<射撃ニュース5月>

5/31
(クマに襲われ?男性遺体3人目:秋田)
30日午前11時5分ごろ、秋田県鹿角市十和田大湯の竹やぶで、男性の遺体を秋田県警などの捜索隊が見つけた。鹿角署の調べで、遺体は25日早朝にタケノコ採りに出掛けたまま行方不明になっている十和田市穂並町、無職高谷善孝さん(65)と判明した。遺体には大型動物にかまれたような跡があり、同署は高谷さんがクマに襲われたとみて死因などを調べている。現場近くでは21日と22日、タケノコ採りに出掛け、ツキノワグマに襲われて死亡したとみられる男性2人の遺体が相次いで見つかっている。同署によると、今回遺体が発見されたのは、22日の遺体発見場所から北東に2~3キロ離れた地点だという。
(クマに襲われ女性2人けが:秋田)
秋田県鹿角市と同県五城目町で29日、山菜採りなどをしていた女性2人がクマに襲われ、けがをした。同市は今月21日と22日、クマに襲われたとみられる男性2人の遺体が相次いで見つかり、市が捕獲するわなを設置するなどして、注意を呼びかけていた。県警によると、29日午前8時45分ごろ、同市十和田大湯の山林で、青森県新郷村戸来の無職、村井ツマさん(78)が50代の息子とタケノコ採りをしていたところ、体長約1.2メートルのクマ1頭と遭遇。村井さんは尻をかまれて軽傷を負ったが、クマの頭を蹴り逃げたという。現場は男性2人が遺体で見つかった場所から約2〜3キロ離れていた。また、五城目町内川浅見内で29日午後2時20分ごろ、田んぼで作業をしていた近くの無職、畑沢弘子さん(78)がクマに襲われ、右側頭部と右肘が裂けるなどの重傷を負った。命に別条はないという。
(民家近くで熊射殺、体長1.2メートルの雄:秋田)
28日午前10時40分ごろ、秋田県能代市柏子所の田んぼにツキノワグマがいるのを警戒中の地元猟友会員が見つけ、ライフル銃で射殺した。能代署によると、熊は体長約1.2メートルの雄。1発の発砲で仕留めたという。現場は民家から約150メートル、能代南中から南東に約1.2キロの田園地帯。付近では27日夜から熊の目撃が相次いでいた。秋田県では、鹿角市の山中で21日から22日にかけて70代の男性2人が熊に襲われ死亡したほか、25日に付近に入った65歳の男性が行方不明になっている。
(住宅近くにクマ2頭、ハンターが1頭射殺:北海道)
28日午前10時40分ごろ、広尾町野塚11線の川沿いをクマ2頭が歩いているのを、近くに住む団体職員の男性(34)が自宅居間から目撃し、広尾署に通報した。このうち1頭は地元猟友会のハンターが射殺した。同署によると、射殺されたのは体長1・3メートル、体重60キロの雄。もう1頭は体長約2メートル。現場は町市街地から北に3キロほど離れた民家の点在する地域で、広尾署などが注意を呼びかけている。
(住宅地にイノシシ、民家の庭で捕獲:新潟)
上越市の住宅地で26日、イノシシが出没し、騒ぎになった。通報を受けた市職員や上越署など16人が出動し、住宅の庭に逃げ込んだところを捕獲した。けが人はいなかった。午前8時半前、春日山町1の春日保育園近くでイノシシ1頭を目撃したと、同園の職員が市に通報した。目撃現場近くを市職員や上越署員らがパトロールしている間も、「イノシシを見た」との通報が市などに相次いだ。木田1の上越勤労身体障害者体育館付近でイノシシを確認して追跡し、同11時半ごろ、新光町2の会社役員の男性(78)方の庭に逃げ込んだところを取り押さえた。市によると、イノシシの体長は約80センチだった。帰宅後にイノシシの捕獲を知ったという男性は「まさか家にイノシシがいるとは思わなかった。けが人がいなくてよかった」と話した。校区の春日小学校は同日、5限で授業を切り上げ、集団下校の措置を取った。
(高速道にクマが侵入し車と衝突:岩手)
東北地方では、このところクマの出没が相次いでいますが、岩手県一関市では28日夜、東北自動車道に侵入したクマとワゴン車が衝突し、後続の複数の車もクマをはねました。この事故によるけが人はいませんでした。28日午後7時すぎ、岩手県一関市の東北自動車道の上り線の一関トンネルの入り口付近で、ワゴン車が中央分離帯側から出てきたクマと衝突し、後続の複数の車も次々とクマをはねました。この事故でクマは死にましたが、車に乗っていた人たちにけがはありませんでした。警察によりますと、クマは体長1メートル50センチほどで成獣のツキノワグマとみられるということです。現場付近は山に囲まれていますが、クマがどうやって道路に侵入したかは分かっていないということです。警察は、夜間はライトを上向きにするなどして動物に注意するよう呼びかけています。東北地方では、このところクマの出没が相次いでいて、福島市の住宅地や、山形県庄内地方の市街地などで相次いで目撃されています。また、秋田県では、28日朝、能代市の中学校の近くに体長1メートル20センチほどのクマが現れ、猟友会のメンバーに駆除されたほか、鹿角市では今月21日から22日にかけて山林でタケノコ採りをしていた70代の男性2人が相次いで死亡しているのが見つかり、クマに襲われたとみられています。このため、各地の自治体や警察が注意を呼びかけています。
(またクマ目撃:宮城県)
27日午前7時30分ごろ、登米市迫町新田の県道を自動車で北に向かっていた男性が東から西に道路を横断する体長1メートルほどのクマを目撃した。登米市では猟友会と協力してワナを設置しクマを捕獲する計画。
(屋根歩く音、外出たら「クマ」:福島)
30日午後8時20分ごろ、二本松市の民家で、クマを目撃したと家人の50代男性から110番通報があった。二本松署によると、男性は室内から、自宅の窓ガラスを引っかくクマを目撃。その後、屋根を歩く音が聞こえたため、男性が外に出たところ、屋根の上にクマがいるのを確認した。クマは屋根を下りて立ち去ったという。同署によると、クマは体長約1メートル。付近には民家が点在しており、同署が警戒を呼び掛けている。福島市の信夫山周辺でクマの目撃が相次いだことを受けて、市が通行止めとしていた同山周辺の市道は31日午前9時から、通行可能となる。30日、市が発表した。立ち入り禁止だった信夫山公園も併せて利用可能となる。市によると、同日現在、市や県猟友会が設置したわなにクマは入っておらず、わなの周辺にクマの痕跡がなかったことなどから、既にクマがいないと判断。同日までにわなを撤去し、通行止めと立ち入り禁止の解除を決めた。児童、生徒の登下校時間帯の同山周辺のパトロールは週末まで続けるという。
(クマまた目撃情報:福島)
29日午後0時25分ごろ、福島市在庭坂の天戸川の川辺でクマ1頭(体長約1メートル)が歩いているのを散歩中の女性(21)が目撃し、110番した。人家が点在する場所で、福島署はパトロールを強化している。同市中心部の信夫山周辺でクマが目撃された23日以降、目撃情報はこれで10件に達した。
(クマ目撃相次ぐ、牛の餌を食べるクマも目撃:福島)
福島市など県内で29日、クマの目撃が相次いだ。各署は現場付近を警戒するとともに、注意を呼び掛けている。▼午前9時25分ごろ、会津若松市河東町浅山字石堀山の市道で、車で通行中の女性が1頭を目撃。会津若松署によると、体長は約50センチで、道路を横断して近くの山に入ったという。午前11時50分ごろ、南会津町田島字検断林甲の山林で、観光していた会津若松市の男性が1頭を目撃。南会津署によると、体長は約1メートル。午後0時25分ごろ、福島市在庭坂字志津山の天戸川の川辺で、散歩中の女性(21)が1頭を目撃。福島署によると、体長は約1メートルで、川辺を東から西へ歩いていたという。午後5時30分ごろ、大玉村玉井字小高倉の農場牛舎内で、女性従業員が1頭を目撃。郡山北署本宮分庁舎によると、体長は約1.5メートルで、牛舎内で牛の餌を食べていたという。午後5時50分ごろ、会津坂下町勝大字大窪の県道で、乗用車で走行中の付近住民が1頭を目撃。会津坂下署によると、小グマだったという。
(「クマ」目撃、新たに情報3件:福島)
市街地周辺でクマの目撃が続いている福島市で25日深夜から26日にかけて、南西部でも目撃情報が3件あった。福島署によるといずれも人的被害はなかった。同署によると、25日午後11時45分ごろ、JR福島駅から南に約5キロの同市で、国道4号を横断しているクマを車で帰宅中の男性が目撃。26日午前4時10分ごろには、この現場から南東に約1.5キロ離れた蓬莱団地で、出てきたクマを歩いていた男性が目撃した。午後6時50分ごろには同駅から南西約9キロの同市で男性が1頭を目撃した。クマは体長約1~1.3メートル。同署によると、最初の二つの現場が住宅街のため、同署は周辺をパトロールして注意を呼び掛けている。同市教委によると、同市蓬莱町の蓬莱小と蓬莱東小では児童が集団で下校した。市は同日、蓬莱地区周辺と、23、24日に目撃情報が続いた信夫山周辺と笹木野地区で警戒活動を行った。市によると26日午後5時現在、市や県猟友会などが信夫山山中に仕掛けたわな2カ所にクマは入っていない。
(クマ目撃情報相次ぐ:山形)
県内各地で28、29の両日、クマの目撃情報が相次ぎ、警察などが注意を呼びかけている。29日午前0時半頃、長井市中伊佐沢の市道で、車で帰宅途中の市内の会社員男性(37)が道路から飛び出してきたクマ1頭を目撃した。長井署によるとクマは体長約1メートル30で成獣とみられる。クマとの距離は約10メートルだった。男性にけがはなかった。28日午後11時15分頃には、山形市長谷堂の国道458号で車で帰宅途中の会社員男性が前方約30メートルに道路を横断するクマ1頭を目撃。約1キロ離れた地点に同市立本沢小学校があり、山形署が付近の警戒を強めている。そのほか、尾花沢市や酒田市、戸沢村などでも体長約1メートルのクマ1頭が目撃された。
(クマ目撃7件相次ぐ:青森)
6月中旬から7月下旬並みの陽気となった県内は、27日夕から28日にかけて、各地でクマが道路を横断するなどの目撃情報が7件相次いだ(28日午後5時現在)。人的、物的被害はなかった。県警によると、27日午後6時40分ごろ、青森市高田朝日山の県道で、通行人が体長約1・5メートルのクマを目撃。同7時ごろには同市大谷山ノ内の県道でも体長約80センチのクマが見つかった。28日午前7時55分ごろには、弘前市吉川山上の三日月神社周辺の路上で、農作業中の男性が体長約1メートルのクマ1頭を見つけた。同8時ごろには十和田市深持若狭の県道で、体長約1・3メートルのクマを発見。午後1時45分ごろには、深浦町大間越の国道101号で、体長約80センチのクマ1頭が目撃された。午後2時と4時ごろには青森市浪岡本郷田ノ沢の市道で、農作業で移動中の男性が同じ場所で2度、体長約80センチのクマと遭遇。車で近づくと林の中へ逃げていったという。
(クマ出没相次ぎ警戒:青森)
八戸市田面木地区の住宅街でクマの目撃や被害が相次いでいる。26日夜は八戸聖ウルスラ学院の駐車場近くで、27日朝は田面木小学校近くで目撃された。田面木小学校は集団下校を1、2年生から全学年に拡大した。
(中禅寺湖でクマ目撃相次ぐ:栃木)
奥日光の中禅寺湖でツキノワグマの目撃情報が相次いでいる。場所は、大日崎や松ケ崎、阿世潟周辺といった湖の南側が中心。日光自然博物館は「見掛けたら刺激せずに、ゆっくりと距離を取って」と注意を呼び掛けている。29日午後、体長約1メートルほどのツキノワグマが大日崎西側の湖畔に現れた。しばらく悠然と歩き回っていたが、船が岸に近づくと山の中に入っていった。菖蒲ケ浜レストハウス経営の斉藤勇(さいとういさむ)さん(64)によると、22日から、ほぼ毎日のように釣り人からの目撃情報が入っているという。
(クマ1頭を目撃:山口)
25日午後0時20分ごろ、下関市豊北町神田上の土井ケ浜公民館近くで、クマ1頭が北西方向に走っていると近くの住民から通報があった。下関市豊北総合支所の職員がが現場近くでクマのものらしい足跡を見つけた。けが人はいない。目撃情報や足跡などから、体長約1メートルのツキノワグマの成獣とみられ、小串署では住民や近くの小中学校などに注意を呼びかけている。
(クマの事故や遭難、ネマガリダケ高騰が背景?:秋田)
秋田県内で、クマに襲われて死亡したとみられる事故が相次いで2件起き、遭難事故も急増するなど、山菜採りによる山での事故が後を絶たない。いずれもネマガリダケを目当てに入山したとみられ、ネマガリダケの生産額の減少が背景にあるとの見方が出ている。品薄状態で店頭での販売価格が上昇、自ら採ろうと山に向かう人が多いと指摘されている。ネマガリダケは6月にかけてが旬。焼いて食べるほか、みそ汁の具としても人気がある。県内では鹿角市十和田大湯の山林で5月21、22日、男性2人がツキノワグマに襲われたとみられる状態で死亡。25日に入山した十和田市の男性が行方不明になっている。26日には女性4人が遭難し、県警に救助された。一帯は地元で、ネマガリダケが採れる場所として知られる。県警によると、ネマガリダケ採りによる今年の遭難事故は26日現在、11件、14人。昨年同時期の2件、2人から大幅に増えている。ネマガリダケは笹やぶに生えており、高齢者が採るのは体力的に厳しいと言われる。危険を冒してまで、採る人が多いのはなぜか。山菜事情に詳しい大館市田代総合支所所長の山田道雄さん(59)は、販売目的で入山する人の高齢化による生産額の減少と、それに伴う市場価格の上昇を理由に挙げる。県などによると、県内の生産額は2004年の約9億円から、14年には約1億4000万円にまで減少。それに伴い市場価格は上がっている。10年前は1キロ当たり約500円だったのが、現在は約1000円だ。山田さんは「市場に出回る量が減り、需要に供給が追い付いていない」と指摘。店で買うのを高いと感じる人が入山して遭難する例が増えているとみる。ネマガリダケはツキノワグマも好物で、採りに行くのはクマの生息域に入ることになる。ネマガリダケを採って50年という小坂町の川口光一さん(65)は「沢の近くでは、クマが水を飲みに来るので特に注意する。クマ除け用のサイレンを鳴らし、音が聞こえる半径約500メートルの範囲で採るのがいい」と助言する。
(温泉街周辺サル出没相次ぐ:佐賀)
武雄市の武雄温泉街周辺の住宅地で、野生のサルが出没し、約30件の目撃情報が寄せられている。人の被害はないが、市は「刺激したり、エサを与えたりしないで」と呼びかけている。28日には、商店や旅館が並ぶ武雄温泉楼門前の温泉通りに現れ、屋根づたいに移動。民家の庭でビワの実を食べる姿も見られ、住民や観光客らが見守る中、市農林課の職員らが捕獲を試みたが、山に逃げた。今月10日、同市東川登町に初めて出没。16日以降、同市武雄町で毎日のように目撃されている。いずれも同じ子ザルとみられる。同課の職員が爆竹を鳴らして追い払っても、警戒心が薄く、戻ってくるという。市は約3700戸にチラシを配り、防災行政無線で注意を呼びかけている。
(住宅地に体長約1mのニホンカモシカ:宮城)
30日朝、宮城・仙台市青葉区の住宅地にニホンカモシカが現れ、近所の人が、その様子を撮影した。撮影した越谷次広さんは、「目の前に大きなのがあるので、アレッということで、よく見たらシカだった。逃げもしないで、ずーっとそこにいた感じですね」と話した。仙台市青葉区の住宅地で、30日午前6時ごろ、近所の人がニホンカモシカを発見し、撮影した。ニホンカモシカは、体長1メートルほどで、およそ10分後、坂道を下って行き、姿が見えなくなったという。ニホンカモシカが人に危害を加えることは、ほとんどなく、仙台市は、「見つけた際には、静かに見守ってほしい」と呼びかけている。
(クマ注意、呼びかけ続く:秋田)
鹿角市の山中でタケノコ採りをしていた男性2人が、相次いでクマに襲われたとみられる遺体で見つかった事故から初めての週末となった28日、県内各地の警察署などは山菜採りの人たちにクマへの注意を促すチラシ配りを行った。能代市では同日、クマが中学校近くの田んぼに現れたため、出動要請を受けた地元の猟友会が射殺した。「熊による死傷者続発!!」――。鹿角署と鹿角交通協会十和田支部などは日が昇る前の午前4時から約1時間、鹿角市十和田大湯の国道103号・白沢休憩所で、クマ被害の発生を大きく書いたチラシを配った。同署管内では今月21、22日、男性2人がタケノコ採り中にクマに襲われて死亡したとみられ、25日も隣接する青森県十和田市の男性が行方不明になるなど、連日のようにクマの目撃、遭難騒ぎが起きている。署員らは運転手と同乗者に〈1〉クマ出没で通行止めが続く山域には近づかない〈2〉早朝から深いササやぶの移動で疲労した体での運転は注意が必要――などを呼びかけた。また、由利本荘市矢島町城内の鳥海山1合目の県道では早朝から、由利本荘署員や同市矢島消防署員、市危機管理課員ら11人が、ワラビ採りや登山に向かう人たちにチラシを配った。署員らは「遭難防止キャンペーン実施中」と書かれたのぼり旗5本を沿道に立て、祓川登山口方面へ向かう車を止めて「クマと鉢合わせしないよう、ラジオや鈴、笛を鳴らして歩く」「単独行動は避け、明るいうちに下山を」などと呼びかけた。キャンペーンを実施した午前5時からの1時間ほどで、52台、計100人余りが入山。ほとんどがタケノコやワラビ、ウドなどの山菜採りで、中には宮城や庄内、八戸、水戸などの県外ナンバーもあった。仙北署なども午前4時から約1時間、仙北市田沢湖田沢の国道341号沿いの湧き水の名所で、山菜採りに向かうドライバーらにチラシ150枚を配った。28日午前7時55分頃、能代市河戸川の市立能代南中学校の北側約100メートルの田んぼに、クマ1頭がいるのを車で通りかかった同市の20歳代男性が目撃した。能代署員や市職員が付近を捜索したところ、午前9時過ぎに雑木林のやぶにクマ1頭がいるのを発見した。同署員ら二十数人がクマを集落から遠ざけるため、大声を出しながらクマを追い立てた。午前10時40分頃、同校から南東約1200メートルの田んぼにクマが出てきたため、捜索に加わっていた地元の猟友会員が射殺した。発表によると、クマは体長約1メートルのオス。27日夜にも同校グラウンドに入っていくほぼ同じ大きさのクマ1頭の目撃情報があり、同署などが警戒していた。また、北秋田市と五城目、三種町でクマが相次いで目撃された。28日午後3時30分頃、五城目町の田んぼのあぜ道で草刈りをしていた60歳代男性が、雑木林にいる体長約1メートルのクマ1頭を発見。三種町では午後4時50分頃、60歳代女性が散歩中、林にいた体長1メートルのクマを約2メートルの至近距離で目撃した。北秋田市では午後5時40分頃、60歳代女性が住宅地を車で運転中、市道を横断する親子と思われるクマ3頭を見つけた。能代、北秋田、五城目署は各市町と情報共有し、パトカーによる警戒や広報を行っている。怖さより、現金収入やお裾分けの喜びが先に立つ――。今月21、23日に山中でクマと鉢合わせした大館市の男性会社員(65)らは24日、襲われる危険と隣り合わせでタケノコ採りを続ける理由を自己分析した。十和田湖の南に位置し、青森、岩手県境も近い鹿角市十和田大湯地区の山林は、タケノコ採りの間では有名な場所。クマに襲われたらしい2人が山中で、遺体で見つかった直後も、各地のナンバーの車が、幹線脇の空き地などに並び、林道の奥深く向かった。現金収入ともなる収穫をリュックに詰め込んだ男性会社員は21日と23日に、十和田大湯地区の山林でクマに遭遇したという。10メートルほど離れたササやぶがガサガサした。同行の仲間かと思い、声をかけようとしたら、クマと目が合った。「とっさには、動くことも、声も出せないもんだ」と振り返る。静かに後ずさりし、クマとの距離を置いてから、入山した林道に逃げ帰った。両日ともけがはなく、安堵した。「タケノコの入ったリュックは、しばらくして取りに戻りました。さすがに、山に入る前に爆竹を鳴らすようになりました」また、青森市からやってきた71歳と68歳の夫婦はクマは怖いと口をそろえたが、「(山菜の)お裾分けで友人や知人の喜ぶ顔がうれしくてやめられない」と話していた。
