<射撃ニュース2月>

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(競走馬2頭撃たれる:北海道)
28日午前7時5分ごろ、北海道新冠町朝日の「競優(けいゆう)牧場」で、経営者から「放牧中の競走馬2頭が死んでいる」などと道警静内署に通報があった。牧場の柵付近には猟銃の空薬きょう3個が落ちており、2頭の頭や胴体には銃で撃たれたような痕があった。同署は事件、事故の両面で捜査している。同署によると、付近住民が27日午後9時半〜10時ごろ、銃声を聞いたり、不審車両を目撃したりしているという。同牧場の従業員が28日午前7時ごろに出勤し、2頭が死んでいるのを見つけた。同牧場は「サラブレッド銀座」と呼ばれる道道沿いにあり、2014年3月の毎日杯(G3)で優勝したマイネルフロストなどを生産している。周辺では、エゾシカの駆除が行われることもあるが、夜間の駆除は法令で禁じられている。故意に射殺していれば、器物損壊の疑いもある。
(奈良シカ保護見直し、秋にも捕獲へ:奈良)
国の天然記念物「奈良のシカ」の保護エリア見直しに、奈良県が乗り出す。深刻化するシカの食害に対応するため、「奈良市一円」とされてきた従来の保護エリアに代えて、新たに4段階のエリアを設定。奈良公園を中心とする地域で手厚く保護する一方、周辺部では頭数管理を行い、新たなルールで人とシカの共存を図る。奈良市のシカは、古くから春日大社の「神鹿しんろく」として大切にされ、1957年に天然記念物に指定された。この際、国が保護エリアを「奈良市(当時)一円」と設定。80年代に一部の見直しがあったものの、捕獲のルールは厳格で、2005年に合併した旧月ヶ瀬、都祁つげ両村を除く市内全域で事実上、捕獲できない状態が続いてきた。新たなエリアは4段階に分類。奈良公園を中心とする主要部は生息地として「重点保護地区」、付近の若草山や世界遺産・春日山原始林などは行動エリアとして「準重点保護地区」に指定して手厚く保護する。さらに、両地区を囲む形で「保護管理地区」を設け、シカが迷い込んだ場合は生け捕りにして保護する。それ以外の地域は「管理地区」とし、被害状況などに応じて頭数管理を実施する。県は天然記念物を所管する文化庁に「現状変更」の申請を行い、許可が出れば、狩猟期が始まる今秋にも捕獲を実施していくという。奈良公園には現在、約1200頭のシカが生息しているが、近年は公園から数キロ離れた田畑で、人に慣れたシカによる農作物の食害が頻発。県によると、被害は年々拡大し、12年には米や野菜など計約3・2トンが被害に遭った。地元の農家からは「奈良公園全体を柵で囲ってほしい」との声も上がっていた。
(クマ、早くもお目覚め:栃木)
27日午後7時半ごろ、那須塩原市塩原の国道400号で、道路を横切るクマ1頭を車で走行中の男性(44)が目撃し、通報した。那須塩原署によると、クマは体長約1メートル。山側から箒川の方に向かって走り去ったという。クマは4月上旬ごろから出没し始めることが多く、早かった昨年も県警に寄せられたクマの目撃情報は3月に入ってから。同署は「暖冬で例年より早く冬眠から覚めたのかも知れない」としており、周辺の温泉旅館などに注意を呼び掛けている。
(「じじい部隊」走る、帰還困難区域で活躍:福島)
東京電力福島第1原発事故で全町避難中の福島県大熊町の帰還困難区域を、きょうも自称「じじい部隊」の軽トラが走る。メンバーは60代の元町幹部6人。防護服に身を包み、パトロールや清掃活動に汗を流す。原発から4キロ地点の町文化センター。周辺の家々は瓦が落ち、車は放置され、理髪店の時計は震災直後の2時53分で止まったまま。メンバーは無人の町で草を刈る。「防護服は夏が大変。絞れるほど汗をかく」と笑う。線量は3~6マイクロシーベルトと振れ幅が大きく、平時の100倍超。「風向きだべ」。風上には原発がある。近くに国の委託を受けた業者が現れ、イノシシのわなを仕掛けていた。「屋敷を荒らす厄介者。1年で70頭捕まえた」という。部隊は2013年春の結成で、肩書は町の臨時職員。津波で流された地蔵の捜索、車にひかれた動物の処理、一時帰宅した住民の支援まで任務はさまざま。年末年始以外は休みなく交代で出番をまわしている。
(集中して狙い撃ち、ビームライフル体験:埼玉)
光線で約10メートル先の的を狙うビームライフルの体験会が27日、和光市中央の市中央公民館で開催された。2020年東京五輪・パラリンピックでは、同市や朝霞市などにまたがる陸上自衛隊朝霞駐屯地の訓練場で射撃競技が開催される予定で、子供たちに競技の雰囲気を楽しんでもらおうと、地域公益推進機構(和光市)が主催した。体験会には子供100人と大人30人が参加し、バルセロナ五輪ライフル銅メダリストの木場良平さんや栄北高校エア・ライフル部の国体優勝選手ら指導陣に手ほどきを受けた。子供らは片目をつぶって小さな的に照準を合わせ、神経を集中させて引き金を引いていた。ロサンゼルス五輪に出場した同校コーチ、中條公行さん(70)は「射撃は世界で競技として認知されているが、日本ではまだまだ。興味を持つきっかけになってほしい」と話していた。100点中96点を取った和光市広沢の小学4年、植松万祐子さん(10)は「狙いを定めるのは難しかったけれど、連続で当たって気持ちよかった。オリンピックも観戦したい」と笑顔だった。
(野生鳥獣の対策の強化:徳島)
徳島県議会2月定例会は26日午後、本会議を再開し、豊井泰雄政策監は、県が中心となって集中的な捕獲を行う指定管理鳥獣として15年度に指定したニホンジカに加え、16年度からはイノシシも対象とすることを説明。16年度中に適正管理計画を策定し、1万5千~1万6千頭とみられる生息数を23年度までに半減させることを目指すとした。捕獲を担う人材の確保については、狩猟免許の取得を呼び掛ける出前講座などに取り組んだ結果、15年度の新規免許取得者が過去最多の287人となったことを報告。狩猟者登録数も14年度より約100人増え、15年度は12月末時点で2368人となった。
(エゾシカ肉活用へ調査費、需要や流通の現状把握:北海道)
北見市は2016年度予算案に、エゾシカの利活用に向けた調査費を初めて盛り込んだ。農業被害の減少や雇用創出を目指し、駆除したシカを食用肉やペットフードに加工する仕組みを探るため、シカ肉の需要や流通の現状と課題を整理する。北見市内ではエゾシカによる農業被害額が13年まで年間1億円を超えており、年に約1900頭ずつ駆除。被害額は14年に約7800万円まで減ったが、タマネギ、小麦、デントコーンなど幅広い品種で被害が続く。駆除したシカの多くは廃棄されている。そこで市は、エゾシカを食用肉やペットフードとして活用する方法を探ることにした。辻直孝市長は「農業被害を減らし、新たな雇用にもつながれば望ましい。焼き肉の新メニューとしても可能性がある」。シカを解体する一次加工だけでなく、食肉加工などの二次加工までできる施設を作ることが念頭にある。道猟友会北見支部からも数年前から市に対し「自然の恵みを有効に生かし、北見のPRにもつながるような加工施設を作れないか」との声が上がっていた。エゾシカの肉は栄養や味が高く評価され、道が新年度に適切な衛生管理を行う食肉処理施設を対象に認証制度を導入するなど、流通拡大に向けた取り組みが進む。一方、衛生面や価格面で抵抗を感じる消費者もいる。市は調査を通じ、こうしたニーズや流通の現状を詳しく把握する考えだ。調査費は500万円。国の地方創生加速化交付金の活用を予定しており、採用されれば全額補助となる。
(マガモを飼育生産:山形)
山形県舟形町の庄司太郎さん(48)が、全国でも珍しいマガモの飼育生産に取り組んでいる。食肉を取引先に供給するほか、雑草対策用で、ひなを無農薬米農家に販売する。親鳥を年2000羽育てて約1000羽を出荷。約25年間で、ひなの飼育数は2万羽の大台に達した。町外れの農地3.3ヘクタールに千数百羽を放し飼いにする。ひなの時点で羽を切るので飛んで逃げることはない。風雪のため、糸を張り巡らせることができない冬場は、カラスが集団で襲来する。「毎日10羽くらいやられているんじゃないか。どうしようもない」と庄司さんはあきらめ顔だ。1989年に飼育を始めた。現在は廃業した新庄市内の先行農家に教わり、主に都内の仏料理店に肉を納めてきた。マガモは改良されたアイガモに比べ、太りにくく肉の生産効率は悪い。その分、味は濃厚で希少価値が高い。地道に販路を開拓し、県内外のそば店やレストラン、個人から注文が入る。近年、肉を上回る需要に育ったのが、ひなの供給だ。アイガモ農法が盛んになった20年ほど前から売り込んだ。小さくすばしっこいのでよく働くと好評だ。田植えの時期に県内をはじめ秋田、宮城の農家に販売する。水張り期間が終わる7~8月に、ひなを回収するのがポイント。処理に困る農家側のニーズに応える一方、加工用の肉を確保できるメリットがある。庄司さんは「マガモの生産農家は全国に数えるほどしかいない。マニュアルもなく、試行錯誤で何とかやってきた」と飼育の苦労を振り返った。
(鳥獣対策、集落柵で作物被害防止:岡山)
県は新年度、農作物を荒らすイノシシなどの鳥獣への対策として、集落全体を柵で囲む「集落柵」の整備を支援する事業に乗り出す。県によると、鳥獣による農林水産被害額はここ数年、年間4億円前後で高止まりしているが、2014年度には駆除としてイノシシ2万1629頭、シカ1万2633頭が捕獲された。いずれも捕獲数は年々増えている。
(イノシシ対策、悩む行政:千葉)
長生地域でイノシシの捕獲数が増えている。茂原市では警備会社と連携した新システム導入の効果もあり、本年度は1月末時点で昨年度よりも75頭多い131頭を捕獲。
(ガンカモ15種9633羽確認:和歌山)
和歌山県は、1月に行ったガンカモ類調査の結果を発表した。県内で確認したカモ類は15種9633羽(2014年度14種1万593羽)で、ハクチョウ類とガン類はなかった。種類は例年並みだったが個体数は例年より少なく、日高川や日置川では昨年度より激減した。
(冬のジビエといえばカモ!生け捕りの天然モノはまさに極上:岐阜)
冬を代表するジビエであるカモ。生け捕りにされた、天然のカモは極上とのこと。揖斐川を拠点にカモを狩る、猟師の堀江桂さんは、この道20年。堀江さんが受け継ぐ伝統的なカモ猟の方法は、無双網猟といいます。池のようになった川のよどみにエサを撒き、長さ9mの網をセット。カモがその範囲に入ったところで、30m先のテントまで延ばしたワイヤを引き、網をかぶせて捕獲します。カモは夜目がきき警戒心が強いため、光や音を漏らさず、じっと監視カメラを見て待ち続けます。この日も5時間以上をテントで待ち、やっと捕獲することができました。血を流さず無傷で捕獲することで、カモ肉本来の味を損なうことがないと、無双網にこだわっています。そのカモに惚れ込んでいるのが、岐阜県山県市でジビエ料理店を営む、清水滋人さん。のどかな山里にある「かたつむり」は、クチコミで広まり、遠くからもお客さんがやってくるとのこと。脂ののったロースだけではなく、滅多に食べられない横隔膜やコラーゲンたっぷりの足など、希少部位でもてなします。カモ肉がまるごと楽しめるコース料理の中でも、この冬の一押しが内臓のつみれの入った鍋。新鮮だからこそ、まるごと味わうことができるんですね。

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(迷惑ムクドリ、タカが撃退:千葉)
