<射撃ニュース10月>

10/13
(クマに襲われ、79歳男性けが:秋田)
11日午後3時15分頃、秋田県鹿角市十和田末広の山林で、近くの無職男性(79)がクマに襲われ、頭部を長さ約3センチにわたってひっかかれるけがを負った。鹿角署の発表によると、男性は同日午後から、1人でキノコ採りをしていた。目の前にいきなり現れたクマが、覆いかぶさるように襲って爪で一撃し、そのまま走り去った。立ち上がったクマは、大柄の大人ほどに見えたという。男性は負傷後、約600メートルの距離を自力で歩いて、入山地点に近い自動車工場に助けを求めた。工場長(53)は「男性は『クマにやられた』と話して、地面に座り込んだ。本人は『救急車はいらない』と言っていたが、顔面が血で真っ赤だったので、救急車を呼んだ」と話した。県警地域課によると、10日現在、クマの目撃件数は849件と前年同期の約2・7倍。年間を通じた件数でも過去10年で最も多い。また、クマによるとみられる死傷者は10日現在、前年同期より9人多い17人で、内訳は死亡4人、重傷5人、軽傷8人となっている。
(基準値超すセシウム、シカ肉から検出:埼玉)
県は11日、秩父市浦山で4日に捕獲したニホンジカ2頭の肉から、基準値を上回る放射性セシウムが検出されたと発表した。県みどり自然課によると、2頭のシカから検出されたセシウムはそれぞれ1キロ当たり360ベクレルと130ベクレルで、一般食品の基準値である100ベクレルを上回った。県はニホンジカの食肉を取り扱う事業者に対し、出荷・販売の自粛を要請するとともに、県民に対する注意喚起を行っている。小鹿野町と秩父市の二つの食肉処理業者が処理するシカ肉は、業者と県が二重の検査を行って安全性を確認しており、基準値を上回るシカ肉が出荷、販売されることはない。県は2011年の東京電力福島第1原発事故を受け、県猟友会などと協力して放射性物質による野生のイノシシやニホンジカへの影響調査を行っている。
(農業、災害対策にドローン:東京)
小型無人機ドローンを災害対策や農業、観光などに役立てようと、あきる野市は、庁内にプロジェクトチーム(PT)を発足させた。ドローン活用の指針や管理運営態勢を整え、職員の操縦研修も行う。PTには、防災を担当する総務、農業や観光を担う環境経済、企画政策などの部から十二人が参加。九月二十八日に一回目の会議を開き、ドローンの活用分野や、機体の所有に向けた管理・整備などの検討を始めた。災害時の状況把握や支援物資の搬送、畑への農薬散布、観光用の映像撮影などの活用を想定している。農業被害を及ぼす野生鳥獣の生息状況を調査する研究も計画。ドローンに搭載した赤外線カメラでシカやイノシシなどの生息域を把握するほか、超音波でサルなどを追い払う技術も検証する。市は三月、ドローンのシステム開発や人材育成をしているスカイシーカー(板橋区)など二社と合意書を交わし、西部地域の市施設を操縦者育成の研修場所に提供してきた。生息調査は市農業振興会やスカイシーカーなどと協力し、農林水産省の技術研究として三年かけて実施する。市役所で十二日に記者会見した沢井敏和市長は「市内には中山間地が広がり、鳥獣による農業被害が課題となっている。積極的なドローン活用や調査研究を行い、他の地域にも貢献できれば」と話した。
(乗用車とイノシシ衝突:栃木)
12日午後8時半ごろ、さくら市押上の市道で同市氏家、女性(32)の乗用車がイノシシと衝突した。さくら署が調べたところ、近くの道路側溝で体長約1・3メートルの死んだイノシシが見つかった。署はこのイノシシが女性の車と衝突したとみている。車は前部が破損したが、女性にけがはなかった。付近は水田地帯。
(ツキノワグマがわなにかかるも脱出:鳥取)
11日、鳥取県八頭町でツキノワグマがわなにかかっているのが見つかりました。しかし、クマはその後、おりから脱出し、逃げてしまったようです。鳥取県八頭町で11日午前6時半ごろ、わなを仕掛けた近所の人がおりの中にクマがいるのを見つけました。「おりに入っているのを見た時はちょっとびっくりした。(クマが)ガタガタおりをやっていたのは町の職員と一緒に確認した」(わなを仕掛けた桑村和夫さん)しかし、およそ3時間後に見たときにはクマの姿はなかったということです。このおりはイノシシやシカの対策として仕掛けられたわなで、中でクマが暴れたため、ロックが外れたとみられます。「(扉が)おりてしまうと上からロックがかかる」「こうなっているが、何かの拍子でここが外れた」おりのすぐ近くの柿の木には、爪のあとや食べ残した実がありました。八頭町ではクマの出没に注意を呼びかけています。
(ドングリ不作でヒグマが街に出没:北海道)
北海道の道北地方や道東地方で、ヒグマの餌となるミズナラの実(ドングリ)が不作になっており、冬眠を控えたヒグマが例年より多く市街地や農地に出没する可能性があるとして、道が注意を呼び掛けている。道などは2005年から、秋(10~12月)にヒグマの主な餌になるミズナラ、ブナ(道南地方のみ)、ヤマブドウ、サルナシの実の実り具合を調査、3段階で評価している。今年は道北と道東でミズナラのドングリが最低評価の「不作-凶作」で、ヤマブドウとサルナシも道東の一部で「不作-凶作」だった。道によると、12~15年秋の道内でのヒグマ捕獲数は140~173頭で推移。餌が不作だと、市街地や農地への出没は増える傾向があり、不作だった11年秋の捕獲数は322頭と、過去5年では突出して多かった。北海道の道北地方や道東地方で、ヒグマの餌となるミズナラの実(ドングリ)が不作になっており、冬眠を控えたヒグマが例年より多く市街地や農地に出没する可能性があるとして、道が注意を呼び掛けている。道などは2005年から、秋(10~12月)にヒグマの主な餌になるミズナラ、ブナ(道南地方のみ)、ヤマブドウ、サルナシの実の実り具合を調査、3段階で評価している。今年は道北と道東でミズナラのドングリが最低評価の「不作-凶作」で、ヤマブドウとサルナシも道東の一部で「不作-凶作」だった。道によると、12~15年秋の道内でのヒグマ捕獲数は140~173頭で推移。餌が不作だと、市街地や農地への出没は増える傾向があり、不作だった11年秋の捕獲数は322頭と、過去5年では突出して多かった。
(クマ目撃急増、注意呼び掛け:京都)
舞鶴市で今年9月末までにツキノワグマの目撃情報が122件に上っていることが12日、わかった。昨年は年間41件で約3倍に急増している。ツキノワグマは京都府のレッドデータブックで絶滅寸前種とされているが、同市は人が住む地域に現れた場合、有害鳥獣として捕獲のうえ、殺処分を進める方針という。同市によると、今月もツキノワグマの目撃は多発。10日午後5時半、同市満願寺の山すそでカキの木に登っているのが目撃されたほか、同日午後7時ごろには同市高野由里の路上に出没するなど1日で計3件の目撃情報があった。11日午前6時50分ごろに同市堂奥の民家裏で1頭、12日午後6時半ごろには同市吉野の橋で子グマ2頭が確認された。いずれも被害はなかったという。ツキノワグマの人里での出没件数には、エサとなるブナやミズナラなどの木の実(堅果類)の豊凶が大きく影響するといわれているが、府内の山間部で「凶作」の状況は把握されていないという。同市はツキノワグマが冬眠に向けてカキなどの果実を求め、出没しているとみている。府はツキノワグマを絶滅寸前種としているが、人に危害を加えることが危惧(きぐ)されることから、有害鳥獣として捕獲を許可している。同市は猟友会などと相談のうえ、人への危険につながりかねない民家の周辺に捕獲用のワナを設置しているが、現在、捕獲されたツキノワグマはいない。同市はクマへの対応を記したビラを配布し、メール配信サービスで目撃情報を発信するなどの対策を取っており、「クマを見かけたら興奮させないように」などと注意している。
(ツキノワグマ出没注意、ドングリ類が高地で凶作:岡山)
岡山県は、ツキノワグマの出没予測のため、主食のドングリ類について実施した本年度の生育状況調査の結果をまとめた。クマが生息する高地で実りが悪く、人里のある低地は豊作見込みのため、出現の可能性が高いという。
(クマ出没が増える可能性も:石川)
県内でことし多数、報告されているクマの目撃情報。これからの時期は、さらに、クマと出会う危険が高まるという。そのわけとは。ことし、各地で目撃されているツキノワグマ。5月には白山市でクマが民家に。秋田では4人が襲われて、死亡。こうした中、県内ではことし、目撃件数が210件と過去最多ペースになっている。そして、これからの時期は、さらに出没する可能性があるという。奥山にあるブナが凶作で、クマは餌を求めてコナラが豊作である里山の方に行動域を変化させていることも考えられるため、クマと人間との危険な遭遇の機会が増えることになるのだ。県では、クマ出没注意情報を出し、山に入る際は十分注意するよう呼びかけている。
(イノシシ侵入で棚田の稲全滅:神奈川)
秦野市のNPO法人「自然塾丹沢ドン会」(片桐務理事長)が復元・管理している棚田で収穫前の稲がイノシシに食い荒らされる被害に遭った。結成25周年を迎えた同会は15日に現地で開催する記念イベントで、今回の被害も取り上げて、人と野生動物の共存について考えたいという。同会によると、棚田は丹沢山麓の同市名古木の西沢にあり、2002年から復元活動をスタート。約千平方メートルから開墾を始めて約3500平方メートルまで広げた。130家族の会員らが毎年5月に田植え、9月に稲刈り、11月に収穫祭を行っている。昨年度はコシヒカリ約600キロを収穫して、米を釜で炊きカレーライスにして味わった。しかし、今年は初めてイノシシの大きな被害を受けた。8月下旬、周囲に張ったネットを破って複数頭が侵入、実った稲穂を食べ尽くしてほぼ全滅状態に陥った。会員が楽しみにしている秋の収穫祭も変更を余儀なくされたという。記念イベント「生物多様性緑陰フォーラム」(同市などと共催)は、中央大学教授の鷲谷いづみさんによる「保全生態学からみた里山の生物多様性のいま」の講演などが棚田近くの野外会場で行われる。片桐理事長は「被害は残念だが、近年各地で多発している野生動物による問題は人間に起因することでもある。今回、イベント参加者に被害の実態を知ってもらおうと、教材として棚田の一部を当時のまま残してある」と話している。県の集計では、昨年度の野生動物別の農作物被害では、イノシシが約35ヘクタール、約122トンで最も大きい。周辺では被害が繰り返され、耕作放棄に至るケースも少なくない。
