<射撃ニュース1月>

1/12
小田原城址にイノシシ、殺処分に:神奈川)
神奈川県小田原市の小田原城址(じょうし)公園の御用米曲輪(ごようまいくるわ)に9日、イノシシ1頭が現れた。市は安全のため、地元の猟友会の協力で殺処分にした。観光客ら約500人が本丸から一時避難した。市によると、イノシシは体長約90センチ、体重約40キロの雄で、推定3歳程度。市職員が午前9時半過ぎ、御用米曲輪にいるイノシシを確認し、正午前に猟友会が処分した。御用米曲輪は本丸北側のフェンスに囲まれた区域にあり、一般の人は立ち入りができない。本丸の方向へ銃を撃つため、連休中でにぎわう天守閣など、本丸の観光客や売店店員らを避難させたという。8日にも公園内でイノシシの目撃情報があり、同じイノシシとみられるという。市環境保護課職員は「城址公園にイノシシが出たのは初めてだと思う」と話した。
(イノシシ公園に、住民に注意喚起:京都)
8日午前11時25分ごろ、舞鶴市東舞鶴公園(同市行永)の近所の住民から「グラウンドにイノシシが出た」との通報が舞鶴署にあった。署員と市農林課職員が現場に急行したところ、公園南側の多目的グラウンドに体長1メートル以上のイノシシ1頭がいた。公園は住宅地に隣接していることから猟銃やわなによる駆除を断念。
(クマ生息数、無人カメラで調査へ:秋田)
鹿角市で昨年5、6月にクマに襲われて死亡したとみられる4人の遺体が相次いで見つかったことを受け、県は新年度、クマの推定生息数調査にセンサーカメラなどを用いた「カメラトラップ」という新手法を導入する方針を固めた。目視調査に比べて無人で行えるのがメリットで、高い精度が期待できるという。カメラトラップは約1・5メートルの高さで角材などを渡し、クマが好む蜂蜜などを入れたペットボトルをつり下げ、クマが近づき立ち上がった瞬間に胸部の動画をセンサーカメラで自動撮影する。「月の輪形」の胸の斑紋で、個体の識別が可能という。一定のエリアに複数のトラップを仕掛け、識別された個体の数や移動範囲から生息数を推定する。県の野生鳥獣対策の検討会委員を務める県立大の星崎和彦准教授(46)(森林生態学)は、数年前から県内の山林でカメラトラップを独自に設置し、調査を行っている。これまでの設置場所は秋田、由利本荘、大仙市など出羽丘陵の約80か所に上る。星崎准教授は「複雑な計算式の処理に課題はあるが、見落としがある目視調査よりも実態に近い生息数が推定できるはずだ。県猟友会のメンバーも高齢化が進み、何十年先も今の調査体制が維持できるとは限らない」とカメラトラップ導入の意義を話す。県自然保護課によると、昨年4月時点で県内のクマの推定生息数は1015頭で、県が「種の保存に適切な数」とする1000頭とほぼ同じだった。一方、有害駆除など今年度のクマ捕獲頭数は昨年度の4倍以上にあたる475頭(昨年12月末時点)に上り、「推定生息数の1割まで」と定めた県の上限をゆうに超えた。捕獲許可を出した県の関係者は「学校周辺など住民に危険が及ぶ出没場所も多く、仕方がなかった」と話す。こうした事態を受け、専門家などから「実際にはもっと多い数が生息しているはずだ」と約30年前から続く調査方法の有効性を疑問視する声が上がっていた。県は新年度から180区画の一部でカメラトラップを導入するため、関連経費を新年度当初予算案に盛り込みたい考えだ。高田清晃・自然保護課長(58)は「新手法の導入でより正確な生息数を算出し、適切な種の保存と捕獲につなげたい」としている。東北地方では既に福島、山形、宮城県でカメラトラップが導入されている。県は毎年4月時点で県内のクマの推定生息数を算出している。県全域を3キロ四方で1415区画に分け、山間部など618区画を推定生息区域とし、さらに180区画を調査対象として抽出。県の委託を受けた県猟友会が実際にクマを目撃した数や、足跡、ふんなど痕跡の数を調べ、そのデータを基に全域の生息数を推定している。
(野鳥1羽鳥インフル陽性:山口)
環境省と県は9日、山口市の維新百年記念公園周辺で見つかったホシハジロ1羽の死骸から、簡易検査と遺伝子検査でそれぞれA型鳥インフルエンザの陽性反応が出たと発表した。鳥取大学で確定検査を行い、結果は約1週間で判明する見通し。今冬、県内で陽性反応が出たのは初めて。発表によると、死骸は同日午前、公園周辺で見つかり、通報を受けた県が死骸を回収して簡易検査などを行ったところ、A型鳥インフルエンザの陽性反応が出たという。ホシハジロはカモ科の渡り鳥で、大陸からの越冬中だったとみられる。環境省は回収した地点から半径10キロ圏内を野鳥監視重点区域に指定し、警戒を強める。県も10日、農林水産部長らによる対策会議を開く予定。県によると、県内には100羽以上を飼育する養鶏場は105か所あるが、いずれも異常は確認されておらず、ホシハジロの回収場所から半径3キロ以内に養鶏場はないという。
(鳥インフル陽性反応:滋賀)
草津市内で見つかった野鳥オオバンの死骸から鳥インフルエンザの陽性反応が出た問題。致死性の高い高病原性鳥インフルエンザへの感染は確定していないが、県は水辺を中心に鳥の死骸がないかなどを監視し、感染拡大への警戒を強めている。ニワトリなど家禽(かきん)への感染は農場への経営に大打撃を与えかねず、農家らは防疫に慎重を期している。全国的に鳥インフルエンザが流行している今季は、県内でも野鳥の異常死が格段に増えている。県は十日までに七十二羽の野鳥の死骸を見つけ、鳥インフルエンザの簡易検査を実施。昨年の七羽の十倍以上だ。県内ではこの時期、渡り鳥のオオバンやカモなど水鳥二十万羽が生息。一方、ニワトリやアヒル、シャモなどの家禽を百羽以上飼う農場は五十二戸あり、飼育羽数は四十七万六千羽に上る。草津市野路町の杉江善春さん(72)は、自宅近くの鶏舎で約百羽を育て、卵や肉を出荷している。鶏舎には防鳥ネットを張り出入り口には長靴などの履物の消毒液を置くなど対策を常に行ってきた。杉江さんは「河川が近いとどうしても野鳥は飛んでくる。現時点の対策を徹底する」と話す。環境ボランティア団体「草津湖岸コハクチョウを愛する会」は毎冬、同市志那町の琵琶湖岸に仮設の観察小屋を設け、コハクチョウの飛来を観察する。吉岡美佐子理事長(69)は今回の陽性反応を「予測されていたこと。琵琶湖周辺で出ても不思議ではないと思っていた」と打ち明ける。小屋に掲げた掲示板では、昨年中から「死亡した野鳥は素手で触らないでください」と注意を呼び掛けてきた。吉岡さんは毎日、死んだ鳥がいないかを見回っているといい、「早期発見に協力できれば」と話す。県は十一日午前、四人態勢で草津市や近隣市の琵琶湖岸やため池など水辺を見回ったが、鳥の異常死は確認されなかった。担当者は「通常は人には感染しない。死骸を見つけたら触らずに市役所や役場へ連絡を」と冷静な対応を求めている。県自然環境保全課によると、県内で鳥インフルエンザの陽性反応が出たのは二〇〇一年二月に日野町で見つかって以来、二例目。遺伝子検査は陽性だったが、確定検査で最終的に陰性と確認された。
(太陽光発電、クマの侵入跡:北海道)