駅周辺の街路樹などに集まり、ふんや騒音をまき散らすムクドリを追い払うため、千葉県我孫子市が天敵のタカを使って効果を上げている。昨年、鷹匠(たかじょう)に依頼してタカを放ち、約1万3千羽いたムクドリが約2カ月間で激減した。ムクドリ対策に悩む隣の印西市も我孫子の取り組みを見学し、タカの活用を検討している。ムクドリは農作物の害虫を食べる益鳥だが、近年は外敵が少ない都市部の街路樹にねぐらを移し、けたたましい鳴き声やフン害が問題になっている。我孫子では、10年以上前から天王台と我孫子両駅南北周辺の街路樹や電線に群れが現れ始めた。2013年9月に8555羽、14年8月も8400羽を確認。駅前のベンチや道路はフンで汚れ、「悪臭がひどい」「鳴き声がうるさい」と住民の苦情が絶えない。市は音が出る火薬銃を使って追い払ったこともあったが、ムクドリが慣れてしまい有効な手立ては見つからないまま。5年ほど前から、ムクドリが集まる両駅周辺の十数本のケヤキにネットをかけて防いでいる。タカによる追い払い作戦は、「人と鳥の共存」を掲げる市が「本意ではないが、『共存』できる程度に数を減らすしかない」と昨年、NPO法人日本放鷹(ほうよう)協会所属の鷹匠に委託した。7月初めから9月末、我孫子駅周辺と天王台駅周辺で延べ22日間、鷹匠がムクドリが集まる木にタカ科のハリスホークを放って追い払いを実施。7月28日には計1万3300羽飛来していたが、8月14日は計4100羽に減り、9月25日には計100羽までに激減した。このため14年度に160万円かかった清掃費用も、15年度は105万円で済んだ。市は「予想以上の効果があった」として、新年度予算案に116万円の鳥獣対策委託料を計上。ムクドリが集まり出す5月ごろから、タカによる追い払いに取り組む予定だ。印西市も千葉ニュータウン中央駅近くに集まる数千~1万羽のムクドリ対策に頭を痛めている。職員らが昨年夏、天王台駅周辺でタカによる追い払いの様子を見学した後、秋には4日間鷹匠を頼んで実証実験もした。市は「効果を確認したうえでタカの活用を検討したい」と話している。
(イノシシ出没時の連携強化:愛媛)
愛媛県八幡浜市保内町宮内の山中で農作業をしていた男性(81)がイノシシとみられる動物に襲われて死亡した事故を受け、市は25日、市役所で警察や猟友会、農協などとの連絡会議を緊急開催し、イノシシが出没した時の連携体制強化を確認した。7機関の代表者ら13人が出席し、事故が発生した14日以降の対応などを報告。小中学生や農家にもいち早く注意喚起を図るため、これまで定めていたイノシシ出没時の情報連絡先に市教育委員会とJA西宇和を追加することを決めた。19日に事故現場近くに潜んでいた大型イノシシ1頭を駆除した八幡浜猟友会は「まだ他にもいる可能性がある」と現状を分析。今後も目撃情報があれば対応する方針を示した。
(鳥獣害減へ初の訓練、箱わな使い捕獲学ぶ:京都)
一般社団法人JAグループ京都有害鳥獣対策本部は25日、京都府南丹市で、有害鳥獣を捕獲する箱わなを使った実地講習会を初めて開いた。同本部は、猟期の制限なく年間を通して捕獲活動ができる「認定鳥獣捕獲等事業者」の認定取得を目指している。実践的な講習で府内各JAや中央会・連合会、関連団体の役職員らのスキルを上げ、さらに捕獲活動を拡大する。イノシシや鹿を大量捕獲できるドロップネット方式などの導入も検討する。実地研修に参加したのは、狩猟免許を取得した役職員ら39人。効果的な捕獲ができるよう箱わなを設ける方向や餌のまき方などのポイントを学んだ。同本部では今後、箱わなの設置を増やし、2014年度に約3億8000万円に上った農産物の鳥獣被害額を減らしたい考えだ。参加者は「鳥獣被害でたくさんの田畑が荒らされている。生産者を守るため、どんどん捕獲したい」と語った。「認定鳥獣捕獲等事業者」は都道府県が認定する。「指定管理鳥獣捕獲等事業」を受託でき、公的な捕獲事業の担い手となる。年間を通した捕獲活動に加えて、一定の要件を満たす場合に捕獲従事者の狩猟税免除、免許更新時の適性検査の免除などの優遇措置が受けられる。JAバンク京都信連の基金「農業・農業者応援プラン」なども活用し、同本部の活動を支援する。同本部会長を務めるJA京都中央会の中川泰宏会長は「組合員の営農を守り、地域全体への貢献という観点からもJAグループが有害鳥獣対策に取り組む意義は大きい。被害の撲滅に向けさらに取り組みを強化していく」と力説する。JAグループ京都では県全体で役職員の狩猟免許取得を推進し、1月末現在でわな猟免許を180人、第1種銃猟免許を5人が取得している。
(鹿やイノシシ肉「お酒と一緒に」、ジビエナイトで舌鼓:東京)
お酒のお供に野生鳥獣肉(ジビエ)はいかが――。「ジビエナイト2016冬inお台場」が25日、東京都内で開かれ、仕事が終わった会社員ら約50人が集まり、ビールやワインを片手にジビエ料理を楽しんだ。イベントはインターネット企業のニフティ(株)が主催。鹿やイノシシ肉などを使った料理を消費者にもっと知ってもらおうと2012年から開き、今年で4回目。日本ジビエ振興協議会代表の藤木徳彦シェフが監修した料理を振る舞った。2月に福岡市で開かれたジビエ祭りに提案した7品のうち、評判の高かった山梨県産の鹿肉を使ったソーセージや、鹿児島県産のイノシシ肉を赤ワインで煮込んだシチューなど4品が並んだ。藤木シェフは「外食産業が有害ではなく“有益獣”としてジビエを捉え活用していくことが大事」と話した。飲料メーカーもジビエに合うワインやビールを提案した。東京在住の30代男性は「とてもジューシーでおいしい」と絶賛。神奈川県で狩猟をしている田中詩乃さん(44)は「肉の味が濃い。プロが作るとこんなにおいしくなるのか」と驚いていた。
(県庁食堂にジビエ料理:富山)
県内で捕獲された野生の鳥獣をつかったジビエ料理が25日、県庁の食堂に限定メニューとして登場しました。25日、県庁の食堂の日替わり定食として登場したのは、県内で捕獲されたイノシシの肉を使ったカツです。県内では、去年4月から今年1月末まで鳥獣による農作物の被害額が1億円を超えていて、およそ半分がイノシシによるものだということです。今回のメニューは、農作物への被害を減らすため捕獲したイノシシの肉を使っています。このイノシシ肉の日替わり定食は、26日は、すき煮として限定20食提供される予定です。
(シカの捕獲支援ソフト「やるシカない!」:愛知)
マップクエストが食害防止目的で愛知県森林・林業技術センター(新城市)と協力して、シカの捕獲支援ソフト「やるシカない!」(仮称)をMapQuestDotNETで開発しました。農林業や生態系に深刻な影響をもたらすニホンジカの食害を防ぐため、愛知県森林・林業技術センター(新城市)と協力して、シカの捕獲支援ソフト「やるシカない!」(仮称)を開発しました。全国で初めて、二百五十メートル四方単位でシカの出没可能性を「見える化」したのが特徴で、関係者らは「シカとの共存を図りながら、低コストで獣害対策ができる」と大きな期待を寄せています。

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(イノシシの一斉駆除行うも、捕獲はゼロ:山形)
山形県山形市で、21日、イノシシの一斉駆除が行われた。捕獲はゼロに終わった。初めてというイノシシの一斉駆除には市の農政課の職員と山形猟友会のメンバーらおよそ60人が参加した。打ち合わせの後、猟銃を持ったメンバーたちが次々と山の中へと入ってゆく。山へ入って30分後の午前10時すぎ一斉駆除が始まった。イノシシによる農作物の被害額は昨年度、326万円だったが、今年度は4月から9月までの上半期だけだでに650万円と2倍に達している。急増する生息数と被害防止を図ろうと行われた駆除。しかし、なかなかイノシシを発見することができず、捕獲には至らなかった。
(落下してきたレンガ片で女性軽傷、カラスが落としたか:北海道)
23日朝、北海道・札幌市の歩道で、落下してきたレンガ片が、70代とみられる女性の頭に当たった。警察によると、レンガ片は縦横およそ10cm程度で、女性は軽傷だった。現場前の建物の屋上に、カラスの足跡が残っていたことから、警察はカラスがレンガ片を落とした可能性も含め調べている。
(巨体のイノシシを捕獲、猪鍋なら300人分以上:香川)
香川県小豆島町で22日、綿谷忠澄さん(74)が仕掛けた駆除用のわなに体長1・5メートル、体重130キロのオスのイノシシがかかったのが見つかった。100キロを上回る巨体はまれ。「今は繁殖期でメスを追いかけ回し、やせ細る時期」と県の担当者。「全盛期は150キロを超えていたのでは」と推測する。猪鍋(ししなべ)にすると、300人分以上になるという。ただ、綿谷さんは「大きすぎて肉が硬いやろなあ。食べるのなら、もう少し小さくてもええのに」。
(住宅街にイノシシ出現:徳島)
藍住町の住宅街に子どものイノシシが現れましたが、町の職員らによって捕獲されました。けが人はいませんでした。イノシシが現れたのは藍住町勝瑞の住宅街です。22日、午前7時20分頃、民家と保険事務所の間で寝ているイノシシを保健事務所に出勤してきた57歳の男性が見つけ、警察に通報しました。通学時間帯と重なっていたため、子どもたちに危害を加えないか心配されましたが、かけつけた町の職員ら約20人に、約2時間10分後、捕獲されました。けが人はいませんでした。体長約50センチ、体重は5キロから6キロの子どものイノシシ、ウリ坊とみられています。藍住町によりますと、県と相談した結果、このイノシシは、鳥獣保護区に放されるということです。県警ではイノシシを目撃した場合は近寄らず速やかに連絡してほしいと話しています。
(ニホンザル、外来種と交雑止まらず:千葉)
房総半島のニホンザル生息域で外来種のアカゲザルとの交雑が進み、国の天然記念物に指定されている千葉県高宕山地区(富津市、君津市)でも交雑していることがわかった。天然記念物の指定をも揺るがしかねない事態になった。23日に富津市役所で開かれる「天然記念物高宕山のサル生息地のサルによる被害防止管理委員会」でも対策が検討されそうだ。両市境にある高宕山(標高330メートル)周辺11平方キロに広がるサル生息地は、1956年12月、国の天然記念物に指定された。地区内外に10前後のサルの群れがいる。環境省と県が2015年3月までに行った調査では、高宕山周辺と鋸南町、南房総市などの5群計74匹を捕獲、かずさDNA研究所(木更津市)と京都大学霊長類研究所が血液などから遺伝子を分析した。その結果、高宕山の君津市域側を行動域にしている一群23匹のうち、5匹が交雑と確認されたという。高宕山では1983年に交雑個体が駆除されたケースがあるが限定的で、今回は野生化したアカゲザルの拡散による交雑が明らかになり、極めて深刻な状況になった。高宕山での交雑は京大霊長研の川本芳・准教授(集団遺伝学)が昨年7月の日本霊長類学会でも報告している。房総のアカゲザルは60年代から館山市の小塚大師周辺で目撃された。観光施設かペットが逃げて野生化したらしい。95年の県調査で群れが確認された。県は2005年から全頭駆除に乗り出し、約1700匹を駆除したが、推定約400匹が残るとみられ、母群の根絶には時間がかかる見通しだ。
(狩猟サークル、奈良女子大学生ら結成:奈良)
奈良女子大(奈良市)の学生らが今春、「ハンティングサークル」を結成し、若い世代に狩猟の魅力をアピールする活動を始める。狩猟の知識を学びつつ、ジビエ(野生鳥獣肉)料理のレシピを考案するなどして地域活性化を目指す。ハンターの減少とともに、鹿やイノシシなどの農作物被害が増え、被害額は年間2億円に達する。 サークルを作るのは、同大大学院1年の竹村優希さん(23)ら。大学の研究の中で農作物の鳥獣被害の問題を知り、狩猟をテーマにしたサークル活動を思い立った。
(秋保のニホンザル、春を待つ姿:宮城)