(女性ハンター、猟も料理も:大分)
女性ハンター、いざ狩りへ-。大分県内の女性猟師23人が「女性猟師の会」(仮称)を立ち上げた。県によると、都道府県レベルの女性組織は全国3番目、九州では初。男性が圧倒的多数の猟師の世界に新しい視点を取り入れ、猟師のなり手の確保や、捕獲した獣肉を使うジビエ料理の普及に取り組む。会長の田北たず子さん(64)=同県豊後大野市緒方町=は「女性が連携すれば、きっといろいろなことができる」と張り切る。県森との共生推進室によると、猟銃やわな猟の免許を持つ女性は県内に57人(9月末現在)。農作物を荒らすイノシシやシカを駆除するため、農家の女性が免許を取得する例が多いという。県内の農産物被害額は2億6700万円(2015年)に上り、大きな打撃になっている。田北さんは、子どもが成人したのを契機に、36年間勤めた地元の病院を退職。自宅の畑で「憧れだった」という野菜作りに取り組む中で、周囲の農家が鳥獣の食害に苦しんでいることを知った。そのころ、妹の東藤さき代さん(60)=同市朝地町=も同じ病院を退職。「姉妹で役に立てれば」と、2011年に試験を受け、そろってわな猟の免許を取得した。すぐに、自宅や実家の周囲に、檻(おり)に誘い込む箱わなや、脚にワイヤを掛けるくくりわなを仕掛けた。初めての獲物はその3日後、約40キロのイノシシ。「先輩猟師に『あんたらうまいなあ、こんなすぐ捕れる人おらんで』とほめられ、うれしかった」(田北さん)という。それから5年。現在は2人合わせ約20カ所のわなで、イノシシやシカ、アナグマなどを年約50頭捕獲する。「ウジ」と呼ばれる獣道を見極め、手袋をしたり、極力肌が出ない服を着たりして周囲の草木に人間のにおいが付かないように仕掛けるのがこつだ。14年には、実家の敷地に獣肉処理施設「女猟師の加工所」を作った。仕留めた獣肉の販路が少なく、多くをそのまま廃棄せざるを得ない実態を知り、「獣の命を奪うのだから、きちんといただかないと申し訳ない」(東藤さん)と感じたからだ。「道の駅あさじ」(同市朝地町)などで精肉やハンバーグ、イノシシ肉の紅茶煮、シカのハツ(心臓)などを販売している。女性猟師の会は、2人の呼び掛けに応じて27~64歳の女性ハンターが集まり、8月末に設立総会を開いた。今後、獣肉の新たな産品や、家庭で作れる料理のアイデアを出し合って販路拡大につなげる考え。現在は使い道がない毛皮も装飾品などの商品化を探る。狩猟技術の向上にも取り組み、今月29日には、わな猟の勉強会を計画している。平均年齢48歳。田北さんは「もったいないの精神で、これまで目が向けられなかったことに知恵を出したい」、東藤さんは「わな猟は普通の女性でもできる。仲間を増やし、獣害減に役立ちたい」と話している。会の名称は公募し、現在候補の中から選考中という。
(信州ジビエを追う:長野)
長野県で捕獲された鹿やイノシシなど野生鳥獣の食肉である「信州ジビエ」の魅力を全国に発信するイベントが12日、東京・大手町のJAビルで開催された。野生鳥獣による農林業被害の阻止や、その肉の利活用の推進を目指すJAグループと、NPO法人「日本ジビエ振興協議会」が手を組み実現した。長野県の将来性豊かな産業・観光資源である信州ジビエがブランドとして「全国区」となる大きな一歩を踏み出した。JAグループがジビエに特化したイベントを東京で催すのは初めてだという。JAサイドには野生鳥獣の捕獲から加工、販路の確保まで一貫して取り組む「長野県モデル」を発信し、全国に広げていく狙いがある。この日は、「長野のジビエ&フルーツフェア」で、鹿のソーセージやモモ肉ブロック、ロース肉ブロックとともに、ジビエ料理と相性ぴったりの長野県特産のリンゴやブドウ、キノコなどが販売された。レジには信州の自然の恵みを抱えた大手町のOLや首都圏の主婦らで長蛇の列ができた。これと合わせて、茅野市のオーベルジュ「エスポワール」のオーナーシェフを務める藤木徳彦(のりひこ)日本ジビエ振興協議会理事長(45)が「秋ジビエをフレンチで味わう」と銘打った特別講座を開いた。藤木理事長は鹿肉を使ったローストと唐揚げの調理を実演しながら、ジビエの味や魅力を紹介。主婦やOLら約50人が特製の「ジビエ弁当」を味わった後、懸命にメモと写真をとりながら講座に耳を傾けた。参加した横浜市の主婦、吉野晶子さん(52)は「欧州在住時代にジビエ料理を知ったが、もっと身近な存在になりました。信州ジビエの魅力を周囲にどんどん伝えていきたい」と話していた。東京都杉並区内でコミュニティーレストランを営む舘野由利さん(55)も「長野県のキノコとジビエを合わせた料理をぜひメニューに加えたい」と笑顔で語った。藤木理事長は「1次(捕獲)と2次(加工)は長野県で完結させて3次(販売)を東京で展開し、信州ジビエを全国にどんどん普及させていきたい」と前を見据えた。JA長野中央会の担当者も「今回のイベントを通じて、中央から信州ジビエの名が一層広がっていくことに期待している」と話した。
(シカでご当地バーガー日本一:和歌山)
和歌山県古座川町とパン店「カワ」(本社・広川町)が協力して開発した「里山のジビエバーガー」が、鳥取県で9、10日に開かれたご当地バーガーの日本一を決める「とっとりバーガーフェスタ2016」で優勝した。ジビエバーガーは、古座川町鳥獣食肉処理加工施設で処理加工したシカ肉「古座川の清流鹿」を使用し、昨年10月からカワで販売している。フェスタでのグランプリを目指して改良を加えた。シカ肉と豆腐を使ったハンバーグなどを、みなべ川森林組合の備長炭パウダーを入れたバンズに挟み、シカ肉とトマトを煮込んだラグーソースと湯浅町の三宝柑を入れたマヨネーズソースで味付けしている。フェスタには、関東から沖縄までの30チームが参加。会場の各ブースでバーガーを販売し、審査員や来場者の投票で順位が決まった。ジビエバーガーは特に「地域性」が高い評価を受けた。全国的にも問題になっている鳥獣被害を、食材に活用することで少なくしようとしている点などが評価されたという。
(雄ジカの不妊手術開始、スタテン島で過剰繁殖対策:アメリカ)
6日付のNY1によると、シカが過剰繁殖しているスタテン島で、ニューヨーク市が対策として雄ジカの不妊手術を開始した。同島に生息するシカは1千頭近くとみられ、芝生や畑を荒らすなどの被害が増えている。車との衝突事故も昨年だけで50件起きており、また、シカがライム病の原因となるダニを媒介することも心配の種となっている。そこで、市とニューヨーク州は200万ドル(約2億700万円)の予算をかけ、コネチカット州のホワイトバッファロー社に委託し、雄ジカの不妊手術をすることを決定した。方法は、まず6〜12人のスタッフが麻酔銃で雄ジカを眠らせる。小さいシカは医療器具を備えたバンの中に運び込み、タグを付けた後、獣医や生物学の専門家が精管を切除する。大きいシカはその場でこの作業を実施し、いずれも元の場所に戻すという。同社のオーナー、アンソニー・デニコラ氏は「限られた選択肢の中、最も効率的かつ人道的な手段を選んだ」と説明する。「思ったよりスムーズに作業が運んでいる」といい、この1カ月で225頭の雄ジカに不妊手術を行った。市は何頭の雄ジカを対象にしているかを明らかにしていないが、対策は来春まで続くという。

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10/11
(野生動物の食材活用推進へ、法律改正案)
野生動物による農業被害の減少につなげようと、自民・公明両党は、捕獲した野生動物を食材として活用する取り組みを推進するとともに、その取り組みの支援を国や地方自治体に求めることを明記した法律の改正案をまとめました。農林水産省によりますと、野生動物による農業被害は、全体の7割がシカ、イノシシ、サルによるものだということで、被害を防ぐための法律が施行された平成20年以降も、被害額は毎年200億円前後で推移しています。こうした中、自民・公明両党は被害の減少につなげようと、法律の改正案をまとめ、捕獲されたあと埋めたり焼却したりされているシカやイノシシを中心に、食材として活用する取り組みを推進することを明記しました。また、国や地方自治体に対し、食肉などに加工する施設の整備や流通経路の確保などを支援し、衛生や品質を確保するための情報提供などを行うよう求めています。自民・公明両党は野党側にも協力を呼びかけ、議員立法として今の国会に提出し、早期の成立を目指すことにしています。
(クマ襲撃、83歳男性けが:宮城)
10日午前6時10分ごろ、仙台市泉区小角の七北田川沿いで、散歩をしていた近くに住む無職男性(83)がクマに襲われ、顔や脚にけがを負った。男性は市内の病院に搬送されたが、命に別条はない。宮城県警泉署によると、クマは体長約1メートル。男性が背後に気配を感じて振り返ったところを襲われて顔を引っかかれ、脚をかまれた。クマは七北田川方向に逃げたという。泉署が注意を呼び掛けている。
(クマに襲われ60代女性がけが:石川)