太陽光発電所は、工業地帯だけでなく、山林に囲まれた地域など、豊かな自然に囲まれた環境に立地することも多い。鳥や動物にとっては、それまで生息範囲の一部だった場所に建てられることもある。そのため、外周を囲うフェンスを飛び越えたり、かいくぐったり、よじ登って敷地内に入り込むことがある。太陽光発電所に入り込む動物として、ネズミやヘビ、ネコやサル、イタチやイノシシ、シカなどが知られている。九州や本州では、イノシシが敷地内を荒らしまわることで、被害が生じることが少なくない。鼻で地面を掘り返し、基礎に近い場所の土がなくなることで、設計通りの耐力を実現できなくなる恐れがあるほか、防草シートを突き破るように土を掘り返し、O&M(運用・保守)の追加負担を余儀なくされているメガソーラー(大規模太陽光発電所)もある。北海道にある太陽光発電所の場合、こうしたイノシシによる被害はない。イノシシは積雪に弱いため、北海道のような積雪地域には、生息していないためである。シカの侵入は、本州も含め全国で報告されている。天敵だったオオカミの絶滅と温暖化などによって冬を越しやすくなり、生息数自体が急増していることが背景とも考えられる。ただし、シカがメガソーラーの敷地内に侵入しても、イノシシのようなトラブルを引き起こす例は、あまり聞かない。太陽光発電所内に侵入したシカが、太陽光パネルの上に乗ったような足跡が発見された例があるが、ほとんどの場合、フンや足跡が残っているだけである。北海道に多く生息する動物として、ヒグマがいる。本州に生息するツキノワグマに比べて大型で、成獣では体調2m、体重200kgを超える場合もある。北海道電気保安協会が電気保安管理業務を受託している太陽光発電所においても、発電事業者から、「敷地内に、クマのものと見られる大きな足跡が残っていた」と知らされたことがあるという。発電設備への影響は未知な部分があるが、もし敷地内で遭遇し、至近距離まで近づいてしまった場合、襲われて死傷する危険がある。クマ対策としては、鈴やラジオを鳴らして人間が近くにいることを知らせる手法が知られる。
(イノシシ追い払う秘密兵器誕生:宮城)
宮城県岩沼市の小野精工が、害獣駆除に使うレーザー照射による撃退装置を開発した。農作物に被害をもたらすイノシシなどの動物が嫌う光によって作物を守る方式。電気柵による事故も防ぐことができることから、全国の農業関係者の注目を集めている。同社は、部品加工。メーカーからの受注で精密部品などの製造を長年手がけてきた。だが、国内製造業の空洞化でこれまでのような売り上げの伸びが期待できなくなる中、同社の小野宏明会長は「新たな取り組みが必要ではないかと考えた」と振り返る。「どうせやるなら役に立つことに取り組みたい」との思いを強くした。県農産園芸環境課によると、平成27年度の野生鳥獣による農作物の被害額は約1億3870万円。このうち、イノシシが7430万円と半分以上を占めた。被害は山間部だけでなく沿岸部にも広がり、増加傾向にある。東日本大震災後、小野会長は岩沼市内でも「イノシシ被害でタケノコやイモが全滅した」というような話を聞くことが多くなった。「被災した農家も多い。農業を守るために何かできないだろうか」。そんな頃、動物が嫌う光の害獣被害への実用化を考えていた白石市の発明家と出会い、レーザーの開発が始まった。約2年間試行錯誤を重ね、太陽光発電パネルとレーザー発生装置とをつなげた「逃げまるくん」が完成した。昼は緑色、夜間は赤色のレーザー光を数秒おきに照射することで害獣を追い払う。太陽光発電のため、果樹園などでも使用でき、電気を蓄電器にためて夜間も使える。用途に応じて選べるよう、家庭用電源を使用する機種も開発した。また、害獣から農作物を守る手段として主流となっている電気柵と違い、設置と管理の手間が大幅に軽減されるのも特徴だ。6月以降はモニター機を宮城県内10カ所をはじめ、青森や山形など東北各地の農地や果樹園、養豚場、ゴルフ場などに設置。いずれもイノシシやハクビシンなどの被害を受けていた場所で、設置後は「被害がなくなった」「動物の侵入が例年に比べ大幅に減った」などと効果を実感する声が寄せられた。同社は集まったデータを分析し、さらなる改良を加えていく予定だ。「逃げまるくん」には動物を遠ざけることで、農作物だけでなく建物や人を守ることにつながるとの期待も高まる。県内では今年、熊の出没も相次ぎ、出没件数は12月1日時点で1584件(県自然保護課調べ)。統計開始以降で過去最多。けが人の数も6件と過去最多に並んだ。小野会長は「データが集まり、熊にも有用と判明すれば、熊が人間の生活圏に近づかないよう活用できるはず」と力を込める。現在、注文を受け付けており、今年度内にも発売に踏み切る。価格は太陽光パネル型が約45万円、家庭用電源型が約26万円という。
(命学ぶ「狩りガール」:奈良)
奈良女子大学(奈良市)にハンティングのサークルが立ち上がった。全国的にも珍しい大学生の「狩りガール」。狩猟の現場で野生動物に向き合い、教室では学ぶことができない「命をいただく」という意味を学んでいる。奈良県南部の野迫川村の山中で昨年11月末、県や村、同大でつくる実行委員会が主催する1泊2日の狩猟体験ツアーが開かれた。参加したのはメンバー8人と一般の男性会社員ら14人。地元猟師が案内し、動物の足跡やわなを見学してジビエ料理を作った。あらかじめ仕留めてあった鹿の解体体験では、猟師の指導で皮をはぎ、肉を切り分けた。参加者から「とれる肉ってこんなに少ないんだ」と声が上がった。サークル代表で同大大学院生の竹村優希さん(24)は猟師を手伝い、鹿防護柵などの説明をした。もともと狩猟とは無縁だったが、まちづくりをテーマに研究室の仲間と野迫川村を訪ねて興味を持った。過疎地の活性化について考える過程で、鹿が畑を荒らすなど獣害が広がる一方、猟師が減っている現状を聞いたのがきっかけとなった。ちょうど奈良県が学生政策コンペを開催しており、狩猟文化をPRして村おこしにつなげる「女子大生ハンティングサークル(狩りガール)」を提案。最優秀賞に選ばれて事業化が決まり、県から約300万円の予算を得た。竹村さんは早速、県の講習会に参加。ベテラン猟師がわなで捕らえたイノシシに、数人がかりでとどめを刺し、息を切らせながら皮をはいだ。野生動物が「肉」になる瞬間に目が釘付けになった。見ているだけで疲れたという。「お肉というエネルギーをいただくには、相応のエネルギーが必要なんだ……」。スーパーに並ぶ肉からは「命を奪っている」という行為は見えない。自然と人間のつながりを見直そうと思った。サークルは昨年4月に始動。集まったのは、生物教師や狩猟免許取得を目指す学生や他大生ら男子2人も含めて16人。夏には野迫川村に泊まって「狩猟マップ」を作り、竹村さんら4人はわな猟免許を取った。かつて広葉樹が広がっていた山は杉やヒノキの人工林に移り変わり、えさ場を奪われた動物は人里へやって来る。村に住む「先生」の猟師、曽我部和英さん(55)は「狩るだけじゃ、獣害の解決にはならへん。山を根本的に変えていかなあかん」と教えた。狩猟に関心を持てば、山のあり方も考える。農作物への食害は深刻だが、過疎化や高齢化で猟師は減少している。曽我部さんはそんな村が抱える問題を知って欲しいと期待を寄せる。
(京都丹波ジビエフェア2017冬:京都)
肉食女子の野生の血が騒ぐ!?この冬、京都丹波産の上質なシカとイノシシの肉を、フレンチやイタリアン、和食、中華、焼肉、居酒屋など、多彩なジャンルの“ジビエ料理”で味わいませんか?京都・中丹地域の飲食店など29店舗にて、京都丹波産のシカ・イノシシを使ったジビエ料理が提供される「京都丹波ジビエフェア 2017冬」が、1月14日(土)~2月26日(日)の期間限定で開催されます。食の宝庫・京都丹波地域の豊かな森によってはぐくまれた、野生のシカやイノシシなどの野生鳥獣肉で、衛生管理は国内最高レベル!安心・安全に処理された「京都丹波ジビエ」をいただくことができます。京都府内の参加店舗は、福知山市12店舗、舞鶴市10店舗、綾部市7店舗の計29店舗。綾部市の「純和風料理旅館 現長」の「ぼたん鍋」など、各店舗が工夫を凝らして腕を振るうメニューを味わえるチャンスです!参加店舗にてジビエ料理を注文のうえ、アンケートに回答すると、抽選でプレゼントが当たるお楽しみもありますよ♪ 詳細は「京都府中丹広域振興局」のホームページなどをチェックしてくださいね!
