<射撃ニュース3月>

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(イノシシに襲われ男性けが:佐賀)
29日午前10時ごろ、佐賀県佐賀市金立町千布の畑で農作業をしていた男性(88)がイノシシに襲われ、両足と右手をかまれて2週間のけがを負った。佐賀署などによると、現場は民家裏の川沿いで、男性がしゃがんで里芋を植えていたところ、体長約50センチのイノシシに背後から体当たりされ、かみつかれた。近くの男性が駆けつけて追い払ったという。男性は「しつこくて命が危ないと思った。逃げていってからも心臓がバクバクだった」と話した。イノシシは同日、早朝から大和町や高木瀬地区など市北部の広範囲で目撃されており、市や佐賀署は「見つけても刺激しないで」と注意を呼び掛けている。
(お騒がせサル、ついに民家で御用:福井)
福井県越前市の中心市街地などで目撃情報が相次いでいたニホンザルが28日、同市上太田町の民家の敷地内で捕獲された。市は29日に殺処分する方針。市農林整備課によると、サルの目撃情報は今月上旬から市中心部の京町、神明町、若松町などで続いていた。22日夕に上太田町の民家で目撃情報があり、23日に同課が敷地におりを設置した。中に、タマネギやニンジンなどの餌を入れておいたところ、28日午後6時ごろ、住人がおりに入っているサルを確認。連絡を受けた自治会長の大久保健一さん(59)が同課に通報し、職員が郊外へ搬送した。立ち会った職員によると、若松町で目撃したサルと顔の輪郭などの特徴が同じという。上太田町では、靴や服、屋内のジャガイモが盗まれる被害も出ていた。大久保さんは「捕獲できて一安心」とほっとした様子だった。
(クマ生息、平均値で2970頭:福島)
県は30日、昨年7~11月に県内5地域でツキノワグマ生態調査を実施し、5地域中3地域で計102頭が確認されたと発表した。この結果を基に換算した結果、全県の生息数は1783~5112頭(平均値2970頭)と推定した。調査は〈1〉中通り(白河市、西郷村、天栄村)〈2〉会津(喜多方市、磐梯町、北塩原村)〈3〉南会津(南会津町)〈4〉相馬(南相馬市)〈5〉双葉(大熊町、富岡町、川内村)で実施。センサーが動物を感知すると動画を自動撮影するカメラを〈1〉~〈3〉に各40カ所、〈4〉、〈5〉は各20カ所に設置した。この結果、〈1〉と〈3〉は各22頭、〈2〉は58頭の計102頭を確認。このデータを基にクマが生息すると想定される範囲に均一の密度で生息すると仮定し、県内全域の生息数を推定した。また、撮影されなかった〈4〉ではツキノワグマの雄の体毛が1検体採取された。体毛はDNA解析の結果、県内で一般的に確認される奥羽地域由来と同じ遺伝子タイプと分かった。
(イノシシ焼却施設:福島)
農作物を荒らす有害鳥獣として捕獲されたイノシシを焼却処分する専用施設が相馬市のごみ焼却施設「光陽クリーンセンター」内に完成し、30日、火入れ式が行われた。施設は鉄骨2階計約240平方メートル。同市と新地町でつくる相馬方部衛生組合が復興交付金を使って昨年11月から建設を進めていた。イノシシを丸ごと処理できるように焼却炉の投入口を大きくし、燃え残りが出ないように炎が集中するように設計されている。1日に処理できるのは60キロ程度のイノシシ3頭まで。ボタンを押して炉の扉を開けると、イノシシを載せるトレーが自動的にせり出すなど機械化されている。排気経路には、放射性物質を吸着するバグフィルターが取り付けられている。東京電力福島第一原発事故の放射性物質が餌を通じて肉にたまるため、仕留めたイノシシを事故前のように食べることはできなくなっており、処分が問題になっている。公有地に埋め、ペット用焼却施設で焼いてきたが、土地の確保が難しく、ペット用は一度に燃やせる量が少ないため解体する手間がかかり、猟友会などが対応を求めていた。式典で、立谷秀清市長は「悩みの一つが解決される。農作物の被害が出ないよう、猟友会などとさらに協力したい」と述べた。
(イノシシの出没について:佐賀)
31日午前8時ころ、佐賀市大和町の春日小学校付近において、体長50センチくらいのイノシシが出没しています。今週になり、佐賀市大和町、佐賀市金立町、佐賀市高木瀬町等において、イノシシが相次いで出没していますので、外出する際は、十分注意してください。
(サルの目撃情報相次ぐ:熊本)
29日から30日にかけて合志市や菊池郡菊陽町などの市街地でサルの目撃情報が相次いでいます。合志市などはサルを目撃しても不用意に近づかないように注意を呼びかけています。合志市などによりますと、サルは29日は菊陽町、30日は合志市を中心に目撃されていて、30日は警察や自治体に少なくとも10件の目撃情報が寄せられたということです。合志市ではサルを捕獲するために警察と連携して捜索するとともに防災無線などでサルを目撃しても不用意に近づかないように注意を呼びかけています。
(野生鳥獣、出荷制限続く)
東京電力福島第1原発事故後、東日本の9県でイノシシなど7種の野生鳥獣の出荷制限が続いている。放射性セシウムの濃度が国の定める基準値(1キロ当たり100ベクレル)を安定的に下回らないためで、事故から5年経過しても出荷制限が全面解除された例はない。肉を加工して地元の名産品にする計画も各地で頓挫している。原発事故でセシウムは広範囲に降り注ぎ、環境省は最大で8県の104市町村を「汚染状況重点調査地域」に指定。市町村が除染計画を策定して除染を行ってきたが、森林はほとんど手つかずのままだ。厚生労働省によると、野生鳥獣の出荷制限は福島以外に岩手、宮城、山形、茨城、栃木、群馬、千葉、新潟の各県で続く。原発事故は、農業被害をもたらす野生鳥獣が増えて、各地で食肉利用を模索する中で起きた。群馬県中之条町の「あがしし君工房」は農業被害をもたらすイノシシを食肉やサラミ、コロッケなどの特産品に加工する施設として、同町や地元JAが2007年から運営を始めたが、出荷制限の影響で12年秋から休業が続く。大きな影響を受けたのが、イノシシ肉の鍋を冬場の目玉として観光客に振る舞っていた同町の四万(しま)温泉。36軒の温泉宿が加盟する四万温泉協会の関良則会長(51)は「旅館が競い合ってオリジナルの鍋を出し合い、観光客にも定着し始めたタイミングで事故が起きた」と残念がる。宮城県丸森町の農家らでつくる「丸森自然猪利用組合」が、イノシシ肉を販売するため10年2月にオープンさせた「いのしし館」も11年8月に閉鎖に追い込まれた。岩手県大船渡市の第三セクター「三陸ふるさと振興」が、ニホンジカの肉を使って09年から売り出した人気商品「けせんしかカレー」はシカ肉に出荷制限がかかったため、製造中止のままとなっている。山中を動き回る野生動物の出荷制限は、県単位でかけられている。全頭検査した上で基準値を下回った個体のみ出荷できる。野生鳥獣の放射性セシウム濃度は、個体ごとのばらつきは大きいものの減少傾向にある。栃木県那珂川町の食肉加工施設ではイノシシの全頭検査が行われているが、2012年度と15年度のセシウム濃度を比較すると、12年度は最大で1キロ当たり1100ベクレルだったが、15年度は340ベクレルに低下した。千葉大の村上正志准教授(群集生態学)によると、落ち葉に降り注いだセシウムは、時間がたつにつれ土壌の粘土粒子に吸着し、生物が取り込めない状態になる。このため、野生鳥獣のセシウム濃度が、半減期に従った「自然減衰」より速いペースで下がっているという。一方、村上准教授は「セシウム濃度は個体差が大きく、出荷制限の解除条件である『安定的に基準を下回る』をクリアするには時間を要する。那珂川町でも10年前後かかるのではないか」と指摘。厚生労働省の担当者は「出荷を進めるには全頭検査してもらうしかない」と話している。
(柴犬ら3匹、モンキードッグに認定:兵庫)
野生のニホンザルから農作物などを守る「サル追い払い犬」の認定書交付式が25日、兵庫県篠山市内であり、3匹の飼い犬に酒井隆明市長から認定書が渡された。これから3匹は、自宅近くに来たサルを追い払う「篠山モンキードッグ」として活動する。追い払い犬は、普段は首にリードを付けるなどして飼われている。だが、サルが自宅近くの畑などに近づいた時にはリードを外してもらって家を飛び出し、サルを追い払うのが役目だ。指示通り追い払い、すぐに飼い主のもとに戻ることが認定の要件。そのため、追い払い犬は、飼い主らの指示にきちんと従う訓練を1年近くトレーナーから受ける。市は2010年から訓練をはじめ、これまでに30匹を認定した。この日認定されたのは、市内の農家が飼っている1~4歳のシバイヌ2匹と雑種1匹。3匹は飼い主とともに交付式に臨み、認定書と認定首輪を渡された。そのうちの1匹、シバイヌのリキ(オス、1歳)を飼う農業の長澤昌宏さん(68)=篠山市乗竹=は「サルはよく来て、近所では家の中まで入られることがある。タマネギやカボチャなど被害は大きい。リキには頑張って追い払ってもらいたい」と話した。
(山沿いのお花見、イノシシご用心:福岡)
本格的なお花見シーズンを迎え、北九州市は山間部でのイノシシの出没に注意を呼び掛けている。市内では山沿いに桜の名所が多くあるが、イノシシが出産期を迎えるこの時期、山からえさを求めて下りてくることがあるという。市の担当者は「えさをあげたり、ごみを放置したりすると、人的被害につながる可能性もある」と指摘する。小倉北区の足立山(標高597メートル)の麓に広がる足立公園。約2400本の桜が楽しめる市内でも人気のスポットだ。だが、ここ数年、イノシシが多い日には10頭ほど公園に出没、周辺の民家の花壇を荒らすなどの被害が出ていたという。近くの住人は「イノシシが人間を怖がらなくなり、困った」と口をそろえる。被害を受け、小倉北区役所は今年1月、公園の入り口にイラスト入りの啓発看板を新たに設置。市もチラシを作るなどして注意喚起に力を入れている。市鳥獣被害対策課によると、市内では昨年度、イノシシの目撃・相談が592件あり、有害として捕獲した数は1067頭に上った。本年度はさらに増える見込みだ。同課の宮元秀樹主査は「人に慣れてくると街中に出没し、人に危害を加える恐れもある」と説明。「他県ではスーパーの買い物袋を狙って襲われた例もある。門司区や八幡西区の山沿いでも目撃情報があるので気を付けて」と話す。花見期間中は、各地の公園にネット付きのごみ捨て場を設けるという。宮元主査は「ごみ捨てのマナーは必ず守ってほしい。かわいらしい(イノシシの子どもの)うり坊を見かけたとしても、安易に食べ物はあげないで」と話していた。
(イノシシ侵入防止、金属製溝ぶたのグレーチング:徳島)
徳島県立農林水産総合技術支援センターは、側溝などで使う格子状の金属製溝ぶたのグレーチングが、野生イノシシの侵入防止に効果があることを確認した。網目にひづめが食い込むのをイノシシが嫌い、グレーチングの上を通らなくなる。鳥獣害対策では集落や畑を防護柵で囲って鳥獣の侵入を防ぐ事例が多いが、人や車が通る出入り口からの侵入が課題で、そうしたポイントとなる道路に敷設する。鹿でも効果が報告されており、対策の一つとして注目を集めそうだ。グレーチングメーカーのダイクレ(広島県呉市)が販売する「テキサスゲート・グレーチング」で効果を確認した。これまで同社などは飼育した鹿などで効果を得ていたが、イノシシで確認したのは初めて。グレーチングの網目が、ひづめに食い込む構造で、イノシシが警戒し侵入が防げたとみられる。同センターの試験では、梨やブドウの試験園地をワイヤメッシュで囲い、出入り口の地面幅3メートル、奥行き2メートルにグレーチングを設置した。目合いは7センチ×10センチのひし形で、グレーチングの下に約30センチの深さの溝を掘った。昨年10月中旬から11月下旬まで40日間、園地入り口をカメラで撮影したところ、118頭のイノシシを確認したが、グレーチングを通過したイノシシは一頭もいなかった。同センターの小池明上席研究員は「慣れによる侵入が懸念されるので、引き続き調べるが、効果は大きい」と県内でイノシシや鹿に悩む地域に、グレーチングの活用を見込む。ダイクレによると、グレーチング費用や施工代は、道幅が3、4メートルの場合、200万円近くかかるという。滋賀県や長野県で12件の設置事例がある。同社は「鹿に続きイノシシで効果を実証でき、イノシシ対策での使用を広めたい」と強調する。
(プロの狩猟家が進める「自然資源」の好循環:静岡)