(クマへの警戒活動を継続:福島)
福島市の市街地周辺などでクマの目撃情報が相次いでいることを受け、市などは27日、目撃現場近くでの警戒活動を継続した。26日に目撃情報があった同市佐原地区にあるあづま総合運動公園では、同公園を管理する県都市公園・緑化協会が27日から、早朝と夕方にクマよけの爆竹を鳴らし、警戒をうながす園内放送を1日8回流している。市は信夫山周辺と笹木野地区で、登下校の時間に警戒活動を展開した。市によると27日午後5時現在、市、県猟友会などが信夫山に仕掛けたわなにクマは入っていない。27日午後5時ごろ、天栄村田良尾の山林で自動車の運転手がクマ1頭を目撃した。須賀川署によると、子グマとみられ、国道118号を横切り川の方へ去ったという。
(クマ捕獲用のわな設置、庄内空港周辺:山形)
クマ捕獲用の「わな」は庄内空港の周辺でクマの目撃が相次いでいる事態を受け、設置されることになったもの。酒田市と県猟友会酒田支部では27日午後、目撃現場付近に鉄製のわな1基を設置した。
(クマ目撃大幅増、山菜採り「対策万全に」:青森)
山菜採りシーズンの本格化で入山者が増加することに伴い、山岳遭難の増加が懸念される。県警によると今年はこれまでのところ前年同時期と比べ大幅に少ないが、山菜採り遭難の発生は例年5、6月に集中しており、注意が必要だ。さらに、今年はクマの目撃情報が前年の2倍近く寄せられており、入山の際は安全対策が欠かせない。県警地域課は「できるだけ複数で入山し、家族や仲間に行き先を伝えるなど対策は万全に」と呼び掛けている。
(山の遭難、クマ被害相次ぐ:青森)
県内では29~30日、山岳遭難の発生と救助が相次いだ。一方、深浦町では山菜採りに出かけた同町の男性が山中で死亡。山菜やタケノコ採りに伴う今シーズン初の死者となった。クマの目撃情報も68件(29日現在)と前年の2倍近く寄せられているほか、十和田市や新郷村と接する秋田県鹿角市の山中ではクマによる人的被害が立て続けに起きており、県警が注意を呼びかけている。県警地域課によると、県内では29日、同町や弘前、平川の両市で4件(5人)の山岳遭難が発生。このうち同町では、畳店経営舛谷ますや師呂栄しろえいさん(78)が同日午前9時頃に一人で同町関の山中に山菜を採りに向かったまま帰宅せず、30日早朝に家族が消防へ届け出た。消防隊員や鰺ヶ沢署員ら計約45人で捜索したところ、午前8時20分頃、林道脇の小川で亡くなっている舛谷さんを発見したという。また、平川市切明地区では、29日朝からタケノコ採りに訪れていた弘前市の女性(70)が遭難。同日午後4時頃、右足を骨折して動けなくなっていた女性を県警のヘリが発見し、県の防災ヘリに救助された。このほか、29日に同地区でタケノコ採り中に行方不明となった青森市の70歳代の夫婦が30日朝に発見されたり、弘前市百沢でも山菜採りの男性(72)が29日朝から一時的に連絡が取れなくなった後、30日朝に自力で下山しているところを弘前署員に保護されたりした。秋田県警鹿角署は30日、同県鹿角市十和田大湯の山中で25日から行方不明になっていた十和田市穂並町、無職高谷善孝さん(65)の遺体を発見したと発表した。発表では、遺体は26日に高谷さんの軽乗用車が見つかった地点から約200メートル先のササやぶで発見され、衣類や体の特徴から高谷さんだと特定した。爪痕や牙でかまれたとみられる傷痕も多数あり、クマに襲われた可能性が高いという。発見場所から西に約2~3キロの山中では、21、22の両日にもクマに襲われたとみられる男性の遺体が相次いで見つかっていた。茨城県に住む高谷さんの親族は30日夕、読売新聞の取材に「(遺体発見の)知らせは聞いたが、今は何も話したくない」と声を震わせた。高谷さんの遺体の発見現場のそばで29日にクマに襲われた新郷村の女性(78)が30日、読売新聞の取材に応じ、「クマよけの鈴も持っていたが、音も気配もなく背後からいきなり尻をかまれた。九死に一生を得た思いだ」と振り返った。秋田県警の発表や女性の説明によると、女性は29日早朝から長男(58)と一緒にタケノコ採りに訪れており、体長約1・2メートルのクマに襲われた。前かがみになってタケノコを探していたところ、尻に激痛が走り、振り返るとクマが牙をむき出しにしていたという。女性は悲鳴を上げながらクマの頭を何度も蹴ってから約60メートル先のトラックまで走って逃げ、長男は長さ約2メートルの竹でクマを突くなどして威嚇。しかし、クマはじりじりと長男に迫り、後ずさりしながらトラックに乗り込んだ長男が車を発進させた後もしばらくその場にとどまっていたという。女性は何十年も山菜やタケノコ採りを続けてきたが、クマと出くわしたのは今回が初めて。「慢心していた。山菜採りは趣味だけど、もう山には入りたくない」と話し、肩を震わせた。
(ブナ凶作、今秋は出没増?:山形)
鶴岡市などでクマの目撃が相次いでいることを受けて県は27日、三川町横山の県庄内総合支庁分庁舎で関係機関との対策会議を開いた。同支庁の江袋一宏保健福祉環境部長は、ブナの実が豊作だった年の翌年は凶作になってクマの出没が多くなる傾向を指摘。「今年はブナの凶作年に当たる。大量に出没した10年前と同じで夏から秋にかけて人里への出没が予想されることから、連携し地域住民に注意を喚起していく」と述べた。クマに遭遇した時の対処法について、県猟友会鶴岡支部の佐藤征勝支部長が説明。子連れの雌グマは子グマを守ろうとして襲ってくるので逃げるしかないが、追いかけてきて背後から頭をかじるケースが多いため帽子をかぶっていれば被害が少なくなるとした。一方で、雄グマは人の気配を感じて先に逃げる場合が多いので、出合い頭に遭遇しないようラジオや鈴を持参し、音を鳴らして存在を知らせた方がいいとした。会議には鶴岡、酒田両市や鶴岡署など3警察署、地元猟友会などから約40人が出席。目撃情報の伝達経路や捕獲までの手順などを確認した。4月9日に西川町水沢で渓流釣りの男性がクマに襲われてけがをした。5月17日には鶴岡市茅原の県立こころの医療センターで雄のツキノワグマが目撃され駆除された。同23日に同市湯野浜から庄内空港周辺にかけて出没するなど、各地でクマの目撃情報が寄せられている。
(シカ柵設置、石川県側が縮小し最終案:福井)
ニホンジカの侵入対策として石川県が加賀、あわら両市境に金属柵を設置しようとして福井県側が反発していた問題で、あわら市の住民らが二十七日夜、石川県側の最終案に合意した。おりを組み込んだ金属柵を十キロ余り連ねる前回案から、重点三カ所で計五キロまで縮小し、柵がない場所などにおりを置く。福井県地域農業課によると、金属柵は県境から五百~千五百メートル離れた加賀市側で、北陸自動車道東側から設置。二百メートルごとに五~十メートルの隙間を設け、計十二個のおりを置く。六月にも設置に取り掛かる。あわら市内で同夜、石川県の担当者が最終案を説明した。福井県側からは農家組合長や区長、金津東部地区鳥獣害対策協議会のメンバーら計三十人が出席。捕獲に重点を置く変更を評価する声が相次いだという。本年度はあわら市側も県や市の補助を受け、同協議会が樋山と鎌谷、滝の三カ所で計八キロの金属柵を追加整備し、坂井森林組合や県猟友会も捕獲体制を強化する方針。環境省の調査では、二〇一三年三月末の福井県内のシカの生息数は推計三万五千頭で、生息域が嶺南から嶺北へと拡大。石川県内は五百頭と少ない。石川県は一四年度、県境の半分に当たる二十四キロを金網柵で封鎖する自衛策を打ち出した。福井県側の反対で一五年度に設置を見送ったが、同年六月に無断で設置準備に着手して問題が表面化。十二月に新たな設置案が示され、話し合いを重ねていた。
(「有害鳥獣捕獲班員」を増員:大分)
大分県玖珠町はシカの個体数の増加で農作物の被害が顕著になり始めた2008年、被害防止計画を策定し、鳥獣被害対策協議会を設置した。狩猟免許取得者で構成する「有害鳥獣捕獲班員」を増員しながら着実に有害鳥獣の捕獲数を増やす。
(ヒグマ対策、人材の育成が急がれる:北海道)
市街地に出没したり、農作物を荒らしたりするなど、問題を起こすヒグマの被害をどう防ぐか。道が今年から、ヒグマの狩猟者を育成するための春季の「捕獲事業」を全道に広げた。狩猟技術を次の世代に引き継ぐのが狙いだ。ヒグマと人が共生するには、個体数を適正に保ち、人とクマが安易に近づかないようにすることが大切になる。狩猟者やヒグマの生態に精通した人材の育成が急がれる。道のさらなる取り組みを求めたい。道内のヒグマの推定生息数は、春グマ駆除が禁止された1990年度は5800頭だったが、道の最新の推計では2012年度で約1・8倍の1万600頭となり、1万頭の大台を超えた。増えた若グマが、山奥から押し出される形で縄張りを求め人里に近づいている。人を恐れない個体が増えている。道は14年、全道のヒグマ保護管理計画を策定した。道内5区域で適正な生息数と捕獲数の上限を決め、被害とともに駆除の行き過ぎを防ぐのを狙いとする。課題は、問題行動を起こすクマが出た場合に、現場に出動して駆除に当たる狩猟者が減少し続けていることだ。高齢化に加え、大半はシカの有害駆除などの経験しかない。実際にクマを撃てる技量を持つ熟練者はわずかだという。道は、渡島半島で05年から先行実施していた、クマを見つけやすい残雪期(3~5月)の捕獲事業を今年、道央や道北、道東の13市町で新たに行った。ベテランが講師となって、雪に残る足跡を追い、クマ撃ちの技術を学ぶ。道によると、今季は27日現在で12頭が捕獲されている。こうした狩猟でクマにプレッシャーをかければ、人との緩衝地帯をつくることも期待できよう。それぞれの地域でヒグマ対策に当たる人材の養成も欠かせない。人との偶発的な遭遇を防ぐために、隠れ場所となるやぶを刈り払ったり、住民への啓発を効果的に行うことなどが求められる。道は昨年から、市町村や振興局の担当職員に専門知識を身につけてもらおうと、ヒグマの生態や被害が出た場合の対応などを学ぶ研修を道内各地で始めている。ただ、公務員は異動などで担当を離れることも少なくない。ノウハウの共有が大事になる。道として、ヒグマ対策を担う専門対策員を各地域に配置することも検討すべきではないか。
(生態系の変化調査を:福島)
福島市の市街地に熊が連日出没している。郡山市では街中でイノシシの目撃が相次いだ。県内の野生動物の生息状況は、ここ10年ほどで大きく変わった。専門家によると、全県で分布域が拡大し、個体数の密度が高くなっているという。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で設定された避難区域では特に生態系の変化が著しい。野生動物が人間の生活圏にまで入り込んでいる現実を直視し、対策を講じる必要がある。県警本部のまとめでは、今年の県内の熊の目撃情報は25日現在、61件で、前年同期に比べ28件多い。人口の減少などで山林と市街地の間の里山が減ったことが一因とみられている。人の姿が見えないと警戒心が薄れ、生活圏に入ってくる。子熊の時に親熊と一緒に市街地に下りた経験があると、成長後も継続的に市街地まで活動範囲を広げるようになる。中通りの熊だけではない。野生動物の生態に詳しい福島大環境放射能研究所の奥田圭特任助教によると、冬の積雪が4メートル超の奥会津でシカやイノシシが確認されるようになった。浜通りの避難区域では、イノシシやアライグマによる家屋被害が深刻だ。イノシシの場合、狩猟者の減少に加え、駆除しても放射性物質の影響で肉を食べることができない事情が背景にある。空き家を繁殖場所にするアライグマは家屋を壊したり、ふん尿の被害を及ぼしたりする。放置すれば住民の帰還の妨げになる。狂犬病など感染症の感染源になる恐れがあり、日本固有の動植物に与える影響も懸念されている。野生動物は一定の個体数と生息域があると、繁殖を繰り返し、加速度的に増える。奥田特任助教は、狩猟による駆除だけでは、増加を食い止めることは難しいと指摘する。電気柵は農作物への対策として一定の効果を上げているが、抜本的には耕作放棄地を解消して動物が人間の生活圏に侵入しにくい環境に変えることが不可欠だという。とはいえ、高齢者が多い山間部の集落では難しい。立ち入りが制限されている帰還困難区域の対策は手付かずのままだ。本格的な野生動物の全県調査は行われてこなかった。震災前後で生態系がどう変化したかを比べるデータもない。まずは関係機関が連携して調査を実施する必要がある。その上で駆除や対策などの管理計画を検討すべきだ。豊かな自然の中で人間と野生動物が共存していくことは理想だ。だが、そんな悠長なことを言っていられないほど事態は切迫している。
(野生グマ、お寺暮らし2年:大阪)
大阪府豊能町のお寺で今春、1頭のツキノワグマが冬眠から目覚めた。約2年前、兵庫と大阪の府県境の山でイノシシのわなにかかり、大阪府に殺処分される寸前で西宮市の自然保護グループに引き取られた「とよ」(雄、推定6歳)だ。野生グマが飼育下で冬眠したケースは全国でも珍しい。環境省の指針では誤って捕獲されたクマは放獣が原則。なぜ古里の山に帰れないのか。とよの生息域は丹波山地とみられ、親離れして間もない2014年6月、兵庫や京都、大阪府県境の山を行き来している途中、わなにかかった。鳥獣保護法では誤捕獲した動物は山へ放すのが原則。しかし、誤捕獲の経験がなかった大阪府は「住民の安全」を優先し、殺処分の方針を決定した。これに森林保全やクマ保護の活動を全国で続ける「日本熊森協会」(本部・西宮市)が反発し、放獣を強く求めたが、大阪府は拒否。府は代替案として動物園など105カ所に引き取りを求めたが「野生の成獣は人に懐きにくい」などの理由ですべて断られた。同協会が殺処分回避の方法を模索していたところ、「飼育できる土地を無償提供しましょう」と高代寺(豊能町)の長澤正秀(せいしゅう)副住職が助け船を出した。全国から約1300万円の寄付も集まり、昨春、境内に70平方メートルのクマ舎が完成。「とよ」と命名された。ファンクラブも結成され、週1回、クマ舎の掃除を続ける。地元のガールスカウトの子どもたちが環境教育で訪れたこともあった。冬眠前の昨年11月には豊能町の住民有志がスーパーの前に「ドングリ集め箱」を設置。兵庫や全国から届いた分も合わせ約600キロを準備した。約400キロのドングリを平らげ、丸々太ったとよ。1月末、クマ舎で冬眠を始め、3月中旬、むくりと起き上がった。「暖冬でなかなか冬眠してくれず心配した。元気に目覚めてホッとした」とスタッフの植田達也さん(61)。同協会の森山まり子会長は「臆病で学習能力のあるクマは、人の存在を知れば里に下りない。共生の方法を学べば殺処分は必要ないと分かってもらえるはず」と話す。とよの放獣には大阪府の許可が必要だが、府は「クマの生息域がなく、住宅地も近い大阪の山に放獣するのは現実的に難しい」。古里に帰れぬまま2年が経過しようとしている。ツキノワグマは本州以南の広い範囲に生息していたが、九州では絶滅し、中国地方や四国では絶滅が危惧される地域個体群としてレッドデータブックに掲載されている。近畿の生息域は丹波山地や氷ノ山。兵庫県は2015年度、誤捕獲した約50頭を山に帰した。県森林動物研究センターは「クマによっては何度も人里に下りてくる場合があり、注意が必要。集落から離れた奥山などに放獣している」と話す。一方、個体数の多い東北や北陸地方では有害捕獲の対象だ。大阪府は、とよが迷い込んだ後の14年夏、クマの対応指針を策定。人身被害の危険性がない、周辺住民の合意があるなどを条件に放獣できるとしたが、担当者は「現実的には難しい。ハイキング時に鈴を着けるなど、クマが人に近づかない対策を強化したい」としている。
(地域おこし協力隊員、シカ肉加工施設を開設:兵庫)