(本当においしいジビエレストラン:高知)
「野生肉に対する固定概念が覆った」、「とにかく何を食べてもうまい」と、全国のジビエファンが注目する高知県『ヌックスキッチン』料理を作るのは西村直子さん。世界60か国以上で調理法を学んだ経験を活かし、素材がもっとも引き立つ調理方法を、その日に仕入れた食材を見極めながら考えている。「高知産の鹿肉は世界一おいしいかも。私はおもに海辺で育った鹿肉を使っていますが、海辺のシカはユズや木の実をたくさん食べているので、とくにおいしいんです。さあ、料理が冷めないうちに早く食べてみて!」促されるように料理を口に運ぶ。固いというイメージのあった鹿肉は肉汁たっぷりで、臭みもない。肉のうまみがじわじわと口の中に広がっていく。いまや高知のジビエ界をけん引する西村さんだが、以前の活動拠点はオセアニアで、日本に住むつもりはなかったとか。それが、2009年に一時帰国したときに、高知産鹿肉のおいしさに感動し、ジビエ料理の普及に携わることに決めたという。「外国では鹿肉は憧れの高級食材。なのに、日本でいいイメージがないのは、調理法を知らないからだと思ったんです」ジビエのおいしさがわかれば、シカやイノシシの被害に困っている中山間地域が活性化し、経済的に潤う仕組みができる――。そんな思いから、イベントの企画や料理教室など、さまざまな活動をしてきた。店を開いたのも、ジビエが普通においしいと、わかってもらえる場所が必要だと痛感したからだ。「ここは、いわば、鹿肉や猪肉のアンテナショップです。料理も特別なものではなく、家庭料理の延長。ちょっとしたコツで、肉そのもののおいしさがわかるレシピを考えています。ジビエの本当の価値に気づき、日本にジビエを食べる食文化が広がっていけばいいですね」推薦人の公文雅樹さんも「固くなりがちな鹿肉も、すごくジューシーに仕上がっていて驚きました」と、大絶賛する。
(キジ肉、平安貴族にも珍重:宮崎)
「元気に育ってね。きれいな水だよ」都城市山田町でふ化から育成、加工を手掛ける「宮崎県雉(きじ)生産事業合同会社」創業者で、建設業の木脇利博さん(69)と精米業の志々目義民さん(69)らが、キジ舎で給水器の水を取り換えて抜けた羽を取り除く。出荷まで約8カ月間、成長に合わせた餌を与えて丹精込めて育てる。

TOPへ

1/9
(シカ目撃急増、害獣駆除に若手確保急務:青森)
青森県内でニホンジカの目撃が急増し、農作物などの食害が懸念される一方、ハンターの高齢化による駆除の担い手不足が深刻だ。県は若手ハンター獲得を目指し、昨年から「狩猟体感バスツアー」を実施。猟の実演や銃砲店の見学、野生鳥獣肉を使ったジビエ料理の試食などを通し市民に狩猟を身近に感じてもらう取り組みを進める。過去4回は毎回、定員30人を超える希望者があり、狩猟免許取得のきっかけになったケースも出ている。「狩猟は気むずかしそうな男性が1人でするイメージだった。和やかな雰囲気やチームプレーに驚いた」。津軽地方で昨年12月4日にあった県のバスツアーに参加した青森市の女性デザイナー(39)が振り返る。狩猟犬で標的を追い込んで狙い撃つキジ猟を見学し、座学で狩猟の基礎を学んだ。女性は「こういう機会でもなければ窓口が分からなかった。垣根の高さを感じる」と指摘した。県猟友会によると、2015年度の会員1053人のうち約71%が60歳以上。60~69歳が517人で最も多く、次いで70~79歳が201人と狩猟人口の高齢化が進んでいる。ハンターになるには一定の初期投資が必要なことも若い人をちゅうちょさせる。ツアーに参加した青森市の会社員向山充さん(36)は「やってみたいが、道具をそろえるのがハードル」と語った。県猟友会の柴谷孝悦事務局長は「(猟銃の購入などには)補助制度があり、若い人でも始めやすい環境が整っている。銃は正しい扱い方さえ学んで徹底すれば誤発砲による事故も防げる」と懸念の払拭(ふっしょく)に躍起だ。県が若手ハンターの確保に乗りだした背景には、食害増加が懸念される現状がある。県のまとめでは本年度の県内のニホンジカ目撃数は昨年12月9日時点で84件。データのある2010年度以降で最多だった昨年度の年間実績(81件)をすでに超えている。県はツアーに定員を上回る申し込みがあることに手応えを感じている。自然保護課の村松栄一総括主幹は「自然を楽しみながら、青森県の農業を害獣から守る担い手として活躍する人が増えてほしい」と話す。
(避難指示区域、イノシシ捕獲数大幅増:福島)
東京電力福島第1原発事故の避難指示区域で環境省が実施しているイノシシなどの捕獲事業で、今年度の捕獲頭数が大幅に増えている。昨年12月時点で約400頭に上り、年度ごとの過去最高頭数を既に上回った。避難の長期化で住民の不在が続く中、人里へ出没するようになったとみられる。「家の中に足跡がある」「庭先にイノシシがいて不安だ」「畑を荒らされた」。一時帰宅した住民から被害の苦情はやまない。環境省は、2013年度から全町避難が続く浪江、双葉、大熊、富岡の4町でイノシシやイノブタの捕獲を開始。13年度は計204頭、14年度からは葛尾村を加え計381頭、15年度は計286頭を捕獲した。環境省や避難指示区域を抱える自治体の担当者によると、草が伸びた市街地など、事故前なら出てこなかったような場所に、イノシシなどが現れているという。来年4月の一部帰還を目指す富岡町の幹部は「帰還後の住民生活と営農再開に影響が出てくる。今後の一番の問題になるだろう」と悩ましげに話した。
(暖冬が原因、クマ2頭出没:福島)
6日午後4時10分ごろ、福島市飯坂町中野のラーメン店近くの草むらで店員と客がクマ2頭を目撃し、福島北署に通報した。同署によると、クマはいずれも体長約1メートルで店南側の崖を下っていったという。現場は国道13号沿いで、同署は周辺をパトロールし注意を呼び掛けた。福島市農業振興室の吉田知巳さん(46)によると「この時期にクマが目撃されるのは珍しい。暖冬が原因と考えられる」指摘。県猟友会福島支部の佐久間貞二支部長(75)は「例年クマは12月が過ぎると冬眠するが、今年は暖冬で餌を求めているのでは。カキやリンゴを求めて山から下りてくることもある」と話している。
(イノシシが道路に侵入、一時通行止めに:石川)
道路にうずくまるイノシシ。側溝にはまり、身動きが取れなくなっている。現場は七尾市佐々波町の七尾氷見道路で6日午前8時ごろ、道路脇の側溝にはまっているイノシシを除雪業者が発見した。イノシシは体長1、5メートルで体重150キロ。
(サル出没、町が注意喚起:静岡)
吉田町は5日、同町神戸にサルが出没したとして、周辺町民に注意を呼び掛けた。町によると、人的被害の情報は入っていない。サルが出没したのは東名高速道吉田インターチェンジ付近。目撃した住民から町に連絡があり、駆け付けた職員も確認したという。町は注意点として、サルに近寄らない▽刺激しない▽餌を絶対に与えない―ことなどを挙げ、サルを目撃した場合は町産業課へ連絡するよう求めている。6日以降も定期的にパトロールを行う。
(住宅街でたサルに襲われ、けが:山口)
美祢市の住宅で5日朝、女性がサルに襲われ、軽いけがをした。この地域では、去年11月から人がサルに襲われるケースが相次いでいて、警察などが注意を呼びかけている。美祢警察署によると、5日午前7時30分ごろ、美祢市大嶺町東分の住宅。
(鳥インフルの陽性反応:兵庫)
兵庫県は6日、西宮市高座町の池で先月28日に回収した野鳥のキンクロハジロ(カモ科)の死骸から、A型鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たと発表した。今後、鳥取大で高病原性かを調べる確定検査を行う。結果は約1週間で判明する見通し。県によると、死骸は近くの住民が池に浮いているのを見つけたという。
(野鳥から鳥インフル:愛知)