かつて日本の里山は、野生動物の住む山林と、人々が住む里の緩衝地帯として、さまざまな役割を担ってきた。それは適切に人が自然に手を入れることによって、山林や生態系が豊かに保たれ、またそれを人が生活に活用することで“循環型”の暮らしが営まれてきたのである。しかし、現在里山の多くは、過疎化や高齢化が進行する中で、耕作されない農地、いわゆる“耕作放棄地”が拡大し、さまざまな問題が起こっている。そのひとつが、今まで山に暮らしていた鹿やイノシシなどの野生の動物が里山に頻繁に現れ、農作物や林業に大きな損害を与えているという問題だ。その被害は深刻で、全国で240億円もの農作物被害が報告され、林業への被害も約9千ヘクタールと膨大だ。これらの被害は、農家や林業家の生産意欲を減退させ、それがまた耕作放棄地を増やし田畑が荒れるという悪循環を生んでいる。特に、ニホンジカの繁殖率は年に2割前後と高く、4~5年で個体数は倍になるため、農家にとっては本当に死活問題なのだ。この野生獣の問題に対して、伊豆半島の南端、静岡県南伊豆町で新しい試みが始まっている。この町で生まれ育った黒田利貴男(ときお)さんらが設立した株式会社森守は、野生獣を捕獲するだけでなく、人と動物が共存できるような森作りを進めている。その試みの中心となるのが、同社が運営する、昨年11月にオープンした『野生獣肉処理センター』だ。現在日本では、年間97万頭の野生獣が捕獲されるが、活用されているのは2割ほどしかなく、残りは山に埋められるか破棄されている。昨今は、ジビエとして野生鹿やイノシシ肉などが特産品として利用されはじめ、全国にも110を超える処理加工施設があるが、黒田さんらのように、国や行政の補助を受けず完全民営で経営するケースは珍しい。同センターでは、補助金を使わないことにより、動物の命をすべて無駄にせず、まるごと活かすことが可能となった。食用となる肉はもちろん、それ以外の従来廃棄されていた部位はペットフードなどに利用され、ゴミになる部位はほとんどない。また、南伊豆で捕獲され、森守の定める条件をクリアした獣は1日5頭まで受け入れる。これにより、今まで無駄にされていた部位すべてが活かされ、野生獣を持ち込んだ猟師の収入にもなる。さらに、処理加工の雇用が生まれ、商品として販売することで経営的に安定し、それがまた森や里山に活かされるという循環をつくる。黒田さんは森守の思いをこう表現する。「すべての命を無駄にせず、命と森を守り、育てる」その思いの核になるのが、この処理センターなのである。10歳の時から、猟師のお父さんの後について山を歩いてきた黒田利貴男さんは、南伊豆の山を知りつくすプロの猟師であり、林業家でもある。その両方の経験は、野生獣の管理や活用に留まらず、それを囲む山と森、海といったつながりも考えて活動する視点を生み出している。「山や森が荒れれば、海も荒れる」山と海の両方に恵まれている南伊豆の自然を見てきた黒田さんの言葉には説得力がある。そのため、その活動は、森林資源の活用、耕作放棄地の再生、狩猟者や加工処理の人材育成、自然を活用したエコツーリズムと幅広い。最近では、都市部でも黒田さんの活動を応援する人が増え、環境イベントなどでの講演も増えている。また、シカの端肉を使ったソーセージは人気で、製造が追いつかないほどだ。南伊豆の木で作った炭で、シカ肉のソーセージを焼いて販売し、その売上で山や耕作放棄地を手入れするといった循環が、実際に生まれてきているのである。やや強面の黒田さんだが、狩猟で鹿を撃たなければならない時は話しかけるという。「どうして出てきたんだ? 森にいなくちゃだめじゃないか」と。限られた自然資源の中で、野生動物とどう折り合っていくか、問いかけはこれからも続いていく。
(野生動物との交通事故防止に向けたサービスの提供開始)
三井住友海上火災保険株式会社(以下、三井住友海上)は4月より、野生動物との交通事故多発地点へ接近すると音声で注意を促すサービスを開始することを発表した。環境省等の関連省庁や株式会社インターリスク総研と協力して開発されたサービスで、三井住友海上が2012年8月に提供を開始しているスマートフォン向けアプリ「スマ保「運転力」診断」を活用したものだ。「スマ保「運転力」診断」はドライバーの運転傾向を分析し、運転前・運転中・運転後のさまざまなタイミングで、アラート発信などにより事故防止のためのをサポートするサービスだ。今回追加されたのは、「スマ保「運転力」診断」アプリを利用中に動物事故多発地点や区間に接近すると、動物の生活史、出没時間、天候による出没率などに応じた音声アラートを発信し、ドライバーに注意を促すという内容だ。動物の突然の飛び出しなどに余裕を持って対応できるように、速度超過時にも音声アラートが発信される。毎年全国各地で発生している野生動物と自動車の接触事故は、自動車の損害や人的被害ばかりではなく、ヤンバルクイナ等の希少動物をはじめとした野生動物の轢死(ロードキル)なども引き起こし、生物多様性の損失に繫がる可能性もある。今回のサービスは、こうした状況を受けて、接触事故を減らし生物多様性の維持を確保することを目的として開発された。なお、サービスの対象は沖縄県(ヤンバルクイナ)を皮切りに、「奈良のシカ」(奈良市奈良公園)、「エゾシカ」(北海道)、「イリオモテヤマネコ」(沖縄県)ほか、全国各地の地域・動物に拡大させていく予定だ。
(白装束団体がカラス餌付け:福井)
福井市五太子町に拠点施設がある白装束の団体「パナウェーブ研究所」が、施設近くの林の中でカラスに餌づけを行っており、餌を目当てに集まってくるカラスの大群によって、同町内の農作物が荒らされるなどの被害が出ていることが三十一日分かった。地元自治会は、餌づけをやめるよう数回にわたり団体に申し入れているが、やめる様子はないという。地元自治会によると、餌づけは約二年前から始まった。餌づけ場所は、団体の施設から百メートルほど杉林の中に入った所で、畳二畳分ほどの白色の四角い台が二個設置されており、そこに団体メンバーが不定期に餌を運んでくるという。餌はパンくず、スパゲティなど残飯類とみられるものが使われているらしい。同町内の男性は「晴れた日はカラスが二百羽以上集まり、家の上空を飛び回っている」と話す。このカラスによって、同町の農家十軒が栽培するジャガ芋、白菜、イチジク、柿などが食い荒らされる被害が出ている。ある男性は昨年、イチジク、柿の実をすべて食べ尽くされ、イチジクは根も被害を受けたため切り倒さざるを得なかったという。畑の収穫もほとんどない状態で、この男性は「群れをなして稲の苗や野菜のビニールハウスを破ることもある。洗濯物や車などのふん害もひどい」と憤る。自治会と団体は数度にわたって話し合いを行っており、昨年三月には餌づけをしないとの誓約書を交わしたこともあるが、その後も改善されていないという。自治会役員の一人は「二年前までカラスの害などなく、何度もやめるよう申し入れたのに無視されてきた。高齢化が進んだ地域で、老後の楽しみにやっている田畑が荒らされ、鳴き声のストレスも大きい。忍耐はもう限界で、一刻も早く餌場を撤去してほしい」と訴えている。一方、団体側は「動物愛護の観点から野生動物に餌を与えているが、カラスだけに与えているつもりはない。ただ、カラスにより地元住民に迷惑が掛かっていることも知っている。住民との話し合いで解決策を模索したい」と話している。
(福島ダイハツ販売が職員用のイノシシ革製品を採用:福島)
福島ダイハツ販売(青木信幸社長)は地域貢献の一環で、職員のネームホルダーに伊達市農林業振興公社(佐藤真也代表理事)のイノシシ革製品を採用する。28日に同市霊山総合支所で引き渡し式が行われた。同公社は有害獣として捕獲されるイノシシを地域資源として活用。さまざまな商品を開発している。同社は、当たっても車両を傷つけない利点に着目し、イノシシ革のネームホルダーを採用することにした。式では、佐藤代表理事がダイハツロゴ入りネームホルダー200個を青木社長に手渡した。青木社長は「ダイハツはラブローカル活動を展開している。(ネームホルダーで)福島から明るく元気な情報を発信していきたい」と述べた。同社の菅野晃常務が同行した。
(イノシシを観光資源に:広島)
イノシシなど野生鳥獣の肉「ジビエ」を通じて地域を活性化しようと、佐伯区湯来町の「湯来ジビエの会」が、専用の食肉処理場を整備して奮闘している。山根正代表(67)は「町内にイノシシを食べに来てもらい、活性化につなげたい」と力を込める。町内には温泉などがある関係で、元々冬場にボタン鍋が提供されていた。しかし、温泉地の衰退や町内に食肉施設が無いことで地元産のイノシシ肉の供給は先細り。一方でイノシシは地域の農作物を荒らし、被害をもたらしていた。そこで、町内では2014年に「湯来ジビエの会」を結成。会は町の猟師等約30人で構成し、ジビエを活用した地域活性化を目指している。現在、地元飲食店に供給し、地場特産品としての定着を目指している。現在、イノシシはわなで捕獲。処理の仕方は県内外の先進地に行って学んでいる。市補助金を活用し、ジビエ処理施設「湯来ジビエ ぼたん・もみじ」を整備した。新メニューの開発や、地元飲食店と協力してジビエを生かした新たな観光資源の開発に取り組んでいる。現在、町内にある湯来ロッジ▽旅館藤乃屋▽河鹿荘▽森井旅館▽お好み焼き家okoじゃ▽花カフェまつのじ▽郷土料理もみじ−−で食べることが可能だ。今年度は40頭を販売。またイノシシの皮製品としてペンケースなども製作した。更に出荷頭数を増やしていく予定という。山根さんは「そのためにも湯来のイノシシは最高と言われるような処理技術を磨いていきたい」と意気込む。
(「イノシシ」をテーマにワークショップ:神奈川)
旧片浦中学校を拠点に活動する「片浦食とエネルギーの地産地消プロジェクト」が3月31日、イノシシをテーマにしたワークショップを「きのこ苑・お山のたいしょう」で開催する。2月21日に開催した同企画。前回に引き続き、イノシシについての学習会と足跡フィールドワーク(実地調査)を行う。今回のワークショップでは、イノシシの生活や習性について、「神奈川県立生命の星・地球博物館」学芸員の広谷博子さんと、神奈川県「県西地域県政総合センター」鳥獣被害防除対策専門員の黒谷祐介さん、井上亜弓さんを迎え、話を聞く。フィールドワークでは、チェックポイントを巡り、ひそみ場、足跡、獣道、掘り返しの痕跡などを確認し、イノシシの行動を把握する。昼食にはイノシシ肉のバーベキューランチを用意する。運営する同プロジェクトの帰山寧子さんは「イノシシを知ることから始めたワークショップ。前回はイノシシの意外な生活を知ることができた。今回も生活や習性などを把握していきたい」と話す。
(犯罪恐れる米の高齢者、射撃訓練場に殺到:アメリカ)
オースティンタウン・シニアセンターでは最近のある月曜、絵を描いたりビンゴゲームをしたりといった活動と並んで射撃教室が開催された。60代と70代の約10人が午前9時45分頃、車で近くの射撃練習場に向かった。間もなく、軽量コンクリートブロックの壁に囲まれた薄暗くじめじめした部屋で、つるされた紙の標的を狙う射撃が始まった。元体育教師で最近退職したフィリス・エングラーさん(63)は「肩が関節炎なので(銃を)構えるのは大変だったが、練習すれば大丈夫だと思う」と話した。彼女は拳銃を購入し、他人に見えない形で銃を携帯する「コンシールド・キャリー(隠し持ち)」の許可を申請する予定だという。全米ライフル協会(NRA)によると、2015年にNRA公認インストラクターによる銃器の基礎訓練コースを受けた65歳超の受講生は2万2739人と、5年前の4倍に達した。NRAの広報担当者は、この年齢層の増加率は全体を大きく上回っていると述べた。全米の銃ディーラーが、犯罪やテロを恐れて射撃訓練を受ける高齢者が増えていると話している。ダンカンズ・アウトドアショップ(ミシガン州ベイシティー)のオーナー、グレン・ダンカン氏は、自分の生徒のうち高齢者の割合は3分の1以上であり、5年前の10%から上昇したと述べた。全米射撃協会(NSSF)の推定によれば、拳銃のターゲット射撃に参加した人の平均年齢は14年時点で42.4歳と、09年の39.1歳から上昇している。多くのディーラーや高齢者が、身の安全が優先だと話した。ブラックウイング射撃センター(オハイオ州デラウエア)のオーナーは、銃の撃ち方を知っていれば高齢者は「安心感を得られる」と述べた。このセンターは95歳の生徒を受け入れたこともある。オクラホマシティーで印刷ショップを営むスティーブン・アイラーさん(71)は、見知らぬ他人の脅威を感じた2つの出来事の後に拳銃購入を検討し始めた。夫妻は、「毎日のようにニュースになる」と夫が話す無差別銃撃、精神に問題を抱えた人々、「過激派」について心配している。アイラーさんはインターネットで銃のリサーチをした後、3月上旬にオクラホマシティーのH&Hシューティング・スポーツで半自動ピストル「グロック」を2丁購入した。1丁は自分用、もう1丁の小さいモデルは妻用だ。同店での講習に申し込みを済ませており、車のグローブボックスに入れて運ぶため、コンシールド・キャリーの許可を申請する計画だ。こうした購入客が誤った方向に向かっているかもしれないとの声もある。ハーバード大学のデービッド・ヘメンウェイ教授(公衆衛生学)は、銃の所持が「自分を助けてくれないことを示す証拠はかなり有力だ」と述べた。自宅に銃があると、自殺や発砲事故のリスクは高まるが、侵入者を撃つのは難しい。「狂ったように心臓が高鳴り始める」うえ、「相手が走って向かって来たら、0.5秒ほどしか余裕はない」ためだ。では、不安な高齢者はどうすればいいのか。ヘメンウェイ教授は「犬を飼う、上等な鍵を手に入れる、いい隣人を得る、携帯電話を入手する」などを行うべきだと述べた。高齢者の需要を一因として米国の銃市場は活況を呈している。NSSFによると、12~2月には、銃購入に関係した犯罪歴調査が前年同期を29%上回った。ディーラーによれば、犯罪やテロへの懸念のほか、銃の保有がいずれ規制されるとの不安も需要を押し上げている。米有数の銃器メーカー、スミス・アンド・ウエッソン(S&W)は、11-1月期の売上高が62%増加し、株価が過去1年で2倍以上に上昇している。ダンカン氏は、高齢者による需要の拡大について、「生活が変化したことを示す。捜査機関が全員を守ることはできない」と述べた。また、ターゲット射撃はゴルフやテニスほど動かなくていいため、趣味を求めてやってくる高齢者もいるという。
