<射撃ニュース10月>

10/13
(バイク運転の新聞配達員が死亡、飛び出してきた大型動物と衝突か:栃木)
9日午前5時30分ごろ、栃木県鹿沼市内の県道で、新聞配達員のバイクが転倒しているのを通行人が発見。警察へ通報した。運転していた男性は収容先の病院で死亡。道路に飛び出してきた大型の動物と衝突した可能性が高いとみられる。栃木県警・鹿沼署によると、現場は鹿沼市板荷付近で幅員約4mの直線区間。現場を通りかかった人が道路中央に倒れている男性と、新聞配達用の原付バイクを発見。男性の意識が無いことから警察に通報した。男性は近くの病院へ収容されたが、頭部強打などが原因で約5時間30分後に死亡。後の調べで同市内に在住する69歳の男性と判明している。現場は山間部を通る区間。バイクや周辺の路面には動物の毛のようなものが付着しており、警察では走行中に飛び出してきたイノシシやシカなど、比較的大型の動物と衝突した可能性が高いものとみて、事故発生の経緯を詳しく調べている。
(「小学校庭で侵入グマ射殺」がなぜ非難される:岐阜)
パーン、パーン。自然豊かな山間の校庭に銃声が鳴り響いた。岐阜県高山市奥飛騨温泉郷の市立栃尾小学校(小谷好廣校長、児童64人)に9月、ツキノワグマが侵入し、駆けつけた猟友会メンバーが警察の指示のもとで射殺したのだ。当時は授業中で学校側は児童を教室で待機させ、児童や保護者にその都度状況を説明したため、大きな混乱はなかった。地元ではクマによるけが人も相次いでおり、今回の措置も「児童の安全を考えるとやむを得ない」との受け止め方だ。ところがネットや報道で騒ぎを知った県外の人から「小学校で射殺とは…」と非難の声が寄せられ、市や学校側は困惑している。校庭でクマが見つかったのは9月6日午前11時半ごろだった。職員室の教職員が校庭を走る黒い動物を発見。周辺でもクマの目撃情報はあったが、学校の敷地に入ったことは一度もなく、松井健治教頭は「動きがとても速く、初めは黒い犬が入ってきたと思った」という。しかし、よく見るとクマだったため、すぐに110番通報し、教職員が手分けして校舎1階と体育館の全てのドアや窓を施錠。児童らを教室で待機させ、西隣の市立栃尾保育園にも事態を伝え、警戒を促した。通報の約10分後に県警高山署員や市職員、飛騨猟友会高山支部のハンターらが到着。一時、クマを見失ったが、その後、校庭南側の木に登り、高さ約3メートルの枝の上で何かを食べているのを発見。最初は爆竹で追い払うおうとした。「爆竹が鳴りますが、驚かないように」。学校は校内放送を流し児童らに知らせるとともに、保護者へも「クマが校庭に侵入し、警察の指導で校舎内に避難しています。安全は確保されています」とメール配信した。ところが約10分後、署員から連絡があった。「爆竹で威嚇するとクマが驚いて校舎の方へ逃げたり、隣の保育園や宅地へ向かう恐れがある。子供たちの安全を最優先し、射殺します」。署の判断だった。発見から約1時間後、猟友会のハンターが木に登っているクマに2発を発砲。息絶えて途中の枝でひっかかったクマを脚立を使って署員と猟友会員らが下ろした。クマは体長約1メートル、体重約100キロで、雄のツキノワグマの成獣だった。クマは射殺されたが、学校の対応はその後も続いた。射殺から約30分後の午後1時過ぎ、保護者へ児童全員の無事をメール配信。緊急の全校集会も開いて小谷校長が児童らに「尊い命が失われてしまいましたが、自然の脅威がみなさんの身近にある」と語りかけた。児童は皆一様に黙ったままじっと耳を傾けていたという。集会前に小谷校長が教職員らと協議し、「子供たちに嘘をつけない。安全を最優先して射殺された事実を伝えるべきだ」と判断したという。児童らはこの日、教職員が付き添って下校した。翌日も学校は児童の心のケアに細心の注意を払った。登校前に小谷校長は不測の事態も想定して職員室で待機し、松井教頭は徒歩通学の校区内を車で巡り安全を確認。他の教職員らは通学路に立ち、登校の児童を見守った。市教委もスクールカウンセラーの派遣の用意を伝えた。児童らに大きな動揺はなかったものの、今回の一件が報道やネットで伝わったため、学校や市にはクマを射殺したことに対する批判の電話が相次いだ。「麻酔銃を使う選択肢はなかったのか」「子供の目の前で射殺するなんて」「学校で射殺はいかがなものか」。こうした声だ。これに対し、警察官職務執行法に基づいて射殺を判断した高山署の田口秀樹副署長は「人命、特に子供たちに危害を及ぼす事態には即座に対応しなければならない。校舎に入り込む危険や地理的条件など、やむを得ない状況が重なっていた以上、射殺は正当な判断だった」と話す。市の担当者も「ご意見は理解できるが、市民の生命、財産を守るのも行政の責務。できれば殺したくなかったが、子供に被害が出ることは絶対に避けなければならなかった」と理解を求めた。市によるとクマに限らず、有害鳥獣の捕殺には、常に数件の批判や苦情が寄せられるという。担当者は「命に関わることですから、皆さんの気持ちはよく分かる。たまに感情的な人もいるが、事情を説明すると納得してくれる」という。しかし、今回は小学校で児童の在校時でのできごととあって、市や小学校への電話やメールなどは計20件を超えた。ただそれらは保護者や地元の人からではなく、すべてが県外からだった。学校近くに住む中年男性は「動物園やテレビで見るクマは安全な場所から眺めるので、どうしてもいとおしさを感じる。それを射殺した風景を思えば、抗議があるのも仕方がないとは思う」とした一方で、「近くで知り合いが襲われたりしている現実があり、かわいそうだがやむを得ない」と話した。野生動物の生態に詳しい岩手大学の青井俊樹名誉教授も「一般的には麻酔で眠らせて山へ帰すのがベスト。だが、現場で麻酔銃がすぐに整うことはまれで、やむを得なかったのだろう」と署の判断に理解を示した。一方、校庭で射殺されたことには、「子供たちに強烈な記憶が残り、クマは出たら射殺するものだと思わないか心配」といい、ケアの必要性を訴えた。また、小学校のある合併前の旧上宝村で生まれ育った谷村昭次市議は「山間地域にとって子供は宝。地域全体で守る意識は強く、(今回の措置は)緊急避難で仕方ない。これを機に、子供たちにもクマとの共存の取り組みについて伝えていきたい」と話した。高山市内では、4月25日に同市石浦町で玄関先にいた70代女性ら3人がクマに襲われて重軽傷を負い、襲ったクマが射殺された。6月22日には同市丹生川町で山菜採りをしていた80歳代の男性が突然、後ろから襲われて重傷を負い、クマは逃げた。クマの目撃件数も4月以降で275件(9月27日時点)に上り、大量出没した平成26年(年度総数475件)同期の202件を上回っている。例年、冬眠を控えた9~11月はクマがエサを求めて人里まで下りるため目撃件数が増えるが、最近は山と里を隔てた雑木林にまで宅地開発が進む一方、過疎化の影響でかつて人が暮らしていたエリアに人の気配がなくなったこともあり、クマの生息範囲が広がっていることで、クマの被害が増えているという。谷村市議は「出くわすのは、人にとってもクマにとっても悲劇につながりかねない」と話し、クマに遭遇しない環境づくりの重要性を強調。市はHPやメールでの告知のほか、登山道入り口に立て看板を立てるなどさまざまな方法で注意を呼びかけている。
(海岸沿いで、イノシシが車に衝突:富山)
10日未明、富山市で道路に飛び出してきたイノシシが乗用車に衝突する事故がありました。さらに、昼過ぎには現場近くで同じ車に衝突したとみられる子どものイノシシがみつかりました。「事故があった現場付近の畑にイノシシが横たわっています。弱っているようですね…」(梶谷記者)右脚をケガし、田んぼに横たわっている1頭のイノシシ。このイノシシ、10日、車と衝突事故を起こしたとみられます。10日午前0時25分ごろ富山市水橋堅田(みずはしかただ)の県道で、成獣のイノシシ1頭と子どもとみられる2頭のイノシシが一列に並んで道路を横切っていたところ乗用車と衝突しました。衝突したのは、体長およそ50センチの子どものイノシシとみられ、その場で死にました。「3頭のイノシシは田んぼからこちらの県道を走っていた車とぶつかり、1頭は死にました。そして、残りの2頭はあちらの水橋五郎丸方面に逃げていったということです」それから半日たった10日午後1時ごろ…。事故があった現場近くの畑で、右足をケガして動けなくなっているイノシシがみつかりました。こちらのイノシシも、体長およそ50センチほどで子どもとみられます。警察によりますと、このイノシシは10日朝現場近くで目撃された3頭のイノシシのうちの1頭とみられ、このイノシシも同じ車に衝突した可能性があるということです。市と猟友会は、10日午後4時ごろにこのイノシシを捕獲しましたが、回復が見込めないことから殺処分することを決めました。警察は、成獣のイノシシがまだみつかっていないことから、近くにいる可能性があるとして注意を呼びかけています。県内では、3日前にも南砺市で走行中の軽乗用車や大型トラックがイノシシと衝突する事故が相次いで発生していて、警察は引き続き注意を呼びかけています。
(クマの対策会議:石川)
金沢市内でツキノワグマが目撃された件数を示したグラフでは、今年度、93件の情報が寄せられ、この10年間で3番目に多い件数となっている。こうしたなか、金沢市で12日、クマの対策会議が開かれた。山へ出かける機会が増える行楽シーズン。私たちはどこに気を付ければ良いのか。ことし、金沢市内で多数目撃されている「クマ」。4月には、74歳の男性が両手両足を噛まれ、病院に搬送される事態も起こっている。市内でクマが出没した場所は、そのほとんどが山間部。山に出入りする機会が増えるいまの行楽シーズンは特に注意が必要だ。こうしたなか、金沢市では12日、市の担当者によるクマの対策会議を開かれ、5月以降、17頭を捕獲したことなどが報告された。市では看板の設置などを行い、クマへの注意を呼び掛けたいとしている。市によるとクマへの対策は、山に入るときは、鈴やラジオを見につける。クマを引き寄せる生ゴミは持ち帰る。また、もしクマに出会った場合は慌てず、静かに後退するなど落ちついて行動してほしいとしている。