愛知県は4日、同県西尾市で死んでいた野鳥のホシハジロ1羽を簡易検査したところ、鳥インフルエンザの陽性反応が出たと発表した。鳥取大で確定検査をする。県内で野鳥から陽性反応が出るのは3日に続き2例目。県によると、4日午前9時ごろ、西尾市の海岸で通行人が見つけた。周辺では、ほかにカモなど6羽が死んでいたが、5羽の死因は外傷によるもので、もう1羽は腐敗して検査できなかった。現場から3キロ以内に家禽を飼う農家はなく、県は周辺10キロ圏内の池などで野鳥の監視を強める。県内では3日、豊橋市で死んでいた野鳥のヒドリガモから簡易検査で陽性反応が出た。また昨年12月、東山動植物園(名古屋市)で飼育していた絶滅危惧種のシジュウカラガンなど計10羽の感染が判明した。
(野生のヒドリガモ、簡易検査でインフル陽性:愛知)
愛知県は3日、豊橋市内で回収された野生のヒドリガモ1羽(オス)の死骸から、簡易検査でA型鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たと発表した。今後、鳥取大学で高病原性ウイルスの確定検査をする。環境省は、周辺10キロ圏内を野鳥監視重点区域に指定した。県によると、3日午前9時半ごろ、同市下条東町の川の付近でヒドリガモが死んでいるのを近くの住民が見つけ、市に通報した。県は感染拡大を防ぐため、発見場所から半径3キロ以内の農場1カ所に、4日午前から立ち入り検査をする。この農場では鶏やウズラなどを計100羽以上飼っているという。愛知県内では今季、東山動植物園(名古屋市千種区)で飼育していたコクチョウなど計10羽に高病原性鳥インフルエンザの感染が確認されている。
(クマ注意、出没最多)
本州のほとんどと、四国にすむツキノワグマの今年度(昨年11月まで)の出没件数は1万7137件で、2013年度以降では最も多かったことが環境省の調査で分かった。住民の目撃情報や足跡、フンなどの報告は各自治体がまとめているが、同省が過去分を含め、初めて全国集計した。餌となる木の実が豊作で個体数が増えたことや、地方の人口減少で人里に下りてくるクマが増えたことが原因とみられ、環境省は注意を呼び掛けている。調査は、ヒグマが生息する北海道や、ツキノワグマがいないとされる九州・沖縄地方と千葉を除く、37都府県の統計を環境省が集計した。13年度9133件▽14年度1万5981件▽15年度9597件▽今年度1万7137件--で、今年度は15年度より約1.8倍に増えた。都府県別では、岩手県3050件▽長野県1693件▽京都府1423件▽島根県1239件▽宮城県1217件--の順に多く、人口減少が著しい東北、中国地方などで増加傾向にある。一方、全国47都道府県で今年度(昨年11月まで)、ヒグマを含めクマによるけがなどをした人は過去37年間で5番目に多い計96人だった。捕獲数も3513頭で、最近9年間では3番目に多かった。クマの被害を巡っては、昨年5月から6月にかけて秋田県内の山林で、山菜とりに訪れた男女4人がクマとみられる動物に襲われて死亡するなど全国で事故が続出。秋田、岩手両県が「ツキノワグマ出没に関する警報」を初めて出すなど対応に追われた。一昨年秋は木の実が豊作で、冬眠期間中に子を産む雌が増えて「ベビーラッシュ」になったほか、子グマも越冬しやすかったことなどが原因とみられる。環境省野生生物課の担当者は「近年は畑の野菜などの味を覚え、人間の生活圏に出てくるクマが増えている。人を恐れないクマもいるため注意が必要だ」と話す。【
(巨大イノシシ、サトウキビ食べ大型化か:沖縄)
沖縄県石垣市の依頼を受けた県猟友会石垣地区(安田喜禮地区長)の選抜グループによる休猟区での有害鳥獣駆除が3、4の両日、石垣島北部であり、精鋭10人がイノシシ4頭を駆除した。4日は豪雨の中、久宇良地区で100キロサイズのイノシシを仕留め、6人がかりで運び出した。石垣市では伊原間から北のエリアが2014年から休猟区に指定されているが、農業被害が深刻で農家からの駆除要請が多い。中でも久宇良や平野では大型化したイノシシの被害で住民は困っていた。同会はこれまで週1回ほどのペースで有害鳥獣駆除を実施。最近では子牛クラスの大きさにまで成長したものもいて被害が深刻化していた。100キロのイノシシはサトウキビを食べて大きくなった可能性が高いという。牙を見た猟友会員の一人は「こんな牙は見たことが無い」と、その尖り具合のあまりの鋭さに驚いていた。
(キョン急増、捕獲追いつかず:千葉)
中型犬ほどのシカ、キョンが千葉県の房総半島で急増している。繁殖力が強く、同県によると2015年度の推定数は約5万頭。07年度の約15倍に上る。台湾などが原産で、特定外来生物に指定されているため、わな猟を中心に捕獲が続けられているが、15年度の捕獲数は2千頭余りだ。80年代に勝浦市にあった観光施設から逃げて野生化したとされる。日暮れ前、いすみ市の住宅街では数頭が草をはんだり、道を横切ったりしていた。庭の植栽を食べてしまうこともあるという。日没前に多く見られるが、詳しい生態は専門家にも知られていない。
(立山高山帯でシカ初確認:富山)
国の特別天然記念物ライチョウが多く生息する北アルプス・立山で、登山口の室堂むろどう(富山県、標高2450メートル)周辺に、本来は高山帯にはいないニホンジカが初めて確認された。山麓で増えたニホンジカが餌を求めて高山帯に上がってきたとみられる。専門家はライチョウの餌となる高山植物が食い荒らされ、生息環境が悪化することを懸念している。富山県が室堂付近に設置したセンサー付きカメラが2016年10月、ニホンジカ2頭を撮影した。北アルプスの長野県側では13年にライチョウ生息地でニホンジカが確認されていたが、観光客も多い室堂で確認されたのは初めてだった。信州大の研究では、ライチョウの国内生息数は推定約2000羽。富山県の調査によると、室堂周辺は約1070ヘクタールに約300羽がいるとみられる一大生息地。
(狩猟の魅力まるわかりフォーラムを開催:広島)
近年,ニホンジカやイノシシ等の野生鳥獣による生態系・農林水産業への被害が深刻化している一方で,狩猟者の減少や高齢化が進んでいます。そこで環境省では,将来の鳥獣保護管理の担い手確保を目的とした「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」を,広島市で平成29年2月5日(日)に開催します。若手ハンターによるトークセッションやジビエ(野生鳥獣のお肉)料理の試食,ハンティングの模擬体験ができるワークショップブースの出展など,狩猟が持つ魅力や社会的な役割を実感できる内容となっています。また,大人気ハンター漫画「山賊ダイアリー」とのコラボ企画による来場者への豪華特典もご用意しています(数に限りがありますので,なくなり次第終了とさせていただきます)。多くの方々のご参加をお待ちしております!日時:平成29年2月5日(日)13時~17時。場所:広島県立産業会館(広島市南区比治山本町16-31)西展示館第1展示場
(増えるか、女性マタギ:山形)
クマなどの狩猟をなりわいとする「マタギ」。全国有数のマタギの里、山形県小国町に女性マタギがいる。長く女人禁制とされた世界だが、担い手不足を背景に容認されるようになってきた。小国町のマタギは、全員が町猟友会会員だ。1950年ごろ約300人いた会員は108人まで減少。高齢化が進み、60歳以上が8割を占める。人材難の中、5年前に初の女性マタギが誕生した。町職員の蛯原紘子さん(32)=熊本市出身=。大学と大学院で野生鳥獣の被害対策について学び、小国町のクマ狩りを見学した際、クマを即座に発見するなど山を知り抜いたマタギに心を打たれた。「もっと知りたい」。町に通い続け、大学院修了後に移住した。先輩マタギと山に分け入り、ウサギなどを撃つ。クマ狩りにも参加するが、まだ仕留めた経験はない。400年以上続くとされる小国マタギの世界で、山の神は「嫉妬深い女性」と信じられてきた。このため狩りは女人禁制。蛯原さんが加わることをよく思わないマタギも少なくなかった。初めて狩りに同行したのは2007年。「1回目は登山口まで、2回目は少し奥までと、徐々に同行する距離と時間を増やしていった」。化粧はせず、他の人より早く山小屋に行きお茶を入れるなど、マタギの信頼を得る努力を重ねた。マタギ歴40年以上の斎藤初男さん(66)も最初は「男だけの世界に」と異議を唱えた。しかし蛯原さんが同行しても獲物は捕れた。蛯原さんは11年12月に猟友会に入り、マタギの一員に。斎藤さんは「時代の流れだ」とし、「何十年かかって一人前の世界。少しずつ技能を覚えて長く続けてほしい」と期待する。この冬、同町職員高橋佳帆里さん(23)=山形県天童市出身=が新たに加わった。高橋さんも「分からないことだらけだが頑張りたい」と前向きだ。猟友会会長の遠藤春男さん(67)は「興味を持つ女性は増えている。女性が入り注目されれば人手不足解消につながるのでは」と笑顔を見せた。
