<射撃ニュース9月>

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(クマに襲われ80代の男性が軽傷:宮城)
宮城県栗原市の山林で、1人で草刈りをしていた80代の男性がクマに襲われ、頭や背中などに軽いけがをし、警察が周辺をパトロールして注意を呼びかけています。25日午後4時ごろ、栗原市栗駒稲屋敷の山林で、近くに住む83歳の男性が1人で鎌を使って草刈りをしていたところ、後ろからクマに襲われました。栗原市によりますと、男性は頭や背中などをひっかかれて軽いけがをし、病院で手当てを受けましたが、命に別状はないということです。宮城県にはツキノワグマが生息し、県のまとめでは、出没件数はことし4月以降、今月20日までで、去年の同じ時期のおよそ2.5倍にあたる1144件に上り、けが人が出たのは初めてです。警察はクマがまだ現場近くにいる可能性があるとして、周辺をパトロールして注意を呼びかけています。県によりますと、クマによる被害を防ぐためには、山林などで複数で行動することや、クマに出会った場合は目をそらさないようにしながら静かに後ろに下がって、その場から離れることが大切だということです。
(クマに遭遇し男性が軽いけが:長野)
26日午前10時前、下伊那郡阿南町和合の山林で、近くに住む男性(80)が自宅の水源の清掃作業をしていたところ、クマ1頭と遭遇し、顔をかまれるなどした。男性は顔や腕に軽いけがをしたという。
(高速道で乗用車がクマと衝突:宮城)
29日午前9時40分ごろ、宮城県川崎町今宿の山形自動車道上り線で、山形県酒田市の男性会社員(31)の乗用車がクマ(体長約1.3メートル)と衝突した。県警高速隊によると、男性は道路上にクマがいるのに気付いてハンドルを切ったが、衝突し、車両前部が破損した。男性と同乗していた家族3人にけがはなく、クマはそのまま立ち去った。県内では大郷町東成田でも午後4時45分ごろ、仙台市太白区茂庭人来田西と大崎市古川北宮沢でも同5時半ごろ、それぞれクマ1頭が目撃された。
(野生動物襲撃被害に全国初の見舞金:埼玉)
神川町は住民が野生動物などに襲われて負傷した場合、傷害見舞金を贈る制度を10月からスタートする。同様の制度は市町村では全国初とみられるという。町防災環境課によると、同町内では2月13日、民家の庭や路上で3人がイノシシに襲われ、腕や足をかまれるなど軽傷を負った。野生動物は近年増加し、同町内では有害鳥獣駆除で平成26年度に9匹(うちイノシシ5匹)、27年度に45匹(同15匹)が捕獲。今年も9月1日現在、21匹(同10匹)が捕獲されている。傷害見舞金の対象になる動物は野生のクマやシカ、イノシシ、サルなどの危険な生物で、飼い犬などは対象にならない。支給対象は町内在住・在勤者と家族。金額は死亡2万円、1カ月以上の負傷1万円。同課は「被害者の経済的、精神的安定を図り、少しでも力になりたい。有害鳥獣の駆除も合わせて行っていく」と話している。
(クマ対策、市町村財政へ影響じわり:秋田)
秋田県内各地でクマの出没が続く中、有害鳥獣対策に充てる予算を増額する自治体が相次いでいる。駆除のためのおりが足りなくなって新たに購入したり、猟友会の出動回数が増え、報酬を追加したりしているためだ。有害鳥獣対策には国の交付金を使うこともできるが、新たに協議会を設置する必要があることなどから、県内では活用が広がっていない。「既存のおりはフル回転状態だった。今年は異例だ」。8月におり2基を購入した仙北市の担当者はこう語る。同市では春以降、クマの出没が続いた。農地や集落近くに出没するケースが目立ち、けが人も出た。おり設置の要請も数多く寄せられ、既存のおり11基では対応しきれず、緊急性が高いとして予備費で購入した。おりは出入り口の高さと幅が各0・8メートル、奥行き1・9メートルの鉄製。餌を仕掛けてクマをおびき寄せ、中に閉じ込める仕組みだ。8月末までに駆除したクマは23頭で、昨年1年間の11頭から倍増。猟友会の出動も増え、会員への報酬が当初の見積額では足りなくなった。市は追加分などを盛り込んだ補正予算案を9月定例議会に提出している。
(有害鳥獣ハンター求む:兵庫)
農作物を食い荒らすシカやイノシシなどの有害鳥獣を駆除するハンターに関心をもってもらおうと、神戸市は10月7日、甲南大学岡本キャンパス(同市東灘区)で「ハンターセミナー」を開催することになり、参加者を募集している。市によると、市内の住宅街で住民が野生のイノシシに襲われる被害が今年4~9月で計9件発生し、市が県猟友会に駆除を依頼している。市内の同会捕獲班員は167人(4月時点)いるが、高齢化と後継者不足が課題になっているといい、将来のハンター育成につなげるため市が初めてセミナーを開く。セミナーでは県猟友会理事の山下勝さんが現場の体験談を語るほか、奈良女子大学の学生らが結成した「ハンティングサークル」の部長、竹村優希さんが女性目線で狩猟の魅力をアピールする。
(「クマを見た」、実は黒犬:兵庫)
兵庫県の播磨地域で今月、民家から逃げ出した黒い犬をクマと見間違い、警察へ通報するケースが相次いだ。25日午前6時50分頃、高砂市北浜町北脇の住宅街で、近くの男性(68)が「クマを見た」と高砂署に通報した。同署員と地元猟友会員ら約20人が周辺を捜索したところ、約2時間30分後、目撃現場近くで黒い中型犬(体長約60センチ)を見つけ、保護した。捜索中、住民から「飼い犬が逃げた」と連絡があり、犬は飼い主に引き渡された。同署は、男性がクマと犬を見間違えたとみている。今月8日早朝にも姫路市八代宮前町で、通りかかった男性が同様の目撃情報を姫路署に伝えたが、捜索の結果、近くの民家から逃げ出した黒い大型犬(同約1メートル)だった。
(ドングリ類今秋は「並作下」:兵庫)
兵庫県森林動物研究センターは、ツキノワグマが餌とするドングリ類の豊凶調査の結果をまとめた。今秋は県内全域で6段階中上から4番目となる「並作下」。但馬地域は、特にクマ生息頭数、人里近くでの出没・目撃情報が増加傾向にある。県は冬眠前のクマが餌を探して出没する可能性が高くなるとみて、住民へ注意喚起や遭遇の未然予防を促している。同センターによると今年、クマの食料となる山の実り具合はブナが凶作、コナラが並作下、ミズナラが大凶作で、3種全体では並作下だった。今年8月末までに報告された県内全域のクマの目撃・痕跡の報告件数は290件(前年同期287件)。このうち北但馬は4割以上の126件(豊岡市85件、香美町28件、新温泉町13件)を占め、南但馬は66件だった。県内では、生息個体数が100頭を切ったとして1996年に狩猟を禁止した。約20年の保護政策で2015年度末、「狩猟禁止の解除」に該当する800頭を超え、940頭(前年度798頭)になったと推定。今年11月をめどに、条件付きで猟銃による狩猟を解禁する見込み。但馬地域では、クマの繁殖期の夏場にも目撃情報が相次いだ。近年の出没場所は山間部のほか、人里や幹線道路など人と遭遇しやすい場所の徘徊(はいかい)増加が目立つ。同センターは冬眠前の飽食期(9~11月)は、果樹園や庭先の果実を荒らす事例が増えると予想。対策として、柿やクリなどの早期収穫▽不要な果樹の伐採▽生ごみや空き缶を屋外に置かない▽電気柵の設置-などを挙げる。ハイキングなどで入山機会が増える秋は、遭遇リスクが高まると警鐘も鳴らしており、遭遇予防の手段として、夕方や早朝は入山しない▽ラジオや鈴を携帯▽複数人で行動▽香水など人工的な臭いを放つ-をポイントとしている。同センター森林動物専門員の広瀬泰徳さん(47)は「人里でおいしい餌があることを覚えたクマがいる可能性もある。ほとんどのクマが冬眠に入る12月中旬ごろまでは、警戒してほしい。目撃したり痕跡を見つけた場合は、対策を講じるため役場か警察に連絡を」と呼び掛ける。
(クマ、里山出没多い可能性:長野)
県は、この秋のツキノワグマの出没状況について「里山での活動が多くなる可能性がある」との予測を発表した。県鳥獣対策・ジビエ振興室は、キノコ狩りなど低い山への入山で、特に注意を呼びかけている。クマが冬眠前に餌とするドングリ類の結実状況を調査した結果、北部の豪雪地帯に多いブナは「凶作~不作」となっており、この地域では「人里への出没が増える」と判断。全県でも、ミズナラは標高が高いところで実りが悪く「クマが里山に下りる可能性がある」とみている。ただ、コナラやクリは平年並みが予想され「クマが大量出没する可能性は低い」とした。同室は「あくまでも予測で、県内の森林はどこにでもクマがいる。森林では複数で行動し、鈴や笛を身に着けてほしい」としている。
(クマ被害防止へ広報紙:山形)
クマの目撃が県内最多の新庄署管内(新庄市、最上郡)のすべての交番と駐在所が、クマへの注意を特集した広報紙を作った。秋になり、キノコやクリ拾いなどで山に行く機会が増えたり、餌を求めてクマの動きが活発になったりすることから、身近な存在の「おまわりさん」が地域の実情に合わせて広報紙を手作りし、注意を呼びかけている。同署によると、交番や駐在所を挙げてクマへの注意に特化した広報紙を作るのは、県内では同署が初めて。県警や新庄署によると、県内におけるクマの出没・目撃件数は655件(26日時点)。うち同署管内は111件と県内の警察署で最多で、昨年1年間(25件)の4倍以上となっている。18日には最上町でキノコ採りをしていた男性がクマに襲われ、重傷を負う事故も起きている。新庄署では、各交番や駐在所が月に1回、広報紙を作り、特殊詐欺や交通事故への注意、署の取り組みなどを住民に知らせている。回覧板と一緒に回したり、地域の集会で配布したりと、目にする機会も多いことから、「クマ被害を未然に防ぐ有効なツールになる」として、交番や駐在所を挙げてクマ特集の広報紙を作ることにした。16の駐在所と、駅前交番の三つのチームが8月中旬、一斉に作製を開始。〈1〉一目で分かりやすい〈2〉内容が端的――の二つをポイントに、計19点の広報紙が完成した。各広報紙には、今年のクマの目撃状況や、「山に入るときは音の鳴るものを持つ」など遭遇しないための注意点、万が一出会ってしまった場合の対処法などが掲載されている。各交番・駐在所で独自の工夫も凝らしており、管内に田畑が多い大堀駐在所(最上町)は「草刈り機に使うガソリンのにおいもクマをひきよせる」と注意喚起。及位駐在所(真室川町)は「早朝や夕方ごろ活発に動くぜ!」とクマ目線で注意を促し、最上町駐在所は、クマの目撃日時と被害状況を地図に落とし込み、クマに出くわす可能性がある場所を示した。広報紙のコンクールも行われ、秋らしい配色とクマのイラストで対策を端的に呼びかけた真室川町の釜淵駐在所が金賞に選ばれた。作製した広報紙は回覧板や巡回連絡時に配布する。また、19点の広報紙全てを10月まで署内に掲示しており、自由に見ることができる。江口隆三署長は「これからクマの活動は活発化する。広報紙を読んでクマの被害に遭わないよう気をつけてほしい」と訴えている。
(クマ出没、全市町に注意:栃木)
餌であるドングリなどが凶作や不作のため、晩秋までクマが出没する可能性が高いとして、県自然環境課は26日までに県内全市町に文書を通達し、注意喚起を促している。
(シカ捕獲「前年度並み」:神奈川)
県はこのほど、2016年度のニホンジカ管理事業実施計画を策定した。丹沢山地を中心とした管理捕獲の目標値は前年度と同レベルとし、近年生息数が増加して食害が懸念される相模原市緑区、箱根山地など周辺の分布拡大防止区域でも引き続き高く設定した。現行の第3次保護管理計画(12~16年度)の最終年度を迎え、丹沢の生息数を約4300頭と推定した。計画によると、16年度の管理捕獲の目標値は1595頭に設定。内訳は「自然植生回復のため」が525頭、「農作物被害軽減」などが1070頭。こうした保護管理区域での対象とは別に、分布拡大防止区域では前年度から大幅に引き上げた捕獲水準を維持、270頭とした。15年度の実績は、保護管理区域で目標の1855頭に対して1432頭。内訳は、丹沢の中央部や高標高域で専門のワイルドライフレンジャーらによる自然植生回復分が601頭(目標515頭)、被害軽減分が831頭(同1340頭)。また、分布拡大防止区域において、市町村が主体となって捕獲したのが111頭(同255頭)。目標値を引き上げたが、生息密度が比較的低く、効率的な捕獲が難しいなどで達成率は約4割にとどまった。一方、シカによる農作物被害はやや悪化。15年度のの被害面積は約21ヘクタールで野菜を中心に約104トンに及び、被害額は過去5年間で最多の約2600万円になった。同実施計画は保護管理計画に基づいて毎年度策定される。現行の第3次では5500頭を基数に「初期に特に強い捕獲圧をかける」として高い目標値で推移してきた。今回は、現行計画を検証、次期計画策定に生かすため、これまでの捕獲実績を踏まえて生息状況を改めて推定した。保護管理区域では4289頭で、この10年間で自然植生回復エリアを中心に減少。分布拡大防止区域は北部で365頭、南部で518頭で、いずれも増加傾向にあるとした。
(野生鳥獣被害6億2277万円、前年度比11%減:宮崎)
