射撃の世界選手権は11日、イタリアのロナトで行われ、女子トラップで服部慶子(日立建機)は20位、中山由起枝(日立建機)は24位、井上恵(ナスタジャパン)は80位で上位6人による準決勝に進めなかった。
(クレー射撃、石原は予選落ち)
クレー射撃の世界選手権は13日、イタリアのロナトで行われ、女子スキートで石原奈央子(古峯神社)は33位となり、上位6人による準決勝に進めなかった。
(シカ肉処理に認証制度:北海道)
道は、エゾシカ肉を処理する施設の衛生管理を保証する認証制度を新たに設け、2016年度から運用する。全国的にジビエ(野生鳥獣肉)料理の人気が高まる中、消費者の信頼を獲得してブランド力を高め、エゾシカの有効活用を促すのが狙いだ。道によると、認証制度は、道の処理マニュアルを守り、捕獲から流通までの履歴を管理できる道内の食肉処理施設が対象となる。認証の有効期間は3年間の予定。現地審査などを経て認証を受けた施設は、認証マークを表示できるようになる。道は、年内に認証制度の要綱を作り、来年度中に運用を開始する。エゾシカは、明治時代の乱獲や大雪で一時、絶滅寸前まで追い込まれたが、国の保護政策などで増加し、ピーク時の2010年度には推定生息数が約63万頭に達した。一方で、農作物が荒らされたり、樹皮が食べられたりするなどの農林業被害や、交通事故などのトラブルも増えた。道は人とシカとの適切な関係を維持するために捕獲を強化。14年度で48万頭まで削減したが、さらに16年度には38万頭に抑えることを目標にしている。シカ肉は近年、栄養価が高く低カロリーだとして消費が拡大している。道内の処理頭数は13年度現在で2万1074頭と10年間で4倍以上に増加。処理施設も40施設から90施設に増えている。ただ、シカ肉の処理は食品衛生法に基づく保健所の許可が必要なものの、牛や豚などの家畜と違って解体などにかかわる法規制がない。このため道は、全国に先駆けて06年に独自の処理マニュアルを作成したが、消費者の安全志向に応えるにはなお不十分な状況だという。道エゾシカ対策課は「履歴の公表など厳格な管理を求める消費者の信頼を得るため、道が安全性を認証してほしいという供給側の声は大きい」と説明する。道は、エゾシカ肉のブランド力向上のため、提供する飲食店の拡大支援や首都圏への売り込みも強化する方針。捕獲頭数に占める処理頭数の割合を示す「利活用率」を13年度現在の15・9%から19年度までに19%に向上させるとしている。シカ肉の認証制度は、各都道府県で導入が相次いでいる。ブランド力を付けて農林業被害をもたらすシカを資源化しようという地域間競争は激化している。13年11月に導入した長野県は、個体ごとに認証番号を付け、捕獲や処理に関する情報をインターネットを通じて公表している。同県は「安全・安心をPRすることで、大手小売業の参入など販路が拡大した」(鳥獣対策・ジビエ振興室)と説明する。和歌山県では、認証を受けた処理業者の肉質を格付けし、消費者が買いやすいようにした。また、三重県でも13年12月に適正な衛生管理や品質向上に取り組む処理施設や加工、飲食店を登録する制度を設け、消費拡大に乗り出している。道エゾシカ対策課は「認証制度のブランド名を公募で決めるなどし、制度の存在をアピールしたい」と意気込んでいる。
(世界遺産周辺でニホンジカ目撃:秋田)
環境省東北地方環境事務所は10日、白神山地の世界遺産地域まで約6.5キロの秋田県八峰町八森の山林で、ニホンジカのオス1頭が目撃されたと発表した。青森、秋田両県の世界遺産周辺地域での確認例はことし4月以降4件目。ニホンザルのパトロールをしていた地元猟友会のメンバーが6日午後4時ごろ、ニホンジカを発見し、写真を撮影して秋田県自然保護課に届けた。遺産地域では食害による生態系への影響が懸念されている。
(クマ目撃1200件、早くも昨年度超える:北海道)
8月末までの町内のヒグマの目撃数の暫定数が約1200件となり、昨年度の約790件を大きく超えたことが、知床財団のまとめで分かった。例年件数が減少する8月にも出没が続き、フレペの滝遊歩道は連日、閉鎖を余儀なくされた。過去最多の目撃数約1770件を記録した2012年度と傾向が似ているとして、関係者は危機感を募らせている。「今年はもう5度もクマを見た。こんなことはなかなかない」。知床アウトドアガイドセンターのガイド助手木村順一さんは振り返る。8月26日朝にも、ウトロ東の海岸でクマ1頭と遭遇。住民に追い払われたクマは国道を横断した後、木に登って海岸の様子をうかがっており、木村さんはその様子を撮影した。財団によると、今年は6月下旬から目撃数が急増した。同じころから知床自然センター周辺に、1歳の子2頭を連れた母グマ、0歳の子2頭を連れた母グマ、単独の若グマの3組が居着き、フレペの滝遊歩道に頻繁に出没。遊歩道は6月20日以降、54回閉鎖した。通常この場所はクマが通過する場所で定着は珍しい。季節ごとに海鳥のひなやアリ、開拓跡地のスモモを食べているらしい。3組は、幌別橋付近や岩尾別川周辺でも目撃されている。世界遺産地域外の町内の農地での食害は例年、8月に麦の収穫が終わると落ち着くが、今年はビートでも続いている。財団の増田泰事務局長は「他の場所の食物の状況が良くないのかもしれない」と推測する。13年秋には岩尾別川に出没するクマを撮影しようとする写真愛好家や観光客による混乱が問題になった。今年もサケの遡上(そじょう)シーズンを迎えており、財団など関係機関は、注意喚起の看板の設置など対策準備を進めている。
(シカ侵入防止対策:北海道)
苫小牧市は、シカによる被害が続いていた錦大沼公園横のハナショウブ園に、シカの侵入を防ぐ高さ2~2.5メートルのネット設置作業を進めている。今月中旬にも完成する予定で、市緑地公園課は「これだけの高さがあれば、もう侵入できないだろう」と期待している。ハナショウブ園は、市の花に指定されているハナショウブの名所をつくろうと、市民有志のはなしょうぶの会が2010年度から1万株を目標に、毎年2000株のハナショウブを植え続け、14年度に完成。昨年7月には、1万株のハナショウブが満開を迎えていた。しかし、3年ほど前からシカがハナショウブを引き抜くなど被害が出るようになり、今春は3000株が消失。このため、市緑地公園課は、花のシーズンを終えた後から本格的にシカ対策に乗り出した。8月には人毛やヒトデ、オオカミの尿など忌避剤を園の各所に設置したほか、今月7日から園を取り囲むように高さ2メートルの侵入防止ネットを張り巡らせる作業を進めている。ネットは全長540メートル。5メートル間隔で鉄のくいを打ち込み、オートリゾート苫小牧アルテンとつながる市道側に面した200メートル区間は高さ2.5メートル、残る部分は高さ2メートルの鉄線ネットを張り付ける作業を進めている。市道側からの景観にも配慮し、ネットが目立たないよう、編み目の大きいものを選んだと言う。市道側のネットを高くした理由は、シカが助走をし、勢いを付けて飛び越えるのを防ぐため。市緑地公園課は「これだけ高くすれば、シカが飛び越えることはないだろう」と期待する。市道と反対の錦大沼公園側には、2カ所の出入り口用扉を付け、ハナショウブのシーズン中は開放して市民が自由に出入りできるようにする。ネットの設置作業を終えた後、被害に遭わなかったハナショウブの株分け作業を行う予定。しかし、1万株まで回復するには「2~3年はかかる」と市緑地公園課はみている。
(もし、イノシシに出合ったら:香川)
高松市立塩江小学校の児童が11日、イノシシに出合ったときの正しい対処方法やイノシシの習性を学んだ。多くの児童がイノシシに遭遇しやすい環境にいることから、自然学習の一貫で出前授業が行われた。学校や地域での環境学習をサポートする県環境森林部の環境キャラバン隊の2人が、4年生19人の前で出前授業をした。県環境森林部で鳥獣対策などを担当する松木保雄さん(51)は「イノシシに出合ったら、脅かさないよう、何もせずにゆっくり離れましょう」と話した。児童からは「傘で追い払うのはだめですか」と質問されると、松木さんは「追い払わず、傘を広げて隠れましょう」と話した。授業後、篠原萌さん(9)は「大きいイノシシを見たことがある。今度出合ったら、ゆっくり離れるように気をつけたい」と話した。

