<射撃ニュース9月>

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(イノシシにかまれ男性重傷:大分)
11日午前7時半ごろ、佐伯市長良の雑木林で、わなに掛かったイノシシを捕獲しようとした市内の無職男性(78)が左手親指をかまれ、重傷を負った。一緒にいた妻にけがはなかった。佐伯署によると、男性は落としわなを仕掛けていた。イノシシはわなのワイヤで足がちぎれた状態で襲ってきたという。男性は指をかまれた直後、木刀で仕留めた。イノシシは体長1・2メートル、体重80キロで、地元の猟友会に引き渡した。周辺の田畑をイノシシが荒らすため、複数のわなを仕掛けているという。同署は「捕獲するときは、けがのないよう細心の注意を払ってほしい」と呼び掛けている。
(市街地にクマ!?捕まえてみたら…:兵庫)
兵庫・姫路市にある神社の近くで、体長1メートルほどの黒いクマの目撃情報があった。近所に住む人は「クマの意識はしたことない」と話した。すぐ近くに住宅地があるため、早速、警察官や県の職員らによるクマの捕獲作戦が始まった。警察官たちが捜索を始めてから、およそ3時間。黒い影が見つかった。しかし、犬だった。大きさや色から、クマに見えたのは、このラブラドルレトリバーだったと断定された。このあと、飼い主のもとに無事帰ったという。
(クマが玄関から民家に侵入、台所荒らし立ち去る:石川)
8日午前11時頃、石川県中能登町能登部下の住宅で、クマとみられる動物が玄関から侵入するのを住民の女性(80)が目撃し、町役場に連絡した。七尾署の発表によると、動物は体長約1・5メートル。開いていた玄関から中に入り、徘徊はいかいした後、台所の網戸を押し破って立ち去ったという。女性が避難した後に家に戻ったところ、台所が荒らされていた。大きな足跡と動物の毛が残されており、猟友会のメンバーがクマと推定した。現場は同町鹿西庁舎近くの集落。近くの鹿西小と鳥屋小は授業を5時限で打ち切り、集団下校した。
(クマ目撃で猟友会がパトロール:長野)
今週3回のクマの目撃情報が寄せられている伊那市小沢の山林で、猟友会が10日パトロールをしました。猟友会員が大きな声を出し、熊を山奥へと追い払います。10日は伊那猟友会伊那支部の会員10人が集まり、小沢の山林をパトロールしました。この山林では、今週3件の熊の目撃情報が伊那市に寄せられていて、民家や畑が近くにあることから、伊那市と猟友会が相談し、パトロールを行いました。伊那市によりますと、10日現在の市内の熊の目撃情報は22件で、去年は9月末までに29件でした。伊那市では、「熊は冬眠に備え食べ物を求めてこれから活発になる。山際での農作業には注意をしてほしい」と呼びかけています。なお、10日のパトロールで、熊を見つけることはできませんでした。
(子連れイノシシ、目撃情報:熊本)
熊本県警荒尾署によると、7日午後8時ごろ、熊本県荒尾市の四山神社付近でイノシシの目撃情報があった。子連れで、親1匹に子供2匹。まだ捕獲されていない。同署は「目撃した場合は、大声を出さず、静かにその場から離れてください」と呼びかけている。
(クマの目撃情報:長野)
9月9日(金)午前9時45分頃、伊那西部広域農道小沢信号付近の広域農道沿いで、子グマの目撃情報がありました。付近を移動される際は十分注意してください。
(2匹のサルさらに西へ:兵庫)
兵庫県明石市の住宅街で出没したサルが、10日、再び明石市内の路上で発見された。2匹で一緒に動くなどの特徴から、同じサルだと思われる。今のところ被害はないが、市は、サルを刺激しないよう呼びかけている。
(白昼の住宅街にサル2匹出没:兵庫)
兵庫県明石市の住宅街で9日、サルが出没した。今のところ被害はなく、市や警察はサルを刺激しないよう住民に注意を呼びかけている。午後5時ごろ、明石市藤江の住宅街に2匹のサルが出没した。近くには小学校や幼稚園もあり、市職員や警察が警戒を呼び掛けている。
(クマ被害防止に関係者連携確認:山形)
キノコ採りが本格化するのを前に、県庄内総合支庁は7日、関係機関による第2回クマ出没対策会議を開き、被害防止に向けた連携を確認した。県や県警、市町村、猟友会などから約30人が出席した。今年8月17日までに県内で1人が重傷を負い、農作物の被害は69件に上るなどの情報を共有した。猟友会のメンバーは「今年はブナの実が凶作で、山にほとんどない状況。春から夏までの間より、さらに食べ物を求めて人里に出没する」と述べ、住民に対し注意を促す必要性を訴えた。一方で、市町村の担当者からは、クマを寄せ付けないように未収穫果実や生ごみの撤去を指導するなどの取り組みが報告された。県によると、県内での今年の目撃情報は471件で過去最多。2010年以降の統計では、人がクマに襲われる被害が多いのは、9〜10月でキノコ採り目的で山に入ったケースだという。
(クマとの遭遇、生息域拡大:秋田)
奥羽山脈の麓の秋田県美郷町東部で今夏、クマによる人身被害や農作物の被害が相次いでいる。同町の男性(63)は8月上旬から何度も、トウモロコシ畑を荒らされた。クマによる食害とみて、町を通じ地元猟友会に駆除を依頼。これまでにクマ2頭が捕獲された。畑の背後には山があり、雑木林や人工の杉林が混在している。多くは私有林。かつてはまきの収集や炭の生産に使われていたというが、生活様式の変化に伴い、人の手は入らなくなった。人里でのクマ出没には、里山の荒廃が影響しているとされる。里山に人の気配がなくなれば、クマが生息域を拡大させる。だが所有者が亡くなったり、地元から離れたりしている山林もあり、管理を行き届かせるのは難しいのが現状だ。里山よりも集落に近い農地にも変化が見られる。人里がクマにとって生きやすい環境になり、クマを引き寄せている可能性がある。8月25日午後7時半ごろ、美郷町の町道で男性(71)がクマに襲われた。自宅近くを散歩中に背後から激突され、倒れ込んだところ、右足のつま先をかまれた。「生きた心地がしなかった。この世の終わりだと思った」。軽傷で済んだが、傷痕は今も生々しく残っている。
(イノシシ対策、地理情報システムで効率的捕獲へ:福島)
福島県は、地理情報システム(GIS)を使ってイノシシの行動を科学的に分析し、効率的に捕獲する事業の対象地域を拡大する。原発事故による避難指示が出された地域では、行動範囲を広げたイノシシへの対策が急務となっていることから、鳥獣被害対策強化事業として9月補正予算案に2018万円を計上した。県によると、現在は楢葉町でGISを活用してイノシシの出現場所を地図化するモデル事業が進められているが、避難指示が解除された地域では、イノシシの存在が帰還や営農再開の妨げになっていることから、対象地域を新たに4カ所ほど追加する考え。
(市がメール誤送信:新潟)
新発田市は9日、市内のサル出没状況を住民に知らせるメール配信サービス「さるどこめーる」で一斉メールを送る際、誤って他の受信者のメールアドレスを見られる状態で送信したと発表した。市農林整備課によると、担当者が8日、15の宛先(個人11、団体4)に一斉メールを送った際、他の受信者にアドレスが分からない「BCC」に指定しなかった。誤送信に気付き、メールで謝罪するとともに削除を要請した。同課は「今後このようなことを起こさないよう、送信先の確認を徹底する」としている。
(農林業界に女性の進出が相次ぐ:福井)
高齢化が進み衰退が懸念される福井県内の農林業界で、若い女性の活躍が目を引いている。若狭町ではIターンの20代女性が農業に励み、銃猟免許も取得。嶺北地方を中心に活動する林業女子会「やまめの会」は定期的に山の手入れやイベントを行い、環境に優しい木の魅力を発信している。女性ならではの消費者目線が1次産業の活性化につながるとの期待の声は大きい。高校時代に日本の食料自給率が40%を切っていることを知り、「食べ物を作りたい」と思った岡村知世さん(26)=埼玉県出身。東京農大卒業後の2012年4月から2年間、若狭町の農業生産法人「かみなか農楽舎」で研修を受け、社員として残った。コメや野菜作りにやりがいを感じる中で「荒らされると、収穫がゼロ」という深刻なイノシシ、シカ被害を目の当たりにした。「何とかしたい」とわな猟の免許を取った。しかし猟期(11月~3月15日)以外は、イノシシやシカがわなにかかっても駆除できないルールだった。「獣が作物を荒らすのは猟期ではない時期。いつでも駆除できる銃猟免許を取りたかった」。免許を持つ人の多くは高齢で「10年後を考えると、その役割を誰かが担う必要がある」との思いも強く、昨年取得した。農業の衰退が進む中、6次化や収穫体験、農家民宿などが注目を集めている。農楽舎でも高校生の合宿やインターンシップ受け入れ、イベントなどを行う。下島栄一取締役(67)は「幅広く活動する上で、消費者に近い女性の視点は重要」。社員8人のうち4人は女性だ。県内でも女性の農業進出が相次ぎ、女性を含む認定農業の事業者は06年度が98だったが、14年度は231と2・4倍になった。福井県立大の北川太一教授(農業経済学)は「女性はネットワーク力がある。最近は会員制交流サイト(SNS)を活用し、思わぬ人とのマッチングを生んでいる」と指摘。ただ「農協理事や農業委員会の女性登用は十分といえない。農家=男性世帯主という発想から脱皮する必要がある」と提言する。林業では13年、県内の女性でつくる「やまめの会」が発足した。メンバーは公務員や会社員、主婦ら約30人。映画上映会やトークセッション、雪上散歩、動物のふんの観察会を展開している。池田町の山の一部を借り、下草刈りなどの手入れもしている。14年10月から今年3月にかけては、スギの伐採から家が完成するまでを定期的に計10回見学するという長丁場のシリーズ企画も行った。同会の酒田真澄美会長(36)=福井市=は「現在の山は植林によるスギ山が多いが、今後は広葉樹やサクラなど花や実がなる木を植えていければ」と展望を語る。その酒田さんは現在育休中。「子どもが生まれ、先の時代を考えるようになった。環境に良く、生活の道具にもなる木の素晴らしさを市民に伝えていきたい」との思いが強まっているという。
(シカ・カモシカ、糞で判別)
