<射撃ニュース12月>

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(報酬不正で霧島市提訴へ:鹿児島)
農作物を食い荒らすイノシシなどの鳥獣を捕獲した場合に支払われる報酬の不正受給事案が相次ぐ中、鹿児島県霧島市が市内の男性に対し、報酬の返還を求める訴訟を起こす方針を固めたことが12日、分かった。農林水産省によると、捕獲報酬の不正受給を巡って自治体が裁判を起こすのは全国初という。市によると、男性は捕獲の証拠となる写真を偽造し、昨年までの4年間に市から支払われた報酬計10万8千円を不正受給したとされる。男性が「写真を偽造しておらず、報酬も受け取っていない」として返還請求に応じないため、加治木簡裁に提訴することにした。市では今年5月、猟友会のメンバー30人が証拠写真を偽造していたことが明らかになり、報酬の返還などの処分を受けていた。このうちこの男性を除く29人は返還などに応じているという。
(新聞配達の86歳の女性がクマに襲われケガ:富山)
13日未明、南砺市の住宅地で新聞配達をしていた86歳の女性がクマに襲われ、左腕をかまれるなどの軽傷。女性は持っていた傘を振り回して必死に抵抗。クマは家の角を曲がって北西方向に逃げたということです。逃げたクマは体長1メートル50センチほどで成獣とみられ、警察と地元猟友会が捜索を続けています。
(女子高生を噛んだイノシシ、南海電鉄に跳ねられて死んだ模様:和歌山)
12月11日午後6時ごろ、和歌山市市小路の南海電鉄紀ノ川駅近くの路上で、帰宅途中の高校1年生の女子生徒(16)がイノシシに尻をかまれて、軽い怪我を負った。産経WESTなどが報じた。朝日新聞デジタルが和歌山県警の情報として伝えたところによると、女子生徒は背後から来たイノシシから逃げる際に転倒してかまれたという。駅周辺は住宅街で、和歌山市内ではこの日夕方からイノシシが複数回、目撃されていた。乗用車にぶつかる事故も2件あったという。女子生徒がかまれる数分前には、捕獲しようとした警察官もイノシシにかまれてけがをしていた。産経WESTによると、この直後に紀ノ川駅ホームの線路上で、2人をかんだとみられる体長約1.1メートルのイノシシが死んでいるのが見つかった。電車と接触したとみられる。
(冬季クマ猟を9年ぶり解禁:秋田)
秋田県は、ツキノワグマの冬季の狩猟を2008年以来9年ぶりに解禁した。本年度、県内でクマの目撃数と人的被害が過去最多となったためだ。11月15日に始まった猟は来年2月15日までで、今月11日現在、25頭を捕獲した。県自然保護課の担当者は「単に捕獲するだけでなく、クマを猟銃で追い払い、人間が怖いと学習させる狙いがある」と語る。県警によると、県内のクマの目撃は11日現在で1297件。前年同時期の872件を大幅に上回り、過去最多となった。人的被害は、5月に仙北市でタケノコ採りの女性が襲われ死亡した事故をはじめ20人。過去最多だった昨年度の19人を上回っている。背景には、少子高齢化で狩猟者が減少していることや、中山間地が荒廃し、クマの生息域が人里近くまで拡大していることがあるとみられる。目撃数の増加に伴い、捕獲数も増えている。県自然保護課によると、11月15日までに769頭を捕獲。昨年度は476頭だった。県は09年以降、クマの生息数が減り過ぎないよう、冬季の狩猟自粛を県猟友会に要請してきた。しかし、本年度は人身被害に歯止めがかからないことなどを理由に、58頭を上限に解禁に踏み切った。県自然保護課の担当者は「県内の里山では人身被害が相次ぎ、危険な状態になっている。狩猟を解禁することで、春にかけての出没抑制にもつなげたい」と話している。
(サル1匹捕獲:埼玉)
宮代町の東武動物公園で12日、野生のサル1匹が捕獲された。杉戸署や町によると、同日午後2時すぎ、園内サル山のそばで、男性飼育員が野生のサルを発見。園や町の職員や警察官らが午後5時25分ごろ、サルを捕獲した。けが人はいなかった。
(ニホンジカやサルなど、捕獲相次ぐ:石川)
志賀町で鳥獣の目撃情報や捕獲が相次いでいる。十一月には山間部でニホンジカが、イノシシの捕獲用に設置したおりに入り込んでいるのを住民が発見。今月十~十一日には、町中心部でサルの目撃情報が二件あった。町は刺激しないよう注意を呼び掛けている。ニホンジカは十一月二十三日、縦一メートル、横一メートル、長さ二メートルのおりに掛かっているのが見つかった。捕獲対象ではないことから、駆け付けた県猟友会羽咋支部員が逃がそうとしたが、暴れて危険だったため狩猟として処分した。県によると、県内のニホンジカは南加賀地方を中心に生息している。能登地方では二〇一五年に七尾市内で捕獲されて以来二例目。隣県からの流入もあって生息域を拡大している可能性があるという。サルの目撃情報は十日午前九時二十分ごろ、同町高浜町の高浜バスターミナル付近で、十一日午前九時二十五分ごろ町陸上競技場付近でそれぞれ一匹あった。町によると、被害は確認されていない。「一般的に危害を与えなければ襲ってこない。遭遇した場合は近寄らず、目を合わせず、餌を与えないで」と防災無線で注意を喚起している。サルは主に白山、小松、金沢各市の山間部に生息しており、県は群れを離れて単独で暮らす「離れ猿」とみている。イノシシの捕獲数も本年度に入って急増している。町内では四~十一月の間に二百一頭に上り、昨年同期に比べ八十六頭多い。農作物の被害額は五百三十九万円で、昨年度一年間の三百九万円を上回った。町は来年度、電気柵を設置する際の補助金の上限を引き上げる方針を示している。クマは昨年、同町赤住の志賀原発の監視カメラに写り込むなど、目撃情報が一年間で過去最多の十四件あったが、最近はほとんど入っていないという。
(エゾシカ食害相次ぐ:北海道)
苫小牧市の樽前山7合目ヒュッテ周辺や緑ケ丘公園、高丘の森林地帯などでエゾシカの食害が相次いでいる。高山植物や花壇の花、樹木などが被害に遭っている。胆振・日高地方を含む北海道西部地区のエゾシカの推定生息数は減少傾向にあるが、移動範囲は拡大。市は捕獲を逃れたエゾシカが狩猟できない道路付近や公園などに移動している可能性も指摘する。樽前山7合目ヒュッテ付近では、昨年の冬ごろからエゾシカが姿を見せ始めた。同ヒュッテ管理人の鈴木統(はじめ)さん(66)によると、以前は高度のある7合目でエゾシカを見ることはまれだったという。7月ごろにはヒュッテ付近に生えていた高山植物のマイヅルソウが食べられているのを確認。鈴木さんは「最初は誰かが草刈りしたのかと思うほどきれいに食べられていた」と話す。外輪山周辺でもシカのふんを発見。「こんな高い所まで登って来ているのに驚いた」と言う。イワブクロ(タルマイソウ)やウコンウツギなども食べられている可能性があり、警戒を強めている。緑ケ丘公園展望台周辺でも3年ほど前から、エゾシカが急増。管理人によると、花壇に植えたチューリップの球根や花を咲かせたヒマワリが食べられるなどしており、展望台前の広場にはエゾシカのふんが大量に落ちている。被害を防ごうと、今年8月にはエゾシカを驚かせるトラの置物も設置したが効果はなかった。11月以降は山に餌がなくなったのか公園内で草を食べる10頭ほどの群れもよく見掛けるという。管理人は「花の経済的損害は小さくない。なんとかならないものか」と頭を抱える。北大苫小牧研究林に近い、市内美園町の金子光保さん(86)は、冬場に自宅近くに姿を現すエゾシカを警戒。庭のイチイの木を守るため昨年1月には網を張った。網は今年も設置予定という。「北大苫小牧研究林にはたくさんのエゾシカがいる。近所のイチイの林も食べられており、気が気じゃない。どうにかしてもらいたい」と語った。市は牧草やデントコーンなどの食害に苦しむ農業者の声を踏まえ、2011年度に、市鳥獣被害防止対策協議会を発足。12年度からは、農林水産省の補助金を活用して市内植苗、美沢、樽前の農地などで、くくりわなや猟銃を使ったエゾシカ捕獲を実施している。市が補助金を出した農協が手掛けた分を含め、昨年度は572頭を捕獲。一部農業者からは「エゾシカは減ってきている」との声が聞かれる。ただ、市環境生活課は「エゾシカも賢くなってきており、猟ができない公園や道路の近くなどに移動している可能性もある」と指摘。花火を使って驚かす案もあるが、「驚いたエゾシカが暴走して、市民や車にぶつかっては大変」と慎重だ。道エゾシカ対策課の担当者は「公園や道路に近い場所での捕獲は安全性の面で難しいが、近隣の獣道やエゾシカのたまり場で捕獲することで、ある程度効果を期待できるのではないか」と話した。道のエゾシカ対策課によると、16年度の北海道西部地区のエゾシカの推定生息数は26万頭。近年最も数が多かった10年度の34万頭と比べると8万頭減っている。
(イノシシ被害続発、捕獲策強化:徳島)
徳島市の眉山周辺でイノシシに公園などが荒らされる被害が相次いでいる。個体数が増え、餌を目当てに人家近くへ生息域を広げている可能性がある。市によると、本年度は眉山周辺でイノシシの目撃情報が28件寄せられており、市は徳島地区猟友会と連携し捕獲対策を強化している。眉山中腹にある桜の名所・西部公園(加茂名町)では、今春ごろから芝生を剥がされる被害が発生。公園を管理する市公園緑地管理公社によると、10月に整備し直したが、直後にまた荒らされた。芝の根の間に潜むミミズを狙っているとみられる。市は12月に入って園内に箱わなを新たに設置し、約2週間で4頭がかかった。猟友会会員は「野良犬や野良猫などに餌を与えている人がいて、それを目当てに山の中から出るようになったのではないか」と指摘する。阿波の茶会発祥の地とされる瑞巌寺(東山手町3)では、庭園にイノシシが頻繁に侵入するようになり、8月から立ち入り禁止にした。あちこちで地面のコケが?がされ、石垣も崩されている。法輪太猷(のりわたいゆう)住職は「昨年も1カ月間ほど立ち入り禁止にしたが、今年はいつ再開できるか分からない。お手上げだ」と話す。市農林水産課によると、眉山と周辺でのイノシシの生息数は不明だが、本年度の目撃情報は例年より多く、南佐古から上八万町まで住宅地近くでの出没が目立つという。10月には、南庄町3の市道で自転車の70代女性がイノシシに衝突され、けがをしている。同課は、住民にイノシシへの注意を促すとともに、飼育している動物以外に餌をやらないよう呼び掛けを強める。捕獲頭数を増やすため、箱わな以外の方法についても検討している。
(イノシシ目撃相次ぐ:岡山)
13日朝、岡山市中区の南部でイノシシを目撃したとの通報が2件、警察に寄せられた。けが人は確認されていない。周辺では11、12日にも各1件の情報があり、岡山中央署は付近の小学校や住民に注意を呼び掛けている。同署によると、13日午前8時15分ごろ、同桑野、岡山ふれあいセンター南側にある二つの会社の従業員2人からそれぞれ「敷地でイノシシを見た」との110番があった。目撃されたのはいずれも1頭で、体長約1メートル。敷地から走り去った後は見つかっていない。近くの操明小は13日、集団下校にした。子どもを迎えに来た母親(36)は「イノシシと遭遇した際は近づかずに逃げるよう子どもに伝えた。子どもは怖がっており、早く捕まえてほしい」と話した。目撃情報は11日早朝に同桑野、12日未明に同藤崎でもあった。
(クマ目撃、昨年から倍増:秋田)
秋田東署に今年1月以降に寄せられたクマの目撃件数が200件(12日現在)に達し、昨年のほぼ2倍となったことが分かった。クマとの遭遇リスクが高まっているとして、同署は署の1階ロビーに「熊出没マップ」を設置したり、チラシを配ったりして市民に注意を呼び掛けている。秋田市農地森林整備課によると、今年1~11月に市全域で目撃された件数は248件で、昨年1年間の176件を大幅に上回った。広面地区や御所野地区、河辺・雄和地域などを管轄する同署管内での目撃件数は11月末時点で199件に達し、市全体の8割程度を占めた。同署の佐藤淳地域課長は「目撃情報が1日に3、4件寄せられたケースもあり、出没が特に多い年だった。12月に入っても冬眠せずに動き回る恐れがあるので、十分に注意し、見掛けたら情報を寄せてほしい」と話している。