(おいしいジビエ料理、でも気をつけて)
ジビエ(野生の鳥獣)料理を楽しむ人が増えています。それに伴ってか2015年、E型肝炎の国内での発症例が調査開始以来、最多の187人となりました。E型肝炎の危険を知っていますか?シカやイノシシ、野ウサギ、野生の鳥などを材料にした「ジビエ料理」が静かなブームです。ジビエ専門のレストランもできて、より多くの人が楽しめるようになってきました。人気の背景には、牛のレバーの生食の販売・提供の禁止(12年7月)や、豚の肉やレバーなど内臓の生食の販売・提供の禁止(15年6月)があるようです。そもそも牛や豚の生食が禁止されたのは、腸管出血性大腸菌による重い食中毒やE型肝炎ウイルス、その他の食中毒菌による感染症が懸念されるからです。ジビエ料理にも同じような危険性がありますが、特にE型肝炎の患者数は例年を上回るペースで増えています。厚生労働省では、「野生鳥獣肉の衛生管理に関するガイドライン」を作成しています。E型肝炎はE型肝炎ウイルス(HEV)に感染して起こる急性肝炎で、慢性化することはありません。2〜9週間の潜伏期間を経て、黄疸(おうだん)、発熱、腹痛、食欲不振、悪心・嘔吐(おうと)、肝機能の低下、肝腫大などの症状が現れます。多くは安静にしていれば治癒しますが、なかには重症化して、治癒までに数カ月かかることもあり、さらには劇症肝炎(急性肝不全)になると死に至る場合もあります。特に妊娠中は劇症化するリスクが高くなるので要注意です。E型肝炎にはまだ有効な治療法がありません。安静と食事療法、症状に対する対症療法が行われます。重症化(劇症化)した場合には、血漿(けっしょう)交換や肝移植が必要になる場合もあります。また、ワクチンなどの予防法もなく、感染リスクの高い地域での水や食品の摂取に注意を払うこと、生水や生肉はとらないことなどが最大の予防になります。E型肝炎はこれまで、旅行者に多い「輸入感染症」でしたが、最近では渡航していない人にも起こる「国内発症例」が増えています。03年には国内で獲れたシカの生肉を食べた人が発症したケースもあり、決して輸入だけではないことが明らかになりました。予防は何よりもジビエを生では食べないことです。狩猟で獲れた新鮮な肉でもウイルスや寄生虫に汚染されているリスクは高いのです。新鮮かどうかは関係ありません。必ず火を通した物を食べましょう。中心部温度が75度になるまで1分間以上しっかり加熱します。正しい食べ方をすることがジビエ料理を楽しむ大前提であることを覚えておきましょう。

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(ライフル銃の実弾誤射、隣家の壁を損壊:埼玉)
25日午後7時10分ころ、川越市的場1丁目の民家の住民から「破裂音がして、壁に穴が開いている」と110番があった。川越署によると、隣家の60代の男性がライフル銃の実弾1発を誤って発射、民家の壁を損壊した。けが人はいなかった。通報で駆け付けた署員が隣家の男性から事情聴取。男性は自宅にあるライフル銃の保管室で手入れをしていて、装てんされていた実弾1発を誤って発射したという。男性は実弾装てんの有無を確認していなかった。同署が詳しい原因を調べている。
(シカ街中逃げ、深夜に捕獲:広島)
27日、広島市の中心部にシカが出没した。9時間にわたって街中を逃げ続け、深夜、住宅街で捕獲された。27日午後3時頃、広島市西区大芝で「シカが泳いでいる」と警察に通報が入った。そののちも市内各地で目撃情報が相次いだ。一旦は捕獲を試みるも、失敗。夜になって、南区皆実町の住民がビルにいるところを発見。深夜0時前にようやく捕獲した。ケガ人はいなかった。広島市によると、捕獲したシカは体長約2メートルの野生のオスで、専門家の意見を参考にし山に返したという。
(競走馬なぜ撃たれた、死骸発見から1カ月:北海道)
日高管内新冠町朝日の軽種馬牧場「競優牧場」で、銃で撃たれて死んだとみられる競走馬2頭が見つかって、28日で1カ月となる。静内署が経緯を調べているものの、目撃情報はなく、銃弾も見つかっていない。誰が、なぜ競走馬を撃ったのかは不明のままだ。現場は軽種馬牧場が並ぶ「サラブレッド銀座」と呼ばれる地域で、牧場関係者や住民には不安が広がっている。静内署によると、2頭は1歳の牡馬(オス)で、1頭は右腹部に銃で撃たれたような痕、もう1頭は目を動物にかじられたような痕があった。死因はそれぞれ、内臓損傷と脳損傷。現場付近の複数の住民が前日の2月27日午後9時ごろ、銃声のような音を聞いたといい、付近には猟銃の空の薬きょう3個が落ちていた。馬の体内から銃弾は見つかっておらず、道警は3月中旬までに計4回、牧場の敷地内を捜索。3月4日には捜査員約30人が金属探知機を使い、反応があった地点を掘り起こしたが、銃弾は見つからなかった。新冠町内では、牧草への食害を防ぐため、エゾシカの駆除が通年で行われている。日高振興局によると、町内では昨年度、2414頭が駆除された。道猟友会日高中部支部(新ひだか、新冠両町)の会員は131人(昨年3月末時点)で、牧場関係者が猟銃免許を持っている例も珍しくない。ただ、馬が撃たれたとみられる夜間にエゾシカを駆除することは、鳥獣保護法(銃猟の制限)で原則禁止されており、「エゾシカと間違えて誤射したとは考えにくい」(牧場周辺住民)という。何者かが競走馬を銃で撃ったとすれば、馬産地に与える影響は大きい。近隣牧場の従業員は競走馬が銃で撃たれた可能性があることについて「ショックだし、新冠のイメージが悪くなるのはつらい」と肩を落とす。競優牧場は1960年代後半に活躍した名馬タケシバオーを生産した名門の一つ。牧場関係者によると、死んだ2頭は、中央競馬のG1で2勝した種牡馬ローレルゲレイロの産駒。日高軽種馬農協によると、競走馬の競り市の一つ「サマーセール」で、昨年の1歳馬1頭当たりの平均額は466万円だった。
(立ち入り禁止解除、イノシシ捕獲で安全確認:静岡)
イノシシが人を襲ったことを受けて8日から一部を立ち入り禁止にしていた浜松市浜北区の県立森林公園は25日午前、イノシシが捕獲されるなど、安全が確認されたとして規制を解除した。同日午前9時、同区尾野の同公園ビジターセンター「バードピア浜北」では、職員が散策路の入り口に置かれた柵を撤去した。同公園は、野生動物に餌を与えないことやフラッシュ撮影の禁止を呼び掛ける看板を新たに園内に設置するなどして、再発防止に努める。同公園を指定管理する「フォレメンテあかまつ」の伊藤副武事務局長は「安心して利用いただけるようパトロールを強化していく」と話した。立ち入り禁止解除を受け、通常営業に戻るが同公園での夜間のキャンプについては受け入れ中止を継続する。
(シカ・イノシシのジビエ料理、寄生虫ご用心:岐阜)
野生のシカとイノシシが、人にも感染する寄生虫に高い割合で感染しているとの調査結果を岐阜大学などのグループがまとめた。ジビエ(野生鳥獣肉)料理として全国的に利用が広がる中、加熱の徹底など取り扱いに注意を呼びかけている。調査は、2013年から今年にかけ岐阜県の長良川と揖斐川水系で捕獲されたシカとイノシシを調べた。人が体内に取り込むと食中毒症状を起こす恐れがある住肉胞子虫は、シカで食用部位の背ロースとモモからそれぞれ90%(60頭中54頭)と88%(59頭中52頭)の高い割合で検出された。イノシシではそれぞれ46%(26頭中12頭)と43%(21頭中9頭)だった。住肉胞子虫が原因とみられる健康被害は、11年に滋賀県でシカ肉のステーキを食べたグループが下痢や嘔吐おうとを訴えた事例がある。また、シカの肝臓の65%で、人に感染すると肝炎や胆管炎を引き起こす槍やり形吸虫が検出された。いずれの寄生虫も調理時に十分加熱すれば死滅する。調査にあたった同大応用生物科学部の松尾加代子・客員准教授(寄生虫学)は「食用部位にも寄生虫が潜んでいることが確認された。ジビエの安全な普及のためにも解体時に内臓になるべく触らない、調理時は十分加熱するなど取り扱いに注意してほしい」と話している。
(専門ハンターがカワウ捕獲:群馬)
野生鳥獣による農作物被害が深刻化している問題で、群馬県鳥獣被害対策本部(本部長・反町敦副知事)は24日に県庁で開いた会合で、新年度の方針を確認した。内水面漁業に被害をもたらすカワウについて、高い捕獲技術を持つプロ集団が撃ち落とす「シャープシューティング」と呼ばれる手法を導入する。太田市の金山周辺で出没が相次いでいるイノシシは、市と協議して新たな捕獲計画をつくり、被害の拡大を食い止める。
(723戸停電:新潟)
26日午前5時半すぎ、新潟市西蒲区巻甲で723戸が一時停電した。東北電力新潟営業所によると、カラスの巣と高圧線が接触したことが原因とみられる。
(イノシシの数、管理計画:山形)
県内では一時絶滅したと考えられていたイノシシが近年、増加している。これに伴い、イノシシが農地を荒らす被害も発生している。県は新年度、生息数を適正な水準に減少させて農林業被害の軽減を図る「県イノシシ管理計画」を初めて策定する。県内では、狩猟や土地利用の拡大などにより、明治末期の記録を最後にイノシシの生息情報はなくなり、絶滅したとみられていた。しかし、1990年代になって、西日本を中心に全国的にイノシシの農業被害が発生し、生息域を拡大させながら数を急激に増やしていった。県内でも再び、2002年1月に天童市で1頭が捕獲されて以降、村山、置賜地方を中心に捕獲数が増加。14年には152頭に及んだ。県は、15年度末時点の生息数を約1900頭と推定している。生息数が増加するにつれて、県内でも農業被害も深刻になっている。14年度の被害はコメやカボチャなど61・4ヘクタールで計1976万円相当に達した。今後、林業や生態系への被害を含め、県内全域での影響が懸念されている。計画案では、県内全域を対象に電気柵や緩衝林の整備、除草など、イノシシが農地や集落周辺に侵入するのを防ぐ取り組みを推進する。また、狩猟などで捕獲していくことで、生息数の抑制を図ることを基本目標としている。計画案では具体的な数値目標も掲げている。毎年440頭以上の捕獲を目指し、推定頭数を現在の約1900頭から、20年度末には1400頭以下とする。捕獲を促すため、狩猟免許の所持数も14年度の2265件から、20年度には3000件まで引き上げる。また、イノシシの狩猟期間についても、これまでは11月15日~翌年2月15日としていたのを、3月31日まで延長する。積雪期の狩猟期間を延ばすことにより、雪の中で足跡を追いやすくするためだという。県みどり自然課では、「総合的な対策をとることで、イノシシの頭数が増えないようにしていきたい」としている。
(ストップ鳥獣害:静岡)
静岡県の伊豆地域はニホンジカの生息密度が1平方キロ当たり27頭プラスマイナス12頭(2007~2009年度)と、自然植生への被害がないといわれる密度(3~5頭)の10倍近くに達し、中心となる伊豆市ではシカによる農林水産物被害額が4178万円(面積14ヘクタール、いずれも2011年度)に上る。同市は2015年度までの3年間で被害額を2924万円(同9.8ヘクタール)にまで減らす目標を掲げる。
(“日本流ジビエ”を世界に広めたい:三重)