10日午前11時ごろ、金沢市の戸室山の登山道で、下草刈りをしていた同市の60代女性がクマに襲われ、右腕や左手をかまれるなどのけがを負った。女性は病院へ搬送され、命に別条はない。金沢中署によると、クマは体長約1メートルで、襲った直後に山中へ逃げた。地元の猟友会員や警察官ら約10人が付近でクマの行方を捜している。女性は同日午前8時ごろから、知人2人とボランティアで登山道の下草刈りをしていた。
(キノコ採りの男性、クマに襲われ軽傷:福島)
9日午前11時30分ごろ、下郷町の山林で、同町の男性(77)がクマに襲われた。男性は左腕や脇腹をかまれるなどして軽傷を負った。南会津署によると、男性はキノコ採りのため1人で山林に入ったところ、背後から体長約1メートルのクマに襲われたという。男性は自力で下山し、病院で手当てを受けた。県警によると、今年に入ってからのクマによる人的被害は、今回の男性を含め4件5人となった。
(クマに襲われ、顔や両腕に重傷:長野)
8日午前9時10分ごろ、大町市平の中綱湖東側の山中で、キノコ採りをしていた同市平、無職、金原利治さん(68)が熊に襲われ、顔や両腕を引っかかれるなどして重傷を負った。大町署によると、金原さんは自力で下山し、松本市内の病院に運ばれた。
(ツキノワグマの狩猟を20年ぶり解禁へ:兵庫)
全国で人がクマに襲われる被害が相次いでいることを受けて、兵庫県は、ツキノワグマの狩猟を20年ぶりに解禁することを決めました。ことし、全国各地で人がツキノワグマに襲われる被害が相次ぎ、環境省によりますと、4月から8月にかけて15の県で合わせて53人が亡くなったり、けがをしたりしています。兵庫県では、今のところ人的被害はありませんが、この数年、人里近くでもクマの目撃情報が多く寄せられ、県によりますと県内の生息数は20年前のおよそ10倍の940頭に増えているということです。このため、兵庫県は、人が襲われる被害が起きかねないとして、平成8年に禁止したツキノワグマの狩猟を20年ぶりに解禁することを決めました。狩猟期間は、冬眠前で動きが活発になる来月15日から1か月間で、生息数を減らしすぎないようハンター1人につき1頭の捕獲を許可し、県全体での捕獲数は140頭までとします。ツキノワグマは、絶滅のおそれがあるとして西日本を中心に22の都府県が猟を禁止していますが、解禁を決めたのは兵庫県が初めてだということです。兵庫県は、今回の決定をやむをえないとしていますが、これに反対する自然保護団体は「狩猟によってツキノワグマが再び絶滅の危機にひんする」として、6600人余りの署名を県に提出するなど反発を強めています。
(競走馬2頭射殺、被告に有罪判決:北海道)
日高管内新冠町の軽種馬牧場「競優(けいゆう)牧場」で2月末、競走馬2頭を射殺したとして、銃刀法違反(用途外発射)と動物愛護法違反(愛護動物の殺傷)の罪に問われた同牧場元経営者の無職榊明彦被告(61)の判決公判が7日、札幌地裁浦河支部であった。大川恭平裁判官は榊被告に懲役1年、執行猶予4年(求刑懲役1年)を言い渡した。判決理由で大川裁判官は「犯行は自己中心的で、愛護動物の生命の尊厳を軽視していた」などと断じる一方、「被告は社会的制裁を受け、被告の妻が今後の監督を誓っていて再犯の可能性は低い」などと述べた。判決によると、榊被告は2月27日午後9時半ごろから10時半ごろの間、牧場敷地内で、有害鳥獣駆除などのため所持していたライフル銃で飼育する競走馬2頭を射殺した。
(列車にイノシシが衝突:長崎)
JR九州によると、10日午後7時32分ごろ、長崎線の大草-本川内間で、長崎発佐世保行きの上り普通列車がイノシシと衝突した。車両にエア漏れの不具合が発生した影響で、同線のほか佐世保線、大村線のいずれも上下線に遅れが出た。衝突した列車は同9時21分、運転を再開した。
(クマ被害の鹿角「入山自粛を」:秋田)
キノコ採りシーズンの本格化に伴い、懸念される入山者とクマの遭遇を防ごうと、鹿角市と鹿角署、市猟友会などの約30人が3連休初日の8日、鹿角市十和田大湯の国道103号沿いでクマ被害防止の啓発を行った。この日は雨天で山に向かう人は少なかったが、通りかかった県内外の乗用車や軽自動車などに、「クマによる被害があった地域には近づかないで」と、入山自粛を呼びかけた。同市では今春、タケノコ採り中にクマに襲われたとみられる男女4人が死亡、6人が負傷している。ほぼ連日のようにクマの目撃があり、農作物の食害も多発した。市の担当者は「秋はクマが冬眠に向け、エサを求めて動きが活発になる時期」と話し、キノコ採りや山歩きで遭遇する可能性が高いと指摘している。この日、午前7時前から行われたチラシ配布では、停止してもらった車の運転者や同乗者に、「人を襲う習性のクマもいる。危険な状態は続いている」と、強い言葉で注意を促していた。
(130kgの巨大イノシシ捕獲:神奈川)
秦野市千村にある「千村生き物の里(日立ITエコ実験村)」の周辺で9月27日、有害鳥獣駆除としてしかけられたワナに、体重130kgの巨大なオスのイノシシが捕えられた。このワナは「くくりわな」と呼ばれるもので、直径12cmほどのワイヤーの中を踏むと、バネの力でワイヤーが締まり、動物を捉える仕掛け。今年は同地域周辺でイノシシの目撃例が相次いでいるため、被害を未然に防ごうと、9月中旬にワナが仕掛けられた。捕えられたイノシシは、神奈川県猟友会西秦野支部の会員らにより止め刺しし、処分された。
(南阿波サンラインにクマ?:徳島)
10日朝、牟岐町灘の南阿波サンラインでクマのような動物を見たとの情報が町や警察に寄せられた。足跡などは確認されていないが、町が警戒するよう呼び掛けている。現場はサンラインの第4展望台から美波町側に約500メートル進んだ場所。午前5時ごろ、ミニバイクで走っていた徳島新聞牟岐専売所の配達員が、約3メートル離れた場所を並走する体長約1メートルのクマらしき動物を見た。配達員は「体形が丸く、足もイノシシより太いと感じた」と話している。専売所が町と牟岐署に連絡し、町職員や署員が周辺を捜したが、見つからなかった。町は同日、防災行政無線で警戒するよう促した。町は今後、捕獲おりの設置などを県に相談する。
(ドングリ不作、クマ注意:北海道)
ヒグマの秋の主食とされるドングリ(ミズナラの実)が、道北や道東などで不作になっている。厚岸町内の山林で今月6日、森林組合の男性職員がヒグマに襲われ、けがをしたばかりで、道はヒグマが市街地や農地に出没する危険性があるとして注意を呼びかけている。道は、ヒグマが食べる実がなるミズナラ、ブナなどの生育状況を9月に調査した。調査結果によると、ミズナラは道東、道北のほか、石狩や胆振、留萌地域などでも不作。道南ではミズナラは例年並みだが、ブナは不作だった。ヤマブドウとマタタビ科のサルナシについては道東や道南など一部地域で不作、上川地方などの一部で豊作、道北では例年並みのところが多いという。今年8月の台風の影響で落果した実も多かった。道によると、過去5年間の10~12月のヒグマ捕獲数は、ドングリが凶作だった2011年が322頭。例年並みか不作だった12~14年は約170頭で推移した。凶作だった15年の捕獲数は140頭だったが「サケやマスの遡上そじょうが多い年だったので、ほかに食べ物があったと推測される」(道の担当者)という。道は、10月末までを「秋のヒグマ注意特別期間」に設定。〈1〉ヒグマ出没の原因となる生ゴミを放置しない〈2〉足跡やフンを見つけたら市役所などに通報する――ことを呼びかけている。
(県内「クマ目撃」が2倍:福島)
県内で今年1~9月に寄せられたクマの目撃情報が前年同期比173件増の351件で、昨年の約2倍に上ることが7日、県警のまとめで分かった。人的被害は同2件1人少ない3件4人だった。県警は、クマが冬眠準備で餌を求めて活発に行動する10月から11月にかけて人的被害の危険性が高まると指摘。「クマと出合ってからの対策ではなく、予防、抑止が重要」としている。まとめによると、今年最も多くの目撃情報があったのは福島市で82件(前年同期比32件増)、次いで猪苗代町44件(同24件増)、会津若松市36件(同20件増)、喜多方市31件(同20件増)だった。昨年は目撃情報のなかった浪江町、葛尾村、相馬市でも計5件あった。環境省が7日までに発表した県内の4~8月のクマの有害捕獲数は、すでに昨年度の138頭を超える170頭となっている。県野生動物調査専門官の溝口俊夫さんは「今年はクマの大量年。山での山菜採りやキノコ採りは控えてほしい」と注意を呼び掛ける。環境省によると、東北地方では宮城県を除き、各県で捕獲数が増加。人身被害も岩手県や秋田県では昨年度を上回るペースで相次いでいるという。溝口さんによると、今年は全国的にクマの好むブナが凶作で、クマが冬眠に向けて餌をためるこれからは、山から下りてくる可能性が高まってくるという。溝口さんは被害防止の有効手段として、里山や市街地に放置されている柿の木や栗の木を切っておくことを挙げる。クマが寄ってくる原因となるものを少しでも排除するためだ。ここ2、3年は、牛舎や養鶏場の餌を狙った被害もあるという。溝口さんは「クマが好むものを把握し、リスクを減らすことで、クマに『ここでは餌は得られない』と諦めさせることが大事」と指摘した。
(鳥獣被害総額4000万円減:三重)
県は七日の県議会環境生活農林水産常任委員会で、野生鳥獣による農林水産業への被害総額が二〇一五年度は五億千七百万円になり、前年度から約四千万円減ったと報告した。四年連続の減少で、県は捕獲頭数の増加や進入防止策の整備などが奏功したとしている。被害総額は、あらかじめ設定した「五億三千三百万円以下」との目標を達成。農業と林業、水産業のいずれも前年度を下回った。被害が多いイノシシとニホンジカ、ニホンザルの捕獲頭数は、前年度を約五千三百頭上回る計三万八千六百頭だった。狩猟とは別に、市町が認可した「有害鳥獣捕獲許可」による捕獲数は二万三千八百頭と前年度から約六千三百頭増えた。水産業に被害をもたらすカワウの捕獲数は前年度並みの六百三十六羽だった。獣害対策課は「集落の代表者への調査では、住民が獣害が減ったと感じられるまでには至っていない」として、今後も捕獲や柵の整備を進める。
