<射撃ニュース7月>

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(シカ夜間銃猟に初の指針策定へ:北海道)
道は、シカ猟の夜間銃猟解禁に向けて、課題となっている安全性確保のためのガイドラインを作成する方針を決めた。シカの捕獲数が増える中、シカが警戒心を強め昼間に捕獲しづらくなっており、夜間銃猟のニーズが高まっているためだ。国は夜間銃猟を昨年解禁したものの、危険を伴うため、道内ではまだ行われておらず、道が独自で2017年度中のガイドライン策定を目指す。道内のシカの捕獲数は増加傾向にある。道によると、14年度で13万7千頭と、10年前の04年度と比べて約2倍に増えた。一方、狩猟が頻繁に行われる地域では、シカが警戒心を強めており、日中は姿を見せずに夜間に出没するケースが増えているという。こうした事態に、国は道などの要望を受けて、都道府県が一定の技能や安全管理体制を備えていると判断した民間の認定事業者に委託し、「安全性を確保する」という条件付きで、夜間銃猟を解禁。鳥獣保護法を改正して15年5月に施行した。課題は夜間銃猟の安全性確立だ。猟銃の弾が届く範囲は数キロメートルと長距離に及ぶ場合もあるといい、視界が極端に悪くなる夜間に猟銃を使えば、住民や仲間などを誤射する可能性も高まる。このため道は、環境省や道警などの関係機関、専門家らに呼び掛け、8月にも検討会議を設置し、ガイドラインづくりに乗り出す。
(70歳代男性がクマに襲われケガ:新潟)
25日朝、長岡市の旧栃尾市で、散歩中の男性がクマに襲われた。男性は爪で右足などをひっかかれたが、命に別条はないという。警察によると、25日午前5時半ころ、長岡市滝之口の県道で、近くに住む70歳代の男性が散歩中、遭遇したクマに襲われた。男性は額や右足などを爪でひっかかれ、市内の病院へ運ばれたが、命に別条はないという。現場に残された足跡からクマは体長150センチほどとみられ、男性を襲った後、山の方へ逃げたという。現場から250メートルほど離れたところには民家もあることから、警察が注意を呼びかけている。
(ポケモンGOでクマに遭遇?:北海道)
北海道長万部町で22日夜、スマートフォン向けの人気ゲーム「ポケモンGO(ゴー)」をしていた大学生がヒグマらしき動物と遭遇、大学関係者が地元交番に届けたことがわかった。北海道警八雲署によると、東京理科大長万部キャンパスの大学生が22日午後9時ごろ、ゲーム中にヒグマらしき動物を見たという。大学生にケガはなかった。連絡を受けた学寮長が翌日に長万部交番に届けた。
(クマが壁破壊か、神殿や山小屋被害:山形)
山形県内では24日、クマによるとみられる建物や農作物への被害などが相次いだ。午前5時45分頃、高畠町金原の毘沙門神社で神殿の壁が縦約20センチ、横約50センチにわたって剥がされているのを近所の男性が発見した。壁にはクマのものとみられる爪痕があった。付近に蜂の巣の破片があり、壁の内の巣を食べたとみられる。午前6時頃にも、川西町玉庭の農機具小屋の壁が、約1メートル四方にわたって壊されているのを所有者の男性が発見した。近くにクマのものとみられるフンが落ちていた。壁の内側には蜂の巣があった。午後5時頃には、長井市上伊佐沢で山小屋の壁の一部が壊された。壁にはクマとみられる爪痕があった。壁の中に蜂の巣があった。午前7時頃には、東根市沼沢の畑でトウモロコシ約40本が食い荒らされているのを所有者の男性が気付いた。付近にはクマの足跡などが残されていた。このほか、米沢市立南原小学校近くの林でクマ1頭が目撃された。また、長井市寺泉の市道でも23日にクマ1頭の目撃があった。いずれもけが人はなかった。
(クマ目撃、ニワトリ10羽被害:新潟)
24日午前2時ごろ、阿賀町細越の50代女性が、自宅裏のニワトリ小屋でクマを目撃し、津川署に通報した。クマは山の方に逃げた。けが人はいなかった。
(クマ被害、コメ食い荒らす:岩手)
23日朝、紫波町でクマが作業小屋に保管していたコメを食い荒らしていたのが見つかった。23日午前8時頃、紫波町片寄の農業・熊谷重孝さん(62)が住まいの東側にある作業小屋を確認したところ1階に保管していた米袋が破られ、食い荒らされていた。
(高速バスとクマが衝突:秋田)
23日朝、小坂町の東北自動車道でバスがクマと衝突しました。けが人はいませんでした。県警高速道路交通警察隊によりますと、23日午前6時20分ごろ、東北自動車道の小坂インターチェンジ近くで高速路線バスが右から横断してきたクマと衝突しました。
(ツキノワグマを殺処分、県内で今年初:岡山)
ツキノワグマの出没が相次ぐ岡山県美作市東粟倉地域で25日、民家近くで捕獲されたクマを県が今年度初めて殺処分したことがわかった。同日午前11時半ごろ、同市東青野で、住民がイノシシ用のくくりワナにかかったツキノワグマを発見。民家から約30メートル、市立東粟倉小学校から約500メートルの場所であることや、一度捕獲されて山に放獣されたタグが付いていたことなどから、「ツキノワグマ保護管理計画」に基づき、殺処分とした。同地域では今年度に入って、すでに16件のツキノワグマの捕獲や目撃情報が同市に寄せられている。
(トンネル付近にクマ:福島)
24日午後1時30分ごろ、郡山市熱海町中山のJR磐越西線下り沼上トンネル付近でクマを目撃したと電車の運転士男性から若松駅輸送本部を通して郡山北署に通報があった。同署によると、クマの体長は約1メートル。
(クマ目撃相次ぐ:福島)
24日午前9時15分ごろ、福島市飯坂町字中ノ内の摺上川沿いにある旅館駐車場北側の崖でクマを目撃したと、旅館の従業員から福島北署に通報があった。同署によると、クマは体長約80センチで崖を登り東に走り去った。同10時30分ごろには崖から約400メートル東に離れた同市飯坂町湯野字樅ノ木下の摺上川沿いの斜面を登るクマを近所の男性が目撃した。斜面で目撃されたクマの体長が約80センチであることなどから、同署は同じクマとみて周辺をパトロールするなど注意を呼び掛けた。
(下北でクマ目撃相次ぐ:青森)
県内では21日から22日にかけ、むつ市など主に下北半島でクマの出没が相次いだ。夏の大祭が行われている恐山周辺でも目撃された。むつ署によると、21日午前5時55分ごろ、むつ市川内町の川内小、川内中から約200メートル北西の市道で、道路を横切るクマ1頭が目撃された。同日午後4時半ごろには同市大畑町の薬研橋近くの県道むつ恐山公園大畑線で、道路を横切る体長約1メートルのクマが目撃された。このほか、22日にかけて同市関根の国道279号、東通村、大間町で出没。下北以外でも青森市大谷、平川市碇ケ関、十和田市法量、六戸町下吉田などで目撃が相次いだ。
(「クマ渋滞」知床で頻発:北海道)
「クマ渋滞」という言葉をご存じだろうか。道路脇に現れたヒグマを見ようと観光客が車から降り、放置された車が連なって交通の妨げとなる現象だ。5月の大型連休中、知床でこのクマ渋滞が相次いだ。交通に支障を来すだけでなく、人間がヒグマに襲われる事故にもつながりかねない。これからの観光シーズン本番に、再びクマ渋滞が発生することが懸念され、関係者はマナーを守るよう呼び掛けている。5月4日、知床国立公園内を通る国道334号。車から降りてヒグマに近づこうとする観光客らが路肩に止めた車が道路をふさぎ、交通渋滞が各所で発生した。急カーブでの二重駐車や、10台以上が連なった路肩駐車があちこちで発生。知床の自然の保全・管理を担う知床財団が把握しただけでも、この日6件のクマ渋滞が発生した。知床のクマ渋滞は10年ほど前から見られ、財団によると観光客が多い毎年6~9月の間に発生するという。世界自然遺産の知床は、夏場の観光シーズンピークにはバスや自家用車などが多く行き交う。国道334号や道道知床公園線は片側1車線で道幅も狭く、路肩に車が1台止まるだけで交通の障害になる。ヒグマ出没が報告されると、財団はゴム弾などを使って「ヒグマを追い払う役」と、「人間に注意喚起を促す役」からなる「ヒグマ対策チーム」を出動させる。しかし、5月4日のクマ渋滞の現場では、注意に応じない観光客が多く、警察に出動を要請し、交通整理にあたってもらったという。斜里署は「路肩に車を止めることで追突や渋滞を招き、そこで車から降りると、はねられる恐れもある。非常に危険だ」と警鐘を鳴らす。懸念されるのは交通事故だけではない。人とヒグマの「異常接近」により、本来臆病なクマが防衛のため人間に攻撃するなど予期せぬ惨事を招くことになりかねない。クマ渋滞など異常接近の背景には「ヒグマと人間の双方に警戒心が薄れている」(増田泰・知床財団事務局長)ことがある。増田事務局長は、知床で暮らすヒグマは人間から危害を加えられることが比較的少なく、人を恐れない個体が増えているという。斜里町、根室管内羅臼町などは「知床半島ヒグマ保護管理計画」を策定。交通事故や駆除などで人為的に死ぬヒグマの頭数の上限を年間30頭とし、出没場所や行動などによって追い払いや駆除など異なる対応方法を定めている。同計画に基づき、財団などはクマにゴム弾を発射して「人に会うと痛みを与えられる」ことを学習させ、人里に近づかせない取り組みを進める。しかし、個体によって学習能力に差があり、餌付けやゴミの放置によって「人間はエサをくれるもの」と認知し、近づいてくる場合もあるという。知床では1986年以降、ヒグマによる人身事故は発生していないが、今年の斜里町内でのヒグマの目撃件数は536件(14日現在)。目撃件数が過去最高となった昨年(1492件)の同時期の597件に迫る勢いだ。人慣れしたクマ以上にやっかいなのがクマの怖さを知らない人間だ。知床でネーチャーガイドを務める佐藤清光さんは今年5月以降、飲食が禁止されている知床五湖の高架木道にソフトクリームを持ち込む観光客を何度も見かけた。中には「飲食はレストハウスの中でしてください」と注意しても素直に聞き入れなかった人もいたといい、佐藤さんは「甘い香りが(高架木道下の)地上遊歩道に届き、ヒグマを引き寄せることになってしまう」と憤る。知床斜里町観光協会や町などは「知床ヒグマえさやり禁止キャンペーン」を展開。斜里町内の道の駅では人間の餌付けによって射殺されたヒグマの悲劇を紹介するカードを掲示する。しかし、観光客の中には野生のヒグマをペットのように考え、子供を連れて近づいたり、至近距離で写真を撮る人が後を絶たないという。関係者は「毎日が事故前夜のような状況」と頭を抱える。財団は、クマと人との事故を防ぐとともにヒグマの本来の生活を守るため、ヒグマに遭遇した場合は《1》50メートル以上距離をとる《2》見物や写真撮影のために車から降りない《3》車内から観察するときも路上駐車は短時間に―と呼び掛ける。ヒグマによる人身事故が起きれば、その個体を駆除することを余儀なくされる。人間、ヒグマの双方にとって不幸な事態を防ぐことができるかは、人間にかかっているといえそうだ。
(クマ出没、過疎化で生息域拡大)
東北各地でクマの目撃が異常多発している。鹿角市では5、6月、山菜採りの男女4人がクマに襲われて死亡する深刻な事故が発生した。目撃数が増えている原因やクマの被害を防ぐ対策を、野生動物管理学が専門の岩手大名誉教授青井俊樹さん(66)に聞いた。-クマの生息状況はどのように変化しているのか。「ほとんどの地域で生息域が拡大している。東北では青森県が顕著で、津軽半島の先や八甲田山にまで広がっている。生息数も増加傾向にある」-原因は何か。「過疎化や高齢化で里山から人がいなくなり、クマをはじめ野生動物にとって非常に住みやすい環境になっているからだ。山奥も林業不況でスギなどの人工林が間伐されずに暗い林が増えた。クマの餌となる実がなる広葉樹が育つ場所が減っているため、里に下りるようになった」-クマよけに鈴やラジオで音を出すことは逆効果になるのか。「山で人間の存在を知らせること自体は間違いではない。ただ、鹿角市の事故のように人を襲ったクマが寄ってくる可能性はある。ケース・バイ・ケースだ。鹿角の現場を視察した際、1人で入山する人を見掛けた。事故が起きた周辺には絶対に入るべきではない」「普段入山するときは大人数で声を出し、鈴を携帯する。なたやクマよけスプレーも有効だ。クマに人間は怖い、と学習させることが必要だ」-夏休みに入り、子どもが山に入る機会が増える。「注意が必要なのは山よりも里だ。東北で出没や農作物被害が増えるのはお盆すぎからの約1か月間。山の餌が減る一方で、里のリンゴやトウモロコシが収穫期を迎えるからだ」-里で取るべき対策は。「山際で作物を栽培する場合は電気柵で囲い、里に下りて来ないようにする。今年はブナが凶作で、9月以降も出没が続く可能性は高い」「クマは収穫しない柿や、野積みした売れない作物などを食べて味を覚えてしまう。電気柵の設置や廃棄農作物の適切な処理など、クマを寄せ付けない里づくりに地域ぐるみで取り組む必要がある」-今後、クマと人間はどう付き合うべきか。「目撃数が増えていることを、頭数の増加や餌不足の問題だけで片付けるべきではない。大切なのは、里山など中山間地域が野生動物の生息域になり、それは過疎や高齢化、一極集中の結果だということ。根本的な解決策は山村だけでなく、社会全体で考えるべきだ」
(熊出没:長野)
21日の午後0時20分頃、箕輪町中曽根の林で熊の目撃情報があり、町では注意を呼び掛けています。伊那警察署の発表によりますと、熊が目撃されたのは、箕輪町中曽根の林です。熊は子熊と思われ、目撃した住民の通報を受け警察や町職員、猟友会で対応しましたが西側の山林へ逃げ込み発見に至っていないということです。箕輪町によりますと、ここ数日、熊の目撃情報が寄せられていて、家の近くであっても鈴やラジオなど音の出るものを身につけ、早朝や夕方山へ入る場合は2人以上で行動するよう呼び掛けています。