(狩猟ベスト刷新、女性も着てね)
狩りガールも着てね――。大日本猟友会は、会の構成員が着用するオレンジ色系の安全狩猟ベストと帽子を20年ぶりに刷新した。徐々に増えてきた女性や若手など幅広い層が身に着けられるようデザインを変え、サイズを増やした。順次、構成員に無償配布する。新しいベストはS、M、Lの3サイズで、帽子はM、Lの2種類を用意した。「ハンターオレンジ」と呼ばれる目立つオレンジ色に加えて蛍光の黄色も使い、山野で他の狩猟者に自分の所在をより認識してもらえる色使いにした。都道府県猟友会を通じて女性会員や新規会員に配布。11、12月にも銃猟会員にベストと帽子、わな・網会員に帽子を配布する予定。
(「市の歌」でサル退治:岐阜)
野生動物による農作物の被害が多い美濃加茂市で、「市の歌」を使って、田畑からサルを追い払う試みが始まった。小型無人機「ドローン」で空中から曲を流しながら、銃やロケット花火を発射。「恐怖体験」を刷り込ませ、いずれは音楽を聞いただけでサルが逃げるようにするという作戦だ。名付けて「パブロフのサル作戦」。犬にある音を聞かせてから餌を与えていると、犬はその音を聞いただけでよだれを出し始めるという条件反射の実験「パブロフの犬」になぞらえ、市がドローンの活用を手掛ける空創技研プロペラ(各務原市)などと協力して編み出した。同社がスピーカーを搭載したドローンを開発。特にサル被害が多い市北部の三和地区で、八日から運用を始めた。曲を流しながら山裾沿いを飛ぶドローンの下で、住民らがロケット花火を次々と発射。山に入った猟友会員らが発砲すると、「キキー」とサルたちの悲鳴が響いた。市の歌を選んだのは、毎日夕方に市内の防災行政無線で流れているから。「うまくいけば、その放送でも追い払えるようになる。市民にとっては耳障りにならない」と市農林課の担当者。今後、このドローンを同社から借り受けて月に数回、猟友会員らと刷り込み活動を続けていくという。市内の野生動物による農作物被害は年間五千五百万円に上る。イノシシやシカは柵やネットである程度侵入を防げるが、サルは乗り越えたり、くぐり抜けたりして、木に登ってクリや柿までも食い荒らしてしまう。「防除するのに一番手ごわい相手」と、市は対策に頭を悩ませてきた。ドローンを使えば、人が入れないような山奥まで空から追い掛けることもできる。担当者は「サルの学習能力の高さを逆手に取った作戦。二、三年かけて地道に取り組み、『美濃加茂は怖いところだ』とサルに思われるようにしたい」と話している。
(農林水産省「第2回ジビエ料理コンテスト」開催決定)
食のプロを育成する教育機関、辻調理師専門学校(大阪市、校長:辻芳樹)は、一般社団法人日本ジビエ振興協会(長野県、代表理事:藤木徳彦)が事務局を務める国産ジビエ流通規格検討協議会に協力し、「第2回ジビエ料理コンテスト」を開催します。応募期限は2017年12月15日(金)で、厳正な審査のもと「農林水産大臣賞」を2名(各部門1名ずつ)、「農林水産省農村振興局 局長賞」を2名(各部門1名ずつ)、また「国産ジビエ流通規格検討協議会 会長賞」を2名(各部門1名ずつ)選出し、2018年2月15日(木)に表彰式を開催いたします。国産ジビエ流通規格検討協議会は、国産ジビエの流通拡大を目指し、生産者側と消費者側をつなぐことを主な活動としている団体で、日本ジビエ振興協会とともに、ジビエの衛生管理や取り扱いについて正しい知識の普及活動を行っています。2016年に「鳥獣被害防止特措法」が改正され、「捕獲された野生鳥獣は食肉として利活用されるべきもの」として食肉利用が勧められている事を受け、ジビエの正しい理解と利活用に注目が集まっています。昨年より同団体の理事を務める辻調理師専門学校は、“食”を司る料理人を育成する教育機関として、これらの活動に協力し、料理人への指導やジビエの教育プログラム開発に取り組んでいます。この度開催する「第2回ジビエ料理コンテスト」は、ジビエの正しい知識や調理技術を普及させるための活動の一貫として、辻調理師専門学校と国産ジビエ流通規格検討協議会が開催する料理コンテストです。応募期限は2017年12月15日(金)で、プロ・アマ問わず多くの方から、国産ジビエ(イノシシまたはシカ)を利用した、栄養豊富で美味しく安全なオリジナル・レシピを募ります。ジビエは、家畜にはない風味や滋養のある魅力的な食材である一方で、家畜以上に衛生的な取り扱いを必要とする繊細な食材でもあります。コンテストの開催を通じて、多くの方に食材としてのジビエに関心を深めていただき、日常的な食材として普及していくことを目指します。国産ジビエ(イノシシまたはシカ)を利用した、栄養豊富で美味しく安全なオリジナル・レシピを募るコンテストです。ジビエは、家畜にはない風味や滋養のある魅力的な食材である一方で、家畜以上に衛生的な取り扱いを必要とする繊細な食材でもあります。このジビエの特性を踏まえ、栄養豊富で美味しく安全な「家庭料理」または「給食アイデア料理」のオリジナル・レシピを募集します。
(河口湖近くでクマが出没:山梨)
河口湖の湖畔近くで12日朝、クマが目撃された。富士吉田警察署によると、午前7時50分ごろ、河口湖北側の湖畔近くで車を運転中の男性が、道路を横切るクマを目撃し、警察に通報した。大きさから大人のクマとみられる。近くの河口小学校は集団下校の措置をとり、河口湖北中学校も教職員が生徒の下校を見守った。
(3本角のシカ捕獲:和歌山)
和歌山県みなべ町西本庄の山で11日、3本の角が生えたシカがくくりわなにかかっているのが見つかった。同町西本庄の農業、井上浩一さん(57)が、自分の梅畑の近くに有害駆除のために仕掛けていた。体長は1・5メートルくらい。角の長さは2本が30センチくらいで、1本は15センチくらい。井上さんは「シカを捕って20年くらいになる。変わった形の角は見たことがあるが、3本の角が生えたのは初めて」と珍しがっていた。
(最高級の赤身をいただく美味「ジビエ」ハム:北海道)
皆様はジビエはお好きですか?ジビエは家畜ではなく食べることができる野生獣鳥類です。フランス料理ではキジ、蝦夷鹿、野鳩、ウサギなどよく食べられますが、日本でもイノシシ鍋やキジ鍋、うずら炭火焼などが郷土料理にありますね。今まで食べる機会が無かった人もいるかもしれませんが、野山や草原を走っている野生動物は、脂身が少なくとてもヘルシーです。歯ごたえがあって、旨味も強く、私は大好きです。野生動物ですから、ジビエは乱獲してはならず、生態系を崩さないように食べていく必要がありますよね。それは動物だけでなく、自然を守ることにもなります。一般的に出産に影響しない秋から冬がジビエの季節とされています。ELEZOさんのジビエを使ったハムやテリーヌなどの商品は、どれも丁寧に作られていることがわかる逸品。ELEZOさんの姿勢にも共鳴しています。自らできるだけ動物にストレスを与えないように自然に近い形で放牧をしています。さらに、日本で初めて、ハンターを社員として採用し、狩りから処理加工、販売まで、いわゆる農業の第6次産業を一手に自社でされているんです。その姿勢には「命」への敬いを感じます。狩猟をされた後は衛生的見地から野外では処理はされず、狩猟をしてから、なんと1時間以内に自社の工場へ搬入し処理をするそうです。鮮度を閉じ込めたハムなのですね。脂の少ない赤身肉の処理加工は、大変な技術が必要なのだそうです。そんな信念のある企業が丹精込めて作る商品は、食べる側にとっては信頼できますし、感謝しておいしく味わいたい、と思ってしまいますね。テリーヌやハムなど沢山の商品の中で、今回お薦めするハムは、ジビエ初体験の方でも食べやすい商品だと思います。見た目から芸術的に美しく、思わずうっとり(笑)。脂身がなく赤身肉の最高峰の短角牛と、無駄な脂がないさっぱりしたエゾ鹿を合わせてムースにするなんて!そのふわっとまろやかな食感の中に、フランス産や国産のキノコの触感が抜群なアクセント!ムースの周りは塩漬けしたスネ肉が囲んでいるので、塩の風味と肉食感があわさり、飽きません。噛むごとに、お肉やキノコの香りがほのかで、バランスが素晴らしいの。サラダと一緒に食べたり、勿論ワインのお供、クラッカーにのせたり。私は野菜のピクルスと一緒に食べるのが好きなんです。まったりしたムースの触感に、酸味の野菜の歯ごたえが、またいいんです。肩肘張らずに食べられるんだけど、やっぱり「命」を思うと、ナイフとフォークで丁寧にいただきたいような。そんな気にさせてくれるごちそうだと思います。

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10/10
(ヒグマに襲われ、狩猟ガイドけが:北海道)
6日午前10時ごろ、白糠町庶路基線オシツクシの山林で、エゾシカ猟をしていた釧路市阿寒町北町2、狩猟ガイド、三上繁男さん(60)がヒグマに襲われ、左手と左足をかまれて軽いけがをした。クマは一緒にいた仲間がその場で射殺して駆除した。釧路署によると、三上さんは仲間と2人で周辺を散策中にクマ3頭を発見して発砲。うち1頭が倒れたのを確認し、いったん現場を離れた後、再び戻ったところ、襲われたという。町によると、クマは体長約1・5メートル、体重は推定120キロの雌。白糠町では今月4日、現場から約9キロ離れた同町茶路基線の縫別川近くで、クマに襲われたとみられる山菜採りの男性(73)が死亡しているのが見つかった。襲ったクマは足跡の大きさから雄とみて、警戒している。
(子グマ駆除され?クマが男性襲う:北海道)
9日午後3時45分頃、北海道斜里町朱円東の畑で、猟友会の仲間2人とクマの駆除に参加していた同町、土建業の男性(70)がクマに襲われ、顔などに重傷を負った。命に別条はないという。道警斜里署の発表によると、クマは体長約1・5メートルで、男性と同行していたハンターに駆除された。
(82歳男性がクマに襲われけが:秋田)