「ジビエ」とは、狩猟で捕らえたシカやカモといった野生鳥獣の食肉を意味するフランス語。昔は貴族など上流階級の人々が、狩猟シーズンに大地の恵みに感謝しつつジビエ料理をいただいていた。現代でも本場フランスでは、秋の狩猟解禁とともにレストランで赤ワインと一緒に楽しむなど、毎年のイベントとしてジビエ料理は定着しているようだ。そんなジビエが、低カロリーで高たんぱくな食材として日本でも数年前にブームになったことは記憶に新しい。農作物の鳥獣被害に苦しむ全国の地方自治体では、捕獲したシカやイノシシをジビエとして活用しようという試みも増えている。害獣とはいえ捕獲したシカやイノシシを食肉として消費することは、命の尊さを考えれば当然の流れだろう。国もこうした動きを後押ししている。2007年12月に「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」を成立させ、鳥獣捕獲や食肉処理施設の設備充実に必要な費用を補助している。それでも、野生鳥獣による農作物の被害金額は2014年度で約191億円と甚大なもので、「朝起きて畑を見たら作物がなくなっていた」という経験のある農家も数多くいると聞く。鳥獣被害がある地方自治体の約9割がなんらかの防止策に取り組んでいるものの、環境省では今後も野生のシカやイノシシの個体数が増えると予測している。こうした状況で、ジビエで注目されているのが三重県だ。県内を中心に三重県産のジビエがかなり普及している点を特許庁が認め、2015年2月には「みえジビエ」として商標登録も果たした。普通名詞である「ジビエ」に地域名を組み合わせただけの商標登録は全国でも初という。みえジビエの特徴は、厳しい基準の品質・衛生管理マニュアルが存在することと、このマニュアルに準拠してシカなどの解体、販売などを行っている事業者を県が審査し、お墨付きを与える登録制度があることだ。マニュアルは、原則として散弾銃で捕獲した個体は使わないといった捕獲時の規定から、と殺後に解体処理施設に搬入するまでの時間や解体時のナイフの使い方まで細かく記載されており、食肉としての安全面を考慮した内容になっている。登録制度は2013年12月にスタート。第1回の登録施設は9施設だったが、2015年12月の時点では94施設と順調に数を伸ばしている。解体処理施設として登録されている「いがまち山里の幸 利活用組合 かじか」では、主に罠で捕獲したシカを解体している。さらに安全性を考慮して「罠にかかった後、暴れるなどして死んでいた個体は使わない」(代表理事組合長の中森秀治氏)という。生きているシカに対して、放血などの処理をし、60分以内に施設に搬入、食肉用に解体している。マニュアルに基づく徹底した品質管理が行われている。解体後のシカ肉は、ロースやモモなどの部位に分けられ真空パックで出荷される。罠で捕獲したシカであっても過去に散弾などを受けているケースもあるので、出荷前には金属探知機でのチェックを実施。もちろん大腸菌やサルモネラ菌などの細菌検査も怠っていない。出荷数は順調に伸びているようだ。平成26年度は約360頭を解体したが、「平成27年度は約500頭になる」と中森氏。今後の出荷増に対応するため、現在は冷蔵庫をより大型で最新のものに変更している最中だ。「(かじかの)近所では被害も減ってきている」と、中森氏は笑顔を見せる。詳しいことは教えてもらえなかったが、ジビエをさらにおいしくする工夫もテスト中という。中森氏はみえジビエの将来について「もっと一般の人が食べられるものにしたい」と話してくれた。みえジビエの品質に自信があるからこその言葉だ。実は「もっと一般の人が食べられるものにしたい」という目標は、みえジビエだからこそ立てられるものといえる。厳しいマニュアルに準拠して解体されたみえジビエのシカ肉は、放血などがしっかりしていることもあり臭みの少ないクリアな味わいになっている。みえジビエは肉の臭みが苦手な人でも食べられるのだ。加えて、みえジビエは年間を通じて供給ができる可能性がある。というのも、農作物に被害をもたらす鳥獣の捕獲は狩猟と違い、ほぼ一年中実施が認められているからだ。みえジビエは、秋の狩猟シーズンから冬にかけて出回る限定的な食材ではない。いつでも手に入る、臭みの少ない健康的な食肉を目指している。また、みえジビエはフランス料理以外にもさまざまなスタイルで食べられるのも面白い。登録事業者のなかには、有名カレーチェーン「カレーハウスCoCo壱番屋」の三重県下の店舗が含まれている。期間限定だが、過去4回みえジビエを使ったカレーを提供している。カレーだけでなく中華にもみえジビエは使われている。三重県・亀山市にある「中国名菜 しらかわ」は、みえジビエを使ったメニューを積極的に展開。ジビエと中華のマリアージュは全国的にも珍しいものだ。店長の白川貴久氏は、肉質や味だけでなく「実際に解体している現場を見学させてもらって、これは信頼できると確信した」と、安全面を評価し、食材として活用することを決めた。人気メニューは、「みえジビエ鹿肉のオイスター炒め」だ。ほかにも「みえジビエ 鹿肉の特製チャーハン」など、ポピュラーな中華料理にみえジビエを合わせている。「食べやすいし肉が硬くならないのがみえジビエのいいところ」と白川氏。現在は新メニューを開発中で、それはなんとシューマイだという。「いい肉を使うからには妥協はしない」(同氏)と商品化にはまだ少し時間がかかるようだ。みえジビエの将来について白川氏は、「しらかわだけではやっても意味がない。三重県を代表する食材として家庭でも気軽に使われるようになってほしい」と三重県にエールを送った。では、フランス料理店はみえジビエをどのようにとらえているのだろうか? 三重県立美術館内にあるフランス料理店「ミュゼ ボンヴィヴァン」の代表取締役、出口直希氏は「フランス本国にはない日本独自の味わい」とみえジビエを評し、「現代の嗜好に合っている」と話す。そもそも出口氏は、10年以上前からジビエ料理を提供しており、ジビエ料理の作り方を地元の中学や高校で教えることもある“ジビエの伝道師”。「ジビエはフランス料理の花形の食材で、その店のトップのシェフしか扱えないことが多い。若い料理人にとってはあこがれの食材」(同氏)と語るように、ジビエに精通している。出口氏は、みえジビエについて、食肉処理のマニュアルがしっかりしているため、「肉の品質や味が安定している」と話す。昔は購入する猟師によって味や品質がまちまちだったという。現在は登録業者から1頭買いでシカを購入し、昨年は70頭分売れたというから驚きだ。また、みえジビエは「日本発、世界に発信できるジビエになる」(同氏)とも。ほぼ一年中捕獲できるため、季節に合ったジビエの楽しみ方を提案できることが理由だ。「季節ごとに個体の脂ののりが違ったり、春なら若い個体が入手できるかもしれない。それぞれに味付けを変えたり、旬の野菜を組み合わせたりといった新しいスタイルが提案できる」(同氏)と語る。同店の人気メニューは、「美杉産頭買い鹿肉のロティ 食べ頃部位を本日の仕立てで」。1頭買いしたシカを「熟成を加えながら、(特定の部位だけがなくならないように)うまく回している」(同氏)。出口氏によれば、ジビエは「ローストするときの火加減が重要で、オーブンで30秒焼きすぎただけで味や軟らかさが違ってくる」という。みえジビエの将来については、現代の嗜好に合っているので、和食などへの展開を期待したいとのこと。「居酒屋でシカ肉のメンチカツが手軽に食べられたら面白いと思う」(同氏)と話してくれた。みえジビエは、三重県が中心となって、一般企業でいえば営業となって活躍の場をどんどん広げている。昨年は三越のお歳暮にも採用され、今年は中部国際空港発のJAL国際線の機内食としても提供が始まっている。関係者の目標である「一般の人にもっと広めたい」は着実に前進しているようだ。三重県下の一部スーパーではみえジビエを扱っており、ハンバーグなどの加工食品も登場するなど、一般家庭にも徐々に浸透し始めている。今後の課題は、「県外と海外への進出」と、三重県農林水産部 フードイノベーション課の久保村実氏は話す。本場フランスのジビエを食べたことがある方からは「もう少し臭みがあってもいい」という感想をもらうこともあるそうだ。だが、欧州でも都市部を中心にジビエの需要は減っているともいわれている。肉の臭みもその理由のひとつだろう。ならば臭みの少ないみえジビエが“日本発の新たなジビエ”として、県外、海外、そして本場フランスでも注目される可能性はあるのではないか――。今後のみえジビエの広がりに期待したい。

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(遊歩道近くでイノシシ駆除:福岡)
21日に古賀市全域で行われたウオーキング「古賀を歩こう!」(市など主催)で、市が猟友会へのイベント開催の連絡を忘れ、コース近くで猟銃によるイノシシの駆除が行われたため、山中の遊歩道を歩く「健脚コース」が直前に中止されていたことが分かった。遊歩道はイノシシが出没する駆除エリアに含まれるが、注意喚起の看板もなく、市の安全対策への姿勢に疑問の声が出ている。市によると、この日は市内外から約千人が参加。16キロのロングコースは山間部の薬王寺温泉から折り返すコースと、傾斜の急な遊歩道を登る健脚コースを選択できるようになっていた。市農林振興課の横田浩一課長によると、午前9時ごろ、遊歩道登り口を下見したところ、猟銃を持った猟友会員が見えたため、遊歩道に入るのは危険と判断。健脚コースの中止が決まった。市職員が登り口に待機して参加者に折り返すよう指示したが、射殺されてコース沿いの川に横たわるイノシシを見た人もいた。市は春と秋にイノシシなど農作物に被害を及ぼす有害鳥獣の駆除を猟友会に依頼している。期間や区域は市の広報に掲載するほか、区域内でイベントがあるときは事前に猟友会側と調整をしているが、今回は連絡を忘れたという。遊歩道は市が昨年1月に整備を完了。花の名所「興山園」を結ぶ道として人気がある。ウオーキング愛好家の市内の主婦は「遊歩道沿いにイノシシの足跡を見つけたこともある。行政は安全対策にもっと真剣になって」と訴える。横田課長は「イノシシや駆除期間の注意を呼びかける看板を設けたい。猟友会への連絡忘れは二度とないように徹底したい」と話した。
(電柱上にカラスの巣、818戸停電:山形)
23日午後1時40分頃、山形県長井市の中心部6地区で計818戸が停電した。東北電力山形支店によると、同市東町の電柱上にカラスが巣を作り、木の枝が電線に接触したことによる漏電が原因という。職員が巣を取り除き、約1時間後に復旧した。長井署によると、信号機6機が停電したが、これに伴う事故はなかった。自家発電機で対応したり、署員が交通整理を行ったりしたという。また、山形市でも22日午後11時55分頃、5地区で最大194戸が停電し、約2時間後に復旧した。同市見崎の電柱上にカラスが巣を作ったのが原因という。
(春のクマ「注意」:北海道)
24日午前8時ごろ、登別市上登別町の山林で、多数のクマの足跡(最大縦20センチ、幅18センチ)が見つかった。桜庭賢志さん(69)=片倉町=が目撃し、知人を通じ市に届け出た。現場には東から北方向へ100~150メートル、足跡が残っていた。人畜被害はない。専門家は冬眠から目覚めたクマの親子と推測。「できる限り近寄らず見守ってほしい」と注意を呼び掛けている。桜庭さんによると、趣味の自然散策をしていた時に、偶然クマの足跡を発見。親交の深い北海道猟友会室蘭支部メンバーで過去にクマの駆除を行っていた武田周造さん(87)=鉱山町=に相談した。クマの生態に詳しいヒグマ学習センターの前田菜穂子代表(67)=白老町虎杖浜=は、足跡から、今月冬眠を終えて穴から出てきた親子と推測。体重は母グマ約150キロ、子グマ(1歳程度)60~80キロとみている。市によると、発見場所はカルルス墓地から幌別方向に約600メートル、ゴルフ場の登別カントリー倶楽部からカルルス方向に約3・3キロ山林に入った地点。市は情報を基に室蘭署に通報。周辺2カ所に注意看板を設置したほか、町内会や周辺ホテル関係者らへ情報を伝えた。桜庭さんは「雪の上で足跡を見つけたのは初めて」と驚いていた。市や同署、猟友会関係者が足跡をたどった結果、第一発見場所から近くの沢を伝って鉱山町と上登別町を結ぶ「第2滝の上橋」下を通り、来馬岳方向に向かったことが分かった。前田代表は「見つかった場所の付近は過去に人がクマに襲われた地域。別のクマが出没してもおかしくはない。母グマは子を守ろうとするので足跡周辺には近寄らないでほしい」と話している。同署などは近隣に温泉ホテルや旅館があるため注意を呼び掛け、警戒をしている。
(サル被害の対策学ぶ:和歌山)
農作物の鳥獣被害防止対策を考える研修会(和歌山県西牟婁振興局農業振興課など主催)が23日、田辺市秋津町の紀南農協中央購買センターであった。田辺・西牟婁の農家や猟友会、農協、市町の関係者ら約40人が参加し、ニホンザルの被害対策についての講演を聴いた。
(カメラ担ぎ、クマ追う:秋田)
