<射撃ニュース11月>

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(鳥インフル、登米のマガンも強毒性確認:宮城)
宮城県は29日、登米市の民家敷地内で死んでいたマガンから、強毒性のH5型の高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。県内での確認は初めて。見つかったマガンは21日の簡易検査で陰性だったが、その後の遺伝子検査で陽性を示し、北海道大での確定検査でH5型鳥インフルエンザと判明した。県は対策本部の幹事会を29日開き、対応を協議した。畜産課によると、県内で100羽以上を飼養する養鶏場は142カ所、計約700万羽。青森、新潟両県で確認された家禽(かきん)への感染を受け、28、29の両日に電話で全施設の状況を調べ、異常がないことを確認した。県農林水産部の横山亮一次長は「予断を許さない状況だ。関係各課で情報を共有し、しっかりと対応していきたい」と話した。環境省は29日、栗原市内で死んでいるのが見つかったマガンからも鳥インフルエンザウイルスの陽性反応を検出し、確定検査に回している。
(解禁クマ猟、10日でわずか2頭:兵庫)
絶滅の恐れがあるとして、県が禁止してきたツキノワグマ猟が解禁されて、25日で10日が過ぎた。解禁後、これまでに県内で捕獲されたのは2頭。県は、適正頭数とした800頭を超える140頭を上限に、狩猟での頭数削減を期待するが、猟期は1か月限定で、狩猟者からは「中途半端な対応。意欲的に猟をする気にはならない」と不満の声も聞こえる。県によると、解禁初日の15日に佐用町で1頭、24日には豊岡市で1頭が捕獲されたという。ともに雌で、豊岡市の1頭は体重約60キロで成獣とみられるという。県は1996年度からツキノワグマ猟を禁止し、保護してきたが、昨年度には推定生息数が940頭まで回復したことから、今年度は1人1頭を原則に140人に狩猟を認めた。県内のクマの目撃、痕跡情報は10月に急増し、1か月で359件と、前年同月(88件)と比べ、約4倍。今月も出没情報は相次いでいる。丹波市氷上町の禅勝寺では6日、境内の柿の実が食べ尽くされた。本田浩道住職(53)は「クマの出没が常態化すれば大変だ。狩猟の気配をクマが察知してほしい」と、不安を口にする。狩猟歴47年という神河町の猟師、藤井務さん(72)は解禁後、5回出猟した。捕獲したのはニホンジカとイノシシ計4頭。「クマにほとんど遭遇しないのに、1か月の短期間、1人1頭の制限つきでは意欲がわかない。本気で頭数を減らしたいなら、猟期を年内中としたり、140頭の範囲内で1人複数頭の捕獲を認めたりするべきだ」と話す。県鳥獣対策課は、捕獲数がこれまで2頭となっていることについて「コメントのしようがない」とし、「目的の一つに個体数を減らすこともあるが、20年ぶりの狩猟で安全を第一に考えている」と、狩猟の動きがクマを山に追い返すことにつながることを期待する。大井徹・石川県立大教授(野生動物保護管理学)は「クマ猟には生活場所を現場で判断するなどの能力が必要で、20年のブランクは大きい。ただ、再開で狩猟者を育成し、継承していく素地はつくった」と話している。井戸知事は21日の定例記者会見で、「今回の狩猟解禁で一定数を確保できない場合は、次なる対応を検討していかなければならない」と話している。
(サル騒動、栃木縦断:栃木)
宇都宮市の栃木県庁付近で18日、サルが目撃され、その後も同県内各地で目撃情報が相次いだ。特徴などから同一個体とみられるサルはどんどん南下し、26日には県外に。20日までは宇都宮市中心部で目撃されており、1週間で27キロを移動、宇都宮市から小山市まで県内を一気に縦断したことになる。サルはどこから来て、どこへ向かうのか。サルが県庁付近の宇都宮市塙田で目撃されたのは18日午後。飲食店近くやコイン駐車場で目撃され、宇都宮中央署員や宇都宮市役所職員が捜し回り、周辺住民に注意を呼び掛ける騒ぎとなった。駐車場近くの青果店主の男性(70)は「子供が襲われたら大変だから早く捕まえてほしい」と話し、付近の住民は「戸祭山緑地(同市戸祭町)から八幡山を伝って下りてきたのではないか」とみていた。また、「数年前にもサルが出たことがあった」と話す飲食店主も。県自然環境課の伊藤誠記(まさき)課長補佐は日光市にサルの生息地があることから「あくまで推測だが、日光方面から来たと考えられる」とみている。捕まえたわけではないので「野生とも判断していない」とも。ただ、県警にはこれまで飼っていたサルが逃げ出したなどの情報は寄せられておらず、野生のサルとの見方が有力だ。また、サルのメスは基本的に群れで行動することから、出没したサルは「好奇心旺盛なオスではないか」(伊藤課長補佐)とみられる。19日には県庁北側の八幡山公園西駐車場付近(同市東戸祭)、20日は南下して大通りを越え、同市二荒町の日野通り付近で目撃され、その後は国道4号沿いを南下していった。体長は80から100センチ。人を見ると逃げ、すばしっこいサルだった。人を襲ったり、家に入ってきたりするなど危害を加えられたという情報はなく、市町ごとに住民に注意喚起し、追い払う程度の対応だ。当初、猟友会も出て捕獲しようとしたが、動きが素早く、状況を見守るうちにどんどん南下していった。ほぼ真南に移動。建物の屋根も軽々と渡り歩き、小学校の校庭を横切ったことも。付近でサルが目撃された小学校では体育の授業の中断や下校に教諭が付き添うなどの対応に迫られた。26日には朝、小山市と茨城県結城市の県境の梁橋でその姿が確認され、同日午後には結城市内などで目撃されており、ついに県外へ。宇都宮動物園の荒井賢治園長は南下した原因について「一番は餌。生息地の山に餌がなくなり、餌を求めて人里にやってくる。もしくは群れで生活するサルがはぐれてしまったのかもしれない」と推測する。今後はどうなるのか。荒井園長は「ニホンザルは比較的寒さに強く、群れの中で育ったサルは生きる力は持っている。南下は餌を探していると思われる。また、サルは誰が強いか弱いか見分ける。不用意に手を出す人間の子供に危害を加える可能性があるので捕獲した方が良い」と話している。
(スマホで“わな”遠隔操作:静岡)
シカやイノシシなど野生鳥獣による農作物被害が深刻化する中、静岡県は伊豆半島と浜松市で新たな対策に乗り出す。伊豆半島南部の賀茂地域では、情報通信技術(ICT)を活用した新しいわなを導入。浜松市北部では侵入防止柵の強化や捕獲技術の習得など、対策の推進役となる専門家を育成する。県賀茂農林事務所は2017年1~2月、南伊豆町で新しいわなのモデル事業を始める。赤外線センサーとカメラを設置した囲いわなをスマートフォンで遠隔操作し、シカやイノシシなどを捕まえる。捕獲後は食用の獣肉として利用する計画だ。囲いわなは縦5・2メートル×横5・2メートル、高さ2・7メートルのパネル式。餌を仕掛けた範囲内に動物が入ると、センサーが察知してメールを送信。スマホ所有者は受信したメールや、カメラの映像でわなの状況を確認でき、四方を囲んだ上部のパネル16枚を遠隔操作で下ろして閉じ込める。わなの全面を開放することで、簡単に誘導できるのが特徴。編み目のわなと違い、捕獲後は外側が見えないようにパネルで遮断するため、「獣が暴れてわなに激突せず、肉質の劣化が少ない」(同事務所)という。県は今回のモデル事業の効果を検証し、他地域への普及を検討する。浜松市の山間部でもイノシシやシカ、猿、ハクビシン、スズメ、カラスなどによる被害が相次ぐ。被害拡大に伴い農家の営農意欲低下が目立ち、県西部農林事務所天竜農林局地域振興課と県西部地域鳥獣被害対策協議会は、本年度から農林業者らを対象に育成事業の実施を決めた。10月末の第1回研修は同市天竜区龍山町白倉沢地区の畑で実施し、農林業者や森林組合員ら約30人が参加。県森林・林業研究センターの職員らの指導で野生鳥獣被害対策の基本知識や生態などを学んだ。ワイヤ柵と電気柵設置の実習も行い、対策技術を養った。会場の畑を所有する青山大須計さん(75)は、ここ数年でシカやハクビシンによる被害が増え「キウイは満足に収穫できていない」という。専門的な知識を学ぶ場について「良いタイミングで声を掛けてもらった。農業をやめようとしたこともあるが、頑張ってみようと思う」と効果を期待する。同農林局地域振興課の爪田治主査は「まずは住民がより効率的な知識と技術を身に付けることが大切。自分の田んぼや畑を自分で守るためにも、サポートしたい」と話した。県によると、2015年度の県内の野生鳥獣被害額(速報値)は4億8962万円で、14年度より2・7%増加した。種別ではイノシシによる被害が18・8%減少する一方で、ニホンジカが40・8%増加。ニホンジカの被害額が、これまで最多だったイノシシを上回り、全体の4割強を占めた。生態系の変化や耕作放棄地の拡大などを受け、シカやイノシシが人里にも現れるようになり、被害は広域化している。特に、シカは生息数が爆発的に増え、農作物に加えて樹木の皮剥が深刻化。「森林環境にも影響が出ている」(県地域農業課)という。
(出水ツル、高病原性13羽に:鹿児島)
環境省と鹿児島県は29日、国内最大のツルの越冬地、出水(いずみ)平野(同県出水市)のツル5羽からH5N6型の高病原性鳥インフルエンザウイルスを検出したと発表した。越冬ヅルからの高病原性ウイルス検出は今季13羽に上り、過去最多となっている。環境省によると、今回確認した5羽は、22から24日に死体で回収されたり保護されたりしたマナヅル1羽とナベヅル4羽。いずれも遺伝子検査で陽性を示し、鹿児島大の確定検査で高病原性のウイルス感染が確認された。
(鳥インフル、32万羽処分:新潟)
新潟県は二十九日未明、同県関川村の養鶏場で死んでいた鶏から、強毒性で大量死につながるH5型の高病原性鳥インフルエンザウイルスを検出したと発表した。この養鶏場で飼育している約三十一万羽の殺処分を開始、県に出動要請を受けた陸上自衛隊も従事。県は十二月二日まで二十四時間態勢で作業に当たる。農林水産省によると、国内の家禽(かきん)からのウイルス検出は、昨年一月に岡山県と佐賀県で確認されて以来。青森県も二十九日、食用アヒルからH5型の高病原性鳥インフルエンザウイルスを検出した青森市の家禽農場で、飼育中の約一万六千五百羽の殺処分を続けた。農業・食品産業技術総合研究機構の動物衛生研究部門(茨城県つくば市)で分析する。新潟、青森両県は養鶏場と家禽農場からそれぞれ半径三キロ圏内を鳥や卵の移動制限区域に、三~十キロ圏内を搬出制限区域として区域外への持ち出しを禁じた。新潟県は半径十キロ内に約六十の業者があり、約五十万羽を飼育している。関川村の養鶏場の職員が二十八日、鶏約四十羽が死んでいるのを確認。うち五羽の簡易検査で陽性反応が出たため、ウイルスの遺伝子を調べたところ、高病原性と確認された。青森県は、半径三キロ圏で四農場の家禽約一万四千羽の移動を制限、半径三~十キロ圏で三農場の約四十万羽の搬出を制限した。青森市四戸橋磯部の家禽農場で二十八日午前、フランスカモと呼ばれる食用アヒル十羽が死んでいると県の家畜保健衛生所に連絡が入り、遺伝子検査でウイルスを確認した。政府は二十九日午前、新潟県などでのH5型の高病原性鳥インフルエンザ発生を受け、関係閣僚会議を首相官邸で開いた。菅義偉(すがよしひで)官房長官は「今後、さらなる感染拡大の恐れもある。政府一丸となって、感染拡大の防止のため、緊張感をもって万全の対応を取っていきたい」と述べた。また菅官房長官は同日午前の記者会見で、新潟県と青森県に細田健一、矢倉克夫両農林水産政務官をそれぞれ派遣すると明らかにした。<京都産業大・鳥インフルエンザ研究センター長の大槻公一教授の話> 今回の鳥インフルエンザは中国や韓国で広がっているH5N6型のウイルスが原因とみられる。中国では人にも感染して死亡例も出ているため日本でも養鶏場などで防疫体制をしっかり取る必要がある。2014年に国内で起きたH5N8型の鳥インフルエンザに比べて鳥への病原性が強い印象だ。すでに被害が報告されている東北や山陰地方にいた渡り鳥が越冬のために移動し、関東や関西など別の地域にウイルスが入り込んでいる可能性もある。鳥の死骸を見つけた場合は絶対に触らず保健所に連絡してほしい。
(鳥インフル、高病原性検出:岩手)
県は28日、盛岡市の高松の池で回収された野鳥のオオハクチョウ1羽の死骸から、毒性の強い高病原性の鳥インフルエンザウイルス「H5N6亜型」が検出されたと発表した。高病原性の鳥インフルエンザウイルスの検出は県内で初めて。環境省は高松の池から半径10キロ以内を野鳥監視重点区域に指定しており、今後、専門チームを派遣して他の野鳥の感染の有無などについて調査する。オオハクチョウの死骸は今月23日に発見された。県中央家畜保健衛生所で簡易検査を行ったところ、陽性反応が出た。確定検査機関の北海道大で遺伝子検査を行った結果、28日にH5N6亜型が検出されたという。環境省によると、H5N6亜型は国内で今季初めて検出が確認された鳥インフルエンザウイルス。これまでに秋田県のコクチョウ、鹿児島県のナベヅル、鳥取県のオナガガモなどで検出され、環境省は野鳥の監視体制を最も高い「対応レベル3」に引き上げている。県によると、県内で今年度見つかった渡り鳥の死骸17体を簡易検査した結果、H5N6亜型が検出された1体以外は陰性だった。また、45か所の養鶏場で450体を簡易検査した結果も全て陰性だった。県内では、2012年3月に野生のカルガモから弱毒性の鳥インフルエンザウイルスが検出されて以来、感染例はなかった。県は100羽以上を飼育する県内の養鶏場に対し、消毒や野鳥の侵入防止策を徹底するよう注意喚起した。野鳥監視重点区域が解除されるのは最後に感染した野鳥を回収した日から45日後で、県は引き続き、監視重点区域内の渡り鳥の主要飛来地や河川で、衰弱した野鳥や死骸の早期発見、回収に取り組む。28日は県庁で関係機関による危機管理連絡会議が行われた。県民くらしの安全課の田中耕平総括課長は「まだ野鳥の段階での確認にとどまるが、いつ農場で発生してもおかしくない」とし、対策の徹底を呼びかけた。