秋田・鹿角市で7日、82歳の男性がクマに襲われ、けがをした。命に別条はないという。けがをしたのは、鹿角市の農家・阿部順司さん(82)。阿部さんは7日午前5時半ごろ、田んぼの中にある作業小屋から出たところを、クマに襲われた。一緒に作業をしていた阿部さんの妻が救急車を呼び、阿部さんは病院に搬送された。頭や腕にけがをしているものの、命に別条はないという。阿部さんを襲ったクマはそのまま逃げていて、警察や市が住民に注意を呼びかけている。
(クマ駆除、男性襲い死亡させたクマか:北海道)
6日午前、北海道東部の白糠町の山林で、クマ1頭が駆除されました。周辺では4日、クマに襲われたとみられる男性の遺体が見つかっていて、北海道が関連を調べています。駆除されたクマは、体長およそ1メートル40センチ、体重は100キロ超えます。6日午前11時ごろ、白糠町庶路基線オシツクシの山林で、シカ猟に来ていたハンター2人がクマ1頭を見つけ駆除しました。「車から降りて様子を見ると(クマが)わっと起き上がった。(もう1人が)引きずられていたので私が最後に駆除した」(駆除したハンター)引きずられたハンターは左の手足を噛まれましたが、命に別状はありません。現場は4日、クマに襲われたとみられる73歳の男性の遺体が見つかった場所から北東におよそ9キロの場所です。駆除されたクマが男性を襲ったかどうか、北海道はDNA鑑定などを行い調べる方針です。
(ヒグマ2頭とトラックが衝突:北海道)
5日午後7時半頃、北海道占冠村下トマムの道道で50歳代の男性が運転するクレーン付きトラックが、道路にいたヒグマ2頭とぶつかった。男性にけがはなかったが、ヒグマ1頭が死んだ。富良野署によると、死んだヒグマは体長約1メートル、体重42キロで子熊と見られる。男性は「ヒグマは全部で3頭いた。2頭はやぶに逃げていった」と話しており、村と地元猟友会が付近を捜索している。現場はJRトマム駅の西約3キロの山間部で、近くに民家などはないという。
(クマ、猟友会が駆除:秋田)
6日午前11時50分ごろ、秋田県五城目町富津内下山内の「道の駅五城目」で、駐車場にクマがいるのを50代の女性従業員が見つけ、五城目署に届け出た。連絡を受けて駆け付けた地元猟友会員が近くのやぶの中でクマを見つけ、駆除した。駐車場には従業員や利用者が数人いたが、けが人はいなかった。
(比内地鶏15羽、クマ食害か:秋田)
8日午前7時45分ごろ、秋田県北秋田市小森字善知鳥坂の養鶏場で、比内地鶏15羽が食い荒らされたと、養鶏場を経営する会社の女性役員から北秋田署に通報があった。爪痕や足跡から、同署はクマによる食害とみている。
(小学校グラウンドにクマ:秋田)
5日午前8時45分ごろ、秋田県大館市釈迦内字相染台の釈迦内小学校のグラウンドにクマがいるのを、20代男性職員が見つけ、大館署に届け出た。約2時間後、地元猟友会が同校の北約700メートルにある草地でクマを駆除した。同校は保護者に注意喚起のメールを配信し、午前の屋外活動を中止。児童を集団下校させた。
(伊豆大島で急増の「キョン」、捕獲チーム結成へ:東京)
東京都は、伊豆大島で急増し農作物に被害を出している小型のシカ「キョン」の捕獲チームの名称とロゴマークを発表しました。捕獲チームの名称は「キョンとるず」で、238件の応募から選ばれました。伊豆大島では特定外来生物でもあるキョンが急増し、島の人口を大幅に超える推計1万5000頭が生息しています。都は去年1年間で約2200頭を捕獲したものの、生息数は増加し、特産物のアシタバやツバキなどへの被害も拡大しています。都は島民や業者らによる捕獲チームを結成して捕獲の強化に乗り出すことを決め、チームの名称やロゴマークを募集していました。
(イノシシの出没:佐賀)
8日午後5時45分ころ、武雄市武雄町大字永島(保養村入口交差点南方)の山林付近でイノシシ(体長1メートル以上)1匹が出没しています。民家等に出没する可能性もありますので、十分注意してください。
(イノシシ目撃相次ぐ:富山)
7日午後2時半ごろ、南砺市で走行中の軽乗用車や大型トラックがイノシシと衝突。また、事故から30分後には現場から3キロほど離れた砺波市の民家の敷地内にイノシシが浸入しました。けが人はいませんでした。市によりますとイノシシは体長およそ1メートル、体重およそ80キロの成獣とみられます。警察などは8日朝から目撃現場周辺をパトロールするもイノシシは確認されず注意を呼びかけています。
(サルの目撃相次ぐ:青森)
青森市の市街地でサルが相次いで目撃され、警察などが注意を呼びかけている。8日午前8時前、青森市の東青森駅では1匹のサルが線路の上を走っている様子が捉えられた。8日午前7時半すぎ、青森市の住宅街から「サルがいる」と警察に通報があった。サルはその後、住宅街から市内中心部に移動し、青森駅や新青森駅周辺でも目撃された。青森市や警察は、サルには近づかないよう注意を呼びかけている。
(ツキノワグマ狩猟解禁前に講習会:岡山)
11月15日から岡山県内で17年ぶりにツキノワグマの狩猟が解禁されるのを前に、県は6日、美作市入田の県美作県民局勝英地域事務所で講習会を開き、県内の猟友会員らが銃使用時の注意点を学んだ。猟友会員、市町村職員ら約60人が参加。吉備中央町の猟師らでつくる加茂川有害獣利用促進協議会の二枝茂広会長(65)が狩猟方法などを解説し「襲われないためには50メートル以上の距離を取り、高い尾根や崖の上から狙うことが重要」などとアドバイスした。昨年からツキノワグマの狩猟を解禁している兵庫県の捕獲実績などについて、同県森林動物研究センターの専門員から報告もあった。県猟友会大原分会の芳賀宜毅会長(75)=美作市=は「クマとの距離の取り方、狙う箇所など勉強になった」と話した。狩猟は12月14日まで認められ、捕獲数は県全体で年間30頭まで。県によると、県内のツキノワグマ出没情報は2016年度に237件で過去最多となり、生息数の推計値も12年の109頭から205頭(16年末)に増加。県は、個体群に絶滅の恐れがないことなどから解禁に踏み切った。17年度も9月末までに91件(前年度同期110件)の目撃情報があった。
(苦悩する狩猟者たち:福島)
「良い毛並みだな」「このぐらいの大きさがうまいんだよ」鉄製の「箱わな」に入った40キロほどのイノシシを見て、福島県富岡町の鳥獣被害対策実施隊のメンバーは昔に戻ったかのように色めき立った。しかし、それもつかの間。隊員の一人が数メートル離れた位置から空気銃でイノシシの頭を撃ち抜くと、他の隊員がわなから引っ張り出し、記録写真を撮って手早く車の荷台に載せる。「投げてきてくれっか」。坂本正一郎隊長(69)が指示すると、イノシシを載せた車は処分場へ走り去った。口数も少なく、淡々とした作業だった。東京電力福島第1原発事故後、避難指示が出た地域ではイノシシなどの野生動物が街中にも生息域を拡大。被害を恐れて帰還をためらう住民も多く、各自治体は猟友会を中心に捕獲隊を結成し駆除を続けている。しかし、放射性物質の影響で福島県内は全域で野生鳥獣の出荷が制限され、自家消費の自粛も求められている。「食べてやるのが、一番の供養になるんだけどな」。浪江町有害鳥獣捕獲隊の田河晴幸(はるゆき)隊長(56)は苦悩を語る。原発事故前、イノシシは猟師にとって貴重なごちそうだった。大物が捕れれば友人らを集めて鍋やバーベキューをして盛り上がり、離れて暮らす親戚らにも送り届けた。しかし、原発事故後の狩猟は動物を殺すだけの「仕事」になった。イノシシ1頭で2万円ほどの報奨金を出す自治体が多いが、隊員全員で割れば少額だ。富岡町や浪江町では今も大半の隊員が町外で暮らし、片道2時間かけて通う隊員もいる。浪江町では帰還困難区域も含め1日20~30カ所のわなを見回り、えさの掛け直しや重いわなの移動、殺処分など、6時間以上かかることも珍しくない。「みんなが戻ってこられるように頑張るけど、楽しいものじゃない」。避難指示を受けた地域を多く含む相双地方では2010年度に641人いた狩猟者登録数が、原発事故後は350人前後に減った。福島県は5万頭近くまで増加したと推計されるイノシシを5200頭ほどまで減らす計画で、13年度以降は県内全域で年1万頭を超えるイノシシを捕獲。人の生活圏でイノシシを見かける機会は減少しつつある。坂本隊長は「原発事故も、その後の環境を作った原因も人間にある。こんな世の中にして申し訳ない」と話した。
(「カラス撃退法」解説:福島)
ふん害や鳴き声への苦情が寄せられているカラス対策を学ぶ講演会は8日までに、会津若松市文化センターで開かれ、カラスの学習能力や記憶力、識別能力を研究している杉田昭栄宇都宮大農学部教授が「賢いカラスに負けない撃退法を考える」と題して講演した。同市では夏から冬にかけてカラスとムクドリが大群となって市街地をねぐらにしており、環境生活課が市の行政提案型協働モデル事業に応募して鳥害対策に取り組んでいる。市が市民団体「環境保全会議あいづ」と協働の協定を結び対策に取り組んでおり、今後に役立てるため講演会を開いた。杉田教授はカラスの特徴などを解説しながら、ごみ出しマナーの悪さも餌付けにつながることなどを指摘し、餌を断つ兵糧攻めや威嚇などで寄せ付けないこと、わなや狩猟による駆除などが可能なことを説明した。オオタカなど天敵の声をスピーカーで流して郊外に誘導する手法なども説明した。
(鷹匠奮闘、害鳥一目散:石川)
男性の腕からタカが勢いよく飛び立った。翼を広げると約1メートル。威嚇すると福井駅前の繁華街から小鳥が次々に逃げていった。巧みに操るのは石川県小松市の鷹匠(たかじょう)、吉田剛之さん(45)だ。2013年、狩りに使うタカを調教し害鳥を追い払う会社を小松市に設立。深刻化する繁華街の害鳥対策に、11羽の相棒と奮闘している。

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10/6
(猟銃暴発か、79歳男性死亡:岩手)
2日午後4時ごろ、左胸から出血した岩手県花巻市石鳥谷町、職業不詳、高橋一人さん(79)が同市大迫町の知人宅に助けを求め駆け込んだ。猟銃が暴発したとみられ、病院に搬送されたが、3日未明に出血性ショックで死亡した。花巻署によると、高橋さんは有害鳥獣駆除のため近くの山に1人で入っていたとみられ、救急隊員に「猟銃を肩に担いでいたら枝に引っかかり暴発した」と話していたという。銃弾は左胸を貫通しており、自力で軽自動車を運転して知人宅へたどり着いた。同署が詳しい原因を調べている。
