<射撃ニュース10月>

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(柵助成金ずさん、食害3億7500万円)
農作物をシカやイノシシから守るため、農林水産省が設置費用の一部を助成した柵を会計検査院が抽出調査したところ、各地の約250地区で柵が壊れたまま放置されるなどし、2015~16年度だけで少なくとも総額約3億7500万円相当の鳥獣被害が生じていたことが分かった。検査院は3農政局と21道府県を調べた。自治体を通じて柵を管理する地元の協議会など事業主体を指導するよう求められた農水省は「適切に対応したい」としている。検査院によると、柵が斜面の下側にあるため上側から動物が跳び越えられたり、電気柵なのに電気を流し忘れたりしているケースもあった。また、約250地区とは別に14~15年度に柵が設置された4633地区では、事業主体が畑ごとの鳥獣被害を把握しておらず、柵の効果が検証できない状態だった。
(吹き矢でシカ捕獲作戦、注射器を改造:北海道)
北海道稚内市の市街地に出没するエゾシカに対し、市は31日から3日間、麻酔薬を仕込んだ「吹き矢」による捕獲をする。9年前に知床の羅臼町で実施した例があるが、街中に居つくエゾシカへの試みは異例。猟銃が使えない住宅地や公園での捕獲手法の一つとして注目される。市から捕獲の委託を受けたのは、野生動物の調査研究や被害対策で実績のあるNPO法人「EnVision環境保全事務所」(札幌市)。札幌市で7年前から吹き矢による麻酔捕獲に取り組んでおり、これまで住宅地に迷い込んだ「問題ジカ」など40頭近くを捕獲している。吹き矢はダーツゲームに使われる矢のような形で、市販の注射器を改造した。長さ91センチ、口径16ミリの金属製の筒を使い、約5メートルまで近づいて太ももを狙って矢を発射する。矢が刺さると注射器内の麻酔薬がガス圧で針から押し出され、筋肉に浸透していく。麻酔薬は1本2・7ミリグラムを予定。体重90キロのエゾシカだと15分ほどで麻酔が効いて動けなくなる量という。エゾシカが興奮していると効き目が弱いため、さらに1本用意する。吹き矢で驚き、住宅地や道路に飛び出さないよう、市職員や地元猟友会員が周りで見張ることにしている。羅臼町では2008年5~6月、知床財団が住宅地で吹き矢を試みて28頭を捕獲した。市街地の背後に世界自然遺産地域の山が迫り、エゾシカはここから下りてきて家庭菜園や庭の草木を食べ、近寄っても逃げないほど人慣れしていた。吹き矢は銃と違って発砲音がしないため、ほかのエゾシカに警戒心を抱かせることなく繰り返し使えたという。稚内市の市街地はノシャップ岬の沿岸にあり、羅臼と同じく背後の丘陵地がエゾシカのすみかだ。だが丘陵地には鳥獣保護区や稚内公園、自衛隊施設があって銃による捕獲は原則できない。シカは昼夜を問わず市街地を行き来し、食害のほかフン害や交通事故も絶えず、パークゴルフ場ではプレーする人たちのすぐ横で草を食べている。事前に現状を視察した「EnVision環境保全事務所」の早稲田宏一研究員(43)は「これほど街中で人慣れしているのには驚いた。根本的には丘陵地に生息するエゾシカを銃やわななどで捕獲することが重要で、次が街中での対策になる。ただ街中での捕獲は規制が多く、現時点では吹き矢が有効。試す価値はある」と話している。
(クマに襲われ軽傷、きのこ採りの男性:秋田)
28日午後4時ごろ、秋田県仙北市角館町の山林で近くに住む71歳の男性がきのこ採りをしていたところ、親子と見られるクマ3頭に遭遇しました。その際、1頭に襲われてかまれるなどしましたが、300メートルほど離れた住宅に逃げ込んで助けを求めたということです。男性は腕や足などに軽いけがをして、手当てを受けました。現場は、角館中学校や観光名所として知られる武家屋敷から西に1.5キロほど離れた山林です。秋田県によりますと、県内ではことしに入ってクマに襲われ1人が死亡、18人がけがをしていて、死傷者の数は最も多かった平成23年の20人に次いで、すでに過去2番目に多くなっています。秋田県自然保護課は「ことしはクマの好物のブナの実が凶作だったので、冬眠前に餌を探している可能性がある。人里に下りてくるおそれもある」として注意を呼びかけています。
(バイクとシカが衝突、同じエリアで今月2回目の事故:栃木)
26日午前4時15分ごろ、栃木県鹿沼市内の県道を走行していたバイクが転倒する事故が起きた。この事故で運転者が意識不明の重体。近くでシカが死んでおり、バイクと衝突したものとみられている。栃木県警・鹿沼署によると、現場は鹿沼市塩山町付近で片側1車線の直線区間。現場を通りかかった人が路上に転倒しているバイクと、その横で倒れている新聞配達員の男性を発見。警察へ通報した。
(「歩道にイノシシ」通報、直後に衝突:富山)
富山県内の道路で、走行中の車とイノシシが衝突する交通事故が相次いでいる。10月だけで少なくとも4件発生した。県警は、衝突で車が大きな被害を受けたり、大事故につながったりする恐れがあるとして注意を呼びかけている。「国道の歩道をイノシシが走っている」。24日午後8時15分頃、富山市金山新の国道8号を通りかかった女性から110番があった。5分後の同8時20分頃、70歳代女性が運転する軽乗用車が道路を横切ろうとしたイノシシと衝突。女性にけがはなかったが、車の左前部が破損した。翌25日、車と衝突したとみられるイノシシは事故現場から約50メートル南東の民家で、動けなくなった状態で見つかった。体長1メートル20ほどのメスの成獣だった。富山北署の盛永章祥副署長は「運転手にけがはなかったが、あの大きさのイノシシとの衝突は危険。交通量の多い国道では大事故になってもおかしくなかった」と語る。同署管内では、10日にも県道を横切ったイノシシ3頭のうち1頭と乗用車が衝突。南砺署管内の南砺市では、7日午後2時台の約20分間に、イノシシと車の衝突事故が2件相次いだ。10月の事故でけが人は出ていないが、8月に氷見市の能越道で起きた事故では、イノシシと衝突した車がのり面に乗り上げて炎上し、運転手の男性がけがを負っている。県自然保護課によると、県内のイノシシ捕獲数は1999年度は18頭だったが、2013年度には1015頭、15年度には2591頭と急激に増加した。狩猟者が徐々に減り、生息地となる耕作放棄地が増えたことなどから、生息数が爆発的に増えているとみられる。県は16年3月末現在、イノシシの県内生息数を4872頭と推定している。同課によると、イノシシは臆病な性格で、日中は人間のいる場所では活動しないが、人の少ない夜間に餌を求めて人里に入ってくることがあるという。10月の事故も、4件のうち2件は夜間の発生だった。県警交通企画課の担当者は「動物が道路に飛び出してきた時、急にハンドルを切ると、対向車や道路脇の電柱などに衝突して重大事故につながる恐れがある」とし、「夜間はライトを上向きにするなどして前方に注意し、早めに動物を見つけて回避してほしい」と呼びかけている。
(イノシシと自転車衝突、女性転倒しけが:徳島)
28日午前8時ごろ、徳島市南庄町3の市道にイノシシ1頭が現れ、自転車に乗っていた市内の70代女性と正面衝突した。女性は衝突の弾みで転倒。同市内の病院に運ばれたが、頭と足を打つなどして軽いけがを負った。徳島西署が20人態勢でイノシシの行方を追ったが、既に姿を消していた。署などは注意を呼び掛けている。現場は徳島西署から南へ約100メートルの住宅街。署によると、イノシシは体長約1メートルで、近くを通り掛かった男性が「自転車とイノシシがぶつかった」と119番した。署員20人が駆け付けたが、イノシシの姿は見られなかった。イノシシは自転車と衝突する直前、現場から20メートルほど西側の市道交差点で、同市内の40代女性運転の乗用車に衝突していた。女性と同乗していた10代の長女にけがはなかった。午前7時半ごろには、同市南島田町4でイノシシを目撃したとの情報が署に寄せられた。署はいずれも同じイノシシの可能性があるとみて、引き続き警戒に当たるとともに、地域住民らに「見つけたら、すぐに通報を」と呼び掛けている。また、徳島市農林水産課は「近づかず、騒がないようにしてほしい」、徳島地区猟友会は「あわてて逃げたりせず、落ち着いて行動してほしい」としている。県内では2015年11月23日、鳴門市内に出没したイノシシ1頭に男女2人がかみつかれるなどして、けがを負う事故が起きている。
(中学校でサル捕獲:埼玉)
29日午前9時55分頃、さいたま市中央区下落合の与野東中学校で、浦和西署員がサル1匹を捕獲した。同校によると27日午後、体育館内でサルが歩いているのを生徒らが目撃し、同校は体育館の使用を中止。市や同署と相談し、わなを仕掛けていたが、捕獲できなかった。29日午前9時頃、様子を見に訪れた署員や市職員らが体育館の壁際のネットを登るサルを発見。体育館で逃げ回るサルを計14人で追い、約1時間後、同署員が直径約50センチの網を使って捕らえた。市環境対策課によると、サルは体長約50センチ。おりに入れられ、同署に運ばれた。どこから来たかは不明で、同署はサルの引き渡し先について市などと協議して決めるという。同校の金子強校長(59)は「生徒の安全が守れて一安心」と胸をなで下ろした。30日は消毒作業のため体育館を終日閉鎖するという。
(房総半島のキョン、8年で15倍に:千葉)
房総半島南部で急増している特定外来生物「キョン」の根絶に向け、千葉県は12月から、キョンに全地球測位システム(GPS)を取り付け、生態調査に乗り出す。2015年度の生息数は推定4万9500匹で、07年度(3400匹)から約15倍に激増しており、効果的な捕獲方法を検討する。捕獲したキョンから皮革製品を作る取り組みも始まっている。キョンはシカの仲間で、中国南東部や台湾に生息する。県自然保護課によると、県内では勝浦市の動植物園で飼育されたキョンが脱走し、野生化したとみられ、1980年代頃から目撃されるようになった。国内で定着が確認されているのは房総半島南部と伊豆大島(東京都大島町)だけで、住宅地に現れて花壇の花を食べるなどの食害も出ている。千葉県や地元自治体がワナなどで捕獲を進め、16年度は2400匹を捕獲したが、繁殖力が強く対応が追いつかない状態だ。キョンの生態が判然としておらず、県は今回、効果的にワナを設置するため調査を行うことにした。調査では、捕らえたキョン数匹の首にGPSを装着。県内市町村で最多の1万9534匹が生息すると推定されているいすみ市内に放ち、12月から約1年間、行動パターンや移動経路を調べる。生息数を減らすにはメスを減らすことが重要といい、主にメスにGPSを装着する。また、同市の山中などに自動撮影カメラ約20台を設置し、11月から来年3月まで映像を記録する。キョンがよく通る場所を調べ、ワナの設置場所を検討するのが目的だ。同課は「より効率よく捕獲できるよう生態を詳しく調べ、根絶を目指す」としている。一方、同市では、捕獲したキョンを活用する取り組みも始まった。市から委嘱を受けた移住者でつくる「地域おこし協力隊」が、捕獲後のキョンの活用策を検討し、昨年、なめしたキョンの革でベビーシューズを試作した。キョンの革は柔らかく手触りが良いといい、今年度は革の新たな活用法を探っているという。市は「捕獲して処分するだけでなく、活用できるように検討を進めたい」としている。
(返礼品はシカ狩猟、東京の夫婦が体験:北海道)
釧路管内白糠町へ2万円のふるさと納税をした東京の夫婦に27日、返礼品の「エゾシカ狩猟体験」が贈られた。2人はベテランハンターに同行、2時間半ほど本物の狩りの緊張感や自然の雄大さを味わった。「普段できない体験を」と返礼品に選んだ菊池剛さん(48)、真由美さん(42)が参加。町内でシカ肉加工・販売業を営む松野穣さん(53)が私有林などを案内し狩りの手順や醍醐味(だいごみ)を伝えた。
(イノシシ衝突、常磐線に遅れ:茨城)
28日午後9時51分ごろ、日立市砂沢町のJR常磐線小木津-十王駅間で、水戸発いわき行き下り普通列車がイノシシとぶつかり、自動列車停止装置(ATS)が故障した。緊急停車した列車は同10時59分ごろ、十王駅まで速度を落として運転を再開した。
(市役所付近にイノシシ現る:新潟)
30日、燕市吉田西太田地内の燕市役所付近でイノシシの目撃情報があり、燕市は付近をパトロールするなど関係機関が対応している。午後0時40分ころ燕市役所の生活環境課に、10分ほど前にイノシシを見かけたと目撃者の女性が訪れた。目撃者によるとイノシシを見かけたのは市役所から東へ約400メートルの田んぼのなか。市民課に用事があって車で市役所へ向かう途中だった。イノシシの近くにさしかかると、イノシシは西の方角へ逃げた。最初はイヌかと思ったが、横顔がイノシシに見えた。目撃者は登山をたしなみ、最近、弥彦村でイノシシが出るという話を耳にしていたこともあり、イノシシに違いないと思った。それほど大きなイノシシではなかったと言う。市では通報を受けてすぐに生活環境課が目撃された場所へ出向く一方、燕署と県に連絡した。目撃された場所は田んぼに草が生えていてイノシシの足跡を探したが確認できなかった。約1時間、周辺をパトロールしたが発見できず、いったんパトロールを終わったが、あらためて勤務時間中はパトロールを続けることにした。午後0時40分ころ燕市役所の生活環境課に、10分ほど前にイノシシを見かけたと目撃者の女性が訪れた。目撃者によるとイノシシを見かけたのは市役所から東へ約400メートルの田んぼのなか。市民課に用事があって車で市役所へ向かう途中だった。イノシシの近くにさしかかると、イノシシは西の方角へ逃げた。最初はイヌかと思ったが、横顔がイノシシに見えた。目撃者は登山をたしなみ、最近、弥彦村でイノシシが出るという話を耳にしていたこともあり、イノシシに違いないと思った。それほど大きなイノシシではなかったと言う。市では通報を受けてすぐに生活環境課が目撃された場所へ出向く一方、燕署と県に連絡した。目撃された場所は田んぼに草が生えていてイノシシの足跡を探したが確認できなかった。約1時間、周辺をパトロールしたが発見できず、いったんパトロールを終わったが、あらためて勤務時間中はパトロールを続けることにした。
(イノシシの映像をとらえる:新潟)