国立研究開発法人森林総合研究所がニホンジカ(シカ)とカモシカの糞を識別する手法を開発したと9月7日に発表した。これを使った”ニホンジカ・カモシカ識別キット”を(株)ニッポンジーンが2日から受注生産している。糞の表面に付着したDNAを検出することでニホンジカ(シカ)とカモシカを識別する。シカとカモシカが混在する地域でシカの捕獲計画などを立てるときに有用。同研究所の相川主任研究員は「シカの被害対策をとらなければならないが混在地域だと、個体数が少ないと把握が難しい。研究者や行政が必要とするのでは」とキットを評価する。ツマヨウジで糞の表面を軽くこすり、破片をキットのDNA抽出液につけ、60℃で10分、90℃で5分あたためる。それを、シカ・カモシカ用の検査液に入れ60℃で1時間温めると、識別ができる。DNA解析と誰にでもできる簡易化した技術を研究所が開発した。シカの生息状況を正確に把握することで、捕獲計画を立てる際に役立つ。ニホンカモシカは特別天然記念物に指定されているが、シカが増えたことなどで、カモシカが生息地から追いやられ、シカだけでなくカモシカでも農作物の食害などが起こっている。地域の自治体などで追い払いや電気柵で対応するほか、捕獲する際には文化庁に申し出が必要となっている。
(仙石原湿原フェンス包囲案:神奈川)
秋の箱根名物・ススキ草原の西側(湿原)をシカの影響から守るため、約2mの金属製フェンスで囲む案が持ち上がっている。仙石原湿原については、自然関連の学術関係者や行政・NGOなどによる有識者会議が昨年から会議を重ね、この夏に「シカ対策に係る提言」を決めた。箱根では昔は捕獲が頻繁にされていたことから100年間以上シカがいない、もしくは僅かな状態が続いていたが、80年代からシカの目撃が増えている。環境省が行った自動撮影カメラの調査などによると、芦ノ湖周辺にはほぼ全域でシカが確認されているほか、町による管理捕獲数も、平成18年には5頭以下だったのが、26年度には20頭を突破。それらのDNAを分析したところ、伊豆や丹沢、富士山など、各方向から流入していることが分かった。環境省の町内事務所によると、シカは雑食で何でも食べるため、県内唯一ともいえる湿原の貴重種も食べられてしまう可能性があるという。また国際観光地でもあり、銃での捕獲は難しい場所も考えられる。環境省側はこうした実態をうけ、高さ1・8mのフェンスで草原全体を囲む対策案を立てており、現地にサンプルを運んで色合いなども試してきた。一方で、地元住民や観光関係者などの間にはフェンスで囲むことで景観が変わる事や、湿原を守るための火入れ作業で危険が増すといった懸念が根強い。地元自治会関係者からは「風向きが変わり、炎の動きが変わった際にも逃げられないのでは」という声もある。6日に箱根町役場を訪れた関芳弘環境副大臣は「柵にもさまざまな種類がある。景観を損ねぬよう、十分配慮したい」と話した。シカ対策提言では、こうした柵設置や頭数や食害調査、わなや誘引捕獲などの検討が決まった。環境省側は今後、地元と協議を重ねて合意形成を図るという。
(エゾシカ肉78店で提供へ:北海道)
道内飲食大手の伸和ホールディングス(HD、札幌)は9月下旬から自社店舗でエゾシカ肉料理の提供に乗り出す。まず札幌市内の一部と関東の店舗で取り扱いを始め、1年後には全78店に広げる。年間で200頭分に当たる約240トンを調理し、約1億5千万円の売り上げを目指す。一つの企業が数十店規模でシカ肉を扱うのは珍しい。エゾシカの消費拡大が課題となる中、関係者から「普及につながる」と期待がかかる。伸和HDは札幌を拠点に、居酒屋「炎(えん)」や焼き肉店「牛乃家(うしのや)」といった飲食店のほか、スーパーの店内などで唐揚げやつくねの持ち帰り専門店を展開している。道産食材の地産地消を進めており、エゾシカの活用も検討してきた。年明けからメニューの試作を重ねる一方、道の衛生基準をクリアした道内のシカ肉加工業者らでつくるエゾシカ食肉事業協同組合(オホーツク管内斜里町)から肉を仕入れるめどをつけた。主に道東で捕獲されたものを使う。今月20日ごろから札幌市内の一部と関東の店で、シカ肉の串焼きとジンギスカンを提供する。串焼きは1本290円程度で検討している。今後は唐揚げやステーキなど新メニューの開発を進め、函館の老舗洋食店「五島軒」と共同で展開するレストランも含む全店での提供を視野に入れる。
(ジビエ料理店開店:長野)
ニホンジカの捕獲と食肉加工販売を手掛ける茅野市内の専門業者が九日、自社で捕獲したシカの肉料理をメインにした欧風料理店を同市内に開業する。同社代表が自ら厨房(ちゅうぼう)に立って料理に腕を振るう。捕獲から加工、料理提供まで一貫した業務で「責任を持って、本物のジビエ料理を消費者に届けたい」としている。この業者は、同市塚原の合同会社「総合マネージメントコンタ」(近藤重代表)。ニホンジカによる農林業被害が拡大する中で、二〇一四年から捕獲と食肉加工・販売に乗り出した。猟場は松本、上田両市と長和町にまたがる美ケ原牧場など。年間約三百頭を捕獲しており、一五年には知事による鳥獣捕獲認定事業者にもなった。欧風料理店は、JR茅野駅の東口に近い茅野市仲町に開店し、店名は「Trattoria Chikafuku」(トラットリアはイタリア語で食堂の意味)。広さは約四十平方メートルで、七日夜には親しい友人らを招いて店と料理のお披露目をした。自慢のメニューはシカ肉料理で、バーベキュー風の鉄串焼きやローストわさびマヨネーズソースだ。十月中旬からはデミグラスソースのシカ肉シチューを提供するという。生ハムやサラダなどの料理もあり、ワインとビール、スイーツも楽しめる。シカ肉の取引で親しくなった東京のフランス料理店オーナー、須崎昭治さん(42)が全面支援する。近藤代表は十年ほど前に調理師免許を取ったといい、自身が厨房に立つ。「シカ肉をおいしく食べることに関しては、自分が一番知っている。より品質の高い料理を提供し、将来的にこうした店を増やしていきたい」と話している。
(ジビエ酒場、全国の猟師から直送:東京)
中目黒にジビエ料理の居酒屋「焼ジビエ 罠 中目黒店」(目黒区上目黒3、TEL 03-5720-1199)がオープンして1カ月半がたった。店舗面積は約17坪。席数は43席。同社は洋食店や居酒屋など展開し、ジビエ関連の店としては鍛冶町店に続く8店舗目となる。「ジビエ肉の普及」をコンセプトとし、全国の猟師と直接契約を結び、エゾシカ、ニホンジカ、イノシシ、クマ、ウサギなど、その時々で捕獲された肉を仕入れる。店長の前田優さんは「猟師さんとの契約で捕獲してから1時間以内に放血(ほうけつ)し、鮮度がいい肉を仕入れている。臭みや硬さなどなく、ジビエ肉を改めて『こんなにうまい肉』と感じてもらいたい」と話す。「初めて食べた方はジビエ肉は臭いと思っていたけど、拍子抜けするくらい臭くなくておいしいと驚かれる」とも。前田さんは「営業時間はこの地域の様子を見ながら調整している。値段もそんなに高くはないので、気軽に一度ジビエを試してもらえれば」と来店を呼び掛ける。
(拳銃空撃ち訓練で実弾発射:石川)
石川県警金沢中署は8日、拳銃の空撃ち訓練中に地域課の20代女性巡査が実弾1発を発射したと発表した。けが人はいなかった。女性巡査は「弾を抜き忘れた」と説明している。金沢中署によると、8日午前10時ごろ、県警射撃競技会の練習で、指導係の40代男性警部補を含む署員3人が同署道場で一斉に空砲を撃とうとしたところ、女性巡査の拳銃から実弾が発射され、15メートルほど離れた的と木の壁に当たった。本来は銃を保管庫から取り出す際、指導係が号令を掛けて弾を抜いたか確認するはずだった。しかし、女性巡査については遅刻したため確認を怠ったという。中村克也副署長の話 指導、教養を徹底し、再発防止に努める。

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(鳥獣被害、ドローンで夜行性の生息調査)
全国各地で農作物の鳥獣被害が深刻化する中、大日本猟友会(東京都)は今年度、小型無人機「ドローン」を活用し、シカやイノシシなど夜行性の野生鳥獣の生息調査に乗り出す。赤外線カメラを取り付けたドローンを夜間に飛ばし、生息数を把握する。これまでは日中の調査が中心だったが、より正確に把握できるという。実証実験に成功すれば国や地方自治体に導入を働きかける。実証実験は、大日本猟友会とドローンの製造販売会社などが島根県と岩手県で実施。島根では気温が低く、動物の体温を赤外線カメラで把握しやすい11月にニホンジカの生息調査をする。夜間にドローンを自動運転で飛ばし、最高で地上150メートルから赤外線カメラで静止画を撮影。動物の体温を感知して自動判別する仕組みで、撮影した画像を解析して調査エリアの生息数を割り出す。これまでは鳥獣のフンを調べたり、捕獲数や目撃情報などを基に生息数を推計したりしていたが、シカやイノシシは夜行性のため、日中の調査では限界があった。島根県飯南町では8月、調査の担い手となる地元猟友会のメンバー約40人を対象としたドローン操縦の研修会を開き、実験に向けた準備を進めている。環境省鳥獣保護管理室は「調査に使うドローンの台数や性能にもよるが、将来的には有効な調査手法として認められる可能性がある」としている。農林水産省によると、野生鳥獣による農作物の被害額は1999年以降、200億円前後で推移している。
(伊勢原射撃場における場内排水の基準値の超過について:神奈川)
神奈川県立伊勢原射撃場内の敷地境界の排水溝(最終排水溝)において、神奈川県生活環境の保全等に関する条例に基づく基準値を超える鉛が確認されたことを受け、県では基準値を超える鉛が確認された排水溝及びその周辺において、排水及び地下水を採水し分析を実施し、調査結果が出ました。今回の調査結果では、いずれの地点も基準値を下回っていました。今後も定期的に県立伊勢原射撃場の敷地内における水質検査を実施するとともに、必要に応じて射撃場周辺地域の地下水等の調査を行ってまいります。
(イノシシ被害、稲全滅:神奈川)