(クレー射撃場、狩猟者訓練場に改修検討:秋田)
秋田県は4日、県立総合射撃場(由利本荘市岩城)のクレー射撃場を、狩猟者の基礎訓練の場として改修を検討していることを明らかにした。クレー射撃場は散弾による鉛汚染への不安から、閉鎖状態だが、県はクマを有害駆除する狩猟者の減少への対策として打ち出した。佐竹敬久知事は、安全対策の実施を前提に地元住民と協議を進め、「理解を得たい」としている。県内ではクマの目撃や被害が相次ぐ一方、狩猟者の数は1974年度のピーク時から5分の1以下まで減少。2016年度は1669人にとどまり、有害駆除への影響が懸念されている。
(御料牧場の畜産課長を逮捕、自宅タンスに無許可で猟銃:栃木)
宮内庁御料牧場の課長が猟銃など3丁を自宅に隠し持っていたとして逮捕されました。逮捕されたのは、宮内庁御料牧場の畜産課長、三井純容疑者(59)です。三井容疑者は、狩猟用の散弾銃2丁と空気銃1丁を栃木県・矢板市内の自宅2階のタンスに入れ、不法に所持していた疑いがもたれています。「三井容疑者が銃を持っている」という情報が警察に寄せられ、家宅捜索したところ、銃が見つかったということです。調べに対し、「趣味で持っていた」と容疑を認めていて、警察は銃の入手経路などを調べています。御料牧場は天皇皇后両陛下の食事や宮中晩餐などに使う野菜や乳製品などを生産していて、三井容疑者は家畜の飼育や畜産物の生産を担当する部署の責任者です。
(山菜採りの男性死亡、ヒグマに襲われたか:北海道)
北海道東部の白糠町で山菜採りに出たまま行方がわからなくなっていた男性が倒れているのが見つかり、まもなく死亡が確認されました。警察では頭などに残された傷からヒグマに襲われたと見て詳しく調べています。4日午前10時ごろ北海道白糠町茶路基線の付近のやぶで町内に住むアルバイトの松山浩さん(73)が頭などから血を流した状態で見つかりまもなく死亡が確認されました。警察は体に残された複数の傷あとや近くに残されたフンなどから松山さんはヒグマに襲われたものと見てくわしく調べています。警察によりますと、松山さんは3日朝、山菜採りのため1人で山に入り、その後、戻らなかったため、家族からの通報を受けた警察が捜索していたところ、町の中心部から20キロほど離れたやぶの中で見つかったということです。白糠町では猟友会に協力を求めて、クマの捜索を行ないましたが、これまでのところ付近でヒグマは見つかっていないということです。また、町では急きょ、現場近くの国道沿いに看板を設置しヒグマへの注意を呼びかけています。北海道猟友会白糠郡支部の中田敏明さんは「最近はこの辺りでもクマが増えた。この時期は畑に残っている作物や川を上ってくるサケを狙ってクマの出没が多くなるので、十分気をつける必要がある」と話していました。
(またヒグマ被害、ハンターかまれ軽傷:北海道)
4日、キノコ採りの男性がヒグマに襲われて死亡した北海道白糠町で、6日もシカ猟をしていたハンターの男性が遭遇したクマにかまれ、手や足に軽いけがをしました。クマはその場で仲間のハンターに駆除されましたが、警察は引き続き、入山する際は十分注意するよう呼びかけています。6日昼前、白糠町庶路基線の山中でエゾシカ猟をしていたハンターの男性が遭遇したヒグマにかまれて手や足に軽いけがをしました。クマは一緒にいた仲間のハンターがその場で駆除したということです。白糠町では4日、今回の現場からおよそ9キロ離れたやぶの中でキノコ採りをしていた男性がクマに襲われて死亡しているのが見つかったばかりで、地元の猟友会などが見回りを強化していました。この時期は冬眠前のクマが栄養を蓄えようと活動的になるため、警察は引き続き、付近の山に立ち入る際は十分注意するとともにクマを見つけても決して近づかないよう呼びかけています。
(庭に入った猟犬2頭にかまれ3歳男児ら3人けが:兵庫)
1日午前9時25分頃、兵庫県宍粟しそう市山崎町大沢にある60歳代の女性宅の庭で、友達数人と遊んでいた孫の男児(3)が猟犬に襲われ、頭をかまれた。近くにいた母親(34)と親類の男性会社員(38)も助けようとして足や尻をかまれ、3人は病院に運ばれた。男児と母親は負傷して治療中だが、意識ははっきりしている。男性は軽傷を負った。猟犬は2頭いて、5歳と3歳のいずれもオスで体長約1メートル。紀州犬の血を引く中型の雑種といい、同県猟友会宍粟支部に所属する飼い主の男性(64)が捕まえた。県警宍粟署は過失傷害の疑いもあるとみて飼い主から事情を聞いている。同支部は、イノシシやシカなどの有害鳥獣を捕獲する許可を市から受け、この日、飼い主ら5人が猟犬数頭で狩猟中だった。飼い主が2頭を放ってから約10分後、すぐ近くの女性宅周辺から叫び声が聞こえ、その直後に様子を見に行った飼い主が男児らを襲っている2頭を見つけた。
(猟犬人身事故で銃による有害獣の捕獲中止:兵庫)
宍粟市の民家で猟犬2匹に男女3人がかまれた問題で、兵庫県は2日、38市町に対し、銃による有害獣の捕獲を自粛するよう要請した。農林業被害を防ぐ「有害捕獲」の許可権限を持つ市町を通じ、各猟友会の会員に伝える。宍粟市は3日から、銃による有害捕獲を中止するという。宍粟署によると、1日午前、県猟友会宍粟支部の会員5人が、イノシシやシカを捕獲するため、紀州犬の血を引く雑種の5歳と3歳のオス2匹を放したところ、2匹が下山して民家に入り込み、女性(34)と女性の次男(3)、男性(38)の3人の頭や足などをかんだという。県によると、猟犬は狩猟や捕獲に際し、獲物を追い込んで銃で狙いやすくする役割がある。県は、呼び戻し訓練の実施などを指導してきたが、事故原因を調べ、再発防止策が固まるまで自粛要請を続けるという。
(クマにかまれ男性大けが:岩手)
1日午後2時半ごろ、雫石町長山狼沢の町道で近所に住む男性が車で走行中、けがをした雫石町八卦の無職、上野寛二さん74歳を発見しました。上野さんはクマに顔をかまれるなどして大けがをしていましたが、意識はあるということです。町は、2日6時から職員と地元猟友会のメンバー、あわせて8人で近くの山や周辺をパトロールして警戒に当たりました。また、近くにある上長山小学校ではけさ多くの児童が保護者に車で送られて登校しました。上長山小学校では普段から児童がクマよけの鈴をランドセルに着けるなどの対策をしていますが、1日の被害を受けて保護者に車での送迎を要請しました。警察や町はしばらくの間、パトロールを続けることにしています。
(住宅街にイノシシ出現、尻をかまれる:兵庫)
29日午後7時25分ごろ、神戸市東灘区西岡本の路上で、近くに住む無職女性(52)がイノシシに尻をかまれ、軽傷を負った。兵庫県警東灘署によると女性は買い物帰り。イノシシは女性を襲った後、肉や卵が入ったレジ袋をあさっていたという。現場は阪急神戸線岡本駅の南西約900メートルの住宅街。
(「クマ」襲われ69歳男性重傷:福島)
5日午前6時15分、喜多方市山都町の山林でキノコ採りをしていた同市の男性(69)から「クマに襲われてけがをした」と119番通報があった。男性は腕や脇腹をかまれるなどして重傷。命に別条はないという。喜多方署によると、男性は1人で山林に入ったところ、体長約1メートルのクマに遭遇したという。現場から逃げて携帯電話で助けを求め、会津若松市の病院に運ばれた。顔にも爪傷を負ったという。同署などが付近住民らに注意を呼び掛けている。
(クマに襲われ男性けが:青森)
深浦町広戸で4日夕方、75歳の男性が自宅敷地でススキを採っていたところクマに襲われ軽いけがをした。クマは体長1.5メートルほどでその場からいなくなった。現場はスクールバスの停留所が近くにあり、民家が点在する地域で警察が付近を警戒している。
(イノシシかみ3人重軽傷:長崎)
1日午前8時頃、長崎県佐世保市の住宅地に野生のイノシシが現れ、住民の手をかむなどして逃げ、2人が重傷を負った。県警佐世保署員らが行方を捜し、同日昼すぎ、住民にけがを負わせたとみられるイノシシを発見。捕獲した際に猟友会のメンバー1人も手をかまれ、軽傷を負った。イノシシは殺処分された。同署などによると、イノシシは体長約1・2メートルの雌。同市神島町で車いすの男性(59)にぶつかった後、転倒した男性の頭と手にかみつき、さらに隣の御船町で歩いていた女性(89)に体当たりして、手をかんだ。2人は手の指の骨を折る大けが。この直前、イノシシは近くの金比良町で走行中の原付きバイクや軽乗用車にも相次いで衝突していた。同日午後1時45分頃、神島町に隣接する小島町でイノシシが見つかり、同署員らが爆竹を使って、仕掛けたわなに約3時間かけて追い込んだ。その際、協力していた地元の猟友会の男性(78)が手をかまれた。
(イノシシぶつかり男性が軽傷:岐阜)
1日朝岐阜県のJR多治見駅近くの住宅地で、歩いていた男性にイノシシが後ろからぶつかり、男性は転倒して、頭に軽いけがをしました。付近では、同じ時間帯にイノシシが目撃されていて、警察などが注意を呼びかけています。多治見市によりますと、1日午前7時半すぎ、多治見市音羽町のJR多治見駅近くの住宅地にイノシシが現れ、駅に向かって歩いていた近くに住む21歳の男性に後ろからぶつかりました。男性は転倒し、頭を切って病院に運ばれましたが、けがの程度は軽いということです。現場は、市の中心部のマンションや住宅などが建ち並ぶ地域で、付近では、同じ時間帯にイノシシが目撃されていることから警察などが注意を呼びかけています。
(住宅地にイノシシが出没:長崎)