(鳥インフル、動物園のコクチョウから:秋田)
秋田県は28日、秋田市大森山動物園で17日に殺処分したコクチョウ1羽から、毒性の強いH5N6型鳥インフルエンザウイルスを検出したと発表した。北海道大で確定検査をしていた。15、17日にそれぞれ死に、確定検査で同型のウイルスを検出したコクチョウ2羽と同じ動物病院で飼育していた。感染拡大を防ぐため殺処分後、21日に遺伝子検査で陽性が判明した。同じ動物病院で飼育していた鳥類は、23日に死んだシロフクロウ2羽のうち1羽が簡易検査で陽性となり、鳥取大で確定検査をしている。
(鳥インフル、風評対策を:青森)
青森市の家禽(かきん)農場で飼育されていた食用アヒル(フランスガモ)から高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された。青森県内で家禽類への感染が確認されたのは初めて。同市と隣接する青森県蓬田村で養鶏場を営む坂本佐兵衛さん(64)は「驚きはしたが、起こり得ること。秋田や岩手で陽性反応が出た報道を見てから、車両消毒装置などを使って対策を強化している」という。搬出制限区域内のため「新しい採卵用の鶏を入れられないので長期化すると困る」と話す。県養鶏協会の担当者は「(県内の)家禽では初めてなので驚いた」としつつも、「小動物や渡り鳥と鶏が接触しないよう管理の徹底を呼び掛けている」と会員に周知を図る。ブランド地鶏「青森シャモロック」を飼育、加工販売する同県五戸町の業者は風評被害を懸念。「年末にかけて需要が高まる時期なので影響が心配だ。取引先から安全証明書を出してほしいと言われることもある。国や県は風評被害が起きないように情報発信してほしい」と語った。青森市に隣接する平内町は県内有数のハクチョウの渡来地で、今冬も既に約90羽が飛来している。町は鳥インフル発生を受け、30日、観察所に靴底のふんを取り除くための消毒トレーを設置する。餌やりは十和田湖のハクチョウからウイルスが検出された2008年以降自粛している。
(カモのふんから鳥インフル検出、コハクチョウ個体からも:鳥取)
県と環境省は21日、鳥取市気高町の日光池周辺で採取された野鳥の小ガモのふんから、高病原性の鳥インフルエンザウイルス(H5N6亜型)が検出されたと発表した。25日には、米子市彦名新田の米子水鳥公園でコハクチョウ2羽からA型鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。鳥取大が確定検査を実施中で、高病原性かどうかは未確定。
(列車、イノシシと衝突:埼玉)
27日午後9時50分ごろ、小川町青山のJR八高線明覚―小川町駅間で、高麗川発高崎行き下り普通列車(3両編成)が、イノシシ1頭と衝突した。けが人はいなかった。この事故で上下4本が最大約3時間の遅れ、約50人に影響が出た。JR東日本高崎支社によると、列車は現場に約45分間停車した。イノシシは体長約1・2メートル、体重約80キロ。レールの間に挟まって死んでいるのが見つかり、撤去された。小川町環境農林課によると、イノシシやシカなどは5、6年前まで町内の中山間地を中心に出没していたが、近年は山里から平地にかけての住宅地に近い所にも出没するという。有害鳥獣による農作物などの被害も深刻で、今年4月から9月末にかけて、町内で捕獲したイノシシは41頭、シカは29頭に上る。
(市街地にイノシシ4頭出没:徳島)
26日午後1時半ごろ、阿南市津乃峰町東分の国道交差点近くにイノシシの子ども4頭が現れた。現場は住宅や飲食店などが立ち並ぶ地域だが、4頭は程なくして近くの山に逃げ込み、人に危害を加えることはなかった。阿南署などによると、イノシシはいずれも体長約40~50センチ。「国道55号にイノシシがいる」との110番を受けて駆け付けた署員が、交差点そばの空き地の草むらにいるのを見つけて近づくと、4頭は国道を南へ横切り、近くの山に走って行った。現場に居合わせた同市の40代男性は「街中でイノシシを見たのは初めて。人通りもある場所だが、けが人が出なくて良かった」と話していた。
(磐越道脇の木にクマ:福島)
25日午後4時5分ごろ、福島県西会津町野沢の磐越道脇のり面に植えられた立ち木に、クマ1頭が登っていると、ネクスコ東日本グループ会社から通報があった。喜多方署によると、現場に駆け付けた警察官がクマを確認。クマは体長約70センチで、近くの山林に入っていった。
(クマがクリ拾い、冬支度余念なく:北海道)
福島町内の栗林で落ちたクリをあさるヒグマの姿を、本紙が地上1メートルの立木に設置した自動撮影装置で捉えた。エゾシカ、ウサギ、テン、タヌキも撮影され、みな厳しい冬を前に餌探しに余念がない。撮影装置は動物の体温を感知して自動的にシャッターを切る仕組みで、10月下旬から10日間設置した。クマが現れたのは日没後の午後7時すぎ。地面に落ちたクリを前足を使って器用に食べていた。体格などから4~5歳とみられる。栗林は約3ヘクタールで、約300本のクリの木がある。管理を任されている町内の笹島義広さん(82)は「クマはここ5年ぐらい、秋になると毎年やってくる。写ったのは昨年も来た親子グマの親の方だと思うよ」。渡島総合振興局環境生活課によると道南のヒグマの生息数は微増傾向で、12月から冬眠に入るという。
(中心市街地に「サル」出没:福島)
福島市の中心市街地で26日、サルの目撃情報が3件相次いだ。福島署によると、いずれも人的、物的被害はなかった。同署によると、午前10時ごろ、JR駅福島駅から南東に約600メートル離れた同市五月町の寺で、境内を歩いているサルを男性住職が目撃した。寺から約250メートル離れた同市中町の市道では午前10時40分ごろ、電柱を上っているサルを付近を歩いていた男性が目撃。午後1時30分ごろには、同駅から約1.8キロ離れた同市渡利の市道で道路を横切って弁天山公園方面に走るサルを、散歩中の女性が目撃したという。目撃されたサルはいずれも体長約50センチ。同署は「市街地でサルが目撃されるのは珍しい」としている。目撃現場に近い同市中町のコンビニオーナーの男性(45)は「まさか街中に猿が出るなんて。買い物客や通行人に被害が出ないでほしい」と、驚いた様子で話した。目撃された場所はいずれも住宅地であることから、同署は現場周辺をパトロールし、注意を呼び掛けた。
(イノシシ捕獲は知恵比べ、100人で意見交換:長崎)
イノシシ被害が各地で問題となる中、箱わなで効果的に捕獲する方法を話し合う「箱わな研究会」が26日、平戸市の田平町中央公民館で開かれ、県北地域の猟友会メンバーら約100人が参加した。同市内では、昨年度は過去最高の5028頭が捕獲され、農作物被害は抑制傾向。しかし、なお被害額は年間2千万円以上に上る。平戸猟友会の早田悠次会長は「捕獲の手を緩めれば県北地域の被害は何十億円にも上るのではないか」と捕獲への協力を訴えた。会場には各地の箱わな8基が持ち寄られ、14項目で意見交換。「小型で軽量の箱わなが運搬に便利だが、軽量の場合、扉の強度が劣り補強が必要」という指摘があった。扉を落とす仕掛けで、おりの中に張る蹴り糸をめぐって「感度の良さが必要」との声のほか、1本を斜めに張ったり、複数張ったり、踏み板式にしたりするなど、学習能力があるというイノシシとの“知恵比べ”の苦労が語られた。同市内では市民の負傷事故も相次いでおり、市は3年前から「イノシシ被害まちなか対策事業」に着手し、市民研修会「イノシシ大学」を開催。今回その一環として企画した。
(農作物の“鳥獣被害”の現状は:鹿児島)
桜島小みかんなど収穫期を迎えた農作物が動物から食い荒らされる被害が起きている。イノシシやシカ、鳥など、いわゆる有害鳥獣による県内の農作物の被害額は県内で毎年5億円前後の被害が出ていて、昨年度も4億円に上っている。このうち4割近くを占める、1億5千万円がイノシシによる被害。被害の現場を取材した。桜島の畑では29日、イノシシが罠にかかっていないか確認作業が行われていた。島内ではここ数年、イノシシなどによる農作物への被害が相次いでいる。50年前から栽培するこの農家も被害にあった。これまでイノシシの被害に遭わなかったため、対策はしておらず、今回の被害の後、電気柵を設置した。一方、こちらも収穫の1週間ほど前に荒らされた桜島のミカン畑。地面には無数のミカンの皮だけが散乱していた。今年は全てイノシシに食べつくされ、ミカンを出荷することができなかった。鹿児島市では去年1年間で1200頭ものイノシシが捕獲された。このうち302頭が桜島で捕獲されている。被害額もイノシシによるものだけで、1100万円に及んでいて、鹿児島市では、猟友会に駆除を依頼している。高齢化や過疎化で人里に近い畑が手放された結果、荒れ地となり、イノシシにとって絶好の隠れ場になっていることなどが被害増加の大きな原因とみられている。鹿児島市では、農家に電気柵の設置を呼び掛けていて、設置にかかった費用の3分の2を補助することにしている。
(イノシシの農作物被害減へ、専門家招き捕獲実習:鹿児島)
有害鳥獣の農作物被害を減らそうと、錦江町は捕獲の専門家による研修会を初めて開いた。猟友会員ら25人が参加、座学と現地実習でイノシシのわなの仕掛けなどを学んだ。農水省の鳥獣被害対策アドバイザー和田三生さん(70)=佐賀県鳥栖市=が、足くくりわなの効果的な使い方を説明した。19日に町役場であった座学では、捕獲の様子を動画などで示し、通り道の見つけ方や、わなの置き場を解説した。20日は同町馬場の山林で実習があり、参加者が地形やイノシシの習性を踏まえて設置場所を考えた。和田さんは足跡の歩幅でおよその体重を推測し、狙いを定めて仕掛けるよう指導。「雨上がりは人の臭いが消えるのでかかりやすい」とアドバイスした。
(アライグマ出没増、捕獲隊の出動報酬追加へ:福岡)
福岡県大野城市は25日、特定外来生物のアライグマが当初の想定を超えるペースで出没しているとして、捕獲に当たる鳥獣被害対策実施隊の出動報酬などを追加する方針を明らかにした。来月1日に開会する市議会定例会に提案する。大野城市によると、市内でアライグマが捕獲され始めたのは2014年度で計16匹。15年度は20匹になり、今年度は10月末までに昨年度と同数に上っている。昨年度までは猟友会のメンバーが山中で駆除する例が多かったが、住宅地での目撃が増えたため、市は今年度、金網状のハコワナを購入。市民から目撃情報が寄せられれば、猟友会のメンバーでつくる実施隊が駆け付けてワナを仕掛け、捕獲後に殺処分している。今年度に捕獲した20匹のほとんどはワナによるもので、1か所のワナに繰り返しかかることもあったという。山に近い市南部の住宅地が多く、中学校の敷地内に現れたこともあった。
(アライグマ捕獲へ研修:愛媛)
野生動物による農作物被害が、県内でも後を絶たない。イノシシやシカなどに加え、捕獲数が増え始めているのが特定外来生物のアライグマだ。生態系に影響を及ぼすことも懸念され、県は29日、捕獲に向けた実践的な研修会を四国中央市で開く。市町の担当者らにアライグマの特徴や捕獲用オリの使い方を学んでもらい、防除するための連絡体制などを確認する。アライグマは1970年代にアニメの影響でペットとして輸入された後、全国で野生化した。トウモロコシやスイカ、ブドウなどを食い荒らすほか、神社仏閣に住みついて柱を傷つけたり、人にかみついたりする被害も報告されている。県生物多様性センターによると、県内の捕獲数は2010、13年度が各1頭、15年度が2頭だった。隣の香川県では15年度が169頭に上り、野生化が広がっているとみられる。県は今年7月、専門業者に委託し、県境に近い四国中央市で初の捕獲作戦を実施。畑などにオリを仕掛け、3頭を捕まえた。10月には松山市内で1頭が捕獲された。タヌキやハクビシンによる被害と見分けるのは難しいが、アライグマは繁殖力が驚異的に強く生態系への影響が大きいうえ、長い指を器用に使って木や壁に登るため、被害が広範に及ぶことが懸念されるという。研修会では、捕獲作戦を実施した専門業者が、外見の特徴や被害の実態を説明し、侵入を素早く検知して捕獲に結びつけるための助言をする。実際に捕獲現場に行き、捕獲用オリの設置方法も指導する。市町の担当者らは、生息を確認した段階で速やかに情報を伝達する仕組みづくりに向け、意見交換も行う。同センターは「被害を防ぐには、侵入された初期段階に防除することが重要。生息に関する情報があれば知らせてほしい」と注意を呼びかけている。研修会は午後1時半から、四国中央市土居隣保館(土居町)で。一般参加(無料)もできる。県によると、野生動物による県内の農作物被害は、2015年度は約3億8600万円で、果樹が約7割を占めた。動物別ではイノシシが最も多く、カラスやヒヨドリ、シカと続いた。県や市町は害獣の駆除に1頭当たり1万円前後の奨励金を交付し、侵入を防ぐ電気柵の設置費用を補助している。しかし、山間部では過疎が進み、野生動物が増えているとみられ、被害は減っていない。そこで、県は効果的に対策を進めるため、専門の知識や技術を持つ人材の育成に力を入れる。農業関係者らを指導者に育てる研修会を12月1日、イノシシの解体処理を見学するハンター養成塾を同4日に開く。