NPO法人「自然塾丹沢ドン会」は、秦野市名古木で取り組んでいる棚田の稲が、イノシシに食い荒らされてほぼ全滅したため、秋に予定していた収穫祭を断念した。野生動物との共存や生物多様性を重視する同会は、来月開催するフォーラムでこれを取り上げるなど、今回の災難を里山里地づくりの「教材」として生かす考えだ。同会は2002年から、表丹沢の懐に位置する名古木地区で、約4000平方メートルのくぼ地を借り受けて開墾し、棚田作りなどを進めてきた。現在は32枚の棚田や畑、梅林が広がり、ベンチやテーブル、炭焼き場なども設けている。会員は県内外から参加する130家族。毎週土曜日を中心に種もみ作り、田おこし、田植え、草取りなどを行い、毎年9月にコシヒカリ約600キロを収穫してきた。周辺には高さ1メートルほどのネットを張り、イノシシの食害を防いできた。ところが今年、初めて大きな被害を受けた。8月上旬、ネット下部にあるストッパーを掘り起こし、次々とイノシシが乱入。稲穂は食べ尽くされ、一帯には無数の足跡が残っていた。電気柵を設けている近くの農家に被害はなかった。同会はネットを二重にするなど、侵入防止策を再検討しているが、電気柵やワナなどの“強硬策”はとらない方針。10月15日に同所で予定している同会発足25周年記念イベント「生物多様性緑陰フォーラムin名古木」では、今回の事例を基に里山里地づくりを見つめ直すという。市内で出版業を営む片桐務理事長(66)は「今回のピンチをチャンスにし、活動の糧にしたい」と語るとともに、「わずかに残った稲穂をみんなで集め、別な形での収穫祭を考えている。それもまた楽しみ」と笑い飛ばした。
(熊の目撃情報:宮城)
7日午前5時30分頃、津山町横山字黒沢地内で熊の目撃情報がありました。屋外では音の出るものを身に着けるなどの対策を行い、十分に注意してください。
(山林でクマ捕獲:長野)
7日伊那市西箕輪の山林に設置されたクマの捕獲用のオリに雄のクマがかかっているのが見つかりました。このクマは、麻酔で眠らせ市内の山に放されました。クマがかかったのは、伊那市西箕輪の山林で、民家からおよそ400メートル離れた場所に設置されたオリです。捕まったのは、10歳以上の雄のツキノワグマです。体長1・3メートルで、体重は80キロでした。クマの耳には過去に捕まった事を示す赤いタグが取り付けられています。それによると、このクマはこれまでに3回捕まっていて、去年は伊那市の平沢のオリに、先月には西箕輪のサルの罠に掛かった個体だとわかりました。地元の猟友会によりますと、この場所には8月から罠を設置していて、クマが捕まったのは3回目だという事です。上伊那地方事務所によりますと、今年度管内では31件の目撃情報があり、罠に掛かったのは66頭だという事です。クマは、県や市、地元の猟友会員が麻酔で眠らせ、市内の山に放されました。
(クマ、中学校校庭に出没:青森)
5日午後6時5分ごろ、新郷村戸来の村立新郷中学校の校庭にクマがいるのを下校途中でスクールバスを待っていた生徒数人が目撃した。五戸署によると、クマは体長約1メートル。生徒たちとは約50メートルの距離だったが、生徒の方に向かって来ることはなく、近くの山中に逃げ込んだという。同署が村内の防災無線で注意を呼びかけるとともに、パトカーで現場付近の警戒にあたっている。
(クマの目撃情報:長野)
9月7日(水)午前6時40分頃、伊那市西町の小黒川パーキングエリアより東側200m付近で、子グマの目撃情報がありました。付近を移動される際は十分注意してください。
(作物荒らすサル、タカで威嚇し撃退:大分)
大分市は6日、高崎山近くの畑で農作物を食べたり、住宅の雨どいを壊したりしている野生のニホンザルを追い払うため、タカを使った「撃退作戦」を試験的に始めた。8月に市中心部の「中央通り」で行ったムクドリの撃退作戦で、タカが一定の成果をもたらしたことから、ニホンザルにも通用するかどうかを調べる。作戦は佐賀県の鷹匠たかじょうに依頼し、被害が多い田ノ浦地区で実施。鷹匠がタカを連れて集落を巡回したり、上空に飛ばしたりして威嚇し、山に追いやる。この日は実際にサルの群れと遭遇し、鷹匠が近づくと山中に逃げ込む場面もあった。実験は7日まで行い、効果を検証する。事業費は約50万円。市によると、高崎山自然動物園のニホンザルは国の天然記念物として保護されているが、園を囲む柵の外にも複数の群れがいる。これらのサルは集落で頻繁に農作物を食い荒らしており、市は昨年度、被害に遭ったシイタケ生産者らに約1180万円を補償した。昨年度は96頭を捕獲して殺処分したほか、爆竹などで追い払いを試みたが、被害は収まっていない。市林業水産課は「いろいろな対策を講じたがどれも解決策になっていない。わらにもすがる思いでタカによる実験を行うことにした」と話している。
(動物侵入で新幹線停車14件:山形)
山形新幹線の線路内に野生動物が侵入した影響で、新幹線の運行に支障が出た事例が2014年度以降、14件発生していることが県のまとめで分かった。県内の高速道路ではクマの目撃例もあり、県は関係機関と連携して、交通の安全確保を進めるとしている。県は、県内交通機関の安全運行に向けて野生動物対策を進める中、JR東日本からトラブルの発生状況を聞き取った。その結果、新幹線が動物とぶつかるなどして緊急停車し、後続列車にも運休や遅れが生じた事例は14年度6件、15年度5件、16年度3件(8月17日現在)だった。種類別では、カモシカ(9件)、クマ(2件)、イノシシ(1件)などとなっている。JRでは、動物の侵入を防止するため、山間部の区間を中心に「忌避剤」といわれる動物が嫌がる臭いを発する物を散布している。一方、県内各地の高速道路のインターチェンジ付近などでは4月以降、クマの目撃例が8件(8月6日現在)となっている。管理する東日本高速道路(NEXCO東日本)や国土交通省で、地元猟友会と連携し、箱ワナを設置するなど対策を進めている。
(「日本一の芋煮会」へ爆竹使ってクマよけ作戦:山形)
18日に山形市の馬見ヶ崎川河川敷で開かれる「日本一の芋煮会フェスティバル」に向け、市は地元猟友会などと連携し、爆竹を用いたクマよけ作戦を行う。会場近くの河川敷では6月、クマが目撃され、市や猟友会が捕獲に乗り出す騒動があった。その後、クマは出没していないが、イベント直前に3日に分けて近くの山で爆竹を鳴らしてクマを威嚇することで、来場者に当日、安心して秋の風物詩を味わってもらうための異例の取り組みだ。市観光物産課によると、「爆竹作戦」は13、16、17日の計3日間行う。馬見ヶ崎川河川敷の芋煮会会場近くにかかる双月橋の南東方向に位置する盃山や市馬見ヶ崎プール「ジャバ」周辺で爆竹を鳴らし、クマが寄りつかないようにする。作戦には、市職員や地元猟友会、フェスティバル実行委員会メンバーが参加する。山形県みどり自然課は「県内の大規模なイベントで、クマを近づけないようこうした対策を講じるのは聞いたことがない」としている。双月橋の約500メートル南東にある同市小白川町の河川敷では6月8日、クマ1頭が目撃され、警察が出動し、地元猟友会が檻おりを仕掛けて約1週間後に捕獲した。現場周辺は住宅街で、近くの小学校では集団下校の措置がとられるなど、一時騒然となった。同課によると、県内でのクマの目撃情報は485件(8月25日現在)と、既に昨年1年間(225件)の2・15倍となり、過去5年で最多。昨年、クマの好物のブナが豊作で繁殖が盛んだったのが理由だが、今年は一転、不作が予想され、秋以降は餌不足でさらに出没が増えるのではないかと危惧されている。馬見ヶ崎川河川敷では6月の捕獲後、クマの目撃情報はなく、フェスティバル関係者の中には、爆竹作戦を行うことで「芋煮会に参加しようと思っている人に逆に警戒心を起こさせる」「寝た子を起こす必要はない」との声もある。だが、市観光物産課の鈴木悦子課長は「念には念を入れての措置。より安心して参加してもらえるよう、関係団体と連携して対応したい」と話している。
(迷惑ザルを空からジロリ、ドローン開発着手:神奈川)
人里にやってきて農業などに被害をもたらすニホンザルを撃退しようと、県は今夏、サルを自動で追い掛ける機能をつけたドローン開発プロジェクトに着手した。前例がない取り組みでどこまで実現するかは未知数。サルは去るか?県産業労働局が進めるロボット振興政策「神奈川版オープンイノベーション」の一環。横浜市の電子部品関連企業と東京都町田市の調査・コンサルティング会社に約一千万円で委託し、本年度中の試作機開発を目指す。県産業振興課の担当者は「サル対策でドローンを活用するのは、全国的にも初めてではないか」という。撃退のイメージは、まず群れの中のサルに、衛星利用測位システム(GPS)を内蔵した首輪型の発信機をつけて山に戻す。この首輪からの信号を、待機しているドローンがキャッチして飛び立ち、群れの位置を把握。群れが移動しても自動的に追い掛け、人間に場所を知らせる。場所が分かれば人間が、効率的に追い払いに向かえる寸法だ。最終的には、ドローン自体がサルの群れに接近して音や光で脅かし、山へ追い返す機能も視野に入れる。試作機の飛行を本年度に行い、来年度には企業主導で複数のドローンを投入するなど実証実験に移る。県は地元自治体との調整などをする。開発期間は三年間を想定している。ただ山間部は草木が茂るなど障害が多い。ドローンが安定して飛行できるか、十分な稼働時間を持たせられるのか、群れからの信号を遠方でキャッチできるのかなど、不確かなことだらけだ。さらに脅かして追い払うとなると、近づいたドローンがサルに「撃墜」される可能性を考えなくてはならないという。鳥獣対策を所管する自然環境保全課の担当者は「音や光ではサルは慣れてしまう。どんな方法があるか、相当難しい」とみる。現場で日常的に使うには機体価格や運用コストを抑える必要もある。サル被害に悩む県央地区の自治体担当者は「これまでもサルに発信機をつけてはいるが、電波がとどかないこともあり、追い掛けるのは大変。群れの正確な位置が分かるようになるだけでも大きい」と話している。県自然環境保全課によると、県内のニホンザルは相模原市緑区など県北部から厚木市などの県央、小田原市や箱根町など県西部にかけて約1000頭が生息する。果樹や野菜などが食べられてしまう農業被害は年によって幅があるが、2014年度は約2500万円、15年度は約500万円。人家に侵入するなど生活被害も15年度で約700件ある。現在も一部のサルに発信機をつけているが、おおまかな位置しか分からないという。地元自治体や住民らがパトロールするなどして群れを見つけ、花火や爆竹、エアガンなどで脅して追い返している。
