<射撃ニュース6月>

6/29
(ハイキングの男性、クマに襲われ軽傷:神奈川)
24日午前8時40分ごろ、神奈川県山北町玄倉(くろくら)の林道で、ハイキングをしていた同県横須賀市の50代男性がクマに襲われた。男性は右腕と左手の甲をひっかかれ、町の診療所で手当てを受けた。軽傷という。町によると、クマは2頭いたといい親子のツキノワグマとみられる。5月下旬以降、町内ではクマの目撃情報が数件あり、町は「注意 熊出没」と記した看板を設置して注意を呼びかけていた。
(クマ放獣作業中にかまれけが:鳥取)
全国でクマの被害が相次ぐ中、鳥取県八頭町では27日、捕獲したクマが突然暴れだし、近くにいたスタッフ2人が手をかまれるなど、けがをしました。27日、鳥取県八頭町でシカ用の罠に体長1メートルほどのツキノワグマがかかりました。1歳ぐらいの子グマとみられますが、口元のキバ、そして手の爪はかなり鋭いことが分かります。クマは麻酔で寝ていたはずでした。しかし・・・「先ほどクマが起きだし、作業をしていた女性職員の手をかんだということです」作業中に寝ていたクマが突然暴れだし、委託業者の女性スタッフが左手をかまれました。「しばらくかみっぱなしで、僕らが強引におりに入れた」町によると、このトラブルでスタッフ2人が負傷したということです。八頭町では、27日はこの他にもう1頭、クマが捕獲されています。
(83歳女性がクマと遭遇、軽いケガ:岩手)
24日夕方、雫石町で庭作業をしていた女性がクマと遭遇し軽いケガをした。午後5時頃、雫石町沼返の農業・山下ミヨさん(83)が自宅の玄関先で庭の手入れをしていたところ後ろからきた体長約1メートルのクマと振り向き様に出くわした。頭上をクマにまたがれて、右後頭部に軽傷を負った。付近では同じ時間帯に、クマの目撃情報があり、県警や町が警戒をしていた。
(クレー協会、高橋会長を再選)
日本クレー射撃協会は28日、東京都内で総会と理事会を開き、高橋義博会長(68)の再選を決めた。任期は2年。
(「子グマ」と思って捕獲、実はタヌキ:青森)
青森県南部町は27日、同町下名久井の会社敷地内で16日に「子グマ」として捕獲された2頭について、「実はタヌキだった」と発表した。引き取り先を探す過程で判明した。当分の間、発見者が育てた上、森にかえすという。町農林課によると、体毛の色や爪の鋭さ、猟友会メンバーの意見などから、町などは2頭を子グマと信じ込み、「有害鳥獣を放つことも育てることもできない」と扱いに苦慮。日本動物園水族館協会(東京都)を通じて引き取り先を探していた。岐阜県の動物園が23日、2頭の写真を見て「タヌキの子どものようですね」と町に指摘。2頭の健康状態を診察した八戸市の動物病院の獣医師からも「見分けにくいが、ほぼタヌキだろう」と診断された。森林総合研究所東北支所(盛岡市)にも写真を送って照会したところ、27日に「タヌキの子ども」との回答がきたという。町農林課は「たいへんお騒がせし、心からおわびしたい。ただ、処分の可能性が消えたので少しホッとしている」としている。
(クマ目撃相次ぐ:宮城)
宮城県内では28日もクマの目撃が相次ぎ、県警や自治体が注意を呼び掛けた。午前5時半ごろ、大和町小野荒井で体長約1メートルの1頭が目撃された。午後0時45分ごろには富谷町西成田南田に体長約1.2メートルの1頭が出没した。午後5時55分ごろ、仙台市青葉区上愛子の国道48号で、体長約1メートルのクマが道路を横断しているとの通報があった。
(山形新幹線がクマと衝突:福島)
JR東日本によりますと、28日午後8時半過ぎ、山形新幹線上りの「つばさ158号」が福島県の赤岩駅と庭坂駅の間を走行していた際、何かにぶつかったような音がしたため停車しました。新幹線は問題が無いことが確認されたことから、およそ1時間後に運転を再開しましたが、その後、後続の普通列車の乗務員が現場を確認したところ、線路上でクマがひかれて死んでいるのが見つかったということです。新幹線の乗客210人にけがはありませんでした。
(クマ?の目撃情報:長野)
二十七日午後五時ごろ、飯田市座光寺小学校付近でクマらしきものを見たという情報が、市に寄せられた。市は同時四十分ごろ行政防災無線で、山沿いでの一人行動はできるだけ避け、鈴など音の出る物を携帯するように注意を喚起。二十八日は同校の登下校時間に合わせて広報車を出し、周辺を警戒した。その後は目撃情報がないが、市は「全国的にクマの被害が出ており、クマのことを頭の片隅に置いて行動して」と呼び掛けている。
(クマの目撃相次ぐ:石川)
クマの目撃情報が相次いでいる能登町では28日、目撃された現場付近に捕獲用のおりを設置するなどして警戒を強めている。26日午後、クマが目撃された能登町笹川の現場。通りかかった男性が、道の脇にいるのを目撃した。現場にはクマの足跡や排せつしたような跡も残っており、町は28日、捕獲用のおりを設置した。また、27日の夕方には、ここから6キロほど離れた道路で車を運転していた男性がクマのような動物を目撃したという。6月21日と22日には七尾市の能登島でクマが目撃されており、県では能登町で目撃されたのが本当にクマであれば、同じクマが能登島から海を泳いできた可能性が高いとの見方を示している。能登町では今後、七尾市と情報を共有し、対応を検討したいとしている。
(クマ目撃、集団下校:青森)
28日、八戸市でクマの目撃が相次ぎ、近くの4つの小学校が子どもたちの安全を考えて集団下校などの措置を取った。近くの3つの中学校は登下校の際にはクマに注意するよう指導した。近くの4つの小学校では状況を見ながら集団下校など今後の措置を取る。
(林道付近でクマ1頭目撃情報:兵庫)
27日午後2時ごろ、姫路市林田町六九谷の林道付近で、鹿の駆除活動中の有害鳥獣駆除隊員(45)がクマ1頭を発見し、鳥獣保護員を通じて警察に通報した。西の方に歩いて行ったという。最寄りの人家まで約400メートル。
(民家の庭を歩くイノシシが目撃:山形)
23日朝、山形県山形市西部の住宅地で、民家の庭を歩くイノシシが目撃されました。けが人や農作物の被害はありませんでしたが、市では、地域住民に注意を呼びかけています。イノシシが目撃されたのは、山形市古館【ふるだて】の住宅地です。
(能登島で初めてクマが目撃:石川)
「イノシシはあの海域で何度も泳いでるのを見られたという情報もあるので、サイズ的にも能力的にもイノシシとクマっていうのはそんなに変わらないものだろうと思う。泳いできたということはあり得ることだろうと思っている。」
(ニワトリ12羽死ぬ、クマに食べられた可能性:青森)
27日午前5時すぎ、むつ市大畑町で、無職の女性(63)がニワトリに餌を与えるため、小屋に向かったところ、飼っていた12羽のうち、11羽が死んでいるのを見つけた。さらに、28日午前6時半ごろ、様子を見に行った女性が、修復した小屋の金網が破られ、残り1羽も死んでいるのを発見した。現場にニワトリの体の一部や、毛などが残っていたことから、警察は、ニワトリがクマに食べられた可能性があるとみて、近隣住民に注意を呼びかけている。
(クマと軽トラック接触:岩手)
一戸町の国道では軽トラックとクマが接触する事故がありました。28日午後1時半ごろ一戸町岩舘の国道4号で走行中の軽トラックが左から飛び出してきたクマ1頭と接触しました。クマは体長1メートルほどで成獣とみられその後、元来た方向に戻り川を泳いで山の中に逃げたということです。軽トラックはフロントバンパーが一部へこむなどしましたが運転していた男性にけがはありませんでした。現場は民家が点在する地域で町と警察が防災無線やパトカーなどで警戒を呼びかけました。このほか県内では28日盛岡市湯沢の雀神社周辺と滝沢市後の国立岩手山青少年交流の家付近でもクマが目撃されています。いずれもけが人や建物の被害はありませんでしたが自治体と警察が注意を呼びかけています。
(クマ目撃相次ぐ:宮城)
宮城県内は27日もクマの目撃が相次ぎ、県警や自治体が注意を呼び掛けた。午前7時35分ごろ、川崎町前川大森南山の前川橋近くで、登校中の小学生2人が体長約1メートルのクマ1頭を見つけた。午後4時ごろには同町前川沼ノ平山の県道近くで、1頭が目撃された。午前6時45分ごろ、仙台市太白区茂庭の市太白山自然観察の森自然観察センター南西側で1頭、午前11時半ごろには青葉区熊ケ根で1頭、午後9時25分ごろには、青葉区赤坂2丁目で1頭の目撃情報があった。午前11時40分ごろ、登米市迫町新田舘林の県道で1頭が、午後3時35分ごろには利府町赤沼放森の町道で1頭が目撃された。午後5時15分ごろ、大和町吉田金取南で1頭が、午後6時半には富谷町西成田追分で1頭が出没した。
(クマ、車と衝突:宮城)
宮城県内では26日もクマの目撃が相次ぎ、県警や自治体が注意を呼び掛けた。午前11時15分ごろ、白石市斎川の路上で、柴田町の会社員男性(50)の軽乗用車がクマと衝突し、前部バンパーなどが破損した。男性にけがはなかった。白石署によると、クマは体長約1.2メートルで、車にぶつかった後、道路西側の山林に逃げたという。午後0時45分ごろ仙台市泉区福岡岳山付近で体長約1.3メートルの1頭が、午後1時40分ごろ青葉区芋沢横向山で体長約70センチの1頭が、午後2時40分ごろ大郷町川内上西ノ入で体長約1.2メートルの1頭が、午後5時25分ごろ川崎町支倉鳥屋沢山で体長約1メートルの1頭が、それぞれ目撃された。
(クマ侵入か、漬物荒らされる:山形)
25日正午ごろ山形県金山町有屋の農業、三上マサ子さん(77)方の民家にクマが出た、と新庄署に通報があった。新庄署などによると、土間で保管していた漬物のたるやかめが荒らされていたという。三上さんはガラス越しに「土間で黒くて大きな影を見た」と証言。土間の外壁には、クマが残したとみられる足跡があった。クマが三上さん宅に入り込んだとみて、地元の猟友会がわなを仕掛けるなどの対策をとった。三上さんによると、土間にはみそ漬けや奈良漬けのたるやかめを保管していた。においがこもるため、普段は土間の窓と勝手口は開けっ放しだったという。24日深夜に物音があり、翌朝に確認すると、土間にあった漬物のかめがいくつか割れ、たるも中身が散乱していたという。「タヌキの仕業」と考えた三上さんは、勝手口を施錠した。25日昼ごろに再び物音がしたため見に行くと、土間と部屋の間にある引き戸のガラス越しに高さ約130センチほどの影が見えた。引き戸をゆさぶってガタガタと音を出すと、しばらくして窓から出て行ったという。
(クマが国道横切る:秋田)
秋田県内で26日、クマの出没が相次いだ。けが人はいなかった。由利本荘市西目町出戸字浜山では午後1時50分ごろ、車で走行中の男性が、国道7号を横切るクマを目撃し、110番した。由利本荘署によると、現場は西目中学校から東に約200メートル。
(コンビニ前に子グマ:岩手)
岩手県は連日、人里へのクマの出没が相次ぐ、異常な状態となっています。25日は4件の目撃情報が警察に寄せられたほか、26日は国道近くにあるコンビニの前に子グマ1頭が出没しました。26日正午過ぎ、岩手県雫石町の国道46号近くにあるコンビニエンスストアの前で、店の人が1頭の子グマが走り去っていくのを目撃し、警察に通報しました。けが人はいませんが、付近には民家が点在し町の雇用促進住宅もあることから、町では防災無線で警戒を呼びかけています。岩手県内では25日の夜、花巻市内の住宅地でもクマの目撃情報が寄せられるなど1日で4件の出没情報が警察に寄せられました。岩手県はクマの出没件数がここ5年で最多となり、けが人も出ていて、初めてとなる「ツキノワグマの出没に関する警報」が発表されています。
(クマの目撃相次ぐ:山梨)
山梨県によると、5月の目撃件数は17件で、過去5年で最多となり、人的被害も出ている。例年、夏場にかけて、目撃件数が増加しており、県は注意を呼びかけている。県みどり自然課によると、6月22日までに報告された5月の目撃件数は、前年同月に比べ7件増えている。このうち、身延町の山林では同23日、目撃者がクマに襲われ、右手に軽傷を負った。クマは、山林だけでなく、公園の駐車場や工場の敷地内などでも目撃されている。目撃件数が増えている理由について、県鳥獣センターによると、昨秋、県内で木の実が豊作で、子グマが多く生まれたためとみられるという。同センターの担当者は「春になって冬眠から覚めた親子のクマが餌を求めているのでは」と話す。同課の平塚幸美課長は、「子グマがいる場合、近くに親グマがいる可能性がある。遭遇したらクマを刺激せずゆっくり離れるようにしてほしい」と呼びかけている。
(クマ出没警報の中、一日で4件の目撃情報:岩手)
県内にクマ出没警報が出される中、きのうも目撃情報が相次ぎ、花巻市内で2件など、合わせて4件の出没情報が警察に寄せられました。花巻市ではきのう午前10時ごろ、桜町1丁目の桜橋付近の河川敷に、子グマと見られるクマ1頭がいるのを、通行人が目撃し警察に通報しました。被害はありませんでした。さらに花巻市桜町地内では、きのう午後9時前に桜町4丁目の住宅街で、「クマが道路を横切ったのを見た」と、車で通行していた男性から警察に通報がありました。こちらも被害はありません。近所に住む男性は、「河川敷に出ることはあると聞いているが、ここは初めて。びっくりするし恐い」と話していました。きのうは岩泉町と雫石町でもクマが目撃されています。
(公園に「クマ」、清掃作業の女性が目撃:福島)
25日午後4時30分ごろ、福島市上名倉字大石前のあづま総合運動公園で、清掃作業中の女性(61)がクマ1頭を目撃したと、同公園を管理する県都市公園・緑化協会から福島署に通報があった。女性にけがはなかった。同署によると、体長約1メートル。女性は公園内の同市民家園南東部を歩くクマを目撃したという。現場周辺には民家があることから、同署はパトカーで広報するなど、注意を呼び掛けている。25日午後7時ごろ、福島市荒井字南上鷺の市道で、農作業中の女性(27)からクマ1頭を目撃したと福島署に通報があった。女性にけがはなかった。同署によると、体長は約1メートル。クマは同市の四季の里南東側の市道を北から南へ横切ったという。
(クマ目撃:茨城)
25日午後5時50分頃、常陸太田市下高倉町の県道を乗用車で通りかかった大子町の会社員女性(31)から「クマを見た」と太田署に通報があった。目撃情報からクマは体長約1・2メートルのツキノワグマの成獣とみられ、同署はパトカーを巡回させるなどして警戒を強めている。発表によると、女性は家族で同市内の実家へ向かう途中で、運転していた夫と共に、路肩にたたずむ黒いクマを目撃した。現場は山林だが、数十メートル先には民家が点在しているという。現場から北東約13キロにある同市徳田町の養蜂所でも、今月13日朝に巣箱を荒らされる被害が見つかり、付近の体毛や樹木に残った爪痕などからクマによるものと推測されている。県内ではクマの生息は確認されておらず、福島県から来た可能性もあるという。市は「26日に職員が現場の状況を調べる」としている。
(「クマ」目撃:福島)
24日午前11時30分ごろ、福島市飯坂町茂庭の摺上川に架かる黒沢橋にクマがいるのを、巡回していた摺上川ダム管理所の男性職員が見つけ届け出た。福島北署によると、クマは体長約1メートルで、橋を渡り山中に入っていったという。黒沢橋は国道399号と、温泉施設「もにわの湯」や広瀬公園を結び、車通りがある。市役所茂庭出張所からは東に約400メートル離れ、近くに茂庭季節保育所もある。同署はパトカーで付近を警戒し、住民に注意を呼び掛けた。
(クマはねられ死ぬ:秋田)
23日午前11時半ごろ、秋田県小坂町小坂の東北自動車道上り線で、体長約1メートルのクマがワゴン車にはねられて死んだ。運転していた盛岡市の30代の男性会社員にけがはなかった。県警高速隊によると、クマが左側から出てきた。現場は小坂インターチェンジ付近で、道路の両側は山林。
(クマ目撃相次ぐ:宮城)
23日午後7時10分ごろ、宮城県栗原市築館薬師3丁目の市道でクマが歩いているのを近くの住民が見つけた。現場は栗原市役所から北西約600メートルの住宅地。周辺では19日以降、同じ個体とみられるクマの目撃情報が複数寄せられており、市が注意を呼び掛けている。利府町でも午後0時50分ごろ、森郷内ノ目北の県道で、道路を横断する体長約1.5メートルのクマが目撃された。
(駅付近にクマ:秋田)
23日午後1時50分ごろ、秋田市下新城中野字琵琶沼のJR追分駅付近のやぶにクマが1頭いるのを、同駅そばで保線作業中のJR職員が見つけた。秋田臨港署によると、クマは体長約1メートル。近くには住宅街があり、県警ヘリ「やまどり」が上空から警戒した。列車の運行に影響はなかった。付近の小中学校や高校では、1人で下校しないように注意を呼び掛けた。午後8時ごろには同駅から約400メートル離れた住宅地でもクマ1頭が目撃された。
(国道をクマが横断:鳥取)
日野町は22日、同町福長の国道180号でクマの目撃情報が寄せられたと発表した。 午前8時半ごろ、菅沢ダム沿いの同国道をクマ1頭が横断していくのを車の運転手が発見。この話を聞いた別の男性から日南町役場に連絡があり、日野町に伝えた。
(シカ、クリーニング店のガラス割り侵入:長野)
24日午前6時40分ごろ、長野市川中島町上氷鉋のクリーニング店「アサヒドライ」のガラスが割れ、店内にシカがいるのを通行人が見つけて110番通報した。駆けつけた県職員や警察官ら12人が、約30分後に店舗内でシカを確保した。けが人はいなかった。長野南署などによると、現場はJR川中島駅東側約100メートルの住宅地。シカは雄で、体長約120センチ。捕獲された際に弱っていたため、地元の猟友会によって現場で殺処分された。クリーニング店のオーナー二村吉則さん(35)は「お客から預かっている服が破れなくてよかった」と話した。
(サル出没:青森)
23日午後4時半ごろ、青森市新城山田に住む無職女性(75)が自宅の居間から窓の外を見た際、隣家の壁をサル1匹が登っているのを目撃した。青森署によると、サルは体長約40センチ。さらに外の道路を歩き回っていたという。
(クマ目撃で閉鎖の11区域再開へ:秋田)
秋田県は27日、秋田市雄和の県立中央公園付近でクマが目撃され、21日から閉鎖していた公園内の11区域と駐車場2カ所を、28日から開放すると発表した。県都市計画課は、21日に公園脇の県道でクマが目撃されて以降、目撃情報が寄せられていないことから再開を決めた。引き続き、指定管理者の県総合公社の職員が巡回して警戒に当たる。
(クマ注意の看板設置:茨城)
常陸太田市内でクマに荒らされたとみられる養蜂所の巣箱が見つかり、さらに目撃情報が寄せられたことを受け、常陸太田市と太田署は26日、住民などに注意を促す立て看板を市内に設置した。同日、市有害鳥獣捕獲隊里美地区捕獲隊のメンバーが山中をパトロールしたものの、発見には至らず、同署によると、同日夕までに新たな目撃情報などはなかった。同市内では、13日に徳田町でクマが荒らしたとみられる巣箱が見つかったものの、その後、目撃情報などはなかった。25日夕になって、同市下高倉町の県道脇にいるのを、車で通り掛かった夫婦が目撃し同署に届け出た。クマは体長1・2メートルほどだったという。現場は観光客が集まる竜神ダムの入り口近くで、民家が点在している。これを受けて、26日は、竜神ダム近くの駐車場や管理所周辺を含む計9カ所に「県道付近でクマらしき動物の目撃情報がありました。十分ご注意ください」と書かれた立て看板を設置。ダムに架かる竜神大吊橋(おおつりばし)やオートキャンプ場を運営する水府振興公社は同日までに、五つの関連施設にチラシを貼って注意を呼び掛けた。大吊橋の券売所では、観光客に鈴などの音が鳴るものを身に着けるようアドバイスした。竜神大吊橋は26日、約1300人の観光客でにぎわった。同公社は「まずは利用者に不安を与えないよう、注意を促していきたい」と話した。
(初のクマ出没「警報」:岩手)
岩手県は23日、「ツキノワグマの出没に関する警報」を発表した。2006年に「警戒情報」「注意報」「警報」の3段階の発表要領をつくって以来、警報の発表は初めて。県によると、4月~6月19日のクマの出没件数は1068件。15年度は年間で1370件だった。今年度は、現在の調査方法になった11年7月以降で最多のペースという。ツキノワグマのエサとなるブナの実が昨年は豊作で、今年は出産増で子連れグマの出没が増える恐れがあることから、県は3月15日に注意報を発表していた。しかし、クマと遭遇してけがをした人は4月以降、9人(19日現在)に上る。けがをした人の約半数は、鈴を携帯するなど予防策をとっていた。県自然保護課は「子連れの母グマは気が立っており、予防策をとっても子グマを守ろうと襲ってくることがある」と注意を促している。
(「クマは泳ぐ」不安北上:石川)
石川県内でツキノワグマの出没地域が広がっている。古くから「白山の豊かな森の象徴」とされてきたが、十年ほど前から人里で数多く目撃されるようになり、地域住民の不安をかきたてる存在ともなった。今月には海で隔てられていた能登島でも目撃され、泳いで渡った可能性が浮上。研究者は「人里との防波堤だった里山が放置され、クマが立ち入りやすい奥山に変わった」と分析し、さらなる拡大の可能性を警告している。「白山熊」。県内ではクマをこう呼び、森の象徴として畏敬(いけい)の対象とみなしてきた。二〇〇〇年ごろまでは文字通り白山を中心に西は富士写ケ岳(加賀市)、北は医王山(金沢市)までの範囲を主な生息地域とし、津幡町が一時的な出没地の最北だった。ところが〇四年、奥山でのブナの凶作などに伴い、餌を求めて金沢市以南の人里に次々に出没するようになった。かほく市や羽咋市でも目撃、〇六年には中能登町や七尾市でも。生息域は〇七年時点で津幡町以南の五市一町だったが、一五年時点で七尾市以南の八市三町に広がったと考えられている。今年は六月二十三日までに十一市町で百十五件の目撃情報が寄せられている。小松市の四十四件が最多で、金沢市二十九件、能美市九件、宝達志水町八件、加賀市七件、七尾市とかほく市で五件と続く。「奥山と人里との緩衝域だった里山に手が入らなくなり、身を隠せて餌もある奥山のようになった」。クマの調査研究に長年携わる県自然環境課職員の野崎英吉さん(65)の分析だ。かつて里山では、薪炭採集や山仕事で人が出入りし、若い木ばかりで餌も少なかった。標高の低い里山が奥山化すれば「暖かくて餌も豊富で過ごしやすい。魅力的な餌場になりうる」という。クマの生息数が増えていることも行動範囲の拡大につながっているようだ。県の推定では、一九八〇年から二十年間は五百~六百頭で推移し、二〇一〇~一一年調査では七百~九百頭。減少傾向にある西日本とは対照的だ。六月二十一、二十二日には能登島で目撃され、県民に衝撃を与えた。直前に海を挟んだ崎山半島で目撃情報が相次ぎ、県白山自然保護センター所長の栂(とが)典雅さん(60)は「海を泳いで渡った可能性がある」との見方を示した。実はクマは、木登りだけでなく泳ぎも得意。野崎さんによれば、白山市の手取川ダムで泳ぐ姿が目撃されたこともある。能登島のクマが通ったかもしれない「海上ルート」は、イノシシなどがすでに使っているという。本当に海を渡ったとしたら「餌を探し求める本能と、未知の場所への好奇心の両方があったのかもしれない。若いオスだったとしたら、外に出て行く意識が強い」と栂さん。野崎さんも賛同し「森や林を伝って行けるなら、どこでも行動域となりえる。林の先が海なら、海を渡ることもあるだろう」と話す。六月二十四日には、能登半島の先端の珠洲市の県道で体長約一メートルの黒っぽい動物が目撃され、能登半島の先端にまで進出している懸念も出ている。
(イノシシ鍋が消滅危機、赤字続き市補助金廃止:青森)
飼育したイノシシを使った青森県むつ市脇野沢地区名物のぼたん鍋が、消滅の危機を迎えている。飼育事業の度重なる赤字に市がしびれを切らし、来年度以降の補助金廃止を決定。事業継続への打開策は見えていない。「34年間で一度も黒字を出していない。これ以上、将来への負担は増やせない」むつ市の宮下宗一郎市長は5月31日、イノシシの飼育事業への補助金支出継続を求めた脇野沢宿泊業組合などの要望を一刀両断した。市はイノシシ肉をふるさと納税の返礼品にしたり、関西や青森市でトップセールスをしたりするなど2014年からてこ入れを図ってきたが、飼育事業を担う市脇野沢農業振興公社の経営は上向かなかった。イノシシの肉は青森県内外で販売するほか、地元の宿泊施設で名物として売り出してきた。単価が高いのがネックで、野生に比べ3~4倍の1キロ8000円前後。事業の黒字化には、単価をさらに倍にしなければならない。公社はイノシシ事業で市から毎年600万円近くの補助金を受ける。だが寒さ対策の床暖房や餌代などがかさみ、毎年500万~600万円の赤字を計上。累積赤字は約6600万円に上る。市の補助金廃止を受け、公社は5月末に飼育事業からの撤退を正式決定。事業の新たな引き受け手は見つかっておらず、飼育するイノシシ106頭、イノブタ15頭、豚2頭を来年3月までに食肉販売や譲渡などの方法で処分する予定だ。脇野沢地区のイノシシ事業は1982年、タラ以外の新たな名物を模索する中で始まった。温度管理やストレス対策など飼育が難しく採算ベースに乗れずにいた。公社の出資者で社員でもある宿泊業組合は、新たな経営計画案を作ったが、現実性に乏しく手詰まり感が漂う。杉浦弘樹組合長(37)は「長年取り組んできた事業なので、まだ諦めるわけにはいかない。地元で一致団結して生き残り策を模索したい」と語った。
(ICTで大量捕獲、全国有数の被害県の取り組み:三重)
シカやイノシシと共に農作物に深刻な被害を与えるニホンザル。二つの群れが生息する三重県名張市では今年、初の大量捕獲が実施され、県内屈指の頭数がすむ伊賀市では、県が2014年度から最新の情報通信技術(ICT)を用いた大量捕獲を行っている。