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9/11
(クマに襲われ女性重傷:青森)
7日午前6時30分ごろ、西目屋村白沢字山内の大白温泉から北西方向に約1キロの山中でキノコ採りをしていた弘前市番館字長田の農業西川なつゑさん(79)が体長約1・5メートルのクマに襲われ、顔や手に全治約1カ月の重傷を負った。弘前署管内でクマによる人的被害が発生したのは、昨年7月に弘前市相馬の山中で男性が襲われて以来で、今年に入って初めて。今回の被害を受け、西目屋村は同村白沢の入山地点付近2カ所にクマへの注意を呼び掛ける立て看板を設置した。同村によると、今の時期はサモダシやナメコが採れるが、村全域で村民らからクマの目撃情報があるという。
(イノシシ襲撃で5人が重軽傷:兵庫)
神戸市灘、中央両区で8日午前、イノシシが市街地に出没し、住民5人が相次いで襲われた。1人重傷で、4人が打撲などの軽傷。市や県警は「遭遇した場合、刺激せずに離れて」と注意を呼びかけている。灘、葺合両署によると、同日午前11時20分頃、灘区大内通の市道で、自転車に乗った飲食業男性(65)がイノシシに突進されて転倒。その後、約10分間に半径約0・6キロの範囲で、52~71歳の男女3人が脚をかまれるなどした。同50分頃には、西に約1・9キロ離れた中央区のJR新神戸駅前タクシー乗り場で、無職女性(73)がイノシシに背後から体当たりされ、腰の骨を折る重傷。いずれも成長したイノシシとみられ、両署は襲われた時間や場所から、複数のイノシシが出没した可能性もあるとみている。市によると、市内でイノシシに襲われる被害は昨年度、65件発生。今年度は今回を含め35件で、統計が残る1998年度以降で過去最悪ペースという。昨年改正のイノシシの餌付け禁止条例では、市東部の規制区域で餌をやり、中止勧告などに従わなかった場合、氏名を公表するとしている。
(イノシシ被害、男子高校生尻かまれる:兵庫)
9日午後8時50分ごろ、神戸市東灘区岡本の路上で、帰宅途中の男子高校生(16)が後ろから近づいてきたイノシシに尻をかまれ、軽傷を負った。イノシシはそのまま走り去ったという。東灘署によると同日午後8~9時ごろ、同区内でイノシシの目撃情報が4件寄せられたという。同市灘区と中央区では8日に男女計5人がイノシシに襲われ重軽傷を負った。
(半年でイノシシ被害36件、夜間パト強化やチラシ配布:兵庫)
神戸市内で8〜9日、住民がイノシシに襲われる被害が相次いだことを受け、市などの担当者は10日、市役所で緊急の対策連絡会議を開いた。警備会社による夜間パトロールの強化や、猟友会に捕獲体制の充実を求めることなどを決めた。市によると、市内のイノシシによる被害は4月〜今月10日までに36件起きている。区ごとでは東灘区が最多の30件で、灘区が4件、中央区が2件だった。計17人が重軽傷を負った。今月8〜9日には中央、灘、東灘の各区で、10〜70代の男女計6人がイノシシに衝突されるなどして負傷。被害などが頻発したため、市は緊急の対策が必要と判断し、連絡会議を開いた。県や市の担当者ら計11人が出席。捕獲体制の強化に加え、イノシシ遭遇時の対処法などを記したチラシ約千部を配布し、市民に注意を呼びかけるとした。市職員らは10日夕、阪急神戸三宮駅前(同市中央区)で、中央区や灘区などの山手に向かうバスを待つ人らにチラシを配った。担当者は「イノシシに遭遇したら、慌てずゆっくり行動して」と話していた。
(ツキノワグマ、山中へ放獣:神奈川)
神奈川県内で約40頭しか生息数がないツキノワグマが先ごろ、牧野地区の山中に設置された「くくりわな」に誤ってかかってしまったため、相模原市内の山中に放獣された。絶滅の恐れがあるツキノワグマだが、今年度の目撃情報は昨年度のペースを上回っており、市は地域住民に対して警戒を促している。イノシシの捕獲用に設置された「くくりわな」にかかっているツキノワグマが確認されたのは8月26日の午前11時過ぎ。仕掛けた住民が気付き、県に連絡した。県によると、捕獲されたのは体長約140cm、60〜70kgで、オスの若い成獣だという。同日午後7時過ぎに市内の山中に放獣された。ツキノワグマは全身が黒く、胸に三日月形の白斑があるのが特徴。絶滅の恐れがある野生動植物を公表している「神奈川県レッドデータ生物調査報告書2006」の中でも「絶滅の危機に瀕している種」とされる「絶滅危惧I類」に位置付けられている。県内では丹沢山地にのみ生息しており、相模原市緑区をはじめ、清川村や山北町などで多く目撃されている。全国的に個体数が減少しているが、国が鳥獣保護管理法で定める「狩猟鳥獣」に含まれているため、狩猟することは禁止されていない。県央地域県政総合センター環境部環境調整課によると、「県内でのツキノワグマの生息数は約40頭と非常に少ないため、県として現在は狩猟を自粛している」という。ツキノワグマと思われるクマの目撃が区内で相次いでおり、今回の錯誤捕獲を除き、今年度ですでに7件も起きている。昨年度同時期(4〜8月)の5件を上回っており、出没のピークは栄養を蓄える秋とされているため、農作物の出来次第では、いっそう増加することも懸念される。市は「見かけた場合はすぐに津久井警察署または津久井地域環境課までご連絡ください」と呼びかけている。
(クマ出没、2週間で9件:北海道)
千歳市内でクマの目撃情報が相次いでいる。市によると、8月26日~9月9日午前に計9件の目撃情報があり、このうち5件は向陽台地区に集中している。同地区には住宅街もあることから、市や千歳署などは注意を呼びかけている。市などによると、市内のクマの目撃情報は8月が4件(前年同月は0件)、9月は9日午前までに5件で、昨年9月1カ月間の1件を既に上回っている。8月28日、市内泉沢の住宅から十数メートルしか離れていない市道で、クマ1頭が道路脇の草むらから顔を出しているのを車で走行中の男性が目撃した。翌29日には泉沢で、クマ1頭が道道支笏湖公園線を歩いているのを車で通りがかった男性が目撃した。今年相次いで目撃されているのは体長1~2メートルほどで、若グマの可能性がある。千歳署は「大人のクマと比べ、親離れしたばかりの若グマは人間に対する恐怖心が少ない。若グマが同じ場所を歩き回っている可能性がある」としている。ただ、若グマでも大人のクマと同様に危険だ。市農業振興課によると「向陽台地区は、住宅地を造成する前からクマの生息地」で、ごみは家の周囲に放置せず、決められた曜日の朝にごみステーションに出すよう注意を促している。千歳署などによると、クマの目撃情報が例年最も多いのは10月。市内藤の沢では昨年10月、山林でキノコ狩りをしていた男性がクマに襲われ、頭や腕をかまれるなど大けがを負った。9月から10月にかけてキノコ狩りが本格化することから、市や千歳署は、《1》事前にクマ目撃情報を確認し、出没地点には近づかない《2》単独行動せず、複数で行動する《3》ラジオやクマ鈴で音を立てる《4》クマのふんや足跡を見つけたらすぐに引き返す―ことなどを呼びかけている。
(サルが出没:福岡)
8日午前11時30分ごろ、福岡県大牟田市大正町付近で、大型のサル1匹が出没しているのが確認された。近づいたり挑発したりすると危険。8日午前には、福岡県みやま市高田町下楠田地区でもサルが確認されている。
(シカ、鴨川に出没:京都)
京都市中心部を流れる鴨川に野生のシカが出没し、観光客らを驚かせている。5日は親子らしい2匹が京阪出町柳駅そばの河川敷に現れ、スマートフォンを片手に人が集まり、ちょっとした騒ぎになった。京都土木事務所によると、上流の山間部から餌の草を求めて下ってきたらしい。過去には更に下流の繁華街・祇園そばの鴨川に現れたこともある。春〜秋ごろに多いという。目撃例の多くは1、2匹。奈良公園のシカとは異なり、なつく様子はないという。悪さをするわけでもなく、鳥獣保護区でもあり、土木事務所は「放っている」と静観の構え。同一かは不明だが、ペアのシカは6月下旬にも蓼倉(たでくら)橋下流約50メートルの高野川(鴨川上流)左岸河川敷で目撃された。
