<射撃ニュース5月>

5/12
(白神山地でシカ目撃相次ぎ、捕獲わな設置:秋田)
世界自然遺産の白神山地周辺でニホンジカの目撃が相次いでいることを受け、東北森林管理局は今冬、青森、秋田両県に1カ所ずつ捕獲わなを設置する。捕獲方法の確立を目指し実験的に行う。わなは牧草やまき餌でシカをおびき寄せ、小型のおりに閉じ込める仕組み。餌となる草木が減少し、人里に下りてくる可能性がある冬季(11〜3月)の設置を予定する。おりは幅0・8メートル、奥行き1・8メートル、高さ1・3メートルの金属製。四国森林管理局がシカ対策で開発し、一定の実績が上がったことから導入を決めた。白神山地周辺は従来、シカが生息しないとされていたが、近年は監視カメラなどによって相次いで確認されている。ブナの原生林への食害など生態系に影響を及ぼすおそれがあり、森林管理局などは警戒を強めている。森林管理局は秋ごろをめどに、詳しい設置場所を検討する。「シカの生息数が増える前に手を打ちたい」としている。
(ニホンザル被害、年1000頭以上駆除も:山梨)
県が昨年、生息数を減らすことを含む管理計画を新たに策定したニホンザルの出没や農作物被害状況について、毎日新聞が県内全27市町村にアンケート調査したところ、3分の2にあたる18市町村が「出没も被害もある」と回答した。このうち17市町村は被害が「深刻」と答えた。サルの捕獲(駆除)数は増加傾向であるにもかかわらず、改善にはほど遠い状況が明らかになった。アンケート調査は、4〜5月にかけ、毎日新聞甲府支局が27市町村を対象に実施した。ニホンザルの出没・被害状況や対策、被害状況の推移などについて聞いた。結果によると、「出没も被害もある」は韮崎市や身延町など18市町村で、最も多かった。「出没していない」は甲斐市など6市町村、「出没しているが被害はない」が甲府市など3市町村だった。「出没も被害もある」の18市町村のうち、被害状況が「変わらず深刻だ」と答えたのが15市町村、「年々深刻だ」と回答したのも2町あった。「改善傾向だ」としたのは、南アルプス市だけだった。一方、県のまとめでは、市町村によるニホンザルの捕獲数は2007年度が401頭。その後は増加傾向で、12年度には1429頭、13年度も1017頭と2年連続で1000頭を超えた。捕獲数が増えても被害が減らない実態が浮かび上がった。県は昨年、ニホンザルの生息数を適正水準に減らし、生息地を適正範囲に縮小させるため、新たに「第二種特定鳥獣(ニホンザル)管理計画」を作った。この中で、県内の群れ数は70、生息個体数が3500〜4000頭と推定しているが、これは調査が2005〜06年度と10年前のデータだ。県みどり自然課の平塚幸美課長は「被害が全市町村に広がっているわけでもなく、今後、新たに大がかりな調査をする予定はない」と話す。ニホンザルは群れ単位で行動する。農業や生活被害を生じさせる群れの数は市町村からの報告などを踏まえ、「60群れ程度であると推定」としているが、いつのデータであるかの記載がない。同課は「被害の全体像がつかめず、その方法もない。あいまいな表現にせざるを得ない」と説明する。野生動物の生態に詳しい羽山伸一・日本獣医生命科学大学教授(野生動物学)は「サルはシカやイノシシと違い、群れ単位の対策が必要。そのためには群れの数や位置の把握が一番重要であり、県の責務だ」と指摘。「このまま放置したらサルによる被害が平野部まで広がる可能性がある。県は専門職員の確保に努め、すぐに対策に乗り出すべきだ」と話している。
(チューリップ500本シカ食害:北海道)
第42回くしろチューリップ&花フェア(前日祭28日、本祭29日)の会場となる鶴ケ岱公園で、チューリップ約500本がエゾシカに食い荒らされる被害が発生した。主催する釧路チューリップフェア実行委員会によると、エゾシカの食害は初めて。侵入を防ぐ目的でラジオを設置したり、10日には同公園を管理する市公園緑化協会が植え替え作業に当たるなど対応に苦慮している。公園内に3カ所ある花壇計515平方メートルには赤、白、黄色の花を咲かせるチューリップ約1万4千本が植えられ、現在次々と花を咲かせている。実行委が6日にエゾシカが花壇に侵入した痕跡と、主に花壇の端にある新芽が食べられているのを発見。同日には、音を出し続けてシカを追い払おうと花壇を囲むようにラジオ6台を設置し、看板を立ててラジオがエゾシカの食害対応であることを市民に知らせた。実行委の成ケ沢茂事務局長は「エゾシカによる被害は初めてで想定していなかった」と驚く。その後食害は確認されていないものの、ラジオが1台なくなり、10日に新たに2台を設置し直すなど新たな問題も発生しており、警戒を強める。10日には市公園緑化協会が、メインの花壇修復を優先的に考え、周囲の花壇から約300本を掘り起こして植え替える作業を行った。同協会は「例年より見劣りしないか、植え替えたものがしっかり花を咲かせるかなど心配」と話す。被害を知った市民からは各家庭のチューリップを提供する動きも出ている。
(イノシシ出没:神奈川)
大島にある「相模川自然の村公園」「上大島キャンプ場」周辺で、イノシシの目撃情報が複数寄せられている。これを受け、相模原市は、目撃地点周辺に注意喚起の看板を設置するなどの対応をしている。4月26日から5月1日にかけて5件の目撃があり、4日にもイノシシと見られる獣に庭を荒らされるという事案が発生している。住宅の多い大島エリアでイノシシの目撃が多発するのは初めてだという。市は今後の対応として「関係機関等と協議しながら、継続的な目撃情報の収集と注意喚起に努めていく」としている。また、市はイノシシへの注意事項として、「イノシシに出会ったら静かにその場を離れる」「急に走り出してイノシシを興奮させないようにする」「なるべく背中を見せないよう、ゆっくりと後退する」「威嚇したり、追い払おうとしない」などと呼び掛けている。
(子連れクマに遭遇、けが相次ぐ)
クマに遭遇してけがをするケースが5月に入って相次いでいる。子連れのクマが多いのが特徴だ。昨秋にドングリ類が豊作だったことや、暖冬が影響しているらしい。夏山シーズンを前に、専門家が注意を呼びかけている。大型連休中の3日午前9時ごろ、長野県軽井沢町の人里離れた林道で、ひとりで山菜採りをしていた県内の男性(82)がクマにおそわれ、軽傷を負った。県によると、親子とみられる2頭のクマに遭遇し、母グマにうでや顔をかまれた。岩手県岩泉町でも8日、山林で山菜採りをしていた男性(77)が親子とみられる3頭のクマにおそわれ、顔などにひっかき傷を負って入院。同県では4月下旬にも西和賀町の仙人山で登山中だった60~70代の男女3人が子連れのクマに襲われた。県は3月にツキノワグマの出没に関する注意報を2年ぶりに出して注意を呼びかけている。新潟県胎内市でも8日、山菜採りで山に入った70代の男性がクマに顔を爪でひっかかれて深い傷を負った。クマは親子とみられる2頭で、男性は自力で家まで帰り、家族が消防に通報したという。同県では4月から今月9日までのクマの目撃情報が57件となり、昨年同期より14件多い。山形や群馬、石川でもクマに襲われる被害がでており、新潟県の担当者は「今年は親子連れのクマが多いとみられ、人を襲う危険も高いので注意が必要」と話している。なぜ子連れのクマが増えているのか。石川県立大の大井徹教授(動物生態学)によると、昨年秋にドングリ類などの木の実が豊作だったことが影響した可能性がある。ドングリは冬眠前のクマのえさになる。母グマの栄養状態がよくなって出産率が高まり、春先の冬眠明けに子連れのクマが増えたと考えられるという。林野庁東北森林管理局などによると、昨年秋、岩手では2年ぶり、山形では10年ぶりにドングリ類が豊作で、宮城や群馬でも豊作に近い「並作」だった。新潟や石川でも豊作だった。もうひとつ影響したと考えられるのが暖冬だ。気象庁によると、2010年までの30年間の平年値と比較して、この冬(昨年12~今年2月)の気温は東日本で1・4度、北日本、西日本で1・0度高く、降雪量も全国的に少なかった。暖冬で雪解けが早くなると、クマの活動時期も早まるため、春先から多くのクマがエサを求めて山のなかを活発に動き回る。母グマは我が子を守るために攻撃的になりやすい傾向があるほか、長野県の担当者やNPO法人「ピッキオ」(長野県軽井沢町)によると、母グマは雄グマを避けるため、普段より行動範囲が広がり、人と出合う可能性も高いという。単独で暮らす雄グマが、母グマと交尾をするために子グマを殺したり、食べたりすることがあるためだ。山菜採りやハイキングでこれから多くの人が山に入る。大井教授は「山では鈴などの音が鳴るものを身につけ、むやみに見通しの悪い場所に入っていかないよう注意が必要だ」と呼びかけている。今年は秋に向けても注意が必要になりそうだ。大井教授の説明では、ブナやミズナラなどのドングリ類は、豊作の翌年に凶作になる傾向がある。豊作の年に実をたくさんつけたことで栄養を使い果たし、翌年は栄養が少なくなってしまうのだという。ドングリ類が凶作になると、えさを求めてクマの活動範囲が広がるため、山の中ばかりでなく、人里でも遭遇する機会が増える。大井教授は「特に西日本では隔年に近いパターンで出没が増えている」と指摘。秋にクマが大量に人里におりてきた「大量出没年」は、2000年以降、04、06、10、14年に起きており、今年も豊凶の状況次第で大量出没が起きる可能性もある。大井教授は「秋の紅葉やキノコ狩りのシーズンもクマへの警戒が必要だ」と話す。