30日、美山地内で自家用車を運転していた弥彦村職員がイノシシを目撃した。車にはドライブレコーダーが設置してあり、写っているイノシシの姿は小さいが、イノシシが走って遠ざかるようすをしっかりとらえている。弥彦村では19日、麓地内の山手でイノシシと思われる動物の痕跡が見つかり、専門家に調べてもらったところ、足跡の形からイノシシであると確認された。28日に麓地内と弥彦地内で初めて2件のイノシシの目撃情報があり、弥彦地内の目撃情報は弥彦神社そばの土産物店が並ぶ付近に姿を現した。29日も弥彦地内と麓村新田地内で目撃情報があり、30日も村山地内と美山地内で合わせて3件の目撃情報があった。田んぼなど平場でも目撃されており、別の場所ではほぼ同じ時間に目撃情報があることから、複数のイノシシが行動していると見られる。今のところ人や農作物に被害は出ていないが、すでにわなを仕掛けたり、鳥獣捕獲許可の手続きも終わっている。30日夕方には「イノシシにご注意ください」の件名で弥彦村防災情報メールを配信した。弥彦村によると、これまで村内でイノシシが目撃されたことはなかった。しかし県内では上越市や柏崎市、糸魚川市、長岡市などでイノシシによる農作物被害が多い。村でも長岡市寺泊地域にまでイノシシが分布を拡大しているという情報を得ており、そのイノシシが大河津分水路か信濃川を超えて弥彦に入ってきたのではないかと見ている。イノシシは川を泳ぐのも得意だが、川幅が広いので野積橋を渡って大河津分水路を越えたのではないかという推測もある。イノシシの寿命は長くても10年で子どものころは天敵が多いが、繁殖力が高く、今後の個体数の増加が心配だ。弥彦村でイノシシを目撃したら弥彦村役場(0256-94-3131)へ連絡する。
(サル出没、市と警察が注意呼び掛け:群馬)
28日午前、群馬県の藤岡市中心部でサルを目撃したという情報が市や藤岡署に相次いで寄せられた。いずれもサル1匹が出没したという内容で、市や同署は市民向けのメール配信サービスなどを通じて注意を呼び掛けている。市などによると、同日午前8時ごろ、富士浅間神社(同市藤岡)近くで目撃された後、県道藤岡本庄線七丁目交差点付近や、小林西交差点近くでの目撃情報が相次いだという。午前10時ごろ、自宅前で乾燥させていた大豆をサルが食べるのを見たという70代の男性=同市小林=は「座って食べていたので、声を上げて追い払ったら西の方に逃げた」と振り返り、「また何をされるか分からないので早く捕まってほしい」と話した。男性の妻は「結構大きく見えた。この辺りでサルを見るのは初めて」と驚いた様子だった。サルの出没を受け、同署は「上州くん安全・安心メール」で、市は市民向けの「ふじおかほっとメール」でそれぞれ注意を促した。市農林課は「見かけたらむやみに近づかず、警察か市に連絡してほしい」としている。
(男鹿半島に、まさかのクマ:秋田)
男鹿半島に異変が起きている。県警が2005年にクマの出没に関する統計を取り始めて以来、9月に初めて目撃され、これまでにクマ関連の情報が7件(10月26日時点)相次いで寄せられている。半島と内陸部の間の八郎潟や砂浜が障壁となり、「クマは入れない」と考えられてきたが、脅威が迫り、住民らは危機感を強めている。「クマに気をつけて帰ってね」――。9月27日に付近でクマが目撃された男鹿市立脇本第一小で10月6日夕、男鹿署員が下校する児童らに啓発チラシを配り、注意を呼びかけた。県内各地ではクマが人を襲うなどの被害が相次いでいたが、同市民の間では「男鹿にクマはいない」が共通認識だった。しかし、無縁と思われていた脅威が現実となった。チラシを見ていた3年生の鈴木瑛夢えむ君(9)は「クマはなまはげよりも怖い。外で遊べなくなるのかな……」と表情を曇らせた。2年生の娘を通わせている高桑奈津美さん(37)は「この辺でクマが出るなんて聞いたことがなかった。子供が襲われたらと思うと恐ろしい」と戸惑いを隠さない。県警のまとめによると、同市内では、北部に位置する野石地区で9月17日、統計開始以来初の目撃情報が寄せられた。同24日には脇本地区で栗の木の実が食い荒らされた痕跡が見つかり、同26~29日は同地区や鵜木、男鹿中地区で4件の目撃情報が相次ぐなど、クマの出没に関する情報が10月11日までに計7件に上り、地域に緊張が走った。同市が位置する男鹿半島は、内陸部との間を隔てるようにして八郎潟や砂浜が広がっている。このため、半島内にクマは入って来ないと考えられていた。しかし、今秋は少し事情が違うようだ。県自然保護課によると、クマの餌となるブナの実が凶作で、冬眠を前にしたクマが栄養を蓄えるため、餌を求めて行動範囲を広げている。実際、男鹿半島の付け根に位置する三種町内では今年、人里近くでのクマの捕獲頭数が20頭(26日時点)と、昨年(6頭)の3倍超となっている。大潟村でも9月、8年ぶりとなる目撃情報が2件あった。こうした状況から、日本クマネットワーク会員の泉山吉明・同課専門員は「クマは泳ぎが得意。生息域を広げる中で、八郎潟を泳いで男鹿半島へ渡った可能性がある」と分析する。クマの生態に詳しい岩手大農学部の青井俊樹名誉教授は「ブナなどの広葉樹の林が広がる男鹿半島は、クマが生息するのに適した環境といえる。いずれ、クマが定着する可能性は高い」と指摘する。突如、現れた“侵入者”の脅威に戸惑いつつも、地元猟友会は対抗措置をとり始めた。クマやイノシシ、シカなど大型動物を相手にした経験は乏しいが、まずは、栗の実が食い荒らされた脇本地区に、檻おり状のわなを仕掛けるなど、手探りの対応が続く。地元猟友会の一つ、男鹿地方猟友会(会員17人)では、県からの有害鳥獣駆除許可を受けた会員が半数ほどしかいなかったが、9月末までに全会員が許可を受け、クマの出没に備えた態勢を手厚くした。斉藤徹副会長は「急な目撃情報にも人数をそろえて対応できるようにしたい」と話している。
(シカ3頭以下は駆除、増加防止へ試行:群馬)
ニホンジカの増加を未然に防ぐため、日本自然保護協会(東京)は11月、国有林「赤谷の森」(群馬県みなかみ町、約1万ヘクタール)で試験的な駆除を始める。駆除を免れたシカの警戒心が強くなることから、餌場に集まったシカが全頭駆除できる3頭以下なら猟銃で撃つ手法を取る。効果が確認されれば他地域で応用する。
(五輪霧中、大会理念を問う:宮城)
2020年東京五輪は28日、同年7月24日の開幕まであと1000日となった。大会誘致時に掲げられた「復興五輪」は具体像が見えず、東日本大震災からの復興途上にある東北の被災地は大会への関心が盛り上がらない。宮城県と県クレー射撃協会、同県村田町は町内の県クレー射撃場を五輪会場に誘致しようとしたが、2015年1月に断念。キャンプ誘致構想も立ち消えた。障壁は銃刀法。国外からの銃器持ち込みを禁じ、例外は国際大会で使う場合のみ。キャンプは対象外で、誘致するには五輪前に国際大会を開かなくてはならない。大会への銃器持ち込みも税関手続きは自治体が担う。「ハードルが高すぎる」と同協会幹部は嘆く。キャンプ誘致表明は全国で201自治体に上る。復興途上の自治体が、他の自治体と同じスタートラインに立てるよう支援は得られないか。組織委広報局は「それぞれの自治体が戦略を持って取り組むもの」と公平性を盾に距離を置く。
(光るもの見えたら減速、HPで運転中の注意喚起:栃木)
県は27日、鹿沼市の事故を受けてホームページに野生獣との接触などによる事故への注意喚起の掲載を始めた。自動車運転中の注意事項は、(1)前方に注意を払って走行(2)光るものが見えた場合は減速(シカ、イノシシの目は暗闇では光のように見える)(3)野生獣が頻繁に出没する場所は徐行し、飛び出しに備える-という内容だ。県自然環境課によると、シカは県南西部に多く生息。今の時期は繁殖期で行動範囲が広がる。警戒心が強く、人間が行動する時間帯を避け、夕方~早朝に活発に行動する傾向がある。農作物を狙って山の中から人里に移動、出没。県猟友会鹿沼支部の石原明支部長(79)は「獣が畑の作物の味を覚え、里に来てしまう。絶対に餌をやらないでほしい」と訴える。鹿沼市では山間部近くでシカやサル、イノシシの目撃情報が相次いでいる。自動車はロービーム(下向きライト)だけでなく、遠くを見通すためにハイビーム活用も重要。鹿沼署は「運転中は速度を抑え、ハイビームとロービームをこまめに切り替えてほしい」と呼び掛ける。
(クマ猟解禁、生息数の把握急ぎたい:秋田)
相次ぐ人里へのクマ出没で、県内では今年、ツキノワグマの有害駆除が頻繁に行われ、既に県が設定する年間の上限捕殺数(122頭)を大幅に上回っている。そんな中、県は今冬の狩猟解禁(11月15日~2月15日)を決めた。狩猟の上限は58頭。クマの生息域が人間の生活圏に広がっている上、生息が確認されていなかった地域で目撃が相次いでいることなどを受けた対応だ。県はこれまで生態系に配慮し、捕殺数が推定生息数の1割を上回った場合、県猟友会に猟の自粛を求めてきた。県内で今年に入って捕殺されたクマは9月末時点で過去最多の533頭に上り、県が推定する生息数1013頭(4月時点)の半数以上を占める。狩猟解禁の基準は到底満たされておらず、県外の自然保護団体からは、有害駆除とともに冬季のクマ猟の中止を求める要望書が県に提出されている。確かに現在の推定生息数に対する捕殺数からすれば、捕殺が過剰ではないかという見方にも一理ある。一方、県は狩猟解禁の基となる推定生息数が、実際の生息数と大きく乖離(かいり)している可能性が高いとみる。県が狩猟解禁理由に挙げるのは、まず目撃数が今年に入ってから1233件(県警調べ、26日現在)に上り、過去最多を更新していることだ。加えて▽市街地や公園、学校などの周辺での出没が増え、県民生活に支障が生じている▽捕獲実績や目撃情報などから生息域は現行の県管理計画の1・5倍に拡大していると推定される▽農作物被害は果樹を中心に約3割増加している―ことなどを挙げる。ただ、推定生息数はあくまで「推定」の域である。センサーカメラを使った新たな手法による生息数把握の取り組みは始まったばかり。把握は容易ではないだろうが、捕殺自体への反対意見があることも踏まえ、県にはより実態に近い推定値の算出を急いでもらいたい。クマの出没増加は有害駆除の担い手不足という現実も浮き彫りにしている。県猟友会の会員はピークの1975年が約8千人だったのに対し、現在は約1500人まで減っている。高齢化も進み、60代以上の占める割合は7割に上る。現場の疲弊ぶりは深刻で、市町村から有害駆除の出動依頼が激増し悲鳴に近い声が上がっているという。狩猟を解禁しても、肝心の狩猟者が激減・高齢化しているというのは皮肉なことだ。重要なのは狩猟解禁に踏み切るという判断の背景を、県民がしっかり共有することではないだろうか。人里へのクマの出没は、里山の手入れができなくなったこと、集落の人影がまばらになったことの裏返しでもある。過疎化や山の荒廃の問題は、すぐには解決できないということを受け入れながら、関係者任せにせず今できることを戦略的に考えていきたい。
(高校生がわな猟免許を取得:群馬)
鳥獣害対策に取り組む担い手の確保が課題となる中で、群馬県立藤岡工業高3年の向中野俊さんと橋本まどかさんがわな猟免許を取得した。県自然環境課によると、同免許の取得可能年齢が2年前に「18歳以上」に引き下げられて以降、高校生での取得は県内初という。2人は「市内に住む祖父や祖母が鳥獣害で困っているので、狩猟者登録した上でわなを使って助けてあげたい」と話している。同校では3年生が選択科目の「環境工学基礎」で鳥獣害対策を学んでおり、2人は授業担当の富岡賢洋教諭から提案を受け、免許を取得することを決めた。藤岡猟友会と藤岡市農林課から実物のわなを借りて実技対策を練った上で、9月30日に県庁で行われた試験に臨み、合格した。向中野さんは「電気通信工事関係の仕事に就くので、保守などに知識を生かしたい。20歳になったら、猟銃の免許も取りたい」と話す。将来は動物病院で働く看護師になりたいという橋本さんは「進路に役立つので受験した。好きな動物の生態を学ぶのは楽しかった」と笑顔を浮かべた。富岡教諭は「工業系高校なので、今後はわなの自作など生徒に幅広い体験をしてもらいたい」と話した。2016年度の野生鳥獣による県内農林業被害は、前年度比11.4%減の6億0993万円。県や市町村などの対策強化により、被害額は過去10年間で最少となったが、1981年度に1万人近くいた狩猟免許保持者は減少を続け、高齢化も進んでいる。一方、比較的取得しやすいとされるわな猟の免許は県が普及に力を入れていることもあり、合格者は2014年度に141人、15年度に181人となるなど近年は増加傾向にある。同課は「地域で暮らす若い人が鳥獣被害に関心を持ち、対策の担い手になってもらうことはありがたい。もっと多くの若い人に免許を取得してほしい」としている。
(狩猟の講習会開かれる:山梨)
若手ハンターらのスキルアップを図ろうと狩猟の講習会が28日、北杜市で行われた。講習会は県などが開いたもので狩猟の免許取得を考えている人や経験を積みたい若手ハンターなど19人が参加した。講習会では猟友会のメンバーが講師となり犬を使って獣をおびき出して銃で仕留める「巻き狩り」を実践した。猟友会によると、3年前に法律が改正され狩猟を行うには一定の射撃教習をうけることが義務付けられたため、負担が増え経験豊富な高齢のハンターは減少しているという。一方でジビエ料理の普及などから新たにハンターになる人も多く、県は「取り組みを通じてハンターのスキルアップを目指したい」としている。
(冬眠前でツキノワグマ活発化:兵庫)
冬眠を控えたツキノワグマが兵庫県内でも餌を求めて活発に動き回る時期を迎えている。県はクマの出没の目安となるドングリ類の調査を毎年実施しており、「今秋は豊作」との結果を発表。クマの出没は比較的少ないと予想しているが、紅葉シーズンで住民が山に入る機会が増えることから注意を呼び掛けている。県によると、8月31日~9月13日に実施したドングリ類の実りの調査では、ブナ、コナラ、ミズナラともに前年度に比べて「豊作」と判断された。県はクマが大量に人里に出没するほど山の餌が不足している状況にはないと分析している。一方で今年4~9月のツキノワグマの目撃や痕跡の情報は423件で前年同期より約90件増加した。目撃情報のうち北但馬が半数を占めている。香美町では5月に60代の女性が倉庫にいたクマに足をかまれた。新温泉町のナシ畑では6月、80代の男性がクマに襲われ、顔や右腕に軽傷を負った。クマの活動は10~11月に活発化する。そのため県は、不要なカキの木やカキの実は早めに伐採する▽果樹園に電気柵を設置する▽クマを引き寄せる生ゴミを屋外に置かない-などを呼び掛けている。冬眠に入る12月中旬ごろまで注意が必要という。県の担当者は「ハイキングなどで山に入る時にはラジオや鈴を携帯してほしい。豊作といっても十分な注意が必要だ」と話している。