(ツキノワグマ出没急増、捕獲過去最多:岡山)
岡山県内でツキノワグマの捕獲頭数や出没情報件数が増えている。本年度は15日までに5頭、38件に上り、ともに県にデータが残る2000年度以降の同期比で最多。今年クマに襲われたとみられる被害は全国的に相次ぎ、秋田県では4人が亡くなったほか、鳥取、島根県でもけが人が出ている。6、7月はクマが行動範囲を広げる繁殖期で、岡山県は山に入る際の注意を呼び掛けている。県自然環境課によると、捕獲は美作市と奈義町で各2頭、新見市で1頭。いずれもイノシシやシカ用のわなにかかる「錯誤捕獲」で、美作市の東粟倉地域では今月3日、体長126センチ(体重40キロ)と同103センチ(同20キロ)の親子が捕獲された。5頭とも、からし成分のスプレーをかけるなど人間への警戒心を持たせた上で山奥へ放した。出没情報は4月が10件(前年同期比8件増)、5月が13件(同6件増)。6月は15日までで15件(同8件増)に上っている。県北を中心に10市町村に及び、内訳は美作市12件、新見、真庭市各6件、津山市4件―など。ただ、15年度はなかった和気町や吉備中央町でも確認されている上、美作市では子どもの通学路でも目撃されたという。県は長くツキノワグマの保護に重点を置き、学術目的以外の捕獲を認めてこなかった。しかし、10年度に200件近い出没情報があったことを受け、集落などに繰り返し現れた個体を有害鳥獣として殺処分できる制度を12年度にスタート。14年11月に美作市内で捕獲した雌が初めて処分された。一方で、15年度末現在の県内のツキノワグマ生息数(推計)は171頭で3年連続の増加となっている。本年度、出没情報が増えている背景について同課は「個体数が増えれば目撃頻度は高まる。全国でクマ被害が相次ぎ、住民が注意深くなっていて小さな痕跡でも気付きやすいといったことはあるかもしれないが、特に多くなっている理由は分からない」とする。県内での報告はないが、全国で頻発する人的被害。同課は山に入る際の安全対策として「笛や鈴などを鳴らして人間の存在を知らせ、新しいふんや足跡を見つけたら引き返すように。クマと遭遇したら背中を見せないようにゆっくり後退しながら逃げてほしい」としている。
(シカ食害の報告会:高知)
高知県香美市物部町の三嶺周辺で深刻化する、シカによる食害の報告会「蝕(むしば)まれる三嶺の森と山々」が7月2日午後1時半から、高知市丸ノ内1丁目の四国森林管理局で開かれる。入場無料。山の植生回復に取り組む「三嶺の森をまもるみんなの会」が主催。三嶺の森をまもるみんなの会のメンバーや環境省の職員らが、被害の現状や保護活動の成果などを発表する。
(苗の食害、犯人はシカ:長野)
長野・栄村の水田で、4年ほど前から起き始めたという苗の食害。その犯人が、ついに突き止められた。暗闇に見える2つの光。何かが、苗の間に頭をうずめている。犯人は、シカだった。1カ月ほど前に植えたばかりという苗を、おいしそうに、もぐもぐ。栄村は、豪雪地帯のため、餌が少なく、シカはいないと考えられていた。しかし、2011年に初めてシカを捕獲。今回、映像で食害を確認したことで、農作物の被害などへの対策が必要になるとみられる。
(ツキノワグマ40頭、相模原周辺に?:神奈川)
東北地方でクマに襲われる事故が相次ぐなか、首都圏の神奈川県でもクマの目撃情報が相次いでいる。山北町の丹沢湖近くの林道では24日、けが人が出た。人口が70万人を超える政令指定都市、相模原市では住宅地にも出没しており、警戒が広がっている。山北町玄倉(くろくら)の林道で24日朝、ハイキング中の50代男性がクマの親子に遭遇した。町によると、体長約1・2メートルの親グマが男性に向かってきた。もみあいになったが、カメラの三脚でたたいたり足で蹴ったりしたところ、逃げたという。男性は両手に軽傷を負った。県内で今年、クマによるけが人が出たのは初めて。春以降のクマの目撃情報は27件にのぼり、前年同時期の10件を大きく上回る。「あの怖さは忘れられない。イノシシやシカは見たことがあったが、クマは初めて」。県民の水がめ、相模湖に近い相模原市緑区与瀬。5月28日夜、「ラーメンセンター」の店主、斎藤雄治さん(48)が仕事を終えてテレビを見ていたところ、「ドーン」と店の入り口ドアに体当たりしてきた。110番通報し、イスでバリケードを築いてパトカーの到着を待った。緑区三ケ木でも6月17日夕方、民家の庭先をクマが駆け抜けた。愛犬と散歩中の角田里子さん(59)は、生け垣から飛び出したクマの姿に思わず叫んだ。「キャーなのかギャーなのか、よく覚えていない。とても大きくて、真っ黒なクマでした」。近くの山口澄男さん(69)は「96歳の母親も、生まれて初めてと驚いている」。かつては旧津久井町だったのが2006年に編入された地区で、約2800人が暮らす。市津久井地域環境課は「山間部での目撃はあったが、住宅地では例がない」と驚く。近くの県立津久井高校定時制(生徒数73人)は午後7時半に授業を打ち切った。市内での目撃は11件に上り、昨年度の8件を早くも超えた。山あいにある緑区牧野地区では最近、7回も出没。近くの市立藤野南小学校では、クマよけの鈴を児童48人に持たせ、登下校時には教職員と警察官が通学路で警戒に当たる。市がウェブサイトで公開しているクマの関連情報にはアクセスが殺到。7千件に迫る日もあった。神奈川県自然環境保全課によると、山北町や相模原市にまたがる丹沢山地にはツキノワグマが約40頭生息しているとみられる。「例年より目撃される時期が早い理由はわからないが、山中のえさの状況が関係しているのでしょう」と担当者。牧野地区で目撃されたクマは小さく、石川県立大の大井徹教授(動物生態学)は「未成熟な若いクマはどこが危険なのかわからず、人里に迷い込み、食べ物を探すことがある。また、交尾期の今は雄が雌を求めて動き回るため、まずは7月まで警戒が必要だ」と話す。
(鴨場の見学会実施)
宮内庁は28日、埼玉県越谷市の「埼玉鴨場(かもば)」と千葉県市川市の「新浜鴨場」の見学会を実施すると発表した。鴨場は駐日外国大使らに日本伝統のカモ猟を紹介する施設で、これまで地域住民向けの見学会はあったが、一般向けは初めて。
(牛を放牧しクマやイノシシの出没防ぐ:富山)
クマやイノシシなどの野生動物が人里に近づくのを防ごうと、山あいの地域に牛を放牧する取り組みが富山県で行われています。この取り組みは、体の大きい牛を山あいの地域に放牧することでクマやイノシシなどの野生動物が人里に近づくのを防ごうというものです。富山県内ではことし、18か所で行われる予定で、27日はこのうち黒部市で牛の放牧が始まり、市民グループのメンバーが畜産農家から借り受けた2頭の牛をおよそ2ヘクタールの「カウベルト」と呼ばれる範囲に放しました。2頭は「ちょこ」と「ひまわり」と名付けられ、地元の子どもたちが差し出した草をおいしそうに食べたり、元気に走り回ったりしていました。この地域の周辺の山では、今月、クマの目撃情報が2件、寄せられているということで、市民グループは10月中旬まで放牧を続けることにしています。市民グループ「阿古屋野森づくりクラブ」の広瀬昭元会長は、「活動を始めてからはクマをあまり見かけなくなったという話を聞いています。安心して暮らせる地域になればうれしい」と話していました。
(カラスとの闘い8年、決着つかず:福井)
福井県鯖江市本町2丁目の国道417号(通称嚮陽通り)の南側の歩道が鳥のふんの被害に見舞われている。西山公園と中心市街をつなぐ重要なルートで、コミュニティーバスのバス停もあるが歩道はふんで真っ白に染まっている。“犯人”は上空を通る電線に留まるカラス。被害は7、8年前から断続的に続き、電力会社や市が対策を施すも解決には至っておらず、“長期戦”を強いられている。晴れた日の日没頃、バス停「市民ホールつつじ前」付近の電線に1羽また1羽とカラスが集まる。群れのねぐらになっているようで、最終的には優に100羽を超えた。翌朝には直下の歩道はふんまみれ。雨で洗い流されても、また晴れの日が来れば同じ事態だ。地元住民の中には、ふんを避けてわざわざ道路反対側の歩道へ回る人も少なくない。バス停の待合のベンチは電線直下からは離れており被害はないが、利用者からは「景観が悪い」「雨の日はふんがぬかるんで気持ち悪い」との声が上がる。「市長と語る会」などで住民から対策を求める声があり、市から要請を受けた北陸電力は昨夏、電線にカラスが嫌がるという水糸を垂らした。一時的にカラスはいなくなったが効果は続かなかった。昨年、市も超音波で撃退する機器を試したが無駄骨に終わった。歩道の維持管理を担当している県丹南土木事務所は定期的に道路パトロールを行っており、清掃する場合もある。ただ抜本的な解決にはならない上、「特定の歩道だけを重点的に清掃するのは難しい」と頭を抱える。地元住民も歩道の清掃を検討したことがあるが「清掃してもいたちごっこで切りがない」とあきらめ顔だ。北陸電力は今月、水糸の量を増やす工事を行ったが、現場を視察した担当者は「効果があるかどうか分からない。他に打つ手がないのが現状」と表情を曇らせる。県丹南土木事務所はふんの被害カ所を含む本町~桜町の電線の地中埋設を本年度中に行う予定で、市環境課は「工事が早急になされるよう県に働き掛けたい」としている。
(「狩猟女子」、中学で講演:福岡)
福岡県糸島市の山中で、自給自足をモットーにイノシシなども捕まえる“狩猟女子”こと畠山千春さん(30)が23日、地元の福吉中で全校生徒96人に講演した。畠山さんは東日本大震災をきっかけに2013年、横浜市から糸島に移住。シェアハウスで20~30歳代の若者と一緒に暮らしながら、自分たちの手で食べ物や仕事、エネルギーをつくり出す生活を実践している。「美しい景色と、おいしい食べ物、人のぬくもりがあるのが、ここ糸島」。都会の暮らしを知る畠山さんだからこそ分かる糸島の魅力に、聞き入る生徒たち。心を射止められた?
(「狩猟女子」血抜きも解体も平気:岡山)
狩猟の魅力を伝え、新たな担い手の確保を目指す「おかやま狩猟フォーラム」(岡山県、県猟友会主催)が26日、岡山市内で開かれた。会場で目を引いたのは若い女性の姿。「狩猟生活に憧れて」「狩猟免許が取りたくて」「卒論のテーマ探しで」―と関心が高い。血抜きも解体も平気という頼もしい“狩猟女子”もいた。フォーラムには定員いっぱいの200人が参加。「ぼくは猟師になった」などの著作がある千松信也さん(41)=京都市=が、仕事をしながら「わな」を使った狩猟生活を楽しんでいる様子を紹介した。岡山大農学部4年の女子学生(22)は「千松さんの話を聞き、狩猟生活への憧れが強くなった」と話す。学部の教官らと昨年、イノシシを捕獲し解体したという。わなの狩猟免許を持っており「猟銃の免許も取りたい」。岡山理科大理学部3年の女子学生(21)も捕獲に参加した1人。「血とか、特に抵抗ない。授業では解剖もあるので」とけろり。フォーラム会場にはケージに閉じ込める「箱わな」や動物の足をワイヤで捕まえる「くくりわな」、猟銃(模擬銃)といった狩猟道具が展示され、猟友会のメンバーが使い方などを解説。狩猟免許についての相談コーナーなども設けられた。岡山大農学部3年の女子学生(20)は、有害獣のイノシシやシカを地域の特産にしていくことなどが卒論のテーマにできないかと参加。猟友会のメンバーらと話し「免許取得に向けた講習会に行くかもしれない」。「18歳になったら狩猟免許が取りたい」と話すのは、父親と参加した岡山市立桑田中3年の女子生徒(15)。岡山県内を舞台に、猟師の日常をコミカルに描いた岡本健太郎さん(同県勝央町出身)の漫画「山賊ダイアリー リアル猟師奮闘記」を読み、狩猟を身近に感じたそうだ。将来は動物の研究に携わりたいという。各地で講演している千松さんは、皮膚感覚ながら「女性の参加が増えてきた。関心も高まっている」と説明。わなに掛かったイノシシやシカにとどめを刺す際の危険性や、運搬の大変さ、解体場所の確保といった課題を挙げ「ベテランから教わったり手助けしてもらえたりという面から、猟友会に入るメリットは大きい」とアドバイスする。県によると、鳥獣による県内の野林水産物の被害総額は約3億3500万円(2015年)。このうちイノシシとシカによるものが半分以上を占めている。狩猟者登録数は4393人(15年度)。減少傾向だったが14年度から増加に転じている。
(ジビエ料理が若さの秘訣?:石川)
石川県内で、狩猟免許を持つ女性が「狩女(かりじょ)の会」という団体を結成した。女性ハンター同士が交流を深め、情報を交換するのが会の狙いだとか。活動のテーマは狩猟だけでなく革製品作りやジビエ料理など、多岐にわたる。会の代表を務める長田富士子さんに、“狩女”として生きる楽しさを聞いてみた。長田さんは2013年に、石川県の金沢市中心部から白山市河内村へ移り住んだ。ハンターになったのは14年のこと。冬場は積雪が2メートルを超えるなど、厳しくも豊かな自然に囲まれて暮らす中、狩猟に興味を抱いた。ちなみに狩猟免許は、「わな猟」、「網猟」、「第一種銃猟」、「第二種銃猟」の4種類があり、長田さんは銃を扱う第一種・第二種と、網猟の免許を取得した。石川県加賀地区の伝統猟法で、羽音を頼りにカモ目がけて、Y字形の“坂網”を投げ上げて捕らえる「坂網猟(さかあみりょう)」にチャレンジするため、「網猟の免許も取りたい」と頑張ったそうだ。狩猟にのめり込む中で、新米ハンターには知識・技術はもちろん、獲物を解体したり、毛皮や牙などを加工したりするために、幅広い知識と技術が必要だと感じた。また、中高年のハンターは、培った技を継承してくれる人を求めてもいる。そこで、ベテランハンターを招いて指導を受け、革細工やジビエ料理から狩猟の魅力を広くPRし、免許を取りたいという人をサポートするという“三段構え”の活動を展開するに至った。「林業・農業を守るために猟がある。動物の命を奪うという行為については、手を合わせ、供養するなどの習慣も先輩ハンターの所作などを学んで継承していく必要がある」と長田さん。自身がレーザークラフト・スクールの講師であり、ジビエ料理を出すカフェを経営していることなどから、女性を対象とした団体を発足させた。狩女の会は、長田さんが受験した2年前の狩猟免許試験で知り合った20~50代の女性を中心として今年3月に設立され、その後は口コミで入会する女性が続々と現れている。「会の名称は、“釣りガール”をまねて“狩りガール”にしようと思ったんですけど、集まったメンバーは熟女が多いので“狩女の会”にしました」と長田さん。6月上旬には、バーベキュースタイルの交流会を開き、ジビエ料理と革細工作りを楽しんだ。狩女の会が開催するイベントでは、狩猟免許がなくても参加は可能だ。長田さんは、猪鹿と石川をかけて「isica(イシカ)」という名称でブランドを立ち上げ、狩猟や有害駆除で捕獲した猪鹿革で作った製品を販売している。過疎高齢化が進む山間部では、イノシシやシカの生息数が増加し、農作物の被害が拡大していることから、狩女の会の活動は石川県内で注目を集めている。「“狩女”の道は、まず食から……」と思う記者、ジビエについて聞いてみた。獣肉を使った料理といっても、ぼたん鍋を1度食べたことがあるくらいだ。日常的な食に獣肉をどう使うのか? 下処理が面倒ではないのか? 「牛を熊、豚はイノシシ、鶏は鹿に置き換え、メニューを考えてみてください。熊肉はシチューなどの煮込み料理や焼き肉、イノシシ肉はカツ、しゃぶしゃぶ、野菜炒めに入れるなど、鹿肉はローストやソテーにといった具合です。地元で手に入る獣肉は新鮮なので臭みがありません。脂身はくどくなく、甘くておいしいですよ」(長田さん)「食通だけの楽しみ」と思っていたジビエが身近に感じられる。ところで、幼い男児を抱く長田さんに年齢を聞き、45歳と言われて驚いた。肌つやがよく、30代半ばに見える。5児の母で、第4子から第5子出産までは14年間空いていたとか。「イノシシはビタミンB1、鹿は鉄分を多く含むなど、獣肉は身体にいい食材です。私はジビエを日常食とすることで冷え性が改善されました。40代半ばにして妊娠・出産できたのは自然豊かな環境に住み、“狩女”になったからだと確信しています」(長田さん)全国で熊の被害や農作物被害が深刻な昨今、自然界のバランスを保つのは“狩女パワー”かもしれない。
(捕獲したシカ肉を給食に:長崎)
農業や林業に被害を与えるイノシシやシカの問題について考えてもらおうと、対馬市上県町の市立仁田中と市立仁田小は22日、地元で捕獲されたシカの肉を使ったメニューを約130人の児童生徒らに給食で提供した。 市によると、イノシシやシカが農作物を食い荒らしたり林業に被害を与えたりする被害は近年、深刻化している。昨年度の被害額は約800万円で、捕獲数は約9千頭に上る。捕獲後は山野に埋めることが多いが、一部は市営の施設でソーセージなどに加工している。同施設で解体したシカ肉を給食で使うのは初めて。仁田中の1年生が総合学習の時間に有害鳥獣問題を学んでいる一環で、試験的に実施。仁田中の栄養教諭、今崎奈稚(なち)さん(33)や元島おこし協働隊の谷川ももこさん(29)、同市が企画した。同中では、からりと揚がったシカ肉の竜田揚げが生徒の前に並び、生徒たちは「やわらかい」などと言いながら味わった。1年の松村蓮さん(12)は「臭みはなくておいしい。また食べたい」と笑顔。今崎教諭は「イノシシやシカもこんなにおいしく食べられる。身近にある資源で古里を活性化できる力を身に付けてほしい」と話した。
(駆除シカ肉をペットフードに:長野)
駆除したニホンジカを有効活用する方策として、長野県小諸市が鹿肉をペットフードにする事業に乗り出した。同市甲に設けた加工施設で鹿を解体し、精肉にしてペットフード業者に販売するほか、一部は業者に委託してペットフードを作り、ブランド商品化を図る。鹿肉のペットフード化は北海道などに例があるが、長野県内では初めて。低カロリーで高たんぱくのため、複数の業者から引き合いがあるという。市は年内にも販売態勢を整え、商品化を目指す。地方創生交付金などを財源とする事業費は約6000万円。旧県施設を改修して加工施設や冷凍保管庫、鹿個体収集コンテナを設けた。施設には精肉用の金属探知機や放射性物質検査機も備え、安全面にも配慮した。解体・加工作業は食肉処理会社に委託。年1500頭を処理できる。16日には報道陣に解体作業を公開。包丁を持った作業員4人は慣れた手つきで皮はぎや肉の取り出しを進め、1頭15分ほどで処理を終えた。竹下毅・市野生鳥獣専門員は「鹿は骨や皮も需要がある。なるべく早く商品化したい」と話した。商品化には原料の安定供給が必要で、佐久市などの周辺自治体にも駆除個体の搬入を呼び掛けている。県内では年間約4万頭の鹿が捕獲されているが、ジビエ(野生鳥獣肉)として利用されているのは5%程度にとどまっている。小諸市では有害駆除と個体数調整で2014年度に136頭、15年度は220頭の鹿を捕獲し、地中に埋めるか市動物園でライオンの餌にしてきた。捕獲数の増加に伴い、昨年から焼却処分も始めたが、1頭1万5000円の経費がかかる。このため、処分経費の回収も兼ねてペットフード化を決めた。
(害獣のシカ、皮も活用へ:和歌山)
農作物に被害をもたらすシカなどを捕獲し、食肉に加工して売り出している和歌山県古座川町は、本年度からシカ皮の活用に乗り出した。6月には公民館教室で、シカ皮をなめした革を使ったクラフト教室を開催。地元住民ら12人がコースターなどを作り、柔らかく、しっとりとした手触りに親しんだ。
(シカコロッケ発売:兵庫)
兵庫県朝来市岩津の道の駅「フレッシュあさご」が、同市特産の岩津ねぎとシカ肉をあわせた「岩津ねぎシカ(鹿)ないコロッケ」を発売した。岩津ねぎの年間を通したPRと、同市内で駆除されたシカ肉の有効利用に向けた商品開発を進め、ねぎの香りとジャガイモの甘みでシカ肉特有の匂いを抑えたコロッケができた。同道の駅のフードコートで販売中。担当者は「今までにない味と食感のコロッケ。シカ肉のくせはなく、ぜひ味わってほしい」とPRしている。
(厄介者のイノシシ活用:千葉)
“地域の厄介者”のイノシシを活用したジビエ料理の試食会が26日、市原市潤井戸の市津商店会おもいで広場で開かれた。

TOPへ

6/23
(男性がクマに襲われケガ:岩手)
21日午前5時ごろ、岩手県八幡平市の県道八幡平公園線付近の山林で、1人でタケノコを採りに来ていた同県滝沢市巣子、無職、高橋一広さん(67)が熊に顔をひっかかれ、けがをした。岩手署によると、高橋さんは近くに止めていた車に戻り、自力で病院まで運転して手当てを受けた。同署は付近の住民や登下校する子供に注意を呼び掛けている。
(小学校近くにクマ、花火で追い払う:山形)
21日午後6時頃、山形市下宝沢で、女性(50)が自宅2階の窓から、約100メートル先の山裾で桑の実を食べているクマ1頭を目撃した。けが人や農作物への被害はなかったが、北西約1・2キロにある市立東沢小学校では集団下校の措置を取った。山形署の発表によると、クマは体長約1メートル20で成獣とみられる。女性から連絡を受けた地元猟友会の男性(65)が、花火を鳴らして追い払った。現場は同市郊外の山あいの集落。このほか、22日には米沢市や尾花沢市でもクマの目撃情報があった。
(またクマ目撃、公園施設閉鎖し警戒態勢:福島)
20日午後9時ごろ、福島市所窪の信夫山小金山公園南側市道でランニング中の同市の男性(21)がクマを目撃し、110番通報した。信夫山では5月23日にクマの目撃情報が2件あり、福島署が周辺をパトロールし、近隣住民に警戒を呼び掛けている。同署によると、クマは体長約70センチ。男性がランニング中に、やぶからガサガサと音がしたため、持っていたライトで照らしたところ市道北側のやぶを登っていくクマを見たという。クマは子グマとみられる。20日の目撃情報を受け、市は21日、信夫山にある公園施設12カ所全てを3日間閉鎖とした。市農業振興室によると市職員や県猟友会員がクマの足跡やふんを探したが見つからなかったため、わなは仕掛けなかった。市教育委員会は、信夫山に近い小、中学校4校に連絡し、児童、生徒が山に1人で近づかないよう指導の徹底を呼び掛けた。4校のうち、目撃場所から南に約600メートルの場所にある福島三小では、児童の登下校に合わせて教職員が児童を引率し、自転車で学校周辺を巡回した。同校の教頭は「登下校の時間帯はクマの活動時間には該当しないと思うが、警戒を続ける」と話した。県警によると、県内の今年のクマの目撃情報は20日現在で前年同期比81件増の160件。
(会社敷地内にクマ:秋田)
秋田県内で22日、クマの出没が相次いだ。けが人はいなかった。大仙市土川字上雨堤では午後4時15分ごろ、会社敷地内の駐車場にクマがいるのを、建物内にいた男性従業員が目撃した。建物から約10メートル。当時、駐車場に人はいなかった。クマは南側の田んぼへと立ち去った。
(公園付近でクマ、園内一部を再閉鎖:秋田)
秋田県は21日、秋田市雄和の県立中央公園近くの県道でクマが目撃されたとして、公園内の一部区域について27日まで閉鎖すると発表した。県都市計画課によると、21日午後3時半ごろ、公園東側の県道を横切るクマを付近にいた人が目撃し、市に届け出た。()
(クマ3頭目撃、水田近くの農道:山形)
クマが目撃されたのは、尾花沢市延沢にある常盤駐在所から南に2.4キロほど離れた山間部の農道。警察の調べによると、21日午前6時半ごろ、近くに住む農家の男性が目の前に現れたクマを目撃した。クマは3頭で連れ立っており、このうち2頭が体長1.5メートルほど、もう1頭が1メートルほどだった。男性は現場近くの水田で農作業をするため、軽トラックで向かう途中にクマ3頭を発見した。目撃した男性は「親(グマ)だかなんだか知らないけどこことここにいた」「おっかないで済めばいいけどね、里の方に下りて来なかったのでまず、いいかなって」と語った。通報を受けた尾花沢警察署では、パトカーを出動させ、近隣住民に注意を呼びかけている。また、クマが目撃された現場周辺にある常盤小学校では、登下校の際、徒歩で通学する児童を教員が引率したり付近をパトロールしたりするなどして対応にあたるという。
(クマ、山中で目撃:滋賀)
高島市新旭町熊野本の山中で20日午前7時20分ごろ、クマ1頭が目撃され、近くの市立新旭北小(児童284人)は同日、山に近い旧国道より西側に下校する児童数十人に教師が付き添った。高島署によると、住民数人が住宅から200〜300メートル離れた山のふもと付近で草刈り中、1人が体長約1メートルのクマが歩いているのを見かけたという。同市では今年4月に4件、5月に5件、6月に3件と計12件のクマ目撃情報があり、車を運転中、道路を横断したなどの報告が目立つ。市内でも北部のマキノ町で比較的多いが、今津町、安曇川町、朽木でも目撃されている。市は防災行政無線などで市民に注意を促す。
(クマの目撃情報:京都府)
全国でクマの出没が相次ぐ中、関西でも目撃情報が増えてきた。先週、ツキノワグマが目撃された京都府宮津市。住宅街からほど近い場所での目撃情報に、宮津市では捕獲するための罠を仕掛けるとともに、小学校の子どもたちに「クマよけの鈴」を配布した。
(クマ目撃、注意呼び掛け:宮城)
宮城県白石市内で20日、クマの目撃情報が2件あり、白石署が注意を呼び掛けた。午前9時ごろに同市福岡蔵本の国道113号で子グマ、午前9時40分ごろには同市小原の市道で体長約1.3メートルのクマが見つかった。午前6時ごろには石巻市飯野宮下南の畑、午前9時半ごろには松島町幡谷出石の国道346号、午後4時ごろには登米市迫町新田東坂戸の県道でも目撃された。
(公園にクマ、ランニング中の男性目撃:福島)