(ジビエ先進地に学ぶ:滋賀)
県は、農作物などへの害獣として捕獲したニホンジカの食肉活用に本格的に取り組む。野生鳥獣の肉「ジビエ」を地域資源にする動きは全国で増えており、県も昨年8月に「ジビエ活用検討プロジェクトチーム(PT)」(チーム長=石河康久・琵琶湖環境部次長)を設置した。これまでに食肉加工業者や飲食店などと連携して県内のイベントでジビエ料理を提供。今月には先進自治体にアンケートを実施し、今後の施策に生かす。県によると、2015年度の野生鳥獣による農作物被害は約1億8000万円。このうち、シカの被害は約5000万円とおよそ3割を占める。被害額ではイノシシが最も多いが、シカは農作物に加え、森林の下草なども食べてしまうことから生態系への悪影響が指摘されている。このため、県は猟友会などに委託して毎年1万6000頭を目標に捕獲。2017年度は1万9000頭に増やすとしている。しかし、食肉として加工されているのは全体の4~5%とみられ、有効活用する方策が求められていた。PTは石河チーム長をはじめ、農政水産や総合政策など関係各部の次長や課長ら計13人で構成。まずは、ジビエについて県民に知ってもらうことから始めた。昨年9月と10月、大津市と長浜市で開かれた環境関連イベントで、飲食チェーン「カレーハウスCoCo壱番屋」の県内店舗を運営する会社「アドバンス」(長浜市)や、地元ハンターでつくる食肉加工団体「KFファクトリー」(同)が、シカ肉入りカレー計約600食を販売した。10月には県内の処理加工業者に聞き取り調査を実施。ジビエ普及に必要な支援として、解体技術の取得研修▽捕獲後のシカ肉の運搬支援▽処理加工施設の維持管理費助成――などの意見が寄せられた。PTでは、ほかにも、ジビエを提供する店舗数の拡大やメニューの開発、効果的なPRなどが課題としている。ジビエで町おこしや観光客誘致を進める北海道や兵庫、長野両県など約20自治体にアンケートを行った上で、県としてどういった施策が可能か、検討を重ねる。PTの事務局が置かれる鳥獣対策室は「ジビエが普及することでシカの命を無駄にせず、同時に農作物や森林被害などについて考えてもらえるようになれば」としている。
(ジビエ料理で地域振興:東京)
狩猟で得た野生の動物肉を食材に使う“ジビエ料理”の活用が各地に広がっている。狩猟によって農産物の鳥獣被害を食い止め、食を売りにした地域振興にもつなげるという一石二鳥が狙いだ。ただ流通経路の整備など課題は多い。ジェイアール東日本フードビジネス(東京)は2011年に駅構内のカフェでシカ肉カレーの提供を始めた。13年からは傘下のハンバーガー店で「シカ肉バーガー」を季節限定で販売し、毎年完売している。佐野正人取締役は「コストは高いが、利益も出ている」と話す。欧州ではジビエ料理は一般的で、日本ジビエ振興協議会の藤木徳彦氏が長野県の鳥獣被害対策としてジビエ活用を持ちかけた。社内には安全性の問題などで慎重論もあったが、佐野氏らは「おいしければ成功する」と安全性を確保し実現させた。親会社のJR東日本も「地域の課題解決がビジネスにつながる」と注目し、山梨県や静岡県で新たに企画を練る。.
(ジビエカレー調理実演:静岡)
出張料理ユニット「東京カリ~番長」の調理主任として全国で活躍する浜松市出身の水野仁輔さん(42)を招き、ジビエ(野生の獣)肉を使ったカレーの教室が八日、同市中区の市福祉交流センターで開かれた。狩猟文化を守り、ジビエ食文化の振興に取り組むNPOルーツジャパン(浜松市西区)が主催。カレーやジビエに関心のある市民ら約三十人が参加した。料理用のジビエ肉は、猟師でもある同NPOの岡本浩明理事長(43)らが昨年末に森町で仕留めたシカのひき肉。水野さんは、ターメリックやコリアンダーなど約十種のスパイスで香り付けするシカ肉のキーマカレーを紹介した。タマネギやシカ肉など具材を炒める調理の前後にスパイスを投じるコツを伝授し、「香りと味をサンドイッチして重ねて仕上げていくのが基本」だと教えた。参加者は実演を見守りながら、しきりにメモを取っていた。
(調理師免許でジビエ料理にも意欲:福岡)
添田町で2人目の地域おこし協力隊員(商品流通推進員)、佐々木晋さん(29)が4日着任し、寺西明男町長から委嘱状が手渡された。佐々木さんは京都生まれで、幼稚園から宗像市、中学からは福津市で育った。調理専門学校を卒業し、県内の院内保育園や病院で調理師として勤務。2013年に3カ月間カナダに留学した後、昨年3月まで福岡市の日本語学校で留学生支援などに携わっていた。

TOPへ

1/4
(イノシシ出没、女性がけが:長野)
29日午後2時20分ごろ、長野市の住宅の庭で住民の女性(40)が窓の掃除をしていたところ、体長約1メートルのイノシシ1匹が現れました。女性は体当たりされて転倒し、右手親指をかまれて病院で治療を受けています。イノシシは女性を襲った後に逃げ、警察などが捜索しましたが、見つかりませんでした。防災無線などで付近の住民に注意を呼び掛けています。
(八重山のイノシシ、独自の亜種:沖縄)
奄美群島と琉球諸島に自然分布するリュウキュウイノシシのうち、石垣島と西表島に生息する集団は独立した亜種であることが、広島大学と東京農業大学の共同研究チームによる調査で分かった。リュウキュウイノシシはこれまでは一つの亜種と考えられていたが、石垣島・西表島の集団はDNA配列と頭骨の形態に違いがあることが判明、9月の日本哺乳類学会で発表された。今後、同集団が独立する形で分類され、新たな学名が付けられる可能性がある。同チームは、奄美群島と琉球諸島で、5年間の遺伝学的調査と約30年にわたる形態学的調査を実施。毎年、猟期の11月~2月にかけて各地を訪れ、猟師や地域住民の協力を得ながら各島のイノシシのDNA採取などを行っている。今月9日~19日には調査のため西表島を訪れていた。これまでの調査で、石垣島と西表島の集団は、遺伝子の構成材料となる塩基配列がリュウキュウイノシシと異なり、頭骨の形態で上あご部分の上顎骨にある涙骨と口蓋裂に相違点があることを確認した。乳頭の数や位置も異なっていた。同チームは今後も調査を継続し、西表島・石垣島の集団がいつごろ渡来し、島間で分岐してきたかなど、他のイノシシと比較しながら詳細を調べ、論文にまとめる方針だ。同チームの代表を務める広島大学大学院生物圏科学研究科の西堀正英准教授は「今まで一つだったグループが二つに分かれ、重要な遺伝資源であることを示すもの。動物分類学的にも極めて興味深い。二つのグループのリュウキュウイノシシがいつ分岐したかなども解析から明らかにしていきたい」と話している。
(電車と動物の衝突事故で損害「年間数千万円」)
多発するシカやイノシシなどの動物と電車との衝突事故は、電鉄会社にとって深刻な問題となっている。近鉄では昨年、シカなどの動物と電車が衝突する事故が過去最多の313件発生。部分運休や代替車両の手配などを余儀なくされるケースもあるといい、損害は年間数千万円に上るとみられている。特に近年は、狩猟者の減少や、過疎化による里山の荒廃で野生動物の行動範囲が拡大し、接触事故は急増傾向にある。近鉄によると今回の鹿踏切が設置された東青山駅周辺では、10年ほど前は年間2~3件程度だったという。また、シカが線路に近づくのは、生息域の中に位置するほか、鉄分を補給するために線路をなめる習性もあるとされている。このため、各鉄道会社は対策に苦慮する。JR西日本はシカなどが嫌うオオカミの尿を使った薬剤を線路付近に散布、近鉄も鹿踏切前は線路脇に発光ダイオードの付いたボールを設置するなどの対策を試みているが、大きな効果をあげるまでには至っていない。一方、JR東海は、衝突を前提に、一部の山間部の区間で特急電車の先頭車両にスポンジゴム製の緩衝装置を取り付ける。「運転再開までの時間が短くなった」というが、抜本的な対策とはなっていない。こうした中で、効果が実証された形の「鹿踏切」。国土交通省によると、昨年度、動物によって運休や30分以上の遅れが発生した事例は全国で428件に達している。考案した近鉄の匹田雄史さんは「シカを排除するのではなく、共存する仕組みで、互いによい関係を続けられたら」と話している。