(クマとの遭遇、恐ろしい記憶:秋田)
一瞬の出来事だった。あっという間にあおむけに倒された。鹿角市十和田毛馬内の新聞配達員女性(53)は8月14日、仕事中にクマに襲われ、背中に6針縫うけがを負った。痛みは薄れてきたが、恐ろしい記憶は今も鮮明だ。襲われたのは午前4時すぎ。担当している約40軒のうち4軒目に新聞を届けた直後だった。玄関先で振り向くと、すぐそばに黒い塊が見えた。臭いや足音には気付かなかった。日の出前で辺りは暗く、クマだとは分からなかった。「直前まで何もいなかった。あれ、と思ったときにはもう突進されていた」。クマは女性を抱きかかえるように背中に爪を突き立て、押し倒すと、すぐに走り去ったという。女性は10年近く同じ地域の配達を担当しているが、クマに遭遇したのは初めて。周辺に出没するとの話も聞いたことがなかったという。「もう二度と遭いたくない。暗い時間帯に出歩くのは嫌になった」。仕事は続けるつもりだが、配達の順番を変えるなどして、現場周辺の家々にはなるべく日が昇ってから訪れることを検討している。
(特別支援学校、有害駆除のシカ活用:群馬)
障害のある生徒の就業を支援し、地域の課題解決につなげようと、群馬県教育委員会は、沼田市で2019年度開校予定の沼田特別支援学校高等部にシカ革加工の作業学習を導入する方針を固めた。生徒が仕事への向き合い方などを学ぶとともに、北毛を中心に農林業に与える害が大きな問題となっているニホンジカの活用につなげる。9月補正予算案に調査費などを盛り込む方針。
(ジビエ、県特産品に:愛媛)
県や専門業者がタッグを組み、農作物を荒らすイノシシやシカの肉を滋味あふれる「ジビエ」(野生動物の肉)として特産品にするプロジェクトが動き始めた。食材としての価値が上がれば肉の需要が高まり、害獣駆除にも拍車がかかると期待される「一石二鳥」の取り組み。県は開発中のイノシシ肉の薫製を、来年度中に市販化したいとしている。松山市内で7日、料理人らを集め、イノシシ肉の薫製などについて意見を聞く評価会が開かれた。彼らの意見などを踏まえ、味や食感などを改良する考えだ。県がジビエの特産化に乗り出したのは、イノシシなどの害獣による農作物の深刻な被害が原因だ。昨年度の県内の被害は約3億8600万円に上り、中でもイノシシが約2億2900万円と目立った。県や各市町が駆除に奨励金を出し、捕獲数は2万2097頭と増加傾向だが、農作物被害は減っていないという。そこで、県内でも加工業者や販売店が増えつつあるジビエに着目。価値の高い商品を生み出し、流通を増やして駆除の促進につなげようと、業者に協力を求め、4月に開発を始めた。イノシシ肉の薫製は、今治市の「しまなみイノシシ活用隊」がモモ肉やバラ肉を解体処理し、西予市の食品加工業者「城川自然牧場」が山桜を使って約30分間いぶし、あめ色に仕上げた。味付けは、料理人でつくる全日本司厨士協会県本部がアドバイスした。県産業技術研究所の分析では、うま味のグルタミン酸がイノシシ肉は豚肉の約2倍。県は、ジビエが敬遠される「脂が臭い」「肉質が硬い」などの弱点を改善する加工技術も開発し、シカ肉の商品開発も進める。この日の評価会で、同活用隊の渡辺秀典代表(39)は「愛媛のイノシシは柑橘かんきつ類を荒らして食べるので、脂の甘みが強く臭みは少ないと言われている」と説明。試食した松山市の温浴施設「東道後のそらともり」の本田弘料理長(62)は「表面は香ばしく肉は軟らかく、地産素材として期待が高まった」と興味を示していた。
(ジビエ活用に本腰、プロジェクトチーム立ち上げ:滋賀)
深刻化するシカの食害の抑止の一助にしようと、県はジビエ(野生鳥獣肉)活用に本腰を入れ始めた。近年被害を減らそうと捕獲などの対策が行われているが、そのうちジビエとして利用されるのはごくわずか。県はプロジェクトチームを立ち上げ、ジビエ活用を広げる方法を検討する一方、県などが主催するイベントでシカ入りカレーなどの出店を斡旋(あっせん)していく。県自然環境保全課によると、平成27年度の県内の野生鳥獣による農作物被害は約1億8千万円。そのうち、ニホンジカによる被害は約3割の5千万円に達する。県は個体数を調整するため、年間1万6千頭を目標に捕獲しているが、ジビエとして有効活用されているのは4~5%の推定700頭程度にとどまっているという。そこで、県は今年8月、プロジェクトチームを立ち上げ。被害地域で対策に取り組む住民や狩猟者、企業などにヒアリングを行い実態調査を進めるとともに、他県の取り組みなどを参考にしながらジビエの活用を広げる方法を検討していくという。さらに、今後県民へジビエをPRするため、県などが主催するイベントでシカ入りカレーの出店販売を斡旋する方針。第1弾は大津市びわこ競艇場で今月24、25日に行われる「BIWAKO湖フェス」(NPO琵琶湖ローイングCLUB主催、県後援)で、カレーチェーン「CoCo壱番屋」の店舗を県内でフランチャイズ展開している「アドバンス」(長浜市)が出店する。ジビエをめぐっては、アドバンスが県から提案を受け、平成27年2月から1~2週間に一度、県産のシカ肉入りカレーを販売する店舗を県庁前に出店。だが、県総務課が県の公有財産事務規則などに基づいて、アドバンスの継続出店は認められないとしたため、出店を打ち切った経緯がある。
(マダニ注意、かまれた男性脳炎で死亡:北海道)
マダニにかまれた北海道の四十代男性が八月中旬、ダニ媒介性脳炎で死亡した。マダニは複数のウイルスや細菌を媒介しており、国内で二〇〇五年以降、五十人以上が死亡した。専門家は、野山や田畑に行く際は肌を覆う衣服を着用し、かまれた後に高熱が出た場合は早く病院に行くよう訴える。
北海道によると、男性は七月中旬、道内でマダニにかまれ、皮膚に食い込んだ個体を皮膚科で取ってもらった。その後、発熱や意識障害、けいれんなどの症状が出て入院。一カ月後に、ダニが媒介するフラビウイルスによる脳炎で亡くなった。海外渡航歴はなかった。マダニはフラビウイルスの他にも、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を発症させるウイルス、日本紅斑熱やライム病などの原因となる細菌などを媒介する。ウイルスによる病気に治療法はなく、対症療法が中心。細菌には、抗菌薬で治療が可能だ。男性の死亡原因となった脳炎は一九九三年に北海道南部で発症例があり、今回が国内二例目。SFTSは石川県や三重県以西の二十府県で約二百人の患者が確認されている。海外でダニ媒介性脳炎による被害が大きいのは、ロシアからドイツ、オーストリアにかけての中央ヨーロッパだ。年間六千人以上の患者が出ており、森林に入る仕事をする人らが予防のためワクチン接種を受けている。日本では、輸入ワクチンを接種できる医療機関もある。「マダニにかまれたとしても、発症するのはまれ。パニックになることはありません」と話すのは、ダニによる感染症を研究する愛知医科大講師の角坂照貴さん(64)。マダニが媒介する病原体には地域によって違いがあり、今回死者が出たダニ媒介性脳炎は、北海道以外では発症しない可能性が高いという。マダニは、吸引したりするとアレルギーを引き起こすイエダニとは別の種類。角坂さんによると、予防策はまず、マダニにかまれないように注意すること。マダニは動物の血を吸って成長するため、シカやイノシシなどの野生動物が多い野山のほか、畑、あぜ道などにも生息する。春から秋にかけてマダニの活動が活発になり、かまれる危険性が高くなる。高さ一メートルほどの植物の葉陰に潜み、動くものに飛びつく習性がある。草の茂った場所に入る場合は、長袖や長ズボンを着用してなるべく肌の露出を避ける。虫よけスプレーも効果がある場合がある。マダニにかまれても、麻酔のような物質を体内に注入するため痛みを感じないことが多い。気づかないでいると、数日吸血し続けて一センチ以上に大きくなることもある。皮膚に食い付いたマダニを見つけた場合は、皮膚科などで適切に除去してもらうことが大切だ。マダニを自分で取ろうとすると一部が体内に残って感染原因になる場合があるほか、つぶすと病原体が飛び散って目などの粘膜から感染する可能性がある。かまれたことが分かった後は、発熱するかどうかに気をつける。いずれの感染症も、二日から二週間程度の潜伏期間をへて三八度以上の高熱が出る。角坂さんは「発熱した場合は、一刻も早く治療を始めることが大切。すぐ病院に行き、必ず医師にかまれたことを伝えて」と注意を促す。
(米国の銃販売量、16ヵ月連続で記録更新:アメリカ)
「銃規制論者であるオバマ大統領は、歴史上最高の銃セールスマンなのか」米経済専門メディア「CNNマネー」は6日、このようなタイトルで「銃販売業者が連邦捜査局(FBI)に銃購入者の身元調査を依頼した件数が2015年5月から今年8月の16ヵ月連続で前年度の月間記録を更新した」と報じた。米国には公式の銃販売統計がない。銃購入者の身元調査を通じて合法的な銃購入規模を推算する。全体の銃販売量のうち合法的な購入は約60%、不法取引が約40%だという。CNNマネーは、「今年8月の1ヵ月間で185万3815件の銃購入者の身元調査が行われた。これは昨年8月より6%の増加であるうえ、1998年11月に銃購入者の身元調査制度が施行されて以来、歴代の8月件数の中で最多だと伝えた。また、「この傾向なら、今年の年間照会件数も歴代最高だった昨年の記録(2314万1970件)を軽く突破するだろう」と見通した。大手銃器メーカーの「スミス&ウェッソン」、「スタームルガー」なども最近、「今年の販売量が前年度対比19~40%増加した」と発表した。CNNマネーがオバマ大統領を「最高の銃セールスマン」と表現した理由は、銃による大事故やテロが発生すれば、オバマ大統領が強力な銃規制の考えを明らかにし、市民は「規制の前に護身用の銃を購入しようと銃器店につめかけるためだ。米紙ニューヨーク・タイムズも数回にわたって「オバマ大統領の銃規制が全米ライフル協会(NRA)などのロビーのために立法化されず、結果的に銃だけがさらに売れる逆説的な状況が続いている」と指摘した。銃規制問題に対する民主、共和両党の支持者の認識の相違もますます広がっている。世論調査専門機関ピュー・リサーチ・センターの最近の調査結果によると、民主党大統領候補のヒラリー・クリントン氏(69)支持者のうち79%が「銃規制が銃所持の権利より重要だ」と答えた。共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏(70)の支持者の場合、「銃規制がより重要」の割合が9%にすぎなかった。ピュー・リサーチ・センターは、「2000年の大統領選では民主党支持者の66%、共和党支持者の46%が『銃規制が重要』と答えた。両党の支持者間の相違は20ポイントだったが、今年は70ポイントまで広がった」と分析した。