近年、ニホンザルが増え過ぎているという。仙台市太白区秋保地区では宮城県の特定鳥獣保護管理計画に基づき、捕獲作業が行われている。写真を撮るために近づくと、気配を察しただけで身を潜める野生動物が多い。そんな中で、サルは「何しに来た」と言わんばかりに悠然と構えている。地域によって人慣れの度合いは異なるが、学習能力と運動能力は高い。お年寄りが自給自足する畑で野菜をくすねたり、相手を威嚇したりするケースもある。管理計画は個体数の調整も示している。そこまで保護管理に踏み込まないと牡鹿半島のニホンジカのように増殖し、生態系に深刻な影響を及ぼしてしまうのかもしれない。樹木には、サルが皮を食べたとみられる痕跡があった。冬の飢えを懸命にしのぎ、春を待つ。そんな姿を目の当たりにすると、犠牲を伴わざるを得ない保護管理に胸が痛む。
(海を泳いで渡るイノシシ:長崎)
長崎県の離島・新上五島町で、海を泳いで渡り、無人島に上陸するイノシシを町観光商工課職員の横浦利一さん(46)が目撃し、スマホで動画撮影した。迫害されたキリシタンが逃げ込んだという「キリシタン洞窟」などに20日、町外の人を船で案内中の出来事で、動画を自身のフェイスブックで公開した。横浦さんも、泳ぐと聞いたことはあるが、見たのは初めてだった。町職員らしく「自然の生き物に出会うサプライズがあるのも島の旅の楽しみ」とPR。
(絶滅危惧種のクロツラヘラサギ、防鳥用糸で死ぬ:佐賀)
杵島郡白石町福富で、絶滅危惧種の渡り鳥クロツラヘラサギ2羽が相次いで死んでいるのが見つかった。いずれもレンコン畑に張っていた防鳥用の糸に引っかかり、動けなくなったとみられる。2羽は別々の畑で糸に絡まっているのを、野鳥観察の愛好家が見つけた。JAさが白石中央支所によると、防鳥用の糸はテグスと呼ばれる釣り糸。カモが水中の種レンコンを食べるのを防ぐため、水面から10~20センチの高さに約1メートル間隔で張られている。日本野鳥の会県支部によると、クロツラヘラサギの生息数は世界で約3千羽。環境省は近い将来、野生での絶滅の恐れがある絶滅危惧1B類に指定。浅い水辺で魚やエビ、カニを食べ、県内では有明海の干潟を餌場とすることが多いという。同支部の宮原明幸支部長は「細く透明なテグスを認識できず、引っかかったのではないか。鳥の目につき、かつ畑への侵入を防ぐ方法を探り、農家と協力して絶滅危惧種の保護につなげたい」と話す。
(エゾシカ出前講座:北海道)
苫小牧植苗小中学校(五十嵐昭広校長)で22日、小学3年の児童10人を対象に「エゾシカ出前講座」が開かれた。エゾシカの増加に伴う問題や、食肉としての有効活用に関心を持ってもらおうと、道が主催。児童らは、シカの角を材料にした工作やシカ肉料理を楽しみながら、北海道の野生動物と人の関わりについて理解を深めた。道徳と社会の学習として初めて企画された授業。エゾシカ協会(札幌)専務理事の井田宏之さんが講師を務め、シカの生息数増加に伴い、車や列車との衝突事故、農林業被害なども増えている現状を説明した。この後、道環境生活部の名畑太智さんの指導を受けて、シカの角と皮を使った工作に挑戦。厚さ約5ミリ、直径約3センチに輪切りした角を研磨し、輪の穴にひもを通してストラップを作り、初めて触れる角の硬さに驚く児童も。最後はシカ肉の試食。スライスした肉をしゃぶしゃぶにして味わった。平野響君(9)は「シカ肉がこんなにおいしいなんて」と満面の笑み。菅野龍之介君(同)も「シカの肉が食べられると思っていなかったけれど、おいしい」と、食材としての魅力にも興味を抱いていた。道は毎年、道内各地の小中学校や高校などで出前講座を開いており、今年度は植苗小中学校が7校目という。
(「房総ジビエ」普及事業に本腰:千葉)
県は来年度の新規事業として「『房総ジビエ』活用普及事業」を実施する。当初予算案に1500万円を計上し、ジビエ料理を提供する飲食店の増加や新商品開発に本腰を入れる。事業では県内飲食店を対象にジビエ料理への興味の有無を調査し、希望店を対象に講習会などを実施する。イノシシやシカは調理方法によって味が大きく変わるといい、講習会では衛生上の注意事項や調理方法などを教える。提供店舗を増やした上で、フェアの開催や商品開発にも着手する。県外ではジビエを活用したレトルトカレーなどの商品が人気を集めているため、本県でも土産品を想定した商品開発を進める。県の担当者は「まだ多くの事項が検討中だが、イノシシやシカの被害が多い地域を中心に有効活用したい」と話した。県内ではイノシシやシカなどの有害鳥獣による農作物被害に対応するため、各地で捕獲が実施されている。県自然保護課によると、平成26年度の県内でのイノシシの捕獲数は1万7741頭。南房総市が最も多く、君津、富津市と続く。シカは、県全体で3601頭だった。
(ジビエで地域活性化:千葉)
市原市は農作物被害を与える野生のイノシシやシカの肉を使った「ジビエ料理」で地域経済を活性化させようと、地元飲食店組合などと協力してメニューや加工品を開発した。市内で捕獲したイノシシ肉「ワイルドポーク」を使った料理などが完成し、市内の店舗や館山道上り線の市原サービスエリア(SA)で販売を開始。食べた人からは「苦みがまったくない」「歯応えが良い」などと好評を博しているという。同市はイノシシによる農作物被害が深刻化しており、平成26年度の被害額は3280万円に上った。同年度に捕獲したイノシシは1千頭を超え、多くは埋設・焼却処分した。これらを有効活用しようと、市は今年度「ジビエ料理開発事業」を実施。料理メニューは市料理飲食店組合に、加工品は全国でカフェ運営を展開する「カフェ・カンパニー」(東京都渋谷区)に開発を委託した。同組合では特別ではない「家庭で楽しめるもの」をテーマに開発を進め、市産のイノシシ肉を「ワイルドポーク」と命名。市内イベントに出品するなどして試作を重ねた。市役所食堂を含む市内9店(今月上旬現在)でラーメン、鍋、メンチコロッケ、カレーなどの料理で味わえる。3月末には計15店に増える予定。同市潤井戸の「うるいど八幡屋」ではワイルドポークを使ったぼたん鍋がフグ鍋に負けないほどの人気という。中村雅人社長は「脂の乗っているロースなどの良い部分を使っている。肉の味と柔らかみを楽しんでほしい」と話した。カフェ・カンパニーは3種類のサラミとスモーク・ジャーキーを開発した。同社の當間一弘さんは「ワインに合わせて食べてほしい。今後は道の駅などでも販売する。市原に来たら、ぜひお土産に」とアピールしている。野生のイノシシ肉を一般に流通させるためには、国の原子力災害対策本部の方針に基づく県の出荷検査方針のルールが重くのしかかっている。東日本大震災による東京電力福島第1原発事故以降、県内で捕獲されたイノシシなどの野生動物を食用肉として出荷するためには、現在も放射線濃度の測定が必要になる。さらに県の方針により、イノシシの捕獲時には解体処理場の職員や設置自治体の職員が現場に立ち会う必要もある。市原市は周辺自治体と連携して、自治体職員が立ち会わなくてもすむように県や国に規制緩和を求めている。同市は、大多喜町の処理場に肉の解体加工を委託している。現行のルールでは、捕獲現場には同町職員の立ち会いが必要となる。また、町との協定により、鮮度保持のためイノシシの絶命後30分以内に処理場で解体することにもなっている。このため処理場に近い市南部でしか流通用のイノシシを捕獲できないという実情もある。市農林業振興課の泉水英一課長は「職員の立ち会いがなくても適正な捕獲はできる。肉を有効活用するため、ぜひ規制緩和をしていただきたい」と話している。
(命を頂くマタギの鍋)
秋田新幹線の角館駅から秋田内陸縦貫鉄道に乗り換えて約1時間。秋田県の内陸部、奥羽山脈のふもとにある北秋田市の阿仁(あに)集落に来た。クマや野ウサギなどを追って深い山々に入る狩猟民「マタギ」の里である。例年なら積雪1メートルを超えるが、今年は半分以下。クマの足跡が見つけにくかったという。「でも山の神様が恵みを与えてくれる限り、山さ入るよ」と松橋利彦さん(52)。この地で代々続くマタギ一家の跡取りである。クマ鍋を松橋さんの家族が営む旅館で食べた。ぶつ切りにした大根と、クマが好む根曲がり竹(タケノコの一種)も放り込んで煮る。「竹さ一緒に煮込むとさらにおいしくなる」と松橋さん。味の強いネギやマイタケなどを入れると、クマ肉本来の風味が薄れてしまうそうだ。調味料はみそだけ。焼くとひたすら硬くなるだけなので煮るのが最高の調理法という。かみしめると肉汁があふれ野性味が感じられた。意外にやわらかい。冬眠前にエサをたっぷり食べたクマは、冬眠明けの春に仕留めたクマに比べると脂肪分が多い。脂が溶けてきたのか鍋全体から濃厚な香りが漂ってきた。マタギは、厳格な統率者「シカリ」のもとで固い結束があり、クマは山の神からの授かり物として公平に分配した。大切にはいだ毛皮は極上品だ。取り出した生々しい器官からは、黒っぽい肝臓の付け根を探す。薬として重宝される「クマの胆(い)」になる胆嚢(たんのう)である。これを入札方式などで分け合ってきた。1960年代までは生業とする人も多かった。武器はヤリや国産の村田銃。その後ライフル銃が主流に。だが開発で獲物が減り、毛皮需要も少なくなり衰退した。松橋さんが暮らす地区では伝統的なマタギは現在20人ほどという。マタギという言葉の語源は諸説あり、正確なところはわからない。だが単なる猟師ではない。入山するときは呪文を唱え、山の中では日常会話は禁止。山言葉を使わなければならない。クマはイタズ、ウサギはシガネ、山小屋はスノ。掟(おきて)も固く守ってきた。猟をする前は女性と話してはならない。山の神は女の神なので嫉妬されるからだという。乱獲を防ぎ、どんな恵みも一番役に立つときだけいただくという神との契約を何百年も守ってきた。「おらマタギだ」。そう胸を張って言う意識の高さこそが、マタギたるゆえんかもしれない。「道の駅」では冷凍のクマ肉が売られていた。300グラム3千円。昨夜食べたクマ鍋はたしか2千円だった。外はしんしんと雪が降っている。宮沢賢治の童話「なめとこ山の熊」を思い出した。猟師の小(こ)十郎は熊にむかって言っていた。「てめえも熊に生まれたが因果ならおれもこんな商売が因果だ。やい。この次には熊なんぞに生まれなよ」生きるため、あるいは身を守るため、殺し、殺される関係にもなるが、人とクマは自然界の中で共存してきた。神が住まう山から命を頂くという崇高な意味を、クマ鍋から考えさせられる。

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2/22
(石原奈央子リオ切符、父は幻のモスクワ五輪代表)
日本クレー射撃協会は都内で理事会を開き、女子スキートで41歳の石原奈央子(古峯神社)をリオデジャネイロ五輪代表に決めた。アジア予選の同種目で1位で国別出場枠を獲得しており、初の五輪代表となった。この種目で日本女子の五輪出場は初めて。石原の父・敬士さんは80年モスクワ五輪代表に選ばれたが、日本が参加をボイコットしたため出場できなかった。クレーでは女子トラップの中山由起枝(日立建機)が既に代表に決まっている。
(ジビエ料理に長い列:岐阜)
ジビエ(野生鳥獣肉)の魅力を知ってもらおうと、名神高速道路下り線の養老サービスエリアで今月、土日祝日に特設ブースが設けられ、ジビエ料理の販売が行われている。地域資源を活用した経済の活性化支援を目的に、中日本高速道路などが初めて企画。ジビエ料理をブランド化し、農林水産省から6次産業化法に基づく事業計画で認定を受ける羽賀總業(揖斐郡大野町上秋)が販売。大垣養老高校(養老郡養老町祖父江)、県、岐阜大が支援する。特設ブースでは、ニホンジカのスープやイノシシ肉のバーベキューなど3品を販売。21日には多くの客が列を作り、癖のないおいしさを堪能していた。同高生徒によるアンケート調査も行われた。羽賀將光社長(50)は「鳥獣肉というと負のイメージがつきまとうが、良い商品の提供で期待に応えたい」と話していた。
(「鹿もつ鍋」振る舞う:静岡)
静岡市葵区梅ケ島の市営梅ケ島新田温泉「黄金の湯」で21日、「鹿のもつ鍋を楽しむ会」が開かれた。市内外から大勢の観光客が訪れ、中山間地域“オクシズ”の山の幸に舌鼓を打った。冬季の集客にと、同施設が初開催したイベント。地元猟友会の協力で、約300食分の食材が用意された。訪れた人たちは、大鍋に自家製のみそで煮込んだ具だくさんの「鹿のもつ鍋」を振る舞われ、「おいしい」などと笑顔で口に運んだ。会場ではヤマメの串焼きやわさび丼、シイタケの汁を練り込んだ「しいたけ煎餅」など、地区の産物を使った食品が販売され、お茶の試飲も行われた。
