<射撃ニュース12月>

12/30
(「高病原性」、鳥インフル2例目:福島)
環境省と県は28日、鏡石町の高野池で14日に発見されたオオハクチョウ1羽を詳しく調べた結果、高病原性の鳥インフルエンザ(H5N6亜型)だったと発表した。県内では今月に福島市で発見されたオオハクチョウ1羽に続き、2例目。県は同日、県庁で対策本部会議を開き、ウイルスの蔓延(まんえん)を防ぐため、監視体制の強化と早期通報の徹底を確認した。遺伝子検査での陽性反応を受け、北海道大で行われた検査で確定した。県は遺伝子検査で陽性が判明した19日から、県の地方振興局や市町村の職員、鳥獣保護管理員らが連携して野鳥の死亡や異常な個体の有無などを監視している。範囲は、環境省が指定した発見場所から半径10キロ圏内の「監視重点区域」と、昨年度の調査でオオハクチョウの生息が確認された32地点、カモやハクチョウ、ガンが千羽以上確認された8地点。会議では、28日までに発見場所から半径3キロ圏内でニワトリなど家禽(かきん)を100羽未満飼育している農家7軒、10キロ圏内にある鳥類を扱うペットショップなど5施設で異常はないと報告された。
(サルの畑接近を防げ、放置ユズ収穫:徳島)
栽培放棄により収穫されずに残されたユズを狙って、サルが人里に下りてくるのを防ごうと、四国大の学生らが、那賀町木頭北川でユズを収穫する「人とサル共生プロジェクト」を実施した。3年目となる今回は、ユズの木の伐採も始めて行った。1~4年の学生20人に卒業生1人が加わった計21人が参加。急傾斜地などにあるユズ畑4カ所約10アールで、取り残されたユズを収穫した。栽培放棄地では、サルが人里に近づく際の隠れみのにもなっているユズの木を、住民らと一緒にチェーンソーなどで伐採した。ユズの果実は2日間で約1トンを収穫した。地元の加工業者に引き取ってもらい、代金は活動資金に充てる。2年の本田響さん(19)=徳島市津田町1=は「急傾斜地は足場が不安定で収穫が大変だったが、地道に取り組むしかない。来年もぜひ参加したい」と話した。
(シカ肉など有効活用、小豆島で資源化へ講習:香川)
小豆島(香川県)の農作物に被害を与える野生のイノシシやシカの肉を有効活用して地域の資源にしようと、小豆島町の農村環境改善センターで講習会が開かれた。25人が参加して家庭でもできる8種類のソーセージ作りに挑戦した。小豆島では近年、イノシシなどに荒らされる田畑や農産物への食害が増え、市街地でも目撃されるなど、問題が深刻化している。昨年度は被害対策としてイノシシ1066頭、シカ900頭が捕獲されたが、そのほとんどは埋設処理された。講習会には、同町中山地区と土庄町大鐸地区のグループが、罠(わな)などで捕獲したイノシシとシカの肉を、ひき肉にして持ち寄った。ドイツで野生鳥獣の料理を学び同国の食肉マイスターの資格を持つ冨田秀樹さん(39)を講師に、参加者らは苦労しながらも、ヒツジの腸に詰めるウインナーとブタの腸に詰めるフランクフルトを作り試食した。被害対策にグループで取り組んでいるという白浜幹雄さん(69)は「家でも作れて保存もできるおいしいソーセージ。栄養のある肉なので有効利用して地域の活性化になるといい」と話していた。

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12/28
(鳥インフルエンザ、神栖・ひたちなかでも:茨城)
県は27日、神栖市溝口で採取した野鳥のふん便からH7型の鳥インフルエンザを検出したと発表した。26日にはひたちなか市田宮原で回収されたユリカモメ1羽からH5型を検出したと発表。これで県内での確認は水戸市と鹿嶋市に続き、4自治体となった。
(中古車販売店にイノシシ:宮城)
25日午後、富谷市大清水の中古車販売店にイノシシが現れその様子を店のスタッフが撮影した。イノシシは体長1メートルほどに見え道路にも飛び出して車をストップさせたりしたというが、人に危害を加えることはなく30分ほどで北側の山に姿を消したという。
(住宅街にサルの集団:広島)
さる年もあとわずかとなった27日、広島県廿日市市の住宅街にサルの集団が現れた。住民が撮影した映像には、屋根の上を歩く数匹のサルが映っている。サルが現れたのは廿日市市宮園の住宅街。サルを目撃した住民「庭の戸を開けると、一番背の高い木から5匹くらい逃げた」付近の住民によると、サルは時々出没するということだが、一度にこれほどの数が目撃されたことはないという。住民が撮影した別の写真には、確認できるだけでも6匹のサルが写っている。撮影した住民「この辺の庭に出てくるのは珍しかった。落ち着いた、慌ててはいなかった、サルの方は」サルは食べ物を求めて現れたとみられている。襲われたりした人はなく、いずこへか、姿を消したという。
(クマ足跡確認、注意を呼び掛け:東京)
青梅市は27日、同市小曾木1付近の山林で午後2時半ごろ、クマのものと思われる足跡を確認したと発表した。けが人はいない。市は防災行政無線などで情報を提供し、周辺住民らに注意を呼び掛けている。同市では10月、飲食店の食材を荒らすといったクマの被害が出ており、地元猟友会による駆除をはじめ、対応に当たっている。同市によると、目撃などクマに関する情報は昨年度5件だったのに対し、今年度は既に約20件に上っているという。
(サルの目撃情報:宮城)
22日、登米市豊里町内で、サルが目撃されました。
(北海道と宮崎の養鶏場、壁やネットに破損)
農林水産省は27日、高病原性鳥インフルエンザが発生した北海道清水町と宮崎県川南町の養鶏場について、現地調査の結果を発表した。鶏舎の壁や防鳥ネットに破損があり、ウイルスを持った野鳥などが入り込んでニワトリに感染した可能性があるという。同省によると、清水町の鶏舎は金網とネットを側面に張っていたが、壁の一部が破損し、床との間に小型の野生動物が侵入できる隙間が複数あった。鶏舎内ではネズミの死骸も見つかったという。川南町の鶏舎は、2カ月に1回ほどの割合で金網や防鳥ネットの点検や修繕をしていたが、直径20センチほどの破れなど破損が複数確認されたという。近くには野生のカモが飛来するため池もあった。
(タカ猛追、カラス逃げ惑う:山形)
山形市中心街で深刻化するカラスの害を減らそうと、同市は23~25日、タカなど猛禽もうきん類を使った、カラスの追い払い実証実験をJR山形駅前で行った。実験は8月に続いて2回目。カラスが集団で行動する時期である冬季に再実験を行うことで、改めて効果を確認し、来年度以降の持続的な対策に生かす。「カァー、カァー」。24日の夕暮れ、カラスの大群が、西の方角から山形駅前に集まってきた。カラスは同市香澄町の山形国際ホテル屋上や、周辺ビルの看板などで羽を休めていた。午後4時50分頃、鷹匠たかじょう2人が、「オオタカ」1羽と「ハリスホーク」2羽などを連れ、同ホテル屋上に踏み込んだ。不意を突かれたカラスが一斉に飛び立つ。「ガァー、ガァー」。鷹匠の腕から放たれたタカの猛追に、カラスが悲鳴のような声を上げて逃げ惑う。パニックに陥った数え切れないほどのカラスは、空を覆うようにホテル周辺を旋回。10分もたつと、群れはバラバラになり、鳴き声は聞こえなくなった。「カラスに強烈な印象を与えられた。効果を出すには、継続的に威嚇することが必要だ」。鷹匠の一ノ瀬宏幸さん(33)は実験を振り返った。山形県内を代表する繁華街である同市香澄町周辺は4~5年前からカラスのふん害などに悩まされてきた。市や地元は、レーザーポインターによる追い払いなど試行錯誤を重ねてきたが、「すずらん商店街振興組合」の船山隆幸理事長(57)は「そのときはカラスを追い払えても、期間を置けば、また戻ってくる。根比べだ」と話す。市環境課によると、市内に生息するカラスは推計で約4000羽。今年度はこれまでに、カラスによる威嚇行為やふんなど27件の苦情・相談が寄せられている。苦情などは2011年度から増えてきたが、1回目の実験を行った8月は1件(前年同期比7件減)、9月3件(同9件減)、10月0件(同3件減)、11月1件(同5件減)と減っている。同課は「8月の実験で一定の効果があったのではないか」とみており、2回目にも手応えを感じている。市は実験の検証結果をまとめ、来年度以降の対策につなげる考え。同課の板垣隼人主査は「長期間、カラスが寄りつかなくなるような効果的な対策を講じたい」としている。
(シカの食害研究で栃木県内唯一の入賞:栃木)
足尾小6年の児童8人が約2年間、シカの食害をテーマに調べた理科研究「シカと共存できる花だんをつくろう!」が、「第60回全国学芸サイエンスコンクール」(旺文社主催、内閣府など後援)の小学校理科自由研究部門努力賞に輝いた。身近な環境問題から動植物と人間の共存を考えた点が評価された。同部門応募作品約1万4千点から県内で唯一、上位30点の中に入った。県内児童の入賞は4年ぶり。8人は「多くの研究の中から評価されうれしい」と喜んでいる。同校では校庭などにシカが入り、児童らが育てる植物や立ち木の樹皮を食べてしまう被害が相次ぐ。そのため昨年、8人が「シカが出ても花壇を緑でいっぱいに」と考え、総合学習の授業で研究を進めてきた。模造紙3枚にまとめた研究成果では、学校支援ボランティアやNPO法人「足尾に緑を育てる会」の協力で調べたシカの生態や足尾地区の食害の状況を報告。花壇にシカが好まない植物を植えて暗視カメラで定点監視した成果も、写真や表を盛り込んでまとめた。約5カ月の監視の結果、シカは夜間、不定期に集団で出没。香りが強いシソ科の植物は敬遠し、トウガラシは葉を食べていた。これを踏まえ8人は、見栄えを考慮してラベンダーやバジルの栽培を提案した。
(京都丹波ジビエフェア2017冬:東京)
京都府中丹地域(福知山市・舞鶴市・綾部市)29店舗、東京都内13店舗で開催します。京都府では、「森の京都」エリア内の中丹地域において捕獲された、森の恵みである良質なジビエ(シカ、イノシシの肉)を地域資源として有効活用し、地域の活性化を図る取組を進めています。この度、多くの方にジビエ料理を知っていただくため、中丹地域の飲食店等29店舗が一斉に各店舗で、京都丹波産シカ・イノシシのジビエ料理を提供する「京都丹波ジビエフェア 2017冬」を平成29年1月14日(土)から開催します。あわせて、東京都内の飲食店13店舗でも、平成29年1月21日(土)からジビエ料理を提供します。ぜひ、この機会にご賞味ください。
(レトルトシカカレー販売、ふるさと納税返礼品にも:三重)
日本一の清流「宮川」のそばにある「バザールわたらい」(度会郡度会町大野木)内の飲食店「楽膳日和」(同、TEL 0596-63-0333)が12月1日、度会町の山で育った天然のシカ肉を使ったレトルトカレーの加工品の販売を開始した。
(全国の猪肉を食べよう:岐阜)
全国各地のイノシシの肉の食べ比べができる大会「日本猪(いのしし)祭り」が、来年1月20日に郡上市で初めて開催される。全国でも初の試みという。主催する里山めぐり利き猪(しし)実行委員会は「各地の猪肉が食べられるのはこの機会だけ。猪肉のおいしさを知ってもらえたら」と参加を呼び掛けている。大会には全国15府県25地域の猪肉が出品される予定。各地で食肉処理されて主催者側に送られる。全て同じ厚さに切って陶板で焼き、塩コショウだけで食べて味を比べる。予選と決勝でグランプリが決まる。予選は1テーブルに5、6地域ずつの肉が並び、参加者はその中からおいしいと思った肉に投票。明確な評価基準はなく食べた人の好みで投票する。各テーブルの1位が決勝に進む。事務局の興膳健太さん(34)は「肉は猟師の捕獲の方法、解体技術で味が変わる。猟師の技術や食肉処理にスポットが当たれば」と話す。肉は餌でも味が変わるため、餌を供給する山への関心が大会を通じて高まることにも期待している。

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12/26
(市街地にイノシシ、襲われ4人けが:滋賀)
25日午前9時50分頃、滋賀県彦根市尾末町の市街地の遊歩道にイノシシが現れ、男性4人を次々と襲った。国宝・彦根城に近い場所で、散歩中の同市内の無職男性(78)が左手の指をかまれて重傷を負い、同様に散歩をしていた同市内の男性(54)や、愛知県と岐阜県からの観光客ら2人(74歳、38歳)が手をかまれたり、逃げる際に転倒したりして軽傷。イノシシは約1時間40分後、東約500メートルの川の中にいるところを、地元の猟友会に射殺された。滋賀県警彦根署の発表では、イノシシは体長約1・4メートル、体重約100キロの雌。4人が襲われた場所の西約1キロに琵琶湖があり、県警は、その周辺から入り込んできたとみている。
(クマ肉食べたら食中毒、原因は旋毛虫:茨城)
茨城県は23日、水戸市南町3丁目の飲食店「ビゴリ」で野生のクマ肉のローストを食べた客と経営者ら15人が発疹や発熱などの症状を訴え、食中毒と断定したと発表した。原因は旋毛虫(せんもうちゅう)という寄生虫で、国内での発生は4例目で35年ぶり。いずれの患者も命に別条はないが、医療機関に通院して治療を続けているという。水戸保健所は同日、飲食店を営業禁止にしたが、同店は18日から自主休業している。県によると、11月24日~12月8日、同店でクマ肉のローストを食べた27人のうち15人が症状を訴えた。この肉は北海道で捕獲された野生のクマ肉で、常連客が自宅で調理して店に持ち込んだもの。市場には流通していないという。旋毛虫は野生のクマやイノシシに寄生。人間の小腸の粘膜内で幼虫を生み、その幼虫が全身の筋肉に広がるという。腹痛や下痢、筋肉痛などの症状が出る。国内での過去の発生例は1974年の青森県(患者数15人)、79年の北海道(同12人)、81年の三重県(同172人)の3例。いずれも野生のクマの刺し身が原因だった。旋毛虫は加熱すれば死滅するため、県は、野生動物の肉は十分に加熱するよう呼びかけている。
(スキー場にクマ、猟友会が駆除:北海道)
25日午前9時35分ごろ、北海道富良野市の新富良野プリンスホテルに隣接する「富良野スキー場」で、コースにクマが出たと従業員から富良野署に通報があり、午後0時50分ごろ、コース外の山林で猟友会がクマを駆除した。けが人はいなかった。同署などによると、スキーをしていた男性がコースを横断するクマを目撃した。現場にあった足跡をたどり、猟友会員が見つけて駆除したクマは体長約1・1メートルの雄で、2歳くらいという。富良野スキー場は雪が降っていたものの、午前10時の時点で約1200人が訪れ、にぎわっていた。クマの目撃により、23本あるコースの約3分の1が閉鎖された。
(イノシシの捕獲数、大幅増:福島)