(ハンター養成学校入校ルポ:長野)
長野県が、鹿やイノシシなどの野生鳥獣による農林業への被害を食い止めようと開設した「ハンター(狩猟者)養成学校」の狩猟セミナー「わな講習」が、長野市内で開かれた。生徒として参加した記者は、「わな」の取り扱い方から実際に山中で仕掛けるまでの手順を学んだ。猟師の間で「人と獣のだまし合い」と称される神経戦を制するのに不可欠なのは、「見えない獲物」を想像する推理力と、丁寧かつ的確にわなにはめる知恵だった…。講習の教材となったのは、県内でも多くの猟師たちが愛用している「笠松式くくりわな」。直径4ミリの鉄製ワイヤで囲った20センチ四方の踏み板を動物が踏むと、ワイヤが跳ね上がり、同時にバネの力で動物の足にワイヤが締まる仕組み。「わな猟は目の前に獲物がいない猟だ。鹿やイノシシが歩いている姿を想像して仕掛けるんだぞ」そう言ってくくりわなを手にしたのは、わな講習で講師を務めた長野地方猟友会の小山英雄さん(77)だ。40年以上も狩猟に携わる小山さんは「あそこが獣道だ」とささやき、記者の目には雑木林としか映らない里山の斜面を足早に上って行く。まずは、推理力が試される。わな猟は、獲物の「足跡」や「糞(ふん)」、獣が土中の虫を食べた痕跡たる「食痕」を見つけ、わなを仕掛ける獣道を特定するという「鑑識」や「探偵」のような作業に取りかかった。獣道に「当たり」をつけるといよいよ、くくりわなの設置に入る。ここからは、人間の知恵が最強の“武器”になる。さっそく、ゴム手袋と軍手を身に付けた。人間の臭いがわなに移ると、嗅覚が鋭い獣たちに察知されてしまうためだ。ワイヤの片方を近くの木にくくりつけた後、地面を5〜10センチ掘り、わなを埋める。掘り返した土は、別の場所に運んで捨てる。獣道に不自然な盛り土があれば、動物が警戒して寄りつかないからである。最後に、わなの上にカムフラージュのための土や葉をかぶせて完成だ。太い木の根や石が埋まった地面を掘るのは容易ではなく、一連の作業に約10分要した。ちなみに、県内の狩猟期間(11月15日〜翌年2月15日)前だったため、安全ピンは装着したままにした。わなには、このほか、餌を仕掛けた檻(おり)の中に獲物をおびき寄せる「箱わな」もある。1人のハンターが同時に設置できるわなは、最大30個までと鳥獣保護管理法で定められ、原則として自ら見回りができる数しか仕掛けてはならない。凶暴化するクマや大量捕獲可能な鳥類をわなで捕らえるのも、法で規制されている。事故や乱獲を防ぐための措置だ。くくりわなを丸太で押すと、「バンッ」という大きな音とともにワイヤが締まり、木に巻き付いた。ワイヤをどれだけ引っ張っても、びくともしない。通常ならハンターは、なわにかかった獣を見つけ次第、銃などで息の根をとめる「止刺(とめさ)し」を行う。捕らわれの身となって荒れ狂う鹿やイノシシに突進され、大けがをする事故も起きており、獣に無用な苦痛を与えないために迅速、的確な止刺しが求められる。ここでも“締め”が肝心だ。銃などの武器を使わず、人類が古来続けてきた狩猟の原点たる「わな猟」の魅力を肌で感じ取った。信州の豊かな農産物に安寧をもたらす担い手が、増えていくことに期待したい。
(環境省がクマの被害を防ぐパンフレットを公開)
相次ぐクマの事故を受けて、環境省がクマの被害を防ぐパンフレットを公開しました。パンフレット「豊かな森の生活者 クマと共存するために」は、クマの特徴や分布などを紹介した上で、クマに出会わないための行動、出会ってしまった時の対策などを掲載しています。報道によれば、今年は県によっては昨年を上回る件数のクマ被害・目撃情報が報告されているとのこと。環境省のパンフレットでは、クマとの事故が発生した場所の多くが、住宅地や農地よりも森林などクマの生息地で発生していると述べています。目撃・出没情報のあったところには近づかない、音の出るものを身に着けるといった対策がクマに遭遇しないために有効だそうです。もしクマに出会ってしまったら、クマとの距離やクマの動きなどによって慎重な行動を取る必要があるとしています。距離が離れている場合はゆっくりと静かに立ち去る、距離が近い場合はクマから目を離さずにゆっくりと静かに後退する、クマとの間に障害物がくるようにするなど状況に応じた対応が紹介されています。クマと出会ったときの詳しい対処法は公益財団法人知床財団のマニュアルでも見られます。春と秋は事故も多くなる傾向にあるようなので対策を知っておくといいでしょう。

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10/7
(厚岸でクマに襲われ男性けが:北海道)
6日午前、厚岸町内片無去(かたむさり)の山林で町森林組合職員の男性がクマに襲われけがをしたことを受け、現場周辺では、警察や地元の猟友会員が出動し、普段はのどかな酪農地帯が一時、ものものしい雰囲気に包まれた。今年の道内で、クマに襲われて負傷者が出たのは初めて。厚岸署や町は付近の住民に注意を呼びかけている。「襲われた男性は(森林の)測量のため森に入り、脚と手をかまれた」。一報を受けて、現場にかけつけた北海道猟友会厚岸支部の根布谷(ねぶや)昌男さん(63)は、被害の状況を淡々と語った。厚岸署によると、けがをしたのは町森林組合職員の吉田拓白(たくしろ)さん(40)。吉田さんは道道厚岸昆布森線の北側に広がる山林で1人で作業中に、クマに襲われた。吉田さんは首や右手、右足をクマにかまれてけがをしたが、意識はあり、命には別条はないという。吉田さんは自ら、町森林組合に電話で連絡し、同組合が119番。すぐに道猟友会厚岸支部などが現場近くを捜索したが、クマは見つからなかった。現場に残された足跡から、クマは体重200~300キロの成獣とみられる。町などは当面の間、現場付近をパトロールして警戒を呼びかける。町内では昨年2月、上尾幌の国有林で作業中の男性がクマに襲われ、重傷を負っている。現場近くで働く酪農関係者(47)は「ここら辺はクマの通り道。人がクマのいるところに住んでいるから仕方がないが、出合い頭で遭遇してしまうと危ない」と漏らした。
(イノシシ用ワナにクマ、逃がそうとした猟友会員重傷:長野)
5日午前9時50分ごろ、長野県栄村堺の山林を通る私道で、同村北信、猟友会会員、上倉誠一さん(71)が、イノシシ用の檻(おり)から飛び出した体長約1メートルのツキノワグマに襲われた。上倉さんは長野市内の病院に搬送されたが、顔や腕をかまれるなどし、右腕を骨折する重傷を負った。
(イノシシにかまれ夫婦が重傷:福島)
6日午前10時半ごろ、福島県塙町片貝の畑で、近くに住む農業岡崎昭太郎さん(83)と妻カネ子さん(81)が、わなに掛かっていたイノシシにかまれ、太ももやすねなどに重傷を負った。イノシシは同日午後1時半ごろ、地元の猟友会に射殺された。棚倉署によると、イノシシは体長1・4メートルの雄。カネ子さんが近所の住民に助けを求め、2人は病院に搬送された。
(アナグマ捕獲数が10年で40倍超:鹿児島)
鹿児島県内でアナグマの捕獲数が急増している。2015年度は4354匹と、100匹だった05年度の40倍超。田畑を荒らす農業被害だけでなく、街中で飲食店の残りかすをあさっているケースも少なくない。猟師の捕獲意欲の向上につなげようと、食用に加工する動きも出始めた。捕獲が増えていることについて、鹿児島国際大学の船越公威教授(哺乳類学)は「アナグマは冬眠するが冬も活動する個体がいる。生息数・域が拡大しているかは分からないが、気候が暖かいなど県内全体がアナグマにとって生活しやすい環境になっているのかもしれない」と推測する。アナグマは体長65~85センチで県内に広く生息。とがった鼻と短い尾が特徴だ。狩猟期間外は、市町村の依頼を受けた猟友会員が有害獣として捕獲している。
(ニホンジカの効率的捕獲を:長野)
急増するニホンジカの効率的捕獲に向け、県松本地方事務所(松本市)は、筑北村坂井で「囲いわな」と「括(くく)りわな」による捕獲の実証事業を始めた。シカが好む餌や岩塩を置いて誘い込み、捕獲実績の向上を目指す。同村猟友会坂井支部と県の認定鳥獣捕獲事業者が協力し、二〇一七年三月上旬まで続ける計画だ。実証事業は定期給餌でシカをおびき寄せ、遠距離からスコープ付ライフル銃で捕獲した一五年度の誘引狙撃に次ぐ事業。冬季の給餌による誘引効果は実証できたが、警戒心の強いシカが餌場を放棄するなどしたため、誘引わな猟の効果を試すことになった。初日は、JR篠ノ井線・冠着駅西の休耕地に囲いわなを設置した。シカの群れは、松本市郊外の美ケ原高原などから北へ侵入する傾向が確認されており、同村一帯は農業被害が激増している。北の冠着山を越えれば、長野地域や北アルプスにも入る危険があるため、同所は被害拡大を防ぐ重要な“砦(とりで)”でもある。設置作業には、同地方事務所林務課職員と認定事業者が参加。縦、横各二十メートルの方形に二メートルの支柱を約三メートル間隔で計二十八本立て、ナイロン製ネットで囲んだ。中にはシカが好む餌と岩塩などの誘引材を置く。また、周囲に誘引状況を確認するためのセンサーカメラを設置した。シカにセンサーが反応すると、画像がメールで送られる情報通信技術も導入。見回り回数が減り、捕獲労力や経費も削減できるという。括りわなは、猟友会の協力で約百カ所に設置する。半数の約五十カ所にはシカの好物を置く計画で、同課の担当者は「誘引餌の有無や種類、置き方による捕獲効果を比較したい」と話した。