県は、県内で昨年度に発生した野生鳥獣による農林作物などへの被害をまとめた。被害額は6億2277万円で、前年度と比べ11%減少した。県は防護柵整備などの効果が出たとみており、今後も対策に力を入れる。鳥獣の種別では、シカによる被害が2億7806万円(前年度比5%減)で最多。次いでイノシシ2億1252万円(同21%減)、サル6678万円(同5%減)となった。作物別では、水稲が1億3722万円(同7%減)と最も被害を受け、野菜1億1502万円(同25%減)▽飼料作物1億938万円(同25%減)▽果樹1億679万円(同23%減)−−などと続いた。スギなどの人工林は9494万円(同104%増)と倍増、造林面積の増加に伴いシカによる若木の食害が増えたとしている。県は、今後防護柵や電気柵のさらなる整備、狩猟者の確保・育成などに取り組むとしている。
(住宅街でサルの目撃情報相次ぐ:大分)
大分市の王子新町などで27日、サルの目撃情報が相次いで市に寄せられた。危害を加えられた人はいない。市は現場周辺のパトロールを行なうとともに周辺の小学校や中学校などに注意を呼びかけている。
(サルの目撃情報:長野)
9月27日(火)午前9時頃、前原区前原いきいき交流施設付近でサルの目撃情報がありました。付近を移動される際は十分注意してください。
(シカ解体実習、猟師を講師に:京都)
京丹後市の府立峰山高弥栄分校で27日、シカの解体実習があった。深刻化する鳥獣害被害の実態を学習する一環で、プロの猟師から刃物の使い方などを基本から学んだ。6月の講義に続くもので、農園芸科3年生13人が参加した。府猟友会竹野郡支部猟友会の三浦良則会長(68)が講師となった。シカは約40キロの雌で、今月26日に同市峰山町内で捕獲された。三浦さんは鳥獣保護管理法が改正され、狩猟免許(わな・網)の取得が18歳から可能となったことを紹介し、「できるだけ免許を取り、農に害を与えるものを退治してほしい」と呼び掛けた。さらに、銃刀法の関係で刃物の移動には細心の注意が必要だと強調した。解体はナイフで皮をはぐ作業から開始した。三浦さんは「ナイフの先端を使って皮をはぐこつ」を伝授していた。さらに、ナイフは非常に危険であることを強調し、「ナイフは必ず切ったら止めること。流して使ってはいけない」と注意していた。生徒たちは真剣な表情で解体に取り組んだ。「いただいた命」はステーキなどにして食べるという。
(イノシシ駆除めぐって近隣農家とトラブルも:静岡)
殺人容疑などで逮捕された川崎竜弥容疑者は、出町優人さんの切断遺体が発見された浜名湖にほど近い浜松市北区のミカン農家で4人きょうだいの長男として育った。2年前には宅地建物取引主任者(現在の宅地建物取引士)試験に合格。さらなる資格取得に意欲を示す一方、地域ではイノシシの駆除活動をめぐってトラブルになるなど、粗暴な一面もみせていた。川崎容疑者を知る複数の近隣住民によると、幼少期の川崎容疑者は長男として祖母らにかわいがられ、よく「将来は仮面ライダーのようなヒーローになりたい」と話していたという。しかし、小学校高学年ごろを境に地域住民との交流も減り、進学した市内の工業高校を中退。成人後も、自治会の活動などには参加していなかった。平成26年には宅地建物取引主任者の試験を受け、フェイスブック上に合格証書の写真を投稿。「行政書士の資格も取りたい」と意気込んでいた。一方で、近年は近隣農家との間でトラブルも。川崎容疑者は地区の農家でつくるイノシシの駆除活動を行う会に父親と参加していたが、報奨金の分配などをめぐって口論になり、脱会していたという。
(害獣撃退新装置「効果あり」:宮城)
宮城県内でクマやイノシシによる被害が相次ぐ中、精密部品加工の小野精工(宮城県岩沼市)が開発に取り組んだ害獣撃退装置の実証試験結果がまとまり、農家などモニターの85%が効果があると回答した。同社は本年度中の発売を目指す。撃退装置は太陽光パネルと蓄電池でレーザーを発生させ、昼は緑、夜間は赤のレーザー光を照射して害獣を追い払う。電源がない山間部でも利用が可能。価格は未定だが、45万円程度を軸に検討している。実証試験は6、7月に行った。モニター機15台のうち13台を岩沼市など県内10カ所と、平川市や山形県高畠町、南相馬市の農地などに設置。イノシシやハクビシンなどに悩まされていた11台の設置先から「効果あり」と報告があった。実証試験に先立ち、1月からモニター協力した高野りんご園(宮城県亘理町)の高野誠一さん(71)は「設置した当日からイノシシが来なくなった」と語る。アヤメ園を整備しようと350株を植えたが、ミミズを探すイノシシに荒らされていた。モニターが終わったところ、翌日から再びイノシシが出没した。小野精工の小野宏明会長は「害獣が横行する農地では作物だけでなく人間を守る必要もある。増加するクマ被害にも対応できるよう改良を重ねたい」と話す。
(学校給食にジビエ料理:長崎)
対馬市は27日、島内で有害鳥獣として捕獲されたイノシシ肉の竜田揚げを、市内3小中学校の給食メニューとして初めて提供した。農作物を荒らす有害鳥獣の肉を有効利用しようと試験的に取り組んだ。県教委は、捕獲鳥獣の肉を使ったジビエ料理を学校給食で出す取り組みは、県内では珍しいとしている。市によると、島内で昨年度に捕獲されたイノシシは約5千頭を数え、有害鳥獣による被害額は約800万円に上る。市は捕獲したイノシシの一部を市営「対馬猪(いの)鹿加工処理施設」で解体して食肉に加工し、第三セクター「観光情報館ふれあい処(どころ)つしま」で販売しているが、消費が限られているのが実情だ。この日、同市厳原町の大調小、金田小、佐須中で計121食を振る舞った。初めてイノシシ肉を口にしたという佐須中1年の女子生徒(13)は「おいしい。臭みがなくて食べやすい」とにっこり。調理を担当した栄養職員小田幸子さん(58)は、ショウガに漬け込むことで臭みを消したという。「生徒たちに評判が良くて安心した」と話していた。
(駆除のシカ皮で革製品試作:徳島)
三好市出身の映画監督蔦哲一朗さん(32)が、山林を荒らす有害鳥獣として駆除されたシカの皮を革製品の材料に活用する取り組みを始めた。廃棄されている皮を有効活用するとともに、鳥獣被害を広く知ってもらうのが狙い。吉野川市の革工芸作家の協力で財布を試作し、28日から徳島市の市立木工会館で展示を始めた。蔦さんは、三好市祖谷地方を舞台とした映画「祖谷物語-おくのひと-」制作のために2011年秋から同市の山間部を頻繁に訪れ、被害の実態を目の当たりにした。駆除されたシカ肉をジビエ(野生鳥獣肉)料理として提供する試みはあるものの、皮は廃棄されていると知り、活用方法を考えるようになった。約1年前、革工房を営む三木直人さん(41)=吉野川市川島町桑村=に製品化を依頼。三好市祖谷地方で処分されたシカ皮を使った財布4点が出来上がった。木工会館で展示されているのはベージュ色の長財布と、藍で染めた小銭入れ各1点。残り2点は知人に実際に使ってもらい、使い心地などを確認する。シカ皮は軽く、しなやかだが、汚れやすかったり傷が多かったりする欠点がある。こうした特性を踏まえて改良を加え、年内に財布やかばんを商品化する。蔦さんは「シカの革製品が、徳島の田舎で起こっている鳥獣被害の実態を全国に伝えるシンボルになればいい」と話している。展示は10月16日まで。
(ニホンザルの食害から農作物を守るドローン型ロボ:神奈川)
明光電子(横浜市港北区)は、野生動物保護管理事務所(東京都町田市)と共同でニホンザルによる農作物の食害を防ぐため、サルの群れを追い払うドローン型ロボットを開発する。サルの群れの位置を全地球測位システム(GPS)で把握し、上空から農作地に近づかないよう威嚇する。2019年3月までに実用化のめどをつけ、20年中に全国で発売する。ドローン型ロボットは時速50―70キロメートル、半径5キロメートルを30分間飛行できるようにする。麻酔銃で捕らえたメスのサルにGPS首輪を取り付け、首輪から発信される電波を受信して位置を特定。「サルは群れを作るため追尾しやすい」(十川社長)ことや鳥を嫌う習性を生かし、上空から追尾・威嚇して生息地の山まで誘導する。ドローンの試作とソフトウエア開発は特定小電力無線機器や動物用発信器などを手がけるサーキットデザイン(長野県安曇野市)が行う。威嚇用装置など搭載機器の仕様をまとめ、17年3月までに試作機を開発。将来は「サルの群れが近づくとスマートフォンに警報で知らせ、自動でドローンが飛び立つようにする」(根本敬継営業促進課長)という。今回の開発は神奈川県が早期の実用化が望まれる生活支援ロボットの開発を後押しする16年度「神奈川版オープンイノベーション」の開発プロジェクトに採択された。県の補助金1000万円を使って実用化を目指す。農林水産省の調べによると、近年は野生鳥獣による農作物被害額が全国で年間200億円程度で推移している。農家の高齢化や人手不足もあり被害防止の対策が急務となっている。
(「デジタルかかし」でシカ食害防げ:京都)
激増したシカによる苗木や樹皮の食害が深刻化していることを受け、森林や農作物を守ろうと、府森林技術センターの主任研究員、小林正秀さん(50)らが台湾で販売されている電動の動物撃退機を日本の環境に適した形に改良し、デモ機を製作した。改良前のモニター調査では効果があったといい、改良版“デジタルかかし”にも大きな期待がかかっている。林野庁によると、平成26年度の野生鳥獣による森林被害面積は、全国で約9千ヘクタール。このうち、シカの被害は全体の8割ほど。世界遺産・上賀茂神社の摂社、大田神社(京都市北区)でも、国の天然記念物のカキツバタ群落がシカの食害にあったとみられ、激減している。自身もシカ被害にあっていたという南丹市在住で林業をしながら丹波グリの研究をしている小林さんは、台湾の企業が製作・販売している電動の動物撃退機に着目。撃退機を使用しながら、ストロボの方向を調整したり、バッテリーの容量を大きくするといった改良を加えたという。撃退機は、赤外線センサーで周囲の動きを感知し、超音波とストロボで野生鳥獣を追い払うことができる仕組みで、これを100台輸入し、府内で農業や林業を営む人らに80台を配り、4月から約2カ月、モニター調査を実施した。継続使用を希望する人に販売すると66台が売れたという。改良を行う際には、使用者らの声も反映させた。今後、デザインなどを精査し、来年3月には本格的な運用を目指す。激増したシカによる苗木や樹皮の食害が深刻化していることを受け、森林や農作物を守ろうと、府森林技術センターの主任研究員、小林正秀さん(50)らが台湾で販売されている電動の動物撃退機を日本の環境に適した形に改良し、デモ機を製作した。改良前のモニター調査では効果があったといい、改良版“デジタルかかし”にも大きな期待がかかっている。林野庁によると、平成26年度の野生鳥獣による森林被害面積は、全国で約9千ヘクタール。このうち、シカの被害は全体の8割ほど。世界遺産・上賀茂神社の摂社、大田神社(京都市北区)でも、国の天然記念物のカキツバタ群落がシカの食害にあったとみられ、激減している。自身もシカ被害にあっていたという南丹市在住で林業をしながら丹波グリの研究をしている小林さんは、台湾の企業が製作・販売している電動の動物撃退機に着目。撃退機を使用しながら、ストロボの方向を調整したり、バッテリーの容量を大きくするといった改良を加えたという。撃退機は、赤外線センサーで周囲の動きを感知し、超音波とストロボで野生鳥獣を追い払うことができる仕組みで、これを100台輸入し、府内で農業や林業を営む人らに80台を配り、4月から約2カ月、モニター調査を実施した。継続使用を希望する人に販売すると66台が売れたという。改良を行う際には、使用者らの声も反映させた。今後、デザインなどを精査し、来年3月には本格的な運用を目指す。
(シカ食害から守るマット設置の参加募集:高知)
シカの食害で荒廃した山を守ろうと「三嶺の森をまもるみんなの会」(依光良三代表)と高知中部森林管理署は10月8日、高知県香美市物部町の三嶺周辺で、土砂の流出を防ぐマットの設置を行う。参加するボランティアを募集(9月30日締め切り)している。設置する場所は三嶺南方のカヤハゲ。2007年に周辺のササが全て枯れて表土がむき出しになり、「三嶺の森をまもるみんなの会」がマットや樹木を守る防鹿柵の設置を続けている。参加するには約1時間40分の山歩きが必要。体力に自信がない人は、40分ほどで登れる三嶺山系「みやびの丘」で作業をする。定員は80人。当日は午前7時20分から、物部町大栃の奥物部ふれあいプラザで開会式と班分けを行う。昼食と軍手や靴など、山歩きに必要な装備は各自で用意する。高知市、南国市、香南市、香美市の各市から無料の送迎バスを運行する。雨天の場合は1週間後に延期。

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(リオ射撃代表・石原奈央子さん)
