<射撃ニュース6月>

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(クマに襲われ女性がけが:岩手)
盛岡市郊外の休耕田で7日朝、山菜採りをしていた女性がクマに襲われ、顔にケガをした。7日午前8時ごろ、盛岡市川目の休耕田で、1人で山菜採りをしていた無職・佐々木きみ子さん65歳が突然、クマに襲われた。佐々木さんは顔にケガをして自力で近くの民家に助けを求め、ドクターヘリで病院に運ばれたが、命に別状は無いという。現在、警察などが当時の状況を調べているほか、盛岡市と猟友会は8日以降も現場付近を警戒することにしている。県内では今シーズン、クマの被害や目撃情報が相次いでいるが、盛岡市によると、市内でのクマの目撃情報は4月から7日までで去年の同じ時期より8件多い34件となっている。
(クマと乗用車が衝突:秋田)
8日夕方、秋田市で普通乗用車がクマと衝突する事故がありました。運転手にけがはなくクマは、その後すぐに山の方へと立ち去ったということです。周辺では今月に入りクマの目撃情報が相次いでいて近くには小学校もあることから警察が警戒を強めています。事故があったのは、秋田市外旭川字大堤の市道です。秋田臨港警察署の調べによりますと、8日午後6時前、60代の男性が普通乗用車を運転して通称・横山金足線を手形方向から飯島方向に走行していたところ、道路の左側から飛び出してきたクマと衝突しました。 男性にけがはありませんでした。クマは、体長およそ1メートルで車と衝突したあと、すぐに山の方へと立ち去ったということです。事故があった秋田市外旭川地区は、今月に入ってからクマの目撃情報が相次いでいて小学校のすぐ近くでも目撃されています。警察は9日朝も児童の登校時間にあわせて周辺をパトロールするなどクマへの警戒を強めています。
(クマ、車と衝突:青森)
6日午後7時50分ごろ、東通村蒲野沢の村道で、むつ市に住む女性公務員(54)の軽乗用車が、左前方から道路に飛び出してきたクマとぶつかった。むつ署によると、クマは体長約70センチ。衝突後に近くの林へ逃げていったという。女性にけがはなかった。また、7日午前8時35分ごろ、むつ市城ケ沢の無職の女性(64)が自宅裏の草むらを歩いていたクマを発見。むつ署によると、クマは体長約1メートル。近くの雑木林に入っていったという。同日午前9時10分ごろには十和田市法量の国道102号で、道路を横断するクマ1頭(体長約1・5メートル)が目撃された。十和田署によると、現場は「桂月橋」から約300メートル東。このほか、7日には青森市鶴ケ坂、弘前市常盤野でもクマが目撃された。八戸市坂牛の畑では、クマのものとみられる約15センチの足跡が見つかった。この畑は白山台中学校から約560メートル北西という。
(秋田死亡事故、同じオスの仕業か)
秋田県鹿角市十和田大湯の山林で5月下旬、タケノコ採りの男性がツキノワグマに襲われて死亡する事故が3件相次いだ。専門家は同じクマによるものとみており、さらに人間を襲う可能性があると警告する。タケノコ採りが最盛期を迎える中、秋田県などは入山を控えるよう呼び掛けるが、効果はない。県は鉄製のおりを設置して捕獲しようとするなど対策に躍起だ。「傷の程度などから判断すると、全て同一の個体の仕業で、3、4歳の若いオスだろう」。NPO法人「日本ツキノワグマ研究所」(広島県廿日市市)の米田(まいた)一彦理事長(68)=十和田市出身=は、5月31日と今月1日に現場付近を調査して、そう結論付けた。クマは今の時季、タケノコを餌にしている。現場では耕作地沿いに笹やぶが密生している。米田さんは、耕作地にクマの足跡がないことから、やぶの中を移動していると推測。タケノコを求めて北側に移った可能性もあるとみる。県自然保護課によると、県内のクマによる死亡事故は1979~2015年で計8件。発生した年はいずれも年間の発生件数が1件のみで、山菜採りの時季の5~7月に集中している。県内で年間3人が死亡したのは、記録のある79年以降で初めてという「異常事態」(県自然保護課)だ。県は相次ぐ事故を受け、地元猟友会とクマの駆除を協議した。だが現場は平地で笹やぶに覆われているため、人を誤射する可能性があるとして断念。5月下旬に鉄製のおりを設置した。県自然保護課の担当者は「現状ではおりで捕獲するしか方法はない」と語る。東北森林管理局(秋田市)は今月1日、現場に通じる林道1カ所を封鎖した。同管理局保全課の担当者は「クマのために林道を規制するのは聞いたことがない」と話す。米田さんによると、人間を一度襲ったクマは、人間を恐れなくなる。「遭遇すれば、再び襲う可能性がある。従来のクマとは次元が異なり、大変危険だ」と警鐘を鳴らす。
(クマ出没、警告看板無視し入山者次々:秋田)
タケノコ採りの男性3人が相次いで犠牲になった秋田県鹿角市十和田大湯の山林には、危険を顧みずに入山する人が後を絶たない。「この先でクマによる死傷事故発生! 危険」6日早朝、警告する看板が立てられた林道入り口から500メートルの所に、1台の車が止まっていた。しばらくすると、70代の男女が山林から現れた。「タケノコ採りですか」と声を掛けると、笑顔で袋いっぱいのタケノコを見せてくれた。夫婦で能代市から2時間近くかけて来たという。クマが怖くないのかと尋ねると、男性は「山の奥に入らなければ大丈夫だよ」と意に介していない様子。クマよけ対策も「何もしていない」と言う。「ここはたくさん採れるんだよ」と話す夫婦は十数年来訪れている。1週間ほど前にも来たばかりで、採ったタケノコは近所に配っている。男性は「喜んでもらえるのがうれしい」と語り、やめるつもりはない。付近ではこの日、夫婦のほかにも山菜採りとみられる数台の車を見掛けた。青森県境にも近く、青森側から訪れる人も少なくない。鹿角市は林道に至る市道の入り口を通行止めにしているものの、周辺の畑や牧草地から入山可能なため、規制は困難だ。市農林課の担当者も「入山者に自主規制をお願いするしかない」と、他に打つ手がない現状を口にする。
(20メートル先にクマ、目と目合う:北海道)
6日午前5時頃、伊達市大滝区円山町の無職松浦スセオさん(93)が、自宅のアスパラ畑でクマ1頭を目撃し、伊達署に通報した。松浦さんとクマは、畑を隔てて20メートルほどの距離で、一時にらみ合いになった。松浦さんにけがはなかった。伊達署の発表では、現場にあった足跡(縦18センチ、横15センチ)から、クマは3~4歳と推定。畑にいた松浦さんが、黒い動物に気づいて見ていると、クマが顔を上げて松浦さんと目が合った。松浦さんは、刺激しないようにしたほうがいいと思い、ゆっくりと後ずさりしたところ、クマは林に姿を消したという。松浦さんは取材に対し、「追い掛けられてはかなわないと思い、ゆっくり、ゆっくりと、後ずさりした。おとなしいクマで良かった」と話していた。現場は大滝区市街から南西に約8キロ離れた農家が点在する畑作地帯。猟友会が付近を警戒している。
(クマ出没、県内で相次ぐ:宮城)
6日午前5時10分ごろ、宮城県登米市迫町新田大田切の山林で、農作業をしていた男性が体長約1メートルのクマを目撃し、佐沼署に届けた。登米市によると、新田地区でのクマの目撃情報は5月23日以降続き7件目。市は同地区2カ所にわなを仕掛けている。6日午後6時40分ごろ、仙台市太白区秋保町馬場の馬場市民センター近くで、道路を横断していた体長約1.5メートルのクマ1頭を地元住民の男性が見つけ、仙台南署に通報した。けが人はなかった。同署が注意を呼び掛けている。5日午後4時40分ごろには、角田市君萱の市道脇で、山林の奥にクマ1頭が入っていくのをジョギング中の住民が目撃し、6日に角田署に届けた。
(クマ、相次ぎ目撃:宮城)
宮城県内では7日もクマ目撃が相次いだ。午前6時35分ごろ、仙台市泉区寺岡4丁目でクマ1頭が県道を横切り、山林に立ち去るのを付近の住民が発見。午後1時半ごろには大和町吉田金取南の小川で、クマ1頭が歩いているのをドライバーが見つけた。いずれも体長約1メートルだった。
(クマ出没、住宅街で目撃:宮城)
7日午前6時35分ごろ、仙台市泉区寺岡4丁目で、体長約1メートルのクマ1頭が県道を横切って山林に立ち去るのを付近の住民が目撃し、泉署に通報した。現場周辺はコンビニエンスストアなどもある住宅街。同署が注意を呼び掛けている。
(クマ出没、通報過去10年で最多:宮城)
宮城県栗原市で4月以降、クマの目撃が相次いでいる。5月の通報件数は過去10年で最多となり、6月も異例のハイペースで推移。車やバイクとの接触事故まで発生し、市は警戒を強める。市によると、4月以降のクマ目撃件数は6月5日現在で62件。5月は2012年度の34件を超え、同月としては過去10年で最も多い45件に上った。6月も5日間で10件で、12年度同月の40件を上回る勢い。5日は未明に同市高清水の東北自動車道で軽乗用車がクマと衝突し、同日昼すぎには同市鶯沢でバイクが接触し転倒した男性が胸の骨を折るけがをした。5月30日から6月3日にかけて築館中や宮野小など3小中学校周辺でクマの姿が確認されている。市は登録制のメール配信や防災無線で警戒を促している。市内では2年前、農作業中の男性が襲われてけがをするなどの人的被害が出た。市の担当者は「騒がずに立ち去るなどの対処法を取ってほしい」と話す。県によると、県内の5日現在の目撃件数は前年度同期比73件増の223件。県内全域で例年に比べ高い頻度で確認されている。
(クマ目撃相次ぐ:山形)
8日午前9時ごろ、山形市小白川町2の同市立第八小の北約100メートルの馬見ケ崎川の河川敷で、車で通勤中の女性が体長約80センチのクマを目撃し、110番した。女性にけがはなかった。山形市は、愛宕橋から双月橋までの約1キロにわたり、両岸の河川敷と右岸の歩道を当面の間、立ち入り禁止とした。さらに山形猟友会と一緒に、捕獲檻(おり)1台を設置した。また、同日午前6時45分ごろには、同市神尾の羽竜沼で釣りをしていた男性(55)が、沼を北から南に泳いで渡り、森に入っていく体長約1メートルのクマ1頭を目撃した。さらに河北町でも同日、同町西里の農業の男性(77)が所有するサクランボ畑の実計約10キロが食べられていると、男性が町に届け出た。
(クマ目撃相次ぐ:兵庫)
6日午前8時20分ごろ、西脇市富吉南町の路上でクマを目撃したと、通行人の団体職員の男性(55)から西脇署に通報があった。市によると、先週も同市黒田庄町内でクマを見たという情報が寄せられており、当面、警戒を続けるという。署によると、目撃されたのは北播磨清掃事務組合みどり園近くの路上。同日午前8時15分ごろ、男性が車で通行中に道路を横切って山に入るクマ1頭を見たという。男性の情報ではクマは成人男性ほどの大きさで、署はパトカーで巡回し、警戒に当たった。市農林振興課によると、防災無線で市内全戸に注意喚起し、学校や保育園などにも通知した。今は繁殖時期でクマは広範囲を動き回るといい、猟友会と協力しながらしばらく職員でパトロールを続ける方針。
(県内クマ目撃110件、前年比59件増:福島)