佐世保市天神町の天神公園で4日、大型のイノシシが出没した。人に危害を加えることはなかったが、1日には別のイノシシが市内の住宅地で暴れ、男女3人が重軽傷を負ったばかり。目撃情報は連日寄せられており、市は注意を呼び掛けている。「イノシシがいるようだ」4日午後2時55分ごろ。記者が取材で公園を訪れたところ、散歩中の男性から声を掛けられた。見ると、体長1・3メートルほどで丸々と太ったイノシシが、フェンス沿いをのそのそと歩き回っていた。園内にいた数人は高いところにある駐車場に避難。人に襲いかかるような気配はなかった。5分ほど園内をうろついた後、姿は見えなくなった。公園は市南部の住宅地にある。佐世保署によると、同じころ通行人から110番通報があり、署員が現場に向かったものの発見できなかった。パトカーで付近に注意喚起した。1日には市街地の西にある金比良町などの住宅地で別のイノシシが暴れ3人が重軽傷を負った。市有害鳥獣対策室によると、このほか2~4日に市内の船越町で4件、市立港小付近で1件、北地区公民館付近で1件の目撃情報が寄せられた。同じ個体かどうかは不明。年間を通じて目撃はされているが、昨年度捕獲した7268頭のうち、10月と11月が特に多く、注意が必要という。対策室は「イノシシに遭遇しても、近づいたり騒いだりせず、刺激しないようゆっくりと後ずさりして離れてほしい」としている。
(シカが民家の窓突き破り侵入:栃木)
6日午前6時25分ごろ、さくら市草川の住宅の窓をシカが突き破って侵入、その後立ち去った。さくら署によると、シカは高さ約1メートルで角が生えている。住宅は草川用水沿い。同署は現場付近の学校に連絡し、マイクで広報を行うなど警戒を呼び掛けている。
(エゾシカ猟解禁、5年で生息30万頭以下に:北海道)
道東地方などでエゾシカ猟が1日解禁された。猟期は一部を除いて来年3月末までで、道は今年度から5年間で、道南を除く生息数を狩猟によって30万頭以下に減らしたい考え。道によると2016年度に捕獲されたエゾシカは11・6万頭(速報値)。道南を除く道内の推定生息数は45万頭。
(徳島市の住宅地にイノシシ出没、県警が注意呼び掛け:徳島)
6日午前、徳島市南佐古八番町の住宅街にイノシシ2頭が出没した。住民の通報を受けて徳島西署や猟友会が出動したが、2頭は近くの眉山方面に逃げ、けが人などの被害はなかった。近くには佐古小学校などもあるため、市が注意を呼び掛けている。市農林水産課や住民によると、イノシシは1頭が約70センチ、もう1頭が約30センチで親子とみられる。性別は不明。午前8時半ごろ、住民が住宅街を歩いていた2頭を発見し、署に通報した。駆け付けた署員や県猟友会員などの11人が周辺を捜索。捕獲に当たったが、11時ごろまでにイノシシは姿を消した。近くの女性会社員によると、犬の散歩中に住宅街にある畑で餌を探している2頭を見つけた。1頭が近寄ってきたが、犬がイノシシの前足にかみついたため逃げ、女性と犬にけがは無かった。女性は「こんなことはなかったので、怖かった」と話した。署によると、9月27日以降に2度、付近でイノシシの目撃情報があり、県警は「安心メール」で住民に注意を呼び掛けていた。県猟友会は「山よりも住宅街の方に餌が多いので、出てきたのだろう」、市農林水産課は「イノシシを見つけても、危険なので近づかず市に通報してほしい」としている。南佐古地区の一部はかつて「大谷」と呼ばれ、阿波踊りのお囃子(はやし)でも「大谷通れば山ばかり 笹山通れば笹ばかり 猪(いのしし)豆食ってホウイホイホイ」と歌われている。
(狩猟への理解を深めて:愛知)
新城市猟友会はこのほど、子どもの安全を守る「地域の狩猟活動を学ぶ会」を豊田市の愛知県総合射撃場で実施した。作手小学校5年生15人が参加した会では、狩猟活動が行われる地域に暮らす児童の安全を守るため、狩猟活動や危険性を知る講義が行われた。
(イノシシ対策、電気柵などに補助金:栃木)
イノシシによる農作物被害を防止するため、那須町は10月から電気柵などの整備を対象に補助金を支給する。町内で農産物を生産販売する農家や法人、団体のほか観光事業者も補助の対象。捕獲と合わせ鳥獣被害を防ぐ考え。27日の定例記者会見で発表した。鳥獣侵入を防ぐ電気柵や防護柵の購入費の3分の2以内を補助。上限は個人が20万円で、法人や団体は30万円。町によると、観光事業者も補助対象とするのは県内で初めてという。ミニゴルフ場などから被害の報告があるほか、キャンプ場が客への被害を懸念しており対象に加えた。
(アライグマ確認、捕獲作業着手:熊本)
熊本市は29日、同市北区植木町で農作物を食い荒らす特定外来生物のアライグマ1匹の生息を確認したと発表した。猟友会が10月上旬に箱なわを用いた捕獲作業に着手する。市によるとアライグマは成獣で、性別は不明。23日午後11時半ころ、植木町豊岡の水路沿いで、市の監視カメラに写っていた。
(イノシシ対応のマニュアル:長崎)
今月1日、イノシシが佐世保市内の住宅地に現れ、住民を襲ってけがをさせたことを受け、県は5日、関係部署の連絡会議を開いた。今後、イノシシなど野生動物の出現に備え、関係機関の連絡体制や役割を定めたマニュアルを作成する方針を確認した。事務局の県農山村対策室によると、1日午前7時55分ごろ、佐世保市金比良町に体長約1・2メートル、推定体重70~79キロのイノシシが出現。車いすに乗っていた59歳の男性や、89歳の女性が襲われ、いずれも手を骨折した。被害発生後、目撃者から通報を受けた警察と消防は市に速やかに情報提供し、市が捕獲のため猟友会に連絡。現場付近では防災行政無線やチラシで住民に注意を呼び掛けたという。同室は一連の対応を「初動の連絡から捕獲まで適切に処理している」と評価。近年、市街地で野生動物の目撃情報が増えているとして、関係機関の対応をマニュアル化するという。同室によると、県内でイノシシによる人身被害の報告は本年度初めて。2015年度と16年度はいずれも2件だった。会議には県警の担当部署も参加した。
(金華山でイノシシ分布調査:岐阜)
岐阜市と岐阜大は、市中心部にある金華山で、イノシシの生息数と分布の調査を始めた。ふもとの民家の庭にも出没し、観光客への危害も懸念されるためだ。自動撮影カメラを使い、時間や季節ごとの分布状況を調査。効率的な捕獲などにつなげる。一定区域内で、イノシシの生息数と分布の実態を調査するのは全国で初めて。金華山は山頂に岐阜城がある。岐阜のシンボルとされる観光地で、年間二十万人以上が訪れる。市によると、金華山一帯でのイノシシの捕獲数は二〇一六年度は七十九頭。五年前の三・五倍になった。人への危害の恐れがあるため市は一五年秋、被害を未然に防ごうと、岐阜大や警察、猟友会などと協議会をつくった。自動撮影カメラを使った調査でシカの分布を研究している岐阜大応用生物科学部の池田敬・特任助教(31)が今年七月、協議会に参加。同じ手法で金華山のイノシシを調べることになった。池田助教によると、イノシシはシカなどと異なり、人への警戒心が強い。直接の観察が難しく、生態データが少ない。分布を把握する方法も確立されておらず、これまでは捕獲数から生息数を推定していた。調査は、動物の熱をセンサーで感知して自動撮影するカメラを使う。撮影範囲と一日に撮影されたイノシシの頭数、イノシシの移動距離などから一平方キロあたりの生息密度を算出し、調査地域全体の生息数を割り出す。季節や時刻なども記録されるため、それに応じた変動も分かるという。池田助教らは八月中旬、金華山全域に計二十台のカメラを設置し、調査を始めた。三年ほど調査するが、来年三月、中間結果をまとめる。カメラは一台約三万円。市と国が半分ずつ負担した。
(シカとの衝突事故相次ぐ:北海道)
稚内署管内の稚内市と猿払村でエゾシカに関係する交通事故が増えている。同署によると、昨年発生した事故の4分の1は10月に集中していた。日没が早まる季節を迎えたことから、同署は「事故防止にいっそう気を付けてほしい」とドライバーに呼び掛けている。4日未明、稚内市声問村の国道で、飛び出してきたシカを避けようと急ハンドルを切った40代男性の軽乗用車が、中央分離帯を乗り越えて対向車線を突っ切り、路外に逸脱。男性は軽いけがを負った。同署によると、両市村で2016年に発生したシカと車の事故は前年比11件増の80件。月別では、10月が最も多い20件を占めた。15年も、10月が6月と並んで最多の11件だったという。時間帯別では、昨年は午後5時~翌日午前6時の発生が75件と9割以上に上る。宗谷総合振興局環境生活課の永安芳江課長は「10月はシカが繁殖期に入って活動が活発になる。日没が早まり視界が悪くなるので、この時期は全道的にシカの事故が多い」と話す。今年は9月末までに、53件の事故が発生。前年同期比6件増となっている。同署によると、急ハンドルを切って路外に飛び出し、重大な事故に発展したケースもあるという。鈴木一喜副署長は「シカを見かけたら、とにかくブレーキを踏んでほしい」と話している。
(イノシシ、祇園など逃げ回る:京都)
1日午前、京都市中心部にイノシシが出没した。街中を1時間余り走り回った後、京都府警などにより捕獲された。けが人はなかった。府警によると、1日午前9時25分ごろ、京都市中京区の高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン京都」近くの路上で「イノシシを見た」と近くに住む男性から110番通報があった。イノシシはその後、鴨川沿いの川端通を南下したとみられ、同9時半ごろには繁華街・祇園近くの東山区弁財天町付近で再び目撃情報があった。同10時50分ごろ、下京区の東本願寺近くの駐車場に逃げ込んだところを、警察官らがネットで捕獲した。下京署によると、イノシシは体長1メートルほど。署で保護されていたが、夕方、息絶えた。2日、京都市に引き渡されるという。
(住宅街でクマ目撃:富山)
日午前8時45分ごろ滑川市上小泉(かみこいずみ)の住宅地で「庭先にクマがいる」と警察に通報がありました。警察によりますと目撃されたクマは体調およそ70センチから80センチの大型犬ほどの大きさの子グマと見られ、国道8号線方面に逃げていったのが目撃されています。現場は、国道8号線付近の住宅地で近くにはショッピングセンターや滑川市立西部小学校があります。警察と市などが周辺をパトロールしましたが今のところ発見されていません。警察はこの通報とは別にクマの目撃情報が複数寄せられておりクマがまだ近くにいる可能性があるとして近くの住民や学校に注意を呼びかけています。