(中学校でクマ目撃:岩手)
26日朝、遠野市西学校でクマ1頭が目撃された。被害はなかったが、学校周辺では先月もクマが目撃されていて、警戒が続いている。クマが目撃されたのは、遠野市宮守町の遠野西中学校のテニスコートで、午前8時前、部活のために登校した生徒が見つけた。クマは発見後、すぐにテニスコート脇の杉林へ逃げ、けが人や被害はなかった。生徒の話から成獣と見られるが、詳しい大きさは分かっておらず、警察や遠野市ではパトカーや防災無線を使い、住民に警戒を呼び掛けている。学校によると、周辺では先月17日にもクマが目撃され、以来、生徒全員がクマよけの鈴を身につけて登下校しているという。学校は夏休みに入っているが、多くの生徒が部活動のために登下校することから、当面の間、テニスコートの使用を中止し、教職員が通学路に立つほか、生徒には複数で行動するよう呼びかけている。
(クマ出没:福島)
23日午前6時50分ごろ、須賀川市長沼字諏訪入の長沼高南側付近の路上で、車を運転していた男性がクマを目撃した。須賀川署によると、クマは体長約1メートルで山林に入っていったという。同署は学校に注意を促したほか、パトカーで現場周辺の広報活動を行った。また、同日午後3時50分ごろ、福島市上名倉字大石前の県営あづま総合運動公園で散歩中の夫婦がクマを目撃した。福島署によると、クマは体長約1メートル。公園内の同市民家園のやぶの中にいるのを目撃された。現場周辺には民家があることから、同署はパトカーで注意を呼び掛けた。
(市道で作業員がクマを目撃し撮影:高知)
7月21日午前8時半ごろ、高知県安芸市古井の市道にクマがいるのを、車で通り掛かった安芸市内の建設作業員が見つけた。作業員は写真に撮り、安芸市に夕方連絡。安芸市はクマと確認し、2016年春以降、ツキノワグマに人が襲われる事例が全国で相次いでいることから、Webサイトなどで注意を呼び掛けている。目撃されたのは、安芸市古井の安明寺橋から数百メートル北で、安芸市中心部からは車で約1時間の場所。安芸市によると、古井地区には現在、住民はいないが、市道をさらに北上した徳島県境に近い別役地区には3世帯3人が住み、買い物などで目撃場所を通ることがあるという。安芸市総務課は「(市の山間部などでも)これまでクマの出没情報は聞いたことがない。付近を通行する際は気を付けてほしい」と注意喚起している。
(民家の敷地でクマ目撃:新潟)
22日午前4時ころに三条市の上野原地内で民家の敷地内でクマが目撃され、三条署では関係機関と連携して付近住民などに注意を呼びかける広報と警戒活動を行っている。新聞配達員が体長70センチから80センチのクマ1頭を目撃した。熊は民家から南の林の中に入っていった。この民家は住宅街や中小企業大学校三条校に近い。三条市のまとめでは、今年度に入ってから三条市内でクマが目撃された情報はこれで17件目。また、目撃情報のほとんどは山手の下田地区、平場がほとんどの三条地区では5月13日に中新地内で目撃情報があって以来2件目。
(作業小屋にクマ出没:秋田)
秋田県内で21日、クマの出没が相次いだ。けが人はいなかった。鹿角市十和田大湯字扇ノ平では午前5時45分ごろ、民家敷地内の農作業小屋にクマがいるのを、この家に住む30代女性が見つけ、鹿角署に届け出た。同署によると、女性が自宅前で洗濯物を干していたところ、4メートルほど離れた小屋の中にいるクマを発見。クマは小屋の窓ガラスを割って外に飛び出し、東側の山林に走り去った。小屋には米ぬかが入った袋が保管されており、1袋破れていたという。
(市街地でサルの目撃情報相次ぐ:鳥取)
先週から鳥取市の市街地でサルの目撃情報が相次いでいて、悠然と歩く姿も撮影されている。18日夕方、鳥取市の中心部を流れる千代川の橋で、橋の欄干の上を悠然と歩くサルの姿が撮影された。鳥取市の市街地では、14日からサルの目撃が相次いでいて、周辺の小学校などではサルに注意するよう呼びかけている。サルに出会った場合は、安全のために近づかない、目をあわせない、驚かせないことが大切だという。欄干の上を悠然と歩いていたサルは、その後、どこに行ったのかは分かっていない。
(「クマ避けの鈴」小学校の全校児童に配布:山形)
26日、終業式が行われた白鷹町立蚕桑小学校。27日から始まる夏休みを前に子どもたちには、夏休み中の課題のほかにクマ避けの鈴が配布された。その際、担任は「山の方に出かけたり、この辺で遊ぶときもクマ鈴をつけて遊びに行くようにしてください」と呼びかけた。ことし、白鷹町内でクマが目撃された件数は、25日までで合わせて17件で去年の同じ時期よりも11件増加している。白鷹町では、登下校中の子どもたちへの被害も懸念されることから、町内すべての小中学校5校の児童や生徒にクマ避けの鈴を配布することを決めた。白鷹町内では、ことし初めてのクマが目撃されたのが、蚕桑小の学区内だったことなどから他の学校より優先的に26日、蚕桑小で鈴が配布された。白鷹町立蚕桑小学校の菅文隆教頭は「ことしは特にクマの出没情報が多くて個人的に持っている児童もいるが、全員に鈴をいただけるのは大変ありがたい」と語った。・こどもたちは、さっそくランドセルに鈴をつけ下校した。児童たちは「(夏休み中)みんなと遊ぶ時もあるので鈴を着けて遊びたい」などと話した。白鷹町によるとクマ避けの鈴は、合わせて1180個用意され、蚕桑小を除く4つの小中学校には、夏休み明けに配布されるという。
(シカ解体できる処理車を披露:長野)
25日、県庁で捕獲したシカをすぐに解体できる移動式の処理車が披露された。車には解体したシカ肉を5度以下で保存できる冷蔵庫やシカを衛生的に処理するための殺菌剤を作り出す装置が備えられている。協議会では各地で解体処理業者による実証実験を行い、改良を加えながら実用化に向けて台数を増やしたいとしている。
(シカ射止めたい、射撃技術向上へ:北海道)
北海道猟友会北見支部(堀江篤支部長)は24日、会員の技術向上と若手ハンターの発掘を目指し、北見国際クレー射撃場(北見市大和)で射撃講習会兼競技会を開いた。オホーツク管内や旭川から男女計55人が参加。一般にも公開し、親子連れらが競技の見学や射撃シミュレーターの体験を楽しんだ。今年で4回目となる催し。模擬銃を使ってスクリーン上の鳥などを撃つ射撃シミュレーターは、今回初めて設置した。競技では、色によって加点、減点が決められた円盤が放出され、射撃の正確さや判断力を競った。堀江支部長は「終わったら銃に実弾が入っていないことを声に出して確認して」などと、安全上の注意も促した。夫の影響で今年射撃を始めたという佐々木しのぶさん(34)は「まだ緊張ばかりで、命中した喜びを味わう余裕はないけれど、いずれエゾシカ駆除などで役に立てるように頑張りたい」と話していた。会場では猟友会の活動を広く知ってもらおうと、模擬銃やパネルが展示されたほか、エゾシカ肉を使ったカレーやジャーキー、ソーセージなどが無料で振る舞われた。
(鳥獣被害、3年ぶり増加:和歌山)
野生鳥獣による県内の2015年度の農作物被害額は約3億4304万円で、3年ぶりに増加に転じた。鳥獣別ではイノシシによる被害が全体の約半分に上り、作物別では単価の高い果樹が被害の約4分の3を占めた。県によると、市町村別では紀の川市(約4266万円)、田辺市(約3381万円)、かつらぎ町(約3352万円)が上位を占めた。鳥獣別では、イノシシ(約1億6984万円)▽シカ(約5461万円)▽サル(約4984万円)▽アライグマ(約3291万円)▽カラス(約1615万円)−−などだった。イノシシ被害では、紀の川や海南、有田川、かつらぎ、九度山の5市町で被害額が1000万円を超えた。半分以上の市町では前年度から被害額が減少したが、九度山町では2倍以上に増えた。
(クマ目撃、倍増221件:福島)
県内各地でクマの出没が増えている。県警によると、6月末までの半年間の目撃情報は、前年同期比121件増の221件と2倍以上に増えた。市街地での目撃も多く、お盆から秋の行楽シーズンに人里に出没する危険性は高まるといい、専門家は「山登りや農作業などでは特に気をつけて」と注意を呼びかけている。県警によると、今年上半期の警察署別では福島署管内は28件に上る。福島市では5月下旬、住宅地の河川敷や公園などで目撃され、6月下旬には木に登り、木の実を食べるクマや子連れも見つかった。観光客が多い磐梯吾妻スカイラインでも目撃されている。郡山北署でも19件、白河署でも16件を確認。山林が多い会津地方の5署では計117件と半数超を占めた。県自然保護課によると、最近は耕作放棄地が増えたことなどから人里近くにまで生息域が広がっている。昨秋はクマが好んで食べるブナの実が豊作で、栄養を蓄えて行動を活発化させているとみられるという。クマの生態に詳しい溝口俊夫・県野生動物調査専門官(68)は「山にエサが少なくなる8月のお盆以降、山を下りて観光地や集落の農作物を目当てに出没するだろう」と指摘。山での観光やクマが活動する朝方の農作業などは特に要注意だといい、「事前の目撃情報や周囲での足跡の有無に気をつけ、鈴や携帯ラジオで自分の存在をわからせる対策が必要だ」と話している。
(熊の目撃・痕跡、4月から最多447件:新潟)
新潟県内で熊の目撃が相次いでいる。今年4月から今月21日までに、ツキノワグマの目撃やその痕跡の報告が447件寄せられており、集計を始めた2006年以来で最多となった。今年5月に胎内市の男性(75)が熊に襲われてけがを負い、今月25日早朝に長岡市滝之口で70歳代男性がクマに襲われて顔などをひっかかれた。県や専門家は警戒を呼びかけている。「『あっ』と思ったら、いきなり襲ってきた」5月8日に胎内市鍬江で熊に襲われた男性はこう振り返った。朝、いつも通り山菜採りに自宅近くの山に入った。山道で向こう側から歩いてきた熊と鉢合わせしたところ、押し倒されて用水路に転落した。視界に親子連れと思われる熊が見えた。体が動くようになったのは数秒後。用水路からはい出ると、熊はいなくなっていた。額と右の口元、左目からこめかみにかけて熊の爪の傷痕が今でも残っている。右手の親指もかまれ、約2か月たった今も違和感が消えない。家から出るときに必ず「オイ、オイ」と声をかけるようになった。「熊がヒョッと出るんじゃないかと思うと怖くて」県環境企画課鳥獣保護係によると、県内全域に生息する熊は推計で約1300頭。今年度は熊の主な食糧であるブナの実が凶作になる年で、秋に多くの熊が人里に近づくと予想される。春先における熊の目撃やその痕跡についての報告件数は毎年増えている。今年は4月から7月21日現在で447件。過去11年で最も多い数字となった。24日未明、熊が阿賀町細越の民家裏の鶏小屋を襲い、近くで鶏の死骸が見つかった。新潟大学の箕口秀夫教授(森林生態学)は、昨年ブナが大豊作で熊の餌環境がよくなり、出産が盛んに行われたと分析する。「今年は生まれたばかりの子熊や親別れしたばかりの若い熊が多い状態だ」と話す。長岡技術科学大学の山本麻希准教授(生態学)は、「熊が人里に出ることを学習し、行動範囲が広がりつつある」と指摘する。凶作の年に山を下りるうち、農作物の味を知った熊が増え、木の実がならない春先に姿を現すようになった。少子高齢化の進展で中山間地の里山の整備が出来ず、身を隠せる下草が伸びたこと、狩猟者が減ってきたことなども熊の行動を活発化させる要因になったという。県や県警はパトロールや啓発活動などを通じて、熊による人的被害を防ぐよう取り組んでいる。県環境企画課や山本准教授は「まず熊に出会わないこと」を強調する。鈴やラジオなどを鳴らしてこちらの存在を知らせれば、熊が人を避けていくという。熊に襲われた場合は地面に伏せ、両手で頭部や首などの急所を守る方法が有効だとされている。同課は「山に入る場合は熊がいるものと考えて、熊撃退スプレーの携帯や出没状況をチェックするなど、十分準備をしてほしい」と呼びかけている。
(クマ気をつけて、目撃情報を地図に:群馬)
クマの目撃情報が多数寄せられていることを受け、群馬県警沼田署(神戸勇署長)は、管内の目撃情報を落とし込んだマップを作成した。利根沼田地域の市町村役場や交番に配布し、住民への注意喚起に活用してもらう。マップは3種類。管内全域を示したものと、目撃情報の多い管内北部(みなかみ町藤原地区など)と管内西部(同町月夜野地区など)のそれぞれ拡大版を作った。裏面には「背中を向けて逃げない」などクマに遭遇した際の注意点が記されている。クマが出没した地点を地図上にまとめて表示することで、危険な地域を一目で分かるようにし、被害を防ぐのが目的。半月ごとに情報を更新していく。同署地域課によると、今年2~6月末で40件のクマ目撃情報があり、うち30件が6月中に寄せられている。7月も増加傾向にあるという。
(「クマっぷ」、高速道路での出没情報:秋田)
秋田県内の高速道路でクマの目撃が相次いでいることを受け、秋田県警高速隊が、クマの出没場所と日時を記した地図「秋田ハイウェイ クマっぷ」を作成した。県内の高速道路では4~6月に計29件のクマの目撃情報があった。車との衝突事故は、小坂町の東北自動車道や三種町の秋田自動車道などで計4件発生した。地図には、高速道でクマが目撃されたり、衝突事故が起きたりした場所が示されている。高速隊ではこれまで、クマの目撃件数をまとめていなかったが、今年は数が多いため、作成した。地図は県警のホームページに掲載したほか、県内のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)にも掲示した。目撃情報が劇的に増えれば、地図を更新するという。大島亨副隊長は「高速道路にもクマが出るという現状を知ってほしい」と話す。事故防止のためには、おしゃべりしたり、物を探したりせず、運転に集中することが大切だと助言する。