(諏訪湖「銃禁」割れる賛否:長野)
諏訪湖の銃猟禁止区域指定の期限が10月末に迫る中、期間更新をめぐる賛否の議論が前回に増して起きている。潜水性の渡り鳥によるワカサギの食害に頭を悩ませる諏訪湖漁協は7日、「銃での駆除を含めた実効性のある対策が必要」として、期間更新に「反対」する意見書を県諏訪地方事務所に出した。同じく意見照会先となっている日本野鳥の会諏訪は、水鳥の保護や人身・財産の危険防止の観点から継続を支持。別の団体の意見も割れており、県は難しい判断を迫られそうだ。いわゆる「銃禁」は1995年11月、指定期間を10年に設定して始まり、2005年11月に期間更新した。湖周の3市町を含む18機関・団体への意見照会と社会的環境の変化を踏まえて決定、公表するが、県職員の間では「湖周の宅地化や観光利用を考えると銃禁解除は不可能」との見方が圧倒的だ。漁業関係者が声を強めた理由の一つに、今春の採卵不振がある。全国へのワカサギ卵の主要供給地だが、採卵量は平年の1割にも満たず、自湖放流にも支障をきたした。冬季結氷期間が以前より短くなったこともあり、諏訪湖では近年、魚食性のカワアイサ(カモ科)の飛来が急増し、千~数千羽単位で確認されるようになった。藤森貫治組合長は「船で追い払いを続けるが、相手が慣れてきた面もあって効果が上がらない。現場は厳寒の湖上で(従事者の)健康上の問題も生じている」と窮状を訴え、仮に期間更新する場合には「現行以上の対策と食害発生時の補償」を行政機関に求める。地元の釣舟組合と川魚組合も足並みをそろえ、同様の要望書をそれぞれ提出した。JA信州諏訪は、湖周でカルガモによる水稲被害が深刻化しているとして、やはり指定解除の検討も必要との認識だ。県によると、カワアイサは狩猟対象種でないため、銃禁が解かれても狩猟で捕ることはできないが、銃での有害捕獲は不可能でなくなる。一方、野鳥の会諏訪の林正敏会長は「水鳥の保護や風致の保全、危険防止のために銃禁が必要というのが首尾一貫した主張」と説明。「銃声が響くことは観光面でもマイナスになる」とする。国内に飛来するカモ類約150万羽のうち、カワアイサは8000羽に過ぎない貴重な鳥であると訴え、「漁師の心情は理解できるが、共生の道を考えることが大事だ」と話す。諏訪猟友会の松田清照会長は「シカのように有害捕獲の要請があれば協力するが、趣味の要素が強い狩猟のために銃禁を解除してほしいという考えは全くない」。ワカサギを守る対策をより強化していくのが現実的との認識を示す。県は「10月中旬には結論を出したい」とする。期間更新した場合の代替策として「網を使った有害捕獲や、小型無人飛行機での追い払いを求める意見も出ている」と関係者。「長すぎる」との声がある指定期間(10年)の扱いも今後の焦点だ。
(活動活発化、クマに注意:群馬)
県内山間部を中心にツキノワグマの活動が活発化している。今年は人が襲われる被害が三件発生。目撃情報も四月から七月末までに前年同期比十九件増の二百九十三件が各市町村に寄せられている。県によると、山の中などクマの生息域に人が入り込むことによる被害が目立つという。秋のキノコ狩りやハイキングで入山者が増えることから、県ではクマよけの鈴を携帯するなどの防護策をとるよう呼び掛けている。県内で人がクマに襲われる被害は過去五年間で二十三件。二〇一二年には七件、一三年には二件、一四年に四件発生している。今年は六月に二件、八月に一件発生。現場はみなかみ町粟沢、沼田市利根町、片品村花咲の山の中で、登山帰りや草刈り中の人が襲われ、重軽傷を負った。県自然環境課によると、ツキノワグマは冬眠を前にした秋に食欲旺盛となり、果実や木の実を求めて行動範囲が広がる。県内の山間部に生息するツキノワグマは約千頭とみられ、体長は大きいクマで一四〇センチ、体重は一〇〇キロ程度になるという。県鳥獣被害対策支援センターによると、クマの出没に大きく影響するのがブナの実など餌となる木の実の豊凶。ここ数年は隔年現象を繰り返し、一昨年は豊作、昨年は不作で、今年は豊作の順番になる。豊作であればクマが果樹や柿の実を求めて山里に姿を見せるケースは少なくなるという。しかし、秋の行楽シーズンで入山は今後、増えることが予想されるので、県自然環境課の担当者は「クマの生活するエリアに入山することは危険が伴う」と強調。「現実にクマに遭ったら、クマを刺激することになるので走って逃げないことが重要だ」と指摘する。県では、入山する際の対策として、クマよけの鈴やラジオなど音の出るものを携帯する、薄暗い朝夕などクマの活動が活発になる時間帯の行動は避ける、クマを誘引する残飯などは残さないことなどを訴えている。
(野生生物、続く出荷制限:群馬)
東日本大震災から11日で4年半。今度は北関東の各地が記録的な大雨に見舞われ、津波のような濁流に家屋や車両が次々に流された。茨城県や栃木県ほど大きな被害がなかった県内でも、防災や治水の取り組みが改めて問い直された。一方、東京電力福島第1原発事故の影響で、県内の森林で捕獲されたイノシシやニホンジカは依然として全県で出荷制限され、野生のキノコや山菜も一部地域で出荷自粛が続いている。災害は、遠い過去の話ではなかった。吾妻郡で捕獲したイノシシを食肉やサラミ、コロッケなどに加工してきた「あがしし君工房」(中之条町折田)は、2012年秋から休業が続いている。県内のイノシシは原発事故の影響で、国に出荷停止を指示されたからだ。JAあがつまが管理・運営していた工房は、厄介者のイノシシを特産品に変える施設として好評だった。特にイノシシ肉の鍋「あがしし鍋」は冬場の観光の目玉。震災後の12年1月も四万(しま)温泉の18旅館が、冷凍保存していた事故前の捕獲分を提供した。しかし、13年には底を突いた。中之条町の担当者は「冷凍設備や道具の一部はすでに処分しており、加工場はただの荷物置き場になっている」と落胆した声で話す。環境省は12年7月、森林の汚染面積を算出。県内の「汚染状況重点調査地域」は福島県に次ぐ面積で、30万ヘクタールを超えると推計された。県面積約63万ヘクタールの半分近い。民家、農地、公園などを除くエリアは具体的な除染計画もなく、この4年半、手つかずのままとなっている。福島県の森林や渓流でモニタリング調査を続けている大手信人・京都大教授(生態系生態学)は「森林に降った放射性セシウムの大半は森にとどまっている」と話す。セシウムは、土壌の粘土粒子に吸着した状態で川から流れ出ることがある。ただ、大手教授らの調査地域では、降り注いだセシウムが1平方メートルあたり10万〜30万ベクレルと推定されているのに対し、森林から河川への流出量は年間で約330〜670ベクレルだけだったという。除染も流出もなければ、セシウムは森林内を循環することになる。大手教授は「腐葉土からセシウムを吸い上げるキノコや山菜はもちろん、草木や虫を栄養にする野生動物のセシウム濃度も高い。ただし現段階では、食物連鎖を上位に進むに従って濃度が高まる『生物濃縮』は起きていないようだ」と説明する。群馬県が公表しているイノシシやニホンジカの検査結果は、ばらつきが大きく、事故後の4年半で上がりも下がりもしてない傾向がみられる。出荷自粛が続いていた赤城大沼と榛名湖のワカサギは今月、ようやく持ち帰り可能となった。事故から4年半を経て基準値(1キロあたり100ベクレル)を安定的に下回るようになったためだ。湖沼と違って陸上の野生動物は動き回るため、全県一括で出荷制限の対象となっている。県自然環境課の担当者は「毎月、県内各地からイノシシ、シカ、クマなどを集めて検査しているが、今でも大体3割は基準値を超えている。継続的に1キロあたり100ベクレルを下回る状況になるまで地道に検査を続けるしかない」とため息をついた。
(二ホンジカ過食圧地をみる視察・見学会:神奈川)