地域おこし協力隊として、兵庫県朝来市で活動する男性2人が、同市和田山町宮内の空き倉庫を改修し、シカ肉加工施設をオープンさせた。市内の山林で捕獲したシカを解体・加工し、但馬や阪神間のイタリア、フランス料理店などに販売。将来はハムなど薫製の製造も目指すという。協力隊3年目の吉原剛史さん(41)=東京都出身=と2年目の高田尚希さん(36)=宝塚市出身。2人とも朝来市で狩猟免許を取得し、県猟友会朝来支部に所属している。シカは自分たちで捕らえるほか、地元猟師からも譲り受ける。シカ肉は少し寝かせた方が美味といい、室温0~1度の熟成庫に数日つるして乾燥させ、背ロース、内モモ、外モモ、後ろ脚などに解体して販売する。欧州では狩猟で捕れた鳥獣肉を「ジビエ」と呼んで珍重している。高タンパク、低脂肪のシカ肉は日本国内でも年300~400トンが消費されるが、高温で熱すると肉が硬くなるなど調理が難しい。2人はまず、近隣や都市部のレストランを中心に販路を開拓する計画だ。前処理室、解体室、出荷室などを備える倉庫の改修や冷蔵庫などの備品購入には、朝来市の移住起業者支援事業の補助200万円などを利用。施設は、スペイン語で「猟師たち」を意味する「ロス・カサドーレス」と名付けた。朝来市内では昨年度、1993頭のシカが捕獲された。2人は年間300頭の加工・販売を目標に掲げる。吉原さんは「地域に深刻な食害をもたらすシカを資源として活用する新たなモデルを作りたい」、高田さんも「地域にとってもお客さんにとっても必要とされる存在になる」と意気込む。
(ネット×電気柵、主要な獣種の侵入防ぐ:長野)
長野県は、市販のポリエチレン製ネットと電気柵を立体的に組み合わせて、イノシシやハクビシンといった中型獣と鹿、猿など、主要な害獣の侵入を防げる「長野式電気柵」を開発した。高さ1.4メートルのネットを張った柵の上下に電線を配置。下部からのくぐり抜けや支柱を伝っての飛び越えを防ぐ。支柱に電線を固定する専用器具も開発し、設置や管理を簡単にした。県は「ほとんどの獣種の侵入を防げるのでは」(農業技術課)と自信を見せる。県が以前開発し、イノシシやキツネ、ハクビシン、タヌキなどの侵入防止効果を確認していた柵を改良し、鹿や猿も防げるようにした。全て市販品の材料で作製できる。ネットは1.5メートル幅のものを使い、10センチほど地面に垂らす。電線はネットから15センチほど外側に、地際から15、20センチ間隔で3本、地際から130センチの上部に10センチ間隔で3本を横に張る。イノシシなどの中型獣はネットで見通しが悪いため足が止まり、ゆっくり近づいたところで電線に触れる。猿は、侵入しようとネットをめくり上げた時に電線に触れるようにした。猿がよじ登りやすい角の太い支柱には電線をはわせ、支柱をつかむと電気刺激を受けるようにした。漏電を防ぐため、繊維強化プラスチック(FRP)製の支柱を使う。ネットと電線を1本の支柱で固定できるよう、専用の「突(つき)出しクリップ」を開発。今年度から、サージミヤワキ(株)(東京都品川区)が1本80円で発売する。同県大町市で、トウモロコシやサツマイモを栽培する外周48メートルの農地に設置して試験した。隣接する農地には5カ月で延べ100匹の猿が侵入したが、設置した農地への侵入はなかった。設置費用は8万5500円で、電牧器関連を除いた経費は1メートル当たり656円だった。試験を担当した岡部知恭専門技術員は「最低限の電線で最大の効果を発揮する柵だ」と強調する。注意点として、漏電防止のための除草管理をすること、積雪に弱いため雪の降る地域では冬は撤去することを挙げる。ネットは除草作業がしやすいよう地面に固定せず、野菜栽培でビニールの固定に使うトンネルパッカーで支柱に留める。除草時は簡単に外せて、ネットをたくし上げることができる。
(先住民カスカの狩猟に学ぶ「人間と動物の共生」:岐阜)
「私は子供のころから動物が大好きなのに、昔から動物を食べることに抵抗がなかったんです。それで、『自分が動物好きなのに、どうして食べちゃうの?』って聞かれると、うまく答えられませんでした。でも、カスカの人たちと暮らして、ようやくわかってきたんです」岐阜大学の中にある研究室で、文化人類学者の山口未花子さん(39)は、おっとりとほほ笑みながら、そう話した。カナダ・ユーコン準州に暮らす先住民のカスカは、現在も伝統的な狩猟採集生活を続けているインディアン。山口さんは、学術調査のためにこの地を訪ね、古老である「おじいちゃん」に“弟子入り”をした。ユーコンに通って、もう10年になる。北海道大学大学院在学中、文化人類学を専攻していた山口さんは北アメリカに1万年以上狩猟生活を続けてきた先住民がいるという情報を得る。が、どこの部族に行けばいいのかわからない。山口さんは思いきって、カナダ中西部の名門大学、アルバータ大学に研究員として渡り、その地で知ったのが、カスカの名前だった。「しかも彼らに関する論文といえば、50年くらい前に書かれた1本きり。研究するならこれだ!って思いました」(山口さん・以下同)とはいえ、何事もスムーズには運ばない。自治政府から現地調査のための許可をもらうため、悪路を丸2日間1人で車を走らせてチーフを訪ねてはすれ違い、時に車が危うく崖から落ちそうになり、真っ逆さまにひっくり返るなど散々な目にも遭う。そして許可を取るまで1年、2005年7月に山口さんはようやくユーコン準州の、カスカ暮らす町・ワトソンレイクへ。ホームステイ先の男性に口説かれるなどの“苦労”も切り抜け、落ち着いたのが80歳近い古老の家だった。「カスカの人たちは、男女を問わず、暮らしに必要な技術を必ず持っているんですよ。おじいちゃんは狩猟や解体はもちろん、皮をなめしたり、小屋を作ったり。私も、狩りについて行き、長いときには1カ月以上も森のなかの狩猟小屋で過ごしました。おばあちゃんも干し肉作りや、なめし革でモカシンやミトンを作る。あらゆる生活文化に触れさせてもらいましたね」そうして体験したのは、徹底的に動物たちと会話する、カスカの伝統的な暮らし方だった。人びとは動物たちを「言葉と思考を持つパートナー」と捉えている。「たとえば、狩りのときはなるべく痛みがないように仕留めます。ライフルの弾がズレて、ヘラジカにけがをさせて逃げられたら、『怒らせてしまったから、もうしばらく捕れない』と言って、さっさと帰ってきてしまうんです」また、野生の命はけっして無駄にはしない。「余った肉は干し肉にしますし、骨はだしを取った残りさえ、犬がガシガシ食べ尽くします。皮や毛皮は衣類に加工して、ほんとうに捨てるところが何もない。みんな、動物たちのおがげで自分たちが生きていることがわかっているんです。『畏れ』に近い感覚を抱いている」だから儀礼を欠かさないし、不要な狩りやスポーツハンティングは絶対に行わない。動物が好き、食べるのも好き。その考えが矛盾していないことを、山口さんはカスカの暮らしを通して知った。「彼らには、for us,part of the animal(私たちは動物の一部である)という教えがあるんです。私の動物好きは、カスカの人たちのそれと近いんだなって。長いこと説明のつかなかった感情に整理がついたような気がしました」現在、山口さんは岐阜大学地域科学部の助教授として、学生たちに人間と動物の共生について教えている。そして毎年のようにユーコンに通い、カスカの人たちの暮らしを調査し続け、もう10年以上になった。家族のように溶け込みながら、山口さん自身が気づいたことは何だろう。「私にとってのいちばんの変化は、動物を殺せるようになったこと。2014年に、日本で罠猟の免許を取得しました。まだシカとイノシシを1頭ずつですが、自分で捕れるようになった。狩猟とは、自然とつながる行為であると教えてくれたのがカスカの人たちです。自分がかけた罠に、動物が来てくれると、その動物の行動がわかった!自然とつながれた!という感覚が大きいです」

TOPへ

5/27
(2人死亡現場にクマ捕獲用おり:秋田)
秋田県鹿角市十和田大湯の山中で、タケノコ採りで入山した男性2人が相次いでクマに襲われ死亡したことを受け、市は25日までに、県から鳥獣保護管理法に基づく鳥獣捕獲許可を受けた。被害があった現場近くの1カ所に捕獲用のおりを設置する。来月6日まで。おりは鉄製で、クマの好きな蜂蜜や果物を置いて誘い込み、捕獲する。クマがおりに入らず周辺をうろついている場合は、地元猟友会が銃を使用する許可も得ているという。
(クマ目撃相次ぐ、わな設置へ:宮城)
登米市迫町新田で23日から、クマの目撃が相次いでいる。JR東北線新田駅前の道路など住宅地に近い場所でも見つかった。鹿角市でクマに襲われたとみられる死亡事故が2件起きており、住民の間に不安が広がる。市はクマ捕獲のわなの設置を急ぐ。登米市や佐沼署によると、23日に4件、25日に1件の目撃情報があった。23日夜は2頭、ほかは1頭が目撃されている。竹林が1カ所荒らされ、タケノコを狙った可能性があるが、農作物の被害はない。クマの種類や性別などは不明だという。新田大形地区では25日夕、散歩していた女性2人が草むらにいる体長約1メートルのクマ1頭を見つけた。最も近い民家からは約30メートルの距離。「黒い物が見え、こちらを振り向いたらクマだった。びっくりした」と2人は振り返る。クマは雑木林に約20分間とどまった後、田んぼのあぜ道を歩いて姿を消した。発見した女性(57)は「新田でのクマ発見は50年以上前以来だと思う。とても怖い。家畜に被害が出ないかも心配だ」と漏らす。今月21、22日に鹿角市の山林で山菜採りの男性2人が死亡し、クマに襲われたとみられている。新田駅前自治会の石川法夫会長(67)は「地区住民はみんな不安。夜間外出しないよう注意喚起している」と話す。市によると、市内でのクマの目撃は昨年度4件だったが、本年度は5月25日までに既に7件。平野部で多く確認されているのが特徴だ。市農産園芸畜産課の担当者は「個体数が増えているのか、餌の関係で人の生活圏域に来ているのかが考えられるが、原因は分からない」と話す。現在、佐沼署はパトカーでの警戒を強め、市は蜂蜜を餌にした「箱わな」の設置準備を進めている。
(小学校近くにクマ:青森)
26日朝、八戸市田面木の養蜂場でクマに養蜂箱2箱が荒らされているのが見つかった。近くの田面木小学校では26日、集団下校の措置を取った。26日午後6時現在、人への被害はないが、警察が住民に注意を呼びかけ、市が檻を設置するなど対応にあっている。
(ヒグマ目撃情報相次ぐ:北海道)
山菜採りシーズンを迎え、苫小牧市内で今月、ヒグマの目撃情報が相次いだ。21日には市街地に近い公園内で、林道を横切る子グマ1頭が目撃された。今年度はすでに4件(昨年度同期は0件)の情報が寄せられており、苫小牧市や苫小牧署は注意を呼び掛けている。今年の最初の目撃情報は4月8日に市内柏原であり、その後、5月1日に北大研究林、同7日に高丘で相次いだ。21日午後には高丘森林公園トンギョの池付近で、山菜採りに来ていた男性が体長40~50センチほどの子グマを目撃。同署員と猟友会が現場周辺を警戒し、市が注意を呼び掛ける看板を設置した。15年度は最初の目撃情報が6月上旬だったが、今年度はすでに4件ある。市によると、ヒグマの目撃情報は2011年33件、12年31件、13年49件、14年25件、15年14件。減少傾向にあるものの、市環境生活課は「あくまで目撃件数。油断はしないでほしい」と呼び掛ける。同課は「ヒグマは特に早朝や夕暮れ、夜などに活動が活発になるためそれらの時間帯、むやみに山林に入るのは危険」と指摘。「山菜採りの際などは、鈴や笛、ラジオなど音の出るものを携行し、ヒグマに人間がいることを知らせるようにして」と呼び掛けている。
(クマ1頭を目撃:山口)
25日午後0時20分ごろ、下関市豊北町神田上の土井ケ浜公民館近くで、クマ1頭が北西方向に走っていると近くの住民から通報があった。下関市豊北総合支所の職員がが現場近くでクマのものらしい足跡を見つけた。けが人はいない。
(「クマ警戒」続く:福島)
福島市の市街地周辺でクマの目撃情報が続いたことを受け、市は25日、捕獲用のわなが24日に仕掛けられた信夫山周辺と、同日未明に目撃情報があった笹木野地区で警戒に当たった。市によると、25日は午後5時現在でわなにクマは入っておらず、市内でクマの目撃情報もなかった。市は広報車を使い、早朝や夕方など児童、生徒らの登下校時間に合わせ「外出する際はクマに気を付けて」と市民に注意を呼び掛けた。福島署も信夫山や笹木野地区をパトロールした。市教委はクマの目撃情報を受け、信夫山周辺の小、中学校など計10校に注意を呼び掛けている。23日にクマが目撃された松川河川敷に近い御山小では、同日から集団下校を行っている。25日は、全校児童約420人が教員や地域のボランティアに見守られながら一緒に下校した。同校の伊藤勝彦教頭(55)は「児童の遊び場の信夫山と松川河川敷で安全が確保され、児童がまた遊べるようになってほしい」と話した。
(県と県警、クマ対策会議:福島)
福島市中心部近くなどで熊の目撃が相次いでいることを受けた県と県警の対策会議が26日、福島市中町の県自治会館で開かれ、県嘱託職員の溝口俊夫・野生動物調査専門官(68)が、出没が相次ぐ背景を分析した。獣医師でもある溝口氏は、福島市西部で耕作放棄地が増え、熊の生息域が人里近くまで広がったことで、人が栽培する果物や飼育する鶏などの味を覚えた個体がいると推測した。暖冬で熊の活動開始が早まっており、草刈りの回数が減って河川敷に草むらが増え、熊が川伝いに移動しやすくなったとも指摘。河川敷の除草や田畑の見回り、柵の設置などの対策を求めた。福島市では23、24日に信夫山などでの目撃通報が続いたほか、県警の発表では、25日深夜~26日夜にも、清水町の国道4号や蓬莱町の市道などで3件、目撃された。県と県警は6月下旬までに対策を決めるという。
(臨時交番、クマ注意呼びかけ:青森)
黒石警察署は25日、タケノコ採りが多く入山する平川市葛川地区に臨時交番を設置した。6月末までの土曜日と日曜日に警察官が泊まり込み、遭難やクマの出没に注意を呼びかける。県内では今年クマの目撃情報が54件あり、去年同時期を24件も上回っている。
(クマ、ブナの実豊作で子多数:岩手)
春になってクマの目撃情報や被害が県内でも相次いでいる。クマに襲われ、4月から6人が重軽傷を負った。クマの被害を防ぐにはどうしたらいいのか。13日、遠野市附馬牛町の山林。市内の男性会社員(49)が山菜採りをしていると、子連れのクマに出くわして襲われた。男性は逃げたが顔や手をかまれ、重傷を負った。遠野では15日にも、民家の敷地内に成獣とみられるクマが出没した。県などによると、4月のクマの出没情報は130件。昨年より28件増えていた。いずれもツキノワグマとみられ、親子で目撃されるケースも多いという。県内でクマの出没が増えている理由について、クマの生態に詳しい国立研究開発法人「森林総合研究所」の研究調査官、大西尚樹さんは「昨秋にブナの実が豊作だったことが関係している」と話す。ブナの実は、冬眠前のクマの餌になる。豊作の場合、母グマの栄養状態が非常に良くなるため、子どもを産むのに適した環境になる。このため「冬眠明けの春先に子連れのクマが多くなり、餌を求めて人里に出没している可能性がある」と指摘する。県自然保護課は、クマの被害に遭わないために「例えば、ラジオや鈴といった大きな音がするものを身につけてほしい」と呼びかけている。鈴やクマよけスプレーなどは、登山用品店などで買うことができる。クマは臆病な性格で、人間の気配を感じたらクマの方から山に帰っていく。大西さんは「2人以上でいることも、会話の声で効果が期待できる」と言う。ただし、悪天候の日や沢の音が大きい場所などでは、クマも人の気配に気付かないこともあり、注意が必要だ。万が一、クマに遭遇した場合は、走ったり背中を見せたりして逃げない方がいいという。持ち物を静かに置いて注意をそらし、静かにゆっくりと後退する。クマが攻撃してきたら、両手で顔や頭をカバーして防御する。同課の担当者は「県内の山はクマの生息域。山登りや山菜採り、渓流釣りではクマがいるのが当然だと思ってほしい。何より出合わない工夫が大切」と話している。
(市街地をイノシシ徘徊:新潟)
新潟県上越市によると2016年5月26日午前、春日山町1から新光町などの市街地にイノシシが出没した。イノシシは体長約80cmで、保育園の近くや中学校のグラウンド、鉄道の線路などを徘徊し午前11時30分頃、新光町2の住宅の敷地内で警察や市が捕獲した。けが人などはない。市によると、午前8時20分頃、春日山町1の市立春日保育園の職員がイノシシがいると市に通報した。その後、午前10時頃には春日山町3のクスリのアオキ春日山店付近や旧春日山駅付近で目撃された。警察のパトカー4台と市の車両2台などで追跡した。イノシシはその後、市役所近くの身体障害者体育館付近から春日中学校のグラウンドに侵入したため、学校は生徒を一時屋内に退避させた。さらに午前10時半頃には学校のグラウンドの東を通るえちごトキめき鉄道の線路(妙高はねうまライン)に侵入。トキ鉄は列車の運転を一時見合わせた。その後、イノシシは上越大通りを横断して、新光町2、3丁目方面に向かい、三交病院、さんこうこどもの家付近を徘徊。午前11時30分頃、新光町2の住宅敷地内で、警察や市職員によりさすまたや網などで捕獲された。
(住宅街でイノシシ目撃:栃木)
26日午前6時24分ごろ、さくら市喜連川の路上で、イノシシ1頭が目撃された。さくら署によると、現場は児童養護施設の南側で、通学路のある住宅街。イノシシは体長約1メートルで、西方へ走り去った。散歩中の男性が目撃し、110番した。
(有害獣駆除に力を、新人ハンター養成講座開講へ:宮城)