(クマ出没警報、3度目延長:秋田)
県は27日、発令中のクマに関する「出没警報」の期間を延長すると発表した。2度の延長を経て31日までとしていた発令期間は、12月20日までとなる。県のまとめによると、県内では4月以降、クマに襲われた死傷者は18人(26日時点)。記録の残る1979年度以降では3番目に多い。目撃件数は1224件(24日時点)で、過去最多だった昨年度(869件)の1・4倍になっている。県自然保護課の高松武彦課長は「クマの餌となるブナの実の凶作が影響している」と分析。リンゴの収穫作業などは、複数人で、クマよけの鈴を身に着けて行うよう呼びかけている。
(生息域を拡大するクマへの対処法探る:北海道)
クマ研究者らでつくる「日本クマネットワーク」は28日、札幌市男女共同参画センターで、公開シンポジウム「市街地に侵入するクマ」を開いた。
(日本キジ180羽を放つ:長野)
飯伊連合猟友会(松島貞治会長、会員720人)は27日、鳥類の保護・増殖と狩猟鳥類の確保を目的に、日本キジ(90日令)180羽(昨年120羽)を放鳥した。11月15日に狩猟解禁となる。キジは大日本猟友会の助成により上田市の養殖業者から4羽ずつ45箱を搬入。飯田市追手町の飯田合同庁舎正面駐車場で同猟友会の8つのブロック責任者に割当羽数が引き渡された。箱の中で暴れるキジを受け取ったブロック責任者はさっそくそれぞれ指定された保護区などに持ち帰り、待ち受けた支部役員と一斉に放鳥した。大鹿、喬木、豊丘の竜東ブロック喬木支部では、同連合会役員の中村裕夫支部長と支部役員3人が同村小川上平のもろはら公園で8羽を青空に放鳥した。中村支部長(70)は「数年前までキジをあまり見かけなかったが、最近はヒナを連れた親鳥をちょくちょく見るようになった。天敵のキツネが少なく、自然界の条件がキジの生息に適しているのでは」と話した。同支部の会員は、猟銃が20人余、ワナも入れると40人ぐらい。高齢化が進み、以前の三分の一程度まで減少している。キジは撃つ人は少なく、ほとんどがシカやイノシシという。県南信州地域振興局林務課内の事務局によると、放鳥したキジ180羽はオスとメスが半々。狩猟の対象となるオスには目印の足環が付けられている。事務局へ報告すると大日本猟友会から金バッジが記念品に贈られるが、昨年は1羽だけだったという。
(松田知幸「記録はまだまだ伸びる」:神奈川)
インドのニューデリーで行われた射撃のワールドカップ(W杯)ファイナルの男子10メートルエアピストルで日本勢初の金メダルを獲得した松田知幸(41=神奈川県警)が31日、成田着の航空機で帰国した。同大会はシーズンの成績上位選手で争われ、松田は予選を8位通過。決勝では世界新記録となる241・8点をマークして優勝し「これまで2位が3度。優勝を目標に掲げて頑張ってきた。素直にうれしい」と喜びをかみしめた。一方で、ギリギリの決勝進出となった予選の反省も。決勝とは別会場だった予選では明るい照明に苦戦し、思うような点が出ず「どんな環境でも結果を出せるよう対応力をつけたい」と今後の課題を挙げた。東京五輪でも実施される種目での金メダル獲得に「記録はまだまだ伸びる。モチベーションも高まった」と自信。メダルはケースがないため、くるぶし丈の靴下に収納しており「これが一番いいんです。傷もつかないし。皆さんに広めたい」と笑った。翌11月1日にはブルガリア合宿へ出発し、約2週間、予備銃の調整などを行う。次戦は12月6日から埼玉県和光市で開催されるアジアエアガン選手権大会。松田は五輪に3大会連続で出場しており、世界選手権では10年に50メートルピストル、エアピストルの2冠を達成。東京五輪では射撃界で28年ぶりとなるメダルを目指す。
(見えない鹿を「見る」狩猟暦47年の親方:東京)
東京都青梅市二俣尾、都庁から直線距離約35キロの山中。「見切り」と呼ばれるケモノの痕跡探しがはじまった。まだ朝6時過ぎだが、都内各地から集まった狩猟者たちの声が無線で盛んに飛び交っている。各々地域を分担して、イノシシの足跡(アシ)や食痕(ハミ)を探す。4、5月は竹林とジャガイモを植えたばかりの畑が見回りのポイントだ。竹林や周辺のケモノ道はもちろん畑を持つ住民の声も重要な情報になる。「学校の横」とか「フルヤさんちの畑」といったローカルな地名、「去年、センセイが20貫のシシを止めた竹林」など、仲間内しか通じない言葉がやりとりされる。有害獣駆除を見学させて欲しいと無理を言って、青梅猟友会の猟に参加した。参加と言っても、私は隊員ではないので銃を持たない。「タキさん」と呼ばれる、乾いた声の主がリーダーのようだ。同行している猟友会会長の佐々木善松さんが、タキさんから指示を受けて、林道から住宅地に下り、奥の雑木林へ向かった。山の斜面に新しい足跡はない。一旦戻りかけたが念のため、奥の竹林を確認することにした。そこに「今朝タケノコを食べました」というイノシシのハミがあった。「見に来てよかった」と佐々木さんが安堵の笑みを浮かべている。状況を聞いたタキさんが「俺が見る」と無線を切った。どんな怖い親方が現れるのかとドキドキして待っていると、イガグリ頭の人の良さそうな小柄なオジサンが軽トラから下りてきた。動きが闊達で、見ていて気持ちがいい。「いいアシがあったって?」瀧嶋康廣さん(67)だった。挨拶しながら、取材させてもらうことを告げるが「そう」とほとんど反応はない。「昨日なら、大きなシシが止まったのになあ」と瀧嶋さんのつぶやきが聞こえた。瀧嶋さんは青梅で代々案内猟師を勤める家に生まれた。奥多摩湖の工事で出た土砂や石灰を運び出すために、多摩川沿いの道路や青梅線は戦前から今と同程度に整備されていた。昭和期には、その鉄路を使って都心の裕福な狩猟者が頻繁に遊びにきた。彼らを案内するのが祖父の仕事だったのだ。「お客さんはお金持ち。みんな道楽の鳥撃ちさ」生まれてすぐに瀧嶋さんの父親は亡くなり、猟師の祖父に育てられた。だから狩猟はまさに生活の一部だった。瀧嶋さんも野遊びが好きになり、猟師になることに何の疑いも持たなかった。「ヤマメ釣りか空気銃かウサギ追いくらいしか、遊びがないんだから。家業が猟師だし、空気銃のパッキン交換にも中学生の俺が電車に乗って行ったりしたな。鉄砲は20歳で免許を取ったから、もう47年やってるよ」猟友会の仲間が「タキさんは鮎釣りでも日本一さ。あんなに釣る人はいないよ」とリーダーを自慢する。そんな青梅や多摩の自然を知り尽くす瀧嶋さんだが、キジとヤマドリから鉄砲を始め、その後ウサギを撃つことから大物猟に入っていった。「ウサギをひとりで撃てるようになれば、イノシシだ鹿だはわけねえよ。ビーグル犬の鳴き声からウサギの逃げ道を予想して、待っているのさ。コツは、そうだなあ、青梅の猟師に聞けばある程度はわかるよ。後は自分で考えて、修正する。山を見る目だな。ウサギ狩りは方程式がないからな。自分の勘だ」今は案内猟師を雇って狩りをする裕福なハンターはいなくなった。だがウサギ猟などで鍛え上げた力量で、瀧嶋さんは青梅の有害獣駆除をまとめあげる親方になった。「40年前は青猟会の主要メンバーだけでも50人はいたよ。まだ俺は若くて、仲間にも加えてもらえなかったけどな」50年前、青梅猟友会では地区会員は350人を越えていたが、いまは50人程度だ。全国でみても昭和55年には猟銃所持者が45万人いたが、平成24年には10万人を切った。一方、東日本大震災とそれに伴う原発事故以来、若者の間に足元の生活を見直そうとする静かなムーブメントが広がり、狩猟も見直されつつある。例えば女性ハンターはこの10年で倍増、罠猟の登録者数も増えている。だが銃猟のハードルはまだまだ高い。東京でもケモノは確実に増えている。原因として考えられるのが、都が約30年続けた鹿の捕獲規制だ。オスは1日1頭、メスは全面的に捕獲禁止。さらには温暖化で雪が減ったこと、狩猟者の減少などで50年前には青梅では見ることのなかった鹿が急増した。イノシシも人里の畑を荒らすようになった。かつては通常の狩猟期に人里に近づく個体を撃てば、生息数のバランスはとれたが、それさえ難しくなっているのが現状だ。近年では全国で200億円前後の被害が報告され、東京でも害獣による農林業への負の影響が深刻化。そのため青梅猟友会には年間で鹿60頭、イノシシ80頭の捕獲依頼が行政から舞い込み、瀧嶋さんらは年100日以上も出動している。イノシシのアシとハミが残る竹林に瀧嶋さんは入っていった。「これがタケノコを食べた跡」「夜から今朝ですよね」「うん、新しいね」踏み荒らすと猟犬が臭いをとりにくくなる。痕跡を見つけたら現場はできるだけそのまま確保したほうがいい。新しいハミを見た瀧嶋さんは、すでにイノシシがどこで寝ているか、予想をはじめているようだ。すぐにでも撃ち手を配置し、犬を放すのかと思った。だが、瀧嶋さんは軽トラに乗り、山の反対側に向かった。そこに新しいアシが付いていなければ、タケノコを食べたイノシシが、アシのあった竹林周辺にいる確率が高くなる。「見切りが丁寧ですね」と聞いた。「そうかい? 青梅は雪が少ないからかな」雪があればケモノの足跡は見やすく、なければわかりにくい。それゆえ雪が少ない地域の猟師は必然的に見切りが上手になる。鉄砲猟では、猟師が山を大きく囲んだほうが獲物が包囲網の中に入る確率は高い。だが青梅は猟場となる山と住宅地が近いので、ケモノがいる場所を見極め、小さく包囲しなくてはならない。瀧嶋さんの見切り能力はそんな環境で磨かれた。「今はタケノコの季節だから、わかりやすいけどな」撃ち手は寝屋を囲むようにケモノ道とニンゲン道(林道や杣道)との交点に配置する。「交点」といっても厳密には点ではなく、ひとりの撃ち手の待ち伏せ地(タツマ)は半径50メートルほどを見通せるエリアだ。確実に仕留めるためには枝分かれするケモノ道も塞ぎたいが、人数に限りがあるので有力地を優先して配置する。かつては山をよく知る地元狩猟者でグループを作っていたが、今はそれもままならない。青梅でも地元の人々だけでは人数が足りず、東京中から狩猟者が猟友会に参加している。まだ山を把握しきれてない狩猟者も多く、ベテランがタツマを指示しなくてはならない。尾根を挟むようにタツマを配置することになり、地形を把握するベテランが新人を連れて出ていった。皆が配置に着くのを待ちながら、瀧嶋さんはゆっくり犬の用意をした。放す犬は1匹。子犬の頃から訓練している大型のプロットハウンドだ。青梅は猟犬で有名な土地だ。全国で名が知れる津島系プロットは、戦後、青梅の津島修さんらが、近くの横田基地に配属された米軍軍人から譲り受けた犬が元になっている。いま出猟を待って興奮する「クマ」号も津島系プロットハウンドだ。犬の首にGPS付の無線を付ける。GPSと無線を駆使することで、獲物を追う犬の位置が昔より飛躍的にわかりやすくなった。タツマの猟師もGPSを手に犬の動きを画面で見ることができる。「犬の先、400メートルにケモノがいる感じだ」と瀧嶋さん。イノシシのハミがあった竹林に犬を放し、小尾根を登った。アシに犬を乗せる。犬は臭いを探しながら斜面を行ったり来たりしている。瀧嶋さんはずんずん登っていく。一旦尾根まで登り、犬の動きを見てまた下がる。ついていくだけで大変だ。67歳とは思えない健脚である。「鳴かないな」瀧嶋さんがつぶやいた。GPSを見て、犬の動きを確認、斜面を横切って向こうの尾根へ。犬が鳴き出した。だが、瀧嶋さんの表情は冴えない。「鳴きがつづかない」どうやらイノシシではないようだ。「出るなら、古屋さんか、高山さんのところだぞ」と無線で念を押す。もし首尾よくイノシシを追っていたとしたら、どう動いているかの予想はできている。「狸ならいいが、猫だと面倒だな」最近、別のチームの猟犬が、飼い猫をかみ殺してしまうという事件があった。東京の里山で狩猟をする難しさのひとつである。猟犬のクマだけが尾根向こうのタツマに出た。犬を回収したという無線が入り、このエリアの巻き狩りは終了となった。普段私が猟をする山梨に比べ、1回の猟が短くスピーディだ。竹林でタケノコを食べていたイノシシは遠くの寝屋まで移動していたのだろう。有害獣駆除が盛んな奥多摩周辺は獲物も賢いようだ。一旦猟師小屋に集合し、第二候補地である大多摩霊園の裏に移動した。ここは埼玉県飯能市との境だ。青梅の有害獣駆除は50年以上前から行われているが、通年で駆除をするようになったのは30年ほど前から。さらに近年は被害が大きいため、青梅と飯能は提携をしており、一部の狩猟者は飯能側に入って駆除ができる。ここも点在する竹林のハミを狙って犬をかけた。良さそうな鳴きが入ったが、イノシシは出なかった。実際にイノシシがいたのか、別の小動物や鹿に猟犬が反応してしまったのかはよくわからない。獲物相手の猟では途中経過は予想でしかない。「取材に来てくれてんのに獲れなくちゃ格好がつかないな」瀧嶋さんは苦笑いし、回収のために犬を呼ぶ。「クマ、クマ」と名前を呼んでいたら、霊園に墓参りに来ていた人が「熊が出たの?」とざわついていた。笑ってもいられない。青梅は最近市街地に熊が出て、瀧嶋さんたちがワナで捕獲した。熊は奥多摩に昔から生息するが、青梅市街に出てきた記憶は瀧嶋さんにもないという。ただ、それで自然に変化が起きていると早急に決めつけることもない。そもそも自然とは人間の予想や都合を超えているからだ。昼前、瀧嶋さんたちは鹿に狙いを変えるという。取材に気を遣っているようだが、その気になれば鹿はいつでも獲れるという自信の裏返しでもあるだろう。畑の被害はイノシシのほうが大きいが、鹿も頭数が多いため、植生や農業林業の被害は甚大である。ただその鹿を増やした最大の原因が温暖化による寡雪であるなら、直接的にも間接的にも、生態系にもっとも影響を与えているのは人間とその文明だ。有害獣駆除とは文明の負の部分の尻拭いという側面もある。別の犬を連れてきて、車を連ねて少し山奥へ向かった。しばらくすると犬に追われた鹿が谷の斜面を駆け下りていった。