(県が鳥獣害情報サイト:徳島)
野生鳥獣が生息する位置と被害状況との関係を調べるため、県は野生鳥獣調査ウェブサイト「ここいた!ケモノ調査隊」を開設した。イノシシなどによる農作物被害が減らないことから、県が、より正確な生息状況を把握しようと企画した。2017年3月末まで行う。サイトの利用者が調査員となり、県内で見かけたニホンジカ、イノシシ、ニホンザルなどの野生鳥獣に関する情報を提供する。例えば、野生鳥獣の姿や足跡、動物のふんなどの痕跡を、スマートフォンなどで撮影して送信する。写真がなくても、動物の鳴き声や被害に遭った経験なども報告することができる。県はこれらの情報を集め、県内全域で野生鳥獣が出没しやすい地域を割り出し、被害防止の対策に役立てる計画だ。県の担当者は「多くの人の情報が被害の軽減につながると考えている。どんな小さな情報でもいいので提供してほしい」と協力を呼びかけている。
(イノシシ事故想定、対応を確認:静岡)
3月にイノシシが来園者を襲う事故が起きた浜松市浜北区の県立森林公園で28日午前、同様の事故を想定した合同対応訓練が行われた。市消防局や県、警察、県猟友会ら約50人が、負傷者の手当てや来園者の避難、捕獲の手順について確認した。訓練は公園内で大型のイノシシが現れて来園者を襲い、多数のけが人が発生したという想定で行われた。公園職員は消防への通報や負傷者の把握、アナウンスによる避難誘導に取り組んだ。消防隊や救急隊員は、イノシシに襲われて崖に転落した人をロープや担架を使って救出したほか、負傷者の応急救護やトリアージにあたった。同公園の指定管理者「フォレメンテあかまつ」の伊藤副武事務局長は「全国でイノシシなど動物が人を襲う事故が相次いでいる。今後も関係機関が連携をして備えていきたい」と話した。同公園では、ことし3月8日、イノシシが来園者を襲い、9人がけがをした。イノシシが捕獲されるまでの約2週間、公園の一部を立ち入り禁止にした。
(イノシシの食害防止へ鉄柵:山形)
イノシシから農作物を守るための鉄製の防護柵が26日、山形市切畑地区に設置された。住民125人が早朝から作業し、3・1キロにわたって設置した。県内では明治時代末期の記録を最後に、イノシシは絶滅したとみられていた。だが2002年、天童市でイノシシ1頭を捕獲。
(鳥獣害防護柵41.6キロへ:三重)
津市が強化を進める鳥獣害対策で、平成28年度の防護策設置総延長が過去5年間で最長の約41・6キロに達する見通しであることが明らかになった。前葉泰幸市長は「対策の効果が上がった」とし、「選挙公約の一つなので、さらに強化していきたい」と述べた。同市では、23年度に野菜や果樹などに約4400万円の鳥獣害があり、対策を推進した結果、27年度は約3200万円に減少。しかし、最近では、津駅周辺の住宅団地近くまでイノシシ被害が及んでいるといい、対策強化のため、28年度の当初予算で約2300万円の防護柵設置補助金を計上。これまでに各地域から約41・6キロの防護柵設置計画が寄せられ、平成26年度の約13・8キロの約3倍になる見通しとなった。防護柵は通常、高さ約2メートルで、シカ対策の電気柵や、イノシシ対策の強化網などがある。鳥獣害対策の総予算としても、19年度の約1800万円に比べ、28年度は約1億円に強化している。このほか、今年度から25人体制でスタートした市獣害対策相談チームは、空き家や屋根裏に住み着くアライグマを約半年間で51頭捕獲、前年同期比で約4倍の実績をあげた。他にサル、シカの追い払い活動を約80回実施するなど、市民の要望にこたえているという。
(クマ出没400件超:鳥取)
県内でツキノワグマによるけがや農業被害が相次いでいる。先月15日には岩美町で70代の女性が襲われ指の骨を折るなど、今年に入って3人が負傷。県内有数の柿の産地・八頭町では、実の食害も出ている。冬眠を控えたクマの活動が活発になる時期で、県などは当面注意するよう呼びかけている。県緑豊かな自然課によると、今年に入り県内でのクマの出没情報は436件(24日現在)。昨年11月末時点の84件に比べ大幅に増加している。また、5月と10月には山中や集落近くで計3人がクマに襲われ、けがをした。クマによる負傷者が出たのは、2010年以来6年ぶりだ。
(お堀のシカ見納め?名古屋城:愛知)
名古屋市の名古屋城の内堀で江戸時代から飼われていたというシカが、河村たかし市長が目指す天守閣の木造復元に向けた工事が始まると、すみかを追われることになる。現在いるメスの親子は数年間、城外の施設に預けられる見通しで、全国の城でもここだけというお堀のシカが姿を消す。「シカがいるよ」「何で?」城内を巡った観光客が驚いた。震度6強の地震で倒壊・崩壊する危険性が高いとして、市が注意を呼びかける天守閣のそば、水のない堀の中を親子2頭が歩き回る。「かわいい」とシャッターを切る人も多く、同市守山区の教員の男性(43)は「見る人を癒やしてくれる」と目を細めた。「堀の中でシカを飼っている城は、他に聞いたことがない」(文化庁記念物課)という異色の組み合わせ。市によると、城の歴史をまとめた江戸時代の「金城温古録」には延宝年間(1673―81年)、「空堀に、数年鹿をはなし有之(放していた)」とシカがいたことが記されている。昭和に入り、戦時中に姿を消したとされるが、1952年、観光客へのサービスの一環で、市内の動物園からヤクシカ3頭を譲り受けて飼育を再開。77年に56頭まで増えた後、減り始め、25頭がいた90年には10頭が野犬に襲われたり、4頭が病気で死んだりした。現在飼う2頭は尾張(愛知)・紀州(和歌山)・水戸(茨城)の「徳川御三家」の縁で91年、和歌山城(和歌山市)内の動物園から譲り受けたホンシュウジカの子孫。市名古屋城総合事務所の担当者が餌も与える。メス2頭だけの現状に、河村市長は「寂しいだろう。増やさないと」と話す。ただ、2022年7月とする木造復元に向けた現天守閣の解体が決まると、堀の中に重機を入れたり、足場を組んだりするため、シカは生活できなくなる。そして城内には、他に放し飼いできるスペースはない。事務所の担当者は「城のマスコット的な存在。できるだけのことをしてやりたいが、どこに預けるかも、まだ、これからの話」と言い、「大地震が起きたら、天守閣が壊れる前に離れた場所へ逃げて」と願う。ただ、「シカは、いない方がいい」という意見もある。奈良大学の千田嘉博教授(城郭考古学)は「本来の堀の使い方ではなく、群れをつくるシカに不自然な生活を強いている。動物園など適切な環境に移した方がいい」と指摘する。
(カメラ付き自販機で鹿守ろう:奈良)
自動販売機管理会社「奈良ベンダー」(橿原市鳥屋町、大塚昇代表取締役)は、「奈良のシカ」を見守る「鹿ちゃんカメラ」が付いた飲料自動販売機を奈良市登大路町の近鉄奈良駅前近くに設置した。鹿の保護を目的としたカメラ付きの自販機は初めて。カメラは30日から稼動を開始する。清涼飲料水を販売する自販機上部の高さ約2メートルの位置にカメラと通信機器を設置。撮影録画した映像は光回線を通じて同社のサーバーで保存管理され、保護団体「奈良の鹿愛護会」が鹿の保護や生息環境保全などに利用する。カメラは自販機の前方180度を撮影可能な魚眼レンズ付き。夜間でも赤外線照射で20~30メートル先まで撮影できるという。個人情報保護から常時監視は行わず、付近で交通事故をはじめ鹿のトラブルがあった場合に愛護会へ画像データを提供し、検証などに役立ててもらう。自販機は不動産会社「大東興産」(大東寛司代表取締役社長)の協力で、同社がある大和ビル前に設置。大宮通り(国道369号)に面した場所で交通量も多く、今年7月までの1年間に鹿の交通事故が20件発生し、ワースト2位の多発地域となっている。また、観光客ら人通りも多いことから防犯面での活用も検討されている。鹿の保護への自販機利用は、昨年末に愛護会の大川靖則会長が発案。大東興産から場所と光回線の提供を受けることで実現した。カメラの愛称は大川会長が「鹿ちゃんカメラ」と名付けた。自販機の売上げなどの一部は奈良ベンダーと大東興産から愛護会へ寄付され、鹿保護に役立てられる。大川会長は「昨年1年間に交通事故で81頭もの鹿が死んでいる。カメラ付き自販機が事故を未然に防ぐ一役を担うことになれば」と願っていた。
(マタギ見習いで秋田へ移住:秋田)
朝7時半に鉄砲を担ぎ、前夜からの雪の残った山に入る。ほどなくしてクマの足跡を見つけた。まだ新しい。橋本明賢(29)は山を下りるとマタギの師匠の菅詔悦(72)に携帯電話で連絡した。橋本が菅に弟子入りして2年半。まだクマは捕らえられた状態の3頭しか仕留めていない。福井に生まれた橋本は、もの作りに引かれて建築を志し、早稲田大に進んだ。大学院では建築家の教授の研究室で、夜を日に継いで課題と研究に打ち込んだ。都会の学生生活も楽しんだ。でもどこかで違和感があった。就職活動に身が入らなかった。心配した教授は「建築以外を考えてもいいんじゃないか」と初めて優しい表情を見せた。橋本の心はすでに建築から離れていた。大学院卒業後、魚釣りやキャンプに行く中で自然と関わる仕事を考えた。13年夏過ぎに狩猟免許を取得。環境省で働こうと資格の勉強も始めた。そのころ、秋田県湯沢市を訪れた友人から連絡があった。「秋田にすごいマタギがいるぞ」。聞けば一人で山に入ってクマを獲る「一人マタギ」だという。県南部の湯ノ岱(ゆのたい)マタギ5代目の菅だった。橋本は驚き、すぐに菅に電話して会いたいと告げた。菅は電話口で「マタギになりたいなら阿仁に行ったらどうだ」とかわした。阿仁(北秋田市)はマタギ発祥の地とされ、組織化された「巻き狩り」で知られる。湯ノ岱マタギの初代は明治時代、湯治に訪れた阿仁マタギにクマの狩猟方法を教わった。橋本は菅の提案を断った。巻き狩りは数人から十数人で行う。高齢化が進む阿仁に将来、そんなにマタギがいるかはわからない。13年秋、橋本は菅に会いに秋田を訪れた。山を語る菅の目はキラキラと輝いていた。「この年代でこんな目をする人に初めて出会った」。すぐにアパートを見つけ、生活費を稼ぐ塾講師のアルバイトも確保した。一緒に山に入って驚いた。山中では70歳近い菅について行けない。冬になれば雪の重さで足が上がらず、筋肉痛に襲われた。菅は最初、「もやしっ子で、こりゃ無理だろう」と思った。だが、橋本は日に日に頑強になり、山道や山菜もすぐに覚えた。「芯が強いし頭もいい。何より山が好きだ」。成長ぶりに目を細める菅は、橋本にいつか秋の岱マタギの6代目を継がせることを考えている。橋本は今年の夏、クマに初めて銃を向けた。檻(おり)に体をぶつけて暴れるクマが一瞬落ち着いたところを1発で仕留めた。同様に2頭にとどめを刺した。まだ山中で命を賭けて向き合った経験はない。滑落すれば生死に関わる斜面を歩きながらも「ワクワクする」と笑う。「こんなすばらしい文化を無くすのはもったいない。自分が知らないだけで、他にも消えそうなすばらしい文化はあるはずだ」 
(シカ・イノシシなど害獣を資源に:和歌山)
シカやイノシシなどの害獣を食肉として有効活用する「ジビエ」などについて考える「日本ジビエサミット」が29、30日、和歌山市手平の和歌山ビッグ愛で開かれる。会場では、市民を対象にしたジビエ料理を味わえる「わかやまジビエフェア」も開催され、県畜産課担当者は「これを機にジビエの魅力を知ってほしい」とPRしている。同サミットは全国の飲食店や自治体関係者らで構成するNPO法人「日本ジビエ振興協議会」の主催。害獣の利活用に取り組む自治体関係者や捕獲者、業者などの情報交換の場として昨年始まり、これまでに鳥取と福岡で開かれた。3回目となる今回のサミットには、20府県の関係者ら約200人が参加。開催県を代表し、昨年4月に県などの支援を受け「鳥獣食肉処理加工施設」を開設した古座川町が、町内での取り組みについて講演するほか、10月に広川町のベーカリー「カワ」が、同町産のシカ肉を使用してご当地バーガー日本一になった「里山のジビエバーガー」のレシピを公開する。古座川町産業建設課担当者は「古座川のジビエの魅力を全国に広めたい」と意気込んでいる。また、「わかやまジビエフェア」では、トヨタと同協議会が共同開発し、全国に1台しかないというシカやイノシシを解体処理できる設備が搭載された「移動式解体処理車」を紹介。1食500円前後のジビエ料理の試食コーナーも設置され、「里山のジビエバーガー」など県内の飲食店数店が自慢の料理を用意する。さらに、会場12階のフレンチレストラン「オテル ド ヨシノ」では、シカやイノシシ肉のパイ包みやパテなどが味わえるサミット期間限定のランチメニュー(7千円)を用意(事前予約が必要)。手島純也料理長は「県のジビエの魅力を詰め込んだ最高の料理を楽しんでもらいたい」と話している。
(本鴨料理の勉強会:石川)