起源が源氏の一族とも平家の落人とも言われる北秋田市阿仁の根子集落は、狩猟の民「マタギ」の発祥の地として知られる。四方を山に囲まれたすり鉢状の景観は、「隠れ里」と呼ぶにふさわしい。旧若美町(現男鹿市)出身の写真家船橋陽馬(ようま)(34)は2013年の夏、この集落の空き家に移り住んだ。厳格なおきてを守り、山と共に暮らすマタギの生き方にひかれ、弟子入りしようと考えたからだ。クマ撃ちの猟法として一般的な「巻き狩り」では、5、6人の「勢子(せこ)」が声を張り上げてクマを追い上げ、それを待ち構える射手「ブッパ」が猟銃で仕留める。猟場や役割、配置などの一切を取り仕切る頭領が「シカリ」だ。船橋は14年秋、初めて勢子を任された。猟銃をたすき掛けにし、リュックサックに一眼レフカメラを入れて森に分け入った。やぶの間に見え隠れする隣の勢子との距離は50メートルほど。歩調が合わなければ、クマは逃げてしまう。「写真を撮ろうと思ったが、そんな余裕はなかった。仲間と歩調を合わせるだけで精いっぱい。『隣の勢子の声を聞きながら進め』と言われたけど、仲間が先に進んでいるか後ろにいるのか分からない。思ったよりも簡単じゃなかった」船橋が根子を訪れたのは12年夏。写真撮影の仕事を請け負い、六十数世帯の小さな山里に踏み入った。そこで目にした民俗芸能「根子番楽」(国重要無形民俗文化財)や、それを守る保存会の活動に興味が湧き、いつしか根子に通うようになった。そして、マタギを知った。狩猟の民を写真に収めたい―。それが根子への移住を考えたきっかけだった。どんな写真が撮れるのか。そもそも受け入れてもらえるのか。そんな思いを抱えていた13年6月ごろ、シカリの松橋吉太郎(83)に出会った。ニコニコとよく笑顔を見せる松橋を見て、「こんな優しそうなおじいちゃんがマタギの頭領なのか?」と初めは疑った。シカリを務められるのは周囲から厚い信頼を得ているベテランのマタギだけ。船橋は思い切って頼み込んだ。「マタギに興味があるんです。写真を撮らせてもらえないでしょうか」。松橋は即答した。「だったらあんたもマタギをやれ」阿仁地区の高齢化は著しい。松橋は「阿仁マタギのしきたりや猟の仕方が受け継がれないまま途絶えてしまうのではないか」と危ぶんでいた。そこに突如現れた船橋を見て、松橋は「素直で見込みがありそうだ。興味があるなら、何でも教えてマタギに育てよう」という思いに駆られた。よそから来た男をすぐに受け入れる松橋の懐の深さに、船橋は心を打たれた。「弟子入りしてこの人と一緒に山に入りたい」との思いが強まり、13年8月、当時住んでいた男鹿市の実家から根子に移住した。松橋と出会うまで猟銃を手にするつもりはなかったが、少しずつ考えが変わった。山の中で獲物を得るにはチームプレーが何より重要だ。クマとの対峙(たいじ)は命懸け。油断は死に直結する。だからこそ、仕留めた後の充足感は格別だ。男たちは山でクマを解体し、肉を背負って下りてくる。銃を持つ前、船橋も肉を分けてもらったことがあった。「山の恵みはみんなのもの、という自然観が印象深かった」と振り返る。カメラは必ず山へ持って行く。だが、猟の最中にシャッターボタンを押すのはいまだに難しい。クマを解体する様子を撮影することはあるものの、その最中もできるだけ作業を手伝うようにしている。「以前のように、ただ分け前をもらうだけでは気持ちがよくない」。船橋にマタギの一員としての自覚が芽生え始めた。
(ニホンカモシカ、人里に姿:熊本)
絶滅の恐れがある国の特別天然記念物のニホンカモシカを、高森町下切の農業甲斐好夫さん(69)が自宅近くで撮影した。専門家は「増えたシカに餌場を荒らされ、カモシカが人里に下りて来ている」と指摘する。甲斐さんは2月下旬、外輪山東側の宮崎県境付近の林道を車で走行中にクヌギ林にいる1頭を発見。茂みに隠れて約40メートルに近づき、望遠レンズで捉えた。「草を食べ、寝転んでいた。山奥にしかいないと聞いていたので驚いた」と言う。ニホンカモシカは県内に約50頭が生息すると推定される。県ニホンカモシカ保護指導員の坂田拓司さん(57)は「5年ほど前から人里近くで、交通事故やシカのわなにかかるケースも増えている。シカが増えて餌がなくなり、生息域が下がっている」と分析する。その上で「個体数は20年間ほどで約3分の1に激減している。保護のため、誤って捕獲した場合や目撃情報を提供してほしい」と呼び掛けている。
(アライグマの生息初確認:熊本)
20日、高森町上色見の水田近くでイノシシ用のわなにアライグマ1頭が捕獲されているのが見つかった。捕まったアライグマは体長約95センチで、成獣とみられ、県内の生息確認はこれで13頭目になる。今年度の生息確認はすでに9頭に上り、高森町での確認は初めてだ。町ではわな設置してさらなる侵入を防ぐ方針。
(ジビエフェア:佐賀)
25~31日、鹿島市内の飲食店7店舗で。市内で捕獲された野生のイノシシやカモ肉を使った「ジビエ料理」を特別価格で提供。

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(ごみ集積所で3発回収:三重)
伊勢市前山町の同市宮本支所駐車場に設置された資源ごみの集積所に散弾銃の銃弾3発が捨てられているのが見つかり、市が伊勢署に届け出ていたことが22日分かった。市によると、17日午後4時半ごろ、同支所の職員が集積所の缶・金属類の収集かごを倉庫に片づけようとした際、かごの中に銃弾を見つけた。銃弾は袋などには入っておらず、そのまま捨てられていた。市からの通報で伊勢署が同日、回収したという。かごは同日午前9時から集積所に置かれ、市民が資源ごみを出せるようになっていた。午後3時ごろに収集業者がごみを回収しており、銃弾はその後に捨てられたとみられるという。
(クレー射撃W杯、中山は予選敗退)
クレー射撃のワールドカップ(W杯)は21日、キプロスのニコシアで女子トラップが行われ、リオデジャネイロ五輪代表の中山由起枝(日立建機)は予選36位で、上位6人による決勝に進めなかった。
(クレー射撃W杯、石原は予選敗退)
クレー射撃のワールドカップ(W杯)は22日、キプロスのニコシアで女子スキートが行われ、リオデジャネイロ五輪代表の石原奈央子(古峯神社)は予選16位で、上位6人による決勝に進めなかった。
(イノシシ目撃、過去最多の8頭:秋田)
秋田県内でイノシシの目撃が相次いでいる。2015年度の目撃頭数は過去最多の8頭に上り、昨年11月には県北で初めて上小阿仁村にも出没。国内最北の確認例となった。他県では農業被害が深刻化しており、本県でも影響が懸念されている。県は16年度に策定する第12次県鳥獣保護事業計画(17年度から5年間)に、頭数を管理する対象鳥獣としてイノシシとニホンジカを加える方針だ。これまでは、昨年5月の由利本荘市岩城での目撃が県内最北だった。県自然保護課は「県北に現れるまではもっと時間がかかると思っていた。すみ着いている場所がさらに広がっている可能性もある」と警戒する。県内では12年2月、湯沢市秋ノ宮で初めて雄のイノシシが目撃、捕獲された。以降、同年9月に由利本荘市鳥海町、15年1月に横手市山内で目撃されるなど出没地点が広がった。これまでの県内での目撃頭数(11日現在)は19頭に上っている。環境省によると、イノシシは雪深い地域では適応しにくいと考えられている。近年の生息域の拡大は、温暖化による積雪量の減少や、荒廃した林野・原野などイノシシの生息適地の広がりが要因とみられる。
(大館のカラス倍増:秋田)
秋田県大館市は、2015年度のカラスの生息調査結果をまとめた。市内全域から冬期間のねぐらに集まるカラスの数は4873羽で、2千羽台が続いた13、14年度から倍増した。ただし、毎年調査事業を委託されている自然保護団体「大館自然の会」は「13、14年度は一つしかねぐらを発見できなかったが、実は他にもあって、カラスが分散していた可能性がある」とみている。同会(伊藤郁夫代表、110人)は、会員が毎冬、各地域からカラスを追い掛けてねぐらを特定し、ねぐらへ集まるカラスを数えている。15年度はJR東大館駅近くの中神明町の林をねぐらにしているのを発見。2月14日夕に約2時間、13人がカラスを数えた。同会によると、カラスは春に繁殖と子育てのため、つがいで行動し、夏から冬にかけて徐々に群れを大きくする。大館市では毎冬、比内、田代地区なども含めて大館盆地全域から1カ所のねぐらに集まる傾向にあるが、ねぐらの場所は毎年のように変わる。ねぐらが分散する年もあり、11年度は2カ所、12年度は3カ所発見された。4千〜5千羽台だった06〜11年度の水準に戻った形だが、伊藤代表(69)は「カラスの数が1年間で倍増するとは考えにくく、13、14年度は見落としたねぐらがあったと思う。実際の市内の生息数は4、5千羽で推移していると考えられる」と話している。
(エゾシカ解体施設完成、猟友会に運営委託:北海道)
池田町が清見地区で建設を進めていた新たなエゾシカ解体施設が完成した。従来の施設と違い、上下水道を完備するなど設備を大幅に改善し、食品衛生法の基準も満たした。運営は町猟友会に委託し、4月から稼働を始める予定だ。新施設は市街地から約1キロ、十勝ハンナンの食肉工場に近い町有地に建設。木造平屋建て延べ約70平方メートルで、洗浄などの前処理室と皮をはぐなどの1次処理室、冷蔵設備による熟成庫と、骨や余分な脂肪を取り除いた正肉に解体する2次処理室を備える。1次から2次までの処理を、天井に枝肉をつるしたまま移せるように工夫した。事業費は約4千万円。年間約150頭の処理を見込んでおり、道が今秋に導入する「エゾシカ肉処理施設認証制度」への申請も行う予定だ。現在の町営解体施設は市街地から7キロ離れた様舞地区にある。老朽化が進んでおり、上下水道がなく、解体後に出る血などは湧き水を使って洗い流すなど不便だった。ハンターの手によるエゾシカ肉の加工食品など新たな産業創出への期待は大きい。町猟友会の三坂一茂会長は「利便性がよくなり、ハンターがこれまでできなかった食肉販売などの可能性も広がる。シカ肉の消費拡大に向けた催しも企画したい」と話している。
(スマホで確認、あっシカだ!:愛知)
農作物への食害が問題になっているニホンジカ。出現する可能性が高い場所が一目でわかるソフトを、愛知県森林・林業技術センター(新城市)などが共同で開発した。スマートフォンなどで情報を確認し、最新のデータへの更新もでき、効果的な駆除に役立ててもらうのが目的だ。広く利用してもらうため、アプリとして無料配信する予定。新年度の早い時期の運用を目指している。アプリ「やるシカない!」を開発したのは同センターと、地理情報システムを手掛ける「マップクエスト」(豊橋市)、奥三河で活動するNPO法人「穂の国森林探偵事務所」(新城市)。もともと、同センターは2013年秋からシカに、GPS(全地球測位システム)機能が付いた首輪を装着させ、行動範囲などを追跡調査していた。このデータをもとに「シカ出現ハザードマップ」を作製。250メートル四方のメッシュごとに昼間(午前7時~午後5時)と夜間(午後7時~午前5時)に、シカが出現する可能性を数値化し、5段階に色分けして地図で表示している。一方で市町村の職員らの協力を得て、この1年間で約300件の目撃情報を集めた。ハザードマップに情報を落とし込んでみると、出現予測と実態がほぼ一致したことがわかった。これらをもとに、スマホやタブレット端末で、簡単に屋外で利用できる「やるシカない!」の開発につなげた。画面を開くと、目撃したという情報の赤い印のほか、「足跡」「食害」別に情報が表示される。シカを目撃したら、情報(場所など)をその場で入力することができる。利用者が増えれば目撃情報もそれだけ増え、精度も上がるという全国でも珍しい仕組み。撮影した写真を送信できる機能もついている。シカ以外にもサルやイノシシの目撃情報の表示も可能だという。同センターなどによると、愛知県内にいるシカの個体数は推測で約2万頭。毎年2千~3千頭を駆除しているが、繁殖スピードには追いつかず、抑えるには年間6千頭の駆除が必要になるという。一方で駆除には、猟師の勘や経験に頼るところが大きいため、出現する可能性が高い場所を共有することが難しかった。「やるシカない!」を利用すれば「どこにシカが出現しやすいか」など、予測がしやすくなるため、駆除の効率化、省力化につながると期待される。鉄道や車道への侵入防止柵や注意喚起看板を立てる際にも役に立つとみられる。開発に携わった同センター技術開発部の江口則和さん(35)は「利用した人から得た情報で、より精度の高いものに作り上げて駆除に役立てていきたい。愛知だけでなく、全国版が作られることも期待しています」と話す。
(狩猟免許登録者100人以上増加、農家自ら鳥獣捕獲:栃木)
減少傾向が続いていた県内狩猟免許登録者が2015年度、前年度より増加することが確実になった。県自然環境課のまとめによると、1月末時点で14年度の免許登録者数を5・3%(164人)上回る3265人に達した。2月に本年度最後の免許試験が開かれたため、さらに増える見通しだ。前年度比で100人以上増えるのは、1978年度(839人増)以来37年ぶり。同課の担当者は「有害鳥獣による農作物被害を防止するため、猟友会に頼るだけでなく、自ら捕獲に乗り出す農家が増えてきたのではないか」と分析する。背景には、ここ数年3~5億円前後で推移する県内農作物被害額が大きく減らない状況がある。このため県は野生鳥獣捕獲の担い手確保につながる狩猟免許試験の受験者数を増やす取り組みをしてきた。市町を通じて農業者に狩猟免許取得を呼び掛けているほか、2014年度からは狩猟免許試験事前講習会(県猟友会主催)で、狩猟読本や狩猟免許試験例題集のテキストを無料配布している。15年度は市町単位の講習会を初めて開催した。15年度の同免許試験受験者は前年度比63・7%増の447人。93%に当たる414人が合格した。特にわな猟受験者が前年度の182人から334人に、その合格者が176人から313人にそれぞれ増えた。07年度は法律改正に伴い「網・わな猟」が「網猟」「わな猟」に分かれ、それぞれの狩猟税が網・わな猟の半額程度になったため、受験者が増えた。合格者も277人と、県自然環境課に統計資料が残る1989年度以降、これまでの過去最多を記録していた。