リオ五輪射撃女子クレー・スキートに女子初の五輪代表として出場した古峯神社(鹿沼市草久)の権禰宜(ごんねぎ)、石原奈央子さん(41)。予選18位で準決勝進出はかなわなかったが、モスクワ五輪代表だった父、敬士さんが日本のボイコットで果たせなかった夢舞台にたった。「父親にちょっと認められたかな…」と変化を実感し、「オリンピックは日本をあげてやるものだと感じた。ますます頑張らなきゃいけないと思った」と振り返る。神社内にある茶屋でリオ五輪での体験や東京五輪に向けた意気込みを聞いた。約1300年の歴史を持つ古峯神社を奥に進むと緑深く、手入れのいきとどいた広大な庭園に息をのむ。近くには射撃場もある。一角にたたずむ、「峯の茶屋」で茶屋定食を頼んだ。リオ五輪お疲れさまでした。終わってみた初五輪の感想は。「技術不足という一点につきます。そういう成績でした。風の変化など一瞬の変化にまだまだ対応できませんでした。想像していたより失敗も多かった。雰囲気は今まで参戦したどの試合とも全然違いました」ワールドカップなど世界大会を経験した身でも五輪は特別だったようだ。終わった瞬間は。「応援してくれる方が今までは射撃界の人たちだけだったのに、この辺の村の方だったり、県の方だったり、全国の方から激励の言葉をいただいた。本当にごめんなさいという感じでした。レスリングの吉田沙保里さんじゃないですが、謝る気持ちが分かりました」五輪は想像以上の重圧がかかるのだろう。定食のけんちん汁の優しい味が場をそれとなく和ます。選手村の雰囲気は。「壁は穴だらけでシャワーもちゃんと出なかったり、隣の声はまる聞こえ。報道通りでした(苦笑)。ただ、日本選手団の棟に入ると、卓球の福原愛ちゃんとかと同じユニホームを着て、日本を背負って戦うという雰囲気、その一員になれたというのはすごく感銘深かった」隣の部屋は体操男子。金メダルを取った夜、部屋で1人になった選手が喜びを爆発させる様子に刺激を受けたという。そもそも射撃をはじめたきっかけは。「射撃場があるので、当然いつかやるものだろうという感じでした。本格的に始めたのは留学先から帰ってきた平成18年。父親の仲間が集まった射撃クラブにオリンピアンが4人ぐらいいたので、射撃でオリンピックに行くと思ってました」父親の敬士さんは、1968年のメキシコ五輪、80年のモスクワ五輪の代表に選ばれながら競技団体や国の事情で出場できなかった。比較されることが多かったのでは。「ずっと比較されてばっかりでした。ちょっと点数が出てくると、『お前のところは射撃場があるから当たり前』とか、そういうのばっかりでした。嫌な思いもしましたが、今はそれを受け入れています。父よりうまくなり、『お父さんがいたからうまくなれたんだね』と言ってもらえるように頑張るしかないと切り替えています」今回の五輪出場でやっと父親と「同じ目線」で話ができる気がするという。金メダルを取った選手との距離は感じたか。「金メダリストとの距離はすごくある。余分な動きが少なく撃っている姿がきれい。獲物を狙うような目がすごい。今、メダル獲得という自信はありません。まだまだ足りない部分がある。そこを克服しないと嘘つきみたいになっちゃう」メダル獲得の目標を聞き出そうとする記者の質問を笑顔でいなしながら、その目は真剣に4年先を照準に合わせていた。
(クマ3頭捕獲:山口)
周南市長穂と同市須万の山中で21日、ツキノワグマ3頭がイノシシ捕獲用の箱わなにかかっているのが相次いで見つかった。市や警察、地元関係者が協議した結果、22日までに人里から離れた山中に放獣された。県自然保護課によると、21日午前9時ごろ、周南市長穂の山中で、体長125センチ、体重52キロの雌の成獣が箱わなにかかっているのを地元猟友会の会員が発見。同日午前11時ごろ、同市須万の山中で、親子とみられる2頭が箱わなにかかっているのが見つかった。2頭は、体長127センチ、体重36キロの雌の成獣と体長90センチ、体重16キロの雄の幼獣。県内で本年度捕獲されたツキノワグマは10頭、放獣されたのは4頭になった。
(公園で「クマ」目撃:福島)
24日午後、福島市庄野のあづま総合運動公園で、散歩中の50代女性がクマを目撃したと、同公園を管理する県都市公園・緑化協会から福島署に通報があった。同署や県によると、女性がクマを目撃したのは午前11時55分ごろで、体長約1メートル。クマはサイクルスポーツ広場付近の松林から道路を横切り、畑に向かって移動したという。同協会が園内を見回ったが、クマを発見できなかった。周辺に民家があることから、同署が注意を呼び掛けた。
(電車にシカ衝突:群馬)
21日午後11時44分ごろ、渋川市上白井のJR上越線津久田-岩本間で、高崎発水上行き下り普通電車(2両編成)が走行中にシカと衝突した。このため、安全確認のため下り線の運転を一時見合わせた。JR東日本高崎支社によると、この影響で下り電車1本に43分の遅れが生じ、約40人に影響が出た。
(クマ目撃急増、ドングリ不作で人里に:栃木)
栃木県内でツキノワグマの目撃が増えている。県自然環境課によると、8月末現在の目撃は、前年同期から22件増の74件。今秋はエサとなるドングリの付きが悪く、同課は「人里に下りてくる可能性がある。晩秋まで万全の備えを」と呼びかけている。同課によると、9月に入ってもクマの目撃が5件ある。今月19日には、那須塩原市内のトウモロコシ畑に体長約1メートルのクマを自転車で通行中の男性が目撃し、那須塩原署へ通報した。今年は親子の目撃も目立っている。5月には、鹿沼市の夕日岳山頂付近で、登山中の50歳代女性が親子のクマと遭遇し、親グマに足をかまれて軽傷を負った。同課は、親グマは子を守ろうと攻撃的になるため、入山時には鈴を鳴らして人間の存在を知らせたり、残した弁当は持ち帰ったりするなどの注意が必要と指摘する。県林業センターなどが今月上旬に実施した調査では、ミズナラとコナラが、不作または凶作だった。県内4か所計192本の枝先に、平均2個未満しか実が付いていなかったという。宇都宮大学の小金沢正昭名誉教授は「実を付けるにはエネルギーが必要で、実が多かった翌年は付きが悪くなる。前年にメスの栄養状態が良く、繁殖に成功して親子連れが多いのでは」と分析する。県は登山者向けにチラシを配布しているほか、日光市や鹿沼市など、クマの目撃が多い地域の小中学校で、鳥獣管理士に委託し、クマの生態などを教える「クマレクチャー」を開催している。また、山里の住民には、収穫予定のない栗や柿は取り去り、やぶは刈るよう促している。
(クマ被害の防止専門家と考える:宮城)
秋田県鹿角市の山林で5、6月に山菜採りの男女4人がクマに襲われ死亡した事故を教訓に、クマによる被害を防ぐ方法を考える講演会が24日、宮城県川崎町山村開発センターであり、東北各県から約100人が参加した。NPO法人日本ツキノワグマ研究所(広島県)の米田一彦理事長(68)=十和田市出身=が講話し、「午前4時ごろにタケノコ採りに山に入る人もいるが、早すぎる。午前9時ぐらいだと少し危険性は薄れるかもしれない」と述べた。今年は宮城県内でもクマ目撃が相次いでいる。米田氏は「1頭の元気のいいクマが動き回れば目撃数は増える。実態を捉えるには事故数や駆除数を考慮した方がいい」と指摘。「今年の事故数だと『大出没』とまでは言えない」と語った。「ブナの実が凶作だと出没が増える」との見方に対しては「それほど単純ではない。山の実態を総合的に見る必要がある」と主張した。鈴やクマよけスプレーの有効性も強調した。
(食害防止へわな猟増加:徳島)
徳島県内の狩猟免許取得者がこの数年増加に転じ、長年続いた狩猟者の減少に歯止めがかかりつつある。免許試験の回数増や、野生鳥獣から田畑を守るためにわな猟をする農家が増えているのが主な要因。ただ取得者の大半は高齢者で、深刻化する鳥獣被害を防ぐには、駆除を担うさらに多くの狩猟者が必要だ。県は学生向けの講座を開くなど若手ハンターの育成に力を入れている。県内の新規狩猟免許取得者は2009年度に74人まで減少した後、10年度に免許試験を年2回から3回に増やしててこ入れした頃から増加傾向に転じた。13年度167人、14年度は247人と増え、15年度は過去最高の287人となった。県生活安全課によると、かつては趣味で銃猟をする人が多かったが、猟銃所持の規制強化もあり、近年はシカやイノシシから農作物を守ろうと手軽に行えるわな猟免許を取る農業従事者が増加。15年度のわな猟免許取得者は銃猟(72人)の3倍の215人に上った。免許取得者のうち、猟をするのに必要な県への届け出をした狩猟登録者は1978年度の6577人をピークに、2013年度には3分の1の2233人にまで減少したものの、新規の免許取得者数が伸びたことを受け、14年度2271人、15年度2396人と2年連続で増えている。だが、15年度の免許取得者のうち60歳以上が73%を占めるなど狩猟者の高齢化は進んでいる。農作物の鳥獣被害が深刻化する中、県は12年度から駆除を担う若い狩猟者育成のための講習などを開催。国が15年5月にわな猟と網猟の年齢制限を20歳から18歳に引き下げると、徳島大でも育成講座を開き、受講生12人が免許を取得した。16年度は、新たに県立農業大学校でも講座を開いたほか、ベテラン猟師を若手猟師の指導役とする事業にも着手する。県生活安全課は「狩猟は経験がものをいう世界。有害鳥獣駆除のため引き続き若い狩猟者を養成していきたい」としている。
(原発避難区域で野生動物4〜5倍増:福島)
東京電力福島第1原発事故による避難指示区域で、イノシシやアライグマなどの野生動物が、避難区域外の農地に比べ4〜5倍に増加していることが福島大の奥田圭特任助教らの調査で分かった。長引く住民の避難で野生動物がすみかや餌を確保しやすくなったことが原因とみられる。
(九大「狩り部」、キャンパス内で捕獲して:福岡)
わなでイノシシを捕まえ、食肉に加工する学生のグループがいる。九州大学(福岡市)の「狩り部(狩猟研究会)」。自然と人間とのつながりを再認識し、命を見つめ直す活動だ。8月中旬。うだるような暑さの中、民家からほんの少し入った竹やぶの中に設置した箱わなに、体長約1・2メートル、体重30キロほどのイノシシが1頭入っていた。「乳が張っている。メスですね」。狩り部顧問で、環境社会学などを専門とする九州大学基幹教育院の安田章人准教授(34)が言った。腕には駆除の許可を示す「有害鳥獣捕獲等従事者」と書かれた腕章が巻かれていた。ここは、福岡市西区と福岡県糸島市にまたがる九州大伊都キャンパスの構内。イノシシは人の気配に気づくと興奮し、金網に体をぶつけた。連絡を受けて集まった学生部員らが見守る中、安田准教授はイノシシを動かないようにすると、ナイフでとどめを刺す「止め刺し」(殺処理)を素早く行い、手を合わせた。イノシシはすぐに、キャンパス内に今年3月に出来た簡易解体所に運び込み、集まった部員5、6人で食肉用に解体・加工した。ナイフを使って皮をはぎ、肉と内臓に分けていく。「熱(あ)っつ!」心臓をつかんだ理学部1年の男子学生(18)が、思わず叫んだ。「心臓は温かいんじゃなくて、熱いんです。直前まで生きていた命をいただく、ということが実感できるはず」と安田准教授は話す。部の設立は2014年7月。安田准教授が学生らに呼びかけた。元々は、里山にひらかれたキャンパス内でイノシシと学生が遭遇したり、近隣の田畑に出没したりしたため、大学が始めた対策の一つ。学業にも生かせないかと、部を立ち上げた。構内約10カ所に設置された箱わなを見回る。活動は、鳥獣被害対策のためのハンター養成を目的としているわけではない。「生物の生命を絶って、食べる。自然と人間とのつながりを再接続させ、自分と他の生物の命を改めて見つめ直すきっかけになってくれればいい」と、安田准教授は話す。これまで年間40頭余り、計124頭のイノシシを捕獲した。「狩り部」では勧誘はせず、口コミのみだが、連絡を取り合う学生は50人超、うち熱心に参加する部員は男女約20人。狩猟免許を持っている学生も10人ほどいる。加工した肉は部員らで食べている。活動への参加理由はさまざまだ。農学部3年の鬼塚気心(きしん)さん(21)は、別のサークルでの農作業を通じてイノシシ被害の深刻さを知った。「食べたらおいしかったので、進んで獣害問題を解決したいと思った」。理学部3年の岩崎大喜さん(22)は「狩りに参加するなんて、入学当時そんな発想はなかった。『もう、行ってみるしかない!』と思った」。何事も見て、体験してから考えることが大事だと感じたという。「狩り部」の初代部長を務める21世紀プログラム4年の西村直人さん(21)によると、活動当初は「かわいい」「かわいそう」という感情を持つ学生はいても、イノシシを最初から食べもの、として意識する者はいなかったという。生きものはいつ、食べものに変わるのか。活動を続ける中で、「命と食べものには連続性があり、食べものは命そのものだと思うようになった」と語る。「狩り部」では、箱わなにかかったイノシシを捕獲・解体するのが主な活動だが、有志で皮のなめしや骨格標本などを作ったりもする。現在は任意団体という位置づけだが、来年度には大学の公認団体として申請する予定。地域の獣害対策に貢献するため、産学官で連携して法人化を目指すチームも発足した。西村部長は「大切なのはどのような姿勢で命と向き合うか。いただいた命を無駄なく生かし、植林などを通じて自然に還元していくことで、共生の道を探っていきたい」と話す。「狩り部」に似た活動は各地にある。東京農工大(東京都)の「狩り部」は2005年に学生有志により発足した。野生動物の保護・管理という観点から、狩猟見学をしたり、肉や皮の活用方法について研究したりしている。部員は約30人。5代目部長で農学部3年の鈴木詩織さん(22)は「人と動物との共生がテーマ。昔からある狩猟文化に触れることが新鮮だし、狩猟にかかわる人たちとの交流も楽しい」と話す。日本獣医生命科学大(東京都)でも同様の活動があるほか、酪農学園大(北海道)では正規のカリキュラムの中で、狩猟に関する授業や実習があり、学生らがシカの捕獲や解体の現場を見学している。農林水産省によると、野生鳥獣による九州・山口の農作物の被害額は2014年度は約36億5千万円。うち、イノシシによる被害が約17億7千万円とほぼ半分を占める。鳥類約8億3千万円、シカ約5億7千万円と続く。九州・山口を県別で見ると、福岡県が約8億9千万円と最も被害額が大きく、宮崎県約6億2800万円、鹿児島県約5億2千万円、山口県約4億7300万円など。福岡県畜産課の担当者は「イチゴやナシ、ブドウなど単価の高い作物が被害に遭っているため」と説明する。福岡県糸島市で12年に、捕獲したイノシシの加工処理施設が完成するなど、駆除した動物の肉を「ジビエ(狩猟肉)料理」の材料として活用する取り組みも、九州各地に広がっている。