(サル出没、目合わせず逃げて:千葉)
「サルに遭っても捕まえず逃げて」-。市川市内で13日、サルの目撃情報が相次いだ。市はサルを見掛けても近寄ったりエサを与えたりせず、すぐに110番通報するよう注意を呼び掛けた。サルが人に危害を加える恐れがあるため。市川署などによると、同日午前9時15分ごろ、同市市川3の春日神社付近で、市民から「サルが神社の中に入っていった」と最初の通報があった。その後も、同市真間や須和田、宮久保の住宅街で「サルを見たが、見失った」などの目撃情報が相次ぎ、同日夕までに市民から20件近くの110番通報があった。市自然保護課によると、都内などで目撃されているサルと同一の個体とみられる。前日に江戸川区で目撃情報があり、橋を渡って江戸川の対岸の市川市に来た可能性が高いという。サルの生態に詳しい市動植物園担当者は「サルに遭遇したら、目を合わせないように。捕獲は難しいので、捕まえようとしないで」と注意を呼び掛けた。
(都内で目撃のサル市川市へ:千葉)
13日午前10時すぎに撮影された映像では、サルが民家の上で何かを食べている様子が映っている。このオスザルは12日まで都内を移動していたが、13日は川を越えて千葉県の市川市で目撃された。まだ捕まっていないという。
(サル目撃情報、“北上サル”とは別?:埼玉)
埼玉県久喜市周辺でもサルの目撃情報が相次いでいます。11日午前8時半ごろ、白岡市にあるJR宇都宮線の踏切付近で目撃。10日午前11時ごろ、久喜市内の住民から「サルがいる」と110番通報がありました。警察官が駆け付けましたが、逃げられたということです。サルはその後、久喜市内や白岡市内で相次いで目撃されていて、11日朝にかけて4件の110番通報がありました。警察によりますと、サルは隣接する加須市付近から移動してきたもので神奈川県内や都内で目撃されているサルとは、別のサルだとみられるということです。
(カワウ対策、4県連携へ:岐阜)
アユなどの川魚の食害が深刻な野鳥「カワウ」の生息数を抑えようと、県は来年度から、隣接する愛知、三重、滋賀の三県との連携会議を発足させる。レーダーによる飛行ルート調査などを通して、飛来状況の把握を目指す。十二日に県庁で開いた県鳥獣被害対策本部員会議で、県側が明らかにした。県によると、アユの漁獲量は減少傾向で、二〇一五年は四百九十九トン。ピークだった一九九二年の千七百二十六トンから、四分の一近くまで落ち込んだ。アユの年間放流量は変わらないため、カワウなどに食べられたことが一因とみられる。カワウは鵜飼いのウミウとは別種で、一日に五百グラムの魚を食べるという。県は一四年度から、飛来地だけでなく、輪之内町のカワウ営巣地などで捕獲を実施。被害対策指針をまとめた一六年度からは、流域の漁協が連携して、追い払いや捕獲に取り組んできた。この年度の生息数は約二千三百羽で、捕獲数は約千羽。二一年度までに年間千四百羽前後を捕獲し、生息数を一千羽で維持させることを目指している。来年度からは、稚アユの放流期の四月と、カワウの営巣開始期の十一月を対策月間とし、流域だけでなく県内全体で一斉捕獲などを行う。秋には隣県との飛行ルート調査も始める。担当者は「放流後の稚アユの食害防止につなげたい」と話す。会議では、本年度のシカやイノシシなどの獣害による農作物被害額の推定値が、対策本部を設置した一〇年度以降最少の二億五千八百万円となる見通しについても報告された。
(鳥獣被害2億5800万円、防護策効果2000万円減:岐阜)
イノシシなど野生鳥獣による農作物の被害額が本年度、前年度比2083万円減の2億5800万円になるとの推定値が12日、岐阜県庁で開かれた県鳥獣被害対策本部員会議で報告された。被害額の減少は4年連続。県が対策本部を設置した2010年以降では最少額となり、県農村振興課は「捕獲や追い払いなど、地域ぐるみでの取り組みの成果が表れた」と話す。県は本年度から21年度までの5年間を長期戦略期間として位置付け、被害額を1億円まで低減させる目標を掲げる。種別ではイノシシ1億2100万円、サル4500万円、シカ3100万円、カラス1800万円。県内全2233の集落のうち、防護柵やわなの設置など対策が準備段階にある集落は今年9月現在で299あるが、いずれも本年度末までに完了する見込み。県は設置に加え、自治会など住民が捕獲や追い払いに取り組む「総合対策」ができる体制を、全ての集落で構築したい考え。会議ではこのほか、鮎の食害をもたらすカワウを、集中捕獲などにより今年9月末時点で1544羽に減らしたことなどが報告された。県は長期戦略で千羽にまで削減する目標値を定めている。
(NTTドコモ、害獣をAI深層学習で判別)
NTTドコモは、人工知能(AI)の深層学習(ディープラーニング)を使って暗視カメラで撮った害獣を検知する手法を開発した。撮影した動画から切り取った連続する複数の画像を入力して特徴を抽出することで、イノシシなどの大きい動物からタヌキなどの小さい動物まで、8割の精度で検知できた。今後はほかの野生動物や、複数の地点でも同様に検知できるか確かめる方針だ。野生動物は夜に活動して農作物を荒らす。畑に設置した暗視カメラに写った害獣を検知できれば警報音を鳴らして効率良く追っ払ったり、駆除できたりすると考えた。「CNN(畳み込みニューラルネットワーク)」という深層学習は一般的に、画像を1枚ずつ大量に入力することで、ネコならネコの特徴を抽出する。暗視カメラは画質が粗いうえ、タヌキやハクビシンは体が小さい。画像1枚ずつでは動物の検出が難しいため、連続した0.125秒間隔の静止画を2~8枚を1セットとして、それを大量に入力することで動物の動きの特徴を抽出した。長野県飯山市の野外で数カ月間にわたり、午後5時から午前7時に撮影した動画から、まずは動物が写ったのと、写っていないのに分けた。写っていた動物はシカ、イノシシ、タヌキ、キツネ、イヌ、ネコだった。2~8枚の静止画を1セットとして大量に入力、画像サイズを圧縮したうえで、動物が写った画像の特徴を覚えさせた。まず撮影した動画の9割を使ってそれぞれの動物の動きを学習させ、残る1割で正しく判定できるか繰り返した。8枚の静止画を1セットとして入力したパターンが最も精度が良かった。AIが動物を9割検出できた時には、実際に動物が8割の確率で写っていた。何か動物がいると検出するのと、正確さにはトレードオフの関係がある。例えば警報音を鳴らす場合であれば、動物がいないにもかかわらず音を鳴らす確率をあげてでも動物を見逃す確率を減らした方がよい。NTTドコモは農業分野で新しいサービスを提供することを目指している。全社的に画像認識に取り組んでおり、動画認識に新しい需要があると判断し、今回の研究を始めたという。今後はそれぞれの動物を見分ける技術の開発を進めるほか、異なる場所や天候、季節でも適用できるか試す予定だ。
(タカ飛ばしカラス撃退:長野)
JR上諏訪駅周辺の商店街など諏訪市中心部に集まるカラスを、タカを使って追い払う実証試験が今月19、20日に行われる。市が大阪市の専門業者に依頼し、鷹匠(たかじょう)2人がタカ科のハリスホークを操って電線などに集まるカラスの撃退を試みる。カラスが近づかなくなるかなどを検証し、来年度以降の対策を改めて検討する。市は天敵の模型や照明で追い払いを試みたことがあるが、タカを使うのは初めて。山形市などではカラスが寄り付かなくなるといった成果があったという。市農林課によると、カラスは繁殖期以外の秋から冬にかけて、夕方以降に集団でねぐらに集まる。生息数調査などは行っていないが、上諏訪駅に近い並木通りの電線など、市内には幾つものねぐらがある。近くの住民らからふんや鳴き声、ごみを荒らされるといった苦情が寄せられている。上諏訪駅構内の電線などにも、夕方以降に大量のカラスが止まる風景が日常化している。市は、天敵のフクロウの模型を置いて鳴き声を流したり、夜にライトを照射したりといった対策を試みてきたが、十分な成果が挙がらず、タカによる追い払いを試すことにした。実証試験は夕方頃から日没にかけて行う。今後、市職員がカラスが多く集まる場所などを調べ、実施場所や詳細な時間を決める。同課は「試験の結果を見て追い払いの回数を増やしたり、やり方を見直したりする必要があるかどうかを検討し、費用対効果が高い対策を見つけたい」としている。
(イノシシから湿地守れ:高知)
四万十市具同のトンボ自然公園の湿地が、野生のイノシシに荒らされ、トンボのヤゴや水生植物などに深刻な被害が出ている。同公園は、国内で確認されているトンボ約200種のうち、約80種の観察記録があり、うち約60種が生息するという国内有数の〈トンボ保護区〉。管理・運営する公益社団法人「トンボと自然を考える会」は、被害を防ぐために、湿地を金属製の防獣柵で囲う計画だが、手持ちの資金だけでは到底足りないため、資材購入のための寄付金募集を始めた。考える会によると、イノシシは、深夜、集団で近くの山から侵入する。雑食で地質の柔らかい湿地と遊歩道の土を掘り返し、ヤゴやミミズ、ザリガニなどを食い荒らす。また、夏にオレンジの花をつける「ヤブカンゾウ」や、ピンクの花を咲かす「カノコユリ」の球根も好物らしい。その結果、食害に加え、湿地のあぜが壊されて水がたまりにくくなり、水中で暮らす「オニヤンマ」や「オオシオカラトンボ」などのヤゴが生息できなくなってしまうという。考える会の職員4人が、埋め戻したり、整地したりして補修するが追い着かず、ハナショウブやスイレンの手入れなど、ほかの業務への支障も出ており、防獣柵の設置に踏み切った。環境省のレッドデータブックで、準絶滅危惧種に指定されている「モートンイトトンボ」が生息する谷奥の湿地は、被害がひどく、考える会が自費で柵を設置した。しかし、緊急性が高いほかの5か所の湿地に柵を取り付けた場合、総延長は計約2キロに達し、約100万円の経費が必要。さらに、スイレン池やハナショウブ池も囲うと、総延長は約5キロで約250万円かかる。考える会の杉村光俊常務理事は「金属製の柵は見た目にも美しいものではないが、ヤゴなど水生生物を保護するためには、背に腹はかえられない。協力をお願いしたい」と寄付を募っている。
(ジビエガイドを発行:岡山)
岡山県は、シカやイノシシの肉を使ったジビエ(狩猟肉)料理をPRしようと、冊子「おかやまジビエガイド」を発行した。近年注目を集めるジビエの魅力を発信し、多彩なメニューを楽しんでもらうのが狙い。冊子では肉の特性として、シカ肉は低脂肪・高タンパク質で鉄分も豊富、イノシシ肉は疲労回復効果があるというビタミンB群が多いと説明。県産ジビエを使い、シカ肉のローストやイノシシ肉のしゃぶしゃぶが味わえる県内飲食店59店も写真や地図入りで紹介している。家庭でも手軽に味わってもらおうと、ジビエを取り扱う精肉店23店を掲載。シカ肉のミートソース、イノシシ肉のデミカツ丼のレシピも記した。A5判で3000部作製。県民局や各市町村で無料配布しており、県ホームページからダウンロードもできる。県鳥獣害対策室は「やわらかくて臭みのないジビエのおいしさを知ってほしい。料理を普及させることで有害獣の捕獲を進め、農作物被害の抑制にもつなげたい」としている。
(県庁でジビエ料理の提供始まる:鹿児島)
来月、野生動物の肉を使った“ジビエ料理”の関係者が集まる「日本ジビエサミット」が県内で初めて開かれる。そのサミットを盛り上げようと、11日から県庁の食堂でジビエ料理「シカ肉のメンチカツ定食」の提供が始まった。ジューシーなメンチカツに柔らかくなるまでじっくりと煮込んだ肉。使われているのは、阿久根市で捕獲された野生のシカ肉だ。有害鳥獣として捕獲されたシカやイノシシの肉を使ったジビエ料理を普及させようと初めて企画されたもの。11日の昼時には、三反園知事や県議会の関係者などもジビエ料理を味わった。1日20食限定だが、一般の人にも是非、食べてもらいたいと、県庁職員が昼休みに入る前の午前11時半から注文できる。定食を食べた一般客は、「ジビエ料理なので臭いかと思ったが、臭みは全然ない。」「鹿児島は、牛や豚や鶏とかがあるが、ジビエ料理もいいと思う。」とコメント。定食は次々と売れ、午後1時までに完売した。今月15日まで県庁の食堂で提供される。