20日午後3時50分ごろ、福島市のあづま総合運動公園の木陰広場でクマを目撃したと、ランニング中の同市の男性(46)から福島署に通報があった。同公園周辺では18、19の両日もクマが相次いで目撃されており、同署が周辺をパトロールし近隣住民に警戒を呼び掛けている。同署によると、クマは体長約1メートル。男性が同広場の東側にクマがいるのを見つけ、声を出したところ、クマは荒川方面へ逃げていったという。同公園によると、園内ではアナウンスや爆竹を鳴らすなどのクマ対策を行っている。目撃が相次いだことから、今後、回数を増やすことも検討しているという。同日午前9時50分ごろ、西郷の国道289号で車で走行中の男性からクマ1頭を目撃したと白河署に通報があった。同署によると、体長は約1.5メートル。国道を横切り、山林に入っていったという。
(クマの足跡:北海道)
クマの足跡が見つかったのは、札幌市南区南沢の「南沢スワン公園」です。18日午後3時ごろ、散歩中の女性が砂場で見つけました。札幌市によりますと、クマの足跡は幅が11.5センチから12センチで、およそ4メートルの範囲に4か所から5か所で確認されました。
(クマ出没:宮城)
22日午後0時45分ごろ、宮城県利府町赤沼細谷で、体長約1メートルのクマを目撃したとの通報があった。午後4時半ごろ、加美町赤坂原の民家玄関前で、体長約1メートルの1頭がいるのが発見された。
(イノシシ、市街地潜む?:富山)
黒部市で今月中旬以降、イノシシの出没が四件相次いでいる。このうち三件は中心市街地で目撃されており、同一のイノシシの可能性がある。まだ市街地に潜んでいる恐れもあり、周辺の学校関係者や保護者らは子どもの登下校に付き添うなど警戒を続ける。最初に出没したのは十六日未明。同市荒町の県道荒町交差点付近で、車を運転中の男性が、イノシシが民家の敷地内に進入するのを目撃した。翌十七日夜には、同市三日市の市民病院東側の市道と、同市牧野のアパート敷地内で、住民らが連続して目撃した。これら三件の場所は市街地の半径約一キロの範囲内にあり、いずれも体長一メートル前後の成獣であることから、同じ個体の可能性がある。まだ見つかっておらず、市や黒部署などが付近のパトロールを続ける。近くの桜井小学校は二十日から、通学路に教諭が立って、児童の登下校の見守りを始めたほか、保護者同伴で通学する児童の姿もある。また、十九日夜には、同市宇奈月町下立の市道で、車を運転中の男性がイノシシを目撃。こちらは市街地から離れており、前の三件とは別のイノシシとみられる。近くの宇奈月中学校は二十日から、教諭が登下校時の見守りをしている。県自然保護課の担当者は「山に餌が少なくなるこの時期は、イノシシの行動範囲が広がり、川や草むらを通じてたびたび住宅地に出没することがある」と話している。
(子グマ2頭保護、引き取り手探す:青森)
青森県南部町下名久井の会社敷地内で16日、クマ2頭が捕獲された。クマはともに体長約20センチのツキノワグマで、生後1カ月程度とみられ、同町がクマの引き取り手を探している。同町農林課によると、住民に危害を与える恐れのある親グマを誘い出して捕獲するため、子グマは17日朝まで敷地内のわな付きのおりに入れられていた。しかし親グマは現れなかったことから「育児放棄」の可能性が高いとして、発見者の男性が子グマ2頭を一時的に保護することになったという。同課は現在、日本動物園水族館協会に連絡し、飼育環境が整った動物園などを探しているという。引き取り手が見つからない場合は殺処分される可能性もある。同課の担当者は「殺処分は避けたいので、引き取り手を見つけることに全力を注ぐ」と話している。
(現場に近づかないで!捕獲わな設置:茨城)
常陸太田市徳田町の養蜂場で今月13日、ツキノワグマの痕跡が見つかったことを受け、県や市はクマによる被害を防ぐための対策を始めた。防災無線や立て看板による注意喚起に加え、捕獲用のわなを設置。現場に最も近い市立小中学校では児童・生徒の登下校時に教職員が付き添っている。市農政課の担当者は「現場付近の山林に近づかないで」と呼び掛けている。県内でのクマの生息情報は極めて少ない。昨年まで20年間、県自然博物館の首席学芸員を務め、クマの生態調査などを行っている東京農業大の山崎晃司教授(54)によると、2006年に大子町で交通事故に遭った子グマの死骸を確認。翌年に事故現場近くの山林で足跡が発見された程度だ。だが近年は分布域が拡大する傾向にあるという。焼き畑や大規模な森林伐採が少なくなり、戦後に植えられた杉やヒノキが成長。野生のクマがすみやすくなり「(元々生息していた)福島や栃木からクマが入ってきて、定住していてもおかしくはない」(山崎教授)という。今回はミツバチの巣箱が荒らされ、クマの体毛などが見つかった。養蜂場は一般の車があまり通らない林道沿いにあり福島県境にも近い。県は16日、同市里美地区(旧里美村)に限り銃とわなによるクマの捕獲許可を出した。市有害鳥獣捕獲隊が19日、里美地区にあるイノシシ用のわな12基のうち3基を養蜂場の周囲約100メートルの場所に設置した。わなは金属製で、縦1・4メートル、横1・3メートル、奥行き2メートル。中に養蜂場の巣箱や蜂蜜を入れ、クマ用に改造した。体長約120〜150センチ、体重40〜80キロの親グマでも収まるという。捕獲隊の3〜4人が連日、現場周辺をパトロールしている。里美地区の後藤武己隊長(40)は「クマは臆病なので、スズやラジオなど音が出るものを身に着けてほしい」と現場周辺に住む人に呼びかけている。市は1日1度、防災無線で注意を促しているほか、現場近くの道路など7カ所に「クマ出没注意」と書かれた看板9枚を設置した。里美小・中学校では登下校に教職員が付き添っている。
(クマ目撃情報相次ぐ、注意啓発:神奈川)
山北町の東名高速道路北側の山間地を中心に、クマの目撃情報が相次いでいる。ツキノワグマとみられ、昨年も7〜12月にかけて5件の目撃情報があったが、今年は昨年より2カ月ほど早く、同町は自治会などを通じて住民への注意を呼び掛けている。町環境課によると、先月21日〜今月18日、同町谷ケ、都夫良野地区などで4件の目撃情報が寄せられた。このうち3件は人家にも近い場所で、徘徊(はいかい)しているクマが目撃された。このため、町は人家に近い地区6カ所に「注意 熊出没」の看板を設置したほか、自治会を通じての情報提供もした。また、20日夕から約1週間、ロケット花火を打ち上げることにしており、クマの通り道に火薬のにおいをさせて危険防止を図るという。
(クマ目撃情報相次ぐ、「エサ不足」早まり:長野)
長野県内で春以降、ツキノワグマの目撃情報が相次いでいる。5月に軽井沢町で山菜採り中の男性がクマに襲われ軽傷を負ったほか、6月には千曲市や塩尻市の市街地周辺でクマが出没した。クマは夏頃に出没する傾向があるが、県は、春先から気温が高めだった今年は果実や山菜のシーズン終了が早まり、この時期から「エサ不足」になっている可能性があるとして、注意を呼びかけている。県内の春先からの気温は平年より1~2度程度高く推移した。県鳥獣対策・ジビエ振興室は、初夏から夏にかけてクマのエサとなるキイチゴや山菜類の生育が1週間から10日ほど早まり、この時期すでに山の中でエサが不足した状態になったとみている。加えて、昨年秋は出産を迎えるクマの栄養源となるドングリが豊作だったため、多くのメスが子供を産んだ可能性があるという。出産したメスは、翌年6~7月の交尾期にはオスを避けようとして、子連れの状態で行動範囲を広げる傾向がある。同室は「思わぬ場所で、人がクマと遭遇する可能性もある」とする。県内では、長野市松代町豊栄の民家で4月、倉庫にクマが侵入したとの目撃情報があり、リンゴが食べられた形跡があった。塩尻市でも今月4日、JR塩尻駅近くでクマ1頭が目撃されたほか、山形村でも5日にクマが出没し、射殺された。千曲市では16日、しなの鉄道千曲駅から約400メートルの山林で、体長約1・3メートルのオスのクマがイノシシの捕獲用おりにいるのを地元猟友会が発見。麻酔で眠らせて山に放した。同室はクマがエサを探して活発に活動する朝夕、山林になるべく近づかないことや、農作物を収穫した際の残りかすや生ゴミの確実な処理を呼びかけている。また、山菜採りなどで山に入る際にも「鈴や笛など高い音の出るものを身に着け、単独行動はできるだけ避けてほしい」としている。
(クマ目撃、過去最多ペース:山形)
鶴岡市や山形市などで先月中旬以降、市街地にクマの出没が相次いだことを受け、県の「総合クマ対策推進チーム」の会議が21日、県庁で開かれた。県みどり自然課は今年の目撃件数が今月19日現在で200件に上り、2007年の統計開始以来で最多のペースであることを報告。目撃件数はさらに増えるとの見解を示し、関係機関と連携して河川敷の草刈りなど対策に当たることを確認した。同課によると、統計開始以降でこれまで目撃件数が最多だったのは12年の446件。この年は1~6月に154件の情報が寄せられたが、今年は既にその件数を上回っている。10年以降の人身被害は、今月19日までに計24件。9~11月のキノコ採りの時季に被害の8割が集中している。今年は秋以降になっても目撃件数は減らないとみられ、例年は年1回開催の対策推進チームの会議を夏にも開き、情報を密に共有する。人目につきにくい河川敷のやぶを通り、市街地などへ入ってくるケースがあるため、該当箇所の重点的な草刈りを実施することとした。県内では、先月17日に鶴岡市の県立こころの医療センター付近、今月8日には山形市の馬見ケ崎川河川敷で目撃情報が寄せられ、いずれも捕獲・処分された。4月9日には、西川町水沢で渓流釣りをしていた男性が襲われてけがをする被害が発生している。目撃件数増は昨年ブナの実が大豊作で、昨冬が出産ラッシュだったことに由来しているとみられる。今年は一転して凶作が予想されるため、十分な餌を得られなかったクマが行動範囲を広げることが懸念される。県環境エネルギー部の永沢浩一次長は「今年は特異な年だという意識を持ち、これ以上、人身被害を出さない覚悟で対策に臨むことが重要」と語った。
(ニホンカモシカ出没:群馬)
20日午前7時ごろ、群馬県渋川市渋川の日本シャンソン館の敷地で、特別天然記念物のニホンカモシカが歩いているのを男性従業員が発見した。渋川署員や渋川広域消防本部の隊員らが駆け付け、網で捕獲を試みたがカモシカは9時50分ごろ、高さ数メートルの塀を跳び越えて南方へ逃げた。消防隊員らが追い掛け、民家の庭や神社で捕獲を試みたが失敗した。午前11時過ぎ、同市中村の市民ゴルフ場付近で発見されたが、利根川方面に走り去り見失ったという。同館の羽鳥功二館長は「イノシシかと思ったら、カモシカがやってきて驚いた。無事自然に帰ってくれたら」と願っている。市文化財保護課などによると、カモシカは体長約1メートル。カモシカは比較的穏やかな性格だという。市は発見した場合、市に連絡するよう呼び掛けている。
(カワウ駆除に新兵器、小さな音で仕留める空気銃:群馬)
野鳥のカワウによる漁業被害を減らそうと、群馬県は今年度、高性能の空気銃(エアライフル)で捕獲する実証事業を始めた。小さい音で一発で仕留める新しい道具で、適正な生態系を目指しながら駆除できる方法として期待がかかる。カワウはアユやニジマスなどの淡水魚が好物で、放流した魚などが被害に遭う。県鳥獣被害対策支援センターによると、被害額は2013年度が1億4500万円、14年度が1億7900万円、15年度は1億8800万円と増加している。エアライフルでの捕獲は、県が民間の専門業者と業務請負契約を結び、計画的に行う。射程が約50メートルと長く、小さい発砲音で即死させられる。カワウの身体の損傷も少ないため、死体を回収した後の調査もしやすい。県は、卵やヒナを守るためカワウが場所を移しづらい繁殖期(3~6月)を狙い、県内の2大生息地である南陽台(高崎市)と高津戸ダム(みどり市)で、年6回ずつ駆除を行う。16年3月時点で県内のカワウの生息数は推定約900羽。県は17年度に660羽程度に減らす計画だ。同センターの担当者は「どのくらい個体数を減らすのが生態系にとって適切なのか、影響を見極めていきたい」としている。カワウの駆除は従来、散弾銃を使ったり、爆竹などで大きな音を出したりする方法が主流だった。だが、カワウは警戒心が強く、驚いて散らばり、集団繁殖地(コロニー)を移してしまう。このため個体数が減らないばかりか、別の場所にコロニーをいくつも作って、被害を広げてしまう可能性があるという。
(シカ食害を防げ、霧ヶ峰で実験スタート:長野)
ニホンジカによる深刻なニッコウキスゲの食害を減らそうと、諏訪市の霧ヶ峰高原で動物が嫌うとされる農薬「忌避剤」を使った実験が始まった。噴霧しても植物の成長に影響はなく、ニホンジカの食害から守る効果が期待されている。
(鈴でクマから児童守れ:岩手)
児童をクマから守ろう―。北上市和賀町のいわさき小(大沼英生校長、児童124人)PTAは22日、クマよけの赤い鈴100個を学校に貸与した。今年の相次ぐクマ目撃情報を受けた取り組みで「クマはいつ、どこに現れるか分からない。子どもたちを守るには遭遇を避けることが第一だ」と安全確保を図る。鈴は直径約3・5センチ。歩いて登下校する登校班の班長15人は既にベルタイプの鈴を携行しており、持参している児童も十数人いることから、PTAは、一人一人に行き渡るように100個を購入した。臨時全校朝会で三田崇PTA会長(39)が「クマさんが学校の近くに多く出ている。クマに合わないように登下校の時、身に着けてほしい」と児童に手渡した。同PTAは役員会で「スクールバスを使う場合でも、子どもたちが1人になる時間がある」とし、学校活動支援に充てる基金から鈴購入を検討。今月上旬まで開いた各地区の懇談会で、総額5万7千円の購入費の了承を受け実施した。
(石を落としたのは、あの動物!?)
ことし3月、石川県で、道路に落ちていた石に乗用車が衝突する事故があり、県が調べた結果、イノシシが掘った穴によって道路脇の斜面が不安定になって落石が起きた可能性が高いことが分かりました。イノシシによる落石、実は全国各地で相次いでいます。事故があったのは、富山県との県境に近い、宝達志水町の山間部を通る県道です。ことし3月4日の午前0時すぎ、道路に落ちていた石に乗用車が衝突しました。運転していた男性にけがはありませんでしたが、車のバンパーなどが壊れ、傷痕などから、石は、大きさが20センチほどあったとみられています。石川県が調べた結果、道路脇の10メートル余りの高さの斜面に、イノシシが掘ったとみられる穴が複数見つかりました。このため石川県は、イノシシが掘った穴によって斜面が不安定になり、落石が起きた可能性が高いとみています。県によりますとイノシシは、ミミズなどのエサをとるために穴を掘ることがあるということです。石川県は、穴をふさいで斜面を強化する工事を進めているほか、道路管理者として、車を運転していた男性に11万円余りを賠償する方針です。石川県ではことし、イノシシの穴が原因とみられる落石が相次いでいます。金沢市では、市民から、石が落ちたり土砂が崩れたりしたといった通報を受けて職員が調べた結果、斜面にイノシシの穴が見つかったケースが、4月以降だけで3件ありました。中には住宅地のすぐ裏手の斜面だったケースもあり、いずれも穴を埋め戻す工事が行われました。このうち金沢市山科町の斜面では、深さ30センチほどの穴が数十個見つかり、現場を確認した市の職員は、「まるでシャベルやくわを使って掘ったような穴が一面に広がっていた」と話していました。石川県ではイノシシの活動範囲が拡大しています。石川県が、県内をおよそ5キロ四方に区切って活動範囲を調べた結果、昭和53年には全体の5.9%だったのに対して、平成22年には36.3%と、およそ6倍に増えています。捕獲頭数も増えています。平成5年度には県内で僅か10頭でしたが、昨年度は4900頭余りに達しました。イノシシが原因とみられる落石は、石川県以外でも確認されています。先月には、香川県坂出市の県道で縦横およそ50センチ、高さ20センチほどの石が2つ落ちているのが見つかりました。県の職員が調べたところ、道路脇ののり面の上にあるみかん畑に積んであった石が崩れて落ちたものと分かりました。道路は幅6メートルほどで比較的通行量が少なく、けが人や道路の被害はありませんでした。崩れた石は段々畑になっているみかん畑の基礎として積まれていたもので、周囲にはイノシシが土を掘り返したり樹木にぶつかったりしたような跡が残っていたことから県はイノシシが積んであった石を崩したことが落石につながったとみています。県は応急処置として、道路脇に落石を受け止める土のうを置きました。また去年4月には、鳥取市のJR因美線の線路内で直径20センチほどの石が3つ見つかり、特急列車が緊急停止しました。JR西日本米子支社の担当者が調べたところ、線路脇の斜面に、イノシシに掘られたような穴があったということです。乗客にけがはありませんでしたが、列車9本に運休や遅れが出ておよそ700人に影響がおよびました。野生動物による被害に詳しく、環境省登録の鳥獣保護管理プランナーを務める羽澄俊裕さんは、「イノシシが穴を掘って落石が起きることはよくあることだが、人が暮らす領域で起きるケースが増えているように思う。農林業の衰退で山間部の人口が減少し、ハンターの高齢化も進むなか、野生動物の勢いを押し返せないことが背景にある」と話しています。イノシシによる農業被害については、防護柵を設置するなど対策も進められていますが、落石事故という、あまり知られていなかったリスクが表面化したことで、今後、新たな対策が必要になりそうです。
(ジビエビジネス推進へ、メガバンクと連携:鳥取)
鳥取銀行と三菱東京UFJ銀行が連携し、鳥取県産のジビエ(野生鳥獣の肉)素材を生かしたビジネスプランを作り上げるプロジェクトの初会合が21日、鳥取市内で開かれ、行政関係者や民間企業など約30人がプロジェクトの進め方について話し合った。両行が締結した「地方創生に関する包括連携協定」に基づく初の取り組みで、県の担当部局や物流を手掛ける民間企業、狩猟関係者など、ジビエビジネス推進に向けた多彩な顔ぶれが集まった。銀行側が「駆除から利活用、安心でおいしい肉の提供」を目指すビジネスプランの骨子を提示。おいしさ確保のため捕獲後の処理や肉質保証制度の確立、流通を視野に入れた食の安全確保など、課題や目標を話し合った。協議の後、参加者らは市内の料理店がジビエ素材活用の一例として考案した弁当を試食、魅力を再確認した。今後は各課題ごとに分科会を開き、10月以降に施策を実施していく予定。鳥取銀行の足立日出男取締役専務執行役員は「銀行としては扱いにくいテーマだが、地方創生を食のみやこの面から切り開く、『猪突(ちょとつ)猛進』『やるシカない』という気持ちで取り組む」と意気込みを語った。
(牛さん農園守ってね、福光でカウベルト入牧式:富山)
イノシシやクマによる農作物や人への被害を防ぐため、牛を放牧するカウベルト事業の入牧式が二十一日、南砺市小院瀬見の福光里山レクリエーション農園であり、牛二頭が約一ヘクタールの緑地に放された。カウベルトは、自分より大きな動物には近づかない野生動物の習性を利用し、緩衝帯としての役割を果たす。事業は、住民でつくる福光里山カウベルト友好会が二〇〇八年から始め、八回目。六~十一月にかけ、毎年異なる二頭の牛を農園で放牧している。入牧式には友好会員や県、市の関係者のほか、地元の福光南部あおぞら保育園の年長児十一人も参加。子どもたちは「さとこ」「ももこ」と名付けられた二頭の雌牛に草を与えて触れ合い、「里山で元気に遊んでね」と呼び掛けた。友好会の川辺邦明会長は「今年は暖冬の影響でクマの出没情報が例年より多いが、ここは牛のおかげで安全地帯が保たれている」と話した。
(クマ襲撃、警察署員が寸劇で注意:岡山)
東北地方でクマに襲われる被害が相次いでいるのを受け、高梁署は21日、高梁市備中町平川の集会所「ひらかわいこいの家」で住民対象の対策講習会を開く。近くでツキノワグマが目撃されており、署員が寸劇で遭遇時の対処法を伝える。県自然環境課によると、県内の推定生息数は171頭。今年度は6月15日までに目撃や痕跡の情報が38件あり、前年度同期の16件を大幅に上回っている。備中町平川地区では5月13日、パトロール中の署員が道路を横切るツキノワグマを確認。そのほかにも情報が寄せられており、講習会を企画した。寸劇では、黒い布をつけたパンダの着ぐるみを使用。山中に入る時はクマよけの鈴やラジオを携行して人の存在を知らせ、集落に出没した場合は、生ごみを放置せず、隠れそうな場所に注意するよう呼び掛ける。実際に遭遇したら、うろたえず、ゆっくりと後ずさりするよう指導する。同署は「参加希望が多ければ、管内のほかの地域でも開催し、クマの被害を防ぎたい」とする。
(防げ「カラスの巣で停電」:兵庫)
送電鉄塔や電柱にカラスの巣作りが多くなる3~7月。巣材が高圧線に接触すると、ショートして停電を引き起こすこともある。巣作りをさせない抜本策は見当たらず、電力会社は発見・撤去を繰り返すしかない。21日、神戸市北区甲栄台1の住宅街では、地上42メートルの鉄塔頂上の巣を3人掛かりで取り外した。繁殖期になるとカラスは外敵から身を守れる高所に営巣することが多く、適した場所がないと、鉄塔や電柱を選ぶという。木の枝で編まれても雨で水を含むと通電しやすい。また、市街地では衣類ハンガーが材料になり、停電リスクが高まるという。関西電力はこの時期、地上やヘリからの確認を徹底。約1400本の鉄塔がある神戸電力所管内(神戸、明石、淡路3市、芦屋市の一部)では、カラスやミサゴなど年間約300の巣を撤去。管内では今年、営巣が原因とみられる停電はゼロという。この日撤去した巣は、神戸変電所(同市北区)-押部谷変電所(同市西区)間をつなぐ鉄塔の頂上付近で、3月下旬に確認された。直径約60センチで、3人は15分ほどで手際よく取り外した。神戸電力所架空送電係長の小竹智久さん(45)は「巣を見つけたら最寄りの営業所へ連絡を」と話していた。
(「狩猟は成長産業」、里山生活のモデルに)
過疎地域で、都会からの移住者が狩猟免許を取得、捕獲したイノシシや鹿をジビエ(野生の鳥獣肉)に加工して収益につなげる「狩猟ビジネス」が芽生えてきた。大日本猟友会の会員は2015年度、37年ぶりに前年度に比べて増加、狩猟の後継者が少しずつ育っている。先輩の狩猟者に技術やこつを教わりながら、若者たちは里山を守る挑戦を始めている。兵庫県朝来市和田山町の地域おこし協力隊、吉原剛史さん(41)は5月、鹿をさばいて都会のレストランに出荷するジビエ加工所を立ち上げた。「狩猟をなりわいに、里山で若者が生きるモデルを示したい」と意気込む。吉原さんは東京都足立区出身で大学を中退後16年間、オーストラリアで暮らしていた。滞在中、東日本大震災が発生したことで日本を見つめ直した。「自然に寄り添い、住民が助け合って生きる日本の中山間地域に未来を感じた」と帰国。数ある農山村の中から「野生の勘」で朝来市を選んだ。14年に移住、わなと銃猟の免許試験を受けた。狩猟者を志したのは「里山の厄介者を資源に変えられたら、中山間地域の課題解決につながる」と考えたからだ。猟友会に所属し60~80代の狩猟者と山を歩き、4月からは市の駆除隊に加わった。今後は猟友会の先輩にも協力してもらい、年300頭の鹿をジビエに加工する考えだ。現在は手探りの状態だが、加工所と狩猟を軸に生計を立て、定住を目指す。同市には狩猟をする若者が目立ってきた。同県宝塚市出身の高田尚希さん(36)も昨年、狩猟免許を取得し地元猟友会に入会。「個人で狩猟するのはほぼ不可能。猟友会に入って、先輩に教わった方が確実」と実感する。朝来市の狩猟者、高濱健さん(72)は「50代の狩猟者が地元にほぼいない。移住してきた30、40代が頑張ってくれるのはうれしい」と歓迎する。各地の猟友会や都道府県によると、全国各地で移住者や若者が狩猟ビジネスに挑戦し始めている。高知県大豊町に住む安達大介さん(33)もその一人。12年に東京都から移住し、狩猟後は食肉にして自身で経営する民宿「みちつじ」などで提供する。宿は1泊2食7500円で、鹿肉のローストやハンバーグなどを出す。都会の女性客らから人気を集め、「ジビエ民宿」としてリピーターが増えている。夏に向けて、週末の満室も多くなった。ただ、狩猟技術の習得は難しい。安達さんは「新参者なので猟は大変。狩猟やジビエで生計を立てるのは厳しい」と本音を明かす。農閑期は、鹿皮をなめして毛皮を数万円で販売するなど収益アップへ工夫を凝らす。手間が掛かり、まだまだ収入増に課題は多いものの、安達さんは「狩猟ビジネスは未来がある産業。皮革から骨、肉まで丸ごと商品化したい」と夢を抱く。

TOPへ

6/20
(寺の天井裏から銃弾1個、サル駆除の流れ弾?:滋賀)
滋賀県高島市高島の願竜寺で19日午前8時15分ごろ、本堂の廊下の窓に銃で撃たれたような痕が見つかったと110番があり、天井裏から銃弾1個が見つかった。高島署が原因を調べている。同署によると、天井裏の柱に銃弾1個がめり込んでいるのが見つかったほか、部屋の壁や天井に穴が開いていた。銃弾はひしゃげていて、直径、長さともに1センチ程度。現場は山に近い集落で、サルやシカによる獣害が多く、猟銃を使った駆除や狩猟が行われることも多い。願竜寺の住職(60)は「行事があって人が多かったら、弾が当たっていたかもしれないと考えると怖い」と話した。
(双子の子グマ捕獲:青森)
2頭の子グマが、青森・南部町で発見された。ツキノワグマで、体長はわずか20cmほどとなっている。子グマを捕獲した男性は「何か動いているのがいたなと思って、犬とは違う感じだなと思って見たのが、クマだった。(周りに親グマは?)たぶん置いていったんでないの。(姿が)見えないから。見えれば、怖くて、近づけない」と話した。子グマは生後2〜3週間で、捕獲した当初は元気にミルクを飲んでいた。発見現場は、青森県の山あい、農家が点在する場所。近くに親グマが潜んでいる可能性があるため、地元の猟友会は、町の許可を得たうえで、親グマを捕獲するためのわなを設置した。その中に、子グマ2頭を入れ、親グマをおびき寄せる計画となっている。