加賀地方の代表的な冬の味覚「本鴨(ほんがも)」を使った料理を料理人らが学ぶ勉強会が二十九日、加賀市大聖寺東町の料亭「ばん亭」であった。加賀調理師会が主催し、山中、山代、片山津三温泉の旅館の料理人やおかみ、市内食品業者ら計五十五人が出席。カモ料理を普段から提供している同料亭の料理人が手掛けた、本鴨や加賀野菜などを使ったコースを味わった。新潟県で捕獲された本鴨の鍋や串焼き、薫製などカモ料理をメインに、橋立漁港で水揚げされた魚やJA加賀の組合員が育てた野菜などを提供。参加者たちは笑顔で舌鼓を打ちながら、本場のカモ料理の味や調理法などを学んだ。江戸時代から続く「坂網猟」があり、カモを食べる伝統が残る地域に住みながらも、実際にカモ料理を食べる機会が減少していることを受け、味を知ってもらい、旅館などで広げてもらおうと企画された。大丸谷幸三会長は「本物を味わい、本鴨がいかにおいしいかを感じてほしい」と話した。
(シカ肉でハム、ハンバーグ:京都)
有害鳥獣駆除で捕獲したシカを食肉にしている京都府福知山市夜久野町門垣の中島健太郎さん(41)が、シカ肉を使ったソーセージなどの加工食品の製造にも乗り出した。これまでから真空パックしたシカの冷凍生肉を府内外のフランス料理店など70店余りに出荷しており、加工食品が加わることで、スーパーなどへ販路が広がり、ジビエ料理の一般家庭などへの普及が期待できるという。中島さんは地元企業を辞めて2001年に就農。栽培した米、黒豆などで和洋菓子を製造し、道の駅やJAなどに出荷している。しかし相次ぐ農作物のシカによる被害に「駆除するしか手段はない」と、捕獲に本腰を入れ、食資源として生かすため13年春、有限会社田舎暮らしを設立。自宅近くに食肉処理加工場を建て、シカを解体して冷凍し出荷を始めた。シカ肉は、高たんぱく、低カロリーで、鉄分が多くヘルシーといわれる。中島さんは飲食店の厨房に立った経験があり、丁寧で効率よい血抜き処理を得意とする。冷凍生肉は真空低温調理でじっくりと柔らかく仕上げており、「臭みがなく、おいしい」と評価が高い。このため、販路が急速に開け、現在は市内だけでなく、京阪神や名古屋、東京などのフランス・イタリア料理店や居酒屋などに出荷している。11月中旬には、府中丹西保健所から従来の食肉処理業、食肉販売業に加え、食肉製品製造業の許可が下りた。シカ肉のロースト、ソーセージ、ハンバーグ、ハムなどの製造を始め、東京や大阪での商談会でスーパーなどの業界にも売り込んでいる。製品は色が濃いが、味にコクがあり、洋酒や日本酒にも合うという。シカは育った気候や風土によって味も変わるが、丹波で捕獲されたシカは質の良いシバグリなどを餌にしている。中島さんは「加工食品を販売できることになり、大きな前進。一般家庭でも手軽にジビエ料理を味わってもらえます」と自信をのぞかせる。17日にオープンした京都市伏見区にあるジビエや京野菜の町家レストラン「むすびの」の経営にも参画。「将来は地元にシカ肉のフルコース料理を提供できる店を出店し、全国各地から集客を図り、地域活性化にも貢献したい」と意欲をみせる。
(アグリ甲子園Vシカ肉カレー商品化へ:愛媛)
高校生らが愛媛県松野町の特産を使ったオリジナル料理を競う「アグリ甲子園」の優勝作品の商品化に向け、関係者による試食会がこのほど、同町延野々の道の駅「虹の森公園まつの」であった。アグリ甲子園は、町の新たな特産品を生み出そうと、同町が2015年度に始め2回目。今回は6日に町内であり県内外の6校が参加した。河原高等専修学校(松山市)の「クスクスご飯とヴェニスンカレー カシス風味」が最優秀に輝いた。試食会では、料理研究家の近藤一樹さん(兵庫県)が監修し調理方法などを改良した。メイン食材のシカのすね肉は、町内で獣肉の加工販売を担うNPO法人「森の息吹」から仕入れた。町職員ら10人がルーの辛さなどを確認。シカ肉は「じっくり煮込まれ軟らかい」「カレーとの相性がいい」と高評価だった。近藤さんは「シカ肉の良さをうまく生かした料理。松野の新たな看板商品になってほしい」と期待した。試作品は12月3日から同道の駅で「森の国ヴェニスンカレー」として、土日祝日1日20食限定で1200円(税込み)で販売する予定。
(各店自慢のジビエ堪能:鳥取)
「29(ニク)グルメ&ジビエフェア」が26日、鳥取市賀露町西3丁目の地場産プラザわったいなで開幕した。市内の飲食店などが県産食肉を使ったメニューやジビエ料理を提供。観光客らが各店自慢の肉料理を楽しんだ。27日まで。いなばのジビエ推進協議会と国道29号周辺兵庫・鳥取地域振興協議会などが「29(ニク)」をキーワードに、地域活性化とジビエの普及振興を図ろうと開催した。初日は鳥取市などの9店が出店。シカ肉と豚肉を使った「新・いなばのジビエバーガー」やシカ肉のサイコロステーキに人気が集まり、ホルモン焼きそばなどを買い求める客の姿が見られた。27日は国道29号沿線の人気店など15店舗が出店。肉巻きおにぎりやローストビーフ丼など24種類の多彩なメニューを提供する。
(名物鴨ネギ鍋で地場産品をPR:埼玉)
越谷市で27日、農業や地場産品をPRする「こしがや産業フェスタ」が開かれ、名物の「こしがや鴨(かも)ネギ鍋」5000人分が振る舞われた。越谷商工会議所などが主催し15回目。鍋は「おいしいもので町おこしを」と、市内にある宮内庁埼玉鴨場(かもば)にちなんだカモと越谷ネギなどのPRを兼ねて考案された。

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(捕獲した野生動物を食材に活用、特別措置法が成立)
野生動物による農業被害の減少につなげようと、捕獲した野生動物を食材として活用する取り組みを推進することなどを柱とした、「改正鳥獣被害防止特別措置法」が、25日の衆議院本会議で全会一致で可決され、成立しました。改正鳥獣被害防止特別措置法は、シカやイノシシ、サルなどの野生動物による農業被害の減少につなげようと、議員立法で提出され、すでに参議院で可決されていて、25日の衆議院本会議で、全会一致で可決され成立しました。改正法では、捕獲されたあと、埋めたり焼却したりされているシカやイノシシなどを、食材として活用する取り組みを推進することを明記しています。また、国や地方自治体に対し、食肉などに加工する施設の整備や流通経路の確保などを支援し、衛生や品質を確保するための情報提供などを行うよう求めています。
(国際射撃連盟、東京五輪での混合種目の実施を提案へ)
国際射撃連盟は24日、ドイツのミュンヘンで特別委員会を開き、2020年東京五輪に向けた実施種目で男女の参加人数を平等にするため混合種目の実施を新たに提案する方針を決めた。国際オリンピック委員会(IOC)の中長期指針「アジェンダ2020」は実施種目での男女平等や混合種目の増加を歓迎しており、改革を反映した形だ。今回の提案は国際連盟の理事会を経て2017年2月までにIOCに提案される見通し。最終的にはIOCが決定する。
(イノシシ被害、女性襲われケガ:愛媛)
23日午後3時50分ごろ今治市大西町で61歳の女性が散歩をしていたところ、体長1メートルほどのイノシシに襲われた。女性は逃げようとして転倒した際、イノシシに尻と太ももをキバで突かれ全治3週間の怪我。イノシシはそのまま山へ走り去ったということで地元の猟友会のメンバー5人が24日の朝から近くの山を捜索したが夕方になってもイノシシはまだ見つかっていない。県内では今月18日にも新居浜市で登校中の女子中学生3人がイノシシに襲われ怪我をする被害が出ている。
(飛び出した「クマ」にトラック衝突:福島)
21日午後11時15分ごろ、猪苗代町の国道49号で、走行中のトラックが道路に飛び出してきたクマにぶつかった。運転手の男性にけがはなかった。猪苗代署によると、クマは体長約1メートルでそのまま現場から逃げ去ったという。
(クマ、猟友会が射殺:神奈川)
県央地域県政総合センター(厚木市)は24日、県が猟友会に委託して23日に実施した厚木市七沢の広沢寺周辺でのニホンジカ捕獲で、ハンターがツキノワグマと遭遇し、猟銃を発砲したところ胸部に命中し、死亡したと発表した。ツキノワグマは体長約145センチ、体重約67キロのメスで、学術利用のため県立生命の星・地球博物館(小田原市)に搬送した。午後2時ごろ、猟犬を回収中に遭遇。向かって来たことから身の危険を感じ、発砲したという。
(逃走イノシシがアパート破損:群馬)
群馬県伊勢崎市内のアパートにイノシシが入り込み窓ガラスを割るなどした問題で、市は24日、猟友会に委託して行った捕獲業務の影響で被害が生じたとして、アパート所有者に損害賠償金約20万円を支払ったことを市議会議会運営委員会に報告した。市農政課によると、イノシシが壊した網戸や畳、風呂場の窓などの修理費として支払った。
(クマ、2頭を殺処分:山口)
周南市で18日、ツキノワグマ2匹が相次いでイノシシ用の箱わなに捕獲され、いずれも殺処分された。県自然保護課によると18日午前6時20分ごろ、周南市金峰の山中でわなを設置した地元猟友会の会員が雄の成獣(全長118センチ、体重40キロ)がかかっているのを見つけた。
(飼育のサル?目撃相次ぐ:島根)
松江市中心部で数日前から、ニホンザルとみられるサルの目撃が相次いでいる。21日は、市役所付近などで複数の人に目撃され、連絡を受けた松江署員や市役所職員らが、パトロールなど対応に追われる事態になった。猟友会によると、サルは飼育先から逃げた可能性があるといい、「群れが移動していたり、サルによる大きな被害情報はない。遭遇しても刺激したり、近づかないようにしてほしい」と呼び掛けている。
(路線上にイノシシの死体:)
24日午後7時20分ごろ、JR内房線和田浦-江見駅の線路上で、同区間を走行していた館山発安房鴨川行き下り普通電車の運転士が線路上で横たわっているイノシシを発見し、電車を停止させた。イノシシが死んでいたため死がいを移動、安全を確認し運転を再開した。運休、最大1時間48分の遅れなどの影響が出た。JR千葉支社によると、同日午後6時25分ごろ、同区間を走行していた別の電車がイノシシをはねた。同電車の運転士は線路上にイノシシがいなかったため、発進させた。イノシシは事故後、線路上に移動し、死んだとみられる。
(イノシシの捕獲頭数目標、大幅引き上げ:群馬)
群馬県桐生市内で60代男性がイノシシに襲われ、死亡した事故から1週間余りが経過した。イノシシを巡っては農林業被害が大きな課題になっているが、今年は市街地に出没する事例が頻発し人身被害も懸念される。人身被害の防止に向け、自衛について理解を深める取り組みや、頭数の適正管理の徹底が求められそうだ。死亡事故が発生したのは11日夜。男性が自宅敷地内に設置したわなにかかったイノシシを農具で抑え込もうとした際、わなが外れて襲われた。男性は日頃からイノシシの被害に悩まされ、わなを設置したとみられる。現場は茶臼山がある丘陵地の麓で、近隣住民もイノシシへの警戒を強めていた中で発生した。近くの大雄保育園は事故後、継続して行っていた茶臼山登山を控えている。同園の保育士は「保護者が心配しており、散歩コースを変えた。近くでイノシシを見かけたとの情報もある。早く安全になってほしい」と話す。県内では最近、市街地でのイノシシの出没が相次いでいる。9月上旬に伊勢崎駅に近い伊勢崎市昭和町のアパート2階の1室にイノシシが入り込んだ。10月下旬にはJR高崎駅西口周辺に出没し、約1時間の捕物が行われて騒ぎとなった。県自然環境課は、イノシシによる死亡事例は「少なくともここ数年、県内では聞いたことがない」としている。全国では今年2月に愛媛県の男性がイノシシに襲われて死亡したとみられる事故があった。県内の平野部でも近年、住民がけがをした事例は複数あり、身近な危険になっている。県は9月、イノシシの適正管理計画で掲げる年間捕獲頭数の目標を7500頭から1万3千頭に大幅に増やした。農林業被害の軽減や集落への出没の抑止のためだ。ただ、人身被害の防止について、同課の担当者は「生態の周知を地道に続け、適正な頭数に管理するしかない」としている。市街地などで遭遇したら、どう行動すればいいのか。イノシシに詳しい宇都宮大雑草と里山の科学教育研究センター講師の小寺祐二さんは、「警戒心が強く、人間を見れば普通は逃げていくが、餌付けなどで警戒心が下がっている個体もいる」と指摘する。声を上げても逃げない場合はイノシシから見えないところや高い場所に避難するのが有効という。
(雪舟が築造の庭園、イノシシ被害:山口)