(クマ出没相次ぐ、駆除だけでは解決できない)
東北地方でツキノワグマの出没が相次ぎ、襲撃された人も出ている。人里離れた山中だけでなく住宅地の近くでも目撃されているのが今シーズンの特徴。木の実が減る8月が出没のピークとされており、例年以上に警戒が必要だ。東北で1月から5月までの目撃情報は計約1200件で、前年と同じ時期の1.5倍に急増している。県ごとでは6月末現在で、宮城が過去10年間で最多の478件、秋田は過去最多の410件、山形も過去最多の280件などとなっている。秋田県では悲惨な事故が相次いだ。5月下旬から6月上旬にかけて鹿角市十和田大湯で、クマに襲われたとみられるタケノコ採りの男女4人の遺体が発見された。駆除したクマの胃から人体の一部が見つかっている。岩手、福島、山形でもけが人が出ている。目撃情報が増えた背景について、専門家は「ベビーブーム」を挙げている。昨年は餌となるブナの実が多く実ったため栄養が豊富で、子グマが多く生まれたとみられる。親グマが餌を求めて徘徊(はいかい)しているらしい。ツキノワグマは元来臆病とされてきたのに、なぜ人間の生活圏まで近寄って来たのか、その原因分析が必要だろう。駆除するだけでは、いたちごっこが続くだけだ。環境省によると、まきから石油への燃料革命で、里山の山林が放置されたままになっている。クマにとって餌の豊作時にはすみやすい環境だが、凶作になれば人里への出没につながりやすいという。さらに中山間地では人口減少や高齢化が進み、集落としてクマなど野生動物への対処が難しくなってきている。生息数の調整に当たるハンターの減少もある。長期的には中山間地対策が急務だ。里山の手入れや森林の利活用にもっと力を入れていくべきだろう。対症療法としては出没ルートの下草刈りや緩衝地帯、電気柵の設置なども考えられる。いずれにしても、総合的な対策が求められよう。クマは活動範囲が広く、県境をまたいで動くことも多いため、隣県同士の情報交換は不可欠だ。鹿角市の事故を受け、青森、秋田両県にまたがる現場周辺の6市町村が合同対策会議を開催したのは意義があった。入山規制を実効あるものにしてもらいたい。人間を襲ったクマは人間を獲物とみるようになる、という専門家の指摘がある。鈴や携帯ラジオという通常のクマよけは通じなくなる恐れもあるというから、用心に越したことはないだろう。やはり、各県などが提供している出没情報を基に、危険な場所には近づかないの一番だ。東北森林管理局の調査によると、今秋のブナの結実予想は秋田、岩手、宮城、山形はほとんどならない「皆無」で、青森が「凶作」とのこと。夏以降の出没も要注意だ。人や農作物に対する被害防止は当然のことだが、クマとの共生の道も探るべきだ。絶滅したとされる九州のようになってからでは遅い。クマを保護管理することが、豊かな森を守ることにつながることも心に留めておきたい。
(「モンキードッグ」って何?:石川)
モンキードッグは、日本語に直すと「猿犬」。果たして猿なのか犬なのか、いったい何者なのでしょう。金沢市の山あいの集落では、野生の猿による農作物の被害に頭を悩ませています。金沢市で初めて野生のサルによる被害が報告されたのが2006(平成18)年。今ではその被害が20倍にも増えているのです。里山の面積の減少で、人間との生活圏との境界がわからなくなりつつあるのがその原因です。その農作物被害を防ぐために活躍する犬が「モンキードッグ」なのです。彼らは「犬猿の仲」を利用し、猿を追い払うように訓練されています。モンキードッグの条件は、①野生のサルに負けない大きさ、②いつでも人間の命令に従う服従心、③いろんなことに対する好奇心、の3つとのこと。訓練された犬は、人間と一緒にパトロールをします。モンキードッグの訓練を終えた犬を飼っている金沢の農家では、トウモロコシなどの被害が激減したそうです。
(天敵でカラスを撃退、「タカ飛ばし」で空中戦:福島)
郡山市中央商店街振興組合は24日、同市のなかまち夢通りでタカを使ってカラスを追い払う「タカ飛ばし」を行い、カラスを撃退した。街中でカラスの"ふん害"などが問題となっていることから、カラスの天敵である猛禽(もうきん)類を飛ばすことでカラスを一掃しようと、2月ごろから定期的に行っている。この日は鷹匠(たかじょう)が3羽のタカを飛ばした。駅前周辺には300羽以上のカラスがいるとみられ、同組合は「定期的な取り組みが必要」と説明。カラスとタカの「空中戦」はしばらく続きそうだ。
(イノシシによる被害防げ、地元農家らが「対策実施隊」:神奈川)
イノシシによる畑や作物の被害対策が葉山町内で課題となっている。町内には30頭ほどが生息しているとみられ、大きい個体は体長120センチ、体重80キロほどにも上るという。被害を防ごうと今月1日から「鳥獣被害対策実施隊」が結成され、地元農家ら20人が隊員として活動している。実施隊長の石井喜三郎さん(63)によると、イノシシの被害は町内では3年ほど前から確認され始めた。ジャガイモやカボチャなどを掘り起こして食べるほか、畑を歩き回って苗が踏まれる被害も多い。県の調査によると、2014年度のイノシシによる葉山町の農作物被害は0・4トン、8万円。県内全体の被害214トン、5100万円からみれば少なくみえるが、石井さんは「少額や金額が算出できない場合も多い。農業被害に含まれない家庭菜園の被害もある」。石井さんらは以前から被害対策に取り組んでおり、昨年は7頭、今年も既に4頭を捕獲した。実施隊は町から委嘱され、国の交付金を受けて捕獲用のくくりわなや箱わなを購入。設置したわなの状況を週2回見て回る。捕獲したイノシシはほとんどを埋設処分か自家消費する。山間部にカメラを設置するなどして現地を調査している日本大生物資源科学部の中島啓裕助教(動物生態学)は、「イノシシは移動能力の高い生き物。例えば房総半島など多く生息する場所から泳いできたとも考えられる」と推測する。イノシシは雑食で、農作物の味を覚えると山に餌があっても畑に来るという。一度に4~5頭の子どもを産むため、増えるスピードが非常に速い。中島助教は「全頭駆除はなかなか難しい。畑の周囲に電気柵を設置し、雑草を刈ってイノシシが隠れる場所をなくすことなどが農作物の対策として効果的だ」と指摘している。
(パトロール開始:長野)
クマやイノシシなど、住民や農作物に被害をもたらす恐れのある有害鳥獣を駆除、捕獲、追い払うなどする山ノ内町有害鳥獣対策実施隊が20日、全町でパトロール活動を始めた。この活動は、町有害鳥獣対策協議会(竹節義孝会長=町長)が、町猟友会(小池清美会長・35人)に実施隊員として委嘱するなどして、2012年(平成24)ごろから始めた。同隊は11月15日まで、住民による有害鳥獣の目撃情報や通報などをもとに1日2回、町内をパトロールする。クマやカモシカなどの保護動物は山などに追い払い、サルやイノシシ、カラスは捕獲、または駆除する。パトロールの出陣式が同日、町役場庁舎駐車場で開かれ、竹節会長は「住民、観光客、農業の安心安全のためにみなさんにはご苦労をおかけするが、ケガのないようにお願いしたい」と激励。小池会長ら隊員も表情を引き締めていた。
(飯舘村はまるで野生動物園:福島)
福島では駅前や商店街などに「ようこそ!福島へ 福が満開、福のしま。」と書かれたのぼりが何本も立ち、JR福島駅で降りると「元気になった福島に来ていただき、ありがとうございます!」といったアナウンスが迎えてくれる。しかし、いまだに10万人近くが放射能を恐れ、県内外に避難している。福島県の浜通り。原発禍の街を縦断する国道6号を車で走ると、道路沿いに、「事故多発 牛と衝突」「事故多発 猪と衝突」と書かれた看板が立てられている。「夜になるとイノシシや飼い主を失った離れ牛が出てきて、車に突進するんだ」地元住民はそう言って苦笑したが、笑いごとではない。伊達市の仮設住宅に住む、4年前から取材に協力してくれるAさんは、飯舘村の実家に帰るたびに、ため息をついている。「だってよ、村に帰るとイノシシやサルに家ん中も墓も荒らされてる。イノシシなんか『俺らの村に何しに来た?』なんて面で近寄って来るんだ。もう村は野生動物園になっちまったよ」原発禍の街が動物園とは、まったく笑えない話だが、昨年12月の南相馬市市議会を傍聴した際、農業を営む議員が一般質問で訴えていた。「女性にかみつくイノシシやサルもいる。通学路にイノシシが出没するおそれもあり、児童の安全を確保すべきだ。アライグマやハクビシンも増えている。アライグマは狂犬病のウイルスを持っているため危険だ。捕獲した動物を処分する焼却施設も増設すべき‥‥」市役所に出向いて野生動物対策を聞くと、担当職員はこう説明した。「地元の猟友会の協力でイノシシは年間1500頭、サルは200頭近く捕獲しています。捕獲した場合、イノシシなら写真と尻尾、サルは写真を持参すれば1頭につき報奨金2万円を出します」自分の畑にワナを仕掛け、イノシシを捕獲する知人が語る。「原発事故の前なら、イノシシはボタン鍋で食えたけどね。今は放射能だらけで、1キロ当たり2万ベクレルもあって食えたもんじゃない(基準値は1キロ当たり100ベクレル)。あと、サルは、銃口を向けると『勘弁してください』と、言葉こそ発しないものの、拝むマネをするから、猟友会の連中は、『なかなか撃てないんだよな』と言ってたよ」南相馬市の町なかでも、子連れのイノシシやキツネが頻繁に出没している。
(企業や自治体、ジビエ消費拡大に奔走:長野)
県内の企業や自治体がシカなど狩猟肉(ジビエ)の消費拡大やシカ皮など素材の活用策を探る取り組みを始める。長野市や松本市などの飲食店はジビエの食べ歩きフェアを開く。長野県は岡学園トータルデザインアカデミー(長野市)の学生と組み、シカの皮や骨を使った製品を開発する。長野市は流通量拡大へ加工施設の設置を検討する。シカなど有害鳥獣の駆除数も増えており、関係者はジビエなどに有効活用して地域振興に生かす。
(ジビエ革で地域振興:和歌山)
有害駆除されたシカやイノシシの皮をバッグなどの革製品に加工する事業に、有田川町の中井謙次朗さん(29)が取り組んでいる。鳥獣の肉を使ったジビエ料理は近年、人気が高まりつつあるが、工芸品としての販売は全国的にも珍しい。開催中の近鉄百貨店和歌山店(和歌山市友田町)のフェアで、自ら手掛けた商品を販売しており、「ジビエを多方面に活用することは、中山間地域の活性化につながる。素材自体も魅力的なので、ぜひ知っていただきたい」と呼び掛けている。中井さんは大阪府寝屋川市出身。父が串本町出身という縁もあり2年前、県内にIターンした。仕事を通じて人の心に寄り添いたいという気持ちが強く、「サービス業を徹底的に学ぶ」という考えから、これまでに百貨店、保険の営業、ホテルスタッフなどの仕事を経験。移住後は日高川町などで林業の仕事に就いていたが、有害駆除される鳥獣の多さに衝撃を受け、活用法を模索した結果、工芸品としての活用にたどり着いた。すでに東京スカイツリー内の商業施設「ソラマチ」で商品を販売した他、仁坂吉伸知事に手紙を送ったことがきっかけで、県の協力も得られるように。現在はヤマト運輸和歌山主管支店とも協力し、ジビエの流通拡大へ努力を続けている。現時点で一切の補助金を受けておらず、こうした取り組み事例は全国的にも非常に珍しいという。中井さんによると、ジビエの革製品は人間の肌と相性が良く、商品の多くを占めるシカ革はしっとりして柔らかく、伸縮性があり、男女ともに使いやすいという。現在はハット、財布、名刺入れ、クッション、バッグなどの加工製品を取り扱っており、予約販売で注文を受け付けている。中井さんは「実際に手に取られた人の中には、ずっと身に着けていたいと話す人もいます。ぜひ完成した商品を手に持ってもらいたい」と話している。「きのくにレザー」のブランド名で和歌山の皮革製品の発信に取り組んでいるTERRA(和歌山市堀止西)の藤井智砂子さんによると、和歌山は兵庫、東京と並ぶ皮革業の3大産地に数えられながら、縫製業者が少ないために製品化は県外で行われることが多く、県内での製品化が課題という。ジビエの活用は、皮革産地・和歌山を内外にPRできる新たな取り組みとして期待される。中井さんによる商品の販売は同百貨店2階のハンドバッグ売場で26日まで。会場ではTERRAによる革小物作り教室も、25日まで開かれている。
(短大生がシカ肉料理に挑戦:徳島)
シカ肉料理を開発して広めようと、徳島文理大学短大部の学生らが23日、那賀町横谷の四季美谷温泉で講習会に参加。シカ肉料理の「達人」、中田雅之料理長(55)に調理やメニュー作りのコツを教わった。学生たちは長尾久美子准教授の指導を受け、学生食堂での提供を目指し「シカ丼」「シカ肉のチンジャオロース」などのレシピを作成中。シカ肉は関心が高まる半面、硬さや臭みを除く工夫が必要といい、講習会には約20人が参加した。「包丁でたたいて延ばし、酒につける」という学生らのレシピに、中田さんは「これではまだ硬い」と指摘。塩水に長時間つける、低温加熱するなどの方法を紹介した。1頭をモモやロースなど9部位にさばいて見せ、竜田揚げ、細切れ肉入りカレーピラフなどをふるまった。
(ジビエ手軽に猟師料理で:和歌山)