イノシシやニホンジカなど農作物被害をもたらす有害鳥獣の増加抑制のため、宮城県は6~12月、新人ハンター養成講座を開く。鳥獣駆除の資格を持つ狩猟免許取得者は年々減少して高齢化が進んでおり、若い担い手の参加を呼び掛けている。講座は計7回。村田町の県クレー射撃場などを会場に狩猟免許に関する知識や猟具の扱い、イノシシやニホンジカの生態などを学ぶ。捕獲体験や解体、料理実習などもある。募集定員は20人で、受講料は2000円。受講期間中に狩猟免許試験を受ける。希望者は所定の申込書に動機や抱負をまとめた400字以内の作文を添え、27日までに県自然保護課に持参か郵送する。県は2013年度から養成講座を開始し、昨年度は23人が受講。免許取得後は地域の猟友会に入り、有害鳥獣を駆除する活動などへの協力を求めている。
(ニホンジカの食害深刻、囲いわな設置へ:神奈川)
箱根町の箱根山周辺でニホンジカが自然の植生や農産物を食い荒らす被害が深刻になっており、県内唯一の湿原、仙石原湿原(約17ヘクタール)の希少植物も大きな被害を受けている。同町は月内にも捕獲用の囲いわなを湿原近くに設置するが、専門家は「5年すれば湿原の貴重な植生が無くなる」として、植生保護柵の設置など抜本的対策を訴えている。「ニホンジカは仙石原湿原の中に入り込み、かなりの植生が食べられて無くなっている」こう話すのは、環境省の委託を受けて箱根町のニホンジカの生態を調査している民間研究機関「野生動物保護管理事務所」(東京都町田市)の森洋佑主任研究員(38)。県が平成25年度に実施した調査では、箱根町を含め、大磯町や平塚市など西湘地域のシカの個体数を262~3884頭と推定。同事務所の推計では、箱根町のニホンジカは37年度には5711頭になるとみられるという。仙石原湿原には、県のレッドデータブックで希少種に指定されるオオミズゴケやノハナショウブなどの植物が群落し、北西部には国の天然記念物指定地もある。同事務所の難波有布子研究員(30)は「ニホンジカは1日2~5キロの草を食べる。増えすぎると湿原の植生に影響が出てくる」とし、森主任研究員は「特別天然記念物指定地にも食害の痕が見える」と話す。箱根町内のニホンジカは明治期の乱獲で一時姿を消したが、昭和37年に再び生息が確認された。DNA調査によれば、伊豆半島の一部に生き残った集団などが箱根町に移動してきたものだという。環境省は平成26年度に仙石原や三国峠など町内10カ所にカメラを設置し、生態調査をスタート。27年度には10台すべてがニホンジカの姿を捉えるなど増加傾向がうかがえ、野生動物保護管理事務所の26年度調査でも、長尾峠地区で「被害が顕著に表れている」などとしている。箱根町は県猟友会箱根支部に依頼して26年度は22頭、27年度は18頭を捕獲・処分したものの、被害を防ぎ切れないため月内にも囲いわな設置に踏み切る。環境省箱根自然環境事務所も湿原を囲う植生保護柵を検討している。難波研究員は「箱根町は静岡県と接し、湿原保護には同県を含めた対策が必要」と訴えている。
(小豆島の文化遺産「猪鹿垣」:香川)
小豆島(香川県)で江戸初期、農地をイノシシやシカなどの食害から守るために築かれた猪鹿垣(ししがき)の調査・研究に取り組む「小豆島の猪鹿垣を考える会」(港誠吾会長、会員105人)が、島内各地の山中で進めている活動内容を冊子にまとめ、会員や関係者に配布した。猪鹿垣は江戸期、野生動物による食害防止のため、全国的に築かれた。小豆島での猪鹿垣は石を高さ約2メートルに積み上げて、里山や集落の境界を城壁のように連ねる総延長約120キロが確認されている。さらに、集落の境界にある猪鹿垣の外(山側)に農地だけを囲んだ特徴的な「独立環状型」の猪鹿垣が残っている。同会は、「全国シシ垣サミットネットワーク」(奈良市)などが主催するサミットが平成21年に小豆島で開催されたのをきっかけに、22年に発足。猪鹿垣を小豆島の文化遺産と捉えて歴史的で文化的な価値をはじめ、構築した先人の労苦を後世に広く伝えようと、自然の巨石や崖などの地形を利用した猪鹿垣全体の形状などの調査・研究に取り組んでいる。冊子「小豆島の猪鹿垣」はA4サイズ、101ページで300部を作製。古文書や古地図など歴史的に価値のある関連資料の写真や実測図、構造図のほか、活動の様子を写真などを使って詳しく紹介している。同会は「鎌倉時代、蒙古襲来に備えた石塁「元寇(げんこう)防塁」(長さ約20キロ)が国の史跡に指定されている。小豆島の猪鹿垣(約120キロ)は住民の負担で築いたとされており、貴重な遺産。今後も香川県の文化財指定などを視野に活動を続けたい」としている。
(山奥で猟師たちが起業:京都)
2014年、京都の山奥で猟師たちが“起業”した。その名も「株式会社 野生復帰計画」。NPOでも有志団体でもなく、株式会社。その理由は、現代において、自然とともに生きるために必要なのは「経済的な持続性、という思いから」と、野生復帰計画の青田真樹は言う。取り組みのひとつは、猟を中心とした「持続的な営み支援プログラム」の提供だ。少人数でも運営できる「簡易獣肉解体施設」の設置を含め、保健所への対応や人材育成などを一括で支援し、パッケージとして全国に発信する。狩猟が生業のひとつになれば、それを糧に地方で暮らせる人が増える。猟を生業にする人が増えれば、害獣被害の原因のひとつである、高齢・過疎化による猟師の減少を食い止めることができる。そして生態系のバランスは保たれ、地域が維持される。野生復帰計画のメンバーは、「自然を守り活かしながら暮らす人」という意味を込めて、自らを「野人」と呼ぶ。循環型の地域づくりに取り組む野人たちの挑戦は、始まったばかりだ。

TOPへ

5/25
(クマに襲われ2人けが)
山梨県と埼玉県で23日、いずれも男性がクマに襲われて軽いけがをしました。23日午前11時40分ごろ、山梨県身延町大塩の林道沿いの雑木林で、伐採作業をしていた80代の男性がクマに襲われました。男性は持っていたナタで抵抗しましたが、右手をひっかかれ、軽いけがをしました。警察によりますと、クマは体長1メートルほどで、そのまま逃げたということです。山梨県によりますと、県内ではことし3月以降、22日までにクマの目撃情報が7件寄せられているということです。山梨県は、山に入るときにはラジオや鈴など音の出る物を持ち歩くことや、クマを見かけても近づかないよう呼びかけています。一方、埼玉県小鹿野町の両神山で午後1時ごろ、1人で登山をしていた東京都の34歳の男性がクマに襲われました。男性は自力で山を下り病院で治療を受けていますが、顔に軽いけがをしているということです。男性が襲われた現場はふもとの登山口からおよそ3時間歩いた高さ1500メートルほどの登山道で、警察によりますと、男性は「突然クマが現れて、驚いて転んだところ顔をひっかかれた。子どものクマだった」と話しているということです。警察は24日朝から登山口に看板を立てたりビラを配ったりして、登山客に注意を呼びかけることにしています。
(猟銃講習免除措置、5年間延長を)
自民党の鳥獣被害対策特別委員会と鳥獣捕獲緊急対策議員連盟の合同会議が5月24日に開かれ、鳥獣被害防止特措法改正に向けた論点整理が行われた。鳥獣被害防止特別措置法では、サルやイノシシなど農地や農産物に被害もたらす鳥獣捕獲を一層推進するため、捕獲従事者の負担軽減を目的に銃刀法に基づく技能講習の免除を措置していた。平成26年の改正で、鳥獣被害対策実施隊員は「当面の間」免除とされたが、それ以外の捕獲従事者は2年間に限って免除されるとされた。その期限は今年12月となる。このため今回は「5年間延長」の改正を行う方針だ。市町村に鳥獣被害対策実施隊の設置推進と体制強化を図る規定も盛り込む。対策実施隊は全国で1000市町村程度で設置されているが、鳥獣被害を受けている市町村数は1500程度あるとされ、被害が大きいにも関わらず設置していない市町村があるほか、設置していても捕獲有資格者がいないこともあるという。現行法では「市町村は実施隊を設けることができる」との規定のため、改正で設置推進と体制強化を図る条文を盛り込む。そのほか、現場で高齢化が進展し担い手が少なくなっていることから、ICT(情報通信技術)を活用した罠など、被害防止技術の高度化を図る規定を追加する。また、都道府県の指定管理鳥獣捕獲等事業と市町村の被害防止計画の連携を図ることも規定する。鳥獣被害防止対策にジビエ推進も明記する。同法の目的規定に捕獲鳥獣の利活用推進を追加するほか、国が作成する指針や市町村が作成する被害防止計画にも明記する。同時に食品としての安全性確保、捕獲から利活用までの関係者の連携、需要拡大と人材育成などもジビエとして推進する際に考慮すべき事項として盛り込む。昨年は住民が設置した電気柵で大きな被害が出たことから、捕獲や電気柵設置等の安全対策の徹底に関する規定も追加する。鳥獣対策を推進するため、取り組む人々を顕彰する規定も盛り込む。また、関係省庁の連携の重要性が強調されているが、今回の改正では省庁連絡会議開催規定を条文として追加する。同日の会合で改正点について了承し、改正法案づくりは鳥獣被害対策特別委員会の野村哲郎委員長、鳥獣捕獲緊急対策議員連盟の二階俊博会長らに一任された。秋の臨時国会で改正案成立をめざす。
(クマ住宅街で駆除、引き続き注意呼びかけ:青森)
24日午前7時ごろ、黒石市の東公園の近くにいた人々などから黒石署にクマの目撃情報が相次いで寄せられた。同署員や市役所職員が付近を捜索したところ、午前9時40分ごろに同市石名坂の石名坂共同墓地内でクマを発見。地元猟友会が猟銃で駆除した。黒石署によると、クマは体長約85センチのオスで、ツキノワグマとみられる。クマを発見した場合、通常はクマが山に帰るのを待つが、今回は住宅街で見つかったため駆除に乗り出したという。県警地域課によると、県内では24日午後5時現在、クマの目撃情報が53件寄せられており、前年比で23件多いという。駆除されたのは子グマとみられ、近くに親のクマがいる可能性もあるため、黒石署は引き続き注意を呼びかけている。隣の秋田県ではクマに襲われたとみられる被害が相次いでおり、20日以降、タケノコ採りに出かけた男性2人が相次いで死亡している。
(殺傷能力ある空気銃を所持した疑い、逮捕の34歳は否認:兵庫)
殺傷能力のある空気銃6丁を不正に所持したなどとして、兵庫県警は23日、神戸市中央区琴ノ緒町5丁目、アルバイト川端直高容疑者(34)を銃刀法違反(不法所持)容疑で逮捕し、発表した。容疑を否認しているという。葺合(ふきあい)署によると、川端容疑者は昨年9月、殺傷能力を持つほどに空気圧を高めた空気銃6丁のほか、傷を負わせる程度の威力がある準空気銃3丁を自宅に保管していた疑いがある。「インターネットのオークションで違法な商品が販売されている」という通報が捜査の端緒だったという。捜査関係者によると、県警は川端容疑者宅を捜索し、銃の空気圧を調整する器具などを押収。川端容疑者がネットオークションで空気銃を売っていたとみて捜査している。
(鹿角の2遺体、死亡原因はクマ襲撃:秋田)
秋田県警鹿角署は23日、鹿角市十和田大湯の山中で21日から22日にかけ遺体で発見された高瀬佐市さん(79)=同市十和田大湯、高橋昇さん(78)=秋田市土崎港北=について、いずれもクマに襲われたため死亡したと発表した。同署によると死因は、高瀬さんが失血死、高橋さんが出血性ショック死の疑い。
(クマ目撃相次ぐ:宮城)
仙台市青葉区川内と福島市中心部付近で23日、クマの目撃情報が相次いだ。青葉区川内の仙台城跡南側の市道では午後6時ごろ、乗用車を運転していた30代の男性会社員が、道路を横切るクマ1頭を目撃し、110番した。仙台中央署によると、クマは体長約1メートル。仙台城跡南バス停から八木山橋方向へ走っていった。中央署はパトカーで周辺の住民や施設に注意を呼び掛けた。仙台城跡を訪れた男子大学生(20)は「たびたびこの辺りにクマが出没すると聞いていたが、驚いた」と話した。福島署によると、午前4時ごろ、福島市御山の松川河川敷にクマ1頭(体長約1メートル)がいると近所の女性から通報があった。さらに午後5時15分ごろには同市御山の信夫山頂上付近でランニングをしていた男子高校生らが1頭(体長約1.5メートル)を目撃した。
(雑木林でクマ目撃:宮城)
23日午前7時45分ごろ、宮城県登米市迫町新田の雑木林に体長約1メートルのクマがいるのを車で通りかかった近所の男性が見つけ、家族が佐沼署に通報した。同9時半と10時50分ごろにも同地区でのクマの目撃情報が登米市にあった。民家が点在しており、佐沼署と市が注意を呼び掛けている。
(国道4号をクマ横切る:宮城)
24日午後7時50分ごろ、宮城県大衡村大衡の国道4号で、体長約1メートルのクマが道路を横切るのを車で通行中の男性が見つけ、110番した。現場は黒川消防署大衡出張所の南東約300メートル。大和署が注意を呼び掛けている。
(庄内空港周辺、クマの目撃情報相次ぐ:山形)
23日から24日にかけて山形県の庄内空港周辺でクマの目撃情報が相次ぎ、警戒が続いている。酒田市浜中の庄内空港近くで最初にクマが目撃されたのは、23日午後10時前で、場所は滑走路の下を通る国道112号の地下道。車で通りかかった男性が路上にいるクマ1頭を発見し、その後、クマは北側出入口から出ていった。また、24日午後4時45分ごろ、今度は空港周辺の「庄内夕日の丘オートキャンプ場」近くの路上でクマ1頭が目撃され、さらに、24日午後7時ごろには、空港の「緩衝緑地パークセンター」で木に登っているクマをランニング中の男性が発見した。このクマは木から下りた後、茂みのなかに入っていった。目撃されたクマはいずれも体長が1メートルほどで、3か所の目撃地点は、半径約1キロ内にある。こうしたなか、現場近くの浜中小学校では25日朝、児童たちが教職員らに付き添われ、登校した。これまでにケガ人や物的被害は確認されていない。警察で警戒を続けている。
(商業施設と小学校周辺に「イノシシ」出没:福島)
郡山市の商業施設と小学校周辺で22日、イノシシが目撃されたことが23日、郡山北署への取材で分かった。けが人はいなかった。同署によると、22日午後9時ごろ、同市の岩瀬書店富久山店の駐車場で通行人の男性がイノシシ1頭を目撃、110番通報した。茂みにいたイノシシを駆け付けた署員や市職員が捕獲しようとしたが、約2時間後に逃げられた。同署によると体長約1メートル。また、同5時ごろ、同市の大田小北側の畑で近隣の男性がイノシシ1頭を見つけ、同署に通報した。同署によると体長約1.5メートル。同署は付近をパトロールし、住民に注意を呼び掛けた。
(登山道でクマを目撃:新潟)
22日夕方、三条市森町地内の高城登山道でクマ1頭が目撃された。三条市では山に入るときは音の出る物を身につけるなど注意してほしいとしている。22日午後5時40分ころ、登山をしていた人が「下りの松」付近から100mほど先に登山道を横断する成獣と思われるクマ1頭を目撃したとの情報が寄せられた。同所は、ヒメサユリが群生する「ヒメサユリの小径」で、31日までヒメサユリ祭りが開かれている。管理組合では、登り口などで、ちらしを掲示するなどして注意を促しているクマが目撃された時間は夕暮れで、人が大勢いるときはクマも警戒すると思われるが、十分な注意を呼びかけている。
(クマ、県道に出没:滋賀)
22日午後9時45分ごろ、大津市山中町の県道で、車を運転していた京都市の男性(36)が体長約1メートルのクマを目撃した。5月以降は例年、気温が上がりクマの出没が増え始めるため、県警や県、市が警戒し、注意を呼び掛けている。大津署によると、目撃されたのは大津市と京都市を結ぶ県道30号沿い。クマはフェンスをよじ登ろうとしており、大津方面に向かったという。県警は同日夜に付近をパトロールしたが、クマは見つからなかった。県などによると今回のケースも含め、今年度の県内のクマの目撃情報は4月と5月が4件ずつで計8件。市町別では高島市5件▽長浜市2件▽大津市1件だった。県内では毎年、4〜11月を中心にクマが目撃され、少ない年で数十件、多い年では300件以上とばらつきがある。今年は昨年より少ないペースで人身被害はないが、昨年は5月に多賀町の女性が襲われて重傷を負うなど2件の人身被害もあった。
(市街地近くに「クマ」:福島)
23日午前4時ごろ、福島市の松川河川敷でクマを目撃したと、女性から110番通報があった。福島署によると、クマは体長1メートルで、河川敷を走っていた。同日午後5時15分ごろには、河川敷から約1.5キロ離れた信夫山頂上近くにある羽黒神社西側の私道で、ランニングをしていた高校の男子生徒がクマを目撃した。部活中だった生徒は学校に戻り顧問の教員に報告、教員が110番通報した。クマは体長1.5メートルで、道路を横切ったという。また、同日午後9時55分ごろ、信夫山北側の私道で、クマ1頭が道路を横切り山頂方面へ登るのを、近くに住む男性が目撃。110番通報した。クマは体長約1メートル。いずれもけが人はいなかった。目撃現場の近くに民家があることから、同署は周辺をパトロールし注意を呼び掛けた。福島市は周辺の小中学校と幼稚園、保育園などに連絡。県猟友会福島支部に依頼し、24日にわなを設置する予定。同市は、目撃されたクマの体長が違うものの、目撃現場が近いことから同じクマの可能性があるとしている。
(クマに襲われたか、死亡事故相次ぐ:秋田)
タケノコ採りの本格的なシーズンを前に、週末は鹿角市の山でクマに襲われたとみられる事故が相次ぎました。地元の猟友会では、ことしは子育てをしているクマが多いと見ていて、子グマを守ろうと人を襲う可能性があり、とても危険だと話しています。23日早朝、相次ぐ死亡事故を受け、急きょ、警察は現場近くなど3か所で注意を呼びかけました。事故があったのは青森との県境に近い鹿角市十和田大湯の山です。死亡した2人の頭やからだには、ひっかかれたりかまれたりしたような傷があり、クマに襲われたと見られています。鹿角市は現場付近を通行止めにして入山を控えるよう呼び掛けています。事故があった場所を含む一帯は熊取平と言われ、戦後に開拓された地域です。地元の猟友会によりますと、クマが生息していることからその名がつけられたということです。その一方で、タケノコが採れることからシーズンになると、県の内外から大勢の人が訪れるといいます。県警察本部によりますと、県内ではことしクマの目撃情報が70件寄せられていて、去年の同じ時期に比べて20件増えています。鹿角市猟友会の黒澤信雄会長は、クマのエサとなるブナの実が去年、数十年ぶりに大豊作になったことからことしは子育てをしているクマが多く人を襲う可能性があるため特に危険だと話しています。2日連続で発生したクマに襲われたと見られる死亡事故。鹿角警察署では「一人で山に入らないこと」や「常に声をかけあう」などの対策を呼びかけいます。