(クマ1頭捕獲:長野)
長野県上田市菅平高原の国道406号脇にある約10本の桜の木に17日、ツキノワグマが登って実を食べた際にできる跡「熊棚」が見つかった。地元関係者によると、過去に付近で熊棚が確認されることはあったが、これだけ多いのは珍しい。折られたばかりの枝もあり、16日夜から17日未明に実を食べた可能性があるという。一方、17日午前9時半前、上伊那郡飯島町田切の雑木林を見回っていた町猟友会員から、猿用の捕獲おりに熊1頭が入っている―と町役場に通報があった。町職員や専門家らが対応し、麻酔で熊を動けなくして中央アルプス山麓に放した。町は防災行政無線で注意を呼び掛けた。町によると、4〜5歳の雄で体長約1・2メートル、体重約46キロ。現場は中田切川に近い雑木林で、付近に人家はまばらという。熊に捕獲歴を示すタグが付いており、県上伊那地方事務所によると、昨年7月に同町田切で捕獲された個体だった。県林務部によると、熊の出没ピークは例年、餌不足になる8月。今季は気温が高めで果実類や山菜類の生育が1週間から10日ほど早く、出没や農作物被害が前倒しされる可能性があるとみて、注意を促している。
(クマ1頭駆除、目撃のクマ?:山形)
山形市は16日、盃山東側の山中に設置した檻(おり)で、ツキノワグマ1頭を捕獲し、駆除したと発表した。体長などから、同市小白川町2の馬見ケ崎川河川敷で8日に目撃されたクマと同じ可能性が高いという。愛宕橋から双月橋までの約1キロの馬見ケ崎川両岸の河川敷や鈴川公園(双月地区)を立ち入り禁止としたが、付近の解除を検討する。捕獲したのは、体長約120センチ、体重約50キロのオスで、4〜5歳の成獣という。16日午前8時ごろ、付近をパトロールしていた山形猟友会のメンバーが発見した。市は8日午前9時ごろにクマを目撃したとの通報を受けて、馬見ケ崎川近くに檻を設置。連日、パトロールを続けながら、13日に檻を盃山東側の山中に移した。市環境課によると、4月以降のクマの目撃件数は16日時点で23件で、前年度同期比約2倍の多さという。同課は「引き続き注意してほしい」と呼びかけている。
(駐車場にクマ出没、威嚇射撃で追い払う:北海道)
19日北海道新冠町では子グマが現れました。新冠町にある飲食店の駐車場近くで、体長1メートルほどの子どものクマとみられる目撃情報がありました。近くに親グマがいる恐れがあることから、通報を受けた警察が警戒にあたりました。その後、地元の猟友会が威嚇射撃を行ってクマを追い払いましたが、警察などは親グマの出没などに警戒を続けています。
(住宅地にクマ、猟友会などが現場巡回:神奈川)
ラーメン店に体当たりするなどクマの出没が相次いでいる相模原市で17日午後6時半ごろ、同市緑区三ケ木地区の住宅地に出没した。市によると、住宅地で目撃されたのは今回が初めてという。同地区は旧津久井町の住宅地で、人口は2776人(5月現在)。一戸建てや集合住宅が立ち並ぶ。山口澄男さん(69)は庭先を猛スピードで走り去るクマを目撃した。その直後、クマは生け垣をくぐり抜け、路上に飛び出した。犬を散歩させていた、隣家の角田里子さん(59)は約2メートル手前で、生け垣を飛び出したクマに遭遇、民家4軒の庭先などをそのまま走り抜けたという。市職員と猟友会が目撃現場を調べ、足跡からクマと断定。クマの体長は約1・5メートルとみられる。目撃者数人の話を聞くと、国道412号の三ケ木交差点近くから北に直径約500メートルの範囲で動き回っていたとみられる。クマの出没に、山口さんは「96歳の母親も、生まれて初めてと驚いていた」。5月28日に同市緑区与瀬のラーメン店入り口に体当たりするなど、これまでは山間部での目撃が多かった。住宅地での出没に、事態を重く見た市は17日から18日にかけて、猟友会、津久井署とともに現場近くを巡回し、警戒に当たっている。防災行政無線で住民にクマ出没を知らせ、注意を呼びかける看板を13カ所に設置した。市水みどり環境課によると、15年度の目撃情報は3件で、今年度は17日までで9件を数えている。
(クマ出没:石川)
18日石川県七尾市で石油ガス備蓄基地のモニターに体長1メートルほどのクマの姿が2回にわたって映っていました。現場近くには住宅街があります。七尾市内では先月26日と今月13日にもクマが目撃されていて、市は注意を呼び掛けています。
(クマの目撃情報相次ぐ:富山)
18日から19日にかけ、富山市の郊外でクマの目撃情報が相次ぎました。18日午後6時ごろ、富山市本宮地内の牛首谷川で、川沿いを下流に向かって歩いている成獣のクマ1頭を見たと、近くに住む男性から19日朝、富山南警察署に連絡がありました。富山市の職員と地元の猟友会メンバーのあわせて3人が現地を調べ、パトロールを行いましたが、クマと特定できる痕跡は見つかりませんでした。また19日昼前、富山市山田中の瀬で、木に登ってる子グマ一頭を見たと通行人から富山西警察署に連絡がありました。地元の猟友会と警察、市の職員あわせて6人が現地を調べましたがクマの痕跡は見つかりませんでした。
(市道で複数のクマ目撃情報:宮城)
19日午前6時50分ごろ、栗原市築館薬師3丁目の市道で、体長約1メートルのクマが歩いているのを近くの住民が見つけた。現場は栗原市役所から北約700メートルの住宅地。周辺では同じ個体とみられるクマの目撃情報が複数相次ぎ、築館署などが注意を呼び掛けている。同日午後1~2時ごろには大郷町東成田新田の町道、午後3時半ごろには蔵王町平沢町尻の雑木林でも目撃された。
(クマ目撃情報:宮城)
宮城県内では18日もクマの目撃情報が相次いだ。松島町や涌谷町では前日から続いており、県警や自治体が注意を呼び掛けた。午前8時ごろ、涌谷町小塚で体長約1メートルのクマが畑を走っているのを、付近に住む女性が目撃し通報した。遠田署によると、午前7時40分、45分にも近くで目撃情報があった。松島町内では午前7時から正午すぎにかけ、クマの発見が4件相次いだ。塩釜署によると、目撃情報があったのは同町高城愛宕一、高城動伝一、高城根廻人筈、初原的場の4カ所。午後2時25分ごろには仙台市青葉区新川で、体長約1メートルの1頭が市道を横切り付近の山に入っていくのを、車で通行中の女性が目撃し通報した。現場周辺は民家が点在している。川崎町前川藤株山の県道近くでは午後4時15分ごろ、通行人が1頭を見つけた。
(クマ、各地で目撃:宮城)
宮城県内では17日、各地でクマの目撃情報が相次ぎ県警が注意を呼び掛けた。午前9時半ごろ、松島町手樽才ノ神で、道路にいるクマ1頭を車で通行中の女性が見つけた。午後3時20分、同町桜渡戸麦田の三陸自動車道上り車線で、路肩に体長約1.5メートルの1頭がいるのを車で走行中の男性が発見。さらに午後7時15分ごろには、同町根廻人筈の国道45号近くの草むらに1頭がいるのを車で走行中の男性が目撃した。大和町宮床山田中の水田では午後7時ごろ、体長約1.2メートルのクマ1頭が目撃されたほか、午後7時10分ごろには大衡村駒場戸口の村道に体長約1メートルの1頭が出没。それぞれ近くを車で走行中の男性が目撃し、通報した。午後7時45分ごろには、仙台市青葉区芋沢青野木で、体長約1メートルのクマ2頭が市道を横断し民家の敷地に入って行くのを、車で走行中の女性が目撃し、110番した。午後9時50分ごろには涌谷町本町の路上で、午後10時20分ごろには同町役場駐車場でそれぞれクマ1頭が目撃された。
(クマ目撃相次ぐ:宮城)
16日午前6時半ごろ、宮城県東松島市川下の農道で、クマが歩いているのを警戒中の石巻署員が発見した。同市では15日、現場近くの三陸自動車道でクマが目撃された。16日午後5時ごろには気仙沼市唐桑町只越の山林をクマが歩いているのを、男性が運転中の車内から見つけた。
(球場付近の川に「クマ」:福島)
19日午後3時15分ごろ、福島市のあづま球場南側の荒川河川敷で男性がクマ1頭を目撃した。福島署によると体長約1メートルで、河川敷を上流へ歩いていったという。現場はJR福島駅から南西に約9キロで、人家が点在している。同署は警戒を強化し、地域住民に注意を呼び掛けた。同日の県内ではこのほか、クマの目撃が相次いだ。同3時40分ごろ、郡山市の県道で男性が1頭を目撃。郡山北署によると、体長約1.2メートル。南西側の林の中に入っていった。同4時15分ごろには、喜多方市の県道で運転中の女性が道路を横切り山側に歩いていく1頭を目撃した。喜多方署によると体長約1メートル。金山町では同6時10分ごろ、通行人が畑で1頭を目撃。会津坂下署によると体長約1メートル。桑の木の近くにいたという。
(クマ被害か、リンゴの木折られる:秋田)
16日午前5時ごろ、秋田県大館市の果樹園で、リンゴの木の枝3本が折られているのを所有者の男性が見つけました。秋田県内ではクマに襲われて4人が死亡し、3人がけがをする被害が相次いでいます。付近にはリンゴやナシの畑が多くあり、住宅も点在しているため、警察がパトロールを強化して注意を呼び掛けています。県も農作物への被害が増える可能性があると指摘しています。
(クマの目撃相次ぐ:岩手)
県内では、17日もクマの目撃情報が相次ぎ、雫石町では小学校の近くでクマが目撃された。クマが目撃されたのは、雫石町の安庭小学校近くの沢で、午後0時30分ごろ、釣りをしていた男性が、木に登って桑の実を食べている子グマ一頭を目撃した。食べ終えたクマは安庭小学校方面に向かったということで、連絡を受けた学校では児童が校舎から外へ出ないように徹底し、授業の後、警察がパトロールを行う中、集団下校した。安庭小学校によると、付近では、毎年クマが出没するというが、ことしは初めて目撃されたという。警察や雫石町で住民に注意を呼びかけている。県内各市町村によると、16日から17日午前までに寄せられたクマの目撃件数は計37件。
(シカ接触事故、40分間で3度相次ぐ:広島)
広島県の山間部を走るJR芸備線で19日夜、列車がシカに接触する事故が約40分間で3度も相次いだ。JR西日本は「雨上がりなどにシカはよく出るが、3度も続けて事故が起きるのは珍しい」と話している。JR西によると、19日午後8時56分ごろ、広島発三次行き快速列車(3両)が、井原市−向原間で線路上にいたシカと接触。約15分後に運転を再開したが、午後9時35分ごろ、甲立−上川立間で再度シカとぶつかった。運転士と乗客約30人にけがはなかった。午後9時28分ごろには、広島発三次行き普通列車(3両)も中深川−上深川間でシカと接触したが、けが人はなかった。一連の事故で、接触した列車を含む4本が最大40分遅れ、約70人に影響した。
(イノシシ出没、麦畑荒らす:宮城)
黄金色の麦畑で黒い塊がうごめく。宮城県大和町吉田台ケ森でイノシシが出没し、畑を荒らしている。日が傾き始めた午後6時半すぎ、数頭のイノシシがやぶの中から姿を見せた。いずれも体長1メートル前後で、黒い体毛に覆われている。順を追うように次々と畑に侵入し、麦の穂を踏み倒した。小麦を作る農業堀籠昭次さん(69)は「数年前から足跡などでイノシシの存在には気付いていたが、畑を荒らされたのは初めて」と被害の拡大を心配する。付近では今月14日、クマ4頭の目撃情報があった。近くの温泉で旅館を営む男性は「もしかしたらイノシシだったのではないか」と推測していた。
(落石が車に衝突、原因はイノシシの穴掘りか:石川)
ことし3月、石川県宝達志水町で、県道に落ちた石に車が衝突する事故があり、道路を管理する石川県は、イノシシが掘った複数の穴によって道路脇の斜面が不安定になり、石が落ちた可能性が高いとみて、運転していた男性に11万円余りを賠償する方針です。石川県によりますと、ことし3月4日の午前0時すぎ、宝達志水町所司原で県道に落ちていた石に乗用車が衝突しました。運転していた男性にけがはありませんでしたが、車のバンパーの傷痕などから落ちた石は20センチほどの大きさだったとみられています。道路脇の斜面は落石を防止するため、10メートルほどの高さまでコンクリートで覆われていますが、さらに上の斜面を県の職員が調べたところ、イノシシが掘ったとみられる穴が複数見つかったということです。石川県によりますと、イノシシはミミズなどの餌をとるために穴を掘ることがあるということです。石川県はイノシシが掘った穴で斜面が不安定になって石が落ちた可能性が高いとみて、道路管理者として車を運転していた男性に11万円余りを賠償する方針です。
(クマ被害、入山自粛強く呼び掛け:秋田)
クマに襲われたとみられる4人の遺体が相次ぎ見つかった秋田県鹿角市十和田大湯の現場周辺で18日、県警や鹿角市などが検問やパトロールを行い、タケノコ採りなどでの入山自粛を強く呼び掛けた。19日も実施する。県警、鹿角市、東北森林管理局、県、県猟友会の5機関から計約55人が参加した。県警は鹿角、大館両署のほか機動隊も出動させ、遺体が見つかった熊取平(くまとりたい)、田代平(たしろたい)近くの国道や県道7カ所で検問。通行中の車に停止を求め、クマによる被害が相次いでいることを伝えて入山自粛を訴えた。猟友会や森林管理局は周辺を巡回。山林内に入山者がいないかどうか確認して回った。
(クマ出没、最多92件:石川)
県議会は十七日、総務企画、厚生文教、環境農林建設、商工労働公安の四常任委員会を開いた。環境農林建設委で県側は今年一月から六月十五日までのクマの出没件数が九十二件となり、同時期の件数では統計開始の二〇〇五年以来最多だったと明らかにした。委員からは人的被害も与えかねないクマやイノシシなどの駆除対策の強化や注意喚起の徹底を求める意見が相次いだ。井出敏朗副委員長(自民)らの質問に宮崎良則環境部長が答えた。クマは加賀市から七尾市までの九市二町で目撃されており、最多は小松市の四十一件、次いで金沢市の二十一件、能美市と宝達志水町で各七件だった。自然環境課によると、昨秋は餌となる山林のブナが豊作だったためクマの栄養状態が良く妊娠に適した状況で、今春の子グマの出産も多かったと推測される。餌を求めて活動範囲が広がり、里山周辺に定着しているクマが同じ地域に複数回出ていることも考えられるという。イノシシの捕獲頭数も一五年度は速報値で四千九百八十六頭となり、過去最多だった一四年度の二千九百十九頭を大幅に上回った。イノシシは近年、分布範囲が広がっており、狩猟期間延長などの積極的な捕獲で増えたとみられる。農林業被害も高い水準にあり、農業安全課によると、一五年度のイノシシによる被害額は七千万円だった。被害は農作物にとどまらない。委員会では三月に宝達志水町内の県管理道路で発生した落石事故による損害賠償案件の議案も審議。道路整備課によると、現場上方の斜面には掘り返された穴がいくつもあり、餌を求めて地面を掘り返す習性のあるイノシシが原因ではないかと推測している。
(目撃多発、クマ捕獲へ:神奈川)
今月に入り、相模原市緑区でツキノワグマが頻繁に目撃されていることを受け、市は捕獲に向けた検討を始めた。現在、捕獲の許可権を持つ県と対応を協議している。市は出没地域の住民らに注意喚起を行うとともに、クマに出合ってしまった場合は刺激しないよう呼び掛けている。市によると、クマの目撃情報は2015年度に7件、14年度は15件が市に寄せられた。本年度は5月28日に同区与瀬の国道20号沿いで、近くの飲食店の男性店主が目撃したのを最初に、6月9~17日にもクマが県道を横切るなど立て続けに計6件の目撃情報があった。いずれもけが人はいなかったが、市立藤野南小学校(同区牧野)では半径1キロ内で5件も目撃されていることから、教職員らが登下校の見守りを強化している。県によると、ツキノワグマは県内に約40頭ほどが生息しているとされ、県のレッドデータブックで「絶滅危惧1類」(絶滅の危機に瀕(ひん)している種)に指定されている。このためクマが人里近くで目撃された場合、駆除はせず、花火などを使った追い払いを実施。それでも繰り返し出てくるような場合は、わなを設置して捕獲し、爆竹を鳴らしたり唐辛子スプレーをかけたりして人間を恐れるように学習させた上で、山奥に放すことになっている。今回も市は同様の処置を検討している。県内では12年度、同区や伊勢原市で計3頭が捕獲された。
(クマ目撃でキャンプ場宿泊一時禁止に:山形)
山形市の西蔵王公園近くで16日、クマの親子が目撃された事態を受け、現場周辺のキャンプ場の宿泊利用が、17日から今月いっぱい禁止されることになった。西蔵王公園の北駐車場付近の市道で16日、クマの親子が目撃されたため、園内には17日、利用者に注意を促す文書が貼り出された。文書には、クマと遭遇しないように鈴などで自分の存在を知らせることや、残飯やゴミを持ち帰ることを呼びかける内容が記載されている。一方、親子グマの目撃情報を受け、県では、現場周辺にあるキャンプ場で、テントなどを使っての宿泊を、17日から今月いっぱいは禁止にすることを决めた。今後は、クマの出没状況などを踏まえながら利用再開の時期を判断する方針だ。ところで、今月8日に馬見ヶ崎川河川敷に出没したとみられるクマが16日捕獲されたため、山形市は、立入禁止にしていた愛宕橋から双月橋までのおよそ1キロ間の区間を17日午後2時に解除した。また、双月地区の鈴川公園を立入禁止区域から注意喚起区域に変更した。
(「クマに注意」呼びかけ、県警や猟友会:群馬)
東北地方でクマに襲われて死傷する被害が相次ぐ中、県内でも目撃情報が増加し、県警や猟友会などが注意を呼びかけている。県自然環境課によると、目撃情報は4月が17件(前年同期比10件増)、5月が62件(同9件増)。昨秋は餌となるドングリやブナの実などが豊作で、出生数が増えたことが要因とみられる。4月下旬、みどり市大間々町小平の山林で山菜採りをしていた男性(66)が左腕をかまれて軽傷を負った。過去7年では28件の人的被害が発生している。6月に入り2件の目撃情報が寄せられた高崎署は18日、地元猟友会などと協力し、高崎市倉渕町三ノ倉の道の駅「くらぶち小栗の里」でチラシやクマよけの笛を配り、観光客らに注意を呼びかけた。県内では約1000頭が生息しているとみられ、秋にかけて餌を求めて人里に近づく可能性が高い。倉渕猟友会の塚越末男会長(71)は「これから活動が活発になる。特に子連れのクマは子どもを守ろうとして凶暴になるため注意してほしい」と呼びかけている。山に入る際はクマよけの鈴などを身につけ、遭遇しても目をそらさず静かに後ずさりして逃げることが有効だという。
(クマ、人里への出没注意:長野)
県内で春以降、ツキノワグマの目撃情報が相次いでいる。5月に軽井沢町で山菜採り中の男性がクマに襲われ軽傷を負ったほか、6月には千曲市や塩尻市の市街地周辺でクマが出没した。クマは夏頃に出没する傾向があるが、県は、春先から気温が高めだった今年は果実や山菜のシーズン終了が早まり、この時期から「エサ不足」になっている可能性があるとして、注意を呼びかけている。県内の春先からの気温は平年より1~2度程度高く推移した。県鳥獣対策・ジビエ振興室は、初夏から夏にかけてクマのエサとなるキイチゴや山菜類の生育が1週間から10日ほど早まり、この時期すでに山の中でエサが不足した状態になったとみている。加えて、昨年秋は出産を迎えるクマの栄養源となるドングリが豊作だったため、多くのメスが子供を産んだ可能性があるという。出産したメスは、翌年6~7月の交尾期にはオスを避けようとして、子連れの状態で行動範囲を広げる傾向がある。同室は「思わぬ場所で、人がクマと遭遇する可能性もある」とする。県内では、長野市松代町豊栄の民家で4月、倉庫にクマが侵入したとの目撃情報があり、リンゴが食べられた形跡があった。塩尻市でも今月4日、JR塩尻駅近くでクマ1頭が目撃されたほか、山形村でも5日にクマが出没し、射殺された。千曲市では16日、しなの鉄道千曲駅から約400メートルの山林で、体長約1・3メートルのオスのクマがイノシシの捕獲用おりにいるのを地元猟友会が発見。麻酔で眠らせて山に放した。同室はクマがエサを探して活発に活動する朝夕、山林になるべく近づかないことや、農作物を収穫した際の残りかすや生ゴミの確実な処理を呼びかけている。また、山菜採りなどで山に入る際にも「鈴や笛など高い音の出るものを身に着け、単独行動はできるだけ避けてほしい」としている。
(例年より早く、クマの目撃相次ぐ:長野)
千曲市や山形村などの人里でクマの目撃が相次いでいることを受け、県は「大量出没の可能性がある」として注意を呼び掛けている。山に餌が減る夏から秋にクマの目撃は増えるが、例年に比べて早いという。この時期に県が注意喚起するのは異例だ。千曲市で十六日朝、山すそに仕掛けたイノシシ用のおりに体長一・五メートル、体重八二キロの雄のクマが入っているのが見つかった。例年は目撃が少ない住宅まで約百メートルの場所だった。駆除はせず麻酔をかけ、山奥で放した。山形村では五日、田んぼに現れた雄のクマが射殺された。昨年は県内のドングリが豊作だったため、今年は子連れのクマの出現が増えると予想されている。軽井沢町では五月上旬、山菜採りをしていた八十代男性が子連れのクマに襲われ、顔や腕をかまれて軽傷を負った。県によると、今春は平年よりも気温が高く、餌になる山菜やキイチゴなどの生育が早まった。その分、夏場の餌不足が例年より長くなると見込まれ、初夏から、ドングリが実る秋まで人里に現れる可能性がある。特に六~七月は交尾期に当たり、雄や雌を問わず活動が活発になる。県の担当者は「クマが行動しやすい朝夕に森林周辺を散歩するのは控え、餌になる生ごみの放置も、やめてほしい」と話している。
(県内のクマ被害は?:高知)
2016年春以降、ツキノワグマに人が襲われる事例が各地で相次いでいる。秋田で4人が死亡したほか、神奈川県の住宅地にまで出没しており、環境省は全国に注意を促す通知を出した。四国にも生息しているが、研究者は「確認できている個体は十数頭と少なく、市街地まで出没する可能性は限りなく低い」としている。ツキノワグマは本州以南に生息し、頭から尻までの長さは1・1~1・3メートルほど。東北では毎年、遭遇事例があるものの、2016年は5月下旬から山菜狩りなどの男女4人が立て続けに襲われ死亡。さらに、島根県でもけが人が出ている。秋田県自然保護課の担当者は被害急増の一因に、クマの餌となるドングリが2015年秋は豊作だったことを挙げる。「雌が子を多く産んだため、冬眠明けで子どもを守りながら食べ物を探し回っている可能性がある」という。環境省の2010年度の推計では、全国に生息するツキノワグマは1万2千~1万9千頭。このうち45%が東北6県に集中し、新潟県や長野県など中部地方を合わせると全体の9割を占める。四国自然史科学研究センター(高知県須崎市)などの調査では、四国内の生息域は「高知県、徳島県にまたがる剣山地とその周辺」。高知県内では香美市物部地域の山奥が中心で、長岡郡大豊町や安芸市との境界付近まで移動するというデータもある。ツキノワグマ担当の山田孝樹研究員は「東北などとは全く生息状況が違う。頭数が少なく、生息エリアが限られているため、通常の生活で遭遇する可能性は低い」。ただ、「万一に備えて」、登山や渓流釣りをする人には、音の出るラジオや撃退スプレーを携帯するなどの対策を勧めている。
(狩猟者37年ぶり増:山形)
約40年間減少が続いていた山形県内のハンターの数が、昨年度初めて増加に転じた。県内では今年、クマの目撃件数が昨年同期の約2倍に上り、絶滅したとみられていたイノシシによる被害も近年目立つなど、ハンターの需要は高まっている。県猟友会は、ハンターをさらに増加させるため、セミナーの開催などに力を入れている。県猟友会によると、1978年度に会員数7141人とピークを迎えたが、レジャーの多様化などで大幅減が続き、84年度には5000人を割った。その後も2009年の改正銃刀法施行で銃所持規制が強化され、11年の東京電力福島第一原発事故の影響でクマ肉から基準値を超える放射性物質が検出されるなど、狩猟を取り巻く環境は厳しさを増し、14年度には1397人まで減少した。ところが、最近は狩猟を題材にした漫画が人気を集め、県猟友会の広報活動が奏功したこともあって、15年度は37年ぶりに21人増えて1418人となった。ただ、増加に転じたとはいえ、依然絶対数は不足している。60歳以上が会員の71・6%を占め、高齢化も深刻だ。さらに、クマの出没だけでなく、県内では明治期に絶滅したとみられていたイノシシが近年増加しており、14年度には1976万円の農業被害が生じている。県猟友会の海和邦博事務局長は、「10年もすれば、活動できる人ががくっと減ってしまう。3000人まで増やしたい」と話す。そのため力を注いでいるのが、セミナーの開催だ。狩猟免許試験が行われるのを前に、今月は25日に南陽市で開かれる。若手ハンターが狩猟の魅力や猟友会の活動について語るほか、射撃を見学したり、ジビエ料理を試食したりできる。海和事務局長は、「気軽に参加してみてほしい」と話している。
(イノシシとニホンジカ対策、若手ハンター捕獲法学ぶ:富山)
県内の若手狩猟者が、農林業などに被害を与えるイノシシとニホンジカの効果的な捕獲法を学ぶ技術向上研修会が十九日、富山市婦中町吉住のねいの里で始まった。高齢化による狩猟者の減少や森林開発が減ったことなどを背景に、イノシシとニホンジカの増加が全国的に深刻化しており、県内でも隣県からの流入などが原因でイノシシの個体数が増えている。環境省が昨年度、これらの野生鳥獣の捕獲を進める事業を開始したことを受け、県も本年度から初めて研修を実施した。研修には大型鳥獣の狩猟経験が三~五年の若手ハンター八人が参加。県自然保護課の飛世泰宏主任が、法律で定められた狩猟禁止区域や捕獲後の処理などを説明した。岐阜大野生動物管理研究センターの鈴木正嗣所長は、餌を設置してニホンジカの警戒心が薄れた隙に猟銃を放つ「誘引狙撃法」など、全国の先進的な捕獲法を紹介した。参加した砺波市猟友会の山本圭介さん(42)は「動物の生態や捕獲法をしっかり理解し、県内の鳥獣被害防止に役立ちたい」と意気込んだ。研修は来年三月五日まで計二十六日間あり、ベテラン狩猟者による積雪時の狩りや、捕まえた鳥獣の解体法などを学ぶ。