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(63歳の空手有段者、クマに襲われるも空手技で撃退:群馬)
1日午後1時45分ごろ、群馬県長野原町応桑の地蔵川の河原で、渓流釣りをしていた町内の無職の男性(63)がクマに襲われた。右半身の頭や腕、ふくらはぎなどをかまれたり、引っかかれたりして軽傷を負ったが、素手でクマの目を突き、撃退。クマは上流に逃げたという。男性は空手の高段者だった。町や県警長野原署によると、現場は渓流釣りスポット。男性が釣りをしていたところ、突然現れたクマが立ち上がって飛びかかってきたという。クマは体長約190センチのツキノワグマとみられる。男性は身長約170センチ。男性は自力で町内の病院に行き、治療を受けた。現場周辺の畑ではクマによる農作物の被害が多いが、町農林係の担当者は「町内でクマによるけが人はここ数年記憶にない」という。町は1日、周辺の町道や温泉施設に警戒を呼びかける看板を設置し、猟友会が2日朝に捕獲用のおりを設置する予定。
(農作物、鳥獣被害に歯止め:宮城)
2015年度の野生鳥獣による県内の農作物被害額は、速報値で前年度比34%減の約1億3900万円になったことがわかった。電気柵を設置したり、わなを仕掛けたりしたことが奏功したとみられ、東京電力福島第一原発事故が起きた11年から続く被害額の増加にようやく歯止めがかかった。県農産園芸環境課によると、鳥獣別にみた被害額の内訳は、イノシシが同38%減の約7400万円と半分強を占めた。シカが同15%減の約1600万円、ハクビシンが同52%減の約1100万円だった。イノシシによる被害額は11年度の約2700万円から14年度の約1億2000万円に急増した。同事故の影響で肉から規制値(1キロ・グラムあたり100ベクレル)超の放射性セシウムが検出され、出荷を禁じられたため、生息数が増えたことが要因とみられる。また、地球温暖化で生息域が県南部から北部に広がったうえ、耕作放棄地の増加、狩猟人口の減少なども背景にある。こうした中、国がイノシシの捕獲を支援し、補助制度を拡充。自治体などによる電気柵やワイヤメッシュ柵の設置が進んだほか、14~15年度に白石市や蔵王町で解体場も新設され、狩猟者の負担となっていた解体処理が迅速になった。農家が狩猟免許を取得し、イノシシの足をとらえる「くくりわな」などを仕掛けて捕獲するケースも増えたという。同課は「イノシシは繁殖力が強く、気を緩めればすぐに被害が増える。対策を続けていくことが大事」としている。
(クマ襲撃、ほこら壊しハチの巣を奪取:宮城)
宮城県栗原市金成小迫三嶋で2日午前、道祖神を祭る地区のほこらが壊されているのを地元の人が見つけて110番した。中にあったハチの巣が無くなっていた。ほこらに残された爪跡や体毛からクマの仕業とみられる。若柳署が注意を呼び掛けている。地元の人によると、ほこらの扉が開いていたため不審に思い近寄ったら、ひさしの下の板がはぎ取られ、中にあったハチの巣が無くなっていた。ほこらの周りには長さ5、6センチの黒い体毛が残っていた。仙台市八木山動物公園によると、はちみつが好物のツキノワグマが、ハチの巣を狙って壊したとみられるという。現場は住宅が点在する丘陵地。地元の男性は「この辺では3年ほど前からクマが目撃されるようになった。ちょっと怖い」と話した。栗原市では本年度、8月末までに302件のクマ目撃情報が寄せられている。2日は富谷町穀田菅ノ沢でも午前9時35分ごろ、体長約1.5メートルのクマが目撃された。
(減少ハンター育成へ、クレー射撃場再整備:鳥取)
ハンターを育成し鳥獣被害の防止につなげようと、鳥取市と鳥取県東部の岩美、八頭、智頭、若桜の4町が進めてきた鳥取クレー射撃場(同市覚寺)の再整備が完了し、1日、記念式典が開かれた。15日に開場を予定している。同射撃場は昭和58年、同市がわかとり国体の射撃競技施設として開設したが、利用者の減少や、鉛の散弾による土壌汚染などで平成20年に閉場された。しかし、イノシシなど鳥獣による農作物被害は年々深刻化。高齢化などで急減するハンターの確保に向けて27年5月、1市4町で再整備に着工。総事業費は国・県の補助金計約2億4500万円を含め、約4億6600万円。同射撃場は5ヘクタールの敷地にスキート、トラップの両射場を備える。射場は、鉛の散弾が散らばっていた表土を地表面から平均11センチの深さまで撤去した後、アスファルト舗装し、散弾が回収しやすいようにした。また、散弾の飛散を防ぐため、高さ20メートル、幅計189メートルのネットを張り巡らした。1市4町や狩猟の関係者ら約50人が出席した記念式典では、鳥取市の深澤義彦市長が「射撃場では環境汚染防止対策を確実に講じる。射撃技術向上、狩猟者育成の場として大いに活用してもらいたい」と挨拶。同射撃場の管理者となる西村道雄さんらがスキート、トラップ両種目の射撃練習を披露した。同射撃場は4~10月の木-日曜に開場。営業時間は木、金が午後1~4時、土、日が午前10時~午後4時。利用料金は1市4町の住民が施設利用料600円、クレー料金(1ラウンド25枚)1千円。1市4町以外の住民はそれぞれ200円増となる。ハンターを育成し鳥獣被害の防止につなげようと、鳥取市と鳥取県東部の岩美、八頭、智頭、若桜の4町が進めてきた鳥取クレー射撃場(同市覚寺)の再整備が完了し、1日、記念式典が開かれた。15日に開場を予定している。同射撃場は昭和58年、同市がわかとり国体の射撃競技施設として開設したが、利用者の減少や、鉛の散弾による土壌汚染などで平成20年に閉場された。しかし、イノシシなど鳥獣による農作物被害は年々深刻化。高齢化などで急減するハンターの確保に向けて27年5月、1市4町で再整備に着工。総事業費は国・県の補助金計約2億4500万円を含め、約4億6600万円。同射撃場は5ヘクタールの敷地にスキート、トラップの両射場を備える。射場は、鉛の散弾が散らばっていた表土を地表面から平均11センチの深さまで撤去した後、アスファルト舗装し、散弾が回収しやすいようにした。また、散弾の飛散を防ぐため、高さ20メートル、幅計189メートルのネットを張り巡らした。1市4町や狩猟の関係者ら約50人が出席した記念式典では、鳥取市の深澤義彦市長が「射撃場では環境汚染防止対策を確実に講じる。射撃技術向上、狩猟者育成の場として大いに活用してもらいたい」と挨拶。同射撃場の管理者となる西村道雄さんらがスキート、トラップ両種目の射撃練習を披露した。同射撃場は4~10月の木-日曜に開場。営業時間は木、金が午後1~4時、土、日が午前10時~午後4時。利用料金は1市4町の住民が施設利用料600円、クレー料金(1ラウンド25枚)1千円。1市4町以外の住民はそれぞれ200円増となる。
(鳥獣被害対策実施へ、猟友会員95人を非常勤職員に:山口)
萩市は1日、農作物に被害を与える鳥獣を捕獲したり、防護柵を設置したりする「市鳥獣被害対策実施隊」の一員として、猟友会員95人を非常勤職員に任命した。総勢118人の体制となった。萩市は、2012年1月に職員からなる同実施隊を結成。更に14年4月にはサル捕獲隊をつくり、農作物を荒らすサルに猟銃やわなで対抗していた。ところが昨年11月に市街地の萩バスセンター近くでシカが出没。市職員に加えて、猟友会員や警察官が出て捕獲を試みる騒ぎがあった。市によると、市街地でのシカの目撃は初めてで、同時期には市街地の民家の納屋でアライグマが捕獲されたこともあった。市街地での鳥獣の捕獲や駆除は、鳥獣の生態に詳しい猟友会員抜きには解決が難しい。これまで猟友会員はボランティアで出動していたが、けがをした場合の補償の問題などがあり、公務災害とするため、今回非常勤職員として任命した。県によると、実施隊は県内のほとんどの自治体が結成しており、市町職員以外の民間人が入るのは7番目。市の出動要請で1日3000円の手当が支払われる。市農林振興課の大谷聡課長補佐は「鳥獣の出没や被害の連絡が毎日のように入る。職員だけでは対応が難しく、安全な市民生活が維持できるように対策を取った」と話した。
(台風被害で緊急災害対策本部設置)
山本農相は北海道でシカ柵破損の被害を放置すると、シカによる「二次災害」が発生しかねないことを例に挙げ「農業被害に対しては査定前着工が可能だということを現場に徹底していきたい」と述べ、早期復旧に向けて「道庁と検討を重ね今年度予算の執行残、来年度の予算措置でどういうことができるか地域と検討していきたい」などと述べた。
(ツキノワグマ、宿泊施設で捕獲:埼玉)
秩父市大滝の宿泊施設の県立大滝げんきプラザは1日、ツキノワグマ1頭(体長1・3メートル、重さ80キロ=いずれも推定)を敷地内に設置したわなで捕獲し、奥秩父猟友会が殺処分したと発表した。同プラザによると、8月28日夜に職員が敷地内で大型の野生動物を目撃。同29、30日にごみ集積場の破損を確認し、同30日に奥秩父猟友会が捕獲用のわなを設置した。1日午前5時半ごろ、ツキノワグマが捕獲されているのを同プラザの男性警備員が確認した。同プラザは今後も利用団体への注意喚起やクマ鈴などの貸し出しを実施するほか、職員による巡回を強化していく。
(シカ用のわなにクマが:長野)