(シシ肉料理を身近に:滋賀)
長浜市余呉町中之郷の総合レジャー施設、ウッディパル余呉の「レストランぱるむ」で15日~来年3月21日、地元の猟師から仕入れたイノシシ肉を提供する「シシ肉フェア」が開かれる。
(ジビエ料理学ぶ:高知)
ジビエ料理について学び合う交流会がこのほど、高知市本町3丁目のジビエ料理店「Nook's Kitchen(ヌックスキッチン)」で開かれた。県内外の飲食関係者ら約20人が鹿やイノシシの肉料理に舌鼓を打ちながら調理法などを教え合った。
(大学に狩猟サークル:兵庫)
兵庫県内で後を絶たないイノシシやシカによる農林業の鳥獣被害。都市部でもイノシシによる人身被害があり、11月には神戸市東灘区の人工島・六甲アイランドにも出没した。かつてはイノシシが少なかった淡路島でも被害は広がり、離島・沼島にまで渡ったとみられている。そんな中、吉備国際大学南あわじ志知キャンパス(南あわじ市)の学生らが狩猟サークルをつくり、農業を守ろうと活動している。学生らが自然との共存を考え、命と向き合う狩猟現場を取材した。同サークルは本格的な活動を始めて3年目で、部員は19人。大学院生の機谷(はたたに)勇作さん(25)が2年生のときにつくった。授業で出会った農家から獣害の話を聞いたことがきっかけだ。大阪府吹田市出身で狩猟経験はなかったが、狩猟免許を取得。親に頼み込んで軽トラックを買ってもらった。活動には決まり事がある。イノシシやシカが来ていないところには餌をまかないこと。「農業被害を食い止めることが目的。山奥から呼び寄せてしまっては意味がない」。もう一つは「命をもらった以上は無駄にせずに食べること」。捕獲したイノシシやシカの多くがその場に埋葬される中、学生らは肉の有効な活用を研究し続けている。狩猟が解禁された11月15日午前0時、南あわじ市内の耕作放棄地に置いたおりの中にわなを仕掛けた。そばには防護柵が張り巡らされ、向こう側は田畑。「本来、野生獣と人間との間に見えない境界線があり、共存できていたはずなのに」。機谷さんがつぶやく。今季最初の捕獲は9日目の同23日だった。朝見回りに行った1年生杤木(とちぎ)天馬さん(19)が見つけ、2年生の部長、成田将也さん(20)に連絡。成田さんは狩猟用のベストとキャップを身に着けて現場に向かった。雌のシカがおりの中で暴れていた。学生らに緊張が走る。前脚をつかみ、ナイフで頸(けい)動脈を狙う。シカの鳴き声が響く。急所を外れたのか、なかなか息が絶えないシカに「ごめんな」と声を掛ける成田さん。まだ数回しか経験がなく、「シカに申し訳ないし、時間がかかれば食べられる肉も少なくなる。もっと技術を引き継がなければ」。その後、キャンパス内にシカを運び、すぐに内臓を取り出す。血抜きし、1日干して熟成させる。死後硬直が抜けると、肉として加工していく。ジビエ料理など華やかなイメージと、動物の命を奪う狩猟の現場。そのギャップに、昨季は新入生7人がやめ、残ったのは成田さんら3人だけ。今年の新入生も、来年3月15日までの狩猟期間に経験していく。杤木さんは卒業後、農業の道へ進むことを考えている。「農業と獣害は切り離せない。加工など一部だけに関わるのではなく、最初から最後まで作業することで、普段食べている肉のことも考えた。命を大事にしたい」と話す。淡路島内の農林業への鳥獣被害は、主にイノシシとシカによる。特に、昔から洲本市や南あわじ市の一部地域にしかいなかったはずのイノシシによる被害はここ20年で拡大。その背景には、繁殖力が高いブタの遺伝子を持った「イノブタ」の存在がある。2001年度に5千万円を超えたシカによる被害は、15年度に約380万円と減少。一方、イノシシによる被害は1994年度まで1千万円以下だったが、2002年度には約5500万円まで膨れ上がった。15年度も約4500万円と高止まりしたままだ。兵庫県森林動物研究センターが08年に実施した淡路島北部のイノシシのサンプル調査では、本州に比べて大きく、通常は少ない0歳妊娠の割合も多かった。DNAからは欧州のブタの遺伝子も検出された。淡路島北部で家畜として飼われていたイノブタが逃げて野生化したとの説があり、それを裏付ける形となった。増加を食い止めることができないまま被害は島内全域に拡大。「元々イノシシが住んでいた諭鶴羽山でも純粋な淡路島のイノシシはいなくなったのでは」とベテラン猟師。今年は南あわじ市の離島・沼島でもイノシシの目撃情報が相次いだ。対岸からは3~4キロあるが、海を泳いで上陸したとみられ、猟友会員らがわなで捕獲を試みている。
(ドローンによるイノシシの生態調査開始:福島)
スカイシーカーは、地元の民間企業であるアルサと共同で、12月13日より福島県葛尾村にてドローンによるイノシシの生態調査を開始する。それに際し、11月28日(火)、日本大学工学部50周年記念館で日本大学工学部・葛尾村・スカイシーカー&DJI JAPANの産官学による第18回産学官連携フォーラムが開催された。スカイシーカーとDJI JAPAN、日本大学工学部との協定は、河川をはじめとする地表水と流れの実態調査、村内の植生や動物をはじめとする生態系の実態調査、村内の橋梁をはじめとする社会インフラや住宅等の実態調査、これらの実態調査を可能とする操縦士の育成、ドローンに関る村内の住民等への普及啓発などについて研究開発を進め、社会実装することが目的。第1回目となるドローンによるイノシシの生態調査のデータは、今後害獣を対策していく上で非常に重要な資料となり、この地で実証された成果を郡山圏域や、復興途上の他市町村に展開していく為の大きな一歩となると期待されている。
(ジビエで起業:和歌山)
日高川町の地域おこし協力隊の村越拓也さん(28)=日高川町小熊=は、来年3月の任期終了後、ジビエの捕獲、加工、販売の起業を目指している。協力隊で培った狩猟や解体の技術を生かし、鳥獣駆除で地域に貢献できる事業として考案。福祉の仕事をしていた経験もあり、「ジビエで地域活性化につなげるとともに、障害のある人に仕事を提供できれば」と話している。村越さんは静岡県出身で、中学時代に聴覚障害者の集まりに参加した際、手話が使えないことから孤立感を感じ、「障害者も普段は同じ思いをしているのでは」と福祉に興味を持った。高校、大学と福祉の学校に進み、卒業後は県内の障害者施設に勤務。日高川町出身の女性との結婚を機に、新たなことに挑戦しようと協力隊に応募し、2015年4月から勤務を始めた。協力隊として寒川地区に常駐し、原木シイタケの生産販売やホタルの復活に向けた竹キャンドルイベントなどに協力。地域の課題を知る中で鳥獣被害に興味を持ち、16年に銃とわなの資格を取得。以降、仕事の一環で被害のある農地へわなを設置するなど活動。1年目はシカなど数匹程度だったが、ことしは4月以降でシカ15~20匹を捕獲した。解体の技術も学び、猪谷にある町の鳥獣食肉処理加工施設を活用して、スライスやミンチに加工。知り合いを中心に、インターネットサイト「村越の村おこし」でも販売し、利益は寒川の地域活性化団体寄り合い会で活用している。また、日高高校中津分校の生徒と一緒になって飲食店でのジビエ料理の提供も行った。協力隊は来年3月で任期終了。その後も日高川町に残ることを決め、新たな仕事を模索するなか、地域の課題をビジネスにして地域おこしにつなげようと事業を考案。具体的には美山地域に仕掛けているわなを町内全域に増やし、捕獲した肉を販売。当面はすべてを1人で行うが、軌道に乗れば猟師からシカなどの買い取りも計画。臭みの強い肉はドッグフードなどにするほか、角や骨、皮の加工など、ジビエ以外にも広げていく。「まずは売ることが大切なので、ネットのほか各地の知り合いに声をかけて売り場所の確保に努めたい。『おいしい、ヘルシー、村おこし』を合言葉に、地域の人も肉を食べた人もみんなが笑顔になる事業にしたい」と意欲。地域福祉向上への思いも強く持っており、「障害者の方に仕事を提供し、一緒になって村おこしをしていけるようになれば」と目標を掲げている。

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12/11
(5万戸停電、サル原因か:滋賀)
7日午前8時半ごろ、滋賀県東近江市や日野町など同県の6市町で計約5万戸が最大約15分間停電した。関西電力によると、サルが変電所設備に触れたことが原因とみられる。停電発生後、日野町の変電所に駆け付けた同社作業員が、敷地内の設備付近で負傷したサルを発見したが、すぐに逃げたという。現場にはサルのものとみられる毛や血痕が残っていた。変電所は高さ約3メートルの柵に囲まれているが、周辺では今年9月にもサルが原因とみられる停電が発生。関電はその後、近くの段差を撤去するなど、柵を乗り越えにくくする対策を講じていた。
(山で行方不明の男性、死亡を確認:埼玉)
埼玉県の秩父署は6日、3日に秩父山系へ狩猟に出掛け、行方不明になっていた吉見町の無職男性(67)について、5日午前10時半ごろに秩父市大滝で発見され、死亡が確認されたと発表した。同署によると、捜索していた県警山岳救助隊が同市大滝の鷹岩トンネル東端から南西に約750メートルの沢の左岸で、うつぶせ状態の男性を発見し、その場で死亡を確認した。何らかの原因で滑落して頭を打ったとみられる。近くにあった散弾銃の弾倉に弾は入っておらず、弾入れには10発が入っていたという。
(銃弾100発以上見つかる:大阪)
10日午後2時過ぎ、大阪市西淀川区姫島の路上で、近くにいた男性から「散弾銃の弾が落ちている」と大阪府警に通報があった。西淀川署によると、路上に置かれた一斗缶の中から散弾銃やライフル銃の銃弾が100発以上見つかった。銃弾は新聞紙に包まれており、いずれも未使用。一斗缶は数日前から路上に置かれていたという。署は、所有者が処分に困って不法投棄した可能性もあるとみて、火薬類取締法違反の疑いで捜査している。
(クマに襲われ78歳男性けが:石川)
9日午後1時45分ごろ、金沢市菅池町の山中で、同市の無職男性(78)がクマに襲われ、こめかみや左腕にけがを負った。重傷とみられるが、命に別条はないという。金沢中署によると、現場付近でクマの足跡が見つかったとの情報があり、男性は猟友会のメンバーら計10人で同日午後からクマを捜していた。1人で歩いていたところを背後から襲われた。近くにいた仲間が119番、クマは逃げた。男性は過去に猟友会に所属していた。
(住宅地でクマ、1頭駆除:秋田)
9日午前8時50分ごろ、秋田県鹿角市花輪字三日市の公園で市職員がクマを目撃し、連絡を受けて駆け付けた猟友会員が1時間40分後に駆除した。花輪地区ではここ数日、クマの出没が相次いでおり、市や警察が注意を呼び掛けている。市と鹿角署によると、同日午前6時半ごろ、花輪字馬場の住宅地でクマが目撃され、警戒に当たっていた市職員が万三(まんざん)公園を見回った際に木から下りてきたクマに出くわした。クマは北側のやぶの中へ去って行った。猟友会員らが雪上に残された足跡を追ってクマを捜索したところ、目撃場所から約800メートル離れた崖の下で見つけ、会員が射殺した。
(兼六園にイノシシ:石川)
6日午後7時頃、金沢市の兼六園でイノシシ1頭が小立野口付近から園内に入るのを同園職員が見つけ、金沢中署に通報した。約20分後には、400メートルほど離れた金沢城公園の百間堀園地付近でも、通行人がイノシシを目撃した。同署員らが6、7の両日、現場を捜索したが、見つからなかった。同署の発表によると、イノシシは成獣1頭とみられる。両園は当時、夜間ライトアップのイベントでにぎわっていた。人や建物への被害はなかった。両園は、安全確保のため、閉園時間を1時間前倒しし、午後8時に閉園した。7日午前6時からの早朝開放も中止し、職員が午前7時頃から巡回して安全を確認した後、午前8時に開園した。横浜市鶴見区の安西敬子さん(68)は「イノシシがいるとはびっくり。不安なので早く捕まえてほしい」と話した。県立大学の大井徹教授(動物生態学)によると、県南東部の山林から兼六園まで延びる緑地帯を通って移動してきた可能性が高い。12月はイノシシの繁殖期が始まる時期で、交尾相手や餌を探して迷い込んだとみられる。大井教授は「母数が増えており、今後も現れる可能性がある。目撃した場合は、写真を撮るなどイノシシを興奮させる行動は控え、市町や警察に通報してほしい」と話している。