福島県警が8日発表した今年のクマの目撃状況(6日現在)によると、認知件数は110件に上り、前年に比べ59件増加した。これまで人的被害の報告はないが、民家周辺や畑などでの目撃が相次いでいることから、県警は注意を呼び掛けている。警察署別でみると、福島署管内が17件と最多で、喜多方署の16件、猪苗代署の14件、会津若松署の13件と続いた。時間帯別では午前5時台と午後5時台が多かった。8日午前6時55分ごろ、猪苗代町山潟字深田の国道49号で、男性の乗用車がクマとぶつかった。男性にけがはなく、クマは走り去った。猪苗代署によると、クマは体長約1メートルで、国道を横切ったという。午前8時30分ごろ、会津美里町東尾岐字向田で男性が目撃。会津若松署会津美里分庁舎によると、子グマとみられ、川を渡り山に入っていった。午前11時30分ごろ、郡山市熱海町玉川で乗用車の女性が2頭を目撃。郡山北署によると、2頭とも体長約1メートルで、林に入っていった。午後1時40分ごろ、南会津町福米沢の国道289号で男性が目撃。南会津署によると、体長約60センチ。午後7時ごろ、会津若松市一箕町八幡字堰下の市道で車の女性が目撃。会津若松署によると、体長約1メートルで、山に入っていった。
(県内クマ目撃、過去10年で最多:秋田)
秋田県内で今年、クマの出没が相次いでいる。5月末までに県警に寄せられた目撃情報は132件に上り、5月だけで110件を占める。いずれも過去10年で最多。これから夏場にかけ、クマは餌を求めて行動範囲が広くなる。人里に出没する傾向が高まるため、今後も注意が必要だ。専門家は山中に限らず、目撃場所やその周辺では複数で行動し、音を鳴らすなどクマ対策を講じるよう呼び掛けている。県警生活安全企画課によると、1~5月のクマの目撃情報は、過去10年で初めて100件を超えた。これまで最多だった2014年(92件)の1・4倍、最も少なかった07年(12件)の11倍に上る。
(薬科大近くにクマ出没:新潟)
県内各地でクマの出没が相次いでいる中、8日は新潟市秋葉区でもクマが目撃された。目撃したのは新潟薬科大学に通う大学生。大学のキャンパスのすぐ近くにクマが出没し、学生の間には不安が広がっている。8日朝、クマが姿を現したのは、新潟市秋葉区にある新潟薬科大学近くの山道。新潟薬科大学4年生・中川香太郎さんが目撃した。この道は学生が利用している駐車場と大学を結ぶ山道で、中川さんも通学する際はいつも通っている道だという。キャンパスまでは100メートルほどの地点で、すぐ近くには住宅街も広がっている。キャンパスの目と鼻の先に現れたクマに、薬科大学の学生にも不安が広がっている。秋葉区では先月からクマの出没が相次いでいる。先月29日にはゴルフ場の近くで、30日には県立植物園の近くでも目撃されている。秋葉区役所は、防災メールで目撃情報を流したり、広報車を出したりして、注意を呼びかけている。
(目撃のクマ、昨年度に一度捕獲か:長野)
3日夜と4日朝に塩尻市の市街地でクマの目撃が相次ぎ、撮影された映像からクマは昨年度、捕獲された後、再び里へ下りてきた可能性が高いことがわかった。クマは3歳ぐらいで、体長は1.5メートルとみられている。
(サクランボ約4キロを食い荒らしたのは…クマ:山形)
山形市でサクランボ約4キロがクマに食い荒らされる被害が出ています。山形市の農業・工藤行夫さんの畑で、5日、サクランボの木がなぎ倒されているのが見つかりました。警察によりますと、工藤さんが畑を離れた4日午前6時半ごろから5日午前6時ごろまでに被害に遭ったとみられています。この畑は先月末もクマに荒らされていて、今回と合わせて収穫前後のサクランボ約4キロが食い荒らされたということです。山形県内では5日、鶴岡市などでもクマが目撃され、6件の通報があったということです。
(クマ出没し集団下校:福井)
県内各地でクマの出没が相次ぎ、福井市内では小学校のすぐそばにツキノワグマが目撃され学校で警戒を強めています。この近くでは1週間前にもクマが出没していて、岡保小学校の児童達は保護者や教員らの付き添いで集団下校しました。
(サル目撃情報:福岡)
福岡県警福岡南署によると、8日午前7時半ごろ、福岡市南区鶴田2丁目付近でサル1匹が目撃された。署は、不用意に近づかず騒いだりしないよう呼び掛けている。
(カラス電線に接触、停電で列車2本部分運休:北海道)
6日午後5時40分ごろ、JR函館線の豊幌(江別市)―光珠内(美唄市)両駅間の上下線で停電が起き、区間内の信号機が消えるトラブルがあった。停電は2分ほどで復旧したが、確認作業のため、岩見沢発手稲行きの区間快速いしかりライナーなど計2本が部分運休し、約600人に影響が出た。JR北海道によると、岩見沢市内にある同社の変電所の電線付近にカラスが接触したのが原因という。
(クマ目撃相次ぎ登校時も警戒:秋田)
県内はクマの目撃が相次いでいて、秋田市内でも連日クマの情報が警察などに寄せられています。秋田市の外旭川地区では小学校の近くでもクマが目撃されていることから警察が周辺をパトロールして注意を呼びかけています。
秋田市の外旭川小学校近くでは6日朝、児童の登校時間に合わせて警察がパトロールを行いクマへの注意を呼びかけました。秋田臨港警察署の調べによりますと3日午後4時ごろ、小学校のグラウンドで野球をしていた児童2人がフェンスの外側の竹やぶにいる体長およそ1・2メートルのクマ1頭を目撃しました。このほかにも外旭川地区ではクマの目撃が相次いでいて、今月は6日までに7件の目撃情報が寄せられています。外旭川小学校から南東におよそ1・3キロ離れた秋田市泉の平和公園では、2日と3日にクマが目撃されました。市によりますとクマは体長およそ1・2メートルで市では来園者に公園に入る際は複数で行動するなど注意を呼びかけています。警察では、引き続き外旭川地区のパトロールを続けるとともに住民に注意を呼びかけています。
(クマ対処で研修会:滋賀)
木之本署は6日、管内でクマの目撃が相次いでいるのを受け、県職員を講師に招いて研修会を開いた。今年はクマが人里に出没する条件がそろうとの見通しもあり、署員約30人が緊急時の対処法を学んだ。署管内では5月下旬から、長浜市余呉町や木之本町でクマを見たとの情報が4件寄せられている。現時点の件数は例年並みだが、過去には秋にかけて目撃件数が急増するケースもある。研修会では県湖北森林整備事務所の野瀬拓也さんが、昨年はクマの餌となるドングリが豊作だったとして、「クマの栄養状態がよく、相当数の子グマが生まれている」と指摘。さらに、今年はドングリが不作になる可能性を指摘し「クマが餌を求めて人里に下りて来ないか、心配している」と話した。自衛策として、クマが殺気立つ6~7月の繁殖期には山に入らないことや、鈴やラジオなど音が鳴る物を携帯することを紹介した。講義を受けた地域課の前原健志郎巡査(23)は「市民に周知し、適正に対処していきたい」と話した。署管内では2014年10月、同市木之本町で男性がクマに襲われ、足をかまれる事故が起きている。
(ダム湖面、巡視中の職員がクマ激写:群馬)
ダム湖をクマが泳いでる写真が話題になっています。撮影したのは独立行政法人・水資源機構の職員。定期パトロール中だった昨日昼ごろ偶然遭遇し、3mほどの距離からコンパクトデジカメで撮影しました。泳いでいるクマが撮影されたのは、群馬県みなかみ町にある矢木沢ダム。利根川本川の最上流部にある堤頂高131mのアーチ式コンクリートダムです。撮影したのは沼田総合管理所矢木沢ダム管理所の職員・奈良保則さん。8日午前11時ごろ、同僚と2人でボートに乗り、不法投棄などの定期パトロールをしていたとき、50mほど先に流木のようなものが見えました。「流木にしては動きが速いな」。そう思いながら近づいてみると20mほど近づいたところで、クマだと気づきました。「ハアハア」という荒い息づかいが聞こえ、必死に対岸に向かって泳いでいました。泳ぎに必死だったので、刺激しないように近づき、持っていたコンパクトデジカメで何枚か撮影。その後、クマは無事に300mほどを泳ぎきって対岸にたどり着いたそうです。奈良さんによると、ダム湖の水辺ではクマやシカが生息していることが確認されていて、年に数回ほど泳いでいるところを見かけるそうです。「ダムができたことで、本来はなかった場所に湖ができました。それでも順応して強く生きているんだなと感心しました」と奈良さん。
(ニホンジカ、初の「GPS行動調査」実施へ:長野)
2015年度のニホンジカの捕獲数が減ったことを受けて、長野県は鹿に全地球測位システム(GPS)発信器を取り付けた行動追跡調査に初めて乗り出す。14年度の県内のニホンジカによる農作物の食害や林業の被害は約3億7644万円に上り深刻。GPS発信器で鹿の移動経路を把握して効率よくわなを仕掛け、捕獲数を増やす狙いだ。5年に1度、県が行う生息密度の調査によると、県内のニホンジカの生息数は約10万5000頭〜30万頭とみられる。猟友会などによるニホンジカの捕獲数は、13年度は3万9663頭、14年度は3万9506頭だったが、15年度は3万5000頭を見込んでいる。県森林づくり推進課鳥獣対策・ジビエ振興室は「子どもを毎年産む雌の捕獲目標数が達成できていない」と減少の理由を説明する。猟銃を使って雌を選んで捕獲しようと計画していたが、猟銃による捕獲は効率が悪いため、雄雌ともに捕獲するわなを使った方法に頼っているためという。県は、ニホンジカの捕獲場所を設定するための「生息状況調査」と、標高が高い位置で目撃情報が相次ぐ中央アルプス地域における「行動把握調査」をGPS発信器を使って行う。生息状況調査では、上田市や下諏訪町など約8万〜18万頭が生息しているとみられる八ケ岳地域を中心に、今秋に15頭の鹿にGPS発信器を付ける予定。今後は年間4万頭の捕獲を目指すという。GPS発信器を使った調査の経験を持つ民間企業を公募し、業務委託する。
(獣類農作物被害過去最多、昨年度2億8700万円:栃木)
県農村振興課は7日、イノシシやシカなどの獣類による2015年度の農作物被害が、過去最多の2億8700万円(前年度比1500万円増)だったと発表した。同課によると、15年度の鳥獣類の農作物被害額は、3億7200万円(同1800万円増)。このうち8割弱が獣類で、米などのイネ類が最も多く被害に遭った。獣類による被害の内訳は、6割以上がイノシシで、シカ、サル、ハクビシンなどが続く。イノシシは中山間地だけではなく平地にも現れており、同課は防護柵がなく被害が広がったのではないかとみている。一方、クマによる被害は前年度に比べ半分程度だった。昨年度はクマのエサであるドングリが豊作だったため、人里に下りてこなかった可能性が高いという。県農村振興課は「個人で効果的な対策をすることは難しいので、地域ぐるみで防護柵を設置するなどしてほしい」と話している。
(野生鳥獣による農作物被害、過去3番目の規模:栃木)