(エゾシカで村おこし、四半世紀経て結実:北海道)
急激に生息数を増やしたエゾシカが農林業被害や交通事故を引き起こすなど社会問題となる中、西興部村はエゾシカを「資源」と位置づけて町づくりに生かしている。村全域を猟区に設定し、道内外から80人近くのハンターが狩猟目的で滞在。一般社団法人エゾシカ協会(札幌)が昨年度から始めた捕獲認証制度の実技試験会場になるなど、エゾシカ対策の先進地にもなっている。こうした取り組みのきっかけは、四半世紀前に村民有志10人が立ち上げた「村養鹿研究会(鹿研)」だった。「エゾシカを村おこしに使えないかと遊び半分で始めたんだけど」。1990年の設立当初から鹿研の会長を務める中原慎一さん(65)はそう振り返る。当時は釧路や根室管内での被害が報告されていたが、「村ではほとんど見かけなかった」という。仲間10人から10万円ずつ出資金を募って会を発足。廃線になった名寄本線の廃棄資材を譲り受けて柵を作り、エゾシカ専門の観光牧場「鹿牧場」を開設した。わずか0・7ヘクタールの敷地に2頭を放牧した小さなスタートだった。前村長の高畑秀美さん(65)も創設メンバーの1人。村職員だった高畑さんは、牧場で保護した子鹿にミルクを飲ませるために昼休みに牧場に通ったり、仕事を終えた後、鹿肉処理場を手作業で作り上げるなど、熱心に活動した。「会員はみんな40歳前後の働き盛り。大変だったけどとにかく楽しかった」と話す。村も、96年に約1億円をかけて鹿牧場を約7ヘクタールに拡大するなど、取り組みを後押しした。一方、エゾシカの被害は拡大を続け、道は対策を本格化していた。中原さんは「野生のエゾシカがどんどん増えて、牧場の外の方が多くなっちゃった」と笑う。会は、牧場運営で培ったノウハウを生かし、エゾシカ対策に取り組み始める。高畑さんは97年、牧場運営でアドバイスをもらっていた大泰司紀之・北大名誉教授に同行し、野生動物管理の先進地ヨーロッパを視察。《1》認証を受けた専門知識を持つハンターが狩猟《2》捕獲した鹿を衛生的に処理《3》食肉として有効活用―といった先進的な管理システムを学んだ。会と地元猟友会、村は2003年、村猟区管理協会を設立。同協会が管理団体となり、翌年に村全体を猟区に設定し、ヨーロッパに倣ったシステム構築に向けて動きだす。協会は、高齢化が進み担い手不足に苦しんでいたハンターを育成するため、協会主催の「新人ハンターセミナー」を開催。当時3人だった村内のハンターは現在16人まで増えた。また、専門的な知識や技術を身につけたハンター養成を目的に、イギリスの制度を参考に昨年度からエゾシカ協会(札幌)が始めたハンター認証制度(DCC)の実技試験会場にもなっている。また、有料ガイド付きのハンティングも事業化。首都圏のハンターを呼び込むなど順調に数を伸ばし、昨年度は78人が利用する産業の一つに成長した。村は、宿泊施設や解体処理場の利用料などで年間1600万円ほどの経済効果があると試算する。こうした取り組みの結果、猟区開始当初は年間約50頭だった捕獲頭数は、昨年度は701頭まで増加した。鹿牧場も、一年を通じてエゾシカの生態を観察できることから、観光客に加えて相互協力協定を結ぶ酪農学園大の学生やエゾシカの忌避剤を開発する企業など、研究目的の利用も増えてきているという。捕獲したエゾシカの有効活用に向けた次のステップとして、村は14年、鳥獣処理加工センター「西興部ワイルドミート」を整備。鹿研は箱わななどで駆除したエゾシカを食肉として処理し、会員の田尾商店で販売するほか、村内のホテル森夢や東京のジビエ料理店などに卸している。村は、本年度から地方創生予算を活用し、食肉や角、皮などを使った特産品の開発に取り組む計画だ。菊池博村長は「これまでの取り組みを生かし、お土産品の開発や地元でジビエ料理を提供するなど、商業化にも本格的に取り組みたい」と意気込んでいる。
(有害獣対策で大規模捕獲おり:和歌山)
和歌山県上富田町生馬の自営業、林秀さん(78)が、有害獣対策で田辺市中辺路町北郡に大規模な捕獲おりを建設。使い始めて3日間でニホンジカ5匹、イノシシ4匹を捕獲した。林さんは「おりのゲートを電動で開閉できるよう工夫した。閉める際に大きな音が出ないので、おりの外の動物に警戒心を与えず、連続捕獲につながった」と話している。おりは広さ約2500平方メートルの畑の周囲を丈夫な金網で囲んだもので、畑にシカなどを誘い込んで捕獲する。金網は高さ2・5メートルで地下50センチまで網を埋め込んでいる。金網の延長は約270メートル。ゲートは1カ所で幅約4メートル。全開時には2メートル以上上がるが、普段は1メートルほど上げ4、5秒で完全に閉まる。ゲートの開閉は手動のスイッチでする。林さんがおりの近くの小屋に待機し、畑に設置したテレビカメラの映像を見ながらシカなどが入るのを確認して扉を閉める。おりの中の畑には梅、ミカン、クリなどを植え、ブロッコリーやダイコンなど季節の野菜も栽培。鶏小屋も置き、捕獲おりと気付かれないよう工夫しているという。林さんによると、おりは3年前に完成していたが、使い始めたのは今年5月末。果樹が育つのを待っていたという。利用を始めてからは畑にシカやイノシシが好むヌカやパン粉も置いている。林さんは50年以上前に猟銃による狩猟を始めた。同じころ、上富田町内に約千平方メートルを囲う捕獲おりも造った。今も使っているが「こちらは閉めた時に『ガチャン』と大きな音がするため、動物側が警戒して続いて中に入ってくれない」と話す。林さんによるとイノシシやシカは季節により今いる山から別の山へと移動する。「北郡のおりは、これら動物が山を移動する際の通り道とみられる所に造った」といい、長年狩猟で培った経験が見事に的中した格好だ。北郡のわなでは、畑周辺の草を刈って新芽が出るのを促進させる作業をしているところ。「今また近くまで動物が来ている。雨が降れば動物にも動きが出てくるので、また入ると思う」と林さん。大きな箱わなのゲートも電動化する利点があるといい「希望者には工夫の仕方をお教えします」と話している。
(リオへの軌跡、クレー射撃女子スキート)
セピア色の写真の中でライフルを構える男性は、かつて「最もついてない男」と評された。クレー射撃で2度も五輪代表になりながら、政治の圧力などで出場できなかった「幻の五輪選手」。その娘が今夏、リオデジャネイロ五輪の舞台に立つ。クレー射撃女子スキート代表の石原奈央子選手(41)=鹿沼市=は、親子2代の夢を追いかけてきた。父敬士さん(73)は五輪代表となった1968年メキシコ大会では競技団体の不祥事で出場できず、80年モスクワ大会は東西冷戦による政治の圧力に屈し、日本が参加をボイコット。30年余の時を経て五輪への扉を開いた親子の原点を訪ねた。県西部を流れる大芦川。山中の源流をさかのぼると、石原さん親子の実家である厳かな雰囲気の古峯(ふるみね)神社(鹿沼市草久)があった。約1300年の歴史を誇り、敬士さんは第84代宮司を務めている。日本庭園も有する広大な敷地の神社の隣に古峰ケ原射撃場はある。石原選手は小学生の頃から、敬士さんの射撃練習を見て育ったという。「無線操縦や釣りとか、男の子が好きな遊びばかりをしていました。『私もお父さんみたいにかっこよく銃を撃ってみたい』と思ったのは、自然の流れかもしれませんね」。母方恵(まさえ)さん(73)は、懐かしそうに話した。23歳の頃、趣味でクレー射撃をしていた石原選手は、本格的に競技の道へ進んだ。きっかけは、父の師匠、藤堂高弘さん(故人)の言葉だった。「一流になれる。五輪で金メダルを取れる選手に育てよう」。約3キロもある銃を軽々と持ち、抜群の集中力でハイスコアをたたき出す石原選手を見た藤堂さんは、そう口にしたという。敬士さんが20歳の頃から20年間、射撃の指導をしてきた恩師の気持ちを、敬士さんが代弁した。「モスクワ五輪をボイコットした時、私はやむを得ない事情だし、悔しさは無かった。でも、藤堂さんは悔しさでいっぱいだったはず」。教え子の夢を娘の石原選手に託したのだろうか。石原選手のデビュー戦は32歳。2007年に岡山県で開催された公式大会だ。25点満点で、10点台の最下位。悔しさをバネに父に指導を仰ぎ、翌年は優勝。「初心を忘れないように」と、デビュー戦のスコアシートは、今でも自宅に保管している。14年からは年に数回、イタリアへ渡り、04年アテネ五輪金メダリストの指導を受けている。体幹の大切さ、クレーの狙い方を基本から教わり、技術面で飛躍を遂げた。今年2月、インドであったリオ五輪アジア予選で優勝し、代表の座を引き寄せた。敬士さんは「日本の代表として出るからには、金メダルを取ってほしい。奈央子が力を出し切れば、必ず優勝できる」と語る。競技にデビューした頃、射撃関係者から「お父さんとは随分、実力が違うね」と辛口の言葉を浴びせられた。周囲は今、「射撃フォームが、父親とうりふたつだね」と口をそろえるようになった。リオ五輪の開幕まで2カ月を切った。第2部では、特別な練習環境を要するクレー射撃を通し、リオ、そして4年後の東京五輪を見据える「親子の絆」に迫った。
(リオへの軌跡、クレー射撃女子スキート)
銃を構える父の姿を後ろから見つめ、フォームやクレーの狙い方をじっくりと学ぶ。クレー射撃女子スキートで、4年後の東京五輪出場を目指す折原梨花さん(19)=文星芸大=の練習法だ。折原さんは、同種目でリオデジャネイロ五輪に出場する石原奈央子選手(41)と同じように、父親の影響で射撃競技を始めた一人である。折原さんの父研二さん(43)は全日本選手権で、昨年を含め過去8回優勝の実力者だ。3歳の頃から、祖父の英司さん(73)が経営する那須国際射撃場(那須町高久甲)で、父の射撃を見て育った。華麗にクレーを次々と撃ち抜く父。毎年のように大会のトロフィーを持ち帰ってくる父。「私もこの競技でお父さんのように活躍したい」。「勇ましい父の姿」は、折原さんにクレー射撃への憧れを募らせていった。銃刀法の規制により、18歳まではクレー射撃で使う散弾銃を持つことは許されない。そこで、折原さんは真岡北陵高のライフル射撃部に入り、ビームライフル競技で標的を狙う技術を養うことを決めた。学んだのは、射撃は「精神状態が結果を左右しやすい競技」ということだ。進路を悩んでいた高校2年の秋から高校3年の春は、思うように標的に当たらず、点数が伸びない時期が続いた。頭の片隅にある私生活の悩みが、精度を狂わせた。そんな折原さんを見て、研二さんは「技術は高1の時より確実に上がっているよ。自分も伸び悩んだ時期はあったけど、それを乗り越えてきた。自信を持って撃てば、必ず結果は出る」と励ました。長年「射撃」に向き合ってきた父の言葉には説得力があり、心に響いた。地道な練習が実を結び、2014年10月の長崎国体で、「少年女子ビームライフル立射」の「20発」と「40発」の2種目で優勝した。現地で観戦した研二さんは「すごいスピードで強い選手に成長した娘の姿に感動を覚えた」と振り返る。高校卒業後、クレー射撃の免許を取得した折原さんは、高校時代の実績を買われ、日本クレー射撃協会が主催する有望な新人選手の発掘を目的とした強化合宿にも参加した。今年2月、「神奈川県立伊勢原射撃場」(神奈川県伊勢原市)であった合宿では、練習中の石原選手からアドバイスをもらった。「試合当日はいつもより早く起きて頭を起こし、射撃の集中力を高めている」と聞き、実践するようになった。研二さんとは、週3回のペースで那須国際射撃場で一緒に練習している。「安定感のある父の射撃は最も良い見本。1人で撃つよりも良い練習になります。大切な家族であり、選手としても尊敬する人」と折原さん。研二さんもまだ、五輪出場の経験は無い。研二さんは「いつか私より射撃がうまくなってほしいし、そうなったら(娘を)追い抜きたい。一緒に練習しながら高みを目指していければ」。親子であり、ライバルでもある2人は、ともに東京五輪に出場する日を思い描いている。

TOPへ

6/17
(山林に仕掛けた檻にクマ:長野)
長野県千曲市の山林に仕掛けた檻の中にクマがいるのが見つかり、麻酔で眠らせて山に帰されました。16日午前7時ごろ、千曲市の山林で、イノシシ用に仕掛けた檻の中にクマがいるのを地元の猟友会員が見つけて市に連絡しました。クマはツキノワグマの雄で、体長およそ130センチ、体重は80キロ余りでした。「怖いです、単純に。普通に散歩するところだから余計に・・・(ここに来て)20年になるが初めて」(近所の人)長野県内では、クマの目撃情報が4月だけで50件ありました。
(クマ被害者、DNA鑑定で特定できず:秋田)
秋田県鹿角市の山林で4人が相次いでクマに襲われて死亡した事故で、射殺したクマの胃から見つかった人体の一部をDNA鑑定したが、被害者の特定には至らなかったことが16日、県警などへの取材でわかった。県警などによると、人体の一部の組織片からDNA鑑定を試みたものの、組織片はクマの胃の中で時間が経過するなど状態が悪化していた。そのため、抽出したDNAから被害者を特定するのが困難だったという。クマは10日、青森県十和田市の女性(当時74歳)が倒れていた鹿角市十和田大湯の現場近くで、猟友会員が射殺した。県などが13日、解剖したところ、胃の中から人の体の一部が見つかった。県などによると、クマの胃の中に大量のタケノコがあったのに比べて、肉片と思われるものの量は少なかった。女性の遺体が大きく損傷していた状況から考えると、この1頭だけでなく、他にもこの女性の遺体を食べたクマがいる可能性がある。クマの生態に詳しい東京農大の山崎晃司教授(54)は「時間とともにDNAが劣化するため、事故現場を発見したらすぐに(現場に残された遺留物を採取するなど)作業することが必要だ」と指摘する。東京農工大の小池伸介准教授(37)も「警察と同時に野生動物の専門家が現場に赴く態勢がなければ対応は難しい」としている。
(ドローンで鳥獣被害対策:徳島)
徳島県や徳島県ドローン安全協議会などは、夜間の鳥獣害対策に小型無人機(ドローン)を活用するための実験を20日に実施する。ドローンに搭載した赤外線カメラで、茂みに隠れた動物を発見できるかを確かめる。カモやサル、シカなどの獣害対策への活用をめざす。実験は徳島県上板町の県農林水産総合技術支援センター畜産研究課で実施する。飼育しているウシをドローンの赤外線カメラで発見し撮影する。雨天の場合は石井町の同センター施設に場所を移して実験する。ドローンのカメラで害獣を判別できるようになれば、音を出すなどの仕掛けで追い払うことが期待できる。県内ではカモによるレンコン畑の食害などが頻発しており、ドローンを対策に生かしたい考えだ。
(「イノシシ」から420ベクレル検出:福島)
県は16日、4市町で捕獲された野生鳥獣の放射性物質検査結果を発表した。イノシシは13頭中11頭、ツキノワグマは6頭中3頭が食品の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を上回った。最も数値が高かったのは、郡山市で5月に捕獲されたイノシシの1キロ当たり420ベクレル。県はイノシシの肉を県内全域で、ツキノワグマの肉を中通りと会津で、自家消費を控えるよう要請している。
(住宅地で約1メートルのイノシシを目撃:富山)
16日未明、黒部市の住宅街で体長およそ1メートルのイノシシが民家の敷地内に入り込むのが目撃されました。イノシシは、その後、行方が分からなくなり、警察などが注意を呼びかけています。
(人食い熊被害、もはや熊除けの鈴は通用しなくなったのか)
「いずれの遺体も熊とみられる大型の動物に引っ掻かれ、噛まれた痕がありました。人体のなかでも比較的やわらかい腹部や胸部が食べられていて、衣類がないと身元を確認できないほど損傷が激しい遺体もありました。事件はすべて熊取平と田代平という半径2.5kmの非常に狭い範囲で起きています。同一個体によるものか、もしくは集団による可能性もあります」(秋田県鹿角警察署の担当者)秋田県鹿角市十和田大湯の山林で「連続殺人」が止まらない。6月10日、自営業・鈴木ツワさん(74才)の遺体が発見された。周辺では5月下旬から熊の襲撃による死亡事件が相次いでおり、鈴木さんが4人目の犠牲者となる。鈴木さんの遺体発見後、地元の猟友会が現場近くにいたツキノワグマ(体長1.3m、推定6、7才のメス)をライフル銃で射殺した。県などが解剖を行ったところ、胃の中からタケノコとともに人体の一部が見つかった。「今回、人を襲っているのはオスのツキノワグマとみられます。今の時期は繁殖期で、雄熊はかなり興奮している。今回射殺された雌熊とは別に、“主犯のオス”がいるのではないかと専門家が指摘しています。まだ周辺に潜伏している可能性が高い。引き続き厳重な注意が必要だと呼びかけています」(秋田県庁自然保護課の担当者)ついに「人食い熊」が出た──甦るのは「三毛別ヒグマ事件」の悪夢だ。大正4(1915)年12月9日、今から101年前に北海道苫前村三毛別の農家を冬眠前で腹を空かせた巨大なヒグマが次々と襲撃し、死者6人、重傷者3人が出た。犠牲者の1人は妊娠しており、お腹を引き裂かれて胎児もろとも無残に食い殺された。妊婦は熊に懇願するように「腹破らんでくれ!」「喉食って殺して!」と叫んだという。獣害史上、最大の惨劇とされる事件だ。この事件で暴れ回った「ヒグマ」の生息地は北海道に限られるが、今回の事件の「ツキノワグマ」は本州・四国に広く生息する。一般に、獰猛なヒグマと違い、ツキノワグマはおとなしく臆病で、捕食のために人を襲うことはないとされてきたが、今回は違った。日本クマネットワーク代表の大井徹さんが解説する。「最初はタケノコ狩りをしている人間と偶然に遭遇した熊が縄張りを守るために攻撃したのでしょう。しかし、その時に熊が“人間の味”を覚えてしまい、以降は人を食べる目的で襲撃を繰り返すようになった可能性があります。熊除けの鈴の音が逆に“獲物”の居場所を教えたのかもしれません」熊の出る山に入る時は鈴を鳴らすなど音を出して追い払うのが身を守る術とされた。しかし、その安全常識ではもはや命を守れないかもしれない。熊による被害が近年、急増していることも気がかりだ。1980年代に12.6人だった日本全国の熊による年間被害者数は1990年代に23.4人と倍近くになり、さらに2000年代に68.3人、2010年代には97.4人まで激増した。熊の目撃件数も増加の一途をたどり、秋田県は128件で前年同時期より47件増えた(5月末時点)。宮城県では196件、山形県でも88件と約4割増である。秋田県庁自然保護課では、「昨秋、ドングリなど熊の餌が豊作だったので出産が多く、個体数が増えた」とみているが、前出の大井代表はこう警鐘を鳴らす。「熊が人の住む里に下りてくる理由として、“自然破壊で山に餌が少なくなったから”とよくいわれますが、むしろ逆です。戦後しばらくまで人は里山で薪や炭を取ったり、畑を作ったりして、“ハゲ山”に近い状態のところも多く、動物にとってはすみ心地が悪かった。ところが近年は地方の過疎化などで里山は利用されなくなり、森林が回復、熊にとってもすみやすい環境になっています。そのため都市部の近郊まで活動範囲が拡大し、被害数や目撃数が増えていると考えられます。決して秋田の森の中だけの問題ではありません。熊は基本的に植物を食べますが、簡単に得られる栄養価の高いものがあればそれを食べるようにスイッチできる、順応能力の高い動物です。それが人間だったら、人間を食べるようになる。秋田の惨劇はどこででも起こりうるのです」
(シカ肉料理、解体に学ぶ:長野)
松本大(松本市)の二年生九十一人が十六日、ニホンジカの解体やシカ肉を使った料理法を学ぶ調理実習を同大で行った。茅野市のフランス料理店オーナーシェフ藤木徳彦さん(44)を講師に、シカの骨の構造や肉の部位を学んだり、シカ肉に適した調理技術を試したりした。食肉になる過程を知り、命の大切さなどを感じてもらうのが狙いで、大学でこうした実習は全国的に珍しいという。取り組んだのは、人間健康学部健康栄養学科の学生で、管理栄養士を目指している。藤木さんによる野生鳥獣に関する実習は今年で九年目。シカ肉は赤身でヘルシーだが、加熱すると硬くなりやすく、調理が難しいのが特徴だ。学生たちは、料理店の男性スタッフがシカを解体する様子を間近で見学し、専用のナイフを使ってシカの皮をはぐ作業もした。男性スタッフは「骨の構造を理解して、さばいてください」と説明し、学生たちは緊張した表情で聞いていた。その後、あらかじめ用意されたシカ肉のひき肉を使い、ハンバーグとミートソースを作った。藤木さんは「食肉になる過程を知り、無駄な使い方はしないこと、旬のものを使っておいしいものを作ることを、料理を作る側は理解してほしい」と呼び掛けていた。
(駆除したシカ肉でペットフード:長野)
小諸市は駆除したニホンジカの肉をペットフードとして販売する事業を始める。同市は4月に市内にシカの解体施設を建設。シカ肉をペットフードメーカーに原料として販売したり、OEM生産(相手先ブランドによる生産)したりする。2016年度内の商品化を目指す。将来的には周辺の自治体などからもシカの処理を請け負うことを検討する。小諸市ではシカなど農業に被害を及ぼす動物の駆除を強化しており、ペットフードの売り上げなどで処分費用を補う。昨年度はニホンジカだけで220頭を捕獲。5年間で5倍に捕獲頭数が増えた。その分コストがかさみ、昨年度には焼却費として53万円がかかった。シカ肉を食肉として提供するためには、駆除後に素早く処理を済ませる必要があり、手間や費用面での課題も多い。ペット向けなら手間をかけずに商品化が可能だ。

TOPへ

6/16
(クマに襲われ?4人目遺体:秋田)
10日午前10時40分ごろ、秋田県鹿角市十和田大湯の山林で、身元不明の遺体が見つかった。遺体は損傷が激しく、性別は不明。付近では5月下旬、山菜採りに出掛けた男性3人が相次いでクマに襲われ死亡しており、鹿角署は身元の確認を急ぐとともに、クマに襲われた可能性もあるとみて調べている。同署によると、現場近くには8日に山菜採りに出掛けたまま連絡が取れなくなっている十和田市相坂、自営業鈴木ツワさん(74)の乗用車があり、同署が10日朝から捜索していた。現場は5月30日にクマに襲われたとみられる男性の遺体が発見された場所から北に約1キロ。
(川で釣りをしていた男性がクマに襲われ重傷:島根)
島根・浜田市で15日朝、川で釣りをしていた男性が、クマに襲われ、左手の指を切断するなど重傷を負った。現場周辺では、地元の猟友会のメンバーなどが、警戒にあたっている。午前7時半ごろ、浜田市旭町の八戸川で、釣りをしていた広島県の60代の男性がクマに襲われたと、近くにいた釣り人から、消防に通報があった。男性は、病院へ搬送されたが、左手の指を切断するなどの重傷を負った。警察などによると、男性を襲ったクマは、体長およそ150cmだったという。現場周辺では、警察や地元の猟友会のメンバーなどが、警戒にあたっているが、男性を襲ったクマは、見つかっていない。
(男性がクマに襲われ軽傷:岐阜)
11日午後3時半ごろ、岐阜県飛騨市宮川町の山中にある池ケ原湿原で、同市神岡町の会社員男性(53)が野生のクマに襲われた。顔や胸をひっかかれてけがをしたが、飛騨署によると命に別条はないという。署によると、男性は1人で湿原を散策中に成獣とみられるクマに遭遇。駐車場まで逃げ、車で下山後に119番し、同県高山市の病院に運ばれた。クマは見つかっておらず、飛騨市は同日夕から湿原への立ち入りを禁じた。12日は地元の猟友会と署員が周辺を捜索する。湿原の立ち入り禁止解除の時期は未定。市によると、湿原入り口にはクマへの注意を呼び掛ける看板があるが、ミズバショウの見頃が終わった5月末以降は常駐の監視員はいないという。池ケ原湿原は広さ約5ヘクタールで、県の魅力ある観光資源「岐阜の宝もの」に指定されている。約40万株のミズバショウが自生し、見頃の4~5月は多くの観光客が訪れる。池ケ原湿原自然保護センター所長の岩佐勝美さん(66)によると、周辺の山のクマは春先、出始めのミズバショウをかじりに来ることがあるという。「遭遇は初めて聞いたが、今後もクマと出合わない保証はない。鈴や声で人の存在を先に知らせることが大事」と話している。
(クマに襲われ作業中の男性大けが:福島)
15日午後2時ごろ、福島県会津若松市湊町共和の山林内で、同市の男性会社員(66)が体長約1.5メートルのクマに襲われ、右手首をかまれ大けが。会津若松署などによると、現場は猪苗代湖西側を走る国道294号のさらに西側の県道近く。男性は地中に埋められている送電線を点検していた。
(女性がクマに襲われけが:秋田)
10日午後3時半ごろ、秋田県羽後町飯沢字蟻坂の山林で、1人で山菜採りをしていた同町の60代女性がクマに襲われ、左腕や頭頂部挫傷などのけがを負った。湯沢署によると、女性は同3時ごろ入山。下を向いてワラビを採っていたところ、左側から突然現れたクマに襲われ、腕や頭を引っかかれた。大声を出すとクマは逃げていったという。クマの大きさは不明。
(4人死亡の山林でクマ射殺:秋田)
秋田県警は10日、同県鹿角市十和田大湯の山林で、猟友会のメンバーが体長約1.3メートルの雌のツキノワグマ1頭を射殺したと明らかにした。現場周辺では5月下旬以降、クマに襲われたとみられる4人の遺体が見つかっており、県警などはクマを解体し、関連を調べている。クマが射殺された付近で10日午前に見つかった4人目の遺体は、鹿角署の調べで70~80代の女性と判明した。同署は山菜採りに来て行方不明となっている青森県十和田市の自営業の女性(74)の可能性があるとみて身元を調べている。このほか現場の山林では、5月21~30日にクマの襲撃に遭ったとみられる男性3人の遺体が発見された。専門家によると、人を襲ったクマは人間を恐れなくなることがある。このため同じクマが相次いで4人を襲ったとの見方もある。.