(クマ被害で市道通行止め:秋田)
秋田県鹿角市でクマに襲われたとみられる死亡事故が相次いだことを受け、鹿角市は22日夜、現地に通じる市道を通行止めにした。鹿角署も23日早朝、山中を目指すタケノコ採りの人を対象に緊急の注意呼びかけを始めた。市によると、被害拡大を防ぐため、事故現場に通じる道路の入り口を「通行禁止」とした。タケノコ採りシーズンが終わる6月上旬まで禁止措置を続ける予定だ。クマの駆除についても地元猟友会などと検討を始めた。鹿角署は「熊による死傷者続発!!」と書いたチラシを作り、23日午前4時頃から現場近くなどで入山者に手渡し、注意を呼びかけた。パトロールと合わせ、配布は当面続ける。通行止めになった市道には23日昼頃、軽トラックの男性が訪れた。採ったタケノコを業者に買ってもらっているといい、「クマの被害は知っているが大丈夫だろう。別のルートから山に入る」と話した。23日も鹿角、北秋田、秋田、仙北市で成獣とみられるクマの目撃が相次いだ。秋田県自然保護課によると、クマによるとみられる死亡事故が起きたのは、2007年ににかほ市で起きて以来9年ぶり。1年で2件起きたのは、記録が残っている1979年以降では初めてだという。今年は、4月のクマ目撃情報が前年同月の2・2倍に当たる22件に上っており、県は今月16日付で、注意喚起を呼びかけるチラシを各市町村などに発送。住民の目に入るところに置くよう求めていた。同課は、昨年10月の人里でのクマ目撃情報が6件と、前年の半分、12年の6分の1と激減していたことから、「ブナの実などのえさが豊富にあり、山を下りてこなかったのではないか。個体数は例年より多い可能性がある」と話す。
(クマ出没相次ぎ立ち入り制限:秋田)
北秋田市脇神の国指定史跡・伊勢堂岱遺跡周辺でクマの出没が相次いでいることを受け、市は今月中旬から遺跡への立ち入りを一部制限している。現在は団体予約客に限って見学を受け入れており、クマよけの爆竹や鈴を携帯した市職員やボランティアガイドが、ルートを短縮して案内している。ガイダンス施設・伊勢堂岱縄文館は通常通り営業している。市によると、遺跡周辺では今月7、14日、いずれも親子とみられるクマ3頭が目撃されている。
(クマへの注意喚起強化へ:秋田)
県内では、週末タケノコ採りに出かけた男性がクマに襲われ死亡する事故が相次いで発生しました。24日、仙北市で開かれた山菜採りの事故防止協議会では事故を受けて、クマへの注意喚起を強化することを確認しました。会議には、国や仙北市、警察、消防などで構成される仙北市の山菜採り事故防止協議会の会員およそ30人が出席しました。山菜採りによる遭難は、毎年、5月から6月にかけて多く発生しています。 県内では去年80人が遭難しそのうち9人が死亡、4人が行方不明のままとなっています。週末には鹿角市でクマに襲われて死亡する事故も起きていて、会議ではクマへの対策も話し合われました。警察では、山菜採りによる遭難防止の広報活動を継続するとともに新たにクマへの注意を促すチラシを作成し、入山者に配布することにしています。
(クマ、なぜ住宅地に:福島)
「サルやカモシカが出ることはあるが、まさかクマとは」。福島市で相次ぐクマの目撃情報。24日、県や県警、市などはパトロールを続け、捕獲用のわなを設置した。市街地周辺や住宅地に突如として出没したクマ。専門家は、餌や新たな縄張りを求めて松川沿いを下ってきた可能性を指摘する。「信夫山でクマが目撃されたのは初めてでは。食べ物を探しに下りてきたのか」。周囲に学校や行政機関、避難住民の仮設住宅などがある信夫山。目撃現場付近で捕獲用のわな設置に加わった県猟友会福島支部長の佐久間貞二さん(74)は驚いた様子で話した。佐久間さんによると、クマは、山から下りてこない「山のクマ」と、山を下りて果樹園などで餌を食べる「里のクマ」の二つに分けられるという。信夫山で目撃されたのは後者の「里のクマ」と推察する。今月に入り中通りでクマの目撃が増えている。県県北地方振興局のホームページによると、1~24日の目撃件数は14件に上り、昨年の12件を既に上回った。県の担当者は、山で昨年、ドングリなどクマの餌が豊富だったことが、今年の目撃件数の増加につながっていると分析する。栄養を蓄えたクマが子を産み、個体数が増えた。冬眠前の秋に餌を求めて山を下りてくる可能性も考えられ、秋にも注意が必要とする。信夫山で目撃されたクマについて、県の担当者は吾妻山系から流れる松川の河川敷を伝ってきたとみており、「新たな縄張りを求めて川を下り、信夫山に隠れたのかもしれない」と説明する。市の担当者も同じ見方で、「冬眠から覚めたクマが食料を求めながら松川を下ってきた可能性が高い」と説明した。クマの生態に詳しい金山町のマタギ(猟師)の猪俣昭夫さん(65)は「里山に入る機会が減って手入れが行き届かなくなったことで宅地と山との境目が曖昧になり、クマの生活圏が広がっている。一度生活圏が広がると、クマはなかなか山に戻らない」と警鐘を鳴らした。
(市街地熊目撃相次ぐ:福島)
福島市の市街地で23日から24日にかけて熊の目撃情報が相次いだ。福島署によると、信夫山と周辺で合わせて3件、北中央と笹木野で各1件の計5件の届け出があった。いずれも近くに住宅や学校がある。信夫山に熊が姿を見せるのは異例で、付近の住民は不安を募らせている。同署はパトカーやヘリで地上と空からのパトロールを強化する一方、警戒を呼び掛けている。1頭目は23日午前4時ごろ、御山字松川原にある御山緑地運動公園内で目撃された。体長は約100センチ。信夫山にある羽黒神社の南側では、同日午後5時15分ごろに体長約150センチ、午後9時55分ごろには体長約100センチの熊が相次いで確認された。24日午前2時15分ごろと15分後の午前2時半ごろには、信夫山から西に約3キロ離れたJR奥羽線笹木野駅周辺の北中央2丁目と、笹木野字天竺田で合わせて2件の目撃情報が寄せられた。体長はいずれも約100センチ。同署は23日深夜からパトカーで熊が現れた5カ所周辺を巡回している。24日は県警ヘリが児童・生徒の登下校時間帯に合わせて出動した。25日は普段より巡回の回数や人員を増やし、警戒態勢を強める。24日夕、信夫山の近くを散歩していた無職の男性(84)は「よく行く場所に熊が出て驚いている。早く捕獲してほしい」と表情をこわばらせた。福島市や市教委、県猟友会福島支部は安全確保に向けた対応に努めた。市から捕獲の依頼を受けた猟友会の会員は24日午前10時ごろ、熊が目撃された信夫山北側に箱形のわなを2個仕掛けた。市は羽黒神社から第二展望台に至る一帯を当面立ち入り禁止にした。市教委は信夫山周辺の小中学校に対して児童・生徒が登下校する際、身の安全を守るよう指示した。御山小は教職員を通学路に配置して児童を見守った。県県北教育事務所は市内で開いた会合で、出席していた県立高と特別支援学校の教頭に注意を求めた。野生動物管理学・動物生態学が専門の福島大環境放射能研究所の奥田圭特任助教は、耕作放棄地の増加などから熊の生息する山林と住宅地の間にあった「里山」が減少し、熊が人の領域に入ってきていると分析する。その上で「人と熊の境界線の役割を果たしてきた里山が必要」と指摘する。さらに、環境保護意識の高まりなどから人が山林に入る機会が減り、熊の個体数が増えてきているのではないかと見ている。県自然保護課によると、昨秋はブナやドングリなどが豊作だった。熊の栄養状態が良好で、今年は子熊が例年より多く生まれている。この影響で遭遇率が高くなっていると考えられるという。豊作の翌年は不作になるといわれ、「今秋は熊が食料を求めて山の麓に下りてくる可能性がある」としている。24日午後6時半ごろ、郡山市湖南町福良の市道に体長約100センチの熊1頭を近くに住む男性が目撃した。同日、郡山北署が発表した。24日午後6時50分ごろには、須賀川市江花の山林で、村道から林の中に入っていく体長約100センチの熊1頭を付近の住民が目撃した。同日、須賀川署が発表した。
(人恐れぬクマ、東北で生息域を拡大)
秋田県鹿角市十和田大湯の山林で21、22の両日、山菜採りの男性がツキノワグマに襲われて死亡したとみられる事故が2件相次いだ。秋田県内で死者が出たのは2007年以来。クマの目撃例は今年に入って東北で増えており、岩手、山形両県で計8人がけがをした。専門家は「クマの生息域が拡大しているのに加え、人間を恐れなくなっている可能性がある」と警告する。2件の事故が起きた場所は直線距離で約500メートル。地元ではタケノコが採れることで知られ、この時季、県内外から人が訪れる。鹿角市は22日夜、事故現場に通じる市道を当面通行止めにした。鹿角署は23日、チラシを配るなどして入山者に注意を呼び掛けた。東北では今年、ツキノワグマの目撃件数が増えている。青森県は18日現在で前年同期比16件増の37件、岩手県は4月末現在で30件増の147件、宮城県は23日夕現在、38件増の118件。秋田県は22日現在で20件増の70件、山形県は同日現在、10件増の46件に上る。秋田県自然保護課は「昨年秋は餌となる木の実が山に多く、クマの個体数が増えたため」とみる。岩手県では40~70代の男女7人が重軽傷を負い、山形県でも60代の男性1人が顔や腕などにけがをした。秋田県内に生息するツキノワグマは成獣の雄で体長1.2~1.5メートル、体重は80~130キロ。タケノコが好物だという。県自然保護課の担当者は「タケノコ採りはクマの生息域に入ることと同じ。入山者は音の出る物を身に着けるなどしてほしい」と訴える。クマの生息域が拡大しているとの見方もある。森林ボランティアを育成する「あきた森づくり活動サポートセンター」所長の菅原徳蔵さん(64)=秋田市=は「狩猟免許取得者の減少や中山間部の荒廃などが要因」とみる。菅原さんは「クマが人を恐れなくなっていることを頭に入れて入山してほしい」と強調する。ツキノワグマはヒグマに比べておとなしいとされる。だが、北秋田市の阿仁熊牧場「くまくま園」園長の小松武志さん(48)は「子連れで出合い頭だと、人を襲うことがある」と指摘。「もし出合ったら、騒いだり走って逃げたりしないよう注意してほしい」と話す。
(サル警戒呼び掛け:福岡)
福岡県警筑紫野署によると、24日正午ごろ、筑紫野市永岡の住宅の屋根を大型のサル1匹がうろついているのを住民が目撃、通報した。人や物の被害は確認されていないが、署は警戒を呼び掛けている。
(サル出没、注意呼びかけ:佐賀)
佐賀県武雄市安全安心課は24日、同市武雄町内で野生のサルが出没しているとして、住民に注意を呼び掛けた。民家に侵入する恐れもあるので玄関や窓を閉め、サルを見かけたらその場から立ち去るよう要請している。
(ヒグマ捕獲、技能伝授:北海道)
道はヒグマ対策として、ハンターの技能を伝承するために春の捕獲事業を全道で始めた。23日までに12頭を捕獲し、道猟友会の会員からは「経験を積める貴重な機会」と評価の声が上がる。ただ、捕獲には危険が伴うため、ハンターの増加につながるかは未知数だ。道は2005年から渡島半島で、春の捕獲事業をしている。草木が茂る前の春はクマの確認が容易で、残雪があるため足跡も見つけやすい。夏や秋に比べ、初心者のハンターでも比較的安全とされる。今年から対象を渡島半島のほか、稚内市や上川管内美瑛町、根室管内標津町など15市町に拡大。3月中旬から5月末まで行う予定だ。経験者が初心者と2人一組で入山。クマの痕跡を探し、生態を教えるとともに、捕獲の手法を伝える。釧路管内にある道猟友会標茶支部は3月末と4月中旬に捕獲事業を実施。後藤勲支部長(72)は「ヒグマの怖さは経験者と現場へ同行しないと分からない」と強調。同支部にはこの2年間で30代のハンター2人が入会したものの、夏場は熟練ハンターだけで入山してきた。後藤さんは春の捕獲事業について「若手の育成に生かしたい」と話す。
(県主催ハンター養成学校が3年目:長野)
農林業に被害を与えるニホンジカを捕獲するための若い人材を育成する県主催のハンター養成学校が開校三年目を迎えた。これまで約七十人が巣立っているが、実は「地域の猟師の輪に入りにくい」という理由で狩猟現場にあまり出ていないという。県は本年度から猟友会の熟練者と一緒に狩りをする実地訓練を導入し、最初の一歩をサポートする。ニホンジカによる農林業の食害は二〇一四年度に約一億八千万円で、県は、今後五年間で年四万頭のニホンジカを捕獲する方針を掲げている。わなや猟銃の狩猟免許所有者は県内に延べ約八千人いるが、うち65%が六十歳以上と高齢化が進み、若手の育成が急務となっている。学校では猟友会員が講師を務める年五回の講座で狩猟の技や知識を学ぶ。わなと猟銃の扱い方、獲物の解体を教える三回の実地研修の受講が修了の必須条件で、過去二年で計六十九人が修了した。しかし、技術を学んで学校を修了しても狩猟免許を取って実際の現場に出る人は多くない。県猟友会の竹入正一副会長(72)は「良い狩り場を新人に教えなかったり、猟師の世界は昔から閉鎖的」と、よそ者にとって入りづらいことを認める。一方で、狩猟の現場では、銃弾の飛距離を把握したり、飲用の沢で獲物を解体しないといった熟練者から学ぶ知識やマナーがあり、安全確保の面でも重要になってくる。このため、県は猟友会に気軽に入会できる仕組みづくりが必要と判断。本年度から狩猟免許を取得済みの修了生を対象に、猟友会の熟練者と一緒に狩りをする実地訓練の場を設ける。実践的なノウハウを教わりながら、現場への第一歩を踏み出してもらう狙いだ。竹入副会長は、「今後は若手を寛大に受け入れて危険が及ばないように指導する必要がある。免許があれば単独の狩りも可能だが、一匹オオカミでなく、地域に入り込んでほしい」と語った。県は三十一日まで、本年度の受講者を募っている。県内在住の十八歳以上が対象。定員は七十人で、県内四地域ごとに先着順。
(ニホンジカ食害対策、霧ケ峰に忌避剤試験区:長野)
ニホンジカによる草本植物の食害対策で、県は近く、諏訪市郊外の霧ケ峰・蛙原に試験区を設け、樹木保護に用いられているシカ忌避剤をニッコウキスゲに散布して花芽を守れるか検証を始める。現在は防護柵で囲んで植物群落を保全するが、設置と維持管理にかかる労力や費用が大きいといった課題がある。実用化できれば省力・低コストにつながり、景観を損ねない対策として観光地などに普及する可能性もある。小和田牧野農協が所有するニッコウキスゲ生育地の一角を借り、6月中旬~8月下旬の花期に行う。450平方メートルの試験区内に散布区、何も施さない対照区を設定。忌避効果は約3カ月間持続するとされるが、今回は2週間に1回のペースで散布して効果を見極める。2018年夏まで3年間継続する方針だ。今回の忌避剤について、自然保護課は「樹木用として既に農薬登録を受けている。卵から作った粉末など成分は全て天然素材で、人体、環境に与える影響は少ない」と説明する。草本植物への使用を可能にするための試験研究も進めており、ポット苗では薬害は確認されていない。においも気にならないという。観光資源でもあるニッコウキスゲや、貴重な草原・湿原環境を守ろうと、霧ケ峰には総延長14キロ余りの防護柵が設置されている。同課は、忌避剤であれば資材費が電気柵の10分の1で済むと試算。保護効果はやや見劣りすると推測するが、景観への影響を抑えられ、観光客の満足度を高める効果を生むとみている。23日、諏訪市内で開いた霧ケ峰自然環境保全協議会で報告。宮原登課長は「シカの個体数の増加や生息域の拡大により、農林業だけでなく植物の被害が深刻化している。既存の樹木用忌避剤が植物に適用できるかを検討したい」と話した。地元の子どもたちが蛙原に植えたニッコウキスゲには手を付けない。
(クレー射撃女子スキート代表・石原奈央子、実家は歴史1300年以上の神社:栃木)
リオデジャネイロ五輪クレー射撃の女子スキート代表、石原奈央子(41)=古峯神社=は実家が1300年以上の歴史を誇る神社だ。宮司だった曽祖父が自前の射撃場をつくり、父の敬士さん(73)は出場できなかった幻のオリンピアン。射撃一家の夢をかなえたアラフォー女子は「出場するからには金メダル。父の分まで頑張りたい」と初めての大舞台で家族の夢を背負う。神々が宿る山で、石原はリオを見据える。「五輪はすごい挑戦。一歩引いて見ると胸がワクワクする」。所属先の古峯神社は栃木県鹿沼市の標高約700メートルの山あいにある。約1300年の歴史を持つ北関東屈指のパワースポットだ。父・敬士さんは第84代宮司で現職。神職の石原も年に数回、祝詞を上げる。いずれは宮司を継ぐ立場でもある。4代続く射撃一家。鍛錬の場、約500ヘクタールの神社敷地内にある古峯ケ原射撃場は、明治初期の1873年に曽祖父が開設した。大人たちが熱中する姿を見て育ち「大きくなったら私もやりたい」と憧れた。敬士さんは1968年のメキシコ五輪代表に選ばれながら、協会内の不祥事で辞退。80年モスクワ五輪も代表入りしたが、日本が参加をボイコットした。「父が行けなかった五輪に私が行く。初めて父を超えられるかも」石原は23歳で狩猟免許を取得した。散弾銃で素焼きの皿を砕くクレー射撃の心地良さに魅了された。本格的に取り組んだのは英国留学から帰国後の06年12月。32歳だった。「安易に考えていた」と07年春の初の公式戦は最下位。1年ほどで国内上位に食い込んだが、周囲の目は厳しかった。ずっと昔に第一線から退いた父を知る知人に「そんな射撃ではお父さんに笑われるよ」とたしなめられた。敬士さんには「漫然と撃つな。頭を使え」と厳しく指導された。集中力で結果を左右されるため、メンタルトレを導入。3キロの銃を操る筋力も必要で、体幹トレにも励む。2年前からイタリアに渡り、アテネ五輪金のベネリ氏に指導を仰ぐ。現代的手法で心技体を整える一方、遠征前には神社へのお参りも欠かさない。2月にインドでの五輪予選で優勝し、敬士さんに電話で「よかったな」と珍しく褒められた。競技歴わずか10年で頂上の舞台へ。「競技だから、やはり金メダルを目指さないと。父の分まで頑張りたい」。東京五輪も見据える41歳。夢を打ち抜く。石原奈央子(いしはら・なおこ)1974年10月22日、栃木県鹿沼市生まれ。41歳。昭和女大卒業後、国学院大神道学専攻科に通い、神職の資格を取得。英国アングリア・ラスキン大に留学し、2005年帰国。07年から本格的に競技を開始。12年アジア選手権6位、14年仁川アジア大会代表。今年2月、五輪アジア予選に優勝し、五輪代表に選出された。身長157センチ。独身。