(シカ肉でペットフード:兵庫)
野生のシカによる農林被害に悩む兵庫県宍粟市で、主婦らのグループ「グリーンキーパー」がシカ肉を使ったペット用のおやつの製造、販売を始めて10年目を迎えた。全国でも先駆けてジビエ(野生鳥獣の食肉)を活用し、7月には姫路市内でも店舗販売を始めた。メンバーは「シカ害の軽減や地元の活性化につなげたい」と思いを新たにしている。グループは宍粟市一宮町内の20~70代の8人で構成。同町生栖の作業場で商品製造に取り組んでいる。結成は2007年。シカが群れで人里に現れ畑を荒らし、農作物の被害が広がりつつあった。代表の前田久代さん(66)は地元猟師から駆除したシカ肉をもらったが、途方に暮れた。「調理方法が分からず、量も多かった」と振り返る。「もっと多くの量を使わないと、シカも減らない」。ペットフードとしての活用を模索し始めた。県やペットフードメーカーの助言を受けて、肉やあばら骨、内臓などをスライスやミンチにして乾燥させ、ジャーキーなどを考案した。シカ肉は低カロリー、高タンパクで、消化しやすいのが特徴。運動量が多い犬に必要な鉄分も豊富だ。「アレルギーが治った」「毛づやが良くなった」と好評で、ニーズは高まっているという。商品は冷凍生肉も含めて現在9種類。犬の高齢化などに対応し、商品開発を続けている。前田さんの愛犬のフレンチブルドッグ2匹も試食で協力する。同市内の道の駅や神戸市中央区のアンテナショップ、ペットのイベント会場などで販売。7月からは姫路駅前にできた宍粟PR館「きてーな宍粟」でも売り始めた。目標は設備を拡充し、犬の主食となるペットフードの開発といい、前田さんは「有害な動物とされるが命には変わりない。いかに大切に使えるかとの思いを忘れずに向き合いたい」と話す。

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9/23
(食害5件、クマか:北海道)
北海道新幹線木古内駅(北海道木古内町)の半径約2キロ圏内で今月、クマによるものとみられる食害が計5件相次いでいることが20日、道警木古内署への取材で分かった。駅の南西約500メートル付近の家庭菜園が被害に遭っており、町や同署は防災無線などで注意を呼び掛け、地元猟友会のハンターが出動して警戒している。同駅は町中心部にあり、周辺はスーパーや畑も点在する住宅街。木古内署によると、駅から南南西約1・5キロの同町新道で3日、トウモロコシ十数本が食べられているのが見つかった。同日以降、計5件の食害があり、15日は駅の南西約500メートル付近で町立木古内中学校近くの家庭菜園でニンジン約200本が食べられていたという。いずれも付近にクマとみられる足跡があり、一部で目撃情報もあることから、同署は「クマの可能性が高い」と判断した。足跡は約15センチの子グマとみられるものが多い。中には約30センチの足跡もあり、親子の可能性もある。木古内署は「クマは基本的に人の多いところに出没しない」と指摘。さらに駅に近づく可能性は低いとみられるが、町産業経済課は「ここまで短期間の被害は珍しい。別の目撃情報もあり、住宅も近いので、警戒を続けたい」としている。
(クマ出没「増加」、注意呼び掛け:岐阜)
岐阜県は20日、秋にツキノワグマが主食とするドングリの実り具合について、本年度は飛騨地域でひどい不作となり、餌を求めるクマが人里に頻繁に出没する可能性がある、と発表した。先月19日~今月2日に、県内24地点でブナやミズナラ、コナラの着果状況を調査した。飛騨地域では、ブナが南部「大凶作」、北部「凶作」。ミズナラは南部「凶作」、北部「大凶作」。県内全域ではブナ「凶作」、ミズナラ「並作」、コナラ「並作」。冬眠を控えた9月から12月にかけて、人の生活圏でのクマの出没が増加する可能性があるという。県自然環境保全課は「クマは餌を求めて移動する。山林に近づく際は鈴やラジオなど音の出るものを携行してほしい」と話し、山里付近では、クマの餌となるカキやクリ、生ゴミなどを残さないよう注意を呼び掛けている。県内では今年4月から今月19日までに324件の目撃情報が寄せられており、6月には飛騨市宮川町洞の池ケ原湿原で男性がクマに襲われてけがをした。
(ニホンジカ、目撃されるも捕獲できず:石川)
20日から白山市などに出没し、行方が分からなくなっていたニホンジカが22日も目撃された。しかし、捕獲には至っていない。シカは体長1メートルほどの若いオスとみられ、おととい、白山市湊町の茂みで初めて目撃された。きのうは、あと一歩のところで捕獲できず、その後、行方が分からなくなっていた。22日朝は白山市の職員がパトロールを行ったが、発見できず、午前7時半ごろに能美市下清水町で近くを通りかかった人が目撃。その6時間後には能美市和気町で山へ登っていくシカが目撃されたが、その後、行方はわかっていない。
(目撃情報、より詳細に:岩手)
東北地方でクマによる被害・目撃が多発する中、今年に入り過去10年で最多の出没を記録している北上市は、目撃情報をまとめたマップを初めて作製した。出没場所を視覚化することで注意喚起しながら、被害防止のための情報収集を同時に進めている。同市本石町の中央図書館は、6月から「クマ出没位置図」を掲示。市農業振興課からの情報を基に、市の全域図上にシールを貼って出没場所を示し、最新の出没場所はピンを立てて目立たせている。掲示は11月末までを見込み、高橋景子館長は「市民に役立つ情報を提供するという意味で図書館の業務。他部署との連携で取り組む」と話す。同課は、7月から市内で出没があった地区の交流センターに「クマップ」を配布。各地区の航空写真上に、「位置図」と同様にシールで目撃場所を示している。朝、日中、夜と目撃時間帯別に色分けしている。住民の力を借りて情報を集約しているのが特徴。市への直接の通報・連絡に至らない目撃情報も集め、クマの通り道の把握につなげるため、過去の目撃場所もシールで示す。9月中に回収して分析し、効率的な予防策の立案に役立てる。4月から8月までに、市が把握しているクマの出没情報は172件で、月別の比較では過去10年で最多。家畜の食害や学校周辺、市街地での出没などもあり、市などは警戒を促している。2001~11年までのクマによる人身被害は10件。うち5件がキノコ狩りの最中に被害に遭っている。キノコの旬を前に、小田島孝課長は「毎年9、10月には目撃が増える傾向で、餌の木の実が皆無の今年はさらに多いと予想される。キノコ狩りのほか、キャンプなどでも一層の注意が必要」と呼び掛けている。
(イノシシ対処法を学ぶ出前授業:香川)
突然、目の前にイノシシが現れたときの対処法を学ぶ出前授業が、高松市木太町の市立木太小学校(平井克己校長)で行われ、参加した4年生約90人は、香川県の環境キャラバン隊が用意したクイズに答えながらイノシシの習性や逃げ方を学習した。出前授業は、小中学校を中心に訪問する「環境学習」の一環で県が企画。川の水質を調べて汚れの原因を探ったり、緑のカーテンの仕組みを学ぶなど、身近な環境を楽しみながら学習する。今回は、山林から離れた市街地の同小学校周辺で平成23年7月、体重80キロ、体長130センチのイノシシが捕獲されていることから、児童らは「イノシシに出合った場合の対処法」を学んだ。県環境森林部でイノシシ対策を担当している三木洋さん(45)がスライドと剥製(はくせい)を使い、イノシシが敏捷(びんしょう)で力が強く、牙を持っているなどの特徴や、臆病な性格で威嚇(いかく)しなければ暴れないなどの習性を説明。出合った場合は、「まずはそっとしておくこと。大声を出さず、ゆっくりと後退して、静かに立ち去るように」と注意点を伝え、「それでもついてきたときは、できるだけ高い場所に逃げること」と話した。
(ネットで資金調達、活発に:石川)
羽咋市の「ハタブネコンサルティング」は、県内で増加するイノシシによる獣害に着目。狩猟されたイノシシを廃棄処分するのではなく、加工肉や革製品に再利用するアイデアを掲げ、CF仲介サイト「FAAVO」で総額50万円の支援を求めた。北海道から九州にかけて出資者が現れ、約1か月間で70万5000円を獲得。資金をイノシシ革の小財布などの商品開発に充て、9月23日に金沢市でイノシシ革製品のショップを開店する。吉村祐紀代表(26)は「小さな会社でも全国にアイデアを発信できる」と手応えを語る。

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9/21
(シカ柵破損、被害逃れた作物に影響も:北海道)
台風10号の豪雨による土砂流出で、北海道十勝地方ではエゾシカの食害を防ぐため広範囲に設置している侵入防止柵が壊れる被害が確認されている。今後、深刻な大雨被害の中でも何とか出荷できる状態の残った農産物が、畑地に入り込んだシカに荒らされる恐れがある。本別町の畑では既にシカの足跡が見つかっており、関係者は頭を抱えている。本別町や足寄町など十勝地方北部はシカの生息数が多く、農業関係者は日ごろから農産物被害に神経を使っている。道のまとめによると、2014年度の十勝地方のシカによる農業被害は約6億4700万円に上り、特に北部で被害が大きい。本別町は対策として地元農協などと連携し、1998年からシカのいる山間部と平地の境に、高さ2.2メートルの侵入防止柵「シカ柵」を総延長93キロにわたって設置。シカ柵は鉄や木製のくいに金属製の網を張り巡らせたものだが、大雨で発生した土砂流出や流木で押しつぶされたり、くいの根元の土が洗い流されて倒れたりした。JA本別町によると、大量の土砂が残っているため詳細な調査はできていないものの、破損箇所は相当数に上る見込みだという。破損の範囲が1.5キロに及ぶ場所もある。壊れた部分には応急措置として一般の畑地用の電気柵を取り付けているが、既にビートやジャガイモ畑でシカの足跡が多数確認されている。担当者は「シカは隙間(すきま)を見つけると、そこから次々に入り込む」と警戒する。関係者の話では、破損した部分を取り換えるためには、1メートルにつき資材や作業費が約5000円かかるという。本別町の高橋正夫町長は、視察で訪れた山本有二農相に対し「(大雨被害を免れ)残った作物だけでも守りたい。何とか力を貸してほしい」と訴えた。
(賢さ増すシカ、駆除苦労:北海道)
秋の気配が漂う北海道東部の標茶町の牧草地で、放牧馬と野生のエゾシカの群れがのんびり草をはんでいた。馬産地の北海道とはいえ、「馬」と「鹿」が一緒にいるところはなかなか見られない光景だ。昨年度のエゾシカの推定生息数は47万頭で農林業被害は40億円を超す。酪農や畜産が盛んな道東地方では牧草被害が深刻だが、年々警戒心が強まり、猟銃による駆除ができる夜明け前には姿を消す「スマートディア」(賢いシカ)が増えてきた。世界自然遺産・知床でもエゾシカに樹皮を食べられる被害が深刻で、同じ捕獲手法では見破られるため、複数の手法を組み合わせている。道内では一部地域を除き、10月1日にエゾシカの狩猟が解禁される。
(鳥獣害防止へスクラム、県認定業者3社が協会を設立:長野)
ニホンジカやイノシシなど野生鳥獣による農林業被害が深刻化する中で、県知事が認定した県内の鳥獣捕獲事業者三社が十八日、新たな協会を設立した。プロ集団として捕獲技術を共有し、各社の得意分野を生かして全県的に共同捕獲も進める計画だ。国は、十年後のシカやイノシシ半減を目指しており、三社はスクラムを組んで事業に当たる。新設されたのは「認定鳥獣捕獲等事業者協会」。参加したのは、南箕輪村の合同会社やまびこ(加藤尚代表)と松本市の株式会社SSC(森悠代表)、茅野市の合同会社総合マネージメントコンタ(近藤重代表)の三社。加藤代表が協会の会長を務める。辰野町沢底の県営総合射撃場で開かれた協会設立会議には、三社で働くハンターら約五十人が出席。加藤会長は「農林業者にとって野生獣による食害は死活問題。三社で協力し、プロ集団として被害農家の立場に立った責任ある仕事をしていく」などと話した。環境省が主導する指定管理鳥獣捕獲事業は三社のような認定事業者による受託を想定している。同省から都道府県への交付金は二〇一五年度十八億円だったが、一六年度も十五億円が見込まれるという。協会設立は、こうした国の要請に応えた動きと言える。協会加盟三社の従業員は全県に分散しており、今後は各社がハンターを融通し合う捕獲事業も可能になる。三社とも従業員(ハンター)の増員を計画しており、大型事業への対応も可能になる。会議後、協会としては初めての安全管理講習会も開いた。講師を務めた自然環境コンサルタント会社の市川哲生取締役は、環境省発行のテキストを使って認定事業者による鳥獣捕獲の意義や、動物の生息実態調査に基づく捕獲(個体数調整)などについて講義した。
(マガン、昨年より5日早く初飛来:宮城)