(特急サロベツ車輪に傷:北海道)
30日午後8時50分ごろ、稚内市大黒1のJR南稚内駅構内で、点検中の特急列車の車輪に基準値を超す傷が見つかった。修理のため、この車両を使う予定だった31日午後の稚内発札幌行き特急サロベツを運休する。JR北海道によると、傷は30日午後、列車運行中にシカを発見して非常ブレーキをかけた際にできた可能性が高いという。
(クマ出没大幅増、鳥獣の農作物被害続発:埼玉)
県内で今年、野生のツキノワグマの出没が昨年に比べて大幅に増加したことが県の調べで分かった。人がけがをした事故は過去十年で初めて、複数件発生した。一方、野生鳥獣による農産物の被害も一部の自治体で報告が相次いでおり、ツキノワグマのエサとなるブナの実の凶作が影響したとの見方もある。県みどり自然課によると、県内の本年度のツキノワグマの出没件数は十月末までで六十一件と、前年度の三十六件に比べ大幅に増加した。出没件数は年によって大きなばらつきがあり、エサとなるドングリの不作が原因ともされる。近年では一三年度は四十件、一四年度は八十七件だった。秋田県では五~六月にかけ、襲われたとみられる四人が死亡する事故があったが、県内でも人身事故が二件発生した。五月二十三日、小鹿野町の両神山登山道で男性がクマに顔を引っかかれ、二週間のけが。八月七日には秩父市荒川上田野の遊歩道で、洞穴をのぞいた男性が中から出てきたクマに襲われ、クマとともに崖から転落して額に重傷を負った。クマに襲われてけがをする事故は過去十年で、一一年と一四年の各一件だけだった。一方、イノシシやアライグマ、サル、シカなど野生鳥獣による農産物の被害報告も相次いだ。県全体の被害額はまとまっていないが、市町村別の被害額が毎年、断トツで最多の飯能市では「畑が荒らされている」「庭がイノシシにほじくり返された」といった被害報告が多数寄せられた。一四年度は二百七十三件、一五年度は二百五十件だったが、本年度は十一月末までに三百四十八件と急増した。市の担当者は「山間地域では今まであまりなかったコンニャクイモの被害も出ている。山の中に食べ物がなく、民家にかなり近い所に下りてきているのではないか」と話す。同市では本年度、有害鳥獣捕獲の実施を例年の二回から四回に倍増した。被害額が県内上位の秩父市の担当者も「今までなかった場所でイノシシの出没が相次ぐ例もあり、今年の被害は横ばいか増えるかもしれない」とみる。同市では、対策としては耕作地を囲む電気柵が有効とされており、集落単位での導入を呼び掛けている。ただ、農家からは「電気柵は意味がない」「捕獲すればいいだけの話」と消極的な意見も根強いという。同担当者は「何も対策しなければ、動物にとっては最高の場所となり、そこを起点に被害が拡大してしまう」と話しており、理解を求めていく方針だ。
(クマ目撃:山形)
31日午後2時半頃、山形市平清水の千歳山登山道で、登山をしていた近所の男子中学生(13)が、クマ1頭を目撃した。山形署の発表によると、クマは体長約1・5メートルの成獣。中学生は、千歳稲荷神社から約200メートル山頂方向に進んだ場所で、歩いているクマを目撃し、山形署に駆け込んで通報したという。
(ハンター自体が〝絶滅危惧種〟?:兵庫)
兵庫県が昨年、20年ぶりに解禁したツキノワグマ猟。11月15日から1カ月の狩猟期間で捕獲したのはわずか4頭だった。解禁前には県内で5年ぶりに人が襲われて負傷し、人里での目撃情報も急増していただけに大量捕獲が期待されたが、思ったほどの成果が上がらなかった。その理由として、長年の禁猟によって猟友会でクマ猟経験のあるハンターが少なくなったことがあるという。実際にクマを捕獲したハンターも「一撃で仕留めないと自分がやられる」と語り、恐怖心との戦いだったと強調した。そもそも高齢化でハンター自体が減少し、いまや?絶滅危惧種?との声も上がる。県は今回の結果を踏まえて来年の実施方法を検討するとしているが、果たして…。「バーン」昨年11月24日の日中、兵庫県北部の豊岡市内の山中に銃声が響き渡った。地面に横たわる1頭のクマ。近づくと雌の成獣だった。仕留めたのは同市のハンター、川中忠行さん(67)。クマが自分より約20メートル下に位置していることを確認し、「確実に仕留められる」と判断。狙いを定めて銃の引き金を引き、一撃で仕留めた。林道を車で移動中、木に登っているクマを見つけた。「撃つべきかためらった」と振り返る。かつて、猟仲間が手負いのクマに襲われそうになった体験が脳裏をよぎったからだ。「手負いのクマは危ない。人家に近づけば人を襲うかもしれない。確実に仕留められないと自分がやられる」かつてクマと?戦った?とされる空手家やプロレスラーがいたが、銃を持つハンターでも野生のクマは怖いのだ。川中さん自身、クマの狩猟禁止前の平成3~4年に2度、クマを捕獲した経験があるが、「グループで狩猟中にクマと遭遇したら誰かが撃たないと身を守れない」という理由で、クマ猟の承認証を取った。川中さんが仕留めた雌の成獣は約60キロ。捕獲したクマはハンターのものになるため、仲間18人で肉を分けた。仕留めた獲物は食べたりするのが、動物の命を奪った礼儀だと考えている。かつて、ツキノワグマは北海道を除く本州や中四国、九州に生息していた。しかし、木の皮をはぐなど林業における獣害とみなされ、駆除の対象になった時代があった。多くのクマが駆除され、生息数も減少。九州では絶滅したとされ、中国・四国は環境省のレッドリストにも「絶滅のおそれがある地域個体群」と記載される。兵庫県も8年度、推定生息数が100頭を切ったとして、保護の対象とした。15年度には県版レッドデータブックでAランクに指定され、絶滅の危機にひんした種とされた。イノシシ用などのわなにかかったクマは麻酔で眠らされた後、人里離れた山中に放されるなど大事に扱われた。こうした保護の効果もあって順調に生息数が回復。27年当初の推定生息数は940頭にまでになり、それに伴い、目撃情報も増えていった。27年度は497件だった目撃情報が28年4~11月だけで926件と急増。全国でみても、27年度が9597件で、28年4~10月に1万4758件(環境省調べ)と増えた。人を襲ってけがをさせる人的被害も多発し、秋田県では28年5~6月にクマに襲われたとみられる男女4人が遺体で見つかったほか、兵庫県内でも10月、集落でクマと出くわした男性が襲われて負傷する被害が発生した。クマによる人的被害は5年ぶりのことだった。クマが人を襲うケースは「出合い頭」が多いとされる。クマが人里に現れる機会が増えれば当然、人と出くわす可能性も高まることになる。近畿大の澤畠拓夫准教授(動物生態学)は「昔は人とクマの生活圏に境があった。今は人里も過疎化し、放置された柿の木などを目当てにやってくるようになった。おいしい食べ物があることを知り、かつてあった境がなくなった」と指摘する。しかも、28年は森の中で餌が不足していたようだ。兵庫県森林動物研究センターによると、クマの餌となるブナとミズナラの実が少なかったという。森の中に餌がなければ、人がいる集落にやってくる。保護によって増えすぎたクマは、今度は“駆除”の対象に戻ることになる。同県では「ツキノワグマ保護計画」を定めており、推定生息数が400頭未満なら可能な限り殺処分しない▽400~800頭では原則殺処分▽800頭を超えれば狩猟を解禁-としている。27年当初で推計生息数が940頭とされたことで、県は28年夏、同計画に基づきクマ猟を解禁する方針を決めた。ただ、目的は?駆除?ではなく、「人と動物の共生を目指すため」とした。クマ猟解禁にあたり、ハンターは知事の承認証を得た140人に限定し、捕獲数も1人1頭に制限、親子グマの捕獲は禁止とし、一部規制を残した。