(野生動物と共存へ人材育成:北海道)
世界自然遺産の知床に専門職大学院の設置を目指す「知床自然大学院大学設立財団」(斜里町)が開学の資金集めに奮闘している。資金は企業や個人からの寄付に頼り、少なくとも約5億円が必要。財団は「野生動物と人間の共存のため、高度な専門知識を持った人材育成が急務だ」として、幅広い寄付を呼び掛けている。世界有数のヒグマ密集地として知られる知床に教育機関を設立する構想は1986年に生まれた。地元・斜里町が町の総合計画に「国際自然大学構想」を盛り込み、当初は4年制大学として開学する案だった。町職員の検討会議や民間によるワーキンググループが発足するなど協議が続けられ、2013年1月、民間有志が設立財団を組織し、活動を引き継いだ。計画では、専門職大学院は2年制で1学年20〜30人、専任教員約10人の体制を想定。地域資源の保全や野生動物の専門家の育成を目指す。また、学生や教員が暮らすことで得られる地元経済への波及効果も魅力だ。大学院設立構想の背景には、野生動物に絡むトラブルがある。農林水産省によると、野生のシカやサルなどによる農作物の被害額は近年、約200億円前後で推移。道生物多様性保全課の担当者は「動物との知恵比べ」と、対策の難しさを語る。クマやイノシシが人と接触する事故も後を絶たない。財団の田中俊次代表理事は「このままでは問題は広がっていく。生態系の全体を把握できる人材が全国で求められている」と訴える。世界的にも野生動物に特化した教育機関は数少ないという。最大の壁は、資金集めだ。廃校舎を利用する場合でも約5億円、校舎を新設するなど単独の学校法人設立では約10億円が見込まれる。だが、これまで集まったのは約50万円。17年4月を予定していた開学時期は1年の延期を余儀なくされた。資金集めに欠かせないのは、企業への具体的なメリットの説明だ。多様な業種から理解を得る必要がある。財団は寄付を募りながら、より費用のかからない他大学との連携や共同運営、キャンパス誘致の可能性も視野に開学への道を探る。田中代表理事は「知床は多様な生態系が形成されており、現実的で具体的な課題が広がるフィールド。大学院大学の絶好の教室になる」と話している。
(富士山麓「ロードキル」から野生動物を守れ:静岡)
「ロードキル」ということばをご存じでしょうか?。道路による影響で野生動物が死ぬことを総称して使われることばです。その原因の多くは車との衝突です。衝撃の大きさによっては、車や人にまで被害をもたらすこともあります。事故として扱われることが少ないため実態が見えにくいのが特徴です。豊かな自然に囲まれ、野生動物が道路に飛び出しやすい富士山麓エリアではこれまで詳しいデータはありませんでしたが、市民団体の調査で実態が少しずつ明らかになってきました。調査を行っているのは富士山の環境対策や自然ガイドに携わる市民団体の「富士山アウトドアミュージアム」です。調査は、定期的な巡回や地域住民からの通報を受けてロードキルを確認。被害に遭った動物の種類、日時や場所などを詳細に記録しています。調査の対象はカエルなどの小型動物からシカやタヌキなどのほ乳類全般です。この団体によると、およそ2年間に確認したロードキル件数は247件。平均して3日に1件起こっていることが分かりました。最も多かったのはニホンジカで66頭でした。団体の代表、舟津宏昭さんは「発見できたのがこれだけで、実数は3倍から5倍かもしれない」と話しています。調査の結果、ロードキルが多発する傾向が2つの側面で見えてきました。1つは道路周囲の環境です。道路を挟んで林が隣接していたりガードレールなど動物の飛び出しを防ぐ物がなかったりする場所です。もう1つが「交通量の多さ」や「走行スピードの速さ」です。国道などの主要道路で付近に信号がない直線道路で多く起こっていたためです。さらに富士山麓という場所にもロードキルの起こりやすい要因があるといいます。それは県外や外国などから訪れる観光客です。世界遺産登録後、富士山麓エリアでは観光客が増加し続けています。それに伴い、観光客によるレンタカーの利用も急増しています。大手レンタカー会社のデータによると、観光客による去年のレンタカー利用件数は2年前のおよそ1.5倍。ことしはさらなる増加が見込まれています。地元の人にはよく知られている危険箇所でも観光客にとっては初めての道です。唯一、取られている対策は動物の飛び出し注意を促す標識ですが、野生動物の行動が活発になる夜間ほど見えづらくなります。地元以外のドライバーの増加は、ロードキル増加の一因になる可能性があるのです。動物の飛び出しを防ぐフェンスを設置するなど構造物で対策を施す方法がありますが、「世界遺産」や「国立公園」エリア特有の、厳しい景観への配慮が求められるため、設置には高いハードルがあります。そのため舟津さんは別のやり方でロードキルを減らす取り組みを始めました。首都大学東京の研究室と連携してロードキルの実態を伝える地図をインターネット上に公開。最新技術を使って、いつ、どこで、どんな動物が被害に遭っているのか一目で分かるようにしました。動物のイラストをクリックすると発生現場の画像が表示され、どのような環境で発生したのかを確認することも出来ます。さらに大手レンタカー会社も舟津さんの調査データを利用し始めています。富士山麓エリアの2つ店舗でロードキル多発エリアを示したパンフレットを客に配っています。急増する外国人観光客向けに英語版も用意しました。今後、カーナビなどの技術と連携していきたいと考えている舟津さん。「積み重ねていかないと、価値あるデータにはならない。日々、調査を続けていきたい」と話しています。

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(クレー射撃協会、益城町に義援金)
日本クレー射撃協会は9日、東京都内で理事会を開き、熊本地震で被災した熊本県益城町に義援金を寄付することを承認した。益城町には強化拠点の「熊本県総合射撃場」があり、協会は大会運営などで同町の支援を受けている。義援金は既に100万円以上が集まっており、今月末にも同町を訪問して届ける。(
(クレー射撃五輪壮行会:東京)
日本クレー射撃協会は9日、東京都内でリオデジャネイロ五輪代表の壮行会を開き、3大会連続4度目の五輪出場となる女子トラップの中山由起枝(37)=日立建機=は「穏やかな気持ちで(本番を)迎えたい。自己最高得点をたたき出す」と抱負を述べた。競技と子育てを両立させてきた中山。娘の芽生さんは中学3年生で、五輪期間中は、高校受験を控えているため日本に残る。中山は「今まで支えていたような気持ちでいたが、今回は支えてもらっている。(メダルを)取ったよと言いたい」と決意を示した。女子スキートで日本勢初出場となる石原奈央子(41)=古峯神社=は、父親の敬士さんが1980年モスクワ五輪代表に選ばれながら、日本のボイコットで出場できなかったこともあり、「父の分まで頑張っていきたい。自分の射撃をすれば結果がついてくる」と力を込めた。
(“親子グマ”に遭遇:宮城)
7日、宮城県仙台市泉区の林道でミヤギテレビのカメラマンがクマに遭遇し、その姿を撮影した。クマは体の大きな親グマ1頭と子グマ2頭で、ツキノワグマとみられ、エサとなるミズバショウを食べていたとみられる。7日午前8時頃、登山のため、車で仙台市泉区の林道を走行中のミヤギテレビのカメラマン2人が写真撮影用のカメラで動画撮影した。カメラマンはクマと30~40メートルは離れており、林道との高低差もあったことから、この位置なら安全と判断して撮影した。しかし子グマがカメラマンに気づいて走って逃げた際、親グマは子グマを守ろうとしたのか、カメラマンに向かって威嚇してきたという。宮城県内では8日午後5時半頃にも富谷町内の民家でクマ1頭が目撃されている。県によると宮城県内に生息するクマはツキノワグマで、目撃情報は9日までに59件と去年の43件より多いという。