(シカ肉おいしいね、親子でソーセージ作り:兵庫)
親子でシカ肉を使ったソーセージを手作りする「ジビエソーセージをつくろう」が21日、兵庫県豊岡市吉井の奈佐地区公民館であった。同市内の小学生以下の子どもと保護者の計約60人が参加。できたてをほおばり、シカ肉の味を堪能した。川遊びやハイキングなど年間7回の自然体験を通じて豊かな人間性を育む市の事業「子どもの野生復帰大作戦」の一環。本年度は44組の家族が参加登録し、NPO法人「但馬自然史研究所」が指導している。この日は17組が参加。同法人の本庄四郎代表の説明で、但馬地域でのシカの生息状況などについて学んだ後、ソーセージ作りを開始。ひき肉に調味料を混ぜ合わせ、アルミはくで包むなどし、熱湯でゆがいた。

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2/20
(イノシシ“襲撃”男性けが、散歩中に体当たり:群馬)
17日午前5時半ごろ、桐生市東の桐生川に架かる幸橋から約100メートル下流付近で、犬の散歩中だった同市の会社員男性(69)の前にイノシシが現れ、驚いて転倒した男性に体当たりした。男性は前歯にヒビが入るなどの軽傷を負った。桐生署によると、イノシシは体長約1メートルで、南から北に向かってきたという。転倒した男性にイノシシは体当たりし、男性は唇を擦るなどもしたが、その後逃走したという。昨年9月以降、同川沿いでイノシシの目撃情報が数件寄せられており、同署は「見かけてもむやみに近づかないようにしてほしい」などと住民に注意を呼びかけている。
(丘珠空港敷地内シカ侵入、運航に影響なし:北海道)
18日午前7時50分ごろ、札幌市東区の丘珠空港の敷地内にシカ1頭が侵入し、約1時間後に自ら敷地の外に出た。航空機の運航に影響はなかった。陸上自衛隊丘珠駐屯地によると、シカは敷地の西側にある道警航空隊の格納庫付近のフェンスを跳び越えて侵入。南東側にあるフェンスを越え、空港緑地に姿を消した。
(男性死亡事故受けイノシシ駆除:愛媛)
今月14日、八幡浜市の山中で男性がイノシシに噛まれたような傷を負い死亡しているのが発見された。19日現場付近で猟友会のメンバーが山狩りを行い、巨大なイノシシを捕獲した。19日午前8時、男性が死亡した現場には市の依頼を受け八幡浜猟友会のメンバーらが集まった。今月14日八幡浜市の山道で81歳の男性が全身血だらけの状態で死亡していたのが発見された。全身にかまれたり牙でさされたような傷があったため警察はイノシシに襲われた可能性が高いとみている。山に入りおよそ3時間後、男性が被害にあった現場付近で全長140センチ、重さ130キロの巨大なイノシシを発見し捕獲した。男性を襲ったイノシシかどうかは不明なため、市ではわなを仕掛けるなどして引き続き警戒にあたることにしている。
(猟犬係留怠った疑い、飼い主の男書類送検:千葉)
市原市平蔵の民家で昨年11月、飼い犬のチワワが同市猟友会の猟犬2頭にかみ殺された問題で、市原署が19日、千葉県動物愛護管理条例違反(犬の係留義務)の疑いで猟犬の飼い主の50代の農業の男を千葉区検に書類送検したことが分かった。書類送検容疑は昨年11月1日、イノシシの一斉駆除のための猟犬が人やその財産に危害を加えないよう配慮すべきだったにもかかわらず、同所周辺で、鎖などを使って係留せずに2頭を放った疑い。同署などによると、猟犬は民家でチワワの首などをかみ、チワワは間もなく死亡した。男は容疑を認めている。
(楽天な長野県、イヌワシ保護へ協定)
絶滅危惧種のイヌワシを守ろうと、インターネットサービス大手の楽天(東京)、県内で保護活動を行う長野イヌワシ研究会、県の3者は19日、具体的な保護事業に取り組む内容の協定を締結した。県自然保護課によると、生物の多様性を守るために企業や自治体などが環境保全や森林整備に協定を結んで取り組む事例は多いが、特定種の保護に向けて企業、保護団体、行政が巣の修繕などの事業を特定して協定を結ぶのは全国初だという。イヌワシは全国に500羽余が生息するとされるが、同研究会によると、県内では20羽弱が確認されている。人が近づけない山岳の岩壁に設置された巣が厳しい自然条件のために崩壊したり、放置された森林で小動物が減少して十分な餌が確保できなかったりすることで、イヌワシの繁殖率は急激に低下している。楽天は、プロ野球「東北楽天ゴールデンイーグルス」のマスコットキャラクターがイヌワシをモデルにしていることから、生息環境がある森林の整備活動を21道県で展開している。今回の協定締結は、昨年の全国フォーラムを通じて同研究会の活動を知るなかでまとまったもので、巣の修復活動や人工給餌(きゅうじ)に5年間にわたり資金援助する。同研究会の片山磯雄代表によれば、楽天からの資金援助により県内4カ所の岩場にある巣棚で、崖下に落下しないように金属製の土台を専門のクライマーに依頼して設置。また3組のつがいに対し有害鳥獣駆除により捕獲されたニホンジカやイノシシの肉を繁殖期の11月から巣立ち後の7月まで与える人工給餌を行う。
(山上にカモシカいない、調査中間報告:三重)
菰野町の御在所岳(一、二一二メートル)で実施しているニホンカモシカ(国特別天然記念物)の生態調査の中間報告会が開かれた。山上ではシカの増加の影響で「カモシカはほぼいないと言わざるを得ない」と報告された。調査しているのはNPO法人・県自然環境保全センター(桑名市)。調査員の橋本幸彦さんが菰野町の湯の山温泉街にある「かもしか資料館」で報告した。二〇一四年に動物がカメラの前を通ると自動で撮影する「自動撮影装置」を山上と麓の温泉街に二カ所ずつ設置。山上で三百十九回、温泉街で三百三十回撮影された。このうち山上ではカモシカはゼロ、シカは二百七十六回。温泉街はカモシカ九回、シカ百八十回。一四年と一五年に実施したライトで照らしながら目視でカモシカを探す調査でも、山上では一度も確認できなかった。カメラ調査で動物の種類は山上が六、温泉街が十一。橋本さんによると、山上にいてもおかしくないタヌキ、リス、野ネズミが撮影されなかった。御在所岳ではシカが樹皮をかじって枯れ木にしてしまう被害が深刻で、橋本さんは「シカの影響で生態系が変化している可能性が高い」と話している。
(谷津干潟に「コクガン」:千葉)
習志野市の谷津干潟で、絶滅危惧種に指定されている国の天然記念物の渡り鳥「コクガン」1羽が18日、確認された。谷津干潟自然観察センター(同市秋津)によると、シベリアが繁殖地のコクガンは北海道や東北地方で越冬し、まれに関東地方でも姿を見ることがあるという。同日朝、干潟東側で同センターレンジャーの椎名明日香さんが見つけた。19日には西側の浅瀬で、カモ類と一緒に休んでいるのが目撃され、野鳥ファンやセンター関係者を喜ばせた。谷津干潟では、2011年12月9日に3羽が飛来しており、今回は4年ぶり。アオサなどの海藻を食べる。
(ハクチョウ、被災地眺め北帰行:宮城)
渡り鳥の飛来地として知られる仙台市若林区荒井の大沼で、ハクチョウの北帰行が本格化している。穏やかな陽光が春を予感させた19日は、大きな白い翼を北に向かって広げた。大沼は東日本大震災の津波で被害を受けたが、2014年3月に復旧工事が完了。復活した「水鳥の楽園」は震災前と同じように、ハクチョウやカモ類などが越冬していた。日差しがきらめく水面(みなも)で群れをつくっていたのはコハクチョウたち。やがて、復興事業が進む沿岸部を眼下に眺めるように羽ばたいていった。
(ジビエ料理普及へ、協議会設置:宮崎)
県は2016年度、野生鳥獣の肉「ジビエ」を使った料理の普及拡大を図る協議会を設置する。衛生管理を徹底し、品質を安定させた上で認証制度をつくる方針で、「みやざきジビエ」としてブランド化を目指す。県によると、2008年度に約2億7000万円だった野生鳥獣による農作物などへの被害額は、12年度には約11億円に急増。14年度も約7億円に上った。食害を減らすため、捕獲数は年々増えている。国が14年に鳥獣保護法を改正し、狩猟条件を緩和したこともあり、同年度の捕獲数はシカが2万7958頭、イノシシが2万3552頭と、ともに過去最多となった。一方、県内の主な加工場は延岡市と西米良、諸塚両村に計4か所あるが、年間処理数は1000頭に満たない。全国的にも利用は進んでおらず、日本ジビエ振興協議会(埼玉県)によると、捕獲された鳥獣の利用率は推定5%で、ほとんどが廃棄されている。県は16年度当初予算案に関連事業費として1170万円を計上。衛生管理と品質の向上、人材育成などを進め、生産体制を強化するとともに、ワインや焼酎産業との連携、認知度を高めるためのイベント開催などを通じ、消費拡大を図る。ジビエの認証制度はエゾシカ肉で有名な北海道のほか、長野、三重県などが導入している。県中山間・地域政策課は「中山間地の所得を確保し、地域の活性化につなげたい」としている。
(ジビエフェア:宮崎)
イノシシやシカの肉を使った料理が味わえる「にしめらジビエフェア」が、西米良村で開かれている。村内6か所の飲食店や宿泊施設が定食やしし鍋、カレー、ラーメン、シチューといった独自のメニューを提供している。2月末まで。ジビエの消費拡大を目指して村が初めて企画。参加施設の一つ、「西米良温泉ゆた~と」は、ジビエ料理を盛り込んだ「山の幸御膳」を通常より300円引きの1800円(税込み)にしており、イノシシの塩焼きやコロッケなども出している。村は2014年、上米良地区に加工施設を建設。住民団体が運営し、解体から加工、販売までを行っている。今回、村は材料費を最大3万円補助しており、「人を呼び込む新たな名物になれば」と期待している。
(ジビエバーガーおいしい!小中学校給食:和歌山)
古座川町内の4つの小中学校の給食で、町産のシカやイノシシの肉を使用した「ジビエ」料理を提供する取り組みが始まっている。3月まではシカ肉を使用した「ジビエバーガー」を毎月1回提供。町教委担当者は「食を通して子供たちに町の良さを知ってもらえれば」と話した。町教委によると、同町月野瀬の鳥獣食肉処理加工施設が昨年5月に稼働したことをきっかけにジビエを取り入れた給食を企画。小中学校の給食担当の調理師らを対象に講習会を開き、調理方法や食材などについて話し合った。1月から始まり、2回目となった今月中旬、町立三尾川(みとがわ)小では児童ら13人が「ジビエバーガー」を堪能。6年の大西ひなたさん(12)は「シカ肉を食べたのは初めて。まさか給食でこんなにおいしいハンバーガーが食べられるなんて」と笑顔で話した。浜地久夫校長は「地元の食材を食べることで、古座川のことを好きになって、成長してくれれば」。同町では、4月以降もジビエ給食を続ける予定という。
(登別ブランド推奨5商品が仲間入り:北海道)
登別ブランド推進協議会(成田光男会長)は、厳選した地場産品・登別ブランド推奨認定品に、新たに5商品(3事業者)を追加した。北海道登別の鹿肉ジンギスカンとハンバーグ(肉のあさひ)、のぼりべつエゾシカのカレー煮(伊奈不動産)、胆振ホエー豚のソーセージ天干塩、登別チーズニュービアンカ(以上のぼりべつ酪農館)。今回を含め推奨品は28商品(13事業者)となった。同推奨品の認定期間は3年間。1月17日に審査会を実施し、同29日の登別ブランド推進協議会で新規認定と再認定申請商品を決定した。肉のあさひ(篠島信哉社長)は、登別牛や市内で捕獲されたエゾシカ肉の流通に取り組み、登別や室蘭、白老などで地場産肉の販路拡大に努めている。ジンギスカンとハンバーグはシカ肉特有の臭味を取り除き食べやすくした。伊奈不動産(伊奈耕三社長)は、シカ駆除後の肉の有効活用策として開発。昨年は缶詰大和煮と味噌(みそ)煮が登別ブランドに認定され、道の駅などで販売している。カレー煮は今までの味に加え、子どもから大人まで誰もがなじみのある味付け。