室町時代に禅僧画家・雪舟が築造したとされる国名勝の庭園「常栄寺雪舟庭」(山口市)で、餌を求めるイノシシによって芝生が掘り起こされるなどの被害が相次いでいる。景観への配慮などから柵の設置も難しく、関係者は頭を悩ませている。10月下旬、庭園内の池の周辺の地面のあちこちが掘り返され、芝生部分は茶色となっていた。今井宏泉住職(67)は「多い時は1日に数十か所を掘り返される時もある」と嘆く。富山県から観光で訪れた男性(75)は「庭園の趣が失われていて、いたたまれない気持ちになった」と話す。今井住職によると、ミミズを求めて現れるとみられるイノシシの被害に本格的に遭うようになったのは2014年頃から。当初は今井住職が掘り返された芝生を足で踏んで直していたが、今年は被害の範囲も広く、石垣を崩されるなどしたため対応できなくなったという。今年9月に地元猟友会に依頼し、イノシシを駆除してもらったが、被害はいっこうに減らないままだ。市教委とも協議しながら柵の設置などについても検討したが、敷地が広いうえ、景観が損なわれる恐れもあり難しいという。今井住職は「抜本的な対策が見つかっておらず、このまま被害が拡大すると観光にも影響が出てしまう」と危機感を募らせる。一方、同じく雪舟が築いたとされる福岡県川崎町の国名勝の庭園「藤江氏魚楽園」でも、10年以上前からイノシシの被害に悩まされている。被害を防ごうと、庭園では昨秋から、イノシシが嫌う臭い成分が放出される「忌避剤」を園内の木につり下げる取り組みを始めたところ、被害が7割程度、減ったという。庭園を管理している藤江敬子さんは「今まで色々な取り組みをしてきたが、一番効果があったと感じている。ただ、景観への配慮という点ではまだまだ問題があるので、今後も対策を考えていきたい」と話していた。文化庁によると、このほか、山間部に位置する庭園や山城などが複数、イノシシやシカによって荒らされる被害が起きているが、現在のところ、有効な対策は見つかっていないという。
(有害鳥獣対策交流会、農業者らが学ぶ:京都)
舞鶴市内でのイノシシ、サル、シカといった動物による農作物被害の現状と対策について話し合う「有害鳥獣対策『学び合う』交流会」が24日午後7時、舞鶴市余部下の中総合会館である。市内各地区の農業者らが独自の対策を、スライドなどを使って報告する。入場無料。予約不要。市農業委員、JAにのくに会員、市内の猟友会員らでつくる「有害鳥獣対策交流会実行委」の主催。
(営農地の野菜畑、カモ食害深刻:長崎)
国営諫早湾干拓事業で造成された営農地で、マガモなどの渡り鳥が出荷前の野菜などを食い荒らす被害が深刻化している。昨季も農家の被害は3000万円余に上っており、営農を支援する県など関係機関も対策に頭を悩ませている。諫早湾は1997年の潮受け堤防閉め切り前まで全国有数の渡り鳥の飛来地だったが、専門家は「干潟が消滅し、渡り鳥の全体数は減っているようだが、広大な農地ができ、陸上の植物を好む種類のカモが越冬しやすい環境になっているのではないか」と分析する。
(深刻化するハンター不足をカバー!?獣害捕獲監視システム)
都市部ではそれほど顕在化はしていないものの、地方の里山では、イノシシやクマ、シカなどに田畑を荒らされたり、ケガをさせられるなどの獣害が深刻化している。背景には、猟師の高齢化や担い手の減少による絶対数の不足があり、減少傾向に歯止めがかかっていない。大日本猟友会が公表する資料を見ると、昭和53年には42万人以上いた大日本猟友会会員数(網・わな猟、第1種銃猟、第2種銃猟会員の合計)は、平成21年の段階で11万人強まで減少し、こと、第1種銃猟の会員数に関しては、昭和53年の41万人から、平成27年までには5万人前後への減少が予測値として算出されている。5万人という数字だけを見れば、少なくないようにも感じるが、有害鳥獣駆除はボランティアの猟師が担っているだけに、要請に応じて即応できる人数はもっと少なくなり、さらに全国の里山単位で見ていけば、捕獲隊の編成が難しかったり、1人当たりの負担は年々大きくなる一方で、獣害対策に従事できる人は極めて限られている。そうした中、ハンター不足を補うための最新のセンシング技術を活用した獣害対策用のシステムに注目が集まっている。アイニックスの害獣捕獲監視システム「わなタグ」もそうしたシステムの1つで、幕張メッセで開催されていた「第2回 IoT/M2M展 秋」にてデモ展示されていたので紹介していこう。同システムは、加速度RF監視タグや赤外線RF監視タグを用いて、囲い罠や箱罠に、害獣が捕獲されると、電子メールで通知を行うというもの。これまでにもこうした罠の監視システムは存在していたが、各罠ごとに回線を用意する必要があり、ランニングコストが課題だった。しかし、同システムに必要なのは中継器用の回線のみとなっており、タグと中継器の間は、920MHz帯の特定小電力無線により、通信するためラニングコストを大幅に圧縮することができる。また、中継器用回線は、1回線で最大20の罠の捕獲情報を集約し、送ることができるとのこと。ちなみに中継器と各種RF監視タグとの通信距離は、見通し300mを基本とし、地形特性や設置方法によっては、100m位が目安となる。これまでは、ハンターが定期的に罠の見回りを行いいちいち確認する必要があったが、同システムであれば、捕獲通知を受けた時や、電池交換(電池寿命は約3か月)の通知を受けた時のみで済むのが特徴だ。
(冬は「しし鍋」で温まろう:茨城)
イノシシ肉や野菜で作る鍋料理「しし鍋」で町おこしを図る石岡市八郷商工会(同市柿岡)の取り組みが今年で10周年を迎えた。毎年作成する料理提供店の紹介マップに、今回は特典を用意した。本格的な寒さを控え、温かく栄養豊富な八郷の“名物鍋”が今冬も注目を集めそうだ。イノシシ猟解禁の11月15日に合わせ、今年は石岡市の7店、つくば市の1店の計8店が工夫を凝らした、しし鍋を提供している。無添加のみそを使った味付けが基本だが、しょうゆ味もある。商工会が毎年作成している「八郷名物しし鍋マップ」はカラー刷りのB4三つ折りサイズ。「高度不飽和脂肪酸を多く含んでいて、とってもヘルシー」といったイノシシ肉の特徴などをイラスト入りで紹介している。今回はマップを活用し、3店でスタンプを押してもらい、商工会に送付すると地元産の商品がもらえるスタンプラリーを実施する。店による一品サービスもある。「イノシシを鍋で食べるとおいしい」。しし鍋で町おこしの取り組みのきっかけは、イノシシを捕獲する地元の県猟友会八郷支部メンバーの言葉。畑の農作物を食い荒らす厄介者というイノシシのイメージを逆手に取り、観光などの目玉にしようとスタートした。東京電力福島第1原発事故後、イノシシ肉に出荷制限がかかった時期もあったが、地鶏を使った鍋の提供などで危機を乗り越えた。口コミで浸透して知名度も上がり、客は増加。最近は若いカップルも多く訪れる。事故後は売り上げが落ち込んだこともあったが、しし鍋の販売数は徐々に回復しつつあるという。市八郷商工会の土田久美子さんは「イノシシ肉は歯応えもあっておいしい。ぜひ食べに来てほしい」と呼びかけている。
(秋葉原にシューティングバー:東京)
秋葉原に11月13日、シューティングカフェ&バー「アキバベース」(千代田区外神田4)が出店した。ガンシューティングと酒、音楽を融合させたという同店。店内に最長17メートルのシューティングレンジを設置。備え付けのエアガンを使って、点灯したLED(ターゲット)を撃ち抜いてタイムを競う「ターゲットシューティングシステム」(NEOX開発)によるゲームを楽しめるほか、1対1で対戦することができる。エアガンは持ち込みにも対応。シューティングレンジの利用料金は10分1,000円(弾・ガス代込み、初心者は安全講習含む)。音響は、「プロケーブル」社監修のオーディオシステムを導入。ドリンクは、経歴15年の熟練バーテンダーを採用し、カクテル数十種、オリジナルカクテル、生ビール、ノンアルコールカクテルなどの酒メニュー(600円~)を充実させる。昼間はカフェスペースとしても営業する。同店広報担当者は「秋葉原を愛する人、ミリタリー、サバゲーを愛する人、音楽を愛する人、あらゆる人やコミュニティーをつなげ、秋葉原発祥の新たな文化を築くことを目指す」と意欲を見せる。
(シカ肉、味わって:北海道)
広尾町内の飲食店が、町内で捕獲されたシカ肉の料理を提供する「ひろおシカ肉フェア」が12月1日~31日に開かれる。町内では、害獣駆除や狩猟によって年間千~1200頭のシカが捕獲される。従来はハンターが自家消費するだけだったが、未利用資源を有効活用して町の特産品にしようと、町が飲食店8軒に呼び掛けて初めて開催する。フェアに先立ち、今月21日には町内の飲食店で、関係者10人が、シカ肉を使った春巻きや煮物などを試食した。出席者は「脂身がなくてヘルシー」「臭みもない」と感想を話していた。町農林課は「一度食べてみて、シカ肉について知ってほしい」としている。12月いっぱい開催するが、店によって早めに終了する場合もある。提供時にはフェアののぼりを掲げる。

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(シカ猟中ライフル銃暴発、男性死亡:岩手)
19日午前6時半ごろ、岩手県遠野市附馬牛町上附馬牛第19地割の山林で、シカ猟をしていた滝沢市の男性(64)の猟銃が暴発、一緒に猟をしていた同市鵜飼外久保、獣医師菅原克(まさる)さん(37)が背中に被弾し、死亡した。遠野署によると、軽トラックの荷台で猟をしていた男性が体勢を崩した際にライフル銃が暴発。銃弾は軽トラックの車体を貫通し、助手席に座っていた菅原さんに当たった。男性は「引き金は引いていない」と話しているという。同署は業務上過失致死などの疑いもあるとみて、当時の詳しい状況を調べている。
(クマにかまれ男性重傷、山林で狩猟中:岩手)
20日午前11時ごろ、宮古市小国の山林で、同市の男性(61)がクマに襲われた。宮古署によると男性は県立宮古病院に運ばれ、右手人さし指骨折の重傷。宮古地区猟友会(摂待義男会長、会員約100人)などによると、現場は国道340号から約2キロ東側。会員の男性は20日午前9時すぎに約20人のグループでシカの狩猟のため入山し、体長約1・3メートルの成獣のクマに頭頂部と右手の甲をかまれた。クマは男性が射殺した。周辺には他に成獣のクマ2頭がいて会員が射殺した。
(イノシシ中学生襲う、3人軽傷:愛媛)
18日午前7時45分ごろ、新居浜市高津町の市道で、登校中だった市立東中3年の14~15歳の女子生徒2人にイノシシがぶつかった。さらに直後、約100メートル離れた同市桜木町の市道で別の3年の女子生徒(15)もイノシシに襲われた。3人はいずれも手や足を打撲するなどの軽傷。現場は新居浜市役所から約2キロの田んぼや畑が点在する住宅地。新居浜署などによると、イノシシは畑から突然飛び出し、並んで歩いていた生徒2人の間を走り抜けた際に足にぶつかった。
(猟犬2頭が幼稚園に侵入、園長と5歳男児かまれる:香川)
17日午前11時40分ごろ、香川県三豊市三野町吉津の市立吉津幼稚園に猟犬2頭が侵入し、園庭で遊んでいた男児(5)と、助けようとした女性園長(55)をかんだ。男児は太ももをかまれて軽傷。園長も手首や太ももをかまれた。命に別条はないという。2頭は市内の男性(65)が所有しており、幼稚園の西約700メートルの山中に猟のため放していた。県警は男性から状況を聴いている。三豊署や吉津幼稚園によると、男性は同日午前10時ごろ、イノシシ猟のため計4頭の猟犬を放し、2頭は戻ってきたが2頭が行方不明になったという。幼稚園に入った2頭はいずれも体長約80センチの中型の雑種。給食を運ぶ車が園内に入ったすきに侵入した。1頭は警察官らに園内で取り押さえられたが、もう1頭は逃走して約3時間後に近くの山中で捕獲された。事故当時、全園児約50人が園庭で遊んでいたという。園児を迎えに来た保護者の一人は「二度と起きないよう、対策を強化してほしい」と話した。
(サルに襲われ4人けが:山口)
美祢市でサルによる被害が相次いでいて、20日には5人が襲われ4人がケガをしている。サルによる被害が相次いだのは美祢市大嶺町の北分地区。21日も女性が背中に飛び乗られるなどの被害があり、猟友会のメンバーなどがサルの捜索にあたった。21日は、付近の住民5人がサルに襲われ、4人がケガをした。美祢市では今月17日から近くの住宅地でサルの被害が続いていて、目撃情報から同じ若いオスザルと見られている。近くには小学校などもあり、警察は登下校の見守りをするなど、警戒を続けている。
(クマに襲われ50代男性けが:新潟)
19日午後3時ごろ、南魚沼市荒金の八海山麓スキー場のゲレンデ付近で、キノコ採りをしていた同市茗荷沢の50代会社員男性がクマにかまれ右手首などに軽傷を負ったが、命に別条はない。南魚沼署によると、クマは体長約1・8メートル。男性を襲った後、山林に逃げた。男性は自力で帰宅し、友人が通報した。現場は民家から約700メートル。同署は住民に注意を呼び掛けている。
(猟犬が逃走、まだ発見できず:山梨)
20日午後、市川三郷町でイノシシ狩りをしていた猟犬が逃げ出し、まだ見つかっていない。現場近くの小中学校では、児童や生徒を集団で登下校させるなど、警戒を強めている。逃げ出したのは、プロットハウンドという猟犬の4歳のメスで、色は黒茶色、体長は1mほどだという。市川三郷町によると、20日午後3時半ごろ、市川三郷町上野にある歌舞伎文化公園の南側の山で、地元の猟友会の男性が4頭の猟犬を使って、イノシシ狩りをしていたところ、そのうち1頭の猟犬の首輪が外れ、そのまま行方が分からなくなったという。21日朝から、地元の猟友会の約10人が周辺を捜索したほか、町の担当者が捕獲用のおりを2カ所に設置したが、猟犬はまだ見つかっていない。また、現場近くにある3つの小中学校では、集団での登下校に切り替え、警戒を強めている。地元の猟友会では、22日も朝から猟犬の捜索を行うことにしている。
(民家の庭にクマ3頭:新潟)
19日午前9時40分ごろ、秋田県潟上市昭和豊川岡井戸の民家の庭にクマが3頭いるのを、この家の60代男性が発見し、市を通じて五城目署に届け出た。けが人はいなかった。