(シカ被害防止へ態勢強化:長野)
ニホンジカによる農林業被害を防ぐため、林野庁中部森林管理局(長野市)は今年度から、長野など4県で設置している自動撮影カメラを増設するほか、全地球測位システム(GPS)発信装置なども駆使して、捕獲態勢を強化する。県内では、生息数が少ないとみられてこれまで調査不足だった中央アルプス一帯を重点的に調べ、生息域や移動経路の把握を目指す。県によると、農作物を荒らし、木々の皮をはぎ、苗木の葉を食べるといったシカによる農林業被害はここ数年、減少傾向にあるが、2014年度には約3億7600万円に上った。このうち、林業被害は約1億9300万円だった。一方、同管理局によると、県内の国有林での捕獲数は、14年度の3660頭をピークに、15年度は2572頭にまで減った。ただ、同管理局は「捕獲数は減ったが、シカが警戒心を強めるなどして捕獲されにくくなっているだけで、生息数はまだ多い」とみている。実際、県内のニホンジカの生息はこれまで伊那地域が多いとされていたが、中央アルプスでも13年に初めて生息が確認された。伊那から中央アルプスを越えて、木曽方面に移動していると推測されている。同管理局では、生き物が前を通過するとシャッターが切られる自動撮影カメラの台数を約4倍強に増設し、16年度は長野、富山、岐阜、愛知の4県で約350台態勢にする。このうち長野県内のカメラは約220台。特に中央アルプス一帯については、15年度まで数台だったカメラを、岐阜県側とあわせて約80台にする。また、移動経路を把握するため、中央アルプスでは初めての試みとして、捕獲したシカ7頭にGPSを付けて放つ。同管理局は「さらなる農林業被害を減らすため、シカたちが移動する最前線で捕獲するようにしていきたい」としている。
(シカ食害から三嶺守れ:高知)
「三嶺の森をまもるみんなの会」(依光良三会長)と高知中部森林管理署は21日、高知県香美市物部町の三嶺山系「さおりが原」で、シカ食害から植物を守る防鹿柵を設置する。参加するボランティアを募集している。さおりが原では2006年ごろから、マネキグサやササなどが食害に遭い、三嶺の森をまもるみんなの会は2008年から防鹿柵の設置などを続けている。現在、柵の外には植物がほとんど残っていない状態で、根を張って土を支えるササが枯れたことで、周辺では土砂崩れも深刻になっているという。依光会長は「物部川源流の原生的な山が壊れている。皆さんの協力で再生していきたい」と話している。今回は植樹も含めて作業を行う。定員80人で、当日午前7時20分から、香美市大栃の奥物部ふれあいプラザで開会式と班分け。1時間半ほど山歩きが必要で昼食や軍手、登山用の靴は各自で用意する。
(シカ肉カレーに長蛇の列:滋賀)
県内でカレーチェーン「CoCo壱番屋」の店舗をフランチャイズ展開している「アドバンス」(長浜市)は10日、シカの食害抑止のPRを目的に、シカ肉入りカレーを販売していた県庁前の出張店舗を閉店した。最終日となったこの日は雨がぱらつくあいにくの天候だったが、県庁職員らが長蛇の列を作り、カレーを買い求めた。シカの食害が深刻化する中、アドバンスは県から提案を受け、平成27年2月から1~2週間に一度、県産のシカ肉が入ったカレーを販売する店舗を県庁前に出店。だが、県総務課が県の公有財産事務規則などに基づいて、アドバンスの継続出店は認められないとしたため、出店を終えることになったという。出張店舗には「ありがとうございまシカ」と書かれたのぼりが掲示され、店員たちはカレーを一つずつ手渡し、礼を述べていた。また、シカ肉入りカレーのほか、琵琶湖固有の二枚貝「タテボシガイ」入りカレーも販売。過去最高の計約150食を売り上げた。ある男性職員は「シカ肉入りカレーはおいしいし、地域の課題をビジネスで解決しようという意義のある取り組み。次に向けて何らかの展開ができるといいと思う」と期待を込めた。アドバンスの川森慶子総務課長は「シカ肉を楽しんでいただいたのはうれしかったし、シカ肉活用のPRができたと思う。敷地を使わせていただいた県に感謝したい」と話した。一方、三日月大造知事はこの日の記者会見で「今回の取り組みを通じて浮かんだ課題などについて意見交換していきたい」と述べた上で「(県内のシカ害は)カレーにしていただくだけで減るレベルではない。シカが他の肉にはない特性を持っているかもしれないし、よく研究する必要がある」と含みを持たせた。出張店舗で販売されたシカ肉入りカレーのうち、元祖鹿カレーは県内の店舗(一部店舗を除く)で引き続き販売されるほか、タテボシガイ入りカレーも長浜8号バイパス店(長浜市八幡東町)で味わうことができる。
(野鳥の足、釣り糸が奪う)
足を失ったり、エサがとれなくなったり。捨てられた釣り糸がからまる野鳥の被害が後を絶たない。10日からの愛鳥週間を迎え、保護団体や研究者が「釣り糸は必ず持ち帰って」との呼びかけを強めている。豊かな緑が残る神奈川県葉山町。鳥の生態を長く研究してきた慶応大学の樋口広芳特任教授は4月、町内の森を出たところで、数メートル先に歩き方がおかしなハクセキレイを見つけた。双眼鏡で見ると、片足の先がなく、丸く固まっている。釣り糸が絡まった足の先端が壊死(えし)したようだ。化学繊維で作られた釣り糸は野鳥の力で切ることは難しい。逆に、もがくほど釣り糸が締まってしまうケースもあるという。樋口さんは「体に絡まった糸が木にかかって死んでしまう例もある」と話す。日本鳥類保護連盟の活動報告によると、昨年までの5年間だけで長崎、山口、京都、静岡、新潟、神奈川、東京などで、ウミネコやシギ、ハト、カモ、サギなどの被害が確認されたという。そこで同連盟は毎年、5月~10月まで釣り愛好者の団体などにも呼びかけて、川や沼、海岸など水辺で釣り糸や釣り針などの回収活動を続けている。2015年に回収された釣り糸は約7200メートル。年によって回収地点数は異なるが、1万メートル前後の年が多く、5万2千メートルに及ぶ年もあった。回収された中には、仕掛けがついたままの釣り糸のほか、おもりやルアーなどもあるという。一方、毎年回収する場所では見つかる釣り糸も減る傾向にある。同連盟では「釣り糸は必ず持ち帰って短く切り、針を外して処分してほしい」と呼びかけている。
(野生の桜分布、ツキノワグマが一役)
日本の山地に広く分布する野生の桜、カスミザクラが低地から高地へ分布域を広げるのにツキノワグマが大きく貢献しているとする研究成果を森林総合研究所(茨城県つくば市)などのチームがまとめた。種子が育った標高を推定する手法を新たに開発。低地で実った種子の多くをクマが食べ、数百メートル高地で排泄(はいせつ)していることを明らかにした。研究チームは東京・奥多摩の標高550~1650メートルの山中に長さ16キロの調査ルートを設け、4年間かけてサルやテンなどを含む哺乳類の糞(ふん)を採取。カスミザクラの種子を探したところ、全体の80%がツキノワグマの糞から見つかった。種子に含まれる酸素の同位体の比率から種子が育った標高を割り出す新手法を使って、見つけた種子を分析。糞の採取地点と比べると、平均307メートル、最大で738メートル高所に運ばれていることがわかったという。森林総研の直江将司研究員は「低地から高地へと実がなるのを追いかけ、途中で排泄したと考えられる。高所に種を運ぶことで、温暖化が進むなかでカスミザクラを守っている格好だ」と話す。

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(狩猟中に崖から転落か、男性死亡:大分)
7日午前6時40分頃、豊後大野市の山中で猟に出かけた豊後大野市三重町秋葉の林業、塩月義元さんが林道から5メートルほど下で倒れているのが見つかり死亡が確認された。警察は塩月さんは崖から滑落し、誤って自分の足を猟銃で撃ったと見て調べている。
(クマに襲われ男性負傷、山菜採り中に:岩手)
8日午後4時50分ごろ、岩泉町安家字氷渡の山林で、同町の男性(77)がクマに襲われたと親類から119番通報があった。男性は頭や腹などを負傷し、ドクターヘリで盛岡市の県高度救命救急センターに運ばれた。岩泉署と岩泉消防署によると、クマは3頭出没し、うち成獣の1頭が午後0時半ごろ、1人で山菜採りをしていた男性を2メートルほど突き飛ばした後、頭や顔面をひっかいた。男性は自力で下山し親類に連絡した。同町では6日にも同町岩泉の龍泉洞付近で子グマが目撃されており、同署や同町はパトロールや広報などで警戒を呼び掛けている。