長野・長和町。麻酔銃を組み立てヘルメットをかぶる男性。盾を手に、猟銃を持った男性と、何かを警戒していた。その視線の先、急斜面にいるのは、1頭のクマ。よく見ると、左足が、わなに挟まれていた。これは、ワイヤなどを使って、動物の足をくくって捕獲する「くくりわな」。シカ用に仕掛けた、くくりわなに、クマがかかってしまった。今、長野県では、クマが相次いで出没。8月19日、FNNが、長野市内の畑に設置したカメラで独自にとらえたクマの映像では、収穫間近のリンゴを、むしゃむしゃと食べていた。長野県によると、2016年4月から7月までに報告されたクマの目撃は、918件。山の木の実が、2016年は不作ということもあり、クマが人里に下りてくるなど、2015年に比べ、200件以上増えている。クマの生態を調査するNPO(民間非営利団体)法人の職員が、麻酔銃を手に近づいた。うなり声を上げ、職員に突進するクマ。わなにかかっていなければ、非常に危険な状況。そして、数十分のにらみ合いの後、麻酔を打たれ、クマは次第に力が抜けていき、ぐったりし、10分後、意識を失った。長野県によると、シカやイノシシを捕らえるために仕掛けたわなに、捕獲対象ではないクマがかかった場合には、法律で殺処分が禁止されている。このクマは、目覚めたあと、山に放されたという。
(ナシ園にイノシシ3頭:栃木)
3日午前9時半ごろ、高根沢町上柏崎のナシ園で農作業中の男性が3頭のイノシシを目撃した。さくら署は警戒を呼びかけている。同署によると体長はそれぞれ約50センチから70センチ。けが人はいない。イノシシは午前11時現在、現場付近を徘徊しているという。
(クマの目撃情報:長野)
9月5日(月)午後2時00分頃、伊那西部広域農道小沢信号より東側の小沢川付近で、子グマの目撃情報がありました。付近を移動される際は十分注意してください。
(クマ出没、県が警報初発令:秋田)
秋田県は1日、クマの目撃や人が被害に遭った事故が相次いでいることを受けて、「ツキノワグマ出没に関する警報」を県内全域に発令した。期間は12月末まで。8月26日に県、市町村、猟友会などによるツキノワグマ被害防止連絡会議が発足し、警報発令制度の導入が決まったことによるもので、発令は今回が初めて。県内では、5~6月に鹿角市十和田大湯の山林でクマに襲われたとみられる男女4人が死亡。8月31日には、鹿角市と秋田市で男性2人がけがをする事故があった。
(クマ大量出没注意、ブナなど不作:富山)
ツキノワグマの餌となるブナなどの実の生育状況が県内全域で不作となっている。県は、秋にかけてクマが大量出没する可能性があるとして注意を呼び掛けている。五日に富山市の県民会館で開かれた野生動物被害防止対策会議で報告された。県森林研究所の担当者によると、八月に県内のブナ、ミズナラ、コナラの実なりについて調査した結果、県東部ではブナとミズナラが凶作、コナラが不作だった。県西部ではいずれも不作となった。県東部は「山裾の集落周辺だけでなく、平野部への大量出没にも警戒が必要」とし、西部は「山裾の集落周辺での出没に警戒が必要」と注意を促した。会議には、県内の自治体関係者ら約六十人が出席。クマによる被害防止策や関係者同士の連携なども確認した。県内では二〇〇六年と一〇年に、ブナとミズナラが凶作となり、九~十一月にクマが大量出没した。五日までの県内の今年の出没件数は例年並みの百二十二件で、人身被害の報告はない。県は五日付で、ツキノワグマ出没注意情報(第一報)も発表し、ホームページで公開している。
(行楽の秋クマ遭遇注意:北海道)
ヒグマによる人身被害が増加する秋の行楽シーズンを迎え、道は3日から10月31日までを「秋のヒグマ注意特別期間」に指定し、入山にあたっての注意を呼びかけている。道生物多様性保全課によると、1989年度から2015年度までの月別被害者数の累計は10月と4月が共に7人で5月6人、9月5人の順。キノコ採りなどで入山者が増える秋は、冬眠前のヒグマが餌を求めて活発に動き回る時期と重なるため、遭遇する確率が高まるという。同期間の被害者数は計34人で、状況別にみると山菜・キノコ採りが最多で67%、山林作業15%、農作業と釣りがそれぞれ6%などとなっている。近年では08年9月、標津町で釣りの男性が死亡する事例もあった。同課では、被害防止には「ヒグマとの遭遇をさけることが大事」とし、〈1〉音を出しながら歩く〈2〉ふんや足跡を見たら引き返す〈3〉食べ物やごみは必ず持ち帰る――といった動作の徹底を呼びかけている。道は、ヒグマの秋の主要食物のドングリの実なり状況も調査している。不作の場合は、人里に出没するケースも増えることから、改めて注意喚起する方針だ。
(夜間早朝、クマに注意:北海道)
白老町白老の環境衛生センターに近い町道で8月30日夜から31日早朝にかけ、ヒグマの親子や子グマが3度にわたって目撃された。このうち1件は車に威嚇行動を取っており、町はマラソンなどで付近を利用する町民に対し、夜間・早朝の外出に注意を呼び掛けている。最初の目撃情報は30日午後8時ごろ。陸上自衛隊白老駐屯地の隊員が家族の車で帰宅途中、駐屯地と環境衛生センターの分岐点周辺の町道で親子グマを発見した。車両のクラクションを鳴らすと子グマは森に逃げたが、親グマは立ち上がって威嚇。一度は道路脇の草やぶに移動したものの、再び出てきて走り始めた車の側面を手でたたいたという。車両は右側後部が約10センチの範囲で若干陥没したが、人への被害はなかった。31日には、環境衛生センター奥の牧場に通う従業員が午前5時40分頃と7時ごろの2回にわたり、道路上で子グマを目撃している。親子グマに遭遇した車両に乗っていた男性自衛官(36)は「一度逃げた親グマがまた出てきてパンチしてきたのには驚いた。けがをせずによかったが、窓ガラスがたたかれていたらと思うと恐ろしい」と話した。目撃があった地域では昨年も多くのヒグマの出没情報が寄せられている。白老駐屯地の隊員も「複数の同僚が通勤時などに町道を横切るヒグマを何度も見ており、部隊内でも注意喚起している」と語る。町は目撃事案が多発した昨年、分岐点周辺に注意看板を設置。今回の情報提供を受け、今月2日に新たな目撃情報を看板に追記した。担当者は「周辺はヒグマの生息エリアに近い場所。ランニングやサイクリングをする住民もいるが、夜間や早朝の外出時には十分注意してほしい」と呼び掛けている。
(ヌートリア出没、農作物被害深刻:静岡)
湖西市の浜名湖周辺などで特定外来生物で南米原産のネズミの仲間「ヌートリア」による被害が、深刻化している。農産物の被害が足跡などからヌートリアの仕業と判明。太陽光発電所のケーブルがかじられる被害も発生した。出没が目立ち始めた2015年以降、1日までの捕獲数は浜松市も含めて22匹に上り、両市は警戒を強めている。湖西市のため池付近では1日、市が仕掛けた箱わなで1匹が捕獲された。地元の60代男性は「2年ほど前から出没し始めた」とし、「畑が掘り返され、育てたサツマイモがかじられる。本当に腹が立つ」と憤った。キャベツやサツマイモなど農作物の被害現場には、ヌートリアとみられる長い爪痕や30~50センチの長い尾を引きずった跡が残り、被害が顕在化しつつある。市担当者は「イノシシより小柄なため、電気柵で防げないケースもあるようだ」とみる。同市は市野生鳥獣等管理協会に箱わな設置を委託し、捕獲を進める。設置は被害があった場所に限られ、生息域が拡大している懸念もある。浜松市西区と北区では計2匹を捕獲した。同市は「生息密度が高い湖西から浜松に入った可能性がある」との見方を示す。湖西市の太陽光発電所では15年4月、ケーブルをかじって感電したとみられる死骸が見つかり、箱わなで2匹捕獲された。浜名湖沿岸では養鰻(ようまん)池跡地などに太陽光発電所が急増。施設関係者は「被害の多発は困る」と不安を抱く。被害地域を調査した県森林・林業研究センターの片井祐介上席研究員は「現時点では甚大な被害には至っていない。捕獲で生息数を抑制するのが最も大事だろう」とみている。
(農作物被害が大幅減:神奈川)
厚木市内で2015年度に発生した野生動物による農作物被害状況がこのほどまとまった。被害総額は前年度より大幅減。対策を強化してきた市の掲げる軽減目標を達成したが、「被害を報告していないケースがまだ少なくない」(市農業政策課)として、警戒を緩める状況までには至っていないようだ。同課によると、15年度の農作物被害の総額は238万円で、14年度の4分の1程度に減少した。被害面積も約4・06ヘクタールとなり、約5・18ヘクタールの減になった。加害動物別ではサルの約146万円が最多。このほかにシカ約30万円、カラス約23万円、ヒヨドリ約15万円、イノシシ約13万円など。狙われた農作物は野菜で約161万円の被害があり、果樹約48万円、イモ類約17万円と続いた。市の第3期(14~16年度)鳥獣被害防止計画では、広域電気柵や追い払いなどの対策強化を盛り込んでいる。その効果として、最終年度の被害額を12年度の約1526万円に対して7割減の403万円にするなどの軽減目標を設定。今回、その被害額を1年早く達成した。市内では特にサルの深刻な被害に悩まされてきた。加害個体の捕獲を毎年度行っているものの、生息・行動するサルは郊外の鳶尾や隣接する伊勢原市の日向のほか、厚木、愛川、清川の3市町村にまたがる経ケ岳などで6群225頭(15年度)が確認されている。サルによる被害額は12年度920万円、13年度483万円、14年度403万円、15年度146万円と推移、今回対象別目標の190万円を下回った。統計上は減少傾向が見られるが、同課は「被害総額は自己報告に基づいている。繰り返される被害に諦めてしまい、報告をしない農家もいる。実態を十分に反映していないという課題は残されている」などと分析。4期目の計画策定に向けて対策強化を継続する考えだ。市では16年度、新たに個人防護柵の補助金と有害駆除活動の担い手になる県猟友会厚木支部などへの育成交付金の2事業をスタートさせた。補助は防護柵設置費の3分の2(上限10万円)を公費負担するもので、13件の申請(8月17日現在)が出されているという。
(増える危険なクマ“経験のない異常な事態”)
クマによる人身被害が全国的に急増している。中でも秋田県は全体の1割強を占めるなど深刻で「一人ではなく複数で行動を」など被害を避けるための指導や情報提供に力を入れる。「山仕事をする人がいなくなり、田畑の荒廃も進むなど生息環境が昔とは全く変わり、危険なクマが増えている」と警告するあきた森づくり活動サポートセンター所長の菅原徳蔵さん(64)に、いま日本のクマに何が起きているかを聞いた。