(動物園で鳥類132羽処分、2羽が鳥インフル陽性:秋田)
秋田市大森山動物園(同市浜田)は17日、飼育中に死んだコクチョウから簡易検査で2羽目の鳥インフルエンザ陽性反応が出たことを受け、被害の拡大を防ぐため園内の鳥類132羽を殺処分したと発表した。陽性の2羽は北海道大で確定検査を行うが、結果が出るまで約1週間かかるという。17日午前に死んだ1羽が鳥インフルエンザに見られる症状を起こしていたため、確定を待たず殺処分に踏み切った。処分の対象は、2羽と同じ小屋で飼育していたコクチョウ1羽と、隣の小屋のオオハクチョウ1羽に加え、感染するリスクが高いニワトリやヒヨコ、キジなど。17日夕の時点で、陽性の2羽以外に異常は見つかっていないという。
(鳥インフル、鹿児島とウイルス型酷似:秋田)
秋田市大森山動物園で死んだコクチョウ2羽から検出されたH5N6型の鳥インフルエンザウイルスは今季、鹿児島、鳥取両県でも検出されている。このうち秋田と鹿児島のウイルスはタイプが近いとされ、専門家は「ウイルスはかなり広まっていると考えるべきだ」と警鐘を鳴らす。秋田県によると、秋田市のコクチョウから検出されたウイルスは、鹿児島県出水市のツルのねぐらで採取された水から18日に検出されたウイルスと遺伝子のタイプが近かった。京都産業大鳥インフルエンザ研究センター長の大槻公一教授(獣医微生物学)は「発生場所が同じウイルスが渡り鳥によって運ばれた可能性が高い」と指摘する。同型の鳥インフルエンザウイルスは鳥取県でも、鳥取市で採取した水鳥のふんや、同市の池のカモのふんから検出されている。農林水産省動物衛生課の担当者は「農場で体調がおかしい家禽(かきん)を見つけたら、直ちに関係機関に通報してほしい」と呼び掛けている。
(鳥インフル対策会議、コガモのふんから検出:鳥取)
鳥取市内で見つかったコガモのふんから高病原性の鳥インフルエンザウイルス(H5N6型)が検出されたことを受け、鳥取県は21日、関係機関による連絡会議を開き対策を協議した。冒頭のあいさつで平井伸治知事は「波及しないよう監視を強める。終息するまで警戒が必要だ」と語った。県によると、県内で鳥インフルエンザウイルスが検出されたのは平成26年以来。以前も市内の同じ地区のカモ類のふんから見つかっている。会議に先立ち、平井知事はふんが採取された鳥取市気高町を訪れ、水鳥の飛来状況などを視察した。ふんは鳥取大が15日に独自の調査で採取。環境省は採取地点から10キロ圏内を野鳥監視重点区域に指定した。
(雑木林の中を走るクマ目撃:福島)
18日午後2時10分ごろ、福島市町庭坂字清水原の雑木林でクマを目撃したと、除染作業中の除染作業員男性(45)から福島署に通報があった。同署によると、クマの体長は約1.3メートル。男性は雑木林の中を走るクマを目撃したという。
(民家の庭にクマ3頭:秋田)
19日午前9時40分ごろ、秋田県潟上市昭和豊川岡井戸の民家の庭にクマが3頭いるのを、この家の60代男性が発見し、市を通じて五城目署に届け出た。けが人はいなかった。
(木の上にクマ、麻酔銃使うも捕獲失敗:福井)
十七日午後三時十五分ごろ、福井市市波町の本向寺で、境内のイチョウの木にクマの成獣一頭が登っているのを、木の枝の伐採作業をしていた地元の男性が見つけ、寺を通じて一一〇番した。福井署員や市職員、県自然保護センター職員らが駆け付け、捕獲のため麻酔銃を数回発射。しかし、高さ十メートルほどの枝の上で動かずにとどまっていることから、午後七時すぎに作業を中断した。十八日早朝に再開する。市によると、樹上で確認できたのは一頭だが、さらに高い場所に別の一頭がいるとの目撃情報もある。町内ではここ数日、クマの親子の目撃が相次いでいた。
(サル、今度は中学校に:栃木)
21日午前7時15分頃、宇都宮市天神の市立旭中学校で、登校した生徒が、学校敷地内にサルがいると、教師を通じて宇都宮中央署に通報した。同市教育委員会によると、この日は市内で計6件の目撃情報があり、市立小中学校にファクスや電話で注意を呼びかけた。同市教委によると、その後も簗瀬町と陽東、上横田町の市立横川西小付近で目撃情報があり、午後4時頃には江曽島町の陽南第二幼稚園付近のやぶの中で、目撃された。猟友会や県警、市農林生産流通課などが捜索したが、この日も捕獲できなかった。
(サル目撃相次ぐ:栃木)
18日午後1時10分ごろ、宇都宮市塙田2の住宅地で、男性がサル1匹を目撃し、110番通報した。午後3時25分までに同様の通報が計6件あり、宇都宮中央署は午後3時25分の「県立図書館付近から北の八幡山に向かっていった」との通報から、サルは同市塙田5の八幡山公園に逃げた可能性があるとみている。現場は県庁に近い市の中心部。
(サル目撃情報:栃木)
17日午前10時ごろ、野木町潤島の田んぼで近所の女性がサルを目撃し110番した。サルは体長約60センチで小山署と町役場が住民に注意を呼び掛けた。野生動物の生態に詳しい宇都宮大の小金沢正昭(こがねざわまさあき)特任教授(野生鳥獣管理学)は「野木でサルの目撃情報はとても珍しい。群れから離れて動く雄ではないか」と話している。署によると、同日午前9時ごろ、同町若林で別の女性が野木中学校方向に歩くサルを目撃し町役場に連絡した。サルは東から西にかけて移動し、友沼のエニスホール付近の田んぼで確認されたのが最後という。野木中はJR野木駅の北東約2キロに位置する。サルの目撃情報を受け、町教委は町内の全小中学校と幼稚園などに連絡し、安全対策の徹底を指示した。
(興部の中学校にクマ:北海道)
17日午前6時50分ごろ、オホーツク管内興部町沙留(さるる)の町立沙留中のグラウンドに1頭のクマがいるのを女性教諭が見つけ、興部署に通報した。同署によると、クマは体長約1~2メートル。直後に学校の南側の雑木林に入っていったという。けが人はいなかった。沙留中は、生徒の登校時間を約3時間遅らせる措置を取った。
(イノシシ、河原のやぶで多く出没:群馬)
十一日にイノシシに襲われて酪農業の男性が死亡した桐生市内で、イノシシが山林につながる河原の深いやぶに多く出没する実態が、県林業試験場(榛東村)の調査で分かった。試験場は市内での警戒を呼び掛けるとともに、山林の多い県内では桐生と似たような河原が散在するため、広く注意を喚起している。調査の対象は、河川域では、桐生市の渡良瀬川(相川橋から松原橋までの約八キロ)、桐生川(小松橋から境橋までの約四キロ)。いずれも幅は両岸の計数百メートルを範囲とした。山林域では、渡良瀬川近くは吾妻山一帯、桐生川近くは観音山一帯を調べた。二〇一一年七月上旬~十二月下旬、この地域内に延べ二十六台のカメラを、木の幹の高さ約一~一・五メートルに設置。動物の動きを感知すると自動的に撮影するカメラを用いた。調査には国、同市、地元猟友会の協力も得た。その結果、カメラが百日当たりで撮影した延べ頭数は、河川域で平均約三十九頭、山林域では同約二十八頭。一般的には、イノシシは山林域に出没するとのイメージがあるが、桐生市では河川域に出る実態が判明した。全体で出没の頻度が最多だったのが、渡良瀬川沿いの相生町内で、百日当たりで撮影した延べ頭数は八十頭。次いで、桐生川沿いの菱町内で同約七十六頭だった。河川域でも、ススキ、ササや樹木などが生い茂り、生息しやすく、出没が多い傾向にある。渡良瀬川を渡ったとみられる姿や、桐生川沿いの竹林で親子が繁殖している様子も確認された。河川域には餌などが豊富でもあるため、生息しやすいとみられる。一方、男性が死亡した現場の広沢町は、調査地域の外で、渡良瀬川から約一・五キロだったが、山林に近い。男性を襲ったイノシシの行方は分かっていない。試験場の坂庭浩之主任研究員(獣医師)は「イノシシの活動範囲は数百メートル程度なので、襲ったイノシシは近くの山林にいる恐れがある。ただ、十月末に高崎市の中心部に出没したように、数キロにわたって移動するケースもあり、警戒が必要だ」と指摘している。その上で「民家の庭や畑などを含め、イノシシが出没するやぶを伐採する対策をしてほしい」と呼び掛けている。桐生市内では二月に調査地域内だった桐生川沿いで、男性がイノシシに襲われ、軽傷を負った。イノシシに襲われ、二〇一四年に太田市で女性が、一二年にみなかみ町で男性二人がいずれも軽いけがをしている。
(市街地でイノシシの出没が相次いでいる:香川)
高松市の市街地でイノシシの出没が相次いでいる。海沿いに現れることから、瀬戸内海の島などから泳いで渡って来たとみられている。香川県によると、食べ物を探すイノシシが山を下り、野犬に追われたり車のライトに驚いたりして海に落ちた可能性があるという。高松海上保安部が、海を泳ぐ姿を捉えたこともある。
(国道にクマ2頭:新潟)
18日午前5時半前、魚沼市大栃山の国道でクマ2頭を目撃したと、車で通り掛かった女性が小出署に通報した。小出署によると、クマの体長はそれぞれ約1・5メートルと約1メートルで、山の方に逃げたという。民家まで約400メートルの場所で、同署と魚沼市は注意を呼び掛けている。
(シカ肉処理、7施設認証:北海道)
エゾシカ肉の販路拡大とブランド化に取り組む道の「エゾシカ肉処理施設認証制度」が始まり、7施設が認証を取得した。道が安全安心を保証することで、ジビエ料理として注目が集まるエゾシカ肉の付加価値を高めたい考えだ。認証を受けたのは、知床エゾシカファーム食肉センター(斜里町)やジビエ工房加工所(当別町)、サロベツベニソン(豊富町)など7施設。道内に処理施設を持つ食肉処理業者を対象に、〈1〉道が策定した衛生処理マニュアルの順守〈2〉道のHACCP(ハサップ、危険度分析に基づく重点衛生管理)で評価段階A以上〈3〉出荷製品の履歴管理(トレーサビリティー)が可能など、厳格な基準が設定されている。認証されると、緑色の円の中にエゾシカの絵が描かれたロゴを使用することができる。認証の有効期間は3年。道エゾシカ対策課がまとめた2014年度の統計によると、捕獲頭数は約13万7000頭で、このうち食肉処理施設で処理されたのは17・7%の2万4237頭(約48万5000キロ・グラム)にとどまっている。道内には95施設あるが、猟銃による捕獲の場合、1~2時間以内に処理施設に運搬することや、銃弾が腹部にあたった場合は出血が多くなるため食肉にしないなどの制約があるためだという。道は捕獲頭数のうち、食肉処理される割合について2割超を目標に掲げ、今年9月から厚岸町と標茶町でモデル事業を始めた。ハンターが撃ったエゾシカを回収する専門部門を現地の処理業者に設けてもらい、採算性を確かめている。野生動物のエゾシカ肉は、高たんぱくで鉄分やビタミンを豊富に含むのが特徴。ジビエ料理を提供する東京都内の高級レストランなどにも出荷されているほか、道内ではコープさっぽろやイオンなどでも取り扱っており、食肉としての流通量は増加傾向にある。
(狩猟部分解禁1週間、クマ捕獲は1頭だけ:兵庫)
井戸敏三知事は21日の定例会見で、ツキノワグマの狩猟が20年ぶりに部分解禁されてから同日までの1週間で、捕獲数が初日の15日の1頭にとどまっていると明らかにした。狩猟が認められるのは12月14日までで、「一定数を確保できなければ、来年は特別捕獲班の編成など次の対応も検討しなければならない」との認識を示した。県はこれまで、絶滅の恐れがあるとしてツキノワグマを保護してきたが、生息数の回復を受けて15日から猟を解禁。ハンター一人につき1頭の捕獲を許可し、捕獲数は有害駆除も含め最大140頭としている。井戸知事は「今年は県内で2件の人身被害が発生しており、20年やってこなかった取り組みを行うこと自体が大切だと思う」とした上で、「残りの狩猟期間でどの程度成果があるのかをよく見極め、来年度の対策を検討したい。ぜひハンターの方々の協力を得たい」と述べた。
(70キロの雌イノシシ捕獲:和歌山)
和歌山県白浜町保呂の栗原保宏さん(77)が18日、田辺市富里地域の山中で体長約130センチ、体重約70キロの雌のイノシシを猟銃で捕らえた。県猟友会西牟婁支部長でもある栗原さんは「雌にしては体が大きい」と話している。
(ロケット花火でカラス追い払い:福島)
会津若松市の会津学鳳中・高付近で9月ごろからカラスのふんで道路が汚れたり、通行人が被害を受けていることから、NPO法人環境保全会議あいづと市は18日までに、学校周辺でカラスの追い払い対策を実施した。同市は鳥獣対策事業に取り組んでいる。市によると、カラスは以前は市中心部を移動していたが、学校周辺にねぐらをつくったとみられる。ねぐらには約1200羽のカラスがいるのが確認された。追い払いには、市の職員や関係者ら約20人が参加。カラスの群れがねぐらに戻ってくる時間を狙い、ロケット花火やスターターピストルなどの音、レーザーポインターなどを使ってカラスを追い払った。担当者は「一定の効果はあった」として、しばらく様子を見るとしている。
(タカがカラスを追う:熊本)
猛禽[もうきん]類を使ったカラス撃退作戦が11日、熊本市東区のうまかな・よかなスタジアムで行われ、佐賀県武雄市の石橋秀敏さん(50)、美里さん(22)の「鷹匠[たかじょう]」親子が、タカのハリスホーク、大型フクロウのワシミミズクを操ってカラスの群れを追い払った。同スタジアム指定管理者の県スポーツ振興事業団によると、ふん害のほか窓枠のゴムを剥がされるなどの被害があるという。毎年、スタジアム周辺のカラスが増える冬場に3、4回駆除を依頼しており、今冬は初めて。カラスがスタジアムの屋根などに集まり始めた夕暮れ時に、美里さんがハリスホークを放つと、カラスは慌てるように飛び回り、場外へ逃げ去った。美里さんは「カラスは飼っていたこともあって大好きな鳥だけど、我慢してもらって共生できるのが理想」と話していた。