2015年度の野生鳥獣による県内農作物被害額は、前年度比5%増の3億7200万円だったことが7日、県農政部のまとめで分かった。2年連続の増加で、現行の統計方式が始まった08年度以降では過去3番目の規模。イノシシ、シカの被害が増加しており、同部は山間部から平地に被害が広域化していることが一因とみて、対策を強化していく方針だ。被害規模は、08年度の4億1700万円、09年度の3億9100万円に次ぐ。鳥類を除くイノシシやシカなどの獣類被害は2億8700万円で、過去最高となった。種類別では、イノシシが全体の6割超を占め、前年比13%増の1億7700万円。シカが同22%増の4500万円、サルが同3%減の3200万円と続く。被害作物は、イネや野菜、イモなどが多いという。
(鳥獣対策さらに、被害額過去15年で最少:大分)
県内で2015年度に確認された鳥獣による農林水産物被害は総額2億6700万円だった。イノシシだけで過半数を占め、シカを含めると全体の8割に上る。被害総額は過去15年で最も少ないが、依然として深刻な状況が続いている。県は本年度も捕獲対策を継続、強化するとともに、鳥獣肉の消費拡大に民間企業とプロジェクトチームを設けて取り組む。被害総額のうち、作物など農業が75%、シイタケなどの林業が21%、アユの食害といった水産などは4%だった。加害鳥獣別でトップはイノシシの57%。次いでシカ(23%)、サル(8%)、カラス(4%)、カワウ(2%)だった。地域別では豊肥(豊後大野、竹田両市)が最も多い7325万円で、南部(佐伯市)の1592万円と差が出ている。豊肥では個別農家単位の対策が多く、県は集落単位での取り組みを促したい考えだ。本年度の捕獲対策では、イノシシ、シカは捕獲の報償金制度や県内一斉捕獲を継続。陸上自衛隊日出生台演習場内での捕獲も続ける。サルは遠隔操作できる捕獲装置を新たに導入。被害が増えているアナグマは捕獲効果を検証する試験を続ける。カワウは隣県と広域駆除を協議している。捕獲した肉の販売実績は▽イノシシ 1・5トン▽シカ 3・1トン―で全体の数%にとどまる。県は5月に大分市の卸業「椿説屋」とプロジェクトチームを設置した。利活用に向けて、処理技術の向上や出荷肉の均一化で飲食店の使いやすい処理肉を増やす。県内外の飲食店に利用を促す。7日に大分市であった県鳥獣被害対策の本部会議で、太田豊彦副知事は「粘り強い捕獲で被害額の低下という一定の効果が出ており、本年度もさらに抑えたい。獣肉の利活用が重要になる」とした。
(鳥獣被害額22%減、防護柵設置集落が増加:岐阜)
2015年度の岐阜県内のイノシシなど野生鳥獣による農作物被害額は、前年度比22%減の約3億4千万円(暫定)だったことが7日、県庁で開かれた県鳥獣被害対策本部員会議で報告された。減少は2年連続。県農村振興課は、防護柵設置など対策に乗り出した集落が増えたことに加えて「前年度に捕獲頭数が増えたため、集落への寄り付きが減ったのでは」と指摘している。同課によると、主要3獣種の被害額は、イノシシ1億5178万円、ニホンジカ5145万円、サル5013万円。被害に遭った39市町村のうち27市町村で被害額が14年度から減少した。県は15年度、県内10の農林事務所に対策専門指導員を1人ずつ配置。各集落に対する研修会の開催や防護柵の設置指導などに取り組んだ結果、対策未実施の集落は1196から223まで減少した。本年度は対策未実施の集落を解消し、体制の整った集落から防護柵の整備を支援する方針。2年かけて防護柵整備を集中的に支援するため、6月県議会に提出する補正予算案に1億1309万円を盛った。県が開発したサル捕獲用囲いわなの普及やカワウの被害対策も進める。会議では本巣市のラーメン店「清太麺房」や、揖斐郡揖斐川町谷汲のレストラン「里山きさら」で販売しているギョーザやハムなどジビエ料理が出席者に提供された。
(農作物、鳥獣被害3億8635万円:愛媛)
愛媛県鳥獣害防止対策推進会議が8日、県庁であり、2015年度に県内で確認したイノシシやシカなどによる農作物の被害総額が、14年度を475万円上回る3億8635万円だったと報告された。2年連続の増加。事務局の県担い手・農地保全対策室によると、被害額の約6割が南予に集中した。農作物別では果樹が約7割を占めた。鳥獣別では、イノシシが最も多く2億2936万円。14年度より971万円増えたが「柵の設置などで、被害は一定程度抑えられている」(事務局)という。かんきつやビワなどの果実を樹上で食べるハクビシンの被害が県内全域で増え、被害額は14年度比5割増の2269万円だった。一方、ヒヨドリやカラスなど鳥類による被害は14年度を1506万円下回った。事務局は「寒波によるかんきつ類の早期収穫や作柄不良などが影響したと考えられる」としている。
(狩猟免許合宿、実質0円~狩猟免許が取得できる:北海道)
北海道の農家の下で農作業を手伝いながら、狩猟技術について学ぶ「狩猟免許合宿」が今夏、北海道の厚沢部町で初めて行われる。農家グループと同町猟友会が企画したこのプランでは、参加者は農業体験を通じて獣害の現場を学び、またベテランハンターからは狩猟技術を学ぶことができる。また、農作業アルバイト代を狩猟免許取得費(合宿参加費)に充てることで0円~狩猟免許を取得することが可能になる。狩猟免許合宿参加者は、狩猟技術はもちろん、北海道の涼しい気候の中、おいしい採れたての野菜、町民との触れ合いなどが得られ、農家は農繁期を迎える夏場の手助けになればと期待している。農繁期の学生らのアルバイト受け入れなどを目的に、2015年春に厚沢部町内の農家を中心に立ち上げた任意団体「厚沢部農楽会(のうらくかい)」(斉藤武雄会長)と「厚沢部猟友会」(事務局 近藤良信)が共同で企画。今夏に向けて特別な免許合宿プランをつくった。参加者は農作業アルバイトに従事しながら、ベテランハンターから狩猟免許試験対策や狩猟技術を学ぶ「狩猟講座」を受講する。さらに、農作業アルバイトで得た賃金を狩猟免許合宿参加費用(39,800円)に回すことで、実質0円で狩猟免許取得ができる他にはないプランとなっている。参加者にとっては、農業の現場で獣害に直面したり、獣害に悩む農家さん達のお話を聞いたり、技術を伝承していただく中で、「なぜ人は狩猟を行うのか?」といった根源的な問題も考えていただける機会にもなるだろう。2016年度の募集期間は7月20日~9月30日の約2か月間。定員は10名。最短滞在期間は2週間(狩猟講座日、農業従事日含む)となっている。トウモロコシやカボチャ、じゃがいも、キャベツ、大根などの収穫、選別作業が主で、アルバイト代は1日6,160円。アルバイト代は滞在最終日に現金で支払われる。参加者は町内で共同生活を行い、交流を深める。宿泊費は合宿参加料に含まれているため別途支払いは発生しない。(食費は自己負担になる。)厚沢部町の8月の平均気温は26度で本州に比べると涼しく、昨年アルバイトに来た本州出身の学生には作業は大変だが涼しくて、町民や参加者との交流が何より楽しいとの意見もいたただいている。応募締め切りは6月30日(木)で応募多数の場合は志望理由などによる選考を行う。
(県営ライフル射撃場改築:三重)
三重県地域振興部は、2021年開催の「三重とこわか国体」に向けて、競技場の一つとなる県営ライフル射撃場改築工事のための調査に着手した。16年度に設計を行い、17年度に工事を行う予定。
(狩猟啓発パンフ作製、若者層に資格取得を:石川)
イノシシなど鳥獣による農作物被害を減らそうと、県は狩猟免許の取得を呼びかける啓発パンフレット「目指せ! ハンター」を作製した。各地の猟友会やJAなどに2000部を配布する。県自然環境課によると、県内の農作物被害額は昨年度、計約8420万円に上った。狩猟免許の取得者は今年3月末時点で延べ2130人いるものの、高齢化が進んでおり、若年層を中心に資格取得を促す狙いで、パンフレットを作製した。狩猟の魅力や社会的意義を分かりやすく紹介しているほか、免許の種類や講習会、試験に関する情報なども網羅している。同課は「近年は女性ハンターも増えてきている。狩猟で農作物被害を減らしたい」としている。
(サル撃退へ、エミュー飼育開始:新潟)
ダチョウに似た大形の鳥「エミュー」を飼育するプロジェクトが阿賀町で始動した。挑むのは、町内外の有志で地域創生を目指す「小川荘(こがわのしょう)塾」。大きく育てた上で来春、農作物被害を及ぼすサルなどの野生生物対策に有効か、調査を始める。6日夕方には、北海道生まれの幼鳥12羽が到着し、メンバーが歓迎した。エミューは、生後約1年半で人間の背丈ほどの成鳥になる。気温差のある砂漠地帯に生息し、寒暖差にも強い。気性は穏やかで人懐こく、雑食のため比較的飼育しやすいといわれる。昨年発足した小川荘塾は会社役員や設計士、農家ら12人で組織し、深刻さを増すサル被害への打開策を話し合ってきた。佐賀県の農家でエミューを飼ったところイノシシが出なくなったとの話を聞き、阿賀町でも効果が出るか確かめることにした。北海道網走市で卵や食肉などの商品開発を進める東京農業大のベンチャー企業「東京農大バイオインダストリー」から、生後約1カ月のエミューを購入。迎えに行ったメンバーがワゴン車に乗せ、日本海をフェリーで運んできた。夏まで阿賀町黒岩のメンバーの家の庭で育てた後、近くで約300平方メートルを整備中の放牧場に移す。大きく成長した来春には、町内の数カ所で分散飼育を開始。周辺の農作物被害を調べる計画だ。6日夕にやって来た幼鳥たちは木箱から出され、見慣れぬ環境に驚いたのか、ひとかたまりになってウロウロ。しばらくして落ち着くと元気に動き回り、餌をついばんだり水を飲んだりした。メンバーはわが子のように見守り「目がぱっちりしてかわいいね」「ここがおまえたちの故郷になるんだぞ」と話し掛けていた。塾長の阿部勝悦さん(83)は「大きい鳥が現れれば、サルなども怖がって近寄らないはず。何とか良い結果が出てほしい」と話した。
(植物群生地、各地で被害:石川)
横谷ミズバショウ群生地(石川県小松市)で昨年5月、イノシシによる深刻な食害が確認された。防御ネットを設けて植生が回復しつつあるが、元の姿に戻るのはまだ先だ。植物の群生地が動物に荒らされる事例は北陸各地で発生しているが、対策にあたる地元組織は資金や労力で限界に直面。自治体との連携のあり方が模索されている。北陸有数のミズバショウ群生地の横谷は広さ一万二千平方メートル。十年ほど前に十三万七千株あったが、五年ほど前から被害を受け、昨年には三千四百株まで激減した。市は二百万円かけて株数の多かった約七百平方メートルを高さ一メートルの網で囲った。住民らでつくる市自然保護協会や市職員が今年五月に視察したところ、周辺を掘り起こされた形跡がなく、株数は約四千五百株に増えていた。協会員は「まだ様子見の段階」と分析するが、減少に一定の歯止めがかかったとみている。とはいえ、かつての群生地にはほど遠い。協会長の中江実さん(74)は「全体を網で囲えたらベストだが、金や労力がない住民組織ではできない」と頭を抱える。市は、網の設置場所の見直しで被害が減少するのか効果を検証するため、今年は対策費を計上せずに対応する。中江会長は「会としては地道に現地で種をまき続けるしかない」と話す。近隣の群生地はどうか。富山県南砺市の水無湿原では三年前、イノシシ被害で一万株以上あったのが半数以下に。管理する国の機関は監視カメラを設置したうえ、湿原の自然保護に取り組むNPO法人「利賀飛翔(ひしょう)の会」などと協議会を立ち上げた。だが具体的な対策には至っていない。会事務局の吉田亜輝男さん(73)は「復活のめどが立っていない」と嘆く。年四~五回かけて整備しているが、資金面に加えて群生地へのアクセスが悪く、対策物資の搬入が難しいという。「国有林に位置する県立公園内の群生地なのだから、もっと自治体が積極的になってくれたら」と話す。福井県南越前町今庄はカタクリが有名で、毎年春に観賞イベントを開催。二年前からシカによる被害を受け、昨年まで二年連続でイベントが中止になった。町は昨年九月ごろ、山道との境界に網を設置。シカの侵入はなくなり、カタクリの株数は元の半数ほどに回復した。町担当者は「来年、元通りになればいい」と効果に期待。今庄観光協会も「樹木整備や草刈りなどできることをやっていく」と意欲をみせる。網や柵を設置する対策は一定の効果を生むが、資金や物資の点から県や市町に頼らざるを得ず、環境再生の主体となる地域の組織だけでは限界がある。民間と自治体が役割を相互に補完できるかが鍵となる。