小田原山盛の会は8月28日、シカ問題の専門家である元東京農工大森林生物保全学の古林賢恒さんを招いて「二ホンジカ過食圧地をみる視察・見学会」を開催した。「箱根の山を丹沢の二の舞にしないために」をテーマに行われている同視察・見学会。神奈川県の助成により、箱根外輪山のシカ調査を目的に行われている。同会事務局の川島範子さんは「想像以上に進んでいるシカによる過食圧地を見てもらうだけでも意味がある」と話す。火打石岳地域では、山頂稜線の樹木は角こすりや樹皮はぎ、噛み折りなど何らかの損傷を受け、樹皮食いによる剥皮があり、枯れている木々も多くある。シカ道が無数にあり、林床植生は過食圧により乏しく、次世代の木はほとんど被害を受けている。川島さんは、「調査を重ね、やっとその現実を体系的に把握することができた。少しでも地域の方達にこの現実を知って頂き、近い将来、頭数爆発が起こる前に、有効な捕獲体制と植生保護が行えるよう調査結果を活用していきたい。それが植生の多様性を維持するために一番大切なこと」と話す。同会では、9月13日に久野・和留沢・足柄林道を車で走りながら食痕の多い所の観察、10月4日・22日に明神ヶ岳過食圧地調査、11月12日・29日にも調査を予定している。
(ミロク、猟銃販売好調で上方修正:高知)
東証2部上場でスポーツ銃などを製造するミロク(7983)がしっかり。午前9時40分時点では前日比6円(2.2%)高の274円で取引されている。業績予想を上方修正しており、素直に好感した格好だ。9日の取引後に今2015年10月期通期業績予想を修正。営業利益を従来予想比約50%増の7億5000万円(前期実績6億9500万円)、純利益を同31%増の5億1000万円(同6億4200万円)へそれぞれ引き上げた。主要製品である猟銃、工作機械の販売が堅調に推移しているうえ、原価低減も奏功し、収益が押し上げられる見通しだ。同時に発表した第3四半期累計(14年11月~15年7月)決算は営業利益が前年同期比約5%増、純利益は同27%減だった。
(イノシシ撃退機、元技術者が開発:福岡)
イノシシのうめき声を再生してイノシシを遠ざける「撃退機」を福岡県みやこ町犀川本庄の元電機メーカー技術者、漆谷正義さん(70)が開発した。食害に悩む近隣農家の声を受け、一念発起した。「スピーカーを置いた場所には獣が来なくなった」と好評という。きっかけは「ブドウの根が掘られて困る」という果樹農家からのSOSだった。イノシシが警戒する音を出せば追い払えると考え、近くの牧場に野生イノシシを捕まえてもらい、その際の「キュイーン」と苦悶(くもん)する声を収録。イノシシが嫌うとされる犬がほえる声も収める念の入れようで、夜間、30秒ごとにスピーカーで自動再生している。試験設置して約3カ月、食害は起きていないという。ソーラーパネル付きの約3キロで、電源も不要。2台目を牧場、3台目を野菜農家に設置した。希望者には1台1万800円で分ける。漆谷さんは小さいころからラジオを手作りしていた自称「電気オタク」。就職した三洋電機では大気汚染の測定装置などの開発に携わり、退職後は古里にUターン。「時間ができたので子供時代の夢を果たそう」と、地域の人の求めに応じて田んぼの水位見張り器、雷検出器などユニークな機器を多数、手作りしている。中でも水道がない地域向けの「山間部向け揚水装置」は「全自動洗濯機が使えるようになった」と感謝されたという。手回しラジオや手回し懐中電灯も製作した。漆谷さんは電気の専門誌に連載コーナーを持ち、技術開発の解説をしている。「今後も生活に役立つ物を作りたい」と意欲をみせる。
(森とクマを守る:神奈川)
動物が生活できる広葉樹の森の保全・再生などに取り組む自然保護団体、一般財団法人日本熊森協会=本部・兵庫県=の神奈川支部による講演会が9月22日午後2時から市技能文化会館(関内駅南口5分)で開かれる。同協会は、豊かな森の再生活動やクマの絶滅防止活動、子どもへの自然教育を行っている。講演会では山形県で保護されたツキノワグマと暮らしている佐藤八重治さんが体験を語る。続いて元中学校教諭で同協会会長の森山まり子さんが「どうしてそこまでクマを守ろうとするのか」をテーマに活動について説明する。
(シカやイノシシの肉、料理人が腕振るう:岐阜)
県内の一流シェフたちが“自然の恵み”をテーマに腕を振るう「美味しんぼパーティー」が七日、岐阜市長良福光の岐阜都ホテルで開かれた。「岐阜ジビエに挑戦!」とうたい、来場した百十人に県産のシカやイノシシの肉を使ったジビエ料理を振る舞った。県内の料理人らでつくる岐阜グルマン研究会が主催。和食や洋食、中華をはじめ、さまざまなジャンルで活躍する十三人が調理を担当した。「グルマン」はフランス語で食いしん坊の意味。岐阜市住田町の焼き肉店「ファンボギ」オーナーの高橋樗至(のぶゆき)さん(36)は、イノシシ肉をあぶり焼きにしてウイスキーで香り付けした一品を提供。「ジビエの肉が臭いというのは誤解で、捕った後の処理が良ければ味も良くなる。魅力が伝わったと思う」と話した。客として参加した飲食店従業員の安田法義さん(30)=岐阜市茜部菱野=は「くせがある肉を透き通った味に仕上げていて、印象的だった」と話していた。
(シカ肉でラグーソース:北海道)
陸別町振興公社(金子信行社長)は、町内で捕獲したエゾシカの粗びき肉を使ったラグーソースを開発した。道の駅オーロラタウンりくべつ93内の町物産館、商業活性化施設「コミュニティぷらざぷらっと」内のまちカフェ「morito(もりと)」で販売している他、同カフェではラグーソースパスタとして提供している。シカ肉を使った商品化シリーズ。今回の商品で12品種目。シカ肉加工業者「北日本ドゥリームハント」(町上陸別)から原料を仕入れ、町農畜産物加工研修センターで粗びき加工した。ラグーソースは肉や魚などの食材を細かく切り、煮込んで作るソース。代表的なソースはミートソース。「ラグー」はイタリア語で「煮込む」の意味。陸別町で捕獲したエゾシカ肉を100%使用。トマトペーストやデミグラスソースなどで味を調合した。パスタはもちろん、グラタンや野菜炒めなど、和洋中の多様な料理に使える。160グラム入り、540円。レトルトパックになっており、湯せんや容器に移して電子レンジや鍋などで温めて食べる。年間2000個を製造する予定。まちカフェでは4日以降、ランチタイムに「陸別鹿ラグーソースパスタ」として850円で提供、毎日数人がオーダーするなど反響も上々という。町振興公社では「癖がなく食べやすい味」とPR、「シカ肉製品の種類が増えてきたので、お歳暮時期に向けて、冬期間限定販売の『まちチョコ』を含めて、ギフトセットなども検討したい」と話している。
(「鹿ぎょうざ」いかが:北海道)
中登別町の障害者就労継続支援施設・フロンティア登別(山田大樹施設長)が、白老産エゾシカ肉を使った商品開発の第2弾として、肉のうまみを包み込んだ冷凍ギョーザ「鹿(ユク)ぎょうざ」を発売した。併設のカフェでは10日から、第1弾商品のシカ肉ハンバーグを玄米パンに挟んだ「鹿バーガー」も販売する。鹿ぎょうざは、白老町周辺の猟師が仕留めたシカ肉と、キャベツやニラなどの野菜が具材。市内企業の「望月製麺所」が製造する道産小麦100%の皮を使用し、18個入り800円で8月20日から販売している。同施設は、第1弾商品として6月に冷凍ハンバーグ「鹿バーグ」を発売しているが、鹿ぎょうざは、ハンバーグよりも肉質の柔らかい部位を使った。山田施設長は「シカ肉特有の香りを抑え、食べやすくした。皮もモチモチ」とPRする。イベント限定で提供してきた鹿バーガー(350円)も今月10日から、施設併設のカフェウポポで販売する(持ち帰りのみ)。系列のパン工房「茶連慈」で焼く玄米パンを用い、目玉焼きには白老町産の放し飼いの鶏卵を使うなど素材にこだわった。

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9/7
(脱走した?キョン、南房総で大繁殖:千葉)
房総半島南部で、シカ科の外来種キョンの繁殖が急増し、稲やイチゴなど農作物を食い荒らすなど被害の拡大が続いている。推定生息数は2007年度の約3400頭に対し、14年度末で10倍超の約4万700頭に上っている。千葉県は、今年度から各自治体に捕獲費を補助する対策強化に乗り出した。野生のキョンが目撃されるようになったのは、同県勝浦市の動植物園「行川なめがわアイランド」(2001年閉園)から脱走したとみられる後の1980年代に入ってからで、温暖な気候と餌となる下草に恵まれているために繁殖したとみられる。県は08年度に駆除計画を策定したものの駆除が進まず、12年度に計画の練り直しを迫られた。それでも14年度の捕獲数は約2200頭にとどまった。県は今年度から市町村に対し、捕獲費の半額を上限に補助している。鳥獣保護法では、狩猟鳥獣に指定されていないため、狩猟ができないのが現状で、ワナを使った捕獲が中心となっている。