福島第1原発事故の避難区域で環境省が実施しているイノシシなどの捕獲事業で、本年度の捕獲頭数が大幅に増えている。12月時点で約400頭に上り、年度ごとの過去最高頭数を既に上回った。避難の長期化で住民の不在が続く中、人里へ出没するようになったとみられる。「家の中に足跡がある」「庭先にイノシシがいて不安だ」「畑を荒らされた」。一時帰宅した住民から被害の苦情はやまない。環境省は平成25年度から全町避難が続く福島県の浪江、双葉、大熊、富岡の4町でイノシシやイノブタの捕獲を開始。25年度は計204頭、26年度からは同県葛尾村を加え計381頭、27年度は計286頭を捕獲した。環境省や避難区域を抱える自治体の担当者によると、草が伸びた市街地など、事故前なら出てこなかったような場所にイノシシなどが現れているという。
(JR呉線、イノシシと接触か:広島)
22日午後10時40分ごろ、広島県三原市と竹原市にまたがるJR呉線安芸幸崎―忠海間で、三原発広(ひろ)行きの普通電車が動物と接触した。JR西日本広島支社によると、接触したのはイノシシとみられ、ぶつかった衝撃で車体の一部が損傷した。このため、電車は忠海駅に到着したもののホームに入れず、駅の手前で立ち往生。乗客を電車から降ろして駅へと誘導している。この事故の影響で、呉線は23日午前0時現在、三原―広で上下線とも運行を見合わせている。乗客にけがはなかった。
(新型ドローン導入、鳥獣害対策実験で披露:徳島)
小型無人機ドローンの活用に取り組む那賀町は24日、赤外線カメラを搭載し、軽量の物資運搬も可能なオリジナルドローンを新たに導入した。今後、災害対策などに生かす構えで、同日の鳥獣害対策実験で初飛行した。新ドローンは直径96センチ、本体重量5キロ。最大250倍のズーム機能を持つ4K対応カメラと、赤外線カメラの2台を搭載し、手元のモニターで切り替えながら録画や映像確認ができる。赤外線カメラは熱を感知できるため、遭難者の捜索に活用できるほか、山火事などで残っている火種の発見も可能になる。プロペラは6基あり、1基が停止しても飛行可能で、付属品を取り付ければ6キロの貨物も運搬できる。導入費用は216万円で、機体は徳島市のD-PLAN(ディープラン)社が開発した。同町和食郷であった鳥獣害対策実験では、サルを追い払うモンキードッグを山中で見失わないよう、犬に発信器を付け、ドローンに中継器を載せて飛ばした。上空で中継することによって山で電波が遮断された場所でも犬の居場所を把握することに成功した。赤外線カメラの感知状況も確認した。町はこれまでに、講習用などのホビー機や普及機を計23機、レース用を1機、ケーブルテレビの撮影など業務用を2機所有している。町は1月以降に防災対策の実証実験などを検討しており「過疎対策や安全な町づくりのためにドローンをフル活用したい」と話している。
(丸山和成が頂点、全日本クレー射撃・スキート:群馬)
クレー射撃の全日本選手権スキート(10月、神奈川)で、群馬県片品村の丸山和成が3度目の挑戦で初の頂点に輝いた。18歳で銃の「所持許可」を取得してから9年。日本クレー射撃協会の強化指定選手でもある27歳が、高い集中力で快挙を達成した。
(鳥インフル、国が緊急調査:三重)
明和町で見つかった野鳥のオオタカから高病原性の鳥インフルエンザウイルスが検出されたことを受け、環境省が派遣した緊急調査チームが25日、津市などで野鳥の生息状況の調査を始めた。調査は野鳥に詳しい自然環境研究センター(東京)の職員2人が実施し、中部地方環境事務所や県の職員が同行した。津市香良洲町では、双眼鏡などを使ってカモなど海辺の野鳥を観察し、大量死した野鳥や異常のある野鳥がいないかなどを確認した。調査は26日も続け、オオタカの発見場所から半径10キロ以内を中心に計10~15か所程度を回る予定だ。
(オナガガモ死骸に鳥インフル陽性反応:北海道)
道と環境省は20日、白老町内で回収したオナガガモ1羽の死骸から、簡易検査で鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たと発表した。同省が今後、北海道大学で毒性の強い高病原性かどうかを確定する検査を行い、判明に1週間程度かかる見通し。同町は同日、対策会議を立ち上げるなど関係機関が警戒を強めている。胆振管内で野鳥の死骸からウイルス反応が出たのは、苫小牧市静川で回収されたハヤブサの死骸に続いて2例目。道によると、19日に同町内の民家の庭でオナガガモが死んでいるのを住人が見つけ、町に連絡。町職員が同日夜に死骸を回収した。町から連絡を受けた胆振総合振興局が20日、簡易検査を行ったところ、鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たという。陽性反応の結果を受けて町は対策会議を設置。死骸の回収場所から半径10キロ圏内に家禽(かきん)農場が3カ所あり、町や道など関係機関は当面の間、周辺の監視活動を強化する。21日正午現在、他に衰弱や死亡した野鳥は確認されていないという。胆振家畜保健衛生所(登別市)も20日、管内で100羽以上のニワトリなどを飼養する家禽農場など53カ所にウイルス対策を求める文書をファクスと電子メールで送信した。胆振管内で飼養されている家禽は約543万羽(7月現在)と、道内全体の4割以上を占める中で警戒を強めている。同省は、陽性反応が出たオナガガモの死骸を北大でさらに詳しく調べ、ウイルスが高病原性と判明した場合、同町へ野鳥緊急調査チームを派遣する方針だ。道内では11月上旬以降、根室、胆振、オホーツク、十勝の各管内で、ウイルス陽性反応が出たオオハクチョウやハヤブサ、フクロウの死骸が相次いで見つかり、白老町のオナガガモが7例目となった。このうち、確定検査で高病原性ウイルス(H5N6型)が検出されたのは、苫小牧市静川で回収されたハヤブサの死骸を含めて4例に上った。十勝管内清水町の養鶏場にも高病原性ウイルスが広がり、約28万羽のニワトリが殺処分された。道内でも鳥インフルエンザの検出が相次いでいることについて、北大大学院獣医学研究科の迫田義博教授(ウイルス学)は「ウイルスを持つカモなどの死骸を猛禽(もうきん)類が食べるなどして感染が広がった可能性がある。今回確認された事例は氷山の一角で、感染した野鳥はもっといるだろう」と指摘し、「過度に心配する必要はないが、死んだ野鳥を見つけたら、すぐに自治体へ連絡してほしい」と呼び掛けている。一方、苫小牧市で回収されたハヤブサ死骸からの高病原性ウイルス検出を受けて、道と同省は野鳥調査を行った同市内と厚真町で14日にハイタカ2羽の死骸を回収。現在、国立環境研究所(茨城県つくば市)で遺伝子検査を行っており、陽性反応が出た場合は発表するという。
(警戒態勢、最大限に:宮崎)
高病原性鳥インフルエンザは、国内では2004年に山口県の養鶏場で79年ぶりに確認され、その後は数年おきに全国で発生している。この冬の殺処分数は北海道、青森、新潟県と本県を合わせて97万羽となった。04年以降で被害が最悪となった10~11年冬の9県183万羽に次いで多い。大陸で夏を過ごした渡り鳥は樺太や朝鮮半島を経由して日本に入る。今年は韓国で爆発的に感染が広がり、殺処分数は1790万羽(19日現在)に上る。同様に、日本も拡大する傾向にある。県の委託を受け、11年から野鳥の調査を続ける日本野鳥の会県支部の前田幹雄支部長は「本県で2例発生した14年とカモの飛来のパターンが同じで多い」と指摘。「寒さが厳しくなると渡り鳥が本県へとさらに南下する恐れがあり、これまで以上の警戒が必要」と呼び掛ける。
(熊の目撃情報:宮城)
21日午後5時頃、登米市登米町大字日根牛山田地内で熊の目撃情報がありました。
(サルの目撃情報:宮城)
22日、登米市豊里町蕪木地内で、サルが目撃されました。
(サルの目撃情報:宮城)
23日、登米市豊里町蕪木地内で、サルが目撃されました。
(サルの目撃情報:宮城)
25日、登米市豊里町内で、サルが目撃されました。
(トウガラシ、特産へ:長野)
シカやイノシシの獣害に悩む長野市郊外で、トウガラシを特産にしようとする動きが出ている。辛いので獣害に遭いにくく、軽量で収穫しやすく農家の負担が抑えられるからだ。野生鳥獣による県内の農業被害額は昨年、六億四千万円に上る。栽培も手間がかからず、高齢化が進む農村に優しい作物として、JAながのが産地を広げようと意気込んでいる。「だまされたかと思うほど獣害がなかった」。初めて収穫したトウガラシを前に、長野市中条の農業竹内治男さん(75)が笑顔を見せた。「他の作物が忙しい夏は植えるだけ。選別は冬にできる」と喜んでいる。高齢者に長所の多いトウガラシを特産化しようと、JAながのさいがわアグリサポートセンター(長野市七二会)は今年、栽培講習会を開いたり、訪問指導したりした。長野市西部を中心に二十四農家が栽培に取り組み、来年も農家を増やそうとしている。善光寺(長野市)参りの土産として定着しているトウガラシだが、センターの担当者は「需要がどれだけあるか分からなかった」と栽培が広がっていなかった理由を推測する。農家が安心して生産できるよう全量買い取り制を採用した。センターでは、化学肥料の使用を抑えた県認定のエコファーマーに生産者を限定し「県北信濃産唐がらし」として、県外の小売店で販売が始まった。担当者は「トウガラシの特産化を目指す地域は多くない。乾燥機の導入を検討するなど、獣害に負けない農業を支援したい」と話している。
(来年度の鹿捕獲目標は据え置き:長野)
茅野市鳥獣被害対策協議会(会長・柳平千代一市長)は20日夜、市役所で総会を開いた。行政や農業、観光、狩猟関係者ら約30人が参加。標高の高い別荘地や鳥獣保護区などに生息している現状を踏まえ、2017年度の捕獲目標を今年度と同じニホンジカ1500頭、イノシシ30頭などとし、引き続き「捕獲圧」を維持する方針を決めた。ニホンジカの今年度捕獲実績は11月末現在、前年同期比24頭増の1042頭で、市鳥獣被害対策実施隊が市内全域に展開して、わなで捕獲した。地区別では最多が北山の253頭、宮川の133頭、泉野の128頭、玉川の112頭が続いた。農作物被害は、被害面積1118アール(前年度1496アール)、被害量10万7124キロ(同12万6873キロ)、被害額2219万2000円(同2644万5000円)。ニホンジカの水稲の踏み荒らしや食害が減り、中型獣の野菜被害も減少したという。17年度のニホンジカ捕獲計画は、実施隊1350頭、猟友会150頭の計1500頭。捕獲実績は14年度の1679頭をピークに減少傾向だが、別荘開発事業者の半数はアンケートで「鹿が多い」と回答している状況や、赤岳鉱泉(標高約2200メートル)上のジョウゴ沢で南信森林管理署が5頭を捕獲したことなどを踏まえ、据え置いた。今後は別荘地などにいる鹿を追い払い、捕獲する手法を検討する方針という。諏訪猟友会茅野支部は「安全地帯に鹿が移動している。鳥獣保護区の見直しも必要だ」と指摘。市側は、出没情報に基づいて実施隊による捕獲を集中的に行う姿勢を示した。野菜に被害が多い中型獣は、被害予測に基づいて捕獲する予察捕獲を行う。ハクビシン、タヌキ各45頭、キツネ20頭、アナグマ15頭とした。01年度から山際に整備してきた防護柵の設置状況は、16年度末で延長約44・4キロ。計画延長の95・9%に達する予定。17年度に完了する見込みという。
(動物対策施設設計を3月までに:徳島)
佐那河内村は、動物被害対策施設の整備を予定しており、国の交付決定後、3月までに測量設計を委託する。シカやイノシシが農産物を荒らす被害が増えていることから、動物を撃退する施設を5カ所設置する予定。
(シカの角から樹木守れ:神奈川)
箱根町の山間部で、ニホンジカが角を樹木にこすりつけて樹皮が剥がれる被害が相次いでいることから、自然保護のNPO法人「小田原山盛の会」(小田原市)は、竹製のガードを木に巻き付ける新たな取り組みを始めた。会のメンバーは「どの程度、被害が減るのかを確かめ、樹木の保護につなげたい」と効果を期待している。樹皮被害は、オスのシカが角を樹木で研ぐための「角こすり」という習性が原因だ。樹皮が剥がれると、そこから木を腐食させる菌が入り、枯死につながる可能性がある。会の調査によると、同町仙石原の町有林では、ヒノキなど50%近い樹木が被害に遭っている。このままでは仙石原湿原にある天然記念物など希少植物も荒らされる恐れがあるという。恒久対策として植林地の周囲を高いフェンスで囲う方法が効果的だが、費用面で困難なため、実験的に竹ガードの設置を決めた。竹は小田原市内の放置された竹林から切り出し、長さ160センチの竹片20枚をロープで編んだ。21日には、メンバー約10人が、仙石原地区の被害の多い町有林で、まだ被害を受けていないヒノキ100本に竹ガードを巻き付けた。会は今後、シカが竹ガードで角こすりをするようになるのか、別の土地に移動するのかを調査する。川島範子副理事長は「シカがいる限り、樹皮被害は続くと思う。当面は竹ガードで対応し、箱根町にシカの捕獲を要請したい」と話している。
(ジビエPR、ネットショップに特集:和歌山)
県産品の取り寄せサイト「ふるさと和歌山わいわい市場ヤフー・ショッピング店」に「わかやまジビエ」の特集コーナーが開設され、人気上昇中の県産鳥獣肉をPRしている。県は、イノシシやシカなどの野生鳥獣による農作物の被害が多発している状況を受けて、捕獲した野生鳥獣を食肉として活用する取り組みに力を入れており、一定の衛生基準を満たした処理施設を認証する「わかやまジビエ処理施設衛生管理認証制度」や、イノシシ肉を3等級、シカ肉を2等級に格付けする「わかやまジビエ肉質等級制度」をいずれも平成26年1月に創設するなど、県産ジビエの消費拡大に向け、さまざまな施策を推進している。こうした取り組みをさらに強化しようと特集コーナーを開設。取扱店の情報や、イノシシ肉料理24品、シカ肉料理14品のレシピなどが掲載されている。県食品流通課は「ジビエになじみがない人もまだまだ多いと思いますが、ぜひ一度食べていただきたい」と話し、特集コーナーの閲覧を呼び掛けている。
(市役所食堂でジビエ料理PR:岡山)
農作物に被害を与える有害鳥獣を食肉として活用するジビエ料理をPRする「おかやまジビエDAY」が20日、岡山市役所の食堂で始まった。22日まで、イノシシ肉を使ったメニューを数量限定で販売する。「猪うどん」(420円、1日30食)と「ジビエ(猪)のしょうが焼き定食」(440円、同50食)の2種類。午前11時半からの販売開始前に約20人が詰め掛け、時間になると早速、注文していた。定食は約40分、うどんは午後1時すぎにそれぞれ完売した。一番乗りして定食を注文した男性(73)=北区=は「前回より肉が柔らかく食べやすい。これからも大いにジビエを活用していってほしい」と満足そうだった。ジビエDAYは、岡山県備前県民局がジビエの消費拡大を図るため、2014年から行っている提供店を巡るスタンプラリーの一環。午前11時から食堂前で整理券を配る。