まっすぐタツマに向かったので銃声を待ったが、鉄砲は鳴らなかった。「おかしいなあ」と瀧嶋さんがボヤくと、犬の声が大きくなり、谷下の沢を鹿が駆けていくのが見えた。鹿はタツマを気取って反転したのだ。無線から別の場所で鹿をひとつ仕留めたと連絡が来た。さらに峠の上でも、見えた鹿を撃ったが、犬の声が1ヶ所から動かず、どうなったのかわからないという。「仕留めたか、鹿が急斜面にすくんでいるかだな」場所と方向を聞いただけで、離れた見えないところで何が起こっているのか、瀧嶋さんには手に取るようにわかるようだ。「犬の声のほうに下りれない?」と無線で尋ねる。峠のタツマの担当者はあまり山に慣れていないらしい。軽トラで林道を上がり、峠への道を足早に登っていく。「大変ですね」「こんなものさ」タツマで担当の狩猟者に状況を聞くと、瀧嶋さんが「あそこにいるなあ」と斜面の下を覗き込み、ずんずん斜面を下りていった。瀧嶋さんが言った通りのところに鹿が倒れていた。弾は内臓を貫き、すでに犬がかなりの部分を食べてしまっていた。有害獣の駆除にはなったが、もはや食肉としては厳しい状況だった。「アシの見方、山の相は場数を踏まないと覚えられない。今年はまだイノシシは少ない。去年はイノシシだけで、猟期も入れて130は獲ったぞ。30年前に比べれば、東京の山には鹿もイノシシも多いけどな」勤め人の週末ハンターたちが、イノシシや鹿などの大物猟に集まるのには理由がある。ひとつは有害獣駆除という必要性があるため、もうひとつは瀧嶋さんのような優秀な親方が統率すれば、週末ハンターでも成果が上げられるから。青梅猟友会だけでも、毎週末2頭の割合でイノシシを獲っているのだから驚かされる。瀧嶋さんは、何を求めて50年も猟を続けているのだろう。「うん? 面白いからじゃねえのか」獲物を巡る東京の変遷を知りたくて、私は青梅と八丈島で、2人の「獲物師」に時間軸を意識させるような質問を繰り返してきた。ところが瀧嶋さんや赤間さんの口から出てくるのは、ぶつ切りのエピソードばかりだった。単に「いつのことか」を忘れているのかもしれないとも考えた。だがそれは違うだろう。漁も猟も成功体験と失敗体験を客観的に分析して、積み重ねることで技量を高めていくものだ。実際、実体験に精密な分析を加えたキレのある2人の逸話を聞いていると、過去を忘却したとは思えなかった。大きな獲物を獲るには強い肉体と意志が必要になる。同時に環境に柔軟に対応する器量も求められる。肉体と判断、そこに獲物という「相手」が加わる。明確な意志を持ちながら、自然の一部となって大きな流れに乗るように、その意志を消す。それは繰り返される刹那であり、計算をしないという計算だ。2人の獲物師が自分の猟(漁)歴を系統立てて説明することをどこかで拒むように映るのは、明日の獲物のために、今日の自分を固定しないという、狩猟民族のような自然観のためなのかもしれない。時間という人間の物差しに、価値を認めていないのかもしれない。野生の生き物と同じように……。そういう人間が東京にいることが私は嬉しかった。羽田から飛行機で50分。新宿から中央線青梅特快で59分。アスファルトとコンクリートに囲まれた都心から、時間にすればわずかに離れただけの「東京」。そこでは今日もまた、誰かが獲物を追う。命と命が遭遇する。そして、ひとつの命がやりとりされる瞬間には、過去も未来も消え去っていく。それは原始のままにぶつ切りな野性の時間。東京の片隅にもまだ、そんな時空間が確かに存在している。
(奮闘伝わる鳥獣害川柳:大分)
「獣害は地域で守る団体戦」(兵庫県)―。由布市庄内町の平石自治区は、全国に募った「鳥獣害川柳」の入選10作品を発表した。どれも農作物を荒らす手ごわい相手と対峙(たいじ)する住民の悩みや苦労、努力が伝わるものばかりだ。平石自治区でつくる実行委員会が、有害鳥獣による被害を広く知ってもらおうと企画し、今年で4回目。由布市のホームページなどで募り、約300人から約600点が集まった。入選作は9月に発表。「ハンターの銃も震える高齢化」(千葉県)や「せせろしい(やかましい)カラス相手にいたちごっこ」(愛媛県)は、被害を防ぐ難しさを感じさせる。野生の力の恐ろしさが伝わるのは「夜回りもイノシシ怖くて妻誘う」(静岡県)。「イノシシに突進学ぶラグビー部」(東京都)はユーモアを交えた作品だ。人間もやられてばかりではない。「かかしよりかかあの『こら~』がきき目ある」(宮崎県)、「ばあちゃんが狩りガールに名乗り上げ」(大阪府)。いずれも家族を挙げた奮闘が目に浮かぶ。棚田が広がる同自治区もイノシシやカラス、シカに田畑が荒らされている。柵の設置や耕作放棄地の削減など対策をする中、入選作は自治区内の柵などに看板で掲示。住民の意欲向上に役立てている。実行委の工藤晋哉さん(54)は「川柳を通じて被害が発生していることや、こんな状況下でも地域で頑張って作物を作っていることを知ってもらいたい」と話している。
(2万体の頭蓋骨を祀る「シシ権現」:九州)
九州某所の山中にある自然洞穴に、数多の頭蓋骨が祀られている。その数は、2万にも及ぶ。この自然洞穴は、「シシ権現(白鹿権現)」と呼ばれ、そこに祀られている頭蓋骨は、すべて山猟師によって奉納されたものとなっている。毎年、秋の狩猟が始まると、山猟師は、獲れたばかりのイノシシやシカの頭蓋骨を持って訪れる。それは、安全狩猟を願うためであり、豊猟を祈願するためでもある。ここに来るためには、麓にある神社の前を流れている川から崖を50メートルあまり登らなければならない。岩に打ちつけられている太いチェーンを握りながら、ひたすら上がって行く。勾配がとてもキツイので、スニーカーやサンダル履きで行くことは不可能だ。やっとの思いでたどり着くと、そこには、異世界が広がっている。自然洞穴の中は、水滴によって石灰岩が浸食されている。そこに入ると、ヒンヤリとした冷気が肌を刺す。それまで額を流れていた汗も冷たく感じるほどだ。洞窟の中には、かなり古い時代に建立されたものと考えられる2つの祠があり、奥にある祠の周りには、頭蓋骨が積み上げられている。ボロボロになっていることや緑色のカビが付着していることを考えると、百年以上前に奉納されたものだろう。それに対して洞穴の入口近くには、比較的新しい頭蓋骨が積み上げられている。その中には、肉片がついていたり、血が滴っていたりするものがある。また、山猟師の名前が書かれているものもある。頭蓋骨の積み上がられていないところには、誰でも歩くことができるようになっている。この場所は、しっかりと管理されているのだ。その昔、人々の生活の中には様々な神がいた。こうした時代、「シシ権現」は、“狩猟の神”を祀るところとされていた。麓には、明治時代に創建された熊野神社があり、社伝には、次のような記述が残されている。「平安時代末期の久安2年(1146年)、地元で山猟師をしていた兄弟が山中で白鹿を見失った。不思議に思って近くを探したところ、大岩洞内に寄光が放たれていた。そこに神が出現すると白鹿に乗って中空に消え去った……」この一件は、極めて神聖なものとして捉えられ、後になってから、洞穴内に祠が建立されることになった。それ以降、『猟師は、参詣をすれば境内を出たとたんに獲物を捕ることができた』と言われるようになった。祠の前では、呪術や加祷が行われていたという逸話もある。九州山脈の東麓(とうろく)一体は、気候が温和であることから、イノシシやシカ、その他の獣類の生息に適しているところだ。往事、これらの動物は、食用にされ、皮は衣料として使われていた。山猟師は、生活の糧を得るために、これらの動物を捕まえていた。そこには、自然と人が一体となっていた時代があった。車に乗って山を下っていると、2人の猟師に出会った。「シシ権現」で見てきたことをありのままに話すと、「オレたちは、毎年、猟が始まると行ってるよ。お祈りしたくなったときにも行くよ! 神様あってのことだからね。でも、ひとりであんなところに行って来たのかい? 都会から来たんだろ? 勇気あるねぇ~」と笑っていた。彼らの表情は、とても穏やかだった。それを見ていると、いにしえの時代から信仰が続いていることを感じた。時代は変わり、呪術や加祷が行われなくなっても「シシ権現」は、山猟師にとって霊験あらたかな場所なのだ。
(犬猿の仲利用しサル対策:三重)
対策が難しいサルに対し、犬を使った防除が効果を上げている。犬猿の仲を利用したその方法は「駐在犬システム」、通称「犬のおまわりさん」だ。10年間被害ゼロに抑える圃場もある。同システムは圃場の外周に鋼線をはわせ、鋼線につながれた犬が圃場を見回り、サルの侵入を防ぐもの。圃場の外側には支柱の木くいにワイヤメッシュを張った塀を数カ所設置して、犬が周回しやすいように誘導する。三重県農業研究所の紀南果樹研究室が開発し、2011年に特許を取った。主査研究員の湊英也さんは「圃場をネットで覆う対策ではサルはかみ切って侵入してくる。この方法だと犬を飼っていればすぐに取り組め、費用もそれほどかからない」と話す。
(イノシシ撃退装置、クマにも効果あった:宮城)
全国各地でクマによる食害が相次ぐ中、精密部品加工の小野精工(宮城県岩沼市)が開発した害獣撃退装置の検証を秋田県北秋田市の栗畑で実施したところ、食害が全く出なかったことが分かった。装置はイノシシ用などとして製造されたが、クマ被害が後を絶たないことから、栗が実を付ける時季の約2カ月間、クマの多い地域で実証試験を行っていた。試験に用いられた装置は「逃げまるくん」。動物が嫌うレーザー光を昼は緑、夜間は赤に切り替えて照射し、害獣を追い払う。太陽光パネルと蓄電池で稼働するタイプがあり、電源がない山間部などでも利用が可能だ。同社は8月中旬、「マタギの里」と知られる北秋田市阿仁地区で実証を開始。奥深い山中の沢沿いに広がる栗畑に2台設置したところ、レーザー光が届くエリアは今月半ばまで食害がゼロだった。この期間は毎年、クマが頻繁に出没し、栗の木に登って実を食べ荒らしてきた。実証試験に協力した阿仁地区の農家柴田雅文さん(66)は「離農者が相次ぐなどし、栗畑は今やクマにとって最高のえさ場。ほかの栗畑はひどくやられたが、うちには全く出没せず、すごい効果だ」と話す。同社は昨年6、7月、東北各地でイノシシなど向けの実証試験を実施し、農家などモニターの85%から効果があるとの回答を得ている。今回は装置の盗難防止用に衛星利用測位システム(GPS)技術などを提供したNTTドコモと共同で、初めてクマに特化した試験に臨んだ。装置は1台約50万円。小野精工の小野宏明会長は「全ての害獣に効く装置だと証明できた。逃げまるくんで農地やゴルフ場などを守り、人間社会に出てくるクマなどを元の里山に戻したい」と力を込めた。
(猪骨ラーメン、ビジネスアワードに:愛媛)
今治市大三島支所の地域おこし協力隊員、吉井涼さん(36)がイノシシを使って開発した「猪骨(ししこつ)ラーメン」が、総務省の「地域おこし協力隊ビジネスアワード」に採択された。吉井さんは猪骨ラーメンの店を大三島で開業しようと、インターネットのクラウドファンディング(CF)で400万円の寄付を今月末まで呼びかけており、「追い風になれば」と喜んでいる。吉井さんは「イノシシの『骨』を使ったジビエラーメンを開発し、獣害を資源化・特産化する事業」を提案した。
(ジビエ専門店シェフが料理講習会:東京)
ジビエ(野生鳥獣肉)の活用促進に向けて、東京でジビエ専門レストランを開くフレンチシェフ神谷英生さん(50)を招いた料理講習会(岐阜県主催)が岐阜市内で開かれ、飲食店や解体加工業者ら約20人がジビエ普及のポイントなどを考えた。神谷さんは2004年に東京・中目黒にレストランを開き、揖斐郡揖斐川町産のシカ肉ステーキなどを提供しているほか、全国各地でジビエの普及を目的とした講習会を開いている。ホシザキ東海岐阜支店(岐阜市東鶉)で開かれた講習会では、神谷さんがコンソメフォンデュなど5品を調理し「揖斐川町のシカ肉は脂の乗りが良く、日本トップクラスの素材」と紹介した。フルーツでカラフルに盛り付けしたハムを例に挙げ「ワインに合うメニューを考えるなど、普及には女性受けが不可欠」と話し「岐阜には良質のジビエがある。地酒など多様な食材と組み合わせて地域振興に生かしてほしい」とアドバイスした。解体処理を手掛ける中尾洋一さん=恵那市=は「ジビエの可能性は広がっている。流通ルート拡大に力を入れていきたい」と話した。

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(シカ駆除数水増し全国で不正多発、来春新ルール:北海道)
有害鳥獣を駆除したハンターに交付される補助金の不正受給が全国で相次ぐ中、農林水産省は来年4月から頭数水増しを防ぐため、確認方法を厳格化した新ルールを導入する。主にエゾシカ駆除に補助金が支給されている道内でも、自治体職員が捕獲を現地確認している例は1割のみで、専門家からは「不正を見逃す可能性がある」と指摘されてきた。ただ、確認方法の厳格化は、捕獲の際に煩雑な作業を強いることになり、ハンターが敬遠して駆除が減りかねないジレンマも抱えている。国が有害鳥獣を駆除したハンターに支払う補助金は、各市町村や地元ハンターらでつくる各地の協議会が申請窓口となっている。補助金の不正受給は今年に入り、全国で相次いで発覚。鹿児島県霧島市では、同じイノシシを異なる角度から撮影して複数頭に見せるなどの手口で、不正受給が2016年度までの4年間で252件、約240万円に上ることが判明した。道内で不正受給は発覚していないが、札幌在住の40代の男性ハンターは「捕獲したエゾシカが1頭でも、ある自治体には耳を提出し、別の自治体に尻尾を提出することで、補助金を『二重取り』するハンターもいると聞いた」と証言する。
(クマに襲われ男性けが:秋田)
秋田県内で25日、クマの出没が相次ぎ、北秋田市では人身被害や農作物の食害が発生した。25日午前9時15分ごろ、秋田県北秋田市五味堀字五味堀の草地で、近くに住む男性(67)がクマに襲われ、頭や脚にけがを負った。命に別条はないという。北秋田署などによると、男性は自治会の役員で、集落内でクマの出没が相次いでいたことから、1人で見回りをしていたところ、体長約1メートルのクマと遭遇。逃げようとしたが転倒し、右側頭部と左脚を引っかかれるなどした。
(りんご畑でクマに襲われ84歳男性大けが:秋田)