(イノシシ遭遇、HPに対処法:愛媛)
愛媛県内でイノシシによる人への被害が相次いでいる問題を受け、県はイノシシと出合った時の対策などをまとめた資料をつくった。一般向けと子ども向けの2種類を作成。県のホームページでも公開している。資料では、イノシシに出合ったら、「あわてず、騒がず、その場を離れる」ことや、「追いかけたり、石を投げたりしてはいけない」などと注意を呼びかけた。犬を連れている場合は特に危険だとして、つないだひもを放して避難するよう勧めている。県自然保護課によると、県内では今年度、新居浜市で小学生の列にイノシシが突進して児童3人がけがをするなど、イノシシによるけが人が6人出ている。今年2月に八幡浜市の山林で死亡した81歳の男性は、イノシシに襲われたとみられている。
(狩りガール、駆除お任せ:奈良)
害獣退治は〈狩りガール〉にお任せ――。奈良女子大(奈良市)を中心とした学生たちが30日、「ハンティングサークル」を結成し、山間部の農家を悩ませるイノシシやシカの駆除に乗り出す。ハンターの高齢化が進む中、若者を次世代の担い手に育て、ジビエ(野生の鳥獣肉)料理も提案する計画で、県は2016年度当初予算案に、活動支援金として326万円を計上した。県によると、県内の狩猟者登録数は1970年代には4000人近くいたが、2014年度は約1200人で、3分の1以下に減少。近年は新規免許取得者のうち60歳以上が6~7割を占めるなど、高齢化が進んでいる。一方、県南部や東部などでは田畑を荒らすイノシシやシカなどが目立ち、県内で年間約2億円の農作物被害が報告されている。サークルは、まちづくりを学ぶ奈良女子大大学院生の竹村優希さん(23)のアイデア。昨年5月、研究の一環で野迫川村を訪れた際、動物に荒らされた農地を初めて目の当たりにして「ショックを受けた」ことがきっかけ。「自分たちにできることはないか」と考えた末、「ジビエ料理に興味を持つ女子大生は多い」と狩猟サークルを思いつき、昨夏、県が募集した「県内大学生が創る奈良の未来事業」に提案。最優秀賞に選ばれ、県の事業に採用された。3月30日は同村で結成式を開く予定で、奈良女子大を中心に男女8人の学生が参加。全員狩猟経験はなく、まずは6月頃に予定される狩猟免許試験に向けて勉強を重ね、免許取得後は、同村の猟友会員から猟銃の撃ち方、動物の追い方、わなの仕掛け方や地形などを教わり、本格的な狩猟に取り組む。また、住民らと駆除したシカやイノシシを使ったジビエ料理を考え、イベントや宿泊施設で提供するなど、山村への集客もねらう。将来は、狩猟を若者や女性の就労先となる地場産業として、次世代に引き継いでいくことを目指している。環境省によると、全国的に女性狩猟者は増加傾向で、免許所有者は01年度に1000人弱だったが、12年度に2000人を突破した。竹村さんは「命をいただく意味を考えることもできる狩猟の意義や魅力をPRし、2年目以降へ道筋をつけられるよう頑張りたい」と意欲を見せ、米田吉宏・県鳥獣保護係長も「狩猟の将来の担い手を増やす取り組み。害獣減少や地域振興につながれば」と期待している。
(住民向けにシカ肉の調理を実演:和歌山)
和歌山県古座川町の古座川ジビエ振興協議会(会長=武田丈夫町長)は22日、同町月野瀬にある南紀月の瀬温泉ぼたん荘で、地域住民にジビエ料理のおいしさを知ってもらおうと、調理を見学したり料理を試食したりする会を開いた。和歌山市にあるフレンチレストランの料理長が、町鳥獣食肉処理加工施設で処理加工したシカ肉を使って調理。試食した参加者は、やわらかいシカ肉の味わいに驚いていた。

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(男女襲ったイノシシ、猟友会が射殺:静岡)
浜松市浜北区尾野の県立森林公園で8日、50〜70代の男女9人がイノシシに襲われ負傷した事件で、県は18日、9人を襲ったとみられるイノシシを捕獲したと発表した。事件後、捕獲を目指していた地元猟友会メンバー6人が同日、イノシシを発見、猟銃の撃ち手に追い込む「巻き狩り」という方法で銃殺した。射殺されたイノシシは体長約1・2メートル、体重約60キロの雌。8日に撮影されたイノシシの写真には左目の周りに傷があった。県によると、射殺されたイノシシと傷の場所が一致するほか、8日に襲われた人が木の棒で抵抗した際に負ったとみられる頭部の傷があることなどから、同一の個体と判断した。
(サル目撃情報:福岡)
福岡県警博多署によると、20日午後2時ごろ、博多区南八幡町2丁目でサルの目撃情報があった。署は、目撃しても絶対に近づかないよう呼び掛けている。
(サル目撃情報:福岡)
19日午後1時ごろ、福岡市博多区三筑2丁目付近で、サル1匹の目撃情報があった。福岡県警博多署によると、体長約60センチ。「サルを目撃した際は、絶対に近づかないで」と呼びかけている。
(ニホンカモシカ食害相次ぐ:愛知)
カタクリの群生地で知られる豊田市足助町の香嵐渓で、ニホンカモシカによる食害が相次いでいる。カモシカが嫌いそうなにおいで侵入を防ぐ対策を始めたが食害は止まらず、関係者は頭を悩ませている。一帯を管理する三州足助公社は三月中旬から、電気柵の一部に米国産のハイイロオオカミの尿三十ミリリットルが入ったボトルを、約五メートル間隔で二十四カ所に取り付けた。だが、カモシカは十二、十六日にも出没。十六日夕にはボトルを十個増やしたが、十七日も朝と昼に現れ、昼は一時間ほどカタクリの花や葉を食べていた。ボトルは等間隔に設置しているが、電気柵が高さ五十センチのイノシシ用のため、飛び越えて侵入している可能性もある。カモシカは国の特別天然記念物に指定されているため手出しができない。公社総務課の大山貴弘係長(36)は「花を楽しみに来てくれるお客さんがいるので残念。できれば山の方にひっこんで」と話す。
(増える被害逆手に:佐賀)
中山間地で増えるイノシシ被害を逆手に取って肉の特産化を図ろうと、吉野ケ里町松隈で19日、シンポジウムと試食会が開かれた。町が同地区にイノシシの食肉処理施設の建設を計画しており、町民を中心とした町おこしグループ「吉野ケ里町観光戦略協議会」(宮原章彦会長)が開催した。試食品はジビエ(野生鳥獣の食肉)料理の専門家が作り、参加した地元住民は「これまで知っていたイノシシの肉とは違う」と新しい可能性を感じていた。シンポジウムは地元集落の集会所を使用した。イノシシ肉利用の先駆的取り組みをしている武雄市から地域おこし協力隊の永田裕美子さん(45)が訪れて講演。インターネットやテレビなどを使ってPRし、ブランド化を図る方法を紹介した。その後、集会所の調理場で福岡市のジビエレストランの副料理長らが腕をふるい、フレンチやイタリアンなど西欧料理の素材として地元などで取れたイノシシの肉が提供された。メニューは煮詰めた肉をパンに乗せたカナッペや、煮込み肉をソースに使ったパスタ、中東などで食べられているピタパンにロースト肉を挟んだサンドイッチなど。店のコースでは4500円ほどのレベルという。地元の松隈地区生産組合長の松隈仁さん(77)は「処理施設の予定地はやぶになった耕作放棄地で、イノシシが増える要因。施設が来るのを地元は歓迎している」と話した。
(ジビエまつり料理堪能:山口)
有害鳥獣として捕獲されたイノシシやシカの料理を提供する「第1回豊田町ジビエまつり」が20日、下関市の道の駅「蛍街道西ノ市」で開かれた。県内外から家族連れらが訪れ、バーベキューなどを堪能した。豊田町観光協会が、ジビエ料理を身近に感じてもらい、消費拡大につなげようと初めて企画した。人気だったのは、「しし汁」の無料配布と100円のバーベキュー。しし汁は午前と午後の計2回配布し計約400人分が早々になくなった。バーベキューでは、客がテーブルを囲んでシカ肉などを楽しんでいた。ウィンナの試食コーナーにも行列ができた。ツーリング仲間4人でバーベキューを満喫した宇部市東岐波の会社員本岡太志さん(24)は「ジビエの焼き肉は初めて食べるが、臭くなく、おいしかった」と喜んでいた。同協会の担当者は「食べてもらえば、おいしさが分かる。豚や鳥肉と同じように、いため物や焼き肉に使ってもらえたら」と話していた。

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(熊肉の出荷制限、一部解除:山形)
東京電力福島第一原発事故の影響で、県内全域を対象に出荷が制限されていた熊肉について、国の原子力災害対策本部は17日、制限を一部解除した。狩猟をなりわいとするマタギ文化が伝わる小国町小玉川地区では制限解除に向けて準備が進められており、春の捕獲シーズンを控え吉報となった。原発事故による熊肉の出荷制限が解除されるのは全国で初めて。県みどり自然課によると、出荷制限が解除されるのは、猟友会のメンバーらが市町村の非常勤職員として捕獲した熊肉。食肉処理加工施設で解体して全頭の放射性物質検査を行い、基準値(1キロ当たり100ベクレル)以下となることが条件だ。出荷されるのは基準値以下の肉だけで、超過した肉は廃棄される。熊肉を巡っては、上山市と米沢市で捕獲した熊2頭から基準値を超える放射性物質が検出されたことから、国は2012年9月、県内全域のツキノワグマの肉の出荷制限を県に指示した。出荷制限が解除されるには、県内全市町村で1か月以内に基準値以下の熊が3頭以上捕獲されることが条件で、関係者からハードルが高いとの声が上がっていた。昨年、小国町の狩猟関係者らが部分的に解除することを県に要望。これを受け、県は国と協議を進め、17日に一部解除を申請した。解除に備えて、小国町小玉川地区のマタギは「小玉川食肉処理施設管理組合」を結成し、解体処理を行う施設を整備してきた。毎年5月に行われる「小玉川熊まつり」でも、名物の「熊汁」が復活しそうだ。同組合の舟山真人組合長(54)は「やっとここまでたどり着いた」とホッとした様子。「初めてのことも多く心配もあるが、取り組みを進めていきたい」と話している。
(エサに困らず冬眠せず、クマ出没:北海道)
釧路管内で今年に入り、クマの出没情報が相次いでいる。すでに釧路市音別町ではクマ1頭が駆除された。専門家は狩猟で仕留められたシカの死体が放置されることで、冬でもエサに困らず冬眠しないクマがいることを挙げ、生ごみを外に放置しないなどの注意を呼びかけている。釧路市音別町の音別原野基線では12日、オスのクマ(体長約1・5メートル、推定5歳)が駆除された。市音別町行政センターによると、現場は道道241号から約150メートル、市のコミュニティー施設「春陽会館」から約200メートルの地点で周辺には農家が点在する。クマは発見から約2時間動かず、やむなく駆除に至ったという。同センター地域振興課は「この時期にクマが目撃されるのは過去10年間でも例がない」と驚く。弟子屈町でも1月以降、アトサヌプリ(硫黄山)周辺や川湯中学校でクマの足跡が見つかっている。釧路市阿寒町の下徹別でも2月、国道240号を横切る足跡が約1キロにわたって残っていた。一方、道立総合研究機構環境・地質研究本部(札幌)の間野勉企画課長は、1990年代から冬眠しないクマが道東で観察され、特異な事例ではないことを指摘。原因は狩猟で仕留められたシカの死体が放置され、冬季でもクマがエサに困らなくなったためだという。間野課長は「これからの季節は、雪の少ない人里近くで食べ物を待ちつつ息絶えるシカもいる一方、冬眠から覚めるクマも出てくる。シカの死体は格好のエサ。カラスやワシなども集まるので、そのような場所は注意する必要がある」と話す。また釧路市環境保全課は「生ごみを外に放置せず、クマが行動する早朝や夕方、夜間には注意してほしい」と呼びかけている。
(送電線にハクビシン接触、3万3000軒停電:静岡)
16日午後8時45分ごろ、三島市と裾野市、長泉町、函南町の一部約3万3000軒で約10秒間停電した。東京電力静岡総支社は17日、送電線にハクビシンが接触したためと発表した。同支社管内でハクビシンが原因の停電は初めてという。同支社によると、三島市多呂の送電線鉄塔(高さ約37メートル)の地上約3メートルの鉄枠に、感電した跡があるハクビシンの死骸があり、その約17メートル上の送電線に焦げ目があった。鉄塔に登ったハクビシンが送電線に接触し電気が鉄塔に流れたため、安全装置が働き停電したとみられる。鉄塔にネズミ返しなどの対策は取られていなかったという。また、17日午前10時ごろには、松崎町の約300軒が停電した。サルの狩猟をしていたハンターの弾が誤って電線にあたったためという。約4時間20分後に全面復旧した。
(食習慣なく伸びぬ捕獲、ニホンジカ半減の23年度政府目標お手上げ?)