(寺社、シカやイノシシ食害深刻)
花の名所として知られる山あいの京都や奈良の寺社で近年、境内がシカやイノシシに荒らされる被害が目立ち、各寺社は頭を悩ませている。「今年も咲きぶりが悪かった」。世界遺産・上賀茂神社の摂社である大田神社(京都市北区)の高井俊光禰宜ねぎは、そう声を落とした。同神社の大田ノ沢には、約2万5000株のカキツバタが自生し、国の天然記念物に指定されている。平安末期~鎌倉初期の歌人・藤原俊成がその美しさを詠んだことでも知られ、毎年5月には5万人の観光客が訪れる名所だ。しかし、昨年5月、カキツバタのつぼみがシカに食べられているのが初めて見つかった。今年4月、約60万円かけてワイヤを編み込んだネットを設置したが、咲いたのは例年の3割程度。高井禰宜は「芽を食べられた影響が出たのかもしれない。来年は咲いてくれるかどうか」と懸念する。ヤマブキの名所・松尾大社(京都市西京区)にも約10年前からイノシシなどが出没し始め、被害のあった場所の周辺にフェンスを設けて防御にあたる。1万株のアジサイが咲く三室戸寺(京都府宇治市)は5年ほど前に既存の柵の高さを延ばし、電気柵を増設したが、被害は毎年出ているといい、伊丹光恭住職は「境内が広く、対策をしてもいたちごっこ」と語る。さらに深刻な被害に見舞われたのが、奈良県宇陀市の仏隆寺だ。毎年、約10万本のヒガンバナが咲き誇ってきたが、シカやイノシシに葉、根などを食べられるようになり、3年前にほぼ全滅した。寺は昨年、山門に続く石段付近の斜面に高さ約2メートルの柵を設け、ボランティアの手でヒガンバナの球根を1万6000株植えた。鈴木隆明住職は「シカなどの駆除をしないと根本的な解決にならないが、地域の猟師も高齢化で引退し、どうしていいのか……」と嘆く。
(ニホンジカの肉、販売:長野)
県内のA・コープ28店を運営する長野県A・コープ(長野市)は7日、諏訪郡富士見町で捕獲したニホンジカの冷凍肉の販売を茅野市と同町の店舗で始めた。NPO法人日本ジビエ振興協議会(埼玉県)が、富士見町猟友会有志でつくる「信州富士見高原ファーム」と同社を仲介。鹿肉の流通を拡大し、農林業被害の軽減にもつなげる。茅野市の「ピアみどり店」では精肉売り場近くにコーナーを新設。真空パックのロース肉200グラムを1280円(税別)、もも肉200グラムを1180円(同)で並べた。衛生面の安全性を保証する県の「信州産シカ肉認証制度」を満たした肉だけを扱い、捕獲地などを追跡できる個体認証番号も付けた。賞味期限は冷凍状態で1年。売り場には鹿肉料理3品のレシピを紹介するチラシも置いた。農林業被害をもたらすシカは駆除されても、販売用の食肉処理が進まず、消費の拡大が課題となっている。長野県A・コープの担当者によると、鹿肉の販売は全店に広げる構想。ピアみどり店で記者会見した同協議会の藤木徳彦理事長は「鹿肉は高タンパク低カロリー。ぜひ手に取ってほしい」と話した。
(ねぎと鹿肉、特産品活用:兵庫)
朝来市特産の岩津ねぎと、朝来市内の猟師が提供した鹿肉を使った「岩津ねぎシカないコロッケ」を、道の駅フレッシュあさご(朝来市岩津)で売り出している。冬場がシーズンとなっている岩津ねぎの年間を通じたPRと、有害獣とされる鹿の肉の有効活用を考え、老若男女が手軽に食べられるように開発された。フレッシュあさごは2000年5月に設立。鹿肉丼、鹿肉カレー、鹿焼肉弁当をフードコートで食事として出し、うち、丼とカレーはレトルト食品として販売もしてきた。今回のコロッケは、刻んだ岩津ねぎと鹿のミンチ肉、北海道産ジャガイモなどを使用。日本酒や牛の脂、砂糖、塩などで煮込み、試行錯誤を重ねた結果、鹿肉の臭みを抑えた物に仕上げた。岩津ねぎの冷凍保存で一年中提供できるようにする。
(食品会社が備蓄用缶詰寄贈:兵庫)
兵庫県丹波市産のシカ肉を使い、食物アレルギーを持つ人も安心して食べられる備蓄用缶詰を神戸市の食品会社が開発し、このほど丹波市に寄贈した。低アレルゲンの非常食では、タンパク質が豊富な副食の種類はまだ少ない。同市防災係は「主食のコメはほぼ整っているが、おかずが不足していた。災害時に役立てたい」と話している。寄贈したのは、食品製造販売会社「ジェイ・インターナショナル」。同社の山本春雄代表取締役から、相談を受けた市議会公明党の田坂幸恵、藤原悟の両議員が、同市との間を橋渡しした。辻重五郎市長に手渡された備蓄用缶詰は、「和風肉じゃが」と「かぼちゃのそぼろ煮」の2種類で計96缶。アレルギー症状を引き起こしやすい「特定原材料」などには、牛、豚、鶏肉を含む27品目が指定されている。同社は大阪府立大学と連携し、食物アレルギー患者に対応した「おかず缶詰」を開発。原材料として野生のシカに着目し、同市氷上町のシカ肉加工会社「丹波姫もみじ」(柳川瀬正夫代表取締役)の協力を得ながら、試行錯誤の末に製品化を果たした。4月からインターネットで販売しており、熊本地震の発災後には、熊本県庁にも贈った。山本社長は「避難所で保護者や子どもが、アレルギーを起こす食材を取り除いていると、周囲から好き嫌いなどと誤解され、肩身の狭い思いをする」とした上で、「アレルギーに対応した非常食を提供するとともに、獣害対策で捕獲されるシカ肉の有効利用にもつながれば」と語った。

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(大日本猟友会会員、37年ぶり増加)
大日本猟友会の会員数が2015年度に10万5384人に回復し、1978年度以来37年ぶりに前年度を上回ったことが分かった。専門家や大日本猟友会によると、鳥獣被害防止特措法を中心とした総合的な捕獲の施策が奏功した。官民連携による担い手づくりやジビエ(野生鳥獣肉)の広がり、若者の狩猟や里山への関心の高まりが背景にある。狩猟者の減少と高齢化に歯止めがかからない状況が続いていたが、狩猟者確保へ明るい兆しが見えてきた。15年度は14年度(10万4242人)に比べて1142人増加した。1978年の42万4820人をピークに、会員数は毎年、前年度を大きく下回っていたため、大日本猟友会は「非常に画期的な兆候」とする。銃猟に比べて網やわな猟の免許を取得する会員数が急増している。30都道府県で前年度の会員数を上回った。石川県(前年度比222人増)、兵庫県(同128人増)、岡山県(同131人増)、広島県(同112人増)、香川県(同130人増)の増加が目立つ。大日本猟友会によると、戦後は趣味でカモなどの鳥を狩猟する会員が大半だったが、近年は森林や田畑を荒らすイノシシや鹿の捕獲依頼が急増。各現場では、農家が集団で自ら狩猟免許を取得し田畑を守るケースが目立っているという。鳥獣被害防止特措法が増加を後押しした。2007年に成立し、市町村の被害防止計画に基づいて鳥獣捕獲などに従事する狩猟者に、猟銃所持許可の更新に必要な技能講習を免除する特例や、「鳥獣被害防止緊急捕獲等対策」の交付金などで狩猟者を支援する。この他、若手や女性ハンターの座談会(高知県猟友会)など独自の講習会の企画、試験回数や会場の増加など各地で工夫。政府や猟友会、都道府県、自治体は若者や女性向けの情報発信、広報を強化してきた。都会から地方への移住者や女性らの狩猟免許取得も増え、各地で猟友会青年部が立ち上がっている。さらに処分に困っていた鳥獣が、ジビエの広がりで需要と結び付いた。大日本猟友会は「一つの対策の効果ではなく、総合的な捕獲増への取り組みと若者の里山への関心が狩猟者が増えた要因」と見る。大日本猟友会の佐々木洋平会長は「若い狩猟者の技術を高めていくことがこれからの猟友会の使命」と見据える。岐阜大学鳥獣対策研究部門の森部絢嗣特任助教は「免許を取っただけでなく、現場で実際に狩猟で活躍できるよう、支援体制の充実が必要だ」と指摘する。
(害獣事業実施せず、決算も虚偽:京都)
舞鶴市は3日、農林課に事務局を置く「市有害鳥獣被害防止対策協議会」の2013年度事業のうち、アライグマを捕獲するためのわな設置(国庫補助事業)が実施されていなかったと発表した。当時担当していた40代の男性事務局職員(市職員)が報告せず、協議会の決算書や事業報告書にも「執行した」と虚偽を記載していた。市は同日付で府から補助金53万2000円の返還命令を受け、同時にこの職員を戒告処分、当時の上司ら5人を訓告処分にした。協議会は市の他農林業組合、猟友会、府などで構成する外部団体。同課によるとこの事業は、わな31基を設置するもので、事業費は全額、府を通じた国補助。市が実施した業務チェックで今年2月、協議会の口座に予算全額が残っていたことで発覚。市の調べに対しこの職員は「他にも業務を抱え忙しく、とうとうできなかった」と話しているという。この職員は決算書や報告書の作成も1人で担当していたが、14年度に行った決算・報告では書類上執行したことにしていた。協議会事務局長の吉田章洋・市農林課長は「公共事業を不適切に行い責任を感じている。態勢を見直し再発防止に努める」と陳謝した。
(東北自動車道でクマ衝突死:宮城)
5日午前2時10分ごろ、栗原市高清水西手取の東北自動車道上り線で、軽乗用車がクマと衝突した。車のバンパーが壊れ、クマは死んだが、乗っていた女性2人にけがはなかった。県警高速隊によると、クマは体長約1・2メートル。運転していた盛岡市の女性(24)は「クマに気付いた時には、ブレーキが間に合わなかった」と話しているという。現場は築館インターチェンジ(IC)と古川ICの中間付近で、見通しの良い片側2車線の直線道路。東北道では、先月28日にも、岩手県一関市でクマを5台の車が立て続けにはねる事故があった。
(タケノコ採りの81歳男性不明:青森)