(シカ対策に苦慮、柵延長で負担重く:北海道)
道北で線路侵入などエゾシカ絡みのトラブルによる列車の運休や遅れが相次ぎ、JR北海道が対応に苦慮している。11月上旬には宗谷線で、シカとの衝突回避のための急ブレーキをかけた列車の車輪が破損し、翌日の特急が運休せざるを得なくなった。同社は侵入防止のため線路脇に柵を増設しているが、柵のない場所から入り込むこともあり、「いたちごっこだ」と頭を悩ませている。同社によると、運行中に線路や周辺でシカを発見、もしくは衝突したために列車の遅れや運休となった道内の件数は昨年度が前年度比214件増の2417件に上る。このうち、旭川支社管内(宗谷、留萌、富良野、石北、函館線の一部などを管轄)は昨年度が同111件増の649件と、道内全体の4分の1以上を占める=グラフ参照=。6日午後には稚内市内の南稚内駅構内で、点検中だった特急列車(3両編成)の車輪に基準を超える傷が見つかり、翌7日の稚内発札幌行き特急サロベツが運休になった。列車は6日に宗谷線を走行中、シカを発見して急ブレーキをかけた際、車輪に傷ができたとみられている。同様のトラブルは2日前の4日にも発生し、特急が運休している。車輪の一部に傷ができた場合、円の形状を維持するため、全体を削る必要があるという。「何度も削ると車輪自体が小さくなり、車両が傾いてしまう」(同社)ため、運行も慎重だ。シカ対策として、同社は線路侵入を防ぐ柵をこれまで計103キロ設置。本年度は千歳と室蘭、石勝の各線に9月末までで計6キロ分を増設した。費用は10キロ当たり1億円程度かかるといい、経営に重い負担になっている。柵はシカの獣道を狙っているが、同社は「特効薬はない。地道にできることに取り組むしかない」と説明する。
(イノシシ事故受け、県が注意喚起と捕獲ルール周知を要請:群馬)
県内でイノシシが人里に出没するケースが増えている。田畑が荒らされるなどの農業被害は後を絶たず、桐生市では男性が自宅の敷地内でイノシシに襲われて亡くなった。餌を求めて市街地にも現れており、県や県警が注意を呼びかけている。「イノシシにあってしまったら、どうすればいいかな」イノシシの目撃情報が相次いでいることを受け、17日に高崎市立西部小学校で行われた安全教室。高崎署員が問いかけると、体育館に集まった児童たちは「大声を出さない」「棒でたたかない」などと大きな声で答えた。署員たちは、イノシシの特徴や遭遇した場合の対応方法を解説。その後、イノシシと児童に扮ふんして、「餌を与えない」「ブロック塀などに隠れる」といった児童が取るべき行動を寸劇で紹介した。同署管内では10月から11月16日までに、イノシシの目撃情報が計13件あった。田中秀幸署長は「高崎駅の近くでもイノシシが出た。事故に遭わないように気を付けてほしい」と児童たちに呼びかけた。県内のイノシシの生息域は年々拡大している。県鳥獣被害対策支援センターによると、1998年頃は吾妻地域や県西部に多かったが、2013年頃には県内ほぼ全域でイノシシの被害が確認されるようになった。耕作放棄地が増加し、民家の近くにすみつくようになったことなどが要因だ。農林業の被害も、中山間地域から平野部へ拡大傾向にあるという。県は、イノシシの捕獲目標について、今年度の7500頭から来年度は1万3000頭に増やした。2月15日までだった狩猟期間も2月末まで延長する。ただ、個人がわなを仕掛ける際には注意が必要だ。桐生市広沢町では11日、自宅の敷地内で、わなにかかったイノシシに近づいた60歳代の夫婦が襲われ、夫が死亡、妻もけがを負った。県自然環境課によると、狩猟免許を持たない人が、所有する農地などでイノシシやニホンジカを捕獲する場合、原則として「囲いわな」以外は使用することができない。市町村への事前申請などの手続きも必要になる。イノシシは臆病な性質で、脅かしたり、刺激したりしなければ人を襲うことはないという。同センターは「見つけたら自治体や最寄りの警察署に連絡してほしい」としている。
(クマ目撃前年比4倍超:三重)
県内で四~十月に報告されたクマとみられる動物の目撃件数は二十六件あり、前年同期の六件を大きく上回っている。今月十三日には、紀北町でクマと遭遇した男性が軽傷を負った。県獣害対策課の担当者は「入山する時は、鈴やラジオなど音のするものを携帯してほしい」と注意を呼び掛けている。十三日午前十時半ごろ、紀北町十須の山林で、町内の五十代男性が狩猟中にクマに襲われた。男性は後頭部に幅約五センチ、深さ約一センチの裂傷を負った。同課によると、報告を受けた二十六件のうち場所は山中が最も多く十七件で、人家近くや道路上での目撃例もあった。地域別では東紀州地域が目立つ。他県でクマに襲われる例が相次いでいることを受け、県内でも目撃例を積極的に報告していることが増加の主な理由とみられる。県内に生息するクマは、例年十二月ごろから冬眠に入ることが多いとされるが、引き続き注意が必要だ。早朝や夕方の活動時間帯と、クマの嗅覚や聴覚が弱まる雨や風の強い日は入山を避けると遭遇の可能性は低くなるという。
(イノシシとシカ捕獲数最多:岡山)
津山市内で有害獣として2015年度に駆除(捕獲)されたシカとイノシシが、記録の残る07年度以降で最多となった。シカ461頭、イノシシ1286頭で前年度からの伸びも急激。
(鳥獣被害を減らせ、対策交流会:京都)
鳥獣被害から農作物を守る方法を検討する「有害鳥獣対策『学び合う』交流会」が24日午後7時、舞鶴市中総合会館(同市余部下)で開催される。市農業委員会や3つの猟友会などでつくる同交流会実行委員会が主催。農家などがスライドを交えて有害鳥獣対策の体験を語り、被害を減らすために議論する。同実行委は今年8~10月、鳥獣被害に取り組む農家38人に聞き取り調査を実施した。交流会では、うち10人がスライド4枚を使って、1人7分間で被害対策の実態を報告。イノシシ捕獲の先進地▽サルとの“知恵合戦”▽防御の工夫-などを説明する。舞鶴市によると、平成27年の鳥獣による被害額は約3586万円で前年の約3・84倍に増加。イノシシによる被害が最も大きく、被害額は約1727万円で、サル(被害額約865万円)、シカ(同約498万円)、クマ(同約117万円)が続く。同市では昨年度、イノシシ1972頭、サル100頭、シカ586頭が捕獲された。同実行委の今田寿孝委員長は「市民の努力、対策を役立てて、『今度は荒らされない』と思える交流会にしたい」と話している。
(ライチョウ、天敵捕獲へ:山梨)
絶滅の恐れがある国の特別天然記念物・ライチョウを保護するため、環境省は来年度、南アルプス白峰三山の北岳(3193メートル)周辺で、ライチョウを捕食する可能性が高いテンやキツネの捕獲を試行する方針を固めた。北岳周辺ではライチョウの減少が著しく、天敵となる動物の排除を試みる必要があると判断した。
(都市住民がサポーター、新たな獣害対策:兵庫)
サルから守ったブドウの収穫体験、サルより先にクリ拾い。兵庫県篠山市内でこんなユニークなイベントが開かれている。野生動物の食害に直面する農村は、対策をしようにも高齢化による人手不足に悩んでいる。そこで都市住民を呼び込んで農村のサポーターになってもらおうと、趣向を凝らした企画が、新たな獣害対策として注目を集めている。同市を拠点に活動するNPO法人里地里山問題研究所(愛称・さともん)が企画。獣害対策に詳しい兵庫県森林動物研究センター(丹波市青垣町)元研究員の鈴木克哉さん(41)が有識者や地元農家、デザイナーらと共に昨年5月に設立した。鈴木さんは同センターで7年間、住民主体の獣害対策を研究。「もうこんなところに住みたくない」という声を聞くなど農村の厳しい実情を目の当たりにした。そこで対策に取り組みながら農村に交流や収益を生む仕組みをつくろうと考えた。6月からは獣害が原因で農家が耕作を諦めた同市川原の休耕田を復活させようと、柵やおりの設置などをしながら黒豆を育てる取り組みを始めた。開催は月1回程度。農家がどれだけ野生動物の食害と格闘しているかが理解しやすい実践的な内容で、これまで京阪神地域を中心に、約50人が参加している。参加者は山裾の柵の点検・修理、農地での黒豆の植え付け、収穫を体験し、夏にはイノシシやシカ肉のバーベキューを楽しんだ。参加した明石市の女性(42)は「田んぼのすぐ近くにまで動物の足跡があるのを見て、栽培の苦労を実感した。その分、収穫の喜びは一層大きかった」と話す。地元の川原自治会長、森田忠さん(64)は「楽しみながら地域の困り事をサポートしてくれるので助かる」と喜ぶ。さともんは、農家を応援する仕組みとして、コメやブルーベリーのオーナー制や、農産物の販売事業も手掛ける。鈴木さんは「里山の風景や伝統文化など農村には魅力が多い。獣害対策を支援しながら、魅力のある農村のファンを増やして地域の活性化につなげたい」と話す。
(シカ肉カレーパン:静岡)
一般の人にシカ肉に親しんでもらおうと、伊豆市と産業団体でつくる市産業振興協議会(会長=菊地豊市長)は、長泉町の食品業者「東平商会」の協力でシカ肉入りカレーパンを開発した。三島市大場の伊豆箱根鉄道本社で二十三日に開かれる「いずはこねふれあいフェスタ」で披露し販売する。市では農作物の獣害対策のために捕獲。加工したシカの肉を使って、市内の飲食店が丼を開発し、販売してきた。だが、シカ肉は一般の人にはなじみが薄く敬遠されがちなため、食べ歩きをしながら気軽に食べられる商品としてカレーパンを選び開発を進めてきた。カレーパンは手のひらサイズ。キーマカレーのルーにシカのこま肉を20%交ぜ、サクサクの衣で包んだ。独特の臭みはなく、ピリ辛で食べやすく仕上げた。ふれあいフェスタでは、「伊豆しかないカレーパン」の名称で一個二百九十円で販売する。購入者からの評価などを参考に改良し、今後は市内外の店舗での販売を目指す。市の真覚(まさめ)精一産業経済アドバイザーは「まずは伊豆のシカ肉を広く認知してもらいたい。将来的なシカ肉の市場拡大につなげられれば」と話した。
(鹿肉エベレスト丼:宮崎)
美郷町生まれの「鹿肉エベレスト丼」が19日、宮崎市のイオンモール宮崎で開かれた「みやざきジビエフェア」(県主催)にお目見え=写真。独特のネーミングとおいしさで人気を集めた。県内4市町村がしし鍋の振る舞いや加工品の販売などを通し、ジビエ(捕獲したシカやイノシシなどの肉)の魅力を買い物客らにPR。エベレスト丼は同町の渡川山村商店が販売した。8センチの高さに盛られたご飯にシカのモモ肉を巻き付け、2種類のソースをかけたぜいたくな一品に、購入客の評判は上々。開発者の今西正さん(38)は「ご当地グルメの頂点を目指したい」。
(高校生がジビエ料理:山口)
下関市が特産品として売り出している「ジビエ」を使った料理をご紹介します。「ジビエ」は野生鳥獣の肉を表す仏語で、高級食材のイメージがありますが、今回は家庭でも手軽に作れるイノシシ肉のクリームコロッケとシカ肉のメンチカツです。レシピを開発した県立田部高校(下関市菊川町)家庭クラブの尾崎晴日さん(16)、高倉樺音さん(17)、香川のぞみさん(16)=いずれも2年=に教えていただきました。
(イノシシ皮アイテム専門店:石川)
金沢市の観光地・寺町寺院群近くにイノシシ皮とシルバーの専門店「COLLEGIUM(コレギウム)」がオープンして1カ月がたった。同店を運営するのは「ハタブネコンサルティング」。北陸先端科学技術大学(能美市)知識科学研究科の学生チームが立ち上げた合同会社が元になっており、現役の同大生である吉村祐紀さんが代表を務める。昨年、羽咋市などの依頼で害獣対策に取り組み、駆除されたイノシシの肉のブランド化を形にした。一方で産業廃棄物として出るイノシシ皮を有効利用できないかと、市から事業として引き継ぎ、オリジナルブランド「STY」としてイノシシ皮製のバッグや小物などを販売する。イノシシ皮は牛革と比べると耐久性が5倍、重さは3分の1と軽く、水ぬれに強いという特長がある。しかし、天然のイノシシならではの傷や自然に付いた染みなどが目立ちやすく、そのままでは広く商品として販売するのは難しかった。皮をなめした後に同社が考案した加工を施すことで、元の難点を目立たなくし、傷や水にさらに強くなるという。店内には「STY」の商品のほか、北海道のシルバーブランド「buff」とのコラボ商品、千葉県のレザーアイテムブランド「NUIZAEMON(縫いざえもん)」のイノシシ皮のバッグなども並ぶ。どちらのブランドも西日本での取り扱いは同店のみ。吉村さんは「日本で販売されている皮の中でも特に珍しい皮を扱っている。まずは気軽にイノシシ皮を触りに来てほしい」と呼び掛ける。
(クマとの遭遇急増、襲われてケガも:兵庫)