田畑や山を荒らす鹿の増加が止まらない。環境省の調査では、ニホンジカの2013年度の推定生息数は約305万頭(北海道は除く)と、1989年度(約30万頭)の10倍に達した。政府は10年後の23年度までに鹿やイノシシの生息数を半減させる目標を描くが、鹿での達成は危うい状況だ。現場からは捕獲強化に向けて奨励金の増額など、見直しを求める声が上がる。環境、農水両省が描く目標は、23年度までにニホンジカの生息数を160万頭(北海道は除く)、イノシシ50万頭とすることだ。ところが、環境省の調査によるとニホンジカの個体数は約305万頭(13年度)と、年々増加している。北海道は独自に頭数を推定しているために、今回の調査には含まれていない。ニホンジカの捕獲数は38万頭(13年度)と10分の1程度に過ぎず、同省は「個体数が増えている割合に比べて捕獲数が追いつかない」(野生生物課)と指摘する。こうした状況が続けば23年度には13年度の1.5倍に上る、453万頭まで増える見通しで、半減どころか大幅に増える恐れもある。同省によると半減させるためには、13年度の2倍以上のペースで捕獲を進めなければならないという。一方、イノシシの推定生息数は13年度が約98万頭。捕獲数は13年度が45万頭で、生息数の3割以上が捕獲できている。イノシシの場合は、この捕獲数を維持すれば、23年度の生息推定数は50万頭に抑えられ、目標の半減を達成できる見通しだ。問題は鹿だ。政府の目標を達成するには、捕獲数をどう増やすかに掛かっている。同省は15年の改正鳥獣保護法施行で、技能基準などを満たした民間業者を捕獲の認定事業者とするなど狩猟者確保を進める。狩猟免許の取得年齢引き下げや狩猟税の減免措置なども実施し、担い手を増やそうと躍起だ。それでも、担い手不足の解消は厳しい状況で、現場からは「現状の捕獲数すら保つのは難しい」との声が漏れる。東北の70代の狩猟者は「鹿の捕獲奨励金を大幅アップすれば、担い手育成や捕獲数の増加が進む」と提案する。現状は狩猟に出向くための車の燃料代などがかさみ、肝心の担い手が育っていないとみる。徳島県那賀町の狩猟者、岡内幸弘さん(54)も「捕獲する労力に見合うだけの奨励金がなければ、なかなか若い人は狩猟免許を取ろうと思わない」と指摘する。ニホンジカは、野生鳥獣肉(ジビエ)活用の面でも問題があるというのは、鹿児島県阿久根市の狩猟者、牧尾正恒さん(73)だ。「日本ではエゾシカ以外の鹿肉を食べる習慣がなく、猟師の狩猟意欲がイノシシと鹿では全く異なる」というのだ。鹿を捕獲しても土中に埋没しなければならず、捕獲後の出口対策も急務となっている。ニホンジカは捕獲体制が整っていない。民間の認定事業者が現場でもっと機能できるよう、県をまたいで広域に活躍できる仕組みにするなどこれまでの捕獲のあり方を見直し、対策を強化する必要がある。
(「ペットのイノシシの管理が不十分」逃走でけが80代女性が飼い主を提訴:香川)
脱走したペットのイノシシに襲われ大けがをしたのは管理が不十分だったからだとして、香川県丸亀市の80代女性が飼い主の夫婦に約540万円の損害賠償を求めて高松地裁に提訴していたことが17日、分かった。提訴は2月16日付。訴状などによると、女性は昨年6月、イノシシに襲われ、尻の骨を折るなどして約4カ月入院。イノシシは体長約1・5メートル、体重約80キロの雄で、飼われていた錠付きの鉄製のおりから逃げていた。女性側はおりや施錠は逃亡を防ぐのに十分ではなかったと訴えている。飼い主の夫婦は、イノシシの逃走でこの女性を含む3人にけがを負わせたとして、過失傷害の疑いで昨年12月14日に書類送検されていた。
(市街地にサル出没、カメラに威嚇:福井)
福井県越前市の中心市街地で11日以降、ニホンザルの目撃情報が相次いでいる。16日には京町2、3丁目の寺院が立ち並ぶ一角や住宅地に出没した。取材中の記者の目の前にも現れた。同市は同じ1匹が付近にとどまっているとみて、注意を呼び掛けている。越前市農林整備課によると、今月8、10日に同市千福町付近でサル1匹を見たという情報があり、11日から14日にかけては市中心部に当たる市役所南側の神明町、住吉町、本町、天王町で目撃情報が相次いだ。15日には11~14日の目撃エリア西側の若松町にいたという連絡があり、16日午前10時ごろ、京町2丁目の正覚寺近くにいたという情報が越前署に寄せられた。16日午後0時半には、行方を追っていた福井新聞社の記者が、京町3丁目の引接寺通用門近くで体長60センチほどの1匹と遭遇。門の壁によじ登る姿にカメラを向けると、歯をむき出しにして威嚇した。しばらく門の周りにいたが、突然走りだし、東方へ姿を消した。一連の目撃情報を受け、同寺境内にある丈生幼稚園は予定していた年長児の外遊びを取りやめた。同園職員は「こんなまちなかにサルが現れるなんて驚いた。保護者の方にも通園時に注意するよう声掛けしたい」と話していた。市にはこれまでに20件近い目撃情報が寄せられている。人に襲いかかるような事態は起きていないが、神明町では12日、食料品店の店先にあったイヨカンを盗み、かじる姿が目撃されている。越前市周辺では、市の東部と北西部に一つずつ群れがあり、村国山付近にも数匹が生息しているとみられている。しかし、中心市街地でこれだけ連続して目撃されることはこれまでなかった。市農林整備課は、まちなかの空き家に潜んでいる可能性もあるとして「侵入を防ぐため戸締まりをしっかりすることと、餌になるような物が外にないよう注意してほしい」と呼び掛けている。
(サルの目撃情報:福岡)
福岡県警博多署によると、16日午後6時ごろ、福岡市博多区那珂4丁目付近でサルの目撃情報があった。同区内では14、15日にもサルの目撃情報が寄せられている。
(シカの線路進入を運転手に通知:京都)
JR西日本福知山支社は、兵庫県朝来市和田山町の山陰線など2カ所で、線路上の動物をセンサーで感知し、列車の運転士に知らせる「鹿検知通報装置」の導入を始めた。同支社でも、兵庫県内でも初めてという。兵庫県北部と京都府北部を管轄する同支社管内では、シカやイノシシとの衝突など、線路内に動物が立ち入った影響により列車に1分以上遅れの出るケースが年間800~900件あるという。これまでは侵入防止柵を整備してきたが、地形上の理由などから設置が難しい場所もあった。装置を導入するのは、朝来市和田山町土田から同町宮田にかけての195メートル(山陰線和田山-養父駅間)と、京都府福知山市牧の226メートル(福知山-上川口駅間)。50メートルの範囲をカバーするセンサーを線路付近に並べ、線路内に立ち入った動物を感知すれば無線で伝えられ、警報灯が作動する。警報灯を見た運転士が速度を落とすことで衝突を回避できるという。装置は鳥取や岡山でも導入されている。福知山市内では16日に運用開始し、朝来市内では18日未明にも運用を始める予定。
(鳥獣被害、進む高齢化減るハンター)
人口減少が進む地方でニホンジカなどの野生動物が増え、農作物への被害が深刻化している。背景には里山の荒廃に加え、狩猟でシカの増加を抑えてきたハンターの減少や高齢化がある。人と動物が交わる最前線で何が起きているのか。岩手県奥州市の市街地から数キロ離れた山林を、オレンジ色のベストを着た集団が登っていく。「声出して、しっかり追い込めよお」。高台からベテランハンターの板屋成治さん(68)が無線機で呼び掛けると「ホー、ホーイ!」と威勢の良い声が返ってきた。昨年12月、大人数で山林に潜むニホンジカを仕留める地元猟友会の「巻狩り」。追い立て役の勢子と、銃を持って待つ役とに分かれた約40人のうち、大半は60歳以上の熟練者だ。免許を取って3年目の公務員、及川泰史さん(34)は「鹿を待つ位置や安全な銃の撃ち方など、学ぶことは多い」と顔を紅潮させた。地方で深刻化する人口減少と高齢化。ハンターの世界はその縮図だ。1975年度の狩猟免許所持者は約52万人だったが、2013年度は18万人台に減り、30代以下の若手はわずか8%。「猟師」と呼べる専業は少なく、多くが兼業だという。ハンターの減少とは対照的に、鹿の頭数と被害は急増している。「手がつけられん。防護ネットにも構わず入ってくる」。岩手県境に近い青森県三戸町で、リンゴ農家、工藤宏靖さん(62)が真新しいかみ跡の残る苗木を恨めしそうに示した。20ヘクタールの農地では、2年間で約70本が鹿に食われた。農林水産省の調査では、イノシシやサルを含む野生鳥獣による農作物被害額は全国で約200億円(13年度)。うち4割近くがニホンジカだ。環境省の推計では、89年に30万頭前後(北海道を除く)だった生息数は、12年に250万頭前後(同)まで増加。過疎化が進み、人の手が入らない山林や耕作放棄地が増えたことも背景という。昭和初期に絶滅したとされる青森県でも目撃例が増え、15年度は既に90頭以上を数える。岩手以南で増えた鹿が生息地を求めて北上、定着しつつある。環境省は鹿の捕獲を強化し、23年度には個体数半減を目指すとしている。ただ、担い手のハンターになるには狩猟免許が必要で、猟銃を持つには定期的に開かれる講習を受けねばならず、銃や弾薬、保管庫をそろえるのに数十万円かかるなどハードルは高い。対策に取り組む自治体は、狩猟に関心を持ってもらい、若い世代を呼び込もうと模索している。青森県は昨年12月、狩猟体験ツアーを初めて開催。大学生を含む男女約60人が、猟だけでなく銃砲店の見学や現役猟師との座談会に参加した。ハンターがキジを仕留め、解体するのを参加者たちは食い入るように見つめた。同県十和田市の大学生、石橋珠生さん(22)は「野生動物と向き合う一つの方法。できれば狩猟免許を取ってみたい」と興奮気味に語った。「鹿の頭数を管理する上でハンター確保は欠かせない。シカが増えてしまってからでは間に合わない」と県自然保護課。今後もさまざまな仕掛けでハンター人口の減少を食い止める考えだ。ニホンジカの生息数は、乱獲と保護のはざまで増減してきた。国は近年の農業被害増加を受けて捕獲強化にかじを切ったが、狩猟人口の減少が重い課題だ。森林総合研究所(茨城県)によると、鹿はもともと東北を含む全国に生息していた。江戸時代には秋田で一度に2万3000頭を捕獲したとの記録もある。明治期以降も食肉や皮革製品の原料として乱獲が続いたため激減し、北東北ではほとんど見られなくなった。絶滅を危ぶんだ国は戦後、一転して保護政策を展開。鳥獣保護法を基に雌の禁猟や捕獲頭数の制限を定めた。結果的に増えすぎた鹿が過疎化した地方で生息域を広げ、農業被害も増加した。国は方針を再転換し、2015年施行の改正鳥獣保護法で捕獲強化に乗り出した。都道府県が企業やNPO法人に捕獲事業を委託する制度も導入。ただ、狩猟人口そのものが減っており、政策効果はまだ見通せない。専門家は、狩猟の経済的な側面に注目している。東京電力福島第1原発事故後、東日本の野生動物の食肉は出荷制限の対象となっているが、近年のジビエブームなど潜在的な需要は高いとされる。森林総合研究所の堀野真一野生動物研究領域長は「狩猟のコストに見合うだけの経済的利益を生みだす仕組みをつくれるかどうかが鍵だ」と指摘している。増える野生動物とどう向き合っていくべきか。ベテランハンターの菅野範正・岩手県猟友会副会長(71)と、岡田あゆみ・北里大准教授(49)に聞いた。戦後、狩猟は地方における野外レジャーとして受け継がれてきたが、山に入って野生獣を追うハンターは「物好きな人」として奇異の目で見られることも多かった。しかし最近は、農業被害の増加とともに周囲の評価も変わってきている。以前はあいさつを交わすこともなかった住民が、鹿の目撃情報を寄せてくれるようになった。「ご苦労さま」と声を掛けてくれる人もおり、獣害を防ぐ存在として広く認知されている。一方で、銃を撃ち、生き物の命を奪うことに対する抵抗は根強く、猟銃免許の所持者は年々少なくなっている。各地の猟友会は高齢化が進み、後継者育成が急務だ。人が暮らす「里」と野生動物が生きる「山」のバランスを取り、地元の農林業を守るハンターの役割を広め、若者の参加を促したい。鹿そのものが貴重な森林資源であることも忘れてはいけない。岩手県では近年、年間約1万頭を捕獲しているが、食肉や加工品の材料として利用できていない。捕獲した生き物の肉を食べ、骨や皮まで活用することが狩猟本来の姿だ。狩猟を通じ、命をいただくことの意味を若い人にも見つめ直してほしい。日本全体で見ればニホンジカはコントロールを失っているのが現状だ。人口減少の進む地方がこの問題に向き合うには、長期的に頭数を監視、管理する積極的な対策が欠かせない。鹿対策が必要との認識が強まったのは、被害が目立ち始めた2000年代以降だ。借金の利息のように、一度数が膨らむと増加を抑えるだけでも大変な労力やコストが必要で、駆除は自治体にも住民にも重荷だ。かつては趣味やスポーツとしての狩猟で数を抑えられたが、ハンター人口は急減。免許や銃の取得だけでなく、ノウハウ継承も必要で、短期間で増やすのは難しい。地元のハンターが足りず、金をかけて駆除を委託するケースも出るだろう。行政の対策は農作物被害など人間との摩擦が目立つ場所や、頭数が多い場所に集中しがちだ。その地域で見れば合理的でも、鹿は自治体の区別なく移動する。目の届きにくい山間部も網から落ちない仕組みが必要だ。有害鳥獣だからと何をしてもよいわけではない。頭数を安定させ、生態系を守るのが管理の目的であるべきだ。人間との摩擦が減れば、駆除数も減り、鹿に対しても優しい。
(シカの解体に挑戦:滋賀)
駆除したイノシシやシカを試食する「野生獣の命をいただく感謝の集い」が長浜市余呉町中之郷のウッディパル余呉で13日、開かれた。約140人が参加し、シカの解体作業もあった。NPO法人「湖北有害鳥獣対策協議会」(永田輝夫理事長)が主催。協議会では自然環境の維持などのため、普段からイノシシやシカの生息数調査などに取り組み、有害鳥獣対策フォーラムを開いている。この日、参加者は協議会メンバーの指導を受けながら、シカの解体に挑戦。終了後は、シカの焼き肉やカレー、イノシシ肉の入った猟師鍋などに舌鼓を打った。参加した長浜市の会社員、筑摩祐希さん(30)は「脂っこくなくて食べやすい」と話していた。
(タカでカラスを撃退する実証実験:東京)