青森県十和田市奥瀬の山で4日、タケノコ採りに入った同県三沢市の無職男性(81)が行方不明になった。警察や消防が捜索しているが、5日夕現在、手がかりは見つかっていない。十和田市内では4日、クマの目撃情報が相次いだが、男性が入山した場所とは10キロ以上離れているという。十和田署によると、男性は4日午前8時ごろ、友人と4人で山に入った。正午に下山する予定だったが、集合場所に現れず、友人から連絡を受けた男性の親族が署に届け出た。県警や消防などが約40人態勢で捜索を続けている。4日にクマが目撃されたのは、十和田市奥瀬の国道103号と観光客の多い石ケ戸休憩所付近で、市や県警が注意を呼びかけた。
(クマに襲われ男性けが、山菜採り中に:岩手)
3日午前7時半ごろ、釜石市橋野町の和山牧場で、花巻市の男性(71)がクマに襲われ、顔面や右手を負傷した。男性は自力で遠野市の県立遠野病院に向かった後、盛岡市内の県高度救命救急センターに運ばれた。釜石署によると、男性は同日早朝に1人で入山。山菜採りをしていたところ、体長約1・5メートルのクマに左頬をかまれ、右手で振り払った。命に別条はない。男性は同牧場へは今年3度目の入山だった。
(大型店近くに熊、射殺:長野)
5日午前10時50分ごろ、東筑摩郡山形村の商業施設「アイシティ21」の西側で熊を見たとの情報が村役場に寄せられた。付近ではその後も目撃情報が少なくとも3件相次ぎ、村や松本署、松塩筑猟友会山形支部が捜索したところ、民家の庭で熊1頭を発見。危険と判断し、熊が民家を離れた所で、午後0時半ごろに射殺した。松本署によると、熊は体長約1メートルのツキノワグマの雄で、推定3歳ほどとみられる。村によると、村内では3日にも上大池地区で熊の目撃情報があったという。村は5日の目撃情報を受け、有線放送で村民に注意を呼び掛けた。
(クマ被害4人死傷、現場周辺の林道通行止め:秋田)
秋田県鹿角市十和田大湯で5月、クマに襲われ4人が死傷したことを受け、東北森林管理局は2日までに、現場周辺の林道を通行止めとした。通行止め区間に侵入した場合、軽犯罪法違反(立ち入り禁止場所等侵入)に該当する可能性がある。同局保全課によると、通行止めにしたのは同市十和田大湯字熊取平(くまとりたい)と同所字田代平(たしろたい)をつなぐ約6キロの区間。職員が1日、林道出入り口をロープでふさぎ、クマへの警戒を求める看板も設けた。
(クマの目撃相次ぐ:宮城)
4日から5日にかけ仙台市、栗原市、大崎市、富谷町でクマの目撃情報が相次ぐ。青葉区八幡では5日午前2時過ぎ道路を横断するクマが見つかった。栗原市の東北道でも5日午前2時過ぎ軽乗用車がクマと衝突。運転していた女性(24)にケガはなし。
(幼稚園近くにクマ:宮城)
3日午前9時15分頃、仙台市青葉区霊屋下の「瑞鳳ずいほう学園おたまや幼稚園」南側の竹やぶで、園児らがクマ1頭を目撃し、女性職員が仙台中央署に通報した。園児や職員にけがはなかった。同署によると、クマは体長約1メートルで、竹やぶの中に逃げたという。現場は仙台藩主・伊達政宗をまつる「瑞鳳殿」から約100メートル離れた場所で、休日は多くの観光客らでにぎわう。同署は周辺にパトカーを出動させるなどして注意を呼びかけている。宮城県内では4月以降、クマの目撃情報が相次いでいる。
(クマ目撃相次ぐ:宮城)
4日、宮城県内でクマの目撃情報が相次いだ。目撃されたのはいずれも体長1メートルほどのクマ1頭で、警察が注意を呼び掛けている。午前9時50分ごろ、大崎市松山下伊場野石宮の県道を横断しているのをトラック運転手が発見。同10時半ごろには、同市古川清水沢北原の栗林にいるのを地元住民が見つけた。古川署がパトカーを出すなどして警戒した。仙台市では午後1時50分ごろ、泉区朴沢宮床山の国道457号で、同8時ごろには、青葉区芋沢四反田前の市道でそれぞれ見つかった。富谷町でも同8時15分ごろ、一ノ関カナエ田の町道を横断するクマが目撃された。
(国道でクマ目撃:宮城)
2日午後5時半ごろ、宮城県白石市斎川の国道4号の路肩にクマ1頭がうずくまっているのを通行中のドライバーが見つけ、白石署に通報した。同署はパトカーを出すなどして警戒するとともに、住民に注意を呼び掛けている。市によると現場周辺ではクマの目撃情報が最近相次いでおり、近くの斎川小では保護者同伴の登校、教員が引率しての集団下校を当面続ける。
(市街地でクマ2頭目撃、注意呼びかけ:岩手)
3日午後7時45分ごろ、花巻市湯本の市立湯本中学校付近の道路をクマ2頭が横切ったと通行人の男性が花巻署に通報した。県などは、山に入ったり農地で作業をしたりする時は、クマよけの鈴やラジオを持つなどの対策をするよう呼びかけている。
(クマ目撃相次ぐ:秋田)
秋田市外旭川などで3日、クマが相次いで目撃された。付近では3日連続でクマが出没。警察や猟友会のメンバーが捜索したが捕獲には至っていない。秋田臨港署などはパトカーで巡回し、注意を呼び掛けている。同署によると、午後4時ごろ、秋田市外旭川字梶ノ目の外旭川小学校東側の竹やぶにクマがいるのを、グラウンドにいた児童2人がフェンス越しに見つけた。クマは体長約1・2メートル。その後、クマは竹やぶの奥へと入っていったという。
(クマの目撃が相次ぐ:福島)
福島県福島市など同県内で4日、クマの目撃が相次いだ。各署が注意を呼び掛けている。午後2時40分ごろ、福島市清水町熊ノ前の市道で、車で通行した女性(28)が1頭を目撃。福島署によると、体長は約60センチで、市道を横断し走り去ったという。午後7時ごろ、国見町泉田の半田山東側の麓で、町道を歩いていた男性が1頭を目撃。福島北署によると、体長は約1メートルで半田山の方向へ逃げたという。
(クマの目撃相次ぐ:福島)
会津若松市と磐梯町で2日、クマの目撃が相次いだ。2日午前6時ごろ、会津若松市河東町金田字東台の農道で農作業へ向かう途中の女性(63)が1頭を目撃。会津若松署によると、体長約1メートルで、近くの森林に入っていったという。午後3時30分ごろ、磐梯町磐梯字沼田の県道で車で通行中の男性が1頭を目撃。猪苗代署によると、体長約1メートルで、県道を横断し雑木林に入ったという。
(サクランボ、クマが食べた?:山形)
5日午前6時頃、山形市風間のサクランボ畑でサクランボの実がなくなり、枝や幹が折れているのを所有者で近くに住む農業工藤行夫さん(67)が発見した。近くにクマのものとみられるフンが落ちており、山形署はクマによる食害とみて調べている。同署の発表によると、サクランボは先月30日早朝~同31日早朝と4日早朝~5日早朝の2回にわたり、計4キロが食い荒らされ、木の枝や幹など6本が折られた。工藤さんが5日午前6時頃、畑を見に行ったところ被害に気付き、同署に届け出た。先月31日にも被害に気付いたが届け出ていなかった。被害にあったサクランボは受粉用の木で、周囲にネットなどは張られていなかった。出荷用のサクランボの木はネットが張られ無事だったが、工藤さんは読売新聞の取材に「受粉用の木が折られ、来年の収穫に影響しないか心配」と肩を落とした。また、山形県内では、鶴岡市、遊佐町、鮭川村でクマが目撃されたが、けが人や食害はなかった。
(クマ目撃相次ぐ:青森)
県内では2日から3日にかけ、各地でクマの目撃が相次いだ。青森、秋田両県警は3日、県境近くでクマが人を襲う被害が多発していることを受け、入山者にチラシを配るなどして警戒を呼びかけた。2日午前11時半ごろには、三戸町斗内荒巻の水田で、農作業中の男性(49)がクマ1頭を目撃。三戸署によると、クマは体長約1・5メートルで、水田を歩き、山林に入っていったという。現場は町立斗川小学校から約360メートル北に位置しており、同校では保護者が児童を送迎するなどの措置が取られたほか、町役場も防災無線で住民に注意を呼びかけた。県内では2日から3日にかけ、各地でクマの目撃が相次いだ。青森、秋田両県警は3日、県境近くでクマが人を襲う被害が多発していることを受け、入山者にチラシを配るなどして警戒を呼びかけた。2日午前11時半ごろには、三戸町斗内荒巻の水田で、農作業中の男性(49)がクマ1頭を目撃。三戸署によると、クマは体長約1・5メートルで、水田を歩き、山林に入っていったという。現場は町立斗川小学校から約360メートル北に位置しており、同校では保護者が児童を送迎するなどの措置が取られたほか、町役場も防災無線で住民に注意を呼びかけた。
(小学校近くにクマ出没:青森)
近くに2日クマが出没した三戸町の斗川小学校では3日、子どもたちの安全を考えて集団で登下校するなどの措置を取った。学校は4日・5日の休みの間も1人で出かけないよう指導し、子どもたちの安全対策に万全を期すことにしている。
(クマ目撃、釧根で増加:北海道)
釧路・根室管内でクマの目撃が増加している。道警釧路方面本部によると、5月末時点で両管内の通報件数は30件と、前年同期より10件多い。雪解けが早く、冬眠明けのクマが早々に活動を始めた影響とみられ、3日も根室市厚床パークゴルフ場で目撃された。出没ピークとなる6月中旬から7月に向け、自治体や専門家は注意を呼び掛けている。5月27日午前8時25分ごろ、釧路市阿寒町飽別基線の国道で、同町の自営業小薮利之さん(44)の目の前を体長約1メートルのヒグマが横断した。その距離10メートルほど。「車の目の前をクマが横切りました。この辺りは山菜採りで山に入る人も多いので、すぐ通報しました」午後2時45分ごろにも、約100メートル先で、同一と見られる個体が1時間以上も国道脇にとどまり、釧路署員や阿寒町行政センターの職員らが対応に追われた。釧根管内の通報件数は、4月末時点で既に前年同期より6件多い17件だった。5月は13件と、前年同月より4件多く推移している。同じ個体が何度も目撃されていることが背景にある。知床財団(オホーツク管内斜里町)保護管理研究係の葛西真輔さんは「クマが同じ場所に滞留するのは、近くに食べ物があるから。若いクマは警戒心が薄いので、人前によく出てくる」と話す。3月には釧路市音別町で同じ場所に長時間居続けた個体が駆除された。今年は少雪と暖冬で雪解けが早く、冬眠明けが早まっている。さらに、越冬する個体も増加傾向にある。昨年1月、標茶町で林業作業員がクマに襲われたとみられる死亡事故が起きた。標茶町は「7月に向け、目撃情報が集中する。食べ物になるようなゴミを放置しないのはもちろん、山菜採りなどで山に入る場合、状況に応じて助言できるので、事前に問い合わせを」(農林課)と呼びかける。3日午前9時40分ごろ、市内厚床1の根室市厚床パークゴルフ(PG)場で、男性管理人(77)が体長約1・5メートルのクマ1頭をコース内で目撃し、市に連絡した。利用者はおらず、けが人はいない。市は注意を呼びかけ、安全が確保されるまで閉鎖する。現場に近い厚床へき地保育所と厚床小、厚床中は屋外活動を中止した。ゴルフ場内では2日にクマのふんが見つかり、両校は登下校時に保護者の付き添いを文書で呼びかけていた。
(クマ目撃相次ぎ警戒を:長野)