26日午前6時ごろ、北秋田市阿仁伏影の山あいの集落で、84歳の男性がクマに襲われたと家族から警察に通報がありました。警察によりますと、男性は搬送された時には意識はあったということですが、あごの骨を折るなどの大けがで病院で手当てを受けているということです。男性は、自宅のすぐ裏にあるりんご畑で、ワナにかかったクマを見に行ったところ、別のクマに襲われたということです。ワナには、体長70センチほどのクマがかかっていたため地元の猟友会が処分しました。北秋田市によりますと、この地区ではクマの目撃情報や農作物の食害が続いていたため、先月2日から県の許可を受けて市がオリを設置し、これまでに6頭を捕獲しているということです。北秋田市と警察は、ほかにも複数のクマがいるおそれもあるとして、住民に注意を呼びかけています。
(サル引っかかり、JRが一時運転見合わせ:広島)
JR西日本によると24日午前8時15分頃、JR可部線・横川駅を出発した下り電車の運転士が三滝駅の手前で架線に動物が引っかかっているのを見つけた。動物は、野生のサルで感電死しており、取り除くため可部線は全線で運転を見合わせた。三滝駅近くは住宅街だが山があり、住民によるとこれまでに何度かサルを目撃したことがあるという。可部線は約1時間20分後に運転を再開し、約5500人に影響が出た。
(軽乗用車とイノシシ衝突:富山)
24日夜富山市の国道8号線で道路を横切ってきたイノシシと軽乗用車が衝突する事故がありました。25日になって現場付近の住宅の敷地内で車と接触したとみられるイノシシが見つかりました。24日午後8時20分ごろ富山市金山新(かなやましん)の国道8号線を射水市方向に走っていた軽乗用車が右から道路を横切ってきたイノシシと衝突しました。軽乗用車を運転していた70代の女性にけがはありませんでしたが、車の左側のバンパーが破損しました。そして25日午前10時50分ごろ事故現場から、およそ50メートル先の住宅の敷地内で、車と衝突したとみられるイノシシが発見されました。発見されたイノシシは体長1メートル20センチほどのメスで成獣と見られ警察と猟友会によって駆除されました。県内では今月に入って、南砺市や富山市水橋でも走行中の乗用車が、イノシシと衝突する事故が発生していて、警察は注意を呼びかけています。
(W杯ファイナル、松田が世界新で初優勝)
射撃のワールドカップ(W杯)ファイナルは26日、インドのニューデリーで行われ、男子10メートルエアピストルで41歳の松田知幸(神奈川県警)が決勝で世界新記録となる241・8点をマークして優勝した。日本ライフル射撃協会によると、シーズンの成績上位選手で争われるW杯ファイナルの同種目で日本勢が優勝したのは初めて。国内第一人者の松田は2008年北京、12年ロンドン、16年リオデジャネイロ五輪に3大会連続出場。日本協会を通じ「決勝では思い通りに撃てると信じて挑んだ。目標にしてきたので、初めてW杯ファイナルで金メダルが取れてとてもうれしい。世界記録についてはまた更新します!」とのコメントを出した。10年世界選手権では50メートルピストル、エアピストルで2冠に輝いた実績がある。
(病院と小学校付近でクマ目撃情報:岩手)
八幡平市内の病院と小学校付近で25日朝、クマ1頭が目撃された。被害は確認されていないが、警察が警戒を続けている。25日午前7時半ごろ、八幡平市柏台にある東八幡平病院の敷地内から柏台小学校の方向にクマ1頭が、市道を横断しているのを工事現場の作業員が目撃し、警察に通報した。クマは体長約1メートルと見られるが、その後まだ見つかっていない。柏台小学校では、登校の時間帯だったため、職員が校門に立つなどして児童の登校を見守った。今のところ被害は確認されていないが、付近ではことし6月と4日前の21日にも成獣と見られるクマ1頭が目撃されていて、警察では、周辺で警戒活動をして注意を呼びかけている。
(野生鳥獣による農林水産被害46億円、前年下回る:北海道)
昨年度の野生鳥獣による北海道内の農林水産業の被害が46億7500万円に上ったことが道のまとめで分かった。エゾシカの生息数減少などに伴い、前年度を4億1200万円下回った。地域別では釧路管内が12億9200万円で最も多かった。全体の8割がエゾシカによる農林業被害で、39億1700万円に上った。一番多い被害は牧草で20億5000万円。ビートの2億8600万円、水稲の2億6800万円と続いた。エゾシカの生息数の減少により、全体の被害額は前年を3億3800万円下回ったものの、じゃがいもやデントコーン、大豆などは前年を上回った。エゾシカ以外では、カラス2億6400万円▽ヒグマ1億8500万円▽キツネ1億1200万円▽アライグマ9100万円▽カモメ3300万円▽ユキウサギ1800万円など。カラスは牛への攻撃や牧草、ビートなどの食害と広範な被害があった。被害額は過去10年間で最も多かった2011年度の72億2200万円の6割強で、5年連続で減少した。対象の野生鳥獣にはトド、アザラシなど海獣は含んでいない。
(クマ目線の動画撮影成功:東京)
東京の奥多摩地域にすむツキノワグマの首にカメラをつけ、約1カ月間にわたり「クマ目線」の動画を撮影することに東京農工大の小池伸介准教授らのチームが成功した。頻繁に木登りしたり、シロアリを食べるために朽ち木を爪でほじったり、想像以上に活発なクマの様子をとらえた。映像を分析すれば事故を減らしたり、クマがすみやすい環境整備につなげたりできるという。ツキノワグマは普段、単独で山の中で暮らすうえ、近づくと危険なため、野生の姿を詳しく観察することが難しい。これまではフンや足跡などから間接的に調べていたが、今回、野生動物にカメラなどをつけて生態を記録する「バイオロギング」と呼ばれる新しい研究手法を用いた。2014年6月に奥多摩地域で、体重約85キロのオスをつかまえ、麻酔をかけてカメラを装着。1時間ごとに5分ずつ動画を撮影し、1カ月後に自動的に首から外れるようにして、クマを山に放した。カメラは全地球測位システム(GPS)で追跡して回収する予定だったが、行方不明に。16年に山中に落ちているのが偶然見つかった。動画には、周りをやぶで囲まれた場所で隠れるように寝ているところや、川に下りて水浴びをしているところも撮影された。人が歩く登山道を早朝に歩いている様子や、遠く離れた場所から人家が見える場面もあった。研究チームは来年以降、7~8頭にカメラを装着して調査する予定だ。クマが繁殖時期にどうやって山の中で相手を探すかなど謎の解明が期待されるという。小池さんは「クマの生態を映像データから正しく理解できれば、活発な時期には生息地域に近づかないなどの対策もとれる」と話している。
(ツキノワグマとの共生は:岩手)
岩手県内では今年もクマの出没が相次ぎ、各地でけが人などの人的被害もありました。人とクマが共生するにはどうすればよいのか。24日、盛岡で研究者や市町村担当者らがツキノワグマの年間捕獲頭数などを話し合いました。今年、大槌町であったクマの被害。小屋の壁が破られ、引きずり出された精米機も壊れています。今年度、県内のツキノワグマの出没件数は2439件と、昨年度に次いで多くなっています。学校の近くでの目撃など人々の暮らしへの影響も大きくなっています。岩手の森林の野生動物の生態に詳しい県立大学名誉教授の由井正敏さんは、近年のクマの被害の背景とその対策についてこう語ります。(由井正敏さん)「農山村が過疎化で高齢化して人が少なくなって、クマがだんだん上から降りてきて、もう特に農作物は美味しいですからこれに依存しちゃっている。里山の周りは藪を刈ってクマが出来るだけ隠れないようにして、腐った果物を近くに置かないとか、人間の方も防御しなければならない」県内に生息するクマはおよそ3400頭と推定されていますが、その増減や分布など詳細は把握できていないのが実情です。「自然保護」と「被害の未然防止」のバランスの観点から県は毎年、ツキノワグマの捕獲上限数を定めています。24日は研究者や猟友会、市町村の担当者らによるツキノワグマ管理検討委員会が開かれ、狩猟期間が始まる来月15日から1年間のツキノワグマの捕獲上限数などを話し合いました。話し合いでは、秋田や青森と連携した取組みの重要性が指摘されました。(研究者)「秋田県境界沿いの市町村のクマは日常的に秋田と岩手を行ったり来たりしてるんですよね。県でやっているGPS調査でもそのような結果が表れている。そうすると秋田県でどういう対応をしているかはどうしても欠かせない」また農作物被害があった場合に市町村で判断出来る有害捕獲の枠について、柔軟な運用を求める声もありました。(岩泉町の担当者)「被害があると調査しに行って県に許可をもらわなければならない。早くても1日2日かかるんです。その間、クマは毎日やってくるんです」検討委員会は来年度のクマの出産数が今年度とほぼ同じと推計されることなどから捕獲上限を今年度と同じ363頭とすることを決めました。また今後市町村間での捕獲枠の調整や狩猟期間の変更についても検討を進めることにしました。
(狩猟サミット、網猟講座や解体実演:岐阜)
全国の猟師や狩猟に関心の高い人たちが集う「第5回狩猟サミット」が3日間の日程で岐阜県郡上市大和町栗巣のキャンプ場「アウトドアイン母袋」を主会場に開催された。東海3県のほか北海道、九州などから約150人が参加し、さまざまな観点から狩猟に理解を深めた。都市部などで狩猟に関心が高まる中、一過性のブームに終わらせず、担い手確保に結び付けようと同市で活動する若手狩猟者でつくる「猪鹿庁合同会社」(安田大介代表)が主催。同市での開催は2013年の初回以来。初日はトークイベントを実施。2日目は12のテーマ別の分科会があり、参加者は関心の高いテーマを選んで参加した。猟歴60年のベテラン、大橋亮一さん(羽島市)による鳥の網猟の講座では、大橋さんが鳥の習性や網の設置方法を実演を交えて説明し、参加者は熱心に話を聞いていた。近くの射撃場を見学するツアーもあり、地元猟友会の男性から射撃場を利用した猟の技術の磨き方を学んだ。女性ハンターの講話や解体の実演もあった。安田代表は「全国的に有名な狩猟の第一人者や県内の個性豊かな先輩猟師を招くことができ、狩猟とジビエの魅力を実感してもらえたと思う」と話した。
(農作物の鳥獣被害対策にIoT活用)
近年、中山間地域などでシカやイノシシ、サルといった野生の鳥獣による農作物被害が広域化し、社会問題となっている。農林水産省の調査によると、2015年度の被害額は176億円に上っており、被害面積8万1000ヘクタール、被害量50万トンだった。獣種別にみた被害額はシカ60億円、イノシシ51億円、サル11億円という。地球温暖化によって野生生物の生息域が拡大していることに加え、狩猟者が高齢化などで減少。また耕作放棄地の増加や過疎化も、被害が増える原因とされている。これに対し農水省は08年2月に「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」を施行した。この法律に基づき農水省では、市町村が中心となって実施する野生鳥獣に対する被害防止のための総合的な取り組みを支援している。具体的には、罠などの駆除費用が交付されることとなった。鳥獣被害対策製品などの製造・販売に携わる企業にとっては一つのビジネスチャンスとなっている。興味深いのは近年、複数のエレクトロニクス商社が、この鳥獣被害対策事業に注目していることだろう。それぞれ保有する技術やノウハウを生かし、IoT(モノのインターネット)を活用したシステムの提案に取り組み始めている。リョーサンが提案する「アニマルウォッチャー」は、IoTを駆使した鳥獣害対策監視システムで、同社が全体の設計を担当した。装置に搭載された人感センサーが動物をとらえると、画像と位置情報をスマートフォンなどに通報、音とLED(発光ダイオード)光によって追い払うこともできる。すでにパートナー企業3社とともに山形県米沢市で実証実験を実施しており、サービス提供にめどをつけた。また新光商事は、鳥獣被害対策の省人化に貢献する「くくり罠センサー」を開発。18年から長野県伊那市で、同センサーを使用したシステムの運用が始まる。くくり罠は動物の足首を縛り上げるタイプの罠。低電力・長距離無線通信規格「LoRaWAN」を採用した自社製造の通信モジュールを活用し、罠にかかった動物を見回る猟友会の負担を軽減できる。各商社に共通しているのは、地方自治体やメーカーなどと連携して、これら鳥獣被害対策プロジェクトを推進している点。さまざまな業種の団体や企業を結び付けるのは、商社にとって得意とするところだろう。この分野で構築した技術は、例えば介護など他の分野でも展開可能だ。幅広い産業分野への貢献が期待される。
(捕獲すれども被害は減らず、間違いだらけの獣害対策)
全国で増大する野生鳥獣による農作物被害。実は1980年以前は目立たなかった。ところが次第にイノシシ、シカ、カモシカ、サル、クマ、さらに外来のハクビシン、アライグマなども加わって、21世紀を迎えた頃から爆発的に増え始める。被害額のピークは2010年の239億円。近年は各地で獣害対策に本腰を入れ始め、15年は176億円と漸減傾向にある。ただ、この数字は小規模な被害や家庭菜園など作物が市場に出ないものを含まないことが多い。また林業地の食害や皮剥ぎ被害も表に出づらい。実態は表の数字の5倍という推定もある。獣害が収まらないのは、生息数が増えたからだ。環境省によると13年のニホンジカの推定数は約305万頭、イノシシが約98万頭(いずれも推定中央値)。なお北海道のエゾシカは約45万頭(16年)とされる。イノシシは近年横ばいだが、ニホンジカは23年に453万頭に増えると推測されている。なぜ、これほど増えているのだろうか。イノシシは多産で、一度に5頭以上の子を産むことも珍しくない。一方シカの出産はたいてい1頭だが、生後1年で出産可能になり毎年産む。親、子、孫、曾孫……が毎年産むのだから、増殖率は馬鹿にならない。産んでも死亡数が多ければバランスが取れるが、近年下がり気味だ。死亡率の高い冬の間が越しやすくなったからと思われる。温暖化の影響もあるが、餌が豊かになったことが指摘される。戦後荒れていた山林が成熟してきて、森林蓄積はかつてないほど高くなってきた。スギやヒノキの人工林は餌がないと思いがちだが、林間に低木や草が生い茂っている。枝葉や実だけでなくデンプンをため込んだ根を持つ草木も多く、餌が豊富になったのだ。また過疎化で耕作放棄農地が増えたことや、林道の草が生えた法面(のりめん)もよい餌場となっていた。栄養状態がよくなれば寒い冬も越しやすく、けがや病気にも強くなる。そして出産率も上がる。この悪循環で日本列島はある意味、野生動物の楽園になりつつあるのだ。