(目撃多発の“北上サル”、ついに埼玉県境へ:東京)
今月に入り、目撃情報が相次いでいるサル。10日、埼玉県に近い東京・足立区の住宅街に現れてカメラがその姿を捉えました。午後1時半ごろ、足立区新田の住宅街に現れたサル。体長は約60センチほど。通報を受けた警察官が網を持って捕獲を試みますが…。最初にサルが目撃されたの10月、神奈川県平塚市です。その後、サルは北上し、今月に入って9日までに都内5区で目撃が相次いでいます。10日朝は北区で見つかった後、午後には隣の足立区へ。そして、ついに埼玉県の一歩手前まで移動しました。警察はサルを見掛けても刺激せず、110番通報してほしいと呼び掛けています。
(サル目撃、注意喚起:静岡)
三島市内で8日、サルの目撃情報があり、市は住民に注意喚起している。市農政課によると、同市大宮町や一番町など中心部の住宅街で1匹が目撃された。1週間ほど前から通報があったという。市は「見つけても刺激しないように」などとしている。
(県内2町で捕獲、シカ肉出荷制限:長野)
政府の原子力災害対策本部は7日、富士見町と軽井沢町で捕獲したニホンジカの肉を出荷しないよう長野県に指示した。2012年に軽井沢町で捕獲したシカから国の基準値を超える放射性セシウムが検出されたのに続き、11月にも富士見町で発見されたため。
(鹿肉販売再開、出荷制限一部解除受け:長野)
富士見町内で捕獲したニホンジカから基準値を超える放射性セシウムが検出され、鹿肉の販売を自粛していた富士見町の富士見高原ファームは8日、出荷制限の一部解除を受けて販売を再開した。先月17日、県の検査で町内捕獲の1頭が食品衛生法上の基準値を超えたため、国と県が町内で捕獲した鹿肉の出荷、販売、自家消費の自粛を要請した。その後、全頭検査の体制が整い、7日、安全が確認された食肉については出荷の制限が解除された。同ファームにはさっそく都内飲食店各所から受注が入り、ロース肉を中心に荷造りに追われた。代表責任者の戸井口裕貴さんは、「飲食店はジビエ料理が最盛期だというのに、3週間も待っていてくれた。本当に有り難い」とほっとした表情。「検査によって、お客さんに安心して使っていただけると保証されたことは逆に大きな強み」と話した。地元スーパーでの販売も近く再開する。一方、地元の山では今月に入って鹿の出没頭数が増えており、町猟友会が自粛期間中も駆除作業を続けていた。捕獲数は例年の3倍近いといい、同ファームでは1日に4~5頭と解体に追われている。
(鳥獣害防止、有効策は:愛媛)
愛媛県宇和島圏域の自治体関係者や森林組合、農協などでつくる宇和島地区鳥獣害防止対策推進協議会の研修会が5日、松野町松丸の町山村開発町民センターなどであり、約40人が鳥獣害の現状や対策などについて考えた。研修会では愛媛大大学院農学研究科の武山絵美教授(農村計画学)が「シカ・イノシシの生態と地域で取り組む被害防止対策」と題し講演。2015年の県内の野生鳥獣による農作物被害は約4億3600万円で、うち南予が6割と説明した。シカやイノシシの生態や行動の特徴についても説明。南予で1970年代から確認されているシカは、一度に1頭しか出産しないことなどから、個体数を減らすには捕獲が有効とした。一方でイノシシは3~7頭出産するなど繁殖力があり、学習能力も高いことから「箱わな」などが必ずしも有効とはいえないと指摘。今後の対応として「柵は個人ではなく地域全体など広い範囲で設置し、管理しておく必要がある」とした。野生鳥獣の侵入をセンサーでとらえ通知するシステムを運用している地域や、獣肉加工施設「森の息吹工房」の見学もあった。
(カラス撃退へ天敵タカ投入:青森)
11月24日午後4時半、弘前大学文京町キャンパス付近。学生街の上空にはカラスの大群が舞い、電線をびっしり埋めた集団が甲高い鳴き声を響かせ羽を休めていた。そこに鷹匠(たかじょう)・奈良篤さん(45)=青森県鯵ケ沢町=がタカの一種、ハリスホーク1羽を腕に乗せて歩を進めると、あたりは一変した。視力が良いとされるカラスは天敵の存在に気付くと一斉に逃げ出した。「カラスはパニックになっているみたい。街なかに天敵がいて居心地が悪そうだ」と奈良さん。腕を上に掲げ、タカを放つそぶりをみせると、さらに多くのカラスが飛び去った。
(150キロの巨大イノシシ、猟友会が捕獲:栃木)
地域住民らでつくる二つの猟友会がこのほど、体長約1・7メートル、体高約1メートル、重さ推定150キロの雄のイノシシを大輪の山林で捕獲した。ベテラン猟師も驚く大きさで、近辺の田畑を荒らしていたとみられる。捕獲したのは黒羽地区の大物会(佐藤幸夫(さとうゆきお)会長)と那須塩原市の塩原ビックハンターズ(細井弘統(ほそいひろのり)会長)の計8人。イノシシを銃で仕留めた狩猟歴約45年の菊池格(きくちただし)さん(66)は「これほど大きなイノシシを捕獲したのは初めて。農家が大変な思いをしているので、これからも力になりたい」と話していた。
(超大物150キロのイノシシ捕獲:茨城)
城里町有害鳥獣被害対策実施隊が同町徳蔵で箱わなを仕掛け、体重150キロ近い特大イノシシを捕らえた。農作物の被害が後を絶たない同町の山間部では、半年前から大きな足跡が確認され話題になっていた。狩猟歴40年以上の同隊副隊長、笹島憲道さん(68)は「これほどのサイズは県内で初めて見た。田畑を相当荒らしたのだろう」と話している。イノシシは丸々と太った体長約140センチ(尻尾を除く)の雄で、推定4から5歳。町内で捕獲される100キロ超の大物は年間数頭で、150キロは超大物という。4日昼ごろ、わなの異変に気付いた近隣住民から通報を受け、笹島さんと次男の智広さん(35)、有害鳥獣担当の町職員・興野隆喜さん(52)の3人が駆け付けた。智広さんは「大きな足跡のうわさは聞いていたが、ここまで大きいとは」と驚いた様子。興野さんは「クマかと思った」と興奮気味に語る。箱わなは中に獲物が入ると閉まる鉄製のおりで、町が貸し出したもの。足跡の情報を踏まえ、6月に設置した。11月上旬には一度おりに入った形跡があったが、力ずくで扉をこじ開けたとみられ、足跡を残し脱走。約180キロの箱わなは当初の位置から3メートルほど移動していた。同隊は狩猟免許を持つ町民31人で構成し、猟銃、くくりわなのほか、町が所有する20台の箱わなも使い活動。本年度、町内では既に過去最多の210頭以上のイノシシが駆除されるなど、成果を出している。一方で、本年度の町の農作物被害額は過去最悪ペースの約400万円で、イノシシとの闘いが続く。スイカ、カボチャ、トウモロコシなどを収穫前に食べられたという笹島さんは「(超大物の駆除で)少しは被害が収まってほしい」と願う。
(エアガンアジア大会開催:埼玉)
日本初となる「アジア・エアガン選手権大会」が7日、埼玉県の和光市総合体育館(和光市広沢)で開幕した。アジアの27の国と地域から過去最多の411人が出場。日本は56人が優勝を目指す。この日はライフルの公式練習と開会式、レセプションが行われた。10メートルエアライフル男子ジュニアの部に出場する自衛隊体育学校所属の長部谷響(ちょうべやきょう)選手(19)は初出場。「世界トップクラスの選手の撃ち方を学びたい。将来的な目標は東京五輪への出場」と意気込んだ。同市は大会を盛り上げるため、おもてなし事業を展開。レセプションでは日本酒やみかんなど県内の名産品が振る舞われたほか、同市内の有名店が自慢の一品で選手をもてなした。また、50人の市民が語学ボランティアに登録しており、外国選手の誘導や通訳などで活躍する。同大会は11日まで。
(デビュー日に引いたのは引き金でなく後ろ髪…:千葉)
プロ野球の世界ではキャンプインの2月1日、あるいは開幕日を「球界の正月」と呼ぶ。11月15日はさしずめ、狩猟の世界の“正月”ということになるだろうか。千葉県市原市某所、まだ暗い午前6時。集合場所に三々五々、集まってきた。「今年もよろしく!」とあいさつを交わす大先輩の面々。「○○さん、きょうはどうしてもタマネギ植えなきゃいけないから来られねってよ」なんて言葉も聞こえてくる。本職は農業や会社経営などさまざま。首都圏のハンターに猟だけで食べていける人はまずいない。この日グループには12人が集まった。害獣駆除を除き、一部地域以外の猟期は11月15日から翌年2月15日までの3カ月。撃てるのは日の出から日の入りまでだ。近年、爆発的な増加がニュースになる猪や鹿。エサ不足のためか、山里に降り、畑や果実など農産物を食い荒らし、年間の農作物被害は全国で180億円とも200億円とも。また鹿は木の皮を食べるため、木が枯れ、やがて森の消滅につながると危惧されている。記者に銃砲所持許可が下りたのは3年前の6月。そして昨年、第1種銃猟免許を取った。銃砲店に頼ることもできたが、知人の紹介で現在参加しているグループを紹介してもらった。最初に“見学”したのは今年1月。猪2頭、鹿2頭の成果を目の当たりにし、「本格的にやってみよう」と決意した。それから狩猟専用の銃の入手、猟友会への加入申請、千葉県の狩猟登録など煩雑な手続きを経て、ようやく迎えた大事な初日である。しかし、午前10時すぎにタイムアップ。実はこの日、侍ジャパンの稲葉監督にとって初陣となる「アジアプロ野球チャンピオンシップ」の前日で、午後3時半からは東京ドームで公式会見という“本業”があったのだ。「撃てなくて残念だったね」とリーダーのI社長。引いたのは引き金でなく、後ろ髪だった。27年の記者生活は、事件記者を振り出しにオウム事件や警視庁捜査一課も担当。サンケイスポーツでは野球以外にもサッカー、ラグビーもみてきた。約7年間のデスクを経て現場に戻ったが、虚無感があった。新聞記者は誰かがしたことを伝えるしかない。一念発起して何ができるか試してみたいと思った。経験値はすべてに勝る。50歳の“新米猟師”が、あまり世間には知られていない世界をつづります。
(駆除したシカの有効活用へ:兵庫)
農村を悩ます獣害問題を転じて観光資源に活用しようと、神戸山手大(神戸市中央区)の歴史文化ツーリズム研究会が企画した「シカフェス」が9日、兵庫県立ささやまの森公園(篠山市川原)であった。地元の若手猟師を招いた質問会のほか、シカ肉のしゃぶしゃぶとカレーの試食、角を使った工芸品作り体験があった。同研究会は現代社会学部演習の一環として、福住地区で空き家活用や祭りの参加などを通じて地域活性化を研究する中で地域を悩ます獣害問題と直面。駆除されたシカが有効活用されていない現状を知り、学園祭でシカ肉丼を出すなど資源化を模索してきたという。この日は若手猟師の山取勇喜さん(34)=安口=と西田博一さん(43)=八上内=から「手入れが行き届かないため、山の植物の育ちが悪いから人里の食べ物を求めているのでは」などと獣害の背景を勉強後に試食会へ。白髪ネギと三つ葉を背ロースでくるんだしゃぶしゃぶと、モモをタマネギと一緒に炒めたキーマカレーが登場した。ポン酢やごまだれなど調味料も研究してきたといい、約20人の参加者は好みの味で食べ比べ。川原自治会の森田忠副会長(65)は「しゃぶしゃぶは初めてですが、新鮮な肉ならではの味わい。広まったらいいですね」と話し、同大3年の女子学生(20)は「地元の人に聞いても反応が微妙だったシカ肉のマイナスイメージをプラスに変えたい」と話していた。
(ジビエに親しんで、小中学校で給食:和歌山)
和歌山県と県教育委員会は、小中学校や特別支援学校で、給食での野生鳥獣の肉「ジビエ」の提供やジビエに親しむ出前授業を始めた。県内ではシカやイノシシなどによる農作物被害が大きく、県は捕獲を進め、地域資源として食肉などに活用していきたい考え。3学期まで給食で290校に提供し、そのうち9校で出前授業をする。
(学食はジビエ料理店:徳島)