(駆除のクマ、人襲ったとは断定できず:秋田)
秋田県鹿角市十和田大湯の山林でタケノコ採りの男女4人が相次いでクマに襲われて死亡したとみられる事故で、10日に駆除された雌のツキノワグマの胃から人体の一部が見つかったものの、専門家は別のクマが襲った可能性も捨てきれないと指摘する。現場周辺では引き続き厳重な警戒が必要だ。「襲ったクマは他にいるのではないか」。NPO法人日本ツキノワグマ研究所(広島県廿日市市)理事長の米田一彦さん(68)=十和田市出身=は、13日に行われた雌グマの解剖結果を受けて、そう推測する。米田さんによると、クマは一つの物を大量に食べ続ける習性がある。実際に雌グマの胃の中には、タケノコが多く詰まっていた。米田さんは、他のクマに襲われて死亡した人を、雌グマが偶然見つけて食べた可能性はあるとみる。人を襲ったクマが他にいる疑いがある以上、専門家は現場周辺に立ち入らないなどの警戒を解かず、これ以上被害が出ないよう対策を立てることが必要だと訴える。クマの生態に詳しい獣医師小松武志さん(48)=北秋田市=によると、クマは本来、人に対して臆病で、めったなことでは危害を加えない。ただ、一度襲うと獲物として見るようになり、続けて襲う恐れがある。鈴を鳴らすなど通常のクマよけは通用しないという。小松さんは「人を襲っても大丈夫だとクマが学習しても、タケノコ採りに訪れる人がいなくなるなどの環境の変化があれば再び人間に対して臆病になる」と説明。「これ以上被害を出さなければ、同様の事故は起きにくくなる。現場付近に近づくのはやめてほしい」と警鐘を鳴らしている。
(二子玉川駅のホームにライフルの銃弾か:東京)
10日午前9時半前、東急大井町線二子玉川駅の下りホームで、男性警備員がライフルの銃弾とみられるものを1つ発見しました。警視庁によりますと、銃弾とみられるものは金色で、長さは7センチほどあり、ホームから改札に向かうエスカレーターの乗り込み口の近くで見つかったということです。警視庁は火薬などが入っていないか鑑定する方針で、銃弾だとすれば銃刀法違反容疑に抵触する可能性があるため、持ち主の行方を捜しています。
(鳥取クレー射撃場、8月中旬再開:鳥取)
利用者の低迷などを理由に2008年4月から休場していた鳥取市覚寺の「鳥取クレー射撃場」が、8月中旬に再開する。国や鳥取県の補助金、県東部4町の負担金などを財源に市が再整備。増え続ける鳥獣被害に対応するため県東部の銃猟者を育成する場として位置付ける。同射撃場は1983年に市が整備。85年のわかとり国体で競技会場となったが、鉛弾による環境汚染が危惧されたため一時休場。2006年に再開したが、スポーツ射撃の競技人口減少などで利用者が落ち込み、再び休場した。しかし、銃猟者が実技講習などを行う場が県東部にないことから、地元猟友会などが再開を要望。これを受けて市は準備を進めていた。工事費など総事業費は約4億6600万円を見込んでいる。市は6月補正に同射撃場の運営委託費など476万円を計上。使用料などを定めた条例改正案も6月定例会に提案している。市農業振興課によると、散弾銃を使用できる県東部1市4町の第一種狩猟者登録数(15年度)は208人。高齢化などのため過去10年間で約100人減少したという。
(クレー射撃五輪代表が練習公開:神奈川)
クレー射撃女子のリオデジャネイロ五輪代表が15日、神奈川県内で合宿を報道陣に公開。石原奈央子(いしはらなおこ)(鹿沼市在住、古峯神社)と、中山由起枝(なかやまゆきえ)(小山市生まれ、日立建機)がそれぞれ練習を行い、残り2カ月を切った本番への意気込みを述べた。初出場の石原は、2月の五輪アジア予選で1位となった。3月には、キプロスでのW杯で準決勝進出にあと一歩と迫る16位に入り「少し成長した射撃ができた」と自信を得た。リオでのW杯にも出場し、本番と同じ射撃場で標的の見え方、風向きなどを確認した。環境面で日本と異なる部分も多いといい、「普段の射撃ができれば結果はついてくる」と話した。中山は、昨年8月にW杯で優勝して国別出場枠を獲得。3大会連続4度目の五輪に向けて、ここまで「自分自身に掛けられるだけプレッシャーを掛けてきた」と心身を追い込んできた。今後は本番を見据えた調整に入る。2008年北京の4位を上回るメダル獲得に向けて、「全力を尽くすだけ。自分らしいめげない、しつこい射撃をする」と言葉に力を込めた。
(さくらんぼ約15キロ、クマに食べられたか:山形)
12日午前11時ごろ、寒河江市柴橋のさくらんぼ畑で、畑を所有する農家の男性が収穫前のさくらんぼがなくなっているのを見つけ警察に通報しました。警察が調べたところ、収穫間近だった高級品種「佐藤錦」の3本の木になっていたさくらんぼの実およそ15キロがなくなっていたということです。現場付近からクマのものとみられる足跡やふんがみつかったことから、警察はクマに食べられたとみています。所有者の渡邉徹さんは「20年ほどさくらんぼを作っていますがクマの被害は初めてです。これから収穫作業があるので怖いですが、襲われないよう注意して収穫作業をしていきたい」と話していました。警察は周囲をパトロールして住民に対しクマに注意するよう呼びかけています。
(養魚場でクマ被害:青森)
15日午前6時半ごろ、むつ市大畑町添木のイワナやヤマメなどの養魚場で、エサの配合飼料がクマに食べられる被害があった。けが人はなかった。むつ署によると、養魚場にエサやりに訪れた男性(76)が14日午後4時半ごろに見た際は飼料約5キロがバケツに入っていたが、15日朝にはバケツが5メートルほど離れた草むらにあり、中身がなくなっていた。付近にはクマが座ったような丸い跡などがあり、クマによる食害の可能性が高いという。同市内では13日にも、現場から約1・5キロ離れた同市大畑町葉色山の漁協の「さけますふ化場」で、稚魚のエサの魚粉が食べられる被害があった。また14日午後4時25分ごろ、平内町中野の県道夏泊公園線で、同町内の男性(72)運転の軽乗用車が道を横切ってきたクマと衝突した。男性にけがはなかったが、車の右前部が破損した。青森署によると、クマは体長約1メートル。衝突後、道路脇の雑木林に逃げ込んだという。県内各署によると、14〜15日にはこのほか十和田市、深浦町、三戸町などでもクマの目撃情報が相次いだ。
(サケマス孵化場にもクマ:青森)
10日午前10時40分頃、青森県むつ市大畑町の大畑町漁業協同組合のサケマス孵化ふか場で、繁殖用のいけすを設置した建物内に体長約80センチのクマがいるのを臨時職員の男性(65)が発見した。男性が建物から逃げ出して同漁協に連絡し、約30分後に戻ったところ、クマは排水溝から建物外に出てそのまま雑木林に入っていったという。むつ署の発表によると、建物内では通路脇に置かれた飼料が食い荒らされているのが見つかった。昨年もクマに飼料を食べられる被害があったため、今年から保管場所を変えていたといい、同漁協の担当者は「飼料のにおいが強く、クマを引き寄せてしまったのかもしれない」と話していた。この日は、同市川内町や東北町でもクマが1頭ずつ目撃された。県警地域課のまとめでは、この3件を除いた今年のクマの目撃件数は94件(9日現在)。前年同期を31件も上回っており、同課は「出没情報に注意し、入山規制が出た際には従ってほしい」としている。
(クマ、ラーメン店に体当たり:神奈川)
相模原市でクマの出没が相次いでいる。例年より時期が早く、人家に近いところでも目撃されている。秋田県でクマの襲撃事故が起きていることから、児童の下校時にはクマよけの鈴を持たせ、教職員が警戒に当たるなど神経をとがらせている。5月28日午後9時過ぎ、同市緑区与瀬の国道20号沿いにある「ラーメンセンター」。店じまいし、経営者の斎藤雄治さん(48)がカウンターでテレビを見ていた時だった。入り口ドアに黒い物体が見え、どーんと体当たり。クマだった。昨年、ドアを強化ガラスに変えたのと、クマのスピードが速くて自動ドアが機能しなかったことから、クマが店内に入れず難を逃れた、と斎藤さんは推測している。「イノシシ、シカは見ることはあったが、クマは初めて。怖かった」。翌日に店の近くで足跡が見つかり、クマと断定できた。6月9日午後3時20分ごろには同区の県道76号近くで、通行人からクマの出没情報が2件寄せられた。目撃地点から約500メートルのところには市立藤野南小学校がある。同校では以前に配っていたクマよけの鈴を児童48人に持たせるとともに、下校時には教職員が警戒に当たっている。同小の教頭は「秋田県のクマの事故もあり、心配です」と話す。市水みどり環境課によると、クマの出没情報は2014年度に2件、15年度に3件。民家近くでの出没は珍しいという。市は行政防災無線で注意を呼びかけるとともに、出没した場所の近くに「クマ出没注意」の看板を12枚設置している。
(河川敷に設置した「おり」にクマかかる:山形)
6月8日、クマが目撃された山形市の河川敷の現場付近に、おりを設置していたが、16日朝、クマがかかっているのが発見された。クマが捕獲されたのは、馬見ヶ崎川河川敷から、およそ1kmほど離れた愛宕山の山中。16日午前8時すぎに、地元猟友会が仕掛けたおりを確認したところ、わなにかかっているクマ1頭を発見し、駆除した。クマは、体長およそ120cmで、4歳から5歳ぐらいの成獣とみられ、6月8日に河川敷で目撃されたクマの可能性が高いとみられている。山形市では、午後にも、立入禁止区域の解除などを検討するとともに、引き続き、クマの出没に注意を呼びかけていくとしている。
(クマはねられ死ぬ:秋田)
15日午前11時20分ごろ、秋田県三種町鵜川の秋田自動車道上り線で、体長約90センチのクマが乗用車にはねられて死んだ。運転していた大館市の40代の男性にけがはなかった。県警高速隊によると、クマが左側から飛び出してきたという。現場は八竜インターチェンジ付近で、道路両側は山林。
(サーキットに「クマ」、利用客近くを通過し山林へ:福島)
14日午前10時5分ごろ、福島市のレース場「リンクサーキット」で、利用客からクマを目撃したと通報があった。福島北署などによると、体長約2メートル。サーキット施設でタイヤ交換をしていたいずれも30代の福島市と仙台市の男性2人の数メートル脇を通ったという。クマはコースを横切り、北側の山林に入っていった。目撃した2人は「ガサガサという音がした後、大きくて黒いものが現れた。クマだと気付き、しばらく声を出せなかった」と話し、「思い出すと背筋が寒くなる」と語った。同署は、目撃現場付近をパトロールし、サーキットの利用客に注意を呼び掛けた。同サーキットは今後、看板の設置などを検討している。
(ハチミツ求めクマ出没:茨城)
県は14日、常陸太田市の養蜂所でクマによる被害が確認されたと発表した。目撃情報はないが、県は近隣住民に注意を呼びかけている。県環境政策課によると、同市徳田町の山中にある養蜂所で13日朝、土地所有者が、50箱の巣箱のうち5、6箱が壊されているのを発見した。中身は取り出され、辺りに散乱していたという。県立自然博物館の学芸員が14日に調査を行い、現場に残された体毛や爪痕などから、クマによるものと判断した。クマによる被害をめぐっては、今月に入り、秋田県でクマの襲撃が原因と推測される男女4人の遺体が発見されている。県内では平成18年以来目撃情報がなく、生息は確認されていない。だが、今回の事態を受け、県は県警や猟友会など関係機関と連携して警戒を強めるとしている。
(山林への立ち入り禁止に:秋田)
4人がクマに襲われて死亡したとみられる秋田県鹿角市では、山林への立ち入りを禁止する看板を設置するなど警戒が続いています。10日に見つかったクマに襲われたとみられる遺体は、行方不明になっていた青森県十和田市の鈴木ツワさん(74)と確認されました。周辺では警察などがパトロールをして山林に入らないよう注意を呼び掛けるとともに、新たに立ち入り禁止の柵や死亡事故を知らせる看板が設置されました。周辺2キロの範囲では先月下旬、男性3人がクマに襲われて死亡しています。10日に猟友会が雌のクマ1頭を駆除しましたが、警察は依然として複数のクマがいるとみて警戒を続けています。
(現場近くにクマ捕獲用おり設置:秋田)
秋田県鹿角市は10日、遺体が発見された現場近くにクマ捕獲用のおりを設置し、県道から現場に続く私道の通行を禁止した。猟友会がクマ1頭を駆除した後もうなり声のような音が聞こえたといい、引き続き警戒を呼び掛けている。市によると、田代平付近は国有林と私有林が入り混じり、車で私道を通らなくても県道から歩いてタケノコ採りに向かうことができるため、入山を止めるのは難しいという。
(入山規制を国に検討依頼へ:秋田)
秋田県は14日、クマに襲われたとみられる4人の遺体が見つかった鹿角市十和田大湯の熊取平(くまとりたい)や田代平(たしろたい)への入山規制が可能かどうか、国に対して検討を依頼する方針を固めた。また、県警は田代平で10日に射殺されたクマの胃から見つかった人体の一部を科学捜査研究所でDNA鑑定することを決めた。県自然保護課や東北森林管理局によると、熊取平と田代平には国有林や私有林、国が鹿角市に貸し出している牧草地が入り交じっている。県は、このうち国が管理している範囲を入山者に分かるよう示してもらうなどし、入山規制につなげたい考え。
(列車シカと接触:岡山)
JR西日本によると、15日午後8時4分ごろ、赤穂線の日生駅(備前市)―伊里駅(同市)間で列車がシカと接触した。この影響で赤穂線は伊部駅(同市)―岡山駅(岡山市)駅間の一部列車に約15分の遅れが生じている。
(クマの目撃情報相次ぐ:岩手)
11日県内ではクマの目撃情報が相次ぎました。けが人はいませんでしたが、警察と自治体が注意を呼びかけています。午前10時半ごろ、紫波町二日町の城山公園ふもとの畑で、近くに住む女性がクマ2頭を目撃し、警察と町に通報しました。2頭はいずれも、体長1メートルほどだったということで、城山公園方向に移動したということです。近くにある保育所にはクマ出没時にも、30人余りの子どもたちがいましたが、幸い被害はありませんでした。警察と町が注意を呼びかけていますが、地元猟友会が調査した結果、クマが町の中心部に向けて移動した形跡はありません。きょうは午前9時前、岩泉町乙茂の林でも、体長50センチほどのクマ1頭が目撃されており、警察と町が注意を呼びかけました。
(クマ目撃相次ぐ:宮城)
県内は15日もクマ目撃が相次いだ。午前7時45分ごろ、登米市石越町の水田にいるのを男子中学生が見つけた。佐沼署によると、石越町で目撃されたのは10日以降3件目。午前9時20分ごろには東松島市の三陸道松島北-鳴瀬奥松島インターチェンジ間で、道路を横断しているのを運転中の男性が見つけた。午後1時ごろには仙台市青葉区芋沢の産業廃棄物処分場で作業員が発見。同区芋沢では午後7時50分ごろにも目撃情報があった。午後2時ごろには大和町吉田の水田にいるのを運転中の男性、午後3時半ごろには同町の船形山升沢登山コースで下山中の男性が2頭をそれぞれ目撃した。
(クマ出没相次ぐ:宮城)
宮城県内で9日、クマの目撃情報が相次いだ。午後5時ごろ、大郷町東成田新田で、町道を横断するクマ1頭(体長約1.2メートル)を男性が目撃し、大和署に連絡が入った。現場は日帰り温泉施設から南に100メートルで、同署が注意を呼び掛けている。加美町でも同6時半ごろ、原長谷地一番の民家の敷地内でクマ1頭(約1メートル)が目撃された。仙台市青葉区でも同8時ごろ、荒巻青葉の亀岡住宅付近で、斜面を登るクマ1頭(約1メートル)を運転手が見つけた。
(クマ出没:宮城)
14日午前4時ごろ、宮城県大和町吉田台ケ森で、畑の中に体長約1.5メートルのクマ2頭と約1メートルのクマ2頭の計4頭がいるのを、付近を車で走行中の男性が目撃し、通報した。大和署で現地を確認したが、クマは既に去っていた。同署が注意を呼び掛けている。県自然保護課によると、今年に入って県内で一度に4頭ものクマが目撃された例はないという。同課の担当者は「4頭が目撃されるのは珍しい。状況はよく分からないが、親子の可能性もある」と話している。同午後4時半ごろには、松島町根回桐田の国道346号でも、体長約1.5メートルのクマ1頭が目撃された。
(クマ目撃:和歌山)
秋田県でクマに襲撃されたとみられる4人の遺体が相次いで見つかった事件をはじめ、全国的にクマによる被害が発生しているなか、日高川町上初湯川でも14日、ツキノワグマが目撃された。場所は上初湯川ふれあいの家南西約500㍍の町道初湯川―上初湯川線の岡田橋南詰め付近。午前9時45分ごろ、車で走行中の地元住民が山肌から滑り落ちてくるクマを目撃。体長50㌢、体高40㌢の子グマとみられ、すぐに逃げて行ったという。町は美山地域住民に防災無線で注意を呼びかけた。同町でのクマの目撃は5月14日の室川峠に続いて2回目。目撃情報は毎年1、2件入っている。町では目撃した場合は町などへの連絡を呼びかけている。
(学校近くにまたクマ:青森)
15日、三戸町豊川でクマ2頭が目撃された。2頭は体長が1.3mと50cmで、親子と見られている。周辺では2日と6日にも目撃されており、近くの斗川小学校は集団下校などの措置を取った。15日はむつ市、階上町、南部町などでもクマの目撃が相次いだ。
(クマ出没多発:北海道)
苫小牧市内でクマの目撃情報が相次いでいる。今年に入って、すでに7件と昨年同時期と比べ6件増。専門家は「目立って多いわけではないが、今は母親から自立した若いクマが活発に行動する時期」と分析。市や苫小牧署は注意を呼びかけている。市などによると、14日朝、植苗の桂ゴルフ倶楽部付近の市道で、体長約2メートルのクマが目撃された。猟友会が探索したほか、同署がパトカーで巡回、付近で注意を呼び掛ける看板の設置も行った。昨年1年間の市内の目撃件数は14件で、今年はハイペースにみえる。だが、市の担当者は「例年は約30件の目撃がある。昨年が少ないだけで今年は例年のペース」と話す。クマの生態に詳しい北海道野生動物研究所(札幌)の門崎允昭所長も「苫小牧の自然環境からみると決して多い件数とは思わない」と指摘。そのうえで「5月ごろから、若いクマが生活圏を確立するため、活発に動き回り、市街地付近での目撃が増える」と分析する。山に入る際は、ホイッスル、声などで時折大きい音を出すことで、クマと遭遇する可能性を下げることができるという。
(小学校付近でクマ目撃:福島)
14日午後3時30分ごろ、福島県会津若松市松長の住宅地で「子グマ1頭を目撃した」と近くに住む女性から会津若松署に通報があった。同署によると、体長約60~70センチで道路を渡り、斜面の草むらに入っていった。現場から東に約150メートルには松長小がある。同校は下校時間だったため、校内にいた児童は保護者同伴で帰宅させた。同市では、このほか同日午前8時50分ごろ、大戸町大川の市道で「子グマを1頭を目撃した」と車を運転中の会社員男性(47)から同署に通報があった。同署によると、体長約40~50センチで、近くの草むらに入ったという。
(クマ目撃相次ぐ:岩手)
県内では13日夜から14日にかけて矢巾町と紫波町で相次いでクマが目撃され、警察や町で注意を呼びかけている。13日午後7時すぎ、矢巾町和味の民家の庭先で体長1メートルほどのクマが目撃された。クマを目撃した人は「よつんばいで家の方を見ていた。動いて戻ってきてどこかに行った」と話していた。この民家には数年前にもクマが出没していて、ことしも周辺でたびたびクマが目撃されているという。また14日午前6時半頃には紫波町内の2か所でも体長1メートルほどのクマの目撃情報が寄せられた。矢巾町、紫波町ともに人への被害はないが、警察や町では付近の住民に注意を呼びかけている。
(市街地近くでクマ目撃:鳥取)
鳥取市の市街地に近い山林でツキノワグマ2頭の目撃情報が寄せられ、付近の小中学校は13日、集団登下校などの対応に追われた。市によると、12日午前10時頃、同市上町の国有林の遊歩道で、散歩中の70歳代男性が体長約1・5メートルのツキノワグマ2頭を目撃したと110番。近づいてきたため、大声を出しながら逃げた。けがはなかった。現場は鳥取県庁から東約1キロの山林。市教委は同日、周辺の小中学校8校に集団登下校を呼びかけ、保護者や地域住民にも、通学路の見守りなどを求めた。同県内では5月21日にも、東部の若桜町で男性がクマらしき動物に襲われ、手の指を骨折している。
(「クマ」目撃相次ぐ:福島)
市街地周辺でクマの目撃情報が続いている福島市で12日、松川町と飯坂町で目撃情報が2件あった。同市は住民らに注意を呼び掛けている。午前5時45ごろ、松川町字土合舘の土合舘公園で散歩中の男性(68)からクマ1頭を目撃したと、110番通報があった。福島署によると、クマの体長は約1メートル。男性は同公園内の公衆トイレから南方の雑木林に入るクマを目撃した。同署はパトカーで注意を呼び掛けた。市はクマの目撃情報を受け同公園の5カ所に注意を促す看板を設置した。同公園はアジサイの名所として知られている。午後1時20分ごろ、飯坂町湯野字東愛宕のリンゴ畑にクマ2頭がいるのを隣接する湯野運動場で野球をしていた男性が目撃、通報した。福島北署によると、クマはいずれも体長約1メートル。クマは西側の山林に入っていった。付近には人家が点在することから、同署はパトカーで周辺を警戒、住民に注意を呼び掛けた。現場から南に約600メートルの湯野小は、13日から保護者に登下校時の送り迎えを呼び掛けた。また、南東に約750メートルの西根中では、13日朝に職員が目撃現場付近を見回ったほか、生徒や保護者に登下校中の注意を呼び掛けた。
(クマ出没相次ぐ:青森)
県内では13日、クマの目撃が4件相次いだ。大間町の大間高前では体長1mのクマ1頭が目撃された。近くの大間小では集団下校の措置を取った。むつ市大畑町のさけますふ化場ではクマ2頭が目撃され、10日に続き、サケのエサが食い荒らされる被害があった。
(クマ出没:宮城)
11日午後9時35分ごろ、仙台市青葉区折立4丁目で、体長約1.5メートルのクマが県道を横断して介護老人保健施設「泉翔の里」敷地内に入るのを車で走行中の女性が目撃、仙台北署に通報した。現場周辺は住宅街で、同署が警戒している。
(民家や保育所近くでクマ目撃:岩手)
岩泉町と紫波町、田野畑村で11日、クマの目撃情報があった。けが人は確認されていないが、出没は民家や保育施設近くにも。今年は県内各地で目撃が相次ぎ、秋田県では死者も出ている。警察などは住民に警戒を呼び掛けている。【岩泉町】午前8時45分ごろ、同町のふれあいらんど岩泉陸上競技場多目的広場の北方の林内に、クマ1頭が出没。同競技場でサッカーの練習をしていた町内の中学生や保護者らが目撃した。クマはまもなく北方の小本川方向に去ったという。【紫波町】午前10時半ごろ、同町の町立中央保育所近くで「畑を体長1メートルほどのクマ2頭が歩いている」と車で通行中の女性から110番通報があった。紫波署員が現場付近をパトロールしたがクマの姿はなく、けが人は確認されていない。午後6時55分ごろには、同町片寄の会社員(59)が「自宅前に体長約1メートルのクマ1頭がいる」と110番通報した。同署によると、クマは西側に逃げて発見されておらず、けが人は確認されていない。午後7時すぎにかけ、近隣の住民からも同じクマとみられる2件の目撃情報が寄せられた。【田野畑村】午後2時半ごろ、同村七滝の七滝公民館の西方約300メートルの村道で、体長約2メートルのクマが出没。電話回線の工事に伴う交通整理をしていた男性作業員らが目撃した。岩泉署によると、クマは男性に約5メートルの距離まで近づいてきたが、別の作業員が車のクラクションを鳴らしたところ、山林に逃げたという。現場付近に民家はない。