(クマ被害を防止へ、県が緊急対策会議:富山)
県は6日、上市町で4日にツキノワグマが出没して男女2人が軽いケガをした事故を受け、緊急対策会議を開いた。富山市の県民会館で開いた会議には、県や県警、市町村などから47人が参加。県自然保護課が、今年は県東部でクマの主食となるドングリが凶作で柿やギンナンを求めて人里に下りてきており、今月は6日までに、昨年10月1か月間の12件を上回る16件のクマの目撃や痕跡情報が寄せられていると報告した。会議では、クマ被害を防ぐ対策として、柿やギンナンなどクマの餌となるものを早めに収穫することや、生ゴミを適正に処分すること、家屋への侵入を防ぐため住宅や倉庫の戸締まりを徹底することについて、住民に注意を呼びかけていくことを確認した。
(福祉施設付近でクマ目撃:新潟)
6日午後5時半ごろ、五泉市中川新の障害者施設「いずみの里」から約10メートルのところにクマ1頭がいるのを施設の出入り業者が見つけ、施設を通じて五泉市役所に通報した。五泉署によると、クマは体長約90センチで、山の方に逃げた。
(地域挙げ柵や捕獲、シカ害対策を学ぶ:群馬)
群馬県の多野藤岡地域の農林業者を対象としたシカの被害対策セミナー(県主催)が5日、神流町万場のコイコイアイランド会館で開かれた。講演などで関係者85人がシカの生態を学び、最新の被害対策について理解を深めた。
(女性を誤射、75歳の男起訴:徳島)
徳島地検は5日、狩猟中に誤射して女性を死なせたとして、那賀町海川の無職男性(75)を業務上過失致死罪で起訴したと発表した。起訴は2日付。起訴状などによると昨年8月29日、那賀町海川の山中の農道でサルの駆除をしていた際、近くに住む女性(当時82歳)を誤って散弾銃で撃ち、死亡させたとされる。県警が今年2月に書類送検していた。
(イノシシ料理で備中地域活性化:岡山)
高梁川流域などの飲食店が参加して、イノシシ肉を使ったジビエ(狩猟肉)料理のオリジナルメニューを競うユニークな「備中ジビエ料理コンテスト」が10月末まで行われている。
(鹿・牛・カモのロースト食べ放題:東京)
西池袋のジビエレストラン「Bistro&Cafe AQUA」が現在、「自家製ロースト3種(鹿・牛・カモ)」の食べ放題企画を期間限定で実施している。北海道函館直送のエゾ鹿肉をさまざまな調理法で提供する同店。塊で仕入れた肉を毎日、店のオーブンでじっくりローストし提供しており、中でも「鹿ロースト」は同店の鹿料理の中でも「一番人気」だという。

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10/6
(建設業者、鳥獣捕獲等事業者に:北海道)
苫小牧市松風町の建築業、大新(門間秋雄代表)が、市内の事業所としては初めて、道認定の鳥獣捕獲等事業者となった。道の指定管理鳥獣捕獲等事業を受託する形で、農林業被害をもたらすエゾシカを個体数管理のため、鳥獣保護区や国定公園内で銃器やわなを使って捕獲する。環境省の補助金を活用し、今秋、事業に着手する予定で、門間代表(67)は「環境保全へ力を尽くしたい」と意気込む。認定鳥獣捕獲等事業者制度は、近年増加中のエゾシカを含むニホンジカやイノシシによる農林業や生活環境への影響を抑えるため、2014年に整備された。環境省によると、1978年から2014年までの36年間でニホンジカの生息域は約2・5倍、イノシシも約1・7倍に拡大し、農作物や森林資源への食害が深刻化している。道内を除くニホンジカの推定生息数は13年度で305万頭に上り、23年度にはその約2倍まで増加するとの試算もある中、「新制度は、ハンターの高齢化もあり減少した狩猟の担い手を確保する目的もある」(鳥獣保護管理室)。門間代表は長年、趣味で狩猟を行い、建築業を営む傍ら道内各地でエゾシカを捕ってきた。現在は北海道猟友会苫小牧支部の副支部長。5~7月に市内で安全講習会を受講後、エゾシカの生態や心肺蘇生、けが人の搬送方法などについての試験に合格。8月下旬に認定を受けた。エゾシカの捕獲等事業には門間さんを含めた大新の作業従事者18人で参加する見通し。道によると、ニホンジカの亜種であるエゾシカの道内推定生息数は15年度で47万頭。環境の変化や駆除などにより10年度の66万頭から大幅に減ってはいるものの、「まだまだ数は多く、農林業の被害は後を絶たない。適正数まで減らす必要がある」(エゾシカ対策課)。道は10月中にも、初の指定管理鳥獣捕獲等事業の入札を実施予定。これまでハンターが立ち入れなかった鳥獣保護区や国定公園でエゾシカの捕獲を進める。捕獲したエゾシカはできるだけ有効活用するため、食肉やペットフードとして利用する体制を整えたい考え。道が鳥獣捕獲等事業者として認定しているのは9月末現在、同社を含め13社。門間代表は「腕自慢ではなく環境を守るために狩猟者として積極的に社会貢献したい」と意気込む。
(クマに襲われ相次ぎ負傷:長野)
県内で4~5日、男女2人が熊に襲われて相次いで負傷した。4日午後5時ごろ、飯山市瑞穂豊の精米会社の敷地内で、近所に住む同社社員、丸山春代さん(61)がツキノワグマに襲われた。頭を引っかかれてけがをした。飯山署によると、丸山さんは屋外で犬の世話をしている時、体長約1メートルの子熊を目撃した。屋内に逃げようとしたところ、後方から襲われた。近くにいた丸山さんの夫ら数人が追い払ったという。また5日午前9時50分ごろ、栄村堺の泉平グラウンド南西側私道で、近くの農業、上倉誠一さん(71)がイノシシ捕獲用の檻(おり)に掛かっていたツキノワグマを同村職員らとともに逃がす作業をしていた際に襲われた。上倉さんは頭から頬にかけて引っかかれたうえ右腕骨折の重傷を負い、長野市内の病院に運ばれた。熊はそのまま逃げた。飯山署によれば、熊は体長約1・2メートルの成獣とみられる。署員が捜索したが発見されなかった。
(シカさん守る宇宙の目、運転者に警告アプリ:奈良)
奈良市・奈良公園周辺の鹿を交通事故から守ろうと、車が事故多発地点に近づくとドライバーに音声で注意を促すスマートフォン向けアプリを、三井住友海上火災保険(東京)が無料で配信している。鹿が街中で共存する奈良。保護団体によると平均で年間約90頭が事故の犠牲になっている。事故を減らして保険金の支払いを抑えるとともに、生物を守る社会貢献も図る。
(クマ、目撃情報相次ぐ:宮城)
仙台市泉区で4、5の両日、クマの目撃情報が相次いだ。学校施設での目撃もあり、泉署などが注意を呼び掛けている。午前1時半ごろ、仙台市加茂中のフェンスを体長約1メートルのクマ1頭がよじ登っているのを通行中の男性が目撃し、110番した。泉署は同校や地元猟友会と協力し、午前5時15分から学校敷地周辺を捜索したが、クマは見つからなかった。同校は午前6時すぎ、保護者らに電子メールで注意を促し、登校時には教職員が通学路に立って警戒に当たった。千葉仁教頭は「この付近でクマの目撃は聞いたことがない」と話し、下校時も注意するよう生徒に呼び掛けた。泉区では午前5時45分ごろ、根白石行木沢の民家の庭で親子とみられる3頭がクリの実を食べているのを住民が目撃。4日午後9時20分ごろには、長命ケ丘東の泉館山高付近で体長約1メートルの1頭がコンクリート壁をよじ登ろうとしているのが見つかった。市によると、4~9月のクマの通報件数は212件で、前年同期(88件)を大きく上回る。9月の1カ月間だけでも59件に上った。市環境共生課は「今秋はクマの主食のブナの実が凶作で、人里近くのクリの木などに出没していると考えられる」と指摘。山の周辺では、クマが活発に動く早朝や夕方の外出を控えることなどを呼び掛けている。県内では5日、仙台市青葉区芋沢、大崎市古川北宮沢でもクマの目撃情報が寄せられた。
(クマ目撃、市道横切る:福島)
5日午前5時ごろ、福島市在庭坂字原ノ内の市道でクマを目撃したと、同市の50代男性から福島署に通報があった。同署によると、男性がミニバイクで走行中、体長約1メートルのクマが市道を横切ったという。男性は新聞配達中だった。
(クマ人身被害10月突出:山形)
県内で2010年以降、人がクマに襲われてけがをする事故の半数以上が10月に起きていることが、県の調べで分かった。秋は、クマが冬眠に向け、餌を求めて活発に動き回る時期。行楽やキノコ採りの最中に遭遇する恐れがあるほか、人里に出没する危険性もあり、県などが注意を呼びかけている。県みどり自然課によると、10~15年に、クマに襲われたのは23人。うち10月は半数以上の12人に上った。9月は4人、11月は3人と、9~11月が計19人となり、特に被害が集中している。状況別では、19人のうち最も多かったのはキノコ採り中の8人、続いて自宅敷地内での被害が4人だった。今年は県内全域で餌となるブナの実が凶作で、クマが人里に現れる恐れが高まっている。ブナが凶作だった10年(9~11月)は10人、12年(同)は5人が襲われた。逆に豊作だった15年(同)は被害が出ていない。県警によると、今年のクマの目撃・出没の情報は、9月までに659件。統計を取り始めた06年以降、年間最多は12年の515件だったが、今年はすでにこれを大幅に上回り、昨年同期の2・5倍となっている。県警は、自治体や自衛隊などで組織する県山岳遭難対策協議会と連携し、クマの注意喚起に特化したポスターを初めて作り、警戒を強めている。県みどり自然課は〈1〉山や林に入るときは複数人で〈2〉出没情報があった場所に近づかない〈3〉ラジオや鈴を身に付けて存在を知らせる〈4〉遭遇したら背を向けずにゆっくり後退する――ことなどを呼びかけている。
(クマ出没増、クマに遭遇時の対処法は?:埼玉)