塩尻市の中心市街地で4日午前、熊の目撃情報が相次いだ。塩尻署によると、午前4時50分ごろ、男性からJR塩尻駅近くの路上に「熊がいる」と同署塩尻駅前交番に通報があった。交番の警察官が駆け付け、約1時間後に線路付近で体長約1・5メートルの熊を確認し、その後も目撃情報が寄せられた。塩尻署員や市猟友会員らが一帯を捜索した。同署によると、午前8時20分ごろには、駅南側の昭和電工セラミックス塩尻工場の従業員が県道を横切る熊を目撃。続いて昭和電工塩尻事業所敷地南側にある塩尻市宗賀の住宅地でも熊の目撃情報があり、同署員や市猟友会員ら10人ほどが付近を調べ、熊の足跡を確認した。住宅地は山間部につながっており、同50分ごろには住民が山に逃げていく熊を目撃したという。捜索した市猟友会の大沼田志津男副会長(64)=宗賀=は、足跡が多数見られたことから、「桑の実を食べに山を降りてきたのではないか」と話していた。市などは午後、熊が逃げていった山際におりを設置する。3日午後11時ごろには、同市大門八番町の路上で目撃情報があったという。
(住宅地でクマ目撃:新潟)
2日午前10時前、阿賀町上ノ山の住宅敷地内で、体長約60センチのクマを目撃した。
(県道でイノシシ目撃:栃木)
4日午後8時半ごろ、さくら市狭間田の県道をイノシシが歩いているのを車で通りかかった女性が目撃し、警察に通報した。さくら署によるとイノシシは体長は約1メートル。県道西側の雑木林に走り去ったという。現場は住宅街に近接しており、付近の警戒を強化している。
(クマ出没場所、地図で確認を:秋田)
秋田県警五城目署は2日、管内のクマの出没状況を分かりやすく記した「クマ出没マップ」を作成し、同署ホームページで公開した。管内では、5月上旬から十数回にわたり民家付近や山林などにクマが出没。先月29日には、五城目町内川浅見内の田んぼで地元の女性(78)がクマに襲われ、重傷を負った。
(クマは怖いが「タケノコ採りはやめられない」)
青森県新郷村や十和田市と接する秋田県鹿角市の山中で5月下旬以降、クマに襲われたとみられる男性3人が死亡したことを受け、青森県警と秋田県警は3日、山菜やタケノコ採りで現場周辺に向かう入山者にチラシを配るなどしてクマへの注意を呼びかけた。両県警が合同で注意喚起を行うのは初の試みで、今後も協力して被害抑止に取り組むという。両県警の警察官計約30人は午前5時、県境の新郷村戸来の駐車場に集合。県警地域課の内條恒男課長補佐が「尊い命が失われることが二度とないよう再発防止に全力を尽くそう」と呼びかけ、秋田県警地域課の柏木徳昭課長補佐も「クマによる被害の未然防止のため、まずは入山者への声かけが重要だ」と続けた。鹿角市十和田大湯の山中では、5月21日以降、クマに襲われたとみられる男性3人の遺体が見つかったほか、29日にはタケノコ採りに訪れた新郷村の70歳代女性がクマに尻をかまれるなどしている。しかし、この日も早朝から現場近くに向かう入山者は後を絶たず、同所や十和田市奥瀬、新郷村戸来の3班に分かれた警察官が車を呼び止めては「クマに襲われる人が相次いでいます。気をつけてください」と語りかけながら、「熊襲撃!!」などと書かれたチラシを手渡した。一方、チラシを受け取った入山者からは、「確かにクマは怖いが、タケノコ採りはやめられない」との声も聞かれた。青森県警地域課によると、県内の今年のクマの目撃情報は75件(2日現在)で前年同期の約1・6倍。内條課長補佐は「入山前にはクマの目撃情報を確認し、ラジオや鈴など音が出る物を持参してほしい。万が一クマと遭遇してしまった場合には、できる限りクマを刺激しないよう静かに遠ざかって」と話していた。
(クマ被害相次ぐ、要警戒)
全国各地でクマ(ツキノワグマ、ヒグマ)が相次いで出没している。山菜採りなどで山に入った人が遭遇するケースも多く、複数の死傷者が出ており、夏山シーズンの本格化を前に、各自治体などは注意を呼びかけている。クマが減少した地域もあり、クマとの「共存」を目指す取り組みもある。5月21、22日、秋田県内でタケノコ採りのため山に入った男性2人が死亡しているのが見つかった。いずれもツキノワグマに襲われたとみられている。今月は他に岩手、山形、長野県などで子連れのクマの目撃情報があり、けが人も出た。岩手県で40年以上狩猟を続け、何度もツキノワグマに遭遇した経験を持つ大日本猟友会(東京都)の佐々木洋平会長(74)は「子どもを連れたクマは特に警戒心が強く、猟師でも手に負えない時がある」と警鐘を鳴らす。ツキノワグマの体長は1~1・5メートル程度だが、「一般人が襲われたらひとたまりもない」という。クマの被害数は、年ごとに大きく変わる。「日本ツキノワグマ研究所」の米田一彦理事長(68)によると、クマのエサとなるブナの実(ドングリ)が昨秋、まれに見る豊作で母グマの栄養状態が良く、今年はクマが親子で活発に移動するケースが多いとみられる。米田理事長は「夏から秋以降、成長した子グマが人を襲う恐れもある」と指摘する。環境省や自治体は、入山時に対策を怠らないよう呼びかけている。長野県軽井沢町でクマの追い払いなどを行うNPO法人「ピッキオ」の田中純平さん(42)は「普通なら、クマが人を避ける。鈴を付けるなどして、自分の存在をクマに知らせるのが有効」と語る。一方、紀伊半島や四国など5地域ではツキノワグマの数が少なく、環境省のレッドリストで、地域的に絶滅するおそれがあるとされている。特に、四国のツキノワグマの生息数は十数頭~数十頭と推測されており、世界自然保護基金(WWF)ジャパンなどが保護のために正確な頭数の調査を行っている。島根県ではクマの食害に遭っている柿園が自治体などと連携し、クマを近づけない防除柵の設置などに取り組んでいる。WWFジャパンの担当者は「人口減少や高齢化で里山の田畑の管理が行き届かなくなり、山奥から下りたクマとの遭遇が増えている」と指摘。「互いの領域を侵さないよう、共存策を考えたい」と話してる。北海道に住む国内最大の陸生動物・ヒグマの動きも活発化しているとみられる。北海道庁によると、2006年度に511件だった目撃件数は15年度、1200件(速報値)に上った。毎年のように人も襲われ、1989~2015年度に14人が死亡、20人が負傷した。「山の幸」を求めて山奥に入った際に遭遇することが多く、事故の38%が山菜採りが盛んな4~5月に、35%はキノコ狩りシーズンの9~10月に集中している。道は昨年12月、ヒグマの12年度の推定生息数を1万600頭と発表した。90年度に比べて約1・8倍に増えたという。近年は、市街地や幹線道路で目撃されることも多い。多数のヒグマが暮らす知床半島で自然ガイドをしている若月識さとるさん(44)は、昨年7月、地元の国道で人が乗った乗用車にのしかかり、車体を揺らすヒグマを目撃した。体長約1・6メートルの母グマで、付近に2頭の子グマもいた。乗用車が動き出すと3頭は森の中に消えた。15年間のガイド生活で、初めて見た光景だった。一部始終を見ていた若月さんには、乗用車の方からヒグマに近づいたように見えたという。若月さんは「共存していくために、人間はヒグマにプレッシャーを与える距離に近づいてはいけない」と語った。
(イノシシ駆除地域一丸で:佐賀)
神埼市神埼町の城原地区(田中利明区長)は、イノシシなどの有害鳥獣対策に全住民で取り組む組織を立ち上げた。地区では、駆除を狩猟免許を持つ地元猟友会に委託しているが、生活圏内での目撃例や捕獲頭数が増加しており、負担が増している。免許を持たない住民もわなの設置や管理の補助員を務めることで、効果的な駆除や非農業者を含む住民意識の向上につなげる考えだ。県内の有害鳥獣による農作物への直接被害は、2002年の約7億円をピークに減少傾向にあり、14年で約2億円。ワイヤーメッシュで仕切るすみ分けや、ほ場内に餌となる野菜・果樹の廃棄品を放置しないなど対策が進んだためだ。ただ、捕獲数はここ数年、2万3千頭前後と高い水準で横ばいになっている。同地区では近年、住宅地でのイノシシ目撃情報が目立ち、住民の自家用車などが損傷する事例も増えている。地区内十数カ所に箱わなを仕掛けているが、地元の猟友会メンバーが1人で毎日見て回り、餌を補充するなど管理している現状では、これ以上のわな増設は不可能という。警戒心が強く、学習能力の高いイノシシを捕獲するには、仕掛けの外から徐々に餌を奥深い場所に寄せるなどこまめな管理が欠かせない。地区によっては、猟友会メンバーの高齢化や人手不足で、捕獲できないケースもある。国の有害鳥獣捕獲補助員制度の講習を受けることで、狩猟免許のない住民もわなの管理、設置・撤去の補助が可能となり、負担軽減やわなの増設が期待される。5月22日に城原公民館であった設立総会には、市長や地元議員らも参加。住民側から「イノシシは夕暮れを待って動き始める。夕暮れ30分でもいいから猟銃使用時間の延長を」「捕獲したイノシシの処理施設の検討を」などと行政支援も求めた。総会後に住民向けの講習会があり、県の有害鳥獣対策の専門家らにイノシシの特性、わなの仕組みや管理上の注意点などを学んだ。受講した住民は近く正式に補助員として認定を受け、活動を開始する。田中区長は「大きな被害が出ないうちに、いま立ち上がらなければと思った。今後はイノシシに限らずさまざまな困難が予想され、何事も住民一体で取り組むという意識を共有できれば」と話した。
(イノシシ侵入防止!ネット×電気柵の新作:長野)
長野県は、市販のポリエチレン製ネットと電気柵を立体的に組み合わせて、イノシシやハクビシンといった中型獣と鹿、猿など、主要な害獣の侵入を防げる「長野式電気柵」を開発した。高さ1.4メートルのネットを張った柵の上下に電線を配置。下部からのくぐり抜けや支柱を伝っての飛び越えを防ぐ。支柱に電線を固定する専用器具も開発し、設置や管理を簡単にした。県は「ほとんどの獣種の侵入を防げるのでは」(農業技術課)と自信を見せる。県が以前開発し、イノシシやキツネ、ハクビシン、タヌキなどの侵入防止効果を確認していた柵を改良し、鹿や猿も防げるようにした。全て市販品の材料で作製できる。ネットは1.5メートル幅のものを使い、10センチほど地面に垂らす。電線はネットから15センチほど外側に、地際から15、20センチ間隔で3本、地際から130センチの上部に10センチ間隔で3本を横に張る。イノシシなどの中型獣はネットで見通しが悪いため足が止まり、ゆっくり近づいたところで電線に触れる。猿は、侵入しようとネットをめくり上げた時に電線に触れるようにした。猿がよじ登りやすい角の太い支柱には電線をはわせ、支柱をつかむと電気刺激を受けるようにした。漏電を防ぐため、繊維強化プラスチック(FRP)製の支柱を使う。ネットと電線を1本の支柱で固定できるよう、専用の「突(つき)出しクリップ」を開発。今年度から、サージミヤワキ(株)(東京都品川区)が1本80円で発売する。同県大町市で、トウモロコシやサツマイモを栽培する外周48メートルの農地に設置して試験した。隣接する農地には5カ月で延べ100匹の猿が侵入したが、設置した農地への侵入はなかった。設置費用は8万5500円で、電牧器関連を除いた経費は1メートル当たり656円だった。試験を担当した岡部知恭専門技術員は「最低限の電線で最大の効果を発揮する柵だ」と強調する。注意点として、漏電防止のための除草管理をすること、積雪に弱いため雪の降る地域では冬は撤去することを挙げる。ネットは除草作業がしやすいよう地面に固定せず、野菜栽培でビニールの固定に使うトンネルパッカーで支柱に留める。除草時は簡単に外せて、ネットをたくし上げることができる。