農作物の食害を減らすために捕獲した鳥獣を食材として生かそうと、徳島文理大学短期大学部の学生が、那賀町でとれたシカ肉を使った新メニューを考えた。20日、徳島市山城町のキャンパス内にある学生食堂は、1日限定の「ジビエ食堂」に変身。一般の人にも開放し、ジビエ料理のおいしさを味わってもらう。生活科学科食物専攻の学生は、栄養士になって学校や児童施設、病院など地域の食を担うケースが多い。長尾久美子准教授(栄養学)と学生たち約20人は9月末、那賀町を訪れシカやイノシシの食害に悩む現場を視察。食肉処理施設では県内で初めてシカやイノシシ肉用の施設を作った平井滋さんに解体を学んだ。食材としてジビエを活用する技術と知識を身につけるための現地実習だった。料理は、自分たちで解体したメスのシカ肉を使う。学生は5班に分かれ、それぞれレシピを考え、授業で試作した。シカ肉特有の硬さやくさみをとるため塩水に5日間浸し血抜きをしたり、肉をやわらかくする効果のあるパイナップルのすりおろしに漬けたりと工夫を重ねた。レシピを考えた学生や教員たちが11月28日、試食会を開催した。ごはん物や揚げ物、スープなど7品のうち、シカ南蛮と中華つくねスープ、シカ肉のドライカレーとトマト煮の2セットを食堂で提供することを決めた。記者も試食させてもらった。シカ南蛮は、みじん切りのピクルスやタマネギの食感と濃厚なソースが、ひと口大のやわらかい肉にぴったりだ。シカ肉をミンチにして、豚や鶏のひき肉と混ぜた中華だしのスープと一緒に提供する予定だ。考案した吉岡千裕さん(20)は「南蛮酢やタルタルソースに合わせることで食べやすくなったと思う。おいしいですよ」とにっこり。ミンチ肉を使ったドライカレーは、香辛料以外にトマトケチャップを入れ、まろやかな味わいを出した。シカ肉とジャガイモやタマネギ、枝豆などが入ったトマト煮とセットで出す。松浦彩佳さん(20)は「みんな大好きなカレーで食べることで、まずはシカ肉のおいしさを知ってもらいたい」と話す。1食440円で、1日限定100食。20日はシカ南蛮と中華つくねスープセットを食べられる。ドライカレーのセットは1月に提供する予定だ。食券はキャンパス内の学生食堂で午前10時半から販売する。
(ジビエ、安全においしく:石川)
プロの料理人向けの国産野生鳥獣肉(ジビエ)セミナーが六日、金沢市南町のスーパースイーツ製菓専門学校であり、北陸や東海地方の料理人と同校の生徒それぞれ約三十人が参加した。ジビエの正しい知識と鳥獣被害の現状を知ってもらい、飲食店でのジビエ活用や農作物被害の軽減につなげようと、日本ジビエ振興協会(長野県)に事務局を置く国産ジビエ流通規格検討協議会が企画した。講師を務めた同協会の藤木徳彦理事長は「石川県内の農作物被害額は年間約一億円に上る」と紹介。シカやイノシシの肉は正しく解体処理をすればおいしいと強調し、「直接、猟師から仕入れたりせず、必ず食肉処理業の許可を得た施設の肉を使うように」と促した。ジビエの栄養価や安全な調理方法についての講座もあった。最後は参加者がシカ肉を実際に焼き、安全でおいしい加熱方法を学んだ。愛知県の和食料理店で働く鈴木喜代志さん(47)は「冬の狩猟期間以外でも、有害鳥獣対策なら一年中捕獲できることを初めて知った。店でジビエは使っていないが、みそ漬けにするとよさそう」と話していた。
(ジビエの魅力知って:高知)
猟師や行政関係者など野生鳥獣の肉・ジビエに関わる人が集まる交流会が8日、高知市本町のジビエ料理専門店「Nook’s Kitchen(ヌックスキッチン)」で開かれた。県内外から約20人が参加し、意見交換をした。ジビエ料理の魅力をより深く知ってもらう目的で開催された。
(鳥獣害対策、ジビエで地域に活気を:愛知)
シカやイノシシなどが田畑や山を荒らす食害が深刻だ。対策は待ったなしだが、広がり始めた野生鳥獣肉(ジビエ)の活用にも注目したい。軌道に乗れば地域振興につながる可能性を秘めている。会場にはシカやイノシシのほかに、シェフが腕をふるったカラス肉の料理まで…。先ごろ、愛知産ジビエの普及を啓発するイベントが名古屋市内であり、地元の野生肉の試食も行われた。県に業務委託されたNPО法人が中心になり、愛知産ジビエの捕獲、食肉加工、流通販売、飲食店、消費者をつなぐネットワーク組織の早期設立を目指す。ジビエの現況やメリットなどを共有すれば、地元の理解や消費の拡大にたしかに有効だろう。ジビエはヨーロッパで貴族の伝統料理とされてきた食文化だが、肉食ご法度の歴史があるわが国でも、シカやシシ肉を人々は食べてきた。それがしばし途絶えて生息数が激増、今や害獣扱いされる事態になっている。全国のニホンジカ(エゾシカを除く)の推定生息数は約三百四万頭、イノシシが約九十四万頭。環境省の二〇一五年度のまとめだ。二十五年間でシカは約十倍、イノシシは約三倍にも増えている。生息域も広がり、人里にも頻繁に現れる。農作物被害だけで年に二百億円前後に上るが、都市部や生態系への影響ともなれば、被害は数字では到底表せぬだろう。政府は十年後にシカとイノシシの生息数の半減を目標に、高齢化などで減り続けるハンターの育成など「捕獲」を最優先に諸施策を講じている。そんな中、捕獲後の活用法として有力視されているのがジビエだ。たとえばシカは、焼却や埋設処分が多く、食肉利用率は一~二割ほどだった。来年度予算に農林水産省は鳥獣害対策とジビエ推進として百五十億円(本年度九十五億円)を概算要求した。今、全国にジビエ処理加工施設は六百三十カ所ある。一年間で約八十カ所も増えた。愛知県には八カ所だが、ジビエの取り組みは他より早めだった。相手は野生動物。安定供給、肉質のばらつき、安全性をどう保証するかなど、多くの課題を克服するためにも組織化を考えた。都市への販路拡大はもちろんだが、山村でジビエ飲食店と特産物販売、食肉加工施設を一体にすれば、訪れた人々が命と向き合う場にも、高齢化や耕作放棄地の“気づき”の場にもなるだろう。
(銃の売上高最高に:アメリカ)
米国で銃の販売が増加基調にある。10月にはネバダ州ラスベガス、11月にはテキサス州の教会で銃乱射事件が相次いだが、販売見直しの機運が高まるどころか、恐怖心から「自衛のため」と銃を購入する人が増えているためだ。米調査会社のIBISワールドによると、銃業界の2017年の売上高は前年比1.7%増の87億1510万ドル(約9800億円)と過去最高を更新する見通しだ。米南東部ノースカロライナ州のシャーロット郊外にある全米最大の銃砲店「ハイアットガンズ」。最新の自動小銃から南北戦争時に使われた骨董品の拳銃まで8500丁の銃がずらりと並ぶ。マネジャーのジャスティン・アンダーソン氏(44)は、11月5日にテキサス州の教会で26人が死亡した銃乱射事件後の1週間で「売り上げは前の週に比べ25%ほど増えた」と語る。販売は今も好調で、日に200丁売れることもある。売れ筋は約600ドルの小型軽量の拳銃。ラスベガスとテキサス州の銃乱射事件で使われた半自動のAR15型ライフルも人気だ。クリスマス商戦が盛り上がる11月後半から12月は銃砲店も「かき入れ時」でプレゼント用も珍しくない。最近では女性客も目立つという。実は同店ではトランプ氏の大統領選での勝利後、販売が半分に落ち込んでいた。業界団体の全米ライフル協会(NRA)の支持を受けるトランプ政権下で銃規制が進む可能性は低く、規制強化を見越した“駆け込み”需要が減少したためだ。その後、銃乱射事件が相次ぎ、「護身用に」と銃を購入する人が急増。販売は急回復した。来店した40歳代の男性は「独りで暮らす高齢の父親のために護身用の拳銃を選びに来た」と真剣だ。アンダーソン氏は「“トランプ・スランプ”は取り越し苦労だった」と胸をなで下ろす。IBISワールドによると銃業界の売上高は15年、16年と2年連続で過去最高となり、17年も更新する見通し。顧客層の広がりから、16年に6650店だった銃砲店は21年には1割増の7305店に増えると予測する。スイスのスモール・アームス・サーベイの調査では、米国の銃保有は100人当たり89丁と世界一。2位のイエメンの55丁を大きく引き離す。米国では銃のコレクターも多く、50~150丁持つ人もいる。ただ、米国での16年の銃犯罪は5万8794件と、14年比で13%増えた。銃乱射事件は14年より40%多い383件に急増した。連続射撃による大量殺りくが可能なAR15型のようなライフルが簡単に手に入る米国では、いつ再び悲劇が起きてもおかしくない。そう考える市民が自衛のため新たに銃を購入する。規制は進まず、銃が銃を呼ぶ悪循環に陥っている。

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(飼育のヤギが猟銃で撃たれる:山梨)
3日午後5時ごろ、甲府市善光寺町の民家の敷地内で飼われていたヤギ1頭が、背中から血を流して死んでいるのを帰宅したこの家の住人が見つけ、警察に通報しました。警察が調べたところ、ヤギの背中にはライフル銃のようなもので撃たれたと見られる銃弾1発が貫通した痕が見つかったということです。これまでに銃弾は見つかっていませんが、飼い主の男性によりますと、近所の住民が3日の午後4時ごろに1発の銃声を聞いているということです。飼い主の男性は、自宅の敷地内に新たに畑を作るために、周辺の雑草を食べさせる目的で2頭のヤギをリードにつないで、ことし4月から飼育していたということです。現場一帯は、狩猟が禁止されている県の鳥獣保護区に指定されていて、警察は、飼い主の男性がヤギを最後に確認した3日午後1時ごろから午後4時ごろの間に、何者かが猟銃で撃った可能性があると見て鳥獣保護法違反の疑いで捜査しています。ヤギの飼い主の男性は「民家からこんなに近いところで銃で殺されるのはありえないことで、いらだちを感じます。狩猟をする人には、もっと責任感を持って正しく銃を使ってほしい」と話していました。また、地元の猟友会に所属する男性は「ここは銃を撃ってはいけない区域だというのは、猟をする人なら誰でも知っているはずです。ライフルを持つことができるのは散弾銃を取得してから10年以上たったベテランだけですが、こんな所で撃つのはとんでもない人だと思う」と話していました。
(クマに襲われ68歳男性けが、狩猟中鉢合わせ:山形)
30日午前11時ごろ、山形県長井市白兎の葉山森林公園付近で、同市に住む男性(68)が狩猟中にクマに襲われ、顔や腕をかまれるなどしてけがを負った。意識ははっきりとしており、命に別条はないという。県警によると、男性は猟友会に所属し、1人で狩猟中にクマと鉢合わせた。体長約1・5メートルの成獣とみられ、襲った後、逃げたという。男性から連絡を受けた猟友会の知人が119番通報した。県警は現場付近への立ち入りを規制するなどして、注意を呼び掛けている。
(無許可でツキノワグマ飼育疑い、60代男性を書類送検、秋田:秋田)
捕獲したツキノワグマを牛舎内のオリで許可なく飼育したとして、秋田県警は6日までに、動物愛護法違反の疑いで、同県鹿角市の畜産業の60代男性を書類送検した。11月24日付。同法は県の許可なく危険な動物を飼うことを禁止している。
(クマと接触、後続特急が運休:北海道)
30日午後7時20分ごろ、夕張市内のJR石勝線新夕張―滝ノ上間で、釧路発札幌行き特急スーパーおおぞら10号(7両編成、乗客195人)がクマと接触し、緊急停止した。乗客にけがはなく、間もなく運転を再開した。JR北海道によると、その後の線路点検でクマが線路内にとどまっていることが分かったが、夜間のため駆除できず、特急5本と普通列車1本が運休、または部分運休した。1日午前の帯広発札幌行きの特急1本なども運休する。
(イノシシ目撃相次ぐ:香川)
11月29日深夜から30日朝にかけ、高松市内でイノシシの目撃情報が相次いだ。同市瀬戸内町では自転車と衝突して男性(83)が軽いけがをし、船管理会社の事務所が荒らされる被害も出た。高松北署によると、29日午後11時半ごろ、高松市浜ノ町の「高松マリーナ」事務所で、警備会社から異常を知らせる通報があった。署員が駆け付けたところ、体長1メートルほどのイノシシを発見したが、逃走。入り口のガラスドアが突き破られ、事務所内が荒らされていた。高松マリーナの男性社長(66)は「創業して約55年だが、イノシシに事務所を荒らされたのは初めて。驚いている」と話した。また、30日午前7時ごろには隣接する高松市瀬戸内町の市道でイノシシと自転車の男性が衝突。男性は転倒して右足首をねんざした。イノシシは体長約1メートルで北の方角へ逃げたという。