(木の実不作、ヒグマに注意:北海道)
旬の味覚、キノコを求めて山に入る人が増える秋は、冬眠前のクマが活発に餌を探す季節でもある。ヒグマが生息する北海道では10年以上前から、道や市町村が秋(10~12月)の主な餌となる木の実の生育状況を調べ、ヒグマが人里近くに出没する危険度の予測に役立てている。ヒグマは雑食性で、国内最大の陸生動物。遭遇した人に危害を加えるケースも少なくない。記録がある1962年4月以降、今年9月までに道内では被害が相次ぎ、死者51人、負傷者87人に上る。月別では、死傷者計27人の10月が最多だ。
(小学生が国鳥のキジを放鳥:埼玉)
生息数が減っている日本の国鳥、キジを増やそうと、埼玉県小鹿野町の小学校で子どもたちがキジを森に放ちました。小鹿野町の山あいの両神小学校では、野生生物との触れ合いを通じて豊かな心を育もうと、今回、初めてキジの放鳥を行うことになりました。26日は全校児童およそ100人が学校の校庭に集まり、埼玉県の鳥獣保護員の男性からキジの生態などについて学びました。このあと、下級生たちが見守る中、6年生12人が、合わせて16羽のキジを次々と森に放っていきました。体長40センチほどのキジは、森に向かって勢いよく飛び立ち、子どもたちは、姿が見えなくなるまで歓声を上げていました。6年生の女の子は「キジに初めて触れて、毛がふわふわしていることに驚きました。飛ぶ姿が美しく、仲間を増やしてほしいです」と話していました。
(エゾシカホエーカツ開発:北海道)
中標津町地域雇用創造協議会は地元食材を活用した新ご当地グルメ「エゾシカホエーカツ」を開発した。同協議会はモニター調査として、11月3~23日の期間限定で「エゾシカホエーカツ」を使ったオリジナルメニューを町内8店舗で提供する。エゾシカホエーカツは、町内や近隣地域で捕れたエゾシカ肉を使用。油で揚げる前、チーズ製造の際に出る副産物ホエー(乳清)に一定時間漬け込んだ。これまで廃棄されていたホエーを有効活用し、地域の新たな特産品を生み出すのと同時に、酪農のまちをPRするのが狙い。ホエーに漬け込むことにより、シカ肉独特の臭みを消し、肉質を柔らかくする効果が期待できる。
(ジビエをアスリートにアピール:和歌山)
農作物に被害をもたらすシカやイノシシなど野生動物の肉「ジビエ」を山の恵みとして活用し、町の特産物にしようと取り組んでいる和歌山県古座川町は、より多くの人にジビエの良さを知ってもらうきっかけとして、シカ肉の特徴を生かしてアスリート向けの販売促進を始める。23日には、東京都で開かれる自転車ロードレースチームのレセプションでジビエ料理を振る舞う。古座川町では、野生動物による農作物被害に加え、自動車の動物との衝突、動物が原因の落石による民家の破損や交通への支障など、被害が多い。こうした状況を打破しようと、野生動物について「厄介者」から「地域資源」へと発想を転換。2015年3月に同町月野瀬に町鳥獣食肉処理加工施設を建設し、そこで処理加工するシカ肉などを「古座川清流鹿金もみじ」の名でブランド化した。良質な食肉として町のPRにつなげている。シカ肉は脂質が少なく、高たんぱく、低カロリーで鉄分などのミネラルも豊富。一般に販売されている牛肉、豚肉、鶏肉などと比べてカルニチンの成分が多く含まれており、脂肪燃焼や疲労回復効果があるといわれている。アスリート向けには今年4月ごろから営業を始め、今回初めて直接PRする機会を得た。23日は、東京都渋谷区のコーヒー店「セガフレード・ザネッティ・エスプレッソ渋谷店」で、自転車ロードレースのプロチーム「TREK―Segafredo(トレック・セガフレード)」の来日記念レセプションがあり、ジビエ料理を提供する。チームの選手らに、昨年の全国ご当地バーガーグランプリで日本一になった「里山のジビエバーガー」の他、ジビエサンドイッチなどを振る舞い、シカ肉の成分やおいしさをPRする。
(ジビエ料理で町おこし:島根)
津和野町の集落支援員、栗原紗希さん(29)が農業被害をもたらすイノシシの肉を「津和野ブランド」のジビエ(野生の鳥獣肉)として町内外に普及させる事業を進めている。捕獲されたイノシシの解体から精肉加工、販路開拓までこなす。10月から新たに町内イタリア料理店と道の駅で、シシ肉料理の提供と、冷凍肉の販売が始まった。栗原さんは「有害鳥獣を地域の資源として有効活用し振興につなげたい」と意欲を見せる。
(ジビエ、普及で地域に活力)
シカやイノシシなどによる農作物への被害額は全国で年間200億円にも達する中、捕獲した野生鳥獣の肉「ジビエ」を食肉として活用する動きが広がっている。地域の活力に結び付けようと料理メニューや商品開発に挑む各地の取り組みを追った。「おいしい」「柔らかくて食べやすい」――。9月下旬、長野県のアンテナショップ「銀座NAGANO」(東京・銀座)で開かれたイベントで初めてジビエ料理を口にした参加者たちは、こう感想を語っていた。会場のテーブルには、フランス料理のシカモモ肉のポワレや、シカ肉の油淋鶏などが色とりどりの信州野菜と共に並ぶ。ほどよく焼き上げられた赤身のポワレを口に運ぶと、溶けるように柔らかく、食べやすい。約20人の参加者も美味しそうに、次々とほおばっていく。料理は同県茅野市のレストラン「オーベルジュ・エスポワール」が提供した。レストランのシェフで、日本ジビエ振興協会の藤木徳彦理事長は「長野県では鳥獣による農作物の被害が相次ぎ、農家にとっては深刻な問題。一方で、栄養価が高く、健康食ともいわれるジビエには多くの味わい方がある。その魅力を生かした料理を楽しんでほしい」と参加者に呼び掛けた。銀座NAGANOは2014年10月にオープン。県内の企業と提携し、ジビエのジャーキースライスやソーセージなどを開発し、販売する。パッケージの小型化や定期的に開催するイベントが功を奏し、ジビエ商品の人気が高まり、今や売り上げは年間200万円を超えるという。小山浩一所長は「ショップ利用者は年間で約80万人に上り、ジビエの魅力が広がりつつある」と、手応えを感じている。高知県梼原町は8月から、移動式解体処理車「ジビエカー」を全国で初めて導入している。ジビエカーは長野トヨタ自動車と、日本ジビエ振興協会が開発。2トントラックの車両内に解体室や冷蔵機能、排水機能などを備えており、シカやイノシシを捕獲現場近くで衛生的に解体できる。安全で鮮度の高いジビエの安定的な生産が期待されている。同町ではシカとイノシシを年間で1500頭以上駆除している。町企画財政課は、ジビエカーを活用し、野生鳥獣の食肉利用を推進する方針。また、地元企業や道の駅などと連携するプロジェクトチームを年内に発足させ、「ジビエグルメ」のまちづくりをめざす。一方、鳥取県若桜町にあるジビエ処理加工施設「わかさ29工房」は6月、食品衛生管理の国際基準HACCP(ハサップ)の手法を導入する施設として県から認定を受けた。入荷、製造、出荷までの全工程で、熱処理の殺菌温度や密封性などを厳しく監視することで製品の安全を確保する。ジビエ処理加工施設での認定は全国でも珍しい。施設の食品衛生責任者・河戸建樹氏によると年間約1700頭のシカとイノシシを処理しており、ハサップの認定後、県外のホテルやレストランなどからの注文数が増加しているという。政府の推定では、シカとイノシシは国内に約450万頭以上生息している。そのうち年間約112万頭が自治体や猟師らによって捕獲されているが、食用になるのは約1割程度という。そのため、農林水産省は2018年度に、ジビエの利用拡大を目的に野生鳥獣の捕獲から搬送、加工処理に力を入れるモデル地区を全国で12カ所設置する方針。同年度予算の概算要求では、モデル地区へのジビエカーや処理加工施設の整備支援など約150億円を盛り込んでいる。公明党はこれまで、農作物被害の状況改善へ、野生動物の捕獲体制を強化する鳥獣保護法の改正を後押し。また、ジビエ料理を安全に食べるため、狩猟者や獣肉処理施設の責任などを明記した国の衛生管理指針の策定を主導するなど、ジビエの利活用と地域の鳥獣被害対策に力を入れている。
(オオカミ復活を:高知)
急増するシカなどによる食害対策や生態系の回復のため、絶滅したオオカミを日本の森に復活させることをテーマにした「日米オオカミふぉーらむ2017」が25日、高知市桟橋通4の市立自由民権記念館であった。海外のオオカミを日本に「再導入」する活動を進める一般社団法人「日本オオカミ協会」(丸山直樹会長)の四国支部が主催。米国のイエローストン国立公園で公認ガイドを務めるスティーブ・ブラウンさんらをパネリストに招き、多くの市民が聴き入った。

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10/24
(趣味で散弾銃所持疑い:福岡)
趣味で自宅に散弾銃や日本刀などを所持していたとして、福岡県警糸島署は20日、銃刀法違反と火薬類取締法違反の疑いで、福岡市早良区の自営業男性(30)を書類送検した。同署によると、男性は「旧日本陸軍が好きで、小学校高学年から武器に興味があった」と述べ、容疑を認めている。送検容疑は4月13日午前11時ごろ、自室に猟銃など2丁、銃剣など8本のほか、小銃と拳銃の実弾計137発と火薬を所持したとしている。署によると、大半は骨董品店やネットオークションで購入したとみられる。男性は、通行中の児童にわいせつな画像を見せたとして、4月に県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕され、罰金刑が確定。自宅の家宅捜索で、散弾銃などが見つかった。
(イノシシ被害対策の電気柵、全国200か所以上で機能せず)
イノシシなど野生動物による農作物の被害を防ぐため、農林水産省の交付金を使って全国の自治体が設置した「電気柵」などの柵のうち、200か所以上で、正しく設置されずに隙間が生じるなどして、十分機能していないことが会計検査院の調べでわかりました。イノシシやシカなど野生動物に田畑を荒らされることによる農作物の被害額は、全国で年間およそ200億円に上っていて、農林水産省は10年前から、山間部に近い自治体などに合わせて800億円を超える交付金を出して、動物が田畑に侵入するのを防ぐ「電気柵」などの柵を設置しています。この交付金による対策が適切に実施されているか、会計検査院が全国10余りの道府県を抽出して柵の設置状況を調べたところ、200か所以上で正しく設置されずに隙間が生じるなどして、動物が田畑に侵入できるようになっていたことがわかりました。自治体が設置場所の地権者の合意を得ることができず、田畑を囲うように柵を設置できなかったケースや、柵が倒れて動物の侵入を防げない状態になっていたケースなどがあったということです。また柵が倒れていた場所の中には、設置後1年以上点検していなかったところもあったということで、会計検査院は、農林水産省に対し改善を求めることにしています。農林水産省は、NHKの取材に対して「今後は自治体にしっかりと指導していきたい」としています。
(イオンモールにイノシシ、5人けが:香川)
高松市香西本町の複合商業施設「イオンモール高松」に23日午後6時50分ごろ、イノシシが侵入し、客や店員、警察官ら5人の足にかみつくなどしてけがを負わせた。駆けつけた警官が店にあったショッピングカートなどで追い込み、15分ほどで網で捕獲。イノシシは店内で死んだという。香川県警によると、イノシシは雌で、体長1・1メートルほど。イオンモール西側の入り口から侵入し、1階専門店街の通路を東に走り、東端の専門店内で取り押さえられたという。同市内の男子中学生(14)がイノシシが倒した商品棚で左足を打ったほか、店員ら3人が足をかまれ、警察官1人が手の指をかまれたという。イオン内にある店舗の女性従業員によると、当時、「危ないです。逃げて下さい。近寄らないで下さい」という館内放送があり、その後「捕まえました」と放送が流れた。買い物に来ていた高松市内の男性(60)は「人が30~40人ぐらい集まって大騒動になった。けがをした男の子は、なんでイノシシがおるのと驚いた様子だった」と話した。
(クマ目撃:北海道)
21日午前3時15分頃、札幌市南区南39西11の国道230号で、体長約2メートルのクマ1頭が道路を横断しているのを車で走行中の男性が発見し、110番した。近くには住宅や商業施設が点在しており、札幌市や札幌南署が付近の住民に注意を呼びかけている。同署によると、クマは豊平川の方向から藻岩山に向けて国道を横断し、山に入っていった。その後の目撃情報はないという。
(飛騨河合PAでまたクマ出現:岐阜)
19日夕方、岐阜県飛騨市の東海北陸自動車道上りの飛騨河合パーキングエリアで、クマが目撃された。同PA付近でクマが目撃されるのは今月に入り3回目で、警察が注意を呼び掛けている。
(雄鹿が川をピョンピョン:愛媛)
20日朝、愛媛県西条市で、散歩中の女性が川の中に鹿がいるのを見つけて通報しました。体長約1.5メートル、長い角を持つ大人の雄鹿です。警察官らが捕獲に乗り出しますが、19日からの雨で川が増水していて、なかなか上手くいきません。さらに、網で絡め捕ろうとしますが、すり抜けてしまいます。そして、通報から約6時間。ようやく捕獲劇に終止符が打たれました。住民などにけが人はなく、鹿は地元猟友会の手で山に帰されました。
(箱根でもツキノワグマ確認:神奈川)