(クマ2頭目撃:秋田)
2日午前5時半ごろ、秋田県大館市比内町片貝字伊勢堂東の神明社の敷地内、同6時45分ごろ、同市小館町の小館花会館の敷地内でそれぞれクマが1頭目撃された。どちらも人的、物的被害はなく、大館署は付近住民に注意を呼び掛けている。
(4日連続でクマ目撃:秋田)
秋田県男鹿市で連日、クマの目撃が続き、市民の間に不安が広がっている。同市にはこれまでクマが生息していないとされてきたが、17日に野石地区に初めて出没し、26~29日には4日連続で目撃された。学校行事への影響も出始めており、市は警戒を呼び掛けている。男鹿署によると、野石で目撃されたのは17日夕。体長約1メートルのクマが国道101号を横切ったという。26日には脇本富永の田んぼに2頭出没。その後、脇本脇本の住宅地や男鹿中中間口の田んぼで連日目撃され、29日にはJA秋田みなみ中石選果場から約700メートル離れた中石鵜木の市道にも現れた。県自然保護課は「冬眠を前に餌を求めて動き回っているのではないか」と推測する。
(「仮設焼却炉」活用へ:福島)
捕獲したイノシシを埋設処分する土地が不足している現状を踏まえ、環境省は、県や浪江町と連携し、災害がれきを処理するために同省が設置した仮設焼却炉をイノシシの焼却処分に活用する実証事業に着手する。さらに、微生物でイノシシを発酵分解する技術を導入、焼却前に個体を解体する作業の負担を軽減し、処分の加速化を図りたい考えだ。県によると、原発事故に伴う避難指示が出た地域で捕獲されたイノシシの多くは公共施設の敷地内に一時埋設されているが、捕獲量の増加に伴い、避難地域では埋設地が不足する課題に直面している。一方、各地域に設置された仮設焼却炉での災害がれきの処理が進み、稼働状況に余力がある焼却炉が出てきたため、県は環境省に対し、仮設焼却炉の活用を要請していた。県によると、微生物による発酵分解で水分が抜け、板状になったイノシシを小さく解体し、浪江町の仮設焼却炉で処分する。実証事業では作業効率や費用対効果などを検証。避難地域以外の地域を含め、イノシシの処分に苦慮しているほかの市町村への普及を視野に、年内にも検証結果を取りまとめる。企画環境常任委員会で方針が示された。
(獣害対策を強化:山梨)
南アルプス市中野の中野自治会(金丸栄三自治会長)の有志らは本年度、地区内の獣害対策を強化している。シカと車がぶつかる事故があったり、農作物が荒らされたりしていることから、被害をなくすのが狙い。
(シカ侵入ルート特定へ:長野)
北アルプス・上高地(松本市安曇)にニホンジカの侵入が相次いでいる問題で、林野庁中信森林管理署は二十九日、標高二千メートルを超す高山帯を含め計十五カ所に、自動撮影カメラを設置すると発表した。昨年度は若い雄や母子とみられるシカが二十回以上撮影されており、本年度は設置箇所を増やして侵入ルートを特定し、北アの植生保護対策に生かす計画だ。同管理署が自動撮影カメラを設置するようになったのは二〇一四年度から。初年度は四カ所で雄二頭、一五年度は十カ所で雄を延べ五頭撮影した。一六年度は十二カ所にカメラを設置したところ、上高地内の焼岳登山口付近(一、六〇〇メートル)で延べ二十五頭のシカを撮影。子ジカを連れた雌や単独の若い雄が写っていた。同管理署の担当者は「写真は同一個体の可能性も高いが、最低でも三頭は確認できる」と語る。こうした結果を踏まえ、本年度は設置場所を三カ所増やして十五カ所にした。高山帯では「きぬがさ池」周辺の二カ所と、東の徳本(とくごう)峠(二、一四〇メートル)の一カ所。上高地内では、焼岳登山口付近や明神池上流の梓川両岸、徳沢園、横尾山荘上流など十二カ所を計画しており、十月中旬にも設置する。上高地にはニリンソウの群落をはじめ、多彩な高山植物が生育している。山麓でニホンジカが増えている状況もあり、高山植物保護の観点から侵入ルートの確認は不可欠だ。同管理署の岩塚伸人・総括地域林政調査官は「本年度は上高地も含めた管内国有林の五十一カ所に自動撮影カメラを設置する。現状では上高地内での捕獲は難しいが、環境省や県、松本市などの関係機関と情報共有し、山麓での捕獲に力を入れることも検討していく」と話している。
(シカの線路侵入、鉄分与えて防げ:北海道)
シカと列車の衝突事故は、シカが鉄分を求めてレールをなめに来るために起きる―。こうした発見に基づく事故対策を、建材総合メーカー・日鉄住金建材(東京)が進めている。鉄分を含んだブロックを山中に置いてシカを引き寄せ、鉄道用地に入り込むことを防ぐ。「ああ、なめに来ている」。富良野市内の森林。監視カメラのデータには、実験用に設置したブロックをなめるエゾシカたちが捉えられていた。地面にはおびただしいシカのふんと足跡。「集団で来ていますね」と同社の梶村典彦開発企画部長(48)はいう。シカがなめていたのは梶村さんらが開発した鉄分入り誘鹿材(ゆうろくざい)「ユクル」だ。シカが列車にはねられ、鉄道会社が困っている―との新聞記事を読んで、2011年から研究を始めた。当時、鉄道各社はライオンのふん尿をまいたり、高い柵で鉄道用地を囲ったりしていた。しかし、いずれも対症療法で、そもそもシカがなぜ線路に入り込むかはよく分かっていなかった。そこで梶村さんらはシカの行動研究を始めた。監視カメラを仕掛けると、不思議な行動が分かった。シカたちは夜、餌を食べた後に線路に入り、10~20分して引き返す。いったい何をしているのか。「シカなどの草食動物は土壌からミネラルを摂取すると聞いたので、シカがレールから鉄分を取っているとの仮説を立てました」。地面に鉄粉をまいたら、くぼみができるほど土を食べた。線路そばにカメラを仕掛けると、レールをなめる姿が写った。鉄分を十分に与えて満足させればシカは線路に入らないのではないか。そう考えて、試行錯誤の末、完成したのがユクル。鉄分とミネラル分を固め、シカを引き寄せる。雨でも溶けにくく、シカがなめてもすぐにはなくならないよう工夫した。名前は、アイヌ語でシカを指す「ユク」と「来る」を合わせて付けた。道外の鉄道会社では線路の近くに置くなどして使われ始めているが、道内ではまだ。梶村さんらは富良野、釧路市阿寒など道内で実験を繰り返し、エゾシカ対策に役立てたいという。シカなど偶蹄(ぐうてい)類の食性に詳しい林田まき東京農大短期大学部准教授は「大変興味深い研究。シカ肉は牛肉などに比べて鉄分が多い。なぜなのかは良く分かっていないが、当然それだけの鉄を摂取することが必要。シカが誘鹿材の鉄分にひかれて行動することは十分考えられる」と話している。
(ツキノワグマ狩猟解禁中止を:岡山)
岡山県内の銃によるツキノワグマの一部狩猟解禁(11月15日~12月14日)を前に、ツキノワグマ保護団体の一般財団法人・日本熊森協会(兵庫県西宮市)が2日、県に狩猟解禁の中止を求める意見書を提出した。意見書によると、山に潜んでいるクマの狩猟を再開しても集落などへの被害軽減につながらず、かえってハンターを危険にさらすと主張。クマの目撃数増加の原因究明や、ツキノワグマと人間が共存できる奥山の自然林復活などを要望している。この日、同協会の室谷悠子副会長、平井芳和岡山支部長ら会員6人が県自然環境課を訪問。県側に狩猟解禁に至った経緯、推定生息数の根拠について質問した。これに対し県自然環境課の米戸健浩課長は「生息地の東中国地域個体群(兵庫、岡山、鳥取3県)で、環境省が絶滅をクリアできるガイドラインの800頭を超えたため」とし、推定生息数の根拠について県側は「目撃、出没件数に加え、イノシシなど他の狩猟動物の罠(わな)で誤って捕獲された頭数のデータなどをもとに生息数を推定している」と説明した。さらに同協会は生息数が多い西粟倉村で毎年現地調査を実施している経過を報告した上で、「今は西粟倉村の奥山でツキノワグマの生息の痕跡を見つけることは難しい。原因は奥山ではドングリがなる広葉樹や低木が減少し、ツキノワグマが住めるような環境でなくなっている」とした上で、「動物の推定生息数を経済統計学から算出するのは不適切。人工林政策の結果、奥山が荒廃してしまい、クマが里山や集落付近に下りてきて目撃されるケースが増えてきているのではないか。推定生息数より実態個数は少ない可能性がある」と指摘。猟が解禁されれば「奥山でおとなしく生息しているツキノワグマを里山や集落付近に追い出し、かえって危険なことになる」と訴えた。岡山、兵庫(一部)、鳥取県の東中国地域は1991年に環境省のレッドリスト(絶滅の恐れのある地域個体群)に記載され、当時岡山県の生息数は10頭と推測。このため2000年から銃による狩猟を禁止していた。しかし、16年の調査で推定生息数は205頭(中央値)となり、今年11月から1カ月間、30頭を上限に狩猟を一部解禁する。兵庫県は昨年、今年の2年連続で狩猟を一部解禁。鳥取県は県条例でツキノワグマを希少野生動植物に指定しているため狩猟は禁止している。
(「激辛シート」でイノシシ被害防げ:新潟)
ヒメサユリの群生地として知られる、三条市森町の登山道沿いのヒメサユリがイノシシに荒らされた。地元の管理団体は4日、イノシシが嫌うにおいを含んだ「激辛シート」約200枚を登山道のロープに張り巡らせた。住民らは「来年もヒメサユリを楽しんでもらうために被害を最小限に抑えたい」としている。登山道「ヒメサユリの小径(こみち)」は、見頃の5月下旬に県内外から多くの人が訪れる。管理する「ヒメサユリの小径・白鳥の郷運営委員会」によると、9月30日に登山客からのイノシシ目撃情報を受けた。現地を確認したところ、土をほじくり返した痕跡が複数あり、ヒメサユリが土中の球根ごと食べられた。委員会が設置したのは、長谷弘工業(三条市)などが共同開発した縦約30センチのシートで、先端の小袋には唐辛子成分などが入っている。7年ほど前に同様の被害があった際も設置し、効果があったという。4日は雨の中、委員会のメンバー4人が、被害が出た場所を中心に青や紫色のシートを数十メートルに渡って丁寧に取り付けた。委員会の斎藤清栄会長(69)は「被害は限定的だったが、これ以上拡大しないようにしたい」と話した。
(マタギ(猟師)になるには?)