(北限のサル、すくすく:青森)
下北半島に、遅い春がやって来た。国の天然記念物に指定され、「北限のサル」として知られるむつ市脇野沢のニホンザルは、今が出産シーズン。赤ちゃんは4月中旬に確認されたといい、母親に甘えながら元気に育っている。山に入ると、約50頭の群れの中に8頭の赤ちゃんが確認できた。
(参入スタートアップが続々、拡大する銃器市場:アメリカ)
米国ではもう何年も前から、銃の販売数が記録を更新し続けていることは広く報じられている。しかし、その需要を満たすために、火器メーカーの数も増えていることはほとんど知られていない。火器業界を取り締まるアルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局(ATF)のデータによれば、年間50丁以上を製造している銃器メーカーの数は、2012年の318件から2014年には400件に増加した。わずか2年で25.8%の増加だ。その多くはスタートアップ企業で、最新の競技用ライフル(多くのメディアで「アサルト(攻撃用)武器」と呼ばれているAR15やその他のセミオートライフル)向けのパーツを製造している。このタイプが最もよく売れており、パーツの需要があるからだ。そのほかの新規参入企業は、特殊化が進む米銃市場向けに特殊な銃やカスタムメイドの銃を製造している。そうした企業には、50口径弾、.416バレット弾などが発射可能な、AR15ライフル向けアッパーレシーバーを製造するZel Customや、カスタムメイドのAR15メーカーであるWar Sport Industries、The War Roomなどがある。金属工場や鉄砲工、あるいは単なる射撃マニアが、成長を続ける銃器市場に好機を見出して参入しているのだ。米射撃スポーツ財団の幹部クリス・ドルナックは、銃器メーカーが増えている理由をこう説明する。「ターゲット射撃や自衛、狩猟目的で火器を購入する米国人がこの10年で劇的に増えている中、既存の企業も新興企業もそこにビジネスチャンスを見出している」成長しているのは新興企業だけではない。米国の銃メーカーが退屈で古臭い金属工場だと考えている人は、最近の銃器メーカーの設備を知らないだけだ。銃規制が州によって異なるため、移転をするメーカーも少なくないが、この市場はそれよりも顧客のニーズで変わることが大きい。その例としてSig Sauerは最近、ケンタッキー州ユーバンクでの弾薬製造業務をアーカンソー州ジャクソンビルに移すと発表。同地で約50人を雇用し、ビジネスを拡大していく中でさらに多くの雇用創出も見込んでいる。Remington Outdoor Companyもケンタッキー州メイフィールドの施設を閉鎖し、アラバマ州ハンツビルの比較的新しい工場に製造業務を集約させる計画だ。既存の企業の中で、競争の激しい市場に追いつくべく進化を遂げている企業のいい例がRugerだ。2014年にはフォーブス誌の「最も優れた小規模企業ランキング」で9位に入っている。多くの火器メーカーと同様に、同社も米市場に投資を行っている。2014年2月、同社のマイク・ファイファーCEOはこう語った。「過去数年で、ニューハンプシャー州ニューポートの工場の古い機械、トラック47台分を新しい切削加工機に交換した。米国内の従業員2,396人で、国内向けの全ての銃器製造作業を行っていることを誇りに思っている。ノースカロライナ州にもハイテクの新工場を開設した」マサチューセッツ州ウェストフィールドにあるSavage Armsも、高まる需要を満たすべく業務の拡大を行っている。同社の工場では、労働組合に加入しているブルーカラーの労働者が1日に約2,400丁の銃を製造している。最近この工場を訪れたところ、施設内の幾つかのエリアがシートで区切られており、その向こう側では請負業者が作業を行っていた。このように、アメリカ国内の多くの銃器メーカーが投資を行い、業務を拡大している。彼らが唯一恐れているのが政治。2016年の大統領選の有力候補であるヒラリー・クリントンは、アメリカの銃器メーカー批判を選挙活動の中心に据えている。
(空包と誤り実弾配布、79発撃ち合う:北海道)
北海道鹿追(しかおい)町の陸上自衛隊然別(しかりべつ)演習場で、北部方面後方支援隊の男性隊員が訓練中に実弾を発射し、隊員2人が軽傷を負った問題で、陸自北部方面総監部は24日、この訓練で計9人が実弾79発を発射していたと明らかにした。空包と誤って実弾が各隊員に配られたという。実弾と空包は先端部の形が違って通常は間違えにくいといい、同総監部が経緯を調べている。同総監部によると、訓練は23日、後方支援隊がトラックで物資を輸送中に敵に襲われる、という想定で実施。約30人の隊員が敵味方に分かれ、89式小銃を使って互いに空包を撃つ予定だった。けが人が出て訓練は中止になり、実際は実弾を撃ち合っていたことが発覚した。訓練場所は実弾の使用が禁止されている区域だったという。訓練を行った後方支援隊の秋山賢司隊長は「国民の生命財産を守るべき自衛隊がこのような事案を起こし、大変申し訳ない。原因を速やかに調査し、再発防止に努めていく」とコメントした。同総監部は実弾が演習場外に着弾した可能性は低いとしている。然別演習場では2001年、重機関銃の射撃訓練中に実弾1発が場外のビニールハウスに着弾する事故が起きている。
(ジビエ料理、付加価値つけ利用促進:石川)
ジビエ料理の普及を目指す官民による「いしかわジビエ利用促進研究会」(会長・中田峰示県農林水産部長)の今年度の第1回会合が19日、県庁であった。研究会は2014年7月に発足し、県や白山市、地元猟友会、調理専門学校など33団体が加盟し、捕獲や流通、衛生管理などについて話し合ってきた。14年度は県内で2966頭のイノシシやシカが捕獲され、そのうち132頭が食用に加工処理された。研究会事務局を担う県里山振興室の西川透室長は、飲食店が扱いやすいよう解体方法や調理技術を磨く研修会を開くことを説明した。また、昨年10月から獣肉処理施設の運営を始めた羽咋市の担当者も現状を報告した。女性からのニーズが思ったより低調だったと説明。衛生管理などで経費がかさみ、猪肉1キロあたり3000円程度と割高なことに触れ、「今後は付加価値をつけ、飲食店で積極的に使ってもらえるよう環境を整えたい」と話した。
(ジビエ料理が缶詰に!?)
なかなか家庭の食卓には並ばないイメージのジビエ料理。島根県のイノシシ肉と、北海道のエゾシカ肉を使ったジビエ料理の缶詰に出会いました。その名も「GIBIER CAN」。レストラン・スーホルムのシェフが監修した本格料理が手軽に楽しめる缶詰は、洗練されたパッケージやメニューのラインナップもスーホルムならではのオシャレ感(缶)。見た目よりボリュームがあって、独り占めするにはもったいないくらい。イノシシ肉は大きめの野菜が入った「ポトフ」や、黒ビールで煮込んだ「カルボナート」、「クスクス」の3種類がラインナップ。エゾシカ肉は黒胡椒を効かせた煮込み「ポワブラート」、フランスでは肉じゃがのように愛されているというひき肉とじゃがいもの重ね焼き「パルマンティエ」、ミートボールとキノコクリームのコンビネーションが特徴的な「フリカデラ」の3種。それぞれに香味野菜やハーブ、スパイスが効いた深みのある味わいで、獣の臭みもまったくなし。大きな塊肉でもよく煮込まれてホロホロ柔らかくほどけて食べやすい。よく染み込んだ濃いめの味はパンも合うけれど、きっとワインもよく合う。アウトドアで過ごす時間が心地よいこれからの季節、グランピングのお供にもぴったりな逸品料理たちです。

TOPへ

5/23
(クマに襲われ?死亡:秋田)
22日午後1時20分ごろ、秋田県鹿角市十和田大湯の山林で、タケノコ採りに来ていた秋田市土崎港北7丁目、無職高橋昇さん(78)が死亡しているのを県警などの捜索隊が発見した。頭や腹に大型動物の爪で引っかかれたような傷があり、鹿角署はクマに襲われたとみている。同署によると、高橋さんは同日午前5時ごろ、妻(77)と2人で入山した。午前7時半ごろ、入山地点に止めた車に向かおうとした妻が叫び声を聞いて10メートルほど戻ると、木の棒を持ってクマと向き合う高橋さんを見つけた。妻は「危ないから逃げろ」と言われて避難したが、高橋さんが戻らなかったため110番した。県警などが午前10時半から捜索していた。
(クマに襲われ死亡か:秋田)
21日午前7時ごろ、秋田県鹿角市十和田大湯の山林で、同所の無職高瀬佐市さん(79)が死亡しているのが見つかった。高瀬さんはクマに襲われたとみられ、顔や左半身に多くの爪痕やかみ跡があったという。県警によると、高瀬さんは20日朝、車でタケノコ採りに出かけたまま、帰宅予定だった夕方になっても戻らないため、家族が同日夜、警察に通報。21日朝から県警などが捜索していた。遺体は高瀬さんの車から約100メートル離れた山の中で見つかった。
(クマに遭遇の山で山菜採りの別の女性が行方不明:秋田)
22日昼前、秋田県鹿角市の山で山菜採りをしていた57歳の女性の行方が分からなくなり、消防などが捜索しています。同じ山では21日と22日、タケノコ採りをしていた男性2人が、相次いでクマにかまれたような傷を負って死亡しています。消防によりますと、22日午前11時40分ごろ、鹿角市十和田大湯の山の中で、22日朝から山菜採りをしていた57歳の女性の行方が分からなくなったと、一緒にいた夫から警察に届け出がありました。消防や警察が午後から現場付近で捜索を進めていますが、これまでに女性は見つかっていないということです。同じ山では21日、タケノコ採りをしていた男性が死亡したほか、22日朝はタケノコ採りをしていた夫婦がクマに遭遇し、夫が死亡しているのが見つかりました。いずれもクマにかまれたような傷があることから、警察はクマに襲われたとみて調べています。
(男性がクマに襲われ重傷:鳥取)
21日午前7時半ごろ、鳥取県若桜町三倉の国指定史跡・若桜鬼ケ城跡付近で、ランニングをしていた同県八頭町の男性(57)がクマのような野生動物に襲われた。男性は右手親指と中指を骨折したほか、右脇腹などに擦り傷を負った。命に別条はない。郡家署によると、男性は1人でランニング中に黒っぽい動物に遭遇。近寄ってきたため逃げようとしたが、間に合わなかったという。男性は自分で119番した。同署などは防災無線を通じて付近の住民に注意を呼び掛けた。
(山菜シーズン、クマの目撃多発:秋田)
秋田県内では例年、山菜やタケノコが旬を迎える時期に、入山者がクマに襲われて死傷するケースが相次いでいる。今年は特にクマが増えている可能性があり、専門家が注意を呼び掛けている。県警地域課によると、昨年1年間に山中でクマに襲われたのは7人。このうち5人は5~6月、山菜やタケノコを採っている最中だった。死亡例は近年ないものの、2007年6月に鳥海山でタケノコ採りに入山した山形県の男性が死亡している。遺体にはクマとみられる爪痕や歯形が付いていた。
(クマ出没相次ぐ:岩手)
花巻市で21日から22日にかけてクマの出没が相次ぎ、警察や猟友会などが注意を呼びかけています。21日午後5時ごろ、花巻市石鳥谷町大瀬川の団体職員、熊谷和彦さん(60)が、自宅敷地内に置いていた「米ぬか」を食べている成獣のクマ1頭を見つけました。けが人はいませんでした。熊谷さん「目の前にクマがいて米ぬかを食べていた。とっさにドアを開けて、コラッ!と叫んだら逃げていった」また、花巻市東和町前田の農業、菊池浩さん(72)の住宅では、22日午前3時ごろ、成獣のクマ1頭に外壁を壊されました。現場はいずれも山林に近い民家が点在する地域で、警察や猟友会などで注意を呼びかけています。
(市街地にイノシシ:福島)
福島市上町の中心市街地の空き地で21日午後9時ごろ、巡回中の福島署員がイノシシ1頭を目撃した。けが人はいなかった。同署によると、イノシシは体長約70センチで、JR福島駅から東に約900メートルのマンション西側の空き地を歩いているところを発見された。同署員が近づこうとしたところ、イノシシは県庁東側から阿武隈川方面に逃げたという。同署や県猟友会が発見現場付近を捜索したがイノシシは発見できなかった。現場は県庁から北に約400メートルで、周辺にはホテルや商店などがある。街中でイノシシが目撃されたことについて、マンションの近くに住む女性は「びっくりした。今までこの辺りにイノシシが出たとは聞いたことがない」と話した。県野生生物共生センターによると、イノシシは空腹時などに山間部から市街地に下りてくる可能性があるという。
(河川敷を走っていくクマが目撃:福島)
福島市の市街地で河川敷を走っていくクマが目撃されました。けがをした人はいませんでした。23日午前4時ごろ、福島市内を流れる松川の河川敷で、体長約1メートルのクマが目撃されました。通報した近くの老人ホームに勤める職員によりますと、施設の巡回をしていたところ、窓からすぐ近くの河川敷を走る黒くて大きな獣の姿が見えたということです。けがをした人はいませんでした。警察は近くに住宅や商店が多いことから、周辺をパトロールするとともに注意を呼び掛けました。
(クマ目撃:宮城)
大郷町と大衡村で20日、クマの目撃が相次いだ。午後0時5分ごろに大衡村奥田の県道で、1頭(体長約1メートル)が発見されたほか、午後1時ごろには大郷町東成田の山林にも1頭(同約1.2メートル)が出没したとの情報があった。大和署が注意を呼び掛けている。
(クマ目撃:宮城)
19日午後7時45分ごろ、仙台市青葉区芋沢の市道で、乗用車を運転していた30代の会社員男性が、道路を横切っているクマ1頭を目撃し110番した。現場はJR仙山線愛子駅北側で近くに小、中学校があり、仙台北署が注意を呼び掛けている。
(サル出没、目撃情報16件:岡山)
倉敷市内でサルが相次いで出没している。4月中旬以降、16件の目撃情報が市に寄せられた。山沿いの民家が中心だが、住宅街にも姿を現している。大人のニホンザルとみられ、今のところ目立った被害はないという。市は「不用意に近づくと襲われる危険もある。見つけたら通報してほしい」と呼び掛けている。目撃情報はいずれも1匹。市は同一個体が移動している可能性が高いとみている。1匹だとすれば、この1カ月で移動距離は約20キロに及ぶ。市によると、最初に見つかったのは4月15日午後1時ごろ。倉敷市二子の民家の納屋近くにいるのを住民が見つけ、倉敷署に通報した。署員や市職員らが駆けつけたが、姿は見えなかった。以来、藤戸町天城、茶屋町、福田町古新田、浦田、連島町連島など広範囲にわたって出没。5月19日午前7時ごろには連島北小学校(同市連島町西之浦)のグラウンドにいるところを、隣接する連島北保育園の保護者が目撃したが、すぐに逃げ去ったという。市は市内の幼稚園や保育園、小中学校、高校、町内会などに注意喚起のちらしを配っている。市農林水産課は「これだけ目撃情報が相次ぐのは最近では例がない。サルと出合った際は大声を出したり、目を合わせたりすると襲ってくる場合があり、注意してほしい」と話している。
(タカ、猟犬でバードストライク防げ:大阪)
航空機に鳥が衝突する「バードストライク」を防ごうと、関西空港を管理する関西エアポートなどが、タカや猟犬を使って鳥を追い払う作戦を展開している。現在は、卵を産む場所を探して飛来する渡り鳥のコアジサシが空港に近づかないよう警戒中で、今月下旬の産卵期までが勝負という。関空2期島の北側に広がる未利用地。府猟友会の鷹匠たかじょう、石川孝一さん(68)の腕に乗ったオオタカの芳野(雌、8歳)が鋭い目つきで辺りを見渡す。石川さんは止まり木との間を飛ばしたり、腕に止まらせて歩いたり。この日一緒に連れてきたハヤブサも威嚇するように周囲をうかがう。主な警戒区域は、渡り鳥の営巣に適した草地だ。猟犬もトレーナーに連れられ周辺を巡回する。上空を見上げると、コアジサシが様子を見るように何度も旋回を繰り返している。石川さんは「こうしているだけで、天敵のオオタカがすみ着いていると思わせる効果はあるのでは」と話す。コアジサシはカモメ科で、環境省レッドリストの絶滅危惧2類に位置づけられている。人工島の関空には天敵がいないうえ、周辺には餌のアジが豊富にあることから開港当初から多く見かけられている。一度営巣地を決め産卵してしまうと追い払っても効果がないため、「関空は子育てをするには危ない場所だ」とコアジサシに知らせる取り組みが必要という。航空機の離陸や着陸などの際にエンジンが鳥を吸い込み停止した場合には、大きな事故につながる恐れもあり、各空港ではバードストライク対策が課題となっている。関空でもこれまで空砲やロケット花火で鳥を威嚇する方法などがとられてきた。成田空港などの事例を参考に昨年、タカや猟犬を新戦力として投入。府猟友会の協力を得て、コアジサシの飛来する昨年4~5月の45日間、集中的に追い払いを行った。その結果、関空の運用を担当する新関西国際空港会社によると、関空でのコアジサシの出現は前年に比べて9割減少。バードストライクの発生件数は、2014年度は43件だったが、15年度は24件に半減した。今年も4月11日から今月25日まで、タカや猟犬を使った対策を展開中で、関西エアポートは「鳥を傷つけることなく、環境に優しい方法で、今後も関空でのバードストライク対策を進めていきたい」としている。