(イノシシ捕獲に新装置、繁殖可能な個体を選別:群馬)
市内に生息するイノシシを減らすため、群馬県太田市は繁殖可能な個体を選別して捕獲する装置を導入した。おりにかかったイノシシの大きさと体温を赤外線センサーで測定し、成体と判別すれば扉を自動で閉める。イノシシによる被害が問題となっている中、効果が注目されそうだ。

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12/20
(高校生、アナグマ駆除し写真投稿:佐賀)
佐賀県西部の高校の男子が、動物の死骸の写真と「殺してやった」という書き込みを短文投稿サイト「ツイッター」に投稿し、高校に抗議のメールや電話が寄せられている。動物はアナグマで、生徒は実家の畑が荒らされていた。書き込みが「こんなに大ごとになるとは思っていなかった」と反省しているという。生徒は17日、あお向けの動物の写真を投稿し、「おいん家の玄関におったけん、後ろからバットでフルスイングしてぶち殺してやった笑」と書き込んだ。同日中に削除したものの、インターネット上の掲示板に転載され、批判が相次いだ。高校が事実関係を確認したところ、生徒は今年7月、自宅に現れたアナグマを棒で追い払おうとして頭に当て、死なせた。畑や作り置きの漬物を荒らし、家族が困っていたという。アナグマは有害鳥獣で駆除の対象になっている。写真は当時、家族に報告するために撮影し、アナグマを最近見たという友人に注意を促すつもりで今回投稿したと説明しているが、校長は「見たり読んだりした人を不快にさせる内容だった」と受け止めている。高校には18日だけで約300件のメールが寄せられ、批判や無言の電話もあった。ネット上に個人情報を取り上げるケースもあり、高校は関係機関に相談した。高校は19日、全校集会を開き、不適切な内容を投稿しないように、SNS(会員制交流サイト)やネットの使い方を指導した。校長は「情報モラル教育を強めていきたい」と話している。
(特急あずさ、シカやイノシシと次々衝突:山梨)
19日夜、JR中央線の特急あずさが山梨県大月市内でシカやイノシシ計3頭を次々とはねた。乗客にけがはなかったという。JR東日本八王子支社の広報担当者は「ひとつの列車が次々動物とぶつかったというのは聞いたことがない」と話している。JR東日本によると、松本発新宿行きあずさ34号(9両編成)が19日午後9時ごろ、大月市初狩町で線路上にいたシカ2頭と衝突。車両の安全を確認し、同9時25分に運転を再開したが、その約6分後、約5・7キロ走行したところで同市大月町の線路上に飛び込んできたイノシシとぶつかったという。この特急に計49分の遅れが出たほか、特急かいじが区間運休するなど約1200人に影響が出た。
(住民一丸でサル退散:埼玉)
秩父市内の野生鳥獣による農作物被害が激減している。二〇一五年度の被害額は九百八十五万円で、ピーク時の四分の一になった。以前は深刻なサルの食害に見舞われていた田村地区では、住民と市が一丸となって群れの動きを把握、電気柵を設置したり打ち上げ花火で驚かしたりして、被害を抑え込んでいる。田村地区は秩父市と小鹿野町にまたがる公園「秩父ミューズパーク」の北側にある。雑木林に覆われた山の合間に民家や畑が点在する農村地区だ。町会長の辺見竹男さん(64)によると、十年ほど前から八十頭前後のサルの群れが両市町の山中を行き来し、畑のリンゴやカボチャ、サツマイモなどを食い散らかしていた。住民と市は〇九年度から本格的にサルの食害対策に取り組んだ。触れると感電する電気柵を畑の周囲に設置し、サルを畑の内側に入れないようにした。しかし、サルは次第に学習し、「木の枝や雨どいをつたって柵に触れずに畑に入ることもあった」(辺見さん)という。群れがどのように動くかを把握しようとする試みも始めた。群れのうち数頭に発信機を付けた。群れの情報は市がメールで住民に配信。住民は群れのそばに近づき、爆音を出す花火を打ち上げたり、ゴムを利用したY字形の飛び道具「スリングショット」で鉄の玉を飛ばしたりして追い払う。サルの生態にも目を向けた。田村地区への出入りの場所や地区内の寝床を地図に落とした。これに基づき通り道の草や木を刈り、姿をくらまさないようにもした。じきにサルは住民や市職員の乗用車を見るだけで退散するように。〇八年度に約五十件あった田村地区の被害は一六年度、いまだゼロだ。辺見さんは「地域や市の協力があって、被害を抑えられている。サルには人間は怖いぞと思い知らせることが大事。今後も目を光らせていきたい」と意気込んでいる。農作物の被害は秩父市全体でみても少なくなっている。市農政課によると、対策が早かった旧秩父市地域は〇九年度に電気柵を設置した効果が表れた。一三年度以降は荒川の上流部でも対策が進み、サルだけでなく、イノシシ、シカなどの食害も減っている。
(クマ大量出没、人間との関係変化か:秋田)
クマが男女4人を襲って命を奪った。目撃情報は例年を大きく上回り、人の手によって捕獲、射殺されたクマは過去最多を記録。まれに見るクマの大量出没の年として記録される、1年となった。背景について、クマの生態や山野の自然に詳しい人たちに取材して浮かぶのは、クマと人間との関係が大きく変化している可能性と、クマの生態については未解明の部分がまだまだ多いという現実だ。「人口減少によって中山間地での人の営みが減ったことで、クマに対する人間の圧力が弱まっている」「クリやカキの実を以前のようには収穫しなくなり、クマを人里に呼び寄せている」「都市集中の生活スタイルが進む中、クマの活動エリアは今後さらに人間側に広がる恐れがある」―。専門家らのこうした指摘には、われわれ人間の暮らしぶりの変化が、クマと遭遇する機会を増やしている可能性が共通する。
(山林に「ムーミン」の世界?実はシカの食害防ぐネット:山梨)
「ムーミン」に出てくる「ニョロニョロ」?山梨県北部の山林に不思議な風景が広がっている。標高約1600メートルの山梨県山梨市牧丘町の県有林で、植林したミズナラの苗木をシカから守るための白いネットだ。周辺では15年ほど前からシカが急増。植林や間伐作業に携わる甲州市の楠(くすのき)学さん(62)は「シカが好むモミは全滅した。苗木は先端を食べられるのでうまく育たない」と話す。県は、狩猟でシカを減らすとともに、2012年度からシカ以外の多様な動植物も生きることができるよう広葉樹の森作りを始めた。牧丘町ではカラマツ林の一部を伐採し、ドングリが実るミズナラ約7300本(約2・4ヘクタール)を植えた。富士北麓(ほくろく)、八ケ岳山麓(さんろく)、櫛形(くしがた)山周辺の県有林でも同じような事業を展開している。県森林環境部によると、ネットは10年以上たつと自然に分解する素材で、ミズナラはネットを突き抜けて成長することもできる。10年後は、幹をシカの食害から守るトタン状の「樹皮ガード」で保護する予定だ。ただ、通常の植林より手間と費用が倍以上かかるという。担当者は「一度自然のバランスを崩すと元に戻すのは難しい。まだ試行錯誤の段階です」と話す。
(農業で探る地域の魅力:長野)
農業高校生と現役農業者、移住定住者が交流により農業分野の知識を広げ、地域の魅力を探る「農業の魅力発見セミナー」が21日午後1時から、南箕輪村の上伊那農業高校同窓会館「日出る会館」で開かれる。県上伊那農業改良普及センターと伊那市、JA上伊那が主催。共催の上伊那農業高校から参加する同校畜産班は活動発表に合わせて、地元産鹿肉を活用して開発・商品化した特産品を数量限定で販売する。「でぃあでぃあ~Dear Deer」と名付けた商品は大和煮タイプ(鹿肉大和煮)とジャーキータイプ(スモーク鹿肉ジャーキー)の2種。学校イベント等での数量限定販売商品だが、セミナーで発表を行う畜産班が会場で数量限定販売する。大和煮タイプは130グラム入り、ジャーキータイプは50グラム入りで、いずれも400円(税込み)。県の集落“再熱”モデル地区支援事業を活用して、新山定住促進協議会と地区ビジョン策定や特産品開発などに取り組む同市が、新山地区の鹿肉を活用した特産品開発に同校畜産班の協力で取り組み、新商品を開発した。材料は同地区で有害鳥獣として駆除された鹿で、手軽に食べられる鹿肉料理を研究している同班が商品化に向けて調理法等を工夫した。セミナーでは、水稲と花卉の複合経営農家、上伊那農業高校卒業生、移住定住者がそれぞれ講演。続いて同校の研究発表&意見発表が行われる。畜産班は「Dear Deer~里山発の新しい特産品」をテーマに発表し、鹿肉加工食品開発への工夫や可能性を披露する。
(ジビエ、試食や製品販売で魅力PR:長野)
野生鳥獣肉を食べるジビエの魅力をPRしようと、県などが18日、長野市栗田のJR長野駅で、鹿肉料理の試食や鹿角・鹿皮を使った加工品の展示販売をする「ジビエ&クラフトfor Xmas」を開いた。
(サル対策、「加害度」を反映:栃木)
県内の野生のニホンザルによる農業被害軽減などを図ろうと、県自然環境課は17日までに、4期目となる県ニホンザル管理計画(2017~21年度)の素案をまとめた。捕獲数は増加傾向にもかかわらず被害が減らない現状を踏まえ、サルの群れの出没頻度や被害内容などを基にした環境省の「加害レベル」を初めて反映させた。県北部に比較的集中し、農耕地や集落で被害を発生させている「加害レベルの高い群れ」の対策に重点を置く。計画対象は県北部から南西部の9市町。素案によると、サルの生息地は過疎化が進む中山間地域へ拡大しており、2013~15年度の群れの生息面積は推計約2400平方キロで、1978年度に比べて2倍弱に増えた。生息数は72群約3900匹と試算される。捕獲数は2003年度の1期計画策定後は増加傾向で、14年度に1070匹と過去最多を記録。一方、農業被害額は04年度以降、2千万円未満で推移したが、14年度約3300万円、15年度約3200万円と2年連続で3千万円を超えた。

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12/17
(狩猟中の男性撃たれ死亡:兵庫)
11日午前11時25分ごろ、兵庫県佐用町の山中で、狩猟に来ていた大工の黒田竜次さん(26)=同県姫路市=が、別の狩猟グループの無職男性(69)=大阪府=の猟銃で撃たれた。県警佐用署によると、黒田さんは腹部付近を1カ所撃たれ病院に運ばれたが、約3時間後に死亡した。男性は「誤って人を撃ってしまった」と話しているといい、同署が任意で事情を聴いている。同署によると、黒田さんは11日午前9時ごろから、仲間4人と付近の山でシカやイノシシの猟をしていた。連れてきた猟犬が猟の途中で離れたため捜していたところ、近くでイノシシなどの猟をしていた別のグループの男性に撃たれたという。
(狩猟中の事故後絶たず、03年以降6人死傷:兵庫)
狩猟中の事故は後を絶たず、兵庫県内では2003年以降だけで、暴発や誤射などで猟師6人が死傷しており、県などが注意を呼び掛けている。県鳥獣対策課などによると、佐用町の山中で03年、男性がイノシシの狩猟中に被弾し、死亡。04年には洲本市で、狩猟仲間が撃った流れ弾で男性が重傷を負った。転倒した際などの暴発で、自分が負傷するケースも多いという。県猟友会などによると、誤射を防ぐため、猟師はオレンジ色のベストなど目立つ服装を着用することになっている。だが、猟犬を使ってシカやイノシシを追う場合について、松尾史朗副会長は「獲物がやってくるのを前提で待つので、気持ちがはやりやすい。音がして反射的に撃って事故になるケースが多い」と指摘。「獲物の姿を確認してから撃つのが基本だ」と話している。
(県央飛行場格納庫に流れ弾、イノシシ狩猟中に発砲:大分)
豊後大野市大野町の県央飛行場の格納庫に猟銃の流れ弾1発が当たっていたことが15日、分かった。けが人や運航への支障はなかった。発砲したのは近くでイノシシ猟をしていたグループ。現場は禁猟区域ではないが、豊後大野署は建物や人に向けて撃つことを禁じた鳥獣保護法違反の疑いがあるとみて調べている。メンバーの一人は大分合同新聞の取材に「騒がせて申し訳ない」と話している。同飛行場管理事務所などによると、14日午後3時半ごろ、飛行場を取り囲む金網フェンス外側沿いをイノシシと数人が走っているのを職員が目撃。その後、発砲音と金属音がした。職員が20メートルほど離れた格納庫の鉄製扉に丸いへこみ(2センチ四方、深さ1センチ)があり、5メートルほど手前に銃弾が落ちていたのを見つけた。猟をしていた人たちはそのまま立ち去った。通報を受けた同署の捜査で、狩猟していたのは市内のグループだったことが判明。銃弾は滑走路を挟んで約200メートル離れた場所から撃たれたとみられる。狩猟メンバーの60代男性によると、当時は計4人で1キロほど離れた山中からイノシシを追い、現場では男性を含む2人が計5発を撃った。男性は「(飛行場や民家がある)撃つべきではない場所という認識はあったが、興奮しているイノシシが人に危害を与える恐れがあるため、仕留めなければと思った」と話している。
(クマ狩猟期2カ月延長:北海道)
道は、ヒグマ狩猟期間を現在の「10月~翌年1月」から「10月~翌年3月」に延長する方針を固めた。メスの捕獲上限頭数を初めて設定した上で、2017年度から5年間の新たな管理計画中に延長する考えだ。狩猟期間の延長は、人を恐れないヒグマが増えていることから、捕獲や追跡の機会を増やし、人を見たら逃げることを学習させる狙い。人身事故の防止や農業被害の軽減を目指す。道によると、ヒグマは本来人を恐れる動物で、畑の作物を狙う場合も人目を避け夜間が多かった。冬眠中や冬眠明けの春先に山中に分け入って捕獲する「春グマ駆除」が1990年度に廃止された影響で、人を恐れない個体が増えたとみられ、近年は日中も畑に居着く例があるという。現在の狩猟期間では、解禁直後は下草の影響で見通しが悪く、11月ごろから冬眠に入るため捕獲しづらかった。3月まで延長すれば、冬眠明けの個体の足跡が雪に残るため追跡しやすい。ただ、やみくもに捕獲すると生息数が激減する危険があり、道は捕獲上限などの制限を設ける。
(住宅街にイノシシ、4人襲う:群馬)