(ジビエ料理人気のワケ)
狩猟捕獲された野生鳥獣の食肉・ジビエを扱う飲食店の数が2年で3倍以上増えています。東京・渋谷に去年オープンしたジビエ専門店ではアナグマの肉を使ったすき焼きが食べられます。取り扱う店がなかなかないアナグマの料理は人気を集め、売り上げは去年より3割増えました。他店のとの差別化を狙いジビエの取り扱いを始めましたが、牛や豚に比べ、個体差が大きくにおいや色味をひとつひとつ確認して調理の行程に反映しています。日々安定した在庫を確保できるかという不安が残る中、大分県に今年4月ジビエ専門の加工センターが日本で初めてオープンしました。冷凍庫の中にはジビエが常時5トン保管されていて、最長1年間保管できます。この時期はカラスがよく入荷し、飲食店でも人気を集めています。ジビエは残弾など異常な金属が入っていないか、金属探知機を使ったチェックや専門機関で菌が繁殖していないかの検査も行っています。
(大苗で食害防げ:大分)
大分森林管理署(大分市)は通常の苗よりも大きく育てたスギの苗木(大苗)を植えることで、シカの食害を防ぐ手法の実用化に取り組んでいる。実験では食害防止効果や、林業者にとって重い負担となる下草刈りをする必要もないという利点を確認。林業の省力・低コスト化、林業者の所得増などが期待できるとしてさらに検証を進める。大苗は通常サイズの苗(40~70センチ)より長期間育て、160センチ程度になったもの。シカが首を伸ばして届く高さの上限約150センチより高いため、葉を全て食べられることがないという。同署と国立研究開発法人森林総合研究所が連携し、2013年に佐伯市宇目南田原で実験を開始。国有林0・5ヘクタールに、シカの侵入を防ぐ防護ネットを張らずに500本を植え付けた。今年5月までに食害で枯死したのは約9%、その他の理由で枯れたのは約7%だった。以前、同じ場所に同様に植えた通常サイズの苗は約8割が食害で枯死した。雑草から成長を阻害されないよう夏に1、2回する下草刈りも、大苗は十分成長しているため実施する必要がなかった。費用面では、大苗の値段は1本630円で通常の苗(80~150円)より高い半面、防護ネット(1ヘクタールで約70万円)の購入費や下草刈りの人件費などがかからなかった。スギが育つまで従来経費の6割程度に抑えられるという試算が出た。作業性では、1本約1キロの大苗は普通の苗より重たいため運搬や植え付け作業の負担が増え、搬送路が整備された植林地を選ぶ必要もある。県森林整備室は大苗方式を評価しつつ「大苗から育った木材の質がどうかも注目したい」とする。大分森林管理署は今後も効果や課題の検証を続け、食害防止効果が高い苗の樹高や幹の太さも調べる。川畑宏二署長は「大苗方式が成功すれば林業の省力化やコスト削減につなげられる。手法を確立することで、林業者の収入を増やし山に若者を呼び込み活性化したい」としている。
(現役猟師が開店、こだわりのジビエ居酒屋人気じわり:岡山)
現役の猟師によるジビエ(狩猟肉)が看板の居酒屋「串やき 長さん」が岡山県倉敷市寿町に登場、珍しさも手伝い、新たなジビエファンを増やしつつある。オーナーは電気設備業の渡辺宗雄さん(66)で、猟歴は30年を超える。知人ら約15人のグループで猟を行っており、年間でイノシシを50~100頭捕獲している。ここ数年、県内で洋食を中心にジビエの取扱店が増加しているが、処理施設が少ないことなどでコストがかさみ、やや高価な印象が強い。渡辺さんは狩猟者として「産地直送」が可能な立場を生かし、今春、JR倉敷駅近くで居酒屋のジビエ店を開店した。イノシシ肉の串焼きは1本250円。獣肉ならではのしっかりした歯応えはあるが、多くの人が「においも気にならず、さほど硬くない」と感想を述べる。自らが精肉し、軟らかく食べやすい部位を取りそろえているからという。メニューはほかに、焼きそばやソーセージ、鍋(500~1250円)といったシシ肉料理や、シカ肉のたたき(900円)などで、冬季にはカモ料理も予定している。焼き鳥をはじめとした通常の居酒屋メニューもある。同県鳥獣害対策室によると、県内の狩猟免許登録件数は昨年度約5500件で、ピーク時の約35年前から2分の1となった。害獣被害が目立つ一方、猟師の数は減少している。渡辺さんは「ジビエに対しては、まだ食べず嫌いの人も多いので、当店で手軽にお試しを。そうして全般的に需要が高まれば猟師の減少に歯止めもかかり、里山の保全にもつながる」と話している。
(鹿肉いけるネ!女子大生が就業体験:長野)
伊那市新山地区でインターンシップ(就業体験)を行っている跡見学園女子大学(東京都)の学生5人が2日、上伊那農業高校(南箕輪村)で鹿肉ギョーザの調理体験を行った。学生たちは観光デザイン学科で学んでおり、鹿肉の観光活用を探るねらい。上農生との交流も楽しんだ。インターンシップは県が進める「集落“再燃”モデル地区支援事業」の一環。8月30日から5日までの日程で同地区に滞在し、移住定住、観光開発などを探りながら炭焼きなどさまざまな体験を行っている。上農高では畜産班の生徒が新山地区で有害鳥獣として駆除された鹿を活用しようと、鹿肉のメニュー開発を行っており、シカ肉ギョーザは一般市民を対象に行った料理講座でも好評だったメニューという。大学生たちは鹿のヒレ肉をひき肉にし、ギョーザの皮から手作り。鹿肉は脂分が少ないため豚の背油を加え、みじん切りにしたキャベツ、ニラなどと合わせて焼きギョーザにした。試食した跡見女子大2年の中野沙耶さん(20)=塩尻市出身=は「実家も農家なので鹿による食害も知っていて、一石二鳥だと思う。上手に処理された鹿肉は臭みもなく、美味しかった。観光食材としての可能性は大きいと思う」と話していた。大学生たちは3日に地域住民たちへの報告を計画。インターンシップでの成果を発表し、手作りしたシカ肉ギョーザも振る舞う予定だ。

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(クマに襲われ、81歳男性軽傷:長野)
30日午後6時ごろ、松本市奈川の山道で、近くに住む男性(81)がツキノワグマ1頭に遭遇し、顔や頭をかまれた。男性は市内の病院に運ばれた。全治2週間の軽傷という。
(クマに襲われ、73歳の男性がけが:秋田)
31日朝、鹿角市のリンゴ畑で73歳の男性がクマに襲われケガをしました。男性は台風によるリンゴへの被害を確認しようと畑に出かけ、クマに襲われたということです。けがをしたのは、鹿角市花輪字中屋布に住む73歳の男性です。鹿角警察署の調べによりますと、男性は午前7時半ごろ所有する鹿角市花輪字宮ノ平のリンゴ畑で背後から体長1メートルのクマに襲われました。男性は額にけがをして自力で病院に行き、治療を受けていて病院から警察に通報がありました。男性は台風によるリンゴ被害を確認するため、畑に行ったもので襲われるまでクマに気づかなかったということです。クマは男性を襲った後、立ち去っていて警察が周辺住民に警戒を呼びかけています。
(伊勢原射撃場で場内排水の基準値の超過:神奈川)
神奈川県立伊勢原射撃場では、敷地境界の排水溝(最終排水溝)及び井戸から月2回、場内2箇所の井戸から月1回、定期的に水質検査を実施しております。今回、同射撃場指定管理者(一般社団法人神奈川県射撃協会)から、そのうち1箇所(最終排水溝)について、神奈川県生活環境の保全等に関する条例に基づく基準値を超える鉛(基準値の1.5倍)が確認されたとの報告があった。今回基準値を超える鉛が確認された最終排水溝及びその周辺において、排水及び地下水を採水し分析を実施する。
(「錯誤捕獲」の熊、県内で対処に苦慮:長野)
県内でイノシシや鹿を捕らえるために人里近くに仕掛けたくくりわなやおりに誤って熊がかかる「錯誤捕獲」が4~7月に157件に上り、昨年同期の133件を上回ったことが30日、県のまとめで分かった。今年は熊の目撃情報も多く、人里近くへの熊の出没が増えている影響とみられる。ただ、鳥獣保護管理法により、錯誤捕獲した場合は原則、放獣しなければならない。捕獲歴を記したタグを耳に付けて放した熊が畑を荒らしたり、繰り返し捕まったりする例も出ており、農作物被害に遭っている農家や猟友会には悩ましい状況だ。県の地方事務所ごとの錯誤捕獲数は、佐久33件、上伊那32件、木曽28件、松本19件、下伊那18件、上小14件など。今月22日、東御市和(かのう)のリンゴ畑近くで熊捕獲用のおりに体重45キロほどの雄の熊がかかった。7月に市内の別の場所で錯誤捕獲され、耳にタグを付けて放された熊で、その場で射殺された。一方、同日、リンゴ畑の近くに仕掛けたイノシシ捕獲用のくくりわなに体重70キロ超の雌の熊がかかった。これは錯誤捕獲のため、麻酔で眠らせ、山中に運んで放した。リンゴ畑を営む荻原勝夫さん(64)は「昨年も熊にリンゴをやられた。繰り返し被害に遭っている立場とすれば、捕まえた熊は放さないでほしい」と願った。また、6月下旬、上田市東内のくくりわなに体重105キロの雄の熊がかかった。錯誤捕獲で、県職員や猟友会員が近づくと、わなを引きちぎって突進してきたため、猟友会員が緊急射殺した。現場にいた県上小地方事務所林務課の開藤伸明・鳥獣対策専門員は「今年見た中で最も大きな個体で力が強そうだった。わなを引きちぎられたのは初めてで驚いた」と振り返る。上伊那地方事務所林務課は「管内でもイノシシ用のおりや鹿のくくりわなによく熊がかかっている」と話す。県鳥獣対策・ジビエ振興室によると、2014年度の熊による農林業被害額は1億3200万円余、15年は9800万円余に上った。今年4〜6月の県内での熊の目撃件数は570件。06年度に統計を取り始めて以来、最多となっており、各地で農作物の被害も出ている。上小猟友会の男性は「桃やプルーンも狙われる。繰り返し被害を与える熊は殺処分した方がいい」と話す。しかし、同振興室は「法律で決まっている以上、錯誤捕獲の熊を殺処分はできない」とする。北佐久郡軽井沢町などで熊の生態を調査しているNPO法人ピッキオのチームリーダーの玉谷宏夫さん(43)は「鹿用のわなが増えたのに伴い、熊の錯誤捕獲も増えているのではないか」と推測。「熊は縄張りを持たず移動範囲が広い。長期的に熊の行動を追う基礎調査をして対策を練ることが必要だ」としている。