(男性がクマに襲われけが:新潟)
8日午前8時ごろ、胎内市鍬江の山林で、山菜採りで山に入った同所の70歳代男性がクマに顔を爪で引っかかれるけがを負った。胎内署などによると、男性は自宅から約300メートルの山林で親子とみられるクマ2頭に遭遇し、親の方に襲われた。男性は歩いて自宅に戻り、家族が消防に通報した。クマの体長は不明。胎内署と胎内市はクマが出没した場所は集落に近いことから注意を呼び掛けている。
(民家の車庫にクマ逃げ込み捕獲:石川)
七日午前八時五十分ごろ、石川県野々市市末松一で「神社境内にクマがいる」と付近住民から一一〇番があった。県警白山署員らが捜索したところ、クマは同十時三十分ごろ、隣接する同県白山市福正寺町の民家の二階建て車庫に逃げ込み、約二時間十五分後、いしかわ動物園(同県能美市)の獣医師が麻酔銃で捕獲した。けが人はなかった。クマは白山市が殺処分した。捕獲現場は水田に囲まれた集落内。近くを国道157号が通り、半径一・五キロ内には県立大や明和特別支援学校、大型ショッピングセンターのアピタ松任店などがある。署などによると、クマは生後三年ほどの若い雄で、体長一〇九センチ、体高五〇センチ、体重三九キロ。この日は午前四時五十分ごろ野々市市中林三で、同五時二十分ごろ同市清金一でクマらしい動物が目撃されている。末松一では民家玄関先の風除室のガラスを割った。白山市の民家は吉本興業所属のお笑いコンビ、ぶんぶんボウルの豊茂(とよしげ)さん(33)の実家。豊茂さんは自身のツイッターに「まさかの家の車庫に熊が入って(中略)、皆さん、春は熊が起きてくるので気を付けてくださいね」と書き込んでいる。県が把握している今年のクマの目撃情報は六日現在、昨年同期比七件増の十五件。県自然環境課の担当者は「今冬は雪が少なく、冬眠から早く目覚め、活動時期も早まっているのではないか」とみている。
(イノシシじわり北上、原発事故後の規制が拍車:宮城)
宮城県内でイノシシの捕獲頭数が急増している。長らく県南が生息域の北限とされてきたが、1990年代に県北へ分布が拡大。東日本大震災後は東京電力福島第1原発事故による出荷規制が頭数増に拍車を掛け、農家や自治体が農作物への被害に苦慮している。県のほぼ中央に位置する大和町は2010年度まで捕獲頭数ゼロだったが、11年度以降に右肩上がりで増え続け、15年度は46頭に達した。ジャガイモなどの農作物被害が16年度に150万円に上り、「水田のあぜを荒らされたという報告もある」(町産業振興課)。県などによると、イノシシはかつて丸森町周辺が生息の北限だった。しかし温暖化や狩猟者減少、耕作放棄地増加などに伴い近年は大和町のほか、さらに北部の大崎市、栗原市、加美町などでも確認された。生息域拡大に原発事故が追い打ちを掛けた。県内で捕獲されたイノシシの肉は放射性セシウム濃度が国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える例が続き、国の出荷制限は解除見通しが立っていない。県自然保護課は「出荷制限で流通されず、下火だった狩猟がさらに減った。原発事故と頭数増が無関係とは言い切れない」とみる。県内では11年度に2000頭だった捕獲数が13年度に5000頭を突破。農作物などの被害総額も14年度に1億円を超え、本格的な対策が急務となっている。県や自治体は、電気柵や網で農作物を守るよう農家に呼び掛けている。狩猟者の確保に向け、講習会費用などを助成している自治体もある。
(「クマ目撃」相次ぐ、爆竹などで威嚇も逃げず:福島)
福島、郡山両市で8日、クマの目撃情報が相次いだ。午前6時ごろ、福島市で、男性が自宅の庭で1頭を目撃した。爆竹などで威嚇したが逃げないため通報、その後姿が見えなくなった。福島署によると体長約1.5メートル。午後3時ごろ、郡山市のミズバショウ群生地付近の畑で、近くに住む男性が1頭を目撃。郡山北署によると体長約1メートルで、山に逃げたという。
(クマ出没、注意呼び掛け:新潟)
2016年5月9日午前9時頃、新潟県上越市大貫2の県道上越新井線(通称山麓線)の関根学園高校から北へ100m地点で、車を運転していた女性が歩道に体長100cmほどのクマがいるのを目撃した。上越市によると同日は午前6時過ぎにも大貫の金谷山公園ホタルの宿付近でクマが目撃されており、市では注意を呼び掛けている。上越市によると同日午前6時10分頃、大貫の金谷山公園ホタルの宿付近で、散歩中の女性がクマ1頭を目撃。その後午前9時頃には、北東に約700m離れた山麓線の歩道で目撃された。歩道にいたクマは道路西側の薮へ逃げて行ったという。その後同日午前中には、山麓線の西側にある関根学園高校グラウンド付近でも目撃されている。市や警察が現場付近をパトロールしている。山麓線の目撃地点から近くにある市立高田西小学校では職員らが付き添って集団下校を実施する。
(クマ出没、見学者が避難:秋田)
7日正午ごろ、北秋田市脇神の国指定史跡・伊勢堂岱遺跡の東側斜面に3頭のクマがいるのを清掃作業中の男性が発見、北秋田署に通報した。当時、遺跡内には4人の見学者がおり、近くの展示施設・伊勢堂岱縄文館の職員が館内に避難させた。
(バードストライク半減、活躍しているのは誰?:大阪)
離着陸中の飛行機に鳥が衝突する「バードストライク」を防ごうと、関西空港の始めた作戦が効果を上げている。ハヤブサやタカを使って鳥を追い払う。昨年度はバードストライクが、前年度からほぼ半減した。約150ヘクタールの未供用地が広がる関空2期島を、猛禽(もうきん)類のハヤブサやハリスホークが舞う。周囲には杭につながれたオオタカも。鷹匠(たかじょう)の石川孝一さん(68)は「ハヤブサやタカの姿が見えるだけで他の鳥は警戒する」。地上では紀州犬やビーグルなど計約30匹がほえたてる。大阪府猟友会の田中茂雄事務局長(74)は「犬の臭いも嫌がるので、メンバーが犬を連れて歩き回っている」。主な「追放」対象はコアジサシ。カモメ科の渡り鳥で、この時期、卵を産む場所を探して飛来するという。小さな魚をえさにしていて、海に囲まれた関空は近年、格好の産卵場所になっていた。ただ、鳥獣保護法の規定で捕獲や卵の採取はできない。環境省のレッドリストでも絶滅危惧2類に指定されており、対策に頭を悩ませていた。そこで、「ここはあなたたちにとって快適な環境ではないですよ、と知らせる方法」(関西エアポートの担当者の石川浩司・関空オペレーションユニット長)を模索。成田や中部空港の取り組みも参考にした。昨春、府猟友会の協力を得てハヤブサや猟犬を使った対策を試みると、前年度に比べて滑走路や誘導路周辺のコアジサシが9割以上減少。バードストライク発生件数も2014年度の43件から15年度は24件になった。コアジサシに限ると、20件が2件まで減ったという。
(野生動物捕獲のおり5割増産:兵庫)
マンホール設備などを製造販売する竹森鉄工(兵庫県朝来市)は、シカやイノシシといった野生動物を捕獲するおりを増産する。新たな製造設備を設置し、年間の生産量は5割増加する見込み。畑などを荒らされる農業被害が深刻化する中で、動物を捕獲して個体数を管理する取り組みが各地で進んでいる。自治体などからの需要が増えているのに対応する。

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(イノシシに襲われ男性大けが:宮城)
3日午前10時20分ごろ、宮城県色麻町平沢の山林で、山菜採りをしていた仙台市宮城野区の会社員男性(65)がイノシシ1頭に襲われ、顔の骨を折るなどの大けがをした。加美署によると、イノシシは成獣で、正面から突進してきたとみられる。イノシシは山中に逃げた。現場は「色麻平沢温泉かっぱのゆ」から南へ約1キロの山林。
(クマに頭や腕かまれ、山菜採りの男性けが:長野)
3日午前9時半ごろ、長野県軽井沢町長倉の林道で、同県御代田町の男性(82)が親子連れのクマと遭遇し、顔や腕をかまれるなどの軽傷を負ったと119番通報があった。県警軽井沢署によると、男性は1人で山菜採りのため入山した。クマに襲われた後、バイクで一度帰宅し、血が止まらなかったため通報した。同署は付近の住民に注意を呼びかけている。
(余震で戻れぬ集落にイノシシ:熊本)