今年に入り、秩父地域などでクマの出没が多発している。クマによる人の負傷事故が今年は既に2件発生。県内の負傷事故は過去10年間で計2件しかなく、本年度は突出している形だ。県の統計によると、クマの出没件数は隔年ごとに増える傾向があり、傾向通りなら本年度は多い年度に当たる。クマは冬眠前の秋に、餌を求めて行動範囲が広がり人里に出没することも。紅葉狩りや登山など秋の行楽シーズンが本格化し、県などは注意を呼び掛けている。県みどり自然課によると、8月末現在、県内のクマの出没件数は40件(2015年度同期比31件)で、15年度1年間の36件を既に超えている。月別では、4月が3件、5月が10件、6月が8件、7月が9件、8月が10件。クマは秩父市や小鹿野町など県北西部の山間部を中心に生息しているという。秩父市での目撃情報は27件(9月29日時点)で、15年度の17件を既に超えた。5月23日には小鹿野町の両神山の登山道で、男性が後方から体長約1メートルの子グマに襲われて転倒し、顔などを爪で引っかかれて軽傷を負った。8月7日には秩父市荒川上田野の若御子神社近くの遊歩道でハイキングをしていた男性が洞穴をのぞいたところ、中から出てきた体長約1メートル50センチのクマに襲われ、クマと共に崖から転落しけがを負った。さらに9月1日、秩父市大滝の県立大滝げんきプラザで、敷地内に設置したおりのわなでツキノワグマが捕獲された。げんきプラザは屋外にあるごみ集積場が荒らされたため、わなを設置していたという。クマは地元猟友会によって殺処分された。同課は8月11日の「山の日」に合わせて注意を呼び掛けるチラシ700枚を作製し、秩父市や小鹿野町などの山道入り口などで配布。秋の行楽シーズンに向けて6千枚作製し、駅や観光案内所などに置いて注意喚起している。県内のクマ出没件数は隔年ごとに増減があり、傾向通りなら本年度は多い年に当たる。県環境科学国際センター自然環境担当の角田裕志さん(37)によると、隔年ごとに増減する理由ははっきりと分かっていない。ただ、餌となるドングリが凶作なら、クマは冬眠前の秋に餌を求めて行動範囲が広がり、人里に出没することもある。角田さんは「ハイキングやキノコ狩りなどで山に入ることも多くなる時期。行く前に自治体の情報などを確認してほしい」と話す。同課によると、クマと出合わないようにするには「クマ鈴」や手をたたいて音を出すなど、自分の存在を知らせることが重要。出合ってしまったら、大声を出したり走って逃げたりせず、ゆっくり後退してその場から離れることが大事という。同課は「まずはクマに出合わないことが一番」と注意を呼び掛けている。
(野生鳥獣、名物料理に:秋田)
佐竹敬久知事は4日の秋田県議会総括審査で、生態系への影響が懸念される野生鳥獣への対策について「捕獲して名物料理にすればいい」との考えを披露した。県内では近年、生息しないとされていたイノシシの目撃が相次いだり、県版レッドデータブックで「絶滅種」に指定されるニホンジカの食害が問題視されたりしている。質問した佐藤信喜氏(自民)は白神山地を挙げて生態系への影響を懸念し、被害が拡大する前に積極的に対策を行うよう求めた。佐竹知事は、イノシシやシカの肉は美味だとし、「捕獲して名物料理にすればお金になるから、捕獲する側もやる気が出る」と一石二鳥を主張。「地域には『やれ』と言っている。冗談ではないですよ」と強調した。料理を趣味とする佐竹知事ならどう料理する?
(いしかわ森林環境税「継続すべき」:石川)
里山の整備などに活用されている「いしかわ森林環境税」について、有識者らでつくる評価委員会は今後も「継続すべき」とする意見をまとめた。森林環境税は県民1人あたり年間500円を負担していて、手入れ不足の森の間伐などの事業に活用されていたが、課税期間が今年度で終わることになっている。5日の委員会では、これまでの取り組みを評価し、「継続していくべき」とする意見で一致した。新たな課題としては放置されている竹林の拡大や里山の荒廃によるクマやイノシシの出没などが挙げられ、森林環境税を活用して対策を進める方向性が示された。今後は県民からの意見も募集し、11月に最終案を取りまとめる。

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10/5
(狩猟の担い手へ支援制度の創設を検討:秋田)
狩猟に携わる人が10年で4割以上も減少する中、クマによる人や農作物への被害が相次いでいます。佐竹知事は、狩猟の担い手を増やそうと来年度新たな支援制度の創設を検討していることを明らかにしました。県内で狩猟者登録をしている人は10年前には3000人近くいましたが、昨年度は1600人あまりと10年で4割以上減少しています。狩猟免許を取得するためには、1人当たりおよそ28万円の費用がかかります。佐竹知事は、「来年度にむかって何らかの支援措置をできないか。例えば銃を買うのであれば、いくらか支援する。あるいは免許の取得、訓練もある」と述べ、狩猟の担い手を増やすため、来年度新たな支援制度の創設を検討していることを明らかにしました。
(死亡2万円、野生動物傷害で見舞金:埼玉)
埼玉県神川町は今月から、近年多く出没するようになったイノシシやニホンジカなどに襲われてけがをした町民を対象とする「野生動物傷害見舞金制度」を始めた。町によると、こうした見舞金制度を設けたのは全国の市町村で初めて。
(イノシシが衝突しダイヤ乱れる:福岡)
3日午後11時40分ごろ、JR福北ゆたか線の筑前山手-篠栗間で、イノシシが下り普通列車と衝突。このため、同線のほか、鹿児島線もダイヤが乱れた。
(市街地にエゾシカ:北海道)
通勤時間帯、真っただ中の4日午前8時すぎ、北海道・稚内駅に近い市街地の中心部に2頭のエゾシカが。大きな角が生えた立派なオスが、悠然と草をはむ姿に、観光客はビックリ。観光客は、「驚きました。こんなに近くで見たのは初めてです」と語った。背中にカラスがとまっても、全く気にしない様子のシカは、道路を横切って、さらに住宅街に。いつの間にか3頭に増えていたが、市民は、全く気にしていない。地元の人は、「そうですね。(エゾシカを)よく見ます」と話した。警察によると、市内には、よくシカが現れるということで、交通などに支障がないかぎり、静かに見守っているという。
(クマ捕獲370頭、過去3番目:秋田)
秋田県内のクマの捕獲数が本年度、過去10年の最多をすでに上回る370頭に上ることが、県のまとめで分かった。統計のある1963年度以降でみても3番目の多さ。人身被害が多い10月を迎え、県は「キノコ採りなどの際は十分注意を」と呼び掛けている。県自然保護課によると、370頭は全て射殺で、9月15日時点での集計。個体数を調整するため春先に計画的に行う捕獲が19頭で、残る351頭は住宅地や農地の近くに出没した場合に市町村からの申請を基に県が許可する「有害駆除」だった。63年度以降、年間の捕獲数が400頭を超えたのは86年度(415頭)と2001年度(420頭)の2度しかなく、本年度はこれらに迫る。7月に70頭、8月に184頭、9月前半に50頭と夏場にピークを迎えたが、例年、10月前後まで捕獲例があるという。捕獲場所を県内8カ所の県地域振興局別にみると、北秋田が104頭と突出して多く、仙北64頭、鹿角51頭、雄勝41頭と続く。同課によると、クマの食物となるブナなどの実が豊富だと、翌年に捕獲数が増える傾向がある。昨年は栄養環境に恵まれ、子グマが多く生き延び、個体数が増えたことなどが理由として考えられるという。
(手負いサル、熱海市が救援へ:静岡)
熱海市の山間部や住宅街で、わなが手に食い込んだ野生のサルの目撃情報が相次いでいる。市民から「痛そうな感じ」「何とかしてほしい」といった意見や要望が多い。市は有害鳥獣捕獲事業委託費として五十四万五千円の補正予算を組んだ。専門業者が十月中に捕獲し、わなを外す予定だ。市農林水産室によると、高齢の雌のニホンザルの「テツコ」。市が群れの動静を把握するために二〇一四年十一月に首輪を装着した。今年一月に市民から「手にワイヤがついているサルがいる」と通報があった。市職員が写真を撮り、テツコの左手の部分に、個人がイノシシやシカの捕獲用に設置したとみられるくくりわなのワイヤが巻き付いた状態を確認した。通報は今年一月から十件以上ある。市北東の同市西山町から泉の山間部や伊豆山の住宅街で五、六匹の群れで行動する姿が目撃された。今月三日もテツコの群れが市北部の市街地近くの海岸の道路を横断していると連絡が入った。市職員がすでに捕獲を試みたが、威嚇を受けるなどして失敗に終わっていた。
(クマ「晩秋まで出没注意を」:栃木)
県内でクマの出没が相次ぎ、四~九月末の目撃情報は昨年度一年間の六十三件を大幅に上回る計八十三件に上ったことが、県のまとめで分かった。主な原因と考えられるのは、餌となるドングリの不作。晩秋まで人里に出てくる可能性があるとして、県は注意を呼び掛けている。県自然環境課によると、県林業センターが九月上旬に実施したクマの餌となる「堅果(けんか)類」の調査では、ドングリが実るミズナラが奥日光、県南、矢板市と塩谷町にまたがる高原(たかはら)の三地域で「凶作」、県北地域では「不作」と判明。コナラも県北、高原、県南で「不作」だった。不作の原因ははっきりしないが、ここ数年の傾向から、ミズナラが不良だった年は十一月ごろまでクマの出没が続く可能性があるという。こうした状況を受け、県は、九月末までに全二十五市町にクマを人里に寄せ付けないための具体策を明記した書面を送った。収穫予定のない柿や栗などは伐採し、生ごみを自宅の庭などに捨てないよう求めている。家屋周辺の草刈りや住宅に夜間照明を設置するなどして、クマを発見しやすい環境整備も勧める。県の担当者は「クマに出合わないようにすることが最も大切。登山や観光で山林に入る場合は、音の出る鈴などを携帯し、身を守ってほしい」と話している。