(アザラシはお見通し?「箱わな」捕獲ゼロ:北海道)
漁業被害が深刻なゴマフアザラシ対策として、宗谷総合振興局が8月3日に市内宗谷地区に設置した「箱わな」による捕獲が苦戦し、1カ月が過ぎた4日現在、捕獲ゼロが続く。8月10日に別の場所に仕掛けたもう1基も同じ状態で、漁業関係者は「アザラシはわなに近づくものの、箱に上がろうとしない」という。アザラシの方が一枚上手のようで、今後わなの改良が必要になりそうだ。箱わなは縦1メートル、横1・5メートルの木製の箱で、下部にアザラシが数頭入る深さ90センチの網が付き、浮き球で海面に浮かせている。箱上部の中央に両開きのふたがあり、岩場に上陸して休む習性のあるアザラシが箱の上で休もうとすると、網に落ちる仕組み。わなは同振興局や宗谷漁協などが意見を出し合って作った。同振興局は8月3日に東浦漁港の沖合防波堤付近に箱わな1基、アザラシが好む岩礁が広がる清浜地区にも10日に1基を仕掛けた。宗谷漁協によると、清浜周辺の浅瀬にはアザラシが200頭ほど居着き、箱わなに近づくが、「箱の上にまで登ってくれない。カモメはたくさん止まっているんですが…」(担当者)と首をかしげる。東浦漁港は今季はアザラシが少なめで、近づく様子もないという。箱わな設置は、銃を使わない有効な捕獲手法を確立し、全道のモデルケースにするのが目的で、2017年春に使用マニュアルを策定する。今年の設置は10月末までだが、同漁協は「今後、網の中にアザラシが好むシャケやタコを入れておびき寄せるなど、工夫も必要では」と指摘する。道によると、14年度の宗谷管内のアザラシによる漁業被害額は2769万9千円で、全道の約1割。宗谷地区ではアザラシが夏季もサハリン方面に帰らず、滞在して繁殖している可能性が高く、道が対策を急いでいる。
(サル被害、捕獲施設を予算提案へ:福岡)
サルによる農作物の食害に悩むみやこ町は、捕獲施設の設置を目指し9月議会に約150万円の予算案を提案する。山里を縦横無尽に駆け巡り、100匹程度の大集団で現れることもあるサルは駆除が難しい。町は「仲間が捕まることで『ここは危ない』と学習してくれれば」と抑止効果に期待している。「納屋を開けたままにしておくと入り込んで、ジャガイモや米があればやられちゃう。タマネギも好物で、つるしておくと網を破ってでも食べるね……」。勝山浦河内で畑仕事をしていた70代男性は話した。食害を防ぐために畑にネットを張るが、少しでも隙間(すきま)があると頭を突っ込んで荒らすという。町には、仏壇の供え物を取ったり、冷蔵庫を開けたりする事例も報告されている。住民は爆竹やエアガンで対抗、音におびえたサルはいったん山に引っ込むという。だが少しすると下りてきてあまり効果はない。町産業課によると昨年度、サルによる農作物の被害は210万円に上った。町は犬による威嚇を検討したがうまくいかず、他市町も利用している捕獲施設を1台、導入することにした。オリのような形で中に餌を置き、誘導する。町担当者は「すべて捕らえることは考えていない。賢い動物なので、捕獲機の脅威を学んでほしい」としている。予算案が可決されれば年明けをメドに設置する。
(金山城跡、イノシシに荒らされる:群馬)
太田市金山町の国指定史跡、金山城跡にある「日ノ池」の石敷きがイノシシによって荒らされたことが4日、太田市教委の調査で明らかになった。城の姿を復元するために池の周りに敷かれた石が長さ約27メートル、幅約1.5メートルにわたって掘り返された。県教委文化財保護課によると、県内の史跡が、これほど大規模に動物の被害を受けるのは珍しいという。捕獲おりの設置も難しく、関係者は対策に頭を悩ませている。
(ストップ鳥獣害、茨城猪塾:茨城)
被害額が毎年5~6億円に上るなど鳥獣害の多発に悩まされる茨城県は3年前から「茨城猪塾」を開設。「獣害対策サポーター」と呼ばれる人材の養成に取り組む。2014年度までに81人が認定を受け、2015年度も約20人が受講中で、今年度中に認定者100人突破を見込む。単に捕獲や狩猟で数を減らすのでなく、エサ場を無くすなど地域を挙げての環境改善、意識の向上でイノシシ害の撲滅を目指す。
(若手ハンター確保へ27日にフォーラム:千葉)
若者らに狩猟の魅力を知ってもらうイベント「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」(環境省主催)が27日午後1時から、習志野市津田沼の千葉工業大津田沼キャンパスで開かれる。事前申し込み不要で、入場無料。イベントは県内では初めて開催。ハンターの減少や高齢化が進む中、将来を担う若いハンターを確保するのが狙いという。イベントでは、若手の現役ハンターらによるトークセッションや、シミュレーターを使ったハンティングの模擬体験などが予定されている。県によると、県内では南房総地域を中心にイノシシやニホンジカといった野生鳥獣による農業被害が深刻化し、平成26年度には約3億8千万円の被害が出ている。一方で、狩猟免許の所持者は昭和53年度の約2万人をピークに年々減少し、昨年度は約6千人まで落ち込んでいるという。
(洋弓銃で新聞配達員襲う:愛知)
愛知県武豊町で8月、新聞配達員の男性(31)が襲われた事件で、県警は3日、ボーガン(洋弓銃)などで重傷を負わせたとして、殺人未遂の疑いで、元同僚の無職山口泰斗容疑者(28)=同町長尾山=を逮捕した。「私は知りません。自宅にいた」と容疑を否認しているという。逮捕容疑は8月12日午前2時45分ごろ、武豊町若宮の県営住宅の通路で、男性にボーガンの矢を命中させたほか、刃物で切り付け、2〜3カ月の重傷を負わせた疑い。県警捜査1課によると、山口容疑者は昨年10月まで同じ新聞販売店に勤務。男性に勤務態度を注意され、トラブルになったことがあった。男性は配達中に襲われ、目出し帽の男が車で逃げるのが目撃された。山口容疑者の自宅などからはボーガン、ナイフや目出し帽が見つかり、車の運転席付近には男性の血が付着していた。
(豚骨ならぬ猪骨ラーメン:愛媛)
農作物に被害を与えるイノシシの骨でだしを取ったラーメンを、新たな地元の名物にしようという試みが、愛媛・今治市大三島町で進んでいる。その名も、豚骨ならぬ「猪骨(ちょこつ)ラーメン」。イノシシによる食害を減らしながら、新しい郷土食を売り出す一石二鳥を目指している。取り組んでいるのは市大三島支所の職員で、地域おこし協力隊の吉井涼さん(34)。長崎市出身で東京での会社勤めを経て、今年4月に大三島に移住した。島内では近年、イノシシがかんきつ類やイモなどの畑を荒らす農業被害が目立っている。そこで、島内の猟師やミカン農家などの有志は2010年に「しまなみイノシシ活用隊」をつくった。廃止された学校の給食センターを改築した食肉処理施設で、駆除したイノシシの食肉加工を続けている。ただ、肉を取ったあとのイノシシの骨は産業廃棄物として捨てられてしまう。有効に使えないかと考えた吉井さんは「豚骨同様にラーメンができるのではないか」と、6月から独学でレシピづくりを始めた。「活用隊」から仕入れた骨は、頭部やひづめ以外のすべての部位を使う。水洗いと下ゆでをした後、強火で6時間ほど煮込むと白濁したスープができる。臭みはほとんどなく、豚骨スープに比べて、すっきりした味わいが特徴という。先月19日にあった試食会では「スープをもっと濃厚にしてほしい」との意見に応えて、イノシシ肉をしょうゆで味付けしたチャーシューと背脂をトッピングして濃厚な風味にした。食べやすいようにと、レモンの輪切りを添えてさっぱり感も加えた。「かんきつ類との相性がいい」などの意見が出た。吉井さんは「早ければ年内に完成させ、郷土食を紹介するイベントなどへ出品したい」と意気込んでいる。

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9/3
(子イノシシ3頭、市役所脱走:石川)