熊本県などでの一連の地震は、同県内に767億円(推計、1日現在)の農業被害をもたらした。用排水路やハウスといった基盤施設の損傷が大きいが、集落の営みそのものに打撃を与えているケースもある。2度にわたる震度7に見舞われ、今も余震がやまない同県益城(ましき)町の山あいの集落を4月下旬に訪ねた。住宅の多くが倒れ、石垣が崩落していた。舗装した道路はひび割れ、波打ち、山肌の一部も崩れていた――。杉堂地区。熊本地震を起こした断層帯の上にあり、激しい被害を受けた。4月29日、約70世帯が暮らす集落に入った。うち10世帯ほどはサツマイモで生計を立てている農家だ。「またか」。午前7時半、西村誠志さん(62)が被災した自宅前のビニールハウスに近づくと、中では体長1メートルほどのイノシシがサツマイモの種芋を食い荒らしていた。数日前も同じ目に遭った。慎重に間合いを取りながら、棒で追い払った。それまで人里に姿を見せなかったイノシシが震災後に集落に入り込み、ハウスを荒らすようになった。「前震」「本震」と続いた大きな揺れで家の下敷きになった被害が目立つ今回の震災。家に戻ることをためらう人は多い。「本震」で壊滅的な被害を受けた杉堂地区の一部の人たちも、山あいにある家をいったん離れ、山道を車で10分ほど上った先にある広々とした台地で肩寄せ合って暮らす。農機具置き場で3食を共にし、家族ごとに車やプレハブ小屋で寝起きする。人気のなくなった集落に出没し始めたのがイノシシだ。防獣ネットや電気柵を張り巡らしても効果は見えない。ワナの設置を頼んだ町役場も、本庁舎が被災して復旧業務もままならず、「手が回らない」。つてをたどって業者にワナを設置してもらい、何とか1匹をしとめた。以降は再び、電気柵で警戒している。
(クマ、目撃情報相次ぐ:青森)
ゴールデンウイーク半ばの3〜4日、県内は5月下旬から7月上旬並みの暖かさとなり、冬眠から目覚めたとみられるクマの目撃情報が相次いだ。4日午後0時45分ごろ、中泊町に住む男性(68)が、「林道でクマを見かけた」と五所川原署内潟駐在所に届け出た。同署によると、3日午後3時半ごろ、男性が同町今泉藤の森の林道を車で走行中、前方を1頭のクマ(体長約1・5メートル)が横切ったという。また、黒石署によると、4日午後3時ごろには、黒石市上十川山元のリンゴ畑で走り回っているクマ1頭(同約1メートル)を市内の男性(33)が見つけ、110番した。いずれもけが人はなかった。両署は付近をパトロールし、注意を呼びかけている。
(クマ1頭目撃:山口)
3日午前9時50分ごろ、長門市仙崎の青海島の青海湖付近で、地元の50代男性がクマ1頭を目撃し、長門署に通報した。同署によると、男性が車で通行中、体長約1メートルのクマがやぶから道路に出てきて、すぐにやぶの中に戻った。青海島でクマが目撃されたのは初めて。クマは中国山地を生息域にしているが、青海島へは青海大橋を通るか泳いで渡るしかない。同署がパトカーで広報しているほか、市の防災メールでも注意を呼びかけている。
(希少ワシ、鉛中毒死絶えず:北海道)
狩猟や有害駆除によって撃たれたエゾシカの死骸をついばんで鉛弾の破片をのみ込み、鉛中毒で命を落とす希少ワシ類が絶えない。北海道は2000年から段階的に鉛弾規制を強化し14年の猟期からは鉛弾所持も禁止したが、今も中毒被害は続いている。環境省がまとめた15年度の全国の傷病希少野生動物収容状況によると、国の天然記念物で環境省レッドデータの絶滅危惧2類に記載されているオオワシは22羽で、すべて道内で収容された。このうち血液検査により2羽が高濃度の「鉛中毒」でいずれも死に、4羽はやや程度が軽い「鉛暴露」と判明した。オジロワシも、収容された25羽のうち鉛中毒、鉛暴露が各1羽だった。道内では約20年前から、希少ワシ類の鉛中毒が急増。1998年に最悪の26羽(オオワシ16羽、オジロワシ10羽)が収容された。中毒死はこれまでに150羽を超えている。道は00年度にエゾシカ狩猟用の鉛ライフル弾の規制に着手し、翌年には鉛散弾の使用を禁止した。さらに、03年にエゾシカ死骸の放置、04年にヒグマ猟での鉛弾の使用、14年に鉛弾の所持をそれぞれ禁止した。だが、規制のない本州などで鉛弾を入手して道内で使い続ける悪質なハンターが後を絶たない。規制強化後も毎年2〜13羽のオオワシ、オジロワシが鉛中毒で環境省釧路湿原野生生物保護センターに収容され、大半が死んだ。クマタカやイヌワシでも鉛中毒が確認されている。
(カラスの巣で停電:富山)
3日午前、富山市の中心市街地で1時間あまりにわたる停電がありました。停電の原因は、カラスの巣でした。停電した地域は富山市中央通り、白銀町といった中心市街地で、3日午前10時50分ごろから1時間あまりにわたって670戸が停電し、営業準備中の飲食店などでも影響が出ました。該当エリアでは復旧後も点検作業に追われる姿が見られました。北陸電力によりますと、カラスが電柱に作った巣の中に金属製のものが含まれておりそれが電線に触れたことが原因だということです。北陸電力は鳥の巣などを見つけたら早めに連絡するよう呼びかけています。
(イノシシ、人口の3倍:佐賀)
唐津市の加唐(かから)島でイノシシが大繁殖し、農作物を荒らすなど島民の生活を脅かしている。人口100人余りに対し300頭以上が生息。人への危害はまだないが、捕獲は難しく「このままでは人が島から追い出される」と漏らす人もいる。「でかいのがわなにかかった。手伝ってくれ」。島の区長を務める緒方正善さん(66)の携帯電話には島民から時々、連絡が入る。草やぶに仕掛けたわなに、体長約140センチの雄が横たわっていたことも。まん丸と肥えた姿に「こいつらが畑を食い荒らしよったのか」と怒りがこみ上げた。玄界灘に浮かぶ加唐島は面積約2・8平方キロ。古代朝鮮の百済(くだら)国王「武寧(ぶねい)王」が誕生した伝説が残る。島民の話では、15年ほど前、3キロ余り離れた九州本土などから泳いで渡ってきたとみられるイノシシがすみ着いた。周辺海域では今も泳ぐ様子が目撃され、唐津海上保安部の河崎輝希(てるき)さん(27)は、犬かきのように泳ぐ2頭を巡視船から見たことがある。「水しぶきを上げ、慣れた様子でぐんぐん進んでいた」と振り返る。市によると、外敵がおらず、農作物などの餌も豊富だったため繁殖した。島に群生するツバキを使用した化粧品を開発する構想があるが、木の根を荒らされる被害が増加。イノシシが斜面を掘り起こし、岩石が土砂崩れのように道路にごろごろと落ちる被害もある。島は切り立った崖が多く、猟犬を使った捕獲は困難。島民は茂みにおりを仕掛けて捕獲している。かかるのは年50頭ほど。しかし年1、2回、5、6頭の子どもを産む繁殖力に追いつかない。夜になると民家の近くまで寄ってくるため、島民は夜の外出は車に限るか、控えるようになった。金属製の網で二重三重に畑を覆ったり、住宅を敷地ごとフェンスで囲ったりする家庭もある。全国的にはイノシシ肉を特産品にする動きもあるが、加唐島の住民は漁師が多い。イカ漁をしている徳村敏勇樹(としゆき)さん(66)は「漁師が猟師になるのは難しい。魚をさばけても獣肉はさばけないからどうしようもない」とため息をついた。
(防げ猿害、GPS発信機で監視:奈良)
奈良市東部のニホンザルによる農業被害対策で、同市農林課はGPS(全地球測位システム)機能をもつ発信機を使い、群れの行動パターンなどを調査、サルの捕獲に乗り出した。市はこれまでにシカやイノシシ、アライグマなど有害鳥獣の捕獲で実績を挙げているが、すばしこく知能の高いニホンザルは27年度も捕獲数ゼロで、対策に頭を痛めていた。最新システムの活用で、成果が期待されている。
(天売のウミガラス観察:北海道)
絶滅が危惧される天売島のウミガラス(オロロン鳥)の保護増殖事業で、環境省は今春も営巣地の岩棚内部に抱卵や巣立ちの様子を観察するビデオカメラを設置した。休止していた録音マイクによる鳴き声の記録も、2年ぶりに実施する。天売島には既に20羽前後のウミガラスが飛来しているといい、大型連休明けには音声付き動画が北海道海鳥センター(羽幌)のホームページで公開される。カメラは4月19日、島南西部の「赤岩」対岸の高さ25メートルの岩棚にある巣穴に、環境省羽幌自然保護官事務所の職員らが設置した。巣穴は幅3メートル、奥行き2メートル、高さ80センチ。巣穴の観察は同省が2012年に開始した。当初はカメラ2台だったが、13年に4台に増設。14年には録音マイクも配置し、ウミガラスが卵を抱いたり、ひながふ化したりする姿を撮影、鳴き声を録音してきた。昨年は巣穴の中のカメラと外の受信装置を結ぶケーブルの一部が破損したため、カメラを2台に減らし、録音も休止した。今年はケーブルを交換し、再びカメラ4台とマイクを設置して、万全の体制で観察する。カメラのうち1台は従来と角度を変え、巣穴を広く俯瞰(ふかん)できるような位置に置いたといい、同事務所は「なるべく死角を減らし、ひなが巣立つ瞬間やカラスなど捕食者が狙う様子の調査にも役立てたい」と話す。一方、例年同様、録音した鳴き声を流して繁殖地に誘う音声装置も3月26日に設置した。5月から8月にかけては週1回程度のペースで、エアライフルを使ってハシブトガラスやオオセグロカモメの駆除も行う。天売島には昨年、ウミガラスが27羽飛来。ひな10羽が巣立った。