北ブラクリ丁に2日、のれんが掛かったばかりの「ビストロの~や」は和歌山産ジビエ料理の専門店。オーナーで、自ら調理場にも立つ北浦順嗣さん(68)は、50年近い経験を持つベテラン猟師だ。食べ慣れたジビエの魅力を、手軽な価格で多くの人に堪能してもらおうと、シンプルさが売りの〝猟師料理〟で出迎える。使うイノシシやシカ肉はもちろん県産。〝串揚げ150円〟〝からあげ300円〟〝一口ステーキ300円〟(いずれも税抜き)と、財布に優しい価格がメニュー表に並ぶ。「イメージは大阪・新世界の串カツ屋さん。雰囲気も、値段的にも入りやすい店を目指しています。フランス料理やイタリア料理のような、見た目にもこだわった、手の込んだ料理はできません。お出しするのは〝猟師料理〟です」生まれは清水町(現在の有田川町)。狩猟免許は20歳で取得した。2012年、ジビエ肉を販売する「いの屋」を和歌山市藤田にオープン。昨年春には和歌山鳥獣保護管理捕獲協会を立ち上げた。「農作物被害対策として、協会では猟師が捕まえたイノシシやシカを買い取っていますが、このうち、市場に出るのは4割で、残る6割は冷凍庫に眠ったまま。これを何とかするため、気軽に食事ができ、おいしさを知ってもらえる店をと考えたんです」昔から自宅で食べてきた煮込みは、2時間煮て一晩寝かし、さらに1時間煮る。わずかに加えたトウバンジャンの辛さが食欲をそそる一品だ。温泉卵がのった「いのししそぼろ丼」は子どもにも好評。「硬くて臭いと思っていたが、そんなことはない」「牛や豚よりヘルシー」。ほおばる客の声に手応えを感じる。「自然の中を走り回っているため、筋肉質で硬いイメージを持つ人が多いけれど、串揚げ用の肉も揚げる前にまず一度煮ている。手間を惜しまなければ軟らかく食べられる。低カロリーで高タンパク。シカのコラーゲンはアミノ酸の粒子が小さくて吸収しやすく、美肌効果があると言われます。イノシシは脂肪を蓄える12月以降がおいしい時期ですが、草食動物のシカは今、夏場がおすすめですよ」新メニューにカレーやハンバーグも構想中。ジビエ肉が特別な食材でなく、家庭の食卓に並ぶ日を夢見ている。
(猪コロッケサービスランチ:奈良)
昨年12月、御所市南郷の静かな場所にオープンしたジビエ料理の店。ジビエはフランス語で狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉を意味する。夏場の看板料理は、イノシシ肉を使ったオリジナルの「猪(いのしし)コロッケサービスランチ」(コーヒー付き1000円、1日限定10食)。店をオープンした吉井弘憲さん(63)と充代さん(64)夫婦は「食べてもらって、ジビエがおいしいことを知ってもらいたい」と話す。コロッケは、県内で捕獲したイノシシ肉を使用。店では食感を出すため、粗めにミンチにしている。他の肉は使わず、ジャガイモなどを加えてコロッケにしているという。サービスランチには、ご飯や煮物、自家栽培の野菜などを使う生サラダ、みそ汁なども付いている。「家業の仕出し店を手伝い、小さい時からよく料理をしてきた」と話す充代さん。シューマイや豚まんなど、イノシシ肉を使った料理に取り組み、試行錯誤の末、コロッケに落ち着いた。大工仕事をしてきた弘憲さんが約3カ月がかりで自宅の倉庫の内装を手がけ、店舗を完成させた。11〜4月ごろは、冬季限定で出すボタン鍋がメインの料理になる。事前の予約があれば、鹿のタタキなどのメニューも工夫して提供するという。弘憲さんは「事前に電話してもらえるとありがたい」と話している。
(ジビエで外国人呼ぼう:高知)
野生鳥獣の肉「ジビエ」を使ったバーベキューで、アジア圏の観光客を高知県に呼び込もうと、高知市の専門料理店が中心となり、香港でのPR活動に取り組んでいる。ジビエ料理と嶺北地域などの自然を組み合わせて売り出す計画。関係者は「四国、高知と言えば、ジビエと呼ばれるようにしたい」と意気込んでいる。主導するのは、高知市のジビエ料理専門店「Nook's Kitchen(ヌックスキッチン)」のオーナー、西村直子さん(46)。2年前に店を開き、全国から仕入れたシカやイノシシで肉料理を提供して人気を集めている。長岡郡大豊町や香美市の観光施設でも勤務経験がある西村さんはかねて「ジビエで外国人観光客を呼べる」と考えており、自然の中で手軽に楽しめるジビエバーベキューを売りにした事業を立案。2016年2月に高知県などが主催した「第1回高知を盛り上げるビジネスプランコンテスト」で最優秀賞に選ばれた。その後、高知県などの支援を受けてプロモーションビデオを撮影。個人旅行客やリピーターを狙って、6月中旬に香港最大級の旅行見本市で上映した。好評を博し、「香港では食べられない料理で、注目は高かった」(西村さん)という。
(夏もジビエ!“夏鹿”をカレーに)
JR東日本が展開するエキナカショップで、夏向けのジビエメニュー2品が7月25日に発売される。いずれもなくなり次第終了。このメニューは、6次産業化に向けたプロジェクトの一貫として、鳥獣被害対策で調達された鹿肉などを活用してつくられたもの。2011年から実施されており、今年で6年目。「ベックスコーヒーショップ」では、春から夏にかけて長野県で捕獲された“夏鹿”を初めて使った「信州ジビエ 夏鹿カレー」が販売される。トマトと数種類のスパイスをきかせ、酸味と甘みを感じられる味わいに。長野県産の野沢菜も添えられる。単品価格は690円、8月31日まで。また「ベッカーズ」には「房総ジビエ 猪肉のスパイシーピタポケット」が登場。千葉県の房総地域で捕獲されたイノシシの肉をダイスカットにし、野菜とともに真空低温で調理したフィリングと、レタスやチーズ、クスクスなどを入れて、ピタサンドに仕立ててある。ベッカーズでイノシシ肉が使われるのは初めて。単品価格は500円、9月30日まで。
(「食用シカ肉」消費拡大、ジビエ認証制度新設:山梨)
県は25日、農作物への被害の多発で、捕獲が増えているニホンジカの肉の有効活用を図るため、「県ジビエ(野生鳥獣の食肉)認証協議会」の初会合を開き、来年度にシカ肉の認証制度を新設することを決めた。“ジビエブーム”の中、県内のシカ肉のブランドを定着させ、消費拡大で地域活活性化を進める狙いだ。協議会の会長には、ジビエ活用に詳しい伊藤洋・山梨大名誉教授が就任。県猟友会や市町村の食肉処理施設の責任者、観光や飲食業界の代表ら11人が委員を委嘱された。県は、シカ肉の認証基準として、衛生面への十分な配慮を盛り込む方針。県内で4市町村が運営する処理施設(北杜市、早川町、富士河口湖町、丹波山村)は、いずれも食品衛生法に基づく食肉処理業の許可を得ており、機器などの衛生管理に大きな問題はないという。県も「シカ肉の衛生と品質確保に関する指針」を定め、処理施設に「自主点検表」によるチェックを求めている。今回はこれに新たな点検項目を加えるなどして、9月までに認証基準の素案を示す。最終案は来年1月にまとめ、認証機関の創設・運営なども盛り込む。25日の会議では、県単独と第三者機関の2種類のジビエ認証制度がある長野県の例などが紹介された。協議会では「数県の事例を調べて検討する」(農政部畜産課)としている。県みどり自然課などによると、昨年度に県内で捕獲されたニホンジカは1万3169頭。これに対し、処理施設で食肉加工されたニホンジカは323頭で、捕獲数の2・5%にとどまっている。残りは廃棄処分された。今年6月にオープンした北杜市の処理施設の能力を加えると、今年度の全県の食肉加工は、590頭になる見込みだという。
(心を痛めるハンター、首都圏でジビエ料理提供)
首都圏にあるJR東日本系の飲食店で「ジビエメニュー」が発売されます。「狩猟で得た野生鳥獣の食肉」を意味する「ジビエ」。その料理を首都圏で提供することには、単なる目新しさにとどまらないビジネス上の目的と、考えさせられる「生命」に関わる背景がありました。意味がある「東京でジビエ料理を出すこと」2016年7月25日(月)より、JR東日本の駅構内などに出店する同社グループの飲食店「ベックスコーヒーショップ」が「信州ジビエ 夏鹿カレー」を、「ベッカーズ」が「房総ジビエ 猪肉のスパイシーピタポケット」を発売します。「ジビエ」とは、フランス語で「狩猟で得た野生鳥獣の食肉」を意味する言葉で、それを使用した料理は、ヨーロッパでは貴族の料理として古くから発展してきました。日本でジビエというと、シカ肉やイノシシ肉などが挙げられます。このジビエを使用したメニューの提供は、JR東日本が行う「地域再発見プロジェクト」の一環として、2011年から行われているものです。地方にある魅力的な商品や観光資源を、地域の人たちとともに掘り起こし、鉄道のネットワークや駅ナカなどの販路を利用して首都圏などへ発信する、というプロジェクトで、JR東日本 事業創造本部 地域活性化部門の名川 進次長は「旅行に行きたくなるような仕掛けを作る取り組み」といいます。メニューが開発されたきっかけとしてJR東日本フードビジネスの佐野正人取締役は、シカ肉やクマ肉などを商品化できないかという相談があったとき、ジビエを食べたことがなく、シカ肉などに「臭い肉」というイメージを持っていたものの、食べてみるとやわらくて臭みもなかったことを挙げます。そして、美味しいジビエを探したところ長野県のシカ肉に出会い、商品化へ至ったそうです。長野県などではシカなどの野生動物が増加し、農作物が食い荒らされる被害が大変多く、全国における被害総額は年間200億円以上。日本ジビエ振興協議会の藤木徳彦理事長によると、毎年農作物が食い荒らされることに嫌気がさし、農業を辞めてしまう人もいるといいます。そういった被害をくい止めるべく、各自治体は猟友会などに野生動物の駆除を要請します。しかし捕獲されたシカなどの肉のうち、活用されるものの割合は全国平均で14%、長野県ではわずか5%。土に埋めて捨てることも多く、ハンターたちも「無駄な殺生はしたくない」と、嫌な思いをしていたそうです。長野県の蓼科(たてしな)高原でレストランも営む藤木理事長はあるとき、ハンターに「“殺生”というからには、肉を生かさなければ殺しているだけだ」と言われ、衝撃を受けたとのこと。そして、駆除された動物の肉を料理へ生かすことを決意。これによって地方と都市部が結ばれ、高齢化が進むハンターのモチベーションも上がるといいます。なぜ冬を越え、春を過ぎた「夏鹿」がいいのか?「ベックスコーヒーショップ」で販売される「信州ジビエ 夏鹿カレー」のシカ肉は、春から夏にかけて捕獲された「夏鹿」のもの。シカは秋ごろから越冬のため脂肪を体内に蓄えることから、出産時期の春も過ぎ、新緑の植物をたくさん食べている「夏鹿」の肉が脂肪も少なく、美味しいそうです。この「信州ジビエ 夏鹿カレー」は、「夏鹿」の肉に加えた数種類のスパイスと、夏野菜であるトマトの酸味が効いたルウ、十六穀米、福神漬けの代わりに添えられた長野名物の野沢菜が特徴です。記者(青山陽市郎:乗りものニュース編集部)が試食したところ、シカ肉からイメージされるような臭みは全くなく、牛すじのような歯ごたえのシカ肉と、一気に体が熱くなるように感じられる独特の辛さがクセになりそうな一品でした。「ベックスコーヒーショップ」の47店舗において、単品690円(税込)で販売されます。ちなみに藤木理事長によると、ジビエ調理のポイントは「低い温度でじっくりと過熱すること」。霜降り肉のような脂身の多い肉は、強火で焼いても美味しく食べられますが、赤身肉を強火で焼いてしまうと、硬くなるとともに臭みが出てしまうそうです。「ピタ」との相性が抜群「ベッカーズ」で販売される「房総ジビエ 猪肉のスパイシーピタポケット」のイノシシ肉は、千葉県君津市で捕獲されたものです。半円型のパンである「ピタ」に挟まれた、サイコロ程度の大きさに切られた肉とレタス、チーズ、小麦粉を粒状にしたクスクス。試食したところ、スパイスが加えられたイノシシ肉とさっぱりした野菜、そしてモチモチしたピタが相性抜群で、トルコで食べたケバブサンドを思い起こす味と食感でした。「ベッカーズ」の18店舗で、単品500円(税込)で販売されます。今後の展開として、JR東日本 事業創造本部 地域活性化部門の名川次長によると、現時点ではジビエを前面に出したツアー商品などを販売する予定はないそうですが、来年、2017年7月から9月まで開催される大型観光キャンペーン「信州デスティネーションキャンペーン」に向け、「信州ジビエ」にスポットを当てたイベントを実施。「ジビエといえば信州」を定着させることを考えているそうです。
(ジビエで地域おこし)