16日午前7時40分ごろから同8時ごろにかけ、群馬県高崎市貝沢町内で、自転車で通学中の女子高校生らが1頭のイノシシに襲われる事案が3件相次ぎ、計4人が軽傷を負った。イノシシは通報から約2時間後に捕獲された。市と高崎署によると、襲われたのは、高崎市の20代男性と、市内の高校に通う女子高校生3人。いずれも自転車に乗っていたところ、イノシシに体当たりされるなどし、自転車が倒れてひざをすりむくなどした。署員や猟友会員、市職員ら約15人が刺激しないよう目視で追跡を続け、同9時半ごろ、市内のアパートの駐車場で網を使って捕獲した。市職員の男性は「なぜこんな場所にという感じ。人に向かっていった時もあり、恐ろしかった」と話した。女子高校生が通う高校によると、朝のホームルームの時間に全校生徒に事案を報告し、登下校時に注意するよう呼び掛けた。男性校長は「生徒に大きなけががなくよかった」と胸をなで下ろしていた。イノシシは雌で、全長約1メートル30センチで体重は推定80キロ。現場はJR高崎問屋町駅から北東に約800メートルほど離れた場所で、住宅や商業施設が密集している。野生動物の生態に詳しい県農政部の須川均鳥獣被害対策担当参事は「イノシシは臆病な動物なので、出てきたところに人や車が多くいるなどして、パニックになって突進した可能性がある」と指摘。イノシシを見掛けた場合の対処法として、①大きな声を上げない②イノシシの逃げ道を作りながら静かにその場を離れる―ことが重要としている。県内では今年、市街地でのイノシシの出没が相次いでいる。9月上旬にJR伊勢崎駅近くのアパート2階の一室に1頭が侵入。10月下旬にはJR高崎駅西口周辺に出没し、約1時間の捕物が行われた。このほか、同市の乗附町や観音山周辺でも目撃情報がある。県自然環境課によると、重大な被害につながる可能性が高いとして、クマによる負傷事故の件数は定期的に集計しているが、イノシシは集計していない。井田由夫環境森林部長は「桐生ではイノシシに襲われた男性が死亡しており、今後、イノシシによる事故が多発するようであれば、過去にさかのぼって集計するなど対応を考えたい」としている。
(路上でクマ突進、女性を襲い逃走:福井)
8日午前6時ごろ、福井県坂井市丸岡町山竹田の路上で、近くの50代女性がクマに襲われた。女性は頭や胸を引っかかれるなどして切り傷を負ったが、命に別条はない。11月以降、竹田地区でのクマによる人畜被害は3件目で、市は住民に警戒を呼びかけている。女性らによると、女性が自宅近くを飼い犬と歩いていたところ、犬が何かに反応したため見ると、クマが正面から突進してきたという。ぶつかった勢いで、女性はクマとともに道路脇の田んぼに転落。クマはうつぶせになった女性の頭をツメでひっかき、逃げ去ったらしい。女性は「あっという間で、どうしていいか分からず逃げられなかった」と話していた。クマが女性を襲った場所には柿の木があり、爪痕も残っていた。熟した渋柿を食べていた可能性がある。クマの体長などは分かっていない。竹田地区ではクマの出没情報が相次いでいる。11月14日には同市丸岡町山口で男性が手をかまれ、12月4日には今回の現場近くで飼い犬が襲われ死ぬ被害が出ている。市はすでに地区内の山際2カ所に捕獲おりを設置。防災無線などで、あらためて柿の除去や、夕方や早朝の外出を避けるよう呼びかけている。市教委は校区の長畝小と丸岡中に、児童生徒と保護者へ注意喚起するよう指示した。
(クマに襲われ、新聞配達中けが:鳥取)
10日午前4時10分頃、鳥取県岩美町洗井の町道で、新聞配達中の男性(59)がツキノワグマに襲われ、左耳を3針縫うけがをした。命に別条はないという。県警鳥取署などによると、現場は山あいの集落で、男性が歩いて新聞を配達中、目の前にツキノワグマが現れ、男性を押し倒して左耳を引っかいたという。クマはそのまま逃げた。同町では10月にも、高齢女性が農道でクマに襲われて転倒し、指を骨折した。同県内では秋以降、クマの出没が相次ぎ、今年の目撃・捕獲件数は453件(1日現在)と過去最高を記録。収穫期の柿が食い荒らされるなどの被害も相次いでいる。同署は、クマが活発に活動する朝夕の時間帯に、一人で外出することを避けるよう呼びかけている。
(クマ、男性の太もも噛む:兵庫)
兵庫県北部に位置する養父市では15日朝、64歳の男性がクマに襲われました。男性は14日の夜、自宅のゴミ捨て場が荒らされているのを発見し、15日朝、自宅の裏山の見回りをしていたところ、クマに遭遇したということです。「クマが茂みの中から飛び出してきた。『ハー』っていって。(太ももを)噛んできたから相手を右足で口をガーンと蹴ったら逃げたんです」(クマに襲われた男性)男性は左の太ももを噛まれ軽傷だということです。兵庫県では今年20年ぶりにクマの狩猟が解禁されましたが、14日、その期間が終了したばかりでした。
(イノシシ用わなにクマ2頭、法の壁で捕獲できず:兵庫)
14日午前7時ごろ、兵庫県朝来市和田山町寺内の糸井川河川敷に設置されたイノシシ用の捕獲わなにツキノワグマ2頭が入っているのを近くの会社に出勤した男性(37)が見つけた。鳥獣保護法はツキノワグマをわなで捕獲することを禁止。有害捕獲など特別な場合は県知事が許可すれば捕獲できるが、今回のような場合は、誤って捕獲したとして放さなければならない。兵庫県で20年ぶりに解禁されたツキノワグマの猟期は14日までだが、2頭は県森林動物研究センターの職員らが麻酔銃で眠らせ、山奥で放した。朝来市によると、この2頭は10月に同町竹ノ内の山裾でシカ用のわなにかかった親子と同じで、山へ放されるのは2回目。周辺では12、13日にこの2頭とみられるクマの目撃が相次いでいた。
(負傷サルの捕獲救助が難航:静岡)
わなが手に食い込んだ野生サルの目撃が相次いだ熱海市で、十月末に始まった市の捕獲救助作業が難航している。山林に餌が豊富な季節のためか、市街地への出没が減り、目撃情報が一カ月間途絶えているためだ。麻酔銃を使った捕獲はいったん断念して、山間部に設置した木箱に入るのを待つ作戦に切り替え、長期戦を視野に入れる。市農林水産室によると、左手にくくりわなのワイヤが巻き付いた高齢の雌のニホンザルについて今年一月以降、市民からの通報が相次いだ。「痛々しく何とかしてほしい」といった声が多かった。市は解決に向け捕獲事業の補正予算を計上し、十月に専門業者と委託契約を結んだ。二〇一四年十一月に群れの動静把握のため、このサルの首輪に発信機を取り付け「テツコ」と名付けていた。発信機を頼りに麻酔銃でいったん眠らせ、わなを外して群れに戻す予定だった。捕獲作業は十月三十一日に専門業者と始めた。十月は五件の目撃情報があったものの、開始後は激減した。十一月十四日の市役所周辺の水口町では、市の臨時職員が駆けつけたが間に合わず、これを最後に目撃情報はない。市の担当職員は「この時期は山の中にミカンやカキなど餌が豊富で市街地への出没が減る。それにしても姿を見せず、何でだろうという思いはある」と首をかしげる。もともと、テツコの発信機の信号を受信機がキャッチするには、数百メートル以内に近づく必要があり、発信機の電池も古くなっているという。このため麻酔銃による捕獲は諦め、作業開始直後に目撃情報が多かった市北東部の伊豆山の住宅街に木箱を設置。餌を内部に仕掛け、いったん入ると出られなくなる仕組みで、市の職員が毎日確認している。例年、寒さが増して山に餌がなくなると、野生のサルは市街地への出没を再開する。宿泊施設の温泉タンクのそばで暖を取るといった行動を確認している。いまは群れが動きだすのを待っている状態だ。職員は「最初はそんなに苦労せずに捕まえられる気がしていた。なるべく早くわなを外してあげたい」と話している。
(サルに襲われ女性軽傷:山口)
美祢市の住宅街で12日朝、女性がサルに襲われ、軽いけがをした。この地域では、11月から人がサルに襲われるケースが相次いでいて警察などが注意を呼びかけている。
(84歳女性、サルに連日襲われる:静岡)
島田市は7日、同市相賀の女性(84)方にニホンザル1匹が出没し、女性が両足首を1カ所ずつかまれて軽傷を負ったと発表した。この女性は6日にも、自宅近くの道路でニホンザル1匹に2カ所を引っかかれ、軽傷を負っていた。市によると、女性は7日午後2時半ごろ、洗濯物を取り込もうと自宅の庭に出た際にサルと遭遇。逃げようとしたが逃げ切れずにかまれた。女性は中日新聞の取材に「動きがとても素早かった。まさか連日被害に遭うとは思いもしなかった。多分、昨日と同じサルだと思う。早く捕まってほしい」と話した。現場周辺は小学校の通学路があり、11月下旬からサルの目撃情報が増えていたという。市は6日の被害を受け、周辺に捕獲用のおり2基を設置し、職員2人が周辺を巡回するなど警戒。連日被害が出たことを受け、捕獲用のおりを1基増やし、巡回の回数も増やす。
(野鳥の鳥インフル感染確認、過去最多今期64件に)
野鳥の鳥インフルエンザの感染について調べている環境省は13日、カモ類などで高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N6亜型)を確認した件数が今期64件に達したと発表した。2010~11年の62件を上回り過去最多となった。今後も感染が拡大する可能性があるとして、警戒を呼びかけている。高病原性ウイルスは11月以降、北海道や愛知、兵庫、鹿児島など11道県で死んだ野鳥や、動物園で飼育中の鳥などから検出された。環境省は警戒のため調査の対応レベルを最高の「レベル3」に引き上げていた。ニワトリなど家禽(かきん)も2県で感染が確認された。10~11年はピークが2月だった。寒波で例年より多くのカモ類などが大陸から日本に移動、ウイルスが持ち込まれたとみられる。環境省は野鳥の死骸を見つけた場合、素手でさわらぬよう注意を呼びかけている。
(20年ぶりクマ猟解禁、捕獲わずか4頭:兵庫)
兵庫県が20年ぶりに解禁したツキノワグマの狩猟期間が14日、終了した。生息数の増加に伴い、人や農作物への影響が広がったことから1カ月間限定で再開されたが、狩猟頭数は上限とする140頭に対して4頭にとどまった。県は結果を検証し、来年度以降の取り組みに生かす。クマ猟は絶滅の恐れがあるとして、県が全面禁止していたが、2015年に推定生息数が安定的な繁殖の目安となる800頭を超える約940頭まで増えたため、制限付きで解禁していた。11月15日からの1カ月間で雄1頭、雌3頭が豊岡市、養父市、新温泉町、佐用町で仕留められたが、クマを狙って山に入る猟師はほとんどいなかった。一方、有害獣として駆除されたクマはこの1カ月間で6頭、年間では29頭だった。今年はクマの餌となるドングリ類の実りが悪く、11月の目撃や痕跡の件数は、大量出没があった10年度以降最も多い235頭。4月から12月14日までにイノシシやシカのおりに誤って入った「誤捕獲」も123頭に上り、過去最多となった。井戸敏三知事は13日の会見で「狩猟者が山に入り、クマが山奥に隠れたとみられ、生息域とのすみ分けができたのでは」と評価。「今後は頭数の管理や人家周辺の出没対策の徹底へ、集落を囲む里山での捕獲も検討する必要があるのではないか」と話した。
(飛騨猟友会、射撃場を移転新築:岐阜)
飛騨猟友会(高山市西之一色町3ノ1000)は、飛騨猟友会射撃場の移転新築を計画している。2017年3月をめどに施工者を選定し、4月から着工する方針だ。完成は18年3月末を予定している。
(わなにかかったイノシシ脱走、公園を臨時閉園:岐阜)
12日午前7時40分頃、岐阜県可児市瀬田の県営花フェスタ記念公園で、わなにかかったイノシシ1頭(推定約100キロ)が逃げだし、県は公園を午前11時から臨時閉園とした。
(イノシシ逃走の公園14日再開、捕獲ならず:岐阜)
県は13日、ワナにかかったイノシシが逃げ臨時閉園した県営花フェスタ記念公園(可児市瀬田)について、14日に営業を再開すると発表した。逃げたイノシシは見つかっていないが、専門家の意見を踏まえ再開を決めた。
(体重390キロのクマ駆除、冬眠の直前:北海道)
伊達市大滝区上野町の山林で体重390キロのヒグマが駆除された。クマは冬眠する直前だったとみられ、酪農学園大の佐藤喜和教授(野生動物生態学)は「この時期は必要な脂肪を蓄えるため450キロほどになるクマもいるが、駆除されたクマもかなり大きい」と話す。クマは体長約2メートルで、6歳前後の雄。4日朝、道猟友会伊達支部大滝部会のメンバーが山林で見つけ、同日午後、クマがササやぶから飛び出してきたところを同部会の別のハンターが仕留めた。昨年9月には紋別市で、体重400キロのヒグマが駆除されている。
(県内今年初、民家近辺でクマ捕獲:和歌山)
8日午前7時半ごろ、田辺市龍神村小家の山中で、ツキノワグマ1頭がシカ・イノシシ用のわなにかかっているのを地元の猟友会員が見つけ、市に通報した。野生動物保護管理事務所関西分室(神戸市)の職員が調べたところ、体長1・14メートル、体重60キロの雌の成獣とみられる。麻酔をかけた後、標識を付けて山中に放した。
(田んぼでサル捕獲:岐阜)
住民が猿に襲われる被害が相次いだ恵那市は5日までに、体長約55センチの雄猿1匹を捕獲した。猿は3日午前10時50分ごろ、同市上矢作町の田んぼにいるところを市猟友会のメンバーが発見。猿は猟銃で撃たれて死んだ。同町では11月19日から今月3日にかけ、小学生や幼児の4人を含む住民8人が猿にひっかかれた。
(イノシシ湖畔に、宍道湖から漂着か:島根)
松江市打出町の宍道湖北側の湖畔で6日朝、イノシシが死んでいるのが見つかった。大きなけがはなく、周囲の状況から宍道湖から流れ着いたとみられる。宍道湖や猟友会などの関係者は「こんなことは初めて。宍道湖を泳いでいて溺れたのかもしれない」としている。
(街地またイノシシ:高知)
高知市の市街地で16日未明、イノシシの目撃情報が相次ぎ、高知署や市が注意を呼びかけている。同署によると、イノシシは体長約1メートル。午前3時10分頃、唐人町の天神橋北側で「イノシシを見つけた」と住民から110番があった。署員が現場に向かう途中、はりまや交差点を東に走るイノシシを目撃。菜園場町から追跡したが桜井町で見失ったという。同5~6時にも同様の通報が3件あり、本町での目撃を最後に行方がわからなくなっている。同署はパトカーで巡回し、警戒を続けている。市からの連絡を受け、市教委は市立の全小中学校や高知商高などにメールで注意を呼び掛け、各校では校門にさすまたを持った教員が立ったり、通学路で見守り活動を行ったりと対応に追われた。市農林水産課によると、11月にも、市北部の山から下りてきたとみられる体長60~70センチのイノシシが高知駅周辺で目撃されたが、今回は最初に目撃された場所や体長などから筆山(筆山町)に生息する別のイノシシと考えられるという。同課の島崎春次課長補佐は「イノシシは普段はおとなしいが、脅かすと襲ってくる可能性がある。見かけた場合は警察か市農林水産課にすぐに連絡して」と呼び掛けている。