20年におよぶ保護でクマの人への警戒心が薄れ、簡単に捕獲されて頭数が急減する可能性が懸念されたからだ。しかし、11月15日から1カ月の狩猟期間中、捕獲されたクマは4頭のみ。あれだけ目撃情報があったのに、なぜこんな結果になったのか。1頭のクマを仕留めた川中さんが本音を語る。「多くのハンターはイノシシやシカなどの獲物が狙いで、クマは万が一に備えて、という感覚」という。県森林動物研究センターが27年秋、ハンター約850人に実施したアンケートでも、「クマ猟を行いたい」と回答した人は15・4%。「他の動物の狩猟の際に機会があれば」が51・6%で、「捕獲したくない」が23・4%だった。そもそも、猟友会の会員自体が高齢化し、ハンターは減少の一途をたどっている。県によると、県内の銃猟免許所持者は元年の6952人から27年は2662人に減少。「猟友会も高齢化でハンター自体が『絶滅危惧種』の一種」と川中さんが話すほどだ。所属する県猟友会出石支部も高齢化が進み、会員45人中クマ猟の許可を取ったのは2人だけ。長年の禁猟でクマ猟経験者も減った。県猟友会の松尾史朗会長代行(58)も「狩猟技術を指導できる人も、後継者を育てるシステムもない」と打ち明ける。こうした事実を井戸敏三知事も認識し、昨年12月13日の定例会見で「20年ぶりの狩猟解禁で若い人はクマ猟の未経験者がほとんど。クマ猟に慎重になったのではないか。ハンターに慣れてもらうことが必要だ」と述べ、講習会などの開催も検討するとした。その一方、「ハンターが山に入ったことで、クマと人とのすみ分けがある程度できたのでは」との見解を示した。狩猟によって人とクマの共生は図れるだろうか。クマの生態に詳しい岩手大の青井俊樹名誉教授(野生動物管理学)は「生息数が回復し、人と共生できる程度の一定数が維持されるならば、狩猟解禁は妥当」と評価。ただ、捕獲数が少なかったことについては「高齢化したハンターが山に入るのも大変。若いハンターを育成し、イノシシやシカなどのように狩猟が行われるようになれば、捕獲数も増えるのではないか」と話した。
(県営施設は必要の意見、新たな射撃場検討委員会:山梨)
県は、新たな射撃場のあり方検討委員会を26日に開催し、施設整備の必要性などを協議した。委員からは、「県営の訓練施設が必要」「ライフル射撃の練習場として必要」「(2011年に検討した)建設事業費15億円程度は妥当か」などの意見が出た。県では、今後も検討を重ね、16年度末を目途に方針を定める。県営の射撃場は韮崎市清哲町青木地内の15・7hで運営していたが、1998年(平成10年)の銃弾事故を契機に同市穂坂町へ移転を計画。実施設計を進めたが、事業費が約30億円と大きくなり移転計画を再検討。甲州市の市有地を有力候補地に約15億円で計画したが、騒音や鉛対策などで事業費が増えため、あらためて15億円程度で33カ所の候補地を検討したが適地がなく、県では11年9月に県立射撃場の整備を凍結。韮崎射撃場は09年7月に閉鎖した。さらに、概ね5年後に整備凍結などを再検証することになっていたため、本年11月に関係者による「新たな射撃場検討委員会」を発足させた。第2回委員会では、県が整備凍結の経緯や射撃場の必要性をあらためて提示。施設の必要性については、スポーツとクレー射撃の技術向上に必要で、鳥獣害対策として銃による捕獲数を増やしていくためにも「射撃場は必要であるとの認識は変わりはない」と説明した。また、県内には民間の射撃場が4カ所(身延町、大月市、都留市、忍野村)あり、2カ所が日本クレー協会の公認と解説した。一方、施設規模などについて、5年前の整備凍結時には、クレー射撃場4面(トラップ、スキート各2面)、ライフル射撃場(大口径100m)を検討し、事業費を抑制するためライフル射撃場とクレー射撃場の一体整備とし、事業費は15億円程度だったことを説明。凍結後では、県教育委員会が15年2月に策定した「県有スポーツ施設整備の基本方針」で「次期国体について県内に大会施設基準を満たす射撃場が無く、整備した場合は競技会場として使用が可能」と示したことに触れ、新射撃場について16年度末を目途に方針を定めると説明した。また、11年度に検討した33カ所の候補地について現状を報告。そのうち2カ所は他の用途に活用されているか活用予定で、それ以外の31カ所は状況の変化は無く、候補地のうち概算工事費が15億円程度で建設可能な敵地は無かったことを報告した。一方で候補地は、周辺の防災工事や道路工事などによって建設が可能になることも考えられることから動向を注視していくとした。意見交換では、競技関係の委員から「競技力向上のための施設が必要」との意見が出た。そのほか、「建設事業費の15億円は妥当なのか」「射撃場と練習場は分けて考えた方が良いのでは」「鉛対策も重要」などの声が挙がった。県では、来年1月下旬に開催予定の次回委員会で、とりまとめ骨子案を協議する予定。
(シカ対策のシンポジウム:長野)
上伊那地方の市町村や国、県の関係機関でつくる中央アルプス野生動物対策協議会(会長・杉本幸治駒ケ根市長)は、「中央アルプスのシカ対策シンポジウム」を20日午後1時から、駒ケ根市東町のアイパルで開く。増加による生態系への影響が懸念される中アのニホンジカについて、その生態や被害対策に関する講演・報告を聞き、今後の対応を考える。同協議会事務局の市農林課によると、中ア一帯ではこれまで、ニホンジカによる具体的な被害は確認されていないが、近年、標高2600メートル付近の高山帯でもその姿が見られるようになったという。高山植物の食害や他の生態系への影響などが懸念される中、ニホンジカ被害の現状と対策をみんなで考えようと、専門家を招いたシンポジウムを企画した。当日は国立研究開発法人森林総合研究所研究ディレクターの小泉透さんが「ニホンジカの生態と被害対策」と題して基調講演。信州大学農学部准教授の竹田謙一さんが南アでの食害、南信森林管理署の谷澤功志さんが中アの国有林での取り組み、県林務部鳥獣対策・ジビエ振興室長の佐藤繁さんが鳥獣保護管理の取り組みについてそれぞれ事例報告する。引き続き、杉本会長らを交えたパネルディスカッションもあり、「中央アルプスの生態系をシカ被害から守るために」をテーマに意見交換。会場ではニホンジカの目撃情報や関係機関の取り組みを紹介する展示もある。聴講無料で事前申し込み不要。同課は「中アは観光の面でも地域の貴重な資源。自然を後世につないでいく必要がある。多くの人に関心を持ってもらいたい」とし、参加を呼び掛けている。
(「ジビエ」体験教室開催へ:長野)
「NPO法人長崎の食文化を推進する会」(山下慧理事長)と長崎市は4月から、国指定史跡「出島和蘭商館跡」で観光客らを対象に、イノシシやシカの肉をハムやソーセージに加工する体験教室を始める。江戸時代、国内では獣肉を食べることは禁じられていたが、出島では加工肉が「ジビエ料理」として親しまれていた。山下理事長は「長崎発祥の食文化を、本県観光のさらなる発展に生かしたい」と話している。市によると、当時のオランダ商館員がイノシシ肉などをハムなどに加工して食べており、その様子は江戸後期の画家、川原慶賀の作品にも残っているという。市は商館跡のヘトル部屋を改修し、約650平方メートルを教室として活用する方針で、3月中旬に完成する予定。今後、同会と市は人員面など教室の運営方法を協議。また商館跡内でハムやソーセージなどを土産品として販売する計画もあり、パッケージデザインや価格などを決めるという。
(都心のカラスが年々減っている理由)