作物被害の増加で注目される野生鳥獣肉「ジビエ」の活用。今、鳥獣被害対策としてだけでなく、地域おこしの一環として推進しようと一石二鳥・三鳥を狙う動きが加速している。“ジビエプロジェクト”を進める商工会議所、商工会の動きを追った。地域衰退が続く愛知県設楽町津具地区。地域おこしを―、と若手が声をあげ、津具商工会(愛知県設楽町)を事務局に会員事業所、農業者、他団体22人で「奥三河つぐ高原グリーンツーリズム推進協議会」を2013年7月に設立した。取り組むことになったのが、景観整備、イベント開催に加えて“ジビエの活用”。同地区では鳥獣による農作物被害や人との接触事故などが頻発。政府も被害抑制のためジビエ利用促進を打ち出していたからだ。ジビエビジネス推進には適切な仕入れから解体・処理、保管が必要。そこで、農林水産省の交付金650万円と町の補助金400万円に協議会員の拠出金・住民寄付金を合わせ1500万円で食肉処理施設を造った。旧農協施設を借り受け改築、「奥三河高原ジビエの森」と名付け事業を昨年4月スタートした。仕入れでは地区3町村に180人の会員を持つ猟友会と連携。生きたままでの捕獲連絡をもらい、引き取りに出向き、自ら“とめ刺し”と“回収”をする。これでトレーサビリティーが確保できる体制が構築された。3月末までの1年間でイノシシ、シカ合わせて200頭を処理。地区では毎年、合計約1000頭が捕獲される。「目標とする年間300頭をクリアし、いずれは500頭処理、販売できる体制を構築したい。18年をめどにジビエの森を組合か株式会社として、一本立ちさせる計画だ」(今泉哲也津具商工会事務局長代理)と話す。奥三河つぐ高原グリーンツーリズム推進協議会ではイベント事業として「つぐ高原マルシェ『秋の収穫祭』」を展開するが、その一環として周辺3商工会の飲食・宿泊・小売り事業者を集め「ジビエ料理教室」を開いている。これまでの2回で、対象90店舗中40店舗が参加した。「こんなにおいしいんだ」との声も上がり、ジビエによる町おこしの期待も高まっている。“秩父”はシカによる食害でシラビソ中心に数十本という単位で「立ち枯れ現象」がおき、自然環境が保全できなくなっている。加えて、農作物被害も甚大。さらに事業所も、人口も減少の一途。そこで西秩父商工会(埼玉県小鹿野町)は一石二鳥・三鳥を狙って鹿産業創出に向けて動きだした。まず、経済産業省の採択を得て13・14両年度の小規模事業者地域力活用新事業全国展開支援事業「森の恵み“秩父の鹿”を活用したライダー(観光客)向けちちぶのじかプロジェクト」をスタート。食肉活用では鹿肉ココナツカリー、ローストベニスン、鹿肉ハンバーグなど、皮革活用ではウイスキーボトル・ネットやファスト・シューズなどの商品化に向けた調査研究事業を実施した。これにより、「一応、課題は解決できた。食肉はめどが立ちこれからが事業化に向け本格的なスタート段階」と西秩父商工会の指導員からこの春、荒川商工会の事務局長に転じた神林秀典氏は話す。すでに15年9月には「秩父天然鹿の味噌漬け丼」を商品化、14店舗で提供を開始。高タンパク、低脂肪、低コレステロールの肉として評判もいいという。また、ロースト用の肉として都内、横浜、川崎、さいたまのフレンチレストランへ供給も開始した。さらにジビエとしての活用だけでなく皮革での利活用も含めて事業全体のブラッシュアップを進めるため農水省の交付金を得て本年度からの2カ年事業にも取り組む計画。これで、“鹿産業”を実現する考えだ。ちょっと変わった“ジビエプロジェクト”を展開しているのが、小松商工会議所(石川県小松市)の「こまつ地美絵」実行委員会。同商工会議所は小松市の活性化のため経済産業省の地域力活用新事業∞全国展開プロジェクトに応募。11年、調査研究事業として食のイベントと九谷焼のコラボレーションを試みた。この中で出てきたのが、「町衆文化」と「自然の恵み」「モノづくり」の融合だ。さらに小松文化を代表する「茶道」とモノづくりの「九谷焼」、自然の恵み「ジビエ(イノシシ)」を組み合わせた新たな食イベント「小松食の祭典」を実現しようと「こまつ地美絵プロジェクト」を2年間の本体事業として取り組んだ。事業を進める中で、新しいアイデアも生まれ事業の将来性を確信。14年度には県の補助金を得て、九谷焼の酒器や、ジビエに合う日本酒の開発にも着手。さらに本年度はジビエなどの流通経路の安定化や洋食にあう九谷焼皿の開発などを進める。13年度試行、14年度から始めた「食の祭典」も参加が8店から13店に拡大。ジビエ勉強会も回を重ねて「食べた人もおいしいといっている。小松の交流人口を拡大、元気にするためにも成功させたい」と小松商工会議所の担当者、島津憲二氏は意気込む。「ジビエ」とはフランス語で狩猟により捕獲された野生鳥獣の食肉のこと。欧州では貴族階級が狩猟後、調理・食し、伝統料理として発展してきた。日本でも、イタリアン、フレンチの高級食材として注目されている。その要因はジビエの流通ルートができ始めたから。日本では野生鳥獣の増加・拡大により、農作物被害は年間約200億円と高水準で推移。今年はクマ、イノシシなどによる人的被害が増えており、農水省などが対策を強化。埋設処理はもったいないと処理加工施設などの建設に対する支援も実施、徐々に食材活用のためルートが確保され始めた。そこに、内閣府が地域資源としてジビエを利活用するための体制構築の取り組みに対し地方創生推進交付金を支出、経産省も地域力活用新事業∞全国展開プロジェクトなどで支援、環境省も都道府県によるシカ、イノシシの捕獲の取り組みなどを支援している。政府の本年度の捕獲目標はシカ、イノシシ合計で約50万頭。だが、野生鳥獣の食肉などへの利用は14年度で約14%。これを28年度に30%へ拡大する計画だ。
(ムジナ肉すき焼き店、一般営業開始:東京)
渋谷・神泉駅近く「裏渋谷通り」沿いのムジナ(アナグマ)肉のすき焼き専門店「むじなや」(渋谷区円山町、TEL 03-6455-0430)が7月18日、一般向けの営業を始めた。経営はエル・ディ-・アンド・ケイ(渋谷区宇田川町)。近年シカやイノシシの肉は流通しつつあるものの、ムジナはジビエ肉としての認知度が低く、販路(提供する飲食店)が少ないため獣肉処理施設の稼働が不安定になり高コスト化しているという。同社は、ムジナのジビエ肉としての認知向上や新たな食肉需要の創出を目的に同店を開いた。昨年、オープンに向けてクラウドファンディングで支援を募るとともに支援者向けに営業することで、安定的なニーズの確保をしてきた。支援者数は441人に上り、30~40代を中心に1年で延べ約1万人が来店。男女のグループでの来店が多く、男女比は7対3程度だったという。2フロアの店舗面積は40平方メートル。席数は座敷などで35席。店内は和テイストの「リラックスできる空間」に仕上げた。1階カウンターにはムジナのはく製を置いている。ムジナをはじめ、シカやイノシシ、ウサギ、ダチョウなどのジビエ肉を使ったメニューをそろえる。ムジナを使ったすき焼き(4,500円)や、「シカ節」で取っただしやシカ肉を入れるつみれ汁、シカ肉やイノシシ肉を使うコロッケ(以上500円)、わさび菜やクレソン、ベビーリーフなどジビエ肉に合わせた香味野菜をバルサミコ酢のドレッシングであえるサラダ(750円、価格は全て税別)など。客単価は5,000円~6,000円を見込む。「ムジナはナシやブドウ、トウモロコシなど糖度の高いフルーツなどを食べているので、その肉の脂身はとても甘くヘルシー」と話す広報の岩崎柚香さん。「猟師直伝の山の幸のレシピをそのまま提供しているので、野生の動物の生きる力と命のありがたさを体感していただければ。食べていただきながら、ムジナの生態の秘話など店頭でお話ししたい」と来店を呼び掛ける。
(「イノドッグ」販売:大分)
臭い、硬いといったイノシシ肉のイメージをぬぐい去り、上津江のイノシシ肉を全国に広めたい―。日田市上津江町の地域おこし協力隊の井手秀彦さん(27)が、同町にある市獣肉処理施設から出荷されたイノシシ肉を使った「イノドッグ」を売り出す。販売は8月の土・日曜日と祝日、12日に道の駅「せせらぎ郷かみつえ」で。イノドッグは、細切れのイノシシ肉をホットドッグのように細長いパンに挟んでソースで味付けしている。商品は▽タマネギやトマトなどが入ったサルサソース▽ポン酢をかけた大根おろしのソース▽激辛チリソースで味付けしたミンチ肉―の計3種類(各400円)がある。同市大山町出身の井手さんは高校卒業後、大分市内の会社に勤務。22歳で退職して上京。イタリア料理店で3年間勤務し、店長も務めた。今年5月、上津江町担当の地域おこし協力隊員に着任した。井手さんは同町の市獣肉処理施設を見学し、「イノシシのさばき方など処理方法が素晴らしい。肉の扱い方で臭いや硬さが変わる。他の牛や豚の肉にひけを取らない」と驚いた。一方で「イノシシ肉の臭いや硬さが気になる」といった地元住民の意識が、出荷量が伸びない原因の一つでは―と思うようになったという。井手さんは施設で処理したイノシシ肉の良さを理解してもらおうと手軽に食べることができる「イノドッグ」を開発。地元で販売することにした。23日に道の駅であった試験販売では、3時間で40個が売れた。「予想以上の反応で自信が持てた。地元の人も喜んでくれてうれしかった。さらに味や店頭の対応などレベルアップさせたい」と張り切っている。
(ジビエ料理ブームに、地方が「頼らざるをえない」事情)
狩猟で捕獲した野生鳥獣の肉を調理した「ジビエ料理」が、静かなブームになっている。全国の地方自治体がジビエ料理を特産品にしようと力を入れる背景には、シカやイノシシなど野生動物の増加がある。特にシカの増加は最近著しく、農作物や森林の被害が深刻さを増す一方だ。自治体は食肉として利用することでシカの増加に歯止めをかけたい考えだが、麻布大獣医学部の南正人准教授(動物生態学)は「ジビエブームだけではシカの増加を防げない」とみている。シカの急増を防ぐには何が必要なのだろうか。赤い皿の上にネギを巻いて盛り付けられたシカ肉が出てきた。薄くスライスされた肉はしっかり火を通しているが、肉汁がじんわりと口の中に広がる。臭いはほとんどなく、よく焼いた牛肉に近い味だ。徳島県徳島市の繁華街・富田町にある「炙り処きの香」。ハンターが山林で仕留めた新鮮な肉だけを入手し、提供している。店主の松野佑樹さん(31)は「シカは赤身で、さっぱりしている。臭みもなくておいしい」と笑顔を見せた。徳島県は県産のシカ肉などを「阿波地美栄(あわじびえ)」と銘打ち、特産品に育てようと考えている。そこで、県のガイドラインに則した加工施設で適切に処理されたシカ肉などを提供する料理店を2012年度から「ジビエ料理店」として認定し、普及と消費拡大に取り組んでいる。2016年3月末現在で認定された料理店は計23店。認定店は県西部や南部の山間部に多いが、和食から洋食、徳島ラーメンまでさまざまな料理店が認定され、味を競い合っている。「きの香」もそんな認定店の1つだ。これまで駆除されたシカなど野生鳥獣は地元の人が一部を食べていたが、山林に埋めるなど放棄されることも多かった。それを食材として活用し、人口減少や高齢化に苦しむ地域の新商品に育てようとしているわけだ。徳島県農林水産政策課は「ジビエ料理が普及し、消費が拡大すれば、地元に金が落ちる。害獣駆除と地域振興の両方で期待が持てる」と力を込める。ジビエとは狩猟で捕らえた野生鳥獣の食肉を意味するフランス語。昔は貴族ら上流階級が狩猟シーズンに食べていたものだが、フランスでは今も秋の狩猟解禁とともにレストランで赤ワインといっしょに楽しむなど食文化として定着している。ジビエブームに乗り、消費拡大を図る自治体は徳島県だけではない。福岡県は「ふくおかジビエ研究会」を2013年に設立、肉の解体処理方法の講習会やジビエフェアを開催して普及に努めている。ただ、今のところ流通経路は限定されている。中心となるのは狩猟場近くの直売所での地産地消だ。このため、小売店や飲食店に呼びかけ、食肉として流通させようと計画している。福岡県畜産課は「現在、県内の大手スーパーで取り扱われているのはイノシシ肉だけだが、シカ肉も流通すれば新たなビジネスチャンスが生まれる」と期待する。長野県小諸市は国の地方創生先行型交付金800万円を得て、シカ肉の商品化に取り組んでいる。研究用として大学へ提供する一方、動物園のえさなどに活用しているものの、捕獲数が活用数を大きく上回り、狩猟経費が財政上で問題になってきたからだ。ジビエといえば人が食べるものと考えられがちだが、小諸市はシカ肉のペットフード化を目指している。最近のペットブームに乗り、近隣の自治体などと連携して新しい特産品にしたい考え。小諸市農林課は「商品化が実現すれば、地元に新たな雇用も期待できる」と意気込んでいる。三重県は2014年度に県産の野生鳥獣肉を「みえジビエ」として商標登録を果たした。大手スーパーでシカ肉が販売されるなど、県内を中心に普及が進んでいることを特許庁から評価されたことになる。日本人の味覚に合った健康的な食肉としてシカ肉を売り出しており、フランス料理だけでなく、カレーの具や中華料理の食材とする料理店が増えている。中部国際空港発のJAL国際線機内食にも提供が始まっている。三重県フードイノベーション課は「シカ肉は大昔から日本人が食べてきた食材。そのおいしさをより多くの人に知ってほしい。将来は本場フランスなど欧州に売り込むことも考えている」と意欲を示す。

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7/21
(クマ出没、ハチ巣箱荒らされる:宮城)
19日午前9時半ごろ、仙台市太白区根岸町、養蜂業大竹英次さん(36)が自宅敷地内に設置したニホンミツバチの巣箱がクマに荒らされていたことが分かり、仙台南署に通報した。大竹さんによると、巣箱35箱のうち、2箱の網が破られ、中の蜂蜜が食べられていた。クマの体毛が見つかり、箱に引っかき傷もあった。大竹さんは「味をしめてまたクマが来るかもしれない。近くに保育園があり、心配だ」と話した。現場は国道286号の根岸交差点近くの山林。住宅街に近く、南署が警戒を呼び掛けている。同午後8時40分ごろ、川崎町今宿町小銀沢山の国道286号では、走行中の車両が体長約1.5メートルのクマと接触しそうになった。県内では18日午後4時ごろ、蔵王町宮馬場で、19日午後6時10分ごろ、村田町小泉東南入でも、それぞれ目撃情報があった。
(全国初の移動式解体車開発:新潟)