(クマ目撃、国道を横切り山林に:福島)
12日午後1時25分ごろ、北塩原村桧原字剣ケ峯の国道459号でクマを目撃したと、車で通行中の男性から猪苗代署に通報があった。同署によると、体長約1.5メートルで国道を横切り山林に入っていったという。
(サルの目撃情報:宮城)
9日、登米市迫町佐沼地区で、サルの目撃情報が寄せられています。サルを目撃した場合は、近寄らないように注意し、市役所産業政策課に通報をしてください。
(サルの目撃情報:宮城)
12日、登米市米山町桜岡地区で、サルの目撃情報が寄せられています。
(サルの目撃情報:宮城)
13日、登米市豊里町寿崎地区で、サルの目撃情報が寄せられています。
(サルの目撃情報:宮城)
14日、登米市豊里町土手下地区で、サルの目撃情報が寄せられています。
(サルの目撃情報:宮城)
15日、豊里町内で、サルの目撃情報が寄せられています。
(鳥インフル「高病原性」、防疫指導を強化:福島)
県は8日、福島市岡部で見つかったオオハクチョウの死骸から検出された鳥インフルエンザウイルスは強毒性の高病原性(H5N6型)だったと発表した。対策本部会議で野鳥飛来地の監視や家禽(かきん)農家への防疫指導の強化を決めた。生産者は警戒感を強める一方、鶏舎の補強や消石灰の散布など予防に万全を尽くしている。県は8日から、環境省が死骸の発見場所から半径10キロ圏内に設定した「監視重点区域」での巡回活動を強化した。巡回はこれまでの随時実施から隔日実施に頻度を上げ、1月中旬まで飛来地をはじめ道路や田畑などで死んだ鳥や異常な動きをしている野鳥がいないかを確認する。9日は死骸発見場所の近くにあるハクチョウの飛来地「あぶくま親水公園」と同市松川町の「水原川ハクチョウ飛来地」で野鳥のふん便を採取する。国立環境研究所(茨城県つくば市)で遺伝子検査を実施し、鳥インフルエンザウイルスへの感染の有無を調べる。区域圏外にあるガンやカモ、ハクチョウが1000羽以上羽を休める大規模飛来地7地点とオオハクチョウの飛来地25地点については3日に1度巡回する。生産者への衛生指導も本格化させた。家畜伝染病予防法に基づき、鶏やキジ、アヒルなどの家禽を100羽以上飼育する174戸を対象に外部から野鳥の侵入を防ぐネットや壁の破損確認や、農場周辺の消毒の徹底を呼び掛けている。オオハクチョウの死骸は2日に発見された。県の簡易検査で陽性反応が出たため環境省が北海道大で確定検査を実施していた。県内で高病原性の鳥インフルエンザウイルス感染が判明したのは平成23年2月以来。県によると、今年度に入り高病原性ウイルスへの感染が確認された件数は8日午後1時現在、本県を含む10道県の43件に上っている。
(上越の野鳥死骸からもH5N6型検出:新潟)
県は9日、毒性の強いH5N6型の高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された上越市の養鶏場などで、農林水産省の疫学調査チームが回収した野鳥の死骸から、H5N6型ウイルスが検出されたと発表した。県環境企画課によると、ハシボソガラスとハヤブサ各1羽。
(鳥インフル確定、7羽に:愛知)
東山動植物園(名古屋市千種区)は13日、飼育していた鳥4羽から新たに毒性の強い「H5N6亜型」の高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。屋外の「胡蝶(こちょう)池」で飼育していたコクチョウ3羽から12日に同型のウイルスが確認され、高病原性の確定は7羽となった。4羽は隔離前に別の「古代池」で飼育されていたため、園内の感染源が複数にわたり、さらに感染が広がる可能性もある。環境省によると、今季は野鳥や動物園などで飼育されている鳥から高病原性の鳥インフルエンザが検出された事例は11道県の計64件となり、過去最多だった2010~11年の62件を上回った。担当者は「過去最も早いペースで感染が広がっている。家禽(かきん)農場ではいっそう防疫体制を強化してほしい」と警戒を強めている。同園で新たにウイルスが確認されたのは、10日に死んだ環境省の絶滅危惧種のシジュウカラガン、13日に死んだマガモ、飼育中のマガモとヒドリガモの各1羽。簡易検査はいずれも陰性だったが、鳥取大で確定検査をしていた。生きていた2羽は13日午後、環境省の指針に基づき殺処分された。4羽とも野鳥が飛来する古代池で飼育され、感染防止のために今月5日に隔離。胡蝶池にいたコクチョウ1羽を含め、計9羽が同じ動物病院内で飼育されていた。古代池で野鳥から感染したのか、隔離後にコクチョウを介して病院内で感染したのか、茶谷公一・動物園副園長は「潜伏期間を考えると病院内で感染し、少しずつ症状が出ている可能性もあるが、現時点では判断できない」と述べた。同園では11月29日以降、殺処分された2羽を除き、コクチョウ3羽、シジュウカラガン2羽など計8羽が死んだ。現在、飼育中のシジュウカラガン2羽を含む計8羽の確定検査をしている。園は11日から動物園エリアを休園し、防疫体制を強化、来年1月上旬の再開を目指している。
(鳥インフルエンザ環境省チーム、湖沼など9カ所調査へ:茨城)
水戸市で見つかった野鳥の死骸から相次いで鳥インフルエンザウイルスが検出されたことを受け、環境省は13日、野鳥緊急調査チームを県内に派遣した。16日までの4日間にわたり、環境省が指定した野鳥監視重点区域に含まれる水戸市など7市町で、ガンやカモなどが飛来する湖沼など9カ所を調査する。13日は千波湖など3カ所を回ったが、異常は確認されなかったという。調査チームは同省の担当者2人と、鳥類調査の専門家として自然環境研究センターの職員2人で構成。双眼鏡や単眼鏡などを使い、野鳥の死骸や異常な個体がないかなどを調べる。11月29日に同市の大塚池で死んでいたオオハクチョウ1羽と、今月6日に同市の千波湖で死んでいたユリカモメ1羽から、遺伝子検査で鳥インフルエンザウイルスが検出されたことから、環境省は発見場所からそれぞれ半径10キロ圏内を野鳥監視重点区域に指定した。通常は確定検査で高病原性鳥インフルエンザウイルスを検出した後に指定するが、全国的に鳥インフルエンザが多発していることを受け、指定を前倒ししたという。調査チームは、特に死骸が発見された水戸市の大塚池と千波湖については連日、見て回り、状況把握に努める方針だ。同省関東地方環境事務所野生生物課の沢邦之課長は13日、常陸太田合同庁舎(常陸太田市山下町)で記者会見し、「区域内での異常を素早く察知することが重要。水鳥の集まる場所を丁寧に見ていく」とし、「野鳥の死骸にはむやみに触らず、自治体に連絡してほしい」と呼びかけた。県は13日、水戸市の千波湖で同日朝に見つかった野生のコブハクチョウ1羽の遺伝子検査を行い、H5亜型の鳥インフルエンザウイルスを検出したと発表した。県内で鳥インフルエンザウイルスが検出されるのは今季6例目。高病原性かどうか、鳥取大で確定検査を行う。県などによると、同日午前8時20分ごろ、貸しボート業者が千波湖内で死んでいるコブハクチョウを発見。県県北家畜保健衛生所で検査したところ、ウイルスを検出した。
(鳥インフル判明から1週間、家禽感染の防止に力:北海道)
苫小牧市静川で回収されたハヤブサの死骸から高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N6型)が確認され、12日で1週間たった。胆振地方は道内管内別でニワトリなど家禽(かきん)の飼養羽数が最も多く、高病原性ウイルスが農場へ侵入すると甚大な被害が発生するため、道や環境省など関係機関は対策に躍起。地元苫小牧市もウトナイ湖畔への立ち入り禁止措置を取るなど、感染拡大の防止に神経をとがらせている。ハヤブサの死骸から高病原性ウイルスが検出された5日以降、市は、野鳥の死骸を見つけても触らないよう注意を呼び掛けるチラシを町内会や学校、福祉施設など293カ所に配布し、全小中学校の児童生徒ら約1万3700人にも手渡した。また、野鳥のふんを靴で踏み、ウイルスが拡散しないようウトナイ湖畔への立ち入りを禁止し、散策路も閉鎖。水鳥が集まる緑ケ丘公園金太郎の池や美々川など39カ所に注意看板を設置したり、異常な野鳥が他にいないかどうか巡回の監視活動を続けている。環境生活課の菅原祐子課長は「苫小牧で初めての事態。環境省が野鳥監視を解除するまで警戒したい」と話す。胆振総合振興局も対策に力を入れている。ハヤブサの死骸が見つかった地点から半径10キロ圏内の「野鳥監視重点区域」にある家禽農場6カ所に対しウイルス侵入防止策を求めた他、胆振管内で100羽以上の家禽を飼養する農場など53カ所へ対策徹底を呼び掛ける文書を送付。管内の市や町には家禽の感染に備え、殺処分に従事する防疫従事者の登録も依頼した。同振興局によると、管内で飼養されているニワトリなど家禽は約543万羽と、全道(約1266万羽)の4割以上を占める。今のところ、家禽への感染が疑われる情報は寄せられていないが、同振興局農務課の余川達也主幹は「いつ農場で発生してもおかしくない状況だと考えている」と危機感を抱く。環境省も警戒を強めている。今冬、全国各地で野鳥から高病原性鳥インフルエンザウイルスの検出が相次ぎ、青森や新潟の家禽農場で被害も発生しているからだ。同省は感染の広がりを食い止めるため、国指定鳥獣保護区のウトナイ湖で鳥獣保護区管理員による巡視活動を強化。13日から15日まで苫小牧市へ野鳥緊急調査チームも派遣し、「野鳥監視重点区域」で野鳥監視や調査の活動を展開する。道内では、北見市の海岸で見つかったオオハクチョウの死骸からも、高病原性ウイルスが検出されたことが8日に判明。関係機関は、ウイルスを持つカモなど渡り鳥が国内での越冬を終え、北上する来春まで警戒を強める考えだ。同省北海道地方環境事務所野生生物課の平井和登課長補佐は「春の野鳥の北帰行シーズンも十分に注意したい。人への感染は国内で確認されておらず、過度に心配する必要はないが、死亡野鳥を見つけたら触らず、自治体などに連絡してほしい」と呼び掛けている。
(鳥インフルエンザ、拡散防止へ餌付け場で石灰散布:宮城)
渡り鳥による高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染を防ごうと、県伊豆沼・内沼環境保全財団は9日、栗原市と登米市にまたがる伊豆沼と内沼の餌付け場2カ所に石灰を散布した。県内では、先月に登米、栗原両市で見つかった野生のマガン2羽から同ウイルスが検出されている。
(野鳥の監視強化:長野)
安曇野市明科中川手の御宝田遊水池付近で衰弱したコハクチョウからH5型の鳥インフルエンザウイルス遺伝子が検出された問題で、県松本地方事務所は6日、環境省が野鳥監視重点区域に指定した発見場所から10キロ圏内に加え、新たに圏外の6カ所で監視を強化する方針を示した。感染が拡大していないか迅速に把握し、鶏などへの被害を防ぐ考えだ。県松本合同庁舎(松本市)で開いた松本地方3市5村の担当者会議で説明した。6カ所は松本市の松本城の堀(丸の内)、生妻(しょうづま)池(中山)、塩尻市のみどり湖(金井)、広丘八幡池(広丘野村)、塩尻市から松本市の奈良井川の約10キロ区間、東筑摩郡朝日村の芦ノ池(古見)。いずれも今年1月の調査で、46から350羽のカモ類が確認された渡り鳥の飛来地で、県が委嘱した鳥獣保護管理員が1日1回巡回する。管理員が既に自主的に見回っている場所もあるという。県は、ウイルスが確認されたコハクチョウが見つかった翌4日以降、御宝田遊水池と発見場所から10キロ圏内にある安曇野市の犀川白鳥湖、同郡生坂村の犀川で管理員による巡回を1日1から2回実施している。6日は、感染の可能性がある野鳥の死骸が見つかった場合、松本地事所林務課職員が回収するとし、市村担当者らが死骸に触れることがないよう改めて注意を促した。一方、安曇野市は発見場所から10キロ圏内で鶏などを100羽未満飼う養鶏場など54戸を対象に、消毒用の石灰20キロを7日から無料配布する。また、犀川白鳥湖で保護活動をする「アルプス白鳥の会」は、餌やりを現在自粛しているが、コハクチョウが餌を求めて移動する可能性を懸念。今回のウイルスが高病原性かどうか分かる確定検査の結果を待って、餌やりを再開するかどうか検討するとしている。
(新たにカモ1羽から鳥インフル:鹿児島)
鹿児島県は6日、鹿児島県出水市で死んだ状態で回収したヒドリガモ1羽から新たに高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N6型)を検出したと発表した。今冬、同市でウイルスが確認された野鳥はツル17羽、カモ4羽の計21羽となった。
(鳥インフル、環境省が調査:兵庫)
兵庫県小野市の男池(鴨池)で採取した野鳥のふんから高病原性の鳥インフルエンザウイルス「H5N6型」が検出されたことを受け、環境省は6日、同池周辺10キロ圏内での緊急調査を始めた。民間の専門家2人が8日まで、カモ類などがよく見られるため池など15カ所で生息状況や死亡個体の有無などを調べる。同省は5日現在、全国45カ所程度で同様の調査を実施もしくは予定しており、近畿では1カ所だけという。この日、調査員は望遠鏡などを使って異常の有無を調べ、用紙に記録した。同省近畿地方環境事務所は「通常は人に感染しないので過度に心配する必要はない。大量死を見つけたら近くの自治体に知らせてほしい」と呼び掛けている。
(超音波でシカ侵入激減:広島)
廿日市市宮島支所が、世界遺産の島・宮島の玄関口である宮島桟橋旅客ターミナルにシカよけの超音波発信装置を設置している。シカが施設内に入ってきては、フェリー利用者の荷物をかむなどの被害が出ていたため廿日市市宮島支所が、世界遺産の島・宮島の玄関口である宮島桟橋旅客ターミナルにシカよけの超音波発信装置を設置している。シカが施設内に入ってきては、フェリー利用者の荷物をかむなどの被害が出ていたため、初めて取り入れた。シカの侵入回数が激減し、効果が出ているという。
(シカとの電車衝突ゼロに、線路沿いに超音波:三重)