(米銃器業界、カラフルな銃で子ども市場に照準:アメリカ)
米国の銃器業界が、わずか6歳の子どもを対象としたカラフルな銃を販売し、親たちにもわが子が幼いうちに銃を与えようと呼び掛けているとの報告書が18日、発表された。銃による暴力の撲滅を目指す米非営利団体「バイオレンス・ポリシー・センター(Violence Policy Center)」がまとめた報告書は、米銃器業界が新たな市場として幼い子どもたちに狙いを定めていると主張。その理由として、これまで顧客の主力だった白人男性の高齢化が進んでいるためだと説明している。報告書では、子ども向け銃市場開拓の「積極的な努力」として、子どもでも扱いやすいようプラスチック製のパーツで軽量化を図ったり、子どもの目を引くカラフルな色の銃を取りそろえたりしている事例を紹介している。女児向けにピンク色の銃もあるという。報告書はまた、銃器業界やロビー団体の目的は、子どもが「できるだけ幼いうちに銃を持たせる」よう親たちに働きかけることだと指摘。「銃の売上増への期待と同時に、次世代の銃所持賛成派を育成して将来の政策論争に備えようともくろんでいる」と述べている。同センターによれば、米国最大の銃ロビー団体「全米ライフル協会(NRA)」は以前、対象を「8歳未満」と「8歳以上」に特化した子ども向けウェブサイトを運営していた。このサイトは現在、家族向けの「NRAファミリー(NRA Family)」となっており、対象年齢6~12歳のライフルに関するレビュー記事などが掲載されている。

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(イノシシが襲撃?81歳男性出血性ショック死:愛媛)
14日午後6時25分頃、愛媛県八幡浜市保内町宮内の農道脇の草むらに近くの農業大星昭男さん(81)が血まみれで倒れているのを、捜していた長男(52)らが見つけた。大星さんは約1時間後、搬送先の病院で死亡が確認された。死因は出血性ショック。全身に傷があり、八幡浜署はイノシシに襲われたとみている。同署の発表では、傷は胸や腰、尻、太ももなどに多数あり、最長10センチ以上。大星さんの手袋には動物の毛がついていた。現場は、八幡浜市役所から約5キロ北西のミカン畑そば。大星さんは14日午後1時半頃に農作業へ出かけていたという。同市では2011年9月、住宅地で女性4人がイノシシに襲われ、重軽傷を負った。同署は近くの住民に注意を呼びかけている。
(全国初の夜間銃猟実施、シカ1頭捕獲:和歌山)
和歌山県は16日、捕獲促進を目的に改正された昨年5月の改正鳥獣保護法の施行以降、全国で初めて夜間銃猟を実施したと発表した。15日に同県田辺市の山中で行っており、捕獲した体長約90センチのニホンジカ1頭は食肉として利用する。県によると、狩猟免許の他に環境省の技能認定を受けた地元猟友会の3人が行った。銃で50メートル先の直径5センチの的を5発連続で撃ち抜くなど、認定基準は厳しいという。シカの生息数を減らすには年間1万6千頭を捕獲する必要があり、猟友会に夜間銃猟を呼び掛けて実現した。3カ所で計12回を予定している。
(エゾシカ流通、効率的に:北海道)
道は2016年度、狩猟で捕らえたエゾシカの有効活用に向け、シカを一括して回収するモデル事業を始める。委託業者などが回収して《1》従来通り食肉用に回す《2》食肉に適さない個体はペットフード用にする《3》皮は加工業者に送る―ことで廃棄量を減らしたい考えだ。近隣に食肉処理施設がない地域はこれまで、ほぼ全量を廃棄しており、捕獲から活用までの流れを確立させることが課題になっている。道は4月以降に、食肉処理業者や狩猟者などでつくる協議会を設立する。協議会で回収の進め方を軸に、モデル事業の詳細な内容を検討する。16年度予算案と一体で編成する15年度一般会計補正予算案に、約2千万円を計上する。回収事業はモデル地域で行い、コストも検証する。計画では、狩猟者から連絡を受けた業者が捕獲場所で回収。食肉用には、肉に臭いが付かないよう内臓に弾が当たっていない個体を選ぶ。さらに、捕獲からおおむね2時間以内に処理施設に搬入できることも条件になる。処理施設への搬入に2時間以上かかる場合や、血抜きが不十分で食肉に適さない個体などは、エゾシカ肉を扱うペットフード加工業者に搬入する。皮も塩蔵や冷凍で適切に保管し、皮の加工業者などに送ることを検討している。
(シカ農林業被害防げ:長野)
ニホンジカによる農林業被害が急増する中で、県松本地方事務所(松本市)は十六日から、筑北村で定期的給餌でおびき寄せたシカを遠距離から狙撃するシャープシューティング(誘引狙撃)を始めた。少人数で高い成果が期待される狩猟法で、山中での実施例はあるが集落に近い場所での実施は全国初という。初日は捕獲できなかったが、三月末まで続けて成果を公表し、県内全域への普及を図る。誘引狙撃は、専門のハンターがスコープ付のライフル銃で百~三百メートル先にいるシカの急所を狙い、捕獲する。大勢で追い立てて捕獲するより数倍効率が良いという。同地方事務所林務課が有効性の実証を目的に、専門業者に委託して実施したモデル事業だ。受託したのは、鳥獣捕獲と食肉の加工・販売を手掛ける「総合マネージメントコンタ」(茅野市)。環境省が昨年、有害鳥獣捕獲事業者の育成を目的に導入した制度に基づいて県の認定を受けた専門業者で、これまでに美ケ原高原で二年余り誘引狙撃の実績がある。捕獲対象地域は同村坂井の八地区。最近の十年間でシカによる農業被害が四倍に急増した地域だ。初日は、九人のハンターが二班に分かれて四地区に入った。安全のため道路は猟場の手前で封鎖し、狙撃場所は民家から二百数十メートル離した。今月初旬から給餌してきたポイントに狙いを定めたが、シカの警戒心は強く、初日は捕獲がなかった。同課の竹内玉来・鳥獣対策専門委員は「集落近くの餌場に依存する里ジカを捕獲すれば、繁殖を抑えられる。事業を継続することで農作物被害も抑制できるはず」と話し、総合マネージメントコンタの近藤重代表は「三月末までの捕獲目標は五十頭。この狩猟法に理解をいただくためにも一定の成果を上げたい」と語った。
(イノシシでジビエ料理:千葉)
イノシシの農作物被害が増加している市原市が、捕獲したイノシシの肉を使ったジビエ料理を市の名物にしようと取り組んでいる。市内の飲食店は「いちはらワイルドポーク」と名付けてぼたん鍋やカレーなどを提供し、館山道市原サービスエリア(上り)では「房総ジビエ」の名でサラミとジャーキーの販売を始めた。市農林業振興課によると、イノシシや猿など動物による農産物の被害額は、二〇一四年度で四千三百五十万円に上った。うち、45%がイノシシによる被害で、他の動物に比べて割合が増加傾向にある。市では地域住民と協力してイノシシの駆除対策を強化。捕獲頭数は一三年度の四百六十二頭から、一四年度は二倍以上の千三十頭に急増した。捕らえたイノシシの多くを殺処分後、土に埋めるなどしてきたが、「有害鳥獣というイメージをプラスに」と、昨年七月からジビエ料理の開発をスタート。迅速に処理を施した肉は臭みがなく、うま味がある上、豚肉や牛肉に比べてカロリーが低く、ビタミンも豊富だという。市料理飲食店組合の料理店では、すでにぼたん鍋やカレー、コロッケなどを提供し、来月末までに市内十五店で食べられるようになる。サービスエリアのお土産品として、三種類の味のサラミ(各千三百円)とジャーキー(千百円)も用意。女性をターゲットに開発し、おしゃれなパッケージが目を引く。来月中に道の駅あずの里いちはら(同市浅井)と都内レストランでも提供していく。小出譲治市長は「イノシシの悪いイメージを取り払い、安心でおいしい食品ということが広がっていけば。損得を抜きに続けていきたい」と話している。
(シカ肉活用、学生ら姫路の活性化提言:兵庫)
姫路市から研究助成を受け、大学生らが市政に対する提言を行う平成27年度の市政策研究助成事業の成果発表会が、イーグレひめじ(同市本町)で開かれた。学生らは、シカを食用として有効活用することで獣害対策の推進につなげる提言などを発表した。市は16年度から市内4大学のゼミや研究室を対象に、市の政策の参考になる研究活動に対し50万円を上限に助成。今年度は近大姫路大▽県立大▽姫路独協大▽姫路日ノ本短大-の4大学5研究グループが研究成果を発表した。県立大は、シカの獣害対策として、シカ肉の持つ疲労回復効果をPRし、食用として売り出していくための研究を進めることを提言した。
(イノシシ・シカ肉の消費拡大を:山口)
下関市内の加工施設で処理されたイノシシやシカの肉の消費拡大を図ろうと、15日、市民を対象にした料理教室が開かれた。この「ジビエ料理教室」には下関市民およそ40人が参加した。今回作るのはイノシシの肉を使った巻きずし、キャベツをイノシシの肉で巻いた裏ロールキャベツ、イノシシとシカの肉を使った春巻きなど4品で東京第一ホテル下関のシェフが考案したオリジナル料理だ。下関市では農林業に被害を与える野性のイノシシやシカを捕獲した後、解体・処理する「みのりの丘ジビエセンター」を2013年4月に稼働させていて、その肉や加工品の消費拡大を図っている。参加したある男性は「猟師をしているので料理方法が分かればもっと美味しく食べられるのではと思って参加しました」と話していた。このジビエ料理教室は、14日、市内豊田町でも開かれていて、二つの会場で紹介されたレシピは今後、市のホームページに掲載されることになっている。
(岡山市役所食堂でイノシシ肉料理:岡山)
岡山県備前県民局は17~19日、ジビエ(狩猟肉)のおいしさを知ってもらおうと、岡山市北区大供の市役所地下食堂で、吉備中央町で捕獲されたイノシシの肉を使ったランチメニューを限定販売する。地下食堂を運営するセントラルフーズ(南区藤田)の協力を得て、しょうが焼き(440円、1日50食)と肉うどん(420円、同30食)を各日午前11時半から売り切れるまで提供する。この3日間、地下食堂は同県民局などが行っているジビエ料理店などを巡るスタンプラリー(29日まで)の参加店として扱われる。

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(鹿に腹刺され、男性重傷:山梨)
10日午前7時45分ごろ、山梨県富士川町柳川の畑で、鳥獣ネットに絡まって暴れている鹿を取り押さえようとした同町鳥屋の無職、長田厚さん(67)が、鹿の角で腹を刺された。県警鰍沢署によると、長田さんはドクターヘリで甲府市内の病院に搬送され、重傷だが生命に別条はないという。同署によると、長田さんは地元猟友会の会員。鹿を見つけた畑近くの男性から依頼を受け、単独で現場に駆けつけた。狩猟用ナイフで駆除しようと、長田さんが鹿の頭を押さえつけた際に、角が長田さんの腹に刺さった。鹿は体長約140センチで、角の長さは約60センチ。4歳くらいという。駆け付けた猟友会員に駆除された。現場は山あいの集落。県警は鹿やイノシシなどを見つけたら、不用意に近づかず、通報してほしいと呼びかけている。
(イノシシ、男女襲い山へ逃走:埼玉)
13日午前11時40分ごろから午後1時40分ごろにかけて、神川町渡瀬の民家周辺で、男女3人がイノシシとみられる動物にかまれて、足などにけがを負った。児玉署によると、13日午前11時40分ごろ、神川町渡瀬の民家の庭先で、女性(64)がイノシシのような動物に襲われ、右腕と右太ももをかまれた。午後1時45分ごろには約400メートル離れた別の民家の玄関先で、女性(50)が動物に襲われて右脚をかまれ、付近の町道にいた近くに住む男性(82)も口や右太ももなどをかまれた。現場は山と川に挟まれた、畑と民家が点在する住宅街。イノシシとみられる動物は1頭で、大きさは約1・5メートル。地元猟友会が7人態勢で追跡したが山へ逃走した。同署は、襲ったのは同じイノシシの可能性が高いとみている。