トラックの車体や荷台などを手掛ける北村製作所(新潟市江南区)は鹿やイノシシを捕獲現場の近くで解体し、鮮度を保ちながら野生鳥獣肉(ジビエ)を運搬できる全国初の「移動式解体処理車」を報道陣に公開した。NPO法人の日本ジビエ振興協議会(埼玉県三郷市)とトヨタ自動車グループが開発に当たり、厨房(ちゅうぼう)機器メーカーのホシザキ(愛知県豊明市)などと共同で完成させた。同協議会は長野県内で実証実験に今後取り組み、各地への普及を目指す。2トントラックを改造した解体処理車は長さ約6・5メートル、幅約1・9メートル、高さ約2・9メートル。後部に内臓を取り除いて皮を処理できる作業室と、最大5頭分の枝肉を保管できる専用の保冷室を備える。北村製作所の本社で19日、披露した。肉の鮮度や衛生・環境面に十分配慮した仕組みを採用。作業室内は常に低温に保たれ、500リットルのタンクにためた電解水を使うことで解体した肉を少量の水で殺菌できる。解体に使った水も車内にため、現場に垂れ流さない。枝肉は解体処理施設に運び、料理店や消費者らに届くようにする。車を考案したのは、同協議会の理事長で長野県茅野市のレストラン「エスポワール」のオーナーシェフを務める藤木徳彦さん(44)。捕獲された鹿やイノシシは全国で14%しか食肉として使われず、山中に埋めるなど処分しているのが現状で、解体処理施設も住民の反対で建設が進まないケースが少なくない。ジビエは鮮度が落ちると硬くなったり臭くなるため、藤木さんは「この車で、捨てられていた命を有効活用できる」と意義を強調する。同協議会によると、鹿やイノシシなどは全国で増え続け、農作物や林業に大きな被害が出ている。一方で高齢者が多い地元の猟友会メンバーは60キロ程度の重さがあるシカを駆除しても運べず、放置せざるを得ない状況という。車両の価格は1台当たり1600万円から1800万円程度となる見込み。長野県富士見町の猟友会会員らで作る「信州富士見高原ファーム」で8月半ばから実証実験を始め、全国各地も巡回する計画だ。自治体や事業者からの問い合わせも相次いでいるといい、藤木さんは「鹿やイノシシが一般的な肉として食べられるようにしたい」としている。
(リンゴ食い荒らされる、クマの食害か:秋田)
秋田県内で18日、クマの出没が相次いだ。けが人はいなかった。大館市花岡町では午前5時ごろ、70代男性が自宅裏の畑で、リンゴの枝が折られ、実約20個が食い荒らされているのを見つけた。大館署によると、木の幹にクマによるものとみられる爪痕があったほか、周辺に複数の足跡が残っていた。
(クマの出没情報:長野)
7月20日に箕輪町内中曽根でクマの目撃情報がありました。
(クマ目撃情報:山梨)
甲府市中畑の畑で20日、クマの目撃情報があり、市が防災無線などで注意を呼び掛けている。 市林政課によると、同日午後5時ごろ、同所の児童自立支援施設「甲陽学園」南東の果樹畑で近くを歩いていた人がクマを見つけ、市に連絡した。子グマとみられる。
(「クマ出没、気をつけて」:岡山)
美作市東粟倉地域で、ツキノワグマが相次いで出没している。先月から今月にかけ、目撃情報など計13件が寄せられており、地元の市立東粟倉小学校(同市東青野)では20日、1学期の終業式で「夏休みはクマに出合わないよう、気をつけて生活して」と全校児童52人に呼びかけた。寺元文雄校長は「大切なのは健康と命。クマが、今まで以上に現れている。みんなが被害に遭うのが一番つらい。夏休み中、クマに遭わない生活をすること、クマに遭ったときどうするか、担任の先生や家の人とよく話し合ってほしい」と注意した。式後、生徒指導担当教諭や各クラスの担任が、子供だけで山などに行かない▽出かけるときは鈴などの音の出る物を携行する▽クマの足跡やフンを見つけたら引き返す-などと指導し、保護者へは文書を配布して協力を依頼した。同校では、ランドセルに鈴を提げて登下校するなど予防対策を通年で行っているが、今月からは朝の登校時にバスの運行を実施し、登下校とも徒歩通学を廃止した。また、先月行われた地区懇談会では、地域住民にも協力を呼びかけた。県自然環境課によると、今年度のツキノワグマ出没件数は15日現在で57件と、例年の同時期の約2倍にのぼり、うち同市や周辺町村での出没が37件と大半を占めている。県は「登山やキャンプをする際は、食べ物は必ず持ち帰り、残さないで」と注意し、「クマは臆病(おくびょう)なので山に入るときは、ラジオや鈴で人間の存在を知らせ、もしもクマに出合ったら、背中を見せずに後ずさりして引き返して」と指導している。
(防犯ベルでクマを追い払う:山形)
山形県山形市の畑でスイカやトウモロコシがクマに食い荒らされているのが見つかりました。所有者の男性は防犯ベルでクマを追い払いました。クマは、この防犯ベルの音で逃げました。被害に遭ったのは、山形市長谷堂【はせどう】の2か所の畑です。けさ5時ごろ、スイカ畑を見に来た63歳の男性が、スイカおよそ10個が食い荒らされているのを発見し、警察に通報しました。さらに、すぐ近くの66歳の男性が所有するトウモロコシ畑でもトウモロコシ10本ほどが被害に遭っていたことが分かりました。男性が自宅にあった防犯ベルを鳴らしたところ、クマはその場から立ち去ったということです。警察では「音を出して人間の存在を知らせることは、クマを避ける一つの有効な手段」として、鈴や防犯ベルなど音が鳴るものを身に付けることを勧めています。
(志賀原発の防犯カメラがクマの姿とらえる:石川)
クマの目撃が相次いでいるが、19日夜、志賀原発の防犯カメラがクマの姿をとらえていた。19日午後10時頃、志賀原発に設置された防犯カメラにフェンスの外を歩く体長およそ1メートルのクマ1頭の姿が写っていた。20日朝、警察などが捜索を行ったが、発見には至らなかった。志賀原発周辺での確認はこれが初めてだが、町内ではことしに入ってクマのような動物の目撃もあり、警戒を強めている。
(クマ出没相次ぐ、ビート畑荒らされる:北海道)
道内では、クマの目撃情報が相次ぎ、視聴者からも映像が寄せられました。網走市では、ビート畑が荒らされ、警察などがパトロールをして警戒にあたっています。STVの投稿ボックスに寄せられた映像です。クマが茂みの中にいるのがわかります。撮影した遠軽町の藤井さんによりますと、遠軽町生田原の国道で正午前に目撃したということです。警察によりますと体長はおよそ1.3メートルで、付近では今週、別の目撃情報もあり警戒にあたっています。また、網走市丸万のビート畑でも午前11時頃、農作業にきた人がビート畑が荒らされているのをみつけました。網走市や警察で調べたところ、ビートおよそ50本が被害に遭っていました。近くには子グマのものと見られる足跡が見つかり、子グマが畑に現れ、荒らしたものとみられます。
(住宅街でクマ目撃:岩手)
20日、矢巾町の住宅街で子グマが目撃されました。近くには、幼稚園と保育園もあり、警察や町が警戒を呼びかけました。20日正午すぎ、矢巾町南矢幅にある保育園から「子グマ1頭が住宅街の方に走って行った」と警察に通報がありました。「山のところから田んぼのところをまっすぐきて、住宅街に入って行きました」(目撃した保育園の職員)クマはその数分後、住宅街から再び現れ山の方へ戻って行ったということです。けが人はいませんでしたが、クマが走ってきた田んぼの近くには通報した保育園のほか幼稚園もありました。クマの出没を受け、警察と町が警戒するよう呼びかけたほか幼稚園と保育園はともにドアを施錠して子どもたちを室内で遊ばせるなどの対策をとりました。
(クマ目撃相次ぐ:福島)
福島県の3市町で17日、クマの目撃が相次いだ。午前8時ごろ、福島市桜本字南林の民家の庭で女性が目撃。福島署によると、体長約1メートル。午後4時50分ごろ、郡山市逢瀬町多田野の田んぼで女性が目撃。郡山北署によると、体長約1メートル。午後5時30分ごろ、下郷町豊成の国道121号で男性が目撃。南会津署によると、体長約1メートルで、阿賀川河川敷に下りていったという。
(クマ目撃相次ぐ:福島)
福島県の各地で16日、クマの目撃が相次いだ。午前6時30分ごろ、福島市荒井字地蔵原の国道115号で男性が目撃。福島署によると、体長約1メートル。午前7時ごろ、本宮市岩根字みずきが丘の市道で男性が目撃。郡山北署本宮分庁舎によると、体長約1メートル。午前8時45分ごろ、喜多方市塩川町常世字仲林の市道で男性が目撃。喜多方署によると、体長約1メートルで市道を横切り山林に入っていった。午前8時50分ごろ、南会津町福米沢の山林で男性が目撃。南会津署によると、体長約1メートル。午後6時15分ごろ、本宮市岩根字矢沢川の県道で女性が目撃。郡山北署本宮分庁舎によると、体長約1メートル。
(住宅地にサル:和歌山)
日高町高家の住宅地で20日夜、住民からオスとみられる大型のサルが出没しているとの連絡が入り、町では付近住民に注意を呼び掛けている。
(鹿捕獲6年ぶり減:長野)
諏訪6市町村で昨年度捕獲されたシカは、過去最多だった前年より1500頭余り少ない4216頭(速報値)となり、6年ぶりに減少に転じたことが20日、県諏訪地方事務所への取材で分かった。捕獲対策は緩めておらず、減少については「はっきりした原因はつかめないが、捕獲圧が弱い場所などに移動している可能性がある」(林務課)と説明。「生息密度が劇的に低下したとは考えていない」としている。捕獲の内訳は、市町村が猟友会に委託するなどした個体数調整で3470頭、晩秋~冬を中心とする狩猟で746頭だった。個体数調整を市町村別でみると、茅野市1139頭、諏訪市694頭、富士見町599頭など。「鳥獣被害対策実施隊」のわなを用いた精力的な活動も大きい。一方、鳥獣による農林業被害額は7315万円と5年連続で減少した。農地に張られた防護柵の総延長は200キロを超えており、捕獲と防護の攻守両輪の対策で歯止めが掛かってきた形だ。内訳は農業4355万円、林業2960万円。このうち、シカの被害は5288万円で前年より減ったものの、依然として全体の7割を占めている。同課は「いままで捕れた場所で捕れず、新たにわなを仕掛けた所で捕獲できたとの報告もある。捕獲と防護対策が進み、より安全な場所に移ったかもしれない」と推察。一昨年2月の豪雪による自然淘汰の可能性を指摘する声もあるが、その痕跡など確証は得られていないという。同課の岩間昇・鳥獣対策専門員は「シカは繁殖能力が高い。手を緩めれば爆発的に数が増えてしまう」と強調。八ケ岳・霧ケ峰の環境や植物など数字では表れない被害もあり、市町村や猟友会と連携して昨年度を上回る捕獲実績を上げたいとしている。
(イノシシ被害:千葉)
イノシシの目撃や農作物被害が、従来は生息域ではなかったとされる銚子市で相次いでいる。耕作放棄地の増加が背景にあるとみられる。県南や県央地域が中心だった生息域は同市周辺にも拡大している模様で、被害防止対策が急務だ。地元猟友会に所属する同市本城町の宮内猛さん(64)や、同市にある千葉科学大危機管理学部の加瀬ちひろ助教(動物行動学)らは今月6日、市内でイノシシの生息状況を調査した。同市長山町の林たけさん(84)の畑では、サツマイモが土から掘り起こされて食べられ、土や農業用シートの上には足跡が残っていた。林さんは「イノシシを見たことはないが、春頃にうめき声を聞いた時は怖くて逃げた」と語った。県農地・農村振興課によると、各自治体から報告を受けてまとめた2015年度のイノシシによる農作物被害額は2億1028万円だった。自治体別の被害額は、〈1〉市原市(3209万円)〈2〉南房総市(3105万円)〈3〉いすみ市(2764万円)〈4〉鋸南町(1995万円)〈5〉君津市(1869万円)――の順で、統計上は銚子市の被害はゼロだった。しかし、宮内さんらによると、10年頃には市内に生息していたとみられ、昨年12月には地元猟友会が同市森戸町の森で約80キロの雌を初めて仕留めた。昨年以降は、サツマイモやジャガイモ、落花生、稲などの被害が急増。被害防止のため畑の周囲に鉄パイプや漁網で作った防護柵を設けた農家もあるが、イノシシに関する情報は十分ではなく、対策が進んでいないのが実情だ。同じ猟友会メンバーで銚子市小浜町の小原栄一さん(68)は「生息域を特定してから対策を取り始めても手遅れだ」とし、早期に駆除する必要性を訴える。小原さんから今春、調査依頼を受けた加瀬助教が、長山町や森戸町など市内計11か所に動物用の自動撮影カメラを設置したところ、成獣や子連れの一群が複数回撮影された。加瀬助教は「ここまで多くの子供が生まれていると、すべてを捕獲しきることは難しい」と指摘。被害軽減策として「収穫期を終えた農作物の残渣ざんさを置きっぱなしにしないなど、まず畑の管理を徹底すべきだ」と話す。イノシシによる被害が多発してきた自治体では対策が進んでおり、南房総市は今春から捕獲報奨金を成獣1頭当たり最大で1万6000円に引き上げるなどの強化を図った。しかし、銚子市ではイノシシ対策は緒に就いたばかりで、市農産課は「駆除に向けた取り組みを今年度にも本格化させたい」としている。県農地・農村振興課は「自治体が主体となって被害実態を把握した上で、国の交付金を活用し、柵やワナを設置するなどの対策をとってほしい」としている。
(イノシシから渡良瀬川の堤防守れ:栃木)
渡良瀬川の堤防がイノシシの被害を受けていることを受け、国や栃木、群馬両県など関係自治体が20日、国土交通省関東地方整備局渡良瀬川河川事務所(足利市田中町)で「渡良瀬川イノシシ対策連絡会」を発足させ、初会合を開いた。今後、連携して捕獲わなの設置などに取り組む。渡良瀬川周辺ではイノシシが堤防を掘り返すなどの被害が目立つ。掘り返されると、表面が軟らかくなったり凹凸ができたりして増水時に崩壊しやすくなる恐れもある。足利、桐生の両出張所管内の堤防被害は、平成25年度の367件から26年度675件、27年度933件と急増している。特に秋、冬の被害が顕著で、27年度は54頭が目撃され、18頭が捕獲された。国は、被害を抑えるため法面(のりめん)に土木シートなどを設置し、イノシシのすみかとなる雑木林を伐採するほか、周辺自治体と協力してわなや柵を設置するなど対策を急いでいる。初会合には国をはじめ栃木、群馬両県、足利市、群馬県桐生、太田市などから担当者約30人が出席。同連絡会を設置した後、自治体から「捕獲頭数はこの4年間で約3倍に増えた」(太田市)、「26年度、市内全体の捕獲頭数は約2800頭を数えた」(足利市)などと報告された。渡良瀬川河川事務所の登坂新次副所長は「堤防を守るために関係自治体や猟友会などと情報を共有し、対応したい」と話した。