シカと電車との衝突事故が多発する津市の近鉄大阪線で、超音波を流して線路への進入を防ぐ「鹿踏切」を設置した結果、事故がゼロに抑制されたことが16日、分かった。予想以上の効果に、近鉄は来年3月に奈良県内の路線でも設置を行う方針。また、他の鉄道会社からの問い合わせが殺到し、試験設置を始める会社も出るなど、導入の動きも広がっているという。「鹿踏切」が設けられたのは、津市の山間部にある近鉄東青山駅周辺。線路がシカの生息域を横切っており、昨年は過去最多の17件の衝突事故が発生した。近鉄は今年5月、周囲1キロにわたり線路脇にネットを張った上で、5カ所に隙間をつくり、シカの活動が活発な午前5~6時と午後6~12時の間に、シカの嫌がる超音波を流して横断しないようにする「鹿踏切」を導入。その結果、設置7カ月で衝突事故はゼロに抑えられたという。絶大な効果に、近鉄は来年3月、奈良県の榛原-室生口大野駅間にも同様の踏切を導入する方針で、すでに今年10月に監視カメラを設置し、シカの行動分析を始めている。また、年間十件以上の事故が起きている17カ所にも順次検討していくという。一方、近鉄には、設置の5月以降、他の鉄道会社や自治体、大学関係者などから問い合わせが相次ぎ、実際に伊豆急行(静岡県)が11月から試験的に設置するなど広がりもみられる。近鉄の担当者は「効果が実証された形。今後拡大設置し、運行への影響が出ないようにしていきたい」と話している。多発するシカやイノシシなどの動物と電車との衝突事故は、電鉄会社にとって深刻な問題となっている。近鉄では昨年、シカなどの動物と電車が衝突する事故が過去最多の313件発生。部分運休や代替車両の手配などを余儀なくされるケースもあるといい、損害は年間数千万円に上るとみられている。特に近年は、狩猟者の減少や、過疎化による里山の荒廃で野生動物の行動範囲が拡大し、接触事故は急増傾向にある。近鉄によると今回の鹿踏切が設置された東青山駅周辺では、十年ほど前は年間2~3件程度だったという。また、シカが線路に近づくのは、生息域の中に位置するほか、鉄分を補給するために線路をなめる習性もあるとされている。このため、各鉄道会社は対策に苦慮する。JR西日本はシカなどが嫌うオオカミの尿を使った薬剤を線路付近に散布、近鉄も鹿踏切前は線路脇に発光ダイオードの付いたボールを設置するなどの対策を試みているが、大きな効果をあげるまでには至っていない。一方、JR東海は、衝突を前提に、一部の山間部の区間で特急電車の先頭車両にスポンジゴム製の緩衝装置を取り付ける。「運転再開までの時間が短くなった」というが、抜本的な対策とはなっていない。こうした中で、効果が実証された形の「鹿踏切」。国土交通省によると、昨年度、動物によって運休や30分以上の遅れが発生した事例は全国で428件に達している。考案した近鉄の匹田雄史さんは「シカを排除するのではなく、共存する仕組みで、互いによい関係を続けられたら」と話している。
(クマ生息数調査にセンサーカメラ:秋田)
ツキノワグマの生息数が増えるかも―。秋田県内でクマの出没などが相次いだことを受け、県は9日、来年度から県内の生息数を推定する調査にセンサーカメラを導入する方針を明らかにした。策定中の「第12次県鳥獣保護管理事業計画」(2017~21年度)の素案に盛り込んだ。今年4月時点の推定生息数は1015頭だったが、調査の精度が高まれば来年の推定数が増える可能性もある。県は毎年、4月時点で県内に生息するクマの推定数を調べている。全県を3キロ四方のメッシュで計1415区画に分け、山間部などクマがいるとみられる618区画から180区画を抽出。県猟友会に委託してクマの足跡やふん、目撃数などを調べた上で、全県の推定生息数を算出する。今年の生息数は、県が絶滅を避ける目安とする千頭と同程度だった。しかし、4月以降、クマが大量に出没し、11月末時点で死傷者は19人に上り、目撃件数の868件と有害駆除数の473頭は共に過去最多を更新。推定生息数に対して駆除頭数が多いため、県は今季の狩猟期間のクマ猟自粛を県猟友会に要請したが、関係者からは「もっと生息しているのではないか」などの指摘も出ていた。
(銃猟体験、ハンター育て:和歌山)
銃猟者を増やそうと、県は11月から、銃猟免許を持つ人や取得予定者が猟に同行する体験研修を始めた。これまでの座学研修と異なり、体験を機に銃猟を始めてくれれば、有害鳥獣駆除の即戦力としても期待される。「現場の空気を感じ、銃を手に取ってもらう機会につなげたい」と担当者。経験者と接する貴重な機会に「怖い気持ちもあったが、それを克服する気の持ち方まで聞けた」と参加者の反応は上々だ。4日のかつらぎ町での研修には、田辺市の料理店経営高橋和幸さん(33)と和歌山市の歯科医葛城勝彦さん(35)がイノシシ猟に参加。ともに狩猟免許を持ち、葛城さんは銃も所持しているが、狩猟は未体験だった。2人は、県猟友会の尾上貞夫会長の説明を聞きながら、会員約10人が猟犬で獲物を追い立てる「勢子せこ」と、待ち伏せして銃で撃つ「待ち」に分かれて山中を張り込む猟を真剣に見ていた。この日は獲物を捕らえることができず、予定していた解体見学はなかったが、「山で長時間を過ごし、猟の難しさがわかって良かった」と高橋さん。葛城さんは「銃の事故が怖いと思っていたが、細心の注意を払っていることを知り、安心できた」。ともに銃猟に挑戦しようという気持ちがわいたという。県によると、1985年度に5381人だった銃猟者は減少が続き、昨年度は約1450人。かつてレジャーとして人気だったが、高齢化で銃を置く人が増えた。一方、野生鳥獣による農作物被害は昨年度、3年ぶりに増加して約3億4300万円に。前年度より2200万円近くも増え、県は危機感を募らせている。狩猟には、わな猟もあるが、わなにかかるのは警戒心が薄い幼い個体が多く、繁殖能力がある成獣を仕留めるには銃猟が欠かせない。また、県内では今年、市街地でも野生動物の目撃が相次いだ。ハンターが山に入り、人への恐怖心を動物に植え付けることで、人里から追い払い、人的被害も防ぐことができる。体験研修は来年2月まで数回が予定され、1回の参加は5人まで。
(クマ被害、県が抜本対策:鳥取)
県内でツキノワグマの目撃情報や被害が相次いでいる。1日現在の目撃・捕獲件数は453件(昨年度100件)で過去最多を更新し、人的被害も発生。冬眠の時期が迫るが、県は注意を呼びかけるとともに、今後の効果的な対策について検討を進めている。「夜間、怖くて家から出られないという声を聞く。特産の柿も被害に遭うなど、影響は深刻だ」。1日、県庁を訪れた小林昌司・若桜町長は、適切な対策を講じるよう平井知事に要請した。今年の目撃・捕獲件数は、2001年度以降で最も多かった10年度の449件を超えた。10月には岩美町で高齢女性がクマに襲われ、指を骨折する重傷。八頭町では11月以降、収穫期の柿が食い荒らされる被害が相次ぐ。被害拡大の背景には、山中でドングリ類などのえさが不足し、集落に下りてきていることに加え、生息数自体の増加があるという。県内では06年度までクマ猟を許可していたが、中国山地全体で生息数の減少が問題となり、07年度から禁止。県の鳥獣保護管理計画(12~16年度)では、推定生息数は400頭程度とされるが、現在はさらに増えているとみられる。同様に目撃件数が増えている兵庫県では、推定生息数が940頭に上り、11月15日から1か月間、20年ぶりにクマ猟を解禁した。ただ、ハンターが不慣れなことなどから、今月6日時点の狩猟数は3頭で、捕獲承認数(140頭)に及んでいない。岡山県も今後、クマ猟を解禁する方針という。今月2日の鳥取県議会本会議でも、議員から「県内でも狩猟を解禁すべきではないか」などの質問が出た。平井知事は、専門的な検討が必要とした上で「急速に生息数が増えており、踏み込んだ議論が求められている」と回答。集落内で捕獲された個体は、放さずに殺処分とするなど、抜本的な対策の必要性を示した。一方で、県山間部を含む東中国地域のツキノワグマは、環境省が「絶滅の恐れのある地域個体群」に指定。県も、絶滅の危険が増大している種に該当する「絶滅危惧2類」に位置づけている。県は現在、来年度以降の保護管理計画の策定を進めるが、狩猟解禁の是非には「現状を丁寧に検証しながら対応を検討する」と慎重な姿勢だ。野生動物の保護と、集落の安全確保のバランスをどう保つか。難しい判断を迫られている。
(サル被害深刻化、県と地元で意識にずれ:神奈川)
かつて「箱根山のサル」として知られた神奈川県県西部のニホンザルによる農業や生活への被害が深刻化していることを受け、県は来年度から5年間のニホンザル管理計画の素案に管理困難な群れを除去する方針を盛り込んだ。現行の計画では基本的に群れを維持するしかないだけに、県としては踏み込んだ内容。しかし、被害の現状は逼迫(ひっぱく)しており、地元住民や自治体はより明確に群れの除去を打ち出すよう求める声を強めている。
(農林業の鳥獣被害額減少、昨年度5億9700万:山梨)
県内における野生鳥獣の農林業被害について、2015年度の被害額は前年度比7400万円減の5億9700万円だったことが、5日に開かれた県議会の検証委員会で報告された。被害額は、農作物と森林でともに減少した。県議会では鳥獣被害の拡大を踏まえ、12年度に知事に対して政策提言を提出。被害の防止対策として、狩猟者の確保や育成、わなで動物をおびき寄せて捕獲する「わな猟」の促進支援などを県に求めていた。県はこの日、政策提言に対応した15年度の取り組みを説明し、重点項目として、わな猟の普及促進や専門家による指導体制の整備などの取り組みを実施したと報告。主な野生鳥獣のうち、ニホンジカの捕獲数は増加傾向で10年前の10倍になったとし、今後は雌のシカを集中的に捕獲することで繁殖を抑えるといった計画を説明した。
(シカ見守りカメラ、自販機に設置:奈良)
奈良公園のシカの交通事故を減らすため、奈良県橿原市の自動販売機管理会社「奈良ベンダー」が、交通量の多い道路沿いの自販機にカメラを設置し、シカの行動を記録する活動を始めた。保護団体「奈良の鹿愛護会」によると、今年7月までの1年間で81頭が事故死しており、映像を同会に提供、活用してもらう。.
(イノシシやシカの猛威が農業に大打撃:高知)
イノシシやシカが高知県内でも田畑を荒らし回っている。農作物の被害は増え、気が付けば、動物は市街地にも迫ってきた。四万十市の市街地から車で約10分。四万十市竹島地区のミカン農園で経営者の男性(40)が嘆いた。「昨年からイノシシが出るようになって。今年はネットを張ったけど、破かれました」1ヘクタール以上の園内に、イノシシが食い散らかしたミカンが散乱していた。木に登ってミカンを取ろうとし、その際に折れたらしい枝も地面に落ちている。「折られた枝にもミカンはなってたんですよ。20、30年先の収穫まで考えたら被害額は大きい」園の周辺数カ所にわなを仕掛けたものの、足蹴(あしげ)にされ、捕獲できなかった。園全体を金網で囲うには数十万円以上の費用が要り、二の足を踏んでいる。JA高知はた(本所・四万十市)によると、2014年度に竹島地区ではブンタンやミカンなどを中心に約1800万円の被害が出た。鳥獣被害の多さは高知県内有数だ。人家のない地域でもない。JA高知はた鳥獣被害対策専門員、小野川博友さん(52)は言う。「イノシシは成体になれば、60、70キロもある。人家の周辺に現れるのが一番怖い」小野川さん自身、怖い目に遭った。およそ5年前。買ったばかりの車で未明に国道を走っていると、山から突然シカが飛び出して車と衝突し、フロント部分が大きく破損した。高知市中心部に近い区域でも、イノシシ被害が拡大している。高知市春野町仁ノなどの約20ヘクタールでコメを作っている清藤清さん(72)は2016年、5ヘクタールほどをイノシシに荒らされた。このうち2ヘクタールは全く収穫できなかったという。「7、8年前から被害に遭うようになって。イノシシのせいで今年は完全に赤字。うり坊2頭が昼間に現れて、トラクターの近くを悠然と歩いていったこともありますから」120万円ほどかけて電気柵を設けはしたが、イノシシはそれを跳び越えて侵入したこともあった。高知市春野地域振興課の担当者は「10年前、イノシシは珍しかった。今では秋になれば2、3日に1回は相談の電話が鳴ります」。JA高知市などによると、飼い犬の餌をイノシシが食べていたとの情報もある。春野地域では年間100頭以上を捕獲している。それでも被害の拡大は止まらない。鳥獣による農林業の被害額は、いったいどのくらいか。高知県によると、2015年度は約2億6530万円になる。2012年度の約3億3900万円から3年連続で減少したとはいえ、イノシシやシカによる被害は約6割を占め、高止まりしたままだ。被害を報告しない農家も多く、高知県鳥獣対策課の担当者も「被害額は氷山の一角」と言い切る。鳥獣の生息数も増加が際立つ。環境省の調査による推計では、イノシシは四国全体で2012年に9万3千頭いた。同年までの15年間で約4万頭も増加したことになる。シカも増えた。高知県内では2013年に約7万4千頭。その10年前の約4倍だ。生息数の増加に伴って捕獲数は増えた。高知県内での捕獲は2015年度、イノシシ約1万8700頭、シカ約2万頭。それでも自然の繁殖には追い付いていない。
(市街地のシカが減少、餌やり禁止が効果:広島)
厳島神社がある宮島(広島県廿日市市)で、市街地に出没するシカの数が減少傾向にあることが市の調査で分かった。市によると、2008年に1日200頭以上が確認されたが、11月下旬の調査では約120頭だった。シカの餌やり禁止を推進する市は「市街地に餌がないと知り、山で過ごすシカが増えたのだろう。餌やり禁止の効果が表れ始めている」としている。
(奈良のシカ、「捕獲」含め管理:奈良)
奈良市の奈良公園周辺に生息する国の天然記念物「奈良のシカ」を四つのエリアに分けて保護・管理する取り組みで、県は2日、中心地区の外縁部で農作物被害なども増加している「D地区」についての「奈良市ニホンジカ第2種特定鳥獣管理計画」案を公表。同日開かれた奈良のシカ保護管理計画検討委員会(委員長・村上興正元京都大学理学研究科講師、9人)でおおむね了承された。来年4月の策定を目指す。同計画が改正鳥獣保護・管理法に基づくものであることから、文化庁は計画名に「奈良のシカ」を付けるべきないと指摘。これを受け入れて「奈良市ニホンジカ」としたという。県は、この日の意見を踏まえて文案を修正し、県民などからのパブリックコメントや利害関係団体の声も聴いて計画案を確定。環境相への報告を経て来年4月をめどに発効にこぎつけたい意向。
(鹿イノシシ対策、隣接県と連携強化:岡山)
県は、2017年度から5年間の鹿やイノシシによる農作物被害対策を盛り込んだ特定鳥獣管理計画の素案をまとめた。効率的な捕獲のため県内の市町村同士や、鳥取など隣接県との連携を強化。これまで把握できていなかったイノシシの生息数を推定するため、初めて情報収集に乗り出す。来月14日まで県民から素案への意見を募り、今年度中に正式な計画を策定する。
(有害鳥獣対応へマニュアル作成:岡山)