東京・渋谷区は3月16日と17日、路上のゴミに群がるカラスを、タカを使って追い払う実証実験を行った。カラスを追い払うパフォーマンスを通じて、ゴミが散乱している渋谷の現状を知ってもらいたいという。以前から、渋谷区では、飲食店などが出したゴミにカラスが群がる光景を問題視する声があり、生活環境整備事業を推進してきた。その一環で、佐賀県武雄市のタカ匠・石橋美里さんが飼育しているタカを使い、カラスを撃退する取り組みを行うに至ったという。午前6時から7時半にかけ、渋谷センター商店街、道玄坂商店街(渋谷区)をめぐりながらタカを放ち、ゴミに群がるカラスを追い払った。2日間の実験を終え、タカが近付くとカラスが騒ぎ立てたり、ゴミの収集場所に近づかなくなったり——といった効果があったという。効果を確認した一方で、渋谷区環境政策アドバイザーの松嶋範行さんは「実証実験の継続自体は考えていない」と話す。「今回のタカの取り組みは、あくまでシンボリックな存在。取り組みを通じて、カラスの被害が相次ぐほど、ゴミが散乱している渋谷の状況に目を向けてもらい、ゴミ出しマナーの注意喚起につながれば」
(カモ料理の伝統学ぶ:石川)
江戸時代から続く加賀市の伝統猟法「坂網猟」で捕獲したカモの料理法を学ぶ加賀調理師会主催の勉強会が十六日、加賀市大聖寺東町の料亭「山ぎし」で開かれ、市内温泉旅館の料理長ら四十五人が参加した。市片野町の鴨池周辺で行われる坂網猟は毎年十一月十五日から三カ月間だけが猟期で、野生のカモ二百~三百羽しか捕れない。市内では現在、山ぎしと料亭「ばん亭」の二店舗だけが、捕獲したカモの料理を提供している。勉強会は五年前から年二回開かれているが、カモ料理に取り組み始めたのは昨年秋からで今回が二回目。貴重な十五羽のカモを使い、本格料亭の治部煮、鴨(かも)串焼き、大根おろしを使ったみぞれ和(あ)え、鴨釜飯の四品が提供された。また、坂網猟のやり方の説明もあった。加賀調理師会の大丸谷幸三会長は「みぞれ和えや串焼きは調理師でもあまり食べたことがない。料亭の料理を参考にして、温泉旅館でも夏以降、カモ料理を提供していきたい」と話した。

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(ジビエ、捕獲後1時間で劣化)
「ジビエ(野生鳥獣の肉)料理」が最近人気だが、国内のニホンジカなどの流通は軌道に乗っていない。山間地で捕獲してから処理するまでに時間がかかり、味が落ちてしまうからだ。ならば、山中で肉をさばいてしまおうと、NPO法人が「移動解体処理車」の開発に乗り出した。国内で捕獲された野生の大型獣はどうなるのか。典型例はこんなケースだ。ある高齢のハンターが、山の中の急斜面で100キロ近いシカをライフル銃で仕留めた。「命を無駄にするのは忍びない」。そんな思いで食肉に加工したいと考えたが、乗ってきた軽トラックは、はるか坂の上。人力で獲物を引っ張り上げてふもとにある処理場に運ぶのは骨が折れるし、時間もかかり過ぎる。結局、諦めて穴を掘って埋めた。ある農家は、野生動物による作物の食害に悩んでいた。わな猟の免許を取り、自分の畑の周辺にわなを仕掛けたところ、ある日、シカがかかった。ところが町内には食肉にする処理施設がない。仕方なく焼却場に運んで処分してもらった。NPO法人「日本ジビエ振興協議会」(埼玉県)などによると、全国のシカの捕獲頭数は約50万頭だが、食肉として利用された割合は北海道のエゾシカで16%、本州などのニホンジカで5%程度(2014年度)にとどまる。普及を阻んでいるのが「時間の壁」だ。ニホンジカやイノシシなどは、捕獲してからおおむね1時間以内に処理をしないと、内臓の臭いが肉に移ったり、動物自体の体温で肉が蒸れたりして、品質が落ちる。だが、処理場に運ばずにその場で解体すると、自分たちだけで食べるのは構わないが、厚生労働省や各都道府県の衛生管理指針によって販売が原則禁じられる。指針は飲食店や精肉店に対しても、施設内で処理された肉のみを仕入れるよう求めており、流通させるには素早く処理場に運ぶ以外にない。助け舟になりそうなのが、同協議会がトヨタなどと開発中の2トントラックを改造した解体処理車だ。中に冷蔵室や作業室があり、一度に最大でシカ5頭程度の内臓摘出などができる。初期費用約1400万円のほか維持費もかかるが、年間450頭以上を処理すれば採算が取れるという。農林水産省も普及の後押しに、購入する自治体などへの補助を検討している。新鮮で良質な肉を自給できるようになれば、国内のジビエのブランド化が進み、供給先はさらに広がる。協議会の担当者は「需要の高まりは、高齢化や人材難に直面するハンターの確保にもつながる」と期待を寄せる。
(全国初、ハンター養成へ学校:大阪)
大阪府猟友会は、4月に猟師を養成する「大阪ハンティングアカデミー」を開校する。熟練の猟師が捕獲現場などで実地に"秘伝"の狩猟技術や知識を教えるもので、「都道府県の猟友会が本格的な養成学校を設立するのは初めて」(大日本猟友会)。猟師の高齢化が進む中、後継者を継続的に育成し、農林業の鳥獣被害抑制を目指す。2014年度の府内の狩猟者免許所持者は3117人で、15年前の1999年に比べ1割減少。捕獲実績がある猟師の8割以上が60代以上と高齢化が進む。府の14年度農業被害額は約6700万円(イノシシ3800万円、鹿2900万円)。アカデミーは、狩猟や猟具、関係法令などの基礎を学ぶ一般科目(5月~8月)、野外で実地に専門的なことを身に付ける専門科目(9月~来年2月)から成り、熟練の会員が講師を務める。専門科目では、熟練の猟師が実際に猟を行う猟場に同行し、猟場や天候などに応じた狩猟方法を伝える。標的射撃や解体実習も行う。受講料は1人年間4万円(傷害保険含む)。府が2016年度予算案に200万円を計上し、初年度に限り模擬銃や捕獲おり、くくりわななどの教材費を助成する。
(モバイルカリング実証結果を報告:長野)
ニホンジカによる食害を防ぐため、エサを撒いて鹿をおびき寄せ車から猟銃で撃つ方法「モバイルカリング」で、去年10頭の鹿を捕獲したことが、1日報告されました。この日は、伊那市の長谷総合支所で報告会が開かれました。報告によりますと、去年10月から11月にかけてモバイルカリングを行い、10頭の鹿を捕獲したということです。業務を請け負った、東京都の㈱野生動物保護管理事務所の奥村忠誠さんは「暖冬で鹿の移動が遅れ、出没回数が少なく、捕獲数も予想より少なかった。捕獲頭数を増加させるためには、積雪期や春先の残雪期での実施が良いかもしれない」と話していました。モバイルカリングは、林道の脇にエサを撒いて鹿をおびき寄せ、車の中などから銃により効率的に捕獲する手法です。中部森林管理局では、今回の結果を踏まえながら、効果的な対策方法を検討していきたいとしています。
(県内全域にクマ注意報:岩手)
県は15日、県内全域にツキノワグマの出没が増える恐れがあるとして、2年ぶりに注意報を発令した。昨秋にエサとなるブナの実が豊作だったため、栄養状態のいいメスの出産数が増えると予想され、暖冬の影響でクマの活動時期が早まる恐れもある。人や農作物への被害が懸念されている。ツキノワグマは、ブナが豊作でエサが豊富な年は人里への出没数が少なくなる傾向がある。一方、ブナは豊作の翌年は実をほとんどつけないため、ブナが豊作だった翌年は、子連れのクマなどが食べ物を探して人里などを広範囲に動き回ることが予想される。県や林野庁東北森林管理局の調査では、昨秋はブナが豊作で、今秋は凶作が見込まれている。注意報が前回発令された2014年度は、4、5月のツキノワグマの出没が例年より多く、年間で2216件に上った。山間部だけでなく、市街地や住宅地でも出没が相次ぎ、被害を受けた人のうち半数が自宅付近など人里でクマと遭遇していた。県のまとめでは、ブナの実が皆無だった12年度に有害鳥獣として捕獲されたクマは289頭、人的被害は19人に及んだ。飼料用トウモロコシの食害など農作物被害は107ヘクタール、7287万円だった。人的被害は、山菜採り、登山、夏の行楽、キノコ採りの時期など、人が山に入る4~10月頃に集中しやすい。ブナが凶作だった09年の9月には死者も出ている。クマ被害を防ぐための措置を講じずに重傷を負う例は毎年ある。今年はすでに5件(速報値)の出没情報がある。県は「山菜採りや山登りなどで入山する場合は、必ず音の鳴るものを携帯してほしい。家庭菜園などでは、廃棄した野菜の始末をきちんとしないとクマを招くことになる」と注意を促している。
(サル3匹の目撃情報:福岡)
福岡県警博多署によると、15日午後6時ころ、福岡市博多区月隈6丁目付近で、サルの目撃情報があった。目撃されたサルは、体長約60センチの2匹と体長約30センチの1匹。署はサルを目撃した際には絶対に近づかないよう、呼び掛けている。
(サルの目撃情報:福岡)
福岡県警博多署によると、14日午後4時20分ごろと同6時20分ごろ、福岡市博多区諸岡6丁目と同5丁目付近でサルの目撃情報があった。署は、絶対に近寄らず、身の安全を確保するよう呼び掛けている。
(イノシシに出合ったら、対処法の資料作成:愛媛)
愛媛県は15日、イノシシに遭遇した際の対処法などを解説した資料を作成したと発表した。県内ではイノシシに襲われたとみられる死者や負傷者が相次いでおり、春の新入学シーズンに合わせて子どもを含む住民らに注意喚起する狙いだ。県によると県内では2015年度(14日現在)、イノシシの出没を四国中央や松山など5市で7件確認。2月には八幡浜市の山中で農作業をしていた男性がイノシシとみられる動物に襲われて死亡した。新居浜、西条、八幡浜3市では6人がけがをしている。イノシシの出没は14年度は2市町で4件、13年度には4市町で10件(負傷者1人)を把握している。資料は一般向けと子ども向けの2種類を作成。イノシシに遭遇した際は「慌てず騒がず、イノシシを刺激しないでゆっくりとその場を離れる」とアドバイスしている。万が一、襲ってきても反撃せずに建物や車に避難したり、木に登るなど高い所に移動したりするよう呼び掛けている。資料は県ホームページからダウンロードできる。
(キジ放鳥:島根)
浜田市弥栄町で12日、猟師や狩猟に興味を持つ家族連れなど約30人がキジを放鳥した。鳥獣保護の一環でキジの繁殖を進めようと、県西部農林振興センターが浜田市猟友会弥栄支部に委託し、狩猟を通じて自然との共生を考える地元の「狩人塾」(今田孝志代表)の協力を得て実施した。放鳥したニホンキジの成鳥50羽(雄30羽、雌20羽)は、出雲市斐川町の須山雉(きじ)園で昨年6月にふ化し、育てられてきた。参加者はキジの生態や放鳥の目的について話を聞いた後、三里地区の捕獲禁止区域内で「元気でね」と言いながらキジを空高く放った。松江市から参加した同市立中央小2年の坪内諒生(りょうせい)さん(8)は「思ったより遠くに飛んだ。元気で大きくなってほしい」と話した。
(低カロリーで鉄分たっぷり、シカ肉料理PR:兵庫)
シカ肉料理や加工品の魅力をPRするイベント「文鹿(ぶんか)祭」が15日、神戸市中央区の神戸ハーバーランドにあるスペースシアターであった。農林業被害を防ぐために捕獲されるシカの利活用を目指し、初めて企画。兵庫県内の飲食店など18業者が、シカ肉を使ったカレーやハンバーガー、ハムなど16ブースを出店し、珍しい味を求める来場者でにぎわった。県猟友会、県内の飲食店やシカ肉加工施設など27団体でつくる「ひょうごニホンジカ推進ネットワーク」が主催。シカ肉は高タンパク低カロリーで、豊富な鉄分も特徴。イベントでは、普段はシカ肉を扱わない飲食店も、独自のメニューを考案、提供した。ホットドッグなどを食べた、アパレル販売員の女性(28)=神戸市中央区=は「意外に臭みがなくて、おいしかった」と笑顔だった。シカ肉料理を提案する同ネットワークの林真理会長(51)は「シカ肉に興味を持つ人を増やし、広く流通できるようにしたい」と話していた。
(旅館で「じびキャン」:静岡)
伊豆・湯ヶ島にある温泉旅館「水のみち風のみち 湯ヶ島たつた」(伊豆市湯ケ島、TEL 0558-85-0511)で3月10日、イベント「じびキャン」が開催された。2月から試験的に行われている同イベントは今回で6回目。イベントでは、館内各所にシカのはく製を設け、ミステリーツアーを展開。はく製の元には難解なクイズを置き、全ての謎を解くとドリンクサービス券を進呈する。メーンイベントとして夕食時、伊豆原産のブランドシカ肉「イズシカ」を利用した料理を提供。料理はイズシカを取り扱う大地讃頌(伊豆市下船原)社長の山本博行さん自らプレートで調理し、イズシカのローストを参加者の目の前で振る舞う。イズシカの特徴について、山本さんは「通常のシカ肉だと筋が強く生臭いというイメージが強い。近年は専用の施設で10日ほど熟成させ、肉の柔らかさや甘み、そして安全性が上がってきた。シカ肉の魅力を旅行者だけでなく多くの人に知ってもらいたい」と目的を話す。イベントに参加した地元の主婦グループの一人は「地元の人でも調理しづらく、凍らせて刺し身で食べるくらいしか使い方がないと思っていた。今回の料理を食べてこんなにおいしいとは思わなかった。長年近くに住んでいるが初めての体験」と振り返る。同旅館の支配人、山田大介さんは「シカブランドというとエゾシカなどは有名だが、伊豆のシカの知名度は低く、地域の名産品とのコラボレーションを行いたかった。肉の魅力はもちろん、シカの実際の姿も見てもらえれば。今後も同様のコラボを行えるよう考えている」と話す。
(給食にシカ肉カレー提供へ:徳島)
那賀町教委は16日、町内の6小中学校の給食でシカ肉を使ったジビエ(野生鳥獣肉)料理を初めて提供する。野生鳥獣による農作物の被害対策として、町を挙げて普及に取り組んでいるジビエ料理への理解を深めてもらうのが狙い。鷲敷、相生、桜谷の3小学校と鷲敷、相生、上那賀の3中学校の計約430人にシカ肉のカレーを出す。捕獲したニホンジカを一時飼育し、食材として出荷している同町沢谷のシカ牧場が肉約25キロを無償で提供。鷲敷、相生の両学校給食センターで調理する。給食提供に合わせ、各校でジビエ料理や鳥獣害被害の実態について、総合学習の時間などで児童・生徒に説明する。メニューが好評で、シカ肉が安定して調達できれば、定期的に給食に出すことを検討する。町教委は「町は『ジビエ料理の町』としてPRしているが、実際にシカ肉を食べたことがある子どもは少ない。おいしくてヘルシーなシカ肉の味を知ってもらい、普及に弾みを付けたい」としている。那賀町では、ニホンジカの食害による農作物の被害額が2014年度で2603万円に上った。同年度に町内ではニホンジカ2068頭が捕獲されている。

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