箱根町畑宿の山林(白銀山付近)で、4ヵ月ほど前にツキノワグマが現れたことが、このほど私立大関係者のセンサーカメラの画像を通じて判明した。データを整理していたところ、クマが写っていたことが判明、先月下旬に県側に連絡が入ったという。箱根でのツキノワグマの目撃情報はゼロではない。27年には運転中の仔グマ目撃(元箱根)、ハイキング中(湯坂道)の糞の目撃情報が寄せられているが、爪で引っ掻いた痕跡など明らかな証拠が見つからなかった。隣市の南足柄市では5年前、千津島地区で仔グマが捕獲され、丹沢の奥地に放たれた事がある。ツキノワグマは県レッドデータ(2006年)で絶滅危惧I類とされており、丹沢に約30頭が生息していると言われる。丹沢など県の北側で遭遇や目撃例が多い一方、箱根以南の湯河原や函南、伊豆半島では断定的な情報がなかった。クマのはく製などを展示する町立森のふれあい館(箱根)の職員は「クマは危険というイメージもあるが、ツキノワグマは植物を食べ種を遠くに運び、森を広げる役割もある。クマがいるという事は、その種を維持できるほど森が豊かなのでは」と話す。大学関係者が県に提供した画像には、はっきりと黒いクマが写っている。仔グマではないとみられ、1頭か複数かどうかは不明。町は今月2日に注意を呼びかける看板を畑宿の清流公園近くに設置したが、ハイカーや観光客に積極的な広報はしていない。同課は「山に入る前に県のクマ目撃情報を確認し、鈴を鳴らすなど出会わないよう注意してほしい。ケースバイケースだが、万が一熊に出くわしても騒ぎ立てず立ち去る事が大切」と話している。
(乗用車とクマが衝突事故:新潟)
18日午後7時すぎ、村上市下新保の日本海東北道上り線で、新潟市の40代男性が運転する乗用車とクマが衝突した。男性にけがはなかったが、乗用車は左側前方のバンパーを破損した。県警高速隊によると、クマは体長約1・5メートル。現場は朝日まほろばインターチェンジ(IC)と朝日三面IC間で、クマは高速道路脇の水田からガードレールを乗り越えた。最寄りの民家まで約300メートル。クマは道路脇の側溝で、死骸で見つかった。村上署によると、管内で車とクマの衝突事故は今年4件発生している。また同署に寄せられた今年のクマの目撃情報は18日現在、前年同期より23件多い57件に上る。同署は餌となる木の実の不作が影響して山から下りてきているとみている。村上署は「クマと衝突した際はむやみに車外に出ず、すぐに通報してほしい」と呼び掛けている。
(クマ猟解禁、上限58頭:秋田)
秋田県環境審議会自然環境部会(部会長=青木満県立大研究・地域貢献本部主監)が20日、県第2庁舎で開かれた。県が今冬のツキノワグマの狩猟を解禁する方針を示し、同部会が了承した。これを受けて県は県猟友会に対し、狩猟自粛を求めないことを決定。生態系を守るため、捕獲の上限を58頭とした。県はこれまで、県内のクマの捕殺頭数が推定生息数の1割を上回った場合、県猟友会にクマ猟の自粛を要請してきた。本年度の捕殺頭数は9月末時点で過去最多の533頭。推定生息数の半数余りに達したが、警察には連日のように目撃情報が寄せられている。
(有害獣捕獲の自粛要請解除:兵庫)
兵庫県宍粟市の民家で猟犬に男女3人がかまれた問題で、兵庫県は19日、銃による有害獣捕獲の自粛要請を解除した。狩猟者への安全講習会で再発防止策を徹底させるという。県などによると、1日、県猟友会宍粟支部の5人が放した猟犬2匹が、下山して子どもを含む3人の頭や足などをかんだ。その後の調査で、民家から約200メートルしか離れていない場所で、リードを付けずに猟犬を車から降ろしていたことが判明。猟犬を管理できる人数も十分ではなかったという。県猟友会各支部が開く安全講習会で、猟犬が獲物を嗅ぎ付けるまではリードを付ける▽原則10人以上を配置▽事前に住民に活動を知らせる▽かみつき癖のある猟犬を使わない-などをあらためて周知する。
(ツキノワグマ、来月15日から狩猟解禁:兵庫)
県は11月15日~12月14日、昨年度に続き、県内本州地域での銃によるツキノワグマの狩猟を解禁する。安全講習の受講や知事の事前承認を受けることなどが条件。狩猟者1人あたり原則1頭で、上限は有害捕獲頭数と合わせた計134頭。上限超えが予想される場合は狩猟中止命令が出る。
(ヒヨドリ対策にミシン糸が効果:三重)
時に壊滅的な被害を出すことがある樹園地でのヒヨドリ対策に、安価なミシン糸が効果を発揮している。糸を樹木全体に満遍なく巻き付け、ヒヨドリが近づかないようにする方法だ。三重県農業研究所・紀南果樹研究室の実験では、何もしていないときに比べ4分の1程度の被害に抑え、カラスにも効き目があった。温州ミカンの茶原早生で行った実験では、糸を多く張った木ほど被害が少なかった。何も対策をしていない樹木が被害率20%だったのに対し、糸を多めに張った樹木は5%に軽減した。同研究室の主査研究員・湊英也さんは「鳥は樹木の近くまで来るが、中に入ろうとはしない。ミシン糸でも忌避効果が確認できた」と話す。
(カラスのねぐら追い払い作戦:福島)
会津若松市の会津学鳳中・高の周辺で8月ごろからカラスがねぐらを作るようになったことを受け、同市の市民団体「環境保全会議あいづ」と市は22日までに、同校周辺でカラスを駆除した。市は、昨年から行政提案型協働モデル事業として鳥獣被害対策を行っている。昨年も同じ場所で駆除作業を行ったが、カラスは一時、市中心部に移動。再び元の場所に戻った。市によると、同校周辺には大きな木と電線があるため、ねぐらを作りやすい環境になっているという。今回は駆除の範囲を拡大し、市郊外に追い払うよう計画。職員や学校関係者ら約20人がロケット花火やスターターピストルなどを使ってカラスの群れを追い払った。
(ジビエ研修会:宮崎)
鳥獣被害をおいしく解決-。イノシシや鹿の肉の普及を促し、農作物被害の軽減につなげるためのジビエの調理研修会は23日、宮崎市の宮崎調理製菓専門学校であり、調理師ら約40人が参加した。日本ジビエ振興協会の藤木徳彦理事長(46)が、火を通すと硬くなりがちなジビエを軟らかく調理する方法を伝授。「鹿スライスのソテー・トマトシチュー」など4品を作り上げた。県によると、県内で昨年度捕獲されたイノシシと鹿計約4万7千頭のほとんどは山中に廃棄された。「もったいない」と話す参加者らは、滋味深いジビエとともに中山間地の課題もかみしめた。

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10/19
(クマに襲われた妻、応戦の夫もけが:福井)
18日午前5時45分ごろ、福井県大野市上打波の山で、登山をしていた同県敦賀市の70代夫婦がクマに襲われ、顔や頭に軽いけがを負った。大野市や県警大野署によると、現場は三ノ峰や刈込池に向かう登山道の登り口、上小池駐車場から約120メートル進んだ地点。2人は三ノ峰へ行く途中だった。クマは体長約1メートルの成獣とみられ、やぶから飛び出して女性(70)を襲った。夫(74)が登山用の杖で追い払おうとしたが続けて押し倒された。女性は目の周辺を、夫は頭や耳を引っかかれるなどしてけがをした。クマはやぶに逃げ去った。2人はその後、車で市街地方面に向かい、大野署蕨生駐在所で同署に電話連絡した。市職員や猟友会、署員らが現場付近をパトロール、ロケット花火を打ち上げるなどして追い払いをかけた。登山客に注意を呼び掛け、現場を同日進入禁止とし、別の登山ルートを勧めた。県自然環境課によると、本年度のクマによる人身被害は2件目。今年5月に小浜市で70代男性が右足にけがを負った。
(JR青梅線、「シカと衝突」で遅延:東京)
JR青梅線が10月19日朝、遅延した。午前6時43分ごろ、電車がシカと衝突した影響という。19日朝「鹿と衝突」Twitterのトレンドに入るなど話題に。動物と列車の衝突事故は、関東圏でも近年、増えているようだ。JR青梅線は、東京都多摩地区の自然豊かなエリアを走っている。今年3月にもシカと衝突による遅延が起きたほか、昨年11月にはイノシシと衝突して遅延し、それぞれTwitterなどで話題になった。動物と電車の衝突事故には、最近増えているという。今年1月18日付けの東京新聞の記事によると、「JR東日本八王子支社管内の中央線や青梅線、八高線では、動物の衝突事故が2013年度約60件、14年度約90件、15年度約100件発生し、増加傾向にある」という。記事によると、その理由は「動物が大幅に増えている」こと。対策として同支社は、中央線線路脇に、動物捕獲用のわなを試験的に設置する取り組みを行ったそうだ。シカは「鉄分を補給するため、レールをなめようと線路に近づいく習性がある」とし、わなには鉄分を含んだ誘引材などを入れたという。シカと列車との衝突事故は、北海道でも多発していおり、対策が練られている。北海道新聞の10月1日付けの記事によると、鉄分を含んだブロックを山中に置いてシカを引き寄せ、レールに近づくことを防ぐ取り組みを、建材総合メーカーの日鉄住金建材が進めているそうだ。
(イノシシと衝突、水郡線に遅れ:茨城)
15日午後5時38分ごろ、大子町のJR水郡線下野宮-常陸大子駅間で、郡山発水戸行き上り列車がイノシシと衝突し停車した。乗務員が確認の上、同5時50分に運転を再開した。JR水戸支社によると、線路からイノシシの死骸を撤去する作業に伴い、上下線各1本に最大38分の遅れが出た。
(乗用車とクマが衝突:秋田)
14日午後9時20分ごろ、秋田県五城目町富津内中津又字六郎沢の国道285号で、北秋田市の20代男性が運転する乗用車がクマと衝突、車の右側バンパーを破損した。男性にけがはなかった。
(公園にクマ、遊んでいた児童十数人目撃:北海道)
18日午後4時ごろ、広尾町茂寄の本通公園内にクマ1頭がいるのを、同公園で遊んでいた小学生が見つけ、知らせを受けた付近住民が110番した。広尾署によると、クマは体長1メートルで、性別は不明。同公園の東方向に逃げたという。現場は十勝神社がある町中心部の公園。同署によると、発見時には児童10人以上がブランコなどで遊んでいた。けがなどの被害はなく、足跡、ふんなどもなかった。
(パーキングエリアにクマが現れる:岐阜)
16日午前11時ごろ岐阜県飛騨市河合町保にある東海北陸自動車道下りの飛騨河合パーキングエリアで「建物裏のフェンスに小さいクマがいる」と中日本高速に通報がありました。警察の高速隊員がクマを確認し、約1時間半後に爆竹を鳴らして山の中に追い払いました。けが人はいませんでした。このパーキングエリアでは、9月4日と10月14日にもクマが目撃されています。
(ドングリ不作、ヒグマに注意:北海道)
白糠町内で今月、ヒグマによる人身事故が2件発生し、このうちキノコ採りに出かけていた男性が死亡した。クマが冬眠前に餌を求めて活発に動き回る秋は、冬眠明けの春と同様に人とクマが遭遇しやすい時期だ。道によると、今年の釧路・根室管内はクマの主な餌になるミズナラのドングリが不作で、出没が増える可能性もある。クマの出没情報がある場所に近づかず、単独行動も避けるなど十分な注意が必要だ。白糠町茶路基線の縫別(ぬいべつ)川付近で4日、前日からキノコ採りに出かけたまま行方が分からなくなっていた男性(73)がやぶの中で倒れているのを釧路署員が見つけ、駆けつけた救急隊が死亡を確認した。遺体の傷や近くにあった動物の足跡などからクマに襲われたとみられる。
(クマ襲撃最多ペース:北海道)
道内でヒグマに襲われる被害が10月に入り相次ぎ、今年の死傷事故は17日現在4件に上っている。過去10年でみると、最多の2010年に並ぶペースで、足跡やフンを含む目撃件数も9月末時点で1140件と最多。今年は木の実の不作により、冬眠前に餌を求めて人里に近づくクマが増えているとみられ、道警は注意を呼び掛けている。道警によると、17日現在、事故件数は前年の1件に比べて3件多く、10年と同数となっている。今年は9月末時点で1件だったが、10月に入り3件発生。このうち1件は4日に判明した死亡事故だった。釧路管内白糠町のヤブで、キノコ狩りに出掛けていた町内の男性(73)の遺体が見つかったが、体にはクマに襲われたとみられる傷があったほか、周囲にクマの足跡もあった。
(ドングリ少なくクマ出没多発か:滋賀)
滋賀県は17日、今秋の湖北、湖西地域におけるツキノワグマの出没について「比較的多くなる可能性がある」との予測を発表した。過去に出没が相次いだ長浜、米原、高島の3市を中心に注意を呼び掛けている。県と県立大が9月、長浜市と高島市の山間部で餌となる木の実の生育状況を調べた結果、ブナやコナラの実が平年よりも少ないことが確認された。県内のクマの目撃情報は4月以降で129件ある。毎年10、11月に急増しており、県は山裾の集落などでは家の周りに生ごみを置かないよう求めている。
(クマ対策で投票所に爆竹配布:岐阜)
高山市選挙管理委員会はクマ対策として、22日投開票される衆院選の一部投票所に爆竹を配布する。市によると、市内のクマの目撃情報は今年4月から今月12日までに計282件あり、昨年度の計100件を既に上回っている。クマが出没した場合、爆竹を鳴らして驚かせ、投票所に近づかせないようにするのが狙い。
(有害鳥獣よけ電気柵、安全に設置して:静岡)
野生鳥獣による農作物被害を防ぐための電気柵を安全に設置してもらおうと、三島市などでつくる市有害鳥獣被害対策協議会は18日、同市佐野の市佐野体験農園で運用セミナーを開いた。農家や猟友会などの約20人が参加。北海道で電気柵の設置・販売をするファームエイジの東展生さんが講師を務め、参加者は、ハクビシンやシカ、イノシシなど動物によって違う柵の取り付け方や動物の特性などを学んだ。
(「山田錦」ピンチ、イノシシ被害増加:兵庫)
高級酒米・山田錦の生産量日本一の兵庫県三木市内で今年、イノシシによる稲作の被害が増加している。水稲共済の被害申請は17日までで55件になり、既に昨年の40件を超えた。県猟友会による捕獲は昨年度、過去最多の435頭となったが、農家は対策を講じても被害が減らず、頭を抱えている。減収量3割以上が対象の水稲共済の被害申請は2014年度、前年比約2・3倍の37件。15年度にはさらに倍増の75件に達し、うち吉川地域が63件を占めた。市は昨年度から狩猟免許取得を助成し、1頭あたりの補助金も増額。県猟友会三木支部と美嚢支部の会員数が増え、捕獲数も増加したが、被害申請は昨年度に減っただけで、今年は再びそれを大きく超えている。今年、55件中29件を占める吉川地域では9月下旬、10頭以上が道路を横切る姿が目撃された。以前は夜間の行動が中心だったというが、最近は日中も動き回る。農業の男性(73)=同市吉川町貸潮=は「ここ5、6年で近くの山と民家を行き来し、日中でも警戒心がなくなった」と話す。多くの農家は電気柵や網などを張るが、隙間や周囲の雑草があれば効果は不十分。農業の男性(65)=同=は「個人の対策ではもう限界。地区や行政が本格的に動かないと守れない」と訴える。市内で水稲の作付面積のうち約7割は山田錦。市農業振興課は「農家の意欲を下げないよう、イノシシの個体数を減らすとともに電気柵などの整備を広めたい」としている。