(シカ肉ココイチ、県庁敷地はダメ:滋賀)
深刻化しているシカの食害を抑止する一助になればと、滋賀県内でカレーチェーン「CoCo壱番屋」の店舗をフランチャイズ展開している「アドバンス」(滋賀県長浜市)が、滋賀県庁前でシカ肉入りカレーを販売していた出張店舗が10日で打ち切りとなる。出店場所が県庁敷地内にあり、「特定企業に県有地を貸せない」と県総務課が判断したためだ。アドバンス側は「営利目的ではなかったのに…」とこぼし、利用していた県の職員からも惜しむ声が上がっている。滋賀県内では農作物を食い荒らすシカに悩まされており、県のまとめによると、平成26年度のニホンジカの被害総額は5766万3千円。被害を抑止しようと、各地でシカを捕獲する取り組みが進められているが、「食肉として活用されている量はごくわずか」(県自然環境保全課)という。こうした状況をふまえ、アドバンスは平成27年2月から、1~2週間に一度、県産のシカ肉が入ったカレーを販売する店舗を県庁前に出店。一般客も利用でき、県内の他店舗でも販売している「元祖鹿カレー」に加え、オリジナルメニューの「鹿竜田揚げカレー」など計5種を展開し、1日当たり100食前後を売り上げた。だが、県総務課が今年4月、アドバンス側に「このまま敷地を貸し出すことはできない」と通告。アドバンスは県庁内の生協で弁当として販売することも検討したが、「サービス低下は避けられない」として出店取りやめを決めたという。
(シシ肉うどん提供、猟友会がお接待:徳島)
阿波市の市場地区猟友会が3日、同市市場町切幡の四国霊場10番札所・切幡寺で、農作物の食害を防ぐため駆除したイノシシの肉を使ったうどんをお遍路さんに振る舞った。会員20人が、参道に休憩所を設けて「一休みしてください」と声を掛け、約600人にイノシシの肉や地元産のタケノコなどが入ったうどんを提供。参拝客は、市場地区更生保護女性会が用意したおにぎりやなると金時のふかし芋も味わい、疲れを癒やしていた。友人5人と訪れた今竹睦子さん(80)=兵庫県加古川市=は「これまでに札所巡りを5回しているが、こんなに手厚いお接待を受けたのは初めて。とてもおいしかった」と話した。
(獣臭さ抜いた「清流鹿」ブランド展開:和歌山)
農作物を食べるシカやイノシシなどの対策に頭を悩ます地方は多いが、和歌山県南部の古座川町は地元の猟師と連携し、鳥獣害を逆手にとって、捕獲したシカやイノシシを食肉に加工し販売する取り組みを本格化させている。中でも古座川の豊かな自然の中で成長したシカの肉は、「古座川の清流鹿」と名付けブランド化。東京や大阪などの飲食店に売り込み、町の“厄介者”を古座川の新しい魅力としてアピールしている。和歌山県全体の平成26年度の農作物の鳥獣被害額は約3億2千万円と多い。うち古座川町は約155万円で、毎年平均して約150万円の被害が出ている。同町産業建設課によると、昨年度のシカの駆除頭数は1177頭で「年々少しずつ増加している」(町産業建設課担当者)。特に高齢化が進む同町では、商売として農業をする人より自分の食料として農作物を育てるお年寄りが多いといい、同課の担当者は「実質的な被害額だけでは計算できない影響もある。農作業を生きがいにしているお年寄りも多く、鳥獣害は長年の課題だった」と話す。そこで同町は、平成26年度から食肉加工処理施設の建設など関連事業に総額6700万円を盛り込み、昨年3月末に鳥獣食肉処理加工施設を建設。これまでは駆除したシカやイノシシは山中に埋めて処分していたが、地元猟友会に所属する猟師と協力し、加工施設に搬入して「ジビエ」に加工、売り出す取り組みを始めた。施設が稼働して1年余りになるが、昨年はシカ532頭とイノシシ57頭を処理し、約570万円を売り上げた。「初年度としては上々の滑り出しで将来に期待がもてる」と町産業建設課の細井孝哲さん(32)は話す。中でも、「古座川の清流鹿」は町内の山中で地元の猟友会のメンバーが捕獲したシカ肉に名付けられたブランド。全国の飲食店でも絶賛される上質な肉質が特徴だ。牛や豚と異なり、筋肉質で歯応えがあるシカ肉は、野生の獣特有の独特の臭みから敬遠されがちだった。しかし、清流鹿は「全くクセがなく、初めて食べる人でも肉の良さが分かる」と加工施設の職員も自信を見せる。「清流鹿は、アユなどが取れるきれいな川の水を飲み、豊富な食糧がある山で生きている。紀伊半島は気候も温暖で、冬も寒さが厳しくない。他の過酷な環境で生き延びているシカよりも肥えて肉質もいい」という。また、捕獲から2時間以内のもののみ食肉に加工するなど、こだわりも見られる。加工施設の職員は「体内に血液が残ると、嫌な臭味が発生する。すぐに処理することで血抜きも完璧になる。こうして、ブランドの質を落とさないようにしている」と話す。加工後は0~1度に温度管理された熟成室で保管される。シカ肉は筋肉質なため、繊維が硬い。それを熟成させることで肉質を柔らかくする。「口に入れた時に味の魅力が100%出るように心がけています」。加工施設の責任者を務める深海政也さん(39)はそう話す。加工処理を担当する深海さんら職員4人のうち、3人は宿泊施設などで料理人としても働く。「料理人目線で肉を処理するので、骨の大きさや肉の厚さなど細かい注文を受けられる。そんなことができるのも、ここだけでは。頭の中にお皿に盛られるシカ肉をイメージしながらさばいています」と深海さん。町主導で、全国のジビエ料理のイベントや物産店などで積極的に販促活動も実施している。今年2月には、福岡市で開催された「第2回日本ジビエサミット」で古座川町のジビエの魅力をPRした。こうした販促活動の効果もあり、古座川の清流鹿は3月末現在で、県内だけでなく、東京や大阪などの飲食店計24店舗に出荷している。「知名度も次第に広がってきていると思います」と細井さんも手応えを感じている。東京都武蔵野市でスペイン料理のレストラン「ドス ガトス」を経営する高森敏明シェフ(55)は古座川の清流鹿をコース料理のメーンの肉料理などに使用する。和歌山出身の高森さんは自信を持って提供できる故郷・和歌山の食材を探している際に知人に勧められたという。「今まで使っていたシカ肉はうま味があっても獣臭さがあった。古座川のシカ肉は食べる前に臭いを警戒していたお客さんも『本当にシカ肉ですか』と驚く。肉の純粋なうま味が口の中に広がるんです」と絶賛。「和歌山の食材に誇りが持てました」という。同町では今年1~3月の各月1回、町内の小中学校4校でシカ肉を使用した「ジビエバーガー」を給食で提供した。町教委の担当者は「学校の周りにはイノシシやシカ除けのフェンスで囲まれた学校が多く、悪いイメージが定着していたが、新しい村の資源になった今、子供たちにも新しい村の魅力を知ってもらいたい」と話す。細井さんは「ゆくゆくは全国の飲食店で『古座川の清流鹿』が食べられるくらいの人気商品に」と意気込む。村の“厄介者”だったシカが、今や村の新しい資源として期待されている。

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(シカ猟のライフルが乗用車内で暴発、同乗の妻けが:北海道)
29日午後4時半ごろ、日高管内平取町豊糠の牧草地で、同町の無職男性(63)が所持していたライフル銃が乗用車内で暴発した。同乗していた男性の妻(61)が右足かかとに銃弾を受け軽傷を負った。門別署は銃刀法違反と業務上過失致傷の疑いで、男性から事情を聴いている。同署によると、男性は当時、駆除のためシカを撃っていた。1発を発射後、銃弾を抜かずに車の中で銃をケースに収め、再びケースから取り出す際に誤って引き金にふれ暴発させた。銃刀法は射撃時以外の銃弾装填(そうてん)を禁じている。
(散弾銃で心中図る?マンションで夫婦死亡:神奈川)