(有害鳥獣による農作物被害3,100万円:長野)
伊那市有害鳥獣対策協議会総会が20日、伊那市役所で開かれ、有害鳥獣による昨年度の市内の農作物被害額は3,100万円となることが報告されました。昨年度の被害額は前の年度とほぼ同じの3,100万円で、このうちニホンジカによるものが1,900万円、ニホンザルが400万円などとなっています。捕獲数はニホンジカが1466頭で前の年度と比べて635頭の減、ニホンザルは176匹で17匹の増となっています。総会には猟友会や農業関係者などおよそ15人が出席し昨年度の取り組みや今年度の事業計画などについて協議しました。昨年度はニホンジカの皮を使った製品開発に取り組みバッグやポーチなどの試作品が作られました。今年度はジビエ製品の活用の検討や生息数が増えている西山地区でのニホンジカの調査捕獲また、捕獲した野生鳥獣を埋める場所の確保などを進めていく計画です。
(シカと人の共存探る:奈良)
奈良公園(奈良市)周辺に生息する国の天然記念物「奈良のシカ」について、人との共存を目指す公開シンポジウム(県など主催)が21日、奈良市高畑町の奈良教育大学講堂で開かれた。同大学教授ら研究者と奈良の鹿愛護会職員ら現場担当者7人が、シカによる事故など、それぞれのテーマで現状と課題について講演したほか、総合討論も行われた。今年3月、「奈良のシカ」に関して保護管理の基準やエリア設定の見直しを決めた県の方針を、保護管理計画検討委員会(委員長・村上興正元京都大学理学研究科講師、9人)が了承。これを受けて同方針を実施する場合に考慮すべきことを論議するため、公開シンポが開かれた。

TOPへ

5/20
(イノシシ相次ぎ目撃、生息域北に拡大か:秋田)
秋田県大館市で今月、イノシシの目撃情報が初めて寄せられた。今年3月末までに湯沢市や由利本荘市、上小阿仁村など5市村で出没しており、大館市での確認は県内最北となる。現時点で農業被害は確認されていない。県自然保護課は「生息域が北に拡大している可能性がある」としている。
(野生鳥獣、3割が基準値超えるセシウム:群馬)
県は、2015年度の野生鳥獣の放射性セシウム濃度検査で、イノシシやツキノワグマなど計125体のうち36%にあたる45体が基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超えたと発表した。14年度は159体中52体で33%。県は「検査した動物の種類や捕獲地域が異なるため単純比較はできないが、一定数の基準値超過が続いている」としており、出荷制限解除の見通しは立っていない。県によると、基準値を上回ったのは、イノシシが26体中4体▽ツキノワグマが34体中18体▽ニホンジカが63体中23体▽ヤマドリが2体中0体−−だった。これらの種は県内では12〜13年以降、出荷制限がかかっている。解除には基準値を「安定的に」下回る必要があるが、野生動物のセシウム濃度は個体差が大きいこともあり、解除のハードルは高い。中之条町のイノシシ肉加工処理施設が閉鎖に追い込まれた。栃木、茨城、千葉、山形4県では現在、全頭検査して基準値を下回った個体だけを出荷することを条件に、イノシシ肉やクマ肉の出荷が一部の加工処理施設で認められている。県自然環境課の担当者は「県内で全頭検査を試みるような動きはない」としている。
(ジョギング中に「クマ」目撃:福島)
19日午前10時55分ごろ、会津美里町の白鳳山公園で「ジョギングしていた人がクマを見た」と町から会津若松署会津美里分庁舎に通報があった。同分庁舎、町などによると、18日午後7時ごろ、公園入り口から約100メートル離れたフィールドアスレチック広場の近くで男性がクマを目撃したという。19日に町に情報が寄せられた。クマは体長約60センチで、子グマと見られる。町は19日午後5時から公園出入り口のゲートを閉じ、立ち入りを禁止した。20日午前9時から花火などでクマを警戒するほか、職員や警察官が巡回し住民に注意を呼び掛ける。23日まで封鎖し、状況を見て開園するという。同公園は向羽黒山城跡にあり、散策やジョギングを楽しむ人が訪れる。クマが目撃された広場の近くには民家などがある。県内の各地で19日、クマの目撃情報が相次いだ。▼午前6時20分ごろ、西郷村の畑の中を歩いている1頭を、散歩中の男性が目撃した。白河署によると体長約1メートル。▼午後3時10分ごろ、猪苗代町の県道で、車で通行中の男性が1頭を目撃。猪苗代署によると体長約50センチで、県道を横断し山林に入っていったという。現場周辺には住宅や神社がある。▼午後5時55分ごろ、磐梯町で、自宅南の森にクマ1頭がいるのを住民男性が目撃。猪苗代署によると体長約1.5メートルで、森に入っていったという。
(ブータン五輪委員が射撃場に:神奈川)
神奈川県が取り組む東京2020オリンピック・パラリンピックの事前キャンプ誘致。5月12日には市内上粕屋の県立伊勢原射撃場に、ブータン国王の弟でブータン五輪委員会会長のジゲル・ウゲン・ワンチュク王子(31歳)をはじめとする代表団が視察に訪れた。王子ら一行は、説明を真剣に聞きながら施設内を見学。途中ビームライフル場に案内されると、自ら実際に体験し、的を射て10点が表示されると周りからの歓声に笑顔になる場面もあった。また、クレー射撃場では環境に配慮した施設づくりにも興味を示していた。同国のオリンピック委員会が事前キャンプ候補地の視察に来日したのは今回が初めて。県内では射撃場のほか、箱根町のレイクアリーナ箱根や小田原市の城山陸上競技場などを視察にまわった。伊勢原射撃協会理事の葛谷寛一さんは「親しみやすい雰囲気の王子でした。興味を示していただいて嬉しい」と話した。
(きょうから有害鳥獣駆除:沖縄)
サトウキビなど農作物に被害を及ぼしているイノシシ(イノブタ)の駆除がきょう19日から、3日間の予定で始まる。市の依頼を受けた県猟友会石垣地区から15人の会員が10匹の猟犬を使って駆除を実施する。市は銃器を使用するため、駆除地区を立入禁止にする。立入禁止地区に進入する道路は、一般車両は原則通行止め(出漁などで港に向かう車を除く)になる。市は期間中、駆除地区に(特に見物などで)近寄らない、または入らないよう、市民の協力を呼び掛けている。19、20日の駆除地区は浦底漁港周辺の県道83号線(通称1周道路)から海側一帯の予定。19日は午後3時~同7時、20日は午前8時30分から午後7時まで駆除を実施する。21日は長間地区(ホテルトミエ周辺)の県道83号線から海側の地区で実施する予定=地図2参照。時刻は午前8時30分から午後7時まで。立入禁止区域に入る道路には「車両通行止め」「有害鳥獣(イノブタ)駆除実施中」の看板が設置され、人員が配置される予定。3月9、10日に行われた調査で、野生化したイノブタがおよそ20~25匹生息しているとみられている。飼育下のイノブタが繁殖期を迎えていることから、野生化した個体も同様の時期にきているとみて、この時期に一斉駆除することを県猟友会石垣地区に依頼した。過去5年間(2011~15年度)で駆除されたイノブタは11匹。市農政課は今回の駆除作業後、さらに被害が出るようなことがあれば、秋にも同様の駆除を実施したいとしている。
(シカよけ電気柵:長野)
県や市町、地権者などでつくる霧ケ峰自然環境保全協議会は19日、ニホンジカによる花芽の食害や植生地の踏み荒らし被害を防ごうと、ニッコウキスゲの群生地でもある車山肩、富士見台(諏訪市)に電気柵を取り付けた。車山肩の一部区域には花が撮影しやすいようにと、高さを抑えた二重柵を引き続き設置した。約50人が参加し、高さ1・5メートルの支柱を立ててから電線を張った。段違い平行棒のような構造の二重柵は長い方の支柱でも高さ1・1メートル。電線の上からニッコウキスゲの写真が撮れるよう配慮した。車山肩の東に位置し、秋にササを刈る草原再生モデル事業区も電気柵で囲い込んだ。霧ケ峰の玄関口となる園地や車山高原、鋼鉄柵を常設する八島ケ原湿原を含め、今年度のシカよけ柵の総延長は約14・4キロになる。協議会事務局の県諏訪地方事務所環境課は「柵で守らないと花が楽しめない状況だ」と、対策の必要性を強調していた。ニッコウキスゲは例年7月中下旬に盛りを迎え、高原利用者の数もこの時期にピークとなる。霧ケ峰の電気柵は微量な電流を一定間隔で流す仕組みで危険性は極めて低いものの、静岡県で昨年起きた感電死事故後、散策者に柵の存在を知らせる表示板を増設している。
(イノシシ肉ブランド化:石川)
県内産イノシシ肉のブランド化に取り組む県は二〇一六年度、販路開拓の強化策として初めて「ジビエ商談会」を開く。金沢と能登の計二カ所に会場を設け、地元の料理人をはじめ、獣肉関係の事業者らに「いしかわジビエ」の魅力をPR。普及に本腰を入れる考えだ。県によると、県内の獣肉処理施設で一五年度に扱ったイノシシは前年度比で三倍強の四百二十六頭にも上る。県内自治体のほか、料理や狩猟の関係者、農林業団体などでつくる「いしかわジビエ利用促進研究会」の会合が十九日、県庁であり、情報発信を強める方針で一致。販路開拓を最優先課題とし、プロの料理人対象の研修会や、食肉として解体処理する技術講習を初めて開くことを報告した。イノシシを扱う県内の処理施設は一一年十一月に白山市で稼働。一五年十月には羽咋市で二カ所目が稼働し、処理能力が一気に高まった。県によると、両施設を合わせ、年間約六百頭をさばくことができ、普及強化に期待が高まっている。会合では、羽咋市農林水産課の崎田智之さんが稼働した施設の現状を説明。イノシシ肉を「のとしし」の愛称でアピールし、近隣自治体と連携する考えを示した。ただ、平均単価一キロ三千円の設定には出席者から「高い」との声も。崎田さんは一六年度は二百五十頭を処理し、二・五トンを生産、販売額は六百万円という具体的な数値目標を示した上で「個人消費の拡大のほか、飲食店での普及にも力を入れたい」と語った。猪突猛進という言葉がある。野山を駆け巡るイメージから、野性味あふれる強い食感を想像した。が、違った。「かたい」「くさい」は一切なし。むしろ、風味豊かだ。会合の記者席で、イノシシ肉を試食した。出席者に振る舞われたのは、仏のパイ料理「キッシュ」。ジビエ料理専門家の點田(てんだ)賢司さん(金沢市)が手掛けた。ブタのベーコンの代わりにイノシシ。脂肪が少ないから、炒めずに「そのまま使った」という。このあっさり感が、焼いたチーズの香ばしさと相性ぴったり。「ジビエって女性が敬遠するから」。会合ではそんな声を聞いた。でも試食した女性たちはみな納得顔に。何度もうなずきながら、口に運んでいた。高価格に衛生面、安定的な消費など課題はある。ただ、味はいける。魚で例えるなら、養殖ではなく天然物か-。そう考えながら、完食した。
(景観も守る獣害対策フェンス:滋賀)
被覆樹脂鉄線メーカーのタキロンプロテック(東近江市)と農林関連商社の正和商事(大阪市)が、景観を壊さず手軽に設置できる獣害対策フェンス「パタサク」を開発した。遠目にはフェンスがあるとは分からない自然な色合いを武器に、観光地などでの普及を目指す。パタサクは、一般的な金網やメッシュ製フェンスとは異なり、背後の景色にとけ込むダークブラウン色。タキロンプロテックが農業資材や土木製品で培った樹脂コーティング技術を鉄線に施すことで、自然な着色ができるようになった。網は折り畳んで梱包(こんぽう)されるため巻きぐせがなく、一人でも持ち運びやすい。支柱は組み立て式で手軽に設置でき、作業時間は既存製品の半分近くに短縮できるという。樹脂コーティングに伴う高コスト化を抑えて二年がかりで開発し、昨春に発売。奈良市の奈良公園周辺など、西日本を中心に景観への配慮が求められる観光地や里山で実績を積み上げている。先月下旬には、東近江市奥永源寺地区で地域おこし協力隊の前川真司さんと近隣住民ら約十人が、絶滅危惧種の花ムラサキの畑に設置。地域貢献の一環で両社員も作業に加わり、二時間ほどで約百メートルを張り終えた。奥永源寺地区は鈴鹿山系の自然を生かした観光業が盛んでキャンプ場も多い。一方でシカやイノシシの獣害は深刻で、農家の高齢化や耕作放棄地の増加も進む。前川さんはムラサキのブランド化を進めるプロジェクトを三月に始めたばかりで、地元企業との連携を歓迎。「限界集落の少ない力でも設置でき、景観にも良い」と喜ぶ。タキロンプロテックは、プラスチック加工大手タキロン(大阪市)の子会社で、獣害対策分野では後発。西日本営業グループの溝口大輔さんは「他社にはない付加価値を付け、新たな市場を切り開きたい」と意欲を示している。

TOPへ

5/18
(病院外にクマ、猟友会が駆除:山形)
17日午前6時45分ごろ、鶴岡市茅原の県立こころの医療センターの職員が、病院の外でクマを目撃した。県猟友会鶴岡支部鶴岡分会が足跡をたどって捜索し、午後0時半ごろにセンターから約400メートル北側の青龍寺川右岸に体長約1・4メートルのツキノワグマがいるのを発見し、駆除した。けが人はいなかった。同分会によると、クマは成獣に達していない2〜3歳の雄という。「櫛引地域から赤川沿いを下ってきたのではないか」と推測している。周囲数百メートルに中学校や住宅街があることから住民の危険回避のため、緊急時に認められる捕獲許可を同市から受け駆除した。同センターによると「外にクマがいる」という入院患者からの連絡を受けて職員が通報。クマはセンターの玄関前を横切って北側に逃げた形跡があり、足跡が残されていた。職員らは「商業施設や住宅地が近いこんな場所に出没するとは」と驚いていた。
(競走馬射殺事件のタケシバオー生産牧場破産:北海道)
2004年に競馬殿堂入りした「タケシバオー」を生んだことで知られる北海道新冠町の競走馬生産牧場「競優牧場」が、札幌地裁浦河支部から破産手続きの開始決定を受けたことが17日、分かった。決定は4月21日付。破産管財人によると、債務額は約3億円とみられる。2年以上前から滞納が続き不良債権になっているとして、同町の金融機関が3月、破産手続きの開始を申し立てた。競優牧場では今年2月、放牧地で2頭のサラブレッドが射殺される事件が発生。道警によると、いずれも1歳の牡馬で、ライフル銃の薬きょう4個が、うち1頭の近くに散乱していた。道警は銃刀法違反などの疑いで捜査している。
(環境省、夜間銃猟をする要件についてパブリックコメントを実施)
環境省は、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律施行規則(平成14年環境省令第28号)第19条の5第1項第2号の規定に基づく、夜間銃猟をする捕獲従事者の技能の要件の改正に当たり、パブリックコメントを実施する。平成27年改正の鳥獣法が施行し、指定管理鳥獣捕獲等事業の中で、明治以降例外なく禁止されてきた夜間における銃猟を、指定管理鳥獣捕獲等事業実施計画に位置づけた場合は実施できることとした。夜間銃猟に関しては、海外の先進事例を元に必要な技能要件を定めたが、日本の夜間銃猟では、狭隘な地形要因等の影響で射撃距離が近く、近距離での射撃(20~30m)が基本となり、散弾銃(スラッグ弾)等の使用も有効である。また、現行要件は技術的にライフル銃を想定した基準で、ライフル銃を所持できない経験年数が短い捕獲従事者が夜間銃猟に従事できない状況であることを踏まえ、告示の改正を行うもの。
(シカの夜間銃猟、目標を大幅に下回る:和歌山)
和歌山県が2~3月、全国で初めて紀南3地域で実施したニホンジカの夜間銃猟の結果がまとまった。1地域当たり20匹を目標にしていたが、結果は合計6匹だった。本年度は早ければ9月ごろから実施。5地域以上に捕獲場所を設置するなどして来年3月までにより多くの捕獲を目指したいとしている。
(エゾシカ利活用モデル事業、今秋スタート:北海道)
道は、狩猟で捕らえたエゾシカを一括回収し、食肉用として有効活用を図る本年度の新規事業について、釧路管内厚岸町と標茶町をモデル地域に選び、秋から本格スタートする方針を決めた。回収と搬送を民間業者に委託し、捕獲後に速やかに処理業者へ送ることで、食肉用に加工できる量を増やす。両町はエゾシカの農業被害が深刻で、近隣に食肉処理施設があることも選定の決め手になった。エゾシカの血を抜き食肉用にするには、捕獲後2時間以内の処理が必要だが、狩猟者は終日移動しながら猟を行うため、食肉処理施設に持ち込めないことが多い。事業計画では保冷車2台をチャーターする。狩猟者からの連絡を受け捕獲場所でエゾシカを回収し、釧路管内の処理施設へ運ぶ。弾が腹部を貫通するなど食肉に適さない場合はペットフード加工業者へ送る。道は7月をめどに回収業者を入札で決める。地元の猟友会や食肉処理業者などでつくる協議会を設立し、9月にも本格的に事業を始める。年度末に費用や課題を検証し、効率的な流通モデルの確立を目指す。エゾシカによる農林業被害額(2014年度)は厚岸町が約3億3600万円、標茶町が約3億円で道内でも深刻な地域。厚岸町の釧路太田農協では、牧草やデントコーンが食い荒らされる被害が多発している。「広大な牧草地を柵で囲むには多大な費用がかかる。打つ手がない」(営農畜産課)と頭を悩ませており、新規事業によるシカの捕獲増に期待している。
(鳥獣害対策にドローン、電波受信の実験:徳島)