(クマ出没:静岡)
11日午後0時半ごろ、静岡市葵区梅ケ島の蓬峠でクマ1頭がいるのを下山中の男性が発見し、静岡中央署に通報した。クマの体長は約1メートルで、男性がラジオの音量を上げたところ逃げたという。男性にけがはなかった。同署によると、毎年5月以降、安倍奥の山中ではクマの目撃が相次ぐという。同署は、入山する際には鈴や笛などを装備するよう呼び掛けている。
(クマ出没、4市町で目撃情報:宮城)
10日も宮城県内ではクマの目撃が相次ぎ、警察などが注意を呼び掛けている。午前2時10分ごろ、大崎市古川富国、県古川農業試験場南側の水田にクマ1頭がいるのを住民が見つけ、110番した。体長1.3メートルほどだったという。石巻市では午後4時ごろ、飯野絵図沢の山林で、遊んでいた小学生が体長約1.2メートルのクマを目撃した。川崎町でも同4時15分ごろ、支倉台1丁目の民家近くの山林で小グマが、登米市でも同6時45分ごろ、石越町南郷高森の市道で体長約1メートルのクマが見つかった。
(「クマ」目撃、人家点在で警戒を強化:福島)
10日午後8時20分ごろ、福島市小倉寺字稲荷山で、犬の散歩中の男性(42)が林の中を走り去るクマ1頭を目撃し、通報した。福島署によると、クマは体長約60センチ。付近には人家が点在することから同署はパトカーで周辺住民に注意を呼び掛けるなど警戒を強化している。県内で9~10日、クマの目撃情報が相次いだ。▼9日午後7時ごろ、二本松市針道字西ノ内の畑にいるのを男性が目撃。二本松署によると、体長約1.5メートルで山林に入っていった。▼10日午前7時20分ごろ、天栄村牧之内字滝田前の村道で男性の乗用車がクマと接触。須賀川署によると、体長約1メートルで山林に走り去った。男性にけがはなかった。▼同日午前10時40分ごろ、南会津町金井沢の桧沢川河川敷で男性が目撃。南会津署によると、体長約60センチでクワの木に登り実を食べていた。▼同日午前11時50分ごろ、西郷村小田倉の山林で男性が目撃。白河署によると、体長約1.1メートルで山林を歩いていた。▼同日午後1時15分ごろ、会津若松市河東町金田字東台の畑にいるのを女性が目撃。会津若松署によると、体長約1メートルで山に入っていった。▼同日午後2時35分ごろ、喜多方市塩川町中屋沢字田中乙の市道で住民が目撃。喜多方署によると、体長約80センチで山林に入っていった。
(クマ目撃情報:神奈川)
9日午後3時20分と同40分ごろ、相模原市緑区牧野でツキノワグマが目撃された。市によると、住民が県道付近を歩いているクマを目撃。市が現地調査を行ったところ、足跡が確認された。現場は藤野やまなみ温泉や市立藤野南小学校から南に約500メートル。
(市街地にクマ、依然警戒続く:山形)
クマが目撃された山形市小白川町2丁目の馬見ケ崎川河川敷では、9日朝、立入禁止の規制線や住民らに注意を呼びかけるのぼり旗があちこちに設置されていた。警察によるパトロールも続く中、立入禁止区域外の川沿いを散歩している人もいた。
(クマの爪跡見られ一時公園閉園:新潟)
見附市は、同市杉沢町の公園「見附杉沢の森」でクマの痕跡が見つかったことから当面の間、閉園とした。杉沢の森では13日、駐車場から作業棟へ上る階段脇の木柱が倒されているのを、公園を管理している付近の住民が発見。14日に閉園した。木柱は砕かれて、クマの爪跡が見られた。
(クマ被害受け檻を設置:岐阜)
岐阜県飛騨市で男性が熊に襲われてけがをしたことを受け、猟友会のメンバーなどが周辺のパトロールなどにあたりました。11日午後男性が熊に襲われた飛騨市宮川町の池ヶ原湿原では、飛騨市の依頼を受けた地元猟友会のメンバー2人と市の職員2人が周辺をパトロールし男性が襲われたとみられる場所を確かめた後、熊の捕獲のための檻を設置しました。猟友会のメンバーは「足跡からみると一頭らしい」と話していました。飛騨市では、しばらく檻の様子を見守るとしています。
(クマ目撃2倍、ワナ「空振り」も:山形)
山形県内で今年、クマの目撃情報が相次ぎ、昨年の2倍のペースで推移している。すでに人身被害が1件発生しているほか、村山、庄内地方を中心に市街地での目撃情報も多く寄せられている。隣の秋田県では死亡事故も起きていることから、専門家は「県内でもいつ大きな被害が起きてもおかしくない」と警鐘を鳴らしている。県や県警によると、14日現在の目撃件数は164件。昨年同期の78件の2倍以上で、過去5年間で最多となっている。例年、人身被害は秋にかけて増えるが、今年は4月に西川町で発生。渓流釣りをしていた男性がクマに襲われて重傷を負った。山間部のみならず、市街地での目撃情報が多い点も今年の傾向として挙げられる。今月8日には住宅地に近い山形市小白川町の馬見ヶ崎川河川敷で1頭が目撃された。また、先月17日には鶴岡市の中心市街地に成獣1頭が現れ、同23、24日にかけては酒田市の庄内空港周辺で目撃が相次いだ。山形市などでは農作物の被害も報告されている。山形市は地元猟友会とワナを仕掛けるなどして対応しているが、「ワナの仕組みを学習して餌だけ食べられるケースもある」という。庄内地方で特にクマの目撃が相次いでいることを受け、県庄内総合支庁は先月27日、警察や消防、猟友会などの約30人を集めて緊急の会議を開催。目撃情報があった際の連携や、猟銃を使わざるを得ない場合の対応などを互いに確認した。関係者が危惧するのが、今年はクマの餌となるブナの実が凶作の見通しであることだ。県庄内総合支庁環境課によると、ブナの実は隔年で豊作と凶作を繰り返す傾向があるという。クマの生態に詳しい東北芸術工科大(山形市)の田口洋美教授(人類学)は、クマの数そのものが増えている点を指摘する。田口教授は「昨年、豊作だったブナの実を食べてクマの栄養状態が良くなり、出産数が増えた」とみている。さらに、イノシシやシカといった他の野生動物が増えていることから、「草や山菜など共通の餌を食べる動物が増え、山の餌場が枯渇してクマが人里に下りてきている可能性がある」と注意を促す。県みどり自然課によると、イノシシの捕獲頭数は2010年の34頭から14年は152頭に増加。シカの目撃件数も10年の2件から15年には24件と大幅に増えている。田口教授は「クマの姿が見えない間はラジオや鈴などで音を出して自分の存在を知らせる。遭遇したら走ったり大声を出したりせず、とにかく刺激しないこと」としている。
(クマ捕獲用のおり、通り道へ移動:山形)
山形市では今月7日に双月地区の公園、さらに今月8日に市街地の馬見ヶ崎河川敷などクマの目撃が相次ぎ市では河川敷近くに檻を設置し、捕獲を目指している。しかし、まだ捕獲には至らず、山形猟友会は13日、クマは移動した可能性が高いとして檻を移動させる作業を行った。新たに檻が設置されたのは盃山の東方、愛宕山の北側斜面の林道だ。猟友会は罠が正常に作動するか入念にチエックしていた。移動した愛宕山付近はクマの移動ルートの一つと猟友会ではみていて、わなにかかる可能性が高いと話している。猟友会では、当番を決めて、クマが捕獲されているか確認していくと話している。
(クマ目撃件数、過去10年で最多に:宮城)
宮城県内で4月以降、クマ(ツキノワグマ)の目撃が相次いでいる。県自然保護課によると、6月9日時点で過去10年で最多の259件に上った。県内では人的被害は確認されていないものの、秋田県でクマに襲われたとみられる男女4人が亡くなるなど、秋田地方を中心に被害が続出している。今年は山中だけでなく、市街地周辺でのクマの目撃情報も増えており、県や県警は外出する際は十分注意するよう呼びかけている。自然保護課によると、県内のクマの目撃件数は4月に入って急増。5月の1カ月間だけで154件に上った。今月9日現在で259件と、昨年と同じ時期に比べて85件増加した。目撃されたエリアは、山林の多い県北部だけでなく、仙台市内の住宅街など県内全域に及ぶ。県警などによると、7日早朝、仙台市泉区寺岡4の県道で、近くの住民が道路を横切る体長1メートルほどのクマを目撃。周辺は住宅の密集する地域で、約500メートル先に小学校があった。3日には、仙台市青葉区の幼稚園そばの竹やぶで体長約1メートルのクマが目撃されたほか、5日未明にも、栗原市高清水西手取の東北自動車道上り線で軽乗用車がクマと衝突する事故があった。目撃情報が増えた理由について、同課の担当者は「今年は暖冬で山菜の生育が早かった。山中のエサを食べ尽くし、人里に下りてきているのではないか」とみる。一方、クマやシカの骨粗しょう症の研究をしている石巻専修大の土屋剛教授(細胞学)は、例年に比べて子グマが多く誕生したことがあるのではないかと推測する。土屋教授は「昨年はクマのエサとなるブナの実が豊作だった。母グマの栄養状態が良く、例年よりも子グマの頭数が多くなっているのではないか。群れから追い出された子グマが人里に下りて来ているのだろう」と分析する。県などによると、40件は少なくとも子グマと見られるという。
(クマ出没、昨年の4倍:新潟)
新潟市秋葉区で5月下旬以降、クマの出没が相次ぎ、区や住民らが対応に追われている。13日までの目撃件数は13件と、既に前年夏までの4倍を超えた。小学校のグラウンド近くにも現れており、児童らは「怖い」と漏らす。学校や地域は集団下校など安全確保に懸命だ。
(クマ目撃件数、昨年の2倍:福島)
福島県警が14日発表した今年のクマの目撃状況(13日現在)によると、認知件数は前年同期比71件増の132件だった。県警は昨年6月には目撃者がけがをする被害が3件あったとして注意を呼び掛けている。県警によると、農作業中や散歩中にクマを目撃するケースが目立っている。警察署別でみると、福島署管内が19件と最多だった。
(クマ対策会議、わな設置で警戒強化:島根)
島根県浜田市の八戸川河川敷で15日、釣り客の男性(63)がクマに襲われ重傷を負った被害を受け、同市と県、県警はクマ被害対策連絡会議を設置。さらなる被害の防止とクマの捕獲に向け、わなを設置するとともに出没地域を中心にパトロールを強化した。八戸川漁協などによると、男性は広島市安佐北区から友人とアユ釣りのためこの日朝、八戸川を訪れた。河川敷で釣りの仕掛けを準備するためかがんでいたところ、突然山側からクマが現れ、川を横切って正面から襲われたという。クマは1頭で、体長1・5メートルのツキノワグマ。けがをした男性はすぐ近くの漁協事務所に駆け込み、女性職員に119番通報を依頼した。現場は広島県境から5キロほどの山間部。同市では、今年5月23日以降、クマの目撃情報が急増し、市街地付近でも出没が相次いだため、市職員らがパトロールするとともに、市街地の6カ所にわなを仕掛けて警戒に当たった。その後の同月28日、道の駅・ゆうひパーク浜田展望台付近に仕掛けていたわなに1頭がかかり、捕獲。いったんは目撃が途絶えていたが、今月13日以降再び情報が寄せられるようになっていた。この日開かれた連絡会議では、襲ったクマを捕獲するため現地にわなを設置することを決めた。また、警察や地元の猟友会などで朝夕のパトロールを強化し、住民らの安全確保に当たることにした。県鳥獣対策室によると、中国山地西部にはツキノワグマが推計で870頭程度生息しているとみられる。例年、冬眠明けの春先以降活動が活発になるため、県広報や各メディアなどを通じて、クマに対する注意を呼びかけているが、「今シーズンは、浜田市周辺だけ突出して出没が増えている理由が分からない」と同室担当者。被害に遭わないよう、注意喚起をさらに強めることにしている。山陰地方では、鳥取県内でもクマの出没が相次ぎ、5月21日に若桜町で50代の男性がクマに襲われ、右手の指2本を骨折するなどのけがをした。また、今月12日には、鳥取市の中心部に近い本陣山登山道付近でクマ2頭が目撃され、市が注意を呼びかけている。
(クマ1頭射殺したが「何頭いてもおかしくない」:秋田)
秋田県鹿角市十和田大湯でクマに襲われたとみられる女性の遺体が発見され、秋田県警鹿角署は10日夜、遺体は青森県十和田市相坂、自営業鈴木ツワさん(74)と判明したと発表した。クマ1頭が射殺され、現場周辺では11日、安堵あんどの声が聞かれる一方、引き続き警戒が求められている。クマを駆除した際に現場にいた鹿角連合猟友会の黒澤信雄会長(74)は11日、「猟友会員は生命の危険と隣り合わせでクマと対峙たいじしている。5人目の犠牲者を出さず、クマを無駄に殺さないためにも、タケノコ採りで現場付近に入るのは絶対にやめてほしい」と話した。黒澤会長は「あそこはクマが何頭いてもおかしくない場所だ。駆除したクマがほかの犠牲者も襲ったとは限らない」と注意を促した。鹿角連合猟友会は、計4人の遺体が発見された鹿角市十和田大湯の田代平と熊取平に一つずつわなを設置しており、11日も猟友会員が警戒したが、山中へ入って積極的に駆除はしていない。一帯はササやぶで見通しが悪いため、クマとの不意の遭遇や人とクマとの誤認の恐れがあるためだ。一方、鹿角市と隣接する青森県十和田市と新郷村では11日早朝、青森県警十和田署員や三戸署員らが鹿角市方向に向かう車や入山者に対し「クマに襲われて人が亡くなっています」と呼びかけ、注意を促すチラシを手渡した。秋田県内では鹿角市以外でもクマへの警戒が続いている。10日午後には羽後町で、山菜採り中の60歳代女性が突然、クマに襲われて腕と頭に全治1か月のけがを負った。湯沢署員が付近をパトカーで巡回し、羽後町は防災無線で注意を呼びかけている。また、5月31日に付近でクマが目撃された秋田市雄和椿川の県立中央公園では、爆竹を鳴らすなどクマ対策を行っている。秋田県警生活安全企画課によると、県警に寄せられたクマの目撃件数(1~5月)は132件と、過去10年の同期比で最多となっている。
(春先の猟に出るマタギ(狩人)の間では:秋田)
春先の猟に出る秋田のマタギ(狩人)の間では「チシマザサが起きたらミズナダレに気をつけろ」といわれた。チシマザサはこの辺の山で群落をなす大型のササ。雪が緩んで埋まっていたササが起きると、水分の多い雪崩が起こるという▲遠藤(えんどう)ケイ著「熊を殺すと雨が降る」(ちくま文庫)から引かせてもらったが、そのチシマザサは一名ネマガリダケと呼ばれ、5〜6月に生えるタケノコが人気の山菜になる。アクが少なく、焼いても汁や煮物にしてもおいしい。市場価格は1キロ1000円程度らしい▲この季節、人々は見通しのきかぬササやぶでタケノコ採りに熱中するが、大きな危険もある。ツキノワグマもネマガリダケが大好物で、こちらも夢中で食べていると人の気配に気づかない。突然はち合わせしかねないのだ▲クマに襲われたと見られる3人が亡くなった秋田県鹿角(かづの)市の山林で、またもクマの被害にあったらしい遺体が見つかった。山菜採りに出ていた70代の女性であった。今までも数年に1度はクマの犠牲者が出ている同県だが、これほど惨事が続いたのは異常事態である▲専門家は同じクマの仕業ならば、人を恐れなくなり鈴音などのクマよけ対策が通用しない可能性もあるという。付近ではきのうクマ1頭が駆除されたが、そのクマなのかどうか。山菜採りに慣れた地元の方もどうか例年と様子の違う危険を軽視しないでいただきたい▲昨年のドングリの豊作で子グマの出産が増え、東北地方ではクマの出没が増えている。めぐる季節の中、クマと人の営みの不幸なはち合わせはできる限り防ぎたい。知恵は人がこらすしかないだろう。
(クマ被害どう防ぐ?専門家「存在知らせて」:岩手)
県内のツキノワグマの出没情報の増加や、県境の秋田県鹿角市でクマに襲われたとみられる男女4人が死亡した事件を受け、県内でも入山禁止や恒例登山の中止など、人身被害防止に向けた動きが広がっている。本県の負傷者も山菜採りや登山などで山に入った際に襲われており、専門家らはクマに存在を知らせ遭遇しないための対策を呼び掛けている。13日は矢巾町太田の県道付近に体長約1メートルの成獣とみられるクマ1頭が出没。紫波署や地元猟友会が付近を警戒したほか、近くの不動小は保護者に一斉メールで情報を伝え、付き添いか送迎の車で登下校するよう呼び掛けた。北上市憩いの森管理事務所は、出没情報が相次いだ同市稲瀬町の展勝地生活環境保全林の遊歩道などに入山禁止の看板を立てて注意を呼び掛けた。八幡平市は隣接する鹿角市で多発したクマ被害を受け、八幡平市と鹿角市、青森県田子町にまたがる四角岳で26日に予定していた恒例の3県交流清掃登山を中止した。クマ猟歴14年で、県猟友会青年部副部長を務める宮古市田鎖の西村昭二さん(44)は「一般的なクマは人を怖がるため、存在を知らせることが大事だ」と、鈴やラジオの持参や複数での入山を訴える。一方、一度人を襲ったクマは人間の弱さを学習し、再び襲うこともあると指摘。「人身被害のあった場所へはとにかく近づかない方が良い」と警告する。
(売り上げ伸びるクマよけ用品:岩手)
秋田県鹿角市でクマに襲われ4人が死亡する被害が発生し、県内でもツキノワグマの出没情報が相次いでいることを受け、県内のアウトドア用品店でクマ用の撃退スプレーやクマよけ鈴を買い求める人が増えている。スプレーは1本約1万円と高額だが、前年同期と比べ売り上げが約3倍に増えている店も。本格的な登山者のほか、山菜採りやハイキングに出掛ける人も、これまで以上にクマへの警戒感を高めているようだ。盛岡市緑が丘のアネックスカワトク内、グリーンハウス盛岡店では、クマ用撃退スプレーの問い合わせが相次いでいる。米国製のスプレー「カウンターアソールト」は唐辛子が主成分で催涙効果が強い。容量別に2種類あり、噴射距離は約9~10メートル、連続で使える時間は7~9秒程度だ。クマよけ用品を扱う同市手代森の卸売業アウトバック(藤村正樹社長)には、県内外のアウトドア店からスプレーの注文が殺到。現在品切れで、約850本が予約待ちの状態だ。同市大通のMOSSビル内、ICI石井スポーツ盛岡店でもスプレーが昨年4~6月期の約3倍売れた。
(クマ出没注意:群馬)
東北地方でクマの出没が相次ぎ、多数の死傷者が出ている問題を受け、群馬県鳥獣被害対策支援センターは、近く各市町村に注意を呼び掛ける。県内でもツキノワグマの目撃が増え、4月に人が襲われる被害が発生したためだ。クマよけの鈴やラジオなど音の出るものを携帯しても襲撃される恐れがあり、同センターなどは生息域の山にむやみに立ち入らないよう訴えている。
(クマ捕獲基準を再考へ、県議会で県が意向:滋賀)
県議会六月定例会議は十四日、本会議を再開し、六人が一般質問した。村上浩世琵琶湖環境部長は、保護を前提に定めている県のツキノワグマの捕獲基準を巡り、「生息頭数や人身被害の実情に鑑みて捕獲要件のあり方を検討したい」と見直しも含めて検討する意向を示した。秋田県の山林で四人が襲撃された事件を踏まえた杉本議員の質問に答えた。県自然環境保全課によると、県内のツキノワグマは米原、長浜、高島市などに計二百三十~三百六十頭生息し、県レッドデータブックで希少種に位置付けられている。県は鳥獣保護管理事業計画で捕獲基準を定めているが、希少種であるのを考慮し、人命の危険が極めて高い場合を除き殺処分しない。人が近づかずクマにも近づかせない“共生”が原則。捕獲基準は「民家の五百メートル以内に一週間で同一個体が複数目撃された場合」などと厳しく規定する。半面、人身被害も近年起きている。同課によると、二〇一五年度に多賀町と高島市で計二件、一四年度は長浜市で三件、一〇年度は長浜、米原、大津市で計五件あった。一五年度の二件はいずれも重傷だったという。長浜市選出の杉本議員は「夕方から外に出られないとか、子どもが外で遊べないとか精神的な被害も深刻。もっと地域住民の切実さを考えてほしい。対策の強化が必要だ」と指摘した。村上部長は、捕獲の要件緩和を検討する方針と併せ、保護の考え方などをまとめた第一種特定鳥獣保護計画を改定する際には「地元の住民を検討委員に加えることも考えたい」との意向も述べた。
(クマ被害防止、県が注意喚起:岩手)
クマの出没が相次いでいるとして、県は14日、市町村に人身被害防止のための注意喚起を促した。広報誌や防災行政無線で住民や登山客に注意を呼び掛けるよう求めた。県自然保護課によると、出没は今後さらに増えると見込まれ、クマと遭遇して被害に遭う危険性が高まるという。14日も紫波町の高水寺、陣ヶ岡地区で午前6時過ぎ、クマの目撃情報があった。紫波署によると、ともに体長1メートルほどとみられる。近くには町立古館小学校がある。署員らが周辺をパトロールし、下校時は教員や地域住民らが通学路で見守った。
(クマ被害、県境越え対策協議へ:青森)
秋田県鹿角市の山でクマの犠牲者が相次いでいる事態を受けて、鹿角市は隣接する十和田市・三戸町・田子町・新郷村などと対策を協議することを決めた。30日に各市町村の担当者が鹿角市に集まる。
(クマ死亡事故、知事も対策を検討する考え:秋田)
県議会は締めくくりの質疑、総括審査が行われました。鹿角市で4人がクマに襲われて死亡した事故についての質問が相次ぎ、佐竹知事は県としても対策の検討を進める考えを明らかにしました。先月下旬以降、鹿角市十和田大湯の山で男女4人が相次いでクマに襲われて死亡した事故を受け、総括審査では、当初の予定になかったものの、県の事故への対応などに質問が相次ぎました。佐竹知事は、「クマの異常な繁殖や人里に対する防護策を専門家らと協議したい」と述べ、クマの出没状況の調査や他県との情報交換をしながら県としても対応策を検討する考えを示しました。
(餌豊作、繁殖進み人里へ)
東北地方でツキノワグマの目撃数が増えている。鹿角市十和田大湯の山林では5月下旬、クマに襲われた男性3人が死亡する事故が相次ぎ、10日もクマの襲撃を受けたとみられる女性の遺体が見つかった。岩手、秋田、山形各県ではけが人も出ている。専門家によると、目撃数増加の要因に、ブナやドングリといった餌となる木の実が2013年と15年秋に豊作でクマの個体数が増加したことがある。東北6県のクマの目撃件数と各県で確認されたけが人の数は表の通り。目撃件数は各県とも前年同期を大きく上回っている。森林総合研究所(茨城県つくば市)鳥獣生態研究室の岡輝樹室長(52)は「目撃数が多いのは繁殖数が多いためでブナやドングリなどの作柄と関係がある」と指摘する。12月から翌年4月ごろにかけて冬眠するクマは体脂肪を蓄積させるため、秋にブナやドングリなどを大量に摂取する。冬眠中の2月に出産する雌の場合、脂肪を十分に蓄えると妊娠しやすいとされる。「13年と15年の秋は全国的にドングリ類が豊作だったため、14年と今年は繁殖数が増えた」。あきた森づくり活動サポートセンター(秋田市)所長の菅原徳蔵さん(64)はそうみる。14年に生まれたクマが成獣となって出没し、今年生まれた子グマを連れたクマも目撃されているという。菅原さんはクマが多い理由として、狩猟者数の減少と、過疎化による土地の荒廃を挙げる。駆除される機会が減ったクマは人間の手が入らなくなった山里を浸食し、生息域を広げているという。仙台、秋田、山形、福島の各市では市街地でも目撃されている。これは、5月下旬~7月上旬にタケノコ(ネマガリダケ)などの餌を求めての行動だ。菅原さんは「今年は暖冬で雪解けが早く、ネマガリダケなどが不作だった。クマの繁殖も進んだことから、山林のネマガリダケを食い尽くし、人里に降りてきているのではないか」と話す。菅原さんによると、ブナやドングリなどは豊作と不作の年が交互に訪れる。昨秋は豊作だったものの、今秋は不作が予想される。菅原さんは「そのため、秋も餌を求めて人里に降りてくる可能性がある」と述べ、警戒を呼び掛けている。
(東北でクマが多数出没、なぜ?対策は?)