(「GPS首輪」でシカ追尾:岐阜)
東濃地域で生息域が拡大しつつあるニホンジカの被害を防ごうと、東濃森林管理署は本年度、岐阜県内で初めて捕獲したシカに衛星利用測位システム(GPS)付きの首輪を取り付けて放ち、行動調査に乗り出す。中津川市神坂で雌3頭に取り付け、移動経路や生息範囲のデータを取り、効率的な捕獲につなげる。県内のニホンジカの推定生息頭数は2011年度が約5万5千頭、13年度が約6万7千頭と増加している。同市内でも数年前から神坂地区で多く見られるようになったという。今のところ目立った被害はないが、木の樹皮や貴重な高山植物、農作物への食害なども懸念される。中部森林管理局管内では本年度、同管理署が管轄する神坂地区のほか、長野県南木曽町、阿智村でGPS首輪を導入する。神坂地区では、7月初旬にも囲いわなで雌3頭を捕獲し、GPS首輪を取り付けて放つ。来年3月まで、行動経路などのデータをまとめ、防護柵やくくりわなを仕掛ける場所の参考とする。このほか、神坂地区で昨年度14頭の成果を上げた、神坂猟友会と連携したくくりわなによる捕獲を継続。センサーカメラによる生息調査は、多治見市や瑞浪市にも範囲を拡大する。市町村や猟友会へのくくりわなの貸し出しにも初めて取り組み、個体数調整に力を入れる。
(サルの群れ位置情報配信:新潟)
妙高市は、サルによる農作物被害が多発している妙高高原地区で、群れの位置情報を住民にメールや無線で配信する取り組みを始めた。サルに発信器を取り付けて位置情報を受信し、住民に提供することで被害が出る前に対策を立てられるようにする。市は、サルが里に下りてこない環境づくりを地域と一体で進める考えだ。
(体毛の変化突き止めた、ケラマジカ研究:沖縄)
5月28日に琉球大学で開かれた沖縄生物学会第53回大会で、座間味村立阿嘉小学校4年の木舩楓斗(きふね・ふうと)君(9)が、昨年度に取り組んだ研究「ケラマジカの毛の季節による変化」を発表した。木舩君は、自身で考案した採集器具で、ケラマジカの体毛を採取。季節によって毛の色や長さ、固さが変化することを突き止めた。阿嘉小と同村立慶留間小学校は、南九州大学の遠藤晃教授(生態学)の指導を受け2004年から総合的な学習の時間を活用し「地域の身近な自然を素材とした主体的・協働的な課題解決学習」に取り組んでいる。児童の研究成果は、同学会で発表している。木舩君は「季節によってケラマジカの毛の色や量が違うと普段から感じた」ことから、実際にシカの体毛の研究に着手したと説明。これまで児童による毛の採取は一度に数本しか取れなかったが、木舩君は、餌の入った段ボールの縁にガムテープを貼り、餌を食べたシカの毛が取れるような器具を考案した。「図鑑を読んだり、知り合いのおじさんに聞いたりしてシカの好きな餌を調べた」と話した。この器具を使って6月と12月の2度、ケラマジカの計65本の体毛の採集に成功した。木舩君は、それぞれの毛を比較し「6月と12月に採取した毛を比べると、12月のものの方が長かった。この間に毛が伸びたと考えられる」と結論付けた。発表後に木舩君は「本年度は(総合学習として)野鳥の調査に取り組むので昨年度より、良い調査にしたい」と新しい研究にも意欲を見せた。遠藤教授は「木舩君が考案した器具は毛が効率的に採取できる」と評価。課題解決型学習について「子どもたち自身で考えながら調査を進めてもらっている。学習を通して科学的思考力を身に付けてほしい」と話した。
(霧ケ峰の草原再生へ、パートナーシップ企業:長野)
霧ケ峰で生物多様性の保全活動を連携して進めようと、県と霧ケ峰自然環境保全協議会、都内に本社を置く2社の計4者が「生物多様性保全パートナーシップ協定」を結ぶ。2社は、シカの食害対策として、県が今夏から霧ケ峰・蛙原(諏訪市)の一部のニッコウキスゲに散布する樹木用忌避剤を製造したり、販売する会社で、実証実験期間の3年間にわたって資金提供も行い、協議会による草原の保全再生活動を後押しする。林業用薬剤開発製造「保土谷アグロテック」と林業用資材販売「大同商事」で、実験に向けた調整の中で協定の話がまとまった。県は、樹木用シカ忌避剤が草本植物に適用可能か調べるとともに、広報を通じて両社の社会貢献をPRしていく。地権者など41機関・団体でつくる協議会は、試験地提供などで協力。昭和30年代前半の草原植生に近づけることを目標に、ボランティアを募って外来植物を減らしたり、地表への光を遮るササやススキなどを刈る草原再生作業を継続しており、提供資金を加えて活動に弾みをつける。県庁で8日、中島恵理副知事と協議会座長の土田勝義信州大名誉教授、各社長が協定書を取り交わす。県自然保護課によると、昨年度の事業開始以降で10件目となるが、諏訪地方の団体が加わる協定は初めてという。これとは別に、伊藤園(東京)が「お~いお茶」の売り上げの一部を昨年度に続いて霧ケ峰のために寄付しており、県では実証実験経費に充てる考えだ。協議会の草原再生作業は小規模のモデル区域で5年間継続し、再生効果が表れれば霧ケ峰の他地区に広げることにしている。環境省補助や県支援金で活動費を確保してきたが、期間に限度があり、持続可能な活動に向けた資金調達が課題となっていた。事務局の県諏訪地方事務所環境課は、企業の支援に感謝し「草原再生の目標に向かって一歩前進する。刈り取った草木の有効利用も再検討できる」と話している。
(エアソフトガンの悪質事件、再び)
エアソフトガンで男子中学生を撃ったとして、43歳の男が逮捕された。この男には余罪があると見られていて、警察が捜査を継続している。男はエアソフトガンを改造していたらしく、その成果を確かめたかったと供述している。じつに幼稚で、許されざる犯行だ。だが、このようなことが度々起きているのも事実である。そしてそのたびに、エアソフトガンに対する法規制が施されてきた。おもちゃに過ぎなかったエアソフトガンが競技化されるようになったのは、80年代のことである。この頃に弾丸が従来の鼓形から6ミリの球形BB弾に統一され、銃自体の性能も大きく向上していった。だがそれは、ユーザーの間で過度な改造競争を生むことになる。当時はエアソフトガンに対する規制が少なく、技術さえあれば改造し放題という状態だった。よくあるのが金属製の弾を撃ち出すための改造である。もちろん、金属の弾はプラスチックのBB弾よりも重いから、それを遠くへ飛ばすには銃に強大なパワーを持たせる必要がある。80年代のサバイバルゲームはまだ競技としてルール統一が行われていなかったこともあり、そうした危険な改造銃を阻止することができなかった。2000年代に入るとエアソフトガン競技もルールが整備され、危険なガンユーザーは姿を消したと思われていた。だが2005年に発生した事件は、エアソフトガンの業界に大きな衝撃をもたらした。大阪、和歌山の両府県の高速道路で、走行中の車がエアソフトガンによる銃撃を受けたのだ。この時使われた銃の弾丸は金属製だった。つまり改造銃である。これをきっかけに、司法はエアソフトガンの規制に踏み出した。現在、エアソフトガンには過度な改造を防止するためのパワー制限が設けられている。これは弾丸の速度ではなく、国際熱量単位ジュールが基準になっている。日本では0.989ジュール以上のエアソフトガンは「準空気銃」と見なされ免許の所得が必要になる。つまりエアソフトガンが「遊戯銃」でいられる限度は、この0.989ジュールまでなのだ。1ジュールは、およそ102グラムの物体を1メートル持ち上げる時に消費されるエネルギーだ。それよりも低いエネルギー量で放たれたBB弾は眼球に当たらない限り、人体を傷つける可能性は極めて低い。だが、今もなお違法改造に手を出すユーザーは存在する。かつては銃のパワーアップを請け負っていた玩具店もあり、それが闇市化している可能性も否めない。また、かつて販売されていた銃がその後警察により「実銃」と認定されたものもある。それは発見次第警察に提出することが求められていて、当然ながら使用は犯罪行為。そして悪質なユーザーのために損害を被るのは、いつも善良なユーザーだということを忘れてはいけない。

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(熊の目撃情報:宮城)
2日午前8時30分頃、登米市東和町米川舘の下地区で熊の目撃情報がありました。屋外では音の出るものを身に着けるなどの対策を行い、十分に注意してください。
(白山市職員ら2人が書類送検、証明書偽造か:石川)
白山市が委託した有害な鳥獣の捕獲に参加したことを示す証明書を偽造したとして、市の職員ら2人が書類送検されてた。5月27日付けで、金沢地検に書類送検されたのは、白山市の50代の男性職員と元県猟友会白山支部所属の60代の男性。
(4人死傷「同じクマの可能性高い」:秋田)
秋田県鹿角市十和田大湯で、クマに襲われたとみられるタケノコ採りの男性3人の死亡事故で、現場周辺を調査したNPO法人日本ツキノワグマ研究所(広島県)の米田(まいた)一彦理事長(68)は同一のクマによる仕業と推定し、さらに被害が広がる可能性を指摘している。米田さんは元秋田県自然保護課の職員。秋田市の太平山周辺で小型発信器を使ったクマの追跡調査をした経験がある。1989年に広島県に研究所を設立、クマの生態や過去の事故の事例の研究を続けている。青森県十和田市出身で、事故現場周辺にも詳しい。5月31日から1日にかけて調査した米田さんによると、3人が犠牲になった熊取平(たい)、田代平(たい)は山菜などえさが豊富なクマの生息地。「クマは単一の食物を一度に大量に食べる。今の時期は周辺のクマがタケノコを食べに集まってきている。一帯で成獣だけでも10頭以上はいるだろう」と話す。注目したのは、5月21日の最初の犠牲者の遺体に食べられた形跡があったことだ。米田さんは、2件目の事故直後からホームページで、「3件目の死亡事故が発生する可能性が大きい」と、人をえさと認識した同一のクマによる事故再発を警告してきた。3件目の事故の時は、遺体発見現場近くで捜索隊員がクマと思われる獣のうなり声を聞いている。米田さんによると、戦後に起きたツキノワグマによる死亡事故48件のうち10件で、クマが遺体のそばにいたことが確認されており、遺体に執着する習性があるという。熊取平と田代平の事故現場の距離は2~3キロ。中間に県道が通っているが、一頭のクマが移動する範囲だという。昨年はクマのえさとなるドングリなどが空前の豊作で、栄養状態が良くなった成獣のメスグマのほとんどは出産しているとみる。ただ、今回の事故では子グマは目撃されていない。「交尾期の今ごろクマは興奮状態にあり危険。同一のオスの成獣による仕業だろう」と推定している。研究で山に入る時は、クマ撃退スプレーを2本持参するという米田さんは「人が楽しみにしているタケノコ採りをやめろとはいえない。ただ、私は最も危険な今の時期の竹やぶには絶対入らない」と話す。「出産頭数が多い今年の秋、山の実が凶作になると危険が増す。えさ不足で里や観光地に出没するかもしれない」とも指摘する。
(クマ被害相次ぐ、タケノコ採りに注意喚起:秋田)