石川県羽咋市で一日、市役所の車庫内のおり(縦横六十センチ、奥行き百五十センチ)からイノシシ三頭が市街地に逃げ出す騒ぎがあった。野生鳥獣の肉・ジビエの特産化に向け、研究用に捕獲されていたイノシシの子どもで、一頭は捕まったものの、残る二頭は逃走を続け、市は見かけても近づかないよう注意を呼び掛けている。三頭とも体長五〇センチ、体重一五キロほど。同日朝に同県白山市の解体処理場に送られる予定だったが、午前七時すぎに羽咋市役所に近い旭町の民家敷地の一角で住民が見かけ、警察を通して市に通報したことで、脱走が発覚した。一頭は二百メートルほど離れた駐車場で捕まえられた。午後になって同市千里浜町の畑で、二頭が残したとみられる足跡が見つかった。市は防災行政無線や回覧板で市民に注意を呼びかけた。市教委は発見現場に近い羽咋小学校を集団下校とし、周辺の小中学校の保護者らには、二日朝は複数で登校するよう通知した。市の八野田正光産業建設部長は「市民に迷惑をかけて申し訳ない」と話している。
(住宅街にクマ:青森)
2日朝、むつ市の住宅街でクマが民家の庭や市道を歩いているのが住民に相次いで目撃された。警察が周辺をパトロールして警戒し、市が防災無線で注意を呼びかけている。むつ警察署管内では今年、クマの目撃情報が去年より26件多い79件寄せられている。
(大島のキョンが猛繁殖、島民より多い1万1000頭:東京)
伊豆大島(東京都大島町)で外来種の小型のシカ、キョンが、都の推計を大幅に上回る一万一千頭生息し、増加数に駆除数が全く追いついていなかったことが、二〇一四年度の調査で分かった。八千三百人の島人口よりはるかに多く、ここ数年、農業被害も目立ってきた。都は大幅な駆除計画の見直しを迫られている。「三年がかりで育てたアシタバが全滅した。収入が断たれ困窮しているのに、キョンを逃がした都は何の補償もしてくれない」農業の和泉参郎(さぶろう)さん(84)は怒り心頭だ。一昨年春、島北部の畑四十アールのアシタバがキョンに食べ尽くされた。自分で高さ約一メートルの網を張ったが、キョンは網を跳び越え、秋に出てきた新芽も食べてしまった。「やる気をなくした」。今は悔しさをこらえて年金で暮らす。大島のキョンは一九七〇年に都立大島公園(動物園)で、台風で柵が壊れて十数頭が逃げ出し野生化。天敵もなく、現在では島全域に生息する。二〇〇五年施行の外来生物法で農業被害を及ぼす特定外来生物に指定され、都は〇七年度から駆除を開始。一〇年度の調査から生息数を三千二百五十頭と推計し、一二年度から毎年千頭捕獲し五年間で根絶する計画を立てた。一二~一四年度の捕獲数は千二十二~七百二十七頭で、生息数は減っているはずなのに市街地への出没や農業被害は増加。一四年度の農業被害は特産のアシタバを中心に三百八十万円に上った。市街地を走る都道などで車やバイクと衝突することも。このため、都は一四年度に基礎データを増やし、あらためて調査したところ一万一千頭と判明。逆算すると、一〇年度時点で既に六千三百頭いたことになる。駆除しても年15%のペースで増えており、増加を抑えるだけで、従来計画の数倍の毎年二千~三千頭捕獲しないといけない。都は調査結果を受け、キョンの足が絡まる張り網の増設やハンターの増員を模索する。町は八月、駆除の強化をあらためて都に要請。都が取り組んできた張り網の設置を独自に行うことも検討する。捕獲に協力する島内ハンターは二人だけ。市街地での駆除は島内事情に精通していないと危険で、安易に島外ハンターに依頼できない。設置済みの張り網は延長三キロで、高さ一・八メートルの網の設置は一メートルあたり六千円かかる。都の担当者は「駆除計画を作り直さなければいけないが、どうしたら捕獲数を増やせるか、実効性のある駆除方法を考えないと」と焦っている。<キョン> 中国、台湾原産。体重15キロほど、体高50センチほどで、茶褐色。草や木の葉などを食べる。年中、出産可能で、生後1年で繁殖可能になる。1回の出産で1頭を産む。
(ニホンジカ生息調査:福島)
県は今年度、尾瀬国立公園の食害対策として、大江湿原や田代山で新たなニホンジカの調査事業に取り組む。1日に檜枝岐村の尾瀬沼ヒュッテで開かれた「尾瀬サミット2015」で示した。林野庁が大江湿原周辺に設置した防護柵により、ニッコウキスゲの食害は減少している。一方、未設置の場所からシカが侵入している可能性があるため、県は秋ごろまでにセンサーカメラによる調査を実施し、柵の効果や侵入状況を確認する。田代山山頂の湿原でも食害が確認されたため、出現時期や生息実態を把握し、対策を検討する。県と環境省、群馬県が昨年度に捕獲したシカは計463頭で、前年度の約1・5倍となった。環境省は捕獲事業を促進するため、来年度の国立公園でのシカ管理事業などの関連予算を増額する方針を示した。サミットは本県の内堀雅雄知事をはじめ、同財団理事長の大沢正明群馬県知事、泉田裕彦新潟県知事ら約100人が参加した。自然観察会で、参加者が尾瀬沼周辺を散策し、貴重な植生などについて説明を受けた。内堀知事は「シカ対策は一定の効果を上げている。食害を防ぐために今後も継続し、関係機関と連携する」と話した。
(クマ調査へ、放獣騒動受け生息数把握:岐阜)
三重県の放したツキノワグマが養老山地の県境付近に出没していた問題を受け、岐阜県は年内にも西南濃地域の山林でクマの生息数調査に乗り出す。一連の騒動で、これまで生息を確認していなかった西南濃地域にもクマの生息域が広がっており、9月の県議会定例会に調査費370万円を提案する。調査では、動物の動きに応じて録画するカメラを養老郡養老町や大垣市上石津町の山中に20~30カ所設置。カメラの映像を基に、クマの生息数や行動範囲を割り出す。問題になったクマは、大垣市上石津町や養老郡養老町、三重県いなべ市の山中を行動範囲にしていた。三重県は8月中旬からクマの位置情報の提供を終了したが、現在も居着いているとみられる。岐阜県によると、これまで西南濃地域はクマの目撃情報がなかったといい、今回の騒動でクマの生息域が広がったと判断。既に地元の自治体でクマに関する講習会を開くなど生息を前提とした対策を進めている。県は「まずは、どれくらいのクマが生息しているかを把握したい」としている。
(クマの餌、ブナの実「並~豊作」:新潟)
県は2日、クマの餌になるブナの実などの豊凶状況の調査結果を公表した。奥山になるブナの実は全県的に並作~豊作で、ブナの実が大量に落ちる9月下旬以降はクマが人里に出る可能性は低いが、それまでの間は里山などでの出没に注意が必要とした。県が7月下旬~8月20日、県内の285地点(佐渡、粟島を除く)で結実状況を調査。実がなっていない「凶作」から、木全体に密に実がなっている「豊作」までの4段階に分類した。調査によると、昨年は凶作~不作だったブナは並作~豊作。奥山から山麓にかけて分布するコナラやミズナラのドングリは不作~並作、より人里に近い場所に分布するクリやオニグルミはほぼ並作となった。クリやオニグルミの落果は9月上旬とブナより早く、ことしは人里でのクマの目撃が多いことから、県は里山に出掛ける場合には鈴やラジオなど音の出るものを持ち歩くよう呼び掛けている。2014年度のクマの出没・目撃数は910件で、13年度の3倍に上っていた。15年度は9月1日現在で376件の出没・目撃があり、前年度同期に比べて10件少なくなっている。
(獣害被害、どう防ぐ:兵庫)
サルやアライグマなどによる食害の現状を知ってもらおうと、野生動物が出没する山裾のブドウ畑(兵庫県篠山市新荘)で13日、収穫体験が開かれる。収穫を楽しみながら、獣害の「最前線」で栽培する農家に被害防止の工夫などを聞く。
(エゾシカ肉を使ったペットフード販売:北海道)
ペットフード製造販売のタカオ商事(釧路市)が、エゾシカ肉を使った無添加の犬用スナック「おやつのじかん」の販売を始めた。狩猟でハンターが仕留めたシカを買い取り、独自の送風乾燥で水分量を5%以下にして仕上げた。シカ肉は牛肉に比べ、脂質が10分の1以下で、鉄分を豊富に含むのが特徴。モモ肉とロース肉をスライスした「ジャーキー」など3種類を540円で販売している。池田優社長は「保存料などを含まない健康食材。食べて喜ばない犬はいない」と胸を張る。