11月定例岡山市議会は7日、個人質問を継続。藤原哲之(自民党)、松田隆之(同)、下市このみ(市民ネット)、森山幸治(おかやま創政会)、磯野昌郎(公明党)、高橋雄大(おかやま創政会)、岡崎隆(自民党)の7氏が市政全般をただした。大森雅夫市長は有害鳥獣対策に関連して、住民に危害を加える恐れのあるイノシシなどが市街地に出没した際に安全を確保するため、全庁的に対応するマニュアルを2016年度末をめどに作成する方針を表明した。岡崎氏は、10月に高松市街地で市民がイノシシに襲われ負傷した例を挙げて、市に対してマニュアル作成の考えを尋ねた。市長は「地域への周知や追い払い、緊急捕獲などが必要になる場合も考えられる。今月中に全庁的な会議を開き、(市街地に出没した場合の)関係部署の役割分担や対応手順について協議しながらマニュアルを作成したい」と答弁した。市農林水産課によると、イノシシなどが市街地に出没した場合、警察や住民からの連絡を受けて主に区役所が中心となって対応しているが、全庁的な連絡体制などは整備されていない。市は市街地での出没に備えて11年度に設置した「市有害鳥獣被害対策防止会議」で対策についての協議を重ね、情報伝達などの仕組みづくりを進めていく予定。市内では、今年10月に東区や北区などでサルの目撃情報が相次いだほか、13年には同今の住宅街にイノシシ1頭が出没して、捕獲されたケースがある。
(クマ捕獲、前年の2.6倍:栃木)
ツキノワグマが活動する4~11月に、県内で有害鳥獣として60頭捕獲されたことが、6日までに県のまとめで分かった。捕獲数は2012年度以降の5年間で2番目の多さ。今秋は餌となるドングリの不作もあり、秋季の目撃数が増加。人とクマの生活圏は近年、森林の荒廃などによりあいまい化しており、専門家は「クマを人里に慣れさせないような継続的な対策が重要」と指摘している。県自然環境課によると、今年の捕獲頭数(速報値)は14年度の95頭に次ぐ。23頭だった15年度に比べ、2・6倍に増えた。有害鳥獣としての捕獲は目撃情報や作物被害などに基づき行われるため、目撃情報数が多いと捕獲数も増える傾向がある。同課などによると、目撃情報数は4~11月に93件。県内で目撃数の集計を始めた12年度からの5年間で、最多は14年度の216件。今年は12年度の128件に次ぎ3番目。12月~3月は例年、冬眠時期のため目撃は少ない。クマはドングリが不作になると餌を求めて人里に現れやすいとされる。今年は不作の年で、県は9月、2年ぶりに人里出没の注意喚起を行った。今秋(9~11月)の目撃数は19件で全体の2割。豊作だった15年度同期の10件から倍増した。14年度は凶作で、秋の目撃数は約130件で全体の6割を占めた。
(3本足の猟犬、後輩を指導:京都)
イノシシにかまれ、後ろ足1本を無くした狩猟犬「ゴン」が、京都府福知山市内の飼い主の元で、別の猟犬の指導役にあたっている。3本足というハンディを負っているが、元気に山を走り回り、シカなどの追い方を“後輩”に教え、飼い主と強い絆で結ばれている。飼い主は、一般社団法人府猟友会福知山支部長の下元照男さん(68)=さつきケ丘=。元自衛官で、2009年に狩猟免許を取り、猟や有害鳥獣駆除をしている。猟で使う犬は飼っていなかったが、今年4月に狩猟用のビーグル(2歳)を知人の男性から譲り受けた。「龍馬」と名付けたこの犬は、山へ入ったことが少なく、シカなどを追う力がまだ未熟だったため、6月にこの男性から同じビーグルで、経験豊富な5歳の犬「ゴン」を指導用としてもらい受けた。ゴンは人間の年齢でいうと40歳代で、脂の乗りきったころだが、右の後ろ足が付け根から無い。知人の男性に飼われ、兵庫県丹波市の山中で猟をしていた時、イノシシに足をかまれ、瀕死の重傷を負った。動物病院に連れて行ったが、足が壊死して命が危うくなる可能性があるとして切断せざるを得なかった。ゴンが下元さんのところに来てからは、龍馬と一緒に自宅近くの山に出掛け、シカを追う練習を繰り返す。3本足だが、急斜面も臆することなくバランスをうまく取って走り、龍馬に手本を見せる。走る速度が少し遅くなったため、走るのが苦手だった龍馬にとってはちょうど良いペースで、置いてきぼりにされずに、シカを追うコツを覚えていった。ゴンはけがをしたせいか人懐っこく、下元さんと一緒の時は終始甘えたしぐさを見せる。龍馬とも仲が良く、夜はいつも寄り添って寝ている。最近は龍馬の走る力が増し、ゴンより先に走ることも。11月15日に猟期に入ってからは実際に山に入り、連携した走りを見せている。下元さんは「ゴンは本当にしっかりと龍馬に教えています。龍馬が、駆除の時も活躍できるよう、一人前になるまで、これからもゴンに指導をまかせたい」と話している。
(イノシシ対策、農家に学ぶ:千葉)
イノシシによる農業被害が相次いでいる銚子市で16日夜、被害を最小限に食い止めようと、農家を対象にした勉強会が初めて行われた。10月に設立された住民や猟友会などでつくる「銚子市有害鳥獣被害対策協議会」の取り組みの一環で、千葉科学大危機管理学部の加瀬ちひろ助教(動物行動学)が対策や生態を解説した。勉強会は同市長山町の青年館で開かれ、約30人が参加。加瀬助教は周辺で約100頭が生息しているとの見方を示した上で、出荷しない作物を野積みするのを避けたり、隠れ場となる茂みやヤブを減らしたりするなどの対策を紹介した。市農産課によると、今年度はトウモロコシやサツマイモが掘り起こされる被害が市に13件寄せられ、被害額は81万円に上るという。市は今夏、箱ワナ1基を設置したが捕獲には至っていないため、協議会は今後、箱ワナの数を増やす方針。勉強会は19、20日にも市内の他地区で開かれる。
(イノシシが掘った跡、高山植物の被害を確認:長野)
北アルプスの爺ケ岳から岩小屋沢岳にかけての尾根筋(標高約二千四百メートル)に、イノシシが侵入して高山植物の花畑を掘り返している痕跡が、県環境保全研究所(長野市)の調査で確認された。イノシシの北ア北部侵入は二年連続の確認だが、高山植物の掘り返し確認は初めて。一帯にはニホンジカの侵入も相次いでおり、花畑の消失など植生改変が懸念される。爺ケ岳一帯には、同研究所が二〇一三年から毎夏、七~十台の赤外線センサーカメラを設置し、野生動物の生息状況を調べている。これまでにシカやニホンザル、キツネ、ツキノワグマなど哺乳類十四種と、ライチョウやヤマドリなど鳥類二十四種を確認した。同研究所自然環境部の尾関雅章研究員によると、イノシシの侵入を初めて確認したのは昨年。今年も九月にカメラがイノシシを捉え、恒常的に高山帯に侵入している状況を予測させた。十月には花畑が掘り返された痕跡を尾関研究員が確認した。現場は、爺ケ岳と岩小屋沢岳を結ぶ尾根筋の中間点付近。南側斜面に、ウラジロタデやハクサンボウフウ、タテヤマアザミ、タカネヨモギなどで構成する一ヘクタール余の花畑が広がっており、このうち約四百平方メートル(十メートル×四十メートル)が無残に掘り返されていた。尾関研究員は「イノシシは花畑を掘り返し、高山植物の根茎やミミズなどを食べたのではないか」と話す。被害は〇九年以降、北ア南部の乗鞍岳で問題化しており、被害は確実に北部へ拡大しているとみられる。同研究所の堀田昌伸主任研究員は「野生動物の捕獲にも限界がある。動物が侵入しやすい場所、希少種など保護すべき植生が残る地点を早急に特定し、環境省や林野庁など関係機関に伝えていく」と話している。
(ニホンザル、県西部の被害深刻化:兵庫)
県内で深刻化しているサル被害。県西部では「群れの全頭捕獲を」と訴える住民の声が強まっているが、県は「地域個体群の安定的な維持」を原則とする姿勢を崩さない。来春からの第4次管理計画の策定に向け、打開策はないのか。絶滅が危惧される地域個体群を抱えながら集落ぐるみの対策が成果を上げている兵庫県篠山市で獣害対策に当たるサルの専門家、鈴木克哉さん(41)に聞いた。集落ぐるみの対策に至った経緯は?--兵庫県も第1期計画は保護色の強い計画でした。当時は研究者の中でもサル対策は捕獲ではなく住民主体の対策だけで防げるのだという意識が強かった。でも、それでは住民としては「サルは守られるのに被害対策は自分たちが負担するのか」となる。また、個体数が多い群れに対しては住民主体の対策も効果が表れにくい場面もある。そこで、行政が捕獲方針と目的を明確に示した上で、有効な被害対策を実績と共に紹介することで、住民の皆さんが動きやすい体制を作りました。まず捕獲ですが、兵庫県では基本的に全ての群れを残すとしつつ、群れの存続に関わる大人メスの数を一定数確保しながら、大人メスの数に応じて捕獲する方針を明示しています。篠山市でもこの方針にのっとって群れごとの捕獲方針を示し、実際の捕獲実績も上げています。「捕ってくれ」という住民の声に応えるため、行政が捕獲実績を示すこともポイントでしょう。ただ、群れを全頭捕獲しない限り、残されたサルは同じように人里に出ます。そこで、住民自身が捕獲以外の対策をしっかりと行うことが重要です。篠山市でも当初は「そんなことより殺してくれ」という声が大きかった。住民に対する説明も「集落では追い払いを」と言うだけで、その先が具体的にありませんでした。篠山市では、今は「出前講座」と称して行政が各集落に出向き、地図を広げて住民の皆さんと一緒に集落ごとの追い払い作戦を協議するところまでやっています。有効な柵もできたので、設置の仕方、効果的な使い方、メンテナンスも含めて話しています。住民と行政が協議する場がポイントでしょうか。--住民とのコミュニケーションなしでは、行政が集落を動かすことができないと思います。コミュニケーションをとり続け、その中で主体的に動いてもらいやすい環境を作ることが大事なのではないでしょうか。最初は必ず住民の不満が噴出するでしょう。そこで話し合いをやめずに、それをどれだけ繰り返して具体案を絞り出していくかだと思います。ポイントは住民と行政の合意形成です。保全を最優先するということも一つの意見ですが、例えば加害レベルが高く、どうしても対応できない群れがいるのだったら、群れの全頭捕獲も一つの意見です。残念ながら、保全のために最小限必要な群れ数や個体数というのはまだ明らかになっていません。それぞれの地域で、絶滅のリスクと住民の暮らしを守ることについてしっかりと議論を重ね、合意形成した上で全頭捕獲という結論になれば、それも一つの選択だと思います。
(鳥の騒音やフン、住民悩ます:愛媛)
スズメやムクドリ、カラスなど「都市鳥」が空一面を覆う様子が、松山市内各地で目撃されている。騒音や、雨のように「降り落ちてきた」との証言もあるフンの害などに悩んでいる住民も少なくない。しかし決定的な対策はなく、行政も手をこまねいているのが実情だ。
(山で育ち山を育てる、猟師という人生:神奈川)
60年近くプロの猟師として生活し、近年は植樹の活動や各地での講演会などを通して、山の再生の必要性を伝えている男性がいる。神奈川県山北町の杉本すぎもと一はじめさん (79)だ。「今後も山とともに生き、動物の住みやすい山づくりを続けていきたい」と思いを語る。神奈川県西部に位置する山北町。横浜市から電車で約1時間、さらに駅から車で20分ほどの山奥に暮らす。家の入り口には、シカの角やイノシシの頭骨が勲章のように並ぶ。これまでに仕留めたイノシシやシカは2000頭以上。80歳目前の今も銃の腕は衰えず、年間100頭近く仕留めるほどの腕前だ。その狩猟技術を学ぼうと、全国から猟師が訪ねてくる。狩猟の専門誌にもたびたび紹介された。「不思議なことに、年を取れば取るほど感覚が研ぎ澄まされて、猟銃の弾がよく当たるんだ。まだまだ若い者には負けられないね」と笑う。プロの猟師を目指したのは同じく猟師だった父・正晴さんの影響だった。幼い頃から父の背中を追って、一緒に山に入った。高校卒業後は農薬会社に勤務したこともあったが、心の奥底には「猟師になりたい」という思いが常にあったという。22歳の頃にプロの猟師として生きようと決意。当時は戦後の食糧難の時代で、畑を荒らすイノシシを駆除すると、地域住民から喜ばれた。「収入も会社員の給料より良くてね、一生の仕事にしようと思った」職業猟師となって数年後、二度打ちの末に仕留めたイノシシを取引先に渡した。通常より血抜きが遅れていたため、相手から「これは二度打ちで、血抜きが遅れている。値引きしてくれないか」と言われ、ハッとした。「向こうもプロなんだから、こちらもプロとしての意識を持たなければ」と反省した。運良く近くに獲物がいれば当たる。そんな猟の仕方でなく、射撃というものを考え直し、近くの射撃クラブに通うようになった。1983年には地元に西丹沢ライフル・スラッグ射撃協会を設立。定期的に大会を開き、現在も会長として地元の若手猟師の技術向上に尽力している。近年、クマやイノシシが人里に現れる傾向にある。原因は、人間が山を育てなかったからだと考えている。日本の山は戦後、建築材の不足から、成長の早いスギやヒノキを積極的に植えてきた。その結果、動物の餌になる実が少なく、生き物にとって住みづらい山になり、餌を求めて人里に動物がおりてくる。スギなどは根が浅いことから、山の崩落もあちこちで見られるようになった。そのような状況を改善しようと、地域住民で実のなるクヌギやコナラを植える活動を始め、今年で4年目を迎える。目標は年間1万本の植樹。根が深く地中に入るクヌギなどを植えることで、土砂崩れの起きにくい災害に強い山づくりにもつながる。環境省が指定する絶滅危惧種のひとつ、「ウチョウラン」を山に植える活動も数年前から始めた。6月になると、美しい紫色の花が咲くのが楽しみのひとつだ。今後も講演会や小学校での出前授業を通して、若者や子どもたちに自然の偉大さと山づくりの大切さを伝えていくつもりだ。「若い世代が少しでも山に興味を持ち、人間が山を育てなければいけないという意識をもってくれれば」
(ジビエ食べ賞品当てて:岡山)