人の集落近くに現れるクマが増えている。鉢合わせした人が襲われてけがをするケースも目立ち、7日朝にも兵庫県養父市で男性がかまれてけがを負った。冬眠に備えたクマが、栄養を蓄えようとする時期。今秋はエサのドングリが少ないことが原因のようだ。「助けてくれ。やられた」。約60世帯が暮らす静かな山あいの集落で男性の悲鳴が響いた。兵庫県西部、宍粟市一宮町で男性(60)がクマに襲われた。警察や近所の人らの話によると、男性は10月17日午前6時すぎ、新聞を取りに行こうと自宅から坂を下った先にある集落の集合ポストに向かって歩いていた。現れたのは体長約1・7メートルのクマ。後ずさりして側溝につまずき、尻もちをつくと飛びかかってきた。蹴って反撃したが、頭をかまれるなどして重傷を負った。駆けつけた近所の男性(60)は3メートルほど先のクマと目が合ったという。怖くて足が動かなかったが、大声を上げるとクマは離れていった。「まさかここで人が襲われるとは」県によると、県内でクマによるけが人が出たのは5年ぶり。宍粟市でのクマの目撃や痕跡の情報は昨年度、16件だったのに、今年度は10月末までに100件。11月7日朝にも、養父市別宮の林道で、近くに住む男性(70)がクマに襲われ、顔や腕にけがをした。県警によると、体長1・2メートルほどのクマが突然現れ、かまれるなどした。男性の命に別条はないという。県は同15日から、20年ぶりにクマの狩猟を解禁する。県内の目撃情報がここ数年、増加傾向にあることなどのためで、捕獲頭数を最大140頭としている。兵庫、岡山、鳥取県にまたがる東中国地域に生息するツキノワグマは、環境省のレッドデータブックで「絶滅の恐れのある地域個体群」に指定されている。岡山県でも北東部を中心にクマの出没情報が相次いでおり、県によると4月から10月中旬までに120件以上。すでに昨年度(年間)の87件を大幅に上回っている。捕獲されたクマも昨年度(年間)の5頭から5倍の25頭に増えた。奈良県では10月17日、南西部の野迫川(のせがわ)村で男性(55)がクマに襲われた。飼っている猟犬の小屋に近い山の斜面で、5メートルほど先にいたクマがいきなり向かってきたという。持っていた金属バットでたたいて抵抗したが、左右の腕にかみつかれ、10メートルほど斜面を転げ落ちた。クマは山へ去ったが、男性は左腕を骨折するけが。右腕には上の歯の痕が残った。金属バットは、石や木をたたいてクマよけの音を出すために持っていた。「まさかこれで戦うことになるとは」と男性。県によると県内のクマによる人身被害は約10年ぶり。4月から10月末までに県内で32件の目撃情報があったという。京都府では同31日未明、福知山市の民家の庭で、住民の40代男性がクマに太ももをかまれるなどして1カ月の重傷を負った。4月から今月3日までの目撃件数は1127件に上る。府の担当者は「最近は人家の近くでの目撃が増えていると感じる」と話す。東京都青梅市でも10月、市街地に近い場所でクマ2頭が相次いで発見された。兵庫県立大の横山真弓教授(野生動物管理学)によると、クマは冬眠前に皮下脂肪を蓄えようとするが、今秋は栄養価が高いブナやコナラなどの実(ドングリ)の付き具合が悪く、食料を求めて里に下りている可能性が高い。集落では特に、糖分が豊富な柿が狙われやすいという。兵庫県宍粟市で男性が襲われた現場近くにも柿の木があった。「クマにとって集落は果樹園。地域ぐるみで不要な果樹を伐採してほしい。人里に近づいてもエサがないと学習すれば山の中で探すようになる」と横山教授は指摘する。「時速40キロで走り、木登りも得意なクマは『出会ってはいけない動物』。山に入る際は、手をたたいたり大声を出したりして存在をクマに知らせることが大切」と言う。それでも遭ってしまったらどうすればいいか。「距離があれば刺激しないようゆっくり後ずさりを。攻撃は基本的に一撃なので、頭を抱えて丸くなる姿勢で致命傷を防ぎ、逃げるのを待つべきです」
(害獣駆除で脚光、近くて遠い「狩猟」の世界)
全国各地で冬場の狩猟シーズンが始まり、来年の春先まで野生鳥獣の捕獲が解禁される。シカやイノシシなどによる農作物被害が全国的に増加するなか、銃やわななどを使って野生鳥獣を捕らえるハンターの存在が脚光を浴びている。ジビエ(野生鳥獣の肉)料理のブームを追い風に、女性ハンターの数も増えているという。全国の猟友会員の数は2015年度、前年度比1.1%増の約10万5000人となり、38年ぶりに増加に転じた。高知県在住で狩猟活動を行う傍ら、「これから始める人のための狩猟の教科書」(秀和システム刊)を著した東雲輝之氏が、狩猟現場の実情や直面する課題などについてつづった。ある冬の日の午前8時。朝日に照らされて重厚な輝きを放つ散弾銃を握りしめた手に、冷たい山の空気が突き刺さります。そよ風になびく木々のざわめきと、小鳥たちのさえずり。森はいつもと変わらない平穏な時間が流れているかのように見えます。突如、「タン!ターン!」と2発の銃声が山に響き渡ったかと思うと、トランシーバーから興奮した声が聞こえてきました。「よっしゃ仕留めたぞ! でけぇ鹿だぁ!」忍んでいた茂みから腰を上げ、銃声のした方向へ走ります。その先に待っていたのは先輩ハンターと2匹の猟犬、そして、首に1発の銃弾を受けて絶命したニホンジカ。先輩ハンターは素早くシカの胸元にナイフを刺して血抜きを行います。仕留めた獲物は、川や池の水に漬けて急速に冷やします。獣の肉は残体温で血液が腐敗するため、臭味のない肉を作るためには、とにもかくにも温度を下げなければならないのです。午後3時ごろに山を下り、獲物を解体場に運び込んで肉に切り分けます。昨今、ジビエの専門料理店が各地に増えてきましたが、ハンターの作る料理はそんなお洒落しゃれなものではありません。骨付きの肋骨ろっこつ(リブ)に塩をまぶし、炭火で「ジュゥッ!」と焼くだけ。一見、なんの変哲もない焼き肉ですが、その美味おいしさはとても言葉で表現できるものではありません。数百万年前から私たちの祖先が食べてきた野生動物の肉、それを噛かみ締めるたびに湧き上がるのは、言語ではなく、DNAから湧き出す本能的な「食の喜び」なのです。自分の手で獲物を仕留めて、その肉を食べる。もしかするとあなたにとって、狩猟という世界は「ゲーム内のファンタジー」かもしれません。しかしこのお話は、東京から車で約2時間、私が去年まで住んでいた千葉県のある場所で行っていた、狩猟の日常なのです。意外にも私たちのすぐそばに存在する狩猟という世界。その魅力に惹ひかれて、近年、狩猟免許を取得する若者が増えています。大日本猟友会の報告によると、1978年に約42万5000人だった会員数は、以降、毎年大幅に減少していましたが、2015年度にはわずかながら増加に転じました。これは、高齢化により狩猟を辞めていく人数よりも、新規参入する人数が上回ったことを示しています。実際、都内で開かれた今年度の狩猟免許試験では、3つの会場がすべて満員。各会場約250人の参加者の約3分の1は20~40代前半の「若手層」で構成されており、その関心の高さが見受けられました。また、今年5月に発売した拙著「これから始める人のための狩猟の教科書」は、予想を大きく上回る売れ行きを見せ、わずか2か月半で2度の増刷を行いました。これも、狩猟への関心の高まりをうかがわせる出来事と言えるでしょう。これまで狩猟人口の1%以下といわれていた女性ハンターも増加傾向にあり、彼女たちはしばしば「狩りガール」と呼ばれます。女性が狩猟を始める動機には、「肉という食べ物についてもっと知りたい」といった「食への関心」が最も多く、「銃で獲物を仕留めてみたい」という男性ハンターに多い動機とは違う視点を持っていることが見受けられます。また、狩りガールたちは、おじいちゃんばかりの狩猟の現場に華を添えるだけでなく、凝ったジビエ料理を作ったり、スカル(頭蓋骨)や毛皮などでアクセサリーを製作したりするなど、これまでのハンターのイメージとは異なる、新しい狩猟文化を作り出す原動力となっているのです。狩猟の世界に若者が増えてきている要因の一つに、東日本大震災以降、地方への移住者が急増したこともあげられます。彼らは、ただの趣味ハンターではなく、近年深刻化している野生鳥獣による農林業被害に対抗する新しい担い手としても活躍しています。夜中に畑を荒らし回るイノシシ、木の皮を食い荒らしてスギやヒノキをダメにするニホンジカ、人里に下りてきて人を襲うツキノワグマなど、近年、野生動物が引き起こす問題が急増しています。特に中山間地域では、こうした動物たちを避けるため、人々が文字通り「柵の中に住む」生活を余儀なくされるほど深刻になっています。このような問題を引き起こす原因の一つが、人間界と自然界の境界線があいまいになっていることです。人間の世界に国境があるように、野生動物が生息する自然界と人間界の間にも境界線が存在します。この境界線は「里山」と呼ばれ、人間が作物や樹木を育てて活動することによって、野生動物と人間の間の緩衝地帯になっていました。しかし1960年代以降、生活に利用されるエネルギー源から木炭や薪が消えたため、里山の利用価値が次第になくなり、野生動物が人間界へ侵入しやすい状態にまで、里山が荒廃してしまったのです。自然界に侵食され、荒廃した里山を奪還する最も効果的な方法が、狩猟です。ハンターが里山で銃砲を撃ち鳴らし、猟犬をけしかけてプレッシャーを与えることで、野生動物たちはこの場所が「人間のテリトリー」だと認識して近寄らなくなります。その結果、人間界に存在する田んぼや畑を野生動物から守ることができるのです。地方への移住者、特に「地域おこし協力隊」に従事する若者の中には、田畑を野生動物から守るために狩猟を始めるだけでなく、荒廃した里山の再生・維持の担い手として活躍している人もいます。狩猟人口の増加や、野生鳥獣による被害増加で狩猟の必要性が高まるなど、ハンターを取り巻く環境は追い風が吹いているように思えます。しかし、このような変化がすべてよい方向に進んでいるわけではありません。特に、都市部在住の初心者ハンターには「狩猟免許を取ったのに狩猟ができない」といった、おかしな問題も発生しています。初心者ハンターが狩猟免許を取得した後にやらなければならないことは、所属する猟隊や師匠を探すことです。しばしば初心者ハンターは「猟友会に入れば猟隊や師匠を紹介してもらえる」と思いがちですが、これは勘違いです。猟友会は、講習会の開催など狩猟者の共済事業を行う団体であり、実際に狩猟活動を行う猟隊をあっせんする機能は持ち合わせていません。猟隊はいわば「狩猟を楽しむ社会人サークル」であり、初心者ハンターは受け入れてもらえるサークルを自力で探さなければならないのです。もちろん、猟友会関係のつながりや、地域の銃砲店、知り合いの紹介などで、最終的にはどこかしらの猟隊に所属できるケースが大半です。しかし、狩猟の世界には「オラの山でよそ者に狩猟をさせたくない!」といった排他的な考えの人も多く、特に都心部在住のハンターほど猟隊とのマッチングが成立しないことが多いのです。運悪く、猟隊も師匠も見つからなかった初心者ハンターは、せっかく狩猟免許を取ったのに、所属する猟隊も先輩もいなければ、自力で獲物を捕獲する技術もない「野良ハンター」となり、次第に狩猟に出かけることがなくなって、最後には免許を手放すような事例も増えています。マッチングの不成立には、受け入れ側の致し方ない事情もあります。例えば、もしあなたが猟隊の責任者だったとして、銃を持った素性も分からない初心者を受け入れようと思うでしょうか。狩猟は他のアウトドア活動と違い、危険の多い世界です。銃による事故はもちろん、山中での滑落事故や、手負いの野生動物から反撃を受けるような事故も起こりえます。「猟隊に若いハンターが増えて欲しい。しかし、万が一事故が起こった場合、責任が取れない」といった葛藤の末、「初心者おことわり」を掲げる猟隊も多いのです。環境省が毎年、各都道府県で「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」を開催するなど、狩猟者を増やす取り組みを続けてきた結果、狩猟免許の取得者は確かに増加してきました。しかし、前述のように、免許取得者が全員、実際に狩猟を行えているわけではありません。そのため、狩猟者を増やす取り組みに加えて、初心者ハンターを一人前に育てる「ハンター養成所」が必要とされています。また、野生鳥獣の被害で困っている自治体が狩猟を「観光資源」として活用し、害獣駆除と観光客誘致を両立できるような制度改革も必要とされてくるでしょう。趣味としてはいまだに壁の高い狩猟の世界。しかしその魅力を知れば、ただ寒いだけだった冬が、1年で最もエキサイティングな季節へと生まれ変わります。あなたもハンティング、始めてみませんか?
(拳銃に弾込め中に暴発か、警察官が倒れて搬送:愛知)
19日午前、愛知県の瀬戸警察署で37歳の巡査長が拳銃に弾を込める作業をしていた際、突然、発砲音がして別の警察官が駆けつけたところ、巡査長が頭から血を流して倒れているのが見つかりました。巡査長は病院に運ばれて手当てを受けていて、警察は拳銃が暴発した可能性があると見て調べています。瀬戸警察署によりますと、19日午前9時前、警察署内で交通課の37歳の男性巡査長が拳銃に弾を込める作業をしていた際、突然、発砲音がしました。近くで拳銃の管理作業をしていた別の警察官が駆けつけたところ、巡査長が頭から血を流して倒れているのが見つかりました。警察によりますと、巡査長は頭に銃弾が当たったと見られ、現在、病院で手当てを受けています。当時、巡査長は勤務を始める前にいつも行う拳銃の準備作業をしていたということで、警察は拳銃が暴発した可能性もあると見て詳しい状況を調べています。

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