(シカと列車接触、けが人なし:北海道)
30日午後11時20分ごろ、札幌市西区のJR函館線琴似駅構内で、手稲発札幌行き回送列車がシカと接触し、停車した。けが人はなかった。列車に異常がないことを確認し、約1時間後に運転を再開した。この影響で札幌発千歳行きなどの普通列車3本が運休し、約1050人に影響が出た。現場は琴似駅から約300メートル離れた琴似発寒川の近くで、周辺には住宅地が広がる。JR北海道の広報担当者は「駅構内での列車とシカの接触事故は珍しい」と話している。
(クマの目撃情報:長野)
8月31日(水)午後4時30分頃、西町区大坊の中央自動車道下の段丘林付近で、子グマの目撃情報がありました。付近を移動される際は十分注意してください。
(離島でイノシシ被害深刻:佐賀)
佐賀県唐津市の馬渡まだら島でイノシシによる被害が深刻化している。農作物被害に加え、家畜を食べたとみられる事例も発生し、島民らは「人に危害を加えかねない」と警戒を強めている。イノシシが人にけがをさせるケースは各地で発生しており、市は秋以降、離島での対策を強化する方針だ。「まさか、生きたヤギが襲われるとは思ってもみなかった」。島北部に住む区長の男性(69)は振り返る。昨年12月、家畜のヤギの鳴き声がしないことを不審に思い、家の裏手に回ると、4匹のうち一番大きなヤギ(体長約1メートル)が腹を食いちぎられて死んでいた。周辺の足跡からイノシシによるものとみられ、男性は「死骸を食べると聞いたことはあったが……。人が襲われないか、心配だ」と話す。島の馬渡小(15人)は、ヤギが襲われて半年以上たった今も、校舎の玄関口に「イノシシ出没注意」の紙を貼り出している。江川俊之校長は「児童には、できるだけ集団登下校するよう促している」と語る。本土から約8キロ離れた島は周囲12・5キロで人口約400人。以前は、野生のヤギによる農作物への被害が多かったが、10年ほど前からイノシシによる被害が増え始めたという。元々生息していなかったが、島外から海を泳いで渡ってきたとみられる。農作物の食害以外に、地中の虫を食べるために路肩の斜面を掘り起こし、その土砂が道路に散乱し、車両が通行できないこともある。唐津市の他の六つの島でも被害が出ていることを受け、市は9月以降、各島に農地などを囲う防護柵(計約4キロ・メートル分)を設置する予定だ。駆除したイノシシを埋める穴を掘る重機も配備する計画だが、離島には狩猟免許を持つ人が少なく、駆除が進んでいない。市は「抜本的な解決策はない」と頭を抱えている。市では昨秋、市街地にイノシシが出没し、50歳代男性が足をかまれるなどの被害が出たが、同様の被害は全国各地で相次いでいる。熊本県山鹿市で今年7月に男性2人が牙で突かれて重傷を負ったほか、昨年10月には愛媛県新居浜市で集団登校する小学生の列に突っ込み、3人が軽いけがをした。イノシシの生態に詳しい中央農業総合研究センター(茨城県)の仲谷淳・専門員は「オーストラリアではイノシシが家畜の羊を食べたとの報告が複数ある。馬渡島のケースも、野生のヤギの死骸を食べて味を覚えた可能性がある」と指摘。「身を守るために、人を襲うこともあるので、遭遇したら、近づかないでほしい」と注意を呼びかけている。
(クマ目撃が高水準、餌不作で人里に下りる可能性:栃木)
東北地方で人がツキノワグマに襲われる被害が続く中、県内でもクマの目撃が相次いでいる。県によると、7月末現在の目撃件数は今年61件となり、2015年の37件から急増。さらに今秋は餌となるドングリなどの堅果類が不作の見込みで、人里への出没が増える可能性が指摘され、攻撃性が高い子連れグマも目立つ。紅葉やキノコ狩りで入山者が増える季節を控え、県は「クマが住む領域に入るという意識を持ち、備えを万全にしてほしい」と呼び掛けている。県によると14年は7月末現在の目撃件数が84件に上ったが、今年の61件も高水準という。農作物被害を受けて有害捕獲された数は今年23頭で、15年の10頭、14年の20頭を上回っている。日光市でクマの研究を行う東京農業大の山崎晃司(やまざきこうじ)教授は「クマの分布域は年々拡大し、餌の不作などをきっかけに人の生活空間に飛び出す状況になった」と指摘。2000年代に入ると、国内では04年、06年、10年、12年、14年とほぼ隔年でクマが大量に出没するようになったという。今秋は周期的に、堅果類が不作になる見通しだ。県などによると、親子連れの出没が多いことについて、昨秋、東北地方同様に本県も堅果類が豊富だったため母グマの栄養状態がよく、春先までの出産率が上がったとの見方がある。
(初の狩猟免許講座:徳島)
石井町石井の県立農業大学校で、「狩猟免許講座」が開かれた。農作物の鳥獣害が深刻化しているにもかかわらず狩猟者が減っているため、若いハンターを育てようと県が初めて企画した。本年度にわなや銃の免許取得を目指す1、2年生8人と教員2人が参加。県猟友会員から狩猟可能鳥獣の種類やその見分け方、狩りのルールについて講義を受けた。わなや銃を実際に触り、使用するワイヤの太さが4ミリ以上でなければいけないことなどを確認した。講座に先立ち、全生徒59人に向けた狩猟の基礎講座もあった。わな猟の免許を目指す尾方克迅(かつとし)さん(21)=1年=は「専門知識が深まった。免許を取って鳥獣害対策に貢献できれば」と話した。県によると、県の狩猟者登録はピーク時の1978年には6577人だったが、15年には2396人に減少している。7割が60歳以上で、若者の多い農大で免許取得を奨励することにした。
(自然観察会と講演会「シカとの共存」テーマに:神奈川)
箱根・仙石原で9月4日、自然フィールド観察会と講演会が開催される。星槎大学が展開しているイベント「セイサみらいサロンⅢ・はこね・おだわら自然資本なりわい経営塾」の一環。当日は、「ブリの森づくりプロジェクト」会長で「小田原山盛の会」メンバーの川島範子さんが案内人として参加。「シカと共存しながら水源林・魚付林を保全することは可能か」をテーマに、仙石原の現場に出向く。箱根の山々を調査し定期的な観察をしている川島さんをはじめ、講師に元東京農工大森林生物保全学研究室・元丹沢大山学術調査副団長の古林賢恒さんを招き、林の専門家からの助言と知見を学ぶ。鳥獣保護区に指定されている仙石原はシカの天国になりつつあり、天然記念物の湿原植物群落も柵で保護しなければならない状態。箱根の現実を目で見て、体で感じて将来を考える自然観察会を目指す。当日は、星槎大学箱根キャンパスに集合し車に分乗し出発(13時30分)。台ヶ岳のブナ巨木見学し、温泉供給歩道周辺散策して箱根キャンパスに戻り、キャンパス内で森林の見方、人工林の見方、土壌、草原はパイオニア植物、シカのえさ場などを学ぶ。川島さんは「女性のきこりになった気持ちで箱根の山を観察し調査してきた。箱根の森は財産。今回の観察会が箱根の森を守り続ける活動を加速してもらえれば」と期待を寄せる。
(ジビエ料理で地域おこし:三重)
津市中心部から車で約1時間半の山あいに位置する津市美杉町太郎生(たろう)地区。日本三百名山に数えられる倶留尊山(くろそやま)の豊かな自然が自慢だが、過疎・高齢化が進んでいる。ここに人を呼び込もうと、津市小舟の建設会社「M・A」の山崎倫敬(みちひろ)代表(47)は今年3月、レストランを備えた観光交流施設「ようこそ」をオープンさせた。同地区には山崎さんの妻の実家がある。「畑を荒らすシカを捕まえても、殺して埋めるだけ。生き物への思いやりに欠ける気がする」。法事の際に猟師をしている親類がこう漏らしたことが、施設開設のきっかけだ。野生獣の肉を使う「ジビエ料理」と、かねて関心があった地域おこしを絡められないかと考えた。美杉町を走るJR名松(めいしょう)線は台風被害で6年半も一部運休していたが、今年3月から全線復旧することに。山崎さんは観光客の増加を見込み、会社の一部門として食事も楽しめる施設を開くことを決断。約700万円を投じ、空き家だった化粧品店を買い取り、約2カ月かけて改装した。レストランは土、日曜に営業し、シカ肉を使ったカレーや地元産の野菜料理を提供している。店長として調理場に立つのは、同地区で40年以上暮らす広口容子さん(70)。「仕事が元気の源」と話す広口さんはわら細工の工房を営んでおり、新施設でもわら細工の体験教室を開き、交流の輪を広げている。施設は木曜日にカフェとして開店している。さらに営業日を増やそうと、週に1日ほどの頻度で、調理室を使って店を開く人を募集中。山崎さんは「都会の人に太郎生を知ってほしい。ちょっとした小旅行気分が味わえますよ」と話している。
(駆除イノシシ肉活用を:岡山)
吉備中央町と県備前県民局が、農作物への被害防止を目的に駆除されたイノシシの活用を目指している。イノシシ肉を使った新たな料理を考案し、地元の名物にしたい考えだ。県によると、県内のイノシシによる農作物などへの被害額は2015年度で約1億2800万円に上る。14年度は約2万2000頭を駆除したが、駆除したイノシシは有効活用されていないという。そこで、同県民局と町は、イノシシ肉を地域資源として活用しようと模索。8月23日には、同町豊野の町農業振興センターで料理を開発・試食するためのイベントを開いた。イベントでは、町内の若手商工業者らのグループ「しんまちあきんど」のメンバーが考案した、イノシシ肉のミンチと玉ねぎをメインにした「猪だんご」やイノシシ肉を使ったやきそばなどを試作。岡山市内の料理店関係者らが食べて評価した。同県民局の黒田忠明・農畜産物生産課長は「イノシシを使った料理を町に根付かせ、地域を活性化したい」と意欲を語った。同町の山本雅則町長は「バリエーションが多くて驚いた。おいしく食べることができる」と話し、地域資源化に期待を寄せた。
(ネットにつながる「IoTイノシシ罠」:福岡)
イノシシが罠にかかるとスマートフォンに通知してくれる――。これはどこかの狩猟具メーカーが発売した新製品ではない。福岡県に住む個人・moyaidcfさんが、超小型コンピュータのRaspberry Piと格安SIM、クラウドを使って自分で開発した、自分のためのIoT(Internet of Things)ハードウェア。

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