(イノシシ出没相次ぐ:京都)
南禅寺や永観堂禅林寺などの名刹が集まる京都・東山で4日、イノシシ5頭が出没した。うち2頭が私立東山中学・高校の敷地内に入り、生徒らが避難する騒ぎになったほか、夕方には1頭が永観堂の駐車場に姿を現し、永観堂はこの日のライトアップを中止した。同校によると、昼前に体長1メートル前後の2頭が正門などから侵入。玄関ガラスにぶつかったりプールで泳いだりし、約1時間後、猟友会員らに捕獲された。この間、一部の生徒が別の校舎に避難するなどした。正午過ぎには、付近の琵琶湖疏水そすいを別の3頭が泳いでいるのが目撃された。京都府警川端署員らが1頭を捕獲したが、残りの2頭は見失い、このうちの1頭とみられるイノシシが夕方に永観堂の駐車場に現れた。京都市内では11月27日にも、平安神宮近くでイノシシにぶつかられた男性がけがをするなど、出没が相次いでいる。
(シカ出没で大騒動、6時間半後にようやく捕獲:長野)
長野県JR松本駅からわずか600メートルほどの河川敷に突如、ニホンジカが現れた。県の職員などが市街地に逃げられないようブロック。上流に追いやる。逃げるシカ。追う職員。職員が追うと、シカが逃げる。ニホンジカは一般的に時速約60キロで走ることができるといわれている。それにしても、シカは一体どこから来たのか。警察によると、シカが逃げた情報はなく、山から下りてきた可能性もあるという。結局、6時間半後、シカは麻酔銃を撃たれて捕獲されたのだった。
(サル目撃:栃木)
2日午前7時ごろ、宇都宮市砂田町の民家でサル1匹が屋根を歩いているのを通行人が発見し、110番した。約20分後には同市インターパーク1丁目の路上、約1時間半後には同市御田長島町の電線上でも目撃された。宇都宮南署によると、いずれも同一のサルとみられる。同署員約15人、市農林生産流通課員、猟友会員らが付近の捜索を実施したが、発見には至らなかったという。サルの出没を受け、同市雀宮東小は同日、公道で予定していた持久走大会を急きょ校庭で実施。丸山美江子(まるやまみえこ)校長は「サルが児童に危害を与えることを危惧し、やむを得ず校庭で実施した。児童は楽しみにしていたので残念」と話した。
(サルの目撃相次ぐ:東京)
東京都大田区内で5日、サルが相次いで目撃され、区などが注意を呼びかけた。警視庁池上署や蒲田署によると、5日午後1時すぎに、「サルがいる」といった目撃情報に関する110番が計5件あった。池上署員が午後1時40分頃、通報があった同区東矢口に駆けつけたところ、ビルや家の屋根を移動する体長約50~60センチのサルを確認したが、その後、見失ったという。大田区防災危機管理課にも、この日午後2時~同40分頃に、サルの目撃情報が複数寄せられた。区内でサルが目撃されたことは20年以上ないといい、同課はツイッターなどで、「サルが逃走中」「食べものを見せない」などと区民らに注意を促した。一方、同区教育委員会は、目撃情報があった東急池上線蓮沼駅周辺の小中学校7校に情報を提供。各学校では、校内放送で子どもたちに注意を呼びかけたり、集団下校したりして対応した。
(川沿いにサルが出現:神奈川)
サルの目撃情報が相次いでいる。5日午前8時40分ごろ、神奈川・横浜市鶴見区で目撃されたサル。鶴見川にかかる橋を渡っていく様子が確認された。そして、東京・大田区西蒲田7丁目付近。この場所でも、午後2時前後から、サル1匹の目撃情報が相次いでいる。同一のサルとみられていて、直線にして5から6kmを5から6時間かけて移動していることになる。
(サル目撃情報相次ぐ:神奈川)
横浜市鶴見区と神奈川区で、11月27日から今月1日にかけてサルが相次いで目撃された。人的被害は確認されておらず、県は「見かけてもエサをあげたり目を合わせたりして刺激を与えないで」と注意を呼びかけている。鶴見署や神奈川署によると、11月29日以降、鶴見区内で住宅街を中心に19件の目撃情報が寄せられている。
(クマ襲撃死傷者、最多20人:秋田)
秋田県内で今年度、クマに襲われた死傷者が20人に上り、統計の残る1976年度以降、過去最多を記録した。環境省のまとめなどによると、今年度の死傷者数は全国最多(4日時点)で、過去10年で見ても長野県の32人(2014年度)に次ぐペースだ。今年度は特に集落などの人里での被害が目立っているため、県は今年、冬季のクマ狩猟を9年ぶりに解禁、警戒を強めている。20人の内訳は死者1人と重軽傷19人。秋田県仙北市の女性(当時61歳)は今年5月、タケノコ採りのために同市の山林に入り、クマに襲われて亡くなったが、半数の10人は人里で被害に遭っている。北秋田市では10月、自宅裏のリンゴ園で所有者の男性がクマに襲われて重傷。五城目町では11月、農作業小屋付近で男性がクマに頭をかまれるなどした。男性が小屋に保管していたコメが数日間続けて食い荒らされており、朝の見回りでクマに鉢合わせした。この集落では、男性を襲ったクマが捕獲されるまで、周辺住民が朝夕の外出を自粛する異例の事態となった。背景には少子高齢化で里山の荒廃が進み、クマの生息域が拡大したことがある。今年は特にクマの餌となるブナの実が凶作のため、手入れの行き届かない庭木の柿、民家周りの蜂の巣などを求め、クマの行動範囲は広がっている。県自然保護課の高松武彦課長は「クマの生息域が奥山から人里へ移りつつあるのではないか」と危機感を募らせる。県内では今年度、クマの目撃件数が1200件を超え、過去最多を記録。捕獲頭数も過去最多の700頭以上に上るが、被害に歯止めがかかっていない。このため、これまで生態系維持のため、冬季(11月15日~2月15日)の狩猟自粛を求めてきたが、9年ぶりに解禁。クマが冬眠する12月中旬まで、人里を中心に猟友会のハンターがパトロールするなどして警戒を強め、クマを奥山に追い返そうとしている。クマの生態に詳しい石川県立大の大井徹教授によると、かつて炭や薪を供給する薪炭林や放牧場などとして利用された里山が放置され、「クマに隠れ場所を提供している」という。人間の生活圏と重なる範囲が増えているとみられ、大井教授は「クマの捕獲強化や、一部の草木を伐採して人とクマとをすみ分ける『緩衝帯』を設け、奥山にクマの生息地を確保する取り組みを急ぐべきだ」と指摘している。
(ニホンジカのわな、県が初めて設置:秋田)
秋田と青森に広がる世界自然遺産・白神山地の周辺で先月、確認されたニホンジカが延べ30頭に上ることがわかりました。能代市など白神山地に近い自治体の集落でもニホンジカの目撃が相次いでいることから、県は初めて捕獲用のわなを設置しました。わなが設置されたのは、白神山地のふもとでニホンジカの目撃が相次いでいる能代市の常盤地区です。県と地元の猟友会のメンバーが集まり作業に当たりました。
(セシウム検出受け、町産シカ肉全頭検査方針:長野)
諏訪郡富士見町で捕獲されたニホンジカから、国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性セシウム137が検出された問題で、県林務部と町は30日、町内で捕獲されたシカ肉の出荷を再開する場合はセシウムの全頭検査を前提にする方針を決めた。これまでに諏訪地方の340頭分のシカ肉を検査した結果、いずれも基準値を超えなかったことから、県などは政府が出荷制限を指示しない可能性があるとみている。再開時期については、今後も検査を続けながら国と協議していく。問題のシカは11月13日に捕獲された。同16日の検査で基準値を超えるセシウムが検出され、県は同町で捕獲されたシカの肉の販売、摂取の自粛を要請している。県鳥獣対策・ジビエ振興室は「安全を担保する態勢を整え、迅速に再開の道筋を付けたい」としている。政府の原子力災害対策本部は、野生鳥獣肉からセシウムが検出され、1頭だけでなく地域的に広がっているとみられる場合、原子力災害対策特別措置法に基づいて都道府県に出荷制限を指示する。富士見町のシカ肉で基準値超えが判明した後、県は11月27日まで2回にわたり、諏訪地方の食肉処理加工施設が保管していた計340頭分のシカ肉を検査。いずれも国の基準値を超えず、地域的な広がりはないとみている。富士見町は、2011年3月の東京電力福島第1原発事故の後に導入した放射性物質の測定機を全頭検査に使う方針。簡易検査用のため、セシウムが検出された場合は県機関で精密検査する。問題のニホンジカは八ケ岳連峰南端の編笠山(2524メートル)の山頂から200メートルほど下で捕獲され、1キログラム当たり156ベクレルのセシウムが検出された。県林務部は、仮に毎日1キロずつ、1年間食べ続けても健康に被害はないレベルとしている。
(イノシシ増「捕獲強化を」:群馬)
県議会第3回後期定例会一般質問初日の30日、イノシシなどの鳥獣害対策強化を求める声が相次いだ。特にイノシシは市街地への出没が増えており、11月20日には、大泉町で小学3年の女児(8)が自宅の玄関先で突然襲われ、軽傷を負った。県も被害防止に真剣に取り組む考えだ。自民党の狩野浩志県議は、前橋市柏倉町の集落近くでイノシシが大量に住み着いている様子を画像で紹介し、被害増大に懸念を示した。野生鳥獣の農林業被害額は大幅に減っているものの、「住民からは実感がないとの声がある。捕る対策の強化が必要だ」と指摘。予算や権限を鳥獣被害対策支援センターに集中させることや、捕獲奨励金の増額などを求めた。一方、リベラル群馬の黒沢孝行県議も地元・太田の現状に触れながら、「人身事故も例外でなくなっている。広域的な取り組みが重要だ」と訴えた。県鳥獣被害対策本部長の反町敦副知事は「県と市町村との役割分担の明確化を図り、未然防止に努めている。今後も、各部と連携し、県を挙げて推進する」と答弁した。県は平成29年度に前年度の2倍の1万3千頭のイノシシを捕獲する目標を掲げている。
(さまようクマ:秋田)
クマの目撃件数の変化は、人口の減少率と関係があるのではないか―。県立大准教授の星崎和彦さん(47)=森林生態学=は、新聞に掲載された21年間の目撃情報の推移を基に昨年まとめたリポートの中で、こうした見方を示した。星崎さんによると、1994~2014年のデータを解析したところ、人口の短期的な減少率が大きいほど、同じ時期のクマの目撃件数も多いという傾向がほとんどのエリアで浮かんだ。「偶然の一致かもしれず、即断はできない。だが、クマに対する人間社会の対処能力の低下が、出没を増加させてきた可能性はある」。星崎さんはこう指摘する。そうした視点に立ったとき、興味深い資料がある。1985年に県がまとめた「ツキノワグマ生態調査報告書」だ。
(女性猟師、じわじわ増加)