30日午前9時20分ごろ、川崎市中原区小杉御殿町のマンション一室で、男性の声で「6時ごろに自分の腹を散弾銃で撃った」と119番通報があり、駆け付けた神奈川県警中原署員が、住人の高橋徳太郎さん(63)と妻の貴美子さん(57)が血だらけでリビングに倒れているのを発見した。2人は病院に搬送されたが、死亡が確認された。同署は傷の状態などから、高橋さんが散弾銃で心中を図った可能性があるとみて調べている。同署によると、リビングに散弾銃が落ちており、2人には散弾銃で撃たれたとみられる痕があった。2人は次男(29)と3人暮らしで、高橋さんは県公安委員会から散弾銃所持の許可を受けていたという。
(クマに腕かまれ男性軽傷:群馬)
29日午前10時30分ごろ、みどり市大間々町小平の山で、山菜採りをしていた千代田町の男性(66)がクマに襲われ、腕をかまれた。男性は自力で下山し、車で自宅に向かったが、血が止まらず、途中の消防署から110番通報。救急車で病院に運ばれたが、軽いけが。桐生署によると、男性を襲ったクマは体長約1・2メートルで、襲ってすぐに逃げたという。警察とみどり市は広報車を走らせ、周辺に注意を呼びかけている。
(特急サンダーバードがイノシシと衝突:福井)
28日午後7時20分ごろ、福井県あわら市のJR北陸線牛ノ谷―細呂木間で、金沢発大阪行き特急サンダーバード(12両編成)が、イノシシと衝突。上下線で計3本が運休し、最大で約3時間10分の遅れが出た。乗り継ぎに間に合わなかった乗客のため、米原駅(滋賀県米原市)と大阪駅(大阪市)に、いずれも9両編成の特急車両を「列車ホテル」として用意した。米原駅では車内で約70人、大阪駅で約90人が車中泊しているという。
(ジビエ肉はよく焼いて!E型肝炎患者が2倍強に)
豚の肉や内臓を生で食べると感染することがあるE型肝炎の患者が、過去最高だった昨年を上回るペースで増えている。感染拡大を防ごうと、豚の生レバーや生肉の提供が昨年6月、食品衛生法で禁止されたが、歯止めがかからない実態が浮かんだ。専門家は、食肉の十分な加熱に加え、ジビエ(野生鳥獣)ブームで人気のイノシシやシカの肉なども生で食べないよう呼びかけている。国立感染症研究所によると、今年1月から4月10日までのE型肝炎患者数は116人で、前年同期の2・2倍に上る。都道府県別でみると、最も多いのが北海道で31人、次いで東京都16人▽神奈川県9人▽埼玉県8人▽千葉県6人−と、主に北海道と首都圏に集中している。豚の肉や内臓は、E型肝炎ウイルス(HEV)に汚染されていることがある。主に経口感染し、症状が出るまでの潜伏期間が14〜50日と長いため、原因となる食品が特定されにくいが、これまでの研究では多くが豚やイノシシなどの肉・レバーを生や生焼けで食べたことが原因とみられる。患者が最多の北海道は、これまでにも加熱不十分な豚レバーを食べて感染した事例が複数報告されている。今年、発症した患者について道食品衛生課は「すべての患者に聞き取り調査を行い、原因を究明中」としている。焼き肉店の食中毒を契機に牛レバ刺しの飲食店での提供を禁止した平成24年以降、牛の代わりに豚の生レバーなどを提供する飲食店が増え、それに比例するようにE型肝炎の感染が拡大。これを受け、厚生労働省は昨年6月、豚の生レバーや生肉についても飲食店での提供を禁じた食品衛生法の規格基準を施行した。患者の減少が期待されたが、6月以降も患者は増え続け、昨年の患者数は過去最高の212人に上った。東京都感染症情報センターによると、今年の患者の中に豚レバーの生食が疑われる事例があったという。都内の保健所の担当者は「加熱用といいながら、生レバーを提供する店がある。また、客の中にも、焼かずにこっそり生で食べる人もいる」と明かす。禁止以降も生食する人は絶えないようだ。一方、新たな感染源とみられるのが、生食提供が禁止されていないシカやイノシシなどジビエの肉や内臓だ。近年、農作物被害が深刻な野生鳥獣を食用として利用するケースが増えており、農林水産省も活用を推進。ジビエは新たなグルメとして注目を集めている。過去に野生のシカやイノシシの生食でE型肝炎の集団発生が報告されているため、厚生労働省はガイドラインでジビエの生食としての提供を禁じているが、強制力はない。感染症法は、E型肝炎患者を診断した医師に対し、直ちに保健所に届け出ることを義務付けている。患者の増加は、23年にE型肝炎の新たな検査方法が導入され、検査件数自体が増えた可能性も指摘される。E型肝炎のほとんどは自然治癒するが、中には劇症肝炎(急性肝不全)に進展し、死亡することもある。特に妊婦や高齢者が感染して発症した場合、劇症化する率が高いとされる。感染症に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「感染予防には、手洗いと飲食物の加熱が大事。特に豚やジビエの肉・内臓を食べる際は中心部まで十分に加熱することが大事」と訴えている。
(鴨場と御料牧場、一般公開拡大へ)
訪日観光客を増やそうと、政府が本年度から新たに公開する施設に、宮内庁が管理する鴨場(かもば)と御料(ごりょう)牧場の首都圏三施設が含まれた。これまで一般市民は一部を除いて立ち入れなかった場所で、宮内庁は「皇室文化を国内外にアピールできる」と期待。既に公開中の京都御所などでも門戸が広がるが、警備や案内の人手確保が課題となる。「動物と人間が共存する姿に平和な日本を感じ、心が美しくなる場所だった。とても感動した」。かつてタレントとして活躍し、二〇一二年から駐日ベナン大使を務めるゾマホン・ルフィンさん(51)は、大使就任後に二回、鴨場を訪れた。「公開されれば日本の良さが伝わる」鴨場は越冬する野生のカモを捕獲する施設で、新浜(千葉県市川市)と埼玉(埼玉県越谷市)の二カ所ある。ここで行われるのは、江戸時代の徳川将軍家に伝わる伝統猟法。広大な池で休むカモの群れを、訓練したアヒルの先導で狭い水路に誘い込み、網で捕まえる。新浜は一九九二年十月、皇太子さまが雅子さまにプロポーズした場所としても知られる。観光客の関心は高い。皇居外苑を散策中のオランダ人、デン・フォンベンカイズライクさん(32)は「皇室はオランダ王室に比べて閉鎖的な印象だった。特別な人しか入れない場所なら行きたい」と興味津々。一方、御料牧場(栃木県高根沢町など)は、皇室の食事や宮中晩さん会の食材として肉や牛乳、野菜などを生産する。同町の小菅真守(まさし)・産業課長は「温泉と組み合わせて売り込み、多くの人に訪れてもらえれば町の起爆剤になる」と期待。約五キロ離れた最寄り駅とを結ぶ公共交通機関がないため、ワゴン車を使って運営するデマンドバスの活用を考えるという。鴨場と御料牧場はこれまで、賓客接待や地元住民向け見学会以外は非公開だった。二〇年に訪日観光客を今の二倍の年間四千万人に増やす政府方針に沿い、「限定的だが公開実績があり、ノウハウを持つ」と対象に加えられた。宮内庁は天皇、皇后両陛下に方針を説明したといい、幹部は「ご理解を頂いた。皇室の活動と文化を国内外に知ってもらいたいというお気持ちに沿うのでは」。鴨場は十回程度、御料牧場は二回程度、試行した後、一般公開する方針だ。課題は人員の確保。皇宮警察本部によると、御料牧場には派出所があるが、鴨場は警備対象ではなかった。「人員増は難しく、地元県警による警備が望ましい」と幹部は言う。施設の案内役も必要で、宮内庁幹部は「鴨場には水路など危険な場所があり、御料牧場は家畜伝染病対策が重要。警備会社への委託、宮内庁OBらボランティア活用も検討したい」と話している。
(イノシシ目撃情報:神奈川)
大型連休中で観光客でにぎわっている相模原市緑区大島の相模川自然の村公園と上大島キャンプ場(いずれも同市営)周辺でイノシシの目撃情報が相次いでおり、市は注意を呼びかけている。市などによると、4月26日~5月1日、周辺では体長約1メートルのイノシシ1頭が出没しており、相模原北署もパトロールを強化している。市は「イノシシに遭遇したら、背中を見せずに静かに後退し、威嚇したり追い払おうとしたりしないでほしい」としている。
(「クマ」目撃、道路を横断:福島)
30日午前10時30分ごろ、郡山市熱海町の県道で、道路を横断するクマを目撃したと車で通り掛かった女性から同市熱海行政センターを通じて郡山北署に通報があった。同署によると、体長は約50センチで、子グマとみられる。同署は付近をパトロールし、住民に注意を呼び掛けた。
(うんざり、シカのふん拾い:北海道)