(シカの農作物被害5千万円超え:和歌山)
2015年度のニホンジカによる和歌山県内農作物被害は、前年度比2割以上多い5500万円で、初めて5千万円を超えた。生息数の増加が一因で、県は「効率的に捕獲数を増やすほか、畑を守る防護柵など総合的に対策を進めたい」としている。県が19日に発表した。シカによる被害額は08年度までは3千万円台以下だったが、09年度からほぼ毎年、4千万円を超え、10年度は4800万円に達した。その後、減少傾向で14年度は4500万円まで減っていたが、15年度は1千万円も増えた。被害拡大の一因は生息数の増加。県が3月に過去の県内生息数を推定したところ、13年4万8千匹、14年5万1千匹、15年5万4千匹と増えている。狩猟者の印象や捕獲数などから、特に田辺・西牟婁や橋本・伊都で生息数が増えていると推測できるといい、実際にこれらの地域で被害額の増加が目立っている。市町村別の被害額は田辺市(1200万円)が突出して多かった。次いで広川町(500万円)、有田川町(440万円)、高野町(410万円)と続く。県によると、生息数を減らすには年間1万6千匹以上の捕獲が必要という。捕獲数は年々増やしているが、それでも14年度は1万517匹。そこで県は15年度、全国で初めて、シカの「夜間銃猟」を開始。本年度は実施場所を増やし、期間を延ばすなどする。遠隔操作ができるわなの設置も進めているほか、防護柵設置に補助金を出すなど、さまざまな対策を講じている。県鳥獣害対策室は「生息数を減少に転じさせるため、効率的な捕獲を進めたい。また、栄養状態が良ければ出産率が高くなる。農作物がある畑に入らせないよう防護柵を設置することも合わせ、総合的に対策をしていきたい」と話している。シカを含む野生鳥獣全体による15年度県内農作物被害は、前年度より2200万円増の3億4300万円だった。半分はイノシシによるもので1億7千万円だった。シカ以外では、イノシシが前年度より微増。アライグマ(3300万円)も増えたが、サルは微減で5千万円だった。イノシシの被害は紀の川市の3600万円、海南市2200万円など紀北に多い傾向だが、田辺市でも590万円、上富田町で260万円などの被害がある。前年度と比較すると、ほとんどの自治体で減少したが、九度山町で710万円増、海南市で280万円増、田辺市で120万円増になるなど、一部で大きく増加している。サルは、田辺市が飛び抜けて多く1500万円。次いで日高町670万円、日高川町590万円、由良町540万円と紀中地方でも目立つ。アライグマは減った自治体が多いが、橋本・伊都で増えていて、被害も集中している。被害を受けた作物は果樹が76%を占め、野菜は12%、水稲は8%だった。
(クマ出没過去最多:京都)
6月以降、京都府内でクマ(ツキノワグマ)の出没が相次いでいる。府農林水産部森林保全課によると、6月の出没件数は統計を取り始めた2003年度以降最多となる182件。4〜6月の出没件数も過去2番目に多い281件だった。観光客が多く訪れる京都市内でも多数の目撃情報が寄せられている。クマの出没件数はこれまで隔年で増減を繰り返す傾向にあったが、近年は高止まりしている。現在のところ人的被害はないが、府などは警戒を強めている。同課によると、6月19日に、市街地に近い京都市左京区上高野の住宅の裏山で3頭が出没した。また今月3日には、左京区の貴船神社に近い市立鞍馬小学校前の府道沿いで子グマ1頭、翌日には右京区梅ケ畑の高山寺付近の国道でも成獣のクマ1頭が目撃されている。一般的にツキノワグマの出没件数は、クマのえさとなる木の実が隔年で凶作になるのに連動しているとされた。府内の出没も隔年で増減を繰り返していたが、近年ではその傾向が崩れ、ここ数年では年間1000件を超える出没情報が寄せられている。クマの出没件数が増加する要因に、クマの生息数の増加が挙げられる。府によると、府内のクマの推定生息数は2002年度に約300頭だったのが、現在では約900頭まで増加しているという。ツキノワグマなど野生動物の被害問題に詳しい京都大農学研究科の高柳敦講師(野生動物保全学)は「府内に生息するクマは丹波個体群と丹後個体群に分類されるが、この丹後個体群が急激に増加している。理由は不明だが近年は春先の出没も増えている」と指摘する。
(若者ハンター活動求む:静岡)
静岡県内で狩猟資格試験受験者数が増加している一方、実際に猟を行う狩猟登録者数は減少傾向にあることが19日までに県などの調べで分かった。県猟友会などによると、猟師の高齢化が進んでいることで、引退する猟師の数に対し、新規登録者数が追いつかない現状がある。資格を取っても実際に手数料を払って狩猟登録をしない若者が増えていることも原因として考えられるという。「同級生が『狩猟デビュー』して、自分も興味を持った」。県猟友会が静岡市葵区で18日に開いた「狩猟免許試験予備講習会」に初めて参加した三島市の会社員の女性(34)はそう話した。年間2回ある県の免許試験の直前に行われる講習会は近年盛況だ。同日も300人の会場は満員になった。県によると、2015年度の狩猟免許の受験者数は560人と10年間で3倍以上に。合格率は95%前後で、県内の狩猟資格者総数は延べ7千人前後を維持している。それでも、狩猟登録者は相変わらずの減少傾向だ。県自然保護課の担当者は「県内の狩猟者の約7割は60代以上。引退する人の数に狩猟登録者数が追いついていない」と解説する。年間1万円ほどの登録料がネックとの指摘もあり、県猟友会の伊藤政夫会長は「若者の中には資格を取るだけで実際に猟に出ない人も多い。鳥獣害防止のためにもハンターの活動は有効」と力を込める。県によると、15年度のシカやイノシシによる耕作物被害は4億9千万円。県が統計を取り始めて以来ピークだった2009年度より2億円減ったものの、削減目標には約1億円、及ばなかった。関係者によると、事態解決の鍵は20~30代の若者にありそうだ。県内の20代の資格者は14年、09年の4倍以上の延べ202人を数えた。今後も増加の可能性があり、県猟友会は若者に資格取得と同時に、資格を「宝の持ち腐れ」にしないよう、鳥獣被害への問題意識共有などを通じて、狩猟登録をして実際に猟に出ることを促していく。伊藤会長は「実はわれわれ猟師の側にも責任がある」と明かす。猟師の世界は独特で、「縦社会」を嫌って狩猟登録に二の足を踏む人もいるという。「これからは積極的に若者を猟に誘ったり、丁寧に山での作法を教えてあげるよう各地域の猟友会に指示している」と話した。
(有害鳥獣対策、17年度から県が管理計画見直し:群馬)
有害鳥獣対策で、群馬県は年間捕獲数の目標値を2017年度から、ニホンジカは1万頭(現行5500頭)、イノシシは1万3000頭(同7500頭)と、それぞれ大幅に増やす方針を決めた。県内の生息数を推計したところ、適正管理には捕獲ペースを上げる必要性が生じたためで8月にも管理計画(15年5月~20年3月)の変更を正式決定する。ニホンジカ、イノシシの狩猟期間も現行より半月延長する考えで、県は鳥獣による農林業被害拡大を食い止める。

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(ライフルで競走馬射殺容疑、元牧場経営者を逮捕:北海道)
牧場で放牧中の競走馬をライフル銃で射殺したとして、北海道警静内署は18日、銃刀法違反などの容疑で、この牧場の経営者だった榊明彦容疑者(60)=新冠町朝日=を逮捕した。「弁解はしない」などと容疑を認めているという。逮捕容疑は2月27日午後9時半~10時半ごろ、同町朝日の競走馬生産牧場「有限会社競優牧場」付近で、デビュー前の1歳牡のサラブレッド2頭の脇腹や首などをライフル銃で撃ち、殺した疑い。同署によると、発見者からの連絡を受けて榊容疑者が翌日に通報。同容疑者は北海道公安委員会の許可を受けライフル銃1丁を所持しており、事件への関与が浮上した。同牧場は多額の負債を抱え現在、破産手続き中といい、同署が事件の動機などを詳しく調べている。
(クマに襲われ自衛官がけが:福島)
16日午後2時50分ごろ、福島県猪苗代町若宮の山林で、陸上自衛隊福島駐屯地の男性3等陸曹(26)が体長約1.5メートルのクマに襲われ、両腕や尻、太ももをかまれた。会津若松市内の病院に搬送されたが、命に別条はない。猪苗代署や福島駐屯地によると、3等陸曹は17日に予定されていたレンジャー訓練の教官として、下見を行っていた。クマは逃げ、隊列を組んでいた他の4人にけがはなかった。福島駐屯地は17日の訓練を中止する。
(クマによるスイカ被害またも:山形)
新たな被害にあったのは尾花沢市名木沢のスイカ畑だ。15日午前5時半ごろ、畑の管理者が見回りに訪れたところ、収穫目前のスイカおよそ10個が食い荒らされているのを発見した。現場には、クマのものと見られる長さ10センチほどの足跡が残されていた。スイカの産地尾花沢では今月10日以降これまでに合わせて5件、スイカの食害が立て続けに発生しており、いずれもクマの仕業とみられている。
(同じ畑でまたスイカの食害、同じクマか:山形)
14日午前6時ごろ、尾花沢市中島のスイカ畑でスイカ6個が食い荒らされているのをこの畑の所有者の男性が見つけた。現場には、大きな足跡が残されており、クマのものと見られている。このスイカ畑では12日もクマとみられる動物による被害が確認された。
(庭の木の上にクマ:新潟)
15日午後5時40分ころ、三条市役所から三条署へ三条市葎谷地内の民家の庭でクマの目撃情報があったと通報があった。15日夕方、市役所に「民家の庭の木にクマが登っている」との目撃情報があったもの。三条署では関係機関に付近住民などに注意を呼びかける広報と警戒活動を行っている。
(親子クマ目撃:新潟)
16日正午前、十日町市馬場癸のあてま高原リゾートベルナティオで、犬を遊ばせるドッグランを利用していた男性が、近くのやぶからクマ3頭が出てきたのを見つけ、110番通報した。十日町署によると、クマは1頭が体長約1メートル、残る2頭はいずれも約40センチで親子とみられる。同リゾートによると、現場付近には宿泊用コテージなどがあり、利用客が多いことから、鈴を貸し出すなどして注意を呼び掛けている。
(熊の目撃情報:宮城)
17日午後1時40分頃、豊里町庚申地区で熊の目撃情報がありました。屋外では音の出るものを身に着けるなどの対策を行い、十分に注意してください。
(クマ出没相次ぎ、「注意」旗も不足の事態:山形)
クマの出没が相次ぐ中、山形市では、注意喚起用に地域に掲出しているのぼり旗が、例年にないペースで出はらい、今季2度目となる追加購入も検討せざるを得ないといった異例の事態となっている。のぼり旗は縦1・8メートル、横45センチで、クマをデザインしたイラストに「熊出没注意」と書き添えている。市は4月時点で、約30本ののぼり旗を確保していた。しかし、クマの出没が春先から相次ぎ、旗を掲出しているうちに、2か月ほどで在庫切れ寸前となった。このため、のぼり旗20本(1本あたり約1500円)を追加購入した。秋にかけて、クマの目撃や農作物が食い荒らされるなどの被害がまだまだ続きそう。市民への注意喚起のため1か所につき2~3本を掲出したいところを1本にするなどしてやりくりしているのが実情だ。しかし、市民がクマに襲われる事態は避けなければならないため、在庫切れとなった場合は追加が求められるのは必至だ。山形市環境課の担当者は「購入費用は課内で別の消耗品を買うのを諦め、やりくりするしかないだろう」と気をもんでいる。
(クマ目撃で閉鎖の史跡を部分開放:秋田)
北秋田市教育委員会は、同市脇神の国指定史跡「伊勢堂岱遺跡」について、クマが出没する恐れがあるとして5月下旬から全面閉鎖していたが、16日から一部開放に踏み切った。四つの環状列石は見学可能になるが、市教委は、クマよけの爆音発生装置を設置するほか、5人以上のグループで見学するよう呼びかけている。遺跡付近では5月にクマの親子数頭が目撃され、遺跡を閉鎖していた。
(クマ出没に注意、7月半ばで222件:岩手)
一関市は、クマの目撃情報が増加していることを受け、市民に注意喚起を呼び掛けるポスターを作製した。今年度は、昨年度分を上回る目撃情報が市に寄せられている状況で、人身被害を未然に防ごうと2年ぶりに製作。市農林連絡員467人に配布することにしており、市民の意識高揚に向けて活用を促す。市内で今年度、市役所に寄せられたクマの目撃情報は14日現在で222件に上っており、15年度の202件をすでに超えた。市によると、目撃情報は例年4月から11月ごろまで寄せられるといい、今後も増加するとみられる。市は、6月23日に県が「ツキノワグマの出没に関する警報」を発令していることや、市内で昨年度分を上回る目撃情報があることを踏まえてポスターを作製。市内では2014年度、市街地などでクマの目撃情報が多く寄せられたことから、同様のポスターを作製した。今回のポスターは、目撃情報があった場所や日付を書き込めるものと、クマを▽呼び寄せない▽出合わない▽出合ってしまったら―の項目ごとに注意事項を盛り込んだものの2種類で、いずれもA3判。1400枚ずつ印刷し、20日ごろに各連絡員に届ける予定。市は、各地区や集落の公民館などに掲示することを想定している。市農地林務課の小崎龍一課長は「全国的にクマの出没が相次いでいて、市民も敏感になっていると思う。人身被害を出さないことが一番だ」と強調し、「家の周りに残飯を置かないことや1人での行動を避けるなど、被害に遭わないための心掛けを常に持ってほしい」と話す。市は、クマを目撃した場合の情報提供を呼び掛けている。市の地域情報提供サイト「一関わが街ガイド」では、市内で過去にクマの目撃情報があった場所を確認できる。