女性猟師がじわじわと増えている。2014年度の女性の狩猟免許所有者は、10年前と比べて約3倍に増加した。シカやイノシシと日々向き合う女性猟師に同行しながら、狩猟の魅力を聞いた。“狩りガール”に出会うため、長野県南部の山村、泰阜(やすおか)村を訪れた。東京発の高速バスとレンタカーで計5時間。村に着くと、どんよりとした曇り空の下、強い風が吹いていた。この日の平均気温は2・3度。今季一番の冷え込みだった。「イノシシもシカも土のにおいをかぎ分けるので、深いところにある土のにおいをかぐと警戒してしまう。なので、わなの上には浅いところの土をかぶせて……」。自宅からほど近い山の中、目立つ色のベストと帽子を着用した井野春香さん(29)は、寒さをものともせず、慣れた手つきでわなを仕掛けていた。土の中に埋めたわなの上に、丁寧に土や落ち葉をかぶせる。わずか10分でできあがった。野生動物に関心があった井野さんは、島根大で自然環境を学んだ。在学中に、山を熟知する猟師と出会い、格好良さに魅了された。大学卒業後に、自然体験プログラムを提供するNPO「グリーンウッド自然体験教育センター」に就職し、NPOがある泰阜村に移住。やって来た子どもたちに、シカを解体して食べてもらう体験に力を入れた。スーパーに並ぶ肉とは違い、流れる血をみて獣の命をいただいていることに気づいてもらい、命の大切さを感じてもらうためだ。当時、村ではシカやイノシシの捕獲後の処理が課題だった。井野さんはNPOを退職し、「泰阜村ジビエ(野生鳥獣肉)加工施設」建設の計画段階から関わった。現在は加工施設で働きながら、取得したわな猟と銃猟の免許を生かし、村の先輩猟師と共に猟に出る。「海の近くに住んでいたら魚をとって食べるのと同じで、山の近くに住んでいるから、山の恵みをとって食べているだけ」と笑顔で語る。解体は得意だが、狩猟はまだまだ修業中。イノシシが歩いているところをめがけて発砲したが、遠くから狙いすぎ、当たらなかったことも。「まだまだへたくそだけど、今後はもっと撃てるようになりたい」と意気込む。野生動物の管理捕獲をする猟師は高齢化が進み、担い手不足が深刻化している。大日本猟友会によると、10万5258人の会員(今年3月時点)のうち約7割が60歳以上で、「あと10年もすれば、増え続けるシカやイノシシを捕獲できる人が足らず、大変なことになる」と危惧する。そこで、13年にサイト「目指せ! 狩りガール」を開設、女性猟師になった会社員の体験記などで、若い女性の関心を呼ぼうとしている。大日本猟友会には「ジビエを食べたらおいしかったから、狩猟に興味をもった」という声も寄せられた。また、井野さんは「生きている実感がほしい、と猟を始める人もいる」という。環境省も力を入れている。若者をターゲットにした「狩猟の魅力まるわかりフォーラム」を全国で実施。狩猟免許取得相談、ジビエの試食会などを企画し、多くの参加者を呼び込んだ。担当者は「フォーラムでは女性の参加者に気を配り、パネリストに女性猟師を入れた。狩猟人口が減っているので、男女問わずとにかく若い人に狩猟をやってもらいたい」と明かした。井野さんも、若い猟師が増えることを願う。「野生動物を放置したら森が荒れる。人間が壊した自然は人間が守らないといけないから」。その目は真剣だった。環境省の統計によると、14年度の全国の狩猟免許交付数は19万3762件で、そのうち女性は3184件。04年度の女性は1227件で、全体の1%弱ほどしかいないとはいえ、この10年で3倍近くに増えている。大日本猟友会によると、「若い女性が入ったことで、おじさん猟師が知識や経験を伝えようと元気を取り戻していると聞く。引退を思いとどまった人も」と思わぬ波及効果も出ている。
(家族で熱中、クレー射撃など体験:福井)
福井しあわせ元気国体の300日前を記念し「勝山スポーツフェスティバル」が3日、福井県勝山市体育館ジオアリーナで開かれた。市民ら約500人が訪れ、バドミントンやクレー射撃などを体験しスポーツの楽しさを実感していた。同市が会場となるバドミントンやクレー射撃のほか綱引き、バスケットボールなどのコーナーが設けられ、来場者がバドミントンのスマッシュや射撃のシミュレーターに挑戦した。クレー射撃シミュレーターは150インチの大型画面に向かい画面上に飛ぶ標的を狙うゲームで、家族連れらが次々と楽しんだ。バレーボールチームに所属している白崎彩月(さつき)さん(鹿谷小6年)はバドミントンに挑戦。「(スマッシュを)的に当てるのは難しかった。次は綱引きを体験したい」と友人たちと会場を巡り歩いていた。ステージでは学童野球やバレーボールなどに取り組む市内のスポーツ少年団の子どもたちが日ごろの活動を発表し、保護者らが聞き入っていた。
(狩猟免許取得に補助:佐賀)
三養基郡上峰町の武広勇平町長は30日、町民が狩猟免許を取得する際に補助金を交付すると発表した。イノシシやアライグマなど有害鳥獣の被害低減が目的で、関連費用を計上した一般会計補正予算案を8日開会の定例議会に提案する。8月に狩猟免許を取得した武広町長は「有害鳥獣の捕獲隊を結成し、被害を少しでも減らすよう努力したい」と述べた。町内の狩猟免許所持者は4人と少なく、有害鳥獣の駆除を担っている人はいないという。一方でイノシシなどによる農作物への被害は増加傾向にあり、狩猟者の費用の一部を補助することで被害減少を目指す。予算は60万円。町によると、狩猟免許取得費用、県への狩猟者登録料、保険料など初期費用は、わな猟で約4万円、猟銃だと約12万円かかるという。補助対象は町内在住で、猟友会に所属し有害鳥獣捕獲業務に3~5年以上継続してあたることができる人。狩猟免許の取得、更新のほか、猟銃所持資格の取得費用、猟友会費などを全額補助する。猟銃や空気銃、保管庫などの購入費の一部補助も検討している。議会で可決されれば、来年1月の狩猟免許試験から適用する。
(農作物の鳥害対策学ぶ:岩手)
農作物の鳥獣被害を減らすため、県は30日、カラスなど鳥による被害に関する鳥類対策研修会を釜石市で開いた。県内ではニホンジカなどの獣害対策に比べて鳥害対策は遅れているといい、行政職員や猟友会メンバーら約30人が鳥による被害の現状と対策を学んだ。ニホンジカやハクビシンには捕獲や電気柵設置などの対策が講じられているが、鳥害への意識は比較的低く、行政でも対策の方法を理解している職員は少ないのが現状という。県によると、農作物の獣類被害額は近年減少しているが、鳥類被害額は増えている。2013年度の鳥類被害額は全体の15・5%で、15年度には21・4%にまで増えた。中でも、果樹や稲を狙うカラスによる被害が半分以上を占め、深刻な影響を及ぼしている。研修会の講師を務めたのは、釜石市建設課の荒尾穂高さん。富山県朝日町の職員として14年間、有害鳥獣対策に携わり、東日本大震災の応援で釜石市を訪れ、そのまま職員になった。農林水産省の農作物野生鳥獣被害対策アドバイザーも務め、全国で講演している。この日は田畑に現れるカラスやヒヨドリ、スズメ、ムクドリなどの生態を勉強。荒尾さんは「鳥類は被害の裏付けが難しい。どこにどんな鳥が来るのか、小型カメラで日頃から監視することが重要」と話し、写真を示しながら、種類によって異なる田畑や果樹の被害の特徴を説明した。田畑ではテグスを使った対策が多いが、ポリエステル製ミシン糸でヒヨドリからミカンを守った事例を紹介。「低価格で取り外しも楽。効果的な対策を行えば収益も上がる」と訴えた。参加した八幡平農業改良普及センターの小原善一さんは「これまで鳥類への対策意識は低かった。今年、カラスに畑を荒らされた例があったが、鳥類は対策を取るタイミングが難しい。もっと勉強していきたい」と話した。午後は実践的な研修が行われた。荒尾さんは、維持管理費がかかる電気柵の設置は最後の手段だとして、「まずは自分の田畑は自分で守るという意識が大事。住民が中長期の視点で有害鳥獣対策を自発的に考える仕組みが必要だ」と強調した。電気柵については「釜石市内でも間違った設置が多い。効果が半減し、税金と労力の無駄遣いになる。正しい設置を指導してほしい」と呼び掛けた。
(シカ飛び出し、運転注意:奈良)
観光地・奈良公園周辺(奈良市)でシカがはねられる交通事故が昨年7月~今年7月で144件あり、大仏殿交差点から高畑町交差点(約600メートル)の県道一帯で最多の30件が発生し、21頭が死んでいることがわかった。一般財団法人「奈良の鹿愛護会」(奈良市)などがまとめた。10~12月はシカの発情期でオスの動きが活発化するため、愛護会は「車のスピードを落として、安全運転を心がけてほしい」と呼びかけている。10月28日午後8時頃、大仏殿交差点の南約100メートルの県道で、40歳代の男性が運転する軽乗用車とシカが衝突する事故が発生。メスのシカが脚を骨折し、保護されたが、2日後、衰弱して死んだ。同会関係者によると「事故を起こした多くのドライバーは『突然、シカが飛び出してきた』と証言する」という。発情期を迎えると、オスがメスを追いかけたり、縄張り争いをしたりして突発的な動きをするため、事故を誘発する恐れがある。愛護会によると、大仏殿から高畑町交差点では、朝夕のラッシュ時の交通量が多いうえ、シカが生息する若草山などから奈良国立博物館周辺や浅茅ヶ原園地へ餌を求めて移動する通り道と重なり、事故が相次ぐという。奈良公園一帯のシカは国の天然記念物で約1200頭が生息。事故件数と死んだシカの頭数は、2017年(昨年7月~今年7月)は144件で91頭、16年は131件で81頭、15年は145件で93頭とほぼ横ばいで推移している。県奈良公園事務所は10月、大仏殿交差点付近で車のUターンを防ぐため、ポストコーン(高さ約80センチ)を26本設置。併せて「鹿飛出注意」と記した反射材を貼りつけ、ドライバーの目を引くように工夫を凝らした。11月は「奈良のシカ」愛護月間で、ドライバーにシカの事故について知ってもらおうと、愛護会が「鹿からのおねがい」と題したチラシ約1000部を初めて作成。シカは仲間と行動して、1頭が道路を横切った後も2、3頭目が飛び出してくると説明し、事故多発地帯も示した。愛護会の石川周さん(39)は「公園周辺ではシカが飛び出してくることを想定し、注意して運転してほしい」と話している。奈良署は、シカをはねた場合は物損事故扱いとなり、届け出が必要としている。そのままの状態で立ち去ると、事故を誘発する恐れがあるため、道路交通法(危険防止措置義務)違反などに抵触する恐れがあり、注意を呼び掛けている。
(シカよけがイルミネーションに:京都)
クリスマスシーズンを前に、静かな山あいにある京都府南丹市日吉町殿田の大豆畑にイルミネーションがお目見えした。丹波の名産である黒豆をシカから守ろうと、農事組合法人「大向営農組合」が設置した防獣網だが、食害軽減に効果があるほか、地元住民から「ほっとやすらぐ」と好評といい、“隠れスポット”となっている。畑イルミネーションは、採種用に育てている新丹波黒大豆の畑約5千平方メートルを囲むように設置。辺りは街灯が少なく、暗闇に近い。きらびやかな青や赤、黄、緑の光が明滅し、ひときわ目を引く。12月初旬にかけて、黒大豆は収穫を控え葉を取り払った状態で、においに引かれたシカが寄ってくる。同法人が深刻な食害に悩んでいたところ、インターネットで青い光がシカよけに効果があると知った。6年前に組合員の家にあったクリスマス用の電飾を設置してみたところ、シカの侵入が減ったという。合わせて、暗闇に幻想的な光が畑の周りに浮かび上がり、住民やドライバーから「きれいだ」と言われ、イルミネーションとしても話題を呼ぶようになった。同法人側は「クリスマスに近い時期とはいえ…本当はシカよけなのですが…」と笑う。点灯は午後6時ごろから翌朝。黒大豆を収穫し干し終えるまで続けるといい、10日ごろまで点灯する予定。
(シカ食害の実態学ぶ:熊本)
県内で増えているシカの食害について考える「自然保護セミナー」が3日、八代市の竜峰山(517メートル)山中などであり、市民ら約20人が参加した。麓の公民館であった学習会では、シカが森林の下草や幼木、樹皮などを食べて森林が荒れる原因になっていることや、里山にも出没して稲などの農業被害も急増している現状を、主催した自然観察指導員県連絡会や県職員が説明した。シカの駆除数も2015年度に1万5209頭と9年間で3倍近くに増えたという。野外観察では、竜峰山の麓の神社境内や民家そばにシカの足跡がいくつも見つかった。5合目以上の登山道沿いでは、雑木林の下草がシカによってほぼ食べ尽くされ、土や岩がむき出しになっている場所が目立った。山の生態系へのダメージや土砂災害の危険性が高まっている現状に参加者からは驚きの声が上がった。同連絡会は「下草がない状況を見て整備されていると勘違いする人がいる。シカの食害の現状を知り、危機意識を持ってほしい」と呼びかけた。
(釧路でエゾシカ対策会議:北海道)
湿原内でのエゾシカ対策を協議する「釧路湿原エゾシカ対策検討会議」は29日、今年度1回目の会議を釧路地方合同庁舎で開き、湿原の生態系維持のためにエゾシカの個体数調整などを行う「釧路湿原生態系維持回復事業実施計画」の素案について意見交換した。シカが減少しても、すぐに湿原の植生は回復しないことから、学識経験者からは植物の保護対策の検討が必要という見方も示された。この実施計画は、昨年4月に策定した同事業計画に掲げる生態系維持回復を具体化する3カ年計画で、来年4月から始まる予定。素案ではエゾシカによる自然環境への負荷を軽減するため、主に冬期間に密度の高い達古武地区、コッタロ地区、右岸堤防地区で捕獲や捕獲の検討を示している。