ラムサール条約登録湿地「伊豆沼・内沼」周辺で14日、マガンの初飛来が確認された。発表した県伊豆沼・内沼環境保全財団によると、初飛来は昨年より5日、1991年に観察を始めて以来2番目に早いという。同財団は、伊豆沼の南方にある登米市迫町新田の田んぼでマガン7羽を撮影した。マガンはカモ科の大型の渡り鳥で、昨季この地域には約10万羽が飛来した。飛来したマガンは来年2月上旬までこの地域で越冬する。
(クマに襲われ男性けが:岩手)
19日朝、久慈市山形町内の山林でキノコ採りをしていた42歳の男性がクマに襲われ、頭や手首等にケガをした。午前7時50分頃、久慈市山形町小国の山林で1人でキノコ採りをしていた久慈市山形町小国の会社員、芦久保信幸さん(42)が成獣と見られるクマ1頭と遭遇。ツメで前頭部を引っかかれたほか、右手首や背中を噛まれてケガをした。クマは、芦久保さんを襲った後、逃げ去ったという。芦久保さんは、自分の車を運転して帰宅し、現在、久慈市内の病院で治療を受けているが、命に別条は無いという。
(クマに襲われ重傷、キノコ採りから下山中:山形)
18日午前7時50分ごろ、山形県最上町月楯、会社員大沼春忠さん(63)が自宅近くの熊ノ返山でキノコ採りを終えて下山中、草むらから出てきたクマに頭や左頬を引っかかれて大けがをし、山形市の病院に搬送された。新庄署によるとクマは体長約1メートルの成獣で、近くに子グマ1頭がいたという。
(ゴルフ場で男性らがサルの集団に襲われる:神奈川)
18日夕方、厚木市上荻野のゴルフ場で、コースを回っていた男女4人のうち、1人が林の方に落ちたボールを拾いに行ったところ、10匹ぐらいのサルの群れに遭遇し、このうち2匹に追いかけられた。男性らによると、サルは奇声を上げて男性2人を襲い、1人がバンカーに足をとられ、左脚ふくらはぎの筋肉を断裂、全治1カ月の重傷を負ったという。サルに襲われた男性らは、「脚の筋肉断裂しちゃいました」、「すごい勢いで、ボスザルのようなのが、急に俺の方にこっちに来て。だけど速いんで、追いつかれちゃうんで、ここはもう腹くくって戦うしかないと思って」などと話した。男性らによると、現場のゴルフ場では、これまでにもサルが目撃されていたが、襲われたのは初めてだという。
(軽乗用車、クマと接触:秋田)
18日午後10時10分ごろ、秋田県井川町赤沢の秋田中央広域農道で、秋田市の30代男性が運転する軽乗用車がクマと接触した。五城目署によると、男性が五城目町方向から秋田市方向に走行中、道路中央にいたクマと右側面が接触した。車は傷がついた程度で、クマは逃げたという。小坂町小坂字大岱では19日午前7時10分ごろ、東北自動車道下り線でクマの死骸を走行中の男性が見つけ、110番した。県警高速隊によると、車と衝突したとみられる。
(クマが家庭菜園荒らす:北海道)
18日午後4時ごろ、渡島管内木古内町本町の住宅の家庭菜園で、ニンジン約30本が食い荒らされ、クマとみられる足跡があるのを住民の女性(80)らが見つけ、19日朝に木古内町役場に届け出た。9月に入って町内中心部の住宅地で、クマが食べたとみられる家庭菜園の被害は5件目となり、木古内署は警戒を呼び掛けている。同署によると、町内の家庭菜園では3日にトウモロコシ、9日にニンジン約130本、15日に同約200本、16日に同数十本の被害が出たという。18日の現場は北海道新幹線が停車するJR木古内駅から南西約1キロの住宅地で、見つかったクマとみられる足跡は幅約15センチだった。
(クマと衝突、2本運休:宮城)
16日午後8時25分ごろ、仙台市青葉区新川のJR仙山線奥新川-面白山高原駅間で、仙台発山形行き下り普通列車がクマと衝突し、一時運転を見合わせた。乗客約140人にけがはなかった。JR東日本仙台支社によると、仙台-愛子間の上下計2本が運休、2本が最大51分遅れ、約410人に影響が出た。
(鉄橋の上にシカ、列車3本に遅れ:宮城)
17日午前7時50分ごろ、宮城県石巻市のJR石巻線石巻-陸前稲井駅間の旧北上川に架かる橋の上にシカがいると、宮城県警からJRの仙台総合指令室に連絡が入った。このため石巻線は一時運転を見合わせた。JR東日本仙台支社によると、シカは約30分後に列車の運行に支障がない所に去った。石巻線は午前8時半すぎに運転を再開。上下3本が最大45分遅れ、約300人に影響した。
(国道で車とクマ衝突:新潟)
16日午後7時半前、阿賀野市大室の国道で、同市の40代男性の乗用車がクマとみられる動物とぶつかった。阿賀野署によると、乗用車のバンパーにひびが入ったが、男性にけがはなかった。現場は陸上自衛隊大日原演習場の近くで、最寄りの民家まで約500メートル。
(日本初、ライフル射撃・エアガン選手権を開催:埼玉)
日本ライフル射撃協会は16日、アジア・エアガン選手権を来年12月に埼玉県和光市で開催すると発表した。日本では初めてで、協会は2020年東京五輪へ向けた運営のリハーサルとしても位置付けるという。大会には約20カ国、約300人の選手が参加予定。東京都内で記者会見した坂本剛二会長は「東京五輪が世界に誇れる素晴らしい大会になるよう、おもてなしの気持ちをどう発揮して運営するかをトレーニングする」と話した。
(県道で「クマ」道路横切る:福島)
19日午後9時30分ごろ、福島市の県道でクマを目撃したと、車で通行中の女性から福島署に通報があった。同署によると、女性が目撃したのは午後8時30分ごろで、体長約1メートルのクマが道路を横切った。周辺に民家が点在することから、同署が注意を呼び掛けた。
(熊の目撃情報:宮城)
19日午前5時30分頃、登米市津山町横山字黒沢地内で熊の目撃情報がありました。屋外では音の出るものを身に着けるなどの対策を行い、十分に注意してください。
(熊の目撃情報:宮城)
19日午前10時頃、登米市豊里町笑沢地内で熊の足跡らしきものが確認されました。屋外では音の出るものを身に着けるなどの対策を行い、十分に注意してください。
(ヒグマ出没相次ぐ:北海道)
ヒグマの出没が白老町の市街地で相次いでいる。15日に続き、16日も白老小学校の裏山や近くの住宅街で目撃情報が寄せられたほか、ポロトの森でも複数の痕跡が見つかった。町は道猟友会苫小牧支部白老部会に巡回範囲を拡大するよう要請。町職員による周辺地域のパトロールを強化した。近隣住民にも外出時には注意するよう呼び掛けている。町生活環境課によると、16日午後1時5分ごろ、白老小(緑丘3)の複数の児童が校舎2階窓からクマのような黒っぽい動物が動いているのを目撃した。現場は校舎北東側の斜面上部の林。通報を受けて同校の教員や町職員などが現場周辺を確認したが、痕跡などは見つからなかったという。同校は授業終了後、学年ごとに集団下校を実施。白老中も午後3時30分に一斉下校措置を講じた。午後3時45分頃には、下校途中の白老小6年の男子児童が若草町1の住宅地でごみステーション付近にいるヒグマを見かけた。クマはその後、近くのポロト湖方向に逃げたという。児童にけがなどはなかった。このほか、小学校から200メートルほど離れた緑丘2の住宅の車庫前でクマの足跡を発見。ポロトの森の遊歩道では4カ所でクマのふんが見つかり、16日午後2時すぎにキャンプ場を閉鎖。湖周辺の遊歩道への立ち入りを禁止した。町は同日夕、行政防災無線で周辺住民に注意喚起。17日早朝には、若草町の目撃現場に立て看板を設置した。町内では8月30、31日に環境衛生センター周辺で親子グマ、今月15日に小学校近くの住宅街をうろつくクマが目撃されたばかり。白老小近くの末広5に住む50代の主婦は「人間の生活エリアにクマが出てくるのは怖い」と不安な表情。別の40代主婦は「日中にクマが出るとは思っていなかった。習い事などで子どもの帰宅が遅くなる時は迎えにいくようにしている」と話した。町生活環境課によると、これまでに畑の作物や生ごみが荒らされた形跡は無い。担当者は「今年はヒグマが好むコクワなどの木の実が豊富で、親離れしたばかりで縄張りを持たない若グマが出てきているのではないか」と推測。当面は巡回などによる警戒を続け、市街地での出没が相次ぐ場合は「捕獲も視野に対応を検討したい」としている。
(原発避難区域で野生動物が大幅増:福島)
東京電力福島第1原子力発電所事故による福島県内の避難区域で、イノシシやアライグマなどの野生動物が、避難区域外の農地に比べて4~5倍に増加していることが20日までに福島大の調査で分かった。長引く住民の避難で、野生動物がすみかや餌を確保しやすくなったためとみられる。調査を進める福島大の奥田圭特任助教は「帰還後の住民生活に影響を及ぼすだけでなく、帰還の妨げになる可能性もある」と指摘している。奥田さんらは、将来的な住民の帰還と営農再開を見据え、昨年6月から野生動物の生息状況調査を開始。相馬市、南相馬市、浪江町のうち(1)沿岸部に近く夜間は人の立ち入りができない居住制限区域(2)津波で被害を受けた地域(3)避難区域外の水田――の3つのエリアで、動物の動きを感知して自動的に撮影できるカメラを計24台設置し、イノシシやアライグマ、タヌキ、ハクビシンなどの出現頻度を調べた。その結果、農地に比べ、居住制限区域や津波被害地域は、動物全体の出現頻度が4~5倍多かった。動物別に見ると、居住制限区域では、イノシシが他のエリアに比べ約9倍多かった。このエリアは除染が進んでおらず、草が茂った場所をすみかとしているとみられる。アライグマやハクビシンも農地に比べ数十倍多く、放置された家にすみ着いたケースもあった。避難区域では餌が豊富なことも野生動物の増加の一因とみられる。草むらとなった水田にはキツネやタヌキなどの餌となるバッタやネズミも多く、住宅近くの柿やゆずも食べられているという。野生動物には感染症を持つ個体もいて、帰還に際し、家屋に残ったふんなどを通じて人が感染するリスクも懸念される。奥田さんは「帰還は野生動物の領域に人間が入っていくような状況だ。人間が暮らす場所で重点的に捕獲や草刈りをするなど、野生動物が生息しにくい環境づくりが必要だ」と話している。
(クマよけ爆竹作戦完了:山形)
秋の風物詩「日本一の芋煮会フェスティバル」が18日、山形市の馬見ヶ崎川河川敷で開かれる。3万食分の具材が用意され、直径6メートルの大鍋でつくられた芋煮が、重機ですくわれる光景は圧巻で県内外から多くの来場者が見込まれる。一方、会場近くでは6月、クマが出没。その後は出没していないが、市は、会場近くの山などで、爆竹を使った「クマよけ作戦」を行った。作戦が行われたのは、クマが出た河川敷や、会場の南東にある盃山さかづきやま周辺。初日の13日には、市や猟友会などの約20人が午後5時半から約30分間、クマが通りそうな5か所で、バケツに入れた約400発の爆竹を鳴らした。猟友会は「クマは耳がいい。聞き慣れない音にびっくりするはずだ」と期待する。作戦は16、17日にも行われた。会場の約500メートル南東の河川敷では6月8日、クマ1頭が目撃され、警察が出動。地元猟友会が檻おりを仕掛けて約1週間後に捕獲した。ただ、ここ3か月はクマは出ておらず、「爆竹を鳴らすことで芋煮会に参加しようと思っている人を逆に警戒させるのでは」との声もあったが、市観光物産課は「念には念を入れた」としている。
(クマ遭遇に注意、餌の凶作影響?:群馬)
山間地を中心にツキノワグマの出没が相次いでいる。9月に入り、群馬県長野原町と上野村で男性がクマに襲われてけがをする被害も発生した。 被害は餌となる木の実などの豊凶に左右され、1年おきに増減を繰り返す傾向にある。今秋は全国的に餌が凶作となる見通しで、クマに遭遇する可能性が高くなると見込まれるため、県は注意を呼び掛けている。
(相次ぐクマの目撃・被害、ブナの実豊凶に関連:山形)
全国的にクマの目撃や人への被害が相次ぐ中、県内の目撃件数は8月末時点で昨年同時期比約2・5倍の489件となり、県が統計を取り始めた2007年以降で既に最多となった。県内全域でクマの餌となるブナの実の凶作が予想されていることから、冬眠前に餌を求めて人里に下りるなどさらに活発に動き回ることが想定され、遭遇の危険性が高まる。県は山に入る場合は音の出るものを身に着けるなど、注意の徹底を呼び掛けている。「天然ブナ林の面積が日本一の県内では、食べ物としてクマがブナの実を頼る部分が大きい」(県みどり自然課)といい、ブナの実の豊凶と目撃件数には関連がみられるという。県環境科学研究センターによると、春にブナの雄花が落下する性質を利用した雌花の開花数から予測した15カ所のブナ林は今年全て凶作だ。10、12、14年は全て凶作だったという。目撃件数は10年(288件)、12年(446件)、14年(315件)で平均350件となっている。これに対し、凶作でなかった11年(142件)、13年(208件)、15年(225件)の平均192件の約1・8倍に上っている。人への被害は、10年が11件(うち重傷者7人)と最も多く、12年の5件(同1人)が続く。10年は11件のうち10件が、12年は5件全てが9月以降に発生したという。同課は「住宅の玄関や庭先など予想もしない場所で被害に遭った例もあり、注意が必要だ」と話す。具体的なクマ対策として、人の接近を知らせるラジオや鈴などの携行▽クマを呼び寄せる可能性があるため、家庭や行楽地での食べ残しやゴミなどを放置しない▽家や倉庫の戸締まり、収穫物や家畜の餌の管理徹底−−などを挙げている。万が一クマに遭遇した場合は「背を向けずにゆっくりと後退する」のが大事だという。一方で、環境省のまとめでは、山形での今年4〜7月のクマの捕殺数は142頭に上り、北海道、福島に続き全国3位となっている。県は13年度から地元猟友会に入った人を対象に銃の購入補助(上限3分の1、最大5万円)を始めたが、同課は「捕殺をどんどんすればよいのではなく、クマが人里に現れないのが一番」とする。NPO法人「日本ツキノワグマ研究所」(広島県廿日市市)の米田(まいた)一彦理事長は、人間の生活圏に近い里山に人の手が入らないため木が生い茂って「奥山化」し、森林と住宅街との距離が縮まって結果的にクマが人里近くに定着するようになったことも目撃数増加の要因に挙げる。「民家の近くや道路際の草木を刈って見通しを良くし、人とクマの間に緩衝地帯を設けるといった取り組みも必要ではないか」と指摘している。