(日本初「タカ狩りウエア専門店」:東京)
調布市仙川町に8月6日、タカ狩りウエア専門店「Flap Berry」がオープンした。同店はアパレルの縫製工場や仙川の飲食店「番兵」グループを運営するパートナーズ(同)が展開。代表の佐藤秀雄さんが数年前から「タカ狩り」に魅了され、鷹匠(たかじょう)として活動。鷹匠の多くが作業着を着用している様子を見て、「海外にあるようなおしゃれなウエアがあれば」と事業を展開。2年前からインターネットで販売を開始し、今回、タカ狩り専門店としては日本初の路面店として開店した。店名の「Flap Berry」は「Flap=はばたく」 「Berry=一番かわいいヤツ」という意味で、佐藤さんのタカや猛禽(もうきん)類への思いを表現している。タカ狩りとは狩猟の一種。銃ではなくタカなどの猛禽類を使い、鴨などを狩猟する方法で、山中ややぶに入ることが多いため、同店のウエアは、皮やナイロン、ハイテッククロスなどを用い、草やとげに強い仕様としている。佐藤さんは「鷹匠のためのおしゃれなウエアを扱っているのは、今のところ日本でここだけだと自負している。イギリスやフランス、スペインではハイクラスな趣味として確立しているからこそ、オシャレなウエアがある。それを日本にも広めたい。高級ブランドが使用するのと同じ皮を使うなど品質にこだわり、丈夫にできているので、タカ狩りだけでなく、アウトドアや自転車やバイクなどのユーザーにも利用してほしい。珍しい鷹匠グッズも取りそろえているので、興味があったらぜひ立ち寄ってほしい」と話す。

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9/2
(散弾銃の誤射で女性死亡:徳島)
29日、徳島県那賀町で散弾銃で猿や鹿などの駆除をしていた男性が、近くに住む女性を誤って撃ちました。女性は病院へ運ばれましたが、その後、死亡が確認されました。29日午後5時頃、徳島県那賀町海川の竹やぶで、猿などの有害動物の駆除をしていた男性(73)から「気配がして猟銃を撃ったら隣の女性だった」と110番通報がありました。警察によりますと、男性は有害動物と間違えて近くに住む会社役員、新井光代さん(82)を散弾銃で撃ったということです。新井さんは、およそ1時間半後に搬送先の病院で死亡が確認されました。現場は竹が生い茂り、見通しが悪い場所だということです。男性は狩猟免許を取得して40年以上のベテランだということで、警察は現場の検証を行って当時の状況を調べています。
(山中で52歳男性が滑落死:滋賀)
1日午後1時35分ごろ、滋賀県長浜市余呉町針川の山中で、木の実の生育状況を調査していた神戸市灘区の野生生物調査会社の社員、西沢敦史さん(52)が斜面から足を滑らせ、約8メートル滑落した。同行していた同僚からの119番通報を受けた湖北地域消防本部の救助隊が、西沢さんを見つけて救急搬送したが、病院で死亡が確認された。死因は、頭を強く打ったくも膜下出血死とみられる。滋賀県警木之本署によると、西沢さんは滋賀県の依頼で、この日午前10時半から、同僚や滋賀県立大の教員らと一緒に、クマのエサとなる木の実の生育状況を調査を実施。誤って足を滑らせたとみて調べている。現場は、福井県境に近い滋賀県北部の山間部で千メートル級の山が点在している。
(殺傷能力ある手製銃、隠し持つ:栃木)
栃木県内の自宅に手製の拳銃2丁などを隠し持っていたとして、無職の60歳の男が逮捕されました。武藤孝二容疑者は、佐野市の自宅に手製の拳銃2丁と弾3発を隠し持っていた疑いが持たれています。警視庁によりますと、武藤容疑者は4月、ガソリンスタンドの店員に手投げ弾のようなものを投げ付けたとして現行犯逮捕され、その際、拳銃4丁と手投げ弾のようなもの9個を所持していて、さらに自宅から新たに拳銃4丁と実弾約50発が見つかり、拳銃8丁のうち4丁は殺傷能力があったということです。取り調べに対し、「拳銃に興味があり、20歳のころから製造していた。独学でやった」などと容疑を認めています。
(住宅街そばにヒグマ:北海道)
28日午後2時ごろ、千歳市里美5の市道泉沢西通脇の草むらで、ヒグマ1頭が顔を出しているのを車で通り掛かった男性会社員(47)が目撃し、千歳署に通報した。近くは住宅街で児童の下校時間と重なったことから千歳市は対応に追われた。同署によると、ヒグマは体長1・5メートルほどで、目撃者が車で近づいたところ後ろの林に入ったという。現場は里美5丁目のバス停が近く、市道を挟んだ15メートル先には住宅が並んでいる。市職員と地元猟友会で構成するクマ防除隊の計4人が周辺を捜索。市道から200メートルほど入った林の中で、ヒグマの足跡とふんを発見した。足跡は1カ所に複数あり、大きさは9センチほど。防除隊によると若いヒグマという。ふんは2~3日経過したものだった。市はヒグマが目撃されたことを知らせる看板を現場周辺に設置し、隣接する住宅10軒ほどに注意を呼び掛けるチラシを配布した。広報車でパトロールも実施した。近くの向陽台小学校は、授業を終えた3~6年生を通学路別に5グループに分け、教師が付き添って下校させた。29日午前10時15分ごろ、千歳市泉沢の道道支笏湖公園線で車を運転していた男性会社員(45)が、道路を横断して林に入るヒグマ1頭を目撃した。千歳署によると、体長は1メートルほど。28日に目撃された里美の現場から直線で約2キロの地点という。
(ツキノワグマ、人里の被害増:山口)
山口、広島、島根の3県で、ツキノワグマの生息域が拡大している。狩猟が禁止され、生息数が増加。さらに、人里との「防波堤」になってきた里山が荒廃したこともあり、生息域外での捕獲例も相次いでいる。元々はおとなしいが、子育て中などは人を襲うケースもあり、専門家は「山の計画的な管理が必要」と訴える。「近くで農産物の被害が出ていたが、まさかクマの仕業とは。この地区で捕獲されるなんて聞いたことがない」。7日、山口県萩市三見(さんみ)の山林でイノシシ用のわなにかかったツキノワグマについて、地元の農林事務所の担当者は驚く。このケース同様、近年は生息域から離れた場所で出没する事例が相次いでいる。昨年4月には、同県防府市国分寺町の防府競輪場近くで、2カ月後には同県下関市永田郷で捕獲された。いずれも市街地や海に近く、下関市のクマの第一発見者で、地元の猟友会に所属する安成(やすなり)英生さん(65)は「狩猟歴は10年以上になるがクマを見たのは初めて」と話す。さらに広島、島根の両県でも、生息域外での捕獲や目撃が相次いでいるという。山口県によると、広島、島根両県を含む中国山地の生息域自体も拡大している。1998〜2001年度の調査では約5000平方キロだったが、06〜10年度の調査では約1.5倍の約7700平方キロに拡大した。推定生息数も480頭(98、99年度調査)▽520頭(04、05年度調査)▽870頭(09、10年度調査)−−と増加傾向にある。山間部の開発が進みツキノワグマが絶滅する恐れがあるとして、国は94年度から、山口、広島、島根の3県を含む17県で狩猟を禁止した。山口県の担当者は、これを生息域拡大の原因の一つとみる。さらに、研究者でつくるNGO「日本クマネットワーク」代表の坪田敏男・北海道大大学院教授(野生動物学)は「農村部の人口減や高齢化で、人とクマを隔てていた里山に手が入らなくなったことも影響している」と指摘。人が常に出入りする里山があれば、本来臆病なクマは人里には出てこなくなるという。坪田教授は「生息域が広がれば人間とのあつれきも大きくなる。生息域の境界付近で草木を刈って見通しを良くしたり、爆竹を鳴らしてクマをおびえさせるなど、山の計画的な管理を考える必要がある」と話した。
(ニホンザル、ライチョウ捕食:長野)