古くから東北地方でクマやシカ、イノシシなどの狩猟を生業としてきたマタギ(猟師)。近年では「狩りガール」なる言葉も誕生するなど、狩猟は身近な趣味の一つとして、じわじわと注目を集めている。しかしながら、実際に狩猟で生計が成り立つかどうかは疑問である。そこで、実際に獣害対策などを行う猟師団体に話を聞いてみた。お話を伺ったのは猪鹿庁合同会社代表、安田大介さん。まず、猟師として狩猟をするためには、狩猟免許が必要となる。「狩猟免許は罠猟免許、網猟免許、第1種銃猟免許(装薬銃)、第2種銃猟免許(空気銃)の4種類があり、自分がやりたい猟のスタイルによって、取得する免許を決めます」(安田さん)狩猟に使用できる猟具は、網か罠、装薬銃、空気銃と定められているのだとか。免許の取得と合わせて、必要となる猟具と狩猟登録をしなくてはならない。「猟銃を所持するためには銃刀法に基づき、講習会の受講や考査への合格等が必要になりますので、罠や網と比べ、少しハードルは高くなります。狩猟免許取得の費用は、都道府県や取得する免許や数によっても変わりますが、15000円くらいから。銃の所持許可の取得に係る手続きの費用としては、7万円くらいかかります。さらに道具などの費用として、銃関連は銃やガンロッカーなどを銃砲店などで揃えると、新銃だと20万円以上、中古の銃でも15万以上はかかると思われます。罠や網に関しては数千円くらいのものから購入できますが、自作する猟師も多いです」(安田さん)初期費用の目安として、銃の場合だと30万円程度がかかる。罠や網の場合は数万円と、銃に比べると安く抑えられるようだ。では、免許取得後、どのようにして猟師としての仕事を開始するのだろうか。「法的には、狩猟登録をした都道府県であれば狩猟が可能です。猟友会に所属し、その中で猟を教えてもらえる先輩を地道に見つけるというコースが一般的です。『弟子入り』などの制度は公的な仕組みとしてはありません」(安田さん)猟友会とは、狩猟者のための公益団体。各都道府県に猟友会があり、それらを統括するのが大日本猟友会。原則として、住んでいる地域の猟友会に所属し、そこで経験を積んでいくようだ。そして、気になる収入について。猟師として一人前になれば、生計を立てられるのか聞いてみた。「猟師としての収入源は、捕獲した獲物から得られる『肉』や『皮』などを売ることと、有害捕獲として得られる駆除費が主なものとなりますが、そこから得られるお金のみで生計を立て得る収入を得ている猟師は、非常に稀で、とても難しいです」(安田さん)なかなか厳しい現実だ。「なお、お肉を売るためにも必要となる許可などがありますし、有害捕獲をする場合にも許可が必要です。いきなり猟師のみで生計を立てることは考えずに、狩猟で得られる収入は、副収入のうちの一つ、またはお小遣いという位置づけで、始めるのが現実的かと思われます」(安田さん)こうした理由から、猟師の数は減少の一途を辿っている。しかしそれでも、猟師の存在は不可欠だという。「地方では増えすぎたシカ、イノシシなどによる農林業・生態系被害などの『獣害』が社会問題になっています。猟師が山に入ることで、増えすぎたシカやイノシシ等が引き起こす様々な被害を抑制し、その生息数を適正に調整することにつながります。現在、猟師の世界も高齢化が急速に進んでおり、猟師がいなくなってしまえば、獣害はさらに拡大してしまうことにつながるでしょう。もっと猟師や狩猟が身近なものになり、今の獣害などの問題が少しでも減っていけば嬉しいです」(安田さん)安田さんの所属する猪鹿庁のほか、各都道府県の猟友会でも初心者向けのイベントが開催されている。興味を持った人は、まずこうしたイベントに足を運んでみてはいかがだろうか。
(獣害駆除にもアニマルウェルフェア:奈良)
奈良県上北山村にある大台ヶ原は、吉野熊野国立公園の特別保護区に指定されている。しかし、シカの激増で苔むす原生林が荒らされ草原化が進んでしまった。そこで環境省は、シカの頭数管理を始めて、防護柵の設置と駆除を推進している。私も、その現場を覗かせていただいたのだが……。私がこの事業の意義とは別の点で驚いたのは、首くくり罠を使っていたことだ。通常、くくり罠といえば足にかけるものだが、バケツ状の容器によって首にかかるようにしている。しかも、締まりすぎないようにストッパー付きだった。「足にかかると、暴れて足が折れたり骨まで見えるほど傷を負うんです。それを防ぐために首罠に変えてみたところです。まだ試行錯誤中ですが」と、担当者は説明してくれる。ちなみに捕獲したシカは、薬で安楽死させる。環境省内の基準には「苦痛を与えない」で処理することと条件が付けられているそうだ。これは……アニマルウェルフェアの考え方か。私が興味を持ったのはここだった。今、アニマルウェルフェアの概念が、全世界を席巻している。この言葉は西洋で生まれたもので、「動物福祉」とか「家畜福祉」と和訳されるが、(社)畜産技術協会の検討会では「快適性に配慮した家畜の飼養管理」と定義されている。そして対象動物の「飢えと渇きからの自由」「不快からの自由」「痛み・傷害・病気からの自由」「恐怖や抑圧からの自由」「正常な行動を表現する自由」の5つを掲げている。単なる動物愛護ではなく、人間が動物を利用することや殺すことを否定しないものの、動物の感じる苦痛の回避・除去などに極力配慮しようとする考えなのだ。やむを得ず動物を殺さなければならない場合は、可能な限り苦痛のない手法を用いることが求められる。今課題となっているのは、東京オリンピック・パラリンピックである。会場で選手などへ提供する料理に供する畜産物の基準には、アニマルウェルフェアが入っているのだ。肉や卵、牛乳などの提供は、どのような飼育をしているかが問われる。たとえば鶏卵一つとっても、ケージ飼育でないものでなけれはならない。しかし、今の日本でそんな卵の大量調達が可能だろうか?日本の現状は、ロンドン大会やリオ大会はもちろん、十数年前の北京大会の基準よりも低いとされる。このままだと、自慢の和牛肉を提供するどころか、卵から牛乳まで、認証を取った輸入品で賄わなければならなくなるだろう。しかし驚くのは、対象となるのが家畜だけではないことだ。愛玩動物~ペットや動物園や水族館などの展示動物はわかるが、研究施設などの実験動物、そして野生動物も含まれるのだ。私もこの動きに興味を持っていたが、それが野生動物、それも駆除対象にまで広がっているとは正直知らなかった。大台ヶ原のシカは、まさに野生動物であり、その駆除にもアニマルウェルフェアの精神が求められる。どうせ殺すんじゃないか、と日本人は思いがちだが、それでは済まない世界の潮流がある。その中で環境省が、野生動物の管理にも配慮を進めているのは朗報だろう。少なくても世界の動きを把握して取り入れているのだから。今回も罠にはカメラを設置して野生動物の動向を記録し、その内容に合わせて罠の仕組みを変えるなど、きめ細やかな対応をしていた。手間はかかるだろうが、少しでも人と動物の関係が穏やかなものになってほしい。
(ドローン活用「シカ検知コンペ」開催:長野)
測量、農業、物流など、世界中で産業用ドローンの用途拡大が見込まれるなか、日本の現場でも新たな需要の掘り起こしが着実に進められている。長野県伊那市の取り組みは、そんな「ドローンの新たな使い道」を自治体規模で模索する好例と言えそうだ。長野県伊那市はきたる2017年10月18日から21日かけて、「ドローンフェスin INA Valley」を開催予定。その目玉企画のひとつとして、「シカ(鹿)検知コンペティション」を用意している。シカ検知コンペティションでは、大会運営者が700m×200mの敷地内のどこかに「シカのはく製」を設置する。参加する各チームは、ドローンの機体や解析ソフトウェアなどを用意。隠されたシカのはく製を発見するまでの時間(制限飛行時間15分以内)や効率を競う。主催者側が念頭に置いているのは、今後、ドローンを有効活用することで野生動植物の研究調査などに役立てようというもの。“競争”という形式を取り、イノベーションやアイデアを刺激する狙いがある。優勝賞金は100万円だ。現在、同コンペティションに参加を表明しているのは、全15チーム。各チームのバックグラウンドにあるのは、ドローン関連技術を研究・開発・運用する企業・大学などとなる。今回、ドローン測量・空撮ビジネスをてがける「KELEK」と、非鉄金属世界大手メーカー・古河グループ(古河電気工業、古河産業)もタッグを組み、チーム「KELEK×F」として大会参加に名乗りを上げた。参加する15チームは、それぞれの手法でドローンを使った「シカ検知」を達成しようと用意を進めている。AIを使ってシカを探し出そうというチームもいれば、センサーや各種カメラの性能を駆使して目的を達成しようというチームもある。機体やソフトウェアについては、自社開発、もしくはメーカーの既製品を使用するなど各チームがそれぞれ選択する。「KELEK×F」が使用を想定している機体は、DJI社製の最新産業用ドローン「Matrice 210(以下、M210)」だ。経験豊かなオペレーターの操縦能力と、サーマルカメラ・FLIR Zenmuse-XT(熱感知カメラ)および可視光カメラ(一般的なカメラ)を併用してコンペティションの優勝を狙う。KELEK代表・十田一秀氏(UBAA理事)は言う。「DJI製品は、発売が開始された数年前に比べて、安定性などの側面でレベルが格段に向上しています。正直、初期の製品は原因が不明な落下事故を起こすケースも多々ありましたが、最近ではそのようなことがほぼ皆無になってきています。なかでもM210は、測量や点検用途で使う産業用ドローンとして要件を満たしている。今後、現場で使うことを想定した場合に戦力になると踏み、今回のコンペでの採用を決めました」「KELEK×F」はシカ検知コンペティションに備え、9月11日にリハーサルを敢行し、サーマルカメラを使った検知効果のテストを実施している。テストの舞台となった場所は東京都・八王子市高尾にある自然豊かな空き地スペースだ。