(ライフル射撃協会、専務理事に田村副会長)
日本ライフル射撃協会は17日、東京都内で理事会を開き、田村恒彦副会長(61)の専務理事兼任を決めた。これまで専務理事を務めていた松丸喜一郎副会長(62)から交代する。10月1日付。松丸氏は日本オリンピック委員会(JOC)常務理事を務め、2020年東京五輪の準備などで負担が大きいため専務理事職を外れる。
(狩猟担い手確保へ、有害鳥獣被害の低減に:大分)
有害鳥獣被害の低減に向け、大分県は狩猟の担い手確保策を強化する。狩猟者の経済的負担を軽減するため、狩猟免許の申請・更新や登録に関する手数料を減免するほか、農林業者が自衛措置として捕獲する場合、狩猟税(県税)を課さない方向で検討を進める。高年齢化も進んでおり、銃砲の扱いに通じた自衛隊員や警察官のOBに免許取得を積極的に働き掛け、担い手確保につなげる考えだ。県森との共生推進室によると、減免を検討する狩猟関連の手数料は▽免許申請(新規5200円)▽更新(2900円=3年置き)▽登録(1800円=毎年)。具体的な減免額や導入時期は今後詰めるという。田畑の作物を守るため、わな猟で捕獲する農林業者は狩猟者登録と、その際に支払う狩猟税(8200円)を不要とすることを検討している。県内の狩猟免許所持者数(わな・網、銃の合計。4月1日時点)は5001人で、全体の7割超を60歳以上が占める。わな・網猟は農林業者を中心に新規に取得するケースが目立つ一方、銃猟は減少。新たに猟を始める若年者が少ない上、猟銃の所持、免許更新に関する手間や経済的な負担を理由に敬遠する向きもある。県は本年度、県内の陸上自衛隊駐屯地を訪ね、隊員OBに狩猟者養成セミナーを紹介するよう要請。実際に数人が参加した。「今後は警察OBにも同様に働き掛けたい」(尾野賢治農林水産部長)とする。県内の昨年度の鳥獣被害額は2億6700万円。県は狩猟の担い手確保に加え、シカ、イノシシの捕獲や防護柵の設置支援、鳥獣肉(ジビエ)の活用促進などの被害対策を進めている。広瀬勝貞知事は16日の県議会本会議で「狩猟者確保と捕獲、予防、獣肉利活用の観点から取り組みを進め、目標とする被害額1億5千万円以下の実現をぜひ達成したい」などと述べた。元吉俊博氏(自民)の一般質問に答えた。
(即戦力のハンター育成:鳥取)
鳥取県は増え過ぎたシカやイノシシを減らすため18日、ハンター養成スクールを倉吉市で開校した。狩猟免許を持っているが、一度も猟に出たことがない人や猟果が上がらない人などを対象に、11月まで計6回講習を行う。
(タカで野生ザル追い払い:大分)
大分市は、畑の農作物などを荒らす野生ザルをタカで追い払う実証試験を行った。市は先月、ふん害で悩むムクドリの撃退でも天敵のタカを使い、一定の効果があったとしている。昨年度のサルの被害額は1180万円に上るだけに、今回もタカの威力に期待している。実験は、高崎山の麓の田ノ浦地区で実施した。ムクドリの際と同様に武雄市の鷹匠(たかじょう)が協力。午後2時すぎ、畑近くの木が生い茂った場所にサルが10匹ほど現れ、狩猟用の犬を連れた鷹匠が腕に止めたタカで威嚇すると、サルは「キャーキャー」と鳴きながら逃げていった。市によると、被害をもたらすのは野生のニホンザルの餌付けで知られる高崎山自然動物園のサルではないという。これまで爆竹や花火を使って追い払うなどしたが、効果がなかった。市の担当者は「タカを怖がって現れないようになれば」と話した。
(サル捕獲に大型おり:和歌山)
和歌山県内山間部ではサルの被害に悩まされている農家が多いが、田辺市龍神村柳瀬で、国の中山間地域等直接支払制度による交付金を利用し、協定を結んだ17戸の農家がサルを捕獲するおりを設置している。捕獲数は1年余りで20匹を超えている。柳瀬の応地地区と東方地区の被害農家らが「下柳瀬南集落協定」の名称で、国が交付する中山間地域等直接支払制度を活用。昨年8月から、獣害対策としておりを設置して捕獲を本格的に始め昨年は計11匹、今年は6月に6匹、8月に7匹、9月に2匹の計15匹を捕獲した。サルの捕獲用おりは、農家自ら設計図を描いて鉄パイプを用いて組み立てた。大きさは底面の1辺が約6メートル、もう1辺が約4メートルで高さは約4メートルある。クリの木の近くに設置して、実を食べに来たサルが、おりの上部からも侵入できるように工夫した。龍神行政局によると、龍神村内で中山間地域等直接支払制度の事業を利用して、大型のサルの捕獲用おりを設置しているのはここだけという。龍神村全域での過去5年間のサルの捕獲数は、2012年度35匹、13年度29匹、14年度42匹、15年度73匹、16年度は7月までに21匹となっている。
(クマ襲撃、人食害の情報共有が不十分:東京)
秋田県鹿角市でクマに襲われたとみられる男女4人の遺体が見つかった問題を受け、研究者らによる「日本クマネットワーク」(JBN)の調査報告会が17日、東京農業大学(東京都世田谷区)で開かれた。この中で関係機関の情報共有が不十分だったため状況判断が遅れ、必要な対応が行われなかった、などの指摘があった。冒頭でJBN代表の大井徹・石川県立大学教授が被害者と遺族に弔意を表すとともに、死亡事故を再び起こさないことを目的とする報告会の意義を説明した。7月4日に実施した現地調査の責任者で、東京農業大学の山崎晃司教授は「人を食害した事実がすぐに共有されず、再発の危険性など事故の重大性が認識されなかったため、立ち入り制限や猟友会の出動が遅れた」と指摘。提言として〈1〉科学的調査が可能なクマの専門家が加わった態勢の構築〈2〉加害個体の特定につながるフンや毛など残留物の保管を含めた対応マニュアルの作成――などを挙げた。報告会では東京農工大学の小池伸介准教授が、ツキノワグマの生態について解説した。北海道立総合研究機構環境科学研究センターの釣賀一二三・道南地区野生生物室長は「クマ類による人身事故の概要と対応事例」と題して講演を行った。この日の提言などは、近く報告書としてまとめられる。
(丹波ジビエいかが:京都)
野生動物の肉を使ったジビエ料理の普及を目指そうと、府中丹広域振興局は10月1~30日、福知山、舞鶴、綾部の3市にある飲食店16店で、「京都丹波ジビエフェア 2016秋」を開催する。府が認証登録制度の創設などでブランド化を目指している「京都丹波ジビエ」は、肉を傷つけないよう銃を使わずに捕獲し、血抜きを徹底していることが特徴。このため、おいしく安全に食べられるといい、府中丹広域振興局は2014年2月からジビエフェアを開いてPRしている。今回のフェアでは、舞鶴市のフレンチレストラン「サヴール・ド・ラ・メール」で「イノシシ肉のヴィトック」、綾部市の「綾部ふれあい牧場」で「京都丹波もみじと地元野菜のシチュー」など、各店で趣向を凝らした和洋中のメニューを楽しめる。同振興局企画調整室は「京都丹波ジビエのおいしさを知ってもらい、地域振興につなげたい」と話している。
(「ジビエ」おいしく加工:静岡)
農作物を食い荒らすイノシシ、シカをおいしい肉に-。バーベキューや林業体験ができる浜松市天竜区春野町杉の野外活動施設「春野山の村」内に二十日、市内初という大規模なジビエ(野生鳥獣肉)解体加工施設「ジミート」が開所し、関係者が祝った。イノシシやシカは農作物を食い荒らすなど市内で年間約五千万円の被害を出す“困り者”。猟師が仕留めたものを買い、肉に加工することで鳥獣害被害も減らしたい考えだ。「山の村」を運営するNPO法人はるの山の楽校が、市の交付金も含め千五百万円をかけ解体室、加工室、肉を熟成させる冷蔵庫からなる約五十平方メートルのジビエ工房に、旧倉庫を改装した。専属スタッフ二人も置いた。開所式には猟友会など関係者二十人が臨席。NPOの山下太一郎理事長(69)は「家庭の食卓向けの手ごろの安い肉と、部位別に解体しレストランなどに卸す高級肉の二つを販売したい。『天然はうまい』を工房の売りにしたい」と述べた。猟師が仕留めてから一時間以内のシカ、イノシシを買い付け、一年目はシカ、イノシシあわせて年間で計四十頭を生肉に処理。四年後には計百頭を目指す。直販はせず、天竜区内のJA直販所や道の駅に置いてもらう。年内には出荷の予定だ。価格はシカ肉が一キロ二千~五千円、イノシシ肉が同三千~七千五百円を予定する。式の後には、八月に天竜区内で仕留められ、同工房での解体第一号となったイノシシのバーベキュー、汁、ハムを関係者で試食。「臭みがない」「ジューシー」と好評だった。
(ジビエ拡大へ学生らが活動:滋賀)
滋賀や京都の大学生らが、鹿など野生鳥獣の肉「ジビエ」の魅力を広めようと、「山と生きる未来プロジェクト」と名付けた活動を始めた。料理教室などを企画しており、16日には初の取り組みとして野洲市内のイベントに鹿肉を使ったラーメンを販売する。プロジェクトは4月に始まり、龍谷大や京都造形芸術大、立命館大の10人と、協力する企業などがメンバー。農業と獣害問題、料理の素材としての魅力など、メンバーがジビエに関心を持った入り口はさまざまで、「食の意識改革」「狩りから食卓までの流通デザイン」をテーマに掲げている。これまでは活動方針や企画について会議を重ねてきた。16日に野洲市吉川のマイアミ浜で開かれる手作り市「満月マルシェ」では、富山県のラーメン店の協力を得て、エゾシカの肉のチャーシューと、骨からスープをとった「蝦夷(えぞ)鹿ラーメン」をメンバーが調理し、1杯500円で販売する。11月ごろからは料理教室を始める予定。ジビエの学生料理コンテストで最優秀賞を獲得した経験がある京都造形芸術大3年の三木俊輝さん(21)が講師となり、各回で若者や主婦など参加者に合ったメニューを紹介する。若者向けの狩猟免許講習会、解体処理の効率化を図るための異業種交流会も構想している。プロジェクトを企画した龍谷大大学院生の本郷真理さん(24)は「ジビエを食べておいしいと思ってもらったり、猟の方法を知るきっかけをつくることで、消費拡大の流れをつくり、長く続く活動にしたい」と話している。
(ジビエ料理、親しんで:新潟)
野生鳥獣の肉を使ったフランス料理「ジビエ料理」の講習会が13日、糸魚川市の糸魚川地区公民館で開かれた。昨年、食肉処理施設を開設した同市大洞の会社員、青田徹さん(55)が、なじみの薄いジビエ料理に親しんでもらおうと、市と共催して開いた。消費を拡大し、地元の名物料理となることを目指すとともに、「捕って食べる」ことで、野生鳥獣による農業被害を抑制する狙いもある。市内では年間約400頭のイノシシが捕獲される。猟友会メンバーでもある青田さんは約30年のハンター歴があり、仲間とともに昨年は約40頭のイノシシを仕留めたという。青田さんは、より多くの市民にジビエ料理に親しんでもらおうと、昨年、保健所の衛生基準を満たした食肉処理施設を開設。市内の飲食店3店にイノシシ肉を提供している。講習会には料理人ら24人が参加。青田さんと親交があり、ジビエ料理には定評がある新潟市のホテルイタリア軒のフレンチシェフ・肥田野尚之さんが講師を務め、イノシシ肉の赤ワイン煮込みリゾット添えなど、イノシシとシカの肉を使った3品を披露した。肥田野さんは「肉は焼いた時間だけ、その後休ませる」などフレンチの基本に沿ってアドバイスし、「手間ひまがかかる分だけ、おいしくなる」と説明。参加者はグループに分かれて調理した。市内の日本料理店で包丁を握る竹田匡志さん(44)は「豚肉の代わりにイノシシ肉でも角煮ができるのではないか。なじみがないが、勉強になった」と感心した様子だった。
(鹿肉カレーなど、高校生がレストラン出店:京都)
京丹後市弥栄町の道の駅「丹後王国 食のみやこ」で18、19の2日間、丹後グルメフェアが開かれ、多くの観光客が訪れた。18日には府立峰山高弥栄分校の生徒らが初めて「高校生レストラン」に出店し、シカ肉カレーを販売した。高校生レストランに出店したのは、弥栄分校農園芸科3年の鳥獣被害対策研究チームの3人。今年度の「課題研究」の授業でシカについて勉強。実際にシカによる被害の状況を見たり、駆除したシカをわけてもらって解体するなどの学習を続けてきた。シカの肉を使ってのレシピを考える中で浮かんだアイデアで、シカ肉カレーのほかに「シカ肉パエリア」や、シカ肉を野菜と炊き込んだ「シカ肉ごはん」のレシピを考案した。シカ肉カレーを販売していた味田剛二さん(17)は「シカ肉は硬くてあまりおいしくないというイメージが広がっているが、煮込めば柔らかくなるし、料理法によってにおいも気にならなくなる。シカ肉がもっとメジャーになればうれしい」と話していた。高校生レストランには弥栄分校のほか、府立海洋高も出店し、生徒らが授業で作ったサバカレー缶やお魚ハンバーグを販売していた。
(のぼりばたで「クマに注意を」:岩手)