東北のあちこちで、ツキノワグマの出没が相次いでいる。それも住宅街で、幼稚園や学校のそばで。山中では死者も出ている。何が起きているのか?福島市中心部の市街地に位置する標高275メートルの信夫(しのぶ)山。5月23日午後10時ごろ、山中にある公園近くに住む会社員遠藤徹さん(53)は車で帰宅途中、道路上に体長約1メートルのクマがいるのを発見した。車に気づいたクマは驚いて、山頂の方へ逃げていったという。「15年以上ここに住んでいるがクマを見たのは初めて。本当に怖かった」福島市によると、今年4月から6月4日までに、市内では計17件の目撃情報があり、そのうち4件は、信夫山やJR笹木野駅周辺など市街地だった。学校や国道も近く、市の担当者は「クマをこんな市街地で見かけるなんて聞いたことがない」。人口108万人の東北最大の都市、仙台市にも現れた。6月3日午前9時すぎ、JR仙台駅から車で10分ほどの幼稚園で体長約1メートルのクマが目撃された。園庭で遊んでいた園児が、およそ10メートルの距離にある竹やぶの中に動物を見つけた。「黒いネコがいる」と知らせを聞いた実習生が、斜面を登っていく様子を確認した。やぶにはかみ砕かれた竹が落ちていたという。山間部では、クマに襲われたとみられる犠牲者も出ている。秋田県鹿角市の山中で5月、別々にタケノコ採りに出かけていた男性2人が相次いで死亡しているのが見つかった。県警によると、いずれも動物に引っかかれたり、かまれたりした痕があったことから、クマに襲われた可能性が高いとみている。5月30日には、同市内で3人目の犠牲者とみられる男性の遺体も発見された。東北6県では、今年4月1日から6月3日までに計800件以上の目撃情報が寄せられた。昨年の同じ時期の1・6倍にのぼる。山菜採りや登山で山に入った人だけではなく、住宅の敷地内やその周辺など人間の生活圏で見かける事例も多い。ツキノワグマはとても臆病で、人を怖がる動物とされている。なぜ、人里に下りてきたのか。クマの生態に詳しい森林総合研究所の大西尚樹さん(43)は、「ベビーラッシュ」の可能性を挙げる。東北地方では昨秋、クマのエサになるブナの実が非常に多く実った。豊かなエサで栄養をたくわえ、冬眠期間中に子を産んだクマが増えたとみる。子を養うために、母グマがエサの少ない山奥から人目につく地域まで出てきているのでは、という。生息環境も変わった。農林水産省によると、1年以上作物を育てていない全国の耕作放棄地は昨年、1985年の3倍余りの42・3万ヘクタール。山林と人里の境界が薄れ、人の生活圏近くにクマが活動しやすい場所が増えている。「人慣れ」も関係している。大西さんは、「キャンプ場に捨てられた残飯や農作物で人間の食べ物の味を覚えてしまい、人里に寄ってくるものもいる」。狩猟をする人が減ったため、銃声を聞いたり、追われたりする経験がないことで、人間に恐怖心を持たなくなり、市街地でも気にすることなく動き回れるようになったという見方もあるという。秋にかけても警戒が必要だ。この秋、東北地方のブナの実は、豊作だった昨年の反動で凶作になる見込み。9月ごろのピークに向け、さらにエサを求めてクマたちが山を下りてくることが考えられるという。大西さんは、クマの出没は過疎化などが大きく影響しており、年や地域に限った問題ではなくなってきていると指摘する。「抜本的な解決が難しい、全国的な社会問題ととらえなくてはいけない」宮城県自然保護課は「出会わないことが重要」という。人間の存在に気づかせるために鈴やラジオで音を出し、クマが活発な朝夕の時間帯を避ける。クマの爪痕やフン、足跡などを見つけたら、その場を離れること――を挙げる。出会ってしまったら。大声をあげたり慌てて走り出したりせず、背中を見せないで向き合ったままゆっくりと後ずさることが大切だ。そうすればクマの方から立ち去ってくれることが多い。
(獣類捕獲、シカが最多更新:栃木)
県によると、平成27年度の獣類捕獲数はイノシシが捕獲目標1万頭に対し、前年度より4割少ない7654頭にとどまり、シカは目標の7400頭に近い7010頭で、前年度より6・1%増え過去最多だった。県環境森林部が県議会農林環境委員会に報告した。県自然環境課によると、27年度の獣類捕獲状況は、イノシシが過去最多だった26年度の1万3010頭から41・2%減少した。25年度は5792頭で、同年度から日光市などで有害鳥獣捕獲報償金制度や国の鳥獣被害防止緊急捕獲等対策事業が始まり、山のドングリなどが不作だった26年度は1万3千頭を超えた。県は27年9月に捕獲目標をそれまでの8千頭から1万頭に引き上げたが、27年度は「山の実りが良かった」(同課)ことなどから、捕獲数が激減したとみられる。一方、シカの捕獲数は前年度の6606頭を404頭上回る7010頭で、過去最多を更新した。クマは前年度の101頭から28頭に、サルも1070頭から440頭に減少した。
(南アルプス食害対策協議会、ニホンジカ捕獲頭数が減少:長野)
南アルプス食害対策協議会の今年度の総会が10日に開かれ、各自治体でのニホンジカの捕獲頭数が、前年度より減少している事が報告されました。伊那市役所で今年度の総会が開かれ、平成27年度のニホンジカの捕獲頭数が報告されました。協議会を構成する自治体の猟友会に委託し捕獲された数は、伊那市が前年度より61頭少ない29頭、飯田市が53頭少ない68頭、富士見町が71頭少ない129頭で、合せて226頭となっています。協議会では、鹿の目撃情報は減っているものの、生息地域が北上したり西山へ移っている可能性があるとして単純に個体数が減少したとは言い切れないとしています。会長の白鳥孝伊那市長は「西山での捕獲頭数が増えているのが問題だ。中央アルプスの対策協議会とも連携して取り組んでいかなければならない」と話しました。協議会では、今年度、中央アルプス野生動物対策協議会へ、毎年行っている防護柵設置作業の参加を呼びかけるほか、今後の連携を視野に連絡協議会の立ち上げを目指すという事です。
(サル農作物被害、歯止めかからず:和歌山)
日高地域鳥獣被害対策本部(本部長・日裏勝己印南町長)の会議が10日に開かれ、管内の平成27年度鳥獣被害状況が報告された。それによると、ニホンザルの農作物被害額が、4年連続の増加で初めて2000万円を超え、一層深刻化。26年度に初導入して大きな成果を挙げた最新鋭の捕獲おりも、27年度では設置数を増やしたにもかかわらず捕獲数が大幅に減少。一般に「賢い」とされるサルに早くも警戒されて効果薄となったのか、関係者らは人とサルの知恵比べに頭を悩ませている。日高郡市内の鳥獣農作物被害額は、平成27年度が5464万9000円で、前年度比約1割(516万8000円)の増。被害額のうち、サルが4割、イノシシが3割、シカが1割を占め、あとはカラスやアライグマ、タヌキなど。品目別でみると、被害が最も多いのは果樹で6割、次いで野菜が2割。市町村別の被害額は、果樹生産地となっている由良町と日高川町がいずれも約1400万円でダントツとなっている。特に被害が深刻なサルの農作物被害額をみると、平成22年度が1770万円で、23年度に1480万円まで減少したが、以後増加傾向が続き、24年度は1670万円、25年度1730万円。県は26年度、由良、日高、日高川町に三重県で開発された捕獲装置「まる三重ホカクン」を3基設置。おりにカメラやセンサーを取り付け、携帯電話やパソコンで現場の状況をリアルタイムに監視できるとともに、おりの扉を遠隔操作で閉めることが可能なシステムとなっており、26年度は郡市全体で前年度比194匹の大幅増となる559匹を捕獲。しかし、捕獲数は増えたが、サルの個体数がそれ以上に増えているのか、人里への慣れが出ているのか、農作物被害額は増加傾向に歯止めがかからず、26年度は前年度比約140万円増の1870万円。27年度はさらに最新の捕獲おり5基を追加したが、捕獲数は356匹にとどまり、おりを設置していなかった25年度よりも9匹少ない状況。被害額は2070万円に増加した。全国的にサル被害については、新たな対策をしてもすぐに慣れるのか見破られるのか、効果が薄れていく傾向にあるが、日高地方での最新鋭おり対策はまだ2年を過ぎたところ。同対策本部では「今回の最新鋭おりの効果が早くもなくなったのかどうかはまだ分からないが、設置事業は26、27年度の2カ年で終了。いまのところ次の秘策がない。どうすればいいものか...」と話している。
(停電相次ぐ:大分)
12日午前7時前、大分市横瀬でカラスの巣が電線に引っかかり、大分市南部と由布市の一部地域であわせて1974世帯が一時、停電しました。
(農作物食べ荒らすシカ、ジビエで有効活用:山梨)
農作物を食べ荒らすシカをジビエ(野生鳥獣肉)として有効活用しようと、シカ肉の処理から加工まで手がける「明野ジビエ肉処理加工施設」が山梨県北杜市明野町上手に完成し、同所で11日、関係者による式典や施設見学が行われた。同施設は、後を絶たない野生鳥獣による農作物の被害に対処する「市野生鳥獣害対策協議会」が主体となって旧明野給食センターを改修して整備した。ニホンジカの捕獲から肉処理までの一連の作業は峡北猟友会が担い、年間200頭を処理する予定だ。処理したシカ肉は冷凍して保管し、市内の道の駅などで販売する方針。シカ肉を活用した商品の開発も行いたいという。白倉政司市長は「市の特色の一つになる施設になってほしい」と話し、峡北猟友会の五味力会長は「シカの数が多く食害も深刻なため、有効活用できる施設ができて喜ばしい。地域の活性化につながれば」と期待を込めた。
(ハンター後継者求む:岡山)
県内で相次ぐシカやイノシシなどによる農作物被害に対処するため、県と県猟友会は26日、北区の岡山大津島キャンパスで、「おかやま狩猟フォーラム」を開催する。高齢化する狩猟者の後継となる若者も視野に、狩猟の魅力や捕獲鳥獣の活用法、狩猟免許取得の方法などを紹介し、「あなたもハンターになりませんか」と呼びかける。県によると、野生の鳥獣による農作物への被害の総額は毎年、4億円前後に上る。ライフル銃や空気銃を使う狩猟者のほか、農家自ら免許を取得して網わなや箱わなを仕掛ける人もいるが、農家も高齢化が進む。そこで、県などは数年前から若者を意識したイベントを開催。参加者の関心を呼び、網猟、わな猟、第1・2種銃猟の4種類の免許試験の受験者(合格率約9割)は2015年度で計634人と、12年度(275人)の倍以上に増えた。26日は午前10時〜午後2時に開催。網やわなで狩猟をする猟師の千松信也さん=京都府在住=が講演する。千松さんは京都大在学中に狩猟免許を取り、「ぼくは猟師になった」の著書があり、実体験を語る。県職員らによる免許取得相談会、ジビエ料理試食、狩猟道具の展示などのコーナーもある。
(「狩猟学校」9月開校:埼玉)
プロ猟師になりませんか――。埼玉県飯能市でシカやイノシシの加工品を製造・販売する「猟師工房」が、猟師を養成する「狩猟学校」を9月に開校する。猟銃の扱い方だけでなく、森の中でのサバイバル技術、獲物の解体・加工まで体系的に教えるプログラムで、受講生を募集している。狩猟工房には猟師5人が在籍。狩猟で得たニホンジカやイノシシを食肉やペットフード、アクセサリーなどに加工して販売している。有害な鳥獣を駆除する猟師は年々減っており、広く狩猟技術を学んでもらうことで新規参入を増やし、後継者を育てたいと開校を決めた。狩猟学校は9月3日から来年3月31日までの土日を中心に計58日間。工房の猟師ら10人が講師役となり、ロープワークや刃物の扱い、森の中での過ごし方など基本動作から射撃訓練、巻き狩りやわな猟の技術などを学ぶ。猟に欠かせない猟犬の育成も伝授する。猟師になるには通常、各地の猟友会などが開く講習会を受けて免許を取得するが、同学校は狩猟ビジネス全般を学べるのが特徴だ。費用は50万円(宿泊・飲食代別)。募集人数は6人。年内にわな猟、第一種銃猟免許の取得が可能で、狩猟に適した車両を用意できることなどが入学の条件。
(ニホンライチョウの卵、カラスが捕食:長野)
北アルプス・乗鞍岳(長野、岐阜県)で国の特別天然記念物ニホンライチョウの卵を採取し、人工繁殖を試みている環境省は14日、カラスがライチョウの卵を捕食する場面を収めた写真を公表した。同省によると、カラスがライチョウの卵を食べているとの目撃情報は過去にも1例あったが、写真の撮影は初めてだという。カラスがライチョウの卵を食べていたのは3日午前7時~正午。同省が卵を採取するための調査で、乗鞍岳山頂付近に設置したセンサーカメラが自動撮影した。乗鞍岳では1980年代から、登山者が放置した生ごみなどを目当てに、標高2400メートル以上の高山帯にカラスが確認されるようになり、生態系への影響が懸念されている。
(「やるシカない!」が総務省東海総合通信局長表彰を受彰:愛知)
シカ害対策支援アプリ「やるシカない!」が、2016年6月1日に行われた平成28年度電波の日・情報通信月間記念式典にて総務省東海総合通信局局長に表彰されました。農林産物への獣害が社会問題となるなか、鳥獣被害の予防対策につながるシカ害対策支援アプリを開発・実用化するなど、ICTを活用した地域の振興と安心・安全に多大な貢献をされたとして表彰されました。同式典会場にてシステムも展示しました。
(「シカ肉コロッケ」自慢の味:兵庫)
兵庫県朝来市岩津の道の駅「フレッシュあさご」が、シカ肉と同市特産の岩津ねぎで作った「岩津ねぎシカないコロッケ」を発売した。甘辛く煮たシカ肉のミンチに、岩津ねぎの風味と北海道産ジャガイモの甘みを加え、食べやすく仕上げた。朝来市内には約1万5千頭のシカが生息しているとされる。同駅ではシカ肉を有効活用しようと、2000年5月のオープン時からシカ肉を使った丼やカレー、焼き肉弁当を販売。「老若男女が手軽に食べられるシカ肉商品を」と今回、コロッケの開発に取り組んだ。朝来市内の猟師から入手したシカ肉を、大阪の業者が、しょうゆや砂糖、日本酒などで煮込んで加工。冬の間に収穫し、冷凍で保存している岩津ねぎを刻んで肉と同量入れ、ジャガイモやタマネギを加えてボリュームたっぷりに仕上げた。
(会社員を辞め、26歳で猟師になった女性:京都)
大阪で会社員をしていた20代の女性が、現在は「NPO法人いのちの里京都村」の事務局長になり、京都・丹後を中心に狩猟女子として活躍している。京都市内で生まれ育ち、遊び場も街中だった林利栄子さんが、今では農山村のコミュニティの中に入り、都市部との橋渡しをしている。その経緯と思いを聞いてみた。大阪でのOL生活が自分に向いていないと感じた。林さんは大学卒業後に、大阪で保険の営業をしていたが、生来、人とすぐに仲良くなってしまう性格で、営業中もすぐにお客さんと仲良くなってしまい、本来の目的である商品を売ることに対して罪悪感を抱くようになってしまったそうだ。「カタチのないものや人によっては必要がないかもしれないものを売ることが、心の負担になってしまいました」。働き盛りなのに月曜日から金曜日まで「仕事したくないな」と思いながら暮らすのはもったいない。人と仲良くなることが役に立つ仕事をしたいと考えた。家族に公務員が多く、地元で公務員に転職しようかと考え始めたときに、兄の知り合いである「いのちの里京都村」の理事に出会い、転職を進められた。「NPOが何かということもよく知らず、近寄りがたい存在だと思っていました。ただ田舎が好き、自然が好き、ということで興味を持ちました」。入ってみると、事務局員ではなく、事務局長という立場に驚いた。2012年に発足した「NPO法人 いのちの里京都村」は、「過疎化・高齢化が進行した農山村の再生」という趣旨に賛同してもらえる都市部の企業を中心に働きかけて、農山村への支援をコーディネート、農山村と都市部の双方の利益に寄与することを目的にしている。林さんはできたばかりのNPOの事務局長にいきなりなってしまったそうだ。自信をもって鹿肉を売るために狩猟免許を取った。林さんは、イベントでいのちの里京都村で開発した「京都もみじ(鹿まん)」を販売していたとき、子どもに「鹿を食べるのはかわいそう」と言われたことで「食べること」について自分が知らないことが多いと気づいた。「その子にとって、牛や豚は普通に食べられる『食品』だけど、鹿は『動物』だったんですね。当時の私はその子にきちんと説明することができなかったのが情けないと感じました」鹿の肉を売る立場なら、現状をしっかり知っておかないと自信を持って売れない。京都市内で生まれ育ったので、それまで農山村に関する知識がなかったが「いのちの里京都村」の運営に携わるようになって、増えすぎた野生動物が田畑を荒らし、農山村の人たちが困っていることを知った。「なぜ狩猟が必要か」を自分の言葉で伝えたくて、狩猟免許を取ろうと決めた。もう一つの理由は、NPO法人の職員は博識な人が多く、いのちの里京都村の理事たちもメディアでよく取材されていた。そんな人たちと比べて自分は何ができるのかと感じていた。「何も特技がない自分が事務局長と名乗るのが重荷でした。私も手に職を身につけ自信を持たなければと思いました。当時は女性猟師が珍しかったので、猟師になるのがいいのではないかと思いました」。知り合いのベテランの猟師に教えを請い、資格に挑戦した。その年の間に「個人で新聞に取り上げられる」を目標にしたら、12月28日に掲載された。ギリギリで目標達成できたことになる。鹿肉をふるまっておいしさを知ってもらう。実は自分が撃った弾に倒れた鹿をみたときは涙が止まらなかったそうだ。「でも、これが猟師としての役目であり、目を背けてはいけないこと。だから無駄にしてはいけないと思いました」と命の重さを受け止め、食生活について考える活動も始めた。「食品の選択肢が増えて、なんでも簡単に手に入れることができる時代。だからこそ、自分が食べるものについてきちんと知って選ぶ必要があると思います」と語る。そのため獲った肉はすべて自家消費や、獣害や鹿肉に興味のある仲間においしく調理してふるまうイベントを企画している。猟で獲ってきた鹿肉は衛生面に問題があり、売買してはいけないため、イベントではふるまいとして提供している。それでも毎回多くの人たちが参加するそうだ。みんな「美味しい美味しい」と喜んでくれてリピーターになってくれる。普段食べている肉料理を鹿肉で調理し、もっと身近に感じてもらうことで鹿肉を普及させたいと考えている。「牛肉や豚肉のように鹿肉がスーパーに置かれるようになったらいいですね。鹿肉はカロリーが低かったり鉄分が豊富だったりするので、健康食として認識してもらえれば、カロリーの摂り過ぎが気になる人や、貧血気味の人の選択肢のひとつになると思います」そうなるまでに重要なのはやっぱり安心して食べてもらえる供給ルートと衛生面での安心だ。現在、少しずつだが食肉加工のガイドラインが作成され始め、それが一般に広まっていけば、鹿肉に対するみんなの常識を変えてくれると期待している。ここ2年~3年でジビエ(野生の鳥獣肉)が盛り上がりを見せ、イベントでも京都もみじが200個も売れたこともあるそうだ。少しずつ状況が変化していると感じている。植物であれ動物であれ、食べ物が何かの命をもらっていると痛感するのにつれて、自分自身も食べ物の好き嫌いがなくなっていたことに、友人の指摘で気づいたそうだ。京都にとどまらず、山村の魅力を伝えていきたい。林さんは山に入ると、自分も動物の1つだと実感するという。「撃たれた鹿が全速力で走り抜き、池に飛び込み、必死で泳ぐ姿を見たとき、『生きる』ということに感動しました」と話す。「以前は休みの日はお茶や買い物をしてお金を使うことが楽しみでした。今は仕事と遊びの境界線がなくなり、毎日自分のしたいことをしていることが幸せだと感じるようになりました」現在、京都のみならず兵庫県の農山村にも誘われて仕事の幅を広げることになった。加えて半分は個人事業主として働くことにした。「不安は感じていません。何とかなると思っています。私の幸せは周りの人が幸せになってくれること。そのために何ができるかという考え方がすごくシンプルになってきたと思います」。林さんは初めて会う人でも、たわいのない話ですぐに盛り上がってしまうそうだ。そうやって山村のおじさんやおばさんとどんどん仲良くなっていけるのは貴重な財産だろう。地元でもない地域の人々から「おかえり」と言ってもらえるのが何よりも嬉しいと話す。2年間の狩猟のインターンを終えて、これからは猟期以外の有害駆除活動にも参加できるようになった。農家民泊や試住など、山村を紹介していく仕事ももっと積極的に取り組んでいく予定だ。「いろいろな人との出会いが私を育ててくれていると思います。NPOの理事たち、Deまちで街づくりを研究している人たち、猟師の師匠、農家のおじさんやおばさんたち等々。空き家や高齢化など、いろいろな課題はありますが農山村部は面白いですよ」京都のカフェで会った林さんは、一見するとおしゃれな女子だ。しかしいったん仕事の話を始めるとエネルギーに満ちた言葉がどんどん出てくる。「この間は1日で200kmもクルマで走ってしまいました。受け入れてくれるならどこにでも出かけていきますよ」と力強く話してくれた。

TOPへ