(イノシシと衝突、JR東北線遅れる:宮城)
10日午後8時ごろ、白石市のJR東北線越河駅構内で、仙台発福島行きの上り普通列車(6両編成)がイノシシと衝突し、停車した。JR東日本仙台支社によると、乗客約320人にけがはなかった。点検後、当該列車は30分遅れで同駅を出発、下り列車1本が33分遅れた。
(シカ衝突、日豊線に遅れ:大分)
13日午前0時ごろ、JR日豊線宇佐(宇佐市岩崎)―西屋敷(同市西屋敷)間で、特急ソニック59号(6両編成)がシカとぶつかった。衝撃で車体が故障したため、現場に停車。修理を終えて約1時間20分後に運転を再開した。乗客約100人にけがはなかった。JR九州によると、ドアの開閉装置などに空気を送る管が壊れた。後続の下り特急ソニック61号にも45分の遅れが出た。
(クマが出没と発表、実はイノシシと判明:山形)
10日午後5時ごろ、山形市土坂の雑木林でクマが歩いているのを近くの男性が見つけ、110番通報した。警察によると、クマは道路の手前まで下りてきて、雑木林に向かって引き返したという。当時はパトカーが出動するなど警戒態勢が取られたが、実はイノシシと判明実はイノシシと判明した。
(サル目撃が相次ぐ:熊本)
12日午前7時45分ごろから、熊本市中央区九品寺、大江付近など、中心街で大きなサルの目撃が相次いでいる。熊本北署、熊本市職員らで、目撃された一帯を捜索している。大型のサルとあって、「近づかず、目を合わせないで」「食べ物を見せたり、与えたりしないで」などと呼びかけている。
(夜間銃猟、全国初実施へ:和歌山)
ニホンジカの増加を抑え、深刻な農林業被害の軽減を目指そうと、和歌山県は15日から紀南3地区を対象に全国初の「夜間銃猟」を始める。田辺市中辺路町水上では15日から3月にかけて毎週月曜に5回程度、すさみ町江住は17日から毎週水曜に5回程度、古座川町西川は3月から2回程度を予定。実施時間はいずれも日没から午後7時半ごろまで。県内のニホンジカによる農林業被害は年間9千万円以上。生息数は約5万3400匹、年間の増加個体数は約1万5400匹と推計されている。生息数を減らすには年間1万6千匹以上の捕獲が必要だが、14年度は約1万500匹。シカの警戒心が低くなる夜間の銃猟で捕獲数の増加を目指す。捕獲に際しては、弾止めのある場所に餌を置き、そこにシカを誘い出す。射手が日没前から現場で待機し、シカが出現した時点で射撃する。捕獲したシカは食肉などへの利用を図る。
(暗視カメラでシカ調査:北海道)
函館市は、市鳥獣被害防止計画の次期(2016~18年度)の原案をまとめた。近年、エゾシカをはじめ野生鳥獣による農漁業被害は減少傾向だが、シカと車両の衝突事故が増えている状況。原案ではシカの生息数は減っていないとみて捕獲計画数を現計画(13~15年度)と同水準に保つ方針で、暗視カメラを用いた生息・被害状況の調査などを盛り込んだ。原案は14年度の被害状況を基に作成。それによると14年度のシカの農業被害は面積で前年度比67%減の3・15ヘクタール、金額で同80%減の292万円と大きく減った。トドの漁業被害は同17%の100万円で、ヒグマの被害は不明。被害総額は392万円で09年度(2940万円)から87%減った。市農林整備課は「シカは侵入防止の金網柵を3800メートル、電気柵を4千メートル設置した効果があった」と分析。被害対策が一定の効果を上げているとみる。ただ、シカと車両の衝突被害の届け出は、14年度から統計を取り始めたところ19件あった。15年度は昨年11月末時点で25件と早くも前年度を上回り、市は国道278号を中心とする幹線道路で「事故が増加傾向にある」とみている。これを受け、次期計画の原案では被害を14年度水準に抑えることを目指し、シカの捕獲計画数を現計画と同水準の毎年度240頭に設定。暗視カメラの活用のほか、シカなどがわなにかかるとメールで知らせる最新の情報通信技術を用いた捕獲方法の導入について検討することを盛り込んだ。道南でのシカ生息数はデータ不足で推定不能だが、捕獲数や衝突事故は増えている。北海道猟友会新函館支部の水島隆支部長(62)は「シカの数が減っている印象はない。柵を避けて動くシカへの対策の検討も必要になる」と話している。
(有害鳥獣、捕獲がビジネスに)
警備や害虫駆除、建設などの会社が、農林産物の有害鳥獣捕獲ビジネスに乗り出している。環境省が昨年から始めた認定鳥獣捕獲等事業者制度の認定を受け、鳥獣捕獲を事業として行うもの。「狩猟ビジネス」に新規参入する新設法人も相次ぎ、狩猟のプロ集団である各県の猟友会も組織として取り組みを始めた。市町村などが捕獲業務を委託する動きもあり、狩猟ビジネスが本格化しそうだ。
(生きたシカ340キロ輸送成功:北海道)
道は9日、上川管内中川町の囲いわなで捕獲したエゾシカを、移動距離で約340キロ離れたオホーツク管内斜里町の養鹿(ようろく)場のある食肉処理施設まで、生きたまま長距離輸送する初のモデル事業を行った。全8頭が無事に到着し、獣医師立ち会いの下で1頭を解体した結果、肉質に異常はなかった。道は実証実験を続けて手法を確立し、近隣に処理施設がなく廃棄されていた肉の有効活用につなげたい考えだ。加工直前までエゾシカを生かしておく養鹿場の肉は「臭みがない」と需要が高いが、囲いわなに警戒するエゾシカが増え、周辺での捕獲に苦労する施設が多い。道はそうした施設と、近隣に処理施設がない自治体の間で長距離輸送を定着させたいとしている。ただ、野生のエゾシカは輸送時に暴れて死ぬ恐れがあるとされ、生きたまま運ぶのはこれまで数十キロの距離に限られていた。モデル事業で安全性や輸送費を検証し、実用化の道を探る。この日は囲いわなから追い立てられたエゾシカが鉄製の箱に入り、トラックに載せられて午前9時すぎに中川町を出発した。8頭を1~3頭ずつ仕切りで分けた狭い空間に収容し、暗くして落ち着かせるために周りを板で覆った。箱の中で暴れる個体もあったが、出発後20分ほどで落ち着いた。午後4時半ごろ斜里町の知床エゾシカファームの敷地に放され、全頭が元気に走りだしたという。
(鳥獣害対策の“相棒”先細り)
農作物を食い荒らすイノシシや鹿を捕獲する猟犬が減少し、猟犬の入手が難しくなっている。銃を使う狩猟者の減少や、飼育の手間や金銭的な負担が掛かること、訓練所の減少などが背景にある。日本狩猟倶楽部(くらぶ)などの団体からは「猟犬の意義を伝え、有効な鳥獣害対策として後世に残す必要がある」との声が上がっている。猟犬は、鳥獣の発見や銃で捕獲した鳥獣の回収、イノシシなどを四方から囲う「巻き狩り」など、狩猟には欠かせない存在だ。だが、日本狩猟倶楽部など猟犬に関する団体によると大幅に減っていることは間違いない。同倶楽部の金山邦由事務局長は「銃による狩猟が減ったことで猟犬を飼育して繁殖し、入手する仕組みまで途絶えつつある」と問題視する。環境省の調査では、2013年度のわなと網の免許保持者数は8万7000人、第1種銃猟の免許保持者数は9万6000人。5年前(08年度)に比べてわなと網は4000人減にとどまるが、銃猟は3万9000人と大幅に減った。猟犬は主に銃猟による狩猟で活躍しており、政府の統計はないが、減っていることがうかがえる。日本犬保存会でも「猟犬として使われてきた犬種が各地で減っている」とみる。そうした中、危機に直面する猟犬の保存に動きだした狩猟者も出てきた。徳島県石井町の久米稔さん(66)だ。猟犬を繁殖するブリーダーが次々と消え、鳥獣害対策で新たに農家が猟犬を確保しようとしても、入手先すらなくなっているためだ。久米さんが飼育、繁殖するのは猟犬「サツマビーグル」。人と犬だけの単独猟に向き、特に鹿の捕獲には最適という。ただ、個人での繁殖は限界があるため、久米さんは農家や狩猟者、行政が一体となって猟犬の今後を考える必要があると考える。「農業被害が深刻化している今こそ、猟犬の担う役割は大きい。先人たちが守ってきた猟犬による狩猟を私たちの代で絶やしてはならない」と強調する。三重県松阪市の中島猪犬訓練所によると、かつては猟犬を飼育する訓練所が全国にあったが、今は数えるほどになったという。同訓練所代表で農家の中島毅さん(60)は「手間や時間、労力が掛かるわなに比べ、猟犬は捕獲効率に優れ、銃で捕獲したイノシシは、野生鳥獣肉(ジビエ)の出荷にも適している」として猟犬による狩猟を残そうと、若手指導に当たる。岐阜大学野生動物管理学研究センターの土井守教授(動物繁殖学)は「猟犬をこれ以上減らせば、森林の荒廃や農業被害を防げなくなる。繁殖、訓練などができる体制を整えていく必要がある」と提起する。
(イノシシ食害に先手、生態や対策学ぶ研修会:宮城)
宮城県南部で被害が深刻化するイノシシの被害対策を学ぶ研修会が2日、柴田町槻木生涯学習センターであった。専門家は捕獲のほか、イノシシが近づかない環境づくりと適切な侵入防止柵の設置の重要性を訴えた。仙南地域の農家ら約150人が参加。東北野生動物保護管理センター(仙台市)の鈴木淳研究員がイノシシの生態を説明し、「離れた山ではなく、人間の生活する場の近くにあるやぶなどに生息している。柿やクリを放置せず、やぶの刈り払いをすることでイノシシが現れにくくなる」と解説した。電気柵は常に通電させておくことが必要だと指摘。「学習能力が非常に高い。隙間を作らないなど基本事項を守って電気柵を維持管理してほしい」と呼び掛けた。県によると、14年度のイノシシによる農作物被害は県全体で2億1000万円(前年度比1.5倍)。仙南2市7町は計1億1700万円に上り、半分以上を占める。13、14年度は9市町で計3200頭超ずつ、本年度も12月末までに2000頭を捕獲したが、被害は減っていないという。
(イノシシ被害急増、暖冬で個体数増加を懸念:福井)
福井県あわら市で農作物のイノシシ被害が急増している。福井県農業共済組合によると、同市の昨年の水稲における獣害被害申告筆数(ほ場数)は、前年比でほぼ倍増した。市内のイノシシ捕獲区域も拡大する一途で、市はことし1月、巻き狩りなどの緊急対策を3月末まで重点的に実施すると発表した。暖冬の影響で死なずに冬を越す個体の増加も懸念されるため、迅速な対応が求められている。同組合のまとめによると、県内全体では昨年の水稲の獣害被害申告筆数は、2028(前年2447)で、前年比で約2割減少した。昨冬の積雪期間が長かったため被害の大半を占めるイノシシが冬を越せず、個体数が減ったからと分析している。実際、大野市は31(同166)、勝山市は82(同150)など、積雪量の多い地域は申告筆数が激減した。一方で、あわら市は前年の118から206とほぼ倍増した。県内17市町のうち、ほかに申告筆数が増えた福井市(前年比約20%増)や越前町(同約3%増)と比較しても突出している。あわら市のイノシシの捕獲数は、06年度は45頭だったのが14年度は3倍以上の162頭に上るなど年々増加している。15年度は市が害獣の焼却処分に対する支援制度を新設したこともあり、ことし1月5日時点で14年度を大きく上回る約280頭が捕獲された。地区別では、細呂木が前年度比約6倍の57頭、これまで実績のなかった吉崎でも14頭が捕獲された。生息区域も広がっている。市の捕獲数まとめによると、06年度は北陸自動車道の東側山間部に限定されていたが、山沿いに年々拡大。現在では、北潟湖東岸地域やJR芦原温泉駅周辺の市街地近くにまで及んでいる。狩猟歴15年の猟友会員、桶谷洋治さん(73)=吉崎=は「5年ほど前からイノシシが極端に増えており、市の支援なしでは捕獲などの害獣対策は進まない」と指摘する。今季の記録的な暖冬により、春以降のさらなる被害拡大を危惧した市はことし1月、狩猟期間の3月31日まで、緊急対策を実施すると発表した。このような緊急策は初めてで、大規模な巻き狩りなど重点的な対策に乗り出した。1月30日には第1回が同市熊坂の森林で行われた。捕獲はできなかったが、区民ら約50人が参加し連携を確認した。2、3月も行うほか、16年度当初予算にも巻き狩りの予算を計上する予定だ。市は捕獲支援や狩猟免許取得に対する補助などを継続し、16年度は先進地視察にも取り組むなど力を入れる。川西範康・市経済産業部長は「16年度は被害や捕獲数がさらに増えることが考えられる。あらゆる策を講じていきたい」と話す。イノシシの被害区域は、県内有数の農産地である坂井北部丘陵地や市特産サツマイモの産地・富津区の目と鼻の先まで広がっている。被害拡大を最小限に食い止めるためには、地域と行政の連携強化が必須であり、市の指導力に期待したい。