学校の行き帰りはクマにご注意を――。花巻市の看板・標識製造会社がこのほど、「熊出没注意」と書かれたのぼりばた60本を同市に寄贈した。寄贈したのは同市西宮野目の東北保安産業(多田浩二代表)。今年は東北各地でクマの出没が相次ぎ、多田代表は「登下校の子どもを見守ってもらえればと思った」と話した。同社は自前でのぼりばたを製造できるが、デザインなどに時間がかかるため、急きょ既製品を取り寄せたという。北海道の業者が作ったため、描かれているのはヒグマだが、上田東一市長は「怖いクマでインパクトがある」と応じた。市内の全小中学校に配布し、通学路などに掲げる予定という。

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(クマに襲われ、男性手足に軽傷:京都)
綾部市は12日、同市位田町の由良川河川敷で釣りに来ていた男性会社員(23)が熊に襲われ手のひらに切り傷を負ったと発表した。男性は同市内の病院に経過観察で入院したが、12日午後退院した。男性から話を聞いた市によると、11日午後7時ごろ、位田橋南側の左岸河川敷で友人の男性(24)と帰り支度をしていた男性に、小熊2頭を連れた体長約1メートルの親熊が近づいてきた。男性はとっさに親熊の左頬を殴って、左手でもう一発殴ろうとして引っかかれた。男性は熊から逃げる際に右足首をねんざし、友人も腰を打った。市は、近くに捕獲用檻の設置を検討し、市教委を通じて通学区域の小中学校に注意を促した。
(気づいたら横にイノシシ、かまれた男性3週間の大けが:神奈川)
神奈川県伊勢原市は15日、同市坪ノ内の栗畑で14日に農作業をしていた男性(67)が両脚をイノシシにかまれ、3週間の大けがを負ったと発表した。市によると、男性は14日午後0時15分ごろ、親子とみられるイノシシ2頭に遭遇した。男性は「気づいたら横にイノシシがいた」と話している。畑はイノシシの生息する里山に近く、地元の猟友会と市職員が捕獲するための仕掛けを設置した。
(クマに遭遇し転落、山菜採り男性軽傷:群馬)
15日午前7時ごろ、上野村楢原の矢弓(やきゅう)沢近くの山道で、山菜採りをしていた埼玉県本庄市の自営業男性(53)が飛びかかってきたクマをよけて転落し、軽傷を負った。藤岡署によると、男性は前方にツキノワグマとみられる子グマを発見。直後に親とみられるクマが飛びかかってきたという。男性は攻撃をかわしクマとともに20メートルほど転落したという。
(120センチ、猟友会員が射殺:埼玉)
飯能市危機管理室は12日、クマの捕獲許可を持つ飯能猟友会員が同市下直竹地区で推定5、6歳のオスのツキノワグマ(体長120センチ、体重81キロ)を発見し、捕獲(射殺)したと発表した。同地区では、数年前からクマの出没情報が相次いでいた。目撃場所付近に小中学校や民家があることもあり、同市は今年7月22日付で有害鳥獣捕獲許可を取り、東京都の青梅猟友会の応援も得て追い込みを行い、11日昼過ぎに銃による捕獲に成功した。危機管理室は、他にもクマがいる可能性があるとして、引き続き警戒を強めるとしている。
(クマ被害9割が50歳以上:福島)
今年8月までの約10年間に県内で発生したクマの被害66件(死亡4人、負傷73人)を県の溝口俊夫・野生動物調査専門官が分析した結果、被害者の72%が60~80歳代だったことがわかった。50歳代を含めると90%に上る。襲われた時の行動別では山菜採りやキノコ狩りなどのレクリエーションが59%で、農作業は15%、登山中は3%だった。午前9時~午後2時に約6割が起きていた。溝口専門官は、秋は食べ物を求めるクマの活動が活発になるため、クマが身を隠しやすい耕作放棄地や、やぶでの草刈りを実施して移動しづらくすることを提案。足跡や爪痕などを見つけたらハザードマップを作るなどして出没場所の情報を共有し、なるべく近づかないようにすることも重要だと指摘している。分析対象は2006年以降の被害例で、被害に遭った時期は冬眠明けで山菜を食べる5~7月や冬眠前に食欲が旺盛になる9~10月などの割合が高かった。溝口専門官によると、クマは昼間、人がいても恐れないほか、近年は行動様式が変化しており、市街地への出没が増えている。また、山にドングリが少ない年はクマの目撃や捕獲が増加する傾向があるという。今年はドングリが凶作の年にあたるといい、溝口専門官は秋の行楽などでの注意を呼びかけている。
(幼稚園と病院の敷地にクマ:岩手)
14日午前、花巻市の幼稚園や病院の敷地でクマが目撃されました。けが人などの被害はありませんでした。午前9時半ごろ、花巻市大谷地の中央みのり幼稚園の園庭で園長などが成獣とみられるクマ1頭を目撃しました。クマは園庭から敷地の外に出て、北の方角へ走り去ったということです。「職員が熊を目撃して走ってもどってきた。その先生の後ろを熊が駆け抜けていった。1メートル50センチはあったように思う」(クマを目撃した先生千田節子幼稚園教諭)当時、運動会の予行演習で外に出ていた子供もいましたがすみやかに建物に避難してけが人はいませんでした。さらにその数分後には幼稚園からおよそ400メートル離れた国立花巻病院でクマ1頭が敷地内を歩いている姿が目撃されました。クマはそのまま敷地の外の茂みへと入っていったということです。クマはその後見つかっておらず、警察や猟友会などは2か所で目撃されたのは同じクマの可能性が高いとみて周辺の警戒にあたっています。また、中央みのり幼稚園では園児を屋内で遊ばせるなどの対策をとりました。
(住宅街にクマ出没:北海道)
15日午前4時ごろ、白老町緑丘2の住宅街で新聞配達員が付近をうろつくクマを目撃し、苫小牧署に通報した。連絡を受けた白老町は現場に立て看板を設置するとともに、回覧板などで周辺3町内会に連絡。近隣住民に注意を呼び掛けているほか、北海道猟友会苫小牧支部白老部会に依頼して16日から早朝パトロールを実施することを決めた。目撃情報があったのは緑丘2の緑丘福祉館付近の町道。新聞配達員が車内から発見した。子グマではなかったという。町教委によると、現場に近い白老小では15日夕方と16日朝に集団下校を行うほか、教職員と町教委職員が巡回パトロールを実施。白老中を含め、日没後や早朝の1人歩きを避けるとともに、仙台藩白老元陣屋資料館や緑丘公園、ポロト湖周辺に近づかないよう注意喚起している。町内では8月30、31日に環境衛生センター付近の町道で親子グマが目撃されている。町生活環境課は「親グマと子グマが離れて行動するとは考えにくく、今回のケースは親子グマとは別の個体とみられる」と話している。ヒグマが出没した現場付近に住む小林武さん(81)は「すぐ近くに小学校もあるため、人畜に被害が及ばないか心配。数日間は警戒して過ごしたい」と話した。
(クマ出没、住宅地も:北海道)
道南各地でクマの出没が相次いでいるが、町内では今年、中心部に近い住宅地で姿や足跡、ふんが目撃される異例の状況となっている。家庭菜園の作物が荒らされ、住民からは「こんな住宅地にクマが出るとは」と不安の声が漏れている。9日にはJR木古内駅の北東約1キロほどの町木古内の民家の家庭菜園でニンジンが食い荒らされ、住民の男性(65)が近くの草地で体長約1メートルのクマを目撃した。現場は北海道新幹線の高架に近く、民家が20軒ほどある。クマを見た男性は「これだけ家があればクマが来ることはないと思っていたので驚いた」と話す。付近には町や北海道猟友会木古内支部が10日、わなのおりを設置したが、3日には町新道の民家の家庭菜園でトウモロコシが荒らされ、70代男性が近くで足跡とふんを発見したばかり。町によると中心部では近年、クマの目撃情報はなく、町産業経済課は「ニンジンやトウモロコシが狙われるケースが多い。住宅地でも山と隣接する地区は特に注意して」と話す。道立総合研究機構環境科学研究センター(札幌)によると、木の実が熟す前の晩夏は山にエサが少なく、食害が増えるという。間野勉・自然環境部長は「人間の収穫物の味を覚えた『問題個体』は繰り返し同じ場所に出るため、捕獲する必要がある」と指摘する。山林に近い住宅地では山沿いに電気柵を設け、家庭菜園のコンポストを撤去するといった対策が考えられるといい、間野さんは「費用負担を考えれば、町内会など地域コミュニティー全体で対策を取る必要がある」と話す。
(岩盤浴場にクマ:秋田)
14日夕方、仙北市の玉川温泉近くの岩盤浴場で体長1メートルほどのクマ1頭が目撃されました。岩盤浴場を利用していた人にケガなどはありませんでした。クマが目撃されたのは、仙北市田沢湖玉川にある岩盤浴場です。仙北警察署によりますと、14日午後5時15分ごろ、新玉川温泉の男性従業員が岩盤浴場の清掃をしていたところ、体長1メートルほどのクマ1頭を目撃しました。男性が石を投げたところ、クマは東側の山林に逃げ去ったということです。当時、少なくとも5人が岩盤浴を利用していていましたが、けがをした人はいませんでした。警察は、付近の宿泊施設に警戒を呼び掛けています。宿泊施設では、今月2日と3日に、ごみ箱をあさったり、残飯を食べたりする体長1メートルほどのクマが目撃されています。
(サル目撃相次ぐ:兵庫)
兵庫県加古川、高砂市と播磨町でサルの目撃情報が8月下旬~9月15日に23件と相次いでいる。けが人や農作物の被害は確認されていないが、市町は「見つけても不用意に近づかず、追跡しないで」と注意を呼び掛けている。加古川市農林水産課によると同市内で、サルは8月29日、東神吉町出河原の東播保育園付近で目撃されたのを皮切りに、10件の目撃情報があった。9月2日には、みとろフルーツパークと加古川養護学校、8日には日光山墓園の敷地内に出没。12日には、2匹が東加古川駅周辺や別府町新野辺、尾上町池田で見つかった。13日は、加古川町木村や同町寺家町、加古川中央市民病院の敷地内にも現れたという。2匹は体長約60センチの成獣とみられる。市職員と加古川署員らが周辺をパトロールしたが、確認はできなかった。高砂市内でも11件の目撃情報が市産業振興課に寄せられた。8月26日朝、北浜町牛谷の山中で2匹が目撃され、同日午後5時半に曽根町で1匹が見つかった。その後も、27日=北浜町西浜、同町牛谷▽9月12日=高砂町藍屋町▽14日=米田町米田、竜山1、阿弥陀町南池、同町阿弥陀▽15日=北浜町牛谷、同町北脇-に2匹が出没したという。播磨町でも9月11日に古宮と東本荘で2匹目撃された。稲美町は目撃情報を得ていない。加古川市の担当者は、群れからはぐれたサルの可能性が高いとし「危険なので刺激せず、餌は絶対に与えないで」と呼び掛けている。
(サル出没、注意呼びかけ:秋田)
12日朝、横手市大森町の公園で野生のサル1匹が目撃されました。今のところ被害は確認されていませんが、横手市では公園の周辺や農家に対して注意を呼び掛けています。サルが出没したのは横手市の大森公園です。12日午前8時ごろ、公園を管理している作業員の男性が林の中から出てきたサルが道路を横断しているのを目撃しました。サルは人間の存在に気がついても動じることなく悠然と公園の中を歩いて行ったといいます。サルはその後、公園を横切って近くの運動場へ。旗を掲げる塔のあたりから斜面の茂みに入り、姿を消したといいます。今のところサルによる被害は確認されていませんが、横手市では付近の農家を訪れて注意喚起を行いました。横手市はサルが出没した大森公園の周辺に注意を呼び掛ける看板を設置するなどしてサルを見つけても刺激しないよう呼び掛けています。
(爆竹でクマよけ、パトロール開始:山形)
18日に山形市馬見ケ崎川河川敷で開かれる「第28回日本一の芋煮会フェスティバル」に向け、市や実行委員会は13日、爆竹を鳴らすパトロールを始めた。クマを驚かせて会場に近寄らせない狙い。16、17日にも実施する。会場付近では6月8日にクマが目撃され、山形猟友会などが捕獲、駆除した。市環境課によると、市内のクマの目撃件数は8月末時点で49件で、前年同期よりも19件多い。市観光物産課は、観光客らに芋煮会に安心して参加してもらえるよう、今回のパトロールを初めて計画した。市職員、実行委員会、山形猟友会のメンバーら約20人がパトロール。山形大橋や盃山の登り口など5カ所で、バケツに入れた爆竹を計約400発鳴らした。山形猟友会の渡辺孝さん(68)は「クマは耳も鼻も良い。日ごろ聞き慣れない音なので、驚くはずだ」と話した。同課の鈴木悦子課長は「遠くにいても爆竹の音が聞こえたので、かなりの効果があると思う」と語った。県みどり自然課によると、8月31日時点で県内のクマの目撃情報は489件で、前年同期比約2・5倍だという。同フェスでは、直径6メートルの大鍋「鍋太郎」でしょうゆ味を約3万食分作る。直径3メートルの鍋では塩味を昨年より2000食多い約7000食分作る。午前10時から配膳する。しょうゆ味は整理券が必要で午前8時半から配布する。また、サンマ2000匹の炭火焼き販売コーナーが初めて設けられる。
(サルやカラスの農産物被害、対策講習会:長野)