29日に今季の営業を開始するノシャップ公園パークゴルフ(PG)場で、エゾシカのふんを拾う清掃作業が、今年は直前の28日まで3日間にわたって行われた。作業員やボランティアの人たちは「こんなに多くシカが現れる年は記憶にない」と、連日の腰をかがめての作業にうんざりした様子。せっかくふんを拾っても、人がいなくなるとシカが現れて草を食べ、ふんをする「いたちごっこ」が続き、市や管理業者は頭を悩ませている。清掃作業は、稚内パークゴルフ協会の会員やボランティアら20~30人が集まり、連日4時間ほど続いた。切り抜いた大型のペットボトルにふんを一つ一つ拾って入れるため、同協会の駒井時雄事務局長は「膝や腰に負担がかかるので、プレーにも影響しかねない」と苦笑いする。例年なら作業は2日で終わるが、今年はふんの量があまりに多く、3日かかった。同パークゴルフ場近くに住む自営業松森みちるさん(31)によると、松森さん宅の高さ1メートルほどの塀を飛び越えてきたシカが、庭の花なども荒らすという。松森さんは「シカと共存していかなければと思うが、ふんを拾う人たちの苦労も考えると、複雑な気持ちになる」と神妙な表情だ。市教委は来年にも対策を講じる考えだが、シカ対策として有効な電気牧柵や有刺鉄線の設置は、子供からお年寄りまでが利用するノシャップ公園内では難しいのが実情だ。同パークゴルフ場は道道に隣接しているため、道路にシカが飛び出す危険性も高い。同パークゴルフ場を管理する稚内振興公社は「大型連休からレンタカーなどで初めて通る人も増える。スピードを出し過ぎないよう注意してほしい」と呼び掛けている。
(カワウ駆除はじまる:神奈川)
相模川流域のアユをカワウの食害から守ろうと、漁場の環境保全活動をする一般財団法人神奈川県内水面漁業振興会は4月8日から、相模川流域でカワウの駆除調査を実施している。5月末までの2カ月で300羽の駆除をめざす。カワウは体長約80センチの大型の水鳥で、群れで生活。川や海に潜って魚を獲る。同会によると、10月ごろからアユの遡上に合わせて川辺に集まり、4月ごろまで主にアユを捕食する。1羽あたり1日500グラムの魚を食べ、相模川流域には多い時で1日1千羽が飛来するという。実施場所は旭町のソニー(株)厚木テクノロジーセンター裏などの相模川流域5カ所。同会が県猟友会に依頼し、相模原南、座間、厚木、海老名、寒川の各支部員が銃器で駆除している。同会によると、市内では相模川漁業協同組合連合会などが稚鮎を10トン以上放流しているが、カワウの食害被害を受けている。同会は「漁場やアユを守るためにも、駆除をしながらカワウの生態を調査することが必要」としている。
(ピストルの秋山選手、母校で抱負:宮城)
リオデジャネイロ五輪の射撃男子ラピッドファイアピストル日本代表に選ばれた秋山輝吉選手(44)=県警=の壮行会が27日、母校の岩ケ崎高(栗原市)であった。体育館に集まった全校生徒約300人を前に、秋山選手は「五輪では形ある成果を収めてきたい」と決意を表明。「人生で必要なことは『かきくけこ』で心に刻んでいる。『か』は感謝の心、『き』は気配り、『く』はくじけない心、『け』は献身的な心、『こ』は貢献心と向上心。輝かしい未来を切り開いてほしい」と後輩らに呼び掛けた。秋山選手は栗原市栗駒出身。1990年に岩ケ崎高を卒業後、県警に採用された。現在は機動隊所属。1月のアジア予選で初の五輪出場を決めた。
(まつりで4年ぶりクマ汁:山形)
マタギ文化が400年にわたり息づく山形県小国町小玉川地区で4日、「熊まつり」が開かれる。東日本大震災後、規制が続いていた県産クマ肉の出荷が3月に解除され、名物のクマ汁を2012年以来4年ぶりに販売する。東京電力福島第1原発事故の影響で、山形や岩手など6県産のクマ肉出荷が制限対象となっていたが、震災後初めて、山形県産のみ一部解除となった。まつりでは、マタギが町内の山で仕留めたクマを調理し、およそ400~500人分のクマ汁を従来より200円安い1杯800円で提供する。熊狩りの模擬実演や神事をはじめとした伝統儀式の披露もある。
(ロッテリア、エゾ鹿を使用したジビエバーガーを北海道限定で発売:北海道)
株式会社ロッテリアは、2016年4月28日(木)より、北海道産ジビエ「エゾ鹿」を使用した『エゾ鹿バーガーシングル』、『エゾ鹿バーガーダブル』を北海道内15店舗限定で販売することを発表した。ロッテリアは、インバウンドのニーズや観光地として盛り上がる“北海道”の食材を使用したご当地バーガーとして、「一般社団法人エゾ シカ協会」認証の北海道産ジビエ「エゾ鹿」を使用した「エゾ鹿バーガー」を北海道内15店舗限定で新発売する。「エゾ鹿バーガー」のパティは、牛肉や豚肉に比べて高タンパク、低カロリーで鉄分豊富な北海道産「エゾ鹿」肉を3mmに挽き、パン粉などを加えてふっくら食感のパティに仕上げました。そこに輪切りにしてローストした北海道産玉ねぎをトッピング。決め手となるソースには、赤ワイン、ブイヨン、りんご等を加えてじっくり煮込んで仕立てた濃厚で味わい深い、ロッテリアオリジナル「デミグラスソース」を採用しました。シンプルながらも、北海道産の食材を生かした「エゾ鹿バーガー」。また、ボリュームもパティを1枚使用した『エゾ鹿バーガーシングル』とパティを2枚使用した『エゾ鹿バーガーダブル』の2種類で用意。
(鷹匠の未来形、害鳥駆除ドローンも駆使:千葉)
日本には、さまざまな伝統的な仕事が存在する。鷹を使った狩り「放鷹(ほうよう)」に使う鷹の飼育や訓練を担当する「鷹匠(たかじょう)」もその一つ。江戸時代には軍陣の演習や民情視察で放鷹が頻繁に行われ、幕府や諸藩には「鷹匠」の役職があった。時が移った現代、カラスやムクドリなどの鳥の撃退をなりわいにする鷹匠がいた。千葉市花見川区の畑に舞い降りた数羽のカラスが収穫前のレタスをついばむ。隣接する林からは「カー、カー」という耳障りな鳴き声が響き、周辺の電柱に止まった数羽が道路や車の上にふんをまき散らした。「どこに(カラスの天敵の)鷹を飛ばせば有効か見極めることが大切」。カラス撃退の依頼を受けた鷹匠の藤田征宏(46)はまず双眼鏡で状況をチェック。そして、連れてきたハリスホークのカイ(9歳、雄)を乗せた左腕を林に向けて振った。所持している数十羽の中でも、カラスの威嚇にたけたカイは翼を羽ばたかせて畑の上を飛び、林に猛然と飛び込む。その瞬間、数十羽のカラスが一斉に飛び去っていった。「鷹は本来、上空から急降下して獲物を捕るから、上と下から攻めるのが有効。時代に合わせ、新しいことをどんどん取り入れていかないと」と藤田が次に取り出したのは、鷹の剥製を取り付けたドローン。畑や林の上空に“鷹付きドローン”を何度も旋回させると、潜んでいたカラスが林から飛び出してきた。定期的に鷹などを放って威嚇し、害鳥を追い払うだけではない。ねぐらなどを調査し、巣を撤去したり、ワナを仕掛けて捕獲したりもする。「巣に卵が4個あったら1個を残して処分する。すべて処分すると、また別の場所で産む。数を減らすことも重要」。生きた鷹と剥製の鷹を巧みに操りながら説明した。出動1回の報酬は基本的に6万円。自治体や農協、個人など依頼主はさまざま。鳥が航空機に衝突するバードストライク対策として空港からのニーズもある。鷹の剥製の仲介も行い、どんな人でも扱えるように調教した鷹を自身が経営するペットショップ「猛禽屋(もうきんや)」で約80万円で販売。実際に購入し、カラスを完全に撃退したゴミ処分場もあるという。藤田は、千葉県柏市で生まれ、茨城県牛久市で育った。動物好きの父親とともに、ネオンテトラなどの熱帯魚に始まり、オウム、ヘビ、トカゲなどジャンル問わず自宅で飼育。国士舘大ではレスリング部の寮生活(4人部屋)だったが「1年時は使い走りだから我慢したけど、2年で先輩の許可を得て熱帯魚、3年でヘビ、4年でトカゲを飼った」。さらにコーチとして大学に残って1人部屋になると「一度は飼いたかった」というサルも飼い始めた。その後、トカゲを繁殖させて通信販売で得た資金で牛久市に「猛禽屋」をオープンさせた。同店で鷹を販売、繁殖させるようになり、鷹匠に興味を持つように。06年に知り合いの鷹匠に師事し、技術をマスターした。「見よう見まねで覚えたけど、動物にはなれていたし全く苦労しなかった」。知り合いから頼まれてカラスを撃退したのが口コミで広がり“仕事”として取り組むようになり、ドローンと剥製を使う撃退法は最近、自ら考案したという。「日本のどこでも鷹が飛んでいるような時代がくれば。人と鷹との共存が夢」と語る藤田は、4人の男の子を育てる父でもある。最近、危惧しているのは「カブトムシやザリガニをスーパーでしか見たことがない子供が多い。鷹に限らず生きものとの触れ合いで、命の大切さを学ぶことができるのに」と話す。藤田が夢見る“共存”が実現すれば、「こんなにも人の命は軽いものなのか」と感じる事件も減っていくのかもしれない。

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