(イノシシ急増、管理計画案:山形)
サルなど野生鳥獣による農作物被害対策会議が10日、山形市で開かれ、県内で生息数が急増しているイノシシに対し県が来年度から実施を目指す管理計画案が示された。会議には、市町村の担当者や県猟友会などのメンバーらが出席。
(イノシシ増、捕獲頭数10年で21倍:群馬)
県東部の太田市などでイノシシが多数出没している。生息数が突出して急増しているとみられる同市では十年で捕獲頭数が二十一倍になった。太田、桐生、みどりの三市で農作物の食害など農林業への被害が出ている。市街地にも姿を現し衝突や感染症など人への被害にも警戒が必要とあって、県や市などは捕獲や住民への注意喚起など、対策を強化している。県の「イノシシ適正管理計画」によると生息区域が拡大し農林業被害は増加し年間一億円を超えて高止まりしている。「近年では平野部である県中央部や東部の市街地等での出没も多数確認されており、人身被害等の拡大が懸念される」と記す。県鳥獣被害対策センターは「耕作しなくなった農地や人里の残飯にエサを求めて生息の場を広げている。太田市はドングリなど木の実をつける樹木が豊富で増えているようだ」と話す。太田市でイノシシが急増しているのは北部の金山・八王子丘陵地域。市農業政策課によると、市内での捕獲頭数は二〇〇六年度は二十二頭だったのが一五年度は既に四百六十九頭(一月三十一日現在)。実際の生息数は不明だが、イノシシは繁殖力が強いという。桐生市では市街中心部を除く全域に出没。近年、渡良瀬川、桐生川の河川敷での生息も確認されている。捕獲数は一四年度が千百三頭、一五年度が四百九頭。市の担当者は「ドングリなどエサの増減が数に影響する」とみる。みどり市では昨年度三百三十頭を捕獲。市の担当者は「桐生市との境の大間々町高津戸地区では昨年十二月、ほぼ毎日のように出没情報があった」と話す。「問い合わせ状況から近年、生息数はすごく増えている印象だ」と言う。イノシシは雑食性で水稲や野菜など食べるほか、植物の根や虫などを求めて畑を掘り起こし土手を破壊するなどの被害を出す。三市の一四年度の農林業被害は、みどり市八百十三万円、桐生市六百十七万円、太田市六百四万円。ただ被害の届け出がされないケースもあり、実際の被害額はさらに大きいとみられる。一方、関係者によると一月に太田市でバイクの男性がイノシシと衝突して肋骨(ろっこつ)を折るけがを負った。民家の庭でイノシシに驚いた住民が転倒したケースも。桐生署によると一月三十一日正午ごろ、桐生市の県道で軽自動車との衝突事故が発生。けが人はなかった。太田市の状況と対策はどうなっているのか。昨年秋、長手町の稲刈り直前のある田で、イノシシが体の虫やごみを取るため体を地面に押し付ける「ぬた打ち」と呼ばれる動作でイネをなぎ倒し収穫できなかったという。近くの農業諏訪一良さん(64)の畑の土手は大きく掘り返され、イノシシの足跡が残っていた。「こうやってミミズを食べるんです」と悔しがる。家庭菜園のジャガイモを食い荒らすなど行動範囲は病院や学校、コンビニ周辺など市街地にも及ぶ。市農業政策課の担当者は「金山地区は市街地に近くこのままでは大変なことになる。イノシシをすみにくくする生息環境をつくることを最優先にする」と話す。地域住民らと連携し畑に作物を残さず、ドングリやクリの実も木から取る。田畑に侵入しないよう電気柵やワイヤメッシュ柵を設置。捕獲のため箱わなを仕掛けるなど対策を実施している。有害鳥獣捕獲隊員の戸谷敏一さん(69)は藪塚山に六基の鉄製の箱わなを仕掛けた。「一頭ずつだけど捕り続けるしかないよ」市は住民に、インフルエンザや日本脳炎など感染症への注意を呼び掛ける文書を回覧した。イノシシが出没し市街地でごみ集積所が荒らされると「無意識の餌付け」になるうえ感染リスクが高まると指摘。生ごみを夜間に出さないことと帰宅後の手洗いの励行を呼び掛けている。
(平成27年度鳥獣被害対策優良活動表彰式:東京)
農林水産省は2月12日、東京都千代田区の日比谷コンベンションホールで「平成27年度鳥獣被害対策優良活動表彰式」を開き、農林水産大臣賞と農村振興局長賞を授与した。表彰式後、農林水産省鳥獣被害対策基盤支援事業として合同会社まかく堂主催のもと「第3回全国鳥獣被害対策サミット」が開かれ、受賞者による講演と先進事例報告が行われた。行政の鳥獣関係担当者やメーカー関係者など約300人が参加した。表彰式に出席した齋藤健農林水産副大臣は挨拶で、野生鳥獣による被害が深刻で、被害金額は191億円、近年は200億円規模で推移していること、また鳥獣被害が甚大なため、営農意欲がそがれ、農業をやめる人もいることに触れ、農業を「活力あるものとして次世代に継承するためには、鳥獣被害対策をしっかりと推進し、鳥獣被害にまけない地域づくりをしていくことが重要」だと述べた。農水省としても現場をサポートし、平成28年度予算で、捕獲された鳥獣をジビエとして活用するための新たな支援メニューを追加。鳥獣被害対策を総合的に推進するための予算を95億円(概算)決定し、本年度は、野生鳥獣の区画を強力に推進するための予算を補正予算として12億円追加で措置することも報告した。また「地域の実情に応じて、知恵や工夫をこらして取り組むことが重要」だと述べた。【農林水産大臣賞(団体の部)】▽松尾集落(熊本県あさぎり町:集落代表 遠山好勝)国有林に囲まれた中山間地域集落の松尾集落は、住人が9人。昭和29年に山林を開拓して入植した集落で、野生鳥獣の侵入防止柵設置のため、集落の全員が参加して放任果樹の除去や雑木林などの刈払いなどを行った。そのほか、熊本県立大学の学生なども設置に参加。結果、サルについては被害が少しあったものの、イノシシの被害はなくなった。次年度の目標としてアナグマの対策を掲げている。わな猟の狩猟免許取得も推進し、現在は住人9人のうち4人が免許を保有しているという。営農意欲も向上し、特産加工品を作成したり、栗拾い体験を現地の小学生や観光客に行ったりして、次世代の消費者を育てることにも注力している。【農村振興局長賞(団体の部)】▽(一社)阿久根市有害鳥獣捕獲協会(鹿児島県阿久根市:牧尾正恒会長)同協会は、ジビエに使うための食肉処理施設の設置や食品衛生責任者の確保などを行う他、農業者と緊密な連絡体制を取り、捕獲された鳥獣が短時間で搬入できる体制をとっている。この取り組みにより、全国でジビエとして処理されているのは1割程度なのに対し、市内で捕獲された鳥獣の9割が同施設でジビエとして処理されている。施設設置後、捕獲数はイノシシで約3倍、シカで約10倍増加した。ジビエの効果的な利活用体制と被害対策が両立するモデルとして評価された。▽猪苗代町(福島県猪苗代町:前後公町長)猪苗代町は、平成22年に鳥獣被害対策の専任職員を配置。ニホンザルなどの加害獣をラジオテレメトリー調査している。「住民が主体となる」ことが大切とし、行政は情報をメルマガで配信するなど、支援を行っている。例えばサルは群の位置を把握し、村に降りてくる頃に全員で追い払うなどの対策を行う。これによりサルの被害も激減し、サルの群は集落を避けて通るようになったという。対策には行政と住民との信頼関係が大切。専任職員を配置したことにより、住民との関係が密になり、対策が進んだ。▽上ノ村自治会鳥獣対策協議会(三重県津市:代表者・山口俊博)同協議会は、現時点で確信のもてる方法として「恒久柵と電気柵の管理を徹底すれば被害はかぎりなくゼロに近づける」と話す。集落の周り8kmを、平成23年に恒久柵、25年にそのうち5kmを電気柵にした結果、被害金額が355万円減少、被害割合は8割減少した。シカなどの被害が設置後にあっても、柵があることにより、侵入経路の把握ができること、またイノシシのもぐりこみについては早急に対処することが大切だと述べた。「自分の田畑は自分で守る」ことを中心に、ていねいな合意形成による無理のない全員参加が大事だとした。【農村振興局長賞(個人の部)】中森忠義(岩手県八幡平市)中森氏は、恒久電気柵を使った被害活動の低減に向けた活動について話した。キャベツ栽培にニホンジカによる食害被害があったが、キャベツ栽培のほ場が集落から独立しているので集落での対応は難しい地域だった。そのため、電気柵を活用することになった。飼料用トウモロコシ畑は柵を毎年設置し、毎年撤収する。野菜でこれをすると大変だと考え、作業通路の外側に恒久電気柵を設置することで、機械で行う防除作業などがスムーズに行えるようにした。「電気柵はきちんと設置するときちんと効く」と住人に説明していると話した。同サミットでは、受賞者による講演の他、先進事例報告が行われた。趣旨説明を行った日本獣医生命科学大学野生動物教育研究機構の羽山伸一氏は、鳥獣被害対策について「ピンポイントでの効果はあるが、動物たちに県など地域の区切りがあるわけではないため、広域での取組みや対策が不可欠」と話した。行政の取り組み事例として、国定公園の保護から始まった被害対策として神奈川県自然環境保全センター自然保護公園部野生生物課の谷川潔氏、群馬県鳥獣被害対策支援センターの須川均氏がそれぞれ報告を行った。また民間として鳥獣被害に取り組んできた福島ニホンザルの会の大槻晃太氏、全国にネットワークを作っていこうとするNPO法人新潟ワイルドライフリサーチの山本麻希氏、行政として鳥獣専門指導員を雇用し、各地域ごとに対策を行っている島根県西部農林振興センター益田事務所の大谷浩章氏がそれぞれ報告を行った。このほか資機材展示として電気柵や電気柵設置後の管理に必要な除草剤、ネット、鳥獣の位置把握のためのGPS付の首輪などが展示された。展示していた企業は以下の通り。(株)赤城商会▽北原電牧(株)▽(株)キャムズ▽(株)サーキットデザイン▽サージミヤワキ(株)▽(株)GlSupply▽JA全農生産資材部園芸資材課▽大豊化学工業(株)▽タキロンプロテック(株)▽(株)バーテックスシステム▽ファームエイジ(株)
(狩猟体験、若者に人気:千葉)
鋸南町が始めた「狩猟エコツアー」が盛況だ。特に地元猟師らのガイドを受けながら里山でイノシシのワナ猟を疑似体験する「けもの道トレッキング」が好評で、3回実施した後、2回の追加開催が決まった。今月7日にはツアーの一環として「解体ワークショップ」があり、若者の参加が目立った。こちらも応募殺到で、3月6日の追加開催が決定。人気の背景を探るため、大学教授によるアンケート調査も始まった。ツアーは、イノシシなどによる農業被害の拡大防止に向け、都会の人や若者に関心を持ってもらい、獣害対策の担い手を増やす狙い。トレッキング、イノシシなどの解体、ジビエ料理の3コースが昨年11月から始まった。トレッキングは3回、ジビエ料理が2回行われたほか、解体が今月7日に初開催された。町の集計では、計6回の開催に応募したのは、東京や千葉市などの住民を中心とした計1031人。抽選で計224人が選ばれた。人気のトレッキングは、20人ずつ計60人の定員に対し、9倍の540人の応募があった。応募者の29%を占める20~30歳代や、33%に上る女性は、町にとって予想外。地域振興課は「申込用紙に『ワナや銃の免許を取りたい』と書く若い“狩りガール”が何人かいた」という。町は結局、計3回のトレッキングで、定員を26人上回る計86人を受け入れた。さらに抽選に漏れた応募者を優先し、今月11日と21日、追加開催する。トレッキング、解体両コースの参加者からは「ワナや猟銃の免許を取りたいので参考になった」(20代女子大生)、「ワナと第1種猟銃免許を持っているが、東京在住で実際の猟は難しく勉強になった」(30代夫婦)、「食材と思えば解体にも抵抗はない」(30代女性)などの感想が町に寄せられているという。この人気ぶりに千葉科学大(銚子市)の高山啓子教授(動物危機管理学)は、参加者の意識を調べるアンケートを始めた。高山教授は「調査数がまだ少ないが、参加者の狩猟への関心は高い。欧州では狩猟人口の底辺拡大が始まっており、日本で始まってもおかしくないが、物珍しさの段階ではないか」と分析する。