(「水に飛び込み命を落とすイノシシ」の謎:京都)
ここ最近、京都市内でイノシシが出没し、水に飛び込んで命を落とすケースが相次いでいる。11月27日に平安神宮(左京区)から直線距離で約4キロ離れた二条城(中京区)まで逃げ回り、堀に飛び込んだ。今月4日には東山中学・高校(左京区)に入り込み、プールに入った末に死んでしまった。イノシシが水に飛び込んだり、泳げたりするイメージは一般的にあまりないが、実際イノシシは泳ぐのが得意なのだろうか。西日本農業研究センターの鳥獣害対策技術グループによると、イノシシは泳ぐことはできるが、自分から好んで泳ぎはしないという。「夏なら水浴びのために入るのもわかるが、今回は追い込まれて逃げ場がなくなって飛び込んだのでは」とみる。では、なぜ死んでしまったのか。死因について聞いてみたところ、「解剖してみないと詳しくはわからない」との答え。冷たい水に入ったことによる心臓まひや発作の可能性はないか尋ねたが、「マイナス20度くらいの水ならわかるが、この時期だと考えられない」と否定する。また、鳥獣被害の相談窓口である京都市地域自治推進室の担当者は「お堀の藻が足に絡まったのかもしれない」と話す。しかし、二条城の職員は「死体がお堀から引き上げられたとき、足に藻が絡まっている様子はなかったので、藻が原因ではないと思う」と明かす。死因は不明だ。市は今後、市内に生息するイノシシが適正な頭数か確認したり、山から街中への進入路をふさぐなどの対策を取る予定だ。
(眞子さま、鴨場で外国大使接待:埼玉)
皇室の外交団鴨場(かもば)接待が1日、埼玉県越谷市の埼玉鴨場であり、秋篠宮家の長女眞子さまと、高円宮妃久子さまがホスト役を務めた。眞子さまは来年11月4日に小室圭さんとの結婚式が予定され、鴨場でホスト役を務めるのは今回が最後とみられる。眞子さまは外国大使らと一緒に大きな網を使った日本伝統のカモ猟を行った。カモを空高く飛びたたせる「放鳥」では、手にしたカモを落としてしまい、慌てた表情を見せる場面も。眞子さまは20歳となった2011年に初めて鴨場で外交団を接待した。鴨場接待は毎年11月~翌年2月に行われている。
(熱々のカモ汁に笑顔:新潟)
新潟市西蒲区潟東地区の伝統のカモ猟にちなんだ「かもん!カモねぎまつり」が3日、同区の潟東体育館などで開かれた。多くの家族連れらでにぎわい、熱々のカモ汁に舌鼓を打っていた。潟東地域コミュニティ協議会などでつくる実行委員会が主催し、22回目を迎えた。地元猟友会は毎年11月から2月にかけてカモ猟を実施。田んぼに置いた板囲いに隠れて、飛来したカモを網で捕獲している。カモ汁は120羽分の肉とネギ、サトイモなどをしょうゆ味で煮込んだ。前売り分を含めて2千杯分の食券は1時間半ほどで売り切れ、来場者たちは湯気が上がるカモ汁を笑顔で味わっていた。授業で猟師の話を聞いたという地元の小学6年生、星野茜さん(12)と袖山愛生さん(12)は「給食にも出るけど、おいしいから食べにきた。苦労して捕っていると思うと、さらにおいしく感じる」と話した。
(元新聞記者、農業と猟なりわいに:京都)
京都府宮津市上世屋で農業と猟をして暮らす小山愛生(ひでき)さん(36)は、福井県出身の元新聞記者。取材を通じ約10世帯が住む山村に魅せられ、移住した。地域おこし団体を主宰。「上世屋を多くの人に知ってもらいたい」と、未来を担う移住者確保に奔走する。宮津支局時代は政治、経済、事件などさまざまなニュースを追った。だが第1次産業に関心があり、棚田が広がる上世屋への思い入れは別格だった。人口が減り後継者が不足する上世屋に何度も足を運び、奮闘する人たちを取り上げ記事にした。「会社に守られ生きる勤め人の自分とは違い、自立している。上世屋の人たちのようにたくましく生きたい」。2014年に農家に転身した。妻の有美恵さん(34)と息子の穫君(1)の3人暮らし。約2ヘクタールの水田で「コシヒカリ」と酒造好適米「五百万石」を約6トン生産。地域の酒造会社に酢の原料として提供する。「鹿などの野生鳥獣も捕って生きている。収入は減ったが、山の恵みを食べられる今が幸せ」と話す。ただ、課題もある。将来は農家が小山さん一人になる可能性があるからだ。移住検討者に目を向けてもらうには――。模索し行き着いた答えが、16年に設立した地域おこし団体「ドチャック会議」。小山さんが代表となり、空き家の改修、移住体験ツアー、インターネットなどでの情報発信に力を入れる。農閑期の収入確保のため、今年から銃での猟を開始。地域に雇用を生もうと、年内にも野生鳥獣の肉(ジビエ)の加工・解体施設を整備し、販売を始める予定だ。「上世屋が大切にしてきた農村の文化や景観、助け合いのコミュニティーを守りたい」と意欲に燃える。
(ボタン鍋おいしいぞ:福井)
鍋料理の本格シーズンを迎え、おおい町名田庄地区の料理旅館がにぎわいを見せている。客の目当てはボタン鍋。同地区はイノシシ肉の名産地、丹波・篠山地方(京都府-兵庫県)と山続きで、かねてイノシシ猟が盛ん。地元猟師が仕留めた脂の乗ったイノシシが続々と入荷している。同地区にはボタン鍋を出す料理旅館などが四軒ある。いずれも肉質や自慢のたれなどに定評があり、予約が殺到しているという。名田庄久坂で四代続く料理旅館「新佐」では、内臓を処理されたイノシシが軒先にずらり。今週末は百人以上の予約でいっぱいだ。肉は、経営する栗原正夫さん(69)・清孝さん(42)親子の手で厚さ二ミリほどにスライスされ、指の温度で脂が溶けないうちに素早く大皿に盛り付け。ボタン鍋の名前の由来通り、花びらのように並んだ肉は鮮やかで食欲をそそる。客は、特製のみそだれベースの鍋にくぐらせ、脂がとろけたところで舌鼓を打つ。正夫さんが「今年はドングリがたくさん実って餌が多かったので、脂の乗りがいい」と話す通り、入荷したイノシシの皮下脂肪は約二センチもの厚みがある。これから冬至前後にかけては、肉が一番おいしくなる時季だ。一日で六十人前をさばくこともあるという正夫さんは「猟師さんがよりすぐりのイノシシを持ってきてくれる。ボタン鍋を食べて体の芯まで温めてほしい」と話した。
(ジビエって知ってる?地元の食料大切に:和歌山)
近ごろ良く耳にするジビエはイノシシやシカなど野生動物の肉のこと。ジビエ料理を出すレストランが増え、11月から和歌山県内の小学校で給食に肉が、工作に皮が使われています。農作物を食い荒らすイノシシやシカを食べ、使うのは、地元の食料を大切に扱うことになります。「イノシシの肉は初めて。硬かったけどウインナーより好き」。11月24日、和歌山市野崎の野崎小学校で給食で初めて出たイノシシ肉ソーセージ入りシチュー(写真)を食べた6年、近藤暖人くんの感想です。同じく6年の森本紗菜さんは「肉が黒いのが気になり、味が濃かったですが、おいしく食べました。かわいいシカなら抵抗があったかも」。和歌山で捕れたイノシシとシカの肉を「わかやまジビエ」と呼び、食べる人が増えるよう和歌山県庁の人がPRしています。ウシやブタに比べ、イノシシやシカは鉄分、タンパク質が多く、脂肪が少ないのが特徴です。イノシシやシカの皮を使ったキーホルダー作り(写真)が11月27日、和歌山市六十谷の有功東小学校で行われました。最初に、県庁畜産課の近藤早央里さんが「イノシシやシカが農作物を食べ、被害は毎年3億3000万円。また、イノシシを年に1万8000頭も捕まえているのに、料理に使われるのはごく一部」と説明しました。6年の福原志歩さんは「紀の川市にいるおばあちゃんが、ミカンやモモを食べられて困ると言ってました」。学校近くでイノシシを見た山口巧馬くんは「目を合わさず、ゆっくり逃げました」と振り返ります。キーホルダー作りは、皮も使えることを知ってもらうためです。イノシシは硬く、シカは軟らかい。ハリネズミの形を作った倉田襟菜さんは「動物の皮だから動物にしました」。市川陽斗くんは「次は軟らかいシカでポーチを作る」とほほ笑みました。近藤さんは「触ったり食べたりして、イノシシやシカがどんな動物か興味を持って」と願っています。
(備中ジビエ料理コンテスト:岡山)
倉敷をはじめとする岡山県内の飲食店17店で現在、「備中ジビエ料理コンテスト」が開かれている。2回目を迎える同コンテスト。参加各店が、県産のシシ肉、シカ肉を使ったオリジナルのジビエ料理を考案し、ジビエ料理の魅力を発信する。投票方法は2種類。ジビエ料理を食べた際に店舗の投票用紙で投票するか、コンテストのフェイスブックページで気に入った料理写真に「いいね!」を付けて投票する。上位の店舗は、来年2月24日に倉敷アイビースクエアで行われる最終選考会へ進む。主な参加店舗とメニューは、「しし肉みぞれのお蕎麦」(トラットリア自家製蕎麦 武野屋)、「イノシシの五香角煮」(馳走屋 菜乃花)、「野菜たっぷりのジビエカレーセット」(倉敷中島屋)など。コンテスト事務局の岡野智博さんは「初開催の昨年も料理の質が高く、ジビエ料理初体験の方からも好評価を得ることができた。料理に携わる人たちも強い関心を持って取り組んでくれているので、ジビエ食材を安定供給できるようなネットワークづくりにも力を入れていきたい」と話す。「食べておいしいと思ってもらうだけでなく、自然と人間の関係や命の大切さを考えてもらうきっかけにもなれば」とも。料理の提供時間は店舗ごとに異なる。料理の提供と投票の締め切りは12月15日まで。
(厄介者が名物に変身:三重)
夜の八時すぎ、住宅地に近い里山。木々の陰で気配がした。シカの群れだ。こちらをじっと見詰めていたが、数分すると、ぷいっと山へ戻って行った。面積の九割を森林が占める津市美杉町。推定六万頭が生息する三重県内でも、有数のシカ銀座だ。県境を挟んだ奈良側では観光客に人気でも、こちら側では厄介者。畑のニンジン、水田の苗、良質のスギやヒノキの樹皮まで食べてしまう。その美杉町の奥深く、太郎生(たろう)地区で建設業山崎倫敬(みちひろ)さん(48)がレストラン「ようこそ」を開き、「津ぎょうざ」を売り出したのは昨年三月のこと。有害獣として捕獲された、シカのモモ肉などをふんだんに使う。津の街中で育った。妻の故郷・太郎生の自然、人のぬくもりに惹(ひ)かれた。廃棄処分が少なくない捕獲シカの命を無駄にしないように、とギョーザを始めた。今では各地から来る観光客に好評という。過疎が進む人口八百人余の太郎生の活性化につながれば、と願う。山の恵みに感謝しながら、子供のこぶしほどの揚げギョーザを頂く。脂身の少ない、上品な肉のうま味が、口いっぱいに広がった。
(イノシシ肉で町活性化へ:島根)
静岡県浜松市出身で島根県津和野町の集落支援員、栗原紗希さん(29)が同町産イノシシ肉のブランド化を目指して活動を広げている。急速凍結装置(CAS)で鮮度を保った肉を使い、町内の料理店で食材として活用されたり、町のふるさと納税の返礼品に採用されたりして用途も拡大。栗原さんは「イノシシを切り口に地方創生を進めたい」と意気込んでいる。
(ジビエ尽くしで地域おこし:富山)
イノシシの肉を活用して冬の観光の目玉にしようという上市町の新しいツアー企画が来月から始まります。それを前に、29日夜、鍋物や『から揚げ』などジビエ尽くしの料理がお披露目されました。ラインナップされたジビエ料理は、野菜とイノシシ肉を特製味噌で煮込んだ『鍋』をはじめ、酢の物に仕立てた『から揚げ』や、『網焼き』などのメニューです。このツアーは、電車を使って旅情を感じながら上市町を訪れジビエ料理を満喫するもので、上市町観光協会が町や富山地方鉄道と連携し冬のにぎわいづくりの一環として新たに企画しました。料理を提供するのは、富山地方鉄道・上市駅の構内に店を構える大衆料理店の剱茶屋です。地元の精肉店からイノシシの肉を仕入れて5年ほど前からジビエに取り組んでいて鍋料理は人気メニューのひとつ。地元特産のサトイモなど地場の野菜がたっぷり入っています。ツアーは予約制で来月12日から来年3月20日まで開催されます。

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