国の特別天然記念物ライチョウの研究者、中村浩志信州大名誉教授が31日、北アルプスでニホンザルがライチョウのヒナを捕食する画像を発表した。ニホンザルが高山まで生息域を広げてライチョウを捕食している実態は、登山者による報告はあったが、研究者が確認したのは初めて。環境省によると、ライチョウの生息数は、1980年代には約3千羽と推定されたが、2000年代には、2千羽弱に減ったとされる。長野県庁で記者会見した中村さんは「恐れていたことが現実に目の前で起きた。今後、ライチョウを食べる習性がサルに広がり、成鳥を集団で襲って捕食する可能性が高まった。早急に対策を講じる必要がある」と指摘した。中村さんらのグループは8月24~26日、北アルプスの常念岳―大天井岳一帯で、県の「ライチョウ生息実態緊急調査」を実施。25日に、東天井岳(2814メートル)の山頂近くで、ヒナ1羽が襲われている場面を撮影した。これまで、ライチョウの天敵はイヌワシやオコジョなど高山に生息する猛禽(もうきん)類や哺乳類とされていた。9月上旬にアイスランドで開かれる国際ライチョウシンポジウムで報告する。
(狩猟通じ「命」実感、ハンターが公開討論会:岐阜)
狩猟の楽しさや社会的役割を知る公開討論会「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」が30日、岐阜市柳戸の岐阜大で開かれ、県内外から約300人が来場。ハンターが狩猟生活を紹介するトークセッションなどがあった。狩猟人口の減少、有害鳥獣による農作物被害対策の一環で、環境省が主催し2014年から全国で開かれている。これまでに21都道府県で開かれているが、県内では初めて。県と県猟友会、岐阜大が共催した。福岡県糸島猟友会有害鳥獣捕獲隊員の牧裕晶さん(45)が猟法や肉の調理法について講演した後、県内外の30、40代で狩猟歴2~7年の若手と狩猟歴約40年のベテランが、ハンターになった動機を「ジビエ料理を食べてみたかった」などと紹介。「解体作業は大変だが、害獣に苦しめられている住民に頼られると誇らしい」「命をいただくありがたみが分かる」などと苦労や、やりがいを語った。企業など14団体は毛皮や剥製、狩猟グッズの展示、イノシシ肉のハンバーグなどジビエ料理の試食、狩猟模擬体験、狩猟免許取得相談など16ブースを出展した。現在、県内の狩猟者約4000人のうち約7割は60歳以上。県自然環境保全課は、今後の狩猟人口の大幅な減少を危惧している。
(九大ジビエハンター、食と命考える研究:福岡)
福岡市西区と福岡県糸島市にまたがる九州大の伊都キャンパスに、イノシシを捕獲する“ハンター”がいる。同大基幹教育院の安田章人助教(33)。野生動物と人間の共存が研究テーマで、毎朝、仕掛けた箱わなを軽トラックで見回る。九大着任後の2年間で捕獲した数は85頭。「キャンパスは職場でもあり、猟場でもある」。教壇では研究と狩猟活動の経験から、命を見つめる意味を問い掛ける。キジやタヌキ、アライグマといった多様な動植物が生息する伊都キャンパスでイノシシは厄介者だ。「部活動帰りの学生が鉢合わせした」「田んぼや畑が荒らされた」…。福岡県内で昨年度のイノシシによる農作物被害は4億円に上り、鳥獣被害全体の3割を占める。こうした状況に、狩猟免許を持つ安田さんは、九大に着任して間もなく地元の猟友会に入って、イノシシの足跡の見分け方、わなの仕掛け方を学んだ。今ではキャンパス内に10基の箱わなを仕掛けている。捕獲後は「すべて僕の胃袋の中です」と笑う安田さん。研究室の冷蔵庫には部位ごとに分かれた肉がびっしりと入っている。自らも解体するが、学生たちにも体験させて食育に活用している。「食べるために狩猟の方法を考え、感謝して食べる大切さを実感している」。現在、教え子の2人の女子学生が狩猟免許の取得を目指している。安田さんは兵庫県出身。京都大大学院アジア・アフリカ地域研究研究科の博士課程修了。常に現場に研究テーマを求めた。ツチクジラを食べる千葉県の町では、捕鯨国と反捕鯨国の意見対立に揺れる中、人の営みとして昔から捕って食べる当たり前の生活が残っていた。住み込んだカメルーンの村では、スポーツハンティングを基にした野生動物保全政策によって、観光客が増え、雇用が生まれた。一方で、狩猟区域に住む人々は銃を持つことを禁止され、農地が荒らされるなど暮らしが虐げられていた。長髪を束ねた安田さんは思う。「自然保護とは『善』だが、現場で起こっていることは単純なことではない。実際に体験してこそ見えてくることがある」。秋には、伊都キャンパスで子ども向けに体験観察会を開き、ジビエ料理を振る舞う企画を考えている。
(ハクビシンセミナー、専門家が捕獲法解説:岩手)
農作物の食害に加え、家屋侵入の被害が深刻化しているハクビシンの被害防止対策セミナーが7月30日、金ケ崎町のみどりの郷で開かれた。胆江地方の農家を中心に約60人が参加。野生動物の駆除を専門にする民間業者がハクビシンの生態や被害防止策などを講演し、わな捕獲など有効な対策の認識を共有した。セミナーは、県南広域振興局が主催、奥州市と金ケ崎町の各鳥獣被害防止総合対策協議会などが共催。仙台市に営業所を構える害獣・害虫駆除の民間会社コーテッツ(本社東京都)の内田翔取締役が「ハクビシンの生態と捕獲方法について」と題して講演した。講演ではハクビシンやアライグマの被害対策に詳しい内田氏が、ハクビシンの生態や家屋侵入による騒音や悪臭、ダニなどの被害が発生している事例を紹介。近年は空き家に潜むケースも増えているため、十分な対策が求められているという。内田氏は特徴的な家屋被害として、▽屋根裏に忍び込んで巣にする▽ふん尿で天井板や壁に染みを付け、悪臭をまき散らす▽屋根裏に断熱材があると巣にされる-などと説明。「家には雨どいを登って屋根裏などに忍び込むが、わずかな隙間から入り込む」「つがいですむケースが高く、繁殖しやすい環境になりやすい」などと指摘した。効果的な対策として侵入口を見つけてふさぐことを挙げ、「ただふさぐのではなく、害獣が二度と建物に入り込まないよう徹底した対策が望ましい」と語った。わなによる捕獲の際には▽足跡から獣道の付近に設置▽建物の壁際や物陰も有効▽餌はバナナやリンゴなど香りの強い食べ物を使う▽わなに誘導するために周辺に食べ物をまく-などのポイントも説明した。参加者のハクビシンの食害や捕獲に関する質問に答えた内田氏は「ビニールハウスの周りに動物が嫌がる忌避剤をまく。木酢液も効果がある」「わなに掛かりにくくなったと感じたら、場所や餌を変えてみる」などと語った。同振興局農政部農業振興課によると、管内の野生動物による農作物被害は年々減少しているが、生息数は増えているとみられる。ハクビシンは2010年度から増え続け、胆江地方ではブドウが狙われるケースが目立ち、電気牧柵の設置で被害を防いでいる。捕獲許可数も年々増加しており、14年度は過去最多の240件の申請があり、捕獲数は88頭だった。同課の担当者は「捕獲が難しい動物だが、こつがあるのでセミナーなどを通じて駆除に役立ててほしい」としている。
(イノシシ肉と丹波焼コラボ:兵庫)
篠山の特産品、イノシシ肉を使って丹波焼の器に盛りつけたフランス料理が9月1日から、神戸市中央区の「ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド」で提供される。和食器のイメージが強い丹波焼の器と、鍋料理の食材となることが多いイノシシ肉のフランス料理という斬新なアイデアで、丹波焼やイノシシ肉の新たな可能性や販路を探る。「丹波篠山 デカンショ節−民謡に乗せて歌い継ぐふるさとの記憶」で篠山市が日本遺産に認定されたことを受け、同ホテル、篠山市商工会などが、デカンショ節の歌詞にあるイノシシと丹波焼の組み合わせを企画した。同ホテルでは9〜11月の3カ月、地産地消グルメフェア「兵庫のテロワール〜五国の味めぐり〜丹波フェア」を開催。料理は、ホテル内のレストラン「ル・クール神戸」で期間中、コースディナー(1万3000円、税、サービス料別)の前菜「丹波天然イノシシとフォアグラのパヴェ カシス風味 リンゴと胡桃(くるみ)のサラダと共に」(単品では3000円、同)として丹波焼の黒の器に盛られて出される。料理を考案、調理したのはホテルの田中耕太郎統括料理長、器は悟窯の市野哲次さんが手掛けた。またイノシシ肉は専門店の「おゝみや」(大見春樹社長)が提供する。関係者は「一人でも多くのお客さんに新たな猪肉(ししにく)のおいしさと丹波焼の魅力を感じてもらえれば」と期待を寄せた。

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