(ドローン活用の鳥獣害対策:岐阜)
農業生産へのドローン導入が注目されるなか、鳥獣害対策にも活用しようという動きも出てきた。岐阜県美濃加茂市では開発企業が手がけたスピーカー搭載ドローンの提供を受け、猿被害効果の検証を10月からはじめている。鳥獣害による農作物への被害は岐阜県内だけでも年間3億円を超えているという。同県各務原市にあるドローン開発企業の空創技研プロペラは全国の自治体向けにドローンを使った鳥獣害対策プログラムの提供を手がけており、10月8日に第一弾として岐阜県美濃加茂市三和町で現地説明会を行った。現地の山間部では猿被害が深刻で猟友会による追い払いや捕獲が行われているが、同社はそうした活動の負担軽減のためのドローン活用法を市とともに検討し、今回はスピーカーを搭載したドローンを運用することにした。当日はロケット花火の打ち上げとともにドローンのスピーカーから市歌を流すなどのデモ飛行を山間部で行い、猿に人里が危険であることを認知させるデモンストレーションを行ったという。引き続き追い払い効果の検証を進めていくとしている。鳥獣害対策は罠やフェンス、警報機設置などの取り組みが行われてきたが、地域の負担が大きいことや、動物の学習能力などで効果が継続しないなどの問題を抱えている。そこで同社は地域の事情に合わせて効果的な対策を地域と検討し、下準備、自治体職員によるドローン運用体制、対策評価の指標までを含めて鳥獣害被害を抱える自治体にプログラムを提案していくことをめざすという。
(不要ノリ網で有害鳥獣対策:熊本)
シカ、イノシシなどの鳥獣被害に悩む山都町で、不要になったノリ網を防護ネットとして活用し、農作物を守る取り組みが始まった。熊本市の企業がノリ漁師から網を買い取り、同町の地域おこし会社を通じて農家らに安値で販売。不要品の再利用を兼ねた一石二鳥のアイデアだ。取り組みを始めたのは、経営コンサルティングなどを手掛けるE(同市中央区)。使用済みのノリ網は産業廃棄物となるため処分に費用がかかる。林信吾社長(32)は「山積みになった厄介ものを有効活用できないか」と思い立った。同市西区のノリ漁師から網を購入し、同町の地域おこし会社「山都でしか」を通じて販売。網は長さ18メートル、幅1・8メートルで、ひもが太く丈夫なのが特徴という。支柱を立てて複数枚の網で田畑を囲うなどして使用する。同町ではシカやイノシシが年間計5千頭を超えるペースで捕獲されている。山都でしかの一部メンバーが既に導入しており、橋本龍生社長(40)は「ノリ網はサイズが大きく、(低いネットは飛び越えてしまう)シカにも対応できる優れもの」と話す。林社長は「地元住民と連携しながら、山都町以外にも販路を広げていきたい」としている。
(「シカ情報マップ」一般公開:愛知)
県森林・林業技術センター(新城市上吉田)は、野生のニホンジカ目撃情報を収集してスマートフォン(スマホ)などで確認できる「シカ情報マップ」を開発し、一般公開を始めた。目撃や被害などの情報を地図上に示して県内だけでなく全国の状況を確認できる。ニホンジカの増加により、国内では山間部の森林で苗木や木の皮を食べられる被害や、衝突による交通事故が発生している。センターでは目撃情報を収集して対策に生かそうと4年前から地図情報システム会社「マップクエスト」(豊橋市)と、森林研究総合研究所と共同で開発を進め、これまで自治体や森林、林業関係者で3年間情報収集。今回は住民や行楽客らからの広く情報を寄せてもらおうと一般公開した。マップではシカの目撃および被害情報をスマホから入力、送信してもらう。情報はリアルタイムで地図上に更新。さらに全国各地の情報収集を進められるようにしている。開発した石田朗主任研究員は「リアルタイムで情報公開してシカの動態も確認できそう。県境を越えて移動する可能性もあるため、国内に広げました」と話す。収集データは県内の獣害対策支援アプリ「やるシカない!」の基礎データとして活用。効率的なワナ設置などに役立てていくという。
(カラス追い払い:福島)
会津若松市では、カラスによる被害を防ぐための対策が講じられている。会津若松市では、およそ1,000羽のカラスが会津学鳳高校の近くの電線や街路樹をねぐらにし、ふんや鳴き声が問題になっていた。市では、去年から対策に乗り出し、カラスは、一時的にほかの場所へ移っていたが、今年に入り、再び集まるようになった。きのうは、市の担当者や学校関係者およそ30人が、陸上用のピストルやロケット花火を使ってカラスを追い払った。「いろいろ工夫をしながらカラスが慣れないように追い払いを継続して、ここに定着しないようにしたい」市は、継続してカラスの対策をする方針。
(諏訪湖カモ類調査、93年以降最多2603羽:長野)
県諏訪地域振興局林務課は16日、諏訪湖のカモ類の生息数調査を実施した。観察個体数は10月としては諏訪湖の銃猟禁止区域の指定(1995年度~)を検討した93年以降で最多の2603羽が確認された。ただ、日本野鳥の会諏訪支部の林正敏支部長(73)=岡谷市=によると、同月は「渡り鳥が動く季節」といい、「羽休めをしている鳥がたまたま調査日に集中したことも考えられる」としている。調査は鳥獣保護管理員の協力を得て同区域の対象となっている諏訪湖と周囲の主な流入、流出河川で毎年6、10、1月に行っている。今回確認されたカモ類の総数は前年同期比1260羽増。内訳はカルガモが124羽増の778羽となった。雨天で視界が悪かったこともあり、種類を特定できないカモ類が725羽(前年度は1羽)もいた。このほか、ヒドリガモが405羽増の863羽、ホシハジロが36羽増の125羽となった。キンクロハジロは52羽減の7羽だった。カモ類以外ではオオバンが1809羽と目立った。ワカサギなどの食害の原因となる魚食性鳥類のカワウは96羽で74羽増の86羽となった前年度をさらに10羽上回った。騒音やふん害で住民を悩ましているとして諏訪市から調査依頼があったアオサギは30羽を確認した。諏訪市の県諏訪合同庁舎で行った調査報告では、鳥獣保護管理員から「水草があるところを好む野鳥が増えており、諏訪湖の生息環境が良くなっているとも言える」という意見があった。

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10/16
(キノコ採りでクマ2頭と出くわす、男性襲われけが:山形)
14日午前10時ごろ、山形県尾花沢市の山刀伐峠の山頂付近で、夫婦でキノコ採りをしていた会社員の内田淳さん(59)がクマ2頭に遭遇し、うち1頭のクマに右腕などをかまれました。内田さんは病院に搬送されましたが、命に別状はないということです。2頭のクマは体長1メートル80センチくらいで、内田さんをかんだ後、逃げて行ったということです。尾花沢市では注意を呼び掛ける看板を設置するとともに、檻(おり)を設置するなどして対応するということです。
(イノシシぶつかり男性軽傷:福島)
15日午後8時5分ごろ、大玉村の村道で、同村の会社員男性(38)がイノシシに遭遇し、右脚に軽いけがをした。郡山北署本宮分庁舎によると男性が犬の散歩中、体長約1メートルのイノシシが向かってきて、ぶつかった。
(クマ目撃情報、パーキングエリア閉鎖:岐阜)
中日本高速道路(本社・名古屋市)は14日、クマが目撃されたとして、岐阜県飛騨市の東海北陸道の飛騨河合パーキングエリア(PA)を同日午後4時10分から上下線とも閉鎖した。同日夕時点で、解除時期は未定。同PAは9月にもクマの目撃情報で一時閉鎖された。県警高速隊によると、閉鎖の約20分前、非常電話から「木の上に小さめのクマがいる」と同社に連絡があった。同社関連会社のパトロール隊員が、PA北側の斜面に体長約70センチのクマがいるのを確認。9月の目撃情報と体長はほぼ同じだという。
(空港の滑走路近くにクマ、滑走路を一時閉鎖:青森)
青森空港管理事務所によると、13日午前9時前、青森空港に着陸した飛行機のパイロットから、「滑走路脇にクマが1頭いる」と管制塔に通報があった。クマは体長80cmほどで、この影響で滑走路がおよそ10分間にわたり閉鎖された。
(県内クマ駆除、最多533頭:秋田)
ツキノワグマの頭数が、9月末時点で過去最多の533頭に上ることが14日、県のまとめで分かった。県は今年4月時点のクマの生息数を1013頭と推定しており、その半数以上を捕殺したことになる。県自然保護課は「目撃件数が多く、実際の生息数は千頭をはるかに上回る可能性が高い」と分析。これまで県猟友会に自粛を要請してきた冬場のクマ猟を、今季は解禁する方向で検討している。同課によると、533頭のうち509頭(95%)は住宅地や農地に出没したことに伴う有害駆除だった。駆除件数は特に8、9月に多く、2カ月で381頭に上った。捕殺数を県の地域振興局別でみると、北秋田が126頭で最も多く、仙北94頭、秋田90頭と続いた。県内では昨年度も過去最多となる476頭を捕殺。これまでは捕殺件数の多かった年の翌年はクマの出没が減る傾向にあったが、警察に寄せられた今年の目撃件数は、今月11日現在で過去最多だった昨年の872件を上回る1169件に上り、これまで生息していないとされていた大潟村や男鹿市での出没も相次いだ。
(獣肉解体施設、談合情報で入札を延期:鳥取)
大山町は11日、町内に建設を予定している「獣肉解体処理施設」の実施設計で談合情報が寄せられたとして、同日予定していた指名競争入札を延期したと発表した。施設は狩猟で得たイノシシを地域資源として有効活用するため、ジビエ製品に加工、販売する。町によると、実施設計の入札は町外の5業者が参加する予定だったが、外部から6日、「落札業者は決まっている」などと談合を指摘する情報があったという。町は指名業者へ聞き取りし、今後、入札を予定通り実施するかどうか決める。
(初めてイノシシ被害を確認、駆除隊と業務委託契約締結:栃木)
野木で8月下旬、イノシシによる食害とみられるサツマイモや水稲の被害を受け、町はこのほど、町有害鳥獣駆除隊と捕獲業務に関する委託契約を結んだ。町によると、町内でイノシシによる農作物被害を確認したのは初めて。町によると、被害を確認したのは思川浄水場の北約500メートル。西側約200メートルには思川がある。8月22日に農地にイノシシとみられる足跡を見つけた地元住民が町に連絡。さらに同25日にはサツマイモが被害に遭ったほか、田んぼに入った跡があったという。稲刈り前で1区画全体の収穫ができなかったという。町は地元猟友会に相談し、捕獲に向けた業務委託を締結した。猟友会小山支部野木地区の支部員ら13人で同駆除隊を構成。今後、わなを設置する。同隊の高松代表によると、群馬県桐生市や足利市などから猟犬に追われたイノシシが渡良瀬遊水地を通じて町内に入った可能性があるという。高松代表は「イノシシにとって町内は寒くもなく生息するには環境がいい。わなの設置や巡回活動で早期の発見捕獲に努めたい」と話していた。
(獣肉活用へ人材育成、会社設立し産地化:島根)
島根県美郷町のイノシシ狩猟者らで構成する「おおち山くじら生産者組合」は、人材育成と産地化に向けて、精肉処理・販売会社「おおち山くじら」を販売先と連携し立ち上げた。組合員の高齢化が進む中、雇用の受け皿となって後継者を育てるとともに、県内外からも広く捕獲したイノシシを受け入れ、産地化を目指す。同町は13日、今月中に同社と地域活性化に向けた協定を締結することを明らかにした。会社は9月11日に設立、同組合と取引をしてきた東京都日野市にあるクイージの石崎英治代表と、同町の元地域おこし協力隊員で同組合の事務局も担う同社美郷支店販売部の森田朱音部長が、共同代表を務める。同組合の品川光広組合長は取締役に就任。組合は年内に解散する。組合は2004年に41人で立ち上げ、年間約400頭のイノシシを生きたまま処理施設に運んで良質な精肉にしたり、夏場の脂が少なく需要が限られる肉を缶詰に加工したりして獣害減少のために利活用を進めてきた。ただ、高齢化で組合員は29人に減少。今後も事業を継承していくため株式会社化する道を選んだ。集積拠点を整備するなどして今後、県内外から受け入れ産地を確立する。石崎代表は「若い人に入ってもらうためには、生活ができるようビジネスとして成功させる必要がある。資源を生かし、地域をよくしていきたい」と意気込む。景山良材町長は「定住にも結び付け『山くじらと言えば美郷町』と言われるよう支援したい」と話す。
(独自の基準で品質と安全性確保:岡山)
捕獲を進める野生鳥獣の食肉利用を目的に、岡山県美作市では2013年から獣肉処理施設「地美恵(じびえ)の郷みまさか」が本格稼働している。稼働当初から鹿と猪を合わせて年間千頭以上が搬入され、全国でも高い実績だ。直近の2年間では、2015年度が計1683頭、2016年度が同1219頭の実績だった。捕獲個体を持ち込むのは地元猟友会の狩猟者らで、同施設ではジビエ(野生鳥獣の肉)加工における品質と安全性を確保するため、県の衛生管理ガイドラインに加え、市独自の個体受け入れ基準も定める。
(ジビエフェア開催:静岡)
伊豆市産のシカとイノシシ肉を使った料理7品を提供する「ジビエフェア」が、御殿場市神山の商業施設「時之栖(ときのすみか)」のレストラン・グランテーブルで開かれている。伊豆半島では野生鳥獣による農作物被害が深刻化しており、駆除と活用の「一石二鳥」を狙う。22日まで。
(イノブタ9カ月肥育、年200頭出荷:群馬)
イノシシと豚をかけ合わせたイノブタ。群馬県上野村では半世紀にわたり、特産品として肥育している。高タンパク質で脂肪が少なく、あっさりしているのにコクがあるのが特徴で、観光客にも人気が高い。その拠点で、JAなどが運営する「上野村いのぶたセンター」(同村楢原)を訪ねた。ブゥーブゥー--。センターの敷地の一角にある肥育小屋に足を踏み入れると、通路を挟んで両側の柵内にいたイノブタが近寄ってきた。「人なつっこいな」。記者が歩み寄ろうとした瞬間、一斉に背を向け逃げ出した。「好奇心はあるけど、警戒心も強いんですよ」。JA上野村の月田智・総務課長が説明してくれた。イノブタの肥育は1968年ごろ、村おこしの一環で始まった。

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