同スペースは機械メーカー・菊池製作所が、ドローン研究・実験用に事業パートナーに開放している“ドローン実験場”である。リハーサルの結果、サーマルカメラをシカ検知に利用していくにあたって、いくつかの課題が明らかになった。なかでも「撮影・飛行高度」と、サーマルカメラの「解像度」のバランスをいかに保つかという課題の浮上は、ドローンの実質的な運用を念頭に置いた場合、示唆に富んだものとなった。700m×200m(140000㎡)の敷地、飛行時間15分以内というコンペティションの条件は前述したが、同条件でシカを上手く検知するためには、効率良く広い範囲のデータを取得しながら、解像度を高く取得する必要がある。高度が高ければ、一度の飛行でカメラの画角におさまる対象の敷地面積は増えるが解像度が悪くなる。逆に高度が低いと、一度の飛行で得られる撮影データは制限されるものの、高い解像度のデータが得られる。15分という制限時間があるので、作業の効率性と画像データの精度のトレードオフがあるなかで、高度や飛行経路をどのように設定するかも勝負のポイントとなる。「今回の実験では、一定の高度を飛行した場合、サーマルカメラでシカをどの程度検知できそうか確認しました。ただその条件だと、画像の解像度が荒くなってしまう。もう少し具体的に言うと、シカと地面などの熱データが同化してしまって見分けがつかなくなります。コンペティションで勝つためには、可視光カメラをどう併用していくかがネックになりそうですね」(十田氏)リハーサルに参加した古河電気工業のエンジニア・阿久津剛史氏も、結果について思案を巡らす。「当初、僕もサーマルカメラで対象をしっかり識別できると考えていましたが、実際にはそう上手くいかない側面があると理解できました。例えば、地面の砂利などが高温になってしまうケースがある。つまり、誤検出の可能性が浮上しました。他のチームの準備がどの程度進んでいるか気になるところではありますが、本番までにはきっちりと対策を練っていきたいですね」ちなみに、今回使用されたサーマルカメラ・FLIR Zenmuse-XTの価格は150万円。今後、ドローン×熱感知による測量・調査などが一般化するとした場合、解像度など性能の問題と同時に、値段もネックになっていきそうだ。とはいえ、特注のサーマルカメラを一から開発しようとすれば、さらに莫大な費用がかかるだろう。既製品のサーマルカメラの性能を引き出しつつ、「何ができて、何ができないか」の判断を可能にしていくためには、技術を運用する側のノウハウと経験の蓄積が不可欠になってきそうだ。「KELEK×F」、そして他の参加チームが本番でどのようなソリューションを提示するのか。長野県伊那市が主催するシカ検知コンペティションの行方を、引き続き追ってみたい。
(鳥獣被害対策用センサー提案、自治体と連携図る:東京)
新光商事は鳥獣被害対策の省力化、省人化に貢献するくくり罠センサーを開発した。低電力・長距離無線通信規格「LoRaWAN」を採用した自社製造の通信モジュールを活用。くくり罠のIoT(モノのインターネット)化を図ることで、罠にかかった動物を見回る猟友会会員の負担を軽減できる。長野県伊那市では自治体と同社を含む企業、団体が連携し、2018年から同センサーを使用したシステムの運用を開始することが決定した。新光商事は今後、他の自治体への提案も検討していく。
(駆除シカ肉でソーセージ作り:徳島)
徳島大の学生でつくる狩猟サークル「レビアヤークト」が、三好市で駆除されたニホンジカの肉を使ったソーセージ作りを計画している。大半が廃棄されるシカ肉の有効活用や販路拡大が狙い。本年度内の完成を目指し、インターネット上で活動資金を調達するクラウドファンディング(CF)で7日から寄付を募る。ソーセージは、サークルのメンバーと三好市の西祖谷地区猟友会が同市の山林でわな猟によって捕獲したシカ肉を活用。スダチや美馬市特産の薬味「みまから」を練り込んだものなど数種類を作る。加工は京都市の業者に依頼し、メンバーが業者と味付けなどについて話し合い、本年度末までに完成させる。CFの目標額は50万円で、募集額は1口5千~5万円。活動費の全額をCFで賄い、シカ肉の加工や解体、パッケージなどに活用する。資金提供者には完成したソーセージを郵送するなどの特典がある。募集期間は7日~11月12日。目標額に到達しなかった場合は活動を取りやめる。シカの食害が深刻化する県内では、年々駆除数が増える一方、食肉利用されるのはわずか数%にすぎない。高タンパクで鉄分、ビタミンなどの栄養分が豊富なシカ肉を資源として有効活用しようと計画した。解体や加工費をメンバーが賄って近く試作品を作り、11月4、5日の大学祭でドイツ料理に調理して販売する(1本500円)。CFの資金を使って完成させたソーセージは大学の購買などでの販売を予定しており、好評ならば商品化を目指す。サークル会長の髙橋優子さん(22)=徳島市南前川町、同大大学院総合科学教育部1年=は「活動を通じてシカの食害や駆除の現状を伝えたい。多くの方にご支援いただけたら」と話している。寄付は徳島大が設立した一般社団法人・大学支援機構が運営するCFサイト「Otsucle(おつくる)」で受け付ける。
(シカ肉解体に挑戦:徳島)
農作物などの食害を減らすために捕獲した鳥獣を食材として生かす「ジビエ料理」が注目される中、徳島文理大学短期大学部の学生や教員ら約20人が9月30日、那賀町の食害に悩む農林業の現場や食肉処理施設を訪れ、作業を体験した。栄養士を目指す学生らにジビエの扱いを学んでもらおうと企画した。生活科学科食物専攻の学生16人と長尾久美子准教授らは午前中、食害防止用のネットが張られた農地などを見学。午後、ジビエ料理用の肉を製造販売する「木沢シカ肉等加工施設」を訪れた。この施設は、食害を減らすために捕獲したシカやイノシシの肉を活用するため昨年開設された。1年間で97頭のシカを処理したという。経営する平井滋さん(68)はこの日、血抜きをして内臓を取り除くなどの処理をして保管していたシカの枝肉約30キロを用意。学生たちは、包丁を手に解体に挑んだ。作業台に置かれた肉の塊を前に、驚きの声を上げていた学生たちも、平井さんのアドバイスを受け、真剣な表情に。「大切な命をいただいている。食材として生かしてきますよという、感謝の気持ちが大事」という言葉に耳を傾け、交代で肉を切っていった。2年の吉田鈴さん(19)はイノシシの解体を手伝った経験があるといい、「シカは体が小さく包丁を入れやすい部分を探すのが難しかった。次は血抜きなども学びたい」と話した。学生たちは枝肉から、ももやランプ、ロースなどの部位約10キロを切り出した。シカ料理のレシピを考え、11月に学生食堂で提供するという。長尾准教授は「大半の学生が将来、栄養士となって各地域で活動する。その時にシカ肉も食材として活用できる技術と知識を身につけてほしい」と話した。県によると、2016年度、野生動物による果樹や野菜、米など農作物の被害はシカ4200万円▽イノシシ3700万円▽サル2700万円など。全体では約1億1200万円に上ったという。被害軽減のためにシカやイノシシの捕獲を進めており、捕獲後は県内6カ所7施設の処理加工施設で解体し、料理店などに卸している。
(ニホンジカ、シカ肉加工に規格:山梨)
ニホンジカの活用方法について話し合う「県ニホンジカ有効活用協議会」が28日、甲府・県防災新館で開かれた。一定の規格に基づく食肉の流通を促す。
(イノシシの脂で商品開発:鳥取)
鳥取県琴浦町の地域おこし協力隊1期生の荻野裕子さん(41)が9月30日で退任し、引き続き同町を拠点にイノシシなどを活用した商品開発を行う。荻野さんは兵庫県丹波市出身で、2014年10月に同町に着任。「じゃない方の、浦安。」のポスター作成や町のPR動画「琴浦じゃないと」の制作を支援し、地域の活性化に携わってきた。活動を通じて、イノシシの解体処理会社と知り合い、廃棄される皮や脂の有効活用に着目。イノシシの脂は馬脂の成分に似ていることから、革製品のつや出しや手入れに適用できると「SISICREAM」を開発した。知人らに使用してもらったところ、「皮が柔らかくなった」などと好評でリピーターも徐々に増えつつあり、軟式野球のグローブの手入れに使っている人もいるという。荻野さんは「この3年間、自分に最も縁のない役所にいる自分が信じられなかった。いい経験になった。SISICREAMは多くの人に愛される商品にしたい」と意気込む。SISICREAMは18グラム入り700円(税込み)で、販売先はSISICREAMのホームページに記載されている。
(害獣活用し料理教室:千葉)
大多喜町の旧老川小学校で、ジビエ(野生鳥獣肉)料理をテーマにしたワークショップが開かれた。地元の住民ら約20人がイノシシ肉をメイン素材にしたパスタに挑戦。早速試食し、駆除した害獣をおいしく活用する方法を学んだ。ワークショップは、同校を借りて地域活性化に取り組む製造小売り会社「良品計画」が主催。イノシシは地域の山や田畑を荒らす害獣で、駆除後の利用法が課題になっている。茂原市内のイタリア料理店オーナーシェフ、池田征弘さん(45)が講師を務めた。メニューは、イノシシ肉入りのペペロンチーノスパゲティと和風ミネストローネのスープ、サラダ。イノシシ肉の他には簡単に調理できるよう塩、こしょう、季節の野菜や豆腐など身近にある品を用意した。池田さんは、イノシシ肉は軽くゆでることがポイントと紹介。そうすることで臭みが消え食べやすくなるといい、火を入れ過ぎると逆効果になることを指摘した。さらに、昆布締めなど和食のレシピなども取り入れ、美味の引き出し方を説明していった。参加者はグループごとに分かれて腕をふるい、30~40分ほどで料理を完成させた。試食した参加者は満足顔で「獣肉でも下処理をすることで臭みがなく、おいしく食べられた」と話した。

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