都心でカラスが減っていることに気づいているだろうか?「都市鳥研究会」が発表した「東京都心におけるカラスの集団塒(ねぐら)の個体数調査」によると、2000年以降、東京都心におけるカラスの数は減少を続けている。これは、鳥の研究者などで構成される同研究会が、5年ごとに都心3カ所のねぐらで実施している調査の結果だ。調査を開始した1985年に6727羽だったカラスは増加を続け、ピークとなった2000年には1万8664羽となった。しかし、2000年以降は減少に転じ、2015年には4816羽と最盛期の約4分の1になっている。都市鳥研究会代表の川内博氏に、減少の理由を聞いてみた。「減った理由を考える前に、増えた理由を知る必要があります。1985年からの増加は、バブルを挟んでいることもあり、路上に置かれる食べ残しや未使用の食材が含まれた生ゴミの量が増えたことが原因だと考えています。調査を始めたのも、1980年頃からカラスの姿が都心で目立つようになり、住民との生ゴミをめぐるトラブルが増えていたことがきっかけです」1990年代後半からはカラスに関する議論が活発になり、東京都は2001年からカラス対策を始めた。具体的には、公園などにカラスを捕まえるトラップを設置したこと、そしてゴミ対策だ。2016年現在でも、東京都は「トラップ捕獲及び大規模ねぐらでの巣の除去を継続実施」し、「エサやり防止・ごみ対策等において、区市町村と連携して対応」している。東京都でもカラスの数は調査しており、調査と対策を開始した2001年以降、カラスの数は概ね減少を続けている。しかしトラップの効果に関しては、賛否両論があると川内氏は話す。「トラップは、大型の檻を設置し、その中にオトリのカラスと食べ物を入れる仕組みになっています。ただ、その罠に引っかかりやすいのは経験の少ない若いカラスのため、繁殖ができる大人のカラスは減らず、上澄みを取るだけです。カラスが増えた原因がエサだとすれば、兵糧攻めにする方が繁殖できる個体数が減り、結果としてカラスの数の減少に繋がるでしょう。そういった観点やカラスが生き物であることへの考慮から、日本野鳥の会などは、生ゴミの長時間放置を減らしたり、回収方法を工夫したりする方向性を求めてきました」カラスが減ったことは、生態系に影響しないのだろうか? 川内氏によると、生息しているカラスの種類に変化が現れ始めているという。「日本にふつうに生息しているカラスには2種類います。ハシブトガラスは森林性で、木の上から下にある食べ物を探す性質があり、ハシボソガラスは草原性で、地面を歩きながら生き物の死骸などを食べる性質があります。これまで東京23区内は、森林性のハシブトガラスばかりだったのですが、ハシブトガラスの減少に伴い、都心でもハシボソガラスが台頭してきました」また、カラスの数との相関がまだ明確ではないものの、2000年頃から、カラスの天敵であるオオタカの繁殖が皇居などで見られるようになったそうだ。オオタカはカラスを捕食するため、都心部に生息するカラスにとって何らかの影響があるのではないかという。川内氏によれば、カラスは増えすぎても困るが、生態系においてはネズミなどの動物の死骸などを食べる「自然の掃除屋」としての役割もある。都市部のカラスは今後も減少を続けるのか、そしてどんな影響があるのか見守りたいところだ。
(都会のPC仕事から猟師に:群馬)
毛皮から肉片をナイフでこそぎ落とす。たき火で温めた湯で何度も洗う。シカの皮は弾力があり、分厚く重い。利用できる「革」に変える「なめし」の作業だ。昨年12月中旬、うっすらと雪が積もる岐阜県郡上(ぐじょう)市の山あい。狩猟関連イベントを企画する会社「猪鹿庁(いのしかちょう)」が、皮なめしツアーを開いた。「脂を残さずに」「力を入れすぎないで」。代表の安田大介さん(37)が男女22人に助言する。真冬のテント泊、費用は約3万円。それでも、ほぼ定員となった。シカは、安田さんらがワナで捕まえたものだ。郡上に移り、「猟師」になって3度目の冬。道を覚えるために、何度も山に入った。時々連れていく長女みこちゃん(1)は、「シカ」という言葉を覚えた。会社勤めを続けていれば、まだ言えなかっただろう。高層ビルが林立する名古屋駅近く。トヨタ自動車の子会社でカーナビのデータを作成していた。好待遇で安定した生活。空調が行き届いたオフィスで、パソコンに向かう日々だった。妻(37)から妊娠を告げられたのは2014年の初夏。結婚して4年、待ち望んでいた吉報だった。新しい家族を迎える準備は整っている。なのに、膨らんでくる妻のおなかを触るたび、焦りが募った。ログイン前の続き椎名誠の私小説「岳物語」の中で、雑誌の仕事で琵琶湖に釣りに行く椎名に、長男の岳が言う場面がある。「いいな、大人はな」「仕事で釣りができるんだものな」。翻って自分はどうだ。パソコン画面上でデータを積み上げる毎日。利用者の顔も思い浮かばない。金曜日の夜、テントを背負って自転車に乗り、山に向かった。空気で膨らませるボートで川を下った。河原で拾ったシカの角を手に、思った。つまらなそうに仕事に向かう姿を、生まれてくる子に見せたくない。「幸せにするからついてきて」。猛反対する妻を説得し、14年9月に郡上に来た。選んだのは、名古屋に高速道路で行け、山と清流があったから。猪鹿庁の前身のNPOに入った。初めて仕留めた獲物のぬくもりは手に残っている。雪に脚をとられたイノシシの子ども「ウリ坊」だった。素手で捕まえ、ナイフを腹に当てて引くと、湯気が立ちこめた。かじかんだ手で内臓に触れると、やけどしそうに感じた。「命をいただくからこそ、命と向き合わなければいけない」。持ち帰り、肉もレバーも、心臓も食べた。郡上でも獣害は深刻だ。かわいいウリ坊も成長すれば田畑を荒らす。サルはカボチャをつまみ食いし、シカは稲を踏み荒らす。いま、農家が仕掛けたワナにかかった獲物を仕留めるのも仕事の一つだ。狩猟の裾野を広げようと、ナイフづくりやシカのさばき方などの企画を年20回ほど行う。登山やキャンプといったアウトドアの延長にあると伝えたい。以前の仕事では離れたくなったデジタルも、今では重要な手段だ。臨場感にこだわったホームページでイベントを告知する。かつての自分のように、悶々(もんもん)とした日々を送る人に野生のリアルさに接してほしい。収入は半減し、働く時間は増えた。妻は今も納得していない。それでも、生きているという実感がある。昨年11月下旬の早朝、石川県加賀市の林道脇。吉田さくらさん(40)のワナに、体重60キロ程のオスのイノシシがかかっていた。この日は誕生日で、予期しないプレゼントになった。半年前にワナと銃の免許を取って初めての獲物。苦しませないように、一発で仕留める。命を奪うという緊張感のなか、銃の引き金を引くと、強い反動が体を突き抜けた。かつて取り組んだ格闘技では得たことのない感覚だった。大学時代は柔道で全国2位、レスリングでも4位。ケガで引退したが、09年に総合格闘技に復帰した。11年3月、試合に向かう途中の東京・練馬駅で揺れに襲われた。東日本大震災。津波で車が流され、火が上がる映像が、頭から離れなくなった。こんな時になぜ格闘技なのだろう。自分を強く見せたいだけのように思い、引退を決めた。夫の宜正(よしまさ)さん(40)が営む加賀市の接骨院を手伝うようになり、客から獣害の話をたびたび聞いた。「私が退治したい」。狩猟の道に入った。リングから離れて5年間がたっていた。猟は楽しい。初めての世界だから、周りに甘えられた。市内最年少の猟師なので、年の離れた師匠が手ほどきしてくれる。自然の中では強がる必要もない。保健所にいる犬を預かる活動もする。友人からは「犬は保護するのに、猟では命を奪う」と皮肉も言われる。困っている人がいるからだと、シンプルに考えるようにしている。毎朝、自分の手でワナにえさを置く。今日も日の出前に家を出る。猟師の数は減少し、高齢化も進む。狩猟免許の所持者数は、1975年度の約52万人から約19万人(2013年度)まで減り、60歳以上が3分の2を占める。一方、割合は低いが、若手猟師は増えている。20代の所持者は5年前から倍増の4200人に。女性も増えている。猟師の減少もあり、鳥獣による農業被害は深刻で、毎年200億円前後に達する。環境省は13年度末時点で、イノシシは約98万頭、シカは本州以南で約305万頭が生息すると推定する。シカは増加傾向で、今の捕獲ペースでは10年後に約1・5倍になるという。クマの出没も相次いでいる。16年度は1万5千件(16年10月時点)の目撃情報が寄せられている。農林水産省によると、捕獲された鳥獣のうち、食肉に利用されるのは1割ほど。このため、ジビエとして活用しようという動きも広がる。ジビエ料理を扱う店舗は、15年夏の約600店から1年で1・5倍近くに増えたという。

TOPへ