有害獣でもある野生のイノシシやシカを使ったジビエ料理を食べることで、農作物被害の軽減につなげようと、県備前県民局などが「おかやまジビエスタンプラリー」を開催している。駆除を進めつつ、肉も有効活用するのが狙いで、今年で3回目。県内34店舗と、岡山市役所など四つのイベント会場でジビエ料理をPRする。関係者は「おいしい肉を食べて、すてきな賞品を当てて」と参加を呼び掛けている。イノシシやシカの肉は、脂肪分が少ないヘルシーな赤身で、味が濃いのが特徴。女性に人気で、洋食店を中心に料理に使う店が増えている。県は、県内の食肉処理施設で安全に処理されたイノシシやシカの肉を「おかやまジビエ」と命名して普及に力を入れており、スタンプラリーには、この肉を使用しているフランスやイタリア料理店のほか、ソーセージなどを販売する精肉店や民宿も参加する。同市役所の食堂では、「もんげーうめぇー ジビエを食べて、有害鳥獣を減らそう」と銘打ち、今月20日から3日間、イノシシ肉を使ったショウガ焼き定食(限定1日50食、税込み440円)と、うどん(同30食、同420円)を提供する。スタンプラリーは、来年2月末まで。店舗でスタンプを2個集め、専用の応募はがきを同県民局に送ると、イノシシの皮を使ったバッグや食事券などが抽選で当たる。野生動物による食害は深刻で、県鳥獣対策室によると、市町村が捕獲を許可したこともあって、2015年度のイノシシとシカの捕獲数は前年度より計約1000頭増えた。この結果、イノシシとシカによる農作物の被害額は約5000万円減ったものの、総額では約1億8000万円にのぼっている。県の担当者は「イノシシやシカ肉の処理技術が向上し、今は一年を通して食べられるようになった。ラリーでジビエ料理を知ってもらい、家庭にも広まれば」と、消費拡大に期待している。
(ジビエカレー商品化へ:鳥取)
倉吉農高食品科3年のジビエ研究班は14日、鳥取県倉吉市魚町の夢倉で、「ジビエフォーラム」を開催した。行政や県猟友会、流通、加工の地元企業から20人が出席し、農高生らとジビエ料理を試食し、意見を交わした。
(ジビエの味:宮崎)
シカやイノシシなど野生動物の肉「ジビエ」を使った料理が中山間地域活性化の切り札になるとして注目を集めている。10年ほど前まで都市部でジビエを提供するのはフランス料理店など一部に限られていた印象だったが、国が普及に力を入れたこともあり認知度は急速に高まった。県内でジビエの普及を目指す「みやざきジビエ普及拡大推進協議会」副会長の小佐井武憲さん(65)は「実は若い人たちよりも、50代以上の世代のほうがジビエに抵抗がある人が多い」と話す。
(熱々カモ汁でぽかぽか:新潟)
新潟市西蒲区潟東地区の伝統のカモ猟にちなんだ「かもん! カモねぎまつり」が4日、同区の潟東体育館などで開かれた。大勢の親子連れらが訪れ、熱々のカモ汁を味わった。まつり実行委が主催し、21回目。同地区ではこの時期、田んぼに飛来するカモを地元猟友会が網を仕掛けて捕獲している。この日は120羽分を用意した。カモ汁はご飯と漬物付きで600円。前売り分を含めて2千杯分の食券が午前11時前には完売し、鍋の前には長い列ができた。テーブル席では親子連れらが具だくさんのカモ汁を頬張った。実行委は県内で高病原性鳥インフルエンザが発生したことを受け、提供するカモ肉の安全性について会場に説明書きを掲示した。実行委の坂井克彦さん(63)は「安心しておいしいカモを味わってほしい」と話した。同市秋葉区の小学5年生男子児童(10)は「カモは普通の鶏肉とは違う歯ごたえがあっておいしかった」と笑顔だった。
(クラフト体験やジビエ料理試食:長野)
シカの皮を使ったクラフト体験やジビエ料理の試食ができる「ジビエ&クラフトfor Xmas」が18日、JR長野駅で開かれる。昨年度は県内で3万1885頭のシカが捕獲されたものの、食用や革製品に利用されたのは7・2%にとどまった。ジビエ製品や料理の魅力を伝えようと県や信州ジビエ研究会ら主催で、午前10時から午後3時まで。
(プロが学ぶ飛騨ジビエ、普及へ料理人ら講習:岐阜)
狩猟関係者や加工業者でつくる飛騨ジビエ普及連絡会が、飛騨地方でイノシシやシカを使用した料理を広めようと「ジビエ料理講習会」を、岐阜県高山市冬頭町のJAひだ本店で開き、高山、飛騨市のホテルや旅館、飲食店の料理人ら関係者約25人が参加した。同連絡会は、県の委託を受け、今年8月から飛騨ジビエの普及に取り組む。自分でイノシシなどを捕獲し、知り合いに販売するなど食品衛生法違反が多いことから、認定処理場を通した正規の安心・安全な食用ジビエ肉「飛騨ジビエ」の提供、販売を徹底している。また、インバウンド(訪日外国人客)向けに、英語やフランス語などで飛騨ジビエを取り扱っている店を紹介するチラシやホームページの作成に取り組んでいる。講習会は岐阜市の日本料理「桜梅桃李」店主の玉越勝利さん(49)を講師に招き、和食をベースにした調理法を学んだ。メニューはイノシシを使った朴葉味噌(みそ)焼きやシカ肉のにぎりずしなど全4品。参加者はメモを取りながら熱心に聞いた。高山市下一之町のそば店「のの花」の店長水谷豊さん(43)は「シカのにぎりがフレッシュで、さっぱりしていておいしかった。見せ方も飛騨らしくていい。シカのステーキも含め、今後店で使いたい。高山の名物になれば」と話した。同連絡会の瀬上大輔さん(34)は「イノシシやシカが素材としてあるにもかかわらず、利用できていなかった。まずは料理人に率先して取り入れてもらい、地元の人や外国人観光客に広めていってほしい」と思いを語った。
(ジビエメニュー提供:岐阜)
高山市清見町牧ケ洞の道の駅「ななもり清見」のレストラン「味彩七杜」で地元産のイノシシを使ったジビエ料理が期間限定で提供されている。来年5月ごろまで。メニューは野生鳥獣肉の解体処理、販売を行う飛騨ジビエ清見(同市清見町牧ケ洞)から仕入れたイノシシ肉を使った「いのししドン」(税込み1350円)とイノシシ鍋(同1550円)。昨年から提供を始めた。丼は、同道の駅を経営する「七杜」特製の焼き肉のたれで地元産の野菜と一緒に炒めた。鍋のつゆにも自家製のみそを使い、地元の食材にこだわった同道の駅ならではの味が楽しめる。同社は今年1月にぎふジビエ登録店舗の認定を受けた。滝上耕平社長(71)は「イノシシを使った料理はなかなか食べる機会がない。脂が乗っている今の時期が特においしい」と笑顔で話した。
(急増イノシシ、名物ジビエに:石川)
イノシシが急増している中能登町で、駆除されてさばかれた肉をジビエ料理に利用する取り組みが始まった。町内の飲食店主らが先月末、イノシシ肉を扱う大阪市内の料理店を訪れ、調理のノウハウを学んだ。ジビエを提供する飲食店は町内には少なく、捕獲されたイノシシの有効活用につなげたいとしている。十一月二十八日、大阪市中央区のよしだ屋で開かれた勉強会。初の試みに町料理飲食組合の加盟店代表や町議、町出身者らでつくる大阪能登互助会の会員ら約二十人が集まった。参加者は、自ら狩猟したイノシシの肉を提供する店主の安土保夫さん(66)と意見交換し、調理方法として「カレーやラーメンに入れたり、ミンチにして加工品にするといい」といったアドバイスを受けた。町内で捕獲され、羽咋市の獣肉処理施設で解体されたイノシシの肩やもも、前足の肉を使ったいのしし鍋や、すね肉を焼き豚風にした料理も試食。カツオと昆布仕立てのだしや、肉の脂によって出るうま味などを自分の舌で確かめた。組合の会長を務める古玉栄治町議(63)は「町ではイノシシが増えている。今回学んだことを参考に、どのような活用方法があるのかを考え、ジビエ料理を普及していきたい」と話した。イノシシの捕獲頭数は県内全体で増加傾向にある。捕獲したイノシシをジビエ料理につなげるため、複数の獣肉処理施設が稼働しているが、思ったように需要が伸びず、増える在庫に施設側も困惑気味だ。県自然環境課によると、県内の捕獲頭数は二〇一三年度が二千六百八十四頭、一四年度が二千九百十九頭。一五度は四千九百五十二頭と急増し、十年前に比べて四倍以上になった。増加の理由について、県の担当者は「近年の少雪傾向が関係している」と話す。三〇センチ以上の積雪が七十日以上続くと冬を越えられず増加のペースが鈍るが、そうした状況は「平成に入ってからは五回ほど」。一方、人口減少や高齢化で耕作放棄地が増え、イノシシの餌場や身を隠す場所が増えていることも、増加の原因になっていると分析する。羽咋市では昨年十月、市営の獣肉処理施設の稼働が始まった。宝達志水町から七尾市までで捕獲されたイノシシを食肉用に加工し、施設や地元のJA直売所で販売しているが、市農林水産課の崎田智之さん(44)は「食べる文化が普及していない」と話す。捕獲に頼るイノシシ肉は養豚肉よりも値段が割高。施設では、加工した肉を冷凍保存しているが、需要が少ないため「冷凍庫がいっぱいで、捕獲の連絡があっても解体できず断るケースも多い」と説明している。
(ジビエ料理指南:高知)
ジビエ料理の普及拡大を目指す調理教室が5日、RKC調理製菓専門学校(高知市南久万)で開かれた。ジビエ料理専門店「Nook’sKitchen(ヌックスキッチン)」(同市本町3)店長の西村直子さん(46)が、学生らにジビエ料理の調理方法を教えた。県内では野生動物による農業や森林への被害が深刻化しており、捕獲された鹿などを地域資源として有効活用しようと県が主催。
(キジ鍋はいかが?出荷が最盛期:愛媛)
キジの飼育羽数が日本一の鬼北町で、キジ肉の出荷が最盛期に入った。寒くなると脂が乗るため、この時期に集中して加工する。キジ肉は低カロリー、高たんぱくの高級食材。「鬼北熟成雉(きじ)」のブランド名で、県内や関東のホテル、飲食店などに卸される。
(純鹿セーム革、好評:奈良)
鹿・イノシシ肉の処理加工施設「ジビエール五條」を運営する五條市は、これまで廃棄していた鹿の皮を活用し、眼鏡やカメラのレンズなどを拭く「純鹿セーム革」を作った。同市大塔町阪本の「道の駅・吉野路大塔」で販売している。ニホンジカの革は柔らかく、好評という。
(レーザーで害獣撃退、農家守る:宮城)
増え続ける害獣による農作物被害を食い止めようと、レーザー照射による撃退装置を開発した。イノシシなどの動物が嫌う光によって作物を守るもので、東北だけでなく全国の農業関係者らから注目が集まっている。宮城県岩沼市に本拠を置き、本業は部品加工。メーカーからの受注で精密部品などの製造を長年手がけてきた。だが、国内製造業の空洞化でこれまでのような売り上げの伸びが期待できなくなる中、同社の小野宏明会長は「新たな取り組みが必要ではないかと考えた」と振り返る。「どうせやるなら役に立つことに取り組みたい」との思いを強くした。県農産園芸環境課によると、平成27年度の野生鳥獣による農作物の被害額は約1億3870万円。このうち、イノシシが7430万円と半分以上を占めた。被害は山間部だけでなく沿岸部にも広がり、増加傾向にある。東日本大震災後、小野会長は岩沼市内でも「イノシシ被害でタケノコやイモが全滅した」というような話を聞くことが多くなった。「被災した農家も多い。農業を守るために何かできないだろうか」。そんな頃、動物が嫌う光の害獣被害への実用化を考えていた白石市の発明家と出会い、レーザーの開発が始まった。約2年間試行錯誤を重ね、太陽光発電パネルとレーザー発生装置とをつなげた「逃げまるくん」が完成した。昼は緑色、夜間は赤色のレーザー光を数秒おきに照射することで害獣を追い払う。太陽光発電のため、果樹園などでも使用でき、電気を蓄電器にためて夜間も使える。用途に応じて選べるよう、家庭用電源を使用する機種も開発した。また、害獣から農作物を守る手段として主流となっている電気柵と違い、設置と管理の手間が大幅に軽減されるのも特徴だ。6月以降はモニター機を宮城県内10カ所をはじめ、青森や山形など東北各地の農地や果樹園、養豚場、ゴルフ場などに設置。いずれもイノシシやハクビシンなどの被害を受けていた場所で、設置後は「被害がなくなった」「動物の侵入が例年に比べ大幅に減った」などと効果を実感する声が寄せられた。同社は集まったデータを分析し、さらなる改良を加えていく予定だ。「逃げまるくん」には動物を遠ざけることで、農作物だけでなく建物や人を守ることにつながるとの期待も高まる。県内では今年、熊の出没も相次ぎ、出没件数は12月1日時点で1584件(県自然保護課調べ)。統計開始以降で過去最多。けが人の数も6件と過去最多に並んだ。小野会長は「データが集まり、熊にも有用と判明すれば、熊が人間の生活圏に近づかないよう活用できるはず」と力を込める。現在、注文を受け付けており、今年度内にも発売に踏み切る。価格は太陽光パネル型が約45万円、家庭用電源型が約26万円という。
(高校生がシカ活用策、全国発表会で報告:宮崎)
えびの市の飯野高(塚本讓二校長、271人)の3年生3人が、18日に東京都で開かれる意見発表会「日本の環境を守る若武者育成塾」に出場し、害獣として捕獲されるシカの有効活用策について発表する。3人は「地域の自然を守る必要性と、研究を通じ出会った人とのつながりの大切さを伝えたい」と意気込んでいる。
(畑が荒らされる「獣害」がひど過ぎてオオカミを放つ計画が進行中:福岡)
野生のシカやイノシシが、畑の作物や植林の樹皮を食い荒らすことに頭を悩ませている地域で、駆除の切り札として、海外から輸入したオオカミを野に放つ計画が浮上している。福岡県添田町では、住民グループなどが10月23日に、聴衆200名を集めて『オオカミフォーラム』を開催した。そこで演壇に立った添田町役場の担当者はこう訴えた。「添田町は米や野菜、ユズの産地ですが、シカやイノシシの被害に頭を抱えています。年間の被害額は4000万円、昨年度のシカの捕獲数は313頭と5年前の3倍です。防護設備の鉄柵だけで年間1200万円かかっています」このように、獣害は地方自治体にとって頭を悩ませる大きな問題となっている。オオカミ導入推進派として有名なのが、大分県豊後大野市の橋本祐輔市長だ。農林業が盛んな同市では、シカやイノシシの食害が後を絶たず、サツマイモやシイタケ、特産のカボス、植林のヒノキやスギを中心に、過去には被害額約2300万円に達した年もある。市では地元の猟友会に依頼し、毎年シカ300頭、イノシシ500頭前後を駆除しているが、繁殖による増加に追いつかず食害は一向に減らない。食害対策が手詰まり状態で、橋本市長は生態系が破壊されるとの強い危機感を訴え続けてきた。このような背景もあり、今回開かれた同フォーラムは関係者も多く集まり、その内容が注目された。オオカミによるシカ類の頭数調節を研究しているアメリカ人や、保護団体代表のドイツ人らも同フォーラムに参加しており、オオカミを放つことでシカなどによる食害抑制と生態系の回復が可能だと強調した。オオカミの投入を計画する『日本オオカミ協会』の丸山直樹会長(東京農工大名誉教授)は、「オオカミの捕食効果は大きい。習性上、人を襲うことはまずない」と力説している。その一方で、サイエンスライターによると「生態系の崩壊に加え、人や家畜が襲われる危険への懸念が強く論議を呼んでいます」という意見も根強い。オオカミの“野放し”は、添田町や豊後大野市のみでできるわけではない。国による法整備も重要だ。安全性を確認することはもちろんだが、実際にオオカミがどれだけシカやイノシシの駆除に役立つのか、検証する必要もある。それほど地方での獣害は大きな問題になっている。

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