秋田県鹿角市で30日までにクマに襲われて3人が死亡する中、31日も現場近くにはタケノコ採りに入る人が相次いだ。地元の猟友会では注意を呼びかけている。31日午前9時ごろ、秋田県鹿角市の山林にはタケノコ採りに来たと見られる車が数台止まっていた。周辺では、今月21日以降、タケノコ採りに入った男性3人がクマに襲われて死亡している。死亡事故を受けて警察などは現場近くの道を通行止めにしているが、入山する人が後を絶たない。地元の猟友会は今年は人を襲うおそれがある子連れのクマが多いと話し、目撃情報があった山には近づかないよう呼びかけている。
(クマが塀をよじ登ろうとする:福島)
1日午後2時40分ごろ、会津若松市大戸町石村の国道118号を車で走っていた男性から、同国道沿いにある空き家のブロック塀をよじ登ろうとしていたクマを見たと、会津若松署門田駐在所に届け出があった。同署によると、クマは体長約1メートル。署員が捜したが、見つからなかった。現場近くには民家や保育園があることから、同署が注意を呼び掛けている。
(クマ目撃情報、公園の一部閉園:秋田)
秋田県は31日、秋田市雄和の県立中央公園そばの県道雄和協和線でクマが目撃されたとして、公園の一部区域を1日から閉園すると発表した。再開日は未定。県都市計画課によると、同日午前9時15分ごろ、ジョギング中の人が公園東側に接する県道を横切るクマ1頭を目撃、公園事務所に通報した。
(クマ出没相次ぐ、雪解け早く活動早まる:青森)
県内でクマの出没が相次いでいる。例年、目撃情報は6〜8月に集中するが、今年は雪解けが早かったため活動も早まっているとみられ、クマの目撃情報は5月30日現在で昨年同時期より32件も多い70件(県警地域課調べ)と異例のハイペースだ。秋田県鹿角市の山林では30日、タケノコ採りに出かけた十和田市の男性(65)がクマによるとみられる傷を負った遺体で見つかるなど人的被害も続発しており、県警は注意を呼びかけている。県内では5月24日に黒石市牡丹平地区で子グマが出没し、地元猟友会が猟銃で駆除。26日には八戸市で、クマが養蜂箱を壊したとみられる食害があった。鹿角市の山林では29日、新郷村の女性(78)が体長約1・2メートルのクマに尻をかまれて負傷する被害もあった。目撃情報は山中や山のふもとに限らない。青森空港に向かう道路や、八戸市の小学校付近の路上など県民の日常の生活区域でも目撃情報が相次ぐ。県警は入山地点付近や商店街でチラシを配布するほか、交番の警察官が家庭を訪問するなどして注意を呼びかけている。対策として重要なのは新聞やテレビなどでクマ出没情報を収集することのほか、「出没注意」の標識に気を配ることが挙げられる。クマが活発に動く早朝や夕方は入山せず、単独での行動も避ける。入山後は鈴を着けて歩くなど「音」を出し、クマに自分の存在を知らせることも重要という。出合ってしまった場合、大事なのは「刺激しない」ことだ。クマは人間よりずっと足が速く、逃げるものを追いかける習性がある、このため、まずはゆっくり後退し、静かにその場を立ち去るのが重要という。
(信夫山の立入禁止解除:福島)
福島市は、信夫山の各公園の利用禁止と周回道路の一部通行止めを31日午前9時に解除すると発表した。周辺でクマの目撃が相次いで24日以降、規制していたが、猟友会や福島署との協議の結果、信夫山にクマがいる確率が低いと判断した。
(「クマ目撃」情報85件、前年比45件増:福島)
県警は31日、今年1月から5月30日までのクマの目撃状況を発表した。目撃情報は計85件寄せられ、前年同期比で45件増加した。現在のところ人的被害はないが、福島市をはじめ市街地での目撃も相次いでおり、県警は注意を呼び掛けている。県警によると、目撃した時間帯別では、午後6時台が最多の13件、次いで同5時台の9件、午前10時台の8件だった。ただ県警は「クマが動き回る時間は集中しているわけでなく、人が外に出ている時間に目撃している」としている。また2010(平成22)年以降の人的被害の状況も発表。15年までの6年間にクマに襲われたのは44人で、このうち山菜・キノコ採り中が最多の24人だった。
(クマ目撃、最多の119件:宮城)
宮城県内で今年度、クマの目撃情報が相次ぎ、4~5月で2012年度以降、最多の119件に上っている。気温が例年より高めに推移し、山菜の生育が早くなるため、クマが食べ尽くして人里に下りてくるのが要因とみられる。県内ではまだクマによる人身被害はないが、秋田県では今月、被害に遭ったとみられる2人が死亡した。警戒する宮城県や県警は、入山者に注意を呼びかけている。県自然保護課によると、今年度のクマ目撃情報は今月23日時点で119件と、昨年同期(80件)、一昨年同期(61件)を大きく上回る。特に大崎市鳴子温泉地区で16件、同市岩出山地区で12件と多く、両地区では同19日だけで計8頭が見つかった。同市鳴子温泉地区に住む無職男性(75)は沢の近くで耕作している畑でクマのフンをよく見るという。「大きな声で歌いながら農作業をするなど工夫し、出合わないようにしている」と話した。仙台管区気象台によると、県内の4月の平均気温は全地点で平年より1度前後高く、5月には最高気温が20度を超える日が続いている。県自然保護課は「平年より気温が高くなると、山菜が早く生育するため、クマが短期間に多く食べてエサ不足になっている」とし、今後も人里に下りてくるクマが相次ぐとみている。目撃情報の増加は県内に限らない。秋田県鹿角市十和田大湯の山林で21、22の両日、いずれもタケノコ採りで入山した70歳代の男性の計2人が死亡しており、体には歯形や爪痕があったことから、クマに襲われたとみられる。鳴子署管内では今月23日までに、前年度より19頭多い28頭のクマが目撃された。同署は、人身に被害が及ぶのを防ぐため、29日に大崎市鳴子温泉でドライバーらにチラシ約100枚を配布。「登山なら鈴、山菜採りはラジオを身につける」「クマは逃げる者を追う習性があるので、慌てず後ずさりして離れる」などと対処法を記した。竹内章あき了のり・地域課長は「クマが近寄って来ないように複数で行動したり、ラジオをつけたりしてほしい」としている。山菜採りへ向かう途中でチラシを受け取った同市岩出山地区の無職男性(84)は「山で頻繁にクマを見かけるので、入山前に空砲を鳴らしている」と話した。県内では29日もクマが相次いで目撃された。県警によると、大崎市鳴子温泉で早朝、親子とみられるクマが見つかり、仙台市で夕方以降、泉区実沢の七北田川河川敷付近や、青葉区熊ヶ根の国道48号でクマが目撃された。村田町菅生でも通行人が発見し、通報した。いずれも被害はなかったが、集落の近くのため、県警は注意を呼びかけている。
(ニホンジカ生息6.2万頭:岡山)
岡山県内に生息するニホンジカは2014年度末で6万2千頭余りと推計されることが、県が初めて行った調査で分かった。県内でシカによる農林被害はイノシシに次いで多いことから、県はデータを基に対策を強化する。
(猟友会12人に辞令書、有害鳥獣捕獲任せた:佐賀)
伊万里市は5月30日、イノシシなどの有害鳥獣を捕獲する「市有害鳥獣捕獲隊」を市猟友会会員12人に委嘱した。農家からの被害連絡を受けての緊急出動や集落パトロールなどの活動を行う。委嘱は本年度で4期目。伊万里市役所で辞令交付式があり、塚部芳和市長が辞令書を手渡した。塚部市長は「農家が手をかけて育てた農作物を収穫目前に食い荒らされる深刻な事態を最小限に食い止めるためには、捕獲隊の活躍が重要」と活動に期待を寄せた。隊員はイノシシが出没した農地に捕獲わなを仕掛けるなどの緊急出動に対応する。また、侵入防止柵の点検や、身を隠すやぶや餌となる廃棄果樹がないかなどを確認する集落パトロールを定期的に実施し、有害鳥獣が近寄りにくい環境をつくる。昨年度は緊急出動40回、集落パトロール20回を実施。市内でイノシシ3835頭を捕獲した。捕獲隊の隊長を務める武重道隆さん(68)=市猟友会副会長=は「3年間活動したが、残念ながら被害はまだ続いている。今年は4千頭捕獲を目指し、成果を上げたい」と意気込みを述べた。
(銃猟捕獲隊員育成研修、受講生募集:山口)
近年、イノシシなどの野生鳥獣による農林業被害が深刻である一方、主な捕獲の担い手である狩猟者(ハンター)が減少しています。山口県では、更なる狩猟者の確保のため、新たに第一種銃猟免許の取得を希望する方々を対象に、狩猟免許取得から免許取得後の実地指導まで、総合的にサポートする研修を年5回実施します。
(エアガンで男児狙い撃ち、暴行容疑で男逮捕:東京)
自宅近くの路上を歩いていた男児の脚を窓からエアガンで狙い撃ちしたとして、警視庁西新井署は2日までに、暴行容疑で、無職氏原博之容疑者(43)=東京都足立区西新井本町=を逮捕した。「改造したエアガンの精度を確かめるためだった。子どもが射程内に入って来たので撃った」と容疑を認めている。逮捕容疑は5月16日午後6時5分ごろ、1人暮らしをする自宅の窓から、目の前の路上をローラースケートに乗って帰宅途中だった男児(12)をライフル型のエアガンで狙い、左脚に1発を命中させた疑い。同署によると、男児にけがはなかったが、帰宅後に被害について話し、父親が110番した。同署が家宅捜索したところ、エアガン23丁と大量の弾が見つかった。同容疑者宅付近では昨年12月から、小学生の男児を中心に計9人がエアガンで撃たれる被害が相次いでいた。「(同容疑者宅で)エアガンの銃身が窓から外に出ていた」などの目撃情報もあり、同署が関連を調べている。
(人はIoTツールが欲しいのではない、目的が達成できることが不可欠だ:東京)
猟友会などに導入されている鳥獣罠(わな)監視装置の「みまわり楽太郎」を紹介しましょう。イノシシなどの獣や鳥による農作物や住宅などへの被害は、地方によっては見過ごすことができません。現状では、罠を仕掛けて、猟友会の会員が捕獲のために見回るという人海戦術を採ることが一般的です。しかし、罠のメンテナンスや見回りには手間と時間がかかります。そこで、鳥獣を捕獲する罠にセンサーと携帯電話の通信機能を付けた監視装置を用いた「みまわり楽太郎」を開発しました。鳥獣が罠に入ると監視装置に電源が入り、メールで情報を通知します。猟友会の会員は、罠を見回ることなく鳥獣が捕獲できたことをリアルタイムで知ることができるのです。監視装置は、罠が作動したことを検知するセンサーとFOMAの通信機能を備えるシンプルなもので、単3形乾電池4本で長時間動作するため電源の心配もありません。ハードウエアとしては特別なものではありませんが、鳥獣害に悩まされる地域にとっての「穴」が開けられるIoTデバイスだと考えています。さらに、この「穴」はもっと展開することもできます。罠が作動したことがリアルタイムで検知できれば、新鮮な鳥獣が手に入ることになります。みまわり楽太郎は、ジビエの供給という新しいバリューチェーンの開拓にもつながるのです。構成力、発想力をもってシナリオやストーリーが作れるか、それが「穴」の解明に大きな影響を及ぼすと考えています。

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