農家を悩ませているサルやカラスによる農産物被害について、駒ケ根市有害鳥獣駆除対策協議会は、地域の営農組合や住民らを対象にした対策講習会を開くことを決めた。独自に対策を講じている農家もあるが、個々の対応では限界があるとして、サルやカラスの生態を知り、地域ぐるみで被害防止に取り組むきっかけにしてもらいたい考えだ。事務局の市農林課によると、市内の昨年度の野生鳥獣による農作物被害額は約44トンで、被害額は995万円余。このうちサルによる被害は約4・2トンで約103万円、カラスの被害は約3・5トンで約136万円だった。サルの被害は市西部の北割一区・二区、市東南部の中沢吉瀬などが多く、野菜や稲、雑穀などが目立つ。カラス被害は市内全域で、果樹や野菜が多いという。いずれも農家からの報告分の積算。サルやカラスは学習能力が高いため自衛策を講じても被害を防ぐのは難しいこともあり、同課は「実際は報告以上の被害がある可能性が大きい」とみている。市西部ではサルの「人慣れ」も課題となっており、住民や観光客への人的被害も懸念されている。同協議会は鳥獣被害対策として、防護柵などの材料費の3分の2以内・上限10万円、カラス捕獲おりの設置費用の3分の2以内・上限20万円を交付する補助制度を設けているが、営農組合など団体を対象としていることから利用は数件と低調。同課は「地域全体で取り組む意識を高めてもらうことで、利用促進を図りたい」とする。サル対策としては今年度、モデル地域を指定しGPS(全地球測位システム)を利用した行動調査も検討しているが、こちらも地域の協力が必要なため、啓発を進め理解を得たい考えだ。講習会は10月12日に同市東町のJA上伊那駒ケ根支所営農センター、同14日に中沢公民館で、いずれも午後7時から。県上伊那地方事務所の担当者が、サルやカラスの生態や効果的な対策などについて話す。同課は「被害を減らすためには鳥獣を引き付けない、近付けない、減らすといった対策を講じる必要があり、特に地域が一体となって取り組むことで初めて効果が期待できる。具体的な方策を知り、被害防止につなげてほしい」と参加を呼び掛けている。
(県が「出没注意情報」発令:石川)
県はこの秋も、エサを求めて里山に移動してくるクマが増えるとみており、13日、「出没注意情報」を出した。 県が8月下旬から実施した調査によると、クマのエサとなるブナが全体的に凶作で、この秋はエサが豊富な里山へと移動するクマが増えるとみている。
(狩女の会、楽しみながら里山保全:石川)
狩猟を楽しみながら、里山を守る活動にも取り組みたい−−。県内の女性たちが3月に女性ハンターの団体「狩女(かりじょ)の会」を立ち上げた。今秋から実際の猟に出る。有害鳥獣駆除に加え、ジビエ(野生鳥獣肉)振興や皮などを加工したアクセサリー作りで地域貢献にも取り組む考えだ。「夫や地元の猟師の姿を見ていて、自分でもやってみたくなった」。代表の長田富士子さん(46)は2012年、自然の中で生活したいと夫婦で金沢市から白山市に移住し、14年に狩猟免許を取った。しかし、いざ免許を取っても猟師は男性ばかりで、女性が入ることに見えない壁も感じた。そこで試験会場で知り合った女性たち5人と「現場に出る機会をつくりたい」と会を立ち上げた。口コミなどで広まり、会員は23人に増えた。ジビエのうまさに魅了された人、家の農業を守りたいと思い立った人などさまざまで、入会後に狩猟免許を取った人も。県の統計では、14年度時点の狩猟免許保持者1869人のうち、女性は約1・7%。会の発足後も「女性が狩りなんて」と眉をひそめる人も多い。だが県内ではイノシシやシカによる農作物被害が増える一方、猟師の高齢化も進む。長田さんは「女性も里山の守り手になれると示したい」と話す。会では獣肉を使った料理のイベントを開催したり、捨てられてしまうことが多い皮や牙を加工したアクセサリーを製作したりしている。「命を余すところなくいただく気持ちを大切にしたい」と長田さん。技術を継承しようとベテラン猟師たちとの交流も欠かさない。7月には活動を知った関西の女性から問い合わせもあった。「狩猟に興味を持つ女性は多いのかも」と長田さん。「女性が活躍できる場がさらに生まれるきっかけになれば」と意気込んでいる。
(狩りガールが大学でセミナー:兵庫)
深刻化する農作物への食害や住宅街への出没などで、急務となっているイノシシやシカ対策。要の人材でありながら高齢化やマンパワー不足が著しい狩猟者の苦境打破につなげようと、神戸市は「ハンターセミナー」を10月7日、甲南大学(同市東灘区岡本8)で開く。奈良女子大学(奈良市)で4月に発足した狩猟サークルの代表も招くなど、学生にもアプローチ。志願者を射止められるか-。「ハンティングサークル」は同大大学院2年の竹村優希さん(24)が立ち上げた。地元の猟友会や料理人などと協力し、狩猟文化を若手や女性にも広げようと活動している。銃やわなを使った猟の免許を取得して山に入るほか、イノシシやシカ肉を生かしたジビエ料理の研究にも取り組み、担い手不足の解消に期待が高まっている。猟師たちが長年蓄積してきた知恵にも着目。ベテラン猟師と若手の交流を通じて、里山文化の継承も図っている。サークルには現在、男女16人の学生が所属。竹村さんたちは早ければ今月中にもわな猟免許を取得できる見込みといい、「セミナーではサークルでの取り組みや、女性目線で猟の魅力を紹介したい」と話す。兵庫県鳥獣対策課によると、県内の狩猟免許取得者は約4800人(2014年度、重複を除く)で減少傾向という。平均年齢は65歳を超えており、実際の狩猟に携わらない人も少なくない。セミナーには、竹村さんのほか、兵庫県猟友会理事の山下勝さんや、県森林動物研究センター研究部長の横山真弓さんらも講師に招く。県内の猟師事情や、神戸で相次ぐイノシシ被害の現状のほか、狩猟の意義や魅力、野生動物の課題など幅広い話題を提供する。
(クマとの共生の道:宮城)
度重なる台風の襲来は東北などに甚大な被害をもたらしたが、人間だけに限ったことではなかったようだ。クマの餌となるドングリ類も落果させたという。これからなる主食のブナの実は、東北森林管理局の予測で「皆無」か「凶作」と見込まれている。今後、クマが飢餓に陥って人里に下りてくる恐れがある。NPO法人、日本ツキノワグマ研究所(広島県廿日市市)は「今は小康状態だが、これからが最も危険」と警告している。それにしても、今年はクマの出没が異常に多い。5月下旬から6月下旬にかけて鹿角市十和田大湯で、クマに襲われたとみられるタケノコ採りの男女4人の遺体が見つかる悲惨なケースも起きた。仙台市内でも度々目撃されている。クマの世界で何が起きているのか-。東北の森に何度も足を運んで調査を重ねてきた同研究所の米田一彦理事長が24日午後1時から、宮城県川崎町の山村開発センターで講演会を開く。鹿角市の事例を踏まえて被害の防止、クマとの共生の道などについて、参加者と共に考えていくという。
(鹿肉体験して:鳥取)
スーパーマーケット「サンマート」の湖山店(鳥取市湖山町東)と北園店(同市山城町)で15日、県産鹿肉の期間限定販売が始まった。30日まで。県産のジビエ(野生動物の肉)を県民の食卓に普及させようと、県と「いなばのジビエ推進協議会」(同市鹿野町)が、同スーパーに鹿肉の試験販売を依頼した。両店で販売されるのは、若桜町で捕獲された鹿の肉で、湖山店では初日のこの日、冷凍鹿肉のロースブロック、ももブロック、ももスライス、ミンチの4種類を入荷。売り場にはパスタやハンバーグなどのレシピも一緒に並べた。買い物客は、赤身で脂肪が少なく、鉄分が豊富などと鹿肉の特徴が書かれたポップに見入り、商品を手にとって品定めしてからかごに入れていた。鳥取市江津、自営業太田達也さん(52)は「塩とコショウでシンプルに味付けして、家族で味わおうと思います」と購入していた。
(害獣わなのセンサー開発:千葉)
産業機器製造の西精機(千葉県船橋市、半田実社長)は、イノシシなどの害獣を捕獲する箱わなに取り付ける光電式センサーを開発した。センサーが害獣の侵入を感知するとエアシリンダーが作動し扉が閉まる。従来の箱わなに比べて捕獲ミスを減らせるのが特徴だ。千葉県では害獣による農作物の食害が増加傾向にあり、自治体を中心に売り込む。12月に販売を始め、1年後をめどに100台の販売をめざす。
(猟師に聞いてみた10のコト)
みなさんは猟師というと、どんな仕事を思い浮かべますか? 実は猟師は、獲物を捕獲するだけでなく、農作物を荒らす害獣を駆除するという大きな役割を持っています。一般的に猟師は、狩猟者のための団体「猟友会」に所属する場合がほとんどです。そこで今回は、北海道にある「猟友会 白石厚別部会」に所属し、専業で猟師を行いながら、アイヌの精神文化を広める「マタギキャンプinアイヌモシリ」という活動も行っている、門別徳司(もんべつあつし)さんに猟師のお仕事についてお話を伺いました!Q1. 普段お仕事について教えてください。「私は北海道で猟師をしています。農業などに被害を及ぼすエゾシカなどの有害駆除を行なうとともに、鹿角や毛皮等でアクセサリーなどの工芸品を作り、販売やワークショップを行っています。また山菜の時期は、山菜を採集し、販売もしています。銃猟の場合は、日の出から日の入りまでの時間の長さが、夏と冬ではまったく違うため、毎日同じ時間に同じ仕事をするということはありません。猟やワナの見回りなど、獲物が獲れなければ、一日中、山にいることもあります」Q2. 現在のお仕事に就くまで、どのような勉強や経験を積まれてきたのでしょうか。「猟師になるには、狩猟免許が必要になります。銃所持時の専門知識を勉強し、試験を受けます。私の場合は、銃を所持する10年以上前からハンターに同行しながら山の中をいろいろ見て、狩猟を学んできました。銃を所持できるようになってからは、一人で山へ行き、獲って、解体処理するようになりました」Q3. お仕事の中で、魅力ややりがいを感じるのはどんなときですか?「狩猟によって、自分で肉を調達できるのは魅力的なことだと思っています。それから、農家の方から、『鹿が来て、畑を荒らして困っている』と駆除を頼まれたりすると、頼りにされているなとやりがいを感じます。有害駆除で農家さんや森を守ることで、地域のためになれることがうれしいですね。あと、山の中を駆け巡り、獲物を獲ったりすると『ワイルドだろう!』なんて気持ちになれますね(笑)」Q4. お仕事に取り組む中で、大切にしていることがあれば教えてください。「やはり獲物の命をいただいているので雑に扱わないことと、獲物に対して敬う心を忘れないようにしています。そのため、狩猟で得た獲物はできるだけ無駄にしないようにしています。ほかには、土地の地形を理解し、流れ弾にしないようにすることも重要です。先輩達の体験を聞いたりするのも役立ちますよ。先輩とは経験値が違いますから、いつも話を聞いて、日々勉強しています」Q5. お仕事の中で、一番の思い出や達成感のあったエピソードはなんですか?「銃所持2年目で、一人でクマを獲った時です。その時は、達成感が半分、怖さが半分だったことをよく覚えています。クマは日本最大で、かつ最強の動物ですからね。ちゃんと弾が当たっていなければ、立ち上がって襲いかかってくることもあるので、とてもビビリましたね(笑)」Q6. 逆に、今となっては笑える失敗談や、今後につながる教訓となったできごとがあれば教えてください。「銃で撃った鹿を追いかけて行ったら、スズメバチに何か所も刺されたことです。夏の山は、ハチの巣だらけですからね。それと、車が山道にはまって動けなくなることもしょっちゅうです。その時のために、スコップ、ワイヤー、牽引できる道具などを、車にいつも積んでおくことにしています」Q7. 猟師に向いている人や、猟師になる際に必要な知識について教えてください。「猟師に向いているのは、焦らないで行動できる人、何でも一人でやりこなせる人かなと思います。山で何かあったら一人で何とかしなければならないし、だから山や自然に関する知識は知っておくべきです。獲物がいたからと焦っていてはダメ! 場所や状況についても考えることができる人が向いていますね」Q8. 今後はこんなことをやりたいといった、将来の夢はありますか?「猟師の仕事を通じて、山の恵みをいただきながら生活できるようにしたいですね。そして、そのようなスタイルの土台作りをこれからの若者のためにできればなと思っています」Q9. 高校時代はどのように過ごしていましたか? また、高校生のうちにできることはありますか?「普通の高校生でしたが、やはり山に行くのが好きでした。そのころから、とにかく野生的になりたいと思ってましたね(笑)。猟師の仕事はやる気と経験が重要になりますので、高校生のころから気持ちを山へ向かわせることが大事なのかもしれません。また、山は危険が多くあるので、瞬時に状況判断できるような力をつけていけるとよさそうです」Q10. 猟師を目指している、または興味が湧いた高校生へ向けて、一言メッセージをお願いします。「猟師は、狩猟に興味がある人にとっては、すごく魅力的な仕事だと思います。地域や森を守っているというのも、すごくやりがいを感じます。命との向き合い方を考えていける、そんな若い人達にやってもらいたい。狩猟は、やって、感じて、成長していくものだと思うのですが、この日本で狩猟で生きていくのは本当に大変なことです。でも、先人の知恵を生かし、新しいスタイルができていけば変わっていけるはずなので、ともに頑張っていきましょう! 自然と向き合い生きていけば、いい未来も見えると思っています」狩猟免許を取得した後も、獲物を仕留めるには経験や勘が必要となってきますし、ずっと勉強し続ける必要があるのですね。害獣から人々を守るためにも、猟師は非常に重宝される職業です。自然の中での仕事や、狩りを行う仕事に興味が湧いた人は、ぜひ猟師の仕事について興味を広げてみてくださいね。

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