(サル対策へ包囲網着々:新潟)
妙高市の3地区の住民組織が、農作物に被害を与えるサルの対策に取り組んでいる。サルの隠れ場所になる耕作放棄地の草刈りや追い払いを行うほか、群れの位置を把握する「テレメトリー調査」も行い、サル対策に住民主体で取り組む体制が整いつつある。市によると、サル対策を目的とした最初の住民組織は2014年に杉野沢地区で発足。ことしまでに関川、二俣地区でも発足した。各組織はサルが人里に降りてこない環境づくりに力を入れている。具体策の一つが耕作放棄地の手入れ。サルは草木で覆われた耕作放棄地に身を隠し、近くにある畑に侵入してくるといわれているからだ。杉野沢地区の協議会のメンバーら約10人は9月28日、耕作放棄地や地区内の墓地周辺で草刈りと枝打ちを行った。作業したのは昨年、専門家の調査でサルが潜みやすいと指摘された場所で、メンバーは草刈り機やチェーンソーを使い、木に絡みついた草や木の枝を取り除いた。約1時間で周囲を覆いつくしていた草木がなくなり、見通しがよくなった。一方、市は住民組織に対し、捕獲したサルに発信器を付け、群れの位置を調べる「テレメトリー調査」に用いる器具の貸し出しを始めた。平日は市が調べているが、土日などは住民が調査。群れの位置を把握し、追い払いに役立てる。杉野沢の対策協議会の高田保則会長(71)は「今後も地域一丸となって対策に取り組む」と話す。市環境生活課も「地域の取り組みを支援し、連携していきたい」としている。
(小学生がクマの生態学ぶ:秋田)
北秋田市の阿仁熊牧場「くまくま園」を学習の場として活用する取り組みが進められています。3日は北秋田市の小学生が「くまくま園」を訪れ、クマの生態を学びました。この取り組みは県が秋田大学に学習プログラムの作成を依頼して行われている事業です。3日は大阿仁小学校の児童が「くまくま園」を見て回りました。5、6年生8人が子どもの視点で「くまくま園」の魅力を体感しながらクマの生態を学びました。子どもたちは学んだ内容をまとめて、今月28日に下級生や地域住民に向けて発表します。
(ムクドリ撃退、超音波“兵器”:富山)
富山市中心部でふん害や騒音が問題となっているムクドリを追い払おうと、県立大名誉教授の岡田敏美さん(66)と、風力発電事業を手掛ける「TOYAMAX」(高岡市)の橋田洋代表(66)が、音で撃退する装置を試作した。ごく限られた範囲に音が向かうため騒音にならず、乾電池で作動するため持ち運びにも便利。効果が期待される“新兵器”だが、鳥が群れ始める夕暮れ時の街中での実験では、思わぬ課題も浮上した-。岡田さんと橋田さんが九月中旬、装置を手に向かったのは、被害が深刻な富山市役所周辺。ムクドリへの効果を見るため、実証実験を試みた。装置は、箱型の音波変換装置(縦二十五センチ、横十五センチ、高さ二十センチ)と、板状スピーカー(縦二十四センチ、横十センチ)からなる。ICレコーダーなどを変換装置につなぐと、音波から超音波に変換された音がスピーカーから出る。超音波は音波に比べ、必要な電力が少なく済むため装置の軽量化につながった。音の方向は、スピーカーの周囲約三〇度の範囲に限られる。超音波が重なると音が聞こえるが、音量は三十メートル離れた場所なら人の話し声程度。電波望遠鏡などに使われているアンテナの技術を用い、音を向ける範囲を絞ることができる。装置の重さは合わせて二キロほど。単一電池八個で半日ほど動く。今回スピーカーから流したのは、ムクドリが嫌がるトンビの鳴き声や銃声。手始めに富山城址(じょうし)公園に群れるハトやカラスに音を当てると、一気に飛び去った。手応えを感じつつ、二人はムクドリの大群が待つ県農協会館(富山市新総曲輪)前に移動した。歩道から街路樹に向かって音を当てる。しかし、なぜかムクドリはまったく動じなかった。鳥の鳴き声が大きく、スピーカーからの音がかき消されたためだった。「ここまで鳴き声が大きいとは。ひどいですね」と岡田さん。想定外の結果だったが、鳴き声の大きさを調べれば、必要な音量が出るよう調整するなど改良の余地はあるという。岡田さんは「レコーダーにさまざまな音を録音することで、イノシシやシカの撃退にも期待できる」とも。ほかの鳥獣が嫌う音を調べるため、「動物の専門家の協力を得たい」と話す。市販化を目指し、今後も研究を進める。
(獣害歴史、アートに進化:香川)
瀬戸内国際芸術祭の秋会期(8日~11月6日)を前に、小豆島町堀越に竹などで組んだ「シシ垣」(全長約30メートル)が完成した。島にはかつて、獣害を防ぐため計約120キロにも及ぶ垣が張り巡らされていたことに着想し、早稲田大の古谷誠章教授や学生、住民らがアート作品として制作した。見晴らしも良く、古谷教授は「座れるように作っているので、ピクニックや散策で訪れてほしい」と話している。古谷教授や学生らは、地方創生をテーマに3年前から住民と交流を重ねてきた。島には獣害に悩まされた歴史があり、江戸時代に住民らがつくった石や土を積んだ垣の跡が残る。近年も畑にイノシシが頻繁に出没して農作物を荒らしていると聞き、竹製の新たなシシ垣を考案した。現場は瀬戸内海を見下ろす小高い丘(海抜約50メートル)。古谷教授らは鳥獣の専門家や庭師らのアドバイスを聞きながら、住民と一緒に約200本の竹を伐採し、夏場に木と鉄筋の骨組みに寄せかけ、高さ1・2~2メートル、幅約2・5メートルに固定した。制作中、学生らが滞在した民宿を経営する山本剛さん(77)は、シシ垣の土地の所有者。1960年代までは段々畑でイモや麦などを作っていたが、作物を育てなくなったため雑草が茂ったという。見晴らしも良くなった現場で「真夏の炎天下に、学生さんたちが頑張っていた。こんなにきれいになるとは」と喜んでいた。古谷教授の研究室助手を務める根本友樹さん(29)は「作業後にそのまま飛び込める海や満天の星など、短期間ではわからない島の良さに気づけた。芸術祭で堀越の良さを知ってもらい、移住を考える人が出てくれば」と話した。芸術祭では、空き家になった近くの教職員住宅や荒神社を活用して「堀越暮らしの写真展」も開催。シシ垣の制作過程や地域の催し、住民らの古い写真を展示するほか、地域のジオラマも披露する。荒神社は常設だが、教員住宅は今月8~10日と11月3~6日の限定で公開する。
(イノシシラーメン、過疎地活性へ限定販売:島根)
農作物を食い荒らすイノシシの肉を使ったしょうゆラーメン「みはた いの骨らーめん」の店が8~10日、出雲市佐田町大呂の集会所「なかよし会館」にオープンする。御幡みはた自治会の有志が、山の厄介者を活用して過疎地の活性化につなげようと、2度の試験提供を経て今回、本格的に販売する。御幡自治会は出雲市の南端に位置する山あいの地区にあり、21戸で70人が暮らす。農作物がイノシシに食い荒らされるため、耕作意欲をなくす高齢者もいた。住民たちは、こうした問題を解決しようと、昔の日本人の多くが農作業に欠かせない牛馬を口にせず、イノシシ肉を貴重なたんぱく源にしてきた歴史に着目。「コシヒカリをたっぷり食べたイノシシなら、現代の我々が食べてもおいしいはず」と、2007年に有志13人で「みはた特産品研究会」を設け、地域活性化事業を始めた。14年3月には、なかよし会館の隣に肉処理場を建設し、総菜製造や飲食業などの資格を取得。20~70歳代の住民16人が、イノシシ肉のカレーやコロッケを作り、ぶつ切りにした肉やショウガ、ニンニクなどを煮込んだうま煮などを考案してきた。休日に県内外のイベント会場で販売したが、すぐに類似した料理が出回るため、他地域との差別化が難しかった。そこで、これまで廃棄していた骨に着目し、子供から高齢者まで人気があるラーメンを思いついた。あくを抜くため、骨を1日かけて煮込み、さらに2日間にわたってタマネギやニンジンなどと煮込んでスープにした。チャーシューには、11月~3月に捕獲され、脂がのった肉を使った。血抜きをしっかりしているために臭みがなく、あっさりしたしょうゆ味に仕上げられたという。昨年秋と今春、試験的に店を開いて提供したところ、好評だったことから、8~10日に本格販売することにした。同研究会のメンバーで、狩猟免許を持つ渡部博さん(62)は「イノシシ肉は塩とこしょうだけでも味わえる。手間暇かけた自然の味を堪能してほしい」と呼び掛ける。渡部良治会長(66)は「ジビエブームで、イノシシが脚光を浴びてきた。我々は皆、農作業や仕事があるので、年2回しか開店できないが、この機会に食べに来てもらい、自然に囲まれた佐田町を好きになってほしい」と話している。

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10/3
(クマに襲われ男性けが:岩手)
2日午前10時半ごろ、岩泉町安家の農業、大川原義昭さん60歳がキノコ採りのため、自宅から1キロほどの山林を歩いていたところ、正面から現れた成獣のクマ1頭に襲われました。大川原さんは頭をひっかかれたほか、左肩付近をかまれけがをしたものの、自力で山を下り、知人の通報でかけつけたドクターヘリで、盛岡市内の病院に運ばれました。命に別状はありません。
(きのこ採りの男性、クマに襲われる:群馬)
2日午前6時ごろ、群馬県みなかみ町の山林で、知人の男性(73)とキノコ採りをしていた同県桐生市の無職男性(79)がクマに襲われ、頭部裂傷などの軽傷を負った。知人にけがはなかった。2人は持っていた鎌で応戦したという。群馬県内では9月、長野原町で釣りをしていた空手の有段者の60代男性が襲ってきたクマの目を攻撃して撃退した事案もあった。
(散歩中にクマ目撃、パトカーで注意呼び掛け:福島)