四国総合通信局は農作物に被害を与えるサルなどの野生鳥獣を素早く見つけるのに、ドローン(小型無人機)を活用できるかを検証する。サルに取り付けた発信機からの電波を上空で受信できるか、6月9日に徳島県佐那河内村で公開実験する。佐那河内村ではサルに首輪型の発信機を取り付けており、村職員の持つ受信機で検知していたが、精度が高くなかった。ドローンを使えば、広範囲の電波を受信でき、検知した電波の追跡もしやすくなると見込み、実験で確かめる。サルの位置を正確に把握することで、農作物の被害を減らす。シカやイノシシに使われる動物検知センサーをサルに応用できるかも検証する。センサーを設置する高さを変え、サルを効率的に検知できる環境を見つけ出す。
(高速道でクマと衝突相次ぐ:新潟)
県内の高速道路で14日と17日、クマと乗用車が衝突する事故が相次いで発生した。いずれもけが人はいなかった。
(連日クマ目撃情報:福島)
17日午前8時40分ごろ、西郷村熊倉字下山の村道でクマ1頭を目撃したと、同村の男性から村を通じて白河署に通報があった。同署によると、クマは体長約1.2メートルで、走行中の男性の車の前を横切ったという。同村熊倉地区では、連日クマの目撃情報があり、同署が注意を呼び掛けている。
(鳥獣被害対策協議会:長野)
上伊那地方8市町村と農林業団体などでつくる上伊那鳥獣被害対策協議会(会長・白鳥孝伊那市長)は16日、定期役員総会を伊那市役所で開き、今年度の事業計画を決めた。対策に苦慮しているサルの捕獲を重視し、従来に引き続き、くくりわなや囲いわな設置などの対策を進める。ニホンジカやイノシシ、クマ、サルなどによる農林産物への被害は依然として発生しているが、対策を講じた地域では着実に効果が表れているとし、市町村や農林業団体、狩猟団体の連携による事業推進を確認した。今年度は国の交付金が要望額の6割程度に減額される見込み。協議会はこれを受け、くくりわなの設置数を前年度の545個から220個に減らすなどして対応。一方、サル対策に有効な囲いわなや箱わななどは削減幅を抑える。辰野町や宮田村では情報通信技術(ICT)を活用した実証実験を行う。白鳥市長は「ニホンジカやサルの姿が減ったとの声が寄せられるなど取り組みの成果は出ているが、手を緩めると被害が増える可能性がある。農業意欲を損なう被害を減らし、農林業振興につなげたい」と述べ、一層の連携に向け協力を求めた。
(カラス営巣で県内停電6件:青森)
毎年3月から5月ごろ、カラスは子育ての時期を迎え、盛んに巣作りをする。これが原因で今年は既に県内で6件の停電被害が発生しており、東北電力の各営業所は停電を防止しようと、電柱などに作られた巣の除去作業を行っている。県内では年平均約1900個の巣を除去しているが、再び巣を作られるなど、その対応をめぐっては“いたちごっこ”が続いている。カラスは巣の材料として木の枝のほか、針金製のハンガーやビニールハウスに用いられる金具などの金属類も使う。この金属類が電線に接触、漏電し、停電が発生する。また、雨により水を含んだ枝が通電経路となり、停電を起こす場合もあるという。カラスはひなを見守りながら餌の取れる、見晴らしのいい場所に巣を作る習性があるという。弘前営業所の安藤博隆さんは「電気を止めないようにパトロールを行っている。素早く迅速に対処するため、(市民の方からの)情報をお待ちしております」と呼び掛けている。

TOPへ

5/16
(民家の床下にクマ:岩手)
15日午前2時50分ごろ、岩手県遠野市宮守町の民家で「クマのような大きな黒い影が見え、床下に手を伸ばしている」と、帰省していた男性(53)から119番があった。消防から連絡を受けた遠野署員が調べると、クマの姿は見つからなかったが、敷地内の庭に成獣とみられる足跡が残っていた。集落が点在する山間部にある家には男性の母親(82)もいたが、ケガ人はいない。遠野署によると、家の床と地面の間は30~40センチあり、動物が入るのを防ぐために張っていた木の板の一部が壊されていた。就寝中、断続的に物音が聞こえるのを不審に思った男性が、窓から外をのぞき、クマを発見。床下には蜂の巣が散乱し、クマは蜂の巣を取るために潜り込み、その後、山へ戻ったとみられる。遠野市役所によると、同市では、ツキノワグマの被害が相次いでいる。2014年度の目撃情報は78件寄せられ、被害件数は53件に上った。ツキノワグマは蜂蜜や飼料用トウモロコシなどを好物とし雑食性。農作物の収穫時期に被害が増えるという。体長は最大1メートル80センチ程度。市役所はクマに遭遇した場合、「慌てず騒がず刺激しないように」などと冷静な対応を呼び掛けている。
(住宅街にイノシシ、注意呼びかけ:愛知)
13日午前11時ごろ、イノシシの目撃情報が相次いでいる愛知県瀬戸市の住宅街の公園にイノシシが現れた。体長は1メートルほどで、人を怖がる様子は全くなく、爆竹を鳴らして逃げるように促しても、なかなかその場を動かないこともある。周辺には小学校や中学校などもあり、保育園では「(子どもが)遊んでいるときに出てきたら、ちょっと危険なので心配」という。瀬戸市では最近、イノシシの目撃情報が数多く寄せられており、注意をうながしている。
(「クマ目撃」相次ぐ:福島)
14日午前10時30分ごろ、会津若松市の会津レクリエーション公園で「クマを目撃した」と、同公園の作業員から運営する県会津若松建設事務所に通報があった。県は同園を正午から閉園し、職員らが園内を見回ったが、クマは見つからなかった。県によると、クマは体長約1.2メートル。県道376号の東側にある展望の丘から、北に向かって走っていったという。園内には、県内から遠足に来ていた園児ら親子連れが多く訪れていたが、大きな混乱はなかった。同日午前10時40分ごろにも、同地内で「水門近くにいるクマを見た」と県道376号を車で走行中の男性から会津若松署に通報があった。同署は同じクマとみている。15日は、園内を巡視し安全を確認してから、通常通り午前8時に開園する予定。14日午後5時40分ごろ、本宮市の本宮二中から約200メートル西側の市道でクマを目撃したと、通行人の男性から郡山北署本宮分庁舎に届け出があった。同署はパトカーによる広報を行い、警戒を呼び掛けている。同署によると、体長約80センチのクマ1頭が北側の山林に入っていったという。昨年11月には本宮二中から北東に約500メートルの建築資材卸売りの倉庫内事務所に体長1.3メートルのクマが入り込んでいる。
(川を渡るクマを目撃:新潟)
13日午前5時20分ころ三条市中新地内の五十嵐川右岸堤防から川を渡る熊が目撃された。散歩中の60歳代男性が目撃して午前5時34分ころ110番通報した。目撃者によると五十嵐川の右岸堤防を散歩中、左岸から右岸に渡る体長約60センチのクマ1頭を目撃した。クマは五十嵐川を渡って中新地内の神明宮境内に入り、逃げていった。三条署ではクマが目撃された場所から民家まで約15メートルと接近していることから、関係機関へ連絡するとともに付近住民などに注意を呼びかける広報と警戒活動を行っている。三条市内では冬眠前の秋を中心にクマが目撃されることが多いが、ほとんどは山手で、これほど山手から離れたところで目撃されるのは極めて珍しい。
(クマ出没で地元に注意喚起のちらし配布:新潟)
13日明け方、三条市中新地内でクマが目撃されたのに伴い、三条市ではその周辺にクマに対する注意喚起のちらしを配布するとともに、地元の小中学校では児童生徒の安全を確保するため早めの下校も検討した。午前5時20分ころ、三条市中新地内の五十嵐川右岸堤防を散歩していた目撃者の男性によると、体長約60センチのクマが五十嵐川左岸の道心坂付近から川を渡り、右岸の中新地内の神明宮境内に入り、逃げていった。神明宮の隣りには大崎浄水場の取水場があり、クマは神明宮との間を通っていった。この目撃情報とは別に、旧国道289号の県道331号三条下田線や篭場地内の小川屋、篭場交差点付近でクマが目撃した人いた。同じクマと見られ、ほかに目撃情報がないこともあり、その後は山手に入っていた可能性が高い。体格から成獣ではなさそうだ。三条市はクマに対する注意喚起のちらしを作成し、目撃情報のあった場所を中心に中新、篭場、麻布、東大崎などに配布した。クマが目撃された場所が学区にあたる三条市立大崎小学校と同大崎中学校にも連絡。今春、県内で目撃されているクマは、朝夕に出没していることから、両校とも夕方になる前に下校時刻の繰り上げも検討している。新潟県猟友会三条支部にも連絡した。山手でクマの出没が多い下田地区では5月2日から捕殺の許可が出ているが今回、クマが目撃された三条地区では許可を受けていない。三条署は五十嵐川左岸の月岡地内を含め両岸でパトカーで注意喚起の広報を行った。神明宮付近に住む女性は、クマが目撃されたことを朝のパトカーの広報で知り、「怖いですね」と話した。例年、クマの目撃情報が冬眠前の秋に多いが、昨年はクマのえさのブナの実が豊作で繁殖が盛んだったのか、この春は例年と比べて目撃情報が増えている。三条市では今年度、これまで下田地区で3件の目撃情報があり、今回が4件目、三条地区では初めて。
(リオ五輪女子射撃代表、石原奈央子の父は“幻の五輪代表”だった)
今から34年前の週刊新潮に、1人のクレー射撃選手が紹介されている。「スキート」という種目で世界タイ記録を持ち、ボイコットになったモスクワ五輪に出場していれば、日本人初のメダリストになったかも知れない人物である。一風変わっているのは、神社の宮司も兼ねていたことだ。その石原敬士氏(73)の娘・奈央子さん(41)がリオ五輪の女子射撃競技に出場する。栃木県鹿沼市にある古峯神社は1300年の歴史を持つ名所だ。広大な敷地には日本庭園のほか、珍しいことにクレー射撃場も付設されている。リオ五輪の女子射撃代表になった石原選手もここでクレー射撃の腕を磨いたという。「彼女は最近になって急速に力をつけてきました。2014年のUAEアジア大会で3位、そして、今年2月にインドで行われた五輪のアジア予選では、タイの強豪選手を破って優勝しています。女子のスキート競技はシドニーからと歴史が浅いだけに、十分、メダルを狙える位置にいます」(スポーツ紙デスク)ワールドカップに出場中のご本人に代わって、宮司を務める父・敬士氏が言う。「射撃場が出来たのは明治7年頃でしょうか。おそらく日本で一番古いと思います。私の祖父の時代からここで撃っていましたから、射撃は娘で4代目ですね」冒頭でも紹介したが、敬士氏は元五輪代表選手。それも、2度も選ばれている。だが、出場したことはない。1度目はメキシコ五輪の時だ。「その当時は、僕と麻生太郎さんが代表選手でした。でも、クレー射撃協会の不祥事に巻き込まれて出場できなかったのです」2度目は12年後のモスクワ五輪だったが、日本が大会をボイコットしたのはご存じのとおり。当時は、「最もついてない男」とマスコミに取り上げられたこともあった。だが、奈央子選手がクレー銃を手にするのはそれからずっと後のことだ。現在、古峯神社の神職である奈央子選手は、いずれ宮司を継ぐ立場でもある。「娘がクレー射撃を始めたのはここ10年ぐらいのことです。昭和女子大を出たあと、神主の資格を取るため国学院大学の専攻科に入り直し、イギリスにも留学するのですが、それまで銃はぜんぜんやっていなかった。それが、渡航する前、私や麻生さんの師匠でもある藤堂高弘氏(射撃界の大御所)が娘を見て“クレーをやらせろ。オリンピックで金メダルを取らせてやる”と熱心に言ってきた。それがきっかけだったのだと思います」射撃の関係者によると、奈央子さんの射撃姿勢は父親にそっくり。藤堂氏は教え子の無念を奈央子さんに晴らしてもらおうと思ったのだろうか。当の敬士氏も言うのだ。「41歳という年齢は、クレー射撃のハンデにはなりません。クレーは若すぎると精神面で安定しないのです。私も一番当たったのは35~40歳ぐらいの頃でした。オリンピックには、出場できれば十分という人もいるけれど、私はとにかくメダルを取れと本人には言っています」五輪代表に選ばれながら出場さえ叶わなかった父。その思いを胸に秘め、晴れの舞台で娘は銃を構える。
(野趣あふれる料理堪能、ジビエを楽しむ会:岩手)
野生鳥獣食を味わう「花巻ジビエを楽しむ会」が13日夕、花巻市大通りのなはんプラザで開かれ、参加者がエゾシカやクマ、カモ肉を食材とした野趣あふれる料理に舌鼓を打った。狩猟で捕獲した野生鳥獣の活用を図るジビエ料理を広く知ってもらおうと、花巻猟友会、えふえむ花巻が主催して開いた。会場では、同猟友会のメンバーが腕を振るったエゾシカの焼き肉をはじめ、シチュー、ソーセージ、薫製、さらにカモ、クマ肉の料理がグリル形式で提供され、2000円のチケットで入場した市民が好みの料理を選んでは、ビールやワインなどと合わせて味わった。食材は北海道や県内で捕獲。脂肪分の少ない引き締まった肉質で、栄養価も高い。料理担当者によると、肉が新鮮なうちに血抜きや味付けなどの下処理をするのが、おいしく食べるこつといい、市内から参加した女性は「シカ肉は食べたことがあるが、こういったたくさんのバリエーションを見るのは初めて。思ったほどくせがなく、とてもおいしい」と、テーブルに持ち込んだ料理を次々と味わっていた。楽しむ会は、地元FM局のオンエア効果もあって回を重ねるごとに参加者も増え、今回は120人を集めた。同猟友会の藤沼弘文会長は「ジビエの精神と食文化を多くの市民に知ってもらいたい。おいしく食べることが、奪われた動物たちの命に感謝をささげることになる」と話し、各料理のレシピなども紹介していた。
(国際基準のライフル場へ:神奈川)
くりはま花の国にある「エアライフル場」が国際基準を満たした本格的施設として改装され、今月7日に再オープンした。横須賀市が2000万超を投じ、最新の電子標的等を整備。初心者にも扱いやすい小型ライフルも購入し、技術レベルの向上と競技人口の裾野拡大を目指していく。エアライフル場は1999年に、海軍施設の跡地で防音や安全性に優れた同園内に設置。県内でライフル射撃競技を行えるのが同施設を含め2カ所しかなく、選手らの数少ない練習拠点として重宝されてきた。しかし近年、競技ルールが改定され、従来の紙標的や整数得点表示が国際基準を満たさなくなったため、横須賀市ライフル射撃協会が中心となり、市に対して改装要望活動を行っていた。この状況を受け、横須賀市は2014年度補正予算で約2500万円を計上し、今回電子標的や得点の小数点表示、電光掲示板などを導入。全国でも有数の射撃施設として生まれ変わった。市の担当者は「選手たちのレベル向上に期待したい」と話している。また、これまで2挺しかなかった小型のビームライフル銃を新たに10挺購入。扱うのに所持資格が要らず、誰でも使用することができるもので、娯楽として市民の利用促進も図る。現在、同協会には約180人が登録しており、県内最多の数となっている。選手強化委員長を務める小室美栄子氏は「有望な選手たちが公式戦と同じ環境で練習に取り組めるのは強化につながる」と期待を込める。優れた環境を整えたことで今後、同施設での大会が増えることも想定される。5月14・15日には国体予選を開催。「ホームで戦えることは精神面が結果を大きく左右するこの競技ではアドバンテージになる」とも分析する。選手からも歓迎の声が聞かれる。昨年の国体で、同競技男子として史上初となる中学生での出場を果たしたマティウス剣選手(湘南学院高校1年)は「撃った場所や点数が目の前の電子機器ですぐに詳しくわかるので、ミスの修正がしやすい」と新たな練習場についての手応えを話している。
(イノシシなどの獣害対策補助を拡充:栃木)
イノシシなどの獣害対策として市は本年度から、市獣害対策設備設置費補助制度を拡充した。これまでの金網や電気柵などの侵入防止柵の購入費に加え、業者らに設置を依頼した際の委託料を対象にしたほか、災害で破損した場合に限り助成回数の制限を撤廃した。市は自力で設置が難しい高齢者らに積極的な利用を呼び掛ける方針。補助額は委託料を含め個人が3分の2、自治会などの団体が10分の9までで、金額の上限は個人20万円、団体100万円と従前と変わらない。本年度一般会計当初予算に約2700万円を計上した。
(カラスの巣、情報提供を:三重)
中部電力尾鷲営業所が、電柱に作られたカラスの巣の撤去を進めている。木の枝やハンガーが電線に触れると停電する可能性があるためで、担当者は「見つけた場合は連絡してほしい」と情報提供を呼び掛けている。営業所配電課によると、カラスは二月ごろから営巣を始め、六月中旬までに巣立つという。足場が広い、餌場に近い、外敵が少ないといった条件がそろう場所の電柱に作る傾向があり、紀北町-熊野市の一部を管轄する同所では、年間八十前後の巣を確認している。撤去は停電につながる可能性が高そうな所で優先的に進めており、今年は既に三十ほどを取り除いた。営巣の時期にはばらつきがあるため、今後作り始めることもあるという。配電課の岸原秀樹課長は「パトロールも続けているが、早期に対応できるよう通報してもらえるとありがたい」と話している。
(ジビエ料理味わって:岐阜)
揖斐川町産のジビエ(獣肉)料理や県産の肉料理が味わえる「シャルキュトリー(フランス語で食肉加工品)レストラン 里山 きさら」が二十日、同町谷汲長瀬にオープンする。同所で十四日に完成式があり、関係者ら六十人が出席した。広さ百平方メートルで、店内二十二席と個室十二席、テラス十七席を設置。朝はモーニング、昼は県産食材を使ったイタリアンのコース料理のほか、単品で町産シカ肉のソーセージやイノシシ肉のハンバーガーなどを提供する。テラス席ではバーベキューもできる(要予約)。この地区ではシカやイノシシなどの獣害被害を防ごうと、ぎふジビエ推進ネットワーク会長の所竜也さん(41)を中心にジビエ産業に取り組んでいる。地区内に県認定の食肉加工施設があることから「ジビエ料理を堪能してもらい、さらなる獣害対策につなげたい」と開店を決めた。町や県産業経済振興センター(岐阜市)が支援。総工費は三千万円で、総務省の「地域経済循環創造事業交付金」を活用した。式後に試食会があり、店を運営するキサラエフアールカンパニーズ社長の所千加さん(37)は「しっかりと処理した獣肉は臭みがなく、味わい深い。ぜひ味わってほしい」と話した。

TOPへ