(クマ出没、登山シーズンに急増:岩手)
岩手県内でツキノワグマの出没が激増している。今年4~6月の目撃情報は1345件で、過去5年の同時期平均(633件)と比べ2倍以上。13人が重軽傷を負い、県は初の「出没警報」を発令した。登山シーズンを迎え、各自治体は人身被害を防ごうと警戒を強める。八幡平市は、隣接する鹿角市と青森県田子町にまたがる四角岳(1003メートル)で6月下旬に予定していた3県交流清掃登山を中止した。鹿角市でクマに襲われたとみられる男女4人の死亡事故があり、安全面を考慮して見送った。昨年まで12回開催したが、クマの影響による中止は初めて。矢巾町は同町煙山の南昌山(848メートル)登山口にクマへの注意を促す看板を設置した。担当者は「山に餌が少なくなる夏場に出没数はさらに増える」と登山客に注意を呼び掛ける。目撃情報の急増を受け、岩手県は6月23日、県内全域にクマの出没警報を発表した。2006年に「警戒情報」「注意報」「警報」の3段階の警戒レベルを定めて以来、最高の警報発令は初。各市町村は防災無線や広報紙で情報提供する。一関市は15日までに、県内で最も多い223件の出没を記録した。同市のコミュニティーFM局「あすも」と連携し、目撃情報があってから5~10分以内に警戒情報を放送する。本年度の15日までの放送回数は200回を超え、昨年度の年間放送回数を上回っている。クマの生態に詳しい岩手大の青井俊樹名誉教授(野生動物管理学)は「木の実類が減る8月中旬が本来の出没ピーク。畑の作物を狙って人里に下りるケースも増える。これから一層の警戒が必要だ」と指摘している。
(クマ目撃相次ぐ、前年同期の1.4倍:新潟)
秋田県でクマに襲われたとみられる死傷者が出るなど全国的に警戒が強まる中、県内でもツキノワグマの目撃が相次いでいる。県環境企画課によると、今年度のクマの目撃件数(15日午後4時現在)は413件と前年同期の約1・4倍に上っている。胎内市ではクマに襲われた男性がけがをする事故も起きており、県や各自治体は注意を呼びかけている。県によると、クマの目撃件数は、4月39件▽5月139件▽6月178件と徐々に増え、7月も15日時点で57件に上る。県内23市町村で目撃され、最多は長岡市の58件。次いで村上市42件▽阿賀町36件▽上越市33件▽胎内市31件−−となっている。5月8日には、胎内市で山菜採りに山に入った70代の男性がクマに襲われ、顔を引っかかれて軽傷を負う事故も起きた。今年度に入り、目撃数が大幅に増えている理由について、ツキノワグマの生態に詳しい新潟大の箕口秀夫教授(森林学)は「クマの主食であるブナやコナラの実の豊凶サイクルと、それに伴うクマの出産、子離れのサイクルが関係しているのでは」と指摘する。ブナやコナラは豊作と凶作を1年ごとに繰り返すため、凶作の年には食料を求めて人里近くに出没することが多くなるという。また、クマは冬眠前に十分な栄養を摂取できないと妊娠しないため、豊作の年に栄養を取ったクマが翌年出産し、凶作の年に出産数が増える傾向にあるという。さらに山間地の集落の高齢化による未収穫の農作物の放置、猟友会の人員減などで、人里がクマにとって快適な環境になりつつあることも一因とみられる。箕口教授は「クマはどこに出てもおかしくないという認識を常に持つことが大切だ」と強調した。県によると、今年の県内のツキノワグマの推定生息数は約1300頭。入山前に車のクラクションなどで大きな音を出すことでクマも逃げるといい、「なるべく複数で行動し、音の出る物を携行してほしい」と注意を呼びかけている。
(西伊豆の電気柵事故、1年:静岡)
西伊豆町で川遊びをしていた家族連れらが獣よけの電気柵に感電し、男性二人が死亡した事故から十九日で一年。経済産業省は、自作柵への規制を強める改正省令を四月から施行した。ただ、電流を制御する専用装置を備えない危険な自作柵は、これまでも電気事業法に基づく技術基準で規制されており、抜本的な対策とは言い難い。再発防止は設置者の安全意識にかかっている。電気柵は技術基準が定められている。電流を一瞬だけ流すように制御する専用装置を使用し、危険表示を取り付ける必要がある。西伊豆の事故は、専用装置を使わず、電流が常に流れ続ける危険な仕組みだった。事故を受けた省令改正で、専用装置のない柵を電気工事士の資格がない人が付けると罰則の対象になった。懲役三カ月以下か、罰金三万円以下。命にかかわる危険な柵を作らせない抑止力として十分なのかという問いに、経産省の担当者は「十分」という見解を示す一方で「ほかの違反とのバランスがあり、そうせざるを得ない」とも話す。県内の農林産物の被害は二〇一五年度で四億九千万円。〇九年度より二億円減ったが、県が目標にしていた被害額を一億円上回り、削減ペースは鈍い。七割はシカとイノシシが原因。近年はシカとイノシシを合わせ、年間に一万九千~二万八千頭を捕らえているが、農作物の被害に歯止めはかからず、電気柵を含む防護手段の必要性は変わらない。下田市の山あいで、野菜のクレソンを育てる平山武三(たけみつ)さん(44)も被害を受けた。平山さんは今年一月から栽培を始めたが、毎日のようにシカに苗を食べられ、春に電気柵を取り付けた。「シカが出るとは聞いていたけれどクレソンを食べるとは知らなかった。電気柵がないと防げない」と話す。近くに住む男性(59)は「家の玄関前にシカがいたこともある。駆除しても時がたてばまた戻ってくる。出没地域は広がっている」と危機感を隠さない。伊豆市では一三年度から一四年度にかけ、シカによるワサビ被害が三倍に増えた。県農林技術研究所の片井祐介上席研究員(38)は「捕獲頭数の大幅な上積みは見込みにくい。侵入を防ぐ柵の精度を高めることで減らせる被害はある」と指摘。電気柵については「きちんと管理すれば効果は十分ある」と基準を順守した運用を求めている。伊豆半島の山あいを取材車で走ると、昨夏に一斉点検したはずなのに、設置が求められる危険表示のない電気柵が点在していた。風に飛ばされたり、自然と落ちたりしたのかもしれない。事故から一年を経て、農地には、設置者の意識が高まったと思えない光景が再び現れている。
(わな免許取得者が増加、農作物被害増受け:和歌山)
食用や駆除のため狩猟を行う県猟友会の会員が昨年、増加に転じた。イノシシやシカ、アライグマに農作物を食べられた農家が、わな猟免許を取得するケースが増えたからだ。一方、ジビエ人気から自分で狩って食べる人や、マンガ「山賊ダイアリー」の影響でハンターにあこがれ、銃免許を取る若手も現れている。狩猟免許には、わな猟、あみ猟、第1種銃猟(ライフル銃、散弾銃)、第2種銃猟(空気銃)の4種類ある。昨年、県内の猟友会員は、わなが1024人、あみが0人、第1種が1449人、第2種が23人で、計2496人。前年比で30人増となった。記録が残る1997年の3401人から毎年減少。10年ほど前に一時的に増えたが、その後も減少が続いていた。県猟友会の水浦健和歌山支部長によると、免許所持者は食糧難の戦後に急増した。9割以上は第1種だったが、昭和終盤以降は高齢化と銃離れにより減少が続いた。ハンターが160716_shuryou減ると野生動物による農作物被害が目立ち始め、わな需要が高まった。県農業環境・鳥獣害対策室は「耕作放棄地の増加に伴い、イノシシやシカが人家付近に出てきた。近年の農作物被害は多いときで3億5000万円と、2億9000万円ほどだった10年前から増加。捕獲数は増えたが、それ以上に被害が大きい」と説明する。わな免許取得者は増え続け、過去3年だけでも銃の3・5倍に当たる465人。紀の川市北勢田の吉田安葵子さんは「5年前から米、柿、ハッサクがイノシシにやられ、米が半分ぐらいしか取れなくなった」と昨年取得。わなと金網を仕掛けると、被害はなくなった。一方、シシ肉をもらったことから、「獲った物で暮らしたい」と考えた和歌山市加太の溝部名緒子さんは昨年、第1種とわな免許を取った。以来、家での食事には仕留めたイノシシやシカの肉を使う。若手ハンターでグループを作り、情報交換するが、中にはマンガ「山賊ダイアリー」の影響で狩猟に関心を寄せた人もいた。県は3年前から、農作物被害者にわな猟を紹介、同時に狩猟の魅力を伝えるイベントを開いてきた。猟友会も2年前、模擬銃や銃のシミュレーション体験の場を設けたところ、約20人が体験し、20、30代の8人が免許を取得した。銃に対し厳しい目が向けられる反面、県は「ルールを守った狩猟は、有害動物の駆除、ジビエ料理の味わいにつながる」とアピールする。被害対策や、食、マンガときっかけは様々だが、狩猟免許への関心が少し高まっている。
(メダルへ4度目挑戦!37歳女スナイパーに注目)
リオデジャネイロ五輪まであと1カ月を切った。大会が近づくにつれ、苦々しい思い出もよみがえってくる。16年前の2000年シドニー大会が最初で最後の五輪取材だった。結果に左右されることで、取材したものが、お蔵入りになったのが、ほとんどだったような気がする。ましてや、めったに活字にならない競技は、大きく紙面で取り上げられなかったことが多々あった。かつて取材した選手がリオ大会にも出る。クレー射撃女子トラップの中山由起枝(37)=日立建機=だ。当時21歳。ソフトボールから転向して、競技歴わずか2年でW杯で3位に入るなど、シドニーではメダル候補だった。インタビューしたのは千葉県の射撃場。射撃音や、クレー(粘土や石灰でできた皿状の標的)の割れる音が響いていた。忘れられないことがあった。ふとした拍子で、当方が、中山の銃ケースに手を出したときのことだった。「触っちゃ、駄目ですよ~。つかまっちゃいますよ~」言うまでもなく許可を受けていない者が銃に触れるのは違法。けらけらと笑いながら、指摘する姿が21歳らしかった。シドニーでは中山は13位に終わり、他競技のメダル獲得選手の取材で、当方は現場には立ち会えていない。さらに、紙面でも大きく扱えなかったことが、心残りになっていた。その後、私は取材から離れ、中山は結婚→出産→離婚をへて、08年北京大会も出場(04年アテネ大会は不出場)。シドニーのとき以上に話題を呼んだ。4位でメダルにはあと一歩届かなかったが、大きく取り上げられた。残念な一方で、少し救われた気がした。12年ロンドン大会は15位。今回が4度目のメダル挑戦となるスナイパーに注目している。編集者の立場から、中山に限らず、選手の活躍で担当記者のお蔵入りネタが極力少なくなるのが、いい形だと思う。そうなったとしても、自分の苦々しい思いは晴れることはないのだが。
(獣道にカメラ、哺乳類調査:石川)
鞍掛山登山口近くにある小松市滝ケ原町の「トンボの楽園」の生態調査に取り組む県立大ビオトープ研究会は十六日、本格的に同山周辺の哺乳類調査を始めようと、近くの獣道に自動撮影カメラを設置した。研究会メンバーの学生二十人が参加。森の中で草が少なくなっている所を獣道と予測し、温度変化でシャッターを切るセンサーを取り付けたカメラ一台を木にくくりつけた。一~二週間おきに確認に訪れ、冬前にもデータをまとめ、発表する。ほかにもカメラの設置を検討している。研究会は、これまで「トンボの楽園」でトンボやカエルをはじめ動植物の調査をしてきた。イノシシに同所が荒らされるなどしたため、哺乳類の調査もしようと発案。市内山間部ではクマの出没も相次いでおり、登山者の安全対策にも活用したいという。調査を担当する二年の安藤駿汰さん(20)は「多くの哺乳類が見つかってほしい。イノシシの行動が確認できればビオトープ(トンボの楽園)の保護にもつながる」と期待していた。
(空包紛失翌朝発見、犯人はカラス?:新潟)
陸上自衛隊高田駐屯地は14日、関山演習場(妙高市)で訓練をしていた第30普通科連隊(新発田市)の隊員のリュックサックから空包50発がなくなったと発表した。14日午前10時すぎ、訓練後の点検で隊員が紛失に気付いた。捜索したが同日中には見つからず、翌15日午前6時半すぎ、演習場内の草むらで発見された。なくなったのは機関銃で使う5・56ミリ空包で、50発がつながった状態だった。屋外にまとめて置いていた複数のリュックサックが荒らされ、その中の一つに入っていた空包がなくなっていた。空包は訓練用で、撃っても音がするだけで殺傷能力はないという。第30普通科連隊は370人態勢で14日は午後9時まで捜索。15日も午前5時に再開し、午前6時45分ごろ、紛失現場から数十メートル離れた草むらに落ちているのを発見した。本県などを管轄する陸上自衛隊第12旅団(群馬県)広報室によると、近くには食い荒らされた食料もあったことから、カラスなど野生動物が持ち去った可能性があるとみている。第30普通科連隊長の関根静夫1等陸佐は「地域住民や関係機関に不安を与え大変申し訳ない。原因の究明と再発防止に努めたい」とコメントした。

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