(ニホンジカ対策シンポジウム:神奈川)
神奈川県立生命の星・地球博物館(小田原市入生田)で2月13日、「箱根、丹沢、富士山、伊豆半島におけるニホンジカ対策の現状」をテーマに公開シンポジウムが開催される。当日は、鳥獣保護管理プランナーの羽澄俊裕さんによる「全国のシカの現状と対策」、神奈川県自然環境保全センターの山根正伸さんによる「丹沢山地のシカの現状と対策」、静岡県農林技術研究所・森林林業研究センターの大橋正孝さんによる「富士山南麓と伊豆半島の地域のシカの現状と対策」、神奈川県立生命の星・地球博物館の勝山輝男さんによる「箱根地域のシカの現状と対策」の講演を行う。講演後には、「箱根、丹沢、富士山、伊豆半島における広域連携のあり方」と「近隣地域の経験を踏まえた箱根におけるシカ対策のあり方」をテーマにして討論会も行う。箱根山系のシカ害調査をしている「小田原山盛の会」の川島範子さんは「箱根も農林業被害や下層植生の退行が出始めている。林業は苗木がシカの角研ぎによって枯れるなど、今後はフェンスなしでは成林しない事が予想されている。近年放置農地が増え、里山はシカのえさ場とねぐらを提供している現実があり、今回のシンポジウム開催の意味は大きい」と話す。
(尾瀬鹿プロジェクト、資金募集目標達成:群馬)
尾瀬周辺で捕獲されたシカの皮を加工して商品化する「尾瀬鹿プロジェクト」がインターネット上で行っていた事業資金の募集が13日で終了し、目標額の100万円を超えた。プロジェクトは、福島県南会津町の小山抄子さん(51)と片品村地域おこし協力隊の本間優美さん(33)が始めた。尾瀬では近年、シカによる植物の食害が深刻化している。プロジェクトでは、駆除されるシカの皮をなめして、コインケースやキーホルダーなどの小物に加工。尾瀬周辺で販売することで、より多くの人にシカの問題を考えてもらう狙いだ。昨年12月から、インターネットを通して共感した人から資金を募る「クラウドファンディング」を実施。1月30日に目標を達成した。金額に応じたリターン(見返り)には、革製品に加え、尾瀬周辺の民宿の協力で宿泊券も用意した。本間さんは「やっとスタートラインに立つことができた。クラウドファンディングがきっかけで、協力してくれる地元の人も増え、尾瀬がいろいろな人に愛されていると実感した」と喜んでいる。尾瀬鹿プロジェクトで開発した革製品は、東京都墨田区の東京スカイツリーの商業施設「東京ソラマチ」5階で開催中の「MATAGI展」(MATAGIプロジェクト実行委員会主催)で展示・販売している。
(ジビエサミット、石破地方創生相が講演:福岡)
シカやイノシシなど野生鳥獣を食材にする「ジビエ料理」について、捕獲から消費まで意見交換する「第2回日本ジビエサミット」が11日から13日まで福岡市で開かれた。13日は石破茂地方創生相が「ジビエへの期待と地方創生」と題し講演した。日本は捕獲しても料理として消費されていない実情を指摘、「活用しなければ経済として成り立たない」と語った。ジビエ料理を試食した石破氏は「本当においしい」と笑顔だった。福岡市内から訪れた喜禎友理さん(31)は「初めて食べたけど、イノシシはクセがなくおいしい」と話した。
(エゾシカ料理に舌鼓:北海道)
エゾシカ肉と地場産食材の料理を楽しむ「北見エゾシカフェスタ2016」(実行委主催)が10、11の両日、北見市山下町のオホーツクビアファクトリーで開かれた。2日間で市内外から約500人が訪れ、多彩な料理を味わった。エゾシカ肉の普及と狩猟への理解促進を目指し、今年で4回目。ビュッフェ形式で、道猟友会北見支部が市内で捕獲したエゾシカ約20頭分の肉を使ったステーキ、カツレツ、カレー、チンジャオロースなどが並んだ。10日夜には、野生生物をテーマに執筆・創作活動をしている札幌出身のイラストレーター新岡薫さんがトークショーを行った。実際のライフル銃に近い約3キロの模擬銃で画面上の鳥を撃ち落とすシミュレーターも設置。旭川から父親と訪れた岩崎仁君(小6)は「重いけど当たると楽しい。お肉もおいしかった」と話していた。
(迷惑イノシシ、糸魚川名物の食材に:新潟)
糸魚川市大洞にイノシシなどの肉を解体処理する施設「惣右エ門」が完成、稼働を始めている。同所の会社員青田徹さん(54)が自宅の倉庫を国の定めた処理や衛生管理のガイドラインに沿って改修した。農作物に被害をもたらすイノシシなどの駆除とともに、ジビエ(野生の鳥獣肉)と呼ばれる食材としての普及や活用を目指している。県によると、県内の獣肉処理施設は2カ所目。糸魚川市では2014年度、狩猟や駆除でイノシシ363頭が捕獲されたが、多くは自家消費か山中に埋められた。ジビエはフランス料理などで高級食材とされ、近年ブームにもなっているが、適切に処理していないと飲食店では利用できなかった。猟友会員でもある青田さんは「せっかく捕獲したのを地元で有効活用できないか」と考え、昨年8月ごろから準備を進めてきた。施設には捕獲した動物をつるす電動ウインチや冷凍庫、真空パック用の機械なども備えられ、解体処理から包装までできる。青田さんや狩猟仲間が捕獲したイノシシなどを処理し、狩猟期の冬場を中心に施設を稼働させる予定だ。いまのところ小売りは考えておらず、要望のある飲食店向けに提供する。これまで自家用を除き5頭を処理し、市内のイタリア料理店や居酒屋などに卸した。青田さんは「これまで駆除するだけで処理施設がなく活用できなかった。衛生管理も徹底しており、安心して食べて、ジビエに親しんでほしい」と話している。
(コラーゲンたっぷり「ジビエラーメン」:熊本)
上天草市の食肉加工会社が、イノシシ肉を使った「ジビエラーメン」の店を同市松島町に開いた。清田政憲社長(72)は「さっぱりスープと、うま味十分のチャーシューが自慢」と太鼓判を押す。同社は、清田社長も所属する地元猟友会などからイノシシを仕入れ、ハムなどの加工品も販売。2014年には、6次産業化法に基づく国の支援対象に認定されている。1頭分の骨を約7時間煮込んだスープと、とろけるような肉質のチャーシューは「高タンパク低カロリーでコラーゲンたっぷり」(清田社長)という。県によると、14年度に県内で捕獲されたイノシシは約2万8千頭で、そのうち天草地域は約7300頭。清田社長は「農作物を食い荒らす厄介者を、逆にヘルシーな名物として売り出したい」と意気込んでいる。
(信州ジビエの魅力をPR:長野)
13日、長野市で信州産のシカ肉を使った料理を提供するイベントが開かれている。企画した県の担当者は、「シカ肉のいろいろな食べ方を知ってほしい」と、ジビエ人気の広がりに期待を寄せていた。
(イノシシ、シカ肉で冬季限定料理:兵庫)
道の駅「あゆの里矢田川」(兵庫県香美町村岡区長瀬)は13日、イノシシ、シカのジビエ(食用野生鳥獣肉)料理「猪鹿(いのしか)鍋定食」(1300円)と「猪豚(いのとん)ハンバーグ定食」(900円)の販売を始める。冬季限定で、施設内の食堂の新メニューとして考案。田渕幸樹駅長(26)は「どちらの料理もさっぱりとした味わい。多くの観光客を呼び込みたい」とアピールする。「あゆの里矢田川」では6~9月にアユ、9~11月に川ガニの料理を提供。しかし、真冬のメーン料理はないため、施設の職員らが昨秋からアイデアを出し合ってきた。町内で鳥獣の捕獲数が増えていることに着目し、ジビエを普及させようと開発。肉は但馬の特産物を取り扱うNPO法人「峰鹿谷(ほうろくや)」(同町小代区)から購入する。鍋定食は、イノシシのミンチ肉とシカ肉のほか、豆腐などが具材。かつおだしのため、あっさりとした味わいに。ほかにも、シカ肉のロースト、コンニャクの煮付けなどおかず5品を添えている。ハンバーグ定食は、イノシシとブタの肉を混ぜて手ごねし、ショウガなどで甘辛く、和風の味に仕立てている。ハンバーグ以外には、シカ肉を使った野菜炒めやごはん、みそ汁などを付ける。鍋、ハンバーグいずれも、ジビエ独特の香りはなく、食べやすいのが特徴。肉質は軟らかく、自然な味わいが楽しめるという。田渕駅長は「町内にある道の駅4カ所でジビエ料理の提供は初めて。多くの観光客に喜んでもらえる」と話す。
(ジビエでペットフード:高知)
シカやイノシシといった有害鳥獣の肉や骨などをペットフードとして有効活用しようと、高知県安芸郡東洋町河内の会社経営、熊谷猛男さん(34)が取り組んでいる。2016年度からは、高知県産業振興計画の安芸地域アクションプラン(AP)にも組み入れられる予定。東洋町出身の熊谷さんは大阪府四条畷市などで会社勤めの後、20歳のころにUターンした。地元土木建設会社を経て、ナス農家として生計を立てていた。経営が安定してきたことから2015年4月、趣味の狩猟を生かし「地域資源のジビエ(野生鳥獣の肉)で東洋町を売り出そう」と、株式会社「熊谷ファーム」を設立した。8月には東洋町の補助を活用して解体処理施設も整備した。現在までに、高知県内外の飲食店に東洋町内などで捕れたイノシシやシカの肉、約100頭分を発送している。しかし食用として使える割合はイノシシで体重の半分、シカになると3分の1程度しかないといい、廃棄している肉や骨などの有効利用のため、ペットフードの試作にも取り組んでいる。ミンチ肉を使ったジャーキーや骨のおやつなどを試作中で、地元の漁業者や農家らと共に、魚と野菜を使ったペットフード開発も進める。計画では、2017年度までにペットフードの加工施設を整備し、販売開始を目指す。インターネットを通じた「クラウドファンディング」による資金確保も検討中で、熊谷さんは「若い狩猟者の育成にも取り組み、東洋町の活性化につなげたい」と話している。
(シカ食害からサツキ守る:兵庫)
兵庫県丹波市青垣町と多可町を結ぶ国道427号の播州峠周辺で、道路沿いに植えたサツキなどの低木が毎年シカの食害に遭い、植栽管理の担当者を困らせている。約20年間、一度も花が咲くのを見たことがないといい、「今年こそは」とこのほど新たな対策が施された。県丹波土木事務所が同市シルバー人材センターに委託している中低木植樹管理業務。国道427号沿いの約3キロ区間(青垣町大名草)は、青垣支部の草刈り班十数人が担当している。毎年2月にサツキやヒラドツツジを約250本植樹するが「すぐに枝葉が食い荒らされる」と、班長の西川一二(かずじ)さん(76)=同町田井縄。被害に遭った木は花を付けずに枯れてしまい、翌年新たな木を補植する“いたちごっこ”が続いているという。そこで西川さんらは昨年、植栽エリアに高さ約70センチのくいを打ち、ポリプロピレン樹脂ひも(PPロープ)を周囲や木々の上に張り巡らせる侵入防止策を取った。しかし効果はなかったため、今年はくいとロープの高さを2メートル近くに上げ、例年の10倍にあたる約2500本を植えた。今月9日に作業を終え、現時点での被害は柵のそばの木々に限られるなど「効果が出ている。今年こそ咲いてくれるのでは」と、同センター職員の男性(64)。西川さんは「交通量の多い道。花があるとないでは町の印象も違う。開花が待ち遠しい」と期待している。

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