2日午後7時10分ごろ、福島市桜本の畑でクマを目撃したと散歩中の男性(45)から110番通報があった。男性にけがはなかった。福島署によると、クマは体長約1メートル。現場周辺には民家があることから、同署はパトカーで注意を呼び掛けた。
(公園でクマ目撃、爆竹で追い払う:福島)
1日午後4時ごろ、福島市佐原字大石前の荒川河川敷で、付近をジョギングしていた60代男性があづま総合運動公園内に入るクマを目撃したと、同公園を管理する県都市公園・緑化協会から福島署に通報があった。同署や県によると、クマの体長は約1メートル。同公園職員が園内を見回ったところ、クマを目撃したため爆竹で河川敷へ追い払った。同公園は今後1週間、見回りなどを強化する。
(駅構内の線路上にクマ:新潟)
1日午前7時ごろ、湯沢町土樽のJR越後中里駅構内で、下り線線路上に倒れているクマをJRの職員が発見した。
(トウモロコシ1トン、クマに食い荒らされる:山形)
高畠町では9月末、トウモロコシ畑の一角、約1トン分が、クマに食い荒らされる被害があった。南陽署の調べによると、9月27日早朝、同町上和田地区の広さ約700平方メートルの畑のうち約70平方メートルで栽培されていた飼料用トウモロコシの実が食われ、茎が倒されるなどしているのを所有者が発見。クマのものとみられる長さ約15センチの足跡が残っていた。
(クマ目撃、最多320件超:岩手)
一関市内で寄せられたクマの目撃・出没情報が、統計を開始した2012年度以降で最多の320件余りになったことが、市のまとめで分かった。負傷者はいないが、15年度と比べて120件ほど増加。ピークの夏季は過ぎたものの、秋季はクリやカキを狙ってクマが人里に現れる傾向があることから、市はさらなる警戒を呼び掛ける。市農地林務課によると、寄せられたクマの目撃・出没情報はこれまで12年度の320件が最多だったが、今年度は30日午後5時現在で324件と、既に過去最多を記録。毎年の件数のピークは6~8月だが、例年はクマが冬眠する前の11月ごろまで情報が寄せられるといい、今後も増えるとみている。地域別では一関、大東両地域で市全体の半数以上を占めており、面積や山林の割合の多さなどが要因とみられる。一関地域は7月が38件と最も多く、前年同期を27件上回った。大東地域は4~6月に各20件前後の情報があった。収穫期のトウモロコシやイチゴ、蜂蜜などが狙われる夏季に比べ、秋季はクマが冬眠の準備をすることから、ブナやナラの実を食べたり、クリやカキを目当てに人里に訪れたりする特徴があるほか、米ぬかやみそが被害に遭うケースもあるという。クマを見掛けた場合について同課は、ラジオや鈴など音が出る物があれば人がいることを知らせることができるとしながら、「ラジオを大音量にするとクマが接近していても気付かず、被害に遭う可能性もある」と指摘。「持っているから安心だということでなく、複数人で行動することやクマを呼び寄せる残飯を片付けることなどの対策を心掛けてほしい」と強調する。同課は、市役所1階の水道部窓口付近に「クマ目撃情報マップ」を常設。今年度市に寄せられた情報を踏まえてシールを貼り、訪れた市民に注意を促している。また、市の地域情報提供サイト「一関わが街ガイド」には市内で過去に目撃・出没情報があった場所を掲載。県内の防災情報などを配信する「いわてモバイルメール」の登録者にも情報を提供している。
(クマ被害、キノコの季節前に注意喚起:秋田)
秋田県鹿角市十和田大湯の山林で相次いだクマ被害で、青森、秋田両県の6市町村は29日、キノコ採りのシーズンを前に、十和田市で合同対策会議を開いた。鹿角市の担当者が、5~6月にクマに襲われて同市や十和田市の男女4人が死亡した地区の危険性を改めて呼び掛けた。鹿角市では27日現在、クマによる事故が10件起き、目撃は300件。捕獲は51頭で、前年の10頭を大幅に上回る。死亡事故があった現場周辺ではこれまでに計5頭が駆除されたが、他にも複数いる可能性が高いという。鹿角市の担当者は「危険とされる地区は青森県の入山者が多い。6市町村で連携して注意を喚起したい」と話す。秋田県内のクマ対策は県が中心になってまとめており、6市町村による会議の次回開催は未定という。
(キノコ採り、クマにご注意:山形)
キノコ採りシーズンを迎え、県内の山間部を抱える地域では、自治体や警察、猟友会など関係機関・団体が、クマによる被害防止に神経をとがらせている。県内では今年、クマの目撃件数が過去5年では最多となるペースで推移し、先月は最上町の山で男性が襲われて顔に重傷を負っており、冬眠前に活発化するクマへの警戒を強めている。県庄内総合支庁はクマの対策会議を開き、関係者約30人が出席した。県の担当者は、クマが冬眠を控えて栄養を蓄えるために餌を求めて行動を活発化させる習性について説明。特に今年は、主要な餌となるブナの実が凶作である点を強調した上で、「餌不足の影響で、クマが人里近くまで出てくる恐れがある」と述べ、危機感をあらわにした。また、新庄署では、管内(新庄市、最上郡)のすべての交番と駐在所で、「お巡りさん」オリジナルの広報紙を作り、クマへの注意を呼びかけている。山あいの地域、田畑の広がる地域など、それぞれの地域事情に合わせた対処法を盛り込み、住民に注意を求める試みだ。県によると、今年に入ってからのクマの目撃件数は522件(9月19日現在)で、既に前年(225件)の2・3倍に達している。過去5年で見ても年間件数で最多の2012年(446件)を上回っている。9月18日には最上町の熊ノ返山でキノコ採りをしていた男性が親子とみられるクマ2頭と出くわし、襲われて頬骨を折る重傷を負った。4月には西川町で渓流釣りをしていた男性がクマに襲われ、顔や腕に切り傷などを負っている。キノコ採りシーズンを迎え、各地で多くの住民が山へ入ることが予想される。“お宝探し”に夢中になっている時に、クマとバッタリ遭遇するという危険な事態が、いつ生じるかわからず、「予断を許さない状況にある」(県の担当者)。併せて、栗や梨などの秋の味覚が実る季節でもあり、クマが人里へ出没する事態も想定される。県はホームページなどを通じて、〈1〉クマの出没情報のあった場所に近づかない〈2〉クマよけ鈴やラジオなどを鳴らして存在を知らせ突然の遭遇を回避する〈3〉クマを見たら、クマに背を向けずにゆっくりと離れる〈4〉クマの餌になるような果物などのごみを放置しない――といった対策を周知し、自治体や警察などと連携して対策を強化している。
(ドングリ不作、クマ出没注意:群馬)
エサとなるドングリなどが不作であることから、今秋はツキノワグマが人里に出没する可能性が高くなるとして、県が注意を呼びかけている。県鳥獣被害対策支援センターによると、9月上旬に利根沼田地域で調査を行ったところ、ブナは結実がなく、ミズナラとミズキは凶作、コナラは不作、クリは平年並みだったという。近年は、不作の年にクマが人里に現れる件数は増える傾向で、県自然環境課によると、今年4~8月のクマの目撃件数は471件。以前に不作だった14年(382件)の1・2倍になっている。同センターは、冬眠前にエサを求めて出没するクマを呼び寄せないように、収穫した農作物の残りや放棄した果樹を適切に処理するよう呼びかけている。また、行楽やキノコ狩りなどで山に入る時は複数で行動し、鈴やラジオなど音の出るものを携帯してクマに遭遇しないよう気をつけてほしいとしている。
(NPOが「ジビエ」解体加工施設:静岡)
浜松市でバーベキューや林業体験などができる施設「春野山の村」(同市天竜区春野町)を運営するNPO法人が、同施設内に害獣として駆除したイノシシやシカの肉を処理する本格的なジビエ(野生鳥獣肉)の解体加工施設をオープンさせた。その名はジビエ工房「ジミート」。メンバーらは、イノシシなどによる農作物被害の減少とジビエの消費拡大の一石二鳥を狙っている。ジミートをオープンさせたのは、NPO法人の「はるの山の楽校」。春野町の地域活性化を目的に地元住民らが発足させた組織で、山間地の良さを生かしたまちおこしの活動をこれまで続けてきた。春野町のような中山間地域ではイノシシやシカは農作物を食い荒らす“天敵”。猟銃の免許を持っている農家は駆除ができるが、そうでない一般の農家ではわなを仕掛けてイノシシなどが近寄らないようにしているのが実情だ。同市にはこれまで、駆除した鳥獣を食肉用にさばく本格的な加工施設はなかった。同施設では猟師が仕留めたイノシシやシカを買い付け、食用に加工した上で天竜区内のJA直販所などで販売してもらう予定。ジビエを使ったレシピも地域のホテルやレストランなどに提案していく考えだ。市の担当者は同施設について「ジビエの消費循環が拡大する」と期待感を示しており、同法人でも「農作物の被害対策としても一つの方策となるのではないか」と話している。
(「食の総選挙」でジビエ料理店初優勝:高知)
3年目を迎えた「『高知家の食卓』県民総選挙2016」の投票結果が2日に公表され、高知市本町3丁目のジビエ料理店「Nook’s Kitchen(ヌックスキッチン)」が初の総合1位に輝いた。2014年に開店した高知県内唯一の野生鳥獣肉料理の専門店で、2015年まで2連覇の「藁(わら)焼き鰹(かつお)たたき明神丸ひろめ店」(高知市)を上回った。ヌックスキッチンは、高知県内産のシカやイノシシ肉などを用いた料理を提供している。全18席の小規模店ながら、2015年の総選挙で「選抜」入り。今回は、スタッフや常連客らがインターネットなどを通じて投票を呼び掛ける“選挙運動”を展開したという。店主の西村直子さん(46)は「高知のジビエのおいしさを県外や海外の人に知ってもらいたい。たくさんの店で食べられるようになって、それを目的に観光客が訪れるのが理想。中山間の活力にもつなげたい」と話していた。

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